探偵「>>5さんが死んだ事件……ですか」 (532)

依頼人「はい……警察は>>5は自殺したと思っているようなのですが」

依頼人「私にはどうも自殺には思えないんです……」

探偵「ふむ……確かに、依頼人さんが持ってきてくださった事件の資料には……いくつか不可解な部分がありますね」

探偵「わかりました。調べてみましょう」

依頼人「ありがとうございます!」

探偵「さあ運転を頼むぞ、助手君! 現場に直行だ!」

助手「は、はい!」

アガサ博士

 阿笠宅

探偵「ここが阿笠博士の自宅ですか……」

依頼人「はい……ここで彼の死体が発見されたんです」

助手「結構立派なお家ですねー」

探偵「そういえば、依頼人さんは被害者とどういった関係なのですか?」

依頼人「>>14

sssp://img.2ch.net/ico/32k.gif

依頼人「彼は私にとって神だったんです!」

助手「えっ」

依頼人「あの素晴らしき発明の数々……あれを作り上げることができたのはまさしく彼が神だという何よりの証拠ッ!」

助手「えっ」

依頼人「ああ! 日本の誇る、いや人類の誇るあの神の命がどうして奪われねばならなかったのか!」

依頼人「えっ、ちょっ」

依頼人「おのれ犯人! よくも我が崇拝する神の命をォォオオオオ!!」


助手「どうしましょう先生、何かこの人怖いです」

探偵「世の中にはいろんな尊敬の仕方があるからね。仕方ないね」

助手「ええー……」

探偵「とりあえず依頼人さんは落ち着くまで放っておこう。それより事件の概要の確認だ」

助手「ええ……確か、被害者阿笠博士の死因は……>>23でしたよね」

隕石の衝突

助手「隕石の衝突……ってこれ自殺だの他殺だの言う前に事故ですよね!? 自然災害ですよね!?」

探偵「そうだね……警察は何故これを自殺だと思ったのかな?」

助手「それについては、依頼人の持ってきた資料には何も載ってません……」

探偵「そうか……まあ、とりあえず、そろそろ家の中に入ってみようか……」



助手「うわ……隕石の衝突のせいで中は酷い状態ですねー……」

探偵「隕石の大きさ自体は小さかったおかげで、外観はある程度保てたようだけどね」

助手「っと、それで、この家の中から>>33っていう証拠品が発見されたんですよね」

週刊少年サンデー

助手「週刊少年サンデーがあったんですよね」

助手「でも、これ被害者が購入したただの漫画雑誌じゃ……」

探偵「いや……よく考えてみたまえ」

探偵「隕石の衝突の結果、部屋は酷い状態だ……」

探偵「そんな中……この写真に写っている通り、このサンデーには汚れ一つ付いていない」

助手「あっ!?」

探偵「つまりこれは……隕石の衝突の後……被害者が死んだ後に残された物というわけだ」

助手「な、なんですって!?」

探偵「助手君。その証拠品についての詳しい情報は?」

助手「ええと……資料によると……」

助手「サンデーには、>>42の指紋が付着していたそうです!」

助手

助手「僕の指紋……え、僕の指紋!?」

探偵「ほう……これは面白いことになってきた」

助手「ちょ、ちょっと先生! まさか僕を疑っているんですか!?」

探偵「私としても君を疑うのは辛い……だが証拠品は、事件に君が関与していることを語っている」

探偵「えーと……資料によると……事件が起きたのは一週間前という話だが……」

探偵「一週間前、君はどこで何をしていたのかな?」

助手「>>49

探偵とアナルセックス

ごめん人が来て対応してたもうちょっと待って

助手「一週間前なら先生とアナルセックスしてたじゃないですか!」

探偵「おっと、それもそうだったな……」

探偵「いやぁ助手君のアナルは実によかった! アレは下手すると女のモノより……」

助手「いやそんな話は置いといて! 僕にはアリバイがあるってことですよ!」

探偵「それもそうだな……他でもない私が証人なわけだし……」

助手「でもサンデーには僕の指紋が残ってたんですよね……どういうことなんでしょう」

探偵「この謎については調査を続けながら解いていくとしよう……」

探偵「ところで助手君……」

助手「はい?」

探偵「私はずっと不可解に思っていたのだよ……事件の資料を読んでから、ずっとね……」

助手「な、何が不可解なんですか?」

探偵「>>66

なぜ、ところどころ資料が抜け落ちてるんだ?

