男「欲情の果て」(307)

男「っ!……ふぅ……」

男「あーあ、今日は3回もしこっちまったなぁ」

男「まっ明日は休みだし、どうせ何も予定もねえし!」

男「ふわぁ~あ……ダルいし寝るか……」

男「………zzz」

………………
…………
……

「……かものめ」

男「zzz…んがっ?まぶしっ」

「欲に身を任せ、流される愚か者め」

男「!?……だ、誰……?」

「湧き上がる欲を抑えられず己の生命を未だに軽んずるか」

男「はぁ?…、眩しくて見えねえ……」

「哀れな人間よ、自慰に耽る事こそが己の生命を無駄に使っているのだ」

男「は……はぁ??」

「性欲すら抑えられぬその品性こそが己の生命を、人生を無駄にしているという事が分からぬのか」

「私はお前に試練ないし罰を与える」

男「!? 意味が分からん!!!大体あんたはだれなんだ!!!??」

「精液を一切体外に排出する事を禁ずる。もし罰に背いて排出した暁にはお前の生命を私に返してもらう」

男「精液って…シコるの禁止って事かよ!?」

「俗世ではそのように言うようだ。禁欲を課す事で己の生命を見つめ直すのだ愚か者」

俺「どう言う事だよ!?なんでいきなりそんな訳の分からん罰ゲームを!?」

「精液はあらゆる生命の源である。その源は真の愛に使う事こそが理なのだ。だのに人間は欲の快感の為に使い、そのせいであらゆる乱れが生ずるのだ」

「愚か者よ。己によって模範を示せ。さらばだ。」

男「あっ!おい!ちょっ………」

……………
………
……



男「zzz……っ!! 夢か」

男「ふわぁ~あ……偉い変な夢だったな…眠っ…」

男「…」ギンギン

男「休みだし1発抜いとくか…」ムラムラ

シコシコ シコシコ

男「ぅあ~出る出る…っ!!???」ズキンッ

男「うぐあっ!!む、胸がっ…!苦しい…!!!」ドクンドクンドクン

男「っ!……っ…はぁ、はぁ…」

男(なんだこれ!? テクノブレイクって奴か!!? あっ…)

「精液を一切体外に排出する事を禁ずる」

男「あの夢って…おいおい、マジかよ…!」

男「一生シコれねえのかよ!!!!!」

禁欲初日

男(嘘だろ!!?マジかよ!!?本当に射精したら死ぬのかよ!??夢のあいつはなんなんだ!?神か!?)

男(考えてみろ!!友達も、彼女もロクにいない勉強も運動もてんでダメの日陰者非リアに残された俺の唯一の楽しみ!!)

男(シコる事だぞ!!???それを取り上げられたら俺は……)ブツブツブツ

母「ちょっとあんた、ちゃんと朝ごはん食べなさいよ。さっきからブツブツ」

男「あっ、ああ、ごめん…」

妹「きっしょ。てかお兄って風呂入ったら?臭いんだけど」

男「うるせえな…」

妹「は?口答えしないでくれる?臭いから臭いって言ってんのに…」

男「……ごちそうさま!!」

男の部屋

男「……ぐぁっ!!!! ぐぅぅ……」ドクンドクンドクン

男「ま、マジだ…本当に出すと死ぬかも…」

男「そ、そうだ!ゲームで気をそらそう!」
………
……

男「もう夜か…ふわぁ~あ…」

男「エロ画像でも……」ムラムラ


男「ぅぅ、ああああ!!」

男「マジでどうすればいいんだよぉ!!!!」

ドンドン!! オニイウルサイ!!!

男「……っ、くそあのクソ妹人が大変な事になってんのに…」

男「死ぬのは嫌だ…死ぬのは…」

男「よし…まずはエロを遮断しよう…そうすればムラムラっと来る事はない……」

禁欲2日目 朝

男「っ、…うーん…」

男「朝か…」

男「あー…」ギンギン

男「くっそー…抜きてえ…でも死ぬし…」


男「とりあえずゲームが1番気が収まる。今日も1日ゲームで忘れよう」

アーン♡ モウイヤー

男「……… おるぁ!!!!」ブン ガンッ

男「ダメだっ!!!!ゲームでも女がエロい格好してやがる!!!!」

男「てかよく考えりゃ格ゲーの女キャラってなんでこんなエロいんだよ!!!こんなんハメられちまうだろ!!!!」

男「ゲームもダメだ…もっと硬派な奴か他の事で気そらさねえと…」

男「何とかムラムラしないように……外行こう!外行けば気は紛れるだろ!」

ワイワイ ガヤガヤ

男(外もダメだ…夏だから女どもの露出が激しい…)

男(男にはオートフォーカス機能でもついてんのか?視線がぜんっっぶおっぱいに向かうぞ…ていうか)


男(俺って普段からこんなにエロい事ばっか考えてんのか???)

男「…」チラッ

モブ女「っ…」


男(視線あったら汚ねえもんでも見るような目しやがった……)

男(そういや俺…学校でもそんな感じで見られるしな……)

禁欲3日目

男「…」 パチっ

男「朝か…」

男「学校か…だりぃ…」

男「はぁ…学校行く憂鬱よりシコれねえ憂鬱のが勝つとか…」

男「とりあえず支度するか…」

男「おはよー…」

母「あら?あんたいつもより起きんの早くない?」

男「んえ? そう?…」

母「まあ、いいわいっつもねぼすけさんだから起こすの大変なんだから」

妹「おはよーってうげっ…早くない?」

男「…悪いかよ」

妹「別に…朝から嫌なもん見たなって」

男「うるせえよ…」

通学路

オーッス

キャーオハヨー

男(いつもなら憂鬱な気分で周りにイラつきながら通学するが)

男(不思議とそんな気持ち起きねえな…)

男(むしろ気分がいいな…なんでだ…)

男(いや、多分シコれないのに気が向かってんだろな…)

ヒュー ピラッ
男「!」
モブ女1「いやっ!パンツ見えた!?」

モブ女2「風強いよねー」


男(クソがっ!!とんでもねえもん見せてくれやがったな!!)

男(いつもならラッキースケベなのにっ!!エロは目に入れるとやべえのに!!)

教室

男(ようやく着いた…JKのスカートばかり目にチラついてやべえ……)

女子達「でさー!その後本当にすごくてー!」

男(はぁ…また席取られてるよ…女子集団って本当所構わずたむろうよな…)


男「ごめん、座らせて…」

女子達「!?」

女子「あ、ああごめんごめん」

男「はぁ……」(マジでエロは禁物、シコったら死ぬ…エロは禁物、シコったら死ぬ…)


女子達「 あいつってあんな風に喋れたっけ…」ヒソヒソ

男(まーた悪口言われてるよ…キモいとかそんなだろな…)

女子1「いっつもなんかデュフデュフとか言いながらじゃなかったっけ…」ヒソヒソ

女子2「急にすらっと言うからびくった…」ヒソヒソ

男(あーもういいよ、早く散れよ…きめえのは分かるからさ…)

男(大体制服の胸元開けたら露出高すぎなんだよ…目に毒だろがクソが…)

ヤンキー女「おっすー!どしたの?」

女子1「あ、いやあいつがさ…」

ヤンキー女「ん?ああw根暗くん?」

ヤンキー女「アレがどしたんwww」

女子2「いや、なんか喋ってさ」

ヤンキー女「マジでwwwだからどしたんwww」

女子1「なんかいつもと違くてそれだけなんだけど」

ヤンキー女「マジ?www受けるwww私も喋ろwww」

男(エロは禁物…シコったら死ぬ…何か別な事考えろ…宇宙についてとか…)

ヤンキー女「根暗くんおはよっ!www」

男(宇宙…宇宙やべえ…まず星があるのがやべえ…太陽とか一年中燃えてるとかマジやべえ…)

ヤンキー女「おーい、おはよー」

男(水星…水星には水無いとかもう水星じゃない…つけたやつ絶対ノリでつけただろ…)

ヤンキー女「おい!」

男「! はい!…!!」

ヤンキー女「おはよーつってんの!!」

男(ヤンキー女! クソがっ…制服の上からでも分かる……めっちゃデカい乳やん!!!!)

男(ヤバい、息子がおもむろに立ち上がりそうだ…一刻も早くあっち行ってくれ!!!!!)

男(下に目線やったらムチムチの太ももが待ってやがる!! そうなるとエロくないポイントは……目!!!!)

男「あっ、おはようございます…」ジッ

ヤンキー女「…はぁ?www受けるんですけどめっちゃ目合わせてくるwww」

男「っ……」プィ

男(てめえの露出が目に入るんだよ!!!!クソ野郎!!!!早くあっち行ってくれ!!!!)

ヤンキー女「なにこいつ……」

ヤンキー女「あ、おはよー!」

ペチャクチャ


男(嵐が去った…)

体育

男(うげっ…今日シャトルランかよ…6月であちいのに……)

体育教師「はーいでは一人一人開始ー!」

男(早く終わってくれ……)

………
……




体育教師「お?男今日は頑張ってるな!!いいぞ!」

男「はぁはぁ…ども…」

男(不思議と走れてるな…まぁタイムは全然だけど前よりからマシだ……それより…)

男(運動って結構気がまぎれるな……)

男(!!)

ヤンキー女「あーん疲れた~」

男(女子の体育着から感じ取れる胸の形っ!!!!)

男(あかん奴や!!!!! エロは禁物!!!エロは禁物だ!!!!)

ヤンキー女「ちょっと男子達胸ジロジロ見過ぎ~」

男子「えへへ、いいじゃんいいじゃん」

ヤンキー女「……何あいつ」

女子1「どしたの?」

ヤンキー女「根暗くん空みてんだけど」


男(空…果てしねえ…エロが全く入ってこねえし…)

ヤンキー女「きもっ…」

放課後 下駄箱

男「やべえ…結構目に毒な奴入ってくんな…」

男「こうなると考えんのもやめなきゃならねえじゃねえかよ……」

ヤンキー女「何ブツブツ言ってんの?」

男(げっ!目に毒ヤンキー女!!目線を!目線を目に!!!!)

男「あ、いや…」ジッ

ヤンキー女「そこ私の下駄箱なんだけどどいて?」

男「?ああ、ごめんごめん」

ヤンキー女「きっしょ…」

男「……」(どうやったら考えないようにできる?…やっぱ運動って効果あんのかな…)

ヤンキー女「………帰れば?」

男「…! ああ! そうする!」

ヤンキー女「はぁ?……変な奴…」スタスタ

禁欲4日目

男「んーん…なんだか目覚めがいいな…」

男「6時半か…まだ1時間以上通学まであるな…」

男「」 ボケーッ

男「こんなに…こんなに…エロが無いと俺の時間は空虚なのか……」

男「朝飯……」

男「おはよー」

母「なにあんた!こんなに早く起きて!!」

男「えっ」

母「まだ朝ごはんできてないわよ!」

男「マジで?」

母「暇なら洗濯物回してくれる?ちゃちゃっと作っちゃうから」

男「んー」

男(そうか…朝ってこんなに時間あるのか…)

すげい期待

待機

体を柔らかくする話かと思ったら違った

妹「おはよー…ねっむーってえ?」

男「……」ムシャムシャ

妹「なに?早起き?」

男「…おかわり」

母「あら!おかわりなんて初めてじゃない!」

男「腹減ったんだよ…」

妹「どしたの?きもっ」

男「お前には関係ねえだろ…」

妹「はぁ?てかそんなに口数多かった?」

母「ほらほら!妹ちゃんも早く食べないと遅刻でしょ!」

男「……」ムシャムシャ (なんだか目覚めも良いしキチンと腹も減るなんてひっさびさだな…)

男「いってきまーす」

………
……


妹「オカンさ…お兄なんか変じゃない?」

母「んー、どしたのかしらねえ?こんな早起きするなんて今までなかったのに…」

妹「………」

昼休み

男「……」モグモグ

女子達「でさでさ!?彼氏がね!?」

男(ったく、うるせえなぁ…お熱いかよ…)

男「……」(ごちそうさん…いつものように突っ伏すか……)

ヤンキー女「見てw根暗くんまた寝てるしwww」

男(ちっ…人がせっかく寝ようとしてんのに話しかけてくんなよ…)

ヤンキー女「絶対起きてるよねwやっほー!www」

男(ちっ…! うるせえなぁ!!!)ガバッ

ヤンキー女「うわっwwやっぱ起きてたwww受けるwww」

女子1「何寝てるフリしt

男「うるせえな!!」 イライラ

女子1「えっ…」

ヤンキー女「ちょ、なにキレてん…」

男「俺は寝てんだよ……」ハッ

男「あ、いや…その眠いから…」

男(一体どうしたんだ俺……今まで弄られてもこんな怒りがこみ上げた事なんかねえのに……)

男(どこか静かな所に行って心を落ち着かせよう…)ガタッ

女子2「なにあいつ?…なんか変じゃない?…」

ヤンキー女「本当ね…あんな言い返すキャラだっけ?」

乙期待はよ

あくヤンキー女とくっつけ

図書室

男(図書室はいいな…静かで読書も心が落ち着く気がする…)

男(俺はめくれたスカートから目を離す事ができなかった)

男(……今見ましたよね? ………せ、責任取ってくれますよね……)

男(彼女は延々と俺について来ていつの間にか部屋へと上がっておもむろに…)

男「っ!!!」バシン

周り「!!」ビクッ

男(安易なエロ描写!!!!!)

男(ラノベってこんっっっな安易なエロに蔓延してたのか!!!!!!)

男(偉い本に手ぇつけちまった…エロ描写が頭を駆け巡る……!!!!)

男(心頭滅却!!心頭滅却!!……宇宙について考えよう…)

「あ、あのー…w」

男「ん?」

オタ女「ち、ちょぉっと本は大切にしてくれませんかね…w」

オタ女「叩きつけられると本とか、痛むし…w」

男「ああ…ごめんなさい…」

男(こいつは確か1年の時隅っこにいたオタ女だったっけ)

男(まぁ、いいや…クラス戻ろう)ガタッ

オタ女「あ、あのーw これ借りないなら本棚に戻してねw」

男「ああ、ごめんなさい…」

オタ女「ごめんねw い、一応図書委員だからさw注意しとかない…あ、このラノベ…」

男「?」

オタ女「結構内容アレだよねw エッチw」

男「!!/// 」 バッ

オタ女「あうっ」


男(クソがっ!! ラノベなんてもう読まねえよ!!!!!)

先生「はい、礼!! では、部活のものは頑張って! そうでないものは気をつけて帰るように!」

ブカツダリー

カラオケイコー?

男(はぁ…思ったよりエロって蔓延してるもんだな…)

男(なんとかムラつかない方法やんねえとな…マジでムラつく事は死を意味する……)ボーッ

ヤンキー女「………帰んないの?」

男「っ、え?あ?俺?」

ヤンキー女「何ボケーッとしてんの?」

男(……そういやこいつなんで話しかけてくるんだ? 隣の席になっても話掛けてくる事なんかなかったのに)

ヤンキー女「…何見てんの?」

男「いや…話しかけられた事ないから…何話そうかって…」

女子1「ヤンちゃーん!早くいこー!」

ヤンキー女「あー!すぐ行くわー!」

禁欲5日目

男「んっ……もう朝か…」ムクリ

男(えっ、まだ5時かよ! なーんだ…あと2時間は寝れるじゃねえか…)

男(もう一眠りするか……)

男「……」ギンギン

男「!…クソッ、抜いてねえから朝立ちが痛え…」

男(なんとか治まんねえかな……)

男(散歩でもするか……)

チュンチュン

男(夏でも早朝は流石に涼しいな…)

男(朝日が気持ちいい…)

男(なんか気分乗ってきたな、走ってみるか?)

