真姫「今からデザート作るの?えっ!?フルーチェ?」 (24)

真姫「ふう。今日も一日疲れそうだわ」

穂乃果「ハ~イ!真姫ちゃ~ん」

真姫「げっ、穂乃果…」

穂乃果「げって何さ?失礼しちゃう」

真姫「だって。穂乃果が待ち伏してるなんてロクなことがなさそうじゃない。あと、にこちゃんも」

穂乃果「そんな事はないよ!今日は真姫ちゃんに美味しいスイーツを食べさせてあげようと思っただけだよ」

真姫「スイーツ?」

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穂乃果「そう。調理室で絵里ちゃんが待ってるから行こうか?」

真姫「え?今から作るの?」

穂乃果「そうだけど?」

真姫「あのね…この後練習あるのよ?全員揃うのに30分もないんだから」

穂乃果「あ~そこは大丈夫だよ。30分もあれば作れるから。練習の前に糖分摂取しておこうよ」

真姫「嘘つきなさいよ。30分でスイーツが作れる訳ないじゃない」

穂乃果「嘘じゃないよ。焼きそばもラーメンも数分で作れたでしょ?」

真姫「それはお湯をかけたりするだけだったし。卵かけご飯は卵をかけるだけなんだもん。けど、スイーツはそうはいかないでしょ?」

穂乃果「いや、それがいくんだよね~。流石にペヤングみたいに3分とはいかないけどさ」

真姫「でも…」

穂乃果「真姫ちゃん。私を信じて?」

真姫「分かったわよ」

穂乃果「それじゃあ、調理室へれっつらごー」

真姫「おー…」

絵里「遅い!すぐ来るって言うから待ってたのに」

穂乃果「ごめん、ごめん。真姫ちゃんがなかなかさ」

真姫「だってこの後練習あるし…」

絵里「それは私も言ったんだけどね。でもすぐに終わるって言うから。本当に簡単に出来るのね?」

穂乃果「うん。任せてよ」

真姫「で?何を作るの?」

穂乃果「はい。それでは発表します。ドゥルルルルルル」

絵里「口でドラムコールを…」

真姫「早くしなさいよ。時間がないんだから」

穂乃果「じゃん!これです!」

真姫「何?フルーチェ?」

絵里「パッケージから想像するに…ババロア的な物かしら?」

穂乃果「ババロアではないかな。なんだろ…説明が難しいなぁ。フルーチェはフルーチェだからなぁ」

真姫「全然要領得ないわね」

穂乃果「まあ、作るのが手っ取り早いよ」

絵里「はい!先生!箱に書いてある通り冷えた牛乳を用意しました!」

穂乃果「流石、優等生!手が早いね!」

真姫「絵里も切り替えが早いわね。って言うか手が早いって…本来の意味では間違ってないけど…」

穂乃果「ん?」

真姫「なんでもないわよ。で?その牛乳をどうするのよ?」

穂乃果「牛乳の前にね~そのフルーチェの箱の中に入ってる袋あるでしょ?」

真姫「これ?」

穂乃果「そうそう。それね!それをボウルの中に入れて」

真姫「こう?」

穂乃果「いや、違う違う。中身を出すって意味だよ」

真姫「え?あっ…だって…言い方が紛らわしいのよ」カァァ

穂乃果「いや…まさか伝わらないとは思わなかったから」

絵里「真姫も意外と天然なのね。ふふっ」

穂乃果「ね~可愛いねぇ」

真姫「私かえ…」

穂乃果「うそうそ。冗談だから。帰らないでよ。私の言い方が紛らわしかったよね?」

真姫「そうよ…」

穂乃果「ふう…」

絵里「こう言うところ…まだまだ子供よね?」ボソッ

穂乃果「あはは…」

真姫「それで?中身を出せば良いのね?」

穂乃果「うん」

ドバドバ

真姫「液体なのね」

絵里「ねえ。これがパッケージみたいになるの?」

穂乃果「なるんだよ。牛乳を入れるとね」

真姫「へ~。これだけ見てると信じられないけど」

穂乃果「驚くよ~。それでは、絵里ちゃん!牛乳200mlを入れてください。一気にね」