探偵「何故、所々資料が抜け落ちているんだ?」

助手「えっ!?」

探偵「この資料……よく見るとページ番号が振ってある……」

探偵「おそらく依頼人がまめな性格だったためだろう」

探偵「しかし見たまえ……途中途中でページが飛んでいる」

助手「じゃ、じゃあ……」

探偵「何者かが……資料から抜き取ったのだろう」


探偵「自分にとって調べられるとまずい情報が書かれた部分を……」

助手「そ、それって!」

探偵「そうだ……この事件はやはり自殺ではない。そして事故でもない」


探偵「何者かが仕組んだ……殺人だ!」


助手「で、でも! どうやって隕石を被害者に衝突させたんですか!?」

探偵「一応、隕石の落下を予測する研究は行われ、隕石の落下の予測事態は不可能ではないかもしれない……」

探偵「だが……仮に予想できたとしても……」

探偵「被害者の自宅に隕石を落下させるのは……まず不可能だろうな」

助手「うーん……流石に隕石を被害者のところに誘導させるなんて無理ですもんね……」

探偵「しかしこの資料が抜けているという事実は、明らかに真犯人の存在を示している」

探偵「抜け落ちた資料に何が書かれていたのか……依頼人に改めて確認してみよう」

依頼人「ああ、探偵さん。阿笠博士の家の中にいたんですか」

依頼人「気付いたらいないからびっくりしましたよ」

助手「どうやら神云々って言ってたのはどうにか落ち着いたみたいですね」

探偵「丁度いい……資料について詳しく聞いておこう」

依頼人「それで? 何かわかりましたか?」

探偵「ええ……それなんですがまずは……」

探偵「あなたが用意してくだった資料……所々抜けている部分があるのです」

依頼人「ええっ!? そんなバカな!?」

探偵「この通り……ページが所々飛んでいます」

探偵「この飛んでいる部分は……一体何についての資料だったのですか?」

依頼人「>>84

博士の全身写真(裸)

