雪歩「穴を掘って埋まってます~!!」ザックザック 老師(いい腕だ…) (35)


―公園―


老師「そこのお嬢さん」

雪歩「ひいいっ!?」ビクゥ

雪歩「お、男の人…」ガタガタ

老師「少し穴の中を覗いてもよろしいですかな?」

雪歩「ど、どうぞ…。お好きなように…」ビクビク

老師「失礼」ノゾキノゾキ

老師「!?」

老師(これはすごい…。たったあれだけの時間でここまで掘るとは…)

穴の中「ゴー...」

老師(この子は千年に一人の逸材かもしれない…)

雪歩(変なおじいさんに絡まれちゃったな…、早めに退散しよう…)コソコソ


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老師「待たれよ!!」

雪歩「ひいいいっ!!」ビクゥ

老師「そなた、名は何と申す?」

雪歩「は、萩原雪歩ですぅ…」

老師(萩原雪歩…?)


老師「穴の掘り方は誰から学んだ?」

雪歩「い、いえ…。特に学んだわけじゃ…」ビクビク

老師(たった17歳で、誰からも学ぶことなしに、これほどの実力を持っているだと…!?)

老師(わしはどうやら“くせ者”に出会ってしまったようじゃな…)ニヤリ


老師「だが、まだまだじゃ」ボソッ

雪歩「ふえ?」

老師「少しその円匙(えんぴ)を貸していただけますかな?」

雪歩「は、はい…。どうぞ…」つシャベル

老師「では失礼」

老師「喝―――――っ!」

雪歩「!?」ビクゥ


老師「ふん!はっ!せいっ!」ザクザクザクザクザク!

雪歩「…!!」

雪歩(すごい…。高速でシャベルを動かしているのも関わらず、息のペースが全然 乱れていない…!)

雪歩(おまけに体勢もきれいなままだ…)

雪歩(私はすごい人に出会ってしまったかもしれない…!)ゴクリ…

老師「ふぅ~。ま、こんなものか」

老師「雪歩といったか…、中を覗いてみなさい」

雪歩「は、はいぃ!」

雪歩「ゴクリ…」ノゾキノゾキ

雪歩(こ、これは…!?)

------------------------^

―穴の中―

ブラジル人「ハロー」フリフリ


雪歩「ま、参りました…」ドゲザ

老師「まあ、分かればよい」フォッフォッフォッ



P(あれ?雪歩じゃないか…。何してるんだあんなところで…?)

春香(雪歩がおじいさんに土下座してる…)ヴァイ…


P「おーい雪歩―!!」テクテク

雪歩「プロデューサー!どうしてこんなところに…」

P「いやあ、事務所の皆に買い出し頼まれちゃって…」

春香「パシリですよ!パシリ!!」ヴァイ!

P「ところでそちらの方は…?」

雪歩「えっと…、さっき声を掛けられて…」

老師「わたくし、老師と申す者でございます…」


春香「ねえ雪歩。さっき土下座してたけど...、とうとう何かやらかしちゃったの?」

雪歩「べ、別にそういうわけじゃ…」

春香「ふだん大人しい子はなんちゃらとは言うけれど…、まさかこんなことに…」グスッ…

雪歩「……………」

P「おいおい春香、あまり雪歩を困らせるな...」


雪歩「老師さん、お願いがあります!!」

老師「なんじゃ?」

雪歩「私を…、この萩原雪歩を…、弟子にしてください!!」ドゲザー

P「おい、雪歩!?」

春香「雪歩!周りの人も見てるんだからやめなさいよ!!」カシャカシャッ


老師「弟子になってどうする…?」

雪歩「もっと深く掘れるようになりたい…。そしてもっと…、美しく掘れるようになりたい…!」

雪歩「真の“ドリラー”になるために…」

老師「よかろう…、ついて来なさい…」テクテク

雪歩「はい!」テクテク

P「お、おい雪歩!午後からの仕事はどうするんだ!?」

雪歩「代わりの子を出してください!!」

P「代わりの子っつったって、いったい誰が...!」

春香「春香さんがいますよ!?」ヴァイ!

P「…………」

春香「春香さんがいますよ!?」ヴァイ!

