母「良い子にしかサンタさんは来ないのよ」少年「なんで?」 (49)

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あるところに1人の少年がいました。

彼はまだ幼いながらも利発で、人一倍好奇心が強い子供でした。

季節は冬。

心踊る年に一度のイベントがいよいよ差し迫ってきたある日のこと。

この時期にありがちな、ある種、教訓の1つとして口にした母親の何気ないその一言が、少年の探究心に火をつけました。

少年「どうしてサンタさんは良い子のところにしか来てくれないの?」

別に少年は悪い子ではありません。

小学校から出された宿題は欠かさず提出してますし、家の手伝いもこなす、それはそれは良い子です。

そんな少年の純粋な瞳に射抜かれた母親は、困ってしまいました。

母「それは……そうねぇ……サンタさんは、良い子にご褒美をあげる人だから……かしら?」

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そんな母親の曖昧な物言いに、到底納得出来ない少年は追求を続けます。

少年「でも、悪い子だってきっとサンタさんに来て欲しいと思ってるよ」

母「そうね。だから、サンタさんに来てもらう為に良い子にならないといけないのよ」

今回の返答には、わりと自信がありました。

なにせ正論です。

諭すように母親にそう言われて、少年もこれ以上追求することはない……と、思いきや。

少年「……悪い子だって、サンタさんに会えたら、もう悪いことはしなくなるよ」

唐突に不思議なことを言い出しました。

母「それはどういう意味?」

母親は少年の言ってることがよく分からずに、思わず聞き返します。

すると少年は、ゆっくりと自分の考えを言葉にして母親に伝えました。

少年「えっとね、たとえば泥棒さんがいるでしょ?」

母「泥棒さんがどうしたの?」

少年「泥棒さんのところにサンタさんが来てくれたら、きっとその人は……泥棒なんて悪いことをしなくなると思って」

なるほど。

突拍子もない発想ではありますが、確かに理に適っています。

しかし、それは人が生まれ持って善性を有していると仮定しての話です。

この純粋無垢な少年は、まだ性善説や性悪説など知るよしもないでしょうが、世の中には、たとえサンタさんに出会えたとしても、悪の道を突き進む根っからの悪党が存在するのです。

ですが、それを説いて聞かせるには、少年はまだ幼すぎました。

さて、どうしたものか。

母親は少しばかり悩み、そして結論を出しました。

母「あのね、よく聞いて。泥棒はいけないことだって、わかるわよね?」

少年「うん」

母「いけないことはしてはいけないの。わかる?」

少年「……うん」

母「泥棒さんはいけないことをした。だから、泥棒さんにはサンタさんが来ないの。わかるわね?」

少年「うん……でも……」

少々強めの口調で説き伏せる母親に、流石の少年も勢いを失いましたが、それでもまだ納得をするには至りません。

心優しい少年は、きっとサンタさんが来てくれない泥棒のことを憐れんでいるのでしょう。

そんな少年の優しさを汲みつつも、母親は少年を納得させるべく、最後のひと押しを言い放ちます。

母「大丈夫。泥棒さんが泥棒をしなくなったら、きっとサンタさんは来てくれるわ」

少年「ほんと?」

少しばかり強引な理屈ではありましたが、そこに含まれる希望に少年は目を輝かせて食いつきました。

こうなればシメたものです。

母親は柔らかに微笑んで、少年の追求に終止符を打ちました。

母「ええ。本当よ。だから、泥棒さんに限らず、悪いことをしている人には注意すること。はいっ!この話はおしまい!いいわね?」

少年「うんっ!」

にっこり笑って少年は頷きます。

そんな素直で可愛い少年の頭を撫でていると、玄関の扉が開く音が聞こえました。

父「ただいま~……ん?どうかしたのか?」

少年「お父さんおかえりなさい!」

母「おかえりなさい。まったく、あなたはいつも一足遅いんだから……」

まるで事態が解決したのを見計らったかのように帰宅した父親に母親は苦笑しつつ、夕食をテーブルの上に並べ、先ほどの話を交えながら、穏やかな団欒の時を過ごしました。

あくる日。

小学校にて。

友1「やべぇー!どうしよー!?」

少年の友達が、何やら騒いでいます。

何事かと、少年は事情を聞きました。

少年「どうしたの?」

友1「いや、それがさ~……親に出すプリントを忘れててさぁ」

少年「それってたしか、今日までだったよね?」

友1「そうなんだよ……あーどうしよう!?母ちゃんに怒られるー!!」

頭を抱えて絶望する友達を見て、少年は昨日母親に言われたことを思い出します。

『良い子にしかサンタさんは来ないのよ』

その言葉を思い出した少年は、思わずそれを口に出してしまいました。

少年「昨日ぼくの母さんが、『良い子にしかサンタさんは来ない』って言ってた。だから、ちゃんと謝って許して貰った方がいいよ」

友達のことを思っての発言だったのですが、当の本人は口をポカンと開けて……

友1「あははははははは!なんだよ、そんなこと本気で信じてるのか?」

盛大に笑い出しました。

それを受けて、今度は少年がポカンと口を開けます。

何故笑われているのだろう?

