【安価】春香「学園黙示録……」【進行】 (1000)


学園黙示録xアイマスのスレ

学園黙示録原作が未完ですが、
そこらへんはなんとか補完して行こうと思っています

アイマスキャラがメインですが、
学園黙示録側のキャラも出てくる予定


とりあえず主人公選択


安価下(765プロ限定)


※安価先のコンマが奇数で単独、偶数で2人 ゾロ目で3人組

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1375703039

雪歩


雪歩主人公

>>2が偶数なので2人組での行動になります


パートナー選択

安価下(765プロ限定)


雪歩と響の2人組で行きます

ゲームクリア条件は<奴ら>の問題解決(ワクチンの開発、入手)または無人島など安全圏への脱出

ほかのキャラの救出はあくまでついでと考えてください

深追いするとゲームオーバーになる場合があります

ゲームオーバーの条件は

主人公の感染、または死亡のみ

パートナーが死んでも主人公が無事なら続けることができますが、

まれにあと追い自殺が(自動)で起きます


現時点ではこんな感じです


昨日まではなにも変わらない日常でした

レッスンしたり、営業行ったり、収録したり

お忍びで買い物行ったりなんだりして……

明日も変わらないんだろうなぁなんて思っていました

そして今日。そんな日常は終わってしまった


―――――――――

――――――

―――



「……ふぅ」

「ため息つくと幸せが逃げるらしいぞー」

スタジオの控え室で一息つく私に、響ちゃんは笑いながら飲み物を差し出してくれた

「えへへ……疲れちゃって」

前よりはマシになったかもしれないけれど、私は相変わらず男の人が苦手で、

監督さんやカメラさんが男の人が多いということもあってやっぱり撮影は苦手だった

そのせいか、ラジオとかの収録よりも少し気疲れしてしまう

「まぁ、仕方ないさー。苦手なものが直ぐに得意になるなんて自分でも無理だと思うし」

「響ちゃんも苦手なものあるの?」

いつも完璧っていう響ちゃん

そんな子にも苦手なものがあるんだなぁ

「……まぁ、ちょっとは」

失言だったと頬をかく響ちゃんは可愛い

そう思った時だった


ガシャン!!


スタジオ全体に響いたんじゃないかというくらいに大きな音

「な、なんだー!?」

「スタッフさんがなにか倒しちゃったのかな……?」

「自分ちょっと見てくる。雪歩はここで待ってるんだぞ」

「あ――」


1、ついていく
2、おとなしく待つ
3、大丈夫だよ。呼ばれるまで待とう

安価下


「わ、私も行きますぅ」

「え、でも」

「ひ、一人の時に来られたら……」

正直行くのは少し嫌だけど、

もしも一人の時に男の人が来たらと思うと震えてしまう

「解った解った。一緒に来ていいけど離れちゃダメだぞ?」

「うん」

こういう時にそう言ってくれる響ちゃんは少しかっこいい


「う~ん……」

ほとんど密着しているような状態

だけど、響ちゃんは嫌とも邪魔ともいうことなく許可してくれる

「少し暗いね」

「それに静かすぎるぞー……」

響ちゃんの声は変に響いて

それをかき消すような悲鳴が下の階から響いた


「ひ、悲鳴……」

「……ちょっとどころじゃなく変だぞ」

大きな物音。

不自然に静かになったビル

そして上がった悲鳴

「た、立てこもりじゃ……」

「そんなことあるのか?」

響ちゃんは私の言葉に否定的なことを返しつつも、

ごくりと生唾を飲んで緊張しているみたいだった

「ひ、響ちゃん」

「ん?」


1、下に行こう
2、部屋に戻ろう
3、誰かに電話してみない?(相手明記)
4、そのほか自由


安価下


「四条さんに電話してみましょう」

「え?」

四条さんはこのスタジオに一番近い場所で仕事しているはずだし、

もしこのビルで何かが起きているなら、

四条さんの耳に入ってる可能性が高い

そのことを説明すると、

響ちゃんは納得したのか頷いてくれた

「うん……貴音ならたとえ知らなくても話せば分析してくれるだろうし」

完全に四条さん頼りだけど、

この際仕方がない……のかな?


安価下コンマ判定


72~00 で 電話成功


「………………」

「………………」

電話が繋がることはなかった

電源が切れているわけでも、電波が届かないわけでもなく、

四条さんが電話に出ない

もしかしたら仕事中なのかもしれないけど。

むしろその可能性が一番高いけど……心なしか不安になってくる

「仕事中なんだよ。きっと」

響ちゃんはそれを察してかそう言う

あの悲鳴のあとから物音は途絶えていた。けれど、

建物の外からは日常の喧騒ではない怒号や悲鳴が上がっていたことに、

私たちは今更になって気づく

「何が起きてるんだ?」

スタッフが誰もいない

撮影機材をなぎ倒し、放り出しで慌てて出て行ったかのような荒れたスタジオ

そこには撮影時にはなかった赤い模様があちらこちらについていた


「………………」

「あ、響きちゃ――っ!」

響ちゃんは私から離れるとその赤い模様に指をつけた

それは液体なのか、

響ちゃんの指に付着し、上がっていく指から雫が滴る

「っ……」

険しい表情だった

それがなにか知るべきではなかったというかの表情

「響ちゃん?」

「雪歩、控え室に戻るぞ」

「え?」

「早く!」

響ちゃんの剣幕はものすごくて、

私は黙って指示に従うしかなかった


部屋に戻ってからというもの、

響ちゃんは黙り込んでしまっていた

「響ちゃん、どうしたの?」

「…………………」

答えてはくれず、

不意に立ち上がったと思えば荷物をまとめだした

「雪歩はここにいるんだぞ」

「え?」

真剣な表情。

有無を言わせないというような表情

だけど、

私はそのままではダメな気がした


1、置いていかないでください
2、ダメだよ響ちゃん。一緒にここにいよう?
3、理由を教えてくれないんですか?
4、そのほか言動自由


安価下


「ダメだよ響ちゃん。一緒にいよう?」

「できればそうしたい……けど」

響ちゃんは口ごもる

それを言うかどうか迷っているらしい

でも、なんとくわかっていた

あの臭い。

嗅ぎ慣れたわけではないけれど、

たまに漂うあの臭い

「……あれは血だよね? 響ちゃん」

「………解ってたのか」

残念そうな表情で響ちゃんは言うと、

両手を挙げてため息をついた

「降参するぞ。たしかにあれは血だった」

「……事件があったのかな?」

「それならもっとこう……警察とかが動いててもいいと思うぞ」

響ちゃんの答えは最もだ

もちろん、そとで鳴り響く数多くのクラクションが渋滞を示唆している可能性はある

でも。

郊外の渋滞なんて普通はありえないような場所でそれがあり得るだろうか

ううん、ありえない

【普通なら】

そのワードが脳裏に大きく刻まれる


「だから自分、ちょっと確かめようと思って」

「でも、危険だよ!」

「危険でも確かめるためには行くしかないぞ」

ここはスタジオの控え室で、

この部屋を出たとしてもスタジオは余計な光を避けるためなのか、

窓は一切ない

外の様子を窓から確認はできない

「…………」

何か方法は……

携帯で誰かに連絡を取る?

それともほかに何か……



1、電話しよう(相手明記  同レス 72~00 で成功)
2、テレビをつければいいんじゃないかな……?
3、解った。でも一緒に行く
4、そのほか自由明記


安価下


ここで立て篭っていても何も事態は変わらないかもしれない

むしろ今も酷くなる外の騒ぎがもっともっと酷くなる可能性だってある

「解ったよ響ちゃん。一緒に行こう?」

「……雪歩。危険なんだぞ」

響ちゃんは私のことを考えてくれている

だからこそここにおいていこうとしていた。けれど。

「私だって響ちゃんの事心配だし、放っておけないです」

「解った」

響ちゃんは仕方がないといった感じで言うと、

無理矢理に私の手を握った

「雪歩のことは自分が絶対守ってやるからな?」

響ちゃんの怖さを隠した笑顔

「ありがとう……響ちゃん」

その強がりを壊したくはなくて。ううん

壊すことなんて私にはできなかった


再び控え室を出た私たちは、

些細な物音も見逃さないように慎重に歩いていく

「まずはどうする?」

「う~ん……」

響ちゃんは外に出るということだけしか考えてなかったらしい

良かった。付いて来て

とりあえず自分たちの持ち物を確認

響【携帯、サングラス、帽子、ボール、お菓子x4】

「なんでボール持ってるの?」

「来る前にいぬ美と遊んでてそのまま持ってきちゃったんだ」

実に響ちゃんらしい

雪歩【携帯、ハンカチ、水筒(冷茶)、スコップ(大)】

「雪歩こそスコップ……は、言う必要ないかー」

「えぇ……」

なんかちょっと恥ずかしい


1、外に行こう
2、スタジオを物色
3、そのほか自由明記


安価下(同レスコンマ  20~30 で遭遇)


「響ちゃん、まずは使えそうなものを探してみよう?」

ということで、

互いに離れすぎないように気をつけながらスタジオを物色した

「何かあるかー?」

さすがスタジオというだけあって、

いろいろと小道具はあるけれど、全部は多いかな

「響ちゃんは何見つけた?」

「えっと……」

【何かの鍵、木刀、カメラ、だれかの携帯、木の盾】

「私は……」

【カメラ、懐中電灯、支給弁当x4、支給ドリンクx5】

使えそう? なものはこのくらいしかない

「流石に全部は持っていけないぞ?」

「うん……もう少しいいリュックとか、人手があればよかったのに……」

「ないものをねだっても虚しいだけ……とはいえお弁当と水……」

響ちゃんは少し悲しそうだ


響【財布、携帯、サングラス、帽子、ボール、お菓子x4、何かの鍵、木刀、カメラ、だれかの携帯、木の盾】

雪歩【財布、携帯、ハンカチ、水筒(冷茶)、スコップ(大)、カメラ、懐中電灯、支給弁当x4、支給ドリンクx5】

財布、携帯、サングラス、帽子、ハンカチ、スコップは手に持ったりつけたりで外せるとしても

響【ボール、お菓子x4、何かの鍵、木刀、カメラ、だれかの携帯、木の盾】

雪歩【水筒(冷茶)、カメラ、懐中電灯、支給弁当x4、支給ドリンクx5】

私も響ちゃんもカバンに入れられるのはせいぜい6つ

「何かを捨てたりしないとダメですぅ……」

「う~ん……とりあえずどうするべきだ~? 外の騒ぎの理由によっては食べ物が重要かもしれないし」

「どうしよう……」

ちゃんと考えて選択しないとダメだよ

響に持たせるもの

1、ボール
2、お菓子(数明記 最大4)
3、何かの鍵
4、木刀
5、カメラ
6、だれかの携帯
7、木の盾
8、懐中電灯
9、支給弁当(数明記 最大4)
0、支給ドリンク(数明記 最大5)

安価下~下3が上記より6つずつ選択(6つ以下でも可)

数が多いものを優先的に所持する

4、木刀
6、だれかの携帯
7、木の盾
8、懐中電灯
9、支給弁当(数明記 最大4)
0、支給ドリンク(数明記 最大5)

1、ボール
4、木刀
5、カメラ
7、木の盾

ボールとカメラは音を立てれるから使えそう



44


777





木の盾、木刀は確定
残りは>>29から2つ、>>31から2つ

書いてある順番を使って

>>29からは6、8
>>31からは1、5

響【財布、携帯サングラス、帽子、木の盾、木刀、だれかの携帯、懐中電灯、ボール、カメラ】

以上が所持品


次に雪歩

1、カメラ
2、お菓子(数明記 最大4)
3、何かの鍵
4、懐中電灯
5、支給弁当(数明記 最大4)
6、支給ドリンク(数明記 最大5)
7、水筒


安価下~下3が上記より6つずつ選択(6つ以下でも可)

数が多いものを優先的に所持する


トリはこれでいいかな? 雪歩主人公ということで雪歩主

再開します


響「弁当は一つで良いのか?」

雪歩「うん、田舎ってわけじゃないし、どこででも手に入ると思うから」

それに意外とかさばっちゃうし……惜しいけれどおいていくしかない

響「……解った。とりあえず行くぞ」

雪歩「うん」

だんだんと静まりつつある街

私達は不安と恐怖を抑えながらスタジオの出口をあける

私たちの目に映ったのは映画のような悲惨な現実だった

いくつもの車が横転したり、衝突していたり

煙を上げているのだってあるし、

なにより、血だらけの人が足を引きずっているという光景が恐ろしかった

響「一体何が……」

雪歩「少なくても、常識の範囲外……かな」

事故ではないことは明らか。

野次馬は愚か、救急車とかでさえきていないのだから……


1、徘徊している人に声をかけよう
2、大声で叫んでみる
3、とりあえず先に進もう
4、そのほか、自由


安価下


気にはなる。

もし救えるのなら救ってあげたい……でも

雪歩「行こう、響ちゃん」

私は呆然としている響ちゃんの手を引く

響「で、でも……あれ」

雪歩「私たちにはどうも出来ないと思う。サイレンが全く聞こえないし通報も多分無駄」

響「っ……」

響ちゃんみたいな反応が普通なのかもしれない

こんな状況下で冷静になれている私はきっとおかしい

世界がおかしくなってるなら、私は普通なのかな?

雪歩「……響ちゃん」

響「………………」

一気に元気を失ってしまった響ちゃんの手を引いて私達は歩いていく

みんなは無事だよね……?

無事でいてくれるよね……?


歩いても歩いても。

見えてくるのは最悪としか言えないようなものばかり

生きている人に会いたい

原因を知りたい

響「雪歩、ごめん。もう平気」

雪歩「……そっか、良かった」

何も良くない。

むしろすべてが悪い

雪歩「どうしたらいいかな」

響「貴音……貴音は無事なのか……?」

私たちの現在地から割と近い場所にいる……はず

けど、交番や人がいそうな小学校など、

ほかにも行った方がよさそうな場所がある


1、貴音がいるであろうスタジオへ(コンマ41~85で合流)
2、交番へ
3、学校へ
4、少しあたりを散策しよう
5、響と話す(内容明記)
6、そのほか自由明記


※選択肢1、2、3、4は同レスにてコンマ判定

20~35 88~90 で<奴ら>遭遇


安価下で


着てる場合はそれで


徘徊している人は大勢いるわけではないらしい

たくさん見たら見たでそれはかなり問題だけど

響「……さっきの人、どう思う?」

雪歩「怪我してて、足引きずってて、私たちがそばを通っても気づかない」

それに、あれは人間というよりもお父さんのお弟子さん達がたまに見てるようなホラー? 映画の……

ううん、まだそうだって決め付けるのは早いよ。私

雪歩「でも、覚悟はしておいたほうがいいよ」

響「覚悟?」

雪歩「うん……最悪、私達は戦わなくちゃいけないかもしれないから」

もしも映画のモンスターみたいなことになっているなら、

私達は自分の身を守るために戦わなくちゃいけない

雪歩「響ちゃん、スタジオってあれかな?」

少し先に見える建物には、【~~~~ジオ】という文字がみえた

響「うん……そうだぞ」

響ちゃんは不安そうにつぶやいた


スタジオの入口は固く閉められていて、

覗こうにも机とかでバリケードが作られていて覗くことはできない

響「貴音ーっ! 自分だぞーっ!」

響ちゃんの呼びかけに反応して2階の窓が開き、

出てきたのは見覚えのある銀髪の女の子

貴音「響! 萩原雪歩!」

それは見間違えることなどありえない、四条さんの姿でした

響「良かった、無事だったんだな!」

貴音「お二人こそお怪我は!?」

四条さんは嬉しそうな声を緊張したものへと変えて訊ねてきた

雪歩「響ちゃんも私も大丈夫です!」

貴音「では、お二人を中へ」

その合図で開いた非常口から、私達は中へと入った


貴音「お二人がご無事で何よりです」

響「電話したんだぞ!」

貴音「ごめんなさい響……出られるような状況ではなかったのです」

雪歩「四条さんが無事ならそれで良かったと思おう?」

心配だったからこそ怒る響ちゃんを抱き寄せながら、

四条さんは私を見つめた

貴音「萩原雪歩、事態を理解はできていますか?」

雪歩「……えっと」

私が知っているのは、

怪我をしている人が徘徊していること

一般の人が見当たらないこと

車などがのり捨てられていたり、横転していたりする

ということだけ

貴音「ふむ……では、わたくし達が知っている限りのこともお話いたしましょう」


四条さんから得られた情報は

・徘徊する人はすでに死人

・<彼ら>または<奴ら>に噛まれた場合感染してしまう

・発生源は不明

・警察、病院への連絡は不通

・無事な人は建物に立て篭っているという事


雪歩「みんなへの連絡はどうなんですか?」

貴音「……いえ、繋がることはありませんでした」

響「事務所にもか!?」

貴音「……はい。残念ながら」

四条さんはその表情に影を落とし、残念そうに呟く

雪歩「…………」

事務所には小鳥さんさんがいるはずなのに


…………。

本当に電話は繋がらなかったのかな?

でも、それで嘘をつく意味なんて無いだろうし……

四条さんがそう言うなら多分本当のこと

だから、まずはどうするべきかを考えないと

立てこもることが一番の安全策ではあるのかもしれない

だけど食料はいつか尽きて出て行かなくちゃいけなくなる

第一、ここはスタジオだから撮影に来ていたスタッフ達もいるし、

3日も持たない可能性がある

貴音「……雪歩殿。何か考えがおアリですか?」

雪歩「わ、私の意見なんて……」

貴音「緊急事態に不要な知恵などありませんよ、ましてや……常識の通用しない現状では」

四条さんは私を見つめる

この期待に私は答えられるのだろうか?


1、出ましょう。建物を
2、食料は何日持ちますか?
3、四条さんの考えは?
4、そのほか、自由明記

安価下


雪歩「食料は何日持ちますか?」

貴音「……申し訳ありません」

四条さんが頭を下げる

……えっと。はい

一応解ってはいました

ちょうどお昼過ぎたあたりだったし、

私たちだって人数分に足りないなんてことがなければ食べていたし

それで買い出しに出たりしなければスタッフさん達が……っ

響「なら、食べ物は雪歩の持つ弁当一つかー」

飲み物は水道水で我慢できれば事足りる……でも、

食糧が全くないとなると立てこもるのは無理ですね

貴音「わたくしはここを出ようと思っています」

雪歩「え?」

貴音「みなが心配なのです」

四条さんの手は少しだけ震えていた


貴音「どういたしますか?」

響「………………」

スタッフさん達もみんな押し黙る

きっと、四条さん達は私たちが見ることのなかったものを見たんだろう

外の危険さを知っているのかもしれない

それでも四条さんは行くという

みんなが心配だから

響「自分は行くぞ」

スタッフさん達も男性3人は行くという

ほかの人は待つつもりらしい

貴音「萩原雪歩。貴女の選択を」


1、一緒に行く
2、待つ
3、そのほか自由明記

安価下


雪歩「行きます!」

残ることが安全だと。

頭ではわかっている

けれど、せっかく会えた四条さん。

響ちゃんと離れるなんて嫌だった

貴音「雪歩殿……よろしいのですね?」

雪歩「はい」

響「誰か車運転できるのか?」

「一応、俺ができますよ」

男の人は怖いけれど、

車で移動することができるのならこれほど助かることはない

雪歩「みなさん、どうかご無事で」

貴音「皆様に月の加護があらんことを」

響「また、撮影を一緒にしたいぞ!」

残るスタッフたちに別れを告げて私達は行く

地獄とも言える世界に


「どこに向かう?」

貴音「……脱出する場合、どこへ行きますか?」

雪歩「陸を離れるだけなら空、海……空港か港だと思います」

貴音「ならば、わたくしたちも行きたいところですが……」

みんな同じ考えだとしたら、

そこに向かうための道は渋滞しているに違いない

響「<奴ら>が多くなってきてるぞ」

響ちゃんにつられて外を見ると、

道路のいたるところに<奴ら>はいた

雪歩「立てこもらずに逃げたんでしょうか?」

貴音「<彼ら>がばりけぇどを突き破った可能性もあります」

「……貴音ちゃんたちはほかの765さん達を探すんだろ?」

貴音「はい、その予定ですが」

「それはついでっていうんじゃダメか? 正直連絡つかない以上見つけるのは無茶だ」

「大体、生きてるかどうかも――」

響「みんな生きてる! そんなはずないぞ!」


【夕方 東京郊外 路上(車内)】

「とは言ってもなぁ……」

スタッフさんたちが言うことに同意はできないけれど、

理解はできる

スタッフさんたちには私たちの目的は関係ない、逃げたいだけ

だからみんなをついでだと言う

貴音「……ここからはみな遠い」

営業だったりレッスンだったりオーディションだったり学校だったりで離れ離れ

一番遠いのは地元の学校である春香ちゃん……

雪歩「雪歩ちゃん、一人なんだ……」

響「……大丈夫さー。春香は強いからな」

雪歩「……うん」

貴音「では……選択しなければいけませんね」


1、このまま逃げる
2、途中まで乗せて貰い、そこで別れる
3、そのほか自由明記


安価下


雪歩「途中まで乗せてください」

「………………」

「……途中まででいいのかい?」

貴音「互の行き先が違えているならば、無理して付き合って貰うわけにも行きません」

四条さんの覚悟ある瞳がスタッフさん達の言葉を止める

響「………う~ん」

雪歩「どうかしたの? 響ちゃん」

響「<奴ら>がだんだん増えてきてる」

「本当だ……はやく移動しよう」

貴音「…………………」

貴音さんは車が横切ったあとの<奴ら>を見つめ、

少し考えた後に小さくうなった


「どうしたんだい?」

貴音「<彼ら>はもしかしたら音に反応しているのでは。と」

雪歩「……本当?」

貴音「止まっている時もエンジンがかかっていたせいか増え。いま横切った時にこちらを向いたのです」

響「そういえば、自分たちが歩きの時に近くにいた<奴ら>は反応しなかったぞ」

なら、本当に音に反応するのかもしれない

だとしたら、人がより多く集まる場所

逃げるために車が集まっているであろう高速道路や、そのほか場所は……

「エンジンが静かな車に買い換えておけばよかった」

「ははっ、車屋にならあるんじゃねーか?」

そんな事実を前にして、スタッフさん達は変に上機嫌だった

もう逃げきれると確信しているのか、

それとも、ほかの何かがあるのか……私には解らなかった


これから一番近かったのは誰だっただろう?

765プロは遠いし、社長や小鳥さんは違う

春香ちゃんはさっき気づいたとおり……

貴音「覚えていますか? みなのすけじゅーるを」

響「ううん、自分は自分のしか見てなかったから」

雪歩「みんなのスケジュール……」

どうだっただろう?

いないなんてことはないけど、

一人営業に出ていた覚えがある

今朝確認したよね? 思い出して、私


一番近い765プロキャラ


安価下2


千早ちゃんだ

雪歩「千早ちゃんです!」

貴音「千早ですか……遠いのですか?」

雪歩「そこまで遠くはなかったと思います。CDショップへの営業だとか」

とは言っても高速道路とはルートが違う

響「ならまずは千早を助けるぞ」

そこにいればいいけど、

スタジオみたいな建物じゃなく、

ガラスばりのお店だから、そこにいる可能性はかなり低い

やがて、

CDショップ、高速道路分かれるべき道に来てしまった


安価下コンマ

01~100 路上の危険度

01~10 安全

11~55 対処可能

56~70 少し厳しい

71~90 かなり厳しい

91~00 出るのは不可能だ

ゾロ目で遭遇イベント


54→対処可能

貴音「多少いるようですが、対処はできるでしょう」

雪歩「た、対処って……」

私の嫌な予感が当たってしまった

<奴ら>とはいえ元は人間。

ううん、見た目はまだ人間だって言えなくもない

貴音「……スタッフさん、車を」

そう、あれは人間

それを対処するってことは――

貴音「はい、行かねばなりませんから」

響「雪歩」

響ちゃんが私の名前を呼ぶ

雪歩「うん……ごめんね響ちゃん」

私達はスタッフさん達と別れ、CDショップへと向かう


貴音「対処できる程度とは言え……」

四条さんはあたりを警戒しつつ、声を潜めて呟く

貴音「戦えますか?」

響「…………………」

雪歩「………………」

戦える。と、私はすぐには言えず、

響ちゃんもうつむいて黙ってしまった

貴音「それが正しい反応です。気負う必要はありません」

雪歩「四条さんは戦えるんですか?」

貴音「……無論、出来るならば避けたいものですが。どうしてもというのならば」

四条さんは、スタジオに置いてあったであろう鉄の棒を両手に握る

貴音「わたくしは躊躇う事なく討ちます」

響「……貴音」

貴音「無理はせずとも良いのです。わたくしが守りますから」

四条さんだって怖いはずだ

怖い話で怖がるくらいなんだから。なのに、四条さんは……強くあろうとしてる。なのに……


1、……戦います
2、ごめんなさい、四条さん
3、ありがとう、四条さん
4、本当に平気なんですか?
5、そのほか言動自由


安価下

少し中断


雪歩「……戦います」

貴音「雪歩殿」

こんなことのためではないはずの大切なスコップを抱きしめる

いつからだっただろう

恥ずかしいことがあると穴掘って隠れようとしたのは。

その相棒としてこのスコップを選んだのは。

雪歩「戦えます」

貴音「……心強い限りです」

怖いからって隠れられない

なら、戦うしかないから

響「じ、自分も!」

貴音「ええ。背中は任せます」

響「うん」

行こう。切り抜けよう

みんなで生きて――またみんなで笑うために


安価下コンマ敵との戦闘遭遇判定

50~80


貴音「っ……」

ゆっくりと過ぎていく

足音を、呼吸を、すべてを消し去って抜けていく

響「……大丈夫、後ろからついてきてないぞ」

最後尾の響ちゃんがホッとした声で言う

雪歩「……よかった」

無事だ

私達3人は無事に抜けられた

あとは千早ちゃんが無事でいてくれれば

千早ちゃんとまた笑って会えれば

もう一度、あの綺麗な声を聞けたら――


CDショップの状態安価下コンマ

01~35 半壊

36~50 半壊+<奴ら>数はコンマ一桁分

51~70 全壊

71~00 <奴ら>の大群 一桁x2

ゾロ目で千早遭遇


ただし、ゾロ目44 00 でbad遭遇


判定 65 全壊


貴音「これは……」

CDショップは全壊していた

見たままの予想でしかないけど、

店の中にトラックが突っ込み、店の主柱を崩しちゃったのかもしれない

今現在、店を支えているのはそのトラックの突っ込んだ半分の車体

雪歩「……千早ちゃん」

店の中に人の姿はなく、幸か不幸か、千早ちゃんの荷物も見当たらなかった

響「貴音」

貴音「……血痕は運転手のもののみのようですね」

雪歩「じゃぁ、千早ちゃんは」

少なくとも、このCDショップで被害に遭っていないことは確実

じゃぁ……どこに行ってしまったんだろう?


貴音「……どうしますか?」

雪歩「………………」

千早ちゃんには会えなかった

外はもう夕暮れ

いつもなら事務所に帰ってお疲れ様って………

貴音「萩原雪歩」

四条さんが私の肩を叩く

貴音「今はただ行きましょう。この世界はもう、安全でなければ嘆くことすら許されません」

四条さんはそのあとの言葉を隠した

安全な場所なんてもうないっていう現実を

響「どうする?」

貴音「……どこに行くべきでしょう?」

……一番近いはずだった千早ちゃんがいなかった

なら、あとはもうお父さん達が……


1、スーパーに立て篭りましょう
2、だれか(765キャラ)の家に行きましょう
3、お父さんたちの安否を確認したいです
4、そのほか自由明記

安価下


安価下コンマ判定

近い  01~100    遠い



判定44  やや遠い(徒歩ではきつい)


雪歩「伊織ちゃんの家は……ダメ、ですか?」

貴音「水瀬伊織の家……たしかに、あの豪邸ならば私たちをかくまうことも容易でしょう」

けれど……決して近くじゃない。

徒歩であることを考慮するなら遠いといっても良いかもしれない

響「ちょっと難しいぞー。車でもあれば違うんだろうけど」

貴音「誰が運転するのですか?」

雪歩「……無免許運転ですぅ」

自分で言いつつ、それはないかなぁ

なんてため息をつく

貴音「雪歩殿、響。お二人がよろしいのでしたらこの近くのスーパーで一夜を過ごしましょう」

雪歩「…………」

響「自分は問題ないけど、雪歩は……」

もしかしたらスーパーに千早ちゃんがいるかもしれない、

それでなくても、情報を集めたりできるかもしれない

それを遮ってまで離れた自分の家を優先する……?


1、私も……四条さんの案に賛成です
2、お父さんたちが心配です……


安価下


雪歩「私も……四条さんの案に賛成です」

貴音「解りました。では行きますよ」

四条さんはあえて何も言わない

何も言わず、私の前でその強く大きな背中を見せてくれる

貴音「雪歩殿」

雪歩「はい」

貴音「響」

響「はいさい」

みんな一緒ならきっと大丈夫だと、四条さんは思わせてくれる

貴音「任せますよ」

響「任せるぞー」

雪歩「お任せします」

その強い思いを抱きながら前を向く。

そして私達はスーパーへ向かって駆け出していった


安価下コンマ判定

35~70 でやつらと戦闘

ゾロ目でスーパーに千早

ただし、44  00 でちはやつら


貴音「っ……」

響「流石に疲れるぞぉ……」

雪歩「はぁっはぁ……はぁ……」

ほとんど全力で走りながら、

四条さんは迫り来る<奴ら>を討ち飛ばし、

そのおかげで、私達は無事にスーパーに入ることができた

できたわけだけれど、残念なことに千早ちゃんの姿はなかった

雪歩「……千早ちゃん」

響「車で逃げた可能性もあるからなー大丈夫だよ。きっと」

雪歩「うん――っ」

リーダー「へへっ一応この場でリーダーしてるのは俺だよろしく頼むぜ。アイドルちゃん」

男の人が少し多いみたいですぅ……

貴音「はい、よろしくお願い致します」


今日はとりあえずここまでということで


アイドルは合流できなかった場合、

毎回コンマ判定に登場し、

<奴ら>化判定、遭遇判定をとります

時間がたちすぎると、

<奴ら>化判定値が大きくなったり、強制的にそうなってしまうこともあります


また、目撃情報などの取得により、遭遇率の増加も可能です


再開します


現在の手持ちを確認したところ……

響【財布、携帯、サングラス、帽子、木の盾、木刀、だれかの携帯、懐中電灯、ボール、カメラ】

雪歩【財布、携帯、ハンカチ、スコップ(大)、水筒(冷茶)、
    何かの鍵、懐中電灯、支給弁当x1、支給ドリンクx1、お菓子】

貴音【財布、携帯、鉄の棒x2】

こんな感じでした

雪歩「……これからどうしますか?」

貴音「……そうですね。郷に入りては郷に従えと言いますし。彼らに従うべきかと」

響「でも……なんていうか、それは間違いな気がするぞ」

貴音「わたくし達はあいどるで、彼らは一般人。本来触れえぬ者とともにあれると言うのならば……」

四条さんは少し難しい表情で先に立て篭っていた人達を見つめる

貴音「それを抜きにしてもこのような常識の消えた世。ゆえに、響の恐ることが起こらないとは言えません」

雪歩「それって……」

貴音「大丈夫ですよ。萩原雪歩。わたくしが貴女を守りますから」

響「自分だって!」

スーパーに来たのが正しいのか正しくないのか。

私達はまだ分からずにいました


先住民といって良いのかは解らないけれど、

とにかくあの人たちの指示に従うべきか、

それとも私達は私達として独立したものとして存在し、

敵の敵は味方。なんていう一時的休戦状態程度に考えておくべきか

四条さんが前者のメリット・デメリットとして提示したのは


メリット

・情報交換が可能

・物資の補給時の無意味な争いの回避

・単純な戦闘力の増加

デメリット

・リーダーの命令に従わなければいけないということ

・呑み込まれ、自分たちが離れ離れになる可能性


後者としては


メリット

・各々が自由に活動できる

・相手の指示に対し反対できる


デメリット

・無意味な衝突

・物資補給が困難

・情報交換が困難



主なものとしてはこのくらい……らしい


貴音「現状では、雪歩。わたくしは貴方に委ねたいと思っています」

雪歩「えぇっ!?」

私なんかよりも四条さんの方が絶対に正しい

私なんかよりも四条さんの方がリーダーに向いているはず

なのに、なんで

貴音「雪歩殿が気弱で臆病であるからだと。あえて言わせていただきます」

四条さんは私の抱えるコンプレックスを、

その選択の理由だと提示してきた

雪歩「どうして……ですか?」

貴音「臆病であるからこそ、貴女は誰よりも相手の言動に敏感に反応するでしょう」

四条さんは微笑む。

絶対の信頼と、期待を乗せて言葉を紡ぐ

貴音「そして、りぃだぁこそがそうあるべきだと思います。ですから貴女に委ねるのですよ。りぃだぁを」

響「自分は無理だから貴音か雪歩。貴音がそう言うなら、雪歩が適してると思うぞ」


1、む、無理ですぅ!
2、ゎ、解りました……や、やれるだけ頑張ります!
3、そのほか自由言動


安価下


雪歩「ゎ、解りました……や、やれるだけ頑張ります!」

貴音「ふふっ、よいお返事です」

響「もちろん、自分たちだってちゃんと考えたりするから安心してくれてイイぞ」

雪歩「はぃっ」

私のコンプレックスである臆病さがリーダーとして必要なことだと、

四条さんは言ってくれた

そのことが嬉しくて、私は不安だらけのリーダーという立場を受け入れることができた

貴音「では、先ほどの話に戻りましょう」

雪歩「はい」

響「一緒になるか、離れたままか。だったっけ?」

貴音「独立か合併か……中々に決め難いものですが……」

私は……どれがいいだろう……


1、ほかの組織と合併
2、独立したまま
3、まだ保留にしておこう
4、そのほか、自由明記


安価下2


雪歩「あの人たちに従った方が良い……かな」

自信はないけれど、

情報が一番大切な現状で情報を得られない選択は愚かだと思う

雪歩「それに、全員が全員変な要求はしないと思いますから」

少なからずいる可能性はあるけれど、

プロデューサーみたいな人だっているはずだし……

響「なんくるないさー。自分は雪歩を支持してるからな」

響ちゃんが私に笑いかけてくれる

貴音「選択の良し悪しは後のわたくし達が決めること。今は良き選択だと信じていましょう」

四条さんも嫌な顔とかもせずに同意してくれた

そのおかげか少し自分の選択に自信が持てた

雪歩「それじゃぁみんなと話をするですぅ」

受け入れてもらえる……かな?


相手の組織の人数

安価下コンマ1桁+2桁

その人数の7割が男性


8+4=12(8人が男)

雪歩「えっと……こ、この度は……」

貴音「この度はまことにありがとうございました」

リーダー「いやいや、気にしなくていいって」

やっぱり面と向かってお話は私には無理で、

それを察してくれた四条さんが前へと勇み出てくれた

リーダーさんはそう言いつつ四条さんを少し嫌な目で見つめる

私でさえ憧れるような四条さんの容姿は、

やっぱり男の人達も魅力的だと思うみたい……けど。

雪歩「……どうしよう」

今みたいな状況下で

そういう視線を向けてくる人達と一緒にいるのはやっぱり危険じゃないだろうか

リーダー「まぁそれでなんだけど、ウチらと合流したほうがいいと思うぞ」

貴音「…………ふむ」

私たちよりも先に、男の人が申し出てきた


リーダー「外は危険だし、キミ達はまだ子供だろ? 大人と合流するべきだと思うんだ」

普通なら願ってもない提案だけど、どうしよう。

今さっきの自分の決断をすぐに取り消すことになるけれど、

断ってしまうべきだろうか

貴音「それはたしかに理にかなってはいますね」

リーダー「だろ? だからさ」

四条さんが一瞬だけ私に視線を送る

どうするべきか、

何と答えるべきかを委ねてきている


1、そうですね、合流したいです
2、いえ、遠慮します
3、男性と女性別々になるのはどうですか?
4、合流する前にある程度のルール……決めましょう
5、そのほか自由明記


安価下2


雪歩「男の人と女の人別々にするというのはどうですか?」

リーダー「いやいや危険だぞ。いつ扉を破られるかもわからないし、一緒の方が安全だ」

雪歩「………………」

たしかに、緊急時対策が遅れないようにする上でも、

戦うことになった場合でも、男の人がいるべきだというのいうのは間違いじゃないと思う

貴音「では、男性女性で別れさせ、互いに見張りを出すというのはいかがでしょう?」

リーダー「う~ん……それで平気かどうか」

結局はまだ起こるかどうか判らない事に対しての対策

でも。だけど。と言い続けていたらきっと何も決めることはできない

響「妥協も必要だぞー」

雪歩「ダメですか?」

一緒になるのだけは避けたいけど……


リーダー「ん~……そうだなぁ」

男の人は悩みに悩んで、

何かに気づいたかのように笑った

雪歩「………………」

私の選択は間違い?

私を支持してくれた四条さんの提案は?

リーダー「解った、その提案に乗ろう」

貴音「承諾して下さったこと、感謝致します」

私が足を引っ張ってしまったかもしれない

私が男の人苦手だから……こんな提案になってしまった

響「……雪歩、とりあえずは解決だな」

雪歩「ごめんね……もっと良い解決できたはずなのに」


・男女別々で過ごすことになります
・夜には見張りを出す必要があります


貴音「雪歩殿、気にする必用はないのですよ?」

雪歩「でも……」

貴音「誰にだって欠点はあるのですから」

四条さんはそう言い、笑ってくれた

だけど気にしないなんて、

そんなこと……出来るはずがなかった

これがもしかしたら最悪な自体を招くかもしれないのだから

響「とりあえず、このあとはどうするんだー?」

貴音「ふむ……」


1、情報を集めよう
2、物資の補給
3、少し休みたいかな
4、響と話す
5、貴音と話す
5、そのほか自由明記

安価下


雪歩「……じゃぁ、情報を集めたほうがいいかな」

貴音「では、集める情報を確認いたしましょう」

一番大切なのは千早ちゃんの情報

他は<奴ら>の情報

私たちが知っている情報もちゃんと話してあげるべき

響「他はなにか聞くべきことあるかなぁ?」

雪歩「ほかに……」

ほかに聞くことはあるかな……

今は思いつかないし、

聞くべきことを聞いてから思いついたら聞くことにしよう


安価下コンマ判定


千早目撃情報

01~25 徒歩で逃げているのを見た

26~50 車で逃げているのを見た

51~75 見ていない

76~00 千早らしき人を見た

ゾロ目  44  00  でちはやつら


判定37=車での逃走


「うん、千早さんなら車で行くのを見たよ!」

と、CDショップの正面の店にいた女の子が教えてくれました

貴音「では、如月千早は無事だと?」

「そうだよー。あの怖い人たちから逃げるためにって車でぶーんって」

響「無事だぞ雪歩ーっ!」

雪歩「……うん……うん」

無事……

車でちゃんと逃げ出せた

ちゃんと……無事で

嬉しくて、泣きそうで

貴音「大丈夫ですよ。今は……安全ですから」

四条さんが抱きしめてくれて

その優しさがまた嬉しくて、

雪歩「よかった、よかったですぅ………」

涙声で私はそう呟き、四条さんも嬉しそうに「そうですね」と答えてくれた


<奴ら>の情報に関しては、私たちの方が上だった

「なるほど、音を出さないほうが良いっていうことか」

響「そうだぞー音によってくるからな」

貴音「逆に離れたところで音を発することができればそこに逸らす事も可能です」

「ふ~ん……アンタ達がたった3人で残れたのも納得だな」

ちょっと見下したような態度だったけれど、

四条さんも響ちゃんも気にすることはない

この情報を与えたことで、少しでも多く助かってくれれば良い

雪歩「夜も音を立てないように注意しましょう」

リーダー「ああ、解った」

「よし、とりあえず飯にしよう。スーパーなだけあって調理器具も電気も材料も何もかもがあるからな」

貴音「……食べ放題ですね」

響「ダメだぞー貴音」

貴音「ゎ、分かっております!」

絶望の中の僅かな幸福

この瞬間だけは、いつもの日常の中にいるような気がした


リーダー「さて、見張りは誰がきてくれるんだ?」

雪歩「えっと……」

普通ならまずはリーダーの私が行くって言うべきだろうけれど、

男の人と一緒に見回りしなくちゃいけない

そう考えると、

どうしても引けてしまって言葉が出てこない

貴音「…………」

一般の女の人たちも、別々にさせたのだからあなたたちがいけばいいといった感じで、

名乗り出てくれる人はいない


1、わ、私が行きます……
2、貴音に頼む
3、響に頼む
4、ほかの人に頼む
5、くじ引きで
6、そのほか自由言動

安価下


雪歩「あの、その……えっと……」

声が震えてしまう

体も震えてしまう

辛うじて動いた私の手は四条さんの服を掴んでいた

貴音「……わたくしが共に参りましょう」

何も言わなかった

ううん、何も言えなかった

なのに、四条さんは優しく微笑んでそう言った

貴音「雪歩殿はお待ちください。響、木刀をお借りしますよ」

響「気をつけるんだぞ」

雪歩「ごめん、ごめんね……四条さんっ」

貴音「謝る必要はございませんが、謝罪の意を示したいというのであれば……ぜひ、貴音。と」

四条さんはそう言って男の人と歩いていく

私がやるべきことを、私は人に押し付けた

優しさを利用して、任せてしまった

私は、私は……リーダーの資格なんて……


・雪歩のコンディション低下>自嘲


響「自分だって、嫌いなものと一緒にいるのは嫌だぞ」

雪歩「そういうことじゃないんですっ」

響「雪歩……」

私を支えてくれる四条さんを利用しただけ。

自分がするべきことを、自分が苦手というだけで利用した

四条さんがそれを快く引き受けてくれると解っていたから

四条さんが私を守ると言ってくれたから

だからって、私は……

響「雪歩、休まないとダメだぞ」

雪歩「本当なら休んでいないはずですから……」

響「でも、結果は雪歩が休む番だぞ」

雪歩「……………」


1、言う通り休む
2、……私も見回りに行きますぅ
3、私、リーダー辞めます
4、そのほか自由明記


安価下2


雪歩「……はい」

反論するなんてできなかった

自分は間違っていて、響ちゃんが正しい

そうとしか思えなかったから。

響「……………」

響ちゃんの心配そうな表情

それに対して、私は笑い返した

雪歩「大丈夫ですぅ」

わかってる。解ってます

私はだめだめな子ですから

響「っ………」

響ちゃんは何か言いたそうで、

でも、言葉が見つからなかったのか、

口元を歪めて俯いてしまった

四条さんは……大丈夫なのかな……


安価下コンマ判定

01~40 問題なく戻ってきた

41~80 悲鳴が上がった

81~90 …………………

91~00 問題あったが撃退

ゾロ目なら問題なし


判定25=問題なし


貴音「……戻りました」

問題なく戻ってきて、

静かな声で言うと、響ちゃんが私の代わりに決めてくれた次の人が向かう

貴音「……起こしてしまいましたか?」

雪歩「……ううん」

貴音「では、お休みにはなれなかったのですか?」

雪歩「………………」

言葉がなかなか見つからない

なんて言えば良いんだろう

謝るべきなのかな、

無事なことを喜ぶべきなのかな


1、ごめんなさい、四条さん
2、ごめんなさい、貴音さん
3、無事でよかった……
4、私なんかと話すより休んだほうが良いよ


安価下2


雪歩「ごめんなさい……貴音さん」

貴音「ふふっ名で呼んで頂けるのならば、許しましょう」

貴音さんは私に合わせたといった感じでそう言うと、

行く時と変わらない優しい笑顔を見せてくれた

貴音「苦手なものを誰かが代わりに請け負うことの何が悪いのですか?」

けれど、続いた言葉は私に対して怒っているようなもの

貴音「全て委ねるのはたしかに憚られる事でしょう。ですが、いつかで良いのです」

貴音さんの手が私の肩に触れ、

その微笑みが私だけを見つめる

貴音「無理している現状ではさらなる無理はせずとも良いのですよ、雪歩」

雪歩「でも、私、貴音さんに、貴音さんの、私……」

貴音「厚意は受け取ってこそ礼儀。雪歩、貴女はなにも間違えてはいません」


貴音さんはずるい

何も話していなくても気持ちに気づいてくれる

気持ちに気づいてしまう

私が私自身を否定し始めていることに気づいている

だから、疲れているのに私のために話してくれる

怒ろうとしてくれている

優しくなだめようと笑顔でいてくれている

貴音「雪歩?」

雪歩「貴音さん……」


1、私、リーダーでいいですか?
2、ありがとうございます
3、貴音さんと合流できてよかったです
4、貴音さんの苦手は私が頑張ります
5、抱きつく
6、そのほか自由明記


安価下


貴音「おや……ふふっ」

ぎゅっとぎゅぅっと

私は貴音さんに抱きついた。抱きしめた

その温かさを感じたくて。強く、強く抱きしめる

それに対して貴音さんは拒絶することはなく、

私の頭を優しく撫でてくれた

雪歩「……少しだけ、このままが良いです」

貴音「少しで良いのですか?」

貴音さんの囁くような声

雪歩「良いんですか?」

貴音「望むのならばいつまでも」

貴音さんは少しだけ嬉しそうにそう答えて

私達はそのまま横になる

温かった、優しかった、嬉しかった、安心できた、

だからこそ、辛かった、悲しかった、苦しかった、寂しかった、不安だった

それらすべてを貴音さんは優しく包んでくれた


【1日目終了】


1日のまとめの前に全員の判定をします


安価下コンマ判定

如月千早

01~40 渋滞に巻き込まれ車で待機中

41~80 渋滞を回避するために県内のどこかで車内休息

81~00 一応安全なパーキングエリアに

ゾロ目 で誰かと合流(1人)

ただし  44  00で


判定99


1・水瀬伊織
 ・(選択不可)
3・双海真美・双海亜美
4・三浦あずさ
5・高槻やよい
6・菊地真
7・星井美希
8・音無小鳥
9・社長
10・P


安価下で選択


同レスコンマ判定(選ばれたキャラの下のキャラ)

01~40 立てこもり中

41~80 車で避難中

81~90 怪我で治療中(病院で合流化) ただし合流制限時間がつく

91~00 ………………… 


・如月千早(パーキングにて真と合流)
・水瀬伊織
・天海春香
・双海真美
・双海亜美
・三浦あずさ
・高槻やよい
・菊地真(パーキングにて千早と合流)
・星井美希(車で避難中)
・音無小鳥
・社長
・P


安価下コンマ判定(伊織)

01~40 立てこもり中

41~80 車で避難中

81~90 怪我で治療中(病院で合流可+双海姉妹と合流済み) ただし合流制限時間がつく

91~00 ………………… 

・如月千早(パーキングにて真と合流)
・水瀬伊織(自宅に立てこもり中)
・天海春香
・双海真美
・双海亜美
・三浦あずさ
・高槻やよい
・菊地真(パーキングにて千早と合流)
・星井美希(車で避難中)
・音無小鳥
・社長
・P


安価下コンマ判定(春香)

01~20 立てこもり中

21~40 徒歩で移動中

41~80 車で避難中

81~90 怪我で治療中(春香地元病院で合流可) ただし合流制限時間がつく

91~00 …………………

・如月千早(パーキングにて真と合流)
・水瀬伊織(自宅に立てこもり中)
・天海春香(車で避難中)
・双海真美・双海亜美
・三浦あずさ
・高槻やよい
・菊地真(パーキングにて千早と合流)
・星井美希(車で避難中)
・音無小鳥
・社長
・P


安価下コンマ判定(亜美真美)

01~40 立てこもり中

41~80 車で避難中

81~90 怪我で治療中(双海姉妹の病院で合流可) ただし合流制限時間がつく

91~95 真美が――

96~00 亜美が――


明記を忘れた

安価下コンマ判定

奇数で 亜美が怪我

偶数で 真美が怪我

ゾロ目で2人が怪我


怪我の具合は

最良 01   99 最悪


・如月千早(パーキングにて真と合流)
・水瀬伊織(自宅に立てこもり中)
・天海春香(車で避難中)
・双海真美・双海亜美(真美がやや重傷で病院。亜美は付き添い待機)
・三浦あずさ
・高槻やよい
・菊地真(パーキングにて千早と合流)
・星井美希(車で避難中)
・音無小鳥
・社長
・P


安価下コンマ判定(あずさ)

01~40 立てこもり中

41~80 車で避難中

81~90 怪我で治療中(県外病院で合流可) ただし合流制限時間がつく

91~00 ………………


ゾロ目 44で行方不明


・如月千早(パーキングにて真と合流)
・水瀬伊織(自宅に立てこもり中)
・天海春香(車で避難中)
・双海真美・双海亜美(真美がやや重傷で病院。亜美は付き添い待機)
・三浦あずさ(車にて移動中)
・高槻やよい
・菊地真(パーキングにて千早と合流)
・星井美希(車で避難中)
・音無小鳥
・社長
・P


安価下コンマ判定(やよい)

01~20 立てこもり中

21~40 徒歩で移動中

41~60 車で避難中

61~70 長介達避難完了 やよい徒歩で避難中(危険度高)

71~80 精神にダメージで行動不能中(家族の誰かが……)

81~90 怪我で治療中(県外病院で合流可) ただし合流制限時間がつく

91~00 ………………


・如月千早(パーキングにて真と合流)
・水瀬伊織(自宅に立てこもり中)
・天海春香(車で避難中)
・双海真美・双海亜美(真美がやや重傷で病院。亜美は付き添い待機)
・三浦あずさ(車にて移動中)
・高槻やよい(行動不能中 家族の誰かが……合流後判定)
・菊地真(パーキングにて千早と合流)
・星井美希(車で避難中)
・音無小鳥
・社長
・P


安価下コンマ判定(小鳥)

01~30 立てこもり中

31~60 車で避難中

61~80 社長と合流し車移動中

81~90 怪我で治療中(病院で合流可+双海姉妹と合流済み) ただし合流制限時間がつく

91~00 ………………… 


・如月千早(パーキングにて真と合流)
・水瀬伊織(自宅に立てこもり中)
・天海春香(車で避難中)
・双海真美・双海亜美(真美がやや重傷で病院。亜美は付き添い待機)
・三浦あずさ(車にて移動中)
・高槻やよい(行動不能中 家族の誰かが……合流後判定)
・菊地真(パーキングにて千早と合流)
・星井美希(車で避難中)
・音無小鳥(車で避難中)
・社長
・P


安価下コンマ判定(プロデューサー)

01~30 立てこもり中

31~60 車で避難中

61~80 社長と合流し車移動中

81~90 怪我で治療中(病院で合流可+双海姉妹と合流済み) ただし合流制限時間がつく

91~00 ………………… 


・如月千早(パーキングにて真と合流)
・水瀬伊織(自宅に立てこもり中)
・天海春香(車で避難中)
・双海真美・双海亜美(真美がやや重傷で病院。亜美は付き添い待機 Pと合流)
・三浦あずさ(車にて移動中)
・高槻やよい(行動不能中 家族の誰かが……合流後判定)
・菊地真(パーキングにて千早と合流)
・星井美希(車で避難中)
・音無小鳥(車で避難中)
・社長
・P(怪我で治療中 双海姉妹と合流)


安価下コンマ判定(社長)

01~40 立てこもり中

41~80 車で避難中

81~90 怪我で治療中(病院で合流可+双海姉妹と合流済み) ただし合流制限時間がつく

91~00 ………………… 


【1日目終了まとめ】

合流済

・萩原雪歩(主)
・我那覇響
・四条貴音

合流していないキャラの1日目終了位置(以降はマスクデータ)


・如月千早(パーキングにて真と合流)
・水瀬伊織(自宅に立てこもり中)
・天海春香(車で避難中)
・双海真美・双海亜美(真美がやや重傷で病院。亜美は付き添い待機 Pと合流)
・三浦あずさ(車にて移動中)
・高槻やよい(行動不能中 家族の誰かが……合流後判定)
・菊地真(パーキングにて千早と合流)
・星井美希(車で避難中)
・音無小鳥(車で避難中)
・社長(立てこもり中)
・P(怪我で治療中 双海姉妹と合流)


主人公側3人の持ち物

響【財布、携帯、サングラス、帽子、木の盾、木刀、だれかの携帯、懐中電灯、ボール、カメラ】

雪歩【財布、携帯、ハンカチ、スコップ(大)、水筒(冷茶)、
    何かの鍵、懐中電灯、支給弁当x1、支給ドリンクx1、お菓子】

貴音【財布、携帯、鉄の棒x2】


現在位置

【東京郊外、スーパー 他組織と合流中】


Pの怪我はさっきの最良 01   99 最悪を利用し、

低い 81~90 高い

なので重傷……瀕死



車内、建物内でも確実に安全ではないため、
時間がかかると<奴ら>化しての遭遇になります


続けようと思ったけれど時間もアレなので今日はここまで

安価協力ありがとうございました


再開します


目が覚めたらいつもの日常であれ。と、

私は心のどこかで期待をしていたのかもしれない

けれど、見慣れた天井はそこに無く

吊り広告が点在する天井が視界に入った

世界は何も変わらない

崩壊したという現実は何も変わらない

崩壊した世界。という設定の台本は存在しない

雪歩「これが……今ある私の現実」

貴音さんと、響ちゃんと。

知り合いでもない一般の人たちと。

私はスーパーの一室にいる

世界は壊れた

常識は消えた

次は何が消えるのだろう?

陽は昇る。その陽が落ちてしまうのだろうか?

世界から光が消えるのだろうか?

いや、消えるのは――私かもしれない


貴音「……雪歩。目が覚めましたか」

雪歩「貴音さん……」

貴音さんは私よりも先に起きていたらしい

抱きしめていたのに、

気づかないうちに抜け出してたのか、私が放しちゃったのか

答えは良いや……今もまだそこにいてくれるから

貴音「飲み物を拝借してきました」

雪歩「コーヒー?」

貴音「眠気覚ましに。と」

ブラックコーヒーは苦かった

苦くて苦くて、あぁ。生きてるんだなぁと。

私は感じることができた

貴音「響は屋上から周囲の確認に行っていますが、すぐに戻るでしょう」

雪歩「ぁ……私が最後だったんだ」

ダメなリーダーだなぁ

貴音「……して、雪歩。まずはどう致しますか?」

雪歩「……うん」

落ち込んでいる場合じゃない

一つの遅れが百の遅れになりかねないのだから


1、物資の補給
2、出発しよう
3、貴音と交流
4、響と交流
5、そのほか自由明記


安価下


雪歩「まずは物資補給……しましょう」

貴音「解りました」

必要なものはなんだろう

移動手段、食糧、あとは武器?

雑貨は……必要かな?

使えそうなものがあれば持っていくことにしよう

貴音「ほかにも人がいるために、遅れていけば良い品は得られないでしょう」

雪歩「そうですね……」

何を優先するべきだろう


1、移動手段
2、食糧
3、武器
4、そのほか自由明記

安価下


雪歩「まずは食べ物かな」

貴音「雪歩ならばそうだと思っていました!」

すごく嬉しそう

雪歩「腹が減っては戦は出来ぬっていう言葉もあるから……」

武器はともかく、

移動手段はほかの人たちが立てこもり続けようとしている現状では、

最優先事項とする必要はない

武器は武器で一応持っているから

これも特別優先する必要はない

今まで躱してこれているから、武器の損傷もないし

貴音「では行きましょう!」

雪歩「はいっ」


・パーフェクト・コミュニケーション


・食品売り場

雪歩「生鮮食品はアレだけど、ほかの食べ物は賞味・消費期限が平気なら大丈夫だよね?」

こういう時にやよいちゃんが居てくれれば良かった。と思う一方で、

やよいちゃんが無事かどうか解らないという不安が、

私の胸を締め付けた

未だ安否の確認できない誰かを思うたびに感傷に浸っていたら、

私は何もできなくなるだろう

……冷酷であるべきなのかもしれない

誰かを思う心を捨てて

私はただただ、自分のためだけに――

貴音「雪歩! らぁめんがいっぱいです!」

雪歩「へっ……」

深刻な悩みが。

大事な悩みが。

貴音さんの空気を吹き飛ばすようなはしゃぐ姿のせいで消えてしまった

貴音「雪歩はどれが良いですか!?」

雪歩「ラーメンのみの選択肢にしないでください」

ううん、消し去ってくれた……のかな?


雪歩「貴音さん、ありがとうございます」

私の悪い考えを止めてくれたお礼

貴音「……はて。なんのことでしょう?」

貴音さんは微笑んだ

大丈夫ですよ。という笑みを浮かべた

雪歩「一緒にいてくれることにです」

きっと解ってる

解ってるから貴音さんは笑った

貴音「響の分も食料を持っていきましょう」

雪歩「そうですね、何が良いと思いますか?」

貴音「……濃い目のものに致しましょう」

貴音さんは少し悲しそうに視線を上げて、

激辛ラーメンというものを手にとった

雪歩「…………………」

響ちゃんは屋上に行った。

迎えにはいかないほうがいいかな

必要なんだから……響ちゃんにも


戻ってきた響ちゃんは困った表情を浮かべていた

悲しそうではない、困った表情

でも。少しだけ泣いたあとがあった

けど私も貴音さんもそれを聞きはしない

貴音「どうだったのですか?」

響「うん、そこまで多くない」

雪歩「周りには<奴ら>はいないっていうことですか?」

響「望遠鏡を借りて見てみたけど、みんな高速道路に向かってるみたいなんだ」

高速道路……

スタッフさん達や、もしかしたら千早ちゃんのいる高速道路……

貴音「……やはり、交通規制が行われているのですね?」

響「そこまではわからないけど……」

雪歩「交通規制ってどうして……逃げなくちゃいけないのに」

貴音「噛まれたりした人は通せないといったところでしょう。その検査のために余計に時間をっかけて……」

響「それに対して騒ぐ人が出てきて――寄って行ってるってところか」

千早ちゃん……


雪歩「どうしよう……」

貴音「どうしようもないでしょう。今のわたくし達には」

車が使えたなら。

すぐにでも駆けつけられるのに……

響「とりあえず高速道路は自分たちじゃいけないし、死にに行くだけだぞ」

雪歩「っ……」

貴音「どうしますか? 雪歩」

どうしよう。

どうしたらいいんだろう

私達は――


1、移動手段を確保しスーパーを出る
2、武器を確保
3、移動手段を確保
4、そのほか自由明記

安価下2


雪歩「移動手段を確保してここをでます」

貴音「……ふむ。この安全圏を出る理由は?」

雪歩「周りに<奴ら>がいないならここにいる理由もないですぅ」

千早ちゃんが高速道路に行ってなければ、

どこか周辺にいるかもしれない

なにより、

雪歩「私たちの目的はなんですか?」

響「それは……みんなに会うっていう」

雪歩「なら、立てこもる理由こそないはずです」

貴音「……なるほど、理由は解りました。では行き先を」

雪歩「……………」

貴音さんは警戒しているんだ

私が千早ちゃんを心配して高速道路に行こうとするんじゃないかって

でもなんでだろう

心配してくれてるのに……私は……


高速道路に行きたいって言ったら、

貴音さん達はなんて言うんだろう

貴女には従えないって、離れていっちゃうのかな……

貴女なんか勝手に死ねばいいと

見捨てられちゃうのかな……

でも、千早ちゃんが心配なんだもん

千早ちゃんのことが……だから。


1、高速道路に行きたいですっ
2、水瀬邸に行きます
3、そのほか自由明記


安価下2


雪歩「高速道路に行きたいですっ」

私はそう答えてしまった

貴音「……………」

貴音さんは黙って私を見つめ、

響ちゃんはそんな私たちを交互に見て困っていた

貴音「それで良いのですね? 命を危険に晒してまで行くのですね?」

雪歩「……うん」

私はその強い瞳を見つめる

響「た、貴音……」

貴音「……良いでしょう。高速道路に向かいましょう」

雪歩「え……?」

貴音さんは少し嬉しそうにそう答えた

どうして?

なんで?

ダメだって言うと思ったのに……


貴音「非情になるべきと、冷酷であるべきだと。強がる必要などはないのです」

雪歩「……………」

貴音「その手を差し出したいのであれば差し出して良いのです」

貴音さんは否定する

こうあるべきだと思った私の心を

私の考えを

貴音「わたくし達が人間だと胸を張るために」

雪歩「でも……危険ですぅ」

貴音「危険だからと、如月千早を見捨てるのはわたくし達らしくないでしょう?」

響「そうだなー。765プロはいつだってみんなで頑張ってきたんだもんな」

2人は許してくれた

喜んで、承諾してくれた

貴音「雪歩。まずは移動手段を確保いたしましょう」

この壊れた世界の中で。

常識さえも失われた世界で

私達は今も確かに――人間だった


【自転車店】


貴音「移動手段といってもあってこれくらいですね」

雪歩「自転車かぁ」

響「自分、自転車ならかなり早い自信あるぞ!」

自転車といっても、

競技用みたいな凄いものはなく、

あってマウンテンバイクくらい

まだ誰も手をつけていないみたいで、

一番早く動けるかもしれない電動自転車もある

誰がどれを使うべきだろう?


貴音が使う自転車

1、マウンテンバイク 残3 (移動力A)
2、電動自転車    残2 (移動力A+) 荷物の影響を受けない
3、ママチャリ     残20 (移動力B) 荷物の影響を軽減


安価下2


雪歩の使う自転車


1、マウンテンバイク 残3 (移動力A)
2、電動自転車    残2 (移動力A+) 荷物の影響を受けない
3、ママチャリ     残19 (移動力B) 荷物の影響を軽減

安価下


響の使う自転車

1、マウンテンバイク 残3 (移動力A)
2、電動自転車    残2 (移動力A+) 荷物の影響を受けない
3、ママチャリ     残20 (移動力B) 荷物の影響を軽減

安価下3


貴音・雪歩 ママチャリ

響 マウンテンバイク


響「なんで2人はそっちなんだー?」

貴音「こちらだと荷物を入れることが可能ですよ」

響「まぁ……そうだけど」

これからは逃げるための自転車

遊ぶためとかじゃない

だからといって速さ重視にはできない

逃げるには荷物だって必要だもんね

雪歩「荷物持ちは2人で大丈夫だから」

響「判ってるさー」

自分だけ違う自転車なのが不服のようだった


貴音「移動手段はこれで良いとして……ふむ」

貴音さんは少し考えてから、

一つの提案をしてきた

貴音「物資補給をいたしましょう」

響「んー? 何か必要なものあったっけ?」

貴音「<彼ら>は音に反応する。ならば、音を出せるものを持っていくべきでしょう」

雪歩「あ……たしかにそうですね」

音に反応するなら音が出せるものを持っていくべき

それなら、最悪の場合に囮を出すなんてことはせずに済む

音を出せるもの……いろいろあるけど何がいいだろう?


音を出せるもの

候補

安価下~下3


響「防犯ブザーとか?」

貴音「花火などどうでしょう?」

雪歩「うん、大丈夫だと思う。あとは……クラッカーボールかな」

簡単に音が出せて、それでいて引き付けられるもの

花火の爆発とかでも十分音は出せるはず

集めた道具は


防犯ブザーx6(1人2個)

ねずみ花火x3(1人1個)

ロケット花火x1

クラッカーボールx200(ひと袋20個の10袋)


カバンは手持ちカバンからリュックサックへと変更したおかげで、

20ずつ入れることができるようになった

響【財布、携帯、サングラス、帽子、木の盾、木刀、だれかの携帯、懐中電灯、ボール、カメラ、防犯ブザーx2、ねずみ花火】

雪歩【財布、携帯、ハンカチ、スコップ(大)、水筒(冷茶)、
    何かの鍵、懐中電灯、支給弁当x1、支給ドリンクx1、お菓子、防犯ブザーx2、ねずみ花火、クラッカーボールx5】

貴音【財布、携帯、鉄の棒x2、防犯ブザーx2、ねずみ花火、クラッカーボールx5】


貴音「あと不足はありますか?」

雪歩「大丈夫だと……思う」

食料は籠に入れておけばいい

水だけは一つずつ持って、

食べ物は潰れちゃうだろうから籠に……これでいい。かな?

響「多分大丈夫だぞー」

雪歩「それなら――」

リーダー「ちょっと待ちな」

雪歩「え?」

リーダーさん達が私たちを呼び止めた。

挨拶をしようとは思っていたけれど、

なんだろう……嫌な感じがする


リーダー「何してるんだ?」

貴音「そろそろここを出ようかと思いまして」

リーダー「ほぉ? それで?」

貴音「……何が仰りたいのですか? 遠まわしにはせず単刀直入に申されては如何でしょう?」

貴音さんは私たちを後ろへと下げた

やっぱり、貴音さんも何か嫌な気配を感じたのだろう

リーダー「いやさ、一応ここは俺たちのシマだったわけでさ」

男の人は嫌味な笑みを浮かべ、

両手をプラプラと揺らしながら貴音さんの質問に答えるように言葉を紡ぐ

リーダー「お世話になりました。もう出ていきますってのはちょっと違うんじゃないのかなと」

貴音「代金を支払え。と?」

リーダー「ん~……金は要らないな」

男の人は。

ううん、男の人たちは貴音さんや響ちゃん。

私を見ながらニヤニヤと笑う

リーダー「ずっとそばにいてくれればいいだけなんだよ。それだけさ」


私たちがもしも一般人だったなら。

そこまで興味を持たれることもなく立ち去れたのだろうか?

そもそも、ここに入れてもらうことすらできなかったかもしれない

リーダー「人気アイドルと直接触れ合うなんてこんなことでもなきゃ無理だしさ」

貴音「……………………」

リーダー「いつ死ぬか解らないからこそ、やりたいことをやりたいうちに……ってな」

貴音「……貴男方は常識を捨てる。と?」

リーダー「こんな世界で常識に意味があるか? 法律ですら無力になった世界で」

何もない。

意味なんてない

常識は失くなった。日常がなくなったせいで。

法律なんて意味はない

裁くための機関が失われたから

リーダー「あんまり抵抗はせず承諾してくれよ。キズモノは苦手でさ」


貴音「……拒絶をしたら?」

リーダー「優しくから強引になるだけだよ」

わかっていた

常識のない世界

男の人たちがそう言う意味でも危険な人になるだろうと。

でもどこかで期待していた

プロデューサーみたいな優しい人がいるんじゃないかと

雪歩「……………………」

じりじりと近づいてくる

貴音さんが私たちを庇ってくれている

私はリーダーなのに。

何も言わず、何もせず……それでいいの?

握り締めたスコップは不思議と軽かった


1、男の人を全力で殴る(スコップで)
2、スコップで床を叩く
3、貴男方が常識を捨てるなら。私も捨てて良いですか?(雪歩 善悪判定)
4、や、やめてください!
5、そのほか自由明記


安価下2


男へのダメージ判定


01~30  打撲

31~50  かなり痛かった。程度

51~70  ボキッ

71~90  受けた反動で頭を打って気絶

91~00  受けた反動で頭を打って即死


力を振り絞った一撃。

だったはずなのに。

男の人が相手だったからなのか

それとも、人間だったからなのか

予想以上に力は出せなくて、

それでも男の人は咄嗟にガードした右腕を抑えて唸っていた

貴音「雪歩……」

雪歩「わ、私達は抵抗します! 次は本気で殴りますから」

不安と恐怖。そして焦りを押し隠して怒鳴る

「ま、まさかスコップでぶん殴ろうとするとは……」

「しかもあの萩原雪歩だぞ……?」

おとなしいという印象で世間に広まった私が、

スコップで殴りつけるという光景がかなり大きかったらしい

男の人たちを一瞥すると、みんな後ずさってくれた

響「……大丈夫か? 雪歩」

雪歩「……うん」

男の人を残った感触はなかなか消えてはくれず、

握り締めた拳は震えていた


・スーパーから脱出しました


【東京郊外 高速道路手前  昼】


貴音「現代の地獄絵図ですね……」

響「ここら辺は全滅してるぞ。この先までは見れなかったから……」

車同士がぶつかって潰れていたり、

黒焦げになっていたり……

<奴ら>が迫ってきたことでパニックになって――という感じかな……

そんな風に想像できてしまう自分が少し怖かった

貴音「先へと行きますよ」

雪歩「そうですね、この先は出てくるかもしれませんから気をつけましょう」

響「一応、道具の準備をしておくさー」

慎重に進もう

できるなら――戦いたくない


安価下コンマ判定


01~40 目撃したが回避

41~60 目撃

61~80 遭遇

81~00 遭遇。回避不可

ゾロ目で 千早、真 と合流

ただし  44  00で


車が壁の役割を果たしてくれるおかげで、

<奴ら>を見ることはあっても、なんとか戦わずに済んでいた

響「……生きてる人はいないのか?」

貴音「恐らくはいないかと」

ほとんどの車は壊れてしまっているし、

無事であると思われる車も、ドアが開いた状態で、

生存者がいないことは明らかだった

雪歩「交通規制はこの先のパーキングエリアだよね?」

響「……だと思うぞ」

嫌な予感がする

割と静かなのにも関わらず、

声や車の音なども一切しない

雪歩「………行こう」


安価下コンマ判定

パーキングエリアの状態

01~30 <奴ら>に囲まれているが無事

31~60 <奴ら>に侵入されてはいるが対処可能

61~90 <奴ら>しか残っていなかった

91~00 目の前でバリケードが崩壊


判定71 <奴ら>しか残っていなかった


雪歩「っ……」

規制するために使っていただろうバリケードは崩壊し、

辺りには車の破片とかが散らばっていた

貴音「耐え切れず突進したのでしょう……警察の方が」

その車に引かれたのか、直視できない遺体が道路に転がっていて、

それを避けつつ奥に進むと、

見えてきたパーキングエリアでは<奴ら>だけが彷徨いていた

響「入口で分かってたけど……」

雪歩「…………………」

貴音「車の数が少ないということは、何台かは逃げることができたということですが……」

<奴ら>の中に千早ちゃんらしき姿はなく、

まだ少し希望は残っていた


とりあえず今日はここまで

ありがとうございました



なかなか千早に会えない……


再開します


貴音「生存者が居ないのであれば、ここにとどまる理由はありませんね」

響「だな」

雪歩「…………」

このまま高速道路を進めば東京から出ることができる

けど、それでいいのかな

まだみんなのことは解ってないのに

もしかしたらみんな助かってるかもしれないけど……


東京内未確認 やよい、亜美、真美、伊織、小鳥、社長、P

東京外未確認 律子、あずさ、美希

東京内外不明 千早、真


貴音「さて……あまり考えている余裕もないようですね」

どうしよう……

戻る? 進む? どうしよう


1、戻ろう(東京内へ)
2、進もう(東京外へ)
3、そのほか。あれば

安価下


雪歩「進もう、貴音さん、響ちゃん」

響「!」

貴音「ご両親の安否も確認せずに……ですか?」

雪歩「大丈夫だよ。お父さんたちは強いから」

<奴ら>と戦うことなんてきっと造作もない

人間の姿をしているからって躊躇したりもしない

響「自分はもどるぞ!」

私の考えを遮って響ちゃんは怒鳴った

<奴ら>の耳が私たちを捉えたのだろう、

ゆっくりとこっちに向かってくる

雪歩「響ちゃん、でも……」

響「自分を待ってる家族がいるんだ」

雪歩「っ……」

貴音「ならばここで分かれる。と?」

響「うん、もしも雪歩達が進むなら。自分はもどるぞ」


貴音さんはどうするんだろう?

そう思って視線を向けると、貴音さんは首を横に振った

雪歩「貴音さんも戻るんですか?」

貴音「地道に進んでいくほうが良いかと」

地道に進んで行くほうが、

みんなに会える可能性は高い

でも、県内の人口はやっぱり多くて

その分<奴ら>や、常識のなくなった人と出会う可能性は高くなる

その時に無事に切り抜けられる自信があまり無い……

それはきっと、私だけが臆病になって逃げようとしているだけ

貴音「雪歩。進むのですね?」


1、うん、進むよ
2、解った……もどろう
3、そのほか自由明記


安価下


雪歩「うん……進むよ」

貴音「そう、ですか……」

響「決まったなら自分はもう行くぞ」

雪歩「響ちゃん」

響ちゃんは自転車にまたがると、

片手でハンドルを握り、空いた手で木刀を握り締めた

響「貴音、自分は平気だから」

貴音「……………響」

響「なんて言ったって自分は完璧だからな」

響ちゃんはそう笑って来た道をもどっていく

雪歩「貴音さん……ごめんなさい」

自分が弱いから。

臆病だから。もどるという選択ができなかった

貴音「響よりも雪歩の方が危険なのは事実。わたくしは貴女と共に行きましょう」

雪歩「ごめんね、ごめんね……」


・雪歩、コンディション-1
・響離脱
・東京からでます

>東京外未確認 律子、あずさ、美希

これは雪歩も知ってる情報か、スレ住人は把握してるメタな情報かどっち?
雪歩も知ってる情報なら、つまり昨日のスケジュールがこの3人は他県の仕事だったってことだろうから
そのコンマ判定をやって欲しいかな
メタな情報なら判定いらないけど


東京だから都です  ×県


貴音「やはり、こちら側にもいますね」

雪歩「逃げた車についていこうとしてるんだよね?」

目が見えないという弊害は大きいらしい

横になって止まっている車に何度もぶつかってる<奴ら>が多く見える

貴音「慎重に抜けていきますよ。出来るならば相手はしたくありません」

一人叩けばその音でよってくる可能性もある

こんな逃げ道のほとんどないような場所で囲まれたら、

それこそ終わり

雪歩「……そうですね」

響ちゃんは大丈夫だろうか?

向こうはもどるくらいなら問題ないだろう

だけど……ううん、大丈夫

響ちゃんは私なんかとは違って強いもんね


>>273

雪歩は昨日のスケジュール表に目を通してるから、
みんながどこにいたか程度は把握してる



安価下コンマ判定

接触判定


01~20 目撃したが回避

21~40 生存者と遭遇   モラル判定一桁 0最低  9最大

41~60 目撃

61~80 遭遇

81~00 遭遇。回避不可

ゾロ目で 千早、真 と合流

ただし  44  00で


貴音「雪歩」

雪歩「っ!」

貴音さんの手が私の体を押さえつけ、

少しだけ咳き込む

雪歩「貴音さん?」

貴音「<彼ら>と戦う必要があるかもしれません」

貴音さんに言われて先の道を見てみると、

壁もないのに、<奴ら>が多くうろついていた

雪歩「……花火とかでひきつけますか?」

貴音「それも手です……どうしますか?」


1、戦う
2、花火で回避しよう
3、防犯ブザーで回避しよう
4、クラッカーボールで回避しよう


安価下


全て判定アリ


雪歩「クラッカーボールで回避します」

貴音「承知」

貴音さんは車の影から顔を出して<奴ら>を確認すると、

クラッカーボールを5つ程取り出して右端へと投げつけた

パパパパンッと音が響く

貴音「<彼ら>が寄ったら駆け抜けますよ」

雪歩「はい」

自転車に跨り、様子を見る

一人二人と<奴ら>は右端に寄っていく

貴音「行きますよ」

雪歩「っ」

全力で漕ぎ出して横を抜ける

不安になって後ろを見ると――


01~50 無事に抜けられたようだ

51~75 少しついてきている様だ 数は一桁の半分

76~00 ついてきている様だ  数は一桁

安価下コンマ判定


判定63   3÷2で1体の追尾


雪歩「貴音さん」

貴音「1体だけついてきてしまいましたか」

位置的には私が対処するべきだろう

だけど……

貴音「このまま速度を上げて逃げますか?」

雪歩「え?」

貴音「逃げきれるならばその方が良いでしょう」

ただし、

この先の状況によっては致命的なミスにもなりかねない


1、自分で対処する
2、貴音に任せる
3、逃げ切る

安価下


1、2の場合同レス判定


貴音(普通)

(0 ファンブル(武器破壊) 12 失敗  3456 成功(相手の動き停止) 789 大成功(敵の死亡))


雪歩(普通-1)

(0 ファンブル(武器破壊) 1238 失敗  456 成功(相手の動き停止) 79 大成功(敵の死亡))


雪歩「た、貴音さ――」

結局私は足手纏いでしかないらしい

自分で対処することはなく、

貴音さんへと委ねてしまった

貴音「っ……解りました」

貴音さんは少しバランスを崩しながらも、

鉄の棒を振りかぶった――けれど

嫌な金属音が響いた

恐る恐る動いた瞳に映ったのは、

折れた鉄の棒を握る貴音さんだった

貴音「……すでに脆かった。と」

貴音さんは一瞬だけ私の方を見て、

貴音「雪歩、貴女は目を閉じていなさい!」

そう言い放った


1、大人しく閉じる
2、ううん、ちゃんと見るべきだよ
3、そのほか自由行動

安価下


ううん、だめ

ちゃんと見てないとダメだよ雪歩

もしも貴音さんが失敗したとき、

目をつぶっていたら何もできないんだから

貴音「………………」

貴音さんは迫ってくる<奴ら>に対して、

その高い身長を屈めて待つ

「ヴァァァァァ...........」

貴音「っ――ふっ」

そしてもう完全なゼロ距離になるといったところで、

勢いよくその背を伸ばし、開いた口めがけて折れた鉄の棒を突き刺した

それが尖っていたせいか、おかげか

<奴ら>の頭を容易に貫通して、

血飛沫が貴音さんを濡らしていく

綺麗な銀髪が、綺麗な肌が、綺麗な服が

貴音さんが赤く染まっていく

反動で引き抜かれた鉄の棒は赤く染まりながらも、

人間の頭の中にあるそれの欠片がこびりついていた


雪歩「っ、うっ……ぁ……」

今朝食べたものが戻してしまった。

その凄惨な光景に耐性があるわけがないのだから。

目を閉じていればよかったという思いは遅く、

振り向いた貴音さんは心配そうに私を見つめていて

でも、自分の姿が原因ではと伸ばした手を引き戻す

これが<奴ら>と戦うということ

これが<奴ら>を殺すということ

雪歩「うぅっ……」

貴音「雪歩」

貴音さんが声だけを投げかけてくる

決して近づかず、触れようともせず

貴音「……わたくしが全て請負いましょう」

少しだけ悲しそうな声

貴音さんだって辛いはずなのに、なのに……。

やっぱり。私は――ただの足手纏いだ


・雪歩のコンディション-2
・貴音の武器が鉄の棒x1になりました


貴音「雪歩」

貴音さんは私の視界に入らないように斜め後ろにいてくれる

そんな気遣いをしてもらう価値があるのかな……私に

貴音「雪歩」

雪歩「ぇ、ぁっはいっ」

貴音「できれば次のさぁびすえりあで汚れを落としたいのですが」

雪歩「そう……ですね」

そのほうがいい

そもそも、私なんかに聞く必要なんてないはず

気持ちが悪いのは貴音さんのはずだから

血しぶきを浴びて、全身真っ赤になって、<奴ら>を殺して、あれらを目の前で見ていたんだから

貴音「……次が無事だとありがたいですね」

雪歩「うん……」


安価下コンマ判定

SA状況


01~30 バリケードが設置されていた

31~60 <奴ら>に囲まれているようだ

61~80 <奴ら>との戦いの最中だった

61~90 <奴ら>しか残っていなかった

91~00 千早、真と合流


判定77 <奴ら>との戦闘中    ゾロ目ボーナス 千早、真



サービスエリアでは戦いが行われていた

人間と<奴ら>の戦いが。

負けた生者はその身を喰われて悲鳴をあげ、

勝った生者は<奴ら>の血肉をその身に被る

貴音「やはりここまで――雪歩!」

貴音さんが私の名を呼び、一点を指す

千早「真!」

真「解ってるって大丈夫」

その先にいる人達は、私がよく知る人たちで

その人たちは<奴ら>と戦っていた

その身を赤く染めながら……戦っている。生きている

千早ちゃんだけじゃない、真ちゃんも――生きてるっ


安価下コンマ判定

<奴ら>の数


01~30 5体

31~60 10体

61~90 15体

91~00 20体


ゾロ目で半分

ただし、 44  00で  30体



貴音「数は見たところ15……」

明らかに劣勢だった

<奴ら>に殺されたら<奴ら>になる

増やし鬼とか、そう言った類の遊びみたいで、

最悪なのは遊びではないっていうこと

私の体は震えていた

怖くて、どうしようもなくて、震えていた

貴音「雪歩は待っていてください」

雪歩「だめ、貴音さんっ」

貴音「わたくしを信じて下さい。ちゃんと3人で戻りますから」

そう言い残して貴音さんは影から飛び出していく

貴音「さぁ! こちらです!」

わざと大声で叫ぶ

呼んだのは人間じゃなくて<奴ら>

千早「四条さん!?」

真「貴音!?」

貴音「参ります!」

そして<奴ら>へと向かっていく


私は何もしないの?

私はただ見ているだけでいいの?

しないんじゃない、できないんだよ

どうして?

怖いから。

自問自答を繰り返す、

その合間にも戦いは進んでいく

千早「はぁっ!」

真「もうすぐ折れるよ!」

貴音「叩けぬのならば突き刺すだけです」

真「それは――嫌な発想だね!」

みんなが戦ってる

それでも、減ってはほかの生者が<奴ら>となって増えていく

いつの間にか、残ったのは私達だけだった

千早「ほかは全滅しちゃったみたいだけど……」

貴音「なら、わたくし達が<彼ら>を倒せば全滅ということですね」

真「一人4体だけど……行ける?」

ねぇ、何もしないの? しなくていいの?


1、クラッカーボールを使う
2、防犯ブザーを使う
3花火を使う
4、戦おう、戦わなくちゃ……ダメなの!
5、そのほか自由明記


安価下




4の場合コンマ判定

01~50 震えながらも移動

51~75 動けなかった

76~00 震えながらも突撃

ゾロ目で 解放


戦おう、戦わなくちゃダメだよ……

震える手でスコップを握り締める

貴音「っ!」

千早「四条さん!」

真「陣形を崩しちゃダメだ!」

みんなが崩れていく

このままじゃ、

このままじゃみんな――

雪歩「こっちですぅーっ!」

勢いよく飛び出して突進していく

真「ゆ、雪歩!?」

千早「萩原さん!?」

貴音「雪歩……」

泣きそうだった

ううん、もう泣いていた

だって怖いよ、怖くて怖くて、震えだって止まってなくて

でも、だけど。

みんなを目の前で失うなんて嫌だったから

雪歩「わぁぁぁぁぁぁっ」

目の前にいる<奴ら>を、私は


安価下コンマ判定


雪歩(不調+捨て身ブースト)


(0 ファンブル(武器破壊) 1238 失敗  45679 大成功(敵の死亡))


判定8   失敗


私の全力のひと振りは、

<奴ら>の肌を掠めることしかできなかった

雪歩「ぁっ……ゃ」

必死になっていたおかげで出来たそれが無意味に終わり、

冷めた私の視界に映るのは<奴ら>

それも目の前だった

雪歩「た、助け……」

立っている気力さえも奪われてへたりこむ

無理だ。助けるなんて

みんなは私と少し離れていて、

私が<奴ら>に噛まれるよりも早くなんて

死ぬんだ。

私はここで死んで、みんなを襲うんだろう

嫌だな……そんなの

みんなを傷つけるなんて……やだ……


泣いても何も変わらない

怯える私の体は動かない

もう何もかもが終わる

やっと千早ちゃんたちに会えたのに

一言も交わせずに死んじゃうんだ

千早ちゃんが心配そうに私を見てる

真ちゃんが私を見てる

貴音さんが私を――ぁれ?

貴音さんは何かを構え、私を襲おうとしている<奴ら>へと向けた

貴音「雪歩! 目と耳を!」

今度ばかりはとっさに従ってしまって――バンッという音が響く。

少しして開いた私の視界に映る<奴ら>の頭は欠けていた

貴音「ろけっと花火とは……危険なモノですね」

千早「……頭で爆発したわ」

真「雪歩!」

3人が走り寄ってくる

夢じゃなく、私はまだ生きてるみたいだった


真「バカ! なんであんな無茶するんだよ!」

真ちゃんは私を抱きしめてくれて、

けれど、怒って言い放った

雪歩「だって、私……みんなが……」

嬉しいから、怖いから

様々な涙がこぼれ落ちていく

貴音「……まずは残る<彼ら>を何とかしましょう」

千早「そうねって言いたいけれど、私も真も四条さんも。武器になりそうなものはないわよ?」

まだ<奴ら>の数は多い

どうするべきだろう?

貴音「防犯ぶざぁを使用します」

千早「やっぱり、音に反応するのね?」

貴音「ええ。防犯ぶざぁで<彼ら>を一点に向かわせ、その間に脱出します」

やっぱり、私よりも貴音さんであるべきだ………


貴音「移動手段はありますか?」

真「えーっとその、運転手のいなくなったバイクを……」

雪歩「だ、大丈夫なの?」

千早「ええ、そこまで速度は出していないから」

この言い方だと、

千早ちゃんもバイクを拝借してしまっているんだろう

とはいえ、正直背に腹は変えられないのも事実

私たちだって自転車とかは万引きしたようなものだし

貴音「ふむ……ではどうしましょうか」

自転車かバイクか……それとも――


1、自転車とバイクで逃げる

2、自転車(2人乗り)で逃げる

3、バイク(2人乗り)で逃げる

4、そのほか自由明記


安価下2


雪歩「2人乗りでバイクで逃げるのはどうでしょう……」

貴音「音を出すのは避けたいところですが――」

雪歩「な、ならいいんですぅ! わ、私なんかの案じゃどうせ……」

貴音「ですが。機動力に長けているバイクならば、選択としては十分に最良と言えるでしょう」

提案をなくそうとしたのに、

貴音さんは強引に話を進めてしまう

それを止めたくても、

私には発言する勇気なんてなくて……

千早「ええ、運転がやや不安だけれど自転車とそこまで変わりはないから」

真「へへっ決まりだね」

2人もやる気だった

そんなところに水を差すなんてできない


貴音「雪歩、あの――」

雪歩「り、リーダーは私よりも貴音さんのほうがいいですぅ」

無力で、無意味で、

ただの足手纏いでしかない自分

そんなのがリーダーでいて良いわけがないと、

私は貴音さんに告げた

貴音「雪歩……いえ、後ほどお話いたしましょう」

貴音さんはそう言うと、防犯ブザーを鳴らして

少し離れた草むらへと投げ入れた

貴音「今のうちに」

ブザーの音が鳴り響き、

<奴ら>がみんなそこへと向かっていく


1、千早のバイクで行く
2、真のバイクで行く

安価下


私は真ちゃん、貴音さんは千早ちゃんのバイクでサービスエリアをあとにした

真「無事でよかったよ。雪歩」

雪歩「……うん」

本当なら響ちゃんもここにいたかもしれない

それを考えると、

ここでみんなと居れることが喜べない

私みたいな使えない子よりも、

響ちゃんみたいな子がいるべきなんだ、生きているべきなんだ

考えが自嘲するものばかりで、

それを否定できない自分が嫌で

そんな負のスパイラルに苛まれながら、

私は真ちゃんの背中に体を預けていた

中断します


<奴ら>から逃げてしばらく走った先で、

私達はバイクを停めて次の行動を決めることにした

千早「私はこの先で降りて都内に戻るわ」

真「え?」

千早「高槻さんたちもだけれど、一人で一番離れている春香が心配だから」

千早ちゃんは本当に心配しているといった表情で呟く

貴音「お一人で行かれるおつもりですか?」

千早「そうね……勝手なお願いに付き合ってくれる人がいるならお願いしたいわ」

とはいえ、

千早ちゃんがいなくなると移動手段がひとつ減ってしまう

貴音「雪歩、都の外に出ている人は解りますか?」

雪歩「えっと……確か律子さん、あずささん、美希ちゃんがでてた……と、思う」

真「でも、また2人で別れるのもきついよ」

千早「そう……よね」


1、都内にもどる
2、このまま都外へ
3、そのほか自由言動


安価下


多数決で戻るという選択になった

みんなは私の選択も。といったけれど、

先にみんなの選択を聞くことで自分のそれは潰した

真「雪歩、どうかしたのかい?」

雪歩「ううん、どうもしてない」

どうもしていない。

臆病で、気弱で、だめだめな私から何も変われていない

世界は一瞬でこんな壊れた世界になったというのに、

私は何も変われていない

真「何かあるなら話して欲しいな」

雪歩「………………」

真「ボクで駄目なら千早や、貴音にでも良いからさ」

迷惑かけられるわけがない

私みたいな足手纏いがこれ以上に足手纏いになんて……

心配してくれている真ちゃんの言葉を聞きながら、

自身を疎め、自分と同じく変わらない空を眺めていた


真「ここから近いのはどこだろう?」

貴音「ばいくで来るのは初めてですから……」

たしかあそこから伊織ちゃんの家までやや遠いという感じだった

そこから高速に乗って一時間以上走ったから……

765プロや亜美ちゃんたちの病院も遠いかな

やっぱり、ここまで来た場合一番近いのは多分春香ちゃんだ

千早「もう少し行けば春香の地元にいけると思うわ」

雪歩「知ってるの?」

千早「ええ、前に一度行ったことがあるから」

なら、まずは春香ちゃんを助けに行くべきだろう

真「じゃぁ行こうか」

貴音「ここらへんにはまだ<彼ら>がいるでしょう。気をつけて」

また、出てきたら私は……


安価下コンマ判定

接触判定


01~20 目撃したが回避

21~40 生存者と遭遇   モラル判定一桁 0最低  9最大

41~60 目撃

61~80 遭遇

81~00 遭遇。回避不可

ゾロ目で 春香 と合流

ただし  44  00で


判定29   9(善良市民)



「おーい、何してるんだ?」

千早「え?」

しばらく進んでいくと、

男の人に呼び止められた

「ここら辺は危険だぞ、出歩く……いや、走るのは止めておいた方が良い」

貴音「そういうわけにもいかないのです。わたくし達の友人が待っているので」

この男の人はスーパーの人たちとは違って優しそうだった

話しかけてきたのも、

私たちがアイドルとかどうとかではなく、

単純に危険だからその注意をという感じだ

「友人って……あれか? 高校にいるとか言うやつか?」

真「今日は普通に登校しているはずですけど……」

「っ……まじか」

男の人はかなり辛そうな表情でそう呟いた


千早「何か知っているんですか!?」

「知っているというか、なんというか……」

男の人は困ったように言いながら、

私たちを見渡した

「ここら辺はそこまで大きくないから高校は一つしかないんだよ」

貴音「……その高校に何かあったのですか?」

「あったよ。この街と同じように<奴ら>が行ってさ」

嫌な予感がした

春香ちゃんがもう死んでしまっているんじゃないかって

でも、それは簡単に消し去られた

「全員ではないけど、遠征用バスで脱出済みなんだ。キミ達の目的は多分同じアイドルの春香ちゃんだろ?」

雪歩「!」

「春香ちゃんもバスに乗ってたから、もうこの辺りにはいないんだよね」

悪い知らせではなく、良い知らせだった

春香ちゃんも無事に抜け出せているという――吉報


真「バスはどこに?」

「いや、春香ちゃんだけは事務所が心配だからって都心に向かっていったよ」

貴音「歩きで、ですか?」

「ううん、ほかに都心に向かうっていう車に乗って」

不安になって安心して不安になって安心して

さっきから胸が張り裂けてしまいそうなくらいに負担がかかっていた

千早「なら、早く戻りましょう」

貴音「しかし……」

ここから765プロまでは少し時間がかかる

しかも、私達はバイクでなんて初めてだから道が解らない

そんな時だった

「……もしよければ、連れて行ってあげようか?」

男の人は救いの手を差し出してくれた


1、お願いする(765プロへのショートカット ルート)
2、遠慮していく(地道に進んで全員の捜索ルート)

安価下2


雪歩「お願いします」

私達は厚意を受けて車で連れて行ってもらうことにした

時間はもうすぐ夕方

「色々疲れただろ? ゆっくり休んでいていいよ」

男の人たちは私たちの汚れを見ていろいろと理解したらしい

自分の家で私たちの服まではいかなかったけれど、

お風呂を貸してくれた

貴音「運転していただくのに、お風呂までお貸しいただけるとは」

「良いって、血生臭いままじゃ嫌だろうしさ」

この人に会えてよかった

お風呂に入れたおかげか、

少しだけ気持ちを落ち着けることができた気がする


・雪歩コンディション+1
・765プロまで車で移動


とりあえず今日はここまで

ありがとうございました



春香には会えるのだろうか……


再開します


出発するまではもう少し時間があるらしい

何かすることはあったかな?

確認しておくことはあったかな?

考えることは……たくさんある

多すぎて、考えられないくらいに

雪歩「……………」



1、男の人と交流
2、貴音と交流
3、千早と交流
4、真と交流
5、部屋を調べる
6、そのほか自由明記

安価下


雪歩「千早ちゃん、ようやく普通に話せるね」

千早「そうね。慌ただしかったし……」

雪歩「?」

千早ちゃんは少し困惑しながらも、

何かを察したかのように首を振り、

千早「無事でよかったわ、萩原さんも四条さんも」

そう言って笑ってくれた

雪歩「千早ちゃんと真ちゃんも無事で良かったですぅ」

本当に怖かった

CDショップが全壊していて、

近くには見当たらなくて、

車で逃げたって聞いて、

その先の高速道路が<奴ら>を集めているって聞いて

そこに行って、バリケードが破られていて……

雪歩「本当に……無事でよかったです……」

千早「ええ……本当に」

千早ちゃんはその嬉しそうな声とは裏腹に少し悲しそうだった


千早「ねぇ、萩原さん」

雪歩「なんですか?」

千早「お茶。飲みたいわ」

雪歩「で、でも……勝手に触ったりは……」

千早ちゃんのまさかのお願い

淹れてあげたいとは思いつつも

人の家でというのがちょっと問題だった。けれど

「あ、いいよ。好きに使ってくれて」

雪歩「ふぇ?」

「ここはもう出るし、俺は使わないから」

千早「…………」

雪歩「お借りします」

いつものようにお茶を淹れる

いつものように、いつものように、いつものように……


男の人が選んだのかどうか疑わしい、

優しい香りの日本茶を淹れる

いつものようにするということが、

いつものようにできるということが、

すごく――嬉しくて

カップを持つ手が震えてしまう

そしてそれを優しく包んでくれたのは千早ちゃんの手

千早「温かい。それでいて、優しい香りね」

雪歩「選んだ人が良いのを選んだだけだよ」

千早「でも、淹れたのは萩原さんよ」

私はゆっくりと手を抜いて、

千早ちゃんは手に残ったそのカップにくちづけた

千早「歌は歌い手でそれが伝える喜怒哀楽は変わるわ」

雪歩「………………」

千早「歌と同じ。お茶だって、淹れる人が違えば優しくもなるし意地悪にもなる悪くも良くもなる」

雪歩「……………」

千早「私は好きよ。貴女の優しい温かさがあるお茶が」


千早「すべてが変わってしまった。いつも出来たことができなくなってしまった」

千早ちゃんは喋りながらも、

私の淹れたお茶を喉に通していく

千早「だからこそ、今できるいつものことが嬉しい。いつも飲めている貴女のお茶を飲めることが嬉しい」

千早ちゃんは嬉しそうに言いながら、

ゆっくりと顔を伏せてしまい、

その表情は見えなくなってしまった

いつも出来ていること

でも、それは欠けてしまっていた

お茶があって、その合間に手を伸ばしてしまうもの

渋みのあるお茶に大して甘味の強いそれはとても大切なもの

それを作ってくれる人がいない

それを作ってくれていた春香ちゃんがいない

春香ちゃんと一番仲が良かった千早ちゃんはきっと。

私が思うよりもずっと辛いんだろう――



1、大丈夫だよ、春香ちゃんは強いから
2、お茶、おかわりする?
3、黙って抱きしめる
4、そのほか言動自由

安価下2


雪歩「……………」

私は沈む千早ちゃんにかけられる言葉は見つけられなかった

千早ちゃんが歌えなくなってしまった時に春香ちゃんがしたような、

慰めることのできる特殊なことは私には出来なかった

凄いなと思った、特別だなと思った

私にはこうするかもしれないということしかできないから。

千早「っ!」

雪歩「………………」

背中からゆっくりと優しく抱きしめる

千早「萩原……さん?」

雪歩「………………」

ごめんなさい、言葉を見つけられなくて

ごめんなさい、何も特別なことができなくて

千早「……ごめんなさい、萩原さん」

千早ちゃんの手が伸びてきて、

私の頭をそのまま包んだ

千早「少しだけ、貴女を感じていたいわ」

それだけでいいなら私は喜んでこの体を差し出そう

千早ちゃんのために、みんなの為に


「そろそろ出発するぞ」

千早「行きましょう」

雪歩「はいっ」

男の人に呼ばれて私達は各々リュックを背負う

貴音「………………」

真「いいのかい? 話があったんじゃないの?」

貴音「いえ、今はわたくしが出る幕などありません」

真「そっか……大丈夫?」

貴音「ええ……大丈夫です」


「忘れ物はない?」

手荷物的には忘れ物はない

だけれど……

真「車にバイクを積むことはできませんか?」

千早「それは流石に図々しいと思うのだけど……」

ご飯やお風呂を借りて、

バイクまで積ませるのは少し憚られるけど……

でも、向こうでも移動できるものが欲しい

「バイクか……」

男の人の車はまだ見てない

大きければそれも可能かもしれない……


安価下コンマ判定

01~40 バイクを積むのは難しそうだ

41~80 1台くらいならなんとか……

81~90 2台ともなんとか入りそうだ

91~00 2台とも余裕で入りそうだ


「悪い、バイクはさすがに積めないんだ」

男の人の車は普通の乗用車で、

バイクを積んだりする余裕はなさそうだった

貴音「いえ、良いのです。可能ならばというだけですから」

向こうでもまた新しい乗り物を探すべきだろう

千早「……やっぱり」

そんな中、千早ちゃんは何かに気づいたようにつぶやく

雪歩「何か判ったの?」

私のそれはするべきではなかったのかもしれない

千早ちゃんは伏し目がちに首を振ると、

喜びの欠片もない微笑みを見せた

千早「なんでもないわ」

何かがわかってしまったのだろう

知るべきではなかった、何かを


・車にて765プロへ向かいます


家を出たのがもうすぐ夜という時間帯

なぜこんな時間帯に出たのかというと、

車のライトに生存者が気づいて出てきてくれるのでは?

というあまりないような期待と、

ほかの車や、家などが立てこもっていれば明かりがついているはずだから。

というくらいの理由

しかし残念ながらそんな車も、家も。

ほとんどなかった

今は休めるだろう。

休めるうちに休んでおくべきか、それとも――


1、男の人と交流
2、貴音と交流
3、千早と交流
4、真と交流
5、休もう
6、そのほか自由明記


安価下 2


千早ちゃんが気づいてしまった何か。

私は悪いことにそれが気になってしまう

あの微笑みは意味深で、

しかもそれは企んでいるとかそういう悪いものではなく

悲しい感情を含んだもの

千早ちゃんだけが知っているべきことならそれもいい

だけど、負担になるようにしか思えなかった

雪歩「千早ちゃん」

千早「……どうかしたの?」

千早ちゃんは平常心でそう返してくる

だけれど、それは私には向いていない上の空な回答だったような感じがした

雪歩「………………」

踏み込むべきだろうか。それとも……


1、真ちゃんとはどこであったの?
2、何に気づいたの?
3、歌、歌ってほしいな
4、そのほか言動自由

安価下2


雪歩「何に気づいたの?」

やっぱり、私は聞いてしまった

私たちの。ううん、私のために自分の中に隠した『現実』を、

それからそらされるべきだった私が聞いた

その事実に困惑したのか、

それとも、ただ驚いただけなのか、

千早ちゃんは目を見開き、

少しして頷いた

千早「知らないほうがいいかもしれない」

千早ちゃんは私の耳元まで顔を近づけて囁く

まるで、聞かれてはいけない会話のように

千早「騒いじゃダメよ」

雪歩「ぅ、うん……」

そういう前置きがあると怖くなるなんていう、

余計な口出しを出す余裕もなく『現実』が告げられた

千早「彼は家族を失っているわ」

それは誰に対して非情な『現実』だったのだろう

それはどれくらい鋭い刃だったのだろう?

喉元を裂かれてしまったわけでもないのに、

私の口はただ息を吐くことしかできなかった


短いですが、時間なので今日はここまで

ありがとうございました


再開


失ったという言葉が意味するのは、

家族が亡くなったという……悲劇

雪歩「で、でも……」

自分だって不思議に思っていた

男の人が選ぶとは到底思えない茶葉の種類

思えば、一人暮らしなのにコーヒーカップを4つ以上常備している時点で不自然で、

バイクならともかく、4人以上乗れるような車を持っていることもおかしい

雪歩「………………」

千早「萩原さんも不思議に思うことがあって、言われて繋がった?」

千早ちゃんは小さいながらも、

悲しさの大きい声で囁く

雪歩「……うん」

なんで言わないんだろう?

ううん、言えないんだよね。

違う。そうじゃない

言うだけ無駄なんだと、男の人はそう思ってるんだ


赤の他人である私たちには、

仮初の悲しみ――同情することしかできないから

それもある。だけどそれだけじゃない

この壊れた世界は、

誰かの死で嘆き悲しむ余裕さえもくれはしれない

男の人の前に私たちが現れたことは、

私たちにとっては幸運で、

男の人には不幸だったのかな……

もし会わなかったらどうしたんだろう?

雪歩「………………」

男の人を見ると、黙々と車を運転しているだけで、

そんな悲劇はなかったようにも思える

私は……


1、黙り込むしかなかった
2、ありがとうございます。と、男の人に言った
3、ごめんなさい。と、男の人に言った
4、聞きたい歌はありますか? と、男の人に言った
5、千早ちゃん、<奴ら>も元々は人間なんだよね?
6、そのほか自由明記


安価下2


雪歩「きーみとー~~~~―――」

千早「!」

なんとなく出た歌詞がそれだった

この歌を歌うことがどれだけ非情なことか知っているくせに。

今の自分たちにさえ非情で非道な歌詞だと理解できているくせに

またねって別れた一昨日の夜。

行ってきますと別れた昨日の夜。

またねって別れた今朝。

約束なんてしなくても会えたのは昨日の朝まで

貴音「雪歩……?」

雪歩「~~~~~~~~~」

歌うのは止めない。止まらない。

その代わりに、車が止まる

「なんでそんな歌を……」

雪歩「~~――――………っ」

泣きたくても泣けない人ばかりだから

泣きたくても泣けない世界だから。

それなら、泣かせてしまおう

雪歩「~~~~~~~」

千早「……~~~~」

千早ちゃんが、

貴音「~~~~~」

貴音さんが、

真「~~~~~~」

真ちゃんが。

みんなで歌う。外には聞こえないような小さな声で

車内という小さな会場で……歌う

×昨日の夜  ○昨日の朝


会いたくて、会えなくて。

無事かどうかも判らないみんなのことが心配で不安な私達

会いたくても会えなくなってしまって。

もう、どうしたら良いかも解らなくなってしまった人

雪歩「……ごめん、なさいっ」

「………………」

雪歩「してもらうばっかりで、なにもできなくてっ」

「………………」

雪歩「かけてあげられる言葉なんて見つけられなくて、男の人が苦手なんていう自分勝手な理由で何もできなくてっ」

言葉を並べていく

そのことに意味があるかどうか解らない

でも、大事なものだけはちゃんと伝えたくて

雪歩「泣いてっ、欲しくて。ちゃんと……悲しければ悲しいって言って欲しくて」

とぎれとぎれの涙声でそう言うと、

男の人は少し躊躇しつつ私の頭に触れようとし、

苦手な男の人なのに不思議と嫌じゃなくて、

私はそれを受け入れた


「……ごめんな、ありがとう」

男の人はそれだけ言って、頭から手を離した

雪歩「っ……」

「もう悟られてるかもしれないけど、家族がいたんだ」

語ってくれた

自分の家族のことを。

それがどう失われたかということを。

妻も、娘も。

自分が目にしたのは壊れる前の朝が最後だったらしい

人伝に死んだと聞かされた。

どうしようもなくなったと、いっそ死のうかと考えたと。

それを行動に移そうとして私たちに出会ったと。

「キミ達とほとんど同年代だったから……ボロボロの姿を見てどうしても放っておけなくなってさ」

貴音「……では、もしも出会うことがなければ」

「ああ、死んでいただろうな……」

真「今は。今はもう、死ぬつもりはないって言えますか?」

真ちゃんはやや強引な姿勢で訊ねた

真ちゃんだけじゃない、私たちみんなが、

この人が死ぬなんていうことを望んでいないから。問う

「そうだなぁ……無駄な死に方だけはしないよ」

男の人は苦笑しながら言い、車をまた動かす

私達は誰ひとりとして口を開かない。

その言葉だけで十分だったから……。


私はこの人を救えたのだろうか?

人のためになることができたのだろうか?

男の人の「ありがとう」はそれへの答えだったかもしれない


・雪歩コンディション+4
・貴音、千早、真 コンディション+2
・男性Aとの交流1


安価下コンマ判定


765事務所状態

01~30 倒壊

31~60 戦闘中

61~80 <奴ら>が沢山うろついていた

81~90 <奴ら>が中でうろついていた

91~00 春香と合流

ゾロ目 44  00 で……


判定07   倒壊


私たちのいっときの幸せは容易に打ち砕かれてしまう

765プロが無くなっていた。

建物が完全に倒壊し、跡形もなくなっていた

雪歩「……嘘」

真「一体何があったんだ……」

爆破でもされたかのような、悲惨な現場

千早「名前を呼んでみたけれど反応がないわ」

嫌な予感しかしなくて

ふらついた私を貴音さんが抱きとめてくれた

貴音「小鳥嬢ならば大丈夫でしょう……もし小鳥嬢が爆発に巻き込まれてしまったのであれば」

貴音さんは少し言いづらそうに言葉を区切った

「……そういうことか」

雪歩「え?」

千早「爆死した場合、いろいろと大変なことになるでしょう? でも、そうなったことを示すものが何一つないのよ」

よくわからないけれど、

千早ちゃんたちが言うなら多分間違っていない……と、思う


貴音「見たところ、春香もここにはいないようですね」

だったらここはもう来る必要はないかもしれない

そう思って声をかけようとした時だった

真ちゃんが抑え気味の声でみんなを集めた

雪歩「どうしたの? 真ちゃん」

真「春香の伝言だよ」

崩れた瓦礫には、

学校でよく見るあれを用いて書いたであろう言葉が綴られていた

【やよいの家に行きます。春香】

貴音「春香……貴女と言う人はっ」

携帯での連絡がしにくくなってしまった今、

連絡するには置き手紙のようなものしか方法はない

春香ちゃんはそれを見越してチョークを学校から持ち出したのかな?

