ほむら「動くのめんどくさい…」(174)

ほむら「ワルプルギスの夜倒したら一気に気が抜けちゃったわ…」ゴロゴロ

ほむら「3日も学校休んじゃったし、その間お風呂にも入ってない」ゴロゴロ

ほむら「あー……」ゴロゴロ

ほむら「……」ゴロゴロ

ほむら「……今日も欠席の連絡してネットやろ…」ゴロゴロ

ほむら「……」カチカチ

ほむら「はぁ……何やってるのかしら、わたし」カチカチ

ほむら「ようやくまどかとの約束を果たしたのに、こんなだらけ切っていていいのかしら……」カチカチ

ほむら「……まぁ、今まで頑張って来たんだし、少しくらいいいわよね……」カチカチ

ほむら「お、良スレ発見。支援……っと」カタカタ1

学校―――

まどか「ほむらちゃん、今日も学校休んでる……」

さやか「ダメだねぇ、ワルプルギスを倒したからってだらけ切ってるわ」

まどか「ま、まぁほむらちゃんは今までずいぶんと頑張って来たんだし、気が抜けるのはしょうがないと思うけど……」

さやか「ほむらの話を信じるなら、でしょ?あたしたちはあくまで普通に生活してる上であの弩級の魔女を倒した実感しかないし」

まどか「うーん……でも、ほむらちゃんが嘘をついてるとは思えないな」

さやか「あたしも、ほむらが嘘をついてるとは思ってないけどさ……現に、ほむらの話が事実だからこそ気が抜けきってるんだろうし」

まどか「今はゆっくり休ませてあげよう?さやかちゃん」

さやか「ん、そうだね」


杏子(……いいこと聞いちゃったぜ♪)←テレパシーで聞いた

ピンポーン

ほむら「……誰かしら」カタカタ

ほむら「一人暮らしのわたしの家に、平日の昼間に来る人なんて……」カタカタ

ほむら「……新聞の勧誘か何かでしょう。放っておいても問題ないわ」カタカタ

ピンポーンピンポーン

ほむら「しつこいわね……わたしは良スレ支援で忙しいのよ」カタカタ


杏子「出てこねぇ……ホントにいんのか、ほむらの野郎」ピンポーンピンポーン


ピンポーン
ほむら「ふんふーん……」カタカタ

杏子「くそっ……マジでだらけ切ってんのか、それとも動くことすら億劫で出ねぇのか……」イライラ

杏子「そうだ、テレパシーがあるじゃねぇか!」

杏子(おいこらほむら!いるんなら出て来い!)


ほむら「っ!?」

杏子(おら!聞こえてんだろうが!)

ほむら(杏子!?な、何の用?)

杏子(さやかとまどかから聞いたぞ?すっかり気が抜けきっちまってるって)

ほむら(うぐっ……なぜわたしがそうなっていると見抜いたのかしら……)

杏子(なんでも何も、事情知ってる奴らなら4日も学校休んでりゃ誰だってそう思うだろ!)

ほむら(と言うか、その話を聞いたのなら放っておいてくれてもいいじゃないの)

杏子(そうはいかねぇ!お前、一応優等生ってことで通ってんだろ?)

ほむら(ああ……そういえばそうだったわね……このキャラ付けは失敗だったかしら……)

杏子(っつーか誰かわかったんなら出て来いよ!このままじゃあたしがただの不審者だぞ!?)

ほむら(えー……だって動くのが面倒なんだもの……)ゴロゴロ

杏子(マジでだらけ切ってんなお前……)

ほむら(鍵は開いてるから勝手に入ってきていいわよ……)ゴロゴロ

杏子(そうか?んじゃ、あがらせてもらうぞ)

ガチャ

杏子「おじゃまー……って!めっちゃ部屋ちらかってんじゃねえか!?」

ほむら「ここ4日は布団から満足に動いていないもの……)ゴロゴロ

杏子(こいつ……ダメ人間道突っ走ってやがる……)

