垣根「ほら、笑って笑って!」〜3ヶ月目〜 (1000)

前々スレ

垣根 「ほら、笑って笑って!」
垣根 「ほら、笑って笑って!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/1303577580/-20)


前スレ

垣根 「ほら、笑って笑って!」 ~2ヶ月目~



【あらすじ】

第三次世界対戦後、冥土帰しの手によって元の身体を手に入れた垣根帝督
そんな彼に告げられたのは余命3ヶ月という死の宣告だった

原因は自らの能力『未元物質』による脳の汚染……

しかし彼は意外にも前向きで「3ヶ月もある」と言ってのけた

こうして、残された時間で綺麗な思い出を作ろうと頑張る垣根の青春(?)の日々が始まるのであった――



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1360999516

【登場人物】

・垣根帝督
主人公。暗部時代の面影を感じさせないくらい明るくなった爽やか能天気自由野郎。最早別人の域
首に下げた一眼レフカメラは思い出作りに欠かせない相棒

いつも一緒にいる仲間(垣根フレンズ)を始め、事ある毎に様々な人を巻き込んでいく
黄泉川には勝てない
黄泉川には勝てない

・麦野沈利
垣根フレンズその1。且つ、彼の被害者第1号
色々あって性格は若干丸くなったが、相変わらず口は悪い

垣根の変貌っぷりに戸惑いながらも何だかんだで仲良くやってる
が、ある日を境に彼に対する何かが芽生え始めた。彼女自身も分かってない様子だが果たして……?

むぎのんマジ乙女

・一方通行
垣根フレンズその2
ふとしたきっかけで彼と再会し、気がついたらアラ不思議、お友達になっちゃった!

渋々付き合わされてるかと思えば急に悪ノリしだしたり、弄ったり弄られたりと忙しい人である

コミュ障はちょっとマシになった模様

・上条当麻
垣根フレンズその3
みんなのヒーローそげぶマン!なのだが、何故か垣根フレンズで一番立場が弱い感じになってる

インデックスが家事スキルを身に付けて帰ってきた為、生活は少し楽に
最近ハッピーターンにハマっている

垣根と何の繋がりもないように見えて、実は大きな部分で関わっていた

・心理定規
垣根フレンズその4。その正体は学園都市第五位食蜂操祈の妹、食蜂凪差だった(当スレオリジナル設定)
以来、皆なんて呼べばいいのか戸惑っている様子

最近は姉の怖いくらい大きな愛情に翻弄されてます

【垣根の足跡~1スレ目~】


・<11月17日(水)>
上条、冥土帰しに呼ばれ病院へ
ある患者の治療に幻想殺しを用いるも失敗

・11月20日(土)
垣根復活。偶然出会った麦野とカメラ買いに電気屋へ
垣根の活躍(?)により、麦野が過去の過ちから立ち直る

・11月21日(日)
公園にて散歩する一方通行を発見。街歩きに強制参加
途中麦野とも出くわし、3人で遊び歩く

・11月24日(水)
垣根、麦野、一方通行、上条の高校へ訪問
一方通行を倒した上条に興味を抱き、家まで押し掛ける
インデックス帰還。そしてハッピーターンに目覚める

・11月29日(月)
垣根に恨みを持つ2人組が彼を襲う
能力がうまく使えない中何とか退ける事に成功
負けを悟った2人組は最後に自爆

・12月4日(土)
元同僚の心理定規と再会、何故か遊園地デートに誘う
それを知った麦野は上条、一方通行を連れて尾行
おや、むぎのんのようすが……?

・12月7日(火)
麦野が風邪をこじらせ、垣根が押し掛け看病に行く
気がつけば垣根フレンズ勢揃いで看病していた
まさかのラッキースケベ

・12月11日(土)
黄泉川に謝り、その後お出掛け(デート?)
その頃一方通行は水族館でハーレムやってた
黄泉川先生マジ聖母

・12月13日(月)
垣根フレンズ、幼稚園へ(上条も強制参加)
麦野、一方通行、心理定規のコミュ障発揮(特に一方通行)!
結標淡希が実習に来てた。でも真面目に勉強してます(心の奥底はショタハァハァ)

・12月16日(木)
垣根、猫の日常観察にスフィンクスを選ぶ
スフィンクスは子猫という名のおっさん
猫の視点で話が進む為、喋りまくるし猫いっぱい出る

【垣根の足跡~2スレ目~】


・12月20日(月)
垣根と初春の再会
親友、佐天に励まされ彼女自ら歩み寄る

・12月24日(金)
垣根宅にてクリスマスパーティー
サテンサン!でウイハルー!なバカ騒ぎ
垣根サンタが夢を運ぶよ

・12月27日(月)
超能力者第五位、食蜂操祈登場
そこで心理定規が彼女の妹、食蜂凪差である事を知る
愛が重たい

・12月28日(火)
バードウォッチングwith心理定規
最後はお空でデート(?)

・12月30日(木)
黄泉川さんの職場にお邪魔
やはり彼女には勝てないようです

・1月1日(土)
正月大作戦開始ぃ!
絹旗黒夜仲良くケンカしな!

・1月6日(木)
食蜂の純潔がピンチ!
垣根の垣根はもうダメかもしれない……

・1月9日(日)
一方通行の休日(いつも休日だろ、というツッコミはなしだ)
こっそり垣根もいるよ

・1月11日(火)
根性!根性!根性!
ノーバン!ノーバン!ノーバン!
好きだ!愛してる!I love you!

長らくお待たせ致しました

この物語もいよいよ終盤、もうしばらくお付き合い頂けると幸いです

投下は今日の夜に行います
では

お待たせしました
では投下

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―――――
―――



――大分進行したみたいだな



散々好き勝手してくれたが、それもここまでだ



そろそろ大人しくしてもらうぞ――






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―――――
―――

1月12日(水)
~ファミレス~


麦野「……」

垣根「ZZZ……」クカー

心理「食事中に寝るかしら普通」

麦野「普通じゃないから寝るんだろ」

心理「説得力を感じるわね」

麦野「そういえば、昨日丘でコイツが叫び声あげてるのを見たんだけどよ」

麦野「なんか……誰かに告白してるみたいだった」

心理「告白?」チラッ

垣根「ZZZ……」スピー

心理「告白というと、あの?」

麦野「……愛の告白」

心理「だ、誰に?」

麦野「男」

心理「ん?」

麦野「だから、男」

心理「……」

麦野「……」

垣根「ZZZ……」スヤー

心理「ふふ、もうやめてよー、どうせふざけてやったんでしょ?」

麦野「それがマジなんだって。男の方も『俺だって好きだー!』って叫んでたし」

心理「本当に?」チラッ

垣根「うん……」スコー

麦野「……」

心理「まさか、ホモ?」

麦野「信じたくないわ」

心理「私だって」

麦野「でも、あの感じはどう見ても告白よ。周りも騒いで盛り上げてたし……」

心理「本人に聞いてみましょう。多分勘違いだと思うけど」

麦野「いい!余計なことになりそうだから!」

心理「そんな声を荒げなくても……」

麦野「とにかく、コイツには聞くな」

心理「わ、分かった」

麦野「はぁ……」

心理「ショック?」

麦野「そりゃまぁ、前から変な奴だとはわかってたけど、流石にホモは……」

心理「やっぱり何かの勘違いよ。最初からいたんじゃないでしょ?」

麦野「そうだけど……」

心理「もしかしたら、垣根とその男の人とで取り合ってる、なんてありえない?」

麦野「コイツに好きな女がいるのか?」

心理「それは聞いてみないと分からないわ」

垣根「ZZZ……」クオー

麦野「いるのか……好きな奴」

心理「こんなでも男だし、いてもおかしくはないでしょ」

麦野「まぁ、そうだよなー」

心理「……」

心理(この間見た操祈とのあれ、やっぱり……)

垣根「す……き」スピーン

麦野「コイツってどんな女がタイプなんだ?」

心理「さ、さぁ?金髪の人とか好きなんじゃない?」

麦野「金髪ねぇ。髪は長い方かな?」

心理「……そうね」

麦野(でも、こないだ一緒にいた警備員の女は金髪じゃなかったな)

麦野(……何であの女が出て来んだ)

麦野「チャラい見た目だけど、意外と真面目そうな奴が好みだったりして」

心理「どうかしら、天然というか、ちょっと頭の弱そうな人のがよさそうね」

麦野(あの人はそうは見えないけどな)

心理(ごめんなさい操祈、決して馬鹿にしてる訳ではないの)

垣根「…る……せぇ」スイー

麦野「コイツはいつまで寝てるつもりだ」

心理「相談があるって言うから来たのに、当人がこれじゃあね」

麦野「何の相談だろうな」

心理「さぁ?彼が相談するといったら普通の事じゃないだろうし」

麦野「……」

麦心「「やっぱりホモ?」」

垣根「……」

麦野「ところでさ、アンタはその、男同士でイチャコラする本って見たことある?」

心理「え?」

麦野「こないだ本屋で見かけてチラッと読んでみたんだけど……まぁ」

心理「どうだったの?」

麦野「……」スッ

心理「えっ」

麦野「勘違いすんなよ?他の奴の感想も知りたいから買っただけだからな」

心理(『其の為の右手』……意味深なタイトルね)

垣根「……」スヤー

~5分後~



心理「……私には早すぎるみたい」

麦野「やっぱおかしいよな。でもこうして売られてるって事は需要がある訳で」

心理「誰がこんなものを……」



「――ってばまたそんな本買っちゃってー」

「変わった趣味をお持ちです事」

「何もおかしくないですよ!BLが嫌いな女の子なんていません!」

「そ、そうかな。でも、言われてみればこれはこれで……」

「な、何を仰ってますの!?」

「ちょっとー、仲間を増やすような事しないでよー」

「本当ですか!?なら家にある本貸しますよ!」



心理「……」

麦野「一緒にすんな」

心理「まぁ彼に限ってそんな事はないと思うから安心して」

麦野「はぁ」

心理「それにしても、この人はいつになったら起きるのやら」

垣根「……」ムクッ

心理「あ、やっと起きた」

麦野「女ほったらかして寝るとは大した根性だなぁおい」

垣根「あぁ、悪い」

麦野(何だこの淡白な反応)

垣根「……俺、先帰るわ。金は払っとくからよ」ガタッ

麦野「は?」

心理「どうしたの?」

垣根「ホントに悪い、じゃあな」ヨロヨロ


アリガトウゴザイマス


麦野「何だアイツ」

心理「さぁ……」

食蜂「なーぎさ♪」ヒョコッ

心理「っ!いつからいたのよ」

食蜂「最初から。後ろの席からひっそりとね☆」

麦野(姉妹とはいえ、大丈夫かコイツ?)

食蜂「だってぇあの人怖いんだもん。何考えてるか分からないしこの前乱暴されたし」

心理「誤解を招く言い方しないの」

食蜂「無言で押し倒されたら誰だってビックリするわよぉ!」

麦野「大胆な奴、やっぱ普通の男だったな」

食蜂「感心しないで!?」

麦野(でも、こないだ私がぶっ倒れた時は何もしてこなかったな……女として見られてない?)イラッ

心理「麦野さん顔怖い」

麦野「えっ」

麦野(あークソッ、何中坊に嫉妬してんだ私!)ガシガシ

食蜂「凪差も気をつけてねぇ、あの人いつ本性表すか分からないから。もしもの時は私を呼ぶのよ!」

―――――――――
―――――
―――


――よう、いい加減うんざりしてきたろ?



