伊織「ねぇお兄様」P「ん?」 (236)



―――765プロ・事務所



P「……」

カタカタ…

伊織「~♪」

ペラ…



伊織「あ、ねぇお兄様……」

P「…ん?」キョロキョロ


伊織「―――っ」///

P「…ああ」

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キリッ

P「なんだい伊織、どうかしたのか」(低音)

伊織「~~~~っ、うっさい!」///

P「おいおい、兄に対してそんな酷いこと言うもんじゃないよ。もっかいお兄様って呼んでくれていいぞ?」

伊織「ゼッタイイヤ」

P「かわいい妹もてて兄さんうれしいぞ」

伊織「うるさいわよ、このこと誰かに喋ったら許さないからね!?」

P「ははは照れるなよ」




真美「………あ、亜美、今の、聞いた?」コソ

亜美「……すごいこと、聞いちゃったね」コソ

 

真美「兄ちゃんが……いおりんの兄ちゃん?」

亜美「亜美たちにナイショにしてたなんて、水臭いよ!」

真美「でもでも、兄ちゃんといおりんの苗字、ちがうよね?」

亜美「そこはほら。昨日のドラマみたいにさ」

真美「フクザツなカテーのジジョーってやつ?」

亜美「聞くのだみな語るもんだみんだね」


真美「……わざとだよね?」

亜美「失礼、かみあみた」

真美「わざとだぁ!」


真美「でもいおりんの兄ちゃんってことは…」

亜美「昨日の話どおりなら、兄ちゃん、水瀬Pって名前になるのかな?」





―――事務所前


真「プロデューサーが……水瀬Pになる…!?」

雪歩「プッ、プロデューサーが、伊織ちゃんの!?」


ガチャッ

真「亜美、真美、今の話、本当!?」

真美「わっ、ビックリした」

亜美「まこちん、盗み聞きならコソコソしてYO!」


雪歩「それより今の……水瀬Pって……?」

亜美「亜美たちの口からは言えないよ…」

真美「真美たちも聞いちゃっただけだかんね…」


亜美真美「「聞くなら向こうで…」」

ソソクサ




真「あ、あの亜美真美があんなマジメな…!」

雪歩「じゃあ……本当、に?」

 




ガチャッ

雪歩・真「!!」


P「先いってエンジンかけとくぞー」

真「あっ、あの! プロデューサー」

P「!? お前たち何でここにいるんだ! レッスンは!」

雪歩「わわっ、そうでしたぁっ」

真「遅刻しそうだったんだ!」





―――ダンスレッスンスタジオ・休憩時間



雪歩「……やっぱり気になるよね」

真「うん……水瀬Pになる、っていうのは……」

雪歩「伊織ちゃんと、プロデューサーが、け、結婚するってこと?」

真「婿養子……って、やつなのかな」


雪歩「そんな……プロデューサーと伊織ちゃん、いつの間にそんな……」


真「分からないよ。伊織んちは、水瀬財閥だもん。財閥とか旧家とかって言うとさ、つきものじゃない」

雪歩「?」

真「政略結婚!」

雪歩「政略結婚!?」

真「もしかしてさ、うちの経営あんまり良くなくて…」

雪歩「うんうん」

真「傾いた765プロを立て直すために、望まない結婚を…!」

雪歩「ええっ! そんなのダメだよ、二人とも不幸になっちゃうよ」




ガタン!

美希「それ、本当!?」


真「えっ、いや、もしかしたら、って話で…」

美希「確かめてくる!」

雪歩「あっ、美希ちゃん!」

真「……行っちゃった」









やよい「……せーりゃくけっこん?」




――――――



律子「お疲れさまー。あら? 他のみんなは?」

やよい「えっと、美希さんが確かめなきゃーって行っちゃって、雪歩さんと真さんも追いかけて出てっちゃいました」

律子「……。またトラブルか……」ハァ


やよい「あのっ、せーりゃくけっこんって、何ですか?」

律子「へ? 政略結婚?」

律子「そうねえ……うちだと例えば、事務所を守るために芸能界の大物とアイドルを結婚させる、みたいな」

期待

ところで、もっと伊織とPのイチャイチャみたいです


律子「何でそんなこと?」

やよい「あの……よく聞こえなかったんですけど、うちの経営がよくなくて、せーりゃくけっこんって」

律子「あはは、ないない。うちのアイドルはほとんど未成年でしょー」



律子「………」


律子「……あずささん、ない、ですよね」

あずさ「あらあら~。そうですねえ、運命の人がたまたま同じ業界の人たったら……政略結婚なんて言われちゃうかも」

律子「……」



あずさ「でも、もしそんなおはなしがあるときは、まず律子さんに報告しますよ」

あずさ「私達の大事なプロデューサーさんですもの」


律子「っ、また、また~そんな…」


律子「……ごめんなさい、正直、嬉しいです。…ありがとうございます」

あずさ「うふふ、どういたしまして」

>>12
thnx
まぁいずれ



律子「まったくやよいったら、怖いこと言わないでー。せっかく今みんな乗ってきてるのに、誰かに抜けられるなんて勘弁よ」

やよい「やっぱり、結婚するときって、アイドルはやめなきゃなんですか?」

律子「そりゃそうよ。絶対とは言わないけど、そのまま続けるのは難しいわ」

やよい「うー…」

律子「そんな顔しないの。なにかの間違いだと思うけど、こっちでも調べてみるから」

やよい「あっ、はい! ありがとうございますっ!」ウッウー



―――

 