ほむら「それでー……?わたしに何か用なの?」ゴロゴロ

杏子「よし、まずはその人を舐め腐った態度をどうにかしろ」

ほむら「舐めてなんかいないわ。相手が杏子だからこそこうしてだらしない姿を惜しげもなく晒せるんじゃないの」ゴロゴロ

杏子「つまり相手があたしだからって舐めてかかってんだな?」

ほむら「舐めてるわけではないけれど、相手が杏子だからこうしてるって点は当たりね」ゴロゴロ

杏子「はぁ……おい、ゴミ袋はどこだ?」

ほむら「そこの棚、上から二番目のところに入ってるわ」

杏子「とりあえず部屋を片付けねーと話になんねぇよ、ったく……」ガサガサ

一時間後―――

杏子「袋、ここに置いとくからな?ちゃんと捨てろよ?」ドサッ

ほむら「ええ、動く気が起きたら……」ダラダラ

杏子「……おいほむら」

ほむら「何よ……」

杏子「……はぁ。なんかもうなんも言う気が起きねぇよ……」

ほむら「部屋はとりあえず片付いたわね」ムクッ

杏子「あらかた片付け終わった後に起きあがるなよ……」

ほむら「どうでもいいじゃないそんなこと。で、わたしに何か用があって来たんでしょう?」

杏子「いや、特に用事はねぇけど?」

ほむら「え?」

杏子「え?」

ほむら「……特にわたしに用はないのに来た、と言ったの?」ゴゴゴゴ

杏子「お、おう……」(なんでだ…ほむらから殺気っぽい何かを感じる……)

ほむら「わたし、忙しいのよ」ゴロン カチカチ

杏子「とか言いながら横になってノートパソコンいじりだすなよ……」

ほむら「用がないなら帰ってくれないかしら?」

杏子「いや、あたしも暇を持て余してたんだよ。だからこうして遊びに来てやったんじゃねぇか」

ほむら「……まぁ、わたしのことを気にかけてくれるのはいいのだけれど、あいにくわたしは取り込んでるのよ」カタカタ

杏子「とてもそうは見えねぇけどな…」

マミ「あなた誰なの?」
QB「確かに “この僕” は、三時間ほど前まで君のそばにいたのとは別の個体だよそちらは暁美ほむらに撃ち殺された」
黒い魔法少女。暁美ほむら。あの女だけは、絶対に許さない。
まどか「わたしの願いでマミさんのそばにいた子を蘇生すれば、ほむらちゃんのこと許してあげられませんか?」
こんな感じのキュゥマミ魔法少女全員生存ワルプルギス撃破 誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって

ほむら「今日は良スレが乱立してるわね……支援が追いつかないわ」カタカタ

杏子「よく見りゃ、お前髪もボサボサじゃねえか。風呂入ってんのか?」

ほむら「んー……と……前に入ったのはワルプルギス襲来前夜だったかしら」カタカタ

杏子「ちょうどその頃からかよっ!?」

ほむら「ええ、もう、とにかく気が抜けてしまって……」カタカタ

ほむら「まどかの契約は阻止できたし、あなたや美樹さやか、巴マミまで生存している状態でワルプルギスを倒せたのは本当に僥倖だったわ」カタカタ

ほむら「ここがわたしのユートピアなのよーっ!」ボフッ

杏子「ユートピアって……」

杏子「このアパート、シャワールームはあるんだろ?」

ほむら「ええ、あるわよー」ゴロゴロ

杏子「シャワーだけでも浴びて来いっ!」

ほむら「えぇー……」ゴロゴロ

杏子「仮にも女の子だろうが!?」

ほむら「仮にも何もわたしはどこからどう見ても可憐な少女じゃないの」ファサッ

杏子「そうやってなびかせようとしても髪ベタベタでなびいてねぇよ……」

ほむら「いいのよ、別に……どこに出かけるわけでもなし」

杏子「飯はどうしてるんだよ?」

ほむら「カップめんを箱買いして置いてあるわ」

杏子「おぉう…肌に悪そうだな……」

杏子「背中流してやるから、風呂には入れよ……」

ほむら「わたし、シャワーだけを浴びるのは好きじゃないの。どうせなら湯船に浸かってゆっくりとしたいわ」ゴロゴロ

杏子「……今、暗にあたしに湯船張れって言っただろ?」

ほむら「別にそんな意図はないわよ?入らないと言う選択肢もあるのだし」ゴロゴロ

杏子「わーったわーったよ!湯船張りゃあいいんだろ?」タッタッタ

キュキュキュ ジャー……

杏子「ほれ、湯入れて来たぞ。これであと20分もすりゃ入れるだろ?」

ほむら「背中、流してくれるのよね?」

杏子「そこまで動くのが億劫なのかよ……」

20分後―――

杏子「ほむらーっ!風呂の準備出来たぞー!」

ほむら「はいはーい…よっと」ムクッ ヌギヌギ

杏子「って!そこで脱ぐのかよっ!?」

ほむら「別にどこだっていいでしょう?」ヌギヌギ

杏子「だらしねぇっ!?」

ほむら「あ、着替えはそこのタンスから適当に出して置いて」タッタッタ

杏子「あっ、おい!」

ほむら「四日ぶりのお風呂だわ~♪」ザバァ

杏子(本格的にダメかもしれねぇ……)

ほむら「杏子ー!背中流してー!」

杏子「ああもう!今行くから待ってろっ!」ヌギヌギ

杏子(って、あたしは別に全部脱ぐ必要ねぇんだな。足と腕だけ捲っとくか)ガチャ

ほむら「はい、ボディタオル」

杏子「前くらいは自分で洗えよ?」

ほむら「それくらいは自分で洗うわよ、舐めないでくれるかしら」

杏子「背中を人に流してもらおうって時点で相当舐めてると思うけどな」ワシャワシャ

ゴシゴシ

ほむら「んっ~♪いい力加減だわ♪」

杏子「お前、楽しそうだよな……」ゴシゴシ

ほむら「そりゃもう!目的を達成したんだもの!楽しくないわけがないわっ!」

ほむら「さっぱりとしたわ」ホクホク

杏子「そりゃようござんしたねぇ」

ほむら「さて、と」ゴロン

杏子「おい」

ほむら「なにかしら?」

杏子「髪も乾かさねぇで寝っ転がる奴がどこにいる?」

ほむら「今現在あなたの目の前に約一名いるじゃないの」ゴロゴロ

杏子「ドライヤーくらい使えよっ!」

ほむら「あれ、結構面倒なのよ?」ゴロゴロ

杏子「あーもうっ!わかった、わかったよっ!あたしがかけてやればいいんだろ!?どこにあるんだ!?」

ほむら「脱衣所の棚の一番上に置いてあったはずね」

ブオオオオオオオォォォォォォ……

ほむら「ん~♪暖かい風が心地いいわ~……」ウトウト

杏子「どこかかゆいところはございますかほむら様?」

ほむら「特にないわー……そのまま掛け続けてちょうだい……」ウトウト

杏子「おい、頭揺らすなよ」

ほむら「なんだか眠たくなって来ちゃった……ふぁぁぁぁ……」のび~っ

杏子「あたし以上に自由そうな奴、同い年ではお前が初めて見たよ……」

ほむら「気がかりがないってこんなに開放感があったのね~……久しく忘れていた感覚だわ……」ウトウト

杏子「開放感満喫しすぎだろ……」

俺「仕方ないな。俺が代わりに世話してやるよ」ファサッ
ほむら「!?」ドキッ

杏子「ほい、完了!」ポンッ

ほむら「お疲れ様~……」ゴロン

杏子「はぁ……あたし何やってんだろ……」ドッカ

ほむら「あなたが来てくれて助かったわ~……」ゴロゴロ

杏子「まぁ、あたしも基本暇してるからいいんだけどさ……」

ほむら「そう言えば、あなたってどこに住んでいるのかしら?」

杏子「あん?あたしは基本的にホームレスだぜ?」

ほむら「え?そうなの?」

杏子「言ってなかったか?今は教会の跡地に住んでるんだよ」

ほむら「……それは何と言うか……お気の毒ね」

杏子「同情するなら金よこせ」

>>49
ほむら「…」ズガガガガガガガガ(銃連射音)

