少女「…………………気持ち悪い」(284)
少女「……」
生徒「お菓子食べる人ー!!」
生徒「はーい!!」
少女「……」
少年「サヨナラ……俺達の故郷!」
友「あははは!!ただの修学旅行じゃん!」
少年「バーカ、それでも離れることにはかわりねえだろ?」
友「はぁ……バスで3時間か。色んな風景を見れたらいいな」
少年「だな」
少女「………うぷ」
教師「気分が悪くなったらすぐに言えよー」
「「はーい」」
教師「じゃあ、お願いします」
バスガイド「はい。―――みなさん、おはようございます」
「「おはようございます」」
バスガイド「今日はお天気になってよかったですね。絶好の修学旅行日和です」
少女「………」
バスガイド「えー、それでは諸注意を。走行中は急停車することがありますので立ち上がらないように」
バスガイド「それから窓を開けるときは必ず先生か私に言ってください」
「「はーい」」
バスガイド「気分が悪くなった時は無理せず近くの人に言ってください」
バスガイド「それではみなさん。短い間ですがよろしくおねがいします」
「「おねがいしまーす」」
少女「………うぅ……」
少年「質問いいですかー?」
バスガイド「どーぞ」
少年「ガイドさんって結婚してるんですか?」
バスガイド「まだなんですよねー」
友「じゃあ、俺としてください!」
バスガイド「あと三年したらかんがえてあげまーす」
少女「………うっ……」
少年「ん?」
少女「……すぅ……はぁ……」
少年「おい。大丈夫か?」
少女「……うん」
少年「……そっか」
―――出発から10分経過
少女「………」
女子「あ、音楽流してもいいですかー?」
バスガイド「はーい」
女子「これ、前にまわして」
生徒「おっけー」
少年「あ、おまえん家じゃん」
友「ほんとだー」
少女「………うぷ」
少年「おい」
少女「……なによ」
少年「顔色すげえわるいぞ?」
少女「気の所為」
少年「そ、そうか?」
―――20分経過
少女(吐きそう)
少年「いっせーので、にっ!」
友「いっせーので、いちっ!」
少女「………ねえ」
少年「―――だああぁあ!!負けたぁぁ!!」
友「よっしゃあ!!はい、このうまい棒は俺のな」
少年「もう一回だ!!」
少女「………ぅぇ……」
少年「よーし、次はまけねえ」
友「こいや!」
少女(やばい)
―――22分経過
少女「はぁ……はぁ……」
少年「ちくしょう!!」
友「お前、よわすぎ」
少年「うっせえなぁ」
バスガイド「はーい、みなさん。そろそろ高速道路に入ります。予定では15分後にサービスエリアでトイレ休憩になります」
少女(15分……)
少年「なんか、やることなくなったな」
友「トランプでもしようぜ」
少年「二人はなぁ。あ、おい」
少女「……なに?」
少年「トランプしようぜ?」
少女「……」
少女(気がまぎれるかな?)
少女「……うん」
少年「ほい。お前の分」
少女「……」
友「じゃあ、おれからいくぜー?」
少年「くくく、右端がおすすめだ」
友「くくく、ならば俺はあえて真ん中にしよう」
少女(……やばい……トランプの絵柄みてたら加速した)
少女「………」
少年「よし」
友「ジョーカー……」
少年「はい。次だ」
少女「…………………」
少年「ん?どした?」
少女「……………………とって」
少年「おう……これにしよかな?」
少女「はぁ……はぁ……ち、ちがう……それ、じゃない……」
少年「違う?バーカ、そんな手に引っ掛かるか」
少女「ち、がうのぉ……そ、れじゃ……ない」
少年「はぁ?」
少女「……ふ、ふくろ……」
少年「袋?」
少女「はぁ……はぁ……」
少年「お前、吐きそうなのか?」
少女「…………ち、がう……でも……ふくろ……いる」
少年「おいおい」
少女「……………」
少年「せんせ―――」
少女「………!!」
ガシッ!!
