アライさんのような害獣が生きたいと思うこと自体罪なのだ (1000)

多くの傑作アライさんSSに影響され、是非、自分もと筆を執りました。
SSどころか2ちゃんねるも初めて書き込む身で見苦しい点も多々あろうかと思いますが、
ご甘受頂ければ幸いです。

このSSは残酷な描写があります。
けものフレンズが好きな方は勿論、アライさんが苦手な方もご不快に感じる方がいらっしゃるかと思われます。
そのような方は無理をせず、プラウザバックを何卒お願いします。
また、所謂R18G描写が苦手な方にも閲覧をお勧めいたしません。

SS初心者の自分には「力加減」が分かりかねるところがありますので転載や拡散はご配慮お願いします。

世界観・設定は原作アニメや他の名作先輩SSを参考にさせていただきながら、自分でも埋め合わせ、
調整、推測、創作等を行っています。
また、「書き物」の常として自分の主観等が混じり「こんなのけもフレじゃない」と怒られてしまわないか
ビクビクしています。どうか不出来な二次創作をご宥恕頂ければ幸いです。

村に続く一本道の道路。アスファルトはひび割れ、草が伸び放題になっている。
その中央には少し物騒な看板が先に進もうとする者を遮るように立てられている。
『避難対象地域 立ち入り厳禁』

ここはとある事情から40年以上放棄された日本のある廃村。

半ば朽ちた家々の中で比較的原型を留めている一軒の廃屋の中にそれは息を殺したようにうずくまっていた。

廃屋アライさん「うっ…はぁ…はぁ。」ズキッズキッ

廃屋アライさん「お腹が…痛いのだ…もうすぐ…産まれるのだ。」

廃屋アライさんは自分のお腹を愛おしそうにナデナデ擦る。
廃屋から齧りとった不燃材などで作った「巣」に横たわりながら、廃屋アライさんは静かにその時を待つ。

廃屋アライさん「うっ、うっ、うっ。はぁー、はぁー、はぁー。産まれるのだぁぁぁぁっ。」

メリッ、メリッ、メリッ、メリッ、メリッ、メリッ。
廃屋アライさんの股から6匹の生き物が産まれてきた。

廃屋アライさん「や、やっと産まれたのだ。アライさんの初めてのチビなのだ…!!!」

アライちゃん1「のりゃ。のりゃ。」ビエエエエエン
アライちゃん2「のりゃ。のりゃ。」バブバブ
アライちゃん3「のりゃ。のりゃ。」ビエエエエエン
のだのだのと早速気持ち悪い鳴き声を上げる3匹のアライちゃんと…。

子アライグマ♂1「キーキー。」
子アライグマ♂2「クゥークゥー。」
子アライグマ♂3「キーキー。」

3匹のオスのアライグマである。

廃屋アライさん「チビ達…。よく無事に生まれたのだ。
アライさんはなぁ、お前たちのお母さんなのだ。偉大なんだぞ。」ペロペロ
そう言いながら、一匹一匹、アライちゃん・子アライグマ♂を丁寧に舐めていき、体につ
いた血液や粘液を除去していく。

廃屋アライさん「ペロペロはお母さんの大好きの証なのだ。」

廃屋アライさんはそう言いながら、人間の服のような「毛皮」の胸元をはだけ、小ぶりな二つの乳房を露にする。
栄養が高く強力な抗菌作用もある初乳を赤ちゃんにあげることを本能で「知っている」のだ。

廃屋アライ「さあ、ペロペロが終わった子からチュパチュパするのだ。」
元種のアライグマと異なり、乳首が2つしかないため、廃屋アライさんは忙しい。

アライちゃん1ヨチヨチ、ヨジヨジ、「ちゅぱちゅぱ。」
子アライグマ♂1ヨチヨチ、ヨジヨジ、「ちゅぱちゅぱ。」
先に舐め舐めが終わったアライちゃん達がアライさんの体を上り乳房に縋りつく。
それを横目で見ながら、アライさんは末の子たちの体を舐めていく。

アライちゃん1「ちゅぱちゅぱ。」モゾモゾ
子アライグマ♂1「ちゅぱちゅぱ。」モゾモゾ

アライちゃん2「のりゃ。のりゃ。」ヨチヨチ
子アライグマ♂2「クゥークゥー。」ヨチヨチ
アライちゃん3「のりゃ。のりゃ。」ヨチヨチヨチ
子アライグマ♂3「キーキー。」ヨチヨチヨチヨチ

廃屋アライさん「ようやくここまで来たのだ。」

廃屋アライさんにここ数か月の思い出がよみがえる。
冬の寒さが峠を越したころ、体が火照ったような、ムズムズしたような変な気分になり、
気が立って変になりそうになったこと。
山の中で番を探し回り、やっと見つけたアライグマ♂と本能の赴くまま交尾したこと。
お腹に子供が出来てからは、人間を避け、けものを避け、この廃屋に餌をため込み巣作りし、
今日まで自分とおなかの子を大事に大事に守りながら過ごしてきたこと。

廃屋アライさん「本当にようやくここまで来たのだ。」

村長「皆さん。ようやく我々はここに帰ってきました。」

廃村へ続く道路の真ん中。例の看板に背を向け、ミカン箱の乗った男が目の前の200人ほどの集団に語りかけている。
彼は『我が手で再び郷土を拓こう』と印字されたタスキをかけている。
その言葉は一群の集団のスローガンらしく、人々が持つ幟にも記され、ここまで乗ってきたバスやトラック、
軽トラにもステッカーが貼られている。

村長「あの大災厄―『サンドスター大噴出』によるセルリアン大発生により、当村が避難地区に指定され、
  早40年余りがたちました。」

村長「皆さんの中には、村を離れる前は子供だった方は勿論、避難後に他の地域で生まれ、
  生活してこられた方も大勢いらっしゃいます。」

村長「きっと、不安に思われている方もいらっしゃることでしょう。私も一抹の心配がないとは言いません。
  しかし、この村は我々がご先祖から受け継いだ財産であり、大事な故郷であり、
  私達のルーツの源であることを、我々はあの苦しい戦争中も忘れたことはありませんでした。」

そうだ、そのとおり、と観衆から合いの手が入る。村長は若干、心配そうな顔をしている
子供たちや若い女性らに励ますような視線を送った。

村長「今日は大安吉日。この晴れの日を当村の第二の村開きとしたいと思います。」

うぉー!、オー!、僕らのインティペンペンデンスデーだ!!

少し滑り気味な歓声を少年や若者たちがあげていくなか、村長と若い村の衆が忌々しい『避
難対象地域 立ち入り厳禁』看板をつかみ、揺さぶっていく。

気を利かせた男が看板の根元をツルハシで掘り崩すなか、村人たちの心に40年以上突
き刺さっていた杭がゆっくり抜けていく。

村長「それでは皆さん『我が手で再び郷土を拓』いていきましょう!」スポッ

『帰郷式』を終えた村人たちは、その後、バスやトラック、軽トラに乗り込み『前
線ベース』に向け一旦、元来た道を帰っていった。

世界観
「世界再建戦争」の約30年後、アニメ本編の約35年後をイメージ。
文明程度、国家・法律等は現代とだいたい同じ。ただし、戦後復興期特有の独特の雰囲気も。

用語「サンドスター大噴出」
火山の噴火現象などの大規模地殻変動発生時に起こるサンドスター、サンドスター・ロウの噴出現象。
サンドスター噴出は元々、ジャパリパーク内特有の現象とされていたが、その後パーク外の地域にも範囲を拡大、
セルリアンの大量発生の原因となり人類衰退期をもたらす。現在は、不完全ながらも予報システムが確立し、
発生予想ポイントには(アニメ11話のような)サンドスターろ過フィルターが準備されている。

『前線ベース』、要は隣町につくと、人々は車から降り始める。
この町は先ほどの村と中学校区が同じだった縁もあり、避難民の主な受け入れ先となっていたのだ。

隣町の町長(以下町長)「村長さんこの度は、誠におめでとうございます。」
先ほどの「帰郷式」に来賓として出席していた町長が村長に声をかける。

村長「町長さん。今日という日を迎えられたのは、偏に町長さんと町の方達の温かいご支
  援のおかげです。本当にありがとうございます。帰還はやっと途に就いたばかりではありますが、
  変わらぬご援助をどうかよろしくお願いいたします。」

町長「なんの。村民の皆さんとは40年越しのお付き合いです。町民一丸となって今後も応援してまいります。」

村長「この地区のセルリアン討滅戦が完了してから、帰れる日を待ちわびていました。
  復興のめどをつけ、村の土を踏めずに亡くなっていた人たちのご位牌やご遺骨を早く戻してあげたい。」

町長「まあまあ。村長さんがそんなに前のめりでは、村の若い者がもっと焦ってしまいますぞ。
  長たるものドーンと構えなくては。」

村長「ありがとうございます。正直40年以上の時がたち、私も含め村の者の生活の拠点は完全にこの町に移っとります。帰還は事前計画の通り、村民の気持ちを優先し、一時帰宅や墓地の再整備から段階を踏んでゆっくり進めていくつもりです。」

町長「それを聞いて安心しました。なぁに、セルリアンはもういない。イノシシやシカやクマは心配ですが。」

村長「この日のために、若い衆に猟銃免許を取らせときました。罠もいっぱい。
  それに復興補助金で手に入れた害獣対策ロボや農業ドローンもたくさん。」

町長「となると、一番の障害はアライさんかもしれませんね。」

村長「アライさん…。」

ジョボボボボボ
廃屋の玄関前で廃屋アライさんが排尿している。

廃屋アライさん「はあああぁぁぁ~~。すっきりしたのだ。気持ちいいのだ。まーきんぐもできて一石二鳥なのだ。」
ブルブルと体を震わせた後、手袋のように見える「毛皮」をまとった手でコスリコスリ局部を拭う。

アライちゃん2「おかあしゃん。おっぱいほちいのりゃ。」ヨチヨチ
子アライグマ♂3「クゥルゥゥー。」ヨチヨチヨチ
アライちゃん1「おかあしゃん。おっぱいおっぱいなのりゃ。」ヨチヨチヨチヨチ

廃屋アライさん「わかったから巣から動いちゃダメなのだ。」

廃屋アライさんはマーキングを終え、家の奥の巣に向かう。断熱材や藁、ダンボール等で
作られた巣に廃屋アライさんが横たわるとアライちゃんや子アライグマ♂がウジャウジャヨチヨチ
ヨチ寄ってくる。

廃屋アライさん「ちっちゃい子は後なのだ。おっきい子が先なのだ。」
アライさんは野生のけもの。限られた資源と不確実で覚束ない現実のなか、常に「自分と
その子孫が生き残る可能性」を最大化するよう本能に刻み込まれている。

廃屋アライさんは一番、大きく育ち毛並みが良いアライちゃん1とその次に大きく育った
子アライグマ♂1に自分の乳首を咥えさせる。

アライちゃん1「ちゅぱちゅぱ…」

子アライグマ♂1「ごくごく…」

廃屋アライさんは2つの乳房にぶら下がるようにしがみつくアライちゃん達を抱き寄せる。

廃屋アライさん「いっぱい飲んで早くおっきくなるのだ。」ギュー

アライちゃん2「のりゃー!のりゃー!」ヨジヨジ

子アライグマ♂2「キー!キー!」クイクイ

アライちゃん3「なのりゃ!なのりゃ!」グイグイ

子アライグマ♂3「クゥーン!クゥーン!」ヨチヨチ

廃屋アライさん「待つのだ!みんなの分のおっぱいはちゃんとあるのだ!アライさんはその辺バッチリなのだ!」

アライちゃんの成長はとても早い。特に母乳に頼る生後約50日の成長は一般の生物とはかけ離れた感がある。
母アライさんはその分、たくさんの栄養を取り、せっせとお乳をあげ続けるのだ。

一番小さい子に母乳をあげ、廃屋アライさんは一息入れている。

アライちゃんたち「なのりゃー」ヨチヨチ
子アライグマ♂「キー」モゾモゾ

廃屋アライさん「チビ達は本当にかわいーのだぁ」ウットリ

廃屋アライさんはその醜く吊り上がった目を細めながら自分の子供たちを見つめていた。

また、新たな作品が。フレンズだけでなく、雄のアライグマも生まれる設定は斬新だな。

しかし

廃屋アライさん「!!!」
耳をピクッと動かし、廃屋の外。夜の帳の向こう側に意識を集中させる。

アライちゃん2「おかーしゃん?」

廃屋アライさん「みんなここにいるのだ!巣から離れては絶対ダメなのだ!」バッッ

言うが早いか廃屋アライさんは家の外に向けて走り出す。破れた玄関の扉をくぐり、
自分の尿でマーキングしたテリトリーの端まで駆けつける。

いつでも駆け出せるように半身を向けながら、腰を落とし、両手で何かを確かめるように地面を触った後、
再び姿勢を戻す。

廃屋アライさん「そこに誰かいるのか」

そっと暗闇に向け声をかける。アライさんの元種アライグマは視力が悪いとされるが、それでも夜行性の動物。
やがて、少し離れたところに人間に良く似た、
しかし人間にあるはずのない「ケモ耳」を生やした一匹のフレンズの影が浮かび上がる。

アライさん「アライさんはアライさんなのだ。」

その影がきょとんとした、やや不遜な声をあげた。

用語「世界再建戦争」
セルリアンにより分断圧迫され、崩壊の危機に瀕していた人類社会が
ジャパリパークから渡来したフレンズ・ラッキービースト、かばんらとともに生存圏を奪還し、
一定の社会基盤を再確保した一連の武力紛争及び社会運動の総称。
各国、国際機関の復興は地域により多少のばらつきがあるものの、おおむね順調に進み21世紀初頭程度には回復している。
未だに出現する「はぐれセルリアン」との部分的な衝突は続いている。

用語「フレンズ」
サンドスターの接触により、人間の女の子のような形態になった動物・けもの(及びその一部・遺骸等)。
アニマルガール。人生ならぬ獣生においてどのような経験値を積んできたか、どの程度サンドスターを体内に取り込んだかで
同じ種類のフレンズでも能力等に差異がみられる場合がある。
サンドスターに当たって変化した世代(第一世代)のフレンズは体内サンドスターの消耗や「フレンズとしての死」により、
元の動物等に戻る。
しかし、受精確率は低いものの、親がフレンズの状態で元の種の動物と交尾するなどにより子が生まれた場合(第二世代以降)は、
オスの子供は「元種のオス」に、メスは「元種のフレンズ」となる。第二世代以降のフレンズは死亡した場合、
亡骸は元の動物に戻るといったことはなく他の生物同様のプロセスで自然界に分解されていくことになる。
ほとんどのフレンズは、かばん達の働き掛けもあり「世界再建戦争」に参加し、戦後も人類と友好関係にある。
ただし、所謂、ジャパリパーク由来のフレンズとその子孫(ジャパリパーク組)と人類衰退期以降にパーク外で生まれたフレンズ達には
対人類感情、フレンズ間の関係、「自然」という概念の捉え方等に温度差が存在する。
フレンズの生息地を統治する国家・機構により、その扱いは異なるが、おおむね
①人間社会で生きる道、②野生動物として生きる道、③動物園、研究施設で管理される道の3パターンの獣生を
送るものが多い。

アライさん「アライさんはアライさんなのだ。」

アライさんは前方のアライさん(廃屋アライさん)の声に答える。

アライさん「くんくん。いいにおいがするのだ。そのお家に入れてほしいのだ。アライさ     
     んの巣を作るのだ。」

廃屋アライさん「ダメなのだ。近寄ることは許さないのだ。」キー
廃屋アライさんは牙を剝き出しにして、アライさんを威嚇する。

アライさん「アライさんはお家がないのだ。そこに巣を作るのだ。」

廃屋アライさん「だめなのだぁぁぁー!」キシャァァー
廃屋アライさんは威嚇の段階をあげ、牙を剥き出しにしながら勢いよく前にステップする。

アライさん「わっわっ…。危ないのだ。」ドタドタ
廃屋アライさん「危ないようにやっているのだ。ここに近寄っちゃダメなのだ。」キシャァァー


一般的に哺乳類の「子持ちのメス」は気性が荒く、要注意とされている。
クマの例が有名だが、人に良く懐きその賢さと優しさで知られるレトリーバー犬でさえ、
母犬は大変神経質になり攻撃的である。
まして、成体になると気性が荒いことで有名なアライグマのフレンズなら…。言うまでもないことであろう。

廃屋アライさん「お家はここ以外もいっぱいあるのだ。分かったら出てくのだ。」

アライさん「アライさんはこのお家が気に入ったのだ。それに中からいいにおいがするのだ。」

アライさんは牙をむいて威嚇する廃屋アライさんから目を離さないようにしながら、ゆっ
くりと足を踏み出した。

廃屋アライさん「!!!」ザッァ!
その刹那、廃屋アライさんは密かに手に握りしめていた砂の塊をアライさんの顔面に叩き
つける。

アライさん「うぷぅ。」コスリコスリ
アライさんは咄嗟に両手で顔を覆い、目を擦ろうとする。人間の場合なら目の傷を悪化さ
せる間違った対応だが、手で病傷部を擦ることで単体回復スキルを発動するアライさんに
取って本能に近い自然な反応だ。

「」の最後には読点入れない方がいいかも。

しかし

廃屋アライさん「ガブッツ!」ダッ!
その隙をつき、廃屋アライさんは地面を蹴り、アライさんの右手親指に勢いよく齧りついた。
そのまま自身の体重と飛びついた勢いに体の捻りを加えて引きちぎるように倒れこむ。

アライさん「いだいのだぁー」ブッチ。
アライさんは悲痛な声をあげる。まだ、視界が回復していない状態で必死に両手をブンブン
振り回して交戦しようとする。

廃屋アライさん「ペッ。」ビチャ
廃屋アライさんは嚙み切ったアライさんの右手親指を吐き出し、めちゃくちゃに振り回さ
れるアライさんの腕をかわしながら、彼女の背中に回り込む。

廃屋アライさん「たあー」ドッタンバッタン
廃屋アライさんは背中から、アライさんに飛びつき前のめりに押し倒すと、彼女に馬乗り
になり、両足で胴体を締め上げて固定し、両手でそれぞれの耳の根元を握りしめ、頭皮に
齧りつき牙を突き立てる。

アライさん「痛いのだぁ~!お耳が取れちゃうのだ!!」

アライさんがあげる声を無視し、廃屋アライさんは掴んだアライさんの耳をその人間の幼
女のような外見からは想像もつかないような腕力で後ろに引っ張り上げる。口はアライさ
んの後頭部の頭皮に嚙みついたままである。

アライさん「ウギャー!離すのだ!やめるのだー!」ジタバタ
アライさんも必死で体をひねって抜け出そうとするが、廃屋アライさんは両足の締め付け
を強め続ける。

廃屋アライさん「ふぅぅぅぅ!おぅっぅぅ!」ミチミチ、ギシギシ
腕の筋肉、あごの筋肉、胸の筋肉、首の筋肉、背筋、尻の筋肉、足の筋肉。要は全身の筋
肉と自身の体重で、廃屋アライさんは後ろに倒れるように、アライさんの耳を頭皮ごと引
き千切ろうとする。

ミチミチ、ギシギシ、ミチミチ…。やがて

ブチッ。ズル…。

ドサッ。コテン

アライさんの耳は頭皮と顔面の一部とともにむしり取られた。皮が引きちぎれた時の勢い
で、廃屋アライさんは後ろに倒れる。

廃屋アライさん「のだっ!」ゴチ

アライさん「ヒギィィィー。ウゥゥゥー。いっひゃん、にぎぇるのだぁ!」ヨロヨロ

アライさんは廃屋アライさんの締め付けが緩んだ隙に立ち上がり必死に逃げようとする。
白い頭蓋骨が剥き出しになった頭からはドクドク血が流れだし、引き千切られた顔面の筋
肉は空気に触れながら痙攣している。

ヨロヨロ、ヨロヨロ。暗闇の中にアライさんが二、三歩進んだとき

廃屋アライさん「逃がさないのだっ!」ガッ

廃屋アライさんが傍に落ちていた重そうな石を両手で持ち上げ、アライさんの剥き出しの
頭蓋骨に振り下ろす。

アライさん「」ビク、ビク、バタ、バタタタタッッ!!

アライさんは倒れこみ、手足を激しく痙攣させるゴキガイジムーブをして…。それが最後
となった。

廃屋アライさんはそのさまを冷徹に見降ろし、

廃屋アライさん「最初は命まで取る気はなかったのだ。」ハアハア

そうつぶやいた。

廃屋アライさんの言葉に嘘はない。小さな傷が簡単に命取りになりうる野生動物は本来(ご
く例外を除き)、無用な闘争は好まない。命を懸けるのは獲物を仕留め、交尾の相手を獲得
し、群れやテリトリーを守る、限られた相手、限られたタイミングのことだ。威嚇や自身
の一時的な避難で事足りるならそれに越したことはないのだ。
百獣の王ライオンも地上最大獣ゾウも海の王者シャチ(シャチはたまに獲物を嬲るが)も
そして、自己回復スキルを持つフレンズ「アライさん」も例外ではない。

廃屋アライさん「とは言え、やっちゃったものはしょうがないのだ。アライさんの糧になるのだ。」

ボタボタ、ズルッズルッ、ボタボタ、ズルッズルゥ。

アライちゃん3「おかーしゃん。おかえりなのりゃ。」ヨチヨチ

廃屋アライさんが何かを重そうに引きずりながらお家に入ってくると早速、チビ達が寄っ
てくる。

廃屋アライさん「もう、巣から動いちゃダメなのだ。」メッ!

そう言いながら、何かを引きずり家の奥へ―巣の近くまで戻ってくる。

アライちゃん2「それはなんなのりゃ」ヨジヨジ

アライちゃんが母親の仕留めてきた獲物をのぞき込む。

アライちゃん2「ヒィ…!」

アライさん1「どうしたのりゃ。」ヨチヨチ

アライちゃん2「アライさんなのだ…」

子アライグマ♂達は鳴き声も上げない。

廃屋アライさん「これはお前たちのお乳の元なのだ。」

その声を打ち消すように廃屋アライさんは答える。顔に険しさはない。これで当分、危険な外出を避けることができる。
アライさんは(アライグマも)子育てを雌単独で行う。
そのため、アライさんについて子供たちが巣から出られるようになる50日間はとても大変なのだ。
母アライさんが何らかの事情で、餌探し中などに死亡した場合、子供たちの運命は餓死が運命づけられている。

廃屋アライさん「正直、今日までアライさんの危機だったのだ。これでもう大丈夫。
       お耳の先からしっぽの先まで無駄にしないのだ。」

アライちゃん1「おかーしゃんがたおしたのりゃ。」

廃屋アライさんはうなずく。

アライちゃん1「しゅごいのりゃー」コスリコスリ。フリフリ。
アライちゃん2「いだいなのりゃー」コスリコスリ。フリフリ。
アライちゃん3「いのちのおんじんなのりゃー」コスリコスリ。フリフリ。

子アライグマ♂1~3「クゥゥーン。クゥゥーン。」

アライちゃん達は未熟ながらハエガイジムーブをして母の偉業を称え、子アライグマ♂は
歓声(?)をあげる。

野生って感じが表現されてていいね

廃屋アライさん「当たり前なのだ。アライさんは天才なのだ。」

アライちゃん1「あらいしゃんにもえもののたおしかた、おちえてほしいのりゃ。」

廃屋アライさんは少し考えた後、

廃屋アライさん「お前たちにはまだ早いのだ。」

アライちゃん2「でも、いまききたいのりゃ。」
アライちゃん3「あらいしゃんはまなぶきかいをのがしゃないのりゃ。」

子アライグマ♂達「キー。キー。」

廃屋アライさんは困った顔になった後、ややあって表情を引き締め口を開く。

「勝てる相手としか戦わないこと。基本は死体か子供か年寄り・病気のけもの、オスかメ
スか体の小さい方しか狙わないこと。群れからはぐれたやつをねらうこと。自分より強い
やつと会ったら先ずは逃げるか隠れること。」

廃屋アライさんは続けて言う。
「アライさんは何でも食べられるのが取り柄なのだ。無理に大物を狙わず、口に入るもの
なら何でも食べること。少しでも苦かったり、甘すぎたりしたら胃液ごと食べ物を吐き出
し見向きしちゃだめなのだ。」

早くもやんちゃな本性が見え隠れし始めているアライちゃんの吊り上がった気持ち悪い目
を見据えながら廃屋アライさんは話を続ける。

「獲物の前で舌なめずりをしないこと。襲い掛かる前は自分がこの世界で一番弱いけもの
になったつもりで忍び寄ること。いざ襲い掛かったら、自分が世界で最強の存在と思うこと。
一度噛みついたら嚙み千切るまで離さないこと。引っ搔くときは自分の手を取られてはいけないこと。」

「倒した獲物は必ず息の根を止めること。獲物を倒した直後が一番隙ができることを覚えておくこと。
けもの相手のときだけじゃなく、くだものやおやさいを手に入れた時もおんなじなのだ。
横取りや自分を狙う視線に注意し気を抜いてはいけないのだ。」

アライちゃん達「いっぱいすぎてのぼえられないのりゃ~。」
子アライグマ♂「クォォーン。」

廃屋アライさん「やっぱりそうなのかー」ヤレヤレ

そう言いながら廃屋アライさんは自分の「毛皮」の胸元からキラキラひかるギザギザしたものを取り出す。

廃屋アライさん「じゃあこの二つだけは今日絶対覚えるのだ。一つ、ニンゲンを見たら必    
       ず逃げ隠れ、姉妹親子が捕まっても殺されても物音を立ててはいけないのだ。」

廃屋アライさん「二つ、このキラキラのにおいをしっかり覚えておくのだ。」

クンクン。クンクン。アライちゃん達はキラキラしたギザギザのにおいを一生懸命嗅ぐ。

廃屋アライさん「このにおいが微かでもしたら、どんなに美味しいにおいがしても、
       どんな恐いものに追い立てられても決して近寄ってはいけないのだ。」

廃屋アライさん「お話はこれでお終いなのだ。お前たちはいっぱい寝るのだ。寝るのがお前たちの仕事なのだ。」


アライちゃん3「おかーしゃん。ニンゲンってなんなのりゃ。」

廃屋アライさん「…そうか、チビ達は見たことがないのだ。
       見た目はアライさんに似ているけど耳としっぽがないけものなのだ。
       大人のニンゲンはアライさんよりだいぶ背が高いのだ。
       オスとメスの外見は似ているけどメスのほうが小柄なのだ。
       絆の強い群れを作り一匹を襲うと手痛い仕返しをされるのだ。」

廃屋アライさんは靴下のような「毛皮」を捲る。足首には廃屋アライさんがいくら擦って
も消えなかった醜いギザギザした傷跡があった。

廃屋アライさん「この傷を負わせた恐ろしいやつなのだ。
       アライさんのお母さんは銃―大きな音が出る鉄の筒で、お姉さんは毒餌で殺されたのだ。
       妹のうち一匹は鉄の籠に入って出てこられなかったのだ。
       もう一匹の妹は筒に手を挟まれたまま生き別れたのだ。」

シーン。陽気なアライちゃんや子アライグマ♂もさすがに静まりかえる。

廃屋アライさん「あの時、このギザギザがたまたま外れなければアライさんも死んでたのだ。
       チビ達、このことを一生の教訓とするのだ。大きくなったら実物を見せてやるのだ。」

話し終わると廃屋アライさんは今度こそ自分から目を閉じた。

用語「アライさん」
アライグマのフレンズの通称。アライグマは北米原産の動物であるが周知の通り日本において繁殖し、
大きな社会問題となっていた。サンドスター大量放出が発生した人類衰退期以降、その一部が断続的に
サンドスターに触れ、フレンズ化するとともに旺盛な繁殖力で各個体が生息数を拡大、
「セルリアン以上に厄介」と言われる存在となっている。特定有害フレンズ指定されている。

アライグマのフレンズは、元種であるアライグマ由来の比較的高い知能と学習能力、環境に対する適応力を有する。
雑食性で基本何でも食べる。視覚がやや弱いが手先は非常に器用で嗅覚も優れている。体力も低くはなく、木登り、
立体行動も得意で泳ぐことも可能、成体は猟犬をも返り討ちにする場合がある。
その最大の特徴はフレンズとしては(動物としても)旺盛な繁殖力である。生後2年で成熟し、以降妊娠率は100%とされる。
春に3匹~6匹子供を産み、繁殖に失敗した場合でも再度発情し、その場合は夏ごろ出産する。寿命は飼育下で50年ほど
(経験値や取り込んだサンドスター量によって延びる場合もある)。
各個体は極めて微弱ながら単体回復の能力を持ち、病傷部を手で擦ることにより自己治癒を行う。
経験値を十分積んだ個体は「マジカルウォーターハンド」と通称される超回復が可能な場合もある。
成体は身長140cmほどになる。俗称として出産直後から身長20‐30㎝程度までの幼獣を「アライちゃん」、
それ以後から成獣までの間の個体を「アライしゃん」と呼称されることもある。
なお、アライさん自身は自らを「アライさん」、自身の子供を「チビ」と呼ぶケースが多い。
非常に有名なことだが語尾は「なのだ」をつける。

用語「アライさん2」
警戒心が非常に強く、幼少期は人に懐くが、成獣になるときわめて気性が荒くなる。

高い知能と学習能力は自身とその子孫の生存繁栄に全フリされており、
「社会全体への配慮」や「(血縁関係にない)他者への同情や共感の念」は欠如している。
(未確定ながら、幼い頃から共に暮らす限られた少数のグループを「群れの仲間」ないし「家族に準じた存在」と
認識するケースも稀にあるとされる。)また、自分の獲物に対する執着心はとても強い。

農家は勿論、一般国民にとってもやっかいな嫌われ者である。
しかし、元種のアライグマがそうであったようにその外見を可愛いと感じ、また殺処分に対する嫌悪感から
アライさんに同情的な人たちもいる(アラ信)。
また、特に世界再建戦争期の世代の人は、かばんさんとともに人類に加勢した「ジャパリパークのアライさん」の思い出が根強い人たちもいる。
なお、「ジャパリパークのアライさん」とその子孫は人類及び日本の功労者として特定有害フレンズ防止法の特記事項により
国賓として指定生活区域や動物園等に優先入所し、獣生を送っている。

ちなみに、他の一般アライさんはその自己中な本性を露わにし、世界再建戦争では人類陣営に加わらないばかりか、
「漁夫の利を狙うのだ」「天下を取るのだ」などと言っていたという証言がある。

一旦、ここまでとさせてもらいます。

乙なのだ

乙です
アラ虐の輪がどんどん増えていって感無量です

是非とも生まれて来た事を後悔するような死に様で死んでほしいですね!!

エクセレント&ビューティーホー。シートン動物記やファーブル昆虫記みたいなドキュメントや設定が練ってあって良かったです。乙。

名作が増えてしまった

まずスレタイが良すぎる

まともなアライさんは保護されてるのか
よかったよかった

乙乙

まともなアライさんって、ジャパリパークのアライさんだけみたいだな

やっぱりアライさんは絶滅するべき
それにしてもこのssのアライさんは他と比べて少しだけ賢いな

書き溜めることができた分を続けます。

読んでくださった方の中に『「」の終わりの句読点』についてアドバイスをいただきました。
この場でお礼を申し上げるとともに早速、その書き方で試してみます。

アライさん「出すのだ!!ここから出すのだ!!!」キシャァァー、ガシャンガシャン。

例の廃村の近くの林のなか。アライさんが籠罠に閉じ込められていた。そのさまを4人の男が眺めている。

男1「村長の言った通りだった。この辺り、アライさんが繁殖してやがる」

男2「町の畑かゴミ箱から食い物を失敬した帰り道だったのかな」

アライさん「なにをブツブツ言ってるのだ!早く出すのだ!」ガシャンガシャン。

男3は黙って密閉とガスの準備を始める。その手を4人目のリーダー格の男が止める。

リーダー男「まあ、待て。せっかく捕まえたんだから、こいつから聞けることを全部聞き出そう」

リーダー男はそう言って籠罠に近づく。ポケットから飴玉を取り出すと籠罠の中に放り込む。

アライさん「???!!!」

アライさんはしばらく飴玉をクンクン嗅いでいたが、やがて

アライさん「ペロペロ。ガチガチ。バリバリ。ゴックン。おいしいのだぁー」コスリコスリ

リーダー男「そうかー。おいしいかー。もっと美味しいものがあるぞ」

リーダー男はそう言いながリュックから揚げパンを取り出す。

リーダー男「ほしいかー。お兄さんの質問に素直に答えたらこれをあげるぞ」

アライさん「ここから出すのだ!!!」キシャァァー、ガシャンガシャン。

駄目である。話が全く通じない。

リーダー男「素直に質問に答えたらこの揚げパンをやる。このガチャガチャからも出してやる」

勿論嘘である。聞き出すことを全部吐かせたら、即殺処分である。

アライさん「話すことは何もないのだ!!!早く出すのだ!!!おいしいものもよこすのだ!!!」

全く話にならない。リーダー男は男3に合図する。男3は慣れた手つきでアライさんを罠ごと密封してガスボンベを
取り付ける。

「何をするのだ!!やめるのだ!!アライさんはゆるさないのだ!!!」ガシャンガシャンガシャンガシャン。ガシャンガシャン。
 キシャァァー。ガシャンガシャン。

アライさんが全力で暴れている。

男1「事前に聞いてはいましたが凄い迫力ですね。罠がきしみをあげるほどだ」

男2「そりゃそうだろう。アライさん…と言うからマヌケそうなイメージがあるだけで実際は、
  ニホンザルよりも大きいチンパンジークラスの生き物が今生の力を振り絞って暴れるわけだからな」

男たちの話を聞き流すかのようにリーダー男は男3に命じる。

リーダー男「やれ」

リーダー男の合図でガスが噴出される。

アライさん「やめ…」

やがて、声も暴れる音も聞こえなくなった。

もうすぐ、アライさんの息の根が完全に止まる。その直前、

リーダー男「ガスを止めろ!密封をとけ!」

男1~3「??!!」

リーダー男「早くしろ!死んだら情報が聞き出せなくなる。仮死状態のうちに縛り上げて一度町に運ぶんだ」

4人の男達は大急ぎでガスを止め、密封を解く。

アライさん「」ピクピクピクピク。ジョボボボボボ。ブリブリブリブリブリ。

アライさんは白目を剥いて痙攣し、糞尿を垂れ流している。その両足を掴んで籠罠から引きずり出し、
両手を後ろに回して手錠をかけ、続けて両足にも枷をはめる。

ここのアライさんは会話ができないか……
腹が立つからどんどん裁きを与えてほしい

男2「ウー臭い。さすが、うんこのフレンズなんて言われるだけのことはある」

リーダー男「アホなこといっとらんで、作業に集中しろ」

アライさんを更にロープでぐるぐる巻きにし、男達がここまで乗ってきたトラックの荷台に乗せる。

リーダー男「男3は罠を掃除して、次の餌を仕掛けてくれ。男2は副村長に事情を携帯で伝えてくれ」

男3は頷き、先ほどの罠の方に向かう。

男1「ここまでやっといて何だけど、こんなことして大丈夫かい?確か特定有害フレンズ防止法では、
  アライさんの運搬や飼育は禁止されていて、その場で駆除しないといけないんじゃ?」

リーダー男「だから、副村長に連絡するんだ。帰ったら、改めて俺から説明する」

僕もアラ虐を書く立場に回ることがありますが、ここはとても面白いですね。
参考になります(パクるとは言ってない)。

リーダー男の服には『我が手で再び郷土を拓こう』のロゴが刺繍されている。左胸には青年団長のバッチが
彼の内心を表すように誇らしげに光っている。

リーダー男改め青年団長「せっかく捕まえた情報源を無駄にしてどうする?」

青年団長は皆に聞こえるよう、やや声を張る。

青年団長「ここは尋問に適さない。長居して他のアライさんの目に留まってもまずい。道具もない。
    一度、帰ってじっくりやろう!」

男達は頷き、作業の手を早めた。

用語「特定有害フレンズによる生態系等に係る被害の防止に関する法律」
「特定有害フレンズ防止法」と略される。
日本在来の生物を捕食したり、これらと競合したりして、生態系を損ねたり、人の生命・身体、農林水産業に
被害を与えたりする、あるいはそうするおそれのある外来生物が元になったフレンズによる被害を防止するために、
それらを「特定有害フレンズ」として指定し、その飼養、保管、運搬、輸入等について規制を行うとともに、
「鳥獣保護法」「動物愛護法」「フレンズ共同参画社会基本法」等の規定を一部ないし全部適用外とし、
必要に応じて国や自治体・各不動産管理責任者、講習後登録を終えた一般有志者等が野外等の外来生物由来の
フレンズの防除を行うことを定める。

※特定有害フレンズの指定は、そのフレンズの元種がただ単に外来種であるという点のみにより
指定されると理解されてはならず、動物愛護・フレンズとの共生理念に基づきコミュニケーション、
教育、矯正による人類社会との共存の可能性、及びそれに要する社会的コストを総合的に勘案して
なされなければならない。(「特定有害フレンズ防止法の理解のために」より抜粋)

一旦、ここまでとさせていただきます。書き溜めができたらまた続きを書き込みます。

辛いさん「辛いです........」

乙です
村人に被害が出なければいいが害獣が住み着いちゃったからな

ガチ害獣のアライさんですね、続き楽しみです。

被害が出ないようにする為にも、他の仲間の情報をしっかり聞き出さないとな

乙でしゅ。説明文がけっこう多く感じました、もしかして毎回こんな感じなのかな?次回も楽しみです

今後もあるならいわゆるTips的なのは投下終了としての区切りで使うといいかも

どんな駆除されるのか楽しみ

とにかく拷問だ!!拷問に掛けろ!!

???「もー。青年団長さん。本当に困りますよ。こんなこと」アセアセ

隣町に帰ってきた青年団長たちを白黒カラーのワンピースを着た巨乳の少女が出迎える。
よく見ると少女には黒いケモミミと先っぽに可愛いカウベルがついた尻尾が生えている。

青年団長「ホルスタイン曹長。青年団員4名ただ今帰還しました」

困った表情をしているホルスタインちゃんに青年団長は親しみがこもったお辞儀をする。

ホルスタインちゃん「とっくに退役してます~。今は副村長です。このセリフ100回ぐらい言ってますよ」

このホルスタインちゃんは、かつてあの村で飼育されていた乳牛である。まだ、子牛の頃、
村が避難区域に指定された際、野外に放された。さ迷い歩くうちにサンドスターに触れそ
して

青年団長「そして、フレンズ自衛官になり、無敵のミルキーオブモーモーを発動して勲章
をいっぱい貰い、退役後は故郷の副村長となって帰還事業に参加するのである」

男1「改めて聞いてもすごいサクセスストーリーですね」

ホルスタインちゃん「シンデレラストーリーと言って欲しいです。
あと、お世辞を言っても今回のことを大目に見るわけにはいきませんよ。」

ホルスタインちゃんは少し怖そうな表情をつくる。それに対し、青年団長も先ほどのくだ
けた表情を改める。

青年団長「村長が言っていたようにアライさんがここらに住み着いているようです。何匹
ぐらいなのかはまだ分かりませんが、村の中や周りの森、山、林に相当数いると思った方がいいでしょう」

ホルスタインちゃんは頷く。

ホルスタインちゃん「この隣町もアライさん被害が報告されています。
畑や家屋、ペットの被害など、私たちの村も良い根城になっているでしょうね…」

青年団長「法律云々は勿論存じていますが、一時帰宅開始が迫っています。アライさんの
状況次第でスケジュールの延期も考えなければいけない。場合によっては山狩りも」

ホルスタインちゃん「一つ条件が…」

青年団長「私も立ち会わせてもらえますか?」

66のレス書き損じました

青年団長「私も立ち会わせてもらえますか?」×

ホルスタインちゃん「私も立ち会わせてもらえますか?」○

アライさん「…。うぅぅぅぅーん」ギシギシ

アライさんが目を覚ます。造りのしっかりした肘掛椅子に鉄の輪で両手両足首胴体を固定されている。
まるで、と言うよりあからさまに「拷問モード」である。

アライさんが座らされている椅子の前には長机が置かれ、その向こうにホルスタインちゃんと青年団長が座っている。
ちょうど、入社面接のような配置に近い。もっとも、片方は獣生から退場する寸前ではあるが。

アライさん「なんなのだ!!!ここはどこなのだ!!!この硬いのを外すのだ!!!」
キシャァァァァー。ギシギシ。キシャァァァァー。ギシギシ。

ホルスタインちゃん「アライさん今からの会話は録音させていただきます」

ホルスタインちゃん「私はあなたと同じフレンズです。だからどうか私には心を開いて真剣に言葉に耳を傾けてください」

特定有害フレンズであるアライさんにそんなことを告げる義務はないのだがホルスタインちゃんはあくまで彼女なりの筋を通したいようだ。

アライさん「ろくおんなんてどうでもいいのだぁー。はなすのだぁー。」
ギシギシ。ギシギシ。

ホルスタインちゃんは敢えてアライさんの反応を無視し、話を続ける。

ホルスタインちゃん「アライさん。私は嘘が嫌いです。だから、正直に伝えます。あなたは防除されようとしています」

ホルスタインちゃんは深刻な顔をしてアライさんに残酷な事実を告げる。

ホルスタインちゃん優しいなあ
アライさんとは大違いだわ

アライさん「ぼうじょってなんなのだ!ふれんずってなんなのだ!!」

ホルスタインちゃんの横に座っている青年団長は(「えっ。そこから」)と言う顔をしてい
る。しかし、ホルスタインちゃんは辛抱強く質問に答えていく。

ホルスタインちゃん「フレンズは『友達たち』っていう意味です。私たちのような動物が元になった女の子達
         『アニマルガール』をややソフトにニュートラルに表現した言葉です」

アライさん「アライさんはアライさんなのだ!お前の友達になったおぼえはないのだ!
     勝手にフレンズ呼ばわりするなんてガイジなのだ!!」

アライさんはホルスタインちゃんの困った顔を睨みながら

アライさん「お前はけもののくせになんでニンゲンのふりをしてるのだ」
と問いかけた。

ホルスタインちゃん「(良し!会話に乗ってくれた)」

ホルスタインちゃん「日本に暮らすフレンズは特定有害フレンズを除き、擬制的人権―ようは人間と同じように殺されたり、
         理由なくつかまったり、盗まれたり、悪口を言われたりしない権利が保障されています」

ホルスタインちゃん「加えて、住民登録フレンズになったり、難しいけど国民登録フレンズになると
         お仕事をするのも楽になるし、制限付きですが公務員になることもできるようになります」

アライさん「アライさんは難しいことは分からないのだ!でも、ひとつだけはっきりした
     のだ。お前の話はむじゅんしているのだ。アライさんは理由なく捕まってるの
     だ!」

ホルスタインちゃん「矛盾はないですよ」

アライさん「あるのだ!あるのだ!!大ありなのだ!!!アライさんをはなすのだ!!!」

ガァァァーン!!!ガタン!!

青年団長が長机を蹴飛ばしてひっくり返す。

アライさん「」ビク!