でも安心しろ、もうすぐ終わる



俺だってうんざりしてんだ。テメェみたいな奴といつまでも一緒にいるのにな



あと少し、あと少しで俺は――





以上です
かなり減速してますが、投げ出すつもりはないのでご安心下さい
では

  _,,-‐'' ̄`''- 、,_
.                       /:::::::::::::::::__;;;;;;;;;`ヽ
                       |:::::::::::::/    `''ヾ、 
                       |:::::::::/         ヽ
.                       |:::::::|
.                 ┌―――|::::::|―――――┐
                  |   _,,,,,,ヽ::|         |
                    |    帝凍庫クン     |
                  |_________________|
                 ./|==========iト、
                 ../ |   -―- 、__,        .|| .\
               /  l   '叨¨ヽ   `ー-、  .|ト、   \
     r、       /   .!〕   ` ー    /叨¨)   || \  \        ,、
      ) `ー''"´ ̄ ̄   / |         ヽ,     ||   \   ̄` ー‐'´ (_
   とニ二ゝソ____/   |    `ヽ.___´,       ||    \____(、,二つ
                        |       `ニ´      ||
                        |_____________j|
                  |´ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄`i|

                  |               ||
                        |〕 常識は通用しねぇ  ||
                   /|              ||
                   |___________j|
                     / ゚ =ー----'、... __   
 ゚             +  ===== !    ,.        ̄丶  
       __            ,. -'':.、  u     ゚     。 \
==三/ `ニ ー――-- 、..-''´    ゙ー‐ァ--―''" ̄`丶、 u  丶、ヽト、 ,.. --、
   ,r''´。 ゚  __     ・    。   _.. -''´         `丶、    `‐'"  ´‐'´'
。 /,   ,. - '´   ゙̄''ー-----―''"´      +     ゚      ヽ ー   _ノ-'´   
  `゙ー-'´                      --===三三三 ヽ、_/     

大変お待たせしました
皆さんの意見もありましたので、初めの投下だけトリをつけることにします
では投下







1月20日(木)






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―――

AM10:14
~自宅~



『ハンプティ・ダンプティが塀の上』



垣根「やっべぇ!」

起きて早々失態を犯したことに気づいた垣根。床に散らばった衣類や遊び道具をを蹴飛ばしながら寝室を飛び出す

今日はある人と大事な予定があるというのに寝坊してしまったのだ。その約束の日時は10時……

垣根「なんでよりによって今日寝坊しちまうんだよ~!」

余裕を持って尚且つ確実に起きる為目覚まし時計を5つセットしたというのに何故起きられないか

今更悔やんでも仕方ない、とにかく今は1秒でも早く準備せねば

歯を磨きながら寝癖を直しながら着替えるという荒技で手早く済ませる。朝ごはんなど食べてる暇はない

垣根「よし、準備オッケー!」

そう言うと靴を持って一目散にベランダへと向かう。能力を使って飛んでいくつもりらしい

手すりに足を乗せ、そのまま前へ飛ぼうとした



――だが



垣根(あれ?)

翼が出ない

その一瞬の動揺でバランスを崩し、地上10mからまっ逆さまに落ちて行く












大事な忘れ物があったことを思い出した



1つはカメラ。彼の生きた証を残す大切な存在



そしてもう1つ……

















「――ほら、笑って笑って」









それは、嘲っていた――





『ハンプティ・ダンプティがおっこちた』



―――――――――

AM11:00


佐天「遅いなー」

第七学区のとある交差点。佐天は携帯に表示される時刻を見ては通行人を見渡し、待ち合わせの相手がいないか確認していた

今日は垣根と初春と佐天の3人で食事(無論垣根の奢り)に行く予定なのだが、一向に来る気配がない

待ちくたびれた佐天は気だるそうに電柱にもたれかかる

佐天「初春ー」

彼女は呼び掛けに答えず、携帯に耳を当て続けていた

初春「……出ませんね」

約束の時間からもう1時間は経っているというのに連絡1つ寄越さないとは

やはり垣根帝督は常識外れで配慮に欠けていると軽蔑する反面、少し心配でもあった

初春(何かあったんでしょうか)

初春はポケットから1枚の写真を取り出す

初春(今日こそこれを返さないと……)

拾って以来ずっと渡せずにいる写真。これが垣根との繋がりに直結するのだ

これを返すことは即ち彼との繋がりを断つということなのかもしれない

返すべきなのだ、1人間の常識として、風紀委員の務めとして、トラウマの払拭として

そしたらもう彼と関わることはないのだろうか?ふと脳裏に浮かんだのはあの日のクリスマスパーティー……

佐天「初春!あれ!」

初春「ひゃい!?」

佐天の声にギョッと跳ね上がる

初春「ど、どうしたんですか?」

佐天「何だか様子がおかしいよ」

佐天の視線を辿る。すると、その部分だけ人の波が止まり、何やらざわついているのが見えた

その誰もが心配そうな表情をしており、口々に誰かに声をかけているようだった

初春「どうしたんですかね」

佐天「行ってみよう!」

面白そうだと言わんばかりに佐天はいち早く走って行った。初春も後に続く

佐天「……え?」

人混みの中心にあったものを見た途端、彼女の表情は凍りついた

そこには……

初春「垣根、さん?」

全身から血を流して倒れる垣根の姿があった

初春「一体どうしたんですか!?」

「分からん、こんな大怪我してるのにどこかへ行こうとするんだ。救急車を呼ぼうとしても『呼ぶな』の一点張りで……」

彼が来たとおぼしき道には点々と血の跡がついている。一体どの位の距離を歩いてきたのか

「君達の知り合いかい?なら彼をなんとかしてくれ!このままじゃ死んでしまうぞ!」

佐天「死ん……」

垣根「うい、は……る?」

声に気づいた垣根はよろよろと起き上がる。綺麗に仕立てたであろうスーツはあちこち破け、血が滲んでいた

垣根「よ、よう。わりぃな……待たせ、ちまって……」

初春「何やってるんですか!早く救急車を呼ばないと!」

垣根「駄目だって、折角……約束、してたの…にっ」

初春「そんなのまた今度でいいです!」

佐天「そうですよ垣根さん!ボロボロじゃないですか!」

肩は外れ、腕は変な方向に折れ曲がり、足からは骨が少しはみ出ている。にも関わらず、この男は笑っている

このおぞましい姿に2人は目に涙を浮かべていた

垣根「こ、これく…らい……どうってことねぇ、よ」

初春「どうってことあります!佐天さん、救急車呼んでください!」

佐天「う、うん!」

佐天が慌てて携帯を取り出した時

垣根「やめろ!」

予想外の蛮声に誰もが驚愕し、そして静まり返った

垣根「お、俺には……、が…い……だ」

初春「え?」

垣根「今出来るうちに、やっと…かな……いと!」

倒れそうになるのを必死で堪え、1歩、また1歩と歩みを進める

何故そこまでして今日に拘るのかは2人にも、誰にも分からなかった















「バーカ」









そんな意地も、壊れた肉体では貫くことも出来ず……



初春「垣根さん!」

割れた卵はただ床を汚すのみだった

以上です
本編には色々驚かされてます。このSSにも僅かながら影響が……
ではまた

>>1でございます
本日投下しますのでもう少しお待ち下さい

―――――――――

PM4:30
~病院~


冥土帰し「――頭のてっぺんから足のつま先まで骨折だらけだ。よく歩けたものだね」

診断室のレントゲンには素人でも分かる程不自然に曲がったり欠けたりする骨が見られた

冥土帰し「かろうじて一命はとりとめたけど、当分身動き取れないだろうね」

病院に担ぎ込まれた時は生きているのが不思議な状態だった。学園都市第二位程の男が何故こんな目にあったのか

――“いや、もしかしたらある程度検討はついてたのかもしれない”

初春「そうですか……ありがとうございます」

話を聞き終えた初春は一礼をし、診察室を出ていった



冥土帰し「……」

誰もいなくなった部屋で一人、レントゲン写真を眺める

彼女には伝えなかったもう一つの“怪我”。脳の半分以上を覆うそれは誰の手にも治せない運命の砂時計

冥土帰し「……これも君がやったのかい?」

二次元の“彼”は何も答えない。だが、どことなく笑ってるように見えた

挑発的な態度で「ざまぁみろ」と言われている気がした

―――――――――

~病室~


佐天「先生、何て言ってた?」

初春「当分は絶対安静、起き上がる事すら出来ないだろうって」

ベッドで眠る垣根に目をやる。全身包帯巻きで眠る姿は何とも痛々しくらさながらミイラのようである

佐天「そっか……今日はもうどこにも行けないね」

初春「そうですね。でも、生きていてよかったです」

生きていてよかった……以前の彼女ならそんなこと露とも思わなかっただろう。そう変えたのはこの男だ

初春「……」

一体彼の身に何が起きたのだろう。全身の骨が折れるような事故など大騒ぎになるはずだが

垣根「うっ……」

垣根がようやく目を覚ました

初春「垣根さん!気がつきましたか?」

垣根「病院……?」

佐天「あれから病院に運ばれて緊急手術を受けたんですよ」

垣根「……」

暫し沈黙し、天井に目線をそらすと小さく呟いた

垣根「ごめん」

初春「な、何言ってるんですか!垣根さんが謝るようなことは……」

垣根「折角時間を空けてくれたのにこんなことになって……」

佐天「また今度行けばいいじゃないですか!今は体を治すことに専念しましょうよ!」

待ちに待った遠足が、風邪を引いて行けなくなった子供を慰める母親の如くフォローを入れる2人

だが包帯の隙間から覗く瞳は悲しみを絶やすことはなく、次第に呼び掛ける声も弱くなっていった

初春「何があったんですか……?」

風紀委員という仕事柄か、目覚めたばかりの患者についそんなことを聞いてしまう

もっと気の利いたことを言えないのか、と心の中で溜め息をついた

垣根「……」

天井を見つめたまま何も答えない

初春「す、すみません!まだ目覚めて間もないのに……何か飲み物買ってきます!」

佐天「あ、私も行く!」

気まずい雰囲気に耐えられず、逃げるように部屋を出ようと立ち上がった



その時――



垣根「思い出した」

初春「え?」

ベッドからか細い声が漏れた

垣根「本当の俺がどんな人間だったのか」

初春「垣根さん?」

垣根「そうだ、垣根帝督は俺じゃない?『あれ』が本来の俺?忘れてた?いや、ひた隠しにしてきた!?」

佐天「どうしたんですか!?」

段々と声が荒くなり、もがきながら何かを訴え続ける

垣根「違う、俺は俺だ!でも『垣根帝督』じゃない!?お前がそうなのか?お前は俺か?俺じゃなくて『垣根帝督』なのか!?」

目を見開き発狂する彼にただならぬ恐怖を感じ、初春は必死にナースコールを連打する

初春「しっかりしてください垣根さん!私達がついてますから!」

垣根「だからお前は俺を殺そうとしたのか――!」









――そう、テメェはもう『垣根帝督』である資格はねぇ



だから“没収”だ。『垣根帝督』である全てを、テメェが『垣根帝督』を名乗ってしてきた全てをな……



待ってたぜ、この瞬間を――















垣根「未元……物…質……!」

突然垣根の全身から無数の白い糸が飛び出す

その糸はベッドの隣へしゅるしゅる伸び、繭のような物を形作っていく

佐天「な、何なの?」

2人が呆気にとられていると、バリッ!と繭から何かが突き出した

それは人間の腕、不気味なくらい白い腕。それが繭を掴み、乱暴に引き裂いていく

まるで蛹が成虫になる瞬間を見ているようだった

やがて動きが止まり、ぽっかり空いた穴から姿を見せたのは……

初春「垣根、さん?」

垣根帝督と全く同じ出で立ちをした男。だが髪から肌、服の色まで白く、その目は漆黒を湛えていた

『……あぁ』

垣根と思しきものが返事をすると2人を見て言った






『俺が垣根帝督だ』

その瞳を見て、初春は初めて出会った時のことを思い出してしまった

10月9日。一方的な暴力を浴びせられ、理不尽な現実と恐怖を植えつけられたあの日が……

初春「ひ……」

佐天「初春!」

腰を抜かした初春を支える佐天

「う、あ……」

垣根『垣根帝督でなくなったお前は体を動かすことも喋ることも出来ねぇ、ただの肉だ。未元物質に殺されるまで精々“思い出作り”に励むこった』

ベッドで呻く抜け殻に吐き捨てると初春達のいる窓際へと歩く

佐天「垣根さん……」

彼女らの怯えた表情を見て垣根はニタリと笑い、目の前に立ち止まる

そして窓に手をかざすと、ボン!という破裂音と共に窓ガラスを吹き飛ばした

垣根『そう、これが垣根帝督という人間だ。あんなヘラヘラした優男なんかじゃねぇ』

ふと垣根は足元に落ちてる写真に気付く。初春が返そうと大事に持っていたものだ

垣根『そうだった。アイツは垣根帝督の名を借りて思い出作りとやらをやっていたな……』

それを手に取りまじまじと見つめる

垣根『第一位、テメェには大きすぎる借りがある。ちゃんと返してやらねぇとな』

声色を低くして唸ると、力一杯写真を握り潰した

初春「な、何をするんですか!?」

クシャクシャになった写真を投げ捨てると、垣根は翼を生み出して言う






垣根『思い出潰しさ』

次の瞬間、そこに彼の姿はなかった

以上です。いつも待っていて下さって感謝と謝罪でいっぱいです

このSS開始から善悪二重人格設定を考えてたのですが、まさか公式がやってしまうとは思いませんでした……

次回は早めに来ます

              ┌――――――‐─┐

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     とニ二ゝソノ ̄ ̄''''   .|    `ヾニァ'     .||      ̄''―ヽ(、,二つ
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まだかなー