自分は何かおかしなことを言ったのだろうか?

そもそも、この友達の物言いでは、まるで自分が騙されているかのようではないか。

騙されている?

誰に?

母親に?

そんな答えの出ない疑念が、頭の中をぐるぐる回り、少年は堪らず聞き返します。

少年「ど、どういうこと?ぼく、なにか間違ってる?」

そんな少年の戸惑う様子を見て、友達はゲラゲラ笑うのをやめ、代わりに口元をピクピクひくつかせながら説明します。

友1「いいか?まず、昨日お前が母ちゃんに言われたったいう、『サンタは良い子のところにしか来ない』だったか?そんなのは……嘘っぱちだ」

初めから全否定。

あまりのことに少年の頭の中は真っ白になりました。

しかし、それでは……

少年「そ、そんな……母さんは、ぼくを騙したの?」

そう、母親は少年のことを騙した、という結論に行き着きます。

ショックを受ける少年に、友達は慌てて説明を付け足しました。

友1「待て待て。別に騙したわけじゃないだろうよ。きっと、お前に悪い子になってほしくないから、そう言ったんだよ」

そう言われても、少年としては釈然としません。

ですが、少しは冷静になることが出来ました。

騙す騙されたはこの際置いておくことにして、まず先に、この友達の言い分が正しいのかどうかを見極める必要があります。

人に言われたことをなんでもかんでも鵜呑みにするのは危険だと、少年は学びました。

少年「それより、君はどうしてそれが嘘だと思うの?その理由を聞かせて欲しい」

持ち前の利発さを取り戻した少年の質問に、友達はニヤリと不敵な笑みを浮かべてこう返しました。

友1「なぜかって?そりゃあ単純なこった。なにせ……この俺が、毎年クリスマスプレゼントを貰えているんだからな!」

それはとても説得力のある事実でした。

なにせこの友達はお世辞にも『良い子』とは言えず、たびたび先生に注意されるような、どちらかと言えば『悪い子』だったのです。

とは言え、根っからの悪い子……所謂、『不良』というわけではなく、愛嬌のある気の良い性格なのですが、どこか抜けているところがあって、間が悪かったり、忘れ物をしてしまうような、そんな友達でした。

話上手で、いつも面白いことを言って楽しい気持ちにさせてくれるので、今までその欠点については然程気にならなかったのですが、そんな彼が毎年クリスマスプレゼントを貰っているとなれば、話は別です。

少年「君が毎年クリスマスプレゼントを貰っているって……それは本当?」

友1「ああ、本当だとも」

少年「……なるほど。君が毎年クリスマスプレゼントを貰えているならば、サンタさんは良い子じゃなくても来てくれるってことか」

友1「その言い方はちょっとムカつくけど、俺の言いたいことはそういうこった。俺みたいな悪ガキにだって、ちゃんとサンタさんは来てくれるのさ」

ふふんっと鼻を鳴らし、胸を逸らす彼は、それが自虐的な発言だとは露知らず、勝ち誇ったような表情を浮かべていました。

そんなお馬鹿な友達は、とても嘘をついているようには見えません。

少年「ん~……もう少し情報が欲しいな」

もっと情報が欲しい。

何が真実で、何が虚実なのか。

少年の探究心はメラメラと燃え上がります。

と、その時。

友2「なになにー?なんのはなしー?」

友3「ぼくらも混ぜてよ」

情報提供者が現れました。

友2「なんか面白いこと話してたよね~」

友3「サンタさんがどうかしたの?」

どうやら、知らず知らずのうちに、衆目を集めてしまっていたようです。

そのことに気恥ずかしさを覚えながらも、そのおかげでこうして情報提供者が名乗り出て来てくれたことに感謝し、少年は彼らにも話を聞くことにしました。

少年「えっとね、実は昨日、僕の母さんが……」

彼らに昨日母親に言われたことを伝えます。

すると、2人ともキョトンとした顔をして、おもむろにこんなことを言いました。

友2「えー?そんなの当たり前じゃん」

友3「そうだね。『良い子にしかサンタさんが来ない』というのは、当たり前のことだね」

彼らは少年の母親の言葉を全面的に肯定したのです。

話が違うではありませんか。

先ほどの証言とは真逆なことを言われ、少年は混乱してしまいました。

先ほどの証言は嘘で、少年を騙していたのでしょうか?