タッタッタッ

タッタッタッ


男(?…俺意外と走れるな… なんか気持ちいい!)


タッタッタッタッタッタッ

男(やっべ…調子に乗りすぎた……)ゼェッゼェッ

男「ただいま…」ゼェッゼェッ

母「なにあんた!どうも起きて来ないかと思ったらどこ行ってたのよ!」

男「み、水…走り過ぎた……」ゼェッゼェッ

母「あ、ああ!水ね!

男「っ! っ! ぷはぁっ!!」

母「あんた汗だくじゃない! シャワー浴びて来なさい!!」

男(疲れた…だけど疲れが心地いい…)

男(癖になりそうだ…何よりエロが浮かんでこない!!)

母「まったくどうしたの!?朝は毎日ぐぅたらしてんのに!!」

妹「うげっ…て、何!?汗だくじゃん!」

男「…汗くせえからあっち行ってろよ」ジロッ

妹「っ」

男「??」スタスタ


妹「なんかお兄変じゃない?…」

母「え、えぇ…変…」

学校

先生「えーで、この戦で徳川家康はうんこ漏らしながらも生き延びるわけですがー…」

男「……」 ウツラウツラ

男(いかん…走り過ぎたかな…眠くて仕方ない…)

男(いつも突っ伏して寝たフリしてたけど…今度は…マジで…寝…)

男「zzz…」コテン


ヤンキー女「……」 スッスッ

先生「こらっ、そこ何いじってんだ!」

ヤンキー「……ちっ」

ヤンキー女(あーあ、授業だるー)チラ

ヤンキー女(またこいつ寝たフリ…ガチ寝じゃん)

カシャカシャ

男「zz… zzz……っんが?」

ヤンキー女「あっw起きたーwww」カシャ

男(近っ!! 何してんだこのヤンキー女!!)

男「な、なんだよ!何撮ってんだよ!」

ヤンキー女「だって根暗くんヨダレすごい垂らしながら寝てるからw ウケるw」スマホ

男「はぁ!? ちょ、消せよそれ!! 」ガッ

ヤンキー女「やっ…」

男(やべっ勢いあまって肩掴んじまっ…!!!!)

男(それよりこのでっかい乳!!!! 乳牛かお前は!!!!!)

男(いかん!!!! 目に逃げろ!!!!)キッ

ヤンキー女「は、はぁ?…そんな怒んなし…」

男「あ、いや…ご、ごめん……」サッ

ネクラクン ?
ドシタドシタ?

女子1「どしたのヤンちゃん?」

ヤンキー女「いやこいつが…」

女子2「はー?根暗くんが怒ったー?」

男(クソがっ…俺もどうしちまったんだ…いつもなら穏便にしようとこんな事できねえのに…)

放課後 帰り道

男(……ダメだ、ヤンキー女の乳が頭から離れねえ)

男(やっべ…こんな道のど真ん中で勃ってきやがった……)

男(周りもいんのに変態だと思われるっ…!!)

男(ちょっとそこでしゃがんでやりすごそう…)スッ


男「あー…ちくしょぅ……」ギンギン

「あ、あのーw」


男「っ!…は、はい?」

運動するとセロトニンが出る

オタ女「大丈夫?wって、いつかの君じゃんかw 覚えてる?w」

男「ああ…ども…」

オタ女「どしたの?電柱でしゃがみこんじゃってw… 調子悪いの? 大丈夫?」チョコン

男(ぐうううぉあああ!!!! 目の前でしゃがむなぁぁぁ!!!!!)

男(意外と可愛い顔してるし!!! 何より!!!!)

男(しゃがんだ事でスカートの向こうが見えそうなんだよ!!!!!!いたわれ!!男はなんでもエロ妄想に結びつけちゃうから!!!!!)

男「…………」ムラムラ

オタ女「ちょ、本当に大丈夫? き、救急車」アセアセ

男「大丈夫!!!!!」ガッ

オタ女「あうっ」

男「大丈夫だから…心配掛けさせてごめん…」キッ

オタ女「っ…そ、そんなら良いんだけどさw」

これはオナ禁サクセスストーリーなのかはたまた……

男「ふぅ……なんとか……」

オタ女「あー良かったw 心配しちゃってさw ごめんねw」

男「ああいえいえ…それより」

男「あんまり男に近寄んない方が良いと思う」

オタ女「えw なんでw」

男(君みたいな無防備なエロが不意に飛び込んでくるからだよ…)

男「…俺が変な男だったらどうすんだよ」

オタ女「……へ、へぇw エッチなラノベ読むわりには紳士なんだねw」

男「っ/// と、とにかく…あ、ありがとうございました…」

オタ女「ううんw」ニコニコ

………
……


男「ん?」

男(あれ?俺こんな人と喋れたっけ?それも女の子と…)

男「??…」テクテク

オナ禁6日目

タッタッタッ

タッタッタッ

男「はぁ…はぁ…」

男(また今日も走っちまった…妄想しなくするには1番良いかも…)

ガチャッ

男「ただいま…」

母「あら!また走ってきたの! どうしたの急に~!」

男「水…」

母「はいはい! 飲んだらシャワー浴びてきちゃいなさい!ご飯出来てるから!」

男「ん… っ、っ、っ ぷはっ」

妹「…おはよ」

男「え…なんだよ急に…」

妹「おはよっつってんだから挨拶したら?」

男「お、おはよ…」 (なんだこいつ…まともに挨拶すんの俺が小6の時以来だろ…)

すごい続きが楽しみです
はやくはやく

教室

先生「はい、じゃ次の授業の準備しておいてくださいねー」

ワイワイ

ジュギョウムズクネー?

男「ふぁっ…」アクビ

男(初めて授業真面目に聞いたかもしれねえな…)

男(意外と勉強ってのも面白いな。 しっかしねっむい…)アクビ

ヤンキー女「次の授業なんだっけ?」

男「……」ポケーッ

ヤンキー女「ねえ? 無視?」

男「えっ、あっ、俺?」

ヤンキー女「根暗くんしかいないでしょw」

男「えーっと…英語だね…」

ヤンキー女「マジかー、英語苦手なんよなー」


男「???」 (こいつなんで話掛けてくるんだ?てかすぐ後ろの黒板に授業書いてあんのに)

ヤンキー女「英語むずくなーい?」

男「えっ、あ、ああ…普通かな…」

ヤンキー女「ふふっw やっぱどもるよねーw コミュ障w」

男(だったら話掛けてくんなよ…)

男(てか、マジですげえおっp…いかんいかん!!!!!見たら終わりだぞ!!!!)

男「悪かったな…」キッ

ヤンキー女「うわーガン飛ばされたー。 怖~」

男「……」プイ


ヤンキー女「……」


男(視線合わせんのが今だと1番の凌ぎ方だな…できれば話掛けてくんな…妄想しちゃうから…)

昼休み

男「……」モグモグ

女子1「それ最悪じゃない!?」

ヤンキー女「でしょー?」

女子2「てか、根暗くんいっつも1人でお弁当だよねw」

男「…ほっとけよ」モグモグ

ヤンキー女「お弁当美味しそうだよね」ズイ

女子1「ほんとだ」

男(ちょっ……なんだこいつら!)

ヤンキー女「ウィンナーもーらい!」

男「あっ!」

ヤンキー女「んふー!おいしー!」キャッキャッ

男「ほ、ほとんど食いやがった…」

ヤンキー女「ごめん…調子乗りすぎた…」

女子1「ヤンちゃんガッつき過ぎでしょw」

男「腹減ってたのに…」キッ

ヤンキー女「っ…」

男「はぁ……ごちそうさま…」ガタッ

ヤンキー女「あっ、ちょっと…」

スタスタ

女子2「あー行っちゃった。 怒ってるよ~アレ」

ヤンキー女「……」

女子2「ヤンちゃん?」

ヤンキー女「んえ? ああ、まっ大丈夫っしょw」

女子1「酷~w」

ヤンキー女「……」

図書室

男(おかずほとんど食うとか遠慮しらねえのかあいつ!!)

男(ていうか話掛けてくる意味が分からん!!)

男(まあいいや…)

男「……」パラッ

男(ふむ…意外と歴史小説って面白いな…良い気晴らしになるな…)

トントン

オタ女「こんちわw」

男「うおっ…こ、こんちわ…」

オタ女「また来たねw 昨日は心配したよw」

男「ああ、その節はどうも…」

オタ女「今日は何読んでるんだい?w」

男「これ…」

オタ女「おっw 今度は一転してまた硬派なモノをw」

オタ女「私への印象撤回の為かな?w」

男「っ…別にそんなんじゃねえよ…」

オタ女「まあまあw あたしそういうのには寛容だからねw」スッ

男「…?」

男(なんでこいつ隣に座るんだ…?)

オタ女「? どしたの?w ああ、お邪魔かな?w」

男「あ、いや、大丈夫…」

オタ女「そっかw」ニコ


男(………俺、女子から避けられる事無くなってないか?)

おもろいがな

夜 自宅

男「……」パラッ

男「…良いとこだけどそろそろ風呂行くか」

コンコン

男「はいー?」

妹「お兄、お風呂上がったよ」

男「!?」

妹「何?…」

男「そろそろ頃合いかと思ったけど…」

男「いつも話すの避けるのに……お前どうした??そんなの言い来ねえだろ」

妹「別に?さっさと入れば?」

風呂

男「ふぅ~…」チャポン

男(俺もだが、なんか周りの様子が変わったから調子狂うな…)

男(目覚めは良いし、何だか知らんがやる気が出てきた)

男(なんか知らんが女子に避けられ無くなってきたし……でもなぁ)

男(不意にエロい事考えちまうし、このところ匂いや近くに居るだけでも危ねえんだよなぁ……)

男(こりゃなんなんだ?…抜かなくなったからか?…)ブクブクブク

キタカ

はよはよはよ

待ってた

男の部屋

男「……なにしてんだ?」

妹「ゲーム」カチャカチャ

男「見りゃ分かるわ…てか自分の部屋戻れよ…」

妹「えー、今良いとこなんだけど」カチャカチャ

男「お前やっぱおかしいぞ?なんだよ急に…」

妹「……お兄こそおかしいよ?」

男「おかしいって…何がだよ?」

妹「んー…」

妹「急に朝早起きするし、ランニングしてくるし」

男「別に関係ないだろ」

妹「なんかイヤーな雰囲気無くなったみたいな?」

男「はぁ? なんだそりゃ」

妹「さぁ? 感覚だから説明できない」

妹「イヤーな雰囲気はイヤーな雰囲気なの」

男「……それで避けてたのか」

妹「正直キモかった」

男「てめえこのやろ…」

妹「だからキモかったって過去形だって。まぁ、またキモくなったら喋りませーん」

夢精で終了

三日の壁も超えられないクソオナ猿が通りますよ

>>67
通るなよww

深夜

男「……」

男「……っあああ!!!」 モンモン

男「ダメだ、めっちゃムラムラする」モンモン

男「ちくしょう…ここ数日エロらしいもんは目に入れてねえのに…」

男「くっ……何もしなくても妄想が浮かんできやがるっ…」

男「出したら死ぬってのに……そうだ本読もう…」

パラパラッ

パラパラッ

男「………だめだぁ」

男「くそぉ…どうする…どうすれば収まる…」モンモン

男「!…筋トレだ… 筋トレして疲れさせて…」

男「よしやるか!!!!」ガバッ

………………
…………
……


男「ふうっ… ぜんっぜん 回数こなせねえ……腕立て10回でへばるとか…」

男「やっぱ普段からやっとかねえと身体ってダメなんだな……効果はテキメンだけど…」

男「これからは筋トレも取り入れて行くか…」

禁欲7日目

教室

男(筋トレ張り切り過ぎた…)

男(ぜ、全身が痛い…)

男(そして眠い…)

男「……」ウツラウツラ

ヤンキー女「眠そうだねー」

男「んー…」

ヤンキー女「どーせ根暗君だからアニメ夜遅くまで見てたんでしょw」クスクス

男「んー…zzz」

ヤンキー女「…本当に何やってんだろ」

昼休み

ヤンキー女「根暗くーん」

男「zzz んー…」スヤスヤ

ヤンキー女「おーいってばーお昼だよー」ユサユサ

男「zzzzz…」

ヤンキー女「ねえってば」 カタモミ

男「あだだだっ!!!!!」 ズキーン

ヤンキー女「きゃっ!!」

男「ばかやろ!!!!昨日あんだけやって痛ぇんだよ!!!!!」

ヤンキー女「??? な、何を?」

男「あたた…なんでもない……」

ヤンキー女「えー気になるー」

男「君には関係ねえ…」

ヤンキー女「それより昨日はお弁当食べちゃってごめんね? これお返し!」

男「? これ君の弁当じゃ」

ヤンキー女「お詫びに作ってきたんだw」

男「え、いいのに。 怒ってないし」

ヤンキー女「まぁまぁ、せっかく作ったし食べて食べて」

男「えぇ…ありがとうございます…」

女1「えっ?ヤンちゃん根暗くんにお弁当作ったの?」

ヤンキー女「ほら昨日根暗くんのお弁当食べちゃったからw おわびおわびw」

女1「根暗くん勘違いしちゃうよーwww」

男(誰が勘違いするかよ!!!!こっちは非モテだ!!!!今更期待なんかしねえわ!!!!)

男(しかも今は抜けないせいでエロどころか女禁も迫られてんだよ!!!!!!)

男(関わってくんな!!!!いい匂いさせやがって!!!!近づいてきただけで反応しちまいそうなんだよ!!!!!)

男(興味ねえからあっちいってろ!!!!) モグ

男「おお、うまい」

ヤンキー女「でしょw 私女子力高いわーw」

女1「根暗くんその気になっちゃうじゃんw」

男(いちいち癪に障るな…)

ヤンキー女「そんであいつがさーw」ペチャクチャ

女1「やばいじゃんw」ペチャクチャ

男(なんでこいつらは俺の机で飯を食ってんだ?)