P「…………」ピッピッピッ

P「あ、もしもし、すいません。中山さんですか?ええ、午後からのことなんですけど…。雪歩の代わりに春香を…」


―山中・寺跡―

老師「ではまず、ジャケットを脱いでもらおう…」

雪歩「はい!」ヌギヌギ

老師「そのジャケットをそこの杭に掛けよ」

雪歩「は、はい…」パサッ

老師「もう一度 着なさい」

雪歩「え…?」

老師「着なさい」

雪歩「はい…」ファサ…

老師「脱ぎなさい」

雪歩「…?」ヌギヌギ

老師「地面に落とせ」

雪歩「……」ポト

老師「拾え」

雪歩「……」ヒョイ

老師「杭に掛けよ」

雪歩「……」パサッ

老師「着なさい」

雪歩「……」ファサ…

老師「脱ぎなさい」

>>13
脱ぎなさい

>>16
ホモがいる...



―夜―


雪歩「でね、この1週間ず~っと、ジャケットを着て脱いで落として掛けてを何度も繰り返したんだよ?」

真『へー、変わったトレーニングだね』

雪歩「私は掘り方を学びに来たのに…」

真『ハハハ。きっと、おじいさんに考えがあるんだよ...』

雪歩「そうなのかな…」

真『ところで夜は何してるの?』

雪歩「えっと…、夕食の手伝いをして…、お風呂も沸かして…、食事が終わったら入浴して、本読んで寝るって感じかな...」

真『本?』

雪歩「老師さんが読めって…。タイトルは…“五輪書”」

真『へ、へー…』


―朝―

雪歩「老師さん、おはようございます!!」

老師「うむ、おはよう…」

雪歩「じゃあ、さっそく…」

老師「いや、それはもうよろしい…」

雪歩「え、もういいんですか…?」

老師「うむ」

雪歩(やっと“掘り方”を教えてもらえる…!!)グッ

老師「走ってきなさい」

雪歩「え?」


―万里の長城―

雪歩「ほっほっほっほっ…」タッタッタッタッ…

老師『ここから20kmほど離れた展望台まで走ってきなさい』

老師『おぬしがズルをできないように、展望台に“あるもの”を置いてきた…』

老師『そんな顔をするんじゃない…。“走り”はすべての動作の基本中の基本。ぬかることは許されん』

老師『歩かずに往復すれば、日没までに帰って来られるじゃろう...』

雪歩(だからって、往復40kmも走らせることないんじゃ…)ガッ!

雪歩「きゃっ!」

バターン!

雪歩「グスッ…」


―展望台―

雪歩「やっと着いた…」フラフラ…

雪歩(また同じ距離を走らなきゃいけないのか…)ウツウツ…

雪歩(そういえば、”あるもの”ってなんだろ…?)ヒョコッ

―甲羅―
背負って帰って来なさい。 by 老師


雪歩「なにこの甲羅…?めちゃくちゃ重いよ…」ズッシリ…

雪歩(甲羅が重すぎて真っ直ぐ走れない…)フラフラ…

バターン!  …グスッ

雪歩(お父さん…)

父『雪歩…』

雪歩(お母さん…)

母『頑張って…』

雪歩(真ちゃん…)

真『きゃぴぴーん!!』

雪歩(“褐色の虎”本郷さん…)

本郷『お嬢…、頑張ってくだせい…』

雪歩(こうしちゃいられない!)スクッ

雪歩(私、頑張らないと…)タッタッタッタッ…


その後も、雪歩の地獄のような修行は続いた。

雪歩(力まず…、心を落ち着けて…)

雪歩(打つべし!!)シュッ!

カーン…

雪歩「あれ?」

老師「まだまだじゃな...」

しかし雪歩は、そのような苦行の中で己の実力が高まっていくことを実感していた…

雪歩(精神統一…)

雪歩(……)

雪歩(……)ウトウト

雪歩(……zz)グッタリ

パァーン!

雪歩「ひいい!?」ビクゥ

老師「集中しなさい」

そして…


―3週間後―

老師「この1か月、ご苦労であった…」

雪歩「はい!」

老師「それにしても…」

雪歩「はい?」

老師「見違えたな…」

雪歩「頑張りましたから…」ムキムキ…


老師「それでは修行の成果、見せてもらおうか…!」

雪歩「はい!」チャキッ

老師「それでは…」

老師「始め!」バアァーン!(鉄太鼓)


雪歩「~~~~~~~~っ!!」サクサクサクサクサクサクサクサク!!

