シャットアウラ「朝起きたら姿が鳴護アリサになっていたんだが…」 (392)

上条×シャットアウラ
投下は週に1、2回程。
若干キャラ崩壊有り。

シャットアウラ率いる黒鴉部隊は警備会社のようなものに勤めている設定です。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1373548298

シャットアウラ「いったいどういうことだこれは…」

シャットアウラ「いや…。落ち着け。もう一度顔をよく洗って…」ザプ

シャットアウラ「鏡を見ればっ……うん、鳴護アリサだな…」

シャットアウラ「………」

シャットアウラ「夢なら早く覚めてくれ…」

シャットアウラ「なんだ?何が原因でこうなった?」

シャットアウラ(昨日も仕事を終えて普通に帰宅、簡単な食事とシャワーを済ませてから疲れてすぐに寝て……)

シャットアウラ「…ダメだ考えてもわからない」ハァ

シャットアウラ「それよりこの姿では仕事にも行けないな…」ゴソゴソ


Prrrr


ピッ


シャットアウラ「クロウリーダーよりクロウセブンへ」

クロウセブン『こちらクロウセブン。……隊…長ですか?いつもと声が…』

シャットアウラ「あっ、あぁ…その…どうやら風邪をひいてしまったようだ。暫く私の代わりをお前に任せる。わかったな」

クロウセブン『えっ……あの…』


ブツ


シャットアウラ「部下に丸投げは流石に問題あるかもしれないが…この際仕方ない」

シャットアウラ「それより姿だけではなく声も変わっているんだったか…。極力電話は控えないと…」

シャットアウラ「本当にいったい何故……。きっと何か理由があるはずだ…。よく考えろ…」

シャットアウラ(初めて鳴護アリサが現れたのは『あの事故』の時に私が願ったから…)

シャットアウラ(つまり私がまた何かを願った?)

シャットアウラ(いや、それは無いな。最近は特に何も無かったはずだしそんな記憶もない)

シャットアウラ(仮に何かあったとしてもだ。鳴護アリサがもう一度現れるならともかく、私の姿が変わるなんて…)

シャットアウラ「……後で病院にでも行って診てもらうとしよう」

シャットアウラ「とりあえず着替えるか…」

シャットアウラ「体型も少し変わっているが……ジャージの類いなら問題なさそうだな」

シャットアウラ「ブラは普通のでいいか」

シャットアウラ「少し……キツイ?」

シャットアウラ「………」

モニュ

シャットアウラ「……チッ」

ーーーーーー
ーーー


ーーとある病院ーー


冥土帰し「…ふむ、大体事情はわかったんだが……いささか信じ難い話だね?」

シャットアウラ「一番信じられないのは私のほうです…」ハァ

冥土帰し「君が肉体変化の能力者で無意識の内に能力を発動した。…ということは?」

シャットアウラ「それはありません。私のは全くの別系統の能力ですから」

シャットアウラ「しかしここへ来る前に能力の使用を試しましたが…」

冥土帰し「発動しなかった……のかな?」

シャットアウラ「はい…」

冥土帰し「ふむ。ますますわからなくなってくるね?」

シャットアウラ「そう…ですか」

冥土帰し「能力開発の専門家にも僕から相談しておくね? 定期的に来てくれれば力になってあげるから」

シャットアウラ「ありがとうございます……あの…」

冥土帰し「保険のことかな? 君のを適用しておくよ?シャットアリサさん?」

シャットアウラ「シャットアウラです」

冥土帰し「冗談さ。さて、気を落とすんじゃないよ? それじゃあお大事に」

シャットアウラ「失礼します」

コツコツ



冥土帰し「……異能の力が関わっているなら『あの少年』の右手ですぐにでも解決するんだけどね。理由がわからないんじゃ迂闊に手出しできないな…」

ーーとある公園ーー

シャットアウラ「はぁ…」

シャットアウラ(原因不明…か)

シャットアウラ(姿や声だけでなく能力まで鳴護アリサになっているとは…)

シャットアウラ(この分だと筋力や体力なんかも変化しているだろうな…)

シャットアウラ(暫く仕事は無理…か)

ギュルルゥゥーー

シャットアウラ「っ///」

シャットアウラ(聞かれて…いないよな…?)キョロキョロ

シャットアウラ(誰もいないか)ホッ

シャットアウラ(そういえば朝も昼も食べずにここでボーッとしていたんだな…)

シャットアウラ「日も暮れてきたし一度家に戻るか」スクッ

??「あ、アリサ…?」

シャットアウラ「!」バッ

シャットアウラ「!!」ドキッ

シャットアウラ「お、お前は……」

上条「お前…本当にアリサ…か?鳴護アリサなのか?」

シャットアウラ(あ、あの時の…)ドキドキ

シャットアウラ(ん?な、なんだこの胸の高鳴りはっ?///)

ガシッ

シャットアウラ「!?」

上条「アリサっ!お前…あの時消えたんじゃ…」

シャットアウラ(ど、どうするっ?説明するべきかっ?……いやここは…)

シャットアウラ「くっ」ダッ

上条「なっ!? おい! 待てよアリサ!」

シャットアウラ(つい走りだしてしまったが…)ハァハァ

シャットアウラ(いつもと身体が違って…)ハァハァ

上条「アリサっ!」

シャットアウラ(は、走れ……息が…ブラがキツくて……胸が…)ペタ

上条「!」

上条「大丈夫かっ!?」

シャットアウラ「はぁはぁ……ごほっ…」

上条「息が苦しいのかっ?」サスサス

シャットアウラ(背中……段々呼吸が楽に…)


ブチッ


シャットアウラ「!?」

上条「落ち着いてきたか?」

シャットアウラ「っ~~///」プルプル

上条「ん?」

シャットアウラ「何をする!!」ブンッ

上条「ごはっ!!」グシャッ

シャットアウラ「はぁはぁ…」

上条「おぉう…」クラクラ

ーーーーーーーーー

シャットアウラ「…その…急に殴ったりして済まない…」

上条「い、いや、大丈夫だ」クラクラ

シャットアウラ(上条…当麻…だったか…。あの時の…)

シャットアウラ「///」ボンッ

シャットアウラ(な、何故この男のことを考えると熱くなるのだっ)

上条「それよりも、お前本当に本物の鳴護アリサなのか?」

シャットアウラ「えっ…それは、その…」

上条「……まさかまた会えるなんてな」

シャットアウラ「!」

上条「あの時シャットアウラの中に還ってからもう二度と会えないと思ってたけど…また会えて嬉しいよ」ニコッ

シャットアウラ「っ!」ドキッ

シャットアウラ「わ、私も…」

シャットアウラ(なぁー!? 私は何を言ってっ??)

上条「ってことは本当にアリサなんだなっ!」

シャットアウラ「」コクッ

シャットアウラ(あぁ…頷いてしまった…)

シャットアウラ(こうなったら鳴護アリサになりきるしか…)

シャットアウラ(以前護衛した際に調べた鳴護アリサの情報をもとに、話を合わせてこの場は切り抜けよう)

シャットアウラ(確か『当麻くん』と呼んでいたような…)

上条「でもなんで……シャットアウラにまた何かあったのか?」

シャットアウラ「さ、さあ?私にもよくわからなくて…気がついたらいたから…」

上条「そうか…。ならシャットアウラに聞いたほうが早いのかな…。アリサ、シャットアウラが何処にいるかわからないのか?」

シャットアウラ「私には…」

シャットアウラ(ここにいるんだがな…)

上条「シャットアウラの行方がわからないんじゃあな……」

シャットアウラ(こうなったらボロが出る前に退散するべきか)

シャットアウラ「そ、それじゃあ私、行くね」

上条「行くって、アテはあるのかよ」

シャットアウラ「えっ?えーっと…」アセアセ

上条「行くアテがないんならまた俺の部屋にくるか?」

シャットアウラ「!?」

シャットアウラ「へ、部屋って…」

上条「行くアテないんだろ? 暫くは俺の部屋にいて、後のことはそれから考えればいいんじゃないか?」

上条「それにインデックスもアリサに会えればきっと大喜びするだろうし」

シャットアウラ(い、いんでっくす? 目次? ……いや会うってことは生き物か…?)

シャットアウラ(人の名前じゃなさそうだし、犬か猫でも飼っているんだろうか…?)

上条「どうだ? アリサ」

シャットアウラ(アテが無いと言った以上頼らないと少し怪しいか…)

シャットアウラ「じゃ、じゃあ…お願い…します」

上条「よし! じゃあ行こうか!」

ーーーーーー
ーーー


ーー上条宅ーー

上条「ただいま~」

シャットアウラ「お、おじゃまします…」

スフィンクス「にゃ~ご」(ようご主人。また女連れかい?)

上条「お、出迎えご苦労」

シャットアウラ(こいつがインデックスか…。鳴護アリサは一度面識があるようだからな。そのように振舞わないと…)

シャットアウラ「ひ、久しぶり~インデックス」ナデナデ

上条「あ、アリサ?」

スフィンクス「にゃー!」(おいおい、オレはあの大飯食らいなんかじゃねぇぞ?)

上条「そいつスフィンクスだぞ? どうしたんだ?」

シャットアウラ「えっ……。あ、あはは~、じょ、冗談だよ、冗談」アセアセ

上条「?」

シャットアウラ(ち、違ったのか…。なんとか誤魔化せたようだが…)

シャットアウラ(インデックスやらスフィンクスやら、いったいどんなネーミングセンスしているんだ、この男は…)

??「とうま~お腹空いたよぉ~」トテトテ

シャットアウラ「!」

上条「インデックス! お客さんだぞっ!」

禁書「お客さん? また女の子でも連れて…きて……」ハッ

禁書「あ、ありさっ!?」

シャットアウラ(インデックスって人だったのかっ!?)

禁書「本当に本物のありさなのっ!?」

上条「ははっ。俺と同じ反応してる」

シャットアウラ(この白い修道服……あの時あの公園に鳴護アリサといた奴かっ)

禁書「ありさっ!!」ダキッ

シャットアウラ「きゃっ!?」

禁書「また…またありさと会えるなんて…」グスッ

シャットアウラ「っ!」

シャットアウラ(くっ……今になって騙していることに引け目が…)

上条「おいおいインデックスさん。いつまでも抱きついてたらアリサが中に入れないだろ?」
禁書「そ、そうだね。ごめんねありさ」パッ

シャットアウラ「構わない……じゃなくて…大丈夫だよっ」


グギュルルルゥーー


シャットアウラ「」

上条「…今の……どっち?」

禁書「わ、私じゃないんだよっ!」

上条「ってことは…」チラッ

シャットアウラ「っ///」カアァァッ

上条「お腹空いてたんだな」アハハ

禁書「これからとうまがよりに腕をかけておいしいご馳走をつくってくれるから大丈夫なんだよっ」ニコッ

上条「腕によりをかけて、だろ? ってサラッとハードルあげないでっ!」

シャットアウラ(こ、今度は人前で鳴るなんて……///)

上条「それじゃあ早速準備しますかっ」

禁書「今日はありさとの再会記念日だねっ」ニコッ

上条「こうなったら奮発して、昨日買ったお肉使っちゃいます!」

禁書「ほんとにっ?とうま!?」

上条「上条さんに二言はありません!」

禁書「おっ肉、おっ肉!」ウキウキ

シャットアウラ(もうダメだ…今更本当のことを言い出せない……)

ーーーーーー
ーーー


禁書「…ふぅ。ごちそうさまなんだよっ」ゲプッ

上条「お粗末様でした」

シャットアウラ「……ご、ごちそうさま…でした」

上条「どうだったアリサ、口にあったか?」

シャットアウラ「う、うん。とっても美味しかったよ」

シャットアウラ(人の手料理なんて食べたのはいつ以来だろうか……。こんなにも美味しいなんて…)

上条「そっか。上条さんも張り切って作ったかいがありましたよ」

禁書「ありさ、ありさ。一緒にお風呂入ろうっ?」

シャットアウラ「えっ? い、一緒に?」

禁書「うん!」

上条「後片付けは俺がやっておくからゆっくり入ってこいよ」

シャットアウラ「えっ…」

禁書「ほら早く!」グイグイ

上条「着替えは……俺のジャージ出しておくよ。それでいいか?」

シャットアウラ「ええっ?」

ーー風呂ーー

禁書「ふんふふんふふん♪」ワシャワシャ

シャットアウラ「……」チャプ

禁書「ありさー。シャワーおねがーい」

シャットアウラ「う、うん」キュ

シャーー

禁書「ん~」

シャットアウラ(……これからどうするか…。いつまでもこいつ達といるわけにはいかないし…)

禁書「ありさっ」

シャットアウラ「! な、なんだ…じゃなくて、なにかな?」

禁書「こっち来てっ。背中流してあげる」

シャットアウラ「い、いいよ。別に…」

禁書「遠慮しないで、ほら」グイッ

シャットアウラ「わ、わかったからひっぱるな…ひっぱらないで」ザプ

禁書「じゃあ洗うね」

ゴシゴシ

シャットアウラ(少しくすぐったいな///)

禁書「気持ちいい?」

シャットアウラ「……うん」

禁書「ふふふっ」ニコニコ

禁書「…あれ? ありさ…少し変わった?」

シャットアウラ「!」ドキッ

シャットアウラ(ば、ばれたのか……?)

禁書「やっぱり…前よりも胸が大きくなってるんだよ!」

シャットアウラ「……へ? 胸?」

禁書「前に会った時からそんなに経ってないのに……私なんかちっとも……」ショボン

シャットアウラ「き、気のせいじゃないかな…」

禁書「絶対に大っきくなってるもん!完全記憶能力を持つ私が言うんだから間違いないんだよ!」

シャットアウラ「完全……記憶?」

シャットアウラ(確か一度見たものは忘れない特殊な体質のことか?)

禁書「えい!」

モニュッ

シャットアウラ「ひゃっ!?」

禁書「ありさばっかり大っきくなってずるいんだよ! 私にも少しくらいわけてほしいかも!」モニュモニュ

シャットアウラ「く、くすぐったいっ///」

バタバタ


ーーーーーーーーー

ギャーギャー
バタバタ


上条「んー? あいつらは何を騒いでんだ?」

上条「ご近所さんに迷惑だからもう少し静かにして欲しいんですが…。ま、大目に見ますか」

上条(それにしてもアリサの様子、少しおかしかったな……)

上条(会った途端走りだしたりスフィンクスのことをインデックスって呼んだり、口調もたまに凛々しいかんじにもなったり…)

上条(俺の右手に触れても反応しなかったところを見ると能力者や魔術師の変装ってことも無いから本物のアリサで間違いないと思うんだけど…)

上条(どうしても違和感が拭えないんだよなぁ…)

上条「それとも最近いろいろありすぎて俺が少し変になってるだけか?」

上条「だったらいいんだけど…」

上条(それよりアリサが現れた理由はなんだ?)

上条(まさかとは思うが、またアリサの力を利用しようとしている魔術師が何かしかけて…?)

上条「………」

上条「考えても仕方ないな。シャットアウラの行方も含めて今度土御門にそれとなく聞いてみるか」

ガチャ

禁書「とうまー、お風呂あがっんだよ」

上条「おう。アリサ、ジャージ大丈夫だったか?」

シャットアウラ「う、うん。ありがとう」

上条「さてと、それじゃあ上条さんも入りますか」

禁書「ありさっ、ゲームしよう、ゲーム!」

上条「ご近所さんに迷惑だからあんまり騒ぐなよー……って聞いてないな」


ーーーーーー
ーーー

シャットアウラ(はぁ…。結局泊まることになってしまったが……、この部屋にはベッドが一つしか無いのか?)キョロキョロ

禁書「どうかしたの、ありさ?」

シャットアウラ「い、いや…」

シャットアウラ(鳴護アリサは以前寝泊まりしているようだから迂闊な質問はできないな…)

上条「はいはい、2人ともそろそろ寝るぞー」

禁書「はーい」

上条「…その前にアリサ。これからどうするつもりなんだ?」

シャットアウラ「ど、どうするって…」

上条「とりあえず俺の知り合いの先生とかを頼れば色々と手助けはしてもらえると思うけど」

シャットアウラ「そ、そんなことしてもらわなくても…」

シャットアウラ(私は鳴護アリサではないから…)

上条「でもアリサだってこの先どうにかしなきゃいけない問題はたくさんあるだろ? だから俺にできることは少しでも協力させてくれ」

シャットアウラ「っ!」

シャットアウラ「……ありがとう。とにかく今日は寝て、明日から考えるよ」

上条「…そうか。じゃ、上条さんはいつも通り風呂場で寝ますんで。おやすみ」ガチャ

禁書「おやすみ~とうま」

シャットアウラ「お、おやすみ…」

シャットアウラ(あの男は風呂場で寝てるのか……、ということは…)

禁書「もう寝よう、ありさ。私も眠くなってきたんだよ」フアァ

シャットアウラ(こいつと寝るんだな。同じベッドで…)

禁書「明かり消すね」パチッ

シャットアウラ(寝るしかないか…)ゴソゴソ


ギュッ


シャットアウラ「!」

禁書「えへへー。ありさってあったかいんだね」ギュー

シャットアウラ(あたたかい…か)

シャットアウラ(食事や風呂を共にしたり、ゲームであそんだり…)

シャットアウラ(まるで『家族』みたいだな…。こんな感じは随分久しぶりな気がする……)

シャットアウラ(…だが……この2人が向けている優しさは鳴護アリサに対するものであって私にではないのか…)

シャットアウラ(そこを勘違いしないようにしなければ…)


シャットアウラ「………」

今日はここまでにします。

シャットアウラSSってあんまり見かけないので書いてしまいました…

ゆっくりですが応援してもらえるとうれしいです。

乙乙 よかったぜー

乙乙ガンダム

期待

ーー翌朝ーー

チュンチュン

禁書「……ん」モゾモゾ

禁書「…あれ? ありさ…?」

シーン

禁書「ふわぁ…。トイレかな? ……あれ?なんだろうこの紙」ピラッ

禁書「……!」

禁書「と、とうまっ!」バタバタ

ーー風呂場ーー

禁書「大変だよとうま!」バンバン

上条「んー? なんですかインデックスさん。日曜日くらいゆっくり寝かしてくださいよ…」ガチャ

禁書「なに呑気なこと言ってるのかなっ! ありさがいなくなっちゃったんだよ!」

上条「アリサが? どういうことだっ?」

禁書「これ」スッ

上条「書き置き…?」

~~~~~~~~~

泊めてくれてありがとう。
黙っていなくなってごめんなさい。
いくアテについては大丈夫なので心配しないでください。


鳴護アリサ
~~~~~~~~~

上条「っ…」

禁書「ど、どうしよう、とうま…」

上条「どうするって…、ほっとくわけにはいかない。インデックス、手分けしてアリサを探すぞ」

禁書「わかったんだよっ!」

上条「とりあえず一度着替えて…」

禁書「もう着替えてるんだよっ!」バーン

上条「いつの間に…」

禁書「行ってきます!」ピューン

上条「ちょっ、インデックスっ、?デタラメに…」

バタン

上条「探しても…見つからない…」

上条「………」

上条「はぁ…」

ーーーーーーーーー

上条「それにしてもアリサのやついったい何処に…」

上条「ん? なんだこれ」ヒョイ

上条「保険証? 俺のか? 名前は……シャットアウラ……シャットアウラっ!?」

上条「な、なんでシャットアウラの保険証なんかが俺の部屋に??」

上条「アリサが持ってきたのか…?」

上条「でもシャットアウラの行方はわからないって……」

上条「なんで…」

上条「一度ここの住所を訪ねてみるか…?」

上条「いや……保険証があったってことは病院に行ってたってことかも…」

上条「………」


ーーシャットアウラ宅ーー

シャットアウラ「はぁ……」

シャットアウラ「結局耐えきれなくて帰って来てしまったな…」

シャットアウラ「『鳴護アリサ』ではない私に、あの2人の優しさは辛すぎる…」

シャットアウラ「上条当麻…か」

ピンポーン

シャットアウラ「? 誰だこんな朝から」

ピッ

上条『……』

シャットアウラ「っ!? な、なんでこいつがっ…」

上条『もしもーし』

シャットアウラ「無視するか? いや、住所を知られている以上待ち伏せでもされればいつかは会うことになるな…」

シャットアウラ「そもそもこいつは誰に会いに来た?」

シャットアウラ「『鳴護アリサ』がここにいることがわかっているのか、それとも『シャットアウラ=セクウェンツィア』に会いに来たのか…」

ピンポーン

シャットアウラ「チッ……。出るしかないか…」スタスタ

ガチャ

上条「! よう。探したぜ」

シャットアウラ(この様子だと『鳴護アリサ』に会いに来たのか…)

シャットアウラ(ならもう一度鳴護アリサになりきって…)

シャットアウラ「当麻くん…」

上条「……もうアリサのふりするのはいいよ」

上条「シャットアウラ」

シャットアウラ「っ!? な、何故……」

上条「部屋にこれ忘れてったぞ」スッ

シャットアウラ「これは……私の保険証…」

上条「住所もこいつを見て知ったんだ」

シャットアウラ「……それより何故私が鳴護アリサではないと知っている?」

上条「この保険証がシャットアウラのだったから不思議に思ってさ。保険証を持ち歩いてたってことは病院帰りだったのかもって考えて知り合いの医者にたずねたんだ」

シャットアウラ「……冥土帰しか」

上条「そんなふうに呼ばれてるらしいな、あの先生」

シャットアウラ「それで話を聞いたのか。患者の個人情報だぞ……。おいそれと話すなんていったいどうなってるんだ…」ハァ

上条「そうとう頼みこんだからな。朝早くから何をやってるんだって怒られたよ」ハハッ

シャットアウラ「その……」

上条「ゴメン、シャットアウラ」ペコッ

シャットアウラ「!?」

シャットアウラ「な、何故お前が謝るっ? お前達を騙していたのは私だろう!?」

シャットアウラ「なのに……」

上条「本当は悩んでたんだろ? いきなり自分の姿が変わって戸惑ってたのに、俺達が言い出しにくい雰囲気をつくったからお前はアリサのふりをしなくちゃいけなくなって」

シャットアウラ「………」

上条「シャットアウラ…」

シャットアウラ「頭を…あげてくれ」

シャットアウラ「私のほうこそすまない。お前達の鳴護アリサに対する優しさを前に本当のことを言い出せず…、ついふりをしてしまって…」

シャットアウラ「あのインデックスという少女にも私が鳴護アリサでないことをキチンと伝えよう」

上条「俺からも説明するよ」

シャットアウラ「すまないな、ややこしい真似をして」

上条「気にしなくていいよ。それにあの先生から聞いたけど、なんでこんなことになったのかわからないんだろ? 元の姿に戻るアテはあるのか?」

シャットアウラ「……いや。今のところはなにも…」

上条「だったら俺にも協力させてくれ」

シャットアウラ「はっ? 何故お前が…。そんなことお前がする義理や理由はないだろう」

上条「義理とか理由とか、そんなもの必要か? シャットアウラが困ってるんだったら手伝うのは当たり前だろ」

シャットアウラ「当たり前って……。私とお前はそんな仲ではないと思うが…」

上条「確かに一度は敵対してたかもしれないけどさ、事情を知っちまったんだからほっとくなんてことできないよ」ニコッ

シャットアウラ「お前はそうとうお人好しなんだな…」

上条「よく言われる」

シャットアウラ「………ありがとう」ボソッ

上条「?」

シャットアウラ「いや、なんでもないっ!///」

シャットアウラ「それより、協力とは言ってもなにか知っているのか? あの医者ですらわからないと言っていたんだぞ?」

上条「こういうややこしいことに少し詳しい知り合いがいるんだ。一度そいつに相談してみる」

おでこDXといいあの見た目はツンデレ委員長属性でも持っているのかwwwww

シャットアウラ「いったいどんな知り合いだ…」

シャットアウラ「…ということは解決できるかもしれないということか?」

上条「絶対とはいいきれないけど…」

シャットアウラ「そうか……。できればあまり口外しないでもらいたいんだが…」

上条「どういうことだ?」

シャットアウラ「私が率いていた『黒鴉部隊』はわかるか?」

上条「ああ…、あの時の乗り物の集団か」

シャットアウラ「乗り物…、まあそうなんだが…」

上条「その『黒鴉部隊』がどうかしたのか?」

シャットアウラ「現在『黒鴉部隊』は学園都市で警備会社の真似事をしていてな。仕事の内容は民間企業や美術館なんかの警備や要人の警護なんかもしている」

シャットアウラ「たまにだが正規の警備員と協力して暴走能力者の鎮圧やスキルアウトの暴動を食い止めたりと…」

上条「結構危ないことやってるんだな…」

シャットアウラ「治安維持が私達の活動の名目だからな。そのせいか、いらぬ恨みを買っていることも…」

上条「つまりこのことが広まるとシャットアウラの身に危険が及ぶってことか?」

シャットアウラ「いや、私のことよりも心配なのは部隊のほうだ。リーダーが存分に力を発揮できないとなれば外部からの圧力や暴力で潰されるか、隊員達に見限られるか…」

上条「……そうか。わかった。個人名は出さないようにする」

シャットアウラ「面倒をかける」

上条「気にするなって。困ってる時はお互いさまだろ?」

シャットアウラ「……優しいな」

上条「そうか?」

シャットアウラ「ああ、優しすぎるくらいだ」

上条「なんか照れるな///。それじゃあ相談してみるよ。…とその前にインデックスに連絡しないと」

シャットアウラ「それなら一度お前の部屋に行こう」

上条「わかった、インデックスにもそう連絡する。インデックスの奴が携帯持ち歩いてたらいいんだけど…」

ーーーーーー
ーーー


ーー上条宅ーー

上条「……というわけなんだが、わかったか? インデックス」

シャットアウラ「………」

禁書「えっと…。それじゃあこの人はありさの姿をしてるけどありさじゃなくて、しゃっとあうらってことなんだよね?」

上条「そういうことだ」

シャットアウラ「すまない。騙していて」

禁書「……あなたが謝る必要はないんだよ」

シャットアウラ「………」

禁書「あなたに悪気があったわけじゃないんでしょ? 言い出せなかったのは私が舞い上がって話すタイミングを無くしちゃったせいなんだから」

シャットアウラ「……お前達は心の底から優しいんだな」

禁書「当たり前なんだよ!なんていったって私はイギリス清教に使えるシスターなんだから。迷える子羊を救うのが私の仕事なんだよ!」フンッ

シャットアウラ「そ、そうか…」

上条「迷える子羊を救う前に我が家の食費を救ってくれませんかね…」

禁書「腹が減っては仕事はできないんだよ!」

上条「お前は家事すらしてないでしょうがっ!」

シャットアウラ「……ふふっ」

上条「おぉ…」

禁書「しゃっとあうらが笑ったんだよ…」

シャットアウラ「なんだ、私が笑うとおかしいのか」ムッ

上条「だって、今日会ってからずっと仏頂面だったし」

シャットアウラ「そ、そうだったか…」

禁書「今思えばありさのふりしてる時も無理して笑ってた気がするんだよ」

シャットアウラ「無理してたように見えたのか…」

上条「無理してたっていうより様子は色々おかしかったな。インデックスとスフィンクスを間違えたり」

シャットアウラ「あ、あれは仕方ないだろっ。インデックスが人の名前とは思わなかったのだから…」

上条「まあそう言われれば間違えてもしょうがないか」

禁書「ちょっとまって欲しいんだよ!色々言いたいことがあるかも!」

禁書「どうしてよりにもよってスフィンクスと私を間違えたのかな? 私はスフィンクスほどのんびりしてないかも!」

上条「いやいや、インデックスさんはスフィンクス以上にのんびりゆったりと……、ごめんなさい。謝るのでそのキラリと光る牙をどうかお納めください」ドゲザッ

禁書「がるるるぅぅ…」

シャットアウラ(なんて手慣れた土下座なんだ…)

上条「よし! 上条さんはさっき言ってた知り合いに相談してくるん でこれにて失礼!」バッ

禁書「ちょっととうま! 逃げないで欲しいんだよっ!」

上条「シャットアウラ! 後はまかせた!」

シャットアウラ「お、おい…」

ガチャ

禁書「帰ってきたらお仕置きかも」プンプン

禁書「それより、しゃっとあうら。とうまが帰ってくるまでどうしようか?」

シャットアウラ「どうするって…」

グギュルルルゥーー?
グギュルルルゥーー?

シャットアウラ「」

禁書「」

シャットアウラ「…とりあえず、なにか食べようか」

禁書「…そうするんだよ」

ーーファミレスーー

上条「よーす」

一方「おせェぞ三下ァ!」

上条「あれ? なんで一方通行がいるんだ?」

一方「いちゃ悪いのか」

上条「悪くはないが…だって土御門に話があるって連絡したんだけど…」

土御門「オレが呼んだんだにゃー」

上条「よう。なんで一方通行も呼んだんだ? ってかお前ら知り合いだったのか?」

土御門「マブダチなんだぜい」

一方「オマエみてェなシスコン野郎とマブダチなンざ死ンでもお断りだ」

土御門「魔術側と科学側、どっちの意見も聞きたいってカミやんが言うからわざわざ連れてきたんだぞ?」

上条「そっか。第一位の頭脳ならなら、なにかわかるかもしれないからか」

土御門「そういうことですたい」

一方「けっ…」

土御門「あとオレ、お金ない」

上条「ゴチになりまーす。一方通行様」

一方「まてコラ」

土御門「すんませーん。ドリンクバー三つお願いしまーす」

一方「人を財布がわりにしてンじゃねェぞォ!ゴラァっ!!」

ーーーーーー
ーーー


上条「ベクトルチョップしなくても…」ボロボロ

土御門「ほんとだぜい…」ボロボロ

一方「で、話っつゥのは、なンだ」

上条「あー、あのさ……朝起きたら自分の姿が変わってたらどう思う?」

土御門「? なんの話かにゃー」

一方「肉体変化の能力にでも目覚めたか?」

上条「俺の話じゃなくて…、あと超能力でもないと思うんだ」

一方「あのストーカーの話か?」

上条「海原でもなくて」

土御門(ストーカーだけで海原って伝わるって…)

上条「魔術とか科学の力じゃない……と思う」

土御門「それはカミやんの右手が反応しなかったってことかにゃー?」

上条「ああ」

土御門(魔術側でも科学側でもない…。かつカミやんの右手に反応しない力か…)

土御門(今までのことを振り返れば『不死身』のフロイライン=クロイトゥーネか『奇蹟』の存在である鳴護アリサくらいしか例がないな…)

土御門(姿が変わる? ってのはなんのことかイマイチわからんが…)

一方(なンだ? 土御門の野郎いきなり黙りやがって…。この様子だと何かに気づいたのかァ?)