雪歩「はぁ……はぁ、真ちゃん……?」

真「ダメだ、完全に見失っちゃたよ。電話にも出ないし、美希のやつ、どこいったんだろ」

雪歩「プロデューサーに連絡しようか?」

真「プロデューサーと伊織は、今映画の仕事の打ち合わせ中だもん……うん、今日オフとかで近くに来れそうなみんなに連絡しよう」

雪歩「うん。あっ、私、お父さんの会社の事務所が近くにあるから、社員さんたちにもお願いしてみる」



メール
件名『緊急事態』
本文『美希がレッスン中にどこかに出ていって帰って来ないんだ! 見つけたらすぐ教えて!』



―――765プロ・社長室



美希「社長、うちの経営って、そんなにダメなの!?」

社長「藪から棒にどうしたね。たしかに一時期は危ないこともあったが、今は君達の活躍もあって、特に問題なく回っているよ」

美希「じゃあどういうこと!?」

社長「何の話だい」



社長「何だって、彼が結婚!?」

社長「水瀬家に婿養子……まあ、水瀬くらいの家になると、名前を大切にするからね。そういうこともあるかもしれない……」

社長「ふむ、しかし、言った通りうちの経営は問題ない」

社長「彼が金に困っているという話も聞かないし……そうなると、当人たちの気持ちから来るものということだろうね」


バターン

社長「お、おい、美希君」



社長「しかし、何ということだ……彼と水瀬君が結婚……」 


―――



あずさ「あの、ところで結婚のお話って、もしかして、私たちのこととは限らないんじゃありません?」

律子「と言うと……」

あずさ「プロデューサーさん、とか」

律子「……」

あずさ「……」


アハハハ-


律子「まったく、何を言い出すんです?」

律子「あの仕事人間のプロデューサーが結婚なんて」



律子「………いや、ない……わよね?」

あずさ「私ちょっと、プロデューサーさんを探してきます、ね?」


律子「……いやいや、いやいやいや」


律子「………」


律子「なんなのよもう! 」


………ハッ

律子「いけない、あずささん――!」


律子「って、携帯あるんだから焦ることはないか」ポパピプペ



prrrr

trrrr


律子「……」



prrrr

trrrr



律子「………」




ピッ


律子「『もしもし』」



orz




春香・響「「おはようございまーす」」



社長「おや? 君たちはオフじゃなかったかな?」

春香「そうなんですけど」

響「美希を探してくれって、真から連絡があって」


社長「美希君なら、中にいるよ?」

春香「えっ? ……いますね」

響「もう事件解決かー」

社長「私は友人と約束があるのでこれで失礼するよ」



春香「美希ー? ……寝てるのかな」

響「『美希発見!と』。なんだかなー、てっきり大事件かと思ったぞ」


春香「何もなくて良かったじゃない」

響「そうだけど……昨日見たドラマの影響でいま探偵モードなんだ」


響「むっ……これは……血痕?」

春香「あー、昨日こぼしたココア染みになっちゃった…」

響「分かったぞ! 犯人はこの中にまるっと全部とけた!!」

春香「混ぜすぎじゃない?!」


美希「…でこちゃん………………裏切られたの……」

響「むっ被害者のダイイングメッセージ…」

春香「寝言だよね」

響「すると、これは伊織の血痕………!?」


「えっ……」



やよい「結婚って、伊織ちゃんのだったんですか…?」

春香「へっ? あ、おかえり」

響「そうだぞやよい……つらいけれど、現実を受け止めるんだ」

やよい「っ………私、伊織ちゃんのとこへ行ってきます!」

春香「あっ、やよい!?」

ダッ




千早(……予定より早く仕事が終わってしまったわね、どうしようかしら)

スタスタ

弟子A「オイ…ねーちゃん…」

千早「え?」

弟子A「あのよーオメー、ちっと人を探してるんだけどよぅ」

弟子A「パツキンで色っぽい、語尾になのーとかつける…」


千早「すいません、急いでるので!」ダッ

弟子A「ア…リ……」



弟子B「あーあ、おめーのカオがひでーから」

弟子A「あぁ!?オメーこそグラサンとれ!」

弟子B「あ!?」



千早(あんな危なそうな人たちが美希を探してる…)

千早「いったい何をやったの美希……!」


メール
件名『あなた一体何をしたの?』
本文『危なそうな人たちがあなたを探してるから、気をつけて』


千早「えーと……履歴にないわね、電話帳……これだったかしら」


**********

真美
美希
→水瀬さん
律子
**********

中断


し、仕事用のケイタイだから……




ダッ


響・春香「「………」」



響「やよい、ノリノリだったな~」

春香「やよいって、そういうタイプだったかな…」


―――


社長「そういえば、水臭いですよ。どうして話してくれなかったんです、私も無関係ではない話だと言うのに」

水父「なんのことですかな?」

社長「とぼけないでください。うちのプロデューサー君が、伊織君のところへ婿入りするとか」


水父「なん……だと……!?」

社長「んん?」


シツレイスル!

社長「あ、ちょっと」





社長「……もしかして私は、やらかしてしまったのかな?」




―――765プロ・事務所



春香「せっかく来たけど、どうしようか。ヒマになっちゃったね」

響「美希は寝てるし……帰るのもなぁ」

春香「せっかくだから、レッスンに行こうか」

ガチャッ

春香「あれっ、千早ちゃん」

響「青い顔してどうしたー?」



千早「二人とも……美希を見てないわよね?」


春香「美希なら……」

響「今見てるぞ」

千早「え…? あら、ほんとう……」


春香「千早ちゃんも、メール見たの?」

千早「メール? いえ私は……」


バス降りて歩いてたらうしろからいきなり……

突然なシチュエーション?


響「それさ、雪歩のお父さんのお弟子さんじゃない?」

春香「かくしか」

千早「なんだ、そうだったのね」ホッ




春香「美希、私たち、レッスンにいくけれど」

響「美希は……いかないかな」

千早「まったく………風邪引くわよ」

ファサ


キィ…


ガチャン




―――水瀬邸



伊織「ただい――」

水父「伊織いいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」ドドドド

伊織「パ、パパ!? どうしたのよ、そんな大きな声出して」

水父「伊織……私は……」ウッ

伊織(なにこれこわい)



水父「どうして言わなかったのかね。私が反対すると思ったのか?」

伊織「は…?」

水父「私は娘の結婚相手を決めつけるようなことはしないし、家柄や能力で拒絶したりしない。愛し合う人がいるのなら、その人との縁を祝福するよ」


伊織「あ、ありがとうございますお父様…………じゃなくて! どういうこと!?」

水父「とぼけなくてもいい。プロデューサーくんに結婚を申し込まれた……そういうことなんだろう?」

伊織「え―――」

水父「うむ、心配するな。父さんは味方だ!」


伊織「……本当、なの………?」

水父「ああ!」ニコッ




伊織(あ、あいつ、何考えてるの!?)

伊織(いきなり親に、とか、いつの時代の人間よ!)