少年「な、なんだよ?!」
少女「……い、いわ、ないで……」
少年「いや、言わなきゃだめだろ」
少女「はぁ……はぁ……」
友「恥ずかしいんじゃねーの?」
少年「いや、でも……」
少女「………は、吐くなら、誰にも迷惑……かけないように……吐く」
少年「臭いとかでばれるって」
友「音もすごいだろうしな」
少女「……………」
少年「と、とりあえず袋」
友「お、おう……はい」
少女「………あ、りが……うぅっ!?」
少年「おい」
少女「…………だい、じょ、ぶ」
友「……」
⌒ ヾ 、ミ川川川彡
r/ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ、 ヽ ミ 彡
/. ノ( (゚ッ)/  ̄ ̄~ヽ ヾ 三 こ 駄 三
/ ⌒ ト、.,.. \丶。 三 ら め 三
彳、_ | ∴\ ヽ 三. え だ 三
| ) r‐ / ノ( \\ |∴ 三 る 三
| ⌒|⌒ ヽ ヽ | 。o 三. ん ま 三
ノ( / | | / 三. だ だ 三,.
.⌒ / ヽ|/゙U 三 吐 三
/ u 三. く 三
三 な 三
彡 ミ
彡川川川ミ.
少年「おい、袋は持っとけよ?」
少女「………うん」
友「(なあ、先生に言った方がいいぞ、これ)」
少年「(だな。隣で吐かれたら嫌だし)」
友「(なぁなぁ)」
生徒「なんじゃらほい?」
友「(あいつ、吐きそうなんだけど先生に伝えてくれないか?こっそり)」
生徒「(なんでこっそり?)」
友「(恥ずかしいみたいだ)」
生徒「(了解)」
少年「背中さすってやろうか?」
少女「…………おねがい」
少年「―――どうだ?」
少女「……ちょっと楽に……うぅっ!?」
少年(効果なしか)
友「……」
少女「はぁー……はぁー……」
少年「窓あけようぜ」
少女「……だめ……排気ガス臭い」
少年「……あ、そう」
少女「………うぷ……」
少年「袋に顔をもっていっとけよ」
少女「……ふ、ふくろ、の、な、かみてると……よけいに……吐き気が……」
友(おせえ。先生、はやくこいよ)
友「(おい)」
生徒「んあ?」
友「(ちゃんと伝えたのかよ?)」
生徒「(なんかどっかでとまってるんじゃね?)」
友「(誰が止めたんだよ!?)」
生徒「(しるかよ)」
少女「………あ、と、どれくらい?」
少年「なにが?」
少女「…………きゅう、けい」
少年「えっと、あと10分だな」
少女「…………………ぉおぉ」
少年「やべえ」
おっさん「ぶひいいいいいいいい!」
少女「…………………気持ち悪い」
こうかと思ったのに
少年「やっぱり先生を呼ぼうぜ?な?」
少女「はぁ……はぁ……はぁ……」
少年「呼ぶぞ?いいな?」
少女「…………ねえ……」
少年「なんだ?」
少女「ぉえ………はい、たら……ら、くになれる……?」
少年「やめろよ」
少女「……ご、め……ぉぷぇ」
少年「……背中さすってやるよ」
友「(おい、もう一回伝えてくれ)」
生徒「(お、おう)」
少年「あ、そうだ。外みとけ。できるだけ遠くをみると良いって聞いたことがある」
少女「う、……ん……うぉぅぅ……」
少年「酔う前じゃないと意味ないのか……」
友「(どうだ?)」
生徒「(あー分かった。前の女子がつたえてねえわ)」
友「(はぁ!?)」
生徒「(なんか聞こえてないふりしてるっぽい)」
友「(何考えてんだ、あのやろう)」
少年「上みとけば?」
少女「………そん、な、元気も、ない」
少年「………」
少女「………ぅ」
少女「はぁぁ……すぅぅ……はぁぁ……うぅぇ」
少年(もういつ爆発してもおかしくないな……)
少女「……はぁ……うぅ……はぁ……」
少年「お前、バス弱かったのか?」
少女「……に、おい……む、り……」
少年「そ、そうか」
