こどもの日「祝日能力トーナメント」 (20)

≪???≫

コツコツ

「ノストラダムスに続いてマヤまでやられたか・・・。あれはそれなりの出来だと思っていたのだが。」

「仕方あるまい。自ら出向くしかないようだ・・・。」



「私が、全てを滅ぼさねばならない。」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1544093408

≪精霊スタジアム≫

実況「さあまもなく開始します!第一回、精霊大会決勝トーナメント!実況は私<体育の日>でお送りします!解説はこちらの・・・」

解説「<文化の日>です。よろしくお願いします。」クイッ

観客「ワーワー」

実況「では早速」

解説「ちょっと待ってください。もう一度この大会の説明をしておいたほうがいいでしょう。今入って来られたお客さんもいるようですし。」

実況「あー、そうですね。失礼しました!」

解説「地球には365の日付がありますが、その日付の管理を任せるために365人の精霊がいることはご存知ですね。配属される日付は毎年変わりますが、中には配属される日付が毎年同じだったり、何らかの規則性があったりする精霊がいます。」

実況「それが我々<祝日>の精霊という訳ですね!」

解説「・・・まあ厳密には祝日として定義されていないものもありますが、とらえ方としては間違っていません。祝日は特殊な能力を授けられていますので、平日を担当する精霊よりも強い場合がほとんどですね。」

実況「その証拠に、今回決勝トーナメントに進出したのは全員祝日の精霊ですしね!」

解説「あなたも予選に参加したとお聞きしましたが。」

実況「」ギクゥ

解説「さて、百聞は一見に如かず。まずはモニターに今回のトーナメント表を映しますので、そちらをご覧ください。」

≪Aブロック≫

一回戦 <元旦>のガショウ VS <秋分の日>のアキ

二回戦 <うるう日>のウル VS <海の日>のナツ

≪Bブロック≫

一回戦 <天皇誕生日>のエンラ VS <大晦日>のイブ

二回戦 <こどもの日>のキッド VS <振替休日>のフリィ



実況「あ!<振替休日>さん、勝ち上がっていますね!いやー私に勝ったのだからそうでなくちゃ!」ハッハッハ

解説「・・・以上の選手で今回のトーナメントを行っていきます。激しい試合が予想されますね。またこの大会は精霊同士の親睦を深めあう、また力試しの意味を込めて神さまが開催してくれたものです。その理念も忘れないようにしてほしいですね。」

実況「名誉ある勝利、そして優勝を!ということですね。しかしぶっちゃけ副賞の『精霊エネルギー1年分』目当ての精霊がほとんどだと思いますけどねー。」

解説「さて、では選手の皆さん。準備のほうをお願いします。」

↑の一回戦、二回戦はそれぞれ第一試合、第二試合の間違いです。

≪選手控室≫
キッド(ふー、緊張してきたな。)

キッド(予選は何とか勝ち抜けたけど、ここから先はさらに厳しくなるぞ・・・。気を引き締めていかなくちゃ。・・・それよりも)パサッ

『精霊大会決勝トーナメント ルール』

1.制限時間はなし
2.対戦相手の殺害は即失格
3.道具の持ち込みは大会を通じて三種類まで可能。一試合につき使用できるのは一個。
4.使用した能力はその試合終了後、解説の<文化の日>によって解析され発表される

キッド(決勝トーナメントのルール・・・。やっぱり気をつけなきゃいけないのは4番のルール。このせいで早めに能力を使ってしまうと、後の試合において情報アドバンテージで不利になる。ただ、能力は精霊につき一つじゃない。大技は残しておいた方がいいな。)

ピンポーン

「それではまもなくAブロックの一回戦が始まります。」

キッド「よし、偵察もかねて見に行こうかな。」

≪選手用特別席≫

キッド「ここかな・・・。」トコトコ

ナツ「おお、多分お前が<こどもの日>だろ!よろしくな、<海の日>のナツだ。」

キッド(絶対今見た目だけで判断されたよな・・・。そんな子供っぽいかなぁ)ズーン

キッド「はい、キッドです。よろしくお願いしますナツさん。」

ナツ「で、こっちが<うるう日>のウルだ!宜しくしてやってくれ。まあ俺たち5分前に顔合わせたばっかだけど。」ハハ

ウル「もー!なれなれしいのよアンタ!・・・ウルよ、よろしくね。」

キッド「うん、こちらこそよろしく。」

キッド(なんか僕より見た目が幼いや。失礼かもしれないけどちょっと安心した)ホッ

ナツ「ウルのやつ、<こどもの日>のキッドより子供っぽいな。」ププ

ウル「ちょっと、さっきからレディに対して失礼よ!」

キッド(言っちゃったよこの人・・・)アハハ

ナツ「後ろの席にも女の子、つってもウルよりもずっと大きいけど、いてさ。一緒に見ようぜって声かけたのに無反応なんだよな~。」

キッド「え?」クルッ


エンラ「」ツーン

キッド「ほ、ほんとだ・・・。」

ウル「こっちに来ればいいのにね。あ、もしかしたらこのうるさいのがいるかr」

ナツ「まあいいや!俺たちで試合見ようぜ!!ほらウル、そこで見えるか?」ヒョイ

ウル「ちょ、見えるわよ!はーなーしーなーさーいー!!」ジタバタ


キッド(・・・それにしても選手が全員見に来てるわけじゃないんだな。よっぽど自信があるのかな。)