伊織(そ、そうならそうとちゃんと言いなさいよ! そしたらこっちだってそれなりに………)

フルフル



伊織(あいつが、私に……)

伊織(結婚………………)




―――765プロ



真「美希! 戻ってたのか」

雪歩「良かった、心配したよ」

真「どうして電話に――美希?」


美希「………」ック,グス


真「まさか……」

雪歩「そんな、ほんとう、に…?」



真「………」

雪歩「………」



真「美希、起きて」

美希「まこと、くん…?」

真「泣き寝入りなんて、美希らしくないよ!」

雪歩「美希ちゃん、プロデューサーに会いにいこう?」



―――Pの自宅



真・雪歩「「プロデュサー!!!」」



P「な、なんだなんだ? そろってこんなとこに…」

真「さ、美希」



P「……?」


美希「ハニー……なんで、デコちゃんなの」

美希「美希じゃ……ダメ、なの?」

 

P「………」

P(ああ、映画の仕事のことか)




P「仕方ないだろ……大勢の人が関わることなんだ。俺の一存だけで決められるわけじゃない」


雪歩・真((やっぱり政略結婚なんだ!))


雪歩「プロデューサー……それでいいんですか?」

真「まだ伊織は15才ですよ!?」


P「たしかに若いが、俺はチャンスだと思ってる」


P「こういう経験は早いうちにしたほうがいい」

雪歩「……フケツ…」


P「えっいや、ラブシーンとかはないぞ」

雪歩・真「「えっ」」

P「えっ」


真「仕事のためだけってことですか…!?」

P「えぇ…? まぁ、ステップアップのためというか」

雪歩「ヒドい…!」


P「ま、まぁまぁ。そのうち美希にもこういう話もってきてやるから」




美希「ハニーの……バカー!!!」ダッ

P「あっ、美希!」


真「プロデューサー、見損ないました!」

雪歩「最低ですぅ!」

ダッ




P「…………」


グスン

 



―――水瀬邸



伊織「ぅぅ~~~~もやもやする……なんで私があんなやつのためにこんな悩まなきゃならないのよ…」

伊織「大体、連絡の一つも寄越すべきじゃないの?!」

伊織「あら? 千早からメール……いつのまに」

伊織「何よこれ…警備を増やしてもらわないとね……」

コンコン


新堂「お嬢様……高槻様がいらしてますが」

伊織「えっ?」

ホントに兄妹なワケじゃないよ
と思うよ



伊織「やよい!? どうしたのよ、わざわざうちに来るなんて…」

やよい「伊織ちゃん……」


やよい「あの、あのね……」

伊織「どうしたのよ? やよいらしくないじゃない」



やよい「あのっ…! 伊織ちゃん」



やよい「……結婚しちゃうって、ほんとなの?」

伊織「ぅ…………どこで聞いたのよ…」

やよい「やっぱり、そうなの?」

伊織「ま、まだわかんないわよ。いますぐのことじゃないだろうし…」



やよい「相手の人って……」

伊織「ん……まぁね、間抜けだし、スケベだし、頼りないし…」


伊織「有り得ない……んだけど、はずなんだけど……」モジ

やよい(伊織ちゃんやっぱり好きじゃない人と……)



やよい「伊織ちゃん……もしかしてうちの事務所、わるい人がねらってるの?」

伊織「!」


伊織「大丈夫よやよい。狙いはどうも私らしいしね……仲間に手を出させはしないわ」

やよい「いおりちゃん、そんなの……!」

伊織「もうこの話は終わり。明日また、事務所で会いましょ」

やよい「あっ、待って」

伊織「大丈夫よ。送らせるから、やよいは弟クンたちのところにいてあげて」



―――



貴音「水瀬伊織………折り入ってお伺いしたいことがございます」

伊織「あんたまで……」

伊織「いいわ。あいつとのことでしょう?」

貴音「はい。わたくしも迷いましたが、耳にしてしまった以上、知らぬ振りをするのもふぇあーではないかと」

貴音「水瀬伊織、あなたは――」



伊織「は……? 私とあいつが兄妹……?」

四条「ええ。そう伺いました」

伊織「いやいや。何言ってるのよ。兄は二人もいれば十分だし……どういう考えをすればあのまぬけ面とこの伊織ちゃんが兄妹になるのよ」

四条「情報の出所は、とっぷしーくれっと、です。複雑な事情がおありのようで」

伊織「複雑な事情って……」

伊織(でも……貴音に言われるとなんか真実味があるわね。四条の家は旧家みたいだし)

伊織(末子の私が知らないようなうちの噂も、流れて来る…!?)



伊織「でも、あいつがパパの子供なら……パパのあの態度は有り得ないし…」

伊織「まさか……ママ……」

伊織「そんな………ないわよ、ね?」




伊織「お母様……私に何か、隠し事、してらっしゃらない?」



水母(まずいわ……ゴージャスセレブプリン、伊織ちゃんの分まで食べちゃったの……バレちゃったかしら)


水母「何のこと?」

伊織「私にもう一人……知らない兄弟がいるなんて、ないわよね?」

水母(怒ってる……隠しても無駄ねこれは)



水母「………気づいて……しまったのね……」


伊織「なっ――」


伊織「じゃあ、本当に…? お父様とじゃなくて……そういうことなの?」

水母「ええ。お父様は何も知らないわ。悪いのは、全部私」


伊織「っ……なんで!? どうしてそんなことっ…!!」

水母(伊織ちゃん……そんなに食べたかったの)


水母「ごめんなさい……気の迷いだったのよ」

水母「ちょうど疲れていてね……癒やしを求めて、つい……」



伊織「あいつは……プロデューサーはそのこと、知ってるの?」

水母(あら? 何でプロデューサーさん? 食べさせてあげたかったのかしら)


水母「知らないと思うわ。伝えようがないじゃない?」

伊織「っ……そう……そうなのね」フラ…

水母「伊織ちゃん、大丈夫?」


伊織「……ううん、私だって子供じゃないもの。これ以上は聞かないわ。お母様、正直に話してくれてありがとう」

水母「え……ええ………」



水母「伊織ちゃん…? ありがとうね…」

伊織「……うん…」トボトボ



水母(ワシントンの桜……?)



―――Pの家


P「今日はなんか………疲れたな」ハァ


ピピピーピ、ピーピピピーピ♪


P「お? やよいから着信…」


P「やよい、どうした?」




P「い、伊織が結婚して仕事をやめる!?」

P「聞いてないぞ!」


P「相手は!?」


やよい『同じ業界の……人だって…』グズ


やよい『間抜けでスケベで頼りない人って』


P「………」


P「そんな奴どこがいいんだ?」

やよい『うー…』

 
やよい『伊織ちゃんを狙ってる、仲間に手は出させないって……』

P「!」





P「ま………まさか………薄い本的な……」





P「落ち着けP。まだあわわわわ」




次の日!