少女「……の、った……とき、うぅぉっ……ぅぷ……」
少年「いや、無理して喋るな。悪い」
友「(おい、そいつをなんとかしろ)」
生徒「(無理だよ。俺からじゃ遠いし)」
友「(近くの奴は?)」
生徒「(わかんねえけど、あいつらも聞こえないふりしてる感じだな)」
友「(どうなってんだよ!?)」
バスガイド「はーい。みなさん、そろそろサービスエリアに到着しまーす」
少女「……!?」
少年「お!予定より早い!!やったな!!」
少女「う、うん……おぉ」
少年「あ、ゆ、油断はするな?」
少女「………」
友「……」
少年「背中、さすろうか?」
少女「……おね、うぅぷ……し、ます」
少年「お、おう」
友「(なあ、休憩中に先生に言おうぜ)」
少年「(だな)」
―――サービスエリア
バスガイド「それでは10分間の休憩となります。ここから次の休憩までは1時間以上かかりますので、お手洗いにはなるべくいっておいてください」
「「はーい」」
教師「じゃあ、休憩だ。遅れずに戻ってこいよー」
少年「おい、立てるか?」
少女「う、うん……ありが、とう……」
友「ちょっと、先に降ろしてくれー」
教師「ん?おい、どうかしたのか?」
少年「あ、それが……」
少女「……っ!!」
ガシッ!!
少年「え……?」
少女「お、おしっこ……がまん、してて……」
教師「そ、そうか……早くいってこい」
少年「おい、何言ってんだよ」
―――駐車場
少女「はぁぁ……」
少年「おい、平気か?」
少女「うん、少しだけ気分、よくなった」
友「でも、言った方が良いと思うけど?」
少年「そうだな。先生の近くなら水とか貰えるし」
少女「……いや……だって」
少年「なんだよ?」
少女「そうなると……ずっと、前の席に座らないと……だめでしょ?」
少年「そりゃそうだけど」
友「………はぁ」
少女「……」
少年「それが嫌なのか?」
少女「……う、うん」
女子「あ、いたいたー!!」
少年「ん?」
女子「ねえねえ、座席かわってくれない?」
少女「え……?」
女子友「かわってあげなよー。どうせ先生もみてないしさー」
少女「……そ、れは」
友「やめろ」
女子「なに?」
友「……」
少年「おい、どうしたんだ?」
友「お前ら、どういうつもりだ?」
女子友「なにが?」
女子「意味分かんないんですけど?」
少女「え……え……?」
友「……」
少年「おい、どうしたんだよ?」
教師「おーい、あと五分だぞー!!」
女子「ねえ、代わってよ」
少女「……い、いや……」
少年「座席は話し合いで決まっただろ?文句言うなよ」
女子「だって、ねえ?」
女子友「隣の席にすわりたんだってー」
女子「もう、やめてよぉ!」
少年「はあ?仲のいいやつと隣になるほうがいいじゃん」
女子「だからじゃん」
少年「いや……」
少女「……」
友「お前らがくるとうるさいから俺はやだな」
女子「はぁ?あんたにはいってないし」
少年「とりあえずそろそろ戻るか」
友「だな」
少女「……」
女子「―――なによ、あの子」
女子友「マジでむかつくよね。あの子の隣、強引に取った癖に」
女子「……まあ、いいか。あの子をあの席から移動させるなんて簡単だもんね」
女子友「あ、そっか。あの子、ゲロしそうなんだっけ?」
女子「そうそう。それを先生に伝えれば一発じゃん」
女子友「あははは。それ、いーね」
少年「とりあえず窓は開けとこうな?」
少女「でも、排気ガス……」
友「外の風にあたってるほうがいいって」
少女「……うん」
―――バス車内
バスガイド「みなさん、そろってますかー?」
「「はーい」」
教師「おーし、点呼すっからちゃんと座ってろよー」
少年「大丈夫か?」
少女「ま、まだ……なんとも」
少年「でも、匂いでダメなんだろ?」
少女「うん……」