そう訝しんで、第1証言者の方を見ると。

友1「おいおい!お前らまでそんな迷信を信じているのか?この俺が毎年クリスマスプレゼントを貰ってるんだから、そんなの嘘っぱちに決まってるだろ!」

慌てて先ほどの話を彼らに聞かせます。

すると彼らも首を傾げて……

友2「それっておかしくない?」

友3「おかしいね。彼の普段の行いは、とても良い子とは言えないし」

友1「……ちょっとイラっとくるけど、信じて貰えて嬉しいような、やっぱり悲しいような」

彼らの反応に複雑な表情をしつつ、悪い子の友達の発言は他の子達にも疑問を植え付ける結果となりました。

その後、周囲の他の子達からも情報を収集してみたのですが、『サンタさんは良い子にしかプレゼントをくれない』と信じてる派閥が多数で、『サンタさんは平等だ』と信じてる派閥は少数という結果になりました。

そして、もう1つ。

興味深い主張をする者も現れました。

不良「ばっかじゃないの?サンタなんて……いるわけないじゃない」

クラスで一番の不良のその子は、遠巻きに、そしてつまらなそうにこちらを見ていたのですが、我慢の限界と言わんばかりにこれまでの証言を全否定するような発言をしました。

それに伴い、あれだけ騒がしかった教室内がしんっと静まります。

クラスで一番の不良は、それほどまでにクラスメイト達から恐れられているのです。

不良は目つきが悪く、それに態度も悪くて、今も自分の机の上に足を投げ出しています。

その上、服装もまただらしないので、少々目のやり場に困るというか、何と言うか……。

そのことを先生に注意されても、平然と聞き流し、たびたびクラスメイト達と揉め事を起こすような存在でした。

とはいえ、イジメなど、陰湿なことには手を出すことはなく、もちろん恐ろしいのですが、少年は周りの子供達ほど、不良に対して悪い印象は持ち合わせていませんでした。

なので、物怖じすることなく、不良に対して発言の真意を聞き出すことにします。

少年「それはどういう意味?」

静寂を切り開くように放たれたその言葉に、周りのクラスメイト達が息を飲みます。

関わらないほうがいい。

彼らのそんな意図が透けて見えるようです。

ですが、彼らの不良に対するそんな態度は、間違っていると少年は考えます。

不良のクラスメイトがいるなら、尚更話を聞いてあげて、更生させるべきだと、少年はそのように思うのです。

そう、昨日母親も言ってました。

『泥棒さんが泥棒をしなくなったら、きっとサンタさんは来てくれる』、と。

母親の言葉には、もしかしたら嘘が混じっているのかも知れませんが、この言葉だけは真実だと、少年は信じたいのです。

不良「言葉通りの意味よ。サンタなんていない。それ以上でも以下でもない」

少年の問いかけに対して、きっぱりと不良は断言しました。

サンタがいない。

その可能性については、少年も、そしてクラスメイト達もありえると感じていました。

しかし、それは言葉には出さない。

いや、出してはいけないと、無意識のうちに封印していたのです。

だって、それを口にすれば、本当にサンタさんがいなくなってしまいそうで……。

そのことを皆、恐れていたのです。

しかし、事ここに及んで、それに怯えていては真実にたどり着くことは出来ません。

少年は意を決して、不良に相対すことを決意しました。

少年「君は、どうしてそう思うんだい?サンタさんがいないと、なんでそう言い切れるの?」

不良「そんなの簡単よ」

少年の問いかけを嘲笑うかのように、不良は嘯きます。

そしてその次に続くだろう言葉を、その恐ろしい呪詛を、周りのクラスメイト達は聞くのを恐れて、皆一様に耳を塞ぎました。

しかし、少年は、少年だけは、例えどんな言葉だろうと、しっかり聞き届けるべく、真っ直ぐ不良へと視線を送り、そして不良もその視線を受け止めて、続きをポツリと紡ぎました。

不良「だって、私……一度もサンタからプレゼント貰ったこと、ないから」

その衝撃的な告白を耳にしたのは、クラスの中で少年だけであり、そして不良の悲痛そうなその表情を目撃したのもまた、少年だけでした。

それはあまりに……あまりに、残酷なことです。

母親の理屈から言えば、なるほど、たしかに不良にはサンタは現れず、もちろんプレゼントも貰えないでしょう。

ですが、この不良にだって、不良となる前があった筈で、それなのに、一度もプレゼントを貰っていないというのは、どう考えても納得出来ません。

これでは『サンタなんかいない』と言われても、致し方ないではありませんか。

少年は、そんな不条理が、たまらなく許せませんでした。

だから、どうにかしてあげたかった。

今にも泣きそうなこの不良を助けてあげたいと、そう思わずにはいられませんでした。

少年「い、いまからでも遅くないよっ!毎日家の手伝いして、しゅ、宿題だって毎日出せば……」

しかし、そんな藁にも縋るような少年の提案は、不良に一蹴されます。

不良「そんなことしたってなんの意味もない。私はこれまで、毎日夕飯を作って、お風呂掃除して、週末には家の掃除もしてるんだから」

その不良の言い分に、少年は驚愕を禁じえません。

毎日夕飯を作る?