一方(チッ。こいつが気づいてオレがわからねェってのはなンかムカつくな…)

一方(…なンにせよ、わけわかンねェことにアレイスターが関わってる可能性はデカイ。直接問い詰めるか…)カチカチ

上条(あれ? なんか2人とも急に黙っちゃったんだけど…。一方通行にいたっては携帯弄りだしたし…)

上条「もしもーし?」

土御門「詳しく話が聞きたい」

上条「あー、えっーとな…」

上条(あんまり言いふらすなって言われたけど…。この際仕方ないか)

上条「シャットアウラって覚えてるか?」

土御門「黒鴉部隊のリーダーかにゃー?」

土御門(鳴護アリサ関連ってとこか)

一方(誰だソレ?)

上条「そう。それでシャットアウラが朝起きたらアリサになってたんだよ」

土御門「……いや、意味わからんぜよ」

一方(おせェな…)

上条「だからさ、シャットアウラ曰く、朝起きた時に自分の姿がアリサの姿になってて、医者にも原因がわからないって言われたんだよ。俺の右手で触れても直らないし」

土御門「…それで原因を知るためにオレ達に話を?」

上条「そういうこと」

一方(もう5分もたってンじゃねェかよォ)イライラ

土御門(……全くわからんぜよ。そもそもあの2人については不明瞭なことが多過ぎてオレだってイマイチわかってないからな…)

上条「俺が一番心配してんのは、またあの時みたいに誰かがあの力を利用して何かしようとしてるんじゃないのかってことなんだけど…」

土御門「なるほど、鳴護アリサの力を使うためにシャットアウラ=セクウェンツィアの姿を無理矢理変えたんじゃないかってことか…」

上条「ああ」

土御門(流石にそんな怪しいことしてる奴がいれば気づくと思うが…)

ヒュン

結標「呼んだかし…「遅ェぞォ!結標ェ!!」

結標「ちょ、いきなり呼び出しといてなによっ!」

上条「あ。あの時の…」

結標「あら、小萌の生徒の…」

一方「おいコラ、1分以内に来いっつっただろォが」

結標「無茶言わないでよっ!こっちだって出かけるのに準備とかあるんだから!」

一方「準備なンか必要ねェだろ」

結標「女の子には色々あるの! 化粧とか服とか!」

土御門「お、女の子…」プッ

結標「あ"っ? なんか文句あるのかしら? このシスコン」

一方「服って…どォせ裸みてェな格好じゃねェか」

結標「喧嘩売ってんのかしら、このロリコン」ピキピキ

一方「うっせェぞショタコン」

土御門「そして露出狂」

結標「私にそんな変態属性つけてんじゃないわよぉぉぉ!!!」

上条(露出が高いのは事実だと思うのですが…)

結標「何か言ったかしら?」

上条「なんでもありませんっ」ブンブン

土御門「なんで結標を呼んだんだ?」

結標「なにサラッと話進めてんのよっ!」

一方「わけわかンねェことには大抵あのクソ野郎が関わってンだろ。だからアイツのとこまで行くのに必要な移動手段として呼ンだ」

土御門「なるほど」

結標「人をタクシーがわりにしないでくれるかしら!?」

上条「クソ野郎って?」

一方「オマエは黙って待ってろ」

土御門「オレ達が調べてくるからにゃー」

結標「ねえちょっとなんの話?」

上条「ありがとな、2人とも」

土御門「カミやんにはいつも頑張ってもらってるからにゃー。たまにはこっちに任せるぜい。一方通行も張り切ってるし」

一方「張り切ってなンかねェよ…」

土御門「カミやんが困ってるって言ったらすぐ協力するって…」

一方「土御門くゥン?それ以上口を開いたらどォなるかわかってンだろォなァ!?」

土御門「おー怖い怖い」

結標「無視しないで欲しいんだけど……」ショボン

一方「おィ結標」

結標「な、なにかしらっ?」

一方「オレらをアレイスターのとこまで連れてけ」

土御門「頼むぜよ」

一方「早くしろ」

結標「………」ブチッ

結標「はぁぁぁっ!? なんなのよあんた達! いきなり呼び出してなんの説明もせずに人をタクシーがわりにしようとしてっ! 誰が手伝うかっ! バーカバーカ!」

土御門(なんかきれたぜよ…)

一方(うっわ、めンどくせェ…)

上条「ちょ、落ちついてくださいって! 人が見てますから! お前らも見てないで止めろよっ」

一方「はァ…めンどくせェなァ…」カチ

結標「なによ! 女の子に暴力ふるう気っ!?」

一方「ベクトルチョップ!!」ビシッ

結標「きゅっ!」ドサッ

上条「お、おい…」

一方「とりあえず窓の無いビルまで歩いていくか。オマエらこいつ運べ」

土御門「まったく面倒だにゃー。カミやんそっちの肩持ってくれ」

上条「い、いいのかこれ。まるで誘拐…」

一方「結標だからいいンだよ」

土御門「そうそう」

上条「えぇ…」

結標「」チーン

ーーーーーー
ーーー

ーー上条宅ーー

禁書「……ねえ、しゃっとあうら」

シャットアウラ「…反省はしている」

禁書「気持ちはわかるんだよ。私だってお腹は空いてたし…」

シャットアウラ「………」

禁書「でもね、どうして料理できないのに料理できるなんて言ったのかな?」

シャットアウラ「それは…その…」

禁書「キッチンはメチャクチャだし冷蔵庫の中の食べ物もほとんどなくなっちゃったんだよ…」

シャットアウラ「うぐっ…」

禁書「いくら私だってここまで酷くしたりしないかも」

シャットアウラ「うぅ…」

禁書「しゃっとあうらって意外とだらしないんだね」

シャットアウラ「き、聞き捨てならないなっ。そもそもお前が調理前の食材を食べたり、できる前のものをつまんだりしたからだろう!」

禁書「むっ…。そ、それと料理の腕前は関係ないかもっ!」

シャットアウラ「あの男も言っていたが、随分と生活態度もだらしないそうじゃないか」

禁書「そ、そんなことないんだよ!とうまがちょっと大袈裟に言いすぎただけかも!」

シャットアウラ「どうだかな」フッ

禁書「しゃっとあうらは意地悪なんだよっ!」

シャットアウラ「なんだとっ!」

禁書「ふん」

シャットアウラ「私に喧嘩を売るとはいい度胸だ…」

禁書「私と勝負する気かな」

シャットアウラ「謝るなら今の内だぞ」

禁書「………」

シャットアウラ「………」

グギュルルルゥーー
グギュルルルゥーー

禁書「///」

シャットアウラ「///」

禁書「……今はお腹を満たすことのほうが大事なんだよ」

シャットアウラ「……ファミレスでも行くか」

禁書「お金がないんだよ」

シャットアウラ「それくらい出してやる」

禁書「しゃっとあうら大好き!!」ダキッ

シャットアウラ「変わり身早すぎるだろうっ!?」

ーーーーーー
ーーー

ーー窓の無いビルーー

一方「着いたか…」

土御門「疲れたぜい…」ハァハァ

上条「この人どうすんだよ」ハァハァ

結標「」

一方「ベクトル目覚ましビンタ!」

バチーン

土御門「ただのビンタだにゃー」

結標「痛っ!? な、なに??」

一方「起きたンならさっさと働け」

結標「あ、一方通行??なんで……はっ。まさか私の体目当てに誘拐をっ!?」

一方「さっさと働け」

結標「ちょっとくらいノってくれてもいいじゃない…」

一方「は・た・ら・け!」

結標「それが人にものを頼む態度? 頭の一つくらい下げるべきじゃないかしら」フフン

一方「……」

上条「どうかご協力お願いします」ドゲザッ

結標「えっ、ちょっとなんであなたが…」オロオロ

土御門「うわー、あわきんがカミやんに土下座させてるー」

結標「ひ、人聞きの悪いこと言わないでっ! あなたも頭をあげてよ協力するから!」

上条「ありがとうございます!」

結標「もう…」

一方「よし。じゃあさっさと運べあわきン」

結標「なんで何もしてないあなたが偉そうなのよ…。あとあわきん言うな」

土御門「じゃあ行ってくるからカミやんはここで待っててくれ」

上条「ああ、頼んだぜ」

結標「いくわよ」

ヒュン

上条「………」

ーーーーーーーーー

アレイスター「おや、珍しいな。君たちが仲良く遊びに来てくれるとは」

結標「仲良くないわよ!」

アレイスター「……何故彼女はそんなに怒っている?」

一方「生理だろ」

結標「違うわよっ!」

アレイスター「なるほど」

結標「違うっつってんでしょっ!!」

一方「落ちつけよあわきン」

結標「はぁはぁ…」

アレイスター「で、何の用かね」

土御門「カミやんに聞いたぞ。今度は何を企んでいる」

アレイスター「シャットアウラ=セクウェンツィアの件か」

アレイスター「残念ながら私は何も知らないぞ」

土御門「なに?」

アレイスター「もともと彼女達の力についてはわからないことが多過ぎる」

土御門「ほんとに何も知らないのか?」

アレイスター「興味もないしな」

土御門「………」

アレイスター「まあ一つ言わせてもらえば、 彼女の姿が変わったことは彼女の深層心理に関係しているのではないかね」

土御門「深層心理だと?」

アレイスター「つまり鳴護アリサとして取り込んだ意識が表層に現れた。その影響で姿が変わったということだと推測するが」

一方「一つって言ったくせにやけに喋るな」

アレイスター「………」

土御門「………」

結標「空気読みなさいよ…」

土御門「……で、その現れた意識ってのはなんだ?」

アレイスター「……それくらい自分で調べたまえ」

土御門「………」

結標「あなたのせいで拗ねちゃったじゃない…」

一方「あん?」

アレイスター「………」

結標(黙っちゃったし…)

一方「このコイツが関係してねェってンならもうここに用はねェだろ。帰るぞ」

結標「あなたほんとにいい性格してるわね」

一方「なに急に褒めてンだよ」

結標(……Level5ってほんとに頭おかしいのね)

一方「ほら、さっさと外に飛ばせ」

結標「いいの?」

土御門「…まあ精神系の能力者に調べさせれば解決できそうな問題だからな」

結標「………」チラッ

アレイスター「………」

結標(まぁいっか)

ヒュン


アレイスター「……つまらん」ショボン

ーーファミレスーー

禁書「ジャンボパフェも追加なんだよ!」

シャットアウラ「……よく食うな。いったいその小さな身体のどこに入ってるんだ…」

禁書「デザートは別腹なんだよ!」

シャットアウラ「そのセリフ、肉料理の時にも魚料理のどこににも聞いたぞ…」

禁書「そういうしゃっとあうらこそ、よく食べてるかも」

シャットアウラ「は、腹が減っていたんだから仕方ないだろ///」

禁書「おかわりなんだよ!」

シャットアウラ「……聞いてないし」

シャットアウラ「……なあ、一つ聞いていいか?」

禁書「なにかな?」モキュモキュ

シャットアウラ「その…お前と上条当麻はどういう関係なんだ?」

禁書「?」

シャットアウラ「あれだ……こ、恋人…なの…か?」

禁書「うーん、私ととうまは家族…みたいなものかな」

シャットアウラ「そ、そうか…」ホッ

シャットアウラ(な、何故私は安心しているっ?)

シャットアウラ(姿が変わってからというものどうも自分の気持ちがわからないことがあるな…)

禁書「どうかしたの?」

シャットアウラ「い、いやっ。なんでもないぞ」

禁書「そう?ならいいんだけど…」

シャットアウラ「それよりもう注文はいいのか?」

禁書「まだまだ満腹にはほど遠いんだよ! 次はケーキに挑むかも!」

シャットアウラ「ほんとうによく食べるんだな…」

シャットアウラ(元の姿に戻ればきっとまた落ち着くさ…)

今日はここまでにします。

>>19>>20ありがとうございます。頑張ります!

>>28映画のシャットアウラはほんと吹寄に似てますよね

しゃっとあうらってぱっと見、見にくいな…

ーーーーーーーーー

ヒュン

上条「お。どうだった?」

土御門「ヒント的なものは掴めたぜい」

上条「ほんとかっ!?」

土御門「ああ。解決させるには少し準備がかかると思うが…」

上条「いやいや、手がかりが掴めただけでも十分だよ!ほんとにありがとう!」

一方「けっ。礼なンかいらねェよ」

結標「いや、あなた何もしてないわよね。むしろ邪魔して…にゅ!?」ガシッ

一方「あわきちゃァン?このままほっぺた握って潰れたアンパンみたいにされたいンですかァ?」ギュウー

結標「にゅーっ!?」バタバタ

土御門「それでカミやん、今シャットアウラはどこにいる?」

上条「俺の部屋にインデックスと留守番してるはずだ」

結標「へ、ヘルプ!ヘルプ!!」

一方「くかかかけきここ!!」

上条「……この2人は…」

土御門「面倒だからおいてけ」

結標「ちょっとぉぉぉ!??」

ーー上条宅ーー

上条「シャットアウラー、いるか?」

土御門「……誰もいないみたいだにゃー」

上条「どっかいったのか……ん?」

グッチャ~

上条「き、キッチンが……」

土御門「これは…新しい儀式場か?」

上条「冷蔵庫の中も空っぽだし……」

土御門「ドンマイ」

上条「帰ってきたら覚えてろよ…」ギリギリ

土御門(血の涙でも流しそうな勢いでくやしがってるな)

土御門「ま、今のうちにわかったことの説明をしておくぜい」

上条「……おぉ」

土御門(…この状態で理解できるかにゃー?)

ーーーーーー
ーーー


上条「……つまりアリサが持ってた感情とか気持ちが浮き出てシャットアウラの姿を変えてるってことか?」

土御門「正確にはシャットアウラの気持ちに共鳴してるのかもしれん」

上条「共鳴?」

土御門「ああ、簡単に言えばシャットアウラと鳴護アリサが同じ気持ちを持ったせいってことだにゃー」

上条「??」

土御門「シャットアウラが鳴護アリサと同じ感情を持つ。すると鳴護アリサとしてとり込んだ感情も刺激を受ける」

土御門「その際にシャットアウラが無意識のうちに何かを願って、それが鳴護アリサの姿になるという形になって現れた」

土御門「……ってオレは推測してるぜよ」

上条「よく…わかんねえな…」

土御門「ま、ほとんどオレの推測だし、あの『奇蹟』の力は全くもって理解できてないからにゃー」

上条「…それで、元の姿に戻るのはどうすればいいんだ?」

土御門「今の話から考えたらその感情が何かを突き止めて、願いがなんだったのか調べるのが手っ取り早いな。そいつを解決しちまえば多分元に戻るだろう」

上条「そう…か…」

土御門「精神系の能力者にみせたり、簡単な心理テストでもわかると思うぞ?」

上条「そうなのか?」

土御門「オレもその辺の知識ややり方は知っているから、シャットアウラさえ連れて来てくれれば心理テストくらいやってやれるにゃー」

上条「じゃあインデックスに連絡して…」

バンッ

禁書「と、とうまっ!」

上条「うぉっ!? い、インデックスっ? どうした、そんなに慌てて…」

禁書「しゃ、しゃっとあうらが…しゃっとあうらが誘拐されたんだよ!!」

上土「「はぁっ!?」」

ーーーーーー
ーーー

ーー廃ビルーー

シャットアウラ「……クソッ」ハァハァ

男「おいおい、もうへばっちまったのかぁ? 天下の治安維持部隊のリーダー様がよぉ」

男「おっと、今は違うんだっけか」ギャハハハ

シャットアウラ「チッ…」ダッ

男「おーおーまだ逃げるかよ。いいねぇ、でないと虐めがいがねぇしなぁ」

男「ま、逃げても無駄だけど」

男「このビルにゃあ俺が仕掛けた『罠』が設置してあるからよぉ、入り口から出れると思うなよ?」

カンカンカン

男「上に逃げたか…。ま、一階に向かう階段は俺の後ろのやつしかねぇし、当然か…」

男「俺の仲間を片っ端からパクってくれたんだ、楽にゃあ済ましてやんねぇぞ……」

男(…しかし見た目が変わってるって聞いた時は驚いたがあの姿、どっかで見たことあんな…。どこだっけか…?)

シャットアウラ「はぁはぁ…」

シャットアウラ(あの男は…確か以前警備員と協力して捕まえた無能力者狩りのグループでリーダーをしていた…)

シャットアウラ(なるほどな…仲間の敵討ちというわけか…)

シャットアウラ「ごほっごほ…」

シャットアウラ(やはり鳴護アリサの身体ではまともに戦えない…)

シャットアウラ(それにしても奴は何故私の姿が変わっていることを知っていたのだ?)

シャットアウラ(ファミレスでインデックスとの会話を盗み聞きしていれば私の名前がシャットアウラであることはわかっただろう)

シャットアウラ(しかしそれだけで姿が変わっているとわかるわけがない…)

シャットアウラ(まさかとは思うがあのお人好し……ところ構わず喋ったんじゃないだろうな…)ワナワナ

カーンカーン

シャットアウラ「!」

シャットアウラ(今は目の前のことに集中するべきか…)

シャットアウラ(幸い、一階と二階をつなぐ階段以外は二つあるようだから立体的な構造を利用すれば袋のネズミなんてことにならずにすむな…)

シャットアウラ(スキを見て外に出たいが奴の言っていた『罠』の存在も気にかかる…)

シャットアウラ(そもそも奴が扱う能力はなんだ?)

シャットアウラ(何かしているようには見えないのに遠距離から身体の内側にダメージを与えてきている)

シャットアウラ(以前会った時は早々に逃げ出されたせいで能力を見る暇もなかったからな…)

シャットアウラ(こうなったら一つ、一つ、見極めていくしかないか…)

シャットアウラ(まず、上に来てからは奴は攻撃をしてきていない)

シャットアウラ(つまり遮蔽物があると攻撃できないか、目で見てターゲットの位置に攻撃を仕掛けているということになる)

シャットアウラ(ならばもう一つ上階に行くまでだ…)タタタッ

男「んー? また上に逃げやがったのか?」

男「ちょろちょろとめんどくせぇなぁ」

男「張り合いがあっていいんだけどよぉ、いつまでも鬼ごっこってわけにもいかねぇし、ここいらで一発食らわしとくか」

男「降りられちゃ面倒だしあっちの階段は潰してと」

男「ふん!」

ビィィィン

ビキビキッ
グシャァッ


男「ふぅ…。ここは…三階か。なら上から飛び降りて逃げるっつぅ真似はできねぇなぁ」

男「こっちの階段から登ってきゃあ、後は四階か五階で仕留めれるな」

男「じっくり嬲り殺しにしてやるよ…」ククク

シャットアウラ「! 階段が潰された!?」

シャットアウラ「クソッ! そんな破壊力のある攻撃だったのかっ」

シャットアウラ(このままでは上に逃げてもまた同じことをされてしまう…。そうなれば逃げ場が…)

シャットアウラ(こうなったらここで戦うか…)

シャットアウラ(元はオフィスかなにかだったのだろう。ロッカーや事務机が捨て置かれているし、入り組んだ構造を利用すればなんとか戦えるな)

シャットアウラ(なにか武器になりそうなものは…)キョロキョロ

シャットアウラ(コンクリート片なら投擲に使えるか…。あとは角材かこれは?)

シャットアウラ(おおかた不良が持ち込んだ物のだろう。長物があると便利だな。有効利用させてもらうか)

シャットアウラ(スーツの補助の無い女の腕力ではたいしてダメージを与えられないと思うが急所を狙えば…)

シャットアウラ(さて、黒鴉隊リーダーとしての力、しっかりみせてやろう…)ギュッ

ーーーーーーーーー

ダッダッダッ

上条(どこだ、どこにいるっ…)キョロキョロ

上条(インデックスの話だと犯人は1人。ガタイのいい男でシャットアウラと理解して襲ってきたって…)

上条(さらに突然正体不明の攻撃を受けて2人とも抵抗できなかったって言っていたな)

上条(インデックスがわからなかったってことは相手は能力者)

上条(どうやってシャットアウラのことを知ったのかはわからないけど、一緒にいたインデックスを無視したってことはシャットアウラだけが目的)

上条(つまりシャットアウラが言ってた黒鴉部隊にやられて仕返しにきた暴走能力者ってとこかっ)

上条(走って連れてったらしいしそう遠くまで行ってないはずなんだけど…)

prrrrr

上条「土御門かっ?」

土御門『カミやん!監視カメラの映像に犯人とおぼしき人間と鳴護アリサらしき人間が映っていた!』

上条「場所はっ?」

土御門『ファミレスから一つ先の交差点を曲がってすぐの裏路地を真っ直ぐいけ! そこを抜けると解体工事予定の廃ビルがある! その中だっ!』

上条「わかった!」

土御門『カミやん! オレもすぐに向かうから1人で突っ込む…ブチッ

上条「待ってろよっ! シャットアウラ!」ダッ

ーーーーーーーーー

土御門「切りやがった…」

禁書「しゃっとあうらは大丈夫なのかなっ?」

土御門「心配するな。カミやんに任せればきっと大丈夫だ。オレも応援に行くからお前はここで留守番だ」

禁書「わかったんだよっ。もとはるも気をつけて」

土御門「ああ」

ーー廃ビルーー

男「どこに隠れたのかなー?」

男「ほらほら出てこいよー。逃げ場なんてねぇーんだからよぉー」

シャットアウラ「………」

シャットアウラ(どうやら奴には私の位置がわかっていないようだな。このまま奴が廊下まで出てくれば不意打ちを仕掛けることができる…)

シャットアウラ(側頭部に一撃叩き込めばしばらくまともに歩けないだろう。その隙に追撃をして確実に倒す)

コツコツ

シャットアウラ(あと五歩…三歩……今だっ!)バッ

男「読めてんだよ」ヒョイ

シャットアウラ「っ!?」

男「うらぁっ!」

ゴシャッ

シャットアウラ「ぐふっ!?」

ゴロゴロ

シャットアウラ「がはっ!…はっ…はっ…」

男「残念だったなぁ。お前の位置くらいわかってんだよ」ニヤニヤ

シャットアウラ「なん…で…。げほっ…」

男「鳩尾にもろに入ったか? さて…ふんっ!」

シャットアウラ「?」

シャットアウラ「っ! ぐあぁぁぁ!?」

男「ふんんっ!」

シャットアウラ(頭が…身体が……痛いっ……)

シャットアウラ(逃げね…ば……)ググッ

ヒュッ

男「!」パシッ

男「コンクリート?」

シャットアウラ(今だっ!)ダッ

男「チッ…また上かよ…面倒せぇなぁ…」

なんとなくシャットアウラって矢吹キャラぽいよな(見た目的に。レディリーは再生余裕!)
古手川に似ているから?(笑)

シャットアウラ(思わず…上に逃げてきてしまったが…これでは…もう)ハァハァ

シャットアウラ(奴の…能力はいったい…)

シャットアウラ(鉄筋コンクリートの階段を破壊したり、肉体の外部を傷つけずに内部にダメージを与えたり、死角からの不意打ちに対処したり…)

シャットアウラ(っ…、吐き気が……)

コツコツ

男「よぉ、気分はどうだい…っていねぇし。またどっかに隠れたのか?」

シャットアウラ(チッ…もう来たのか…。いや、今度は階段を破壊していない…? ならまだ逃げるチャンスがあるな…)

男「ど・こ・に・い・る・の・か・な!」

ビィィィン

シャットアウラ( なんだこの音?)

ビシビシッ
グシャッ

シャットアウラ(! コンクリートの壁を破壊したっ!?)

男「あれ? また壁の向こうで待ち伏せしてんのかと思ったんだけど、外したかぁ」

シャットアウラ(先ほど階段を壊したのはあれか…)

男「じゃあこんどはこっちの瓦礫を」スタスタ

シャットアウラ(やばいっ!)

シャットアウラ(壊される前になんとか反撃をっ!)

男「なんつって」

ガシッ

シャットアウラ「!」

男「捕まえたぞ」ニヤァ

シャットアウラ「離せっ! くそっ!」

男「元気いいなぁ、おい」

シャットアウラ「このっ…」


男「もう逃がさねぇ。今からたっぷりと仕返ししてやんよ」

男「うらっ!」

シャットアウラ「なにを…」

シャットアウラ「がぁぁぁぁぁ!?」

シャットアウラ「ま、また…」

男「ふっ…」

シャットアウラ「はぁっ!? はぁはぁ…」

男「今どんな気持ちだよ、おい。お得意の爆発攻撃も体術も使えず、理解できない能力にやられてる気持ちはよぉ」

シャットアウラ「…うっ…はぁっ…。お前の…能力の正体はわかっている…」

男「おっ、気づいたのか…」

シャットアウラ「お前の能力は…『音』を扱う能力…だ」

男「そーそー、よく気づいたじゃねぇか、褒めてやるよ」

シャットアウラ「はぁっ…はっ…」

男「正確には超音波とか低周波とかなんだがよ」

シャットアウラ「出会い頭に食らわしたり、今やった攻撃は…『インフラサウンド』…か」

シャットアウラ「人間には聞こえない音を大音量で鳴らし、攻撃をした…。吐き気や内臓へのダメージがその証拠…」

シャットアウラ「階段や壁を破壊したのは超音波の周波数を操って物が持つ固有振動数と合わせ共鳴させ破壊した…」

シャットアウラ「死角からの不意打ちを避けたのは、自分が出した声の反射で私の位置を特定していたからか…」

男「正解正解! 驚いたぜ。まさかこの短時間の攻防でこれほどまで見抜くとはな」

男「ちなみに言っとくが、『罠』ってのはな、入り口のとこに俺の声を録音したレコーダーを大量に設置してんだよ。近づくと流しっぱなしになっている音で内臓を破壊しつくすって算段だ」

シャットアウラ「しかし…音は出せても、反射した音を聞いて敵の位置の特定ができるとは思えないな…」

男「なに言ってんだよ。ここは学園都市だぜ? そんくらい補助する機器なんかごまんとあるんだよ」

シャットアウラ「チッ……」

男「さてと…それじゃあたっぷり可愛がってやるか…」

シャットアウラ「な、なにを…」

男「肉体的にも精神的にもこれからボロボロにしてやるってことだよ」ジリジリ

シャットアウラ「来る…な…」ガタガタ

男「いいねぇ、その怯えた表じょ…「シャットアウラぁぁ!!」

男「あん?」


パリーンッ
ダンッ


シャットアウラ「っ!」

男「窓からっ!?」

上条「っと…」

シャットアウラ「お前…何故ここに…」

上条「監視カメラから見つけだしたんだよ」

上条(間違えて隣のビルに入っちゃったけど、おかげで危ないところで助けに入れたから結果オーライか)

男「かっこいーねぇ。まるでヒーロー登場って感じかぁ?」

上条「テメェ…、覚悟はできてんだろうな…」

シャットアウラ「気を…つけろ。そいつは『音』を…操る…」

男「わかったところでどぉもなんねぇよ!」

男(あの野郎の足元を超音波でブチ抜く!)

上条「うぉぉぉ!!」ダッ

男「っ!? 素手で突っ込んでくるとか馬鹿かっ?」

上条「うらぁっ!!」

男(チッ! ここを壊せば俺も巻き込まれる! まずは一旦距離をとる! カウンターで殴り返して吹っ飛ばしてやんよ!)

男「おらぁぁぁ!」ブンッ

上条「!」

サッ

男(避けたっ!? こいつ…喧嘩慣れしてやがるっ!)

上条「ふんっ!」ブンッ

グシャッ

男「ぐっ…がはっ!」

ゴロゴロ

男(クソがっ!もろに鳩尾に入っちまった…こうなりゃ低周波で内臓シェイクだ!)

男「ふん!」

上条「!」

上条(能力かっ!?)

上条「効かねぇよっ!」

パキィーン

男(なんだっ? 俺の攻撃が効いてないっ?)

ダンッ

男(まずっ…!)

上条「歯ぁ食いしばれよ、この…クソ野郎っ!!」

バキィッ!

男「あがっ!?」

ゴロゴロ
ドサ

上条「ふぅ…」

上条「大丈夫かっ!シャットアウラ!」

シャットアウラ「あ、あぁ…」

上条「ボロボロじゃねぇか…。助けに来るのが遅れてごめん…」

シャットアウラ「お前が気にする…ことではない…。恨みを買っていたのも、連れさられたのも、私の責任だ…」ヨロヨロ

上条「フラフラじゃねぇか。肩貸すぞ」

ギュッ

上条「!? しゃ、シャットアウラさんっ? な、何故抱きついているんでせう??」

シャットアウラ「し、しばらくこうさせて……くれ…」カクッ

上条「シャットアウラ? ……気を失ったのか…」

ガタッ

男「くそっ!」ダッ

上条「! テメっ、待てっ!」グッ

シャットアウラ「………」

上条「っと…。くそっ…」

prrrrr

ピッ

上条「悪い土御門! 犯人に逃げられたっ!」

土御門『心配いらんぜよカミやん。あとはこっちでなんとかする』

上条「なんとかって…」

土御門『最終兵器が動きだしたからにゃー』

ブチッ

上条「最終…兵器?」


ーーーーーーーーー

男「はぁはぁ…ちくしょうがっ…」

男「ぜってぇ潰す、あのくそどもが……あん?」

一方「よォ。オマエが話のクソッタレってことでいいンだよなァ?」

男「んだてめぇ? 邪魔だっ!」

一方「はっ。残念ながらこっから先は一方通行なンでなァ、わりィが元の居場所に引き返してもらおォか」

結標「引き返させないでよ。っていうか気に入ってるの? そのセリフ」

男「うっせぇぇんだよぉぉ!!」ダッ

一方「………」カチッ

男「くたばれやおらぁぁ!!」ブンッ

キィィン
ドンッ

男「がっ……?」

ドサッ

結標「見事に吹っ飛んだわねー」

一方「手加減はしてやったぞ」

土御門「ご苦労だにゃー」

一方「あー、コーヒー飲みてェ…。あわきん、コンビニまで運べェ…」

結標「だから人をタクシー代わりにしないでくれる?」

今日はここまでにします。

>>58風紀委員キャラはなにかしら似る理由でもあるんですかね?