P「伊織……呼び出したわけは、予想できるか?」

伊織「……だいたいね」

P「今なら二人きりだ……話を、させてくれ」



伊織「あんたの気持ちは分かってるわ。でも、ダメよ」

P「そう、決めつけることはないだろ。その、なんだ…」


P「伊織の気持ちは、もちろん俺も尊重したい、けど、一人で決めてそれで終わりじゃ寂しいじゃないか」

P「伊織だって、迷いもあるだろう?」

P「何があったとしても、俺は、絶対伊織を裏切ったりしない。どんな問題だって腹を割って話し合えば、より良い解決法が見つかるハズだ」

伊織「っ………あんたってやつは、ホントに……」


伊織「…………だめよ」



P「どうして……そんな……」


P「これからじゃないか! 今まで積み重ねてきて……そう簡単に諦めらないだろう…!?」

伊織「………」

ガッデムまた中断
でもここなら落ちる心配はないか



P「はじめはただ、世間知らずで生意気なコだと思ったよ」

P「でも、誰より努力家で、すなおでやさしい面ももってて、誇り高い」

P「気がついたら俺もファンになってた」



P「俺は………納得できない。伊織………」

伊織「やめてよ…! そんなこと言わないでよ!」


伊織「私だって納得できないに決まってるじゃない!」

P「なら――」




伊織「あんたは知らないのよ!」


伊織「しょうがないでしょ…! 血がつながってるんだから!!!」



P「な………」


伊織「その呆けようじゃ、全然知らなかったみたいね…」

P(血がつながってる…? 血のつながり……まさか、伊織のお腹には――)

チラ

伊織(それにしても今日重いわ…)オナカサスリ

P(や、やっぱりそうなのか…!)





P(うちのアイドルに手を出してあまつさえ孕ませる……だと)

P(伊織は15才、中学生なんだぞっ……!)

P( 許 せ ん !)




P「うおおおおおおおおおおおおお」


ドッシャーン!!

冬馬「うおっ!? なんだ!?」



P「とぼけるなああああああ! 男キャラなんてお前らくらいしかいないだろうがああああああ!!!」

冬馬「なっ、何言ってんのか訳わかんねーぞ!?」



北斗「ちょ、ちょっとプロデューサーさん、落ち着いてくださいよ」

翔太「そうだよ、せめて事情くらい説明してくれなきゃ」




カクカクシカジカ!!

トウトウウマウマ!?



冬馬「んだと……中学生に手を出して、あまつさえ孕ませたぁ…!?」



北斗「俺らは違いますよ。そんなの、アイドルとして自殺行為だ」

冬馬「ああ。だが、んな話同じアイドルとして許しちゃおけねーな…!」

翔太「ボクらも犯人探しに協力するよ!」(面白そうだし)



冬馬「よし、行くぞ」

P「どこへ?」

冬馬「まずは黒井のおっさんのとこだ。あのおっさんなら業界の情報にはやたら詳しいからな」




―――765プロ



ふふふ………



小鳥「壁に耳あり障子にメアリー事務所に小鳥あり!」

小鳥「ここはあたしが事態を収拾してあげるしかないようね!」



小鳥「伊織ちゃん」

伊織「小鳥……」


小鳥「まずはごめんね。あたしもいろいろ確認したのが昨日の夜なの。で、今日もうこうでしょ?」

伊織「何の話?」

小鳥「事務所にいくつか監視カメラがあるでしょ? あれ結構音も拾うのよ。で……」



これ……呼び間違いよね?

それで亜美ちゃんたちが……


で、真ちゃんたちが……


このあたりは想像だけど多分……


社長が早合点して……


ってことじゃないかしら



伊織「…………」パクパク



伊織「…………さい、あく……」



伊織「なにもかもオシマイよ! お願い小鳥! 殺してちょうだいっ!」

小鳥「大丈夫よ伊織ちゃん。諦めるにはまだ早いわ」

伊織「……ほんと…?」

小鳥「あたしたちには、あたしたちだけに許された武器がある」


伊織「小鳥が、こんなに頼もしく感じるなんて……」

小鳥「ふふふ」


伊織「不安だわ」

小鳥「あれっ?!」



―――961プロ・社長室



黒井「ウィ。そうだ、あの番組から降板させろ。変態弱小事務所を調子に乗らせるわけにはいかん」

黒井「あの小娘、近頃登り調子で厄介だ」


黒井「そうだ……水瀬伊織だ! 降ろさせろ! なんとしてもな!」

黒井「私の覇道を糞ガキごときに阻まれてたまるか」



黒井『水瀬伊織だ! おろさせろ! なんとしてもな!』


翔太「今の、聞いた?」
(多分、番組の話だけど)

北斗「ああ、聞こえた」
(まあいいか。自業自得なのは確かだし)


黒井『私の覇道を糞ガキごときに阻まれてたまるか』


冬馬「許せねえ! そこまで堕ちたか!」

P「………!!!」フルフルフル



バンッ!


P「黒井崇雄おおおおおおおおおお!!!」

黒井「うおっ……貴様は765の、いつからここに――ぐえ!?」

P「貴様というやつは……!」ギリギリ

黒井「ぐぐ……く、盗み聞きとは低俗な貴様ららしい。だがいいのか? 私に手を出したりすれば貴様の事務所など」

P「そうやって伊織も脅したのかーーーーーっ!!!!!」

ギュウウウウウウ

黒井「……っ………」パクパク
(なんのことだ、まだ水瀬伊織には何も)



翔太「ちょ、ちょっとまずいよプロデューサーさん、締まってる締まってる!」

北斗「なんて力だ……火事場の馬鹿力ってやつか?」


冬馬「待て!!!」

ガッ

P「冬馬!?」

ゲホッ!   ゲエッホ!

冬馬「あんたがんなことしたら……ますます悲しむだろーが…」

冬馬「あんたにも、おっさんにも世話になった。だから……」

黒井(助かった……)



冬馬「それは俺の役目だ」


黒井(助かってないいいいい)

翔太(うおーい冬馬君ー? 冬馬君ー)

北斗(早く戻ってこい冬馬、木星もいいところだぞ)



バッ!