お風呂掃除も?

週末には家の掃除もだって?

それは、普段の不良からは考えられない働きっぷりで、それなりに家の手伝いをこなしていると自負している少年よりも、遥かに多い仕事量でした。

それに加え、さらに不良は追い討ちをかけます。

不良「もちろん、宿題だって欠かしたことはない。こう見えても、やることはやってんだよ」

そんな。

それじゃあ、どうしてサンタは……。

足元がガラガラ崩れるような感覚に陥り、頭が真っ白になった少年の胸ぐらを掴んで、不良は目尻に涙を浮かべて、決定的な言葉を突きつけます。

不良「それでも、サンタは私にプレゼントをくれなかった!その代わりに、母さんが……私が産まれて間もなく亡くなった父さんの分も一生懸命、夜遅くまで働く母さんが、ごめんねごめんねって、謝るんだ!!母さんは何も悪くないのにっ!!」

なんだそれ。

それじゃあ、一番悪いのは……。

不良「私に……そして母さんに悲しい思いをさせるサンタを!私は絶対に許さないっ!!」

真っ白になった少年の胸に、真っ赤に燃える火が灯りました。

少年「……君の言い分はわかった。ほら、これで涙を拭いて?」

胸の中心で燃える真っ赤な炎は、その火傷しそうなほどの熱量とは裏腹に、逆に少年に冷静さを取り戻させました。

頭の芯がすぅっと冷え、そして冴えわたっていきます。

少年が初めて感じる純粋な怒りは、凍てつくような熱さで、胸を焦がし、彼を一つ大人へと成長させたのです。

狼狽えるだけだった少年が、慈しむような表情を浮かべて差し出すハンカチを、不良は戸惑いながらも受け取り、知れず流れ落ちていた涙を拭いました。

不良「あ、ありがとう……だけど、これであんたもわかったでしょ?サンタなんていないって」

自らの醜態を見られたことに、不良は気恥ずかしそうに頬を染め、泣いたばかりの目はウサギのように真っ赤でしたが、気丈に装ってそう結論付けました。

少年と不良の問答がひと段落ついたことを察すると、周囲で耳を抑えて俯いていたクラスメイト達も徐々に顔をあげて、心配そうに少年を見つめてきました。

何を話していたかは聞こえてはいませんでしたが、先ほどの結論からわかる通り、状況は少年の劣勢で、サンタの存在は否定されかけているということは明白でした。

皆、気が気でない面もちで少年を見据えています。

しかし、少年には彼らの期待に応えようという気持ちは毛ほどもありません。

人に意見を代弁して貰う彼らは、不良の言い分に対して何ら対抗手段を持ち合わせていないのです。

例え、少年が不良を説き伏せたとしても、彼らに喜ぶ資格はおろか、勝ち誇る資格などないのです。

だから少年は、まだ目が赤く、鼻をすすっている不良の耳元に口を寄せ、他の誰にも聞かれないように声を潜めてこう言いました。

少年「24日に、ぼくの家においで」

不良「えっ?」

突然のことに、不良が目を白黒させていると。

先生「おーい、お前ら席につけ~」

ガラリと扉が開き、先生が現れ、少年の周りのクラスメイト達は蜘蛛の子を散らしたように自分の席に戻っていきました。

あまりに遅すぎる登場。

役に立たない担任教師に、ため息の一つも吐きたくなりましたが、ある意味タイミングが良かったとも言えるので、良しとしましょう。

不良「……」

物言いたげにこちらを見つめる……ともすれば、睨みつけているようにも見える不良に、声には出さずに『や・く・そ・く』と口パクで伝えると、不良は微かに、そして確かに頷いたのでした。

あっという間に24日。

クリスマスを明日に控え、とうとうクリスマス・イブを迎えた今日。

ついに、作戦を決行する時がやって来ました。

少年「ご馳走さまでした!それじゃあ、ぼくはもう寝るね!おやすみなさい!」

父「おう!ちゃんと歯を磨くんだぞ!」

母「ちゃんとあったかくして寝なさいね?」

クリスマス・イブのご馳走を平らげ、足早に自室へ向かう少年を、両親は微笑ましく見送りました。

何を隠そう、少年は既に入浴を済ませており、あとは歯を磨いて寝るだけに準備を整えていました。

まるで早く寝れば、それだけ早くサンタが来てくれると思っているかのような、そんな少年の態度に、父も母も温かな気持ちになりました。

しかし、両親は気づいていません。

この日、少年が大きな隠し事をしていることを。

少年「ごめんね、おまたせ」

不良「……ふんっ」

少年が自室に戻ると、ベッドの中に隠れていた不良がモゾモゾと顔を覗かせました。

不良は自分の家で入浴を済ませており、少年が夕食を食べている間に、持参した寝巻きに着替え終えていました。

少年「へぇ~……可愛いパジャマだね」

ピンクの水玉柄で、モコモコした生地の、フード付きその寝巻きがなんとも可愛らしくて、少年は思わず頬が緩んでしまいます。

もちろん、そんな不埒な態度は不良が許す筈もなく。

不良「なに笑ってんのよっ!エッチ!」

枕元の目覚まし時計が飛んで来て、少年を脅かしました。

そんな一悶着もありつつ、夜は更け、途中トイレに行くふりをして、ご馳走の残りやケーキの残りを部屋に持ち帰り、お腹を空かせた不良にそれらをご馳走しました。

少年の母親の料理に、何故か不良は対抗心を露わにして。

不良「こっちは私のほうが上手く作れる。だけど、こっちは……悔しいけど私より美味しい」

そんなことをブツブツ呟いていました。

なら、今度不良の手料理を食べてみたいと、そう具申してみたのですが……返事はげんこつでした。

でも、頭を抑えてうずくまる少年に、不良はボソッと付け加えます。

不良「……今度、ね」

そうやって過ごしていると、瞬く間に時は流れ、少年達は両親に怪しまれないように部屋の明かりを消し、一緒にベッドに入り、襲いかかる睡魔と懸命に戦うことになりました。

まだまだ幼い2人には、日付が変わるまで眠らないということは、あまりに過酷でした。

しかし、ここで眠っては、真実は解明出来ません。

少年の計画は単純です。

毎年サンタがやってくる少年の家に不良を宿泊させることで、不良にサンタを会わせ、そしてあわよくばプレゼントも貰おうと、そう画策していました。

もしかしたらサンタは、素行に難ありの不良のプレゼントは用意していないかも知れません。

ですが、そんな表面上の理由で『良い子』か『悪い子』かを判断しているならば、それこそサンタは何もわかっていません。

少年は知っています。

不良の日々の善行の積み重ねを。

少年は知りました。

不良は『不良』などではなく、少し目つきの悪い、誤解されがちな『可愛い少女』だと。

少年「大丈夫。ぼくが必ずサンタに会わせて、プレゼントをくれるように頼むから」

少女「……ん。……ありがとう」

それからしばらくして、少年達の睡魔が限界に達する、その直前に……

すすすっと、音もなく、少年の部屋の扉が開きました。

来た!

サンタは今年も来てくれた。

その事に、そしてサンタと出くわした事に、この上ない感動と興奮、そして緊張となって、息を潜めて寝たふりをする2人に駆け巡ります。

同時に罪悪感も生まれました。

寝たふりをして、サンタを騙している思うと、なんとも居た堪れない気持ちになりました。

だけど、見極めなくてはなりません。

サンタが、少年が思い描く、理想の人物なのかどうかを。

サンタ「……メリー・クリスマス」

少年を起こさないよう、忍び足でこちらにやってきたサンタは、どこか父親に似ている声でそう呟き、枕元にプレゼントを置こうとして……不意に首を傾げました。

サンタ「……ん?」

少年の傍には、1人の少女の姿が。

薄目を開けると、どうやらサンタは困惑しているようです。

そしてその手に抱えるのは、たった1つだけのプレゼント。

なんで……どうしてっ!