男の能力は結構無理があるかもですが、大目にみてください…

ーーとある病院ーー


シャットアウラ「…う……ん…? 」

禁書「しゃっとあうら!」

シャットアウラ「イン…デックス…? ここは…」

禁書「病院なんだよ。とうまが連れて来てくれたの」

シャットアウラ「病院…」

禁書「とうま! とうま! しゃっとあうらが起きたんだよっ!」

ガラッ

上条「ほんとかっ?」ヒョコ

シャットアウラ「上条…当麻」ググ

上条「無理して起き上がらなくてもいいぞ」

シャットアウラ「確か、私は……」

シャットアウラ「そうだ! あの男はどうなった!?」

上条「大丈夫だ。警備員にちゃんと引き渡したから、心配はいらないよ」

シャットアウラ「そうか…」

上条「お前、丸一日眠ってたんだぞ?」

シャットアウラ「丸一日も…」

コンコン

冥土帰し「失礼するよ?」

シャットアウラ「冥土帰し…」

冥土帰し「気が付いたみたいだね?」

シャットアウラ「…っ!」

上条「シャットアウラ?」

冥土帰し「右手首にヒビが入っているね。左足首も捻っていたみたいで少し腫れているし、所々に擦り傷、切り傷、青痣なんかもあるみたいだよ?」

上条「そんなに怪我して…」

シャットアウラ「これくらいの怪我などたいした事は…」

冥土帰し「今は普段と身体が違うんだから無理はいけないよ」

シャットアウラ「うぅ…」

上条「そうだぞ。無茶しすぎだよ 」

禁書「とうまにだけは言われたくないと思うんだよ」

冥土帰し「この女の子の言う通りだね?」

シャットアウラ「確かに、隣のビルに飛び移るなんて暴挙…15mはあったんだぞ? 落ちたらどうしていたんだ」

上条「あれ? なんで上条さんが責められているんでしょうか…」

禁書「とうまは後先考えないで行動しすぎかも」

シャットアウラ「爆弾を正面から受けたり、銃器相手に素手で突っ込んできたり…」

上条「うっ…」グサグサッ

冥土帰し「ま、死なない限りは助けてあげるんだけどね?」

上条「シャットアウラが怒られてた筈なのに何故上条さんが……不幸だ…」

冥土帰し「そうそう、キミに話があるんだけどいいかな?」

上条「俺ですか?」

冥土帰し「ああ。ここじゃなんだしロビーまで来てくれるかい?」

上条「はあ…」

冥土帰し「それじゃあ、シャットアウラさんもおとなしくしているんだよ?」

ガラッ

シャットアウラ「………」

禁書「大丈夫?」

シャットアウラ「…あぁ。心配をかけたな」

禁書「ほんとだよ。しゃっとあうらもとうまみたいに無茶して。病院に運ばれたって聞いたときは本当に驚いたんだからね」プンプン

シャットアウラ「…す、すまない」

禁書「…でもよかった。無事…ってわけじゃないけどちゃんと助かって」

シャットアウラ「……あの男のおかげだ」

禁書「とうまは困ってる人がいたらヒーローみたいに助けてくれるからねっ!」エッヘン

シャットアウラ「…お前が威張ることなのか?」

禁書「べ、別に威張ってなんかないかもっ」

シャットアウラ「はいはい」

禁書「そ、その態度はとうまが私をバカにする時と同じ態度なんだよっ!」

シャットアウラ「そんなことはない」

禁書「む、むぅ…」

シャットアウラ「そういえばお前のほうこそ怪我はしていないのか?」

禁書「私? 私は全然大丈夫だったんだよ。しゃっとあうらのほうもあのお医者さんが言うにはたいしたこと無いって。よかったね」ニコニコ

シャットアウラ「あの医者が言うなら確かなことなんだろう」

シャットアウラ「しかしこの手足では慣れるまでの生活は大変そうだな…」

禁書「それなら怪我が治るまでとうまの部屋で一緒に暮らせばいいかも!」

シャットアウラ「…… はぁっ!?」

禁書「そ、そんなに驚くことかなっ?」ドキドキ

シャットアウラ「な、何故急にそんな話になるんだっ!?」

禁書「だってしゃっとあうらが1人じゃ大変だって…」

シャットアウラ「た、確かに言ったが、それでお前達に頼るというわけには…」

禁書「じゃあ、しゃっとあうらは他に誰か頼れる人がいるの?」

シャットアウラ「うっ……」

禁書「決まりなんだよ。とうまにも話してくるねっ」タタッ

シャットアウラ「ちょっ、おい!」

シャットアウラ「……行ってしまった」

シャットアウラ「……どうしよう。確かにこの姿のことを知っていて頼りになりそうなのはあの男ぐらいだが…」

シャットアウラ「だからといってこれ以上迷惑をかけるわけにはいかないし…」

シャットアウラ「そ、それに怪我が治るまで一緒に暮らすって、それはもはや同棲ということでは…」

シャットアウラ(……ひとつ屋根の下であの男と毎日顔を合わせて暮らす…)

シャットアウラ「む、無理だっ、そんなこと!とてもじゃないが恥ずかしくて耐えられないっ///」カアァァ

シャットアウラ「インデックスは行ってしまったし、いったいどうすれば…」

シャットアウラ「……はぁ」

ーーーーーーーーー

冥土帰し「昨日キミのお友達の金髪の少年から聞いた話、中々興味深かったよ」

上条「先生はどう思うんですか?」

冥土帰し「ふむ…。キミのその右手でも対処できなかったそうだね?」

上条「ええ」

冥土帰し「知人の研究者にそれとなく話を聞いてみたんだけど、そういった前例もないらしくわからない、というのが正直なところだね」

上条「………」

冥土帰し「現状ではキミのお友達の話を信じるのがベストな選択肢かな?」

上条「土御門の話っていうと感情とかの…」

上条「具体的にはどうすれば?」

冥土帰し「あの少年はキミに一任すると言っていたけど?」

上条「はい? 一任って…。俺、なんにも聞いてないんですが…」

冥土帰し「そんなことを僕に言われてもね。まあ、僕も臨床心理学ならある程度かじっているから、できることは協力するよ?」

上条「そう…ですか」

上条(帰ったら詳しく聞くか。心理テストみたいなのでもいけるっていってたけど…)

禁書「とうまー!」タタタッ

上条「インデックス?」

冥土帰し「病院ではもう少し静かにしてくれるかな?」

禁書「ご、ごめんなさい…」

冥土帰し「ふむ、それじゃあ僕はもう行くね?」

上条「あ、はい。ありがとうございました」

スタスタ

上条「それで。どうかしたのか?」

禁書「しゃっとあうらがね、怪我で大変だから治るまで一緒に暮らそうって」

上条「い、一緒に暮らすって…それは上条さんのお部屋でってことでせうか?」

禁書「それ以外にどこがあるのかな?」

上条「まぁ、確かにあの怪我じゃ結構大変そうだしなぁ…」

上条「……よし! 」

上条「乗りかかった船だし、この上条さんが面倒みてしんぜよう!」

禁書「流石とうまなんだよ!」

上条「えっへん」

禁書「女の子が困ってたらだれかれ構わず助けちゃうかも」

上条「いやいや、なんだよその言い草は。上条さんは差別主義者ではありませんことよ?」

禁書「ほんとかなー」ジー

上条「……なんですか、その疑いの眼差しは」

禁書「ともかく、一度しゃっとあうらの所に戻るんだよっ」タタタッ

上条「……解せぬ」

ーー病室ーー

禁書「しゃっとあうら!」ガラッ

シャットアウラ「インデックス、病院ではもう少し静かにしないと怒られるぞ?」

禁書「もう怒られたんだよ」

シャットアウラ「なら何故反省しない…」

上条「シャットアウラ」

シャットアウラ「っ! か、上条当麻…」

上条「インデックスに聞いたぞ」

シャットアウラ「えっ、あぁ…」

シャットアウラ(ほんとに話したのか…)

上条「先生の話じゃ明日には退院できるらしいから、それから直接うちに来るか?」

シャットアウラ「………」

上条「シャットアウラ?」

シャットアウラ「ほ、ほんとに世話になっていいのか? いくらなんでも甘え過ぎているのでは…」

上条「気にしなくていいって。お前の事情について協力するって言ったんだからさ」

シャットアウラ「う、うん…」

上条「それにさ、シャットアウラに頼まれたんじゃ断るなんてできないよ」

シャットアウラ「……うん?」

上条「いやー、上条さんも頼りにされるようになるとはなー」

シャットアウラ「頼んだって……えっ?」

prrrrr

上条「おっと、電源切るの忘れてた。ちょっと出てくるよ」タタッ

シャットアウラ「ちょっ…」

シャットアウラ「……インデックス」

禁書「なにかな?」

シャットアウラ「何故私が自ら、あの男の世話になりたいと言ったことになっているのだ…」ジロリ

禁書「あれ? だってしゃっとあうらがそう…」

シャットアウラ「言ってない! 絶っっ対に、言ってない!!」

禁書「でも結果としては同じことなんだよっ」

シャットアウラ「だからってこれじゃあまるで私が…」

シャットアウラ「(怪我を理由にあの男に甘えたがっているようでは…)」ゴニョゴニョ

禁書「?」

シャットアウラ「と、ともかく後でキチンと説明しておけよ!」

禁書「むぅ…」

シャットアウラ「はぁ…」

上条「なんか大きな声が聞こえたけど、どうかしたのか?」ガラッ

シャットアウラ「!」

禁書「しゃっとあうらがね…」

シャットアウラ「なぁー!! な、なんでもないっ! なんでもないからっ///」

上条「ど、どうしたんだ。そんなに慌てて…?」

シャットアウラ「ほんとうに気にしなくていいっ! そ、それより電話はもういいのか?」

上条「ああ、土御門だったし、後で直接話を聞くってメールしたから大丈夫」

シャットアウラ「土御門…?」

上条「この前話した知り合いだよ。ややこしいことに詳しいって奴」

シャットアウラ「あぁ、あの時話していた…」

上条「多分、シャットアウラの問題のことだと思うから帰ったら話を聞いておくな」

シャットアウラ「…頼む」

上条「任せてくださいな。…そうだ、シャットアウラの携帯教えてくれよ」

シャットアウラ「番号か?」

上条「そ。明日退院する時間がわかったらメールしてくれ。迎えにくるから」

シャットアウラ「わざわざ迎えに来ずともタクシーを呼べば…」

上条「それもそうだけど、 一度シャットアウラの家に着替えとか取りにいかなきゃだし、そうなったら怪我してるのに荷物持つのも大変だろ?」

シャットアウラ「…気を使ってもらって悪いな。それじゃあ赤外線で…」

上条「おう」

ピピッ

上条「完了っと」

シャットアウラ(……上条当麻の番号)ジッ

上条「じゃあ俺たちはそろそろ帰るよ」

シャットアウラ「あ、あぁ」

上条「それじゃあまた明日な」ニコッ

禁書「ばいばーい、しゃっとあうら」

シャットアウラ「ま、また明日」

ガラッ

スタスタ
トテトテ

シャットアウラ「また…明日か…」

ーーーーーー
ーーー


ーー夜ーー

シャットアウラ「…う……ん」ゴソゴソ

シャットアウラ「はぁ…寝れない…」

シャットアウラ「明日からあの男と暮らすことになるのか…」

シャットアウラ「///」ボンッ

シャットアウラ「お、落ち着けっ。べ、別に2人きりというわけではないだろう。インデックスだっていることだしなっ」

シャットアウラ「そ、それに一度泊まっているのだから、今更緊張することなど…」

シャットアウラ「うん、冷静になれ。明日は退院するのだからしっかり体調を整えておかねば」

シャットアウラ「目を瞑って心を落ち着ければ眠りにつくなど造作もない…」


~~~~~~~~~~~~~~~~
上条『それじゃあまた明日な』ニコッ
~~~~~~~~~~~~~~~~


シャットアウラ「なぁぁーーっ!? な、なんであの男の顔が浮かぶんだぁっ!?」ドキドキ

シャットアウラ「むむむぅ…」

シャットアウラ(目を瞑ればあの男の顔を思い浮かべてしまうし、そうすると顔が火照るように熱く…)

シャットアウラ「なんなんだこの気持ちは…」

シャットアウラ「まさか…こ、こ、恋…」

シャットアウラ「………」

シャットアウラ「そ、そんなことがあるわけ…///」

シャットアウラ「あるわけ…ない…はず……たぶん…」

シャットアウラ「いや…もしかしたらこの気持ちは…」

シャットアウラ「………」

シャットアウラ(仮に、この気持ちがこ、恋心…だったとしても、だ)

シャットアウラ(ほんとうに私の気持ち…なのか?)

シャットアウラ(鳴護アリサの気持ち…ではなく…)

シャットアウラ「考えても仕方ない…か」

シャットアウラ「……寝よう。寝れればだけど…」ゴソ

シャットアウラ「はぁ…」

ーーーーーー
ーーー


今日はここまでにします。

シャットアウラとか今更でしたが需要あるみたいでよかった…

可愛いは正義

乙です!

この独り言をアイサの容姿で言ってると思うと…

>>1乙!
アニメ絵の影響で似てるって言われてるけど灰村氏のイラストだと結構違う感じだよな吹寄とシャットアウラ

>>68
やっぱり恋心とかそのへんじゃね?
映画の段階で上条さんに対して気になる異性程度には良感情持ってた感じだし

>>83
■■「…私の出番!」

>>86
姫神
空気ネタでやられている


上条さんはシャットアウラとアリサで姉妹(?)丼が理想かもね

映画のその後的に公式だとシャットアリサ(外見シャットアウラ、ただしバストUPしてるwww)
として学園都市の何処かで歌を歌い続けてるって事だしな

こう言うシャットアウラ単体は凄くありがたいな~
アリサは現行で素晴らしいSSがあるし

>>82
>>83映画組は全員可愛いです。はい

>>84姫神さんの登場予定は残念ながら今のとこ無いです。

>>87そんなSSが読みたいですね。

>>81
>>89そう言っていただけると幸いです。

アリサSSは2つほど読んでますがシャットアウラはめったに無いから増えてほしい…

ーー翌朝・病院前ーー


冥土帰し「それじゃあお大事にね?」

シャットアウラ「お世話になりました」

冥土帰し「……そっちのほうの問題も早く解決するといいんだけどね?」

シャットアウラ「どうやら目処はついたようですからなんとかなりそうです」

冥土帰し「それならよかったよ」

上条「シャットアウラ!」

シャットアウラ「!」

冥土帰し「お迎えも来たみたいだし僕は失礼するよ」スタスタ

シャットアウラ「あ、ありがとうございましたっ」

上条「よ、よう」

シャットアウラ「お、おはよう…」

上条「………」

シャットアウラ「………」

シャットアウラ(どうしよう…。まともに顔を見れないじゃないか…)

シャットアウラ(それに何故かこいつも無言だし…。な、なにか話をしないと…)

上条「あー、あのさ、シャットアウラ」

シャットアウラ「! な、なんだっ?」

上条「実はさ、話しておかなきゃいけないことがありまして…」

シャットアウラ「?」

プップーッ

シャットアウラ「っと。タクシーが来たみたいだな。話は後でいいか?」

上条「あ、あぁ…」

ーーーーーーーーー

シャットアウラ「第五学区の××というマンションまで、その後に第七学区のとある学生寮にお願いします」

運転手「わかりました」

上条「シャットアウラって第五学区に住んでたのか。あの辺りって大学生の学生寮とかばっかりであんまり行かないんだよなぁ」

シャットアウラ「第七学区と比べればデパートなんかのランクも高いし、少し落ち着いた雰囲気の所だからな」

上条「どうせ上条さんは落ち着きのない貧乏人ですよ…」ショボン

シャットアウラ「い、いや、そういう意味で言ったわけではなくてな……。そう! あの学区は第二十三学区と隣接しているからっ!」

上条「二十三学区って言えば、宇宙エレベーターのあった…」

シャットアウラ「あぁ、なにかあれば即時行動できるようにと、できるだけ近場に住んでいたんだが…。まぁ、今はあまり関係無いことだ」

上条「そっか…」

シャットアウラ「そ、それより先程言いかけていた話とはなんなんだ?」

上条「大変言いにくいことなのですが…」

シャットアウラ「もったいぶるな。早く話せ」

上条「実は…」

ーーーーーー
ーーー


シャットアウラ「はぁっ!? インデックスがいないっ!?」

シャットアウラ「ど、どういうことだっ!」

上条「あのですね、インデックスさんはあの通りシスターさんなんですよ」

シャットアウラ(えっ…あいつほんとうにシスターだったのか…。ただの大飯食らいのコスプレ好きかとばかり…)

上条「それでですね、今回ちょっとお仕事のほうで2、3日イギリスに帰国しているんです。はい」

上条「なにぶん昨日帰ってから突然連絡があったものでシャットアウラには言えず。昨日の土御門からの電話も実はそのことでして…」

シャットアウラ「な、なんだ…。てっきり誘拐でもされたのかと…」

シャットアウラ「ん? それじゃあつまり…」

上条「スフィンクスも連れていって、現在上条さんのお宅にはわたくししかいないわけなんです…」

シャットアウラ「……えっと、ちょっと待ってくれ…。つまりあれか? 私がお前の部屋で世話になるということは…その…ふ、2人きりになってしまうと…」

上条「まあ、そうですね…」

シャットアウラ「………」

シャットアウラ(えっ? ちょっと待って、ちょっと待って。それは想定していた最悪の事態では??
インデックスがいるから大丈夫だと思って…。いやいや、最悪の事態と言っていいのか?
上条当麻と2人きりなんて、嬉し…いや、嬉しいわけないだろっ。
今だってまともに顔を見れないのにこのままじゃ緊張してとてもじゃないが生活できない…)

シャットアウラ「///」プシューッ

上条「しゃ、シャットアウラ?」

シャットアウラ「う、嬉しくないからなっ!!」

上条「??」

シャットアウラ「ああっ! ち、違う! 違うけど違わないっ!」ワタワタ

上条「ど、どうしたんだ? いったい…」

シャットアウラ「いや、その…」

キキーッ

運転手「お客さん。着きましたよ」

シャットアウラ「えっ…ああ、はい」

運転手「この後は第七学区の学生寮でいいんですよね」

シャットアウラ「はい。また後でお願いします」

運転手「ではここで待っていますので」

ガチャ

シャットアウラ「っと…。杖だと慣れるまで少し面倒だな…」ヒョコ

上条「大丈夫か?」

シャットアウラ「だ、大丈夫だっ!」

上条「そ、そうですか…」

シャットアウラ「………」

上条「………」

シャットアウラ「と、とりあえず私の部屋で話の続きを…」

上条「あぁ…」

ーーシャットアウラ宅ーー

ガチャ

上条「おじゃましまーす」

シャットアウラ「ベッドにでも座っていてくれ、今、茶を用意する」ヒョコヒョコ

上条「いや、タクシー待たせてるし別にいいぞ」

シャットアウラ「それもそうか」

シャットアウラ「それより…、どうしよう…」

上条「面倒見ると言った手前、大変言いにくいのですが、流石に男女がひとつ屋根の下というのはどうかと思うんですよ。はい」

シャットアウラ「………」

上条「俺の知り合いに世話好きの先生がいるからそっちに頼むっていう手も…」

シャットアウラ「お、お前はっ」

上条「!」

シャットアウラ「お前はインデックスとも住んでいたんだし今更大した問題ではない…のではないか?」

上条「え、えーと」

シャットアウラ「私としては、この姿のこともあるし、出来るだけ信頼できる知人に頼りたいというのが正直なところだ」

シャットアウラ「つまりだな、お前の部屋で生活することは、願ってもないことで…」

上条「………」

シャットアウラ(願ってもないは言い過ぎた…///)

上条「まあ、シャットアウラがいいっていうなら別にいいんだけど…」

シャットアウラ「そ、そうかっ」パアァ

上条「うん。じゃあしばらくよろしくな」ニコッ

シャットアウラ「こちらこそよろしく頼む」

上条「とりあえず、うちにいる間の荷物の用意してくれるか?」

シャットアウラ「あぁ。…と言っても着替えや歯ブラシなんかの日用品ぐらいだが」ヒョコ

上条「その足じゃ大変だろうし手伝うよ」

シャットアウラ「ではお言葉に甘えよう。そこに掛けてあるリュックを取ってくれ」

上条「これか、あんまり大きくないけど大丈夫なのか?」

シャットアウラ「最低限の荷物だけ詰めればすむからな」

上条「ふーん。女の人って泊まりとかになるとカナリ大荷物になるイメージがあったんだけど…」

シャットアウラ「それは私に女らしさがないと?」

上条「少なくともあの時のうちのキッチンを見れば…」

シャットアウラ「あ、あれはっ、インデックスが邪魔をしたせいで…」ゴニョゴニョ

上条「シャットアウラって料理とかしないの?」

シャットアウラ「な、何故…」

上条「いや、キッチンが綺麗すぎるからさ。毎日掃除してるっていうより、あれは滅多に使わない感じの綺麗さだと思って」

シャットアウラ「わ、わざわざ料理するよりも出来合いの物を買ったほうが時間を短縮できるだろうっ」

上条「時間がある時に作り置きすればそんなに変わらないと思うけど…。節約にもなるし」

シャットアウラ「どちらにせよ買えばすむ話だ。生きていく中では困らんっ」プイッ

上条「そうかなぁ…。将来お嫁さんになる時とか料理できないと困ると思うけど」

シャットアウラ「ぶふぅっ!? よ、嫁って…///」ワタワタ

上条「?」

シャットアウラ「ええぃどうでもいいっ! ともかく今は荷物の用意だっ! そっちの引き出しからジャージを出せ!」

上条「はいはい。えーと、こっちか」ガラッ

シャットアウラ「違っ! そっちは…」

上条「………」

上条(状況整理、状況整理。只今上条さんがシャットアウラの服を取り出そうと引き出しを開けたところ、中に入っていたのは紛うことなく女性物の下着でした)

上条(大半が黒やグレーを基調としたスポーツ用のブラやショーツなのに対し、数少ないレースをあしらった純白の普通の下着が上条さんの視線を釘付けにして…」

シャットアウラ「実況するなっ! 凝視するなっ! 今すぐその引き出しを閉めろっ!」

上条「えっ!? あぁっゴメン!」バンッ

シャットアウラ「っ///」ギロッ?

上条「……わざとではございません」ドゲザッ

シャットアウラ「当たり前だっ! そもそも何故口に出すっ!」

上条「状況を頭の中で整理しようとしたら思わず…」

シャットアウラ「ともかく今見たものは忘れろ! いいなっ?」グリグリ

上条「はいっ! 忘れました! 忘れましたから杖を上条さんの頭に押し付けないでっ」

シャットアウラ「ったく…。もういいからそっちを向いてろっ」

上条「申し訳ありません…」クルッ

シャットアウラ(……白…か。一応持っていこう)ガサゴソ

ーーーーーー
ーーー

シャットアウラ「…とりあえずこんなものか」

上条「終わったのか?」

シャットアウラ「あぁ」

上条「じゃ、上条さんが下まで運びますよ」

シャットアウラ「悪いな」

上条「これくらい大したことではございませんよっと」ヒョイ

シャットアウラ「さてと、では下まで行くか」

上条「鍵掛け忘れるなよー」

シャットアウラ「わかっている」

ーーーーーー
ーーー


ーー第七学区・学生寮前ーー

シャットアウラ「ありがとうございました」スッ

上条(諭吉さんだぁ…)

運転手「はいお釣りです。大きいのが…円と小銭ね」

シャットアウラ「どうも」

ブロロロー

シャットアウラ「さてと…。どうかしたか?」

上条「いや、ランクの違いを思い知ってた…」

シャットアウラ「? まあいい。確か七階だったな」

上条「ボロっちいけどエレベーターがついてるんでご安心を」

シャットアウラ「それは助かるな」

上条「じゃ、足下に気をつけて」

ーーーーーーーーー

ーー上条宅ーー

上条「ただいまーっと」

シャットアウラ「…お邪魔します」

上条「遠慮せずに自分の家みたいにくつろいでくれていいからな」

シャットアウラ「あぁ…」

シャットアウラ(とは言っても2人きりで生活するとなると…)

上条「そういやそろそろ昼飯の時間だけど…。シャットアウラ、何か食べたいものあるか?」

シャットアウラ「な、なんでもいいぞっ」

上条「なんでもいいってのがけっこう困るんだよなー。……えーと卵とネギはあるな。焼豚は…無いか。ハムとちくわで代用するか」

シャットアウラ「炒飯か?」

上条「あぁ。それでいいか?」

シャットアウラ「構わない。私も何か手伝おうか?」

上条「怪我してるんだし無理しなくていいよ」

シャットアウラ「しかし、世話になるのに何もしないというのは…」

上条「その気持ちだけで上条さんは十分ですよ」

シャットアウラ「そうか?」

上条「インデックスは全く手伝ってくれなかったから…」ホロリ

シャットアウラ「く、苦労してたんだな…」

上条「そうなんですよ…。ま、お喋りはこれくらいにして、パパッと昼飯を作りますかっ」

ーーーーーー
ーーー


シャットアウラ「…ほんとにパパッと作ったんだな」

上条「まあ炒飯だし。それに手早く作るのがパラパラにするコツだからな」

シャットアウラ「いただきます」

上条「いただきまーす」

パクッ

シャットアウラ「むっ。ほんとにパラパラだな」

上条「ふふん。上条さん特性炒飯ですから」

シャットアウラ「うまい…」パクパクッ

上条「……シャットアウラってけっこう食べるほうなんだな」

シャットアウラ「むぐぅっ」

シャットアウラ「そ、そんなことはない! 普段はもっと少食だ。この姿になってから食べる量が増えて…」

上条「そうなのか?」

上条(そういやアリサもけっこう大食いだってインデックスが言ってたな…)

シャットアウラ「だから、別に私は大食いというワケではなく…」

上条「はいはい」

シャットアウラ「むっ」カチン

シャットアウラ「なんだその人を小馬鹿にする態度は」

上条「馬鹿になんてしてないって」

シャットアウラ「本当か?」ズイッ

上条「本当だって……あ」

シャットアウラ「?」

上条「ご飯粒ついてるぞ」

シャットアウラ「む…」ゴシゴシ

シャットアウラ「とれたか?」

上条「いや逆だ。動くなよ」スッ

シャットアウラ「えっ?ちょっ」

ヒョイ

パクッ

上条「ん、とれたぞ……ってどうした?」

シャットアウラ「へっ、いや。な、なんでもないっ///」

上条「?」

シャットアウラ(本気かこの男。自分が何をしたかわかっているのかっ///)

上条「さてと、お粗末様でした」

シャットアウラ「あっ。ご、ご馳走様でした…」

シャットアウラ(くそう、味なんか忘れてしまったじゃないか…)

上条「じゃあ食器片付けるな。シャットアウラは座っててくれ」

シャットアウラ「あ、あぁ…」

シャットアウラ(先手を取られてしまった…。おとなしく言われた通りにしておくか)

上条「ふんふふんふふ~ん♪」カチャカチャ

シャットアウラ(……なんだかいいな、こういうの)

シャットアウラ(鼻歌や食器を洗う音が子守歌の様…に……)ウトウト

シャットアウラ「………」

上条「終了っと…。あれ、シャットアウラ?」

シャットアウラ「」スゥ

上条「寝ちゃったのか。疲れが抜けきってなかったのかな」

シャットアウラ「」スゥスゥ

上条「…ベッドに移したほうがいいかな」

上条「よっと」グイッ

シャットアウラ「」スゥスゥ

上条(シャットアウラの身体とアリサの身体だったらどっちのほうが重いんだろ…)スッ

ポスッ

シャットアウラ「」スゥスゥ

上条「ふぁ~あ。俺も若干眠くなってきたなぁ」

ーーーーーー
ーーー

今日はここまでにします。

インデックスさん退場です。
インデックス好きの皆さんゴメンナサイ

シャットアウラ「……ん」パチ

シャットアウラ「寝て…しまったのか……ん?」

シャットアウラ「ベッド…。わざわざ運んでくれたのか…」

ピンポーン

シャットアウラ「!」

シャットアウラ「おい。おーい、客だぞ。…いないのか?」

ピンポーン

シャットアウラ「……はぁ。仕方ない」ヒョコヒョコ

シャットアウラ「だれだ?」

土御門『カミやんったらまた女の子連れ込んでるー!』

シャットアウラ(なんだ? 不審者か?)