亜美「兄ちゃん、水虫臭いよ!」

真美「仕事やめちゃうって、ホント?!」

雪歩「ごめんなさい、私たちが傷つかないようにわざと嫌われようとしてたんですね」

真「プロデューサー、ボクと勝負してください」

美希「……ね、ホントのこと、きかせて?」



あずさ「出口はどこでしょう~あら?」

律子「ま、待ってあずささん……やっと、追いついた……」

千早「水瀬さん……早まってはダメ!」

響「えっ? 何これ……えっと、その………自分、完璧だからな!」

春香「よく分からないけど、せいいっぱいがんばります!」

貴音「あなた様……身売りなどおやめください」

やよい「これでお別れなんてヤだよ、伊織ちゃん」




一同「「「「???」」」」




伊織「待って!!!!!」


伊織「……これは全部、こういうことだったのよ!」


『ドッキリ大成功!』



小鳥(これぞ芸能界限定、全部ドッキリでした作戦!)





伊織「………」




一同「「「「………」」」」


黒井(なんだか分からんが、ここで乗っておかねば殺される…!)

黒井「ふふっ、はははは、そういうことだ。ドッキリだったのだ。まんまと引っかかったようだな」


P「嘘だな……」

伊織・黒井「「えっ!?」」


P「伊織、そこまでしてこいつのことを……いや、そうか、子供の…」

伊織「ち、違うのよ。本当に全部間違いで、私が悪いの」

P「……伊織、隠さなくていい」

伊織「いや、ホントに」

P「じゃあ、なんで伊織が、黒井社長と音無さんとドッキリをしかけるんだ?」

伊織「………えと」

黒井(この流れまずいよぉ!)



黒井「ハーハッハッハ!」


一同「「「「!?」」」」


黒井「その男の言う通りだぞ水瀬伊織」

黒井「最早隠す必要はない。音無君も水瀬伊織も、そして貴様も……私の掌の上で踊らされたに過ぎないのだ」

黒井「私が脅したのだよ! 水瀬伊織は番組出演権を盾に。音無君はえーと、昔のあれやこれやだ! そうだな!?」

小鳥「えっ、は、はい」


黒井「今回の貴様らのトラブルはすべて!!! 私が仕組んだドッキリだったのだ! シナリオ通りだ!」


P「じゃ、じゃあ伊織のお腹の子供は」

伊織「何の話!? 中に誰もいないわよ!」

黒井「私が騙した!」

真美「いおりんが、兄ちゃんのこと兄ちゃんって言ってたのは」

黒井「私が言わせた!」

真「プロデューサーがヒドイこと言ってたのも?」

黒井「私のせいだ!」

美希「空がこんなに青いのも?」

黒井「私のせいだ!」

  
新堂「もしや冷蔵庫のプリンを食べたのは」

黒井「それも私だ!」

北斗「Alice or guilty?」

黒井「ウィセレブ!」




黒井「変態事務所を混乱させてやろうと思ったが、ばれてしまっては仕方ない。かくなるうえは……」





黒井「…私が全面的に悪かったです。責任は取るので、許して下さい」ドゲザ





小鳥(ええええええ)

伊織(なんか、本当に、ごめんなさい…!)




冬馬「よくわからねーけど……それならいい、のか?」

P「……まぁ、ドッキリだったなら、実害はないわけだし……」




黒井(私は生き残ったぞ!!!)


そんなこんなで



亜美「兄ちゃーん」

真美「なんか876さんからベビーベッド届いたよー」

P「うおお……」


尾鰭がついて広がりまくった噂の余波はしばらく続くのだった


P「黒井社長ー」


黒井「事情を説明して謝罪してくる」

黒井(何で私がこんなことを!)

黒井(覚えていろ変態事務所!)





後日961プロに高級菓子折が送られてきたとか来ないとか…






ちゃんちゃん

 

とりあえず終わりかなー


読んでくれた人ありがとー



やや消化不良感もあるし感想歓迎



ではでは

つらつら見るに、もうちょっと丁寧に畳むべきだったなあ

SSの基本はさっくり読みやすいことかなと最近思うようになってたから……

まそれは今後への材料にするとして



回収してない布石とか多いから再編とか続きも書けなくはないかもしれないけどとりあえず今回はある程度できてるおまけだけつけてたたみます



―――



響「ねぇねぇ、にーに…」チョンチョン

P「んー?」


響「ぁ」


響「ううっ、えーと…」


響「……ニーニーって、本当のお兄さん以外にも使うからね」

P「え、うん」

 



P「でも、俺は本当に響の兄だけどな」

響「あははっ、いきなしヘンなこと言わないでよねプロデューサー」

P「…………本当なんだ」

響「もーしつこいぞ」

P「…………響」ジッ

響「………え、本当、なの?」

響「ど、どういうこと?」


響「えぇ……そんな、自分、どうしたら……」



P「……………」ブフッ


P「んな訳ないだろ……常識的に考えて」

響「あーっ! また騙したな、プロデューサー!!」

P「呼吸を止めて一秒真剣な顔したらすーぐ信じちゃうんだから」

響「そこから何も言えなくなるの星屑ロンリネス♪」

響「って何言わせるんだ!」


響「もう、ばか! 知らない!」

P「そう怒るなよ」

ナデナデ

響「やめ……。……もー、今度やったら許さないんだから」

P「ははは悪い悪い」




P(………)




P(言わせてない……!)



―――


P「えーとあとは…」

真「あ、ちょっと父さん!」


P「へっ?」

真「うわぁっ!」


真「プ、プロデューサー、違うんです、今のはその…」アタフタ

P「……」
 


P「そうか……」


P「お兄さんくらいに思ってて欲しかったが…」

真「ち、ちょっとぉ」

P「贅沢は言うまい。ジジイ呼ばわりされなかっただけ……」

真「違うんですよぉ、やりなおさせてください!」

P「いいんだ」

真「良くないですよ!」
 


P「平成生まれ…そうはいっても娘はちょっと…」

真「ああもう…」


真「待ってく………待ってよ!」

P「?!」


真「ぉ……」



真「おにい、ちゃん」

 
P「」


真「父さんだなんて思ってないよ、お兄…ちゃん」

P「お、おう、悪かった」


真「……」

P「?」


真「へへっ、いいですねこれ! 女の子ーってカンジしません?」

P「台無しである」

 
 


真「あーっ、またバカにして!」



真「しばらくこれでいかせてもらいますからね」




真「よろしくね、お兄ちゃん♪」



  