すみません、色々あって顔だしできませんでした

まもなく投下します

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―――――
―――

PM5:00
~街中~


一方(あー面倒くせェ)

一方通行は一人歩いていた。定期的に行うチョーカーのメンテナンスの為に病院へ向かっているのだ

今回は本人の希望で1日早く点検をすることになっている。その理由は……

一方(メンテの度にガキ共が邪魔しに来てウゼェからな。ずらして正解かもな)

いつも動けないのをいいことに好き放題弄ばれるので誰にも告げずに出てきたのだ。その代わり病院への足がないので徒歩で行くことになってしまった

一方「?」

すると、空から何かが降りてきた。鳥にしてはでかすぎる羽が六枚ついたそれは暗がりでも存在感を放っている

誰なのかはすぐに分かった

一方「オマエか、垣根」

垣根「……よぉ。今からどこへ行くんだ?」

コイツのメンテだ、と首をつつくと彼はふーんと頷きながらチョーカーを見つめる

一方「?何だよ」

垣根「よし、代わりに俺が修理してやるよ」

一方「はァ?馬鹿なこと言うンじゃ……」

瞬間、垣根の手が一方通行の首を掴んだ

仰天する彼を他所に漆黒の瞳を細めて言う



垣根「だからテメェは寝てろ」



ブチブチ!と引きちぎられる音を最後に、一方通行は一切の権利を剥奪されてしまった






―――――――――
―――――
―――


冥土帰し「これは一体……」

騒ぎを聞きつけ冥土帰しが部屋へ駆けつけると、窓ガラスは割れ、隅で二人の少女が縮こまっていた

その片方、佐天が冥土帰しに気付くとわたわたと駆け寄った

佐天「か、垣根さんから白い垣根さんが!」

冥土帰し「お、落ち着くんだ」

初春「本当なんです!」

初春がパニックになるのを抑えながら事情を説明する

それを聞き終えると彼はベッドの男に問いかけた

冥土帰し「垣根帝督、聞こえるか?」

垣根「……」

何も答えない、というよりそもそも聞こえてないように見える

その後も質問を重ねるが彼は人形のように一点を見つめ、沈黙を続けた

冥土帰し「……まさか」

初春「何か分かったんですか?」

全てを悟った冥土帰しはゆっくりと口を開く






冥土帰し「彼は、自分の能力に取り込まれたよ」

―――――――――
―――――
―――


麦野「おい、アイツがヤバイってどういうことだよ!?」

上条「俺にもさっぱりだ!とにかく病院に行かないと!」

心理「……」

冥土帰しから報せを受けた上条は麦野と心理定規と一緒に病院へ向かっていた

麦野「オラもっと飛ばせ!」

浜面「これ以上出すと事故るって!」

麦野は苛立ちを隠せず車の運転席を蹴りつける

心理「彼が病院で大変なことなんて想像がつかないわ……」

垣根程の実力者が第一位以外の人間に戦って負けるなど考えられないし、事故だとしても能力の仕様を見ればそれも無理がある

心理「第一位とまた戦ったかそれとも……」

上条「おい、ちょっと止めてくれ!」

浜面「何ぃーっ!?」

急ブレーキを踏まれ三人は前のめりに振られる


麦野「何だよいきなり!」

上条「あれ……」

上条が指差すす先では何やら騒ぎが起きていた

麦野「んなもんほっとけ、今はそれどころじゃ……」

心理「!」

心理定規は騒ぎの真相を知ると急いで車から飛び出した

上条「待ってくれ!」

上条も続いて降り、麦野だけがキョトンとしていた

麦野「仕方ねぇな……」

成り行きで麦野も車から降り、騒ぎの元へと急いだ

垣根『ふぅ、ちょっとはスッキリしたかな』

男は多少の充足感に浸ると、足元に横たわる白い少年を見る。野次馬など微塵も気に留めていない

垣根『天下の第一位様も、コイツがなきゃただの白いモヤシか……』

奪ったチョーカーを指で回しながら言う

垣根『まぁガチでやりあっても良かったんだが、そいつは最後のとっておきにしたくってよ。だから今回は憂さ晴らしで留めといてやる』

ニヤリと笑い、彼は右足を振り上げた

上条「やめろ!」

垣根『おぉ、まさか来てくれるとはな』

垣根は意外な観衆に悪意の込めた足を戻す

麦野「第一位……これ、お前がやったのか」

路上でグッタリする一方通行に麦野は息を飲む。顔は痣と血で埋め尽くされ、手の指はどれも変な方向へ曲がっていた

垣根『俺以外の誰にこんなこと出来んだよ』

鼻であしらう垣根に上条は憤る

上条「自分のやってることがどういうことか分かってんのか!」

垣根『当然』

心理「どうしてこんなこと……」

垣根『バーカ、何で俺がこんな奴と仲良くしなきゃなんねぇんだ』

舌打ちし、空き缶のように一方通行を上条らの方へ蹴飛ばした

垣根『全部茶番さ。ソイツを痛めつけるまでの思いつきで仲良しごっこしてみたら思いの外盛り上がっちゃってよぉ。笑いが止まらなかったぜ、馬鹿共が釣られてるってなぁ!』

麦野「お前、病院でヤバイことになってるって聞いたが……」

垣根『それも嘘に決まってんだろ。え、まさか俺の為に駆けつけようとしたの?アッハハハ!俺が病院の世話になるような人間だと思うか!?馬鹿丸出しだな!』

ゲラゲラ笑いながらこれまでの思い出を全て茶番だと言って捨てた




麦野がアイテムから孤立していた時も



一方通行が心を開いた時も



上条がインデックスのいない寂しさを話した時も



心理定規が自分の能力に悩んでいた時も



――あの男はほくそ笑んでいた



垣根『いやー皆それぞれ悩み持ってんだなー、適当に考えた解決策とかでも雰囲気で何とかなるんだ』

今まで築き上げてきた思い出が、塵と消えた瞬間だった

上条「テメェェェェ!!」

何かが切れる音がした。上条は我を忘れ垣根に殴りかかる

垣根『無策で突っ込んで来るなんざ愚の骨頂だ』

それをあっさり避けると一枚の羽根で上条を床に叩きつけた

垣根『そういやテメェは以前も俺の邪魔をしやがったよな』

上条「なに……?」

垣根『その右手の力が何なのかは知らんが、触られると厄介だからな……』

垣根はまた唇を吊り上げ、鋭利な羽根を構築する。途端に上条の顔が青ざめた

上条「や、やめろ!」

垣根『大丈夫だ、腕の一本くらいここの医療で幾らでも……』



ドン!ドン!



垣根『あ?』

発砲音と同時に垣根は体に違和感を感じる。目をやると、腹部に数発の強化ゴム弾が撃ち込まれていた

黄泉川「垣根!お前という奴が何でだ!」

いつの間にか警備員に囲まれたらしい、八方から銃を向けられていた

垣根『アンタか、アンタの相手は骨が折れる……』

垣根がふと女性陣を見ると、どちらも顔を伏せへたり込んでしまっていた

垣根『いい様だぜ……麦野、心理定規、一方通行、最後にテメェらに言っとく』

返事を待たずに続けた






垣根『俺達はな、ハンプティダンプティなんだよ』






そう吐き捨てると、彼はどこかへ飛び去っていった――







ハンプティ・ダンプティが 塀の上






ハンプティ・ダンプティが おっこちた






王様の馬みんなと 王様の家来みんなでも






ハンプティを元に 戻せなかった






ここまでです。かなり長くなってしまいました


近いうち次も来ます







1月23日(日)






―――――――――
―――――
―――

AM11:00
~病院~


一方「おかしいとは思ってた。アイツがあんな丸い性格になるなンてな」

一方「だが、アイツはやっぱり『垣根帝督』だった。俺への復讐を決して忘れちゃいなかった」

一方「俺をボコってる時のアイツの顔、心底幸せそうに笑ってやがった」

冥土帰し「……」

一方「騙される俺も俺だ、散々悪事働いてたのにのほほンと暮らしていい気になって……」

一方「もうやめだ、全部壊れちまった。アイツらとの関係も終わりだ」

一方「俺はあのガキを守るだけでいい。後はなンもいらねェ」

冥土帰し「それでいいのかい?」

一方「あァ、それとあの野郎とは必ずケリをつける。今度こそぶっ殺してやる」

冥土帰し「……もし、君が昨日見た彼と今までの彼が別人だとしたら?」

一方「何言ってやがる、アイツは一人しかいねぇ。それにアイツは間違いなく俺の知る垣根帝督だった」

冥土帰し「……」

一方「ハンプティ・ダンプティ……か、一度割れちまった卵はどう頑張っても元に戻せないってアレか」

一方「悔しいが、その通りだ」

一方「世話ンなった、じゃあな」ガララ



冥土帰し「垣根帝督はただ一人……」

冥土帰し「君を傷つけた彼も、君と笑い合った彼も、どちらも本物だろう」

冥土帰し「だからこそ、彼は彼を捨てたかったんだろうね」






―――――――――

~病室~


冥土帰し「彼の様子は?」

初春「……」

冥土帰し「目を覚まさない、か」

初春「あれは一体何だったんですか?もう一人の垣根さんが突然現れて……」

冥土帰し「そう、あれは垣根帝督なんだ」

初春「?」

冥土帰し「彼は瀕死のところを拾われてから、実験道具として扱われていた。その時脳を分割された事があってね」

初春「の、脳を分割……」

冥土帰し「常軌を逸した実験に、普通では考えられない結果が生まれたんだろう」

冥土帰し「脳の欠片の一つが未元物質による異常反応を起こし、損壊を怖れた科学者が急遽元に戻した」

冥土帰し「するとそれは脳を覆い、更に手がつけられなくなった」

冥土帰し「そうして実験を断念し、私の元へ送られて来たのがおよそ2ヶ月前だ」

初春「惨い、人間を何だとと思っているんですか」

冥土帰し「ここからは憶測だが、その実験の際に彼の人格は分断されたんじゃないかと思うんだ」

冥土帰し「暗部として生きてきた悪の心と、根底にあった善の心とに別れてね」

初春「二重人格……?」

冥土帰し「その時脳の一部にあった悪の人格が能力を使って何かをしようとした」

冥土帰し「恐らく、そこから自分の体を取り戻そうとしたんだろうね」

冥土帰し「だが、いざ体を取り戻したと思えば主導権は善の人格に握られてしまった」

冥土帰し「彼は自分を自分から取り返す為に、その体を蝕んでいった……」

初春「その結果が……これだと言うんですか」

垣根「……」

冥土帰し(この憶測が本当なら、彼はもう垣根帝督ではないのかもしれない)

冥土帰し(これが、垣根帝督が迎える“死”なのか……?)


―――――――――
―――――
―――

~自宅~


垣根『まぁ俺が動けない間に好き勝手やってくれやがって……』

垣根『こんなもんは……ゴミだ』グシャ

垣根『さーて、久しぶりの帰宅だ、まずは大掃除から始めねぇと』






垣根『大体は集まったな。後はコイツを消し炭にしてやれば……』


ボシュッ


垣根『はい、しゅーりょー』

垣根『いい子ちゃんの俺が残したもんは全部処分していかねぇとな』

垣根『さて、お次は……』


短いですが今日はここまで
また次回お会いしましょう

―――――――――

PM13:00


垣根『えっと、確かこの辺だったか?』

垣根『……あったあった』ニヤリ


不良A「お、アンタはいつかの……あの時は世話になったな。お蔭で今は皆屋台で頑張ってるよ」

垣根『ふーん』ジロジロ

不良A「?」

垣根『それ、ぶっ壊してもいいか?』

不良A「はぁ?何言って……」


おばあちゃん「おや、君はこの間の!」

不良B「お、久しぶりだなー!」


ゲンキシテタカー
アントキハスマナカッタナー


垣根『……何だコイツら』

不良C「そうだ、折角だから俺達が作ったたい焼き食ってみてくれよ!味を色々試してみたんだ」

不良D「いいよな、ばあちゃん?」

おばあちゃん「ええよ、お客さんの声が一番だからね」

垣根『おい、俺はんなもん……』

不良E「さ、食ってみてくれ」ズイ

垣根(チッ……)パクッ

不良B「どうだ?」

垣根『……まずい』

不良A「うーん、まだまだ修行が足りないか」

おばあちゃん「ほっほ、焦らんでもええ。お前さんらはまだ若い、ゆっくり腕を磨いていくことじゃ」

おばあちゃん「付き合ってくれてありがとね。これはほんのお礼じゃ。お友達と一緒に食べておくれ」ガサッ

垣根『……別に』



―――――――――

~公園~

垣根『チッ、折角ぶち壊してやろうと思ったってのにあのババア、余計な事してくれやがって……』

垣根『あームカツク、こんなもんいらねぇんだよ!』グッ


園児「あ、この前のおにいゃんだー!」

園児達「わー、ホントだー!」

垣根(今度はガキ共かよ!あの野郎、あちこちで変な事しやがって!)

垣根『あーウゼェぞガキ共、これやるから散れ!』

園児「いいのー?ありがとー!」

先生「あ、あなたはいつかの……すみません、この子達がご迷惑を」

垣根『全くだ、ちゃんと見張っとけよボケ』



先生「あれ以来、子供達の間でそげぶマンごっこが人気で、みんなこぞってマネするんです」

垣根『……』

先生『もしよかったら、今度も来てみませんか?きっと子供達も喜ぶと思います』

垣根『……俺は誰かを喜ばせるような人間じゃねぇ』

先生「?」

垣根『俺はな、根っからのクソ野郎で、自分の為なら人殺しも平気でするような、どうしようもねぇ人種なんだよ』

先生「……」

垣根『分かったらもう俺に声かけんじゃねぇぞ?』

先生「……それは、次の演劇の内容ですか?」

垣根『あぁ?』

先生「すごいです、迫真の演技ですね!まるで心臓を鷲掴みにされた気分です!」

垣根『……』

―――――――――

PM15:00
~病院~

佐天「初春ー……」ガララ

初春「……」

垣根「……」

初春「垣根さんは、もうこのまま動く事も笑う事も出来ないまま死んでいくのですか?」

垣根「……」

初春「それでいいんですか?こんな形で最期を迎えていいんですか?」

垣根「……」

佐天「初春、もう垣根さんは……」

初春「この人は確かに悪い人なのかもしれない。でも、それでも人は幸せを感じる権利はあると思うんです」

初春「きっと壮絶な人生だったと思います、だから最期くらいは幸せを感じて、笑顔で眠ってもいいじゃないですか」

初春「私先生に聞きました。あの時の白い垣根さんが友達を傷つけたって。それで皆離れちゃったって……」

初春「こんなのあんまりじゃないですか!こんな大怪我をして、友達を失って、自分すらいなくなって、苦しみだけを抱えて死ぬなんて、酷すぎます!」

佐天「……」

初春「ここにいるのは立派な垣根さんです。人間の心の中にある優しさを持った垣根帝督さんなんです!だから、この人は幸せにならなくちゃいけません」

初春「そして、垣根さんを幸せに出来るのは、ずっと一緒だったあの人達なんです」

佐天「初春?」

初春「私、皆を説得してきます。このままじゃ納得いきません」ダッ

佐天「あ、待ってよ!」

初春(物語の最後はハッピーエンドと決まってるんです、こんな結末は私が認めません……!)

―――――――――

~上条宅~


上条「君達は?そんな息切らしてどうしたんだ?」

初春「あの、もう一度垣根さんに会ってくれませんか?皆さん勘違いしてるんです!」ハァハァ

上条「……」

初春「皆さんが見たあの垣根さんも確かに本物ですけど、病院にもう一人の垣根さんがいるんです!皆さんととても親しかった垣根さんは今、孤独の中で苦しみだけ背負って生きてるんです!」

佐天「本当です!元々大怪我をして病院に運ばれたのがどういう訳か……分裂したんです!」

上条「……そんな話、信じられると思うか?」

初春「お願いします、一緒に病院に来ていただけませんか!?今日が駄目なら明日でもいいんです、お願いします!」

上条「……悪い、インデックスが待ってるんだ、今日は帰ってくれ」


バタン


初春「そ、そんな……」

佐天「諦めちゃダメよ、次行ってみよう」

初春「……はい」

―――――――――

~麦野宅~

麦野「――帰れ、それと私の前でアイツの話は二度とすんな」

初春「お願いします!一度だけでいいんです、病院の垣根さんに会ってもらえませんか!?」

麦野「二度も言わせる気かガキ、とっとと失せろってんだ!」ドカッ

初春「あう!」

佐天「初春!大丈夫!?」

初春「は、はい……次、行きましょう」



―――――――――

~黄泉川宅~

黄泉川「ごめんよ、一方通行の奴、もう誰とも会わないって言って聞かないんだ」

佐天「じゃあ、せめて黄泉川さんだけでも病院に来ていただけませんか?このままじゃ皆誤解したまま終わっちゃいます」

黄泉川「……分かった、そこまで言うなら明日見に行ってみるじゃん」

初春「あ、ありがとうございます!」

佐天「やったね初春!」

初春「はい、これで少しは……」

―――――――――

~心理宅~

心理「……ごめんなさい、当分は彼の名前も聞きたくないの」

初春「心理定規さんは垣根さんと付き合いが一番長いと聞いてます。もうあなたしかいないんです、どうか病院で垣根さんに会ってくれませんか?」

心理「善と悪で分かれた、ねぇ。どっちも本物だというなら、その善の中にあった悪の彼は、善の彼の本音でもあるって事じゃない?」

初春「そ、それは……」

心理「でしょ?ならこの話はおしまいね」


バタン


佐天「どうしよう、初春……」

初春「まだ手はあるはずです、まだ……」



今日はここまで
明日も来ます

―――――――――

PM18:00
~病院~

冥土帰し「それで、結局誰も来なかったという訳か」

初春「……はい」

冥土帰し「こればっかりは医者の僕にもどうしようもないね。彼らの気持ち次第としか言えないよ」

佐天「垣根さんは何も悪くないのに……」

初春「あの、少し相談があるんですが」

冥土帰し「何だね?」







―――――――――

~ビルの屋上~


垣根『クソが、どいつもこいつもあの野郎の事ばっかり言いやがって……』

垣根『アイツは俺じゃねぇ、俺こそが俺、垣根帝督なんだ』

垣根『長い屈辱を経て、ようやく取り戻した俺自身……なのに何処へ行っても“偽者”と間違えられる』

垣根『俺は俺、俺が俺だ!アレは違う、俺にアレは必要ねぇ!』

垣根『……やっぱ、殺しとくか』

――――――――

PM20:00
~病室~


初春「垣根さん、先生の許可を貰って、明日から外へ出かけられるようになりましたよ」

垣根「……」

初春「いつも持ち歩いてたカメラもちゃんと忘れずに持って行きましょうね」

垣根「……」

初春「先生に聞きました、思い出作りにしてたんですよね、自分の残り少ない命を有意義に使う為に……」

垣根「……」

佐天「だったらこんなところで寝てる場合じゃないですよ!時間がもったいないじゃないですか!」

垣根「……」

佐天「……何とか言ってくださいよ」


ガシャーーーン!!


垣根『あ?テメェらまだいたのかよ』

初春「あ、あなたは!」

垣根『まぁいいや、テメェらはもう帰れ。ガキがいつまでも夜遊びしてっと怖いお兄さんに目ぇつけられっぞ?』

初春「何しに戻って来たんですか?ここにはもう用はないんじゃないんですか?」

垣根『ある、大有りだ。そこに寝てる偽者の残骸を処理しに来たんだ』

佐天「つ、つまり、[ピーーー]……って事ですか!?」

垣根『そういう事になる。だからテメェらは帰れっつってんだ』

初春「い、嫌です!これ以上この人から奪うものなんてないでしょ!?」

佐天「ちょ、初春!?」

垣根『ほーう、“また”俺に立ちはだかる気か?うーいーはーるー?』ニタァ

初春(怖い……!今度はきっとあの時じゃ済まないかもしれない。でも……っ!)ガクガク

垣根『足、震えてっぞ?無理しないで帰ろうぜ?俺はお前らに欠片とて興味ねぇんだ、引き下がってくれんなら何もしねぇ』


初春「……す」

垣根『何だって?』

初春「嫌です!だってこの人を殺すって事は、あなたはあなた自身の心を殺すって意味じゃないですか!」

初春「そこまでしてどうして悪人にこだわろうとするんですか!?そんなのつまらない意地です!」

垣根『……おい、いい加減にしろよ』

初春「しません!この人はあなたの本心で、あなたはこの人の本心です!自分を殺すなんて馬鹿な真似……っっ!?」ドゴッ



垣根『ムカついた、まずテメェから殺すわ』バサッ

佐天「ちょ、ちょっと待って!お願いですから……きゃあ!」バシッ

垣根『何枚に下ろされたい?あぁ?』

初春「う、うぅぅ……」グッタリ

垣根『そうか、ミンチをご所望か。なら……!!』

佐天「もうやめてーーーーーーー!!」













上条「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

垣根『っ!?何でテメェが!』

佐天「っっ!!あぁ、よかった……」

初春「き、来てくれたんですね……ありがとう、ございます」

上条「これが、あの垣根なのか」

垣根「……」

上条「そうか、それでこの間会ったコイツが垣根の悪の部分」

垣根『違う、俺は一部じゃねぇ、俺こそが元々の垣根帝督だ』

上条「テメェが一部だろうが全部だろうが知ったこっちゃねぇよ。だがな……」

上条「テメェみたいな奴とここで眠ってる垣根は全くの別物だってのはよーく分かったぜ!」

上条「俺の知ってる垣根帝督って人間はいつも誰かが笑顔になるような事をしてきた!自分勝手で強引だけど、でも最後には必ず皆が笑ってた!」

上条「テメェのやろうとしてる事は全くの逆だ!他人を痛めつけてこき下ろしてヘラヘラ笑うゲス野郎!」

垣根『それが?』

上条「テメェこそ垣根の偽者だ!俺にとっての本物の垣根帝督は、ここで包帯グルグル巻きにして眠ってるコイツなんだ!」

上条「それでもコイツを殺そうとするなら、あぁ、そんな幻想ブチ殺してやる!」

垣根『ハハハハハハハハハ!!意外と饒舌だなぁ、ただのバカな貧乏人と思ってたが、この俺に説教くれやがるとは』

垣根『いいぜー?なら俺はテメェのその日和った思考と薄ら寒い正義を力の一点で叩き潰してやる』

上条(とは言ったものの、正直外へ出られたら手も足も出せない。かといって他の病室にも患者はいる……)

垣根『さぁ、ここで絶望し……』




――やめろ、これ以上皆に手を出すな



俺は、お前の存在を否定しない。だから――



垣根『ぐっ!?この野郎、今度はテメェが俺を乗っ取ろうって腹か!』

初春「な、何が起きて……」

上条(今ならアイツに攻撃出来る!)グッ

垣根『クソッ!うるせぇぞ!黙れ俺の残骸!』

上条「うおおおおおおおおおおお!!」

垣根『チィッ!!ここは見逃してやる……』バサッ



―――――――――


佐天「初春、もう大丈夫なの?」

初春「このくらい平気です」

上条「君はすごいな、そこまでして垣根を守ろうとするなんて」

初春「はい。……それよりも、来てくれてありがとうございます」

上条「二人の必死な姿を思い出してたら、いつの間にか足が勝手に……」

上条「もし今日家に来てくれなかったら、ずっと誤解したままでいただろうな」

垣根「……」

初春「お願いします、上条さんからも、他の人達に説得してくれませんか?今の垣根さんを救える可能性があるのは皆さんだけなんです!」

上条「あぁ、頑張ってみるよ」

垣根「……っ」

佐天「初春!今、垣根さんが何か喋ったような……」

初春「ホントですか!?垣根さん、聞こえますか!」

垣根「……」



今日はここまで
また明日







1月23日(月)

―――――――――

PM16:00
~病院中庭~

先生のアドバイスで、垣根さんは車椅子に乗って外出する事が出来るようになった。ずっとあの病室に寝たきりじゃきっと
少しも良くならないだろうし、何よりもこの人には時間が残ってないから……

初春「寒くないですか?」

垣根「……」

目はうっすら開いてるみたいだけど、外部からの情報を認識しているんだろうか?それとも人形のようにただ開いてるだけなのか

垣根さんの脳は殆どが能力によって機能を奪われ、かろうじて生命を維持しているらしい。いわゆる「植物人間」という状態にあるようだ

初春「垣根さん見てください、綺麗な花ですよ」

垣根「……」

だから、幾ら声をかけようとも、返事は返ってこなかった

初春「折角なので一枚撮りましょう!さぁ、カメラを……」

そう言って垣根さんの手を取ってカメラを持たせる。手から落ちないように上から押さえながらシャッターを切った

初春「さ、もう暗くなってきましたし、病室へ戻りましょう」

結局垣根さんは何の反応もせず今日が終わった。昨日佐天さんは垣根さんの反応を見たそうだけど、もし本当ならまだ垣根さんには
垣根さんたる何かが残ってるのかもしれない

そんな“かもしれない”が、今は私達の希望である






―――――――――

~喫茶店~


上条「――これが、俺が昨日見た真実だ」

心理「……そう、本当に彼が二つに」

上条「それだけじゃない、垣根は自分の能力のせいであと少ししか生きられないって先生が……」

麦野「何だと?」

上条「何でそうなったのかは聞いてないけど、二ヶ月前から既に始まってた事らしい」

麦野(アイツがやたら思い出作りに拘ってたのは、そういう事だったのかよ……!)

上条「治す方法は……見つからなかったそうだ。だからせめて俺達でアイツの残りの時間を……」

麦野「いや、一つだけある」

上条「なに?」

麦野「あのもう一人の、懐かしいクソッタレの方が何か知ってるはずだ、ソイツをとっちめて吐かせる」

上条「おい!待てって!」ガタッ

麦野「これは勝手に勘違いして突き帰したガキ共への罪滅ぼしの為にやるんだ。アイツの為でも自分の為でもねぇ」ダッ



心理「麦野さん、あんな事言ってたけど……」

上条「あぁ、俺だってそのつもりだ。追いかけよう!」

上条(一方通行はどこで何してんだよ……!)



―――――――――

PM18:00
~病院~


黄泉川「……垣根」

垣根「……」

黄泉川「そうか、お前も辛い思いをしたんじゃん」

初春「黄泉川さん、ここにいる垣根さんは決して友達を傷つけるような人じゃないんです」

黄泉川「あぁ、私もよく知っているよ。この前会ったのは10月9日に初めて会った時の垣根って事なのか」

初春「多分その認識で合ってます」

黄泉川「元々一人だったのが善と悪に分かれて、どっちが垣根帝督になるかで争ってたって言うの……?」

黄泉川「自分が自分を否定するなんて、悲しいじゃんよ。自分を一番理解出来るのは自分しかいないのに」

初春「そう、ですね……」


prrrr


黄泉川「どうした?……何、一方通行が!?」

初春「どうしたんですか?」

黄泉川「一方通行が誰かと争ってるって。アイツと対等に渡り合えるのなんて……」

初春「まさか、あの垣根さん!?」

黄泉川「そういう事だ!」ダッ


―――――――――

~街中~


ドバアアアアァァァァァッ!!


一方「ヒャハハ!オマエには色々と世話ンなったからなァ、俺の人生の汚点、ここで清算させてもらうぜェェェ!!」ゴウッ

垣根『こっちのセリフだバーカ!テメェと仲良しこよししてた歴史なんざ今すぐにでも消し去りてぇなぁ!!』ブワッ

一方「第二位風情がこの俺に万に一つでも勝てる要素があると思うのかァ!?またあの時みてェに実験道具送りにしてやるよ!!」

垣根『……それが、あるんだよなぁ。テメェに一番効き目のある、とっておきが』ニヤリ

一方「ほォ?そいつは楽しみだなァ、一体どンな手品を披露して……」



妹達?『……』



一方「こ、これは……」

垣根『テメェ自身の過去に押し潰されて死ね、似非悪党』




上条「何だ、こりゃあ……!」

麦野「あれは、第一位の実験で使われた妹達か」

上条「何で一方通行を襲ってるんだ、止めないと!」

心理「待って!あそこに垣根がいる、もしかしたら彼の能力で……」

上条「そんな事が出来るのか?」

心理「以前ならそこまで出来なかったでしょうけど、今は違うみたい。あの第一位を押してる辺り、彼の未元物質はより高みへ昇ったとでも言うべきかしら」

麦野「チッ、これじゃ私達が束になっても止められるかどうか……」

上条「それでも行くんだ!一方通行はまだ勘違いしたままだ、それを解く為にも!」



ズガガガガガガガガ!


一方「チッ、鬱陶しいマネしやがって……!」

垣根『なーに動揺してんだ?俺に悪党の何たるかを説いた第一位サマが、よもや自分のした事に後ろめたさを感じてるとか言うんじゃねぇだろうなぁ!?』

妹達?『恨ミマス……』

一方「ンな訳、あるかァ!!」ザシュッ

妹達?『痛イ……マタ、殺スノデスネ……ミサカ達ヲ……』

一方「ッッ!」ビクッ

垣根『ハハハハハ!いいツラしてんぞ一方通行!あの野郎の記憶も案外使えるもんだなぁ!』

一方「何の……話だ?」

垣根『答える気はねぇ。テメェはいつまでも過去に責められてウジウジしてろ』



上条「落ち着け一方通行!」パキーン

一方通行「オマエら……!」

麦野「へぇ、らしい姿してるじゃねぇか第二位。いや、その片割れか」

心理「寧ろ善意が完全に消えた分、以前よりも邪悪さが増したようにも見えるわ」

垣根『何だ、もうバレたのか。……そうだよ、俺は垣根帝督のいわば“悪”の人格。そしてテメェらが仲良くやってたアレは垣根帝督の
僅かにあった“善”の人格だ』

一方「善の人格、だと?」

垣根『そうさ、元々俺達に人格なんて概念はなかった、俺とアイツで一人の垣根帝督だったからな』

垣根『始まりは一方通行に負け、学園都市の道具にされた時だった――』





今日はここまで
こりゃ一週間は越えそうだ

―――――――――
―――――
―――


~数ヶ月前~



研究員A「『自分だけの現実』の在り処を探る実験にまさか第二位の脳を使うとはなんとも贅沢な……」

研究員B「その分慎重にやらなくちゃいけないし、同時に結果にも期待出来る。彼の未元物質はまだまだ不明な点が多いからな」

研究員C「しかし、脳を三つに切り分けるって普通に考えたら気持ち悪いな」

研究員B「ここにいる連中は皆普通じゃないからな、私も君も含めて」

研究員A「未元物質の兵器運用も上手く行ってるようだし、私達も成果を上げないとな」

研究員B「これまでの半端ものとは比べ物にならないサンプルだ、失敗は許されないぞ」



どういう訳か、俺はその時の光景をはっきり覚えてたんだ。脳味噌だけ、しかも3分の1しかねぇにも関わらずだ

俺は自分の置かれてる状況、この先の未来、その全てを悟ったんだ



やめろ……やめろ!!



何だよこれ、何で俺死んでねぇんだ!?



これじゃあまるで……



あぁ怖かったさ、柄にもなく震えた。俺は今バラバラになってて、それを下卑た顔した連中に弄ばれているという現実をはっきり認識出来ている事実に

その恐怖も、やがては怒りに変わった……



ふざけるな



俺はテメェらの玩具じゃねえ、俺は俺のものだ



誰にも渡してたまるか



不思議な事に、あんな状態でも俺は演算を組む事が出来た。能力を使う事が出来たんだ

脳が欠けてる分それほど高度な事は出来なかったが、それでも現状を打破するには十分だった

散々人を道具みてぇに使い倒したんだ、最期くらいは俺が自由に決める。その思いで俺は“呪い”をかけた



……殺してやるよ



俺が、必ず殺す


止めらるものなら止めてみやがれ――――


―――――――――


研究員A「おい、どうなってるんだこれは!」

研究員B「何だこれは、分割した脳の一つが黒く変色していく!?」

研究員C「まさか壊死し始めているのか!?」

研究員B「いや、脳の保存環境は良好だ、他に考えられるのは……能力の暴走?」

研究員A「どちらにせよ、このままでは第二位の脳が使い物にならなくなってしまう!もしそうなってしまったら私達は……!」

研究員B「やむをえん……実験は中止だ、急いで修復するぞ!」



俺は僅かな力で自分の脳に未元物質を使い、脳細胞を破壊するよう“呪い”をかけた。俺は俺自身の手で人生に幕を下ろそうとした

その結果実験は中止となり、脳は元の形に戻された


―――――――――


それからどういう訳か、俺は元の体に戻れるようになった。上層部がもう長くない俺に情けをかけたのかは知らんがな

だが、この呪いは俺自身がかけたもの。もう一度人間やり直せると知ったならもうこれは必要ない、すぐにでもやめようと思ってた

蘇ったら何をしよう?あの研究員共を皆殺しにするか?第一位に復讐するか?そう考えるだけで俺は楽しくなっていった






だが――






―――――――――


垣根 「あんたが気に病む必要はねえよ」

垣根 「本来なら垣根帝督という人間はあの時死んで……俺の人生はあそこで終わってたんだよ」

垣根 「それがどうだ?死んで当然の俺が今こうして存在している」

垣根 「俺にとって、これはまたとないチャンスなんだよ」



何だこれは、どうなっていやがる?俺は一体、何を喋ってるんだ?



訳が分からなかった。俺はここにいる、なのに俺の体は思ってないように動き、口は思ってもない事を口走っていた

知らぬ間に俺の中に、“何か”が住み着いていた


垣根 (俺がしてきたことは決して許される事じゃねえ)



――おい



垣根 (地獄でも何処へでも落とせばいい)



――黙れ



垣根 (だからこそ、この3ヶ月は悔いのないように生きる)



――それはお前のじゃねぇ、俺の体だ!



垣根 (1分1秒無駄にはしねえ)



――何ふざけた事言ってやがる!誰だお前は!俺を……



――垣根帝督を帰しやがれ!!



そうして俺は、再び呪い続ける事になった。このふざけた人格から俺自身を取り返す為に





―――――――――
―――――
―――


垣根『それから俺は何度もアイツから体を取り返そうと試みた。演算の妨害をしたり、寝ている隙に主導権を取り返そうとしてみたり』

垣根『初めのうちはてんでダメだったが、“呪い”のお蔭でだんだん弱ってきてるのを感じてな、マンションから突き落とした時点で
もう取り返せる段階だった』

垣根『が……時間がかかりすぎた、呪いと怪我で脳細胞のおよそ半分は破壊され、取り返しても殆ど使い物にならないだろう事が分かった』

垣根『そこで、俺は新たな段階へ進化した未元物質によって自分の体を新しく構築した!同時に能力の主導権も俺に移った!』

垣根『まぁこれだけの能力だ、怪我云々も未元物質で補強すりゃ問題ないが、それだとアイツを完全に葬る事が出来ない』

垣根『だから俺は善の人格ごと肉体を捨てる事にしたのさ!そうすりゃアイツは死に、真の意味で垣根帝督が蘇る!』

垣根『俺はもう以前のような生半可な悪党じゃねぇ、本物の、地獄の鬼も裸足で逃げる羅刹だ!』


上条「……やっぱりお前は偽物だ」

垣根『……なに?』

上条「お前がなりたがってる垣根帝督という人間にはお前だけじゃない、あの優しい心も備わって出来てんだ!お前がそれを否定する事は、お前が求める
垣根帝督を否定するのと同じだ!」

上条「あの垣根が垣根でいられたのも、お前っていう悪い心があったからなんだ!善も悪も合わさって初めて人は人でいられるんだ!」

上条「あぁ、昨日のアレと今のお前の言葉ではっきり分かった。お前とあの垣根はまだ繋がっている!お前が垣根帝督であろうとする限り、善の人格も一緒に
ついて来るに決まってんだ!」

上条「お前、このままじゃ本物の肉体を失うばかりか心すら本物になれず、誰でもないただの邪悪の塊になるぞ!それでいいのか!?」

垣根『知った風な口を……叩くなぁ!』ゴアッ

上条「くっ!」

一方「下がってろ三下ァ!いくら右手があろうと、届かないンじゃ役に立たねェ!」

垣根『どいつもこいつも俺を偽物呼ばわりしやがって……ムカつくんだよぉ!!』

垣根『垣根帝督は学園都市の闇に生きる悪党!なまっちょろい感情なんざ必要ねぇんだよ!だからコイツに馬鹿にされ、無様に負けて惨めな仕打ちを受けて……』

垣根『これ以上垣根帝督の名を汚す訳にはいかねぇんだ!中途半端じゃ駄目なんだよ!だから俺が完全無欠の悪になって粉々に砕かれたプライドを、名誉を取り戻す!』

心理「それが垣根のもう一つの心なのね……」

垣根『なのに……畜生、アイツが俺を邪魔しやがる。これも垣根帝督の本心だって言うのかよ……』

麦野「垣根……」

上条「なぁ、どうやったらアイツを、お前を救えるんだ?本当は知ってるんだろ?垣根帝督を失わずに済む方法を……」

垣根『……俺がアイツの体に戻って、俺という悪の心を捧げればもしかしたら蘇るかもな。呪いという演算も消えてなくなる』

垣根『が、それは出来ない。すなわち俺はアイツに負けを認めるという事になる、お前こそ垣根帝督に相応しいとな』

垣根『そんな事してたまるか。だったら何の為に俺は今までやってきたんだ。俺の存在理由を全否定するようなマネ、出来る訳ねぇ』


上条「何でだよ!自覚してんだろ?垣根帝督でいるには……」

垣根『理屈じゃねぇんだよ!それに、初めは死ぬつもりでいたんだ。いっそそうなった方がマシなのかもしれねぇな』

一方「あくまで絶対悪の垣根帝督を望むつもりか。だがそれじゃオマエはただの亡霊に成り果てるぞ?」

垣根『心配すんな、そん時は俺も消える。この世から跡形もなく、な……』



そう言い残して、彼はどこかへ飛び去って行った。その背中はとても小さく、悲しみを帯びているようで――






今日はここまで
何か自分でも何言ってるかわかんなくなってきたぞ?







1月26日(木)






―――――――――
―――――
―――


あれから俺達は、垣根を外に連れ出してリハビリという名の思い出作りを手伝う事にした

結局あの垣根を説得する事は出来ず、一方通行ももう誰とも会わないと言って以来会う事はなくなってしまった


上条「なぁ、お前は怖くないのか?自分がもうすぐ死ぬと知って」

「……」


垣根は、今この瞬間をどう捉えてるんだろう?苦しいんだろうか、辛いんだろうか

いや、コイツならきっと「楽しい」と答えるだろう。俺にはそう感じる


上条「どっか行きたいとことかあるか?」

「……」

上条「じゃあ、俺が行ってみたいとこでもいいか?」

「……」





~スーパー~


上条「ごめんな、俺の買い物につき合わせちゃって」

「……」

上条「そういやここだったな、俺と垣根が初めて出会ったのって」

上条「そんで俺ん家に上がりこんで好き勝手騒いで……」

上条「でもその日の夜に、インデックスが帰ってきたんだよなー。もしかしたらお前がアイツを引き寄せてくれたのかーなんつって」

「……」

上条「あ、惚気とかそんなんじゃありませんよ?上条さんとインデックスはあくまで……」


いつのまにか、自分で言ってて恥ずかしいような事を口走っていた

きっと今頃垣根はこの話を元に何か仕掛けを考えてるんだろうなぁ












1月28日(土)





―――――――――
―――――
―――


心理「……あの彼がこんな状態にまで弱ってるなんて信じられないわ」

麦野「あぁ、そうだな」


暗部時代の彼は傷ついた様子なんて一度も見た事なかっただけに、結構衝撃的だった

今まで接してきた彼も、紛れもない垣根帝督の一部。昔は表に出さなかっただけで、あの遊び好きな心を持ち合わせていた

私にも、そんな一面があるんだと思う。きっと今の私がそれを抑えつけてるだけかもしれない


心理「どこかへ連れて行ってみたら?」

麦野「どこへ連れていきゃいいんだよ」

心理「貴方にまかせるわ」

麦野「なんだよそれ……」




~遊園地~


心理「ごめんなさい、結局私の行きたい所に来ちゃったわ」

麦野「どっちなんだよ……それにしても、アンタがここに来たがるなんて珍しいわね」

心理「なんとなくよ、折角だから遊んでいきましょうよ」

「……」

心理「ほら、垣根も遊びたいって」

麦野「そんなこと思ってそうだな」


自分でも不思議なくらい、何故か遊園地に行きたいと思った。柄じゃないのは自分でもよく知ってる

きっと変わった彼と初めて過ごしたのがここだったからだろう

彼の思い出を作る筈が、なんだか自分の思い出を振り返ってるみたい



心理「ねぇ」

麦野「ん?」

心理「このまま垣根が死んでもいいの?」

麦野「さぁ……な。昔は死ねとばかり思ってたけど、今は多分……違うんだろう」

心理「私は……嫌ね」

麦野「へぇ、やけに素直じゃねぇか。いつも回りくどい言い回しばっかなお前が」

心理「垣根はいつも素直に私達に接してきた。なら私達も素直になるべきじゃない?」

心理「貴方も、まだ彼の前で素直になりきれてないように見えるけど?」

麦野「な、んな訳あるか!」

「……」

麦野「なーに見てんだ垣根ぇ!」


素直になる……それは簡単に思えて実際は難しい。でも彼は私に素直になるという事を思い出させてくれた

新しい世界を見られるようにしてくれた彼を失うのは、心が苦しくなる

それでもきっと彼は、今この状況を楽しんで見ているんだろう。そんな気がした

今日はここまで
第一スレからの伏線はほぼ回収出来たとは思うが……







1月31日(火)





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―――――
―――

食蜂「思った以上の状態ねぇ……」


心理定規の提案で、垣根が考えている事を姉の食蜂操祈に読み取ってみようという事になった

大方の事情は聞いていたみたいだが、どこか軽い調子に見えるのは気のせいだろうか?


食蜂「前に能力をかけようとしたけど何故か失敗したのよねぇ、今回も成功すればいいけどぉ」


所々伸びる口調に隣の麦野は苛立っているようだった。少しの時間が経ち、食蜂はうんと頷いて言った


食蜂「成功よぉ☆第二位の意思が手に取るように分かるわぁ」

上条「本当か!垣根は今なんて思ってるんだ?」

食蜂「教えてあげてもいいけどぉ~、どうしよっかなぁ~」

心理「早く言って」


そんな怒らないでよ凪差~とやや慌てた様子を見せた後、彼女は改めて垣根の心情えお代弁した




「俺は今まで自分の心に一切の疑問はなかった。俺が垣根帝督である事になんの疑いもなく、日々を生きてきた」

「自分の過去にしてきた事も十分理解し、それでも3ヶ月自由に生きる時間を貰えた事は素直に嬉しかった」

「……でも違ったんだ。この俺の意思は垣根帝督という人間の心の欠片だったんだ。もう一つの欠片が俺の……内とも外とも言える場所に転がってた」

「思えば何度も夢で見た過去や幻聴は、ソイツが俺に存在を示そうとしていたのかもしれない」

「そしてもう一つの欠片……本物に最も近い心は俺から能力と自由を奪い、本物の垣根帝督になろうとしている」

「あっちから言わせてみれば、初めに能力と自由を奪ったのは俺の方なんだろうがな」

上条「お前、自分が偽物だって言いたいのか!これまでお前がしてきた事を全て否定しちまうのかよ!」

「今俺が考えてる事も垣根帝督の本心だと思ってる。でもアイツの考えてる事も、垣根帝督の本心なんだ」



「もっと力を手にして完全無欠の悪になりたい……でも友達というのを作って光の当たる場所に出てみたい。この二つがせめぎ合って
垣根帝督の人格は形成されてた」

「俺達は本物だ、でも本物が二つなんてありえないんだよ。一人の人間に心は一つしかないんだ」

麦野「常識は通用しねぇとか言ってたんじゃねぇのかよ」

「常識と真理は違うんだ麦野……」

「今の俺に残された道はこのまま肉体と一緒に心が死を迎えるのを待つ事だけだ。仮に助かるとしたら、アイツが俺を認め、心を同化させる決意をした時だけだ」

上条「お前……」


何情けねぇ事言ってやがる、そう言おうとしたが垣根がそれを遮った


「それまでの間、面白いもん見せてくれねぇか?この様じゃ何も出来やしねぇからよ」


包帯に隠された顔には笑みが浮かんでいるように見えた

その一言を聞いては、何も言い返す言葉が見つからなくなってしまった


食蜂「――以上よぉ。垣根さんは眠ったみたいねぇ」

心理「ありがとう、操祈」

食蜂「可愛い妹の為なんだもの、これくらい朝飯前だゾ☆」


最後まで軽口を止める事なく、彼女はバイバイと手を振って病室を出て行った


上条「……お前は、もう死ぬ事に躊躇いがないんだな」

麦野「死ぬまでの暇つぶしってか」

心理「私達の気持ちも知らずに……」


垣根は言いたいだけ言って眠りについてしまった。その眠りも近い内に永遠のものとなってしまうのだ

その現実が徐々に迫ってきているのを背に感じながら、俺達は備え付けの椅子に座り込んだ


上条「嘘でもいいから、生きたいって言ってくれよ……」


以上です

【回収出来てなかった伏線】
初対面時にみさきちの能力効かなかったのは垣根の悪の人格が、善の部分が常に感じていた謎の演算内に電波を遮断する物質の内容を混ぜていた為
後半で下半身が動けなくなったのは油断を誘うためかかったふりをし、実際は脳に付着している未元物質を少し移動し、脳の信号を
一時的にシャットアウトさせてたというオチ
要するにもう一人のボクが相棒を不本意ながらも守ったという話です

ご安心を、物語はまだ続きます
クライマックスまでもう少しお付き合い下さい







2月2日(木)






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―――――
―――



――なぁ、本当に来ないのかよ?



言ってたじゃねぇか、アイツと今までの垣根は別物だって



垣根、もう僅かな時間しか生きられないんだよ!



お前も変な意地張るなよ!今まで友達やってたんだろ!?何も思わねぇのか!?――



一方「……フゥ」

一方(アイツら、まだあの野郎のとこに通ってやがンのかな)

一方(馬鹿だよアイツら、救えねェ程に馬鹿だ)

一方(死ぬって分かってンならそっとしといてやれよ)

一方(下手に気使えば使う程、どっちもしンどい思いするだけだろが)



サムクナイデスカ?


一方(……っ)サッ



初春「もう2月ですね、垣根さん」

垣根「……」

初春「20日が……その……最期の日、なんですよね」

垣根「……」

初春「ご、ごめんなさい!こんな事聞きたくなかったですよね!」

垣根「……」

初春「えっと、じゃあ今日はあっちへ行ってみましょう!」



一方「……」





―――――――――


初春「知ってますか垣根さん、この鳥は……」



一方(……何やってンだ、俺)ハァ

一方(俺はもうアイツらと関わらないって決めたじゃねェか)

一方(帰るか……)クルッ

黄泉川「やっぱり心配じゃんか」

一方「っ!いつの間にいやがった……」

黄泉川「ちょっと前からな。私に気づかないなんて、そんなに気になるなら会いに行ってやりなよ」

一方「うるせェ、俺はもう関わらないって決めたンだよ」

黄泉川「強情だねぇ、垣根はあんなでも素直に生きてるってのに」

一方「……」

黄泉川「あ、打ち止めが」

一方「!」バッ

打止「だ、大丈夫なの?ってミサカはミサカは恐る恐る尋ねてみたり……」

初春「アホ毛ちゃん……う、うん!今リハビリ中で、もう少ししたらよくなるよ!」

打止「そうなんだ、じゃあミサカも応援しなきゃ!ってミサカはミサカはお兄ちゃんにエールを送ってみたり!」ガンバレー

初春「ありがとね」

初春(また余計な事言っちゃった。垣根さんを傷つけるような事ばかり……)



一方「……」

黄泉川「アンタはどうするじゃん?」

一方「……」

黄泉川「さて、私も垣根のとこへ行こうかな」

一方「……」

黄泉川「無理強いはしないよ。そこまで意地を貫くのも垣根を思っての事だろうと信じてる」

黄泉川「その代わり、後悔のないようにする事じゃん」


ヨウカキネ、ゲンキシテルジャン?
ヨミカワサン!


一方「お前はいつか後悔する……そう言いたいのか、黄泉川」






今日はここまで
ではまた明日







2月4日(土)






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―――――
―――

~自宅~


垣根『……』

垣根『何もやる気が起きねぇ』

垣根(部屋は散らかったままだし……これ俺がやったんだったか)

垣根『おかしい……やっと俺を取り戻し、自由を得た。なのに満たされない』

垣根『前の奴がやった事を帳消しにしようとしても、いつも途中で萎える』

垣根『何なんだ、この煮えきらねぇ気持ちは』

―――――――――

~街中~


垣根『……』テクテク

垣根『……』テクテク

垣根『……』テクテク

垣根『……』テクテク

垣根『……』ピタッ

垣根『する事ねぇ、帰るか』

削板「お、垣根ぇ!久しぶりだな!」ブンブン

垣根『第七位……面倒なのに見つかったか』

削板『何だよ浮かない顔だなー、何かあったのか』

垣根『別に、大したことじゃねぇよ』

削板「そうか、ならちょっと俺に付き合えよ!」

垣根『あぁ?』

削板「いやー何、ちょっとしたジョギングだよ。寒い日は体動かすに限る!」

垣根『勝手にやってろよ』

削板「まーまーそう言わずに、はいダッシュ!」パァン

垣根『っ!ケツぶっ叩くな殺すぞ!』

削板「よーし元気が出たなー、走るぞー!」ダッ






―――――――――

~30分後~


削板「いやーいい汗かいたなー」チラッ

削板「……あれ、いないぞ?」

―――――――――


垣根『付き合ってられっか、バーカ』ビューン

垣根『もういいや、帰って寝るか』



~自宅~


垣根『ふぅ、余計な汗……かかねぇな。そういや俺全身未元物質だもんな』

垣根『眠気も起きねぇし、腹も減らねぇ。寒くも暑くも、痛くもねぇ』

垣根『これが、垣根帝督が望んだ力……』

垣根『……』ゴロン

垣根『足りねぇ、何かが足りねぇ……』

垣根『この体の中にある漠然とした空白。ここにあの野郎がいた』

垣根『それは甘さであり弱さ。嘗ての俺が忌み嫌い押し殺してきたもの』

垣根『それを捨て去る事が出来た今、新たにこの空白を埋める何かが必要だ』

垣根『心を悪一色にするだけでは埋まらない、別の何か……』

垣根(それがわからねぇ。第二位の知能をフル活用しても答えに辿り着かねぇ)

垣根(おい垣根帝督、お前は何が欲しいんだ?まだ満足出来ねぇのか?)

垣根『クソッタレ……』




――本当は、分かってるんだろ?



垣根『まだいやがるのか!ウゼェんだよ!』



俺はもう消えてもいい。お前が垣根帝督として生きればいい



でも、真の意味で垣根帝督になるには……



垣根『黙れ!お前は垣根帝督には必要ねぇ!さっさとくたばりやがれ!』



俺が垣根帝督としてこれまでやっていけたのは、無意識でもお前がいたからだ



だから、お前の意識から俺を消し去ればいい。そうすれば



垣根『そうすれば、いつかお前が俺を乗っ取りに来る』



……



垣根『今すぐにでもぶっ殺してぇよ、お前』



あぁ、よく知ってる――



垣根『……チッ』






今日はここまで
また近いうちに







2月5日(日)






―――――――――
―――――
―――


絹旗「うわぁ、これはまた超えらい目に遭いましたね」

麦野「病院が退屈だってうるさいから仕方なく付き合ってやってんだよ」

垣根「……」

絹旗「これ、本当に生きてるんですか?生気が超感じられないんですが……」

麦野「っ、生きてるに決まってんだろ。テメェもなんか返事しやがれ」

垣根「……」

絹旗「で、話というのは?」

麦野「あぁ、コイツがいつまでたってもノーリアクションだからムカついてな、いい加減何か反応させようと思ってんだ」

麦野「そこで、絹旗が選ぶクソつまらん映画なら何かしら反応するかもしれないって事で呼んだんだ」

絹旗「超失礼な言い方ですね」

麦野「だってつまんねぇし」

絹旗「まぁあの麦野自ら見たいと言い出すなんて超珍しいですし、これを機にこちらの世界への興味を持って頂くのもいいでしょう」

麦野「わかったから早く見せろ」

絹旗「まぁそう急かさないでくださいよ」

垣根「……」



そんなこんなで、絹旗の家でC級映画祭が開催される事になった



―――――――――


――…――
―……――…―


絹旗「いいですか、このシーンなんかは一見チープでありがちな展開ですが……」ペラペラ

麦野「……つまんね」

垣根「……」



―――――――――


絹旗「あ、ここ!けこれなんか私が超気に入ってる……」ペラペラ

麦野「……」

垣根「……」



―――――――――


絹旗「いやー、何度見てもいいですねー」

麦野「……」ウトウト

垣根「……」



―――――――――


麦野(あ、やべ、寝てた。そういやアイツは……)

絹旗「ほほう、そんなに超熱心に見てくれるとは呼んだ甲斐があったものです」

垣根「……」

麦野(目、開いてる……)

絹旗「垣根も段々この作品の超いいところに気づいてきたんじゃないですか?」

垣根「……」

麦野「おい垣根!」

垣根「……」



この日、私は久しぶりに垣根の目を見た

アイツの目は……いつも通りだった



麦野「お前、生きてるんだな?そうだな?」

垣根「……」

麦野「そうか、まだ生きてたか……」

絹旗「どうしたんです?」



絹旗にあぁ言われた時、正直自信がなかった

もしかしたらもう既に逝っちまったかもしれないと、どこかで考えてたのかもしれない

でもアイツの目を見た時、初めて生きてると確信出来た

……何安心してんだろ私、変な奴



麦野「おら、他になんかねぇのか」

絹旗「ふふ、まだまだありますよー」



何か変な気分だ、つまんねぇ映画でも見て忘れるとすっか

今日はここまで
また次回会いましょう







2月8日(水)






―――――――――
―――――
―――

~病院~


冥土帰し「目が開いたという事は、体の動きを少し取り戻したという事か」

初春「回復してきてるって事でしょうか?」

冥土帰し「どうなんだろうね。ただ目さえ動かせるなら意思疏通の手段は作れるのだがね」

初春「本当ですか!」





―――――――――


垣根(すげー!マジで喋れるぞ!)

初春「すごいですね!」

冥土帰し「喋ると言うには語弊があるが、意思疏通は出来るようになったね」



先生が用意してくれたのは、五十音を並べたパネルを一文字ずつ目で見る事で音声が流れる機械

喋るのと違ってゆっくりになるけど、それでも会話が出来るのはかなり大きい

これは垣根さんの脳がまだ活動出来る状態にあるという事と、垣根さん自身の意思がまだ残っている証明にもなるんだから


垣根(ただこの音声がイマイチだなぁ、もっとこう学園都市の技術で感情表現とか出来ねぇの?)

初春「仕方ありませんよ、これでも一杯いっぱいだそうですから」

冥土帰し「今後の参考にさせてもらうね」



久しぶりの会話だけど、垣根さんは何も変わっていなかった

いつものように飄々としてて、いつものように楽しそうだった

体も表情も、相変わらず固まったまま……



垣根(なぁ初春、皆は?)

初春「さぁ?まだこちらには来てないみたいですが」

垣根(ったく、アイツら一々辛気臭い顔しすぎなんだよ。こっちまで気が滅入るっつの)

初春「……」

垣根(だからその顔だよ、その同情を帯びた顔をすんのをやめろ、以後禁止だ。アイツらにも言っとけ)

初春「え、えっと……」

垣根(いや、俺が直接言うべきか。なら呼んできてくれ)



やっぱり、垣根さんはいつも通りだった



―――――――――


垣根(よく来てくれた)

上条「ホントだ、会話出来てる」

心理「棒読みなのは仕方ないわね」

垣根(一方通行はどこだ?)