絵里「ラジャー」

ドバドバ

絵里「先生!入れました」

穂乃果「はい。そうしたらスプーンでかき混ぜていきます」

真姫「どれくらいのスピードで?」

穂乃果「え?……適当?」

真姫「また?こないだのインスタントラーメンの時も適当だったわよね」

穂乃果「まあ、でも出来たでしょ?あんまり遅すぎると上手く出来ないからちょっと速めに混ぜるくらいがいいかな」

真姫「速めにね。分かったわ」

穂乃果「そうそう。そんな感じ」

絵里「ハラショー。段々とゼリーみたいになって来たわ」

真姫「どう言う原理なのかしら?」

穂乃果「さあ?考えた事もないよ。箱にはペクチンがどうのって書いてあるけど…ペクチンって何だろうね?」

絵里「あっ成る程!ペクチンか!」

真姫「そう言う事」

穂乃果「え?二人共分かったの?」

絵里「ジャムなんかがトロリとする原理と一緒ね」

穂乃果「全然分かんないけど。今日は私が二人に教える日なんだからやめてよね。二人共割と世間知らずなのに博識だから困るよ」

真姫「何よそれ」

穂乃果「っと喋ってる内に出来たね」

絵里「これで完成?」

穂乃果「ん~…そうだねぇ。もう食べれるんだけど少し冷やした方が美味しいかな」

真姫「って事は後は待つだけ?」

穂乃果「いや…他のも作ろうか?」

真姫「他の?」

穂乃果「うん。今作ったのはイチゴ味でしょ?」

真姫「初めて聞いたけど」

穂乃果「見れば分かるじゃん。で、他にも種類があるんだよ」

絵里「あら!そうなの?」

穂乃果「うん。ほら!」

絵里「パインにピーチ…」

真姫「マロンにマンゴーまで」

穂乃果「沢山あるでしょ?どれが一番美味しいか食べくらべしよう!」

絵里「良いわね。楽しそうだわ」

真姫「でも食べきれるかしら?」

穂乃果「楽勝だよ!デザートは別腹だからね!」

絵里「だからダイエットするハメになるんだけどね…」

穂乃果「も~今日は特別だからいいの」

真姫「じゃあ穂乃果は毎日が特別ね」

絵里「それは羨ましいわね」

穂乃果「くっ、言い返せない」

20分後

穂乃果「さ~良い感じに冷えたんじゃない?」

絵里「そうね」

穂乃果「ん~美味しそうだねぇ。それじゃ早速食べようか?」

真姫「うん」

穂乃果「では!」

頂きます!

パクっ

絵里「ハラショー!美味し~」

穂乃果「でしょ?でしょ?真姫ちゃんは?」

真姫「うん。美味しい。あれだけでこれだけ美味しいスイーツが作れるなんて。この世の中私の知らない事ばっかりだわ」

穂乃果「そうだよ!これからもきっと色んな事が待ってるよ。真姫ちゃんの知らない事が沢山!楽しみだね」

真姫「うん」

この世の中は私の知らない事で溢れている。楽しい事、嬉しい事、悲しい事、きっとまだまだ沢山ある。私の知らない世界が…。

いきなりなんだけど、あなたアイドルやってみたいと思わない?

あの日のあなたとの出会いがそうだった様に。

穂乃果「美味しいね、真姫ちゃん!」

真姫「そうね、美味しい」

ガラガラ

ことり「穂乃果ちゃん…こんな所に居た…」

穂乃果「あれ?ことりちゃん?」

ことり「海未ちゃん怒ってるよ?生徒会のお仕事…」

穂乃果「え?」

絵里「はあ…仕事があるの忘れてたのね?」

真姫「穂乃果らしいわね」

穂乃果「やばい、これはやばい」

ことり「あれ?それって…」

穂乃果「え?フルーチェだけど…食べる?」

ことり「いいの!私大好きなんだ~」

穂乃果「いいよ、いいよ。食べて食べて~」

絵里「ことりを仲間に引き込むつもりね」

真姫「悪知恵が働くわね」

穂乃果「これで強力な仲間を手に入れたよ~くふふ」

真姫「無駄だと思うけど」

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