―――


千早「おはようございます……プロデューサー、おひとりですか?」

P「お、おはよう千早。そうだな、律子も小鳥さんも出てるみたいだ」

千早「そうですか…」

P「用事でもあった?」

千早「いえ、別に」
 


P「しかし、レコーディングにはまだ早いぞ?」

千早「家にいても、仕方がないので。早く始められるのであれば、そうしたいのですが」

P「すまんが、スタジオの都合もあるからなぁ」

千早「分かっています」

P「千早、今日声の調子、良さそうだもんな」

千早「!」


P「油断するなよ。食事とか気分とかちょっとしたことで変わっちゃうんだから……」

P「なんて、釈迦に説法だな」

千早「……いえ」

 
 


P「待つ間ヒマだろ、コーヒーでも淹れるよ」

千早「私が淹れてきます。プロデューサーは、座っていてください」

P「…そうか?」


P(優しい声を出すようになったなぁ……)



千早「~~~♪」

P(今日はホント、調子良さそうだ。鼻歌混じりで、ご機嫌だな)

 



千早「…プロデューサー♪」



P「ん、なんだ?」

千早「っ! な…」


千早「………あの、私、声に出て……?」

P「うん、ちっちゃく」

千早「くっ、違うんです、これは……」///

千早「お願いです、今のは、なかったことに!」ダッ

P「あ、千早」


P「……行ってしまった」



P「妙に抑揚を付けて呼ばれたな…」

P「ソソソドソー、かな」

P(どういう意味だったんだろう)

P(あとでまた聞いてみるか)

ズズズズ-







P(あとで聞いたらほんのり頬を染めた千早に恨めしそうに睨まれた)




 

これ終わらせてからいおりん誕生日SS書こうとか思ってたのにもうなっちゃった…

いおりん誕生日おめでとう!さて…



―――


P「あ、そうだ貴音」

貴音「なんでしょう、じいや」

貴音「!」




P「じっ、じいや………!」

貴音「あ、あなた様、違うのです、今のは」

P「兄どころか父も飛び越えて……」

貴音「聞いてくださいまし」

P「いや……効いたわ……」



P「貴音様……今まで馴れ馴れしい口をきいてしまい」

貴音「おっ、おやめくださいあなた様」

P「身分の差を弁えもせず」


貴音「違うのです、たしかにあなた様に呼びかけるつもりで」

貴音「口が間違えちゃったのです」

P「……」

貴音「あなた様」

P「触らないで下さい。貴音様に穢れが移ります」

貴音「!」

 

フラ…

貴音「ァ………ァ………」



P「俺が悪かった」



貴音「………許して、くださるのですか……?」

P「もういいからそのすがるような目つきはやめてくれ」



貴音「なんと慈悲深い……では失礼して」キュ

P「た、貴音?」

貴音「なんでしょう」
 


P「い、いやなんでしょうじゃなくて…」

貴音「ま、まさかやはり触れるなと」

P「ぅ……あたって………暑くないか?」

貴音「いいえ」

P「俺、汗かいてるから汚れるぞ」

貴音「構いません」

P「……うー…あー……」



P(こんなところ誰かに見られたら)


P(なんでこんなことに………)

 

―――


雪歩「あの、お父さんっ」

P「へっ?」

雪歩「あっ…」



雪歩「あぅ、あぅ、私………」ジワ


P(いかん、このままじゃまたディグダグされる)


P「なんだい、母さん」

雪歩「ふぇ? あ、あの」
 


P「すっかりあったかくなったなぁ」

雪歩「え、あ……そうですね」

P「ツツジがきれいに咲いているし、午後は散歩にいこうか」

雪歩「ぁ………はい。ご一緒させてください」


P「こんな日は、二人で外でのんびり過ごすのも悪くないだろ」

雪歩「……いいんですか? ええと…………子供たちのこととか?」

P「なに、たまにはあの子らに心配をかけるのもいいさ」

雪歩「…えへへ……そうですね」

P(やっと笑ってくれたな)


P「どれ、お茶でも淹れてくるよ」

雪歩「あっ、私が……」

P「座っててくれよ。いつも淹れてもらってばかりだからな」

雪歩「でも」

P「いいからいいから」

雪歩「ぁ………」

雪歩「……」





P「どうぞ」コト


雪歩「ありがとうございますぅ」

ズズ…


雪歩「! おいしい……」

P「悪くないだろ」ニ


P「母さんのお茶にはかなわないけどな、伊達にずっと、母さんの淹れたお茶を飲んできたわけじゃないさ」

雪歩「…………ありがとう、ございます」


雪歩「あの……お、お父さんと一緒なれて……良かったです…」

P「ああ、これからもよろしく頼むよ、母さん」




午後はホントに二人で散歩してきました



―――



春香「あっそうだ、お父さん」

P「なんだい春香」(低音)


春香「おおっ、プロデューサーさん、急にどうしたんですか?」

P「えっ」

春香「やっぱり男の人って、低い声が出ますね。普段ふつうに話してる分にはあんまり意識しないですけど……」

春香「たまにはこういうの新鮮でいいですね、ちょっとかっこいいかも、なんて」

 


P「春香さんそう来ましたか…」

春香「? 何がです?」

P「あ、いや……」

P(これ自分で呼び間違ったの気付いてないぞ)


春香「ふふっ、変なプロデューサーさん♪」

P「………」


グリグリ

春香「ひあ、何するんですかっ」

P「さあなっ」



春香「…急に怒らないでくださいよぅ」

P「おこってねーし」

春香「怒ってるじゃないですか……」

P「疲れただけだし」


春香「疲れたときには、甘味が一番……なんちゃって」

P「黙ってようか」(低音)

春香「はい……」

 



春香「…ジェントルよりわいるど、ですね」

P「ホントにわかんないかなー」

春香「Good luck to you~」ウッウー


P「もういいでーす。ほらレッスンいくぞ」

春香「はーい♪」




…コンドマタ…

ゼッタイヤ



小鳥「あ・な・た」

小鳥「あなた?」

小鳥「間違えちゃいました、恥ずかしい……」

小鳥「小鳥さん、事務所では『プロデューサーさん』でしょう?」

小鳥「あたしったら、ついうっかり」

小鳥「悪い子には、お仕置きが必要ですね」

小鳥「あ、そんな、」



P「………」ジー

小鳥「………………いつ、から……」



P「ふぅ疲れた、ちょっとリフレッシュしようかしら、あたりから…」

小鳥「……その、違うんです。今のは」



小鳥「プロデューサーさんだって、この景色に忍者を走らせるでしょう!?」

小鳥「765プロに逆上したファンを入れたことがあるでしょう!?」

小鳥「そういうものです。深い意味はないんです。ね」

P「はぁ」


小鳥「……」

P「………」

小鳥(いっそ殺して)