ほむら「あなたさえよければ、ここで一緒に住む?」

杏子「お前、今後もあたしをこき使うつもりだろ……」

ほむら「そんなことないわよ?一人暮らしも退屈だもの、誰か一緒にいてくれたら楽しくなると思わない?」

杏子「……まぁ、そうだな。一人で生活するよりかはそっちのがいいかもな」

ほむら「あなた、学校には通っていないんだもの、昼間はどこかでアルバイトでもしてお金を稼げばいいし」

杏子「ん~……考えたこともなかったな……誰かと生活するなんて」

ほむら「無理強いをするつもりはないけれど、考えておいて損はないと思うわよ」

杏子「ここに住むことになったら今日一日の行動が当たり前になっちまいそうだな・・・・・・」

ほむら「あなた、わたしをなんだと思っているのよ?」

杏子「今日一日のお前の行動を見てれば、なんて思うか想像つかねぇか?」

ほむら「う~ん……」

>>52
俺「うふふ・・・そんなことしちゃラメよ?うふふ」

仕方ない
俺が>>56を抑える必要があるようだな

俺「はあはあ・・・>>57もいっしょに・・・・しよ?」

ほむら「………」←思考中

ほむら「もしかしてわたし、かなりのダメ人間だったんじゃ……?」

杏子「むしろ今の今までその結論に至らなかったのがすげぇよ……」

ほむら「……いけないわね、これは」

杏子「ようやく危機感を持ったか……」

ほむら「そうよ!何故わたしはこんなにもだらけ切っていたの!?」

杏子「気が抜けたんだろ?」

ほむら「ぐっ……ま、まぁ確かにそうなのだけれど……」

杏子「ま、お前の話はみんな知ってっからな。気が抜けるのもしょうがねぇとは思うが……」

俺とほむほむでやる方が良かったかもな

ほむら「明日からは真面目に学校にも通うことにしましょう」

杏子「おう、そうしろそうしろ」

ほむら「礼を言うわ、杏子。あなたが来てくれなければわたしはホントにダメになっていたかもしれない」

杏子「礼を言われるようなことは何も……いや、結構してるか」

ほむら「だから、これはわたしからの僅かばかりのお礼よ」

杏子「あん?なんだよ?」

ほむら「あなたは今日からここに住むの。これは決定事項よ!」

杏子「さっきは無理強いをするつもりはねぇとか言ってなかったか!?」

ほむら「いえ、気が変わったのよっ!そうよ、それがいいわ!」

杏子「どうせならあたしもほむら達と一緒の学校に通いてぇな……」

ほむら「編入手続きくらいならわたしがやってあげるわよ?あなたがホントに学校に通う気があるのなら、ね」

普通に俺「ほむほむ「みたいなのでやった方が伸びただろうに…

杏子「マジか!?」

ほむら「ええ、もちろん。で?どうするの?学校、通いたい?」

杏子「……そうだな…アリっちゃアリだよな」

ほむら「なら決定ね」

杏子「……ありがと、な、ほむら」

ほむら「え?」

杏子「いんや、なんでもねぇよ!」

ほむら「さて、そうと決まったらこうしちゃいられないわ!わたし、ちょっと学校に行ってくる!」

杏子「えっ?」

ほむら「担任の先生に話をしなくっちゃ!」キガエキガエ

ほむら「じゃっ!行ってくるわね!」バタン

杏子「おいほむらっ!……行っちまったよ……」

杏子「……あれ?もしかしてあたし、留守番?」

学校―――

早乙女「それじゃみんな、気をつけて帰るのよー!」

ガララ

早乙女「? あ、暁美さんっ!?」

まどか「ほむらちゃん!?」

ほむら「先生、大事な話があるんです」

早乙女「え、えぇ……?」

~~~

まどか「ほむらちゃん、先生となんの話をしてるのかな?」

さやか「さあ?なんかすごい生き生きとしてたけどねぇ」

