レッド「一人に飽きた」 (988)

シロガネ山

レッド「……」

レッド「……」

レッド「……」

レッド「……」

レッド「……」

レッド「…暇だ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1491233013

何番煎じだよ

レッド「山に籠ってもう何年たっただろ」

レッド「全然人と会わないし、退屈だ」

レッド「ゴールドって言ったっけ、あの子もここ数年来てないし」

レッド「まあでもそうだよな、苦労して山頂まで来ても全滅で金とられるだけだもんな」

レッド「そういや毎月食料届けてくれるグリーンも今月来てねえな…」

レッド「もうすぐ食うもんがなくなっちゃうぞ」

レッド「あいつ結婚しちゃってるし、やっぱこれ以上は迷惑かな」

レッド「……」

レッド「よし決めた、山をおりよう」

レッド「今日、今すぐだ」

レッド「何年ぶりだろ…あれ?」

レッド「俺今何歳だっけ?」

トキワジム

グリーン「それでは今月のジムリーダー会議を終わります」

グリーン「解散」

エリカ「グリーンさん♪」

グリーン「おう、どうした」

エリカ「今日の晩御飯は何がいいですか?」

グリーン「ハンバーグ!」

エリカ「はい、わかりました」

エリカ「私スーパー寄って帰りますね」

グリーン「おいおい、俺も一緒に行くよ」

エリカ「今日はナツメさんと約束してるので」

グリーン「お、おう…そうか」

エリカ「そんな顔しなくても今日はジムもお休みですし、早めに帰りますから」

グリーン「いやいいよ、せっかくの休みなんだしゆっくりしてきな」

グリーン「子どもたちは俺がちゃんと見とくから」

エリカ「大丈夫ですか…?」

グリーン「そんな心配しなくてもいいよ」

グリーン「大丈夫だ!…お手伝いさんもいるし」

エリカ「それもそうですね、ではお言葉に甘えて」

プルルルル

グリーン「あ、電話だ、悪い」

グリーン「はい、もしもし」

レッド「もしもし、レッドだけど」

グリーン「お前からなんて珍しいなレッ…あっ!」

グリーン「す、すまん!忘れてた!」

グリーン「今から持って行くから待ってろ!」

レッド「ああ、それならいいよ、俺山おりることにした」

グリーン「ええっ!?」

レッド「いつまでも山にいられないし、ちょうどいいと思ってさ」

グリーン「そうか…」

レッド「でさ、今からお前ん家行っていい?」

グリーン「今から!?」

グリーン「そもそもなんで俺の家なんだよ、まず自分の家帰れよ」

レッド「前に家買ったって言ってたし見たいなーと思って」

レッド「それに…ここ数年お前としか話してないんだよ」

グリーン「そうなんだ」

レッド「家帰ってもうまくしゃべれないかもしれない」

グリーン「親だろ!?上手く喋れないってどういうことだ、別に喧嘩してたわけでもないのに」

レッド「そうなんだけどさ…」

レッド「気まずさってのはやっぱあるんだよ」

グリーン「まあわからんでもないが」

グリーン「…わかった、今どこだ?迎えに行ってやる」

レッド「チャンピオンロードの手前あたりだけど…えっ泊めてくれるのか」

グリーン「そんな話全くしてなかっただろ!てか泊まる気だったのか!?」

エリカ「誰からだったんです?」

グリーン「ああ…友達だよ」

エリカ「泊まるとかなんとか言ってたようですけど」

グリーン「冗談だろ」

グリーン「そんなことにはならないから気にしなくていい」

グリーン「遊ぶ約束してたの忘れてたんだ、俺もそんな遅くならないから」

グリーン「じゃあ行ってくる」

チャンピオンロード付近

グリーン「この辺にいると思うんだけど…詳しい場所聞いてなかったな」

プルルルル

グリーン「お、ちょうどレッドからだ」

グリーン「はい、もしもし、お前どこにいるんだ?」

レッド「後ろ」

グリーン「後ろ?」くるっ

レッド「いきすぎ、もうちょっと左」

グリーン「左」

レッド「その正面の岩の裏」

グリーン「あ、なんか赤いの見える、あれか」

グリーン「なんで隠れてんだ」

レッド「誰かに見つかったら恥ずかしい…」

グリーン「お前よく山からここまでこれたな」

レッド「ああ、苦労した」

グリーン「……」

レッド「……」

グリーン「ま、まあこんなとこで話てもあれだし…俺の家も見るぐらいなら別にいいから…とりあえず行こうか」

レッド「うん」

タマムシシティ

レッド「へー、タマムシに家あるんだ」

グリーン「ああ、エリカのジムもここだしカントーの中じゃ大きい街だからな」

レッド「この街もけっこう変わったな」

グリーン「お前が最後に見てから何年たったと思ってんだ」

レッド「…わかんない」

グリーン「…まあ何年もたってんだ、街も変わるし、人も変わる」

レッド「人もねぇ…まさかお前が結婚するとは思わなかったもんな」

グリーン「俺はお前がずっと山にこもりっぱなしとは思わなかったけどな」

レッド「人妻のエリカかぁ…」

グリーン「……」

レッド「なんだよその顔」

グリーン「別に」

レッド「ところでお前の家どこ?」

レッド「元チャンピオンで現ジムリーダーなんだし、あれぐらいの豪邸なんだろうな」

グリーン「よくわかったな、あれだよ」

レッド「え…あ…うん、すごいね…」

グリーン「なんだよその反応」

レッド「思ったよりでかいなと思って…」

レッド「あんなの漫画でしかみたことないような家だから」

レッド「金あるんだな…」

レッド「俺なんかこれから住むとことか仕事も探さないといけねえのに」

グリーン「21まで山にこもるからってるからだ」

レッド「あ、俺21なの?」

グリーン「なんで自分の年もわかんねえんだよ」

メイド「お帰りなさいませ」

グリーン「おう」

レッド「……」

レッド「メイドさんまでいるのかよ…それも一人や二人じゃねえし…」

グリーン「二人ともジムリーダーで家あけてることが多いけど子どもいるから」

グリーン「あと広いし、掃除とかも大変だからな」

グリーン「本当は俺たちでやりたいんだけど、ちょっと難しいんだよな…」

レッド「普通にジムリーダーの代理を用意するとかじゃダメなのか?」

グリーン「俺もそう思ってたけど、いろいろあるらしくて…」

レッド「ふーん…ジムリーダーも大変なんだな」

グリーン「今日はジムリーダーの会議だからカントーのどこのジムも休みだったんだよ」

グリーン「そんな日にお前が来るとは」

レッド「休み潰したのは悪いと思ってるよ」

グリーン「ああ、俺と子どもたちの時間を潰した罪は重い」

レッド「お前子ども何人いたっけ?5人?」

グリーン「まだ二人だよ」

レッド「二人か、お前合わせると3人…」

レッド「……」

レッド「まあそんなことはどうでもいいや」

グリーン「なにがどうでもいいんだよ、めちゃくちゃじゃねえか」

レッド「これは俺にとって重要なことなんだ…」

グリーン「なんだよ」

レッド「山からおりたはいいが、これからどうすればいいんだ…」

グリーン「…知らん」

レッド「知らんはないだろ!親友のピンチだぞ」

グリーン「だから言ったじゃん、まず自分の家帰れって」

レッド「それは…だから…うん」

グリーン「…わかった、じゃあ俺ついて行ってやるから一回お前の家行こう」

レッド「余計恥ずかしいわ」

グリーン「じゃあどうすんの」

レッド「……」

レッド「博士のとことか…」

グリーン「じいさんのとこ~?」

レッド「ギリ話せそうな気がする」

グリーン「でも残念なお知らせだ、じいさんは今老人ホームだ」

レッド「なんでそんな大事なこと教えてくれなかったんだよ」

グリーン「なんでって言われてもな…」

エリカ「ただいま帰りましたー」

グリーン「うわっもう帰ってきたのか!?」

グリーン「と、とりあえず隠れろレッド」

レッド「え、なんで?」

グリーン「いいからこっち来い」

エリカ「さ、どうぞナツメさん」

ナツメ「おじゃましまーす」

エリカ「すみませんナツメさん、ジムもポケウッドも休みだというのにわざわざ来ていただいて」

ナツメ「もう、だからいいって言ってるでしょ、あなたに頼まれたらいつだって来るわよ」

ナツメ「で、相談ってなんなの?」

エリカ「はい、グリーンさんが私に何か隠し事してるようで…」

ナツメ「隠し事?」

エリカ「そうなんです、今日も会議の後誰かと電話していて、その時は友達と言ってたんですが…」

エリカ「それに今までは気にしないようにしていたのですが毎月私に何も言わず出ていく日があったんです」

ナツメ「私の超能力で見てほしいってわけ?」

エリカ「はい…」

ナツメ「うーん…まあ…見れないことはないと思う…」

ナツメ「でも…私が言うのもあれだけどあんまり疑ったりしない方がいいんじゃない?」

エリカ「それはそうですが…」

ガチャ

グリーン「エリカ、ずいぶん帰るの早いな、ナツメも来てるし」

エリカ「グ、グリーンさん!」

グリーン「!?…な、なんだ?」

エリカ「い、いえ、何も」

ナツメ「もう直接聞いてみようか?」

エリカ「ちょ…直接ですか!?それはさすがに…」

ナツメ「エリカは最悪の場合のこと考えてるでしょ?それはないから大丈夫よ」

ナツメ「グリーンの頭の中はエリカのことでいっぱいだもん」

グリーン「なんの話してんだ?」

ナツメ「それはエリカが言ってくれるわ」

エリカ「ナ、ナツメさん!私はまだ言うとは…」

ナツメ「私はちょっとお手洗いに」

エリカ「待ってくださいよ!私一人じゃ」

ナツメ「大丈夫大丈夫、そうよねグリーン?」

グリーン「?」

ナツメ「相変わらずこの家広いわね」

ナツメ「人の家で迷うなんて…」

ナツメ「こんなときに誰かに会えば教えてもらえるだろうけど会わないし…」

ナツメ「……」

ナツメ「一回戻ってちゃんと場所聞いた方がいいかな」

レッド「……」

レッド「……」

レッド「……」

レッド「トイレ行きたくなってきた」

レッド「呼ぶまで出るなってグリーンに言われてたけどもらすよりはいいだろ」ガチャ

ドンッ

ナツメ「いたっ」

レッド「!」

レッド「ご、ごめんなさ…っ」

ナツメ「いえ…私がちゃんと前見てなかっただけで…」

ナツメ「あ…レ…レッド…?」

レッド「え…あの…」

レッド「……」

バタンッ カチャッ

ナツメ「ちょっ、レッド!レッドよね!?」

レッド「……」

レッド(だめだ…グリーン以外と話そうとするとなんか詰まるな…)

レッド(俺のこと知ってるみたいだけど知り合いかな…)

レッド(一瞬しか見えなかったけど美人だったな…)

レッド(あんな人一回見たら忘れないと思うんだけどな)

エリカ「そういえばお友達と会うと言ってたのにグリーンさんの方が帰るの早かったんですね」

グリーン「ま…まあ、結構急いだからな」

エリカ「たまにはゆっくり自分の時間を楽しんでもいいんですよ」

グリーン「いや、俺にとっては」

ナツメ「エリカ、グリーン!!」

エリカ「まあどうしたんですか、そんなに慌てて」

ナツメ「今…人が…人がいて…!」

グリーン「人なら何人もいるよ、お手伝いさんとかいるんだし」

ナツメ「そうじゃなくて、その…」

エリカ「一度落ち着いてください」

ナツメ「う、うん…」

ナツメ「さっき歩いてたら急に前の部屋のドアが開いてレッドが出てきたの」

エリカ「レッドとはあのレッドさんのことですか?」

ナツメ「そう!あのレッド!」

エリカ「レッドさんが…?」

エリカ「どういう思いますか?」

グリーン「俺ちょっと見て来る!」ダダッ

エリカ「グリーンさん!?」

ナツメ「あ、場所わかんないでしょ、私も行くわよ」

エリカ「では私も」

グリーン「い、いや、いいよ俺一人で…俺すごいからどこかわかるよ」

ナツメ「あなたはそんな超能力使えないでしょ、ほらこっちこっち」

ナツメ「この部屋」

エリカ「グリーンさんの部屋ですね」

エリカ「では開けてください」

グリーン「え…あ、開けなきゃだめ?」

エリカ「開けないと確かめられないじゃないですか」

ナツメ「もしかしてエリカに見せられないようなものでもあるの?」

グリーン「そういうわけではないけど…」

グリーン「じゃあ…開けるぞ」

ガチャ

グリーン「……」キョロキョロ

エリカ「誰もいませんね」

グリーン(レッドのやつうまくどこかに隠れたか、それでいい)

グリーン「ああ、そうだな、ナツメの見間違いだろ」

ナツメ「……」

エリカ「ナツメさん?」

ナツメ「人の気配がする」

グリーン「えっ」

ナツメ「超能力ってのはこういう時に使うものよね」

ナツメ「……」

ナツメ「グリーン、そこのクローゼット開けて」

グリーン「いや、しかし…」

エリカ「開けてください」

グリーン「はい…」

カチャ

レッド「よ…よお…」

グリーン「やあ…」

エリカ「最後に見たときからだいぶ成長なさってますけどたしかにレッドさんですね」

レッド「……」

グリーン「とりあえずそこから出ようか」

レッド「わかった…」

レッド「……」

エリカ「どうしてレッドさんがこんなところにいるのですか?」

レッド「……」

グリーン「これはその…深いわけがあってだな」

エリカ「?」

エリカ「どういうことですか?」

グリーン「どうするレッド…言っていいのか?」

レッド「……」こく

グリーン「実は…」

エリカ「そういうことだったんですか」

エリカ「グリーンさんはレッドさんがいる場所を知ってたのでしたら教えてくれてもよかったじゃないですか」

グリーン「レッドが自分のことは誰にも知られたくないから話さないようにって言ってたからな」

レッド「……」つんつん

グリーン「ん?」

レッド「俺そんなこと言ったっけ?」

グリーン「言ってたからわざわざ隠したんだよ」

レッド「そうか…いや、もう山おりたからいいよ」

グリーン「言われなくてもバレてるだろ」

グリーン「こいつがそんなこと言ったせいで月に一回大量の食糧を運ぶのにも苦労したよ」

エリカ「あ、それで月に一度何も言わず出かけてたんですか」

グリーン「エリカに心配かけたのはすまないと思ってる」

エリカ「いえいえ、理由がわかればもういいんですよ」

エリカ「それにしてもお久しぶりですねレッドさん」

エリカ「私のこと覚えてますか?タマムシジムリーダーのエリカです」

レッド「……」こく

エリカ「まあ、うれしいですわ」

エリカ「ナツメさんもレッドさんと会うのは久しぶりじゃないんですか?」

ナツメ「ええ…」

エリカ「どうしたんですか?先ほどからあまりしゃべりませんけど」

ナツメ「そう?そ、そんなつもりはないんだけど」

レッド「……」つんつん

グリーン「なんだよ、そのつんつんやめろ」

レッド「あれナツメなのか?なんか全然違うような…」

グリーン「間違いなくお前の知ってるナツメだよ」

レッド「……」

エリカ「レッドさんはもう修行終わったんですか?」

レッド「……」つんつん

グリーン「だからやめろって」

レッド「グリーンが今月来なかったし、ちょうどいい機会だと思っておりてきたって伝えて」

グリーン「俺を通すなよ」

レッド「……」

グリーン「わかったよ」

グリーン「俺が今月食料持って行くの忘れててな、こいつもいつまでも山に籠ってるわけにはいかないと思ってたんだろうな」

グリーン「それがちょうどいいと思っておりてきたそうだ」

エリカ「レッドさんはこれからどうするんですか?」

レッド「……」つんつん

グリーン「なんていうの?」

レッド「とりあえず住むところと仕事探す」

グリーン「住むところと仕事探すんだってさ」

グリーン「こいつ実家にも帰らない気みたいだからな」

エリカ「お母様には会われないのですか?」

グリーン「親とでもこうなるらしいから帰れねえんだと」

グリーン超良い奴だな…

エリカ「ナツメさんは話すことはないんですか?久しぶりのレッドさんじゃないんですか?」

ナツメ「うん…」

ナツメ「でも、レッドが私のこと覚えてくれてるとは限らないし…」

エリカ「大丈夫ですよ、私のことも覚えてくださってたんですし」

エリカ「レッドさんはナツメさんのこと覚えてますよね?」

ナツメ「エリカッ!?」

レッド「……」こく

エリカ「ほら」

レッド「当然覚えてるって言って」

グリーン「お前らで直接話せよ」

レッド「…緊張する」

グリーン「……」

グリーン「当然だってさ」

レッド「すごく大人っぽい美人になったって言って」

グリーン「そんなこと言ったらエリカの方が美人だ!」

レッド「そんなでかい声で言うなよ」

グリーン「ナツメには悪いけど世界で一番の美人はエリカだもん」

エリカ「まあ、そういうことを言うのなら世界で一番かっこいいのはグリーンさんですよ」

グリーン「じゃあさらに加えてエリカは世界一かわいい」

エリカ「それならこちらも加えてグリーンさんは世界一素敵な方です」

グリーン「エリカは~…」

エリカ「グリーンさんは~…」

レッド「……」

ナツメ「……」

レッド(なんか全然終わりそうにねえな…)

ナツメ「ね、ねえレッド…」

レッド「……」びくっ

ナツメ「あ、ごっごめん」

レッド「…ナツメ」

ナツメ「ほんとに久しぶりね」

レッド「……」こく

ナツメ「……」

レッド「……」

ナツメ「さっき仕事探すって言ってたけど何かあてはあるの?」

レッド「……」ぶんぶん

ナツメ「じゃああなたさえよければなんだけどジムトレーナーやってみない?」

ナツメ「今ちょうど募集してたの」

レッド「……」

ナツメ「あ…でもそれは嫌よね…チャンピオンだったのにただのジムトレーナーになるなんて…」

レッド「…やりたい」

ナツメ「え?い、いいの?」

レッド「……」こく

ナツメ「ありがとう」

レッド「?」

レッド「なんでナツメが礼を言うんだ…」

レッド「礼を言うのは俺なのに…」

ナツメ「レッドは今から時間あるの?」

レッド「……」こく

ナツメ「じゃあ今から一緒にジムに来てもらっていい?」

レッド「……」こく

ナツメ「エリカ、私そろそろ帰るね」

エリカ「もう帰るんですか?」

ナツメ「うん、今からやることができたし」

エリカ「そうですか、ではまた」

ナツメ「レッド手を出して」

レッド「?」スッ

ナツメ「テレポート」シュン

グリーン「あれ?レッド連れてかれちゃったよ」

つづきはよ!

挑戦者はジムリーダーまで到達できるのか…?

>>41
運良く当たらなければワンチャン

ナツメのジムではたらくならエスパーオンリーになるわけだよね?

自前だとエーフィだけしかエスパーいないから、多対1でなんとか行けるんじゃないかな

さすがに相手のレベルに対して合わせるでしょう。

ヤマブキジム

レッド「このジムもだいぶ変わったな…」ぼそっ

ナツメ「え?何か言った?」

レッド「……」ぶんぶん

ナツメ「まあいいや、早速だけど本題に入るわね」

ナツメ「一応このジムはエスパー専門だからレッドにもエスパーポケモンを使ってもらうから」

レッド「……」こく

ナツメ「ジムトレーナーはリーダーと違って基本的に自分のポケモン使うんだけど、持ってる?」

レッド「……」こく

ナツメ「じゃあ見せてもらえる?」

レッド「……」

ナツメ「どうしたの?」

レッド「ボックス…」

ナツメ「あ、そっか…今のうちに見ておきたいから今から取りに行こうか」

レッド「……」こく

ポケモンセンター

レッド「何匹いるの…」

ナツメ「そうね…3匹でいいかな」

レッド「2匹しかいない…」

ナツメ「じゃあ2匹でも」

レッド「引き出せた」

ナツメ「おっけ戻ろうか」

レッド「……」

ナツメ「どうしたの?」

レッド「回復…させてもいい?」

ナツメ「もちろん、そんなことならすぐ言ってくれればいいのに」

ナツメ「すいませーん」

ジョーイ「はーい、あっナツメさん、回復ですか?」

ナツメ「はいお願いします」

ジョーイ「それではポケモンをお預かりします」

ナツメ「あ、私じゃなくてこっちの」

ナツメ「ほら、ポケモン回復させるんでしょ」

レッド「……」こく

ジョーイ「あら、ナツメさんの彼氏ですか?」

ナツメ「か…彼氏とかそんなんじゃなくて…!//」ぶんぶん

ナツメ「その…あれ…あれです!と、友達!」

レッド「……」スッ

ジョーイ「はーい、お預かりしますね」

ジョーイ「…!」

ジョーイ「このポケモンたちは…」

ナツメ「どうかしたんですか?」

ジョーイ「いろいろと疲労やダメージがかなりたまってますね」

ジョーイ「私はこんなレベルの高いポケモンは見たことないですが、ここまで育てるのにちゃんと休養をとったりしましたか?」

レッド「……」

ジョーイ「傷薬や木の実だけじゃだめですよ」

ジョーイ「ポケモンセンターはトレーナーの方なら無料で使えるんだから、ちゃんと利用してくださいね」

ナツメ「ポケモンセンター全然使わなかったの?」

レッド「……」こく

ジョーイ「完全に回復するには丸一日ほどかかりますね」

ナツメ「それじゃあお願いします」

レッド「!」

ナツメ「ずっと戦ってばっかじゃだめだって、一日ぐらいゆっくり休めないと」

レッド「……」こく

ナツメ「明日また来ますね」

レッド「……」つんつん

ナツメ「どうしたの?」

レッド「トイレ行ってくる…」

ナツメ「わかった、ここで待ってるね」

ジョーイ「本当にただの友達なんですか?」

ナツメ「だから彼氏とかじゃないですよ、友達です」

ジョーイ「あ、そうじゃなくてもしかしてですけど…あの人って元チャンピオンのレッドさんですか?」

ナツメ「そうですよ」

ジョーイ「やっぱりそうだったんですね、どこかで見たことあるような気がして、このポケモンたちでまさかと思って」

ジョーイ「突然消えたって噂ありましたけど」

ナツメ「まあ…いろいろあって」

ジョーイ「もしかしてナツメさんのところにいたとか」

ナツメ「そ、そんなわけないじゃないですか」

ナツメ「もしそうだとしたらポケモンセンターを使ってるはずですよ」

ナツメ「今まであんまり人が寄り付かない場所にいたんですよ」

ジョーイ「へえー、そうだったんですか」

ジョーイ「でもよかったですね、帰ってきてくれて」

ナツメ「まあ…」

ジョーイ「ナツメさん前に好きな人は元チャンピオンのレッドさんって言ってましたもんね」

ナツメ「!!/////////」

ナツメ「そそそそそそそそそんなこと言いましたっけ…!?」

ジョーイ「言ってましたよ、ナツメさんちょっと酔ってましたけど」

ジョーイ「他にもいろいろ二人で食事に行った話とか…よく考えるとあの時8割以上レッドさんの話だったかも」

ナツメ「そ…そ…そ…それは…そのなんていうか…」もにょもにょ

レッド「……」

ジョーイ「あ、戻ってきましたよ」

ナツメ「さ、さあ!ジムに戻りましょうか!」

レッド「?」

レッド「顔赤い…」

ナツメ「なんでもない!」

ヤマブキジム

ナツメ「それじゃあ見せてもらえる?」

レッド「出てこい…」ポンッ

ヤドラン「ヤーン」

ユンゲラー「ゲラー」

ナツメ「…さすがレッドのポケモンね、かなり育ってる」

ナツメ「けどちょっと育ちすぎかな、これじゃバッジ7個のトレーナーでも勝てないかも」

ナツメ「ジムってのはトレーナーをボコボコにするところじゃないのトレーナーを育てるところだから、あんまり強すぎてもね…」

レッド「……」

ナツメ「でもジムトレーナーのトレーニングだったら役立ってくれるかも」

ナツメ「それでたまに挑戦者と戦うってのがいいかな」

ナツメ「このヤドランと…ユンゲラー」

ナツメ「ユンゲラー…」

レッド「……」

ナツメ「……」

レッド「……」しゅん

ナツメ「ご、ごめ…そんなつもりじゃなくて…」

ナツメ「そうだ、今進化させよっか、私が交換相手になるから」

レッド「……」ぱあっ

フーディン「フォッフォッフォ」

レッド「……」なでなで

ナツメ「あ…」

ナツメ「進化したらますますジムで使えなくなっちゃった…」

レッド「…!」

ナツメ「元に戻すことはできないし…」

ナツメ「フーディンはトレーニング専門になっちゃうけどいい?」

レッド「……」こく

ナツメ「ごめんね」

レッド「謝らなくていい…」

ナツメ「バッジが7個以外の挑戦者にはジムのポケモン貸すから、それでお願いね」

レッド「……」こく

ナツメ「他のジムトレーナーには明日あなたのこと紹介するから」

ナツメ「今日やることはもうないかな…」

ナツメ「うん、終わりね」

レッド「……」

ナツメ「ねえレッド…ジムトレーナーに続けてこれもあなたがよかったらの話なんだけど…」

ナツメ「その…住むところ…家…なんだけど…わ、わ、私の家に来ない…?」もじもじ

ナツメ「……」ちらっ

レッド「…いいの?」

ナツメ「うん…」

レッド「……」

レッド「お願いします…」

ナツメの家

レッド「……」キョロキョロ

ナツメ「エリカとグリーンの家行った後だからあっちと比べるとなんだか恥ずかしいな」

レッド「……」ぶんぶん

レッド「そんなことない…」

ナツメ「ありがと」

レッド「……」

ナツメ「お風呂入るでしょ?今沸かしてくるから」

レッド「……」

レッド「女の子の部屋に来てしまった、それもナツメの」

レッド「いい匂いがする」

レッド「山小屋とは大違いだ」

レッド「どこ見てもきれいだし」

レッド「あれ、この写真…俺とナツメの写真だ、ナツメもずっと持っててくれてたんだな」

ナツメ「あなたがポケモンリーグに挑戦する前に撮ったのよね」

レッド「!!」びくっ

ナツメ「ふふっ…お風呂後20分ぐらいしたら入れるから」

レッド「う、うん…」

ナツメ「一人の時はちゃんと喋ってるじゃない」

レッド「まあ…」

ナツメ「エリカの家の時から思ってたけどレッドって全然話さなくなったよね

ナツメ「その写真のときも普通に話してたのに、どうしたの?」

レッド「……」

レッド「緊張する…」

ナツメ「え?」

レッド「山にこもってた数年間にグリーンとしか話してなかったからあいつ以外と話そうとするとどうも…」

レッド「でももう山じゃないし…そのうち普通に話せると思う…」

レッド「一人でいるのが飽きたからおりてきたのに話せないと意味がないからがんばる…」

2時間後

レッド「ごちそうさま…」

レッド「おいしかった」

ナツメ「よかった」

レッド「……」

レッド「……」

ナツメ「レッド?」

レッド「……」ぐー

ナツメ「あれ、寝てる?」

ナツメ「レッド、レッド」ゆさゆさ

レッド「ん…あ?どしたの…」

ナツメ「寝る前には歯を磨かなきゃだめでしょ」

レッド「あれ、寝ちゃってたのか…」

レッド「なんだか変な話だけど久しぶりに誰かの料理を食べたからか安心しちゃって、急に眠気が…」

ナツメ「ずっと山にいたらそうなるものなの?」

レッド「わからない…」

ナツメ「寝るにしてもちゃんとしたとこで寝ないと」

ナツメ「あとさっきも言ったけど歯磨きも」

レッド「……」こく

なんか良いなこういうの

ミュウツーもってなかったか

そんなんもっと出せるかwww

エーフィがいないとか……

最近のポケモンやってないんだけど初代主人公とその周辺って扱い的にはどーなってんの?

友達とバカンスしてる

定期的に裏ボスになってるよ

でもコイキングで倒せるレベルなんでしょ?

バトルタワー的な施設でグリーンと働いてるよ

翌朝

ナツメ「……」

ナツメ「全然寝れなかった…」

ナツメ「レッドがいるとこんなに緊張して寝れないと思わな…」

ナツメ「レッドがいない!」

ナツメ「そんなはず」コテッ ゴツン

ナツメ「いった~…」

トントントン

ナツメ「あれ…何か音がする…」

レッド「……」ジュ~

ナツメ「な、何やってんの…?」

レッド「朝食…ナツメが起きる前に作っとこと思って…」

レッド「泊めてもらったんだから何かしないと悪いから…」

ナツメ「そうだったの…起きたらいなかったからびっくりしたじゃない」

レッド「ごめん…」

ナツメ「いいのいいの、こんなことで謝らなくて」

レッド「いや、そうじゃなくて失敗した…」

ナツメ「……」

ナツメ「はいどうぞ」

レッド「ほんとごめん…食材を…」

ナツメ「いいのいいの、でも今度からは丸焦げになる前に気づいてね」

レッド「火の調節って難しい…」

レッド「いつもリザードンにやってもらってたから…」

レッド「今度はリザードンで」

ナツメ「でもそれだと家でできないじゃない」

レッド「……」

レッド「……」しゅん

ナツメ「キャンプとかでやってもらおうかな!今度一緒に行きましょうよ!」

レッド「……」こく

ナツメ「準備できた?」

レッド「……」

ナツメ「よし、ジムに行きましょうか」

レッド「……」こく

ナツメ「ポケモンセンターには帰りでいいよね」

レッド「うん…」

ヤマブキジム

ジムトレ1「ナツメさんおはようございます」

ナツメ「おはよ」

ジムトレ2「おはよーございまーす」

ナツメ「うん、おはよ」

ジムトレ7「一緒にいる男の人って新しいジムトレーナーですか?」

ナツメ「そうよ」

ナツメ「みんな紹介するね、今日から新しく入ったレッドよ」

ナツメ「ほら挨拶して」

レッド「……」ぺこ

ナツメ「…ちょ、ちょっとシャイだけどいい人だから」

ナツメ「じゃあレッドこっち来て」

レッド「……」こく

ジムトレ1「ねえねえあのレッドって人どこかで見たことない?」

ジムトレ2「近所のお兄さんに似てる」

ジムトレ1「そういうことじゃなくて、もっとこう…どこだったかな…」

ジムトレ2「そんなことよくあるじゃないの」

ジムトレ2「それより気になったのがあの人今日入った新人なのになんで奥の方が持ち場なのさ」

ジムトレ2「新人は普通手前ですぐ挑戦者にやられちゃうものでしょ」

ジムトレ1「それだけナツメさんが期待してるとか…?」

ナツメ「ここがあなたの持ち場ね」

レッド「……」

ナツメ「ん?どうかしたの?」

レッド「ジムリーダーと同じ部屋なの…?」

ナツメ「そうよ」

ナツメ「い、嫌…なの?」

レッド「……」ぶんぶん

レッド「そんなことない…」

3時間後

ナツメ「……」すやすや

ナツメ「!」ぱちっ

ナツメ「ね、寝ちゃってた!ジム戦…」

レッド「まだ誰もナツメのとこまで来てないから心配しなくていいよ…」

ナツメ「えっ、ほんと?」

レッド「うん…」

ナツメ「私どれぐらい寝てた?」

レッド「3時間ぐらいかな…」

ナツメ「それまで本当に誰も来てないの?」

レッド「うん…ナツメ寝てたから戦わせないために全部倒した…」

ナツメ「ここに来たの全員倒しちゃったの?」

レッド「……」こく

ナツメ「ごめんね、余計にがんばらせちゃって…」

ナツメ「でも一応確認するけど使ったポケモンは?」

レッド「ちゃんと相手のバッジの数に合わせて戦った」

ナツメ「相手に合わせたのに全勝?」

レッド「……」こく

ナツメ「すごい…自分のポケモンでもないのにそんな使いこなすなんて…」

流石レッドさん

ナツメ「何人ここに来たの?」

レッド「10人ぐらい…」

ナツメ「まあ誰もジムリーダーのとこまで来れない日があってもいいかな」

レッド「いいの…?」

ナツメ「うん、ここじゃ私がルールだし、私がいいって言えばなんでもOKなの」

レッド「ジムリーダーってけっこう自由なんだね…」

ナツメ「でも大変なときはほんとに大変なのよ」

レッド「どんな時?」

ナツメ「……」

ナツメ「まあ…パッとは出てこないけど…」

レッド「嫌になることはないの…?」

ナツメ「ちょっとはあったかな」

ナツメ「でもこれからはあなたがそばにいてくれるから嫌になることなんて」

ジムトレ1「ナツメさーん」

ナツメ「!…な、何!?」

ジムトレ1「あれ、お取込み中でした?」

ナツメ「いや、ただ話してただけよ、それよりどうしたの?」

ジムトレ1「マネージャーさん来てますけど通していいですか?」

ナツメ「うん、お願い」

レッド「マネージャー?」

レッド「何かやってるの?」

ナツメ「一応…女優…」

レッド「女優!?」

ナツメ「!」びくっ

レッド「思ったより声出た…ごめん…」

ジムトレ1「ナツメさん、連れてきましたよー」

コトネ「ナッツメさ~ん」ぴょーんぴょーん

ナツメ「コトネは今日も元気ね」

ナツメ「紹介するねレッド、私のマネージャーやってもらってるコトネよ」

コトネ「初めまして!ナツメさんのマネージャー兼彼女のコトネです」

レッド「彼女…?」

ナツメ「ち、違う!それはコトネが勝手に言ってるだけ!」

コトネ「何でですか、私ナツメさんのこと大好きですし、何度も食事したり遊びに行ったりしたじゃないですか」

ナツメ「そんなこと普通によくあるでしょ…そんなのだったら私もレッドと何度も行ったわよ」

レッド「……」こく

コトネ「……」

コトネ「レッド?それは誰なんですか?」

ナツメ「ここにいる新しく入ってくれたジムトレーナーよ」

コトネ「新しく入ったジムトレーナーさんと何度も食事や遊んだりしたんですか?」

ナツメ「っ…いいじゃない別に」

コトネ「レッドさんと言いましたよね、私のナツメさんに何もしてないですよね!」

ナツメ「別にあなたのじゃないけど…」

レッド「…?」

ナツメ「ほらレッド困ってるじゃない、もうやめときなさい」

コトネ「むー…エッチしてないでしょうね?」

ナツメ「!!!!!!!!!!???????????」

ナツメ「そんなこと…!/////」

レッド「……」

数時間後・ジム終了

ナツメ「今日はレッド大活躍だったね、ほんとに一度も私が戦わなかったもん」

レッド「……」

コトネ「あれぐらい私でもできますよ」

ナツメ「そんなこと言わないの、レッドは本当にすごいもん」

コトネ「レッドさんってこういうと失礼ですけどただのジムトレーナーですよね」

コトネ「なんでそんな評価してるんですか?」

ナツメ「本人の目の前でそんな言い方ないでしょ」

コトネ「そうだ、今からごはん行きましょうよ、そこでゆっくり話しましょう」

ナツメ「あれだけ時間あったのにここで話せば…まあいいけど」

ナツメ「どうするレッド?」

レッド「……」こく

ナツメ「うん、じゃあ行きましょ」

コトネ「えっレッドさんも来るんですか?」

ナツメ「言っとくけどレッドが行かないなら私も行かないから」

コトネ「やっぱり二人はどういう関係なんですか」

ナツメ「あなたが興味を持つような関係じゃないわよ」

コトネ「レッドさんはナツメさんのことどう思ってるんですか!」

レッド「……」こく

コトネ「うんじゃわかんないです…」

ポケモンセンター

ナツメ「すいませーん」

ジョーイ「はーい、ナツメさんにレッドさんお待ちしてましたよ」

ナツメ「レッドのポケモンはどうですか?」

ジョーイ「バッチリですよ、みんな元気いっぱいです」

ナツメ「だって、よかったねレッド」

レッド「うん」

ジョーイ「はいどうぞ」

レッド「……」ぺこ

レッド「ちょっと外で様子見てくる…」

ナツメ「うん、わかった」

ジョーイ「ジムはもう終わったんですか?」

ナツメ「はい、それで今からごはんを食べに行こうと思ってるんです」

ジョーイ「まあ、ついにデートに誘うことに成功したんですね」

ナツメ「だ、だから私たちはそういう関係じゃないですって」

ジョーイ「ナツメさんがレッドさんのこと大好きだなんてことみんな知ってるんですから、思いきって告白しちゃえばいいじゃないですか」

コトネ「……」ぴくっ

コトネ「その話本当ですか!?」

ジョーイ「え、ええ…ナツメさん本人が言ってたんですから」

ナツメ「それはその…何回も言ってしつこいようだけど…」

レッド「みんな元気になってた…」

コトネ「レッドさん!」

レッド「……!」びく

コトネ「ナツメさんはあなたのことが好きなようですね…」

レッド「?」

コトネ「……」

レッド「……」

コトネ「…フ」

レッド「……」

コトネ「フフフ」

レッド「……」

コトネ「ハーッハハハハハハハハハ!」

コトネ「何が可笑しい!!」

レッド「…?」

ナツメ「笑ってたのコトネだけじゃないの…」

コトネ「レッドさん、やはりあなたとは決着をつけなければならないようです」

レッド「……」

ナツメ「レッドは嫌ならこの時点で断っていいのよ」

コトネ「いいえ!この勝負からは逃がしません!」

コトネ「もちろん何にもなしというわけではありません」

コトネ「勝った方が今日一晩ナツメさんを好きにできる権利を得るというのはどうです?」

ナツメ「いや、そういうの私の許可なしでやらないで」

レッド「……」こく

ナツメ「レッドも了承しないの!」



ジョーイ「わあ、いよいよですね」

ナツメ「仕事中じゃないんですか?」

ジョーイ「ラッキーたちがなんとかしますよ、それよりこの勝負が見たいですから」

ジョーイ「どっちに勝ってほしいんですか?」

ナツメ「…どっちもがんばってくれればいいです」

レッド「……」パカッ

リザードン「グオオオオオオ!」

コトネ「リザードンですか…ならこっちはマリルリ!」

マリルリ「ルリィ!」

レッド「……」ビッ

リザードン「ドラゴンクロー!!」

スカッ

リザードン「!?」

レッド「???????」

マリルリ「テツノイシモハガネノツヨサモカンジラレナイ」

ナツメ「レッド、マリルリはフェアリータイプ」

ナツメ「ドラゴンタイプの技は効果ないわよ!」

レッド「ふぇありー…?????」

コトネ「タイプ相性どころかタイプすらご存じないようですね!」

コトネ「でも容赦しません!一気に行きます!」

コトネ「マリルリ、はらだいこ!」

コトネ「オボンむしゃむしゃ」

コトネ「そしてアクアジェット!!」

マリルリ「ルリィィィィィィィィィィィ!!!」

コトネ「強靭!無敵!最強!」

ドーン

コトネ「粉砕!玉砕!大喝采!」

コトネ「ワハハハハハハハ!」

リザードン「プフゥ…」

コトネ「……」

コトネ「…何…」

コトネ「…だと…」

レッド「……」ビッ

リザードン「フレアドライブ」

マリルリ「イワーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーク!!」バタッ

コトネ「そ、そんな…」

レッド「……」

コトネ「……」

コトネ「レベルが違いすぎる…!」

コトネ「これ以上やっても私のポケモンが傷つくだけ…」

コトネ「時間の無駄です、これはもう私の負けです…」

レッド「……」

ジョーイ「よかったですね、レッドさん勝ちましたよ」

ナツメ「そうみたいですね」

コトネ「レッドさん…お願いがあるんですけど」

レッド「?」

コトネ「惚れました!結婚してください!」

ナツメ「!!!???」

ナツメ「コ、コトネ!何言ってんのよ!そんなこと…」

コトネ「ナツメさんは別にレッドさんと付き合ってるわけじゃないんでしょ」

ナツメ「それはそうだけど…」

コトネ「だったらナツメさんとレッドさんの関係は友達、もしくはジムリーダーとジムトレーナーという程度じゃないですか」

ナツメ「……」

コトネ「レッドさんは今彼女はいらっしゃるんですか?」

レッド「……」ぶんぶん

コトネ「一目惚れ…とはちょっと違うかもしれませんが、私レッドさんのことが好きになっちゃったんです!」

レッド「……」

コトネ「ど、どうなんですか…?」

レッド「……」ぶんぶん

レッド「ごめん…」

コトネ「わ、私の何がダメなんですか!?」

レッド「ダメなとこはない…」

コトネ「じゃあどうしてです」

レッド「……」

レッド「俺がしゃべれない…」

引き込まれて、一気読み。面白い

俺が喋れないって斬新な断り方だな

俺もなったわ、フェアリータイプの下り

レドコトとか、コトネがポケキャラで2番目に好きな俺得じゃないか

HGSSのチャンピオンの初回の最大レベルが50
対してレッドは88だしな…



コトネ(しゃべれないって…確かに食事中も全然話してなかったけど…)

ナツメ「コトネ?」

コトネ「は、はい!どうしました?」

ナツメ「元気ないけど…あんまりおいしくなかったの?」

コトネ「いえいえ!そんなことありませんよ!」

ナツメ「それならいいけど…」

ナツメ「一人で帰れる?」

コトネ「もちろんですよ!」

ナツメ「そう、じゃあおやすみ、気をつけてね」

コトネ「はーい、おやすみなさーい」

レッド「……」

ナツメ「あ、コトネ待って」

コトネ「はいはい、ナツメさんの頼みならいつまでも待ちます!」

ナツメ「レッドが何か言いたいみたい」

ナツメ「言える?私が言おうか?」

レッド「自分で言う…」

コトネ「な、なんでしょうか…」どきどき

レッド「マリルリ…」

コトネ「え?」

レッド「マリルリって今までドラゴンクロー当たってたよね…」

コトネ「えっと…そうでしたっけ?」

コトネ「ここ最近ずっと効果なしってなってたからずっとそんなものだと…」

ナツメ「当たってた」

レッド「やっぱり…」

ナツメ「でもレッド、昔はコイルが毒針受けてたじゃない」

レッド「そうだっけ…?」

ナツメ「そうだった、ポケモンは私たちにはどうすることもできない力で変化してるのよ」

レッド「……」

翌日・ヤマブキジム

コトネ「今日も来ましたよー!」

ナツメ「どうせ来ると思った…」

コトネ「ナツメさん冷たいですよー」

コトネ「レッドさんもそう思いますよね?」

レッド「マリルリ…」

コトネ「まだ言ってるんですか!?」

ナツメ「さっきまでは言ってなかったんだけど、コトネ見て思い出したんでしょうね」

コトネ「つまりレッドさんは…」

コトネ「あっと…また忘れるとこでした」

ナツメ「レッドがなんなの?」

コトネ「いえ、今はそのことは置いといてください」

コトネ「これほんとは昨日言うつもりだったんですけど、決まりましたよ」

ナツメ「何が?」

コトネ「魔法の国と不思議な扉11ですよ」

ナツメ「…あれまだやるの?10のときにあんな終わり方だったからまさかとは思ったけど」

ナツメ「続きすぎでしょ…ドラ〇エじゃないんだから…」

コトネ「なんだかんだ言って毎回出てるじゃないですか、今回はどうするんです?」

ナツメ「出る…」

コトネ「そういうと思って勝手にOK出しときました」

ナツメ「私が本当に無理ならどうするつもりだったのよ…」

ナツメ「で、いつからなの?」

コトネ「明後日です、監督さんがすぐ撮りたいって言ってたみたいですから」

ナツメ「はやっ」

コトネ「あ、これほんとは昨日言うつもりだったんで明日ですね」

ナツメ「……」

ナツメ「むちゃくちゃね…」

レッド「ナツメ明日どこか行っちゃうの…?」

ナツメ「そうね…ポケウッドに…何日ぐらいかかるのかな、あの監督適当だし」

レッド「ポケウッドってどこなの」

ナツメ「イッシュ地方よ」

ナツメ「レッドは行ったこと…ないよね?」

レッド「うん…」

コトネ「そうだ、レッドさんも行きましょうよ」

レッド「……」こく

ナツメ「…なんでコトネが言うのよ」

コトネ「いいじゃないですか、レッドさんに伝わればいいんですから」



ナツメ「あー明日イッシュ行かないといけないのよね…」

コトネ「そうですよ」

ナツメ「明日朝一の船でイッシュに行くしかないわね」

ナツメ「コトネ、明日早いからうちに泊まる?」

コトネ「いいんですか?やったー」

コトネ「じゃあレッドさんもナツメさんの家に泊まりますよね」

レッド「俺は元々ナツメのところに居候させてもらってる…」

コトネ「えっ?ナツ…え?それって…え?」

ナツメ「えが多い」

コトネ「…整理するとナツメさんはナツメさんの家に住んでるんですよね」

ナツメ「当たり前じゃない」

コトネ「レッドさんはどこに住んでるんでしたっけ」

レッド「ナツメの家…」

コトネ「ということは二人とも同じナツメさんの家ということですよね」

ナツメ「そうよ」

コトネ「えっとつまり…」

コトネ「同棲!?」

ナツメ「同棲だなんて、そんな大げさな」

ナツメの家

ナツメ「じゃあおやすみ、なるべくすぐ寝なさいよ」

コトネ「はーい」

コトネ「あれ?」

ナツメ「どうしたの?何か問題あった?」

コトネ「ナツメさん一緒に寝てくれないんですか?」

ナツメ「私は自分の寝室で寝るわよ」

コトネ「そうですかー…」

ナツメ「そんなこと言ってないで早く寝なさいって」

コトネ「はーい、おやすみなさーい」

2時間後

コトネ「……」むくっ

コトネ「時は満ちた…!」

コトネ「睡眠なんてイッシュまでの船の移動時間にとればいいだけ」

コトネ「それより今は同じ屋根の下にレッドさんとナツメさんが寝ているこのチャンスを逃すわけにはいかない!」

コトネ「ふっふっふ…寝ている二人にあんなことやこんなこと…」

コトネ「興奮してきた」

コトネ「まずはレッドさんだ」

コトネ「あれー?レッドさんどこにもいないぞ」

コトネ「どこで寝てるか聞いとけばよかったな…」

コトネ「仕方ない、ナツメさんの方を先にするか」

コトネ「……」カササササササ

コトネ「ふっふっふ」ガチャ

ゴチンッ

コトネ「ぎゃっ」

コトネ「な、なんだなんだ?」

コトネ「っ!これは見えない壁がある、まさかナツメさんが」

コトネ「前にナツメさんに夜這いをかけたせいか対策されてるのかな」

コトネ「だがしかし!私の夜這いとは、常に相手の一歩先を行くもの!」

コトネ「壁ぐらい計算済みですとも!」

コトネ「マリルリ、かわらわり!」

ガシャーン

コトネ「ちょっと音大きいよ」

コトネ「起きてなけりゃまあいいや、さーて今週のナツメさんの寝顔は」

コトネ「?」

コトネ「ベッドと布団が一つずつ…」

レッド「ん…誰…?」

コトネ「!!」

レッド「コトネちゃん?」

コトネ「ど、どうしてレッドさんがこの部屋で寝てるんですか!?」

レッド「ここが寝室だから…」

コトネ「ナ、ナツメさんと一緒に寝てるんですか」

レッド「?」

レッド「別々だよ…」

コトネ「お、同じ部屋ですよ!」

レッド「そーだね…」

コトネ「そうだねって…!」

レッド「コトネちゃん…あんまり大きい声出すとナツメ起きちゃうよ…」

コトネ「あ、すいません…」

レッド「明日早いみたいだし、早く寝た方がいいよ…」

レッド「それとも何かナツメに用があったの…?」

レッド「俺ができることならなんとかするけど…」

コトネ「えっと…ひ、一人じゃ寂しーな…なんて」

レッド「……」

レッド「俺のところでいいなら、ここ来なよ」

コトネ「!!」

翌朝

ピピピッピピピッ ポチッ

ナツメ「んんーっ、よく寝た」

ナツメ「レッドとコトネが起きる前に朝食の用意しとかないと」

レッド「……」ぐー

ナツメ「普段はかっこいいけど、こういうときの顔は可愛いわね」

ナツメ「あれ?背中がやけに膨らんでる、なんだろ?」ぺらっ

コトネ「……」すーすー

コトネ「むにゃむにゃ…れっどしゃん…」

ナツメ「……」

ぎにゅいっ

コトネ「にゃぎゃっ!」

ナツメ「おはよう、コトネ」

コトネ「お、おひゃようございまひゅ」

ナツメ「どうしてあなたがレッドのお布団で寝てるのかしら?」

コトネ「と、とりあえず離してくだひゃい」

ナツメ「……」ぱっ

コトネ「いたたたた」

ナツメ「……」

コトネ「レッドさんがおいでって言うから」

ナツメ「ほんとに?」

コトネ「ほんとですよ」

ナツメ「レッドに何もしてないでしょうね?」

コトネ「…ナツメさん、もういいんじゃないですか?」

ナツメ「何が?」

コトネ「ナツメさんがレッドさんのこと大好きだってのはよくわかります」

コトネ「同棲して同じ部屋で寝て一日中一緒に過ごしてるのに付き合ってないなんて逆におかしいです」

コトネ「もう思い切って大好きって言っちゃえばいいじゃないですか、二人とも大人なんですし」

コトネ「そうじゃないと私が今怒られてる理由がないですからね」

ナツメ「……」

ナツメ「そんなの言われなくても…」

コトネ「わかってるんだったら早い方がいいじゃないですか」

コトネ「こんなの知り合って何年もたってるナツメさんの方がわかってると思いますけど、レッドさんからはどれだけ待っても言ってくれませんよきっと」

ナツメ「……」

コトネ「言わないんだったら私が言いますよ」

ナツメ「あなた断られたじゃない」

コトネ「一度や二度断られたぐらいでへこむコトネちゃんじゃありません!」

ナツメ「……」

ナツメ「わ…わかった…きょ、今日言うから…」

フフフ

レッド系のSSは出涸らしができきってても何故か見ちゃうわー

1時間後

レッド「今日のナツメどうしたの…?」

コトネ「どうしたって何がです?」

レッド「なんかそわそわしてる…」

コトネ「あ、ああ、それは撮影があるからじゃないですかね」

レッド「映画の前はいつもああなの…?」

コトネ「そ、そう…ですね」

レッド「……」

レッド「ナツメ、イッシュってここからどれぐらいかかるの?」

ナツメ「どれぐらいかかったかな…」

ナツメ「飛行機でも10時間ぐらいだったかな?」

レッド「ちょっと遠いな…」

ナツメ「大丈夫、フーディンのテレポートで一瞬よ」

レッド「いや、そうじゃなくて…」

ナツメ「?」

コトネ「ナツメさん、そろそろいい時間ですよ」

ナツメ「そう、じゃあ行きましょうか」

ナツメ「フーディン、出て来て」

フーディン「ハイヨー」

ナツメ「レッド、コトネ、フーディンに手をあてて」

レッド「……」スッ

ナツメ「フーディン、お願いね」

フーディン「リョーカイ」

ポケウッド

ナツメ「到着」

フーディン「ゼエゼエ…」

ナツメ「お疲れ様フーディン、戻って」

ナツメ「コトネ、ポケモンセンターに連れて行ってあげて」

コトネ「はーい」

レッド「テレポートしただけじゃないの…?」

ナツメ「さすがにこれだけの距離のテレポートは体力をかなり使うのよ」

ナツメ「早く休ませてあげたいけど撮影あるからコトネに行ってもらってるの」

監督「あ、ナツメちゃん、連絡が急ですまなかったね、大変だったろー」

ナツメ「いえ、テレポートで一瞬ですから…」

監督「そうだったな、ナハハハハハ」

監督「あれ、ナツメちゃんマネージャー変わった?」

監督「前は可愛らしい女の子だったじゃないか」

ナツメ「彼はマネージャーじゃないです…」

監督「ふーん、そうなんだ」

監督「まあいいや、それよりナツメちゃん、せっかく来てもらって悪いけど撮影ちょっと遅らせるね」

ナツメ「何かあったんですか?」

監督「実はキョウヘイ君が数時間遅れるそうなんだ」

ナツメ「そうですか、じゃあ来たらまた連絡ください」

ナツメ「まだまだ時間あるみたいだし、どこか観光でも行こっか」

レッド「うん…」

ナツメ「うーん、どこがいいかなー」

レッド「ナツメ…」

ナツメ「どこか行きたいところあった?」

レッド「俺ナツメの出た映画見たい」

ナツメ「わ、私の映画を…?」

レッド「どこか見れるところはないの?」

ナツメ「映画自体ならあそこが映画館になってるからそこで見れるけど…私の出たのは今はやってないわよ」

レッド「……」

レッド「映画館行きたい」

レッド「いい…?」

ナツメ「もちろんいいわよ」

レッド「……」にこ

ナツメ「レッドってそんなに映画好きだった?」

レッド「うん…」

ナツメ「どれか見たい映画ある?」

レッド「あれ…」

ナツメ(れ、恋愛映画…!レッドってこういうの見るんだ…覚えとこ)

レッド「嫌…?」

ナツメ「そ、そんなことないよ、時間もちょうどいいし見ようか」

レッド「うん…」

ナツメ「ジュースとか食べる物いる?」

レッド「うん」

鑑賞中

レッド「……」

ナツメ「……」

ナツメ(よく考えたらレッドと二人で来てるのよね…)

ナツメ(これってまるでデ…デ…)

ナツメ「……」

ナツメ(あ…キスした…ほんとにそういうものならこういうときに手を)プルプル

ナツメ「!」

ナツメ(て…手汗が!)