青年団長は立ち上がって、アライさんに向かって歩いていく。

青年団長「矛盾はない。なぜなら」

青年団長は特殊な手袋をポケットから取り出して両手にはめ、拳を握り固める。

青年団長「ふんっっっ!」

青年団長はパンチをアライさんの顔面に叩き込む。

バキッ

アライさん「おぶぅ。」

青年団長「ふんっっ!」

もう一発。

ドカッ

アライさん「ぶふっ。」

青年団長「特定有害フレンズの代表格といえば、てめえらアライさんなんだよ」

そう言いながらさらに拳を叩き込む。

バキ゚ッ

アライさん「ぶぺっ」ベチャ

アライさんはへし折られた前歯を吹き出す。

青年団長「防除って何?防除ってのは駆除。殺処分。お前は殺されるってことだ!」

青年団長は全力で振りかぶった渾身のパンチをアライさんの顔面の中央、鼻辺りにお見舞
いする。

メコッ、メキ゚ッ。鼻の骨が潰れる嫌な音が部屋に響く。青年団長が拳を引くとボコボコに腫れ上が
った醜い顔の中央から噴水のように鼻血が出ている。アライさんの前歯数本はへし折れ、
唇は無残に破け、口からは血と唾液が混ざった汚い汁を垂れ流している。

ホルスタインちゃん「青年団長さんやりすぎです。これではお話しできません。一旦、小休憩をはさみましょう」

青年団長はその声を聞いて、しばしして頷き、席に戻った。

用語「人類衰退期」
サンドスター、サンドスター・ロウのジャパリパーク外地域における大量放出により、人類社会に大きな混乱が起こっていた時期の総称。
ジャパリパーク閉園直後以降のイメージ。
セルリアンの大量発生により、大陸間交通・通信が著しく制限・断絶し、ユーラシア大陸やアフリカ大陸等で人類安全生存圏の極端な縮小が起こった。
資源の不足や社会不安により人類同士の衝突も多発した「暗黒時代」。
半面、ジャパリパーク外で生まれたフレンズにとっては後年「セルリアンにさえ気を付ければ自分の力で生きていけた」懐かしい時代ともされる。

用語「フレンズ人権訴訟事件」
世界再建戦争期、日本国においてフレンズ達に日本国憲法が保障する基本的人権が適用されるかが争われた裁判。
原告敗訴に終わったものの傍論、判決理由において『動物愛護の精神と公序良俗及び市民感情と児童教育への配慮、
人類の普遍的同情と共感の念、世界再建へのフレンズ達の貢献』を理由として、「法律の範囲内で可能な限り」
フレンズにも「擬制的人権」を認める判断を示したもの。その後の日本のフレンズ政策の基本方針となる。

今日の書き込みはここまでとさせていただきます。

説明部分の書き込みが長いというご指摘があり、読み直してみたところ本当にそうだと感じ反省しました。
何処でやろうかと頭を悩ませていました。

とりあえず、重要な世界観の提示や用語説明はだいたい済んだので、あとは筆の進むまま物語を進めたいと思います。

マイペースな更新になるかもしれませんが、出来るだけ努力するつもりなのでよろしくお願いします。

しっかり設定を練っていることが伝わってきていいと思うよ
名作SSの予感。応援してます

設定だけで面白い
しっかりした設定はいいね

気にせず作者さんの好きなように書いてほしい。

ここのアライさんは他所より頭はいいけど気性がアライさんなんだな
廃村アライさんが相良軍曹みたいなこと言ってて笑ったわ
応援してます

基本賢さは他ssのガイジよりはあるけど、人間と会話しようとしないって感じだな

どちらにせよ絶滅する運命にあるからどうでもいいか

一つだけ
『友達たち』じゃ複数表現が被ってるぞ、それを言うなら単純に『友達』かもしくは『友人たち』かと

>>83
友達って別に一人相手でも使われるから気持ち悪く感じる人はいるかもしれんけど別に完全に被りというわけではない

続きが気になる

文量は多くありませんが続きを書き込みます。

『友達たち』の複数表現についてご指摘をいただいた方、本当にありがとうございます。

実は「フレンズ」を日本語(?)に戻すときその辺り迷いました。

「フレンド=友」、「フレンズ=友達」、でも文章ならともかく日常会話で「僕の友がね…」とは普通言わないかなとか。

そのあたりはどうか大目に見てもらえると助かります。

ホルスタインちゃん「アライさん。お話できますか」

小休憩中、ごく簡易的な手当てを受けたアライさんにホルスタインちゃんは声をかける。
アライさんは単体回復の能力を持つが今、両手の拘束を解けば何するかわからないため、
人間が止血・消毒等を行い、軟膏を塗られている。

アライさんは「話すことはなにもないのだ!アライさんを返すのだ!こんな巨悪をアライさんは絶対許さないのだ!」

キシャァァァァー。歯抜けになった口を威嚇するように開きながらアライサンは応える。
やや、すーすー空気が抜ける音がするものの、それなりに明瞭な発音である。

ホルスタインちゃんは、アライさんの威嚇を受け流し、再び口を開く。

ホルスタインちゃん「アライさん。信じてもらえるかは分かりませんが、私はあなたを助けたいと思っています」

ホルスタインちゃん「今日の本題です。アライさん、取り引きしませんか。アライさんが知っていることを
大きなことから小さなことまで全て教えてほしいのです」

ホルスタインちゃん「例えば、あなたに子供はいるのか。母親や姉妹は。
このあたりの山や森や林や―あなたが捕まった場所の先にある村にアライさんが住み着いているのか。
住み着いているならどのくらいの数なのか。」

ホルスタインちゃん「普段どこで餌を取っているのか。水飲み場は?どこで番と出会うのか。
ニンゲンについてどこまで知っているのか。そういった諸々のことです」

アライさん「それを教えるとアライさんにいいことはあるのか?」

ホルスタインちゃん「(会話になった!)」

ホルスタインちゃん「私と村長さんが各機関に働きかけ、動物園か保護施設・矯正施設、さもなくば研究機関に
入所できるよう取り計らいます。どこも、行き場を失ったフレンズや特定有害フレンズでいっぱいの状況ですが、
当村の名誉にかけてどこかに必ず押し込みます」

ホルスタインちゃん「この録音が証拠です。思うところはあるでしょうが、
ここは私を信じて身を預けてはもらえませんか」

アライさん「そこに行ってどうなるのだ」

ホルスタインちゃん「健やかな獣性が送れます」

アライさん「答えになってないのだ。ぐたいてきにどうなるのだ」

ホルスタインちゃんは少し困った顔になった後、

ホルスタインちゃん「食べる場所と寝る場所に不自由しなくなります。
入所時に去勢手術と適応訓練を受ける必要がありますが…」

アライさん「きょせいしゅじゅつってなんなのだ」

ホルスタインちゃんはさらに困った顔になった後、しばし迷い、やがて事実を告げる。

ホルスタインちゃん「赤ちゃんを作れないようにする手術のことです」

青年団長「(ちょ…!そこまで、正直に言わんでいいよ)」

案の定、

アライさん「話はおしまいなのだ!そんなしゅじゅつ(?)まっぴらごめんなのだ!!」

アライさん「食べる場所も寝る場所もアライさんは自分で見つけるのだ!!誰かの世話に
なる必要はないのだ!」キシァァァーン

ホルスタインちゃん「アライさん落ち着いて、取引しないとあなたは殺処分がきまっているんです。
青年団長さんに痛いことされて良く分かっているでしょう!」

ホルスタインちゃんはアライさんを宥めようとするがアライさんはますます、声を張り上
げる。

アライさん「どのみち、チビが産めなくなるなら、けものとして死んだも同然なのだ。抜
け殻なのだ。死んだも同然、殺されるよりツライのだ」

アライさんは醜くはれ上がった顔をむけ、憎悪の光が灯った両目でホルスタインちゃんを睨む。

アライさん「やっぱりお前は、アライさんの友達じゃないのだ。アライさんはアライさん。誰の友達でもないのだ。
けものなら分かっているはずなのだ。けものが生きるのはチビを産み、巣立たせるため。
チビのチビのそのまたチビにチビを産ませるためなのだ」

アライさん「それが出来なくなるなら死んだも同然なのだ。抜け殻、残骸、ゴミなのだ。
そのことが分からないならお前はもう、けものじゃないのだ。気持ち悪いニンゲンもどきなのだ」

ホルスタインちゃんは悲し気な顔をしながら、録音を止める。

ホルスタインちゃん「それではお話はここまでにします。担当の職員さんに連絡します」

一旦、ここまでとさせていただきます。

でも去勢されるのって多分アライさんだけだよね

更新乙です

乙です
ホルスタインちゃんの天使っぷりとアライさんの畜生っぷりがいい対比

アライさんの非道すぎるから隠れてるかもだけど、

ホルスタインちゃん十分無能じゃね?

「健やかな獣生を送れます」→「答えになってないのだ」と返すあたり、ガイジだけどそれなりに正論言える脳ミソはあるんだな。そこがまたうざい

それにしてもコバエ産むのが生きてる意味とか……。コバエなんか産むとか死ぬべきだし脱け殻だし残骸だしゴミだぞ。ただの人と同じ言葉を喋る肉だ

ホルスタインちゃんは害獣相手に誠心誠意対応しようとしちゃってるな
アライさんなんかに善意を向けても悪意で返ってくるだけなのに

群像劇みたいで良いですね。廃小屋アライが主役なのかな。

台詞だけ見て良く言えば野生の一匹狼なんだけどね……

野生動物感がでてていいな
リアルアライさん的な感じ

何というか未開の原住民(アライさん)とそこに侵略・開拓にきた文明人(ホルスタインちゃん)の会話っぽい
それだけだとアライさんが主人公でヒーローなんだけど、原住民が元々の土着じゃなくて侵略に来た後発って時点でもう駆除されるしかないっていう

書き溜めた分を続けます。

自分で書いていて話のテンポに若干、心配を感じます。

丁寧さとスピード感って難しいですね。他のSSを読んでるときにはそこまで気にしてなかったのに。

青年団長「副村長、ちょっといいですか…」

青年団長はホルスタインちゃんに声をかけ、一度「取調室」を出る。

青年団長「やつを〆る前に、少し時間をいただけませんか」

ホルスタインちゃん「拷問するんですか…」

ホルスタインちゃんは問いかける。

青年団長「村の周辺環境の実態調査を行うだけです」

青年団長の答えを聞き、ホルスタインちゃんは思案顔をする。ややあって、

ホルスタインちゃん「担当部署への連絡は明後日にします」

そう伝えると、ホルスタインちゃんは歩き出す。途中、後ろ姿に向かってお辞儀をしている青年団長を振り返ると

ホルスタインちゃん「手負いのけものはとんでもない力を出します。注意を怠らないで下さい。
万一、脱走した場合は、面子だの責任だのは後回しにして、私・警察・村長・役場、ともかくすぐに連絡してください。
人に被害が出ることはあってはいけません」

そう声をかけると今度こそ、歩み去っていった。

青年団長は携帯で仲間を集める。

青年団長「工具セットと万力と、ナイフとあと何がいるかな。そうだ、太い釘やチャッカ
マンを持ってここに向かってくれ」

1時間後…

男1「道具はとりあえず持ってきたけど…」

男2「副村長の許可はちゃんと取ったの?」

少し不安そうな顔をした3名の男が青年団長の元に合流した。

青年団長「ああ。野生動物の生態調査をするとお伝えした」

男3「要は忖度ってやつだな」

そう言いながら、男3は道具を並べていく。

アライさん「…。それでなにを始めるのだ」ジィィー

アライさんは相変わらず、椅子に固定されたまま憎悪と不信の視線を男達に注いでいる。

青年団長「この人達とこの道具でアライさんを痛めつける。こちらの質問に素直に答えたら痛いことをやめる。
どうだ?簡単なルールだろう」

アライさんは青年団長を睨みつける。

アライさん「おんなじなのだ。さっきお前らが言ってたことなのだ。アライさんは殺されるのだ。
協力してもチビを産めなくされるのだ。むいみなのだ」

青年団長「そうかい。強気でいられるうちはせいぜい、吠えることだな」

男1「青年団長、そんなこと言ったの?」

青年団長「あ…いや。まぁその。」

男3「害獣相手に正直に接する必要はないだろうに」

準備を進めながら男3は少し呆れた声を出す。

男2「あれ。でも、俺。テレビでアライさんの赤ちゃんの特集見た覚えがありますよ」

青年団長「それは『ジャパリパークのアライさん』の子孫じゃないか。施設入所時に去勢
されるのは原則『特定有害フレンズ』指定されてる奴らだし」

そう言いながら、青年団長は金槌を掴む。

男1「俺、拷問なんて生まれて初めてなんだ。上手くやれるかな」

男2「俺だって初めて…。というか憲法上人間相手は禁止だから皆初めてじゃないか」

男3「最近の若者は度胸がない!俺が中坊の頃は戦後でもちょくちょくセルリアンが飛来してきた。
おっかない顔をした陸自の訓練教官のもとで体育の授業は銃剣道だった。」

青年団長「さて、雑談はここまで」

青年団長はアライさんと目線を合わせる。

青年団長「アライさーん。こたえておくれよー。アライさんにはいま、子供はいるのかーい」

青年団長は、今や国民的人気もののフェネックのフレンズの声マネをする。特に意味はないが、
何となくこうするとアライさんがしゃべり出しそうな感覚をこの世界の日本人は共有している。

アライさん「こたえることはなにもないのだ!!ここから出してアライさんをはなすのだ!!」キシャァァァァ―

青年団長「フンッ!」ガツン。グチャ。

青年団長は椅子の手すりに固定されたアライさんの左手の小指に金槌を振り下ろした。

アライさん「ぎゃぁぁぁー!うぅぅ。いだいのだぁー!」

アライさんは手の感覚が発達している。その小指を叩き潰されたのだから、その痛みと衝
撃は人間が同じことをされた場合以上に大きいだろう。

アライさん「うぅぅぅ。はぁぁぁ。」

青年団長「アライさん。アライさんには子供はいますか」

アライさん「…」

青年団長「フンッ!」ガツン。グチャ。

アライさん「ぎゃぁぁぁー!」

今度は左手薬指である。

青年団長「アライさん。素直に答えないとアライさんの指が全部なくなるぞ」

男1「青年団長ちょっといいですか。」

青年団長「うん?」

男1「俺思ったんですが、今年になってからの子供についてなら、こいつの局部を見れば判断できるんじゃないですか?」

確かにテレビドラマの刑事ものではよく科捜研などが被害者のご遺体などを調査し、
レイプ被害の有無や死亡前の食事、出産経験・病歴等を事細かに述べるシーンがある。

男1「もちろん、俺たちは専門家じゃありませんが、直に見れば今年のことぐらい何とかなるんじゃないでしょうか?」

青年団長「なるほど!!」

青年団長は人間が着るスカートのような「毛皮」をまくり上げ、
薄いほとんど白色のタイツのような「毛皮」をその下のパンツのような「毛皮」ごとずり下げる。

アライさん「やっっ…。やめるのだ。アライさんの赤ちゃんが出てくるところ覗いちゃダメなのだ」

青年団長と男たちはアライさんの局部をじっと見つめるが

青年団長&男1~3「分からん!!!」

そう簡単に分かれば科捜研も産婦人科も必要ないのである。

男2「そう言えば男3さんの奥さんこの前、ご出産されましたよね」

男3「ああ。2か月ほど前に」

青年団長「そうだったのか。お祝いが遅くなった。おめでとう。」

アライさんそっちのけで会話が始まる。

男1「あの、今言うのもなんですが、実は俺、女性経験なくて。とりあえず、提案してはみたものの正直、
普段の状態と違いが判らんのです。男3さんは何かお気づきになったことはありませんか?」

男3「馬鹿野郎!!!俺の妻と害獣を一緒に考えるな!!」

男3は拳を振り上げるモーションをし、はたと考え込む。

男3「ひょっとして…」

男3はアライさんの紫色のモコモコした服のような「毛皮」を手荒くはだける。

アライさん「なにするのだ!変態なのだ!」

男3はアライさんの叫び声を無視し、毛皮の下から小ぶりな2つの乳房を引っ張り出す。

アライさん「つぅっ!」

男3はしばしばアライさんの乳房をもんだり、いじったりした後、結論をだす。

男3「こいつに子供はまだいない。少なくとも今期は。見ろ!乳首から母乳が出てこない。
きっと番を見つけ損ねたんだ」

ポンッ。男たちは納得したように手を打った。

青年団長「よし。この調子で調査を続けるぞ。次は食い物の調査だ」

男1「でも、こいつを仮死状態にしたときにうんこは出ちゃってますよ」

男2「今思えば、回収しとけばよかったな。貴重なサンプルだったのに」

青年団長「今言っても仕方がない。とりあえず胃の中身を吐かせよう」

男1「そこまでやるなら、解剖してはどうですか?」

青年団長「そこまで本格的なことをやる機材も知識も俺たちにはない。副村長との約束期限も明後日だしな」

男3「今後はアライさん対策のために獣医や医者も仲間に加えた方がいい」

そう言いながら、男3は早速ビニールシートを椅子の周りに敷き始めている。

男1「吐瀉剤か下剤買ってきますか?」

青年団長「いやいい。」

そう言って青年団長はやや蚊帳の外に置かれていたアライさんに視線を向ける。ポケットから特殊な手袋を取り出し
両手にはめながらアライさんに声をかける。

青年団長「アライさーん。きのーはいったいなにをたべたんだーい」

青年団長「怒らないから言ってごらーん。コンビニのゴミ箱から盗んだ生ゴミかーい。
それとも自分で捕まえた生き物かなー。今の季節だと畑に春キャベツがあるかな。山菜もおいしい季節だよねー。
どこで取ったの。それとも自分のうんこー。おしえてー」

アライさん「…」ジィー

青年団長「言えっていってるだろう!!!」ボコッ

青年団長はアライさんの鳩尾あたりに渾身の突きを叩き込む。

アライさん「ゴブッ。ゴホッ。ゲボッ」ゲロゲロ。ビチャビチャ。

青年団長「もう一丁」ボコッ!

アライさん「…」ゲロゲロ。ビチャビチャ。

青年団長「もういっちょう!!」ボコッ!

アライさん「」ゲロゲロ。ビチャビチャ。ピクピク。

青年団長「ハアハア。よし…、みんなで吐瀉物を調べよう」

男1~3「臭―い」

青年団長「我慢しろ。…いや、マスクと鼻栓を買ってこい。あと、ビニール手袋と消毒液…は準備してあったか。」

男2「俺買ってきまーす」クサイクサイ

そう言いながら男2は飛び出していった。

一旦ここまでとします。

生活がかかってるだけあって本気だな
いたぶってやるとかそういう感情がなさそう
新鮮で面白いですおつ


殺伐とした展開と世界観ですね

他のssだって、ゴミガイジが人の生活を脅かしてるから処理してるんだけどな

それにしても、クソブスガイジのくせに局部見られて変態とか……。これ以上罪を重ねる前に仲間の情報吐いて処分されろ

中々、話がしっかりして面白い。

拷問なら近くに関わる部位をを半分にするのがいい
目なら片目、耳なら片耳を潰す
これが終わるまでさるぐつわをかませ終わったら外して拷問兼尋問を始める

指を切ると縄が緩んで脱走する恐れがあるから、足にくぎを打ち込んだりドリルで穴をあけるといい
そこをガスバーナーであぶれば止血にも拷問にもなる

拷問しても吐かなそうだけど万が一に備えてアキレス腱と手の腱は切った方が良さそうだな

切るだけだと再生するから傷口に鉄板なりアルミホイルなり挟むといいんじゃないかな。
拷問する場合、言わないと[ピーーー]より言わないと死なせないというやり方の方が確実なんだけど、時間がないか

妙に人間に近い扱いしてるのが気持ち悪い

テンポチンポテンポ

今の所設定が割りとキチっとしてるせいか拷問描写とか無しでも面白くなりそうではある

こっちのアライさんの回復方法も両手でコスる感じかな?なら片手だけでも切断したほうがいいかもね

にんげんがアライさんいじめてるのだ
しかえしにアライさんがにんげんをいじめるのだ!たぁ~!ドタドタドタドタ

(無言の銃撃)

書き溜めれた分の続きを書き込みます。

弱音のようで恐縮ですが、群像劇は視点の転換が大変ですね…

コロコロ変わっては、取っ散らかってまとまりがないものになってしまうし、

固定したら全体の様子が分からなくなってしまいます。

世のラノベ作家さん達は本当にすごいことをなされているんですね…。

廃村に続く一本道の道路。ひび割れたアスファルトを一台の四輪駆動軽自動車が進んでいく。

廃墟マニア2「大学の卒業旅行がまさかの廃墟巡りとは」

廃村マニア1「不服か?」

廃村マニア2「いや。最高!!」

軽自動車は例の看板が突き刺さっていた地点を乗り越え、両脇の林道を抜け、村の入口に差し掛かる。
車を運転していた廃墟マニア1はそこで一旦、車を止める。

廃村マニア1「そうだ。ここからはこれを首にかけよう」

そういって、2つの吊り下げ名札をリュックから取り出す。名札には

「『我が手で再び郷土を拓こう』おそうじボランティア ○○○○」

と記入されている。

廃墟マニア1「俺とお前はセルリアン災害の復興ボランティア。
俺はこの村出身のじいちゃんの孫でお前は俺に知り合って被災地復興に興味をもった。
ちゃんと許可ももらっている」

廃墟マニア2「オーケー。何の嘘もない。今時感心な大学生だ!」

そう言って二人は名札をかけ、車を村の中へと乗り入れていく。

廃墟マニア2「そう言えば、許可ってどこからもらったんだ?」

廃墟マニア1「俺はこういう活動をしているNPOから。そのNPOはそういった活動をしているもっと大きなNPOから。
その上は多分どっかの社協か公共機関じゃないか」

廃墟マニア2「正統性にこだわるくせに肝心なとこがいい加減だな」

廃墟マニア1「いいんだよ。要は誰かに注意されたときに
『僕たちはこれこれこういう理由でここにいます』っていう根拠があれば」

廃墟マニアたちは車を路肩に留める。

廃墟マニア1「とは言え、来たからにはお掃除も当然やらなきゃいけない。
このマップに書いてある建物以外には立ち入っちゃダメだ」

廃墟マニア2「ふむふむ。旧村役場に旧年金事務所、旧水道施設に旧公民館…」

廃墟マニア1「要は公共施設系ってことだ。民間の建物は各所有者や相続人がいるからな」

廃墟マニア2「写真はオッケーだっけ。インスタ映えした動画や写真撮りたいんだが」

廃墟マニア1「撮影はいいと言われてるけど、個人のプライバシーを侵害するようなやつはダメだ。
あと、取った動画や写真を直接的な営利目的に使うのは遠慮してほしい、
あくまでボランティア精神の涵養と被災地復興の視点を忘れないでほしい、とのこと」

廃墟マニア2「わかった。もっともだ」

続き待ってました。書きたいように書いてください。ここはそういう感じだと思うし。

廃墟マニア1「それとこれを」

廃墟マニア1は、クマよけの鈴と唐辛子スプレー、トランシーバーを2つづつ取り出して、片方を廃墟マニア2に渡す。

廃墟マニア1「この辺りは避難対象地域になってから長い。シカやイノシシ、クマそれにアライさんが
出没しているという話も聞く。クマはこの季節冬眠から覚めて餌を探しているだろうし、アライさんは悪知恵が働く」

廃墟マニア1「基本二人一緒に行動し、何かあったらすぐトランシーバーで連絡しよう」

廃墟マニア2「わかった。『もういい。俺は一人で行く!』は金田一とコナンだけだからな」

廃墟マニア1「それと携帯の電波をお互い確認しよう。緊急通報ができないと困る」

廃墟マニア2「『孤島ミステリーごっこ』は嫌だからな。うん。ちゃんと3本立っている」

廃墟マニア1「さすが、災害大国ニッポン。インフラ復興はお手の物だな」

廃墟マニア2「『ジャップさあ。その自国ホルホルはいったいなんだい?』」

廃墟マニア1「今日ここに来ることは家族に伝えてあるな」

廃墟マニア2「ばっちり。『帰宅予定日に戻らなかったら、ソッコー届け出を出してくれ』って母さんに言って来た」

廃墟マニア1「ボランティア保険は?」

廃墟マニア2「加入済み!」

廃墟マニア1「よし。廃墟散策はそういう下準備が大事だ」

そう言って廃墟マニア1は靴をならす。二人はゴツイ元軍用ブーツを履いている。
廃墟で釘などを踏み抜かないためである。文字通りの軍靴の音である。腰には登山ナイフとミニ工具セット、
簡易治療キッドは背負ったリュックの中である。両手に丈夫な手袋をし、片手には念のため登山用の杖を持っている。

廃墟マニア1「まず、旧公民館に向かい、中を散策しがてらお掃除をする。ゴミ袋がいっぱいになったら、
車に運んでおそうじ続行。これを繰り返して車がいっぱいになったら、隣町の臨時ゴミ集積所に運ぶ。
降ろしたらまた村に戻って散策続行。日が暮れてきたら隣町の宿泊所に戻って一日目終了だ」

廃墟マニア2「その前に、ドローン飛ばして村の全景を上空から撮影しよう」

廃墟マニア2はバイト代をはたいて買ったやや高価なドローンを操作する。
ブーン!という音を立てながら四枚プロペラのドローンは飛行を開始する。

廃墟マニア2「良い動画取れるといいな!」

廃墟マニア1「これが話題のインスタ蠅か」

廃墟マニア2「蠅ではない!!」

廃墟アライさん「ピック!!」

廃墟アライさんは、ケモ耳を動かし目を覚ます。微かな羽音のような、
しかし羽音よりは低く響く音を遠くから聞きつけたためだ。

声を殺しながらアライちゃんに声をかける。

廃墟アライさん「チビ達全員起きるのだ!!」

アライちゃん1「うーん。ねむいのりゃ」コスリコスリ

アライちゃん2「なんなのりゃ」モゾモゾ

アライちゃん3「おかーしゃん。おっぱいほしいのりゃ」ヨチヨチ

子アライグマ♂1~3「…クォォォーン」モゾモゾ

アライさんの死骸「」プーン

アライグマから習性を受け継いだアライさんは基本夜行性である。元種がそうであるように昼間行動することもあるが。
そのため、アライちゃんたちは皆、眠そうである。
この前、廃屋アライさんに仕留められたアライさんは半ばまで喰われ、虫がたかっている。

廃屋アライさん「しっ…。静かにするのだ。そして、落ち着くのだ。アライさん達の危機なのだ」

アライちゃん3「ききってなんなのりゃ」コスリコスリ

廃屋アライさん「今からそれを確かめてくるのだ。チビ達は巣から決して動いてはいけないのだ。
ここから引っ越すことになるかもしれないのだ」

アライちゃん2「このすがいいのりゃ」プンスカ

廃屋アライさん「…」バチン!!ダァ!

アライちゃん2「いたいのりゃー!」ビェェェェェーン

廃屋アライさんはわがままを言うアライちゃんを問答無用で引っ叩き、廃屋の窓辺まで駆け寄り身をひそめる。

廃屋アライさん「チラ」

廃屋アライさんの目に廃墟マニア2人の姿が映る。

廃墟アライさん「(ニンゲンが2人…。このブーンって音はなんなのだ)」

廃屋アライさんはケモ耳を窓にそっとくっ付け様子をうかがう。


廃墟マニア1「高い金を出した割には代わり映えしないドローンだな」

廃墟マニア2「仕方ない。サンドスター大噴出のせいで人間の文明は停滞した。
よくここまで持ち直したってのが正直なところだ」


廃墟アライさん「(どろーん?どろーんってなんなのだ?)」

廃墟アライさんは2人の目線の先を見つめる。アライさんは視力が良いフレンズではない。
しかし、ドローンが低空を飛行していたこともあって4枚の「羽」を回転させながら飛ぶ機体を確かに目にした。

廃墟アライさん「(あれがドローン。このブーンって音の元なのか…。思い出した!
前の秋の頃、この音をうるさいほど聞いたのだ!)」

この村の避難指定解除が半年前に迫った、昨年の秋以降。各行政機関や研究機関・ボランティア団体、
それにさまざまな動機を持った各個人が盛んにこの地域にドローンを飛ばしていた。

廃墟アライさん「(アライさん達は狙われているのだ!罠や犬や銃だけじゃない、
昼は鷹の目のように、夜はフクロウの羽ばたきのように!ここにいちゃダメなのだ!
裏山の森に引っ越してともかく奴らの視界を遮るのだ!)」

ダッ

廃屋アライさんは家の奥の部屋の巣に駆け戻る。

廃屋アライさん「チビ達!これから屋根裏にかくれるのだ!」

アライちゃん1「おひっこしするんじゃないのりゃ?」コスリコスリ

廃屋アライさん「今、出てったらカモなのだ。お引越し先の巣も見つけれてないのだ」

廃屋アライさんはそう言うや、アライちゃん1のフワフワした襟首を咥える。
机やタンスを伝い、天井板が剥がれ落ちた隙間から屋根裏にアライちゃん1を引っ張り上げる。

同じ要領で他のチビ達を屋根裏に上げる。
屋根裏に「先客」がいないか、特にアライちゃんにとって命取りに成り得る他のアライさんや猫が潜んでないか
確認する。

アライさんの嗅覚が生き物の気配を捉える。

廃屋アライさん「たあ~!」。ドッタンバッタン。

ネズミ「キュゥー」ザクッ!グシャ。

廃屋アライさん「非常食が出来たのだ。行き掛けの駄賃なのだ」

アライちゃん達の取り合えずの安全を確保すると、
廃屋アライさんは八つ裂きにしたネズミをかじりながら屋根裏を進む。

アライちゃん3「おかーしゃん。どこにいくのりゃ」ヨチヨチ

廃屋アライさん「お前たちはついてきちゃダメなのだ」グィイー

廃屋アライさんはアライちゃん3を押し戻して、告げる。

廃屋アライさん「お母さんは裏山の森にお引越し先を探しに行くのだ。
お前たちは物音を立てずにじっとそこで待ってるのだ」

アライちゃん1「おひるまでちゃら、かもじゃないのりゃ」

廃屋アライさん「気づかれないように、裏からそっといくのだ。お昼だから良いこともあるのだ。
今はフクロウも森の生き物たちもほとんどお眠むなのだ。適当な洞や洞穴がなければ寝込みを襲って巣を奪えるのだ」

廃屋アライさん「チビ達、煙に注意なのだ。どんなに煙くてもその場を動いちゃダメなのだ」

アライちゃん2「けむかったりゃ、しんじゃうのりゃ」

廃屋アライさん「出ていけば絶対に死ぬのだ。その場を動かなければ相手が諦めるかもしれないのだ」

アライちゃん3「おかーしゃん。ふぁいとぉーなのりゃ」コスリコスリ。シッポフリフリ。

子アライグマ♂「クォォォーン。クォォォーン。」コソコソ。コソコソ。

廃屋アライさんは無言でうなずくと、屋外に通じる通気口を伝っていく。

廃屋アライさん「チラ」

ドローンの音が一先ず鳴りやんだことを確認すると、一息に森に分け入っていった。

一旦、ここまでといたします。

この廃村アライさんは応援したいな人が理由はどうあれ捨てた場所に住んでるし子供を大事にして人間がきたから襲うとかじゃなく場所かえなきゃって思考で助かれって思ってしまう


余計な知恵を身につけているようだし排除しなきゃいけないな、この廃屋アライさんは

そのうち人に害を与えるのは目に見えてるから駆除しないと

どのような展開であれ楽しみな作品が増えたな。乙。

乙です、知能が高いからこのアライさんは駆除に手間がかかりそう

妙に小賢しくて気持ち悪いな
さっさと駆除された方がいいなコイツ

廃墟マニアなのか廃村マニアなのか
あとら抜き言葉がものすごく頭の悪いアライさんにあってていいね

人間同士のやりとりに含まれるいろいろなジョークが
気に入るかどうかでこの作品の評価は結構かわる気がする

いったん乙でしゅ。なかなか警戒心の強いアライさんに色んな意味で期待

書き溜めることができた分、続きを書き込みます。

書き損じがありましたが「廃墟マニア」で統一をどうかお願いします。ご指摘ありがとうございます。

自分で書いていて「何か爽快感がないかな」とか感じてしまいました。(じゃあ、書くなよとセルフ突っ込み)

よく聞く、「シリアスはだれでも書ける。悪者を作らず優しい世界を描くのが本当に大変」というのは至言かもしれません。

原作「けものフレンズ」は本当にそこが良かった。アライさんは困った子ですが。全部が丸く収まり素晴らしい二期が始まることを記念しています。

青年団長「フッンッッッ!」ガツン。グチャ。

取調室で拘束されてるアライさん(以下取調室アライさん)はビックと体を震わせたきりもう何の反応ない。

青年団長はハアハア肩で息をしている。
今、彼はその血まみれになった金槌で取調室アライさんの左肘を粉砕したところだ。

青年団長「水を!!」

バシャァァァーン。

男3がアライさんの顔面にバケツから冷水をぶっかける。

取調室アライさん「うぅぅ…」

取調室アライさんはうっすらと腫れあがった両目を開ける。取調室アライさんへの取り調べは過酷を極めた。

アライさんのトレードマーク、縞々フサフサの(実際の触り心地はゴワゴワだが)しっぽは
お尻から椅子の後ろに引っ張り上げられ12本もの太い釘で背もたれの背面に釘付けにされている。
左腕は指の粉砕から始まり、徐々に上へ。ちょうど、今、肘が砕かれたところだ。
左足も指は全部潰され、アキレス腱は切り裂かれている。

男3「青年団長。一息入れよう」

青年団長は頷き、男達とともに一旦、取調室の外に出た。廊下のソファーに腰掛け、一服する。

少し気まずい空気が漂う中、男1が声をあげる。

男1「調査…。進みませんね…」

青年団長は黙ってうなずく。

青年団長「胃の内容物から、あいつがコンビニのゴミあさりの帰り道だったことはわかった。
そこまでは良い調子だったんだが…」

隣町にあるコンビニのうち比較的、村に近い数件に電話をかけ、事情をそれとなく伝えられた店主の協力もあり、
取調室アライさんの昨晩の「食事場所」までは突き止めた。

男3「そこからは全然ダメ。何を言っても痛めつけても。『痛いのだ』『離すのだ』『帰すのだ』以外言わない」

青年団長「せめて、巣の場所と周辺のアライさんの個体数の手掛かりは掴みたい」

青年団長が巣の場所とアライさんの頭数把握にこだわるのにはそれなりの理由がある。
日本におけるアライさんの生息密度は、高くても 11 匹/㎢~14頭/㎢とされる。
元種のアライグマの生態をおおよそ受け継いでいるのだ。
しかし、原産国の北米では 20 頭/㎢以上の高密度地域が多数ある。
生ゴミなどのエサ資源が多い都市部では、125 頭/㎢という驚異的な生息密度も報告されている。

青年団長「あの村周辺が避難区域になってかなり経つ。都市部ほど住み着いているとは思わないが…。
この周辺の山林は山の幸が豊かだ。隣町までの距離もアライさんの足で往復可能。
というか緑地や側溝などを伝って隣町と村、周辺の人家山林を行き来していると考えるべきかも。
なんにせよ、ある程度正確な個体数が知りたい」

男3「対策の規模や心構えが変わってくるからな」

男1「村の耕作放棄された畑に半野生化した野菜が生え、それを口にして居るかも知れません」

なお、日本と異なり北米のアライさんは『害獣』『厄介者』扱いされながらも、
現地の在来種のフレンズということもあり根滅対象とはなっていない。現地では官民一体となり、
自然保護区画への隔離や定期的な間引き、避妊手術の強制施術等を行い、
『アライさんとの共生政策』を遂行中である。

男2「あの…。もうそろそろ、あいつはいいんじゃないですか?」

ふと、その場の空気が変わる。

青年団長「あいつはいい…と言うと?」

男2「いや…。いくら痛めつけても吐かないし。こっちも疲れてきて。なんか弱い者いじめしてるような…」

男3「なんだよ。お前アラ信かよ」

男2「いいえ…。アラ信では…。最初はただの害獣としか思ってなかったんです。気持ち悪い。
人間と形だけ似てる『人語に似た鳴き声のけもの』。ただ、こうして長時間いたぶっていたら…」

青年団長「罪悪感が芽生えてきた?」

男2「というより、疲れてきたんです。痛めつけて話すならまだしも…。
もうこいつは何にも言わない、ならそろそろ楽にしてやってもいいんじゃないか、とか」

男3「おい。しっかりしろ!それがアラ信の始まりだぞ!!なあ?!」

男3は男1に視線を向けるが彼も疲労の色を顔に浮かべている。

男1はスマホを取り出し『アライさんアンチまとめブログ』を読み始める。

男1「『アライさんはハエガイジ』『アライさんは気持ち悪いうんこのフレンズ』
『アライさんは農家の敵、日本の在来種の敵』『この列島から根絶されるべき存在』ブツブツブツブツ」

男2も男1を見てスマホを取り出し、『アライさん 被害』のワードを検索する。
アライさんに荒らされた人家、ため糞でめちゃくちゃにされた屋根裏、
食い荒らされたスイカ・メロン・イチゴ・トウモロコシ。襲われ、食い殺されたイシガメ、ペット、鶏…。
アライさんの醜い実態をスマホで眺めながら正気を保とうとする。

この男たちは何もサイコパスという訳ではない。平成時代とはそれなりに気質は異なるものの、
普通の日本人。肉を食べ魚を食べ捕鯨も別に反対ではない。魚の活き造りもまあ、普通に食べる。
狩猟免許をとって猟銃を保有し、何人かでイノシシをさばいたこともある。

アライさんを仕留めてジビエにしたことは…まだないが、それが「狩猟」「食事」の範疇の限り
『どうしても無理』とは感じないだろう。

ただ、いくら村の復興・生活が懸かっているとは言え、人間に近い形・大きさの哺乳動物をただ、
痛めつけ続けるという体験は強い精神的な疲労を引き起こしつつあった。

何というか、文化的にというか、肌に合わないのだ。そういうことは。
世界再建戦争を体験し、平成世界よりずっと「闘争慣れ」し、「血気盛ん」なこの世界の人でさえ。

男2「俺の従妹。この前会ったら、あれぐらいになってたな…」

青年団長「バカのことを言うな。あれは害獣だ。しかも野外根絶対象の外来種フレンズ。
特定有害フレンズ!ガイジ!ハエガイジ!!人類の敵!!村の復興の最大の障害!!!」

青年団長「休憩は終わりだ。やつの巣の在りかとこの辺のアライさんの数を聞き出すぞ!」

男達は取調室の中に入っていく。

青年団長は金槌を握りしめ取調室アライさんに声をかける。

青年団長「アライさーん。教えておくれよー。アライさんの巣はどこなんだーい?」

取調室アライさん「…」ジィー

青年団長「フンッッ!」ブン。ガツン。グチャ。

青年団長は金槌をアライさんの左足の甲に振り下ろす。

取調室アライさん「のぎゃぁぁぁぁー。うっうぅ。のぎゃぁぁぁー」

青年団長「アライさんの仲間はこの辺りに何匹くらいいるんだーい?」

取調室アライさん「ハアハアハア…」

青年団長「フンッッ!」ブン。ガツン。グチャ。

取調室アライさん「のぎゃぁぁぁぁー。うっうぅ。のぎゃぁぁぁー。うぅ。のぎゃぁぁ…」

次は左足首。

青年団長「アライさん無視はひどいんじゃないかい。なんでもいいから言ってごらん。
ほら、アライさんといえばあれ」

青年団長「『アライさんがかわいそーなのだ』フンッッ!」ブン。ガツン。グチャ。

取調室アライさん「のぎゃぁぁぁぁー。うっうぅ。はぁぁぁー」

左足の脛。

青年団長「『こんな可愛いアライさんをいじめるなんてひどいのだ』フンッッ!」ブン。ガツン。グチャ。

取調室アライさん「はぁぁ。ふぅぅ。はぁぁぁあああ」

その上側。

青年団長「『お願いなのだ。助けてほしいのだ』フンッッ!」ブン。ガツン。グチャ。

取調室アライさん「あっあっあぁ…うぅ…」

青年団長に左足の膝小僧を粉砕されたあたりでアライさんの反応は鈍くなる。

青年団長「水!!!」

バシャァァァーン。

昔の警察の取り調べ感

青年団長「どうだ。アライさん。楽になりたくなってきたかい?」

取調室アライさんは酸欠になった魚のように口をパクパクさせる。

青年団長「うん?」

取調室アライさん「アライさんは…『アライさんはかわいそう』なんて言わないのだ…」

ハアハア。取調室アライさんの荒い息づかいが部屋の中に響く。

取調室アライさん「…けものは自分のことを憐れんだりしないのだ。
鳥は地に落ちるまで、地を駆けるものはその身が倒れ伏すまで」

取調室アライさん「最後の息を吐きだすまで、楽になりたいなんて思いもしないのだ。
『生きる』を手放さないのだ」ハアハアハアハア

ここのアライさんは他と違ってて とてもいいと思う

青年団長は取調室アライさんの独白を聞き終わると、チャッカマンを手に取る。

青年団長「なるほど。野生の王者アライさんの心意気は素晴らしい。
そんなアライさんに文明社会からプレゼントだよ」

青年団長はチャッカマンの火をつけ取調室アライさんの顔面に近づけていく。

取調室アライさん「ヒィッ!!」ギシギシギシ

さすがに取調室アライさんも野生のフレンズ。火を近づけられて恐怖の色を露わにする。

青年団長「巣は?このあたりの同族の数は?」

取調室アライ「…」

青年団長はそれ以上尋ねず、男1~男3に合図を送る。
男たちは既に固定されている取調室アライさんの肩や頭をさらに押さえつける。

青年団長はチャッカマンを取調室アライさんの左目に突っ込む。

取調室アライさん「いぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁー!!!!」

青年団長は取調室アライさんの絶叫を打ち消すように大声を張り上げる。

青年団長「一丁前に哲学語ってんじゃねぇ!!!ハエガイジの分際で!!!害獣がぁ!!
そういうことはゴミ漁りや畑喰い荒らすのを止めてから言ってみんかぁぁあ!!!!」

取調室アライさん「あっ…。あ…。ぁぁ…」

左目を焼き潰された取調室アライは意識が朦朧とし始めている。

は?どうせ余裕があれば言うくせになにいってるんだ

さっさと吐いて楽になれよ

リアル感出ていいな。骨が太い良い作品だ。

男3「青年団長ちょっと」

男3は青年団長を目線で促し、二人で部屋を出た。

男3「そろそろ。一区切りつけないか?」

青年団長は驚いたような顔をする。

青年団長「男3まで何を。アライさんの」

男3は青年団長の言葉を遮るように口を開く。

男3「アライさんへの同情じゃない。青年団長が心配なんだ。勿論、男1や男2も」

青年団長「俺?」

男3「すごい顔してるぞ」

青年団長は自分の顔をペタペタ触り、やがて廊下のソファーに腰を降ろす。

男3「アライさんは復興の大きな妨げだ。
でも、それで皆が精神を病んだり、まかり間違ってPTSDにでもなったら、復興どころじゃなくなってしまう」

男3「一言でアライさんと言っても個体差がある。幼獣と成獣じゃ気質も違う。
口が軽い奴もお調子者もきっといるだろう。今回は運が悪かったんだ」

青年団長は緊張が解けたのか、ボーっとした顔をしている。

男3「皆、今日は疲れてる!青年団長も!また、機会はある!あの野郎はもう〆よう!」

青年団長は、少ししてコクリと頷く。

男3「よし」

男3はまた、取調室に入る。

男3「悪いが男1と男2も部屋から出てくれ」

男1「どうしたんです?」

男3「こいつを処分する」

男2「明後日職員に連絡するんじゃ?」

男3「明後日まで、待つ必要はない。お前もお前も!こいつが生きてるだけで気分が悪いだろう?
寝覚めが悪いだろう?違うか?」

男1と男2は顔を見合わせ、ややあって頷く。

男1「じゃあ。ガスを」

男3「必要ない。さっさと終わらそう!手間だ!お前たちは出てってくれ」

男1と男2は一瞬、戸惑った後、黙って部屋から出ていく。

男3は道具の中からナイフを取り出す。

取調室アライさん「…」

男3はぐったりしている取調室アライさんの首。頸動脈にナイフの刃を当てると一息にひき切る。

スパッ。ブシュゥゥゥ。

取調室アライさん「」ビク、ビク、バタ、バタタタタッッ!!

取調室アライさんは首から激しく出血しながら、椅子に固定された状態でなお、ゴキガイジムーブする。

取調室アライさん「ボソボソ」

男3「うん?」

男3は取調室アライさんの口に注意しながら耳を近づける。

取調室アライさん「…おかーしゃん」ガクッ

それが取調室アライさんの最後となった。そのさまを見届け、男3はポツリと呟く。

男3「一番切り上げたかったのは、俺なのかもな…」

一旦ここまでとさせていただきます。

乙 古い軍隊ものの映画みたい
このアライさんは獣の誇りを持ったまま死んだようだ
最期のムーブの名前が例の通りで若干ゃ草

獣だから生に執着するし生きるためにゴミ漁りだろうが畑荒らしだろうがお構いなくする、か
純粋な野生のみで理性は皆無、人のカタチになっただけでけものではあるが決してフレンズでは無いな

このアライさんはアライさんさんと呼ぶにふさわしい野獣

乙。世界(原産国)のアライさんの扱いも書いてて、設定がしっかりしてる。他の作品ではどうだったかな。

このアライさんの四肢と子宮を切除したあと必要最低限の食事だけ与えながらなぶり続けても同じことが生きたいと言えるのかな?

そもそも野生の生き物自称するなら弱肉強食の掟には従わないとね

乙です!
 
一旦ということは今日はまだ投下する予定あり?それとも今日はこれで終わり?

>>182
今のところそういう話には見えないのだが 弱肉強食にはしたがわされてるし

>>181
日本以外にはアライさんがいないって設定のがあったはず
どれだったかは覚えてないけど

なんというか、アラ虐界隈でも例を見ない作風だな
最後まで誇り高い獣として生き抜いたアライさんなんて初めて見たわ

なんかアライさんを格好良く見せるために
人間側の知能低くして書いてる感じ

申し訳ありません。書き溜めを全部出してしまったため今日はこれで終わりです。

個人的には人間の知能は他のSS並か他より高いと考える(頭のいい人間の出るSSがあったか疑問)
自分たちの行動に疑問を持つ人間は他のSSには見られないから

ここのアライさんには獣のプライドがあるな
というかホルスタインの交渉が失敗過ぎた。拷問するくらいなら嘘で誤魔化して情報聞き出すべきだろ

>>189
他のssを批判するようなことは書かない方がいいと思う

批判ではない

いたたたた

枇杷である?

他のSSスレで登場人物が言ってたことだけど、基本的にアラ虐の本質はヒーローショーや水戸黄門だからな
自分の正義に疑問を抱くヒーローや、冷静に考えると幼稚園バスなんか浚っても意味ないよなと我に返る悪の組織も、それはそれで面白いがやはり主流とはなりにくい

要は、深く物事を考える登場人物は勧善懲悪な世界観を壊してしまうという話

見てても他のSSにある爽快感や気持ち良さの欠片も無いもんな
てかホルスタイン側が馬鹿すぎてもうね…

俺は面白いと思うけどな

誇り高い生き物が害獣呼ばわりされてて草
会話ができるほどの知能があるのに、やってることが畜生以下のくせにね

>188
乙です
作者さんのペースで気の向くままアラ虐して下さい

誇り高いのなら自分で畑を作ればいいのに
所詮は薄汚い害獣にすぎない

行動や設定がリアルな感じになっていていい。こういう作風もありだと思う。

誇り高いとか言ってるけど、繁殖できないなら死んでるのと同じとかいう畜生
仲間のために口は割らないのだみたいなのではなく、単に強情張ってるだけ
しょせんアライさんはアライさん

強情、意地を張るだけってのは分かる。御SSにおけるアライさんはその辺に個性あって面白いと思います
セルリアンとの戦争という世界観もあってか、しぶとさ・したたかさといった面の強化があるのかな

よく考えたら原作で『アライさんがかわいそうなのだ~!』っていうセリフないよね

人間の対応も現実よりでいいね
他のだと躊躇なく拷問やるの多いけど普通の動物相手でも精神すり減らしそうなのに人型生物相手だったら余計に精神病むよねっていう

良くも悪くも他のssと全く異なる面白さがある

誇り高いクソガイジっぽくみえるけど、結局人に害を与えてるんだよな。人の言葉と人と同じような体を与えらてる分罪深い
迷わず虐待するべき

このアライさんを拷問してた連中はみな処刑だろこれじゃどっちが獣かわからんただ牛が無能過ぎたな青年の歪んだ精神に気付かなかった

>>208
まぁ落ち着けよ
この青年団員達はまだアラ虐Lv.1(ただ殴る蹴るだけ)しかやっていない
次の個体には医療関係者とか付けるだろうからさらにキツくなるだろうし飴と鞭の精神攻撃も期待出来る

>>208
ちゃんと読んだか?

まーた沸いてるよ…

このスレは虐待スレじゃないと思うな。純粋な生存戦争を描いてる
爽快感なんていらないから今のまま苦悩したりするリアルな人間を書いてほしい

>>208
害獣相手で必要なこととはいえ人に近い外見の生物に暴力を与えて悲鳴を聞き続けてたら神経が磨耗するのは至極当然だろ
むしろ正常だわ

面白いけど、セルリアンが悪役じゃなかったら何だったと言うのだろうか

>>208
確かにアライさんごときを相手するのに迷いや躊躇を持つのは歪んでるわなゴミ掃除なんだから

しかしそうすると、ゴミ掃除は効率を最優先するべきであってわざわざ苦痛を与える必要はないって話にもなるんだよな
アライさん駆除とアラ虐って、同じようだけど実は全然違う概念
前者は単に必要だからやるだけのゴミ掃除でしかないし、後者は犯罪者や厄介者みたいな扱いではあってもアライさんを人に準じた人格と魂ある者として扱っている
『アライさん物語』と『ゆるさねえ絶対に』の主役のスタンスの違いみたいな話でさ

>>216
効率よく駆除するために痛め付けて情報を引き出そうとしてるんだろ一体お前は何を読んでいたんだ
後他のスレとか引き合いにだすのもよくない同じ作者ならともかく

まずは飴与えて懐柔するなりウソの約束でもなんでもして情報を引き出ししやすくしないのは非効率に過ぎる
いきなり避妊処置とか言わなくてもいい事言って交渉の余地なくしてすぐ拷問
それのどこが効率的なんだよ
痛めつけることそれ自体が目的になってるじゃないか
本気で効率を考えてるなら、拷問で聞き出すなんてのは最終手段だよ

>>218
ホルスタインちゃんがいっちゃって懐柔出来ない以上現状打てる手では痛め付けるのも1つの手だろ
ホルスタインちゃんが言っちゃった以上言わなかったらなんて意味がない

このドキュメント風にやるのは、個人的には好きだな。

続きを書き込みます。

ホルスタインちゃんの対応に特に賛否が分かれているようです…。

読者の方のご感想にお任せするしかありませんが、

アライさんが『厄介者・害獣』という認識が共有され、法的に明確に駆除の対象となってもなお、

個々人、個々フレンズによってその思いや対処の姿勢が微妙に異なり得る、ということもお示し出来たら幸いに思います。

廃屋アライさんは音を忍ばせながら、裏山を進む。

目の前には小川が流れている。
アライさんにとって、水辺環境は繁殖やエサ、動物の探索に好都合である。身を隠して移動でき、
エサを探せる河川や用排水路、ため池は特にアライさんが好んで利用する環境である。

その小川の近くに、大きすぎず小さすぎない、ちょうど良い感じの巣穴が口を開いていた。

廃屋アライさんは巣穴の中に鼻を近づけ、ケモ耳に神経を集中する。

アライさんへの拷問が許せないアラ信の長文なんて無視でいいですよ

確かに避妊の事を話したのは逆効果だったけど、それでもアライさんが虐待されるべきであるのに変わりはない

廃屋アライさん「(アライさんの臭いがするのだ。でも、今はいない。そいつのチビ達の臭いもしない。
子持ちじゃないのか)」

廃屋アライさんは巣穴の奥にすすみ、「前住者」の残したため糞を手でベタベタ触って様子を確かめる。

廃屋アライさん「(ほんの少し前まで住んでたのだ。良い巣穴だけどチビが引越し中に襲われるかもしれないのだ)」

廃屋アライさん「(とは言え、条件の良い巣穴がそうゴロゴロあるわけでもないのだ。
タヌキのフレンズの寝込みを襲うことも考えていたのだけど、
おっぱいの期間が終わるまで勝負のわからない戦いは出来るだけ避けたいのだ)」

勘の良い読者はお気づきかも知れないが、この巣は取調室アライさんのものだった。
彼女はもうすぐこの世を去るが、それを廃屋アライさんが知るすべはない。

廃屋アライさんは巣穴を出て周囲の環境を確認する。
裏山を流れる小川は村の中ほどで他の小川と合流、隣町まで流れていく。
アライさんはひらけた環境に身をさらすことを嫌うフレンズである。
しかしここの程よく茂った森の木立はアライさんの身を隠して、移動や、餌探しを助けてくれるだろう。

廃屋アライさんは近くの木に鳥やドローンに注意しながら登ってみる。

防風林や竹林などが村から、隣町にちょうど『緑の回廊』のように通り、
村周辺の山林と隣町の森、林がところどころ一体化している。
その向こうには畑やコンビニ、人家等が広がっている。

廃屋アライさん「(絶好の場所なのだ。元の巣からも近すぎず、遠すぎず。今夜にもお引越しができるのだ)」

廃屋アライさんは巣に中に入ると前の家主のため糞の上にお尻を向ける。

廃屋アライさん「のだぁぁぁー!」ブリュブリュブリュブリブリブリブリュブリュブッブー

廃屋アライさんはこの巣が自分のものになったことを誇示するように全力のため糞をした。

廃墟マニア2「思ってたよりも綺麗だな」パシャ

廃墟マニアたちは旧公民館前に車を止め中の様子を確認し、中に入っていく。

廃墟マニア1「俺ら以外にも、たまにボランティアの人や復興準備のための行政職員が出入りするからな」

廃墟マニア2「それ、廃墟って言うか微妙じゃない?」パシャ

廃墟マニア2はそう言いながら写真を撮っていた。

廃墟マニア1「それと物見遊山のアホ達だな。見ろ!」

廃墟マニア1は廃墟マニア2にゴミばさみで挟んだ缶ビールの空き缶を示す。

旧公民館にはところどころに比較的最近持ち込まれたコンビニ等のゴミが落ちている。
この村は、所謂、ちょっとしたスリルが楽しみたい人たちの―廃墟散策・サバゲ―・肝試し、危ない所ぶらり旅―の
穴場スポットになっていた。

廃墟マニア1「そんで、ここを休憩会場にした…。ゴミは散らかしっぱなしで帰ったと」

廃墟マニア2は廃墟マニア1がゴミを入れやすいようゴミ袋を広げる。

廃墟マニア2「まあ、俺らが言うのも変な話ではあるがな」

廃墟マニア1「携帯トイレを持ってきて良かった。言うまでもないがゴミは全部持ち帰るぞ。
じゃないとこいつらの仲間入りだ」

廃墟マニア2「そうだ!この様子の写真撮ろう!『人類の敵は結局人類』って感じがしてすごくいい!!」パシャパシャ

廃墟マニア1「写真もいいがお前もゴミ拾えよ」

コンビニ弁当の残骸、缶詰の空き缶、お菓子の袋、食べ残した食べ物、飲み残した飲み物、ビールの空き缶、
チューハイの空き缶、半分残ったウィスキーの瓶…。

廃墟マニア1「まったく、クマやアライさんが味を覚えて、変に「人間慣れ」したら困るだろうに…。
あいつ等、餌の味を覚えたらしつこいぞ」

廃墟マニア2「うぉぉ。うんこだ!ビニール袋の中に…」

廃墟マニア1「携帯トイレを持ってきてなかったんだろう。くそっ!持ち帰れよ!!」

廃墟マニアたちは何のかんのとぼやいたり、写真や動画を撮ったりしながら、旧公民館のお掃除を進めていく。

廃墟マニア1「まあこんなもんだろう」

廃墟マニア2「廃墟らしさは減っちゃったけどな。うん?あれはなんだ」

廃墟マニア2は天井を指さす。茶色いシミが天井の隅の方から比較的広範囲に広がっている。

廃墟マニア1「雨漏りか…。さもなくばタヌキやハクビシン、アライさんでも住み着いているのか。
そう言えばなんか臭いな」

廃墟マニア2「駆除するか。アライさんなら俺ら二人登録講習受けたし」

廃墟マニア1はしばし考えるが

廃墟マニア1「やめとこう。今日は駆除のために来たわけじゃないからガスがない。薫煙剤もない。
この地区を一時管轄している隣町役場の担当部署に連絡する」

廃墟マニア1は携帯を取り出し、隣町役場の担当部署に電話をかける。

廃墟マニア1「ええ…。南側の旧公民館の屋根裏に…。はっきり、アライさんと確かめたわけではありませんが…。
では、不用意に近寄らずに…はい」

状況を伝え終わると、電話を切る。廃墟マニア2はパシャパシャ天井を撮っている。

廃墟マニア1「オホン!そろそろ、ここは引き上げて側溝のお掃除に移ろうか」

一旦ここまでとさせていただきます。

乙。時間との勝負みたいな感じになってきて面白いな。人が迅速に動いて子供を確保か。夜の間にアライさんが逃げきるか。


なんだかんだいってナチュラルに他のフレンズを襲う事考えてんだな・・・
前任のアライさんがちょっと遠出してるだけだったらどうするつもりなのか・・・

前任じゃなくて前住だった

良くも悪くもここのアライは野性味溢れてるな
のほほんと生きていけるような環境じゃないから仕方ないか

>>234
野生動物なんだから別におかしくはないだろ
ただこれを見る限りアライさんはけものではあるが決してフレンズじゃねぇ、人の形をした獣……野蛮な獣人だわ

やっぱ人に似た姿のアライさんに虐待するのに普通の人間なら嫌悪感持って当たり前でその描写が出来てるこのSSは最高
ぜひその嫌悪感を越えたところを描いて欲しい
>>203
生き物なんて繁殖して子孫残せなきゃ死んでるのと同じだぞ童貞

語り合うのはいいけどさ、sageしてくれないかねぇ?

さすがに死ぬか繁殖できなくなるかを天秤にかけたら、死ぬことは選ばないけどな

それにしても、フレンズとしての形を与えられておいてやってることは獣と変わらないなんて駆除してくださいと言ってるようなものだよな

何はともあれ人類とフレンズが数十年交渉・教育しても無駄だったんだからアライさんは滅ぼされる運命なのだ!

そう言えばフレンズと人間のハーフって何か特徴とかあるのかね?下手すりゃ孫まで出来てる時間経ってた気がするけど

sagbもできないアホはアライさんと同じようにNGで

確かに、もし人がアライさんと行為をしてアライさんが妊娠したとしたら人とフレンズが生まれるのか。それとも、雄のアライグマしか授精しないのか気になるな。この話では、最初にフレンズと雄のアライグマが産まれた所から始まったから。後、アメリカのアライさんは英語をペラペラ話すのだろうか?

そういえばフレンズが日本以外の国に住むパティーンは読んだことないな
海外だと日本語以外でも喋れるか気になるところだなぁ

アライさんがぶち殺されて皆ハッピー!!

相変わらずsageも出来ない
アラ信並の頭アライさんがいるな

ま~たageちゃったんだねアライさ~ん
E-mail(省略可):の右隣の空欄にsageと入力してコメントすればいいんだよ

続きを書き込みます。

少し立て込んでいて更新頻度なり量が数日~1週間ほど減るかもしれません。

用語「人類とフレンズ」
この世界の人類はおおむね、フレンズは『世界再建戦争をともに戦った人類の友』、
『共存共栄の対象』という認識を共有している。しかし、『友』、『共存共栄』をどうとらえるかは
各国、各機関、各個人により認識が異なる。

「人類とフレンズ」の関係構築は未だ黎明期で同じ機関や個人が二通り以上の考えを同時に持っている場合もある。

一つの方向性として「人類とフレンズ」の関係を人類と家畜等との関係の延長線で考える立場が存在する。
あくまで、暗黙のうちに人類を上位に置いた『友達(フレンズ)』という考え。
既存の(私たち平成世界ともなじみが深い)宗教界や保守・伝統志向の強い人たちに支持されている。

二つ目の方向性として「人類とフレンズ」の関係をあくまでも、限りなく平等なものと考える立場。
こちらは比較的、リベラル・革新系・環境保護志向の強い人たちに支持されている。
また、保守的な考えの人でも従軍経験などで実際にフレンズと「戦友」となった人の中には
こちらの考えに近い人も多い。
他方、この立場でも「平等」の範囲をどこまでとするのか(参政権問題や、人間社会で生きるフレンズと
野生動物として生きるフレンズ両方を同じものとするか否か)で統一的見解がなかなか成立していない。

この世界の日本国の公的立場としては双方を「極論」と退けつつ、
どちらかと言えば一つ目の(人類を上位に置いた考え)立場に近い折衷主義を採用している。

↑用語説明終わり

廃墟マニアたちは車を少し進め、やや大きめの側溝のそばに留める。

廃墟マニア1「本格的な用水路や大きめの側溝は業者が入る。
ただ、いくら復興予算が出ているとは言え、中~小規模な側溝や生活道路の整備はどうしても
ボランティアや自治会、地元住民の力が頼りだ」

廃墟マニア2「補助金漬けにならず、あくまで基本は自力再建ってことだな」

廃墟マニア1と廃墟マニア2は側溝の蓋を二人がかりで持ち上げる。

廃墟マニア1「指を挟むなよ」フン!ゴト!

廃墟マニア2「そう言えば、よく側溝掃除って自治体や自治会のトラブルになるな。今回はどうする?」

廃墟マニア1は長柄のシャベルを車から取り出し、片方を廃墟マニア2に渡す。

廃墟マニア1「まず、この側溝の蓋を今みたいにずらしながら、
溜まった泥や落ち葉・枯れ枝、ゴミをシャベルでかき上げる」

廃墟マニア1「濡れたままゴミ袋に詰めるわけにはいかない。今日のところは側溝の中の掃除に徹して、
明日以降にかき上げたものが乾き次第、袋に詰めて、隣町の臨時ゴミ集積所に運搬する」

廃墟マニア2「その前に写真とる」パシャパシャ

廃墟マニア2「俺、迷路のような下水道を伝ってレジスタンスごっこするのが夢だったんだ」

廃墟マニア1「中二病か。下水道ってめちゃめちゃ臭くて不衛生だぞ!」

廃墟マニア1「それにレジスタンスごっこするにはこれは少し小さすぎる」

そう言って廃墟マニア1は側溝の泥をかき出し始める。廃墟マニア2も一緒になり、
側溝の蓋、一枚分の「クリーン部分」が出来る。

それを2、3回繰り返した。

廃墟マニア1&2「フンッ!」ゴト

次の側溝の蓋を持ち上げるすると、

側溝アライちゃん1「のぎゃー!こわいのゃー!」ヨチヨチ
側溝子アライグマ♂1「キー!キー!」モゾモゾ
側溝アライちゃん2「のりーゃ。こないでほちいのゃー」ヨチヨチヨチヨチ
側溝子アライグマ♂2「キーキー。」モゾモゾ
側溝アライちゃん3「のぎゃゃー!おかーしゃーん!」ヨチヨチヨチヨチ
側溝子アライグマ♂3「キー!キー!」モゾモゾモゾ

側溝の蓋の下からアライちゃんや子アライグマ♂がウジャウジャヨチヨチヨチ湧いてくる。
恐らく、廃墟マニア2人のクマよけの鈴や側溝の掃除音を聞き、息を潜めて身を隠していたのだろう。
側溝アライちゃん達はパニックになっている。

2人は一瞬、呆然とするが、

廃墟マニア1「おい。気づいたか?」

廃墟マニア1は小声で廃墟マニア2に声をかける。同時に銃剣道の要領で長柄のシャベルを構え、
唐辛子スプレーの安全装置を解除する。

廃墟マニア2
「気づくって何に?」

廃墟マニア2も小声で応じながら、同様にシャベルを構え、安全装置を解除する。

廃墟マニア1「母アライさんがいない。昼間なのに」

廃墟マニア2「そう言えば。餌を探しに行ってるとか?」

廃墟マニア1「もしくは…。俺たちの音を聞きつけて近くの茂みに身を潜め、子供たちの様子を見守っているかだ」

廃墟マニア2はそれを聞いて、シャベルの握りを再調節する。

側溝アライちゃん1「いまのうちににげりゅのりゃ~!」ヨチヨチヨチヨチ

いち早く、パニックから立ち直った一匹のアライちゃんが側溝を伝って逃げようとした瞬間、
凍っていたその場の状況が一気に動いた。

廃墟マニア1は廃墟マニア2に目線で合図を送ると、シャベルを振り上げる。
その瞬間、近くの茂みから廃墟マニア1の背に向かって何かが勢いよく飛び出す。

廃墟マニア1「逃がすか!!害獣どもが!!!」

側溝アライちゃん1「」ザクッ!グシャ!ビク、ビク、バタ、バタタタタッッ!!

廃墟マニア1はシャベルでヨチヨチ歩きをしていた側溝アライちゃん1の体を両断するように叩き潰し、
そのままシャベルを側溝アライちゃん1に続こうとしていた側溝アライちゃん達や側溝子アライグマ♂達に向けて
スライドする。

側溝アライちゃん2,3「ぎゃぁぁぁー。いちゃい!!いちゃいのりゃー!!!」ブチブチ

側溝子アライグマ♂1~3「キ~~~イー」ブチブチ

複数の側溝アライちゃん、側溝子アライグマ♂の手足がシャベルで切り裂かれる。

廃墟マニア1がシャベルを振り上げた瞬間にとびかかってきた何者かに向かって、
廃墟マニア2は銃剣道の突きをシャベルで繰り出す。

廃墟マニア2「どう!!!」

側溝アライさん「ぐふぅ」ザクッ!!ブシュゥゥゥ!!!

「わざわざ、実戦で『胴』もないだろう。攻撃ポイントを相手に教えてどうする?」と思わなくもないが、
まあ、そこは叩き込まれた習慣。仕方ない。

この時代の日本では武道が平成時代よりかなり盛んだ。かつて、人類衰退期や世界再建戦争時に日本が
国家総動員体制を敷いた名残である。対セルリアン対策(と言っても中型以上は自衛隊や残留米軍、
県兵[愛国郷土防衛隊]でないと相手にならないので実質、小型対策&国防意識発揚のため)で
男子は銃剣道、女子は薙刀道の習得が小学生の頃から奨励され、体育(教練)にも盛んに取り入れられた。
戦後30年近くが経ち、教練と呼ばれた体育に陸自の教官が派遣されることも無くなり、
小中学校で行軍訓練や点呼訓練を実施しなくなって久しい(地震・災害訓練名目で同じようなことは続行中)。
それでも、この2人を含め、かなりの日本人が「小学校+中学校+高校+大学等」の期間、
何かしらの武道をやって(やらされて)いる。そのため、やたらと段位持ちが多い。
非体育会系男子には生きずらい世の中である。
なお、例によって、戦時中、自治会では竹やり訓練をしていた。効果のほどは…議論の分かれるところである。

側溝アライさん「アライさんの…。可愛いチビに…。離れるのだ!許さないのだ!!」キシャアアアー

側溝アライさんはシャベルで裂かれた腹から、臓物を溢しながら鬼気迫る表情で二人を威嚇する。

しかし、

廃墟マニア1「やるぞ…気を付けろ!」

廃墟マニア2が側溝アライさんを牽制している隙をついて、
風上にまわった廃墟マニア1が唐辛子スプレーを噴射する。

側溝アライさん「?!!」

唐辛子スプレーを野生動物に噴射するときは一般的に目や鼻を狙うものとされる。
クマをはじめ野生動物は毛皮で体が覆われているため、体にかかったとしても効果が極めて限定されるのだ。
それはアライさんとて同じなのだが、

廃墟マニア2「めん!!!」

側溝アライさん「がぁぁっ」ザクッ!!ブシュゥゥゥ!!!

廃墟マニア1に側溝アライさんが意識を逸らした一瞬の隙をついて、
廃墟マニア2は顔面やや側頭部寄りにシャベルを叩き込む。

側溝アライさん「」ビク、ビク、バタ、バタタタタッッ!!

地面に倒れ伏し、ゴキガイジムーブしている側溝アライさんの喉元に狙いを定め、
廃墟マニア2は止めを刺そうとする。

側溝アライさん「あ…あらいひゃんのちび。まも…」ザクッッ

廃墟マニア2の止めを最後に側溝アライさんは呼吸を止めた。

用語「フレンズの生殖」
この世界のフレンズは元種の動物と交尾することにより、雌雄の子供を妊娠出産ないし産卵する。
メスの子供はフレンズとして生を受ける。

基本、受精するのは元種のオスの動物の精子のみとされている。
ただ、元種の動物が一代雑種をもうけることが可能な種(例としてはライオンとトラ等)は「ハーフ」が理論上、
あり得るとされる。
しかし、子供が出来たとしても病気がちになってしまうことが多く反倫理的なため推奨はされていない。

また、原因は不明ながらアライさんなど極一部の例外を除き、フレンズの受精率は元種のそれよりも大きく低下する。
これは、「フレンズ化」により寿命が延びたことに影響されると言われている。
要は延びた寿命の分、結果的に子供が生まれにくくなるため「帳尻が合う」という訳である。

フレンズの卵子を使った科学・医療研究は法律で厳しく規制されている。
ただ、絶滅動物の復元プロジェクトなどの立場から解禁論も根強い。

(続き)
フレンズと人間との性行為は一般的に獣姦と同一視され、タブーとされている。

しかし、「人間社会に生きる獣生を選択したフレンズと人間(主に男性)が真摯な姿勢で交際し、婚姻を望んだ場合、
それを認めても良いのではないか?」という議論は存在する。

当然、倫理的・道徳的な議論の的となり、宗教界や保守層を中心に凄まじい反発が起こっている。
日本もフレンズと人間の婚姻は現状認めていない。

用語「フレンズの言語」
この世界のフレンズが話す言語はおおむね、人間の言語分布と重なっている。
すなわち、日本のアライさんは日本語を話すがテキサスのアライさんはテキサス訛りの英語を話す。
理由は良く分かっていない。

一応、最有力は「接触仮説」である。
すなわち、その地域の人間の話す声を聞いたフレンズが当該地域の言語を話すようになり、
それが群れの仲間や子孫血縁、付き合いのあるフレンズに広がっていく、というものである。
もっともらしいものの科学的に十分な裏付けが取れるまでには至っていない。

なお、ジャパリパーク由来のフレンズが日本語を話す理由について、接触仮説を用いて説明するならば、
かつて「ジャパリパークはかつて日本の動物園・研究機関が運営元であり、
職員も(アニメのみどりさん等)日本語話者が多かったため、それが定着した」といったものになる。

一旦、ここまでとさせていただきます。

行間や、一レスごとに記入する文量に迷うことが多々あります。

読みにくい書き方をして申し訳ありません。

乙。読みごたえがありますね。英語を喋るんだ。アライさん。

乙です
無理のないペースで更新なさってください

ここの世界観では、人間側に油断がないな
アライさんの脅威が他より深刻だから人間側の危機意識が強いのかな

セルリアンと戦争っぽいことしてたわけだし平和ボケしてないんだよ

アライさんの知能や身体能力がアニメより遥かに高いのは
自分で餌をとって自分で外敵から身を守る必要があるからかな

話を最後まで聞かずに山に登ったり、止まってるボールを蹴れずに後ろに倒れたりするアライさんだったら
この世界ではとっくに死に絶えてそう

そもそもアニメ世界のアライさんが住んでいるところは超平和だからな
こっちとは全く違う

時代劇の剣豪同士の切りあいというか、真剣勝負だからこそ、双方の群像劇が面白い。

>>271
外の世界は滅びてる可能性すらあるし、ジャパリパークはヤバげなセルリアンがいるんですがそれは

実際、溜め糞の場面をアニメのアライさんで想像すると..すごいことになるな。

>>274
クッソ気持ち悪い絵面になりそう

少ないですが書き溜めを記入します。

お疲れ様です。

ブロロロロ…。

青年団長は男3(男3の苗字は佐藤である。登場人物が増えて手間になってきたので以下、佐藤と呼ぶ)と
新井動物病院の駐車場に車を留める。

新井動物病院は、名前の通り新井さん(勿論、人間)が開いている隣町の動物病院である。

青年団長「…こってり、警察に絞られたな」

佐藤「仕方がない。限りなくブラックに近いことをやったんだ。厳重注意で済んで幸運だった」

青年団長達男4人はあの後、ホルスタイン副村長に事情を正直に打ち明け、5人そろって警察署に出頭した。
結局のところ、人間や人間社会で生きる道を選んだフレンズは罪悪感には勝てない。どんなに、体が強くても。

その罪悪感の源が触法意識のなのか、それとも取調室アライさんへの行為に対する罪悪感なのか、
その両方なのか、きっと男達も分からない。

佐藤「とは言え、一応のけじめはつけた。問題なのは今後だ。村の復興にアライさんが大障害なのは変わらない。一時帰宅日のカウントダウンは終了まじか。何か対策を取らない訳にはいかない」

青年団長「この前の出来事で分かったことがある。
必要なのは専門知識と技術、それと出来れば誠実で信念を持つ人材だ。
いや、俺ごときが人様を『材』扱いするのは無礼千万だが…」

佐藤「俺らはしょせんアマチュアだからな。解剖どころか、初歩的な懐柔や拷問でさえあのざまだ。
それだけじゃない。復興を進める上では合法性の担保が不可欠になる」

佐藤「その理屈はわかるんだが、なんでよりによってここなんだ?」

佐藤はそう言って新井動物病院の看板を眺める。この病院は有名な、所謂「アラ信」の拠点だ。

青年団長「敵を知り己を知れば百選危うからず。取って食われる訳じゃない。
ある意味、アライさんに人間で最も親しく、知識も豊富だ」

青年団長と佐藤は車を降り、動物病院の玄関に足を踏み入れる。

青年団長「お忙しい所、申し訳ありません。お電話でお約束をさせていただきました、青年団長と申します。
新井先生にお取次ぎをお願いできますでしょうか」

少ないですが今日はここまでにさせていただきます。

乙です。

乙でしゅ。果たしてアラ信のお医者さんがまともに取り合ってくれるのであろうか・・・

>>284
世間でアラ信と言われていても実態は違うかもしれんぞ?
それを隠れ蓑にしている可能性も...

何とも言えない雰囲気だ。廃屋アライたちも引っ越しが済んだ頃なのかな。

素人集団とはいえ対策とか準備が不十分というかとっかかりが遅くない?

続きを書き込みます。

新井先生「よくいらっしゃいました。どうぞこちらへ」

「温厚篤実」という言葉を具現化したような初老の男性が青年団長と佐藤を院長室に案内する。

新井先生と二人の男はやや低いテーブルを挟んだ来客用の椅子に同時に腰掛ける。

青年団長「お忙しいところ、急な連絡にも関わらず、ご対応いただき、ありがとうございます」

新井先生「いえいえ。村のご復興。これまで一緒に苦しい時代を乗り越えてきた隣町の者として応援しています。
私の力はささやかなものですが、骨折りを惜しむつもりはありません」

青年団長は少し安心したように息を吐く。新井先生の言葉は半分、社交辞令ではあるものの
きちんとした真心を感じたためだ。

青年団長「(『アラ信』という噂を聞いていたからどんなサイコ野郎かと心配していたが…。
人は見かけによらないとは言うものの、この人から悪意や意地の悪さを感じない。
愚策かもしれないがここは直球勝負をかけるべきか)」

青年団長「先生。もう、先生もお聞き及びかも知れませんが、当村にアライさんが住み着いています」

新井先生を青年団長の言葉を首肯する。

青年団長「新井先生はアライさん等野生動物の保護活動『ひろげよう!ドングリ命の輪』で著名と存じています。
アライさんについて、あるいは当村の今後のアライさんとの関わり方についてご意見をうかがえないでしょうか?」

青年団長「先生のような高名な方が村の復興に携わっていただければ、旧村民として本当に心強い限りです」

青年団長は一息に気持ちを新井先生に伝え、返事をじっと待つ。

新井先生は青年団長の顔をじっと見つめていたが、やがて

新井先生「もし二人のお時間がよろしければ、少し当院をご覧いただけませんか?」

ケージアライさん1「出すのだ!!ここからだすのだ!!!」バンバンバン

ケージアライさん2「チビは…!チビに会わせるのだ!!アライさんが帰らないと死んでしまうのだ」ガリガリガリガリ

ケージアライさん3「キシャァァアー!キシャァァアー!!」ゴンゴンゴン

青年団長「これは!?」

新井先生「ここはアライさんの一時受け入れ施設に認定されています」

アライさん達『特定有害フレンズ』は特定有害フレンズ防止法に基づき、飼養、保管、運搬、輸入等を
規制されている。

要は捕まえたら原則、その場で駆除。狩猟行為としてジビエにする場合もその場で〆て解体等が行われる。
(足場の悪さやクマ害等を避けるため、安全な場所に移動する程度なら黙認されている)
研究・教育・展示目的以外の飼育は禁止されている。

しかし、この法律にはいくつかの例外規定が存在する。

世界再建戦争にかばんさん一行として多大な(?)貢献をした「ジャパリパークのアライさん」と
その子孫に対する特例が有名であるが、その他に『動物愛護並びにフレンズ共生理念に基づく特別例外規定』、
『その他、環境大臣が特に定めた場合』である。

新井先生「この子たちは善意の引き取り手が現れるのをここで7日間待ちます」

『動物愛護並びにフレンズ共生理念に基づく特別例外規定』とは捕獲・保護されたアライさんにとって、
この世界の日本ではただ一つの蜘蛛の糸である。

『特定有害フレンズ』アライさんは日本において「野生個体の根滅」が目指されている。
他方、動物愛護・フレンズ共生の理念に基づき「合理的に可能な範囲で」人道的取り扱い、生命の尊厳に対する尊重
が努力義務とされている。

捕獲・保護時、現場の判断等で殺処分を猶予された個体は、規定の検査をパスした一時受け入れ施設
(多くの場合、一部の保健所ないし鳥獣保護センター、NPO団体所有施設)に空きがあれば引き取られる。
空きがなければ、殺処分される。

一時受け入れ施設で、各地方自治体で異なるがおよそ3~7日預けられている間に、
動物園・研究機関、保護シェルターに空きがあればそちらに厳重に移送される。
空きがなければ、殺処分される。
また激しく暴れる等、管理に問題を生じる事由があった場合も現場の判断で殺処分されるケースがある。

各機関に移送後(一時受け入れ施設で行う場合もある)、去勢手術を施術され、適応訓練を受ける。
適応訓練時、機関の性質に合致しないと判断されれば殺処分される。

こうして、細い蜘蛛の糸を伝うことが出来た本当に限られたアライさんが日本において初めて「合法的に」
生存を許されるのである。

取調室アライさんにホルスタインちゃんが持ちかけた「取引」は、この制度の利用を念頭に置いている。
彼女が去勢手術の件を正直に伝えたのは、その素直で嘘を好まない性格以外に、騙したとしもすぐにばれてしまい、
その時、「だまされたのだぁ!」と大暴れされれば、結局、取調室アライさんは殺処分されるし
行先の機関にご迷惑をかける、という判断によるものであった。

新井先生「この病院では最大10匹のアライさんを預かることが出来ますが、ケージは、ほぼ年中埋まっています」

青年団長と佐藤は、前を進む新井先生の後ろを歩きながら、各ケージをやや物珍し気に見つめる。

ふと、青年団長は足を止める。

青年団長「アライちゃんを連れた個体もいるのか」

他より少し大きめのケージにアライさんとその子供と思しきアライちゃん4匹が入っている。

アライちゃんは新井先生を見るとヨチヨチ歩きで寄ってくる。

ケージアライちゃん1「にんげんしゃんなのりゃー」ヨチヨチ

ケージアライちゃん2「みちゅくほしいのりゃー」ヨチヨチヨチ

ケージアライちゃん3「だっこしてほしいのりゃー」モゾモゾ

ケージアライちゃん4「あったかふわふわでからだふいてほしいのりゃー」バブバブ

アライちゃん達は新井先生に懐いているようだ。発言を聞く限りではまず、献身的と言っていいお世話が
なされているようである。

しかし、

ケージアライさん4「ヒィ…。ニンゲン…!」キシャァァァァ!

ケージアライさん4「近寄るな!アライさんとチビに近寄るな!!あっちに行くのだぁぁ!!!」ダキィ

ケージアライさん4はヨチヨチしているアライちゃん達を抱き寄せ、人間達から庇うように背を向ける。

ケージアライさん4「アライさんのチビをこれ以上殺すな。どっかにいくのだぁぁ!!!」

そう絶叫した。

青年団長「これ以上殺す?」

新井先生「アライグマとアライさんは適応される法律が異なります。
そのため、このアライさんの子アライグマ♂はその場で殺処分されました。母親の目の前で…」

4匹のアライちゃんをひしと抱きしめ、震えているケージアライさん4。
よく見ると毛のつやも悪く、後頭部に円形の脱毛がみられる。

新井先生「そのこととここへの突然の拘束が余程堪えたのか、母乳が出なくなり、今は病院のスッタフが…」

新井先生達は院長室に戻ってきた。

新井先生「さっきの子連れのアライさんですが、何とか親は引き取り先が決まりました。
今日が7日目でしたので本当にギリギリです」

青年団長「それは」

青年団長は良かったですね、と言いかけて害獣が生き延びるのに良かったは無いだろうと思いなおす。

青年団長「(ご苦労様です?でも、相手はアラ信(?)だし。あれ、年上の方に『ご苦労様です』は失礼だっけか?)

青年団長がピンボケしたことを考えてるうちに佐藤が肝心なことを聞く。

佐藤「あのアライちゃん達は?」

新井先生は、嘆息したあと、

新井先生「まだ、見つかっていません。親子で捕獲時間に差があったので、
あと3時間ほどであのアライちゃん達の命は尽きることになります」

その場に気まずい空気が漂う。

新井先生「今もスタッフがあちこち電話をしてくれています」

新井先生「それと、ケージアライさん4はもうすぐ、避妊手術を始めます。
当院で手術と受け入れ後の抜糸を行うことが条件だったそうで…。
もし、お二人にそのおつもりがあれば手術をご覧になりますか?勿論、別室からになりますが。」

青年団長と佐藤は、困ったように顔を見合わせた後、答える。

青年団長「それではお願いします」

新井先生「わかりました。では、手術まで少しお話ししましょうか。やや、とりとめのない話ですが。
お二人がいらっしゃった目的にも多少なりとも関わるお話です」

一旦ここまでとさせていただきます。今日の書き込みは以上となるかもしれません。

2,3日書き込めない日が続くかも。

乙です。無理なく書いてください。イメージのアラ信ではないですね。真摯に対応していて。細かな設定も良く書いていて。


今のところ新井先生はまともな活動をしているようだ
・・・問題はあの状況のアライさんだけを引き取るという善意の人だな

リアル野生アライさんがしゃべれたらこんな感じかな的な

こんな反抗的なケージアライさん4でも避妊手術に同意したのか
どんな敏腕ネゴシエイターが説得したんだろ

>>304
麻酔かけて勝手にやるんでしょ
駆除も保護()も里親()も結局エゴでしかない

駆除は全くエゴでもなんでもないが、保護やら里親はエゴだよな。表面は命を大事にしてますー!ってことで綺麗に見えるけど、それによってどれだけの人が大変な思いをするか

人の都合で害獣扱いして滅ぼすんだから駆除も一応エゴだろ

元々ラスカルで影響受けて人が外から持ち込んでダメだったから後から駆除してるんだからエゴ以外の何物でもないよ
駆除はだめ!可哀想だからやめろ!って意味ではないのであしからず

このリアリティーが堪らないな。この人の設定は納得できるし。

色んなSS読んだけど、こういうケースのアラ信は初めて見る。ちゃんと現実を見て可能な限り救おうとしているのは好感持てるかも

>>307
いや、人と似た体で人と同じ言葉使うくせに人に迷惑かけてる奴を害獣扱いすることがエゴって

ただ仮に、何かの間違いでエゴということにしたとしても、何も悪いことではないけどな

ネットで議論するときの誇張癖だとは思うけど
「エゴ以外の何物でもない」という言い方を採用するのはいいとは思えない(理屈に穴があると言うこと)
本当に疑問の余地なしだと思ってるならもっと考えなきゃいけない

エゴでしかない→一応エゴだろ

うーんこの。とりあえず相手がアライさんなんだしエゴだろうが悪いことをしてることにはならないよ

>>312
反証が挙がらない内はエゴであることは否定されない

アライさんの場合畑あらしとか害があるから駆除してるわけでそれすらエゴというのならエゴじゃないというのはむしろどんなのを指すのか
肉食獣が食べるのもエゴになってしまう

>>315
いやそれは捕食者側のエゴでしょ…とまでは言わないけど、肉食動物はわざわざ海外から餌を持ってきて自然環境荒らしたりはしないでしょ
アライさんが日本在来の奴ってんならエゴではないかもしんないけど、自然環境に手を加えるのがエゴってんならそりゃそうだとも

いやもう見苦しいしsageはしないしもう黙ってろよアラガイジ

論破されたらガイジ認定は草
まぁsageはしような

ガイジとアラガイジを一緒にするなよ……

ガイジに失礼すぎる

ざわ…ざわ…

みんな 何を言っているのかわからないのだ…聡明なアライさんにもわかるように話して欲しいのだ

>>321
あんたの存在そのものが鬱陶しいんだよ!

人間が生きてく上で迷惑だから滅べ

>>314
反証よりまずエゴの定義からだろ
ここのエゴ議論全般に言えるけど「人間のエゴ」なんてガバガバなものをそのまま扱うなよってこと

というかしょうもないからもうやめろと言いたかった

多分最近ガンダム観てエゴを使いたくなったんだろ

エゴ=ガンダムはちょっと……(笑)

なんでアラ虐SSでのエゴからガンダム出てくんだ
これだからガノタは

アライさんはポケ戦が好きなのだあ

コスリコスリ

印象に残るシーンでエゴって言葉使ってるからな

ガンダムは一例にしても、エゴの使い方がアホっぽいしアニメの影響と思われても仕方ない。全てはアライさんのせいだ

利己的とか利己主義って意味だし間違ってはいないでしょ、人間に不利益だから害獣扱いしてるんだし

>>332
これで最後にするけどそれじゃ不十分だって言ってるの

なんかもう、どうしてとエゴってことにしたいらしいけど、仮にエゴだとしたらどうなるんですかね……

悪いのはアライさんであり人に罪は全くないことは変わらないんですけど

>>333
こんな場末の掲示板のSSでそこまで徹底した議論なんかいらんだろ……

エゴでもなんでもええわ
経緯はどうあれ、アライさんは害獣だから駆除しなきゃならない
どうせ駆除するなら肉や皮を得られる方が得だし、娯楽になるなら更に無駄がない
どうせゴミ掃除をしなきゃいけないなら、イヤイヤやるより楽しくやった方がいいたろ?

駆除をエゴなんていったら、アライさんは存在がエゴ

アライさんはエゴなんて言葉じゃ言い合わせられない
アライさんにとって相応しい言葉はゴミでしょ
ゴミパンダなんて呼ばれてるんだし

くたばってくれればエコになるな

人間が人類のためにアライさん(ついでにアライグマ)を駆除してるからエゴと呼ばれようと根絶するのみだよ
それが良くないというのならエゴと批判するだけではなく、より良い案を提示した方がいいと思うゾ

続きを書き込みます。

大分、議論が白熱していっらしゃるようです。今日は時間がないので自分の見解は差し控えさせていただきますが、

自分も当SSを書きながら、自分の心の中にある、ある種の矛盾した(?)というかモヤモヤ気持ちを整理していければと考えています。

ザクッ!グシャ!ビク、ビク、バタ、バタタタタッッ!!

側溝アライちゃんの最後の一匹がシャベルで叩き潰され、醜くゴキガイジムーブしている。

そのさまを廃墟マニア2人以外に見つめるけものが居る。側溝から、やや離れた物陰から息を潜めて、

廃屋アライさん「(巣穴探しから戻ったら、大変なことになっていたのだ)」

廃屋アライさんは乗っ取った巣穴から、アライちゃん達のところに戻る途中に、クマよけの鈴の音を聞き、
アライさんの大量の血の臭いを嗅ぎつけた。変事の正体を確かめるため、ねぐらにしている廃屋の裏から、
側溝、生垣(であったもの。今はちょっとした林)伝いに音を忍ばせながら近づいてきたのである。

廃屋アライさんはケモ耳に神経を集中させる。

廃墟マニア2「これで最後の一匹か」

廃墟マニア1「可哀想なことをした。ガスを持ってなかったから、こいつでやるしかなかった」

廃墟マニア1はそう言ってシャベルを少し上げる。

廃墟マニア2「水道もまだ復旧してないから、水に沈めるわけにもいかんかったしね。
まあ、シャベルで一撃の方がアライちゃんにとっては楽だったかも」

廃墟マニア2「これからどうする?」

廃墟マニア1「先ずは保健所に電話だ。廃墟マニア2は念のため、辺りを警戒していてくれ」

廃屋アライさん「(保健所!!!)」

廃屋アライさんに衝撃が走る。

廃屋アライさん「(保健所!猟友会!警察!県兵!自衛隊!!どうしてこんなことになったのだ!
アライさんの危機なのだ!!)」

廃屋アライさんの頭の中を最悪の想定が駆け巡る。

廃屋アライさん「(あのマヌケのせいなのだ!)」

廃屋アライさんは廃墟マニア2人のそばで、脳漿と血、臓物をぶちまけながら息絶えている側溝アライさんに
人間に対する以上の憎悪の視線を向ける。

廃墟マニア1「…はい。では、死骸は触れないように。後で、回収の方がいらっしゃるということですね。…はい。
よろしくお願いします」

廃墟マニア1「あとで、保健所の方が回収されるそうだ」

廃墟マニア2「俺たちは講習登録をしてるし、普通に持ち帰ればいいんじゃないか。
死臭でクマが山から下りて来たら、周辺住民のご迷惑になる」

廃墟マニア1「俺もそう思ったが、保健所の方が言うには感染症が心配なのだと。
契約をしたわけでも、お金を受け取るわけでもない人にそんなことをさせて、
万一の事があったら責任が取れないそうだ」

アライグマはアライグマ回虫、狂犬病、レプトスピラ症などの人畜共通感染症のキャリア動物として知られてる。
また、アライグマの消化管内部には多数の線虫や吸虫、鉤頭虫が寄生している。
一方、アライさんは他のフレンズ同様、サンドスターの効果により、一応そうした病原菌や寄生虫等の体内繁殖は
抑制されているとされている。

しかし、それは生きている間の事である。生物は死んだ直後から分解のプロセスが始まり、
すぐに病原菌の塊状態となる。当然サンドスターの効果もなくなり、爪や牙に付着し、口内、消化器内にある
食べかす等から細菌等が増殖を始める。

廃墟マニア1「とは言え、クマは心配だ」

廃墟マニア1は車から万一の時のために積んできた発煙筒を側溝アライさん達の死骸のそばに設置する。

廃墟マニア1「本によるとクマは発煙筒の煙の臭いを嫌うそうだ。保健所の方への目印になるし、
このタイプは火災の心配もないって書いてある」

廃墟マニア1はそう言って発煙筒から赤く色がついた煙を出し始める。

廃墟マニア1「お掃除もそれなりにやったし、今日は疲れた。臨時集積所に行ったら、
予定より早いけど宿に向かうか?」

廃墟マニア2人は車に乗り込む。

廃屋アライさんは再び家の裏手にまわり、通気口からアライちゃん達の下に向かう。

廃屋アライさん「チビ達!みんな無事なのか?」バァッ!

廃屋アライちゃん1「みんなぶじなのりゃー」ヨチヨチヨチ

廃屋アライちゃん2「おかえりなしゃいなのりゃー」ヨチヨチヨチ

廃屋アライちゃん3「おかーしゃん。おっぱいほしいのりゃー」モゾモゾモゾ

廃屋子アライグマ♂1~3「クゥゥゥーン。クゥゥゥーン」トコトコトコ

廃屋アライさん「巣穴を見つけてきたのだ。今からお引越しなのだ」

廃屋アライちゃん1「よるをまつのじゃないのりゃ?」

廃屋アライさん「待てないのだ!もうすぐ、保健所が来るのだ!アライさんを捕まえる怖い奴らなのだ。
捕まったら二度と戻ってこられないのだ」

廃屋アライちゃん1「アライさんのききなのりゃー」ビェェェェーン

バチン。廃屋アライさんは廃屋アライちゃん1をビンタして黙らす。

廃屋アライさん「大声を出すなと言ったのを忘れたのか!今から、お母さんと一緒に行くのだ」

そう言うが早いか、廃屋アライさんは両手で廃屋アライちゃん2匹を持ち、肘と脇で廃屋子アライグマ♂2匹を抱える。

廃屋アライさん「一番小さいチビはお留守番なのだ。後で、迎えに来るのだ」

そう言って廃屋子アライグマ♂を口で咥え、通気口に向かおうとするが、

廃屋アライちゃん3「おかーしゃん。おいてかないでー」ビエェェェェェェーン!ビエェェェェェェン!

廃屋アライさんは一旦、口に咥えた子アライグマ♂を離して告げる。

廃屋アライさん「やかましいのだ!ニンゲンに気づかれたらどうするのだ!後で、必ず迎えに来るのだ」

廃屋アライちゃん3「うそなのりゃ!おかーしゃんはあらいしゃんがきらいなのりゃ!
きょーだいでいちばんちいさいできそこないだから!!このまま、みすてるつもりなのりゃー!」

廃屋アライちゃん3の廃屋アライさんに対する不信感と置いて行かれる心細さが爆発する。

廃屋アライさんはアライちゃん達を一度、離し、廃屋アライちゃん3近づく。

廃屋アライちゃん3「おかーしゃん…」

バチン!

廃屋アライさん「やかましいと言っているのだ!!!」

廃屋アライちゃん3「」バタン

バチン!

廃屋アライさん「お前のせいで一家全滅するところなのだ!!!」

バチン!