ヤンキー女 プルン

女1 フトモモチラッ

男(てめえら無防備過ぎんだよ!!!!視姦の警戒しろや!!!!!)ガツガツガツ

男「ごっそさん!!!!」ガタッ

ヤンキー女「あれ、どこ行くのー?」

男「図書室!!」スタスタ

女1「なにあいつ」

女1「…最近よく根暗くんと話ししてない?」

ヤンキー女「なんかねーw」

女1「前まで全然話してなくなかった?」

ヤンキー女「隣なのにねw でも見てると結構面白いよw」

女1「そう?なんかキモくない?」

ヤンキー女「なんか、雰囲気変わったんだよね」

女1「…確かに。もっとオドオドしてた気が…」

ヤンキー女「まぁ話せるようになったから退屈しなくなったよねw」

女2「ヤンちゃんいた~」

ヤンキー女「きゃー!ご飯食べよー!」

ペチャクチャ

男(…ふぅ、本読んでたら落ち着いてきた)

男(あのヤンキー女と取り巻きの女達、だんだん距離近くなってきてんな……)

男(非常にマズイぞ…むしろ前のがこのオナ禁イージーモードだった…)

男「はぁ…参ったな…」

オタ女「困ってそうだねw」

男「…………」(図書室に来ればオタ女か……)

男「うん…困った…」

モテモテ

オタ女「どしたのw」

男「うん…なんていうかな…」ジッ

オタ女「っ…何か青春的な悩みかなw」

男(女と関わらないようにする事の悩みだよ…)

男「いやなんでもない…」ハァ

オタ女「そ、そっか…w」

男「あんま私語がうるせえと注意されるぞ。図書委員だろ…」

オタ女「ああ、ごめん…」シュン

男「そろそろ戻る…」

オタ女「あ、うん…」

オタ女「あのさ…w」

男「うん?」

オタ女「せっかく読書に集中してるのにごめんねw次からはもう話し掛けないからさw」

男「え、いやいやたまたま集中できないだけだったからさ…そんな邪険にするつもりは…」

オタ女「そ、そっか!w 良かった!」ニコ

男「っ」ドキッ

男「ああ…」スタスタ



オタ女「………」

夜 自宅

カタカタ

妹「お兄さ~このゲームむずい~」

男「んー」

妹「無視~?」

男「今忙しいんだよ」pc カタカタ

男(最近やけに女と関わるようになったかと思ったら……)

男(オナ禁効果について…禁欲する事で良性の男性ホルモンが分泌されて身体能力の向上、気力の充実が期待できる)

男(さらにはエロ禁と筋トレ、有酸素運動をする事によってさらなる効果を期待できる)

男(つまり………モテる…?)

男「ダメじゃねえか!!!!!」ガタッ

妹「きゃっ」ビクッ

男(オナ禁して、エロ禁して、筋トレと有酸素運動)

男(全部実行してるじゃねえか!!!!!)

男(いや、素の素材がゴミなら効果なんてスズメの涙じゃ?)

オタ女『やぁ!また会ったね!』

ヤンキー女『これお返し!』


男(スズメの涙でもでけえ!!!!!!)ガンッ!!!!!

男(ん?なになに?…エロ禁併用のオナ禁は効果を2倍以上に…)

男「もっとダメじゃねえか!!!!!」

妹「ひゃん」ビクッ

男(しかしこれらの効果はプラシーボ効果である可能性もあるので主たる効果は気力と身体の充実…)

男(だよな?だよな?こんなことだけじゃモテるはずがねえ。モテるのはヤンキー、チャラ男、ガチイケメン、ラノベ主人公って相場が)

妹「ねえー対戦しよーよー」カタモミッ

男「あだだっ!!!!」

妹「何さわいでんの?」

男(そういやこいつも避けなく…)

男「は、はは…まさか俺に限って…」

妹「??」

自意識過剰、日常でこの位喋るのは普通
と思わんとやっとれんわな

待ってる!

67の者だが、エロ禁して、もしムラついたらこのSS読み返すようにしてたら昨日三日目突破できた
このSSのおかげでオナ禁自己新記録達成できたわ

禁欲8日目

男「……」タッタッタッ

男(学校休みだからもっと寝ようと思ったけど…)

男(いつも通り起きちまったな…)

男「ふぅ……走り足りねえな」

男「ちょっと遠くまで行ってみるか」

タッタッタッ

女1&2「ヤンちゃんおつかれー!」

ヤンキー女「おっつー!またねー!」

ヤンキー女「はぁ~またオールしちゃった~」

ヤンキー女「ねんむっ…」フワァーア

ヤンキー女「早く帰ろ……」

テクテク

公園のベンチにて

ヤンキー女「ふぁ~ぁ…こいつすげぇLINEしてくるじゃん…」スマホポチポチ

ヤンキー女「わたしゃそんなかる~い女じゃねえっつの~」

ヤンキー女「あーぁ…家帰ったらまた叱られるなぁ…」

タッタッタッ

男「ハァッ…ハァッ……」タッタッタッ

ヤンキー女「…! 根暗くんじゃん!」

男「ぁっ? ッ…ハァッ…ハァッ…ヤ、ヤンキー女…? ハァッ、ハァッ…!」

ヤンキー女「汗だくじゃん!何してんの?」

男(チッ…なんでこんなとこに…)ゼェゼェ

男「き、君こそっ…こんな朝っぱらにっ…」ゼェゼェ

ヤンキー女「オールの帰りだけど…だ、大丈夫?」

男「あ、あぁ…何とか、走り過ぎた…」ゼェゼェ

ヤンキー女「…ちょ、ほらコレ午後ティーだけど飲む?」

男「飲む!!!!」クワッ

ヤンキー女「のみかk」

バッ

ゴクッゴクッ

男「プハッ! …ありがとう!」

男「ふぅ…あっ、全部飲んじゃった…」

ヤンキー女「…別にいいよ、どーせ全部飲まなかったし」

男「じゃあ…金を、 ごめん無い…」

ヤンキー女「良いって良いって」

男「……」ゼェ ゼェ

ヤンキー女「……座れば?」

男「ああ…」スッ

ヤンキー女「…」

男「……疲れた」

ヤンキー女「…いつも走ってんの?」

男「いや…最近ね…」

ヤンキー女「なんで?」

男「なんで…うーん…」(性欲抑える為なんて言えるかよ…)

ヤンキー女「モテたいから?w」

男「……違う」

ヤンキー女「ふーん…なんか偉いね」

男「…へへっ、馬鹿にしてんだろ」

ヤンキー女「バレた?w ふふっ」

ヤンキー女「でもなんかカッコいいかもw」

男「はいはい…てかオールって、よく補導されなかったな?」

ヤンキー女「私服だと分からないよ~?」

ヤンキー女 ムチムチ

男(しまった!!!!!よく見ると目に毒だこいつ!!!!!)

ヤンキー女「だからカラオケ、ボーリング行って問題なーし!」

ヤンキー女「家帰ってもつまらないし?…」

男「……」ジッ

ヤンキー女「何その目wウケるw…」

男(てめえのその格好のせいだよ…) 「あんま…」

男「オールとかフラつくの危ねえんじゃねえの?」

ヤンキー女「!」

男「……」

ヤンキー女「ぷっ…キャハハハッ!」

ヤンキー女「何?心配してくれんの?www」

ヤンキー女「お弁当のお返しでその気になっちゃった?www」

男(馬鹿野郎が、その気になるわきゃねえだろ!!!!! 会いたくねえんだよ!!!!)

男「はぁ… さぁてとっ!」スクッ

ヤンキー女「あれ?行くの?」

男「午後ティーありがとう、お返しするから…」タッタッタッ


ヤンキー女「…ふーん」

ヤンキー女「ふ~~ん…」

ヤンキー女「根暗くんねぇ……」

押したり引いたり、無意識に巧妙な駆け引きしてるな

これはモテるな

見るだけで反応しそうにとか言うレベルのやつは夢精して終わり

寝てても出す前に胸苦しくなって起きちゃうんじゃない?

深夜に夢精しそうになって飛び起きるのか……

嫌だな

男の部屋

男「……」パラッ

男「お、わ、り…」パタン

男「……まだ9時半かよ」

男(最近時間が経つのが遅く感じるんだよな…濃密って言うのか?…)

男(卑猥な事考える時間削げば当たり前か…)

男「暇だし、図書館でも行くか…」

スタスタ

男(ほぇ~、こんな所に空手道場なんてあったんだなぁ。外は歩いてみるもんだな)

男(しかし自転車で来りゃ良かったな…歩くと結構距離あるわ…)

「アレ? おーい」

男「?」クルッ

オタ女「こんちゃw」


男「こ、こんちわ…」

男(オタ女か…こいつは露出度低いから無害だな)

男(よく考えてみりゃ…露出度高い低い関わらず身体を見るってすげぇ失礼だな…)

男(男の性だって言えばそうなんだろうが女からしたら気持ち悪い意外の何ものでもねえな…)

オタ女「奇遇だねw どこか行くの?」

男「図書館にな」ジッ

男(ちゃんと顔を目を見て気持ちを込めて話すようにしよう)

オタ女「へ、あ、じゃあ一緒だねw 私もこれから行くんだよw」フイッ

男(顔逸らされた……キモかったか…)

オタ女「よ、良かったら一緒にい、行かない?…」

男「ん?ああ、そうだな」

オタ女「! へ、えへへw じゃ行こっかw」

男(顔そらされたけど笑顔だ…よく分からん…)

トテトテ
スタスタ

オタ女「それでその物語の主人公はね、父と妾の間の子供なんだけど優秀でさ…」

男「ほー、逆境生まれってのは熱いよな」

オタ女「でしょでしょ!私もそういうベタな展開大好きでね!」

男「へへっ…そうか…」ニコ

オタ女「…。わ、私喋りすぎだよね…」

男「? いや?聞いてて面白いぞ」

オタ女「そう?」

男(こんな喋ってくれる女の子初めてだからな。逆に嬉しいよ)

ktkr


待ってた

乙!

図書館

男「ほぇ~。でけえんだなぁ。」

オタ女「中々充実してるでしょ?w」

男「じゃ、各自別行動だな」

オタ女「借りるの済んだらあそこのフリースペースで私待ってるねw」

男「え? いや、いいのか?」

オタ女「? なんで?」

男「用が済んだら帰って良いんだぜ?」

オタ女「いいよwどうせ暇だしw」

男「ああ、そう」


男(待ってくれるのか…家族ですら待ってくれやしねえのに…女の子には避けられて当たり前だったからなんかやりにくいな。)



男(この本は面白そうだな)パラッ

男(……変な奴に禁欲させられて今日で8日目か)

男(まぁ、おかげで目覚めは良いし気力も満タンだけどよ…)

男(こんな俺なのに何故か女の子が寄ってくるのは誤算だった……)

男(モテ期って奴? これも禁欲効果か?いやいやいや…モテたらダメなんだよ…)

男(モテたって最終的にはヤルんだ…すなわち死…)

男(まぁ、大体よ。ヤンキー女とかオタ女とかああいう可愛い子は大抵ご予約済みなんだ。)

男(それに俺は冴えねえ根暗だ。ワンチャンもツーチャンも無えよ。)

男(問題はいかに性欲をぶっ飛ばしていくか……)

図書館 フリースペース

男(ふぅ、借りた借りた)

オタ女「……」

男(うぉ、マジで待ってくれてる…)

男「ごめん、待たせた」

オタ女「あ、終わった?w 結構借りるんだねw」

オタ女「なになに…偉人伝、ストア派の手引き…へぇw硬派だねぇw」ズイッ

男「ほっとけ…」(近い!!!!!)

オタ女「行こっかw」

男「ああ」

ザァァァ

オタ女「あ、雨だ…」

男「マジかよ、さっきまであんなに晴れてたのに」

オタ女「フッフッフッw女子力を発揮する時が来たようだねw 」ガサゴソ

オタ女「ジャーンw 折り畳み傘!」

男「あ、くそ!良いな!」

オタ女「フッフッフッ、抜かりはないのだよw」

男「しゃあねえ、ダッシュで帰るか…じゃあ、気をつけ」タッ

オタ女「あ!ちょいちょい!」

男「ん!?」

オタ女「か、傘に入れば?…」

ザァァァ

オタ女「んー…結構君って大きいんだね…」

男「君が小ちゃいんだ …」

オタ女「あー!傷ついたー!」


男(オタ女もかなり濡れてるな…俺はどうせ途中で別れるから濡れてもいっか…やっぱりダッシュで帰ろう)

オタ女「そういえばさ」

男「ん?」

オタ女「名前教えてなかったねw」

男「ああ、そういえば。でも去年クラス一緒だったから君の名前は分かるぜ」

オタ女「ほんと?…実は私も君覚えてたんだよね…でも君が覚えてるかなぁって…」

男「あー…俺人見知りだからな…悪い悪い…」

オタ女「フッフッフッw 日陰者同士気が合いそうですなぁw」

男「へへっ、違いねえかもな……よしっ!」タッ

オタ女「あ、どうしたの?濡れちゃうよ?」

男「やっぱり俺はダッシュで帰る!オタ女相当濡れてるしな!」

男「傘ありがとう!」ダダダッ

オタ女「あっ…」

オタ女「男くんのが濡れちゃうじゃん…」

オタ女「優しーんだねぇw……」


オタ女「………私のこと覚えてたかぁ」


無意識なイケメンムーヴで心をくすぐっていくスタイル
これが心体の充実か……

オナ禁しようそうしよう

面白い

いつまで俺にオナ禁させる気なんだ!

1です。再開までもう少し待ってください。

やったー!待ってる!

やったぜ

禁欲25日目 早朝

男「……」ムクリ

カレンダー

男(あと5日で約1ヶ月か)

男(シコらなくなってコンディションは良い)ゴソゴソ

男(身体は疲れにくいし、頭も冴える) キガエ

男「……」

母「あらおはよ! 今日も早いのね!」

男「ああ」

ガチャッ

タッタッタッタッ

タッタッタッタッ

男「……」

男(シコらなくなって時間がかなりできるようになった)

男(その時間は勉強にも筋トレ、ランニングにも当てられるようになった)

男(なにより…)

男(この朝日はすごく良い景色で心が安らぐ)

ミーンミーンミンミン

男「しかし暑いな…もう夏だな…」

男(最初の1週間はキツかったが大分性欲は抑えられるようになった)

男(そんな俺が今1番悩んでる事は…)

男(何の為に禁欲をやらされてるのか…分からないことだ…)

男(いや…)

ヤンキー女「でさでさー?カラオケ行ったらそいつマジしつこくてー?」

女1「やっぱヤンちゃんモテる~!遊び人じゃん!」

女2「あ!ネイル変えた!?」

ヤンキー女「そうそうー!! これねこれね?」

男(女の子の事だ……)

男「なぁ…? 弁当食いてえんだけど…」

ヤンキー女&女1&女2「ん? 食べれば?」

男「じゃあ、どいてくれよ…いつから俺の机はくっちゃべる場所に…」

女1「てかそのヤンちゃん狙ってる男子さ~、マジで一途じゃない?」

ヤンキー女「いや、あいつはエロい事しか考えてないよ~?目線ヤバいもん!」

男「無視かよ…」


男(いつからか俺の机はこいつらのダベり場に変わった)

ヤンキー女「その点根暗くんはそういう目しないから安心しちゃうよね~」

女2「人畜無害っぽいもん!」

男「褒めてんのかそれ…」モグモグ

女1「てかワックスとかつけないの? ウワッ、サラッサラッ」サワサワ

女2「わわっ!ヤバいヤバい! キャハッ」

ヤンキー女「や~!髪の毛のキューティクルハンパないじゃん!」サワサワ

男「飯の邪魔すんな…」モグモグ

キャッキャッ ペチャクチャ

男(2週間過ぎた辺りからこんな感じで女の子達の絡みが激しくなり始めた…)

男(異性への興味を一切遮断してからだ…)

男「……ごっそさん」 スクッ

ヤンキー女「あっ、そういえば根暗くんさ」

ヤンキー女「お昼食べた後いつもどこ行ってんの?」

男「ん? 図書室」

ヤンキー女「……ふーん」

男「?」スタスタ

図書委員室

男「おっす」

オタ女「やぁw 今日は早いねw」

男「クラスだと落ち着かねえからな」

オタ女「そっかw」

男(図書室に通うようになってオタ女の計らいでこの委員室を使わせてくれるようになった)