悪魔ナツメ『そんなのかまうことはねえ、当然のように手を握れ』

天使ナツメ『焦ってはいけません、まず一度落ち着くのです、深呼吸ですよ』

悪魔ナツメ『うるせえ!お前のそういうとこのせいでチャンス逃してレッドは山に行っちゃったんだろうが!』

天使ナツメ『ひいっ…』

悪魔ナツメ『手を握るなんて今しかねえんだ、やれっ!』

天使ナツメ『そ、そうですね…一度…とりあえず握ってみましょう』

ナツメ(天使が悪魔に折れちゃった…)

パシッ

ナツメ「ひゃっ!//」

レッド「ナツメ…?」

レッド「大丈夫?さっきから手が震えてたよ」

レッド「汗もこんなに…」

レッド「気分悪いの?」

ナツメ「だ…だ…大丈夫…」

レッド「顔も赤いよ、一回外に出よう」

ナツメ「でも…」

レッド「でもじゃない、ナツメにもしものことがあったら…」

悪魔ナツメ『おいおい、上映中に話すなんてよくねえな』

悪魔ナツメ『こりゃレッドの口をふさぐしかねえ』

悪魔ナツメ『自分自身の口でよお』

天使ナツメ『口を口でふさぐなんてまるでキスではないですか!』

天使ナツメ『そんなこと今は』

悪魔ナツメ『あぁん!?』

悪魔ナツメ『手はレッドに先やられたんだから口ぐらいこっちから行け!』

天使ナツメ『ナツメ…レッドにキスをするのです』

悪魔ナツメ『ケケケ』

ナツメ(天使弱っ!)

悪魔・天使『それキース!キース!キース!』

ナツメ(頭の中で天使と悪魔が結託して暴走しだした…!)

神官ナツメ『ザ〇キ』

悪魔・天使『うぎゃ~!』

ナツメ(とりあえず頭の中からは変なのがいなくなった…)

レッド「ナツメ…?」

ナツメ「ごめんね…私のせいで途中で出ちゃって…」

レッド「いいっていいって」

レッド「もう気分はだいぶよくなった?」

ナツメ「うん…」

レッド「よかった」

レッド「俺はナツメが元気でいてくれればそれだけで十分だよ」

レッド「デ…映画はまた今度二人で見に行けばいいだけだからね」

ナツメ「うん…」

プルルルル

ナツメ「あ、電話切るの忘れてた…」

ナツメ「ごめん、レッド、電話出るね」

ナツメ「もしもし」

コトネ「もしもし、あと30分ぐらいでキョウヘイ君着くらしいですけど、今どこですか?」

ナツメ「今映画館のとこ、後30分ぐらいね、わかった」


時戒から更新が遅くなります
申し訳ないです

時戒→次回

リアルタイム乙

ああ、これはいいですね

30分後

キョウヘイ「いやーごめんなさいねー」

キョウヘイ「バトルサブウェイ制覇してたんですよ」

キョウヘイ「もし負けたらやめようと思ったんですけど」

キョウヘイ「僕が強すぎて全勝しちゃって遅くなりました」

キョウヘイ「強すぎるのも考えものですねー」

ナツメ「そ、そう…」

キョウヘイ「やあコトネさん、今日もかわいいー」

コトネ「黙れ、ぶち〇〇ぞ」にこっ

ナツメ「コトネ、失礼でしょ」

コトネ「でもー…」

ナツメ「ごめんねキョウヘイ君」

キョウヘイ「いえいえ、もう慣れました」

ナツメ「これに慣れるのってあまりよくないと思うけど…」

ナツメ「コトネも相手が慣れるまで言わないの」

コトネ「だってこいつ」

ナツメ「こいつじゃないでしょ」

コトネ「……」

ナツメ「そんなムッとした顔しないの」

ナツメ「ほらよしよし」なでなで

コトネ「……」

コトネ「へへっ」

コトネ「レッドさんもなでなでしてください」

レッド「……」なでなで

コトネ「うへへ」

キョウヘイ(…誰?)

撮影終了

コトネ「~♪」スリスリ

レッド「……」

ナツメ「……」タッタッタ

ナツメ「離れなさい」ぐいっ

コトネ「ふぇぇ…」

ナツメ「ねえレッド、どうだった?」

レッド「うん、よかったと思う」

コトネ「ナツメさんばかりずるいですよ!」

ナツメ「撮影中ずっとコトネがレッドにくっついてたの見てたんだけど」

コトネ「それはあれですよ…レッドさんが寒そうだなと思って」

ナツメ「それなら心配ないわ、レッドは寒いの慣れてるから」

レッド「ナツメ、あんまりコトネちゃんいじめちゃだめだよ…」

ナツメ「いじめてるわけじゃないけど…」

キョウヘイ「……」

キョウヘイ「監督さん」

監督「ああキョウヘイ君、お疲れ様、どうしたんだい?」

キョウヘイ「最初から気になってたんですけどあの人誰ですか?」

監督「ああ、あのナツメちゃんといる人だろ」

監督「僕もよく知らないんだよね」

監督「でもナツメちゃんの顔見る限り、もしかして彼氏かな」

監督「演技以外であんな笑顔見たことないし」

キョウヘイ「ナツメさんの…」

キョウヘイ「ちょっと気になるな」

レッド「俺トイレ行ってくる」

コトネ「またですか?レッドさんよくトイレ行きますね」

レッド「……」

ナツメ「じゃあ私その間に着替えてくるから」

ナツメ「コトネは一応ついて行ってあげて」

ナツメ「知らない人と会っちゃうとレッド固まっちゃうことあるから」

コトネ「まさかさっき行ったとき帰ってくるのが遅かったのって…」

コトネ「そんなことなら言ってくれれば私どこまでもついていきますよ」

トイレ

レッド「……」

レッド「……」スッ

レッド「……」じょろろろろ

レッド「……」ちょろちょろ

レッド「……」

キョウヘイ「あの、すいません」

レッド「!」びくっ

レッド「……」ちら

キョウヘイ「さっきナツメさんといた人ですよね」

レッド「……」

レッド「……」

キョウヘイ「あの…できたら返事ぐらい…」

レッド「……」こく

キョウヘイ「ふーむ…」じー

レッド「……」

キョウヘイ「気になるんで聞きますけど、ナツメさんとどういう関係ですか?」

レッド「……」

キョウヘイ「……」

レッド「……」

キョウヘイ「……」

コトネ「レッドさ~ん」

レッド「?」

コトネ「あ、何やってるんですか?終わってるのなら早く出て来てくださいよ」

キョウヘイ「コ、コトネさんここ男子トイレ!」

コトネ「それが何よ、あんただって男だか女だかはっきりしないくせに」

キョウヘイ「今の僕はどう見ても男でしょ!」

キョウヘイ「それよりコトネさん、いくら胸がないからって」

ドゴッ どさっ

コトネ「さあ、行きましょうレッドさん」

そういえば、コトネって主人公組では男女含めて1~2番目に身長大きいんだよな

キョウヘイ「うっ…」ぱちっ

キョウヘイ「あれ…?」

レッド「気分はどうだ…?」

キョウヘイ「うわっ!」

レッド「!」びくっ

キョウヘイ「あ、あんたは!」

コトネ「あんたじゃないでしょ、ちゃんとレッドさんって言いなさい」

キョウヘイ「コトネさん…」

キョウヘイ「あっ!思い出した!僕コトネさんにやられて…」

ナツメ「何かと思ったらやっぱりコトネが…」

コトネ「でもあれは仕方なく…」

ナツメ「理由は何かしらないし仕方がなかったとしても謝っときなさい」

ナツメ「気絶させるなんてそうとうなことしたんでしょ」

コトネ「いや…その…腹パン…」

ナツメ「……」

ナツメ「この子はほんとに…」

レッド「……」

キョウヘイ「……」

レッド「?」

キョウヘイ「……」じー

レッド「なに…?」

キョウヘイ「あなたってトレーナーですか?」

レッド「……」こく

キョウヘイ「僕もトレーナーだからわかります、あなた相当強いでしょ」

レッド「……」

キョウヘイ「ちょっと相手してもらっていいですか?」

レッド「……」

キョウヘイ「……」

レッド「……」

キョウヘイ「だからできたら返事ぐらい…」

ナツメ「レッド、帰るわよ」

ナツメ「そろそろ帰らないと見たいテレビ始まっちゃうよ」

レッド「わかった…」

キョウヘイ「あの…」

レッド「今は無理みたい…帰らなきゃ…」

レッド「ナツメのジムでジムトレーナーやってる…」

レッド「そこでならいつでも相手になれる…」

一週間後・ヤマブキジム

レッド「ナツメ…」

ナツメ「なあに?」

レッド「最近強いトレーナーが来ない」

ナツメ「…まあレッドはジムトレーナーにしちゃ強すぎるからね」

ナツメ「ハンデつけてみたらどうかな?」

ナツメ「例えばバッジ3つのトレーナーにバッジ2つ用のポケモン使ったり」

レッド「それはもうやった」

レッド「あんまりにも低いレベルで倒しちゃうのはかわいそうだから2,3個下までしか使ってないけど」

ジムトレ1『バッジ0個の挑戦者が来ましたよー』

ナツメ「0個か…初心者かな」

ナツメ「レッドは今回パスでいい?」

ナツメ「ボコボコにしちゃうのはちょっと…」

レッド「わかった…」

ナツメ「あ、きた」

ナツメ「ようこそヤマブキジムへ、私がジムリーダーのナツメです」

ナツメ「あなたの名前は?」

メイ「メイです」

ナツメ「そう、メイちゃんね」

ナツメ「それじゃあ…」

ナツメ「……」

メイ「?」

ナツメ「キョウヘイ君…?」

メイ「……」

メイ「へへっバレちゃいました?」

ナツメ「どこかで見たことがあると思ったから」

メイ「よくわかりましたね」

ナツメ「魔法の国と不思議な扉の7と8だっけ?主人公が性転換してたの」

メイ「そうですね」

レッド「?」

ナツメ「その時のによく似てたから」

メイ「ああ、なるほど」

ナツメ「で、何か用があるから来たのよね?」

ナツメ「まさか本当にジムに挑戦に来たわけじゃないでしょ」

メイ「今日はレッドさんと戦いに」

ナツメ「レッドと?」

メイ「いつでも相手になってくれるって言ってたんで」

レッド「たしかに言ったけど…」

レッド「今は一応仕事中…」

ナツメ「全然いいわよ」

レッド「じゃあOK…」

ナツメ「おもしろそうだし私が審判するわ」

ナツメ「がんばってレッド」

メイ「審判は中立な立場でお願いします」

メイ「こうして本当に強い相手と対峙した時の緊張感…」

メイ「なんど味わっても気持ちが高ぶる」

メイ「今まで戦ってきたトレーナー中でもレッドさん…あなたはとてもいいです…」

ナツメ「…そろそろ始めてもらっていいかな?」

メイ「はい、よろしくお願いします」

レッド「……」こく

メイ「ふふ…」

レッド「……」

メイ(そんな目で見つめないでくださいよ)

メイ(興奮しちゃうじゃないですか…)ズギュウウン

えぇ…(困惑)

キョウヘイ君は女装とマゾの複合タイプなのか(困惑)

これはアレか、女の子(おとこのこ)ネタか

トレーナーがせいべつふめい

そういや♂とか♀とか書いてないな

コトネ「レッドさーん、ナッツメさーん」

コトネ「あなたたちのコトネちゃんが来ましたよー」

コトネ「あれ?」

レッド「……」

ピカチュウ「ボルテッカー!」

ドギャン

チラチーノ「グヘエ」

メイ「お疲れ様チラチーノ」

メイ「……」

レッド「……」

メイ「ふふふ」

メイ(ああ…いいよ…)

メイ(いいよレッドさん…)

メイ(こんなに楽しく、気持ちがいいのは本当に久しぶりだ)

メイ(今すぐにでも絶頂に達しそう…)ビンビン

コトネ「ナツメさん」

ナツメ「あら、いつの間に来てたの?」

コトネ「さっきですよ」

ナツメ「気づかなかった」

コトネ「ガーン…」

ナツメ「冗談よ」

ナツメ「今これの審判してるの、ちょっと待っててね」

コトネ「レッドさんと…可愛らしい女の子の挑戦者か」

コトネ「あれってレッドさんのポケモンじゃないんですか?」

ナツメ「そうよ」

コトネ「ジムの挑戦者じゃないんですか?」

コトネ「ここエスパー専門なのに」

ナツメ「ジムへの挑戦者じゃなくてレッドへの挑戦者だからいいの」

コトネ「レッドさんと戦いたいって人がいないわけじゃないでしょうけどこんなとこでやらせていいんですか?」

ナツメ「今暇だから別に構わないわ」

ナツメ「もし本当の挑戦者が来たら止めるつもりだったけど、もうその必要もなさそうだし」

ナツメ「レッドはまだ一匹目だけどキョウヘイ君は次が最後の一匹だからね」

コトネ「へー…」

コトネ「えっ!?キョウヘイ?…え?」

ナツメ「あ、今はメイちゃんか」

コトネ「メイちゃん?キョウヘイじゃないんですか?」

ナツメ「だからあれキョウヘイ君よ」

コトネ「???」

コトネ「あの女の子が…キョウヘイってことですか…?」

ナツメ「だからそうだって」

コトネ「……」

コトネ「巨乳…」

ピカチュウ「セイヤァ!」

ダイケンキ「ギャース」

レッド「……」

メイ「あはは…負けちゃった…」

メイ「あー…楽しかったのに…もう終わりか…」

メイ「こんなに強いトレーナーとポケモンがいるなんて私全然知らなかったなぁ」

レッド「俺も楽しかった…」

レッド「またいつでも相手になってあげる…」

メイ「ほんとですか!うれしいなぁ…ふふ」

レッド(ずっと思ってたけどこの子男の子なんだよな…)

メイ「あれ、コトネさん」

コトネ「……」

コトネ「キョウヘイ…?」

メイ「今はメイちゃんですよー」

コトネ「……」ガシッ

コトネ「なんじゃああああこの乳はぁぁぁ!!」

メイ「そ、そんな怒ることですか?」

ナツメ「コトネうるさい」

メイ「そうだコトネさんちょっと付き合ってくださいよ」

メイ「僕まだこの街に来たばかりでポケモンセンターの場所もわからないんです」

メイ「連れてってくださいよ」

コトネ「いや」

メイ「そう言わずに」

ナツメ「連れてってあげたら?」

ナツメ「今日も遊びに来ただけなんでしょ」

コトネ「うう…そうですけど…」

コトネ「ほら行くよキョウヘイ」

メイ「ああ、ちょっと待ってください」

クルッ

キョウヘイ「どうせならデートらしく男女で」

コトネ「誰があんたとデートなんかするか」

キョウヘイ「じゃあレッドさんまたいつかやりましょう」

キョウヘイ「僕もっともっと強くなっておきますから」

レッド「……」こく

キョウヘイ「ナツメさんも次共演することあったらよろしくお願いします」

ナツメ「うん、またね」

コトネ「もういい?行くよ」

キョウヘイ「今日はえらく積極的」

コトネ「行くなら行くで早く行って戻ってきたいだけ」


ジムトレーナーはたぶん♀…
そこはあんまりよく考えてなかったです

翌月・ジムリーダー会議

グリーン「タマムシジムはジムリーダーがかわいい、以上」

エリカ「まあグリーンさんたら」

グリーン「次はセキチクジム」

グリーン「えーと…壁に頭をぶつけたって苦情が6件きてるな」

アンズ「それはジムの仕掛けですからその人たちがドジとしか言いようがないです」

グリーン「あと毒にするのやめろ」

アンズ「毒タイプのジムに来といてそれはないでしょ」

グリーン「そうだな…これは無視と」

グリーン「じゃあセキチクジムは特になし」

グリーン「えー…問題なのがヤマブキジム」

ナツメ「問題?」

グリーン「先月バッジ渡した?」

ナツメ「…渡したような渡してないような」

グリーン「そもそもジム戦をしてないんじゃないのか」

ナツメ「そういえばしてないかも…」

グリーン「やっぱりな」

グリーン「ジムリーダーの前のトレーナーが強すぎるってのが100件以上きてる」

グリーン「そいつらの修行不足っていえばそれまでだが、多すぎる」

グリーン「あとそのトレーナーについてだが何もしゃべらず常無言で怖いってのが同じぐらいきてる」

ナツメ「そうかしら、私はいい人だと思うけど…」

グリーン「それにそのトレーナーが勝つとジムリーダーが喜びすぎ」

ナツメ「新人だから私もうれしいくて喜んでるのかな…」

グリーン「さすがにほぼ一月バッジを渡さないというのはな」

グリーン「それもジムリーダーじゃなくてジムトレーナーでみんな止まるって…」

グリーン「何よりそいつ常無言ってジムトレーナーとしてどうなんだよ」

グリーン「ジムなんだから挑戦しに来たトレーナーを育てなきゃなんねえのに」

グリーン「話さねえと相手に何も伝わらねえよ」

ナツメ「けっこう人見知りみたいだしそれはちょっとどうしようもないかな…」

グリーン「いやでもなあ…ん?」

グリーン「無口で強くて人見知り…」

グリーン「そういえばナツメってさ…レッドどうしたの?」

ナツメ「えっとレッドは…」

グリーン「前家に来たときレッド連れて行ってたじゃん」

ナツメ「そ、そうだったけ…?」

グリーン「そうだよなエリカ」

エリカ「そうでしたよ」

ナツメ「ああー…そういえばそうだったかも」

ナツメ「でもその後別れちゃったから今どうしてるかはわかんないなぁ」

グリーン「ふーん…」

カスミ「ねえねえちょっといい?」

グリーン「なんだ?」

カスミ「レッドってもしかしてレッドのこと?」

グリーン「そうだぞ、このレッドはお前の知ってるレッド以外の何者でもないレッドだぞ」

ナツメ「レッドレッドうるさい」

カスミ「行方不明って聞いてたけど戻ってきてたのね」

カスミ「戻ってきたのなら一番に私のところ来てくれてもよかったのに」

カスミ「ほっといたらまたフラフラとどっか行っちゃいそうだし私が養ってあげるのに」

ナツメ「心配しなくても私がどこにも行かせないから」

カスミ「なんでナツメがそんなこと言うのよ」

カスミ「どこで何してるかも知らないんでしょ」

ナツメ「レッドならうちのジムで真面目に働いてくれてるし今だって家に帰れば」

ナツメ「あ…」

ナツメ「……」

ナツメ「つ、次はグレンジムよね」

ナツメ「うちのジムのことは大丈夫だから進めていいわよ」

カスミ「いやいやいや!レッドがヤマブキジムで働いてるってどういうこと!しかも家に帰ればって何よ!」

ナツメ「なんのこと?」

カスミ「とぼけんな!」

グリーン「やっぱりこの苦情のトレーナーはレッドだったんだな」

グリーン「あいつがジムトレーナーやってたらほとんどの挑戦者は突破できねえだろうな」

ナツメ「でも使うポケモンは基本レッドのじゃないし、ハンデだってつけてるのよ」

グリーン「それでも誰も突破できないんだろ」

グリーン「あいつは俺ほどじゃないが天才だ」

グリーン「どんなポケモンを使おうがバッジ集めの途中のトレーナーじゃほぼ勝ち目はない」

グリーン「しかもハンデをつけたところで絶対手加減しないだろ」

ナツメ「それはそうだけど…」

カスミ「じゃあナツメのジムじゃなくて明日からうちのジムで」

グリーン「いやレッドがジムトレーナーとして働くことを禁止とする」

レッドさん強すぎ

原点にして頂点だからね
仕方ないね

もはや抑止力と化したレッド

もうレベル1のコラッタでも使わせればいいんじゃね?

コラッタでも勝ちそうだからコイキングがいいんじゃね

もっかい王者になればいい

再び無職になったレッドの運命や如何に

フフフ

閃いた
ジムトレーナーが駄目ならジムリーダーになればいいんだよ!

なんだろう、チャンピオンになっても負けそうにないから代替わりも起きず、それはそれで問題になりそうでレッドの就職先がヒモ以外に考えられない

育成アドバイザーでいいじゃないか、それかトレーナートレーナー

普通に裏ボスでいいだろ

やっとの思いでジムリーダーを倒して喜んでるトレーナーの前に真のジムリーダーとして現れるのかな

ナツメ「そんなのレッドがかわいそうじゃないの!」

ナツメ「レッドだって一生懸命やってるのよ」

グリーン「それはわかるけどさ…」

ナツメ「レッドの友達でしょ、せっかくレッドが働いてるのにとりあげるなんて」

グリーン「それでも俺たちはジムリーダーなんだからレッド一人のことよりこれからのトレーナーたちのことを考えなきゃいけない」

ナツメ「……」

ナツメ「じゃ…じゃあレッドが実際に戦ってるところ見たら気が変わるかも」

グリーン「今見れるの?」

ナツメ「うん」

ナツメ『レッドがんばってー』

レッド『……』ブイッ

グリーン「なにジムリーダーがジムトレーナー応援してんだ」

ナツメ「うるさい、黙って見てなさい」

グリーン「うるさいって言われた…」

エリカ「よしよし、いい子ですから静かに見ましょうね」

レッド『……』

ケーシィ『……』

挑戦者『いっけーっ!ゴース!』

挑戦者『ナイトヘッド!』

レッド『……』

ケーシィ『テレポート…』シュン

シュシュシュン

挑戦者『め、めちゃくちゃ速ええ!』

ケーシィ『……』ドンッ

ゴース『ウギャー』

ナツメ「ってのがこの前あったやつなんだけど…」

グリーン「なんでテレポートだけで倒してんだ」

ナツメ「いくらエスパーに有利なゴーストタイプとはいえ、弱点である毒タイプも入ってるからね」

グリーン「そういう問題じゃねえよ」

グリーン「こいつはゼル●か!」

ナツメ「何よゼ●ダって」

グリーン「今のどう見ても●ルダのB上だろ上必殺技じゃねえか」

グリーン「そんなのジムトレーナーが使うんじゃねえよ」

ナツメ「???」

グリーン「こんなの見せられたらますますダメだ」

ナツメ「全部こんなのじゃないから、こういうのもあるし…」

ナツメ「再生」

レッド『……』

バネブー『ブーブー』ぴょんぴょん

挑戦者『やっちまえニューラ!』

ニューラ『ニャッ!』シャッ

バネブー『ブー』ぴょん

ひょい

ニューラ『ニャニャニャニャニャ!!』

バネブー『ブッ』ぴょーんぴょーん

ひょいひょい

ニューラ『……』イラッ

レッド『……』

バネブー『ブーブー』ぴょんぴょんぴょん

ニューラ『ニャッ!?』

グリーン「もういいわ、はねるしか使ってないのになんでレッドが押してんだよ」

ナツメ「これはあれよ…相手が有利な悪タイプを使ってるからって油断してるのがいけないのよ」

グリーン「それは少しはあるだろうけど、関係ねえよ」

グリーン「しかもぜんっぜん話さないし」

グリーン「もう決まり、はい決定!」

グリーン「レッドがジムトレーナーをやってるといつまでたっても挑戦者にバッジが渡らん」

グリーン「よってレッドがジムトレーナーをすることはこれからずっと禁止だ」

グリーン「このことは俺から言っとく」

ナツメ「いや…いい、私が言う」

グリーン「そうか、わかった」

ナツメの家

ナツメ「ただいま…」

レッド「おかえり、遅かったね」

ナツメ「うん、思ったより長引いて」

レッド「もうちょっとで晩御飯できるから待っててね」

ナツメ「うん…」

レッド「どうしたの?元気ないね、会議で何かあったの?」

ナツメ「その…実は会議でレッドがジムトレーナーやっちゃだめってなっちゃって…」

レッド「…ああ…そう」

ナツメ「ごめんね…なんとか認めてもらえるようにがんばったんだけど…」

レッド「いいよいいよ、きっといつかはこうなってたよ…」

レッド「だって一回も負けなかったもんな」

レッド「ジムとしてはよくないと思ったけど…なんていうか負けたくなかったっていうか…」

レッド「向いてなかったんだよ」

ナツメ「そ、そんなことないって…」

レッド「……」

ナツメ「レッ…あ…」

ナツメ「……」

翌日

ナツメ「うん…ごめんね、今日はお休みで」

ジムトレ1『はーい、わかりましたー』

レッド「いいの?ジム休んで」

ナツメ「いいのよ、ジムなんてジムリーダーの権限である程度自由できるし」

レッド「……」

レッド「ちょっとお金かしてもらっていいかな…3000ぐらい」

ナツメ「いいけど、どうするの?」

レッド「またちょっと旅に出ようかなーって」

ナツメ「えっ…旅にって…」

レッド「うん…」

レッド「ジムトレーナーでもなくなっちゃったのにここにいたら邪魔になるだろうし」

レッド「ただでさえナツメに迷惑かけてるのに」

ナツメ「そんな…迷惑だなんて思ってないわよ」

レッド「もうしナツメが本当にそう思っててくれたとしても俺がさ…」

レッド「やっぱ何もしないってのが嫌なんだろうな」

ナツメ「……」

ナツメ「旅ってどこにいくつもりなの」

レッド「それはまだ決めてないな」

ナツメ「いつからいつぐらいまでの期間?」

レッド「いつからってのは準備ができ次第だな」

レッド「いつごろ帰ってくるってのはないな、そのままもうずっと帰ってこないかもしれないしな」

レッド「あ、でも借りたお金は絶対返すから」

ナツメ「……」

ナツメ「…そう」

ナツメ「わかった…」

トキワジム

グリーン「ふーん…で、なんで俺のとこ来たの?」

レッド「だから話したじゃん、また旅に出るまでちょっと時間あるからって」

グリーン「ナツメのところにいたんだろ、それまでそこにいりゃいいじゃんか」

レッド「それはその…決心が鈍るというかなんというか…」

グリーン「……」

レッド「……」

グリーン「お前さぁ…ナツメのこと好きだろ」

レッド「うん、よくわかったな」

グリーン「あ、認めるんだ」

グリーン「じゃあなんで旅に出るなんていうんだよ」

グリーン「一緒にいりゃいいじゃん」

グリーン「ナツメもたぶんそうしたいと思うよ」

レッド「……」

レッド「俺だって本当は旅に出ず今まで通りいたいよ」

レッド「でも俺はよくてもナツメはよくないんだよ」

レッド「もしこのままいくと俺は完全ニートのヒモだ、そのうちナツメにとって害になる」

レッド「そんなことになるぐらいだったらナツメにはもっといいやつがいる」

レッド「俺のことなんか忘れるか悪く思ってもらってた方がいいんだよ」

グリーン「3000円借りるぐらいじゃ悪く思ってもらうには弱いだろ」

グリーン「てかお前がお前にあったところで働けばいいだけじゃねえのか」

レッド「俺に合った仕事がない以上、仕方あるまい」

グリーン「……」

グリーン「はぁ…ちょっと待ってろ」

レッド「……」

グリーン「まあ今回のは俺も悪いとは思ってるからな」

グリーン「これなんかどうだ?バトルフロンティアってとこなんだが」

レッド「なあ…どうせ働くならできればナツメといられるようなとこがいい」

グリーン「……」むすっ

グリーン「あのなぁ、そんなのが通るんだったら俺だってずっとエリカといたいよ」

グリーン「でもそれは無理だ」

レッド「いや俺の場合、お前の言うような理由もあるっちゃあるけどさ」

レッド「ナツメとかがいないと他のやつと話せないし…」

グリーン「……」

レッド「……」

グリーン「俺が悪かったな、お前にあった条件で探すか」

不器用で似た者同士の幼馴染か…

むしろよく今まで生きてこれたなぁ

ずっと雪山で生活できてるし自給自足でも大丈夫なんだろ
補給もしてもらってるけども
おつおつ

サファリゾーンでなら働けそう

わざマシン29渡す仕事でいいだろヤマブキやし

グリーン「あー…これは…だめだな」カタカタ

グリーン「これもダメ」

グリーン(よく考えたらレッドに合う仕事なんてこの世に存在するのか…?)

レッド「なあグリーン」

グリーン「なんだ」

レッド「そもそも俺に合う仕事って何?」

グリーン「それを今考えてるんだろ」

レッド「やっぱ俺なんて旅人やってた方がいいんじゃないかな」

グリーン「せめて知らないやつと少しぐらいは話せるようになるといろいろ候補があるんだけどな」

レッド「そんなの無理」

グリーン「そういうと思った」

グリーン「それができたら今こんな苦労してねえか…」

グリーン「もうお前の就職先ナツメの家しかないと思うんだけどな」

レッド「……」

ビーッビーッ

グリーン「あ、悪い、挑戦者来たみたいだ」

グリーン「ちょっと行ってくるからその間いろいろ見てろよ」

レッド「わかった」

レッド「……」

レッド「……」

レッド「ない…」

レッド「どうしよう…俺ができそうなのが一つもないぞ」

グリーン「なんかいいのあったか?」

レッド「世間とはこんなに厳しいものなのか?」

グリーン「お前が極端に話せないせいだ」

レッド「でももうそんなのどうしようもないんだけど」

プルルルル

グリーン「ああ、今度はなんだ」

グリーン「はいもしもし」

エリカ「もしもしグリーンさん」

グリーン「あの、エリカ、一応わかってると思うけどお互い仕事中のときはあんまり…」

グリーン「俺だってずっと電話してたいよ」

エリカ「急ぎのことです」

グリーン「な、なんだ何かあったのか!?」

エリカ「そちらにレッドさんがいらしてませんか?」

グリーン「ああ、いるけど」

エリカ「そうですか…」

エリカ「少しジムを空けることは可能ですか?」

グリーン「いけるっちゃいける…」

エリカ「少し協力してほしいんです」

グリーン「レッドのことなの?」

エリカ「はい」

グリーン「うん、いいよ」

グリーン「何すればいいの?」

エリカ「その前に聞いておきたいのですが、グリーンさんはナツメさんとレッドさんのどちらの味方ですか?」

グリーン「え、何それ?状況によるけど…」

エリカ「レッドさんから聞いてるかもしれませんが、旅に出るそうです」

グリーン「ああ、言ってた」

グリーン「あいつナツメのことが好きだけど、ナツメにとっては無職の自分といることはよくないだろうってことで旅出るってさ」

グリーン「そんなことだったらナツメにはもっといいやつがいるだろうから自分は消えるんだと」

エリカ「なるほど…そうですか…」

エリカ「ちょっと待ってくださいね」

グリーン「……」

エリカ「お待たせしました」

エリカ「グリーンさんには強制的に協力していただきます」

エリカ「失敗すれば今日のご飯抜き、そして今夜は寝かせません」

レッド「これもダメ…」

レッド「これも…」

レッド「これもだ…」

グリーン「なあレッド」

レッド「電話終わったのか、ずいぶん長かったな」

グリーン「ああ、ちょっとな」

グリーン「そんな無理に探さなくても専業主夫ってのも選択肢の一つとしてあるんだぜ」

レッド「それは家事がちゃんとできる人の場合だろ」

レッド「俺は普通に人並なの」

レッド「てかそれだと結婚してんだろ!俺とナツメはまだ付き合うとかそういうのでもないの」

グリーン「ナツメなんて言ってねえのにどんだけナツメのこと好きなんだ」

レッド「だ…だって…ナツメの…いや…うん…」

レッド「ああ、そうだよナツメのこと大好きだよ」

グリーン「…本当にナツメのこと思うんだったら旅になんか出ねえでいてやった方がいいに決まってるよ」

レッド「俺がこの先ずっとナツメといて幸せになる自信はある」

レッド「でも俺はナツメを幸せにする自信はない」

グリーン「一緒にいてくれるだけで幸せってこともあるんだよ」

レッド「そんなのまだ若いからだよ」

グリーン「まだ若くてもその生きてきた半分近くナツメはお前を待ってたんだ」

グリーン「それなのにまたどっかに行っちゃうってなったらどうだろうな」

グリーン「少なくともその時はナツメは不幸だと思うな」

グリーン「幸せになってほしいって言ってるやつを不幸にしちゃ何の意味もねえよ」

レッド「……」

レッド「そうかなぁ…」

グリーン「そうだよ」

レッド「そうか…」

レッド「でも一つ確認しときたい」

グリーン「なんだ?」

レッド「ちゃんとナツメの気持ちを本人から聞かねえと」

レッド「その後俺の考えを伝える」

グリーン「そっか、ちょうどいいや」

グリーン「ついてきな、エリカがナツメを家につれてきてる」

エリカに今夜は寝かさないとか言われたい

グリーン「エリカ~」

エリカ「グリ~ンさん」

レッド「……」

ナツメ「……」

グリーン「…と、仕事に戻んないとな」

エリカ「そうですね」

レッド「え!?」

ナツメ「ちょっとエリカ…!?」

エリカ「ふふふ、がんばってくださいねナツメさん」

レッド「……」

ナツメ「……」

レッド「結局これじゃあ家と変わらねえな…」

ナツメ「うちこんなに広くないわよ」

レッド「そ、そうだな」

ナツメ「…本当に旅に出るの?」

レッド「……」

レッド「ナツメはどうしてほしい?」

ナツメ「できれば行かないでほしい…」

レッド「……」

翌日

レッド「…ってことでまたナツメにお世話になることになった」

グリーン「お前の決意って俺の思ってたよりユルユルなんだな」

レッド「ナツメにあんなこと言われちゃったから…」

グリーン「そこは何があったか知らないけど」

レッド「でもそうなったからにはちゃんと働こうと思うんだよ」

レッド「また探すの手伝ってほしい」

グリーン「それはいいんだけど…」

グリーン「なんでここに来るの?」

レッド「だってナツメ仕事中だから」

グリーン「俺も一応今仕事中なんだけど」

グリーン「一応俺も探したんだけど…」

グリーン「結論から言ってお前に合う仕事はない」

レッド「そこをなんとか」

グリーン「まあ聞けよ」

グリーン「なければ作ればいいんだよ」

レッド「作る?」

グリーン「そう、お前ができそうなことで、しかも金がもらえるようなやつ」

レッド「なんかあるの?」

グリーン「なきゃ言わねえ」

グリーン「お前といえばポケモントレーナーだ」

グリーン「俺ほどじゃないがかなり強い」

レッド「まだ俺の方が強い自信はある」

グリーン「いやエリカも俺が一番強いって言ってくれるし」

レッド「エリカに聞くなよ、お前贔屓に決まってんだろ」

レッド「って話がズレてる」

グリーン「おっと悪い悪い」

グリーン「最近のトレーナーはさ、昔に比べてあんまり強くないわけよ」

グリーン「正直なところ」

グリーン「しかもジムバッジ取得率、リーグ挑戦者数、その他いろいろな大会の参加者などなど…」

グリーン「こういうのが年々少しずつだが減ってきてるんだよ」

グリーン「そこでポケモンスクールとは違って本気でチャンピオンを目指せるようなトレーナーをたくさん育てようってことになったんだ」

グリーン「簡単に言うと弟子をとるってことだな」

グリーン「ジムリーダー5人以上またはチャンピオン以上の役職一人の承認を得たトレーナーがその資格を得る」

グリーン「一応扱いは俺たちジムリーダーと同じ公務員扱いだ」

グリーン「リーグから金もらってトレーナーを育てる」

グリーン「どうだ?これならお前でもできそうだろ?」

レッド「……」

レッド「そんな仕事あったんだ」

グリーン「昨日できたばっかだ」

レッド「え?」

グリーン「お前のことだからどうせ旅に出ず、なんか仕事ねえかって言うと思ってた」

グリーン「だからあの後リーグに行って、いろいろやって、できたってわけだ」

グリーン「だからお前が第一号の予定だ」

レッド「でも…弟子育てるってさ…最初は知らねえやつだろ?」

グリーン「別に同時に何十、何百人と育てるわけじゃねえんだ」

グリーン「俺やナツメとは普通に話せるんだしよ、もう一人や二人ぐらいいけるだろ」

レッド「うーん…」

レッド「そうだな…やってみる」

グリーン「よし、この話をしたときにもう承認はされてるからお前がこれの第一号だな」

レッド「…じゃあ誰を育てたらいいの?」

グリーン「……」

レッド「……」

グリーン「そー…れはー…考えてなかったな」

レッド「えっ」

グリーン「そのうちなにかしらあると思うからさ」

グリーン「他のジムリーダーとかにも誰かいないか聞いとくよ、最終的に決めるのはお前だけど」

グリーン「それまでは今まで通り過ごしてくれてていいから」

レッド「…無職じゃん」

コトネかキョウヘイ辺りかな?



ナツメ「すごいわレッド、働くなんて偉い」

レッド「でもまだ何もすることないよ…」

ナツメ「それでもそういう職を持ってるなんてすごいことよ」

ナツメ「しかも世界にあなたただ一人だし」

レッド「いや…各地方でもこういうのをやっていくってグリーン言ってたし俺以外もそのうちでてくるよ」

ナツメ「それは後々でしょ」

ナツメ「私は今のことを言ってるの、ほめてるんだから素直に喜びなさいよ」

レッド「うん…」

レッド「でも俺にできるのかってのはあるんだよな」

レッド「これからのトレーナーを育てるっていうけど、俺今まで誰かに何かを教えるなんてことしたことないんだよ」

レッド「どうやったらいいのかな?」

ナツメ「どうやったらって言われても…」

レッド「ジムリーダーってアドバイスとかよくするじゃん」

レッド「そうだ、明日からジムに」

ナツメ「いいわよ」

レッド「まだ言ってないんだけど」

ナツメ「レッドの頼みならなんでもOKよ」

翌日・ヤマブキジム

挑戦者「やったぁ!」

ナツメ「おめでとう、これが私に勝った証のゴールドバッジよ」

挑戦者「ありがとうございます!」

――――――――――

挑戦者「うう…負けちゃった…」

ナツメ「惜しかったわね」

ナツメ「いくらタイプでは有利なポケモンを使ったとしても技をちゃんと選ばないとだめよ」

挑戦者「はい…」

レッド「……」

レッド「……」

ナツメ「ねえレッド」

レッド「なに?」

ナツメ「改めて意識してみると私ってそんなアドバイスしてなくない?」

レッド「さっき負けた子に言ってたじゃん」

ナツメ「あれってさよくよく考えたら当たりまえのことじゃない」

ナツメ「勝った子には何も言ってなかったと思うし…」

コトネ「ナーツーメーさん」

レッド「コトネちゃんってよくここ来るよね」

コトネ「わお!今日はレッドさんいるんですね」

ナツメ「コトネもけっこう暇なんだと思う」

コトネ「そうでもないですよ、毎日ナツメさんやレッドさんのこと考えて妄想していそがしいですよ」

レッド「それって暇っていうんじゃ…」

ナツメ「一応私のマネージャーなのにほとんど何もしないのよね…」

コトネ「ナツメさん、それじゃあまるで私がほとんど働いてないような言い方じゃないですか」

コトネ「これでもウツギ博士のお手伝いをしたり、そうじゃないときはおじいちゃんとおばあちゃんがやってる育て屋の方に行ったりしてるんですよ」

ナツメ「そうだったの、知らなかった」

コトネ「それでもこうしてここに来てるのはもちろんレッドさんとナツメさんのお嫁さんになるためなんですから」

ナツメ「もちろんの意味がわからない…とりあえずそれだと私男になっちゃうじゃない」

コトネ「いえいえ私は女同士もアリだと思いますよ」

ナツメ「それは別に考え方の一つだから否定も何もしないけど、レッドと私のお嫁さんって二人と結婚してるじゃない」

コトネ「はい」

コトネ「と言ってももちろんその前にレッドさんとナツメさんが結婚してからですよ」

ナツメ「!」

ナツメ「レッ…レレ…レッドとけ…けっ…こ…//」

ナツメ「は、話飛びすぎじゃ…」

コトネ「そして次に」

ナツメ「そこ無視しないでよ」

コトネ「私がレッドさんかナツメさんのどちらかと」

コトネ「最後にもう一方と私」

コトネ「こうすれば3人とも幸せです」

キョウヘイ「ちょっと待ったー!」

コトネ「何奴!?」

キョウヘイ「ある時はポケウッドのトップ俳優」

キョウヘイ「ある時はとある街の町長」

メイ「またある時はテレビに引っ張りだこの人気女優」

メイ「またある時は未来のレッドさんのお嫁さん」

メイ「しかしてその実体は、正義と真実の使徒、メイ!」

コトネ「なんだキョウヘイか」

メイ「今はメイちゃんです!ちゃんと目の前で変身して名前まで名乗ったでしょ」

ナツメ「…今日はどうしたのメイちゃん?一応今ジムやってるんだけど」

メイ「今日もレッドさんに挑戦しようと来たんですけど」

メイ「そしたら私以外のレッドさんのお嫁さんだとかふざけたことが聞こえてきたので」

コトネ「ふざけてんのはてめーだろ」

メイ「ふざけてません」

メイ「この姿の時にこんなにメイちゃんのキョウヘイ部分が反応した男性は今までいませんから」

コトネ「何言ってんだこいつ」

コトネ「ナツメさんからも言ってくださいよ」

ナツメ「え…そのー…」

ナツメ「こ、こういうの決めるのは最終的にはレッドが決めることだし私たちがどうこう言っても…」

メイ「じゃあレッドさんは」

レッド「ナツメ」

メイ「早いです」

レッド「だって俺ナツメのこと大好きだから…」

メイ「むぅ…」

コトネ「そういうことだから帰りなさい」

メイ「帰りませんよ、元々はこういうこと言いに来たんじゃないんですから」

メイ「レッドさん、私と再戦お願いします!」

レッド「まあ…それならいいけど…」

メイ「いきますよ!先輩に鍛えなおしてもらったんです、今日こそ勝ちますよ!」

メイ「うう…強いです…」

メイ「ピカチュウの完璧な攻略法を考えてきたのにまさかラプラスが来るとは…」

レッド「俺の手持ちピカチュウだけじゃないからね…」

メイ「それもそうか…毎回毎回ピカチュウが最初とは限らないわけだし…」

メイ「でもレッドさんの一匹にこっちは六匹使って対策するわけだから…」

メイ「6×6の36匹…」

メイ「うーん…」ぶつぶつ

レッド「……」

レッド「今のどう思った?」

ナツメ「どうって…バトルのことよね」

レッド「そう」

ナツメ「さすがレッドだなとは思ったけど」

レッド「今のを俺が育てるであろうトレーナーにあれが伝わるのかな」

レッド「どうやっても教えられるとは思えないだよ…」

ナツメ「私はそんなことを今は考えなくていいと思う」

ナツメ「相手のレベルにあわせて少しずつあげていくべきよ」

ナツメ「だからあなたが今考えてるようなことはまだまだ先の話なんだから」

レッド「そうか…相手にあわせてか…」

グリーン「やっぱりここにいた…」

グリーン「おいレッド、電話ぐらい出ろよ」

レッド「電話…?」

レッド「ああ、ほんとだ電話きてた悪い」

レッド「だからといって直接来るとは…」

レッド「今一応いそがしいんだが」

グリーン「……」

グリーン「そうは見えん」

グリーン「そんなことはいいや」

グリーン「レッド決まったぞ」

レッド「何が?」

グリーン「お前が育てる子だよ、弟子が決まったんだ、ちゃんとやれよ」

コトネ・メイ「弟子!?」

コトネ「レッドさん聞いてませんよ!弟弟子ができるなんて」

コトネ「一番弟子の私には教えてくれてもよかったじゃないですか」

メイ「そうですよ真の一番弟子の私も何も聞いてなかったですよ」

グリーン「なんだ、もうお前には弟子がいたのか?」

レッド「いや、いないけど…」

グリーン「まあいいや、とりあえず会いに行くか?」

レッド「そうだな」

ナツメ「それじゃあジムを」

グリーン「おっとお前は仕事中だろ、ジムに残れ」

レッド「ええー、ナツメ来ないの」

グリーン「ジムリーダーが挑戦者が来てないからってフラッと出かけるわけにもいかんだろ」

レッド「……」

ナツメ「……」

グリーン「なんだよ」

グリーン「俺はいいんだよ、別に」

レッド「ナツメは仕方ないか…じゃあ行ってくるわ」

ナツメ「うん、気をつけてね」

コトネ「ナツメさん安心してください、代わりに私がついて行きますから」

ナツメ「ちょっと不安だけどいないよりはマシかな…」

メイ「じゃあ私も」

メイ「コトネさんだとナツメさんの言う通り不安ですからね」

ナツメ「ん…なら…お願いね」

25番道路

レッド「なんかこの辺見たことあるような気がする…」

グリーン「気がするじゃなくてあるだろ」

グリーン「ほらあの家見てみろ」

レッド「んー…誰の家だっけ…」

グリーン「マサキの家だろ」

レッド「まさき…?」

グリーン「…会えばピンとくるかも」

ピンポーン

マサキ「あーい」

ガチャ

グリーン「きたよー」

マサキ「おっ待っとったでグリーン」

マサキ「それにレッド、久しぶりやな~、でも全然変わってへんな!」

レッド「……」

レッド(どっかで見たことある気はするな…)

マサキ「なんや?女の子つれとんか、レッドは知らんけどグリーンは結婚しとったやろ、愛人か?」

グリーン「冗談はよせ、俺はエリカ以外興味ない」

預かりシステムがだれかのパソコンに戻ってそう

マサキ「ここで立ち話もなんや、まあ入り」

グリーン「おじゃましまーす」

グリーン「あれ、お前の家こんなのだっけ?」

マサキ「あちこちリフォームしたり増築したりしたからな」

グリーン「ふーん」

マサキ「あんま興味なさそうやな」

グリーン「いや、別に…そんなことないよ」

マサキ「ほな呼んでくるわ待っとき」

レッド「……」

グリーン「思い出しただろレッド?」

グリーン「知ってるやつなんだから普通に話せるだろ」

レッド「いや…まったく…」

レッド「あれは誰なんだ」

グリーン「マサキだって言ってだろ」

レッド「わからん…」

グリーン「じゃあ覚えろ」

レッド「あれ?マサキって男だっけ女だっけ?」

グリーン「それぐらいわかんだろ!」

レッド「だって女の人でできたから、あれマサキ?」

グリーン「女の人って…」

ルザミーネ「初めまして」

グリーン「……」

レッド「……」

グリーン「あれは誰かわかんない」ひそひそ

レッド「初めましてって言ってるし初対面だろ、バカ」

グリーン「何度も会ってるやつの顔忘れるくせによくバカとか言えるな」

ルザミーネ「あなたがレッドさんですか?」

グリーン「いや、俺はグリーンって言ってレッドはこっち」

レッド「……」

ルザミーネ「わたくしルザミーネといいます、よろしくお願いします」

レッド「……」

ルザミーネ「?」

グリーン「ああ、こいつ緊張してんすよ、お姉さん美人だから」

ルザミーネ「まあ…ふふ」

マサキ「ちょちょちょ!!ルザミーネさん!」

マサキ「勝手に起きたらあかんやろ!」

ルザミーネ「大丈夫ですよ、今は気分がいいですし」

ルザミーネ「それに一日のうち3時間ぐらいならいいって言われたじゃないですか」

マサキ「まあそうやけど…」

マサキ「あ、そや、レッド、グリーンこの人はルザミーネさんいうて」

グリーン「さっき聞いた」

グリーン「それよりリーリエ…ちゃん?だっけ?」

グリーン「その子は?」

マサキ「今ちょうど買いもん行ってもらっとるんや、もうすぐ帰ってくる」

ガチャ

リーリエ「ただいま帰りました」

グリーン「教科書のようなタイミングだな」

ルザミーネ「リーリエこっちいらっしゃい」

ルザミーネ「話したでしょ、この方がレッドさん」

リーリエ「リーリエです、これからよろしくお願いします」ぺこ

レッド「……」こく

グリーン「こういうときぐらい普通に挨拶しろよ」

グリーン「一応こんなやつでもトレーナーとしての腕はたしかなんで」

グリーン「ちゃんと妹さんを育ててくれますよ」

リーリエ「妹…?」

ルザミーネ「あら、わたくしたちは姉妹ではなく親子ですよ」

グリーン「え」

レッド「……」

ルザミーネ「わたくしもう40半ばですからね」

グリーン「……」

レッド「……」

グリーン「失礼ですが…年齢がですか…?」

ルザミーネ「はい」

グリーン「……」

レッド「……」

グリーン「とりあえず、もう今日からで大丈夫ですかね?」

ルザミーネ「いいわよねリーリエ?」

リーリエ「はい」

グリーン「お前もいいな?」

レッド「……」こく

まぁあの見た目ならそう勘違いしてもなんらおかしくは無いな

どう見ても20前後



グリーン「よし…俺戻るから後はそっちで頼むな」

レッド「ああ」

グリーン「バイビー」

レッド「……」

コトネ「ルザミーネさんって人綺麗な人でしたね」

レッド「うん…」

メイ「でもおっぱい全然なかったですね」

レッド「うん…」

レッド「え?」

リーリエ「お待たせしました」

レッド「……」

リーリエ「?」

レッド「……」

リーリエ「あの…レッドさん?」

メイ「何固まってるんですか?」

コトネ「キョウヘイはレッドさんのこと何もわかってないからね」

メイ「だから今はメイちゃんです!」

コトネ「ここはこの私に任せなさい」

コトネ「レッドさん」つんつん

レッド「……」ぴく

コトネ「どうしました?お仕事ですよ」

レッド「うん…」

レッド「一回ヤマブキに戻ろうかと思う」

コトネ「まさかジムにですか?」

レッド「うん」

コトネ「何か教えるんじゃないんですか?」

レッド「ちゃんとやるよ…」

レッド「あそこならトレーニング用のフィールドとかもあるし…」

コトネ「なるほどさすがレッドさんです」

メイ「ただナツメさんに会いたいだけじゃ…」

コトネ「しっ!」

コトネ「今からヤマブキジムに行くわよ」

リーリエ「えっ…いきなりジムですか?」

コトネ「うん、レッドさんが言うことに間違いはたまにしかないから大丈夫」

リーリエ「で、ですが…」

リーリエ「私はまだポケモンすら持ってないんです…」

コトネ「って言ってますけどどうします?」

レッド「別にジム戦をしに行くわけじゃないから…」

コトネ「ジム戦をするわけじゃないから黙って俺について来いって」

レッド「……」

リーリエ「わ…わかりました」

メイ「なんかコトネさんが女の子に優しいなんてめずらしいですね」

コトネ「なんでよ、普通じゃない」

メイ「え~、私には全然やさしくないじゃないですか」

コトネ「私より年下で私より大きいおっぱい持ってる人にやさしくする必要なんてあるの?」

メイ「そんなのって幼稚園児より上でいるんですか」

コトネ「……」ぴく

コトネ「目の前にいるでしょ!見なさい!このクレベースの背中のような胸!」

リーリエ「!?」

メイ「そんなこと言ったらコトネさんのはマッギョみたいですね」

コトネ「それむしろへこんでるじゃねえか!」

レッド「……」スッ

レッド「けんかはよくない…」

コトネ「む…」

メイ「はーい…」

レッド「……」

レッド「ごめんね…」

リーリエ「いえ…ほ…ほんとのことですし…」

レッド「…二人ともほんとはいい子たちだから」

ヤマブキジム

リーリエ「私ジムに入るのは初めてです…」

リーリエ「少し緊張します」

コトネ「あ、そっちじゃない」

リーリエ「え?」

コトネ「そっちは普通の挑戦者だったり客が入る方の入り口だから」

コトネ「今回はこっち、裏口から」

リーリエ「あ…はい」

ポケモンまだもってないのか

ナツメ「おかえり」

レッド「うん、ただいま」

リーリエ「あの方がジムリーダーですか?」

コトネ「そう、ナツメさんって言ってエスパータイプの使い手よ」

リーリエ「なるほど…ジムにはそれぞれ専門のタイプがあると聞きました、ここはエスパーなんですね」

コトネ「そう、そのジムのタイプを知って、有利なタイプのポケモン、技で攻めるのが一番いい」

コトネ「…って言っても私一度もジム戦したことないんだけどね」

リーリエ「ところでなぜこのジムに?」

コトネ「たぶん…レッドさんが一番落ち着く場所だからじゃないかな…」

リーリエ「ジムが…」

リーリエ「あっそうか、ポケモンジムはバトルをする場所」

リーリエ「レッドさんのような強い方はそういう場所を好むからですね」

コトネ「…そういうことでいいかな」

リーリエ「やっぱり…強い人はそう場所が好みなんですね…」メモメモ

コトネ「そんなのメモしてどうすんの」

リーリエ「またアローラに行ったときに役立てようと思いまして」

リーリエ「それでここでは何を教えていただけるんですか?」

コトネ「……」

コトネ「レッドさーん」

コトネ「この子に何教えるんですか、まさかナツメさんに会うだけとかじゃないですよね」

レッド「それだけじゃないよ…ちゃんと教える…」

コトネ「それならいいですけど…」

コトネ「じゃあお願いしますね、ナツメさんには代わりに私がついておきますから」

レッド「ナツメ、お金ちょうだい」

ナツメ「いいわよ、はい」

レッド「ありがとう」

レッド「……」

レッド「……」ちょいちょい

リーリエ「?」

コトネ「ついて来いって言ってるのよ」

リーリエ「はい…」

ナツメ「やっぱレッドだけだと心配ね、ついて行ってあげて」

コトネ「はーい」

7番道路

メイ「レッドさん何するつもりなんですかねー」

メイ「強さの秘密を探ろうと思ったのに何するか全然わかんないなー」

コトネ「さっきボール買ってたでしょ」

コトネ「この子がまだポケモン持ってないってことは何するかわかるじゃない」

メイ「やっぱり初心者用のことするのか…」

リーリエ「じゃ、じゃあ私のポケモンを捕まえるんですか」

コトネ「レッドさんがやるのはお手本を見せるぐらいで、たぶん自分のポケモンは自分で捕まえると思う」

リーリエ「えっと、ポケモンを捕まえるにはまずバトルをして弱らせてからボールを投げるんですよね」

コトネ「うん、よく知ってるじゃない」

リーリエ「勉強はいっぱいしましたから」

レッド「……」

コトネ「あ、ほらレッドさん見て、今からやってくれるみたいよ」

レッド「……」

レッド「!」

ウォーグル「グオオオオ!」

メイ「あれ…」

リーリエ「あれは勇猛ポケモンのウォーグルですね」

コトネ「な、なんでこんなとこにウォーグルが!?」

レッド「フシギバナ」

フシギバナ「シャアッ」ピシャッ

ギュルギュル バシンッ

ウォーグル「ウギャー」

リーリエ「す…すごいです…飛行タイプのポケモンを草タイプのポケモンで圧倒するなんて…」

コトネ「レッドさんのポケモンにはタイプ相性なんてあってないようなもんだからね…」

コトネ「まあこれで相手のポケモンを弱らせたから」

レッド「……」

メイ「ちょ、ちょっと待ってください!」

レッド「?」

メイ「まちがいない…」

メイ「これ先輩のウォーグルだ」

レッド「先輩?」

メイ「トウヤ先輩のウォーグルですよ」

レッド「そのトウヤ先輩がわかんないんだけど…」

メイ「こんなとこにこのウォーグルがいるなんて…」

リーリエ「あの…一体何が?」

コトネ「わかんない」

トウヤ「おーいウォーグルー!」

トウヤ「うーん…まだ帰ってこないなんておかしいな…」

メイ「あ、やっぱり」

メイ「せんぱーい」ぶんぶん

トウヤ「あー!メイちゃん!見つけたー!」

トウヤ「僕カントーに来るの初めてだから置いてかないでって言ったのに一人でピューンって行っちゃって」

トウヤ「ヤマブキシティとか言ってたからなんとかここまでこれたけど…」

メイ「あ…ごめんなさい、カントーについたらつい興奮しちゃって」

メイ「一緒に来てたってこと忘れてました」

トウヤ「ほんとひどいよ…まあ会えたからいいけど」

トウヤ「でもメイちゃんを探してもらってたウォーグルが帰ってこないんだよ」

メイ「それなら…」ちらっ

トウヤ「ん?」

ウォーグル「……」ぴくぴく

トウヤ「ウォ…ウォーグル!」

トウヤ「うええええええっ!?」

メイ「レッドさんが野生のポケモンと間違えちゃって…」

メイ「でも大丈夫です、ボール投げる前に止めましたから」

トウヤ「と、とめたって言ってもやられちゃってんじゃないか!」

トウヤ「まさか僕のウォーグルがやられちゃうとは思わなかったし…」

レッド「……」

コトネ「レッドさんも反省してるんで許してあげて」

トウヤ「見てなかった僕も悪いからもういいけど…」

トウヤ「……」

コトネ「…?」

トウヤ「……」スッ

メイ「どうしました先輩?」

メイ「そんな帽子深くかぶってちゃ前見えないんじゃないですか」

トウヤ「なんでもない、大丈夫…」

メイ「?」

トウヤ「そ…そ、それよりメイちゃん」

トウヤ「せっかくカントーに来たんだし、どこか遊びに行こうよ」

メイ「え~…まあいいですけど」

トウヤ「ありがとう」

メイ「じゃあレッドさん、コトネさん、リーリエ、バイバーイ」

コトネ「行っちゃいましたね」

レッド「うん」

コトネ「あの先輩って言われてた人ちょっとレッドさんに似てましたね」

レッド「そう?」

コトネ「って、リーリエぽかんとしてますよ」

コトネ「ちゃんと教えてあげないと」

レッド「……」こく

レッド「じゃああんな感じでやってみて」

コトネ「じゃああんな感じでやって…ってレッドさん…」

コトネ「この子がポケモン持ってないの忘れてませんか?」

レッド「……」

レッド「忘れてた…」

コトネ「なんのために捕まえようとしてたんだか…」

コトネ「大丈夫ですか?」

レッド「うん」

レッド「ちょっと待ってて…」

プルルルル

グリーン『あーい』

レッド「もしもし」

レッド「博士のとこに行きたいんだけど」

グリーン『行きゃあいいじゃねえか』

レッド「なんていうか…その…」

グリーン『ああ、前に言ったことあると思うけど今もう老人ホームにいるからな』

レッド「そういえば言ってたような言ってなかったような…」

レッド「あれ、じゃあ今研究所は?」

グリーン『今は姉ちゃんがやってる、ちゃんした博士になってるよ』

レッド「お前なんでそれ最初に言ってくれなかったんだよ」

グリーン『別にいいじゃん』

グリーン『なんかあったのかよ』

レッド「さっきのリーリエちゃんポケモンまだ持ってないわけよ」

グリーン『あーはいはいはいはい』

グリーン『研究所でもらおうってことか』

グリーン『わかったわかった、俺から姉ちゃんに連絡しとくから』

レッド「サンキュー」

レッド「…今からオーキド研究所に行くけど外では素早く行動してね」

コトネ「どうしてですか?」

レッド「いいから」

オーキド研究所

ナナミ「久しぶりーレッド君ー!」

レッド「……」こく

ナナミ「この子がリーリエちゃんね、はじめまして」

リーリエ「は、はじめまして」

ナナミ「この子はー…」

コトネ「……」

レッド「……」

ナナミ「レッド君もついに彼女つれてくるようになったかー」

コトネ「えへへ、見えます?そう見えます?」

ナナミ「あれ?違ったの?」

コトネ「あってますよ~レッドさんの彼女です」

ナナミ「やっぱり~」

レッド「違うよ…」

ナナミ「え?」

レッド「そんなことよりリーリエちゃんにポケモンを」

コトネ「あ、はい」

コトネ「あのグリーンさんから連絡があったと思うんですけど」

ナナミ「ああ、ポケモンをあげるんだったわね」

ナナミ「といっても今はそういう時期じゃないから初心者用のポケモンがいないのよね」

リーリエ「そんな…」

ナナミ「心配しなくても初心者用がいないだけだから」

ナナミ「ポケモンたちはいっぱいいるからきっとあなたに合ったポケモンもいるわよ」

リーリエ「よかった…」

ナナミ「本来はこういうのは一匹だけってきまりがあるんだけど」

ナナミ「レッド君が来てくれたことだし、特別に2匹あげるわ」

ナナミ「えーと…」

ナナミ「この子たちなんてどうかな」

ナナミ「カラカラとイシツブテ」

ナナミ「ロコンとサンド」

ナナミ「ディグダとタマタマ」

ナナミ「さ、好きなの選んで」

おいこら最後

全部リージョンあるやつか
キツネとアルマジロ

リーリエ「うーん…」

ナナミ「あなたのパートナーになる子たちなんだからよく考えた方がいいわよ」

リーリエ「では一匹ずつ見てみます」

リーリエ「まずカラカラさんは…」

カラカラ「……」ぷいっ

リーリエ「ああ…」

ナナミ「あらめずらしい、この子けっこう人懐こいのに」

リーリエ「……」しゅん

ナナミ「気にしなくていいわよ、すべてのポケモンに懐かれる人なんていないわ」

リーリエ「じゃ、じゃあイシツブテさん」

リーリエ「…ん…お、重い」

イシツブテ「……」ガシッ

リーリエ「え?」

イシツブテ「ラッシャイ」ゴッ

リーリエ「!」

リーリエ「……」どさっ

コトネ「リーリエ!?」

ナナミ「まさかヘッドバットされるとは…」

リーリエ「私ってポケモンに嫌われるタイプなんでしょうか」うるうる

コトネ「そ、そんなことないよ」

ナナミ「そうそうこの子たちまだ赤ちゃんだから、いいことと悪いことの区別がつかないのよ」

コトネ「誰がやっても一緒なんだって」

コトネ「だから私が同じようにやっても」ひょい

イシツブテ「……」ガシッ

コトネ「ふんっ!」ゴッ

イシツブテ「!?」どすっ

ナナミ「ちょちょちょ!何やってんの!」

コトネ「あ、つい」

コトネ「頭捕まれた瞬間にやられる前にやってやれって気持ちがでちゃって」

ナナミ「でちゃってじゃないでしょ!」

レッド「大丈夫…?」

リーリエ「な、なんとか…」よろよろ

コトネ「すごいコブできてるよ」

リーリエ「すぐ治りますよ…」

リーリエ「次はサンドさんですね」

サンド「!」びくっ

サンド「ピギャー!」

リーリエ「ああっ」おろおろ

ナナミ「コブに驚いて泣いちゃったわね…」

リーリエ「えっと…こんなときは…えーと…」

ロコン「コーン」ボウッ

リーリエ「あぢゃぢゃ!」

リーリエ「……」ぷすぷす

サンド「キャッキャッキャッ」

ロコン「コーン」すりすり

ナナミ「この子はあなたに好意的みたいね」

リーリエ「そ…それはよかったです…」

リーリエ「ディグダさんは」

リーリエ「まだ赤ちゃんですし、やっぱり小さくてかわいいですね」

ディグダ「ディグー!」ぷくー

リーリエ「わっ大きくなった」

ナナミ「ちょっと見栄っ張りな子ね、少しでも大きく見せようとしてるみたい」

ナナミ「小さいって言われたからかな?」

ディグダ「ハックチュン」

ビシャ

リーリエ「……」

リーリエ「最後にタマタマさんですね」

リーリエ「ちょっとなでてみましょう」

リーリエ「思ったより表面はけっこう固いんですね」なでなで

パキッ

リーリエ「!」

リーリエ(ひ…ひびが入ってしまった…!)

ナナミ「ん?どうしたの?」

リーリエ「い、いえ!なんでもないです!」

俺のタマタマとディグダも試してみるかい?

ナナミ「どう?仲良くなれそうな子はいた?」

リーリエ「えっ…あっ…その…」

ロコン「コーン」すりすり

サンド「ゴロゴロ」

ナナミ「あら、だいぶ懐かれてるわね」

ナナミ「その子たちをパートナーにする?」

リーリエ「……」

レッド「……」

コトネ「決めるのはあんたなんだからこっち見ないの」

リーリエ「…はい!決めました!」

リーリエ「よろしくお願いしますねロコン、サンド!」

ロコン「コーン」

サンド「ワーイ」

リーリエ「ありがとうございます博士!」

ナナミ「いいのよ、私あなたにがんばってほしいから」

ナナミ「レッド君って実はけっこう子どもっぽいからちょっと大変かもしれないけどね」

コトネ「レッドさん、リーリエもこれでトレーナーですよ」

コトネ「何するか言ってあげないと」

レッド「……」

レッド「今日は何もしない…」

コトネ「えっ」

レッド「今日は何もすることはない、まずはポケモンと仲良くなってもらわないと」

コトネ「ああ、なるほど」

コトネ「今日はその子たちと仲良くなることから始めて」

リーリエ「はい、わかりました」

コトネ「じゃあまた明日ね」

ヤマブキジム

ナツメ「くちゅん…!ズズッ…」

コトネ「ナーツーメーさーん、ただいまでーす」

ナツメ「あれ、早いわね、おかえり」

レッド「ただいま」

ナツメ「おかえりなさい」

ナツメ「ちゃんと仕事らしいことした?」

レッド「う…うん…」

ナツメ「えらいわレッド、さすがね」

コトネ(レッドさんほとんど何もしてないけど黙っとこ…)

翌日

レッド「……」むくっ

レッド「ふわーあ…」

ナツメ「ごほっごほっ…」

レッド「ナツメ?」

ナツメ「あ…レッド…ごほっ…おはよ…くしゅん!」

レッド「だ、大丈夫…じゃなさそうだね…ど、どうしよう…」おろおろ

ナツメ「気にしないで…大丈夫よ…ごほ」

ナツメ「ただ頭と喉が痛いだけだから」

レッド「風邪じゃん!大問題だよ!」

ナツメ「大げさよ、このぐらいなんともないって」むくっ

レッド「だめだよ!寝てなきゃ!」

レッド「そんなのでジム行ったら…」

ナツメ「あの…トイレ…」

レッド「それなら俺も一緒に!」

ナツメ「え?」

レッド「ん…?」

レッド「!」

レッド「い、いやっ!違う!そういうつもりじゃなくて…」

ナツメ「とにかく私のことは大丈夫だから、あなたはあの子育てなきゃいけないでしょ」

ナツメ「そっち行っていいわよ」

レッド「でも…」

ナツメ「これでも大人なのよ、一人で大丈夫」

レッド「うん…」

レッド「あ、そうだコトネちゃん呼ぶわ」

ナツメ「でもそれだとあなたがあの子と…」

レッド「もしもし、コトネちゃん?」

ナツメ「…まあいいかな」

期待

コトネ「うえええええーんナツメさんしなないで~!」

ナツメ「……」

ナツメ「いや…ただの風邪だって」

コトネ「でも…でも…ぐすっ」

ナツメ「どういう伝え方したの」

レッド「緊急でナツメが危ないって」

ナツメ「そんな言い方したらコトネに悪いでしょ」

ナツメ「こんな朝早いのにわざわざ来てもらって」

レッド「うん…ごめん…」

コトネ「まあまあナツメさん、レッドさんは心配して…」

ナツメ「…私のことを心配してくれるのはうれしいんだけどね」

ナツメ「コトネのことも考えてあげないと」

コトネ「ナツメさんに何かあればいつでも、世界中のどこにいても駆けつけるつもりなんですから」

ナツメ「…頼もしいわね」

コトネ「当然じゃないですか~」

コトネ「まだこんな時間ですし病院行ってないですよね、行きましょう」

レッド「じゃあ俺も行くよ」

ナツメ「あなたはあの子のところ行かないと」

ナツメ「せっかくの仕事ができたんだし」

レッド「うん…」

コトネ「ナツメさんは私にまかせてください」

レッド「うん…」

2時間後

ナツメ「ごほっごほっ…」

コトネ「まだただの風邪でよかったですね」

ナツメ「まあそうね」

ナツメ「もう私のことはいいから、時間あるならレッドの方行ってあげて」

コトネ「いいですけど、ちゃんと帰れます?」

ナツメ「私何歳だと思ってんのよ…」

コトネ「じゃあ真っすぐ帰ってちゃんと寝ててくださいよ」

ナツメ「はいはい」

ナツメ「レッド大丈夫かな…」

ナツメ「行ってきなさいって言ったけどコトネが行くまであの子と一対一なのよね」

ナツメ「レッドには悪いことしたなぁ…」

ナツメ「あの子にもレッドが何言いたいか伝わりにくいだろうし」

ナツメ「ごほっ…くしゅん」

ナツメ「ズズッ…」

ナツメ「……」

ナツメ「あれ?鍵が…」

ナツメ「あっ…私の分コトネに持たせたままだった…」

ナツメ「戻ってきてもらうのもあれだし…ジムに予備とりに行くしかないか…」

ヤマブキジム

ナツメ「ごほっ…ん?」

キョウヘイ「んー…どう見てもジム閉まってるな…どうしよう」

ナツメ「キョウヘイ君?」

キョウヘイ「ナツメさん、ちょうどよかった」

キョウヘイ「来てみたらジム閉まってて、今から電話しようと思ったとこなんです」

ナツメ「ちょっと風邪ひいちゃって、レッドとコトネが大げさに言って今日は休みなの」

キョウヘイ「ああ、それでマスクしてるんですね」

ナツメ「悪いけど今レッドいないのよ、ごめんね」

キョウヘイ「いえ、今日はレッドさんと勝負がしたいんじゃなくてコトネさんに」

ナツメ「コトネとバトルがしたいの?」

キョウヘイ「僕そんなバトル脳じゃないです」

ナツメ「メイちゃんのときはけっこうバトルバトルって言ってるイメージあるけど」

キョウヘイ「彼女はそうかもしれませんが僕は違いますよ」

ナツメ「変わった言い方するのね、まるで他人のことみたいに」

キョウヘイ「……」

ナツメ「……」

キョウヘイ「……」

ナツメ「ごほごほっ…ごほっ」

キョウヘイ「大丈夫ですか?」

ナツメ「ええ…」

ナツメ「君の正体は今は置いといて、コトネに用があったのよね」

ナツメ「常にこのジムにいるわけじゃないんだけどね…」

ナツメ「後で帰ってくるから伝えとくわ」

キョウヘイ「いやこれは直接…いないならまた…」

ナツメ「あ、夕方ぐらいには帰ってくると思う、その時はどう?」

キョウヘイ「そうですか」

キョウヘイ「じゃあ7時ぐらいにコトネさんに来てもらっていいですかね」

ナツメ「伝えとくわ、じゃあね」

キョウヘイ「はい、風邪早く治してくださいね」

ナツメ「明日には治ってるから心配しなくていいわよ」

キョウヘイ「何があるかわかんないじゃないですか」

ナツメ「わかるわよ、未来予知でね」

キョウヘイ「未来予知だなんて、そんな超能力みたいな」

ナツメ「だって私超能力者だもの」

キョウヘイ「え…」

ナツメ「未来予知だけじゃないわ、透視、浮遊、瞬間移動…」

ナツメ「読心だってできる…」

ナツメ「そうね…君がどうしてメイちゃんのことを他人のような言い方をしたのか見てみようか?」

キョウヘイ「た、他人じゃないですよ~」

ナツメ「……」

キョウヘイ「……」

ナツメ「ふふっ冗談よ、そんなことできる人間なんているわけないじゃない」

ナツメ「またね」

メイ「…怖い人だね」

キョウヘイ「うん…」

カントーのどっか

たんぱんこぞう「キャタピー、いとをはく!」

リーリエ「ロコン、火の粉です!」

ロコン「コン!」ボッ

キャタピー「ギャプー」

たんぞう「ああっキャタピー!!」

リーリエ「やりましたねロコン!」

ロコン「コーン(*^▽^*)」ボフウッ

リーリエ「……」ぷすぷす

リーリエ「お…お疲れ様です…交代です…」

たんぞう「いでよ!我が手持ちにて最強かつ美しきしもべ!ポッポ!」

リーリエ「サンド!お願いします!」

サンド「サーン(*^▽^*)」ピョーン どすっ

リーリエ「ぐふっ」

リーリエ「私じゃなくてあっちです…」

サンド「クゥーン(´・ω・`)」

リーリエ「がんばったらちゃんとご褒美がありますよ」

サンド「サンッ(`・ω・´)」

リーリエ「丸くなってころがるです!」

サンド「テーイ」コロコロ ドーン

ポッポ「グギャアアアアアアアアアアアアアアアアア」

たんぞう「ば…ばかな…」

リーリエ「やったぁ」

サンド「ワーイ(*´▽`*)」ぴょーん どすっ

リーリエ「がは…っ」どさっ

リーリエ「が…がんばりましたね…サンド…」なでなで

サンド「サンサン(^^♪」すりすり

コトネ「すごいすごーい」

コトネ「初めてなのに勝っちゃったじゃない!」

リーリエ「この子たちががんばってくれたおかげです」

コトネ「今のどうでした?」

レッド「よかった…」

コトネ「ほらレッドさんもすごくよかったって言ってるよ」

リーリエ「ありがとうございます!」

レッド「……」

レッド「じゃあ今日は終わり…」

コトネ「えっもう終わりですか!?」

レッド「うん」

コトネ「…こんな早く終わってたらナツメさんに怒られるんじゃないですか」

レッド「怒られはしないでしょ…」

コトネ「あの子を一人前のトレーナーにすることがレッドさんの仕事なんですからちゃんとやらないと」

レッド「それはわかってるけどさ…」

レッド「さっきの見てたらもうあれじゃないのかな」

コトネ「あれじゃないです、まだまだです」

夕方・マサキの家

リーリエ「今日もありがとうございました」

レッド「……」こく

コトネ「また明日ね~」

レッド「…さて、帰ろうか」

コトネ「はい」

マサキ「おーい、レッドちょっと待ってくれ」

レッド「……」

マサキ「相変わらず無反応やな…」

マサキ「まあええわ…ルザミーネさんから話があるんや、ちょっと来てくれや」

レッド「……」

リーリエ「お母様、起きていて大丈夫なのですか…?」

ルザミーネ「ええ…問題ありません」

ルザミーネ「レッドさん、リーリエのこと…ありがとうございます」

レッド「……」

ルザミーネ「リーリエは自分のポケモンを持つことができ、私から見てもとてもうれしそうです」

ルザミーネ「それまでは私のことばかり心配させてしまって悪いと思ってました…」

ルザミーネ「今のこの子には私がいない方が良いと考えています」

リーリエ「お、お母様!?言っている意味がわかりません…!どういうことですか」

ルザミーネ「そのままです、もうウツロイドの毒はなくなりました、あとは体力を回復させるだけ」

ルザミーネ「これ以上マサキさんに迷惑はかけられません、回復だけならエーテルで十分です」

リーリエ「では…エーテルに帰るのですか…?」

ルザミーネ「あなたはまだここに残りたいでしょ」

ルザミーネ「これまでいろいろあったけれど、それでも私はあなたの母親…」

ルザミーネ「あなたがどうしたいかぐらいわかるつもりよ」

ルザミーネ「レッドさん…そこであなたにお願いです」

ルザミーネ「リーリエを預かっていただけませんか」

ルザミーネ「もちろんただでとは言いません、ちゃんとお礼もさせていただきます」

レッド「……」

コトネ「どうするんですか?返事しないとだめですよ」

レッド「ナツメがどういうか…」

マサキ「別にこのままわいのところでリーリエちゃん預かっとてもええねんけど」

ルザミーネ「いえ、これいじょうマサキさんに迷惑はかけれません」

マサキ「いや、迷惑やなんて…」

ルザミーネ「……」

リーリエ「マ、マサキさん、ちょっとすいません」

マサキ「ん?どないしたん?」

リーリエ「あの状態のお母様は絶対意見は変えません…」

リーリエ「これはビッケさんから聞いた話ですが、お母様は昔切れたナイフの異名を持っていたそうです」

リーリエ「マサキさんのおかげで毒は消えましたが、まだ完全ではないとおっしゃってたじゃないですか」

リーリエ「何かの拍子に再発してしまってはどうしようもありません…」

リーリエ「素でも切れたナイフが出てきますからね…」

リーリエ「なのであまりお母様に真逆の意見を言うのは…」

マサキ「あ…ああ…うん…そう…やな」

お母様出川説

ポンコツやないかい!

出川クソワロタ

切れたナイフってなんか聞いたことあるなーと思ったら

レッド「とりあえず明日…」

コトネ「レッドさんも相談したいみたいなので、このことはまた明日でお願いします」

ルザミーネ「わかりました、お願いしますね」

コトネ「では私たちはこれで」

ルザミーネ「……」

リーリエ「あの…お母様?」

リーリエ「もしレッドさんに断られてしまった場合はどうするのですか」

ルザミーネ「その時は…」

マサキ「そん時は引き続きわいの家で」

ルザミーネ「……」

マサキ「なんでもないです…」

マサキ(わいそんな嫌われとんか…)

マサキ(確かに変な妄想はしたことあったよ…)

マサキ(でもしゃあないやん)

マサキ(こんな美人の親子やもん…妄想ぐらいするよ…)

マサキ(親子丼とか…)

マサキ(いや…!頭ん中だけやでそんなもん)

マサキ(表には出してないはずやのに)

マサキ(むしろ何年も同じ屋根の下で過ごしとんのに何もせんかった精神力は褒められるもんやのに)

マサキ「……」

マサキ「あれ…最初からあんな感じで見られとったかな…」

ナツメの家

レッド「ただいまー」

コトネ「相変わらず家と外でのテンションの差がすごい…」

ナツメ「おっかえりー」

コトネ「あーナツメさん!寝てなきゃだめって言ったじゃないですか!」

ナツメ「もう全然平気よ、お薬も飲んだし」

コトネ「そんな簡単に治らないでしょ」

ナツメ「治そうという気持ちでどうとでもなるのよ」

コトネ「…ならいいですけど」

コトネ「そうだ、あのことナツメさんに聞くんでしょ」

レッド「え、もう?」

コトネ「何事もはやめに言っておく方がいいじゃないですか」

レッド「うん…」

レッド「ナツメ、相談があるんだけど」

ナツメ「ふーん…あの子をねぇ」

レッド「どうかな」

ナツメ「あなたはどうしたいの?」

レッド「俺?俺は…まあ、預かっても」

ナツメ「そう、じゃあOK」

レッド「そんなあっさり…いいの?」

ナツメ「もちろん」

レッド「あ…ありがとう」

ナツメ「あ、もうこんな時間、忘れるとこだった」

ナツメ「コトネ、キョウヘイ君が7時にジムに来てくれって」

コトネ「え~嫌です…」

ナツメ「別にいいじゃない、そんな嫌がらなくても」

コトネ「だってあともう5分ちょっとしかないじゃないですか」

ナツメ「ここからジムまで1分ぐらいで行けるでしょ」

コトネ「あいつ私に何の用があるんですか?」

ナツメ「あー…それは聞いてなかったなぁ」

レッド「行くだけ行ってあげたら?」

コトネ「レッドさんまで…わかりました」

コトネ「行って今日はもうそのまま帰ります」

ヤマブキジム

コトネ「……」

コトネ「あいつ来ないじゃん…」

コトネ「もうあと1分もないし…」

コトネ「……」

コトネ「……」

コトネ「……」

コトネ「はい時間切れ、自分から来いって言っておいて時間守らないとか…」

コトネ「……」

コトネ「何かあったのかな…」

5分後

コトネ「……」

コトネ「やっぱ遅いな…何か…事故とかにまきこまれたりして…」

コトネ「!」ぴくっ

トウヤ「あ、ここか、やっと見つけた」

トウヤ「キョウヘイ君ジムに来てくれって一体何」

コトネ「遅い!」ゴッ

トウヤ「がっ!?」

トウヤ「……」どさっ

コトネ「!?」

コトネ「あ、あれ!?キョウヘイじゃない!」

コトネ「ど、どうしよう…」

コトネ「キョウヘイだと思ってリングマを倒した時のような真空飛び膝蹴りいれちゃった…」

トウヤ「……」

コトネ「白目むいてる…」

コトネ「まさか…」

コトネ「……」

コトネ「よかった…生きてはいるみたい」

コトネ「でも全然起きそうにないな…」

コトネ「とりあえずこんなところ見られるわけにはいかないし、ジムの中へ…」

30分後

トウヤ「うう…んんー…」

トウヤ「あれ?どこここ…」

トウヤ「すいませーん、誰かいませんかー」

コトネ「よかったー、目が覚めたのね…」

コトネ「あのまま起きなかったらどうしようかと思った…」

トウヤ「あの…一体何があったんですか?」

トウヤ「それにここは…何も覚えてなくて…」

トウヤ「あっ、あなたは前にメイちゃんと一緒にいた人ですよね」

コトネ「混乱してるだろうけど一気に言わないで」

コトネ(どうやら私がやったことは覚えてないみたいね…)

コトネ「そうね…何から言おうかな」

コトネ「まずここはヤマブキジムの中よ」

コトネ「私にもあなたに何があったかはよくわからないけど、ジムの前で倒れてたの」

トウヤ「ジムの前で…」

コトネ「そうジムの前で」

コトネ「それでそのままにしとくのはいけないと思って、とりあえずジムに運んだの」

トウヤ「そうだったんですか…」

トウヤ「ありがとうございます、あなたはとてもやさしい方なんですね」

コトネ「うっ」

コトネ(心が痛む…!)

トウヤ「あれ、どうしました?」

コトネ「い、いや…何も…」

コトネ「そうだ、あなたは覚えてることないの?」

トウヤ「えー…ヤマブキジムの前でキョウヘイ君と待ち合わせしてて…」

トウヤ「それで行こうとしたはいいけど、道に迷っちゃって…」

トウヤ「やっと見つけたと思ったら…」

トウヤ「そうだ、なんかすごい衝撃を受けて…」

トウヤ「気がついたらここに」

コトネ「そ、そう…」

コトネ「ま…まあ原因はよくわかんないけど、無事でよかったじゃない」

トウヤ「……」

トウヤ「そうですね、助けてくれてありがとうございます」

コトネ「お、お礼なんていらないわよ…」

トウヤ「いや、何かしないと…」

トウヤ「あ、キョウヘイ君ってきました?」

コトネ「あー…そういえば私もあいつに呼ばれてたんだった…」

コトネ「来てないわね」

トウヤ「何かあったのかな、ちょっと電話してみます」

プルルルルル

メイ『はい、もしもーし』

トウヤ「キョウヘイ君…じゃないな、メイちゃんか」

トウヤ「今どこ?ジムじゃないよね…?」

メイ『はい』

トウヤ「はいって…」

メイ『コトネさんは来てます?』

トウヤ「コトネさん?ちょっと待って」

トウヤ「あの…コトネさんですか?」

コトネ「うん、そうだけど」

トウヤ「うんいるよ、だとしたらずっと待っててくれてたんだよ」

メイ『いやーごめんなさい、ちょっと急用が入っちゃって』

トウヤ「だとしたらもっと早く言ってよ」

メイ『すいません』

トウヤ「はぁー…わかったもう来ないんだね」

トウヤ「今度から気をつけてよ、じゃあね」

メイ『はーい』

トウヤ「どうやら来ないみたいです」

コトネ「そう、今度会ったらボコボコにしないと」

トウヤ「暴力はよくないですよ」

コトネ「じゃあ暴力と言わない程度でボコボコに」

トウヤ「あの…」

コトネ「ん?」

トウヤ「今から時間空いてます?」

コトネ「別に空いてるっちゃ空いてるけど」

トウヤ「助けてくれたお礼がしたいので食事でもどうです?」

コトネ「だ、だからお礼なんて」

トウヤ「お願いします」

コトネ「……」

コトネ「わかった…」

トウヤ「何か食べたいものあります?」

コトネ「……」

コトネ「じゃああそこのマグドカルゴで」

コトネ「……」もぐもぐ

トウヤ「……」じーっ

コトネ「どしたの?」

トウヤ「い、いや…なんでも…//」

コトネ「……」

トウヤ「ほんとありがとうございました」

コトネ「まだ言ってんの?もういいって」

トウヤ「倒れてるからって介抱してくれるなんて、いい人ですね」

コトネ「そ、そりゃそんなの見捨てられないでしょ」

コトネ(病院につれてってもし私がやったのがバレたら嫌だったからなんだけど…)

コトネ「でも私は君が思ってるようないい人じゃないよ」

トウヤ「でも悪い人じゃないでしょ」

コトネ「……」

コトネ「君もね」

トウヤ「そう言われるとうれしいね」

コトネ「…さて、ありがとね、私そろそろ帰るわ」

トウヤ「送ろうか?」

コトネ「大丈夫、家ジョウトだからちょっと離れてるの、そんなとこまで来てもらうのは悪いわ」

コトネ「むしろ私が君を送ろうか?」

トウヤ「え?どうして」

コトネ「坊やだからさ」

トウヤ「……」

トウヤ「いや、大丈夫」

翌日 ナツメの家

レッド「え?ナツメもついてくるの?」

ナツメ「うん」

レッド「ジムは?」

ナツメ「いいのいいの気にしなくて」

レッド「そうなの…?」

ナツメ「あなた一人だと心配だってのもあるしね」

レッド「そんな子どもみたないな扱いしないでよ」

レッド「俺だってもう立派な大人なんだよ」

ナツメ「わかってるわよ、それぐらい」

ナツメ「ばかにしてるわけじゃないの」

ナツメ「その…えっと…」

レッド「かわいい…」ぼそっ

ナツメ「え?何か言った?」

レッド「何も」

ナツメ「私に隠し事できると思ってるの?」

レッド「思ってないよ」

ナツメ「じゃあ言ってくれてもいいじゃない」

レッド「いやー…別に大したことじゃないし…」

ナツメ「やっぱり言ったんじゃない、気になるでしょ、言ってよ」

レッド「あ、もうこんな時間だ、リーリエ迎えに行かなきゃー」

レッド「行ってきまーす」

ナツメ「あっ待ちなさい!私から逃げられると思ってるの!」

マサキの家

レッド「ぜえ…ぜえ…」

ナツメ「はぁ…はぁ…」

レッド「ぜえ…ぜえ…」

ナツメ「はぁ…はぁ…」

レッド「なあ…」

ナツメ「なに…?」

レッド「ごほっ…なんでこんな疲れてるんだろ…」

ナツメ「…なんでだったかな」

マサキ「家の前に誰かおると思ったらレッドかいな」

マサキ「なんでそんな疲れとんや」

レッド「……」

レッド「……」

レッド「わかんない…」

マサキ「……」

マサキ「まあ…それはええわ」

マサキ「リーリエちゃんのことやろ?」

レッド「……」こく

レッド「引き取りに来た…」

マサキ「おっ…ってことは」

レッド「……」こく

マサキ「おお、よかったわ」

マサキ「ルザミーネさん、お前の返事聞かんと迎えが来たからって帰ってもたからな」

マサキ「もしお前に断られたらどうしようと思っとったわ」

マサキ「かなり無責任やで」

レッド「……」

マサキ「おーいリーリエちゃーん、レッド来たでー」

リーリエ「おはようございますレッドさん」

リーリエ「それとたしかヤマブキジムのジムリーダーさんですよね」

ナツメ「あら、覚えててくれたの」

ナツメ「私はナツメ、よろしくね」

リーリエ「よろしくお願いします」

ナツメ「レッドはまじめに教えてくれてる?」

リーリエ「はい、とてもわかりやすいです」

ナツメ「意外…」

レッド「教えてるに決まってるじゃん」

レッド「じゃあとりあえず帰ろうか」

ナツメ「このままどこか行って教えてあげたら?」

レッド「うーん…」

レッド「今日はナツメもいるしいいか」

レッド「じゃあ今日はポケモンを捕まえる」

レッド「…って伝えてほしいんだけど」

レッド「まだ慣れてなくて…」

ナツメ「うん…そうだと思ってた…」

ナツメ「今日はポケモンを捕まえるんだって」

ナツメ「ほらレッド、やり方教えてあげないと」

リーリエ「捕まえ方は前に教えていただいて、自分でもそれから勉強しました」

ナツメ「あ、ほんとに教えてるんだ」

レッド「だから真面目にやってるって」

5番道路

VSナゾノクサ

リーリエ「レッドさん、見ててくださいね」

リーリエ「お願いしますロコン!」

ロコン「コーン(*^▽^*)」ボウッ

リーリエ「……」ぷすぷす

リーリエ「あの…何度も言いますけど私じゃなくてあっちです…」

ロコン「コフゥ(´・ω・`)」

リーリエ「火の粉です!」

ロコン「コンッ」ボッ

ナゾノクサ「ナジョ~」

リーリエ「レッドさん、これぐらいダメージを与えていればいいのでしょうか?」

レッド「今日のご飯なに?」

ナツメ「そうねー…リーリエちゃんが来るし、ちょっと豪華なものにしようかな」

リーリエ「レッドさん?あの…」

ロコン「コンコン」つんつん

リーリエ「どうしましたロコン?」

リーリエ「ってあれ!?ナゾノクサがいない…」

ナツメ「見てなかったのは悪かったわ、ごめんね」

レッド「ごめん…」

リーリエ「ちゃんと見ててくださいよ」

リーリエ「逃げられたなんてどんな顔すればいいかわからないじゃないですか」

レッド「笑えばいいと思うよ…」

リーリエ「笑えません」

ナツメ「つ、次からレッドも私もしっかり見てるから」

リーリエ「お願いしますよ…」

VSプリン

リーリエ「サンド!みだれひっかきです!」

サンド「サンサンサンサンサンサン!」

プリン「プリプリプリプリプリ」

サンド「サンサンサンサンサンサン!」

プリン「プリプリプリプリプリ」

サンド「オラオラオラオラオラオラオラオラオラ」

プリン「ムダムダムダムダムダムダムダムダムダ」

リーリエ「負けないでくださいサンド!」

サンド「サンッ」ザシュ

プリン「プリッ!?」

リーリエ「今です!毒針!」

サンド「プッ」

リーリエ「サンドとどめです!」

テレッテー

サンド「アタタタタタタタタタタタ」

リーリエ「えっ…や、やりすぎじゃ…」

サンド「オワッタア!」K.O.

プリン「プリ~…」

リーリエ「今KOってどこからか…」

レッド「何してるの、ボール投げないと…」

リーリエ「あ…はい!」

リーリエ「モンスターボール!えいっ」ぽわーん

リーリエ「あ、あれ?」

リーリエ「それっ!ほいっ!うりゃっ!」ぷーん ぽへーん ぽろっ

リーリエ「全然当たらない…」

ナツメ「もう直接手で当てたら?」

リーリエ「そうします…」カチッ

リーリエ「……」

レッド「……」

ナツメ「あなたの言いたいことはわかるわ、まかせて」

ナツメ「どうしたの、もっと喜ばないの?初めてのゲットなんでしょ」

リーリエ「うれしいですけど…ゲットの方法が…」

ナツメ「コントロールはそのうちよくなるわよ…きっと」

ナツメ「今大事なのは過程より結果よ」

ナツメ「あなたは無事ポケモンをゲットできた、それでいいじゃない」

リーリエ「…そうですね」

リーリエ「うん、私やりました!」

リーリエ「プリンゲットです!」

サンド「ピッピカチュウ」

テンテンテレテン

リーリエ「回復もさせましたし…」

リーリエ「出て来てくださいプリン」

プリン「プリプリ~」

リーリエ「これからよろしくお願いしますね」

プリン「プリ」

リーリエ「レッドさん、これでどうですか?」

レッド「うん、オッケー…」

ナツメ「オッケーだってさ、がんばったわね」

レッド「これで手持ちは3匹…」

レッド「明日はジムに挑戦させてみようかな」

ナツメ「いいんじゃない」

レッド「じゃあそれ…」

ナツメ「…やっぱりだけど、少しぐらい話せるようにしといた方がいいわよ」

ナツメ「さっき声かけれてたじゃない」

レッド「うん…」

レッド「どうすれば話せるようになるかな…」

ナツメ「やってみたら意外と…」

ナツメ「グリーンも一人となら話せると思って用意してくれた仕事なんだし、あなたならできるわよ」

ナツメ「リーリエちゃん」

リーリエ「はい」

レッド「……」

リーリエ「?」

レッド「……」

ナツメ「黙ってちゃだめでしょ、言わなきゃ」

レッド「えと…ぽ…ポケモン…」

レッド「……」

リーリエ「??」

レッド「……」

リーリエ「???」

ナツメ「一言だけ言えただけマシかな…ほんとにポケモンってしか言ってないけど…」

ナツメ「ポケモンが3匹になったから明日はジムに挑戦してみようかって言いたかったの」

リーリエ「ジ…ジムですか…」

リーリエ「……」

ナツメ「あれ?嫌だった?」

リーリエ「いえ、やります」

リーリエ「あの人に少しでも近づくために」

リーリエ「がんばリーリエです!」

ナツメ「……」

レッド「……」

ナツメ「うん、がんばって」

せっかく面白いのにら抜き言葉で読みづらいのが残念だ

申し訳ないです…
できるだけ気をつけます

ナツメの家

リーリエ「ここがお二人のお家ですか」

ナツメ「うん、そんなに広くはないけど、今日から自分の家だとおもって遠慮しなくていいからね」

ナツメ「あなたの部屋も用意してあるから自由に使ってね」

リーリエ「ありがとうございます」

ナツメ「ごはんできるまでここでもあなたの部屋ででも自由にしてていいからね」

リーリエ「あ、私も手伝います」

リーリエ「こう見えても料理は得意なんですよ」

リーリエ「そういえばお家についてからレッドさんを見ませんけど、どうしたんですか?」

ナツメ「レッドならトレーニングに行ったと思う」

ナツメ「いつも帰ってきたと思ったらまたすぐ行っちゃうの」

ナツメ「ごはんができるころには帰ってくるから気にしなくていいわよ」

リーリエ「いつもって毎日やってるんですか?」

ナツメ「そう、もう習慣なんだろうね」

リーリエ「でもレッドさんって相当強いんですよね、なのにトレーニングですか」

ナツメ「強いからトレーニングを続けてるんだと思う…」

ナツメ「それとレッドは相当強いんじゃなくて世界一強いの」

リーリエ「…やっぱりナツメさんとレッドさんって仲がいいんですね」

ナツメ「悪くはないわね、そう思われるのはうれしいけど」

リーリエ「悪くはないどころじゃないでしょう」

リーリエ「だってレッドさんの話をするときのナツメさんすごくうれしそうですから」

リーリエ「ククイ博士とバーネット博士みたいだなと思いまして」

リーリエ「あ、ククイ博士とバーネット博士というのは私がアローラにいた時にお世話になっていた方たちです」

リーリエ「二人ともお互いのことが大好きで、ナツメさんとレッドさんもそうじゃないですか」

ナツメ「そそそそんなこと…」

リーリエ「どうしたらそんな仲のいいご夫婦になれるんですか」

ナツメ「いやその…私たちそういうのじゃなくて…」

リーリエ「そういうのじゃないとはどういうことですか?」

ナツメ「普通にそのまま…私たちまだ夫婦じゃない…」

リーリエ「あっそうだったんですか、てっきりそうかと…」

リーリエ「でも仲のいいってことには変わりないじゃないですか」

リーリエ「私もそういう恋人同士になりたいですよ」

ナツメ「えっと…そういうのでもー…ない」

リーリエ「えっ!?でも…えッ!?」

リーリエ「さっきまだ夫婦じゃないっておっしゃったじゃないですか、それってもうちょっとで結婚って意味なんじゃないんですか」

ナツメ「!」

ナツメ「そ、そんなこと言ってたっけ?まだとかそういうのよくわかんないなー」

リーリエ「ではお二人はどういうご関係なんですか?」

ナツメ「と、友達ー…かな、うんただの友達」

リーリエ「友だち…本当ですか?」

ナツメ「嘘ついてどうすんのよ」

リーリエ「ですがとてもそうは思えません…」

リーリエ「もしお二人で歩いていれば誰が見てもご夫婦、もしくはカップルですよ」

ナツメ「そんなの男女で歩いてたらそう思われることもあるでしょ」

リーリエ「私にはわかります、ナツメさんがレッドさんを、レッドさんがナツメさんを大好きなことぐらい」

ナツメ「…コトネと同じようなこと言うのね」

ナツメ「そんな簡単な話じゃないのよ、これは…」

リーリエ「すいません…つい…」

ナツメ「いいのよ、無理やりなコトネに比べたら全然マシ」

ナツメ「それにレッドの方はわからないけど、私の方は間違ってないし…」

リーリエ「何が間違ってないんですか?」

ナツメ「……」

ナツメ「……//」

ナツメ「そんなことはいいの…」

リーリエ「すいません…でも気になっちゃって…」

リーリエ「ナツメさんとレッドさんの出会いって何だったんですか?」

ナツメ「それは私がジムリーダーをしてて、レッドが挑戦者で来たの」

リーリエ「もっと詳しくお願いします」

ナツメ「詳しくって…」

ナツメ「そんなこと聞いてどうするのよ」

リーリエ「参考のために」

ナツメ「参考…なんの参考にもならないと思うけど…」

リーリエ「お願いします」

ナツメ「……」

ナツメ「わかった…」

ナツメ「その前に私のこと教えとかないとね」

ナツメ「そこのスプーンとってもらえる」

リーリエ「はい」

ナツメ「ありがと」

ナツメ「……」グニュイ

リーリエ「!」

リーリエ(スプーンが曲がった!?一体どういう…)

ナツメ「スプーンが曲がった!?一体どういう…」

リーリエ「えっ…」

ナツメ「……」

ナツメ「次、あそこのコップ見て」

ふわふわ

リーリエ「う、浮いてる…」

リーリエ「ナツメさん、これは…あれ」

ナツメ「こっちよ」

リーリエ「!…いつの間に」

ナツメ「こんな風に私は普通の人とはちょっと違うの、超能力者だから…」

リーリエ「超能力…」

ナツメ「タネも仕掛けもないわよ…世の中にはこういうことができる人が何人かいるの、私もその一人…」

ナツメ「でも人ってのは自分と違うものに対しては冷たい…私もこの力のせいで恐れられ避けられてた…」

ナツメ「こんな私の過去だけど、まだ聞きたい?」

リーリエ「はい」

ナツメ「怖くないの?」

リーリエ「まだ少ししか話してませんがナツメさんはお優しい方だってよくわかります」

リーリエ「超能力も驚きはしましたし、すごいとは思いますが、怖いとは思いません」

ナツメ「…じゃあ、ちょっと長いけど」

約10年前・ヤマブキシティ

棗父「ほー、ロケット団がシルフカンパニーから撤退か」

棗父「しかも少年がやったのか、すごいな」

棗父「ほらテレビ見てみろ」

ナツメ「……」

ナツメ「興味ない…」

棗父「あ、おいどこ行くんだ」

ナツメ「ジム…」

棗父「お、おう…そうか」

棗父「あの子から感情というものが全く感じられん…」

棗父「我が子ながら気味が悪い…」

棗母「そういうこと言うもんじゃありませんよ」

棗父「しかしな…」

棗父「いや、すまん…」

ナツメ(……)

ナツメ(感情を見せたら見せたで気味悪がるくせに…)

ナツメ(二人とも私のことをよく思ってないことなんてもう何年も前からわかってる…)

ナツメ(誰も信用できない…)



ナツメ(まだジムなら…ポケモンたちといる空間なら…)

ナツメ「……」ぴくっ

男(うわっ、あれはジムの…無視したら何されるか…)

男「おはようございます」

ナツメ「……」ぺこ

ナツメ(別に何もしないって…無理やりあいさつされても…)

ナツメ(そもそも他人に興味がないんだから何かするわけないのに…)

ナツメ(あの人も、あの人も、あんな小さな子まで…)

ナツメ(みんな私のこと…何にもしてないのに…)

ナツメ(まだ親は子どもってことで少しは情があるだろうけど、外の人にはそんなものはない…)

ナツメ(この移動時間はつらい…)

ヤマブキジム

ナツメ「おめでとう…これが私に勝った証のゴールドバッジ」

挑戦者「ありがとうございます!」

ナツメ「……」

ナツメ(私のことをよく知らない挑戦者と戦うことだけが唯一の楽しみ…)

ナツメ(純粋に私に勝ちたいということだけ考えてる…)

ナツメ(そのせいで作戦は筒抜けだけど…まあそれは無視して…)

ジムトレ(当時)「ナツメ、また挑戦者だ」

ナツメ「わかった…」

ナツメ「ようこそ…」

レッド「……」

ナツメ(あれ、この子たしか…)

ナツメ(そうだ、今朝ニュースでやってた…)

ナツメ(こんな子がロケット団を…?)

ナツメ(そもそもなんでそんなことを?ロケット団と戦って何か得があるの?)

レッド「……」

ナツメ(見れば見るほど不思議な子…)

ナツメ(私が他人に興味を持つなんて…)

ナツメ(ちょっと何を考えてるか見てみよ)

ナツメ「……」

レッド(ジム戦ポケモン図鑑グリーンエスパータイプジムポケモンリーグヤマブキシティグルメエヴァまだロケット団おこづかい格闘道場エスパー対策チャンピオンマサラタウン悪即斬マスターボールきずぐすりシルフカンパニー自転車…」

ナツメ「…っ」

ナツメ(いろいろ考えすぎ)

ナツメ(私の頭がパンクするところだった…)

ナツメ(もっと頭の中スッキリさせればいいのに…)

一瞬メタ的な情報読んでるのかと思ってビビった
セーブとか見たらどう思うんだろ…

こいつ狂ってるぜ

3つ目にグリーン出て来てるあたり、本当大好きなんやな

ナツメ(あの子の頭の中見ながらだと集中しにくいな)

ナツメ(でもまだ上手く超能力をコントロールできないし、一度見ちゃったから勝手に…)

レッド「あの、大丈夫ですか…」

ナツメ「あっ…うん」

ナツメ(やっぱり変に思われるよね…)

ナツメ(私が普通じゃないって気づかれる前に終わらそう)

ナツメ「!?」

ナツメ(汗がこんなに…)

ナツメ(なんで…超能力の使い過ぎ…?)

ナツメ(頭が痛い…あの子の頭の中を見たから?)

ナツメ(ってあれ…前が…きゅう…に…)

―――――――――

ナツメ「……」ぱちっ

レッド「……」

ナツメ「!」びくっ

レッド「…!」びくっ

レッド「びっくりした…」

ナツメ「それ私のセリフ…」

ナツメ「…ここどこ?ジムじゃないみたいだけど」

レッド「病院…」

ナツメ「病院?どうして…?」

レッド「急に倒れたから…」

ナツメ「……」

ナツメ(そうだ思い出した…)

ナツメ(この子の考えを読もうとしたら…)

ナツメ「……」キョロキョロ

ナツメ(期待はしてなかったけど親はどっちも来てないか…)

ナツメ(子どもが倒れたってのに…)

ナツメ(あれ…)

ナツメ(今思ったけどどうしてこの子がいるの?)

ナツメ「……」

ナツメ(超能力が使えない…?)

レッド「どうかしました…?」

レッド「どこか痛みます?」

ナツメ「いや、もう平気」

ナツメ「ごめんなさいね、心配かけて」

ナツメ「ジム戦の途中だったよね、戻ってやりましょうか」

レッド「いや今日はやめた方がいい…」

ナツメ「どうして?」

レッド「今日は安静にしてなきゃ…」

レッド「心配だし」

ナツメ「心配…?私のことが…?」

ナツメ「……」

ナツメ(この子の考えてることがわからない…)

ナツメ(一時的ではあるだろうけど超能力が使えなくなっているためではない…)

ナツメ(今まで私のことを心配した人間なんていなかった)

ナツメ(もちろん親でさえ…)

ナツメ(なのに今日初めて会ったこんな子に心配されるなんて)

ナツメ(いや、私のことをちゃんと人として考えてくれるなんて…)

ナツメ「……」

ナツメ(ああそうか…この子は私が人と違うってことをまだ知らないんだ…)

ナツメ(それでやさしいだけなんだ)

ナツメ(超能力者だって知られたら…)

レッド「ねえ…」

レッド「あのー…」

レッド「おーい…」

ナツメ「あっ…な、なに?」

レッド「飲み物買ってくるけど、何か飲みたいものある?」

ナツメ「ああ、私はいいわよ」

レッド「飲んだ方がいいよ、元気出るし」

レッド「いろいろ考えてるみたいだけど、そういうときこそリラックスした方がいいよ」

レッド「じゃあ買ってくるね」

レッド「ミックスオレでいいかな…」

ポチッ ガコンッ ポチッ ガコンッ

レッド「よし…」

看護師A「ねえ聞いた、あのジムリーダー」

看護師B「知ってる知ってる、あんな超能力者、いや化け物を病院に連れてきたりして、暴れられたらどう責任とってくれるんだか」

看護師A「なんでもジムの挑戦者の子が連れてきたんだって」

看護師A「いくらあのジムリーダーのこと知らないからって、ほんと困ったことしてくれたもんね」

看護師B「もう無事なんだったらとっとと出て行ってくれないかしら」

レッド「……」

レッド「買ってきた…」

ナツメ「あ、ありがとう…」

レッド「もう平気なの?」

ナツメ「うん、大丈夫」

レッド「じゃあここから出ましょう、送るから」

ナツメ「あ…うん…」



ナツメ「……」

ナツメ(やっぱりまだ超能力が使えない…)

ナツメ(でも、そのおかげで聞きたくもない他人の声を聞かなくて済む…)

ナツメ(聞こえないことがこんなにも快適だなんて…)

レッド「ねえジムリーダーさん…」

ナツメ「なに?」

レッド「ジムリーダーさんって超能力者なの?」

ナツメ「えっ」ドキッ

ナツメ「ど、どうしてそれを…」

レッド「さっき看護師さんたちが話してた…」

レッド「どうなの?」

ナツメ「……」

ナツメ「そうよ」

ナツメ「私は超能力者、あなたやここにいる人たちの誰とも違う化け物よ…」

レッド「化け物…?」

ナツメ「そう…いるだけで嫌われる存在よ」

ナツメ「少しでも認めてもらおうと思って、この街のジムリーダーになったの…」

ナツメ「でもその逆…」

レッド「そんないるだけで嫌われるって誰かに何かしたの?」

ナツメ「何もしてない…」

レッド「何もしてないんだったらおかしいじゃん」

レッド「それに特におかしなことはされてなかったし…」

ナツメ「……」

ナツメ「普通だったらそんな人間排除しようってなるでしょうけど」

ナツメ「超能力者に何かしたら、自分たちがどうなるかわからないってことで何もされない」

ナツメ「超能力を使えることでこんな扱いを受けるけど超能力を使えることで守られてるの」

ナツメ「こんなんだから私と関わったってろくなことはないわ」

ナツメ「それなのにあなたは優しかった…」

ナツメ「ありがとう…」

ナツメ「これはお礼よ」

ナツメ「ヤマブキジムのジムバッジ、ゴールドバッジよ」

レッド「それは受け取れない…」

ナツメ「えっどうして?」

レッド「だってまだ俺勝ってないから」

ナツメ「ジムバッジってのはジムリーダーが認めさえすればどんな条件であろうと渡していいのよ」

ナツメ「ジムバトルはその認める方法の一つってだけ」

ナツメ「だからリーダーが認めなかったら勝ったのにもらえなかったり、逆に負けたのにもらえることもある」

ナツメ「それは稀だけど」

ナツメ「わかった?ほら受け取って」

レッド「嫌です…」

ナツメ「えっ?え…ええ?」

ナツメ「ど、どうして?」

ナツメ「ここでもらっておけばもう私に会わなくて済むのよ」

レッド「……」

レッド「ジムリーダーさんはどうしてそんなに自分のことを悪く言うの?」

ナツメ「だって私は超能力者で人とは違うから…」

レッド「でも超能力使ってないじゃん」

ナツメ「それは今どういうわけか使えないからで…」

レッド「……」

ナツメ「な、なによ…」

レッド「やっぱりジムリーダーさんはどこにでもいる女の子だよ、どこもおかしいとこなんてない」

レッド「また明日改めてジム戦お願いします、それじゃあ」

ナツメ「ちょっと待って…行っちゃった…」

これはイケメン

これは惚れる

翌日

ナツメ「……」

ふわふわ

ナツメ「……」スプーン

ぐにゅ

ナツメ(超能力が使えるようになってる…)

ナツメ(なんで昨日は使えなくなってたんだろ…)

ナツメ「……」

ナツメ(あの子また明日って言ってたから今日も来るのよね…)

棗父「朝から部屋でガタガタと…何をやってるんだ」

棗母「ほんと、昨日は急に帰ってきたと思ったらごはんも食べなかったくせに」

棗母「あの子の考えてることは誰もわからないわ」

棗母「わかりたくもないけど」

棗父「おい、そんな言い方をするな」

棗父「ナツメに聞かれたりしたらどうするんだ」

棗母「あの子なら口に出しても出さなくても思った時点でわかってしまうのだから同じです」

棗父「それはそうだが…」

ガタンッ

棗両親「!」

棗父「やっぱり聞かれてたんじゃ…」



男(うわっエスパー女…)

女(目合わせたら催眠術かけられる…)

ナツメ(やっぱり外は嫌…)

ナツメ(聞こえないときは快適だったのに、また聞こえるようになるとこんなに嫌なものなのね)

ナツメ(もっと超能力をコントロールできるようになれば聞きたくないものも聞かずに済むのかな)

ナツメ「……」

ナツメ(早くジムに行こ…)

ヤマブキジム

ナツメ「……」

ナツメ(あの子来ないな…)

ナツメ「……」

ナツメ(やっぱりあの子も…)

挑戦者「あのー…」

ナツメ「はいっ!」

ナツメ「あっ…」

ナツメ「……」

ナツメ「ようこそ…」しゅん

ナツメ「ユンゲラー、サイケ光線」

ユンゲラー「ゲラー」

ゴースト「フニュー…」ばたっ

挑戦者「ああっゴースト…」

ナツメ「惜しかったわね、またいらっしゃい…」

挑戦者「はい…」

ナツメ(対戦相手でも考えてることは普通に読める…)

ナツメ(もういつも通りね)

ナツメ(これならあの子の考えてることも…)

ナツメ「……」

ナツメ(なんかあの子のことばかり考えてる…)

レッド「ジムリーダーさーん」

ナツメ「!」

ナツメ「き、来たわね…ま…待ってたわよ」

レッド「うん、ちゃんと勝ってバッジもらいたいから」

ナツメ「そう…でも簡単に勝てると思わないことね」

レッド「うん」

ナツメ「……」

ナツメ(今は頭の中はスッキリしてるみたい…そうかレッド君っていうんだ)

ナツメ「そういえば、まだ名前言ってなかったわね」

ナツメ「私はヤマブキジムジムリーダーのナツメ」

ナツメ「よろしくねレッド君」

レッド「えっ」

ナツメ「なんで俺の名前を知ってるかって?言ったはずよ私は超能力者だって」

ナツメ「君の考えてることを」

レッド「すげえ」

ナツメ「え…」

ナツメ「……」

ナツメ(本当にそう思ってる…どうして?)

ナツメ「レッド君…どうして君は超能力をすごいって思うの?」

レッド「んー…俺は超能力にすごいって言ったんじゃなくて、ナツメさんのことをすごいって言ったんだよ」

ナツメ「私?」

レッド「そう」

レッド「超能力がすごいんじゃなくて超能力を使えるナツメさんがすごいの」

ナツメ「……」

ナツメ(ほんとに不思議…私の超能力でもこの子の考えてることを全て読むなんて不可能ね)

レッド「ねえそろそろやろうよ」

ナツメ「そうね」

ナツメ「じゃあ…」

ナツメ「……」

ナツメ「ようこそ挑戦者、まずはあなたのジムバッジの数を確認します」

レッド「5つ」

ナツメ「わかりました」

ナツメ「それでは…」

ブンッ

レッド「!?」

ナツメ「え…停電!?」

ナツメ「ええ…どうして…」

ナツメ(あ、こういうときこそしっかりしなきゃ…)

ナツメ「ちょっと待ってて…」

ナツメ「1つ目用のポケモンにフラッシュを使えるケーシィが…いた」

ピカッ

ナツメ「これで明るくなった」

ナツメ「ジムリーダーの部屋は窓がないから電気がないと昼でも真っ暗なのよ」

レッド「ブレーカーが落ちたんですかね」

ナツメ「それだったらすぐつくだろうけど…」

10分後

レッド「なんか…長くないですか?」

ナツメ「うん…」

ナツメ「完全に電気が使えなくなったみたいね…」

ナツメ「電気が使えないとワープパネルも使えないのよね…」

ナツメ「外の様子も気になるし…」

ナツメ「……」

ナツメ「あ、テレポートがあった」

レッド「テレポート?」

ナツメ「瞬間移動よ」

ナツメ「ここにいるよりは外の方がいいでしょ」

ナツメ「私につかまって」

シュン

ナツメ「外は何事もないみたいね…」

ナツメ「じゃあうちのジムだけか…」

ナツメ「レッド君ごめんね、今日も問題が起こって…」

ナツメ「まあでも電気ぐらいならそのうちなんとかなるし、今日は中止になることなんて」

ゴッ

ナツメ「あだっ…!」

ナツメ「電気が使えないから自動ドアも開かないんだった…」ボタボタ

レッド「鼻血出てますよ…」

レッド「ティッシュどうぞ」

ナツメ「あ…ありがとう…」

ナツメ(ど、どうしよう…いつもなら血ぐらい超能力で止められるのに全然止まらない…)

レッド「とりあえず陰の方いきましょう、ここじゃ人通りが多いですし」

ナツメ「うん…」

ナツメ「止まった…」

レッド「あ、よかった」

ナツメ「……」

レッド「鼻血ぐらい誰でも出ることありますよ、気にしなくていいですよ」

レッド(と言ってもなぁ…)

レッド(こんなときに女の子になんて言ったらいいのかな…)

レッド(どうしよう…)

ナツメ(私の心配かけちゃってる…)

ナツメ(何言えばいいのかな…)

ナツメ(心配するなって言っても気使わせちゃいそうだし…)

レッドナツメ(難しい…)

ナツメ「……」

レッド「……」

ナツメ「ジム戻りましょうか…」

レッド「うん…」

ナツメ「まだ電気使えないみたいね…」

ナツメ「やっぱり無理かな…」

ナツメ「テレポートで中入って原因を探ってみることにするわ」

ナツメ「今日もごめんね、明日にはちゃんとジム再開してると思うから」

レッド「……」

ナツメ「ほんとごめんなさいね…」

レッド「ナツメさんが悪いわけじゃ…」

レッド「ん?」

ナツメ「どうしたの?」

レッド「今中に人が」

ナツメ「ああ、ジムトレーナーじゃないの?」

レッド「いや…さっきのあの服…ロケット団だ」

ナツメ「ロケット団ってあの?」

レッド「うん」

レッド「ナツメさん、俺も行くよ」

ナツメ「え…危ないわよ」

レッド「大丈夫だよ」

レッド「それよりナツメさんみたいな女の子一人の方が危ないですよ」

ナツメ「一応私君より年上だしジムリーダーなんだけどな…」

レッド「小さいころ知らないおっさんにだけど、女の子にはやさしくしろって教えられたから」

ナツメ「知らないおっさんって…」

レッド「知らないおっさんは今はどうでもいいよ」

ナツメ「おーい、誰かー」

シーン

レッド「返事がないね…」

ナツメ「でも人の気配はする」

ナツメ「それに誰も返事しないってのはおかしいわ、ジムトレーナーがいるはずだもの」

レッド「それもそうか」ふみっ

ジムトレ(当時)「ぐあっ」

レッド「うおっ!?」

レッド「って人!?」

ナツメ「ど、どうしたの!?何があったの!」

ジムトレ(当時)「ロ…ロケット…団…」がくっ

ナツメ「……」

レッド「やっぱりロケット団か…」

ナツメ「……」

ナツメ「あっちからロケット団と思われる声が聞こえる…」

ナツメ「行きましょう」

レッド「この人は…」

ナツメ「そのまま放っておいていい…」

レッド「えっ…」

ナツメ「……」

ナツメ「全部終わらしてからの方がやりやすいから…」

レッド「ここも真っ暗だね」

ナツメ「レッド君危ないっ」ドンッ

ヒューン

レッド「おわっ!な、なんだ…」

ナツメ「気をつけてロケット団が3人、それにポケモンが1匹ずついる」

レッド「そんなこともわかるの!?」

ナツメ「ええ…それでそのポケモンは…」

ナツメ「今攻撃してきたのはゴルバット、それにズバット

ナツメ「あ、そうか…」

レッド「えっなに?なにかあったの?」

ナツメ「マルマインよ」

ナツメ「マルマインがこのジムの電気を全部食べてたから電気が使えなかったのよ」

ナツメ「マルマインを倒せば電気が元に戻るわ」

レッド「ナツメさん、マルマインの場所わかります?」

ナツメ「レッド君から見て左斜め前に7m…」

レッド「おっけー」

ナツメ「えっ危ないわよ!」

ナツメ「今のマルマインはジムの電気を大量に吸収してるのよ」

ナツメ「その電撃を受けたら…」

レッド「ご心配なく!」

レッド「俺にはガラガラがいるから」

5分後

レッド「よしっ3人ともやっつけた」

ナツメ「やるじゃないレッド君」

レッド「ナツメさんこそ」

ナツメ「これでもジムリーダーだって」

ナツメ(持ってるのが自分のじゃなくてジム用のポケモンってわかった時はちょっと焦ったけど…)

ナツメ「さてロケット団…どうしてこんなことをしたのかしら」

レッド「俺目当てじゃないの?シルフカンパニーやタマムシシティでロケット団相手にいろいろやったし…」

ナツメ「……」

ナツメ「そうみたいね」

ナツメ「天下のロケット団がこんな子どもにやられっぱなしでいるわけにはいかないってさ」

ナツメ「いくらレッド君がここに入るの見たからって、ジムを襲撃場所にするなんて馬鹿ね」

レッド「ごめんなさいナツメさん、俺が来たせいで…」

ナツメ「わ、悪いのはこいつらなんだし、レッド君は何も謝ることなんかないよ」

ナツメ「それに今まで気づかなかった私も悪いから…」

ナツメ「ユンゲラー、金縛り!」

レッド「!?」

ジムトレ(当時)「があっ」ビタッ

レッド「えっ…さっきの…!」

レッド「どういうこと!?」

ナツメ「こいつもロケット団よ」

レッド「ええ!?」

ナツメ「ジムに入ったときからおかしいと思ってたのよ」

ナツメ「レッド君は入り口でロケット団の影を見たのに最初の部屋にはこいつしかいなかった」

ナツメ「電気が止まったのならワープパネルも使えない」

ナツメ「私みたいにテレポートが使えれば自由に移動できるけど、ロケット団のポケモンにそんな気配はしなかった」

ナツメ「じゃあテレポートを使うポケモンを持ったトレーナーがもう一人いると思ったの…」

ナツメ「今まではジムトレーナーたちの考えてることは見ないようにしてたんだけどね」

ナツメ「ジムの中を探るため読んでみたら、考えてることはロケット団のことばかり」

ナツメ「私が目の前にいるのに作戦のこと考えてて丸見えだったわ」

ナツメ「でもレッド君を甘く見すぎね」

ナツメ「そんな作戦到底上手くいくとは思えなかったもの」

ジムトレ(当時)「くっ…」

ナツメ「言いたいことがあるなら後は警察で言ってね」

レッド「ありがとねナツメさん」

ナツメ「私は何もしてないわよ」

レッド「いや…ナツメさんの超能力がなかったら無理だったよ」

レッド「ナツメさんってすごいなって改めて思った」

ナツメ「…!」

ナツメ「私があなたの役に立てたのなら…その…うれしい…」

レッド「あ、今笑った、すごいかわいいですよ」

ナツメ「かっ…!?」

レッド「もっと自分に自信もってください、ナツメさんの笑った顔、俺すごい好きです」

現在

ナツメ「ってとこかな…」

リーリエ「もうちょっと話してくださいよ」

ナツメ「まだ足りないの…!?」

レッド「結局あの後いろいろあって、5日目でやっとナツメと戦えたんだよ…」

リーリエ「あ、レッドさん」

ナツメ「レ、レッド!?一体いつから…」

レッド「ナツメを病院に運んだぐらいからかな」

ナツメ「結構最初の方じゃない…」

一か月後 ハナダジム

カスミ「はい、ブルーバッジ、おめでと」

リーリエ「ありがとうございます!」

リーリエ「やりましたレッドさん、二個目のバッジゲットです」

レッド「うん、やったね」

カスミ「……」

カスミ「ちょっとレッド」

レッド「?」

カスミ「まさかと思うけどもう帰るんじゃないでしょうね?」

レッド「……」こく

カスミ「せっかく私のとこ来たんだからちょっと付き合いなさいよ」

レッド「……」

カスミ「コーヒー飲む?」

レッド「……」

カスミ「…YesかNoかぐらい答えなさいよ」

リーリエ「イエスと言ってます」

カスミ「その子とは話すのね」

リーリエ「話していただくようになるまで時間はかかりましたけど…」

カスミ「ふーん…たしかにレッドはだいぶ人見知りの方だけど…」

リーリエ「ナツメさんとはとても仲良く話してます」

カスミ「……」

カスミ「だいたいね、なんであんたは戻ってきたんだったら私に会いに来ないの」

レッド「……」

カスミ「あんた、私に何したか忘れたとは言わせないわよ」

レッド「…?」

リーリエ「レッドさん何したんですか」

レッド「わかんない…」

カスミ「わ、わかんない~~~!?」

レッド「!」びくっ

カスミ「私にあんなことさせておいて…」うるっ

レッド「え…」

リーリエ「レッドさん…女性の方を泣かせるようなことしたんですか…」

レッド「……!」ぶんぶんぶん

リーリエ「レッドさん、とりあえずでも謝った方がよろしいのでは…」

レッド「……」こく

レッド「あの…ごめんなさい…」

カスミ「…ほんとにそう思ってる?」

レッド「……」こく

カスミ「じゃあ…結婚してくれる?」

レッド「!?」

レッド「な…な…な…」

リーリエ「なんでそんなことになるのか…とおっしゃってます」

カスミ「…本当に覚えてないようね」

レッド「……」

リーリエ「何をしたんでしょうか…とおっしゃってます」

カスミ「いいわ…教えてあげる…」

男「おーいカスミちゃ~ん」

カスミ「!」

カスミ(あ、もうこんな時間…デートの約束してたんだった…)

レッド「……」

リーリエ「あ、そうなんですか…わかりました…」

リーリエ「カスミは常に最低でも3人彼氏がいるじゃないか…とおっしゃってますが…」

カスミ「……」

ヤマブキジム

ナツメ「久しぶりに来たと思ったら…それどういうこと?」

赤ちゃん「おぎゃーおぎゃー」

コトネ「そのー…なんて言いましょうか…」

ナツメ「もしかして最近来なかったのって…」

コトネ「そんなわけないでしょ!来なかったと言っても一か月程度じゃないですか」

コトネ「一か月じゃ子どもはできないでしょ」

コトネ「親戚の子どもですよ」

ナツメ「ふーん…で、どうしたの?」

コトネ「ちょっとヘルプを…」

コトネ「親戚が仕事で一週間ちょっと家を空けるからってことで預かるように頼まれたんです」

コトネ「それだけならよかったんですけど、お母さんが町内会の温泉旅行に行っちゃって…」

ナツメ「…でも私のところに来られても手伝えることなんて」

ナツメ「私だって何したらいいかよくわからないのよ」

コトネ「と、とりあえず抱っこしてみてください、私の抱っこが正しいのかどうか調べなおします」

ナツメ「え?抱っこにも正しいとかあるの?」

コトネ「そうみたいなんです、お母さんが言ってたはずなんですけど忘れちゃって…」

ナツメ「こういうのは絶対私よりエリカの方がいいわよ」

ナツメ「子ども二人いるんだし」

ナツメ「経験者の方が間違いなく正しいんだから」

コトネ「そうか、確かにそうですね」

コトネ「じゃあエリカさんのところ行ってきます!」ぴゅーん

ナツメ「あっこら!赤ちゃんおいてかないの!」

ナツメ「……」

赤ちゃん「だあ」

ナツメ「かわいい…」

ナツメ「うーんと…そうだ」

ナツメ「それ」

ふわふわ

ナツメ「たかいたかーい」

赤ちゃん「きゃっきゃっきゃっ」

ナツメ「たかいたかーい」

赤ちゃん「きゃっきゃっきゃっ」

リーリエ「ほんとに何だったのかわからないんですか?」

レッド「うん…」

レッド「自分でも気になる…」

レッド「ナツメに見てもらおうかな」

リーリエ「それはやめておいた方がよろしいのでは…」

レッド「でも気になる」

カチャ

レッド「ナツメ~」

ナツメ「よしよしよし」

赤ちゃん「ばぶ」

レッド「え…」

ナツメ「あ、おかえりレッド、リーリエちゃん」

レッド「……」

リーリエ「…えっと、そのー…おめでとうございます」ちらっ

レッド「いやっ!俺はまだ何もしてない!」

レッド「そりゃ…まあ…その…」

ナツメ「何の話してるの…」

ナツメ「さっきコトネが来て置いて行ったの」

ナツメ「コトネが親戚から預かってる子だって」

ナツメ「今エリカのところに聞きに行ってる」

レッド「なんだ…そうだったのか…」

リーリエ「とてもかわいいですね」

レッド「ああ」

ナツメ「でも今一応仕事中なのよね、誰も来なかったからよかったけど…」

ナツメ「もし来たら、バトルもやりにくいし、レッド預かっててくれない?」

レッド「うん」

赤ちゃん「だあ」ぐいっ

ポロリッ

ナツメ「!!!!!!!//////////////////////////」

レッド「!!」

リーリエ「!?」

ナツメ「あ、あわわわ…」

レッド「ぶばっ」ドビューッ ゴチン

バタンッ ドクドク

リーリエ「レッドさん!?」

―――――――――――

レッド「うっ…」

レッド「っつ~~…」むくっ

リーリエ「よかった、起きましたね」

リーリエ「びっくりしましたよ、気分はどうですか?」

レッド「……」ぱちぱち

レッド「ここは…?」

リーリエ「レッドさんとナツメさんの家ですよ」

レッド「……」

リーリエ「その…鼻血がブーッてなって勢いよく頭をぶつけてそのまま…」

リーリエ「赤いハイドロカノンかと思いました…」

リーリエ「覚えてますか?」

レッド「……」

リーリエ「ナツメさんがとても心配してましたよ」

リーリエ「何度も私がついてますと言ったのですが、起きるまで離れないと…」

リーリエ「ジムリーダーさんが不在ではジムは成立しませんからなんとか戻っていただきましたが…」

レッド「……」

リーリエ「ぽかーんとしてどうしましたか?」

レッド「君…誰…?」

リーリエ「へ…?」

リーリエ「あの…か、からかってるんですか?」

レッド「いや…そんなつもりじゃ…」

リーリエ「じゃあどういうことなんですか」

レッド「えっと…なんていうか…何もわからない…」

レッド「君が誰なのか…ここがどこなのかはっきりしないし…そして自分のこともわからない…」

リーリエ「それはつまり…記憶喪失ということですか…?」

レッド「たぶん…」

リーリエ「……」

リーリエ「ご自分のお名前は…?」

レッド「……」

リーリエ「……」

レッド「……」

リーリエ「……」

レッド「……」

リーリエ「……」

レッド「わかんない…」

ヤマブキジム

コトネ「ごめんなさーい、赤ちゃん忘れ…うわっなんですかこの血の海は」

ナツメ「ちょっと…ね…」

ナツメ「それより赤ちゃんおいていくってどういうことよ」

コトネ「すいません…私の戻ってくるときに気づいて」

ナツメ「遅すぎるでしょ、気づくにしても」

ナツメ「このことは」

リーリエ「ナツメさん!!大変です!!」

リーリエ「あ、コトネさん…」

リーリエ「じゃない…レッドさんが…レッドさんが…」

ナツメ「落ち着いて、レッドがどうかしたの?」

リーリエ「レッドさんの記憶が…」



ナツメ「レッド!」

レッド「!」

リーリエ「この方がさっき言ってたナツメさんです」

レッド「あ…ああ…」

ナツメ「レ、レッド…私のことわかる…?」

レッド「……」

レッド「すいません…」

ナツメ「そ…そんな…」

コトネ「レッドさんレッドさん!私のことはどうですか?」

レッド「…ごめんなさい」

コトネ「がーん」

コトネ「しくしく…」

レッド「ご、ごめんなさい…!」

レッド「あの、絶対にあなたのことを思いだしますから、あなたのこと教えてもらってよろしいですか」

コトネ「ふっふっふ…そういうことなら…」

コトネ「私の名前はコトネ、18歳、ナツメさんのマネージャー兼ウツギ博士の助手」

コトネ「そしてレッドさんのお嫁さんです」

レッド「お嫁さん?じゃあ俺とあなたは結婚してると」

コトネ「いえ~す!そしてこの子がレッドさんと私の」

ナツメ「嘘つくんじゃない!」

レッド「嘘?」

コトネ「嘘じゃないです、いずれそうなります」

レッド「いずれ?」

レッド「あの…どっちなの?」

ナツメ「コトネがいるとレッドが嘘を信じちゃうわ」

ナツメ「リーリエちゃん、悪いけどコトネとあっちの部屋行ってコトネを監視してて」

リーリエ「はい、わかりました」

コトネ「レッドさんと二人だからって変なことしないでくださいよ」

ナツメ「しないわよ!」

ナツメ「……」

ナツメ「はぁ…」

ナツメ「えっと、一応改めて言っておいた方がいいかな」

ナツメ「私はナツメよ、よろしく…ってのも変よね…今まで一緒にいたんだし…」

レッド「ナツメさん…」

ナツメ「ナツメでいいよ、いつもそう呼んでたし」

ナツメ「何かわからないことはある?と言ってもわからないことだらけだろうけど」

ナツメ「気になったことからでいいわよ」

レッド「俺はここで住んでるんだよね」

ナツメ「ええ」

レッド「ここはナツメの家」

ナツメ「うん」

レッド「俺とナツメの関係は?」

ナツメ「えっと…そのー…つま…りー…」

ナツメ(ここでもし、恋人と答えれば…)

ナツメ(いやいや、さっきコトネに嘘をつくなっていったのに)

レッド「えっ妻?」

いいゾ~

場違いなこと書いて申し訳ないが、フェアリーが発見される前までは普通にマリルリにドラゴンクローは効いていた。なのにフェアリーが見つかった途端に効かなくなったということは、ポケモンは人間の文明、確かに合わせて生態を変えている…とか

唐突なクソ展開で急につまらなくなったな
面白かっただけに安易なネタに走って陳腐になったのは残念だ

>>448
下げようゴミクズ

鼻血で記憶喪失って凄まじくダサい気がしないでもない

続きはよ

レッド(そうか…さっきのコトネって子とは違ってナツメとは一緒に住んでんだよな…)

レッド(別に変なことはない)

レッド(むしろ血縁関係があるわけじゃないのに、なんとなく同居してますってのはおかしいよな)

ナツメ(記憶喪失といっても一時的なはず…)

ナツメ(すぐに治るだろうし、今嘘をついてそういう関係になったところで元に戻ればすぐばれる…)

ナツメ(嘘ついてもやっぱり意味ないか…)

ナツメ(でも一時的にでもレッドとそういう…いやいや)

ナツメ(そうなると早く治した方がいいよね…)

ナツメ(催眠術とかで無理やりやるのもアリかもしれないけど、私記憶とかそういうのは素人だし、下手にやると…)

コトネ「二人とも固まって何やってるんだろ」

リーリエ「やっぱりやめましょうよ覗きなんて…」

リーリエ「ナツメさんに見つかったら…」

コトネ「覗きに命をかけれないようじゃ最初から覗きなんかやらないんだよ!」

コトネ「覗きなめんな!!」

リーリエ「こ、声が大きいです…!バレちゃいますよ」

コトネ「…そう言いながらリーリエだって見てるじゃん」

リーリエ「私はナツメさんからコトネさんを監視するように言われてますから」

コトネ「じゃあ見てる方向違うじゃないの」

リーリエ「ま、窓からぶら下がってると正面以外は見にくいですから…」

リーリエ「別に私はナツメさんとレッドさんが何をしようとしているかとかは興味ないんですよ」

コトネ「あーはいはい…そういうことにしとく」

ナツメ「……」ぴく

コトネ「やばっ」サッ

リーリエ「あっずるっ…」サッ

ナツメ「……」じーっ

ナツメ「気のせいか…」

リーリエ「……」

コトネ「……」

リーリエ「自分だけ見つからないように隠れるなんて…教えてくれたってよかったじゃないですか」

コトネ「見つかってないからいいでしょ、それに私は口より行動で示すタイプだから」

レッド「どうしたの?」

ナツメ「いや、なんでも…」

ナツメ「そうだレッド、何か食べたい物とか飲みたい物ない?」

レッド「んー…お茶」

ナツメ「わかった、待ってて」

コトネ「……」

リーリエ「いいんですか?ナツメさん向こうの部屋行きましたよ」

リーリエ「部屋にコトネさんがいないってなると」

コトネ「たしかに私がいないとおかしいけど、リーリエも監視ができてないってことであんたも」

リーリエ「コトネさんってそういうとこありますよね…」

リーリエ「っていない!?また自分だけ」

ナツメ「お茶お茶♪」

コトネ「……」

リーリエ「……」

ナツメ「二人ともどうしたの?そんな汗かいて」

コトネ「Wiiスポーツ…」

ナツメ「そんなものないわよ」

コトネ「ある体でやってたんです」

ナツメ「なんか悲しい、それぐらいなら買ってあげるから」

翌日

レッド「……」

ナツメ「おはよう、よく眠れ…てなさそうだけど大丈夫?」

レッド「うん、大丈夫…」

レッド(俺ほんとにちゃんと同じ部屋で寝れてたのか…?)

レッド(全然眠れねえし、何度理性が飛びそうになったことか…)

ナツメ「レッド?」

レッド「ん?」

ナツメ「記憶は…どう?」

レッド「ああ…まだみたい…」

レッド「どうやったら戻るのかな」

ナツメ「んー…やっぱりそういうのは一度専門家に聞いた方がいいよ」

レッド「そうか…」

レッド「……」

レッド「記憶喪失って何科なんだ?」

ナツメ「記憶だから脳…脳外科?あ、でも…精神なのかな?心療内科とかも…どれだろ」

レッド「受付行ったら教えてくれるかな」

ナツメ「そうと決まったら早速」

コトネ「レッドさんの付き添いはこの私に任せてください!」ぴょーん

ナツメ「コトネ!?一体どこから…」

コトネ「秘密です」

コトネ「ナツメさんはジムがあるんですから、レッドさんの付き添いは暇な私とリーリエで行きますよ」

コトネ「ね、リーリエ、入ってきなさい」

リーリエ「コトネさんはまた勝手に話を進めて…」

コトネ「いいじゃない、レッドさんがこんな状態じゃどうせ暇でしょ」

リーリエ「たしかにそうですけど…」

コトネ「ってことなんで、いつも通りナツメさんはジムでがんばってください」

ナツメ「…いいけど、終わったらすぐ教えてよね」



コトネ「……」

リーリエ「……」

レッド「……」

コトネ「何か話しなさいよ」

リーリエ「私がですか?」

コトネ「あんた以外誰がいんのよ」

リーリエ「いつもならコトネさんがよく話てるじゃないですか」

コトネ「今から病院行くのに何話せばいいか思い浮かばないもん」

リーリエ「コトネさんが思い浮かばないなら私だって思い浮かびませんよ」

レッド「なあ…」

コトネ「はい、なんでしょう?」

レッド「どうしてナツメは…」

レッド「いや、ナツメだけじゃない、君たちもだ」

レッド「どうしてそんなに俺にやさしいんだ?」

レッド「俺は今記憶がないってのに…」

コトネ「……」

リーリエ「……」

コトネ「記憶があろうとなかろうと関係ありませんよ」

コトネ「私はレッドさんのことが好きでいろんなことやってるんです」

コトネ「ナツメさんもきっとそうですよ」

レッド「そう…なのか…?」

コトネ「そうですよ」

レッド「……」

レッド「俺は」

女「あの、すみません」

レッド「?」

女「レッドさん、ですよね?」

レッド「そうですけど」

コトネ「!?」

コトネ(レッドさんが初対面の人と話した!?)

女「なるほど…」

レッド「あの…なんなんですか?」

女「ああ、失礼しました」

女「本日はお願いがありあなたにお願いがあり参りました」

レッド「なんですか?」

女「今後一切ナツメお姉さまに関わらないでいただきたいのです」

レッド「え?」


あ、翌日ってなる前少し話が飛んでる…
別に大した内容じゃないんでちょっとおかしいけど気にしないでください。

おけ

コトネ「あなた一体何なんですか!」

コトネ「名乗りもせずいきなりレッドさんにナツメさんと関わるなって」

女「それは失礼しました、ですが事情によりアタクシは名乗るわけにはいかないのです」

コトネ「じゃあそんな名乗れもしないような人の言うことなんて聞くわけないでしょ!」

レッド「まあまあコトネちゃん」

コトネ「まあまあじゃないですよ」

コトネ「このアマがふざけたことぬかしてるんですよ」

レッド「一応どういうことか聞いてみないと」

レッド「お姉さまとか言ってるような関係みたいだし」

コトネ「ナツメさんって妹さんいましたっけ?」

女「どういうことか…ということでしたね」

女「当然の疑問です」

女「何の説明もなしにあのようなことを言って失礼でしたね」

女「一言で言うとあなたがナツメお姉さまに関わるとナツメお姉さまが不幸になるからです」

レッド「ナツメが不幸に?」

女「はい」

女「実はアタクシもナツメお姉さまほどではありませんが超能力が使えます」

女「アタクシの未来予知の結果、ナツメお姉さまが不幸になることがわかったのです」

女「原因を探ったところレッドさん、全てあなたにあります」

レッド「俺が原因?」

女「はい」

コトネ「だから勝手なこと言ってんじゃねえって」

コトネ「ナツメさんがレッドさんといると不幸になるなんて、そんなことありえない!」

女「未来は不確定なもの、石ころ一つで大きく変わってしまうことがあるほどに」

女「しかもアタクシの超能力はまだまだ未熟…超能力自体完璧なものではありませんしね…」

女「ですがアタクシの見た未来はナツメお姉さまの近くにあなたがいるだけで起こってしまうこと」

女「今回のアタクシの見た通りになる確率は99.5%以上…」

女「ナツメお姉さまを不幸にしないようにするにはあなたが二度とナツメお姉さまに近づかないということしかありません」

女「未来を変えるためにも」

レッド「……」

女「もしあなたにバチュルの涙ほどでもナツメお姉さまを思う気持ちがあるのであれば関わらないようにしていただきたいのです」

レッド「そうだな…あんたの言うことももっともだ…」

レッド「わかった、もうナツメに関わらないようにしよう」

コトネ「レッドさん!?」

女「ありがとうございます」

コトネ「ちょ、ちょっ…レッドさん、何言ってるんですか」

コトネ「こんなわけのわからない女の言う通りにするなんて」

レッド「わけはわからないけど、けっこうお嬢様って見た目じゃん、悪い人じゃなさそうだし」

コトネ「何の根拠もありませんよそれ」

コトネ「それにレッドさんとナツメさんの仲を裂こうとしてるんだから十分悪人です、ギルティです」

レッド「そうかなぁ…」

コトネ「そうです!」

レッド「でもさ、考えてみてよ」

レッド「俺みたいにろくに仕事してないのが家にいたら邪魔だろ?」

レッド「そのうえ記憶がないんだ」

レッド「迷惑以外の何物でもないだろ」

コトネ「そんなこと…」

レッド「記憶がないのもちょうどいい…」

レッド「もし記憶があったら未練もあっただろうけど、素直にあきらめられる」

レッド「二人ともごめんな、ついてきてもらってたのに」

レッド「記憶戻さなくていいや」

コトネ「本気で言ってるんですか…?」

レッド「うん」

レッド「そりゃ好きな人には幸せでいてほしいじゃん」

レッド「自分といることで不幸になるぐらいならナツメが何と言おうと俺は一緒にいるべきじゃないんだよ」

レッド「しかも二度と関わるなとまで言われてるぐらいだしな」

コトネ「でもこんな女の言うこと聞くなんて…」

コトネ「あっ、超能力者って…もしかしてレッドさんに何か術でも」

女「かけてません」

女「アタクシは先ほども言いましたとおり、まだまだ未熟なため人に術をかけることはできません」

女「そのため、それは間違いなくレッドさんの本心です」

女「アタクシもレッドさんもナツメお姉さまには笑顔でいてもらいたいというのは同じです」

女「そのためには何でもします」

コトネ「レッドさん…」

レッド「もう決めたの、ナツメのためならそれでいい」

レッド「俺も今からどこか遠くへ行くよ」

女「……」

女「コクラン、行きますわよ」

コトネ「ナツメさんになんて言えば…」

レッド「何も言わなくていいよ」

レッド「……」

レッド「その代わり、コトネちゃん、ナツメをよろしくな」

レッド「何にも覚えてないけど、君はいい子だから頼むよ」

レッド「それとリーリエ」

レッド「俺の弟子だったみたいだけど、最後まで面倒見れなくてごめんな」

リーリエ「……」

レッド「明日からはコトネちゃんが見てくれるから」

コトネ「えっ!?」

オイオイオイ

ヤマブキジム

ナツメ「おかえりー、待ってたわよ」

ナツメ「レッドは?」

コトネ「それがそのー…」

コトネ「ねえ」

リーリエ「こっちにふらないでください」

ナツメ「なによ、レッドはどうしたのって聞いてるだけなのに」

コトネ「実は…」

ナツメ「え…レッドが…」

ナツメ「……」

ナツメ「誰?そんなこと言ったの」ギロッ

コトネ「ナツメさんの妹さん…ですかね?」

ナツメ「妹?」

ナツメ「私一人っ子だけど」

ナツメ「どうして妹だって思ったの?」

リーリエ「その女性の方がナツメさんのことをお姉さまと言っいたので、姉妹かと…」

ナツメ「お姉さま…あ、もしかして」

コトネ「心あたりがあるんですか?」

ナツメ「うん、一人…私のことそういう呼び方してるのがいる」

コトネ「それは誰なんですか?」

コトネ「ボコボコにしてやりますよ」

ナツメ「ボコボコにはしないで、ほんとはいい子だから」

ナツメ「でも会って直接聞く必要があるわね」

ナツメ「この街というかカントーに来たってことはたぶん私に会いに来るはず」

ナツメ「……」

ナツメ「今日はもう家に帰って待つことにしましょう」

ナツメ「来るのは夜になると思うけど」

タマムシシティ

レッド「うーん…」

レッド「うーん…」

レッド「うーん…」

レッド「どうしよう…金とポケモンがない」

レッド「隣街に来るのがやっとだ」

レッド「野生のポケモンや野生のトレーナーから逃げるだけで体力かなり使っちゃったし…」

レッド「疲れた…」

レッド「お腹すいた…」

グリーン「おっレッドじゃねえか」

グリーン「何やってんだ?買い物か?」

レッド「……」

レッド「どうも…」

グリーン「なんだよテンション低いなー」

グリーン「ま、それはいつものことか」

レッド「う、うん…」

グリーン「あん?なんかおかしいぞ、お前」

レッド「そうですかね、普段通りだと思うんですけど」

グリーン「お前に敬語使われると気持ち悪い、普通に話せ」

レッド「いや、ほんといつも通り、うん」

グリーン「……」

グリーン「俺にそんなウソが通用すると思ってんのか」

グリーン「俺たちこんな小さいときからの親友だろ、何かあったら言えよ」

レッド「親友…」

レッド「……」

レッド(嘘…じゃなさそうだな…)

レッド「わかった、じゃあ聞いてくれ」

グリーン「おう、最初っからそう言ってりゃいいんだよ」にこっ

レッド「実は俺…記憶喪失になっちゃったんだ…」

グリーン「え、マジで」

レッド「そう、だから悪いけど君のこと覚えてないんだ」

グリーン「なんだと、このグリーンのことを覚えてないと」

レッド「すまん…」

グリーン「まあいいや、そのうち思い出してくれりゃ」

グリーン「記憶がなくなって困ってたのか」

グリーン「俺の友達の知り合いがたしかそういうの詳しかったはずだ」

グリーン「記憶がねえといろいろ不便だろ、そいつに今時間があるか聞いてやるから行こうぜ」

レッド「ああいや…それはいい…」

グリーン「え?なんでだよ」

グリーン「そんなのはできるだけ早く戻った方がいいじゃねえか」

レッド「それがもう一つ問題があって…」

グリーン「お前はいつも問題ばっかだな」

グリーン「言ってみろ」

レッド「あのー…ヤマブキジムのナツメって知ってる?」

グリーン「俺は別に記憶なくしてねえから、知ってるけど」

グリーン「俺が知ってそうなことは省いていいから」

レッド「わかった」

レッド「ナツメに関わらないようにしたんだ」

グリーン「省きすぎだろ、何があった!?」

レッド「省けだの省きすぎだの、ちょうどいいとこがわからんな、ややこしいやつだ」

グリーン「お前は極端すぎんだよ」

グリーン「省けって言ったのは俺だけど…」

グリーン「最初から順番に話せ」

レッド「わかった」

レッド「ヤマブキジムってところにそれはそれは美しいジムリーダーのナツメっていう女がいるんだ」

グリーン「やっぱそこからじゃないとだめなのか」

レッド「一番やりやすいかな…」

グリーン「まあいいわ…」

グリーン「てか、美しいってどれだけ言っても一番はエリカだからな、それを踏まえて話せよ」

レッド「エリカ…?」

―――――――――

グリーン「ほーん…で、お前はそのわけのわからん女の子の言うこと聞いたんだ」

レッド「うん…」

グリーン「なんでだよ、わけわからん」

レッド「俺聞いたところによるとろくに仕事してないそうじゃん」

レッド「しかも記憶がない」

レッド「それなのにナツメは何にも言わず俺の身の回りのことまで全部やってくれる」

レッド「なんて言うか申し訳なくてな…」

レッド「ナツメは若くて綺麗なんだし俺にそんなことするより…」

グリーン「お前らはそういう関係だってことじゃねえの」

レッド「ん?どういうこと?」

グリーン「ナツメからした別にお前の世話をすることを苦に思ってねえんだろ」

レッド「うー…ん?」

グリーン「なんでわかんねえんだよ」

グリーン「えーそうだな…ナツメはお前とはどういう関係って言ってたんだ」

レッド「妻」

グリーン「えっあれ!?そ、そうだっけ…俺聞いてないけど…」

レッド「いや、これはたぶん違う…」

グリーン「あ、そうなんだ」

レッド「元々できたのか、記憶がなくなってからなのか相手の言ってることが本当かそうじゃないかわかるんだ」

グリーン「あん?なんだそれ」

レッド「一番俺の信用のあるナツメが言ったことはなぜか違うと思った」

レッド「なのに初対面のお前の言うことは本当だと思った」

グリーン「当たり前だろ、俺は本当のこと言ってんだから、てか初対面じゃねえ」

レッド「そうだよな…今言った女の子が俺に言ったことも全部本当だと思った」

グリーン「だからナツメに関わらないようにするってか」

レッド「うん」

グリーン「……」

グリーン「おい行くぞ」

レッド「行くってどこに」

グリーン「お前の記憶を戻しに行くんだよ」

レッド「おぉい、聞いてなかったの?」

レッド「ナツメに関わらないようにするためにもう記憶はこのままでって言ったじゃん」

グリーン「今までのお前ならどれだけ確率が低くてもあきらめないはずだ」

グリーン「お前ナツメのことが好きだって何回も言ってただろ」

グリーン「だったら俺が何とかしてやるよ」

レッド「いや、でも…」

グリーン「99.5%以上でそうなるっていっても残りの0.5%があるじゃねえか」

レッド「いや、違うぞ、それだと0.5%以下だ、だから0.5%ぴったりとは限らねえ」

グリーン「そこはどうでもいいよ」

グリーン「俺が言いてえのはだな、お前の望まねえ未来に縛られるなってことだ」

グリーン「無理やりにでも変えりゃいいんだよ」

良いぞグリーン

夜 ナツメの家

女「……」

ピンポーン

ガチャ

ナツメ「やっぱり来たわねカトレア」

カトレア「はい、お久しぶりです、ナツメお姉さま」

ナツメ「あれ、コクランさんは?」

カトレア「今日はアタクシ一人です」

ナツメ「ふーん…」

ナツメ「ま、入んなさい」

カトレア「……」

カトレア「ナツメさんおひとりですか?」

ナツメ「ええそうよ」

カトレア「あの二人もいるかと思ったのですが」

ナツメ「とりあえず、あなたと二人で話したかったからコトネの家に行ってもらったの」

ナツメ「……」

カトレア「レッドさんのことですか」

ナツメ「そう」

ナツメ「どうしてレッドにあんなこと言ったのか、直接聞かないと」

ナツメ「レッドはどういうわけかあなたの言うことを信じたみたいだけど、レッドに何かしたのかも聞かないとね」

ナツメ「私に嘘をついても無駄だってことはわかってるはず」

ナツメ「正直に答えてほしい」

カトレア「わかりました」

カトレア「まずアタクシはレッドさんに何もしていません」

カトレア「アタクシが視たこのままだと起こるであろうナツメお姉さまの未来をそのまま伝えただけです」

ナツメ「……」

ナツメ「それだけ?」

カトレア「はい」

ナツメ「……」

ナツメ「わかった、じゃあ次」

ナツメ「私に起こるであろう未来とは何?」

カトレア「いいのですか…?」

ナツメ「聞かないままだとレッドをどうすることもできないから…」

カトレア「アタクシの見た限りではどうしてナツメお姉さまがあのような方を…」

カトレア「わかりません…」

ナツメ「たしかにレッドの良さはちょっと見たぐらいじゃわかんないかもね…」

ナツメ「でもあの人は私にとっては…」

ナツメ「ってこのことは私の質問とズレてるわね」

ナツメ「質問にちゃんと答えてもらわないと」

カトレア「…わかりました」

カトレア「といっても見えたのは断片的で途切れ途切れですが」

ナツメ「かまわないわ」

カトレア「一つ屋根の下にナツメお姉さまとレッドさんの二人がいます…」

カトレア「ナツメお姉さまが掃除、洗濯、料理…いろいろな家事をしています…」

カトレア「毎日…毎日…」

カトレア「暗い部屋…場面が変わってますね…」

カトレア「ここにもナツメお姉さまとレッドさんのお二人」

カトレア「痛みの表情のナツメお姉さま…そして血…」

カトレア「刺されたのでしょうか…犯人はおそらく、そこにいるレッドさん…」

カトレア「……」

ナツメ「……」

カトレア「どうですか…もうわかったはずです…」

カトレア「レッドさんはナツメお姉さまに不幸を」

ナツメ「私の未来はそこで終わってるの?」

カトレア「…いえ、まだ終わっていません」

ナツメ「続けて」

カトレア「ですがもうわかったじゃないですか」

ナツメ「いいから」

カトレア「……」

カトレア「はい…ここから先はまだ視ていないので今から視ます…」

カトレア「……」

カトレア「どうやら数か月たっているようです…」

カトレア「病院のベッド…」

カトレア「ナツメお姉さまはそこで横になっています…」

カトレア「ナツメお姉さまの横に何か小さな…」

カトレア「あ、あれ?…あっ」

カトレア「……」

カトレア「申し訳ありません…アタクシの超能力ではこれ以上先を視ることは出来ないでようで…

ナツメ「……」

不穏な気配が

まじかよレッド最低だな!

レッドなんてことを…

刺した事が生命に関わるなんて…

これはやらかしてしまいましたなぁ

ナツメ「全部本当のことみたいね…」

ナツメ「嘘をついてるような目じゃないし…」

ナツメ「……」

カトレア「すみません…ナツメお姉さま…」

ナツメ「あなたは何も悪くないわ、謝ることなんてない…」

ナツメ「……」

ナツメ「ねえあなたが視たものを私にも見せてもらっていいかな」

ナツメ「私が刺される…そのタイミングをわかれば…」

ナツメ「もしくはその原因がわかったら回避できるかも…」

カトレア「ナツメお姉さま!?」

カトレア「回避できるからといって何なのですか」

カトレア「そこを乗り越えたとしてもまた同じように…いえ、それより酷いことが起こるかもしれないんですよ」

カトレア「…あなたが今何を考えていらっしゃるか超能力を使わなくてもわかります」

カトレア「どうしてそんなにレッドさんのことを…」

ナツメ「……」

ナツメ「好きだから…」

カトレア「え…?」

カトレア「でも…それでそんな…」

ナツメ「私はレッドがいなかったら今ジムリーダーすらやっていなかった…」

ナツメ「いや、生きてすらいなかったかもしれない…」

ナツメ「レッドは私にいろんな希望をくれた人…」

ナツメ「なのにレッドにそんなことさせるなんて私の言動が悪いに違いない…」

カトレア「それは考えすぎです」

カトレア「ナツメお姉さまは何も悪いことをしていません」

ナツメ「これからするのかも…だからレッドが…」

カトレア「お姉さましっかりしてください!」

ナツメ「私は何やっちゃうんだろ…」

カトレア「……」

カトレア「わかりました」

カトレア「アタクシが視たものをナツメお姉さまにも見せます」

カトレア「それでもう一度考え直しましょう」

カトレア「ではまず最初の問題の場面から…」

カトレア「……」

カトレア「ナツメお姉さまがいろんな家事をしてます」

ナツメ「……」

ナツメ「これのどこが問題なの?」

カトレア「どうしてナツメお姉さまが家事をしているのですか」

ナツメ「え?どうしてって…」

カトレア「家事などは使用人の仕事ですよ」

カトレア「それをナツメお姉さまがしているということはレッドさんがナツメお姉さまを使用人扱いしているということです」

ナツメ「……」

ナツメ「あの…カトレア、普通の家には使用人さんとかいないのよ」

ナツメ「だから自分たちでやるの」

カトレア「えっ!?な、なんでですか…?」

ナツメ「なんでって言われても…普通はいないし…いるほうがめずらしいと思うんだけど…」

カトレア「そ、そうなのですか…?」

カトレア「……」

カトレア「四天王…いやバトルキャッスルにいたときから付き人がいない人には疑問を感じていましたが…」

ナツメ「けっこう昔から私と会ってるけどそんな人いなかったでしょ」

カトレア「はい…」

ナツメ「それにレッドも家事は手伝ってくれるっていうか、むしろレッドの方が量多いぐらいだし」

カトレア「い、今はそうでもこの時はそうとは限らないですよ」

ナツメ「あなたが視てるところからちょっとズラしてみてよ、レッド食器洗いしてるじゃない」

カトレア「ですが次の場面は間違いないですよ」

ナツメ「私刺されちゃうのよね…」

ナツメ「原因がわからないとどうしようもないけど…」

ナツメ「とりあえず見せて」

カトレア「いいのですか…?」

カトレア「自分の刺されてしまう瞬間を見るのですよ」

ナツメ「いいわよ、自分じゃ私自身のことを見ることはできないし」

カトレア「……」

ナツメ「何度もあなたに言ったことあったでしょ」

ナツメ「超能力は決して完璧じゃない」

ナツメ「未来を見たとしても必ずそうなるとは限らない」

ナツメ「私だって刺されるのは嫌よ」

ナツメ「だからそうならないためにきっちり見とかないとね」

カトレア「わかりました…」

―――――――――――――――

カトレア「どうですかナツメお姉さま?」

ナツメ「……////////////」

カトレア「お姉さま…?顔が赤いですけど…」

ナツメ「こ…」

ナツメ「このことは今すぐ忘れなさい!!」

カトレア「い、一体どうしたというのですか?」

ナツメ「いいから!」バンッ

カトレア「は、はい…」

ナツメ「あ…ご、ごめん…大きい声出して…」

ナツメ「……」

カトレア「お姉さま…何か回避する考えがあるのですか…?」

ナツメ「や…回避はしなくていい…」

カトレア「どうしてですか!?刺されてしまうんですよ!」

ナツメ「さ…刺されるっていうか…その…挿される…だし…その…えっと…//」

ナツメ「血っていうから…まああれも血だけど…」

ナツメ「病院にいたってのはもしかして…」

ナツメ「…いろいろ言いたいけど、まずあれ見て刺されるとか普通言わないでしょ!」

カトレア「ではあれは一体…?」

ナツメ「……」

ナツメ「それは…うん…その…ごにょごにょ…」

カトレア「……」

カトレア「あの、よく聞き取れなかったんですが…」

ナツメ「聞き取れなくていい…」

ナツメ「……」

ナツメ「ふぅ…カトレアの勘違いだったのね…まあよかった…」

カトレア「申し訳ありません…」

ナツメ「いや、いいのよ、勘違いは誰でもある…」

ナツメ「でもレッドにはちゃんと謝ってよね」

カトレア「はい…」

ナツメ「さてレッドを探さなきゃ」

ナツメ「記憶を戻す方法も考えないと」

カトレア「ナツメお姉さま、それはアタクシにお任せください」

カトレア「この命をかけて何とかしてみせます」

ナツメ「そんな大げさな…」

カトレア「いえ、アタクシのしてしまったことはきっちりと責任をとります」

タマムシシティ

グリーン「いろいろやったけど無理だったな…」

レッド「すまん…」

グリーン「何謝ってんだ、いつものお前なら絶対謝んねえよ」

レッド「だからいつもの俺じゃねえっての」

グリーン「そうだったな…」

グリーン「とりあえず今日は俺の家に泊まれ」

グリーン「明日からのことはまた明日考えようや」

レッド「ああ…」

レッド「ん?おい、どこ行くんだ?」

グリーン「何言ってんだ、俺の家って言っただろ」

レッド「でもその先にあるのって…」

グリーン「ああ、あれだよ」

レッド「…でかすぎねえ?」

レッド「なんだこりゃ…中もえらい豪華だな…」

子ども「パパおかえりー」

グリーン「おおー、いい子にしてたかー?」

子ども「うん!」

グリーン「そうかそうか、えらいぞー」

グリーン「ママとおにいちゃんはどうした?」

子ども「おふろー」

グリーン「ん?どうして一緒に入ってないんだ?」

子ども「パパとはいるー」

グリーン「おおそうかそうかーパパと入るかー」

レッド「……」

グリーン「あ、そういえば見るの初めてだっけ?」

グリーン「俺の子だ、カワイイだろー」

レッド「お、おう…」

グリーン「どうした?変な顔して」

レッド「子どもいるんだって思って…」

エリカ「グリーンさん帰っていらしてたんですね」

エリカ「レッドさんもようこそ」

レッド「ど、どうも…はじめまして…」

エリカ「?」

グリーン「違う違う、何回も会ってるからはじめましてじゃない」

レッド「そうなのか?」

えぇ…(困惑)

良かった...