ほむら「ふぅ……」ガラッ

まどか「あ、おかえりほむらちゃん!」

ほむら「まどか、さやか。待っていてくれたの?」

まどか「うん!」

さやか「先生と何の話してたのさ?」

ほむら「ええ、ちょっとね。あなたたちも、明日学校に来たら驚くと思うわよ?」ニコッ

まどか・さやか「?」

ほむら「とりあえず、帰りましょうか」

ほむらの家―――

ほむら「ただいまー……」ガチャ

杏子「おう、おかえり」

ほむら「あら、待っていたのね杏子」

杏子「いきなり家飛び出してくんだもん、留守番しなきゃ不用心じゃねぇか」

ほむら「そうだったかしら?」

杏子「そ、そんなことより!学校の話はどうなったんだ!?」

ほむら「ああ。大丈夫よ、手続きとかは済ませてきたから。明日、一緒に学校行きましょう?」

杏子「おぉ……なんか、ほむらが女神さまに見えてきた……」

ほむら「もっと讃え敬いなさいっ!」ホムッ

杏子「今朝来た時はダメ人間まっしぐらだったのに、ずいぶんと態度変わってんなお前……」

ほむら「晩御飯は……どうしましょうか」

杏子「なぁ、ホントにあたしここに住んでいいのか?」

ほむら「え?ええ、もちろんよ」

杏子「なら、あたしも家事とか手伝った方がいいんじゃ……」

ほむら「あら、やってくれるのかしら?」

杏子「…残念ながら、そんなスキルは持ち合わせてない……」

ほむら「なら、黙って座っていなさい。わたしが手料理をふるまってあげるから」

杏子「なんか、悪いなほむら」

ほむら「気にすることないわ。わたしが好きでやっていることだから」

ほむら「はい、簡単なものだけれど」コト

杏子「おお……」

ほむら「感動したかしら?」

杏子「ほむらと結婚する奴は幸せもんだろうな!」ニカッ

ほむら「褒めてもこれ以上は何も出ないわよ?」

杏子「飯を出してくれるだけでも十二分だっての!いただきまーす!」モグモグ

ほむら「召し上がれ、ってね」モグモグ

杏子「ふぉーいや、ふふぉんふぉかはあふふぉか?」モゴモゴ

ほむら「口の中に入ってる物を飲み込んでから喋りなさいよ……」

杏子「ん、んぐ…ゴクンッ。布団とかはあんのか?」

ほむら「心配しなくてもいいわ。ちゃんとあるから」

杏子「ん、サンキュー」モグモグ

ほむら「それじゃ、寝ましょうか」

杏子「ずいぶんと規則正しい生活送ってんだな……」

ほむら「ま、まぁね」

杏子「どうせ、昨日まではそんなこともなかったんだろ?」

ほむら「そ、そんなことはないわよっ?」

杏子「目を逸らしながら言っても説得力ねぇよ……」

ほむら「う、うるさいわねっ!いいから寝るわよっ!」カチカチカチ

杏子「あ、豆電球くらいは付けといてくれよ」

ほむら「あら、暗いと眠れないの?」クスッ

杏子「そんなことはねぇけどさ。久しぶりに、豆電球の明かりの下で眠りてぇなって思って」

ほむら「……そう、だったわね」カチカチカチ

杏子「ん、サンキュ」

ほむら(……考えてみれば、こうして誰かと一緒に寝るのはわたしも久しぶりね)

ほむら(なんだかそう考えるとなかなか寝付けないわ)

ほむら「き、杏子?まだ起きてるかしら?」

杏子「んあー……?なんだよほむら……」トロン

ほむら「もう眠い?」

杏子「そりゃ、暗いところで布団に横になってりゃぁな……」

ほむら「ごめんなさい、特に話すことはなかったのだけれど」

杏子「んじゃ、寝かせてくれ……Zzz……」

ほむら「あ……」

ほむら「寝ちゃったのね……」

ほむら「……」ムクッ

ほむら「ゆっくり眠りなさい、杏子……」ナデナデ

杏子「ん……父さん……母さん……モモ……」