男(オタ女は他の女子と違って気を使わなくて済むのが幸いだ)

男「……」パラッ

オタ女「…」

男(昼休みはこうして本を読むのが日課になっている)

ガラッ

ヤンキー女「あっ! いたいた~!」

男「うおっ…」

オタ女「…ど、どなた様で?」

ヤンキー女「ん? クラスメイトで~す」

男「何しに来たんだよ?」

ヤンキー女「も~そんな怖いしないでよ~」

オタ女「……」ウツムキ

ヤンキー女「いつもどっか行くから気になって~」

男「…本読んでんだよ」

ヤンキー女「え~! なんの本? 難しそーじゃない?」

オタ女「あ、あっ…お邪魔そうだから外でてるねw」スクッ

男「あ、おい…」

ヤンキー女「………」

男「はぁ…君が来るから…」

ヤンキー女「まぁまぁ! 初めて来たんだからいいじゃん?」

ヤンキー女「あの子といっつも一緒なの?」

男「…まあ」

ヤンキー女「へー…確かにお似合いかもね?」

男「そんなんじゃねえよ…」

ヤンキー女「ふーん?……」

ヤンキー女「そーいえば約束覚えてるでしょ?」

男「え?」

ヤンキー女「えー?覚えてない感じ?ほら、前に根暗と公園で会った時さ、私の飲みかけの午後ティー飲んだじゃん!」

男「……ああ! あったな」

ヤンキー女「そのお返しまだなんですけど?」

男「あーそういえば…」

ヤンキー女「だから~」

ヤンキー女「根暗くんのおごりで遊びに連れてってよw」

男「はぁ??」

男「ちょっ、それ見合って無いだろ」

ヤンキー女「かなり経ってるから利子利子!」

ヤンキー女「今日の放課後ね! 下駄箱で~! あざーっす!」ガラッ

男「あ! おい!!……はぁ…」

男(午後ティー如きでそこまでねだるか…参った…)

オタ女「………」

男「オタ女…ゴメン…」

オタ女「ううん?…全然w」

オタ女「男くんてやっぱモテるんだねw」

男「はぁ?? 俺が?」

男「俺のモテなさは画期的だぞ?」

男(というかモテたらすげえ困る)

オタ女「……」

放課後

男(俺がモテる…? そんなこと考えた事すらねえ…)

男(こんな陰で本読んでるような奴がモテる訳ねえ…)

男(ていうかモテたら結果的に死が待ってるんだぞ?)

男(変な話…)

ヤンキー女「うぃーっす、じゃどこ行こかー」

男(女の子遠ざけなきゃ行けないんじゃ?)


男(あれ?…これマズくねえか?…)

ヤンキー女「根暗くん普段何して遊んでんの?」


男(これデートじゃね?)

乙待ってた!

乙なの
オタ女頑張れー

ファミレス

ヤンキー女「は~!歌った~!」

男「カラオケってなんか歌う時緊張するな…」

ヤンキー女「意外と上手くてキモかった~w」

男「ほっとけ馬鹿野郎…」

ヤンキー女「カラオケ代ゴチっす~」

男「へーい…」

ヤンキー女「ゲーセンも楽しかった~」

男「そっか…」

男(カップルって毎日こんな楽しいんかな…)

ヤンキー女「何食べよっかな~」

男「……」

ヤンキー女「?」 チラッ

男「……」

ヤンキー女「何?wジッと見て?www キモっwwww」

男「…楽しかったか?」

ヤンキー女「えw うん、意外とねw」

男「ふっ、意外とかw まぁ良かった」

男(俺と遊んで楽しいと思ってくれる子が居てくれるって…嬉しいな…)

ヤンキー女「なんか根暗くんて雰囲気変わったよね」

男「そうか?」

ヤンキー女「そんな返事もできないような奴だったっしょw」

男「ああ、まぁ…」

ヤンキー女「好きな子できたっしょ?w」

男「え?」

ヤンキー女「ほら、図書室に一緒にいたあの地味子ちゃんw」

男「え?いや、そういうことでは…」

ヤンキー女「じゃなんでランニングとかしてんの?カッコよくなりたいからじゃないの?」

男「………」

男(変な奴に禁欲させられてるって信じてもらえねえだろなぁ…)

男「まぁ…君には関係ないよ」

ヤンキー女「ふーん…」

ヤンキー女「カッコいいかも」

男「それより早く頼めば?」

ヤンキー女「うん…」

男(なんだ?急にしおらしくなって)


「おっ!?」

DQN男「ヤンちゃん!ヤンちゃん!めっちゃ奇遇やーん!!」

男(っ、こいつは…)

取り巻きDQN「ひゅーっ! この子か! うほっw マジすげえwww」

ヤンキー女「何?」

DQN男「ここで会うとか運命感じない? LINE無視すんなよw」ズイッ

ヤンキー女「座ってこないでくれない? 馴れ馴れしい」

男(俺んとこの高校の札付きのワル…)

取り巻きDQN「ちょっとしつれーい」


男(……なんだ? この気持ち…)

男(前の俺ならビクビク震えてんのに…)

男(ヤケにムカッ腹立ってきた…)ムカムカ

DQN男「おっ? 誰こいつ?」

ヤンキー女「クラスメイト」

DQN男「ほーん? おい」

男「……」ギロッ

DQN男「何ガン飛ばしてんの?」

男「…お前が見てっからだろ」

DQN男「あっ? 殺すぞ?」

ヤンキー女「ちょ、ちょっと…」

取り巻きDQN「あーあキレちゃったw」

DQN男「こいつ腹立つなぁ。 お前こっちこい」ガッ

男「ぐっ…!!」

DQN男「しばく。 外出ろ」

ヤンキー女「ちょっと離してあげてよ!」

取り巻きDQN「DQNくんまた停学になるぞ!」

男「……」

男(こいつ…自分が強えからってなんでもやっていいと思ってんのか…?)

ファミレス外

DQN男「おらっ!」 バキッ

男「っ!」

DQN男「弱っw」バキッ

男(痛え…この野郎…)

DQN男「お前みてえに弱え癖に粋がってんの腹立つんだよ」バキッ

ヤンキー女「いやっ! 誰か警察!」

ザワザワ

男「この野郎っ!!」 ベキッ

DQN男「いつっ!」

男(俺だっててめえみてえに粋がってる奴が腹立つ!!!!!)

男「クソ野郎おお!!」 タックル

DQN男「うおおっと!!」

取り巻きDQN「DQNくん!!」ドゴッ

男「ぁがっ!!」

DQN男「こんにゃろっ…」 ベキッ

取り巻きDQN「調子乗んな!!」ドガッ

男「っ!!…いぎっ!!……」

取り巻きDQN「DQNくん!そろそろ逃げないと捕まるって!」

DQN男「2度とガンくれるんじゃねえぞ!!」ドガッ

男「………」

ヤンキー女「根暗くん!!? 根暗くん!!?」


男(痛え……)

………………
……………
………
……

男(その夜、騒ぎになるのが怖くなって痛みをおして必死でその場から逃げた)

男(ヤンキー女が警察に行こうとか教員にいうとかパニックになってたのを何とかなだめてた)

男(俺は…ボッコボコにされた痛みと悔しさで眠れなかった…)

男(一方的にやられっぱなしで終わった自分が情けなかった…)

男(女の子とデートして浮かれてた自分が滑稽に思えた…)

男(そして何故か自分の過去を思い返してた…)

男(あの変な奴に禁欲させられるまでの俺なんて散々だった…)

男(毎日快楽に耽って、それ以外は何の楽しみなんてない…)

男(それが最近、女の子と接点を持つようになって正直…浮かれてた…)

男(それが強い男を前にしたらボッコボコにされてこんなザマだ…)

男(情けねえ……)

男(情けねえよ……)

男「はぁーあ……」

ヤンキー女『本当に大丈夫?? あ…血出てるじゃん……』

オタ女『やっほーw あ、そうそう!最近この本面白くてさ!』

男「……」

DQN男『お前みてえに弱え癖に粋がってんの腹立つんだよ』

男「………ああいう知性もねえ輩が女の子かっさらってくんだよな」

男「……」ワナワナワナ

男「あんの野郎……」

男「復讐だ…」

男「やられっぱなしで終わってたまるかよ…っ!!!!」ギリッ

男「絶対あいつより強くなって……」

男「あのヘラヘラした顔を叩き潰す…!!」

律真流空手道場

男「……」

男(オタ女と図書館行った時に見つけた空手道場…)

男(とにかく強くなるんだ…。しっかし……)

ボロボロ

男「ボロいなぁここ…大丈夫か?…」

「おお!! あなたはここの門下生ですか!!??」

男「ん?…」

煩い男「こんにちわ!! 僕はここの道場に入門したいのですが!!?」

男「えっ、いやっ、俺もこれから入門しようと…」

煩男「おお!!じゃあ同輩ですね!!」

男「ああ、そうなるかな?…」

ボロボロ

煩男「ボロいなぁここ!!」

男「これから入る所にすげえ言うなお前」

煩男「とにかく入ろうか!!どうぞ!!」

男「お前の家かよ…」

ガタッ

煩男「むっ!建てつけが悪いな!」

男「…ちょいと貸せよ」

ガタガタッ

男「んだこれ…おらっ!!」

ガシャーン!!!!

男「あっ…引き戸外れちまった…」

煩男「やったなぁ!!」

男「あ、ああ…ある意味…」

??「何やっとるかぁ!!!!!!!!」

煩男&男「うおっ!!!??」

??「あああ!!!!引き戸が!!??」

??「何じゃ貴様らはぁ!!???」



道場師範の老人「何の用じゃあ!!!!!!」

煩男「この道場に入門しに来ました!!!!」

師範「なぁにぃ!!??入門しにくるんならもっと穏やかに入らんかぁ!!!!」

男(うるせえなこいつら……)

師範「そのとなりの根暗もかぁ!!」

男「……そうです」

師範「ったく……最近の若もんは…」

師範「悪いがやめておくんだな。ワシに弟子入りした者は皆途中で逃げ出す」

師範「それだけここの稽古は厳しい。命を落とすかもしれん。生半可な覚悟では修める事かなわんぞ」

師範「…だが」

師範「……貴様ら、随分といい目をしてるな」

煩男&男「……」

師範「今時珍しい、自分を律する男の目だ」

男(……?)

師範「この律真流空手道場。律は己を制する事、真は真の強さの事、その二文字を合わせて律真。自制心を鍛えて真の男になる為の修行の場がこの道場で

煩男「月謝はいくらですか!!!??」

師範「最後まで聞かんかぁ!!!!!」ウガーッ


男(真の男か…中々いい道場かもしれねえな…)

師範「まぁ、そう言う事だ…。貴様、なんで入門しようと思った」

煩男「……何か燃えるような事に自分の身を打ち込んでみたいからです!!」

師範「根暗は」

男「根暗って…確かにそうだけど、俺は……ただ強くなりたいです…」

師範「ほぉ、さしずめ復讐といったところだな。まあいいだろう」

男「!?」

師範「ふむ…貴様らなら耐えられそうだのう」

師範「それより貴様ら」

師範「女はいるのか?」

煩男「居ないです!!」

男「居ないです…」

師範「居ないだろうなぁ!!!!」ガッハハハハハ

師範「よしよし、貴様らにこれから修行を始めるにあたって大事な事を伝えよう」

師範「修行中一切、自慰行為をしてはならん」

師範「精液はあらゆる生命の源だ。その精液を体外に排出する事を一切禁ずる」

男「!!!???」

煩男「…………」

男(このジジイ…あの変な奴と全く一緒の事を…)

師範「つまり禁欲を貴様らに課す。まぁ、貴様ら既に己に課してるらしいがな」

煩男「分かるんですか!!?」

師範「当たり前じゃ。目を見ればわかる」

師範「目先の快楽に耽っている奴らの目を見てみろ。目に光は無く、弱々しく、焦点は定まらん」

師範「常に何かに怯えて、淫らなものを期待した下衆な目をしている」

師範「そんな奴らは態度にも出ている。気弱い者は背中を丸め、気の強い者は虚栄に溢れていて皆中身がない」

師範「性欲に駆られた哀れなケダモノの末路よ」

煩男&男「………」

師範「それと逆に自制心のある者の目は違う」

師範「目には力溢れて、動かず、真実を見通す」

師範「それ以上言葉はいらん。とにかく性欲は人間の本能で最も強い欲求じゃ」

師範「真の強さには自制心が肝要じゃ。それを貴様らに教えてやろう」

師範「覚悟ができていればの話だがの?」

男「できています」

煩男「僕もです!!」


師範「ふむ…」

男の家

妹「なーんで3ヶ月も家あけんのさー」

男「んー」ガサゴソ

妹「第1、休むなんて出席大丈夫なのー?」ベッタリ

男「離れろうっとうしい! 途中夏休み挟むし出席は大丈夫、適当に不登校って事にしといても誰も心配しねえよ」

男「なにより母さんが分かってくれたのが良かったよ…」

妹「ふーん…」

師範『明日から山籠りじゃ。3ヶ月はこのシャバには戻れんぞ?高校生ならそれがギリギリの欠席日数になるだろうが良いか?』


男「少し、自制心って奴に興味出てきたんだ」

妹「んえ?」ベッタリ

男「離れろ!暑い!」


修行編突入か

やめろ
たった今オナったばかりの俺にこのSSは効く

年の瀬にオナニーかよ俺…

俺も頑張ろうかな

早朝 律真流空手道場前

煩男「おはよう!!!!良い天気だなぁ!!!」

男「おはよう。どうみても曇りだろが」

煩男「気分だけでも晴れやかに行きたいからなあ!!!」

男「そういや、自己紹介まだだったな。 俺は男」

煩男「おれは煩男(うるさい男)!!!!よろしく!!」

男「お前もしかして…C組の?」

煩男「!! そうだ!!同じ高校なんだなあ!!」


男(こいつやたらうるさくて1年の時疎まれてたよな…)


男(でも…全然印象が違えな…明るくて憎めない…)

煩男「しかし師範がここで待てって言ってたが」

男「山籠りだからな…もしかしてここから山まで徒歩なんじゃ…」

煩男「むっ…ありえるな…!!」

ブロロロ

師範「うお~い貴様ら~! 乗れ~い!!」

煩男「ワゴン車だなぁ!!!!」

男「あらっ…」ズルッ

…………
……


ブロローン

師範「ワシらが向かうのは隣の県にある○○山じゃ」

師範「3ヶ月で貴様らにワシの持てる全てを叩き込んでやろう」

師範「今まで、ついてこれたのは…居ない」

煩男「ええ!!!!」

男「………」

師範「厳しい修行になるが成し遂げた暁には…」

男「……」

師範「まぁ、成し遂げたその身で確かめてみる事だな」

煩男「楽しみですなぁ!!!!」

師範「貴様はいちいち大きい声でしゃべるな!!!!」

男(一体どんな事が待ってるんだろう…)

………
……


ブロロ… キキッ

師範「着いたぞ~」

男「!……」

煩男「なんだ、結構しっかりした合宿所ですな」

師範「ここは律真流空手の…獅子の崖じゃ」

師範「貴様らはいわば崖から落とされた獅子の子よ」

師範「這い上がってこれなければ、死ぬのみ」

師範「覚悟は良いな」ギロッ

煩男&男「………」

男「カッコつけ過ぎじゃねえか?」ヒソヒソ
煩男「漫画の影響受け過ぎだろうなぁ」ヒソヒソ

師範「聞こえとるわこの馬鹿どもがぁ!!!!!さっさと荷物を部屋に運ばんかぁ!!!!!!」ウガアアア

煩男「お邪魔しまあす!!!!」

男「お邪魔します」

??「あらあら、この子達が噂の2人ね?」

師範「ああ、よろしく頼むぞ」

男「この方は?」

師範「ワシの妻じゃ、身の回りの世話をしてくれる」

師範の妻「よーく来たわねえ。2人とも頑張るのよ!」

煩男「優しそうなご婦人ですな!!!!」

師範の妻「あらあら!元気一杯ねえ!私も若返りそう! じゃ、部屋に案内するわねえ!」

師範妻「ここがあなた達の2人部屋よ」

男「ほぇ~、結構広いな」

煩男「のびのびできるなぁ!!」

師範「ほれ、貴様らのんびりしてる暇は無いぞ。下の道場に急がんか」

煩男&男「はい!」

………
……


師範「これが貴様らの道着じゃ。これから3ヶ月大切に使うように」

煩男&男「はい」

師範「よし…さっさと着替えんか!!着替えたら早速走るんじゃぞ!!!!」


こうして過酷な2人の日々が始まった

修行 初日

師範「ほれほれぇい!!!!走らんか走らんかぁ!!!!」ダダダッ

煩男「はぁっ…!!! はぁっ!!!こんな山道を走れと…!!」ヨロヨロ

男「はぁっ!!……どんな体力してんだあのジジイ…!!!」ヨロヨロ

………………

男「くぅぅっ…ようやく帰ってきた…」ゼェゼェ

煩男「…………」ゼェゼェ

師範「なんじゃ煩男!!これだけで静かになるとは、甘ったれとるなぁ!!」

煩男「っ…」

師範「休んどる暇は無いぞ!!!! 次は腕立て、背筋、スクワットそれぞれ300本ずつじゃ!!!!」

男&煩男「はぁぁぁ!!??」

師範「ほらほらへばるでない!!!! 300本なぞ序の序の序の口の本数じゃぞ!!!」フンフンフン

男「っ…ぐぁぁぁ!!!!」グギギギ

煩男「ああああ!!!!…」グギギギ

男(ジジイ…!! よくそんな歳で楽々と…!!!!)

