伊織「アイドルマスター SideY?」 (35)


P「おう、今度バンナムから発売されるゲームでな」

伊織「ああ、ゲームなのね」

P「ジャンルはアイドルプロデュース体験ゲーム?ってやつで」

伊織「ふんふん」

P「その栄えあるテストプレイヤーに」

伊織「テストプレイヤーに?」

P「水瀬伊織さん、貴女が選ばれました!」パチパチパチ

伊織「あ、どうも」

P「おいおい淡白な反応だな、もっと喜んだらどうだ?『伊織ちゃんマンモスうれピー☆』とか言ってさ」

伊織「どんな喜び方よ!?」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1549797185


伊織「喜べって言われても……私あんまりゲームとかしないんだけど?」

P「まあそうだろうな」

伊織「それなのにテストプレイヤーが私で大丈夫なの?」

P「大丈夫だ、問題ない。むしろゲーム慣れしていない素人の伊織だからこそいいんだ」

伊織「そういうものなのかしら……」

P「まあ適当にやって、評価や感想をちょちょいと書くだけの簡単な作業だし」

伊織「そ、そういうものなの?」

P「というわけで、さあやろう早速やろう!」カチャカチャ

伊織「わ、わかったわよ」


P「さあ本体のセットも完了だ!伊織、後は任せたぞ」

伊織「え?私一人でやるの?」

P「ああ、俺は残念ながら仕事があってな」

伊織「そ、そう……」

P「ん?一人じゃ不安か?」

伊織「べ、別に不安でもなんでもないわ!」

P「なんなら、仕事をキャンセルして一緒にやっても」

伊織「いいから!ほら、さっさと行ってきなさいよ!」

P「お、おう……それじゃあ頑張れよ」タッタッタッ


<バタン


伊織「………ふん」

伊織「え~っと……これが電源のボタンね?」ピッ


伊織「タイトル名はアイドルマスター SideY……」

伊織「アイツはアイドルプロデュース体験ゲームって言ってたけど……説明書とかないのかしら?」

<~~♪

伊織「あ、始まったわね」


<ζ'ヮ')ζ うっうー☆


伊織「え!?やよい!?」


<ζ'ヮ')ζ あいどるますたーさいどわい!はっじまっりまーーーす!!


伊織「………」

伊織「もしかしてSideYのYって『やよい』のY?」

伊織「ということは……」

伊織「これは、やよいをプロデュースしていくゲームってこと?」

伊織「………」

伊織「………………」

伊織「……ゲームのタイトル名、コンセプト、共に10点満点っと……」カキカキ


伊織「うん、これは俄然やる気が出てきたわ!」

伊織「とりあえずスタートを選べばいいのね」ピッ


やよい『わたしの名前は高槻やよい。○○中学に通うアイドル志望の中学二年生!』



伊織「紛う事なきやよいね。それも本人の声付きとは恐れ入ったわ」



やよい『今日から新学期、あたらしい学年になってとってもワクワクです!』



伊織「もしかしてこれフルボイスなのかしら?それなら10点……いえ、20点を付けてもいいわね」



やよい『今は始業式も終わってアイドル事務所に向かっているところです』

やよい『今日はなにかイイことが起こりそうなヨカンがするな~って』



伊織「うんうん、画面は景色だけだけど導入としては悪くない感じね!」



やよい『ここが私の所属する、げーのう事務所、756プロです!』


伊織「765……いえ、756プロね。他のメンバーはいるのかしら……」


やよい『今は私ひとりの小さな事務所ですが、お仕事ガンバって有名になれたらいいかな~って思います』


伊織「やよい一人?なるほど……」

伊織「変に数人同時にプロデュースするよりも、やよい一人を存分に堪能できるってわけね。素晴らしいわ」


やよい『じゃあ今日もレッスン頑張ります!』


伊織「そうね!頑張りましょう、やよい!」



【プロデュースする、やよいを決めてください】



伊織「ん?やよいを決める?」



【プロデュースする、やよいを決めてください】



高槻やよい(春) ←

高槻やよい(千)

高槻やよい(真)

高槻やよい(雪)

高槻やよい(あ)

高槻やよい(双)

高槻やよい(美)

高槻やよい(響)

高槻やよい(貴)



