花丸「Aqours定食」 (21)


前作
曜「かんかん…みかん…?」
曜「かんかん…みかん…?」 - SSまとめ速報
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続編ではないので前作を読む必要はありません


花丸編

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1467174090




ガチャ


花丸「こんにちはー…」



千歌「さぁー!ぐぐっといきましょう!…絶対おいしいから!!」グググ

善子「い、いやよ!!絶対たべないんだからぁ…!」グググ



花丸「…」


花丸「な、なにしてるの…?」


千歌「あ、花丸ちゃん!やっほー」

善子「ぜぇ…はぁ……こ、この人が無理やりみかんを…」


花丸「みかん…?」


千歌「そう!善子ちゃんがみかん嫌いっていうから、おいしいみかんを食べてほしくって!」

花丸「あぁー…なるほど…」



千歌「と、いうことで!いくよ!善子ちゃん!」ガシッ

善子「ちょ!?まだやるの!?…ていうかわたしはヨハネよ!」グググ


千歌「いざ!尋常に!しょーぶ!!」グイッ

善子「いやぁーー!もう勘弁してぇー!」



花丸「あはは…」


善子「ちょっと!あんたも見てないで助けなさいよ!」

千歌「ふふふ、花丸ちゃんはすでにみかん派の人間だよ!ここに善子ちゃんの味方はいないんだよ!うひひ」


花丸「いや…別にそこまでは…」

善子「んもーーぅ!誰かこの人止めなさいよーー!!」






花丸(結局善子ちゃんは意地でみかんを食べなかったみたい)

花丸(千歌ちゃんのみかん好きもここまできたか、って感じずら…)

花丸「っと、お手洗いお手洗い…」スタスタ



花丸「ん?手洗い場にいるのは……千歌ちゃん?」




千歌「…」

千歌「…よしっ」


グイッ


千歌「…!」ブーッ!


