P「なぜか響が優しい」(227)
P「ハァ……疲れた。って、まだ6時か……」
春香「あ、私そろそろ帰りますね!」
千早「それでは私も」
美希「ミキも帰るの! じゃあね、ハニー!」
P「おう、お疲れー」
P「……やれやれ。今日もあいつら雑談だけして帰っていったな」
P「まったく、事務所はお茶会の場所じゃないんだぞ……」
響「ねぇプロデューサー」
P「うおっ!? ま、まだいたのか響」
響「うん。それよりプロデューサー、最近ずっとつらそうだぞ。大丈夫か?」
P「えっ……」
響「事務所にいても溜息ばかりだし、自分たちより先に帰ってるの見たことないし。働きすぎじゃないか?」
P「……いや、そんなことはない。体調管理の方はバッチリできてるよ」
P(ダメだな、極力隠してるつもりだったのに……こんなこと、アイドルに心配させるわけにはいかないんだ)
P「それより響も早く帰れ、夜遅くなると危ないぞ。それとも仕事が残ってるのか?」
響「今日はもう、全部片付いてるぞ……」
P「じゃあ帰った方がいい。仕事が無いなら事務所に残ってなくてもいいんだからな」
響「…………なんでさ」
P「ん?」
響「なんで、そんなに邪険にするんだ? 自分、ちょっとプロデューサーのこと心配しただけなのに」
P「あ……わ、悪い……」
P(しまった……疲れてる姿を見られたくないばかりに、響に少し冷たい態度をとってしまった。気を付けよう……)
響「……プロデューサーはいつ帰るんだ?」
P「すぐ帰るよ」
響「すぐって何時くらいだ?」
P「……まあ、そのうち」
響「ヘタな嘘、つかないで欲しいぞ。どうせ日付が変わるくらいまで働くんさ」
P「………………」
P(鋭いな……確かに最近、帰宅は終電ばかりだ)
響「……分かった。そう来るならこっちにも考えがあるぞ!」
P「考え……?」
響「うん! プロデューサーが帰らないなら自分も帰らない! 今決めたからな!」
P「は!?」
P「ば、バカなこと言うな。俺の仕事なんかいつ終わるか分からないだろ」
響「『そのうち』終わるんだろー?」
P「ぐっ…………で、でも夜道は危ないんだ。本当に帰った方がいい」
響「だから、プロデューサーが帰るって決めたら自分も帰るって」
P「それじゃ平行線じゃないか!」
響「うん、自分もそう思う。そんな議論をするくらいなら、早く仕事を終わらせた方がいいと思うぞ」
P「ひ、響のクセに建設的な意見を……」
響「自分、やる時はやる女さー!」
P「…………負けた。負けたよ響」
響「え?」
P「帰るぞ。今日の仕事は終電までかかっても終わらないかもしれないしな」
響「あっ、やっぱりそんな時間まで働いてたんじゃないか!」
P「しょうがないだろ。他のみんなには内緒にしておいてくれ……余計な心配かけたくないんだ」
響「えー? どうしよっかなー」
P「おい!」
響「あははっ! 冗談、冗談さー!」
P「……勘弁してくれよ」
ザァァァァァ......