ほむら(昔の夢でも見てるのかしら?)

杏子「……あたしは…ムニャ……幸せモノだぁ……えへへ……」

ほむら(あなたも、随分と長い間苦労したものね……)

杏子「……Zzz……」

ほむら(その上、ワルプルギスの夜との戦いでも協力してくれて……)

ほむら「ありがと、杏子……」ナデナデ

杏子「……ンゥ……Zzz…」

翌日―――

ほむら「はい、とりあえず新しい制服が届くまではそれを着てちょうだい」

杏子「んー……」

ほむら「サイズはどうかしら?」

杏子「ちっとばっかし胸周りがきついかな……」

ほむら「なら大丈夫ね」ニッコリ

杏子「お、おう…」(殺気立った笑顔…怖い)

ほむら「ほら、まどか達が来る前に行かなきゃサプライズにならないわよ?」

杏子「いや、別にサプライズを狙わなくても……」

ほむら「どうせやるならサプライズを狙いたいじゃないの!」

杏子「そこは妙なこだわりがあるんだな…」

学校―――

まどか「おはよう、ほむらちゃん!今朝は早いね?」

さやか「ようやく引きこもり生活も終わったか~?」

ほむら「わたしはユートピアに辿りついた感動を謳歌していただけよ!」

さやか「気が抜けたんだもんね~?」

ほむら「う、うるさいわねっ!」

まどか「それで、昨日言ってた、学校に来たら驚くって言ってたのは?」

ほむら「ええ。朝のホームルームが始まったらわかるわ」ニコッ

早乙女「それじゃホームルーム始めるわよー!」

早乙女「今日は、なんとまた転校生が来ました!」

まどか「え?」

さやか「転校生?」

ほむら(ふふ……)

早乙女「入ってらっしゃい、佐倉さん?」

まどか・さやか「!?」

ガララ……

杏子「は、初めまして……」オズオズ

さやか・まどか「「杏子」ちゃん!?」

早乙女「家の事情で、急遽この学校に転入することになった佐倉杏子さんです!ほら、佐倉さん挨拶挨拶」

杏子「さ、佐倉杏子です、よ、よろしく……」

ほむら(照れてるわね、杏子)

早乙女「はい、それじゃ佐倉さん、暁美さんの隣が空いてるからそこに座ってちょうだい」

杏子「は、はい…」カチコチ

ほむら(ふふ、大丈夫杏子?)

杏子(だ、だだだ大丈夫だっ!あたしは、い、いいいいいつも通りだっ!)

ほむら(体カチンコチンよ?)

杏子(か、からかうなっ!あたしだって、こ、こうやって学校に来るのなんて久しぶりなんだからっ!)

休み時間―――

さやか「杏子、なんでまた学校に!?」

まどか「驚くってこのことだったんだ!」

ほむら「ええ。昨日、わたしがいつものように部屋にいたら杏子がウチに来て、それでまぁなんやかんやあってこうなったのよ」

さやか「いや、なんやかんやってはしょりすぎだよほむら……」

杏子「っ……」

さやか「…あれ?杏子?」

杏子「なっ、なんだ?」カチコチ

さやか「………プッ」

杏子「?」

さやか「あ、あははははははははっ!?き、杏子緊張しすぎだってばっ!!」バンバン

杏子「わ、笑うなよさやかっ!!」

昼休み―――

杏子「あーダリー……」モグモグ

ほむら「転校初日から授業中にしっかりと寝てたくせに、何がだるいのよ……」

杏子「いやーだってよー……あんな座って小難しい話なんて聞いてたら眠くなるだろうがよー…」モグモグ

ほむら「それにも少しずつ慣れなきゃね?」

杏子「あー……気ままなホームレス生活がなつかしい……」

ガチャッ

マミ「佐倉さんっ!!」ダッ

杏子「お?マミじゃねぇか」

マミ「話は鹿目さんと美樹さんから聞いたわ。この学校に編入したって!わたしにも知らせてくれたっていいじゃないの!」

杏子「いや、だってよぉ……ほむらが『サプライズ』だって言うから……」

