肇「良き人と過ごす良き一日を」 (32)

肇(皆さんこんにちは。藤原肇です)

肇(最近急に暑くなってきたと思えば夜はまだまだ肌寒かったりと寒暖差の激しい日が続きますがお体の調子は宜しいでしょうか?)

肇(…え?今日はいつもの職人姿じゃない?違いますっあれは陶芸用の作務衣です。うどんを打つためのものではありません)

肇(それに流石に外出の際にまで作務衣を着たりなんてしません。…なんでガッカリされるのでしょう)

肇(…中々珍しい恰好?あ、はい。一応私の一張羅と言いますか…ええ、今日は少しだけ特別なお出かけなので……はい、特別なんです。…えへへ)

肇(僭越ながら、今日は私の誕生日なんです。プロデューサーさんがわざわざ私をこの日オフにして下さって…え?あ、はい。そうですお出かけです)

肇(…そろそろ待ち合わせ時間になりますがプロデューサーさんのお姿がまだ見えません。…あ、はい。そうです。今日はプロデューサーさんとお出かけです)

肇(えっ?で、デートだなんてそんなそんなそんな!…ただ、先日の総選挙の3位という未だに現実味の沸かない快挙のお祝いも兼ねてということで……えへへ)

肇(…それにしても遅いですね。いつもなら随分前に来ていて何処かに隠れていたりするのですが…あ、噂をすれば何とやら、です)

肇(今日は仕事抜きのプライベートという事でプロデューサーさんもスーツ姿ではありません。ふふ、なんだか少し不思議な感じがします)




肇「プロデューサーさん、こっちです。こっち」フリフリ

肇(あ、私に気づいたみたいです。真っ青な顔でこちらに向かってトコトコと…)

肇(……)

肇(…真っ青?)

モバP(以降P表記だよ。ポテト食べていい?)「…おーっす肇ぇ…」

肇「ど、どうしたんですか!?凄い顔色ですよ!」

P「遅くなってすまんなぁ……元気?」

肇「貴方が元気無いじゃないですか!」

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肇「い、一体どうしたんですか?…ちょっと失礼しますね」ピトッ

