モバP「スタージュエル?」(44)

モバP(以下P)「なんですか?それ」

ちひろ「最近この業界で適用された通貨なんです♪」ニコニコ

P「は、はぁ…」

ちひろ「これに換金すれば様々なサービスを受けることができますよ!」

P「俺には一切通達がなかったですけど」

ちひろ「まぁまぁ細かいことは気にせずに!どうしますか?換金します?」

P「じゃあ…これからそのサービスが受けられるなら、とりあえず一万円」スッ

ちひろ「はい♪一万円なら8400スタージュエルと200円のおつりです!」ジャラッ

P「え?!等価レートじゃないんですか?」

ちひろ「はい!諸事情により」

P「そ、そうなんですか…それでこれがスタージュエル」ジャラジャラ

P「なんかビー玉みたいだな」

ちひろ「スタージュエルを使用する場面では私がアナウンスしますので!使い方と限度を守って良いプロデューサーライフを!」

P「ど、どうも」

-事務所-

P「換金してもらったのはいいけど…」ジャラジャラ

P「何に使うんだ?これ」

ガチャ

姫川友紀(N+)「おーす!おはよー!」

P「おう、おは…?!」

友紀(N+)「…?どしたの、プロデューサー」

P(え?何か見えるぞ)ゴシゴシ

P「ゆ、友紀…N+ってなんだ?」

友紀(N+)「は?何言ってるの?」

P「いや…なんでもない」

友紀(N+)「へんなの。TVでキャッツの試合見よっと」スタスタ…

P「…なんだこれ」

ちひろ「お困りのようですね」ヒョコ!

P「うわ?!びっくりしたぁ!」

ちひろ「今までプロデューサーさんがプロデュースしていたのは『ノーマルレアリティ』の友紀ちゃんです」ドサッ!

P「…これは?」

ちひろ「プロデュースノートです。プロデューサーさんが育てているアイドルの情報はこれに記録されてますよ」

P「ふむふむ…確かにそうですね」ペラペラ…

P「そのノーマルレアリティっていうのは?」

ちひろ「アイドルのランクみたいなものですね。」

P「ほう」

ちひろ「Nの上にR、SR、SSRと上位ランクがあります」

P「なるほど…ん?ということはウチの友紀は…」

ちひろ「一番最低レアリティです」

ガシッ!

ちひろ「?!」

P「さ、最低とか!!そんな言い方ないでしょう!」ユサユサ

ちひろ「おおおお落ち着いて!」ガクガク

P「友紀は事務所の初アイドルで…これまで頑張ってくれたじゃないですか!」

ちひろ「そうですけども!私がレアリティを決めてるわけじゃないので!」

P「こうしちゃいられないぞ!友紀のレアリティを上げよう!」ダダダ!

ちひろ「待ってください!」

P「まだなにか?!」

ちひろ「ダメなんです…Nじゃ」

P「…は?」

ちひろ「あの友紀ちゃんはN+まで成長しきっていますので…上位のランクに成長させることは出来ません」

P「…つまり?」

ちひろ「Rの姫川友紀は未実装なのでSRもしくはSSRの友紀ちゃんを育ててもらうしか…」

P「い、意味が理解できませんがとにかく今の友紀ではダメなんですね?」

ちひろ「そうですね…」

P「よくわからないがダメなのか…すまん友紀…俺が不甲斐ないばかりに…」ズーン

ちひろ「…コホン」

P「?」

ちひろ「…でも大丈夫!スタージュエルを使えばどうにかなるかもしれませんよ!」ニッコリ

P「なんですか?その台本丸出しのセリフ」

ちひろ「う、うるさいですね!とにかくついてきてください!」

P「???」




ちひろ「はい!こちらです!」

デデーン!

P「このデカいカードダスは?」

ちひろ「こちらは事務所イチオシの大発明、『プラチナオーディションガシャ』です!」

P「ぷ、プラチナ…オーディション?」

ちひろ「まずは60スタージュエル頂きます!」

P「あ、はい」ゴソゴソ

P「60…と」ジャラッ

ちひろ「はい、確かに!ではどうぞ!」スッ

P「どうぞって…どうすれば?」

ちひろ「その真ん中のtouch!を押すんですよ」

P「これか…」ポチッ

Platinum Audition<キラーン!

青封筒<ピロリン!

P「なんか封筒出てきましたね」

ちひろ「封筒を開けてみてください」

P「ふむ…履歴書が入ってます」ガサガサ

SR片桐 早苗 NEW!

P「早苗さん?早苗さんはもう事務所に…」

ちひろ「おめでとうございます!」

P「え?!ありがとうございます??」ビクッ

ちひろ「はじめてのガシャでSRとは!幸先いいですよ!プロデューサーさん!」

P「そ、そうなんですか」

ガチャ!

早苗(SR)「P君、やっほー!どう?新しいア・タ・シ!」キラキラ!

P「おぉ!すごい!いつもの早苗さんより輝いて見えるぞ!」

ちひろ「そうでしょうとも!なんたってSRですからね!」

P「つまりこのガシャで…」

ちひろ「SRもしくはSSRの友紀ちゃんを出せば良いんですよ!」

P「なるほど!じゃあ景気付けにもう60…」ゴソゴソ

ちひろ「ダメですよ、プロデューサーさん」

P「へ?」

ちひろ「60で引けるのは1日1回です。それ以降のガシャは250スタージュエルとなっております」ニコッ

P「250?!高いなぁ…」

ちひろ「少し高いですけど確実にSRが出る10連ガシャも受け付けていますのでご贔屓に♪」

ちひろ「あ、こちらもご利用は計画的にお願いします♪」

P「まずは今いるメンバーでLIVEこなしつつ60で頑張るか…」

-数日後、LIVE当日-

P「頼むぞ皆…このLIVEは是非とも成功しておきたいんだ…!」

P(あれから何度か60で引いたが成果は芳しくなかった…)

P(とりあえず事務所にいるメンバーでユニットを編成してみたが…)

友紀(N+)「あわわわ…」ヨロヨロ…

菜々(R)「ゼェー…ゼェー…」フラフラ

響子(N)「きゃあ!」ドンガラガッシャーン

早苗(SR)「痛?!」ズデーン!

瑞希(N)「ちょっと!皆落ち着きなさい!」ワタワタ

観客<ブーブー!

P(な、なんだ?…いつもはこんなミスしないのに?!)

友紀「も、もう体力が…」ヘナヘナ…

P「おい、しっかりしろ!大丈夫だから!」

菜々「フヒュー…」パタッ

響子「あいたたた…足を捻って…」

早苗「うぅ…腰が…」

瑞樹「えぇっと…こういう時は…わからないわぁ!」オロオロ

観客「…」シラー

P(嘘だろ…?)

≪LIVE失敗…≫

P「そ、そんな…」

ちひろ「でも大丈夫!」ピョコ!

P「うぉぉ?!いちいちびっくりする登場しないでください!」

ちひろ「LIVE失敗してしまいましたね…」

P「う…でも皆頑張ったから…」

ちひろ「やはりアイドルのレアリティと成長が足りないようです」

P「確かに今のままじゃ怪しいと感じた節はありますよ…」

ちひろ「でも大事なLIVEなんでしょう?」

P「終わってしまったものは仕方ないです…」

ちひろ「まだ終わってないと言ったら?」

P「…どういうことです?」ピクッ

ちひろ「50スタージュエルです♪」

P「からかってるんですか?こんな時に…」

ちひろ「いいから!アイドル達を助けたいのなら、ほら!」

P「…背に腹は代えられないか…どうぞ」ジャラ

ちひろ「はい!頂きました!それでは…」パチンッ!

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P「え?あれ?」

友紀「危ない危ない!油断大敵だー!」

菜々「ま、まぁこれなら問題ありませんよね」

響子「う~ん…思うように出来なかったかな…」

早苗「情状酌量ってとこかしら…はぁ…」

瑞樹「多少よれたけど、そこはメンゴメンゴって事で!」

P「み、みんな?大丈夫なのか?」

友紀「プロデューサーこそ大丈夫?なんかボーっとしてたけど」

P「LIVEは…」

瑞樹「満足のいく結果ではないけど…」

菜々「まずまず成功ですよね!キャハ!」

≪LIVE SUCCESS!!≫

P「…マジで?これってメチャクチャスゴイ物なんじゃ…というかちひろさんがすごいのか…?」ジャラ…

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P(それからの俺は怖いもの知らずだった…)

P(LIVEに失敗しても、一日何度LIVEにトライしても、このスタージュエルさえあれば成功間違い無しなのだから50個なんて安いもんだ)

P(ただ…それだけじゃ済むはずもなく…)

-数ヶ月後-

P「くっそ~!またRかぁ!」ガッカリ

ちひろ「プロデューサーさん…最近回しすぎですよ!も、もう今日はやめたほうが…」

P「あともう一回引いてみたら出そうな気がするんだけどなぁ…よし!ちひろさん!10連引きます!」ジャラッ

ちひろ「じゅ、10連ですか?!もう今日だけで100連は引いてますけど?!」

P「大丈夫ですから!これで止めますんで!」

ちひろ「最初の頃とは随分価値観が変わりましたね…知りませんよ」

P「よ~し…SSR出ろ!」ポチッ

Platinum Audition<キラーン!

青封筒<ピロリン!

P「うわ~!銀縁付いてないぞ…頼むよ~」ガサガサ

ちひろ(いつの間にあんな情報まで仕入れたんだろう…)

R、SR、R、SR、R、R、R、R、R、R

P「新規無し…最悪だ…」

ちひろ「だから言ったのに…」

P「も、もう財布がスッカラカンだ…帰ります…」トボトボ…

ちひろ「ま、毎度ありがとうございました~」

-事務所廊下-

P「ヤバイなぁ…今月どうしよう…」

P(残り現金84円とスタージュエル50個…デイリーも回せないぞ…)

友紀「プロデューサー!」タタタ!

P「ん…友紀か」

友紀「今日さ!一緒に球場に行くって言ってたでしょ!行こう行こう♪」

P「…え?きょ、今日だったか?」

友紀「え~?!先週から約束してたじゃん!」

P「え~と…チケット代とかは…」

友紀「当日券で十分だって…プロデューサーが…」

P(ま、まずい!今はお金が…)

P「あ~…あのな?友紀さん…今日ちょっとさ…」

友紀「…また行けないの?」

P「うぐっ…」

友紀「この間も一緒に観に行くって言ったのに仕事だったでしょ!」プンプン!

P「そ、そうだったっけな…」

P(…あれ?最後に友紀と野球観に行ったのっていつだっけ?)

P(先月の給料はほとんどスタージュエルに換えて…その前の給料も…)

友紀「プロデューサー…最近冷たいね」シュン

P「な、なんだよ!そんなことないぞ!」アセアセ

友紀「あたし何回も約束したのにプロデューサーは仕事仕事って言うし」

P「それはお前達の為に…」

友紀「本当にあたし達のこと思ってるならもっとあたし達を見てよ!!」

P「!」

友紀「ずっと変なガチャガチャ回してるしさ!そんなの本当にあたし達の為なの?!」

P「おま…!アレは…」

友紀「SRとかSSRとかうわ言みたいに呟いてるし!…怖いよ…プロデューサー…」ポロポロ…

P「…友紀?泣いてるのか?」オロオロ

友紀「…」ゴシゴシ

P「ほ…本当にお前の為なんだ…」ガシッ

友紀「…もういい、プロデューサー」


パシッ

P「え…」

友紀「あたしもうここに居たくない」スタスタ…

P「どこ行くんだ?!おい、友紀!」

友紀「…バイバイ」

P「え…え?」

P(あれ?俺なんでこんな事になったんだ?)

P(スタージュエルで…ガシャを回して…)

P(友紀のSSRの為に…友紀…泣いてた…あぁ)

P「全然友紀の為じゃないぞ…こんなの…」

ちひろ「だから言ったじゃないですか」ヒョコ!

P「…」

ちひろ「もうびっくりする元気も無いみたいですねこれが爆死ってものです」

P「爆死…」

ちひろ「私は使い方と限度を守って、と最初に言いましたよ」

P「そうでしたっけ…ハハハ…覚えてないや…」

ちひろ「…50スタージュエルです」

P「…はい?」

ちひろ「持ってるでしょう?あと50」

P「持ってますけど…これじゃあデイリーも…」

ちひろ「ガシャは回しすぎると怖いものだと身を持って知っていただけたみたいなので今回だけサービスです。ほら、はやく」

P「…」ジャラッ

ちひろ「はい、頂きました!…今度からは気を付けてくださいよ?」パチンッ!

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-事務所-

P「…んぁ…」

ちひろ「あ、起きましたね♪疲れてるんじゃないですか?」

P「…ちひろさん…何が起きたんですか…」

ちひろ「何がって…プロデューサーさんがずっと寝てて…今起きたところじゃないですか?」

P「…スタージュエルは?」

ちひろ「なんですか?それ」

P「…?!」ガバッ!

P「あれ…?ガシャの機械も無い…?」

ちひろ「よっぽど疲れてたんですねぇ。友紀ちゃんと約束してるんでしょう?今日行けるんですか?」

P「友紀…?」ピロピロピロ!

P「はい、Pです」ピッ!

友紀『もしもーし!今どこ?プロデューサー!』

P「…事務所」

友紀『えぇ?!事務所ぉ!?早く来ないと試合始まっちゃうよ!』

P「お前…どこ行ってたんだ?」

友紀『どこって…仕事に行ってたよ。ちゃんと行ったからね!お説教はいらないよ!』

友紀『とにかく早く球場に来てね!大至急!』ピッ!

P「…」プーッ、プーッ…

ちひろ「もう試合まで20分しかないですよ。行ったらどうです?」

P「え?あ、はい!お疲れ様でした!」ドタバタ!

カツッ!コロコロコロ…

ちひろ「あら…?もう、プロデューサーさんあわてんぼうなんだから…」ヒョイ

ちひろ「綺麗なガラス玉ですねぇ…なんでしょうこれ?」

おわり



100連でも庶民の自分は胃液がこみあげてきます。ありがとうございました。

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