P「あなた、でもいいですけど」

小鳥「……ふぇっ?!」

小鳥「え、えっ、それってどういう」

P「そのままの意味ですけど」

小鳥「ぇ………その、あの」



P「さ、仕事を片付けちゃいましょう」

小鳥「え」


小鳥「あ……」




小鳥「………」チラ

P「……」カタカタ



小鳥「……あ……」

小鳥「……ぁな……………」


P「はい?」


小鳥「なんでもないです……」


小鳥「ぅぅ……私の意気地なし…」シクシク

P(なにこの人かわいい)



―――


P(事務所のソファで美希が寝てる……)


P「おーい美希、今日もう予定ないんだから、帰ったらどうだ?」

美希「……ん、むぅ…?」

P「こんなところで寝てると、風邪ひくぞー」ユサユサ

美希「ふぁい……お姉ちゃん」

P「誰がお姉ちゃんか」

美希「んぅ?」



美希「あ……間違えちゃった」


美希「ごめんねハニー…」

P「いいけど、性別すら合ってないじゃないか…」


P「どっか共通点あるか?」

美希「似てるよ。ハニーとお姉ちゃん」


クイクイ

P「ん?」ボフ



美希「あったかくて、そばにいると安心するの」


ンショ

ンショ

ピト


スー…スー…

P(動けん)



P「こら……美希……起きなさい」

P「男は狼なんだぞ」


美希「えへへ……いいよー」

P「……」

美希「……」スー


P「寝言だよな寝言」







美希「ぅ……ふぁ……」

P「おはよう美希…」

P(結局30分動けんかった)



美希「えっ、ハニー?」

P「年頃の女の子が人によりかかって寝るんじゃありません。電車とか気を付けろよ」
 


美希「ごめんねハニー……ミキ、おしごとジャマしちゃった…」

美希「ミキ、ハニーが終わるまで待ってよって思ったのに」

P「いいよ、帰ろう。アイドルに風邪ひかれちゃ困るしな」

美希「でも、おしごとダイジョウブ……?」

P「……やっぱり先に…」

美希「………うん……」


P「……毛布あるから、とっといで。終わったら起こすから」

美希「ホント!? あ、でも…」

P「俺も美希がそばにいたほうが、落ち着くからな」

美希「ハニー…!」


P(落ち着く、はウソだけど……)

P(やる気は、出たぞ)



―――


律子「あら? この雑誌……なんです?」

P「俺が来たときにはもうあったぞ」

律子「そうですか……誰のかなー」


律子(……結婚準備ナウ?)

律子(今は共働きがアタリマエ………公私で支えあえる人をパートナーに、か………)

律子(仕事で支えあえる人…………)


律子「…………」チラ

P「……」カタカタ
 



律子(……いやいや、何考えてるんだか。確かにけっこう頼もしいと思うけれど……)

律子(私自身まだぜんぜん未熟者だし…)


律子(でも……)


律子(いずれは……もしかしたら…………)




律子(頼みますよ、ダーリン」


P「……んっ?」




律子「…………」


P「…………今」


律子「ダージリン!!!」

律子「ダージリン! が! 飲みたいですね!」

律子「紅茶です! おおお茶にしましょう」

P「お、おぅ」



……


P「おお、うまいよ」ズズー

律子「ど、どうも」

P「……」

律子「……」


P「ありがとうハニー」ボソ


ブッフォ

P「うわっ! ちょ、シャツにシミが」

律子「知りませんっ」///
 



―――


P「あ、そうだ母さん」

あずさ「……え?」



P「あっ、いや……」

あずさ「あらあら~」

P「すいません、その…」

あずさ「どうしたのかしら、Pちゃん」

P「ち、ちゃん?」

あずさ「うふふ」
 



あずさ「そんなにかしこまらないで。たまには甘えてくれたら嬉しいわ…」

ナデナデ


P「あ……あずささん?」

あずさ「私たちのためにいつもがんばってばっかりじゃ、疲れちゃうでしょう?」

あずさ「いつも頼りにしちゃうけれど…」

あずさ「私じゃ頼りないだろうけれど……」

あずさ「少しは支えになれると思うから…」ギュッ


P「……あぁ」

P「……ありがとう」

  


P「でも、あずささ……」

P「あずさこそ、たまには甘えていいんだからな」

あずさ「!」

ポンポン


P「アイドルの中で最年長って言ったって、他の子たちとそんなに離れてるワケじゃないんだ」

P「普段俺もつい、大人として扱ってしまうけれど」

P「たまには俺にくらい、甘えていいんだよ」


あずさ「………」

ソ

あずさ「あまえて……いいんですか?」


ドキッ




あずさ「ふふ……ありがとうございます~」


あずさ「頼りにしてますから♪」

P「…頼りにしてますよ」

 
あずさ「………」

ソ

あずさ「あまえて……いいんですか?」


ドキッ

P「も、もちろん」

あずさ「ふふ……ありがとうございます~」



あずさ「頼りにしてますから♪」

P「…頼りにしてますよ」



P(かなわないなぁ)
 



―――


亜美「ねぇねぇパパ!」


P「ぱぱ……」

亜美「あ」

P「……」


P「はーいパパでちゅよ~」

P「亜美ちゃんどうちまちたか~」

亜美「やらかしちったよ~! 兄ちゃんが一番うっとうしいパターンじゃん!」



P「パパがいなくて寂しくなっちゃったか?」

P「いっしょに寝てやろうかー?」

亜美「うあうあー、それセクハラっしょ!」

P「いやぁ、パパと間違うようなお子ちゃまにセクハラはないなー」アッハッハ

亜美「うにゅにゅ…もう怒った」



亜美「もう兄ちゃんなんかパパでいいよ!」

P「!?」


亜美「兄ちゃん今から亜美のパパだかんね!!」

P「え、いや、亜美?」

亜美「なぁにパパ?」

P「開き直りおった……そしたらとことん子ども扱いするぞ」

亜美「いいよ~☆ だってパパはパパだもんね」

ンショ

亜美「ナデナデして?」

P「まったく…」


ブルスコファー

モノマネヤメロ


P「ま、このくらいじゃ大したことはないな」

亜美「そうかな→?」



――街中

P「亜美、今日の仕事は…」

亜美「ねぇパパ、亜美アイス食べた~い」

P「ちょ」


ざわっ

…エンジョコーサイ?


――TV局

P「亜美、さっきの収録…」

亜美「パパァ、疲れたよ、おぶって~」

P「しーっ!」



ヒソヒソ…

765ッテ…

プレイ?