依頼人「博士の全身写真(裸)が載っていた資料があったはずです」

助手「……何でそんなもん入れてるんですか」

依頼人「わかりませんか! 神について知るには、神の生まれたままの姿を知る必要があるのです!」

依頼人「その証拠に! 神を描いた絵は大概裸じゃないですか!」

助手「……」

助手「どうしましょう先生、上手い反論ができません」

探偵「こういうときは反論も同意もせず、適当に受け流そう」

助手「はあ……」

探偵「それで、依頼人さん。この資料なんですが」

探偵「あなたが作ってから私の事務所に持ってくるまで、誰かが触った可能性はありませんか?」

依頼人「うーん……そうですね……」

依頼人「そういえば……我が家には>>103がいるんです。もしかしたら、あいつが資料を一部抜き取ったのかもしれません」

ヤギ

依頼人「もしかしたらウチのヤギが……」

助手「食べてしまったと?」

依頼人「ヤギですからねぇ。紙も食べるでしょう」

助手「……先生、もし本当にヤギの仕業だったとしたら真犯人が抜き取ったわけじゃなさそうですよ」

探偵「まだわからないさ。ヤギが食べたように見せかけて真犯人が処分した可能性も捨てきれない」

探偵「もちろん、ヤギが食べた可能性も大いにあると思うがね」

助手「そうですか……」

依頼人「何なら、うちに来てみますか?」

探偵「ええ、是非」

 依頼人宅

依頼人「どうぞ」

助手「お邪魔しまーす」

ヤギ「メェー」

助手「うわぁ……本当にヤギだ」

探偵「それじゃ、ヤギ君? 君は本当に資料を食べてしまったのかい? と聞いても答えてくれるはずもないか……ハハ」

ヤギ「メェー?」

依頼人「資料のデータ自体はパソコンにあるはずなんで……ちょっと改めて印刷してきます」

探偵「お願いします」

助手「じゃあ、それまで待ってますか……あれ?」

探偵「どうしたんだい? 助手君?」

助手「先生、このリビングの壁に飾ってるアレは……>>127じゃないですか?」

右ストレート

助手「ボクサーもやってる彫刻家が造り上げた、大理石の彫刻!」

助手「作品名『右ストレート』ですよ!」

助手「こんなところで出会えるとは思わなかったなぁ」

探偵「ヤギも飼える家だし、依頼人さんは結構な資産家なのかもしれないな」

依頼人「た、大変です! 探偵さん!」

探偵「? どうしたんですか? 依頼人さん?」

依頼人「パソコンの中にあった、事件に関するデータが……すべて消えてしまっているんです!」

探偵「な、なんですって!?」

助手「……ダメですね。ゴミ箱の中も空っぽです」

探偵「依頼人さん、消した覚えは……」

依頼人「あったらこんな驚いてませんよ!」

探偵「失礼しました、それもそうですね……」

探偵「しかし大分真犯人の存在が濃くなってきましたよ……」

探偵「依頼人さん、あなたが事件のことを自殺だと思ってなかったことを相談し……」

探偵「尚且つ、この家によく来る人物……そんな知り合いはいませんか?」

依頼人「そ、そうですね……」

依頼人「>>154

助手

探偵「……」

依頼人「……」

助手「……」

ヤギ「メェー」

助手「ええええええええええ!? また僕ですか!?」

依頼人「そうですよ! 覚えていないんですか!?」

助手「え、えーと……あ!」

助手「そういえば、ウチの事務所に来る前に、一回電話で相談してきてくださって……」

助手「電話じゃ長くなるから、一旦この家に来るように言われて、この家に来ましたね!」

助手「それで、僕じゃどうにもならないから、先生に詳しく話を聞いてもらおうと、ウチの事務所に来ていただいたんでした!」

探偵「君はどうしてそういうことを忘れるんだ……」

助手「すいません……」

                 ,r=''""゙゙゙li,
      _,、r=====、、,,_ ,r!'   ...::;il!

     ,r!'゙゙´       `'ヾ;、, ..::::;r!'゙
    ,i{゙‐'_,,_         :l}..::;r!゙
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..il'   ' ' '‐‐===、;;;;;;;:.... .;;il!::  ,il!∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
..ll          `"゙''l{::: ,,;r'゙ <              >
..'l!       . . . . . . ::l}::;rll(,   <  グッジョブ !! >>1   >
 'i,  ' ' -=====‐ー《:::il::゙ヾ;、  ∨∨∨∨.| ./∨∨∨∨

  ゙i、            ::li:il::  ゙'\.       |/
  ゙li、      ..........,,ノ;i!:....    `' 、  ∧_∧
   `'=、:::::;;、:、===''ジ゙'==-、、,,,__ ` '(´・ω・`)

     `~''''===''"゙´        ~`''ー(    )

探偵「しかし君はこの家に来た時、ヤギやリビングの彫刻に驚いていたようだが……」

助手「ええ……初めてみましたよ、こんなの」

依頼人「多分、あのときはウチのヤギは部屋の奥で昼寝でもしていて」

依頼人「彫刻は偶然目に入らなかったんでしょう。何しろ、あのときは事件のことを調べてくれって必死に頼みましたから」

探偵「なるほど……それなら筋は通りますね」

助手「って、そんなことより!」

助手「本当に僕以外にいないんですか!? 事件のことを殺人だと思っていたと話したり、この家に招いたりした人は!」

依頼人「ええ……実はそんなに友達いなくて……」

助手「寂しいなオイ!」

探偵「しかし彼は事件があった日に私とアナルセックスをしていたんです。彼にはアリバイがある。事件の犯人ではありえない」

依頼人「でも途中で休憩ぐらい挟んだでしょう?」

探偵「いえ、実はその日随分盛り上がってしまって」

探偵「朝起きてから夜寝ているときもずっとヤりっぱなしだったんですよ」

探偵「食事や風呂は当然のこと、」

探偵「排尿はお互いの腸内にしましたし、排便はそのままスカトロプレイに使えたんで気にせずその場で」

助手「やめてください先生! 事件には関係のないことです!」

探偵「それもそうだね……つい思い出して興奮してべらべらと話してしまったよ」

探偵「……ん?」

助手「どうしたんですか先生?」

探偵「興奮して血の巡りが良くなったからかな。ふと気づいたんだが……」

探偵「被害者は隕石の衝撃で絶命したんだ」

探偵「ならば死体は酷く損傷していたはず……」

探偵「どうやって警察は被害者が阿笠博士だと特定できたんだろうか?」

依頼人「さあ……?」

探偵「それに、警察があの事件を自殺だと考えていた理由も気になる……」

助手「そういえば、そんな謎もありましたね……」

探偵「うーむ……ここは警察本人に聞くか……」

助手「え?」

探偵「知り合いに刑事がいるんだよ。ま、事件に関する情報を流してくれるかどうかはわからないが、ね……」



探偵「電話で確認を取ったよ。面白いことがわかった」

助手「面白いこと?」

探偵「まず、被害者をどうやって特定したか、だが……>>190

顔だけ切り取られてた

探偵「顔だけ切り取られてたらしい」

助手「顔だけ……?」

探偵「現場に隕石の衝突で損傷した体から少し離れた場所に……」

探偵「被害者の顔……つまり生首があったらしい」

探偵「隕石の衝撃で多少傷や汚れはあったが……間違いなく阿笠博士の首だったそうだ」

助手「なるほど……っていやいやいやいや!」

助手「首が切られていたなら殺人じゃないですか!」

探偵「ああ……その件なんだが」

探偵「警察は>>212という理由で自殺だと思ったらしい」

遺書があった

助手「遺書があった!?」

探偵「ああ……」

探偵「金庫の中にしまわれていて……隕石の衝撃で金庫は一部破損したが中は無事で……」

探偵「中から遺書が発見されたらしいんだ」

助手「そ、その遺書の内容は!?」

探偵「>>234

光彦に振られた

探偵「光彦に振られた……というものだったらしい」

助手「光彦……?」

依頼人「阿笠博士のお知り合いの子供……だったと思います」

助手「子供に振られたって……しかも名前的に男の子じゃないですか」

探偵「恋愛にはいろんな形があるのだよ。君と私のようにね」

助手「そ、それは今は関係ないですよ! もう!」

探偵「ま、その恋愛観は子供には通じず……振られてしまったと」

依頼人「それで死を選んだ、と?」

助手「いや、だからって……隕石を自分に向けて落とすなんてできないでしょう!」

助手「それに首が切り離された理由も解決してないのに……」

探偵「わからない事件は迷宮入りか自殺という結果で終わらせる……それが今の警察さ」

探偵「自分たちは無能だ、って刑事の知り合いも嘆いてたよ」

助手「……」

探偵「せっかくだ。この光彦という少年にも話を聞きに行こうじゃないか」

 光彦宅

探偵「こんにちは、探偵です」

助手「助手です。君が、光彦君かい?」

光彦「はい……」

探偵「ちょっと聞き辛いことなんだが……阿笠博士のことについて、少し、いいかな?」

光彦「……構いません」

助手「じゃあ、ええと……」

助手「君は、被害者から、その……」

光彦「ええ、どうやら、恋愛対象として見られていたようです」

助手「!」

探偵「なるほど。なかなか精神面の強い子だ」

光彦「でも残念ながら僕は女の子しか愛せませんので……」

助手「あ、いや、それが普通だからね。残念でもないんでもないからね」

光彦「無理ですってお断りしたんです」

探偵「遺書の通りか……」

助手「でも、自殺の方法に無理がありすぎるでしょうよ……隕石って……」

探偵「その返事のあと、阿笠博士はどんな様子だったんだい?」

光彦「>>273

ヒグチカッター

>>273
あほ

光彦「ヒグチカッターとか言って笑ってました」

助手「気でも狂ったんでしょうか」

探偵「かもしれないな」

助手「……あれ?」

助手「光彦君、君の机の上に置いてあるそれは……>>289かい?」

右ストレートのフィギュア

光彦「はい! ボクサーもやってる彫刻家が造った作品のフィギュアです!」

光彦「流石に本物は手に入れられなかったんですけどね」

助手(だろうなぁ……本物は依頼人が持ってたわけだし)

光彦「実はこのフィギュアにはとある仕掛けがあるんです!」

探偵「仕掛け?」

光彦「ええ、>>310っていう仕掛けが」

実は隠し金庫

光彦「実はこの腕の部分が開いて」

光彦「ここに小さな物を収納できる隠し金庫になっているんです!」

助手「へえーっ! すごいね! こんなに小さなフィギュアなのに!」

光彦「まあ、小さすぎて入るものはかなり限られるんですけどね」

探偵「確かに……」

光彦「千円札を一枚、小さく小さく折りたたんでやっと入るくらいです」

光彦「何のためにこんな仕掛けを作ったのやら……製作者の意図がわかりませんね」

助手「ま、所詮フィギュアだし、子供が喜ぶとでも思ったんじゃないかな……」

探偵「さて……光彦君から聞ける話はこれくらいかな……」

助手「ですね……結局はただ告白を受けて断ったってだけですし」

探偵「じゃあ、次はどこに行こうか……ん? おっと、電話だ」

探偵「もしもし……ああ、君か」

探偵「……ほう、それはいいことを聞いた。ありがとう」

助手「誰からですか?」

探偵「あの知り合いの刑事からさ」

探偵「事件の証拠品を改めて調べて貰ったら……>>344ということが判明した」

>>337

探偵「あの本物の彫刻にも……隠し金庫があるということが発覚したよ」

助手「ええっ!?」

探偵「私もフィギュアにどうしてあんなものが……とは思っていたがね」

助手「……? ちょっと待ってください」

助手「先生の知り合いの刑事さんは、事件の証拠品を改めて調べたんですよね?」

探偵「ああ」

助手「でも……あの彫刻についての報告が来たってことは……」


助手「あの彫刻が事件の証拠品ってことですよね?」

探偵「そうだ……つまり……」


探偵「依頼人は事件の証拠品であるはずの彫刻を、自宅に飾っていることになる」


助手「ど……どういうことですか!?」

助手「どうして依頼人が事件の証拠品を自宅に!?」

探偵「それは……依頼人本人に聞こう」


 依頼人宅

依頼人「へえ……刑事さんが事件の証拠品を調べたら、私の彫刻についての情報が来た、と」

探偵「ええ……まずは教えていただきたい」

探偵「証拠品として情報が警察にあったということは……それは警察が調べたときには、現場にあったもののはず……」

探偵「それをどうしてあなたが持っているんですか?」

依頼人「……>>365

光彦君がくれたんです

依頼人「……光彦君がくれたんです」

助手「え!?」

依頼人「光彦君からのプレゼントなんですよ」

依頼人「だからこれが光彦君から送られてくるまでどこにあったのか……私も知らないんです」

助手「じゃ、じゃあ……光彦君が現場から持ち出し、あなたへプレゼントしたと!?」

依頼人「そういうこと……になりますね……」

探偵「ふむ……では、次に……」

探偵「この彫刻には……フィギュアと同じように隠し金庫の仕掛けがあるそうです」

探偵「中身を確認させていただいてもよろしいでしょうか?」

依頼人「ええ……どうぞ」

 金庫の中身 >>382

>>374

探偵「こ、これは!?」

依頼人「み、光彦君!?」

助手「ど、どういうことですか!?」

探偵「わからん! 正直何がどうなっているのかさっぱりわからん!」

探偵「け、警察に連絡し、この死体が本当に光彦君なのか調べてもらおう!」



探偵「警察から情報が入った……アレは間違いなく光彦君の死体だったそうだ」

助手「じゃ、じゃあ……僕等が出会った光彦君は!」

探偵「光彦君ではない……別人ということになる!」

探偵「それと、光彦君の家に警察が向かったが……我々が去った後、光彦君は急にどこかに出かけてしまったと家族は証言していたよ」

探偵「実際、家の中から光彦君の姿は見つからなかったそうだ」

助手「も、もうわけがわかりませんよ!」

助手「隕石を利用した殺人事件!」

助手「何故か次々に現れる僕の証拠!」

助手「遺書があったのに切り離されていた阿笠博士の首!」

助手「光彦君が二人!」

助手「何が何だか……」

助手「流石にこの事件は迷宮入りにするしか……」




探偵「そうでもないさ」

助手「……え?」

探偵「この事件には、確かに数えきれないほどの謎がある……」

探偵「私が出会ってきた事件の中でも……もっとも複雑で、わけのわからない事件だ」

探偵「よくもまあこんな事件ができあがったもんだよ」

探偵「本当にこういうの勘弁してほしい、って思うけどね」


探偵「それでも……探偵が解けない謎なんて、一つもないんだよ」


 推理タイム入ります
 安価無いよ

もしかして安価で魔王倒す書いた人?

