上条「あいつら、今何してんのかな?」 (76)

土御門「いきなりどうしたんだにゃー?」

上条「いや、急にあいつらが今何しているのか気になってな」

土御門「あいつらとは?」

上条「戦場で俺と関わった奴らだよ」

土御門「なるほど」

上条「グレムリンのマリアンには携帯番号教えたんだけど掛かってこないし。元気に暮らしてるかなって上条さんは心配になってるわけですよ」

土御門「…………は?」

上条「どうした?」

土御門「グレムリンの魔術師に番号を教えただと!?」

上条「ああ。なんか困ったことがあったら連絡してこいって言って教えた」

土御門「」

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上条「まあ、連絡ないってことは困ったことがないってことだよな」

土御門「本当にカミやんは俺の予想の斜め上をいくぜい……」

上条「土御門は知らないのか?」

土御門「そうだにゃー。……なら直接会いにいってみるか?」

上条「……マジで?」

土御門「マジだぜい。どうせ暇だろう?」

上条「インデックスとオティヌスの世話をしないといけないんだよ」

土御門「それなら舞夏に頼めばいいんだにゃー」

上条「そうか。でも上条さんは海外に行けるほど余裕はないんだけれども?」

土御門「それは学園都市と必要悪の教会の経費で落とすから心配ないぜい!」

上条「ならいいか。久しぶりに土御門と二人で行動するのも悪くないしな」

土御門「……」

上条「どうしたんだよ?」

土御門「そういうこと言われると俺の命が危ないからやめてほしいにゃー」

とある病院


上条「おい。ここは上条さんの行きつけの病院じゃねえか」

土御門「そうだぜい。まずは学園都市にいる連中から会いにいくってわけだにゃー」

上条「そうか。そりゃそうだよな。んでここには誰がいるんだ?」

土御門「それは会ってからのお楽しみだぜい」

上条「さよですか」

土御門「まずは関係者以外立ち入り禁止の病棟からいくぜい」

上条「いきなり怪しいところだな!?」


病室


土御門「失礼するぜい」ガラガラ

上条「お邪魔しますよー」

海原「おや」

ショチトル「……」

土御門「久しぶりだにゃー。海原にショチトル」

上条「……ああ、海原か。偽物の方だよな?」

海原「ええ。偽物の海原光貴です。お久しぶりですね」

土御門「体の調子はどうかにゃー?」

ショチトル「貴様には関係ないだろう」

海原「それで自分たちに何が用ですか?」

土御門「ああ。カミやんがお前が何してるのか気になったようでな」

海原「自分を?」

上条「ああ。海原含めて俺に関わった奴らが何してるのか気になってな」

海原「そうですか」

上条「んで海原は何してんだ?」

海原「自分はショチトルの世話ですかね。もう一人病人がいたのですが母国に帰ってしまいました」

上条「そうか」

ショチトル「エツァリ。御坂美琴のストーカーもしているだろう?」

海原「」

上条「……ああ、海原は御坂のこと好きだったんだな」

海原「あ、いや、その……」

上条「あいつ一時期大変だったんだぜ。機械を通じて魔術に触れてたみたいでよ」

海原「知っています」

上条「お前は強いんだからあいつのサポートしてやればよかったのに」

海原「自分は陰ながら見守ると決めましたから」

土御門「それをストーカー行為と呼ぶんだぜい」

海原「違います! 自分は見守ってるだけです!」

上条「まあ元気そうでよかったよ。病人もいることだしそろそろおいたまさせてもらいますよ」

海原「ええ。お元気で」

上条「アンタもな」

廊下


御坂妹「おや、あなたは……」

上条「御坂妹か?」

御坂妹「はい。ミサカの検体番号は10032号と、ミサカは申告します」

上条「御坂妹もずっと病院にいるのか?」

御坂妹「はい。お姉さま"しか"会いに来てくれなく、毎日寂しい思いをしながら病院で過ごしています、とミサカは現状を報告します」

上条「……」

御坂妹「そういえばあなたはミサカに全然会いに来てくれませんね、とミサカは不満を感じさせないよう呟きます」

上条「いや、思いっきり聞こえてるからね!?」

土御門「まったくカミやんはフラグを立てた女の子を放置しすぎだぜい」

上条「フラグって何だよ! 上条さんはそんなの建てた覚えはありませんのことよ!?」

御坂妹「その様子だとミサカの知らないところで多くの女性に手を出しているのですね、とミサカは呆れながらため息をつきます」

上条「そこ勝手な誤解をしてため息をつかない!」

土御門「ま、来週から春休みだし会いにいってやったらどうだにゃー?」

上条「そうだな。毎日は無理だけど会いに来るよ」

御坂妹「かしこまりました。もし来なかったらあなたを殺してミサカも死にます、と宣告します」

上条「怖い! この子いつのまにヤンデレ属性を身に着けたの!?」

ファミレス


上条「今のところみんな元気そうでよかったよ」

土御門「ま、今は平和だからにゃー」

上条「そうだな。このまま戦争も起きずに魔術師も来ずに平和に暮らしていければいんだかけど」


浜面「お、大将じゃねーか」


上条「おお、久しぶり」

浜面「学校帰りか?」

上条「そうだよ。あ、俺のクラスメイトの土御門だ」

土御門「元アイテム構成員の浜面仕上か」

浜面「俺のこと知ってるのか!?」

上条「土御門は何でも知ってるからな」

土御門「何でもは知らないぜい。俺が知ってることだけだにゃー」

浜面(もしかして暗部の人間なのか?)