P「冷たっ」

肇「…熱は、無いみたいですけど…」

P「あ゛~…肇のひんやり手が気持ち良ぇ」

肇「風邪では無いようですが、ま、まさか何か病気…!?」

P「ハハッ、無い無い。この程度スタドリ飲んだらドン引きするぐらい回復……あれ」ゴソゴソ

P「…やべ、さっき茜にタックルされた時に割れたんだった」

肇「何がどうしたらそうなるんです」

P「いや、「何となく突進したくなる後ろ姿だったので!」だってさ。この前も偶然スタドリの瓶を胸ポケットに入れてたお陰で狙撃されても無傷で済んだし」

肇「ご無事で何よりです…ってプロデュース業って狙撃される事があるんですか!?」

P「

P「よぉーし、それじゃあ早速行くかぁ。…どこ行きたい?」ヨロッ

肇「病院しか思いつきません!」

P「ハハッ、肇は心配性だなぁ。あ、その服初めて見るけど可愛いな。似合ってる似合ってる」

肇「そ、そうですか?店員さんに勧められるままに買ってしまったんですが…」テレリ

肇「って、そうではなくて!」

P「大丈夫だって。昔2週間徹夜で働いた時に比べれば…あれ、肇ちょっとゴツくなった?」

肇「私こっちです。それカー〇ルおじさんです」

P「……あ、ホントだ。時々お世話になってます。マ〇ク派ですけど」

カ〇ネル「聞き捨てならぬ」

P「よぉーし好きなところ連れてってやるぞー?どこ行くー?」フラフラ

肇「病院です!」

闇医者「ただの二日酔いだ。黙ってくたばってろ」

オダイジニー ガシャットヨコセ




P「…」

肇「…二日酔い、ですか」

肇「…」スンスン

P「近い近い」

肇「…確かに、お酒の匂いがします」

P「…念入りに歯ぁ磨いてうがいしてモンダミンしたのに」

肇「珍しいこともあるんですね、普段弱いからって全然飲まないのに…。翌日に響くまで飲むなんて初めてじゃないですか?」

P「うん、生まれて初めての二日酔いでごぜーますよ……けふ」

肇「もう…それならそうと言ってくれれば…」

肇「……」

肇「……昨日は楓さんの誕生日でしたね」

P「ソ、ソウダッケ?ソウイエバソウダッタカナー」

肇「せめて目を泳がせてください。白目は怖いです」

P「すんません」

肇「…何となく事情は察しました。ちゃんと言ってください、別に怒ったりしません」

P「すんません」

肇「もう…。どうせ私にも楓さんにも悪いと思って何も言わなかったのでしょうけど」

肇「楓さんの気持ちもわかりますし、一応それなりの長さの付き合いなのですから。あまり変に気を使われるほうが困ります」

P「ホンマすんません」

肇「…それだけ人の機微を察する事が出来るのにどうして肝心な事はトボけてしまうんでしょうね」

P「おかしいな、今度は耳が痛くなってきた」

肇「まったくもう、まったくもう。心配したんですからね?」ツンツン

P「ごめんなさい」

P「…んじゃ、気を取り直して出かけようか」

肇「で・か・け・ま・せん!」

P「えっ、いやでも折角肇のたんじょう…」

肇「」プクーッ

P「…言う通りにします、はい」

ガチャッ

P「ただいまー…」

肇「お邪魔します」

P「今日は俺1人だから遠慮しないでいいからな」

肇「お茶とか私が淹れますから、プロデューサーさんは横になっていてください」

P「いや、でも来客をもてなすのは紳士として当然の…」

肇「お布団っ」

P「…はい」

肇「色んなお茶の種類がありますね…ほとんど狭山茶ですけど」

P「あ、梅昆布茶で頼む。二日酔いには最適なんよ」

肇「そうなんですか?…あ、あったあった。うんしょ……届いたっ」

P「二日酔いってのは一時的な脱水症状と栄養不足に陥った結果体が毒素を分解しきれない状態でなるものだから、効率よく水分と塩分を摂取出来るのが梅昆布茶なんだよ」

肇「成程…勉強になります。あ、湯飲みはこれですか?」

P「棚の一番上にあるやつなー」

肇(…あ、この湯飲みって…)

P「あ゛~…もう1世紀は酒飲みたくねぇ」ゴロッ

P(6代目シンデレラガールと誕生日の同時祝いだからな…でも少し位手加減してほしかった)