教師「うん。全員いるな。大丈夫です。出発し―――」
女子「先生!!」
教師「なんだ?」
女子「後ろの人が吐きそうになってまーす」
少女「……っ!?」
少年「え?」
友「……あの野郎」
教師「そうなのか?」
少女「あ……あの……」
少年「実は―――」
友「すい、ません……マジで、やばいっす」
少年「?!!?」
教師「そうか。じゃあ、前に行こうな」
少年「お、おい……」
友「(ちゃんと世話してやれよ?)」
少年「はぁ……?」
少女「……」
女子「なに、あいつ……」
女子友「きしょ……」
バスガイド「では、出発しまーす」
―――5分後
少女「…………」
少年「早速だな、おい」
少女「……ふ、く……」
少年「ああ、袋な」
少女「……うぅ……ぇ……」
少年「こりゃ、ぜったいに持たないな……」
女子「せんせー!!」
教師「どしたー?」
女子「後ろのあの子も気分悪いみたいですよー?」
少女「……っ!?―――おぉぉ」
少年「おい。大丈夫か?」
教師「わかった。ちょっと待て。すぐにいく」
少年「もう無理するなって。辛いだけだぞ?吐いた方が恥ずかしいだろうし」
少女「……ち、が……うぅ……うぷ……」
教師「ほら、立てるか?」
少女「あ……ぅ……」
少年「なんだ?」
少女「………」
女子「せんせー、後ろ空いたみたいだから移動してもいいですか?」
教師「あー?まあ、いいけど?」
女子友「やっほー!!」
女子「いどうっいどうっ♪」
教師「ほら、前の席なら水もあるから」
少女「は、はい……うぅ……ぇ……」
女子「よっと!えへへー」
少年「なんだよ?」
女子「何して遊ぶ?」
少年「いや、なんでもいいけど……」
女子「じゃあ、トランプでもしよっか。負けた方が勝った方の言うことをなんでも聞くことにしてさ」
少女「……うぅ……ぷぉ」
友「―――やろう」
教師「まさか、1時間足らずで二人も体調不良者がでたか」
バスガイド「大丈夫?」
少女「…………………」
バスガイド「この子は、相当ですね」
教師「ええ。水、飲むか?」
少女「は、うぅおぉぇ………」
友「はぁ……」
少年「―――これ。な!?ババかよ……」
女子「じゃあ、これっと!!」
少年「あ……」
女子「やったー!!私のかちー♪」
少年「あーあ……」
女子「じゃあ、なんでも言うこときいてね?……ふふふ」
友「……」
教師「酔い止めは飲んだか?」
少女「い、いえ……」
バスガイド「あの……君は大丈夫なの?」
友「え……あ、はい……」
教師「なんだ?水を飲みたくて前に来たのか?」
友「いやぁ……そういうわけじゃあ……」
バスガイド「ふふ。私の近くにきたかったのかな?」
友「そ、そんなことありませんよ!!」
少女「……ぅ」
少年「はいはい、なんでも言えよ」
女子「じゃあ、夜私たちの部屋に来てくれない?」
少年「なんで?」
女子「……いいじゃん」
少年「いや、よくねーよ」
少女「……ふぅぉっ……!?」
友「あ!?大丈夫か!?」
バスガイド「袋を口にあてて」
少女「ふぅ……ふぅ……」
友「……はぁ……大丈夫か」
バスガイド「背中、さすってあげるね?」
少女「は、うぅ……ふぅ……はぁ……はぁ……」
バスガイド「車に弱いの?」
少女「……は、い」
バスガイド「もしかして、結構我慢してた?」
少女「………」
バスガイド「もう、すぐに言ってくれてないと」
少女「す、いません……おぉっぷ……!?」
友「うわぁぁ……もう限界か……?」
女子「大丈夫。みんなで口裏あわせるから」
少年「いやいや、何するんだよ」
女子「なにって、一つしかないじゃん?」
少年「まくら投げか?」
女子「違う」
少年「なんだよ、言えよ」
女子「……気持ちいいことにきまってるじゃん」
少年「はぁ?」
女子「ねえ、いいでしょう?」