上条「そういえば浜面の顔を見て思い出した」

浜面「何だよ?」

上条「お前の彼女が壊したドアの修理代回収するの忘れてた」

浜面「」

上条「二万五千円かかったからよろしく」

浜面「え? 今更それ言うのかよ!?」

上条「仕方ないだろ。上条さんにも色々あったんだよ」

浜面「いや、色々あったのは知ってたけれども! てか俺が払うのか?」

上条「そりゃ彼氏だから当然だろ」

浜面「そ、そうなるのか……」

上条「……はぁ、上条さんも出会いと彼女が欲しい……」

土御門「ふん!」ドスッ

上条「ぐぇ!? な、なにすんだ!?」

浜面「今のは殴られても仕方ないと思うけど。それじゃ後日連絡するわ」

上条「よろしく頼むよ」

土御門「カミやん、俺も仕事の電話が入ったからちょっくら席外すぜい」

上条「おう」

10分後


上条(土御門のやつ長いな)

佐天「あ、上条さんじゃないですかー」

上条「ん?」

佐天「お久しぶりでーす」

上条「ああ、佐天さんだっけ。大覇星祭の時はどうも」

佐天「いえいえ」

上条「佐天さんは一人なのか?」

佐天「後で友達と合流する予定です」

上条「そっか」

佐天「それで上条さんに聞きたいことがあるんですけどー」

上条「俺に?」

佐天「御坂さんとはどんな感じですか?」

上条「御坂と? 別に普通だけど?」

佐天「普通とは?」

上条「いや、たまに遊びに誘われたりするくらいだけど」

佐天「たまに、ですか」

上条「何か問題でもあるのか?」

佐天「いえ(御坂さん、やっぱり奥手だなー)」

上条(なんかよからぬ考えをしている顔をしているな)

佐天「あ、友達が来たようなので失礼しますね。それじゃまた!」

上条「ああ」

とあるホテル


上条「おいおい、こんな高そうなホテルに上条さんを連れてきてどうするつもりだ?」

土御門「ここにカミやんに会わせる人物がいるんだぜい」

上条(誰だ?)

土御門「失礼するぜい」

心理定規「待ってたわ」

上条「……」

土御門「どうやらまだ生きていたようだな。元スクールの構成員」

上条(スクール? 学校? それとも施設の名前か?)

心理定規「ええ。あの世界から足を洗ったもの。死ぬことはなくなったわ」

土御門「ほう。黒夜海鳥みたいに再度堕ちたわけじゃなかったか」

心理定規「堕ちてもアレイスターに会える確率は低いから」

上条「アレイスターって統括理事長のか?」

心理定規「ええ。初めまして。上条当麻さん」

上条「俺のこと知ってるのか?」

心理定規「もちろん。私のことは心理定規と呼んでちょうだい」

上条「思いっきり能力名じゃねえか! この子も一方通行と同じか? 本名不明か忘れたキャラってか!?」

心理定規「その通りよ」

上条「てか俺はこの子と面識ないんだけど。何で会わせたんだ?」

心理定規「……仕方ないじゃない」

上条「え」

心理定規「だって本編で全く出番がないんだもの」

上条「」

心理定規「超電磁砲では少しあったけれど。私のこともっと掘り下げてもよかったと思うの。フレンダ=セイヴェルンより私の方が人気出ると思うのよ」

上条「急にメタ発言はやめやがれ!」

心理定規「こんなことになるならスクールではなく、グルームかアイテムに所属しておけばよかったわ」

上条「わからない単語を並べられても困るんだが!?」

心理定規「ま、過ぎたことを気にしてもしょうがないわね。まだ枠があるのなら私をヒロインにしてもいいけれど」

上条「よしもう帰ろう!」

小萌先生宅


上条「小町先生ん家じゃねえか」

土御門「そうだぜい」

上条「小萌先生なら毎日学校で会ってるんだけれども?」

土御門「会わせるのは居候の方だぜい?」

上条「居候? 姫神の後輩ってことか」

土御門「そうだ」


結標「あら」


土御門「よう」

結標「あなたは一方通行に倒された時に救急車を呼んでくれた人」

上条「……ああ。あの時の。アンタが小萌先生ん家の居候だったんだな」

結標「ええ。上がる?」

上条「どうすんだ?」

土御門「んじゃ少しだけ」

結標「別に土御門には言ってないけど」

土御門「」

結標「どうぞ」

上条(土御門と仲が悪いのか?)