肇「お茶はいりましたよ」トコトコ

P「誕生日なのにこんな事させてゴメンな」

肇「お気遣いなく。はい、あったかいものどうぞ」

P「あったかいものどうも」ズズッ

P「…程よくぬるい」ズズズッ

肇「ふふっ、猫舌の誰かさんの為に、ちょっと温めに淹れてみました」

P「猫舌じゃないわい、ちょっとだけ熱いのが苦手なだけだ」

肇「ごめんなさい、それは猫舌とどう違うのでしょう?」

P「字数?」ズズーッ

肇「…」ジーッ

P「…あの、肇さんや?」

肇「はい?」

P「そう見つめられてる落ち着かない」

肇「お構いなく」

P「お構う」

P「ちゃんと埋め合わせはするからさ…ほれ、オッサン凝視してるだけじゃ退屈だろ?」

肇「今日は1日、私に付き合って下さると仰ってましたよね?」

P「あ、はい」

肇「と、言う訳です」

P「あ、はい」

P「…」

P「はい?」

肇「あ、おでこに冷えピタ張りますね?」ピトッ

P「ひゃっこい!」

肇「少し汗をかいてきましたね…水分補給をしたからでしょうか」

P「ちょっと小腹も空いてきたな」クキュルゥ~

肇「あ、では何か簡単に作りましょうか。丁度お昼時ですし」

P「せやね、うんしょっと…」

肇「えいっ」ドンッ

P「ぐぇ」

P「…何で押し倒すん」

肇「何で起きようとするんですか」

P「え、だからお腹空いたから何か作ろうかと…」

肇「二日酔いさんは寝ていてください。私がやります」

P「いやいや、流石にお誕生日様にそんな事までさせたらご先祖に合わせる顔が…」

肇「」プクーッ

P「…ご先祖すんません。親の顔も覚えてないけど」

肇「お台所お借りしますね?わっ、歌舞伎揚げだらけ!」

肇「何かリクエストはありますか?あまり大したものは出来ませんが出来る限り応えます」

P「あ~…確か作り置きのカレーがあった筈…」

肇「二日酔いでカレーですか?少し重たいのでは」

P「いんや逆。食欲がない時でもカレーってのは匂いやスパイスの効果で食欲を掻き立てるんよ」

P「スパイスを摂取する事で内臓が活性化するしな。病気の時とか薄めのカレースープとか摂取すると効果凄いぞ」

肇「成程…あ、ありましたこれですね。ではこれを出汁か何かで伸ばして雑炊にしましょうか」

P「ウィ」ムクッ

肇「ていっ」ドンッ

P「ぐぇ」

P「…何で押し倒」

肇「何で起き上がろうとするんですか」

P「え、だからカレー作ろうかと」

肇「」プククーッ

P「…大人しくしてます」



肇「~♪」トントントンッ

P(自分の家で女の子が包丁の音立ててる光景が新鮮でごぜーますよ)

P(今更だけどプロデューサーがアイドル連れ込んでるのはアウトだけどね。今更だけど)

P(アイドルを家に入れてるところなんてパパラッチされたら大変だよ。…不思議とそういう気配は一度もないけど)

芳乃(邪気払いの結界がありますのでー)

P(ナチュラルに念波送るなぁ。ロケに集中しなさい)

芳乃(ぷくーっ)

P(それ流行ってんの?)