土御門『っていうのは冗談で、隣の土御門ってもんだにゃー』

シャットアウラ「土…御門? って確か…」

土御門『カミやんから話は聞いてるぜい。とりあえず開けてくれるか?』

シャットアウラ「………」

ガチャン
ガチャ

土御門「チェーン掛けるってオレも信用ないにゃー」

シャットアウラ「今あの男は留守でな。お前が本当に噂の事情通かどうか私には判断しかねるので、すまないがこのまま話をさせてもらう」

土御門「ま、正しい判断だと思うぜい」

土御門「それよりカミやんは留守なのか…。いや、そっちのほうが都合がいいか…」ブツブツ

シャットアウラ「あの男に用事があるんじゃないのか?」

土御門「いやいや、今回はシャットアウラに話があるんだぜい」

シャットアウラ「私に?」

土御門「その姿に関することなんだが」

シャットアウラ「……本当にどうにかできるのか?」

土御門「絶対ってわけじゃあないが…。まずはいくつか質問に答えてくれ」

シャットアウラ「質問?」

土御門「第一問、ババン! あなたは上条当麻のことをどう思いますかっ?」

シャットアウラ「えっ? はっ? な、なんだ急にっ?」

土御門「ごぉー、よぉーん…」

シャットアウラ「か、カウントダウンっ!? えっ、えっと…や、優しくて頼りになるっ!」

土御門「第二問、ババン!」

シャットアウラ「ちょっと待てっ! なんだこれはっ!」

土御門「あなたは上条当麻のどこが頼りになると思いますかっ?」

シャットアウラ「無視かっ!」

土御門「ごぉー…」

シャットアウラ「ええぃ! 私が困っているという理由だけで助けてくれようとしているところっ!」

土御門「第三問、ババン!」

シャットアウラ「口で効果音をつけるなっ!」

土御門「あなたは上条当麻に好意を抱いていますかっ?」

シャットアウラ「そ、それはまぁ……はぁっ!? な、な、なにを言わ、言わせてっ…」オロオロ

土御門「いやー、カミやんも隅に置けないにゃー」ニヤニヤ

シャットアウラ「待てっ! い、今のは違っ!」

土御門「まあまあ落ち着けって」

シャットアウラ「な、なにが事情通だっ! ただの変人だろうがっ!」

土御門「今から詳しい説明をするから話を聞け」ピピッ

シャットアウラ「…なんだその手に持っている機械は…?」

土御門「計測器だ。ちょっと特殊だが…。こいつも含めて今の問答の意図も教える」

シャットアウラ「………」

土御門「まずはこいつについてだが、この計測器は人間の体温や心拍数、発汗、瞳孔の肥大、生体電気の流れを計測しその人間の精神状態を測ることができる」

シャットアウラ「そんな小さなもので本当に…?」

土御門「この街の科学技術なら別段不可能じゃないさ」

土御門「それで、さっき質問をしながらこいつを使ったんだにゃー」

シャットアウラ「……それで? いったい何がわかるんだ」

土御門「特定のキーワードの時にお前の精神が大きくブレていた」

シャットアウラ「キーワード?」

土御門「『上条当麻』」

シャットアウラ「!」ピクッ

土御門「おぉ、またブレたにゃー」

シャットアウラ「………」プルプル

土御門「他にもお前が質問に答えた時にもブレまくってたにゃー」

シャットアウラ「……それがこの姿を戻すこととどう繋がる」

土御門「そう怖い顔をしないで欲しいにゃー。…つまりこいつを使って姿が変わった原因を究明するってのが目的なんだぜい」

シャットアウラ「……?」

土御門「お前は、心の奥底で無意識のうちに何かを願った……と、オレはみている」

シャットアウラ「願った結果が私の姿を『鳴護アリサ』に変えたと?」

土御門「鳴護アリサはカミやんに対してそれなりの好意を抱いていたようだにゃー」

シャットアウラ「……だからなんだ」

土御門「つまりお前が取り込んだ『鳴護アリサ』の意識や感情に影響を受けて、共鳴しての願いだってことだよ」

シャットアウラ「………」

土御門「だからと言って、全部が全部そのせいってわけじゃないだろうが…」

シャットアウラ「まどろっこしいのは好きじゃない。ハッキリ言え」

土御門「いいのかにゃー?」

シャットアウラ「いいから早く言え」

土御門「こういうことは自分で自覚させたほうがいいと思うんだが…まあ仕方ないか…」ブツブツ

土御門「ようするに、…お前はカミやんに惚れてるってことだにゃー」

シャットアウラ「………はぁっ!? えっ、い、いや…なにをっ…」ワタワタ

土御門「その慌てっぷりからすると多少の自覚はあったみたいだにゃー」

シャットアウラ「ちょ、ちょっと待てっ! か、仮にそうだったとしてもだ! 先程の話の説明がおかしくなるだろうっ!」

土御門「?」

シャットアウラ「お前の話だと鳴護アリサがあの男に惚れていて、その感情が私に影響を及ぼしているんだろうっ?」

土御門「いえす」

シャットアウラ「それなのに私があの男に惚れて、鳴護アリサになりたいと願ったというのは…」

土御門「うーん…若干ややこしい話になってくるんだが…」

土御門「ようは卵が先か鶏が先かってことだにゃー」

土御門「鳴護アリサの感情がお前に影響を与えたのか、お前の感情が鳴護アリサの感情と共鳴したのか、どっちが先かなんてオレにはわからんぜよ」

土御門「事実として言えるのはお前の姿が変わったのにはカミやんに対する想いが、根幹にあると考えられるってことかにゃー」

シャットアウラ「……なら…私はどうすればいいんだ…。どうすれば元の姿に戻れるんだ?」

土御門「流石にもう言わなくてもわかってるんじゃないのか?」

シャットアウラ「っ…」

土御門「ま。あくまでもこいつは予想や推測の話。もしかしたら『奇蹟の力』っていう別の法則の中じゃ違う解決策もあるかもしれん」

シャットアウラ「…お前は、お前は何者だ? 何故そこまで…」

土御門「オレはただのカミやんの友達だぜい。その友達に頼まれたから協力しているだけだにゃー」

シャットアウラ「友…達…」

土御門「できることならオレももっと協力してやりたいんだが…。なにぶんオレが応援してる女の子は別にいるからにゃー」

シャットアウラ「そ、それって…」

土御門「カミやんって意外と競争率高いんだぜい?」ニヤニヤ

シャットアウラ「なっ…」

土御門「さてと、話すことは話したし、あとはお前さんがどうするかだからな。オレはここで失礼するぜい。カミやんも帰って来たみたいだし」

シャットアウラ「えっ!? ちょっ…」

土御門「さらばですたい」スタスタ

ガチャ
バタンッ

シャットアウラ「ほんとに隣に住んでいるのか……。じゃなくてっ! い、いったいどうすれば…」

シャットアウラ「わた、私があの男に…こ、こ、恋を…」

シャットアウラ「///」プシュー

チーン

シャットアウラ「!」

シャットアウラ(エレベーターの音! ほ、ほんとに帰ってきたのかっ?)

シャットアウラ(ど、どうしよう…)

シャットアウラ(とりあえずチェーンを外して…)ガチャガチャ

シャットアウラ(……寝るっ!)バッ

シャットアウラ「………」

ガチャ

シャットアウラ「!」

上条「たっだいま~。……ってまだ寝てたのか」

シャットアウラ「………」

上条「ま。休養に集中してくれるのはいいことだし。俺は夕飯の準備でもするかな」

シャットアウラ(夕飯……あの男と話しているうちにそんな時間になっていたのか…)

シャットアウラ(……私の姿が変わったことに上条当麻への想いとやらが原因なんだとしたら解決する方法はおそらく…)

シャットアウラ(……仮に、私が自らの気持ちを伝えたとして、それを拒否されたらどうしよう…)

シャットアウラ(私はそれで大丈夫なのだろうか…)

シャットアウラ(受け入れられてもそれは鳴護アリサとして、受け入れるのかもしれないし…)

シャットアウラ(悶々とする…)

シャットアウラ「はぁ…」

上条「ん? 起きたのかシャットアウラ」ヒョイ

シャットアウラ「!」ビクゥッ

上条「もうすぐ夕飯できるから待っててくれ」

シャットアウラ「あっ…あぁ。…うん」

上条(なんか元気ないような…?)

ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

シャットアウラ「………」

上条(シャットアウラのやつどうしたんだろ…)

上条(飯の間もずっと黙りこくって…)

上条(もしかしてグラタン嫌いだったのか?)

上条(それともタイムセールの安物の鶏肉が嫌だったとか…)

上条(……考えてもわかんねえな…)

シャットアウラ「なあ…」

上条「! どうしたっ?」

シャットアウラ「その…風呂を借りてもいいか? 昨日はタオルで身体を拭いただけだったからどうもスッキリしなくて…」

上条「あぁ。どうぞどうぞ。でもその手と足、濡らして大丈夫なのか?」

シャットアウラ「冥土帰しにシールタイトを貰ったから問題ない」

上条「シールタイト?」

シャットアウラ「ナイロンと合成樹脂でできた防水カバーのことだ」

上条「へぇー、そんなものがあるのか」

シャットアウラ「外の技術でもこれくらい普通にあるぞ? この街のものは片手でも着けれたり、身体のサイズに合わせて吸着したりと進歩しているが」

上条(俺、普通にビニール袋巻いてたよ…)

シャットアウラ「家主のお前より先に入ってしまうが…」

上条「いちいちそんなこと気にしなくていいって」

シャットアウラ「そう…か…」

上条「タオルは脱衣所に積んであるからそれ使ってくれ」

シャットアウラ「………」

上条「どうした?」

シャットアウラ「流石に心配無いと思うが……。覗くな…よ?」

上条「上条さんはそんなことしませんっ!」
シャットアウラ「信用してるぞ」

シャットアウラ(仮に覗かれても私の身体じゃないし、複雑だな…)

上条(一回アリサの裸見ちゃったことあるからな…。その手の話はどう対応していいのやら…)

ーーー風呂ーーー

ゴシゴシ

シャットアウラ「んっ…」

シャットアウラ「やっぱり怪我したところはしみるな…」ヒリヒリ

シャットアウラ「…それよりどうするべきか…」

シャットアウラ「………」

~~~~~~~~~~~~

上条『俺も…シャットアウラのことが…』

シャットアウラ『上条…当麻…』

~~~~~~~~~~~~

シャットアウラ「も、もしそんなことになったら///」

シャットアウラ「うぅ~///」

シャットアウラ「冷静になれっ」

キュッ
シャァーー

シャットアウラ「ひゃっ!?」

シャットアウラ「し、沁みっ…」ヒリヒリ

ーーー土御門宅ーーー

土御門「…でなんの用かにゃー? カミやん」

上条「シャットアウラのことなんだけどさ…」

土御門「あー。そのことならもう話しといたぜい?」

上条「話したって、シャットアウラ本人にか?」

土御門「ああ。いやー、意外とシャットアウラもからかいがいのある奴で面白かったにゃー」ニヤニヤ

上条「お前はまた何をやったんだ…」

土御門「さあ?」ニヤニヤ

上条「ま。いいや。とりあえず俺にもその解決法みたいなの教えてくれよ」

土御門「それならシャットアウラの口から聞いてくれ」

上条「なんで? 別にお前から聞くのもシャットアウラから聞くのも同じじゃん」

土御門「色々とあるんだよ、色々と…」

上条「??」

土御門「ともかく、シャットアウラが元の姿に戻るには、シャットアウラ自身にどうにかしてもらわないといけないんだ」

上条「土御門がそう言うならそうなのか…?」

土御門「ま。カミやんはどっしり構えとけ」

上条「何にだよ」

土御門「奇蹟を起こすほどの乙女の想い……とか?」

上条(……何言ってんだこいつ)

土御門「シスコンパンチっ!」ブンッ

上条「あぶねっ!」バッ

上条「いきなり何すんだっ!」

土御門「なんか馬鹿にされた気がしたぜい」

上条「お前馬鹿じゃん」

土御門「カミやんよりはましだ」

上条「………」

土御門「………」

上条「まあ、どうにかなるんなら別にいいか」

上条「それより寝みぃ…」

土御門「んー、寝不足か?」

上条「ああ。昨日はインデックスを空港まで連れってたりであんま寝てなかったし」

上条「今日は昼寝しようと思ってたんだけど、寝たらタイムセール逃しそうだったし」

土御門「目覚ましでもかければよかったんじゃ…」

上条「どうせ電池切れとかで寝過ごしてたよ」

土御門「カミやんなら普通にありえそうな話だにゃー」

上条「運がないからなー。あー不幸だ」

土御門(女運はバリバリあるくせに何言ってんだか…)

上条「シャットアウラも風呂から上がってるだろうしそろそろ帰るわ」

土御門「扉開けたらラッキースケベでお約束な展開は勘弁頼むぜい」

上条「んなことあるわけねえだろ」

上条「じゃあ、邪魔したな」

土御門「おー」

ガチャ



土御門「せっかくだしねーちんとかも巻き込みたいが………暫くはそっとしといてやるかにゃー」

今日はここまでにします。
思ったより筆が進まず遅くなってしまいました。
待っていただいた方、すみません。

ガチャ

上条「ただいまー」

シャットアウラ「また出かけていたのか」

上条「ん、ああちょっと。シャットアウラも風呂上がったんだな」

シャットアウラ「ああ。いい湯だったよ」

上条「ならよかったけど…」

上条「…」ジッ

シャットアウラ「なんだ? ジロジロ見て」

上条「いや、シャットアウラって黒のジャージとかばっかり着てるなあ、と思って…」

シャットアウラ「こういう格好の方が楽だからな。それにあまり肌を露出させるのは好きじゃない」

上条「そういえば初めて会った時も全身タイツみたいな服着てたな」

シャットアウラ「ぜ、全身タイツって…。あれは駆動鎧の亜種で身体能力の強化と能力をより効果的に扱う為の物であってだな…」クドクド

上条「そ、そうなのか…」

上条(なんか地雷踏んだか?)

シャットアウラ「つまりだなっ。あれは私の趣味思考にあったものでは無いということで…」

上条(やけに熱弁するけどもしかして…)

上条「シャットアウラって…あの格好恥ずかしかったのか?」

シャットアウラ「っ!」ピクッ

上条「よくよく考えてみたら、あれって目立つし、身体のラインとかもくっきりでたりしてたしな」

上条「俺もあんまり好んで着たいとは思わな……シャットアウラ?」

シャットアウラ「……お前は…」プルプル

上条「?」

シャットアウラ「お前はなんで人が気にしていたことをっ!///」キッ

上条「しゃ、シャットアウラさーん?」

シャットアウラ「この無神経がっ!!」ヒュッ

上条「うぉっ! ま、松葉杖で突きは危ないってっ!」

シャットアウラ「うるさいっ///」ヒュッヒュッ

上条「ご、ごめんなさーい!」ダッ

シャットアウラ「逃げるなっ!」


ガチャッ


シャットアウラ「……くそぅ」


ーーーーーーーーーーーー


上条「やっぱ地雷だったのか…」

上条「はぁ…。こうなったらシャットアウラが落ち着くまで風呂に入ってよ」

ーーーーーーーーーーーー

シャットアウラ「あの男は私が気にしていたことを的確に…」

シャットアウラ「それに身体のラインとか言い出して…///」

シャットアウラ「……それにしても服か…」

シャットアウラ「私だってスカートとか女の子らしい服を着たいとは思うが…」

シャットアウラ「似合うかどうかわからないし…」

シャットアウラ「………」

シャットアウラ「あの男もそういう格好の方が好きなのだろうか…」

シャットアウラ「今度…見に行ってみようかな…」

ーーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

上条「……」ソロー

シャットアウラ「なにをコソコソしている」

上条「! えーっと…」

シャットアウラ「さっきの話ならもう気にしてない」

上条「そ、そうか…」ホッ

シャットアウラ「ただし、次からはもう少し発言に気をつけて欲しいな」

上条「…そうだよな。悪かったよ」

シャットアウラ「! そ、そんなに真剣にならなくても…」

上条「シャットアウラもあれ着て戦ってたりしてたのに目立つとか恥ずかしいとか…」

シャットアウラ「えっ」

上条「よく考えたらけっこうカッコいいよな。あれ」ニコッ

シャットアウラ「そ、そうじゃなくて…」

上条「?」

シャットアウラ「さ、さっきのセクハラ発言は…」

上条「セクハラ? 上条さんはそんなこと言いませんよ?」

シャットアウラ(こ、こいつ…)ワナワナ

上条「シャットアウラ?」

シャットアウラ「……はぁ。もう寝る」

上条「そ、そうですか…」

シャットアウラ「あぁそうだ。ベッドはお前が使え」

上条「えっ」

シャットアウラ「私はシュラフを持ってきたからそっちを使う。いつまでも家主から寝床を奪う訳にもいかないからな」

上条「シュラフって…寝袋か? それじゃ寝にくくないか?」

シャットアウラ「使いなれているから問題ない」

上条「そうじゃなくて…。怪我してるんだから狭い寝袋よりもベッドの方がいいだろ」

シャットアウラ「しかしお前に風呂場で寝かせる訳には…」

上条「! じゃあシャットアウラの寝袋貸してくれよ。俺はそっちで寝るからさ」

シャットアウラ「…まあそれならいい…か?」

ーーーーーーーーーーーー


上条「じゃあ電気消すぞー」

シャットアウラ「ああ」


パチッ


上条「おやすみ、シャットアウラ」

シャットアウラ「おやすみ…」

上条(部屋の中で寝袋ってなんかテンションあがるな)ワクワク

シャットアウラ(そういえば私が使っていた寝袋で寝ているんだよな…)

シャットアウラ(ま、前に使ってからキチンと洗ったよなっ。においとか残ってないだろうなっ…)

シャットアウラ(くそっ、ちゃんと確認しておけばよかった…)

上条「なあシャットアウラ」

シャットアウラ「!!」ビクゥッ

シャットアウラ「な、な、な、なんだっ?」

上条「土御門に解決法を聞いたらしいけど…」

シャットアウラ「えっ。あ、ああ…」

シャットアウラ(ま、まさかあの男こいつにも話したんじゃ…)

上条「それでさ…「ちょ、ちょっと待ったっ」

上条「うん?」

シャットアウラ「あ、あの男から何を聞いたんだ?」ドキドキ

上条「何って…土御門がシャットアウラに話をしたってことくらいだけど…?」

シャットアウラ「それだけ…か?」

上条「ああ。なんか土御門のやつ詳しく教えてくれなくてさ」

シャットアウラ「そうなのか…」ホッ

シャットアウラ(あの男、なにか楽しんでいる節があったが……。一応常識というか良識は持ち合わせていたようだな…)

上条「それでシャットアウラに聞けって言われたんだけど」

シャットアウラ(前言撤回。どうやら私をおちょくっているようだな。あの金髪グラサン)ワナワナ

上条「シャットアウラ?」

シャットアウラ「なんでもない。それで?」

上条「だから俺にできることがあるならなんでも協力するからさ、土御門に聞いた話を俺にも聞かせてくれよ」

シャットアウラ「……断る」

上条「なんでっ!?」

シャットアウラ(お前に気持ちを伝えることが解決策だなんて言える訳ないだろう…)

上条「……なあシャットアウラ」

上条「確かに俺じゃあんまり頼りにならないかもしれないけどさ、1人で抱え込むよりはマシじゃないかな」

上条「せっかくこうして一緒に住んでるわけだし…」

シャットアウラ「……いや…その、そうじゃなくてだな…」

上条「?」

シャットアウラ「……どうやら。この件の根本的な原因は私の心持ちというか心情というか…、そういうものにあるらしくてな」

シャットアウラ「だから…私自身がある程度気持ちの整理をしないことには…」

上条(そういや前に土御門が感情がどうのこうのって言ってたっけか)

シャットアウラ「お前が頼りないなんてことではないんだ。…それどころかむしろ頼りにはなるし…」ゴニョゴニョ

上条「? 後半なんて言ったのかよく聞こえなかったんだけど…」

シャットアウラ「た、ただの独り言だっ!」

上条「??」

シャットアウラ「…それで、話を戻すが…」

シャットアウラ「お前に話すのは…。もう少し待って欲しい…」

シャットアウラ「必ず…話すから、私に気持ちを整理する時間をくれ」

上条「……わかった」

上条「こいつはシャットアウラの問題だし、シャットアウラが話したくないっていうなら無理には聞かない」

上条「ゆっくりでもいいから、シャットアウラが自分で納得いくように考えたらいいんじゃないか?」

シャットアウラ「………」

上条(まあ。俺だけ詳しく知らないってのは一人蚊帳の外みたいな感じで若干寂しい気もするんですが…)

シャットアウラ「…上条…当麻」

上条「なんだ?」

シャットアウラ「その…あ…」

上条「あ?」

シャットアウラ「ありが…とう…」

シャットアウラ「///」カアァァ

上条「……どういたしまして…はまだ早いかな?」

上条「問題が解決したら改めて言わせてもらうから今は『気にするな』って言っておくよ」

シャットアウラ「……なら私も、もとの姿に戻れた時にもう一度言わせてもらおう」

上条「それじゃあ今はとりあえずおやすみ」

シャットアウラ「ああ。おやすみ…」

今日はここまでにします。

もうすぐエンデュミオンの奇蹟放送ですね。
自分の地域はありませんが…

ーーー翌朝ーーー

シャットアウラ「……ん」

シャットアウラ「ふぁああ…。朝…か」

シャットアウラ「上条当麻?」

シャットアウラ「……またいないのか…?」

シャットアウラ「ん?」チラッ

シャットアウラ「朝食の用意が…」

シャットアウラ「書き置きもあるな」


~~~~~~~~~~~~~~~

朝食は用意しておいたから食べてくれ

昼食も冷蔵庫に入っているからレンジを使って温めて食べてくれ

レンジの使い方は大丈夫だよな?

じゃあ俺は学校に行ってきます

夕方には帰るから


追伸
出かけるなら鍵はポストに入れておいてくれ

くれぐれも無茶なことはしないように

上条
~~~~~~~~~~~~~~~

シャットアウラ「学校…?」

シャットアウラ「っ! 今何時だ!?」

【10:24】

シャットアウラ「ぁ……」

シャットアウラ「家主が食事の支度や出掛ける準備をしていたのに、私はぐーすかと寝ていたのか…」

シャットアウラ「居候の分際で……なさけない」ハァ

シャットアウラ「とりあえず朝食にするか」

ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーー
ーーー

シャットアウラ「……ごちそうさまでした」

シャットアウラ「さて、これからどうするか…」

シャットアウラ「……暇だな」

シャットアウラ「インデックスが居れば話相手になったのに…」

シャットアウラ「……よし、こうなったら掃除でもするか」

シャットアウラ「食べて寝るだけなんてあの男に悪いからな」

シャットアウラ「そうと決まれば早速…」

ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーー
ーーー

シャットアウラ「…もう終わってしまった」

シャットアウラ「片付けるところがなさすぎる…」

シャットアウラ「意外と綺麗好きだったんだな。あの男」

シャットアウラ「仕方ない。テレビでも見て時間を潰すか…」

『作り物の企画だの、借り物のイラストだの、ボタン一つで…』

ピッ

『主婦の味方、簡単炊飯器料理~…』

ピッ

シャットアウラ「はぁ……、結局退屈しのぎにもならないか」

『第七学区で能力者同士の喧嘩騒ぎが…』

シャットアウラ「!」ガタッ

シャットアウラ「っ!?」ズキッ

『幸い、死傷者は無く…』

シャットアウラ「ほっ…」

シャットアウラ「能力者の喧嘩か…。つい身体が反応してしまうな」

シャットアウラ「こんな身体では何もできないというのに」ズキズキ

シャットアウラ「ニュース番組もダメだな」ハァ

シャットアウラ「今の私にできることっていったい…」

ピッ

『これで意中の相手も貴女のモノに☆』

シャットアウラ「こ、これだっ!」クワァッ

ーーーとある高校ーーー

上条(シャットアウラのやつ大丈夫かなあ)

上条(まあ怪我してるっていってもしっかりした性格だし、平気だとは思うけど…)ボーッ

青ピ「カミや~ん? ぼーっとしてなに見てんの?」

上条「ん? 別になにも。ちょっと考え事」

青ピ「ははーん。体育中の女の子か」

上条「見てねえって」

青ピ「いやぁ激しい運動で揺れる双丘が…」ハァハァ

上条「お前ってやつは…」

青ピ「うわっ、あの子メッチャ巨乳やで」

上条「………」チラッ

青ピ「センセー、カミやんがグラウンドの女の子ばっかり見てまーす!」

上条「なっ! 青髪てめっ!」

小萌「上条ちゃん…?」

上条「ち、違いますよ!? これは青髪の卑劣な罠ですから!」

小萌「……上条ちゃんと青髪ちゃんは放課後居残りなのですー」

上条「誤解ですって!」

青ピ「小萌センセーと居残り…」ハァハァ

小萌「それでは授業に戻りますよー」

上条「うぅ……不幸だ」

ーーー昼休みーーー

青ピ「いやー、待ちに待ったお昼ご飯の時間やでー」

上条「青髪、テメェ。さっきはよくも…」

青ピ「ムシャクシャしてやった反省はしていない」キリッ

上条「よしわかった。一発殴らせてもらう」

青ピ「いやーん。カミやんが怒っ…たぁぁ!?」ゴチンッ

吹寄「食事の時くらい静かにしろ!」

青ピ「い、いきなりゲンコツは…」

吹寄「上条! 貴様も授業中に何をしている!」

上条「いやいやっ、悪いのは俺じゃなくて青髪…」

吹寄「問答無用!」ブンッ

上条「いでぇっ!?」ゴチンッ

吹寄「ふんっ」

姫神「みんな。今日も相変わらず」

吹寄「はいはい、そんなことより早くお昼ご飯にしましょう」

上条「そ、そんなことって…。吹寄さん」ヨロヨロ

吹寄「授業に集中しない貴様が悪い」ガサッ

姫神「吹寄さん。またそのパン?」

吹寄「今度の能力向上パンは新作でね、以前のパンよりもその効果が1.8倍もあるのよ!」フフン

土御門「1.8倍って微妙だにゃー…」

青ピ「そもそも前のパンだって胡散臭さMAXやったのに…」

吹寄「な、なによっ、文句でもあるのっ!」

土御門「いやいや別にー?」

青ピ「実際に能力があがるんならねー?」

吹寄「あ、上がってるわよ! ……多分」

土ピ「「多分…」」プッ

吹寄「よしわかった。表へでなさい、そこの馬鹿二人」

>チョッ、ズツキハカンベンッ!
>ギニャー!


上条「まったくあいつらは何やってんですかねー」

姫神「上条くんも。いつもはあっちにいる」

上条「上条さんをあんなのと一緒にしないでっ」

姫神「でも。授業中に女の子見てたって」

上条「あ、あれは青髪が巨乳がどうとか言うから…」アセアセ

姫神「巨乳…」チラッ

姫神「……」ショボン

上条「姫神?」

姫神「やっぱり。デカイほうがいいのか…」

上条「なにやら上条さんの好みが勝手に決められた気がするのですが…」

土御門「ロリメイドこそ至高だにゃー!」

青ピ「可愛ければなんでもええ!」

上条「いきなり出てくんな!」

姫神「いつの間に。復活を…」

吹寄「いいかげんにしろっ! この三馬鹿!!」

上条「俺もっ!?」

ーーー放課後ーーー

上条「……だぁー、疲れたー」

上条「青髪のせいで居残りお小言を受けるとは…」

上条「まあすぐに済んでよかったけど……ん?」

シャットアウラ「……」キョロキョロ

上条「シャットアウラ…か? あいつ何やってんだ…?」

上条「シャットアウラー!」

シャットアウラ「!」

上条「なにやってるんだ? こんなとこで」

シャットアウラ「なにって…、メール送っただろう? お前を待つと…」

上条「マジで? ……あ、ほんとだ…」

シャットアウラ「見てなかったのか…。まあ、返信が無かった時点でその可能性も考えていたが…」

上条「わるいわるい。それで、なんで待ってたんだ? メールにはここで待ってる、としか書いてないけど」

シャットアウラ「そ、そのっ…あ、あれだっ。帰りに買い物をするつもりだったんだろう? スーパーのチラシに赤丸がついていたし」

シャットアウラ「だから…私も一緒に付き合おうかと思って…」

ガシッ

シャットアウラ「っ!?」

上条「ありがとうシャットアウラ!」

シャットアウラ「えっ、そのっ」

上条「いやー、実は醤油が、お一人様一本128円という驚愕のお値段でして」

シャットアウラ「そ、そうなのか…」

上条「シャットアウラが付き合ってくれるなら二本ゲットできて、上条さんのお財布は大助かりですよ」ニコッ

シャットアウラ「っ!」ドキッ

シャットアウラ「そ、そこまで喜ばなくとも…」

上条「とりあえずタイムセールに遅れたらまずいから行こうぜっ」

シャットアウラ「あ、あぁ」

ーーー とあるスーパー ーーー

上条「……そういえば、今更だけど杖つかなくて大丈夫なのか?」

シャットアウラ「ああ。痛みもあまりないし、テーピングもキツく巻いているから大丈夫だ。…それよりも」スチャ

上条「サングラス?」

シャットアウラ「自意識過剰かもしれないが、見た目は『鳴護アリサ』だからな」

上条「ああそっか。行方不明のアイドルがスーパーで醤油買ってるなんて話が広まったら大変だもんな」

シャットアウラ「そういうことだ」

上条「じゃああんまりウロウロしないほうがいいかもしれねえか。シャットアウラは先に醤油の会計に行っててくれ」

シャットアウラ「わかった」

上条「じゃあ俺は卵と野菜をと…」

シャットアウラ(……こ、これでいいのだろうか)ドキドキ

シャットアウラ(できるだけ同じ時間を過ごすとか、趣味を共有すればいいとか言っていたが…)

シャットアウラ(共有するものがタイムセールでの買い物というのもどうかと思うんだが…)

シャットアウラ(まあ、喜んでいたようだし別にいいか)

シャットアウラ(それにあんなに強く手を…///)

シャットアウラ「ふふっ」

店員「次のお客様どうぞー」

シャットアウラ「おっと」

店員「食品が一点で128円になりまーす」

シャットアウラ「はい」

店員「丁度頂きます。ありがとうございましたー。次のお客様どうぞー」

シャットアウラ「さてと、後は上条当麻を待つだけか…」

ーーーーーーーーー

上条「…野菜オッケー、卵オッケー、値引きで挽き肉もゲット。醤油もバッチリ」

上条「これで買うものは全部か」

上条「シャットアウラを待たせちゃ悪いし早いとこ会計を済ませるか」

上条「ふんふんふふんふーん♪」

「随分とご機嫌みたいね」

上条「ん?」クルッ

上条「げっ」

「人の顔見てげっ、は無いでしょ。げっ、は」

上条「御坂…」

美琴「ぐ、偶然ね」

今日はここまでにします。
うまい棒ネタわかってもらえてよかったです

上条「……いや、偶然って…なんでお前こんなとこにいるんだよ」

美琴「そ、それは…その…。買い物よ! 買い物!」

上条「買い物? 常盤台のお嬢様がこんな庶民のスーパーで?」

美琴「そ、そうよっ! 悪いっ?」

上条「いや、悪くはないけど、なんでまた…」

美琴「い、いやー…だってほら。ここって色々安いって聞いたから…」

上条「あぁ、なるほど。お前も醤油を狙って来たのか」

美琴「へっ? ……そ、そう! お醤油、お醤油を買いに来たのよ!」

上条「だったら早く行かないとなくなるぞ?」

美琴「そ、そうね。じゃあちょっと行ってくるわっ」

美琴「………」

上条「どうした?」

美琴「すぐ戻るからここで待ってなさい」

上条「へっ?」

美琴「どっか行くんじゃないわよー!」ピューッ

上条「……なんなんだ?」

美琴(よし、よし、よし!)