煩男(バケモノかこのご老体は…!!!!)

…………
………


師範「ほれほれ!!300!!!!よぉし!!!」

男「………うああ!」ドサッ

煩男「あたたっ……」ドサッ


師範「よぉし!!!ウォームアップは終わりじゃ!!次はいよいよ空手の基本中の基本!!構えと正拳突きじゃ!!」


煩男&男「えええええ……」

師範「腰を落とし…へそ辺りにある丹田に意識を起き…打つっ!!」シャッ

師範「これが正拳突きじゃ…っと」

煩男&男「」グデーン

師範「しっかりと見んか馬鹿どもがぁ!!!!」

男「見てます……」

煩男「同じく……」

師範「よし!!最初だから正拳突き500本じゃ!!」

…………
………
……


師範「よーし。今日はここまでじゃ」

師範「黙想!………礼!!」


煩男&男「あ、ありがとうございました…」

食堂

師範の妻「はーい!ご苦労さまっ!たーんとお食べなさいねぇ!」

ドッサリ

煩男「と、とんでもない量だ……」

男「見るだけで吐きそうだ……」

師範「貴様ら…無理にでも詰め込まんと死ぬぞ?」

煩男&男「ぇぇぇ……」

………………

浴場

カポーン

煩男&男「……………」

男「とんでもない道場に入門しちまったな…」

煩男「ああ……身体中が痛い……」

男「この日々が3ヶ月だぜ……?」

煩男「ああ……」

煩男「しかしな…僕は…やり遂げてみたいって思った」

男「……」

煩男「君も何か目的があって入門したんだろう…?」

男「まぁ…一応な…」

煩男「僕はね…虚栄心が強いんだ…」

煩男「他人から凄いと思われたくて、ポーズだけとったり、口では大きな事を言ったりしてさ…」

煩男「だから何一つ、やり遂げた事がないんだ…」

煩男「楽な事ばっかに逃げて、毎日…」

煩男「それがある日ね…夢で神様みたいな人から…その……」

男「!?」

男「そ、それってよ…」

男「もしかしてあのジジイから言われた通り、禁欲しろって言われなかったか?」

煩男「なんでそれを!!!!」

男「……俺もなんだよ」

煩男「ええっ!!?」

男「精液出したら命を返して貰うって言われただろ…」

煩男「全くその通りだ…!!」

男「一体なんなんだ……」

煩男&男「…………」

煩男「…禁欲してからだいぶ考え方とか変わって来てなぁ」

煩男「何か一つやるなら、燃えるような事に打ち込んで…強くなろうと思ったんだ…」

煩男「何か一つやり遂げれば…本当に中身がある男になれる…!!!!」

煩男「真の男になるぞ!!!!!なぁ男くん!!!!」

煩男「頑張るぞぉ!!!!!」バッシャーン

男「うるせぇ!!!! めっちゃ元気じゃねえか!!!!」

男(こいつも禁欲してから変わっていったんだな……)

男(俺も…変わりてぇ…)

修行2日目

男「うごぉあああ…!!!!」ズキズキ

煩男「き、筋肉痛が…!!!」ズキズキ

師範「おはよう!!!! いい天気じゃのう!!!!」

師範「さっそく走るぞ!!!!」ダダダダダッ

煩男&男「ええええええ!!」

……………………

師範妻「はぁい! これしっかり飲んで鍛えるのよ!」

男「……何ですかこれ」

師範妻「プロテインよ。マッスルマッスル!」

煩男「結構科学的なんですなぁ!!!!」

修行5日目

男「……休みがあって良かったよな」

煩男「ああ……意外と理論的な師範だなぁ」

男「あんな修行毎日あったら死んじまうわ…」

師範「稽古は休みじゃが今日は座学じゃあ!!!!!!!!」ガラッ!!!!!

煩男「どああああ!!!??」

男「なんだジジイ!!今日は休みつったろ!!!!」

師範「修行だからなぁ!!!今日はお前たちを座学で鍛えてやる!!!!」

師範「時に男!!!!! 男とはなんぞや!!!??」

男「はぁ?」

師範「男とは!! 信念に生き!!信念に死ねる者のことよ!!」

煩男「おぉ!!!!」

男「………」

師範「座学終わり!!!!」ピシャン


男&煩男「………」

男「やっぱカッコつけすぎだよな」

煩男「アレだ。久々の弟子だからテンション上がってるんだろなぁ!」

男&煩男「…………」

男「でも割といい言葉だったな…」

煩男「ああ……」

更新きてるー
ありがてえ

オナ禁始めます

乙、まさかの展開になってきたな
3ヶ月も休んだらクラスから忘れられそう
でも修行パートは面白いから好き

修行 15日目 組手にて

煩男「うぐああああ!!!!!!」ドサッ

師範「立たんかぁ!!!!!!!」

煩男「うぐぐ……っ」

師範「なんじゃ貴様はぁ!!??燃えるだのなんだの言って口だけかぁ!!!!!」

師範「見かけだけを取り繕うだけなら家でもできるわ!!!!!帰れ!!!!!」

煩男「ぐっ…うぐっ…!」ジワッ

男「……」

師範「泣くなら立たんかぁ!!!!立って口だけじゃないと証明してみせい!!!!!!」

煩男「ひぐっ…!! うおああああ!!!!」ガバッ

師範「そうじゃ!!!!かかって来い!!!!」


男(休んでても空気椅子で待機とはエグいな……)プルプル

修行 20目

男「ちぇりゃああああ!!!!」シュバッ

師範「……足が上がっとらん!!!!後ろ回し蹴りはこうじゃ!!!!」シュバッ

師範「柔軟が足りん!!足りん足りん!!!!煩男!!!手伝え!!!!」

煩男「はい!!!!」

男「ちょっ!あっ! いぎゃああああ!!!!!!」ギリギリ

師範「股割りじゃあ!!!!!」

煩男「そうだぞ男!!!!柔軟は大切だ!!!」

男「あああ!!!てめっ!!身体柔らけえからってそんなに…ああああ!!!!」ギリギリ

師範「なかなかできるようになったなぁ!!これこらは筋トレ200本追加じゃあ!!!!」

男&煩男「ええええ!!!!!」

…………
……

煩男「フッ!! ハッ!!」バッ ババッ

男「……」バッ ババッ

師範「うむ!」

…………
……

男「はぁっ! はぁ…… この山走りは…慣れねえもんだな…」

煩男「全くだなぁ!!!!」

師範「はよせんかぁ!!!!!」

修行 1ヶ月と15日目

ザアアアア

男「……」パラッ

煩男「ホッ! ハァァ!!」シュバッ シュッ

男「…せっかくの休みってのに型とは熱心だな」

煩男「うん!? 男こそ!こんな雨の日に本とは鈍らないのか!?しかも道場でわざわざ!」

男「部屋は湿っぽくてな」

煩男「しっかし蒸すなぁ! 良い汗が出る!」


師範「何じゃ? 貴様らこんな所にいたか」

男&煩男「押忍!!」

師範「どれ、今日も座学といこうかの?」スッ

男「師範の座学は一言で終わりじゃないですか」

師範「はっはっは!!各々の心に落とし込んで考えろということよ!!どれ!せっかくじゃし道場のど真ん中で話そう!」

煩男「今日はどんな格言ですか!?」スッ

男「………」スッ

師範「ああ、今日はちとの、少し長い座学になりそうじゃ」

男「…珍しいですね」

煩男「二言ですか!!!」

師範「はっはっはっ!!」

師範「時に貴様ら、何故我慢する?何故鍛える?」

男「……」

煩男「はっ…?」

師範「何故わざわざこんな理不尽でキツいことやっているのか」

師範「それは確固たる目的の為でもある。目的があるから頑張れるものなのじゃ」

師範「己らの目的を達成する為のいわば代償じゃな」

師範「その目的は何でもよい。強くなりたい、結構。復讐したい、結構。」

師範「モテたい、結構」

男&煩男「………」

男&煩男(モテるのは困る)

師範「目的の達成の為に我慢、自制心を鍛えることじゃ」

師範「ワシは貴様らに道徳を説くつもりはない」

師範「じゃがこれだけは言っておきたい」

師範「欲に流される男は男ではない。オスじゃ。獣と一緒じゃ」

師範「男とはな…信念を持って何かに生きることができる者の事よ…」

師範「じゃから貴様ら、無目的に生きるな」

師範「他人の為ではない。自分の為に生きる事よ」

男&煩男「………」

師範「まぁ目的も、良い目的だとなお良しじゃな!」

師範「あとは…そうじゃな…」

師範「人間の欲にはのう…際限がないんじゃ」

師範「決して満たされる事はない。満たそうとして、さらにさらにともっともっと求めるようになる」

師範「食欲、性欲、物欲、何でもそうじゃ」

師範「己を鍛えてそれらを抑える」

師範「それができて真の男よ」

煩男「真の男になって…何があるのです…?」

師範「!…はっはっはっ!!!!」

師範「それはなってみれば分かることよ!!!!」

男「…………」

男(なってみて…やってみれば分かるか…ごもっとも…)

師範「静と動!!力が流れるのを感じるのじゃぁ!!!!!」

男「はぁぁっ!!!!」ズォアアア

煩男「はぁぁっ!!!!」」ズォアアア

男&煩男(もう4時間休みなしだぞ……)

………
……

煩男「側転!! バク転!!っと…バック宙!!」バババッ

男「おー」パチパチパチ

煩男「ほらほら!!男も男も!!今の俺たちならできるぞ!!」

男「せっかくの休日これに費やすのかよ…」

………
……

風呂場 にて

男「……なかなか身体締まってきたな」

煩男「……本当にな」

乙なの
欲に際限はない 確かにその通り

昼 食堂にて

男「……」モグモグ

煩男「うん!うまいうまい」ガツガツ

師範妻「しかし、まぁ…」

師範妻「3ヶ月の山籠りもあと3日ねぇ」

師範「はっはっは!!蓋を開ければあっという間じゃったろ!!」

男(地獄みてえな3ヶ月だったわ…)

煩男「はい!!!!ですが終わるまで全力でやりきりますよ!!!!」

師範妻「うふふ!!あなた達ほんとに見違えたわねぇ!」

師範「当たり前じゃ!!このワシが鍛えたんじゃぞ!!」

男(腕立て、背筋、スクワット1000本…)

男(朝は山走り…)

男(道場に帰れば型に、打ち込み、組手の日々…)

男(稽古が終われば疲れ果てて、風呂に入っては寝る)

男(たまの休みは身体を休める為に読書に耽る…)

男「シッ!! フッ!! でぇい!! でやぁ!!!!」シュバッ ババッ バッ

男「…!!」シュバッ

男(エロいことなんかに耽る暇もねえ)

煩男「今日は動きにキレがあるなぁ!!」

男「フッ…鍛錬のおかげだよ…」

煩男「そうだ!!鍛錬!!鍛錬でしか強くなれない!!」

煩男「なぁ男くん!!!!!」シュバッ ババッ バッ

男(こいつはどんどん熱苦しくなっていってるな…)

師範「よし!!それまで!!!!」

煩男&男「押忍!!」

…………
……


風呂場

カポーン

男「ぁ~……」

煩男「この風呂も今日で最後だなぁ…」

男「ああ…よくやったよな…」

煩男「ああ!!みろこの筋肉!!」ザバァッ

煩男「力が溢れてくるぞ!!」

男「……」

男(かなり鍛えたからな…自分でいうのも何だが…いい身体になった…)

男「向こうに戻ったら何する?」

煩男「ん?そうだなぁ!…」

煩男「分からないが…探すさ!!将来の目標を探す!!」

煩男「それまではあのボロ道場でまた鍛えるさ!!」

男「ボロ道場は余計だろ…フッ…熱いな」

煩男「もちろん男くんもだぞ!!!?組手の相手が居なくなる!!」ズイズイ

男「わかったわかった!!近づくな熱苦しい!!」

………
……


修行 最終日


師範「礼」

煩男&男「…」 スッ

師範「ふむ…貴様ら…よくついてきたな」

師範「この山籠りについてこれたのは貴様らが初めてじゃ」

師範「どうじゃ終えてみて己が大きく変わったのが分かるだろう」

師範「鍛えられた身体に鍛えられた精神」

師範「貴様らから見て取れるぞ」


3ヶ月の修行を終えて…

煩い(うるさい)男は熱い心を得ることで…

熱血へと進化した!!

根暗な男は不動心を得る事で…

クールへと進化した!!!!