土御門「ちっ、このショタコンが」

結標「私はショタコンじゃないわ。それにシスコンに言われたくないわね」

土御門「ふん。結標がショタコンだという証拠もあるんだぜい」

結標「なっ!?」

土御門「どうやら毎日あすなろ園に行って園児と遊んでようだにゃー」

結標「そ、それがどうしたのかしら……?」

土御門「ふふふ。これを見るんだにゃー! 洗濯機の前で男の子の汚れた服をクンカクンカしてる結標の写真だぜい!!」

結標「」

上条「」

土御門「俺を甘く見たな。多角スパイを舐めたら痛い目を見るんだぜい?」

上条「か、上条さんはそろそろ帰らせてもらいますのことよ……。おほほ……」

帰り道


上条「はぁ。綺麗なお姉さんって感じだったのに中身がアレとは……」

土御門「学園都市にはまともな人間がいるわけないんだぜい」

上条「いるだろ! そう思いたいが自信がなくなってきた……」

削板「お、上条じゃねーか」

上条「軍覇か」

削板「久しぶりだな」

上条「そうだな。元気そうだな」

削板「当たり前だろ! 俺が元気がない日なんてねーからな!」

土御門(そうか。大覇星祭の時に共闘したんだったな)

削板「そいつは?」

土御門「俺は土御門元春。カミやんのクラスメイトだぜい」

削板「ほう。なんかお前も根性がありそうだな。おっと、いけね。こんなことしてる場合じゃなかった」

上条「忙しいのか?」

削板「おう! なんか知らんがグレムリンの残党が学園都市に攻め込んできてるみたいでな。上から根性を注入するよう言われてな!」

上条「」

土御門「」

削板「それじゃ行くぜ! またな!」

上条「……」

土御門「……」

上条「……俺たちも行った方がいいよな?」

土御門「……だな。仕方ないが今日はここまでな。体が無事なら明日はイギリスに行くぜい」

上条「おう。それじゃ行くか!」

土御門「了解だにゃー」

また明日
明日はイギリスの人達です
五和とか(故)建宮とか

翌日 イギリス


上条「久しぶりに来たな。土御門はよく来てるのか?」

土御門「週一くらいかにゃー」

上条「多いな。ま、超音速旅客機ならすぐ着くもんな」

土御門「そういうことだぜい」


神裂「二人とも、お待ちしてました」


上条「神裂、久しぶり」

神裂「はい。お元気そうでなによりです」

上条「そっちもな」

神裂「それでは行きましょうか」

必要悪の教会


ステイル「上条当麻。なぜここに来た?」

上条「お前らの顔が見たくてだけど」

ステイル「気色悪いことを言うな。それにあの子はどうしたんだ?」

上条「インデックスならオティヌスと留守番してるよ」

ステイル「彼女を一人にしているのか!?」

上条「オティヌスも一緒って言ってるじゃねえか。それに護衛ならフィアンマにお願いしてるから大丈夫だ」

ステイル「右方のフィアンマだって!?」

上条「ああ。あいつなら魔神相手じゃなければ大丈夫だろ」

土御門「ま、僧正相手は運が悪すぎたんだぜい。並の魔術師なら相手にもされなかったにゃー」

ステイル「あの男があの子に何をしたのか忘れたのか!?」

上条「忘れてねえよ。けど今のフィアンマなら大丈夫だ」

ステイル「……」

土御門「そういえばなんであの男はずっと学園都市にいるんだにゃー?」

上条「さあ。観光してるんじゃないか?」

上条宅


禁書「フィアンマ、お腹が空いたんだよ!」

フィアンマ「朝食を食べたばかりだろうが」

禁書「食べてから30分は経ったんだよ!」

フィアンマ「おい、禁書目録はいつもこんな感じなのか?」

オティヌス「ああ。まあ、朝食が少なかったのも原因だろうがな」

フィアンマ「ちっ。なぜ俺様が……」

オティヌス「人間に言われたのだろう。色んな世界を見てこいと」

フィアンマ「確かに言ったがニートシスターの介護をするとは言ってないぞ」

禁書「私はニートじゃないんだよ!」

フィアンマ「……」

必要悪の教会


神裂「それであの子は元気にしていますか?」

上条「もちろん。そんなに気になるなら遊びに来ればいいのに」

ステイル「そんな簡単に行けるわけないだろう。それに僕は彼女を見守ると決めてるんだ」

上条「見守るからって一緒に遊んじゃいけないってわけじゃないだろ」

ステイル「……」

上条「神裂もだ。本当にインデックスのことを思ってるなら遊びに来てくれ」

神裂「……」

上条「別に特別なことはしなくていい。昔みたいに公園でサッカーでもいいじゃねえか」

ステイル「なぜ知っている!?」

上条(やっぱり当たってたか)