肇「お待たせしました。鰹出汁で伸ばしてネギを入れたぐらいですが」

P「十分すぎるよ。おぉ美味そう。肇は良い奥さんになりそうだ」

肇「またそういう事を軽々しく…」

P「?」

P「それじゃ、いただきます」

肇「はい、どうぞ」

P「…箸無い?」

肇「あ、スプーン持ってきました。お箸のほうが良かったでしょうか」

P「スプーンでいいよ」

P「…」

P「肇?」

肇「はい?」

P「スプーンください」

肇「少し待ってくださいね。まだ熱々ですから少し掻き混ぜて…」

肇「はい、どうぞ」スッ

P「いや、スプーンくれれば自分で…」

肇「どうぞ?」

P「いやぁ、流石に恥ずかしいから勘弁してください」

肇「あ、ふーふーしましょうか?」

P「いただきます」ンアーッ

P「はふふっ!」

肇「すみません、まだ熱かったみたいですね」フー、フーッ

P「あ、今気づいた。肇ちょっぴり怒ってるんだろ?」



P「ごちそう様」

肇「お粗末様でした」

P「思ったより食べちゃったな…ありがとうな、美味しかったよ」

肇「プロデューサーさんが作ったカレーにちょっとだけ手を加えただけですよ」

肇「リンゴ剥いてありますけど如何ですか?」

P「んー、流石に今は満腹だわ」

肇「顔色も随分良くなってきましたね、よかった」

P「…悪いな、誕生日にこんな事させて」

肇「お気になさらず。ふふ、かなり贅沢な時間を過ごさせて貰っていますよ?」

P「?」

P「すぴぃ…」

肇「お腹がいっぱいになったら眠くなるなんて、子供みたいですね」クスッ

肇「…お酒もあるのでしょうけど、いつも頑張って下っていますし、やっぱりお疲れなんでしょうね」

P「黄昏よりも暗き存在…」ムニャ

肇「私たちの為に頑張っている、なんて貴方は絶対に言わないんでしょうけど…事務所のみんなも感謝しているんですからね?」

肇「たまには素直に好意を受け取ってくださいよ」ツンツン

P「ふがっ」

肇「誕生日だからって、何もお出かけしたり外食したりしなくてはならない訳では無いんですから。気にしないで良いんですよ」

P「血の流れよりも赤き存在…」ムニュ

肇「…私、こうしているだけで凄く幸せなんですからね?」

肇「……」

肇「…もう、今日1日ずっとこのままでもいいです」ナデナデ

P「時間の流れに埋もれし偉大なる汝の名において…」スヤァ




P「危なっ!寝るとこだったわ!」カッ

肇「あ、起きちゃいました」

P「…あれ、俺は何故肇の膝の上に?」

肇「まぁまぁ、お気になさらず」

P「いや結構気になるけど…寝心地凄まじいから危うく寝そうになるところだったよ」

肇「いえ、30分ぐらいスヤスヤ眠っていましたよ?」

P「マジか」

肇「もう少し、このままお休みになりますか?」

P「いやいや、オッサン乗っけて重たいだろ。今起きるから」

肇「えいっ」トスッ

P「はふん」

肇「ゆっくりお休みなさい。Pさん」

P「」チーン

目がシパシパするので一旦昼(?)寝して嫁さん迎えにいってご飯作ってジタバタしてから再開します

P「すやぁ…」

肇「オジサンってよく言いますけど、まだそんな年齢でもないじゃないですか」サスサス

P「むぅ…」

肇「ふふ、Pさんの髪フカフカ。アッキーみたい」

肇「…」

肇「色々と気にしてしまっているようですけど私、今とても満たされています」

肇「私という土を、アイドルという器にして下さった貴方に、もうどれだけの感謝の言葉を並べても足りません」

肇「…本当に、ありがとうございます。Pさん」

P「ぐぅ…」

肇「……」

肇「………」

P「…むぅ?」

肇「ごめんなさい、Pさん…」

肇「……」

P「んっ……んぅ…」

P「…--さん……」

肇「っ」

P「くぅ…」

肇「…」

肇「……」

肇「えいっ」ペチッ

P「ふがっ?」

P「……」

P「危なっ!寝るとこだったわ!」カッ

肇「あ、起きちゃいました」

P「…あれ、俺は何故肇の膝の上に?」

肇「まぁまぁ、お気になさらず」

P「気になりすぎる。ん?何かデジャヴ」

肇「お体の調子はどうですか。少しは楽になりましたか?」

P「うん、随分楽になったよ」

P「心なしか首筋が痛いけど」

肇「気のせいですよ」

P「…よし、完全に酒抜けた。ちょいと遅くなっちゃったけど今からでもどこか出かけるか?」

肇「折角ですし、今日はこのままお家でのんびりと過ごしませんか?」

P「俺は別に構わんけどさ。…アイドル家に入れてるから構わないといけないんだろうけど」

P「で、何かしたいことあるか?モンハンでも桃鉄でもドカポンでもタドルクエストでも」

肇「い、いえ。私ゲームはあまり得意では…」

P「え、どうしよう…俺若い子とのコミュニケーションってゲームか麻雀ぐらいしか無いんだけど」

肇「あっ、それでしたら。たまにはゆっくりとお話しませんか?」

P「話?そんなのでいいのか?」