少年「いや、だから……」
少女「はぁ……はぁ……すぅぅ……はぁぁ……」
バスガイド「吐いた方が楽になるよ?」
少女「だ、だいじょう……ぶ、です」
友「先生、ちょっといいですか?」
教師「どうした?」
女子「ねえねえ」
少年「別に俺は気持ちよくなんかなりたくねえし」
女子「そんなこといってぇ」
少年(なんだこいつ、うぜえ)
教師「おーい!!」
生徒「おい、呼んでるぜ?」
少年「え?はーい!」
教師「こいつが、お前に来てほしいらしいぞー」
友「せ、背中さすってくれー……うぅっぷ……」
少年「………」
女子「アイツ、仮病でしょ?ほっとこうよ」
少年「……しゃーねーなぁ。今行くから待ってろー!」
友「たのむー……」
女子「な……!?」
教師「おまえら、仲良いな!」
少年「で、何の用だよ?」
友「背中……さすってくれぇ……」
少年「はいはい」
少女「……ぁ……」
バスガイド「へえ、仲良しさんなんですか?」
教師「いっつも一緒にいるよな、お前ら」
少年「まあ、家が隣だし」
友「親友です」
バスガイド「へえ、羨ましい」
少年「正直、助かったぜ。あいつがすげーうぜえんだ」
友「だろ?」
少女「……うぅっぷ……ぅぉおぉ……!?」
少年「おいおい、平気か?」
少女「……む、り……」
バスガイド「袋、口にあててなきゃ」
女子「……むかつく」
女子友「ねえねえ、あんたも気分悪いふりしたら?そしたらもう……」
女子「そうねえ……どっちもむかつくし……でも、すぐにいったら変だから、ちょっと時間おいてみる」
少年「お前、もう吐けよ」
少女「………」
バスガイド「そうだよ?」
友「楽になるって」
教師「次の休憩までまだまだだしな」
少女「……い、いいの……?」
少年「いや、なんのために前に来たんだよ?」
少女「………………ふ……ぅぅ………」
友「あ、目そらせよう」
少年「見ないようにすっから、ごゆっくり」
少女「……………………うっ……………うぉ………うろろろぉっ!!」
―――ビチャビチャビチャ!!!
少年(うわぁ……不快音……)
友(気分悪くなりそう……)
少女「はぁ……はぁ……うろぉろっ!!」
バスガイド「全部、出し切った方がいいからね?」
少女「ふぅ……ふぅ……うっ!?―――うっろろっ!!」
教師「次の休憩のときに酔い止めを用意してもらえますか?」
バスガイド「あ、はい。わかりました」
少女「はぁ……はぁ……はぁ……」
少年「……楽になったか?」
少女「………う、うん」
少年「唇に吐いたもんがついてるぞ」
少女「ご、ごめ……うふぅ!?……ごぶぅろろっ!!」
―――ビチャビチャビチャ!!
少女「はぁ……はぁ……はぁ……」
少年「どうだ?」
少女「あ、あたまがぼぉっとしてる……」
少年「水、いるか?」
少女「あ、あの……あまり、近づかない方が……」
少年「なんで?」
少女「臭い……から……」
少年「気にしねえよ」
少女「……はぁ……はぁ……」
少年「ほら、水だ」
少女「あ、あり、がとう……」
少年「ゆっくり休んどけよ?まだ初日なんだから」
少女「う、ん……ごめんね?」
少年「はいはい」
バスガイド(いいなぁ……私もあんな子に優しくされたかったなぁ)
―――20分後
少女「すぅ……すぅ……」
友「寝たみたいだな」
少年「俺も寝るかな……朝、早かったし……ふわぁぁ」
友「そうだなぁ……俺も―――」
女子友「せんせー!!たいへんでーす!!」
教師「どうした!?」
女子友「気分悪いっていってまーす!!」
教師「またか!?」
バスガイド「このクラスの子はバスに弱いのかなぁ?」
友「(おい、嫌な予感しないか?)」
少年「(言うなよ)」
教師「ほら、大丈夫か?こっちに座れ」
女子「す、すいません……うっぷ」
少年(きたか……!!)