翌日

レッド「……」

レッド「朝か…」

レッド「……」キョロキョロ

レッド「ああ、そうか、そういえばグリーンってやつの家に泊まってたんだった」

コンコン

レッド「はい」

メイド「おはようございますレッド様、朝食の用意ができましたのでどうぞ一階へ」

レッド「はーい…」

レッド「ごちそうさま…」

グリーン「なんだ?元気ねえな」

グリーン「朝はパンだったか?」

レッド「いや…」

エリカ「で、では私の料理が…」

レッド「ああいえ、そうじゃないです、おいしかったです」

グリーン「じゃあなんだ?気分悪いのか?」

レッド「そうじゃなくて…飯までもらって悪いなと思って…」

レッド「俺返せるものとかも何もないのに…」

グリーン「なんだ、そんなことか」

グリーン「別に礼がほしくてやってるわけじゃねえよ」

レッド「でも…何かしねえと俺が…」

グリーン「じゃあ俺とエリカはもうちょっとしたらジムに行くから、その間子どもたちの面倒見ててくれ」

レッド「わかった」

コンコン

メイド「失礼します」

メイド「レッド様にお客様がお見えです」

レッド「俺に…?」

グリーン「誰かにここにいること教えたのか?」

レッド「いや、誰にも教えていない」

グリーン「エリカは誰かに教えた?」

エリカ「いいえ」

グリーン「ほんとにレッドに会いに来たのか?こんな朝早くに」

メイド「はい、レッド様を出してほしいとのことで」

グリーン「じゃあ誰なんだ…?」

エリカ「ナツメさんではないのですか?」

レッド「いや…ナツメは…」

グリーン「あーナツメはたぶん違うよ」

グリーン「ナツメだったらナツメが来たってちゃんと教えてくれるでしょ」

エリカ「それもそうですね」

グリーン「どんなやつが来たんだ?」

メイド「はい、エリカ様より少し若い女性のようです」

レッド「……」

レッド「とりあえず出てみる…」

レッド「あれ…君は…」

カトレア「……」ぺこ

カトレア「朝早くすみません」

グリーン「なんだ?知り合いだったのか?」

レッド「……」

レッド「いや…知らない…戻ろう」

カトレア「ま、待ってください!」

レッド「…数日中にカントーからも出ていく、それでいいだろ」

カトレア「違います!そ、そうではないのです!」

カトレア「全て…アタクシの勘違いなのです…」

レッド「勘違いってどういうことだよ…」

カトレア「申し訳ありません…あのようなことアタクシは知らなかったもので…」

レッド「あのようなこと…?それはなんなんだ」

カトレア「それは…ナツメお姉さまには忘れるように言われていたので言ってしまうと忘れていないとなってしまうので…」

カトレア「ですが間違いなくアタクシの勘違いなので100%アタクシが悪いです」

カトレア「アタクシのことを煮るなり焼くなりしていただいてけっこうです」

レッド「……」

グリーン「でもよかったじゃん勘違いで」

グリーン「またナツメに会えるな」

レッド「いや…会わない…」

グリーン「なんでだよ」

レッド「…みんな優しすぎる」

レッド「はっきり言って俺には何も価値はない」

レッド「今回のことはきっかけだ」

レッド「迷惑をかけてまで誰かの世話にはなろうとは思わねえ」

レッド「遅かれ早かれこういう考えを出してたよ」

グリーン「……」デコピン

レッド「いてっ」

グリーン「あのな俺は…いやナツメも嫌々やってんじゃねえ、やりたくてやってんだ」

グリーン「ナツメとは理由は違うだろうけど、俺の場合は親友が困ってたら助ける」

グリーン「友達なら当たり前」

グリーン「記憶戻せばわかる、お前はそれだけ価値があんだよ」

レッド「でももしかしたらこのまま一生記憶が戻らないなんてこともあるかもしれないんだぞ」

グリーン「そん時は…」

カトレア「その時はこの命レッドさんにさしあげます」

レッド「いやいや、何考えてるの!?」

カトレア「ナツメお姉さまとの約束はレッドさんを見つけ、記憶を戻すこと」

カトレア「アタクシはその約束に命をかけました」

カトレア「なのでもしそれができなければ…」

レッド「なんて約束してんだよ…」

グリーン「あらら、こんな女の子の命がかかってちゃバッチリ記憶戻さねえとな」

レッド「…わかったよ」

レッド「ないよりはあった方がいいもんな」

カトレア「コクランが専門家の方を探してくれています、行きましょう」

レッド「ああ」

グリーン「ま、がんばれよ」

レッド「何をがんばるかは知らんがやれるだけやるよ」

ツルッ 

レッド「うおっ!?」ゴチンッ

カトレア「レッドさん!?」

グリーン「おいおい何やってんだ?」

グリーン「ああ、ナナの実の皮か」

グリーン「庭の野生のポケモンが食って捨てたんだろ」

グリーン「今時こんなので転ぶやつがいるとはな…」

グリーン「おいレッド、起きろ」

レッド「……」

グリーン「レッド?おいレッド!」

庭に野生のポケモンいるのか

ベトベターが街中にいるくらいだし

3日後

レッド「……」ぱちっ

コトネ「あっ起きた、わかりますか~?あなたのコトネちゃんですよ~」

リーリエ「そんなことではわかるものもわかりませんよ…」

コトネ「なんだとー」

レッド「コトネちゃん…リーリエ…ここは…?」

ナツメ「私の家よ」

レッド「ナツメ…そうか、見たことある天井だと思った…」

ナツメ「ほんと、あなたはいつも心配…ばか…り…」ふらっ

レッド「ナツメッ!?」

コトネ「やっぱりこうなっちゃった…」

リーリエ「疲労ですかね」

リーリエ「倒れてから3日間一睡もしないで介抱してたんですよ」

リーリエ「レッドさんが起きて安心したのでしょうね」

レッド「……」

コトネ「そうそう、寝たらまた元気になります」

コトネ「ほら、もうちょっとそっちに寄ってください」

レッド「えっ、ここに寝かせる気?」

コトネ「そうですよ」

コトネ「大丈夫ですって、このベッドけっこう大きいですし」

レッド「いや、そういう問題じゃなくて…」

レッド「じゃ、じゃあ俺どくよ」

レッド「ナツメが広く使った方が…」

メガニウム「ドスコイ」

レッド「うっ」

コトネ「だめですよ、レッドさんも寝てないと」

レッド「お、重いー…」

リーリエ「なにやってるんですかコトネさん!」

レッド「そうそうリーリエも言って」

リーリエ「ベッドが壊れてしまいますよ!」

レッド「そうじゃねえだろ」

ナツメ「すー…すー…」

レッド「……」

レッド「ふぅ…」むくっ

マリルリ「ルリィ!」ゲシッ

レッド「ぶっ」

コトネ「だから寝てないとだめですって」

コトネ「起きようとしたらこうやってマリルリでおさえつけますからね」

レッド「いやト…トイレに…」

コトネ「なんだ、それならそうと言ってくださいよ」

レッド「もう大人なんだしそんな一々言う必要あるの?」

コトネ「どうぞ」

レッド「ペットボトル…?ってまさか」

レッド「いや…これはちょっと…」

レッド「ここではできないよ」

コトネ「全然気にしませんよ」

レッド「俺が気にするんだよ」

コトネ「じゃあもう普通に見せてください」

レッド「ごめん、意味わかんない」

レッド「てか何回も言うけど俺はもう大丈夫だってば」

ぐ~

レッド「あ、ほら、お腹すいた、飯食わないと」

コトネ「はい、任せてください」

コトネ「リーリエ、レッドさんにご飯持ってきて」

リーリエ「はい」

レッド「持ってこなくていいよ、ちゃんとしたところで食べるから」

―――――――――――――――――

レッド「げぷっ…」

コトネ「お腹いっぱいになりましたね」

コトネ「これじゃあ動けないでしょ、ここでゆっくりしててください」

レッド「動けなくなるまで無理やり食わせるかね、普通…」

コトネ「リーリエがいっぱい作っちゃったので」

リーリエ「すいません、お米を炊いたら量が増えるって知らなくて…」

レッド「あんだけの量だと炊飯器何個使ったんだよ…」

レッド「そもそもあれ全部食わせる必要もあったのか…」

レッド「なあお腹はもういっぱいになったからさ次はポケモンたちのトレーニングしなきゃ」

コトネ「えっ…レッドさん、自分のポケモンがわかるんですか…?」

レッド「ああ…全部思い出したよ」

コトネ「レッドさん…」

リーリエ「よかったですね、記憶が戻って」

コトネ「戻ってるんだったらもっと早く教えてくださいよ…」うるっ

レッド「こ、こんなことで泣くことないじゃんか」むくっ

マリルリ「ハルトォォォォォォォォ!」ゲシッ

レッド「ぶ…っ」

レッド「あのさ、俺ほんとに何にもないって」

レッド「そもそもなんで俺は寝かされてるの!?逆に聞くけどどこが悪いの?」

コトネ「……」

リーリエ「……」

レッド「いやー…黙らないで答えてくれない?」

コトネ「わかりました、そこまで言うのなら、もう起きてもいいですよ」

レッド「よし」むくっ

レッド「んんーーっ」

レッド「…やっぱ何ともないじゃん」

コトネ「でもグリーンさんが言うには後頭部をぶつけて血も出てたって言ってましたよ」

レッド「ふーん…ま、そんぐらいじゃ俺は何ともないよ」

コトネ「それが原因で三日間目をさまさなかったんじゃないですか」

セックス!

メガニウム(100kg)

ガシャーン

レッド「!?」

メイ「はぁ…はぁ…」

コトネ「あ、あんたはキョウヘイ…!」

コトネ「何やってんの!」

メイ「今はメイです…」

メイ「レッドさんが記憶なくなったって聞いたので私のこと覚えてるかの確認に…」

レッド「なんで窓からくるの…」

メイ「すいません、イッシュから急いで飛んで来たもので」

コトネ「別にほんとに飛んでるわけじゃないでしょ」

メイ「それで私のことは…」

レッド「ああ、覚えてるよ」

メイ「よかった~」

コトネ「てかもうレッドさんの記憶は戻ってるけどね」

メイ「えっそうなんですか…くっ」

コトネ「『くっ』ってなんだおい」

コトネ「もしかしてレッドさんの記憶がないから、そこに間違ったこと教えようとしてたんじゃないでしょうね」

メイ「まっさか~」

メイ「そもそもそんなこと思いつきもしなかったなあ」

メイ「そんなことスッといえるなんてまるで自分がやったみたいですよ」

コトネ「別にー、そんなこと考えたこともないけどー」

コトネ「ねえレッドさん」

レッド「……」

レッド「さあ、それは覚えてない…」

レッド「それよりリーリエ、救急箱持ってきて」

レッド「さっきのでメイちゃん頭ケガしてるみたいだし」

リーリエ「はい」

コトネ「頭から窓に突っ込んでくるなんて何考えてんだか」

リーリエ「はい、これで大丈夫です」

メイ「ありがとうリーリエ」

メイ「あんたはほんといい子ね~」

リーリエ「当然のことしただけですよ」

メイ「いやほんとほんと、しかも前に会ったときよりかわいくなったんじゃない?」

メイ「どうりでメイちゃんのキョウヘイ君が元気になるわけだ」

リーリエ「メイさんのキョウヘイさんが元気に???」

コトネ「変なこと教えるんじゃない」ゴッ

メイ「が…っ」

メイ「怪我してるとこに膝蹴りなんてこの鬼…あ、いや危険人物が…」

レッド「二人ともそれ以上もう何もしないの」

レッド「ナツメ寝てるんだよ」

メイ「私何もしてませんよ」

レッド「窓割ったよ」

メイ「ごめんなさい」

レッド「それじゃ向こうの部屋行こうか」

レッド「いつまでもここでガヤガヤしてるわけにはいかないし」

コトネ「結局あんたは何しに来たの?」

メイ「言ったじゃないですか、レッドさんが私のこと覚えてるかどうか確認にって」

コトネ「だけ?」

メイ「だけ」

コトネ「暇なんだね」

メイ「暇じゃないですよ、メイちゃんもキョウヘイくんもポケウッドのトップスターなんですよ」

コトネ「電話でよかったじゃない」

メイ「直接聞かないとはぐらかされてしまうかもしれませんからね」

コトネ「じゃあもう確認できたでしょ」

メイ「帰れって言うんですか?嫌ですよ今来たばっかなのに」

メイ「ナツメさんだって最近ポケウッド来てないのに」

コトネ「それは私が断ってるだけ、ナツメさんがやりたいって言ったらまた行くわよ」

深夜

ナツメ「……」ぱち

ナツメ「あれ…」むくっ

ナツメ「……」

ナツメ「私寝ちゃってたの…?」

ナツメ「今何時…?」

ナツメ「!」

ナツメ「レッドは!?」キョロキョロ

バタンッ コツコツ

ナツメ「……」

ナツメ(玄関のドアの開く音…こんな時間に…)

ナツメ(まさか泥棒…!?)

ナツメ「私には超能力とポケモンたちがいる…」

ナツメ「相手が誰だろうと撃退できるわ」

ナツメ「……」そーっ

ごそごそ

ナツメ「いた…」

ナツメ「……」

ナツメ「…よし」

ナツメ「フーディン!」

フーディン「コノドロボウガー!」

レッド「えっ?えっ?」

ナツメ「レ、レッド!?」

ナツメ「ストップ!フーディン!」

ナツメ「何やってんのよ、あなた…」

レッド「ナツメの方こそ…」

レッド「急に攻撃してくるなんてひどいよ…」

ナツメ「あ、これはそのー…」

ナツメ「ね、寝ぼけちゃってたのかな?」

レッド「……」

ナツメ「わざとじゃないから!ほんと!」

レッド「……」

レッド「起きたんだね」

ナツメ「うん…」

レッド「……」

ナツメ「……」

レッド「そうだお腹すいてない?」

レッド「何か作ろうか?」

ナツメ「気持ちはうれしいけどこんな時間に食べるのはちょっと…」

レッド「…それもそうか」

ナツメ「ねえレッド、あなたどこか出かけてたの?」

レッド「うん、ポケモンたちのトレーニングに」

レッド「みんなが言うには3日も寝てたそうだし、そりゃ眠くならないわなと思って」

レッド「それで暇だし久しぶりにいいかなと」

ナツメ「……」

レッド「……」

ナツメ「……」

レッド「……」

ナツメ「お互い…大変だったね」

レッド「うん…」

レッド「いや…ナツメの方が大変か、ほんとごめん」

ナツメ「ほんとに悪いと思ってる?」

レッド「うん」

ナツメ「それなら…」

ナツメ「……」

ナツメ「いや、やっぱりいい…」

レッド「な、なんだよー気になるじゃんか」

ナツメ「いいの、いいの気にしないで」

レッド「わかった…」

ナツメ「え、以外とあっさり…」

レッド「何回かこれ続けてほしかったの?」

ナツメ「いや、そういうことじゃないけど…」

レッド「そうでしょ」

レッド「それより気になったこと思い出して、話変わっちゃうけどいいかな」

ナツメ「うん、いいよ」

レッド「あの子どうしたの?」

レッド「ほら、俺がナツメに関わると不幸になるとか言ってた女の子」

ナツメ「ああ、カトレアのことね」

ナツメ「お詫びをするってずっと言ってたけど、私がしなくていいって言ってイッシュに帰したわ」

ナツメ「あの子も悪気があってやったわけじゃないの」

ナツメ「だからというわけじゃないけど許してあげてほしい…私も謝るから…」

レッド「ナツメが謝る必要はないし、許すもなにも別に怒ってないよ」

レッド「こうして帰ってこれたんだからね」

レッド「で、俺が聞きたいのはそういうことじゃなくて」

レッド「あの子が視た未来って何なんだったのかってこと」

レッド「自分の勘違いだ~とか言ってたけど」

レッド「ナツメ知ってる?」

ナツメ「……」

ナツメ「知らない」

レッド「聞いてないの?」

ナツメ「うん」

レッド「俺に嘘ついてもだめだよ」

レッド「あの子ナツメに忘れるように言われてるって言ってたから、知ってるはずだよね」

ナツメ「いや、それはそのー…」

ナツメ「忘れちゃった」

レッド「ほんとに?」

ナツメ「うん」

レッド「ふっ」

レッド「だから俺に嘘はだめだってば」

レッド「知ってるんでしょ」

レッド「もしかして良くないことなの?だから言いたくないの?」

ナツメ「悪いことじゃない、むしろいいことかも…」

レッド「じゃあ教えてくれたっていいじゃん」

ナツメ「それはちょっと…」

レッド「そうか、じゃあ無理やりにでも言わせるしかないな…」

レッド「こんなことはあまりやりたくなかったけど、しかたない…」

ナツメ「な…何する気…!?」

――――――――――――

コトネ「……」むくっ

コトネ「ふわーあ…」

コトネ「……」

コトネ「まだこんな時間かー…」

コトネ「まあいいや…もれそう…」

コトネ「おしっこおしっこ…」

コトネ「……」トコトコ

コトネ「あれ?この部屋電気ついてる…」

コトネ「レッドさん消すの忘れてたのかな…」

コトネ「…?声が聞こえる…」

ナツメ「ちょっ…ちょっと待って、落ち着いてレッド」

ナツメ「何する気か知らないけど、待ちなさい」

レッド「いや、だめだ待てない」

レッド「……」にやっ

レッド「こちょこちょこちょ」

ナツメ「やっ…やめっれっど…!」

ナツメ「私そこ弱いっ…弱いの!」

レッド「そんなの知ってるからやってるに決まってんだろ」

レッド「どうだ、話す気になったか?」

ナツメ「うびゃぁぁ~、んはっ、やっ!」

ナツメ「ひひゃっゆ、ゆるひて~」

コトネ「……」

コトネ「夢かな…」

おまんこビショビショになっちゃう



コトネ「おはよーございまーす…」

リーリエ「おはようございます、コトネさん」

メイ「おはようじゃないでしょ、何時だと思ってんだか」

リーリエ「メイさんもさっき起きたばかりじゃないですか…」

メイ「私は午前中だからセーフ」

コトネ「何がセーフ…ってそれ私用のコップ!何使ってんの!」

メイ「いいじゃないですか、こっち使ってください」

リーリエ「それ私のです…」

コトネ「そういえばレッドさんとナツメさんは?」

リーリエ「ナツメさんはジムに、レッドさんはお買い物です」

コトネ「……」

コトネ「ねえあんたが起きたとき、もう二人とも起きてた?」

リーリエ「はい」

リーリエ「レッドさんは朝食を、ナツメさんは洗濯をしてました」

コトネ「それは何時ぐらいだった?」

リーリエ「たしか8時前後だったはずです」

リーリエ「何かあったんですか?」

コトネ「いや、なんでも…やっぱり夢だったのかな…」

コトネ「いや…夢であってほしいな」

コトネ「現実だったらどうしてあそこに加わらないのか後悔しているとこだった」

リーリエ「なんのことですか?」

コトネ「なんでもない」

メイ「コトネさんのことだからどうせ変態的思考だよ」

メイ「リーリエは聞いちゃだめ」

コトネ「私が変態だと言うの?それは違うね」

コトネ「仮に変態だとしても変態という名の淑女よ」

メイ「いや変態ですよね」

コトネ「こんなことでいちいち変態呼ばわりされてたら、私もうベッドでしか妄想できないじゃないの」

レッド「ただいまー」

レッド「メイちゃんとコトネちゃん起きたんだ、おはよ」

コトネ「聞いてくださいよレッドさん!キョウヘイが私のこと変態扱いするんですよ」

コトネ「自分だって変態のくせに」

メイ「私は変態とはちょっと違います」

レッド「……」

レッド「んー…俺にはよくわからないな…」

レッド「リーリエの方が」

リーリエ「私もわかりません」

1時間後

ナツメ「リーリエちゃんー?いるー?」

リーリエ「あれ、ナツメさん今日はもう終わりですか?」

ナツメ「いや、あなたに手紙が来たから早く渡した方がいいと思って」

ナツメ「なぜかジムに届いたけど…」

レッド「家の住所がわからないってだけかもしれないよ」

ナツメ「あ、レッド帰ってたの、ちゃんと買い物はしてきてくれた?」

レッド「うん、もちろん」

ナツメ「ありがと」

ナツメ「で、リーリエちゃん、それ誰からなの?」

ナツメ「変わったマークがついてるけど」

リーリエ「これはエーテル財団のシンボルです」

レッド「エーテル財団?」

リーリエ「傷ついたポケモンたちの保護を目的とした財団です…」

リーリエ「今はちゃんとそうなってます…」

ナツメ「今は?」

リーリエ「あっ…気にしないでください」

リーリエ「えっとそれより差出人は…あ、お兄様ですね」

レッド「へー、リーリエってお兄ちゃんいたんだ」

リーリエ「はい、今はエーテル財団の代表代理としてがんばってるはずです」

リーリエ「でもお兄様からお手紙なんてめずらしいですね…」

リーリエ「……」

リーリエ「なるほど…」

レッド「なんだったの?」

リーリエ「一度エーテル財団の本部でもあるエーテルパラダイスに帰ってきてほしいと」

リーリエ「しかもレッドさんたちにもぜひ来てほしいと書いてあります」

レッド「たち?俺たちってナツメとかもってこと?」

リーリエ「たぶんそうだと思います」

ナツメ「それってどこにあるの?」

リーリエ「アローラ地方です」

ナツメ「アローラ地方かー、私行ったことないのよね、どんなところだろ」

リーリエ「とてもいいところですよ」

コトネ「話は聞きました」

コトネ「アローラですか…いつ出発します?」

コトネ「私も同行します」

ナツメ「コトネ」

コトネ「私もアローラ行ってみたいです!」

コトネ「ねえリーリエ、いいよね?」

リーリエ「はい、いいと思いますよ」

コトネ院

リーリエ「メイさんはどうですか?」

メイ「私のことー?」

コトネ「他に誰がいんのよ」

メイ「明日からキョウヘイ君が撮影だから無理かな」

リーリエ「そうですか…お仕事では仕方がないですね」

メイ「お土産買って来てくださいね、コトネさん」

コトネ「なんで私が…」

メイ「じゃあ私そろそろイッシュに帰ります」

メイ「また遊びに来ますねー」

コトネ「話聞けっての…」

レッド「そういやナツメはどうなの?」

ナツメ「何が?私も行くけど」

レッド「ジムとかあるじゃん」

ナツメ「ああ、それなら全然問題ない」

レッド「ならよかった」

ナツメ「それじゃあ明日から休みとるね、いいよね?」

レッド「うん」

ナツメ「コトネ、準備することがあったら今日中にやっときなさいよ」

コトネ「はーい、一度帰って夜また来ます」

一週間後

リーリエ「みなさん、見えてきましたよ!あれがメレメレ島です!」

レッド「……」

リーリエ「レッドさんどうしました?」

リーリエ「慣れない船旅だとやはり疲れましたか?」

レッド「いや、そうじゃなくて…」

レッド「なんていうか…飛ばしたなって…」

リーリエ「飛ばす…?」

ナツメ「余計なこと言わないの、いろいろ都合があんのよ」

メレメレ島 ハウオリシティ

リーリエ「到着です!」

レッド「あー…やっと着いたかー」

ナツメ「たしかにね、久しぶりに陸に足がつくとちょっと安心するもん」

リーリエ「あの…せっかく陸についたんですけど、これからまた船で移動します」

レッド「えっまたー?」

リーリエ「はい、エーテルパラダイスへの船はウラウラ島からしか出ていないのです」

リーリエ「ここからまた数時間かかりますが」

レッド「まあ…いいか…」

ナツメ「そうね、そこからしかないなら」

レッド「あれ?コトネちゃんは?」

ナツメ「そういえば…」

ナツメ「船でもあんまり部屋から出てこなかったわね…」

コトネ「こ、ここにいます…」

ナツメ「どこ行ってたのよ」

コトネ「ちょっとお手洗いに」

ナツメ「そう、じゃあこれからまた船に乗るから」

コトネ「えっ船…ですか…」

ナツメ「そうだけどどうしたの」

コトネ「……」

コトネ「うぷっ…」

ナツメ「コトネ?」

コトネ「おろろろろろろろろ」

ナツメ「なななな何やってんの!?」

コトネ「ずいまぜん…船に乗るってこと考えたら…」

ナツメ「もしかして船酔いしてたの?」

コトネ「少し…」

レッド「嘔吐の量が少しじゃない…」

レッド「大丈夫?」

コトネ「一応は…」

レッド「ちょっとこの島で休もうか」

ナツメ「そうね、リーリエちゃんエーテルパラダイスってとこにつく時間遅れてもいいかな?」

リーリエ「大丈夫ですよ」

リーリエ「実はお兄様を驚かせようと思って今日帰るということを連絡していないんです」

リーリエ「一日ぐらい遅れても問題ないです」

リーリエ「では街で少し休みましょうか」

リーリエ「案内しますよ」

ナツメ「うん、お願い」

リーリエ「といっても私も数年ぶりなので変わったところは案内できませんが」

レッド「どこか休めそうなところはあるの?」

リーリエ「マラサダショップがあったはずです」

リーリエ「そこに行きましょう」

レッド「マラサダ?」

リーリエ「ふふっ食べてみればわかりますよ」

レッド「それじゃあそこ行ってみようか」

ナツメ「そうね」

レッド「コトネちゃん歩ける?」

コトネ「…たぶん」

レッド「……」

レッド「いや、無理はさせない方がいいな」

レッド「俺がおんぶするよ、ほら」

コトネ「!」

コトネ「レッドさんが私を…おんぶ…」

コトネ「ひゃっはー」ぴょーん

レッド「意外と元気そうだね…」

背中で吐きそう

レッド「うん、うまいね」

リーリエ「それはよかったです」

レッド「ナツメ今度作ってよ」

ナツメ「別にいいけど、こういうのって家で作れるの?」

リーリエ「はい作れますよ」

リーリエ「調べればたくさんでてきますよ」

ナツメ「ほんとだ、クック●ッドにも出てくる」

リーリエ「私もマサキさんのお家でお母様と一緒に何度か作りました」

レッド「ほら、コトネちゃんも食べな」

コトネ「もぐもぐ…」

コトネ「ぷはーしあわせ~…」

ナツメ「幸せなのはいいけどいつまでレッドに張り付いてるの」

コトネ「いいじゃないですか、私気分悪いんですし」

ナツメ「さっき幸せとか言ってたじゃん」

レッド「別に俺は気にしないよ」

レッド「昔はよく肩にのったピカチュウにこうして木の実とかあげたりしてたし」

レッド「ほらお食べ」

コトネ「ぴっか~」

ナツメ「さて、そろそろ休憩もいいよね、行きましょ」

レッド「そうだね」

レッド「コトネちゃん、もう歩けるでしょ」

レッド「おんぶは終わり」

コトネ「ええー…」

レッド「文句言わないの、また今度やってあげるから」

コトネ「わーい」

乗船所

コトネ「また船か…」

レッド「それじゃあ俺のラプラスで行こうか」

リーリエ「それは無理がありますよ」

レッド「大丈夫大丈夫、俺のラプラスはけっこう大きいから4人ぐらいなんともないよ」

リーリエ「そうではありません」

リーリエ「同じ地方とはいえ島と島の間はかなりあいています」

リーリエ「ポケモンで…それも人を乗せてだととても…」

レッド「それなら心配しなくていい」

レッド「もしここからカントーまで行っても全然疲れないよ、ラプラスは」

リーリエ「……」

リーリエ(とても強がりで言っているとは思えない…)

リーリエ(レッドさんのポケモンはそれだけ他のトレーナーとレベルが違うということなのでしょうか…)

ナツメ「あ、見てレッド、たぶんあれアローラの鳥ポケモンよ」

レッド「ほんとだ」

コトネ「おーいリーリエ」

コトネ「何ボーッとしてるの、早く乗り」

ボトッ びちゃ

コトネ「……」

ナツメ「?」

ナツメ「今何か落ちたような…」

レッド「あ…コ、コトネちゃん…それってさっきのポケモンの」

コトネ「はいそうですね…おかげで私の服が…」

コトネ「少し時間いいですかね…」

コトネ「このクソ鳥どもがーっ!」

コトネ「エアームド!!ボロ雑巾のようにズタズタに引き裂いてやれ!!!」

レッド「まあまあ落ち着きなよ、だめだよそんな」

ナツメ「そうそう、あのポケモンだってコトネを狙って落としたわけじゃないと思うし」

ナツメ「そうよねリーリエちゃん?さっきのポケモンって人を狙って落とすようなポケモンじゃないよね?」

リーリエ「そうですよ、あまり気にしない方がいいですよ」

リーリエ「誰にだって悪いことぐらいありますよ」

コトネ「……」

コトネ「…て」ボソッ

リーリエ「?」

リーリエ「あの…何か言いました?」

コトネ「同情するなら服屋を教えて…」

コトネ「同情するなら服屋を教えてくれ」

リーリエ「……」

リーリエ「はい…それではもう一度街の方へ戻りましょうか」

コトネ「着替え完了」

リーリエ「わあすごくカワイイですよ」

リーリエ「コトネさんのリージョンフォームですね」

コトネ「リージョンフォーム?」

リーリエ「つまりアローラの姿ということです」

コトネ「ふーん…アローラの」

コトネ「……」

コトネ「レッドさんとナツメさんもせっかくですし着替えません?」

ナツメ「いや、私はこのままで」

レッド「うんいいね、せっかくだしアローラにあった服装にしようか」

ナツメ「ええっ着替えるの?」

レッド「うん」

――――――――――――――

ナツメ「私こういうのはあんまり…」

ナツメ「スカートでさえめったにはかないのに」

コトネ「いいじゃないですか」

リーリエ「えっと観光客の服装は…」

リーリエ「あ、思い出しました、あとは帽子とサングラスですね」

リーリエ「合うものを探しましょう」

ナツメ「コトネもリーリエちゃんも強引…」

ナツメ「私が観光客の服装ならコトネだって同じようなはずじゃないの…」

ナツメ「なんで私はこういう…」

レッド「いいじゃん、似合ってるのはほんとだよ」

ナツメ「わわっ!…びっくりした、いつの間に…」

ナツメ「着替え終わったのね」

レッド「うん、安くていいのがあったから」

レッド「やっぱレッドって名前だし赤だよね」

ナツメ「お金のことなら心配しなくていいのに」

レッド「いや、俺はこれがいいの」

ナツメ「ならいいけど…」

ナツメ「…ねえさっき言った似合ってるってのはほんと?」

レッド「ああ、もちろんだよ」

レッド「ナツメあんまりこういう服着ないでしょ」

レッド「なんか新鮮っていうか」

レッド「一言でいうと…可愛い」

レッド「普段のナツメは可愛いというより美人ってイメージだからさ」

ナツメ「…あ、あなたがそう言うならアローラにいる間ぐらいはこういう服もいいかな」

ラプラスつええ

アーカラ島

レッド「よし次の島に到着っと」

レッド「ここからエーテルパラダイスだっけ?そこ行きへの船が出るんだよね」

コトネ「また船…」

コトネ「レッドさんのラプラスじゃだめなの~?」

リーリエ「エーテルパラダイスへは専用の船でしか入れないようになってるんです」

リーリエ「野生のポケモンは出入りしますが、人を乗せてはダメなんです」

コトネ「お兄ちゃんが代表代理ってんなら特別にってことでいいじゃない」

リーリエ「それはちょっと…」

リーリエ「一度やってしまうとまた次も…そのまた次もいいじゃないかとなってしまうので…」

ナツメ「わがまま言うとリーリエちゃん困るでしょ」

コトネ「はーい」

レッド「それでその船ってのはいつ来るの?」

リーリエ「時刻表見てきます」

コトネ「はぁ…船か…」

ナツメ「コトネがそんなに船が嫌なんて今まで知らなかったわ」

コトネ「船に限らず乗り物自体ほとんどダメなんです」

コトネ「ポケモンに乗るのはなんともないんですが…」

レッド「あ、戻ってきた、あとどれぐらいで来るの?」

リーリエ「その…私ももっと早く気付くべきだったのですが、数年ぶりだったもので…」

レッド「何かあったの?」

リーリエ「ここはエーテルパラダイスへの船が出るウラウラ島ではなくアーカラ島でした…すいません…」

リーリエ「何か違うとは思ったのですがまさか島が違うとは…」

コトネ「普通間違えないでしょ!」

リーリエ「ごめんなさい…」

ナツメ「間違いは誰にでもあるわよ、そんな怒らなくても」

コトネ「怒ってはいませんよ」

コトネ「でも今からまた島を移動すると、もうこんな時間ですしラプラスでも夜になっちゃいますよ」

コトネ「そんな遅くに船なんて出ないんじゃないですか」

ナツメ「じゃあどうする?」

ナツメ「今日はここで泊まる?」

ナツメ「それともそのメレメレ島って島に移動して明日の朝に船でエーテルパラダイスに行く?」

リーリエ「それならこの島で泊まるのが良いと思います」

リーリエ「この島にはアローラで一番と二番目にいいホテルがあるんです」

レッド「たしかにどうせ泊まるならいいホテルがいいな」

レッド「旅費は全額エーテル財団が出してくれるっていうし」

リーリエ「ここからだとホテルしおさいの方が近いですが、私個人的な意見だともう少し行ったところにあるハノハノリゾートホテルがいいですね」

ナツメ「どうする?そっち行く?」

レッド「うん、そっち行こうか」

ハノハノリゾート

レッド「おお、でっけえホテル」

リーリエ「アローラ地方最大のホテルですからね」

リーリエ「それでもこのホテルは一年先まで予約は満杯なんですよ」

ナツメ「えっ、じゃあ泊まれないんじゃ…」

リーリエ「ああ、普通はってことです」

リーリエ「もう予約はとってあるので泊まれますよ」

ナツメ「なんだ…一年前からとってたってこと?」

リーリエ「いいえ、さっきとりました」

リーリエ「エーテル財団にはできないことはありません!」

リーリエ「行きましょう!」

コトネ「で、でかい…」

コトネ「ナツメさん見てくださいよ、めちゃくちゃ広いですよ」

ナツメ「そうね、しかもきれいだし」

コトネ「これが上に何階分もあるって、どんだけの広さになるんだ…」

リーリエ「このホテルにはビーチやゴルフ場もあるのでコトネさんの想像よりも広いと思いますよ」

コトネ「ビーチ…?」

コトネ「そこのビーチって自由に泳いでいいのよね?」

リーリエ「当然そうだと思いますよ」

コトネ「じゃあみんなで泳ぎに行きましょうよ」

レッド「あー…実は俺泳ぎは苦手で…」

ナツメ「私もそんな得意じゃない…」

コトネ「えーせっかくビーチがあるのにー」

コトネ「リーリエからも何か言ってあげてよ」

リーリエ「と言われましても…」

リーリエ「あ、こういうのはどうでしょう…」ごにょごにょ

コトネ「ふむふむ、いいこと考えるじゃない」

コトネ「レッドさんもナツメさんの水着見たいですよね」

レッド「……」

レッド「見たい…」

ナツメ「み…見てもいいことない…!」

ナツメ「そもそも水着なんて私持ってないし」

リーリエ「ホテルに売ってますよ」

ナツメ「そ、それでも…私は」

―――――――――――

ナツメ「結局こうなる…」

レッド「ほんとに嫌なら着替えるのやめればよかったのに」

ナツメ「……」

ナツメ「あなたが見たいって言ったから着替えたのに…」

レッド「冗談だって、ナツメの水着姿なんてみれてすげーうれしい」

ナツメ「……//」

ナツメ「じゃ、じゃあ…どの辺がいいとか教えてよ」

レッド「えっどの辺…?そ、そうだな…おっ…いや、そのなんだ…」

男「ヘイ!そこのボーイ&ガール!君たちトレーナーだろ?」

レッド「……」

男「トレーナー同士目と目があえばバトルだぜ!」

レッド「…はぁ」

ナツメ「世界中どこの地方に行っても、それは同じなのね…」

レッド「たしかに…周りを見れば普通に海水浴してるのもいればバトルしてるやつもけっこういるな…」

男「そういうことだ!」

男「さあ、俺の相手はどっちだ?ボーイか?ガールか?」

レッド「……」

男「ふっボーイか…いい目をしているな」

男「いくぞおお!」

レッド「……」ビッ

カメックス「ズドドエヤアア!」

シェルダー「ギャース」

男「オーッノーッ!!」

男「な…なんて強さだ…これまでこんなレベルのトレーナーとは出会ったことすらねえ…」

ヒュー どすんっ

メノクラゲ「ヤラレター」ぴよぴよ

男「こ、これはブラザーのポケモン!?いったいどこから…」

男「うおおお!メノクラゲ―!」

男「ブラザー!いったい何があったんだ!?」

男「おおブラザー!聞いてくれよ、バトルをしかけたはいいが相手が強すぎてふっ飛ばされちまったんだよ」

男「奇遇だなブラザー、俺もだ!」

男「ブラザーもか!」ガシッ

レッド「双子かな…?そっくりだ」

ナツメ「もうどっちがどっちかわかんないわね…」

グリーン「いやー悪い悪い、大丈夫か?」

グリーン「子どもの前だからつい張り切っちゃって吹っ飛ばしちまった」

グリーン「!?」

グリーン「レッド!それにナツメも!」

グリーン「どうしてお前らがここに…」

男「なんだ、ブラザーの知り合いなのか?」

グリーン「俺をブラザーって呼ぶんじゃねえ」

男「はっはっは!男同士一度戦えばブラザーだ!言ってしまえば●兄弟だ」

グリーン「おい、意味わかんねえし変な言い方すんじゃえねえよ」

男「ブラザーもそう思うだろ?」

レッド「……」ぷいっ

見てるぜブラザー

グリーン「もうバトルも終わったんだ、向こう言ってポケモン回復させてやれ」

男「おお!俺たちのポケモンの心配してくれるなんて…」

男「心の友よ!」ガシイッ

グリーン「うっさい!離せ!男に抱き着かれても気持ち悪いだけだ!この海パン野郎!」

男「ブラザー自分に正直になれ」

男「ブラザーはブラザーを真のブラザーと認めたからこそブラザーにハグをしているのだよ」

グリーン「ブラザーブラザーうるせえ!」

グリーン「おいレッド助けてくれ!」

レッド「がんばれ、じゃあな」

グリーン「何ががんばれだ!おい待てこら!」

がしっ

男「ん?」

エリカ「……」にこっ

エリカ「私のグリーンさんに」

エリカ「何を」

エリカ「してるん」

エリカ「ですかっ!」ぶんっ

男「ノーーーッ」 

ひゅー ぼっちゃーん

男「うおおおお!大丈夫かブラザー!」ダダダッ

エリカ「……」ぱんぱんっ

リーリエ「な…投げ飛ばした…」

子ども「わーママすごーい!」

コトネ「すごいねー、あんなおっきい人投げちゃうなんて」

エリカ「グリーンさん、どういうことですか?」

グリーン「ど、どういうことって…」

エリカ「いなくなったと思えば何をしてるんだか…」

エリカ「コトネさんたちと会ってあなたを探さなければずっとああやって抱き合ってたんですね」

エリカ「私以外と…!」ギロッ

グリーン「違う違う!あれはあいつが勝手に!」

エリカ「勝手に…」

エリカ「ではグリーンさんは嫌だったと?」

グリーン「そうそう、さすがよくわかってんじゃん」

エリカ「ならなぜ振り払うなど抵抗をしなかったのですか?」

グリーン「やったけど振り払えなくて…なあレッド、見てただろ」

レッド「……」

エリカ「こんなところで会うなんて奇遇ですねレッドさん、ナツメさん」

ナツメ「そ…そうね」

エリカ「家族旅行で来たのですがまさかグリーンさんが…」

グリーン「だーかーらー!俺は何にもしてねえって」

グリーン「だいたい俺がお前以外にそんなことすると思ってるのか?」

グリーン「信じてくれよ、何でもするから」

エリカ「あら?今何でもするって言いました?」

グリーン「え…ああ…」

エリカ「そうですかー…ふふ」

エリカ「でしたら、そろそろ3人目がほしいですね」

エリカ「今日は直接…」

グリーン「まてまてまて、そういうのは二人きりのときに話そう」

グリーン「子どもたちにも意味が分からないとはいえあんまり聞かせるのはさ…」

エリカ「……」

エリカ「そうですね…すいません…」

グリーン「わかればよろしい」

レッド「…なんなんだこいつら?」

ナツメ「私に聞かれても…」

レッド「そういや二人ともジムはどうしたんだ」

グリーン「そんなもん休みに決まってるだろ」

レッド「8つのうち3つも休んでんのか…」

グリーン「いや、そういえばクチバジムも一週間ぐらい休むって言ってたな」

レッド「半分じゃねえか…」

ナツメ「私が言うのもなんだけどそれ大丈夫なの…?」

グリーン「大丈夫だからこうして俺たちは旅行に来てるわけだろ」

グリーン「そんな何年も閉めてるわけじゃねえんだし」

レッド「だってさ」

レッド「じゃあ遊べるだけ遊んだほうがいいな」

ナツメ「うん」

グリーン「おいおい適度ってもんを考えてくれよ」

レッド「それぐらいわかってるよ」

レッド「でもナツメの水着姿なんてめったに見れねえんだよ」

レッド「ちょっとぐらいのびても…」

グリーン「ふむ…ナツメのねぇ…」

グリーン「……」

グリーン「けっこうでかいな」

レッド「何見てんだお前、エリカの方にはないからって」

グリーン「ないってなんだ!あるわ!ちゃんと!」

グリーン「エリカは人よりちょっと小さいってだけで…だいたい俺は小さい方が好きなんだよ!」

レッド「お前の好みは知らねえよ」

グリーン「じゃあエリカを見てみろ」

グリーン「どうだ」

レッド「どうだって…まあかわいいとは思うけど…」

グリーン「そうだろ」

レッド「でもやっぱりナツメの方が」

グリーン「お前は昔からどこかセンスが悪いんだよ」

レッド「センスが悪いってどういうことだ、ナツメの何が悪い!」

グリーン「いやナツメが悪いって話じゃなくて…」

グリーン「とりあえずこのビーチ見渡してみろ」

レッド「……」

グリーン「どう考えても一番はエリカだろ」

レッド「何がだ!?」

レッド「何がかは知らんがとりあえず一番はナツメだ」

レッド「これは譲れん」

グリーン「……」

レッド「……」

グリーン「どうやら言ってもわかんねえようだな」

レッド「それはこっちのセリフだ」

グリーン「だったらこいつで決めるしかねえか、出ろウインディ!」

レッド「そっちがその気なら…ピカチュウ!」

グリーン「……」

レッド「……」

グリーン「フレアドライブ」

レッド「ボルテッカー!」

まあ一番可愛いのはわたくしですわよ

まあこれはグリーンに同意

両方素晴らしいじゃダメなんですか?

リーリエ「あっ…」

コトネ「どうしたの?」

リーリエ「あれ見てください…」

コトネ「おー、レッドさんとグリーンさんがバトルしてる」

リーリエ「すごいです…まるでZ技のぶつかり合いみたいです…」

リーリエ「どうしてあんな激しいバトルをしているんでしょうか」

ナツメ「二人は昔からよくバトルしてたんだし久しぶりにやりたくなったんじゃないの」

エリカ「そうですね、特に意味はないと思います」

エリカ「二人からすれば挨拶みたいなものなんでしょうね」

リーリエ「挨拶があんな…」

ナツメ「いいのいいの、ほっといて」

ナツメ「周りの人に迷惑をかけさえしなかったらね」

コトネ「でも正直あんな技のぶつかり合いで迷惑をかけないってのは無理がありません?」

ナツメ「……」

ナツメ「たしかに…」

ナツメ「止めた方がいいかな」

エリカ「もうお二人とも満足されたでしょうしね」

コトネ「止めるって言ってもまずどうやって近づくんですか」

ナツメ「近づく必要なんてないわよ、ね?」

エリカ「ええ、それでは…」

ナツメ「フーディン、金縛り」

エリカ「ラフレシア、眠り粉です」

レッド「がっ…」ビタッ

グリーン「ぐー…」ZZZ

ナツメ「もう満足したでしょレッド、終わり」

ナツメ「これ以上は周りに迷惑かかっちゃうから」

ナツメ「ねっ、わかった?」

レッド「ぐっ…んっ…」

ナツメ「よし、フーディン解除してあげて」

――――――――――

エリカ「グリーンさん」ぽんぽん

エリカ「グリーンさん起きてください、もう効力は切れてるはずです」

グリーン「エリ…カ…か?」

グリーン「あれ…?俺は何を…」

エリカ「関係ない人を巻き込んではいけませんよ」

グリーン「んあ…?」

グリーン「なんのこと…あっ!」

グリーン「そ、そうだ!レッドが」

エリカ「レッドさんがどうかしたのですか?」

エリカ「もう部屋に戻られたと思いますが」

グリーン「部屋…ってあれ、ここビーチじゃねえ…」

エリカ「今更ですか…」

グリーン「なんかレッドとバトルしてたような…」

グリーン「しかも決着がつかなかったような気がする…」

エリカ「ええ途中で止めました」

グリーン「な、なんで…」

エリカ「さっきも言いましたよね、周りに迷惑をかけてはいけないと」

エリカ「だから止めたのです」

エリカ「あんなビーチであなたとレッドさんがバトルを続けていれば大変なことになりますからね」

グリーン「そ、そうか…すまん…わざわざ…」

グリーン「……」

グリーン「レッドたちの部屋はどこかわかるか?」

エリカ「はい、あそこに誘うつもりですか?」

グリーン「ああ…まあ来ればの話だが、あいつらだって元々別の目的でアローラに来たんだろうし」

グリーン「……」

コンコン

リーリエ「はい」ガチャ

グリーン「やっ、レッドと話しがしたいんだけど」

レッド「こっちこっち、入ってこいよ」

グリーン「……」

レッド「なんだ、まだ続きやりたいのか?」

レッド「悪いけどこんなところじゃまた関係ないやつら巻き込んじゃうぞ」

グリーン「…お前らいつまでアローラにいる予定なんだ?」

レッド「…いつまで?」チラッ

ナツメ「リーリエちゃんの用事が終わるまででいいんじゃない」

グリーン「それってどれぐらいかかるんだ?」

レッド「そんなもん何するかすらわかってねえんだから、どれぐらいかってのもわかんねえな」

グリーン「んー…そうか…」

レッド「なんだ?なんかあんのか?」

グリーン「お前とバトルするのにいい場所があってな」

グリーン「ポニ島にバトルツリーっつう施設があるんだ」

グリーン「そこには強いトレーナーがいっぱいいて、さらに強いバトルレジェンドってトレーナーもいるらしい」

レッド「お前後でそこ行くの?」

グリーン「ああ、行くつもりだけど」

レッド「家族旅行でそこ行くのか…」

グリーン「いいだろ別に」

レッド「てか俺とお前がバトルするなら別にアローラじゃなくてカントーでよくね?」

グリーン「……」

翌日 昼 ウラウラ島

リーリエ「ここが最初の目的地のウラウラ島です」

コトネ「あんた島間違えたって言ったけど、全然違うじゃない…」

レッド「たしかに…これはちょっと間違えないよな…」

リーリエ「すいません…」

リーリエ「でも次からは間違えないようにしますので!」

レッド「うん、お願いね」

リーリエ「それではもうすぐ船が来ますので乗船所の方へ行きましょう」

コトネ「船か…」

ナツメ「さっき酔い止め飲んでたじゃない」

コトネ「でも効くんでしょうかね…」

エーテルパラダイス

コトネ「うう…っ…あんな揺れるなんて…」

コトネ「まだ揺れて…おうっ…」

ナツメ「私お手洗いに連れて行くからちょっと待っててね」

レッド「コトネちゃん大丈夫かな…」

レッド「なんか前より気分悪そうだったし」

リーリエ「私もまさか船にホエルコがぶつかってくるとは思いませんでした」

レッド「ああ、あれはびっくりした」

コトネ「お待たせしました」

コトネ「今最高にスッキリしてますよ」

ナツメ「コトネも元気になったみたいだし行きましょ」

リーリエ「では私についてきてください」

リーリエ「まずお母様のところへ行きましょう」

レッド「あの美人さんか…」

ナツメ「あの手紙ってお兄さんからじゃなかったの?」

リーリエ「そ、その…お兄様と会うのは数年ぶりなので…」

リーリエ「緊張するので…お、お母様に先に会ってリラックスしておこうと思いまして…」

ビッケ「リーリエ様、おかえりなさい」

リーリエ「ビッケさん!お久しぶりです」

リーリエ「あ、紹介します、レッドさんとナツメさんとコトネさんです」

リーリエ「そしてこちらがビッケさんです」

ビッケ「エーテルパラダイス副支部長のビッケと申します」

リーリエ「ビッケさん、お母さまはどちらに?」

ビッケ「代表でしたら自室にいらっしゃるかと」

リーリエ「ありがとうございます」

リーリエ「それではみなさん行きましょう」

リーリエ「あっそうだビッケさん、お兄さまには私が帰ってきたことは秘密にしておいてくださいね」

リーリエ「びっくりさせる予定なんですから」

リーリエ「あそこが私たちのお家です」

コトネ「いいとこ住んでるのねー」

コトネ「いいな~小さいときこういう家にあこがれたもん」

レッド「意外だね、コトネちゃんに憧れることがあるなんて」

コトネ「失礼ですね、私だっていろいろありますよ」

コトネ「ナツメさんならわかってくれますよね?」

ナツメ「いや…あんまり…」

コトネ「リーリエは…ってあんたはここに住んでるのか…」

ルザミーネの家

リーリエ「お母さま、ただいま帰りました」

リーリエ「お母さま…?」

グラジオ「イエエエエエエエエエエエエエエエエェェエエエエエエエエエエェェェーーイ!!!!」

グラジオ「あ…」

グラジオ「……」

リーリエ「お兄さま…ですか…?」

リーリエ「どうしてお母さまの様な格好を?」

グラジオ「……」

コトネ「ねえ、これ…どういうこと?」

リーリエ「…わかりません」

2時間後

グラジオ「初めまして、私はリーリエの兄でエーテル財団代表代理をしていますグラジオです」

グラジオ「話は聞いています、レッドさん、ナツメさん、コトネさんですね」

グラジオ「リーリエがお世話になりました」

レッド「……」

ナツメ「……」

コトネ「……」

コトネ「…ねえ」つんつん

リーリエ「はい?」

コトネ「あれほんとにさっきの人と同じ人?」ひそひそ

リーリエ「そのことには触れないであげてください…」

コトネ「だってあんな急に変わってるから」

コトネ「何があったの」

リーリエ「…では少しだけ」

――――――――――――

2時間前

コンコン

リーリエ「お兄さま、入りますね」ガチャ

リーリエ「お兄さま…」

リーリエ「あれ?お兄さま…?」キョロキョロ

グラジオ「……」ズーン

リーリエ「お兄さまどうしたんですか、そんな隅っこで体育座りして…」

グラジオ「リーリエか…今度は一人か…?」

リーリエ「はい…」

リーリエ「お兄さま…なぜあのようなことを…」

グラジオ「……」

グラジオ「お前を驚かせようと思って…」

グラジオ「そしたらお前以外にも人がいて…」

リーリエ「お兄さま…」

リーリエ「……」

リーリエ「だ…誰も気にしませんよ!」

リーリエ「元気を出してください」

グラジオ「俺が気にするんだよ」

リーリエ「お兄さま…なぜあのようなことを…」

グラジオ「……」

グラジオ「お前を驚かせようと思って…」

グラジオ「そしたらお前以外にも人がいて…」

リーリエ「お兄さま…」

リーリエ「……」

リーリエ「だ…誰も気にしませんよ!」

グラジオ「俺が気にするんだよ」

リーリエ「あれぐらいいいじゃないですかお兄さま」

グラジオ「何がいいというのだ」

リーリエ「だって数年前のお兄さまはもっと恥ずかしいことを外でやってたじゃないですか」

グラジオ「…?」

リーリエ「こう…腕をプルプルさせてシャキーンとやったり」

リーリエ「左手が疼くとか言ったり」

リーリエ「ハウさんに聞きましたが『フッ何してやがる俺』とか」

リーリエ「『俺たちの孤独を埋めよう』や『俺の怒りぶちまける!』」

リーリエ「って言ったりしてたそうじゃないですか」

リーリエ「しかも全部こんなポーズやあんなポーズしたりして」

リーリエ「他にも」

グラジオ「やめろ」

―――――――――――

現在

リーリエ「…といろいろありましたがなんとか部屋から出て来てくれました」

コトネ「続きをもう少し聞きたい」

リーリエ「これ以上はちょっと…」

グラジオ「リーリエ」

リーリエ「はい」

グラジオ「お前を呼んだのはちょっとやってほしいことがあるからなんだ」

グラジオ「そしてみなさんはリーリエのお世話わしていただいているのでそのお礼に是非エーテルパラダイスを見学してください」

グラジオ「案内はビッケに任せておりますので」

ビッケ「こちらがポケモン保護区です」

ビッケ「ここでは傷ついたポケモンの治療・保護、調査などを行っております」

レッド「…なあなあ」

ナツメ「なに?」

レッド「なんだあのポケモン…サンドに似てるけど」

ナツメ「たしかにサンドに似てるけど…なんだろ?」

ビッケ「あれもサンドですよ」

ナツメ「えっでもサンドは…」

ビッケ「ええ、あのサンドはリージョンフォームと呼ばれています」

ビッケ「サンドだけではありません、数種類のポケモンが他の地方とは異なる姿を確認されています」

ビッケ「これはアローラ地方独自の自然環境に適応した結果です」

ビッケ「たとえばこのサンドだと元々は他の地方と同じように主に砂漠に生息していました」

ビッケ「ですが活発な火山噴火の影響で雪原地帯へと移り住み、過酷な雪山でも耐えられるように頑丈な鋼の皮膚と氷の外殻をまとった姿に変化したのです」

ビッケ「そしてタイプも変わり氷鋼タイプとなったのです」

コトネ「すごいですね、そんなことわかるなんて」

ビッケ「当然です!」

ビッケ「我がエーテル財団の調査能力は世界一ィィィ!」

ビッケ「わからないことはありませんんんんんんっ!!」

レッド「……」

ナツメ「……」

コトネ「……」

ビッケ「他にわからないことはありますか?」

コトネ「エーテル財団って変わった人多いんですかね」ひそひそ

ナツメ「他の職員の人たちが見た限り普通だったし二人だけかもよ」

コトネ「でもこの人も見た目は真面目そうで説明も丁寧だったじゃないですか」

コトネ「どこかで急にスイッチが入る人しかいないって考えもありますよ」

レッド「いや、それは違うと思う」

コトネ「えっどうしてですか?」

レッド「見たところスイッチはついてなさそうだし、スイッチをいれるような行動はしていない」

コトネ「当たり前でしょ、やる気スイッチじゃないんですから見えるわけないじゃないですか」

ナツメ「やる気スイッチも見えないと思うけど…」

アローラライチュウにはどう反応するのかね

コトネ「はい、質問いいですか?」

ビッケ「なんでしょう」

コトネ「サンド以外にも数種類違う姿のポケモンがいるって言ってましたけど他にどんなのがいるんですか?」

ビッケ「いい質問ですね」

ビッケ「どうぞ、現在確認されているアローラの姿のポケモン一覧です」

コトネ「ふむふむ…」

レッド「俺にも見せて」

レッド「へー…けっこういるんだね」

レッド「あ、ナツメ、ナッシーがいるよ」

レッド「違う姿のポケモンをジムで使ってみるのもおもしろいんじゃない?」

ビッケ「あら、ナツメさんはジムに勤めていらっしゃるのですか?」

ナツメ「ええ、これでも一応エスパータイプのジムリーダーをしてます」

ビッケ「あっエスパータイプですか」

ビッケ「残念ですがリージョンフォームのナッシーは他の地方とはタイプが違い草ドラゴンタイプなんです」

ナツメ「ドラゴン…?」

ビッケ「実際に見ていただいたほうがわかりやすい…といいたいところですが、現在このエーテルパラダイスにはナッシーはいません」

ビッケ「ポニ島のナッシー・アイランドというところに生息しています」

ビッケ「変わりと言ってはなんですが他のリージョンフォームのポケモンならいますので、そちらを見られますか?」

ナツメ「じゃあそっちお願いします」

ビッケ「かしこまりました」

コトネ「これはロコン…?」

ビッケ「ええ、そうですよ、そして後ろにいるのがその進化形キュウコンです」

ナツメ「アローラだと白いのね」

コトネ「あれ?このロコン怪我してません?」

ナツメ「擦りむいてるみたいね」

ビッケ「ほんとですね、ですが我がエーテル財団の医学薬学は世界一ィィィ!」

女「おまたせー、傷薬持ってきたよー」

女「さっ治しましょうねー」シュー

ロコン「コーン」

女「あれ、ビッケさんどうしたんですか?」

ビッケ「では最後はライチュウですね」

ビッケ「先ほどの一覧にあった通りライチュウもリージョンフォームがあります」

ナツメ「私の知ってるライチュウと全然違う…でもかわいい…」

コトネ「なんか浮いてません?」

ビッケ「はい、アローラのライチュウは電気エスパータイプ」

ビッケ「そのためサイコパワーを使うことができます」

コトネ「ということはサイコクラッシャーが使えると…!」

ビッケ「それはできません」

ビッケ「その代わり尻尾にサイコパワーを集中させ浮遊することはできます」

ビッケ「特性は浮遊ではありませんが…」

ビッケ「いりますかナツメさん?アローラのライチュウ」

ナツメ「えっ…いいんですか?」

ビッケ「はい、ここにいるポケモンは全て怪我などの理由でエーテル財団が保護したポケモンであっておやはいない野生のポケモンだけです」

ビッケ「本来はここでの捕獲行為は禁止…そもそもボールは使えません」

ビッケ「ですがリーリエ様のこともありますし、特別に」

ナツメ「…ありがとうございます」

ナツメ「そういえば、リージョンフォームはアローラ独自の自然環境に適応したって言ってましたけどライチュウはどういう理由なんですか?」

ナツメ「やっぱり暑さですか?」

ビッケ「パンケーキです」

ナツメ「パンケーキ」

ビッケ「そろそろリーリエ様の用事も終わるはずです」

ビッケ「エントランスに向かいましょう」

ビッケ「あ、そうそう、ナツメさんがライチュウをゲットしたのでこれを差し上げます」

ビッケ「ライチュウを持っている方が使わないとのことなので」

ナツメ「これは…宝石ですか?」

ビッケ「Zクリスタルです」

ナツメ「何に使えばいいんですか?」

ビッケ「そのZクリスタルを持ったとき心に全て浮かんだはずです」

ビッケ「それを全力でやってください」

ナツメ「…わかりました」

ナツメ「ビューティープリティージューマンボルト!」ジャキーン

ビッケ「全然違います…」

ビッケ「全然違います…」

ナツメ「に、二回言わないでください!」

ナツメ「い…言われたとおりにやったのにどうして!?」

レッド「ビューティープリティーってナツメ…」

ナツメ「言うなっ!!」

コトネ「私はそんなナツメさんも好きですよ」

ナツメ「うるさいっ」

ビッケ「正しくはこちらの動画を見てください」ゼンリョクデボーズヲキメルンダ

コトネ「全然違いますね」

ナツメ「もうそれ聞いた…」

ビッケ「それと技名もライトニングサーフライドです」

リーリエ「みなさんお待たせしました」

リーリエ「あれ?何かあったんですか?」

ナツメ「なにも」

リーリエ「ならいいですけど…」

リーリエ「これからどうします?どこか行きたいところはありますか?」

コトネ「ナッシー・アイランド!」

リーリエ「あそこですか…」

コトネ「嫌なの?」

リーリエ「いえ、そんなこと…」

リーリエ「それではまずウラウラ島に戻りましょう」

グラジオ「待ってくれリーリエ」

リーリエ「お兄さま」

グラジオ「これ持っていけ」

リーリエ「これは…?」

グラジオ「ただのお守りだ、」

グラジオ「いらなかったら捨てろ」

リーリエ「いえ、大切に持っておきます」

グラジオ「ふっ…みなさんこんな妹ですがこれからもよろしくお願いします」

リーリエ「とても腕が疼くとか言ってたお兄さまと同一人物とは思えない言葉ですね」

黒歴史をほじくり返すのはやめて差し上げろ

さらっと傷口に塩を塗るリーリエ

ウラウラ島

コトネ「おえ…っ」

カット

コトネ「お待たせしました…」

リーリエ「それではポニ島行きの船に行きましょう」

ナツメ「ねえ待って」

ナツメ「気になってたんだけど、あれなに?」

リーリエ「あれはマリエ庭園です」

リーリエ「ジョウト地方がモチーフだそうですよ」

コトネ「ほう…」

コトネ「では本当にジョウト地方かこのコトネ様が判断してやろう」

マリエ庭園

レッド「けっこう広いね」

リーリエ「中にお茶屋さんもあるんですよ」

リーリエ「たしか向こうの方に…」

リーリエ「あれ…橋に人がいっぱいいて渡れそうにありませんね」

コトネ「あれって何やってんの?」

リーリエ「なんなんでしょうか…私も知りません…」

レッド「なあナツメ、あの配置なんか見たことない?」

ナツメ「さあ…ないけど」

レッド「んー…どっかで見たことある気がするんだけどな…

ナツメ「何ぼーっとしてんの?こっちよ」

レッド「あっちなんだろ?じゃああの橋使えばいいじゃん」

ナツメ「だから見たらわかるじゃない」

ナツメ「あの橋はなんかふさがれてるじゃない」

レッド「……」

レッド「あれってバトルしたらどいてくれるんじゃね?」

ナツメ「このバトル脳…」

ナツメ「そんなね…なんでもかんでもバトルじゃないの」

レッド「もしかしたらあれゴールデン」

ナツメ「ほらもうこっち行くよ」

コトネ「ねえリーリエ」

リーリエ「なんでしょう?」

コトネ「正直あんまりジョウト感がしないんだけど」

リーリエ「そう言われましても私ジョウトに行ったことないので、似ているところも違うところもわからないので…」

オーキド「そうじゃな…あの塔なんか似とると思わんか?」

コトネ「……」

コトネ「ねえ誰…?急に話かけてきたけど…危ない人?」ひそひそ

リーリエ「あっオーキドさん!」

リーリエ「お久しぶりです」

コトネ「オーキド…!?」

コトネ「オーキド博士…いやそれにしちゃ黒い…」

オーキド「オーキド博士…ああユキナリのことじゃな」

オーキド「初めまして、私はナリヤ・オーキド」

オーキド「おそらく君の言っているオーキドはユキナリのことじゃろ」

オーキド「私は彼の従兄弟」

コトネ「レッドさーんレッドさーん!オーキド博士がいますよー!」

オーキド「あの…聞いてた…?」

リーリエ「コトネさん…だからオーキド博士ではありませんよ…」

レッド「博士…?こんなところに?」

コトネ「そうですよ、見てください」

レッド「…ほんとだ」

レッド「でもなんか黒くない?」

ナツメ「アローラで日焼けしたんじゃないの」

レッド「そうか…」

レッド「……」

レッド「博士ってあんな感じだっけ?」

ナツメ「いや、知らないわよ、テレビや本で見たことあるだけで会ったことないし」

ナツメ「会ったことあるあなたがわからないなら私もわからないわよ」

ナツメ「とりあえず久しぶりに会ったんだったら挨拶ぐらいしておいたら?」

レッド「うん」

レッド「……」

レッド「……」

ナツメ「どうしたの?」

レッド「ナツメ…これは一体どういうことだ…?」

ナツメ「な、なにかあったの?」

レッド「なぜ博士に対してATフィールドが発動している…!?」

ナツメ「いや知らない…そもそもATフィールドって何よ…」

リーリエ「だからコトネさん、この方はカントーのオーキド博士ではありません」

コトネ「え?」

コトネ「どういうこと?」

リーリエ「ほんとに聞いてなかったんですか…」

オーキド「私の名前はナリヤ・オーキド」

オーキド「君たちの言うオーキド博士というのはオーキド・ユキナリのことだね」

オーキド「君たちはカントーやジョウトから来たのかな?」

オーキド「どうやらユキナリと知り合いのようだが、どういう繋がりがあるのかね?」

コトネ「直接知り合いなのはレッドさんだけですよね」

ナツメ「うん、私会ったことないし」

オーキド「レッド!?君がレッド君かね!?」

レッド「…!」びくっ

オーキド「おお、会えてうれしいよ」

オーキド「ユキナリから聞いてるよ、君はすごいトレーナーだそうだね」

レッド「……」

オーキド「ユキナリの孫のグリーン君と君がカントーで1、2に強いそうじゃないか」

レッド「……」

オーキド「ポケモン研究家として興味があるんだ、ぜひ話を聞かせてくれないか」

レッド「……」

3時間後

オーキド「ありがとう、いろいろ参考になったよ」

オーキド「また会おう!」

レッド「……」

ナツメ「…あの人どれだけしゃべるのよ」

コトネ「ほんとですよ…レッドさんは全然しゃべらないですし」

レッド「ごめん…だって見た目は博士でも中身は知らない人だから…」

ナツメ「まあレッドの人見知りは今に始まったことじゃないけど」

レッド「それよりさ、ほらなんとか島行くんでしょ」

レッド「早くしないと夜になっちゃうよ」

ポニの険路

レッド「今度こそちゃんと目的の島だよね?」

リーリエ「はい、間違いなくポニ島のはずです」

リーリエ「ですが…」

リーリエ「ここはどこなのでしょうか…?」

コトネ「あんたほんとにアローラのことわかってるの?」

リーリエ「この島だと港もある唯一の村のところに行けばわかるのですが…」

レッド「このまま島一周して探してもいいけど夜になっちゃうな」

ナツメ「ねえ、あそこに人が集まってる」

ナツメ「あの人たちに聞いてみればいろいろわかるんじゃない?」

ナツメ「木…かな、あれって」

コトネ「木なんですか?でかすぎません?」

レッド「あんなにでかい木なのに知らないの?」

リーリエ「この木…なんの木なんでしょう…気になりますね」

ナツメ「けっこう人が集まってるし…何するところだろ」

レッド「儀式か何かじゃない」

ナツメ「とりあえず行ってみましょ」

レッド「儀式とかやってないかな…」

コトネ「やってませんよ…たぶん」

バトルツリー

リーリエ「近くで見てもとても大きいですね…」

ナツメ「私あの人に村の場所聞いてくるね」

ナツメ「あの、すいません」

女「ようこそバトルツリーへ」

ナツメ「道を尋ねたいんですけど」

女「はじめての方ですか?」

ナツメ「はい?」

女「シングル、ダブル、マルチどれに挑戦されますか?」

ナツメ「いやだから道を」

女「シングルですね」

女「それでは参加させるポケモン3匹選んでください」

ナツメ「あの私は」

女「選んでください」

ナツメ「……」

女「3匹」

ナツメ「フーディン、エーフィ、ヤドキング」

女「それではこちらへどうぞ」

ナツメ「……」

コトネ「あれ?ナツメさんなんか奥の方へ入っていっちゃいましたよ」

レッド「なんで?」

コトネ「いや、わかりませんよ」

コトネ「あのーすいません」

女「ようこそバトルツリーへ」

コトネ「今さっき入っていった女の人ってどこ行ったんですか」

女「シングル、ダブル、マルチどれに挑戦されますか?」

コトネ「は?挑戦?」

女「ダブルバトルですね」

コトネ「なんも言ってねえだろ」

コトネ「私が言ってんのはナツメさんがどこ行ったか聞いてんだ!」

女「それでは参加させるポケモン4匹選んでください」

コトネ「……」イラッ

コトネ「だ!か!ら!ナツメさんはどこに行ったかって言ってんだろ!!」

リーリエ「コトネさん、落ち着いてください」

リーリエ「レッドさんも手伝ってください!」

レッド「あ、ああ…」

へラクロス「ヘラッ!」スッ

コトネ「おわっ!?」

リーリエ「きゃっ!」

ゴールド「ここで喧嘩はだめですよ、どうしてもしたかったらツリーの外で…」

ゴールド「あれっ…コトネ!?」

コトネ「……」

コトネ「誰…?」

ゴールド「いや俺だよ!俺!」

コトネ「オレオレ詐欺?お金ならあげませんよ」

ゴールド「違えよ!」

ゴールド「ほら、ゴールドだよ!幼馴染みてえなもんだろ!」

コトネ「あー…」

コトネ「はいはいはい」

コトネ「うん、知ってる知ってる」

ゴールド「なんだその反応!?」

コトネ「別に」

コトネ「こんなとこで何やってんの」

ゴールド「おっ!よくぞ聞いてくれました!」

ゴールド「俺は今このバトルツリーでバトルレジェンド、つまりこの施設のボスをやってる」

コトネ「ほーん」

ゴールド「興味なさそうだね…」

コトネ「うん」

ゴールド「うんって…」

コトネ「それよりあんたここの関係者なんでしょ?こいつどうなってんの」

ゴールド「ああ…その人か…」

ゴールド「その人はもうだめだ、このバトルツリーにどの種類で参加するか、どのポケモンを使うかしか話すことのできなくなった悲しき存在だ」

コトネ「そもそもここ何するとこなの?」

ゴールド「知ってて来たんじゃないのか?」

コトネ「質問を質問で返すな!知ってたらこんな質問しないだろ」

ゴールド「…はい、すいません」

ゴールド「簡単に言えばここはバトル施設だ」

ゴールド「各地から腕に覚えのあるトレーナーが集まり競いあう場所だ」

コトネ「じゃあ、さっき私の知り合いが入っていった…ていうかこいつに無理やり入れられたんだろうけど」

コトネ「その人のバトルは見ることができるの?」

ゴールド「ああ、できるよ」

コトネ「レッドさーん、リーリエ、ナツメさんのバトルが見れるって、こっちこっち」

ゴールド「あっ…あ、あんたはレッド!…さん、なんでこんなところに…」

レッド「?」

リーリエ「先ほどまでコトネさんと話していらっしゃったようですが、レッドさんもお知り合いなのですか?」

レッド「…知らない」

ゴールド「知らないってなんだ!あんたまで!」

レッド「……」

ゴールド「じゃ…じゃあこの際俺のことを覚えていないってことは置いといて…」

ゴールド「なんであんたがコトネといるんだ」

コトネ「いいじゃん別に、あんたには関係ないし」

ゴールド「なっ…!?」

ゴールド「くっ…だったら…」

ゴールド「レッドさん、俺とバトルだ!」

ゴールド「あの時の俺とは違うことを見せつけてやる」

ゴールド「そしてコトネにも!」

ゴールド「今ここで…と言いたいところだけど俺にはバトルレジェンドって称号がある」

ゴールド「簡単に俺とはバトルできない、でもここで勝ち上がってくることができれば俺とバトルができる」

ゴールド「だからあんたにはここに挑戦してもらう」

男「ゴールド様、バトルレジェンドの部屋に挑戦者が来ました」

ゴールド「ちょうどい」

ゴールド「ついてきてください、あんたに今の俺の力を軽く見せてやりますよ」

レッド「なんかあんまりよく話聞いてなかったんだけど、俺ここに挑戦することになったの?」

コトネ「えっそうなんですか?」

コトネ「私もちゃんと聞いてなかったんで何がなんだか」

コトネ「何かを見せるとか言ってたのは聞こえたんですが」

リーリエ「あの…どうしてお二人のことなのに聞いてないのですか…」

コトネ「リーリエは聞いてたの?」

リーリエ「はい、お二人の隣にいましたので…」

コトネ「あのバカ何言ってたの?」

リーリエ「えっとまとめますと…」

ゴールド「ちょっと何やってんの、呼んでるんだから来てよ」

コトネ「んあ、わかってるって」

ゴールド「わかってないから言ってんの」

コトネ「行かなきゃだめなの~?」

ゴールド「せっかく呼んでるんだから来てよ」

コトネ「はぁ…どうしますレッドさん?」

ゴールド「そいつに相談しないの!」

コトネ「……」ぴくっ

ゴキッ

ゴールド「いだだだだだだだだ!」

コトネ「私のレッドさんに向かってそいつって何だ」

レッド「別にコトネちゃんのではないけど…」

―――――――――

ナツメ「あの、まだなんですか?」

ナツメ「私、人待たせてるんですけど」

女「もう少々お待ちください、ボスももうすぐ来るはずですから」

ナツメ「はぁ…」

ナツメ「レッド怒ってるかな…」

女「あっ来たようです、お待たせしました」

ゴールド「よくここまで来た!歓迎する!」

ゴールド「ん、どっかで見たことあるような」

コトネ「あ、ナツメさん」

ナツメ「あれ?みんなも来たの?」

コトネ「こんなとこで何やってるんですか?」

ナツメ「私が一番知りたいわよ」

ナツメ「なんの説明もなしに急にバトル始まるし」

ゴールド「それはここがバトルツリーだから」

ゴールド「バトルしたいやつがここに集まるんだから、そりゃ説明しなくてもバトルが始まるでしょ」

コトネ「ちょっと何言ってるかわからない」

ゴールド「なんでわかんねえんだよ」

ゴールド「さてえっと…ナツメ…」

ゴールド「ああそうか、あんたヤマブキジムのナツメさんか」

ゴールド「相変わらず美人っすね」

コトネ「当たり前じゃボケッ!」

ゴールド「こうなるとなんでますますあのレッドさんが一緒にいるんだ…」

ゴールド「あんな山にこもってて一言もしゃべらないような人なのに」

ゴールド「加えてもう一人いるし、あの子は知らないけど…」

ゴールド「なんであの人だけ!」

ゴールド「俺なんか今まで一人も…いや、そんなことはいい」

ゴールド「こうなったら少しでも怒りをこのバトルにぶつけてやる!」

―――――――――

ゴールド「っっっっっっっしゃあっ!!」

ナツメ「ふぅ…やっぱり強いわね」

ゴールド「どーだ!見たか!俺の実力をぉぉぉぉ!」

コトネ「ドンマイですナツメさん」

レッド「おしかったね」

ナツメ「ううん、全然よ」

ナツメ「実際強かったしどういう戦い方しても勝てなかったと思うもの」

コトネ「そんなはずありません!」

コトネ「ナツメさんがあんなやつごときに負けるなんて千回に一回あるかないかなんですよ」

コトネ「ナツメさんの方が圧倒的強いんですもん!」

レッド「コトネちゃん、それは違うよ」

レッド「こういうのは強い者が勝つんじゃない、勝った者が強いんだよ」

コトネ「レ、レッドさん、それはひどくないですか」

ナツメ「いや、レッドの言ってることは正しいわ」

ナツメ「勝った人が強いって当然のことだもの」

ナツメ「覚えてくれてたの?」

レッド「まあ…な」

ナツメ「ふふ」

コトネ「何の話をしてるんですか?」

レッド「二人だけの秘密」

ゴールド「おい!俺の話聞いてたか!?」

コトネ「うっせえな、今こっち忙しいの、のちほど来やがれ」

ゴールド「いや俺は」

シルバー「コトネッ!」ゲシッ

ゴールド「ぷぎゃっ」

シルバー「お前がここに来るとはな…」

コトネ「あんたはたしか…シルバー」

シルバー「ふっ俺に会いに来てくれたのか」

コトネ「は…?」

ゴールド「何言ってんだ、俺に会いに来たに決まってんだろ」

シルバー「お前に…?」

シルバー「ふっ…お前にそんな笑いのセンスがあったとはな」

ゴールド「笑い?何の話してんだ」

シルバー「ジョークで言ったんだろ?」

シルバー「コトネがわざわざお前に会いに来るわけはない」

シルバー「じゃあ誰に会いに来たか、そう俺だろ」

ゴールド「おいおいおいおいマジかお前?」

ゴールド「何がどうなったらお前みてーな赤髪にコトネが会いに来るってんだ?」

ゴールド「落とし物すら届けてもらえなさそうな顔してるくせに」

シルバー「なんだと…?」

リーリエ「コトネさん人気者ですね」

コトネ「人気?ああ…いやがらせ受けてるみたいなものよ」

リーリエ「そんないやがらせだなんて…」

コトネ「ほんとよ、あんたもやられればわかるわよ」

コトネ「ただの二方向からの攻撃だもん」

コトネ「これだけでどれぐらい嫌かわかるでしょ?」

リーリエ「一応好意を持っていらっしゃるわけですし、攻撃というのは…」

コトネ「レッドさんとナツメさんがいる限り私にとってはとにかく害なんだから、別にいいでしょ」

1乙しに参った。

銀まで出てきとる

リーリエ「止めなくていいのですか?」

リーリエ「ケンカのようになってますよ」

コトネ「あー、ほっときゃいいんじゃない」

コトネ「ほらあんなのどうでもいいから下行くよ」

コトネ「レッドさんとナツメさん行っちゃう」

リーリエ「はい…」

ドンッ

リーリエ「きゃっ」

シロナ「いった~…あっ大丈夫?」

リーリエ「はい、すいません、よそ見していたもので…」

シロナ「ふむ…」ぺたぺた

リーリエ「あ…あの…」

リーリエ「何をしてるのでしょうか…?」

シロナ「君みたいな女の子を怪我させてはいけないからね、ちゃんと見ておかないと」

リーリエ「だ、大丈夫ですって」

シロナ「スカート…」

シロナ「……」

リーリエ「……」

シロナ「……」ぺらっ

リーリエ「!?//」

シロナ「水玉か…」

コトネ「リーリエがついてこないと思ったら、あんた何やってんの」

リーリエ「コトネさん!」

シロナ「……」

シロナ「私のこと?」

コトネ「あんた以外誰がいるってのよ」

シロナ「この子とぶつかっちゃって怪我してないか見てたの」

コトネ「スカートの中まで?」

シロナ「そうよ、服で見えないところも確認しとかないといけないし」

コトネ「水玉ってのは何?」

シロナ「耳がいいのね、この子の下着だけど」

コトネ「怪我の確認はいいけど、パンツ見る必要あんの?」

シロナ「んー…そう聞かれると難しいなー…」

コトネ「とりあえず警察に来てもらうから」

シロナ「えっ警察!?それはちょっと困る」

コトネ「うるさい、私のかわいいリーリエにわいせつ行為をしたんだから罪をつぐなってもらう」

ピッピッピ プルルルルル

シロナ「ちょちょちょ!待って待って!」

コトネ「せい!」

シロナ「うええっ!?」

コトネ「ふんっ」ギシッ

シロナ「いたいいたいいたいいたい!!」

リーリエ「おおっ…コトネさんの見事な腕ひしぎ十字固…!」

シロナ「ギブギブギブ!」

シロナ「折れる折れる!ほんとに!!」

コトネ「折ろうと思ってやってんの」

コトネ「折られるのが嫌なら警察」

コトネ「どっちか好きな方選びな」

シロナ「……」

コトネ「ん?…答えないならこのままやっちゃうけど」

リーリエ「コ…コトネさん!その人気絶してますよ!」

コトネ「え?」

コトネ「あ、ほんとだ」

コトネ「どうする?とりあえず折るだけ折っとく?」

リーリエ「いやそれは…」

バトルツリー下

ナツメ「ねえレッド」

レッド「どうしたの?」

ナツメ「コトネとリーリエちゃんがいない」

レッド「え?ついて来てたんじゃないの?」

ナツメ「そう思ってたけどいないのよ」

レッド「……」

ナツメ「……」

レッド「どうする?」

ナツメ「探さないと」

レッド「んー…」キョロキョロ

レッド「まずいつはぐれたんだ?」

ナツメ「バトルツリーを降りるときはいたようないなかったような…」

レッド「なんかはっきりしないね」

レッド「俺もそのときは後ろ見なかったけど…」

レッド「あっ」

ナツメ「見つけた?」

レッド「いや、グリーンがいた」

ナツメ「そういえば前会ったときここにいるとか言ってたわね」

レッド「どうしよう、目があっちゃった」

トレーナーが目が合ったらやる事は一つだよなぁ?

レッド「よお…」

グリーン「お前今すげえ嫌な顔してたな」

レッド「…そんなことねえよ」

グリーン「……」

レッド「……」

グリーン「まあいいや、お前も来たんだな、俺と戦いに」

レッド「いや、ただ道に迷っただけ」

レッド「すぐにでも出たいところだけど、コトネちゃんとリーリエがどっか行っちゃって」

レッド「二人のこと知らない?」

グリーン「いや、知らねえな」

グリーン「お前ほんとにここに参加しねえの?」

レッド「するなんて一言も言ってねえだろ」

グリーン「バトル拒否か?おい」

レッド「んー…そうだな」

グリーン「目と目があったらバトルっていうだろ」

レッド「……」

レッド「知らない言葉だ、どこの国の言葉だ?」

グリーン「いやいや、今までそういう経験何度もあるだろ」

レッド「……」

レッド「ない」

グリーン「うそつけ!」

レッド「そもそも俺はお前と戦う気はねえっての」

グリーン「マジでか、お前が来ると思って先にエリカと1000連勝しておいたのに」

レッド「お前すげえ暇なんだな」

グリーン「別に暇ってわけじゃねえよ」

レッド「あっそう、んじゃおつかれさまでした~」

グリーン「おいおいおいおい!待て待て」

グイッ

エリカ「もう、だめじゃないですかグリーンさん」

グリーン「え…?何が?」

エリカ「見てわからないのですか、お二人のデートの邪魔をしてはいけませんよ」

グリーン「ああ…そういうことか」

グリーン「あれ、でも話しかけてきたのはあいつからだよ」

ナツメ「どうだった?」

レッド「知らないってさ」

ナツメ「あの子たちどこで遊んでるんだか…」

レッド「ああそうだ、いいのを思いついた」

レッド「こういうときはあれしかないな」

ナツメ「あれって?」

レッド「電話だ」

ナツメ「私もそれ忘れてた」

プルルルルル

レッド「出ないなぁ…」

ナツメ「えぇ…」

バトルツリー内

コトネ「遅くなっちゃったし連絡を…」

コトネ「あれ?」

コトネ「おかしいなぁ…」ゴソゴソ

リーリエ「携帯がないのですか?」

コトネ「うむ…どうやらそのようだ」

リーリエ「そのようだじゃありませんよ…」

リーリエ「どうするのですか?」

コトネ「大丈夫、ナツメさんの超能力でどこでなくしたか探してもらえるから」

リーリエ「いえ、そうではなくて連絡のことです」

コトネ「あー…どうしよっか」

コトネ「しかたない、この変態の携帯借りるか」

リーリエ「えっでもこの人は」

コトネ「マリルリ、水」

ブシュッ

シロナ「ぶはっ」

シロナ「あ、あれ?私は…」

コトネ「起きた?変態さん」

シロナ「ん?たしかに私は変態だけどあなたは?」

コトネ「記憶がちょっと飛んじゃってんのかな」

コトネ「まあいいや、悪いけど携帯貸してくれない?」

シロナ「あのね、名前も知らない子に何かを貸すと思ってるの?」

コトネ「……」

シロナ「……」

コトネ「私はコトネ」

コトネ「これでいいでしょ」

シロナ「そっちの子は?」

リーリエ「わ、私ですか?私はリーリエと申します」

シロナ「ふむ…コトネちゃんにリーリエちゃん…」

シロナ「二人ともスリーサイズは?」

コトネ「はぁ!?」

シロナ「いや…ほんとすんません…」

シロナ「私も女の子なんでね…ちょっと顔とかはね…」

リーリエ「あのよかったらティッシュどうぞ、鼻血が…」

シロナ「ありがとう、やっぱりあなたはいい子ね」

リーリエ「コトネさんも暴力はよくありませんよ」

コトネ「でも…」

リーリエ「でもじゃありません、私のためというのはうれしいのですが…」

リーリエ「これ以上はかわいそうです」

シロナ「!」

シロナ(この私の心配を…!?)

シロナ(天使…!紛うことなく天使!!)

リーリエ「あったすごいキズ薬」

リーリエ「じっとしててくださいね、少ししみますけど」

シュッー

シロナ「っ!!」

リーリエ「はい、大丈夫です」

リーリエ「もう少しすれば、腫れたところもひいてくるはずです」

シロナ「……」

シロナ「……」ツー

リーリエ「な、泣くほど痛かったのですか?すいませんその痛みは私にはコントロールできないもので…」

シロナ「いいや…違うの…」

シロナ「……」

リーリエ「あの…」

シロナ「少しスッキリした…」

シロナ「ねえ私の話していいかな、あなたに私のことを知ってほしいの」

コトネ「ダメ」

リーリエ「コトネさん」

コトネ「……」

リーリエ「はい、どうぞ」

シロナ「ありがとう」

シロナ「私の名前はシロナ」

シロナ「職業は考古学者」

シロナ「出身はシンオウ、これでもシンオウじゃちょっと有名なトレーナーだったの」

シロナ「アローラに来た理由としては傷心旅行ってとこかな」

シロナ「恋人にふられちゃったのよ」

シロナ「ヒカリちゃんっていってね、そっちのコトネちゃんと同じぐらいの子かな」

シロナ「彼女が新米トレーナーのときからいろいろ面倒みてあげてたのよ」

シロナ「今のあなたより少し小さいぐらいね」

30分後

シロナ「ぐすっ…ひくっ…」

シロナ「そりゃ私もヒカリちゃんも同じ女よ」

シロナ「普通とは違うことぐらいわかってる…」

シロナ「ヒカリちゃんが私より男が好きだってこともわかってる…」

シロナ「私が本当は男の子が好きだってこともわかってる…」

シロナ「だからこんなことでメソメソしてる私はたしかにおかしい…」

シロナ「でも!!!」

シロナ「あんなクソニートの何がいいっていうの!」

シロナ「どうしてヒカリちゃんがあんな!!」

リーリエ「!」びくっ

シロナ「あ…」

シロナ「ごめんね…急に大きい声だして…」

リーリエ「い、いえ…」

シロナ「膝枕してもらってもいい?」

リーリエ「え?えっ…あ、はい」

シロナ「ありがとう」

シロナ「あと頭なでてもらっていいかな、落ち着くの」

リーリエ「はい…」なでなで

シロナ「リーリエちゃん…」

リーリエ「なんでしょう」

シロナ「私これからどうしたらいいと思う…?」

リーリエ「えっと…」

リーリエ「ど、どういうことでしょうか?」

シロナ「…ごめんね、わかんないよね」

シロナ「初対面の人のこんな話聞かされたって…」

シロナ「だいぶ長く聞いててくれたよね、ありがとう」

コトネ「ワカル…」うるうる

リーリエ「コトネさん!?」

コトネ「シロナさん…あんた…いや、あなたにそんな悲しい過去があったなんて…うう…」

コトネ「殴ったり、骨折ろうとしたりしてごめんなさい…」

――――――――――

シロナ「そう…コトネちゃん、あなたも大変なのね」

シロナ「私とはまた違うけど、共感してくれる人がいたなんてね…」

シロナ「コトネちゃん…私とイイコトしない?」

コトネ「よろこんで」

リーリエ「あの…」

シロナ「リーリエちゃんも一緒にどう?」

リーリエ「何の話かはわかりませんが最初の目的を忘れてませんか?」

コトネ「最初の目的…?」

リーリエ「レッドさんとナツメさんに連絡をとるんじゃないですか…」

コトネ「あ…」

コトネ「ど、どうしよう!二人に心配かけちゃってる!」

コトネ「せめて連絡だけでもとらないと…」

コトネ「あ、携帯ないんだった…」

リーリエ「だからシロナさんに借りようとしてたんじゃないですか」

コトネ「そうか!」

コトネ「シロナさん、携帯貸してください」

シロナ「うん、いいよ」

ナツメ「これだけ探してもいないなんて」

レッド「迷子センターに知らせる?」

ナツメ「そんなものないでしょ…」

レッド「うーん…困ったな…」

プルルルル

レッド「あ、俺の携帯がなってる」ツルッ

レッド「おっと」

スコーン

レッド「あ、蹴っちゃった」

ツツー

レッド「あんな遠くまで…」

グシャッ

ドサイドン「ウウ…」

男「ドサイドンーー!しっかりしろー!」

レッド「……」

レッド「ナツメ…俺新しい携帯ほしい…」

ナツメ「うん、買ってあげる」

コトネ「あれ、電源が入ってないか電波が届かないって…」

リーリエ「ナツメさんの方にはどうですか?」

コトネ「レッドさんが意味なく電源切ってるとは思えないのよね」

コトネ「ナツメさんもレッドさんと同じところにいるだろうから電波届かないところにいるはずだしね」

リーリエ「なるほど、たしかにそうですね」

コトネ「さて困った…」

リーリエ「何か考えはないのですか?」

コトネ「ない」

シロナ「電波が届かないって言われたんでしょ」

シロナ「だったらそういうところを探しに行けばいいじゃない」

リーリエ「それはこのバトルツリーの施設の外ということですか」

リーリエ「このあたりでは圏外になるようなところはなさそうですし」

シロナ「そうなるわね」

リーリエ「この島で圏外になりそうな場所は三ヵ所はありますよ」

コトネ「三ヵ所…」

コトネ「ちょっとリスクが高いな…」

コトネ「それならまだこのツリーから動かない方がいいですよ」

シロナ「じゃああなたたちが泊まる予定のところに連絡しておいたら?」

シロナ「どうせ夜になったらそこに行くんでしょ」

コトネ「なるほど、その手がありましたか」

コトネ「……」

コトネ「どこだっけ?」

リーリエ「ハノハノリゾートホテルですよ」

コトネ「そうそうそれそれ」

シロナ「あれ、二人もそこに泊まってたの?私もなのよ」

1時間後

レッド「なんかずーっとここにいるけどいいのかな」

ナツメ「さあ…二人を探さないといけないのはたしかなんだけどね…」

レッド「……」

ナツメ「……」

レッド「……」チラッ

ナツメ「……」

ナツメ「ん?私の顔に何かついてる?」

レッド「いや…別に」

レッド「……」

レッド「なあ…その…こんな時に言うことじゃないかもしれないけど、さっきグリーンを見てすげえうらやましいなって思ったんだ」

ナツメ「どうしたのよ急にそんな話して」

レッド「なんでだろ…俺もわかんない…」

ナツメ「?」

ナツメ「まあ、それはいいわ」

ナツメ「どうしてグリーンをうらやましいって思ったの?」

レッド「あいつはさ…俺にできないことができたんだなって思ったんだよ」

ナツメ「あなたにできないこと?」

ナツメ「そんなことあるの?あなたはやろうと思えばなんでもできると思ってたけど」

レッド「俺はそんなすごいやつじゃない」

レッド「むしろなんでもできるどころか、人よりできることが少ないぐらいだ」

レッド「普通はできることが俺はできないんだから…」

ナツメ「だからそれはなんなの?」

レッド「え…言わなきゃだめ?」

ナツメ「当たり前でしょ、あなたから言ってきたんだから」

ナツメ「気になるじゃない」

レッド「……」

レッド「わかった…」

レッド「ちょうどいい…言う…」

レッド「言うからちゃんと聞いててくれよ…」

レッド「お…俺は…」

レッド「俺は」

女「あ、いた、お客様」

ナツメ「私のことですか?」

女「はい」

女「申し訳ございません、先ほどの挑戦であなたが獲得したポイントをお渡しするのを忘れていました」

女「こちらが獲得されたポイントです」

ナツメ「これは何ができるんですか?」

女「あちらにポイント交換所がありますので、そちらで景品との交換ができます」

ナツメ「…わかりました」

女「では失礼します」

ナツメ「ごめん、なんだっけ?」

レッド「いや…やっぱ俺には無理…」

意気地無しやなぁ

ナツメ「あなたが無理して言わなくても、言いたいことぐらいわかるわよ」

レッド「えっ…まさか俺の考えてることを読んだ…!?」

ナツメ「だからそんなことしなくてもわかるって」

レッド「……」

ナツメ「で、いくらほしいの?」

レッド「?」

レッド「イクラ?」

ナツメ「それは言ってもらわないとわからないから」

レッド「な、なんの話してるの?」

ナツメ「え?お金のことよね?」

ナツメ「言いにくそうにしてるし」

ナツメ「月のお小遣いを増やしてほしいことでしょ」

レッド「…ああ、そういうことか」

レッド「いや、俺の言ってるのはお金じゃなくて…」

レッド「もっとこう、なんていうか…」

ナツメ「はっきりしないのね、あなたらしくない」

レッド「うん…」

ナツメ「言いにくいことなら私があなたの考えを読もうか?」

レッド「それはちょっと…」

ナツメ「心配しなくても余計なところは見ないって」

レッド「だからその…そうじゃなくて…」

ナツメ「もう…いい加減にしなさいよ」

ナツメ「はっきりしなさい!言うのか!言わないのか!」

レッド「!」ビクッ

ナツメ「どっち」

レッド「い…言います…」

レッド(どうしよう…思わず言うって言っちゃった…)

レッド(無理無理無理無理無理!)

ナツメ「そんなに言うのが嫌なら言うなんて言わなきゃいいのに」

レッド「えっ!?」

ナツメ「汗すごいよ、ふいてあげる」

レッド(体中が今は無理だと叫んでいるのか…!)

レッド(でも言うって言っちゃったし…)

レッド(何か…何かいい手はないのか…!)

レッド「!」

レッド(そうだ、別のことを言おう)

レッド「それなら言える、とりあえず今はそれで凌ごう)

レッド(これは戦略的撤退だ)

レッド(今の俺に出来ないことを未来の俺に託すだけ)

レッド(いつか必ずナツメに言えば…伝えることができればいいんだ)

レッド(だから今は軽いことを…)

レッド「よし…」

レッド「……」

レッド「なあナツメ」

ナツメ「やっと話してくれる気になったのね」

レッド「うん、その…」

レッド「アローラでのお土産って誰かに買う予定あるの?」

ナツメ「……」

ナツメ「へ…?」

ナツメ「まあ…買うけど…」

ナツメ「あんなに迷ってたのに言いたかったことってこれ?」

ナツメ「ほんとは違うでしょ?」

レッド「……」

レッド(さすがに軽すぎたか…)

レッド(逆にやばいな…)

レッド(こうなるとちょっと攻めたこと言わないと…)

レッド(攻めたこと…)

レッド「……」

レッド「ナツメ…お…おっぱい…さわらせて…」

ナツメ「……」

レッド「……」

レッド(せ、攻めすぎたか…!?)

レッド(攻めすぎたっていうかこれは人としてやばいか…?)

レッド「あの…ナツメ…じょ、冗談…ダヨ…」

ナツメ「……」キョロキョロ

ナツメ「……」

レッド「その、ナツメさん…?今のは…」

ナツメ「ちょ…ちょっとだけなら…いいよ…//」

レッド「ふえ…?」

レッド「いやいやいやナツメさん?」

ナツメ「ほら…やるなら早くやってよ…」

レッド「こ、こんなとこでそういうのは…」

ナツメ「ここじゃ嫌なの?じゃあもっと人がいないところに行きましょうか」グイッ

レッド「ナツメさーん、ボクが言ってるのはー」

ナツメ「私がいいって言ってるんだから何も言わずやればいいじゃない」

ナツメ「別に私だって誰にでもやらせるってわけじゃないのよ」

ナツメ「レッドだからいいかなってだけで…」

レッド「じゃあほんとにいいんだな…?」

ナツメ「…うん」

ナツメ「ここならたぶん誰も来ない…」

レッド「……」ドキドキ

レッド「……」ぷるぷる

ナツメ「震えすぎ」

レッド「……」つん

レッド「……」

ナツメ「……」

ナツメ「私が言うのも何だけどちょっとすぎない?」

ナツメ「もっとやっていいのよ」

レッド「う…うん…」

レッドさん攻めすぎwww

他になかったのかよww

攻めるというかいちげきひっさつというか

最近、思うんだけどさ。
HACHIMANとかいうタグ付ける奴うざくね?
八幡tueee!が嫌いとか言ってる奴、多すぎ。
「キリトの活躍奪うんじゃねえ!」
「ハチアスとかやめて!」
「上条さんの役割奪うなよ!」
「デレマスのヒロインNTRさせんな!」
これ、マジでキモいからね。
いやさ、お前らの気持ちも分かるよ?
何でも出来て、最強の八幡に嫉妬してるんだよね。お前らは葉山みたいな性格だもんね。
でも、落ち着いて考えてみろよ。
お前らが何と言おうと八幡が最強なのは誰の眼に見ても明らかんだから仕方ないじゃん。
ヒロインを奪われる~とかさ、クソみたいなキリト、上条辺りに救われるよりも八幡に救われる方が幸せに決まってるよね。
まずは誰よりも八幡が強い事実から目をそらすなよ。それは誰の目にも明らかだろ?
それを劣っている立場の奴等が「俺達の役割を奪うなよ」っていうのは成り立たないでしょ。
いやね、作品を汚すなってのは分かるよ?
例えばキリトが総武高校に転校してきてヒロインNTRしたなら、俺もキレて潰しにかかるわww
でもさ、八幡なんだから仕方ないじゃん。
もうワガママ言うのやめろよな。
八幡が主人公なら皆が救われるんだって。
キリトも上条も士道も必要ないからね?
あんなん好きな奴等はガイジだからね?
もうさ、他作品をsageするなとかいうガイジの話なんか聞くのも飽々してるんだわ。
あのね、sageしてるんじゃないの。
八幡が最強だから、周りが雑魚に見えてしまうのは仕方ない事なんだよ。
八幡が最強なのが気持ち悪いとか言うけど、実際にその世界に八幡がいれば最強なのは間違いないんだから当たり前だよね。
ゴミみたいな作品なんて八幡に蹂躙されて然るべきなんだよ。それによって俺達の目に触れる機会も増えるんだから感謝しろよ。
以上、クソアンチ共を完全論破。全員、速やかに砕け散れよ。

レッド(どうしてこうなった…!)

レッド(これはこれでいいんだけど…)

レッド(ナツメって知ってたけどおっきいな)

レッド(これを思いっきりもんだり、はさんだりしたら…)

レッド(まてまてそんなこと考えてたら…おっきく…)

レッド(いやもうなってるか…)

レッド(これをナツメに見られるのはマズイ…)

レッド(ん?普通はこうなるんだから見られてもいいんじゃ…)

レッド(え、でもこれをナツメに見られるのは正直…)

レッド(あれ…よくわかんなくなってきた…)

レッド(やっぱり見られないにこしたことはないよな…)

レッド(ナツメの目線をできるだけ上の方を向くようにすれば…)

レッド(と思ったけどすでに下むいてるな…)

ナツメ「……//」

レッド(いやー!見られてるー!)

レッド(一回つついただけなのにこいつ何考えてんだとか思われてるんじゃ…)

レッド「あの…ナツメさん、これは生理現象の一つであって」

レッド「これはけっしてやらしい意味じゃ…」

レッド(ん?…やらしいことしようとしてるんだからこの言い訳はおかしいよな…)

レッド(なんも言い訳できねえじゃん!)

レッド「……」

ナツメ「そうなの…?」

ナツメ「私…あなた以外の男の人と話すことがほとんどなかったから…」

ナツメ「その…どうしたらいいのかな…レッド…」

レッド「笑えばいいと思うよ…」

ナツメ「笑うの…?」

レッド「いや…違うな…」

レッド「俺も女の子にさわることなんて初めてだし、よくわからない…」

ナツメ「そう…」

レッド(まずい…変な空気だ…)

レッド(胸つついただけでこんなことになるのか…?)

レッド(世界中の恋人・夫婦はこの空気を乗り越えたということか…)

レッド(とんでもない試練だなこれ)

レッド(くそっ…ここからどうすればいいんだ)

レッド(俺の欲望のままにやっていいのか?)

レッド(ここからあんなことやこんなこと…)

レッド(いくら俺でもどういうことか知ってる)

レッド(山にこもってるときにグリーンが持ってきた本の知識だけだが…)

ナツメ「どうしたの固まって」

レッド「あ…ああ…」

レッド(待たせすぎはよくないよな…)

レッド「……」

レッド(人生は選択の連続…って誰かが言ってたな…)

レッド(まさにその通りだ)

レッド(こんな場面でも選択しなければならない)

レッド(1、つつく)

レッド(2、もむ)

レッド(3、ソフトタッチ)

レッド(50、顔をうずめる)

レッド(……)

レッド(いっぱい出た…)

レッド(いや出たって案がだよ)

レッド(って俺は誰に言ってんだ)

レッド(そんなことより早く決めないと)

レッド(どれだ…どれが正解だ…)

レッド(そもそも俺の考えの中に正解はあるのか…?)

レッド(信じろ自分を…これだけ出したんだ、数うちゃ当たるはず)

レッド「……」

レッド(1~50を順番にやるってのはどうだろう)

レッドさん迷走しすぎや

この間3秒

ライフカードのCMかな?

レッド(覚悟を決めろレッド!)

レッド(自分を信じろ!)

レッド(できる…できる…絶対にできるんだ!)

レッド(いっけえぇぇ!)

つん

レッド「……」

ナツメ「……」

レッド(反応がない…!?)

レッド(ダメだったのか…!?)

レッド(いや…!)

レッド(諦めるな!)

レッド(諦めんなよレッド!)

レッド(どうしてそこでやめるんだ、そこで!)

レッド(もう少し頑張ってみろよ!)

レッド(指一本じゃなくて手をフルに使え!)

レッド(うおおおおおおおおお!)

もみゅ

レッド「……」

レッド(マシュマロ)

レッド「……」

ナツメ「レッド?」

レッド「ありがと…」

ナツメ「もういいの?」

レッド「うん…」

ナツメ(あ、あれ…私何か悪いことした!?)

ナツメ(とりあえず謝った方がいいよね)

ナツメ「ごめんなさい!」

レッド「えっ」

レッド「なにが?」

ナツメ「だって元気なくなったみたしだし」

ナツメ「もしかしたら私のをさわると嫌な気持ちになるとか…」

レッド「いやいやいやいやそんなことない」

レッド「そのー…やわらかかった」

レッド「むしろ元気出たぐらいだし」

レッド「今度は服の上からじゃなくて直接さわりたいぐらい…」

レッド「あっ…」

ナツメ「……」

レッド(おいおいおい今の発言は最低だぞ)

レッド(しまった…どうしよう…)

ナツメ「それはまた今度ね…」

レッド「今度か…わかった…」

レッド「ん?今度?」

ナツメ「なんか忘れてる気がする」

レッド「そういえば俺も…」

レッド「けっこう大事なことだったような」

レッド「そうだコトネちゃんに聞けば…あっ」

ナツメ「コトネだ」

レッド「コトネちゃんとリーリエ探してたのになんでおっぱいのことになったんだ」

ナツメ「あなたがさわりたいって言ったからじゃないの」

レッド「…そうだった」

ナツメ「はぐれてから時間たっちゃってるし遠くに行ってないといいけど…」

レッド「そういやナツメの超能力で探せないの?」

ナツメ「残念ながらできないのよ」

レッド「えっそうなの?」

ナツメ「うん、ただ30分後に何してるかってことなら予知できる」

ナツメ「未来予知はちょっと得意だし」

レッド「今はわかんないけど未来はわかるんだ」

ナツメ「うん、そこが私の超能力の不思議なところ」

レッド「じゃあそれやってよ、30分後にそこ行こう」

ナツメ「わかった、まかせて」

ナツメ「……」

ナツメ「コトネとリーリエちゃんは黒い女とアイス食べてる」

レッド「アイス…売店の方か」

20分後

ナツメ「私の視た未来まであと10分ぐらいあるけどまだコトネもリーリエちゃんも黒い女も見当たらないね」

レッド「その黒い女ってなんなんだよ」

ナツメ「全身が黒で統一してある女」

レッド「黒づくめの女か…」

ナツメ「なんだかそれなりの雰囲気があったからたぶん一目みればわかると思う」

レッド「誰なのそれ?」

ナツメ「知らない人」

レッド「あの子たちに知らない人について行っちゃいけないって教えとくんだった」

ナツメ「コトネなんてもういい年なんだからそんな不審者について行くなんてことないでしょ」

レッド「でもリーリエはまだ子どもだよ」

ナツメ「リーリエちゃんも10…いくつだっけ?」

ナツメ「まあそれなりなんだし、むしろコトネよりしっかりしてるぐらいだから安心しなさいよ」

レッド「なあナツメ、せっかくだしアイス食べない?」

ナツメ「うんいいよ」

レッド「今日は俺がおごるよ」

ナツメ「えっ!?レッドが!?」

レッド「失礼だな、驚きすぎだよ」

レッド「俺だって一応ちゃんと働いてるから、ナツメからもらうお小遣いの他にもお金持ってるよ」

レッド「どれがいい?好きなの選んでいいよ」

ナツメ「無理しなくていいのよ」

レッド「なんでアイスおごることが無理なんだよ…」

シロナ「暑い…アイス食べたい」

シロナ「フードコーナーの方行こー」

コトネ「えー、レッドさんとナツメさん探すの手伝ってくれるって言ったじゃないですか」

シロナ「もちろん手伝うよ」

シロナ「でも…」

シロナ「この暑さ…」

シロナ「今アイスを食べないと私の鼓動は停止する」

コトネ「……」

シロナ「ちゃんと二人の分も買ってあげるから」

リーリエ「いいんですか!?」

コトネ「リーリエ!?」

リーリエ「コトネさんに秘密にしていたのですが…実は私アイスが大好きなんです」

コトネ「あっそ…」

シロナ「ほらコトネちゃんも行こ行こ」

コトネ「……」

コトネ「たしかに暑いし…ちょっとぐらいならいいかな…」

シロナ「やったー」

コトネ「子どもみたい…」

シロナ「そりゃ私の心は10代だもの」

コトネ「実年齢は?」

シロナ「……」

シロナ「コトネちゃんとそこまで変わらないってことだけ」

シロナ「うーん…迷う…」

シロナ「チョコかな…あっバニラも…いやー抹茶もいいかな」

コトネ「シロナさんまだ~?」

コトネ「店員さんも困ってますよ」

シロナ「二人はもう決まったの?」

コトネ「当たり前じゃないですか、シロナさん遅すぎ」

シロナ「じゃあ先二人の分だけ」

シロナ「私もうちょっと考えるから先食べてて」

コトネ「えっ、まだ考えるんですか!?」

店員「お待たせしました」

コトネ「じゃああっちいますんで、なるべく早く来てくださいよ」

シロナ「うん」

リーリエ「あっコトネさん!」

コトネ「なに?言っとくけど一口もあげないよ」

リーリエ「アイスじゃなくてあそこ見てください」

リーリエ「レッドさんとナツメさんですよ」

コトネ「ふえ?」

リーリエ「ほら!」

コトネ「あらーこんなとこにいたんだ」

リーリエ「レッドさ」

がばっ

リーリエ「ふぐっ」

コトネ「しーっ」

リーリエ「もがもご」

コトネ「あ、強くふさぎすぎた」

リーリエ「ぷはっ…」

リーリエ「な、何するんですか」

コトネ「今は邪魔しちゃだめ」

リーリエ「邪魔…?なんのことですか?」

コトネ「見たらわかるでしょ」

リーリエ「???」

ナツメ「……」ピクッ

ナツメ「……」キョロキョロ

レッド「どうしたの?」

ナツメ「今何か声が…」

レッド「周りいっぱい人いるからそりゃ声ぐらい、てか声ばっかだよ」

ナツメ「そうじゃなくて私たちに向けた声が」

レッド「俺たちに?」

レッド「俺は何も聞こえなかったけど」

ナツメ「気のせいかな…」

レッド「それより早く食べないと溶けちゃうよ」

ナツメ「そうね、せっかくレッドが買ってくれたんだし」

男「ちょいとそこのカップルのお二人さん」

男「雑誌の取材で少しだけ質問に答えてもらっていいですかね?」

レッド「……」ぺろぺろ

ナツメ「……」ぺろぺろ

男「あれれ~おかしいな~聞こえてないはずないと思うんだけど~」

レッド「……」ぺろぺろ

ナツメ「……」ぺろぺろ

男「おい!聞こえてるだろ!」

ナツメ「あんなに大声で言ってるんだから答えてあげたらいいのに」

レッド「そうだな」

男「お前らだって言ってんだろ!」

レッド「……」

ナツメ「……」

レッド「……」キョロキョロ

ナツメ「……」キョロキョロ

レッド「……」チラッ

ナツメ「……」

ナツメ「もしかして私たち…?」

男「しかねえだろ!」

ナツメ「だってカップルって言うから…」

男「そりゃデートの邪魔したのは悪いと思うけどさ」

ナツメ「デート!?」

男「ちょっとぐらいいいじゃんか、ね?」

ナツメ「レッドと…カップル…デート…」ぶつぶつ

男「おーい、聞いてる?」

男「彼氏さんも聞いてるの?」

レッド「……」

男「…黙ってるってことはYESってことだな」

男「じゃあさっそく」

シルバー「おいどけ」

男「ん?」

オーダイル「ウラアッ」ドゴッ

男「うぎゃー」

キラーン

レッド「…!」

シルバー「……」

シルバー「あんたがレッドだな…」

ナツメ「でもレッドがこれをデートって思ってるかは別の話だし…」ぶつぶつ

レッド「……」つんつん

ナツメ「はっ…!」ビクッ

ナツメ「あ、あれ?さっきの人は?」

レッド「どっか行っちゃった」

レッド「で、何か次の人が来た」

シルバー「おい、今は俺があんたに質問してんだ」

シルバー「そっちで話すんじゃねえ」

ナツメ「何言われたの?」

レッド「…わかんない」

ナツメ「よく聞こえてなかったみたい、もう一度言ってくれる?」

シルバー「……」

シルバー「あんたがレッドでいいんだな?」

レッド「……」

ナツメ「ええそうよ」

シルバー「こっちがレッドじゃないのか?」

ナツメ「うん」

シルバー「なら黙っててくれ、俺はレッドと話しがしたいんだ」

ナツメ「別にいいけど、たぶん一生会話は成立しないわよ」

シルバー「俺の名はシルバー」

シルバー「今はこのバトルツリーのボスをやっている」

レッド「……」

シルバー「レッド…俺と戦え」

シルバー「バトルだ」

レッド「……」

シルバー「どうなんだ、何とか言え」

レッド「……」

レッド「……」

シルバー「おい、何とか言え」

ナツメ「だから言ったじゃない」

ナツメ「レッドは知らない人が相手だと、たとえレストランでの注文や就職の面接だろうと一言も話さないの」

シルバー「ちっ…」

ナツメ「だからこうして私が代わりに話してあげてたんじゃないの」

シルバー「……」

ナツメ「どうしてそんなにレッドと戦いたいの?」

シルバー「…いいだろう教えてやる」

シルバー「俺はあんたが潰したロケット団のボス…サカキの息子だ」

シルバー「俺の目的はあの男を超えるだった」

シルバー「だがやつはあんたに負けたあと俺の前から姿を消した」

シルバー「俺はあの男を探しながら修行を続けた」

シルバー「ここでボスをしているのも修行のためだ」

シルバー「今でも奴に関する情報を集め続けている」

シルバー「だが何も見つかっていない…」

シルバー「そんなところにあんたが現れた」

シルバー「これだけ探してもあの男はみつからないのなら、もしかしたらもう生きていないのかもしれない」

シルバー「そうなると俺の今までの努力は無駄になる」

シルバー「俺は証拠が欲しいんだ、やつを超えたという証拠が」

シルバー「あいつを倒したあんたに勝てば…俺はあいつを超えたという証拠になる」

レッド「……」つんつん

ナツメ「……」こく

ナツメ「はいどうぞ」

レッド「……」もぐもぐ

シルバー「え、なんでマラサダ食ってんの」

ナツメ「気にしないで続けて」

シルバー「気になるだろ!」

ナツメ「何か飲むもの持ってない?」

シルバー「持ってねえよ!」

シルバー「飲み物なんてそこの売店で売ってるだろ」

ナツメ「そうか、じゃあ行こレッド」

レッド「うん」

シルバー「っておいおいおいおい」

ナツメ「どうしたの?」

シルバー「俺の話聞いてた?」

ナツメ「飲み物はそこの売店で売ってるんでしょ」

シルバー「そこじゃねえよ!その前だよ!」

ナツメ「えっと…ハンテールのひげが何だっけ?」

シルバー「そんなこと一言も言ってねえわ」

シルバー「だいたいあいつひげはえてねえよ」

シルバー「…ということだ」

シルバー「なんでわざわざ二回も言わないといえけねえんだ…」

シルバー「せっかく二回も言ったんだ、戦ってくれるよな」

ナツメ「って言ってるけど?」

レッド「やだ、時間の無駄」

ナツメ「時間の無駄だから嫌だって」

シルバー「なんだと…?」

レッド「グリーンに勝てなかったんだったら俺にも勝てない、やっても無駄だ」

ナツメ「グリーンに勝てなかったのならレッドに勝てるわけないじゃない」

シルバー「グリーンさんか…」

シルバー「あの人とはマルチだ、ゴールドがいた」

シルバー「俺の敗北じゃない、俺個人で戦えば勝つ可能性だってあった」

シルバー「それとも俺と戦うのが怖いのか」

レッド「……」

シルバー「ふっ残念だな、あのレッドがまさか腰抜けだったとは」

ナツメ「……」むっ

レッド「……」

シルバー「そう思われたくないのなら…バトルだ!」

レッド「……」

レッド「……」ぷいっ

シルバー「!?」

シルバー「おいどういうつもりだ、こっちを見ろ」

ナツメ「レッドは嫌がってるみたいだし、たぶんどれだけ言っても無駄よ」

シルバー「無駄ってなんだ!」

シルバー「俺はまじめに…」

ナツメ「じゃあ言ってあげる」

ナツメ「君じゃ100%レッドに勝てない」

シルバー「そんなものやらなければ」

ナツメ「わかるわよ」

ナツメ「だって私はエスパーだもの」

シルバー「そんなもの理由にならん!」

シルバー「俺は真剣だ!」

勝てないからって真剣に挑んできてる相手を無視するのは感じ悪いな
同じ話二回もさせてるし

ナツメとのデート邪魔されて機嫌悪いんだよ
彼女とのデート中にサイン求められるのと一緒

でもデートはいつでも出来るが向こうは
今を逃したらもうチャンスないんだしやっぱり大人げないわ

バトルをする義理はあっても義務はない

→どうでもいい

デートがいつでもできるとは限らない

>>760
やめろ

というかそもそもバトルする義理もないだろ

あと唐突なサンドウィッチマンネタに笑った

ナツメ「真剣ねぇ…」

ナツメ「ほんとに?」

シルバー「ああ、当然だ」

レッド「……」

ナツメ「……」

シルバー「……」

レッド「ナツメ…その…」

ナツメ「わかってる…」

ナツメ「君が真剣なのはよくわかった」

ナツメ「君のポケモンもやる気十分みたいだし…」

ナツメ「でもバトルはできないの、どうしてだかわかる?」

シルバー「そんなものわかるわけないだろ!」

シルバー「そうやって俺から逃げるのか」

ナツメ「……」

ナツメ「あなたのそのオーダイル見てみなさい」

シルバー「?」

シルバー「なんだ?俺のオーダイルに何かあるのか?」

ナツメ「わからないの?」

ナツメ「いいや、きっとオーダイルだけじゃない、あなたの他のポケモンを出してみて」

シルバー「なんだってんだ」

ナツメ「いいから」

シルバー「……」

シルバー「ちっ…」

シルバー「出て来いお前ら…」ぼむっ

ナツメ「……」

ナツメ「やっぱりね…」

ナツメ「あなたは先のことばかり考えてるみたいね」

シルバー「なんだ?またお得意のエスパーか?」

ナツメ「いいえ、トレーナーとして当然わかることよ」

ナツメ「あなたここのところずっと戦いっぱなしだったでしょ」

ナツメ「ポケモンセンターやきずぐすりで体力は回復させてるみたいだけど、この子たちは今かなり疲労がたまってるの」

ナツメ「たまには何もせず休ませてあげることも大事なのよ」

ナツメ「そうしないといざというときに全力を出せないよ」

ナツメ「特にレッドみたいな強い相手と戦おうと思うならね」

シルバー「……」

シルバー「あんたは俺のポケモンを見て気づいていたのか…?」

レッド「……」

ナツメ「レッドはこう見えてもチャンピオンだったのよ」

ナツメ「こう見えてもトレーナーとしては誰よりも優秀よ」

ナツメ「こう見えても」

レッド「こう見えてもって言いすぎじゃないかな…」

シルバー「……」

シルバー「たしかに…俺があいつと共にここでボスをし始めてから数年たつが休む日はなかったな…」

シルバー「あの男に勝つことばかり考えて自分のポケモンのことを考えてなかったか…」

ナツメ「でも君のポケモンたちを見ればわかるわ、そんな君だからこの子たちはついて来たんでしょうね」

シルバー「……」

ナツメ「ただもっと強くなりたいってならちゃんと休まないとね」

ナツメ「本当に強いトレーナーは休むのも上手なものよ」

シルバー「……」

ナツメ「どうせ戦うならレッドもお互いが本当に全力を出せるときがいいの、わかった?」

シルバー「だがあんたたちはもうすぐカントーに帰るんだろ」

レッド「……」つんつん

レッド「俺はずっとカントーにいるからいつでも来るといい」

レッド「お前も常にここにいるわけじゃないだろうしって言って」

ナツメ「レッドはずっとカントーにいるつもりらしいから休みとかあったら来たらいいって」

ナツメ「えっずっと…?」

シルバー「ふっ…その時は逃げないだろうな…」

シルバー「冗談だ、あんたが逃げてたわけじゃないってのはわかっ…ん?」

ナツメ「ねえほんとにずっとカントーにいるの?」

ナツメ「どこにも行かないってことよね」

レッド「あ、ああ…そうだけど」

――――――――――――

シロナ「コレにきめた!」

店員「はい、ありがとうございます」

店員(やっと決めたよ…どんだけ時間かけんだこいつ)