肇「ええ。だってここ最近中々ゆっくりお喋り出来なかったじゃないですか」

P「それもそうか。よし、今日はたっぷり肇とコミニュケーションとって親愛度上げに勤しむとしよう」

肇「もうカンストしていると思いますが…あと今ちょっぴり噛みませんでした?」

P「ちょっと待っててなー。確か押し入れに某番組からもらってきたトーク用のサイコロが…」

肇「普通にっ、普通にお喋りしましょう?」


肇「新しいお茶です」コトッ

P「ああ、わざわざどうも」

肇「いえいえ」

P「…」

肇「…」

P「……話題が思いつかねぇ」

肇「なんでもいいんですよ?些細な事でも、他愛のない事でも」

P「それじゃあ、えーっと……最近、学校どう?」

肇「娘との距離感に悩むお父さんじゃないんですから」

P「んー………ご、ご趣味は」

肇「陶芸を、少々」

P「知ってる」

肇「…」

肇「ご、ご趣味は」

P「ニコ動の空耳歌詞職人を、少々」

肇「知ってます」

P「…」

肇「…」

P「お見合いかっ!」

肇「Pさんが言い出したんじゃないですかぁ!」

P「ぐぬぬ…あかんわ、話題を変えよう」

P「最近仕事のほうは…ってダメだ、よく知ってるわ」

肇「Pさんは何か最近変わった事はありましたか?」

P「何もない日があり得ない事務所だからなぁ」

肇「…そうでした。私も重々骨身に染みていました」

P「うーん、あと定番の話題…なんだっけ、政治と宗教と野球と目玉焼きに何をかけるか、だっけ」

肇「それは初対面の方としてはならない話題4項目ですよ。ちなみに私は醤油派です」

P「マジか、コショウ派なんだけど」

P「後は…あれか、肇ぐらいの年頃だと恋バナとか?」

肇「…」ジーッ

P「ど、どうして睨むんですかねぇ」

肇「…何でもありませんっ」

肇「残念ながら特にそういった事とは無縁なので、話題を広げることは出来ません」

P「そ、そっか…。残念なようなホッとしたような」

肇「…しりとりでもしますか?」

P「最終手段を出すにはまだ早くない?」


P「…んで、とうとう千秋が「揚げ出し豆腐と私と、どっちを取るのよ」って怒りだしてさ」

肇「分かります。千秋さんの気持ち、凄く分かります」

P「だからそこは当然ビシッと答えたさ。「揚げ出しどう千秋に決まってるだろ!」って」

肇「叩かれませんでしたか?」

P「え、何でわかるの?」

肇「分からない訳がないです」

肇「もぅ…いつもそうやってからかってばっかりなんですから」

P「愛情表現のつもりなんだけどなぁ」

肇「愛が歪すぎます」

P「酷い言われよう」クギュゥゥ

P「…小腹が空いたな」

肇「結構な時間おしゃべりしていましたからね。あ、ではまた何か作りましょうか」

P「いやいや、今度こそ俺がやるよ。今日は肇が主役なんだから」

肇「いえいえ、そんなお気遣いなく。これでも寮で出来る限り自炊していますから」

P「誕生日ってのは1年で1番幸せな日であるべきなんだぞ。お誕生日様は上座でどっしり構えてなさい」

肇「そう仰るのなら私に作らせてくださいっ」

P「ぐぎぎ…」

肇「んーっ!」

P「…」

肇「…」

P「…一緒に作るか」

肇「はぁい」

P「さてと、何を作るか…ほれ、このエプロン使いな」

肇「ありがとうございます。あ、じゃあ上着脱がないと…」ヌギヌギ

P(…ノースリーブ姿の肇とか尊すぎませんかね)

肇「お借りしますね?」キュッ

P「うん、似合う似合う」

肇「えへへ」

P(スカートの丈も割と短いから正面から見ると裸エプロンに見えるとは言わないでおこう)

P「とは言っても冷蔵庫の中身、あんまり充実してないんだよなぁ…今日は完全に肇とどっか小洒落た店で夕食にしようと思ってたから」

肇「わざわざそんなに気を使ってもらわなくても…。前回の総選挙のお祝いだってあんなに色々として貰ったのに」

P「お前さんこそ俺にそんな気ぃ使わなくてもいいんだぞ?親戚の馴れ馴れしいお兄さんとでも思ってくれてれば良いんだし」

肇「んー…それはちょっと、難しいかと」

P「…お兄さんは無理があるでごぜーますか」クスン

肇「あ、違います違います!」

肇「ほ、ほら。材料チェックして何を作るか考えましょう?」

P「ウィ」

P「えーっと、豚バラと白菜とネギとシフトカーとニンニクとレトルトカレーと卵とガイアメモリと鷹の爪と…」

P「あ、米が無ぇや。貰い物の素麺ならあるけど……素麺でいい?」

肇「はい。もちろん構いませんよ?」

P「うどんじゃないけど」

肇「構いませんよ?」

P「うどん粉も無いんだ、ごめんな?」

肇「構いませんってば!」

うあー…誕生日中に終わらせられなくてゴメンよ肇…おかしいな、オフで時間はあった筈なのに…モンハンとグラブルとガンダムブレイカーは関係無いし、不思議だ
明日には仕上がるよう頑張ります。…起きたら仕事だと思うと胃が捻じれオヤスミーゲフッ