千歌「うへぇ…むり…」



花丸「なにしてるの?千歌ちゃん」


千歌「あー、花丸ちゃん…」

花丸「それは……缶コーヒー?しかもブラック…」


千歌「うん…がんばって飲めるようになりたいの…」

花丸「なんで急に…?早く大人になりたい、とか?」


千歌「いやぁ…まぁそれもあるかもだけど…」

花丸「?」



千歌「…鞠莉ちゃんが…コーヒー、好きだから」

花丸「え?」


千歌「鞠莉ちゃんが好きなコーヒーを…わたしも好きになりたいの」


花丸「うーん…なんで?」

千歌「だって!大好きなメンバーの好きな物を、わたしは嫌いなんてやだもん!」

千歌「…なんか…ちゃんとみんなのことわかってあげられてないような気がして…」


花丸「……もしかしてさっきの善子ちゃんのも?」


千歌「…うん…けっきょく逃げられちゃったけど」


花丸「なるほど…千歌ちゃんの気持ちはなんとなくわかったずら」


千歌「!そうだよね…やっぱりコーヒーくらい飲めなきゃ…」


花丸「…仏教の大事な教えの一つに『和』というものがあるずら」


千歌「?」



花丸「みんなの和を崩さないように…っていうことだと思うんだけど…」

花丸「実は『和』っていうのは『異なるものがうまくかみ合わさって調和すること』って意味なんだって」


千歌「んー?どういうこと…?」



花丸「つまりね、大事なのはみんな同じになることじゃなくって、バラバラの個性をいかに組み合わせていくか、ってことずら!」


千歌「…みんな違ってもいいってこと?」

花丸「そう!オラは聖歌隊で歌ってるとき、いつも『和』を感じるずら」


千歌「え?キリスト教の歌なのに…」


花丸「うん!…みんな声の高さも質もちがって…時には男女混ざって歌うこともある…」

花丸「でもね!それがたくさん集まるほど心地よく響いて、みんなを1つにしていくずら!」


花丸「…みんな個性というパート分けがあって、マルたちの歌がどんなハーモニーになるかは歌ってみないとわからない…」

花丸「そのワクワクってとっても素敵だと思うずら!」


千歌「…」



花丸「はっ、ご、ごめんなさい!なんか一人でくだらないことしゃべっちゃって…」





千歌「……す」

花丸「…す?」







千歌「…すごいよ花丸ちゃん!」ガシッ

花丸「ずら!?」


千歌「わたしそんなこと考えたことなかったよ!わたしより年下なのに…花丸ちゃんはすごいよ!大人だよ!」

花丸「い、いやぁ///お寺に住んでるとお説教とか聞く機会多いから…それがうつっちゃったというか…///」


千歌「じゃあ千歌がみかん担当!善子ちゃんはチョコレート担当だね!……花丸ちゃんは何担当がいい?」

花丸「ま、マルは…沢庵担当…かな」

千歌「そっかぁ…たくわんかー!…大変だねぇ…たのんだよ…!」ポンポン


花丸「えっ…マルはみんなの添え物みたいな立ち位置かなーと…」



千歌「なにを言ってるの!定食のたくわんはお客さんの評判を上げるのに必要な一品だよ!」

千歌「定食にご飯はあたりまえ!みそ汁もあたりまえ!他のお店と差がつくのはお漬物が付いてくるかどうかなんだよ!」


花丸「も、もっといろいろあると思うけど…」


千歌「高級食材も、料理のスキルもないわたしたちは品数で勝負!食後のみかんに食後のチョコ!そして食後のコーヒー!そしてたくわん!」

花丸「全然おいしそうじゃないずら…しかも食後ばっかり…」


千歌「大丈夫!みんなで役割分担するから!」

千歌「こんなに個性派ぞろいだもん!きっといい定食ができるよ!」


花丸「えーと…マルたち定食を目指してるわけじゃ…」



千歌「さ!れんしゅうれんしゅうーっと…部室いくよっ!」


花丸「う、うん…」




―部室―


ガチャ


千歌「おまたせみんなー」

花丸「お、おまたせしましたずら」


曜「おそいよー二人とも、荷物置いてあるのにどこ行ったのかと思ったよー」

千歌「ごめんね、ハンバーグ担当曜ちゃん…」

曜「は、ハンバーグたんとう…?」


果南「まーた変なこと思いついちゃったか…」

千歌「みそ汁担当果南ちゃんもおまたせー」

果南「わたしはみそ汁か…」




梨子「千歌ちゃん?今日はミーティングだから遅れないようにって伝えてあったでしょ?」

千歌「う~ごめん!サンドイッチ担当梨子ちゃん!」

梨子「え?うん、まぁ…サンドイッチ好きだけど…」


果南「サンドイッチとみそ汁?…なんか大変なことになってない?」



ダイヤ「はいはい、すでに予定より遅れていますから…すぐにミーティングを始めますわ」

千歌「了解であります!プリン担当!」

ダイヤ「なっ!?///なぜわたくしがプリンなんですの!?もっとふさわしいものがあるでしょう!?」


果南「いや…それ以前にこの制度がおかしいって…」


ダイヤ「抹茶ですわ!わたくしは抹茶担当ですっ!」

千歌「えー、鞠莉ちゃんがコーヒー担当だからかぶっちゃうよー」


梨子「一応かぶりとかの心配はしてるんんだ…」



鞠莉「Oh!ソーリー、ダイヤ!でもプリンとコーヒーなんて…なかなかいいタッグだと思わない?うふふ♪」

ダイヤ「あなたと相性がいいなんてこれっぽっちも思いませんが…」


ガチャ



ルビィ「い、衣装おまたせしましたー」アセアセ

千歌「おぉー!ポテトフライ担当!ありがとー!」

ルビィ「え!?ポテト!?あるの!?どこ!?」


花丸「ルビィちゃん…」

果南「まぁ、普通自分がポテトフライって呼ばれるなんて夢にも思わないだろうからね」アハハ

曜「なんかルビィちゃんがわたしの付け合わせみたいに…」



善子「まぁ…わたしは堕天使担当って前世から決まっているのよ…ククク」

梨子「なんか変なの混ざってきちゃった…」


千歌「善子ちゃんはチョコレート担当だよ?」

善子「なんでわたしだけ路線が違うのよ!?せめてレストランで出てくるものにしなさいよ!」



曜「で、千歌ちゃんは何担当なの?」

果南「どうせみかん担当とかでしょ」

千歌「もちろん!そして…」


千歌「われらがたくわん担当!花丸ちゃんです!」バーン!

花丸「い、いや…!だから沢庵は脇役で…」






善子「…ふふっ」

果南「なんか…マルらしいね」


花丸「えっ」



曜「なんかあると安心するよね、たくわんって」

梨子「ふふっ、やっぱり定食には沢庵は外せないねっ」

ダイヤ「当然ですわ!和食に漬物は基本ですから!」

ルビィ「マルちゃん、がんばルビ……がんばって!」

鞠莉「ジャパニーズつけものは日本人のハートだからね☆」



花丸「…」




千歌「…ねっ?言った通りでしょ?」ニコッ


花丸「…ほんとにみんな…変わった人たちずら…」

千歌「…だからこそ、まだ誰も聞いたことのないハーモニーが生まれる、でしょ?」


花丸「…うん!」




千歌「さぁみんな!今日も練習、いくよー!おー!」

梨子「いや、だから今日はミーティング…」

花丸「おー!ずら!」

ルビィ「マルちゃん!?」


花丸「ふふっ」




花丸(こんなまとまりのないオラたちだけど)


花丸(いつか仏さまもイエス様もびっくりの、特大の奇跡がおこるんじゃないかって)


花丸(このワクワクがとっても素敵ずら!)




花丸(もしかしたら沢庵とみかんも…意外と合うかもしれないし…ね?)




おわり


ありがとうございました

アニメ超楽しみですね!


次回ルビィちゃんで書いたら一区切りとしたいと思います

最後までお付き合いいただけたら大変うれしいです!


では

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