P「あー! 今度の仕事の練習の演技は大変だなー!!」

亜美「んふふーそうだね~」


亜美「パパ~」

P「俺が悪かった」ドゲザ



亜美「もう降参?」

P「降参するする……兄ちゃんに戻してくれぇ」

亜美「しっかたないなー」



亜美「ふふーん、亜美をからかおうなんて十万光年早いのだよ、兄ちゃん♪」



―――



真美「ね、パパ」

P「む…」

真美「わわっ、ゴメン兄ちゃん」

P「さすが双子、間違え方もおんなじだな」


P「真美もパパって呼んでくれていいぞー。ただし人前は勘弁な」

真美「………やだよ…」

P「おろ?」


真美「…兄ちゃんは、パパじゃないし」

P「なに、兄も父も保護者って意味じゃ似たようなもんだ」
 



真美「~~~~っ、もう、ゼンゼン違うYO!」

P「そ、そうか?」

真美「兄ちゃんは、兄ちゃんだもん」

P「うん、まあ、兄ちゃんくらいのが嬉しいな」ポム

真美「だからー! そうじゃなくて…真美がここで兄ちゃんって言うのは……プロデューサーのことなの」

P「俺はプロデューサー…」


真美「p、Pさんのこと」

P「Pさんてww真美に言われるとくすぐったいな」


真美「もういいいよ! 兄ちゃんのバカ!」

P「えー…」




P「おーい、真美?」

真美「………」

P「そんなに怒るなよー」

真美「……別に、怒ってない…」

P「機嫌直せって…」



P「そうだ、今晩ご飯でもいこう、なっ?」

P「焼肉でも寿司でも、好きなもの奢ってやるから」

 



真美「………もっとちゃんとしたのがいい」

P「ちゃんと?」

真美「フレンチのフルコース……10万ドルの夜景が見えるとこ」

P「どこで覚えた…というか惜しい」



真美「………やっぱ、ダメ?」

P「いや……。うん、たまにはそういうのもいいかなも」

真美「ホント?」

P「ああ」

P(さよなら諭吉さん……)


P「その代わり、二人だけの秘密だからな。ほかのみんなに言うなよ」

真美「えっ」

P「亜美にも言いたいだろうけど、そこはそうは言っても」

真美「いやっ! 大丈夫だよ!! ナイショにする!」



真美「それってさ……その……」

P「ん?」

真美「あ……」

真美「よろしく……おねがいします……」///

P「ああ!」

P(良かった二人分くらいで済んで)



―――



やよい「はー…おいしそー……」


やよい「ねぇおとーさん…」

P「……俺か?」

やよい「はわっ!」

やよい「すいませんっ、私、まちがえちゃって…」

P「いいさ、やよいからしたらお父さんみたいなもんかもな」



やよい「いえっ、そんなこと! プロデューサーは、プロデューサーで」

やよい「どっちかというと………お、お兄ちゃん、みたいな」

P「気をつかわなくていいよ」

ポンポン

やよい「あぅ、その、私」

やよい「うー…」


P「………」


P「そんなに落ち込むな、ほら」

やよい「あっ、ハイ」

やよい「…ハイ、ターッチ」



プニュ


やよい「ぁ、ぅ……ぷろでゅーさー?」

P「おっと間違えた」フニフニ

やよい「ゃ、あ、あの、」


P「これでおあいこだな」

やよい「えっ?」


P「お互い間違えちゃったわけだし、お互い気にしないってのはどうだ?」

やよい「あ……そうですねっ!」



P「それじゃ今度こそ」

やよい「ハイ、ターッチ!」

パン

P・やよい「「いぇいっ!!」」



やよい「うっうー!」

 

クイクイ

P「……?」

伊織「………ねぇ、“お兄様“?」


P「ん? どした?」

伊織「もしも………もしもよ?」


伊織「……誰かと結婚するなんて話があったら、教えて?」


P「そりゃ、またいきなり……なんで?」

伊織「大事なコトだもの、“カワイイ妹”に教えてくれたっていいじゃない?」

 


P「あるかどうかはともかく……それ知ってどうするんだ?」



伊織「……祝福くらいは、してあげる」

P「……む」



P「結婚ね……少なくとも、伊織がトップアイドルになるまでは、そういうことは考えられないな」

伊織「……!」

伊織「にひひっ、当然でしょ! あんたも少しは分かってきたじゃない」



P「あんまり俺がおっさんになる前にトップアイドルになってくれよ?」

伊織「あんたこそ急いで相手見つけないと、すぐトップアイドルになっちゃうんだから」


P「……」

伊織「えっ……そういう相手、いるの!?」

P「いなくて悪かったな」

伊織「そうよね、いるわけないわよね」

P「おいおいヒドイな」

伊織「にひひっ、ごめんね~プロデューサー」


伊織「ほら、あんたの良さって分かりにくいのよ」

伊織「私達みたいにしっかり見てあげれば、多少はいいところもあるって分かるんだけどね」


P「伊織が俺を誉めるなんて……何が降ってくるのかな」

伊織「伊織ちゃんチョップは1秒後の予報よ」


テンチュウ!

イテ
 



伊織「それにしても今回は危なかったわ…」

P「危なかった?」

伊織「うっかりあんたと結婚してもいいなんて言ってたら目も当てられないじゃない?」

P「おいおいひど……ん?」

伊織「えっ?」


P「………」

伊織「………」



伊織「っっっっっっ」



伊織「…………」

P(耳まで真っ赤だ…)



P「……えーと」


伊織「……ぉねがぃ………」



伊織「……かったことにしてぇ」ポロポロ


P「あー…俺だったら……」

P「………」


P「結婚相手は、年下で、しっかりした、かわいらしい、負けん気の強いコがいいな」




伊織「…………」ヒック

P「…………」




伊織「………ばか」


 

 
P「あと踏まれ甲斐のありそうな小さくてきれいな足で罵られたくなる声で」

伊織「~~~~っ、ダイナシじゃない!」

伊織「変態! ド変態! der変態!!」


P「ありがとございます!!」

伊織「バカ言ってないでさっさと仕事、いくわよ」

P「へーい」

 



伊織「まったく…」

P「お、笑った」

伊織「気のせい」

P「そっか」

伊織「そーよ」


……ガト

何か言った?

なんでもー










おしまい

 
ひとまずおさらば

html化依頼すればいいんでしたっけね


またいずれ。

ではでは

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