上条「さあな。適当に言ってみただけだよ」

神裂「そうですか。……ですが彼女は覚えていないでしょうね」

上条「それはわからないじゃないか」


ステイル「君は何を言ってるんだ。彼女の記憶は消されているんだぞ」

上条「ああ。確かに脳からは消えてるかもしれない。でも―――心が覚えているかもしれないだろ?」

ステイル「君は何を馬鹿なことを言ってるんだ?」

上条「かもな。ただ考えてくれよな」

神裂「……ええ。近いうちに必ず」

上条「言質取ったぞ。それと前から聞きたいことがあったんだけど」

神裂「なんでしょう?」

上条「インデックスは給料貰えないの?」

神裂「き、給料ですか」

上条「ああ。出なくても生活費を出してもらえると上条さんは物凄くあり難いのですが」

神裂「そ、そうですね。最大主教に聞いておきましょうか?」

上条「よろしく頼む。それと伝言もお願いしたいんだが」

神裂「はい」

上条「もしお金が出ないようならトールをこの場に呼んで上条さんと戦って当たりを焼き尽くすと伝えてくれ」

神裂「」

土御門「か、カミやん?」

上条「一方通行から教わったやり方だ。これはお願いでも脅迫でもねえ。確定事項だクソッタレ」

資料室


上条「オルソラ、元気だったか?」

オルソラ「あらあら。お久しぶりなのでございますよ」

上条「クーデター以来か。何してんだ?」

オルソラ「調べ物でございます。あなた様は?」

上条「皆の顔が見たくて遊びに来た」

オルソラ「それはそれは。せっかくなのでお茶でも」

上条「いや、いいよ。それよりアニェーゼたちはいないのか?」

オルソラ「はい。彼女たちは仕事で海外にいっております」

上条「そっか。タイミング悪かったな」

オルソラ「こちらにはどのくらい滞在を?」

上条「明日には帰るよ」

オルソラ「そうでございますか」

上条「それじゃまた後で来るわ」

オルソラ「はい。お待ちしているのでございますよ」

牢獄


上条「ここは?」

土御門「牢獄。名前の通り罪人を閉じ込めているところだぜい」

上条「ここにも俺の知り合いがいるのか?」

土御門「ああ。例えばビアージオ=ブゾーニ」

上条「ビアージオはいいや」


ビアージオ「ぶるぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!」


上条「……」

土御門「……」

上条「他にはいないのか?」

土御門「うーん、カミやんが知ってる顔だとサローニャ=A=イリヴィカくらいか」

上条「サローニャがここにいるのか? ハワイで事件を起こしたのに?」

土御門「アメリカは魔術に無知だからにゃー。うちが引き取ってるんですたい」

上条「そういうことか。……サローニャには謝らないといけないよな……」

土御門「謝らなきゃいけないようなことをしたのか?」

上条「いや、ちょっと殴り過ぎちゃったかも」

土御門「それは殺し合いなら仕方ないと思うぜい」

上条「そうだけど。あそこまでしなくてもよかったかもと上条さんは思っているわけですよ」

土御門「そうか。ま、俺はここで待ってるから行って来い」

上条「ああ」

サローニャ「お久しぶり。幻想殺しちゃん」

上条「よう」

サローニャ「それで私に何の用かにゃーん?」

上条「元気にしてるか気になって会いに来た」

サローニャ「」

上条「ま、牢獄の中だけど元気そうでよかったよ。それとハワイでは殴りすぎて悪かったな」

サローニャ「おいおいマジで言っちゃってるのかよ」

上条「なんかおかしなこと言ったか?」

サローニャ「自覚ちゃんもしてないと来たよ。やっぱ魔神を倒す怪物ちゃんは常人とは違うねえ」

上条「おいおい、上条さんは勉学に勤しむ普通の高校生だぞ? グレムリンの件は知ってるんだな」

サローニャ「まーね。ここの連中が教えてくれたよん。雷神ちゃんにも勝ったみたいじゃん」

上条「トールのことか。トールにも悪いことをしたと思ってる」

サローニャ「ま、私は牢獄に入るまでグレムリンの正規メンバーちゃんを知らなかったわけだけどね」

上条「お前もか。確かサンドリヨンも知らなかったみたいだな」

サローニャ「結局、私もサンドリヨンちゃんもいいように利用されちゃったわけだ」

上条「今度、オティヌスも連れてこようか?」

サローニャ「それはやめたほうがいいぜ。絶対踏んづけちゃうから」

上条「確かにそれはやめたほうがいいな。ただでさえ自宅で飼い猫に追いかけられて大変なのに」

サローニャ「え? 飼い猫ちゃんに?」

上条「ああ。15センチしかないからな。スフィンクスは遊んでるだけなのに食われるって言ってくるんだ」

サローニャ「あはは! 魔神ちゃんが飼い猫に食われるとか! それ見てみたいかもね」

上条「学園都市に来たら見せてやるよ。ほら」

サローニャ「なにこの紙?」

上条「俺の番号が書いてある。なんか困ったことがあったら連絡してこい」

サローニャ「」

上条「学園都市に遊びに来た時でもいいぞ。上条さんが案内してあげよう」


土御門「カミやん、時間だ。そろそろ行くぞ」


上条「ああ。またな、サローニャ」

サローニャ「……うん。またね」

車内


上条「次はロンドンの日本人街か」

土御門「ああ」

上条「なあ土御門」

土御門「どうした?」

上条「サローニャはずっと牢獄に入れられたままなのか?」

土御門「ああ。ただ彼女が必要悪の教会に入るなら出れれると思うぜい」

上条「その言い方だと交渉はしているみたいだな」

土御門「その通りだ。ただ彼女が愛国心が強いから断ってるみたいだにゃー」

上条「そういうことか」

土御門「カミやんってやっぱ金髪美少女が好みなのかにゃー?」

上条「どういう意味だこら」

天草式


建宮「よう。久しぶりなのよな」

上条「おう。……額の傷跡はどうしたんだ?」

建宮「こ、これはなんでもないのよな……」

上条「そうか?」

五和「あ、あの……」

上条「五和か。久しぶり」

五和「はい。あ、おしぼりどうぞ」

上条「いつも悪いな」

五和「いえいえ」

上条「五和も元気そうでよかったよ」

五和「はい。あの夕食は取られましたか?」

上条「まだだけど」

五和「よかったら食べて行きませんか? 土御門さんも」

上条「五和の手料理か。お言葉に甘えようぜ?」

土御門「ああ。どうせ外食しようと思ってたからにゃー」

五和「それじゃ待ってて下さいね」

上条「わかった」

食堂


上条「美味しいな」

土御門「ああ。舞夏の次に美味しいぜい」

上条「相変わらずシスコンだな。上条さんも五和の料理スキルを見習いたいもんですな」

五和「そ、そんな!」

上条「はぁ。五和のような料理が上手い大人しめの彼女が欲しい」

五和「はぅっ!」

建宮「五和が大人しい?」

五和「」ギロリ

建宮「ひっ」

上条「まあ最近はインデックスに頭をかじられるくらいで被害は少なくなってるんだけどな」

五和「あ、あの! 私でよければ!」

上条「ん?」

五和「その、私、上条さんさえよければ、その……」

上条「……?」

五和「……な、なんでもない、です……」

上条「そうか。なんかあったらすぐ言ってくれよ」

五和「……はい」

土御門(見ててもどかしいぜい)

新たなる光のアジト


上条「最後はここか」

土御門「んじゃ俺は先にホテルに行ってるぜい」

上条「ああ」

土御門「お泊りするようならメールしてくれると助かるにゃー」

上条「しねえよ!」

上条「さて」ピンポーン

フロリス「はい?」ガチャ

上条「よう。……久しぶり?」

フロリス「なんでアンタがここにいる!?」

上条「みんなの顔が見たくて遊びに来たんだけど」

フロリス「……ふーん。ワタシのこと覚えてるんだ」

上条「ああ。確かフレンダだっけ?」

フロリス「ワタシの名前はフロリスだ!」ドスッ

上条「ぐぇ!?」

上条(くっ。少し懐かしい感じに殴られたのにほっこりしちまってやがる!!)