美琴(バッチリ、アイツと会えた、会えた)

美琴(暇だから昼休みに携帯で見てた番組。あれで言ってた通りにアイツと趣味や時間を同じにすれば…)


上条『御坂って俺と色々気が合うな』キリッ


美琴(なぁーんてことになってそれで…)


上条『御坂……いや、美琴。俺とずっと一緒に…』


美琴「なぁーんてっ///」テレテレ


>アノヒトナンカヘンジャナイ?
>ヒトリフタヤクデシャベッテル…


美琴「!」

美琴「醤油、醤油…」コソコソ

上条「それにしても御坂のやつなんでスーパーなんかに…」

上条「別にいてもおかしくはないけど、お嬢様が、ワザワザ来るようなとこじゃないよな…」

上条「まさかっ! 御坂のやつ金に困って…」

上条「あいつも色々大変なんだな…」ウンウン

美琴「あっ! いたいたっ」

上条「!」

美琴「素直に待ってたみたいね」

上条(醤油を大事そうに抱えて…)

美琴「な、なによっ、その生温かい眼差しはっ」

上条「御坂…」

美琴「っ!」

美琴(な、なにっ。この真剣な表情は…。まさかさっきの妄想の通りに…)

上条「…お前も大変だろうけど頑張れよ」

美琴「……はっ?」

上条「俺にできることならなんでもするぞ? 金のこと以外でだけど」

美琴「え、えーっと…」

上条「とりあえず、金に困ってるからって自販機からジュース盗るのはやめとけよ」ポン

美琴「金…? 困る?」

美琴「……あー」

美琴「そうかそうよね。アンタはそういうやつだもんね…」

上条「?」

美琴「いや、なんでもないわ、うん。ちょっと夢みてたというかなんというか…」ハハ

上条「??」

美琴「ほら気にしない気にしない。それと私は別にお金に困ってないから」

上条「そうなのか?……あれ? じゃあなんで特売品の醤油なんか…」

美琴「わーー!! それはねっ、ほらっ…その…ぷ、プレゼントよ!プレゼント!」

上条「いや、プレゼントに醤油貰って喜ぶやつがどこにいるんだよ」

美琴「アンタにあげるわ」

上条「いやっふぉぉー!!」

美琴「喜びすぎでしょっ!」

上条「いやいや、マジで貰っていいのっ?」

美琴「あげるってば。これ一人一本なんでしょ?」

上条「そうそう。これで三本目かー。しばらくは醤油の心配いらないなあ」

美琴「三本目…?」

上条「ああ。連れが一人いてさ、そいつが先に会計しに行ったはずなんだけど……。遅いな…」

美琴「……連れってあの子?」

上条「あの子?」

美琴「あのちっこいシスター」

上条「インデックス? 違うけど…」

美琴「そ、そう。ふーん、違うんだ…」

上条(シャットアウラのやつどうしたんだろ…、外に出たのか?)

美琴「じゃあ誰?」

上条「えっ、誰って…」

上条(あれ? 言っていいのかな?)


prrrrr


上条「悪い。電話だ」

美琴「どうぞ」

上条(ん? シャットアウラ?)

ピッ

上条「どうした?」

シャットアウラ『どうした、じゃない。何をやってるんだお前は』

上条「悪い悪い。知り合いと会ってさ。今から会計済ませるから」

シャットアウラ『そうじゃない。隣にいるのは第三位の超電磁砲だろう』

上条「そうだけど…」チラッ

美琴「?」

シャットアウラ『そいつに余計なことを話していないだろうな』

上条「余計なこと?」

シャットアウラ『私と一緒にいるとか』

上条「話してないけど…。話しちゃダメなのか?」

シャットアウラ『っ……はぁ…」

シャットアウラ『馬鹿かお前は』

上条「いきなり罵倒しないでください。上条さんにそんなことで喜ぶ趣味はありません」

シャットアウラ『趣味?』

上条「いや、気にしないでくれ」

シャットアウラ『…ともかくだ。そいつは鳴護アリサと面識があるようだから、私が鉢合わせるのはマズイ』

上条「そういうことか…。なら詳しい説明しちゃえば別にいいんじゃね?」

シャットアウラ『私を襲ってきた音波系の能力者。あいつはお前がファミレスでベラベラ喋っていたのを聞いてたらしいぞ?』

上条「……それは…つまり…」

シャットアウラ『どこで誰に聞かれるかわからないんだ。なんでもいいから黙ってろ』

上条「……はい。すみませんでした」

シャットアウラ『……私は先に帰っているからな。じゃあ』ブツッ

ツーツー

上条(……なんか怒ってた…?)

美琴「ねえ、なんかあったの?」

上条「なんでもない……多分」

美琴「ふぅん。それで、結局連れってだれなのよ。……また女?」

上条「えっ…いや、違うぞ?」

美琴「……今の電話もその相手?」

上条「えっとだな……! と、友達だよ、友達。男友達。今の電話もそいつで、用事ができたから先に俺の部屋に醤油届けて帰るって」

美琴「男友達ねぇ…」

上条「……なんで御坂はそんなに気にしてんの?」

美琴「は、はぁっ!? わ、私が何を気にするっていうのよっ!」

上条「俺の連れがインデックスかどうかとか、女かどうかだとか…」

美琴「き、き、気にしてにゃんかないわよ!」

上条「噛んでる噛んでる」

美琴「ウルサイっ! さっさと会計済ます! でないとお醤油譲らないわよ!」

>ミサカー、ハヤクコイヨー

美琴「いつの間にそんなとこにっ!? アンタはどんだけ醤油が大事なんだ!」

>ドンダケショウユガダイジナンダ!

シャットアウラ「……はぁ」

シャットアウラ「学園都市第三位。『超電磁砲』御坂美琴…か」

シャットアウラ「聞いた話では『宇宙エレベーター・エンデュミオン』の崩落をくい止めるのにも一役買ったとか…」

シャットアウラ「仲がいいのだろうか…」

シャットアウラ「はっ!」

シャットアウラ「あ、あの男の交友関係などどうでも……どうでも…」

シャットアウラ「……」

シャットアウラ「気に…なるな」

シャットアウラ「あまり褒められたことではないが…」

シャットアウラ「少しあの二人の様子をみてみるか」

シャットアウラ「……よし!」

今日はここまでにします。
ちょっと少ないです。すみません
次はもう少し早めに来るようにしますのでそれで勘弁を

みこっちゃんは…まあ、かませというかなんというか引き立て役で

上条「いやー、ほんとにありがとな。御坂」ニコッ

美琴「べ、べ、別にいいわよ、これくらい」

上条「とりあえず醤油代だけ返すよ」

美琴「だからいいってば! 醤油の一つや二つ」

上条「……お前ほんとにいいやつだな」

美琴「そ、そんなに褒められても…///」

上条「じゃあ俺はこれで」

美琴「えっ…。いやもうちょっと、その…時間…潰さない? ひ、暇なのよっ」

上条「うーん。そうは言っても上条さんは早く帰らないと。卵と生肉買っちゃったし…」

美琴「じゃ、じゃあ! わ、私もそれ持つの手伝うわっ」

上条「えっ。別にいいって」

美琴「いいから、いいから。ほらっ」ガサッ

上条「あっ」

美琴「卵にお肉ね…。アンタが持ってたらまた、『不幸』とか言ってダメにしちゃうんじゃないの?」

上条「そう言われると…」

美琴「じゃあ決まりね。アンタの住んでる寮まで行くわよー」

上条「俺の寮までっ!? それはいいよっ」

美琴「なんで?」

上条「なんでって…ほら。だって流石にそこまで運んでもらっちゃ悪いし…」

美琴「いいわよ別に。暇だって言ったでしょ?」

美琴「それとも何? 何か困ることでもあるの?」

上条「そんなことはない…けど」

美琴「じゃあいいじゃない。ほら行くわよ」

上条「ううん…」

上条(まあ、先にシャットアウラが帰るようにゆっくり行けばいいか。流石に御坂も部屋まで上がったりしないだろうし)

美琴(これでコイツの寮に…。コイツのことだからお茶くらい飲んでけって言うだろうし。ふふふっ)

シャットアウラ「……」コソコソ

シャットアウラ(仲…良さそうだな…)

シャットアウラ(恋人…では無いようだが)

シャットアウラ(しかし、そういえば…)

~~~~~~~~~~~~~~~

土御門『カミやんって意外と競争率高いんだぜい?』ニヤニヤ

~~~~~~~~~~~~~~~

シャットアウラ(競争率…)

シャットアウラ( 『超電磁砲』、あいつ…上条当麻に好意を抱いているのか…)

シャットアウラ「むむむ…」

美琴「ふんふふんふふーん♪」

上条「……随分とご機嫌ですね。御坂さん」

美琴「えっ。そ、そんなことないわよっ」

上条「鼻歌とか歌って。なんかいいことでもあったのか?」

美琴「い、いいことって…」

美琴(コイツと買い物して、荷物を分け合って持って、そのままコイツの部屋に向かって……)

美琴「えへへー///」ビリビリ

上条「おまっ!? 漏れてる漏れてる!」

ギュッ

美琴「へっ?」

パキィーン

美琴「なっ!? 手っ、手握って…///」

シャットアウラ「っ!?」

シャットアウラ「手、手を握ってっ!」

シャットアウラ「私だって…手を繋いで歩きたい…」

シャットアウラ「上条当麻もなんで急に手を握ったりしたんだ…」

シャットアウラ「羨ましい…」

上条(よし! 卵セーフ。肉もセーフ。ビニールの焼ける匂いもしない。防いだ、不幸に見舞われる前に防ぎきった! 今日の上条さんは色々ツイてる!)

美琴「ちょ、ちょ、ちょっと! きゅ、急に手をっ…///」

上条「あ、あぁ悪い」パッ

美琴(あっ、離すんだ…)






シャットアウラ(よし、離した!)

上条(そういやそろそろ寮が近づいてきたな)

上条「な、なあ御坂。もうこの辺でいいぞ? もうすぐ寮に着くし」

美琴「えっ? い、いいわよ。ここまで来たんだしどうせならアンタの部屋まで運ぶわ」

上条「いやいや、いいって、いいって。そこまでしてもらっちゃ悪いよ。御坂も自分の寮から離れてきてるだろうし」

美琴「もうすぐ寮なんでしょ? ならちょっとくらいの距離気にしないから」

上条「でも…」

美琴「さっきからなんか変ね。やけに私を寮に近づけたくなさそうだけど…」

上条「いやあ…そんなことは…」

美琴「怪しいわね…、女でも連れ込んでるんじゃないの?」

上条「っ! そ、そんなわけないだろっ」アセアセ

美琴「……まあいいわ。それより、学生寮が多くなってきたけどアンタのとこの寮もこの辺なのかしら?」

上条「え? えっと……げっ…」

上条(もう俺の寮の前じゃねえか)

美琴「……?」

美琴「ここなの?」

上条「ま、まあな…」

美琴「結構ボロっちいわね」

上条「そりゃお前のとこと比べたらな」

美琴「何階?」

上条「ここまででいいって」

美琴「そう言わずに」

上条(なんでコイツこんなにグイグイくるのっ?)

シャットアウラ(寮の前で何をやっているんだ?)

シャットアウラ(何を話しているか聞こえないが、様子から見て部屋に上がるか上がらないかでもめているのか?)

シャットアウラ(もう少し近づけば聞こえるだろうか…)ソーッ

ウィーン
ウィーン

シャットアウラ「!」ビクゥッ

ドラム缶『……』ウィーン

シャットアウラ「清掃ロボか…」

シャットアウラ「………」

シャットアウラ「私は…何をやっているんだろう」

シャットアウラ「しばらく一人になって頭を冷やすか…」スタスタ

美琴「三階?」

上条「ぶー」

美琴「じゃあ五階だ」

上条「違いますー」

美琴「焦れったいわね、いい加減教えなさいよっ」

上条「なんでそこまで必死になってんの?」

美琴「必死になんかなってないわよ! アンタの部屋まで運んであげるって言ってんの!」

上条「だから大丈夫なんだって…」

ヒュン

上条「びぶるちっ!?」ドゴンッ

黒子「お姉さまああぁぁぁ!!」

美琴「黒子!?」

黒子「お、お、お姉様! こんなところで、こんな類人猿といったいなにをっ…」ワナワナ

美琴「あ、アンタこそ、いきなりコイツにドロップキックなんてして! なに考えてんのよ!」

黒子「違いますわお姉様。わたくしがこの殿方にドロップキックしたのではなく、この殿方がドロップキックした先に “たまたま” 居ただけですの」

美琴「……いやいや意味わかんない。なによその “たまたま” って」

美琴「ていうか、なんでアンタは私の居場所がわかるわけっ?」

黒子「………」

美琴「黙るな」

黒子「携帯電話のGPS機能って…何年前の技術なのでしょうか…」

美琴「おい…おいまたか」

黒子「と、ともかくそろそろ最終下校時刻になりますの。はやく帰りませんと寮監にどやされますわよ」

美琴「いや、でも…ほら」

黒子「あー…うん大丈夫っぽいですの。それではごきげんよう、類人猿さん」ガシッ

美琴「ちょっ」

ヒュン

上条「……」ムクリ

上条「不幸だ……って俺の卵と肉はっ?」

ヒュン
グシャッ

上条「……ふ、不幸だぁぁぁ!!」

上条「……」グスッ

ーーー上条宅ーーー

上条「……はぁ。なんとか御坂には帰ってもらえたけど…」

上条「卵と肉が…」

上条「うぅ…」

上条「……それより、シャットアウラのやつどこ行ったんだろ」

上条「まだ帰ってない……っていうか鍵は俺が持ってたんだから当然か」

上条「てっきり部屋の前にでもいるかと思ったけどいないし」

上条「携帯は…」

prrrrr

『お掛けになった番号は、只今、電源を切っているか電波の届かな…』

ブチッ

上条「仕方ない探しに行くか」

上条「その前に卵と肉を冷蔵庫に入れて…」

ーーーとある公園ーーー

ギィギィ

シャットアウラ「……はぁ」

シャットアウラ「なんなんだろうか。この気持ちは…」

シャットアウラ「上条当麻があの女に笑いかけたり、あの女と手を繋いだりすれば胸がチクチクと痛む…」

シャットアウラ「……嫉妬か? だとしたら笑えるな」

シャットアウラ「そこまであの男を意識していることになるんだから」

シャットアウラ(……いや。そうなんだろうな)

シャットアウラ(私はあの男のことが…)

上条「シャットアウラー!」

シャットアウラ「!」

上条「いやー、探したぜ。まさか公園でスーパーのビニール袋片手にブランコ漕いでるとは」

シャットアウラ「……」

上条「シャットアウラ…さん?」

上条(怒ってる…よな)

上条「ゴメン、シャットアウラ。待たせたよな…」

シャットアウラ「……なあ」

上条「はいっ」

シャットアウラ「さっきの…『超電磁砲』とは…どういう関係なんだ?」

上条「御坂? 関係って言われても。友達…は少し違うし…戦友? もなんかな…」

シャットアウラ「そうか…」

シャットアウラ(それなりの仲なのか)

上条「御坂がどうかしたのか?」

シャットアウラ「…いや。少し気になっただけだ」

上条「?」

シャットアウラ「……」

上条「シャットアウラさーん?」

シャットアウラ「帰るか」スクッ

上条「えっ。…お、おう」

シャットアウラ「少し…吹っ切れた気がする」

上条「唐突にどうした?」

シャットアウラ「ほら持て」ガサッ

上条「無視したうえに荷物持ちの強要かよっ」

シャットアウラ「ん」ガサッ

上条「はいはい。まあ待たせた俺が悪いんだし醤油くらい…」

シャットアウラ「そっちじゃない。左手で持て」

上条「左手? なんでまた…」ガサッ

ギュッ

上条「っ!」

シャットアウラ「ほら帰るぞ」

上条「シャットアウラさん?」

シャットアウラ「足、捻挫。右手、ヒビ。手を引っ張るくらいしろ。転んだら危ない」

上条「いや、まあそうなんだけど…」

シャットアウラ「……」ギュッ

上条「とりあえず……帰るか」ニコッ

シャットアウラ「 …ああ」



シャットアウラ(やっぱり…私は、この男が…この男のことが…)

シャットアウラ(好き……なんだな)

今日はここまでにします。

みこっちゃんは前作のように暴走しませんのであしからず

次回シャットアウラ、デレる

ーーー翌朝ーーー

カチャカチャ

上条「……ん…ふぁぁあ」

シャットアウラ「起きたか。おはよう」

上条「シャットアウラ…?」

シャットアウラ「もうすぐ朝食の用意ができる。顔でも洗ってきたらどうだ?」

上条「朝…食?」

シャットアウラ「ああ。キッチンを使わせてもらったぞ」

上条「いやいや。お前料理できないんじゃ…」

シャットアウラ「あ、あれは…少し失敗だけで…。今回はキチンとレシピを見て作ったものだから心配ない」

上条「マジで?」

シャットアウラ「ほら見ろ」

上条「お、おぉっ」

上条「白米に味噌汁。玉子焼きに蓮根のきんぴら、沢庵に納豆…」

上条「メチャクチャうまそうじゃねえかっ」

シャットアウラ「そ、そうか? 玉子焼きは少し焦がしてしまったんだが…」

上条「これくらいなら大したことないって。ありがとな、シャットアウラ」ニコッ

シャットアウラ「っ!」ドキッ

シャットアウラ「い、いいから早くしろっ。学校があるんだろう」

上条「おっとそうだった。顔洗って着替えてくる」スタスタ




シャットアウラ「……『うまそう』…か」

シャットアウラ「よしっ」グッ

ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

上条「……いやー、ほんとうまかったよ、シャットアウラ」

シャットアウラ「よ、喜んでもらえてよかった」

上条「じゃあそろそろ…」

シャットアウラ「か、上条当麻っ。実は…弁当も作ってみたのだが…」

上条「弁当…だと?」

シャットアウラ「迷惑じゃなければ持っていって欲しい……。あっ、嫌なら別に気を使わなくていいぞっ?」

上条「迷惑なもんか! 女の子の…女の子の手作り弁当なんて…」ホロリ

シャットアウラ「えっと…」

ガシッ

シャットアウラ「っ!?」

上条「ありがたく頂戴させていただきます」ギュッ

シャットアウラ「あっ、ああ…」

シャットアウラ(そんなに強く肩をっ///)

上条「手作り弁当かぁ…」ニマニマ

シャットアウラ「あ、あまり期待はするなよっ」

上条「いやいや。昼休みを楽しみにさせていただきます」ニマニマ

シャットアウラ「そ、そんなにハードルを上げるなっ」

上条「ははっ。じゃあそろそろ学校に行ってくるよ」

シャットアウラ「もうそんな時間か」

上条「じゃあ」

シャットアウラ「か、上条当麻」

上条「ん?」

シャットアウラ「学校が終わった後は、暇…か?」

上条「まあ暇だと思うけど…なんかあるのか?」

シャットアウラ「買い物に付き合って欲しいんだが…。構わないだろうか」

上条「俺でいいんなら」

シャットアウラ「で、では学校が終わるごろに昨日の場所で待っているぞ」

上条「おう。じゃ」

シャットアウラ「上条当麻!」

上条「まだなんかあるのか?」

シャットアウラ「いってらっしゃい…///」

上条「………」

上条「いってきます」ニコッ

ガチャ

シャットアウラ「……」

シャットアウラ「///」カアァァッ




シャットアウラ「……汚したキッチンを片付けねば」

ーーーとある高校ーーー

上条「よーっす!」

青ピ「おはよう、カミやん」

土御門「おはようだにゃー」

上条「さーて、今日も一日頑張りますかっ」

青ピ「なんやカミやん、珍しく元気やねぇ。なんかイイコトでもあったん?」

上条「そうか?」

青ピ「それに心なしか嬉しそうに見えるねんけど…」

上条「き、気のせいじゃね?」

青ピ「……いや。これはなんかイイコトがあったと見る!」ピーン

土御門「どうせ、どっかの女の子とギャルゲー的展開があったんだろうぜい」

上条「なっ、何言ってんだよ…」

土御門「おっ? なんだその反応は…」

青ピ「詳しく聞かせてもらおうか。カミやん」ゴゴゴ

上条「だ、だから何もないってのっ」アセアセ

青ピ「カミやんばっかりズルい! ボクにもその幸福をわけてくれっ!」

上条「だあぁぁ! うっせえよ! 近づいてくんなっ!」

青ピ「幸せわけろぉぉぉ!!」ダダダッ

上条「ああぁぁ!! 不幸だぁぁぁ!!」ダダダッ

ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

上条「朝っぱらから疲れた…」

土御門「お疲れだにゃー」ニヤニヤ

上条「吹寄が来てくれなかったらまだ走りまわってたかも…」

土御門「青ピは何処にいったんだ?」

上条「なんか小萌先生が呼んでるとかで吹寄のやつが首根っこ掴んで連れってたよ」

土御門「そういや青ピって委員長だったにゃー…」

上条「あんなのが委員長やってるなんて……。つーかお前も変なこと言いやがって」

土御門「んー?」

上条「ギャルゲーがどうとかなんとか…」

土御門「どうせシャットアウラとなにかあったんだろ?」

上条「何かっていうか…」

ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

土御門「……へぇ、朝ごはんに弁当か」

上条「いやー、こういう感じのことってあんまり経験ないから嬉しくてなぁ」

土御門(なんとも面白そうなことになってるぜよ)

土御門「でもうちの舞夏ならそのくらいのこと毎日でもやってくれるけどな」

上条「くたばれシスコン軍曹が」

土御門「はっはっはっ」

土御門「あっ、そういえばカミやん。明日の夕方禁書目録が帰ってくるらしいぞ」

上条「インデックスのやつ仕事は終わったのか?」

土御門「ねーちんからの連絡じゃそうらしい」

上条「ってことはまた賑やかになるなあ」

土御門「ねーちんとステイルが直接カミやんの部屋まで連れてくるそうだぜい」

上条「わかった。じゃあ夕方は部屋に居るようにするよ」

土御門「結構頑張ったらしいし労ってやれよ?」

上条「たまにはな」

上条(……ん? 神裂とステイルって……シャットアウラと会っても大丈夫なのか?)

土御門(禁書目録以外の女と同棲しているのを見てねーちんはどうでるのかにゃー)ニヤニヤ

ーーーとある病院ーーー

冥土帰し「……うん。怪我のほうはもう大したことなさそうだね?」

シャットアウラ「そうですか。ありがとうございます」

冥土帰し「手首のヒビだけは治るのにまだまだかかるから気をつけるんだよ?」

シャットアウラ「はい」

冥土帰し「それと…」

シャットアウラ「?」

冥土帰し「その『姿』のことなんだけどね?」

シャットアウラ「こちらの問題は自分でなんとかできそうです」

冥土帰し「それはよかった。医者として匙を投げたようで心苦しかったからね? 気になっていたんだけど」

シャットアウラ「特殊なことですから仕方ありません」

冥土帰し「まあ僕に協力できることならなんでもするよ? 君は患者で僕は医者だからね?」

シャットアウラ「……ひとつ、いいですか?」

冥土帰し「なにかな?」

シャットアウラ「男性はどういった女性を好むと思いますか?」

冥土帰し「それはもちろん…」



冥土帰し「ナースだよ」キリッ



シャットアウラ「………」

冥土帰し「ナース服。用意しようか?」

シャットアウラ「……いや。結構です。失礼します」

冥土帰し「お大事にね」

スタスタ



冥土帰し「中々賛同者はいないものだね…」

今日はここまでにします

昨日は漫画、今日はDVD、Bluーrayの発売でしたね

映画は土日にゆっくり観てその後デレアウラを書こうと思います

>>1はフィルムがシャットアウラだったのでカナリ嬉しかったです

ーーー放課後ーーー

上条「おっ、いたいた。シャットアウラー!」

シャットアウラ「! 上条当麻っ」

上条「待たせたか?」

シャットアウラ「いや、大丈夫だ」

上条「ならよかった。それで、買い物って何を買うんだ?」

シャットアウラ「その、服を少しみたいと思って…」

シャットアウラ「付き合ってもらえるか?」

上条「おう。いいぞ」

上条「服ってことはあそこだな」

ーーーセブンスミストーーー

シャットアウラ「……色々…あるな」

上条「そりゃあ服屋ですし」

上条「それよりもどうしたんだ? 急に服を買うのに付き合ってくれなんて」

シャットアウラ「私も少しくらいはこういうものに興味を持とうと思っただけだ」

上条「ふーん。まあいいんじゃないか。シャットアウラだってずっと『鉄壁の委員長』をやる必要なんてないんだし。たまには女の子っぽいことをしたってさ」

シャットアウラ「そうか? ……そう…だな。うん」

上条「じゃあ俺はその辺で時間を潰してるからゆっくり見て回れよ」

シャットアウラ「私はお前に服を選んで欲しいんだが…」

上条「えっ」

シャットアウラ「だめか?」

上条「別にいいけど…。女の子の服なんてわからないぞ?」

シャットアウラ「構わない。私一人で選ぶとどうしても黒い服ばかりになってしまって全体的に暗くなるような気がしてな。他人の意見が欲しいんだ」

上条「……確かに」

上条「グラサンに黒のパーカーって…後はマスクでも付ければ不審者…」

シャットアウラ「誰が不審者だ。誰が」

上条「冗談だって、冗談。ほ、ほら早く服見ようぜ」

シャットアウラ「まったく…」

ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

上条(付き合うとは言ったけどやっぱ落ち着かないな)ソワソワ

上条(女物の売り場だと周りの目がやっぱ気になるし)

上条(シャットアウラは…)

シャットアウラ「……」ジッ

上条(紺色のワンピース?)