その悲しい現実をその目でしかと見てしまった少年は、堪らず寝たふりをやめ、驚愕の表情を浮かべるサンタを弾劾します。

少年「どうしてこの子の分のプレゼントも持って来てくれなかったのさ!?」

サンタ「そ、そんなことを言われても……」

突如起き上がり、吠えた少年に、サンタは狼狽え、しどろもどろになりました。

顔は暗くて良く見えませんが、赤い服と白い髭をたっぷりと口元に生やしているので、この人はサンタに違いありません。

夢にまで見たサンタが、こうも取り乱している様子を見て、少年は失望しました。

サンタは自分の思い描いていた聖人などではなかった。

その事を、冷静に受け入れるしかありませんでした。

少年「……帰ってよ」

サンタ「……えっ?」

震える声でそれだけ絞り出すと、サンタはますます困ったような素ぶりを見せました。

サンタ「ま、待ってくれ。お友達がいるなんて知らなかったんだ。ほ、ほら、プレゼントだぞ。ちゃんと欲しいって言った物をこうして用意して……」

少年「いらないよっ!そんなの!!」

怒りに駆られた少年は、サンタの手からプレゼントをはたき落としました。

その衝撃で梱包紙が破れ、そこには少年が欲しくて堪らなかった戦隊モノのロボットの箱が現れました。

しかし、そんな物、もはや何の価値もありません。

傍でまたしても悲痛そうな表情を浮かべる少女を差し置いて、自分だけがプレゼントを貰うことなど、出来る筈もありませんでした。

サンタ「そ、そんなことを言われても……」

突如起き上がり、吠えた少年に、サンタは狼狽え、しどろもどろになりました。

顔は暗くて良く見えませんが、赤い服と白い髭をたっぷりと口元に生やしているので、この人はサンタに違いありません。

夢にまで見たサンタが、こうも取り乱している様子を見て、少年は失望しました。

サンタは自分の思い描いていた聖人などではなかった。

その事を、冷静に受け入れるしかありませんでした。

少年「……帰ってよ」

サンタ「……えっ?」

震える声でそれだけ絞り出すと、サンタはますます困ったような素ぶりを見せました。

サンタ「ま、待ってくれ。お友達がいるなんて知らなかったんだ。ほ、ほら、プレゼントだぞ。ちゃんと欲しいって言った物をこうして用意して……」

少年「いらないよっ!そんなの!!」

怒りに駆られた少年は、サンタの手からプレゼントをはたき落としました。

その衝撃で梱包紙が破れ、そこには少年が欲しくて堪らなかった戦隊モノのロボットの箱が現れました。

しかし、そんな物、もはや何の価値もありません。

傍でまたしても悲痛そうな表情を浮かべる少女を差し置いて、自分だけがプレゼントを貰うことなど、出来る筈もありませんでした。

連投してしまいすみません。
続きです……

サンタ「おいっ!いい加減にしろ!誰の為を思ってプレゼントを用意したと思っているんだ!!」

ここでとうとうサンタがキレました。

その怒声が、怒った時の父親そっくりで、思わず身体が竦んでしまいます。

わざわざ用意したプレゼントを台無しにされたのですから、サンタが怒るのも無理はありません。

すっかり意気消沈した少年を庇ったのは、傍で悲痛そうな表情を浮かべていた、元不良の少女でした。

少女「彼を怒らないであげて!私が勝手に布団に潜り込んだのが悪いってことはわかってる。だから、彼を許してあげてっ!!」

両手を広げて、背に少年を庇う少女の剣幕に、堪らずサンタはたじろぎます。

少女の優しさに、少年はいたく感動しましたが、このままでは良くないと直感的に感じました。

女の子に庇われているだけなど、男が廃る。

意を決して、竦む身体に鞭を打ち、ベッドから降り、今度は自分が少女を守るべく、サンタと正面から対峙しました。

少年「どうしてサンタさんは彼女にプレゼントをくれないんですか?」

先ほどの反省を生かし、今度は努めて冷静にサンタに問いかけます。

売り言葉に買い言葉では、真実は究明出来ません。

煮えたぎる怒りをどうにか抑えつけ、また1つ大人になった少年は、サンタとの建設的な会話を模索します。

それに対してサンタは……

サンタ「……この家に子どもは1人だと思ったんだ。だから、お友達の分は用意出来なかった」

そう主張しました、

確かに、それは当然の主張です。

魔法の力を持つと言われるサンタでも、ベッドの中にもう1人子どもが隠れていることまでは、わからなかったようです。

その件に関しては、少年にも非があります。

少女を布団の中に隠していたのは少年であり、ともすればサンタを騙した、と言っても過言ではありません。

しかし、それは今回に限って、の話です。

これまでのサンタの行いについて、少年はサンタを追求することにしました。

少年「じゃあどうして……サンタさんは、一度も彼女のところに来てくれなかったの?」

サンタ「い、一度も……?そ、それは本当なのかい?」

その少年の詰問にこれまでで一番狼狽えたサンタは、びっくりしたように少女に尋ねます。

それに対して少女は、まるで親の仇を見るかのようにサンタを睨みつけ、こくりと、小さく頷きました。

それを受け、サンタは頭を抱えます。

サンタ「なんてこった……可哀想になぁ」

まるで少女の境遇を今初めて知ったかのような、そんなサンタの仕草に、少年達は揃って違和感を覚えます。

どういうことだろう?

世界中の子ども達にプレゼントを配るサンタが、何故そのことを知らないのか。

もしかしたら、サンタという存在は複数人いて、このサンタは少女の担当ではないのだろうか?