シロナ「コトネちゃーん、リーリエちゃーん、おっまたせー」

シロナ「あれ…?」

シロナ「この辺にいるって言ってたよね」

シロナ「……」ぴくっ

シロナ「くんくん」

シロナ「これはリーリエちゃんのにおい」

シロナ「あっちか」

シロナ「おーい」

コトネ「あ、やっと来た」

コトネ「遅すぎますよシロナさん」

シロナ「ごめんごめん」

リーリエ「私たちもうだいぶ前に食べ終わってしまいましたよ」

シロナ「あんなに種類があると迷っちゃうのよね」

シロナ「それより二人を探さないと」

コトネ「ああ、二人なら見つかりましたよ」

シロナ「えっ」

コトネ「まあ、たまたまなんですけどね」

シロナ「見つけたのだったらどこにいるの?」

コトネ「そろそろいっか」

コトネ「リーリエ、レッドさんたちに声かけてきて」

リーリエ「はい」

リーリエ「あら?」

コトネ「どしたの」

リーリエ「誰かがお二人と話してるみたいです」

コトネ「それぐらい別に…」

コトネ「むっ…あいつはシルバー…」

リーリエ「知り合いなのですか?」

コトネ「まあ…知ってるっちゃ知ってる」

コトネ「あいつ私のレッドさんとナツメさんに何話してんだろ」

リーリエ「別にコトネさんのではなくないですか…」

コトネ「そうなる予定なんだからいいの」

リーリエ「予定…ですか…」

シロナ「あら、目標を持つということはいいことなのよ」

リーリエ「……」

リーリエ「そうですか…」

シロナ「えっちょっとそんな何言ってんだこいつみたいな目しないでよ」

シロナ「でもそんなリーリエちゃんもいいかも」

コトネ「とりあえずあの赤髪野郎ぶっとばして二人と合流しようか」

リーリエ「ぶっとばすのですか…!?」

リーリエ「まだ何もしてないのでは」

コトネ「ええねん」

シロナ「コトネちゃん、そんなこと言ってる間に赤髪の子どっか行っちゃったよ」

コトネ「あれっほんとだ」

コトネ「あいつどこ行った」

シルバー「俺ならここだが」

コトネ「おわっ!?」ゴッ

シルバー「ぐっ…!?」

コトネ「あっごめん!急に現れたからつい…」

コトネ「なんであんたここにいんのよ」

コトネ「さっきまであっちで二人と話してたじゃない」

シルバー「やはりあの視線はコトネだったか」

シルバー「コトネ…お前の言いたいことは俺にはよくわかる」

シルバー「だが俺にはまだやるべきことがあるんだ」

シルバー「すまない…」

シルバー「だが!」

シルバー「俺の目的をはたせば必ず迎えにくる」

コトネ「は?」

シルバー「それまで待っててくれ」

コトネ「あのー…なんの話してんの?」

シルバー「じゃあな」

コトネ「……」

シロナ「コトネちゃんやるね~」

コトネ「…何がですか?」

シロナ「今の子コトネちゃんの彼氏でしょ」

シロナ「けっこうかっこいいじゃない」

コトネ「ふあっ!?」

リーリエ「あっ今の方がコトネさんの彼氏さんなんですか」

リーリエ「だからさっきみたいな反応をしてたんですね」

コトネ「ふざけたこと言うと本気で殴るからね」

コトネ「シロナさんも冗談でもそんなこと言わないでください」

コトネ「私の彼氏はレッドさんとナツメさんだけです」

リーリエ「ナツメさん男になってますよ」

コトネ「ほら、そんなことより早く二人と合流するよ」

シロナ「中学生じゃないんだからそんな反応しなくてもいいのにね」

リーリエ「そうですね」

コトネ「早く合流するって言ってるでしょ!」

コトネ「その話はもう終わり!」

シロナ「つまんないのー」

コトネ「つまらなくてけっこうです」

シロナ「別に悪いことしてるわけじゃないのに」

シロナ「!」

シロナ「あれって…」

リーリエ「どうしました?」

シロナ「レッド…そうか…そういう…」ぶつぶつ

シロナ「……」

リーリエ「シロナさん?」

シロナ「二人ともごめんね~」

シロナ「私用事思いだしちゃった」

シロナ「また何か機会があったら会いましょ」

シロナ「ねっリーリエちゃん」

シロナ「リーリエちゃんはいつでも連絡してくれていいからね」

リーリエ「あ、はい」

シロナ「それじゃまったね~」

シロナ「……」

コトネ「なんだったんだろうねーあの人」

リーリエ「……」

コトネ「リーリエ?」

リーリエ「あっ…はいなんでしょう」

コトネ「なんかあった?ぼーっとして」

リーリエ「…最後のシロナさんの顔がなんだかすごく怖くて」

リーリエ「さっきまでの笑顔とは真逆で氷のような目をしていました」

コトネ「ふーん、なんかあったのかねー」

リーリエ「でもなんだかすごくかっこよかったです」

コトネ「え?」

コトネ「レッドさーん、ナツメさーん」

ナツメ「あっ!どこ行ってたのよ」

ナツメ「急にいなくなるから心配したじゃない」

コトネ「こっちも探しましたよ」

コトネ「まさかとは思いますけど二人きりになるためにいなくなったとかじゃないでしょうね」

ナツメ「何を言うかと思えばこの子は…」

コトネ「違うんですか?」

ナツメ「当たり前でしょ」

ナツメ「レッドからも言ってあげて」

レッド「そうだな…楽しかったよ」

ナツメ「…そんなこと言ったらわざとはぐれたと思われるでしょ」

レッド「いやわざとじゃない」

コトネ「じゃあレッドさんは何してたんですか?」

レッド「そのー…なんていうか…」

レッド「どういえばいいんだろう」

ナツメ「えっそれは…」

コトネ「どうしたんです?」

コトネ「人には言えないことでもしてたんですか?」

レッド「そんな人には言えないようなことなんてしてないよ、なっ?」

ナツメ「う…うん…」

コトネ「どうも怪しいですね」

レッド「別に怪しくはないよ」

レッド「だってただナツメのおっ」

ナツメ「ごほっごほっ」

レッド「あれ?風邪?」

ナツメ「やー…そんなことないと思うけどな」ぐいっ

レッド「おっと」

ナツメ「ほんとに言う必要ないでしょ」ひそひそ

ナツメ「私が恥ずかしいじゃない」

レッド「お…おお」

ナツメ「さて、みんな揃ったんだし、そろそろ帰りましょ」

レッド「そうだな」

コトネ「あっまだお土産買ってないです」

ナツメ「ちゃんとお土産屋さん寄るわよ」

コトネ「そうですか、よかった」

リーリエ「コトネさんは誰にお土産を買うのですか?」

コトネ「そうだな…まあ家族に友達…ついでにキョウヘイにも買ってやるか」

ナツメ「なんだかんだ言って買ってあげるなんて優しいのね」

コトネ「ついでにですよ、ついで」


ちょっと日が飛びます
面倒くさいわけじゃないよ

一週間後・ヤマブキシティ

グリーン「おっレッドじゃん」

レッド「…なんだグリーンか」

グリーン「なんだはねえだろ」

レッド「お前がヤマブキに来るなんて珍しいな」

グリーン「ちょっと欲しいものがあってな」

グリーン「……」

グリーン「お前は一人か?」

レッド「ああ」

グリーン「ふーん…」

グリーン「話せるの?」

レッド「話せるのって…」

レッド「まあそれなりに長いこといるから一応一番近くの店の人となら少しだけ」

グリーン「ちょっとあそこで休まねえか?」

レッド「野郎と茶を飲んで何が楽しいんだよ」

グリーン「まあそう言うなって」

グリーン「俺がおごってやるからよ」

グリーン「ちょっと話したいこともあるし」

グリーン「どうせ暇だろ?」

レッド「暇って決めつけんなよ」

グリーン「じゃあなんかあんの?」

レッド「…ない」

グリーン「だろ」

グリーン「んじゃ行こうぜ」

グリーン「それで…ナツメとはどうなんだ?」

レッド「どうって何が?」

グリーン「いつぐらいに結婚するんだ?」

グリーン「もうそろそろだろ」

レッド「はぁ?」

レッド「な、なんでそうなるんだ」

レッド「結婚どころか付き合ってすらねえよ」

グリーン「えっ!?嘘だろ!?」

レッド「嘘じゃねえよ」

レッド「なんで俺がナツメと…」

グリーン「あれっお前ナツメのこと嫌いだったの?」

レッド「そんなわけないだろ…俺は…その…」

グリーン「もういいじゃんめんどくせえ付き合っちゃえ」

レッド「…俺はお前みたいな勇気ねえよ」

グリーン「じゃあなんだ?ナツメから来るの待つのか?」

グリーン「たぶんナツメもお前と同じタイプだからお前から行かねえとずっとこのままだぞ」

レッド「ずっとこのままでも俺はいいと思ってる」

グリーン「お前がいいと思ってても周りがそうは思わないってこともあるんだぜ」

グリーン「例えばお前のおばちゃんとか」

レッド「…母さんは関係ないだろ」

レッド「俺がこうして生活してるとは思わないだろうし」

レッド「そもそも生きてるかどうかもわかってねえだろ、まあそれは悪いと思ってるけど」

グリーン「そのことなんだが、俺昨日マサラに帰ってたんだよ」

グリーン「そしたらお前のおばちゃんと偶然会っちゃってさ」

レッド「おいまさか…」

グリーン「うん、俺も言うつもりはなかったんだけど会話の中からお前のことバレちゃったんだよ」

レッド「……」

グリーン「いやーすまんすまん」

レッド「すまんじゃねえだろ!どうしてくれんだ!」

グリーン「俺もどうにかしてやりたいが、こればっかりはな…」

グリーン「くっ…自分の無力さに腹が立つ…」

レッド「くっじゃねえよ!」

レッド「どうすりゃいいんだよ…」

グリーン「とりあえず会いに行けば?おばちゃん心配してたぞ」

レッド「うるせえな…それが難しいんだろ」

レッド「何話せばいいかもわかんねえし…」

グリーン「そういうときは思いっきり驚かせるようなことしたらいいんだよ」

レッド「…例えば?」

グリーン「今度結婚します…とか?」

レッド「お前また話戻す気か」

グリーン「じゃあ何話すんだ?」

レッド「……」

レッド「いや…俺は嘘はつかない」

グリーン「あっそ…」

グリーン「でもどうせお前一人じゃ家に帰れないからナツメについて来てもらうんだろ」

グリーン「ナツメのことなんて説明するの」

レッド「…同居人」

グリーン「するとお前のおばちゃんはナツメを彼女だと思い、それから先の話をしてくる」

グリーン「でもお前がそれを否定するとたぶんややこしくなると思うぞ」

レッド「……」

グリーン「こうなったのは俺も2%ぐらい責任があるからいいもんやるよ」

グリーン「ほれ」

レッド「なにこれ」

グリーン「簡単に言うと媚薬だな」

レッド「は!?」

グリーン「エリカが作ったやつなんだよ」

グリーン「けっこう強力なんだけど、無味無臭で人体に影響は一切ない」

レッド「なんでそんなもの持ち歩いてんだよ」

レッド「だいたいこれでどうしろってんだ」

グリーン「ナツメの飲み物とかに混ぜるといいな」

レッド「……」

グリーン「ん?どうした?」

ゴツンッ

グリーン「いって~」

グリーン「何すん…あれ、いない」

グリーン「あいつこういうのは嫌いだったのか」

グリーン「……」

グリーン「と思ったらちゃっかり持っていってんのか」

グリーン「……」

グリーン「さて俺も帰るか」

グリーン「ん?…あっしまった」

グリーン「あいつに渡したの睡眠薬の方だった」

グリーン「エリカが作るのって基本どれも見た目一緒だから間違えちゃった」

グリーン「……」

グリーン「ま、いっか」

レッド「ったくグリーンのやつどういうつもりだ」

レッド「母さんに俺のこと話したり、こんなもん渡してきたり…」

レッド「そんなに俺とナツメをくっつけたいのか?」

レッド「はぁ…」

レッド「どうしよう…」

レッド「……」

ガチャ

レッド「ただいまー」

シーン

レッド「あれ、ナツメ?いないの?」

レッド「リーリエとどっか出かけたのかな」


未来予知のアレがくるのか…

タマムシシティ・グリーン家

エリカ「なんだかナツメさん元気ありませんね」

ナツメ「ん…そう?」

エリカ「何かあったのなら私が話を聞きますよ」

ナツメ「エリカはさ、どうやってグリーンと付き合ったの?」

エリカ「あれ、言ってなかったですか?」

ナツメ「うん」

エリカ「そうですね…たしか事実を作っただけですよ、お腹に」

ナツメ「事実?」

エリカ「はい」

エリカ「参考になりますかね?」

ナツメ「何の参考?」

エリカ「とぼけちゃって」

エリカ「どうすればレッドさんに素直に気持ちを伝えられるかですよね?」

エリカ「それで私の場合はどうだろうとなったというところでしょうか」

ナツメ「まさか…エリカも超能力を!?」

エリカ「誰でもわかります」

ナツメ「いや…まあ…レッドかどうかとなると…それはわかんないけどさ…」

エリカ「他に誰がいるというのですか」

エリカ「ナツメさんがレッドさんのことを好きだってことを知らない人なんてカントーにはいませんよ」

ナツメ「カントーで!?」

エリカ「ふふ、それは言い過ぎでしたね」

エリカ「でもナツメさんのことだから同居していてもほんとに何もしてないんでしょうね」

ナツメ「……」

エリカ「だと思いました」

エリカ「いっそのこと襲ってみたりしたらどうですか?」

ナツメ「お、襲う!?」

ナツメ「そ…それってまさか…そういう…//」

エリカ「そうですよ」

ナツメ「そんなの無理無理無理!」ブンブン

ナツメ「だって手だってつないだこともないのに…」

ナツメ「急にとびすぎ…」

エリカ「では、何をするのですか?」

ナツメ「何って言われても…」

ナツメ「……」

エリカ「方法としては最低かもしれませんがナツメさんの悩みを手っ取り早く解決する方法はこれしかありません」

ナツメ「ほんとにそれしかないの…?」

エリカ「10年近くの付き合いがあってお互い好意もあるのに何も進展がないのなら、ちょっとぐらいのことではやるだけ無駄です」

ナツメ「……」

エリカ「こちらへ来てください」

ナツメ「へー、こんな部屋あったんだ」

エリカ「ここは私が薬草などを作っているところです」

ナツメ「ここに連れてきれどういうつもり?」

エリカ「ご覧の通りここにはたくさんの薬があります」

エリカ「ポケモン用から人用まで」

エリカ「種類も怪我や病気を治すものやちょっと特殊なものもあります」

ナツメ「特殊なもの?」

エリカ「例えばこういうものがあります」

エリカ「惚れ薬」

ナツメ「ほ…惚れ薬…!」

ナツメ「それを使えば…」

エリカ「ええ、今ナツメさんが考えているような効果があります」

ナツメ「い、いや…私は別に…レッドに使おうとは…」

エリカ「あらあら、誰もレッドさんなんて言ってませんよ」

ナツメ「っ!」

エリカ「でもレッドさんに使っても効果はないと思いますよ」

ナツメ「えっどうして?」

エリカ「それはもうすでにレッドさんがナツメさんに惚れてるからです」

エリカ「ですからナツメさんには無意味ですね」

ナツメ「…じゃあなんで見せたの」

エリカ「こういうものがあるという例の一つです」

エリカ「今のナツメさんにちょうどいいものは…」

エリカ「えっとこの辺だったはず」

エリカ「あった」

エリカ「あら、一つ減ってる」

エリカ「グリーンさんたらまた勝手に持ち出して、今夜はお仕置きが必要ですね」

ナツメ「……」

エリカ「さて、お待たせしました」

エリカ「これをどうぞ」

ナツメ「これは…何の薬?」

エリカ「睡眠薬です」

ナツメ「……」

ナツメ「あの…エリカ?」

ナツメ「どういうつもり?」

エリカ「この睡眠薬は超安眠効果があり、ちょっとやそっとじゃ起きません」

エリカ「さらに疲労回復、精力増強効果もあります」

エリカ「これを使えばレッドさんにバレることなく襲えますよ」

エリカ「練習のためにはこれがちょうどいいのではないでしょうか」

ナツメ「だからエリカ…そういうことじゃなくて」

エリカ「ああ大丈夫ですよ、キレイハナやドレディアの眠り粉などを調合して作ったものですから人体には無害ですよ」

エリカ「そんなに使わないかもしれませんが、なくなったらまたいつでもあげますよ」

二人ともすっきりして朝を迎えるわけだ

ヤマブキシティ

ナツメ「……」

ゴツンッ

ナツメ「いっ…たぁ…!」

リーリエ「大丈夫ですか!ナツメさん!?」

ナツメ「リーリエ?いつのまに」

リーリエ「けっこう前からついて来てましたよ」

リーリエ「それなのに何か考え込んでるようで声をかけても反応がなかったのでそのまま」

リーリエ「最終的には電柱に頭をぶつけるなんて」

リーリエ「手があいていれば止められたのですが…」

リーリエ「よくここまで無事でしたね…」

リーリエ「何かあったのですか?」

ナツメ「ううん、何も」

ナツメ「それより買い物ありがとね」

ナツメ「両手いっぱいに持って重いでしょ、私も持つわ」

リーリエ「すいません、ありがとうございます」

ナツメ「いいのいいの」

ナツメ(そうよ、考えたらうちにはリーリエちゃんがいるじゃない)

ナツメ(この子がいたらそういうことはできないし、エリカには悪いけど使わないでおこう)

リーリエ「あの、ナツメさん」

リーリエ「さっきオーキド博士(ナナミ)から連絡があったんです」

リーリエ「今日泊まりで私のような初心者トレーナーを集めて勉強会をするから来ないかって言われたんです」

リーリエ「急な話なのですが行ってもいいですか?」

ナツメ「あ…うん、いいと思うけど…」

ナツメ「じゃあ今日の夜いないってことか…」

リーリエ「はい」

ナツメ「……」

リーリエ「すいません、予定を変えちゃって…」

ナツメ「い、いやいいのよ、まだ何にもやってないし」

ナツメ「リーリエちゃんはせっかくなんだから勉強のこと考えてればいいの」

ナツメ「何時からって言ってたの?帰ったら送ってあげる」

ナツメ「レッドが」

ナツメ「ただいまー」

レッド「あ、やっぱり二人でどっか行ってたんだ」

ナツメ「ねえレッド、リーリエちゃんをオーキド研究所に連れて行ってあげて」

レッド「ん?何かあるの?」

ナツメ「博士のところでいろいろ教えてもらえるんだって」

ナツメ「泊まりだから荷物もちょっと多いし、あなたのポケモンで連れて行ってあげてよ

レッド「泊まり?じゃあ今夜はリーリエいないのか」

レッド「……」

レッド「ってオーキド研究所!?マサラタウンじゃん」

ナツメ「何よ、そんなに驚いて」

レッド「む、無理だ、まだそんな準備ができてない」

レッド「明日…せめて明日」

ナツメ「なんで明日なのよ、今からって言ってるでしょ」

レッド「じゃあリザードンだけ」

ナツメ「そんなに嫌なの?」

レッド「ちょっと嫌かな…」

ナツメ「じゃあ私がリザードンに乗って行ってもいい?」

ナツメ「さすがにリーリエちゃんだけってのは危ないし」

ナツメ「その代わり晩御飯がちょっと遅くなるけど」

レッド「うんいいよ」

ナツメ「ありがと」

ナツメ「あなたのリザードンならすぐ帰ってこれるだろうからちょっと待っててね」

30分後

ナツメ「ただいま」

レッド「おかえり」

レッド「リザードンもお疲れ、休んでくれ」

ナツメ「……」

レッド「……」

ナツメ(まさかエリカからあんなものもらった日にチャンスがくるとは…)

ナツメ(チャンスっていうと待ってましたみたいになっちゃうけど…)

レッド(リーリエがいるから絶対使えないと思ったが…)

レッド(どうする…使うべきなのか?)

レッド(今日を逃せばもうほとんど機会はないだろうし…いやでも…)

夕食

ナツメ「……」

レッド「……」

ナツメ「……」

レッド「……」

ナツメ(どうする…入れる…入れない…)

レッド(入れようと思っても全然スキがないし…)

ナツメ(あっ作ってるときに入れればよかった)

ナツメ(…でもなんだかそれだと毒を盛るような図になっちゃうか)

ナツメ(それに食事中に寝られても困るか)

レッド「どうしたの?黙りこんで」

レッド「調子悪いの?」

ナツメ「そ、そんなことないよ」

ナツメ「そういうあなたこそ全然しゃべらないじゃない」

ナツメ「もしかしておいしくなかった…?」

レッド「いやいやいやいやそんなわけないじゃん」

ナツメ「ほんと?」

レッド「うん」

ナツメ「よかった」

2時間後

ナツメ「……」

ナツメ「よし…決めた」

レッド「ふぅ…さっぱりした」

ナツメ「ねえレッド、お風呂上りにちょっと飲まない?」

レッド「ん、ああいいよ」

レッド(お酒か…)

レッド「……」

ナツメ「どうしたの?こっち来なさいよ」

レッド「ちょっとその前にトイレ行ってくる」

レッド「……」

レッド「なんか珍しいね、こうして二人で飲むなんて」

ナツメ「リーリエちゃんがいるとこういうことはいつもいつでもってわけにはいかないからね」

レッド「それもそうだな」

ナツメ「……」

レッド「……」

ナツメ「ん?なんだろあれ」

レッド「どれのこと?」

ナツメ「……」サッ

ナツメ「あー、気のせいだったみたい」

ナツメ「さあどんどん飲んで」

ナツメ(どれぐらいの時間で効きだすんだろ…)

ナツメ(そういえば全然聞いてなかったな…)

レッド「…メ」

レッド「ナツメ」

レッド「ねえナツメってば」

ナツメ「はっ」

ナツメ「な、なに?」

レッド「ボーッとしちゃって、もしかして眠くなったの?」

ナツメ「ううん、そんなことないよ」

レッド「ならいいけど」

レッド「あの、悪いんだけど氷とってきてくれない、もうちょっと欲しくて」

ナツメ「うん、わかった」

レッド「……」

レッド「……」サッ

ナツメ「これぐらいでいい?」

レッド「ありがと」

レッド「あれ、ナツメあんまり飲んでないじゃん」

ナツメ「ああ、飲むよ」

レッド「……」じーっ

ナツメ「?」

ナツメ「どうしたの、私の顔に何かついてる?」

レッド「いや、なんにも」

良いところで切れて乙

盛り合ってしまったか

翌日

レッド「ぐー…ぐー…」

ゴロン どさっ

レッド「くっ…つ~」

レッド「……」

レッド「あれ…?」

レッド「俺いつの間にこんなとこで寝てたんだ…?」

レッド「…今何時だろ」

レッド「えっと携帯…携帯…」ペタペタ

むにゅ

レッド「ん?なんだこの柔らかくてあったかいものは…」

ナツメ「すやすや…」

レッド「……」もみもみ

ナツメ「んっ…んん…すー…すー…」

レッド「……」

レッド「……」

レッド「……」

レッド「!?!?!?!?!?!?!?!?////」

レッド「ちちちちちちちがっ違うんだ!これは事故なんだ!」

レッド「あっ…お、思い出した…」

レッド「昨日の夜にナツメにグリーンからもらった薬を飲ませてそれから…」

レッド「それから?」

ナツメ「んー…何ようるさいなぁ…」むくっ

レッド「な…はっ…その…」

レッド「おっ…おはよ…」

ナツメ「ってあれ?どうして私ここで寝てたの?」

レッド「!」ギクッ

レッド「い、いや…それは…」

ナツメ「えっと…たしか昨日…」

ナツメ「!」

ナツメ(レッドの飲み物の中に睡眠薬を入れて…)

ナツメ(その後は…あれっ?記憶がない…)

ナツメ「……」

レ・ナ「あ、あの…」

レッド「……」

ナツメ「……」

レッド「なに?」

ナツメ「あなたこそ、どうしたの?」

レッド「あー…俺の方はたいしたことじゃないんだ、先に言って」

ナツメ「私もいつでもいいことだから後でいいよ」

レッド「じゃ、じゃあちょっと聞きたいんだけど…」

レッド「昨日の夜飲んでた後のこと覚えてる?」

ナツメ「あ…あの後?そ、そうね~どうだったかな…」

ナツメ(な、なんでそんなことを!?)

ナツメ(もしかして昨日の私がやったことがバレてる!?)

ナツメ(でもエリカはちょっとやそっとじゃ起きないって言ってたのに…)

レッド「そ…そうか、実は俺もよく覚えてなくてさ」

レッド「二人ともここで寝ちゃってたし飲みすぎだったのかな、は…ははっ」

レッド(よかった…どうやらナツメは昨日のことを覚えてないみたいだ)

レッド(つーか俺も覚えてないけど…)

レッド(そもそも昨日何かあったのか…?)

レッド(見たところ二人とも衣服のズレすらない…)

レッド「あ、そうだ、ナツメも何か言おうとしてたじゃん」

ナツメ「んー…そのことならもういいよ」

レッド「えー、なんで?気になるじゃん」

ナツメ「…じゃあ今日の夜もまた昨日と同じようにちょっとだけ飲まない?」

レッド「うん、いいよ」

レッド(今日こそちゃんと起きといてやる…)

レッド「あっそうだ…」

レッド「なあお願いがあるんだけど…」

ナツメ「何?」

レッド「…俺と一緒にマサラタウンの実家に来てくれないか?」

レッド「その…母さんに会うから…」

ナツメ「えっ!?そっ…お、おおおおおおお母様に挨拶なんてそんな…まだっ」

レッド「頼むよ!ナツメしかいないんだ!」ガシッ

ナツメ「…そ、そこまで言うのなら来週にでも行きましょうか」

レッド「いや、今日」

ナツメ「今日!?」

数時間後・マサラタウン

レッド「……」

ナツメ「久しぶりに家に帰るってのにそんな顔して」

ナツメ「嫌ならやめた方がいいんじゃない?」

ナツメ「無理はよくないわ」

レッド「……」

レッド「いや、こればっかりは逃げるわけにはいかない」

ナツメ「そう…」

ナツメ「でもそういうのは私の後ろでこそこそせず前に出て堂々と言うべきだと思うよ」

レッド「……」

ナツメ「ふふっあなたでも怖いものはあるのね」

レッド「別に怖いわけじゃないけど…」

ナツメ「私はあなたのことをよくわかってるつもりよ」

ナツメ「あなたがどういう人かも」

ナツメ「だから強がってもダメ」

ナツメ「連絡も一切していない親に10年ぶりに会うとなって怖くない人の方が珍しいと思うし、変じゃないから」

レッド「そうかな…」

ナツメ「でも安心してあなたには私がついてるでしょ」

レッド「ナツメ…」

ナツメ「といっても別に魔王の城に行く勇者じゃないんだし」

ナツメ「ただ家に帰るだけでしょ、もうちょっとリラックスはしなさいよね」

レッド「…そうだな」

レッド「うん、ナツメの言う通りだ」

レッド「ただ家に帰るだけだもんな」

ナツメ「そうそう」

レッド「…ただ帰る」

レッド「あ…うーん…」

レッド「な、なあ…」

ナツメ「まだ何かあるの?言ってみなさい」

レッド「久しぶりに会う母さんに見栄を張りたいわけじゃないけど…」

レッド「母さんに会う間だけでいいからさその…」

レッド「お、俺の…俺の…かっ…かこっ…かにゃ…かにゅ…」

ナツメ「何?新しい言語?」

レッド「俺の彼女…の役…や、やって…くれないか?」

ナツメ「なんだそんなこと」

ナツメ「それぐらいのことならスッと言ってくれれば…」

ナツメ「!?」

ナツメ「レ…レレ…レッドの…!」

レッド「やってもらっていい?」

ナツメ「私がレッドの…」ぶつぶつ

レッド「ねえ聞いてる?」

ナツメ「はい私でよければ!」

レッド「ありがとう」

レッドの家

ナツメ「なんか私まで緊張してきた…」

レッド「どうして?」

ナツメ「だ…だって今はあなたのこ、恋人だから…」

レッド「……」

レッド「なあ…もし…もしナツメさえよければだけど今だけじゃなくてこれからもずっと」

赤母「あら?どちら様?」

レッド「!」サッ

ナツメ「ちょっと、なんで私の後ろに隠れるのよ」

レッド「いや急すぎるって…もうちょっと心の準備させてほしいもん」

赤母「このあたりじゃみない顔ね」

ナツメ「あ、あの…ほらっあなたが出ないと進まないよ」グイッ

ナツメ「もうできてるでしょ!」

レッド「ちょっと!まだだって!」

レッド「あ…」

レッド「……」

赤母「おや…?その顔…」

赤母「もしかしてあんたレッドかい?」

レッド「……」

レッド「……」

レッド「……」チラッ

ナツメ「こっち見られても…」

レッド「……」

レッド「……」コクッ

赤母「やっぱりね」

赤母「何年たとうがあんたは変わらないね」

レッド「……」

赤母「おかえり、レッド」

レッド「……」こく

赤母「そっちの可愛い子はもしかしてあんたの彼女?」

ナツメ「初めまして、ナツメと申します」

赤母「あら~まさかあのレッドがこんな美人を連れてくるなんて」

赤母「ナツメちゃんね、よろしく」

赤母「こんなとこで立ち話するより、中でゆっくり話ましょ」

レッド「え…」

ナツメ「意外とあっさりなのね…」

ナツメ「あれ、どうしたの?」

レッド「中にまで入るつもりはなかったのに…」

ナツメ「外で会ってすぐ帰るつもりだったの?それは早すぎるでしょ」

赤母「レッドはもうコーヒー飲めるようになったの?」

レッド「……」こく

ナツメ「あなたもしかして自分のお母さまとも話せないの?」ひそひそ

レッド「俺が10年も会ってない相手と話せると思うか?」

レッド「悲しい話だけど、それが親でも…」

ナツメ「あら、私とは話せてたじゃない」

レッド「えっそうだっけ?」

ナツメ「うん、ちょっとだったけど」

レッド「それはだってほら…ナツメだから…」

ナツメ「理由になってない」

赤母「二人はどこで出会ったの?」

ナツメ「私ヤマブキジムのジムリーダーをやってるんです」

ナツメ「だから初めて会ったのはジムに挑戦に来たときですね」

赤母「じゃあ10年以上前からの知り合いってわけだ」

赤母「そこから付き合うようになったの?」

ナツメ「いえ、レッドがチャンピオンになってから最近まで会うことはなかったですから」

赤母「何かあったの?」

ナツメ「レッドったら誰にも何も言わずにチャンピオンやめて山に籠っちゃったんですよ」

赤母「まあ!あんた!こんなかわいい子をほったらかしにするなんて!」

レッド「……」

ナツメ「でも今は一緒にいてくれるので私は幸せです」

レッド「……」

赤母「そう言われると私までうれしいね」

赤母「ただこの子といると大変でしょ?」

ナツメ「そんなことないですよ」

ナツメ「いつもいろいろ手伝ってくれるので助かってます」

赤母「あら本当?」

赤母「そんなこと言ってくれるなんて、あんたいい子見つけたね」

赤母「それで、いつ結婚するの?」

レ・ナ「!?」ぶばっ

赤母「あらあら息ぴったり」

レッド「……」ダラダラ

ナツメ「ごごごごごめんなさい!!す、すぐ拭きます!」

赤母「グリーン君ところは何年か前に結婚してるじゃない」

赤母「それに子どももいるし」

赤母「私も孫が見たいな~って」

ナツメ「そ、そこまではちょっとまだ考えてなくて…」

赤母「あらそうなの…」

赤母「じゃあどこまでやったの二人は?」

レッド「ごふっ!?」

ナツメ「どっ…どこまでとはどういう…」

赤母「そりゃAだとかBとかあるじゃないの」

レッド(なんでそんなこと子どもに聞くんだよ!!)

そりゃ親不孝してたらからかいたくなるもんだ

ええ母や

ナツメ「ねえ、AとかBって何?」ひそひそ

レッド「……」

レッド「アルファベット」

ナツメ「そんなことわかってるわよ」

ナツメ「意味を聞いてるの」

レッド「意味…意味か…」

レッド「意味はない」

ナツメ「嘘つかないでくれる」

レッド「別に知らなくてもいいことだよ」

ナツメ「知らなかったら答えられないじゃない」

レッド「答えなくていい」

レッド「もう帰ろう」

ナツメ「えっもう帰るの?」

レッド「うん…」

赤母「もっとゆっくりしていけばいいのに」

レッド「……」

赤母「と言ってもあんたはどこか一か所に留まるような子じゃないもんね」

ナツメ「……」

レッド「そんなことない…」

ナツメ「!(レッドがしゃべった)」

レッド「もうどこにも行ったりしない…」

オーキド研究所

レッド「ふぅ…」

レッド「よかった…なんとかなった」

レッド「ありがとねナツメ、感謝してるよ」

ナツメ「……」

ナツメ「さっきあなたが言ってたこと本当?」

レッド「もちろん、感謝してるよ」

ナツメ「そこじゃない」

ナツメ「あなたのお家で言ってたこと」

ナツメ「もうどこにも行ったりしないって」

レッド「ああ、あれか」

レッド「うん本当だよ」

レッド「なんでそんなこと聞くのさ」

ナツメ「確かめたかったからよ」

ナツメ「あなた一度約束破ってどっか行っちゃったからね、10年近くも」

レッド「約束?」

ナツメ「…したことも忘れたの?」

レッド「わ、忘れてない忘れてない!ほんとほんとほんと!」

ナツメ「じゃあどんな内容だった?忘れてないのならもちろん答えられるよね」

レッド「……」

ナツメ「別に私気にしないから…」

レッド「待って待って待って!」

リーリエ「また痴話喧嘩ですか?」

ナツメ「またって一回も…」

ナツメ「いつの間に…」

リーリエ「お二人の声が聞こえたのでさっき出てきたんです」

リーリエ「だから全然お二人のお話は聞いてないですよ」

ナツメ「別に聞かれてても問題はないから聞かれててもいいけど」

リーリエ「なんだかナツメさん機嫌が悪くないですか?」ひそひそ

レッド「そ、そうかな…?」

レッド「お…俺はいつも通りだと思うけど」

リーリエ「そうですか?何か言って怒らせたのではないですか?」

レッド「……」



ナツメ「……」

レッド「……」もぐもぐ

リーリエ「……」

リーリエ(二人とも全く話さない…)

リーリエ(普段は常に話しているぐらいなのに…)

リーリエ(これはかなり深刻な問題です…コトネさんに相談しなくては)

ナツメ(普通10年近く前に話した内容なんて覚えてないよね)

ナツメ(それなのにこんな空気にしちゃって…)

ナツメ(あのことは私も忘れることにしよう)

レッド(うーん…ダメだ思いだせん)

レッド(なんとしても思いださねえと…)

レッド(……)

レッド(だめだ…)

レッド(そうだ、ナツメみたいに超能力が使えて考えが読めるような人なら…)

レッド(もしかしたら記憶を読める人がいるかもしれない)

レッド(ナツメなら知り合いにそういう人いるかも)

レッド(それぐらいなら答えてくれるかな)

レッド「なあ、ナツメ」

ナツメ「なに」

レッド(声が冷たい…)

レッド「い、今何考えてる?」

ナツメ「内緒」

レッド「じゃあ俺が何考えてるかわかる?」

ナツメ「知らない、あなたの考えは読まないようにしているから」

レッド「でもやろうと思えばできるんだよね?」

ナツメ「うん」

レッド「そういうことできる人って他にいるの?」

ナツメ「けっこういるよ」

ナツメ「例えばあなたの知ってる人だとカトレアとか」

レッド「カトレア…?」

ナツメ「ほら、あなた前に記憶なくなったことあるじゃない、その時の子」

レッド「ああ、あの子か」

レッド「あの子ってどこにいるの?」

ナツメ「…イッシュの方じゃない?四天王やってるし」

イッシュまで行かなくてもジョウトにエスパータイプの四天王いた気がするんだけど…

名前すら思い出せないし…

イツキはレッドと面識がないので出しません
登場予定も一切ありません

翌朝

リーリエ「おはようございます、今日はいつもより早いですね」

レッド「ちょっと早く寝たからかな…」

リーリエ「と言ってももうすぐ10時ですけどね」

レッド「ナツメは?」

リーリエ「もうとっくに起きてますよ」

レッド「そうじゃなくて何してるの?」

リーリエ「さっきまでは掃除をしてましたよ」

リーリエ「もう少しでジムに行くと思いますけど」

レッド「そうか…」

レッド「悪いけど今日の飯はいらないって伝えといて」

レッド「明日には戻るから」

リーリエ「明日にはってどこへ行かれる気ですか?」

レッド「んー…ちょっとね」

レッド「じゃあ行ってくるね」

ゴツンッ

レッド「ぎゃっ!?」

リーリエ「だ、大丈夫ですか!?」

レッド「いって~…な、なんだ?」

ぺたぺた

レッド「なんだこれ!?見えない壁が…まさか」

ナツメ「私に黙ってどこへ行こうとしてるの」

レッド「あ、あれ~…ジムには行かなくていいの?」

ナツメ「今行こうと思ってたんだけど、ちょうどあなたが出かけようとしてたから」

ナツメ「いつも言ってるでしょ」

ナツメ「出かけるときはどこに行くか、誰と行くか、いつごろ帰るか、いくらお金がほしいか言うようにって」

ナツメ「そうしないとあなたがちゃんと帰ってくるか不安になる…」

レッド「ごめん…」

レッド「ちょっと散歩に」

ナツメ「……」

ナツメ「もう一つ追加しましょうか」

ナツメ「嘘をついて、それが嘘だと私にバレたとき覚悟してもらうから」

レッド「……」

ナツメ「荷物が軽いのはいつものことだけど、最近は手持ち3匹程度だったのに今は6匹」

ナツメ「それでただの散歩ってのはおかしいよね」

レッド「……」

ナツメ「今なら言いなおしていいけど、本当に散歩?」

レッド「…違います」

ナツメ「……」

ナツメ「じゃあまずどこに行くの?」

レッド「イッシュ」

ナツメ「イッシュ?どうして?」

ピンポーン

ナツメ「あ、ジムの子が迎えに来たのかな?」

コトネ「こんにちはー」

ナツメ「コトネじゃない、一週間ぶりね」

コトネ「あの、家の前にこれが落ちてたんですけど、どうします?」ひょい

シルバー「おい、人を物みたいに扱うな!おろせ!首をつかむな!」

ナツメ「えっと…どこかで見たような…」

コトネ「とりあえず山にでも捨ててきますか?」

シルバー「おいおいおい!おかしいだろ!」

ナツメ「あっ思い出した、君はバトルツリーにいた…」

シルバー「そうだ」

シルバー「俺を忘れるとはどういうことだ」

コトネ「人は嫌なことを忘れないと前に進めないのよ」

シルバー「それどういう意味だ!」

コトネ「だいたいなんであんたはここに来たの」

シルバー「レッドを倒すためだ」

シルバー「いつでも来いと言っていただろ」

シルバー「もう俺もポケモンたちもコトネが首を離してくれさえすれば万全だ」

シルバー「というより早く離してくれ」

ナツメ「離してあげたら?」

コトネ「……」

コトネ「わかりました」パッ

ドサッ

シルバー「いたっ」

ナツメ「レッド出て来て、もう壁はないから」

レッド「……」

ナツメ「聞いてたでしょ?どうする、バトルするの?」

レッド「ああ…そうだな」

シルバー「よし」

コトネ「ちょいちょいリーリエ」

コトネ「どういうことなの?あんた昨日二人の空気が悪いとかそんなこと言ってたじゃない」

コトネ「でもそんな悪そうに見えないけど」

リーリエ「一晩たったので少しは良くなったのかと…」

リーリエ「でもついさっきいつもはナツメさんに一言かけるのですが、何も言わずでかけようとしていたんです」

リーリエ「何かあるかもしれません…」

レッド「ナツメはもうジムに行かないと」

レッド「俺のことはいいから行きなよ」

ナツメ「よくありません」

ナツメ「まだ話の途中だからね」

レッド「……」

シルバー「おい、何を話している」

シルバー「早く始めるぞ」

コトネ「それが人にモノを頼む態度か」

コトネ「どうせカットするんだけど、もうちょっと礼儀正しくしなさいよ」

シルバー「何の話だ」

―――――――――――――

シルバー「これが…あの男を倒したトレーナーか…」

シルバー「俺たちもまだまだだな…」

コトネ「カットしたからバトルの感想とかいらない」

シルバー「だから何の話だ」

シルバー「俺はレッドと戦い、負けはしたが少しスッキリした…」

シルバー「自分の強さもよくわかることができた」

コトネ「ちょっと何言ってるかわかんない」

シルバー「なんでわかんねえんだよ」

ナツメ「お疲れ様」

ナツメ「相変わらずの強さね」

レッド「……」

ナツメ「これからイッシュに行くのよね」

レッド「あ…ああ」

ナツメ「あなたが黙って行こうとしたぐらいだから理由は聞かない」

ナツメ「でもこれは正直に答えてほしい」

ナツメ「私のことが嫌になった?」

レッド「え?なんでそんなこと」

レッド「どういうつもりか知らないけど、それはないね」

レッド「言っただろ、もうどこにも行かないって」

レッド「つまりは離れる気はないってことだ」

レッド「そんなこと嫌いになるような相手には絶対言わない」

レッド「だから俺は一生…あっいや…」

ナツメ「一生…何?」

レッド「い、いいよそこは」

ナツメ「大事なとこだと思うけど…」

レッド「明日には帰る予定だからこの話は終わり」

ナツメ「でも…もしものことがあったら…」

リーリエ「ナツメさん、それは私に任せてください」

リーリエ「私もレッドさんについて行きます」

レッド「えっ」

リーリエ「レッドさん一人ではいろいろ不便でしょうから」

レッド「……」

レッド「じゃあお願いしようかな」

リーリエ「ありがとうございます」

リーリエ「イッシュ地方は四季がはっきりしていて豊かな自然と大都会がある地方と聞いてます」

リーリエ「どんなポケモンがいるか楽しみです」

レッド「リーリエはイッシュに行ったことなかったっけ?」

リーリエ「はい、初めてです」

レッド「ただ俺の用事するだけだからあんまり観光とかはできないけど、いい?」

リーリエ「はい」

コトネ「レッドさんイッシュに行くんですか?」

コトネ「私も行きたいです」

コトネ「一応キョウヘイに買ったアローラのお土渡しときたいんで」

シルバー「キョウヘイ!?」

シルバー「誰だそれは!」

シルバー「俺に黙ってどこの馬の骨と!」

コトネ「……」

シルバー「おい、聞いているのかコトネ!」

シルバー「前が見えねェ」

コトネ「いいですよね、レッドさん?」

レッド「ああ、いいよ」

シルバー「待て!コトネをそんなわけのわからんやつのところに連れて行けるか!」

コトネ「あんたよりマシだ」

シルバー「とにかく俺もついて行く!」

コトネ「なんでだよ、意味わかんない」

シルバー「単なる好奇心だ、俺もイッシュは興味がある」

コトネ「……」

シルバー「そんな顔をするな」

シルバー「心配しなくても俺はずっとお前といるぞ」

コトネ「はぁ?」

5時間後・イッシュ地方

コトネ「うう…気持ち悪い…」

コトネ「いくらラプラスとはいえ速すぎ…」

レッド「明日の昼までにはカントーに帰ってる予定だからちょっと急いだんだ、悪いね」

シルバー「大丈夫かコトネ」さすりさすり

コトネ「何さわって…おろろろろろろ」

シルバー「ギャー!」

リーリエ「にぎやかですね」

レッド「ああ…」

リーリエ「そういえばレッドさんの用事って何ですか?」

レッド「……」

レッド「秘密」

リーリエ「教えてくださいよ、ナツメさんに関係することじゃないんですか?」

レッド「…いや、俺自身のことだよ」

レッド「昨日の夜聞いてただろ」

レッド「カトレアって子に用があるんだ」

レッド「四天王やってるって言ってたし、とりあえずイッシュリーグに行こうか」

イッシュリーグ

リーリエ「ここがイッシュのポケモンリーグ…」

リーリエ「カントーのリーグとは全然違いますね」

シルバー「イッシュリーグのチャンピオンといえばまだ小さな女の子らしい、アローラのチャンピオンと同じぐらいそうだ」

シルバー「けっこう可愛いみたいだ…」

コトネ「あんたそういう子が好みだったの?」

シルバー「そんなわけないだろ、俺はお前だけだ」

コトネ「あーはいはい、私はレッドさんとナツメさんだけだから」

シルバー「俺が言いたいのはそういうことじゃない」

シルバー「まだ幼いのにそんなに強いのなら見てみたいと言いたかったんだ」

シルバー「容姿に興味があるわけではない」

レッド「えっと…どこから入ればいいんだ?」

リーリエ「そこじゃないんですか?」

レッド「あそこは挑戦者用の入り口だよ、たぶん」

レッド「別にリーグに挑戦に来たわけじゃないんだから別の入り口じゃないと」

カトレア「それでしたらこちらへ」

カトレア「アタクシの部屋へ直接つながっています」

コトネ「あっあなたはあの時の、いつの間に」

カトレア「さっきからいましたよ、あなた方が来ることは視えていましたから」

カトレア「さて、今日はどのようなご用件で」

カトレア「あの時のこともありますから、アタクシにできることならなんでも言ってください」

レッド「……」

カトレア「どうしたのですか?」

リーリエ「あっもしかして…話せないのですか?」

レッド「うん…」

リーリエ「では私が代わりに話ますよ、何を言うか教えてください」

レッド「いや…それは…」

コトネ「言わないと伝えることはできませんよ、それとも私が言いましょうか?」

レッド「それはそうなんだけど…」

カトレア「言いにくいことでしたらアタクシが考えを読みましょうか?」

レッド「あ、それで…」

カトレア「……」

カトレア「なるほど…わかりました」

レッド「……」

カトレア「あなたがここへ来た理由は理解しました…が!!」

カトレア「よくもナツメお姉さまを…!」ゴゴゴ

レッド「!」びくっ

カトレア「こんなことをした以上生かしてはおかない!」

カトレア「と…言いたいですが、前のこともありますし、何よりもあなたはナツメお姉さまにとって最も大事な存在」

カトレア「何かあってはナツメお姉さまを悲しませることになります」

カトレア「このことを解決できれば、きっとナツメお姉さまを喜ばせられるかもしれませんしね」

カトレア「ですが、アタクシの力ではあなたの過ぎ去りし時を求める力はありません…」

レッド「!」

カトレア「ただ、どうにかできそうな人なら知っています」

レッド「それは誰か聞いて」

リーリエ「それは誰なのですか?」

カトレア「このイッシュ地方のチャンピオンアイリス」

コトネ「そのチャンピオンってさっきシルバーが言ってた小さい子よね」

カトレア「たしかにアイリスはまだ幼いですが実力は本物」

カトレア「アイリスも今はこのリーグにいますよ」

レッド「じゃあそこまで案内してもらうように言って」

リーリエ「そこまで案内していただくことはできますか?」

カトレア「それはできません」

コトネ「えー、けちー」

カトレア「だって当然でしょ」

カトレア「ここはポケモンリーグ、そしてアイリスはチャンピオン」

カトレア「チャンピオンに会うにはアタクシたち四天王に勝った者のみ会うことができる」

カトレア「もちろんレッドさんへの協力は惜しみません」

カトレア「ですが、これはルール」

カトレア「元チャンピオンのレッドさんならわかっていただけますよね」

アイリス「カトレアおねえちゃーん、遊びに来たよー」

カトレア「……」

レッド「……」

リーリエ「……」

コトネ「……」

アイリス「あれー、お客さんいっぱいだねー」

カトレア「コクラン!」パチンッ

アイリス「えっなになに!?コクランさん!?」

カトレア「……」

カトレア「さあ、四天王に勝たなければアイリスに会うことはできませんよ」

あっハイ

レッド「正直気が進まないな…」

リーリエ「でもそうしないとアイリスさんに会うことはできませんよ」

レッド「そうなんだけどな…」

レッド「なんかこう…」

シルバー「お前がやらないのなら俺がやってやろう」

シルバー「レッドがやりたくないと言っているのなら俺がやっても構わないだろ?」

カトレア「ええ、リーグに入ることができた人なら誰が挑もうとも問題ない」

カトレア「だけどあくびがでちゃうような退屈な勝負だけはかんべんね…」

シルバー「オーダイル、トドメの滝登り!」

オーダイル「ヒャッハー!」

シルバー「ふっ俺の勝ちだ」

コトネ「ギリギリだったね」

シルバー「そ、そんなことない!」

カトレア「お見事…あなたの勝ちね」

カトレア「私の他にあと3人の四天王に勝つことができればチャンピオンのいる部屋へ行くことができるわ」

カトレア「今回は特別にあなたの勇姿はカットしておきましょう」

シルバー「特別にじゃねえよ!おいやめろ」

カトレア「カット」

――――――――――――

カトレア「ポケモンリーグの四天王全員に勝利したのね」

カトレア「それならチャンピオンの部屋に行く資格を得たということ」

シルバー「マジでカットしやがった…」

カトレア「さあ、あちらへ」

カトレア「アイリスが部屋で待ってますよ」

シルバー「ここまで来たらついでだしチャンピオンも倒してやるか」

コトネ「チャンピオンってのは強いのよ、あんた勝つつもり?」

シルバー「当然だ、それに俺はアローラのチャンピオンより強いんだぞ」

リーリエ「アローラのチャンピオン!?それってヨウさんですか!?」

シルバー「ヨウ…ああ、たしかそういう名前だったな」

リーリエ「ヨウさんは元気そうでしたか?」

シルバー「元気…なんじゃないかな?」

15分後

リーリエ「ではヨウさんは」

シルバー「なあ…そろそろいいんじゃないか?」

コトネ「たしかにちょっと長いかな…」

シルバー「それにそんな気になるのなら直接会いに行けばいいだろ」

シルバー「前にアローラに来ていたんだろ」

リーリエ「い、いえ…会うのまだ早いかな…と」

シルバー「早い?」

コトネ「あんたわかってないね、こういうのは中途半端な時期じゃだめなの」

コトネ「きっちり目標を達成してから、でしょリーリエ?」

リーリエ「はい」

リーリエ「そのためにもレッドさんにはもっといろいろ教えてほしいのですが…」

リーリエ「最近は全然教えてくれないんですよ」

レッド「……」

コトネ「レッドさん…せっかくもらった仕事なのにちゃんとしないとナツメさんに迷惑かけちゃいますよ」

レッド「…それはだめだな」

リーリエ「じゃあ働いてくださいよ…」

レッド「やってることはやってるよ、でも」

リーリエ「でも…なんですか?」

レッド「今回のこれは俺にとってちょっと大事なことなんだ、すまない」

リーリエ「終わったらちゃんと教えてくださいよ」

チャンピオンの間

アイリス「待ってたよー!」

リーリエ「ここがチャンピオンの部屋…」

リーリエ「なんだかすごい部屋ですね」

レッド「……」

レッド「四天王の部屋から思ってたが…」

レッド「本部のリーグはこんなに部屋が豪華じゃないぞ…」

カトレア「お金かかってますから」

カトレア「それではレッドさん以外はご退室を」

シルバー「おいなんでだ!四天王に勝ったのは俺だろ!」

カトレア「ほんとにチャンピオンと戦う気だったの?」

シルバー「当たり前だろうが!」

カトレア「……」

カトレア「アイリス、どうするの?」

カトレア「本当のことを言うとジムバッジを8つ持っていないためリーグへの挑戦権はない」

カトレア「しかし私たち四天王全員に勝った」

カトレア「戦うかどうかはあなたが決めていい」

アイリス「うんいいよー、やろやろー」

シルバー「グッド」

――――――――――――

シルバー「オーダイル!冷凍パンチ!!!」

アイリス「マダよ!マダマダッ!」

アイリス「マダあたしたち戦える!!」

アイリス「オノノクス、逆鱗!!」

オーダイル「ウオオオオオオオオオオオオ!」

オノノクス「ドリャアアアアアアアアア!」

ゴッ

コトネ「ま、まさか…シルバーがほんとにチャンピオンに勝っちゃったの…?」

リーリエ「新チャンピオンの誕生に立ち会えるとは…」

レッド「いや…」

カトレア「クロスカウンター…」

カトレア「オーダイルではなく、オノノクスの強烈な一撃が見事に決まりましたね」

カトレア「またカットされたうえに負けてしまうとは」

シルバー「……」

コトネ「まあ惜しかったんじゃない?」

コトネ「チャンピオン相手にあれだけやれば十分でしょ」

シルバー「コトネ…俺をほめてくれるのか?」

コトネ「んー…まあがんばってたし、それでいいよ」

シルバー「おお、コトネが…」じーん

コトネ「ん、じゃあこっち来い、終わったんだし外出るよ」

コトネ「あっそうだ、負けたんだからお金渡せよ」

シルバー「なぜ四天王との戦いに勝ち抜いた俺が外で待機させられるんだ」

コトネ「元々レッドさんの目的のためについて来ただけだから」

コトネ「あんたのバトルはついでなの」

シルバー「ならなぜそのついでのバトルなのに俺は金をとられるんだ」

コトネ「ついでとはいえバトルだからでしょ」

コトネ「基本じゃないの」

コトネ「でもまあ、あのチャンピオンがまさかお守り小判を持っていたとはね…」

コトネ「それは同情するわ」

シルバー「同情するなら金をくれ」

コトネ「うるせぇ」

レッド「……」

カトレア「アイリスは触れた者の過去の記憶を読み取る力があります」

カトレア「この力を使えばあなたの過ぎ去りし時を求めることができるでしょう」

アイリス「そんな大げさなものじゃないよ」

アイリス「読み取れるのもちょっとだけだし」

カトレア「部分的にだけでも思い出すことができればOKでしょう」

レッド「……」こく

カトレア「アイリス、お願いします」

アイリス「うん」


気になるところで…

グリーンは間違えて睡眠薬渡したしエリカは最初から睡眠薬渡したから
お互い寝てただけのはずでは

約束の話でしょ

アイリス「……」

レッド「……」

アイリス「おにいちゃんすごいね」

アイリス「いっぱい冒険してきたんだね」

レッド(ほぼ山籠もりだけど…)