上条「シャットアウラ。それ買うのか?」

シャットアウラ「あっ、いや。……昔こういう服を着ていたから少し気になってな…」

上条「へぇ、シャットアウラもそういうの着てたんだ」

シャットアウラ「『オリオン号』の事故に遭う前はこういう服が好きだったんだ」

上条「……そうなのか。じゃあさ、これ買っちゃえば?」

シャットアウラ「でも…」

上条「結構可愛いしさ。こういうのが好きだったんだろ?」

シャットアウラ「うぅん…」

シャットアウラ「まあ…元の姿に戻った時に着てみるのもいいかもしれないか…」

上条「似合うと思うぜ」

シャットアウラ「そ、そうかっ…///」

シャットアウラ「…よし。これにしようっ。会計をしてくるから少し待っていてくれ」

上条「じゃあ店の前にいるな」

シャットアウラ「すぐに済ます」

上条「シャットアウラもやっぱ女の子なんだな」

上条「…にしても服を選ぶって難しい」

上条「知り合いを参考にしようにも、魔術サイドはツギハギ修道服だったりドレス姿だったり重度の露出狂が数人」

上条「科学サイドのやつも巫女服、メイド、学校指定の制服だったりとまともな服装のやつなんか少ないからなぁ…」

上条「そう考えたら普通の格好した女の人の知り合いって天草式の連中ぐらいなのかな…」

上条「うーむ…」

「上条さん?」

上条「ん?」クルッ

佐天「やっぱり上条さんじゃないですかー。お久しぶりです」

上条「あー、佐天さん…だっけ。久しぶりだな」

佐天「こんなところで奇遇ですね」

上条「そ、そうだな」

上条(そういやこの子もあの時御坂と一緒にプロモーションイベントにいたよな…。ってことはアリサと面識があるのか)

上条(シャットアウラと会わせないようにしないと)

佐天「それで、上条さんは何をしてるんですか?」

上条「いやぁ、ちょっとボーッとな」

佐天「ほほう? レディースのファッションショップ前で一人ボーッとですか。なるほどなるほど」

上条「?」

佐天「彼女さんとデートですか?」

上条「はいぃっ!? な、なにを言ってんだ!?」

佐天「いやだって状況から見て今の上条さん、『彼女の買い物を待つ彼氏さん』って感じですよ?」

上条(この子、以外とするどい…。彼氏彼女って関係じゃないけど)

佐天「もしくは『女性服に興味を持った男子高校生』ですかね」

上条「上条さんに女装癖なんてありませんからねっ!?」

佐天「じゃあやっぱりデートなんですか?」

上条「連れは確かに女の人だけど、別にデートってわけじゃないぞ」

佐天「ほうほう。つまり友達以上恋人未満くらいの関係なんですね」

上条「いや、そんな関係じゃないと思うけど…」

佐天「えー? それって変じゃないですか?」

上条「なにが?」

佐天「普通、そういう特別な関係でもない人と一緒に服買ったりなんかしませんよ?」

上条「そうか? 友達とかならあってもおかしくないだろ」

佐天「同性ならいざ知らず、異性の友達と服買うなんてあんまり無いと思いますけどね」

上条「そんなもんなのかなぁ。まあ、連れはちょっと特殊なやつだからかも」

佐天「ふぅん?」

佐天「…あれ? そういえば上条さん。なんでそのことを普通に言わず誤魔化したんですか?」

上条「えっ」

佐天「お連れの方をあたしと会わせたくなかった…とか?」

上条「ソ、ソンナコトアリマセンヨ?」

佐天「棒読み過ぎですよ…。ってことは、お連れの方はあたしの知ってる人ですかっ?」

上条「さあ…」

佐天「これはこれは」ニヤニヤ

上条「なんでそんな不敵な笑みを浮かべてるの…」

佐天「面白そうだからです!」

上条「キッパリ言いやがるな!」

佐天「誰ですか、誰なんですかっ?」

上条「最近の中学生の間じゃグイグイ質問するのが流行ってんの!?」

佐天「珍事やイベント、噂話は大好物です!」

上条「珍事ってなんだよっ! 珍事って!」

佐天「もしくはあれですかね。知り合いじゃなくて有名人とか」

上条「っ!?」ギクッ

佐天「となるとそれってスキャンダルだったりします!?」

上条「あ、あのなあ…」

佐天「涙子レーダーがビンビン反応してますよ、これは」

上条「なにその胡散臭いレーダー」

佐天「面白そうなことにはなぜか鼻が利くんですよ」クンクン

上条「レーダーじゃねえじゃん」

佐天「実際のところ、どうなんですか?」

上条「ただの一般人のお友達です!」

佐天「えー…。つまんないですね…」

上条「勝手に面白がられて、勝手に落ち込まれても…」

佐天「まあ、あたしの知り合いでも有名人でも別にいいんですけど」

上条「なにこの子。さんざん突っかかってきたくせに」

佐天「(相手が御坂さんとかなら面白いんですけどねえ)」ブツブツ

上条「?」

佐天「なんでもありません」

>サテンサーン
>ドコナノー

佐天「あ。初春と春上さんのこと忘れてた」

上条「忘れてたって…」

佐天「てへっ☆」

上条「まったく。ほら、友達のとこにもどったもどった」

佐天「仕方ありませんね。今日のところは見逃してあげます」

上条「君のキャラクターがよくわからないんだけど」

佐天「覚えてやがれ!」

上条「咬ませ犬なの? そのセリフ、死亡フラグが立ちまくってるよ?」

佐天「なんかフラグの一つや二つ、立てとくべきかと思いまして」

上条「めんどくさいから無視するけどいいよね」

佐天「あー、あの服かわいー」

上条「逆に無視されちゃったよ」

佐天「それじゃあさようなら、上条さん」

上条「はいはい元気でねー」


>ウーイーハールー!
>キャアッ!
>ピンクナノー


上条「……疲れた」

ーーーーーーーーー

店員「ありがとうございましたー」

シャットアウラ「さてと、上条当麻はどこに…」キョロキョロ

シャットアウラ(……そういえば、怪我ももうほとんど治ってきたのにいつまでも世話になるのは妙…だよな)

シャットアウラ(しかし、この生活を手放したくないと思っている自分もいるし…)

シャットアウラ(その前に、私の気持ちを伝えるということもどうにかしないと…)

シャットアウラ(……ダメだ。ごちゃごちゃ考え過ぎてしまう)

シャットアウラ「はぁ……ん?」



佐天「ーーー」

上条「ーーー」



シャットアウラ「また少女と仲良さげに…」

シャットアウラ「………」ソワソワ


佐天「ーーーさようなら、上条さん」


シャットアウラ「!」

シャットアウラ「行ったようだな…」

シャットアウラ「よし」

上条「はぁ…」

シャットアウラ「随分と楽しそうだったな」スッ

上条「うぉっ! い、いつの間に後ろに…」ドキドキ

シャットアウラ「あの少女が立ち去ってからだ」

上条「そ、そっか。あっ、服買えたんだな」

シャットアウラ「ああ」

上条「ふ、ふぅん…」

上条(佐天さんに変なこと言われたせいか意識しちまうな)

上条「………」

シャットアウラ「……そ、それで、あの少女とはどういう関係なんだ?」

上条「うぅむ…」

シャットアウラ「……? おい」

上条「友達以上恋人未満か…」ボソッ

シャットアウラ「えっ!?」

上条「ん?」

シャットアウラ「そ、そういう関係なのかっ?」

上条「なにが?」

シャットアウラ「だからっ、先ほどの少女とお前は…そ、そういう関係なの…か? と、友達以上恋人未満…」

上条(あっ。また口に出しちゃってたのか)

上条「いやいや、佐天さんとじゃなくて、俺とシャットアウラが…」

シャットアウラ「はっ!? わ、わ、わた、私とお前がっ!?」

上条「えっ。あ、あれっ?」

上条「そ、そういう意味じゃなくてだなっ」

シャットアウラ「私とこいつが……///」カアァァ

上条「しゃ、シャットアウラ?」

シャットアウラ「はぅ…///」

上条「シャットアウラさーん!」

シャットアウラ「はっ!」

上条「あの、さっきの発言はですね…」

シャットアウラ「上条当麻!」

上条「はいっ!」

シャットアウラ「か、か、帰る…ぞっ」

上条「え…。あ、はい」

シャットアウラ「……」ギクシャク

上条(変なこと言っちゃったなぁ…。シャットアウラのやつテンパってるのか右手と右足同時に出してるし…)

上条(……テンパってる? なんで?)

~~~~~~~~~~~~~~

『特別な関係でもない人と一緒に…』

『友達以上恋人未満…』

~~~~~~~~~~~~~~

上条(……いやいや、ない…よなあ)

ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

ーーー上条宅ーーー

上条「………」

シャットアウラ「………」

上条(気まずぅ!)

上条(どうしよう…。シャットアウラのやつ全く口開かなくなったんだけど)

上条(飯食ってる時とか風呂入る前とかも最低限の言葉しか言わない)

上条(それに…)チラッ

シャットアウラ「………」ゴロン

上条(寝転がりながら膝抱えて丸まって……まるでダンゴムシ)

上条(……なんか話さないとまずいよなぁ)

上条「えーっと、シャットアウラ?」

シャットアウラ「……なんだ」

上条「あのー……そうだ! 明日の夕方にさ、インデックスが戻ってくるらしいからちょっと豪華な夕飯にしようと思うんだけど、何か食べたいものとかあるか?」

シャットアウラ「…インデックスの好みに合わせるべきじゃないのか?」

上条「ソウデスネー…」

上条(インデックスの好み、ねえ。たまには、本当にたまには鍋でもするか)

上条(他になにか話題は…)

シャットアウラ「……なあ、上条当麻」

上条「! なんだっ?」

シャットアウラ「さっき言ってた…私との関係というのは…」

上条「あ、あれな。あれはだな」

ーーー説明中ーーー

上条「っつーわけで、佐天さんって子がテキトーなこと言ってて、思わず俺が口に出しちゃったってだけで…」

シャットアウラ「……そうか」

シャットアウラ「……じゃあ、お前は私のことをどう思っているんだ?」

上条「へっ? どうって…」

シャットアウラ「私とお前の関係はどういったものなんだ?」

シャットアウラ「ただの知り合いか? 友人か? 家主と居候か?」

上条「えっ、えっと…」

シャットアウラ「こんなことを言われても困らせるだけだが、お前が…他の女と仲良くしているのを見ると胸がチクチクと痛むんだ…」

上条「それって……なんかやばい病気か!?」

シャットアウラ「……それ、本気で言っているのか」

上条(……えっ、じゃあなに? まさかとは思うけど…いやまさか)

シャットアウラ「なあ、上条当麻。私は…もう我慢できない。この気持ちをこれ以上押し殺すことなどできない」

上条「シャット…アウラ…」

シャットアウラ「上条…当麻。私は、私はお前のことが…好きだ」

上条「っ!」

シャットアウラ「いつからこんな気持ちを抱いたのかなどわからない。それでも、それでもこの気持ちは本物だ」

シャットアウラ「上条当麻。返事を…聞かせて欲しい。どんな返事でも構わない。覚悟は…できている」ジッ

上条「シャットアウラ…」

上条「……一晩だけ、考える時間が欲しい。情けないけど、返事は明日でもいいか?」

シャットアウラ「……ああ」

上条「ありがとう…」

シャットアウラ「……私は、もう寝る。お前の心からの気持ちを待っている」

上条「おやすみ…」

ーーーーーーーーー

上条(……ど、ど、どうしよう)ドキドキ

上条(お、女の子に告白されるなんて、生まれて初めて…多分)

上条(め、めちゃくちゃ嬉しい……けど、この気持ちって『シャットアウラに告白された』せいか、それとも『鳴護アリサの姿をした人物に告白された』せいなのか…)

上条(……うぅ)チラッ

シャットアウラ「」スースー

上条(シャットアウラ……)

上条(俺は…)

ーーー翌日・早朝ーーー

上条「……んぁ。朝か…」

上条「全然寝れなかったな…」

上条「まだ5時過ぎだし」

上条「はぁ……」ボーッ

上条「呆けてる場合じゃないか。シャットアウラは…」

シャットアウラ「」スゥスゥ

上条「……シャットアウラの寝顔、綺麗だな…」

上条「何言ってんだ俺。気持ち悪い…」

上条「………ん?」

上条「シャットアウラ…?」

上条「まてまて、落ち着け。もう一度よく見ろ」ゴシゴシ

上条「………」ジーッ

シャットアウラ「」スゥスゥ

上条「どっからどう見てもシャットアウラ=セクウェンツィア…だよな」

上条「これって…」

上条「お、起きろっ、シャットアウラ!!」

シャットアウラ「!? な、なんだっ? 火事かっ? 地震かっ?」ガバッ

上条「違う違う! お前…戻ってるぞ!」

シャットアウラ「えっ? はっ?」

上条「あぁもうっ!」ガシッ

シャットアウラ「ちょっ! なんだっ、そんなに引っ張るな!」

上条「こっち来て鏡見ろ!」グイッ

シャットアウラ「鏡…?」

シャットアウラ「……私…だ」

シャットアウラ「私がいる。私が、鏡に映っている…」

シャットアウラ「戻った…? 元の姿に?」

シャットアウラ「夢…じゃないだろうな…」ツネッ

シャットアウラ「……痛い」

シャットアウラ「………っ!」

上条「……よかったな。シャットアウラ」

シャットアウラ「上条…当麻…。ありがとう」ギュッ

上条「お、おう…」ドキドキ


上条(しゃ、シャットアウラの手…)ドキドキ

シャットアウラ「………!」

シャットアウラ「す、すまないっ!」パッ

上条「い、いやっ…」

シャットアウラ「………」

上条「………」

上条「と、とりあえず、いったん着替えて状況整理でもしよう」

シャットアウラ「あ、あぁ…」

ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

上条「……じゃあ、身体のほうはどんな感じだ?」

シャットアウラ「………」

上条「シャットアウラ?」

シャットアウラ「聞き方が少し……イヤラシイ///」

上条「へ、変な意味なんかありませんからねっ!?」

シャットアウラ「わ、わかっている…。身体の具合だな」

シャットアウラ「……特にかわったところはなさそうだ。それどころか手のヒビや身体の傷が無くなっている」

上条「能力はどうだ?」

シャットアウラ「レアアースペレットが手元に無いから確認はできないが、どうやら演算はできそうだ」

上条「ってことは能力もちゃんと使えるのか」

シャットアウラ「そうみたいだな」

上条「でもなんで急に元に戻ったんだ?」

シャットアウラ「そ、それは…」

上条「土御門が言ってた解決法ってやつか?」

シャットアウラ「えっと…」アセアセ

シャットアウラ「………っ!」

シャットアウラ「そんなことはどうでもいい!!」

上条「どうでもいいのっ!?」

ガシッ

上条「!?」

シャットアウラ「今は…さ、昨晩の…話の返事を聞きたいっ…」

上条「っ!」

シャットアウラ「いい…か?」

上条「シャットアウラ……俺は…」

シャットアウラ「………」ゴクッ

上条「俺は…」





prrrrrr!

上条「!」ビクッ

シャットアウラ「!」ビクッ

prrrrrr!

上条「で、電話っ?」

シャットアウラ「す、すまない。私のだ」

上条「そうか」

シャットアウラ「………」

上条「出ないのか?」

シャットアウラ「……いや、出る」

ピッ

シャットアウラ「……私だ」

シャットアウラ「……ああ。心配ない」

シャットアウラ「体調のほうも快復した。じきに仕事に戻る」

シャットアウラ「……私の代理を押し付けてすまなかった」

シャットアウラ「では切るぞ」

ピッ

シャットアウラ「……はぁ」

上条「……今の、仕事の電話か?」

シャットアウラ「……ああ。元に戻った以上は黒鴉部隊に顔を出さないといけない」

シャットアウラ「休んでいた分の仕事の確認、装備品や機動兵器の点検。あと冥土帰しにも顔を見せないと……。やることが山積みだ…」

シャットアウラ「この生活とも別れを告げることに…「シャットアウラ」

シャットアウラ「!」

上条「大変なのはわかるけど…先に、さっきの話の続き、してもいいか?」

シャットアウラ「あっ……」

シャットアウラ「ああ…」

上条「シャットアウラ」ジッ

シャットアウラ「っ……///」

シャットアウラ「///」フイッ

上条「あの…こっちを見て欲しいのですが…」

シャットアウラ「あ、あまり真剣に見つめるなっ! は、恥ずかしい…///」

上条「そりゃあ真剣にもなりますよっ!」

上条「それに返事を聞かせて欲しいって言ったのはシャットアウラだろっ?」

シャットアウラ「た、確かにそうだが……」

シャットアウラ「……よし。こいっ」

上条「……いくぞ」

上条「シャットアウラ……俺は…」ジッ

シャットアウラ「うぅ…」

上条「俺はっ!」

シャットアウラ「……す、ストップっ、ストップ!」

上条「シャットアウラさぁん!?」

シャットアウラ「き、緊張して…///」バクバク

上条「こっちだって緊張してますよ! 生まれて初めて告白するんだもん!!」

シャットアウラ「そんなこと言われても……って、え?」

上条「………あ」

シャットアウラ「こ、こ、告白って…お前…///」

上条「い、今のはその…」アセアセ

シャットアウラ「あっ…えっと…///」

上条「あぁぁもうっ!」グイッ

シャットアウラ「!?」


ギュッ

シャットアウラ「かみ、上条っ、当麻っ…///」

上条「こうやって抱きしめときゃ逃げないし、顔だってこんだけ近づけてりゃ下手にそらせないだろ」

シャットアウラ「お、おいっ///」

上条「……言うぞ」

シャットアウラ「待てっ! こ、心の準備が…」

上条「シャットアウラ……俺は、お前のことが好きだ」

シャットアウラ「っ!///」

上条「昨日の夜告白されて、ずっと答えを考えて、朝お前の顔を見て」

上条「そして気づいた。俺も、俺もお前のことが……シャットアウラのことが好きなんだって」

シャットアウラ「そんな…///」

上条「シャットアウラ。これが俺の返事だ」

シャットアウラ「……う」

上条「う?」

シャットアウラ「うれ…しい///」

上条「シャットアウラっ」パアァッ

シャットアウラ「か、上条当麻…///」バクバク

上条「シャットアウラ…すげえ緊張してたんだな。心臓の音がめちゃくちゃ響いてくる」

シャットアウラ「う、うるさいっ///」

上条「じゃあ……離すか?」

シャットアウラ「………もう少しだけ、こうしていたい…」

上条「俺もだ」ギュッ

シャットアウラ「///」ギュッ


ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

シャットアウラ「それじゃあ私は冥土帰しの所へ報告に行く」

上条「おう」

シャットアウラ「お前は学校。私は一度自宅に戻る」

上条「オッケー」

シャットアウラ「夕方には二人でインデックスの出迎え……それでいいんだな?」

上条「……そうだけどさ」

シャットアウラ「なんだ、何か問題でもあるか?」

上条「いや…、こっち見て話してもらえませんかね。照れるのはわかるけど」

シャットアウラ「っ! べっ、別に照れてなどっ///」

上条「ソウデスネー」

シャットアウラ「その態度やめろっ!」

上条「やっとこっち見た」

シャットアウラ「あっ……///」

上条「……」ニマニマ

シャットアウラ「このっ…///」キッ

上条「じゃ、俺は学校に行ってくるなー」

シャットアウラ「早く行けっ!」

上条「はいはい。それと鍵だけど、また頼むな」

シャットアウラ「わかっているっ」

上条「行ってきますよー」

シャットアウラ「………おいっ!」

上条「?」

ギュッ

シャットアウラ「行ってらっしゃい……///」

上条「お、おぅ……行ってきます…///」

ガチャ








シャットアウラ「………ぅ」

シャットアウラ「うわぁぁ! 恥ずかしいぃぃぃ!!」カアァァ


今日はここまでです。

また一週間過ぎてすみません…
新約も読むから次も一週間くらい先になりそうです

ーーーとある高校ーーー

上条「………」ニヘラ

上条(ああ、ダメだ。やっぱり頬が緩んじまう)ニマニマ

上条(あれですか、これで不幸な上条さんにも春が来たんですかっ!)

上条(……あれ? でもよく考えたらお互い好きとは言ったけど、付き合うとか恋人とかの話ってしてないよな…)

上条(じゃあ今の俺とシャットアウラの関係ってどんなのだ? それこそ友達以上恋人未満ってやつか?)ウーン

土御門「朝っぱらからコロコロ表情変えて、1人でにらめっこでもやってるのか、カミやん」

上条「よう土御門。ちょっと考え事をな」

土御門「そうか。それより今ちょっといいか?」

上条「? 別にいいけど…」

ーーー廊下ーーー

上条「話ってなんだよ。教室じゃダメなのか?」

土御門「そっちの端まで移動しよう。人にあまり聞かれたくない」

上条「人に聞かれちゃマズイ話か…」

上条「まさかとは思うけど、魔術師が侵入したから殴り倒せー…、とか外国まで音速旅客機でレッツゴー…、とか言うんじゃねえだろうな」

土御門「安心しろカミやん。そんな話じゃない」

上条「じゃあなんの話だよ」

土御門「シャットアウラ=セクウェンツィアのことだ」

上条「シャットアウラ? あいつがどうかしたのか?」

土御門「どういう状況だ?」

上条「どういうって言われても別に……、あ。解決した解決した」

土御門「………はっ?」

上条「理由はわかんねえけど朝起きたら突然元の姿に……って痛い痛い!」

土御門「そういうっ、ことはっ、サッサと報告して欲しいにゃー!」ギリギリ

上条「痛い痛い! にゃーにゃー言いながらヘッドロックかますな!」バッ

上条「それに、しょうがないだろ! 朝起きて突然のことだったんだから!」

土御門「あぁ…? ああ、なるほどにゃー。だからカミやんニヤニヤデレデレしてたのか」

上条「はっ?」

土御門「いやいやなんでもないぜよ」

土御門(つまりシャットアウラ=セクウェンツィアはカミやんに告ったってことか…)

土御門(……爆ぜろリア充めっ!)

上条「それよりシャットアウラについての話ってなんなんだよ」

土御門「おっと、そうだったそうだった。まあ、シャットアウラ=セクウェンツィアの姿が戻ったっていうならもうどうでもいいことかもしれないが…」

上条「まさかまたシャットアウラに復讐を考えてる奴が…」

土御門「いや、近いがちょっと毛色が違う。カミやん…『過激派』ってわかるか?」

上条「『カゲキハ』? ……それって暴力とかでテロ行為をしたりする集団のことか?」

土御門「ああ、言ってみればスキルアウトみたいなもんだ」

土御門「だが今回話にあげてるのは、ただのスキルアウトとは違って大掛かりな組織だったり強力な能力者もいるが」

上条「おい、それって…」

土御門「カミやんが考えてるようなことはないぜい。『人的資源プロジェクト』の時みたいにこの街が直接関わっているわけじゃない」

土御門「過激派なんて言ってもただのチンケな犯罪者集団ってことだにゃー」

上条「それとシャットアウラの関わりってもしかして…」

土御門「そ。ただの犯罪者ってことは当然管轄はアンチスキルのものだし、場合によっては『黒鴉部隊』にも応援要請がいく」

土御門「というより、もういってるはずだにゃー」

上条「………はっ? はぁ!?」

土御門「そんなに驚くことじゃないぜよ。この街の基本的な治安維持は『警備員』の仕事だが、『黒鴉部隊』も実績は十分ある。つまり事件があれば駆り出されるんだぜい?」

土御門「むしろ今回の『過激派』の件は『黒鴉部隊』が関わるのは当然なんだにゃー」

上条「どういうことだ?」

土御門「『黒鴉部隊』はここのところ犯罪者の検挙じゃ相当な成果をあげている」

土御門「当然、その分犯罪者にも恨まれるし目の敵にされる。この前のシャットアウラ襲撃みたいにな」

上条「………」

土御門「今回の『過激派』の中には組織立って無能力者狩りをやってた能力者。組織を潰されたスキルアウトのメンバーもいる。どいつもこいつも『黒鴉部隊』が関わってるんだぜい」

上条「つまり、一度相手にしたんだから最後まで責任もって働いて、捕まろってことか?」

土御門「まあ『黒鴉部隊』ってのは慈善事業じゃないからな。金が関わる以上最後までキッチリってことだ」

上条「結構…大変なんだな…」

上条「ん? じゃあ土御門が気にしてたことってなんだ?」

土御門「オレが気にしてたのは、シャットアウラ=セクウェンツィアが働けないならどうにかして『黒鴉部隊』に回った仕事をなかったことに根回しするかってことだにゃー」

上条「土御門……お前…」

土御門「ふっ…。土御門さんは世界の平和を守るため、暗躍するのが仕事だからにゃー」キリッ

上条「カッコつけてるけど無駄だったんだよな。お前の心配」

土御門「うるさいぜよ」

上条「まあ、シャットアウラのこと気にかけてくれてサンキューな」

土御門「気にするな。それに多分大したことにはならんぜよ」

上条「なんで?」

土御門「過激派っていっても中身はただの犯罪者の寄せ集め。中には元敵対組織の人間なんかもいるんだにゃー」

上条「無能力者狩りとスキルアウトとかか」

上条「ってことは…」

土御門「仲間割れして行動起こす前にほとんど壊滅状態だ」

上条「馬鹿じゃねえのそいつら」

土御門「ちょっと前に第七学区内で能力者同士の喧嘩があったのを知ってるか?」

上条「いや、知らないな」

土御門「結構TVでもやってたんだがな…」

土御門「まあ、そいつらが『過激派』に属していてな、アンチスキルが取り調べてそこから芋づる式に、って訳だ」

上条「意味深な雰囲気かもしだしといて始まる前から終わるって…」

土御門「だから残っているのはただの残党。シャットアウラ=セクウェンツィアが戻った『黒鴉部隊』ならあっさり解決するだろうな」

上条「なんだ。じゃあ特に心配することって…」

土御門「無いだろうにゃー」

上条「よかったぁ」

ーーーーーーーーーーーー

シャットアウラ「……はぁ…はぁ…」

シャットアウラ「こちらクロウリーダー! 応答しろ!」

ガガガッ
ジジーッ

シャットアウラ「……クソッ!」

シャットアウラ「やっかいな……」

シャットアウラ「逆恨みもはなはだしい……」

シャットアウラ「『過激派』の連中め…」

少ないですが今日はここまでです。

新約8巻も読み終えましたのでもう少しペースアップできればと…

またバトルパート突入です

ーーー少し前ーーー

シャットアウラ(復帰早々に仕事か……、これでは冥土帰しの所へ行くのは後になるな)

シャットアウラ(それにしても……告白したんだよな……、お互いに好き同士…///)

クロウ7「隊長!」

シャットアウラ「!」

クロウ7「お久しぶりです。……あの、隊長? 大丈夫ですか…?」

シャットアウラ「な、なにがだっ?」

クロウ7「あ、いえ。随分とお顔が赤いようですが…」

シャットアウラ「っ! ……も、問題ないっ。それよりもアンチスキルからの要請の内容はなんだっ」

クロウ7「報告します」

ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

シャットアウラ「過激派か…」

クロウ7「すでにアンチスキルにより残党の7割は制圧済み。残りは散り散りに街中を逃走中とのことです」

シャットアウラ「つまり逃走中の奴らを捕まえるのを手伝えということか」

クロウ7「はい。主犯格の面々が現在銀行に立てこもっているらしく、アンチスキルの人員を多数そちらに割いている為我々にも要請が…」

シャットアウラ「わかった。それで我々の担当はどうなっている?」

クロウ7「現在逃走中の目標をクロウ3からクロウ6が追跡中。クロウ1、クロウ2は逃走ルートを計算して先回りをしています」

シャットアウラ「そうか。なら私たちも行くぞ」

クロウ7「はっ」

ーーー現在ーーー

シャットアウラ(機動兵器の入り込めない屋内に逃げこんでからの不意打ちによる強襲……。どう考えても誘い込まれたな)

シャットアウラ(外に人数を配置し、クロウ1、クロウ2を迎撃。追撃部隊も食い止めるとは……、初めからここで勝負を仕掛けるだったのか?)

シャットアウラ(ご丁寧に入り口を爆破で塞ぎ、妨害電波でも出して通信機器を封じる)

シャットアウラ(共に中に侵入したクロウ7とも分断させられたようだし)

シャットアウラ(随分と手の込んだまねをしてくれる)

シャットアウラ(こうなったら一度外に出て外の連中を蹴散らすか…)

ゴオォゥ

シャットアウラ「っ!?」バッ

シャットアウラ(炎!? 発火能力者かっ?)

「チッ!」ダダッ

シャットアウラ「待てっ!」ダッ


ーーーとある高校ーーー

黄泉川「わかった、すぐに向かう」

上条「あれって黄泉川先生?」

土御門「随分急いでるみたいだにゃんー」

上条「黄泉川先生、どうかしたんですか?」

黄泉川「おお。月詠先生のとこの悪ガキ共か。なにアンチスキルのほうでちょっとな」

上条「アンチスキルって……なにかあったんですかっ?」

黄泉川「街中でバカ共が少し暴れててな、色々マズイらしく急遽招集がかかったんじゃんよ」

上条「マズイって…」

黄泉川「心配はいらないじゃん。すでに収束に向かってるし『黒鴉部隊』っていう、精鋭の応援も呼んでるからな」

上条「!」

黄泉川「だから…」prrrr

黄泉川「はいこちら黄泉川。……ああ、ああ……はっ? 応援からの信号が途絶えたっ? …ああ、わかった」ピッ

上条「ちょっ、黄泉川先生、今の…」

黄泉川「悪いな。どうやら急がないといけなくなった」

黄泉川「今日の2時間連続体育は災誤先生に変わってもらうことになってるじゃん。それじゃあなっ」

上条「………」

土御門「どうする気ぜよ、カミやん」

上条「どうするって…」

土御門「信号が途絶えたってことが、必ずしも敵にやられたとは限らない。単に通信手段を奪われただけかもしれない」

土御門「それに相手はただの能力者だったりチンピラだったりと、この街じゃよくいる類いだ。魔術師との戦いみたいにカミやんが出ばる必要はないぜよ」

上条「……そうかもしれねえけど」

土御門「心配する気持ちはわかるが少し落ち着け」

上条「………」ギリッ

土御門「……はぁ。まったくカミやんには困ったもんだにゃー」スチャ

上条「………?」

土御門「ふんふふっふーん」ピピッ

上条「なにやってんだ?」

土御門「オレも付き合うぜい。とりあえず場所の特定からだにゃー」

上条「土御門…」

土御門「オレも災ゴリラ先生の体育を2時間連続は嫌だからにゃー」

上条「まさかそれから逃げるために俺に協力するわけじゃねえよな?」

土御門「んー?」

上条「なんにせよ助かるからいいけどさ」

土御門「まずは学校から出るか。裏口に向かうぜい」

上条「おうっ」








土御門「どうでもいいが、カミやん出席日数大丈夫か?」

上条「今言わないでっ! 気にしないようにしてるんだから!」

ーーーーーーーーー

シャットアウラ「……ちょこまかと逃げ回って…」

シャットアウラ「いや…、これも作戦かなにかか? だとしたらまんまとハマってしまったわけだが…」

シャットアウラ「……気にしても仕方がない。とりあえず状況の把握からだな」

シャットアウラ「そもそもこの建物は……廃工場? ……いや自動車の整備工場か」

シャットアウラ「自動車だけじゃないな小型のボートや型落ちした駆動鎧まで…」

シャットアウラ「雑に放置されているところをみると、正規の施設ではなさそうだな。大方、元はスキルアウト相手に営業していたんだろう」

シャットアウラ「さっきの発火能力者が躊躇無く攻撃した様子から、ガソリンなんかの引火しやすい燃料は無さそうだな」

シャットアウラ「だったらやることは簡単だ。レアアースペレットは十分あるしここで捕まえてやろう」

シャットアウラ「なあ」

ヒュン

「っ!?」

シャットアウラ(今だ!)パシュッ

シャットアウラ「」キィンッ

ドォゥン!

「うぉっ!」

シャットアウラ(直撃しないように爆発させたが……狙いが甘かったな。避けられたか)



「危ねえなぁ、おい」

シャットアウラ「………」カチャカチャ

「えっ、ちょっ」

ヒュン

シャットアウラ「………」パシュッ

シャットアウラ「」キィンッ

ドドォォン!!