だとしたら、凄いとしか言えない

「とにかく、高槻やよいちゃんの家に行けばいいのかな? 家、判る?」

千早「ええ、大丈夫よ」

もしも運が良ければ2人に会える

やよいちゃんと春香ちゃんの2人に!

期待に高鳴る胸を抑えることもせず、

私達は車に乗りこんで家へと向かった


とりあえず今日はここまで。

ありがとうございました


再開します


やよい宅状態

安価下コンマ判定

01~30 倒壊

31~50 戦闘中

51~70 <奴ら>が沢山うろついていた

71~90 無事なようだ

91~95 やよい<奴ら>接触

96~00 やよい<暴走>接触

ゾロ目 44  00 で……


判定79=無事なようだ

雪歩「ぶ、無事っ!」

慌てて車を飛び出す

バリケードなんて簡単な土嚢のようなものしかない

そんなやよいちゃんの家がまだ残っていた

電気こそついていないけれど、

そこには確かに人の気配があった

貴音「やよい、春香。居られますか?」

響かないように。

それでも確かに聞こえるようにと、貴音さんが呼び

答えた声は

春香「貴音さ――っ!?」

千早「春香ぁっ!」

千早ちゃんが春香ちゃんに飛び込むように抱きつく

千早「良かった。よかったわ。ほんと。貴女が。貴女が無事で……」

春香「うん、みんなも無事でよかった」

千早ちゃんを抱きしめながら、

春香ちゃんは嬉しさと悲しさの混在する笑みを浮かべた

真「とりあえず、中入って良いかな?」

春香「うん……いいよ」

この時点で気づくべきだっただろう

やよいちゃんの家で、どうして春香ちゃんが出てくるのか

どうして、春香ちゃんしか出てこれなかったのかを――……


安価下コンマ判定

01~16、父

17~30、母

31~44、高槻かすみ

45~58、高槻長介

59~72、高槻浩太郎

73~86、高槻浩司

87~00、高槻浩三


失われたやよいの家族。判定
ゾロ目 44  00で


判定05=父親


春香「……今は何も言わないであげて」

雪歩「何も言えるわけないよ」

やよいちゃんの家族が欠けていた

一家の大黒柱と言われるお父さんがいなかった

貴音「春香、貴女は見たのですか?」

春香「ううん、見てない。最初の日だったらしくて」

全ての始まりの日

やよいちゃんのお父さんは奴らに襲われ、そして――。

考えることを止めてと脳が強制的に暗くする

千早「高槻さんは大丈夫なの?」

春香「…………」

答えは返って来なかった


真「黙ってたら――」

「いや、聞かない方が良い」

真「でもっ」

「聞いて、キミに何かできるか?」

真「っ……」

それは正しい言葉。

でも、間違った言葉であるような気もした

雪歩「………………」

貴音「みな疲れているのです。春香、休める場所はありますか?」

春香「うん、一応リビングが空いてる。みんな部屋に……」

春香ちゃんもなんとかしようとして、

それでもなんの変化も与えることができなくて

だから……悲しそうなのかな……

私で何かできるのかな。私は今――何をするべきなんだろう


1、誰かと交流(春香、千早、貴音、真、かすみ、長介、高槻母、男性A)
2、やよいと交流
3、大人しく休もう
4、そのほか自由明記

安価下2


雪歩「真ちゃん」

真「雪歩……」

真ちゃんは明らかに元気がなかった

ううん、真ちゃんだけじゃない。

みんなの元気がなかった

無事に春香ちゃんに会えても。

無事にやよいちゃんに会えても。

喜ぶことなんてできなくて

どうするべきか迷って、私は真ちゃんに話しかけた

真「なんでこんなことになったんだろう?」

雪歩「……解らないよ」

真「うん、ボクも解らない。でもさ。聞かずにはいられないよ」

体育座りをする真ちゃんの隣に座る

真「酷すぎるよ。やよいの大好きなお父さんを……なんで、世界は。どうして……っ」

雪歩「……………」

言葉が見つからない

大丈夫。安心して。平気だよ

無責任な言葉でしかないのなら。言わないほうがいい

何も解らないなら。言葉は紡がないほうがいい


真「こうやって話している間にも、ボクらの中のだれかの知り合いが――」

雪歩「真ちゃんっ」

真「どうしたら良いのさ……どうすれば良いのさ……教えてよ雪歩っ」

雪歩「痛っ……」

不意に掴まれた両肩がぎゅぅっと痛みを訴えてくる

掴む真ちゃんが悲しみを訴えてくる

真「もう、もう……救いなんてないのかな……ねぇ、雪歩っ」

雪歩「まことちゃ、いたっ……ぃ」

真「死ぬのかな、みんなも、ボク達も、みんな、みんなっ」

真ちゃんは項垂れ、ポロポロと涙を零す

下手な言葉はかけられない

下手な行動はできない

もし余計なことを言ったりすれば

真ちゃんが壊れてしまうかもしれないから


1、黙り込む
2、死なないよ。死なないために、頑張ってるんだよ
3、解らないよ……そんなこと
4、始まりがあるなら終わりだってあるから
5、抱きしめる
6、そのほか自由言動

安価下2


雪歩「し、死なないよ……死なないために。頑張ってるんだよ」

真「頑張ったって死んじゃうじゃないか……」

真ちゃんは私と違って戦ってきた

私と違って戦う人たちを見てきた

それでも負けて死んでしまう人たちを見てきた……

そして。

頑張れなかった私が今もまだ生きている

真「頑張っても、頑張らなくてもボクらは死ぬんだ……」

それならやりたいことをして生きられるだけ生きよう

それがあの常識を失った人たちの答えなのかもしれない

真「嫌だ、嫌だよ……こんな世界。なんで夢じゃないのさ……」

雪歩「真ちゃん、頑張れば。がんばればきっと生きていられるから……」

真「なら雪歩が頑張れば良いじゃないかっ一人だけ汚れもしなかったくせに!」

雪歩「っ……」


真「ボクや千早、貴音は殺したッ、<奴ら>の頭を殴って殺したッ」

雪歩「ぁ、あぁっ……ゃ、それはっ」

真「そのせいでボク達は血だらけだった、<奴ら>の血で、肉で、汚れていた、でも雪歩は何もなかったじゃないかぁっ」

当たり前のことだった

真ちゃんだって人間だから。女の子だから。

その行為に嫌悪感を抱かないことなんてあるわけがなかった

真「一人も殺さなかったんだろ!? 全部貴音に押し付けて、自分だけ隠れてたんだろッ!?」

真ちゃんが怒鳴る

それは貴音さん達にも届いてしまう声だった

雪歩「っ……ごめ、ごめんなさい……」

真「頑張らなかったくせにっ、頑張ればいいなんて簡単に言わないでよ!」

雪歩「ごめんなさい、ごめんなさいっ……真ちゃん、ごめんなさい……」


・真<精神-2>
・雪歩<精神-3>

・精神=コンディション数値(コンディションから精神に変更)


眠れるわけがなかった。

休めるわけがなかった

真ちゃんは「ごめん。言いすぎた」って謝ってくれたけれど、

謝る必要はなかった

だって真実だから

私は全部貴音さんに任せてしまっていたのは嘘じゃない

私が頑張れなかったのも嘘じゃない

雪歩「……………」

みんなはそれぞれ部屋の隅などで休息をとっているようだ



1、なんとか休もう
2、貴音に近づく
3、春香に近づく
4、千早に近づく
5、やよいに接触
6、こっそりと家を抜け出す
7、そのほか自由明記

安価下



同レスコンマが50以上でイベント


コンマ50以上=イベント発生

なんとか休もうと目をつぶると、

鋭敏になった聴覚がかすかな軋みを捉えた

雪歩「……誰?」

2階から誰かが降りてくる

2階にいるのは高槻家のみんな。

トイレだろうか?

そう思ったけれど、階段そばにあるはずのトイレの扉の開閉音は聞こえない

「――へ、――だよ――」

雪歩「っ」

断片的でもその声は聞き覚えがある

ううん、今まで事務所で何度も聞いていたやよいちゃんの――

続いた音は、

トイレでも、お風呂でもない玄関の音だった

すぐに行かないと間に合わないかもしれない……


1、追いかける
2、みんなを起こす

安価下


雪歩「………………」

おいかけよう

追いかけないと間に合わないという気持ち半分、

自分でも頑張れば何かできるはずという期待半分。

すぐに追いかけたおかげか、

少し道を歩いたところでやよいちゃんは見つかった

やよい「……いない」

雪歩「やよいちゃんっ」

できるだけ小さく、でもやよいちゃんに届くように声を飛ばす

やよい「はい?」

雪歩「……やよい、ちゃん?」

やよい「そーですよー?」

暗いせいだろう。

きっと、暗くて私の目が正しい現実を見ていないんだろう

やよい「雪歩さん。<奴ら>、どこかにいませんかー?」

やよいちゃんの目に光がない

やよいちゃんから生気が感じられない

やよいちゃんの笑顔に狂気を感じる

そんなものが夢であると……私は信じたかった


少し中断します。

またあとで


雪歩「やよいちゃん、ぁ、あのね……?」

やよい「雪歩さん、<奴ら>どこかにいませんかー?」

繰り返される言葉。

私の言葉が離れていたせいか、

やよいちゃんは少し顔をしかめている

雪歩「や、やよいちゃんを追いかけたから、その……」

怖かった

いつもそんな雰囲気さえ感じさせないやよいちゃんが、

今だけはものすごく怖かった

やよい「そうですか。じゃぁいいです」

呆れたようにそう言ってやよいちゃんは先へと行こうとする

雪歩「っ!」


1、待って、やよいちゃん!
2、落ち着いて、やよいちゃん!
3、ダメだよ、やよいちゃん!
4、腕を掴む
5、抱きしめて完全に動けなくする
6、そのほか自由言動


安価下


ハイライトのないやよいちゃんの瞳

それはきっと、本当のやよいちゃんが私とは別次元にいるという証

なら、声でなんて止められない

腕を掴むだけでもきっと止められない

雪歩「やよいちゃんっ」

ぐいっと腕を引き、

そのままやよいちゃんを抱きしめる

やよい「な、なにをするんで――」

雪歩「お願い、行かないで」

やよい「放してください!」

雪歩「放さない!」

放したらもう二度と掴めない気がするから

もう二度と、その顔さえ見れなくなりそうだから


やよい「邪魔するなら雪歩さんだって――っ」

雪歩「無理だよ。両腕ごと巻き込んでるから何もできない」

やよい「……………」

雪歩「片足上げた瞬間押し倒すよ」

動揺するやよいちゃんに対し、

私は笑顔で告げる

やよい「……なんで、邪魔するんですか?」

雪歩「やよいちゃんに死んで欲しくないから」

やよい「死なないです。少なくても、<奴ら>なんかにっ」

雪歩「……やよいちゃん」

私には理解できないやよいちゃんの気持ち

できることは。

かけられる言葉は。


1、私も一緒に行くよ
2、ごめんね。やよいちゃんの気持ち……解らなくて
3、<奴ら>に復讐するだけ無駄だよ
4、私はやよいちゃんを失いたくないよ
5、そのほか自由言動


安価下2


雪歩「ごめんね。やよいちゃんの気持ち……解らなくて」

やよい「解らないなら放してくださいっ」

やよいちゃんは私に対して怒る

けれど、私は放さない

だって解らないから

気持ちが解らないから。

放して欲しい気持ちが解らないから

雪歩「解らないから……放せない」

やよい「雪歩さんっ放して、くださいっ!」

それでも話すどころかさらに強く抱きしめる

雪歩「ごめんね、ごめんね……」

やよい「っ、なんで。どうしてっ」

雪歩「解ってあげられなくて、ごめんね……」

私は家族の安否を確かめられていない。

貴音さんも、真ちゃんも、千早ちゃんも、みんな……

だから、もしかしたら私たちも失ってしまっているかもしれない

雪歩「……………」

それが怖い。失うのが怖い。知らないうちに失ってしまうのが怖い

だから――放せない


雪歩「どこにもいかないで」

やよい「………………」

雪歩「一緒にいて……」

やよい「………………」

雪歩「怖いの……失うのが、怖いの……」

抱きしめるやよいちゃんはいつの間に微動だにしなくなって、

怒ることもなくて、

それどころか何も喋らずに……黙って私を見つめていた

雪歩「やよいちゃん……?」

頑張ることのできない私

そのくせ貴音さんに頑張らせてきた私

そんな私じゃやよいちゃんを変えることは、取り戻すことはできないのかな……

そんな不安がよぎる

やよい「……雪歩さん」

雪歩「え?」

やよい「……温かいけど痛いです」

そんな私を尻目に、

やよいちゃんはそう言いつつ小さく笑った


やよい「雪歩さんは……私が死んだら悲しいですか?」

やよいちゃんは不意にそう訊ねてきた

私の胸に顔を押し付けているせいで顔は見えない

それがどういう感情による質問なのかは解らない

だけど……私は。

雪歩「やよいちゃんが死んだら……」

どうなるだろう?

どう思うだろう?

想像でしか語れないものだけど――


1、きっと悲しいよ
2、想像したくないよ
3、死なせないから、解らないよ
4、どうだろう……何も感じられなくなるかもしれない
5、そのほか、自由明記


安価下


雪歩「っ! 想像したくないよっ」

やよいちゃんが血だらけで倒れこむ

それを想像しようとしただけで涙がこぼれそうになる

やよい「……く、苦しい」

雪歩「死ぬなんて言わないで、お願い、そんなの嫌……」

だんだんと抱きしめる力が強くなっていく

感じられる。

今はまだやよいちゃんの温かい体を。

柔らかいやよいちゃんの肌を。

お風呂に入っていないやよいちゃんの汗臭さを。

でも、死んでしまったら

体は冷たくなって、肌は硬くなって、においは腐敗する

やよい「雪歩さん……」

雪歩「嫌だよ、やよいちゃんっそんなの……」

泣き出しそうになる私の腰をやよいちゃんの腕が囲った


やよい「そう言ってくれるのは嬉しいかなーって」

やよいちゃんの声は少しだけ元気な感じになって

雪歩「や、よい、ちゃん」

対照的に私の声は涙声

慰められるのは……なぜか私

やよい「泣かないでください雪歩さん……死んだり、しませんからっ」

私の腰に回った腕に力が込められる

それに込められた思いは……きっと

私は死なないから、貴女も死なないで

そういう思い。そんな願いが込められてる

やよい「……雪歩さん、家、戻りませんか?」

雪歩「……うん」

どっちがどっちを連れ戻しに行ったんだっけ?

私はやよいちゃんに手を引かれながら家へと――


安価下コンマ判定


01~30 無事に家へ

31~50 貴音が出てきていた

51~70 生存者遭遇(モラル判定 一桁)

71~90 <奴ら>接触

91~00 春香が出てきていた


生存者モラル2


「ん?」

雪歩「え?」

やよい「あ……」

家に戻る途中、

見知らない男の人と遭遇してしまった

「こんな時間にうろついてたら危ないよ? 車があるんだ、乗るかい?」

やよい「い、家はすぐそこだから必要ないかなーって」

「でも、その距離のあいだに<奴ら>が来るかもしれない」

雪歩「だ、大丈夫です」

「いや、大丈夫じゃないかもしれないだろ?」

男の人はそう言うと、やよいちゃんの腕を掴んだ

「ほら、安全だから」

やよい「は、放してください!」

「はぁ……大声は――」

バシッと大きな音が響く

やよい「へ……?」

「だめだろ?」

赤くなっていくやよいちゃんの左頬

「いいから来いよ。な?」

呆然とするやよいちゃんは、

男の人によって容易に引かれてしまった


「あんたも一緒に来るだろ?」

雪歩「え?」

「一人じゃ危険だし……な?」

男の人は優しい雰囲気を見せながらも、

その心の内は隠さず、

その瞳は私を鋭く睨みつけていた

どこにも行くな。何もするな

黙って付いて来い。と

やよい「……ゅきほ、さんっ」

やよいちゃんは逃げてと見つめてくる

こんなことになったのは私のせいだから。と。

気にしないでくださいと

手元にあるのは愛用のスコップ一つ


1、男を殴る  成功判定アリ
2、おとなしく付いていく
3、逃げる
4、大声で叫ぶ
5、そのほか、自由明記

安価下2


スコップの柄を強く握る

頑張ることのできない、

頑張りきれない私だけど……

貴音さん達に任せっきりで、

なんにもしてこれなかった私だけど……

ここでもなにもしないなんて許されない

やよいちゃんを男の人に連れて行かれるのを黙って見逃すなんて。

なにもせず、いいなりになるなんて――許されない

「おい、何してんだ」

雪歩「…………」

勝負は一瞬

失敗なんてしたら終わっちゃう……

でも、やる。勝負する。戦う!

「おい、聞いて――」

男の人が警戒しつつも近づこうとした隙を私は狙って打つ

雪歩「やぁっ!」


安価したコンマ成功判定


01~20 かするだけだった

21~40 失敗

41~60 当たったけれど、倒せなかった

61~90 成功

91~00 大失敗 惨劇


判定45  当たったけれど倒せず


ガンッと音が響く

手応えは鈍い……これじゃ

「……あ、っは、ははっ」

片手でやよいちゃんを抑え、もう一つの手で頭を抑えながら

男の人とは小さく笑い、ポタポタと鮮血が滴っていく

雪歩「っ……」

これじゃ失敗でしかない。

私の頑張りなんて結局成功しない

「お、女だからって優しくしてやろうと、してたのにさぁ」

やよい「雪歩さん、逃げ――でっ!?」

私ではなく、やよいのお腹を男の人は殴った

しかも、優しさも手加減もない全力で

やよい「ぅぇ........、ぁっ……うっ」

雪歩「やよいちゃんっ!」

最悪だ、最悪だっ!

私の身勝手な行動でやよいちゃんが傷つく……

やよいちゃんが苦しまされてる……っ


「お前が悪いんだよ」

お腹を抑えて蹲ったやよいちゃん目掛けて、

男の人の足が振り上げられていく

雪歩「や、止めてくださいっ」

「それで殴られるよりは痛くねぇから」

男の人は笑う。

まるでやよいちゃんを虐めることに、

やよいちゃんに暴力を振るうことに喜びを感じているような

そんな笑み

やよい「ぅ、ぁ、ゅ……」

苦しそうに呻きながら口元から涎を垂らし、

やよいちゃんは私を見つめる

そして一瞬の後に、その顔は横へと飛んでいく

鈍く嫌な音が聞こえた

追いかけた私の瞳の端に映るやよいちゃんはうつ伏せに倒れ込んでいた

振り切った足を戻す男の人はやりきったという風に息を吐く

雪歩「……………」


現在の雪歩の精神値(-2)


安価下コンマ一桁判定


雪歩の精神ダメージ

5以上で――。


減少値-1(-3)


雪歩「ぁ……ぁあっ」

「生きてるから安心しろよ」

そう言いながら、男の人はやよいちゃんを無理矢理引き起こす

やよいちゃん自身は気を失っているらしく、

腕や足はだらっと垂れ下がったまま動かない

雪歩「やよいちゃんっ、やよいちゃ――」

「お前も来い」

頭ではなく髪を捕み、男の人は強引に引く

雪歩「っ、痛い……や、だれ、か……」

やよいちゃんに容赦なく暴力を振るう姿を見てしまった私は、

恐怖のあまり抵抗することができず、されるがままに車へと押し込まれてしまった


とりあえずここまで。ありがとうございました

そしてやよい、ごめんなさい


戦闘の部分に関しては追々変更していく予定です。手探りなので

ただ、攻撃方法の選択がなく【殴る】しかないのは雪歩がそれ以外に性格的に選ぼうとしないから

もちろん、【突く】、【なぎ払う】もあるけど

スコップで突いたらそれこそ即死だからやろうとは思えないし、【薙払う】は殴るのとあまり変わりはないから


少ししたら再開します


戦闘システムについて意見あればお願いします


「ほら、ついたぞ」

やよいちゃんの家から少し離れた建物

バリケードはどこから盗ってきたのか、

たくさんの車で作られていた

やよい「…………」

未だ目を覚まさないやよいちゃんを担ぎ、

男の人は私を車の外へと蹴り出した

雪歩「っ……」

手は縛られ、愛用のスコップは車に置き去り

もう、万事休すとしか言えない状態

「あんたらアイドルの萩原雪歩と高槻やよいだろ?」

雪歩「…………」

「黙ってても分かってんだよ。テレビで散々持ち上げられてたんだからな」


「別にアイドルとかどうとかに興味はねぇけど、やっぱり体には興味があるわけだ」

男の人の気色の悪い笑顔が私に向けられる

まるでゴミとでも言うかのように乱雑に置かれたやよいちゃんには見向きもしない

「こいつはガキだし、あんたはまぁ……最高とは言えなくても悪くはない」

雪歩「……さ、最低」

気力を振り絞った睨みも、

男の人にとっては絶対的絶望の中の無意味な抵抗にしか思えないらしい。

ニヤっと笑いながら私に近づいてくる

手は動かせない。叫んでも救いは期待できない

……もしかしたらやよいちゃんが気づいてくれるかもしれないけど

「こんな世界なんだし、ヤりたいことやっちまおうぜ?」

雪歩「――…………」


1、足を蹴る
2、お腹を蹴る
3、顔を蹴る
4、止めて!
5、おとなしくしておく
6、そのほか自由言動


安価下2


手が動かせない

だからと言って抵抗できないわけじゃない

頑張るべきなのはやよいちゃんか、私か

それはもう悩む必要なんてない

……ふふふっ

そう、それはとても簡単なこと

私が臆病でなければいい

私が恐怖を感じなければいい

目の前のそれを人間だなんて思わなければいい

手が使えなくて、目の前に障害物があるとき

人はただぶつかるわけじゃない

足を使って蹴り飛ばす

雪歩「―――――」

体をゆっくりと傾けて、力を蓄えていく

そうするために。

目の前の何かを蹴り飛ばすために


・状況効果。追い込みにより、精神-2

・雪歩 精神-5


安価したコンマ判定



01~20 で受け止められる

21~50 でダメージ小

51~70 でダメージ中 

71~00 ダメージ大 (みぞおち)


判定63 =ダメージ中


「っ!?」

上手く決められなかった。けれど、

それを怯ませる事くらいはできたみたいだった

雪歩「ふふっ……次は避けちゃダメですぅ」

余計に痛いだろうし、

余計に苦しいだろうし、

なにより、時間が無駄になってしまう

大変なことばかりで疲れて、寝付けなくて

まだ寝ていないのに。

「お、お前、よくもやってくれたな……」

腹部を抑えつつ、それは私に怒鳴る

雪歩「正当防衛をしただけですよ……?」

終始笑顔の私に怯えているのか、

それは少しだけ後退る

さて……どうしようかな


1、手を縛るガムテープを噛み切る
2、そのまま迫る
3、微笑む
4、そのほか自由言動

安価した2


雪歩「私の体に興味があるんじゃないんですか?」

「な、なんだよ。何なんだよお前!」

ジリジリと逃げるそれを、

私はコツコツと追い詰めていく

「今すぐ下がらないとこいつを殺すぞ」

雪歩「……………」

それはそこに落ちていた彼女を掴むと、

私に見せびらかすように自分の体の前にたたせた

未だ目を覚ましていないらしい彼女の頭はダラッと垂れたまま

けれど、さすがに乱暴だったのか小さく呻く

「ほら、下がれよ! 下がって土下座しろよ、ごめんなさいって!」

雪歩「………………」


別に言うことに従う必要性はない

殺すといってはいても、

手元に何らかの武器があるわけではなく、

私がそれを仕留めるまでに彼女を殺すことは多分できない

スコップが手元にあれば容易に抉れるのに……

雪歩「………………」

「早くしろよ」

それは急かしてくる

私に対して強要してくる


1、大人しく下がる
2、さらに迫る
3、一気に男の懐に飛び込む(同レスコンマ40以上で成功)
4、やよいちゃん、いつまで寝てるの?
5、そのほか自由明記

安価した2


判定9=失敗


勢いよく踏み込み、

それへと接近を試みようとしたものの、

上手くはいかず中途半端で止まってしまった

「おい、おい、おい!」

雪歩「………………」

それはもはや錯乱状態で、

そう怒鳴って彼女の首を締め上げた

やよい「ぇ゛あ゛……」

さすがに彼女も目を覚ます

「言ったぞ、殺すって! へへっお前が悪いんだからな!」

やよい「ゆ゛ぎほ……ざっ」

苦しそうな声で、彼女は。

やよいちゃんは私へと手を伸ばす


また失敗

学習能力のない私は嫌い

だめだめな私なんて大嫌い

やよい「あ゛ぅ゛……」

「ぜ、全然む、胸ねぇけどや、柔らかいんだな……」

片や首を締め、片や彼女の体を怪我していくそれの両腕。

醜く汚らわしいそれを私が睨むと、

一瞬だけ怯えたものの、すぐにニヤつく

馬鹿だと思う

私の枷である彼女を殺せば

自由になった私は大義名分のもとに残虐の限りを尽くすことさえできるのに。

「い、今すぐその服脱いで、ど、土下座するなら、ゆ、許してやる」

雪歩「…………」

また嫌なお願いをしてくる。

やよいちゃんのこと失いたくないよ……

だめだめな私の高望み

叶えることはできるのかな。

ううん、そもそも叶えてあげる必要はあるのかな……?


最初に彼女は思ったはず

自分が家を出なければ私が追いかけることはなく、

それに出会うこともなく何事もなかったと。

責任は自分にある。と

次に私は頑張りきれなかった

相手が人間だからと戸惑って躊躇して。

失敗してこんなことになった

「は、早くしろよ!」

やよい「ぁっぅ……ぁ゛」

彼女は口元から涎を垂らし、

苦しそうにもがく

そろそろ限界なのかもしれない

あれとの距離はさほど遠くはない

貴音さんの<奴ら>を殺したテクニックを真似れば顎を砕いたりできないかな?

私の腕力じゃ無理だよね。うん……解ってる


1、指示に従う
2、もう一度飛び込む 判定20以上で成功  失敗でやよいが――
3、とりあえず後ずさる
4、別に殺しても良いですよ?
5、そのほか自由言動

安価した2


判定15=失敗


焦ったがゆえの馬鹿な行いに堕ちた偽善な捨て身

それは儚くも届かず、かなわず。

「っ!」

やよい「ぁ゛................」

彼女の腕が垂れ下がり、

続いて頭がたれて。

最後に体が崩れ落ちていく

雪歩「……あ」

自分の失敗でありながら、

言葉を失うのは間違い?

悲しむのは間違い?

嘆くのは間違い?

きっと間違いだから、私は悲しまず、嘆かず。涙を流しさえしなかったんだろう

意味のない3度目の正直

私は勢いよく床を蹴って目前だったそれの懐へと入り込む

雪歩「もう、逃がさない」

両腕は縛られたまま

これも噛みちぎっていれば行動なんてもっと自由にできたはず


1、みぞおちに突進
2、勢いを利用して顔を蹴る
3、目を潰す
4、急所への膝打ち
5、そのほか自由言動


安価下2


両手が縛られているといっても、

指まで不自由しているわけじゃない

それなら、これの目を潰してしまうこともできるはず

潰してしまえば音だけが頼りの<奴ら>と変わりないし、

噛まれても感染したりしない分、これの方が随分とマシだと思う

……。

…………。

変に冷静だった

頭がおかしいんじゃないかと自分で思うくらいに冷静に

私は眼下の彼女に目もくれずそれの目を見つめ、手を突き上げた



安価下コンマ判定

01~30  よけられてしまった

31~60  片目のみ成功  偶数左 奇数右

61~00  両目成功


ごめん寝落ちしかけないのでここまで

コンマゾロ目44なので良し悪しはともかくイベント


再開します


判定44 片目+イベント


勢いよく突き出した両手は、

それの片目のみだったけれど確実に捉えた

「ぎゃ、ぎゃぁぁぁぁぁぁあぁあぁぁぁ」

左手と右手。

その両方の親指が眼球を貫き、

爪の中へとその欠片は侵入していく

雪歩「っ……」

抜き出した血だらけの指

そこから伝わる気色の悪い感触も気にせずに、

私は男の人を見つめる

両手で目を抑え、悲鳴を上げながらもがき、のたうち回るその姿は、

私によって引き起こされたもの。

そう、私が起こした

男の人が怖い、男の人の怒鳴り声が怖い、

人を傷つけるのが怖い、人を殺してしまうかもしれない怖さ

その全てはもう、私の後ろに消えた。

雪歩「あはっあはははっ」

こんなに簡単なら、もっと早く迷いも心も捨てておけばよかった


ゾロ目44により、雪歩(黒覚醒)

雪歩の次の行動

1、男の脇腹をける
2、ガムテープを食いちぎる
3、近くの棒で男を殴打
4、男の頭をける
5、そのほか自由言動

安価下2


善良的な行動は選択肢に一切出てきません
そういう類の言動を行いたい場合は自由安価で補ってください


落ちている少女の体を一瞥し、

私は未だ喚く男の人の前に立った

「お゛ま゛え゛ぇぇぇぇぇ!」

血の涙を流す姿なんて、

ドラマなどでも滅多に見ない

ううん、涙っていうよりはただの血だよね?

目を抉っちゃったんだし

雪歩「ふふっ、良い姿です」

「なんなんだお゛ま゛えはぁ!」

もはや決死の覚悟というみたいに、

男の人は私を見上げながら睨む

でもごめんなさい。

貴方が見上げてる時点で、

私は貴方を見下しているわけで。

雪歩「萩原雪歩ですぅ」

振り上げた右足に反応して男の人は一瞬で怒りを消してしまう

強気な顔を蹴りたかったな……ちょっと残念だった。

私はどす黒い感情に埋め尽くされた心の中でため息をつき、

あの時の男の人のように力一杯振り切って蹴り飛ばした


安価下コンマ判定

01~40 ダメージ中

41~80 ダメージ大(抉った目の位置に直撃)

81~00 尖った廃材に後頭部を直撃(ダメージは 0最小  9最大  5以上で死亡) 


判定84 廃材  4=瀕死


「あぎゃっ」

雪歩「……?」

変な音が聞こえた

あのスコップで男の人を殴った時よりも痛そうな音

「あ、ぎ、ぎゃ……」

ピクピクと男の人は痙攣を起こしながらも、

まだ奇跡的に生きているみたいだった

それは幸運? それとも不幸?

訊ねても答えは返ってこない

雪歩「私のこと、見えますか?」

男の人の目の前で手を振ってみる

逃げようとしたのかもしれない。

足が少しだけ動いてまた伸びてを繰り返す

雪歩「痛いですか? 苦しいですか? 辛いですか?」

聞いても答えは返ってこない


さて、どうしようかな?

このままほうっておいてもこの人は死ぬだろう

でも、このままじゃ失血死とかでしかない

もっと強い痛みで死なせてあげるのも優しさじゃないかな? 一瞬だし

雪歩「……………………」

冷静にあたりを見てみると、

角材とかがいろいろと落ちているらしく、

どこかの工事現場の倉庫的な場所だと言うことが解った



1、近くの道具を取る(工事現場にありそうな道具を 一緒に明記)
2、そのまま男の人の頭を蹴る(判定なしで即死)
3、死ぬまでを観察する
4、男の人のつま先を踏んで足の骨を折る(判定アリ)
5、そのほか自由明記

安価下2


善良的な行動は選択肢に一切出てきません
そういう類の言動を行いたい場合は自由安価で補ってください


今はもう私に対して怯えたりするような動作はできないらしく、

ただただピクピクと震えているだけ

それでもまだ呼吸は出来ているみたいで、

以前事務所でみんながいっていた生命力だけ無駄に高い害虫の家系なんじゃないかな。

なんて考えに至って笑う

雪歩「虫が人を産むわけないですよね」

この人が本当に人なら。だけど

雪歩「それは置いておいてですね……」

男の人の伸びたつま先に足をかけてニコッと笑い、

雪歩「コレ、要らないですねっ」

全体重をそれに乗せた


安価下コンマ40以上で死亡


判定73=死亡


バキッと綺麗な音が足から伝わって、

同時にうめいた男の人の痙攣が止まった

雪歩「……あ」

死んでしまったらしい

死なせることこそこの世界においては救いだったような気もする

そういう点では、私は良い事をしたのかな

安全になったところで血だらけの手を縛る同じく赤く染まったガムテープを噛み千切った

雪歩「……どうしよう、かな」

倒れこみ、ピクリとも動かない彼女を見つめ、

私は小さくため息をつく

できれば生きていて欲しい

でも多分……もう遅い


雪歩の行動

1、やよいを持っていく
2、やよいを埋める
3、やよいは放置する
4、蘇生法を試してみる
5、そのほか自由言動


安価下2


雪歩「…………………」

無駄だとしても、

一応やるべきことはやっておくべきだ

私が迷ったりなんだりで初撃でミス

二回も飛び込んでミスして絞殺

全部私のミス

私がやよいちゃんを殺した

雪歩「……ファーストキス? でも、ラストキスかな」

やよいちゃんの唇をさっと撫でる

まだ固くはない。けれど、乾燥してしまっているのが生々しく、

私は自分の唇をぺろっと舐めて濡らした

雪歩「すぅ―――」

大きく息を吸い、やよいちゃんの顔を調整して口を開き、大きく息を吹き込む。

わずかに上下し、また止まる

何度か酸素を送り込み、胸にある出っ張りから均等に指を横にずらして交差する位置

そこに小指下の手の平。ふっくらとした部分を押し当てる

雪歩「………………」

心臓マッサージをし、人工呼吸をした

間に合ってくれたのなら――……


安価下コンマ判定

ペナルティ(安価2回分放置)=20%の確率低下


コンマ70以上で奇跡的に成功

ゾロ目なら70以下でも成功


判定46=失敗


雪歩「……判ってた」

判ってたよ。無駄だって。

うん、最初にやる前に言ったし、

だから、私はもう覚悟できてた

だから……だから……

雪歩「ごめん、ごめんなさいっ」

やよいちゃんの動かなくなった体を抱きしめる

だんだんと冷えていく体を抱きしめる

男の人に会う前に掴んでくれたやよいちゃんの手はあんなにも温かかったのに。

今はもう冷たい

私が殺した。私が死なせた

失うのが怖いっていったくせに

自分の手で私はやよいちゃんを……

雪歩「……………………」

さっきよりも強く。ずっとずっと強く抱きしめた

それなのにやよいちゃんは何も喋らない

私だけが熱く、私だけが目を開き、私だけが口を開き、

私だけが生きていた

泣く権利なんてないはずなのに、私は堪えきれずに嗚咽を漏らす

慰めてくれる人など、ここにはいない


みんなになんて言えば……

ううん、まず、私はみんなと会うことが許されるのかな?

雪歩「今はそういうことを考えている場合じゃないよ」

やよいちゃんをどうするべきかを考えないと

高槻家はお父さんを失ったばかりで、

それなのに、やよいちゃんまでも失って

雪歩「……………」

高槻家の人たちに殺されるかな?

それでも受け入れるべきだろう


1、やよいを持っていく
2、やよいを埋める
3、やよいは放置する
4、そのほか自由言動


安価下2


中断


ちゃんと持っていこう

こんな場所に置き去りなんてそれこそ許されない

雪歩「ちょっと重いかな……」

気を失っている人は起きている時よりも重いと聞いたことがある

死んでしまった場合もそうなのかな?

雪歩「…………………」

男の人みたいに担ぎ上げるなんてできなくて、

綺麗だった私のちょっとした夢だったお姫様抱っこで連れて行く

ごめんね、やよいちゃん。

私が守ってあげるべきだったのに……

ゆっくりと建物を出ていく

こんな私を、

世界はどう迎え入れるのだろう?