伊織「カオス!!!」


伊織「なにこれ!?高槻やよいが凄いことになってる!?」

伊織「い、いや……それよりもこの()の中って……」ピッ



やよい(春)『うっうー、わたしでいいですか?』



伊織「うん……春香の声ね……」

伊織「………」

伊織「……試みとしては面白いですが、やや悪ノリがすぎるっと……」カキカキ


伊織「他のキャラは……」ピッ


やよい(真)『うっうーー!!わ、わたしにする?』


伊織「………ぷふっ……ま、真が私って言うのは貴重でしょ」ピッ


やよい(あ)『うっう~わたしにしますか~?』


伊織「oh……ノリノリね……うん…」ピッ


やよい(美)『あふぅ~、ミキでいいの?』


伊織「セリフ!!!」


伊織「あのバカチン!せめてやよいに似せようとしなさいよ!なに自分の名前名乗ってんの!?」

伊織「いや……というか、これでOKを出した制作サイドが問題よね……」

伊織「………」

伊織「……悪ノリは度を過ぎると笑えなくなるので気をつけてくださいっと……」カキカキ

伊織「………」

伊織「……ふむ」

伊織「まあ、とりあえずキャラを選んで進めましょうか……」

伊織「どのやよいを選ぼうかしら……」

伊織「…………」



やよい(美)『あふぅ~、ミキでいいの?』


伊織「良くはないけど一番気になるのがアンタなのよ。もちろん悪い意味でね」ピッ


やよい(美)『りょ~かいなの、それじゃあ~はじまりはじまり~』


伊織「よし!まずはレッスンからね、行くわよ美希……じゃなくて、やよい(美)!」


やよい(美)『あふぅ~、今日はもう疲れたから寝るの~』zzz~zzz~


伊織「なんでよ!?今来たばっかりでしょ!!?」



やよい(美)『zzz~~zzz~~~』


伊織「ああ、もう……こんなところまで美希そっくりね……」


やよい(美)『zzz~~zzz~~~』


伊織「でも寝顔のCGが無駄に可愛いのは……ま、まあ悪くないかな……」


やよい(美)『zzz~~zzz~~~』


伊織「このやよい……外見はやよいだけど髪の毛が金髪なのね……美希らしいわ」


やよい(美)『zzz~~zzz~~~』


伊織「まあいいわ……起きたらビシバシ行くからね!覚悟しなさいよ、やよい(美)!」



やよい(美)『zzz~~zzz~~~』

やよい(美)『zzz~~zzz~~~』

やよい(美)『zzz~~zzz~~~』


伊織「………」


やよい(美)『zzz~~zzz~~~』

やよい(美)『zzz~~zz~z~~』

やよい(美)『zzz~~zzz~~~zz~』


伊織「………」


やよい(美)『zz~~zzz~~zzz~~~』

やよい(美)『zz~~z~~zzz~zz~~』

やよい(美)『z~~zz~~zzz~zzz~~』


伊織「………おい」



やよい(美)『あ~~よく寝たの~』


伊織「………」


やよい(美)『なんか気付いたら1年経っていたの』


伊織「………」


やよい(美)『失敗失敗☆あはっ☆☆』


伊織「………」



<ζ'ヮ')ζ げ~~む お~~~ば~~~~




伊織「ふざけんなーーー!!!」


伊織「なによコレ!?普通なにも出来ないまま終わる?バグ?バグなの!?」

伊織「あ~~でもやよいの、げ~~む お~~~ば~~~~、は可愛かった……」

伊織「い、いや私は騙されないわよ!プロデューサー!!」ピピポ プルルルプルルル ガチャ

P『おう、どうした電話なんかしてきて?』

伊織「どうしたもこうしたもないわ!なんなのこのゲーム!初っ端からバグがあったんだけど!」

P『ん?……あ、もしかしてキャラ選択のことか?』

伊織「そうよ!美希……じゃなくて、やよい(美)を選んだら何もできないまま終わったんだけど!?」

P『ああ、それな……』

伊織「これバグ?バグよね!?」

P『いや、仕様だ』

伊織「マジで!?」


P『そりゃ、やよい(美)の攻略は 周回ステ引継ぎ前提のキャラだしな』

伊織「しゅ、周回引継ぎ?」

P『初期ステータスじゃ、やよい(美)を眠りから覚ますことすら不可能だ』

伊織「そんなキャラを最初から選択肢に入れるな!気分悪いわね!」

P『まあまあ、強制バッドエンドも見たいっていう奇特なユーザーもいるんだよ』

伊織「私はイラつかされただけなんだけど?」

P『あ、やよい(貴)と やよい(千)も初回じゃ無理だからな、気をつけろ』

伊織「ああ、そう」

P『初回はやよい(春)と やよい(響)がオススメだ、特にやよい(響)で出てくる動物達とのふれあいは』

伊織「ネタバレは止めろ!」ブツッ


伊織「はあ……気を取り直して、次はやよい(春)でやってみよう……」ピッ


やよい(春)『了解です!それじゃあ始まりまーーす!』


伊織「…外見は普通のやよい……いや、リボンが春香のになっているわね……」ポチポチ


やよい(春)『うっうー!新しいプロデューサーさんですね、よろしくお願いしまーす!』ガルーン


伊織「……声も春香ね……」ポチポチポチ


やよい(春)『うっうーー!?』ドンガラガッシャーン!