探偵「まず、事件の発端……それは阿笠博士の自殺から始まったんだ」

探偵「これは金庫に遺書があったから間違いない」

探偵「流石に無能な警察といえど、筆跡鑑定をミスったりはしない。あの遺書は紛れもなく本物だ」

探偵「だから『阿笠博士は自殺』……これは前提として間違っていない」

助手「で、でも……だからって隕石の衝突を自殺に使うなんて……無理がありすぎますよ!」

助手「何ですか!? 被害者は隕石を誘導させる発明でもしてたっていうんですか!?」

探偵「いや……そんな発明をしていたら、既に彼は世界にその名を響かせてるさ」

助手「じゃあ何ですか!? まさか隕石が落下してきたのは偶然だっただなんて言いませんよね!?」

探偵「ああ」

助手「……え?」


探偵「隕石は誰の意思でもない。偶然被害者のところに落ちて来たんだ」

助手「はあああああああああ!?」

助手「じゃあ! 被害者はそんな偶然に身を任せて死んだってことですか!?」

探偵「いいや。被害者もまさか、隕石が落下してくるなんて思わなかったってことだよ」

助手「え?」

探偵「被害者はおそらく、まったく別の方法で自殺したんだ」

探偵「そこに隕石が落下し、一見、隕石がすべての死因のように見えてしまった……というわけだよ」

助手「じゃ、じゃあ……隕石が無かったら」

探偵「こんなややこしいことにはならなかったってことだ」

助手「はー……ハタ迷惑な隕石ですね」

探偵「ああ……本当に迷惑だ」



探偵「犯人も、心底迷惑な隕石だって思っただろうね」

助手「……へ?」

助手「ちょ、ちょっと待ってください! 阿笠博士は自殺なんですよね?」

探偵「ああ、それは揺るがない」

助手「じゃあ、犯人って……一体何の犯人なんです!?」

探偵「決まってるだろう?」


探偵「被害者の死後、被害者の首を切り落とし、そして光彦君を殺した犯人だよ」

助手「被害者の死後、首を切り落とした!?」

助手「どうしてそんなことを……」

探偵「おそらく……被害者の自殺の方法は……首吊りだ」

探偵「そして……犯人は、被害者を自殺ではなく他殺に見せかけようとしたんだ」

探偵「そう考えると……被害者の首が切られていた理由もわかる」

助手「ど、どういうことですか?」

探偵「もし、首がつながったままなら……」

探偵「被害者の首にロープの後が残り、一目で自殺だと確定されてしまうからさ」

助手「そ、そうか! ロープの跡に沿って首を切断すれば……」

探偵「まさか切断した場所にロープの後があったとは思われない……ってことさ」

助手「で、でも、誰が一体そんなことを……」

探偵「いるじゃないか」

探偵「被害者は自殺じゃないと誰よりも言い張っていた人物が……」

助手「あっ……」



依頼人「……」



探偵「そうでしょう? 依頼人さん?」

探偵「あなたは事件を自殺ではなく、他殺として処理して欲しかった」

探偵「だから僕等に事件を調べさせ、事件の他殺にしようとしたんです」

依頼人「た、他殺に見せかけるって……つまり、誰かが阿笠博士を殺したように見せかけたわけですよね?」

依頼人「私は一体誰を犯人に仕立て上げようとしたっていうんですか?」

探偵「決まっているでしょう?」

探偵「光彦君ですよ」

依頼人「ハ、ハハッ! 何を言い出すかと思えば!」

依頼人「光彦君は、さっき彫刻の中でバラバラの死体になって詰め込まれていたじゃないですか!」

依頼人「阿笠博士を殺した犯人に仕立て上げたいなら、そのまま生かしておきますよ!」

探偵「それは結果としてあなたが光彦君を殺してしまったということにすぎない……」

依頼人「!?」

探偵「あなたは光彦君を殺す直前まで、本当は生かしておくつもりだったんだ……」

依頼人「!!」

探偵「まあ、とにかく……まずは時系列に沿って話を進めた方がわかりやすいでしょう」

探偵「あなたが光彦君を殺すことになった経緯については、そのときに……」

探偵「まず、あなたは阿笠博士の自宅へ訪問した。理由はわかりませんが、まあ何気なく遊びに行った程度でしょう」

探偵「そこで阿笠博士の首吊り死体を発見した」

探偵「以前から阿笠博士が光彦君に恋愛感情を抱いていたことを知っていたあなたは、これは失恋の自殺だと察し……」

探偵「光彦君に恨みを抱いた……」

探偵「そしてあなたは考えたんだ。この事件を他殺に見せかけ、その犯人を光彦君に仕立て上げよう、とね……」

探偵「そしてあなたは被害者を降ろし、まずは服を脱がして写真を撮影した」

助手「え!? 何で!?」

探偵「いいかい? ベッドの上に被害者の死体があり、殺されていたらどう思う?」

助手「……レイプ犯罪?」

探偵「そうだ……おそらくレイプ犯罪に見せかけることで、光彦君に対するダメージをさらに大きくしようとしたんだ」

探偵「その後、ロープの跡に沿って首を切断」

探偵「それから、何かもっと光彦君の決定的な証拠を用意しようと思い、一旦家から離れた」

探偵「そして、おそらくコンビニか何かで見つけたんだ。漫画雑誌を立ち読みする光彦君を」

探偵「そこで、その立ち読みしていた雑誌を棚に戻したところを買い、現場に置こうとしたが……」

探偵「ここで二つの不測の事態が起きた」

探偵「一つは、光彦君の立ち読みしていた漫画雑誌を取り違えてしまったこと」

探偵「おそらく……同じコンビニで助手が立ち読みしていたんだろうね。だから助手の指紋が付いていたんだ」

助手「なるほど!」

探偵「そしてもう一つ……」

探偵「隕石の落下だ」

探偵「隕石の落下で、現場は酷い有様となった」

探偵「もはやレイプ犯罪の痕跡なんかなくなるくらいにね」

探偵「仕方なく、現場に雑誌を置き」

探偵「撮影した写真は、光彦君の家にこっそり置き、レイプ犯罪を確定させようとしたが……」

探偵「隕石の衝撃で金庫が破損し、中にあった遺書が警察に見つかってしまった」

探偵「金庫の中にあったから依頼人も気付かなかったんだろうね」

探偵「結果、自殺として片づけられてしまった……このままでは光彦君に罪を着せられない」

探偵「そう思い、あなたは僕等……探偵事務所に依頼したんだ」

探偵「撮影した写真を、今度は資料に混ぜ、『もしかしたらレイプ殺人の可能性もあるかも』と思わせる仕込みをしてね」

探偵「ところがあなたは、事務所に来る途中で気付いてしまったんだ」

探偵「写真に写った阿笠博士の首に……ロープの跡が付いていることに」

探偵「慌てて資料から写真のあったページをすべて抜き取り、ロープの跡がわからないようにした」

助手「だから資料からページが抜けてたんですか!」

探偵「それだけじゃない……助手君に相談し、改めて事務所で話を聞くことになった際……」

探偵「あなたはまっすぐ事務所には行かず、一旦、現場に向かった」