安価下コンマ判定

01~30 <奴ら>が彷徨いているようだ

31~60 <奴ら>はいないようだ

61~90 <奴ら>が近づいてきているようだ

91~00 みんなが駆けつけた


判定91=みんなが駆けつけた


春香「雪歩! やよい!」

貴音「ご無事ですか!?」

なんで。

雪歩「なんでみんながここに?」

千早「2人がいないことに四条さんが気づいたのよ。もしかしたらって車で探したの」

真「すみません、やよいのお母さんたちに」

「大丈夫、連絡したよ」

世界は私に覚悟をする時間さえ与えてくれないらしい

お前の罪を償えと。

逃げることさえも許さない。

言い訳さえも許さない。

貴音「やよいは眠っているのですか?」

そして直ぐに、聞かれてしまった


雪歩「ぁ」

千早「酷いこと――」

春香「雪歩、服も手も血――」

みんなが何か言ってる

何か言ってるとわかるだけで、

なんて言っているかは解らない。

耳に入ってこない

どうしよう、

なんて答えよう。

私、私が……


1、私が殺した
2、私が死なせた
3、男の人に殺された
4、ごめん、なさい……っ
5、………………
6、そのほか自由言動

安価下2


雪歩「守れなかった……」

貴音「!」

雪歩「ゎ、私……私……」

嘘だ

嘘だ。守れなかったんじゃない。

守らなかったんだ

指示に従えば無事だった!

1回2回3回……全部無視して無茶して!

全部全部失敗して!

私が殺したのにっ!

貴音「雪歩」

貴音さんがやよいちゃんごと私を抱きしめる

貴音「申し訳ありませんでした」

なんで。

なんで貴音さんが謝るの……?

なんで貴音さんが責任を感じるの?

止めて、止めてくださいっ

お願いだから……私の罪を奪わないで……


貴音「全て私に任せてと言いました。貴方を守ると言いました。それなのに」

私を抱きしめる貴音さんの腕に力が入って、

少しだけ痛かった

やよいちゃんが痛いっていったのも、

きっとこれと同じような……

貴音「貴女を見失ってしまった。危険に晒してしまった。その服を手を、汚させてしまった」

千早「……四条さん」

貴音「本当に……申し訳ありませんっ」

貴音さんは泣いていた

私のことを思って泣いていた

でも、私は優しくされるべきじゃない

みんなにとっての私は奇跡的に無事だった萩原雪歩

でも、真実は。

高槻やよいを殺した萩原雪歩

被害者なんかじゃない、加害者


雪歩の言動安価

1、私なんかよりもやよいを家に帰してあげよう?
2、ううん、貴音さんは悪くないよ
3、本当のことを話す(やよいが死んだ理由)
4、………………
5、止めて、止めてください。私に優しくなんかしないでくださいっ!
6、そのほか自由言動


安価下2


雪歩「うぅっ」

私は何も言えず、何もできず。

ただ自分の罪深さに泣いた

あの元気な声はもう聞けない

あの元気な姿はもう見れない

少しだけ痛いけど、

気持ちのいい音を聞かせてくれるハイタッチはもうできない

私が殺したから。

私がやよいちゃんを殺したから

そして、

その罪を語れない自分の弱さに、

私は怒り、嘆き、泣く。

罪を語らない私は悲劇のヒロインでいられるだろう

けれど私自身はどす黒く、穢れ、汚れた最低最悪のヒロイン

死ぬべき、殺されるべき、処刑されるべき人間

私なんで生きているんだろう?

私はなんで、幸せになることができるのだろう?

そんなこと……許されるわけないよね?


・バッドコミュ
・雪歩 精神-10(-5の倍)
・高槻やよいが死亡しました
・高槻家に戻ります


家族のみんなも私を責めてはくれなかった

むしろ。

『やよいの大切なお友達が無事で良かった』

そう言って泣きながらも笑っていた

私はそれに対して何も言えなかった

いいえ、それは違います。と否定できなかった

雪歩「……………」

私を。

誰か私を助けてください。

罪を償わせてください

殺してください。

だれか、私を……


1、誰かと交流(貴音、千早、真、男性A、やよい、かすみ、長介、高槻母から明記)
2、家から逃げ出す
3、やよいの部屋へ
4、何もしない
5、そのほか自由言動

安価下2


雪歩「……千早、ちゃん」

千早「萩原さん……」

千早ちゃんは私を見るなり心配そうな顔をした

千早「寝ろ。なんて強制もできないわよね」

千早ちゃんはそう言ってとなりに座らせてくれたけれど、

きっと勘違いしてる

寝ようとすれば、やよいちゃんが殺される瞬間を思い出してしまうだろうとか、

そんなふうに思ってる

でも、違うんだよ。千早ちゃん。

眠くても寝たらダメ。食べたくても食べたらダメ。

私は自分のしたいことをするなんて許されないんだよ?

罪を語ることもせず、

騙すことで自分を生かしているんだから


千早「貴女は悪くないから気負う必要はないわ」

雪歩「………………」

誰かと話すたびに、

私は自分の罪を削られるのだろう。

そしてその度に、

私の心は大きくえぐられて、

壊れてしまいそうなほどに悲鳴を上げる

千早「………………」

雪歩「………………」

言葉が消える

何を言えばいいか、何をしたらいいか

私達は2人して見失ってしまった


1、本当のことを話そう
2、私を殺してくれませんか?
3、やよいちゃん、助けられなくてごめんなさい
4、私が死ぬべきでした
5、そのほか自由明記

安価下2


嫌だ

このまま黙っているなんて……

私は耐え切れずに本当のことを話すことにした

雪歩「千早ちゃん。あのね――」

千早ちゃんは何を話すのかと最初は驚いていたけれど、

私の話がやよいちゃんのことだとわかると、

無理はしないで。と止めようとしてくれた

けれど、止めるわけにはいかなかった

雪歩「――っていうことだから」

千早ちゃんは黙り込んでしまった

無表情で、何を考えているかも解らない

千早「…………………」


安価下コンマ判定

千早の精神(真実を知る前の時点で)


01~30 ±0

31~50 -1

51~70 +1

71~90 -2

91~00 +2


真実を知る前 千早+1


安価下コンマ判定 千早の反応


01~20 それを聞いた私は貴女に怒鳴ればいいのかしら?

21~40 ……貴女じゃないわ。男の人が殺したの

41~60 ごめんなさい、何を言えば良いか解らないわ

61~80 そんな大事なことなんで黙っていたのよ

81~00 ふざけないで


判定54


千早「ごめんなさい、何を言えば良いか解らないわ」

雪歩「え……?」

千早ちゃんの反応は、

私の予想とは全然違うものだった

千早「正直、誰かを失うことを私は覚悟していたのよ」

雪歩「どうして?」

千早「壊れる前の世界でだって、人は突然死んでしまうから」

千早ちゃんは弟を交通事故で亡くしていて、

大切な人との別れを、千早ちゃんは一度経験している。

でも、だからって……

千早「けれど、貴女になにか言えと言うなら。私はありがとうっていうわ」

雪歩「そんなことっ!」

千早「だって貴女は生きていてくれた。それだけでなく、綺麗なままの高槻さんを守ってくれたじゃない」

雪歩「でもっ、死なせた……生きたまま連れ帰れなかった!」

千早「貴女は充分戦った。守ろうとして戦った。それなら何も言えないわ」

千早さんはそう言うだけだった

決して怒ろうとはしなかった

恨んだり、憎んだりもしなかった

私も何も言えなくなってしまった


……どうして

どうして世界はこんなにも残酷なんだろう?

壊れる必要のない日常を壊して

死ぬ必要のなかった人を殺して

死ぬべき人を。罪深い私を。

恨んで、憎んで。殺してくれるような人を私の周りには作らせなかった

千早「……大丈夫?」

千早さんはそう言いながら私の手を握る

いつの間にか震えていた手を、

温かさと優しさが包んでくれる

雪歩「…………………」

私は……


1、手を振り払う
2、私は生きていても良いのかな?
3、それでも私は罪人だから
4、そのほか自由言動

安価下2


雪歩「私は、生きていてもいいのかな?」

私の言葉に対して、

千早ちゃんは少し困った表情を浮かべて、

それから春香ちゃんを見て、私を見て。

千早「生きていて良いのよ。それに……」

千早ちゃんは私のことを抱きしめてくれる

なんだか抱きしめられてばかりだな。なんて思って、

自分のそれは失う怖さを表しているものだったと思い出して。

千早「私は萩原さんに生きていて欲しい」

雪歩「っ……」

生きていて欲しいと。

千早ちゃんに望まれている

私がどうこうじゃなく、

私以外のだれかに望まれている

世界は残酷だ

私に死ぬという楽は許さないのだから


私は死ねなくなってしまった

そもそも、私の罪は何処へ行くのだろう?

千早ちゃんは恨まない、憎まない

私の罪は、罪ではないと考えてしまっている

あの無茶な行いを、戦ってくれた。と言った

雪歩「………………」

なら、生きているべきなのかもしれない。

でも、だけど。

私があのとき感じた悦楽は拭えない

どんな擁護も許さない

男の人を嬲り殺しにした、私は。

どうしようもないほどに罪深いのだから。

今でも私の全身にあの感覚は残っている

いつか私は壊れるだろう

ううん、もしかしたらもう壊れているのかもしれない

雪歩「……ありがとう」

誰に向けての言葉だっただろう

私を優しく包んでくれる千早ちゃん?

それとも、危ない私を目覚めさせた男の人?

答えは私にも――解らなかった


とりあえずここまで


ごめん、やよい
ごめん、雪歩



次は翌朝になります

誰かを探しに行くか、または安全圏への脱出を試みるのもアリ
安全圏への脱出でゲームはクリアなので、
これ以上誰かが犠牲になったりするのが嫌だという場合はそっちを優先させたほうがいいかもしれない

諸事情でなかなか……

短いと思うけど再開します


やよい「雪歩さんのお茶美味しいですーっ!」

雪歩「淹れ方教えてあげるよ?」

やよい「私がいれても、この味は出せないかなーって」

雪歩「え? そんなこと……」

やよい「雪歩さんが淹れたお茶の美味しいは、私の淹れたお茶の美味しいとは違うと思うんです」

雪歩「そ、そんなことないよぅ……やよいちゃんにだって簡単に」

やよい「だって雪歩さんは――」

やよいちゃんは私に優しいからって言ってくれたんだっけ。

でも私は否定して……ほら。言ったとおりだよね

私は全然優しくなんてなかった

優しいならやよいちゃんを無視して嬲り殺すなんてことしなかった

そんなことしなければ助かっていたかもしれない

目を覚ました私は泣いていた

優しかった頃の私を、涙に変えて落としていった


雪歩「……………」

みんな私のせいじゃないと言ってくれたとはいえ、

やよいちゃんが死んで、この家から彼女の声が消えてしまったことに変わりはなく、

みんなの雰囲気は最悪とかいうレベルではなかった

雪歩「みんな……」

千早ちゃんには真実を話した

その上で許してくれた

だけどみんなにはまだ……



1、誰かと交流(春香、貴音、千早、真、男性A、高槻母、かすみ から選択)

2、とりあえず、前の目的地。水瀬邸に向かおう

3、やっぱり、私はここに居る資格ないよね……1人で出る

4、そのほか自由言動


安価下


まずは前の目的地である伊織ちゃんの家に行こう

春香ちゃんと合流は出来たし……。

やよいちゃんのお母さん達も含めて、

みんなそのことに賛同してくれた

車の運転は男の人と、高槻母さん。

車は男の人の乗用車と、高槻家の少し大きい車

やよいちゃんが家族みんなで乗れるようにとプロデューサーと一緒に選んだ車

雪歩「……やよいちゃんはどうするんですか?」

かすみ「おねえちゃんなら車で寝てますよー?」

雪歩「え?」

千早「萩原さん」

千早ちゃんによって見せられた車の座席

そこには本当に眠っているだけのようなやよいちゃんの姿があった

千早「何も言わないであげて。あの子達はまだ小さいから」

言えるわけがなかった


車で向かうことにしたわけだけど、

どうしようかな……どっちに乗るべきだろう

1、高槻家の車(高槻一家+春香)

2、男の人の車(男性A+千早、貴音、真)


安価下


車内での交流可能キャラが変更になるだけです


元の車に乗ろう

春香ちゃんには悪いけれど、

今の私にはやよいちゃんと同じ車に乗る勇気なんてない

どす黒く染まった心

その裏に隠されてしまった私の優しさ

人を殺すということに悦楽を覚え、

人の肉を抉って鮮血を浴び、

骨を砕き、断末魔の悲鳴を耳に残す

雪歩「あはっ」

千早「……?」

私ではない私。

壊れた世界の壊れた私

雪歩「……行こう、千早ちゃん」

千早「え、ええ……」

<奴ら>は皆殺しにする

<奴ら>でなくとも敵なら殺す

それがこの世界においての正義

私のために――この世界はある


ごめんなさい、ここで中断します。

明日はまともにできると思います


すいません、ちょっと時間がなかったので。

再開します


車の窓の外。

時折<奴ら>が見える

殺してやりたい、

頭を叩き割り、肉片を飛び散らせてしまいたい……。

そんな衝動を抑えようとして体が震えた

雪歩「……惜しいなぁ」

車で移動してなければできたのに。

押さえ込まれた心は、

そんなつぶやきを残して前を向く

ほかのみんなは無事だろうか?

正直、<奴ら>だけが敵ではないこの世界では

生きていてくれているという希望は持たないほうが良い

雪歩「…………………」

手持ちぶさたな暇な時間


1、交流(貴音、真、男性A、千早から選択)
2、血濡れのスコップの手入れ
3、そのほか自由明記

安価下


雪歩「貴音さん」

貴音「どうかしましたか?」

貴音さんは昨日の朝よりも疲れているような、

そんな感じがした

雪歩「貴音さん、大丈夫?」

貴音「私よりも雪歩……貴女は平気なのですか?」

雪歩「え?」

貴音「目の前で貴女は……ですから」

平気じゃない自分もいるけれど、

もう過去のことだから気にしていていられないよ。と、

割り切れている黒い私の方が今は大きく、

私は頷いた

雪歩「うん、いつまでも沈んでいられないから」

貴音「そう、で……すか……」

貴音さんは眉間を抑え、少しうつむく

どうやら眠いらしい

もしかしたら、昨日は寝ていないのかもしれない……


雪歩「寝てないんですか?」

貴音「いえ……眠れなかっただけです」

貴音さんはそう答え、

深々と背もたれに体を預けた

雪歩「………………」

寝れなかったんじゃなくて寝なかったんじゃないのかな

私が勝手に家を出るなんてことをしたから、

また誰かがそんなことをしないかって不安で

寝ずに警戒してたんだろう

そんなことしていたら死んじゃいますよ

やよいちゃんみたいに人に。ではなくて、

<奴ら>の力に押し負けて……食いつかれて……

ふふっそんなことにはならないから大丈夫だよね

だって<奴ら>は私が……

貴音「雪歩……?」

雪歩「……?」

貴音「本当に大丈夫ですか?」


貴音さんは私の何が心配なんだろう?

疲れきった瞳で貴音さんは私を見つめる

貴音「……………」

雪歩「……………」

私を見るその瞳に、どんな思いが込められているのだろう



1、疲れているのは私より貴音さんかな?
2、大丈夫ですよ、私はもう躊躇いませんから
3、私なんか気にせず休んでください
4、はい、大丈夫です
5、そのほか自由明記


安価下


雪歩「大丈夫ですよ、私はもう躊躇いませんから」

貴音さんにそう告げてにこっと笑う

心配かけないようにと笑ったのに、

貴音さんは心配そうな表情を崩さず、

口を開いた

貴音「……雪歩、貴女も変わりましたね」

雪歩「どういうことですか?」

貴音「この世界に毒されてしまった……ということです」

雪歩「……………」

毒されてしまった……かぁ

きっとそうなのだろう

私の隠されているべきだった悦楽行為を良しとするこの世界

私はこの世界を喜んでいるのだから。

取り返したスコップは手に馴染む

これで人を殴ったらどうなんだろう?

殴るんではなく、切ったらどうなるんだろう……

そんな悪い好奇心が押し寄せてくる

早く……戦いたいなぁ

そう思い、歪む口元

貴音「……申し訳ありませんでした」

なぜか貴音さんはそう呟いた


安価下コンマ判定

01~60 無事到着

61~80 生存者遭遇 (モラルは一桁)

81~90 小鳥カー

91~00 響遭遇(ただし、99 00で<奴ら>響)


無事に伊織ちゃんの家へとたどり着いた

流石というべきか、

バリケードや警備なども完璧だった

伊織ちゃんは曽爾音世界を知っているのだろうか、

その目で見て、その耳で聞いて、

その手で感じたのだろうか……

雪歩「っ」

首を振って黒くなる思考を振り払う

どうだって良い

無事ならそれでいい

みんなが大変な時に一人閉じこもっていたことを憎んだりするなんて間違い

生きる為にしたことなんだから。

「生存者です――っ」

監視役の一人がお母さんに抱かれるやよいちゃんを見て言葉を無くす

きっと元はただの使用人なのかもしれない

だからやよいちゃんのことを知っているんだろう……


伊織「みんな……」

使用人さんに連れられていくと、

廊下を慌てて走ってくる伊織ちゃんが見えた

伊織ちゃんは家にいたというのに、

髪も服も乱れてて、

たかねさん以上にやつれているような、そんな可哀想とも言わせない状態だった

貴音「伊織、無事で何よりです」

伊織「私は家にいただけ……けど、貴音達は……」

心配だったんだろう、

不安だったんだろう、

伊織ちゃんは口調こそきついけれど、

とっても優しい子だから

千早「……あのね水瀬さん」

伊織「……ええ、もう聞いたわ」

私たちの後方、お母さんに抱かれるやよいちゃん

伊織ちゃんは悲しそうに見つめ、首を振った

伊織「廊下で話すのもアレだし、部屋に行くわよ……やよいも寝かせてあげたいから」

私たちは伊織ちゃんについて大きい部屋へと入った


やよいちゃんをベッドに寝かせると、

伊織ちゃんはその頬を優しく撫でた

伊織「……もう、こんなに冷たいのね」

真「昨日だったんだけどね……」

伊織「そう……でも、どうして死んだの? <奴ら>ではないでしょ?」

<奴ら>に噛まれたりしたらどうなるかとかは解っているらしく、

伊織ちゃんは訊ねてきた

正直に教えるべきだろうか……


1、私が殺した
2、私が死なせた
3、男の人に殺された
4、ごめん、なさい……っ
5、………………
6、そのほか自由言動


安価下


雪歩「私が死なせた」

貴音「雪歩!?」

伊織「は?」

伊織ちゃんはゆっくりとやよいちゃんから離れ、

私へと近づいてくる

凄みをきかせているであろう瞳

だけど、あの時のように見上げているというその一点が怖さを与えない

伊織「何言ってるのよ……」

雪歩「私の身勝手な行動で殺された。だか――」

パンッと私の左頬が弾かれた

少しだけ痛かった。

伊織「雪歩。冗談には不釣合いなんだけど」

雪歩「冗談じゃないよ。私が――」

もう一度強く私の頬がはじかれた

雪歩「…………………」

伊織「ふざけないでって言ってんのよ!」


ふざけてる?

私が? 仲間が死んだことに関してふざけた回答するって思ってるのかな

千早「あのね、水瀬さん……」

伊織「千早は黙ってて!」

けど、伊織ちゃんが怒るのも無理はないかな。

伊織ちゃん、やよいちゃんとは本当に仲が良かったもんね。

雪歩「………………」

でも、ちょっと痛かったかな

私達は……私は。

これでも精一杯頑張って……あ、無駄だったんだよね

だからやよいちゃんを死なせちゃったんだし……でも、

そんなことを抜きにしても

安全な家でただ心配するだけだった伊織ちゃんには怒る権利あるのかな?

頑張った私に対して叩く権利なんてあるのかな

どす黒い感情は思考を真っ黒なものへと塗り替える


1、うるさいなぁ……
2、伊織を引っぱたく
3、安全な家にいただけのくせに!
4、別に信じなくても良いよ。信じてもらう気も、許してもらう気もないから
5、そのほか自由言動


安価下2


雪歩「別に信じなくても良いよ。信じてもらう気も、許してもらう気もないから」

私は今、

きっとあの男の人を見下していたのと同じような冷めた瞳なのかもしれない

伊織ちゃんは目を見開き、

やがて拳を震わせながら私を睨みつけた

伊織「ア、アンタ……一体どういう神経してるのよ」

雪歩「……どうだろう」

少なくとも普通じゃなくなっちゃってると思う

伊織「おかしいんじゃないの、頭」

雪歩「うん、かもしれな――」

パンッと大きな音が響く、

でも、

私の視界は銀色の髪で埋め尽くされていて、

どうなったのかは見えなかった

貴音「おやめなさい……雪歩は少し疲れているのです」

伊織「はっ疲れてる? そんな程度なわけないでしょうが!」

貴音「水瀬伊織!」

伊織「っ……」

貴音「貴女もです」

貴音さんが私たちを止めてくれた

それは良かったこと? 悪かったこと?

……どうなんだろう


今回はここまでにします

ありがとうございました


雪歩と伊織の関係が壊れていく……

すみません、色々あって空いてしまいました

再開します


私の一言でみんなが険悪になってしまった

だというのに、

申し訳ないことをした。という気持ちにはならない

どんどん変わっていく

世界ではなく、私が変わっていく

人を殺すということ。

他者よりも圧倒的優位に立ち、

容赦なく痛めつけるという悦楽を、まるで中毒のように体と心が求めている

あの伊織ちゃんの瞳に私は少し悦びを感じていた

強いと思っていた彼女はあんなにも小さく、そして、怯えていた

抵抗しながらも、それは強者への悪あがきにしかなり得なかった

あのまま貴音さんが止めなければきっと

私は伊織ちゃんを――……考えるのは止めておいた方が良い



1、貴音と話す
2、千早と話す
3、真と話す
4、伊織を探しに行く
5、男性Aと会話
6、そのほか自由行動

安価下


雪歩「貴音さん、さっき……大丈夫だったんですか?」

貴音「手を止めただけなので何も問題はありませんよ」

雪歩「その、貴音さん……」

貴音「雪歩、あれはどういうおつもりだったのですか?」

あれ……とはきっと、

私が伊織ちゃんに言ったことだろう。

私が真実を話したのは千早ちゃんだけ。

……さっきのでもう、みんなに伝わっちゃったかな

雪歩「どういうつもりでもなく、本当のことを言っただけだよ」

貴音「雪歩が死なせたわけではありません。貴女は頑張って――」

雪歩「言い方を変えただけの優しい言葉なんて要らないです」

萩原雪歩は高槻やよいを守ろうと戦ったが、健闘むなしく殺されてしまった

と、頑張ったから仕方ないと言いたくなるような言葉だけど、

それでも結局は

雪歩が守ろうと戦わなければ、やよいは死ななかった

というものになる。つまり……

雪歩「私が殺したことに……変わりはないんです」


貴音「貴女は疲れているのです……少し休めば――」

雪歩「疲れてないですよ。今日は戦えませんでしたから」

貴音「っ」

ずっと車での移動、そして屋敷に到着して、

お昼になった今もまだ……<奴ら>と戦うことは出来ていない

疲れる要素なんて微塵も――?

貴音「雪歩、雪歩っ……どうして、どうしてっ……」

雪歩「……貴音さん?」

不意に貴音さんは私を抱きしめて来た

何かおかしなことを言ったのかな?

徒歩で移動したわけじゃないし、

戦闘したわけでもない

だから疲れてないといっただけなのに

貴音「戦うことを恐れていたではありませんか! その貴女がなにゆえ……戦えなかったことを嘆くのですか!」

雪歩「……そんなつもりはなかったんですけど」

戦えなかったと答えたとき、

私はすこし残念そうな表情だった……らしい

心で思いつつも顔には出さないようにしていたのに……


雪歩「……毒されたから。変わったから」

そして――汚れたから

昨夜、あの男の人を殺したとき、

私の全ては変わった。

他人を見下すということに快感を得て、

人を殺すということに悦楽を感じた私。

そして世界がそれを許してくれている

変わらず、染まらず、純真無垢な萩原雪歩でいることなんて、

できるわけがない

殴った時に伝わる鈍い感触と、飛び散る血肉、そして醜く潰れる生臭い内蔵

五感全てから得られるそれらを欲しているのは他でもない心

雪歩「もう、貴音さんの知ってる萩原雪歩じゃないんですよ……きっと」

貴音「そのようなことっ……雪歩。貴女は、貴女は……」

貴音さんは言葉が見つからないのか、

私に抱きついたまま黙り込んでしまった


雪歩「…………………」

私と貴音さんの会話をみんなも聞いている。

なのに、誰ひとりとして口は挟まない

ううん、挟めない

萩原雪歩はもう手遅れだと、

察してくれているのかもしれない

貴音「っ……ぅ……ぅ……」

雪歩「……………………」

珍しく、貴音さんは泣いてしまっていた


1、貴音から離れる
2、貴音の頭を撫でる
3、ごめんなさい……
4、そのほか自由言動


安価下


私は貴音さんの頭を優しく撫でてあげることにした

<奴ら>がいない時くらいは、

優しい萩原雪歩でもいていいんじゃないかと思った

……そうあれるのも、今だけかもしれないけど。でも

貴音さんや、千早ちゃん、真ちゃんに春香ちゃんに伊織ちゃん

そして、やよいちゃん

みんなが望む萩原雪歩でいられるときは、

その萩原雪歩でいよう

雪歩「………………」

そう決めた私の心は穏やかで、

壊れる前の私に戻ることができたんじゃないか、と。少しだけ思えた



・雪歩 精神+1(トータル-9)


伊織「……で、このあとはどうするのよ」

春香「みんなを探すか……それとも、安全地に逃げるか。だね」

私と険悪な伊織ちゃんは、

そんなことは気にせずに避難を手伝ってくれるという。

やよいならきっと、どうあってもみんなを助けるから。らしい

思えば、

あの時だって自分のことはいいからと、

私を最優先で考えてくれていたんだよね……

貴音「皆を探したいのは山々ですが、犠牲が増えるのは……」

真「けど、捜索隊が出てくれるとは限らない」

千早「そうね……その場合、みんなを見捨てることになるわ」



1、みんなを探しに行こう
2、……私は一人で探しに行くよ
3、逃げよう。私達じゃどうしようもないから
4、そのほか自由


安価下


雪歩「私はひとりで探しに行くよ」

伊織「は?」

春香「え?」

真「なっ」

千早「萩原さん!?」

貴音「……なにゆえですか?」

なんでと聞かれても困らない。

既に言葉は決まってる

自分の胸に手を当てて、さらに強く鼓動を感じる

緊張からか、わずかに早い

雪歩「私にはその責任があるから」

やよいちゃんを死なせてしまったからこそ、

その他のみんなの無事を確認し、助ける義務がある

それに……響ちゃんを一人で行かせちゃったしね

雪歩「みんなは伊織ちゃんと一緒に安全な場所で待っててね」

言い残すだけで私は部屋から出ていった


最初に響ちゃんと一緒で、

貴音さんと合流して、

響ちゃんと別れて、

次に千早ちゃんと真ちゃんと再会して、

そして優しい男の人に出会って、

春香ちゃん、やよいちゃん、高槻一家にであって、

やよいちゃんを失って、伊織ちゃんに会って

思えば一人になるのはこれが初めてかな……



安価下コンマ判定


01~10 無し
11~20 1人
21~30 3人
31~40 無し
41~50 2人
51~60 無し
61~70 2人
71~80 4人
81~90 1人
91~00 全員


親密度より、千早、貴音固定


あと一人

01~50で真

51~00で春香


安価下判定


判定66=春香


門の前まで行くと、

3人の馬鹿なほどに優しすぎる人たちが私を追ってきた

見送るためではなく、一緒に行くために。

春香「やよいの家族にもついててあげるべき人がいるからね。真とあの男の人には残ってもらったよ」

千早「萩原さんを放ってはおけないものね」

貴音「共にいると、今度こそ守ると。私は誓いましたから」

伊織ちゃんはどう思ったのだろう。

3人を連れ去る悪魔……かな

そんな予想を覆し、

伊織ちゃんは少し離れたところにまことちゃんと一緒に立っていた

伊織「待ってるから!」

雪歩「っ……」

それだけしか言わない。でも、それだけで十分だった。

伊織ちゃんはこんな私を。やよいちゃんを見殺しにした私を。

そんな私が生きて帰ってくることを願ってくれている

それが――容易に解る言葉だったから。

私たちは再び徒歩で行く

<奴ら>のいる街中へと向かう……みんなと、会う為に


一旦ここまで




伊織、真、高槻一家、男性Aと別れ、

貴音、千早、春香の3人と街に出ます


しばらく空いてしまいましたが再開します


春香「出てきたは良いけど……どこに行く?」

千早「そもそも、みんなが今どこにいるかっていうこと自体不明なのよね……」

そう。

千早ちゃんの言うとおりみんなの居場所は解らない

携帯はもう圏外としか表示されず、

連絡を取ることさえできない

つまり……手探り作業

雪歩「大変だよ。思いだけじゃどうしようもないくらいに大変だよ? それでも……来るの?」

思いだけじゃ大切な仲間さえも救えない

そんな経験をしたからこその言葉

それに対し貴音さんは首を横に振った

貴音「思うだけではダメだからこそ、ここに居るのです」

千早「そうよ。萩原さんと一緒に思いを持って行動するために私たちはここに居るの」

春香「聞くだけ無駄だよ、雪歩。私たちは一緒に行く」

バカだなぁ……と。

思い微笑する私は悪か……善か……


どちらにせよ、

みんなを止めることは無理そう。

なら付いてきてもらう他ないよね……

スコップの柄を握る手に無駄な力が入る

失いたくない

これ以上……だれも。

そう思う気持ちが強くなるたびに私の中の黒い部分が強くなっていく

失いたくないなら他者を殺せと。

躊躇をするな、迷うな。確実に仕留めろと。

私の思考を埋め尽くしていく

雪歩「……それじゃ、行こう」


この近くにいるはずなのは、

小鳥さん、社長、亜美ちゃん、真美ちゃんそれとプロデューサー

そして……響ちゃん

行くべき場所は……

亜美ちゃん達の病院、響ちゃんの家……かな?

小鳥さんは事務所にいたはずで、

事務所は既に倒壊、小鳥さんの消息は掴めず。だったから、

小鳥さんは車で避難してるはず

亜美ちゃん達は病院にいるはず

プロデューサーは……解らない

いつもあちこちに飛び回ってるから所在不明

社長も同じく不明

響ちゃんは……無事なら家にいるはず。だよね?


1、双海総合病院へ
2、響の家へ
3、適当に散策
4、その他自由

安価下


雪歩「まずは病院に行こう」

千早「病院は危険だわ。やられたことで感染すると知らない人が紛れたりしていたら……」

春香「こ、怖いこと言わないでよっあそこには亜美達がいるんだよ!?」

千早「解っているわ。でも……」

貴音「どうこう言い争っている場合ではありませんよ」

雪歩「安全か危険か。それを確かめるためでもあるんだよ? 行くしかないよ」

平然とそういう中で。

私の心は不気味な笑いを浮かべていた

崩壊していればいいのに。

院内感染していればいいのに。

そうすればたくさん殺せるよ。と、

嬉しそうに笑っていた


安価下コンマ道中判定


安価下コンマ判定


01~20 目撃

21~40 問題なく病院に到着

41~60 遭遇

61~80 人と接触(一桁でモラル 9最高 0最低)

81~90 使えそうな乗り物発見

91~95 小鳥遭遇

96~00 響遭遇

ただし  44  00で


判定73=人物  モラル=3(少し低い)


人数判定

安価下コンマ

01~20  1

21~40  2

41~60  3

61~80  4

81~00  5


ゾロ目で倍数


判定85=5人


春香「あ、人がいるよ?」

そう言いつつ、迂闊に近づこうとした春香ちゃんを引き倒し、

壁の裏に即座に身を潜めた

雪歩「迂闊に近づいちゃダメ。知らない人は敵なんだから」

春香「……雪歩」

春香ちゃんの悲しそうな声を無視して<彼ら>を見つめる

人数は5人

「へっ……しけてんな」

「つーかよぉ。こんな世の中カネなんか要らなくね?」

「しゃーねぇだろ。女とかは逃げちまって居ねぇんだから。本でも持ってくか?」

3人ほどの会話を聞いただけでもわかるその染まりよう。

雪歩「………………」

ああいう人間なら……殺していいんじゃないかな?

人のお店を荒らして金品奪う紛れもない悪だよ?

やっちゃおうよ……ね? 殺っちゃおうよ

あの男の人みたいにさ


楽しそうな黒い私をなんとか押さえ込む

このままいけば勝手にいなくなってくれるはずだから。と。

なら……理由を作ればいいんじゃないかな?

黒い私が微笑み、言う

自分が止めたお人好しさんを突き出して調査すれば良い

善か、悪か調べてきてって

雪歩「……そんなことっ」

春香「雪歩?」

できるはずだよ

やよいちゃんを見殺しにできたんだからッ!

雪歩「っ……」

千早ちゃんと貴音さんは1つ後ろのビルの影

今は春香ちゃんと2人きり

……どうとでもできるよね?

雪歩「………………」


1、春香ちゃん、接触してきて
2、やり過ごそう
3、私が お は な し してくるよ
4、その他自由言動

 安価下2


雪歩「やり過ごそう」

春香「そ、それは良いけど……大丈夫?」

雪歩「……大丈夫だよ」

薄く笑う私を見て、

春香ちゃんは安心することはなく、

私のことを抱きしめてきた

春香「辛いなら辛いって苦しいなら苦しいって。悲しいなら悲しいって……はっきり言ってね?」

雪歩「……うん」

何もわからないくせに。と、

なにも経験していないくせに。と。

苛立つ私の心はもうダメなのかもしれない

雪歩「……とりあえず」

私は壁に隠れながら、そっと様子を伺った


安価下コンマ判定


01~15 見つかった

16~35 まだとどまっている

36~55 ひとり近づいてきている

56~70 <奴ら>が……

71~00 いなくなってくれた


判定72・・・・・居なくなった


車に乗り込んだ彼らは、

私たちに気づくことなく走り去っていく

雪歩「……行ったみたいだよ」

春香「うん……良かった」

ほっと胸をなでおろす春香ちゃん

でも、私は心から喜べなかった

狩ることに飢えた私は惜しみ、

それを拒絶する私が喜ぶ……そんな私

心が真っ二つに割けてしまいそうな恐怖に体を震わせ、道へと歩みだす

雪歩「行こう、春香ちゃん」

春香「そうだね」

千早「春香、萩原さん」

貴音「ご無事……ですね?」

2人も無事でなにより。

雪歩「気をつけて先に進もう」


春香「ねぇ、雪歩」

先行する私の隣に並ぶように、

春香ちゃんの姿が視界に割り込んできた

雪歩「なぁに?」

春香「……さっきの事なんだけど」

さっき……とは、

考える必要もなく2人きりになったときのことだよね?

雪歩「どうかしたの?」

春香「……雪歩、何かおかしいから」

雪歩「そうかな? ふふっ春香ちゃんの気のせいじゃないかな」

春香ちゃんは心配性で、

元気で、いつもみんなを気遣ってくれる

なんだか……やよいちゃんみたいに感じる……


春香「気のせいじゃないよ……だって……」

雪歩「?」

春香ちゃんは言いにくそうに口篭って、俯いてしまう

春香ちゃんを不安に指せるような言動をしたかな?

さっきだって戦いに行こうとはしなかったし、

悪い人たちだと分かって喜んだのは半心だけ

当然……表情には出さないようにしたはずなのに

春香「……雪歩の笑顔。なんだか怖い」

雪歩「えっ……」

不意に言われた言葉はそんな衝撃的なものだった

笑顔が怖い……?

雪歩「あはは……何言ってるの? 春香ちゃん」

春香「言葉にしにくいけど。悪い感情の笑み……含み笑いだっけ? そんな感じの時があるよ」

……ある。かなぁ?


1、気のせいだよ
2、あははは……そうかもしれないね
3、だったらどうするの?
4、何も知らないくせに……余計なことばかり……
5、その他自由明記


安価下2


雪歩「あははは……そうかもしれないね」

春香「っ……」

雪歩「どうしたの? 春香ちゃん」

春香「どうかしたのって……」

私は笑っているだけ。

そう、いつも通り笑っているだけ。

いつも通り……いつも……あれ?

いつも通りってなんだっけ

いつも通りの笑いってなんだっけ

こんなにも楽しくない感情で笑うものだったんだっけ……

春香「雪歩……」

雪歩「あは。アハハハ……ゴメン」

春香「ううん、ごめん、ごめんね……私こそ、ごめんね……」

春香ちゃんが私を抱きしめてくれる

千早「…………」

貴音「…………」

2人は黙ったまま見守るだけ

邪魔もせず、馬鹿にすることもしなかった

……壊れていく

コワレテ、いく

私の中の色々なものがコワレていく……


一頻り泣いた春香ちゃんを支えるようにしながらも、

私たちは足を進めていく

けれど、歩きということもあって予想以上に時間はかかる

出発した時点で昼過ぎ

そして今はそろそろ夕方になろうという頃

段々と辺りが暗くなっていく

雪歩「……どこかで休むべきかな?」

千早「強引に進むのもありといえばありではあるわ……けど……」

<奴ら>と接触する危険性

さっきみたいな悪人との遭遇の危険性

私たちの歩みが遅い原因の一部でもあるそれは、

暗くなれば暗くなるほど危険性が増していく

とはいえ私だけなら、

このスコップで叩き割り、切り裂き、突き抜けるだけで……違う。

そんなことダメだよ……ダメだよ


……とりあえず、どうするか決めないと

春香ちゃんや千早ちゃん。貴音さんのことも考えて、

最善の選択をしなくちゃ


1、強引に進む
2、どこかの民家に入る
3、どこかの店に入る
4、その他自由言動


安価下


雪歩「どこかの民家に入ろう」

貴音「しかし……不法侵入になってしまうのでは?」

貴音さんは今更そんなことを気にして……っ

たしかに、

前の世界での常識で考えるなら気にするべきだし、

変化せず前のままでいられているみんなは

気にせずにはいられないことかもしれない

千早「……けど、気にするほど余裕はないわ」

貴音「…………そう、ですね。お忘れください」

それが現実。

たとえ犯罪になることだとしても。

やらなければ生き残れない

それが現実なんだよ……ふふっ


安価下コンマ判定


01~25 人がいる家があるみたい(0~9でモラル)

26~45 人のいない脆い民家

46~65 人のいない高級な民家

66~85 人のいる高級な民家(0~9でモラル)

86~00 ……鍵の空いてる家がない


判定68=人のいる高級な民家(モラル=8)


私たちが一件の高級な家に行くと、

家主は快く私達を受け入れてくれた

「いやいや、出来ることなんてこのくらいしかないからねぇ……」

高齢者である家主は、

逃げることはできなかったらしい。

かといってどうこうできる訳もなく、

この家で一人立て篭っていたらしい

……とはいえ。

心から信用できるわけじゃない

裏で何を考えているかなんて解らない

あの、悪い人たちまでかくまっている可能性もあるんだから


休める場に来たところで中断します


再開します


高級な民家というだけあって防犯対策はほぼ完璧。

私達3人にはそれぞれ空いた部屋を一つずつ与えてくれた

雪歩「……もう暗い」

生きている人を呼んでしまう明かりは消し、外を眺める

今でもどこかで誰かが殺されたり、

<奴ら>と化してあたらしく人を襲う化物になっているのかな……

……。

…………。

壁に立てかけたスコップが妖しく光る

今日は使われなかった。

明日は使ってくれるのか。と、

期待しているようにも感じる

雪歩「……私はもう、私じゃない」

窓に映る私は笑っていた


今日はもう家から出る予定はない

もっとも、それは私以外のみんな。

私は元から一人で行く予定だった

だから……おいて出て行く選択ができる。

……その方が、みんなは安全

誰も失いたくないなら、それを選択するべき。

雪歩「それは違うよ」

それは目の前で失った、

自分の手で守れなかったっていう自分の責任を、

どこかで死んだ。誰かが守れなかったっていうだれかの責任にしたいだけ

雪歩「……………」

考えれば考えれるほどに悪くなっていく


1、行こう。外へ
2、貴音の部屋へ
3、千早の部屋へ
4、春香の部屋へ
5、家主の部屋へ
6、キッチンへ
7、部屋で休む
8、その他自由行動

安価下


……春香ちゃんの部屋に行こう

さっき泣かせちゃったのは私だし。

無茶なことをしないか一応、確認しておいたほうが良いもんね

部屋を出ていく私の足音は、

カランッカランッと金属音を響かせる……違う。

無意識にスコップを手に取っていたらしい

雪歩「春香ちゃんを殺すの?」

ちがうよね?

なら……置いていこう

スコップを部屋に戻し、

春香ちゃんの部屋を叩く

春香「はーい」

雪歩「私です……」

自分を雪歩と呼ぶことを躊躇う。

そんな中、「私です」と言っただけなのに、春香ちゃんは扉を開けた


扉が開ききる前に私の手が強引に扉を開き、

ドアノブを握っていた春香ちゃんを押し倒す

春香「っ!?」

雪歩「……春香ちゃん、死ぬよ?」

こんなにも容易い

人を簡単に信じて、

人に対して優しくしすぎるんだから。

雪歩「疑わなきゃダメだよ……助けてって言っても、助けて貰えないって思うほどには疑わないと」

つまりは春香ちゃん自身に強くなってもらわないと困る

やよいちゃんみたいに足手纏いに……。

何を考えてるんだろう。

私は……やっぱり壊れてる

雪歩「ごめんなさい、大丈夫?」

私が離れると、

春香ちゃんは腰を抑えながら立ち上がった

春香「う、うん……ちょっと背中が痛いけど。平気」


春香「……ねぇ、雪歩」

先に口を開いたのは春香ちゃんだった

雪歩「なに? 春香ちゃん」

春香「雪歩……やよいのことで苦しんでるんだよね?」

雪歩「……どうかな」

今の私は苦しんでるのかな。

辛いと感じてるのかな。

むしろ『ありがとう』って思ってるのかもしれない

雪歩ではなく『私を目覚めさせてくれてありがとう』って。

なんだか妄想のフィクションを現実と綯交ぜにしてる残念な思考みたいだけど、

でも。

私が今までの雪歩とは逸脱した萩原雪歩であることは妄想じゃない。

血を好み、争いを、戦いを好み、傷つけ、穢れていく事を望んでいるのだから。

春香「あまり自分を責めちゃダメだよ。壊れちゃうよ……本当に」

もう遅いって告げるのは簡単なこと。

でも、私はそう言えなかった


また泣いていた。

春香ちゃんはベッドに座り込み、

うつむいて、涙をこぼしていた

そのあまりにも弱々しい姿に対して、

私は罪悪感どころか保護欲を感じるわけでもなく。

ただただ……苛立っていた

今すぐ怒鳴ってしまいたいほどに苛立ち、

握り締めた拳が震えていた

スコップがあったら殴っていたかもしれない……

おいてきて正解だったよ。春香ちゃん

春香「ねぇ、雪歩。私にも何かできないかなっ」

雪歩「……春香ちゃんに?」

春香「雪歩がこのまま完全におかしくなっちゃうのを見ているなんて嫌だよ!」

雪歩「……じゃぁ」



1、泣くの止めて欲しいかな。殺したくなるから
2、もう、ついてこないで
3、無理だよ。何もできない
4、……遅いよ。もう、壊れちゃったから
5、黙り込む
6、その他自由明記


安価下2(現在精神-9)


消えそうな私が押さえ込んだせいで、

飛び出しそうだった暴言の数々が喉元で反響し、消えていく

代わりに私は春香ちゃんに対して沈黙を保つという、

春香ちゃんにとっては辛い答えを返すことになった

春香「なんで……なんにも言ってくれないの?」

雪歩「………………」

春香「私じゃ役に立たない?」

うん。

逆に泣かれてるとすごく苛立ってきちゃうよ。

春香「雪歩……」

潤んだ瞳で春香ちゃんは私を見つめる

そんなことしたって私は譲らない


黙り込む私と、

少しずつ泣き止んでいく春香ちゃん

互いに言葉はなく黙ったまま時間だけが過ぎていく

なにか声をかけるべきかな?

でも、かける言葉が春香ちゃんに対してひどい言葉しか見つからない

歪んでるんだ

心も、思考も。

改めて認識するそれがさらに私を完成へと近づけてくれる

春香「………………雪歩」

雪歩「なに?」

不意にかけられたせいか、

少し厳しい口調になり、春香ちゃんはビクッと震え、

それでもちゃんと訊ねてきた

春香「今日は一緒に寝ない?」

雪歩「……………」


1、別に良いよ
2、嫌だよ
3、そのことに何か意味はあるの?
4、その他自由明記

安価下


雪歩「ねぇ、春香ちゃん」

春香「な、なに……かな?」

怯えてる。

私の顔はそんなに怖いのかな。

心外だなぁ……。

雪歩「そのことに何か意味はあるの?」

春香「え……意味って……」

驚いた表情。

あぁ……だめだよ。春香ちゃん。

体が疼く

気持ちが高ぶっていく

もっと、もっとその表情を歪めたいと。

絶望に染め上げたいと、心が望む

春香「ゆ、雪歩が遠くに行っちゃいそうで怖いからだよ!」

雪歩「アハハッ。私はここに居るよ? 変な春香ちゃんだね」


春香「ゆ、雪歩……」

雪歩「うん? なぁに?」

にこっと笑ってみせる。

それなのに、

春香ちゃんは笑うどころか「ひっ」と声を上げ、

少しだけベッドの奥へと下がってしまった

怯えてる。恐れてる。

春香ちゃんが私を恐れてる

あの時の男の人のように、

春香ちゃんは私を見上げ、私は見下している

この絶対的優位の立場が私は好き。

目の前の弱者の生死を左右できるこの立場が好き

目の前の懇願する怯える瞳、姿が好き

春香「ね、ねぇ……雪歩、なんだよね?」

雪歩「酷いなぁ……仲間の顔。忘れちゃったの?」

私は覚えてるのに。

やよいちゃんの苦しそうな表情、辛そうな表情。

死ぬ間際の表情だって、今でも鮮明に思い出せる

男の人の断末魔だって、絶望の表情だって思い出せるのにッ

雪歩「おしおき……した方が良い?」

春香「ぁ……ゅ、きほ……」


安価下コンマ判定

01~60  -1

61~80  -2

81~90  -3

91~00  -4

ゾロ目  で倍

77でイベント

44で現在の値を倍


判定37=精神-1=トータル-10


雪歩「アハハ、ねぇ、春香ちゃん」

春香「っ……ゃ……」

そっと手を伸ばし、

春香ちゃんの頬をなぞる

今にも泣き出しそうなほど潤む瞳

恐怖で震える唇は乾き、

閉じきれないのか舌が隙間から覗く

雪歩「私は誰?」

春香「ゅきほ……雪歩……だよ……」

雪歩「……本当にそう思ってる?思ってないよね?」

私が訊ねると、

春香ちゃんはわずかに首を動かして横に振る

嘘付いたら針千本だよ。春香ちゃん

雪歩「じゃぁなんで雪歩なんだよね? って聞いたのかな。かな?」

春香ちゃんの見開かれた瞳から、涙がこぼれ落ちていく

雪歩「不思議だよね、雪歩だって思ってるのに雪歩かどうか聞くんだから」

怯えた表情、怯えた瞳、震える体……完成してるよ。春香ちゃん

私が好きな人間の姿が。

……あれ?

足りない。

まだ何か足りない……。

血が。呻き声が。命乞いする声が……足りない


雪歩「……春香ちゃんにはお仕置きが必要だよ」

春香「ぁって……まっぇ……」

震えているせいか、

言葉にならない遥ちゃんの声は空気に溶けて消えてしまう。

もちろん、私は春香ちゃんの言いたいこと。解るよ

待って欲しいんだよね?

私が今からする酷い仕打ちを止めて欲しいんだよね?

でも。

目の前に用意された最高の品に触れるなって言われて触れずにいられる?

自分とその品しかそこには存在していないんだよ?

無理だよね?

以前の私はともかく、

今の私には無理だよ、春香ちゃん

雪歩「待てないよ、ダメ」


春香「!」

また後ろへと下がる

でも……バカだなぁ

トンッと、

春香ちゃんの背中に無情な振動が伝わっただろう。

春香ちゃんの表情が絶望に落ちていく

雪歩「叫びたいなら叫んでいい。助けを呼びたいなら呼んでいい」

でも、そしたら私はどうなるのかな。

雪歩「どうする?」

お人好しの大馬鹿な春香ちゃんはそんなことできない。

私に被害を受けるのに、

私の居場所を気にしてしまうから。

春香「…………………」

雪歩「……そっか、受け入れるんだね?」


1、春香を思いっ切り引っぱたく
2、春香の腕に噛み付く
3、春香の唇を噛む
4、その他自由明記

安価下


雪歩「………………」

春香「………………」

雪歩「……つまらない」

つまらない。

懇願し、泣き叫ぶあの姿が見たいのに、

覚悟を決めた表情なんてされたら興醒めだよ

春香「……なにもしないの?」

雪歩「しない。春香ちゃんはどうせ受け入れるから」

受け入れられるほどつまらないことはない。

拒絶して欲しい。

苦しんで欲しい。

悲しんで欲しい。

嘆いて欲しい。

泣き叫んで欲しい。

懇願して欲しい。

天海春香は。

私のその願いを叶えてくれない

雪歩「私、春香ちゃんのこと大嫌い」

それだけを言い、

呆然とする春香ちゃんを置き去りにして自室へと戻った


ここまで。


春香は優しいから……「今の」雪歩にとっては天敵かもしれない


雪歩「…………惜しかったなぁ」

いつも明るくて、元気で、前向きな春香ちゃんが

怯えて、震えて、泣き出して……

その予定だったのに。

なんで受け入れちゃうかな。

貴音さんもきっと受け入れちゃうだろうし。

千早ちゃんだって受け入れちゃうだろうし……

伊織ちゃん。

惜しいことしたなぁ

伊織ちゃんをもっと、もっと……。

雪歩「……はぁ」

考えても虚しいだけ。

私のこの昂ぶった感情は明日へと持ち越され、

出会う<奴ら>と<堕ちた人間>を狩ることに躊躇いを与えない

アハハッ

明日が楽しみだね……私


【確か4日目終了まとめ】

現在メンバー

・萩原雪歩 精神-10

「私は変わったの。もう、今までの萩原雪歩じゃないんだよ」

・四条貴音 精神±0

「……豹変は適応にあらず」

・如月千早 精神+2

「萩原さん……」

・天海春香 精神-2

「うぅっ……どうして、どうしてこんなことになっちゃったの……?」


□生死確認できたキャラ

・水瀬伊織→脱出

・菊地真→脱出

・高槻やよい→死亡


主人公側の持ち物



雪歩【財布、携帯、ハンカチ、スコップ(大)、
    何かの鍵、懐中電灯、、お菓子、防犯ブザーx2、ねずみ花火、クラッカーボールx5】

貴音【財布、携帯、鉄の棒、防犯ブザー、ねずみ花火】

千早【鉄の棒、財布、携帯、音楽プレイヤー】

春香【チョークx3、携帯、財布、金属バッド】


※支給弁当x1、支給ドリンクx1、水筒(冷茶)は賞味期限切れにより廃棄



現在位置

【東京都内、某高級邸宅内】


雪歩「おはよう」

貴音「おはようございます」

千早「おはよう、萩原さん、四条さん。それと……?」

春香ちゃんがまだ来ていないみたい

当然といえば当然のような気もするけど

おかしいなぁ。

受け入れられるって言うなら、

朝から平然と出てこれるはずなのに。

……あはは。

もしかして、強がりだったのかな。

千早「春香を起こしてくるわ」


1、うん、お願い
2、私が行くよ
3、貴音と話す
4、キッチンに向かう
5、その他自由明記


安価下


雪歩「あ、なら私もいくよ」

千早「私一人でも平気よ?」

雪歩「寝起きドッキリとかしてみたいかなーって」

貴音「雪……歩?」

千早ちゃんと貴音さんの驚いた表情が私に向けられ、

それにたいして首をかしげる

寝起きドッキリしてみたいっていうのがダメだったのかな?

正直、

起きた瞬間に私がいるってだけでドキドキさせちゃうと思うんだけど……

悪い意味で。

雪歩「ふふっ冗談です。行こう? 千早ちゃん」

千早「え、ええ……」

起きてるかな、

それとも寝てるかな……


安価下コンマ奇数で起床、偶数でお休み中


雪歩「春香ちゃん、おはよう」

問答無用で部屋へとはいると、

春香ちゃんは起きていて、

しかも着替え終わっていた

春香「っ!」

千早「春香?」

予想通り、春香ちゃんは私に怯えているらしい

春香「ぇ、えへへ……ごめん。さっき起きたばっかりなんだ」

なのに、隠す。

昨日の私とのことを隠し、

その恐怖心を表に出すことなく笑みを浮かべる

その滑稽で、惨めな薄い仮面を……剥がしたい

雪歩「そっか、心配しちゃったよ」

春香「ぅ、ぅん……ごめんね」

春香ちゃんは私の横を、千早ちゃんの横を。

通ってリビングへと向かう

千早「どうしたのかしら……?」

千早ちゃんに気づかれたかな?


貴音「ふふっ、すでに朝食はお作りいたしましたよ」

春香「ごめんなさい、私もつくろうかなって思ってたんですけど」

貴音「いえ、お構いなく」

貴音さんが作ってくれたのは、

実に平々凡々とした普通の朝食だった

お味噌汁があと少しで出来るらしく、

私たちはそれを待つことにした

つまり……時間が空いた

あはっ

春香ちゃんと遊ぼうかな。

それとも、千早ちゃんとお話しようかな

それとも……もう、先に行こうかな


1、先に街へと出る
2、千早と話す
3、春香と遊ぶ
4、貴音と会話
5、その他自由明記

安価下


雪歩「ねぇ、春香ちゃん」

春香「ひっ……ぁ……ゅきほ……」

ただ声をかけただけなのに、

春香ちゃんはビクッと体を震わせて一歩後ずさった

雪歩「えっと、ちょっとお話――」

春香「ぃ、言わない……よ。言わないから……」

私という存在は春香ちゃんにとってかなりの畏怖対象らしい

アハハ

アハハハハハッ……ふふっ

雪歩「春香ちゃん。あのね、私たちの歌。あるよね?」

春香「ぅ……歌……?」

雪歩「昨日の続きがしたいなら……してもいいんだよ?」

春香「ううん、歌、歌の話する」

春香ちゃんは水を得た魚のように小さく笑う

ふふっ……春香ちゃん子供みたい


雪歩「春香ちゃんって元気な曲多いよね」

春香「う、うん。プロデューサー……さんが……」

すぐに落ち込む。

そうだよね?

心配だもんね?

大好きなプロデューサーのことが。

雪歩「千早ちゃんは春香ちゃんとは正反対に暗い曲だったりするし、貴音さんはすごく万能だから全部歌えちゃうし」

そんな中で、

私だけは……ダメダメなアイドルだから。

雪歩「私は持ち歌くらいしかうまく歌えないし」

でも……こんな世界になったし、関係ないよね

春香「ぁ、あの、雪歩……昨日は」

雪歩「昨日? 昨日がなぁに?」

にこっと笑うと、春香ちゃんは口ごもり、顔を伏せた


1、もちろん、本気だよ
2、ふふっ、冗談だよ
3、じゃぁする? そんなにしたいならしてもいいよ?
4、春香ちゃんは馬鹿だなぁ
5、その他自由明記

安価下


雪歩「ふふっ……冗談だよ」

春香「え……?」

春香ちゃんの驚いた表情。

それを見るのはとても好き。

でも、

その表情では私に悦楽を感じさせてくれはしない

物足りない。

だからこそ……やめておく。

恐怖を植えつけておいて、

あえて身を引いて安心させてから……裏切って。

春香「そ、そう。だよね。あはは。うん、ごめん雪歩あんなの信じちゃって」

雪歩「ううん、いいんだよ。私もちょっとやりすぎちゃったかなって思ってたし」

偽りの……仲直り

偽りの……言葉

偽りの……心

貴音「できましたよ、春香、雪歩」

春香「いこっ、雪歩!」

雪歩「うん」

馬鹿だなぁ。

本当に馬鹿だなぁ。

春香ちゃん……疑わなきゃ

死ぬよ? 殺されるよ?

誰かに、私に、ね……ふふっ

私の歪む笑顔を見た人はいない


とりあえずここまで。お疲れ様でした

精神を+にしないと、

雪歩がまともになることはありません


再開します


朝食を食べ終えた私たちは、

借りた部屋の一つで会議をすることにした

貴音「ふむ……早急に出発するべきでしょう」

春香「でも、おじいさんを放っていくなんてダメだよ」

千早「1日とは言えお世話になったものね……けど、連れて行くなんて不可能よ」

千早ちゃんの言うとおり、

みんながいるだけで枷になってるのに、

さらに枷が増えるなんて堪えられたものじゃない

雪歩「そうだね。残酷だけど……私たちは進まなきゃ」

春香「でもっでも……」

春香ちゃんはうつむいて嗚咽を漏らす

うん、解ってる。春香ちゃんは優しいもんね

そう割り切ることは難しいよね。

でもね

雪歩「そうせざる負えない時だってあるんだよ」

見切ること、見捨てること

雪歩「私たちはただの女の子でしかないんだから」

仲間さえ守れないほどに貧弱だから

雪歩「誰かを助ける余裕なんてないの」

必要なんだよ……?

そういうことも。ね


春香「解ってる、解ってるよ……わかってるけど……」

雪歩「ううん、解ってない。解ろうとしてない」

私の中の悪い部分が目を開く。

口を歪ませにやっと笑う。

ガラス細工のように儚く脆い春香ちゃんを壊そうと手を伸ばす

貴音「――雪歩!」

雪歩「!」

不意にパシッと手が掴まれた。

振りほどこうとしても無駄な強さ

雪歩「……貴音さん?」

貴音「お止めなさい……春香だって理解しているはずです」

庇うんだ……春香ちゃんを。

私だけの味方っていうわけでもないんですね……ふふっ

雪歩「そうですね」

にこっと笑顔で返す

それだけで、貴音さんは小さく身震いをしていた


千早「と、とにかく……方針を決めましょう」

春香「うん……」

雪歩「そうだね、どうしよう」

ここから出て行くっていうことはもう確定

おじさんを連れて行かないっていうのも確定。

病院に行くっていうことも確定

でも、それは私個人でだから……


1、私一人で病院行くよ
2、さっさと病院に行こう
3、残りたい人は残っていいよ。邪魔だから
4、その他自由明記


安価下


雪歩「残りたい人は残って良いですよ。邪魔なので」

千早「!」

春香「え?」

貴音「雪歩……」

3人の驚いた表情が一斉に私に向けられる。

嫌だなぁ。

今知ったみたいな顔されても困っちゃうよ

雪歩「だって、心残りがあったら動きは鈍くなりますよ。以前の私みたいに」

経験者が語るんだから、

それは間違いのないこと。

雪歩「そんな状態でこられても邪魔だから……ね?」

春香「ひっ」

雪歩「春香ちゃん、おじいさんが心配なんでしょ? だったら残ったらいいと思うよ?」

春香「ぁ、ぅ……で、でも」

雪歩「でも? なに? なにかな、春香ちゃん」


雪歩「はっきりしないとダメだよ。前の私みたいに穴掘って埋まる?」

春香「っ……」

スコップを見せただけなのに、

春香ちゃんは驚いて身を引き、

背中を壁にぶつけてしまった

雪歩「あははっ大丈夫だよ。殺したりしないよ」

千早「萩原さん、落ち着いて!」

雪歩「私は冷静だよ?」

冷静で、冷徹で、冷酷で……アハッ

貴音「……春香、どうするのですか?」

春香「え……?」

貴音「雪……彼女の言うこともまた事実。覚悟なき貴女をお連れするわけにはいきません」

春香「…………………」

どうするんだろう?

正直、春香ちゃんは喜怒哀楽が激しいからそばに置いておきたいけど、

<奴ら>に殺されるのもそれはそれで嫌だから……。


春香ちゃんが悩んでいると、

不意に扉が叩かれ、彼の声が聞こえた

「入っていいかな……?」

貴音「はい」

老体である家主は、

今にも止まりそうなほどゆっくりとした足取りで部屋へ入り、

俯く春香ちゃんを見つめた

「もし私のことで話し合っているのなら……おいて行ってくれて構わないよ」

春香「っ……どうして、ですか?」

驚いた春香ちゃんの表情。

それにたいして、彼は微笑んだ

「私はもう見ての通りだ。家の中を少し歩くだけでも辛い……そんな私は足手纏いだろう?」

春香「そんなことっ!」

「ふふっ……良いんだよ。自分で解っていることだからね」


おじいさんは、理解している。

聞いていたわけでもなく、

私たちがなぜ立ち止まっているのかを。

その理由に自分がいることを。

千早「……ですが、私たちは」

「困っているならば助ける。それはいつだって変わらないもののはずだろう?」

そこでおじいさんは私を見つめた

暖かさしかない、

今の私には痛みしか与えない微笑み

春香「でも……おいていくなんて……」

「いや、私は待つんだよ。キミ達がここにではなくとも、テレビの中でまた姿を見せてくれることを」

貴音「……知って、おられるのですか?」

「私にも孫がいてね……孫が良く見せてくれたのだよ。キミ達765プロのライブを……」

雪歩「………………」


「……無駄話もすぎれば邪魔だろうからねぇ。そろそろ止めようか」

春香「私……私っ……必ずここに戻ってきます!」

千早「約束します。もう一度、ここに戻ってくることを」

春香ちゃんは泣いてしまっていて、

千早ちゃんもこらえてはいるけれど泣きそうで、

貴音さんは儚げな瞳でおじいさんを見つめていた

貴音「どうか、ご無事で」

「ふふっそれは私の言葉だろう……絶対に生きておくれよ?」

貴音「はい」

そして、最後におじいさんは私を見つめた

「希望は捨てちゃいけないよ」

雪歩「………………」

「キミは一人じゃないのだから」

雪歩「……そうですね」


私たちは優しいおじいさんの家をあとにしたのだけど、
いつかもどるという約束をしたからか、

おじいさんの家の鍵を預かることになった

貴音「善き人に出会えました」

春香「うん……あの人のためにも早くみんなを見つけて、一緒に脱出しよう」

千早「ふふ、春香は現金よね……まったく」

春香ちゃんは元気になったし、

千早ちゃんも貴音さんも凄くやる気になってる

……でも、私は。

……………。

………………。

希望なんて………。

ひとりじゃないなんて…………。

――……一人で良いよ。

一人の方が……怖くないから。

安価下コンマ道中判定


安価下コンマ判定


01~20 目撃

21~40 問題なく病院に到着

41~60 遭遇

61~80 人と接触(一桁でモラル 9最高 0最低)

81~90 使えそうな乗り物発見

91~95 小鳥遭遇

96~00 響遭遇

ただし  44  00で


判定30

問題なく病院に到着



到着のため、病院状態判定

安価下コンマ判定


01~35 <奴ら>に囲まれているが無事

36~50 無事なようだ

51~65 <奴ら>が屋外に侵入してはいるが対処可能

66~80 <奴ら>が屋内に侵入しているが対処可能 

81~90  <奴ら>しか残っていなかった

91~95 目の前でバリケードが崩壊

96~00 Pが……


判定33  <奴ら>に囲まれているが無事


雪歩「あっ……ふふっ」

千早「っ……囲まれているわ」

貴音「みたいですね……」

みんなは嫌そうな顔をする。

けれど、私は違う。

歓喜の雄叫びを上げてしまいそうな衝動を抑え、

にやっと笑う

雪歩「病院に行くには倒すしかないよね?」

構えたスコップがギラっと輝く

ついに出番が来た。と喜んでいるようにも見える

その輝きを赤黒く塗りつぶせと心が踊る

雪歩「戦いたくない人は下がってて良いよ」

<奴ら>はどんな悲鳴を上げるんだろう?

死んでるから上げない? なら、肉は? 骨は?

死なない程度、死ぬ程度。その違いは?

雪歩「行くよ」

戦いが……始まる


私たちの戦いはこれからだ!


ここまでです、中断


再開します


残念なことに。

そう、非常に残念なことに。

病院を囲む<奴ら>はそう多くない

犇めき合い、蠢く羽虫の如くとは言えず、

せいぜい5分遅れの女性専用車という感じ。

つまらない。

でも、何もできないよりはマシ

そうだよね? 私。

出来たのにしなかった私。

「ァァアァアアアァァァ...........」

雪歩「おいで、こっちだよ!」

貴音「っ……」

雪歩「さて……とっ」


1、突き    成功率 70%(30以上成功)  ゾロ目で2体撃退

2、横振り   成功率 60%(60以下成功)  ゾロ目で一桁分撃退
3、縦振り   成功率 90%(10以上成功)  ゾロ目無し

安価下で選択、及び判定


横振り→判定83失敗


雪歩「あっ……ははっアハッ」

ちょっと浅かったらしい

ブシュッという音が聞こえ、

<奴ら>の一つから鮮血ではない血が溢れ出す

白いワンピースが赤黒く染まっていく。

返り血が私の髪を、顔を、服を、スコップを穢し、洗う

雪歩「痛いのかな? 痛くないのかな? ふふっ」

<奴ら>は常にうめき声をあげ、

それでいて私の攻撃によって首を数センチ削がれても叫んだりはしない

痛覚はない。感情もない。ただの化物。

<奴ら>は私へと向かってくる


1、躱す(100%成功)
2、カウンター(70% 30以上で成功)

安価下 同時に判定


カウンター→判定31(成功)

雪歩「知ってますか?」

向かってくる<奴ら>でも、

以前のような恐怖はない

私は冷静で冷酷で冷徹だから。

雪歩「首の骨は全部で7つあるんですよ」

身構えて<奴ら>を待つ

逃げることもなく、怯えることもなく、

私は笑顔で待ち受ける

雪歩「頭から数えた1番目と2番目は前からだと顎が邪魔だったりするんですけど……」

「アァァアアァァア……ッ!」

伸びてきた腕をスコップで弾き、

くるっと一回転で背後を取る

生きた人間では難しい、あからさますぎる隙

雪歩「後ろからだと、その2つのあいだが一番隙間があるんですぅ」

勢いよく突き刺し、そのまま貫き、骨を砕く

「あ゛ッ」

後ろから前へとスコップが突き抜けている姿はモリで突かれた魚のようで。

これは狩りであり殺しではないんだと……私の認識を正当化させてくれた

雪歩「アハハハハハッ」

傾き、そして落ちていく首が地面に落ちて鈍い音を響かせる

まずは1匹、次は、その次は……まだいるよね?

赤黒く染まったスコップは、その液体を撒き散らす

雪歩「アハハッ! アハハハハハハッ!」


貴音「雪歩……なぜ、なぜ……」

雪歩「貴音さん、邪魔しちゃ嫌ですぅ」

近づいてくる貴音さんを目で追い払う

貴音「っ……雪歩」

千早「四条さん、今は危険だわ!」

2人は私から離れていく

だって、巻き込まれかねないもんね

それでも貴音さんは私に近づこうとしたみたいだけど……ダメだよ

私は今とっても楽しい

すごく楽しい

邪魔なんてしたら怒っちゃいそうなくらいに楽しい

雪歩「アハハハッ」

でも、どこかでは期待しているのかな。

誰かが止めてくれるんじゃないかって……ううん、そんなことないよね


<奴ら>は減っていく。

残念なほど早く減っていく

でも、私たちはたった4人。

かんたんなんかじゃない。

私一人楽しんでいるけれど、

みんなの状況はどうなんだろう?


貴音判定

01~10  武器破損 武器なし

11~55  普通に戦闘中

56~75  囲まれてしまっているらしい

76~95  ほかの人と協力中 76~85で春香 86~95で千早

96~00  怪我……してる 


貴音さんは千早ちゃんと協力中みたい。

そうだよね、

さっき呼び止めてたんだもんね。

でも……だったら春香ちゃんは?

私の大事な仲……玩具は?

雪歩「っ……無事、なのかな?」

周囲を見渡してみると、

春香ちゃんの姿が見えた


安価下判定

01~30 武器破損、逃走中

31~60 普通に戦闘中

61~90 囲まれているらしい

91~00 ……血?


良かった、普通に戦ってるみたい

良かった……?

良かったんだよね?

<奴ら>に壊されるのなんて嫌だもんね。

それとも、私は……

「アァァァァアアアァァ」

雪歩「……煩い」

今大事なこと考えてたかもしれないのに。

なのに……あぁもう……なんだろう。

とりあえず、ふふふっ

殺しちゃおう、狩っちゃおう

雪歩「早く病院に入りたいかなーって!」


1、突き    成功率 70%(30以上成功)  ゾロ目で2体撃退

2、横振り   成功率 60%(60以下成功)  ゾロ目で一桁分撃退
3、縦振り   成功率 90%(10以上成功)  ゾロ目無し

安価下で選択、及び判定


スパッと軽々しく刈り取られる首

うまく綺麗に入ればこうも容易に殺せてしまう。

雪歩「アハハハハハ..........」

赤い。すべてが赤い。

それに加えて黒い、赤黒くもあり、真っ黒でもある。

体は赤黒く、心は黒く。

白く清らかな私はもういない。

穢れを知らない私はもういない。

最後に刈り取った<奴ら>の首を高々と掲げる

雪歩「討ち取れましたぁ~っ」

貴音「…………」

千早「萩原さん……」

春香「っ」

三者三様の反応が私に向かう

良いよ、蔑んだって

この世界に適応してしまった私はもう、引き返せないから



千早「と、とにかく病院に入りましょう」

貴音「無事なのが見た目だけではないことを願いたいものです」

春香「きっと大丈夫だよ!」

雪歩「ふふっ」

元気な春香ちゃんに思わず笑みが溢れる

でもそれは悪い意味の笑。

春香「雪歩……?」

雪歩「ぁ、ううん。みんな無事でよかったなって」

春香「う、うん……」

私の酷すぎる姿に顔が引きつっているのがわかる。

でも、すぐに春香ちゃんは笑う

春香「そうだね!」

私に期待してるのかな……無駄なのに。


安価下コンマ判定。

出迎えてくれたのは……


01~20 職員

21~40 亜美

41~60 双海父

61~70 小鳥

71~80 響

81~90 双海母

91~00 <奴ら>

安価下判定


判定72=響


が決まったところで中断します

ありがとうございました


響との再会がいい方向につながると良いけど……


再開します


私達の姿が見えたのだろう。

中の人が扉を開け放ち、飛び出してきた

その人は見覚えのある髪型で、

見覚えのある容姿で、

響「みんな!!」

聞き覚えのある声で……

貴音「ひ、響!?」

響「良かった、良かった……無事だったんだな! ごめん、救援に向かおうとしたんだけど……遅くなって」

雪歩「…………………」

響ちゃんだった。

私が見捨てた響ちゃんは生きていた

春香「良かった、無事で」

千早「ええ、本当に……」

喜び合うみんなの輪から外れ、

一人現実に入りきれない私だけが孤立していた


立ち尽くすそんな私に響ちゃんが近寄ってくる

出会えた嬉しさを表していた表情が、

響ちゃんの笑顔がだんだんと曇っていく

止めて、止めてよ……

そんな目で……そんな目で見ないで……

別れた時とは打って変わった醜く汚れ、穢れた萩原雪歩

その私を、響ちゃんは見つめてくる。

悲しそうに、見つめてくる……

白いワンピースは赤黒く、

茶髪も赤黒い返り血で醜く染められ、

腕や靴、顔や手に持つスコップだってそう。

私の全てが返り血に染まっている

響「雪歩……」

雪歩「や、やめ――」

響ちゃんは私を抱きしめた

自分が汚れることも厭わず……優しく抱きしめた


雪歩「ひ、響ちゃん、ダメ、ダメだよっ私は――」

響「ごめん……ごめんな。雪歩」

雪歩「なんで謝るの……?」

響「自分、我侭言った。雪歩が背負い込むかもしれないってわかってたのに……我侭言った」

響ちゃんの表情は見えない。

でも、声色でなんとなく解る……

響「雪歩は頑張ったんだな。ここまでずっとずっと頑張ったんだな……」

雪歩「頑張ってないよ。頑張れてないよ……なにもできなかったもん……」

やよいちゃんを救うことができなかった

やよいちゃんを失うまで、弱さに負け、

失って壊れて、やっと戦うことができるようになった……

それまでなにも出来なかった。頑張ることなんて出来なかった

そんな私のために、響ちゃんが悲しむ必要なんてない

響「っ……雪歩」

私はやや強引に響ちゃんを引き離し、響ちゃんを見つめた

雪歩「中に入って良いかな?」

響「う、うん……大丈夫……」

そのくらい表情は、嫌な予感しか感じさせなかった


Pの生存判定

判定からの経過日数 4  生存確率 40%低下

ただし、病院治療のため半減  20%低下

安価下コンマ判定

01~10 生存(意識不明)
11~20 死亡
21~30 死亡
31~40 死亡
41~50 生存(意識アリ。ただし行動不能)
51~60 死亡
61~70 死亡
71~80 生存(意識アリ 食事等の行動なら可)
81~90 死亡
91~00 死亡


安価下2で真美の判定

80以下で完治

80~90で軽傷程度に

91~00で悪化(バイ菌による汚染) 悪化度は一桁 0最小  9最大


プロデューサー……判定93=死亡

双海真美・・・・・・・・・判定10=完治


千早「我那覇さん、何かあったの?」

響「へ、え、あ、ううん、なんにもないぞ!」

貴音「そのような作り笑いが通るような関係だと思っているのですか?」

私達の付き合いは決して長いとは言えない。

でも、喜怒哀楽、苦楽を共にした私たちの関係は、

短くも濃密なもので……作り笑いとかなんてすぐにバレてしまう

響「うっ……その、真美が怪我したんだ! あ、でももう完治したぞ!」

春香「真美達も居るの!?」

響「うん! だから今から合わせようと思ったんだけど……あははっ道解らなくなっちゃった」

響ちゃんがそう言って指差したのは、

バリケードによって完全封鎖された通路だった。

響「今はあちこちにバリケードがあって、ちゃんと通り穴もあるんだけど……どこか忘れちゃったんだ」

貴音「では、呼んでみましょう」

貴音さんは大きく息を吸うと、

みんなに耳を塞ぐように指示をし、たからかに声を上げた

貴音「真美! 亜美! どなたか居られませんか!!」

貴音さんの綺麗な声が院内に響き渡り、

亜美「こっちだよ! お姫ちん!」

私たちが向かっていたのとは別方向から亜美ちゃん達が出てきた


真美「わっ……以外に多いんだね」

亜美「うん。無事でよかったよ→」

亜美ちゃんに連れて行かれたのは病室。

そこで真美ちゃんは待っていてくれたようだ。

響「ごめんなー、道分かんなくなってさー」

亜美「あははー今はもう病院っていうより迷路だからねーちかたないよ」

……響ちゃんはごまかした。

本当に暗かったのは場所が解らないとかじゃない。

だって……亜美ちゃん達まで暗い顔なんだから。

春香「無事でよかったよ……ずっとここに?」

真美「う、うん……真美がちょっと怪我して動けなかったから」

貴音「ほかには誰もいないのですか?」

亜美「えっと――」


安価下コンマ判定

40~65 で765アイドルの誰かがいる


判定98=誰もいない


雪歩「そっか小鳥さんとかプロデューサーが――?」

亜美「……………」

真美「……………」

雪歩「何?」

黙り込む2人に何か裏があると思ったけれど、

2人は揃って首を振り、私を見つめた

真美「ゆ、ゆきぴょんちょっちグロテスク……」

亜美「お風呂あるよ……? 介護用のだけど」

雪歩「あー……あはは。汚いよね」

まだ子供の2人にはきついものだよね

……やよいちゃんの死を伝えるのも、止めておくべきかな

お風呂を借りる前に話しておくことは――


1、やよいについて話しておく
2、伊織達について話す
3、他のメンバーについて聞く
4、表情が暗い理由を聞く
5、その他自由

安価下


雪歩「でも、まだ教えてくれてないよね?」

響「え?」

雪歩「誤魔化さないで欲しいですぅ……3人が暗い表情の理由を」

真美「っ!」

やっぱり……隠してることがある。

それはなに?

再会を喜べないほどのもの……?

私の容姿ではないことは確実

亜美「……ひ、ひびきん」

響「……どうしても話さなきゃダメか? 知らないまま終わるなんてダメか?」

春香「駄目だと思う……どんな絶望的なことでも、聞かなきゃ。知らないままなんてきっとダメだから」

春香ちゃんはそう言って私を見つめた

やよいちゃんのこともちゃんと話せってことかな?

……うん、解ってるよ

響「あ、あの――」

真美「駄目!」

響「え?」

真美「これは多分、真美が言うべきことだから」

そして、真美は今までにない真剣な表情で私達を見回し、告げた

真美「真美の……真美のせいで兄ちゃんが……兄ちゃんが死んだっ! 真美が……殺しちゃった!」

涙ながらに告げられた真実。現実

私たちは呆然と真美ちゃんを眺めていることだけしかできず、

彼女の嗚咽だけが病室に響く……


春香「……兄ちゃんって、えっと、その」

真美「うん……そうだよ……」

貴音「まさかそのような……なぜ、いや、しかし……っ」

千早「……プロデューサー」

各々飛び出す言葉は違うとしても、

みんなが思っているのはそんなことありえない。

嘘だよ、そんなこと、信じたくない。信じられないよ――かな?

……でも、現実なんだよ。

雪歩「………………」

真美「ゆ、ゆきぴょん……?」

黙り込んだままの私が怖いのか、

真美ちゃんは震えながらに私を見つめた


1、真美ちゃんが悪いよ。うん、ちゃんと背負ってくれるよね?
2、なんで死んだの? 真美ちゃんが悪いって言う理由は?
3、……実はね、やよいちゃんも死んだの。私が――殺したんだよ
4、ふふっ……仲間だね。私と真美ちゃんは
5、その他自由言動

安価下


雪歩「なんで死んだの? 真美ちゃんが悪いって言う理由は?」

真美「それは、真美を庇って大怪我したから……」

雪歩「っていうことは……」

真美「うん……<奴ら>にやられてそれでっそれでっ!!」

頭を抱え狂ったように振る真美ちゃんを、

響ちゃんが抱きしめた

響「違う……真美じゃない、真美じゃない……」

真美「違う、違うよっ! 真美なの! 真美が油断してたからっ! 注意も聞かずにふざけて飛び出したからっ!」

響「違う、違う、違う、違うっ! 真美は何も悪くないっ」

酷い状態だった。

亜美ちゃんは黙り込んでいたし、

真美ちゃんと響ちゃんは互いに否定し合って、

貴音さん達はなかなか受け居られなかったり、

真美ちゃんの姿に呆然と立ち尽くしていて……

世界は、私なんかよりもずっと非情で、冷酷で冷徹で……私達に絶望だけを与えてくる


一旦ここまで

……あとで精神判定入れます

耐性付きの雪歩は減少しないと思います


再開します


プロデューサーが死んだ

なのに、なぜだろう?

私は全然悲しくない。

全くと言っていいほどに心に響かない。

うん、解ってたよ。

誰も死なないことなんてないもんね。と、

私は簡単に受け入れていた

そうしなければ、壊れる

でも、私はそうすることしかできない

だってもう……私は壊れているから

嗚咽を漏らす真美ちゃんたち、

呆然とする貴音さんたち

雪歩「………………」

いい加減受け入れようよ、ね?


1、実はね? やよいちゃんも死んでるんだよ
2、真美ちゃん、自分が悪いって言うならちゃんと背負おうか
3、ふふっ……仲間だね。私と真美ちゃんは
4、その他自由言動

安価下


雪歩「ふふっ……」

私は思わず笑みがこぼれてしまう

私だけだと思っていた仲間殺し

でも、それは早計だったらしい

真美「ゆ、ゆき……ぴょん?」

雪歩「真美ちゃん」

真美ちゃんの涙を拭いながら、

その顔に指を這わせていく

響「な、なんか怖いぞ……?」

雪歩「ふふっ、アハハハ……」

真美「ひっ――」

真美ちゃんの体がビクっと震える

うん、うん。その顔だよ。やっぱりいい顔だよ、その私に怯える顔

雪歩「……仲間だね。私と真美ちゃんは 」

亜美「えっ、そ、それ……それどうゆう……こと?」

真美ちゃんではなく、亜美ちゃんが聞いてきた


雪歩「どういうことかって?」

そんなことちょっと考えればわかると思うんだけどなぁ

プロデューサーが死ぬことに関わった真美ちゃん

そんな子に仲間って言うんだから、

私だって似たようなことをした人だって……ね

でも、それを当人が平然と言うとしたら。

それは真美ちゃんにとってとっても良い事になるんじゃないかなーって

貴音「雪歩!」

雪歩「…………」

貴音さんは言うべきじゃないっていうんですね

じゃぁ、どうしようかな


1、やよいちゃんを私が殺したって事だよ
2、ううん、なんでもない。お風呂入ってくるね
3、その他自由明記

安価下


雪歩「ふふっ」

真美「っ!?」

真美ちゃんからゆっくりと離れ、

全員を視界に収めてまた笑う

歪んだ感情の笑顔。

それはどんなに怖いものなんだろう?

見えるみんなの表情は少し強張っていた

雪歩「ううん、なんでもない。お風呂入ってくるね」

ガラガラガラッと、

扉が大きな音を立てて開く

ううん、みんなが静か過ぎて音が無駄に大きく聞こえた

みんなの畏怖の瞳が私へと向けられる。

なんて気持ちがいいんだろう。

なんて素晴らしいものだろう。

あの男の人のモノよりもずっと、ずっと

私を悦ばせてくれるものだった


介護用のお風呂というだけあって、

湯船は浅く、横に長い上に、

シャワーの首は意外と伸びてくれる

雪歩「……あるだけマシ、かな?」

昨日の夜にお風呂を借りたけど、

今日は運が良いことに<奴ら>と戦えたから……

赤黒く汚れたワンピースを脱ぎ捨て、

奇跡的に汚れずに済んだ下着をそれとは別に避ける

雪歩「……もう、このワンピースはだめかな? でも、ほかの服なんてないだろうし」

……いいや。

そんなことより体を洗おう

キュキュッと回すと、お湯が流れ、

シャワーが私の体や髪にこびり付いた血を流していく

雪歩「……ふぅ」

流してくれるのは外側だけ

内側のどす黒い感情は流れてはくれない……

これいつ精神上がるチャンスくるんだろうか…
まだゆきぽに希望はあるよね?


雪歩「……プロデューサーにはもう会ったかな?」

やよいちゃん、

良かったね、一人じゃなくなって

でも、

もしかしたらまた誰かが行くかもしれない

ううん、もう誰かが言ってるかもしれない。

話せたら良いのに。

死んだ人と、話せたら……

そうすれば――……。

雪歩「……………」

頭を振り、思考を振り払う

さっさとお風呂を出よう……


安価下コンマ判定


01~10 誰も来ない
11~20 貴音
21~30 選択
31~40 響
41~50 誰も来ない
51~60 千早
61~70 選択
71~80 真美
81~90 誰も来ない
91~00 亜美


判定83=誰も来ない


服は洗濯、仕方ないから患者が着るような服を着込む。

雪歩「ちょっと大きい……それにしても」

私のシャワー中に邪魔しに来る人は誰もいなかった

それもそうだよね

今の私は恐れられてるんだもん

まぁ、それが目的だったんだから、

別にどうこう思ったりはしない。

むしろ……戻った時のみんなの反応が楽しみすぎて、

口元が歪んでしまうくらいだ

雪歩「……ふふ」

でも、貴音さんが邪魔かなぁ?

貴音さんのことだから、

私がいない間に余計なことを言っていそう

……言ってないよね?

ねぇ? 貴音さん?

心の中で訊ね、私はみんなのいる部屋へと入っていく


真美「あ……」

亜美「ゆ、ゆきぴょん……」

響「っ………」

やよいちゃんの死を知らない3人は、

私の姿を見て怯えているというよりも、心配そうにしていた

千早「…………」

春香「雪歩……」

千早ちゃんは目を合わせてはくれなくて、

春香ちゃんは不安そうに私と貴音さんを……貴音さん。

そっか、余計なこと言ったんだ

雪歩「……………」

貴音「雪歩、亜美が部屋を用意してくれるようです。休みましょう」

萩原雪歩は疲れてるとでも言ったのかな?

伊織ちゃんの時みたいに


1、真美ちゃん、さっきの続きなんだけどね?
2、そうだね、休もう
3、なんで余計なことしたんですか?
4、アハハッ……ねぇ知ってる? やよいちゃんも死んだんだよ? 私が殺したんだよ!
5、その他自由言動

安価下


了解、2で

時間なのでここまでにします、ありがとうございました


>>829

とりあえず交流しまくったほうが良いかなーって


再開します


雪歩「そうだね、休もう」

貴音「そういうわけなので……宜しいですか?」

響「う、うん……ゆっくり休むんだぞ……」

すっかり怯えのないみんなの瞳。

困惑しつつ、心配そうな表情

どうせ。疲れてるからって言ったんだろうなぁ

そんなのじゃ誤魔化せないくらいの言動だったと思うんだけど……。

……いや。

余計なこと考えたりするより、

貴音さん本人に追求した方が……う~ん。

果たしてそれが早いのかどうか。

雪歩「あ……みんなも休むよね?」

春香「う、うん……」

一人一部屋……か。

また春香ちゃんの部屋に遊びに行こうかなぁ?


病院は割と静かで、

病院本来の機能は失われているようにも感じた……と、いうのも、

外に患者だったであろう<奴ら>がたくさんいたことから、

大多数の事態に慌てて飛び出していったことが解る

残ったのは動けない人くらい……かな

誰も助けに来てくれないのに、

待っているのかな?

それとも、もうすでに……。

雪歩「病院の散策もしてみるべきかな」

でも、私一人じゃ迷っちゃいそう


1、病院の散策(誰かを誘うなら名前明記)
2、だれかの部屋へ(春香、貴音、千早、亜美&真美、響から選択)
3、部屋で待機
4、その他自由

安価下


雪歩「……貴音さんに会おうかな」

何を話したのか気になるし、

もしそれがダメなモノならおしおきしなきゃね

春香ちゃんみたいにあからさまな反応をしないから、

それはそれで楽しめそうな気がする……

雪歩「……なんでこうなっちゃったかなぁ」

思わず口走る言葉

誰の言葉なんだろう

誰への言葉んだろう

雪歩「……私は」

窓に映る自分の姿

赤黒いワンピースではないのに、

汚れて見える自分

笑っていないのに、笑って見える自分

首を振り、私は貴音さんの部屋へと向かった


安価下コンマ判定


30以下でおやすみ中


判定25=睡眠中


貴音さんは普通に眠っていた

服を私が着ているようなものに変え、

貴音さんはベッドに横になって眠っていた

無防備だった。

あまりにも無軽快すぎるその姿勢に思わず笑みがこぼれてしまう

この病院は静か過ぎて、

騒ぎがあればすぐに気づけるだろう。

でも、抵抗力を削がれたら?

抵抗できず、声を上げることもできずに襲われたら?

雪歩「……馬鹿な人」

こんな私を助けようなんて……

守るだなんて……馬鹿なことだよ、貴音さん

中断


今は運良くスコップを持っていない

でも、

スコップなんかなくたって簡単に人は殺せる

やよいちゃんだって刺されたり殴られたわけじゃない

首を絞められて殺された

雪歩「………………」

ゆっくりと手を伸ばす

貴音さんは目を覚まさない

ここで貴音さんを殺したら、

私は、みんなは……どうなるんだろう?

本当の意味で仲間を殺したら、

仲間を殺す仲間がいるとしたら、

みんなは現実をしっかりと受け止めてくれるだろうか?

私を恐れ、怯えてくれるだろうか?

雪歩「……………」

そんなことを考えられてしまう自分

首を絞めようとする手が震えないという現実

私は……


1、首を絞める
2、部屋を出る
3、貴音の横に座る
4、その他自由明記

安価下


雪歩「……なにしてるんだろ」

自分のしようとしてることが解らなくなって、

貴音さんのベッドの隣に座り込む

貴音さんは――

貴音「……雪歩?」

起きちゃうよね

雪歩「ごめんなさい、起こしちゃって」

貴音「どうかしたのですか?」

雪歩「ううん、特には」

貴音さんはそうですか。と、話を終わらせてくれた

これは他の人ではしてくれない気遣い

でも、それこそ馬鹿だって言う理由

追求したらいいのに

なんで貴音さんはしないんだろう?


貴音「言わないのは、言えないから。と思っているのです」

雪歩「……え?」

貴音「できるならば、人を疑うようなことはしたくない。白というなら白であると信じたいのです」

雪歩「………………」

今、私は何も言ってないのに。

なんで貴音さんは――

貴音「えすぱぁですから」

雪歩「エスパー……?」

確かに、

貴音さんはミステリアスな人で通っているし、

エスパーとか言われても信じちゃいそうだけど……

雪歩「嘘ですよね?」

貴音「ええ、嘘ですよ?」

さも当然のように言われても、

今の私的には……なんとも感じない


貴音「聞かれたそうなので……ここに来たのはなぜですか?」

雪歩「ん~」

ここで言えないよとか、

殺しに来たんだよとか言ったら、

貴音さんはどういう反応をするんだろう?

悲しむかな? 笑うかな?

俯いちゃうのかな?

それとも……怒るのかな?

雪歩「私がここにいるのはね――」



1、言わないよ?
2、殺しに来たんだよ?
3、真美ちゃん達に何言ったの?
4、探索しない?
5、少しお話しようよ
6、一緒に寝て良い?
7、その他自由明記

安価下2


雪歩「殺しに来たんだよ?」

貴音「……………」

さっき首を絞めようとしてたんだから、

別に嘘というわけでもない

雪歩「あはは、驚きました?」

そんな私の言葉に対して、

貴音さんは期待を裏切って笑う。

楽しさも何もない。

悲しげな笑い声だった

貴音「驚くことはできませんでした」

雪歩「そっか、じゃあ貴音さんは適応できてるですね」

私を恐れたりすることはなくなってしまったのかもしれないけれど、

しっかりと現実を受け入れてくれたことには感謝しなくちゃいけない

これからもついてくる以上、

足手纏いにはなって欲しくないから。


貴音「……雪歩」

雪歩「はい」

貴音「今の貴女は強い。何ものにも負けないほど強い」

雪歩「はい、そうかもしれません」

そんなことは自分で解ってる。

恐れていたものが恐くなくなって、

嫌だったものが嫌じゃなくなって、

むしろ愉しみに変わっている今、

私は無敵なのかもしれない

でも、それは違うと貴音さんは首を振る

貴音「完璧であるからこそ、貴女は脆い」

雪歩「どういうことですか?」

貴音「貴女は貴女自身が恐ろしいのでは?」

それは……

部屋を出る前に感じた恐怖

貴音「いい加減、認めたらどうですか? 本来の自分は今のではないと」

雪歩「!」


貴音「そのままでは、本当に貴女は2人になってしまう」

煩い、煩い……私は私。

常に一人、ううん、もう一人だ

雪歩「私は私ですよ?」

貴音「怯え失った自分を憎み、貴女はそうならない自分を作り出そうとしている……」

貴音さんは体を起こしたかと思えば、

私を強引にベッドへと押し倒した

貴音「私を憎めば良いではないですか! なぜ、なぜ自分自身を憎むのですか!?」

雪歩「それが現実だからですよ」

貴音さんの悲しそうな表情を目の前にして、

私はいつものように笑う

雪歩「あの時どうにか出来たのは私だった。恨むべきは貴音さんじゃないですから」

貴音「っ……お願いです雪歩、あれは運が悪かっただけだと考え直してください……」

ポツポツと雨のような貴音さんの涙が降ってくる

どうして、なんで……響ちゃんも、貴音さんも……

私なんかのために泣くの?


貴音「雪歩……元の優しい雪歩にお戻りください」

雪歩「嫌。そんな自分はもういないんですよ。壊れたんですよ!」

優しい自分なんか要らない

怯えるような自分なんていらない

そんな自分だったからやよいちゃんを失った……なのに!

雪歩「やよいちゃんを失ってまで何も変わらないなんて無理に決まってるじゃないですか!」

貴音「っ……」

目の前で首を絞め殺されたんですよ?

目の前で、やよいちゃんが殺されたんですよ?

私が動いたという理由で……殺されたんですよ?

私のせいじゃないですか、それ以外の何ものでもないじゃないですか!



1、私の気持ちも解らないくせに、戻れなんて言わないで下さい!
2、どうしても嫌なら私を殺したらどうですか!?
3、貴音の首を絞める
4、私はもう私なんです! 貴音さんの……四条さんの知る萩原雪歩じゃない!
5、その他自由


安価下2


雪歩「どうしても嫌なら私を殺したらどうですか!?」

貴音「そんなことできるわけないでしょう!」

雪歩「っ!?」

予想以上に早い返答に、

思わず言葉が消え、頭の中が空っぽになってしまった

貴音「仲間であり、友である貴女を殺さねばならぬのならば、私自身がこの命を絶ちます!」

雪歩「……な、何言ってるんですか」

貴音「本気ですよ……雪歩。もし私が迷惑であるならばその命を絶てと命じてください」

貴音さんはそう言いつつ、

どこから持ってきたのか、

手術で使うメスを自分の喉元へとあてがった

貴音「……さぁ、雪歩」

貴音さんは私を見つめる。

悲しそうな表情にのぞみを捨てきれていない瞳で。


そんな目で見ないでよ

そんな顔しないでくださいよ……。

私にこれ以上、殺させないでくださいよ

貴音「雪歩」

雪歩「……………」

どうしよう。どうしたらいいんだろう。

なんで、なんでこんなに恐ろしいの?

首を絞めようとした時は、

全然平気だったのに、

なのになんで……貴音さんが死のうとしていることがこんなにも恐ろしいの……?

男の人は残虐に殺せた。

冷徹に、冷酷に、残忍な殺し方ができた!

なのになんで……


貴音「今の貴女が、過去の雪歩だからですよ……」

雪歩「え?」

貴音「そんな自分はいないと言ったあたりから、貴女はすでに過去の萩原雪歩でした」

雪歩「……………」

思わず感情的になっていた私。

でも、思えばそうだった。

冷徹で、冷酷で、残忍な私は、

あんな風に怒鳴ったりせず、

ニコニコと気持ち悪い笑顔を浮かべながら、

相手を追い詰めていく。

けれど、今の私はそうじゃない。

貴音さんの言葉に動揺したり、

貴音さんに怒鳴り返したりして……全然、心なんて失われていなかった


貴音「もしも、貴女が残忍な萩原雪歩になりたいのであれば殺してください」

貴音さんを殺すということは、

殺されたやよいちゃんの責任を強引に背負うこととは違う

私が、私の意思で、

誰かに襲われたとかいう免罪符もなしに貴音さんを殺した場合、

私は本当の意味で仲間殺しになる

それは……だいぶ前に気づけていたこと。

私は私のまま壊れたことにして自分を強引に捻じ曲げていただけだった……?

残忍な萩原雪歩も、悦楽に溺れゆく萩原雪歩もいない?

逃避したいがために作り出した妄想?

雪歩「私は、私はっ!」


1、貴音さんに死んで欲しくないっ!
2、やよいちゃんを殺した!
3、貴音を抱きしめる
4、貴音さんを殺す!
5、その他自由言動

安価下2


私は黙って貴音さんの体を抱きしめた

服を替えたとは言え、

血生臭い臭いの残る貴音さん

でも、そんなことは気にならなかった

雪歩「助けて……助けてください……」

妄想なんかじゃない。

私はいつの間にか私ではない私を作り出していることは現実。

それはもう春香ちゃんを襲った時に解ってて、私はそんな自分が怖かった

貴音「……雪歩」

雪歩「私が私じゃなくなっちゃう! 私の中の変な私が――」

貴音「雪歩、雪歩。雪歩……萩原雪歩。私の唯一無二の友、萩原雪歩」

貴音さんは私の名前を呼び、背中へと腕を回して抱きしめてくれた

その温もりが、優しさが、私を包み込んでくれる

貴音「飲み込まれてはなりません。それは貴女の欲望。絶望を糧として強くなる」

雪歩「………………」

貴音「心を強く持つのです、自分の力を信じ、皆を信じるのです」

自分を信じ、みんなを信じる。

さっきまでの私はその正反対だった……


今日はここまで


雪歩「貴音さん……私、私……っ」

貴音さんの優しい微笑みが私へと向けられる

貴音さんの温かい手が私の頬をなぞって行く

それは私の頬を伝っていたそれを拭ってくれる

貴音「雪歩」

雪歩「わた……しはっ」

戻りたくない。

あんな自分に戻りたくない!

今の自分でいいでしょう? 強い私でいいでしょう!?

今の私ならもう何も失うことはないっ!

この両手一杯のものだってちゃんと抱えられる!

貴女じゃだめなの! 全部失うの!

萩原雪歩……変われ、変わってよ!

変わりたいって願っていたくせに!

心の中に戻った私が怒鳴ってくる

私と変われと怒鳴ってくる……私は。


私はどうしたらいいんだろう?

この私が言うことだって間違いじゃない。

私は弱くて、役立たずで、足手纏いで、何もできない使えない子

やよいちゃんを目の前で失うような弱い子

でも、この中の私は……それとは正反対で、

強くて、みんなの先頭に立つことができて、

何でも出来て、守ろうと思えばなんだって守ることができるだろう

けれど、そんな私は独りよがりで、

誰に頼ることもなく、自分以外の全てを見下し、見上げられることを望んでいる、

冷酷で、冷徹で、残忍で、醜悪な萩原雪歩

雪歩「私は……」


1、古い私であることを選ぶ! (貴音を殺さない)

2、新しい私であることを選ぶ! (貴音を殺す)


安価下2


雪歩「私は私で良い! 貴音さんの望む私でいたいっ!」

弱いかもしれない、

足手纏いでしかないかもしれない、

何もできない使えない子でしかないかもしれない。

それでも、それでも。

雪歩「私はみんなの笑顔がみたい……」

怯えられるなんて嫌だ

見上げられるなんて嫌だ

互いに笑い合える関係でいたい

同じ目線で見合える存在でいたい

貴音「雪歩……」

嬉しそうな笑顔で涙をこぼす貴音さん

その雫は優しい暖かさだった

雪歩「ごめんなさい……ごめんなさいっ」

私自身に、みんなに。

そして、やよいちゃんに対しての謝罪だった


怖がらせてごめんなさい、

心配かけてごめんなさい、

不安にさせてごめんなさい……みんな

ごめんね、やよいちゃん

もっと早くみんなを信じていたら、

やよいちゃんのことを信じていたら、

こんなことにはならず、やよいちゃんだって生きていたかもしれない

それを利用させてしまってごめんなさい。

……そして、私。

消すことのできないであろう、私とは正反対の冷酷な私。

もしかしたら貴女が正しいのかもしれない。

けれど、私のこの選択だって間違いじゃないって信じてる

だから……頑張るよ。私

いつか貴女の選択にしておけばよかったって後悔しなくて済むように。

私、頑張るから……


安価下コンマ判定

01~30 誰かが来る

31~50 貴音さんが抱きしめてきた

51~60 あれ……あの光……

61~80 貴音「雪歩、頑張りましょう」

81~90 貴音さんは私から離れてしまった

91~00 車のブレーキ音?


ゾロ目はイベント


判定57=光


雪歩「あれ……?」

キラッという強い光

それはあまりにも一瞬で、

ただの気のせい……?

貴音「……雪歩?」

貴音さんは私の上にいるし、

光は見えなかった

だから気のせいだって思ってたけれど、

「一体何だって言うんだ!」

「呼吸器が止まってます!」

「くそっ……補助電源は!?」

静かな病院が急に騒がしくなり、

それは現実だったと教えてくれた


貴音「……妙ですね、入られたわけではないようですが」

雪歩「光。光がキラッって光ったんですぅ」

貴音「光……?」

流石の貴音さんにも、

強い光が見えたというだけでは解らないですよね。

正直、

慌てているみんなの言葉を総合しても全く解らないです……

貴音「慌ただしい時に場を動くのは得策ではないでしょう……しかし」

何も解らないまま待機しているなんてことは、

一番間違っていることだと思います……って、

貴音さんも同じ意見なんですね。

雪歩「とりあえず、スコップとってきますぅ」

貴音「ええ」

※スコップを装備した


貴音「とりあえずみなと合流するべきでしょう……」

雪歩「そ、そうですね」

やっぱり貴音さんは逞しい

全てを委ねてしまいたくなる程に。

でも、それじゃダメなんですぅ……

雪歩「貴音さん――」


1、春香ちゃんの部屋に行きましょう
2、亜美ちゃん真美ちゃんと合流しましょう
3、響ちゃんと合流しましょう
4、千早ちゃんと合流しましょう
5、その他行動


安価下


雪歩「まずは千早ちゃんと合流しましょう」

貴音「ええ、そう致しましょうか」

貴音さんを除いて、

頭が良いのは千早ちゃんだよね……?

は、春香ちゃんもきっと頭良いのかもしれないけど、

さっきの強い光、呼吸器が止まってしまうなどという、

僅かな情報だけでは解らないと思うし……

だから、千早ちゃんに聞くべき、だと思う

雪歩「侵入されたわけじゃないと思うので、警戒はしなくて平気ですよね?」

貴音「念のため警戒はしましょう。<彼ら>でなくとも、人間の侵入はありえるのですから」

雪歩「っ……」

あの時の男の人ような人は、沢山いるんですよね……。

その事実に震える手を貴音さんは握り、引っ張ってくれる

貴音「大丈夫です、私が傍におりますから」

雪歩「はいっ」

貴音さんのおかげで、震えは収まってくれた


雪歩「千早ちゃん!」

千早「萩原さん、それに四条さん!」

千早ちゃんはいつもの服に着替え、

いざ部屋を出ようとしている瞬間だった

千早「萩原さん達は何が起きているか解る?」

貴音「いえ、残念ながら。それを訊ねようとしていたのです」

千早「そう……ですか。私も解ってはいないの。ごめんなさい」

千早ちゃんでも解らないとなると、

私たちでは多分解らない

いろんな専門誌を読んでいるらしいあずささんなら、

もしかしたら解るかもしれないけど……うぅ。

ダメ、だめですぅ

弱気になっちゃ……頑張るって決めたんだからっ


雪歩「千早ちゃん、ほかのみんなと合流しましょう」

千早「そうね」

貴音「では――」

貴音さんの声を遮って、大きな悲鳴が上がる

それが<奴ら>を呼んだ訳じゃなくて、

<奴ら>がその悲鳴をあげさせた。

窓の外に広がる世界。

そこに広がる、来る時よりも明らかに多い<奴ら>の数

雪歩「どうして……」

確かにここの病院は大きいですぅ

でも、こんな大勢集まるなんておかしいよ

千早「……<奴ら>は音に群がるのよね?」

貴音「何かわかったのですか?」

千早「呼吸器とかは全部電気製品……」

千早さんは窓の外、

所々で上がる黒煙と、起きる爆発を忌々しそうに見つめて首を振った

千早「もしかしたら、電気製品が一切使えなくなったのかもしれないわ」

爆発音に導かれて、

<奴ら>はその場所へと向かっていく……。

雪歩「そんな……」

部屋が静まり返り、

院内は混乱に包まれ、動揺混じりの怒号が響いていた


貴音「どうしてそのようなことが判るのですか?」

千早「……補助電源さえも動かないっていう時点で分かるべきだった」

千早ちゃんは携帯を見て、音楽プレイヤーを見て、

小さく息を吐く

千早「電子機器はもうだめみたいね」

貴音さんの携帯も私の携帯も、

使うことはできなくなっていた

ということは、防犯ブザーもおそらく使えなくなっちゃったかな……

春香「千早ちゃ――っ雪歩ちゃん達も!」

真美「よかった……」

亜美「部屋にいないんだもん、心配しちゃったよ!」

響「何が起きてるのか解らないんだけど……」

みんな無事、みんな揃った。

これからどうしよう……。


それか1時間ほどかけて色々と調べた

亜美「だね→、テレビとか全滅らしいよ→」

春香「病院の機械も……補助電源が使えないから、重賞の人たちが……」

生命維持装置を必要としていた人達は、

全員死んでしまったらしい

それもそうだよね……。

それが使えなくなったら死ぬしかないんだもんね……

雪歩「…………」

貴音「雪歩……貴女が背負うことではありませんよ」

貴音さんの暖かく強い手が私の手を締め付け、

悲しみに流されそうになる私を留めてくれた

雪歩「貴音さん」

貴音さんは微笑みを浮かべ、みんなを見渡した

貴音「何が起きたかは解らずとも、結果は判りましたね。踏まえて行動致しましょう」


中断します


響「こ、行動するって言ったってさ……どうすれば良いんだ?」

春香「そうだよね……」

意気消沈してしまうみんな。

病院の騒ぎも収まった今、

シーンとしてしまう部屋には、

病院の外の悲鳴が響いてくるだけ。

その度に亜美ちゃんや真美ちゃん、

春香ちゃんがぎゅっと身を縮め、

私は貴音さんに寄り添うことでなんとか平静を保っているという状態だった

千早「……この街から出るにはどうしたらいいと思うの?」

亜美「え?」

千早「この病院を出て、安全な場所に――」

真美「そんなことできないよ! パパもママもここにいるんだよ!?」

千早「それは解っているわよ……でも、電子機器の故障は食糧危機に繋がるわ」

千早ちゃんの冷静な考察

それが正しいからこそ、

亜美ちゃんや真美ちゃん

私たちも何も言えなかった


貴音「立てこもるという方法が使えなくなった今、安全な場所に行く他ありません」

千早「そう、でも……問題があるわ」

千早ちゃんの言う問題。

それは電子機器の故障に伴い、

大人数で移動する際に重要な車などが使えなくなってしまったということ。

かといって、

私たちだけで護衛しつつ歩いて行くなんて到底無理だよ……。

春香「じゃぁ、どうするの?」

真美「真美はパパもママも置いていかないから!」

亜美「亜美だって!」

大事な家族を置いて行きたくないのは誰だって一緒。

響ちゃんだってそのために一人で家まで行ったんだもんね。

今はハム蔵以外は別室で過ごさせているみたいです。

千早「……みんなはどうするべきだと思う?」


亜美「助けを待つ」

真美「右に同じく」

それが一番選びたいものだけれど、

助けなんておそらく来ない

それどころか、今日明日程度で食料はそこを尽きちゃうんだから、

待つことなんて無駄なだけ……。

春香「私達で守りながら行くっていうのは?」

貴音「この程度の戦力でそれは厳しいでしょう……」

貴音さんは言いつつ、

申し訳なさそうに私を見つめてきた

雪歩「……気にしなくていいですよ? 私、頑張るって決めてますから」

それに対して笑顔を返す。

私からの提案は――


1、みんなを守って脱出しよう
2、ここで待とう
3、その他、自由明記


安価下2


忘れてた。

正直、貴音との信頼補正で±0か+にしてもいいんだけど……



安価下コンマ判定 トータル値が

01~50 半減

51~60 -2

61~70 -1

71~80 ±0

81~90 +1

91~00 +2 


精神判定25=-10の半減=-5


雪歩「みんなを守って脱出しよう」

貴音「!」

千早「萩原さん……?」

なんで驚いた表情に……うぅ

た、確かにあの時の私は危ない人だったけれど、

今はもう、もとの雪歩だから……。

雪歩「ここで待っているだけじゃ何も進展しないはず……ですぅ」

声が小さくなってしまうのは、

未だ自分に自信が持てていない証拠

でも、頑張ろうとは思える

貴音「それが貴女の選択なのですね?」

雪歩「はいっ」

私の手を握ってくれている貴音さん

その温かさを守りたいから。

貴音「では、春香及び雪歩の提案に賛成であれば挙手を。反論があるならばお願い致します」

千早「守り切ることなんて不可能だわ。誰かが死ぬことになる」

真美「っ……」

千早ちゃんの現実を突きつける言葉が、

真美ちゃんへと深く突き刺さり、それは私にも届いた


千早「……どうなの? 亜美、真美」

千早ちゃんは2人をまっすぐ見つめ、

2人はそれに怯えて目をそらしてしまうだけだった

かわいそうだよ。

そんな風に責めるなんてダメだよ。と、そう言いたい気持ちと、

それが現実だから。

受け入れなくちゃいけないんだよ、認めなくちゃいけないんだよ。と、思う心

同じ心からのものなのに、

檻の中に閉じ込められた私は微笑を浮かべる

貴女も受け入れるべきなんだからね。と。

手が震えてしまっているのを感じたのか、

貴音さんの手の力がさらに強くなった

貴音「千早、2人にはまだ厳しすぎるのでは?」

千早「なら、その案は却下せざるを得ないわ」


千早ちゃんは確実に全員が助かる道を選びたいだけ

千早ちゃんだって出来るなら真美ちゃん達のお父さん達も助けたいはず。

そのためには、戦力を増やすしかない

なら、まだ方法はあるはずだよね?

考えて、私。

千早ちゃんにこの作戦を認めてもらえるような何かを。

弱気になっちゃダメだよ

大丈夫、自分の発言に自信を持って。

貴音さんが見ていてくれてる。

聞いてくれている。

支えてくれているんだから――


1、亜美ちゃん達にも戦って貰おう
2、大人にも戦って貰おう
3、私が囮として先行するよ
4、その他自由明記


安価下2


雪歩「私が囮として先行する。それじゃダメですか?」

貴音「ゆ、雪歩!」

雪歩「大丈夫です、もう、あんな風にはなるつもりないですから」

壊れた私

自分の中に潜む、冷酷な私

内側から、

心を、精神を、蝕み、入れ替わろうとする私

そんな自分に負けるつもりはないですから。

千早「萩原さんを囮にするなんて……」

雪歩「私が先行することで、ルートの安全確認ができます。守るためには必要なはずです」

春香「で、でもだよ? 雪歩ちゃんが一番危険になるんだよ!?」

解ってます

でも、だからこそ、私はそれを選んでるんです。

強くなるために、そして、やよいちゃんのような人を作らないために。

雪歩「私なら平気です、ううん。私がやらなきゃいけないんです」


響「……ちょっと待った!」

黙り込んでいた響ちゃんが、

不意に手を挙げ大きく声を上げた

真美「ひびきん?」

響「つまり、進む先に<奴ら>が居るかどうか分かればいいんだろ?」

貴音「ええ……そうですが」

響「なら、自分の家族に任せて欲しいぞ! オウ助たちなら空から探せるしな、安全で確実に広範囲を調べられるぞ」

……そういえばそうですぅ

響ちゃんの家族なら、

<奴ら>に狙われることもないし、

空からなら広い範囲を見れるよね……。

雪歩「こ、こんなちんちくりんでダメダメな私は穴掘って埋――」

貴音「いえ、貴女のその勇気は良きものですよ」

雪歩「ぁ……」

亜美「お姫ちんとゆきぴょんがらぶらぶな件について→」

雪歩「そ、そんなんじゃないですぅーっ!」


何はともあれ、

先行するのは響ちゃんの家族ということになった

<奴ら>の数を把握し、

それに応じて戦うか、割けて遠回りするかを決めて動く

真美「あとはどこに行くか……だよね?」

雪歩「そうだよね、それを決めないとどうしようもないよ……」

伊織ちゃんたちは既に脱出していて、

水瀬家には向かうだけ無駄

あと行方が解っていないのは、

あずささん、美希ちゃん、小鳥さん、社長の4人。

でも、近くにいる人は多分いない

かといって、どこに向かっているのかも解らないよ……うぅっ

貴音「……さて、どうしたものでしょうか」


千早「関係ない人を連れて行くのに、他の人を探しに行くなんてできないわ」

雪歩「うん……」

春香「そうだよね……」

それは分かっているけど、

簡単に諦めたくはないよ……でも。

どうしようもないのが現実

もし、どうしてもって言うなら、

人数を別けていくしかない……


1、もう避難しよう。この街から出ていこう
2、あずささん達も助けたい……
3、その他自由言動


安価下2


雪歩「それでも……」

真美「?」

雪歩「それでも、私はあずささんたちを助けたいっ!」

貴音「雪歩、しかしそれは……」

貴音さんの困った表情を見てしまうと、

胸に痛みが走る……でも。

それでも、私は見捨てるなんて嫌なんです

春香「ダメだよ雪歩! もう避難してる可能性だってあるんだよ!?」

雪歩「うん、でも……出来ていない可能性だってあるから」

響ちゃんの家族の偵察があれば、

私くらいいなくても何の影響もないよね。

だから……行かせて

雪歩「お願い、私はみんなを助けたいんです」

千早「……萩原さんがどうしてもというなら、私は止めない」

雪歩「千早ちゃん……」

千早「どうせ……止めても無駄でしょう?」

千早ちゃんの困った表情に、私は頷く

雪歩「ごめんね、千早ちゃん」


言い出した以上、私が行くのは確定

無茶を言っておきながら、

自分だけ避難する選択なんて許されないもんね。

亜美ちゃんと真美ちゃん。

それに響ちゃんは付いてくることはできない

こんな危険な選択。

無駄骨になるかもしれない選択についてきてくれる人なんて、

いないよね

貴音「いえ、私は行きますよ。雪歩」

雪歩「え……?」

貴音「私は、貴女の傍にいる。と」

貴音さんは笑顔で言う。

その選択に迷いがないこと証明するかのように


安価下コンマ判定

01~20 千早


60~80 春香


それ以外では無し


判定85=外れ


千早「……ごめんなさい、ついて行ってあげたいけれど、残していくわけにはいかないから」

春香「ごめんね? 本当に……」

千早ちゃん、春香ちゃんともここでお別れ……かぁ

響ちゃん、真美ちゃん、それに亜美ちゃんの3人とも。

つまりは合計5人とのお別れ

死別じゃない、選んだ道が違うだけ

最初の響ちゃんの時みたいに。

響「雪歩……まだ、自分たちの撮影終わってないんだからな?」

雪歩「え?」

響「だ、だからまた……絶対に会うって約束だ!」

響ちゃんはそう言って私を抱きしめてくれた

泣きそうな響ちゃんはそれを頑張ってこらえて、笑っていてくれて、

それはみんなも同じだった

私と貴音さんは2人で別の道を行く

でも、不思議と怖くなかった

貴音さんが一緒にいてくれるなら……なんでもできるような気がした


とりあえずここまで。


EMP発動したため、

小鳥さん達の生存率は結構下がってるかもしれません


再開します


みんなは準備があるからまだしばらく病院にいるみたい

でも、

私と貴音さんはみんなを探しに行くから、

すぐに出発した方が良いのかな?

雪歩「みんなと離れる……かぁ」

こんな世界になってから何度か繰り返した出会いと別れ。

それでも、寂しいものは寂しい

不安なものは不安

怖いものは怖い

(私は平気だよ?)

雪歩「……我慢できます」

心の声にそう答え、私は小さく頭を振る

よし―――


1、誰かと交流(亜美、真美、貴音、響、春香、千早 から選択)
2、もう出発しよう
3、その他自由行動


安価下


もうすぐお別れ。

だから、少しくらい……良いですよね?

雪歩「千早ちゃん、ちょっといい?」

千早「萩原さん……ええ、構わないわ」

千早ちゃんは快く受けて、

私を部屋に招いてくれたけれど、

扉をしめた瞬間。

私を見つめていた千早ちゃんの目は、

物凄く悲しそうだった

雪歩「千早ちゃん……」

千早「貴女は無茶をするのが好きなの? 春香みたいに」

雪歩「そういうわけではないです……でも、春香ちゃんの積極性というか、そういう部分は憧れてます」

かすれた笑い声しか出てきてはくれませんでした


そんな私の肩を軽く叩いて、

千早ちゃんは横を通り過ぎていく

千早「……春香は春香だから」

雪歩「え?」

ベッドに座り込む千早ちゃん。

見下ろす私と見上げる千早ちゃん。

そのことに、私が特別な感覚を得ることはない

そんな余計な思考に割り込む言葉

千早「貴女は貴女。萩原さんは萩原さんなの」

雪歩「わ、解ってますよ……」

千早「なら、四条さんに頼れるかしら?」

千早ちゃんの意味のわからない問に、

私は首をかしげることしかできず、

その様子を見て、千早ちゃんは苦笑していた


千早「貴女らしくないことは無理にやらなくても良いのよ」

雪歩「………………」

千早ちゃんは無茶するのが好きなの? って聞いてきた

そして、それを春香ちゃんみたいにって言ったんだっけ……

続けて、春香ちゃんは春香ちゃん

私は私だって諭すように言ってきた

雪歩「……千早ちゃん、あのね?」

何が言いたいのかわかった

千早ちゃんは行くなって言ってるんだよね?

一緒にいようよって言ってくれてるんだよね?

千早「……なに?」

雪歩「私は――」


1、無理なんてしてないよ。私が決めたことだから
2、大丈夫です、貴音さんがいてくれますから
3、頑張るって決めたんです
4、その他自由言動


安価下


雪歩「必ず、生きて帰ってくるよ!」

千早「っ」

千早ちゃんの表情が、

驚きから悲しみへと変わり、

そして俯いてしまったせいで、表情は見えなくなってしまった

雪歩「だから、心配しないで」

千早「……馬鹿ね。萩原さん」

雪歩「な、なんでですか……?」

千早「生きて帰るなんて、こんな世界では一番難しいことよ?」

それは解ってるよ、千早ちゃん。

やよいちゃんを、プロデューサーを。

こんなにも簡単に失った今、

命が軽く、気をそらせば容易に飛んでいってしまうようなものだっていうことくらい、解ってます

でも、だからこそ。

私はちゃんと宣誓しておこうと思うんです

雪歩「だからこそ、少しでも気を強く持てるように、約束しておくんです」

破りたくないもんね

大切な仲間との……約束は。


そんな気持ちを察してくれたのか、

千早ちゃんは涙をこらえた笑みを私に向けた

千早「約束よ? 我那覇さんとだってしてたの聞いてるからね?」

雪歩「うん、約束」

私自身が私を締め付けていく。

拘束を強くし、逃げ場をなくしていく

頑張ると決めた。

逃げないって決めた。

戦うって決めた……だから。

雪歩「頑張ります」

それは誰にも教えられないこと。

だって、

知られたらきっと怒られちゃうもんね

千早「いってらっしゃい」

雪歩「行ってきます」

私は千早ちゃんの部屋を出ていく。

貴音さんと、みんなを探しに行くために……


短いけれどここまで。


恋愛的な要素は多分ないです。

あるのは友情的なものです


再開します


【東京都 双海総合病院 外】


みんなと別れ、

私たちは病院の外へと出てきていた

貴音「駐車場はまだ無事のようですね……柵の外はその限りではないようですが」

雪歩「うん……多くはないけど、ちょっと嫌な感じですね……」

ここに来る際に、

私たちは結構な数の<奴ら>を倒した

その戦いによって人間から<奴ら>そして遺体となった人達の亡骸が転がってる……

中には、私がこの手で首を落とし、頭蓋骨を叩き砕いたものもあって。

その感覚が蘇ってきてしまった

雪歩「っ……?」

そんな私を影で覆い、

視界にその手を差し出してくれた貴音さんは微笑んでいた

貴音「良ければ、如何ですか?」

雪歩「え?」

貴音「私の手で良ければ、お貸しいたしますよ?」

貴音さんだって怖いはずなのに……


1、手を握る
2、抱きしめる
3、大丈夫です、頑張ります
4、その他自由明記


安価下


雪歩「じゃ、じゃぁ……貸してください……」

貴音「どうぞ」

私よりも大きな手

私よりも勇気ある手

私よりも温かい手

私よりも優しい手

雪歩「……貴音さんは落ち着けていて凄いですよね」

貴音「それは違いますよ。雪歩」

貴音さんは首を振る。

私を見つめ、<奴ら>を見つめ、

そしてまた私を見て、苦笑する

貴音「私とて恐ろしい。生者でなく死者でない異形な者は妖怪よりも恐ろしきモノです」

そういえば、

貴音さんもお化けとかそういうのはダメだったっけ……

貴音「本来ならば、泣き出して逃げているかもしれない。ですが、雪歩」

雪歩「はい?」

貴音「貴女がいるから、私は今も逃げず立ち向かえているのですよ」

貴音さんは笑顔でそう言ってくれる。

私がいるから。と。

その言葉は、私の生きたいという思いを強くしてくれた


貴音「では、雪歩」

雪歩「はい」

貴音さんに手を引かれて現実と向かい合う

目をつぶれば<奴ら>はいなくなる

でも、現実には<奴ら>は確かにいる

目をつぶっちゃダメだよね

耳を塞いじゃダメだよね

現実でも、心でも。

雪歩「どうしますか?」

貴音「抜けていくしかないでしょう……しかし」

雪歩「そうですね、ちょっと考えたほうが良いかもしれません」

そう言っても……音が消えたこの世界では、

少しの物音が騒音になっちゃう……


1、クラッカーボールで回避(判定アリ)
2、ねずみ花火を使おう
3、何か方法ありませんか?
4、裏手に行ってみませんか?
5、戦いましょう
6、その他自由明記


安価下


雪歩「何かいい方法ありませんか?」

貴音「些細な音でも響いてしまうのが難点かと」

そうだよね

やっぱり、

貴音さんもそこで困ってる……。

雪歩「ほかの場所で音を出しても、その別の場所からもどんどん集まっちゃいますぅ」

貴音「では、裏手の方も見てみるのはどうでしょう」

貴音さんの提案は裏手の様子も見てみて、

手薄な方向から抜け出す。

ということらしい

まずは様子見が必要なのは確かにそうかもしれない

雪歩「じゃぁ、裏にいきましょう」

貴音「手薄だとありがたいのですが……」

希望。

そんな希望は裏切られるか、それとも……


安価下コンマ判定

表の<奴ら>の数

01~35  10体

36~60  12体

61~80  15体

81~90  20体

91~00  25体

ゾロ目で二倍


安価下2コンマ一桁判定


0の場合は0

それ以外は一桁の数x10%を表の数から引く

ただし、ゾロ目の場合は足す


判定03=10体  判定3=10x0.3=3人


貴音「おや、これは真幸運なことです」

雪歩「よかった……」

とはいえ、

そこまで安心はできないよね

油断大敵、気をつけなきゃ

雪歩「音で誘導とかはしない方が良いですね」

貴音「静かに横を抜けるか、もしくは倒すか。でしょう」

雪歩「でも、戦うならすぐに倒さないとダメですぅ」

貴音「ええ、ですから抜けるのが良いかと」

抜けるのが得策。

でも、本当にそれでいいのかな?

みんながまだ残ってるのに。

少しでも数を減らしてあげるべきじゃ……


悩んでいると、

貴音さんが私の手を強く握った

貴音「雪歩、みなは貴女が思うよりも強き者達ですよ」

雪歩「……………」

それはわかってるんです。

わかってるんですけど……

どうしても俯いてしまう私。

そんな気持ちを察してか、

私のことを優しく抱きしめてくれた

雪歩「貴音、さん?」

貴音「ですが。貴女が望むのであれば戦って抜きましょう」

雪歩「良いんですか?」

貴音「身軽な私たちと違い、みなは大所帯。それだけ危険性も上がるものですから」

貴音さんは戦ってもいいと言ってくれてる

どうしよう……


1、戦って抜ける
2、ううん、静かに抜けていこう
3、その他自由言動


安価下


雪歩「……お願いします」

貴音「承知いたし――? 雪歩?」

離れようとした貴音さんの袖を引き、

離れていくことを拒む

まだ言い終えてないですから。

雪歩「貴音さん。無理はなしです」

貴音「……ふふっ。解っておりますよ。雪歩。貴女は?」

雪歩「無理はしません」

頑張るつもり。

だけど、それは無理をすることじゃないと思うから

でも、ごめんなさい。

無茶はします。

良いよね? 私

(…………………)

雪歩「貴音さん、良いですか?」

貴音「いつでも」

雪歩「――またね、春香ちゃん、千早ちゃん、亜美ちゃん、真美ちゃん、響ちゃん!」

別れを告げ、駆け出す

閉じていた鉄の大きい柵を開いて<奴ら>の横へと滑り込む

横目で見えた貴音さんが柵を再び閉じる

もう戻れない、でも、後悔はしてないよ

雪歩「どいてぇぇぇぇぇっ!」

頑張るって、決めたんだから!


雪歩「私は私だけど……でもっ」

目の前にいるのは<奴ら>

人間じゃない、男の人でもない。

もっと別の何か……でも、人の形をしてる

「ヴァァァァァ.......」

雪歩「っ――ひるんでなんていられないんです、頑張るって決めたんです」

目の前にいる<奴ら>をしっかりと見つめる

「ヴァァァァァ」

雪歩「うぅ……貴音さんだって頑張ってるんだから」

手が震える、足が震える。

あの時の私はどうして平気だったんだろう

やっぱり、私とは違うから。だよね

でも……頑張るって決めたんでしょ?

なら、やらなきゃ。

やらなきゃ……やられちゃうんだから



1、突き    成功率 40%(39以下成功)  ゾロ目で2体撃退   
2、横振り   成功率 50%(50以上成功)  ゾロ目で2体撃退
3、縦振り   成功率 20%(80以上成功)  ゾロ目無し

安価下で選択、及び判定


判定47=ミス


雪歩「ぁ、あっ……や、なんで、なんで……」

全力のひと振りだった。

でも、目の前の<奴ら>は生きていた

私のスコップは、

<奴ら>の右腕を切断しただけ

血が、血が滴り落ちてる

ポタ、ポタ.....と。

まるで私が終わるまでのカウントダウンのように。

リズム良く時間を刻んでいく

貴音「雪歩――っ、おどきなさい!」

貴音さんが1体目の頭を叩き割って私の方へと手を伸ばす

でも、2体目がそれを阻んだ

貴音「雪歩!!」

雪歩「貴音さ――ぁ……」

貴音さんが見えなくなって。

代わりに見えたのは――大きく口を開いた<奴ら>の顔だった


「ヴァアァァァ」

雪歩「ひっ」

もう目の前だった

逃げようにも逃げられない。

逃げたいのに、足が震える。

何か手を考えるべきなのに、

頭の中が真っ白で何も出来そうにない

「アァァァァアアアア」

雪歩「やだ、嫌だよ……私、頑張るって、なのに、なのに……」

結局何もできず、このまま――

ガンッと強い音が響く

目の前にいた<奴ら>が頭を傾け、

地面へと落ちてさらに音を立てたのは鉄の棒

それを使っていたのは貴音さん。

貴音「雪歩、お逃げなさい!」

貴音さんは自分よりも私を……


貴音さんが声を上げたことで、

目の前にいた<奴ら>が貴音さんへと振り向く

雪歩「貴音さ――」

貴音「2体なら、すぐ追いつけますよ」

2対1の状況でも、

貴音さんは笑顔だった

雪歩「っ…………」

病院はまだすぐ近くにある

大声で叫べば、助けに来てくれるかもしれない……でも。

ただでさえ、私のために投げられた鉄棒によって音が響いたのに、

叫ぶことでより多くの<奴ら>が集まってきちゃう……

貴音さんを連れて行きたい。

でも、貴音さんと私の間には2体の<奴ら>がいる

貴音「早く!」

貴音さんは逃げろっていう

それはそうだよね……

音を響かせた以上<奴ら>は増える

そして、それはつまり……貴音さんを残していくことの意味を、

最悪の結末として予想させる……。


1、嫌ですっ! 私も戦います!
2、貴女ならなんとかできるよね……私
3、ごめ、ごめんなさい……
4、クラッカーボールを使う
5、その他、自由明記


安価下


この選択は、

私たちの行く道をもっと厳しいものにすると思う。

だけど、

だけどね、私、それに貴音さん。

もう、誰にも死んで欲しくないんです

もう、誰かを見捨てるなんてしたくないんです

だから、みんなと避難じゃなくて、

2人でほかのみんなを探しに行くって辛くて難しい選択をしたんだよ……?

それなのに、

こんなばしょで、こんな世界で

こんな<奴ら>なんかに、

貴音さんを殺させて良いの?

貴音さんを滅茶苦茶にさせて良いの?

貴音さんを<奴ら>にしちゃっていいの?

雪歩「そんなの……言うまでもないですぅ」

ポケットに手をつっこみ、クラッカーボールを一つだけ取り出し、

貴音「っ、いけませ――」

雪歩「見捨てるくらいなら――茨の道を選びますっ!」

少し離れた建物へと投げつける

パァァァァァァァァァン.........と、

一つとは思えないほどにあたり一面に響き渡った炸裂音

それがだんだんと小さくなる中、

遠くから<奴ら>の足音が聞こえてきていた


私達を割いていた2体の壁も、炸裂音へと向かっていく

貴音「雪歩……」

雪歩「行きましょう」

貴音さんが文句を言いたい気持ちは解ります。

でも、

今は、今は一緒に逃げてください

貴音さんの手を強引に掴み、

私は<奴ら>の足音が比較的少ない道を選んで進むことにした

それでも決して少なくはない。

使わなければ楽だったかもしれない。

でも、これで良いんだよ

こうしなきゃ、いま右手にある暖かさは失くなっていたと思うから

雪歩「あとでいくらでも怒ってくれて良いですから」

私のその呟きに対して、

貴音さんは首を横に振っただけだった


今日はここまでです、ありがとうございました


防犯ブザー、携帯は使用不可のため破棄してます


再開します


安価下コンマ判定

おってきている<奴ら>の数


01~20 8体

21~40 15体

41~60 20体

61~80 25体

81~00 5体  

安価下


判定52=20体


雪歩「っ……数が多すぎますっ」

貴音「申し訳ありません……」

雪歩「貴音さんのせいじゃありません……自分で選んだんですから!」

貴音「雪歩……」

貴音さんは私を守ってくれる

ううん、守ってくれている

だから、貴音さんのことは私が守らなきゃ

雪歩「……煙」

病院から見えた爆発の現場が近いらしい

まだ黒煙が上がっているのが見える

それよりも、まずは<奴ら>をやり過ごさないとダメだよね……


貴音「どこかの建物の影に隠れたり、中に入れれば良いのですが……」

雪歩「家は鍵がしまってますから……自動ドアのお店ですね」

家は個人の所有物で、

常に鍵を開け閉めするから、

鍵が締まってるのは当然

でも、コンビニとかのお店は、

自動ドアだし、家族のみが立ち入るとかじゃないから、

鍵は空いてるはず、

<奴ら>が現れたのが昼間ということもあって、

それはほぼ確実。だよね?

ただ、こういう時に限ってそういうお店が見つかってくれない

貴音「住宅街を抜ければ、可能性はありますが……」

それまで持ってくれるかわからない。

抜けた先に<奴ら>がいないとも限らない

コンビニがない可能性だってある――


1、家の影に隠れる
2、住宅街から出る
3、黒煙の上がる現場へ
4、そのほか自由言動明記

安価下


雪歩「貴音さん、あの煙のところに行きましょう」

貴音「しかし、そのような余裕は……」

雪歩「運がよければ……あの一点に<奴ら>を集められるかもしれません」

もちろん、

これは自殺行為に近い

元々、先の爆発によってかなりの数の<奴ら>がいると思う

でも、うまくいけば、

集めた<奴ら>を全滅させられるかもしれないし、

その騒音によってほかの場所の人達が楽に逃げられるかもしれない。

雪歩「なにより、爆発した車に乗っていた人が小鳥さん達の可能性がありますから」

貴音「……なるほど、その可能性があるならば。行かねばなりませんね」

私たちが今ここにいるのは、

<奴ら>から逃げるためじゃない。

みんなを探すためなんだから


些細な音でも気づかれてしまうため、

私たちは建物の間を一気に駆け抜け、

時には塀の上を歩いたり。と、

なんとか先へと進んでいった

雪歩「……貴音さん、あの、ひとついいですか?」

貴音「なにか?」

雪歩「貴音さんの走り方……足音しないですよね?」

貴音「以前、時代劇の撮影でくノ一をやっていた名残です」

そ、そうなんだ。

時代劇とかでそういうの習得できちゃうんだ……

貴音「それはともかく、見えてきましたよ、雪歩」

家の屋根上からしか見えていなかった煙

その元がついに視界に入った

雪歩「ブレーキが効かなくなって……衝突。でしょうか」

貴音「場を見る限りではそれが正しいかと」

オイルのニオイが強く、鼻を塞ぎたくなる事故現場

それだけでなく、かなりの数の<奴ら>が密集し、

私たちがいる塀の上以外は<奴ら>の姿しか見えなかった

雪歩「……これじゃ、誰も」

貴音「………………」


安価下コンマ判定

01~50 誰もいない

51~75 一般人発見(モラル 0低  9高)

76~80 美希が塀の上に

81~90 小鳥さん

91~95 社長

96~00 <奴ら>化した・・・・・・


判定=88=小鳥さん


小鳥「っ……」

車から少し離れた自販機の上に、

小鳥さんは座り込んでいた。

小鳥さんは私たちには気づいていないらしく、

赤く染まった左側の腕を抑えて……怪我、してるってことだよね?

そんなことは考えるまでもない

それが事故によるものなのか、

<奴ら>によって傷つけられたのかはここからじゃ判らない

貴音「雪歩、いかが致しましょう」

雪歩「気づいてもらいたいけど、名前は呼べないよね……」

呼べば一瞬で<奴ら>の的になっちゃうもんね

道路を埋め尽くすほど犇めき合う<奴ら>の標的になんかなったら、

もうどうしようもない……

雪歩「何かいい方法を……」


貴音「さきほど、やろうとしていたことは?」

雪歩「……無理、だと思います」

私がやろうとしていたのは、

クラッカーボールの火薬の炸裂による、

小さな火花を利用してのガソリンの引火――そして爆発

必ずうまくいくという保証はないけれど、

できれば最高の一手だった

でも、

地面が見えないレベルでの集合は予想外だった

足音がそこまで聞こえなかったのは、

そこまで多くないからではなく、多すぎるからだったらしい

雪歩「……クラッカーボールを使ったとしても、小鳥さんのところまでは多分無理です」

貴音「この公道を埋め尽くしているのはせいぜい100程度でしょうか?」

雪歩「そうですね……多分、そのくらいです」

そこに引き連れてきた20が追加されて120体もの<奴ら>が眼下にいるというわけですね……うぅっ

一瞬冷静に考えた私を恨みそうです


貴音「ともかく、手を打たねばなりません」

雪歩「でも、どうするんですか?」

貴音「あの先のガードレールに鉄の棒をぶつけます」

雪歩「え……?」

たしかに、

クラッカーボールよりも、

その鉄と鉄の衝突音の方が遥かに響くし、

小鳥さんの近くにいる<奴ら>も含めて退かすなら、それが最善かもしれない

でも……その場合

貴音「一応、多少の武術は心得ておりますよ」

危険すぎるよ、貴音さん

<奴ら>と素手で戦うなんて……かといって、クラッカーボールじゃ引きつけ率は低いっ……

雪歩「貴音さん――」



1、鉄の棒、使ってください(100%の敵を通路より排除)
2、私たちが大声を出して引きつけて逃げるのはどうですか?
3、クラッカーボールを使いましょう(判定あり)
4、そのほか、自由明記

安価下


雪歩「クラッカーボールを使いましょう」

貴音「……信じましょう」

雪歩「ありがとう……」

貴音さんは私の判断を信じてくれてる

運に身を任せるようなものかもしれないけど……

それでも、信じてくれてる

私はその期待に応えたい

雪歩「残りは4つ」

防犯ブザーが使えたなら、

もっとよかったのに――なんて、ううん。ダメだよ

雪歩「無い物ねだりは、暗くなるだけ。悪い方向に考えちゃうだけ」

右手に握る四つのクラッカーボール

最低一つは引火に使いたいけど……


誘導に使うクラッカーボールの数を決めてください


1、1つ  誘導率 10%  12体  判定で+補正

2、2つ  誘導率 25%  30体  判定で+補正

3、3つ  誘導率 50%  60体  判定で+補正

4、4つ  誘導率 80%  96体  判定で+補正






クラッカーボールを残した際の引火率

1つ  引火率 5%  

2つ  引火率 12%

3つ  引火率 25%


雪歩「2つで行きます」

貴音「承知。音で小鳥嬢も気づいてくれるでしょう。私はそちらを見ておきます」

雪歩「お願いします」

小鳥さんは貴音さんに任せるとして、

私はクラッカーボールに集中しないと。

不思議な感覚だった。

ものすごく難しいことなのに。

失敗したら最悪なことになるって理解してるのに。

全然怖くなかった

全然、震えてなんかいなかった

背中に貴音さんを感じる。

それだけで私は……ふふっ。

雪歩「………………」

大丈夫、できるよ。雪歩

落ち着いてるよね? 震えてなんていないよね?

投げればいいんだ、難しいことじゃない。

たったそれだけで――いいんだよ

心の中の私が笑う

雪歩「っ――!」

大きく振りかぶり、私は運命の賽を投げた


安価下コンマ一桁x2%分の敵を追加で誘導

ゾロ目でさらに倍


判定=9x2=18%=21体

初期数30=21=51体

120-51=69体


雪歩「やった」

貴音「残り69……上出来です!」

半分近く減ったおかげで十分通路ができてくれた……

これなら車のところにも狙って投げられる

小鳥「あっ……」

貴音「しっ」

小鳥「んっ」

貴音さんが唇に人差し指を当てると、

小鳥さんは黙って頷く

貴音「雪歩っ」

雪歩「はい――」


1、車を爆破します 確率12%
2、小鳥さんのところに行きましょう!
3、もういっかいクラッカーで誘導します!
4、そのほか自由明記

安価下


雪歩「イチかバチか、爆破しますっ」

小鳥「?」

貴音「…………」

小鳥「!?」

私の言ったことを、

貴音さんがジェスチャーで小鳥さんへと伝えると、

少し残念そうにしながらも承諾してくれた

承諾してもらえなくても、

多分、爆破してたけど……ごめんなさい。

爆破でどれくらい行けるかわからないけど、

爆破出来た場合、

もう一度<奴ら>はこっちへと向かってくる

その前に小鳥さんを助けなきゃ

雪歩「貴音さん、やります」

貴音「お願いします」


大丈夫、さっきだって出来たんだから。

今回だってきっとできる。

雪歩「………っ!」

クラッカーボールを握り締め、

車の方へと投げ込む

運がよければ爆破できる

できなければ些細な炸裂音しかならない

雪歩「お願い――っ」


安価下コンマ判定


40~51 で成功


判定=30=通常クラッカーボール


雪歩「っ、失敗、ごめんなさい」

貴音「問題ありません、行きますよ!」

クラッカーの音に釣られた数体の<奴ら>が車の方へと向かっていく

小鳥さんは既に自販機から降り、

<奴ら>のいない場所に向かっていた

小鳥「早く!」

まだ60体以上が残る通路

足音を消し、気を潜めて小鳥さんのもとへと向かう

貴音「雪歩」

雪歩「はいっ」

片方が遅れたなら、片方が引っ張り上げる

つまづいたなら、支えてあげる。そのために。

貴音さんの手を取り、全力で駆け出す


※音無小鳥と合流しました


小鳥「はぁっ、はぁっ……」

雪歩「はぁっはぁっけほっ……うぅっ」

貴音「大丈夫ですか?」

雪歩「う、うん……」

なんとか小鳥さんと合流できた。

<奴ら>は向こうの囮に意識が向いていたらしく、

今のところ追ってくる気配もない

とりあえず成功……だよね?

雪歩「小鳥さん、怪我は?」

小鳥「事故ってやっちゃっただけだから。心配しなくて良いわ」

って言われても、

赤くなってる袖を見ると……なんていうか。

貴音「応急処置くらいはしておきましょう」

小鳥「ごめんね、ありがとう。助けてくれて」

雪歩「よかったです……無事で」


小鳥「雪歩ちゃん……?」

雪歩「私……みんなを探すって……だけど……」

希望を持ってはいた

でも、

簡単に失われてしまうと理解していたからこそ、

大きな不安があった。

けれど、そんな不安を押し隠して、

頑張ろうとして、失敗して、

助けられて、支えられて……

私は、私たちは小鳥さんを助けられた。

雪歩「うぅっ……こと、り、さぁん……」

小鳥「ごめんね、心配かけて。ありがとう」

それが嬉しくて、泣くのを我慢できない私。

そんな私を小鳥さんは片腕で抱きしめてくれた

温かい、冷たくない、柔らかい、固くない

生きてる、生きてるよ……小鳥さんは、生きてる……っ


貴音「……よく頑張りましたね。雪歩」

雪歩「貴音さん……」

貴音さんの手が、

私の頭を撫でてくれる

優しくて、暖かくて、大きな手

貴音「貴女のお手柄ですよ」

雪歩「……そう、かな?」

そうじゃない、

そんなんじゃないよ……。

私だけじゃない。

私だけの頑張りなんかじゃない


1、貴音さんのおかげです
2、貴音さんがいてくれたから、頑張れたんです
3、貴音さんのお手柄です
4、そのほか自由言動


安価下


雪歩「貴音さんのおかげです」

貴音「ふふっ、ならば2人で頑張った。ということにいたしましょうか」

貴音さんはそう言って笑うと、

すぐに真剣な表情へと切り替えた

貴音「小鳥嬢、あずさと美希そして高木殿はご存知ありませんか?」

小鳥「え?」

貴音「他のみなの生死は既に。ただ、その3名が未だつかめず……」

もし、

これで小鳥さんが既にであっているなら、

私たちは脱出することができる。けど、

もし出会ってない人がいるなら、探しに行かなきゃ行けない……

雪歩「どう、ですか?」

小鳥「えっと――」


安価下コンマ判定

01~10 1人
11~20 知らない
21~30 3人
31~40 1人
41~50 2人 
51~60 知らない
61~70 3人
71~80 1人
81~90 2人
91~00 知らない


一旦ここまでで、中断します

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