響「あ。外、雨降ってるぞ」
P「げっ。傘持ってきてないのに……」
響「自分、折り畳み傘なら持ってるさー」
P「準備いいな……しょうがない、走って帰るか」
響「何言ってるんだ? 自分の傘に入っていけばいいさー。ちょっと小さいけど……」
P「い、いやいや! プロデューサーがアイドルと相合傘なんてできるわけないだろ!」
響「なんで?」
P「記事にすっぱ抜かれたらどうするんだよ。お前のアイドル人生終わるぞ」
響「その時は、プロデューサーが責任とってくれればいいじゃないか」
P「えぇー……」
【プロデューサーのアパート】
P「ふぅ……結局、響の部屋で長傘を借りてしまった」
P「明日、返しておかないとな……」
P「………………」
P「俺も疲れてる様を見破られるなんて、まだまだだな」
P「アイドル達には何も気にせずのびのびと活動して欲しい。俺も精進しないと……」
P「……へ、へくしゅん!」
P「う~。折り畳み傘が小さかったから響が濡れないようにしていたら、俺の肩がほとんど全濡れじゃないか」
P「さっさと風呂入って、あったまろう……」
翌日、朝10時頃―――
P「ふわぁ……やべ、眠い」
律子「どうしたんですか、大あくびなんて珍しい」
P「昨日早く帰った分、今日は早めに事務所に来て仕事してたんだ……」
律子「あー、私もよくやります。でもそれ、後からドッと疲れと眠気が来るんですよね」
P「やっぱり……?」
律子「眠々打破で乗り切るか、仮眠をとるか。何にせよ、対策はしておいた方がいいですよ」
P「寝てる場合じゃないし、眠々打破かな……冷蔵庫に入ってたかなぁ」
P「えーと……うわ、無いし」
小鳥「私いまから買い物に行きますから、良かったらついでに買ってきましょうか?」
P「お、お願いします……」
P(う、嘘だろ? 無いと思った瞬間、猛烈に眠くなってきた……!)
雪歩「……プロデューサー? ふらふらしてるけど大丈夫ですか?」
あずさ「本当。一度、横になった方が良いんじゃないでしょうか~」
P(だ、ダメだ! 今横になったら一瞬で夢の国へ行ってしまう!)
伊織「とりあえずソファにでも座っておきなさい。立ってフラフラされると鬱陶しいのよ」
P「す、すまん……」
ボフッ
P「うあ~……眠いぃぃ……」
P(でも、ソファに座る、くらいなら……寝る、ことは…………)
P「zzzzz.........」
伊織「あ、寝たわよ。2秒もたなかったわね」
あずさ「よっぽど疲れてたのね~、プロデューサーさん」
午後4時――
P「…………ハッ!」
春香「あっ、起きましたか? プロデューサーさん」
P「お、俺は寝てたのか!? 今何時だ!?」
春香「4時です。プロデューサーが眠り始めてから6時間が経ちました」
P「げぇぇ! ろ、6時間って……今日の仕事が……」
律子「大丈夫ですよ。オーディションやレッスンの管理は、私がやっておきました」
P「え……そ、そうなのか?」
律子「プロデューサー殿にはいつも楽させてもらってますから、これくらいはしないとバチが当たります」
P「そ、そっか……それなら良かった……」
P「ところで何だ、この毛布。いつの間に……」
春香「優しい誰かさんがかけてくれたんですよ?」
P「……誰かさん?」
千早「ええ。プロデューサーが、枕にしている人です」
P「…………枕?」
P(そういえばソファで寝た割には、ずいぶんと柔らかい枕だな……)
ふにふに……
響「ひゃっ……く、くすぐったいぞ、プロデューサー」
P「うぇっ!? ひ、響!?」
P(な、なんで!? なんで俺、響に膝枕されてるんだ!?)
響「起きるなり太もも触るなんて、プロデューサーはエッチだなー!」
P「ち、違っ……」
あずさ「響ちゃんったら6時間ずっと、プロデューサーさんを膝枕してあげてたんですよ~?」
響「あ、あはは……ちょっと脚が痛いさー」
P「す、すまん! 今起きるから」
響「ううん、無理しなくていいんだぞ? このまま二度寝するか?」
P「む、無理だろ! アイドルの膝枕とか、申し訳なさすぎて精神的に無理!」
春香「でも、今更だよね」
千早「さっきは耳掃除までしてたもの」
P「ええぇぇぇぇ!?」
響「勝手にやっちゃったさー。結構綺麗になったと思うぞ!」
P「お前な……」
続きを書きたいけどPと同じく猛烈に眠いので寝る
すまんがこのスレは落としてくれ
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません