男「創造の魔法・・・ねぇ」 女「うん」(14)

チラシ「君も魔法を勉強しないか!新入生募集中!」

男「・・・」グググ

母「あんたまだ迷ってるの?男ならばばっと決めちゃいなさいよ」

男「いやさ・・・ほら、家系的にも俺って魔法の魔の字もないような人間の家系じゃん?」

母「あたりまえじゃない。アンタはまじりっけなしの日本人よ」

男「いくら魔法って概念が日常に出てきたからってさ・・・ほら」

母「知らないわよ。行きたいなら行けばいいじゃない」

男「・・・ま、魔法が使えなくていじめられたりしないかな?」

母「アンタ小学校に入ってすぐに勉強ができないっていじめられた?」

男「・・・」

母「めんどくさいなぁもう・・・貸して」サラサラサラポンッ

男「あ、おい!?」

母「はい。親の必要欄はもう書いたしハンコも押したから」

男「ちょっと!?ハンコおしたらもう消せないじゃん!魔法の書類だぞ!?」

母「しらないわよそんなの。お母さん入学に関する書類何も見せてもらってないんだもん」

男「うぇ・・・」

母「大丈夫よ。あんた以外にもこっちから学びに来る奴なんかいっぱいいるわよ」

男「ほ、ほんとかよ・・・」

教室 1-1

担任「では最後に、こちらが男君。うちのクラスで唯一の人間界からの入学生です」

男(俺しかいねぇじゃねーかよ母さん!)

オォーー

男「ど、ども。男っす」

担任「人間界と魔法界との繋がりができてから初めての人間界からの入学生ですよみなさん!」

男(先生、俺には荷が重すぎるよその肩書は・・・!)

担任「まぁ今年は男君のほかにも人間界からの入学生はいるので独り占めというわけではありませんが」

男「えっ!?もう一人いるの!?」

男(自己紹介だけで1日分のエネルギーを使い果たした気がする・・・)グター

ヒソヒソヒソ

男(ん?)

アンタハナシカケテミナサイヨ

男(なんだクラスのやつら・・・)

イ、イキナリヒアブリニサレタリシナイカナ・・・?

男(火あぶり?何言ってんだあいつら)

?「おーい、男君」

男「んぁ?あんたは・・・えっと・・・?」

?「自己紹介聞いてなかったのかよ。ほら同じクラスだろ」

男「・・・道具屋のせがれだっけ?」

道具屋「そーそー!なんだ覚えてんじゃん!」

男(魔法使いと人間のハーフだって言ってたしな。そこくらいしか食いつくところがなかったけど)

道具屋「なぁなぁ、ちょっと話がてら飯でも行こうぜ」

男(ふむ・・・今後を考えればこいつと繋がりを持っていたほうがいいかもしれないな)

 廊下

ヒソヒソヒソヒソ

男(なんか心なしかさっきよりも視線とヒソヒソ話が強くなったような・・・)

道具屋「ん?どうした?」

男「いや、なんか・・・周りからの視線が」

道具屋「そりゃそうだろー。人間と半魔が一緒に歩いてんだから」

男「半魔?」

道具屋「オレオレ」

男「・・・?半魔ってそんなに目立つのか?」

道具屋「そっか、男君は魔法界のしくみなんてしらねぇもんな」

男「男でいいよ。君付けされると・・・なんかむずがゆいし」

道具屋「そーか。俺もガラじゃないからそのほうがいいや」

男「で、半魔って?」

道具屋「半分魔法使いってことだよ」

男「あぁ、自己紹介で言ってたやつか」

道具屋「半魔って魔法界じゃあんまいい印象がないんだわ」

男「ふー・・・ん?」

道具屋「純粋な魔法の血じゃないからな。だからまっとうな魔法使いの家系のやつらからはどっちかというと嫌われてる」

男「・・・」

男(さっきの視線はそれかよ!やばいな・・・いきなりやばそうなやつとつるんでしまったぞ?)

道具屋「だからさ、身近に同じ血を持つ奴がいてよかったよマジで!」

男「あぁ・・・そ、そうだな・・・俺も同じ血を持つ奴が近くにいてよかったよ・・・」

道具屋「これからよろしくな!」

男(俺の高校生活・・・第一歩の踏み出しに失敗)

 授業

担任「ではこれから魔法適正の診断を始めます。といっても適性を見るのは男君だけですけど」

男「はぁ・・・」

担任「他の皆さんは同じ適性の人たちとグループになって次の課題を進めておいてください。では男君、こちらへ」

男「あ、はい・・・」



担任「それでは、男君にはこちらの水晶を使って自分の魔法の適性を診断していただきます」

男「まじりっけなしの俺でも魔法って使えるんですかね?一番最初に聞かないといけないことだとは思うんですけど」

担任「はい。それは大丈夫です。そもそも魔法というものは自分の体内のエネルギーを魔力として変換し使役することを言うのです」

男(あ、なんかそれっぽい)

担任「ちなみに、各魔法適正の最高峰と認められるとクラフトという地位がもらえます」

男「くらふと?」

担任「クラフトとは各適性の最上位の者であり、その魔法を極めた者のことです」

男(俺には縁遠いはなしだなぁ・・・)

担任「ちなみに今のところ魔法界には10・・・失礼、9人のクラフトがいらっしゃいます」

男「ふーん」

担任「生命の白、赤熱の赤、大樹の緑、清水の青・・・などなど、各人各様のクラフトがいらっしゃいます」

男「あの、先生、それはわかったんで適性診断を・・・」

担任「あぁ!そうでしたねごめんなさい。それじゃあこの水晶に手を置いてください」

男「はい・・・」

男(適性ねー・・・)

水晶「モワワ~」

担任「男君は・・・あら?・・・白色・・・ですね」

男「白?白って・・・な、なにができるんです?」

担任「白は生成、誕生・・・物や生命を生み出す適性ですね」

男「それってすごいんですかね?」

担任「白の適性は生命を生み出すという高等な魔法の分類にあたります」

男(な、なんかすごそうだな)

担任「先ほど説明した白のクラフトレベルになれば人を生み出すことすら可能となるそうです」

男(人造人間ってこうやって作るのか)

担任「ただですね・・・この魔法は生命を生み出すものですので、莫大な魔力と触媒を必要とします」

男「・・・つまり、入学したての俺では宝の持ち腐れだと・・・」

担任「・・・頑張って勉強していきましょうね!」

男(お先真っ暗だぞオイ・・・)

男「ちなみにうちのクラスで白の適性って誰かいます?」

担任「うちのクラスどころか他の学年にもここ数年白は出ていませんね」

男「まじですか・・・じゃあ俺は何を指標に頑張れば・・・?」

担任「大丈夫!うちの学校はあの白とく・・・白のクラフトの卒業した学校なのですよ!」

男「え?」

担任「そして白の残した魔術書の写しが図書館には残っているのですよ!」

男(それ俺に読めるレベルの内容ですかね?偉大な魔法使いのノートとか読める気がしないんだけど・・・)

道具屋「男!適性はどうだった?」

男「・・・白」

道具屋「白?また珍しいのを引いたな!」

男「道具屋、お前の知り合いに白の適性のやつとかいない?」

道具屋「いても知らねぇ。俺嫌われてたから」

男(やばい・・・積みゲーなんだけど・・・)

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