老師(早い…、格段に進化しておる…)

雪歩「~~~~~~~~っ!!」サクサクサクサクサクサク!!

老師(掘り進む際、土のどの部分が固く、どの部分が柔らかいかを識別できるようになったか…)

老師(面白い娘に出会ったものじゃ…)

雪歩「~~~~~~~~~~~~~っ!!」サクサクサクサクサクサクサクサク!!


雪歩「お、終わりましたぁ…」グデー…

老師「どれどれ」ヒョイット

----------------------------------------^

―穴の中―

ブラジル人「ハロー、マタアッタネー」フリフリ

-------------------------------------------------^

老師「ふむ…」


老師「ところどころが荒いな…」サスリサスリ…

雪歩(……)ショボーン…

老師「じゃが…」

雪歩「…?」

老師「その荒っぽさが逆に美しい…」

雪歩「…!」

老師「まさかここまで上達するとはな…」

老師「合格じゃ…!」

雪歩「あ、ありがとうございますぅ!!」

こうして雪歩の長く、辛い修行は終わった…。

『真のドリラー』になるにはまだまだ道のりは長いが、雪歩はその第一歩を踏み出したのである。

そして、別れの時が…。


雪歩「ぐすっ…、ずずず…」ヒックヒック

老師「これ、『真のドリラー』を目指す者がそう簡単に涙を見せるでない…」

雪歩「だって…、お別れだと思うと…、悲しくて…」ズビー

老師「会おうと思えばいつだって会える…。胸を張って山を下りなさい…」

雪歩「はい…」グスッ…

雪歩「長い間、お世話になりました…」ペコ

スタ.. スタ.. スタ..

老師(さらばだ雪歩よ…。楽しいひと月であった…)シミジミ…


―765プロ―

雪歩「ただいま戻りましたー!」

P「おお、雪歩じゃないか!久しぶりだな!!」

春香「修行はどうだった?」

雪歩「おかげさまで!」

P「そうか…、そうか…」

雪歩「プロデューサー?」

P「いや、なんでもない!ちょっとトイレ…」スタスタ

春香「変なプロデューサーさん...」

雪歩「……?」


P「ええ…。どうやら今回の修行でかなり力をつけたみたいで…。ええ…。どうやらあの老人、タダ者ではなかったようです...」

???「ま、いずれにしても、“萩原組”と争うことは避けられんだろうな...」

P「どうします…?“親父”…」

???「知れたこと...、スキを見せたところを襲撃しろ」

P「……!?」

???「どうした?」

P「い、いえ…何も…」

???「私は今日は忙しい…。すまないが、また時間のあるときにじっくり話し合おう...」

P「は、はい…」

???「連絡ご苦労。それでは、アデュー…」

プツン ピーピーピーピー…

P「………」

P(俺が雪歩を…!?)


老師「畑仕事でもするか…」ヨッコイセ

老師「………」

老師「何者だ…?」

「……………おや、ばれちゃいましたか…」

謎の男「どうやら実力は噂通りらしいですね…」パチパチパチパチ…

老師「………」カマエ…

謎の男「おっと、そんなに睨まないでくださいよー、老師さーん」ヘラヘラ

謎の男「いや、萩原組第13代組長『萩原道山』と言うべきでしょうか…」

老師「…。貴様…、どうしてその名前を…」

謎の男「あはは、ちょっと萩原組について調べたら芋づる式にどんどん出てきましたよー?」

老師「ぬぅ…」

謎の男「そういえば最近、面白い話を聞いたんですけど…」

老師「…?」

謎の男「何でもお孫さんがこっちで修行してたとか…」

老師「…!やめろ!あの子は関係ない!!」

謎の男「そんなにお孫さんが心配なら...」ハハハ…

「我々に従ってもらえますよね…?」


真「へえ、そんなに強くなったんだ雪歩…」

執事「ええ…。それは見事な腕前だとか…」

真「フフフ…」

執事「真様…?」

真「また楽しみが増えたな…」




真「少しは楽しませてくれるよね、雪歩…」


グラップラー雪歩 ―修行編―



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