女「私を殺して世界を救える?」(7)

女「もしも私を殺さないと世界が滅ぶとしたら、男は私を殺せる?」

男「急にどうしたの?」

女「何となく聞いてみたくて」

男「何となくで聞くことじゃないと思うけど」

女「それで、男はどうするの?」

男「殺すよ」

男「俺は女を殺す、それで世界を救う」

女「…迷わないんだね」

男「一人の犠牲で世界を救えるなら…」

女「私のこと嫌いなの?」

男「好きとか嫌いとかじゃないよ」

男「最小限の被害で済む選択をするだけ」

女「相変わらず冷たいね、男は」ハァ

女「でも、それでいいよ」

ピピピ

女「時間だね、じゃあ行こっか」カチャ

男「あぁ」

女「ね、男?」

男「何?」

女「これからも迷わないでね」ニコ

男「………………」

───
──

ザシュッ ドサッ

主人「ひ、ひぃぃぃ?!貴様ら何者だ?!」

女「暗殺者ですよ」ニコ

男「全然、暗殺じゃないけど」ザシュッ

部下「─────」ドサッ

主人「わ、私を殺しに……?一体誰に雇われたんだ!」

女「それは教えられませんよ」

男「…女、さっさと殺して」

女「えー、もう少しお話したいなぁ」

主人「な、なに?」

女「死ぬ直前の人って、怯えて可愛いんだもん」ピト

主人「や、やめっ……?!」ビク

女「このまま刃を引いたら首切れますよ?」ニコ

男「女…いいから早く───」

主人娘「お父さん!」タッ

主人「娘?!な、何故出てきた!」

主人娘「離れて!お父さんを殺さないで!」ガシッ

女「あらら、娘さんいたんだ…」チラッ

男「…………」

女「依頼内容って───」

男「この屋敷の人間は全員殺す」ガシッ

主人娘「あぁっ?!」

主人「や、やめろ…娘には手を出すな!」

女「……男は迷わないよね」

男「あぁ…迷わないよ」

女「ふふ、なら私も迷わないよ」スパン

ブシャァ

主人娘「いやぁぁぁぁぁ?!!」

男「…………」スパン

主人娘「……………………」ドサッ

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