廃屋アライさん「お母さんは頭の悪いチビは嫌いなのだ!!!」

廃屋アライちゃん3「…うっ…う…」エグッエグッシクシク。

丸まって泣きじゃくる廃屋アライちゃん3を捨て置き、廃屋アライさんは先ほどと同じように5匹を抱え、
アライちゃんを持った両手で器用にナックルウォーキングしながら、通気口に向かう。

廃屋アライさん「(キョロキョロ)」

危険がないのを確認すると一目散に裏山の巣穴に駆けていった。

廃墟マニア2人は車に乗り込んでいる。廃墟マニア1は運転席、廃墟マニア2は助手席。

廃墟マニア2「二人でアライさん7匹撃墜。一気にエースだ」

そう言いながらも廃墟マニア2の手はぶるぶる震えている。緊張状態が解け、アドレナリン分泌が切れたのだ。

廃墟マニア1「共同だから3.5だろう…」

そもそも、アライさんって撃墜するものなのか、などとしょうもないことを廃墟マニア1は考える。
彼の手も震えている。

ゴフゥッ

廃墟マニア2は車の収納ポケットからウィスキーの瓶を取り出し一気にあおった。

廃墟マニア1「おい。まだ日は落ちてないぞ」

廃墟マニア2「…。生き物を殺すのは初めてだった」

廃墟マニア1「…」

廃墟マニア2「勿論、小さな虫とかは殺したり潰したりはあるが、あんな大きいのは…」

廃墟マニア1「わかるよ。意味は。俺だって初めてさ。大きい哺乳類を殺すのは」

廃墟マニア2「…」

廃墟マニア1「俺たちは良いことをした。村の復興の邪魔になる害獣を駆除した。
隣町の農家の人達やそのほかの人たちが獣害にあう可能性を低めた。人のためになる、良いことを。そうだろう?」

廃墟マニア2「…うん」

廃墟マニア1「ここからの日程はどうする?今からでも旅の予定を変えるか?」

廃墟マニア2「いや、廃墟探索を続けよう。ただ、今日はゆっくり休みたいな」

廃墟マニア1「わかった」

廃墟マニア1は車のエンジンを入れる。

廃墟マニア1「それから今日の飲み代はお前もちな」

廃墟マニア2「なんでさ」

廃墟マニア1「俺より先に飲み始めただろう」

廃墟マニア1はそう言ってアクセルを踏み込み、村を一旦後にした。

今日はここまでとさせていただきます。

この廃屋アライさんクズすぎる………

早いうちに射殺でも溺死でもなんでもいいから天罰下ってほしい

>>352
まぁ良くも悪くも動物だな
だが動物寄りの思考の癖に自衛隊の存在まで知っている(知識を蓄えてる)のは危険だから早々に駆逐されるべきだと思う

乙です
親が子に暴力振るうのは見ててぞくぞくする

暗い雰囲気が好き 動物のアライグマの存在が結構気になる

今後もこのSSはアライさんはクズ評価の人と
アライさんの行為は許される評価の人とに大別されていきそう
自分と異なる意見を見てももめずに……

生物として行動は其処まで間違ってないと思う派です。
それはそれとして害獣なので人の生存のために死んで滅びるべきだとは思います。

善悪なんてのは仲間内での理論だからな
アライさんは人の仲間じゃないんで、害があるから駆除するだけですわ

生物として間違ってなかろうが、クズであることには変わりない

そもそも一応人の言葉がわかるような奴らに対して、生物としては間違ってないで擁護するのはおかしい
会話ができるのにそれをしようとしない時点で、クズでしかない。全てを否定されるべき

早朝から乙です。生物として間違ってないんだろうな。ただ、人に害を与えるようなら駆除しかないのかな。これは難しいな。以前話し合おうとしてたホルスタインさんの説得も駄目だったし。学生さん、始めての駆除だったのか。そのわりに合理的に行動してたな。

書かれてるのが同じテーマでもスレによって内容の空気は全然違ってたりするのに読まずに全部同じノリで話す人っているよね

極めて高い知能と知性を持つが倫理や行動原理が野獣そのものっていうのは宇宙船ビーグル号の冒険のクァールを思い出すね
あれはもっと知能も高くて圧倒的な脅威だったが
talkは可能だがconversationは成り立たないとなると生存をかけて殺しあうしかないんだろう
ハードSF読みたい気分にさせてくれるいいSSだわ

確かに、どこのssでも同じノリで話そうとする奴いるよな

どう考えたらゴミガイジがクズじゃないって思えるんだろう?

そこじゃないだろ

角川対策本スレ
https://may.2chan.ne.../b/res/514532498.htm

これまでの騒動経緯と問い合わせ用連絡先一覧
https://docs.google....yJ8o7M7xJga/pubhtml#

そろそろ角川に対して動けそうなのでよければ見ておいてください
たつきとファンをバカにした企業を許すな

>>364
ひとりで勝手にやってろks

確かに、アライさんほどの地球のゴミをクズじゃないと思える奴の気持ちがわからないな……

そんな考えしてると頭アライさんと言われてしまうのに

生き残るために子孫を残すための必死さが伝わるな。無理して運んだら全滅する可能性が高いし、分けておけば万が一、一方だけ生き残る可能性もあるし。リアルな作品だな。

無駄に必死なのが腹が立つな
どれだけ人様に害を与えたいのだろう

せめて、そういった知能を自分ら含めた生物のために使うなら害獣扱いされないのに

母親は利口そうだけど、子供は状況判断できないアホだな
殴って言うこと聞かせるのは正しい

アライしゃんのうんこするのみて
こうふんするのらー!
ブリユリリュリュリュリュープリプリプスー

>>370
そんなに糞が好きなら、糞まみれのゴミ箱に永遠に閉じ込めてやる

続きを書き込みます。

ブー!ブー!

保健所職員Aのポケットの中で携帯がマナーモードで震える。

しかし、保健所職員Aがそれに応じることはできない。なぜなら、

町はずれのお婆さん「だからのぉ。屋根裏にアライさんがおるんだで!」

お客さん(町民)の対応中だからである。保健所職員Aは、その声にうんうんと頷きを返す。

保健所職員B「だからね!お婆ちゃん。アライさんじゃなくてタヌキだったの!」

保健所職員Bは籠罠に捕らえられたタヌキを老婆に指さす。ここは、隣町のはずれの老婆の家の庭である。

町はずれのお婆さん「だから!アライさんを見たんだで!うちの屋根裏にこんーなため糞をしよって。
もう本当に困ったもんだで!」

町はずれのお婆さんは両手で「こーんな」を表現する。

保健所職員B「お婆ちゃん。アライさんには、私たちも気を付けています。でも、今回はタヌキだったんです」

指を差されたタヌキは困ったように「ウェーン」と鳴く。

町はずれのお婆さん「確かにアライさんを見たんだで。この庭をわっせわっせっとあっちに駆けて行ったで!」

保健所職員Aの携帯がまた、震えだす。仕方ない、大事な町民の声だ。

保健所職員A「お婆さん。貴重な目撃情報ありがとうございます。
『アライさん目撃情報マップ』に今回のご証言を記載し、交番にも見回りを頼んでおきますので」

それを聞いて、町はずれのお婆さんはやっと納得したようである。
保健所職員二人は捕獲したタヌキを車に積もうとする。

町はずれのお婆さん「待ってぇ。それどこ持ってくぅん?」

保健所職員A「保健所内の鳥獣保護センターですが?」

町はずれのお婆さん「ダメだでぇ!タヌキ汁にして喰うんだでぇ!」

タヌキ「ウェーン?!」

保健所職員B「お婆ちゃん。ここらは禁猟区だよ。アライさんは特定有害フレンズだから〆れるけど、
これタヌキだし。野生動物は雑菌だらけだよ!
私たちが責任をもって、もう人里に降りてこないように山の奥の奥に帰しますから」

町はずれのお婆さんの「なんでぇ!勿体ない!」という声を背中に受けながら二人はやっとタヌキを車に積み込み、
ドアで声をシャットアウトして一息つく。保健所職員Aはようやく電話に出られた。

保健所職員A「はい。保健所職員Aです。…あの村にアライさんが。ええ。えっ!その人達帰しちゃったの?!」

保健所職員A「ダメですよ。連絡先の控えは有りますか?あるんですね。
その人達に捕獲奨励金をお支払いしなければいけないのに。うん。わかりました。今から、現地に向かいます」

保健所職員Aは保健所職員Bに声をかける。

保健所職員A「残業だ。例の村にアライさんが出たが、
たまたま居合わせたボランティアの方が駆除してくれたらしい。死骸を片付ける。
今からスマホに場所がメールされる」

保健所職員B「捕獲奨励金がどうのこうのっていうのは?」

保健所職員A「少し前に制度が変わって、
受け取り時にアライさんが死亡していてもお金が出るようになっていたのに、うっかり、帰してしまったらしい」

保健所職員B「失敗しましたね。まあ、俺たちが死骸を確認して明日にでもご連絡すればいいでしょう」

保健所職員A「『アライさんは1匹居れば50匹居ると思え』と言う言葉がある。唐辛子スプレーとガス、
ケージは…積んであるな」

保健所職員B「タヌキはどうしますか?」

保健所職員A「保健所に寄って手続きをしていたら、完全に日が落ちてしまう。このまま現地に行こう」

廃屋アライさん「チビ達、ここがアライさん達の新しい巣なのだ」

廃屋アライさんは2匹の廃屋アライちゃんと3匹の廃屋子アライグマ♂を連れて、
例の小川の辺の巣にたどり着いていた。巣の入口でアライちゃん達を離す。

廃屋アライちゃん1「あたらちいおうちなのりゃ。」ヨチヨチ
廃屋アライちゃん2「かいてきくうかんなのりゃ。」ヨチヨチ

廃屋子アライグマ♂1「キーキー」ウジャウジャ
廃屋子アライグマ♂2「クゥークゥー」テクテク
廃屋子アライグマ♂3「キーキー」ウジャウジャ

廃屋アライさんはアライちゃん達が巣穴の奥に進んだのを確認すると巣穴の入口を
ベタベタため糞と泥土で盛り上げ、少しでもバリケードを作ろうと試みる。

廃屋アライさん「チビ達。ここで静かに待つのだ。アライさんは最後のチビを迎えに行ってくるのだ」

廃屋アライちゃん1「ほけんじょのにんげんはだいじょうぶなのりゃ?」
廃屋アライちゃん2「おかーしゃん、ここにいてほしいのりゃ」

廃屋アライさんは、少し考えて答える。

廃屋アライさん「今は、『その時』ではないのだ」ダァッ!

そう言うが早いか、一気に駆け出し、周りの闇に溶け込んでいった。

ゴォロゴォゴー。

保健所職員二人を乗せた車は夕暮れの中、ひび割れたアスファルトを進む。
ハイビームが入り組んだ木立や半ば朽ちかけた家々を照らす。

保健所職員A「そろそろ、そのアライさん達の死骸があるという側溝だ」

その時、

保健所職員B「?!」

ピッカっと二つの目が暗闇の中ライトの光を跳ね返す。

保健所職員A「なんだ?野犬かアライさんか?」

保健所職員達の目の前で「それ」は側溝のアライさんの死骸を貪っていた。
保健所職員Bは目を凝らす。

保健所職員B「あれはクマだ!!!バカでかいクマだ!!!」

保健所職員が乗った車の前には体長160㎝もの巨大なクマがその旺盛な食欲を満たしているところだった。

食事を邪魔されたクマが車の方に頭を向ける。

保健所職員A「クマ!なんで?!」

なんでも何もそこにクマがいるからである。廃墟マニア達はクマ害を防ぐために発煙筒を灯した。
多くの発煙筒はせいぜいが5分程度で消えてしまうが、
準備の良い廃墟マニアはかなり長めの約20分もつ発煙筒を焚いていたのである。

しかし、タヌキ騒動で保健所職員の到着が遅れたため、煙はとっくに消えてしまっている。

何よりこのクマは、腹を空かせていた。多少嫌な臭いが漂っていても、
兎に角、獲物にありつきたがっていたのである。

保健所職員A&B「逃げろー!!」

保健所職員Aは車を急発進、急転回をする。

クマは、特にツキノワグマは例外的な個体・状況を除いては好んで人を襲うことはないとされる。
襲うとしたら、突然の人間との遭遇でクマがパニックに陥ったケースが最も多い。

そして、…今回はそのケースだったようだ。

保健所職員B「突進してくるぞ!!!」

保健所職員A「分かってる!!!」

キィィィィー!

盛大にゴムを消費しながら、車は急回転を終え、速度を上げ始める。
そのすぐ後ろを巨大クマは音もなく迫ってくる。

ゴンッ!

クマが車に体をぶつけた音が車内に響く。
クマは、オオカミほどの持久力はないもののその最高速度は時速50㎞を超えると言われる。

保健所職員A&B「ヒィィー!!」

しかし、それを最後に何とか、保健所職員達はクマを振り切り、隣町に逃げ帰っていった。

巨大クマは厄介な乱入者を追い払うと、再び食事に戻る。

側溝アライさんのぶちまけられた脳漿をすすり、はみ出た内臓を食み、肝臓を旨そうに噛みしめる。

側溝アライちゃんのうんこ臭い死骸を頭からボリボリ齧り、側溝子アライグマ♂の泥臭い死骸を少し齧り、
まずいので止める。クマは味のこだわりにうるさいのだ。

そして、巨大クマの嗅覚が次の獲物を捉えた。

廃屋アライさん「くんくん。こっちから嫌な臭いがするのだ」

廃屋アライさんは『前の巣』の直前で、その異変に気付く。

廃屋アライさん「(クマの臭いがするのだ。まだ、近くはないけれど…。でも、決して遠くもないのだ)」

廃屋アライさんはそばの木に登り、様子をうかがう。

廃屋アライさん「(いけないのだ。その方向は前の巣なのだ)」

クマの進む方向に自分と…以前住み着いていた廃屋があることに気づき、廃屋アライさんの鼓動が早くなる。

廃屋アライさん「(チビを一匹諦めるべきか)」

廃屋アライさんは自分の『野生』を研ぎ澄ます。

一般的に野生動物が『子殺し』を行うことは広く知られている。爬虫類などは勿論、脳が発達した哺乳類も。
チーターは獲物をどうしても仕留められないときは子供を見捨てるし、
『人の最良の友』犬の祖先であるオオカミですら餌が不足すれば、我が子を食らう。

人間はそれを『また、産めば良いだろう精神』と呼ぶが、それは人類だけに与えられた特権なのだ。
社会福祉の発展により、自己犠牲を美談に出来る『余裕』がある群れをつくれる唯一の生物。
文字を始めとした文化の発展により、自らが生きた証を『子孫』に頼らずに後世に伝えられる特殊な『けもの』。

野生のけものには自分と血縁しかない。
それは、人間が再解釈した『遺伝子の乗り物』とか『種の繁栄』とか『適者生存』ではない、
もっとシンプルで小さく最強の拘束力のある掟。

『親から受け継いだ命を次に伝えよ』という最上位命令。
『命を繋げ。天を貫く山も、地を穿つ河も、万里の空も、凍える冬も、熱砂の彼方も越えて』

その最上位命令が廃屋アライさんに告げている。今は、『その時ではない』と。

廃屋アライちゃん3「おかーしゃん…」

廃屋アライちゃん3は母親を呼ぶ。もう、何度目か自分でも分からない。言いつけを守って、小さな小さな声で…。

廃屋アライちゃん3「おかーしゃん…」

廃屋アライさん「なんなのだ」ヌゥ!

廃屋アライさんは通気口を伝い、暗闇からおもむろに姿を現す。

廃屋アライちゃん3「おかーしゃん!!!」

バチン!

廃屋アライさん「やかましいのだ!」

廃屋アライさんは廃屋アライちゃん3を張り倒す。

廃屋アライちゃん3「おかーしゃん…ほんとにきてくりぇた。うれしーのりゃ」グスングスン

廃屋アライさんはしげしげと、廃屋アライちゃん3を見つめると、

廃屋アライさん「ペロペロ」

廃屋アライちゃん3の顔や体を丁寧に舐め出す。

廃屋アライちゃん3「?!!」

廃屋アライさん「ペロペロはお母さんの大好きの証なのだ」

廃屋アライさんは屋根裏から一旦、下に飛び降りると服のような『毛皮』に何かを詰め始める。
上のモコモコした『毛皮』、下のスカートのような『毛皮』の下のパンツのような『毛皮』の中に。

廃屋アライちゃん3「おかーしゃん。なにをいれているのりゃ?」

廃屋アライさん「お宝を詰め込んでいるのだ。どうしてもどうしてもダメな時に頼る最後の糧なのだ」

廃屋アライさんは棒状の何かを廃屋アライちゃんに見せる。
そして、それを袖の手袋のような『毛皮』の中にしまう。

廃屋アライちゃん3「それはなんなのりゃ?」

廃屋アライさんは口を開こうとして、慌てて閉じ、急いで屋根裏に駆けあがる。
そのまま、廃屋アライちゃんを口に咥える。

廃屋アライちゃん3「??」

廃屋アライちゃん3が不思議がっている間に『それ』が扉をぶち抜いてくる。

巨大クマ「グルルルルゥ!」

巨大クマは廃屋から漂う、アライさんの臭いに釣られて廃屋に足を踏み入れる。廃屋の奥の部屋の床には、
廃屋アライさんの元の巣と半分、喰われ腐敗したアライさんの死骸がある。

巨大クマ「ガブガブ!」

巨大クマは床のアライさんの死骸を齧る。
その隙に、廃屋アライちゃん3を咥えた廃屋アライさんは通気口の出口に向かう。

巨大クマ「フンッ!」

巨大クマは床のアライさんを齧るのを止める。
クマの消化器官なら別に多少、腐っていようが動物の死骸を食うことは平気なのだが、
クマは何故か変にグルメなところがあり、『最初に覚えた味』にこだわる。

巨大クマ「!!!」

クマが廃屋アライさんの臭いに気づいた。

廃屋アライさんは急いで通気口から外に躍り出て、家のそばの樹に駆け上がる。

巨大クマ「グォォォー!」

巨大クマは部屋の壁に体当たりを食らわす。朽ちかけた家がギシギシ軋む。

だが、さすがに崩れるようなことはなく、クマはやむを得ず先ほどぶち抜いた扉から出て、追跡を開始する。

その間に、廃屋アライさんは我が子を口に咥えたまま樹から樹に飛び移り、距離を稼ぐ。

廃屋アライさん「しっかり、枝に掴まるのだ!」

口に咥えいた廃屋アライちゃん3を枝に掴まらせ、
廃屋アライさんは先ほどの棒状の何かとたくさん『毛皮』に詰め込んだ丸いピカピカのお宝を一つ取り出す。

廃屋アライちゃん3「おかーしゃん!こぁいのりゃ!」

廃屋アライさん「我慢するのだ!よく見るのだ!これはこう使うのだ!」

廃屋アライさんは棒状の何かをピカピカのまん丸に押し当て、キコキコ開く。

廃屋アライさん「これはお母さんのお母さんのお母さんが
何日も自衛官を遠目に見て覚えたアライさん秘伝の技その一なのだ!」

そう言って、まん丸の中身を地面にばらまく。

勘のよい良い読者ならもうお気づきだろう。細長い棒は缶切り、まん丸は缶詰であった。

ひとしきり、缶詰の中身を地面にばら撒くと、廃屋アライさんは廃屋アライちゃん3を口に咥え、
また樹から樹へ飛び移る。

そして、また缶詰の中身をばら撒き、樹から樹へ移る。

それを5回ほど繰り返し、敢えて大きく遠回りしながら新しい巣に向かう。

廃屋アライちゃん1「おかーしゃんがかえってこないのりゃ!もうすぐ、よあけなのりゃ!」

廃屋アライちゃん2「きっと、ほけんじょのやつにやられたのりゃ!あらいしゃんたちはみんなうえじになのりゃ!」

廃屋アライグマ♂1~3「キー!キー!キー!」

新しい巣では、廃屋アライちゃん達が騒ぎ出している。

廃屋アライちゃん1「あんなできそこない、みすてればよかったのりゃ!じゃくにくきょうしょくなのりゃ!
おかあしゃんはそんぎりができなかったのりゃ!」

廃屋アライちゃん2「おかーしゃん!おかーしゃん!おかーしゃん!」ビェェェーン!

廃屋アライさん「なんなのだ」

廃屋アライさんがため糞と泥土で作ったバリケードを崩しながら現れる。口には廃屋アライちゃん3を咥えている。

廃屋アライちゃん1「おかーしゃん!」

バチン!バチン!バチン!バチン!バチン!

廃屋アライさん「やかましいのだ!外まで音が漏れてるのだ!家族が全滅するところだったのだ!」

廃屋アライちゃん1「ごめんなさいなのりゃー」ビエェェェェェン!

廃屋アライちゃん2「ごめんなさいのなりゃー」ビエェェェェェン!

廃屋子アライグマ♂1~3「クォォォーン。クォォォーン」

5匹のアライちゃん達が泣き出す。

廃屋アライさんは口に咥えていた廃屋アライちゃん3を離し、『毛皮』に残ったお宝を巣穴の奥に押し込む。

廃屋アライさん「それから…」

バチン!バチン!バチン!バチン!バチン!

廃屋アライさん「蹴落としあうのは、巣立ってからなのだ!
その前に足を引っ張り合うことをお母さんはゆるさないのだ!!!」

廃屋アライちゃん1「ごべんなざいなのりゃー」ビエェェェェェン!ビエェェェェェン!

廃屋アライちゃん2「ごべんなざいなのりゃー」ビエェェェェェン!ビエェェェェェン!

廃屋子アライグマ♂1~3「クォォォーン。クォォォーン。クォォォーン」

廃屋アライちゃん3「ごべんなざいなのりゃー」ビエェェェェェン!ビエェェェェェン!

最後には廃屋アライちゃん3まで泣き出す。

廃屋アライさんはそんな自分の子供らをじっと、見つめると、おもむろに毛皮をめくり、人間と比べるとやや、
小ぶりな二つの乳房を露わにする。

廃屋アライちゃん達「??????」

廃屋アライさん「チュパチュパするのだ。チビ達はチュパチュパするのが仕事なのだ!」

廃屋アライちゃん達「!!!!!!」

廃屋アライちゃん達は、ウジャウジャヨチヨチヨチ寄ってくる。

廃屋アライさん「ちっちゃい子は後なのだ。おっきい子が先なのだ。」

廃屋アライさん「みんなの分のおっぱいはちゃんとあるのだ!アライさんはその辺バッチリなのだ!」

ウジャウジャヨチヨチヨチ!!!!!!

廃屋アライさん「チビ達は本当にかわいーのだぁ」ウットリ

廃屋アライさんはその醜く吊り上がった目を細めながら自分の子供たちを見つめていた。

今日の書き込みは以上です。



この家族愛(笑)が壊れる時を楽しみにしているぜ


今回で、このSSの趣旨が分かった気がする
アラ虐SSじゃなくて、害獣アライさんの生活を描いたSSなわけね

なんか熊から子供を守りきれたのを見て少しほっとしてしまった

乙。早朝からご苦労様です。野生のアライさんたちのドキュメンタリーが面白いですね。今回出た巨大クマが廃屋アライさん達を狙ってそうだし、保健所の人たちにも知られたから、村の人たちと三つ巴になりそう。

乙。缶詰め持ってて缶切りも使いこなせる。しかも野性と知恵を併せ持つ今までの中で強いアライさんだな。気になるのが国賓として保護されてる元祖アライさん達の生活ってどうなってるんだろう。牙を抜かれたのか。野性を隠しているのだろうか。

趣旨がどうであれ、害獣であることは変わりない

結果ゴミガイジが苦しんで死ぬのは避けれないよな

むしろアラ信スレだよなここ。アライさんの大活躍にご期待くださいってか

アライさんはさっさと死ねとは思うけど、不覚にも熊から逃げきれるかドキドキしちまったぜ

ほっとしたのは確かだけど、まだこの程度で死んでほしくないなというのが正直な感想
苦しみもがき、絶望の中で死んでほしい

『チュパチュパするのだ』が最高にキモい乳房引き千切られてからくたばれや

>>406
分かる。ポン刀持ったギョロ目の侍がいきなり現れておもむろに切り刻んでいかねえかなって毎度思う

大活躍に期待してる人なんかほとんどいないだろうな
アライさんとその周囲の厳しい関係という感じだから

あれだ
NHKの番組見てる感覚

>>409
それだね
世界観にアラ虐フィルターがかかっているでもなく
アライさんにガイジフィルターがかかっているわけでもない

自然の営みと、人間達の当たり前の反応を観察してるイメージ

作品自体はとても面白いから、こういうのも良いと思う。

ヒゲじいが出てきそうな雰囲気か
違うか

R版だけだけどアラ虐スレはみんな目を通している、アラ信も含めて。どれも最高じゃよ。毎日飽きないじぇ

続きを書き込みます。

新井動物病院 院長室

新井先生「手術まで少しお話ししましょうか。やや、とりとめのない話ですが。
お二人がいらっしゃった目的にも多少なりとも関わるお話です」

青年団長「(来た!アラ信の『布教活動』!!その手に乗るか。騙されてたまるか。俺は、洗脳されないぞ!!!)」

青年団長「勿論。今日はそのつもりで参りました。ただ、お話がその…盛り上がったり、
『脱線』してしまう前に、先生にご質問してもよろしいでしょうか?」

青年団長のやや、不躾な物言いにも新井先生は悪い顔せずに頷く。

青年団長「ありがとうございます。実は私ども、復興を進めるにあたり、
アライさんの巣の場所とこの辺りの生息数、生息密度が気になっています」

青年団長「各所にお問い合わせをしたり、勿論、行政機関のホームページも拝見したのですが
『正確なデータが数年前までのものしかない』とのことでした。
村や町職員の方々と二重三重のお手間になっていれば恐縮ですが、先生がご存知の情報はございませんか?」

新井先生「少しお待ちください」

そう言って、新井先生はパソコンを起動し、プリンターから何かのグラフや地図、写真、表などを印刷する。

新井先生「こちらが、ややざっくりしたものではありますが、私が持っているデータをまとめたものとなります」

折れ線グラフは、旧村とその周辺エリアにおけるアライさんの目撃頭数の年ごとの移り変わりを示しており、
地図は集落と周辺の山林地帯におけるアライさんの目撃ポイント。

写真は、山林などに設置されている野生動物調査機器のもの。表はアライさんとアライグマの雄雌
(『アライさん』はメスしかいないが)、幼年個体の各年各季節の駆除実績の移り変わりである。

ここ数年はどういうわけか、グラフや表に空欄や『推定値』という言葉が増えている。

青年団長「(意外に素直に出して下さるんだな)」

新井先生「これらのデータは公開情報で青年団長さんが先ほどおっしゃっていたお問い合わせ先の情報も
含まれていることでしょう。ただ、これはよくあることですが、例えば、データの保管先・調査元が
環境省・県・各自治体などで違っていた場合、一般の方から見ると非常に全体像が見えずらくなってしまう」

新井先生「これは、そのまとめに過ぎないので後で、ご確認いただければ結構です。
私から簡単に概略を述べさせていただきます」

新井先生「ご存知の通り、この地方では、旧村周辺にセルリアンの『ホットスポット』が発生し、
あの村とそれに隣接する5つの自治体が避難対象地域に指定されました。

この町はその後、人類衰退期・世界再建戦争期の日本において、正に『前線基地』であり、
最盛期には陸上自衛隊・愛国郷土防衛隊を中心とした2万人もの隊員が駐留していました」

新井先生「今から、約35年前、人類陣営の総反抗が開始され、
日本ではまず、日本本土からセルリアンのホットスポットを解消する『本土浄化作戦』が開始されました」

新井先生「旧村エリアにも超大型セルリアンを一掃するため、巡航ミサイル・空対地ミサイル、地対地ミサイル、
砲弾の嵐が降り注ぎました。一応、精密攻撃を期したものの、この攻撃で帰るはずだったお家を失ってしまった
村民の方も多いとうかがっています」

新井先生「戦いは世界再建戦争終結宣言3年前まで、2年間続き、
徐々に大型・中型・小型と掃討が進んでいきました」

新井先生「まず、この間のアライさんのデータは、ほぼありません。人類の実効支配が及んでいなかったわけで、
当然ではありますが」

青年団長は頷く。なお、この時の、自衛隊とセルリアンの戦いをアライさんを始めとした野生のフレンズや動物達は
当然、『目撃』している。

この時代の日本のアライさんは、全個体では当然ないものの、自分や自分の母アライさんや祖母アライさん、
そのまた母アライさん等から自衛隊や『人類の本気』を知っているケースがままある。この地方は戦後もたまに、
出現する「はぐれセルリアン」との戦いやその警戒のため、自衛官や県兵がうろうろしていたのだから、
なおのことだ。

なお、余談だが、セルリアンの出現は、憲法・法律解釈上『災害』扱いなので、
その対策のため自衛隊等の装備の充実をはかることは、「憲法解釈上問題ない」とされている。

そのため、この世界の自衛隊は、「敵基地攻撃能力」「離島奪還能力」とかつて呼称された攻撃能力・戦略能力を
モリモリ持っている。世界再建戦争後半には、再合流した米軍等とともに世界各地に派兵されたりもした。

この時代の日本人は「ゴジラは無理でもモスラぐらいなら、余裕で叩き落せる」と結構本気で信じている。

新井先生「次に、今日までの33年間についてですが、まず最初の13年間についてはデータに不備や空きが多く、
ご覧にならなくても結構です。世間ではまだ、戦争の記憶が強く、『人類の敵=セルリアン』でした。

半面、アライさんに関しては元種のアライグマのイメージや現地の農家の実感から『害獣』とは認識されていたものの、
対処の優先順位は決して高くはありませんでした。

まだ、アライさんと言えば、『ジャパリパークのアライさん』の時代でしたし」

新井先生「旧村のアライさんのデータとしては、その後から今年の3~5年前くらいまでのものが
信用できるものでしょうか。避難対象地域指定が「はぐれセルリアン」の発生頻度や不発弾処理などをにらみながら
徐々に解除され、戦後の復興や世界秩序の再構築が進んできた時期です」

青年団長と佐藤は資料をペラペラめくる。

新井先生「その時の数値で申し上げると、山間地域を含めた旧村全体のアライさん生息密度はおよそ、
15、6匹/㎢ほど。家々に住み着いているアライさんは旧村残存家屋約500軒の5軒に約1匹。
だいたい、100匹プラスその子供と思われます」

青年団長「微妙な数だな」

青年団長は誰とはなしに呟く。

民間で対処するには少し多いが、かと言って自衛隊、巡航ミサイルと言う話かと言うと…。
第一、村民の心情として、もう、火器を村に叩き込んでほしくない。自衛隊の皆さんには本当に感謝しているが…。

新井先生「私が言う立場ではないかも知れませんが、少し、対策が後手に回っているような気がしなくもありません。
それこそ、もっと現地調査なりそうと」

新井先生は『掃討』と言いかけて口を噤む。

新井先生「『処置』をしてからが良かったのでは?」

青年団長「村長が危機感を抱いていたのです。実は当村は10年前にも帰還ムードが高まった事がありまして。
『避難後30年なら、避難の年に生まれた子供たちが30歳。結婚・出産と言った人生の節目を迎える人が増えていく。
『村民』としての記憶や意識を受け継ぐならこれ以上待てない』と」

青年団長「しかし、間が悪く『大型はぐれセルリアン』が出現してしまい延期に…。皆は今度こそはと。
それに国からも早期帰還をせっつかれているようです」

佐藤が珍しく口を挟む。

佐藤「勝手なものです。10年前は帰るなと言い、今度は帰れという。40年たって『早期帰還』も何もないでしょうに。
戦争終結から30年。そろそろ、終わりのない『復興』に区切りを付けたいという国の意図もわかりますが…」

青年団長は話の転換をはかる。

青年団長「そう言えば、数年前からデータの不備が急増していますがこれは?」

新井先生「それに関しては、その写真をご覧ください」

青年団長と佐藤は手元の写真を見る。一匹のアライさんが森に設置された自動撮影装置に手をかける瞬間が
捉えられている。

新井先生「およそ、5年ほど前から野生動物調査機器が外されたり、破壊されたりするケースが増えています。
現在はほぼ、モニタリングが不可能になっています」

新井先生「罠のかかりも以前と比べると悪くなっているそうです。勿論、各機関は調査隊を派遣するなどして、
目視・糞などの生活痕跡調査などを行いある程度把握してはいるのですが」

新井先生「それによると、どうやらアライさんは近年、旧村エリアを中心に増加傾向にあるようです。
純粋にそこに『住んでいる』個体だけでなく、人手が入っていない村にこの町を含めた周辺地帯から
一時避難・休憩に来るアライさんもいるようで…」

青年団長「野生動物調査機器や罠のことは私も聞いたことがあります。
てっきり、あらし…過激な環境保護団体の仕業だとばかり思っていました」

新井先生「勿論、全部がアライさんの仕業と言うわけではないでしょうが、少なくとも当院は何もやましいことは
していません」

新井先生はさすがに怒った顔になる。

青年団長は慌てて頭を下げ、それに佐藤も合わせる。

青年団長「大変失礼を。お許しください」

新井先生は頷き、ふっと表情を和らげる。

本日の書き込みは以上になります。

アライさんが直接登場せず物足りなくお感じになった方がいれば、申し訳ありません。


世界観が見えて来て面白いぞ

団長も少しずつ成長していってるようだ

廃屋アライさんの一束がこの地域のボス的存在なのかな。乙。

よく練られている
面白い

新井先生「こちらこそ。無礼な表情をお見せしてしまったようですね…。どうかご勘弁を。
世間から『アラ信』呼ばわりされて久しいので」

実務的なお話が一区切りして、部屋の空気が変わったことに、その場の3人は気づく。

青年団長「こういうご質問の仕方は大変無礼千万ですが…。先生はどうして、アラ信呼ばわりされながら
『ひろげよう!ドングリ命の輪』等アライさん保護活動を行われていらっしゃるのですか?」

青年団長はそのものズバリ、核心部分を尋ねる。

青年団長「アライさんが農家を初めとした人間社会にとって『害獣』であることは
先生のようなご専門の方でなくても周知のことです。

アライさんだけではありません。アライさんはオスのアライグマと番になり、アライグマのオスも産むので、
結果的に特定有害フレンズだけでなく、特定外来生物の生息をも拡大する結果となります。

そうして、番に成ったり、産まれたりしたアライグマは、当然、フレンズではなく元種なので、
アライグマ回虫、狂犬病、レプトスピラ症などの人畜共通感染症のキャリア動物です。

アライさんとアライグマは人間社会だけでなく、アオサギ・フクロウ類やオオタカなどの鳥類、
アライグマよりも小型なキツネやタヌキなどの在来哺乳類、
エゾアカガエル、アズマヒキガエル、エゾサンショウウオ、トウキョウサンショウウオ、アベサンショウウオ、
ニホンイシガメなどの爬虫類や両生類など『日本在来種の敵』でもあります」

しまった。いま、書き込みをしています。

新井先生「アライさん…の元になったアライグマは何も自力で日本列島に渡来したわけではありません。

ある時代の日本の人々がアニメの可愛らしい印象とその需要により、彼らの意思とは関係なしに持ち込み、
その生態への理解が不十分なまま飼育し、そして捨てたのです。

人類には、とりわけ私達日本人にはアライさんとアライグマに対する道徳的な責任があるのです」

青年団長「しかし、それはもう済んだことでしょう?!!」

青年団長「ある世代の日本の人々がそうした過ちを犯してしまった、として。
それ以降に生まれた人―私も含め今、生きている日本人の大多数ですが―にとっては関わりのないことでは
ありませんか?」

青年団長「私達だけではありません。『その世代』の人々だって何も悪気があったわけではない。
後になって判明した事実や、後世の常識で一方的に『ある世代』の人達を断罪して…それが有益なことですか?

第一、その時代の日本人約1億ちょっとのうち、アライグマ関係で『ギルティ』の人はパーセンテージにすれば、
ほんの一握りだったはずです」
 
青年団長「そういった事情を斟酌せず、勝手に『私達日本人には』などと言われれば反発する人も出てくるでしょう。
勿論、私も含めて」

新井先生「『国の偉大さ、道徳的発展は、その国における動物の扱い方で判る』と言う言葉があります。
マハトマ・ガンジーの残したものだそうですが、この言葉の意味はお判りでしょうか?」

青年団長と佐藤は顔を見合わせる。

青年団長「なんとなくは」

新井先生「私は戦中世代なのでもっと実感として、この言葉の意味が分かります。
ガンジーが伝えたかったこととは微妙にずれるかもしれませんが…」

新井先生「戦争や大規模な災害で国や社会に余裕がなくなると、まず真っ先に弱者―と言う言い方が失礼なら
『立場の弱いもの』にしわ寄せが向かいます」

新井先生「戦時中、私は既に獣医でした。余裕がない生活が続く中、大勢のペット達を安楽死させました」

新井先生「飼い主さんが無責任だったり、非情なわけではない。そういう時代だったのです」

青年団長と佐藤は黙って頷く。

新井先生「頼まれて動物園の生き物の殺処分をお手伝いしたこともあります。
自衛隊に出向し、怪我をした軍用犬や軍馬の最期を安らかにしたことも」

新井先生「その埋め合わせ…と言うわけではありませんが、思うのです。
『命は尊い。益とか害とか関係なく尊い』と」

新井先生「皆、『アライさんは害獣だから殺せ!』と言います。動物愛護など所詮人間のエゴだ、
金の泉が有るわけでもないのにどうして人間を優先しないのか、と」

新井先生「しかし、害獣と言う意味ではクマやシカ・イノシシ・タヌキ・イタチ、キツネもそうです。
金の泉がない、と言う言葉は高齢者福祉や障害者福祉の論争でも耳にタコが出来るぐらい聞くワードです」

新井先生「仮にアライさんを日本の山奥に身を隠しているその最後の一匹まで、殺しつくしてそれで本当に日本が
豊かな国になれますか?次はタヌキですか、その次は…。その理屈、排除の論理の先にどうして、
自分がいないと確信できるのでしょうか。『ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は共産主義者ではなかったから』」

佐藤が続ける

佐藤「『不治の病の患者を攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は病人ではなかったから

社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった
私は社会民主主義ではなかったから

彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は労働組合員ではなかったから』」

青年団長がうる覚えの記憶を掘り起こす。

青年団長「『それから学校が、新聞が、ユダヤ人が、というふうに次々と攻撃の手が加わり、
そのたびに自分の不安は増したが、なおも何事も行わなかった。

ついにナチスは教会を攻撃した。そして自分はまさに教会の人間であつた。
そこで自分は何事かをした。しかし、私のために声をあげる者はだれ一人残っていなかった』」

青年団長「しかし、それは極論でしょう」

新井先生「勿論。私もアライグマやアライさんの防除が直ちに『弱者切り捨て社会につながる』などとは申しません。
真面目に駆除や獣害対策に向き合う方々を誹謗中傷するつもりもございません」

新井先生「ただ、私たちは豊かになった。未だ社会から不幸の芽は摘み切れていませんが、戦争中よりは確実に…。
それならば、心ある人たちの善意を結集して、もっとも排除されつつあるもののために何かが出来るはずです。
そのことが結果的に日本社会全体の『善意・良心の防波堤』を築くことにもなるはずです」

新井先生「何も私はアライさん・アライグマの駆除を止めろとか殺処分をゼロにしろと言いたいわけではないのです。

ただ、もしここに100匹の殺されようとしているアライさんがいるとすればそれを皆の工夫で99匹にする。
1匹のアライさんが100の苦痛を感じて逝こうとしているならその苦しみを99にする。

『日本人の道徳的責任』という言葉が良くないならば『一抹の心苦しさ』を少しでも減らすよう努力する。
それぐらいはしても良いのではないかと私は思います」

新井先生「私たちがアライさん含め皆で掴まっている『カルネアデスの板』は世の楽観論者が夢想するほど
大きくないかも知れないけれど、現実主義者を自認する悲観論者の方が言うほどには小さくもないのだと
思っています」

青年団長が何かを答えようと口を開くが、それを内線電話の音がかき消した。

プルルルル。

新井先生「失礼。はい。えっ。今向かう」

新井先生は慌ただしく、院長室を出て行こうとする。

青年団長「どうされました?」

新井先生「手術室で例のアライさんが暴れているようです!!!」

一旦ここまでとさせていただきます。

新井先生死にそう

>>442
アラ信のレッテル貼られている上、喋るフレンズもどきの手術を毎日していたら狂うわな

凄い立派な人だわ。新井先生。

曲がりなりにも人間に近い知能や能力、意思疎通ができるアライさんと他のマジモンの畜生を同列に語っちゃいかんくね?

>>446
同じではないだろうね

>>444
どう読んだらそんな人間に見えるのか

続きを書き込みます。

新井先生「一体どうした?!!」

手術室に新井先生は駆けていく。その後ろを青年団長と佐藤も追う。手術室につくと部屋は封鎖されていた。

動物看護師A「先生…。申し訳ありません」

若い女性の獣看護師が前腕からドクドク血を流している。彼女の前腕は5本の爪で鋭く切り裂かれている。

新井先生「大丈夫。大丈夫。謝罪は後だ。110番と119番は?」

新井先生は、動物看護師Aのショックを和らげるため、別のスタッフにバスタオルを用意させて傷を視線から隠し、
止血と消毒を手早く進める。

動物看護師A「もうしました」

新井先生「ありがとう」

動物看護師A「ケージアライさん4を勤務獣医Aに鎮静剤と注射麻酔で寝かせてもらい、吸入麻酔までに手術の準備を
進めていたんです。そうしたら…」

動物看護師Aは、うぅうっと涙を流す。

動物看護師A「ケージアライさん4が突然、目を覚まして!両腕の拘束を引きちぎって…」

新井先生「よーし。よーし。大丈夫。怖いことはなにもない」

応急処置を終えた新井先生は、動物看護師Aの背中を撫で擦り落ち着かせると、手術室の内の様子をカメラでうかがう。

ケージアライさん4は両腕の拘束を力ずくで引きちぎったものの、下半身と両足の拘束の解除に手間取っているようである。

新井先生「男のスタッフを集めて、催涙弾、唐辛子スプレー、猟銃の用意を」

男スタッフ1「警察の到着を待った方がよろしいのでは?」

新井先生「警察が来れば、十中八九殺処分される。人を怪我させたわけだしな。
どうしてもの時は…やむを得ないが。救える命なら何とかしてあげたい」

新井先生は、動物看護師Aに声をかける。

「君はそれでも良いかい?」

動物看護師A「はい…。あの子を救ってあげてください」

病院のスッタフが慌ただしく、手術室の前に簡易バリケードをつくり、各種の装備を手に配置に着く。

青年団長と佐藤もなんかその辺の棒きれで銃剣道の構えをする。

青年団長「キェェェェェ!!!」

佐藤「こぉいよぉぉぉぉぉ!!!」

気勢を上げる二人をスタッフが注意する。

スタッフ1「ちょっと!ここは病院ですよ!!お静かに!」

青年団長&佐藤「あっ。すみません」

新井先生は両脇に男スタッフを一人ずつ従え、手術室の前に立つ。

後ろを振り返り、皆の準備が整ったことを確認すると、あくまで冷静に手術室の扉を開いた。

部屋の中でケージアライさん4はベッドに下半身を拘束されながら、自由になった両手で必死に拘束帯を引き千切ろ
うとしていた。

しかし、手術室の扉が開き、人間が3人入ってくるとそちらを全力で威嚇し始める。

ケージアライさん4「近寄るな!近寄るな!アライさんに近寄っちゃダメなのだ!!」キシャァァァァ!!!

新井先生はゆっくりアライさんに両腕をあげて見せる。両側のスッタフもそれに続く。

ケージアライさん4「騙したのだ!お前はアライさんを騙したのだ!!」

新井先生「アライさん。私はアライさんを騙したりしてないよ」

新井先生はそう言いながら、一歩踏み出す。両側のスタッフもそれに続く。

ケージアライさん4「近寄るなと言っているのだ!嘘つき!泥棒!お前は巨悪なのだ!!」キシャァァァァ!!!

新井先生は目線で両スタッフを押し止め、一人で一歩を踏み出す。

新井先生「アライさん。私は嘘なんてついてないよ」

ケージアライさん4「嘘なのだ!お前が『しゅじゅつしないと殺されてしまう』『アライさんは生きたい?』
と言うから生きたいと、そう答えただけなのだ!!!それが…!!!」

ケージアライさん4「チビが産めなくなるなんて聞いてないのだ。こんな巨悪を許してはアライさんの危機なのだぁ!!!」

新井先生はケージアライさん4の顔から目線を離さずに、もう一歩踏み出す。

ケージアライさん4「アライさんのチビと会わせるのだ!!殺されたチビも!!アライさん達をお家に帰すのだぁー!!!」ギシギシギシ!

ケージアライさん4はベッドの上で体を必死に動かし、爪を立てながら両手を振り回す。

新井先生「アライさん!大丈夫!もうすぐ、お家に行けるよ!!」

ケージアライさん4「??!!」

新井先生「家族もできる!!!」

ケージアライさん4「???!!!」

その瞬間、新井先生はケージアライさん4に気づかれないようにゆっくり、ゆっくり降ろしてきた右手の指を立てたまま
大きく開き、その状態で彼女の顔面に張り手を食らわす。

ケージアライさん4「ぐふぅ!!」バァン!

不意を突かれたケージアライさん4は必死に両手をめくら振りするが、新井先生はその右手を取るや否や、
合気道の技であろうか、くるりと手首を回し、そのままケージアライさん4の背中に腕を引っ張り上げて抑え込む。

ケージアライさん4「はぉあぁぁあ!!」バキン!!

ケージアライさん4は渾身の力を込めて、ひねり上げられた腕に構わず身をよじり自ら腕の骨をへし折ると、
残った左腕で新井先生を狙う。

しかし、

新井先生「…」クルリ

それをある程度予期していた新井先生に前回同様抑え込まれてしまう。

男スタッフ1&2「先生!!」

後ろから、すっ飛んできた男スタッフがアライさんのへし折れた右腕を縛り上げ、もう一人は新井先生とともに
左腕をきめ続ける。

ケージアライさん4「いだいのだぁぁぁ!!!」

新井先生「鎮静剤!!!」

中の様子を見て飛んできた勤務獣医Aがケージアライさん4の首に多めの鎮静剤を打ち込む。

ケージアライさん4「アライさんのチビ、あかちゃん…」

ケージアライさん4の醜く吊り上がった眼尻は鎮静剤の効果であろうか下に下がり始め、大変辛そうな表情となる。

ケージアライさん4「…」

けものの意地か「ツライのだ」とは言わず、ケージアライさん4は沈黙する。

騒ぎはやっと収まった。

一旦ここまでとさせていただきます。

本家アライさんのゴミクズっぷりに比べると随分立派なアライさんだな

伊達に修羅場を切り抜けてきたんだろうな。新井先生。

去勢はいやじゃー

ここのアライさんは筋か通っててかっこいい

人間とアライさんの生存競争だな
どっちもアホな事せず手加減なしの全力た

命を救えりゃ心はどうなってもいいんですかね・・・

心なんかどうでもいいと考えてるとは思わないけど

新井先生はアライさんをあくまで野生動物と捉えてるようにみえる
説得とかそういう人間相手の交渉手段は効率的だからやってるだけで最初から言語によるコミュニケーションが不可能だったら気にせず抑えつけて処理してそう
会話が可能な類人猿とでも思ってるんじゃないか?

日本でアライさんが繁殖してしまったのは日本人の責任なのはそうだけど、天敵のいない日本では生態バランス崩れるから一匹残らずきちんと日本から絶滅させるってのも責任の取り方なのではないだろうか
どうせ海外にもいるんだし

フレンズにアライグマと同じような天敵がいると考えていいのかどうか
ただ熊はアライさんに対しても強いようだ

単純に人間同等と考えても狼みたいな肉食獣には敵わないし、小型のやつとかには多少強くなるだろうけどちゃんとした所なら一定バランスを保てるんじゃない?
ここのアライさんは理性を切って野生本能全開で生きてるから肉食獣には本能的な恐怖心も植えつけられてるかもしれないし

大事なのは人間側の心でもある
こんな風に喋る連中を黙々と殺処分するだけじゃそりゃ参るわな

こっちのアライさん達は野性味が強くて読んでいて面白い。純粋な危険性はかなり高くてやはり駆除せねばとは思うけど

先生の活動は立派だと思うけど今の所「まぁ勝手にやってれば?」って感じだな…

社会へ出た後の犯罪率と更生率によって評価が変わるよね
これで社会を学習した脱走者が出ると不味くない?膵臓を壊してインスリンの強制接種で縛るとかしないと…

先生がアライさんをどう捉えてるかで評価が変わりそうだな

ピーポーピーポー。

ケージアライさん4に前腕を切り裂かれた動物看護師Aが救急車で運ばれて行く。新井先生は警察の対応中。他の病院スタッフはこの騒動の片づけ、
ケージアライさん4の折れた腕の治療、他の動物やお客さんの対応を行っている。

そんな中、手持ち無沙汰になった青年団長と佐藤は警察への証言が終わった後、ボーっとソファーに腰かけている。

青年団長「(新井先生は俺が見たところ信用できる好人物のように思う。ただ、目標というか優先順位が俺らとは違うから同志としてはどうだろうか?
地域の大事な『動物のお医者さん』として今後もお付き合い頂けたらとは思うが…)」

あっ、また忘れてしまった。

続きを書き込みます。

それから、アライさんについても思いを巡らす。

青年団長「(先生のおっしゃることも分からないではないが…。しかし、さっきの騒動のようにアライさんは凶暴だし、
人間とコミュニ―ケーションを取るのが難しい。あいつ等はあいつ等の道理で動いているのは分かるが…)」

青年団長「(正直、去勢手術を拒むようなら、日本での『共存』はお手上げだ。『ジャパリパークのアライさん』達
のようにごく少数をマスコット的に動物園などで管理するならともかく)」

青年団長「(脅して、騙して、撫で賺して、手術費・経費をかけて、怪我までして、巨悪呼ばわり。『命が大事』は
その通りだが…。日本に何万、もしかしたら何十万といるかもしれないアライさんにこれでは対応できない。
新井先生のような心得がある少数の有志が技術と資金を集中投下して初めてやれることなんだ。

でも、こうして少数でも『命が救えた』例が有れば、世間の劣化アラ信が勢いづく。『アラ虐はやり方が悪いだけ
なんだ。アライさんは根気よく対処すれば救えるんだ』と。大した覚悟も無く)」

そんな、取り留めのないない考えを巡らせる青年団長に病院スタッフが声をかける。

病院スタッフ1「青年団長さん、佐藤さん。新井先生から言付けされています。もしよろしければ、今から
ケージアライちゃん達の処置が行われます。その様子をご見学なさいますか」


青年団長と佐藤は、別室のカメラから『処置室』の様子を見る。

青年団長「新井先生はなぜ、これを?」

病院スタッフ1「もともと、そういうお話でしたし。『どうかお知りになり、一緒に考えていただけたら』と」

青年団長「あのアライちゃん達、さっきのケージアライさん4の子供ですよね」

病院スタッフ1「はい。スタッフ一同最後まで引き受け先を探したのですが、先ほど時間切れとなりました」

時間切れ、という言葉がどこか場違いに響く。

部屋の中では、勤務獣医Bと動物看護師2名、ケージアライちゃん4匹がいる。

ケージアライちゃん1「わかしぇんしぇいなのりゃー」ヨチヨチ

ケージアライちゃん2「みりゅくほしいのりゃー」ヨチヨチヨチ

ケージアライちゃん3「また、だっこしてほしいのりゃー」モゾモゾ

ケージアライちゃん4「あったかふわふわでふいてほしいのりゃー」バブバブ

勤務獣医B「うん。みんなキレイキレイしようね。動物看護師Bさん、ケージアライちゃん2にミルクを」

そう言いながら、勤務獣医Bはもう一人の動物看護師とあったかくて柔らかい濡れタオルでケージアライちゃん達を
一匹一匹丁寧に拭いていく。

青年団長「あの勤務獣医さんはもしかして新井先生のご子息ですか?」

病院スタッフ1「はい。皆から『若先生』と呼ばれたりもしています」

登場人物が多くなって、手間になってきたので以下、勤務獣医Bは「若先生」と呼ぶことにする。

ケージアライちゃん1「きもちいーのりゃー」マッタリマッタリ

ケージアライちゃん2「みりゅくおいちかったのりゃー」ゲップゥ

ケージアライちゃん3「だっこしてもらえたのりゃー」ウトウト

ケージアライちゃん4「わかしぇんしぇ、おかーしゃんとおねーしゃんとあらいしぇんしぇのつぎにだいすきなのりゃー」バブバブ

若先生「…うん。先生もアライちゃん達のこと、大好きだよ。今から皆でお引越しの準備をしよう」

ケージアライちゃん達「????」

ケージアライちゃん1「あらいしゃんたち、どっかいくのりゃ」

若先生「…うん。とても安らかなところに」

ケージアライちゃん2「しぇんしぇいたちもいっしょなのりゃ?」

若先生「いずれは、みんなが向かう場所だよ」

そう言って、若先生は何かを持ち上げる。動物看護師は他のアライちゃんに見えないように素早く布で視界を遮る。

ケージアライちゃん1「?」

若先生「少しチクっとするよ」チクッ

ケージアライちゃん1「べつにそんないたくなかったのりゃ」ウトウト

若先生「良かった」

若先生と動物看護師たちは同様の手順で4匹のアライちゃんに注射をしていく。

青年団長「あれは、ひょっとして」

病院スタッフ1「いえ。今のは麻酔薬です。アライちゃん達が完全に眠った後、筋弛緩剤を投与します」

ケージアライちゃん1「」スピー

ケージアライちゃん2「」グー

ケージアライちゃん3「」ムニャムニャ

ケージアライちゃん4「」スピースピー

若先生はアライちゃん達の体を触り、反応を一匹一匹確かめる。

一度、静かに頷くと、再び一回ずつ注射をして…それでお終いである。

ケージアライちゃん1「」ブリュブリュブリュブリブリブリ

ケージアライちゃん2「」ブリュブリュブリュブリブビチビチビチ

ケージアライちゃん3「」ブリュブリュブリュブリブリブリブッブブー

ケージアライちゃん4「」ブリュブリュブリュブリブリブリビチビチ

ケージアライちゃん達はハエガイジに相応しく、うんこを垂れ流しながら絶命した。

若先生は絶命を確認すると、やはり一匹一匹、動物看護師とともにお湯で体を洗い、丁寧に拭いて、肛門に栓をする。

そして、やや大きい白木の箱に姉妹そろって、寝かせてやり、毛布を掛けて、花を添える。

最後に、箱のふたを閉じ、動物看護師とともに合掌・黙とうして『処置』を終える。

病院スタッフ1「あとは、お体を業者の方が引き取っていきます」

敢えて、焼却処分とは言わない。

青年団長&佐藤「ご見学させていただき、ありがとうございました」

青年団長達が別室から出ると新井先生が待っていた。

青年団長「先生…」

新井先生「ケージアライさん4の去勢手術は成功しました。
タイミングが悪く、お二人にご覧になっていただけませんでした。申し訳ありません」

青年団長「いえ…」

さすがに、青年団長は言葉少なげである。3人は院長室に向かう。

新井先生「自分の不徳により、女の子の肌に傷をつけてしまいました。親御さんに合わす顔がない」

青年団長「最近は、整形外科も発達していますので…」

青年団長は、先生が百も承知な慰め文句を言う。
自分でも、もっと気の利いたことは言えないものかと思ってはいるのだが。

佐藤「あのアライさんは今後、どうなります?人間社会で他の人間社会を選んだフレンズ達のように暮らすのですか?」

新井先生「いえ。アライさんにそれは難しいです。
『ジャパリパークのアライさん』が、かばんさんやフェネックのフレンズと一緒に外出するぐらいで。
あのアライさんは、隣の県の保護施設に何とか空きを押さえられたので、そこで適応訓練を行い、暮らしていくことになります」

佐藤「そうですか…」

青年団長と佐藤は姿勢を正す。

青年団長「新井先生。本日は貴重なお時間を頂戴して、有意義なお話をお聞かせ頂きありがとうございました。
今後も地域の『動物のお医者様』として当村の復興・安全の確保にお力をお貸しいただければ幸いに存じます」

新井先生「勿論、微力ながら努めさせて頂きます。
こちらこそ、お見苦しいところ、危険な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。
本日のご来院を野生動物、アライさん問題をお考えになる一助にして頂ければ光栄に思います」

新井先生が見送る中、青年団長と佐藤は新井動物病院を後にした。

今日の書き込みは以上です。

おつ

先生はあの状態のケースアライさん4が本気で適応できると信じてるのかな?
結果はともかくとしてこうしてみるとホルスタインちゃんの方がアライさんに対して誠実に対応していたように見える

どうせ処分するのに何故ミルクや体を拭いてやるんだ?
無駄に触れ合うと情が湧くし始末し辛いだろうに。しかも
アライちゃんを処分する為にわざわざ高価な薬を使うなんて無駄の極み楽に処分するならガスで充分だろ

>>492
最低限の贖罪だろ

アライさんは生きているだけで、助けようとする人々やフレンズの心を破壊する歪な存在なので駆除すべき生命体だと言う事を改めて思った

>>493
ターミナルケアみてーなもんだろうよ、病院っつーか医者として最低限の敬意を払ったんだ
畜生以下にしか見えない罪状持ちの屑死刑囚の日本人でさえ今の法律で最低限度の尊厳は約束される

安価先ミスったスマソ>>492

乙でしゅ。正直このSSには新鮮な感動を覚えています
アライちゃん4匹に同情しつつキッチリ処理するのすき
焼却処分までの行程にかかる費用は病院の人たちの個人負担なのかな?

青年団長はまだ
アラ信かアラ虐かみたいな発想から脱出できないんだな

嘘はついていないけど言葉は濁す、という対応は果たしていかがなものか
相手が勘違いする分には自分は悪くないと言いたいのか

脅威に対してできることは攻撃か逃走か和平交渉かだと思う
仇なすアライさんは捕獲する
反抗するアライさんは駆除する
降伏したアライさんは捕虜にする
捕虜にしたアライさんは収容してできる労働をさせながら教育する
社会に適応できなければ裁く

全部正直に話す
それではダメなんだろうか

俺は悪くないとかそういう話じゃないと思う
正直にしゃべるとすごい抵抗されるし現場の判断というヤツだろう
その後の対応は全部人間向けに見えるけど根本から違う存在だから難しい(特に「裁く」)と思う

乙。

この病院のやってることがアラ虐にしか見えないんだが

そもそもアライさんを害獣として扱うネタ自体がアラ虐だからそれはしゃーない

>>502
ぐうの音も出ない正論

どんな生物も死んだら緩むのよね
首つり死体は排せつ物が
ああいやー

続きを書き込みます。

ちなみに新井動物病院の業務のうちアライさん関係は新井先生が理事を務めるNPO「ひろげよう。ドングリ命の輪」としてのものです。

資金元はほぼ、有志の人からの寄付金です。ただ、安楽死後のアライさんの体のお掃除や追悼・供養行為(SSにあったような)は基本

、職員の『思いやり』で行っている設定です(一応、お手当は付きます)。

巨大クマ「ベロ。ベロ」フンフン!

件の巨大クマは、廃屋アライさんが追跡を逃れるためにばら撒いていった缶詰を旨そうに舐めている。

それにしても、大きなクマである。「見事な」と言っても良いかも知れない。

二ホンツキノワグマは通常、体長120~150㎝。尾長6~11㎝。体重はオスで60~120㎏ほどとされる。
最大個体の記録は1967年に宮城県で捕獲された220㎏の個体で、平成時代にも体長165㎝メートル、体重200㎏の記録
が報告されている。

この巨大クマは、ぱっと見ただけでも体長160㎝をゆうに超えている。今は、3月でやや痩せているものの、
冬眠前になれば体重も200㎏を大きく上回りそうだ。国内最大個体かも知れない。

この地方の豊かな山の幸によるものか、それともサンドスターの影響だろうか。

巨大クマは缶詰を咥えたまま周囲の様子をうかがう。すっかり、廃屋アライさん親子は見失ってしまっている。
缶詰は旨かったが腹はまだ減っている。

クマの目はさほど良くないが、嗅覚と聴覚は非常に発達している。

巨大クマ「フン!フン!」オミミピクピク!

巨大クマの鋭い聴覚が打ち鳴らさせる金属音を聞きつける。

山アライさん「…」ガシャン!ガシャン!ガシャン!

一匹のアライさんが箱罠にかかっている。

(なお、「籠罠」なのか「箱罠」なのかアライグマ関係の資料により、記述が分かれており、当SSではこれまで、
「籠罠」を用いていた。しかし、感触として「箱罠」の方が多数派のようなので以下、そちらに統一する。)

獣道に仕掛けられた箱罠にまんまとかかってしまった山アライさんは必死に箱罠からの脱失を図る。

山アライさん「…」ガシャン!ガシャン!

内側から体当たりを食らわし、

山アライさん「…」グイグイグイグイ!

後ろ扉を内側に引き開けようと試み、

山アライさん「…」イジイジイジイジ!

罠の可動部を手で弄くってみたりする。

人間の目線から見れば、『何を無駄なことを』と思うだろう。しかし、これがなかなか『有効』なのである。勿論、
アライさん達にとって。

アライさんは元種のアライグマの性質を受け継ぎ、大変力が強く、手が器用でもある。
そのため、生半可な罠では内からの衝撃で開けられ、又は扉を内側に引き込まれて、簡単に脱走されてしまう。
特に可動部分が良く狙われる。また、その力が強く器用な手を使い、扉をこじ開けてくる。

それを避けるため、極力、頑丈な構造の罠を使い、必要に応じて補強しなければならない。
また、捕獲完了後、罠内から扉を開けられないため、ストッパー機能付きのものを選ぶ必要もある。

転倒防止のため、罠は、杭や重石を使ってしっかりと固定し、アライさんを捕り逃がさないように、
破損等がないか常に適切に整備する。 そして、仕掛けがスムーズに動くか、見回りのたびに確認しよう。

罠の適切な管理と見回りは、タヌキ等他の野生動物・フレンズの混獲を防ぐためにも重要である。
また、罠に『かかりっぱなし』の状態を防ぎ、アライさんに不必要な苦痛を与えることを防ぐ意味合いもある。

罠に『かかりっぱなし』状況の発生は人間にとっても良くない。
罠にかかった生き物を狙ってクマ等が人里付近に降りてくることがあるためである。

そうこういう風に、

巨大クマ「グォォォー!!!」ユサユサユサユサ

巨大クマは、しっかり杭で固定してあった山アライさんがかかった箱罠を、その剛力で揺さぶり続ける。

山アライさん「のあぁー!近寄るなぁー!アライさんに近寄っちゃダメなのだぁー!!!」ガシャガシャガシャアアア!!

ガッッシャーン!!

業を煮やしたクマの体当たりで、遂に箱罠の固定が緩む。と同時にクマの力任せの体当たりで箱罠の一面が外れ、
山アライさんが外に這い出す。

巨大クマ「グォォォー!!!」ダッ!!

巨大クマはその鈍重そうな体に似合わない勢いで、山アライさんに向かうが、山アライさんも野生のけもの。
わずかな時間にそばの木に必死によじ登り始めていた。

巨大クマ「グロロロロォ!」ガジガジ

巨大クマは、木を登り始めていた山アライさんの片足に噛みつき、木から引き摺り下ろしにかかる。

山アライさん「キシャァァアー!」ゴン

山アライさんは巨大クマの鼻面をめがけて、蹴りを繰り出す。

巨大クマ「!!」

巨大クマは驚いて、一旦、齧りついた山アライさんの片足を離す。

ズルッ

山アライさんの片足は皮どころか肉まで齧りとられ骨が露出していたが、彼女にとってそんなことは、どうでもいい!!
巣にはチビが待っているのだ!今日も自分とおっぱいを!!

山アライさん「わっせ!わっせ!」ヨジヨジ

山アライさんは片足に重傷を負ったとは、思えないほどの速さで木登りを再開するが、

巨大クマ「グォォォー!!!」ガジガジ

巨大クマは今度は山アライさんのフサフサ(ゴワゴワ)の尻尾に噛みつき、力任せに引き摺り下ろす。

山アライさん「はぁぁぁー。ううぅぅぅぅ…」グゥゥー!

山アライさんは両腕と両足で必死に木にしがみ付き、巨大クマと尻尾で『綱引き』をする。

やがて、

ブチンッ。

山アライさん「のぎゃぁぁぁぁー!!!」ドクドクドク

当然の結果、山アライさんの尻尾は根元から引きちぎれ、血がドクドク大量に流れだす。

山アライさん「はぁぁ。はぁぁ。うぅぅ。チビィィ」ズルズル

『けものプラズマ』で構成されたアライさんのケモ耳や尻尾は、仮にもぎ取られたり、千切れたりしても体内の
サンドスターが枯渇しない限り(つまり、二世代目以降のフレンズは生命活動を終えない限り)、ゆっくりとでは
あってもまた再生する。

しかし、それでも動き・感じる(つまり、神経が通り、血管が通り、骨・筋肉がある)器官をもぎ取られたのである。
痛みは強烈である。根元から、引きちぎれたということは一時的にしろ、人間でいう尾てい骨周辺の神経・血管・筋肉が
損傷し、ダメージは下半身全体に及んでいる。

山アライさん「はぁぁぁあああ。チビィィィ!!!」

ここで死ねない、その一念で山アライさんは上半身の力だけで木を登り続けようとするが、

巨大クマ「グロロロロォ!」ガジガジ

今度はもう片方の無事な方の足首を巨大クマに齧られる。

山アライさん「ああああああああ!」ズルズルズル

遂に山アライさんは地面に引き摺り下ろされた。

巨大クマは二本足で立ち上がり『ガオーポーズ』になると覆いかぶさるように、隙だらけのテレフォンパンチを繰り出す。

山アライさんは咄嗟に体をひねって避けようとするが、間に合わず、顔面の半分を剝ぎ取られる。

山アライさん「のぎゃぁぁぁぁー」ガリガリ

山アライさんは顔面を吹き飛ばされ、巨大クマに圧し掛かられながら、両手を振りかざし、巨大クマの目めがけて爪を突き立てる。

巨大クマ「ぎょおおおおお!」

巨大クマは右瞼を切り裂かれて、流れた血が目に流れ込む。

山アライさん「はぁ。はぁ。アライさんは生きるのだぁぁー」ズリッズリッ

巨大クマが一旦、怯んだすきに山アライさんは体を引きずりながら逃走をはかる。

その背に向かって、再び巨大クマの覆いかぶさるようなテレフォンパンチが炸裂する。

山アライさん「ぎゃあああああ。いだいぃぃぃいいい。ちびぃぃぃぃ」

巨大クマは、山アライさんに圧し掛かり、後頭部の頭皮を齧りとり、爪や牙で背中をズタズタにし、
その体重で背骨や肋骨をバリバリ砕く。

山アライさん「…あぁぁ。うぅぅ…」

巨大クマは動きが弱ってきた山アライさんをひっくり返すと今度は腹を破り、腸やら臓器を引きずり出して貪りだす。

山アライさん「うぅぅ…あぁぁぁ…」

クマは、二ホンツキノワグマを含め元来、植物食傾向が強い雑食である。チーターやライオンなどの『洗練された』ハンターではない。

そのため、狩りの仕方もいまいち不細工であり、『首や鼻口を噛み締め上げるなどして止めをさす』と言ったことをせず、
生きたまま獲物を貪り始めるという話もよく耳にする。

山アライさんの肝臓ズルズルデロン

巨大クマ「…」モグモグ

巨大クマが山アライさんの肝臓を美味しそうに噛みしめる頃にやっと、山アライさんは呼吸を止めた。

巨大クマはひとしきり山アライさんを貪ると、先ほど自身が破壊した箱罠に近づく。

巨大クマ「…」ジー

クマは学習能力が極めて高く、賢い生物である。巨大クマは『これを狙えば、遥かに簡単にアライ肉が手に入る』ことを
その夜、確かに覚えた。

夜明け

山アライちゃん「おかーしゃん…?」

残念ながら、この山アライちゃんの母親が帰ってくることは二度とない。

そして、授乳期に母アライさんを失ったアライちゃんの運命は…。

今日の書き込みは以上です。

乙です
アライさん達がどうなろうと知ったことではないが村の人達にそやね牙を剥かれたらまずいな・・・


まさかアライさんが熊にダメージ通せるとは…

もしかしたら、熊もフレンズ化するフラグなのかな。ほんとドキュメントだな。この話は。

乙です

乙です
山アライさんの執念が良かったですね
簡単にやられるより、もがき苦しみ、抵抗した上でこうなるのが好きです

乙でしゅ
クマのような野生動物による純粋な暴力で屠られる描写が最高でした。罠を仕掛ける人が襲われなければ良いのですが・・・

アライさんに傷を負わされた熊さんが可哀想……
黙って熊さんにやられればよかったのに

あっさり死んだりギャグで死んだりしてないのがここの味

ブラズムやで

間違った、プラズムやで

生き物地球紀行

けものプラズマキャノン発射なのだ!

地球規模でみたら一番害を与えてるのは人間なんだけどな

山アライさん一矢は報いるナイスガッツでした!!
悲しいけど弱肉強食なのよね…罠に掛かる程度のド低能では順当に死ぬしか無い

ドキュメント的だという見方が増えてきたので
必ずしもそうでもないという意見を述べておきたい
お話という要素もけっこう強い

素人丸出しのテレフォンパンチぐらいダッキングで躱せばいいのに

>>539
なんか大振りなパンチって意味で使ってそうだけど実際速そう熊パンチ

自然界で鍛え上げられた筋肉の塊である熊の一撃に対して素人丸出しのテレフォンパンチて……それを言うなら受ける側も素人なんですがそれは

続きを書き込みます。

『けものプラズマ』✖ 『けものプラズム』○ でした。素で間違えてしまった…。申し訳ありません。以後、後者で統一します。

このSSは誰かに「お説教」をするために書いたものではなく、自分は気楽に書き込むつもりなので読者の方もお気楽になさっていただ

ければと思います。ただ、皆さんご存知のようにクマとイノシシは本当に怖いそうなので山に向かう際はどうかご用心を。

隣町の町長「困ったな。まだ見つからないのか…」

昨晩、保健所職員A&Bから巨大クマについて隣町役場に報告が上げられた。
町は地元の猟友会に要請して20人規模の『鳥獣被害対策実施隊(所謂、有害駆除隊)』を組織し、
夜明けとともに巨大クマの捜索活動を開始している。

町職員A「大きなクマとは言え、早々、見つかるものでは…。夜のうちに山に帰ってしまったのでしょう。
人の被害がなかったのが幸いでした」

隣町の町長「あるよー!ある!ある!町有車が『ベコッ』」

町職員A「保険がおりますし…。今後もクマの捜索は行いますが、いずれにしろ、20人程度では村全体を隈なく、
と言う訳にはまいりません。山間地に逃げ込まれたらほぼお手上げです」

隣町の町長「GPS発信装置でもくっつけられれば良かったな」

町長は、某頭脳は大人な小学生探偵アニメの見過ぎのようだ。

隣町の町長「隣の旧村と言えば、アライさんは?ウジャウジャ居るから気を付けるよう言付けておいたはずだが?」

町役場職員A「人の気配を察知したのか、村に入ってからも遭遇していないそうです」

隣町の町長「厄介だな。山間地はともかく、集落・居住区からは追い出さないと。
とは言え、アライさんが潜んでそうな所を一軒一軒、一か所一か所、調べさせるのは、ゲリラの掃討戦みたいなもの。
猟友会には少し荷が重いか?」

町役場職員A「村からの避難が長期化し、アライさんに『占領』されたような形になっています。
今のところ、アライさんから好んで人を襲うということは少ないようですが。
猟友会員やハンター、特定有害フレンズ駆除登録者と言えでも、少人数で村を歩くのは危険かもしれません」

隣町の町長「…村長とご相談して、一時帰宅は延期にしていただいた方が良いな。
旧村民の皆さんにも不用意な立ち入りは極力、ご遠慮いただこう。
それから、村長と私、周辺自治体の首長と連名で県兵の派遣を知事に要請を」

町役場職員A「防衛省と環境省にもお話を。県を通した方がよろしいでしょうか?」

隣町の町長「そうだな。私は議会に説明と報告を…。県兵出動まで何日ぐらいだろう?」

町役場職員A「規模にもよるとは思いますが、中隊規模と考えて1週間ぐらいでしょうか?」

隣町の町長「もっと、早く動けるだろう。地震の時とかヒュっと出動しているじゃないか」

町役場職員A「火器を使いますからその辺の調整が…。
それと、アライさんの正確な生息頭数がここ数年、つかみ切れていないので、地元民と一緒に先遣隊が
調べる必要が有るかも知れません。そこは県兵さん次第ですが」

町役場職員A「それとクマはどうなさいますか?」

隣町の町長「どうって、そんなクマがいたら捜索せざるを得ないだろう?」

町役場職員A「まだ、実際に人に危害を加えたわけではありません。今日いっぱい捜索してだめなら、継続調査中…
ということで実質様子見にしてしまっても良いのではないでしょうか?県兵さんにアライさん戦をお願いするなら、
二兎を追うのは難しいかと」

隣町の町長「そうだな…。車のことがあったから危険は危険だが…。町民と周辺自治体に注意喚起を。
それとこれからいらっしゃる県兵さんにも一応、お伝えしてくれ」

町役場職員A「承りました」

いや待って、セルリアンと戦争じみたことしてたのは知ってるが、県に兵士いんの?

廃屋アライさん「見つけたのだ!!!」

廃屋アライさんは人目につかない場所に固定された鈍く不気味な色を放つギザギザのピッカピカを見つける。

これは、中央の板に足を乗せるとばね仕掛けで2つの半円形(今回の物は半円形にギザギザの『歯』がついている)の
金属が合わさり足を強く挟み込む罠。『トラバサミ』。『シートン動物記』でご存知の方も多いことだろう。

かつて、その残虐性と危険性から原則禁止となったこともあったが、この時代の日本では一時的に使用が解禁して
いる。過疎化・人口減少(この物語開始時点では増加に転じている)やセルリアンとの戦いの中で一時的に国土に
『空白地帯』が産まれ、クマやシカ、イノシシなどの大型の野生動物が増えすぎてしまったためである。

もっとも、最近は再規制強化を求める声も強いが…。


廃屋アライちゃん2「…おかーしゃん。それはなんなのりゃ」ムニャムニャコスリコスリ

廃屋アライさんの上の服のような『毛皮』の胸元でさっきまで寝ていた廃屋アライちゃん2が、
眠そうに目を擦りながら尋ねる。

最近、廃屋アライさんは巣から出るとき、こうして最低、一匹はアライちゃんなり子アライグマ♂を連れて歩く。
勿論、いざという時に一家全滅を避けるために。

廃屋アライさん「これは、前話したお母さんが以前、引っかかったことのある人間の罠で…、今はアライさん一家
にとっての『お宝』なのだ」コスリコスリ

廃屋アライちゃん2は前に廃屋アライさんに見せてもらった足首の傷を思い出す。

廃屋アライちゃん2「ピィィー!!そんなものおたからじゃないのりゃ!!」

廃屋アライさん「お宝なのだ。これからはアライさんと家族を守るための。これで、6個目なのだ」ガチガチ

そう言って、廃屋アライさんは慎重に、まるでお宝を扱うように、その器用で力の強い手でトラバサミの固定を
外しにかかる。

廃屋アライちゃん2「まもりゅって、まえ、おはなちしてくりぇた、ニンゲンかりゃ?」モゾモゾ

廃屋アライさん「半分はそうなのだ。奴らがいかにも鉄砲を構えそうなところに3つ、
犬を走らせそうな所に一つ仕掛けたのだ」

廃屋アライちゃん2「こりぇでニンゲンたおしぇるのりゃ?」ヨジヨジ

廃屋アライさん「まさかなのだ。これは足止め用。相手があたふたしてるうちに逃げる時間を稼ぐための物なのだ」

廃屋アライちゃん2「もうはんぶんはなんなのりゃ?」ノリャノリャ

廃屋アライさん「自分で考えるのだ!巣立ちの日まで学ぶのだ!!」

廃屋アライちゃん2「…くましゃん?」ノリャー

廃屋アライさん「正解なのだ!」フフーン

廃屋アライさんは満足げだ。

廃屋アライさん「この辺りのピッカピカは多分、アライさんと言うよりも…クマ狙いなのだ。
こんなにバネが強ければ人間なら脚の骨が砕けるのだ。アライさん狙いでも強すぎなのだ」

廃屋アライさん「さっき、チビが寝てる間に奴が通りそうな獣道に一つ仕掛けたのだ。
後で教えてやるから乳離れした後も、チビもきょうだいも踏んじゃダメなのだ」

廃屋アライちゃん2「おかーしゃんはそーめーなのりゃ。てんかとれるのりゃー」コスリコスリコスリシッポモゾモゾ

廃屋アライさんは廃屋アライちゃん2が胸元でハエガイジムーブを始めたのをくすぐったそうに見つめる。

コバエさん気持ち悪いなあ

廃屋アライさん「(この罠はクマ用にするのだ。今はお昼だからあの巨大クマも多分寝ている。今のうちなのだ)」

廃屋アライさんは手に入れたトラバサミを再設置する。巣からこの前、巨大クマをまいた方角に進んだところだ。

廃屋アライさん「??!!!」クンクン

廃屋アライさんはアライさんの死臭と微かな鉄の臭いをとらえる。

廃屋アライさん「(どっかのマヌケがやられのか。アライさんの身代わりご苦労なことなのだ)」

廃屋アライさん「チビ」

廃屋アライちゃん2「なんなのりゃ」

廃屋アライさん「お母さんは何かあったら木に駆け上らなきゃいけないのだ。抱っこからおんぶに代わるのだ!!」

廃屋アライちゃん2「はいなのりゃ!」ヨジヨジ

廃屋アライちゃん2は廃屋アライさんの『毛皮』の中をモゾモゾ背中に回り、肩をしっかり掴む。

廃屋アライさん「(このマヌケが死んだということは…巣が一つ空いたのだ!最近、ニンゲンやクマで騒がしい。
一つでも安全な避難所が欲しいのだ!!)」

廃屋アライさんは巨大クマの気配に最注意しながら、山アライさんの死体ににじり寄っていく。

作者さんには申し訳ないけど、早く屍になってくんねーかな廃屋アライさん!

>>549
米軍と共に世界各地に自衛隊派遣したらしいからはぐれセルリアン対策に軍事組織は必要だったんだろう
ユーラシア大陸は人類の生存圏縮小したとかも書いてあった希ガス

廃屋アライちゃん2「ヒェ!あらいしゃんがしんでるのりゃ!」

廃屋アライさん「それはどうでもいいのだ!それより、見るのだ。あの『箱』を!!」

廃屋アライさん「人間が使う別の種類の罠なのだ。

あの壊れた箱は、本当はもっと、しっかりとした四角…カクカクで、中に本当に美味しそうな食べ物が入っているのだ」

廃屋アライちゃん2「ほしいのりゃー」

廃屋アライさん「フン!!」

廃屋アライさんは、廃屋アライちゃん2が中に入っている自分の背中を近くの木に軽く叩きつける。

廃屋アライちゃん2「ゲピィィー!!おかーしゃん、なにしゅるのりゃ。いたいのりゃ!!」
ウッウッウッウ

廃屋アライちゃん2は声を殺して泣く。さすがに大声を上げないことは学習したらしい。…結構、忘れるが。

廃屋アライさん「はい!今、チビは死んだのだ!次は死なないように気を付けるのだ!!」ダァッ!

そう言うが早いか、廃屋アライさんは山アライさんの臭いをたどって巣に向かい駆け出していく。

山アライちゃん1「おかーしゃん…」グー

山アライさんの巣では2匹の山アライちゃんと2匹の子山アライグマ♂がお腹を空かせながら、
もう二度と帰らない母アライさんを待っていた。

山アライちゃん2「おかーし」ガブッ

ヌゥ。ガブッ。バリバリ…。

巣の入り口から頭を入れてきた何者かに山アライちゃん2は頭を噛み砕かれる。

廃屋アライさん「…」ボリボリ

『巣をよこすのだ』などと言わない。母親である山アライさんが死んだ時点でこの山アライちゃん達は
『死んだもの』なのだ。なら、『生き残るもの』が空いた巣を使うのは当然のこと、四の五の言う時間も惜しい。
廃屋アライさんの巣では、チビ達がおっぱいを待っている。

山アライちゃん1「ヒィ」

ブグチャァァ!

山アライちゃん1の獣生はその短い悲鳴が最後の言葉。一瞬で廃屋アライさんの腕力と爪で体を引き裂かれる。

子山アライグマ♂1&2「キー!キー!」

子山アライグマ♂二匹は必至の抵抗を試み、廃屋アライさんの足にその小さな歯を突き立てる。

ゴグシャャャー!!

廃屋アライさんは両手で握りこぶしを作るや、足にまとわりつく子山アライ♂に振り下ろす。それで、…終わりだ。

廃屋アライちゃん2「…おかーしゃん」シーン

廃屋アライちゃん2「しゅごいのりゃー!だいしょうりなのりゃー!!」コスリコスリシッポモゾモゾ

廃屋アライちゃん2は大喜びでハエガイジムーブを廃屋アライさんの『毛皮』のなか、背中で器用に気持ち悪く行う。

ゴキブリが服に入ったらこんな感じなのだろうか。

廃屋アライさんは再び巣の入り口に向かう。かつて山アライさんがした、ため糞の上に尻を向ける。


廃屋アライさん「のだぁぁぁー!」ブリュブリュブリュブリブリブリブリュブリュブッブー

廃屋アライさんはため糞をする。本当にうんこが好きなフレンズである。

本日の書き込みは以上です。

おつおつ
アライさんのキモさ醜さを丁寧に描写してて面白いです

乙です
やはりアライさんは利己的だなあ

そう言えばこの世界の「県兵(愛国郷土防衛隊)」について説明がまだでした。県兵のこの世界の役割は、558さんの書き込みがほぼ、自分の脳内の設定通りです(世界再建戦争後半期)。

その前後を含め、また別の機会にご説明します。

乙。ホントにリアルだな。廃屋アライさんこの地域の中でトップクラスの実力の持ち主かもな。感心する。ただ、この廃屋アライさんが絶望するのも見たいという気持ちもある。良くはないのかな。

生きることを舐めてないアライさん、斬新だ

乙でしゅ
廃屋アライさんはしぶとそうですね。だからこそ最期の時が楽しみでなりません

やられたアライさんは間抜けということだが、廃屋アライさんもいつ、間抜けの仲間入りしても、おかしくない環境なんだよな。

乙です
躊躇なく共食いしたな…

>>571
てか罠仕掛ける知能あるってバレた時点で県軍による本格的な掃討作戦始まるわな
軍がいるって分かっているのにそこまで頭が回らない辺りやはりアライさん

本当にうんこが好きなフレンズである。



なんかワロタ

アラ虐設定のアライさんが強く生きる作品であって

途中送信しちゃった
虐待がメインじゃないってところが面白いです

特別な個体として命は狙われやすくなることはあっても
軍による本格的な掃討作戦なんかおきるかなあ

熊含め地域の掃除で来る可能性の方が高いのでは?

目の前で子供を嬲り殺してから廃屋アライさんを虐殺したい…

廃屋アライさんは最後まで生き残って人類を倒してほしいな
猿の惑星みたいに

倒さないでいい。そんな糞ゴミ展開望んでいるのは一人だけだ

生き残るのは構わないが、最期に残酷な死に方をする為だけに生き残れ。まぁ人類に手を出したら即処刑だけどな
アライさんのくせに賢さを身につけるとかその時点で罪。産まれただけで罪でそこから飯食べて生きてるのも罪なのにどこまで罪を重ねるのか

つまりゴミガイジは殺されろ

続きを書き込みます。

昨夜はパソコンが不調で書き込めませんでした。

ボケェー

男1「おい!大丈夫か?」

男2「だいじょーぶだー(棒)」

ここは、隣町の喫茶店の中。
青年団長や佐藤とともに『復興事業』に取り組んでいる男二人が珍しく二人でお茶を飲んでいる。

男2は最近、気が抜けてしまっている。あの日、取調室アライさんの拷問に加わってから、ずっとだ。

男1「心療内科、受診した方が良いんじゃないか?」

男2「いや良いよ。初診まで一か月とか待たないといけないんだろう?」

男1「俺は知り合いの伝手を頼ってすぐ受診した。警察署から帰ってすぐだ。
お前さんも早く受診して、気持ちに整理をつけた方が良い」

男1「もうすぐ、県兵さんが来て、本格的に村の居住エリアからアライさんを駆除・追い出しにかかるって聞いている。
俺らもお手伝いに行くことになるかも。お前、予備県?」

男2「一応…。今回はまだ、召集かかってないけど」

男1「俺は去年、満期で更新しなかったけど。
どっちにしろ、青年団や復興ボランティアのほうでお呼びがかかるかもしれないしさ」

予備県とは予備県兵(愛国郷土防衛隊予備防衛官)のことである。制度の仕組みとしては平成時代の私たちには
予備自衛官を想像するとわかりやすいかも知れない。

そもそもこの世界の日本には自衛隊と並ぶ軍事組織として、県ごとに県兵(愛国郷土防衛隊)が設置されている。
サンドスター大噴出後のセルリアン大量発生時に組織され、諸外国(アメリカ合衆国の州兵やノルウェー郷土防衛隊、
スウェーデン郷土防衛隊、デンマーク郷土防衛隊等)の例にならい、国土防衛を目的に県ごとに編成され、
正規軍(自衛隊)を補助し、編成元の県を防衛する。平時は県の権限のもとに置かれ、有事には防衛省に管轄が移る
(のだが、どこで線引きが行われるかでよくトラブルになる)。

当初、郷土防衛隊の伝統が絶えて久しかった日本では地方在住の自衛官OB・OG中心に消防団をモデルに組織された。
人類衰退期にフィリピンに布かれた東アジア絶対防衛圏に赴いた自衛隊が、米軍・フィリピン軍と一緒に玉砕して
しまったため、その立て直しまで国防の要を担ったこともある。

人類陣営が優勢になった世界再建戦争後期には、国外に派兵された自衛隊の『留守』を守り、
主に中型以下の『はぐれセルリアン』に対処していた。

戦後は、規模を縮小しつつ、はぐれセルリアン、テロ、災害対策、治安維持活動等に取り組んでいる。
一般市民から見たら『少し訓練がきつく、たまに火器も使う大きな消防団』に近いイメージだろうか。
奨学金の減免目的や就職活動時の社会貢献アピールも考えて大学生の隊員も少なくない。

愛国郷土防衛隊はフルタイム勤務の『専職県兵』と消防団や予備自衛官のように必要時に召集され、
平時は学業や他の職業についている『予備県兵』から組織されている。

重機関銃や軍用ヘリコプター、海あり県では高速巡視艇を保有し、それなりに重装備である。

男1「ほら、これ。連絡先。しゃんとしてこい!!」

男2「…」

心理士「それで、当院にいらっしゃったわけですね」

男1「はい…」

心理士「どうかお気持ちを楽に」

男1「最初は…。私はアライさんのこと好きでした。かばんさんやサーバルちゃんほどではありませんが…。
人類の恩人で、ジャパリパークのお調子者。空回りしたり、明後日の方向に人の言うことを聞かず走ったり、
勘違いして人に迷惑をかけて、結構、うざかったりしますが…」

心理士「『ジャパリパークのアライさん』のイメージですね。『けものフレンズ』、私も子供のころから大好きで
した」

この時代の日本では、かばんさん一行の『前日譚』として、アニメ『けものフレンズ』が作成され、サザエさんや
ドラえもんのような国民的アニメになっている。

男1「でも、大きくなって、アライグマやアライさんの生態や被害を知って。嫌悪感や恐怖感、危機感を強く感じる
ようになったんです。このままじゃ、あの異物に日本が滅茶苦茶にされてしまう。この列島からアライさんを抹殺し
ないと。そう、思うようになったら子供のころのように『けものフレンズ』も楽しめなくなってしまって」

男1はうっうっとしゃくり上げながら泣き出す。

男1「『けものフレンズ』だけじゃありません。アライグマやアライさんがモチーフの作品やキャラクターを見るた
びに『何でラスカルであんなことになったのに世間の人は学ばないのか』『せめて、タバコやお酒のように注意書
きぐらい表示するのが当然じゃないか』と」

男1「どうしようもない憤りを解消するために、アラ虐の絵や動画・写真、ネット記事を読み漁りました。
罠にアライさんがかかったことが分かった時も最初はノリノリで痛めつけるつもりだったんです。それなのに…」

男1「あんなに人間そっくりだったなんて、うぅぅ…。アライさんて言うのはもっと、害獣ぽくって、ガイジで、
うざったくて、見ているだけで加虐心を煽るそういう存在でしょうぅ…。あんなハエガイジを痛めつけただけで
何でこんなに心が痛むんですか?」

うぅぅ…。うわぁーん。

男1はいい加減にせいよ、と思うぐらい泣き出す。ウジウジキャラが嫌いな昨今のアニメ視聴者ならブッチ切れる
ところだ。

心理士「それは、あなたが正常な心の優しい方だからです。
いくら、人に害をなすとは言え、命を、特に人間に近い哺乳類を痛めつけて心が痛まないのは、それはそれでどう
かと思います。

アライさんは耳と尻尾と気持ち悪い釣り目と醜い下膨れの頬っぺたを除けば、人間の少女とそっくり。まして、
現代人はフレンズとの共生に慣れています。仕方のないことです」

心理士「今回、男1さんは…少し法律ギリギリではありましたが、トータルで見れば良いことをしました」

男1「良いこと…」

心理士「そうです。農家の方やその家畜、在来生物、一般の方々の安全や財産を守ったのです。とても良いことです。みんな分かって下さいます」

男1「取調室アライさんは…」

心理士「取調室アライさんも天国できっと、分かってくれます。あれは生き物の営み、仕方がないことだったのだと。
だから、今日、当院を出たらチェンジ、気持ちをチェンジ、切り替えて、まずは、今日やるべきことに集中しましょう。

今日の今後のご予定は?」

男1「帰って晩御飯を食べます」

心理士「おいしいご飯がいただけるとよろしいですね。どうでしょう?普段より一品多く召し上がっては?」

男1「…そうします」

心理士「では、少し待っていただき、院長先生の診察を受けたら、隣の薬局から、お薬を受け取ってください。
お薬の必要が有ると先生が言えばですが」

男1「はい」

心理士「どうか、帰り道はお気を付けください」

「『アライさんがかわいそうなのだー』」ボコォ

男1「うん?」

薬局に寄った帰り道、男1は奇妙な光景を見かける。

アライちゃんが3人の小学生に嬲られている。アライちゃんにとっては運が悪いことにつかまってしまったようだ。

フサフサ(ゴワゴワ)の尻尾を釘で板に打ち付けられて、逆さ吊りにされ、バットで代わる代わるフルスイングされ
ている。

男1「(少し小さめな猫やウサギほどはある生き物を、ああも無情に扱えるものなのか)」

男1はそんな気持ちになり、また自己嫌悪の気持ちに囚われる。

男1「(ある意味、子供は大人以上に残酷だ。それとも、俺ら大人の振る舞いを子供が映しているのか)」

その辺の小学生1「『このまん丸はアライさんが見つけたのだ。アライさんのものなのだ』」ボコォォ!!ブチチィ!

体が3人の中で一番大きな小学生の渾身のホームランバッティングでアライちゃんは尻尾とサヨナラする。

ドサッ。グチャ。

アライちゃん「おかーしゃん…」ゴフゥゼェハァ

アライちゃんはボコボコに腫れあがった顔の中で片目を開き、声にならない声で助けを呼ぶ。

片目はとうに潰れてしまった。肋骨も何本無事なのか。骨盤は。いくらアライさんに自己回復スキルがあるとは言え
、そのベキベキに折れた手足は完治することはありうるのか。

アライちゃんはそんなことは知らないし、考えもしない。ただ、この一瞬を生きるためにへし折れた手足をばたつかせ
、片側がつぶれた肺に精一杯息を吸い込み、口から血を吹き溢しながら母アライさんを呼ぶ。

アライちゃん「おかーしゃん…おがーじゃん…!」ゴフゥピクピクバタバタ

その辺の小学生2「『こんな巨悪を許しては人類の危機なのだ』」グワァ

ガシィ!!

男1はその辺の小学生2がバットを振り上げた腕を掴んで止める。

小学生2「え…。お兄さん誰?」

近所のおじさん「お前ら!何やっとるんじゃ!!」

男1に知らされた近所のおじさんが大声を上げる。

近所のおじさん「悪ガキども!生き物を無駄に苦しめるたぁ!!窮鼠猫を噛むちゅう言葉を知らんのか!

アライちゃんだって牙がある!生きたいちゅう思いも。指食いちぎられるまでわからんのか!

母アライさんが飛びついてきたら、お前らどうするつもりだったんじゃ!!!」

その辺の小学生1~3「うわぁー!逃げろー!」

近所のおじさん「学校に言いつけるぞー!!」

その辺の小学生が逃げると男1はアライちゃんのそばによる。

アライちゃん「…」ゴフゥゴフゥピクピク

さっき連絡した保健所は、とても間に合いそうにない。

男1「末期の苦しみです。どうか、バケツに水をいただけますか。どんな害獣でも、もう十分でしょう」

近所のおじさん「ああ…」

近所のおじさんは急いでバケツに水を汲んでくる。

近所のおじさん「俺は駆除の免許ないんだが…」

男1「私はあります。今、楽にします」

アライちゃん「…生きちゃいのりゃ…」ゴフゥゴフゥ

男1は黙って、一息にアライちゃんをバケツの奥底に押し沈める。抵抗はほとんどなかった。



一旦、ここまでとさせていただきます。

乙です
[たぬき]やサザエさんまだやってるんか・・・

>>601
むしろ中途半端に古い物しか残ってないのかもしれない
文化の断絶は恐ろしい


素敵なチビアラ虐です

心療内科にかかったのは男1?
男2じやなくて?

アライちゃんのアホさ加減にホッとした

他のフレンズ達は頬っぺた下膨れじゃないのか
吉崎イラストベースなのかな?

>>アライさんは耳と尻尾と気持ち悪い釣り目と醜い下膨れの頬っぺたを除けば

気色の悪い髪の色も追加で

>>580
生まれただけで罪とか人間と一緒だなw

>>607
うざったい語尾と不気味な色合いの毛皮も

>>608みたいな危険思想を持ったアラ信は無視な

>>608
そんなに罪だと思うならお前が率先して罰せられろ
お前だけアライさん共と同じ末路をたどれ

ほかの場所ならともかくこのスレッドの中で
こういう内容の書き込みは個人的に違和感を覚える

確かに>>608に関しては違和感を覚えるな
というか違和感どころじゃないし他の場所でも許される言動じゃない。今生きてる人間に失礼だ。アライさん共と同じく害獣として扱われろ

まあ外野が何を書いたところで
スレ主の表現したいことがあるでしょうから

>>610 >>611
あのですね…
地球上で1番信じられている考えの中に人は生まれながらに罪を背負って生きているという考えがあるんですよ(解釈によるけどね)
あと思考停止でアライさん叩きたいだけの奴を軽く笑ったら思考停止アラ信は笑うアラ虐スレにアラ信なんていねーよ荒らしは居るけど

>>615
そういう考えがあるんですよ!(人任せ
そのような危険な思想を押し付けないでください^^;

つまり>>608は荒らしでそれにレスしたのは釣られたバカってことだなw
あと>>615は多分原罪のこと言ってるんだろうけど宗教知識をいきなり言われても分からない人が多いのは日本では当然だし、書いてあるけど原罪の解釈も分かれるからなぁ

それで言われてる罪とここで言われてる罪はベクトルが違うし……
それならアライさんは生まれながらに背負う罪と生きたいと思う罪で二重に罪を背負った大罪人だなww

>>616
押し付けてないですよ~ちゃんと文読んで^^;
みたいだなw(煽り)
あるんですよ(紹介)
人任せもなにも宗教ってそんなもんだし…信じる信じないは自由だけどその考えを否定することは出来ないのでは?

それはわざわざこのスレで言う必要が有るのだろうか?ボブは訝しんだ。

なんだただの宗教()の話か

ゴミガイジは宗教無しに産まれるだけで罪なんだよなぁ

そもそも>>620が要らないですね^^;鏡が見れないのかな?
大体本流から逸脱すると感じた程過激なレスを見たからちょっと煽ったら噛み付いてきたから解説しただけであってアラ信扱いなんてされなかったら説明なんてしてないですよ^^

>>あと思考停止でアライさん叩きたいだけの奴を軽く笑ったら思考停止アラ信は笑うアラ虐スレにアラ信なんていねーよ荒らしは居るけど
これって「自分は荒らしです」って言ってるのと同じだよな……アホの極みか

アラ信でもアラ虐でもなんでもいい、これだけ言わせろ


sageろ糞が>>1が書きに来てくれたかと思ったじゃねーか!!

>>623
お、よく読解できまちたね~^^そう書いたんでちゅよ~
アホの極みか(キリッ
凄いですね

はいはいもう皆アホでいいよ
荒らしに構うなよアホ

sage入れてない時点で気付けば良かった……。本当に申し訳ないです

主の息子たるイエス様が全部背負って処刑され、そして復活なすったので人の子は原罪から解き放たれてるんやで(ヘブル人への手紙)

続きを書き込みます

604さんのご指摘がありましたように心療内科に今回行ったのは「男2」です。

心療内科~アライちゃん小学生リンチまでは男2の出番なのでどうか脳内補完をよろしくお願いします。

「ファンを自称しているのに遅い」と怒られてしまうかもしれませんが、グレープ君の訃報を今日知りました。『けものフレンズ』とグレープ君のおかげでフンボルトペンギンに興味を持つことができたことを思い出します。

この場をお借りすることが適切なのか分かりませんが、取り急ぎお悔やみを申し上げます。

廃屋アライさん「アライさんが人間と戦わなければいけなくなった時、一番の武器は何だと思うのだ?」

廃屋アライさんは6匹の廃屋アライちゃん達を巣から、少し離れた場所に集めて問う。

廃屋アライちゃん1「するどいつめときばなのりゃ」コスリコスリ

廃屋アライちゃん2「あらいしゃんはきのぼりがじょうじゅなのりゃ」コスリコスリ

廃屋アライちゃん3「あらいしゃんにはたんたいかいふくすきる?がありゅのりゃ」コスリコスリ

廃屋子アライグマ♂1「キー。キー」モゾモゾ

廃屋子アライグマ♂2「クー。クー」モゾモゾ

廃屋子アライグマ♂3「???」モゾモゾ

バチン!バチン!バチン!バチン!バチン!バチン!

廃屋アライさんは6匹の頬をぶつ。

廃屋アライちゃん1「いたいのりゃー」ビェェェーン!

廃屋アライちゃん2「ひどいのりゃー」ビェェェーン!

廃屋アライちゃん3「でぃぶいなのりゃー。ぎゃくたいなのりゃー」ビェェェーン!

廃屋子アライグマ♂1~3「クゥーン。クゥーン」ジタバタ!

廃屋アライさん「はい。チビ達は今、全員死んだのだ。お母さんは頭の悪い子はいらないのだ」フン!

母親である廃屋アライさんの『死んだ』『いらない』宣言にいつもは陽気な廃屋アライちゃん達もさすがに顔の色
を変える。

廃屋アライちゃん1「ごめんなさいなのりゃー」ビェェェーン! ビェェェーン!

廃屋アライちゃん2「ゆるしてほしいのりゃー」ビェェェーン! ビェェェーン!

廃屋アライちゃん3「ごべんなざいなのりゃー。みすてないでほしいのりゃー。」ビェェェーン!ビェェェーン!

廃屋子アライグマ♂1~3「クゥーン。クゥーン。クゥーン」シュン

廃屋アライさんはアライちゃん達の顔を見渡し、頃合いを見計らいながら口を開く。

廃屋アライさん「よく考えるのだ。チビ達。そして学ぶのだ、巣立ちの日まで」

廃屋アライさん「鋭い爪や牙?人間はもっと鋭い刃物も…武器もいっぱい持ってるのだ。

一般人ならナイフや日本刀や鉄砲。自衛隊や県兵は飛行機や戦車やお船。

お母さんのお母さんのお母さんお母さんたちはそういうものをいっぱい見てきたのだ」

廃屋アライさん「木登りがどうかしたのだ?へりこぷたーより高くのぼれるのか?みさいるよりは?

体がバラバラになったら単体回復スキルなんて意味ないのだ」

廃屋アライちゃん1「グスン。グシュン。じえいたい?けんぺい?ってなんなのりゃ?」コスリコスリ

廃屋アライさん「人間の群れの中にある、より小さくて、強い群れなのだ。

他の群れの仲間を守り、敵を排除する『ハンター』の役割をしてるのだ」

廃屋アライちゃん2「みさいるってなんなのりゃ?」コスリコスリ

廃屋アライさん「軍隊が持つ大きな鉄砲で…。

その弾は普通の鉄砲より、ずっと遠くまで、いくつも山を越え川を越え、相手の動きに合わせて動き回りながら
飛んで来るのだ」

廃屋アライさん「アライさんは直接見てはないけれど…、お母さんのお母さんのお母さん達はそれが、

こーんな大きなセルリアンをやっつけるところを見たのだ」バガーン

廃屋アライさんは両手で『こーんな』を、声で爆発音を表現する。

廃屋アライちゃん3「ピィィー!!そんなんじゃかなわないのりゃ!あらいしゃんのききなのりゃ。

みなごろしにしゃれるのりゃ!!!」ビクビクビクビク

廃屋アライさん「今更何を言っているのだ?アライさん達はとうの昔から人間の根絶やしの対象なのだ」フン!

廃屋アライさんは蔑んだ目でこの場にいない何者かに吐き捨てるように言う。

廃屋アライさん「あの人間の臭いがプンプンするアライさんモドキを除いて皆…。

チビ達もたとえアライさんでも、フレンズでも人間の臭いがする奴らに近寄っちゃダメなのだ。

アライさん達は元々、己のみを頼りに生き抜く習性なのだ!」エッヘン

廃屋アライちゃん3「そりぇで、じえーたいやけんぺーはどうするのりゃ?」

廃屋アライさん「あいつ等への対処の仕方はお母さんのお母さんのお母さん達が編み出しているから心配し過ぎなく
ても良いのだ。その時になったら伝えるのだ」

廃屋アライさん「(山を移るのと、『降りる』のと今回はどっちがいいのだ?
奴らは今回どこまでやるつもりなのだ?チビ達の乳離れまで出来れば来ないでほしいのだけど)」

廃屋アライさん「話を戻すのだ。チビ達、アライさんが人間に近づかれたとき一番の武器は見た目なのだ」

廃屋アライちゃん1「みため?」コスリコスリ

廃屋アライさん「アライさんはなぁ、人間から見ると可愛いのだ」

廃屋アライちゃん1『とうぜんなのりゃー!』コスコスシッポフリフリ

廃屋アライちゃん2『あいどりゅなのりゃー!』コスコスシッポフリフリ

廃屋アライちゃん3『しゃんごくいちなのりゃー!』シッポフリフリシッポフリフリ

廃屋子アライグマ♂1「キー。キー!」モゾモゾ

廃屋子アライグマ♂2「クー。クー!」モゾモゾ

廃屋子アライグマ♂3「クゥゥーン!クゥゥーン!」モゾモゾ

バチン!バチン!バチン!バチン!バチン!バチン!

廃屋アライさん「チビ達…。今日一日で、何回死ねば気が済むのだ!!!」イラッ

廃屋アライちゃん1「だって…。おかーしゃんがいったのりゃ…」グスングスン

廃屋アライさんは、廃屋アライちゃん1の抗議を無視して話を続ける。

廃屋アライさん「いいかー。よく聞くのだ。まず、人間は自分達と同じ人間…によく似た生き物を殺すことをとても
嫌うのだ。

人間は絆が強いけものなのだ。同族を傷つけることを時に自分が傷つけられるより嫌うのだ」

廃屋アライさん「その人間の中でも、メスや子供。特に赤ん坊はとっても大事な守るべき相手。

逆にそれを傷つけたり、殺したりするなんて覚悟を決めた人間でもとっても難しいのだ」

廃屋アライちゃん2「そんなことがわかりゅのか?」ナノリャ

廃屋アライさん「分かるのだ。奴らが自分や他人の赤ん坊や子供、
子犬や子猫のそばにいるときの表情は見ものなのだ」

廃屋アライさん「そして、ここが肝心なのだ。アライさんは人間のメスの子供にそっくりなのだ。
特に人間が『守りたい』『可愛がりたい』そう思う赤ちゃんの顔そっくりなのだ」

この話のアライさんが
産んだオスのアライグマって
アライちゃん並の知能がある?

心理学で『ベビースキーマ(ベビーシェマ)』と呼ばれる身体的特徴。
動物行動学者コンラート=ローレンツは,ヒトだけでなくイヌやトリなど多くの生物に共通する赤ちゃんの形態的・
行動的特徴を調べた。

その特徴とは、「体に対する頭の大きさの割合が大きい、顔より頭蓋のほうが大きい(大きい額)、目が大きく丸く
て顔の中の低い位置にある、鼻と口が小さく頬がふくらんでいる。体がふっくらして手足が短くずんぐりしている、
動作がぎこちない」というものである。

このような『ベビースキーマ(ベビーシェマ)』と呼ばれる特徴が周囲に「赤ちゃんらしい」というメッセージを
送り、鳥類・哺乳類の成体個体に『弱いものは守らなければ』という気持ちを自動的に抱く仕組みが出来ていると
説明されている(「生得的触発機構」)。

全部の条件がアライさんに当てはまる、という訳ではないが(特にその醜く吊り上がった目)、確かにアライさんは
人間の幼児的特徴を多く備えている。

その自分勝手でわがまま(と人間には映る)な性格を含めて。

廃屋アライさん「アライさんが人間に見つかり、逃げることも隠れることも間に合わず相手のほうが強そうなとき
、選ぶべきは『全力の命乞い』と『可愛いアピール』なのだ」

廃屋アライちゃん1「いのちごいなんてみっともないのりゃ」イヤイヤイヤイヤ

バンッ!!

廃屋アライさんは、先ほどよりも強い力で廃屋アライちゃん1を張り倒す。

廃屋アライちゃん1「いたいのりゃぁぁぁ」ビェェェェェーン!ビェェェェェーン!

廃屋アライさん「そうなのだ。そういう風に人間が来たら全力で泣き叫ぶのだ。
巣立ち前に一丁前な口を利く前に!」

廃屋アライさんは拾った木の枝を『ライフル』に見立て、自分の子供らに突き付けながら叫ぶ。

廃屋アライさん「『この害獣め!!毎晩、田畑を荒らしやがって!今日が年貢の納め時だ』」

『ライフル』を突き付けられたアライちゃん達は必至の命乞いをする。

廃屋アライちゃん1「ごめんなさいなのりゃー!たすけてほちいのりゃー」ビェェェェェーン!ビェェェェェーン!

廃屋アライちゃん2「もうにどとしないのりゃ。おかーしゃんにもきょーだいにもやっちゃだめっていうのりゃ。
だから、たすけてほしいのりゃー」ビェェェェェーン!ビェェェェェーン!

廃屋アライちゃん3「おねがいなのりゃー。たしゅけ」

廃屋アライさん「『バン!』ワンパターン過ぎなのだ。はい。今チビは死亡」

廃屋アライちゃん3「ゆるしてー。おかーしゃん、ゆるしてほしいのりゃー」ビェェェェェーン!ビェェェェェーン!

廃屋アライさん「一度で覚えるのだ。『アライさんはお野菜盗んでなんかいないのだ。どんなにお腹が空いても、
お姉さんが動かなくなって冷たくなっても、ずっと我慢してきたのだ』」

廃屋アライちゃん3「そうだったのりゃ?」

廃屋アライさん「嘘に決まってるのだ!無駄口を叩かず頑張って泣き叫ぶのだ」

廃屋アライちゃん3は廃屋アライさんが構える『銃口』に向かって叫ぶ。

廃屋アライちゃん3「あらいしゃんはおやさいぬしゅんでなんかいないのりゃ。どんなにおなかがしゅいても、
おねーしゃんがうごかなくなってちゅめたくなっても、ずっとがまんしてきたのりゃー」ビェェェェェーン!ビェェェェェーン!

廃屋アライさんは、『銃口』を子アライグマ♂達にも向けて怒鳴る。

廃屋アライさん「チビ達も!人間語はしゃべれなくても、表情と仕草はできるのだ!!」

廃屋子アライグマ♂1「キクゥゥーン!クゥゥーン!」ウルウル

廃屋子アライグマ♂2「クゥゥーン!クゥゥーン!」ウルウル

廃屋子アライグマ♂3「クゥゥーン!クゥゥーン!」ウルウル

廃屋アライさん「よし!」

廃屋アライさん「チビ達。人間が聞いたらギクッとなる必殺の言葉を教えるからバカ暗記するのだ。

『うっ…グスン。知らない国に連れていかれ、最初は可愛がってくれたのに大きくなったら捨てられたのだ。

お外は食べ物がある素敵な場所でチビ達もお友達もいっぱいになってとっても幸せだったのだ。

なのに…、ある日から突然、皆が人間に連れていかれて帰ってこなくなったのだ…。グスン…ヒック。

アライさんは本当は嫌われ者だったのだ。人間から、のけものにされてたのだぁ~。うぅ…フェネック~』」

ハエガイジUZEEE!!!

野生のアライさんが知るよしもないフェネック~とか言い出したら疑われると思うんじゃが・・・

廃屋アライちゃん1「へねっくなんなのりゃ?」コスリコスリ

廃屋アライさん「耳が大きくて体が小さい砂漠に住んでる狐らしいのだ。
人間はフェネックのフレンズとアライさんが友達で、アライさんが、四六時中「ふぇねっく、ふぇねっく」言って
て、たまに交尾してると信じてるのだ」

廃屋アライちゃん2「がいじなのりゃ。あらいしゃんがこうびすりゅのはあらいぐまだけなのりゃ」コスリコスリ

廃屋アライちゃん3「おかーしゃんはへねっくとともだちなのりゃ?」

廃屋アライさん「一度だけ会ったことがあるのだ…」

廃屋アライさん「フェネックは巣穴を掘るらしいから、もし、会ったら巣穴を掘り終わるまで待つのだ。
その後は、そいつはアライさんのおやつなのだ」

廃屋アライさん「覚えておくのだ。アライさんは巣立ち前のチビを除き、身一つで生きるけもの。『友達』という
ものはないのだ」

それはお前の先祖や仲間であってお前では無いだろ……

この台詞の元ネタも結構界隈では知られてる気がするな

廃屋アライさんは、そういうが早いかまた、『ライフル』を構える。

廃屋アライさん「『害獣ども。貴様らは生きてることが罪なんだよー!!』」

廃屋アライちゃん1「?」

バチン!!!

廃屋アライちゃん1が張り倒される。

廃屋アライさん「『死亡』!何で逃げないのだ!!」

ビェェェェェーン!ビェェェェェーン! 廃屋アライちゃん1は巣に向かって高速ヨチヨチ歩きを始める。

一拍遅れて、他のアライちゃん達も。

フェネックに手出したら許さねえぞクソガイジさん

廃屋アライさん「フン!」

ビターン!ビターン!

廃屋アライさんは、廃屋アライちゃん2と廃屋アライちゃん3の背中を踏みつける。

廃屋アライちゃん2「へねっく!!へねっく!!あらいしゃんはおやさいぬすんでなんかいないのりゃ!
ほんとなのりゃ!ざりがにだけたべて、ずっとがまんしてたのりゃ」ビェェェェェーン!ビェェェェェーン!

廃屋アライちゃん3「しらないくににちゅれてかれて…すてられ、ころしゃれ…。
あらいしゃんがかわいそうなのりゃー。ほんとになにもしてないのりゃ。

もうにどとひとざとにもおりないのりゃ。だから、いのちだけはたしゅけてほちいのりゃー」ビェェェェェーン!ビェェェェェーン!

動物のフェネックや
子供のフレンズなら捕食対象だよな
小さいし

すると、

廃屋アライさん「『うっ…。でも、俺にも生活が…。アライさんは、害獣で…』」

廃屋アライちゃん2「?」

バチン!!

廃屋アライさんは、廃屋アライちゃん2を張り倒す。一体今日で何度目なのだろう。

廃屋アライさん「せっかく『人間』に隙を作ったのに!何で逃げないのだ!」

廃屋アライちゃん2「ヒィィィー」ヨチヨチヨチヨチ

何て言うか熊から逃げるまではまだ頑張ってくれと少しくらいは思ってたけど今回で全て消えさった感があるなぁ……
他人の物を盗んで媚びて嘘ついて……何が身一つで生きるだよ

ガブッ!

廃屋アライさん「!?」

廃屋アライさんが驚いて、『ライフル』を持ったままにしていた右腕を見る。

廃屋アライちゃん3が右手人差し指に…ちょうど引き金を引く指に噛みついている。

廃屋アライさん「良い判断なのだ。でも次は…」

バン、と廃屋アライちゃん3が地面に打ち付けられる。

廃屋アライさん「ちゃんと食い千切るのだ」

廃屋アライさんは、廃屋アライちゃん3が巣に向かってヨチヨチ歩きを再開するのを見守って自分も巣に向かい一歩を踏み出した。

なんでだろう?
必死に頑張ってるのはわかるけど生き延びて欲しいとは思えない...

残念ながら廃屋アライさんの情報はこの世界ではちと古い
ネットが復旧し「アラ虐」なる物が流行っているのですもの...

そして人間の最も恐ろしいのは兵器もだがそれを操る心。「野生」には存在しない底なしの悪意と共通の敵を発見した際の根拠のない憎悪、そして例え火のない所からでも燃え上がらせる怒りだ

>>662
かっこいー

ちょいと賢すぎるな
死ぬ時はこの賢さが仇になるんだろうなぁ

絶滅させないとやばいわ

>>662
ただ、ここのssの人間はアライさん駆除に対して甘いというか慣れてない感じがするから通用しそう

廃屋アライさんからしてみれば、
台詞は油断させる方法で、油断したすきに逃げろという教えなんだな

捕まえたアライさんの口を割らせることが出来る方法があれば良いんだけど

自白剤とか効かないのかね?

現状直近の脅威へは無力だよね
人間相手でも即死が施設送りになるぐらいか

娯楽としてのアラ虐する人間には効果なさそうだよな
この作品にいるか知らんけど

今日の書き込みは以上になります。

途中でご質問がありましたが、一応、「アライさんから生まれたアライグマ♂は普通のアライグマ(多少サンドスターの影響があるかも?)という設定です。ただ、アライさんは、元種の「アライグマ語(そんなもんあるか?)がわかります。

アライさんはうざくて、困ったやつでなんぼ、と自分では思っています。勿論、人間目線で。

アライグマ(アライさんのモデル)が在来種と比べて、生物として『強くて』『賢くて』、人間の生活を脅かす『脅威』で、なんとかしなきゃ、と言うのが多分、自分がアライさんSSにハマった切欠だったので、そこは今後も一貫できればと思います。

乙です

質問なんですが
廃屋アライさんがフェネックに会ったような話をしていましたがそのフェネックは人間に捨てられて野生になったフェネックということなのでしょうか?

乙。廃屋アライさんかなり強そうだな。

乙でしゅ
思った以上に厄介なアライさんですね。これは中ボス、最悪ラスボスになるかな?

乙です
ジャパリパークのアライさんをもどき呼ばわりする癖にフェネックの名前出した挙句おやつ扱いとかぐうの音も出ない畜生だ
分かりきってたことだが

>>666
そりゃ最初は通用するだろうよ
しかし廃屋ゴミが持っている情報は古い上「親から聞いた」情報なんだな。記憶が正しければこのSSではこの廃屋害獣は賢さ故に人間に接触していない
廃屋ガイジが糞を漏らしている間にも同じ様な方法で逃げ出した個体の情報がアラ虐サイトに流れているかもしれないからこの廃屋ハエガイジ(とその子供が)人間に遭遇した時が楽しみだぜ!

もう、最初からだけど廃屋アライさんがゴミガイジすぎる
人間が恐ろしいとわかってるのになぜ共存しようとしないのか

人間とほぼ同じことをできる体も知能もあるというのに……。いや知能は無いか!!

役所仕事で情報を集めてるだろうし生け捕りにされた個体に対して保健所や病院で処理や処分される前に生態調査されてるだろうから
アライさん対策の教習ビデオとか作られてそう命乞いテンプレ集みたいな

人間と共存しようとしたら社会のルールに縛られて息苦しくなるのだ…

自衛隊さんの対策まであるというみたいだから、かなり厄介だな。

>>680
なら駆除しか道は無い
息苦しいと思うのはアライさんがゴミクズ思考しかできないからだ

>>682
ヒトしゃんだってお仕事したくないし税金だって払いたくないのに
アライしゃんにそれを押し付けてくるのだ…嫌なのだ…

>>683
押し付けないけど、やらないと安全な暮らしはできないよ^^

人間が多くいる世界で害獣扱いのアライさんが生きるには心身ともに媚びへつらうしか道はないんじゃないかな
それが無理なら人の手の届かない秘境の世界へと追いやられるしか生き残れるすべはないでしょうよ

そこまで頭がまわるなら共存すれば楽だと思うが
そこでそうそう融和しないのがリアルアライさん感があっていいとも思うのだ

この世界のアライさんをどうするかという、重要な話の結論みたいな部分を
どうして話に委ねないうちに レスで決めつけてしまう人が多いのか

どうして決めつけていると決めつけてしまうのか(以下無限ループ)

>>688
同レベルだって言う話にしたいのなら受け付けない

>>678
なんで駆除されようとしてるのに共存できると思うの?今すぐ身一つで北朝鮮行って和平交渉するくらい突飛な考えだな

いや出会ったら即銃で撃たれるかもしれないのに共存とか出来るわけないだろ…

なぜにsageしないんですかねぇ?

???「ひとしゃん!アライシャンをいじめないで!ウルウル・・・」チラッ

>>693
(首の骨を折る音)

獲物を前に舌なめずりをするのは三流。
決め台詞の類いは死体に向かってやるべきだと思う。
アライさんの事は殺してから考えれば十分でしょう。

書き溜めれたぶん、続きを書き込みます。

話に動きが少なくて申し訳ありません。

ジャパリパークのフェネックの子孫A「アライさーん。出ておいでよー」

廃屋アライちゃん達の訓練を終え、餌探しまで、微睡んでいた廃屋アライさんは夢の中で昔の―まだ自分が巣立って
間もない頃の記憶を思い出す。

自分の巣立ちは急だった。お姉さんや妹が次々と罠や独餌でやられ、最後はお母さんが鉄砲で撃たれたのだ。

まだ、アライしゃんと呼ばれる頃に最後に残った一匹の妹と餌を求めてさ迷い―あの声を聴いたのだ。

ジャパリパークのフェネックの子孫A(以下、フェネックA)「アライさーん。出ておいでー。

一緒に人間や他のフレンズと一緒に友達になろーよ。一緒に来れば、美味しい物たくさんあるよー」

廃屋アライさんの妹アライしゃん(以下、妹アライしゃん)「おねーしゃん!美味しい物たくさん有るって言って
るのら!」ヒソ

廃屋アライさん(当時)「嘘なのら!騙されてはいけないのら。アイツは巨悪の手先なのら!」ヒソ

フェネックのやや後方にいる人間たちがメガホンで声をかける。

人間たち「アライさん達。心配せずに出てきてください。我々は『アライさん保護実施隊』のものです。
命を取るような真似は決してしません。共に『フレンズ共生社会の群れの仲間として…』」

フェネックA「しー!!アライさんがかえって怖がっちゃうよ!」シー

フェネックAは、後ろの人間たちの方を振り向き注意する。

???「フェネック!珍しく手間取ってるのだ。ここはアライさんの出番なのだ」エッヘン

何者かが後ろの人間の列からフェネックAの元に進み出る。

妹アライしゃん「あっ…。アライさんなのだ」

それは、ジャパリパークのアライさんの子孫A(以下、子孫アライA)であった。

いくら、『ジャパリパークのアライさんの子孫』といえども普段は施設外には出ない。
ただ、この時は『アライさん保護実施隊』のシンボル的な意味もあり、首輪をはめて連れ出されていたのだ。

子孫アライAの首輪から延びるリードは人間に握られている。

フェネックA「アライさーん。だいじょーぶ?」

フェネックAは、少し心配そうだ。

子孫アライA「だいじょーぶなのだ。アライさんはなぁ、この隊のめいよたいちょうなんだぞ!!一番偉いのだ。

アライさんはその辺ばっちりなのだ」

妹アライしゃん「おねーしゃん。あのアライしゃんがボスだって言ってるのら!」ヒソ

廃屋アライさん(当時)「嘘なのら。お前、あの首輪とリードが見えないのら?」ヒソ

子孫アライA「お前たち!そこの茂みに隠れてるのはわかってるのだ」

子孫アライA「野良アライさんはなぁ。害獣なんだぞ。日本の根滅対象なのだ。根滅ってわかるのだ?

皆殺しってことなのだ!」

妹アライしゃん「ヒィ…」ヒソ

廃屋アライさん(当時)「何を今更言ってるのら」ヒソ

>>690
sageろ頭アライさんかよ

フェネックA「ちょっと…アライさん…」グイグイ

フェネックAは心配そうに子孫アライAの『毛皮』を引っ張るが、子孫アライAはお構いなしに話し続ける。

明後日の方向に行き過ぎだ。

子孫アライA「だが、お前たちは運がいいのだ。今出てきたら、きょせいしゅじゅつ?アライさんは受けたことない
からよく分からないのだけど…。チクッとするやつを我慢すれば施設に行けるのだ」

子孫アライA「施設ではなぁ。人間がみんな優しくしてくれるのだ。

美味しいものをたくさん食べて、皆群れの仲間、友達になれるのだ!」

フェネックA「はぁー」

フェネックAはため息をつく。

廃屋アライさん(当時)「はあー」

廃屋アライさん(当時)もため息をつく。

しかし

妹アライしゃん「美味しいものたくさん欲しいのら」ダッ!

妹アライしゃんがその言葉を聞いて飛び出そうとする。廃屋アライさん(当時)はそれを慌てて押さえつける。

廃屋アライさん(当時)「お前はどんなけアホなのら!いもーとじゃなかったら、頭をカチ割って脳みそ吸い出すと
ころなのら!」ヒソ

妹アライしゃん「もう、3日も食べてないのら。アライしゃん達はどうせこのままじゃ餓死なのりゃ。

なら、大船でも泥船でもここで乗る以外に選択肢はないのりゃ」

子孫アライAはそんな二人のやり取りを耳ざとく聞きつけると、懐から揚げパンを取り出し、それを半分に割る。

そして、その片方を二匹の前で大げさなほど旨そうに食べ始める。

子孫アライA「美味しいのだー。野良暮らしはひもじいのだー。もうお前らはじゅーぶん頑張ったのだ。ここらで、
もういいんじゃないのか?」

そう言って、揚げパンのもう半分を二匹が隠れている茂みのそばに放り投げる。

妹アライしゃん「もう我慢できないのらー!!」ダッ!

妹アライしゃんが廃屋アライさん(当時)を振りほどいて飛び出す。廃屋アライさん(当時)は慌てて妹の尻尾を
掴み引き留めようとするが、

アライさん保護実施隊「確保!!!」

後ろから、人間たちが駆け寄ってくる。手に手に網や麻酔銃を持って。

その中の一丁の麻酔銃が廃屋アライさん(当時)の方向を向く。

フェネックA「待って!!乱暴なやり方はしないって約束だったじゃないかー!!」

その射線にフェネックAが割り込む。

廃屋アライさん(当時)バァッ!!

廃屋アライさん(当時)は妹を諦めると、フェネックの体を盾にするように角度を調整しながら、全力で森の中に
駆け込む。

妹アライしゃん「…おねーしゃん?」ボー

それが、廃屋アライさんの最後の妹との別れの顛末である。

廃屋アライさん、(ゴミガイジの中では)賢いな……。そこがまた腹が立つけど

害獣のくせに去勢したら飯に困らなくなるとか優しい世界だな……

廃屋アライさんが微睡から覚める。

廃屋アライさん「(あれから、アライさんは生き延び、さらに学んだ、去勢手術の本当の意味も)」

廃屋アライさん「(妹は一家の恥さらしなのだ。けものの最も大事な使命を捨て、人間の奴隷に成り下がったのだ)」

廃屋アライさん「(アイツは元からいなかった。『いないもの』なのだ)」

廃屋アライさんはそう気持ちを新たにすると、廃屋アライちゃん3を起こす。

廃屋アライちゃん3「むにゃ…」コスリコスリ

廃屋アライさん「もうすぐ、餌を探しに行くのだ。今日はチビがアライさんと一緒に行く『当番』なのだ」ユサユサ

廃屋アライさん「チビは体が一番小さいけれど…、一番骨があるのだ。今日の訓練も頑張ってたのだ」ペロペロ

そう言って、廃屋アライさんは廃屋アライちゃん3が噛みついた指に出来た歯型を誇らしげに見せる。

廃屋アライさん「まだ少し時間があるのだ。それまで、内緒でチュパチュパするのだ」

そう言って、『毛皮』から小ぶりな乳房を露にすると、廃屋アライさんは我が子を抱き寄せた。

一旦、書き込みは以上になります。

もしためれたら、また、今日、書き込むかもしれません。

面白いんだけど・・・
何か、ちぐはぐな印象を受けるんだよなぁ・・・


おやつにはならなかったか

まぁ、害獣でアホなゴミガイジのくせに少しだけ賢いからちぐはぐだと思っても仕方ない

真剣なサバイバルものかと思いきや
人間にこびる台詞とか子孫アライとのやりとりとかギャグみたいだし
まあいろいろな面があるのは確か

乙。三つ巴になるのかな。山を移るとか降りて人里に紛れ込むとか状況判断を色々的確にするから、、今まで見たアライさんの中でトップクラスの実力としつこさだろうな。

賢くてタフだからアライさんに見えないんだよな
同じ名前の別のキャラだと思って読んでるわ

続きを書き込みます。

ちぐはぐな印象というのはもっともなご指摘です。

自分の心には『困ったアライさん(アライグマ)をSSの中だけでもいいから思う存分、退治したい(アラ虐っぽい気持ち?)』気持ちと

『いや、アライさん(アライグマ)がそんな弱い存在なら、リアルの日本はこんなに困ってないし、アライさんを退治する側のSS内の人間が悪者っぽくなって

しまう』という思いがあり、各瞬間ごとにその気持ちが入れ替わってしまうのでしょう。どうか未熟な構成をお許しいただければ幸いに思います。

コンコンコン。

一人の男ががっしりしたドアをノックしている。

「どうぞ」

県兵幹部将校A「失礼します」

県知事「おう。よく来てくれた。どうか楽に」

入室してきた県兵幹部将校Aと県知事、県知事秘書は知事室で面会する。

県知事秘書「ご足労いただき誠に恐縮です。
議会に諮る前に予め、この度の『蛇張村避難民一時帰宅遂行作戦(仮)の中身を内々に詰めていきたいと…・』

『蛇張村(じゃぱりむら)』とは、これまで『村』とか『旧村』とか『廃村』と当SSで呼んでいた村の正式名である。

村を流れる蛇張川に由来する。蛇張川は村を流れる無数の小川と合流しながら、隣町に向かっている。

かつて、サンドスター大噴出後に全村避難が実施され、その復興に向け無数の人間が尽力していることはこれまで
の当SSの通りである。

県知事「各部の部長とも打ち合わせ済みと思うが、どうかこの辺りで直接、私にその進捗を説明してくれんか?」

県兵幹部将校A「はい。では、早速、こちらをご覧ください」

そう言って、県兵幹部将校Aは秘書が既に用意していたスクリーンを使い、説明を開始する。

県兵幹部将校A「蛇張村は当県北部にあり、最盛期は人口4600人を数えました。

かつては、養蚕が盛んで、それに加え、農業・林業・シイタケなどの菌類栽培・山菜取りなど一次産業が村の中心
産業でした」

県兵幹部将校A「第二次大戦後、当時の村長が中心となって、村民から少しずつお金を出し合い、村を流れる蛇張川
に小型水力発電所を建設。この水力発電所は村民の有志で建設された村の誇りであったそうです。

大戦後は、木材加工場・食品工場など第二次産業が発展しますが、日本の他の中山間地域と同様、過疎化・人口流
出に悩み村の人口は一時、最盛期の3分の一以下1500ほどになったこともあります」

県兵幹部将校A「しかし、危機感を抱いた村民達の『村おこし運動』を開始。

特に首都圏と姉妹提携を結びながら行ったグリーンツーリズムや地元の若者への積極的な就職・定着支援を行いま
した。それが実を結び、『限界集落化』も危惧された村は徐々に持ち直しを見せ始めていきます」

県知事「あの大災害が起こるまでは、か。私もその頃のことはよく覚えている。
村民に同情しているが、今は過ぎた時代の事よりもこれからのことだ」

県兵幹部将校A「はい」

県兵幹部将校Aは、新しいスクリーンを移し始める。それは村の地図を一部線で囲った画像だ。

県知事秘書「その画像は?」

県兵幹部将校A「本作戦達成後の『村民安全居住エリア』を示したものです」

県知事「安全居住エリア?アライさんを例の巨大クマ諸共全滅させるのではないのか?」

県兵幹部将校A「知事。蛇張村は村の面積の3分の2以上が山林地帯です。

山や森の中の窪みや洞、小川の辺、池、獣道、樹の上。その他アライさんがおよそ潜んでいそうなところ全てを

しらみつぶしに調べ、駆除していくには膨大な手間と時間と人員と予算が必要になります」

県兵幹部将校A「しかも、アライさんは動き回ります。

一度、調べた場所が、そのまま『掃除済み』になるわけではないのです。

尾根伝い、森伝い、川や用排水路伝いにアライさんは逃げ回り、また、戻っても来るでしょう」

県知事秘書「…要はアメリカ映画の『ベトナム戦争物』のような状態になってしまうわけですね。
こっちが『米軍役』、アライさんは『ベトコン役』」

県知事秘書が助け舟を出す。県兵幹部将校Aは黙礼するように頷くと言葉を続ける。

県知事「山に潜むアライさんを狩りだすには?」

県兵幹部将校A「一朝一夕には…。駆除業者と地域の行政・住民の地道な取り組み以外に答えは有りません。
県兵を動員して一気にと言うお話になると…。

それこそ地元住民と周辺自治体のご理解の元、大規模な封鎖作戦を行い、他の野生動物・野生フレンズを混獲・混殺
することも覚悟でナパームなども準備し、文字通り『一山を焼き潰す』つもりでないと難しいかと」

県知事秘書「それでは、今回はどのように?」

県兵幹部将校A「私が県からうかがった作戦の目標は『蛇張村に生息する全アライさんの駆除』ではなく、
あくまで『村民の安全な一時帰宅と今後の帰還・再定住の足掛かり造り』です。それに沿ってお話をお伝えします」

県兵幹部将校A「まず、大型スピーカーを装備した装甲車を蛇張村に乗り入れ、『安全エリア予定区域』にアライさんが
嫌がる肉食獣や人間の話声、ラジオ音声、金属を打ち鳴らす音などを流します。およそ2~3日ほどでしょうか」

山を丸々潰して再生、スクラップアンドビルドか
その際に計画的に植林すれば林業にも使えて万々歳かもしれん

県兵幹部将校A「そして、アライさんを可能な限り追い出した後、歩兵隊を投入。
旧集落地帯・住宅密集地帯からアライさん及び場合によってはクマ、イノシシを掃討します。これに2日ほど。

その後、工兵隊が獣害対策用の電気柵を設置し、改めて『安全エリア』の総点検をするのに2日。

計約1週間で作戦を終了する、といったプランを考えています」

県知事秘書「何か、ベルリンの壁のようなお話になってまいりましたね」

県知事「建物や側溝、用水路などに潜むアライさんはどう探す?」

県兵幹部将校A「熱源探知機と災害用小型探索ロボット、ドローン、あとは目視が頼りです」

県知事「う~ん…」

県知事は深々と椅子に座ると目を瞑って思いを巡らす。

県知事「大枠はそれで良いとして…。その電気柵で囲う『安全エリア』。もう少し広くできないか。

帰還後の村民の田畑を囲むぐらいに」

県知事秘書「県兵幹部将校Aさん。どうでしょう?」

県兵幹部将校A「知事。一度に、そんなに広い土地を確保したとしても、結局管理が追いつきません。

一度、土地を確保し、アライさんを駆除したとしても、それはあくまで『更地』と『廃墟』。

どんなに電気柵で囲んでも野生動物は隙をついて侵入してきます。

そこに人々が安定して生活し、土地や家屋の手入れをし続けることが結局、防除の近道なのです」

県兵幹部将校A「村民の帰還や再開拓の進捗に合わせて、電気柵の延長は行えばよろしいのではありませんか?」

県知事「それにしたって、せっかく帰っても耕す畑も田んぼもないんじゃ村民が、がっかりする。

今からなら、スイカやトウモロコシづくりに間に合うかも。

長年耕作放棄地だったわけだから、1年目から大収穫と言うわけにはいかんだろうが」

県兵幹部将校A「知事…」

県知事秘書「いいですね!スイカにトウモロコシ。『となりのトトロ』」

そう、知事に合いの手を入れると県知事秘書は県兵幹部将校Aに向き直る。

県知事秘書「県兵幹部将校Aさん。ご懸念は大変良く分かります。

でも、どうか村民のお気持ちになって考えてみてください。40年故郷を離れ、帰ってみれば家は廃墟。

それどころか半数近くの方がお家を失っています。

隣町を初め、別の土地に移り住み、そちらでご家庭を築き、お仕事をなさっていらっしゃる方がほとんどです」

県知事秘書「それで耕す土地さえないとなれば、それこそ『帰還事業碑』をポツンと村に作って『復興』はお終いになってしまいます。

それは、村民にとっても治山治水といったよりマクロな視点から観ても決してよろしくありません。

最初は、プレハブ通いでもいいから住める『お家』があり、狭くても石を取り除くところから始める必要があっても、『おらが畑』がある。

そうでないと復興は始まりません」

県知事秘書「全農地とは言いませんが、もう少しその『安全エリア』広げてはいただけませんか?」

県知事「私からもどうか頼む」

県知事はそう言って頭を下げ始める。県兵幹部将校Aは慌ててそれを止め、

県兵幹部将校A「どうかその辺で…。自分は命令を受ける側の者なので…。
それが県の意向ならそのようにプランを練り直します」

県知事「良かった。よろしく頼む」

県知事はニッコリ笑う。

県知事「(長年、耕作放棄地だったわけだから初年度の農作物は金にならんだろうな…。
まあいい。帰還者には国と県から帰還事業生活補助金がでるし、出来たものは地産地消で地元の学校給食に出して…。

あとは、『この小さなスイカから、わが県、蛇張村の真の復興が始まるのです』と議会と国民には説明しよう)」

隣町の外れのお婆さん「確かにあれはアライさんだったんだでぇ」

隣町の外れのお婆さんはタヌキ騒動の後もそんなことを言っている。

その旦那さんの隣町の外れのお爺さんは、ほん、ほんと頷く。

隣町の外れのお婆さん「あんたぁ。ほんとに聞いとる?もうすぐイチゴの収穫でしょう?」

そうなのである。この老夫婦のお家は所謂、『自給的農家』。文字通り、お野菜を売って、そのお金で生活をしているわけでは無いものの、
自分たちの食べる分を作り、家族や親戚、ご近所さんに配ったりしている。

それが、ちょっとした老後の生き甲斐でもある。

読者の方のお家やお知り合いにもそういったご家庭は多いのではなかろうか。

隣町の外れのお爺さん「電気柵もあるし、ムクも居るで」

ムクとは、老夫婦が飼っている大きな秋田犬である。

隣町の外れのお爺さん「今日はもう寝るでぃ。アライさんは県兵さんも動くいうとるし、そう心配せんでええ」

隣町の外れのお爺さん「ありゃ、隣村の事だがぁ。夜中、アライさんが押しかけてきたらどうするん?」

隣町の外れのお爺さん「わしゃ、昔、セルリアン5体倒したんじゃぞ。年寄りだでぇ何か音がしたら目ぇ覚める。
心配せんでええ」

そう話して二人は床に就いたのだが、

野良アライさん「くんくん。こっちから良い臭いがするのだ…」

来るときは悪いものが寄ってきてしまうものなのである。

少し中途半端な形になってしまいますが、本日の書き込みは以上になります。


さて、電気柵で痺れるか秋田犬に齧られるかセルリアン討伐した爺さんにボコられるか...
楽しみだね!

乙。待て。逆に某人気作品のように、最初アライさんにやられる可能性もあるぞ。どうなるかわからないけどリアル的に。

欲張らず少しずつ害獣共の陣地を切り取るなら大丈夫だろう

頼むから爺さん無事でいてくれ……

そのかわり罪を犯したアライさんは惨殺されていいから

乙でしゅ
今日は各所でアラ虐SSの更新があって嬉しい。どこも個性あるし読んでいて楽しいな

続きを書き込みます。

野良アライさん「くんくん。こっちからこの前食べた赤い粒粒の匂いがするのだ」ガサゴソ

夜も更けたころ、一匹の野良アライさんが、隣町の外れのお爺さん・お婆さんの畑へと近づいてくる。

比較的低い視力を補うように、鼻で周りの臭いを盛んに嗅ぎまわり、ピクピク、ケモ耳を動かしては辺りの様子をうかがう。

アライさんはその本能・習性の多くを元種のアライグマから引き継いでいる。

非常に有名なことに雑食性であり、どんなものでも食べるが、手に入りやすく大量にある食べ物に依存する傾向が強い。

そのため、一口に『害獣』と言っても、地域により被害に遭う作物は異なる場合がある。

一般的には、甘みの強いブドウやイチゴ、メロン、スイカなどの果物や、トウモロコシやカボチャなどの野菜類を好んで食べる。

勿論、家畜用の飼料や家禽などに被害が発生することもある。

野良アライさん「この前食べた粒粒は甘くて本当に美味しかったのだぁ」コスリコスリ

また、執着心が強く、習慣性が高いため、気に入った食べ物に執着される。

これが人間にとって非常に厄介な点であり、一度味をしめてしまうと繰り返し被害が発生する原因となる。

キョロ。キョロ。クン。クン。

野良アライさんは慎重に慎重にイチゴに近づく。鼻を地面に近づけながら、

バチン!