熱血&男(クール)「……」

師範「じゃが!!!いくら鍛えたと言ってもたかが3ヶ月!!!!!」

師範「決して慢心するな!!帰っても鍛錬の日々は続くのじゃ!!」

熱血「押忍!!!!」

男「押忍」

師範「それでは礼!!!!」



熱血&男「ありがとうございました!!!!」

ブロロロロン

熱血「おお!!街だ!街だぞ男くん!」

男「ああ…」

師範「はっはっは!!3ヶ月ぶりのシャバじゃぞ!」

師範「…貴様らに言っておくが」

師範「貴様ら…おなご達には充分注意するのじゃぞ」

熱血&男「?」

師範「むやみやたらに関係を持つも厄介になるし、鍛錬の邪魔になるでの!」

男「どういう事ですか…」

師範「クックック…まぁ貴様らも若い!!山籠りを達成した褒美といってもほどほどにするんじゃぞ!!ワシが説いた通り!欲に流されるな!自制心をもってな!!」

師範「帰ってみれば分かることじゃ!!」

師範「決して味を占めて獣に成り下がるなよ!」

熱血&男「……?」

律真流空手道場

ブロロロ… キキッ

ガチャッ

男「着いたな…」

熱血「ああ!!地獄から戻ってきたぞ!!」

師範「よし!ワシはまた戻るでの!!貴様ら!!いつでもこの道場にこいよ!!言った通りたかが3ヶ月じゃ!!鍛錬はまだまだ始まったばかりなんじゃからな!!」

ブロロロ


男「俺たちはやったんだな…」

熱血「ああ!やってやったぞ!!」

男「ふぅ……じゃあな」

熱血「ああ!!また…と言っても高校で会うなぁ!!!」

男「フッ…長い付き合いになりそうだな」

男の家

男「……久々の我が家か」

ガチャッ

男「ただいまー…」

アッ! オニィ~!?

妹「ひゃ~、 久しぶりだ……ね……?」

男「よう」

妹「えっ、えへへ/// お、兄? ええ? うそぉ!!」

男「嘘じゃねえ、俺だよ」

妹「え、いや~…その…凄く変わったね…///」

男「そ、そうか?…」

妹「うん~、だって身体とか、顔とか…」

妹「なんか凄く別人じゃん…カッコいい…」ジトッ

男「やめろお前…こしょばゆい…」

男(なんだこいつ…熱っぽい目して…)

男(俺そんな変わったのか…?)

ウホッ良い男


これは視線だけで発情させるレベル

追い付いた
文豪だなこりゃ

衆道に流されそうだ

たぶん見た目は別人なんだろうな
いっても3ヶ月じゃまだDQNには勝てなさそうな気もするけど

男にもモテそうだな

そろそろ頼むよ……



母「しっかし我が息子もあそこまで変われるもんなのねぇ~!」

母「妹ちゃんも見たぁ?あのマッシブな身体!」

母「特に顔つきが良くなったわよねぇ!」

妹「ほんとね…」

母「いや~、ありゃこれから女の子がほっとかないわよ~」

妹「お兄が?w まっさかw」

妹「……」

風呂場

ガラ

男「ふぅ……」ホカホカ

鏡の前

男「………」

男(俺は強くなれたのか…?)

男(分からん…だが、あの地獄の山籠りを終えてきたんだ……)

男(DQN……)

男(目にものを見せてやるぜ…その為に鍛えてきてやったぞ……)ギリリッ

妹「お、お兄?」

男「?」ギロッ

妹「っ!」ビクン

男「あぁ…悪い悪い。長風呂しすぎたな」

妹「い、いや?…///」

男「何ジロジロ見てるんだ…」

妹「ほんと変わったね…凄い身体…」

男「わーったよ。何回言うんだ」

妹「明日って予定ある…?」

男「ん?そうだな、髪もボサボサだし床屋に行くかな?」

妹「ホント?私が美容院紹介してあげようか?」

男「はぁ?俺が美容院??」

妹「良いじゃん良いじゃん!せっかくこんなにカッコよくなったんだから髪型もさぁ!」

男「良いよ…床屋でいいだろ…」

妹「いいのいいの!私が予約しとくから!」

男「はぁ……」

……………
……


男の部屋

男「美容院なぁ…」

男「妹にあんなにキラキラした目や熱っぽい目を向けられるとムズムズするな…」

男「どんだけ手のひら返すんだよ……」

男「明後日から学校か……」


男「復讐だぜ………DQN……」

わたしまーつーわー

いつまでもまーつーわ

1です。もう少し待ってください。
明日あたり再開します。

わくわく

翌日 美容院にて

男「……」チョキチョキ

熱血「はっはっはっ!!いやあ、奇遇だなあ!!」チョキチョキ

美容師「ふふっ、お友達ですか?」チョキチョキ

男「ええ…まぁ…」

熱血「お友達も何も! 親友ですよ親友!!」

男「うるせえ!!静かに切られねえのか!!」

美容師「あっはっはっwww」チョキチョキ



妹(いやー/// 男前が2人///)

美容師「いやー、彼女さんにはいつも贔屓にしてもらってて」チョキチョキ

美容師「こんなイケメンな彼氏さんがいたとはねぇ」チョキチョキ

男「イケ…??? あ、いや、妹ですよ?」

美容師「え? あ、ああそうなんですね!」チョキチョキ

男(イケメン…?? 俺がか…????まぁ、美容師だからリップサービスか…)


美容師(妹さん…? 全然似てない気がする……)

美容師「はいっ!! 大変身完了!!」

男「おぉ…」シャキーン

熱血「こっちも終わったぞ! おお!見違えたな!!」シャキーン

男「お前こそ…」

妹「………」

男「どうだ?」

妹「…うん」ジトッ

男(行ってみるもんだな…全然違う…)

ファミレス
ガヤガヤ

妹「へえー道場の同門の人なんだ…」

熱血「そう!苦楽を共にした親友なんだ!」

男「そんな所だ…」

熱血「しっかし厳しかったなあ!!」

男「……ああ」

妹「へー…どんな感じだったの?」

熱血&男「死ぬかと思った」


妹「えぇ…」

熱血「大木に正拳突きはキツかったな!!」

男「あれはヤバかったな…。 ほら…」コブシ

妹「っ! なにこれ!? ズタズタ…!!」

熱血「はっはっはっ!!拳だけじゃないぞ!この顔の傷とか!」

男「綱登りから落ちた時か」

熱血「あれは死ぬかと思ったな…この傷は消えないだろうな…」

男「俺が山走りで踏み外して滑落したの覚えてるよな?」

熱血「もちろん!! あの時暑くて上裸だったからズタズタに…」

男&熱血「はっはっはっ!!」


妹「ええ……」

男「あのクソジジイ、腹筋鍛えるつって岩で腹殴ったり」

熱血「痛くなきゃ覚えんとして組手で本気で殴るしな」

男「まぁ…」

熱血「そのおかげでな…」

男&熱血 キリッ

妹「と、とにかく凄かったんだね…」

妹(だから全然雰囲気違うんだ…なんか…)

妹(見つめられるとクラッとするし…)

男「?」

妹「ッ…///」


妹(ヤバいなぁ…///)

熱血「では!また明日学校でな!」フリフリ

男「おーう」

スタスタ

妹「……」

男「ふー…。明日からいよいよ再登校か…」

妹「みんなお兄のこと忘れてたりしてね」

男「ふっ…。ありえるな…」

男(本当に見た目は変わったみたいだな…)

男(髪型も…。なんか慣れねえな…)


男(みんなどんな反応するんだろうな…)


男(まぁ…こんな日陰者が変わったところでみんな気に止めねえか…)

投下乙です
妹発情期か良いね


待ってた
待ってる

翌日 学校の職員室前

男「…」スタスタ

テンコウセイ? クスクス

男「?」チラ

キャッ! ウフフ!

男(……。通学からやたら女子に見られてるような…)

男(あーいやいや、考えすぎだ考えすぎだ…)

熱血「やぁ!昨日ぶり!」

男「おお、熱血。お前も挨拶か」

熱血「ああ!3ヶ月ぶりだからな!先生に挨拶しとかないと……っと」チラ

コッチミタ! キャハハ!

男&熱血「……」

熱血「気のせいか女子見てきてないか?…」

男「…気のせいだろ」

職員室

担任「………」

男「どうも。戻ってきました」

担任「ほ、本当に男…だよな?…」

男「はい。男ですが…」

担任「はー…いやー…どうしたんだ?何か…こう男らしくというか、精悍になったというか…」

ホントニオマエカ!!??

エエ!!ボクデスヨ!!

担任「…。とにかく、授業はかなり進んでるし遅れを取り戻せるよう勉強を頑張りなさい」

男「はい!」

担任「……身体もガッシリしたな」

男「…色々ありました」

乙です
モテ期到来

男(担任めっちゃびっくりしてたな)

男(このガヤガヤした校内…。久しぶりだな)

教室内

ヤンキー女「……」カミノケクルクル

女子1「なーんか最近面白くないー」

女子2「分かるぅ~ヤンちゃ~ん、なんか面白い事ある~?」

ヤンキー女「んー…」

女子2「…また根暗くんの事?」

ヤンキー女「はぁ??別に?根暗くんなんか興味ないっつーの」

女子1「キャハハ!ひど~、デートしてあげたのに」

ヤンキー女「あれは…」

女子2「ヤンちゃんはDQNくんでしょー?」

ヤンキー女「あいつもしつこいからマジ嫌い…」

ヤンキー女「……はぁーあ」


ガラッ

シーン

男(うおっ、みんな俺を見てる…)

ヒソヒソ

テンコウセイジャナイ?

イケメンジャン

女子1「ちょ!転校生!」

女子2「当たりじゃん!ほらヤンちゃんヤンちゃん!」

ヤンキー女「んー?」

女子1「ほらキタキタ!!」
女子2「こっちの席じゃない!?」

スタスタ

スッ

女子1「ねえねえ!転校生!!?」
女子2「どこから来たの!!??」

男「え?…いや、俺は……」

ヤンキー女「!……、ね、根暗くん?」

女子1&2「えっ」

ヤンキー女「根暗くんでしょ…?」

男「ああ。久しぶりだな」

女子1&2「えっ?」

女子1&2「ええええええ!!!!」

男「うおっ」

女子1「ちょ、嘘!!マジ!!?」

女子2「あの根暗くん!!??」

男「根暗根暗言うな。傷つくだろが」

女子1「ええ!えへへ///うそお!」

女子2「ちょっとヤンちゃん!マジやばくない!?」

ヤンキー女「あ、え、うん」

マジで! ネクラカヨ!?
ワイワイ ガヤガヤ

男(うおっ!!?なんなんだ!!??)

担任「ほらぁ!!席につきなさい!!授業始まるぞ!!」

ワイワイガヤガヤ

男「…ふう。びっくりした…」

ヤンキー女「あ、あ、あのさ」

男「うん?」

ヤンキー女「あ、いや、あとで…」

男「ああ…?」

ヤンキー女「……」チラチラ


男(これは…想像以上に……)


男(やりにくいぞ……?)

授業中

ヤンキー女「…」チラ

男「?」チラ

ヤンキー女「…」フイ

男「…」カキカキ

ヤンキー女「…」チラ

男「?…」チラ

ヤンキー女「…」フイ

ヤンキー女「…」チラ


男(……見てる?)

昼休み

女子1「マジで変わりすぎ~!」
女子2「超イメチェンしちゃって~」

男「手のひら返しすぎだろ…」

女子1「写メ撮らせて!」

男「嫌だわ!やめろ!」

女子2「ツーショットいえーい!」ダキッ

男「うわ/// おい!離れろって!」

ヤンキー女「………」ウツムキ

女子1「ヤンちゃん?」

ヤンキー女「えっ?あ、なに?」

女子2「なんか赤くない…?」

ヤンキー女「はぁ!?全然そんなことないけど?」チラ

男「…」

ヤンキー女「っ…」

男「だ、大丈夫か?」

ヤンキー女「~!!」カァッ

ヤンキー女「うるさいなっ!平気!」ガタッ スタスタ

女子1&2「あ!どこ行くの~!?」オッカケ


男「ふぅー……。なんなんだあいつら…」

男「なんかくたびれた……」

男「………」

男「図書室行くか…」

図書室 委員室

オタ女「……」パラッ

オタ女「んー……」ノビー

オタ女「はぁ」

オタ女「『君は僕の全てだ!君を永遠に守るよ!』」

オタ女「なーんて…そんなこと言ってくれるような白馬の王子様なんてさ…」

オタ女「居ないよね~」

ガラッ

男「よう」

オタ女「……」

男「久しぶり」

オタ女「! あ、あ~!!」

オタ女「男くん!?」

男「おう」

オタ女「ひや~w 見違えちゃって~…」

男「そんなにか?ははっ」

オタ女「う、うん…///」

男「……」

オタ女「……」


男(………やりにくい)

男「……」

オタ女「……」

男(………沈黙が辛い)

男&オタ女「あの」

男&オタ女「どうぞ」

男「あ、いや」
オタ女「あー、先に」

男&オタ女「………」

オタ女「! どうしたの!?その手!?」

男「ん? ああ、これか」コブシ

オタ女「大丈夫なの!?」ニギッ

男「うおっ」

オタ女「あ…いや///」パッ

男「んー…まぁ色々あってな…」

オタ女「色々って…その手ぼろぼろ…」

男「見せもんじゃねえよ」

オタ女「……」

男「しかし…ここは相変わらずいいな…」

男「静かで…誰にも邪魔されない…」

男「俺の性に合う」

オタ女「…///」

男「オタ女?」

オタ女「お、おかえり…?」

男「あ、ああ。ただいまだな」


少し距離が近づいてたヤンキー女もオタ女も、驚きより戸惑ってそう

俺も今日からオナ禁再開する

乙なの
オタ女きゃわわ

修行しに行ってくる

保健室 ベッド

ヤンキー女「……」ゴロン

ヤンキー女(なんなのあいつ)

ヤンキー女(なんかすごく変わっちゃって…)

ヤンキー女(髪とか雰囲気とかなんか色々さ…)

…………
……


3ヶ月前 公園

男「いてぇ…」

ヤンキー女「大丈夫?… あ、まぶた切れてる…ハンカチ…」

男「大丈夫…帰ろう…」

ヤンキー女「帰ろうって!怪我してんじゃん!病院行かなきゃ!」

男「いいよ…情けねえ」

ヤンキー女「あいつ…!!ホント腹立つ!!明日私先生に言うから!」

男「落ち着けよ」

ヤンキー女「落ち着けない!!勝手に喧嘩売ってきてさ!二人掛かりでボコボコとか…」

男「勝てなかった俺が弱かったからだよ…だから帰」

ヤンキー女「帰らない!」

男「ヤンキー女!!」ガシッ

ヤンキー女「ッ!…」

男「俺が悪いんだ」

男「あしらえなかった、喧嘩にも勝てなかった」

男「君に悪い思いをさせた…」

男「この借りは…絶対返すから…だから、何も言うな」

男「な?」

ヤンキー女「………」コクリ

男「じゃあな…」スッ

ヤンキー女「あっ…」

………
……


ヤンキー女(何やってきたんだろ…あの根暗馬鹿)

ヤンキー女(あー!!悶々とするぅ!!)

ヤンキー女(別になんとも思ってないのにぃ!!)ゴロンゴロン

一方 図書室

男「……」パラリ

オタ女(いや~…なんか別人になっちゃったなぁ…)

オタ女(なんでこんなに変わっちゃったんだろ…)

オタ女(そういえば人は恋をすると変わるって本で…)

オタ女(もしかして…)チラ

男「ん?」チラ

オタ女「…」フイ

オタ女(あの…派手めな娘かな……)

男「………」

オタ女(まぁ、わたしにはぜんぜーん関係ないんだけどねぇ)

オタ女(別に男くんが誰と付き合おうが…)

オタ女(って、なんでそんなこと考えるんだーい!)

オタ女(私みたいな日陰者は大人しーく本やアニメのオタ趣味を謳歌すればいいのだよ!)

オタ女「はぁ…」

放課後
ワイワイガヤガヤ

モブヤンキー「え、え?DQN?」

男「ああ、どこだ?」

モブヤンキー「こ、ここ最近は全く来てねえよ…このまま退学になるんじゃねえか?…」

男「本当か?普段どこにいるかわからねえのか?」ズイ

モブヤンキー「ちょちょ!勘弁してくれよ!俺だってあんなワルとは関わりたくねえんだ!」

男「なに?」

モブヤンキー「見た目で俺に絡んでくんなよ!…あいつはお偉いどころの御曹司なんだ!多少のことはもみ消しちまう!」

モブヤンキー「何やってくるか分からねえし俺もビクビクしてたんだ!このまま退学なってくれりゃ…」

男「そうか…ごめんな…」
スタスタ


モブヤンキー「ふひぃ…怖かったぁ……DQNより怖え奴が出てきやがったじゃねえかよぉ……」

熱血「おーい!男!!」

男「よう…」

熱血「どうかな!!この後道場に行かないか!!」

男「悪いが用事がある」

熱血「なんだ用事って!……あぁ、いつか言ってた」

男「DQNに用があるんだ」

熱血「俺も助太刀に」

男「いや、俺の用事だ」

熱血「…そうか。居なかったのか?」

男「ああ、最近学校には来てないらしい」

熱血「そんな奴放っておけばいいんじゃないか?わざわざ出向かなくても…」

熱血「師範の技をそんな事に使うのは…」

男「……俺の用事なんだ、関係ねえよ」

男(DQNの事と言えば…)

男(ヤンキー女が知ってるはずだ…)

男(利用するのは気がひけるが…)

………
……


ヤンキー女 テクテク

男(居た!)


男「ヤンキー女…」


ヤンキー女「!」

教室

ヤンキー女「…何?」

男「君を探してた」ジッ

ヤンキー女「は、はぁ?///なにそれ…」

ヤンキー女(ちょ、めっちゃ見てくるんですけど…)

ヤンキー女(何なのその目…痺れてくる…)

男「DQNの事だ」

ヤンキー女「そいつがどうしたの?…」

男「まだ君につきまとってるのか?」

ヤンキー女「…まぁね、凄いしつこいよ」

男「そうか…聞いてくれ…」ズイ

ヤンキー女(ひゃっ! ち、近い近い!)

ヤンキー女「…///」ウツムキ

乙です
DQNって金持ちだったのか

ヤンキー女(うわぁ、なんかいい匂いする…)

ヤンキー女(なんかクラクラしてくる…)

男「俺はあいつに袋叩きにされてこの3ヶ月、鍛えてきた」

男「君に悪い思いをさせた。その借りを、そして復讐をしたいんだ…」

男「またDQNが君につきまとうだろう…会うのは嫌だろうが、それに付き合ってほしい」

男「二度とつきまとわせないようにする…だから…って、ヤンキー女?」

ヤンキー女「……」トロン

男「もしもし?」ガシッ

ヤンキー女「え?あ!ひ、ひゃい!?」

ヤンキー女(ヤバい…全然聞いてなかった…)

男「付き合ってくれないか?」


ヤンキー女「は、はぁ!!??/// ほ、本気で言ってんの!!??///」

男「嫌か…」

男(そりゃそうだよな…個人的な復讐の為に人を囮にするのはお門違いだ)

男(しかもストーカー紛いの男に進んで会いに行くってのは…余計に悪い思いをさせる…)

ヤンキー女「い、いやさ!、その、あの順序とかさ、あるじゃ?…まだそこまでお互い…/// いや、違くて!」

男「…悪い、俺の早とちりだった」

男「ごめん…」

ヤンキー女(いやーちょっと待って!顔があっつい!そんなスッと告白ってしてくるもん!!??)カァァァ

ガラッ

ヤンキー女「あっ」

ポツーン


ヤンキー女「い、行っちゃった…」

通学路

男(あーぁ、俺も思慮が足りないな…)

男(何の為に本を読み込んでいるのか……)

男「………」

オタ女「うぉーい!男くん!」

男「ん? おお、オタ女か…」

オタ女「」ドキッ

オタ女(ひゃ~/// この目なんだよなー///)

オタ女(目を合わせると吸い込まれそうで…)

オタ女「う、うふふw 何かお悩みー?w」

男「ん~…まぁ、そんな所だな…」

オタ女「男くんてミステリアスだったけどなんか、もっとミステリアスになったよねw」

男「うん?いや…根暗なだけだ」

オタ女「わたしにはそう見えるんだw」

オタ女「……」

オタ女「…大丈夫?、もし、私で良ければ…悩みとか…」

男「!……」

男(俺はそんな深刻な顔をしてたのか……)

男(こんな俺の事で人を煩わせるとは……復讐の為でも…)

男(これでは鍛えた意味がねえじゃねえか!…)

男(心も…鍛えないと…!!)

男「オタ女…」

オタ女「う、うん…」

男「ありがとな」

男「でも、本当に大した事じゃないんだ」

男「俺自身のつまらない事だから」

男「別に君が心配する事じゃない」

オタ女「…」

男「だから大丈夫」

オタ女「あ、あはは!そっか!w」

オタ女(ヤバい…なんか顔見れなくなっちゃった…)

オタ女(な、何だろう…凄く輝いて見える…)

男「君は優しいな…」

オタ女「えぇ~wお節介なだけだよw」

男(俺も人の為に強くなるという事も…考えなきゃいけないな…)

男「俺も君のために(オタ女に心配を掛ける事のないように)強くなるよ」

オタ女「えっ」

男「鍛えてきたつもりだけど。もっともっとな」

オタ女「あ、あ、あう…」

男「じゃあな」スッ

ポツーン

オタ女(う、嘘…だよね?…)

オタ女(私の為にってさ……そ、それってさ…)

オタ女(私のことが好き…???)

オタ女「あ、あはは!w ちょっと色々飛ばし過ぎだよ~」

オタ女「ま、まだデートも一回もして…」

オタ女「あはは…」ドキドキドキ


男は意図してないだろうけど、急にグイグイ行くようになったなぁ


でも本人にその気なし

いいなぁ

夜 自宅

男「……」カチカチ

妹「そこ宝箱無かったっけ」

男「ん~、おお、あったあった」

妹「ほらね~」

男「妹…」

妹「うん?」

男「くっつくな!! 暑い!!」

妹「えーいいじゃんいいじゃ~ん」ベッタリ

男「良くねえよ!!お前帰ってきてからひっつきすぎなんだよ!!!!」

妹「えー…だってー…」

男(いくら妹だからってドキッとするわ!!!!)

妹「小学校の頃よくこうやって遊んでたじゃん」

男「中学上がってから口も利かなくなっただろが!!!!」

妹「だって昔のお兄と今のお兄は違うんだもん…」スリスリ

男(い、いかん…!!胸が!匂いが…!!!)

男「……」スクッ

妹「? どしたの」

男「走ってくる」

妹「えええ!?こんな夜に!?」

男「ああ…!」

タッタッタッタッ

男「……」タッタッタッタッ

男(くそう…!胸のムニッとした感覚が頭から離れねぇ…!!)

男(だいたいひっつきすぎなんだよ!!…久しくそんな淫らなこと考えてなかったから…!!)

男「ああもうっ!!!!」ダダダダッ

………
……

乙です
煩悩が甦ってるな


流石に煩悩を克服したわけじゃないんだな
ちょっと安心した

公園

DQN男「へぇ、ヤンちゃんこゆ静かな所好みなん?意外だわwww」

ヤンキー女「ねぇ、あんたデリカシーとか無い訳?たまたま見かけただけでどこまで付いてくるの?」

取り巻きDQN「まあまあ~wそんな怒んなって!可愛い顔が台無しだぜ?」

DQN男「もっと静かな場所知ってるんだけどさ~?ヤンちゃんも絶対気にいるから行かない?」

ヤンキー女「はぁ?誰がストーカー男にホイホイ付いていくと思うの?キモ過ぎ」

DQN男「はっwヤンちゃんも分かってないなぁ…俺の女になったら良い思い出来るのにさ…」

取り巻きDQN「めっちゃ楽しいのになぁw」

ヤンキー女「金魚のフンみたいに取り巻くとか気持ち悪いから」

DQN男「」カチン

DQN男「ヤンちゃんさ…分かってる?俺○○財閥の御曹司って奴だぜ?…どんなことでも好きにできる権利持ってんだよ…」

取り巻きDQN「あーあ…キレちゃった…俺しーらね」

ヤンキー女「だから?あんたみたいなしつこいブサ男嫌いな女も居るって勉強になるでしょ?」

DQN男「取り巻き、ヤッちゃおう」

取り巻きDQN「うはっwwwマジで?wwwここで?www」
ジリッ

ヤンキー女「…何?近寄んないでくれる?」

DQN男「あそこのトイレでも良いべ?」

取り巻きDQN「えーwまあ、いっかw」

ガッ

ヤンキー女「イヤ…!嫌だ!嫌っ!!」

DQN男「ひゃひゃひゃ!w大人しくしてればすぐ終わる終わる!」

バタバタ

取り巻きDQN「うおっほw胸でかすぎるwww」

DQN男「早く連れ込んじまおうぜ!!」

ヤンキー女「~!!~!!」


ダダダダッ

男(師範の…!!!!師範の言った言葉を思い出せぇ!!!!)

男「!!」

DQN男「ん?」


男「ヤンキー女…、DQN男…」


ヤンキー女「ね、根暗くん……!」

取り巻きDQN「お!?w正義のヒーローって奴!?www」

DQN男「何お前?」

男「何…してんだ…?」

DQN男「ん?ひゃひゃ!この女見ろよ!いいオンナだろ?」

DQN男「そこのトイレでちょっとよろしくやっちゃおうってなwww」

男「…へぇ? よろしく?」

取り巻きDQN「お前に関係ねえだろwどっかいけよwこの人誰か分かってんの?w」

男「お前らこそ…俺が分からないか?…」

DQN男「あ?」

DQN男「…あ!あーあー!いつかの雑魚っぱwww」

DQN男(…だよ…な?)

男「おー、覚えてた」

男(……とうとうこの時が)

男(今までの修行は…この為…)
……



師範『よく覚えておけ、情欲を力に変えるんじゃ』

師範『情欲は人間の中で最も強い欲じゃ』

師範『飢えた獣の如く貴様らを支配する』

師範『その獣を飼いならして生きるか、その獣に征服されて欲のままに生きるか、貴様らが選ぶんじゃ』

男「DQNくん…いっつもこんな事してるのか…?」

DQN男「おん?まあな?金ちらつかせれば大抵のオンナはイチコロ。じゃなけりゃ力ずく。俺は選ばれたからな」

DQN男「なぁんでもできるんだよ!www誰も俺に逆らえやしないwww俺の親父は顔が効くからな!何にも問題にならないwww」

DQN男「だからこうやって遊びほうけても OKなんだよwww」

DQN男「良い趣味だろ?」

DQN男「強い男の"特権"て奴?」

ヤンキー女「…」ビクビク


男「」ブチッ

DQN男「こんな雑魚、お前でもイケるだろ?行け」

取り巻きDQN「ひゅー!wwwいきまーす!あんまカッコつけんなよ!!」

ムナグラ ガッ

男「……胸ぐらか、それはなぁ…悪手なんだよ」

取り巻きDQN「はぁ?」

シュバッ ババッ

取り巻きDQN「えっ」

ズン

取り巻きDQN「いぎっ!!??」

男「鼻の穴ぐらえぐる方が強いんだなぁ…!!!!」ギギギギ

取り巻きDQN「いでええええ!!!あああああ!!!!」

男(律真流牽制術 鼻掛…ただの鼻フックだがな…)

男(師範が熱血に手本見せた時笑いが止まらなかったが…)

男(やられてみりゃ、これがまた痛えのなんの)

DQN男「!!?」

やっちゃえ

取り巻きDQN「ひいいい…!!痛え!!いってえええ!!!」
男「ほらあんまり暴れると千切れるぞ」

男「DQN…俺はなぁ、お前と違って我慢する事が多くてなぁ…!!」

男「それはそれは辛いもんでなぁ!!!!」グリングリン

取り巻きDQN「いだっ!!やべで!!どれる!!どれる!!」

男(そらっ! 鼻掛背負い!!!!)
ギュルン ズオッ ドスン!!!!

取り巻きDQN「」

DQN男「……」

男「うおっ…血が…」

DQN男「お、お前俺に喧嘩で勝てると思ってんの?」

男「…」ギロリ

DQN男「っ」ビク

男「勝てるか?…自信はねえよ…」

男「たかが短い期間の修行だった…そんなんで勝てる自信はつかねえ…」

男「だがな、そこにいるヤンキー女は(借りがある)大切な人でな…」

ヤンキー女「!」

男「DQN…俺は初めっから泥仕合は覚悟でやってきたんだ…」

男「お前だけは怪我させるぞ」

DQN男「こ、このやろう!」

ブン
ガシッ
男「…っらぁ!!」ギシギシギシギシ

DQN男「いっ!? 」(パンチが受け止めら…

シャッ!!!!
シュドッ!!

DQN男「カッ…!! コッ!!ゴホッ!!ゴホッ!!?」

男(急所・喉への貫手…地獄突だ!!!!)ズキッ

男(っ痛~!!指が…!やっぱ実戦は別だな!!)

DQN男「ひ、ひぃっ?」ムク

シュバッ
ヒュッ

男(……俺が教えられた中で一番痛かった奴だぜ)

男(捻りを加え、貫通させるようにヒジを打ち込む…)

男(突貫肘!!!!)
バッチイイン!!!!

ドッ

ドッ…

DQN男「い、…いでえ…!!!!」

DQN男「あ…!うああ…!!痛え…!!」

男「……おい」

DQN男「ひっ…!」

男「二度と…二度とあいつに近づくなよ…」

DQN男「は、は、はい!わ、わかった!もうやらない!」

取り巻きDQN「う、う…鼻血が止まらねえよ……」

男「おい…さっさと連れてけ…DQN、鼻折れてるかもしれねえ…」

取り巻きDQN「は、はい!!す、すいませんしたっ!!」

男「謝るんだったら最初からやるんじゃねえよ!!!!」クワッ

取り巻きDQN「ひっ…!」



男「………」

しばらくして

ヤンキー女「大丈夫?…」

男「こっちのセリフだよ…」

ヤンキー女「あ、ありがとう…ありがとう!本当に!」

男「だから言ったろう。夜中に出歩くのは危ないって」

男「だからああいう変な輩がまとわりつく」

ヤンキー女「…!!」ダキッ

ヤンキー女(私のこと心配してくれて…!!全力で守ってくれて…!!)

ムニュッ

男(うごああぉあいあああ!!!!!やめろ!!!!胸っ!!胸!!)

バッ

男「ち、近い…近すぎる…」

ヤンキー女「あ、ああ…///」

男「と、とにかく帰るぞ…」

男「ここまでで良いか?」

ヤンキー女「えっ、あ、うん…ありがと、送ってくれて…」

男「もう…心配ないだろ…あいつも二度と近づかない」

ヤンキー女「うん……」モジモジ

男「ふぅ…じゃあ俺もここで…」

ヤンキー女「あ、男!」

男「! 俺の名前知ってたのか」

ヤンキー女「さっきの返事なんだけどさ…付き合ってくれって…」

男「ん? あー。へへっ、もう済んだ事だろ」

男「悪かったな…。でも」


男「借りはこれでチャラだぜ」カタ ポン

ヤンキー女「」ズキュン

男「じゃあな」

ヤンキー女(……ヤバい)

ヤンキー女(ガチ惚れしたかも…)

………
……

自宅 男の部屋

男「……お前何やってんだ」

妹「ぬ?」

男「ぬ?じゃねえんだよ。俺のベッドだ。どけ」

妹「もう動くのめんどくさいから一緒に寝る」

男「ざけんな!!俺は疲れてんだよ!!」

妹「小学校の頃は一緒に寝てたじゃんかー!!」

男「てめえすぐ前までキモいキモいって近づかなくなった癖になんなんだ!!!!」

妹「お兄のベッド落ち着くぅ~」モグリ

男「どけ!!馬鹿!!」

妹「いや~襲われるぅ~!///」

突然謎の存在に禁欲を課せられた男。
この短い禁欲生活の間に彼を取り巻く環境は大きく変わり始めた。
根暗な日陰者の厳しくも辛い禁欲生活。
そんな彼の欲情の果てには何があるのか。

目の前にある快楽と、
厳しさと苦痛の先にある何か。


男「欲情の果て」 第1部 完

乙! 男かっこよくなったな
2部も期待してる!

第2部期待

「精液はあらゆる生命の源である。その源は真の愛に使う事こそが理なのだ。だのに人間は欲の快感の為に使い、そのせいであらゆる乱れが生ずるのだ」
って事は愛を持って女を抱けばokなんじゃ?
モテるしやりたい放題だ

やりたい放題が真の愛に繋がるとは思えんけどな

……………
………


男「っ……眩しい…」

「よくぞここまで修練を重ねた。大いに褒めてしんぜよう。」

男「!! あんたは!! おい!一体誰なんだ!!?」

「性欲は人間の中でもっとも強い衝動である。その衝動を昇華した時。真を得る事ができる。」
「どうだ。これまで欲に耽っていたお前と、欲望に打ち勝ちそれを征服しようとするお前とでは全くの別人であろう。」

男「質問に答えねえ…。まぁ、おかげさまでな。気分は悪くねえよ。」

「さぁ、真を見つけるのだ男よ。」

男「真?…なんなんだそれ…」

「真は真である。人間の精は真の愛に使うことこそが理。」
「愛を見つけるのだ。」

男「愛って…。そんな、真だの愛だの言われてもよくわから」

「愛と言うは俗世に言う愛ではない。真の愛だ。」
「得ずとも、見つけるだけでも良い。さらばだ…。」

男「あっ、おい!! 俺の質問に…うおっ…光が…。」

男「うーむ…。」

熱血「どうした!さっきから気難しい顔なんかして!」

男「それがな、また夢で神様みてえな奴が出てきてな…。」

熱血「おお!僕のところにもやってきたぞ!」
熱血「真の愛を見つけろと仰せつかった!!」

男「本当か…。一体なんなんだ…。」
男「それよりよ…。これはどんな修行なんだ?」

熱血「世界を逆さに見て天啓を得よという師範の言伝だ!それもこの修行は普段見慣れてる場所でやるのが良いとの事!」

男「いくら放課後とは言ってもよ…みんな見てるぞ…。」ブラリーン
熱血「はっはっは!こんな事出来る奴はそう居ないだろうな!!」ブラリーン

ヒソヒソ

彼らが通う高校の中庭の大木。熱血と男はその大木の枝に脚を引っ掛けてコウモリのようにぶら下がっていた。
師範の下での修行から戻って早2ヶ月。季節は秋に差し掛かり、彼らの身体能力は一般のそれを凌駕し始めていた…。

第2部


男「情愛の果て」

乙なの
愛を見つけるとか壮大だわ

おつ
待ってたよ

第二部楽しみ

ヤンキー女「あー!おっとこ~。って…何してんの…。」

男「よう。これか? 俺にもよく分からん。」ブラリーン

ヤンキー女「よく分からんて…。ホント何考えてんだか…。」
ヤンキー女「どうー?このあと暇なんだけど遊ばなーい?」

男「うん?、うーん…」ブラリーン

熱血「へぇ、この色男!」ブラリーン
男「おい…。」

熱血「行ってやりなよ!今日は稽古も無いし!」
男「そうか?…。ったく…なんでわざわざ俺を…。」

熱血「真の愛って奴じゃないか?」
男「馬鹿野郎。そんなんじゃ、ねえよっ!」

バッ クルン
シュタッ
男「っと。おまたせ。」

ヤンキー女「わっ!体操選手じゃん!」
男「へへっ。凄えだろ?」
キャッキャッ

熱血「ははっ!良いなぁ男は…。」ブラリーン

「あ~ら? こんな所になんて大きなコウモリが居るのかしら?」

熱血「この声は……。うげっ。」

高飛車なお嬢様「せっかく紅葉も染まってきておセンチな気分に浸ろうと思ってたのに…。」
高飛車なお嬢様「景観を損なってる自覚はあって?それよりうげって何よ、うげって。」

熱血「おセンチとは…。古いぞ…。」

高飛車なお嬢様「そうかしら?まぁ、あなたみたいな庶民には分からないかもしれないわね?」

熱血「はぁ~…。そうだよ…、庶民の僕には分からない…。」

高飛車なお嬢様「何よ。そっけなくてつまらないわね。」

熱血「そしたらわざわざ僕のところに来なくても…。」

高飛車なお嬢様「ふん!まぁ、他の生徒よりはマシな庶民だものね。遊んであげてるだけよ!」
高飛車なお嬢様「感謝しなくて?」

熱血「……ありがとうございます。」

高飛車なお嬢様「結構。……。」

熱血(うまく合わせないとまた機嫌を損ねるからな…。)

熱血(金持ちの気まぐれか、やたら絡んでくる…。厄介だ…。)

彼女は彼らが修行から戻ってきたその翌週に転向してきた令嬢である。熱血と同クラスになったその日、席が隣同士となった。
熱血との縁はそれからである。

お嬢「ほら。いつまでもそこでぶら下がってないで?何か1つ面白い事でもやってみてくれて?」

熱血「唐突だね。よし!観ててくれ!」
バッ クルクルッ シュタッ

熱血「後方一回転捻り!」

お嬢「ふん。まぁまぁね。」
熱血「ッ…。」クラッ
ぶら下がってら間に頭に血が上りきってしまったのか、熱血はフラついて寄りかかってしまった。

お嬢「きゃっ!」
熱血「す、すまない。長くぶら下がり過ぎたかな…。」

お嬢「し、しっかりしなさいよ!危ないわね!」

お嬢(熱血がこんなに近くに…。男の人なんて触れた事ないんだからドキドキするじゃない…!)カァァ

おち

おつ
熱血にもモテ期到来か

ある週末の日曜日、オタ女の自宅にて

ピッ

オタ女「は~、今期のアニメは不作やのぅ~。つまらんつまら~ん。」

オタ女「…。暇だなぁ…。なーんか面白い事ないかなぁ…。」

男『よう。なんか面白い本はないか?』
男『これ、中々面白かったぜ。やっぱオタ女のセンスは抜群だな!』

男『俺もオタ女の為に強くなるよ。』

オタ女「……。ぬぅ~/// なんでこんなに男くんが想い浮かんじゃうかな~…!」

オタ女「男くんは私の事好きなんかな~…。考えすぎだよねぇ~…。」

オタ女「でも私の為にとかって言うかな~?…むふふ。」

あれやこれやを思い浮かべながら彼女は身をベッドの上でよじっていた。

トテトテ

オタ女「結局いつも通り図書館に行く私であった!」
オタ女「ってナレーションかい!」

オタ女「いっつも一人でこんな独り言って痛いよね…友達も居ないし…。」
ドシン!!!!!!

グアアアア!!!!!! ジジイイイイイ!!!!!

オタ女「ひゃっ! な、なに!?」

オタ女(この空手道場、ボロボロだから人なんて居ないと思ってたのにやってたんだ…。)

その空手道場の中では…。

師範「チィッ!!!! 甘いわぁ!!!!!」

師範の突きが熱血の土手っ腹を容赦なく打ち抜く。
あまりの痛さに熱血の身体は畳の上に悶えながら伏せる事しかできない。

熱血「うぉっ!!……。ぐあっ…!!!!」

師範「次!!男!!!!来んか!!!!」

男「休みなしかよ!!!!」

師範「甘ったれるな貴様はぁ!!!!1分休んだじゃろ!!!!」

熱血「仇をとってくれ男ぉ…。」グッタリ

男「おりゃあああああ!!!!!」

男は気合を込めて一気に師範を目がけて飛びかかった。
洗練された鋭い突きが相手の顔に容赦なく叩き込まれようとしていた。
師範「シッ!!!!」
だが、それは軽く弾き飛ばされてしまい男の身体は大きな隙に晒されてしまった。
その刹那、殺気を帯びた上段回し蹴りが空気を切りながら飛んできた。
男「あっぶねぇ!!!!!」シュバッ

師範「馬鹿もん。お見通しじゃよ。」

空を切った蹴りの勢いのままに、師範の身体はコマのようにくるっと回って沈み込みながら下段の蹴りで男を足払いした。間髪入れず下からの突き上げに合い、男の身体は宙を舞う。
師範「身体で覚えろよ!裏背転掌じゃ!!」
背を向けた老体はそう言いながら舞った男に向きながら裏拳を腹に叩き込んだのだった。

男は道場玄関まで吹っ飛ばされてしまった。

熱血「はははっ…。でたらめだな…。」

ドガッシャアアアアン!!!!

オタ女「きゃあああっ!!」

玄関の引き戸を突き破って男は外に放り出された。

男「いっでえええ!!!!マジで…!!手加減しろジジイぃぃぃ!!!!!」ヨジリヨジリ

師範「すまんすまん!手加減はしたんじゃけど!」

オタ女「お、男くん!!?」
男「ぐぁぁ…。よ、よう!…。オタ女か…!!」

師範「なんじゃ男!!もう女を作ったか!!ガハハハ!!」
師範「どれ!君も見学していくか?」

オタ女「え、あ、で、でも…。」
男「かっこ悪いとこしか見れねえぞ…。いつつ…。」
オタ女「ちょっと!血が!怪我してる…。」
男「うん?こんなん怪我に入らねえよ。」
オタ女「私心配!見学させて下さい!」

師範「ほぉ…モテるのぉ…。」

熱血「黙想!」
シーン

組手、綱登りなどの筋トレに形、稽古を終えオタ女は男に怪我が無かった事に安堵した。
オタ女(はぁ…。良かったぁ…。)

熱血「やめっ! 礼!」

師範「はい今日もお疲れさんじゃ!よくやった!各自気をつけて帰るようにの!」

男「…くぅぅぅ!」ドサリ
熱血「今日も終わったな…」
男「ああ…。このキツさは慣れねえもんだ…。」
稽古が終わった後に大の字にヘタリ込むのはいつもの事である。

オタ女「男くん!大丈夫?」トテトテ

男「おう…。カッコ悪いとこばっか見せたな…。」

オタ女「ううん…。か、カッコよかったよw」

男「そうか?へへっ…。ッ!!!!」

オタ女「?」チョコン

オタ女はしゃがむ事で無防備に男の頭上にスカートの向こう側をさらけ出していた。

男「…。オタ女…、パンツ見えてる…。」
オタ女「あっ///」
男(馬鹿野郎おおおおお!!!!煩悩が蘇るだろがよおおおお!!!!)

熱血「やったな…。」
男「熱血…。ダメ押しの筋トレするぞ、付き合え。煩悩消すぞ。」
熱血「ははっw やってやるか!」

………


男「日も短くなったな。悪いな付き合わせて。」
オタ女「ううんw カッコいい男くん見れて良かったなw」
男「嘘つけよ…。ボッコボコにされてたぞ?」
オタ女「乙女心は強さになびく訳じゃないのさ~w」

オタ女「でも、毎回あんな凄い練習してるの?」

男「ああ。強くなるためにな。それに…。」
男(煩悩を消すのにあれくらいハードなトレーニングを課した方が都合が良いんでな。)
男「約束したろ?(オタ女にもみんなにも迷惑掛けないように強くなると)」

オタ女「う、うん…///そ、それってさ!その…。」
オタ女(思い切って聞いちゃう?…でも勘違いだったら…。)

オタ女「お、男くんて好きな人居るの?」

男「!」

男(好きな人…?うーん…。)

男と熱血が謎の存在に禁欲を課されてから約5ヶ月。
日数にすれば150日以上である。人間の男はここまで性から離れていると欲情をコントロールする事ができてしまい、頭の中から異性の事は思い浮かばなくなってしまうのだ。
男(登場人物)はオタ女の問いに対して人間として好きな人物を思い浮かべていたのだった…。

男「居る。」
オタ女「! も、もしかして…。あのいつも一緒にいる派手な子?」

男「あーそうだな!」

オタ女「そ、そっか…w」シュン

男(? なんでそんなにシュンとするんだ…。もちろん)

男「君も好きだ。」

オタ女「へっ」

オタ女「…。私も?」

男「もちろん!好きだよ。」

オタ女「~~!!」カァァァァ
オタ女(私の事も好きぃ!!?そ、そんな!あの子と私とで揺れ動いてるって事ぉ!?)

男「?」

オタ女(そ、そんな澄まし顔でよくそんなとんでもない事言えるなぁ…/// そうだよねぇ…男くんかっこいいもんねぇ…///)
オタ女(目は涼しげでミステリアスで強くて凛々しいし…///モテるもんなぁ…///そしてその事を鼻に掛けないし…)

オタ女(わ、私も頑張れば…。男くんの1番になれるのかなぁ…。)

オタ女「こんの節操無し!///」ポン

男「え?」

高飛車なお嬢様「あ~ら?こんな所で奇遇じゃないこと?」
熱血「奇遇だね…。それもこんな場末のスーパーで…。」

熱血「何故こんな所にいるんだい!?それにその30%offの鮭は僕が先に手をつけたんだ!返してくれたまえ!!」
熱血「君はそこのアトランティックサーモン刺身の柵!!758円を取れば良いだろう!!」

お嬢「わ、私は花嫁修行で一人暮らしに出されて今の仕送りじゃカツカツなのよ!ダメよ!早い者勝ち!」アセアセ
熱血「そんな事情なんて知るか!明日の僕の身だ!第1!今時そんなヒラヒラがついた扇子なんか古いぞ!!」
お嬢「嫌よ!わがままは上流階級の特権ですのよ!!扇子は関係なくてよ!!」

お嬢「あなたも一人暮らしでして?」

熱血「うん?ああ、訳あってな…。」

お嬢「そう…。」スッ

熱血「どさくさに紛れて買い物カゴに入れるな!僕から取ったくせに!!上流階級の名が泣くぞ!!」
お嬢「くっ!…」

おつ
ラッキースケベやな

おつ

再開を待ってるよ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2018年09月20日 (木) 14:02:53   ID: 4sJRBsKD

期待

2 :  SS好きの774さん   2018年09月29日 (土) 17:17:04   ID: M_zNZD_9

俺も期待、しかし体外排出を禁止だから、誰かの胎内で出せばセーフなのかな

3 :  SS好きの就活者   2018年12月16日 (日) 21:34:42   ID: TFHMr4Q5

こういう面白そうなのを商業化してほしい

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