アイリス「昨日の晩御飯はカレーだったんだね」

カトレア「そんな最近の記憶ではなくもっと昔よ」

カトレア「レッドさん、あなたが約束したと思われるのは何歳ぐらいのナツメお姉さまですか?」

レッド「……」

レッド(何歳…?えっと山からおりてきた後は何か約束した覚えはないし…)

レッド(というよりしたら絶対覚えてる)

レッド(じゃあ初めてヤマブキジムに行った日からシロガネ山に行くまでか…)

レッド(あの頃の俺が10か11歳だからナツメは12か13だな)

レッド「12…13…かな…」

カトレア「12、3歳ですか…」

カトレア「そのころの写真はまだ持ってませんね…」

カトレア「一番古いのが15歳のですね」

レッド「……」ぴくっ

カトレア「えっと…」パラパラ

レッド「……」じーっ

カトレア「あった、これですね」

カトレア「アイリス、レッドさんの中のこの写真の方を探してほしいの」

カトレア「何か約束をしたということらしいから、その約束が何か読み取って」

レッド「……」

カトレア「どうされました?」

カトレア「ああ、この写真ですか」

カトレア「ナツメお姉さまの写真ですよ」

カトレア「これが15歳、これは16、こっちは17…」

カトレア「どうして今これらの写真を持っているかは秘密ですよ」

カトレア「見たいですか?」

レッド「……」こく

レッド(このころのナツメは知らないからな…)

レッド(あ、この年から急激に変わってる、このころに今みたいになったんだ…)

レッド「いい…」

カトレア「何か言いましたか?」

レッド「いや何も…」

アイリス「おにいちゃん、ねえってば」

レッド「ん…?」

アイリス「おにいちゃんがしゅーちゅーしないとあたしも読み取ることができないよ」

レッド「あ…ああ…」

レッド「……」

アイリス「……」

カトレア「どうなの、アイリス?」

アイリス「おにいちゃんもチャンピオンだったんだね」

アイリス「その時に写真のおねえちゃんと約束してたみたい」

レッド「……」

カトレア「その内容とは…?」

アイリス「それは…」

レッド「……」

アイリス「モモンのみを使ったケーキを買うこと」

レッド「…?」

カトレア「だけ…?」

アイリス「だけ」

レッド「……」

アイリス「おにいちゃんの方から約束してたんだよ」

アイリス「この写真のおねーちゃんの誕生日におにいちゃんがケーキを買うって約束してたの」

アイリス「それなのにおにいちゃんはチャンピオンがつまらないからって誕生日の前に山に行っちゃって」

レッド「……」

カトレア「なるほど…」

カトレア「なぜ、ナツメお姉さまとそのような約束をしておいて黙ってシロガネ山へ行ったのですか?」

カトレア「思っていたよりは小さなことでしたが、当時のナツメお姉さまがかわいそうです」

レッド「……」

レッド「……」

レッド「そうか…そういえばそういう約束をしたかもな…」ぼそっ

カトレア「そういえばって…ひどい人ですね」

リーリエ「あっ出てきましたよ」

コトネ「どうでした?」

レッド「うん…まあ目的は達成できたかな…」

カトレア「戻られたらどうするのですか」

レッド「……」

レッド「どうしようかな…」

カトレア「ナツメお姉さまもその約束のことを覚えているかは問題にしていなかったでしょう」

カトレア「レッドさんが嘘をついたのがいけなかったのでしょう」

カトレア「最後にした約束を、一番信用している人に嘘をつかれたら、いくらお姉さまでもちょっとは怒りますよ」

カトレア「正直に話せば…いえ、行動すればきっと喜びますよ」

レッド「……」こく

レッド「俺の用は終わったから、次はメイちゃんに会うんだっけ?」

コトネ「はい、わざわざすいません」

コトネ「たぶんポケウッドに行けばいると思います」

レッド「よし、リザードン」

コトネ「はいこれポケウッドの地図」

シルバー「ん、なんだ?」

コトネ「あんたは自分のポケモンに乗ってきなさいよ、さすがに4人はきついから」

シルバー「え…?」

コトネ「まあ30分ぐらいなら待ってあげるから」

シルバー「おいどういうことだ?」

コトネ「レッドさんとあんたじゃそれぐらい差が出ると思って」

シルバー「出ねえよ!」

20分後 ポケウッド

コトネ「思ったより早かったじゃん」

シルバー「こ、これぐらい当然だ」

メイ「あれ~このお兄さんは初めて見る人ですね~」

メイ「私メイっていいまーす」

シルバー「コトネの知り合いか…俺はシルバーだ」

メイ「おお、シルバー君、けっこうかっこいい名前だねー」

コトネ「あんたそんなしゃべり方だった?」

メイ「こんな感じだったと思うけど」

メイ「それで、今日は何しにきたんですか?」

メイ「もしかしてレッドさんが私に会いに来てくれたんですか!」

コトネ「そんなわけないでしょ」

コトネ「はいキョウヘイ、これアローラのお土産」

メイ「えっ!?コトネさんが!?」

コトネ「何よ、あんたほしいって言ってたじゃない」

コトネ「いらないの?」

メイ「コトネさんがほんとに買ってくるとは思わないもん」

メイ「ちょっと驚いただけじゃないですか」

メイ「すっごいうれしいですよー」

シルバー(なんかこの子変だな…)

シルバー(どこがかはわからんが…)

シルバー(巨乳か…?)

シルバー(いや、そうじゃない…)

シルバー(俺は別に気にしないけど)

シルバー(ていうか俺はむしろ小さい方が好きだし)

コトネ「何ぶつぶつ言ってんの?」

シルバー「…なんかあの子が気になってな、少し違和感があって」

コトネ「……」

コトネ「一つ一つあげていったらキリがない」

コトネ「むしろ変じゃないとこなんてないし」

シルバー「!」

シルバー「そういえばさっきコトネ、この子のことキョウヘイって呼ばなかったか?」

コトネ「うん、キョウヘイだもん」

シルバー「キョウヘイって…」

メイ「それはコトネさんが勝手に呼んでるだけです」

メイ「シルバー君はメイちゃんって呼んでくださいね」むにゅ

シルバー「お、おお…」

コトネ「……」

シルバー「ちっ、ちがっ…違うぞコトネ!俺は別に」

コトネ「楽しけりゃいいんじゃないの、変なことやってるなーとは思うけど」

メイ「ねえ、シルバー君さ、ポケモンバトル強そうだね」

メイ「私もけっこう強いんだ、相手してくれない?」

シルバー「……」

シルバー「相手が誰だろうと、申し込まれたバトルは受けてやる」

シルバー「いいだろう勝負だ」

コトネ「またバトルすんの~?」

コトネ「二人とも好きだねー」

メイ「トレーナーってそういうものですよ」

メイ「レッドさんならわかってくれますよね」

レッド「…まあ、少しは」

メイ「チラチーノ、ロックブラスト」

シルバー「全て砕いてやる、ハッサム、バレットパンチだ!」

ハッサム「アタタタタタタタタ」

メイ「そんなのいつまでも続かないよ、チラチーノもっともっとロックブラスト!」

ハッサム「オラオラオラオラオラオラ」

シルバー「どうした、もう終わりか?」

メイ「ふふ…」

メイ「私の見込んだとおり…」グ…

メイ「そうとう強いトレーナーだね…」グググ…

シルバー「……」

シルバー「そうか…なんとなくわかった…」

シルバー「どういうつもりかは知らんが、精液臭いよメイちゃん」

よいぞ

キョウヘイとメイの原理がよくわからない
シリーズのどれかの男主人公と女主人公だよね?

まぁ女の子(おとこのこ)で調べれば分かるんじゃねぇかな

ネタだよ。ネタに原理だなんだ突っ込むのはおかしい。
元ネタは公式が女主人公の紹介の時に「女の子」のルビを「おとこのこ」に誤植したことだと思われ。

あー、誤植が元ネタなのね。ということは一応男なのか

メイ「やっだ~、シルバー君エッチ~」

シルバー「い、いや…俺は思ったまま…」

シルバー「そういうつもりで言ったのではない…」

メイ「じゃあどういうつもりで言ったんですか?」

シルバー「そ、それは…」

コトネ「はぁ…」

シルバー「なっなんだそのため息は!」

シルバー「だから俺は」

コトネ「はいはい、うっとうしいから早く終わらせて」

メイ「あー、負けちゃった」

メイ「お兄さん強いねー」

メイ「また私の楽しみが一つ増えたよ」

メイ「ああ、考えたらまた興奮してきた…」もこもこ

コトネ「…あんたね、一応初対面のこいつがいるのに小声とはいえそういうこと言うんじゃないよ」

メイ「そういうことって言われてもねぇ…」

メイ「別に私悪いことしてないですし、こういう個性ってのは人それぞれじゃないですか」

メイ「私…僕の場合はちょっと人と変わってるってだけですよ」

キョウヘイ「コトネさんだって似たようなもんだし」

キョウヘイ「僕が普通だったらあなたを本気で口説いてますよ」

コトネ「……」

メイ「なんてねー」

メイ「私がこの姿でいる限りそんなことはないですから、安心してください」

メイ「ねえシルバー君ってコトネさんとはどういう関係なの?」

シルバー「それはだな」

コトネ「ただの顔見知りよ」

シルバー「そういう言い方はないだろ…」

コトネ「じゃあなんて言えばよかったの」

シルバー「ふっ簡単だ」

シルバー「コトネの将来の旦那様だよ」

コトネ「……」

コトネ「おい、ちょっと後ろ向け」

シルバー「ん?なんだ…」

ガキッ

シルバー「あたたたたたた!」

シルバー「おいおいおいおい!何!?どうなってんの!?」

シルバー「ていうか何これ!?」

コトネ「何ってパロスペシャルだけど?ロボ超人式の」

シルバー「じゃ、じゃあなんでこんな」

コトネ「あんたがふざけたこと言うからでしょ」

シルバー「俺は何も」

ゴキッバキッ

シルバー「!?」

コトネ「え?」

シルバー「……」

コトネ「あ、あっれ~?今の音って…」

シルバー「……」

コトネ「……」

シルバー「……」

コトネ「ね、ねえシルバー?」

シルバー「……」

シルバー「なんだ…」

コトネ「調子どう…?」

シルバー「最悪だな…」

コトネ「……」

コトネ「やれやれだぜ」

シルバー「なにがだよ」

リーリエ「何か今すごい音がしましたけど、何かあったのですか?」

コトネ「い、いやぁ~なんでもないのよ、なんでも」

リーリエ「そうですか…?」

メイ「リーリエ、私が教えてあげようか?」

メイ「今起こったことぜ~んぶ」

コトネ「余計なことは言わんでいい」

メイ「きゃーこわーい」

メイ「リーリエ、レッドさんの方に行こ」

メイ「ここにいたら危険だから」

リーリエ「あ、はい」

コトネ「もしかして…」

コトネ「もしかしてだけど関節が鳴っただけとか…」

シルバー「ものすごい激痛で思うように動かせん」

コトネ「……」

コトネ「そう…じゃあやっぱり…」

コトネ「ごめん…やりすぎた…」

シルバー「…どうした、謝るなんてお前らしくない」

コトネ「悪いことしたら謝るのは当然よ」

コトネ「だいたい私らしくないってどういうことよ」

コトネ「今回は私が悪いから全部面倒は私がみてあげるから」

コトネ「さ、まず病院に行くよ」

――――――――――――

シルバー「両腕が使えなくなったんだけど…」

コトネ「気にすんな」

シルバー「気にするだろ!」

コトネ「私があんたの両腕になるから」

シルバー「つまり俺に付きっきりってことか!?」

コトネ「全部面倒みてあげるって言ったでしょ」

シルバー「全部って…本当に?」

コトネ「私が全部って言ったら全部なのよ」

シルバー「おお!」

シルバー「飯もか?」

コトネ「しつこいな、腕が使えないなら食べにくいでしょ」

シルバー「トイレもか?」

コトネ「…ズボンぐらいはおろしてあげる」

シルバー「風呂は?」

コトネ「……」

コトネ「……」

シルバー「なあ風呂」

ズビシッ

シルバー「きゃん!」

翌日・ヤマブキシティ

ナツメ「用事は終わったのね」

レッド「うん」

ナツメ「どうしたのよ、そんな顔して」

ナツメ「何か嫌なことでもあったの?」

レッド「いや…」

レッド「ほんとごめんな…」

ナツメ「何が?」

レッド「次は必ずちゃんとするからさ…」

ナツメ「だから何がよ」

レッド「それはお楽しみだ」

ナツメ「…変なの」

コトネ「あの、ナツメさんごめんなさい、一応私マネージャーなのに仕事してないし休みまでもらっちゃって」

ナツメ「いいのよ、私だって最近はあまりやる気ないし」

ナツメ「それに妹のようにかわいがってきた彼氏のとこに行くって言ってるのを止めるわけにはいかないでしょ」

コトネ「彼氏…?」

コトネ「……」

コトネ「って!!何言ってるんですか!私の彼氏はナツメさんとレッドさんだけですよ!」

ナツメ「何で私が男になってんのよ」

コトネ「では私が男役をします」

ナツメ「ごめん、そういう問題じゃない」

コトネ「こんなやつが私の彼氏なわけないじゃないですか」

シルバー「こんなやつ…」

ナツメ「でもコトネがわざわざついていくなんて何かあるとしか」

コトネ「それは…」

コトネ「あの怪我は私のせいですし、世話するって言っちゃったから…」

コトネ「こいつの怪我が治ったらすぐ帰ってきますよ」

ナツメ「ちょっとぐらいゆっくりすればいいのに」

コトネ「嫌です、マッハで帰ります」

シルバー「そんな嫌がらなくても…」

コトネ「あんたは黙ってろ」

コトネ「あ、もうこんな時間」

コトネ「そろそろ行かないと、じゃあ行ってきますね」

ナツメ「うん、気をつけてね」

コトネ「レッドさん、少しの間会えないですがさみしがらないでくださいよ」

レッド「あ、うん」

――――――――――――――

ナツメ「ねえリーリエちゃん」

ナツメ「レッドの用事って何だったの?」

リーリエ「それが私たちもわからないんですよ」

リーリエ「イッシュ地方のチャンピオンの方に会って何かを聞いていたようです」

ナツメ「イッシュのチャンピオンか…」

ナツメ「……」

ナツメ「ま、いっか、レッドが秘密にしてたんだし楽しみにしとくか」

数日後・セキチクジム

アンズ「アーボック、ダストシュート」

リーリエ「サンドパン、地中に逃げてください」

アンズ「むっ、穴を掘ったか」

アンズ「どこから来る…?」

アンズ「嫌な予感がする」

アンズ「アーボック、壁をよじ登れ」

アンズ「ふふふ、こうすれば下からの攻撃など…」

リーリエ「砂嵐です!」

アンズ「!…視界が…」

アンズ「サンドパンはまだ地中か、それとももう…」

アンズ「アーボック気をつけ…」

リーリエ「サンドパン、みだれひっかきです」

サンドパン「アタタタタタタタタ!」ザシュザシュ

アンズ「この音はまさか…いつの間にあの高さまで!?」

アーボック「ニャフウ…」ぱたんっ

アンズ「!」

アンズ「……」

アンズ「ふ…お見事」

アンズ「あたいの負けね、ほらこれ持ってってピンクバッジよ」

アンズ「これでバッジは何個目だい?」

リーリエ「5つ目です」

アンズ「あんたならあと3つぐらいちゃちゃっとゲットできるよね」

リーリエ「だといいのですが…」

アンズ「なーに?あたいに勝ったのに他の3人は不安だっての?」

リーリエ「そ、その…なんと言いますか…」

アンズ「はは、冗談だよ」

アンズ「そりゃみんな不安だよね」

アンズ「ま、あと3つだ、がんばりな」

1時間後

アンズ「さーて、ちょっと早いけど父上に晩御飯を届けに行くか」

リーリエ「……」

アンズ「あれ~?君たしかリーリエ」

アンズ「こんなところで何やってんの?」

リーリエ「レッドさ…先生が迎えに来てくれることになってるんです」

リーリエ「連絡をしても返事がなくて…」

アンズ「君とのジム戦が終わったのってたしか…二時間ぐらい前だよね?」

アンズ「遅くない?」

リーリエ「はい…もしかしたら何かあったのかも…」

アンズ「……」

アンズ「よし、ならあたいが代わりに送ったげる」

アンズ「時間も余裕あるし」

ヤマブキシティ

アンズ「相変わらずにぎやかだね、この街は」

アンズ「リーリエってこの街で家族と暮らしてるの?」

リーリエ「いえ、私の家族は今はアローラ地方にいます」

アンズ「じゃあ誰と?さっき言ってた先生と?」

リーリエ「はい、それとその先生の…えーと」

リーリエ「うーん…何と言えばいいのか…」

リーリエ「とにかく、もう一人います」

アンズ「へー、じゃあ3人暮らしか」

リーリエ「あ、ここです」

リーリエ「ありがとうございました」

アンズ「いいのいいの、ついでだからさ」

アンズ「!」

アンズ「待ってリーリエ」

リーリエ「はい、どうかしましたか?」

アンズ「この時間って家に誰かいる?」

リーリエ「たぶんいるとすれば先生がいます」

アンズ「それ一人だよね?中に人の気配が…3人いる…」

リーリエ「ど…どうしてそんなに人が…」

アンズ「まさか泥棒とか…」

リーリエ「泥棒!?」

アンズ「ちょっと調べてみる必要があるようだね」

アンズ「いい?私が中を調べて来るから動かないでよ」

リーリエ「はい」

ガチャ

ナツメ「リーリエちゃんの声がすると思ったらやっぱり」

ナツメ「ごめんねリーリエちゃん、連絡もしないで」

ナツメ「あれ、アンズじゃない、もしかしてあなたが送ってきてくれたの?」

アンズ「あ…はい」

アンズ「え?どうしてナツメさんがここに…?」

ナツメ「どうしてって…ここ私の家だもん」

アンズ「ふぇ?」

ナツメ「…ということで私の家でリーリエちゃんを預かってるの」

アンズ「なるほど…」

ナツメ「って!そんなことより大変なのよリーリエちゃん!」

リーリエ「一体どうしたのですか」

ナツメ「それが…とにかく入って!」

リーリエ「は、はい…」

アンズ「そ…それじゃあ、あたい…あたしはこれで…」

ナツメ「あ、待って!アンズって忍者よね」

アンズ「そうですけど…」

ナツメ「超能力がだめなら忍術で…」ぶつぶつ

アンズ「あの…?」

ナツメ「あなたも来て!」ぐいっ

アンズ「ナツメさん!?そんな強引な」

マサキ「んー…こうでもない…」

マサキ「どうしたら…」

リーリエ「あの、何があったのですか?」

マサキ「おおリーリエちゃん、久しぶりやな」

マサキ「ちょっとややこしいんやけどな」

リーリエ「…その機械は?」

マサキ「ああ、今回の全ての原因やな」

マサキ「でも壊れてもうてな、今修理しようとしとるところやねん」

リーリエ「…全くわからないのですが、詳しく教えてください」

現在から2時間前

レッド「あー…リーリエ心配だな…」

レッド「一人で行くなんて言って…」

ナツメ「本当なら往復なのにあなたがどうしても迎えに行くって言うから片道だけになったんじゃない」

ナツメ「リーリエちゃん本人だって大丈夫だって言ってたじゃない」

ナツメ「もうちょっと信用してあげなさいよ」

レッド「信用はしてるよ」

ナツメ「そう、じゃあもうちょっとリラックスしなさい」

レッド「うん、そうだな…」

レッド「……」

レッド「そういやなんでジムに行かないの?」

ナツメ「あなたが一人でいることが一番心配だからよ」

レッド「俺をもうちょっと信用してくれよ…」

ナツメ「もちろん信用してる、誰よりもね」

ナツメ「ただ…その…せっかく二人になれるんだし…」

ピンポーン

ナツメ「……」

レッド「あ…俺出るよ」

マサキ「ようレッド、元気か?」

レッド「……」

レッド「……」ぺこ

マサキ「今暇か?ちょっとええもん持ってったんやけど」

ナツメ「ねえ誰が来たの?」

マサキ「なんや、ナツメもおったんか」

ナツメ「で、何しにきたの」

マサキ「そんな言い方ないやん」

ナツメ「……」

マサキ「まあええわ、これ見てみぃ」

ナツメ「なにこれ?」

マサキ「ホウエンの友達から送ってもらった性格変更機や」

ナツメ「なんか言いにくい名前ね…」

ナツメ「これがなんだってんの?」

マサキ「いや…なんだって言われると…」

マサキ「まあ…名前の通り…そのままやねんけど…」

レッド「……」ぽちっ

ガガガッ ゴー ピピピ

レッド「!」びくっ

マサキ「あっ勝手にさわったら」

ピシュッ

レッド「ふにゃ…」パタン

レッド「ぐごー…」

ナツメ「レ、レッド!?」

ナツメ「ねえこれどういうことよ」

マサキ「レッドの性格が変わるんやろうな…」

ナツメ「なんてことしてくれんの、レッドの性格が変わるなんて!」

マサキ「わ…わいに言われても…」

マサキ「レッドが勝手にさわったんやし」

ナツメ「レッドが好奇心旺盛なことぐらいわかるでしょ」

マサキ「そんなバカ親みたいなこと言うなや…」

ナツメ「じゃあいつ起きるの」

マサキ「…わからん」

マサキ「麻酔針が出て起きたら変わっとるって言っとったけど、どれぐらいとかは聞いてなかったな」

マサキ「まあいずれ起きるやろ」

ナツメ「いずれね…」

ナツメ「じゃあ別の質問、レッドはどんな性格に変わるの?」

マサキ「それは画面を見れば…」

マサキ「あれ?画面が…」

マサキ「どないなっとんや?」コンコン

ゴガガガガ ギギギ ボフンッ

ナツメ「ねえ、これどうなってんの…」

マサキ「うーん、どうやら故障したようやな」

ナツメ「故障したようやなじゃないでしょ!」

ナツメ「レッドは元に戻るんでしょうね!」

マサキ「お、落ち着き!麻酔針が出る前から故障してた可能性だってあるんやし、変化なしってこともあるやん」

ナツメ「…そうか、たしかに」

現在から1時間前

レッド「ふわわ…」

ナツメ「起きた…よかった」

レッド「ん?何かあったのか?」

ナツメ「いや、何事もなかったようだしいいのよ気にしなくて」

レッド「おいおい、俺たちの間に秘密なんてなしだぜ、話してくれよ」ぐいっ

ナツメ「レ…レッド、ち、近い…近くないかな//」

マサキ「お…おーいレッド、一応わいもいるんやけど…」

レッド「なんだマサキか、いつからそこに」

マサキ「最初っからおったんやけどね…」

マサキ「まあ…普通に喋れてるようやし、問題なしか…よかったわ」

ナツメ「普通に…?」

ナツメ「待っておかしい、レッドが私たち以外と普通に話すなんて」

マサキ「言われてみれば…」

レッド「何もおかしくなんかねえよ」

レッド「まあちょっと頭がスッキリしたような気がするけど」

レッド「さあナツメ、デートでも行こうか」

ナツメ「デッッ!?//」

ナツメ「ななななななな…な、なに言ってんのよ、そんな」

ナツメ「や…やっぱり、レッド変よ」

レッド「…そうだな、いつもは言えなかったことやできないことが今ならできる」

レッド「こんなことだって…」チュッ

ナツメ「!!!!!!??????」

ナツメ「……//」カーッ ボンッ シュゥゥゥゥ

レッド「ナ、ナツメ!?」

ナツメ「あ、あれ?私…」

レッド「よっ、元気か?」

レッド「びっくりしたじゃないか、気絶するから」

ナツメ「だ…だってあなたが…」

マサキ「おっしゃ、直ったで!…たぶん」

マサキ「ちょっとレッド、こっち来てくれ」

レッド「なんだ?」

マサキ「えっと、とりあえず元のレッドに戻さんとあかんから…」

マサキ「えー…元のレッドの性格は…」

ピピピ

マサキ「な、なんや!?」

パシュッ

レッド「ふにゅ…」

ギギ ボンッ

マサキ「ま…また故障した…」

ナツメ「修理できてないじゃないの!レッドはどうなるの!」

マサキ「すまん…」

現在

リーリエ「…なるほど、だいたいわかりました」

マサキ「おお、理解力あるなリーリエちゃんは」

リーリエ「それで、レッドさんは…?」

マサキ「ああ、隣の部屋や」

マサキ「もうそろそろ起きるころやと思うんやけど…」

マサキ「ただ起きてくるレッドはまた違う性格のレッドなんやろうな…」

マサキ「この機械もちゃんと作った本人にみせて修理してもろた方が確実なんやろうけど時間がかかる」

マサキ「まさかこんなことになるとは…」

まってたで

ニシキか、こんなもん作ったのは

アンズ「ナツメさん、それであたしは何をすればいいのですか?」

ナツメ「この機械直してほしいの」

ナツメ「見ての通り、マサキじゃ修理できないみたいなの」

ナツメ「それに私の超能力でも直せない」

ナツメ「まあ私が機械のことをよく理解してないからなんだけど…」

アンズ「あ…あたしも無理だと思いますけど…思うというか無理です」

ナツメ「そこを忍術で何とか」

アンズ「何ともならないです」

アンズ「だいたいあたい…あたしだってカラクリ物は苦手なんです」

アンズ「それなのに超能力が無理なことを忍術でどうこうできるわけないじゃないですか」

ナツメ「そんな…!」がくっ

アンズ「そ、そんな落ち込まないでくださいよ」

アンズ「あたしもできることなら何でも手伝いますから」

ナツメ「ん?なんでも?」

アンズ「じゃあ今日のところはこれでドロ」

ナツメ「待って」ガシッ

アンズ「わっ」

アンズ「あ…危ないじゃないですか…」

ナツメ「何でもしてくれるんだったら、早速お願いしようかな」

アンズ「で、でも父上にお弁当届けないと…」

ナツメ「じゃあ届けた後でいいから来てくれない?」

アンズ「…ナツメさんの頼みなら」

ナツメ「ありがとね」

リーリエ「あ、レッドさん起きたのですね」

ナツメ「レッドが起きたみたい、また来てくれるよね」

アンズ「はいもちろん」

アンズ「ではまた後ほど」

リーリエ「レッドさん、私がわかりますか?リーリエですよ」

マサキ「性格が変わっただけで記憶は変化ないはずや」

リーリエ「そうですか、では気分はどうですか?」

レッド「うんー、いいとおもうよー」ぽけー

レッド「ふわわ…」

レッド「ねむーい」

リーリエ「さっきまで寝てたじゃないですか」

レッド「うーん…そーだねー」

マサキ「なんか…やる気のないレッドやな」



レッド「……」ぽや~

ナツメ「ねえ本当に元に戻るんでしょうね」

マサキ「何が?」

ナツメ「レッドがに決まってるでしょうが!!」

マサキ「!」キーン

マサキ「あ…ああ、そうやな…」

レッド「なつめー、そんなおおきいこえだしてどーしたの」

レッド「つかれちゃうよー」

ナツメ「はぁ…そうね…」

ガラッ シュタッ

アンズ「ナツメさん」

ナツメ「うわっびっくりした…」

ナツメ「どうして天井から登場するのよ」

アンズ「忍者ですから、にんにん」

ナツメ「忍者ってそういうものなの…?」

アンズ「はい」

ナツメ「…ならいいけど」

アンズ「……」じー

レッド「……」ぽー

アンズ「あの人がレッドという人ですか」

ナツメ「ええ、そうよ」

アンズ「なんだか頼りなさそうな人ですね」

ナツメ「……」むすっ

ナツメ「レッドはこう見えてもね」

アンズ「元チャンピオンなんですよね」

ナツメ「知ってたの?」

アンズ「さっき父上に聞きました」

アンズ「父上にはレッドさんが困っているようなら助けるように言われました」

アンズ「一番良い方法はホウエンのその機械の開発者の方に見せることですよね」

アンズ「だったらホウエン地方に行くんですよね」

アンズ「あたしもホウエン地方に旅行したい…ああ違う、ホウエン地方に同行して手伝いますよ」

ナツメ「手伝ってくれるのはいいんだけどホウエンまで行くとジムが」

アンズ「全然問題ありませんよ」

アンズ「その辺も全部父上に許可をもらっているので」

ナツメ「別にあなたがいいのならついてきてほしいけど」

アンズ「やったー!ずっとホウエン地方行きたかったんですよー!」

アンズ「温泉街にカラクリ屋敷、ポケモンコンテストも…それからそれから」

アンズ「はっ…」

アンズ「あ、あたい…いや、あたしったらつい」

ナツメ「…行きたかったのならちょうどいいかな」

ナツメ「できるだけ早くがいいんだけど、いつからなら行ける?」

アンズ「今からでも行けますよ」

ナツメ「いや…今からはさすがに…」

ナツメ「じゃあ明日からでいいかな」

アンズ「はい、楽しみだな~」

リーリエ「なんだかジム戦をしていた時と比べてアンズさんが別人のようですね」

マサキ「ああ、アンズはカントーのジムリーダーの中じゃ一番若いから舐められんように挑戦者の前では父親のマネしとるんや」

マサキ「でも年上は基本尊敬するタイプらしくてな、そういうときは素が出るらしい」

翌日

ナツメ「アンズ遅いなぁ、マサキもまだ来ないし」

レッド「ねむい…」

リーリエ「しっかりしてくださいよ、次寝ちゃうと五度寝ですよ」

レッド「……」ぼー

リーリエ「聞いてるのかな…」

マサキ「いやーおまたせおまたせ」

マサキ「何日かかるかわからんから用意に手間取ってもた」

ナツメ「あとはアンズだけか」

ドスーン

マサキ「なっ…なんやこれ!?」

アンズ「お待たせしました」シュタッ

ナツメ「アンズの私服姿って初めて見た気がする、女の子らしくてかわいいわね」

アンズ「へへ、ありがとうございます」

ナツメ「言いたいことはそうじゃなかった、なにこれ?」

アンズ「何ってあたしのリュックですけど」

ナツメ「リュック…」

ナツメ「でかすぎない?大人10人ぐらい入りそうな大きさだけど…」

アンズ「もっと入りますよ、デボンコーポレーションが作ったイワークが入っても大丈夫が売りのリュックですから」

ナツメ「それがパンパンに入って…よく持ってこれたね…」

アンズ「鍛えてますから」

ナツメ「あのね…言いにくいんだけど、そんな量の荷物は船に持ち込めないと思うよ」

アンズ「えっ!?どうしてですか!?」

ナツメ「その…常識の範囲を超えてるから」

アンズ「ならばその常識を壊すのが忍者です」

アンズ「まかせてください!」

ナツメ「……」

――――――――――

船着き場

受付「申し訳ございません、その荷物はちょっと…」

アンズ「なんだとっ!?」

ナツメ「やっぱりね…」

ナツメ「だから言ったじゃない」

ナツメ「せめてこれぐらいにしないと」

アンズ「そ、そんなに少なくですか…?」

ナツメ「普通よ」

アンズ「でもトランクだと布団はギリギリ入っても忍具や電化製品が入らないじゃないですか」

ナツメ「いらないでしょそれ…」

アンズ「だってあたしが毎日家で使ってるものなんですよ」

アンズ「きっとどこに行っても使いますよ」

ナツメ「忍具は…ないけど、他は間違いなく困ることはないと思うよ」

ナツメ「だから一回帰って、本当に必要なものだけ持ってきなさい」

ナツメはかわいいなあ

1時間後

アンズ「これぐらいならいいですかね」ドスンッ

ナツメ「…まあ、両手で持ててるようだしいいかな」

ナツメ「もうチケットは買ってあるから行きましょ」

アンズ「さすがナツメさん、やることが早いですね」

リーリエ「レッドさん、行きますよ、立ってください」

レッド「……」ぼー

リーリエ「もうレッドさん、立って!立って!行ってください!」ぐいぐい

レッド「……」すっ

リーリエ「な、なんですか…?」

レッド「おこしてー」

レッド「……」てくてくてく

レッド「……」ぴた

リーリエ「?」

リーリエ「どうしました」

レッド「つかれたー」

リーリエ「まだ3歩しか歩いてないじゃないですか」

レッド「……」ぽけー

リーリエ「はぁ…」

マサキ「ここまでくると性格とかの問題ちゃうような気がする…」

マサキ「なんか方法ないんか?」

ナツメ「レッドの好きなものでつればいいのよ」

マサキ「……」

アンズ「あの、ナツメさん…」

アンズ「あたしはレッドさんのことをよく知らないのですが、そんなことでつられるのは今時ヤドンぐらいでは…?」

マサキ「わいはレッドのこと知っとるけど同じくヤドンぐらいやと思うで」

ナツメ「こ、これは案の一つよ、だから他の」

リーリエ「いえ、そのナツメさんの案はいいかもしれません」

ナツメ「あ、やっぱり?」

ナツメ「ほらリーリエちゃんもいいって言ってるじゃない」

ナツメ「アンズ、悪いけどその辺でケーキ買ってきてくれない?できたらオボンの実使ってるやつ」

アンズ「ケーキですか…?」

ナツメ「うん、ホールじゃなくていいから」

アンズ「わかりました、行ってきます」

リーリエ「待ってください、わざわざ買いに行く必要はありませんよ」

ナツメ「とりあえずケーキが思いついたから言ったけど何か他に持ってるの?」

リーリエ「いいえ」

ナツメ「?」

ナツメ「じゃあどうするの」

リーリエ「レッドさんが一番好きなものといえばナツメさんじゃないですか」

ナツメ「えっ」

リーリエ「やっぱり最初からこうすればよかったんですよ」

リーリエ「手をつないだことがないと言ってましたが、これで無事つなぐことができましたね」

ナツメ「たっ…たしかにつないだことはなかったけど…」

ナツメ「べ…べべ別に…そんな望んでたってことでもないよねレッド」

レッド「んー…おれはうれしーよー」

ナツメ「それは私もこういうことはしたいと思ってたけど…//」

ナツメ「そうじゃなくて私が言いたいのは今こういうことしなくても…人前なんだし」

リーリエ「何言ってるんですか、お二人の関係だと人前だろうが全然おかしくないですよ」

アンズ「お二人の関係…」

アンズ「二人はいったいどういう…?」

マサキ「わいが説明すんのもめんどうやから本人に直接聞き」

リーリエ「ほらナツメさん、そのまま歩かないとレッドさんも動きませんよ」

ナツメ「だ、だってこんなくっつくとけっこう歩きにくいから…」

リーリエ「くっついていってるのはナツメさんじゃないですか」

リーリエ「むしろひっつきすぎです」

ナツメ「……」

リーリエ「船に乗るだけでどれだけ時間をかけるのですか」

リーリエ「早く行きましょうよ」

ナツメ「わかってるよ」

30分後

ナツメ「ふう…船に乗るだけでも一苦労ね…」

アンズ「あたし飲み物でも買ってきましょうか?」

ナツメ「ありがと、はいこれみんなの分も買ってきてあげて」

アンズ「何か飲みたいものとかあります?」

ナツメ「じゃあおいしい水、レッドにはミックスオレで」

アンズ「わかりました」

リーリエ「あ、私も一緒に行きます」

マサキ「ほなわいは便所にでも行ってくるわ」

マサキ「二人はそこでゆっくりしとき」

ナツメ「……」

レッド「……」

ナツメ「……」

レッド「ふわあ…」

ナツメ「ねえレッド…」

ナツメ「今あなた何を考えてるの?」

ナツメ「性格が変わってもあなたという人は変わらないのに、あなたの考えてることが全くわからない」

ナツメ「あ、もちろん前も今も心を読むなんてしてないよ」

ナツメ「それでも前はなんとなくわかってたの、わかってたつもりかもしれないけど…」

ナツメ「こんなことになってあなたは…」

レッド「ぐー…ぐー…」

ナツメ「また後でいっか…」

アンズ「あたい気づいちゃったんだけど、あの二人って付き合ってるんじゃないかな」

リーリエ「そうですよ」

アンズ「えっ、知ってたの!?」

リーリエ「私も一緒に暮らしてますからね」

アンズ「それにしても意外だ…」

アンズ「ナツメさんは美人だけど男を寄せ付けないようなオーラだしてたからな…」

アンズ「ナツメさんに好きな人がいたなんて今年一番の驚きだ」

リーリエ「驚きすぎです」

リーリエ「もう10年近くたってるそうですよ」

アンズ「10年!?」

アンズ「そうか…そういうことだったのか…」

アンズ「急にイメチェンしたり女優やったりしてたのも全部あの人のためということこか」

リーリエ「イメチェン…とは今のナツメさんは昔と比べて違うのですか?」

アンズ「けっこう違うね」

アンズ「服はもちろん髪型も変えてて当時見たときは一瞬誰かわからなかったぐらいだ」

アンズ「あくまで個人の感想だけど」

アンズ「ん?」

マサキ「……」こそこそ

リーリエ「あれはマサキさんですね、何をしているのでしょうか?」

アンズ「マサキ殿」

マサキ「!」

マサキ「なんや…二人か」

マサキ「驚かさんといてや」

アンズ「ただ声をかけただけです」

マサキ「…まあええわ」

マサキ「それよりあれ見てみ」

リーリエ「レッドさんとナツメさんですね」

アンズ「!」

アンズ「あ、あれは…!」

リーリエ「なにかおかしなところがありましたか?」

アンズ「ナツメさんが男の人に寄り添っている…!」

アンズ「正直話で聞いただけではあまり信用できなかったけど実際に見てみると…」

リーリエ「信用してなかったのですか…」

アンズ「それぐらい信じられないってこと」

マサキ「しかも今は知り合いが周りにおらんから完全に油断して頬が緩んどる」

マサキ「あんなナツメの顔めったに見れんで」

アンズ「たしかにあんなナツメさん初めて見た…」

数時間後 ホウエン地方・カイナシティ

ナツメ「あー、やっとついたね」

レッド「……」うとうと

リーリエ「起きてくださいレッドさん」

リーリエ「寝たまま歩くと危険ですよ」

レッド「うんー…」

レッド「ぐー…」

リーリエ「もう…」

ナツメ「私がついてるからそんなに心配しなくてもいいのよ」

リーリエ「ですがやっぱり危ないですよ…」

ナツメ「大丈夫、レッドが寝ながら歩いてても絶対に危ない思いをさせないから」

ナツメ「レッドは私が守るけど、少しでも早く元に戻ってほしいのよね」

ナツメ「どこに行くの?案内してよ」

マサキ「ああ、まかせとき」

マサキ「言うても待ち合わせはここでしとんやけどな」

マサキ「ただ迎えに来るまでまだ一時間ぐらいあるらしいんや」

マサキ「適当にこの辺で時間つぶさなあかんねん」

マサキ「早くしたいんはわかるけど、もうちょっと待ってな」

マサキ「ほな、わいはあいさつしときたい人がおるから一時間後にここ集合で」

レッド「……」ぼー

ナツメ「じゃあ私たちはその辺の喫茶店にでもいるから」

ナツメ「レッドを連れまわるのもちょっと大変だし」

ナツメ「二人で好きなところ行ってきなさい」

ナツメ「はいこれ、リーリエちゃんのお小遣い」

リーリエ「ありがとうございます」

アンズ「あれ、あたしの分は…?」

ナツメ「あなたはもう大人でしょ」

アンズ「えー」

ナツメ「……」

ナツメ「リーリエちゃんに多めに渡しておいたからそれ使いなさい」

リーリエ「あっ!あれは!」

アンズ「どうした」

リーリエ「ぬいぐるみですっ!それもあんなにたくさん!」

アンズ「リーリエはぬいぐるみが好きなのか、女の子らしくていいね」

リーリエ「アンズさんはぬいぐるみは嫌いですか?」

アンズ「嫌いじゃないけど、あたいは小さい時から忍として育てられてきたから馴染みがなくてね」

アンズ「こういうものはあんまり…」

リーリエ「そうですか…」

アンズ「それより気になったのがあれば買いなよ、せっかく好きに使っていいお金もらったんだし」

リーリエ「いいのですか?」

アンズ「あんたのなんだから自由にしなよ、使っても使わなくても」

リーリエ「でもナツメさんはアンズさんの分もあると…」

アンズ「あたいは大人なの」

アンズ「あれは冗談で言っただけだから」

アンズ「自分のお金はちゃんと持ってるから」

リーリエ「……」

アンズ「どうしたの?買わないの?」

リーリエ「では買ってきます」

アンズ「いいな…女の子らしくて…」

アンズ「ん?」

女性「もう!しつこいわねっ!」バキッ

男「ぎゃんっ!」

アンズ「何してんだろあの人…」

アンズ「ホウエンにはああいう人がいるのかな」

男「ねえねえねえか~のじょ~」

男「ボクとデートしない~?」

アンズ「うわっ!?」

アンズ「な、なんだあんた!」

男「ねえねえーいーでしょー?」

アンズ「い…いや…あたいは暇じゃない、他を当たれ」くるっ スタスタ

男「ねーねーそんなこと言わずにちょっとだけ」

男「ねっ?」

アンズ「このしつこい…っ!」

アンズ「火遁・豪龍火の術!」

男「わちゃちゃちゃちゃ!!」

アンズ「ふんっ…加減しておいたからこれに懲りたらもうこんなことはやめなさい」

男「なんのこれしき!!!」

アンズ「なっ…!」

女「バシャーモ、飛び膝蹴り!」

バシャーモ「セイッ」ドゴッ

女「こんのやろう!急にいなくなったと思えばまたナンパか!!」

男「待て待て!落ちつけ!」

女「うるさい!」ゴツンッ

男「うにゃっ!?」

アンズ「……」

女「あはは、ごめんなさいね」

女「失礼しましたー」

アンズ「……」

アンズ「なんだあれ…?」

リーリエ「騒がしいようでしたが何かあったのですか?」

アンズ「あー…なんていうか…」

アンズ「ホウエンって変わったとこだね」

リーリエ「?」

アンズ「いやなんでもない」

アンズ「それよりいいのは買えた?」

リーリエ「はい」

アンズ「それはよかった」

リーリエ「はいどうぞ」

アンズ「?」

リーリエ「ゴクリンドールです」

アンズ「あたいに…?」

リーリエ「他に誰がいるのですか」

アンズ「あ…ありがとう…」

アンズ「でもせっかくだけどあたいにこんな可愛いものは…」

リーリエ「何言ってるんですか」

リーリエ「今は忍者の服じゃないんですし女の子らしい服装じゃないですか、可愛いものも似合いますよ」

アンズ「忍者バカにしてる?」

リーリエ「してないです」

リーリエ「それに服装に関係なくアンズさん自身かわいいですよ」

アンズ「そんなこと…」

リーリエ「さっきだってナンパされてたじゃないですか」

アンズ「何かあったって聞いておきながら知ってるじゃんか」

――――――――――

レッド「……」ぽけー

ナツメ「なんだか外が騒がしいわね…」

ナツメ「マサキは別にいいとして二人が巻き込まれてないといいけど」

レッド「そーだねー…」

ナツメ「でも心配ないか」

ナツメ「リーリエちゃんはしっかりしてるし、アンズは忍術が使えるからなんとかなるしね

レッド「……」

ナツメ「あ、それおかわりする?」

レッド「……」こく

レッド「ナツメー」

ナツメ「なあに?何か注文したいものがあるの?」

レッド「あのきかいなおしたあとどーするの?」

ナツメ「どうって…普通に観光とか…」

ナツメ「もしかして行きたいところでもあった?」

レッド「んー…ない」

レッド「ホウエンのことよくしらないもん」

ナツメ「まあそうよね」

レッド「でもナツメとはふたりでどこかいってみたいなー」

ナツメ「そ、そうね私も」

ナツメ「せっかくみんなで来たんだから楽しそうなところ行きたいね」

レッド「ふたりだけはどう?」

ナツメ「……」

ナツメ「え…い、今…なんて?」

レッド「ふわわ…」

ナツメ(今二人で…二人だけでって…)

ナツメ(そ…それってデ…デデデ…)

ナツメ(レッドからそんなこと誘われるなんて…!)

ナツメ(と…とと…とりあえず落ち着くのよ)プルプル

ボタボタボタ

レッド「コーヒーこぼれてるよ」

ナツメ「え?」

ナツメ「あっつ!」

レッド「だいじょうぶー?」

ナツメ「へ、平気よこれぐらい」

ナツメ(おかげでちょっと冷静になれた…)

レッド「しろだからめだっちゃうねー」

ナツメ「あ…」

着替え完了

ナツメ「ごめんね、予定外の買い物につき合わせちゃって」

レッド「ぜんぜんいーよー」

ナツメ「レッドも何かほしいものがあったら言って、買ってあげる」

レッド「んー…」

レッド「……」

レッド「……」

レッド「睡眠」

ナツメ「ものじゃないよそれ」

1時間後

マサキ「もうそろそろ来るころやと思うねんけど…」

プップー

マサキ「おっきたきた」

アズサ「おまたせおまたせ」

アズサ「ちょっと道が混んでてさ」

マサキ「いや別にそんな遅ないで」

アズサ「それはよかった」

アズサ「あ、彼がレッドね…なるほど」

アズサ「そうだ自己紹介がまだだった」

アズサ「私の名前はアズサ、よろしくね」

ナツメ「この人があの機械を作ったの?」

マサキ「いや違う」

アズサ「あの機械ってのは性格変更機ね」

アズサ「あれは私じゃなくて私の妹のマユミが作ったの」

アズサ「マユミは今手が離せないから代わりに私が迎えに来たの」

アズサ「さあ乗って、話なら運転しながらでもできるから」

アンズ「ふむ…車の中とはこうなっているのか…」

リーリエ「ほとんどの車がこういうものじゃないですか」

アンズ「こういうものと言われても車に乗ることなんかなかったから」

リーリエ「乗ったことないのですか?」

アンズ「ない」

アズサ「あらじゃあ初体験じゃない」

アズサ「このこ(車)もあなたの初めてもらえてうれしいだろうね」

アズサ「それじゃあ全員乗ったね」

アズサ「ハジツゲタウンっていうちょっと距離のあるところだから少しだけとばすね」

ガッ ギャギャギャ ギュイイイイイイン

マサキ「ちょちょっ…アズサ!?」

マサキ「これとばしすぎとちゃうか?」

アズサ「だから少しだけとばすって言ったじゃない」

マサキ「少しとちゃうやないかい」

アズサ「何言ってんの、まだ180よ」

マサキ「いや、あきらか法定速度超えとるやろ」

アズサ「型にとらわれないのが私のいいところだって言ってくれたじゃない」

マサキ「言うたかもしれんけど、これはちゃうやろ!」

アズサ「せっかく特別に改造して500まで出るようにしてもらったのに」

マサキ「絶対そんなスピード出すなよ…」

アズサ「はいはい、気をつけるようにするよ」

マサキ「って言っとる間にどんどん速なっとるやろ!」

アズサ「だってちょっとでも早くつく方がいいでしょ」

アズサ「じゃあスピード上げないと」

マサキ「事故ったらなんの意味もないやろ」

アズサ「君は私がこの程度のスピードも操れないと思ってるの?」

アズサ「私にとって時速200キロなんて退屈なスピードなの」

アズサ「スローすぎてあくびが出るぜってやつよ」

マサキ「あんたがよくても周りが…」

アズサ「ああもう…あそこに見える車邪魔ね」

マサキ「おい道路はお前のもんちゃうねんぞ」

ハジツゲタウン

アズサ「はいとうちゃーく」

マサキ「ああ…なんとか生きてたどり着くことができたんやな…」

アズサ「大げさね」

マサキ「あんな運転されたら誰でもこうなるわ!」

アズサ「そう?私は興奮しっぱなしだったけど」

マサキ「あんたぐらいや、そんなの!」

ナツメ「何をぎゃーぎゃー言ってるの」

ナツメ「着いたんだしもういいでしょ、早く行こうよ」

マサキ「なんでそんな冷静やねん」

ナツメ「車から降りたんだからもう騒ぐ必要なんてないでしょ」

ナツメ「レッドを見習いなさい」

レッド「……」ぽけー

マサキ「いやレッドの場合は違うやろ」

ナツメ「どう違うの」

マサキ「それはほら、性格おかしなっとるから他もおかしなったんやろな…」

ナツメ「おかしくなったのなら早く治したほうがいいよね」

ナツメ「だからこんなとこでそんなどうでもいいことを言ってる暇なんてないの」

マサキ「はい…」

続く

続きはこちら

レッド「人見知りを克服しなくては…」
レッド「人見知りを克服しなくては…」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1507818799/)

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom