千歌「廃校の守護星者」 (143)


千歌「前から思ってたんだけど廃校の原因ってさ?」
千歌「前から思ってたんだけど廃校の原因ってさ?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1464009935/)


の続編です。
読まれる方はそちらからお願いします。

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リリリリリリリリ…

ジーーッ ジーーッ…

リーンリーン……



梨子「うわあああスゴい!!星がこんなにたくさんはっきり見える!!」



曜「そうだね。この辺は空気が澄んでるし、学校は高いところにあるから遮るものは何もない。この星空を思う存分眺めることができるんだよ」



千歌「うん!星がいっぱいありますたー!!…えへへ。今のはね、星とすたーをかけたんだよ!」



善子「なぜかしら…夏なのに寒気がするわ……」



果南「梨子、真上より少し東側をを見てごらん。一番光ってる星があるでしょ?あれがデネブって言ってはくちょう座の頭の部分になるの。そこから1つ下がった星を中心に…」



キャッキャッ♪ ワースゴーイ!



果南「あ、ダメだ。聞いてない」



花丸「はくちょう座は十字架の形をしているから、北十字星なんて言い方もあるずら。マルも聖歌隊で十字架にお祈りする時、このはくちょう座と重ねることがあるよ」



果南「ふふっ♪マルは詳しいんだね」



花丸「うん!図書室でも星座や宇宙の本をいっぱい読んだずら。なんだか、この現実にもまだ解明されてない宇宙の果てっていうファンタジーがあると思うとドキドキするずら…」



果南「そうだよね。私も、昼はまだ見ぬ海の底を求めて潜るし、夜はまだ見ぬ宇宙の果てを求めて天体観測するし…そういう世界に憧れてるのかも♪」



花丸「ロマンチックずら…最近はずっと雨だったから夏の天体なんて今年は初めてだよね?」



果南「うん…そうだね……」



花丸「……!」



花丸「あ……ごめんなさい…」



果南「ううん!いいのいいの!あれは私たちにとってプラスのことだったんだし…それに、私なんかより花丸ちゃんの方がずっと辛い思いしてたでしょ?」



花丸「そんなことないずら!マルは平気だよ!!」



果南「ふふっ♪そっか…でも、本当になんか久しぶりだよね。あれからも海底の魔獣の余波が大きくて、更に梅雨に入っちゃったから仮校舎設立中はほとんどが雨天だったけど…やっと晴れて校舎も完成してみんなで花火なんて…」



花丸「うん!ついに明日から学校だし、なんだかわくわくするね!」



果南「ね!…ところで、ダイヤとルビィと鞠莉はどこ?」



曜「あ、三人とも花火を買ってくるって言ってたよ」




「エブリバディ〜☆」


「みんな〜!」




曜「あ!来た来た!!おーい!!」



鞠莉「まあ、本当にファンタスターティックなスカイね!!」



果南「ね!ファンタスター…え?」



ルビィ「あれ!マルちゃんが教えてくれたさそり座じゃない!?」



花丸「ルビィちゃん違うよー。さそり座はもっと南にあるずら」



ルビィ「あれ?あれれ?」



果南「ふふふっ♪後でルビィにもお空のこと教えてあげるよ♪千歌ー!梨子ー!善子ー!さあ、花火始めるよ!!」



千歌「やったー!!花火花火〜♪」



善子「来たわね。静寂を切り裂く業火を撃ち鳴らす魔刻の時が…」



ルビィ「いや、打ち上げないよ?」



果南「…ってあれ?ルビィも鞠莉も花火持ってないじゃん」



鞠莉「イエア!それなら…」




ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…




曜「あれって…」



ルビィ「そうだ…鞠莉ちゃんと走ってきたから置いてきちゃったんだ…あはは」




ダイヤ「ハァ…ハァ…ハァ…」ゼェゼェ




果南「ダイヤ!?」



ダイヤ「も…もう無理ですわ…」ドサッ



千歌「うわーダイヤちゃん力持ちだね!こんなたくさん持ってきてくれたんだ」



鞠莉「ダイヤったら、ここに来るまでジャンケンして負けた人が花火セット全部持ちなさいなんて言っておいて自分が負けたのよ!!ふふっ♪おバカね!」



ダイヤ「屈辱ですわ…私、電柱ごとに交代でと言いましたわよね?にもかかわらず最初のジャンケンで負けて私が持った瞬間走り去るとはどういうことですの!?大体夜の校舎で火遊びなど私は反対だったのです。ですが、まあこれもAqoursでの活動の一環だと思って仕方なく付いてきた身ですのよ?それをスーパーからここまで…」



ルビィ「お姉ちゃん!!」



ダイヤ「る…ルビィ!?」



ルビィ「ありがとうっ♪大好きだよ」キャピッ



ダイヤ「……!」ドキン



ダイヤ「ま、まあ。ルビィがそう言うなら仕方ありませんわ!ほら。さっさと準備しますわよ!!」スタスタスタ



千歌「いえーい!!」



果南「あはは…今ではダイヤがルビィにあしらわれてるのか…」



ルビィ「??」



ザザッ…ヒュゥゥ……



梨子「……」




梨子
(陽が沈んで暗くなると、不思議なことが起こります。一つ、また一つって少しずつ光の粒が増えていく…それは町も空も一緒。あそこに煌々と光る一つの家庭も、あそこに光る今にも消えそうな星も、スケールは余りにも違うけれど同じ夜にしか見せない姿なんだなって……あ、また増えた!ふふっ♪夜は街が眠るなんて言うけれどそれは嘘。空が本当の自分をさらけ出したのを見て、街も教えてあげるんだよ。一つ一つの光の温かさを…)



千歌「梨子ちゃーん!花火始めちゃうよー!!」


梨子「あ…う、うん!今行くよ!!」






ゲコゲコゲコ……


リーンリーン…



ダイヤ「みなさん。あまり校舎に近づかないようにしてください?授業は明日からとは言えまだ完成していない部分もありますし、もし花火の火が燃え移ったら退学じゃ済みませんよ?」



千歌「すみませんじゃ済みません!あ、今のはね?」



ダイヤ「千歌さん」



千歌「はい、すみません…」



ルビィ「ところで梨子ちゃんさっき何考えてたの?」



梨子「え……えっ?」



曜「夜空見て騒ぎ出したと思ったら急に立ち止まってずっと空眺めてたじゃん」



梨子「いや、あれは別に…」



千歌「あ、分かった!お星様の絵を描きたいなーって、思ってたんでしょ?」



梨子「ま、まあね…あはは……」



千歌「おおっ!当に図星!!」



八人「……」



千歌「…」



千歌「あれ?今のは星を図にしたいから…」



果南「うまいな」


ダイヤ「お見事ですわ」


善子「やるじゃない」


曜「100ヨーソロー」


ルビィ「100カラット」


鞠莉「ベェリグッ千歌っち」


花丸「うまいずら」


梨子「千歌ちゃん…」



千歌「……」



千歌「……ぷっ」



「あはははははははは!!」



曜「もうっ千歌ちゃんたらホントにダジャレ好きなんだから〜」



ダイヤ「全く、どういう思考回路になっているのでしょうか」



千歌「えへへへ…」



果南「さあ、いくよ」シュボッ



果南「じゃあまずは、ルビィとマル。もっと下に下げて…」



ルビィ&マル「うん…」ドキドキ



シュボボボッ



ルビィ「わぁ!見てマルちゃん!!ピンクの火だよすっごくキレイだ!!」シュボボボッ



花丸「こっちは黄色ずらっ!!」シュボボボッ



果南「こらこら、人の方向けないでよ?消えたらすぐに水のバケツにつけてね?」



鞠莉「夜なのにシャイニ〜☆見てみて!キレイに光ってるわ!!」シュボボボッ



鞠莉「…あら?煙に隠れてるジャパニーズニンジャは誰?」



モクモクモク…



ダイヤ「……」イライラ



鞠莉「ワァオ!ダイヤったら忍者なの隠してたのね!アメイジン!!」



ダイヤ「ケホッケホッ…鞠莉さん!全くあなたと言う人はぁぁぁああ!!!」



鞠莉「レッツエスケープ!!」




善子「おーっほっほっほっほ!!これが地獄の業火を司る悪魔の舞よ!!」ブンブン



果南「こら善子!振り回したら危ないって…」



善子「何言ってるのよ!これは大切な儀式だし、私は善子じゃなくてヨハ…」



ツルッ…



善子「いやぁぁぁぁぁぁ!!」ボチャーン!!



花丸「あ!善子ちゃんがお尻からバケツにハマってるずら!」



ルビィ「すごーい!!」



善子「見てないで助けなさいよ!!」



ワーワーギャーギャー



千歌「……」ボボボッ



梨子「……」ボボボッ



曜「……」ボボボッ




曜「なんか、不思議だよね…またここで集まるのって…短い間だったけど海の上の方に慣れちゃってるから」



千歌&梨子「うん」



梨子「…でも私は、またこうしてみんなと笑い合えるようになってとっても嬉しいよ?転校してきてから千歌ちゃんに急にアイドル誘われたり、学校がなくなっちゃったりって波乱万丈だったけど、今こうしていられるのが本当に幸せ」



ワーワーギャーギャー

シャメヲトルナー!



曜「ふふっ♪私も幸せだよ!」



千歌「……」



曜「千歌ちゃん?」



千歌「…あ!ち、千歌も幸せだよ?あはは…」



曜「千歌ちゃん?……ってあ!」



シュボッ……



千歌「曜ちゃんもう終わっちゃったの?…って……あ!」



シュボッ……



千歌「ああ〜」



梨子「……」ボボボッ



曜「梨子ちゃんすごい…」



梨子「うふふっ♪」



千歌「それー!!!」フーッ



曜「千歌ちゃん!?」



梨子「きゃっ!?」



シュボッ……



千歌「梨子ちゃんも落ちたー!」



梨子「もー千歌ちゃんたらー!!」



キャッキャッワーワー…



果南「最後は、小さいけど打ち上げ花火を三つ飛ばそう」



善子「ね、ルビィ言ったでしょう?地獄の業火を撃ち鳴らす時が来たのよ!!」



ルビィ「う、うん。そうだね…」



ダイヤ「ルビィ。下がっていなさい。お姉ちゃんが火花から身を守ってあげますわ」



ルビィ「お姉ちゃんまで…」



果南「いくよー!!」シュボッ……




千歌「わくわく…」



曜「ドキドキ…」



花丸「ずらずら…」




ヒュゥゥゥゥゥゥ…パパパーン!!!
パーン!!パパパーン!!!!




ルビィ「ひゃっ!?」



果南「おおー!」



鞠莉「ビューティフォー!!」



ダイヤ「美しいですわ…」




パーン!!パパパーン!!!!




千歌「たーまやー!!」



曜「かーぎやー!!」



梨子「もう、二人とも…」



花丸「ずーらやー!!」



梨子「え、なにそれ」



シュゥゥゥゥゥゥゥ…



千歌「あー終わっちゃったー」



果南「はいみんな、片付けしてー」



曜「はーい」



鞠莉「もうおしまいなのね…もっとハイになりたかったわ」



ダイヤ「これ以上続けると近隣の方から通報されますわよ?」



梨子「まだ遊びたい!ってくらいがちょうどいいんですよ」



ルビィ「でも本当に綺麗だったね!」



花丸「そうだねルビィちゃん!赤と黄色と白と…なんだかあの時勾玉が光り出したみたいだったずら!」



善子「……」



花丸「善子ちゃん?どうしたの?」




善子「…そういえば、図書室にあった地下へのゲート…今はどうなってるのかしら?」



「!?!?!?」



ルビィ「善子ちゃん!?」



果南「確かに…元はと言えばその部屋から全てが始まったんだよね?」



梨子「うん…まさか学校にそんな不思議な空間があるとは思わなかったし…」



曜「でも、花丸ちゃんが色んなデータ展開してた図書室にはそんな部屋なかったよね?まあ、部屋の様子がまるっきし変わってはいたけど…」



ダイヤ「あれはかつて浦の星女学院を内浦湾へ移動させた時に切り離されたのではないのでしょうか?地下と言うことは元々あった校舎とは切り離さなければいけなかったはず。ルビィがこの土地をならした時に埋めてしまったのでは?」



ルビィ「力を得て部屋を出ちゃってからは全く考えてなかったな…何も考えずに学校移動させて地面ならしちゃったから…」



善子「もしかしたら元々図書室のあった場所を調べればゲートがあるかもしれないわ」



鞠莉「私も見てみたいわ〜♪ファンタジーな魔法の部屋!!」



千歌「よーし!それじゃあ探しに行こうー!!」



「……」



千歌「…あれ?行かないの?」



果南「いや、千歌。行くよ?行くんだけどね…」チラッ



曜「…こういう時って、いつもなら誰かしらがストップかけるから誰も止めないってのに違和感あってさ」チラッ



ダイヤ「……」



ダイヤ「ええ。確かに、火遊びに加え校舎への不法侵入など言語道断ですわ…しかし、もしそのようないつ何が起こるか分からない不気味な部屋の上での授業など気が散って勉強になりません…安心してください。何かあったら生徒会長の権限でなんとかしてみせますわ!」



千歌「おぉー!ダイヤちゃんかっこいいー!!」パチパチ



鞠莉「ブラボーよダイヤ!!さあ、レッツゴー!!」



曜「そう言えば、元々図書室のあった場所ってどこ?」



ダイヤ「確かそこは理科準備室になっているはずですわ」



ルビィ「うぅ…夜の校舎ってドキドキするなぁ…」



ギュギュッ



ルビィ「!?」



ダイヤ「安心しなさいルビィ。お姉ちゃんが側にいますから」



花丸「ずら。ルビィちゃんはマルが守るずら」



ルビィ「二人とも…///」



善子「ルビィ。安心しなさい。出てくるお化けなんて全部私の配下よ」



梨子「何故だろう。今のよっちゃんが言うとすごく説得力がある」



果南「堕天使とか仕えさせてたからね」



鞠莉「みんなー!ハリーアップ!!」



ダイヤ「って!鞠莉さん!勝手に進まないでください!!」タッタッタッ



花丸「待つずらー!!」タッタッタッ



ルビィ「はわわ…」ズルズルズル…



善子「かかってきなさい!主に逆らう哀れな魂たち!!」タッタッタッ



曜「ヨーソロー!」タッタッタッ




鞠莉「早くしないと三回くらい日が暮れちゃうわよ〜!!サンセットが三セット〜!☆」



果南「いや、もう夜だし」タッタッタッ



千歌「だから千歌の領分を取らないでー!!!」タッタッタッ



カツン…カツン…



曜「夜の校舎って…確かにジメジメして暑いんだけど…」



梨子「その中にどこかヒンヤリとした空気があるんだよね…」



善子「決まってるでしょ?悪魔たちが魂を奪う瞬間を今か今かと待ち続けているんだわ」



ダイヤ「ルビィ。ちゃんとついてきていますか?」



ルビィ「う、うん…」



ルビィ(結局お姉ちゃんすぐ手離しちゃったよ…花火持ってきたから手疲れてるのかな?)



花丸「マルがルビィちゃんのSPずら!悪い奴はいないかー!」ズラズラ



千歌「はえー…仮校舎って言ってもよくできてるんだねー」



果南「うん。簡易的とは言え前の学校の構造をほとんど再現して建てたからね。図書室は本が寄付されるまで空き部屋だし、前より小さいところだけど…」



ピタッ




ダイヤ「…そこが科学準備室ですわ」ピタッ



梨子「前の図書室があった場所…こっちは広くなったんだね」



ダイヤ「ええ…と言っても、まだ器具も揃ってないし、やはり広すぎるため他の機材や書類の倉庫としても使われていますの」



曜「えっと…部屋に入るには……」





鞠莉「おまたせ〜♪」タッタッタッ



ダイヤ「鞠莉さん!一人で行動するのは危ないと…」



鞠莉「ふふっ♪鍵を取ってきたの!」ジャラジャラ



千歌「おお!さすが鞠莉ちゃん!!」



果南「よく鍵のある場所分かったよね…まだ学校始まってないし職員室とかも入れたの?」



ダイヤ「はぁ…全く」



ルビィ「早くこんな暗いところ出たいよぉ…」



鞠莉「そうね!ちゃっちゃと調べてまた花火しましょ?」



ダイヤ「もうやりません」



花丸「またずーらやー!って言いたいずら」



梨子「いやだから何それ」



シーン…



曜「静かだね……」



果南「まあね…それにこの薬品と倉庫独特の香りがなんとも不気味」



ダイヤ「物は多いですが、手分けして怪しい部分を見つけましょう」



千歌「げー…かえるがビンに詰めてある…」



鞠莉「イエス!ホルマリー漬けね!!」



千歌「へぇホルマリー漬けって言うんだ!」



果南「ホルマ・リ・ンね?」



善子「再び感じることになるとはね…この気配。堕天の香りが鼻をくすぐるわ」



花丸「善子ちゃんそれ塩酸だよ」



ルビィ「あんまりくんくんすると倒れるよ」



ワイワイ ガサガサ パリーン


ヨシコチャンシンジャダメー!




梨子「…」ガサガサ



梨子「…ん?」



ゴソゴソ



梨子(美術部の使う絵の具やキャンパスもみんなここに置いてあるんだ)



ヒュゥゥゥゥゥゥゥ…



梨子「!?!?」




果南「善子!ダメでしょ!!」



善子「うっ、うるさいわね!悪魔のトラップにかからないようヨハネが前もって潰しておいたのよ!!」



梨子「大変!みんな来て!!」





千歌「梨子ちゃん?」



曜「どうしたの?」



梨子「ここ!ここの床から風が…!」



果南「ホントだ…」



花丸「あの時と同じ冷たい風…」



善子「ええ。忘れるわけないわ」



ルビィ「きっとこの下にあの部屋が…」



果南「でも、なんで工事中に見つからなかったんだろう…」



ダイヤ「さあ、床を剥がしてください!!」



鞠莉「アーユーレディ?せーの!!」



千歌曜果南鞠莉ルビィ「それっ!!」



バキバキバキッ!!!



九人「!!!」



ヒュオォォォォ…




曜「これが例の階段……」



花丸「間違いないずら…この学校に似つかわしくない石の階段……あの時のものだよ!」



ルビィ「……」ゴクリ



善子「ふふっ♪三たび悪魔の羽を宿してくれるってわけね」



千歌「すごい…本当にあるんだ…隠された部屋なんてロマンたっぷりだね!!」



梨子「これが……で、でも、四人とは言え新築の校舎…なんでこんなに簡単に床板が剥がれたんだろう?」



ダイヤ「梨子さん。先ほど剥がした床板を見てください」ガタッ



梨子「!?」



果南「これは…」



ダイヤ「見てください。裏側が腐り果てていますわ」ボロッ



梨子「なにこれ…」



花丸「……」



ダイヤ「おそらく、この下にはかつてルビィたちが見つけた例の部屋があるのは間違いないでしょう。何か不思議な力が漏れ出しているのかもしれません。それに、この部屋は誰かに反応してその姿を現すのではないでしょうか?」



果南「どういうこと?」



ダイヤ「建物を建設する時地盤調査は必須ですわ。今回もそうですが、初めて浦の星女学院が建設された時、或いは周辺の住宅を建設した時、はたまた国が大規模に調査した時にこれだけ深く続く地下道が発見されないのはあまりにも不自然。きっとこの床は私たちに反応して開く異次元への扉…」



果南「ダイヤまで…」



花丸「…確かに、そう考えるのが自然かもしれないずら」



果南「マル!?」



花丸「ただ、図書室の時はマルたちが自然とその扉を求めていたのもしれない。でも、今回はこの扉がマルたちを招いているような気がするずら…どの道この先に行かなければ行けない。そんな気がするよ…」



鞠莉「考えていても仕方ないわ!!ロマンを求めて進むわよ!!」ズカズカ



千歌「いえーい!!」ズカズカ



善子「今帰ったわよ使い魔たち!晩餐の準備を!!」ズカズカ



曜「な…謎の階段を前速前進ヨーソロー…」ブルブル



ルビィ「大丈夫曜ちゃん?」



果南「あぁもう!みんな!!」



ダイヤ「はぁ…さあ、私たちも行きましょう」



花丸「ずら!」



梨子「うん…」



カツン…カツン…



鞠莉「みんなースマホのライトでシャイニー☆してちょうだい」



果南「言われなくても照らしてるよ…」



ルビィ「きゃっ!?」ドサッ



曜「ルビィちゃん!?」



ルビィ「いたた…思いっきし手着いちゃった…」



花丸「大丈夫ルビィちゃん!?」



花丸「!?!?」



ルビィ「へ?どうしたの?…あ!ちょっと血が出てる…」



果南「はい。ティッシュ使って…立てそう?」



ルビィ「うん…ありがとう」



花丸「……」



花丸「マルが手当てするずら……よし。こっちの手握って。一緒に歩こう?」



善子「悪魔のいたずらね。後で天罰下しとくわ」



梨子「よっちゃんが言うとリアリティあるね…」



曜「ほら、堕天使操ってたから…」



カツン……カツン……



千歌「ルビィちゃん大丈夫?みかん食べる?傷口にみかん塗る?」



花丸「それって塩より鬼畜ずら」



ダイヤ「…ん?遠くに光が見えますわ!!」



善子「あれだわ!急ぐわよ!!」








梨子「ここは…」



曜「すごい…学校…いや、この高台の下にこんな部屋があるなんて」



千歌「わぁ…広いなぁ…」




果南「三人とも。これで間違いない?」



花丸ルビィ「うん!」



善子「この広さ、蝋燭、そしてあの祭壇。間違いないわ。あの時のモノよ」



ダイヤ「なるほど…」スリスリ



鞠莉「アメイジン…」サワサワ




果南「…って!二人ともいつの間に!」



ダイヤ「勾玉とやらはどこですの?」



善子「前に来た時も勾玉は四つだけ…他にはなにもなかったわ」




鞠莉「ホワッツ?」



ルビィ「どうしたの?鞠莉ちゃん?」



鞠莉「…カモン。ここからこの部屋全体を見てみて」



花丸「何か見つかったの?」



花丸「!?!?」



千歌「え?なに!?どうなってるの…」



曜「なんか床に模様があるのは分かるけど…」



梨子「よっちゃん!前来た時気付かなかったの!?」



善子「し、知らないわよ!勾玉に夢中でこんなワケわかんない紋章気付くわけないじゃない!」



果南「……」



ルビィ「果南ちゃん?」



果南「花丸ちゃん。間違いないね」



花丸「うん。これは…十二星座を表しているずら!」



「!?!?!?」



曜「十二星座って…」



ダイヤ「どういうことですの!?」



果南「一見するとただの大きくて複雑な円形の紋章…でもよく見ると円周内側に十二の小さな円、それから中心に少し大きめの円があるよね」



花丸「小さな円の中にある線みたいな模様はそれぞれの星座の模様だよ」



梨子「えぇっ!?」



ルビィ「すごい…前来た時はただ光ってるだけだと思ってたから…」



善子「マル、ルビィ。あなた気付いてたのね?」



ルビィ「えへへ…まさかこんな重要なモノだとは思わなくて…」



花丸「マルも二人が勾玉いじってたの止めようと必死で…」



千歌「あ!見て!あそことあそこのまるだけ色が薄いよ!!」



鞠莉「ザッツライ!それがどういう意味を持ってるのかしら?」



花丸「……」



果南「……」



曜「何か分かったの二人とも?」



花丸「二つだけ暗い円…あれは水瓶(みずがめ)座と獅子(しし)座を表しているずら」



果南「……」



花丸「あ、果南ちゃん確か…」




果南「うん。水瓶座だよ」カツンカツン




花丸「!?」




千歌「それに千歌は獅子座!!」タッタッタッ



鞠莉「ホワッツ果南!?千歌っち!?」



梨子「千歌ちゃん!?果南さん!?」



ルビィ「危ないよ二人とも!!」



果南「あそこの紋章に乗ってみるよ。私の力で中心の大きな円に何か変化があるかもしれないでしょ?」



曜「大丈夫?消えちゃったりしないよね?」



千歌「安心して!千歌たちはあんなすごい戦いを乗り越えたんだよ?絶対大丈夫だよ!」



ダイヤ「……」



果南「ふふっ。ダイヤ、そんな顔しないで。私だってダイヤみたいに強くなろうって、あの時から決めてたんだから。これはみんなのため」カツンカツン



スッ



果南「……」



千歌「……」



七人「……」




ルビィ「……?」



花丸「…何も起きない?」



ブゥゥゥゥゥゥン…



鞠莉「シャイニング!紋章が光り始めたわ!!」



千歌「おおっ…」ブゥゥゥン



果南「…!?…千歌、もう離れよう!」グイッ



千歌「ほわわっ!?」



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…



善子「うわっ地震!?」



ルビィ「ま、眩しい……」



花丸「みんな目を瞑ってしゃがんで……」



ズズズズズズ……



梨子「…ん?ふ、二人とも大丈夫!?」



千歌「えへへっ大丈夫だよ!」



果南「ほんとびっくりしたよ…」



ダイヤ「見てください!真ん中の円が!!」



八人「!?!?!?」




果南「床がせり上がってる…」



曜「こんな仕掛けがあったなんて…」



梨子「な、何か書いてあるよ?」



善子「うわ…何よこれ。全く読めないわ。この絵は天使や悪魔なんだろうけど…何を表しているのかしら?」



花丸「……」



ルビィ「マルちゃん?」



花丸「神託を授かりし十二の星者よ。天から堕ちし災厄《オリュン》に深海の愚獣は及ばない。それが満ちる刻、汝達に秘める力を合わせ対抗し得るような未来を願う。この地を、世界を守る為…」



ダイヤ「あなたこれを読めるのですか!?」



花丸「はい!マリンブレインシステムが壊れた時そっちに保存してあった知識や記憶が一部流れてきて…全部じゃないけどこういう字を読む力はあるずら!」



ルビィ「マルちゃんすごい!!」



花丸「えっへん!」



千歌「でも、これどういう意味だろう?」



善子「決まってるじゃない!堕ちる天…堕天よ!!今や堕天の王となった私を崇め奉れってことよ!!!」



梨子「違うよ、よっちゃん。おそらく、十二星座がその天から降ってきた《オリュン》と戦う力になるよってことでしょ?一体…それに深海の愚獣って…」



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…



九人「!?!?!?」



善子「今度は何よ!?」



梨子「見て!祭壇が!!」



ズズズズズズン……



善子「祭壇の後ろの壁に三つの階段が現れた…」



曜「もう何が起きても驚かない気がする」




九人「……」



ダイヤ「行きますわよ」スッ



果南「そうだね。ここまで来て引き返すわけにはいかないよ。それに、もしかしたら今までに無いくらいロマンティックな星座の伝説が眠っているのかも」



花丸「マルも興味あるずら」



千歌「きっとこの先には大量のみかんが…」



鞠莉「ふふっ♪やっぱり日本って面白い!!こっちに来てからドキドキが止まらないわ!!」



善子「ふふん。天上天下天地異世界、宇宙までもこのヨハネが統べてやるわ!」



曜「伝説は海だけじゃない…どこにだって眠っている!それを求めて進むのが男ってものだ!!」



ルビィ「曜ちゃん女の子だよね?…ほ、ほんとに大丈夫かな…」



梨子「どうだろう…また何か大事に巻き込まれそうな…」




ダイヤ「二人とも」ガシッ



梨子&ルビィ「ひいっ」



ダイヤ「さあ、行きますわよ?」





花丸「ちょっと待つずら!!」



八人「??」


ダイヤ「どうしたのですか花丸さん?」


花丸「扉が三つあるから三人ずつに分かれて探索するずら。そして、見て。真ん中の扉だけ少し違うよ…」


果南「本当だ…他の二つと違って装飾もあって…極端に豪華というか、なんか異様だよね」


花丸「マルとルビィちゃんと善子ちゃんはこういう場所に慣れてるからそれぞれ分かれて…左側をルビィちゃんと千歌ちゃん、曜ちゃんでお願いするずら」


曜&千歌「任せて!」


ルビィ「が…がんばルビィ…」


ダイヤ「何故ですの!?あの二人にルビィなんて任せたら絶対に迷って出てこられなくなりますわ!!」


曜「そんな…」


千歌「ダイヤちゃんヒドい…」


花丸「二人は直感が冴えてるし、ルビィちゃんを不安にさせないためにも二人が向いていると思う。それから真ん中はマルと果南ちゃんとダイヤちゃん!」



果南「わ、私が真ん中!?」



ダイヤ「何故ですの?」



花丸「真ん中は残り二つと違ってこの地下の謎の重要な鍵を握る何かがあると思う。だからそれだけ暗号とかも多いはず…マルは字が読めるし果南ちゃんも天体に詳しいし、ダイヤちゃんも頭がいいから来て欲しいずら」



ダイヤ「なるほど…」



鞠莉「イエア!梨子!ヨハネ!一緒に右の扉をアドベンチャーよ!!」ガシッ




鞠莉「??」



善子「なに?」



梨子「ど、どうしたんですか?」



鞠莉「ふふっ♪もっと楽しくいきましょう♪」



花丸「……」



鞠莉「……」チラッ



花丸「…!」



花丸「それじゃあ探索を始めるずら!」



カツン…カツン…



花丸「壁に星座の壁画がたくさんあるずら」



果南(ん?この模様……)



ダイヤ「ですわね…しかし何故こんな場所に『星』なのでしょう。水族館はやたらあるくせに宇宙博物館など一つもありませんし。私たちだけに見せたい宇宙の真理でもあるのでしょうか?」



果南「疑問は山積みだよね…勾玉のことや紋章のことや…もうファンタジーって割り切って突っ込むのやめた方が楽かも」



花丸「……」



果南「どうしたのマル?」




花丸「それだけじゃないずら」



果南「え?」



ダイヤ「どういうことです?」



花丸「さっき地面にあった十二星座は既に十個、果南ちゃんの水瓶座と千歌ちゃんの獅子座を除いてすべて光っていたずら」



果南「確かに…でもそれが…」



花丸「果南ちゃん。おかしいと思わない?二人がそうしたようにあれを光らせるにはあの紋章を一度踏む必要があるずら。なのに残り十個は既に光っていた…つまり、既に光っていた十個に該当する星座の持ち主がマルたちより先に訪れていたってことになるよ」



果南「え!?まさか…ここは私たちにしか見つけられないはずじゃ…一体誰が…」



ダイヤ「Aqoursのメンバー全員を揃えてもすべての星座は揃いませんわ……」



花丸「それから、災厄《オリュン》」



果南「……」



ダイヤ「あの暗号に書いてあったものですか」



花丸「うん。思ったんだけど、あそこに書いてあった《オリュン》って言うのに対抗するはずだった深海の愚獣ってのが、この間倒した巨大シーラカンスのことだったんじゃないかな?」



果南「確かに…!宇宙からのそれと戦うには十分過ぎるほど強かったよね…でも、あれでも及ばないって…」



花丸「それは多分ミスずら」



ダイヤ「ミス?」



花丸「あれは確かに進化し続けてものすごい力を持っていたけど、明らかに地球の味方と言えるような生物じゃなかった…その《オリュン》と戦ってくれるような感じでもなかった。それに勾玉の力に反応して襲いかかってきたんだよ?」



ダイヤ「確かに…私たちの味方なら愚獣などという呼び方をしませんし、味方であるはずの勾玉に攻撃などするはずありませんわよね?」



果南「マル…何か分かったの?」



花丸「これはマルの完全な憶測だけど、あの深海の生物も災厄の一部だったんじゃないかな?いずれあの生物を放置しておくと宇宙より舞い降りた《オリュン》とリンクしてもう手がつけられない程の災厄となる。だからこの部屋を見つけた者に勾玉を与え、望む力を託す代わりに災厄の半身である深海の生物を倒してもらう。その後に訪れる災厄のもう半身である《オリュン》と戦ってもらうつもりだったんじゃないかな。それに選ばれたのがマルたち」



果南「そんな…あれが災厄の半身だったなんて…あれに匹敵する災厄がもう一つあるってこと?」



花丸「匹敵…いや、おそらくこの先には更なる力を得るための鍵があるはず。そこにマルたちを進めさせるということは《オリュン》は深海の愚獣を凌駕する程強い。今回は地球の海だけじゃない。4億年の進化なんてちっぽけ過ぎる宇宙規模の災厄…その力はとんでもないよ」



ダイヤ「成る程…そして今の状況はあまりにも芳しくないってことですわね?本来なら深海の生物を倒した後それぞれの星座に該当する…Aqoursを含む十二人を集めあの紋章の封印を解くはずだった…しかし、何故か既に十個の封印が解けている。誰かが手を回しているに違いない。そう言いたいのですね?花丸さん」



花丸「さすがダイヤちゃん!その通り。…実は、あの暗号には続きがあったずら」



果南&ダイヤ「!?」



果南「それは一体…」






花丸「簡単に言うと…《オリュン》は既に地球にいる。そして人と化す。そう書いてあったよ…つまり、ここに来ることができるAqoursのメンバーの誰かに既にすり替わっていて、マルたちの計画を阻止しようと企んでいる」



カツン…カツン…



ルビィ「はぁ…はぁ…結構歩いてきたよね?」



千歌「そうだね…いつになったらたどり着くんだろう…」



曜「結構潜ってきたし…もう海の中くらいの深さにいるんじゃないかな?…ダイヤさんの話も考慮すると、つまりこの高台の中に、私たちに反応して出現する謎の遺跡がこうして存在するってことだよね?」



ルビィ「本当に、なんで学校の地下にこんな遺跡みたいな空間があるんだろう…」



千歌「うーん…」



曜「やっぱりさっきの暗号が鍵になるのかな…」



千歌「うーん…」



ルビィ「災厄《オリュン》って一体…」



千歌「うーん…」



曜「千歌ちゃん?」




千歌「」ドサッ



曜&ルビィ「千歌ちゃん!?」



千歌「うぅ…頭を使い過ぎた…」



曜「はぁ…少し休憩にしよう」



千歌「もむもむ♪」



曜「こんなとこにまでみかん持ってきてるんだね」



千歌「食べる?」



曜「いや、今はいいよ…」




ルビィ「ふふっ♪」



千歌「?」モムモム



曜「ルビィちゃん?」



ルビィ「マルちゃんが二人と一緒に行きなって言ってくれた意味分かったよ。ルビィ、前同じように部屋を見つけた時すごく怖い思いしたから今回もあまり乗り気じゃなかったけど…二人といるとすっごく元気でる!ありがとう!!」



曜「いやいや、私たちバカだから!何にも考えてないだけだよ!それに、マルちゃん、ダイヤさん、善子ちゃん、果南ちゃん、鞠莉さん、梨子ちゃん…みんな心強い味方だよ!だってみんなAqoursの仲間…」




千歌「待って」モムモム



曜ルビィ「!?」



曜「どうしたの?」



ルビィ「千歌…ちゃん?」



千歌「勘勘み勘」



曜「え?」



千歌「今日のAqoursはAqoursじゃない」



カツンカツン…



鞠莉「〜♪」



善子「ふふふ…まさか前の堕天力を凌ぐ力を手にする日が来るなんてね。今日、このヨハネ以外の森羅万象がリトルデーモンに変わるんだわ!!」


梨子「でもよっちゃん、前勾玉で力を得た時泣いちゃったんでしょ?」


善子「うっ…」


梨子「見てみたいなーよっちゃんが泣くところ」


善子「リリー。このヨハネに逆らうなら例えあなたでも痛いお仕置きしちゃうわよ?」


梨子「んー?どんなお仕置きなのかな♪私受けてみたいかも」


善子「それはこうよ!ジーザスクライ……ムギュッ!?」



梨子「ほらほらどうしたの?」



善子「ぐぐっ…はにゃしにゃしゃいよ…」ムギュッ



梨子「んー?聞こえないなー」プニュプニュ



善子「うぅ……はにゃしてくだしゃい…」



梨子「よろしい」パッ



善子「ぷはっ!…全く、リリーって時々こう…攻めるわよね?」



梨子「今度は私がお仕置きしようか?」



善子「やめてください」



梨子「よかろう」




鞠莉「ふふっ♪」



鞠莉「〜♪」



鞠莉「……」ピタッ



善子&梨子「?」



鞠莉「あなたたち、ちょっといいかしら?」



果南「《オリュン》が…Aqoursの誰かに…」



ダイヤ「こうしちゃいられませんわ!早くルビィや梨子さんたちと合流しないと危険ですわ!」



花丸「その必要はないよ」




果南「どうして!!!」



花丸「このチームはその危険を防ぐための采配だからだよ」



ダイヤ「ん?つまり花丸さん。あなたは誰がAqoursのメンバーに化けた《オリュン》なのか分かっているということですか?」



花丸「そうずら。おそらく…鞠莉さんも気づいてる。ルビィちゃんたちの方は知らないけど…」



果南「それは誰なの?」



ダイヤ「誰なのです…?」




花丸「まあそう焦らないで…マルの解説をじっくり聞いてほしいずら」



千歌「行こう二人とも」カツン…カツン…



曜「ちょ…ちょっと待ってよ千歌ちゃん!今のAqoursがAqoursじゃない…ってどういうこと!?」



ルビィ「そうだよ!あんなにみんなこと大好きな千歌さんがそんなこと言うなんて…らしくないよ!私も曜ちゃんもAqoursのみんなが大好きで…」



千歌「大好きならどうして気づかないのさ!!」



曜&ルビィ「!?!?」ビクッ



曜「本当にどうしたの千歌ちゃん…?」



千歌「今日、花火が始まってからいつものようにみんなと九人でお話ししてたんだけど、なんか違う。みんないつも通りなんだけど雰囲気が違うなって思ってたの」



ルビィ「それは前の事件を通して強くなったから…」



千歌「違う!!Aqoursなの!Aqoursなんだよ!でも…何か違うものを感じる!本当に…本当に九人なのに何かが噛み合わないの…何かが…」



ルビィ「……」



曜「それは、今のAqoursを信用できないってこと?」



千歌「よくわかんない…でもただの勘違いかもしれないし、そんなこと言ったら雰囲気悪くすると思ってずっと黙ってたけど…耐えられなくて……」



曜「千歌ちゃん…」




ルビィ「…千歌ちゃん。あのね?」



千歌「ルビィ…ちゃん?」




ルビィ「黙ってたけど、ルビィもなんとなく感じてたよ。そういう空気」



千歌「えっ…!?」



曜「……」



梨子「この部屋は……」



鞠莉「ふふっ♪どうやら行き止まりみたいね!今頃千歌っちたちも同じだと思うわ」



善子「マリー。どういうことよ。呼び止めといて勝手に進んじゃうし…あなた何か隠してるんでしょ?言わないと天罰下すわよ?」



梨子「よっちゃん…そ、そうですよ鞠莉さん!何か知ってるんですか?」



鞠莉「私たちAqoursの中に《オリュン》がいる。そして私はそれが誰だか知っている。おそらくあの子もね…」



善子&梨子「!?!?」



善子「ど…どういうことよ…」



梨子「《オリュン》ってあの暗号に書かれていた災厄だよね?それが私たちの中にいるってどういうこと?」



鞠莉「あの紋章クレイジーよね?ここにはAqoursしか来れないのに既に十個の星座が踏んであった。《オリュン》っていうのはおそらく、海底の愚獣と同じ災厄。あの子は勾玉目掛けて襲ってきたけど倒された…同じ失敗を繰り返さないよう《オリュン》はAqoursの誰かにすり替わって、自分を倒そうとする私たちAqoursが力を得る前に、ここで私たちをその力もろとも滅ぼすつもりよ」



善子「はぁ!?あなた何言ってるの!?悪い悪魔にでも取り憑かれてるんだわ。いつもみたいな陽気なマリーはどこへいったのよ!」



梨子「そうですよ鞠莉さん…急にそんなこと言われても…私たちさっきまで一緒にいたけど何もなかったし……」



鞠莉「私も確信は持ててないわ。まず、ヨハネ。あなたには確認しておきたいことがあるの」



善子「なによ」



鞠莉「あなた、学校が海にあった時、一ヶ月くらい海の魔獣と戦ってたでしょ?その時色々なデーモン呼び出してたじゃない。それ、全部覚えてるかしら?」



善子「覚えてるわけないじゃない!何十回戦ったと思ってるのよ!!」



鞠莉「じゃあそうね…ゼウスって神様を堕天させたことはあったかしら?」



善子「!?」



梨子「よっちゃん…あるの!?それにゼウスってギリシャ神話に出てくる全知全能の最高神だよね!?」



善子「ええあるわ。ただ、その時は失敗したわ。戦い始めて間もない頃で上手く扱えないまま消えちゃったわよ」



鞠莉「その力は本当に一ミリも残さず消えちゃうの?」



善子「堕天と召喚自体には成功したわ。ただ上手く扱えなくて、その後も残った強大な力にある意味振り回されてたことはあるわ」



鞠莉「アイシー。例えばどんな時かしら?」



善子「なんなのよもう…例えば…最後の戦いでμ'sと協力してシーラカンスに弓を撃った。あなたも見てたでしょう?みんなと力を合わせて撃ったあの一撃。実は、あの弓はケイローンの弓なの。私の中にあるゼウスの力が勝手に使えって言ってきたから」



梨子「……」



梨子(なに…なにこれ?この二人がガチトーンで話してるの始めてみた…善子ちゃんはヨハネの時を知ってるからともかく、いつも明るくてマイペースな鞠莉さんがこんな一面を……)






鞠莉「あははははははははははは!!!!」



善子&梨子「!?!?」



善子「な、なによ!?……まさか…まさかあなたが《オリュン》ね!!」



梨子「そんな…鞠莉さん……」



鞠莉「……」スッ





鞠莉「シャイニィィィィィ!!☆」



善子&梨子「はぁぁぁ?」



鞠莉「ふふふっ♪アンダースタンドよ!ありがとうヨハネ♪」



善子「なんっなのあなた!!バカにしてるでしょホントに!!なんならゼウスでもなんでも呼び出してあんたに雷を…」



鞠莉「それから梨子」



梨子「へ?」



鞠莉「あなたは守られたのよ。マルに」



梨子「花丸ちゃんに?」



ルビィ「ルビィもずっと感じてた…違和感というか、なんか違うなってのを。なんか、あの事件からAqoursのみんなは更にお互いを大切に思うようになったでしょ?そこを突いて簡単に疑えないような空気があって…違和感は感じるけど言っちゃダメなんじゃないかって……」



千歌「うんうん!だよね!!信じてないわけじゃない!!だけど、信じてるからこそ、みんなを思ってるからこそ違う時にははっきり分かる!」



曜「あの…」



千歌「でも一体なんなんだろう…もしかしたら今のAqoursにはニセモノがいて私たちをここに閉じ込めるタイミングを今か今と待ち続けているんじゃ…」



ルビィ「まさか…そんな……」




曜「ねえ…二人とも……」



ルビィ「もしかしたらマルちゃんたち食べられちゃってるかも…」



千歌「そ、そんな!!どうしようもうこんなとろまで降りてきちゃったし…今更引き返しても遅いし…」




曜「二人とも!!!」




千歌「なに曜ちゃん!!今ルビィちゃんと大事な話を…」




曜「あれ……あれ見て……」



ルビィ「ん?あれって……」




千歌&ルビィ「!?!?」



梨子「鞠莉さん…花丸ちゃんに守られた…ってどういうこと?」



果南「マル…話して」







花丸「まず《オリュン》の今の目的はさっき話したように私たちとここに眠る力を滅ぼすこと。でもそれができないからマルたちをここにおびき寄せた」




鞠莉「《オリュン》は既にあの紋章を解くための力を幾つか持っていたの。それは該当する星座の力。それから勾玉の力」




花丸「《オリュン》は星座の力で封印を解き、すべての勾玉の力を得ることで完全に力を得て災厄として蘇るずら」




鞠莉「さっき祭壇を調べていた時見つけたの。あれは分かりにくいけど二段になっていて上に四つ、下に五つ勾玉が置けるようになっていた。ヨハネたちが見つけたのは上四つ。下の五つは…おそらく今日、《オリュン》に奪われた」




花丸「更に《オリュン》は一人で獅子座と水瓶座以外の十の星座の力を得ていた。これはAqoursのメンバーの星座…」




鞠莉「そしてさっきヨハネが教えてくれたゼウスとケイローンの星座の力の名残、残るは…」





花丸&鞠莉「μ'sの星座の力」



花丸「これしか考えられないずら。《オリュン》の体となった肉体は対シーラカンスの時にAqoursのメンバー、ヨハネちゃんが戦ってた時の神の星座、そしてμ'sの星座の力が混じっている。マルと海未さんの魚座、希さんの双子座、真姫さんの牡羊座、善子ちゃんの蟹座、ルビィちゃん、ことりさんの乙女座、絵里さんの天秤座、凛さんの蠍(さそり)座、ゼウスが神話で化けた牡牛座、ヨハネちゃんがそのゼウスに操られ出したケイローンの弓、それは射手座。神話では天空神ゼウスが毒で命を落としたケイローンを哀れみ星にしたくらいだから操れる立場にある。そして本人の山羊座」




鞠莉「今言ったメンバーとは肉体が繋がったためその星座を得ることはできたけど、千歌っちと果南とは繋がれなかったからそれを持っていなかったの。だから直接封印を解かせた。繋がった…ってことは一年生の勾玉の力も得ている。ただ一つ得ていないのはリコ。あなたの勾玉の力。さっきあなたから力を奪おうと同じ道を進もうとしたけれどマルが間一髪待ったをかけてくれたでしょ?」





花丸「梨子ちゃんとは戦いで直接繋がることができなかった。星座はまあ、乙女座でルビィちゃんとことりちゃんと同じだからともかく、勾玉の力は得られなかった。だからさっき、梨子ちゃんと同じ道を進み勾玉を奪おうとしたんでしょ?」









花丸「ダイヤちゃん。いや、災厄《オリュン》」



果南「えっダイヤ!?嘘でしょ…!?」



ダイヤ「…」



ダイヤ「…ふふっ」




ダイヤ「おっほっほっほっほっほ!!!花丸さん。長々と探偵ごっこに付き合ってあげましたが限界ですわ。何?私がその《オリュン》ですって?冗談じゃないですわ!確かに今言った話は筋が通っていますが、証拠がありません。ただの仮説に過ぎませんわ」



花丸「証拠ならあるよ」








梨子「うそ…そんな……」



善子「マジなの…?それ…」



鞠莉「マジよ。ダイヤ。彼女が《オリュン》よ」



梨子(あ!あの時…!)




ザァァァァァァァァァ


ヨハネ『分かったわ!今度こそ、失敗は許されないわ!!……でもマル!次に呼び出す堕天使はあなたの力が必要よ!!』


ヨハネ『ルビィ!お願い!!コイツは私一人の力じゃ操れないわ!!あんたの糸の力を貸して!!』


ダイヤ『ルビィ。私の力を使いなさい』



ヨハネ&海未&ダイヤ&ルビィ&凛&ことり
『【硬度∞ラブアローシュートォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!】』




梨子(確かに、ダイヤさんは多くの人と繋がっていた…花丸ちゃんや希さん…牡羊座と天秤座は…真姫さんと絵里さん?)



鞠莉「ストレンジ!まだ学校が建って授業すら始まってないのに教室の場所はともかく、なんで部屋の中の備品まであんなに詳しかったのかしら?…私、最初ルビィちゃんたちと三人で花火を買った時からおかしいって思ってたの。ダイヤったら、赤やピンク、白、黄色の花火しか選んでなかったわ。きっと花火中に一年の誰かが勾玉のことに触れて校舎へ行く流れになるのを待っていたのよ。案の定、善子ちゃんがまんまとハマっちゃったけど」



善子「うっ……」



鞠莉「私が誰よりも早く校舎へ入って一番焦っていたのもダイヤ。そして鍵を取りに行った時ビックリしたわ。職員室のところどころに腐ったような緑色の液体がついていたの。何か得体の知れない生き物が辺りを物色したようにね」



梨子「えっ…」



鞠莉「あなたの肩にもついてるわよ。おそらくルビィちゃんの肩にも」



梨子「えっ…きゃ、きゃあ!?」ビクッ










花丸「マルの手を見て。これが何だか分かる?」



果南「これって…さっき床板を剥がした時の腐った液体…」



ダイヤ「…」



花丸「ダイヤちゃん。花火の時はルビィちゃんにデレデレだったのに校舎入って急に冷たくなったよね?ルビィちゃんが転んで怪我した時は話しかけもしなかった。途中で気づいたんだよね?手を繋いでいたら自分の手から出る液体が付着してバレてしまう。だからすぐにルビィちゃんの手を離した。でも焦って床板をルビィちゃんたちに剥がさせ、その後あたかも元から液体がついていたかのように床板を見せる。でもね。その時果南ちゃんも一緒に剥がしてたんだよ。なのに果南ちゃんの手にはついていない。マルはルビィちゃんが転んだ時その手を見て確信したよ。これはダイヤちゃんと繋いだ時についた液体だと。だからあえてそっちの手で手を繋いで証拠をもらってきた」



果南「ダイヤ……」



花丸「残念だったね。他にも色々おかしかったずら。ルビィちゃんへの態度が極端だったのもそうだけど、なんとなくダイヤちゃんとは違う。そんな雰囲気を何人かは感じ取っていたはずだよ。一つ分からないのは、なんで梨子ちゃんだけでなくルビィちゃんを…」





ダイヤ『アノ小娘ガホザイテイタカラナ…妹ハ守ッテクレト…ドウセ滅ビルンダ。セメテモノ情ケデ小娘ト同ジ所ヘ連レタ後残リノ力ヲ奪ウツモリダ』



果南「つ…ついに、ついに姿を現したね!災厄《オリュン》!」



《オリュン》『グ…グォォォォオオオオ…』ズズズズ




花丸「うっ…すごいオーラずら……」ビリビリ



果南「くっ…ダイヤは…ダイヤはどこなの!?」ビリビリ





鞠莉「ふふっ♪おそらく害はないみたい。安心してリコ」


梨子「うぅ…」ベチョ


善子「…でも、それが本当なら真ん中へ進んだ二人が危ないわ…それに、リリーも狙われているんでしょ!?」


鞠莉「リコ。あなたあの時勾玉はどうしたの?他の三人は海未さんに壊されちゃったけどリコはそうじゃないでしょ?」


梨子「……」スッ


善子「り…リリーあなたそれ持ち歩いてたの!?!?」


梨子「うん…私たちを救ってくれたものだし、これはμ'sのみなさんとの架け橋だから…」


鞠莉「メイビー、もしあなたがそれを奪われたら《オリュン》は災厄として復活するだけではなくμ'sの力も失ってしまうわ…」


梨子「…分かっています。でも、私たちにとってμ'sって言うのはアイドルとしては勿論、学校を救ってくれた上での救世主。私たちAqoursになくてはならない存在…命をかけても守ってみせます!」


善子「まあ、なくさないようにしなさいよリリー」


梨子「うん!」




鞠莉「シャイニィィィ!!☆」



善子&梨子「!?!?」



善子「マリーあなたまたデカい声出して!!一体なんなのよ!!」



鞠莉「ルック勾玉…」




梨子「ほわっ…光ってるよ……」




善子「また…あの時みたい……」




ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!!



ダイヤ「うっ…………」グッタリ



曜&千歌「ダイヤちゃん!」



ルビィ「お姉ちゃん!!」ダッ



ルビィ「お姉ちゃん!!しっかりして!!おちゃん!!!」



ダイヤ「ルビィ…それに千歌さん、曜さん…何故ここに……」



ルビィ「お姉ちゃん…お姉ちゃん!!」ダキッ



ダイヤ「ルビィ…心配かけて申し訳ないですわ…」




曜「ダイヤさん!一体これはどういうこと!?」




ダイヤ「ええ…私は今日の昼、学校に来ていましたの。生徒会長ですから新校舎の様子を誰よりも知っておくのは当然のこと。学校に許可をいただき訪問しましたの…」



ルビィ「それでお昼にいなかったんだ…」



ダイヤ「そして新校舎に入ろうとしたところ何者かに襲われて気が付いたらこんなところにいましたわ…そして目の前にはもう一人の私がいました」



曜千歌ルビィ「!?!?!?」



ダイヤ「もう一人の私は私に言いました。『私は今日黒澤ダイヤとしてお前の仲間をここに集め、《オリュン》として全てを滅ぼす…と』



ルビィ「じゃあ…夕方に帰ってきた時にはもう…」



曜「《オリュン》…ってまさか…」



千歌「じゃあさっきまで一緒にいたダイヤちゃんは……」



ダイヤ「!?!?」



ダイヤ「さっきまでって…一体どういうことですの!?奴はどこへ…!?」



曜「実は…」



ダイヤ「まさかそんな……」



ルビィ「本当だよお姉ちゃん…さっきまでお姉ちゃんたちとこの地下道を見つけて探索を始めていたんだよ…」



ダイヤ「そうだったのですか…不甲斐ない…私がもっとしっかりしていれば……またみなさんに迷惑をかけてしまいましたわね…」



千歌「あれ?でも、ここに来るには封印を解かなきゃいけなかったよね?」



ダイヤ「ここは紋章に隠されているはずの三つの道のうちの一つ、しかしここと右側の道は簡単な仕掛けで元々出入りできるのです」



ルビィ「えっ!?そうなの!?気付かなかった……」



ダイヤ「はい…だから十二星座によって本当に封印が解かれるのは真ん中の特殊な入り口のみ。少し作りが違っていたでしょう?」



千歌「ダイヤちゃん…《オリュン》の何を知っているの?」



ダイヤ「なんでも知っていますわ…奴に私の記憶や姿を奪われた時、同時に奴の記憶も入ってきましたからね…あまりにも情報量が多くて処理しきれず頭痛が酷いですが……」



ルビィ「お姉ちゃん…」



ダイヤ「心配いりませんわ。時期によくなります。…みなさん、奴は危険です。私たちが海での戦いを終えた次の日に奴は宇宙よりこの地へ舞い降りました。災厄の半身であるシーラカンスが倒されたことを察知しこの地を調べていました。そして学校の地下にあるであろう遺跡、そこに五つの勾玉があることを感知しました」


ルビィ『ま…まだ勾玉はあったんだ』



ダイヤ「しかし《オリュン》の力でもその先にはどうやっても進めない。更に調査を進めると十二星座の力と、一度この遺跡に選ばれた私たちの存在が必要だと分かりました。そこで奴は一ヶ月にも渡り練習中の私たちを監視、誰がどのような星座かを調べているとどうやら面白いことが分かってきましたの」



曜「面白いこと…?」



ダイヤ「私たちは戦いの時繋がった。Aqoursとも、そしてμ'sとも。その時の星座の力いくつも保有していたのです」



曜千歌ルビィ「!?!?!?」



曜「そんな…μ'sの星座を!?」



ダイヤ「ええ。その中で特に多くの力と繋がっていたのが私、ルビィ、善子さん、花丸さん、μ'sを呼び出した梨子さんです。その中で誰かを捕まえてすり変われば力を得ることができる。そして今日、たまたまその餌食になったのが私でしたの…私の体内には善子さんの呼び出した神も含め十の星座を保有していました。それにルビィたち一年生の三つの勾玉の力を…足りなかったのは千歌さん、果南さんの星座と梨子さんの勾玉」



千歌「それでさっき私と果南ちゃんの星座だけ空いていたのか…」



ダイヤ「星座が揃ってしまい封印が解かれたのなら…次に狙われるのは…梨子さん。梨子さんが危ないですわ!三人ずつと言うことは他の二組はどのように分かれたのですか!?」



曜「花丸ちゃんが分けたんだよ。右側に鞠莉さん、善子ちゃん、梨子ちゃん。左側に私たち、そして真ん中にマルちゃん、果南さん、そして…」



ダイヤ「……」



ルビィ「お姉…ちゃん?」



ダイヤ「花丸さん…分かっていたのですね……」



千歌「どういうこと!?」



ダイヤ「花丸さんは最初から私がニセモノだと気付いていたのでしょう。だからどちらか左右の階段の先に囚われているであろう本物の私を探すべく、左右に《オリュン》が行かないよう采配をした…そして真ん中の道の先に奴を封印する鍵があることも知っている…花丸さんはそれで奴と戦うつもりです…もしかすると自分を犠牲にしてまで…」



ルビィ「そんな…マルちゃん!!!」



曜「い…一体どうすればいいの……これだけ天文的で更に深いところにまだ力があるってことは…《オリュン》はシーラカンスを上回る力を持ってるよ…」



千歌「せっかく…せっかくまたみんなで楽しく過ごせると思ったのに…」



ダイヤ「……」



ダイヤ「三人とも、戦いましょう」



曜千歌ルビィ「えっ!?」



ダイヤ「奴が私から姿、記憶、力を複製したように、私も記憶…いえ、奴がここで手にした力、それに奴が元々持っていた力が一部ではありますが流れ込んで来ました。私はまだ戦闘に参加できる状態ではありませんが、三人にその力を伝授することができる。お願いしますわ……」



千歌「…」



曜「…」



ルビィ「…」




千歌「迷う理由がないよねっ!」ギュッ



曜「うん。かつて私たちが学校やみんなを守ろうと戦った時と同じ。またその時が来ただけだよ!」ギュッ



ルビィ「お姉ちゃんをこんな目に合わせて…絶対に許さない!!それに、マルちゃんたちを助けたい!!」ギュッ



ダイヤ「ルビィ…千歌さん…曜さん……」



千歌「さあダイヤさん!」スッ



ルビィ「お姉ちゃん!」スッ



ダイヤ「……」ギュッ…ギュッ



ダイヤ「お願いします!!!」




ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥン……




曜「スゴい…これが力……」ブゥゥゥン




千歌「行くよ!曜ちゃん!ルビィちゃん!」ブゥゥゥン




曜&ルビィ「うん!」ブゥゥゥン




曜&千歌&ルビィ「We are CYaRon!!」ブゥゥゥゥゥゥン!!



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…



《オリュン》『グ…グゴゴ………』ズズッ




果南「逃げるよマル!」ダッ



花丸「うん!!」ダッ



《オリュン》『無駄ダ…貴様タチハ滅ビル…グオオ……』ズズッ



果南「まだ力が完全じゃない上に扱いきれていない…慣れられる前に急ごう!」タッタッタッ



花丸「うん!…って、果南ちゃんこの先に何があるか分かったの?」タッタッタッ



果南「分かったよ…ふふっ♪マルは本当にスゴいよ。まだ未来を見通す力が残ってたんだね…」タッタッタッ



花丸「?」タッタッタッ



果南「さっきからずっと星座の模様が描かれている壁画が両側にあるでしょ?」タッタッタッ



花丸「うん!」タッタッタッ



果南「でもよく見て。何故か背景が海で、まるで星座が海底に沈んでいるみたい。それに右側の壁画は所々描いてある生物みたいなのが皆地上に手を伸ばしているみたいに見えるでしょ?逆に左側の壁画の生物は海の底を求めるように沈んでいってる…」タッタッタッ



花丸「ほ、本当だ…!全然気づかなかった」タッタッタッ



果南「そしてそれぞれ星座を順に見ていくと…右側の壁画は うしかい座、レチクル座、こぎつね座の順に続く。左側の壁画はオリオン座、レチクル座、うしかい座の順に続く」タッタッタッ



花丸「同じ星座もあるずら…左右が対応してるってこと?」タッタッタッ




果南「いや、右側の星座をそのまま英語の略称にするとBoo,Ret,Vul。左側も同じく英語の略称にするとOri,Ret,Boo。壁画の生物はそれぞれ上と下を求めている。つまりそれぞれの頭文字を一つ上の文字、下の文字にするとAQUとPSCになる」タッタッタッ



花丸「ずらっ!?そ、それって…」タッタッタッ



ピタッ…



果南「着いたね…」



花丸「宇宙と海の模様…神秘的なドアずら…って、右側と左側に手形があるよ…!!」



果南「そう。AQUとPSC。正式名称Aquarius、Pisces。海の星座である水瓶座と魚座だよ。つまり水瓶座の私と魚座のマルじゃないとこの扉は開けなかった。ね?マルの未来を見通す力かもしれないって♪さあ、手形に手をかざして?」



花丸「うん……」



果南「……」



果南「マル」



花丸「へ?」



果南「マル、最初からダイヤがニセモノだって分かってたんでしょ?それで梨子たちを守るためとは言え私をこの道に進ませたこと後悔してるんでしょ?」



花丸「いやそれは……ってわっ!?」



果南「ふふっ…」クシャクシャ



花丸「ど、どうしたずら…?急に頭なんか撫でて…」



果南「マル。心配しないで。ちょっと怖かったけどこうやってマルに選んでもらえて嬉しかったんだよ?私たちの大好きな星座を使ってまたみんなを助けるなんてロマンチックじゃん♪それに、また平和になったら本物のダイヤに果南は強くなったんだぞー!ってみせつけてやりたいしね!!」



花丸「果南ちゃん…」



果南「行くよ!」スッ



花丸「うん!」スッ



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……



果南「扉が開いた!!」





《オリュン》『ソレガ遺言カ?』



果南&花丸「!?!?」



果南「いつの間に後ろに…」



花丸「もう力を……」




《オリュン》『散れ』ズズズズ…





『【ハッピータンジェ!リモネンレモネード】!!』



ブシュゥゥゥゥゥゥゥゥ!!





《オリュン》『グォォォォ…!!視界ガ…!』



千歌『えっへっへ!ミカンの汁は目にしみるんだよニセダイヤちゃん!!』バッ



果南「千歌!!」



『【CORD Σ 天幻の狙糸】 ググググッ



『……』ググッ



『…今だよ曜ちゃん!!発射!!!』バッ




曜『OKルビィちゃん!
【羅針十六法 前途宙返り1回半対魔型】
敵に向かってヨーソロー!!』 ギュウウウウウウウン…




ドオオオオオォォォォン!!!!



《オリュン》『グッ……』ヒュゥゥゥゥゥ…ドォォン!




曜『目標着弾!』ビシッ



ルビィ『さすがだよ!!』シュルルル



花丸「曜ちゃん!ルビィちゃん!ど、どうしてここに…」



千歌『説明は後だよ!果南ちゃんマルちゃん!ここは千歌たちが食い止めるからこの先の部屋へ行って!』



ルビィ『多分この先には《オリュン》を封印するための力が眠ってる!!』



曜『まだダイヤさんの格好してるからともかく、徐々に力が増していってる…その姿に近づくほど勝つのは難しくなる!今の私たちでも足止めするのが精一杯だよ!』



果南「分かった…!行くよマル!!」タッタッタッ



花丸「うん…!三人とも死なないでね!!」タッタッタッ



バタン…




曜千歌ルビィ『…』



ガラガラガラ!!



《オリュン》『…』ズズズズ



千歌『…なんだか松月でバイトしてた時に考えた冒険するお話にそっくりだね…今』



曜『その話だと最終的に私たちは勝つってことになるけど?』



ルビィ『勝つよ…お姉ちゃんにあんなことした上にその格好して戦うなんて許せ…』




ズズズ……




曜千歌ルビィ『!?!?!?』



曜『あ…あの姿は……』



《オリュン》『力 ガ戻リツツアル…』ズズズ…



千歌『みんな…行くよ!!』



果南「ここは…最初の部屋みたい…ドームみたいだし、あれは祭壇?でも明らかに違うのは…」カツン…カツン…




花丸「360度プラネタリウムみたいずら…しかも外界音が全く聞こえない…まるでここだけ元の世界から切り離された別次元みたい…」カツン…カツン…




果南「…やっぱりこの遺跡を見る限り《オリュン》が宇宙から来たってのは間違いないみたいだね」




花丸「ん?……この祭壇に記されているのは…さっきと同じ文字ずら」




果南「…これ、よく見るとギリシャ文字に似ている…!」




花丸「果南ちゃんも解読できるの!?」




果南「ふふっなんとなくだけどね♪星座のこと調べてるとこういう文字どうしても覚えちゃうんだよね。昔千歌も覚えたいって言ってたから本貸してあげたけど5分で返却されたこともあったな…」




果南「……」




花丸「……」



果南「《アステリオ》。これが《オリュン》に対抗するための力。この部屋に隠された力」



果南「…なるほどね」




果南「それに、これならダイヤに化けてたのもシーラカンスを半身って言うのにも…プラネタリウムの山羊座だけが光ってないのも納得がいく」




花丸「うん。神話に出てくる山羊座の化身は上半身が山羊、下半身は魚でパンという名を持つ。そのマヌケな姿を神が気に入り星座へと変えたという話だけど…それがそのまま恨みとなりこの現実世界へ具現化した……ある意味真の堕天だずら」




果南「遠い昔《オリュン》自身は宇宙のどこかで、もう半身のあのシーラカンスはこの地球の海でそれぞれ進化しつつも眠りについていた。長い長い年月が経ち様々な生物…やがて人間が誕生し、後に星座という風習を身に付けた。本当の神話を知らない人間が星座の一つに山羊座を入れ、それを持つ多くの人間が誕生する。その度に徐々にその力を取り込み封印が緩んでいた…」




花丸「この遺跡は数少ない星座の真実を知る者たちによって造られた。その封印を守るために…ただ人口が増え、それに伴い山羊座の人間も増える。やがて封印が解ける日も近かった…そしてマルたちがこの遺跡を見つけたと同時に封印が解ける。同時に勾玉と力を託され戦いに…この力やシーラカンスが動き出したことで《オリュン》も反応し地球へ向かうが辿り着く前にシーラカンスが撃破され力の場所を見失う…しかしその後、奴は大きな山羊座の力を確認したことでこの場所を捉えることに成功した。それが…」






ダイヤ『小泉花陽さんの再生の力』ザザッ



果南「だ…ダイヤ!?!?」




花丸「ダイヤちゃん!本物なの!?」




ダイヤ『安心してください。本物ですわ…ルビィたちに救い出してもらいましたの。詳しい説明は省きますが、私は今体内にある僅かな《オリュン》の力であなたたちに話しかけています』ザザッ



果南「無事だったんだね!!よかった……」



花丸「ルビィちゃんたちが……」



ダイヤ『小泉さん自身も山羊座。戦いで滅びかけた内浦の町を再生した時に山羊座の大きな力が膨れ上がり、ほんの僅かですがシーラカンスの力の名残も復活、《オリュン》はすぐにこの内浦の地を特定して舞い降りました…そして今に至りますわ』ザザッ



果南「ダイヤ!《オリュン》を封印するにはどうしたらいいの?」



ダイヤ『正確には封印ではなく撃破して完全に消滅させる必要がありますが…その力《アステリオ》がこの部屋の、そこの祭壇に眠っていますわ』ザザッ



花丸「あ!祭壇にさっきの手形があるよ!」




ダイヤ『果南さん。花丸さん。あなたたちは選ばれた二人ですの。さっきと同じように手をかざしてください!』



果南&花丸「……」スッ





ドガァァァァァァン!!!!!



果南&花丸「!?」




千歌『ぐっ……』ガラガラ…



曜『ガハッ……』ズズッ…



ルビィ『うぅっ……』ボロッ




花丸『千歌ちゃん!!曜ちゃん!!ルビィちゃん!』



果南『そんな……』




《オリュン》『モウ少シ…モウ少シデ本来ノ姿ニ…』



ダイヤ『あの姿は山羊の化身…完全に力を取り戻しつつありますわ…果南さん、花丸さん、三人も心配ですが今は手をかざして力を込めてください!!!』



果南「くっ……」ブゥゥゥゥゥン



花丸「早く……」ブゥゥゥゥゥン




《オリュン》『貴様タチニモ消エテモラオウ…』ズズズズッ




ガシッ



《オリュン》『……』



曜『はぁ…はぁ…させないよ……』




ドガッ!!!




曜『ぐあっ!!!』ドガァ!!!




ダイヤ『曜さん!!』ザザッ



千歌『曜…ちゃん……』



ルビィ『曜ちゃん……』




果南「くっ…早くしてよ!!」ブゥゥゥゥゥン



花丸「助けて……」ブゥゥゥゥゥン




《オリュン》『次ハ貴様タチダ』







『【オルタナティブ フォールンエンジェ】!!
かつて天の川に悠久の愛を隔てられたその恨み、今ここで晴らしなさい!!織姫!!彦星!!』



ズズズズズズズズ




堕天使織姫『今宵は約束の刻ではない。我が愛寵の彦星よ。何故我らが存在する』



堕天使彦星『我が愛寵の織姫よ。再会に理由など不要。先ずは刹那の一夜に水を差す愚獣の生命を絶つのだ』




堕天使彦星&織姫
『【呪恨短冊 アルタイル・ベガ】』


ズドォォォォォォン!!!!!!



《オリュン》『グアァァァァァァ!!!』




ビュオオオオオオオ!!




千歌『わっ!?』ヒュゥン!!



ルビィ『きゃあっ!!』ヒュゥン!!



曜『……』ヒュゥン!!




『【天光天馬 シャイナ】レッツゴー!!ハイヤー!』ピシッピシッ



ガシッ…


ガシッ…


ガシッ…



ビュオオオオオオオ!!




果南『きゃっ!?』ブゥゥゥゥゥン



花丸『くっ…』ブゥゥゥゥゥン



『【武装神話 〜弍〜 天啓の大癒翼】』




バサッ!!!!!!


ヒュオオオオオオオオ…




果南『ん……あれ?爆風が来ない…』



花丸『つ、翼…?』





梨子『全く…よっちゃん暴れすぎだよ…』バサッ




花丸「梨子ちゃん!!」




果南「梨子!?それにその翼は…!!」



千歌『……ん…あ、あれ?…わ!スゴい!!千歌たちお空を飛んでる!ペガサスだ!!』



ルビィ『これは…お馬さん?……って!鞠莉ちゃん!!!』



鞠莉『シャイニー☆乗馬は好きだけど空飛ぶホースは初めてよ!エキサイティン!!』




鞠莉『全くヨハネったら。海の上じゃないんだからそんな激しいビーム禁止よ!!千歌っちたちがお星様になるところだったわ!!』





ヨハネ『ふぅ…まさか星座を堕天させることになるなんてね。下手したらあの時よりキツいんだから。巻き込まれたくなかったら下手な攻撃は仕掛けないことね!』




花丸「善子…いや、あの姿はヨハネちゃん!!」




ヨハネ『…みんな、待たせたわね』




ヨハネ&鞠莉&梨子
『愛こそすべて。Guilty kiss参上!!』



曜『う…うぅ……』



千歌&ルビィ『曜ちゃん!!!』



ルビィ『【CORD θ メディカル・スレッド・オペレーション】!!』



曜『う…力が……』



曜『!?』



曜『嘘!?そ、空を飛んでる!?』



ルビィ『曜ちゃん!!』



曜『ほわ!鞠莉さん!?それにこのユニコーン…どうなってるの!?』



千歌『曜ちゃん!違うよペガサスだよ!』



曜『ユニコーンだって!!』



千歌『ペガサス!!』



曜『ユニコーン!!』



千歌『ペーガーサース!!』



曜『ユーニーコーン!!』





鞠莉『二人ともシャラップ!!!』



曜千歌『!?!?』



鞠莉『いい?この子はペガサスでもユニコーンでもないの!シャイナよシャイナ!!マリーのフレンドよ!!オケィ!?』



曜千歌『はいすいません…』



ルビィ『あははは…』



果南「梨子…一体どういうこと?」



梨子『隠していてごめんなさい。私はまだこの勾玉を持っていたんです。よっちゃんたちは海未さんに壊されちゃったけど、私はμ'sのみなさんの力を手放したくなくて…』スッ



花丸「そうだったんだ…」



梨子『どうやらこの勾玉は特別みたいで、よっちゃんのかつての力や鞠莉さんの新たな力を引き出すことに成功しました』



果南「じゃあ梨子の翼は…」



梨子『はい。ことりさんの力を纏いました。私はμ'sの力を武装させて戦うことができます』



果南「μ'sの力って…相当すごいんじゃ……」





ダイヤ『さすがですわ…梨子さんたちも加わったのですね』ザザッ



梨子『ダイヤさん!?』



ダイヤ『安心してください。本物ですわ。詳しい説明は後ほど。果南さん花丸さんは引き続き手をかざしてください。後はできるだけ皆さんで《オリュン》の足止めをお願いします』ザザッ




果南「うん!」ブゥゥゥン



花丸「ずら!」ブゥゥゥン



ヨハネ『……』



ヒュオオオオ……



ヨハネ『こんなんでくたばるタマじゃないでしょ?さっさと出てきなさい。すぐ消してあげるわ。部屋が部屋だしあんま瓦礫出したくないのよ』




ガラガラガラガラ!!



《オリュン》『フゥゥ……』ズズズ



ヨハネ『フン。織姫、彦星やっておしま…』




『待って!!!』




ヨハネ『!?!?』




千歌『あ!《オリュン》が復活してる!』



曜『鞠莉さん!シャイナを向かわせて!今度はさっきみたいに簡単にはやられないよ!』



鞠莉『……』



ルビィ『鞠莉ちゃん?』




鞠莉『シャイナ…降りてちょうだい』ピシッ!



千歌『!?』



曜『なんで!?』



鞠莉『あそこを見て。彼女の覚悟を』



ルビィ『あれは…!』



梨子『……』ザッ




オリュン《……》



梨子『《オリュン》かかってきなさい。あなたが求めてる力は私が持ってる!』




《オリュン》『感ジル…勾玉ノ 力…』




ヨハネ『リリー何やってるのよ!?どきなさい!!』




梨子『どかない!!《オリュン》は私の力を必要としている。関係ないよっちゃんたちが手出ししてケガする姿なんて見たくない。これは私の問題。私一人で《オリュン》を倒す!!』




ヨハネ『あなた…』




梨子『【武装神話 〜参〜 天匠ノ園田流】』




《オリュン》『愚カナ…自ラソノ 力 ヲ差シ出スカ』




梨子『はっ!!!!』ダッ





《オリュン》『オモシロイ』ダッ





ドォォォォォォン!!!!




ルビィ『うっ……』ビリビリビリ




曜『スゴい力だ…』ビリビリ…



梨子『はっ!!せいっ!!とりゃあ!!』ガッ ズガッ ドガッ




《オリュン》『グ…』ガッ…ガガ…




ヨハネ『スゴい…タイマンで奴を押してるわ…』




梨子『はっ!!はぁっ!!』ガガッ




《オリュン》『フンッ!』ドガッ




梨子『きゃっ』ヒュン…




ダイヤ『梨子さん!!』ザザッ




《オリュン》『トドメダ』ダッ




梨子『【武装神話 〜壱 〜天照天陽ノ計】』




ピカァァァァァァ!!




《オリュン》『クッ…マタ目眩シカ』




梨子『【武装神話〜伍〜跳躍ノ瞬猫】』ビュン




梨子『はぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』



ゴスッ!!!




《オリュン》『……』




梨子『どう!これなら…』




ガシッ




梨子『ぐっ!?』




《オリュン》『拍子抜ケダナ…コレガ我ノ欲スル 力 ナノカ』ブンッ




梨子『キャッ!?』ドガァッ!!





ダイヤ『梨子さん!!』



ヨハネ『リリー!!!』



鞠莉『リコ!』



曜&ルビィ『梨子ちゃん!!』



果南「くっ…梨子……」



花丸「梨子さん……」





梨子『くっ……』ズズッ



《オリュン》『ナゼ貴様ガ我ニ勝テナイカ分カルカ?…貴様ハ何ノ取リ柄モナイ地味ナ人間ダカラダ…所詮ソノ 力 ニ頼ッタ所デ、タカガ知レタモノダ』



梨子『うるさい!あなたに言われなくても分かってる!!でもあなたに力は渡さないし私が倒す!!』



《オリュン》『……』




《オリュン》『成ル程。デハコレナラドウダ?』


フッ…




ヨハネ『消えた!?』




フッ…




《オリュン》『サア…我ヲ攻撃シテミルガイイ』




ダイヤ『ぐっ…』




八人『!?!?!?』




梨子『ダイヤさん!』




ルビィ『お姉ちゃん!!』




ヨハネ『あんた…人質なんて悪魔より性格悪いわよ!!』




《オリュン》『大人シク勾玉ヲヨコセバコノ小娘ハ解放シテヤル…貴様ガソノ 力 ニ固執スルヨウナラ殺ス』ググッ



ダイヤ『ぐっ…梨子さん……ダメですわ。それを失ったら奴の力が完全に蘇る…私のことは気にせず戦ってください……』



梨子『ダイヤさん……任せてください。μ'sの皆さんの力を使ってダイヤさんを救い出し私も力を奪われないように……』








千歌『待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!』



八人『!?!?!?』



ダイヤ『ち……千歌さん?』



曜『千歌ちゃん…?』





千歌『…』ズカズカズカ…ピタ




梨子『千歌ちゃん?急にどうしたの?ダメだよ近づいたら危な…』






パチィン!!!







ダイヤ『なっ…』





曜『千歌ちゃん…』





梨子『…』




千歌『お前ニセモノだろ!!本物の梨子ちゃんをどこへやった!!』



梨子『な…何するの千歌ちゃん……私は、私は本物の梨子で…』ポロポロ




千歌『嘘だ!!!本物の梨子ちゃんなワケない!!!梨子ちゃんはダイヤちゃんの命なんてどうでもいいの!?それを危険にさらしてまで一人で戦うっていうの!?狙われてるのが自分だけなら千歌たちのことなんて関係ないなんて言うの!?』





梨子『……!』ポロポロ




千歌『……』キッ




果南「千歌…」ブゥゥゥゥゥン…




梨子『ごめんね千歌ちゃん…私何もないの…《オリュン》が言う通り何の能力もない地味な子で…』ポロポロ




千歌『……』




梨子『だからこんな私を守るためにみんなに傷ついてほしくないから…せっかく手に入れたμ'sの力でみんなを守りたくて…地味な私でもできるって…』ポロポロ





千歌『……』ギュッ




梨子『!?』




千歌『違う!梨子ちゃんは地味じゃない!!優しくて可愛くてお嬢様みたいでピアノと絵が上手で…怒るとすっごく怖いけどいつもみんなのことちゃんと考えてて…千歌の…みんなの大好きな大好きな梨子ちゃん!!!だからみんなを頼って!!一人で戦わないで!!千歌たち九人で一つなんだから!!梨子ちゃんのためにもダイヤちゃんのためにもみんなのためにもAqoursで力を合わせて戦うの!!!』グッ



梨子『千歌ちゃん…ごめんなさい…ありがとう』ポロポロ





千歌『梨子ちゃん。その勾玉を《オリュン》に渡して』




梨子『えっ…!?そんなことしたら《オリュン》は災厄として復活しちゃうしμ'sの力も…』



千歌『μ'sの力なんていらないよ』




梨子『!?』




千歌『千歌たち、前穂乃果さんたちと約束したでしょ?いつかμ'sみたいに輝く伝説になるって…でもμ'sと全く同じになるわけじゃない。私たちはAqours、全く違うメンバーで全く違う環境のスクールアイドル。千歌たちなりの物語を作っていくのにずっとμ'sに頼っていたらいつまで経っても成長できないよ』




梨子『……』




千歌『さっきはニセモノなんて言ってごめんね。嘘。ちゃんと梨子ちゃんだって分かってたよ。梨子ちゃん、音乃木坂出身だし千歌がμ'sに憧れてるの知ってたし前の戦いでμ'sに助けられてからずっと大切に勾玉持ってたからこだわるのは分かってたの…でもお願い…このままじゃダイヤちゃんが…』





梨子『……』ブンッ




カランカランカラン…



千歌『!?』




《オリュン》『……』




ダイヤ『梨子…さん……』





梨子『《オリュン》。約束通り力は渡す。だからダイヤさんを放して』




千歌『梨子ちゃん…』




《オリュン》『愚カナ選択ダ…』




梨子『いいの。私の後ろにはみんながいるし、私自身もみんなの背中を見守っている。それであなたがどんなに力を得ようと絶対に負けない!』



《オリュン》『フン』バッ




ダイヤ『ぐっ…』ドサッ




ルビィ『お姉ちゃん!!』シュルルルルルル!



ググッ…スルルルルルル…



ダイヤ『ルビィ…心配かけてすみません…』




ルビィ『お姉ちゃん…うぅっ…』ダキッ



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ





《オリュン》『コレデ…我ハ災厄トシテ蘇ルノダ…グォォォォォォォォ!!』ゴゴゴ




ヨハネ『くっ…何よこの力…』ビリビリ




曜『くっ…マズい……』ビリビリ




鞠莉『ファック!!』







果南『力が溜まった!!」ブウウウウウウウン!!!




ダイヤ『か…果南さん!ついに来たのですね!』




花丸「うん!こっちも準備完了ずら!!」ブウウウウウウウン!!!




果南&ダイヤ&花丸
『恋の喜び咲かせます…そして『双星封の大護法 忌まわしき堕星座に抗う術を我ら守護星者に託せ!!《アステリオ》!!』



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ





千歌『これが《アステリオ》の力…ついに最後の戦いだね』ブウウウウウウウン!!!




梨子『私はもう迷わない。自分やAqoursの全てを信じる。どんな戦いになっても絶対に勝つ!!』ブウウウウウウウン!!!




曜『災厄去ってまた災厄…でも私たちは前に進まなければいけない!Aqoursというスクールアイドルは夢に気付いたばかり。出鼻を挫かれ座礁するような私たちじゃないって思い知らせてやろう!!』ブウウウウウウウン!!!




ルビィ『ルビィはずっと弱いままだった。でも、Aqoursに入って前回の戦いを通してうんと強くなったよ。ただそれでもこうしてお姉ちゃんをちゃんと守れなかった。悔しい…でもこの悔しさはこの戦いでしか晴らせない!!ルビィもっともっと強くなる!!』ブウウウウウウウン!!!




花丸『マルは今までいっぱい本を読んできた。お寺や図書室、図書館。そしてマリンブレインシステムや希さんの力でこの小さな脳にはたくさんのことが詰まってる。でも、それでも分析できないのがマルたちの未来!プロローグに挟んだままのしおりは捨てて今こそ第1章へのページをめくるずら!』ブウウウウウウウン!!!




ヨハネ『私は戦いでたくさんの悪魔を召喚したり神話の神を堕天させてきたわ。でもいずれ私たちが神話になったら堕天使Aqoursとして召喚してあげるから。よく聞きなさい未来のリトルデーモンたち!これは命令よ!!《オリュン》を討て!!全てを守れ!!』ブウウウウウウウン!!!




鞠莉『ふふっ♪やっぱりすごいわジャパン!いつも一人お気楽になんでも好きなことやってた私が、初めて他人に刺激を受けてアイドルやりたくなって、初めてその子たちと一緒にいたい!って思ってるんだもの!!これはライフレボリューションよ!!』ブウウウウウウウン!!!




ダイヤ『前回に引き続き今回もみなさんに迷惑をかけてしまい申し訳ありません…ただ、このまま終わるのはスッキリしませんわ。ここまで来たからにはきっちり白黒つけて終わらせてやらないと気が済まないタチですの。それが他に二つとない黒澤ダイヤのアイデンティティですから。ほら、皆さんのせいですわよ?ダイヤの宝石は光に当たると眩しくてうるさいのですわ!!』ブウウウウウウウン!!!



果南『ダイヤの様にきらめく青い海、ルビーの様に光る夕焼けと赤い海高くから眺め、春は桜の花を見て舞い、曜日なんて気にせずのびのびと。三津、淡島今日も善し。あまりにも素敵な町。そんな内浦にみんなといられて私は本当に幸せだよ。

ダイヤ、ルビィ、千歌、梨子、マル、曜、ヨハネ、鞠莉!これが最後の戦いだよ!!』ブウウウウウウウン!!!



フォォォォォォォォォォ…




ダイヤ『ここは…』




花丸
『【創世創羅 〜パイシーズの系譜〜パーフェクト・サテライトシステム】』スゥゥゥゥゥゥ…




〜光には波長がある。基本的に波長の短いものは青色、長いものは赤色とされる。簡単に言えば、遠くの銀河を観察した時その赤色がより顕著になるためそこから生まれたのが"宇宙膨張説"である。
彼女は《アステリオ》によりその宇宙膨張説を自分の脳の容量に同期させた。星が煌めくように脳の電気信号は無数に点滅する。そんな脳を一つの宇宙空間とし無限の叡智を取り込めるよう進化したのだ!〜




花丸『温度…星間物質…星の配置……間違いない。ここはさっきの部屋が生み出した擬似仮想宇宙空間』




曜『宇宙空間!?』




ルビィ『しかも擬似仮想って…』



花丸『ここは規模も、物質も、存在する星も本当の宇宙空間と全く同じ。真の力を得た《オリュン》と戦うために《アステリオ》が生み出したもう一つの宇宙。仮想に"擬似"ってつけたのは…マルたちが負けたらこの空間は実際の宇宙と同化してしまうから。全てを滅ぼす力を得た《オリュン》が現実世界に解き放たれるからずら』




ヨハネ『なるほど…宇宙規模の大戦争を予想して造られた空間ってことね…全く、先人たちも無茶な仕掛け施すわね』




花丸『マルたちは《アステリオ》により力を得た。でも同時に…』





ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…




《災厄オリュン》
『我ハ山羊座ノ半身《災厄オリュン》。《ポス》ハ既ニ滅ビタ…ナラバ我ガ今ココデ全テヲ滅ボス』ズズズ




梨子『なっ…なんて大きさなの……』




果南『なるほど…《ポス》はあのシーラカンスの名前ね。元々は合わせて《災厄オリュンポス》が真の姿だったてことか』





花丸『時間がない…力を得ているとは言え宇宙空間。何が起こるか分からない。マルは《オリュン》や周辺の宇宙、星間物質等を解析、未来を予測して指示を出す。みんな頼むずら!!』




Aqours『おぉぉぉぉ!!!!』



ルビィ
『【CORD β 〜ヴァーゴの系譜〜グラビティ・ロック・スレッド】!!みんな!無重力だから勢いつけ過ぎると飛んでっちゃうよ!今ルビィがみんなに糸這わせたから安心して戦って!!』



鞠莉『Thank youルビィ!…シャイナ!まずは《オリュン》の周りをランニング!…ヨウ!カモン!!ハイヤー!!』ビシッ




シャイナ『マリー。あまり暴れないでください。振り落としますよ』




曜『ほわっ!?しゃ…シャイナが喋った!!』




鞠莉『うふふっ♪スゴイでしょ!乗馬に慣れるとこうやってお話までできるようになるのよ!アメイジング☆』




シャイナ『《アステリオ》のおかげです。時間がありません。マリー、それに曜さんも。しっかり捕まっていてください』



曜『は…はい!』



鞠莉『レッツシャイニー!!☆』



ギュンッ!!!



果南
『ふふっ♪ルビィありがとう!でも私は大丈夫!!
【天海〜アクエリアスの系譜〜海洋深層圏展開】!!』




〜通常、宇宙空間は摩擦や抵抗がないため物体は力が働いた方向に永遠と進み続ける。果南の技は自身の周りを地球の海と全く同じ環境にすることで水中と同じよう宇宙空間を遊泳できる。ダイバーとして培われた泳力が《アステリオ》により更に強化され、空間を縦横無尽に動き回る力を得たのだ!〜




ダイヤ『【硬度 10^2 〜カプリコンの系譜〜ジュエリック・プロテクト】!!!』




ガキィィィィィィン!!!!




花丸『ずらっ!?』




ダイヤ『花丸さん。あなたは私たちAqoursの司令塔。あなたがやられては私たちの安定性が失われ能力も上手く機能できなくなりますわ。飛んできた攻撃はすべてこの黒澤ダイヤが防いでみせます』




花丸『ダイヤちゃん……』




スルスルスル…




花丸『この糸は……!?』




ルビィ
『【CORD δ 〜ヴァーゴの系譜〜天紡の糸電話】マルちゃん!宇宙は広いからマルちゃんの通信範囲にも限界がある!さっきとは別にみんなと糸を結んだからこれを通して指示を出して!!』




花丸『ルビィちゃん!ダイヤちゃん!ありがとう!!!』



《災厄オリュン》
『小癪ナ…星屑ト化セ!!』バッ





ズォォォォォォォォォォ!!!!





曜『鞠莉さん面舵いっぱい!!』



鞠莉『右に避けてシャイナ!!』ピシッ!




シャイナ『分かっています!!』




シュン…ギュオオオオオオオオ!!!!




曜『くっ…』ビリビリビリ…




鞠莉『もうっ!なんなのよ!バカみたい!!』ビリビリ…




シャイナ『手強いですね。そして鞠莉さん"馬"鹿という言葉は耳に障るのでおやめなさい』









果南『危ない!!』シュン!!



ギュオオオオオオオオ!!!!




果南『ちっ…』ビリビリビリ



カッ…



ドオオオオオォォォォォォォォン!!!!




九人『!?』




花丸『水星と金星と火星が…一瞬で消えた…』




ルビィ『なんなのあの力…』




果南『みんな危ない!!塵が飛んでくるよ避けて!!』




ダイヤ
『ものすごいスピードと数…【硬度 10^20〜カプリコンの系譜〜スターダイヤモンドダスト】!!』



キィンキィンキィンキィンキィンキィン!!!


キィンキィンキィンキィンキィンキィン!!!


キィンキィンキィンキィンキィンキィン!!!




果南『天文学的な数の星屑に天文学的な数の超硬質ダイヤモンドをぶつけて対抗してる!!』




ダイヤ『くっ…防御が追いつかない…』ググッ







梨子
『【武装彫絵神 ミケランジェロ〜ヴァーゴの系譜〜システィーナ・キャンパス】!!』スススッ!!



〜"芸術"とは無から全く新しいものを生み出す分野。μ'sの力を失った梨子。しかし千歌の叱責で目覚めたその奥底に眠る真の能力。それは《アステリオ》により伸びた梨子の絵画や音楽の能力を、伝説となった芸術家の魂を武装することで飛躍的に高めるものだ。創造力の権化となった梨子は無限の可能性を技にする!〜




ズズズズズズズズズズズズ…




曜『た…大量の星屑がキャンパスに吸い込まれていく…』




ズズズズズズズズズ……





梨子『ふぅ…汚い色』スッ




ダイヤ『梨子さん!ありがとうございます!!』




梨子
『ここからは攻撃に転じます!
【武装音楽神 ベートーヴェン〜ヴァーゴの系譜〜天脈の絶対音感】』




『……』




梨子(………聴力を失う前は絶対音感を保持していたとされるベートーヴェン…《オリュン》の呼吸、脈拍、脳波、ホルモンの動き…それらを全て音に変換。それを乱せるタイミングは……ここだ!!)



梨子『みなさん!聞こえますか!!今から私の指示する部位に攻撃してください!!』




鞠莉『ホワッツ!?』




曜『梨子ちゃん!!』




ダイヤ『どういうことです!?』




花丸『解析完了!分かったよ梨子ちゃん!!攻撃する部位とそのタイミングを合わせることで《オリュン》の抵抗力を一時的に弱められるんだね!!』




梨子『うん!そこへ重い攻撃をぶつければなんとかなるかもしれない!!』



ルビィ『そんなことできるの!?』




梨子『私が合図を出してから55秒後に左脇腹へ果南さん!』




果南『了解!!』




梨子『75秒後に右のこめかみをダイヤさん!!』




ダイヤ『了解ですわ!!』




梨子『そして103秒後に頭頂部へ曜ちゃん!お願い!!』




曜『ヨーソロー!カウントアップは任せて!!』




梨子『そこへよっちゃん!!思いっきりぶちかまして!!』




ヨハネ『やっとこのヨハネの出番ね!!任せなさい!!!』



梨子『細かい部位はペイントするから各自ポイントへ!!GO!!』




果南『行くよ!!』ギュン!!!




鞠莉『シャイナ!!頭の上までフライング!!!』ピシッ!ピシッ!




シャイナ『いい加減ムチをしまってください。いいですか鞠莉さん。私から助言です。あなたはテンションに身を任せて私をぞんざいに扱いすぎで…』




鞠莉『んもうっ!!早くしないと馬刺しにして食べちゃうわよ!!』ピシッ!




シャイナ『これぞ"馬"耳東風ですね』バサッ





曜『16……17……18……19……』




ダイヤ『花丸さん!少し離れますわ!!ルビィ!!私を飛ばしてください!!』




花丸&ルビィ『了解!!』




ダイヤ『はっ!!』バビュン!!






ヨハネ
『【〜キャンサーの系譜〜スーパーノヴァ フォールンエンジェ!!】
星に宿る神達よ!宇宙の危機に抗うため堕天の力を有し立ち向かいなさい!!』




ズズズズズズズズズ…



堕天土星神 クロノス
『ガッハッハッハ!!我を堕とすとは面白い小娘じゃ。力を貸せい!我が息子ゼウス!!』




堕天木星神 ゼウス
『よっと!ヨハネちゃん久しぶり〜♪また堕としてくれちゃって物好きだな〜♪』




ヨハネ『あっ…あんたはゼウス!?そうか…木星の神って……』




堕天木星神 ゼウス
『へへっ♪俺はそう簡単には操れないぜ☆逆にまたヨハネちゃん操っちゃおうかね!!』




堕天土星神 クロノス
『お前…また人間の女に手を出したのかこのバカモンが!!』




ヨハネ『うるさーい!!!!私が呼び出したんだから私の指示に従いなさい!!!』






果南『はぁ…はぁ……くっ、図体はデカイのに宇宙空間が広すぎる!全然距離が縮まらない…』




ダイヤ『くっ…このままじゃ間に合わないですわ…』ギュン




鞠莉『ハリアップシャイナ!!時間が来ちゃうわ!!』




シャイナ『くっ…分かっています…しかし』バサッバサッ…




曜『31……32……33……』




梨子『くっ…ペイントが間に合わない…』






千歌
『【天刻天在革命〜レオの系譜〜濃還のタンジェリック・タンジェル】』



〜濃縮還元。オレンジジュース等の清涼飲料水の水分を一度飛ばして六倍程の濃度にし、後から再び水分を加え元の状態に戻す手法。重量が減るため保存、運搬代のコストカットになる。
千歌のみかん愛に答えた《アステリオ》により彼女は宇宙の空間自体を自由自在に濃縮、還元する能力を得た。余分な空間を圧縮することで同じ距離でもその移動時間を大幅に短縮できる。逆に敵の攻撃も空間を還元することで遅らせることができる。〜




千歌『梨子ちゃん!!千歌が空間を濃縮する!!!だから安心して!!』バッ




梨子『分かった!!!』




梨子
『【武装画伯神 ラファエロ〜ヴァーゴの系譜〜聖母の刻印】!!!

落ちない絵の具は一生の"重"い出になるんだから』



ズバッ!


ズバッ!


ズバッ!



千歌『濃縮1200%!!えいっ!!!』



ブウウウウウウウン!!!




ビチャビチャビチャ…




《災厄オリュン》
『コレハナンダ…?』



果南『千歌!!』




ダイヤ『千歌さん!!!』




鞠莉『千歌っち!!!』




曜『43……44……45……』




千歌『濃縮650、900、1050%!!!やあっ!!!!』




ブウウウウウウウン!!!




果南『おわっ!!目の前に移動した!?』




果南『ふふっ♪さすがね千歌……マーキング発見!!突撃!!』




曜『51……52……53』




果南
【幻界突破〜アクエリアスの系譜〜スキューバ・マリンジェットキラーポンプサイクロンドリル!!!!】
溺れても助けてあげないんだから!』


ギュオオオオオオオオオオオオオオオ!!



曜『54!』





果南『はぁぁぁぁぁ!!!!!!』





ドゴオオオオオオオオオン!!!!!




《災厄オリュン》
『フン…』ドガッ!!!





果南『ぐあっ!!!』





ルビィ『果南ちゃん!!今引き寄せるよ!!千歌ちゃん!!』シュルルルルルルルルル




千歌『分かってる!!』




ブウウウウウウウン!!!






ダイヤ『あれがマーキング!行きますわ!!』ギュゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!




曜『70……71……72……』




ダイヤ
『【硬度 10^35 〜カプリコンの系譜〜ラーマ・オブ・ゴールデンジュビリー】!!
ダイヤモンドとあなたの愚心、先に砕けるのはどちらでしょう?』



ガキィィィィィィィィィィン!!!




ダイヤ『どうです!!!』





《災厄オリュン》
『小賢シイ…』ガッ





ダイヤ『くっ!!!』ビュン




ルビィ『お姉ちゃん!!』シュルルルルルル



曜『85……86……87……』




シャイナ『千歌さんの技で頭頂部へ移動しました。曜さん準備はよろしいですか?』




鞠莉『シャラップシャイナ』




シャイナ『マリー。あなたまた私を…』




鞠莉『曜を見て。集中してるの』



シャイナ『……!』



曜『92……93……』






ザアア…


「最後…渡辺曜!」


曜「は…はいっ!」


「以上3名を高飛び込み代表強化選手に任命する」


曜「やった…やったぁぁぁ!!!」ブワッ


「……」


ヨウチャンオメデトウ!


ガンバッテネ!


「渡辺!」


曜「は、はいっ!コーチ!」


「お前にはあの大技がある。おそらくこの技を使ってくる選手は今現在他にいないだろう。だからこそ必ず成功させたい」


曜「うっ…」ドキッ


「だが焦らなくていい。飛込み台に立った時の気持ちは、どうしようじゃない。どうだこの野郎!だ」


曜「へ?」


「お前はもっと自分に自信を持っていい。お前だけができるんだ。飛込み台だから下々を見下ろして思いっきり優越感に浸ってみろ。大会、期待しているぞ…」



曜『ははっ…まさか大会前にもっと緊張する場所から飛び降りなきゃいけないなんて…』



曜『……』



曜『優越感…ね。どうだこの野郎!宇宙を滅ぼす災厄め!!……これでいいのかな?』



曜『5……4……3……』








曜『今だ!!』バッ!




鞠莉『ヨウ!!!』





『【羅針三十二法〜アリエスの系譜〜前逆さ宙返り三回半対魔型】!!!
この世界はAqoursのホームグラウンドだ!アウェイのお前をプレッシャーと絆で押し潰してやる!優勝に向かって前速前進ヨーソロー!!』


ゴォォォオオオオオオオ!!




〜地球は大きな磁石である。磁石の真ん中に紐をつけ吊るしてみるとN極は必ず北を、S極は必ず南を向く。そもそもこのNSは北と南を意味するものだ。その原理を利用して作られたのが羅針盤で船や航空機の進路を十六の方向へ正しく導く。ただ、それはあくまで船や航空機での話。
曜は《アステリオ》により従来の羅針盤では対応できない方角、上下をも統べ、動く3Dコンパスと化した。高飛び込みで鍛えられた能力に正しい地点に正しい形で落ちる力を会得。もはや地球で彼女に勝る者はいないだろう〜



曜『はあっ!!!!!!』




ズガァァァァァァァァ!!!!



《災厄オリュン》
『何度ヤッテモ同ジコト…クタバ…』




ドクン…




《災厄オリュン》
『ナ…バカナ……』




シャイナ『曜さん!!』バサッ




ガシッ




曜『ありがとうシャイナ!!』




シャイナ『あなたのジャンプ、拝見させていただきました。地球上の…いえ、宇宙のどんな生命体よりも美しいですよ』



鞠莉『ブラボー曜!!カッコよかったわ!!!』



曜『えへへ…』



シャイナ『しかし曜さんがあんな全てを見下したような冷たい目をするとは思いませんでした』



曜『うぇぇ!?そ、それはそのコーチが…あははは…』



花丸『《オリュン》の血流、呼吸、ホルモンの動きに変化!!拒絶反応を感知!!ヨハネちゃん!!奴の喉元を狙って!!』



ヨハネ『待たせてくれるじゃない!!行くわよあんたたち!!』




堕天土星神 クロノス
『行くぞバカ息子!!お前というやつは』ガミガミ




堕天木星神 ゼウス
『あいよクソ親父!!ヨハネちゃん、牡牛座と射手座の件もあるんだし今度ご飯でも…』





ヨハネ『うるさあああああああい!!!』





堕天土星神 クロノス&堕天木星神 ゼウス

『【忿轟雷 堕邪天牙!!!!!!】』



バリバリバリバリバチチチチチ!!!!!




《災厄オリュン》
『グォォオオオオオオオォォ……』



ズォォオオオオオオオ!!



花丸『くっ…すごい衝撃ずら』ビリビリ




梨子『やった…効いた!!』ビリビリ




ルビィ『えいっ!!!』シュルルルルルル




果南『うっ…ルビィちゃんナイス!』




ダイヤ『くっ…やったのですね…!』




ヨハネ『おーっほっほっほっほ!まーた美味しいところを持っていってしまったわ!!そんなヨハネを見た宇宙人もみーんなリトルデーモンに…』ブツブツ




千歌『はっ!!!』




ギュゥゥゥゥゥゥン…




曜『おわっ!!』




鞠莉『イエアっ!!』




シャイナ『千歌さん。ご苦労様です』




千歌『すごい!ペガサスが喋った!!』キャッキャッ



曜『だからユニコーンだって!!』




鞠莉『シャイナよ!!』




花丸『こんな時まで何やってるずら…』




梨子『あはは…まあこのポジティブさというか緊張感の無さがいいところだよね…』



花丸&梨子『!!』




花丸『この力…』




梨子『そんな…』





《災厄オリュン》
『【不可説ノDARK MATER】』



ヒュン…




ヨハネ『アイツ…まだ生きてたのね…!!クロノス、ゼウス!やっておしま…』



ズズッ



ズズッ




ヨハネ『え…』




ヨハネ『そ…そんな…土星と木星が無い!破壊…いや、完全に消滅したんだわ!!…くっクロノス…それにゼウス……』




ルビィ『ヨハネちゃんそういうのいいから!』




ダイヤ『そうですわ!また《オリュン》の攻撃が来ますわ!』




ヨハネ『はぁっ!?今の見てなかったの!?土星と木星が消えて…』



果南『ヨハネ!今はふざけてる場合じゃないでしょ!!!』




曜『土星木星って…火とか水ならまだしもヨハネちゃんが言うにはちょっとダサい名前じゃないかな?』




鞠莉『ホワッツ?』




梨子『よっちゃん後で聞いてあげるから…』




千歌『それどころじゃないでしょ!』




ヨハネ『なんなのよ……!!まさか、破壊でもなく消滅でもなくそもそも元から無かったことにする…あり得ない…何がダークマターよ……こんなの反則よ……』





花丸『ヨハネちゃん!』




ヨハネ『マル…』




花丸『マルは大丈夫ずら。みんな《オリュン》の技で完全に木星と土星に関する記憶を消されている。でも、今みんなはあの大技で奴を倒せなかったことでいっぱいずら。下手に騒いでみんなをさらに掻き乱すのは避けてほしいな…』



ヨハネ『分かったわよ…ただ、最初でこれよ?奴の操るダークマターが増えていったらもう手がつけられなくなるし戦闘が成り立たなくなるわ…』




花丸『分かってるずら!だから短期決戦で行くよ!!ヨハネちゃん、あれを呼び出せる?』




ヨハネ『あれって…』




ヨハネ『!?』



ヨハネ『あなたバカじゃないの!?元々奴の一部だったってのにそんなの呼び出したら吸収されるわよ!!』




花丸『ヨハネちゃん。はっきり言うけど、さっきまでの攻撃は全く効いていないよ』




ヨハネ『!?!?』




花丸『奴に全くダメージが伺えない…いや、正確には凄まじい回復力…おそらく山羊座である小泉花陽さんの再生力とダイヤちゃんの硬質化を身につけている。生半可な攻撃じゃ効かないはずだよ。だからかつてのシーラカンス《ポス》をヨハネちゃんが呼び出してぶつければ奴は必ず力を取り込もうとする。しかしこっちで《ポス》に仕掛けをして取り込んだ瞬間強力な拒絶反応を促し体内から破壊するずら!もちろん成功率は高くはない。でもこれしか方法が無いよ!』




ヨハネ『ちっ…分かったわよ!!』






《災厄オリュン》
『【阿僧祇ノ DARK MATER】』



スッ…




カッ!!!!!!!!!





ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ




ダイヤ『あ…あちらを見てください大量の星が全て…』ビリビリ




梨子『ダイヤさんまで…今は冗談言ってる場合じゃないですよ!』




ダイヤ『!?』



ダイヤ『梨子さんあなた見ていなかったのですか!?今あの辺一体の星が全て…』




千歌『ダイヤちゃんまでくだらない事言ってないで攻撃に集中して!!』




ダイヤ『千歌さんまで!そんな…どうしてですの…?』




花丸(ダイヤさん…このままじゃマズい)





花丸『みんな!これが最後の一撃だよ!奴に攻撃をぶつけることだけに集中して!!!』




八人『了解!!』




花丸
『【創賢創知〜パイシーズの系譜〜アクアシンクロ・ジ・アース・ロケイション】

見えた!《オリュン》の心臓は梨子さんがマークした脇腹を赤道と本初子午線の交点とし北緯21°西経10°の位置に確認!!』




ヨハネ
『【〜キャンサーの系譜〜オルタナティブ フォールンエンジェ!!】

かつて地球の海で悠久の時を過ごし倒された災厄の片割れよ!拳を交えた中でしょ!?今度はこちらに味方しなさい!《ポス》!!』



ズズズズズズズズズ……





堕天災厄獣 《ポス》

グォォォォォォォォォォォォ!!!!




ルビィ
『【CORD Ω〜ヴァーゴの系譜〜天裁縫神糸の操】悪い災厄もルビィが縫ってその生涯に玉止めをします!!』シュルルルルルルルルルル!!!



ググググッ



梨子『【武装全知神 ダ・ヴィンチ〜ヴァーゴの系譜〜叛逆のモナリ・ポイズン〜】』




ボコボコボコボコボコボコボコボコ




堕天災厄獣 《ポス》

グォォォォォォォォォォォォ!!!!




梨子『奴に食らわす毒を仕込んだの。苦しいの我慢してね。かつての半身と戦うまでね!!』





ダイヤ『《ポス》を硬質化させますわ!』





ダイヤ
『【硬度10^1〜カプリコンの反系譜〜コーティング・ハーデストディザスター】』



ガキィィィィィィィィィィン




ダイヤ『山羊座の系譜に逆らわないと吸収されますの。校則違反ではありませんわ!!』






果南『マリー!!行くよ!!』




鞠莉『OK!!シャイナ!!準備はいい!?』




シャイナ『ええ。全く、状況が良くなったり悪くなったり…当に"塞翁が馬"ってやつですね』



鞠莉
『【皇・煌・々・光〜ジェミニの系譜〜シャイニング・タクト・ロード】


スォォォォォォォォォ…



鞠莉『二人とも!この光道に沿って《ポス》を飛ばしなさい!!!』





果南
『【海帝海導〜アクエリアスの系譜〜スキューバ・サブマリン・マグナジェット】!』





シャイナ
『【天馬翔翼・シャイニンジェットUMA】!』



ズドォォォォォォォォォォン!!!!!




ルビィ『はあああああ!!!スーパー頑張ルビィ!!!!』ブンッ




ギュオオオオオオオオオオオオン!!!!!!





千歌
『【完完実完〜レオの系譜〜完熟の濃縮】』





ズズズズズズズズズズズズ!!!




千歌『濃縮8888%!!!!!』





Aqours『いっけぇぇぇぇぇぇぇ!!!!』




堕天災厄獣 《ポス》

グォォォォォォォォォォォォ!!!!




ズドオオオオオオオオオオン!!




《災厄オリュン》
『グァァァァァァァァァァァ!!!!!体ガ…溶ケル……カッ……ハッ…バカナ……コノ我ガコンナ人間共ニ…』




ヨハネ『さよなら。いつかリトルデーモンにしてあげるわ』




千歌『また千歌たちの勝ちだよ!!』




ダイヤ『いつか地獄でお会いできるといいですわね』






《災厄オリュンポス》
『ナンテ言ウトデモ思ッタカ?』



ズズン…



花丸『か……はっ……』ボタタタタ




ルビィ『マルちゃん!!!!』




ダイヤ『花丸さん!!!そんな…私のプロテクトを簡単に砕かれた……』




ヨハネ『なんで……なんで吸収されてるのよ!!!』




果南『打つ手なし……か』ガクッ




梨子『ダメだ…本当の災厄として蘇っちゃった……』ポロポロ




曜『なんて強さ…って!そこの君!大丈夫!?』




鞠莉『ホワイ!そこのあなた!こんなところで戦ったら死ぬわよ!!早く治療しないと!!』




ダイヤ&ルビィ『!?!?』




ダイヤ『何を言ってるのですかあなたたちは!!!』



ルビィ『そうだよ!マルちゃんだよ!!さっきまで一緒に戦ってたじゃん!!』




ヨハネ『マルチャン?知らないわ!それよりそんな怪我人足手まといよ!!ここから離れて!!』




千歌『逃げて!ここは私たち八人で戦うから!!…って言っても宇宙空間だけどね』




ルビィ『そんな……』ポロポロ




花丸『……』



ダイヤ『さっきと同じ…奴の攻撃で花丸さんの記憶や思い入れがなくなっているんですわ』




ダイヤ『ルビィ!早く回復を!!』





ルビィ『うん!!』ズズズズズズ




花丸『うぅ……』




ルビィ『マルちゃん!!』




花丸『ルビィちゃん…ダイヤちゃんありがとう。まさかマルの考えが全て読まれていたとは思わなかったずら……』




ダイヤ&ルビィ『!?』




ルビィ『どういうこと!?』




花丸『《オリュン》はマルたちの攻撃の前にこの空間にとある仕掛けをしていた。それはブラックホール』




ダイヤ『ブラックホール!?しかし…』




花丸『うん。一般的には何かを吸い込んで異次元に閉じ込めちゃうみたいなイメージだけど、ブラックホールからは光がでない、更に周辺は空間が異様に伸びるため光の進む速度も遅くなる。つまり、マルの過去、現在、未来分析の概念が通じず千歌さんの空間操作も無効にされダイヤちゃんや梨子ちゃんの仕掛けも吸い込まれ無駄になった……』




ルビィ『そんな…』




花丸『最初にも言ったけどこの宇宙空間にはまだほとんど解析されていないダークマターが幾つかある…マルでも解析できないような。それを利用して記憶、時間、空間の操作を行ってるずら……今やここは奴のフィールド。解析も効かないし今、二人以外にとってマルは他人。おそらく何を言っても指示を聞かないずら…』



ダイヤ『不甲斐ない……せっかく《アステリオ》に力をいただいたのに…心身ともに成長したAqoursでもこのザマだなんて……』





梨子『どうしよう…何をすればいいの?』




曜『千歌ちゃん!早く指示を出して!!』




千歌『分かんないよ!!』




ヨハネ『やられるわよなんとかしなさい!』





ルビィ『マルちゃんが記憶から消されたことで統率が取れず乱れてる…一体どうしたら……』







シャイナ
『【光極 インフィニット・グラビティ・アナライザ】!!』シュィィィィィン!!!





〜海に潮の満ち引きがあるのは月が地球に近づいたり離れたりした時の引力に原因がある。
地球の重力と月の引力の引っ張り合いが海を保ち、無論生態系にも関わってくる。
シャイナの技は自身から超強力な引力を発生させ周辺の宇宙の星間物質、星に含まれる特殊な物資を一度に集め瞬時に解析、《オリュンポス》の呪いを解く術を発見する。
ペガサスでもユニコーンでも無い。宇宙を翔ける天馬の最終奥義だ!〜






シャイナ『みなさん…諦めないで…思い出して…!!』



ブウウウウウウウン!!!



千歌『!』



梨子『!』



曜『!』



果南『!』



鞠莉『!』



ヨハネ『!』



ルビィ『!』



ダイヤ『!』



花丸『みんな!!』




曜『どっ…土星と木星がなくなってる!?』




果南『マル!!大丈夫!?』




ヨハネ『マル!』




千歌『マルちゃん!!』




鞠莉『マル!!』




梨子『マルちゃん!!』





花丸『よかった…みんな思い出したんだね…』




シャイナ『………』キラキラキラ…




鞠莉『ホワッツ!?シャイナどうしたの!?』



シャイナ『すみませんマリー。力を使い果たしてしまったようです。お別れの時間がやってきてしまいました…』キラキラキラ…





八人『!?!?!?』





ヨハネ『あの馬が記憶を…』





鞠莉『ノー…ノーウェイ!!ダメよシャイナ!!ユーアーマイフレンド!!ユーアーマイパートナー!!』





シャイナ『あなたは本当に素敵な仲間に恵まれています。私がいなくても大丈夫ですよ。あなた、いつも言っているでしょう?スクールアイドルAqoursの中で輝いているあなたは…ふふっ。シャイニーです!』キラキラキラ…





鞠莉『ノーウェイって言ってるでしょ!!ファック!!シット!!また私を乗せて走ってよ!!シャイナ……』ポロポロ





梨子『鞠莉さん…』





シャイナ『はぁ…最後まで"罵"詈雑言ってやつですか。世話が焼けますね』キラキラキラ…





スッ…





鞠莉『!?』ポロポロ





シャイナ『ありがとうマリー。シャイナって名付けてくれて嬉しかったです。空からあなたをいつまでも…』スゥゥゥゥゥ…






鞠莉『シャイナアアアアアアアアアアアア!!!』



八人『……』



鞠莉『うっ…ジーザス……シャイナ……』ポロポロ



スッ




鞠莉『…?』




千歌『……』




鞠莉『千歌っ…ち?』




千歌『戦おう。千歌たちはまだ負けてない。シャイナちゃんの想いを無駄にしないように…戦おう!!』




鞠莉『……』




鞠莉『…ええ。センキュー…』グスッ



花丸『みんな!まだ勝機はあるはずだよ!頑張って戦うずら!』




ルビィ『うん!マルちゃん!!』




ヨハネ『ええ!私の目に入った全てを堕天させるわ!』




果南『さっきのお返ししてあげなくちゃね』コキッコキッ




曜『前に進むも下に飛び込むも!お前なんかに邪魔はさせさいよ《オリュンポス》!』




ダイヤ『こんなところで終わらせるなんてスッキリしませんわ。同じ山羊座として恥ずかしい…この私が山羊座の概念を覆してみせますわ!』




梨子『二つの災厄が一つになったのなら、九つの私たちが一つになればいい!!』




千歌『よーしAqours!!今度こそ勝つよ!!』









《待たせたわね。あの時の約束通り、助けてあげるわ》




九人『!?!?!?』





千歌『この声は……』




ヨハネ『へえ…また会えるなんてね』



《にこちゃんまた強がって…シャイナさんの力で"オリュンポス"から出られただけデッショー?》



鞠莉『!!』



《ハラショー。食べられちゃっときはもうダメかと思ったけど…》



《世界のお米を守るため…》



《世界のパンを守るため…》



《もうツッコみませんよ》



《凛はやっぱりこっちのかよちんも好きだよ!》



《ことりもやっぱりいつものホノカチャンも好きだよ!》



《久しぶりやなAqoursのみんな!元気してた?》




千歌『μ'sのみなさん!!!』




スゥゥゥゥゥゥゥ……




穂乃果『………』



穂乃果『ほっ!』



果南『実体化した!?』




希『おー花丸ちゃん大きくなったかー?』ナデナデワシワシ



花丸『あ…あの…///』



絵里『希』



希『はいすみません』



ダイヤ『ご無沙汰していますわ。絵里さん真姫さん』



真姫『あら、ダイヤさんじゃない。ふふっ、よかったわ元気そうで』



絵里『ええ。本当の自分は見つかった?』



ダイヤ『ふふっ…どうなんでしょう』






凛『キシャー!!!』バッ



ルビィ『ピギィィィィィ!!!』ブワッ



花陽『ピャアッ!!!』ビクゥッ



凛『ルビィちゃん久しぶりー!』



ルビィ『うぅ……』メソメソ



凛『な…なんで泣いてるにゃ?』



花陽『ごめんねルビィちゃん…』ポロポロ



凛『かよちんまで…』



ダイヤ『凛さん?』ゴゴゴゴゴゴ



凛『ひっ』



ワーワーニャーニャー
マチナサーイ!



梨子『海未さん…やっぱ勾玉をオリュンに渡したのはまずかったですか?』



海未『ええ。ダイヤさんが囚われていたとは言え、最初に梨子さんが《オリュン》に勾玉を渡した時は正直焦りました』



梨子『も、申し訳ありません!!』



海未『まあ、《オリュン》に吸収されてからは全く身動きが取れずもうダメかと思いましたが一度奴の気が乱れた時に私たちを縛っていたものが消え、シャイナさんの力でそのまま引っ張り出されたのです。それにしても梨子さん。私たちの力を纏って戦う姿、非常に美しくあっぱれでした。お見事です』



梨子『あ…ありがとうございます!』



ことり『わー♪ヨハネちゃんまた悪魔の羽になってる!カワイイ〜♪』


ヨハネ『ふふん。やっぱりこのヨハネには漆黒の邪翼が似合うのよ』




にこ『……』スッ



千歌『にこ…さん?』




ゴチーン!!☆




十六人『!?!?!?』



千歌『ほげっ!?』



絵里『ちょっとにこ!あなた何を…』




にこ『全くほんっっっっとにしょうがないわね!!!あなた、そこの梨子って子に言ったわよね?一人で戦わないで、私たちを頼ってって。それにμ'sの力も頼らないって』




千歌『はっ…はぃぃ…』ヒリヒリ




にこ『バッッッカじゃないの!?そういうのは余裕で勝てるくらい力を持ってから言いなさい!何九人で死にかけるまでハードプレイしてんのよ!!前言ったわよね?困ったら助けに行くから呼べって!!』




曜『うっ…ぐうの音も出ないほどの正論』



梨子『あははは…』



千歌『すっ…すいませーん!!』




にこ『でもまあ…あんたたちは《アステリオ》に選ばれた守護星者だし、今回は私たちの力も関わったことで起きた問題…それに、成長しようって心意気が見られたし大目に見てやるわ』




ことり(大目に見るって言いつつフルパワーのゲンコツ下すんだ…)



ヨハネ(なんかムチャクチャな気もするけど…あのゲンコツは私の知ってる天罰を遥かに凌駕するわ。下手に逆らわない方がいいわね)



穂乃果『Aqoursのみんな!!』




Aqours『!?』




穂乃果『私たちと戦おう!十八人で!!』



海未『…奴は災厄の完全体になりましたが、まだまだ力が上昇し続けています。今はまだ攻撃頻度も少なくて大人しい方ですが時期に暴れ回って宇宙を物凄い速度で壊していくと思います。ですから一刻も早く倒さなければいけません』



穂乃果『みんな、覚悟はいい?』



千歌『はい!!』



千歌『Aqoursのみんな!前に戦った時、最後に出した答えは"例え廃校が決まってもいつまでもAqours九人でいたい"だったよね?それは今でも変わらないし一緒だと思う!!だから前に進もう!!』



梨子『千歌ちゃん…ありがとう!』



曜『船長。どこまでもお供します!』ビシッ



果南『ふふっ、いっつも新鮮なものを見せてくれるよね…千歌ったら。また新しい世界に呼ばれちゃった♪』



ルビィ『最初はルビィにアイドルなんて無理だと思ってたけど、千歌ちゃんが誘ってくれたからアイドルっていう水の中でも息が出来るんだ、ルビィでも同じ敷居で輝けるんだって気付いたんだよ!』



花丸『千歌ちゃんからもらった飛びっきり熱いお茶のような刺激、マルは忘れないずら。火傷の跡は一生消えない…消したくない!』



ヨハネ『さっきの発言訂正するわ。みんながリトルデーモンになるんじゃなくて、私たち九人の悪魔が世界中の人間をリトルデーモンにするのよ!』



ダイヤ『人の出会いというものは革命の連鎖なんだと痛感しましたわ。いつか私たちもそうなりたい…誰かにとって革命的な存在に』



鞠莉『外国の友達…シャイナ…別れってのがこんなにサッドなのはそれだけ受け取ったものが大きいってことよね。そして千歌っち!みんな!!出会いってのがこんなにハッピーなのもそれだけ受け取ったものが大きいってことよね!!!』



千歌『うん!みんな!!これが本当に本当に最後の戦いだよ!!行こう!!』



八人『オーッ!!!!』




穂乃果『ふふっ♪本当に凄いな千歌ちゃんは…これもみかんの力なのかな?』




穂乃果『…みんな!!千歌ちゃん達の未来のために!ファイトだよ!!μ's!!』




九人『music start!!!』



《災厄オリュンポス》
『フン…我ノ肉体ヨリ"力"ガ漏レ出シタカ…烏合ノ衆ニ何ガデキル…』



ゴゴゴゴゴゴ……




希『くっ…なんちゅう力や…』ビリビリ




曜『確かに…今この辺一体はブラックホール化して奴のフィールド…アウェイの状況をどうやって覆すんですか!?』ビリビリ




真姫『その鍵は…梨子さんにあるわ!』




梨子『え!?』




真姫『それから花丸さん!希!二人の力も貸してあげて!!』




希『任しとき!!』




花丸『分かりました!!』





《災厄オリュンポス》
『【阿僧祇ノDARK MATER】』


ズズズズズズズズズ




花陽『あの攻撃が来る前に技を発動してください!!』




梨子『……』ブウウウウウウン…




希『行くで花丸ちゃん!』




花丸『でも…今の奴には過去も現在も未来の概念も通用しないずら…』




希『だったらウチらでもう一つの概念を作ればええやん?』



花丸『え!?』




希『ふふっ♪その創造力は梨子ちゃんがエキスパートや。花丸ちゃん!ありったけの知識を梨子ちゃんに送るんや!!』ブウウウウウウウン!




花丸『は…はい!!』ブウウウウウウウン!





梨子『……』ブウウウウウウウン!!




梨子(スゴい……私の脳に無限の叡智が流れ込んでくる…ブラックホール…その概念を覆すには……)





梨子『これだ!!』





梨子
『【武装頂神アインシュタイン 〜ヴァーゴの系譜〜創程式相対性理論】!!!』




〜ブラックホール。全てを・み込む天体。アインシュタイン方程式によりその存在が示唆され、その解を反転させたものとしてホワイトホールが挙げられたが、あくまで数式上の存在。例えるならマイナス1個のみかんを食べるような無謀な説で理論上の話だ。
梨子は、二人から集めた知識とその創造力を合わせホワイトホールの具現化に成功。数式から飛び出すことに成功したホワイトホールは彼女たちの新たな道を切り開く!〜




梨子『全ての概念を再放出して!ホワイトホール!!』



希&花丸『いっけー!!』




ズォォォォォォォォォォォォ!!!!



ズズズズズズズズズ…




《災厄オリュンポス》
『ナンダ……我ノ"力"ガ消エタ…ダト?』
ブウウウウウウウン!!




花丸『成功ずら!』




梨子『はぁっ…はぁっ…やった!!』




《災厄オリュンポス》
『纏メテ塵ト化シテクレル!!!』


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!




凛『来たにゃ!!』



ヨハネ『気を付けて!奴の攻撃には記憶を奪う力がある!』




千歌
『へへっもう空間は操れるんだよね!!
【天刻天在革命 〜レオの系譜〜 濃還のタンジェリック・タンジェル】!!』





穂乃果『タンジェリック・タンジェルって…』クスッ




千歌『還元−500%!!』ズズズズズズ




ダイヤ『千歌さん!攻撃遅延助かりますわ!!
【硬度 10^18 〜カプリコンの反系譜〜全壁のモース10 】』




キィィィィィィィィィィン!!!




ダイヤ『くっ…』ビリビリ




《災厄 オリュンポス》
『何?攻撃ヲ防イダダト?』




花陽
『まだです!記憶は私が守ります!

【豊穣天米 〜カプリコンの反系譜〜メモリアル・ハーヴェスト】!』



ダイヤ『花陽さんさすがですわ!!』




花陽『ダイヤさん!私も山羊座です!!《オリュン》が地球に気付いたのも私のせい…絶対に勝ちましょう!』




ダイヤ『ええ!!』





花丸『みなさん!聞こえますか!!』




『!!!』




海未『花丸さん!!』




穂乃果『聞こえてるよ!!』





花丸『よく聞いてください。半身の《オリュン》はダイヤちゃんに化けていた時僅かですが手から腐敗した液体を滲ませていました!おそらくこれは膨大な力を無理矢理人間レベルまで縮小したことによる副作用!!これは不治ですが現在、奴の回復力で抑制されています!!今からこれを利用します!!』



果南『あれは奴の技じゃなかったんだ…でもどうやって!?』




花丸『ホワイトホール解放により今までに封じられた力が全て放出されました!その影響は私たちだけでなく奴にもあります!先程《ポス》に仕込んだ梨子さんの毒が奴の体内で復活、膨張。しかし同時に無尽蔵の回復力と抵抗力で対応されています!!』




絵里『どうすればいいの!?』




花丸『《ポス》は太陽の光に弱い!しかし奴とリンクしたことでその弱点は克服されています!しかし完全ではありません!!だからなんとかして太陽光による《ポス》の拒絶反応を促し《オリュン》の抵抗力を減退、そこに毒が回ることで再び《オリュン》自身の副作用を発生させれば時間はかかりますが奴の身を滅ぼせることができるかもしれません!』




曜『なるほど!じゃあまだ可能性はある!!』




梨子『でもどうするの!?今の《ポス》に太陽光の力は効かないんでしょ!?』




花丸『穂乃果さん!希さん!』




穂乃果『任せて!!』




希『ふふっ♪行くで穂乃果ちゃん!』




『【天占風水〜ジェミニの系譜〜スピリチュアル・ツィン・ムーン】!!!』




ドドドドドドドドドドドド!!




ダイヤ『見てください!月が増えましたわ!』




〜日食。月食。前者は太陽と地球の間に月が重なり、太陽が隠れる現象。後者は太陽と月の間に地球が重なり、月が欠けたり赤く光る現象。本来これらが同時に起こることはない。何故なら月は一つだからだ。
希は双子のように瓜二つな月をもう一つ創造し、それぞれが起こる位置に配置。
本来なら同時に起こらないスピリチュアルな現象が発生。そこに溜まった力は希望のサンライズと絶望のサンセットを予兆させる!〜





『【羅津三十二法〜アリエスの系譜〜スペース・ディレクション】!!!
羅針盤が指すは西北西頂斜頂の方向!!穂乃果さんそちらへ光を!!』




穂乃果
『曜ちゃん、希ちゃんさすがだよ!こっちも行くよ!!
【天道主光〜レオの系譜〜ジ・アース・オブ・サンシャイン】!!!』





ピカァァァァァァァァァァァ!!!




ヨハネ『ぐっ…眩しい……』




ボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコ



《災厄オリュンポス》
『グォォォォォォ!!!体ガ熱イ…何故ダ…何故ダアアアア!!!!』

バッ……バッ……バッ!



ドォォォォォン!!



ドォォォォォン!!



ドォォォォォン!!




ルビィ『わっ!!暴れてる!!遠くのお星様が…!!!』




ことり『梨子ちゃんが《ポス》に仕込んだ毒が効いてるんだよ!!』




ヨハネ『くっ…でもこのままじゃ奴が倒れる前に宇宙が…』






海未『まだです!!』




ヨハネ『!?』




果南『海未さん!?』




海未『十二星者なのに勾玉は九個…まだあと三つの力が残っています!!』




鞠莉『ノー!祭壇には九個だけよ!?』




海未『元々十二個でしたが内三個は封印に不要とされ宇宙へと捨てられました。しかしその三つには他九つよりも多大な力が封じ込められています。それらはやがて三つの星になりました。それらが天王星、海王星、冥王星です!!』




果南『そんな伝説があったの!?』




海未『ヨハネさん、果南さん、二人はそれぞれ天王星、海王星の力に適合しています。それから冥王星は更に力が大きい。千歌さん、梨子さん!二人にお願いします!!』




四人『了解!!』



鞠莉
『シャイナ…最期に力をくれてセンキュー!
【光極 〜ジェミニの系譜〜インフィニット・オール・アナライザ!】』ズズズズズズズズ



ルビィ
『ヨハネちゃんたち!今から鞠莉ちゃんが引き寄せた星の力を糸を通して体へ伝えるね!凄く大きな力だけど頑張って!!』



千歌『ルビィちゃん任せて!!』



梨子『大丈夫だよ!!』



果南『平気だよ!!』



ヨハネ『早くしなさい!!』




ルビィ
『【CORD μ 〜ヴァーゴの系譜〜救世糸】』




ズズズズズズズズズズズズ



ヨハネ『ぐっ…何よこれ……』



梨子『す…凄い力……』ズズズ




千歌『ぐぅっ……』ギュッ




果南『みんな………』ズズズ





果南『……』



果南『ここは…』



果南『うわぁ…星がいっぱい……』



果南『……』



果南『なんか不思議だな…いつも遠くに眺めていた星空に私がいるなんて…』



果南『これが私の夢見てたファンタジーなら相当嫌だけどね』クスッ




果南『さぁ、みんなの元へ向かおう!早く無事に帰ってルビィちゃんに星座教えてあげなきゃ!!』



ヨハネ『……』



ヨハネ『ここは…どこ?』



ヨハネ『あの力に乗っ取られちゃったのかな…はぁ情け無い。これじゃあ合わせる顔が無いわ。堕天の長なんて言ってくれた……』




『いいえヨハネ様。あなたは立派な堕天の長ですよ』




ヨハネ『!?!?』




ヨハネ『そ…その声は…ルシファー!!』




熾天使 ルシフェル
『お久しぶりですヨハネ様。お元気にしてましたか?私も新たな世界で…』




ギュッ




熾天使 ルシフェル
『??』




ヨハネ『うわああああああああんルシファールシファールシファァァァァァァ!!!!!会いたかったよルシファーごめんなさいルシファァァァァァァ!!』ブワッ



熾天使ルシフェル
『……』




熾天使ルシフェル
『ヨハネ様。前回の戦いであなたの元を離れたこと、大変悲しませてしまったこと、お許しください。しかし、ヨハネ様のおかげで私は熾天使として蘇ることができました。μ'sのことりさんに思いを託したのですが…しっかり伝えてくれたみたいですね』



ヨハネ『うぅ…ルシファー……あの時は本当にありがとう。感謝しても感謝しきれないくらいよ……ねえ。私、今またピンチなの。みんなを救わなきゃいけないのに力が大きすぎて……あの時と全く変わらないワガママなヨハネを許して…これは命令…いえ、お願いです。ヨハネに力を貸してください…!』ギュッ



熾天使ルシフェル
『ヨハネ様。お礼を言いたいのはこちらの方ですよ。あなたは本当に成長しました。私も嬉しい限りです。またこうして共に戦えること、誇りに思います。恩返しとして、私の力、全てあなたに捧げます』



ヨハネ『ルシファー…』ポロポロ



熾天使ルシフェル
『…さあ、あなたを待つ者の元へ向かいましょう!』



ヨハネ『……』ゴシゴシ




ヨハネ『ええ!行くわよ!!』



千歌『ここは……』


梨子『千歌ちゃん!』


千歌『り…梨子ちゃん!』


千歌『…そうだ!こうしちゃいられない!みんなの元へ急ごう!!』




梨子『……』ギュッ




千歌『梨子ちゃん…?』




ペチッ




千歌『……』



梨子『ふふっ…』プニュプニュ



千歌『もう!何するの梨子ちゃん!!』



梨子『さっきの仕返しだよー!』



千歌『ぶぅ…やったなー!!』




ギュッ



千歌『!?』



梨子「……」スウッ



梨子『君ーのーこーころー♪輝ーいてーるかーい?♪』



千歌「……」



千歌「胸ーにーきーいたーら♪」



千歌&梨子
「Yes!と答ーえーるよー!♪」



梨子「行くよ千歌ちゃん!もう言葉はいらない!!」



千歌「うん!!」



絵里
『【〜リブラの系譜〜】』




ダイヤ
『【〜カプリコンの反系譜〜】』




絵里&ダイヤ
『【超硬度要塞 ハラッセオ・コロッセオ】』




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ





絵里『みんな!この中で隕石を防いで!!』





ドォォォォォン!!!!!



ドォォォォォン!!!!!



ルビィ『うぅ……』ビクビク



花丸『ルビィちゃん…』ギュッ



花陽『誰か助けて…』



凛『かよちん…』ギュッ



希『大丈夫や!』




真姫『なんなのよこの攻撃…イミワカンナイ!』



にこ『《オリュンポス》は我を失って周りの星を破壊しまくって暴れてるわ…』




ことり『どうしよう…』



海未『大丈夫です。もうすぐ彼女たちが…』




曜『みんな……』





《災厄オリュンポス》
『グォォォォォォォォ全テ!全テヲ滅スルマデ破壊シ尽クスノミ!!!』





『させないよ!!』



全員『!?!?!?』




鞠莉『ルック!!あそこ!!!』





熾堕天王星者 ヨハネ
『そこまでよ!悪魔達の活動を妨げる災厄!天使と堕天と星の力を授かった真のヨハネを見なさい!あなたはここでおしまいよ!!』




深海王星者 果南
『海よりも広い宇宙…本当にこんな世界があったなんて今でも信じられない。井の中の蛙成らぬ海の中の果南ってとこかな。でもあなたは逆だよ《オリュンポス》!こんな広い宇宙にいて狭い世界に住む私たちの底力を知らなかった!!』




双冥王星者 千歌&梨子
『みんな!おまたせ!!』




ダイヤ『みなさん!!』




絵里『ハラショー!!』




鞠莉『ブラボー!!』




穂乃果『さあ!!最後の攻撃をぶつけるよ!!』






《災厄オリュンポス》
『グハハハハハ!!滅ビヨ!!滅ビヨォォォォォォ!!!!』



ドォォォォォォォン!!!





穂乃果『……』ビリビリ




穂乃果『……』




穂乃果『行くよ!!』




花丸『狙うは先程の心臓の位置ずら!』




曜『北東天斜天の方向にヨーソロー!!』




深海王星者 果南
『【海帝 〜アクエリアスの系譜〜ネプチューン・アビス・エンド】!!』




熾堕天王星者 ヨハネ
『【天幻天異天魔無双 〜キャンサーの系譜〜熾堕天罰】!!』





双冥王星者 千歌&梨子
『【完柑味貫 天海星程式 〜レオヴァーゴの系譜〜W・プルート・チェリータンジェ】!!』





穂乃果&海未&ことり
『【μ'sic forever 〜ピスケスヴァーゴレオの系譜〜ファイテング・チュン・ラブアローシュート】!!』




ギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン




ズドォォォォォォォォォォン!!!!





《災厄オリュンポス》
『ガ………ハッ…………』



ズズズズズズズズズズズズ…



ズズズズズズズズ…



ズズズ…



千歌『やっ…た?』



穂乃果『やったんだね…ついに……』




ワァァァァァァァァァァァァ!!!!!




曜『梨子ちゃん!千歌ちゃん!!凄いよ!!
ついにやっつけたんだ!!』ダキッ



梨子『うん!!』モギュッ



千歌『えへへっ♪』モギュッ





ことり『ホノカチャン!海未ちゃん!』モギュッ



穂乃果『へへっ♪』モギュッ



海未『ほわっ!?ことり!穂乃果!』



海未『……』



海未『ふふっ。仕方ないですね♪』モギュッ





鞠莉『シャイニー!☆よ果南!』モギュッ



絵里『ハラショー!よ果南さん!』モギュッ



ダイヤ『さすがですわ!果南さん!』モギュッ



希『スピリチュアルやん!果南ちゃん!』モギュッ



果南『うっ…ぐぐ…苦しい……』モギュッ



にこ『全く、何やってるのよあんたたち…』スッ



果南『えっ…ちょっちょっと!』



にこ『にこも入れて欲しいにこー!!』モギュッ



ヨハネ『…ふぅ。ついに終わったのね。今までで一番苦労した儀式だったわ』スッ



ヨハネ『ん?』



ルビィ&凛&花陽『……』ウルウルウル



ヨハネ『ちょ…ちょっとやめなさい…!』



ルビィ&凛&花陽『うわぁぁぁん!!』モギュモギュモギュ!



ヨハネ『ギャー!!』



ワーワーギャーギャー



真姫『ふふっ全くみんなったら…』グスッ





花丸『……』フルフル




真姫『…花丸さん?』




花丸『おかしい……』




真姫『え?』



花丸『みなさん!!まだ《オリュンポス》の生体反応が消えていません!!』




全員『!?!?!?』





《災厄オリュンポス》
『…………………』



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…




ダイヤ『何事ですかこの振動は!!?』




花丸『あの圧倒的な力を抑え込んだことで暴走は止まりました。そして副作用だけが残りました。しかし、その副作用で朽ちる前に奴は最後の力を振り絞って自分の力と、マルたちが今まで与えた攻撃を全て解き放ってビッグバンのように自分もろとも宇宙を爆破させるつもりです!』



全員『!?!?!?』




千歌『そんな……』




花丸『もう…マルたちに打つ手は…』



穂乃果『あるよ』



花丸『えっ!?』




穂乃果『《オリュンポス》をなんとかする方法。あるよ』



鞠莉『それは…どんなストラテジーなの?』







穂乃果『それはね…私たち自信が犠牲となって《オリュンポス》を封じ続けるの。爆発さえしなければ《オリュンポス》は副作用でやがて消滅する。私たち自信が星になって長い長い年月をかけてその最期を見守る』




千歌『えっ……』



梨子『そんな……』



果南『なんですかそれ……』



絵里『……』



花陽『……』



ことり『……』



凛『……』



希『……』



にこ『……』



真姫『……』



海未『……』



穂乃果『私たち、《ポス》との戦いの後ずっと梨子ちゃんの勾玉の中で眠っていたの。でもなんとなくだけど分かったんだよ!Aqoursのみんなが私たちμ'sに憧れて頑張ってスクールアイドル活動やるの!それでね!今回の戦いの時はもうみんな迷いがない!自分に正直で九人みんなが同じ方向を向いてる!!成長してる!!…それでね、μ'sのみんなで話し合ったんだ』



花丸『……』



梨子『穂乃果さん…』




穂乃果『Aqoursのみんなはこれからの時代を作っていってくれる。スクールアイドルとしても人間としても奇跡のようにスゴい子が九人集まってるんだよ!千歌ちゃんが言ってくれたように伝説になれる力を秘めている。だからそんな輝かしい未来をこんなことで失って欲しくない』



千歌『嫌です』



果南『千歌……』



曜『……』



にこ『あんた聞いてなかったの!?もうこれしか方法がないのよ!!』



海未『千歌さん…それにAqoursのみなさんも、どうか分かってください。これは私たちだけの問題ではなく世界…いえ、宇宙の問題でもあります』



千歌『嫌だ!!!』



希『千歌ちゃん…』



にこ『あんた…いい加減に!』





梨子『私も嫌です!!!』



全員『!?!?!?』



ダイヤ『梨子さん…』



梨子『私…もう何かを失うのが嫌なんです!!悲しいんです!!よっちゃんがルシファーと別れた時も、鞠莉さんがシャイナさんと別れた時もすっごくすっごく辛そうでした…』



ヨハネ『リリー…』



鞠莉『リコ…』



梨子『それに私や…ルビィちゃんや花丸ちゃんや…いえ、ここにいる全員が千歌ちゃんの声に心打たれてスクールアイドルとなりました。そしてその千歌ちゃんはμ'sのみなさんに心打たれてスクールアイドルを始めようとしたんです!!今のAqoursがあるのはμ'sのおかげなんです!私たちだけじゃありません!!今全国でμ'sを目指して活動しているスクールアイドルがどれだけいることか…私たちにとって、みんなにとってμ'sは太陽なんです。だから…だから消えて欲しくない…でもそうしなきゃいけないなんて……』ポロポロ



にこ『……』



千歌『分かってます…ワガママなんだって。千歌も…いつまでも穂乃果さんたちに見守っててほしかった…でも選択肢は二つなんですよね?μ'sだけが無くなっちゃうかμ'sも学校も千歌たちもみーんな無くなっちゃうか……』




ギュッ



千歌&梨子『!?!?』




穂乃果『なくならないよ。へへっ♪嬉しい。本当に本当に嬉しい。みんなが私たちのこと心から思ってくれているなんて。千歌ちゃん。例え私たちが消えちゃってもμ'sのこと忘れるわけじゃないでしょ?…だから、もし悲しくなったり落ち込んだりしたら星空を見て私たちのこと思い出してほしいな。あとはそうだな…μ'sのDVDだとかポスターだとか、そういうの見てほしいな!そういう時に幸せになる呪文を教えてあげる。何年後も何十年後も!μ'sに携わったその瞬間、『今が最高!』って叫んでみて?』




千歌『今が…最高……』ポロポロ




穂乃果『ふふっ♪それから梨子ちゃん。私、ラブライブ!決勝の前日にμ'sのみんなで学校にお泊まりしたの。屋上から星空と街を見渡して思ったんだ。ここには私たちのことを知らない人も出会ったことない人もいっぱいいて、でもそんな人たちの中にも私たちの歌を聞いて元気になったり笑顔になってくれる人がいて!私、スクールアイドルになってよかったって!』




梨子『……』




穂乃果『それでね?今日梨子ちゃんが星空を見上げて考えてたの見て思ったの』




梨子『え…?』




穂乃果『真っ暗だとスゴく不安で…でもそんな時に空を照らしてくれる星が温かい。それを見て安心した人々が一つ一つ自分の明かりをさらけ出す。それが夜の星と町。スクールアイドルも同じで、ステージで踊るとみんながサイリウムを振ってまるで星空を見ているみたいに安心するの!えへへ、みんなは私たちをスターだって言ってくれるけど、私達からしたら逆なんだよ!Aqoursのみんなも全国の応援してくれるみんなも星みたいに温かい!!!
だから、今度は梨子ちゃんたちにその景色を見てほしい!感じてほしい!!スターになって星を見るってどんなに素晴らしいことかを!!!』




梨子『穂乃果さん…』ポロポロ





海未『みなさんは最初、廃校から学校を守る為に戦いました。しかし今は廃校を守る為に戦っています。この気持ちの変化にはものすごく勇気が必要だったでしょう。確かに私たちは近くにいられなくなります。しかしあなた達は強い。あなた達は最高です。絶対に大丈夫』




にこ『あんた達すごいわよ。この私でもちょっと羨ましいくらいだわ。アイドルとしてはまだまだだけど、いつか私たちを超えるんじゃないかって思ってる。何ていうか…みんなスクールアイドルの土台はμ'sが作ったなんて言うけど、その土台の上に立派な竜宮城の一つでも築いちゃいそうなのよね。Aqoursは』




梨子『海未さん…にこさん…』グスッ



曜『……』



花丸『……』



ルビィ『うぅ……』グスッ



ダイヤ『……』ギュッ



鞠莉『……』



ヨハネ『……』グッ



果南『……』





千歌『みんな。あとはμ'sに任せよう。今度は千歌たちがμ'sの意思を継いで私たちなりの道を進んでいこう!』



果南『…フフッ。そうだよね千歌!私たちがこんなところで悲しんでちゃ合わせる顔がないよね!』



ダイヤ『今合わせているじゃないですか…なんて冗談は置いておいて。私も賛成ですわ。くどいようですが私たちは九人でAqoursとして廃校までを有意義に過ごすと決めましたから。一度決めたことをすっぽかすのはスッキリしませんわ!』



ルビィ『μ'sのみなさん…家の都合でいつもこっそりとだけど応援していました。いつも輝かしい夢を与えてくれて本当にありがとうございました!!』



ヨハネ『さっきの発言、更に訂正するわ。私は既にμ'sのリトルデーモンだったのよ!』



花丸『これからもルビィちゃんたちと一緒に頑張ります!!だからいつまでも見守っていてください!』



鞠莉『こっちに来た時千歌っちにしつこくアイドルに誘われて、そんな彼女が影響されちゃうナインピーポーってどんなアメイジングな人たちだと思っていたけど……その理由がはっきりと分かったわ!』



曜『うん!特に千歌ちゃん、穂乃果さんにそっくりだもん!!キラキラ輝いていて、前向きで勢いだけでなんとかしちゃう…ちょっと抜けているけどみんなに気持ちを届けたいっていう強い思いがある!!』



梨子『みんな……』



梨子『私が音ノ木坂に入学できたのも、廃校がなくなったから。もし音ノ木坂から転校して来なかったらこうしてアイドルを始めてもそこまでμ'sを意識しなかったかもしれない…でも、今の私は千歌ちゃんに負けないくらいμ'sの事が大好きです!!』



ことり『Aqoursのみんな!短い間だったけどありがとう♪』



凛『凛たち、絶対みんなのこと忘れないよ!』



花陽『花陽のことも忘れないでください…』



真姫『あなたたちの歌声が聞こえてくるの、楽しみにしているわ』



希『アイドルは勿論だけど、勉強もちゃんとやるんよ?どこかの誰かさんみたいに三年生にもなって赤点ギリギリなんてことならんようにな?』



にこ『うっ…』



絵里『それから、宿題もね?なんならダイヤさん。生徒会で課題提出を厳しくするよう話し合ってもいいのよ?』



ダイヤ『はい。検討しますわ』



ヨハネ『うっ…』



にこ『まっ、どうしても助けが必要だったら…って、もうこのセリフはいらないわね』



海未『ええ。みなさん…そろそろお別れです』





穂乃果『千歌ちゃん…』ギュッ




千歌『穂乃果さん…』ギュッ




穂乃果『……』




千歌『……』






穂乃果『さようなら…』パッ






千歌『はい…』パッ



穂乃果『みんな!最後になるけど、あれやるよ!』バッ



μ's『……』ババババッ



穂乃果『1!』



ことり『2!』



海未『3!』



真姫『4!』



凛『5!』



花陽『6!』



にこ『7!』



希『8!』



絵里『9!』



穂乃果『……』チラッ



千歌『……!』



千歌『じ……』



Aqours『10!!!』



穂乃果『μ's!!』



全員『ミュージックー…スタート!!』



穂乃果『よーし行くよ!ことりちゃん!花陽ちゃん!!みんなを先導しよう!!』



ことり&花陽『うん!』




海未『行きましょう!』



《災厄オリュンポス》
『……………………』




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!





絵里『マズい!急ぎましょう!!!』ブゥゥゥン



希『せいっ!!』ブゥゥゥン



にこ『にこっ!!』ブゥゥゥン



真姫『やあっ!!』ブゥゥゥン



凛『にゃっ!!』ブゥゥゥン



海未『せいっ!!』ブゥゥゥン




花陽『やあああああああ!!!』



ことり『ちゅうううううん!!!』



穂乃果『はあああああああ!!!』






μ's『【NO EXIT ORION】』



善子「うぅ…」カキカキ



ダイヤ「善子さん!こんなに課題を溜めてあなたどういうつもりですの!?この休み中何をしていたのですか!悪魔の儀式だかなんだか知らないですけど、与えられたことはきちんとやりなさい!やっぱりあなただけでもAqoursの活動と…それからその儀式も禁止しますわよ!だいたいあなたは…」ガミガミ



善子「うっ…《オリュンポス》なんかよりよっぽど邪悪なオーラを感じるわ…」



ダイヤ「何か言いました?」ギロッ



善子「何も言ってません」



ダイヤ「よろしい」



善子(る…ルシファー!何をやっているの?これは命令よ!このヨハネの代わりに宿題をやりなさーい!!!)



果南「だからねルビィちゃん。大三角形は夏と冬にそれぞれあって…」



ルビィ「ピギィィィィ!全然覚えられないよー!!」メソメソ



花丸「ルビィちゃん泣かないで!一個ずつ覚えよう!!」



ルビィ「うん…」



果南「で、これは冬の星座のオリオン座、一度は壊れちゃったけど……って、説明しなくても分かるか」



花丸「ずら!」



ルビィ「うん!これだけは絶対に忘れないよ!!」



曜「えっへん!!」キラリン




鞠莉『シャイニィィィ!☆まあ、なんて美しいゴールデンなメダルかしら!!』




梨子「すごいよ曜ちゃん!高飛び込みの大会ぶっちぎりの優勝じゃん!!」




曜「まあ、力はなくなっちゃったけど感覚は覚えていたから…ある意味ドーピングというかチートというか…えへへ。失格にならなくてよかったよ!」




千歌「二人ともー!!」ガラガラガラガラ



梨子「あ!千歌ちゃん!!」




千歌「ステージ、始まるよ!!」



千歌「みなさん!こんにちは!!千歌……コホン。私たち、浦の星女学院のスクールアイドル…」



Aqours「Aqoursです!!」




ワーワーキャーキャー!


カワイイー!


リコアイシテルゾー!




千歌「私たちは、海と太陽がきらめくこの自然豊かな内浦でみんなと思いっきり騒ぎたい!もう少しで廃校になってしまうこの浦の星女学院で素敵な思い出を残したい!笑ったり泣いたりケンカしたりして、大きな壁を乗り越えて!その気持ちを歌にしてダンスにしてみーんなに知ってもらいたい!!」




千歌「今日最初に歌うこの歌は、私たちにとって特別な歌です。私たちは以前、とても大きな試練に二度ぶつかりました。その時私たちの憧れである、とある方たちが助けてくれました。その方たちは今空から私たちを見守ってくれています!夏は見えないんだけど…冬になって見えた時に恥ずかしくないようなAqoursでいられるよう頑張ります!みなさん一つ一つの星を目で見て、その中でスターであり続けます!!それでは聴いてください。




『届かない星だとしても』」





おわり


これにて完結です。
前作から最後まで読んでくださった方本当にありがとうございました!

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