【ミリマス】すばるん「可愛いアイドルになりたいぜ!」【グリマス】 (16)

昴「てな訳で、よろしく頼むぜ!師匠!」

伊織「誰が師匠よ!誰が!…ていうか一体全体突然何がてな訳なワケ?」

昴「いやー、今日も収録で『俺』とか『やったぜ!』とか言いまくってたらまたプロデューサーに怒られちゃってさ…たまたま帰ってきたら伊織が居たからちょうどいいと思って、今から女子っぽくなるトレーニングに付き合ってくれよ」

伊織「はぁ?なんで私がそんな事しなきゃならないワケ?冗談じゃないわよ!私だって忙しいんだから!」

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昴「あ、そうか!コホン…伊織…俺には君がどうしても必要なんだ!頼む!付き合ってくれ!」

伊織「女子っぽくなりたい奴が、どうしてイケメン台詞駆使して口説いてくるのよ!大体何なのよそれ?」

昴「おっかしーなー?こうすれば大抵の女子は頼みを聞いてくれるって真師匠が言ってたのになー」

伊織「アレはアイツが使ってこその技なのよ。素人には無理ね…」

昴「そっかー、女子って難しいな…」

伊織「それに、私は今からCD収録の仕事だから、あんたに付き合っている時間は無いわよ」

プルルルルプルルルルプルルルル ピ!

伊織「何よバカプロデューサー…もうちょっと待ってなさいよ。え?
…収録スタジオが?ダブルブッキング?
じゃあ今日は…
キィー!なんなのよ!はぁ?当然でしょ?この伊織ちゃんのお仕事キャンセルするんだから、そうよ!いっちばーん高いケーキとオレンジジュース!すぐ持ってきなさーい!」

昴「やったぜ!師匠に時間ができたみたいだ!」

伊織「とりあえず暇つぶしにはちょうど良さそうね…」

伊織「…で?あんたどうやって女子らしくなりたいのよ?」

昴「んー、わかんないんだよなー、可愛いしぐさとか、話言葉とかかなぁ…」

伊織「暇つぶしにしては骨が折れそうね…
そもそもアンタ、可愛いってなんなのかわかってんの?」

昴「ば、バカにすんなよ!わかるよ、可愛いくらい!アレだろ?千早さんがよくやよいにやってる『高槻さんカワイイ!』とかいうやつだろ?」

伊織「イマイチ要領を得ない答えね…
ならアンタが765プロで一番可愛いって思うアイドルをお手本にすればいいんじゃない?」


昴「…一番可愛いアイドル…」

伊織「そうよ、まずは形から入って、後から修正すれば、いいんじゃ…」

昴「…うっうー」

伊織「?!」

昴「うっうー!俺!永吉昴!15歳だぜ!ハイ!ターッチ!イェーイ!」

伊織「何が『ハイ!ターッチ!イェーイ!』よ、バカ昴!よりによってやよいの真似した挙げ句、可愛さ0パーセントじゃないのよ!」

昴「うっうー!怒られましたー!イェーイ!」

伊織「なんで気に入ってるのよ!」

昴「なんでだよ?似てたろ?」

伊織「言葉だけ真似ても意味無いじゃない…もうちょっとこう、真似する相手を憑依させなきゃ」

昴「あ!憑依!わかる!演技の基本!よーし…なら次は大丈夫!」

伊織「まあ、期待はしないわよ…」

昴「はぁーい…プロデューサーくーん…今日も元気?」

伊織「ひぇ?!」

昴「なんだか最近暑いじゃない?事務所の冷房、修理してくれないかなー?さもないと、目の前でストリップはじめちゃうわよー、イヤーン、プロデューサーくんのエッチ!」

伊織「あのバカプロデューサー…冷房修理の裏にはこんな事実が…」

昴「イヤーン!伊織さんのエッチ!」

伊織「いつまでやってんのよ!」

昴「莉緒姉さんは難しいなぁ」

伊織「あの人ならではの色気とかも必要だしね…まぁさっきよりは良かったわ」

昴「うっうー!誉められましたー!」

伊織「お願いだからそれは二度とやらないで」

昴「次行くぜ!」


昴「プロデューサーさん!このセクシーな私に相応しい仕事はまだですか!」

伊織「…続けて」

昴「やっぱりこのセクシーな私がする仕事と言えば、ズバリ!グラビア撮影よね!え?ほ、本当に…次の仕事はグラビア撮影…

いよっしゃぁあああああ!わ、私の時代が来たんだわ!そ、そうだ、お、お母さんに電話しなきゃ…
あ、もしもしお母さん?私、やったよ!遂にグラビアの仕事、とったよ!…うん…うん…そうね、次はトップアイドルを、頂点を目指すわ…じゃあね…」

伊織「…酷い事件だったわね」

昴「衣装がランドセルスタイルと知った後、このみさんはしばらく放心状態だったよね…」

伊織「あの後キッチリ仕事をこなす所はやっぱり大人よねぇ…
ていうか、アンタ大人参考にしてどうするのよ。あくまで女子に拘るんならアタシ達に年が近い人から参考にしなさいよ!」

昴「OK、ボス!」

伊織「ボスはやめて」

昴「ジャジャーン!お待たせしました!皆が大好き天才アイドル!昴ちゃんとーじょー!」

伊織「」イラッ

昴「ねーねー、プロちゃーん!プロちゃーん!エヘヘ、呼んだだけー、きゃー!プロちゃん怒らないで!昴ちゃんは、プロちゃんを元気にしてあげようと思って仕方なく、本当に仕方」

伊織「ハイ!ストップ!あのバカが一人増えるだなんて、ゾッとするわ、却下よ」

昴「きゃー!伊織ん!もっとほめてー!」

伊織「ほめてないわよ!」

おぅ、続きはよ

昴「うーん、やっぱり難しいなぁ」

伊織「大体アンタのチョイスもおかしいわよ、もっと正統派な感じのアイドルを参考にすればいいのよ…」

昴「それがわかんないから師匠に教えてもらいたいんだよ。
みんなのアイドル昴ちゃん!にひひ!おしおきだべぇー!」

伊織「後半がおかしい!」

伊織「この作戦は残念ながらオジャンね…、全く進展する気配無いし」

昴「そ、そんなぁ…師匠!見捨てないでよぉ」

伊織「ここまできたらとことん付き合ってあげるってば…」

ピポパ…トゥルルルル…

伊織「あ、もしもし、アンタ今暇でしょ。事務所に来なさい。なに?文句あるわけ?…この伊織ちゃんに?……そう、そうよ、いいからさっさときなさーい!」

昴「誰への電話?」

伊織「私一人の手に余るから臨時コーチを呼んだのよ…」

15分後

ガチャ

翼「ふあぁ…おはよー」

伊織「あら?おはよう、何よ、早かったじゃない?もっと遅れると思ってたわ」

翼「いおりん、いきなりなんの用?私、昨日遅くまでLINEしてたから眠くてさ…あ、昴クンおはよ」

昴「おはようございます!翼師匠!」

翼「へ?」

伊織「じつはカクカクシカジカ」

翼「何それおもしろそうじゃん!」

翼「昴クンはどう可愛くなりたいのかな?」

伊織「その根本的な部分で早くもあずさ並迷子状態だから困ってるのよ」

昴「あらー?私の王子様はどこかしらー?」

伊織「もう物まねタイムは終わってるのよバカ昴!」

翼「ははは!上手い上手い!で?私は何をすればいいの?」

伊織「とりあえず外にいきましょうか?」

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