フロリス「もう一発殴らせろ」

上条「な、なぜ二発も……?」

フロリス「今のは名前を間違えた分。もう一発はフォークストーンでワタシを裏切った分」

上条「上条さんは何も裏切ったことはしてありませんのことよ!?」

フロリス「ワタシを天草式に引き渡しただろうが!」

上条「それは仕方ないだろ。それにあのまま放置してたらまた騎士団に捕まって殺されてたかもしれないだろ?」

フロリス「くっ」

上条「それより他のメンバーはいないのか? まあレッサーしか知らないんだけど」


レッサー「フロリス、騒がしいですよ。何をしてるんですか」


上条「よう」

レッサー「なぜあなたがここに?」

フロリス「遊びにきたみたい」

レッサー「え」

上条「久しぶり」

レッサー「な、なるほど。私があなたの家を出てから三か月。とうとうレッサーちゃんがいない寂しさを実感したということですね!」

上条「そうか。あれから三か月経ってるのか」

レッサー「そうですよ。さあ早く中に入ってください。ちょうどシャワーを浴びて隅々まで体を清めたところです。多少卑猥な想像をしてもかまいません」

上条「それよりレッサーにお願いがあってきたんだけど」

レッサー「この男簡単に流しやがった! お願いですか? ベビードールなら紛失しちゃいましたよ」

上条「風呂場のドアの修理代寄こせ」

レッサー「」

リビング


レッサー「なるほど。まだ覚えていたんですね」

上条「当たり前だ。上条さんは苦学生なんだ」

レッサー「いくらですか?」

上条「払ってくれるのか?」

レッサー「ええ。そこそこ稼いでますからそれくらいは」

上条「そうだったのか。危ない仕事に手を出してたからお金がない魔法結社予備軍かと思ってた」

フロリス「おい喧嘩売ってんのか」

上条「だって依頼もしてないのにロシアについてくるし学園都市にくるし」

レッサー「それはあなたをこちら側に誘い込むためですから。決して私が仕事がなく暇人というわけではありません」

上条「そうか」

レッサー「それでいくらです? ていうか壊したのは私だけじゃないですが」

上条「一万円。バードウェイには既に貰っているよ」

レッサー「あの女がよく素直に渡しましたね」

上条「妹経由でお願いしたからな」

レッサー「まあ大好きなお兄ちゃんにお願いをされたのだから払いますかね」

上条「お兄ちゃん?」

レッサー「何でもありません。それじゃこれでいいですか?」

上条「これ日本円に替えられるんだよね?」

レッサー「ええ。恐らく学園都市の空港にも替えられる場所があると思いますよ」

上条「そうか。それじゃ用も済んだし帰るか」

レッサー「ちょっと待ってください」

上条「なにか」

レッサー「このまま泊まっていったらどうですか?」

上条「はい?」

フロリス「レッサー、何言ってんの?」

レッサー「ホテルで一人で寂しく寝るより小悪魔系美少女を抱きながら寝たほうがいいでしょう。もちろん抱きながらというのは卑猥な方の意味です」

上条「本当にお前は何言ってんだ?」

レッサー「もしご希望ならフロリスを入れて三人でも構いません。あいにくベイロープとランシスはいないので五人プレイは断念するしかありませんが」

フロリス「おいワタシを勝手に入れるな」

レッサー「いいじゃないですか。フロリスもどうせ男っ気ないんですからこの人で妥協しましょうよ」

上条「誘っておいて上条さんを妥協案だと!? あげて落とすというのはまさにことのことなのか!」

フロリス「馬鹿らしい。ワタシは寝るから二人で勝手にやってれば」

レッサー「おや、それでいいんですか? この人はグレムリンを潰した男ですよ?」

上条「別に上条さんが潰したわけでは。大体、グレムリンのほとんどの魔術師がトールにやられてたわけでだな」

フロリス「いや、相手にそういうの求めてないし」

レッサー「そうですか。まあここが私とフロリスの差でしょうね」

フロリス「どういう意味?」

レッサー「フラグ建てられたにも関わらず放置されて名前も覚えられていないモブと表紙を二回も飾った私との違いですよ」