そんな疑念が次々浮かびますが、少年がその事を問いただす前に、サンタは立ち上がり、そしておもむろに少年達の頭をくしゃりと撫でました。

サンタ「ごめんなぁ。そういう事情があったとは知らずに……怒鳴っちまって、本当にごめんなぁ」

サンタは何度も少年達に謝り、そして床に落ちたプレゼントを拾うと、肩を落として帰って行きました。

頭を撫でるその手のひらの感触が、やはり父親のそれとそっくりなのが、妙に印象的でした。

少年「……帰っちゃったね」

少女「……うん」

サンタが帰り、再び部屋は深夜の静寂に包まれました。

呆然としていると、ふいに、少女が少年の手を握って、呟きます。

少女「ぐすっ……ご、ごめんね……ごめんね」

少女は泣いていました。

嗚咽混じりのその呟きに含まれる、様々な悲しみや、そして失望に、少年はカッと頭が熱くなり、少女を抱きしめます。

少女「えっ?……えっ?」

びっくりしたような少女には構わず、少年は抱きしめる力を強めます。

力いっぱい少女を抱きしめながら、少年は悲しくて、悔しくて、どうしようもなく切なくなりました。

少年「ぼくの方こそ、ごめん。……サンタは君にプレゼントをくれなかった。本当にごめんね」

そんな少年の優しさに触れ、とうとう少女は大泣きしてしまいます。

少女「ぐすっ……うわぁあああん!」

少年が余計なことをした為に、少女を傷つけてしまった。

それが言いようのないほど申し訳なくて、ついには少年も泣き出してしまいました。

少年「うわぁぁあん!うわぁぁあああん!」

情けない。

本当に情けないと思いながらも、次々溢れ落ちる涙は止まることはありませんでした。

2人は幼児に戻ったかのように大泣きして、そして、とうとう泣き疲れて眠りにつきました。

翌朝。

少女「……ぷっ。酷い顔」

少年「……そっちこそ」

抱き合うようにして布団の中で丸まり、眠ってしまった少年達は、どちらからともなく目覚め、お互いの泣き腫れた酷い顔を見て、笑い合いました。

あれほど悲しい思いをして眠ったのに、朝起きてみると思いの外、スッキリしていて、悲しみはどこかに吹き飛んでしまったようです。

改めて枕元を見ると、やはりそこにはプレゼントはありませんでした。

しかし、ちっとも悲しくはありません。

涙というのは不思議な物だと、漠然とそう考えていると、ダイニングから母親の声が響きます。

母「ご飯出来たわよ~!」

少年「はーい!」

その呼びかけに元気良く返事をして、少女に、待ってて、と声をかけ、少年は朝食を摂るべく、自室を出ました。

ダイニングでは既に両親が席についていて、父も母も少年の泣き腫れた顔については言及してくれなかったので、助かりました。

そんなこんなで、何事もなく朝食を食べ終え、自室に戻ろうとする少年だったのですが……思いがけず、待ったがかかりました。

父「あー……ちょっと待ちなさい」

待ったをかけたのは父。

やはり、この泣き腫らした顔が気になるのだろうか?

困ったな。

それを聞かれた際に、どう答えたものか。

少年が身構えていると、父親はおほんっと1つ、咳払いをして、予期せぬことを訪ねました。

父「あー……えーとだな……そうだ、クリスマスプレゼントは貰ったのか?」

その質問に少年の心はすぅっと冷えて、昨日の怒りが込み上げてきました。

しかし、父親にそれをぶつけてもどうしようもありません。

なので、少年は必要最低限の返答をするに留めました。

少年「今年は貰えなかった。でも、いいんだ。プレゼントなんて、いらないから」

父「そ、そうか……」

その返答を聞いて、明らかに落胆する父。

そんな様子のおかしい父に、訝しむ視線を送ると……

母「ほら、あなた!しっかりしてっ!」

父「お、おぅ。わかってるよ」

何やら母に叱責され、父は背筋を伸ばし、そしておもむろに財布から一枚の紙幣を抜き取り、そしてそれを少年へと差し出しました。

意味が分からず、少年が困惑していると、父は目を逸らしながら、こんな説明をします。

父「クリスマスプレゼントを貰えなかった代わりに小遣いをやる。これで、好きな物を買いなさい」

そう言われて、ようやく少年は納得しました。

なんて……なんて優しい父なのでしょう。

昨夜現れたサンタなどよりも、少年の父親はずっとずっと優しい存在でした。

少年「父さん、ありがとう!」

お礼を言って紙幣を受け取ると、なんとそれは1万円札でした。

そのことに気づいた少年は、慌てて突き返します。

少年「こ、こんなにたくさん貰えないよっ!?」

1万円と言えば大金です。

小学生に扱える金額ではありません。

そんな大金を受け取ってしまった少年は慌てふためき、困ってしまいました。

そんな少年に、父は諭すようにこう言いました。

父「何も1人で使い切れと言ってるわけじゃない。そうだな……もし、誰かにプレゼントをあげたければ、その子の分もそれで買えばいい。それなら、金額的にも丁度いいだろう?」

なんと素晴らしいアイディアでしょう!

少年「わかった!そうするよ!ありがとう父さん!!」

感謝の言葉を口に出しつつ、少年は目から鱗が落ちる気持ちを味わいました。

言っては失礼ですが、少年はここまで冴えた父を見るのは初めてでした。

もちろんこれまでも父は、時には厳しく、時には優しく少年に接してくれる、良い父親だったのですが、ここに来てこれほどまでに冴えた父を見ることになるとは思いもしませんでした。

少年のキラキラとした尊敬の眼差しを一身に受け、父は満更でもない表情でキメ顔を作ります。

父「どうだ!父さんは凄いだろう!」

そんな大威張りな父親の様子を見て、母親がボソッと付け加えます。

母「ま、私のアイディアなんですけどね」

父「ちょっ!?」

父さん……。

尊敬の眼差しから一転、失望の眼差しに変わった少年は、それでも心優しい父と、知性に溢れた素晴らしい母に改めて感謝の言葉を告げ、1万円を握りしめ、足早に自室へと戻りました。

少年「すぐ出かけるから支度して!」

少女「ど、どうしたの?そんなに慌てて……」

息急き切って部屋に戻り、支度を急がせる少年の様子に少女は困惑しました。

そんな少女の眼前に、少年は先ほど貰った1万円を突き出し、宣言します。

少年「これでぼくが君のサンタになる!これからずっと、ぼくがサンタの代わりに君にプレゼントをあげるよ!」

突き出された1万円を見つめていた少女はその宣言を聞いて、ようやく困惑顔を崩して、にっこり微笑み……

少女「うんっ!ありがとう!」

大きく頷いて、少年の提案を受け入れました。

少女の支度が整った後、少年は両親に見つかることがないように慎重に家から少女を出しました。

少女が無事玄関から脱出したことを見届け、少年もその後に続いて外に出ようとしたその時。

母「あら、もう行くの?」

今度は母に引き止められました。

少年「うん!行ってくるね!」

母「そう。それじゃあ、気をつけて。ほら、これ、お弁当」

お弁当?

少年の家からおもちゃが売っているデパートまでは然程距離はありません。

そもそも、先ほど朝食を食べたばかりです。

それなのに、どうして?

困惑している少年の手に、母親はしっかりお弁当を握らせました。

母「途中でお腹が空いちゃいかも知れないから、一応持っていきなさい。それと……」

そこで母親は一旦言葉を止めて……

母「女の子は大切にしなさいね?」

いたずらっぽい笑みで、少年を送り出したのでした。

玄関から外に出ると、そこは一面雪景色でした。

まさに、ホワイト・クリスマス。

そんな銀世界に1人の少女が佇んでいて、少年の目には彼女はまるで天使のように映りました。

少年「……ふげっ!?」

そんな風に見とれていると、少年の顔面に、冷たい感触と共に衝撃が走ります。

慌てて我に返ると、そこには投球を終えた姿勢の天使……いや、少女の姿がありました。

どうやら少年は彼女に雪玉をぶつけられてしまったようです。

にしし、と笑い、次の雪玉を作る彼女は……なるほど、天使などではなく、いつもの不良の彼女に戻ったようでした。

間も無く少年も応戦し、雪まみれになりながらも手を繋いで互いの冷えた手を温め合い、途中公園に立ち寄り、母親が持たせてくれたお弁当を少女に食べさせ、そしてデパートへと辿り着きました。

このクリスマスのことを、そして少年からプレゼントを受け取った嬉しそうな少女の笑顔を、一生忘れることはないでしょう。

とても、素晴らしいクリスマスでした。

その後。

少年は律儀に少女との約束を守り、毎年欠かさずにプレゼントを贈りました。

小学校を卒業し、中学、高校も卒業し、大学生を経て、いつしか社会人になってもそれは変わりませんでした。

しかし、変わらないと言っても、元不良の少女……今となっては立派な大人の女性との関係性だけは、年を重ねるにつれて変わっていきました。

小・中学校までは友人として。

高校・大学には恋人として。

成人した少女と、同じく成人した少年との距離はだんだんと、そしてゆっくりと近づいていきました。

そして、今日。

大・少年「結婚してください!」

何度目かもわからない程、積み重ねたクリスマスプレゼントの果てに、とうとう大人になった少年は婚約指輪を差し出しました。

大・少女「はいっ!よろこんで!」

委細迷いなく、それを受け取ったすっかり大人になった少女は、晴れて大人になった少年と結ばれました。

エピローグ

数年の結婚生活を経て、彼らは子供を授かりました。

彼らの子供はスクスクと成長し、あっという間に小学生になりました。

この頃には、彼らの子供は母から受け継いだ気の強い性格と、父から受け継いだ聡明な頭脳によって、言ってはなんですが、手のかかる子供になってしまいました。

しかし、手のかかる子供ほど、可愛いもの。

父親になった元少年と、母親になった元少女は愛情たっぷりに育てていました。

しかし、残念なことにサンタはあれ以降姿を見せることはなく、彼らの子供の元にも現れてはくれませんでした。

なので、これまで彼らがサンタを装って毎年子供にプレゼントをあげていたのですが……

子供「お父さん!お母さん!聞いて!あのね……」

ある日、彼らの子供は学校で悪さをして、担任の先生に叱られた際、こう言われたそうです。

子供「良い子にしか、サンタさんは来てくれないんだって!」


FIN

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