探偵「現場で……彫刻『右ストレート』を盗み出したんだ」

助手「何で……『右ストレート』を?」

探偵「資産家である彼があの有名な彫刻を知らないはずはない」

探偵「おそらく……アレが隠し金庫になっていることも知っていた」

探偵「その情報を得た上で……警察の調査の結果、阿笠博士の家の金庫から遺書が見つかったとなれば……」

助手「隠し金庫の中には、もっとマズい遺書があるかもしれない!」

探偵「そう思い、とっさに盗み出したってわけさ」

探偵「そして僕等の事務所に来て、一緒に現場に行く……」

探偵「途中で神だの何だの騒ぎ、僕等をドン引きさせて遠ざけ……」

探偵「その間に、ポケットにでも丸めて潰しておいた資料を燃やしたんじゃないかな?」

探偵「そして戻ってきた頃に、ヤギに食われたと言い訳する」

助手「そして、自宅へ案内し、ヤギを印象付けさせたってわけですね!」

探偵「それだけじゃない……」

探偵「パソコンに残っていた写真のデータを……資料ごと末梢したのさ」

助手「あ! そうか!」

助手「資料を印刷するって言って僕等から離れたあの瞬間なら、自由にパソコンからデータを消せる!」

探偵「そう……あの時は一見、助手君だけがデータを消せるような話になりましたが……」

探偵「他の誰でもない、あなた自身にはもっとデータを消すチャンスがあったんですよ」

探偵「その後、我々は光彦君に話を聞きに行った」

探偵「そのとき、依頼人さんは自分の家で待機していたように見えましたが……実は私たちのあとをついてきたんですよね?」

探偵「そして、私たちが光彦君の家から去り、依頼人の家に行くまでの間に……光彦君を家から呼び出した」

助手「何のために?」

探偵「あの彫刻さ」

探偵「あの彫刻が現場にあったものだと発覚したのを、依頼人も聞いていたんだ」

探偵「おそらく中には遺書なんて入ってなかったんだろうが、このままだと自分が死体に手を加えたことがバレるかもしれない」

探偵「そうならないよう、さっさと光彦君を犯人に仕立てようと、とりあえず拉致し、後々から偽の証拠と一緒に出そうとした」

探偵「だが……光彦君に顔を見られたか、抵抗されたかして……光彦君を殺害する結果となってしまった」

探偵「早く自宅に帰らないと、我々が再び自宅に来る。しかしどこに死体を隠せばいいのか」

探偵「錯乱していたあなたは、隠すという単語から、ある場所しか思いつけなくなってしまった」

助手「『隠し』金庫!」

探偵「僕らが出会った光彦君は本物だった」

探偵「そして死体となって隠し金庫から出てきた光彦君も本物だった」



探偵「光彦君は、僕らと別れ、隠し金庫から発見されるまでの間に殺されたのだから!」



依頼人「!!」

依頼人「ど……どこにそんな証拠が!」

探偵「光彦君とあなたの自宅はある程度離れている……その間を、我々と同じスピードで移動して、殺害と死体隠しをするのは不可能……」

探偵「つまり……車を使って移動したはず」

依頼人「!」

探偵「あなたの車を調べればきっと出てくるはずだ」

探偵「殺害された光彦君の血痕が!」


 こうして依頼人は逮捕され、事件は幕を下ろした。

 今日も探偵は助手と共に、町の小さな探偵事務所で謎を待っている。

 おわり

やぎはどうなったんだろう

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