「おわっ!? っぶねぇ!」

シャットアウラ「チッ」

「無言で攻撃するか!? 普通闘いの前って2、3言葉を交わすもんだろ!?」

シャットアウラ「しるか。こちらには貴様らと話す理由も必要も無い」カチャ

シャットアウラ「それに私は、炎を扱う大男が嫌いなんだ」ヒュン

発火能力者「理不尽に嫌われてる!?」

シャットアウラ「安心しろ。熱風を吸わない限り大した怪我はしない」パシュッ

発火能力者「心配どうも! でも残念でしたぁ! おい!」

シャットアウラ「?」

ベチャベチャ

シャットアウラ(なんだ? スライム? ともかく…)キィンッ

ボフン

シャットアウラ「!? 不発っ? いや……爆発が抑えこまれたっ?」

発火能力者「は、ははっ。どうだ!」

シャットアウラ(私のペレットを包むように飛んできたあれは…)

シャットアウラ「防火用のゲルか」

発火能力者「もうばれたし!?」

シャットアウラ「断熱性に優れ、炎を包み込み酸素を与えない。さらに水分を含ませることで完全に鎮火させる……。確か最近家庭用に発売された物だったな」

シャットアウラ「水風船のように、投げつけると破裂してゲルが広がり炎を抑え込む」

シャットアウラ「あらかじめ破裂させたゲル風船を、近くに潜んだ念動能力者が操っているのか」

念動能力者「!」ガタッ

シャットアウラ「そこか」

発火能力者「勘よすぎだろ!」

シャットアウラ「そちらが複数であることは知っている。さらにペレットを包んだゲルの動きを見る限り、単に投げただけじゃないこともわかる」

シャットアウラ「しかし宙を舞っていたペレットや私のワイヤーを狙わなかったということは、動いてるものに対して精密な演算ができないのか?」

念動能力者「う……」

シャットアウラ(精々Level2か…ならば)カチャカチャ

発火能力者「またかっ!」

シャットアウラ「防ぎきれないほどの量を出せば済む!」

シャットアウラ「これで………っ!?」

念動能力者「ははっ、甘くみるなよ!」ズズズ

シャットアウラ(大量のゲル!? こいつLevel3以上はあるのかっ?)

念動能力者「今投げたペレットは全部包んだ! これで爆弾としての機能は無いぞ!」

シャットアウラ「クソっ」

発火能力者「お返しだ!」ゴォォォ

念動能力者「念動力で炎を圧縮して包んだ爆裂弾。これでも食らってろぉぉ!!」

シャットアウラ「っ!」





バォォンッ!

ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

発火能力者「………やったか?」

念動能力者「い、今のは流石にやっただろ。は、ははっ。俺に歯向かうからだ!バーカバーカ!」

発火能力者「おい、やめとけって。なんかそういうの死亡フラグな気が…」

キィンッ

発火能力者「!? 伏せろっ!」

ドォゥン!

念動能力者「ぶべらっ!?」ゴシャッ

発火能力者「駆動鎧の残骸!? どっから…」

シャットアウラ「まずは1人」

発火能力者「! ……マジかよ。あれを避けるかね」

シャットアウラ「私も爆発物を扱う能力者だ。自爆しないよう回避能力には自信があるし、スーツによる身体強化も完全だ」

発火能力者「ずりぃ…」

発火能力者(直接爆弾が効かないとわかったら距離をとり、爆発の衝撃で物を飛ばしてぶつける……。偶々当たったとはいえ無茶苦茶にもほどがある!)

シャットアウラ「これで私の能力を防ぐゲルも使えないしさっきの爆裂弾も作れない。1対1なら私のほうが強いぞ」

発火能力者「くっ…」

シャットアウラ「大人しく投降しろ」

発火能力者「………はっ。誰がするかよ!」ダッ

シャットアウラ「っ! 待てっ……先にこっちの念動能力者を縛らねば…」

シャットアウラ「完全に伸びてるな。まさか顔面に当たるとは…」

シャットアウラ(それにしてもほんとにLevel3以上か? こいつ。小者というかなんというか…)ウーン

シャットアウラ「ともかくあいつを追わないと」

ーーーーーーーーー

土御門「カミやん、アンチスキルの通信を受信したぜよ」

上条「傍受だけどな、犯罪だけどな……」

土御門「今更細かいことは気にしない気にしない」

土御門「黒鴉部隊の信号が途絶えたのは第七学区から第十学区に入ってすぐの工事跡らしいにゃー」

上条「ってことはそこに…」

土御門「いるはずだぜい」

上条「うしっ! 無事でいろよ、シャットアウラ!」

土御門「張り切ってるにゃー」

ーーーーーーーーー

シャットアウラ「中々広いな…、奴はどこに…」

「助けてぇ!」

シャットアウラ「! 女の悲鳴!?」ダッ

シャットアウラ「こっちか! ……っ!」

発火能力者「へへっ」グイッ

少女「た、助けて…」

シャットアウラ(人質……)

シャットアウラ「この下衆め…」

発火能力者「はっ。爆弾なんか使ったらこの女も巻き込むことになるぞ」

少女「お、お願い…助けて…」

シャットアウラ「っ………」

発火能力者「これが俺の本気だよ」

シャットアウラ「随分ダサい本気だな」

発火能力者「うっせえよ! ともかく、こいつに怪我させたくなかったら余計な真似…」

チャキ

発火能力者「!?」

少女「!?」

シャットアウラ「動くな」チャキ

発火能力者「余計な真似すんなって言ったろ!? なに銃なんか構えてんの!?」

シャットアウラ「入っているのはゴム弾だ。当たっても殺傷能力は無い」

発火能力者「いやっ、俺人質とってんだけど!?」

シャットアウラ「それだけデカイ図体した人間が、人1人を前に置いたくらいで隠れきるか」

発火能力者「そうじゃねえだろ! 人質いるのに銃向けるバカいねえだろって言ってんだよ!」

シャットアウラ「私の腕前なら人質には絶対に当てない。貴様の眉間に正確に当てることができる」

シャットアウラ「ゴム弾でも額に当たれば脳震盪くらいは起こすぞ」

発火能力者「っ……」

シャットアウラ(……あの男、炎を手から出していた。つまり両手で人質を掴んでいる今は能力を使えない)

シャットアウラ(片手でいいからこちらに向けてくれれば人質が逃げ出す隙を作れるかもしれない)

シャットアウラ(だから…)

バシッ

シャットアウラ「……はっ?」

シャットアウラ(銃が…弾かれた?)

「はぁー、めんどくさ」

シャットアウラ「!」

「人質がいるってのに全然ビビらないじゃん。この女」

シャットアウラ「お前……」

少女「んー? あぁ、ゴメンねー。不幸にも人質になっちゃったいたいけな少女とでも思っちゃったー?」

シャットアウラ「今のは…念動能力か……つまり」

少女「そーそー。さっき大量のゲル操ったり爆裂弾作ってたのって私なんだよねー。つーかよく考えろよ、偶々こんなとこに、偶々人質に最適な美少女がいるかっての」

シャットアウラ「演技だったというわけか…」

少女「はいはいよくできましたー」

シャットアウラ「なるほど。まんまと引っかかったな。さっきの男は」

少女「Level2になったばっかの雑魚だよん。私はLevel3だけどー」

シャットアウラ「そうか…、まあ今更どうでもいいな。要は敵なのだから」

少女「なに、ヤる気?」

シャットアウラ「当然だ。貴様達を捕まえて秩序を正す」

少女「やれるもんならやってみろ、このブス」

今日はここまでです。

やっぱ戦闘だと半角ばっかになっちゃうな……

>>ドルキさんってサイレンのかな?
だとしたらそこまで凄くはないよ

ーーーーーーーーー

上条「……おぉ」

土御門「流石は黒鴉部隊。完全に押してるぜよ」

上条「向こうは駆動鎧も使ってるみたいだけど…」

土御門「あんな型落ちしたジャンク品で最新鋭の装備を扱う連中に勝てる訳ないにゃー」

上条「なるほど。シャットアウラは…」

土御門「多分建物の中だな」

上条「中か……、流石に正面きっては入れないな」

土御門「オレが土台になるから一度裏手にまわって塀を乗り越えろカミやん」

上条「わかった。協力してもらって悪いな」

土御門「いやいや、友達として力を貸すのは当然だにゃー」

上条「土御門……」

土御門「早く行くぞ」

上条「……おう!」

土御門(……カミやんが女の子関連で熱くになることは多々あったが、恋愛なんてものが絡むのは初めてだにゃー)

土御門(ここまで真剣な目をするとは……)

土御門(ねーちんをからかうのにこれほどおいしいネタはないぜよ)ニヤニヤ

ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

パリーン

上条「よっと」

上条「暗いな…、足下も悪いし」

上条「そんなことよりシャットアウラは……」

ドォーン

上条「!?」

上条「爆発…? 奥からかっ」ダッ

ーーーーーーーーー

発火能力者「おばっ!」メキョッ

シャットアウラ「ふんっ」

発火能力者「ぅ……」ドサッ

少女「一発KOとか……ゴリラかよ、お前」

シャットアウラ「スーツによる身体強化だ。素でこんな怪力なわけではない」カチャカチャ

少女「また爆弾か。ワンパターンなんだよ!」ズズズッ

シャットアウラ「遅い!」キィン

少女「!」

ズドドォン!

少女(チッ。あいつ、爆発をぶつけ合わせて爆風の方向を調整してんのか…)

少女(そうやってわざわざ遠距離から攻撃か……、でもまあそれはブラフで)

少女「爆発に紛れて近づいて直接攻撃か!」

シャットアウラ「っ!」ダッ

シャットアウラ(読まれてっ)

少女「あの木偶の坊みたいにヤれると思うなって!」ズズッ

シャットアウラ「!?」

シャットアウラ(く、口と鼻を塞がれっ…)

少女「はっ、そのまま窒息しろっ!」

シャットアウラ「んぐっ!」

少女(私の能力が視認しなくても使えるタイプなら肺とか胃の中をゲルで満たしてサクっとヤれるのに…)

少女(まあ、どっちにしろ時間の問だ…いっ!?)

シャットアウラ「んっ!」カチャカチャ

少女(こいつまだ演算できんの!?)

シャットアウラ「んんっ!」ヒュッ

キィン

少女「やばっ!」

ドォーン

ドォーン

上条「! また爆発……でもさっきより近いな」

上条「多分シャットアウラの能力だよな…」

上条「無事でいてくれよっ」

ーーーーーーーーー

少女(……いってぇ、直撃はしなかったけど爆風でとばされたのか……、体動かねー)

シャットアウラ「ごほっ…」

少女「無事なのかよ……」

シャットアウラ「完全に無傷ではないが……少なくとも貴様と違って体は動かせるぞ」

少女「チッ」

シャットアウラ「外も静かになっている。これで任務完了か…」

発火能力者「だったらいいけどなぁ…」

シャットアウラ「!」

発火能力者「はぁ…はぁ…」

シャットアウラ「貴様…」

発火能力者「せめて最後に一発お前に喰らわしてやんよぉぉぉ!」

ゴォォゥ!

シャットアウラ「くそっ!」バッ

ドゴンッ!

シャットアウラ(!? 柱に…マズイっ!)

グラアァ

発火能力者「うぉっ!?」バッ

少女「ウソっ!?」

シャットアウラ「倒れるぞ! 避けろ!」

少女「あっ…」

シャットアウラ「っ!」バッ

ゴシャアァァ!

上条「!?」

上条「なんだ今の音……何か崩れたのか…?」

上条「そっちから……」タッ

上条「っ! シャットアウラ!」

シャットアウラ「……上条…? 何故お前が…?」

上条「おい大丈夫かっ!」

シャットアウラ「問題…ない。直撃はしていないからな」

上条「脚が挟まれて…」

シャットアウラ「感覚は…ある。潰れてはいないようだ。ただ挟まっているだけみたいだな…」

シャットアウラ「それより近くに男と女がいないか?」

上条「えっ、あ、あぁ。2人とも気を失ってるけど…あんまり大きな怪我はしてなさそうだ。若干服が焦げてるけど」

シャットアウラ「そうか…」

上条「とりあえず、これをどけないと…」

「隊長! ご無事ですか!?」

上条「!」

シャットアウラ「クロウ7か?」

クロウ7「隊長……! これは…」

上条(この服装……シャットアウラの仲間か)

クロウ7「なるほど…お前が…」

上条「………へっ? 俺?」

クロウ7「よくもここまでのことを……その上仲間を巻き込んでまでも」

上条「ちょ、ちょっと待った!」

クロウ7「問答無用だ!」ダンッ

上条「タイムタイム!」

ガシッ

上条「うぉっ!?」

クロウ7「おらぁぁ!!」ブンッ

上条「一本背負いぃぃぃぃ!?」

バンッ!

上条「おぐっ!」

シャットアウラ「あ、あぁ…」

上条「ふ、不幸…だ…」


ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

クロウ7「申し訳ありませんでした!」ペコッ

上条「いやいや、大丈夫だから」アハハー

クロウ7「まさか隊長のお知り合いの方だとは…」

上条「気にしなくていいって。元はと言えば関係ないのにあの場所に居た俺が悪いんだし」

クロウ7「しかし…」

シャットアウラ「その通りだ。上条当麻、何故お前がここにいるんだ」

上条「えっと…それはですね…」

シャットアウラ「学校はどうしたんだいったい」

上条「いや…その…シャットアウラがピンチだって聞いて、居ても立っても居られずに…」

シャットアウラ「はっ?」

上条「ですからっ、上条さんはシャットアウラのことが心配だったんです! それで思わずここまで来ちゃったんです!」

シャットアウラ「し、心配!? 心配って…」

上条「病み上がりなんだから心配して当然だろうが! ……っつても俺がしたことって投げ飛ばされただけなんですけどね……」ショボーン

シャットアウラ「あっ…その、落ち込まなくとも…」

上条「無駄だし、邪魔しただけになっちゃったんですよ……」

シャットアウラ「っ!」

シャットアウラ「か、上条当麻!」

上条「?」

シャットアウラ「わ、私はっ、お前が私のことを心配して、わざわざ来てくれて、その……う、嬉しい…ぞ///」

上条「シャットアウラ…」

クロウ7「………」ニヤニヤ

少女「………」ニヤニヤ

シャットアウラ「だから……無駄なんかじゃない。お前のしたことは決して…………おい」

上条「?」

シャットアウラ「お前だクロウ7。それと女。なにニヤニヤしている」

クロウ7「えっ、あ、はっ! 申し訳ありません!」

少女「いや、お前の方がニヤニヤしてるし」

シャットアウラ「はぁっ!?///」

シャットアウラ「わ、私がそんなっ///」

クロウ7「申し訳ありません隊長! すぐにあちらに行きます! こいつらも連れて行きますので!」

発火能力者「」

念動能力者「」

少女「私はもうちょっと見ていたい」

クロウ7「黙って付いて来い! では隊長、続きをどうぞ」

シャットアウラ「いや、おい」

クロウ7「隊長……ご武運を」

シャットアウラ「いらん気を利かせるなぁぁぁ!!」

上条「えっと……シャットアウラさん?」

シャットアウラ「なんでこんなことに……」

上条「シャットアウラさーん?」

シャットアウラ「……上条当麻。肩を貸せ」

上条「えっ」

シャットアウラ「脚が痛む」

上条「あ、あぁ。わかった」

シャットアウラ「………」ギュッ

上条「しゃ、シャットアウラさんっ? これじゃあ肩を貸すというよりも抱きつかれているようなんですがっ///」ドキドキ

シャットアウラ「………」ギュー

上条「おぉっ…///」

シャットアウラ「………外にいた過激派の連中は向こうでまとめて捕らえている」

上条「そ、そうなんですか…」

シャットアウラ「建物の中にいた3人はクロウ7が向こうに連れて行った」

上条「そう……ですね」

シャットアウラ「他の隊員達も何故かここにはいない」

上条「何故か……ね」

シャットアウラ「要するに、ここにいるのは私とお前だけだ」

上条「………」

シャットアウラ「先ほどの話の続きだが、私はとても、とても嬉しかった///」

上条「シャットアウラ…」

シャットアウラ「その……///」

上条「こっちを向いてくれシャットアウラ」

シャットアウラ「!」

上条「……いい…か?」

シャットアウラ(いいって……き、キスかっ!?)ゴクッ

シャットアウラ「…………///」コクリ

上条「………」スッ

シャットアウラ(ち、近いっ…///)

シャットアウラ(こ、こういうことをする時は目を閉じてっ///)

上条「………」

シャットアウラ「っ……///」ドキドキ












黄泉川「遅れてすまないじゃーん!」

上シャ「「っ!?」」

黄泉川「警備員の黄泉川だ。応援に来たんだが……」

上条「よ、黄泉川先生!?」

黄泉川「お前っ! 上条!? なんでこんなところに……学校はどうした!」

上条「あの、これはですね…」

黄泉川「そっちのは黒鴉部隊の……お前らなんで抱き合ってるじゃん?」

上シャ「「へっ? ………っ!///」」バッ

黄泉川「………まあ、そんなことより過激派は…」

クロウ7「私から報告を」ヌッ

黄泉川「あんたも黒鴉部隊の…」

クロウ7「逃走していた過激派は鎮圧完了いたしました。あちらで拘束してあります」

黄泉川「そうか。鉄装!」

鉄装「は、はいぃっ」

上条「じゃあ俺はこれで…」コソコソ

黄泉川「待て上条。まだお前がここにいる理由を聞いてないじゃん」

上条「いやこれには海よりも深く、山よりも大きな理由がありまして…」

黄泉川「なるほどな…」

上条「ま、待ってください! その辺に土御門のやつもいるはずです! 全てはそいつが知っています!」

黄泉川「土御門は今朝早退したぞ。 私が3バカの内のもう1人から聞いてそれを受理しておいた」

上条「はぁぁぁ!? 青髪から!? いつの間にそんな連絡してやがった!?」

黄泉川「ともかくだ、上条。学校サボって別の学区で女漁りとはいい度胸じゃん」

上条「女漁りなんかしてません!」

黄泉川「この調子だと私も午後までには学校に戻れる。理由とやらはその時聞いてやるじゃん」

黄泉川「災誤先生が2時間たっぷりとな」ニィッ

上条「い…いやぁぁぁぁ!! 不幸だぁぁぁ!!!」

今日はここまでです。

超電磁砲Sの最終回、ちょっとくらいはエンデュミオン組も出て欲しかった……

ーーー放課後ーーー

上条「だあぁっ! つっかれたぁ…」

上条「ほんとに2時間説教されるとは……」

上条「なんであんなにポンポンと熱い言葉を口にできるんだろうか」

上条「反省文は書かされるし、吹寄には怒鳴られるし、小萌先生は泣きそうだったし、青髪は……なんかウザかったし」

上条「人の不幸がそんなに面白いかね」

シャットアウラ「学校をサボった貴様が悪いんだから自業自得だ」

上条「うぉっ! シャットアウラか。びっくりし……た…」

シャットアウラ「なんだ?」

上条「なんだ、って……その格好…」

シャットアウラ「先日買ったワンピースだ」

上条「おぉ……、おぉっ!」

シャットアウラ「………変…か?」

上条「いやぁ…なんて言うか…」

シャットアウラ「………着替えに戻る」

上条「あぁ! 待った待った!変じゃない変じゃないからっ!」

シャットアウラ「………ほんとか?」

上条「ああ。すげぇ似合ってるぞ」

シャットアウラ「っ! に、似合ってるって……///」

上条「なんていうかさ、新鮮っていうか……女の子らしいっていうか……」

シャットアウラ「……その言い方だと素直に喜びにくいんだが」

上条「つまり、俺が言いたいのは、その格好めちゃくちゃ可愛いってことで…」

シャットアウラ「っ! ///」カアァァ

上条「シャットアウラ…?」

シャットアウラ「ふ、ふんっ///」プイッ

上条「……もしかして、照れてる?」

シャットアウラ「て、照れてなどいない!」

上条「顔真っ赤なんですけど。というかシャットアウラって意外と照れ屋さ……んっ!?」

シャットアウラ「照・れ・て・な・い!!」グイィッ

上条「お、おぅ……」

上条(ち、近い……、この距離はさっきと同じくらいの……)