≪フィールド≫

アキ「アキよ。今日はよろしくね。」フフ

ガショウ「こちらこそ、手合わせよろしくお願いする。・・・ところで」

アキ「どうかした?」

ガショウ「唐突ではあるのだが、スタジアムで不審な精霊を見かけはしなかったか」

アキ「・・・いや、思い当たるところはないわ。何故そんな質問を?」

ガショウ「それが、先日夢で見たのだ。この精霊大会を何者かに荒らされる夢を・・・。初めに試合中の選手が襲われ、その後何人もの犠牲者が出るほどの酷い有りさまだった。」

アキ「そうだったのね、でもたかだか夢ではなくて?」

ガショウ「私の夢は正夢になるのだよ。ほぼ例外なく。」

アキ「へぇ・・、流石は<元旦>ね。その荒らした精霊?まではハッキリ見えなかったのかしら。」

ガショウ「いや、大会を荒らした存在・・・便宜上ブレイカーと呼ぼう。夢でブレイカーはおぼろげに見えただけが、恐らくその形状から精霊とみて間違いない。そして最初の被害がフィールドの選手だったことから、フィールドの近くにいられる『決勝トーナメントに進出した選手』がブレイカーではないかと踏んでいる。」


アキ「・・・つまり私も疑いの対象なのかしら。」

ガショウ「いや、私は<大晦日>のイブが怪しいと睨んでいる。日付の関係上彼を見かけることも多いのだが、ここ数年、隠れて怪しい動きをしているようだ。・・・私の能力は彼に相性がいいし、何より彼はまだ若い。年長者として、私が止めなければいけないのだ。」

アキ「立派な信念をお持ちね。でも私も黙って負けるわけにはいかないわ。」


実況「それでは、いよいよ試合開始となります!」

アキ「始まるようね。」

ガショウ「そうだな。」


実況「Aブロック第一試合 <元旦>のガショウ VS <秋分の日>のアキ!試合開始!!」

ワァァァァァ

ガショウ「すぐに終わらせよう。そしてイブを引きずり出すのだ。」バッ

実況「おぉーーっと!!ガショウ選手!何やら構えを取りました!」

解説「ほう、開幕から能力を使う作戦でしょうか。」

実況「何と!情報のリスクを恐れぬ先制攻撃!いったいどんな技だーー!?」

ガショウ「ゆくぞ!【礼賛サンライズ】!!!」


スゥー・・・カッ


実況「な、・・・なんと!ガショウ選手の後ろに光の玉が現れたー!」


キッド「うわ、まぶしいっ!!」

ウル「で、でもどこか趣きがあるわね・・・」

解説「・・・おそらく初日の出をモチーフにした光でしょう。目くらましでしょうか。」


アキ「あら、大それたことを言った割にはずいぶん大人しい技ね。視界を塞ぐつもりだったのかしら。」パチ

ガショウ「ほう、とっさに目を閉じたか。反射神経はあるようだが・・・甘い!この光は『浴びているだけ』で効力がある。例え種がバレようとも、対策のしようはない。」

アキ「あら、あるわよ。対策の仕方なら。」

ガショウ「ハッタリだ。」

アキ「それは今から分かるわ。【瞬間秋到-インスタントフォール-】。」サッ

ガショウ「それがど・・・・これは!??」


リーンリーン


実況「あーーーーっと!!どういうことでしょう!どこからか鈴虫の声が聞こえたかと思えば!紅葉が舞い、空は秋模様になってしまいました!」


ナツ「鈴虫なー。冷夏の時にたまに鳴いてたりするわな。」

ウル「そんなのんきなこと言ってる場合じゃないわよ!」


解説「一瞬で季節を秋にした、ということはつまり」

ガショウ「・・・っまさか!」

実況「あ!【礼賛サンライズ】で繰り出した光の玉が消えています!!」

解説「初日の出は当然秋には存在できない。よって消滅・・・。いいカウンターです。」


ガショウ「・・流石に決勝トーナメントに進んでいるだけはあるな」フッ

アキ「うふふ、イブさんの事をずいぶん気にしていたけれど、まずは目の前の私を忘れていなくて?」

ガショウ「そんなつもりはなかったのだが、無意識に少し侮っていたのかもしれん。非礼を詫びよう。・・・であればこの手を使わせてもらう!」ババッ


実況「おっと、今度は腰についているベルトを何やら触り始めました。」

解説「あれは・・・持ち込みの道具でしょうか。ルールでは一試合に一つ、使っていいことになっています。」

アキ「あらあら、今度はなにかしら」ニコッ


キッド(妙だぞ・・・、あのアキっていう女性。相手にスキがあるのにさっきから全く攻撃しようとしていない。)

ナツ「おかしいぞ、あのねーちゃん・・・・」

キッド(ナツさんも気づいたみたいだ)

ナツ「・・・笑顔が素敵すぎないか?」

キッド「」ズコー


ガショウ「待たせたな。【bellベルト-除夜ver-】発動!!」シュオオオッ


ウル「え、bellベルト!?」

ナツ「なんだウル、知ってるのか。」

ウル「当然よ!bellベルト-ウエディングver-とか女の子に大人気なんだから!!」

キッド「えっと、それって使うとどうなるの?」

ウル「決まってるでしょ、自分が鐘になるのよ。」

キッド・ナツ「え?」


ガショウ(見た目は宙に浮く除夜の鐘)「ではゆくぞ!」フワフワ


キッド・ナツ(え、えぇーー?女の子の趣味ってわかんねーー・・・)

ガショウ「はっ!!!」シュンシュン

アキ「っと、危ないわね」サッ

実況「ガショウ選手、驚きの変身!大きな体を使っての高速体当たり攻撃です!縦横無尽に動き回る!しかし、アキ選手も上手くかわしています!!」

ガショウ「どうした、手も足も出ないか」シュンシュン

アキ「そうかもね。でも、ドングリなら出るかも」クスッ

ヒュン        

ゴーーン!!

実況「あっと!アキ選手、足元に散らばっていたドングリをガショウ選手めがけて飛ばした!!」

キッド(はやい!!まるで弾丸並みだ・・・)

解説「しかしガショウ選手は現在鋼鉄の身体です。今の攻撃では決定打には程遠いでしょう。」

ガショウ「そう、この身体は攻撃だけでなく防御も兼ね備える。並の攻撃は効かん。」

アキ「そうみたいね、それにしてもよく響いたわね。」

ガショウ「新年を知らせるためだからな。それが除夜の鐘の役目だ。」

アキ「・・・へえ。でも今は戦闘に使用していなくて?」クス

ガショウ「ハハ、このベルトは元々パトロール等の戦闘用に作られたものだからな。適性のある私であれば、あと二倍のパワーは出せる。」

アキ「あと二倍ね・・・。そう、もういいわ。」

ヒュオォォォ

実況「・・・?何やらアキ選手の周りにドングリがたくさん浮かび上がって・・っ!?」

ヒュヒュヒュン!!ヒュンヒュンヒュンヒュヒュン!!!

ゴーンゴゴゴーンゴーンゴーン!!!!

ガショウ「ぬぅ・・!?」

実況「ど、ドングリがガショウ選手に連撃を浴びせています・・・!しかしダメージはたかが知れているはず・・・!」

キッド(いや、あれはやみくもに攻撃している感じじゃない。きっと何かに気づいたんだ!)


ゴーンゴーンゴーンゴゴゴーン!!!

ガショウ「く、こしゃくな!」ズォッ

アキ「遅いわ、これで108発目。」



ゴーーーーーーーン






ガショウ「く、見事・・・。降参だ。」ガク

シュウゥゥン

実況「!ガショウ選手の身体が元に戻っていきます!そして今、降参が選ばれました!よってAブロック第一試合はアキ選手の勝利です!」

観客「ワーワー」

ガショウ「よく、弱点に気づいたな」

アキ「一発目のドングリを当てた時の、あなたの言葉がヒントだったわ。」

ガショウ「私の言葉・・・?」


ガショウ『新年を知らせるためだからな。それが除夜の鐘の役目だ。』


アキ「つまり、その役目を終わらせれば機能停止に追い込めるんじゃないかってね。少なくとも一年くらいは。」フフ

ガショウ「それで108回叩いたと・・・あっぱれだな」ハハハ

アキ「イブさんの事を心配していらしたけど、私に任せて。除夜の鐘が新しい年に思いを託すように、あなたも新しい、若い世代に気兼ねなく任せればいいのよ。」

ガショウ「・・・そうか、よろしく頼んだぞ。」


アキ(だって、こんなんじゃまだまだ戦い足りないもの・・・)

実況「それでは、ルール通り<文化の日>の能力解析が行われます。」

解説「はい、・・出ました。」ピピピ

実況「は、はやいですね・・・。」

アキ<秋分の日>
・能力
【瞬間秋到-インスタントフォール-】
即座に季節を秋にする。秋を操る。

・道具
不明

ガショウ<元旦>
・能力
【礼賛サンライズ】
初日の出の光を作り出す。この光には相手の戦意を喪失させ、清き心にする効果がある。目で見ずとも浴びただけで効力を発揮する。

・道具
【bellベルト-除夜ver-】
除夜の鐘に変身する。高速の体当たりや、自らの耐久値を削り轟音で攻撃することも可能。ある程度の直接攻撃や熱による攻撃は無効化できる。108回叩かれると一年間使用できなくなる他、水にぬれると錆びて本領を発揮できなくなる。適性:<元旦>。

書き溜めはここまでなので、また後日投稿します。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom