男&女「かんぱーい」チン(37)

男「お仕事おつかれさまー」

女「今日もお疲れ様ー」

女「ゴクゴク……ぷはー」

男「今週も大変だったねぇ」

女「まあねー。今週は納期と決算が来てたから」

男「あら、中小といえどエンジニアは大変ねぇ」

女「うるせー」




男「まあ、おかげで我が家は食べていけるわけだし! 大黒柱様には来週も頑張ってもらわないと」

女「男だって働いてんじゃん」

男「いやー僕の稼ぎなんて微々たるものだからー」

女「そうかー? あ、サラダおいしい」パクパク

男「でしょ?! 今日スーパー行ったら、新玉が売っててね!! 折角だからスライスしてサラダに混ぜてみたの!」
※新玉=新玉ねぎ

女「うまい」パクパク

男「女ちゃんのために作ったから、そうやって言ってくれるとうれしいわー」

女「そうか……///」ガツガツ



女「男の料理はいつ食べてもおいしいな」パクパク

男「女ちゃんへの愛がこもってるからね!!」

女「お、おう///」

男「けど、僕は掃除は苦手だからねー」

女「男の掃除はまとめてるだけだからね」

男「そうなのよーモノが捨てられないというか」

女「だから、服だけで一部屋も使うんだよ。そういや、うちのパートのおばちゃんが断捨離って本持ってたけど、いる?」

男「あ、それ女友達ちゃんも持ってるって! けど、読んだ後あれこれ捨てすぎて困っちゃったて言ってたわ」

女「それは、計画性がないだけ」

男「春用のアウターまで捨てちゃって、今年着るものないのーって嘆いてたわ」

女「……どっちかってと、ただの天然じゃない?」

男「否めないわー」



男「もう納期は終わったの?」

女「うん、一昨日ね」

男「あら、ならよかったわね」

女「んー……まあねー」

男「あら、どうかしたの?」

女「いや……」

男「?」

女「また、次の納期が来るんだよなって思って……」

男「あ、ああ……」

女「うん……」

男「ま、まあ!! 今日は美味しいもの食べて! 滋養つけて! ね!?」

女「もーしごとやめたーい」

男「え! え!?」

女「あークリームシチューおいしー」

男「HAHAHA……」



男「けど、僕もセールの準備がこれから立て込むからなー」

女「帰り遅くなるのか?」

男「そうなのー。もしかしたら夕飯はスーパーのお惣菜になるかも」

女「そうか……」

男「ごめんねー……けど、たまには女ちゃんが作ってよー」

女「えー」



男「付き合い始めから食べてないよー」

女「や、あれは頑張ってだな」

男「たまに作らないと忘れるよ?」

女「んー……同じのでいいからずっと作るけど、どうせ忘れるしー」

男「……たまにならいいねぇ」

女「んじゃ、そうしようかー」

男「明日休みだし、レパートリー増やしてみる?」

女「うん……」

男「前食べたのはチャーハンだったし、中華で攻めてみる?」

女「あー悪くないね」

男「んじゃ、明日は女ちゃんに中華をつくってもらいましょ! 今から楽しみだわぁー」

女「や、男も手伝ってよ!」

男「ハイハイ」



女「あービールうめぇ」プハー

男「もう一本いる?」

女「や、次は芋で」

男「はいはい。熱燗?」

女「んーロック」

男「三つ?」

女「うん」



女「男も飲めよ」ウイー

男「んー……んじゃ、ご相伴にあずかりまして」

女「おう、ほれ、もっとちこう寄れ、飲め」

男「ハイハイ、おっとっとっと」トクトクトク

女「おとっと……よし」

男「ちょ、ちょっと多いね」

女「飲めなきゃアタシが飲む」

男「その頃には女ちゃんは寝てるよ」

女「ほう……先に寝かしつけてやろうか?」ギロ

男「や、いいです」フルフルフル



女「おとこーつまみー」

男「あれ、もうないわね」

女「つーまーみー」

男「ハイハイ、なににしようかなぁ」

女「ポテトたべたいー」

男「芋焼酎飲みながらじゃがいも食べるの?」

女「うんー」

男「美味しいジャガイモがあるから蒸かして、塩で食べるー?」

女「アタシ、まーがりーん」

男「太るよー?」



女「もーいいーもーん。太らないからー」

男「そうねぇー糠漬けにしとくー?」

女「きけよー」

男「大根がいい感じねー」

女「きーけーよぉー」

男「あ、美味しい」ポリポリ

女「つまみよこせよーつーまーみー」ジタバタジタバタ

男「あら、もー子供ねー」



女「つまみうめえー」

男「食って飲んでばっかね」

女「なんだこのやろーやるくぁー?」ギロ

男「ハイハイ、やらないからね、どうどう」

女「ったく……」ガルル



男「あ、明日セールやってる」

女「また服ー?」

男「や、スーパー」

女「ほう」

男「餅が安くなってる」

女「今更!?」

男「そうよねえ」

女「豆腐は?」

男「お、やる気満々」

女「うるせえな……んで、どうなん」

男「んー……書いてないわ」パラパラ

女「そうか……」



女「ところで、麻婆豆腐の豆腐って絹ごし? 木綿?」

男「舌触りがいいのは絹ごしかなぁ」

女「そうじゃねーよー」

男「んーどっちでもいいっちゃいいからねー。木綿は木綿で煮崩れしないしー」

女「アタシは絹ごしが好きだなー」

男「プルプルしてるもんね」

女「ちょープルプルしてるもんね」



男「絹ごしは冷奴だなぁ」

女「あーわかる」

男「夏場は舌触りが良くてさっぱりしたのがいいよね」

女「うんうん」

男「男前豆腐ってのが昔流行ったよね」

女「そんなんあったっけ」

男「あったよー。やたら劇画っぽいというか彫りが深そうな男性のイラストが描いてある豆腐」

女「買いにくいな」

男「スーパーにあれが並んでるのは結構シュールだったわ」

女「だろうな……」



男「あれが流行ったときにあったレシピで、豆腐にハチミツをかけるってのがあってねー」

女「……それはおかず?」

男「や、どっちかっていうと、デザート」

女「それはそれで……」

男「あの男前豆腐だったから美味しかったのかなー。割とイケたんだよね」

女「あ、アタシはいいや……」

男「明日やってみる?」

女「や、いい」

男「やってみようよー」

女「ハチミツだもんな……」

男「くまの○ーさんもびっくりだね」

女「○ーさんでも食わねーよ」



男「木綿は、湯豆腐とかがいいねー」

女「あー最高」

男「煮崩れしないし、ダシを吸うから美味しいんだよね」

女「冬が終わるまでに食べおさめしたい」

男「今からやる?」

女「食べらんないよ」

男「太るもんね」

女「もーいーよー」

男「ごめんごめん」

女「いつか〆る」

男「え?!」

女「絶対ヤル」

男「oh……」



男「散々太るっていじってきたけど」

女「ほんとにねー」

男「今ぐらいでいいと思うんだよね」

女「アタシとしちゃ複雑だわさ」

男「今ぐらいのほうが、抱き心地いいしね」

女「そりゃどうも」

男「今どれくらいあるの?」

女「あー……健康診断から測ってないわ」

男「といっても、そんなに体型変わってないもんね」

女「……うん」

男「そんなに体重も変わってないんじゃない?」

女「……そ、そうね」



男「……」ジーッ

女「……なにさ」

男「……」ジーッ

女「そ、そんなに見たってわk」

男「……+2kg」

女「……+1.8kg」

男「変わらんでしょ……」

女「……この前上司に『なんか結婚してからふっくらして幸せそうだね!』って言われた」

男「よかったじゃない」

女「ふっくらしたってー……ふっくらってー……」

男「今度から油ものは控えるー?」

女「美味しいから困るの……食べ過ぎちゃってさ……」

男「んじゃ、つまみも控えt」

女「これは別」キリッ



男「あ、もう一杯飲む?」

女「うん」

男「今度は熱燗?」

女「うん、ちょっと冷えた」

男「ハイハイ」



女「男、全然飲んでないじゃん」

男「いやー肴が美味しくて胸がいっぱいで」

女「肴?」

男「女ちゃんとの会話」

女「あーハイハイ、いいから熱燗」

男「酔っ払いめ」

女「なんだとおー」ダキッ

男「あら? あら?」

女「うへへへへ」ワキワキ

男「ちょ、おま、やめて」



男「」

女「フヒヒヒヒ」ワキワキワキ

男「あ゛ー……痛かった……」

女「次は折る」キリッ

男「折る、じゃねーよ……」

女「ああん?」

男「や、なんでもないです」

女「ならよろしい」フフン



男「あー……楽しー」

女「ん? もっとやる?」キラキラ

男「それはもういいというか……一人暮らしの時はやっぱりどっか一人だったから……」

女「そうねー」

男「こう、二人で住むようになって数年たつけど、ふと思い返してみると、一人暮らしは大変だったなぁって」

女「うんー」

男「なんかさみしくて久々に実家に帰ると、めちゃくちゃごはん美味しいよね」

女「あーわかる」

男「けど、そんなに帰るわけにいかないもん……それで思い返すと一人でごはん食べると味気ない日が多かったなってさ」

女「そっか……」

男「どっか食べに行ったりしたほうが楽しかったもんね」

女「……」

男「こうやって二人で食べると美味しいなってね、ふと思って」



女「これはー酔ってますねー」キリッ

男「え?」

女「こんなーしみったれたーこっぱずかしいことをー言える男くんはー。いま、酔っていますねぇー」フフン

男「あ、あらー?」

女「さ、最後にぐいっと飲んで」

男「は、はい」

女「ほら、グイっと」

男「は、はあ」グイッ

女「お、いい飲みっぷり」

男「プハーッ」

女「よおしーアタシも飲むぞー」トクトクトク

男「え? ええ?」

女「プハーッ……うめー」

男「……」

男はオネェなのか



女「ったくよお……」ダキッ

男「はいっ!」ビシッ

女「男はまだ寂しいのかぁー? ああ?」ブツブツ

男「……」



女「あたしゃよー結婚するまで実家暮らしだったからわかんないけどさー」

男「……うん」

女「今はよーアタシがいるしよー」

男「うん」

女「だいじょーぶだー」

男「……そうね」

女「きっとそのうち、子供も出来てさー」

男「お、おお……」

女「ビックダディになるんだろおー」



男「エンゲル係数のびっぱなしだね……」

女「目指せ家族で野球チームだろお!」

男「女ちゃん頑張るね……」

女「男も頑張るんだろ」

男「そいえばそうね……」

女「一戸建てかわねえとなぁ……」

男「頑張れ大黒柱」

女「おめえも働くんだよ」

男「う、うっす」



女「ったく、しみったれたこと言いやがってよー」

男「HAHAHA……ごめんごめん」

女「……し、死ぬまで一人なわけねえんだから、んなこと言うなよな///」ボソボソ

男「ん? なんて?」

女「や、なんでもないー」ハナシッ



女「さー子作りすっか」

男「」ブーッ

女「頑張って、お父さん?」キラキラ

以下セクロス


山梨おちなし。
以上で終わりです。
最後までお付き合いありがとうございました。

>>26
男の口調はなよなよ系男子というか、女々しさを出したかったので、ちょっとオネエっぽくしただけですん。

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