伊織「………」ポチポチポチ


やよい(春)『え、えへへ~転んじゃいました~』


伊織「……これ中身はただの春香じゃない……まあ、やよいらしさを出そうとしてるのはわかるけど…」ポチポチ



数時間後


伊織「………」ポチポチ


やよい(春)『うう、な、泣いてません。私は、泣きませんっ!』


伊織「………」ポチポチ


やよい(春)『でも、お願いです。ゼッタイ、帰ってきてくださいね』


伊織「………」ポチポチ


やよい(春)『これだけは、「うん」って言ってくれませんか?これで、お別れだなんて、私、イヤです……』


伊織「………」ポチポチポチポチポチポチ



ゲーム内 空港



やよい(春)『プロデューサーさん、1年間、ありがとうございましたー!!』


やよい(春)『プロデューサーさん……。私、本当に、待ってますからねっ!』



ED曲 THE IDOLM@STER 2nd-mix 


~~♪



伊織「………ふぅ……終わったわね……」

伊織「………うん」



伊織「これパクリよね!?ぶっちゃけて言うとアイマス2の春香エンドのやつよね!!?」


伊織「いや、いい終わり方だと思う……けど、ダメでしょ!」

伊織「これ絶対パクっちゃダメなやつでしょ!プロデューサー!!」ピピポ プルルル ガチャ

P『はいはい、どうした伊織』

伊織「プロデューサー!このゲームダメよ!訴えられるレベルでヤバいわ!盗作よコレ!」

P『あ~……うん……え~……リスペクト?的な?』

伊織「ただのパクリでしょ!」

P『ま、まあよく似てるな~とは思うけど、パクリとは……』

伊織「最後の方なんて、やよい(春)じゃなくてただの春香だったんだけど?」

P『……ぅん、ソゥダネ……』


伊織「まさか、他のキャラもこんなのじゃないでしょうね?」

P『ち、違う違う!さすがにここまでヤバイのは、やよい(春)だけだ!他はしっかり作ってあるから』

伊織「やっぱりヤバイって理解してるんじゃない……」

P『本当だって、例えばやよい(雪)は、UFOに攫われるSF編で』

伊織「その時点でヤバそうなんだけど!?」

P『ちなみに高槻やよい(貴)の場合は、攫う側の宇宙人編で、また違ったストーリを体験できるぞ!』

伊織「もはやアイドル関係なくない!?」


P『あ、アイドル要素で言えば、やよい(双)は、いきなり分裂して2人を同時にプロデュースしたり』

伊織「無理矢理、亜美真美感を出そうとしているわね……」

P『やよい(真)は、昔懐かしのベルトスクロールアクション!』

伊織「ベルトスクロールアクション?」

P『アイドル活動に邪魔な奴らをバッタバッタとなぎ倒していく様は、まさしく益荒男!』

伊織「それ真が一番嫌がるやつでしょ!?」

P『あと、あずささんは、迷子になったあずささんを見つけ出すっていう探索ゲーになっていて』

伊織「あずさって言うな!やよい(あ)って言いなさいよ!!」


P『ま、まあそんなこんなのバラエティ溢れるゲームだから!絶対に面白いから!!』

伊織「確かに少し面白そうって思ったけど……」

P『だろ?』

伊織「ん~………でも」

P『ん?まだなにかあるのか?』

伊織「素朴な疑問なんだけど……」

P『うんうん』

伊織「やよいは?」


P『やよい?やよいなら、いっぱいいたじゃないか』

伊織「いや、そういうのいいから。あれ、やよいの皮を被った765プロの皆だから」

P『ま、まあな……』

伊織「まさか、やよいのゲームなのにやよいは出てこないってことは……」

P『いやいやいや、そんなことはないぞ!ちゃんと出てくる!』

伊織「そう?それなら良いんだけど……」

P『発売日から2ヶ月後のDLC(有料1000円)でちゃんと出てくるぞ!』

伊織「いや、やっぱ良くないわ!」