野良アライさん「痛!いたい」ムグゥ

『痛いのだぁ~』と言いかけて慌てて手で口を塞ぐが、その声を聞きつけムクが、その秋田犬の持つ豊かな声量を発揮する。


ムク「ワン!ワン!ワン!ワン!」ガシャガシャグーグー

首輪に付けられた鎖のリードを限界まで引っ張りながら、かつて雪国の山野でクマを追い詰めた吠え声をアライグマのフレンズに披露する。

野良アライさん「ヒィィ。怖」ビク。ビクビク

野良アライさん「怖くないのだ。お前なんてこれでも食らうのだ!」ポーイ

野良アライさんはホウ酸団子をムクに向けて投げつける。

人間がアライさん対策に撒いたものを拾って対番犬用の必殺兵器として懐に隠し持てきたのだ。

ムク「???」クンクンクン

野良アライさん「(去年全滅させられたチビの仇なのだ。人間どもめ!おんなじ気持ちを味わうのだ!)」

しかし、

ムク「…」プイ

ムク「ワン!ワン!ワン!ワン!」ガシャガシャグーグー

野良アライさん「何で食いつかないのだ!!」プンプン

何でも何も、ムクがそういう訓練を受けたからである。
犬は食欲旺盛な生き物だが、訓練次第で飼い主が与えたもの以外の餌を拾い食いしないよう躾けることが出来る。

盲導犬や警察犬の例が有名だが、ガードドッグ(番犬)も泥棒対策などのためこうした躾が有効である。

勿論、生き物に絶対はないので、普段は誤飲・誤食を避けるため犬が食べられる場所に独餌を置くべきではない。

野良アライさん「いったん、撤退なのだ~!」スゴスゴ

野良アライさんは一度、暗闇に姿を消す。

野良アライさん「(今夜は別の場所に行くべきなのか、あの畑は、バチバチするのがあるし…、犬は怖いし)」

野良アライさん「(ゴミ箱をあさりに行くのだ)」

野良アライさんは、隣町の外れのお爺さん・お婆さんの畑を一旦、諦め、見知ったコンビニのゴミ漁りに向かう。

その惨めな姿はトラッシュパンダの二つ名に相応しい。

野良アライさん「…」ピクピク

野良アライさんは周りを警戒しつづける。

ガサゴソ

並木道の低木をかき分け、顔を出しコンビニの様子をうかがう。

野良アライさん「!!!」

野良アライさん「(ゴミ箱が…ない。何でなのだ!!)」

何でなのか。単にそのコンビニがゴミ箱を店内設置型に変えたためである。

このアライさんのような害獣・害鳥対策、大きな声では言えないがホームレスの方や近所の住民の不法投棄対策で近年、そういった例も増えている。


そのことの当悪善否はさて置き、

流石ムクだ!なんともないぜ!

野良アライさん「(そんな…。ここはアライさんのお食事場所だったのだ…。

これからどうやってチビを育てればいいのだ。今夜を、逃したらお乳が出なくなってしまうのだ)」

野良アライさんは空腹でへこみ始めたお腹を押さえる。

野良アライさん「(さっきのバチバチを突破して、赤い粒粒をたらふく食べるしかないのだ!

あの畑はアライさんが見つけたのだ!アライさんの物なのだ!)」

ガサゴソ

野良アライさんは先ほどの老夫婦の畑に踵を返す。

そして、足音を殺し、風上に回り、ムクの発見のリスクを極力減らす。

野良アライさん「(このバチバチが邪魔なのだ。痛いのだ)」

読者の皆さんは、野良アライさんの言う『バチバチ』が電気柵であることを既にご存知のことと思う。

獣害対策用の電気柵は一部のイメージとは異なり、軽い電気ショックで動物を驚かし、侵入を防ぐためのものだ。

したがって、人間が触っても、ビリッとするだけで人体・健康に影響はない。

所謂、害獣に対してもあくまで軽い電気ショックを与えるだけで、触っても死傷したり気絶したりしない。

害獣が触ってどうにかなるような物を設置すれば誤って触った人に危害が加わってしまう。立派な犯罪行為である。

動物は一度、鼻先(アライさんはその他に手)で柵線を触ると、 その後電気ショックを嫌がり柵に近づかなくなる。

電気柵は物理的に侵入を防ぐものではなく、電気刺激により「近づきたくない!」という心理的な効果を狙ったものなのだ。


もっとも、フレンズ化により元からかなり高かった知能・学習能力がさらに向上しているアライさんは一筋縄ではいかないが…。

野良アライさん「(『バチバチ』の高さはアライさんの背と同じくらい、ビリビリの元になってる線は5本なのだ…。

一度くらいなら痛いのを我慢して超えられそうなのだ。帰りはそうするとして)」

野良アライさん「(キョロキョロ)」コスリコスリ

野良アライさんは辺りを探し、畑から一番近くで電気柵よりも高くに枝が伸びた樹を見つけると、そこによじ登り、ぶら下がる。

そして、人間が鉄棒をするように初めは小さく、だんだん大きく体を揺らし始める。



2

3

野良アライさんは『ふり飛び』のように電気柵を超え、両足から、畑の柔らかい土の上に着地した。

ワン!ワン!ワン!ワン!

隣町の外れのお爺さんは明け方、ムクの激しい吠え声で目覚める。

隣に眠るお婆さんを起こし、床の間に飾ってある刃渡り70㎝の日本刀に手をかける。

この時代の日本はかつてのセルリアンとの戦いの名残で銃刀法が大幅に緩和されている。

ガラッ

野良アライさん「!!!」モグモグ

隣町の外れのお爺さんが雨戸を開けると、アライさんが畑を荒らしている。

その背に向かいムクが必死の形相で吠え声を上げている。

隣町の外れのお爺さん「婆さん!ムクの鎖を解け!!」

そう言うが早いか、お爺さんは日本刀を抜き放ち、野良アライさんに向かって駆けだす。

かつて、セルリアン5体を仕留めたというその健脚で。

野良アライさんもこれ以上のイチゴを諦め、痛みを覚悟して必死に電気柵に向かって走る。

お爺さんの横を白いけものが、突風のようにかけていく。ムクだ!

野良アライさん「っ。!!…」ガッ。バチバチバチ。ニギ。バチバチ

野良アライさんは5段の電気柵の電線のうち、2段目に足をかけ、4段目を掴む。その、左足にムクが咬みつく。

ムク「!!!…」バチバチ!ガミガミ!バチガミ!

野良アライさんの体を流れ、地面に向かっていた電流は当然、ムクの体にも流れるが、あくまで咬みついた足を離さない。

こいつの先祖はクマと闘っていたのだ!アライグマに怯んでどうする!

野良アライさんはたまらず、電気柵から身を離し、ムクを引きはがしに掛かる。

野良アライさん「キシャァァァァ!!!」

ガァ!ザク!!ガァ!ザク!!

ムクの顔面が野良アライさんの爪で切り裂かれる。右上から5本。左上からも5本。

ムクの顔面が血塗れになる。

しかし、ムクは離さない。こいつは強い日本の天然記念物『秋田犬』。注意深く躾されていれば無敵の番犬だ!

ムクは例え、心臓を潰されても主人の命令があるまでその咢を離すことはない。

野良アライさん「カァァァー!!!」

業を煮やした野良アライさんは、屈むような形で牙をむき出しにし、ムクの首に咬み付こうとする。

「めーん!!」ガァ!

その脳天に追いついたお爺さんの日本刀が直撃する。刀は頭蓋骨に切り込みを入れながらその丸みを滑り、右ケモ耳を切り裂きながら人間状の『第二の耳』の外耳を断裂させる。


野良アライさん「いだいのだぁぁー!キシャァァァァ!!!」グワッ

野良アライさんは一瞬、怯むが、すぐに体を乗り出してお爺さんの喉を狙う。お爺さんが刀を構えなおすよりも早く!

お婆さん「めーん!!」ザク!

お爺さんに向けて顔を突き出した野良アライさんの左顔面左目付近に、お婆さんが繰り出した『槍のような物体』が突き刺さり、薙ぎ払われる。


お婆さんはムクを解き放つと草刈り鎌を物干し竿の隅の空洞部分に押し込み、簡易的な『薙刀』にするとお爺さんの後ろを追い、二太刀目に備えていたのだ。

野良アライさんに一撃を加えた瞬間に、お婆さんの『薙刀』の鎌は野良アライさんの左目に突き刺さったままスポッと抜ける。

おじいちゃんピーンチ。

野良アライさん「あぁっぁ…。ちびぃぃ!!」ダァッ!

ムク「グルルルル」ガミガミ!

野良アライさんはついに背を向け、逃げようとするがムクが足を離さない。

お爺さん「つきー!!」ドス! ザク!

お爺さんは野良アライさんの背に日本刀を突き刺し、貫く。背骨のすぐ横を抜けた刀の頭が野良アライさんの鳩尾からニョッキと出てくる。

野良アライさん「は…あ…ち…び…」ビクビクバタバタバッタンバッタンバッンバタバタ!!

ゴスッ!

見苦しくゴキガイジムーブする野良アライさんの頚髄を日本刀で一突きにし、お爺さんは闘いを終えた。

プルルルル

早朝に新井動物病院の電話が鳴り響く。

新井先生「はい。こちら新井動物病院。町外れのお爺さん!!ムクが…。傷の状態を詳しく!」

新井先生「すぐに当院の迎えの動物救急車が迎えに行きますので、それまで患部を変にいじらず、

また、ムクにもいじらせず、真水で緩やかに洗いながら待っていてください」

電話で応対しながら周りの者にメモを回し、身振り手振りで合図を送る。

慌ただしく、動物救急車が走り出す音が聞こえる。

爺さん婆さんかっこいいな!

新井先生「当直の動物看護師1さん!」

当直の動物看護師1「はい!」

新井先生「オスの秋田犬。歳は4歳5か月。体重49㎏。前回の健康診断・予防接種時に病変なし。

顔面にアライさんの爪による裂傷。右上から5本、左上から5本。眼球の傷は不明。

犬の意識はあるが飼い主さんの声掛けによりパニック状態にはなっていないとのこと」

新井先生「あとは、追って。何とか失明を防ぎたい」

動物看護師1「はい」

ピンチと思ったら二段構え。御見それしました。

その日のお昼間すぎ。

ムク「くぅぅーん?」

隣町の外れのお爺さん「おう。ムク気ぃついたか?」

ムクは所謂、『エリザベスカラー』をつけた状態で目を覚ます。患部の毛は剃られているため少し寒そうだ。

新井先生「何とか、両目とも失明は免れました。ただ、感染症の心配がありますので、ムクが落ち着いていられるようなら、当院で2日ほど入院して下さい」


隣町の外れのお婆さん「先生。ありがとうございます。ムクに付き添っていても?」

新井先生「是非!きっとムクも安心するでしょう」

そんな人間のやり取りをピンとした耳で聞きながら、小さな勇者はまた、微睡み始めた。

今日の書き込みは以上です。

乙です
老夫婦とムクが無事で良かった


利口な番犬や…

乙です
アライさんをシンプルに刺殺、廃墟好きのシャベルによる刺殺といい、筆者のアラ虐ではない害獣駆除には胸がスッとします

普通のアラ虐とかで
へっへっへ苦しむ顔を愉しんで殺してやるぜ
みたいなのじゃなく遊びじゃないんだよ感が出てていいね

乙でしゅ
戦を知る御老人は強い。無駄の無さが惚れ惚れする駆除っぷりでした
アライさんを嬲る描写は好きですが、人間側(ムクふくむ)が格好良く活躍する今回のような話も好きです

このSSのアライさんはチビ達のこと思って死んじゃうのが他とちょっと違って好き

良くも悪くも、他のssよりアライさんが賢いのもあって退治したときの爽快感がすごいな
賢かろうが、爺さんの畑を自分のものとか言いやがった罪は大きいし死んで当然だけどな
爺さん婆さんが無事だけどムクに傷を負わせてから死んだのは許さない。チビ()も含めて苦しんでから惨殺されろ

賢いには賢いんだけど小賢しいとかズル賢いって方向の賢さだからねぇ

この犬と爺、婆はアライさんの生活を邪魔する害獣と老害だな始末しないといけないな

それで返り討ちに会ってりゃ世話ないわ

続きが楽しみ。

続きを書き込みます。

青年団長「これで4体目か」

アライさん「…」チーン

アライさんが一匹死んでいる。それだけならむしろ、結構なことなのだが。

青年団長「クマだ。アライさんがかかった罠をずっと狙っている」

青年団長はそう言って、仕掛けた『箱罠だったもの』を眺める。『それ』は力任せにこじ開けられている。

佐藤「例の巨大クマ…とは断定んが、最近、この辺りの箱罠がクマに壊させ、中のアライさんが食べられる事態が増えている」


男1「だんだん手馴れてきていますね。最初の頃は、アライさんに抵抗されていたようですが。

今回は罠を手早く壊して、アライさんを引きずり出し、バクバク」

男2「肝臓を生きながら食べられる感覚って…、想像を絶するな…」

青年団長を含む男達はそれぞれの心の整理を付けた後、アライさん狩りを再開した。

青年団長の提案で『もし、空きがあれば』殺処分を行わず、新井動物病院に捕獲したアライさんの一時保護をお願いすることにしている。

なければ、処分だ。仕方ない。

佐藤「巨大クマが、人里に降りてくるきっかけになってもいけない。俺らが仕掛けた箱罠は一旦、撤去しましょう。

蛇張村の中に置いた奴は立ち入れないので無理ですが」

青年団長「そうだな。…鬱陶しいクマだ。県兵にハチの巣にされてしまえ」

男2「でも、今回の県兵の出動は『安全エリア』確保が目的だって聞いています。

アライさんもクマも山に逃げ出したら、そのまま放置なのでは?」

男1「今回は、だ。きっと、第二波、第三波攻撃が有るんだよ!」

青年団長はその声に、曖昧に頷く。

青年団長「どちらにしろ、村民の俺らがしっかりしないとな。他人任せにするんじゃなく!」

???「あ~。一心不乱のアラ虐やりてぇ」

一人の男がアパートの中でそんな物騒なことを言っている。この男(以下、アパート男)は、所謂、アラ虐である。

ただし、実際に行動したことはなく、せいぜいインターネットに公開されているアライさん・アライグマの絵や漫画に『害獣』タグを付けたり、コメント欄に『3000円』『害獣』『日本ののけもの』等書き込む程度である。


頭の中ではいろいろな妄想をして、エアアラ虐を楽しんでいるが実際のところ、アパート男は体が弱い一般大学生に過ぎず、アライさん防除には縁遠い身である。狩猟免許や特定有害フレンズ駆除講習も受けていない。

この時代の日本人は平成時代の日本人に比べれば、アクティブというか割合、血気盛んな風潮が強い。

しかし、当然中にはこういう人間も存在する。

勿論、アライさんは害獣なわけだし、アパート男がどんな妄想をしようとそれが、心の中に留まるなら別に違法でも何でもない。


留まるならの話だが、

アパート男は部屋を出て、周囲の散策・散歩をする。
医師からも進められているし、自分でも部屋な中で『アライさん虐待動画』を日本語ないし英語で検索し、

動画を見ては興奮しているだけでは惨めすぎる自覚がある。


外の空気を吸って、町行く人々の表情を眺め、もしささやかな善行を積む機会があれば、とそんな気持である。

どこかに詐欺っぽくない『まともな』募金活動などをしていないかと周囲を見渡す。

アパート男はアラ虐を妄想する、ちょっとアレな人だが別に根っからの悪人でもない。

隣村の復興ボランティアにも登録済みで体が弱いからこそ、かえって自分が社会の役に立ちたいという思いが強い。

その気持ちが、彼をアラ逆にしてしまったのだろうか。

アパート男「へー。この辺りにアライさんが出たんですか」

その辺のおばちゃん「そうなんよ。ほら、いつもここらをお爺さんと散歩してる白い秋田犬」

アパート男「ムクですね。大きいのに良く人に慣れていて、散歩中に撫でさせてもらったことがあります」

ただ、日本犬種は主人と家族以外にデレデレしない傾向がある。この時もムクは嫌がりはしなかったものの素っ気ない態度であった。


アパート男「そのムクが?」

その辺のおばちゃん「それが、畑に入ってきたアライさんに大怪我させられたんよ。
そのアライさんはムクとお爺さん・お婆さん三人がかりで倒したそうだけど…。本当、怖いわぁ」

アパート男「…」ムカムカ

自分の見知った世界までアライさんの魔の手が忍び寄ってきたように感じ、アパート男はますます憤りを感じる。

アパート男「そいつに子供っていたんでしょうか?」

その辺のおばちゃん「さあ…。でも、チビ、チビと最後は言ってたらしいわよ。

害獣とは言ってもそう言う話を聞くとなんか可哀想ね」

アパート男「…」

アパート男はご挨拶をして、その辺のおばちゃんと別れる。

そして歩きスマホをしながら『アライさん 巣 作りやすい場所』『アライさん アライちゃん 行動半径』などと言ったワードを検索し始める。

アパート男「(許さんぞ!害獣め!人間様に楯突くばかりかご近所さんの犬にまで大怪我を!

生き残ればきっと、ガキは親と同じ悪さをする!!最大限の苦痛とともにあの世に送ってやるぜ!)

そのような形でアパート男のアラ虐行動は始まったのであった。

少し短いですが今日の書き込みは以上です。


さて、アパ男はどうなる!?

そういや関係無いけど暗黒時代から30年以上経っているけどまだ復興していない(未だセルリアンが徘徊している)国とか地域とかって結構あるの?
サハラ以南のアフリカとか暗黒大陸化してそう...

その通りだ。アパート男頑張れ

人間様と犬に害を与えるなんて大罪を犯したんだから罰を与えるべき
産まれただけで罪を犯しながら生きていくことが決まっている害獣なんて絶滅させろ

割りとまともな文章の中に唐突にアラ虐関連のワードが挟まると正直吹く

ただ、この虐待男は、返り討ちに会うフラグが匂うな。特に廃屋アライさん辺りに。

廃屋とは地域や範囲が違くないか?

返り討ちにあっても特に心が痛まなさそうなのがまた

返り討ちにあわないでくれ……
人間様が返り討ちにあうなんて誰も得しない。討たれるのはアライさんだけでいい。そのために産まれてきたのだから

アラ虐の目的を達成出来れば良し
失敗して被害が出ればより苛烈なアライさん駆除を行えるので良し
どう転んでもアライさんは虐殺されるのがwwwwwwwwwwwwwwww

やっぱり生まれて来るべきでは無い害獣か

続きを書き込みます。アフリカのことはそのうち話題に出るかもしれません。もしくは、説明するかも。

アパート男「うーん。困った見つからない…」

唐突にアラ虐を実行に移そうと決心したアパート男。スマートフォンでアライさんの行動半径を調べ始めた。

アパート男「(アライさんはその習性の多くを元種のアライグマから引き継いでいる。

Wikipidiaには『(アライグマの)行動圏は基本的に直径1-3キロメートルの範囲で、

都市近郊に暮らす個体群は狭くなり、低い個体数密度では逆に拡大するといったように環境条件によって変化する』と書かれている)」」


アパート男「(被害があった、町外れのお爺さん・お婆さん宅は一応、都市近郊…かな?

後はそこを起点に間を取って半径2キロメートルのそれっぽい水辺や洞やドラえもんの空き地の配管のような場所を探す)」

アパート男「(要は、少しハードな、ポ●モンgoみたいなものだと思ったんだけどな…)」

そんなに、単純・簡単にアライさん・アライグマ防除が進むならあっという間に駆除業者の人達は両者を滅ぼし、

ヌートリアやキョンの駆除に移行できるだろう。

急な思い付きだったとはいえ、少しおつむの足りない行動だった感は否めない。

だいたい、アライさんは基本夜行性のフレンズなのだ。日が落ちる前に探し始めて、うろうろしている訳無いだろうに。


アパート男「痛たた…。うーん」

アパート男はそもそも、そう体が丈夫な方ではない。また再発した偏頭痛にその日の活動限界を悟り、アパートに引き上げようかと思い始めたころ。

アパート男「うん?あれは『アライさん保護実施隊』の人達じゃないか」

肩に『ジャパリパークのアライさん』の腕章をした6人の人達が制服姿で装備一式を運びながら帰るところであった。

先頭を歩くのはフェネックのフレンズ、後ろ5人は人間の隊員だ。

アパート男はふと、気になり、先頭を歩いているフェネックのフレンズに声をかける。

フェネックktkrsage

アパート男「こんにちは。お仕事お疲れ様です。『アライさん保護実施隊』の皆さまですか?」

フェネックのフレンズ「そーだよー。私達、この県の保護実施隊の支部からやって来たんだー」テクテク

アライさん保護実施隊員A「この辺りで、アライさんの成体個体が防除されたという情報が入り、

どうやら、子連れであったそうなので、アライちゃん達の保護に来ました」

アライさん保護実施隊員Aはそう話しながら、アライさんを可愛くデフォルメした絵が描かれたポケットティッシュ
とアライさん保護実施隊の活動を記載したチラシをアパート男に手渡す。

アパート男はチラシにサッと目を通す。

『環境省協賛』『築こう人間・フレンズ共生社会! すべての人とフレンズの命が真に尊重される社会を目指して、

アライさん保護実施隊は今日も頑張るのだ!!』

アライさん保護実施隊員A「もし、この付近でアライちゃん達を目撃された場合はどうかご一報をお願いします」

アパート男「はぁ…」アセアセ

アパート男「(困ったな。情報を聞き出して、アラ虐するつもりだったのに。

フェネックさんの前でそんな素振りを見せるわけにもいかないし)」

アパート男「その…。保護実施隊の皆さんにこんなことをお聞きするのはどうかとは思いますが…・。

そのアライちゃん達の母アライさんはお年寄りと飼い犬に危害を加えようとしたばかりです。

保護できたとして、その後、どうするおつもりですか?」

アパート男「(アラ信にこの質問は地雷かな。発狂されたらどうしよう…。頭も痛いのに)」

そんなアパート男の心情を知ってか知らずか、アライさん保護実施隊員Aは語りだす。

アライさん保護実施隊員A「手続き的な意味でお尋ねなら、この町の新井動物病院が『幼年個体なら4匹程度一時収容
出来る』と申し出て下さったのでまずは、そちらに…」

先ほどから、アパート男をじ~と見ていたフェネックのフレンズがそれに続けて答える。

フェネックのフレンズ「道徳とか倫理的な意味でのことなら…。

人間だって『親が犯罪者ってだけで子供を駆除しよう』ってことにはならないでしょー」

そう言いながら、フェネックのフレンズは『毛皮』から、名刺をアパート男に差し出す。

フェネックのフレンズ「『ハエガイジ』『アラ信』。私達もアライさんや自分達が、どー呼ばれてるかぐらい知ってるよー。

それを乗り越えてご理解をもらわないと保護が進まないことも…」

アパート男は少しドキリとしながら、お辞儀をし、丁寧に名刺を受け取る。

フェネックのフレンズ「もし、アライさんについてお話したいことがあればご連絡をおくれよー。
私も時間が許す限り頑張って伝えるからさー」

アラ虐をスタートさせようとしたアパート男はひょんなことから、『アラ信』のフレンズと接点を持った。

ドッタン!バッタン!

メインクーンの『タマ』は今日も元気にネコタワーで夜の運動会である。
最近、飼い主が残業続きであまり遊んでもらえずにいる。

でも、タマはネコ。構ってもらえなかったら構ってもらえなかったで自分の無聊を慰めるのである。

そんな、タマの最近の楽しみがこれ。

タマ「…」チラ

仕事で疲れた飼い主が良く寝静まっていることを確認して、タマは窓辺に飛び移る。

タマ「…」キー。カチャ

そして、前足で窓のカギを開けると夜のお庭に飛び降りる。

夜の運動会の続きを飼い主に内緒でお庭で続行し、夜明けに何食わぬ顔でまた、窓から帰ること。
これがタマの密かな楽しみである。

メインクーンは、とても賢く、器用で、遊び好きな猫である。

前足を良く使い、棚の戸を開けたり、水道の蛇口を開いたり、トイレを流したり、小さなものを持ち上げたりするという。

近年人気の品種で、ご自身が飼ったことがなくともネットで動画や写真を見た方も多いことだろう。

タマ「?」ジ~

野良アライちゃん1「なんか、おとがちなかったのりゃ?」ヨチヨチ

野良アライちゃん2「だいじょうぶなのりゃ」ヨチヨチ

野良アライちゃん3「う~。おかーしゃん…。かえってこないのりゃ。ひもじいのりゃ…」ヨチヨチ

タマのお家の庭を野良アライちゃん達が歩いている。
ヨチヨチ四足歩行しているところと、4月になったばかりと言う季節を考えても、まだ本来、巣から出る時期ではない。

それでも、こうして歩いているのは余程のことがあったのだろう。
例えば、母アライさんがおっぱいが十分にあげられないなか、無理をして畑に忍び込み…。そこの老夫婦と番犬に返り討ちに合ったとか。

なんにせよ、丁度良い『獲物』を見つけ、普段、人間には温厚なタマの狩猟本能と母性が目覚める。

あいつらを狩ってやろう!

そして、体ばかり大きいくせにまともに餌を取れない鈍間な同居人に贈ってやるのだ!あの子も喜ぶだろう!

わっせ!わっせ!ヨチヨチヨチヨチヨチ

野良アライちゃん達は庭を進む。その後ろを風下から音もなく、タマは追跡する。

野良アライちゃん1「う~。かべがありゅのりゃ」ヨジヨジ

野良アライちゃん2「こえられないのりゃ」ヨジヨジ

野良アライちゃん3「みんなでかたぐりゅましゅりゅのりゃ」モゾモゾ

タマは間合いを詰めながらじっと待つ。『獲物』が完全に止まる瞬間を。最も隙が大きくなる時を。

野良アライちゃん1「かたぐりゅましてもこえられないのりゃ」フラフラヨジヨシ

野良アライちゃん2「これでこえようなんてがいじなのりゃ」フラフラヨジヨシ

野良アライちゃん3「そこからよじのぼればだいじょうぶな」

検索したら糞でかい猫が出てきて草

ガリ!バチン!

三匹の一番下だった野良アライちゃん1にタマのネコパンチが炸裂する!
人間相手にする甘えたやつではない。爪を立てた本気のパンチを!

ブーン
野良アライちゃん1「いたいのりゃー」ゴチン!ドクドク!

そのままネコパンチの勢いで、タマは野良アライちゃん1放り投げる。

野良アライちゃん1は投げられた先で敷石に頭をぶつけて血を流す。

野良アライちゃん2「なんなのりゃー」コテーン

野良アライちゃん3「おねーしゃん!しっかりなのりゃ」コテーン

野良アライちゃん2、3は肩車を一番下で支えていた姉が放り投げられたことで地面に落ちる。

タマは二匹のうち、一番上に乗っていた3姉妹で一番小さな、野良アライちゃん3が与しやすいと見抜く。

ガブ!

野良アライちゃん3「んっ…ん」バタバタバタンバッタンバッタンバタバタ

野良アライちゃん2「ひぃぃぃー」ヨチヨチヨチ

野良アライちゃん3はタマに喉を噛みつかれ盛んに手足をバタつかせている。
まだ、脳はやられていないのでゴキガイジムーブではない。窒息死を免れるための必死の悪足掻きである。

野良アライちゃん2はそんなタマと野良アライちゃん3からジタバタ一生懸命距離を取ろうとする。

野良アライちゃん2「おねーしゃん!にげるのりゃ!」ヨチヨチヨチ

野良アライちゃん1「でも、いもーとが!」ボーゼン

野良アライちゃん2「もう、あいつはだめなのりゃ!はやくやねうらににげこむのりゃ!

あのけものはけっこうおおきいからきっと、そこまではこれないのりゃ!」ヨチヨチヨチ

野良アライちゃん1「!!!」

こうなっては、否な応もない。二匹のアライちゃんは元居た屋根裏に戻るため、通路にしていた排気口に向け、必死のヨチヨチ歩きをする。

>必死のヨチヨチ歩き
なんか凄いパワーワードだこれ

めっちゃイキってたのにフェネックの前でヘタレるの
ネット上のお前ら 現実世界のお前ら
まんまで草

>>825
こうですかね
https://i.imgur.com/cAyfPtr.jpg

野良アライちゃん3「お…ね…し」バタバタ…バタバタ

野良アライちゃん3はそんな姉たちを絶望したように見送りながら、なおも足掻き続ける。

野良アライちゃん3「(おねーしゃん…。おいてかないでほしいのりゃ…。こんなんをわかちあってほちいのりゃ…。

おかーしゃん。いたいのりゃ。くるちいの…りゃ…)」

タマはそんな抵抗をねじ伏せるように喉をいっそう、締め付ける。もう、首から上に血はほとんど上がらない。

野良アライちゃん3はしばらく酸欠の魚のように口をパクパクさせ、やがて力尽きていった。




チュンチュン。チュンチュン。

タマの飼い主「は~あ。今日も朝か」

タマの飼い主は目を覚ます。健やかな朝…とはいかない。今日も会社に行かなくては。

タマの飼い主「本当にツライのだー。飼い主さんは会社を辞めたいのだ。

でも、生きてタマにご飯をあげてあげないといけないのだー」

たまには、ツライさん語も言いたくなる。人間だもの。そんな気持ちでタマの飼い主は『愛娘』を呼ぼうとしてぎょっとする。

タマの飼い主「タマー…。ぎょえー!!!タマーなんじゃこりゃ!」

タマは『同居人』に呼ばれて眠む眠むしながら、やって来る。

この子はこの餌は嫌いなのか、好き嫌いしているといつまでたっても狩りが上手くならないぞ…。

今日の書き込みは以上です。


アライちゃんの頃から育てればちゃんとなつくのかね


フェネックに野良アライちゃんの言動を見せてあげたい

ここのSSのアライさんはほかと比べてまともだから
アパート男さんは改心して虐待なんてしないでほしい

そういや妹は去勢されてたな
出番あるんかな

乙でしゅ
あの畑泥棒のアライさん一家は屋根裏に居付いていたのか。親も餌もない以上糞が増える心配はないけどウザったいね
生き残った2匹がどういう末路になるか楽しみでならない

複数匹で肩車して高さを稼ぐってのは、現実のアライグマでも同じようなことをやるんだな

>>825
アライさんみたいなブスならともかく、フェネックみたいな超美少女の前じゃ誰だって緊張くらいすらあ

分別があることは良いことだ
地位とか関係なく本音を隠さず言える場所があることも良いことだ
話の通じる相手に配慮しながら疑問を問うことが出来るのはとても良いことだ

残った二匹も、上が頭ぶつけてるし長くなさそう
ガイジのくせに平然とガイジなんて言葉を発するクズなんだからはやく惨殺されてくれ。ただ殺されるんじゃなくて惨殺な?

続きを書き込みます。

???「このままではアライさんの危機なのだ」

夜の静寂を破って何者かが廃墟で声をあげる。かつて、蛇張村の公民館であった建物の屋根裏で。

以前、廃墟マニアに発見されたにも関わらず、クマ騒動で難を逃れたアライさんだ。

公民館アライさん「チビ達!お母さんは村にいるアライさん達に寄合を呼び掛けてくるのだ。

隙をついて誰かがやって来るといけないから、じっと隠れているのだ」

公民館アライちゃん1「わかったのりゃ」ヨチヨチヨチ

公民館アライちゃん2「おかーしゃん!ふぁいとーなのりゃ」ヨチヨチヨチ

公民館アライちゃん3「ここから、てんかをとりゅのりゃ」ヨチヨチヨチ

公民館子アライグマ♂4「くぅぅーん。くぅぅーん」ヨチヨチヨチ

公民館子アライグマ♂5「くぅぅぅーん。くぅぅーーん」ヨチヨチヨチ

公民館子アライグマ♂6「きー。きー。」ヨチヨチヨチ

子供たちの声援を背に公民館アライさんは闇の中に消えていく。

蛇張村は、3月の終わりごろから奇妙な静寂に包まれている。一種の嵐の前の静けさと言うべきか。
勿論、人間の活動が、と言う意味であり、生命の営みはそんなものお構いなしに進んでいくのだが。

県兵の動員が決まったため、行政はその『準備期間』に入っている。
また、件の巨大クマ出現により、蛇張村は旧村民・ボランティアを含め、一時立ち入り『ご遠慮』状態である。

そのため、ある種の勢力の空白が再び村に訪れていた。

公民館アライさん「(しまったのだ。逃げそこなったのだ)」テクテク

公民館アライさんの正直な気持ちである。
アライさんの中でも勘のよいものは、先月から人間の立ち入りが増えた頃に山林に拠点を移している。
今、蛇張村の山林地帯は元々、山に住み着いていたアライさんと最近拠点を移したアライさんで、縄張りの分割が終わっている。


公民館アライさん「(割り込むなら血を見るしかないのだ。おまけに山にはあの恐ろしい奴がうろうろしているのだ)」テクテク

公民館アライさんは元々、大してないお頭で考えをまとめ、恐ろしいクマと人間、野犬の気配に気を配りながらアライさん達に呼び掛けて回る。


公民館アライさん「休戦!休戦!当方に戦闘の意思はないのだ。この声を聞いたアライさんは村のこーみんかんに集合なのだ。

今夜だけアライさんの縄張りに入ってもいいのだ」

公民館アライさんは母アライさんがそのまた、母アライさんから伝え聞いたという『軍事用語』を必死で思い出しながら、
村を分割する『アライさん同士の縄張り』の先に自分の声を届ける。

公民館アライさん「こーみんかんに来れば、アライさんの獲物を特別に分けてやるのだ。だから…」アセアセ

ガサッ!!

村アライさんA「食べ物くれるのだ?」コスリコスリ

公民館アライさん「アライさんの話を聞いて協力すればなのだ」

村アライさんA「協力するかは話を聞いてからなのだ!ここから先はアライさんの縄張りなのだ!

まずは、アライさんに話を聞かせるのだ!」コスリコスリ

公民館アライさんはしげしげと村アライさんAを見つめると、やがて口を開く。

公民館アライさん「この村のアライさん達で群れをつくるのだ!」

村アライさんA「!…」パチクリ

村アライさんA「ガイジなのだ!お話にならないのだ。

アライさんは巣立ち前の子供を除けば一人で生きてくけものなのだ。
アライさんとアライさんは番と餌を取り合う敵同士。群れても餌を食いつぶしあってあっと言う間に全滅なのだ!!」

公民館アライさん「もうすぐ兵隊が来るのだ!」

村アライさんA「嘘なのだ!もうセルリアンはいないから、じえーたいも引き上げたのだ!」

公民館アライさん「今度はアライさんの番が来たと言うことなのだ」

村アライさんA「根拠はあるのだ?」

公民館アライさん「どろーんを落としたのだ。こーみんかんにくれば見せるのだ!」

村アライさんA「どろーんってあのうるさい奴の事なのだ?あんなのいつも飛んでるのだ!!」

公民館アライさんは、もう一度、村アライさんAの顔を見返す。

公民館アライさん「(ここまでなのか…。
アライさんは山を越えるか、下るかして…。今年のチビ達とは、もうお別れなのだ…)」

公民館アライさんは村アライさんAに背を向けて、自分の家に帰ろうとする。

もうすぐ明け渡さざるを得ないだろう自分の『領土』へ。

村アライさんA「待つのだ!」

公民館アライさん「?!」ビクン

村アライさんA「まだ、返事をしてないのだ!もう一つ確認なのだ。その群れの長はお前がやるとして…。

副長は決まっているのか?」

村アライさんAは値踏みをするように公民館アライさんをつま先からケモ耳の先まで眺める。

うん!合格。どろーん?を落とすというだけあってなかなか強そうなのだ!

???「麗しい国を取り戻すために」

???一同「「「麗しい国を取り戻すために」」」

???「アライさんに死を」

???一同「「「アライさんに死を」」」

???「害獣に苦痛を。美化するもの、手を差し伸べようとする者への見せしめのために」

???一同「「「害獣に苦痛を。美化するもの、手を差し伸べようとする者への見せしめのために」」」

???「碧き神聖な山河のために」

???一同「「「碧き神聖な山河のために」」」

「ふう」

息をついて、その場のリーダーがKKKを思わせる白い被り物を脱ぐ。
彼に続きその場の4名の人物も被り物を脱ぎ、先ほどから続いていた、いかにもな儀式を終える。

彼らの名は『トラブルを生む、トラッシュパンダを、とっちめる会』、略してTTT会。
要はアライさん虐待サークルである、と世間一般には認知されている。

悪質な虐待動画をインターネット上に掲載したり、アライさん保護活動をしている団体にネット上で炎上攻撃を仕掛けたりしている。

そして勿論、アライさんを捕まえては虐殺をしている。

そのため、同じ害獣駆除を行っている一般行政機関や駆除業者、法律に基づいて安楽死を執行している獣医師からも厄介者扱いされている。

TTT会現地リーダー男「では、定期報告を」

TTT会員A「県兵の蛇張村攻略戦はやはり、アライさんの積極的駆除ではなく、住民の安全生活圏確保が狙いのようです」

TTT会員B「それは、もう知っている。県議会の議事録をみれば一発だ」

TTT会員C「それが、県兵の奴ら『追い出し』にかなり力を注ぐようです。多分、動物保護団体が怖いんですよ」

TTT会員D「生ぬるい!我らが先行して天誅を加えるべきだ!」

TTT会現地リーダー男「うん!トラックと猟銃とトラバサミと唐辛子スプレーとお弁当と…。
それから刀剣も有った方がいいな。ともかく、村のアライさんが逃げ出さないうちに一匹でも多く駆除しよう」

一同「「「碧き神聖な山河のために」」」

TTT会現地リーダー男「新規会員の勧誘は?」

TTT会員A「一人、興味を示しているものが…。ただ、体が弱いらしく今一『実行』に関心が薄そうですが」

TTT会現地リーダー男「枯れ木も山の賑わいだ。会費の補充にもなる。誘い込めるならそうしろ!」

TTT会員A「はい」

TTT会現地リーダー男「では、今回の会合を祝って、生贄…じゃなくて、害獣駆除を執り行う」

そう言うと、TTT会現地リーダー男はゴソゴソと裏に一度引っ込む。
TTT会員Aはその間に動画撮影の準備を初め、B、C、Dは鍋や卵、小麦粉、片栗粉、サラダ油を準備し始める。

TTT会員A「アラ虐の憧れ『アライ天ぷら』か…。一回やってみたかったんだよね」

TTT会員B「暴れて火事にならないかな。消火器は?ここスプリンクラー有ったっけ?」

TTT会員C「あるある。と言うか鍋に入れる前に手足の筋切ればいいだろう」

TTT会員D「必死にもがき苦しむところが見たいのに。ピチピチしていない活け造りぐらい興醒めです」

TTT会現地リーダー男「大丈夫だ。筋は切らない」ガラガラ

アライちゃん「だしてほちいのりゃ!へねっく!へねっく!」ビェェェェーン

TTT会現地リーダー男はケージを乗せた荷台を押してくる。ケージの中にはご存知、アライちゃんが一匹入っている。

アライちゃん「にんげんしゃんたち!たしゅけてほちいのりゃ!あらいしゃんはおやしゃいぬすんでないのりゃ。
いえでためふんしたりしてないのりゃ」ビェェェェーン

TTT会員A「こいつは?」

TTT会現地リーダー男「屋根裏に住み着いていたところを匿名で同志に通報されてこのざまだ」

つまり『ため糞は』していたことは確定している。

ガシャーン!

アライちゃん「ヒィィ」ビクビク

TTT会員Bがケージを蹴り上げる。

TTT会員B「やっぱりな!!!ろくでなしの害獣め!変に知恵を回して命乞いばかり上手くなりやがって。
なまじ人間に似た鳴き声だから変に同情する奴が出る!」

アライちゃん「あらいしゃんは、しらないくににとつじぇんつれてかりぇて、しゅてられて…」ウルウル

TTT会員C「一体何年前の話をしているんだ!!」

TTT会員D「こいつはもう、更生の余地なしだな!おい!画面の向こうのアラ信ども!これがこいつらの実態だ!
ずる賢く、人間のテリトリーを簡単に侵食し、変に知恵を付けては俺らの後頭部を狙ってやがる!」

カチッ

TTT会現地リーダー男「判決死刑!今から処刑を執り行う」

サラダ油が大量に入った鍋…というより釜にガスで火をつけ、TTT会現地リーダー男は宣言する。

アライちゃん「いやなのりゃー!おかーしゃーん!おねーしゃーん!たちゅけてー!」ビェェェェーンジタバタ

TTT会現地リーダー男はその様子を満足そうに見つめながら、TTT会員Aに耳打ちする。

TTT会現地リーダー男「ところで、アライ天ぷらってどうやって作ればいいんだっけ?『先輩達』はどうしてた?」

TTT会現地リーダー男は普段家事をあまりしない。

TTT会員A「えっと、下の処理は?」

TTT会現地リーダー男「それはやった。こいつの腹の中は綺麗に空だ」

TTT会員A「でしたら、ネットで普通のてんぷらの作り方を見てやっていけば…」

TTT会員B「リーダー。腸はやっぱ抜いてから入れましょう。衛生が心配です」

アライちゃん「やめてほちいのりゃー!おねがいなのりゃ!いたいことしないでほしいのりゃ!」ビェェェェーン

TTT会員A「(うるせえ!いや、この泣き叫ぶさまもアラ虐の醍醐味だ。我慢我慢…)」

TTT会員B「うるせえ!黙れ!」ガシャーン!

アライちゃん「やめて!いじめないで!おねがいなのりゃー」ジョボボボボーー

TTT会員C「リーダーこいつ、もらしやがった」

TTT会現地リーダー男「うんこ漏らさないだけましだろう!
おい!金属ボールに水を張ってこいつを洗う準備をしろ!それから、卵と小麦粉をもう一つのボールで混ぜ始めるんだ!」


TTT会現地リーダー男はそう言うと懐からスタンガンを取り出す。

TTT会員A「えっ。気絶させるんですか?」

TTT会員Aは卵と小麦粉を混ぜながら訪ねる。

TTT会現地リーダー男「油に放り込めば目覚めるだろう!今のままだと正直、料理にならんし、指に噛みつかれる!」

アライちゃん「ヒィィィー!やめるのりゃ。そのびりびりを、あらいしゃんにむけたらやなのりゃ」ビクビク

TTT会現地リーダー男「おりゃー!!」ビリビリビリ

アライちゃん「ピィィィー!」ビックンビックンバッタンバッタン

アライちゃんはスタンガンの電流で悶え苦しみ、やがて弱っていく。

アライちゃん「…」ピクピクグッタリ

TTT会現地リーダー男「(そろそろかな)」

TTT会現地リーダー男はケージを開き、アライちゃんに手を伸ばす。

アライちゃん「キシャァァァァ!!!」

ガブリ!

一旦、動きを止めていたアライちゃんはケージの中に伸びたTTT会現地リーダー男の人差し指に渾身の力で齧りつく。
まだ、生え始めたばかりの乳歯で!

TTT会現地リーダー男「痛ってー!!!」

TTT会現地リーダー男は咄嗟に手をケージから抜こうとするが、アライちゃんは両手足でケージにしがみ付き、口は人差し指を離さない。

ガリッガリッ

つーっと、TTT会現地リーダー男の人差し指から血が流れ始める。所詮ガイジの赤ん坊と高を括っていた!

TTT会現地リーダー男「包丁を!!!早くこいつを殺せ!!!」

TTT会員A「ふん!」ザックッ!

リーダーの指示に応じたTTT会員Aの包丁がアライちゃんの首を捉える。

人差し指にかかる顎の力が抜けた瞬間、TTT会現地リーダー男はそそくさとケージから手を抜く。

TTT会現地リーダー男「料理なんてどうでも良い!こいつが楽になる前に!息があるうちに油に放り込め!

後は犬の餌だ!」

ボチャン!

TTT会員Bは軽くパニックになりながらも、アライちゃんを油で満ちた鍋にぶち込む。

アライちゃん「…」ジュワ~ビクビクビックンビックンジュワージュワー

アライちゃんは油で揚げられ、ゴキガイジムーブしながら沈んでいき、二度と浮かび上がっては来なかった。

TTT会現地リーダー男「ふー…。ふー…。まあ、今日のところは初めてのアライ天ぷらだ。これで上出来。
動画を流す前にモザイクとエコーの処理はしとけよ!」

この世界の法律にも余裕で抵触しているはずなのに、何故かなかなか検挙されないこの団体。

『TTT会』。

そのため、ちょっとした都市伝説的扱いを受けている。

曰く、フレンズ排斥派の大物政治家がバックに付いており、彼らはその実行部隊であると。
その真偽は今は定かではない。

本日の書き込みは以上です。

明日以降、更新頻度・量がしばらく減るかもしれません。申し訳ありません。



フェネック…
会ったこともない害獣が命乞いする度に自分に助けを呼ぶってそうとうストレスだろうな

ストレスに感じることはないはずなのにな……

食材にしてもらえるだけでもありがたく思えよゴミガイジ。素直に料理されてろ。アライさんだけ命も何もかも捨てろ

例の命乞い全く通用してないじゃねーか
こいつって廃屋アライさんと関係ある個体?

