佐久間まゆ「明日はデート」 (18)


これはモバマスssです

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まゆ「……の、予定だったんですけどねぇ……」

ザァァァァァァァァァァ!!!!

まゆ「雨じゃ、しょうがありません……」

まゆ「はぁ……」

まゆ(デート、楽しみだったのに……)

まゆ(一緒に遊園地に行って、メリーゴーランドに乗って)

まゆ(お化け屋敷やジェットコースターで、さりげなく腕を組んじゃったり)

まゆ(お昼はまゆが作ったお弁当を一緒に食べて、夜は夜景の見えるお洒落なレストランで……)

まゆ(その後は……うふふふふ)



まゆ(……まぁ、まだ誘ってはいませんでしたが)

まゆ(プロデューサーさん、明日は休みって言ってましたし)

まゆ(きっとプロデューサーさんも、喜んでデートしてくれた筈です)

まゆ(なのに……)

まゆ(……はぁ……)

まゆ(お家デートも魅力的でしたけど、この雨じゃ外には出られませんから)

まゆ(なんとか辿り着いたとしても、雨でびしゃびしゃになってたら折角のお洒落もお化粧も……それはダメです)

まゆ(天気予報だと、明日の夕方まで降るみたいですし……)



まゆ(取り敢えず、この哀しみをツイッターに投稿しましょうか)

カタカタカタカタ

『はぁ……どうして、こんな時に……天気の神様はとっても意地悪です』

まゆ(……ま、まぁ典型的な女子高生のツイートですよね)

まゆ(呟く、と……)カチッ

まゆ(一気にハートとリツイートが沢山付きましたねぇ)

まゆ(プロデューサーさんから、リプライ来ないかなぁ……)

まゆ「あら?」




渋谷凛『風は気まぐれでいいよね。でも、たまには他の人に気を配って欲しい時もあるよ』

まゆ「随分と面白い呟きですねぇ。実に凛ちゃんらしいです」

まゆ「……もしかして、凛ちゃんもプロデューサーさんをデートに誘おうとしてたんでしょうか?」

まゆ「……有り得そうですね」

まゆ「この、真実を隠して遠回しに『誰かさん』へと想いを届けようとするツイート……」

まゆ「……」

まゆ「取り敢えずリツイートして……」

カタカタカタカタ

『でも、次の機会は直ぐに来てくれる筈ですよね。運命が味方してくれてるんですから?』

まゆ(呟く、と)カチッ

まゆ(これで牽制出来た筈です)

まゆ「ふぅ……一仕事した後のお茶は美味しいですね」

まゆ「どうせなら、プロデューサーさんと一緒に飲みたかったのに……」



まゆ「……あら?」

橘ありす『事前に情報を集めていても、不確定な天気だけはどうしようもありません。難しいものです。本当に、難しいですね』

まゆ「ありすちゃんの呟き、可愛らしいですねぇ」

まゆ(……難しい→恋愛→デート→プロデューサーさんとデート……)

まゆ「……ありすちゃんも、プロデューサーさんをデートに誘おうと……」

まゆ「……」

まゆ「……」リツイート

まゆ「……」

カタカタカタカタ

『どんな試練も乗り越えられる。それがきっと、運命の……』

まゆ「呟く、と」カチッ

まゆ「ふぅ……ありすちゃんはまゆよりとっても年下ですからね」

まゆ「良きライバルになるまでは、優しく教授してあげましょう」

まゆ「今は、ですけどねぇ……うふふ」




まゆ「一日中家にいるのは勿体無いですけど、かと言って外出は厳しいですから……」

まゆ「折角ですし、もっとプロデューサーさんに喜んで貰う為にお料理の練習を……あら?」

五十嵐響子『今日は雨ですけど、こういう日こそお料理の練習ですよね!』

まゆ「このタイミングお料理の練習のツイート……はっ?」

まゆ「まさか、響子ちゃんもプロデューサーさんの為に……」

まゆ「……」リツイート

まゆ「……」

カタカタカタカタ

『まゆ、ネコさん描くのとっても得意なんです』

まゆ「呟く、と」カチッ

まゆ「……し、仕方ないじゃないですか!お料理の腕前だけじゃ勝てないんですから」

まゆ「……まゆ、汚いですよね……お料理、もっと練習します」

まゆ「プロデューサーさん、待っていて下さいねぇ!」




まゆ「さて、他の子たちの呟きも一応確認しておきましょうか」

まゆ(プロデューサーさんをデートに誘おうとしていた不届き者達をしっかり牽制しないと……)