ほむら「悪くない企画だったでしょ?マミ」

マミ「ええ、嬉しいわ!ようやく佐倉さんも帰って来てくれたって実感出来るもの!」

マミ「それにしてもこれで一安心だわ。佐倉さんも普通の学生になってくれて、もう何も心配することはないわね」

杏子「んー……まぁ、確かにこうして学校に通えるのは嬉しいけどな……なんか、早くもホームレス生活が恋しくなってきてるんだぜ?」

マミ「ダメよ、佐倉さん?これからはあなたも普通の学生としての生活を送って行くの!」

杏子「そのつもりだけどな……」モグモグ

マミ「勉強がわからなくなったら、わたしや暁美さんが教えてあげるから」

ほむら「うっ……」

マミ「? どうかしたの、暁美さん?」

ほむら「い、いえ……」(わたしも、あまり成績のいい方ではない……とは言い出せないわね……)

放課後―――

杏子「んーっ!終わったーっ!」ノビーッ

さやか「授業の半分以上を寝て過ごしたあんたが一番開放感を漂わすってどうなのさ……」

杏子「あたしは頑張ったよ、うん!」

まどか「ティヒヒ、杏子ちゃんもいて、学校生活が更に楽しくなりそうだねっ!」

さやか「よーし、それじゃ帰りにゲーセンでも寄ってくかーっ!」

杏子「おっ、いいねぇ!」

ほむら「ゲームセンターもいいけれど、魔女退治のパトロールも忘れないでよ?」

さやか「もう、ほむらは堅いってばっ!今日くらいは開放感に浸らせてあげなよっ!」

ほむら「あなたが楽しみたいだけでしょうに……」

杏子「おりゃっ、食らえっ!」ガチャガチャ

さやか「あ、ちょっとそれは卑怯っ!?」ガチャガチャ

杏子「うはははは!気を抜く方が悪い!!」

さやか「あ、あ、あーっ!負けたぁーっ!?」

杏子「あたしに勝とうなんて10年早いっ!!」

さやか「くそーっ……さすがホームレスは強かった……!」

杏子「あたしはもうホームレスじゃねえ!」

まどか「あ、マミさんあれ可愛い!」

マミ「どれどれ……」ウィーン

ほむら「あなたたち、ずいぶんと楽しんでいるわね……」

夜―――

杏子「んじゃ、今日はあたしとほむらでパトロールすっから!」

さやか「ん!頑張ってくれたまへ♪」

杏子「うっせぇ!早く帰れ!」

さやか「はいはい、んじゃ帰ろっか、まどか、マミさん?」

まどか「うん!」

マミ「気をつけてね、二人とも」

ほむら「ええ、わかっているわ」

杏子「今のあたしに敵はいねぇ!」

ほむらの家―――

杏子「あー……ダリィ……」

ほむら「お疲れ様、杏子」

杏子「お前ら、普段からこんなに頑張ってたんだな……」

ほむら「ふふ、それが元々のわたしたちの年頃の生活なのよ?」

杏子「あー……くっそ、慣れなきゃダメかやっぱり……」ボフッ

ほむら「ちょっと、杏子?」

杏子「んー……」

ほむら「寝る前にお風呂くらい入りなさいよ」

杏子「もうねみぃ……」

ほむら「杏子ー?」ユサユサ

杏子「Zzz……」

ほむら「寝付くの早いわね……」

杏子「ンー……Zzz……」

ほむら「……全く、しょうのない子ね」フワッ

杏子「……Zzz……」ファサッ

ほむら「お疲れ様、杏子……」

杏子「………あったけぇ……」

ほむら「さて、と。わたしもお風呂に入って寝ようかしら」

ほむら「ふぅ……」チャポン

杏子「ほむらー……?」ガチャ

ほむら「あら、起きたの?」

杏子「風呂くらいには入っとこうかな―って思って……」

ほむら「わたしも今上がるから、もうちょっと待っててくれるかしら」

杏子「あー、わかった……」

ほむら(ホントに眠たそうね……風呂で寝たりしないかしら?)ザバァ