伊織「なんてアコギな商売っ!ユーザーを舐めてるの!?」

P『需要があるから仕方ないだろ!なんかみんな買ってくれるんだよ!!』

伊織「売る側に問題があるのか買う側に問題あるのか……」

P『問題とか言うなよ……あ、そうか!』

伊織「ん?」

P『わかったわかった、売上がよかったら やよい(伊)も出すから』

伊織「私が出ないから怒ってるんじゃないわよ!!」

P『伊織だけスケジュールの都合で収録できなかったんだよ。ごめんな』

伊織「拗ねてもいないから!!」



その後


P「というわけで、アイドルマスター SideYの発売が決まったわけだが」

伊織「いいのかしら……本当に発売して……」

P「ちなみに予約の方だが、順調に伸びています」

伊織「売れるのね……いや、私も買うけど……」

P「お?伊織も買うのか?」

伊織「そりゃ……まあ……」

P「そうかそうか……それじゃあ」


P「どのアイドルマスター SideYを買う?」

伊織「は?」




アイドルマスター SideY (通常版)
バンダイナムコエンターテインメント
プラットフォーム : Pl○yStati○n 4
価格7,650円



アイドルマスター SideY (初回限定版 春) 限定衣装10種がダウンロードできるプロダクトコード&
高槻やよい(春) 1/7スケール 萩原組製 塗装済み完成品フィギュア付&
初回限定版 春用限定クリアファイル&ミニサウンドトラックCD&スペシャルドラマCD 同梱
バンダイナムコエンターテインメント
プラットフォーム : Pl○yStati○n 4
価格76,500円



アイドルマスター SideY (完全生産限定版)限定衣装30種がダウンロードできるプロダクトコード&
ミニサウンドトラックCD&スペシャルドラマCD 同梱
完全受注生産 高槻やよい 1/1スケール 萩原組製 塗装済み完成品フィギュア付
バンダイナムコエンターテインメント
プラットフォーム : Pl○yStati○n 4
価格765,000円



伊織「高!!」


P「ちなみに、初回限定版は、春、千、真、雪、あ、双、美、響、貴の9種類あってな」

伊織「9種類!?」

P「俺は初回限定版 あ を予約しました。高槻やよい(あ)のフィギュアがまた出来がよくってさ~」

伊織「……プロデューサー……あんた……」

P「あ!こ、これ皆には内緒な!決して贔屓とかじゃなくてな!」

伊織「………」ジーーー

P「も、もちろん9種全部買いたいけど!……お金がなあ……この後も有料DLCが控えてるし……」

伊織「ああ、ちゃんとした やよいが出て来るってやつね?」

P「それ以外にも、高槻やよい(律)(音)(社)(P)そして(伊)、他にも衣装や曲といった追加要素がいっぱいで」

伊織「んん?おかしなやよいが2人……って、社長とあんたも出るんかい!!」




それから3ヶ月後、アイドルマスター SideYは無事発売され……



P「やった!週間売上ランキング1位だ!」

伊織「売れたんだ……いや、別にいいんだけど……」

P「なんだなんだ?納得いってないって顔だな?」

伊織「そうじゃないけど……これでいいのかなって……」

P「いいんじゃないか?買いたい人間が買うんだから、他人がとやかく言うもんじゃないだろ」

伊織「まあ……そうね」

P「それに、完全限定生産版以外にも初回限定版を9種全コンプした伊織が、そういうこと言ってもなあ……」

伊織「う、うるさい!」



……それなりに売上は好調だったそうな



ちなみに有料DLC第6弾 「高槻やよい(P)」(200円)は まったく売れなかった。




おわり


終わりです
ありがとうございました

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom