魔王「精神も記憶も完全に融合し、もはや元に戻すことは不可能だ」
勇者「く……」
魔王「……だからこのまま我が奴隷となるが良いぞ。うん」
勇者「なんということだ……同じ村で生まれ育ち、共に旅をした魔法使いが」
勇者「魔王に乗っ取られるなんて……」
魔王「くくく、さあ、我が軍門に下れ。この娘が大事ならな」
勇者「……」チャキッ
魔王「おい。何をするつもりだ」
勇者「魔法使いならこう言うはずだ、私ごと魔王を討てと」
魔王「ちょっとまって、それじゃ私も死ぬでしょう!?」
勇者「い、今のは……!?」
魔王「あ、ふ、ふははは、この娘と私は完全に融合したと言ったはずだ!」
魔王「我らは一心同体なのだ!」
魔王「だから、ねえ、勇者……もうここで一緒に暮らそう?それでいいじゃない」
勇者「やめろ、やめろ!俺を惑わすな!」
魔王「旅に出た時、言ったよね……帰ってきたら、伝えたいことがあるって……」
勇者「やめてくれぇ!」
それで魔王の人格も魔法使いの勇者に対する好意に芽生えちゃうんですね
子ども作る所まで妄想しました
魔王「……なら、こんなのはどうだ」シュルシュル
勇者「服が、変化して……」
魔王「勇者……我のものになれ。奴隷が嫌ならば、伴侶として迎えてもいい……」
勇者「そんなこと、できるわけが……」
魔王「これでも、ダメなの……?」
勇者「なんといかがわしい格好に!」
魔王「勇者……」
勇者「やめろ!魔法使いを汚すな!!」
>>18
愛は最強ってことだな
魔王「汚す……?私はずっと、勇者とこうなりたかったんだよ?」
魔王「本当は旅だって出たくなかった。でもあなたが行くって言うから……」
魔王「それでこうなったのに、勇者は私を世界のためって切り捨てるの?」
勇者「そんな……嫌、違うんだ……お前はもう」
魔王「確かに魔王だよ。でも、私でもあるんだよ?」
魔王「その私を、殺すの?」
勇者「……」
魔王「ねえ、勇者。私の目を見て」
勇者「目……?あれ、どうして魔法使いの目が……そんな、真っ赤な……は!」
勇者「い、いか……」バタンッ
魔王「……」
おい誰か、女騎士を呼んでこい
>>38
ここホモスレじゃねーがら
勇者「ここは……?」
魔王「目覚めたようだな」
勇者「魔法使い……いや、魔王!」
勇者「く、体が動かん……」
魔王「やはり、恐ろしい男だな、貴様は。我が魔眼にさらされても、精神が破壊されず、気絶するだけ」
魔王「手足を動かぬように理で縛ることはできても、操り人形とすることはできない」
魔王「……いっそ心まで破壊してもいいと思ったのだが」ボソッ
魔王「だが、それならそれでいい。貴様は貴様のまま我が物としよう」
勇者「……俺は絶対に屈しない」
魔王「勇者よ、解らぬか。貴様がそうまでして我に歯向かう意味など、とうに無くなっているのだぞ」
勇者「なに……」
魔王「人間領は残さず我ら魔族が占領した。今は皆で土地の切り分けの最中だ」
勇者「嘘だ」
魔王「そのうち見せてやろう。だが、外に連れ出すには、もう少し貴様をしつけねばならん」
魔王「この姿になって、我を侮るものも増えた」
魔王「おまけに報奨の取り合いで気が立っているからな」
魔王「貴様の自由を縛ったまま連れ歩けば、誰ぞ貴様を殺そうとするかも分からんしな」
勇者(……王国が敗北した?いや、まだ反撃の機を窺うものたちはいるはずだ)
勇者(ならば、俺はこのまま魔王のそばにいるほうが得策)
勇者(隙を見て、魔王を殺し、この首を掲げれば、反撃の狼煙となる……)
勇者(この魔王の首を……!)
魔王「……」ゴゴゴ
勇者(く、体は魔法使いのものになっても、変わらぬプレッシャー……力は回復したようだな……)
魔王「さて……勇者よ」ゴゴゴゴゴ
勇者「な、なんだ」
魔王「まずは食事にしようか」
魔王「あーん」
勇者「……」
勇者「……なにをしたいんだ貴様は」
魔王「貴様は動けないのだから、こうするしか無かろう」
勇者「なら、上半身だけでも動けるようにすればいいだろう」
魔王「貴様にナイフやフォークなど恐ろしくて持たせられんわ」
勇者「……だいたい、なにも貴様が直々にやることでもあるまい」
魔王「今、我が居城には我と貴様きりなのだ、仕方あるまい」
勇者「……なぜ」
勇者(俺を油断させるつもりの嘘か?ありえるな)
魔王「だれが貴様を殺そうとする刺客かわからんのだ。つまり、貴様のためにこんなことをしているということだ。感謝されてもいいくらいなのだが」
勇者「……」
魔王「もういいだろう。貴様も、飢えて死にたいわけではあるまい。なら、恥も見聞も捨てろ」
魔王「それに、どうせ我しかここには居らんのだ」
勇者「……」
魔王「毒の類いも入っておらん。ほら」パクッ
勇者「……わかった」ズズ
魔王「……あーん」
勇者「……」パクッ
魔王「どうだ?美味いか」
勇者「そうだな……まあ、食べられないものではない」
勇者(というか、なにか懐かしい味のような)
魔王「……我が作ったものが、気に入らんのか」
魔法使いの経血ゼリーをホカホカご飯にのせてズルッといただきたい
見聞捨ててどうすんだ
勇者「……魔法使いの記憶を使ったのか」
魔王「……そうだが。もうこれは我の記憶なのだぞ。どうしようと自由ではないか」
魔王「続けるぞ。あーん」
勇者「……」パクッ
勇者(くそ……くそ……どうして……こんなことに……)
勇者「……」モグモグ
魔王「どうした?食べが悪いようだが」
勇者(こうしていれば、魔法使いにしか見えないこいつが、魔王だなんて……)
勇者「……のんびり飯を食う気分になれんだけだ」
魔王「そうか?あーん」
勇者「……」パクッ
>>67
外聞ですね。すみません。
電池切れそう
新・保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 10分以内
02:00-04:00 20分以内
04:00-09:00 40分以内
09:00-16:00 15分以内
16:00-19:00 10分以内
19:00-00:00 5分以内
新・保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
19:00-00:00 5分以内
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