P「素麺はたっぷりのお湯で茹でるに限る」グツグツ

肇「おつゆはここにある市販のもので良いんですか?」

P「それだけだと夕飯としては物足りないから2、3種類適当に麺つゆ作るよ」

肇「はい。私は何をすれば良いでしょうか」

P「それじゃ薬味用にネギ切っててくれるか?」

肇「お任せくださいっ」

P「さて、素麺茹でながら別につゆ作るか」ゴソゴソ

肇「包丁、お借りしますね?」

P「手ぇ気を付けてなー」

肇「大丈夫ですってば。もぅ」トントントントンッ

P「おおっ、手際良いな」

肇「ふふ、ちゃんと自炊しているんですからね?」

P「肇は本当に良い奥さんになれそうだな」ガガガガガガガガガガガッ

肇「またそういう事を……って、手元が見えないんですけど!」

P「え?」トカカカカカカカカカカカカッ

肇「…え、えっと……手際、良いんですね」

P「自炊歴長いだけだよ。さてさて、手頃なサイズに切った豚バラは軽く炒めて…」ジュゥゥ

肇「Pさん、ネギ切り終わりました。次は何をしましょう?」

P「あ、じゃあ容器とか用意しておいてもらえるか?すぐに出来るからさ」

肇「はいっ」

P「カットした白菜を酒とみりんで茹でて…そこに炒めた豚バラ、醤油とシュガーハー…砂糖で味付けして、っと…」

肇(ああ、凄く良い匂いが…)

肇(…あれ?このお茶碗…)

P「よーし素麺茹であがったぞー。肇ー?器持ってきてくれー」

肇「あ、はい。只今ー」

肇「はい、お待たせしました」

P「ありがと。調子こいてしこたま茹でちまったわ」ドササッ

肇「っ♪」

P「どした?何かご機嫌みたいだけど」

肇「そうですか?気のせいですよ」


肇「テーブルの上いっぱいになっちゃいましたね」

P「ハハッ、つけダレ3種類はやりすぎたな」

P「よし、じゃあ食べようか」

肇「はい」

P「…今更だけどさ、誕生日のディナーが素麺ってあり得なくない?」

肇「まだそんな事を気にしていたんですか?」

P「いやいや、俺だったら正直ションボリするぞ」

肇「誕生日というのは、きっと何で祝うか、では無く誰と祝うか、が大事なのだと思いますよ」

P「そんなもんかね」

肇「そうですよ、きっと。あ、そう言えばPさんのお誕生日っていつなんですか?」

P「さぁ?」

P「よし、冷めないうちに食べるぞー。いただきます」パンッ

肇「はい、いただきます」

肇「…何か、とても気になる台詞が聞こえた気がしますが」

P「氷水でキンッキンに冷やした素麺を熱々の肉ダレで……はふふっ」

肇「鴨南蛮ならぬ豚南蛮のような感じですね。…はひっ、ほふっ」

肇(葉はトロトロ、芯はシャクシャクの白菜のアクセントと豚肉の脂がたっぷり抽出された甘じょっぱい付け汁が…!)ズルズル

P「まだ余ってたカレーもダシで伸ばして卵落としてみたんだが……うん、流石カレー、何にでも合うわ」ズビズバー

肇「私、こんな風に素麺を食べたこと無かったです」

P「俺もぶっちゃけ思い付きでやったけど美味いなこれ。毎年夏の定番メニューにしよう」

肇「市販のつゆも薬味たっぷり入っていて美味しいです」チュルチュル

P「本当はニンニク入れたいところだけど明日も仕事だし、ショウガてんこもりで我慢しよう」

肇「明日も仕事なら、しょうがないですもんね」

P「…」

肇「……」

P「…」

P「ところで俺の先生は窓際が好きでな。先生だけにしか見えない精霊ルヒタニ様とリンパ腺で交信が出来るんだそうだ」

肇「せめて何かリアクションをしてください!」


肇「ふわぁぁ…」

P「ハハッ、満腹になったら眠くなるなんて子供みたいだな」

肇「Pさんだって、さっきお昼寝してたじゃないですか」

P「なら今度は俺が膝枕しようか?」

肇「では」ポスンッ

P「なーんちゃって……って」

肇「少しゴワゴワします」

P「すまんね、オッサンのごわついた足で」

P「…って違う!」ユサッ

肇「はうっ」コテンッ

P「年頃の娘さんが躊躇なく紳士の膝に乗らない!」

肇「Pさんの方から言ったのに…」

P「ジョークに決まってるってばよ」

肇「」プクーッ

P「お前さん、それやれば何でも押し通せると思ってない?」

肇「」プクプクーッ

P「……少しだけな?」ポンポン

肇「はーい」ポスンッ

P「普段は割としっかり者なのに今日はずいぶん甘えてくるなぁ」

肇「こんな私はお嫌いですか?」

P「まさか」ナデナデ

肇「~♪」

P(髪の毛サラッサラだなぁ…レノア?)