まゆ(日頃の努力が成果を結ぶんです)

まゆ「……あら」

あべなな『台風が来ているので、コロッケを作りました!』

まゆ「……台風が来ているから、コロッケ……?」

まゆ「直接訪ねてみましょうか」

『どうしてコロッケなんですか?』

ピロンッ

あべなな『あ、あぁいえ!ウサミン星のコロッケの材料はきちんと地球で買って来たものなのでウサギのお肉ではありませんから!!』

まゆ「……?」

まゆ「もしかして、台風が来たらコロッケを作るのが常識な星なんですかねぇ?」




まゆ「なんだか、まゆもコロッケを食べたくなってきました」

まゆ「近くのスーパーまでなら、そんなに……」

ザァァァァァァァァァァ!!!!

まゆ「……ダメみたいですねぇ」

まゆ「一日中ツイッターに張り付くなんて、アイドルとして大丈夫なんでしょうか?」

まゆ「……いえ!これもプロデューサーさんの為に……」

まゆ「あら?」

鷺沢文香『慣れないながらも、雨で外に出れないのでツイッターの練習を……きちんと呟けているでしょうか?』

まゆ「文香さんもツイッターを始めたんですねぇ」

『きちんと呟けていますよぉ』

まゆ「まゆはヤサシイですからねぇ!」

まゆ「……ごほんっ!ごほんっ!」





ピロンッ

鷺沢文香『ありがとう、ございます……先ほどまで、想いを綴ろうとしては文字数制限というものに拒まれていたので……』

まゆ「ありますよねぇ、熱く語ろうとして文字数制限にひっかかる事」

まゆ「……」

まゆ(文字数制限にひっかかる程長い、熱い想い→誰かへの愛→プロデューサーさんへの……)

まゆ「……」

カタカタカタカタ

『呟く時は十文字以内に収めましょう』

まゆ「……少し、無理がありますかねぇ」

ピロンッ

鷺沢文香『成る程、勉強になります』

まゆ「心が痛みますが、これもプロデューサーさんの為……」

鷺沢文香『先ほど読んだ本。好き』

まゆ「流石に謝りましょう」




まゆ「さて、他には……」

島村卯月『家にいるならお部屋を掃除しなさいってママに怒られちゃいました……誰か助けて下さい!』

まゆ「確か、卯月ちゃんってお掃除が苦手なんでしたっけ」

まゆ「お部屋はいつでも綺麗にしておかないと、いざ誰かをお呼びしたとき困りますよぉ」

まゆ「……はっ?!」

まゆ「まさか、遠回しにプロデューサーさんに掃除して欲しいって……」

まゆ「……させませんよぉ」

カタカタカタカタ

『まゆでよければ、近いうちにお手伝いしに行きましょうか?』

まゆ「ふぅ……これで、プロデューサーさんを呼ぶ口実にはさせません」




奏『困ったものね、こんな時に限って……でも、そうね。この空模様が輝きを放つ頃には……ふふっ』

塩見周子『おなかすいたーん』

宮本のフレデリカ『大雨でお風呂が増水してる!』

まゆ「きやがりましたねぇ……この三人組」

まゆ(一番危険そうなのは奏さんですけど……)

まゆ(周子さんも『誰かさん』と一緒にご飯を食べたいという誘いのツイートかもしれませんし……)

まゆ(フレデリカさんは早く蛇口を止めましょう)

カタカタカタカタ

『しばらくは雨みたいですね』

『小腹が空いた時用のお手軽レシピをこちらのモーメントに纏めてますよぉ』

『蛇口を止めましょう』

まゆ「ふぅ……ツイッターって体力を使いますねぇ」



楓『雨の日はあめーお酒が飲みたいです』

北条加蓮『誰かポテト買ってきてくれないかなー』

新田美波『こういう日こそお勉強ですよね!』

アーニャ『星が見えない』

まゆ「……全員の呟きが怪しく見えてきますねぇ……」

まゆ「こうなったら一人残らず牽制していきます」

まゆ「待っていて下さいね、プロデューサーさん……!」



P『……で、なんで俺に電話掛けてきたんだ?』

まゆ「規制されて何も出来なくなっちゃって……」






雨でする事がなく、1日をツイッターで潰したまゆのお話
お付き合い、ありがとうございました

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