麦野「さぁ、アイツは多分もう来ないかもな」

垣根(何でだよ、悪い俺にノされたのがそんなにショックだったのかよ)

初春「本人に聞いてみないと分からないですね……」

垣根(……じゃあとりあえずお前らに言っとく、今後俺といる時は絶対笑え。嘘でもいいから笑え)

上条「垣根……」

垣根(自分の事は自分が一番分かってる。お前らが本当に俺を思ってくれてるんなら何も気にせず楽しくしていてくれ)

垣根(俺が楽しみ疲れて寝る時以外は、あんな顔は禁止だからな)

垣根(ホントなら色々やりたいけどこの様じゃカメラすら持てねぇ、悔しいよ)

垣根(だから、変わりにお前達に託す。俺の思い出作り)

心理「そういう貴方こそそんな事言うんじゃないわよ。素直に楽しめなくなるじゃない」

麦野「言われなくても、お前がくたばるくらい笑い飛ばしてやるよ」

垣根(よく言った。その意気で頼むよ)

初春「じゃあこれからどうします?折角意思疏通が出来るようになりましたから垣根さんの意見も……」

垣根(そうだな……)






今日はここまで
では次回また







2月11日(土)






―――――――――
―――――
―――

~コンサートホール~


垣根(ついてるな、こんなタイミングでこんなイベントがあったとは)

心理「当日チケットが買えたのが奇跡ね」



学園都市に有名な交響楽団がコンサートに来ると知った垣根は「何がなんでも行く」と言って聞かず、一同大急ぎで会場へ向かう羽目になった

全席埋まってもおかしくないくらいの知名度だが、偶然にも幾つか空きがあったお陰でどうにか会場に入る事が出来た



垣根(広いなー)

麦野「はぁ、ちったぁこっちの苦労も分かれっての」



ぼやく麦野の事など気にも留めず垣根ははしゃいでいる

上条「もうすぐ始まるみたいだな」

垣根(楽しみだな)



会場の照明が小さくなり、それまでざわついていた会場が静まり帰っていく

壇上に上がった指揮者が客席に挨拶すると楽団員の方へ向き直り、タクトを揺らした

旋律が、彼らの鼓膜を、心を震わせていく――



―――――――――


上条(生で聴くと迫力が違うなー)

心理(心地いい音色、心が洗われるようだわ……)



成り行きで付いてきた二人も、今は会場に響く音楽に聞き惚れていた



麦野(確かにこれはすごいな……)



ふと、麦野は垣根の方を見る



垣根(……)

麦野(寝てるのか?)



折角連れてきてやったのに……初めはそう思った。だがよく見れば、垣根の上半身が微かに揺れていた

動かせないはずの体が、音楽のリズムに乗っているようだった

麦野(アイツ……)



彼女は暫く垣根を見ていた

約束の日まで10日を切った現在。彼は少しずつ良くなってきているんじゃないのか?

もしかしたら……そんな予感が脳裏をよぎる



心理「……どうしたの?音楽そっちのけで彼ばかり見て」



小声だが、茶化しているのがよく分かる言葉が隣からした



麦野「な、何でもねぇよ」



慌てて向き直り音楽に集中しようとする

麦野「……なぁ」

心理「何?」

麦野「垣根のやつ、ちょっとずつ良くなってると思わないか?」

心理「……」

麦野「もしかしたらアイツ、治る可能性があるんじゃ」

心理「……あまり期待してると、余計に傷付くわよ」

麦野「……」



悲壮な旋律が、二人を包み込んだ――



今日はここまで







2月14日(火)





―――――――――
―――――
―――

~病室~


垣根(おい)

上条「ん?」

垣根(今日は何の日か知ってるか?)

上条「今日は2月14日……そうか、バレンタインデーか」

垣根(お前忘れたふりしてたろ。本当は期待で胸が張り裂けそうな癖に)

上条「そ、そんなこと!」

垣根(俺はすげー期待してんだよ。誰か可愛い子ちゃんが俺にチョコレートを届けに来てくれないかってな)

上条「垣根にチョコを渡しそうな子……うーん」

垣根(だから俺に代わってチョコ貰って来てくれ)

上条「誰から貰うんだよ」

垣根(いいから行って来い。こっちは時間押してんだよ)

上条「はぁ……」スタスタ


ガララ……


垣根(……まぁ、貰えても返せないんだけどな)

垣根(今日ぐらいは俺の事忘れて青春してこい、上条)

垣根(……寝るか)





―――――――――
―――――
―――

~街中~


上条「まさか御坂妹の集団にこんな貰うとは……」ズッシリ

上条(あ、麦野だ。買い物帰りかな?)

上条「おーい!」

麦野「上条……何だその大量のチョコ」

上条「えっと、頂き物といいますか……私自身驚愕してます」ハハッ

麦野「モテんのな。じゃあ私急いでるから」

上条「その袋……全部チョコレート?」

麦野「な、何だっていいだろ」スタスタ



上条「今から作るのかな」

―――――――――


「その気になってくれたのね、嬉しいわ」

こうなる事は初めから分かってたと言いたげな笑みで私を迎え入れた。その証拠に、キッチンには二人用の料理道具が既に揃えられていた

「さ、時間もないし早く始めましょ」

ドレス姿の上から纏うエプロンはなんとも不恰好だ。そんな事など露とも思わぬ顔で袋の中の板チョコを空けていく

私も手持ちのエプロンをつけ、心理定規の隣へと急ぐ

「何か玄関にやたらとゴテゴテにラッピングされたチョコが置いてたけど?」

「操祈が私にくれたのよ。一週間かけて作ったそうよ」

「へぇー、愛されてるのなお前」

「一周回って重いくらいよ」



材料のチョコレートも程よく溶けてきた頃、少しコイツをからかってみようと思った

「いつになくやる気じゃないの。やっぱり気があるのかにゃ~?」

「ええ」

まさかの返答に湯船のボウルを落としそうになった

「この際だから言っておくわ。私、垣根が好きよ」

「な、なんで……」

「私の心の奥にズカズカと踏み込んで、そのまま心を盗まれたから……かな」

「分かりにくい例えだな」

「私自身も分からないわよ。誰かを好きになるって、そういう事なんじゃないの?」

「そうか……」

からかうつもりが、こうも肯定されると逆に私がたじろいでしまう

「で、貴方はどうなの?彼の事……」

「……まぁ、嫌いではない、な」

適当にお茶を濁して溶けたチョコレートを一心にかき混ぜる

「本当に、それが貴方の本心?そんな有耶無耶なものなの?あんなに躊躇ってたのに今日来たのはそんな中途半端な心?」

今日の心理定規は様子がおかしい

「……」

「怖いのね、“その日”が来るのが。彼に“その日”が来ると伝えるのが。だから直前までチョコを作るか迷ったんでしょ?」

鋭い女だよ、ムカつくくらいに……

「バレンタインデーのお返しにホワイトデーが来る。でもその日にはもうアイツはいない……それをアイツに突きつけるのが
、自分に知らしめるのが怖かったんだ」

ホワイトデー――3月14日に男が女へバレンタインのお返しをする日。でもアイツは2月20日……あと一週間そこらしか生きられない

そんなアイツに一ヶ月も先の事を臭わせるような真似をしていいのか?前日までずっとその事で悩んでいた

「でも貴方は今ここにいる。ここで彼へのプレゼントを作っている。それは何故?」

「それは……自分がそうしたいと思ったから」

「彼を傷つけるかもしれないのに?」

「そうしないと、いつか後悔するような気がするんだ」


垣根がいつも言っていた――後悔のないように生きる、と。気付けば私もアイツに毒されてたんだろうなぁ

「死ぬ時は独りだ、せめてアイツが喜ぶような思い出を一つでも持ってってくれれば……」

「やっぱり、貴方も垣根が好きなんじゃない」

知ってたよと笑みで答える彼女。やっぱりムカつく女だ

「口より手ぇ動かせよ。急いでんだよ」

「はいはい」





―――――――――

~夕方・病室~


垣根(すげー量だな。お前モテ男だったのかよムカつくぜ)

上条「も、モテてる訳じゃ!」

垣根(そんなもん見せつけられて説得力皆無なんだよ!俺が惨めだろ!貰えるチョコの数は男のステータスに直結すんだよ!)

上条「な、なんか悪い……」

垣根(もういいよ、今日は帰れ)



垣根(日が沈む……あの夕日もあと何回見れるんだろうな)


ガララ……


麦野「……よぉ」

心理「元気にしてる?」

垣根(お前ら……)

麦野「……お前に、渡したいものがある」

垣根(どうしたよ急にモジモジして、似合ってねぇぞ?)

麦野「あぁん!?こっちが折角来ぃ利かせてやろうって思ってんのによぉ!」

心理「まぁまぁ落ち着いて。垣根、私からのプレゼントよ」

垣根(これって……チョコレートか!?)

心理「バレンタインデーでしょ?本気出して作ったんだからね」

垣根(サンキュー!俺、食えねぇけどいいのか?)

心理「貴方には気持ちでお腹いっぱいになってもらうから問題ないわ。さ、麦野さんも」

麦野「……ほらよ」

垣根(麦野……ありがとよ)

麦野「これでお前の言う“思い出”が一つ増えたろ?ありがたく思え」

垣根(あぁ。俺、生きててよかったよ)

麦野「っ、じゃあな」スタスタ

垣根(?)

心理(麦野さん……)







麦野「……痛ぇよ。何でこんなにも、痛ぇんだよ」





はい、最早弁論の余地はありません。ただ平謝りする事しかできません

あと3~4回の投稿で完結する予定です。必ず完結させます
ではまた次回

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年06月17日 (火) 22:28:52   ID: 0tjwNGdq

期待してるぜ!!(ФωФ)

2 :  SS好きの黒猫   2014年07月07日 (月) 17:59:51   ID: PVcBEaGk

期待しています

3 :  SS好きの774さん   2014年07月09日 (水) 00:03:21   ID: wBeYRIEg

期待してますよ

4 :  SS好きの774さん   2014年07月09日 (水) 00:10:39   ID: wBeYRIEg

なかなか面白い

5 :  SS好きの774さん   2014年08月07日 (木) 17:22:57   ID: rsQ9tZJj

まだかにゃーん

6 :  SS好きの774さん   2014年10月13日 (月) 23:47:04   ID: g4vQdLXw

荒らし氏ね

7 :  SS好きの774さん   2014年10月14日 (火) 11:32:57   ID: UzVcUMfb

↑幼稚なコメント乙。

8 :  SS好きの774さん   2014年10月14日 (火) 12:54:03   ID: HUCllnYY

>>6自演臭ぇんだよ荒らしさん?

9 :  SS好きの774さん   2014年10月15日 (水) 15:53:32   ID: ih7SwXCc

氏ねじゃなくて死ねってハッキリ書いたらどうなの?生半可な侮蔑を書いてる時点で怪しさ満載だよ?自演臭いって言われるのは自業自得。

10 :  SS好きの774さん   2014年10月19日 (日) 10:52:38   ID: DidFI_kO

↑そこまでの度胸がないチキン野郎なんじゃない?それに氏ねって言葉をこういう風に使うところが典型的なネット住民らしいしさ。構うだけムダ。それにこの手の奴は同じところにまた来るってまずないから叩くこともムダ。存在そのものがムダ。

11 :  SS好きの774さん   2014年12月09日 (火) 21:16:47   ID: eOuXx1v1

まだですか?

12 :  SS好きの774さん   2014年12月10日 (水) 00:36:13   ID: WcN1z3ko

まだまだですね

13 :  SS好きの774さん   2014年12月10日 (水) 21:20:47   ID: z2Ip3brS

今更終わった作品にネチネチ執着するのは時間のムダだろ……あと対して面白くなかっただろ。

14 :  SS好きの774さん   2014年12月11日 (木) 22:35:15   ID: W9R5mDWg

こんな塵作品にまだ群がる奴らいんの??超草

15 :  SS好きの774さん   2015年01月02日 (金) 23:47:31   ID: tFXa-8Sk

舞ってる

16 :  SS好きの774さん   2015年01月09日 (金) 02:24:15   ID: Z9w9E4ZG

17 :  SS好きの774さん   2015年01月21日 (水) 21:02:07   ID: wnUVUOas

18 :  SS好きの774さん   2015年08月04日 (火) 23:37:03   ID: o4oHqnAd

あれ?もう完結???

19 :  SS好きの774さん   2015年09月14日 (月) 00:53:55   ID: W1piSEYM

このss大好きだから本当に完結させて欲しい

20 :  SS好きの774さん   2016年08月16日 (火) 22:44:46   ID: ENYDF4vW

おーい

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