~~~

ほむら「お風呂、空いたわよ」

杏子「んー……」ノソ フラフラ

ほむら「……心配だわ」

ほむら「……」ソーッ ガチャ

杏子「クカー……」

ほむら「やっぱりっ!ほら、杏子!」ユサユサ

杏子「んあー…?なんだよほむら……」

ほむら「こんなとこで寝ちゃダメでしょう!?」

杏子「寝てねぇよ……」

ほむら「今いびき掻いてたじゃないの!?」

杏子「掻いてねぇって……」

ほむら「と、とりあえず湯船から出なさいっ!体だけ洗って、もう寝た方がいいわよ!」

杏子「そうするかぁ……?」ザバァ

杏子「ん」ズイッ

ほむら「……なにかしら、このボディタオルは?」

杏子「え?背中流してくれるんじゃねーの?」

ほむら「……」

杏子「昨日はあたし流してやったんだし、今日はほむらの番だろ?」

ほむら「しょうがないわね……」ワシャワシャ

ゴシゴシ

杏子「誰かに洗ってもらうってのも気持ちいいもんだなー……」トロン

ほむら「途中で寝ないでよ?お風呂場から人を引っ張りだすのも結構大変なんだから……」ゴシゴシ

杏子「だから寝てねぇっての……」

杏子「さっぱりしたら眠気冴えちまった」

ほむら「………」

杏子「っつーことで、なんかするか!」

ほむら「わたし、もう眠いのだけれど……ファーッ……」

杏子「おいおい、夜はこれからだろ?」

ほむら「明日もまた学校あるのよ……?」

杏子「あたしは一向に構わんっ!授業中寝るしな!」

ほむら「……あ、ダメだわ、限界」ボスンッ

杏子「あ、おいほむらっ!……寝ちまったか」

ほむら「スー……」

杏子「……なんかあらゆる意味で昨日とは立場が逆転してる気がするな……」

ほむら「……マドカァ……スー……」

杏子「幸せそうな顔して寝やがって……」

ほむら「………やっと……約束……スー…」

杏子「ま、おめぇも頑張ったんだしな」

ほむら「…うん……まどかは、わたしの最高の………」

杏子「そのままだと、風邪引いちまうぞ、ほむら」ファサッ

ほむら「これが、わたしの欲しかった……世界……」

杏子「ん、わかってるよほむら。ありがとな、あたしのこと、気にかけてくれて……」

ほむら「……それは、お互い……スー……」

杏子「はいはい、お互い様だよな。……おやすみ、ほむら」

ほむら「おやす……杏子……」

杏子「さって、あたしも寝るかな!」ボフッ

杏子「ん……」

杏子(布団に入ったら、なんだかんだで眠気来ちまった……)

ほむら「クー……」

杏子「………スー…」

翌日―――

ほむら「んー……朝……?」モゾモゾ

ほむら「時計……時計……」ガサゴソ

ほむら「………―――っ!?」

ほむら「杏子っ!起きて!起きなさい!!」バサッ

杏子「んあー……なにすんだよほむら、寒いじゃねぇか……」ムクッ

ほむら「寝坊したわ!さぁ、学校行くわよ!!」

杏子「あたしは学校には通ってねぇだろ……」ボーッ

ほむら「寝ぼけてないで、目を覚ましなさいっ!!」

杏子「あたしはもうちょっと寝てから行くから……」ボフッ

ほむら「ちょっと、杏子っ!」

杏子「……Zzz……」

ほむら「あああああ、このままじゃ遅刻するわっ!!起きてよ、杏子ーーー!!」



とりあえず終わり

明日の昼過ぎまで残ってたら続き書く、かも

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