P「って、つい撫でちまってるけど嫌じゃない?」

肇「嫌だなんて、そんなそんな。このままもう少し、お願いします」

P「ならいいんだけど……何だろ、でっかい猫みたいだな」ナデナデ

肇「にゃあ?」

P「くっそ!カメラが無ぇ!」

ブォォーッ ブォォーッ ソイヤッ! オンステージ


P「ん、もうこんな時間か」

肇「何ですか、今の斬新なアラーム」

P「俺の趣味だ、いいだろう?」

肇「…日付、変わってしまいましたね」

P「誕生日終わっちゃったな。オッサンの家でオッサンの作った素麺を食べてオッサンの膝枕で終わる誕生日か…俺だったらグレるな」

肇「そんなオジサンアピールしなくても。Pさん全然若いじゃないですか」

P「まぁ、ウサミンよりかは」

P「さてと、じゃあ送っていくよ」

肇「いえいえ、もうこんな時間ですし」

P「こんな時間だからだよ」

P「本当に悪かったな、今日は」

肇「もう…。お祝いなら事務所の皆さんにもちゃんとしてもらっているんですから」

P「せめてケーキくらい買っておけば良かったなぁ」

肇「この前作ってくれたじゃないですか」

P「うーん…ちゃんと祝ってあげられてないって感じでモヤモヤするわ」

肇「…それでしたら、来年その分思いっきりPさんにお祝いしてもらいます」

P「来年?」

肇「はい。来年に。目一杯Pさんに甘えさせて貰いますから」

肇「誕生日と、シンデレラガールのお祝いを。…ね?」

P「」

肇「あ、私上着取ってきますね?」トコトコ

P「…」

P「…やべ、ドキッてした」


肇「わざわざ寮までありがとうございました」

P「なんのなんの。トライドロンで5分の距離だし」

P「今日、もう昨日か。本当に悪…」

肇「」プククククーッ

P「…おめでと」ナデナデ

肇「はい、ありがとうございます♪」

P「それじゃ、また明日事務所でな。これから大忙しだぞ?CDデビューとかライブとか鼓膜実装とか」

肇「ふふ、頑張ります」

P「じゃあな。夜更かししないですぐ寝るんだぞー」

肇「はい、おやすみなさいPさん」



ガチャッ パタンッ

肇「…ふぅ」

肇「ふふ…こんなにPさんと2人きりで過ごしたの、何時以来かな」

肇「……」

肇「…お仕事もっともっと頑張らないと」ヌギヌギ

肇「あれ、何だか上着がゴワゴワする…」

肇「えっ?ポケットに何か入って…」

肇「…」ゴソゴソ

肇「……」

肇「…」

肇「っ!?」







凛「何だかお隣さんがバタバタしてるね」

まゆ「まるでベッドで枕に顔を埋めて足をバタバタしてるかのような音ですねぇ」

未央「具体的っ」

卯月「あ、それロンです!御無礼!」









ブリッツェン「終わりですぞ」

誕生日おめでとう肇!でも誕生日間に合わなかった、だが私は謝らなごめんなさい!!(土下寝
と言うわけで多数の肇誕生日SSが闊歩する中やや遅れて今更です。すんません。多分モンハンとガンブレのせいです。
スレタイも何だか他の人の作品と被ってますし内容もありきたりだし…楓さんの誕生日はスルーするという暴挙だし、多分モンハンとガンブ(以下略
モバマスの中でもベスト10に入るお気に入り娘なのでそのうちまた書くと思います。色々アレかもしれませんが見逃してください、埼玉の条例なんです


オツカーレ

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