上条「……///」

シャットアウラ「………!」

シャットアウラ「す、すまないっ///」バッ

上条「い、いやっ…俺のほうもなんかゴメン……///」

上条「………」

シャットアウラ「………」

上条「そ、そういえばさっ。あの後って、結局どうなったんだ? 他の過激派とか」

シャットアウラ「ああ。その報告をしようと思って来たんだ」

シャットアウラ「暴れていた連中は全員拘束されたし、幸い一般人の死傷者も無く、事体は無事に収束した」

上条「そうなのか」

シャットアウラ「私の黒鴉部隊や警備員にも大怪我を負った者もいなかったようだし」

上条「シャットアウラも脚は大丈夫だったのか」

シャットアウラ「………」

上条「……?」

シャットアウラ「………ヒビが入っていてな、全治一ヶ月だそうだ…」

上条「え……大丈夫か? それ」

シャットアウラ「まあ大丈夫だろう。また松葉杖も借りてきたし。今度のは伸縮性のある新型らしい」シャキン

上条「そ、そっか…」

上条「でも怪我してるならわざわざ来なくても、メールで報告してくれればよかったのに。忙しかったんじゃないのか?」

シャットアウラ「いや……」

上条「?」

シャットアウラ「…………」

~~~~~~~~~~~~~~

シャットアウラ『後は報告書をまとめて……っ!』ズキッ

クロウ7『隊長!』

シャットアウラ『大丈夫だ』

クロウ7『やはり先に病院に向かった方がよろしいのでは?』

シャットアウラ『しかし……』

クロウ7『後のことは我々が済ましておきますのでご安心を』

シャットアウラ『そうか……。ならすまないが後は任せる』

クロウ7『はっ。……それと一言申し上げさせてもらいますが……頑張って下さいっ』グッ

シャットアウラ『……おい。さっきからなんなんだその応援みたいな一言は』

クロウ4『自分も応援してます!』

シャットアウラ『ちょっ…』

クロウ2『先程は邪魔が入ってしまいましたし…』

シャットアウラ『やっぱり見てたんだなっ!』

クロウ1『私見ですが、正義感も強そうでなかなか良い少年だと思いましたっ』

シャットアウラ『言われなくとも知ってるわぁ!』

クロウ5『デレた…?』ヒソヒソ

クロウ6『デレたよな…』ヒソヒソ

クロウ3『隊長がデレた…』ヒソヒソ

シャットアウラ『……で、デレてなどいないっ!///』

クロウ7『ともかく隊長、我々黒鴉部隊一同隊長を応援しております!』

一同『『頑張って下さいっ!!』』

シャットアウラ『お前達……後で覚えておけよぉぉぉ!!』

シャットアウラ「バカどもが変なことを言ったせいで妙に意識してしまったというか、余計なことを考えてしまったというか……」

上条「??」

シャットアウラ「なんでもない。ただなんとなくだ」

上条「なんだ。俺に会いたかったからー…とかだったら嬉しかったんだけど……ってシャットアウラ?」

シャットアウラ「なっ!?///」

上条「お顔が真っ赤なんですけど……まさか」

シャットアウラ「悪いかっ!?///」

上条「悪くないです! むしろ最高に嬉しいです!」

シャットアウラ「!?///」

上条「あーいや、あのな」

シャットアウラ「嬉しい……最高に嬉しい…///」ブツブツ

上条「ちょっ、そんな照れながら繰り返し言わないでっ! なんか俺も照れてきちゃうから!///」

シャットアウラ「うぅ……///」

上条「と、とりあえず深呼吸して落ち着こうっ///」

シャットアウラ「……///」コクコク

上条「スー…ハー…。うし、落ち着いた。そっちは大丈夫か?」

シャットアウラ「あ、あぁ…///」チラッ

上条(ちくしょう! 照れ+微妙にうつむいてこっち見るのは反則だろっ! っていうかまだ真っ赤だし!)

シャットアウラ「そ、それで、何の話をしていたんだったか…」

上条「シャットアウラが俺に会いに来てくれたって…」

シャットアウラ「べ、別に会いに来たわけじゃ…/// いや? 会いに来たのか?」

上条「まぁ、とりあえず帰るか」

シャットアウラ「えっと……」

上条「……来る?」

シャットアウラ「……ああ」

ーーーとある公園ーーー

シャットアウラ「帰るんじゃなかったのか?」

上条「ちょっと寄り道だよ。シャットアウラも歩くの大変だろ? だから休憩もかねて」

シャットアウラ「杖はもう慣れたから大丈夫だが……、お言葉に甘えよう」

上条「なんか飲むか?」

シャットアウラ「黒豆サイダーがあればそれを頼む」

上条「はいよー」

上条(また黒色か。どんだけ好きなんだか)クス

シャットアウラ「どうかしたか?」

上条「いや、気にしないでくれ」

上条「黒豆サイダーと俺は……ヤシの実サイダーでいいか」ウィィン

上条「………? おーい」ピッピッ

シャットアウラ「さっきからなんだ?」

上条「……飲まれた」

シャットアウラ「はっ?」

上条「またかよっ! この自販機!」

シャットアウラ「故障か?」

上条「俺の2千円札……」

シャットアウラ「今時2千円って…それは自動販売機も対応しきれないだろ」

上条「確かこの辺りを蹴れば…」

シャットアウラ「私の目の前で犯罪とはいい度胸だな」

上条「じょ、冗談ですことよ…?」

シャットアウラ「冗談でもやめておけ。こういう時は普通に返却レバーを引けばいいだろう」

上条「上条さんがやってもダメなんですよ……」

シャットアウラ「なにを言ってるんだか……、かしてみろ」

上条「2千円…」

シャットアウラ「ここを引けば…」カチャ

ウィィン

上条「!」

シャットアウラ「ほら」

上条「しゃ、シャットアウラぁ…」

シャットアウラ「これくらいのことで騒いだりして……」

シャットアウラ「しかし金を飲むのか。こんど業者に連絡しておかないと」

上条「まあ上条さんはお金が戻ってきたのでなんでもいいです」ニコニコ

シャットアウラ「はぁ…」

上条「ありがとな、シャットアウラ」ニカッ

シャットアウラ「っ///」

上条「しかしどうするか……小銭なら平気かな?」

シャットアウラ「お、お前が金を入れると飲むなら、私が金を投入したらいいんじゃないか?」

上条「そっか。じゃあ頼む」

シャットアウラ「ああ」

ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

上条「……なんで俺のはガラナ青汁なんだ」

シャットアウラ「運が悪かったと思って諦めろ」

上条「ボタンもシャットアウラに押してもらえばよかった……」

シャットアウラ「そんなに酷い味なのか?」

上条「青汁の苦味とガラナの炭酸が奇蹟的なハーモニーを生み出して……」

シャットアウラ「つまり不味いんだな」

上条「まあそれでも飲むんですけどね。勿体無いし」

シャットアウラ「……一口貰えるか?」

上条「えっ」

シャットアウラ「少し興味が湧いたんだ。私のも一口やるから、いいだろ?」

上条「い、いいけど……、ほんとに不味いぞ?」

シャットアウラ「大丈夫だ」

上条「じゃあ、はい」スッ

シャットアウラ「ん」スッ

上条(シャットアウラもなかなかチャレンジャーだな)

上条(じゃあ俺も一口……あれ?)

上条(これって…か、間接キスってやつじゃないんですかっ?)

上条(待って待って。いいの? いいのかっ? いいんですのっ!?)

上条(いや、でもさっきはなんかいい感じになってたから思わず直接やろうとしたし…、失敗したけど)

上条(好き同士ならこれくらいは……)

上条「………」ゴクリ

シャットアウラ「不味いな」

上条「!」

シャットアウラ「想像していた味を上回る不味さだった…」

上条「あ、あぁ…」

シャットアウラ「どうした? 飲まないのか?」

上条「え、あ、うん。その…これって間接キスだなー、とか考えたら口をつけるのがためらわれるというか……。いや、意識しすぎってのはわかってますよ? シャットアウラみたいに気にせず……」

シャットアウラ「っ///」

上条「気にせず…」

シャットアウラ「間接キス…///」

上条「………意識して…なかったんですか…」

シャットアウラ「かかか、間接…///」

上条(どうしよう……)

シャットアウラ(キス…キス…キスっ///)

上条「……仕方ないし、じゃあ俺もいただきます」

シャットアウラ「ま、待てっ!」バッ

上条「あっ」

シャットアウラ「!」ゴクゴクゴク

シャットアウラ「ぷはっ……」

上条「そ、そんなに嫌なんですか……、間接キス」

シャットアウラ「そ、そういう訳じゃないっ! た、ただ…恥ずかしいし…///」

上条「シャットアウラはもう済ましてるじゃん!」

シャットアウラ「む、無意識だったんだっ! それにするのはともかく、されるのは…///」

上条「俺だって受け身より自分からやる方がいいよ! 覚悟できるしさぁっ……さっきみたいに」

上条「だいたい、そのガラナ青汁にも口つけてるじゃん。シャットアウラ」

シャットアウラ「えっ、あっ!」

上条「だからどっちにしろ……」

シャットアウラ「…」ゴクゴクゴク

上条「」

シャットアウラ「苦っ…」

上条「」

シャットアウラ「さ、さーて、空き缶を捨てようか…」

上条「マジか、マジかよっ、マジなんですか! シャットアウラさんっ!」

シャットアウラ「う、うるさいっ、騒ぐなっ///」

上条「だってさだってさぁ、なんか甘酸っぱい展開が来ると思ったのにっ! キャッキャうふふな感じなると思ったのにっ! そんな幻想見事にぶち壊されたよ! こんちくしょーっ!」

シャットアウラ「……そんなに、したかったの……か?」

上条「したいとかしたくないとかじゃなくて、なんかこう……イベント的な……」

シャットアウラ「………」

ガシッ

上条「!? な、なにっ!? 頭鷲掴みは勘弁して……」

チュッ

上条「ファっ!?」

シャットアウラ「こ、これならいいだろっ///」

上条「えっ、えっ」

シャットアウラ「代わりというかなんというか…」

上条(ほ、ほっぺにキス……///)

シャットアウラ「もう行くぞ///」

ガシッ

シャットアウラ「!」

上条「で、ですから、俺も受け身ばっかなのは嫌なんですよ」

シャットアウラ「へっ…あっ…」

上条「シャットアウラ」グイ

シャットアウラ「お、おいっ」

上条「今度こそ……いいか?」

シャットアウラ「っ!」

シャットアウラ「………///」コク

上条「目をつぶって貰えるとありがたいのですが…」

シャットアウラ「……」スッ

上条「で、ではっ」バクバク

シャットアウラ「……///」バクバク

チュッ

シャットアウラ「んっ」

上条「………ぷはっ」

シャットアウラ「………///」カアァァ

上条「………///」カアァァ

シャットアウラ「………///」テレテレ

上条「………///」モジモジ

シャットアウラ「………」

上条「………///」イジイジ

シャットアウラ「何か喋れよっ!」

上条「っ!?」

シャットアウラ「な、何かあるだろっ!? なんで黙りこむっ?」

上条「いや……してから急に恥ずかしくなって……///」

シャットアウラ「わ、私だって恥ずかしいんだっ!///」

上条「そ、そうですね……」

シャットアウラ「……それで。か、感想…みたいな…///」

上条「だ、だよな……感想……」

シャットアウラ「………」ドキドキ








上条「……………苦かったです!!」

シャットアウラ「ふんっ!」

ボコォッ!

上条「ぶぎゃぁっ!?」

ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

上条「痛い……」

シャットアウラ「苦いってなんだ…苦いって……」

シャットアウラ「確かにアレを飲んだ後じゃ当然だが、もっと何かあっただろう……」

上条「緊張して思わず……」

シャットアウラ「はぁ……、初めてだったのに……」

上条「す、すみません……」

シャットアウラ「ふんっ」

シャットアウラ「………クシュンッ」

上条「大丈夫か? 冷えたか?」

シャットアウラ「みたいだ。少し寒い。ジュースを二本も飲んでしまったし」

上条「暗くもなってきたしな。そろそろ帰るか」

シャットアウラ「ああ」

上条「さてと……………あっ」

シャットアウラ「? どうし……」

上条「ああぁぁぁぁぁ!!!」

シャットアウラ「っ!? なんだっ!?」

上条「………………インデックスのこと…忘れてた」

シャットアウラ「あっ」

今日はここまでです。
多分次で終わり。今回はエロないよ

上条「ど、どうしよう…」

シャットアウラ「今から空港に迎えに行くしかないだろう」

上条「だよな…」

prrrrr

上条「!」ビクッ

シャットアウラ「インデックスからじゃないのか?」

上条「………出ないとマズイかな?」

シャットアウラ「出ないとマズイだろう」

上条「……よし」ピッ

上条「もしも…『とうまぁっ!』

上条「ひぃっ!」

禁書『ど・う・し・て、迎えに来てくれなかったのかな!?』

上条「い、インデックスさん、落ち着いてっ。これには深い事情があってですね…」

上条「決して忘れてたとかじゃないんですよ?」

禁書『そんなこと言って、どうせ女の子とイチャイチャしてたに決まってるんだよっ』

上条「っ…」ギクッ

上条「と、ともかく今からすぐ迎えに行くからもうしばらくお待ちくださいっ」

禁書『それならもういいんだよ。今とうまの部屋にいるから』

上条「へっ?」

禁書『とうまが、いつまでたっても来ないから、かおりとすているに連れて来てもらったの』

上条「神裂とステイルが? ならよかった」

上条「………いやちょっとまて。お前鍵はどうした」

禁書『かおりがドアを開けてたよ?』

上条「神裂が……嫌な予感しかしないんだけど…」

上条「ちなみにどんな感じで? 腰に付けた刀でバッサリとか、ベランダからガラスパリーンなんてことは…」

禁書『普通に玄関から』

上条「玄関から?」

禁書『ドアノブ握って』

上条「握って?」

禁書『バキッ、て』

上条「その効果音はおかしい!」

禁書『ともかく! とうまは早く帰ってきて晩御飯を作るんだよ!』

禁書『でないと…』カチカチ

上条「わ、わかった! 今すぐ帰るから噛みつきは勘弁してくれっ!」

禁書『………』

上条「今夜は鍋! しかもデザートにプリンも付けちゃうぞー!」

禁書『気を付けて帰ってきてねっ!』ブツ

上条「………はぁ」

シャットアウラ「ふふっ」

上条「聞こえてた?」

シャットアウラ「ああ。相変わらず食べ物が絡むと態度が変わるな」

上条「まったく、あの暴食シスターさんは……。まあ、迎えを忘れてた俺が悪いんですけどね」

上条「とりあえずスーパーに寄って材料買わなきゃいけないな。悪いけど付き合ってくれ」

シャットアウラ「ああ、わかった」

上条「寄せ鍋にでもするか……、肉と野菜と魚と……大量に買わないとな……はぁ」

ーーー上条宅ーーー

禁書「まったくとうまったら……」

ステイル「君の迎えを忘れるなんて信じられないね。彼の頭にはきちんと脳みそが詰まっているのかな?」

禁書「でもプリン買ってきてくれるって」ニコニコ

ステイル「そうかい……、それはよかったね…」

ステイル「それより神裂。ドアは直ったのかい?」

神裂「あ、あと少しで、なんとか……、ここをこうすれば……」ガチャガチャ

ステイル「ドアごと取り外したんだから、はめ込んだだけで直るとは思えないけどね」

神裂「せめて体裁だけはなんとか……」ギシギシ

ステイル「だったらドアを握る手に込めた力を抜くべきだね。そのままでは潰してしまうよ?」

神裂「えっ……、はっ! ど、どうしましょう……」オロオロ

神裂「そ、そうですっ。ステイル、貴方の炎でドアを溶接すれば…」

ステイル「なるほど。そうすれば上条当麻は部屋に入れず閉め出され、ドア破壊の件も有耶無耶になる……。なかなかいい考えだ」

禁書「かおり…?」

神裂「そ、そんなこと考えていません!」

ステイル「なんだ」

神裂「本気でガッカリしないでくださいっ」

土御門「やっほー! ねーちん。久しぶりだにゃー」

神裂「つ、土御門っ!」

ステイル「土御門か」

土御門「よう、ステイル。それに禁書目録もお疲れ様だにゃー」

禁書「こんにちは、もとはる」

土御門「あれあれー? カミやんの部屋のドアがぶち壊されてるぜよー。いったいどこの誰の仕業なのかにゃー?」

禁書「ビックリするくらい棒読みなんだよ…」

土御門「チラッ、チラッ」

神裂「………なんですか土御門」

土御門「んー? 別になにも言ってないし、なにもしてないぜい?」

神裂「チラチラ言いながらこちらを見てるじゃないですか」

土御門「どうやらねーちんはご機嫌ナナメなのかにゃー? というより意気消沈って感じぜよ」

神裂「………」

土御門「あー! もしかして、このドアを原型が残らないくらいに破壊したのってー…」

神裂「私ですよ! 私がやりましたよっ! なにか文句でもあるのですかっ!? あぁ!?」

神裂「というか原型は残ってますし! ぶち壊すというほど壊してませんよ!!」

神裂「はぁ…はぁ…」

ステイル「いや、壊したのに変わりはないだろう?」

神裂「なっ」

禁書「直そうと頑張らなければもうちょっとマシな見た目だったかも」

神裂「うっ」

土御門「オレはともかく、カミやんは確実に文句たれるぜい」

神裂「あっ……」

土御門「カミやんに借りを返すとか言って、またまた迷惑かけちゃってるにゃー」

神裂「う、うぅ……」

土御門「まぁ? オレに任せてくれればカミやんの怒りを沈めれないこともない」

神裂「………今度は何を着せるつもりですか」

土御門「さっしがはやくて助かるぜい」

土御門「とりあえずブツはオレの部屋に用意してあるからカミやんが帰ってくる前にちゃっちゃと準備するぜよ」

神裂「これも自業自得……くっ」

神裂「その前に、ステイル」

ステイル「なんだい?」

神裂「あの子に……、私の痴態を見せないようにお願いできますか?」

ステイル「……善処するよ」

神裂「……ありがとうございます」

神裂「………では。いざ!」バッ

土御門「あ、あぁ、うん」

土御門(ノリきれん……いや面白いからいいけど)スタスタ

禁書「ブツってなんなんだろうね?」

ステイル「さあ?」

ステイル「ところで、話を変えるけど君は自分が小さいのを気にしたことがあるかい?」

禁書「ふぇ? 小さいって……」

ステイル「神裂やメアリエのように大きくなりたいのかと思ったんだけど」

禁書「かおりにめありえみたいにって……」

禁書「っ!」

禁書「い、いきなり何を聞いているのかなっ!?///」

ステイル「? 聞いてみたいから聞いたんだけど?」

禁書「ま、まあ、気にしてないって言ったら嘘になるし、かおりみたいになりたいと思ったことはあるんだよ」

ステイル「やっぱりそうなのか……」

禁書「す、すている……?」

ステイル「なんでもないよ。僕は少し外に出ていよう」スタスタ

禁書「えっ……う、うん」

禁書「………な、なんだったの… …?」

禁書「………セクハラ?」

ステイル「………」スパー

ステイル(やはり気にしているのか。身長)

ステイル(ジェーンやマリーベートにも口うるさく言われてるしね。室内での…あの子の前での煙草は控えるか)

ステイル(こういうのをこの国ではホタル族というんだったかな)スパー

ステイル(国、街、家庭……喫煙者に優しくないな、ほんと)

ステイル「………ん? あれは上条当麻か?」

ステイル「帰ってきたのか」チッ

ステイル「しかも女連れとはね。彼女をほったらかしにして他の女と遊ぶとは、万死に値する」

ステイル「……おや? 女性は怪我をしているのか?」

ステイル「巻き込むと可哀想だな。魔女狩りの王はやめておくか」


ーーーーーーーーー

チーン

上条「はい到着っと。足下気を付けてな」

シャットアウラ「ああ。それより大丈夫か? 袋をそんなに持って」

上条「大丈夫ですよー、こうみえて結構鍛えられてるから」

シャットアウラ「たくましいな」フフッ

上条「まあなぁ……ん?」

ステイル「やあ上条当麻」

上条「おうステイルか。悪いなインデックスのこと」

ステイル「ほんとだよ。彼女のことを忘れるなんて。とりあえず一度焼いておくことにしよう」ゴォォゥ

上条「ちょっ! 待てって! 俺今両手塞がってんだから!」

ステイル「それごと焼こう」

上条「インデックスのプリンもあるんだぞ! 焼きプリンになっちまうぞ!」

ステイル「片方持とうじゃないか」

上条「変わり身早ぇよ!」

ステイル「彼女に免じて許してあげよう………ん?」

シャットアウラ「………貴様はあの時のっ!」

ステイル「うん? どちら様かな?」

上条「……あっ! 違うぞシャットアウラ!」

シャットアウラ「下がれ上条当麻!」バッ

ステイル「なんなんだ……っ!」

シャットアウラ「このっ!」ヒュッ

ステイル「上条当麻! なんなんだこの女は!」

上条「落ち着けシャットアウラ! 杖で突こうとするなっ!」

ステイル「チッ」ゴォ

上条「お前も炎を出すなっ!」

禁書「なんの騒ぎなのかな……って、とうまっ!? やっと帰って……」

上条「インデックス! いきなりで悪いけどステイルのほうを抑えてくれ!」

禁書「………」ジッ

上条「……インデックス? インデックスさん?」

禁書「………とうまがまた知らない女の人を連れてるんだよ」

上条「はっ?」

禁書「私のことはほったらかしにして女の人と仲良くして」

禁書「しかも現在進行形で後ろから密着って……」ワナワナ

上条「いや落ち着けインデックス! こいつは知らない人なんかじゃなくて……」

禁書「問答無用!」バッ

上条「えっ……」



ガブゥッ!



上条「ぎゃあぁぁぁ!! 不幸だぁぁぁ!!」


ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

禁書「よかったねしゃっとあうら! 元に戻って!」ニコニコ

シャットアウラ「すまなかったな、心配をかけて」

ステイル「僕に対する謝罪は無いのかい?」

シャットアウラ「………インデックス、ほんとに暴漢や犯罪者じゃないんだな?」

ステイル「失礼だな。僕のどこをどう見たらそう見える」

禁書「うん。………さっき変なこと聞かれたけど」

ステイル「えっ」

シャットアウラ「つまり貴様は不審者だな」

ステイル「き、君こそ二度もいきなり攻撃を仕掛けてきただろう。不審者どころか暴漢じゃないか」

シャットアウラ「前回も今回も私は貴様の暴挙を止めるために動いたんだ。暴漢呼ばわりはやめてもらいたい」

ステイル「自分の正当性だけを主張して、他人を悪だと決めつける。なかなかの外道だな」

シャットアウラ「私が外道だと? 聞き捨てならないな」

ステイル「僕は相手が女性でも怪我人でも手加減はしないよ?」

シャットアウラ「望むところだ」

ステイル「………」ゴゴゴ

シャットアウラ「………」ゴゴゴ

上条「やめんか二人とも!」

上条「シャットアウラもステイルも落ち着けって。今までのことはお互い水に流せよ。な?」

ステイル「君に命令されたくな…」

シャットアウラ「お前が言うなら水に流そう」

上条「よし。お前は?」

ステイル「………」

上条「大人げないぞ」

ステイル「僕はまだ14歳だ」

シャットアウラ「さきほど煙草を吸っていたように見えたが?」

ステイル「いちいちうるさいな君は」

上条「だーかーら」

上条「そうだ、インデックス。お前はどう思う?」

禁書「みんな仲良くするのが一番だと思うんだよ」

ステイル「数々の非礼を詫びよう。さきほどの煙草の件は反省している」

上条「だから変わり身早ぇなぁ、おい」

シャットアウラ「まあ…仕方ないか」

上条「よし。じゃあみんな落ち着いたとこで」

上条「なにあのドア」

禁書「かおりなんだよ」

ステイル「神裂だよ」

上条「神裂ぃぃぃぃぃぃ!!!」

神裂(堕天使どエロメイド)「よ、呼ばれて飛び出て神裂火織ですっ!」バーン

上条「」

シャットアウラ「」

禁書「」

ステイル「………なにをしているんだ君は」

神裂(どエロ)「なぁぁぁぁ!? な、なんでこの子がいるんですかステイル!」

ステイル「僕たちが連れてきたんだからいて当然だろう」

神裂(どエロ)「そうではなくてっ!」

禁書「………やっぱりかおりみたいにはなりたくないかも」ボソッ

神裂(どエロ)「な”っ」

シャットアウラ「な、なんだこの変態は……」

神裂(どエロ)「変態っ…」

上条「なんかさ。まとめて言うけど、なにやってんのお前」

神裂(どエロ)「ぐはっ…」

ステイル(煙草吸ってこよ)

土御門「ぶふぉっ…。ね、ねーちんフルボッコっ」ケラケラ

神裂(どエロ)「つ、土御門ぉぉぉぉぉ!! 貴方の言うことを聞いたばっかりにぃぃぃぃぃ!!」

土御門「いやー、面白いもんが見れたぜよ」

神裂(どエロ)「潰す! 絶対に潰す! このド素人がぁぁぁぁ!!」

土御門「うわー、ねーちんに握り潰されるぅー。カミやんの部屋のドアみたいに」

神裂(どエロ)「っ!」

土御門「ぷぷぷ」

神裂(どエロ)「う、うわぁぁぁん!!」ダダダッ

土御門「どっかいっちまったにゃー……」

上条「どうするんだよ…」

土御門「まああの格好だしすぐに戻ってくるだろ」

上条「はぁ……ドア、不幸だ」

ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

神裂「さきほどは取り乱してしまい申し訳ありません」ペコッ

上条「あー…うん」

神裂「………」チラッ

禁書「………似合ってた……と思うんだよ」

神裂「優しさが逆に辛い……」

シャットアウラ(……確かこの女もあの時戦った……、ふむ。どうやらただのバカのようだな)

神裂「………」ジッ

シャットアウラ「なんだ?」

神裂「いえ。自己紹介がまだだったと思いまして」

神裂「神裂火織と申します」

シャットアウラ「シャットアウラ=セクウェンツィアだ」

神裂「………」ジッ

シャットアウラ「私の顔に何かついているか?」

神裂「あっ、いえ……。上条当麻の恋人と聞いたものですから少し興味が…」

上シャ「「はあぁぁぁぁ!?」」

シャットアウラ「こここ、恋人って!///」

上条「待てこら神裂! それはどこ情報だっ!///」

神裂「土御門ですが……?」

上条「土御門ぉぉぉ!!」

土御門「ここにいるぜよ」

上条「どういうことだっ!?」

土御門「? だってお前ら告白し合ったって言ってだろ?」

上条「言ったけどっ、告白し合ったけどもっ!」

シャットアウラ「つ、付き合ってって……恋人って…///」

土御門「えぇー…まさかまだ友達以上恋人未満とか言ってるのか……?」

上シャ「「っ!」」

禁書「とうま?」

上条「い、インデックス…さん」

禁書「まさか私がいない間に2人がそんな仲になってるとは思いもよらなかったんだよ」

上条「お、落ち着けっ、インデックス!」

禁書「私は落ち着いているんだよ」

上条「へっ?」

禁書「一つだけ聞かせて欲しいけど、2人は本当にお互いのことが好きなのかな?」

上シャ「「はっ?」」

禁書「好きなのかな?」

上条「好きです! 大好きですっ!」

シャットアウラ「!」

禁書「しゃっとあうらは?」

シャットアウラ「えっ」

禁書「しゃっとあうらはとうまのことどう思っているの?」

シャットアウラ「わ、私は…私も、この男のことを…上条当麻のことを…」

シャットアウラ「好き…だ」

上条「おぉぅ…///」

禁書「……そう。だとしたらそれは2人の問題で、2人の関係で、2人の事情なんだから私はなにも言えないしいなにも言わないんだよ」

上条「インデックス……」

禁書「じゃあ私はちょっともとはるの部屋に行ってるんだよ」

上条「土御門の部屋に? なんでまた突然…」

禁書「私は空気の読める女なんだよ!」

上条「なにこのインデックスさん、キャラ変わってね?」

禁書「いくら甘くても空気は食べれないから読むしかないんだよ!」

上条「消去法で空気読んだのっ? っていうか甘い空気なんか出してないしっ!」

禁書「今から出すくせに」

上条「………出すの?」チラッ

シャットアウラ「わ、私に聞かれてもっ///」

禁書「ともかく私は席をはずすから」

上条「あ…うん」

禁書「早く晩御飯作ってねー」トコトコ

神裂「で、では、私もっ」タタッ

上条「おう……」

上条「………」

シャットアウラ「………」

土御門「………」

上条「どういう状況?」

土御門「禁書目録も随分と大人だにゃー」

上条「なんでお前はいるんだよ」

土御門「シャットアウラ=セクウェンツィアに一言言っておこうと思ってな」

シャットアウラ「わ、私にっ?」

土御門「さっきの堕天使どエロメイド服。お前のサイズも用意してるぜい」グッ

シャットアウラ「何故この場面でそんなセリフなんだ? 何故そんなもの用意している?」

シャットアウラ「それよりも何故私の服のサイズを知っている?」

土御門「土御門さんはなんでも知っているんですたい」ドヤァ

シャットアウラ「………」イラッ

土御門「じゃあオレもそろそろ空気読んで退散するぜい。ばっはは~い」スタスタ

シャットアウラ「……あの男。殴ってもいいだろうか」

上条「できたらやめてくれ。一応友達だし」

上条(あとシャットアウラの堕天使どエロメイドもいつか見てみたいし)

ーーー土御門宅ーーー

禁書「ふぅ…」

神裂「はぁ…」

土御門「2人はこれでよかったのかにゃー?」

神裂「私は…この子が選んだのなら私も同じ道を辿ります」

禁書「私はさっきも言ったけど2人のことにあれこれ口を出すつもりはないんだよ」

土御門「ふむ…」

禁書「とうまが幸せならそれでいいかも」

神裂「インデックス…」

禁書「それでもなにかあれば物理的に口を出すけど」カチカチ

土御門「口っていうより歯ぜよ…」

禁書「とりあえず、私がいないところで色々やってたとうまには後で一度噛み付いておくんだよ」

土御門「さっきのできる女キャラは何処へ」

ーーー上条宅ーーー

上条「………」

シャットアウラ「………」

上条「2人きりに……なってしまいましたが…」

シャットアウラ「………」

上条「……シャットアウラ」

シャットアウラ「は、はいっ」

上条「緊張してる?」

シャットアウラ「と、唐突すぎて…ついていくのに時間が…」

上条「俺もそうだけどさ」

上条「せっかくみんなが、空気読んで2人きりにしてくれたんだし」

シャットアウラ「あ、あぁ…」

上条「シャットアウラ聞いてくれ…」

シャットアウラ「っ……」

上条「俺はお前のことが好きだ」

シャットアウラ「……///」

上条「だから…その…俺と、俺と正式にっ!」

ステイル「ふぅー…、頭が疲れた時の一服は最高だね」スタスタ

上条「っ……」プルプル

ステイル「おや、2人だけかい? 他の3人は何処へ…」

上条「テメェ………」プルプル

上条「空気読めよっ! この不良神父!!」

ステイル「なんだいいきなり。カルシウムが足りてないのかな? あぁ、足りてないのは君の脳みそと出席日数だったね」

上条「うるせぇよっ! つーかマジでどっかいってくれませんかねぇ!? 今だけでいいからさっ!」

ステイル「なんなんだ、さっきから…」

神裂「ステイル」

ステイル「おや神裂。あの子は何処へ…」

神裂「今は土御門の部屋に。貴方も来て下さい」

ステイル「ああ」スタスタ

神裂「……それではごゆっくり」スタスタ

上条「………くっそ…」

シャットアウラ「………それで、続けないのか?」

上条「………い、いくぞっ」

シャットアウラ「こ、こいっ」

上条「あー……おほん」

上条「……改めて言い直すぞ、シャットアウラ」

上条「正式に、俺の…俺の恋人になって下しゃいっ!」

シャットアウラ「………」

上条「………」

上条(………噛んじまった)

シャットアウラ(………噛んだな)


ーーーーーーーーー

土御門「噛みやがった……」キキミミタテ

禁書「残念すぎるんだよ、とうま……」キキミミタテ

神裂「締まりませんね……」キキミミタテ

ステイル「土御門ー、コップを借りるよ」

土御門「灰皿にしないなら貸してやるぜよー」

ステイル「………チッ」

ーーーーーーーーー

上条「ちょっと待って! もっかい! もう一回やり直させてっ! ///」

シャットアウラ「………」

上条「よしっ、よし、よしっ!」

上条「シャットア…」

ダキッ

上条「!?」

シャットアウラ「………私は…料理は出来ないし、服の趣味も良くない」

シャットアウラ「頭は硬いし、照れ隠しで馬鹿げた行動もとる…」

シャットアウラ「しかも嫉妬深いところもあるぞ」

シャットアウラ「そんな私だが、いいのか?」

上条「……そんなシャットアウラがいいんだ」ギュッ

シャットアウラ「っ……///」

シャットアウラ「馬鹿者め……///」ギュー

上条「シャットアウラ」

シャットアウラ「か、上条当麻…」

上条「いい加減フルネームはやめて欲しいんですが」

シャットアウラ「うっ……、と、当麻……///」

上条「シャットアウラ///」

ーーーーーーーーー

禁書「///」

神裂「///」

土御門「なんで2人が照れるのかにゃー」

ステイル(暇だな)カミイジイジ


>シャットアウラッ
>トウマッ


土御門「こいつらオレたちが隣にいるの忘れてるのか?」


>シャットアウラー
>トウマー


禁書「………」

禁書「………」トコトコ

神裂「インデックス?」

ーーーーーーーーー

上条「シャットアウラー♪」

シャットアウラ「と、当麻ー///」

禁書「とうまぁぁぁ!!」

上条「おわぁぁ!? インデックスっ!?」

禁書「結局甘ったるい空気出してるしっ! イチャイチャしすぎなんだよっ!!」

上条「んなこと言われてもっ!」

禁書「とりあえず噛む!」

上条「とりあえずっ!?」

禁書「むがぁぁぁ!!」


ガブゥッ!


上条「またかよぉぉぉぉ!!」

ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

シャットアウラ「……大丈夫か?」

上条「頭割れたりしてないよね……」

シャットアウラ「見た感じ大丈夫だぞ」

上条「インデックス……」

禁書「ふんっ…」

シャットアウラ「お前も大目に…」

上条「シャットアウラ」

シャットアウラ「っ! ……と、当麻も大目に見てやれ…///」

上条「しょうがない…か」ニコッ

シャットアウラ「当麻っ」

上条「シャットアウラっ」

禁書「また甘くなってきたし…」グルルルル

上条「お、落ち着けって…」

シャットアウラ「当麻!」

上条「?」

シャットアウラ「これからも…これからもよろしく…な」ニコッ

上条「………あぁっ!」ニカッ

禁書「………」


ガブッ


上条「ぎゃあぁっ!」

シャットアウラ「ふふっ」





end

以上で終わりです。
長々とお付き合いしていただいた方々、ありがとうございました。


次はあんまりSSでみないキャラか最近みなくなってきたキャラでやりたいと思います。

一応レッサーか五和で迷ってますが、他のキャラがいいって方がいましたら名前出してください。
その中からも考えます。


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アリサ「奇蹟と秩序と不老不死」
アリサ「奇蹟と秩序と不老不死」 - SSまとめ速報
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>>378

まだオマケとか書くんだろ。期待して待とうぜ

後日談的ななにか…




上条「シャットアウラ!」ダッ

シャットアウラ「遅いっ! いったいどれだけ待たせる気だ?」

上条「悪い! えっと……課題を忘れて居残りをくらってまして…」ハァハァ

シャットアウラ「まったくお前というやつは…」

上条「す、すみません…」

シャットアウラ「私もどうしてこんな男に惚れたのか…」

上条「こんなとか言わないでっ」

シャットアウラ「時間に遅れる、学校の課題も忘れる、喧嘩っ早い…。秩序と規律も守れないような人間にこんなと言って何が悪い?」

上条「か、返す言葉もございません…」

シャットアウラ「ふん」

上条「いやっ、でも信号は守るぞっ」

シャットアウラ「あ・た・り・ま・え・だ!!」デコピン

上条「あいたぁっ!」ビシッ

シャットアウラ「………」ムスッ

上条「機嫌直してくれませんかね…」

シャットアウラ「………」

上条「………はぁ」

シャットアウラ「…………私は」

上条「!」

シャットアウラ「私は、秩序を乱す人間が嫌いだ」

上条「ぐっ……」

シャットアウラ「ルールを守らない人間、罪を犯す人間」

上条「うぅ……」

シャットアウラ「…………嘘をつく……恋人も嫌いだ」

上条「!」

シャットアウラ「当麻」ジッ

上条「えっとですね……」

シャットアウラ「………」ジィー

上条「っ……」

上条「………女の子が…不良に絡まれてる現場に遭遇してしまいまして…」

シャットアウラ「また首を突っ込んでいたのか」

上条「………はい」

シャットアウラ「その額のすり傷もその時の怪我か?」

上条「頭突きをかました時に相手の腕時計に当たっちゃって…」

シャットアウラ「それで切ったのか」

上条「たいした怪我じゃないから心配はいらないぞ」

シャットアウラ「そういうことじゃないだろう!」

上条「はいそうですっ! ゴメンナサイ!」

シャットアウラ「………その女子は…」

上条「?」

シャットアウラ「その女子はどうした?」

上条「あ、あぁ。無事逃がしたら風紀委員を連れて来てくれてさ。おかげで不良も捕まったし」

シャットアウラ「それならよかった」

上条「丸く収まったハッピーエンドだったんだよ」

シャットアウラ「私の怒りは収まっていないけどな」

上条「はいスミマセン」

シャットアウラ「………」

上条「……心配かけてごめん」

シャットアウラ「………」

上条「正直に言ったらまた怒るかと思ってさ……」

シャットアウラ「………」

上条「シャットアウラ……」

シャットアウラ「お前が謝ることはそのことか?」

上条「っ! ………嘘ついてごめん」

シャットアウラ「…………」

上条「…………」

シャットアウラ「………こっちを向け」

上条「……?」

シャットアウラ「いいから!」

上条「はい!」

シャットアウラ「少し頭を下げろ」

上条「………」スッ


チュッ


上条「!?」

シャットアウラ「私の口付けだぞ。奇蹟の力でそんな傷すぐに治る///」

上条「………サンキューな」

シャットアウラ「ふんっ///」

上条「……じゃあ、行きますか」

シャットアウラ「今日はお前の奢りだからな」

上条「うそっ!?」

シャットアウラ「冗談だ。……当麻」ニコッ




シャットアウラ「………ところで、私が不良に絡まれてたら助けるか?」

上条「シャットアウラは強いし平気だろ?」

シャットアウラ「………」ゲシゲシッ

上条「いたっ、痛い! 冗談ですゴメンナサイ!!」




happy end

今度こそ終わりです

html化は正直忘れてたんで>>379さんが言ってらしたみたいに軽くオマケを書きました

他のスレは土日辺りに更新予定です

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年09月07日 (土) 18:45:16   ID: ehwAlsgE

コミカライズの服装ネタ使われてて、ニヤニヤしました。

2 :  SS好きの774さん   2013年12月17日 (火) 10:51:02   ID: QHGyyVt5

シャットアウラ、デレデレやんw

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