親の親のそのまた親の教えだし繁殖力考えたら一定の地域内で広まってても不思議じゃない

命乞いに対して当然の反応

TTTがんばれ
県兵が来る前にトラバサミは撤去しておくんだぞ

この命乞いの情報ってちゃんと教えないといけないよな

やはりTTTは正義だ
こんなコバエでも凶暴化して噛み付いてくるんだから、命乞いしようが虐して殺せ

廃屋アライさんは、かなり手強いがどうなるかな。

やってることほとんど動物虐待じゃん…
アライちゃんのクズさより
人間の方のクズさのほうが目立つ

リーダーのヘタレ具合といい、そういう連中として描いているんだろう
元々このスレはアライさんイコール巨悪ではないからな
むしろ

アライさんを巨悪なんて大層な扱いしてるスレってそもそも無くね

そもそも単なる害悪であって、別に世界征服を企んでる邪悪な存在とかではないからな
天下を取るとか言ってるのは単なる鳴き声以上の意味はなさそうだし
その害が洒落にならん規模になりかねんって意味では巨悪と言えなくもないが、やはりアライさん風情が『巨』をつけられるのは無理がある

シロアリの延長的存在アライさん

学者を抱き込んでアライさんフレンズに非ずという学説を提唱させる動きとかありそう

ブルコスとか憂国騎士団っぽくて草
特にスローガン

続きを書き込みます。

コツコツコツ

県庁の入口の階段を2人の人間と一匹のフレンズが下りてくる。
蛇張村の村長と副村長のホルスタインちゃん、それに青年団長である。

青年団長「何だかのけ者にされているみたいですね」

村長と副村長は、立場を考えて合図打ちは打たなかった。しかし、内心は同じようなものである。

県兵によるアライさん掃討戦が間近に迫ってきたこの日。

村長とホルスタイン副村長は、県庁に詳細な住民への計画説明のお願いと村としての意向―嘆願―を伝えに来ていたのだ。

嘆願内容は現存建物のうち、歴史的価値がある建物を出来るだけ損傷してほしくない、と言ったものである。

また、青年団長はそうした『公の嘆願』とは別に地域住民としての意向を取りまとめて提出に来ていた。

その中には、旧村民で『草刈り十字軍』を結成し、工兵の電気柵設置時の草刈り・整地作業をお手伝いする、といった提案も含まれていたのだが。

村長「『もう計画は作成済みです』『今更、ご変更は難しいと言わざるを得ません』とは。
こっちに大した連絡もなく…、住民へのミーティングも『今回のケースでは特に強い必要性があるとは考えていません』か」


我慢していたが、結局愚痴を溢してしまった。断られたことより、その時の態度が気に入らない。
お上の決めた通りに下々は動けばいいんだ、と言われたように感じてしまう。

ホルスタイン副村長「…どうかそうおっしゃらずに。青年団長さんも。
今日のご提案と同じ内容のものは早期に県にお伝えしています。きっと、総合的にお考えの上で計画を作られていらっしゃるんでしょう」

ホルスタイン副村長「民間人―文民を連れての作戦は、やはり難しいものがあります。

住民のご要望やご理解を深めようとしてかえって議論百出になり、計画が延び延びになってしまうかも…」

村長「まあ、そんなところだろうな。決まったもんは仕方ない。流れに身を任せるか。

思えばこの村の村長になって、一番長いこと続けてきた『政策』だな。『嘆願』と『待ち』」

村長は少し自嘲したように笑った後、青年団長に声をかける。

村長「私とホルスタイン副村長は仮蛇張村役場―隣町役場の復興行政移管棟に戻るが君はどうする?」

青年団長「私は団員の者たちと。少しアライさん保護施設の見学に行ってきます」

村長「ほう?」

村長は保護という言葉にやや意外な印象を受けたようだ。

青年団長「帰還後の対応を考える助けになればと。

後日、社協と農林課に見学レポートを提出する予定ですので、もしお時間があれば是非、お読みいただければ」

村長「勿論、そうしよう。村の立地を考えたらどの道、長期戦覚悟だから。

これを機に様々な方法を模索するのも良い」

ホルスタイン副村長「…どうか有意義なご見学を」

青年団長は一礼して、二人(と言うべきか?)を見送ると、佐藤達4人と合流予定であるアライさん保護施設『アライランド』へ車を出発させた。

アライランド説明員A「ようこそいらっしゃいました。当見学・説明会にご予約の青年団長様ご一行ですね」

青年団長「はい。お忙しいところ、わざわざこのような場を設けていただき本当にありがとうございます」

今日の施設見学を担当するガイド兼広報官に青年団長はご挨拶をする。

県庁から出発後、青年団長は駐車場で佐藤以下男1、男2と合流し、アライランドに入場した。

アライランドの外観は佐藤曰く『可愛らしい刑務所』と言ったところだ。勿論、皮肉である。

青年団長「(少し前までの自分なら『アライさんは消毒だぁー』というノリだった。

別に無駄に苦しめようとは思わんが…。害獣だし。根滅対象だし。

『この場にお前らがいること自体、本来おかしいんだよぉ!』ぐらいは思っていた)」

青年団長「(ただ、新井動物病院をご訪問して。いや、あの『取り調べ』以来、どうもスッキリしない。

アライさんとは何者なのか、人間と上手くやっていくことは本当に無理なのか、

捕まえた個体を殺処分するべきなのか、保護して施設に入れるべきなのか改めて考えてみたい)」

青年団長「(極端な話『はい。共存・共生できます』と言うなら、村に一緒に住むことだって選択肢としては有り得る。

一緒に農業をしたり、働いてもらったり、アライさん村営住宅に住んでもらって)」

青年団長「(でも、そう言った例を聞かないと言うのはそれなりの理由があるはず。それはそれで気になる…。

あと、新井先生達が必死で保護しているアライさん。動物園に行った個体は展示用として、後はどうしている?

まさか無駄飯食わせてるとか?あんまり、『その後』を知らないんだよな)」


アライランド説明員A「では、こちらのお部屋へ。当施設ご見学の前に簡単なご説明とご質問…と言うと堅苦しいですね。

座談会といたしましょう」

その声を合図に、アライランド説明員Aと4人はアライランド内のフリースペースに入っていった。

少し少ないですが、一旦書き込みを終えます。溜めれたらまた。

乙でしゅ
アライランド。刑務所代わりみたいな所だとすると・・・刑務官のように仕事する人もいるんだろうね。ストレスたまりそうだ

???「職員さん。お客さんなのだ?」

青年団一行「「「!!!???」」」

思わる先客の存在に一同はドッキリする。
フリースペースには一匹のアライさんが座っていた。首輪をされ、部屋の隅の杭にリードが結ばれている。両手首には金色の手錠のような『腕輪』が嵌められ、両方を同じく金色のやや、ゆったりした鎖が繋いでいた。眼尻は普通のアライさん同じ、いかにも根拠のない自信にあふれたように醜く吊り上がっている。

あっ。書き忘れました。続きを書き込みます。

青年団長「この子は…?アライさんですか?」

アライランド説明員Aに青年団長は当たり前なことを尋ねる。アライランド説明員Aは頷き、アライさんに指示を出す。

アライランド説明員A「アライさん。『このお客様たちに、アライさんのお母さんとアライさんのお話をしてみなさい』」

???アライさん「わかったのだ」

???アライさん「まず、アライさんのお母さんは『ジャパリパークのアライさん』の子供で…、今は動物園で暮らしているのだ。
アライさんのお母さんは動物園の『繁殖予定計画』に基づきアライさんを産んで、2か月間アライさんを育ててくれたのだ」

???アライさん「アライさんはその後、訓練施設に行きトレーナーの人間さんに2年間お世話になったのだ。
その後、この施設に来てお仕事をしているのだ」

青年団長達は人間と筋の通った会話をするアライさんを見て驚愕する。

青年団長「(『ジャパリパークのアライさん』の子孫だからか?
いや、しかし今『お世話になった』と言ってなかったか?アライさんが!単に言葉を暗記させられただけかもしれないが…)」

アライランド説明員A「アライさん。よくできました!」

アライランド説明員Aは、まずアライさんの背中を、次いで頭、首を優しくマッサージするように撫でる。
アライさんはそうされると、とても気持ちよさそうに目を細める。

???アライさん「きもちいいのだ~」コスリコスリシッポフリフリ

そして、お決まりのハエガイジムーブ。やっぱり、こいつはアライさんだ!!

アライランド説明員A「アライさん。『トレーナーさんって何?
それとアライさんはトレーナーさんの下でどんな訓練を受けたの?お客様にお話ししなさい』」

???アライさん「トレーナーさんはアライさんの『第二の母』でアライさんが施設で働き、悪いことをしないように『躾』をする人なのだ」

???アライさん「トレーナーさんはなぁ!偉大なんだぞ!何でも知ってるのだ。木工細工の作り方も綺麗なクリーニングの仕方も教えてくれる命の恩人なのだ!」エッヘンピカピカガイジガオ

???アライさんは『どうだ』と言った顔でアライランド説明員Aを見つめる。しかし、説明員Aは少し恐い顔・恐い声でアライさんを注意する。

アライランド説明員A「アライさんまだ、半分だよ!『アライさんはどんな風に躾をされたの?』」

そこまで言って、アライランド説明員Aは考えるような表情を浮かべる。そして、何かを思いついたように口を開く。

アライランド説明員A「アライさん。『お食事の時のマナー』を教えてもらった時を思い出して。
食べ始める前から食べ終わる処までどうやってトレーナーさんに習ったか、お客様に説明しなさい」」

???アライさんはアライランド説明員Aの言い直された『命令』をフムフムと聞き、やや思い出しながら自分の思い出を披露する。

???アライさん「まず、『ご飯が出来たよ。来なさい』と言われたら、何かをしていても食卓にすぐに行かないと
いけないのだ。行かないで我儘をいうとビリバチッとされたのだ」

???アライさんは両手で、牛追い棒のような物を宙に描き、ビリビリ電気が流れる様子を再現する。

???アライさん「でも、逆にすぐに食卓に着いたらナデナデしてくれて、ドックフードを一粒くれたのだ~」コスリコスリ

???アライさん「トレーナーさんが言っていたのだ。ナデナデは人間の大好きの証なのだ。
アライさんはいっぱいナデナデしてもらって、ご褒美のドックフードや揚げパンをもらうのが大好きなのだ~」コスリコスリシッポフリフリ

ナデナデとご褒美に頭がいっぱいに成りかかっているアライさんをアライランド説明員Aが促す。

アライランド説明員A「アライさん。『続きを』」

???アライさん「そうなのだ!うっかりなのだ!それで、席に着いたら『いただきます』言わないとダメなのだ。
言わなければビリビリなのだ。言ったら良い子良い子してくれるのだ」

???アライさん「同じようにご飯中、立ったり、大きな音を出したりしたらビリビリなのだ。
食べ終わったら『ごちそうさま』をキチンと言うのだ。そう言うとデザートをくれるのだ」

アライランド説明員A「アライさん上手にお話しできたね!エライエライ!」ナデナデ

???アライさん「えへへへ。うれしいのだ~」ピカピカガイジスマイル

アライランド説明員A「ご褒美の揚げパンだよ」

???アライさん「??!!」「いただきますなのだぁ!!!」ガブリウマウマ

揚げパンを一心不乱に食べ始めるアライさんを横目に、アライランド説明員Aは先程から驚いた顔をしっぱなしの青年団長達に向き直る。

アライランド説明員A「今のは単純な例でしたが、他も基本は同じです。要は犬や猫―人間の躾と同じですね」

アライランド説明員A「『良いことをしたら褒め、ご褒美をあげる』『悪いことをしたら罰を与える』
単純なYes or NOの回路。これを繰り返し、言わば『パブロフの犬』のように習慣づけるのです。幼少期から計画的に。

きちんと躾ければアライさんはサンドスターの影響で知能が元種よりはるかに向上していますので、Yes NOを複数回順番に組み合わせることでかなり複雑な工程・作業もできるようになります」

アライランド説明員A「心掛けるべきなのは、愛情を持って接すること。一貫性を持って接すること。人間とは違う生き物を相手にしていることを決して忘れないことの3点。

順を追ってご説明します」

まぁ、つまり動物と言うか、ペットとして扱うと言うことね

アライランド説明員A「まず、愛情を持って接すること。これは生き物を相手にする以上当然です。
生き物は、特に野生動物・野生フレンズは相手の『敵意』に敏感です。相手が自分の味方なのか敵なのか瞬時に察知してきます。
それが出来なければ生き残れないからです。

一度でも『敵認定』されれば、そのアライさんとのお付き合いはそれまで。二度と信頼の回復はできません」


アライランド説明員A「次に、一貫性を持って接すること。アライさんには所謂、矛盾命令は厳禁です。
一度でもYesとしたものはその個体が死ぬまでYes。Noなら死ぬまでNo。

さもなければ混乱をきたし、修正は極めて困難です。アライさんは野生動物・野生フレンズとしての性質が極めて強いです。

相手への共感や理解・同情の念―空気を読むと言ったことがほとんど出来ないのです。
これは人間は勿論、人と長い歴史を共にしてきた犬や猫と比べてもそうです。

アライさんが『自分勝手な生き物』というわけでなく、交尾・子育てを除けば単独で生活・生存するように心と体が
最適化しているため、『群れ』の形成に必要な能力が未発達なのだと思われます。

人の力でどうこうできるものでは―現状、ありません」

これ逆に言うと成体のアライさんは改善不可能なのでは?

アライランド説明員A「最後に人間とは違う生き物を相手にしていることを決して忘れないこと。
アライさんは外見が人間と似ており、言葉も同じです。

しかし、その本性は野生のフレンズ。少し力が弱い代わりに頭がすごく良いツキノワグマ、ぐらいに思っておくべきです。

人間が注意深く接すれば『友』に成れますが、それはこちらが種族の違い・分別をわきまえればのこと。

海外のニュースで時折、何年も家族同然に可愛がってきた野生動物―クマなどに襲われ大怪我を負ったり、命を落とす方がいらっしゃいます。

原理としてはそれと同じです。野生動物と付き合う上で突発行動のリスクは常に存在しています。
施設にいるアライさんは『ジャパリパークのアライさん達』以外は原則去勢し、この子も含めた『ジャパリ組』もホルモン調整剤を経口摂取させています。

おかげで、発情期の問題行動はかなり抑えられていますが、万が一がないとは言えないのです」

アライランド説明員A「ここまでで何かご質問はございますか?」

一行は圧倒されたように暫く、無言だったが、ややあって最初に佐藤が口を開く。

佐藤「では…最初に。さっきから気になっていたのですが、このアライさんはこの施設で何を?」

アライランド説明員A「アライさん。『答えて』」

大好きな揚げパンを貪り食い、満足げに口をコスコスしていたアライさんは慌てて答える。

???アライさん「はいなのだ!アライさんはここでツライさん達の監督をしているのだ!!」

佐藤「???」

アライランド説明員A「アライさん。もっと丁寧に。『ツライさんの説明も含めて』」

監督アライさん「わかったのだ!ツライさんっていうのは去勢されて赤ちゃんの袋を抜かれたアライさんのことなのだ!

眼尻が下がっていつも辛そうな顔をしているのだ!」

監督アライさん「アライさんを見張るのはアライさんが一番なのだ!
ここでアライさんは、ぼくようけん?みたいに皆を率いる名誉所長なのだ!!!」ピカピカガイジコスリコスリ

監督アライさんはピカピカガイジ顔を決めた後、また何とも不快なハエガイジムーブをし始めた。

今日の書き込みは以上です。

乙です、このSSだとアライさんは知能が高いアライグマみたいな扱いなんですね

乙です
完全にフレンズ扱いしてなくて草


ビリビリで調教するとこ見てみたい

まぁこれだけゴミガイジぶり発揮しちゃってればフレンズ扱いはされないだろ

ここまでの擁護派だって、もう野性動物として扱ってる奴ばっかなわけだし

指示の文言が長いのにアライさんが対応できてるのはそれなりの知性か

乙でしゅ
このアライさんはジャパリパークのアライさんから数えて第3世代ってことか。他にもいるのか気になるね

野性があまりにも強すぎてどうしようもないんだな

野性を縛る理性はいらないんですね、わかります。どっかの超獣機神の真似事かな?

いらないってなんだ?

人に近い何かというよりも、ファジーな処理が苦手な人工知能みたいな思考形態だな
調教法が確立されてる限りにおいては人類との共存も不可能ではなさそう

>>917
調教されてる監督アライさんでも首輪で繋がれている上両腕も鎖付いてるぐらいだから共存はかなり限定されそうだな

正直、そこまでしてアライさんと仲良く付き合いたいとは思わないな

>>919
ほんとそれ
ジャパリパークのアライさんの子孫もイラッとする言動ばかりだし何かの間違いで脱走して駆除対象にならねえかなあ

作中世界でジャパリパークのアライさんが戦争で実際にどんな活躍をしたのか詳細な描写がもっとあるといいね

このSSのアライさんは「ジャパリパークの~」より野生の方が賢そうだな
まぁ温室育ちとバカだと死ぬ野生を比べるのも酷だけど
>>919
犬好きな人も居れば犬嫌いな人も居るけどドッグパークは有る
それと同じようなもんでしょ

ペットとか喋れたら多分こんな感じやろな
タダ飯おいしい
あそんでたのしい
飼い主すき
みたいな

溜めれた分を一旦書き込みます。

アライランド説明員A「監督アライさん。佐藤さんが困ってるよ。『名誉所長、牧羊犬って?
ここにいるアライさんの数や肩書、一日の流れを、ディスカッションタイプP3に基づいて説明しなさい』」

アライランド説明員Aを受け、監督アライさんは佐藤と青年団長に向き直り淀みなく言葉を続ける。

監督アライさん「はいなのだ!まず、ここには50匹のツライさんと1匹の副監督アライさん、それにアライさんの計52匹のアライさんが居るのだ。

副監督アライさんは銀の腕輪を、監督アライさんは金の腕輪をして、この二匹のアライさんは去勢されてないから、見た目でばっちりわかるのだ」

監督アライさんはそう言いながら一向に自らの金の腕輪と鎖をジャラジャラ誇らしげに見せびらかす。

監督アライさん「アライさん関係施設は、基本的に監督・副監督アライさん的立場は『ジャパリパークのアライさん』の子孫が務めることが多いのだ。

『ジャパリアライさん』は偉大なんだぞぉ!」ピカピカガイジガオ

監督アライさん「ただ、アライちゃん・アライしゃんの頃の知能検査や作業能力検査で成績が良いアライさんも、まれに副監督アライさんになるのだ。

このアライランドの副監督アライさんも元はこの近くの森で保護された個体で、今ではアライさんを『お義姉さん!お義姉さん!』と慕ってくれているのだ」エッヘン

監督アライさんは調子に乗って胸をそらす。

青年団長「(イライラするな…。要は先祖の功績と人間の威を借りて『アンクルトム』やってるだけだろう!
人間の俺が言うのも変な話だが…)」

アライランド説明員A「アライさん。『続きを』」

監督アライさん「はいなのだ!50匹のツライさんは、体調不良を除き半分の約25匹ずつに分かれるのだ。
『運動組』と『作業組』。この二組のツライさんは朝のご飯と朝礼までは一緒だけど、そこから一日の半分をどちらかに専念するのだ」

監督アライさんは話が少し複雑になってきたので考えながら話す。

監督アライさん「その後、昼のご飯を食べて、午後礼をすると午前の『運動組』が午後は『作業組』に、午前の『作業組』が午後の『運動組』になるのだ。

監督アライさんと副監督アライさんは二手に分かれて各組の見張りや指導をしているのだ…」

監督アライさんはそこまで話して、少し心配になったのかアライランド説明員Aの顔を見る。

アライランド説明員A「監督アライさん上手に説明できたね!エライエライ」ナデナデ

監督アライさん「えへへへ~。うれしーのだ~」

アライランド説明員Aに褒められ、監督アライさんは嬉しそうだ。釣り目を気持ち悪く細めながらニヤニヤする。

アライランド説明員Aは青年団長に向き合うと語りだす。

「少し補足しますと…。当然、人間も働いています。アライさん全体の監視・教育・管理のため。
当施設では常時12名ほどが施設に、交代要員も含めればもう少し。7名が「檻の中」、5名が監視塔に常駐しています。

また、8匹の警備犬がそれぞれ檻の外と中を―アラ信・アラ虐・突発行動を起こしかねないアライさん達を見張っています」

青年団長はそこで、少し気になっていたことを質問する。

青年団長「それで、ツライさん達―去勢済みのアライさんはどんな作業を?
先ほど、木工細工やクリーニングと言った言葉をお聞きしましたが?」

アライランド説明員A「おっしゃるように、当施設では木工細工―主に家具工場の下請けなどを行っています。別施設ではクリーニングも」

男1「ツライさんと言うと、何となく世間ではコンビニやレストラン、居酒屋で働いていそうな雰囲気がありますが?」

男2「(そして、マヌケなミスをして周りに怒られ、お得意の『ごめんなさいなのだ~』。まさに害獣!)」

アライランド説明員A「…そうしたイメージがどこに由来するかは分かりませんが、アライさんの受け入れ先としては、あまり良くはないでしょう。

勿論双方にとって。現にそうした例は存在しません。突発行動や発情期を別に考えても…」

アライランド説明員Aはそこで一旦、言葉を区切る。

アライランド説明員A「『ジャパリパークのアライさん』を思い出してください。あるいは先ほどの説明も。
アライさんは基本単独で生活する生き物。相手の気持ちを理解し、雰囲気や空気を読みながら社会生活・コミュニケーションをすることは元来苦手なフレンズなのです。

相手の顔の表情や身振り、声音から『喜怒哀楽』を読み取ることや『怒ってる人には謝る、泣いている人には慰める』と言った行動パターンを学習させることは可能ですが」

アライランド説明員A「何にせよ、先ほど挙げていただいたようなお仕事は難しいでしょう。フレンズによって得意なことは違います。

アライさんは手先が器用で力も強いので、後は忍耐力を強化―突然、明後日の方向に行こうとするのを矯正し、黙々と一匹で出来る職人仕事を徹底的な役割分担とマニュアルのもとこなしてもらうのが良いでしょう。

職場のピエロにするつもりでもなければ。ねえ?アライさん!」

監督アライさん「!!!そうなのだ!アライさんはなぁ。木工細工を作るのが得意なんだぞ。

鉋や鑢を使ってピカピカにするのが上手いってトレーナーさんも褒めてくれたのだ!
今は監督の方に専念してるのだけど」

アライランド説明員A「青年団長さんが今お掛けになっている椅子はこの子が作ったものです」

青年団長「??!!」

青年団長「(まじか!てっきりちょっと高級な家具屋さんで購入したものかと…。無論、そこまで仕込むだけの手間と管理する費用がバカにならないだろうが…。

アライさんを舐めちゃいかんな)」

アライランド説明員A「では、そろそろ。実際の運動や作業の様子を見学に行きましょうか」

アライランド説明員Aは一向にそう伝えながら、監督アライさんのリードを杭からほどき、自分の手で握りなおした。

一旦ここまでとします。

動物園は刑務所みたいなもんだと思ったらホントに刑務所みたいだった
飯にも困らないし最高やな

何の刑なんでしょうかね

少なくても住む住居や飯も保障されているならいいんじゃない?

ここまでやってもイライラさせるんだからなぁ……

ガイジ顔もそのままみたいだし

ピカピカガイジやハエガイジムーブの抑制は難しいんだろうな

良い職人になれる素養はあるのか
経費のみの無給と考えれば黒字にもなりそうだな

ここのアライさんたちクッキーやパンも作って市役所で売ってそうだな

アライさんの寿命は分からんけど人間と同じなら子供時代が短い分職人になれば人間よりよっぽどいいもん作れそうだな

そもそもアライさんがそういう仕事とかできるのが驚いた
アニメのアライさんはそういうのが全くできなさそうだったし……

アライグマは手先が異常に発達してる動物だから細かい作業が出来るのはわかるけど
アニメじゃ全然生かされてなかったもんな

遠回しに某ツライさん漫画を批判してるのがいいね。気に入った。

アニメのアライさんは控えめに言っても単なるお荷物だったからなあ

どっかで「お嬢様みたいなだよね」みたいなのを見たことがあるが、気品とかともかく、あの危機感がない態度は温室育ち
平和な所で生きていればあんな感じだろう。「三つ子の魂、百まで」というが、環境によってある程度は変わるからな

ツライさん50体と数がキッチリしてるのは固定なのかな?
もしかして同じような施設が複数ある・・・?

アライさんが器用だから物作りに長けているというより、去勢されて完全に管理されてほぼ道具扱いだから
人間の一般的な職人よりも、人生の大半を費やしているから経験値の差って感じがする

高品質なんだろうけど、アライさん製だからその分安くなっているんだろうな

某ツライさん漫画は都合が悪くなると勝手に周りが助けるから、こっちのツライさんは凄くすっきりする

溜めれた分の続きを書き込めます。

毎回、感想やご質問、合いの手などをいただき大変、励みに感じています。一つづつに上手く反応をお返しできず申し訳ありません。

ご質問に関してはSSの進捗の中で『回答』を示せるものもあろうかと思います。

青年団長ら一行四人は、監督アライさんを緩くリードで引くアライランド説明員Aについて廊下を歩く。

アライランド説明員A「まず、『運動組』の様子を見ていただこうと思います。
本来はこの子が監督をしているのですが、今日は説明のために、人間の職員が代わりを務めています」

一行は頑丈な扉の前に着く。

アライランド説明員A「一重目の強化扉です。そこのプレートに避難経路を表示していますのでどうかご確認ください」

青年団長らがプレートでルートを確認している間にアライランド説明員Aは傍らのロッカーの鍵を開け、中から唐辛子スプレーを5つ取り出す。

そして、一つを自分の腰のベルトに引っ掛け残り4つを青年団長・佐藤・男1・男2に順に渡していく。

青年団長「これは?」

アライランド説明員A「規則です。さっきのプレートをお見せすることも含めて。

こういう施設は…。その。『猿の惑星』から、『そう言う騒動』はお約束なものと世間では思われていますので」

監督アライさん「???」

監督アライさんは不思議そうな顔をする。
生まれた頃から、いや、祖母の代から人間社会にどっぷり漬かって生きてきた監督アライさんにとっては、突発行動や発情はともかく、計画的な『反逆』だの『脱走』だのと言ったことは思いもよらない事だろう。

しかし、人間の側はそうは思っていない。
それに、この中にいるツライさん達は違う。数週間でも、数日でも『野生』を知っている。

『やさしくない世界』を。

『ジャパリパーク』―ロボットによりきめ細かく手入れされ、毎日、ジャパリマンが貰え、狩り『ごっこ』、探検『ごっこ』さえしていればいい世界(セルリアンの脅威を除く)―とは似て非なる世界を。

アライランド説明員A「避難経路は頭に入りましたか?唐辛子スプレーの安全装置の解除方法はご存知ですか?」

青年団長は一行の顔を見渡し、一度軽くうなずくと口を開く。

青年団長「はい。大丈夫です」

アライランド説明員Aはその返事を聞くと皆を促し、一重目の防護扉を開く。

扉の向こうは小さな更衣室になっており、シャワーとロッカーがある。その向こうに二重目の防護扉がある。

アライランド説明員Aは全員が入場したのを確認すると背後の扉を閉める。自動ロックを目と耳で確認してから再び説明を始める。

アライランド説明員A「見ての通りここはツライさん達の運動・作業場へ入るための入口で職員と―基本は監督アライさん・副監督アライさんのための準備スペースです」

アライランド説明員Aはそう言うと、キーホルダーから鍵を選び、監督アライさんの首輪に差し込むとクルリと一回転させる。

青年団長「!!!」

男1、男2「!!??」

佐藤「首輪を外すのですか!?」

監督アライさん「???」キョトンキョロキョロ

その場に衝撃が走る。対して監督アライさんはその理由が分からず、キョロキョロし出す。

アライランド説明員Aはそれを撫で宥めながら、そっと首輪ごとリードを外す。

アライランド説明員A「突発行動の元になるのでアライさんのそばで大きな声や過剰に驚いた素振りを見せないで下さい―と普段なら言うところですが、今回は私が敢えて、皆さんを驚かせました。

ショック療法として。『フレンズ共生理念のため』ご理解いただけると幸いです」

アライランド説明員Aはそう言うと青年団長達に深々と頭を下げる。

監督アライさん「職員さん!!なんで謝ってるのだ?もしかして、アライさんのせいなのか?
なら、アライさんが謝るのだ!ごめんなさいなのだ!!!」

監督アライさんがペコリと頭を下げるのを見て一同に落ち着きが戻り始める。

佐藤「あ…。いや。二人?とも。どうか頭をお上げください。考えてみれば当たり前の事でした」

佐藤が真っ先に、自分に言い聞かすように話し始める。

佐藤「リードを付けたまま仕事をする牧羊犬はいませんからね。警察犬や軍用犬、猟犬も。
必要に応じて解き放たれる。そして、主人の目が届かない場合では単身で任務のため、現場の判断で行動する。

『監督』『牧羊犬のように』と聞いた時点で理解しているべきでした」

『アライさん』という言葉・概念には拭い難い固定観念がある。曰く、害獣・頭が悪い、ガイジ。侮蔑と軽視が混ざったイメージ。

青年団一行はそうしたイメージを未だ強く待っていた。

「『ジャパリパークのアライさん』のイメージで親しまれている、明後日の方向へ駆け出してしまうおっちょこちょいな子」と言えば聞こえはいいが…。

青年団長「(非常に気を使うべき表現だが、もし人間なら、所謂『発達障害に該当しかねない』とはよく聞くお話だ。

勿論、もし人間なら、と言う過程自体がおかしいわけだが。違う動物なのだし。
トカゲが人間なら大脳欠損症と言ってるようなもので)」

青年団長「(しかし、サンドスターにより『人間化』した存在、アニマルガール(フレンズ)。
その知能・人格をどこまで人間基準で把握すべきかと言う観点は『フレンズ人権論争』の最大の焦点でもあり…タブーでもある。
ことにアライさんはその毀誉褒貶が激しい。アラ虐の標的にもアラ信、感動ポルノの対象ともされる。
この問題のある意味での『象徴』だ)」

アライランド説明員Aは一行の反応が落ち着くのを待って、今度は手首の鎖を外す。識別のためなのか、例の金色の腕輪はそのままだ。

監督アライさんは大きく両手を広げたり、伸びをして準備体操みたいなことを始める。

アライランド説明員A「先ほど佐藤さんがおっしゃった通りです。この子は『監督』ですので」

監督アライさん「『名誉所長』なのだ!」エッヘン

監督アライさんのアホな言葉に、うんうん言いながら、アライランド説明員Aは今度はロッカーの鍵を開ける。
すると、監督アライさんはロッカーの中から帽子とベルトと…牛追い棒を取り出す!

牛追い棒。文字通り、牧畜に使う他、少数民族の弾圧にも用いられたことで悪名高い。
特に凶悪な使用法として、口や肛門、女性の性器の中に棒を押し込み電流を流すと言った手口があげられる。

監督アライさん「…」ガチャガチャスポッ

ベルトを腰に巻き、牛追い棒をそこに引っ掛け、制帽を被り、すっかり刑務官のようなスタイルになった監督アライさん。

青年団長「(どうするのか?)

監督アライさん「…」ザッ!ビシッ!ケイレイ

身支度を整えた監督アライさんは、一息に回れ右をして直立不動の姿勢を取り、アライランド説明員Aと青年団長一行に敬礼(手礼)を行う。

むやみにキリッとした顔をしていて、ムカつき度倍増だ!

アライランド説明員Aは右手を左胸に当てて返礼を返す。一泊遅れて青年団長達も返礼する。

佐藤「(いかに形式的なものとはいえ、アライさんと『礼を交わす』ことがあろうとは。人生分からないものだ)」

アライランド説明員A「アライさん。『準備はできた?』」

監督アライさん「はいなのだ!」

アライランド説明員A「アライさん。今日は説明会なのでアライさんが抜けている間は午前の『運動組』の監督は職員さんが代行している。

『今から、一旦、運動組の監督に戻り職員さんと交代しなさい。合図があるか、お昼休みになるまでツライさん達を見張り、十分な運動を続行させるんだ』」

監督アライさん「はいなのだ!!」ダッ

アライランド説明員Aは、二重目の扉を開け放つ。
首輪と鎖を外された監督アライさんは、溌溂と中に―自分の持ち場に駆けこんで行った。

扉を閉めて再施錠するアライランド説明員Aに青年団長は質問する。

青年団長「あの…。大丈夫なのでしょうか?勿論、高度にマニュアル化されているとは思いますが…。
アライさんは単純作業ならともかく、当意即妙な対応が必要な管理業は向いていないのでは?」

そう言いながら、青年団長はもっと最初にこの質問が思いつかなかった自分を少し恥ずかしく思う。

アライランド説明員A「普通はそうです。しかし、あの子らは良く厳選され、訓練を受けています。そうですね。
犬も普通はご主人がそばにいないと困ったことになる子がほとんどですが、中には作業犬として力を発揮する子もいる。

犬よりアライさんは人間との相性は悪いですが―最悪ですが、原理としてはそう言うことです」

佐藤「なかなか心臓に悪い『ショック療法』でした。こういうことをなされているのはこの施設だけですか?」

アライランド説明員A「いえ。後ほどご説明いたしますが、全国にあるアライさん保護施設では同じように人間と『監督側のアライさん』両輪で、他のアライさん―ツライさんの対応をしています。

人間だけでやっている施設も勿論あります。しかし、羊の世話をするなら牧羊犬が居た方が良い。相手が猛獣ならなおのことです」

アライランド説明員Aは次の質問がないか少し間を置き、その後口を開く。

アライランド説明員A「では、皆さん監視塔に向かいましょう。
実際にどのように『運動』がなされているのかご覧になって下さい」

書き込みは以上です。また、溜めれたら書き込みます。



保護っていうか収監とか留置って方が正しいんじゃないかこの場合


虐待のない収容所

キチンと仕事を与えて食事ももらえて住むところがあるからここのアライさんは幸せなんじゃないかな?

病気になったり怪我したりしたらすぐ殺処分ってわけでもないだろうしな


なんか管理されたアライさん怖えぇ...
上で誰かが言ってたけどマジで(人間やフレンズの思考回路とは異なる)AIみたいなもんだな


『回答』の中にはちとはぐらかされた『あれ』もあると思うとここのスレのアライさんは闇が深いぜよ!

乙です、アライさんのディストピアみたいになってきましたねアラディストピア

>むやみにキリッとした顔をしていて、ムカつき度倍増だ!

その通りだな

どんな施設なのかまだよく分からないな

ホルスタインは青年団長に何も疑いもってないのか?命令を無視して拷問し虐殺したのに
たしかホルスタインって軍とかで功績残した優秀な奴だった気がしたけど無能すぎるでしょ

人間の女より明らかに顔面偏差値はアライさんが上だろ

書き手によってそこら辺は変わるから

セルリアン相手の戦闘と半端に頭の良い野生の山賊みたいな害獣駆除じゃ勝手がねえ…

どんなに顔が良くても、性格が悪ければブスに見える。つまりアライさんは……^^;

このスレの世界観ではアライさんの顔が「気持ち悪い釣り目と醜い下膨れの頬っぺた」と評価されてるんだっけか

誰かこのスレのアライさんに近いイラストを描いてくれ。
本当は見たくないけど、ちょっとだけ興味がある。

イラストは知らんけどMMDなら似たようなのぎょうさんありまっせ。アラ虐のまとめWikiとかに

溜めれた分続きを書き込みます。
SSが長くなってきたので、仕方がないことですがホルスタイン副村長と青年団長達のことは一応、『取り調べ』の後に触れているので、よろしければ読み直しをお願いします。

アライさんの顔の受け取り方はこの世界の人々によっても様々です。こっちの世界と同じかもしれません。

やや無機質な印象の廊下を監督アライさんは、わっせわっせとガニ股気味に走る。
この品のない歩き方は監督アライさんのトレーナーも何とか矯正させたかったが無理であった。

監督アライさん「(今日はお客さんが来ていたのだ!ビシっと決めて、ナデナデもご褒美もいっぱい貰うのだ)」コスリコスリ

そして、廊下を抜け運動スペースに到着。目の前には所謂、『アスレチック・コース』が丸くループしている。
学校のグランド一週分ほどでアライさん用にそれなりに凝ったものだ。
勿論、生息地が本来森林地帯であるアライさんに適した運動方法を考えた結果である。

ツライさん達は、今は休憩時間でコースの好きな場所―ネットの上や木の上に横になったり、ぶら下がったり、あるいは地面に下品に胡坐をかいたりしている。

そうした、ツライさん達に背を見せないように気を付けながら、監督アライさんは午前中の半ばまで、監督を代行していた人間の職員の前には立つ。

監督アライさん「…」ザッ!ビシッ!ケイレイ

監督アライさんは人間の職員に敬礼し、返礼を受けた後に口を開く。

監督アライさん「『運動組』の監督に戻りますのだ!
以後合図があるか、午前時間が終わるまでツライさん達を見張り、十分な運動を続行させますのだ!」ビシッ

代役人間職員「了解。本日『運動組』ツライさん25体。体調不良者なし。
8時から10時までの二時間にトイレトラブル2回。そのうちの1体、ツライさん番号4番は最近、トイレトラブルが多いから注意するように。

コース周回ノルマは8時~12時までに途中休憩1回で1匹30周。さっき10時の休憩までに全ツライさんを16周させておいた」

代役人間職員はここで監督アライさんの顔を見つめる。

代役人間職員「監督アライさん。見学の方がいらしているようだけど俺たちの仕事に変わりはない。
『いつも通りに専念しなさい。後半はツライさんがダレ始めるが、しっかり運動させるんだ。』」

監督アライさん「はいなのだ!」

キーンコーンカーンコーン

15分の休憩タイム終了を告げる放送が流れる。監督アライさんは休んでいたツライさんをアスレチック・コースのスタートに集めて告げる。

監督アライさん「お前たちの運動ノルマはあと14周なのだ。手を抜かずにしっかり回るのだ。
もし、早く終わったアライさんはもう一周するのだ。それが終わればまた一周。増えた数だけ揚げパンをやるのだ」

監督アライさん「逆にノルマに足りなければビリビリを回れなかった回数だけ流すのだ。レベル2の結構強い電流だから覚悟するのだ」

監督アライさんは腰の牛追い棒を居合い抜きのように引き抜き、高く振り上げツライさん達を威圧する。

ツライさん達「「「ヒィィィー」」」ガクブルガクブル

監督アライさん「それでは、よーいドン!なのだ」

青年団長「あれは何をしているのですか?」

アライランドの監視塔の中、モニター越しに監督アライさんと『運動組』の行動を一行は見学していた。
予備も含め10画面ほどのモニターによってツライさん達は監視されている。

アライランド説明員A「ご覧の通り、施設内のツライさん達を運動させています。アライさんに運動不足は厳禁です。
ストレスをため突発行動や気性の荒さの激化に繋がります。
無駄なパワーを内にため込むとろくなことがないので一定のノルマをかけているのです」

監視カメラでは今、ツライさんはネット潜りを終え、高いクライミングネットを楽々と越えていく。

アスレチックらしく木登り的な要素やネット・雲梯など手の力や立体行動力が求められるトレーニングコースだが人間はともかく、アライさんはそこまで大変ではなさそうだ。

アライランド説明員A「以前は、ツライさん同士でチームを組んで野球やサッカーも試してみたのですが。
やはり、アライさんにチームプレーは難しく…。

特にサッカーは酷かった。何とかゴールと味方チームと言う概念までは理解してくれましたが。
パスを回さないぐらい可愛いもので、運動のたびにツライさん同士で乱闘騒ぎ。ビリビリをするのも一苦労でした」

青年団長「監督アライさんは皆が真面目にアスレチックに取り組んでいるか見張っているのですね。
それで、さぼったり、ツライさん同士で喧嘩したりしたら…」

青年団長はビリビリをジェスチャーで示す。

アライランド説明員A「その通りです。牛追い棒のショックは3段階に調整できるようになっています。
軽い注意用、懲罰用、非常時の制圧用の3つです。各ケースで使っていい電流の強さと1時間ごとに一匹のツライさんに懲罰できる上限は決まっているのでご安心ください」

アライランド説明員A「そちらのモニターにはもう一つの『作業組』の様子が映っています」

アライランド説明員Aの指し示す方には同じく10画面ほどのモニターがあり、工場のような情景を映している。
作業服を着たツライさん達が各々のスペースで一心不乱に木工製品の製造作業を行っている。

佐藤「(作業服を着たアライさん―もとい、ツライさんとは新鮮なような既視感のあるような…。どっちにしろ落ち着かんが)」

アライランド説明員A「通常、家具などは、『①企画・図面作成、②材料手配・木取り、③パーツ製作・NC加工、④下地研磨・下地塗装、⑤組み立て・調整、⑥仕上げ・検品・出荷』の手順で出来上がっていきます。

当施設では①と⑥以外の工程は原則ツライさんが務めています」

佐藤「…機械や刃物を使うところもですか?」

アライランド説明員A「勿論。ただ、ツライさんはあれで『これをやればご褒美が貰え、褒めてもらえる』と理解すると存外、真面目に取り組んでくれます。

去勢手術が効いているのでしょうか…。作業において問題なのは、主に2点、それは」

副監督アライさん「38番よそ見をしちゃダメなのだ!」ノシノシ

モニターの向こうで『作業組』の監督をしている副監督アライさんが声をあげ、38番と呼ばれたツライさんに近寄っていく。

手首には銀色の腕輪が嵌められている。

ツライさん38番「あ、アライさんは集中してたのだ!よそ見なんてしてないのだ!」

副監督アライさん「いいから作業台から離れるのだ」カチャ

副監督アライさんは、ツライさん38番を作りかけの製品から離すと牛追い棒のスイッチを入れる。

ツライさん38番「副監督アライさん!あの…ごめんなさいなのだ!」ペコリ

副監督アライさん「その言葉を最初に聞きたかったのだ。フンッ」ビリビリビリビリ

副監督アライさんは牛追い棒をツライさん38番の背中に押し付け、電気を流す。

ツライさん38番「うっっ~。あっあっあっ。痛いのだ~あっ…」ハアハアハア

副監督アライさんは通電を一旦、止めるとツライさん38番の顔をまじまじと睨め付ける。

副監督アライさん「もう一回なのだ!」ビリビリビリビリ

ツライさん38番「痛いのだぁ~!何で?謝ったのにぃ?」ジタバタジタバタ

副監督アライさん「最初にお前は嘘をついて言い逃れようとしたのだ!これはその分なのだ!」

そう言い終わると副監督アライさんは懲罰を終える。そして、涙目で痛がっていたツライさん38番に命じる。

副監督アライさん「作業に戻るのだ!」

男1「あれは?」

アライランド説明員A「先ほど申し上げようとした問題点の一つ目です。
フリースペースでお話をした際にアライさんは手先が器用で力が強いという長所があると申しました。
そして、集中力―明後日の方向に意識が行ってしまうのを矯正しなければいけないとも」

アライランド説明員A「ここにいるツライさんは皆、基礎トレーニングをクリアした優秀な個体ですが、それでもアライさんと言うフレンズの特性上時折、集中力が切れることがあります。

それを見張るのも監督・副監督アライさんの役割です。『作業組』はこの役割が一番大きいでしょうか」

青年団長「先ほど作業においてもう一つ気にするべき点があるとおっしゃっていましたが?」

アライランド説明員A「もう一つは『運動組』との共通の問題です。これもアライさんと言う種に付き物の問題で…」

???「うぎゃぁあぁあああ~!痛いのだ」バタバタ

今度は運動組の方のモニターから痛そうなツライさんの声がする。
一行が画面を除くと監督アライさんがツライさん4番に牛追い棒を後ろから押し当てていた。

アライランド説明員A「何が起きたのでしょう?」

アライランド説明員Aが画面を拡大する。ツライさん4番の足元には茶色い物体―うんこが落ちていた。
トイレに間に合わなかったのか。ツライさん4番は監督アライさんの指示なのか自分でスカート状の『毛皮』をまくり上げ、尻を突き出している。

監督アライさん「4番。またなのか?お前、このままだと脱落―殺処分なのだ!わかっているのか?」

ツライさん4番「う~う。ごめんなさいなのだ~。アライさんは他の皆より大きくなってから人間さんに保護されたから野生の習性が抜けないのだ~」ウルウルウル

監督アライさん「関係ないのだ!今の副監督アライさんはお前よりも、もっと大きい巣立ち直前のアライしゃんの時期に保護されてるのだ!

それでもちゃんとやってるのだ!お前の努力が足らないか、ガイジなだけなのだ!」カチャ

監督アライさんは牛追い棒のスイッチを再びオンにする。

ツライさん4番「もうしないから、許してほしいのだ~」

監督アライさんは、ツライさん4番の嘆願を無視する。

監督アライさん「(こいつの『もうしないのだ』は聞き飽きたのだ。
この棒をお尻の穴に突っ込んで電流を最大で流して、もううんこ出来なくさせてやりたいのだ)」

監督アライさん「(でも、それはやってはいけない『決まり』なのだ。
電流は2段目で―出来るだけお尻の穴の近くにビリビリしてやるのだ。トレーナーさんはビリビリを『愛の鞭』と言っていたのだ)」

ツライさん4番「つっ…」ウルウルビクビク

ズボッ

監督アライさんは一応、肛門だけはやめてやりつつも、ツライさん4番の尻の割れ目に牛追い棒を割り込ませる。

ツライさん4番「うぎゃああああぁぁぁ…」ビクビクビクビクビク

ツライさん4番の悲痛な悲鳴がモニター越しに監視塔内まで響いた。

青年団長「ちょっと…虐待っぽくなっていませんか?」

アライランド説明員A「おっしゃることは分かります。
しかし、アライさんのトイレトレーニングは本当に大変で運動・作業中の大きな課題なのです。
ここに来る前の教育施設によるトレーニングでアライちゃん・アライしゃんの頃から仕込んでようやくと言ったところでしょうか」

それを聞いて、佐藤が顔をあげる。そして暫く問うまいか迷った末、口を開く。

佐藤「これまでのご説明で一つ疑問が出ました。
『アライちゃん・アライしゃんの頃から訓練して』と言うお言葉を何度か伺ったのですが、では成体で保護されたアライさんは?

どのように過ごしているのですか?」

今回の書き込みは以上です。

うんちできないアライさんが可哀想なのだ!オムツじゃ駄目なのだ?

^^♯

ハエガイジにはかせるオムツなんてない
我慢する努力すらしないハエガイジははやく殺処分してくれ

ツライさん4番は殺処分で良いよ

なんか、ら抜き言葉が気になりますね...

ほぼ刑務所だよねこれ
次スレも楽しみにしてます

溜め糞は習性だし今までやっていた事を直すのは大変だと思うけどな
すぐ殺処分とか言う奴は年老いた自分の親が糞垂れ流したらすぐ[ピーーー]んだろうなぁ

出たよすぐ人間とゴミガイジを一緒にする奴

年老いて我慢できなくなるのは仕方ないだろ。ゴミガイジの糞と違って

sageも出来ない奴のことなんてスルーしろよ…
言ってることも適当だし

>>1000ならアライさんが真面目に働く

次のスレ立てました。

「アライさんのような害獣が生きたいと思うこと自体罪なのだ2」
アライさんのような害獣が生きたいと思うこと自体罪なのだ2 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1508996136/))です。

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