フロリス「よしわかったその喧嘩買ってやる」

ここまで
また明日

三期が来れば五和とレッサーの認知度も上がると思うんだ
新約18巻はイギリスが舞台になりそうですね

乙。
うなぎ登りでしょうな。ただまぁ・・・3期やるにしても設定やら背景がねぇ
望み薄でも、レッサーが出るとすればガンガンの漫画版かな。あっ、でも・・・

ガブリエル「」ツーン
サーシャ「・・・」グスン

翌朝


上条「……ん……」

レッサー「」スヤスヤ

上条「……」

レッサー「」スースー

上条(いやぁぁぁぁぁぁぁぁああ!! この子は上条さんに何回この展開をさせるのよぉぉぉぉぉぉぉぉおお!!)

上条(そもそも俺はいつ寝ちまったんだ。レッサーがいるってことはこいつらのアジトってことだよな)

上条(思い出せ。確かレッサーとフロリスが喧嘩して上条さんはそれを止めようとして……)

上条「なるほど。どちらかの攻撃をくらい気絶して朝を迎えちまったってパターンか」

上条(衣服の乱れはない。どうやら上条さんの貞操は無事なようだ)

上条(それにここにはインデックスがいない。なら上条さんが制裁をくらうこともない!!)

上条「レッサー、起きてくれ」

レッサー「……あぅ……うぁ……」

上条「前と違って時差ボケもしてないのにこの反応。お前、ただ朝が弱いだけだったな?」

レッサー「……起きますよ。起きますから後五分……」

上条「それは起きない奴がいう台詞だ。帰るから離してくれ」

レッサー「はいはい。わかりましたよ」

上条「結局、あの後どうなったんだ?」

レッサー「あなたが気絶して終わりましたよ。フロリスは自室で寝てるんじゃないですかね。彼女も朝が弱いので」

上条「そうか。それじゃよろしく言っておいてくれ」

レッサー「待ってください。折角ですからシャワーでも浴びていったらどうですか?」

上条「ホテルで浴びるから結構」

レッサー「ほほう。いつからホテルでシャワーを浴びれると思っていました?」

上条「……なん……だと……?」

レッサー「土御門さんから昨晩メールが来ました。チェックアウトの時間は九時。現在の時刻は八時半です」

上条「もうそんな時間なのか? つーか何で土御門からレッサーに連絡がいってるんだ?」

レッサー「さあ。誰かから私のメアドを聞いたんじゃないですかね」

上条「土御門も俺に直接連絡してくれればいいのに。……いや、俺にも連絡来てたか」

レッサー「そのようですね。さ、どうします?」

上条「うーん、そうだな。お言葉に甘えるとするか」

レッサー「ええ。甘えてください。ベッドの上でもどんどん甘えて頂いても構いません」

上条「そんなイベントは一生来ないから心配するな。それと風呂場を案内してくれ」

レッサー「あそこの扉ですよ」

上条「いや、直接案内してくれないか?」

レッサー「なるほど。やっとその気になりました。そうですね。風呂場でやってしまえばシーツを洗う必要がなくなります。私の純潔の証も排水溝に流されるってことですね」

上条「ちげーよ! いいかよく聞くんだ。俺が一人で行ったらどうなると思う?」

レッサー「はい?」

上条「恐らくフロリスあたりがシャワーを浴びていて、上条さんが非難されることになるんだ!」

レッサー「……なるほど。経験談ですか」

上条「そういうことだ。さっさと案内してくれたまえ。レッサーくん」

レッサー「はいはい。わかりましたよ。タオルはこれ使って下さい」

上条「すまないねえ、レッサーさんや」

レッサー「あなたキャラ迷走中なんですか?」

風呂場


レッサー「ほら。誰も入ってませんよ」

上条「フロリスが透明化している可能性は?」

レッサー「ないですよ。そもそも私たちはそんな魔術使えません」

上条「そうか。なら安心していいのか」

レッサー「はい。安心してさっさとシャワー浴びてください。私はベッドで待ってますから」

上条「別に待ってなくていいんだけどな」


10分後


上条(さっぱりしたぜ)フキフキ

上条(あ、しまった。ワックス持ってくるの忘れちまった!)

上条(仕方ない。ワックスは土御門に借りるか)


フロリス「はぁ。寝る前にもう一度シャワー浴びとけばよかった……?」


上条「」

フロリス「」

上条「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 乳首見ないでぇぇぇぇぇぇぇええ!!」

フロリス「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!」

上条「今回は逆パターンかよぉぉぉぉぉぉぉぉ!! なんでこうなるのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!」

フロリス「乳首じゃなくて下のを隠せよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおお!!」

リビング


上条「まさか上条さんの裸を見られるとは思わなかった……」

フロリス「なんでそんな落ち込んでるんだよ。落ち込みたいのはワタシの方だっつーの」

上条「勝手に裸見られて落ち込まれるとは理不尽だ!!」

レッサー「まさかフロリスがラッキースケベスキルを身につけてるとは!!」

フロリス「あんなラッキースケベいらないよ! つーか普通は反対だろ!?」

レッサー「つまりフロリスはこの人に裸を見られたかったと。やはりライバルは身内にいたか!」

フロリス「違う! もう朝から調子が狂うなー!」

上条「落ち着けよ。上条さんはもう気にしないから」

フロリス「ワタシが気にするっつーの!」

レッサー「それでこの人の裸はどうでしたか?」

フロリス「知るかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ホテル前


上条「待たせたな」

土御門「いーや。昨晩はお楽しみだったかにゃー?」

上条「そうでもない。それでこの後はどこ行くんだ?」

土御門「うーん、イタリアに行こうかと思ったけどあまり歓迎されそうにないからにゃー」

上条「イタリア。ローマ正教か」

土御門「そうだ。まあ、前方のヴェントしか会う人物はいないけどな」

上条「ヴェントか。懐かしいな。それでイタリアはやめてどこに行くんだ?」

土御門「とりあえずフランスかにゃー」

上条「フランスか。アビニョンに行った以来か」

土御門「ああ。確かサンドリヨンという魔術師がいるはずだぜい」

上条「サンドリヨン。確かに気になってたんだよな。体も元に戻したか確認してないし」

フランス


上条「土御門」

土御門「どうした?」

上条「サンドリヨンは日本語が話せないから通訳頼む」

土御門「わかった。英語の方が上達したかにゃー?」

上条「アプリで二級を取得したぞ!」

土御門「そ、そうか……」


サンドリヨン「来たか」


上条「……あれ? 日本語話せてる?」

サンドリヨン「ああ。あれから勉強をしたんだ」

上条「そうか。それまた何で?」

サンドリヨン「作者があとがきで私の出番を示唆したから。なのにっ! あれから一度も出番がないとはどういうことっ!!」グイッ

上条「ばうっ! 上条さんに言われても困るですけど!!」

サンドリヨン「ええい。それよりなぜ私に会いに来た?」

上条「サンドリヨンにはフロイラインの件でお世話になってたし。体は元に戻したんだな」

サンドリヨン「作りなおしてもらったから」

上条「そうか。サローニャにも会ったけど元気そうだったぞ」

サンドリヨン「サローニャ=A=イリヴィカか。あの女は生きているわけだ」

上条「あれ? あんま嬉しくない感じ?」

サンドリヨン「当然だ。あの女も私を捨て駒として利用したから」

上条「そういえばそうだった。……なんかお前も色々大変だよな」

サンドリヨン「そうね。ハワイではレイヴィニア=バードウェイに前歯を折られ、サローニャ=A=イリヴィカに額に穴をあけられ、マリアン=スリンゲナイヤーに人間テーブルにされたわね」

上条「……うん。大変どころ不幸といっても過言じゃない気がしてきた。やっぱりテーブルにされたのって痛かったか?」

土御門「カミやん、どんな質問してるんだ」

サンドリヨン「ええ。死ぬほど痛かった。人間の姿に戻してくれたことは感謝している。マリアン=スリンゲナイヤーを始末してくれたことも」

上条(まだマリアンが生きてることは気づいてないのか。このまま黙っていた方がいいよな)

上条「んでサンドリヨンは何して生活してんだ?」

サンドリヨン「フリーの魔術師。色々仕事を請け負って生活している」

上条「そっか。なら安心だ。後、あんまり自分の身体を組み立てたりするなよ?」

サンドリヨン「善処する」

空港


上条「何だかあっという間だったな」

土御門「一日半しかいなかったからにゃー」

上条「みんな元気そうでよかったよ。会えなかった奴らもいたけど」

土御門「さすがに全員は無理だぜい」

上条「そうだよな。ちなみにオッレルスがどうなってるか知ってるか?」


トール「オッレルスなら昔と変わらずに色々と暗躍しているみたいだぜ」


上条「……トール?」

土御門「なっ!?」

トール「そんな警戒しなくていいぜ。別に上条ちゃんと喧嘩やりにきたわけじゃねえんだ」

上条「フランスにいたのか」

トール「世界中を放浪しているのさ。特にやることもねえからな」

上条「誰かに喧嘩売ったりしてないのか?」

トール「経験値になるかわかないが色んな奴にお願いしてるんだけどなあ。全部振られちまってる」

上条「そうだろうな」

トール「それに戦う場所を探すのも大変なんだぜ。こう見えてトールさんは他人を気遣える人間だからよ」

上条「上条さんを巻き込んでおいてどの口が言いやがる!?」

トール「ま、機会があればまた喧嘩しようぜ。上条ちゃん」

上条「断る! つーか俺に会いにきただけなのか?」

トール「まーな。上条ちゃんがフランスにいるのを聞いてよ。平和に暮らしてるようで何よりだ」

上条「まーな」

土御門「カミやん、時間だ」

上条「そっか。またな」

トール「おう。またやろうぜ」

第一七七支部


初春「ぬっ!?」

黒子「どうしたんですの初春?」

初春「今BLの気配がしました!」

黒子「はい?」

初春「いえ。気のせいかもしれません」

黒子「変なことを言ってないで早くこの方の情報を調べて下さいな」


青髪ピアス「……」


初春「はい。……あれー? また書庫からはじき出されちゃいました……」

黒子「またですの!?」

初春「おかしいですね。他の人ならすぐアクセス出来るのに」

青髪ピアス「……」

学園都市空港


上条「やっと帰ってきたか」

土御門「カミやん」

上条「ん?」

土御門「実は最後に寄ってもらいたいところがあるんだにゃー」

上条「寄ってもらいたいところ?」

土御門「ああ。学園都市第五位からの依頼でな」

上条「学園都市第五位? そんな大物がなぜ上条さんに?」

土御門「……さあな」

上条「ま、いいけど」

土御門「それじゃ行くぜい」

少年院


上条「少年院? 一方通行がなんかやらかしたのか?」

土御門「違う。それにアイツをこんなところに入れてもすぐに脱走されるのがオチだぜい」

上条「だよなー。うーん、浜面があの後に軽犯罪でもやらかしたのか?」

土御門「それも違う」

上条「じゃあ誰だよ」


蜜蟻「…………え?」


土御門「この子だ」

上条「……えっと、確か蜜蟻だっけ?」

土御門「それじゃ俺は外で待ってるぜい」

蜜蟻「……なんでここに……?」

上条「いや、土御門が学園都市第五位にアンタに会いにいくよう依頼したみたいでな」

蜜蟻「……」

蜜蟻(あの女。一体どういうつもりなのかしらあ)

上条「ずっとここにいるのか?」

蜜蟻「そ、そうねえ。でももう少しで出れるから心配しないでいいわよお」

上条「そっか。つーかアンタのことは覚えてるのにもう片方の子が思い出せないんだよな」

蜜蟻「…………え?」

上条「言い方は悪いけど加害者を覚えてて、被害者を忘れるって酷いよな俺」

蜜蟻(一体どういうことかしらあ。食蜂が上条クンに能力を掛けている? 違う。上条クンに彼女の能力は効かないはず)

上条「……?」

蜜蟻「……それよりなぜ私に会いに来たのかしらあ? いくら依頼だからって普通犯罪者に会いに来る?」

上条「うーん、確かにあの時はお前が加害者だったと思う。でもお前がこれからも加害者になり続けるってことにはならないだろ」

蜜蟻「……っ」

上条「それにお前にも事情があったのかもしれない。事情も知らない俺にお前を銃弾するつもりはないよ」

蜜蟻「……そう。本当変わらないのねえ」

上条「え」

蜜蟻「何でもないわあ。それと私が事件を起こした理由だけど」

上条「別に言わなくてもいいぞ」

蜜蟻「ううん。本当大したことなかったのよお。ただの女の嫉妬」

上条「嫉妬?」

蜜蟻「そう。結局、私が彼女に嫉妬しただけなのよねえ」

上条「……女の子の事情も大変なんだな」

蜜蟻「そうねえ。……ねえ、もしだけど。もし私が困っていたらあなたは助けてくれる?」

上条「当たり前だろ。なんか困ったことがあったら頼ってくれ」

蜜蟻「……ありがとう……」

上条「俺の番号は……。あれ? ここって紙って渡せるのか?」

蜜蟻「渡せないわねえ」

上条「そっか。困ったな」

蜜蟻「問題ないわあ」

上条「でもなー」

蜜蟻「変わってなければ番号知ってるしねえ」

上条「ん?」

蜜蟻「なんでもなーい。それよりそろそろ行ったら?」

上条「そうだな。またな蜜蟻」

蜜蟻「……ええ。またね上条クン」

自宅


上条「ただいま」

禁書「おかえり、とうま」

オティヌス「遅いぞ人間」

上条「悪い悪い。今日は焼肉弁当だぞ」

禁書「うわーい! とうまは最高なんだよ!」

上条「つーかフィアンマは?」

禁書「フィアンマならランニングに行ってるんだよ」

上条「ランニング?」

禁書「貧弱な体を鍛えるために毎日走ってるみたい」

上条「そうなのか。確かにあいつひょろいからなー」

禁書「それより弁当!」

上条「あいよ」

上条(今日も学園都市は平和だ。……昨日魔術師が攻め込んできたけど)

おわりです
とりあえず最近出番がない自分の好きなキャラ出しました

次は上条さんとオティヌスの再構成物でもやろうかと

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年12月27日 (火) 20:50:22   ID: KamrYiT1

新約18巻早く発売されないかな。5秒後何が起きるんだろ

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