教師「じゃあ、お前は先生の横に座れ」
女子「あ、はい……ちっ」
少年「(前の席に座るのか)」
友「(ああ、よかったな)」
少女「すぅ……すぅ……」
女子「……あぁぁ」
少女「―――ふぐぅ!?!」
少年「お前!!なにそいつの上に倒れ込んでんだよ!!!」
女子「め、まい、よ……ごめんね?」
少女「い、いや……いい、よ」
女子「そう……」
少女「……ふぅ……ぅ……」
少年「おい、大丈夫か?」
少女「へ、へいき……」
友(ただでさえ体調が悪いっていうのに……!!)
女子(どうにかして隣にいきたいな……)
少年「……」
少女「はぁ……はぁ……ふぅ……」
バスガイド「また気分悪くなってきたの?」
少女「だ、だいじょうぶ……で、ぅっお!?」
友「……」
教師「お前も酔い止め飲むか?」
女子「い、いえ、そこまで気分悪くないですから」
教師「そうか?辛くなったら言えよ?」
女子「は、はい」
少年「(なあ……同じこと考えてる?)」
友「(ああ……多分な)」
少年「(俺、もうちょっと我慢できねえわ)」
友「(流石にあんなことされるとな……嫉妬でも可愛い嫉妬と可愛くない嫉妬があるわけで)」
少年「(嫉妬……?それはなんのことかわかんねえけど、とりえあず今はすげー腹立ってる)」
少女「ふぅ……ふぅ……」
バスガイド「大丈夫?」
少女「うぅ……はぁ……」
少年「おい、これ袋だ」
少女「あ、ありがとう……でも、もう出る物ないから……い、いらない……かも」
少年「いいから」
少女「う、うん?」
友「予備でこれもこれも、あとこっちのもあげる」
少女「こ、こんなにいらないよぉ……」
バスガイド「ちょっと、それは他の人の……」
少年「しーっ」
友「すいません、少しだけ協力してください」
バスガイド「え……?」
少女「な、に、するの?」
少年「いーから。いーから」
女子(チャンスがないなぁ……)
少年「よお、隣いいか?」
女子「え……!?うん!!いいよ!!座って座って!!」
教師「……」
少年「なんだ、元気そうだな」
女子「あ……す、すこし気分が悪いだけだし……」
友「(よぉし……)」
少年「まあ、無理するなよ?」
女子「うん」
友(おらおら)
女子「ん……?」
少年「どうかしたか?」
女子「ううん、別に」
女子(なんか少し揺れてるような……気の所為かな?)
友(ひゃっはー)
バスガイド「(女の子の座席を後ろから小刻みに揺らしてる……)」
少女「(はぁ……はぁ……な、んの意味が……?)」
少年「―――へえ、そうのか」
女子「うん、そうだよ。それでねー」
友(俺のテクで昇天させてやんぜ)
女子(うっ……なんだろう……ちょっと、気分が……)
少年「どうかしたか?」
女子「う、ううん……何でもないよ?」
友(汚物は消毒だ~)
少年「で、その話はどうなるんだよ?」
女子「そ、それでね……うっ……ぷ」
少年「ん?」
女子「ご、ごめん……ちょ、まって……うぅ……」
少女「あ……」
教師「どうした?」
女子「えと……その……」
少年「なんだ?」
友「なになにー??」
バスガイド「どうかしたのかな?」
女子「……うっ……!?い、や……あの……き、きぶんが……」
教師「水飲むか?」
女子「あ、はい……」
少年「あ、先生。俺のお茶のいいですよ。ちょっと待ってろ」
女子「え……い、いいの?」
友「優しいな、お前」
少年「まあな」
教師「お茶って……」
少年「―――ほら、飲め飲め」
女子「あ、ありがと……うぷっ……ゴク……ゴク……」
少女(いいなぁ……私もお茶、飲みたいなぁ……)
女子「ふう……ありがと」
友(再開)
少年「いいっていいって」
女子「優しいんだね?」
少年「まあ、男としては当然だろ?」
女子「ねえ、さっきの話なんだけどさ……」
少年「ああ、あれか……」
女子「かんがえて……うぅっ……ぉぉお……」
友(んががががががが)
女子「っは……ぉおっ!?」
少年「おい?顔色、悪いぞ?」
女子「ちょ……は、はき……そう……」
友「まじでー!?やばいじゃーん!!」
バスガイド「……ああ、そういうことか」
少女「あー……」
教師「おい、エチケット袋は?」
少年「え?もうないですよ?」
教師「そんなわけあるか」
友「だって、全部渡しちゃったし」
女子「え……?」
少女「……あ」
女子「ちょ……ひとつ、はぁ……ちょうだい……はぁ……」
少女「あ、う、うん―――」
少年「なら、ちゃんと言え」
女子「な、なにを……ううっ!」
少年「さっきはわざと倒れ込んでごめんなさい。もうしないから、エチケット袋をください。ってな」
少女「あ……あの……」
友「そうだぞ」
女子「……な、なんで……おぉえっ……」
友(もうちょっとやっとくか)
女子「せ、せんせいからも……なにか……」
教師「……まあ、謝った方がよくないか?」
女子「!?」
少年「早く言えよ。吐くぞ?」
女子「ぐっ……」
少女「あの……別にそこまでしなくても……」
少年「お前がよくても俺が良くない」
少女「え……?」
少年「……俺は……」
バスガイド(いいなぁ……私もこんな子に惚れられてみたかったなぁ……)
女子「……はぁ……はぁ……」
少年「早く言え」
女子「うっぅぅ……ご、ごめん……も、もう、しないから……ふく、ろ……ちょう、だい……」
少女「ど、どうぞ……」
女子「……………………うぅ…………ぉぉお………」
少年「よし。おい、耳塞いでおけ」
少女「あ、うん……」
友「俺も聞かないようにしないと」
少年「だな。もらいゲロなんてしたくないし」
友「おし」
少女「あ、の……」
少年「なんだよ?」
少女「あ、ありがとう……えへへ、ちょっと嬉しかった」
少年「ふ、ふん……別に……」
友「照れんなよ」
少年「照れてねーよ」
バスガイド(かわいい……)
女子「………うっろろっ!!!うろろっぉぉおお!!!!」
―――ビチャビチャビチャ!!!」
女子「はぁ……はぁ……」
少年「大丈夫か?」
女子「お、おかげさまで……」
少年「おら、お茶だ」
女子「あ、ありがとう……」
少年「おかわり、いるか?」
女子「うん……いる」
少年「どんどん、飲んでいいからな」
女子「うん……」
女子(急に優しくなった……ふふ……やっぱり、私のことが……)
少女「……」
友「羨ましいって思ってる?」
少女「少し……」
友「でも、お茶をあんなに飲んじゃあ、ダメだよね。あいつ、さっきのサービスエリアではトイレに行ってなかったし」
バスガイド「え……!?」
―――15分後
女子「……ん」
少年「いっせいのーで、さんっ!!」
友「あ!!ちょっと、そこで二つもあげるー?」
少女「だって……えへへ」
少年「な?」
友「てめえら……」
女子(ちょっと……おしっこしたくなってきたかも……)
女子「あの……」
バスガイド「ん?」
女子「つ、つぎのサービスエリアまでは……どれくらいですか?」
バスガイド「えーと……予定だと30分くらいかな?」
女子(30分……そ、それならなんとか……)
少年「あ、おい。お茶、いるか?」
女子「え……あ、う、うん……」
―――5分経過
女子「……(モジモジ」
教師「どうした?」
女子「な、なんでも……ないです……」
教師「そうか?」
少女「はぁ……はぁ……」
少年「また気分悪くなったか?」
少女「ううん……大丈夫だから……少し、休むね」
少年「悪いな。無理に付き合わせて」
少女「いいって……楽しかったし」
少年「そっか」
友「んじゃ、俺と語り合おうぜ」
少年「やだよ。おまえ、いっつもアニメの話になるじゃん」
友「うっせーな」
女子(ちょ……これ……や、ばい……かも……)
―――10分経過
女子(あ、あと15分……)
少年「そうだ。なんか面白い擬音でも言い合おうぜ」
友「ほお……面白い」
少年「何が良いかな……?」
友「じゃあ、あれは?水の音をよりリアルに表現しようぜ」
少年「おおー、なんかいいな。おし、やるか」
友「んじゃ、俺からな。―――しーっ……しーっ……」
女子「……!?」
少年「それ、ションベンじゃん」
友「そっか?」
少年「次、俺な。じょぼぼぼぼ……」
友「それもションベンじゃん!!」
少年「あははははは!!」
女子(……やだ……もう……げ、んかい……)
女子「はぁ……はぁ……はぁ……」
少女「もう……恥ずかしいこと言わないでよ……」
教師「お前らは本当に馬鹿だな」
バスガイド「もう、ダメだぞ?」
少年「あ、すいません」
友「はーい」
女子「ふぅ……ふぅ……!!」
教師「ん?おい、どうした?すごい、汗だぞ?」
女子「はっ……ひ……」
バスガイド「だ、大丈夫?気分が悪くなったの?」
女子「ち、ちが……ちが……い……」
少女「ど、うかしたの?」
女子「はぁ……はぁ……サービス、エリア……まだ……ですか?」
バスガイド「えっと……あと10分ぐらい」
女子「じゅ……はぁ……くっ……!」
女子(出したい……出したい……出したい……!!)
教師「お前……まさか」
バスガイド「(お茶、飲ませすぎたんじゃないの?)」
友「(はい。ちょっと反省してます)」
少年「……おい。席、移動できるか?」
少女「え……う、うん……」
友「そうだな。そろそろ、元のとこに戻ろうぜ」
バスガイド「……あ」
少年「この水筒、あいつが全部飲んだからもう空です」
バスガイド「い、いいの?」
少年「こいつにお茶もらいますよ」
友「へえへえ」
少年「先生もちょっと、後ろで俺たちと遊びませんか?」
教師「あ、ああ……そうだな」
女子「はぁ……はぁ……で、る……も、う……はぁ……ふぅ……!!」
―――サービスエリア
少年「ふう……やっぱ、外がいいなー」
友「だな」
少女「うん」
少年「もう体調いいのか?」
少女「少し体が重たい感じもするけど……酔い止めも飲んだし、もう平気だと思う」
少年「そっか……あ、じゃあ、あのさ……」
少女「ん?」
少年「……目的地に着いたら……一緒に……」
友(俺は!?)
少女「う、うん……いいよ」
少年「あ、ありがとう……」
友(俺は!?)
女子「―――はぁ」
女子(なんで好きな人の水筒におしっこしなきゃいけないのよ……さいてーじゃん……)
―――目的地 水族館
教師「じゃあ、2時間は自由行動だ。遅れずにここへ帰ってこいよ!!」
「「はーい」」
少年「じゃあ、行こうぜ」
少女「うん♪」
友「はぁ……バスにいようかなぁ……」
バスガイド「あれ?いかないの?」
友「もう……友達が……いないんです……」
バスガイド「へえ……あ、じゃあお姉さんと一緒に行く?少し待ってもらうことになるけど」
友「マジっすか?!いきます!!いかせてください!!」
バスガイド(ふふ……かわいい……やっぱり、いいわ……年下って)
少年「―――何から見る?」
少女「えへへ……君の好きなところでいいよ」
少年「好きな……ところか……んじゃ、このままでいいか―――目の前にいるし」
少女「……私も目の前にいるから……ここで……いいよ?」
おしまい。
女子友どうなった
>>260
女子から手渡された水筒で喉を潤したに決まってるだろ
みんな乙
ブサイク童貞「構わん続けろ」
キモオタデブ「聞いてるよ^^」
根暗引篭もり「早く書けよ」
グロメン陰キャラ「ふむ」
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません