小林オペラ「この裁判…逆転できるのか?」 (252)

この日、夜空に浮かぶ月は紅く光っていた。

その紅い血のような月は、まるでこの夜空の下で行われた殺人の血を映しているかのようであった。

「はぁ…は…うっ!…くっ!」

一人の怪盗は、手に絡みついた髪の毛を解こうとしている。

その髪の毛の先には、忌わしき首がついている。

しかしその首は、顎から下が無く鈍く光る目が怪盗を睨みつけていた。

「このっ…離れ…なさい……!!」

その目が恐ろしくて必死に髪の毛を引き剥がそうとする名のなる女怪盗

だが、震える手で手の甲を掻いても髪の毛はへばりつき、首がぶら下がったままだった。

窓に映る自分の姿を見て、女怪盗は青ざめる。

体中、この首の持ち主の身体の中に入っていた内蔵と、肉の欠片が付着していたからだ。

悪魔が殺した

「そこまでだ!!」

聞き覚えのある男の声が響く。警察の中でもかなりの上位の地位につく男の声だ。

「…これで、年貢の納め時というわけね」

その横に、警察という重い職業にはふさわしくない小柄で金髪の少女が女怪盗を睨みつけた

「……!!」

警察にトイズを発動しようと睨みつける。だが、この首の持ち主の死ぬ瞬間が脳裏に焼きつきトイズが発動しない

死ぬ瞬間、この女は急に内側から破裂したかのように身体が爆散して

内蔵と肉片がそこら辺に散らばったその向こうには

悪魔のような形相をした………

「今まで散々犯してきた怪盗事件。そして今回のサイコパス殺人事件」

カチャリ、と女怪盗の手首に冷たくて固い物手錠がいつのまにかかけられていた。

何故か、女怪盗の身体は抵抗をしなかったのだ。

「これらの容疑で、貴方を逮捕するわ!!怪盗アルセーヌ!!」

その言葉が耳から入り全身に響き電気が走るような感覚に陥ると

鬱陶しかった髪の毛が急に解け、首と共に地面に落ちていった………




第三話 「正義はどこで何?」



小林(あの事件から一週間が経った。)

小林(神津は昇進してから仕事の量が増え、前回の裁判で犯人が発した”私達”という証言と)

小林(被害者の持っていたカセットテープ。それらを元に僕達が推理した”私達”と名乗るグループに対する情報のやり取り)

小林(当事者だった姫百合くんに、その事を聞いたら。彼女も詳しくは話されていないようで裁判で判明した事以上の事は分からなかった)

小林(そして、ようやく騒ぎも大人しくなった頃に。”それ”は起こった)



【留置所 11月25日 午後1時12分】


小林「………」

小林「…怪盗から、宅急便で予告状が来るとは思わなかったけど…留置所に一体何の用なんだ?」

姫百合「さぁ、…ちょっと分かりかねます」

ネロ「でも、前回の裁判で小林も弁護士としても有名になっちゃったからねェ~。下手して掴まった怪盗が弁護お願いしてきたんじゃない?」

小林「いやぁ、さすがに探偵に弁護頼む怪盗は居ないと思うけど」

コーデリア「そうね。怪盗の面目が丸つぶれだもの」

シャロ「でも!でも!先生が味方についたら凄く頼りになります!」

ネロ「いやいやいや、だからと言って探偵を弁護につける怪盗なんていくら馬鹿でもしないでしょ」

エルキュール「正直…ちょっと……理解ができない…です…」

コーデリア「はっ!もしかして…またあの検事の差し金!?」

姫百合「さすがにそこまで検事のせいにしたら可哀想ですよ…一応あの人実生活の上で何もしてこないじゃないですか」

コーデリア「ヒメ!貴方、あの検事に死刑囚にされかけたのよ!?」

姫百合「でも、今はそうじゃありません。昔の事ですので、もう気にしていませんよ」

ネロ「ヒメは大人だなー。僕だったら次にあのクソガキ検事の顔見たら殴ってるかも」

小林「ははは……」

小林(なんだか…以前より賑やかになったような)

ガチャリ

シャロ「あっ!誰か入ってきます!」

小林(…………え?)





20「グゥゥ……ドモォォオオオオオオニンンン!!!ミスタァア・コバヤシオップェエラア!!!」




小林「………」

シャロ「………」

ネロ「………」

コーデリア「………」

エルキュール「………」

姫百合「………」

小林「……あの」

20「君ぃぃいなら!!来てくれるとすぃんじてたよぉおお!!サンキューベリマチ!!」

20「さぁ!冤罪というラビリンスに閉じ込められた僕をここから出してくれ!!」

小林「いやいやいや!!ちょっと待ってくださいよ!!何してるんですか!?怪盗トゥエンティ!!」

20「Ohh……悲しい事に、僕はポリのピーポォに冤罪という名の濡れ衣を着せられたのさぁぁぁ…」

小林(冤罪も濡れ衣もどっちも同じ意味なんだけど…)

ネロ「何が冤罪だよ!怪盗のくせに!」

姫百合「…貴方、以前からずっと盗みを働いてきましたよね?冤罪も何も無いと思うのですが」

20「ノオオオオオオオオ!!怪盗作業に関してぇえは!僕は全て受け止めるつもぉりさぁあああ!!!だがっ!!」

20「一つ…一つだけ!!どぉぉおしても認めない!認められない!!罪を晴らさねばぬぁあらないのだぁぁあよ!!!」

小林「……怪盗以外に、何か罪状が?」


20「そう…これは、口に出すのも恐ろしい。僕に対する冒涜。ああ……!あいつらは悪魔…!!」

ネロ「帰ろう小林。どっちみち有罪には変わりないんだし。受け持っても無駄だよ」

コーデリア「私も賛成です」

シャロ「ちょっちょっと待ってください!話は最後まで聞きましょうよ!」

小林「シャーロックの言うとおりだ。とりあえず話だけでも聞いておこう」

20「オオオウ!!エクセレントゥ!!君になら分かってくれると思っていたよぉ!!」

小林「…それで、貴方の言う冤罪とは。何ですか?」


→【何の冤罪?】


20「猥褻物陳列罪さ!!」

小林「帰ろう。皆」ガタッ

20「ちょっちょっと待つんだ!ミスタァアア小林!!話を最後まで聞いてプルィイズ!!」

小林「何でしょうか?僕今日忙しいんですよ。事務所の六法全書を今一度確認するという作業があるんです」

エルキュール「あ…私も……一緒に見たい…です…////」

20「待ってくれ!話を聞いてくれると言ってくれたじゃないくぁ!!」ビシィー

小林「……分かりました。では昨日何があったのか教えてくれませんか?」



→【昨日の出来事】


20「あれはイルミネーションの輝く深夜の事だった。そこで僕は服を脱いだんだよ」

20「この美しい夜の下で、僕と言う超絶美すぃぃいいい身体が!!更に夜の街を美すぃぃいいいく彩る筈だった!!」

20「なのにあいつらは!!僕のこの美しい身体に対して猥褻物陳列罪だと……!!」

20「こんなの!こんな……酷すぎるじゃないか!!なぁミスター小林オッペェラ!!」

小林「安心してください怪盗トゥエンティさん。僕が弁護してもしなくても、裁判の結果は変わりません」ニコッ

小林「なので、どなたか他の弁護士を雇う事をオススメしますよ。極限的に安い弁護士を雇っても結果が変わらないので安心です」ガタンッ

小林「それじゃぁ、僕はこれで」スタスタスタ

20「なっなんだとぅー!?君は僕を弁護してくれないというのかね!?」

小林「僕がしなくても誰がしても一緒なので。後、怪盗が探偵に弁護されるというのもちょっと…」

小林「この恒心綜合法律事務所なんかがオススメですよ。良い意味でも悪い意味でも有名ですし」

20「なるほど…確かに、良く考えれば怪盗が探偵に弁護を頼むのも変な話…」

20「そこで有名な法律事務所…!ありがとう小林オペェラ探偵!これで何とかなりそうだよ!☆」

小林「分かりました。では」ガチャリ

シャロ「お邪魔しましたー」

ネロ「頑張ってねー」

コーデリア「失礼します」

エルキュール「さよう…なら……」

姫百合「罪は償ってください」シラー

20「あるぃがとぅー!!バイバーイ!!」



バタンッ



【ホームズ探偵学園 11月25日 午後2時30分】


ネロ「もーなんだよ!時間の無駄だったじゃん!!」

コーデリア「少しは反省して欲しいものですわ!」プンプン

小林「ははは…でも、納得してくれて良かったよ彼も」

姫百合「経歴の沽券に関わりそうですものね。さっきの」

小林「いや、沽券とか関係無しに。どう弁護すれば良いのか分からないからさ僕も」

シャロ「先生の逆転な発想力で!見事な無罪を勝ち取るのが弁護士の仕事じゃないんですか?」

小林「シャーロック。…一応依頼人を信じるのが弁護士だけど、だからと言って絶対に無罪を勝ち取らなきゃいけないわけじゃないんだよ」

姫百合「まぁ、あくまで弁護ですからね。先日は助けて頂きましたが」

姫百合「……すみません。お礼は、絶対にまた後日に」

小林「ははは。そんなかしこまらなくても良いよ。いつか払える時でもいいさ」

ネロ「じゃぁ!今夜も外食奢って!ツケで!」

小林「ちょっとは遠慮をして欲しいかな…」

シャロ「先生が来てから私達は最高に幸せな毎日を送れています!」

コーデリア「アンリエット会長から農場を焼き払われ食事も芋から豆にランクダウン…もうそんな毎日を過ごさなくても良くなったのよ!」

エルキュール「いつもは苦しかった…食事時間が…今は楽しい……!」キラキラ

小林「…あー君達?ずっと気になってたんだけど、僕が居ない間どんな生活をして…」

シャロ「あっ!見てくださいあそこ!私達がトマト育ててた畑に何か建ててます!」

ネロ「前回の事件で探偵学園に所属していた小林の勝訴のおかげで、この学園も知名度や援助もろとも潤ってきたからねぇ」

コーデリア「今は無き私の薔薇園も…教官が帰ってくる為の犠牲と思えば…」

姫百合「少なくともまともに探偵業をしていなかったみたいですね」

小林(うーん…もう聞くのを止めよう。後悔しそうな気がする)


根津「……………」

ネロ「ん?」

ネロ「あっ、あそこに居るのはネッツじゃん。おぉーい!ネットー」

根津「根津だっ!俺の名前は根……」

根津「……っ!!」

姫百合「どうしたのでしょうか?凄く落ち込んでいるように見えましたが…」

小林「えーと、知り合いかい?」

コーデリア「クラスメイトです。名前は…ええと……確か最初に”ケ”がついていたような」

小林「いや、名前はさっき本人から聞いたから。ええと…根津くんかな?」

根津「こっ…小林オペラ……!」

小林「僕が居ない間、この子達が世話になっていたようだね。礼を言うよ」

根津「…ほっ…本当に……この学園に……」

小林「詳しくは聞かないけど、この子達が大変だったみたいで……どうしたのかな?」

根津「……………うっ…」プルプルプル

小林「?」

根津「…うるせぇええええ!!!いい気になんなよ!この三流探偵が!」

シャロ「!!」

ネロ「!!」

コーデリア「!!」

エルキュール「!!」


小林「……え?」

姫百合「………」

根津「あんな事件解決したくれぇで!でかい顔してんじゃねぇぞ!そもそも!その4人はなぁ!!」

ネロ「ちょっと根津!僕達の教官を悪く言うなら、こっちも容赦しないよ!」

シャロ「私達の事なら悪く言っても良いですけど!先生の悪口だけは許しません!」

コーデリア「教官は!先日の殺人事件を見事にひっくり返して真犯人を突き止めたのよ!?それを三流だなんて!!」

根津「はっ!そんな大層な探偵様が、お前等みたいなモンスター生み出しちまうようじゃ世話ねぇよな!!」

エルキュール「……!!」

小林「ええと…その…」

根津「お前、本当に頼りになるのかっ!?お前が育てたミルキィホームズは今や、この低落!!」

小林「僕は、ちょっと詳しくは知らないんだけど…」

根津「教育してきた結果が、そんな結果なら!知ってたらとても事件の弁護なんて任せられなかっただろうよ!!」

スタスタスタ

石流「…っ!!」ピタッ

姫百合「………」

根津「いくら実績があろうとなぁ!こんなもんじゃとてもアルセーヌ様の弁護は…」


ガツッ!!


根津「痛っ…!!」

石流「貴様は何をしているのだ」

根津「スト…石流先生!俺は!!」

石流「我々の中では、もう決まった筈だ!!」ガシッ

根津「ぐあっ!離せ!!」バタバタ

石流「…先ほどのご無礼。誠に申し訳無い。小林殿」ペコッ

小林「いっいえ。僕の方は大丈夫ですので…」

石流「……お前は、まだ事の重大さが分かっていないようだな…こっちに来い!!」ズルズル

根津「うっうるせぇー!!そもそも俺は反対だ!!怪盗が!探偵の世話なんか――」ズルズル

小林「………」

姫百合「……なんだったのでしょう。今のは」

ネロ「気にする事ないよ小林。アイツは偶に癇癪起こす厄介者だから」ギロッ

シャロ「さすがの私も!今のは怒ります!」プルプル

コーデリア「そうよ!さすがに教官を侮辱されるのは我慢ならないわ!!」プンプン

エルキュール「酷い…です…!」ウルウル

小林「……ええ。ただ…」

小林「彼は非常に…何か思いつめていたように見えますね」


シャロ「思いつめ…?ネスさんが何を思いつめてたんですか?」

小林「うん。根津くんね。クラスメイトの名前は覚えておこうね。」

姫百合「…私も、見て分かりましたけど…」

姫百合「……一体、何を思いつめていたのでしょうか」

小林「うーん、でも…こればかりはプライパシーに関わる事だから」

小林「変に探りを入れたら、根津くんが可哀想だ」 ガシュゥウウンッ

小林「ん?……うわぁあ!!」

コーデリア「矢文!?」

シャロ「後数センチズレていたら!先生の目に当たっていました!!」

姫百合「それは報告しなくても皆さんも小林さんも分かります…」

小林「な…なんだろう?…僕宛なのは間違い無さそうだけど…」ゴソゴソ

シャロ「もっ!もしかしてラブレター!?」

ネロ「ェぇぇええええええええええええええ!?」

コーデリア「ェェぇェぇええええええええええええええええええええええええええ!!!??」

エルキュール「いっ…命を懸ける程の…本気……!」

小林「いや、さすがにそれは…」

ネロ「小林!返事はどうするつもり!?」

コーデリア「私も負けてられませんわ…学園の離れで栽培しているトリカブトを今持ってきます!」ダッ

姫百合「ちょっと待ってくださいコーデリアさん!!何でそんな物騒な物を栽培してるんですかっ!?」


小林「…とっとりあえず、恋文では無いみたいだよ。これ」ピラッ…

ネロ「そっ…そうなんだ」

コーデリア「……」ピタッ

エルキュール「……フー…」

シャロ「あの!それじゃぁ何なのですか!?それ」

小林「ええと…あて先は……」

小林「…かっ怪盗帝国…!?」

姫百合「っ!」

ミルキィホームズ「「「「ええええええええええー!!?」」」」

小林「……15時の生徒会長室で待つ……内容はこれだけだ」

ネロ「15時って……後15分も無いじゃん!」

姫百合「いっいくらなんでも急すぎませんか…?」

小林「…………」

シャロ「どっどうするんですかぁ?先生…」

小林「…内容では、人数は指定されていない」

シャロ「!」

小林「何故、怪盗帝国がこの学園の生徒会室を指定したのかは分からないけど、アンリエット会長はどうしたんだ?」

コーデリア「あれ?そういえば今日は見かけないですね」

ネロ「そういえば、今日は全く見かけない…」

シャロ「あれ?そうなんですか?風邪ですかね?」

エルキュール「…………」

小林「………まさかと思うが」

ミルキィホームズ「「「「………」」」」

ミルキィホームズ「「「「!!」」」」


【生徒会長室 11月25日 午後2時50分】



バンッ

ガタンッ

シャロ「アンリエット会長!!」

コーデリア「怪盗帝国!」

ネロ「御用だ御用だぁー!!」

エルキュール「アンリエット…会長を……解放…してください……!!」

姫百合「みっ皆さん!勝手に先に行かないでください!」

小林「これは罠かもしれない!だからここは用心に…って、あれ?」




ガラーン




小林「…誰も、居ない」


姫百合「…ええと、待ち合わせの時間よりも10分早いですからね」

シャロ「まさか!会長は既に攫われた後なんじゃ…!!」

コーデリア「それは無いわシャロ。この机の上を見なさい」

シャロ「はい!なになに……?ああ!「私は海外旅行に行った事にしておいてください」って書いてある紙が!」

コーデリア「そう!今、アンリエット会長は海外旅行に居るのよ!」

シャロ「そうなんですか!いいなぁー海外旅行」

小林「いやいやいやいや!!明らかに怪しいじゃないかその紙!!」

姫百合「…確かに、アンリエット会長の筆跡に似ていますけども」


ドタンッ


小林「……ん?」


オイ!ナンデアイツラアンナニハヤインダ!!

イツモハチコクバカリスルクセニ…ナゼコンナトキニ!!


ガタンガタンガタン


小林「何だ…?このロッカー」

ネロ「なんだか…動いて」



バタァアンッ



ラット「……はぁー…はぁー…!!」

ストーンリバー「ぜぇー…!ぜぇぇー……!!」

小林「うわっ!怪盗帝国!」ビクッ

姫百合「荒い息遣い…乱れた服装……」

ネロ「一体…中で何を…?」ヒクッ

ラット「変な想像すんじゃねぇー!!てめぇら来るの早すぎんだよ!!とことん俺達を舐めやがって!!」

シャロ「そんな事よりも!アンリエット会長をどこにやったんですか!?」

ラット「はぁあん!?んなもん!決まってんだろうがぁ!!会長は今留置…」

ガツンッ

ストーンリバー「…この学園の会長は今、海外旅行に行かれている。今回の件には関係無い」

シャロ「そ…そうなんですかぁー」ホッ

ラット「痛っってぇぇ……」シュゥゥ~

小林「いや、そのようにしてくださいって。この紙に書いてあるのですが」ピラッ

ストーンリバー「…………」

ラット「…んな紙の事は、どうでも良いんだよ」

姫百合「それと、いつもは三人でしたよね?どうして今は二人だけなのですか?」

ラット「それもどぉぉでも良いんだよ…!!」プルプル

シャロ「どうでも良くありません!もしかしたらもう一人入り口で見張ってるかもしれないじゃないですか!!」

ネロ「そーだそーだ!」

小林(あれ?もう一人は留置所で会ったと思うんだけど…)


ストーンリバー「ふむ、三人か。ならこれでどうだ。」パチンッ

スッ

ユタカ「…………」

姫百合「! …ユタカ!」

ストーンリバー「これで三人だ。文句は無いだろう」

コーデリア「なるほど、確かにこれで三人ですわね」

シャロ「これなら信用できます」

小林(これで良いんだ……)

ユタカ「…………」

小林「…それで、君達怪盗帝国が僕に何の用かな?」

ラット「はっ!探偵なら自分で考えな!」

ストーンリバー「……」ガツンッ

ラット「痛ってぇええ!!」

小林「…僕に宣戦布告でもしに来たのか?」

ストーンリバー「違う」

小林「なら、何か取引でもするつもりか?」

ストーンリバー「…貴様は、今日の新聞を見ていないのか?」

小林「新聞…?そういえば、今日のポストに新聞が入ってなかったな」

シャロ「あっ」

ネロ「あっ」

コーデリア「あっ」

エルキュール「………」


小林「…え?何?君達さっきの”あっ”って」

エルキュール「………」

シャロ「わっ悪気は無かったんです!私達!先生が帰ってきてから張り切っちゃって!」

コーデリア「事務所の窓を全力で綺麗にしていました!新聞紙で拭くと綺麗に落ちて!」

ネロ「そんで…終わった後は庭で燃やして焼き芋パーティ」

コーデリア「ちょっとネロ!」

姫百合「…………」

小林「……すみません。見ていません」

ストーンリバー「…まぁいい。我々の今回の目的は…」


ガバァッ


小林「っ!?」

ユタカ「お願いします……小林……オペラ……さんっ!」

ユタカ「どうか……アルセーヌ様を…助けてください…!!」

ネロ「ええっ!?どっ…土下座ぁ!?」

姫百合「ユタカ!?一体どういうこと!?」


コーデリア「それに…アルセーヌを助けてって!私達は探偵なのよ!?」

ラット「分かってんだよ!だから馬鹿馬鹿しいんじゃねぇか!!」

ストーンリバー「ラット!!」

ラット「でもなぁ!!他に頼れる奴が居ねぇえんだよ!!怪盗だからって!その理由で弁護につかねぇ弁護士だらけでなぁああ!!」

ラット「そんなもの!当然弁護資格の持つ探偵も受け持ってくれねぇだろうからよぉ!!」

ストーンリバー「……確実で、我々が知りうる限りアルセーヌ様を救える可能性の一番高い弁護士が…」

ストーンリバー「…お主しか居なかったのだ……」

ネロ「…なんだよその勝手な理由!!アンタらが勝手にヘマをして掴まっただけじゃん!!」

コーデリア「散々悪事を働いておいて…掴まったら弁護しろですって!?図々しいにも程があるわ!!」

小林「彼女達の言うとおり、僕も君達の怪盗としての悪事を弁護するのは不可能だよ…」

ユタカ「……その事を弁護する必要はありません…。それはアルセーヌ様も僕達も分かっている事ですから…」

小林「…え?」

姫百合「…それじゃぁ小林さんは、アルセーヌの一体何を弁護すれば良いの?」

ユタカ「…………”殺人”です」

小林「…さっ」

小林「殺人っ!!?」


→【怪盗アルセーヌの殺人】


シャロ「あっアルセーヌが人を殺しちゃったんですかぁ!?」

ラット「んなわけ無ぇだろうが!!」

ストーンリバー「…だが、アルセーヌ様が殺人の容疑にかけられているのは事実」

ユタカ「…実際に、昨日現場で死者が出ましたし……」

小林「その…詳しい事は」

ストーンリバー「今日の新聞を見れば良かろう」ピラッ

小林「あっ…どうも」


証拠ファイル①11月25日の新聞

【神奈川県立歴史博物館の4階で怪盗アルセーヌが深夜2時10分頃に殺人を犯した事が記されている】


ネロ「うわっ!本当に載ってるよ!」

エルキュール「こんな…顔の……アルセーヌ…初めて…見た……」

姫百合「…本当に酷い顔ですね。事件当日何があったのでしょうか」

小林「………」

小林(この……顔)


北芝≪まぁこれは可能性としては低いから…”事故”と考えましょう≫

北芝≪被害者はついウッカリ、足を滑らせてしまったの≫

北芝≪当然、被害者は自分自身のトイズが分かっているから何とかしようとした≫

北芝≪でも、被告は助けようとしたのか。殺意があったのか。それとも気が動転していたのか≫

姫百合≪ああ…ああああああ……≫

北芝≪自分のトイズを、ウ ッ カ リ 使 っ ち ゃ っ た とか≫

姫百合≪ああああ…あああああああああ≫

北芝≪つまり≫

北芝≪これだけ証拠品と証言が揃えば!どう転んでも、殺したのは≫

北芝≪被告人である事に絶っっ対に揺るがない!!!≫

姫百合≪あああああああああああ!!あああああああああああああああああああああああ!!!!!≫

姫百合≪ああああああ…あ………≫

姫百合≪………≫バタリ



小林(あの時の…姫百合くんの顔と…同じだ)


ストーンリバー「…我々がアルセーヌ様に会おうとしても…アルセーヌ様は面会謝絶…!」

ラット「なんとかアルセーヌ様から手紙を貰えたと思ったら…俺達との別れの挨拶」

ユタカ「トゥエンティさんは、そんなアルセーヌ様に会いに自ら掴まりに行ったら…違う留置所に連れて行かれて」

小林「あっ、それそういう意味だったんですね?」

ラット「猥褻物陳列罪と殺人罪とじゃぁ比べるまでも無えからな」

ストーンリバー「アルセーヌ様に会いに行く為に…何度そこら辺の生徒をこの刀で叩き切ろうかと思った事か…!」ギリッ

エルキュール「ひっ!?」ビクッ

小林(ここで断ったら、本当に叩き斬って来そうだ…)



→【事件について】


小林「この事件の被害者は、誰か分かるかい?新聞に載ってないんだけど」

ストーンリバー「うむ、俺も詳しくは知らないが…確か博物館の学芸員だった気がする」

ラット「待てよ、こいつ本当に受けるのか聞いて無えじゃねぇか」

ストーンリバー「しかし、彼は探偵…」

ラット「部外者に情報を漏らすなよ!!教えるならこいつが怪盗の依頼を受けると聞いてからだ!!」

小林「…………」

ラット「おい、どうなんだ小林少年!アルセーヌ様を助けるのか!?見捨てるのか!?探偵はどっちを選ぶんだよ!」

シャロ「……」

ネロ「ちょっと待ちなよ!本当にアルセーヌが殺人をしていないって証拠はあるの!?」

ラット「だからしてるわけ無えっつってんだろ!!」

コーデリア「そんな言葉だけの証拠じゃ分からないでしょ!現に警察側はアルセーヌが殺人を犯した証拠があるから逮捕したんでしょう!?」

ユタカ「それは…貴方達探偵が現場を調べないと分かりません…」

ネロ「結局人任せじゃん!そもそも、殺人していないと証明した所で、アンタ達は怪盗なんだよ!?」


ストーンリバー「………」

コーデリア「そもそも!探偵が怪盗の弁護なんて―――」

ユタカ「僕だって!!!」

姫百合「!」

ユタカ「僕だって……僕達だっておかしいと思ってますよ!!」

ユタカ「例え!殺人の冤罪を被っていたとしても!怪盗が探偵に助けを求めるなんて!!」

ユタカ「でも…でも…!もうこれしか方法は無いんです……」

ユタカ「アルセーヌ様も意気消沈…面会も絶対謝絶……殺人罪のサイコパス専門の留置所は脱出不可能……!!」

ユタカ「もう……僕達は…例え醜いと分かっていても……!敵に助けを求めるしか無いんです!!」

ユタカ「もう一度…言います。アルセーヌ様を……助けて…ください……!」

小林「…………」

小林「……」

小林「…………本当に、良いんだね?僕に任せても」


ユタカ「………」

小林「……分かりました」

小林「受けましょう。アルセーヌの弁護を」

シャロ「!?」

ネロ「!?」

コーデリア「!?」

エルキュール「!?」

姫百合「……!」

ラット「っ!!」

ストーンリバー「!!」

ユタカ「…ほっ…本当ですか…?」

小林「ええ。しかし、僕がやるのは彼女の弁護ともう一つ」

小林「この事件の真実を、突き止める事です」

小林「結果がどうあれ、真実は常に変わりません。覚悟だけはしておいてください」

ストーンリバー「………すまない…」

ババッ

ストーンリバー「恩に着る…!!」


ネロ「ちょっと小林!?本気なの!?怪盗の弁護をするって!」

コーデリア「そっそんなの…例え勝訴したとしても!敗訴したとしても!教官にメリットなんて何一つありません!!」

エルキュール「最悪……追放……処分……」

シャロ「……先生」

シャロ「怪盗アルセーヌを……助けられるんですか?」

小林「ああ、この事件でもしアルセーヌが殺人を犯していなかったとしたら人を殺した真犯人が居る事になる」

小林「そんな奴を野放しにすればどうなるか、考えられない事じゃない」

ラット「………」

コーデリア「…きょっ教官がそう言うのなら…」

エルキュール「………しょうが…ありませ」

ダンッ!!

ミルキィホームズ「「「「!」」」」ビックーン

ストーンリバー「!」

ユタカ「!」

小林「………」

ラット「…おい、名探偵小林。よく覚えておけ」

ラット「お前はそれで良いかもしれねぇが、俺は真実がどうあろうとアルセーヌ様が救えなかったら納得いかねぇ」

ラット「もし、アルセーヌ様に殺人罪を被せられるような事があったら…」

ラット「この俺が!サイコパスになってでもテメェをぶっ殺してやるからな!!!!」ダンッ

小林「………」

小林「…好きにすると良い」スタスタスタ

シャロ「あっ!待ってくださいよ先生ー!!」トテトテ

ネロ「小林ー!」タッタッタ

コーデリア「教官!」カツンッカツンッ

エルキュール「小林さん…!」タンッタンッタン


バタンッ







ラット「………」

ストーンリバー「…ラット、いくら相手が探偵とは言え。あの態度は無いだろう」

ユタカ「そうですよ!いくら敵だとしても、アルセーヌ様を救える唯一の方法なんですから!」

ラット「…………」

ラット「ケッ」






【神奈川県立歴史博物館 4階  11月25日 午後3時34分】




小林「現場はここっ……かっ………!?」

エルキュール「ひぃ…ひっ!!!」

シャロ「なっ…なん……ですか?この……おびただしい量の血は…?」

コーデリア「……炭とニトログリセリンの臭いが少しだけします」

ネロ「…それじゃぁ、絶対被害者は碌な死体じゃないよね…?」

姫百合「……酷い……この……血の量は…!」

小林(……壁に飛び散ったと思われる肉片と内蔵が付着している…)

小林「一体…どれほど大きな爆発を喰らったんだ…?被害者は……」


神津「…やはり来たか、小林」

小林「この声は…神津!」

神津「と言っても、この事件はお前の出る幕は無いと思うが」

小林「えっ?…ええと、それじゃぁやっぱり警察は…怪盗アルセーヌを疑っているのか?」

神津「…………」

シャロ「そっ!そう決め付けるのはまだ早いんじゃないですか!?ねぇネロ!」

ネロ「えっ?あっ!そうだよ!アルセーヌの一体どこが爆発すればこんなに飛び散るのさ!ねぇコーデリア!」

コーデリア「えっ私!?ええとそうね……このおびたたしい量の血!人間の身体全てから血液を搾り出さない限りで無いわよ!ねぇエルキュール!」

エルキュール「えっ?ええ!?えええ……ええええええええええええ~~!?」

神津「…………」

神津「…怪盗が殺人を犯すケースは決して珍しくない」

小林「!」

神津「その場合はサイコパス事件として扱うが、我々は怪盗アルセーヌをサイコパス殺人者と断定している」

神津「彼女には怪盗としての罪状もあり、犯人と仮定した上で捜査をしても全く問題が無い」

小林「うぅ……」

神津「だから、弁護する相手は選べ。小林」

小林「………やっぱり、見抜かれるか」

姫百合「神津警視には…敵いませんよね」ハァ


小衣「今は警視正よ!!姫百合!!」ダンッ

シャロ「あぁー!!ココロちゃぁーん!!」

小衣「ココロちゃん言うな!!…っていうかアンタら何してんのよ!!」

ネロ「それはこっちの台詞だよ!G4って、怪盗専門の警察チームじゃかったの?」

小衣「そうよ?何か問題でも?」

コーデリア「この事件はサイコパス殺人…どう考えても矛盾しているわ!」ビシィッ

小林「いや…特に矛盾はしていないよ?」

シャロ「ええー!?どうしてですか!?」

次子「おっす!アンタらも来てたのか!あたしらも仕事でさぁ!」

平之「今回は怪盗が絡んでいる事件ですからね。前回何もできなかった分、私達も頑張りますよ」

咲「しっかし、凄い血の量~生臭ぁ~。怪盗が絡んでなけりゃぁ、今日一日ゴロゴロ出来たのにぃ~」

小衣「咲!愚痴垂れるんじゃないわよ!折角念願の警視と捜査が出来るのよ!張り切りなさい!!」

エルキュール「……あっ…」

コーデリア「そういえば…被告人は怪盗…でしたわね……」

小林「……そういう事」


小林「それで神津、この事件について知りたい事が山ほどあるんだが…」

神津「………」

小衣「はぁ!?探偵に教える事なんて何一つ無いわよ!放っておいても私達が解決するんだからアンタらはとっとと帰りなさい!シッシ!」

神津「小衣」

小衣「はいはぁーい!何ですか警視ー♪」

神津「黙って捜査をしろ」

小衣「えっ………?」

神津「それで…この事件の情報だったか、小林」

小林「ああ、まずはこの事件で殺された被害者の名前を…」

小衣「ま…待ってください警視!いや警視正!小衣は…小衣は部外者を追い出そうとしただけで…」

神津「聞こえなかったのか?黙って捜査をしていろと言ったのだ俺は」

小衣「…………………はい」トボトボ…

小林(凄く…哀愁漂う背中だな小衣くん)

小林(ちょっと悪い事したかな…?)


→【被害者】

神津「被害者はこの博物館で学芸員として勤務していた 松本ゲイシー(25) 」

神津「死因は…恐らく爆発物の類である事は間違いないだろう。遺体がほとんど形として残っていない」

小林「この床一面に広がっている血は全て被害者の物なのか?」

神津「それは間違いないだろう。鑑識も血液は被害者の血液型と一致していると判明した」




証拠ファイル②松本ゲイシーの解剖記録

【死因は爆発物による衝撃。右手と脊髄がまだ見つかっていない】





次子「しっかし本当に酷いなこれ。電子レンジに卵入れたみたいな事になってるぞ」

平之「被害者であるアルセーヌにも、臓物や被害者の首が手に絡まったりしていましたからね…」

ネロ「うっ!……気分悪くなって来た…」

コーデリア「今日の晩御飯…食べられないかも……」オエッ

シャロ「ううう~…晩御飯…楽しみにしてたのにぃ…」

エルキュール「気持ち……悪い………」プルプル

小林(そこまでの食い意地なら問題ないと思うけど)


姫百合「しかし、本当に至る所に血が飛び散っていますね。天井にまで血痕がありますよ」

小林「…爆発物と言ったな?神津」

神津「ああ」

小林「その…爆発物というのは、具体的にはどういうものだ?」

神津「…実際に、爆発を起こせるトイズの犯行だとしても。ニトログリセリンを発火させた物とは余り変わらん」

神津「だが爆発物となれば残骸が見つかる筈なのだが…それらしき物はまだ見つかっていない」

神津「まるで、身体の中に爆弾があったかのようにな」

小林「…!そ…それって!」

神津「いや、トイズの犯行かどうかはまだ不明だ

神津「怪盗アルセーヌのトイズは、爆発を起こせるような物では無いからな」

小林「…………」


→【事件当日の事】


小林「神津、事件当日に何が起こったんだ?」

神津「……それは」

神津「明日の裁判に出席する証人に聞いた方が早いだろうな」

小林「ええ!?それじゃぁ…明日の裁判になるまで分からないのか!?」

神津「いや、前回の事件と違い今回は犯人が明確で目撃者に問題も無い」

神津「今は事情聴取を受けているが、今回の事件では証人との接触は許可されている」

姫百合「え……?」

小林「そっそうか。それなら前回のように情報が足りないまま裁判に出る事は…」

姫百合「ちょっちょっと待ってください!?神津警視正!」

神津「なんだ」

姫百合「私の裁判の時!弁護側には証人の事前聴取が無かったのですか!?」

神津「ああ。北芝検事の要請と証人に問題があったからというのもあるが」

姫百合「…………」

ネロ「なんだよそれー!そんなの聞いてないぞ!」

コーデリア「そんな弁護側に不利な状況で!教官は裁判に出席していたのですか!?」

神津「…否定はしない。警察側の落ち度だ」

小林「……さすがにあの時は参ったよ」

シャロ「酷いです!ヒメちゃんが最悪、死刑囚になる所だったんですよ!?」

姫百合「いっいえ、それでも小林さんが無罪判決を勝ち取ってくれたので…」

ネロ「そーだ!そんな状況でも小林は勝ったんだよ!ざまーみろ!」

神津「……………」


小林「…ええと、神津からは聞けないのか?この事件について知っている事を」

神津「……目撃者が二人居ると言ったな」

神津「一人は、モニター室から見たそうだ。そしてもう一人は」

神津「……”現場”で見たそうだ」

小林「…っ!!」

シャロ「げ…現場!?アルセーヌが人を殺した瞬間を見た人が居るんですか!?」

神津「そういう事になるな」

姫百合「小林さん…これ、大丈夫なんですかね?とてもアルセーヌが冤罪だとは思えないのですが」

小林「…例えアルセーヌが殺人を犯していたとしても、真実を探っていけば」

小林「何かしらの救いはあるんじゃいかな…ははは…」


→【爆発痕】


小林「ここが爆心地みたいだね…」

エルキュール「凄く…黒いです…」

ネロ「こんなに飛び散っていたなら、アルセーヌは大丈夫だったの?」

小林「そういえばそうだね。…神津、アルセーヌは5体満足なのかい?」

シャロ「っ!?」

神津「信じられない事に、身体的に怪我はほとんど無かった」

小林「そっそうか…。それは良かったよ」ホッ

神津「だが、それが決定的となり。この少数な証拠だけでも検察側は殺人容疑の立証が可能となった」

小林「うっ……」

神津「遺体はバラバラで解剖はほとんど無理に近かったが…」

神津「見つかった遺体を解析した所、背骨脊髄もろとも背中の肉がごっそり消失している事から被害者の背から爆発したと思われる」


証拠ファイル③爆心地

【被害者の背中から爆発。背骨と脊髄が消失する程の威力だった模様】


シャロ「うう…聞けば聞くほどグロイ死に方です…」

姫百合「…あっあの、現場には被害者の血と肉以外に何か手がかりとか無かったんですか?」

神津「いや、特に見当たらなかった。」

小林「…………」

コーデリア「…っえええー!?そんな!こんなの証拠が少なすぎるじゃない!!」

小林(確かに、見渡してもそれらしき怪しい所は無いな…)

神津「今回の事件は、不自然な箇所も謎も少ないストレートな現場だ」


神津「それでもお前は、被告人を信じるつもりか?」

小林(…………)

平之「…え?あの、貴方達…もしかして」

シャロ「………」

ネロ「………」

コーデリア「………」

エルキュール「………」

次子「…あー…マジか?」

平之「そっ…そんな…」

平之「今からでも遅くありませんよ!?こんな、どう捜査しても被告人が絶対に有罪になる事件なんて!今すぐにでも降りるべきです!」

咲「それに、怪盗を弁護してもあんたらにメリット無いじゃん?一体何考えてるわけ~?」

シャロ「ううう…」

小衣「…何?あんたらまさかだけど、怪盗アルセーヌの弁護につくつもりとかじゃないわよね?」

ネロ「…そのまさかだよ」

小衣「…………」

小衣「……はぁっ!?」


小衣「馬鹿!?アンタ達そこまで馬鹿なの!?あのねぇ!この事件はどこをどう捜査しても100%被告人が有罪なのよ!!」

小衣「どんな矛盾があったってねぇ!動機が”怪盗だから”で済まされる弁護側には超不利な裁判が待っているのよ!?自分から死にに行くつもりなわけ!?」

姫百合「確かに不利ですが…本当にアルセーヌが殺人を犯したのでしょうか?」

小衣「それを抜きにしてもアルセーヌには罪状がある!あのババア検事が居たならこう言うわね」

小衣&北芝「「そんなもの、関係無いわ」ってね!」

小衣「…………」

北芝「…………」

小衣「…勝手に私の台詞とハモるんじゃないわよ!!このクッソババァアアア!!!」ゴオォオオオオオオ

北芝「はぁああ!?私が言おうとしたらアンタが勝手に言ったんでしょうが!このガキ!!!」

小衣「はぁあーん!聞こえませぇーん!!敗者の台詞なんて全っ然聞こえませーん!」ツーン

北芝「ふんっ!あんな裁判。カウントにも入らないわ!」

北芝「それに連続記録が途切れたとしても、処刑台に送ってやった罪人の数が149人なのは変わりないわ」

北芝「あと…」チラリ

小林「………」

北芝「…あいつら。向こうから私に負けに来てくれたみたいだしねぇ…」ニタァ…

姫百合「…………」


ネロ「僕達を煽る前に、一つやる事があるんじゃないかな?」

北芝「………は?」

コーデリア「とぼけないで!この前の裁判の事!忘れたとは言わせないわ!」

シャロ「ヒメちゃんをあんな酷い格好のまま留置所で拘束した挙句!ヒメちゃんに濡れ衣を被せて殺人犯にしようとした事!私達絶対に忘れません!!」

エルキュール「……酷すぎる…!!」プルプル

北芝「……………」

北芝「……あんた誰よ」

姫百合「……え?」

シャロ「!!」

ネロ「自分で裁こうとした奴の名前も忘れてるの!?あのサイコパス事件の被告人だよ!!」

北芝「被告人?……ああ。悪いけどあの事件の事は忘れる事にしたわ」

ネロ「なっ………」

北芝「そもそも、初めて負けた裁判もあの時だけだし。覚えていてもしょうがないでしょう」

北芝「というより今回の裁判で関係無い事は基本的に記憶から除外する事にしてるのよ。私を謝らせたかったら、被告人が有罪になるまで待ちなさい」

コーデリア「…いっ」

コーデリア「いくらなんでも…酷すぎるわ…!」

小林「北芝検事…さすがにそれは無いんじゃ…」

小衣「諦めなさい。このババアは年故に記憶力が劣化してるのよ。期待するだけ無駄よ」

北芝「ふーん。さすがは若干13歳でハーバード大学卒業した天才少女は違うわねー。本当嘘みたいな経歴よ」

北芝「本当、詐欺師に向いてるんじゃないかしら?明智警部さん?ん?」

小衣「証拠品を捏造してるあんたにだけは言われたく無いわね!」

北芝「残念だけど、私が証拠品を捏造した覚えなんて一つも無いわ」

小衣「はん!どうかしらね!?私の経歴よりもずぅーっと怪しいと思うけどぉお!?」

北芝「はぁああん!?やんのかガキィ!!」

小衣「やってやるわよこの野郎ぉぉぉおおおお!!!!」ペチンペチンペチン

北芝「痛いっ!痛いじゃないのよ!」ゲシゲシ

小衣「ふんっ!ふんっ!!」バンバン

北芝「おらおらおらおらおらぁ!!」グリグリグリグリ

次子「あー…またやってるなぁ」

平之「飽きませんねぇ。あの二人も」

小林(本当に、子供の喧嘩だな)


神津「…………小衣」

小衣「! はい!!」ピタッ

神津「北芝検事」

北芝「はい!何かな神津くん!」ピタッ

神津「黙ってろ」

小衣&北芝「「………え?」」

神津「それか帰れ。どの道一通りの鑑識は済んでいる。帰って貰っても俺は構わないぞ」

小衣「…ちょっちょっと待ってください警視!そもそもこいつが!!」ビシッ

北芝「何よ何よ!アンタが私を煽ったりするから悪いんでしょ!?アンタが全部――」

神津「聞こえなかったのか?」

神津「”黙る”か、”帰れ”と言ったんだ俺は」

小衣&北芝「「………」」

小衣&北芝「「…はい」」ションボリ

小林(なんだか神津が幼稚園の先生に見えてきたな)


北芝「……それよりアンタ、怪盗の弁護をするんですって?」

小林「え?ああ…まぁ、そういう事になったのかな」

北芝「本当に弁護するつもりなら、私の輝かしい検事暦にも箔がつきそうだから問題は無いけど」

北芝「断言する。アンタは100%負けるわ。だって、この事件に関しては負ける気が全くしないもの」

小林「………」

北芝「そりゃぁ仕方無いわよね。だって怪盗が殺人を犯すケースなんて珍しくも無い。それどころかありふれている」

北芝「このような事件で弁護側が勝つ裁判なんて。私が関わっていなくても今までで一つも無いわ!」

北芝「それに裁判だって怪盗を牢獄に入れられるのなら、結果的にどう転ぼうが有罪の方が有益!」

北芝「万が一、被告人の怪盗が殺人を犯していないとしても!100%殺人罪は被せられるでしょうね!!」

小林「…………」

コーデリア「そんな……酷い……!」

シャロ「ココロちゃーん!どうすれば良いんですかぁー!?」

小衣「ココロちゃん言うな!!…今回の所は、このババアが正しいわ。怪盗が殺人を犯していようがいまいが関係無い」

小衣「ほぼ間違いなく、怪盗アルセーヌはサイコパス殺人の罪に問われるわね。怪盗相手に私達も裁判も慈悲を与えないわ」

北芝「そもそも、怪盗が被告人の裁判に探偵が弁護として立つなんて聞いた事すら無いわ。怪盗仲間が弁護士の振りして弁護する事はあるけど」

北芝「どれも悲惨な結果に終わってるしねぇ…クックック…」

小林(………勝てない?)

小林(本当に……そうなの…か?)

小林(…いや、勝てないだけならまだいい。僕が本当に恐れているのは……)

北芝「まぁ、せいぜい結果の変わらない裁判で頑張れば良いわ」クルッ

小林(そんな、怪盗の先入観と有益な事ばかり考える人たちによって…)

小林(この事件の真実が隠されてしまうことだ)

シャロ「……先生ぇ…」

ネロ「小林……」

コーデリア「教官……」

エルキュール「小林……さん……」

姫百合「…………」


小林「……神津」

小林「この事件の目撃者って、今どこに居るんだ?」

ミルキィホームズ「「「「!!」」」」

次子「おっ…おいおい正気か!?さっきの話聞いていただろ!?」

平之「例えどんなに証拠を集めても!裁判で闘っても!結果は変わらないんですよ!?」

小林「そうだとしても、僕はこの事件の真実を知る必要があります」

咲「…ふぅーん……なんだか良く分かんないけど…探偵も大変だねぇ~…」

小衣「………」

神津「……………」

小林「さぁ神津、教えてもらうぞ。今回の事件なら会わせてくれるんだろう?」

神津「…………」

神津「…モニター室は1階。そこに一人と、もう一人は屋上に居る」

小林「……分かった」

神津「せいぜい頑張れ。満足するまでな」

小林「行こう。皆」スタスタスタ

シャロ「は…はい!」タッタッタ

ネロ「やっぱりそうこなくっちゃね」テクテクテク

コーデリア「どこまでもついていきます!」スタンスタンスタン

エルキュール「ええと…頑張り……ます…!」トボトボトボ

小衣「…………ふん」

小衣「どうせ、無理だと思うけど……」

神津「……………」



【モニター室 11月25日 午後4時2分】





小林「ここが…モニター室…かな?」

小林(凄く散らかってるような…ん?何だこの大きな箱)

ネロ「ケホッ!ケホッ!…なんだよこれぇ、煙いよぉ小林~」ケホケホ

コーデリア「こんな所に…ケホッ本当に人が居るんですか?教官」ケホケホ

姫百合「…凄い埃ですよ?まるで長年人が居ないかのようなんですが」

小林「いやさすがにそれは無いと思うんだけど…何の為のモニター室?ってなっちゃうし…」

シャロ「ケホケホッもしかしたら、この埃に埋もれてるのかもしれません先生!」

小林「だとしても、扉をノックした時点で返事が返ってくると思うんだけど…」

姫百合「じゃぁ、やっぱり居ないんじゃないですか?人」

小林「そうなのかなぁ…?」

シャロ「鍵もかけないで無用心な証人ですね!おーい!事件の目撃者さーん!」パカッ

小林「シャーロック。勝手に他人の冷蔵庫を空けないように……」

シャロ「うわぁあああああ!!上から何かが降ってきましたぁー!!」ボトボトボトボトボトボト

小林「シャーロックッ!?」ビクッ

ネロ「うわぁ!シャロが大量の本の下敷きに!!」

コーデリア「今すぐ助けないと!!…って、な…何?これ……」


姫百合「!!」

エルキュール「あ……あう……////////」

小林「…………」

小林「…こっこれ……」

姫百合「…おっ」

姫百合「男の人と男の人がが…全裸で……///////」




ガタンッ


???「だぁー!!うるさい!!静かにしなさいよ!!私は今!集中してるって言ってるでしょうがぁぁああああああ!!!!」バァァアアンッ

ネロ「うわぁああああ!!箱から人がぁあああ!!」ビックゥゥウ

コーデリア「ぎゃぁあああああああああ!!!!」ビックゥウウウ

姫百合「っ!」ピクッ

小林「えっ!?あ……その……」

???「………って?あら?」

???「…………あれ?あのイケメン警視正君は?」

小林「……え?」


???「……あー……」

???「私…また、やっちゃったかぁー。冬コミの締め切りなんてまだまだなのに…ちょっとそこの緑!!私の本に触るんじゃないわよ!!」

エルキュール「ひゃぁあうっ!!」ビクビクッ

小林「え…ええと、その……」

???「…まぁーいいか。明日の裁判まで後19時間くらいあるし。今日中に完結させようかね」ガコガコ

小林「あのっちょっと!!箱に戻らないでください!!」ガシッ

???「あんー?……あれぇ?そういえば、アンタら誰?」フラフラ

小林「あっえっと。……」

小林(…あまりの強烈な登場に、一瞬自分の名前が思い出せなかった……)



バラバラバラ


シャロ「私達は!先生が率いる探偵団!その名も!」

ミルキィホームズ「「「「ミルキィホームズです(だ)(で…です)(ですわ)!!」」」」

???「あっそ、で、そっちは?」

姫百合「……普通は、申した人から名乗るべきだと思いますが」

???「んー?…ああ、そっかそっか」

???「確かー…私の名前は」

シャロ「ちょっちょっと待ってください!それだけですか!?」

コーデリア「私達!ミルキィホームズの名前を知らないのですか!?」

ネロ「良くも悪くも有名だよ!僕達!」

エルキュール「あの…この本……貴方が……?/////」

小林「ちょっと君達も落ち着いて…」


???「ミルキィホームズ?正直私、興味無い事は覚えないのよ」

???「んで、私の名前だっけ?私の名前は腐藍子女(17)っていーまーす」

腐藍「どーぞよろしくー……さてさて、続きを…」イソイソ

小林「あの!勝手に箱に戻らないでくれますか!?姫百合くんと僕の自己紹介もまだですし」

腐藍「えー…?今、バリバリインスピレーション湧いてる時に横槍刺して欲しくないんだけどぉー」

姫百合「……小林さん私は良いです。この人に自己紹介しても無駄な気がします」

小林(僕もちょっとお腹が痛くなってきた…)

小林「……ええと、腐藍さん?貴方…今日の深夜に事件を目撃したと聞いたのですが」

腐藍「んー?……あー……」

小林「…………」

腐藍「おー…ええとー…」

小林「……腐藍さん?」

腐藍「…………」

腐藍「……で、何だっけ?」

シャロ「話、聞いて無かったんですかっ!?」


小林「いやあの、昨日の事件の事なんですけどね?」

腐藍「…………」

腐藍「あやー…ごめん。私、今書きたい話の事ばかりで頭いっぱいで、余計な事考えられないんだわー」

小林「え…ええー…」

腐藍「まぁ、トイズでパパッと終わらせるから。ちょっと待ってクレメンス」イソイソ

腐藍「………」

コーデリア(…教官、彼女一体何してるんですか?)ヒソヒソ

小林(いやぁ…その。僕もちょっと分からないかな)ヒソヒソ

エルキュール「…………」

ネロ(そもそも、何だかちょっと偉そうなんだよアイツ。小林、何とかなんないの?)ヒソヒソ

小林(なんとかって…具体的に何かな?)ヒソヒソ

エルキュール「…あっあの……」

ネロ(こう、こめかみ辺りにグーで…)ヒソ

小林(物理的に!?普通に犯罪だよそれは!)

シャロ(でも、このままだと話が進まないですぅ~!)ヒソヒソ

小林(ううん…でも、トイズでパパッと終わらせるって言ってるから、そんな追求は…)

小林(……え?トイズ?)

エルキュール「こ…小林さん!」

小林「ん?どうしたんだいエルキュール」

エルキュール「こ……これ……///////」スッ

小林「…これ、先ほどシャーロックが下敷きになっていたやおい本だね。それがどうしたのかな?」

シャロ「私、この男同士が裸で抱き合ってる本に潰されてたんですか!?」

ネロ「ええとタイトルは……”真夏の夜の淫らな夢……第4章…爬虫類と野獣”」

エルキュール「タッタイトルは今関係無くて……/////…作者の……方…/////」

コーデリア「作者?……これ、全部”腐乱淑女”って人が書いてるみたいね」

姫百合「腐乱淑女?」

小林「…このペンネームって、まさか」

腐藍「うっがぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああ!!!!!」バコォオオオオオンッ

小林「!」

姫百合「!」

シャロ「!」

ネロ「!」

コーデリア「!」

エルキュール「!」


腐藍「…はぁー!…はぁー!!」

小林「あ…あの?どうかなされました…?」

腐藍「どうもこうも無いわよ!アンタ達が私の執筆作業を邪魔してくれたおかげで!これからの展開が行き詰っちゃったじゃない!!」バンバン

腐藍「これじゃぁトイズの力も役に立たないわ!どうしてくれるのよ!!」バンバン

小林(そんな事言われても…)

姫百合「それじゃぁ、私達に今回の事件で貴方が目撃した事を教えてくれませんか?」

腐藍「はぁ!?どうして私がムカついてる時にアンタ達に昨日の事を教えなきゃいけないわ!今はそれどころじゃないのよ!!」

腐藍「明日の裁判までに!この”迫真野球部 銀髪の天使とセンチュリー車の悲劇”を描き終えたいの!それをアンタ達は邪魔をしてぇ……!!」

腐藍「出てけ!!私の気が散る!!とっとと出て行きなさいこの疫病神共!!」フー!フー!!

ネロ「なんだなんだー!僕達は事件の事を聞きに来ただけなのに!!」プンプン

小林(どうやら彼女は漫画家のようだな…。だとしたら、何でここに居るんだ?)


→【自己紹介】


小林「…そういえば、僕の紹介がまだでしたね。」

腐藍「知るか!とっとと出て行け!!私は忙しいのよ!明日までにこの原稿全部終わらせたいんだから!!」

小林「あはは…その、すみません…」

シャロ「先生!負けちゃ駄目です!こういう時は怯えちゃ駄目ですよ!」

コーデリア「そうです教官!もっとガツンと言ってやってください!」

小林(頼むからこれ以上、この人を刺激しないでくれ…)

腐藍「ああもう!どうすれば良いのよ…野球部が黒いセンチュリーにぶつかったのは良いけど、ヤクザに掴まってヤクザの人たちとお風呂に入って…ヤクザの人たちの身体を洗いっこしてお風呂で犬のポーズをして…お風呂から上がったら皆でビール…」

腐藍「この後!どう展開すれば良いのよぉ~!!あああああああああ!!!!」

小林(内容が全然分からない)

腐藍「ヤクザの人たちを昏睡させて地下室で縛る…?いえ、それは4章でやった。ああああああ!!もうどぉしよぉおおお!!!!」ブンブン

小林(もういいや…帰ろう)

小林「あの…お邪魔してすみませんでした。何かお話する事があれば、また僕達に声を掛けて下さい」

小林「神津に僕の名前……”小林オペラ”って言えば。また僕達に話する機会がありますので」

腐藍「……」ピタッ

小林「では、これで…」

腐藍「ちょっと待って」ガシッ


腐藍「あんた、今小林オペラって言った?小林オペラって、あの小林オペラ?」

小林「あ、知っては居たんですね。多分、それで間違い無いと思います」

ネロ「ちぇっ、やっぱり小林の方が知名度は上かぁ」

コーデリア「さすがの貴方も、教官の事は知っていたようね!」ビシッ

腐藍「ちょっと黙ってて!」カッ

ネロ&コーデリア「「!」」ビクッ

腐藍「…それで、あのイケメン銀髪若警視正とお知り合いなのですか?」

小林「え?あ、はい。高校の時の同級生でして…」

腐藍「…………」

小林「……?」

腐藍「……ソコデシンユウノコバヤシクンガタスケニキタ…ケドモヤクザノタゼイナセイリョクニハカテズコバヤシクンモヤクザノヒトタチノエジキニナッテシマウ…」ブツブツ

小林「あの、腐藍さん?」

腐藍「ギンパツノテンシハコバヤシクンノソノスガタニフカクニモボッキシヤクザガソレヲフクムヨウナワライデシテキシテフタリデヤレトキョウヨウサレテ…フヒ…フヒヒヒヒ」ブツブツクスクス

小林「腐藍さん?」

腐藍「ソシテフタリハコイニハッテンシテ……フヒッフブフゥッヒヒヒヒッヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ」ククククククククク

姫百合「なっ…何だか様子がおかしくなり始めましたよ!?」

シャロ「こっ!怖いですぅ!先生ぃ~!!」ギュッ

腐藍「ケヒヒヒヒ…いける!これならイケルわぁ!!」ガバッ


バコーンッ


ネロ「また箱の中に入った…」


ティロン♪


コーデリア「えっ!?この音と光は……まさか」

エルキュール「トイズ…!」




バコォオオンッ


腐藍「出来たぁぁあああああああああああああ!!!出来たわぁ!!傑作が出来たぁあああ!!!」ピョンピョン

小林「え?ああ……そうなのですか」

腐藍「そうよそう!アンタが小林オペラと知って!銀髪イケメン君が親友関係にあると聞いて!思いついたのよこの展開が!」

腐藍「これぞ!近年稀に見る大傑作よぉおおおお!!!」ピョンピョン

シャロ「傑作ですか?面白そうですー!見せてください!」

腐藍「えー?まだ冬コミには早いけど…仕方無いなぁー/////」スッ

姫百合「え?私からですか?ええと………っ!!!!!!」

ネロ「何?どんな内容?マンガ?………うえええええっ!!!?」ビクッ

コーデリア「どん……きゃぁあああああああああ!!!!!////////」

シャロ「何何?何が…えええええっ!?どうして先生と神津さんが!?裸でっ!?」

小林「っ!!!??」

エルキュール「……キュゥ//////////////////////////」パタン

姫百合「なっ何ですか!このハレンチなマンガはっ!!//////////」

腐藍「ハレンチは褒め言葉よ。これで良いBL同人誌が描けたわぁ…」恍惚

コーデリア「な…なな…きょ……教官が……神津警視と………//////////」プルプル

ネロ「うわぁ!ちょっとこっちに向けないでよっ!/////////」プイッ

小林「待って!!どうしてこのマンガに!僕が描かれてるんですか!!?」

腐藍「安心しなさい。これは貴方であって貴方では無いわ!ほら、目尻にほくろがあるでしょう!?」ビシッ

小林「いやいやいやいや!!これどう見ても僕じゃないですか!!んでこの人は神津じゃないか!!絶対言い逃れできないレベルですよねこれ!?」

腐藍「凄く良い組み合わせよ。グッド。最高にグッドだったわ」グッ


シャロ「どうして先生と神津さんが裸で抱き合ってるんですか……?」ウツロメ

ネロ「いくらなんでもこれは酷いよ!許可も取らずに!しかも目の前で小林のこんな絵を描くなんて!////////」プスプス

腐藍「ふっ、腐女子たるもの。萌える物はスグに!作品として形にする義務がある!!」

腐藍「この最高の組み合わせ!化学反応!……エクスタシーに浸るには最高の材料。……ベリグトマッチだったわ」グッ

コーデリア「そんな事言いたい訳じゃ無いわ!勝手に教官をネタにしないでくれます!?////////」カァァァァ

腐藍「残念ね。私ほどのサークルになれば!許可なんざ無くてもまかり通り全国の皆と教官を共感し合えるのよぉ!!フヒヒヒヒヒヒヒヒwwwww」

小林(この女殴りたい……)

腐藍「ブフフwww…まぁ、これで私の中のわだかまりは解消されたわ。それで、事件の事でしたっけ?」

姫百合「…え?ああ、まぁ」

腐藍「全てを出し切った私は最早賢者!どんな質問でも受け入れてあげる!さぁ!どんどん質問しなさい!気が済むまで!」フンスッ

小林「……昨晩の事件の事について、教えていただけるんですね?」

腐藍「もち!小林オペラを受けとして描かせてくれた代償として何でも教えてあげようじゃないっ!」ビシィッ

小林(だとしたら、もう何も聞きたく無いんだけど…)




→【トイズ】


小林「あの、箱の中でさっきトイズ使ってましたよね?どうしてですか?」

腐藍「ふふふ。探偵なら、自分で考えて御覧なさい!!」ビシッ

小林「…………」

ネロ「なんだよー!何でも答えるって言ったじゃんかー!!」

コーデリア「そうですわ!何ゆえに私達がこんな時間の無駄をしなければならないの!」

腐藍「ボッハァwwww私のトイズwwww分からないならwww黙ってロンチックwwwwブヒヒヒヒヒwwwww」

コーデリア「教官!私この人…殴りたい!!」

小林「うん、我慢しよう。我慢しようかコーデリア。この人のトイズの大方分かってるから僕は」

小林「あんな短時間で、これほどの量のマンガを書き上げる能力。即ち……」

姫百合「…!時間停止のトイズ!」

小林「近い。…いや、ほぼ正解かな。正しくはラグがあったから…周りの時間が遅くなるトイズだよね?」

腐藍「その通りだ小林オペラ少年!いやぁーこの鋭い洞察力!もしかしたら攻めでも行けるか…?イヤ…イケルナ…」

腐藍「…よし、ちょっとまた箱に篭る」カポーン

小林「ちょっと!?腐藍さぁーん!?また勝手にマンガ描くの止めて貰えませんかぁぁあああ!?」

腐藍「出来たぁあああ!!これも傑作の予感!」カパァーン

ネロ「見ない!今度はもう絶対に見ないよ僕は!!」

コーデリア「私も!積極的な教官なん……て………」

コーデリア「……イヤチョットマッテコーデリア……ソンナキョウカン……スゴクミタインジャナクテ…?イヤデモ…アイテハカミツサン……」ブツブツ

エルキュール「…あ、あの……」

腐藍「おっと!今回の読者第一号は君か!?いいぞぉ~とくと見るが良い!」スッ

エルキュール「………ぁぅぅ…///////////」プシュルルルルルルル


バッターン


シャロ「エリーさんがまた倒れました!!」

コーデリア「いっ一体今度はどんな事が描かれ…」チラ

コーデリア「……きゃぁぁぁぁああああああああああああああああああああ!!!!///////////////」ボシュゥゥウウ…

小林「……………」

姫百合「…今、どんな気持ちですか?小林さん」

小林「何もしてないのに……死にたい……」





証拠ファイル④腐藍さんのトイズ

【自身の周りの時間を遅らせるトイズ。そのトイズを用いて、漫画の執筆をしている】




→【事件で目撃した事】


小林「……それでは答えてください。腐藍さん」

小林「昨晩、この博物館の4階で殺人事件が起こったのはご存知ですね?」

腐藍「…………」

小林「ここは監視カメラの映像が揃って見える場所。貴方がここに居たというならば」

小林「今、神津が捜査しているこの部屋で起こった殺人を、貴方は目撃している筈です」

腐藍「………ん」

小林「それではお聞きしますが、このカメラに映っていた殺人は、どのような物だったんですか?」

腐乱「…んー、とりあえず音は無かったかな」

小林(そりゃぁ、この音声スイッチ押さなきゃ出ないでしょうね)

腐藍「と言っても、私も結構大まかな所しか見えてなかったからなぁー」

コーデリア「それってつまり、詳しくは知らないって事?」

腐藍「詳しく聞くも何も、一目瞭然だったのは確かだったよ」

腐藍「何か女二人が部屋の真ん中で喋ってて、いきなり女の人一人が爆発して…」

小林「ちょっと待ってください!?いっイキナリですか!?イキナリ爆発したんですか!?」

腐藍「そー、なんだか良く分かんないけど、イキナリドカーンって、…いや、ドチュッだったかな?」

小林「…擬音はこの際どうでも良いです」

腐藍「いやぁーでも本当凄かったんだよ?ほら、ここレンズがちょっと暗くなってるでしょ?これ血がベットリついてほとんど見えなかったのよ」

エルキュール「…!」

ネロ「うわっこれ、血の跡なんだ…」




証拠ファイル⑤監視カメラの血

【爆発した後は、右半分が血でベットリ付着していて見えなかった】



腐藍「んまーその後警察に通報して、駆けつけてくるまで怪盗は何故か逃げ出せていなくて」

腐藍「私の通報が名怪盗をひっ捕らえちゃったのよ。どう?これ凄くね?」

小林「は…はぁ」

腐藍「まぁその後はぁー……逮捕したって聞いてから安心してずっと漫画描いてたよ」

腐藍「”仕事サボって漫画描ける!!”って思った時。やりぃって思ったね。とりあえず私は人に迷惑はかけてない善良な市民ってわけだぁ」クスクス

小林(今まさに僕が迷惑を被ってるんだけどね)


小林(…この人に聞ける事はこのくらいか)

小林「…ありがとうございました。ご協力感謝します」

腐藍「ん?もーいいのかい?」

小林「ええ。これ以上の情報は、貴方も持ち合わせていないでしょうし」

小林(後、できればもうこの人に関わりたくない)

腐藍「失礼な。裁判で満足に証言できるくらいにはあるぞ!」

小林「僕が話した事以外では?」

腐藍「そりゃぁ……ちょっと思い出せないけど」

シャロ「そうですか……何か思い出せたら話して下さいね!」

腐藍「オッス!思い出したときには私は証言台の上だけどなwwwwウヒヒwwwww」

姫百合「………」シラー

エルキュール「…あ……あの……////////」

腐藍「んん?ああ、あんたはさっき何度も倒れていた緑。どうしたの?」

エルキュール「え…ええと……その…」ゴニョゴニョ

腐藍「ん?」


ゴニョゴニョゴニョ………


腐愛「…ああ、コピーね」

小林「!?」

コーデリア「!?」

エルキュール「!!!」

腐愛「別に良いよ?アンタも好きねぇ。で、住所は?どこに送れば良いの?」

エルキュール「な……なんでもありませんんんんんんんんんんん////////」ダダダダダダダダダ

シャロ「エッエリーさん!?どこに行くんですか!?」

腐藍「あれれー?良いの住所は?……恥ずかしがらずにこっち側に来れば良いのに」

姫百合「…この人、人間性として劣りすぎてませんか?」

小林「あまりそういう事は言ってはいけないよ。姫百合くん」

シャロ「先生!そんな事よりもエリーさんを探しに行きましょう!」

小林「…そっそれもそうだな。行こう!皆!」


全員「「「「はい!!」」」」


タッタッタッタッタッタッタ


腐藍「……ん?」

腐藍「あっ!一個思い出した事あったよ!確かぁー!現場とは違うカメラでぇー!って、あれ?どこ行った?」






→【屋上】


シャロ「…ぜぇー…ぜぇー…」ハァハァ

ネロ「はぁ…はぁ……」ハァハァ

コーデリア「フヒー…フヒー…」フゥフゥ

姫百合「……大丈夫ですか?」

小林「………ふぅ。やっと見つけたよエルキュール」

エルキュール「あう……///////」ビクッ

小林「取り乱す気持ちは分かるけど、勝手に置いてかれたら困るかな」ハハハ

エルキュール「ご…ごめん…なさい…///////」モジモジ

小林「いやいや、それは良いんだけど…ここ、屋上だよね。一階からここまで走ったのかい?」

小林(確か、神津がもう一人の目撃者は屋上に居ると言っていたな)

小林(……”現場”から見た目撃者…か。何だか、凄く嫌な予感がするな)


フンッ!フンッ!   ヘイヘーイ!


小林「……ん?」

小林(声?)


エブリデーイ!ワンモーア!  ワンモアセッ!  FOOOOO!!


シャロ「…せっ先生?何だか、グローバルな声が聞こえますぅ…」

小林(うーん…発音的にアメリカ英語のようだけど)

小林「一体、どこから声が…」チラッ


???「ふぅんっ!!違う!私のポーズはこうだ!」ピシィッ

???「いいや違う!迫力が足りない!もっと!こう!こうだ!!」ピシィィイ

???「ああっはっはっは!私のジャスティスは!まだまだこんなもんじゃない!!」ピシィィイ

???「見せてやる!私のジャスティスポージングを!!HAHAHAHAHAHA!!!」ピシィィイイイイピシィイイイピシィイイイイイイ


小林「…………」

姫百合「…………」


シャロ「…なっ何ですか?あの人…一人で喋って一人でポージングとってます…!」

ネロ「あそこだけ空間が歪んでるんだけど…気温どのくらいなの?」

コーデリア「すっ凄く熱苦し…熱い人なのは分かりますわ。…体温の方も」

エルキュール「……暑い……」パタパタ

小林(……あの人…だよな?)

小林(他にそれらしき人が…いや、人すら居ないんだから…目撃者って、間違いなく…”あの人”だよな?)




???「よぉーし!ジャスティスポーズの練習はジ・エンドゥ!次は縄跳びだっ!!」ババッ

???「ヘイヘェーイ!アン・ドゥー・トロワ・ケトル!!アン・ドゥー・トロワ・ケトル!!」パシッパシッパシッパシッ

???「ジャスティス!」ビシィー☆

小林(うわぁ…余計に近寄りがたくなった…)

ネロ「こっ小林!アイツの周りの空間の歪みやより一層酷くなったよ!?」

シャロ「気温もどんどん上がっていきます!!」

コーデリア「奴が一跳びする度気温が一度ずつ上がっているようです…!!」

エルキュール「…………暑い………」ダラダラ

小林「…え…ええ…」

小林(一体…どれだけ暑苦しい人なんだ…!?あの人は!)

姫百合「…あっあの、小林さん。お願いします…」ソクササ

小林(そして皆、僕一人残して屋内へ逃げていった…)

小林「…はぁ」

小林(まぁ、仕方無い。大多数で行くより一人の方が気温も(多少)上がらない分マシだろう。行こう…)トボトボ


→【自己紹介】

小林「あのー……」

???「イッチ……ohhhhh!!!!ワッツ・オフ!?」

小林「!」ビクッ

小林「いえ…私、怪しい者では…」

???「……んんー…」

???「………アナタ、良い眼をしてますNE」

小林「え?」

バッ

???「そう!YOUもHERO側の人間!イッツオケー!?」ビシィッ

小林「い…YES…」

???「オー!!イッツエクセレンッ!!」バァッ

???「このHEROなハートゥ!そんなピーポォが増え続ける限り!カイトー共の思う通りにはさせNOTHING!!」

???「YOUもそうだろう!?」ズイッ

小林「い……YES」

???「オーウジーザス!アナタにも神のご加護があらん事を!」

小林「は…はぁ」

マイルティ「今日はYOUに会えて最高にベリハッピーなトゥデイ!!マイネーム イズ マイルティ・ジェイソン!ユーアーネィム!?」

小林「あー、マイネーム イズ オペラ コバヤシ」

マイルティ「オーグレェート!ワタシ、アナタ知ってるYO!このジャパンで最も雄大な探偵ナノダネ!!」ビシィー

小林「あ…ご存知だったのですか」

マイルティ「オーィイエース!ワタシの母国、フランスでも覆いに有名デスYO!ルーヴル・ルパン事件を解決に導いたHEROとね!!」HAHAHA

小林「それは…恐縮です」ハハ…

小林(アメリカじゃないんだ……とてもフランス人には見えないけど…)



タッタッタッタッタ


シャロ「先生の事知ってるんですかー!?」キラキラキラ

ネロ「そんでフランス!?小林!フランスでも活躍してたの!?何で言わなかったのさ!」

小林「いや、ちょっとした用事で行っただけだから…」

ネロ「何だよズルイよー!小林だけ色んな国行って美味しい物食べてー!!フランスなんて美食の国じゃんー!!」プンプン

コーデリア「パリ…花の都パリ!ああ…私も死ぬまでに一度行ってみたい…!花の都に……」キラキラキラ

エルキュール「ルーヴル…オルセー…ポンピドゥー……美術館も図書館も……見て…回りたい……」キラキラキラ

小林(…今日一番目が輝いているな…この子達)

姫百合「フランスかぁ…そういえば、西ヨーロッパ辺りは私も行った事ありませんね」

小林「いやぁ、そもそも今はヨーロッパの話は関係無いよね?」

マイルティ「HAHAHAHAHA!!CUTEなLover達だね!ムッシューコバヤシ!」

小林「ああいえ、そういう関係ではありませんよ。全く」ニコリ

シャロ「?」


ネロ「小林、ラバーって何?ゴム?」

小林「恋人の事だよ」

ネロ「恋びっえっええっ!?」ドキッ

コーデリア「わわわわ私が教官のここここ恋人ですすっててて!?」バクバクバク

エルキュール「あ…あわわわわわ///////」プシュー

シャロ「せ…先生?私…先生の恋人…?」

姫百合「いや、さっき小林さん否定してましたよね?思いっきり」

マイルティ「HAHAHAHAHAHAHAHA!!」サムズアップ

小林「ははは……」

小林(…この人が、現場の目撃者?)

小林(少し、詳しく話を聞いてみるか…)



→【事件について】

小林「…あの、昨日の事件について話せる事はありますか?」

マイルティ「おう!?事件is イエスタディー!?三つあったけど、どれの事かなっ!?」

マイルティ「ジャスティス!」ビシィー☆

マイルティ「ヤングキャットの迷子事情か、YOKOHAMAイルミネーション☆露出魔事件か、それともまさか……引ったくり事件かっ!?」

マイルティ「ジャスティス!」ビシィー☆

小林「全部違います」

マイルティ「HAHAHAHA!!そうだった。これは昨日全部ミーが解決した事件だったNE!!HAHAHAHAHA!!!」

マイルティ「ジャスティス!」ビシィー☆

小林「…僕が聞きたいのは、昨日の晩に起こったこの殺人事件の事です」

マイルティ「…………オゥ」

小林「貴方、殺人の瞬間を目撃したみたいですよね?何か話せる事はありますか?何でも良いので教えていただけるとありがたいのですが」

マイルティ「………あの事件ほど、衝撃的な物は無かったね」

マイルティ「怪盗アルスェーヌだって?あの肌の露出がイディオッツな程の怪盗が、いきなり目の前の女を爆発させたんだ!!」

マイルティ「あまりに突然の事で、私は動けなかった…。だが、あの怪盗はすぐさま逃げていったYO」

小林「…………」

マイルティ「私は…あの晩、誰も救えなかったのだ!なんたる不覚…!!SHITッ!!」

マイルティ「ノットジャスティス!」ビシィー☆


小林「……被害者が爆発する前に、何か予兆のような物はありませんでしたか?」

マイルティ「予兆だって!?そんな物は無かった…。あったら、私がスグに気づいていた筈だからね!」

マイルティ「ジャスティス!」ビシィー☆

小林「もし、この殺人がトイズを用いた物であれば、トイズが使われた時に発する音と微量な光が出るはずです」

小林「本当に、何も聞こえなかったのですか?」

マイルティ「本当さ!本当にイキナリの爆発…私は!あまりに唐突な”ソレ”にたじろき!動くことが出来なかった!」

マイルティ「目の前の怪盗は…有無も言わず逃げられてしまった…クッ!私はもっとストロンガーしなければならない!」

マイルティ「小林オペラ!君も一緒にスタンドアップしないかい!?君も私と一緒に強くなろうではないか!!」キランッ

小林「遠慮します」

マイルティ「オーウ……ジャスティス!」ビシィー☆

小林(この人は一々決め台詞とポーズを取らないと喋れないのだろうか)





証拠ファイル⑥殺害当時

【トイズの物音は一切無く、予兆らしきものも一切無かった】




→【マイルティ・ジェイソン】


小林「ええと、マイルティさん。貴方、職業は?」

マイルティ「ほほう、私は君の事を知っているが、君は私を知らない…」

マイルティ「これは…ミーはまだまだシュギョーする必要がアルゥゥウィッ!」シャキーンッ

マイルティ「ジャスティス!」ビシィー☆

小林「ウッ」

小林(何だろう…この人も有名な人なのかな?地球温暖化の原因として…)

姫百合「あっ!PDAで調べたら、名前がいくつか出てきましたよ」

ネロ「え?あっ!本当だ!英語だらけだけど…日本語版ファンクラブまである」

シャロ「ウィキペディアにも載ってます!ええと…世界を股にかける、アメコミのようなヒーロー、または温暖化の原因……」

エルキュール「それ……アンサイクロ…ペディア………」

コーデリア「ええと、探偵とは違った。新しい形の正義のヒーロー……4chanでは、「探偵よりも頼りになる」とか、「探偵よりもこっちのが良い」とか…探偵と比べられてます!」

マイルティ「オフコース!探偵は探偵で素晴らしい職であるが…私は、正義のヒーローを職業としている」ビシッ

マイルティ「愛しきUSAではぁ!ミーのフィギィア!カートゥーン!そして近日ハリウッドシネマの公開も予定されているのデス!」ビシッ

マイルティ「私のような正義の象徴が現れる事で!犯罪の低下を求め市民に安堵をセーフティを与えるのですイエア!!」ビシッ

マイルティ「ジャスティス!」ビシィー☆

小林(急に活き活きと語り始めたな)


ネロ「どうすんのさ小林ー。このままだと、この濃い絵柄の人に人気取られちゃうよ?」

小林「いや、彼の慈善活動は素晴らしい物だし。自ら象徴を公言するのも、頼りがいがあって良いんじゃないかな?」

マイルティ「HAHAHAHA!!サンキューベリマチ!ムシューコバヤシ!君に言われると!ミーも素晴らしく自身が湧いてくる!!」ビシィッ

マイルティ「これでミーは!後340年闘えるイエアマイヒーロープロセスイズオーバー!」ビシィッ

小林(妖怪かな?)

姫百合「…それで、その世界を股にかけるヒーローが」

姫百合「どうして今、日本に居るんですか?」

マイルティ「KANKOUさ!!」ビシィッ

小林「意外と普通の理由だったね」

マイルティ「HAHAHA!さすがに本当の目的を教えるわけにはいかな…」

小林「え?」

マイルティ「おおっと!今のは聞かなかった事にしてくれ!ドントプリーズヒア!」

小林「………」



→【本当の目的】


小林「…貴方、観光以外に目的があって日本に来たんですよね?」

マイルティ「…………」

小林「一体、どのような理由で日本に…横浜に来ていらしたのですか?」

マイルティ「………すまないムシューコバヤシ。いくらなんでも、そのような事を教えるには危険が多すぎる」

マイルティ「私が来日した理由は、観光の他に二つある…が、それはどれもトップシークレット」

マイルティ「だが安心したまえ!この日本に屯しているベリーバッドグループはこの!ミーが一網打尽にしてみせマス!!」ビシィイイッ

マイルティ「ジャスティス!」ビシィー☆

小林「………この横浜に、何か巨大な悪の勢力が居るんですね?」

マイルティ「ooooooooooooh!!!?ムシューコバヤシ!?サイキック!!」

小林「いやさっき、ポロっと言ったじゃないですか…」

小林(…しかし、悪の勢力……か)





エルキュール≪それは……被害者が…!ヒメさんが…!真犯人を追っていて…≫



エルキュール≪その情報のやり取りをしていた可能性が……高いです…!≫



みどり≪あの時、浜崎が私達の事探られた事を知って、殺せって言われた時だって、トランクの中結構キツかったけど何とかなったし≫



小林(まさか…今まで言っていた”私達”という言葉)

小林(その”私達”と”悪の勢力”……もし、それが関係してあるとしたら)




フランダース≪私達はね、小林オペラが欲しいのよ≫




小林(僕も、無関係では無い)


マイルティ「だが、君達にはドントウォーリー。この情報は、この国のポリスメンと私が解決するのだから」

マイルティ「君たちは平和に、そして楽しく暮らしていると良い!!HAHAHAHAHAHA!!!」

小林(今、全然平和じゃないんだけど…)

マイルティ「だから済まないが、私の来日理由はこれ以上教える事ができないのだよ」

マイルティ「この国のポリスメンにも、釘を刺されているしね!!」ビシィッ

シャロ「先生ー!!鞄の中にこんな物がぁー!!」

ネロ「うわっ何これ…女の子だらけのアニメのポスターやらDVDやら…薄い本やら」

コーデリア「まんだらけ…ゲーマーズ…アニメイト…その他モロモロの袋……裸の女の子の本まであるわね」ジロ

エルキュール「あ…あ……あう…あう……////////」

マイルティ「んっ?んんっ!!!??」

マイルティ「ノッNOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!!!!」ガクッ

マイルティ「やっ止めてくれぇ!それ以上は探るんじゃないマドモアゼェェエエエエル!!!!!」バタバタ

小林「…はは、これが…もう一つの理由ですか」


小林(……これ以上、聞ける事は無い…かな)

シャロ「先生?大丈夫なんでしょうか。明日の裁判…」

小林「はは、大丈夫。アルセーヌが本当に殺人を犯していないのならね」

小林(正直物凄く危ないけど)

シャロ「そっそうですか…」ホッ

ネロ「…でもなー、今回の事件。あまりにも情報が少なすぎない?皆、被害者が爆発したってだけで。他に碌な証拠が無いよ」

姫百合「そうですよね。そしてそこには怪盗アルセーヌと被害者の二人だけ。更に目撃者も居た…」

姫百合「これだけだと、誰が考えても怪盗アルセーヌが殺人を犯したと思いますよ」

コーデリア「そうよね…。あの新聞に映っていたアルセーヌを見ると、私だってそう疑います」

エルキュール「…………私も…」

ネロ「でも、殺人罪の無実を証明しないと。小林は多分怪盗帝国に殺される……」

シャロ「……!!」

シャロ「先生!どうにか…どうにかならないんですか!?このままだと先生が!」

コーデリア「そうよ!怪盗帝国の人たちを説得する事だって出来る筈!」

ネロ「もう認めさせて、グウの音が出ない程に論破してやろうよ!あいつらを!」

小林「もうアルセーヌが殺人罪を立証された事を前提に話しているね君たち…」

小林「そう思う気持ちは分からなくないけど…何か引っかからないかい?」

シャロ「何か?何かって何ですか?」キョトン

小林「まず、アルセーヌのトイズからだ。皆は知っていると思うけど、アルセーヌのトイズは幻惑」

小林「つまり、トイズだけでは爆発は起こせないって事だ」


ネロ「それは分かんないじゃん!幻惑で操って爆弾を事前に仕掛けて誘導したのかも!」

小林「でも、目撃者によればそのような行動も前兆も無かったと言っていたよね」

ネロ「うっ…」

小林「つまり、この犯行はトイズ無しの犯行だ。そうなると、いくつか気になる点が出てくる」

小林「被害者は、一体何に爆発したのか。そして、アルセーヌはどうして逃げ切れなかったのか」

小林「もし、殺人が故意でならそのまま逃げる事も容易かった筈だ。だけど、そうしなかった」

シャロ「ど…どうしてなんですか?」

小林「気が動転していたから。そう考えるのが普通だ。そして、もう一つ」

小林「トイズが効かなかった。そんな真犯人が居たからという可能性もある」

ネロ「!」

小林「それに、新聞を見てみると。アルセーヌは当時何も持っていなかった。博物館の中も何も盗られていなかったと書かれていた」

小林「もし、強盗による殺人なら。何も盗らなかったのはおかしい。事件当日僕達は、彼女がどうして博物館に行ったのかまだ分かっていない」

エルキュール「そ…それじゃぁ…」

小林「ああ、一度怪盗アルセーヌに話を聞きたい……所なんだけど」

小林「姫百合くんの時とはいかず、怪盗アルセーヌは悪い意味でも有名になりすぎた。だから前回とは別の留置所にある。と、彼等怪盗帝国も言っていたね」

シャロ「……あっ!」

コーデリア「完全…面会…謝絶……!」

小林「つまり、アルセーヌが博物館で何を盗むつもりだったのか、それか別の用事があったのか。それらは裁判でしか明らかにならないようだ」

小林「そうなると、僕達が今できる事は……やはり、このまま調査を続ける事だ」

シャロ「で、でも…どうするんですか!?もう現場にも証拠は無いし、裁判に出る証人さんにも話はもう聞いちゃいましたよ!」

小林「…………」

小林「……事件現場は、窓ガラスが割れていたね」

姫百合「!」

小林「あの窓の下に、事件当時に現場にあった”何か”が落ちている可能性がある。それを調べるんだ」

コーデリア「な…なるほど」

ネロ「確かに、それなら何かありそうだよねー」

エルキュール「はい…!」

シャロ「了解です!今すぐにここから出て!調査に参りましょう!」


ミルキィホームズ「「「「おー!!」」」」


小林「……………」

小林(もし、この事件も彼女達の団体に関係あるモノだとしたら……)

小林(僕は……いや、怪盗アルセーヌは………)

姫百合「…………」

姫百合「…小林さん」

小林「ん?」

姫百合「私は、一度現場に戻って調査を続けてみます」

小林「………分かった。何かあったら神津に言うと良い」

小林「君となら、親身になってくれるだろうしね」

姫百合「はい」

姫百合「…………」




【神奈川県立歴史博物館 庭  11月25日 午後6時11分】


ネロ「シャロー!そこ何か見つかったー?」

シャロ「だ…駄目ですぅ~…全然見つかりません~」

小林「ははは…奇妙なオブジェクトばかり捜してるけど、そこは多分関係ないよ。」

ネロ「そういう小林は、何か見つけたの?」

小林「うっ…」

ネロ「小林もダメじゃん」

コーデリア「…でも、このままでは確実に明日の裁判。教官が勝てませんわ」

エルキュール「ただでさえ…怪盗のイメージが悪い…のに……」

シャロ「…みっ皆さん!諦めちゃダメです!もっと頑張りましょうよ!」

小林「うん。ありがとうシャーロック。でも、今はちょっと休もうか」

小林「しばらくそこのベンチに座って、少しだけ休憩しよう」

ネロ「賛成。さすがの僕も疲れたよぉ」

コーデリア「私も、トイズを使ってもこんなに見つからないなんて…すみません教官」

エルキュール「少し…疲れました…」

小林「うん。お疲れ様」

小林(………みんなの顔色に不安の色とやる気の低下が見られる)

小林(仕方ないか…僕達が弁護するのは怪盗。つまりどう足掻いても負ける事が確約されている)

小林(…と、この世間の常識に思考が掌握される)

「あっ!師匠ー!!」

小林(怪盗アルセーヌが絶対に殺人をしないという確証は無い。だから僕はその確証を見つけなければならない)

ダダダダダダダダダダダダダダダダ

小林(どんな些細な物でも良い。何かアルセーヌの弁護に有利になる証拠品を…)

コロン「師匠ぉおおおおおおお!!!!」ドゴォオ―――

小林「ぬぅあっ…!」

ゴロゴロゴロゴロゴロ


シャロ「! 先生ー!!」

コーデリア「…って、貴方は!」

ネロ「コロ…露出魔!!」

コロン「いやぁー!こんな所で師匠と会えるなんて!ごっつ嬉しいわぁ!ウチ!!」ギュゥウウウウ

小林「や…やぁ、コロンくん。一週間ぶりかな…?」

コロン「で、今何してはったん?捜査か?捜査やろ!?だったらウチを助手にして手伝わせてーな!!」ギュゥウウウウ

ネロ「この……離れろぉ……!!」ギリリリリリリリ

コーデリア「教官から・・・…離れなさぁぁい……!!」ギリギリギリギリギリ

エルキュール「その格好…で…小林さん……うう……//////」ググググググググググググ

小林「痛い痛い痛い!!ちょっと君達ぃ!!痛い!!本当に!お願い止めてぇぇえええ!!」



ネロ「…………」ジトー

コーデリア「…………」ジトー

エルキュール「………/////」

小林「……えーと、改めまして」

小林「コロンくん。久しぶりだね元気にしていたかな?」

コロン「当然や!ウチは師匠に会った瞬間から新しい人生を見つけたようなもんや!」

コロン「一度関西に戻っていくつもの事件を解決しても、やっぱり師匠の事が忘れられなくて会いに来ちゃったんや…////」テレテレ

小林「関西の方でも頑張っているみたいだね。感心するよ」

コロン「えへぇへぇ…それでも師匠には敵わんからなぁ…//////」モジモジ

ネロ「……ふぅうううううーん……それで?いつ帰るの?」

コロン「ふっふっふ…向こうで散々考えた結果ウチは決めたで」

コロン「師匠の隣に並べるくらいに大きくなるまで!ウチはずっとここに居る!!」ドーン

ネロ・コーデリア「「はぁ!?」」

コロン「そんで!いつしか師匠もウチと一緒に関西に来てもらうんや!!」ビシィイッ

ネロ・コーデリア「「はぁぁぁあああ!!??」」


小林「…かっ関西には今の所、行く予定は無いかな…」

コロン「師匠に行くつもりが無くても、ウチが連れてってやるさかい!安心するやで!」フンス

コーデリア「何一つ安心できないわよ!そのコートの下は何!?また全裸じゃないでしょうね!?」

ネロ「あっもしもしG4?ちょっと事件現場の前に怪しい奴見つけたんだよね。うん、コートの下が全裸の奴」

エルキュール「こ…小林さんは……私たちの……担当……!」

コロン「全裸全裸うるさい!さすがのウチも師匠の前では服くらい着るわ!!」

シャロ「なんだか先生がコロンちゃんに師匠って言われると、お笑いの師匠みたいですね!」

小林(弁護士って間違われるより嫌だなぁそれ)



→【調査の手伝い】


小林「コロンくん。君、捜査の手伝いをさせてくれって言ったね?」

コロン「せや!師匠の手伝いなら!ウチは何でもやるで!」

コロン「便所掃除から風呂掃除!部屋の掃除から○○掃除まで!」

ネロ「僕達の仕事を取るなぁー!!」

コーデリア「全部私たちの仕事よ!事務所の掃除は私たちの日課でもあるのに!!」

シャロ「○○掃除って何ですか!!」

エルキュール「○○掃z……あ…あぅぅ……//////」カァァァァァァ

小林「……掃除は今の所困ってないかな。それよりも、手伝えるなら手伝って欲しい事があるんだ」

コロン「イエッサー!この名探偵コロン!師匠の為なら何でもござれ!えんやこらー!!」ビシィッ

小林「僕達は今、この辺で怪しい物を探しているんだ。事件現場はこの上で起こったからね」

小林「何か怪しい物を見つけたら、僕に報告してくれ。でも、できるだけ触らないようにして欲しい。現状維持も重要だから」

コロン「オーキードーキー!」ダダダダダダダダ

小林「それじゃぁ僕達はもうしばらく調査を続けるから。君達はちょっと休んでて……」

ネロ「冗談じゃない!あんな露出魔に負けてたまるもんか!」スタタタ

コーデリア「私たちは今!教官がついているミルキィホームズなんです!ここで休むわけにはいきません!」スタン

エルキュール「裁判は明日…私も…休んでいられません…!!」スタサラ

シャロ「私もコロンちゃんに負けませんよー!!ミルキィホームズ!再始動ですー!!」

ミルキィホームズ「「「「おー!!」」」」

ネロ「そうと決まれば!あの露出魔よりも先に証拠を見つけてやらないとn」

コロン「怪しい物見つけたでー!!師匠ー!!」タタタタタタ

シャロ「ぇえっ!?早っ!!」


コーデリア「そっそんな早く!?」

小林「随分と早かったね。さすがは名探偵」ナデナデ

コロン「いひひぃ////ウチも伊達に名探偵やっとらんからなぁ」デレデレ

ネロ「ぐぬぬぬぬぬぬぬ」

コーデリア「で…出遅れてしまいましたわ…」ガクッ

小林「それで、何を見つけたんだい?」

コロン「それは勿論…これやこれ!」

小林「!!」

シャロ「そ…それは……」

コロン「何でか分からんけど、この本に師匠そっくりな奴が描かれてるんや!後、あの白い奴も!!」



証拠ファイル⑦BLボツ本

【腐藍氏が即効で描いた小林オペラと神津玲の絡み本。どうやらボツになったものが捨てられたらしい】




コロン「こんな丁寧に製本された漫画に、師匠と白い奴そっくりな奴が×××したり○○○したりしてるんや!こんなもの、怪しい以外の何物でもないで!!」

ネロ「…………」

コーデリア「…………」

小林「…そ、その…コロンくん」

コロン「?」ニコニコ

小林「証拠を見つけてくれたのはありがたいけど…その本の作者に、僕達さっき会って来たんだ」

小林「それで、その本が存在する理由も。聞いてきたんだよ」

コロン「えっ」


小林「…まぁ、でもこの本がそこら辺に落ちていたっていうのなら。不法投棄の可能性もあるから。別の事件の証拠にはなるのかな…?」

コロン「…………」

コロン「……」スッ

ネロ「え」

コロン「やるわ…証拠にもならないんじゃぁ。意味ないわこんなもの」

ネロ「え…ええええ!?いっいらないよこんなもの!僕のトラウマなんだよ!はいコーデリア!!」ポーイ

コーデリア「ちょっと!?ネロ貴方…きゃぁああああああ!!!きゃぁあああああああああああああああああ!!!!/////////」

シャロ「わぷぷ…」パサッ

シャロ「……………」

シャロ「ぎゃぁぁぁぁああああああああああああああああ!!!!ぎゃぁぁぁぁああああああああああああああああ!!!!!!」バタバタバタバタ

ネロ「!!」

シャロ「いやぁああああ!!先生が!先生が神津さんと!!いやぁぁぁああああああああああああ!!!」グルグルグル

エルキュール「シャ…シャロ!」スッ

シャロ「」グルグルグルグル

バッターン

ネロ「シャロ!」

シャロ「」

コーデリア「大変…白目向いてるわ!今すぐベンチへ!」

エルキュール「………/////」イソイソ

小林(…あれ?エルキュール、どうしてさっきの本を服の中に入れて?)


コロン「う…ううう……」プルプル

コロン「こっ今度こそ!師匠の気に入る証拠品を"っ」ゴツーンッ

ネロ「うわ痛い。今のは痛いね」

コロコロコロコロ……

コーデリア「…あれ?スキマに挟まっていたパイプのような…何ですか?これ」

エルキュール「下半分が……破裂したかのようにボロボロになってます……」

ネロ「…何か、この事件に関係あるの?ただのゴミのように見えるけど」

小林「……………」



証拠ファイル⑧謎のボロボロパイプ?

【中は空洞で真っ黒になっており、下半分が弾け飛んでいる】



小林「………これは」

コロン「」

小林「…ありがとうコロンくん。これは重要な証拠になる」

ネロ「え?どういうことさ小林」

小林「ああ、僕の推測どおりなら。この一見ゴミのように見えるパイプこそ」

小林「この事件の重要なファクターッ……」ゴッ

ドッシャァァアアアア

小衣・北芝「「おんどりゃぁぁぁああああああああああああ!!」」ウガァアアア


ネロ「うっうわぁ!小林!?」

コーデリア「ちょっちょっと!私たちの教官になんて事するのよ!」

小衣「それはこっちの台詞だぁあああ!!何よこの漫画!!この!!なんっ……アンタと警視正が×××と○○○してるわけっ!?」

北芝「更に××××と△△△まで!!ちゃんと説明しろやぁあ!!最悪、神津くんの人権侵害で訴えるわよ!!?」

小林「」

エルキュール「こっ…小林さんが……!!」

ネロ「それは小林関係無いよ!文句ならモニター室に居る証人に話を聞きなよ!!」

小衣「そいつが何の関係があるのよ!!私は!今!!そこで頭から血が吹き出てる探偵に用があんのよ!!!」

コーデリア「頭から血……きょっ教官!?教官んんんんん!?」

小林「」

エルキュール「きゅ…救急車…!」

北芝「…えっちょっとこれヤバくない?」

ネロ「小林!?ねぇ小林!!」

小衣「無視すんなコラァァァアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」



小林(次第に薄れていく意識の中、僕はある可能性の事ばかりを考えていた)

小林(モニターに付着した血、そこから現れるシュレンディンガーの猫の理論)

小林(そして、僕が今手に持っているパイプ…)

小林(もう少しで、何かが分かるかもしれない…そう考えながら。気づけば僕が目覚めたのは)

小林(11月26日 午前9時11分 病院の中だった)

小林(裁判当日の日 病院の窓には怪盗の三人が立っていた)

ストーンリバー「…覚悟はしてもらうぞ」

ラット「途中でやめるなんて、俺達が許さねぇからな」

ユタカ「……申し訳ありません」

小林(そして僕は、この三人に身体を縛られ、目隠しをされ)

トッ

小林(三人がかりで担がれ、窓から飛び立たれた)



「先生!」



小林(扉が開かれる音と、シャーロックの声)

小林(空を飛ぶような感覚と共に、少女達の喚く声が遠ざかり)

小林(風を感じているその時、頭部の痛みが消失している事に気づいた)




【続く】



今回の話で手に入った証拠品一覧





証拠ファイル①11月25日の新聞

【神奈川県立歴史博物館の4階で怪盗アルセーヌが深夜2時10分頃に殺人を犯した事が記されている】





証拠ファイル②松本ゲイシーの解剖記録

【死因は爆発物による衝撃。右手と脊髄がまだ見つかっていない】





証拠ファイル③爆心地

【被害者の背中から爆発。背骨と脊髄が消失する程の威力だった模様】




証拠ファイル④腐藍さんのトイズ

【自身の周りの時間を遅らせるトイズ。そのトイズを用いて、漫画の執筆をしている】





証拠ファイル⑤監視カメラの血

【爆発した後は、右半分が血でベットリ付着していて見えなかった】






証拠ファイル⑥殺害当時

【トイズの物音は一切無く、予兆らしきものも一切無かった】






証拠ファイル⑦BLボツ本

【腐藍氏が即効で描いた小林オペラと神津玲の絡み本。どうやらボツになったものが捨てられたらしい】







証拠ファイル⑧謎のボロボロパイプ?

【中は空洞で真っ黒になっており、下半分が弾け飛んでいる】

今回はこれでおしまいです。次回は裁判パートです。
続きはこのスレで投下致しますので、お待ちいただけたら幸いです

再開します



【横浜裁判所 第二控え室  11月26日 午前11時45分】


小林「…………」

小林(とうとう…ここまで来てしまったか……)

小林(あの三人は、僕を病室から連れ出したと思えば、いつの間にか居なくなっていたな)

小林(怪盗の瞭然なのかな?……しかし、それよりも)

小林(頭部の傷が、いつの間にか消えているのは何故だろう?)

小林(あの三人に聞こうとも、すぐに居なくなってしまったしな…)

小林「………」

小林「…今は、この裁判の事に集中しよう」

小林(幸い、証拠品も全て揃っている。不足は無い)

小林(僕の推測が正しければ、怪盗アルセーヌは殺人を犯していない…だが、まだ分からない事もある)

小林(どうして、彼女は歴史博物館に居たんだ?)

白い髪の少女「……」ジー

小林「……ん?」


白い髪の少女「……」ニコッ

白い髪の少女「――。」フリフリ

小林「?」フリフリ

白い髪の少女「、」トテトテトテ

小林「………」

小林(何だったんだ?今のは)

小林(…いや、さっきの少女は。僕が日本に向かう飛行機の中で会った……)

小林「………」

小林「……なんで、ここに居るんだ?」

シャロ「先生を追いかける為です!!」ゼーハー

小林「ん?……おわぁ!」ビクッ

コーデリア「きょ…教官!!」ガシッ

コロン「師匠ー!!」ガシッ

ネロ「もう…ビックリしたじゃんか!怪盗帝国に連れ去られたときは、もう小林が死んだかと…」フーフー

姫百合「それは無いってさっきも言ったじゃないですか…怪盗帝国は今、小林さんが必要なんですから…」ゼーゼー

シャロ「…はっ!分かりました!」ピコーン

シャロ「怪盗帝国は!先生を出席させる為に裁判所まで運んだんですね!」ビシッ

小林「…うん、そうだね」

小林(推理するまでも無く、誰でも予想つく答えだけど)


コーデリア「もう…怪盗帝国も無茶苦茶すぎます!教官は頭部に傷を負ってるんですよ!?なのに…!」

小林「いっいや、頭の怪我は大丈夫だよ。幸い大した事無かったし」

エルキュール「…………その、大丈夫…なんですか?」

小林「うん。これから裁判には支障が無」

エルキュール「い…いえ…そちらも……心配ですが……」

エルキュール「こ…今回の……弁護………」

シャロ「あっ」

コーデリア「うっ」

ネロ「ゲッ」

姫百合「…………」

コロン「?」

小林「…………」

小林「…結果がどうなろうと、僕がやる事は一つだよ」


小林「この裁判で、事件の真実を暴く。…一応僕も弁護士免許は持っているけど、探偵だからね」

コーデリア「……そうですよね」

コーデリア「例え、どんな結果になっても私たちは今回の裁判で真実が分かると信じています!」

シャロ「そうです!先生なら正等な判決まで持っていけますよ!」

ネロ「結果がどうあれ、アルセーヌが怪盗罪で掴まるのは確実だしね」

エルキュール「殺人罪……だけでも………」

コロン「そうそ…え?アルセーヌ?え?何?」

小林「…そういう事」

「弁護人!そろそろ開廷です。入廷してください」


小林「それじゃぁ、行ってくるよ」

シャロ「先生!」

ネロ「小林!」

コーデリア「教官!」

エルキュール「小林…さん…!」

姫百合「……御武運を」

コロン「あの、アルセーヌって何や?あの怪盗が、まさか。まさか?」


ギィィイイイイ……


小林(今回も始まる……一人の命運を握った)

小林(世界でも最も重い勝負が!)




【横浜裁判所  第一法廷室】





ザワザワ…ザワ……

カッ!!

裁判長「これより、怪盗アルセーヌのサイコパス殺人の裁判を始めます」

裁判長「弁護側、検察側、準備はよろしいですか?」

小林「弁護側、準備完了しています」

北芝「検察側、答える必要無し」

裁判長「ふむぅ…北芝検事、答える必要が無いとは?」

北芝「…弁護側も知っているだろうけど、この裁判ははっきり言えばただの茶番よ」

北芝「被告人は怪盗。それも前例の多い名の有る者」

北芝「当然、私達は十分に調査をしたけれど。この裁判ではこれらの必要も無いわね」

小林「…………」

ダンッ

北芝「断言してやるわ。この裁判…5分で終わらせてみせる!」

北芝「そして、依頼人を選ばなかったことに後悔をしなさい。弁護人」ニヤァ…


小林「………例え、被告が有罪になったとしても。後悔はしません」

裁判長「そうですか。しかし、この裁判では怪盗と言っても。ここは裁判所です」

裁判長「怪盗の評判が悪い事は承知の上ですが、公平な結果を我々は目指さなければなりません」

北芝「………そうね、公平にね」フッ

小林「………(北芝検事…今回はみかん箱か……)」

裁判長「それでは北芝検事。今回の事件のあらましの説明をお願いします」

北芝「了解」

北芝「まず、この事件の被害者は神奈川県立歴史博物館で学芸員として勤務していた松本ゲイシー(25)氏」

北芝「監視カメラの映像と、現場に落ちていた焦げた名札から身元が判明」

北芝「更に、カメラには被告人と被害者が二人で話している様子が記録されているわ」

裁判長「よろしい、証拠品として受理します」



証拠ファイル⑨事件現場の記録映像

【被告と被害者が二人で居る所から被害者が殺されるところまで確認された映像が記録されている】



北芝「そして映像から、突如被害者が爆発するという謎の現象があった事を記録」

北芝「これを我々は、怪盗アルセーヌの犯行として…」

小林「異議!!」

小林「怪盗アルセーヌのトイズは、幻惑のトイズです!このようにカメラにも映るように現実で被害者を殺す事は不可能!」

小林「これは、明らかに矛盾していま――」

北芝「シャラップ!!」ビシィッ

北芝「そんな事、私達が調べていないと思っているの?トイズじゃなくても被害者を殺す事は可能よ」

北芝「カメラの記録だと、被害者が被告に赴いているようにも見えるしねぇ…つ・ま・り…」

北芝「被告は被害者に何かしらの脅迫をしていた事は事実。そう、被害者の体に爆弾をしかけた…とか」

小林「!?」


北芝「更に、トイズの犯行としては不自然な。火薬成分や炭、爆弾の破片らしき物も見つかっているわ」

北芝「それに、トイズを直接的に殺人に使わなくても。被告は幻惑のトイズで被害者を自爆させた。ならこの事件は……」

北芝「被告人怪盗アルセーヌの犯行でも、何も矛盾は無い!!」

小林「ぐぐっ…!」

小林(力の強いトイズは…こういう時に足元をすくわれる…)

北芝「…これだけでも決定的なんだけど、どうかしら?裁判長」

裁判長「……そうですね。怪盗が殺人を犯すケースは特に珍しくありません」

裁判長「それに……殺す目的も、どれも普通の人には理解できない動機ばかり」

裁判長「……」フー

裁判長「これで判決を下しても、特に問題は無いでしょう」

ザワザワ…ザワ……


ソウダヨナ…  ダッテヒコクハカイトウダロ?ソレモアルセーヌ…  ワタシ、アルセーヌイガイニダレガコロシタノカソウゾウツカナイ


カッ

裁判長「どうやら、これで審議の余地は無いようですね」

裁判長「それでは、この審議の判決を――」

小林「異議!!」

小林「…残念ですが、この事件にはまだ解明されていない謎があります」

裁判長「!?」

北芝「…何?出すなら早くしてくれない?もうすぐ5分経っちゃうじゃないのよ」

小林「大丈夫です、それほど時間は取らせません」

小林「僕が今、疑問に思っている部分…それはこの証拠品です!」


→証拠ファイル⑥殺害当時を突きつける


北芝「…何?この証拠品は」

ダンッ

北芝「私は今!トイズの犯行じゃない可能性のが高いって言ったじゃない!一体これに何の矛盾あるのよ!!」

小林「…考えてみてください。本当にトイズは使われていなかったのであれば」

小林「どうやってアルセーヌは被害者を自爆させたのですか!?」

北芝「そっそんなの!家族か恋人を人質に取ったりすれば…」

小林「被害者と家族、もしくは恋人からそのような話は取れましたか!?」

北芝「ぐぐぐっ!」

小林「裁判長!この通りトイズの犯行が一切無いとされる証拠品がある今、検察側の立証が崩されました」

小林「まだ疑問の余地があるこの現状に判決を下すのは不可能です!」

裁判長「…………」

裁判長「…分かりました。弁護側の異議を認めます」

北芝「!まっ…待ってください裁判長!この事件は……」

裁判長「それでは北芝検事。冒頭弁論を…」

北芝「うっうわぁぁああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

小林「っ!」

裁判長「どっどうかなされましたか?北芝検事……」

北芝「…………」

北芝「……5分……経っちゃった……」グスン

裁判長「……そうですか」

裁判長「それでは、これからはゆっくりと審議していきましょう。係員は証人を連れてきてください」



小衣「…………」

北芝「…………」

小衣「…………」

北芝「…………」

「あー!ココロちゃーん!」

小衣「ココロちゃん言うなぁー!!」

北芝「…………」

小衣「…………」

北芝「…………」

裁判長「……あの、北芝検事?」

北芝「……何よ」

裁判長「検察側は、証人の名前と職業の質問をお願いします」

北芝「……チッ!…証人、名前と職業」

小衣「………」

小衣「はっ!」

小衣「5分で終わらせると言いながら、こんなザマ見せた奴がよくもまぁそんな口聞けるわね?」ニヤァ

北芝「………」

小衣「口の聞き方が違うじゃないのよ!こういう時は「名前と職業をこの嘘つきおばさんに教えてくださいませお嬢様」でしょうが!あっはっはっは!」

北芝「………」パンパン

係員「はっ!」ガラガラガラガラ


バチバチバチバチゴゴゴゴゴゴグルグルグルグル


小衣「ちょっ!?アンタそれ卑怯よ!貴重な証人に何向けてるのよ!!」

北芝「10秒以内に答えなければ、法廷侮辱罪としてコレをアンタに発射させるわ。イーチ…ニィーサンヨンゴーロク」

小衣「あああああ!もう分かったわよ!答えれば良いんでしょ答えればぁ!!」バンッ

北芝「そうそう、ちゃんと証人は身の程を弁えて答えなさぁい?」ニヤニヤ

小衣「…ナニヨコノクソババアガ…ブツブツ…」

裁判長「…あっあの、大丈夫なのでしょうか?」

北芝「問題ないわ。証人、事件の冒頭弁論を」

小衣「………へぇーい」

小林(まるで子供の喧嘩のようだ……)


【証言開始】


①被害者はアルセーヌに呼び出されたかのように部屋に向かって行ったわ


②アルセーヌは被害者が来るまでずっと部屋に居たのよ


③そして二人になって、しばらく話し続けたかと思えば、急に被害者は爆散


④その後の事も、全部監視カメラに一部始終映っているわ


小衣「まぁ、こんなもんかしら」フンス

北芝「どーもお子ちゃまにしてはマシな弁論だったわね。ご苦労様もう用済みよ帰りなさい」

小衣「はぁ!?何よ生意気言ってんじゃないわよ!アンタに今そんな権限あると思ってるの!?」

北芝「思ってるわ!!この法廷は私を中心に回ってるのよ覚えておきなさいクソガキ!!」

小衣「ほぉーう。妄想癖の激しいおばさんは悲しい頭してるわねー」

北芝「…もう一度言ってみろおらぁ!!」


キーキー  ギャーギャー


裁判長「……それでは弁護人。尋問をお願いします」

小林(……僕、あの中に入って尋問しなくちゃいけないのか)



①被害者はアルセーヌに呼び出されたかのように部屋に向かって行ったわ

小林「待ってください!」

小林「アルセーヌが被害者を呼び出した理由は?」

小衣「はぁ?そんなもん知った事じゃないわよ!拘束したのは良いけど!碌に話もできないのよあの怪盗!」

小衣「悪魔がーとか、怪盗帝国について何か吐かそうと自白剤打ちまくったけどベロンベロンになるだけで何にもならないし!」

小林「え…?自白剤を……どれぐらい打ち込んだのですか?」

小衣「そんなもの今は関係ないでしょう!とにかく、被告は調査に乗らなかったから何も分からないし動機も不明よ。今の所は」

北芝「…相手はプライドの高いメス怪盗なんだから、動機なんてどうとでもありそうだけど」

小林(メス怪盗なんて単語、初めて聞いたぞ)

小衣「話を戻すわ」

小衣「被害者が被告人の下に行こうとした時、被告人の…」



②アルセーヌは被害者が来るまでずっと部屋に居たのよ

小林「待ってください!」

小林「という事はつまり…アルセーヌはずっと!監視カメラに映っていたのですか!?」

小衣「…ええ、信じられない事にね」

小林「異議!」

小林「それはどう考えてもおかしいじゃないか!?カメラに映っていたのにどうして誰も通報しなかったんですか!?」

小衣「知るか!私が聞きたいわ!!」

北芝「……モニター室の職員がアルセーヌの姿に気づいたのは、被害者が入って来た時よ」

北芝「明らかな職務怠慢かもしれないけど、今私達が議論する事じゃないわね。肝心な所は見たと言うのだから関係無いわ」

小林(それで良いのか…?)

北芝「証人、証言を続けなさい」



③そして二人になって、しばらく話し続けたかと思えば、急に被害者は爆散

小林「待ってください!」

小林「具体的に、どこら辺で爆発したのですか?」

小衣「具体的?…確か、破裂寸前被害者はアルセーヌに二歩ほど歩み寄っていた気がするわ」

小林「……二歩ほど?」

小衣「本当に、微動の範囲だけど。すぐに爆散していたし」

小林(…これは無視できない注意点だな)

小林(記録として残しておくか…)




→証拠ファイル⑨事件現場の記録映像 を書き加えました

【被害者が爆散する瞬間を捉えている。直前にアルセーヌに二歩ほど近づいていた】


小林「…それで、カメラには他に何か記録されていましたか?」


④その後の事も、全部監視カメラに一部始終映っているわ


小林「待ってください!」

小林「つまり、一部始終の事が記録に残っている…という事ですね」

小衣「?そうよ。当然じゃない。何言ってんのよアンタ」

北芝「察してあげなさいよ。被告人が有罪である事実を認めたくないのよコイツは」

小衣「アンタに察しなくても分かってるわよ!余計な口を挟むな!」

小林(本当は君達、仲良いんじゃないのか…?)

小衣「その後の事なんて、私と警視が一緒に怪盗アルセーヌを逮捕した決定的瞬間が映っているくらいしかないわぁ…」ドヤァ

北芝「…………」ギリッ

小衣「本当凄いわよねー警視と私は。その当時は”二人で”あの大怪盗アルセーヌを捕まえたのだから…ニョーホホホホホ♪」

北芝「…それはそれは、凄い快挙じゃないの~」

北芝「その快挙を無駄にされたくなければ大人しく口を閉じてろ蓑虫頭!!!」バァーン

小林(しかし効いてるな…小衣くんの煽り)



小林「さて、ここまでが冒頭弁論だが…気になる所はいくつかある」

小林「だが、突きつけられるのは一個だけか」

「せんせー!頑張ってくださーい!」

「教官!!」

「小林ー!!」

「……ゴニョゴニョ…」

小林「…だとしたら、最も矛盾が激しいあの証拠品を突きつけてやろう」


次の更新は0時10分からです。しばらくお待ちください


→証言④に 証拠ファイル⑤監視カメラの血 を突きつける


小林「異議!!」

小林「…小衣くん。本当にカメラの記録には一部始終映っていたんだね?」

小衣「ココロちゃ…くんって言うな!!何を当然な事を言ってるのよ!!このハゲ!!」

小林(ハゲは酷いな…)

小林「だけど、もしそうだとするとこの証拠品との矛盾が発生してしまうんだよ」

小衣「ふんっ!そんなのアンタの思い違いでしょ!こんな監視カメラに血がつくなんて…」

小衣「…って、監視カメラに血ぃ!?」

北芝「!?」

小林「そうです。事件現場の監視カメラには事件の瞬間、カメラに血がついていたんだ!」ビシッ

小衣「………はぁぁあああああああああ!?」

北芝「はぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああ!!!?」

小林(なっ何で北芝検事も驚いてるんだ?)

北芝「何よそれ…私には全っ然情報が無かったわよそんなの!!」

小衣「私も全っ然聞いてないわ!?そんなとんでも情報!!!!」

小林「………え?」


ザワザワ…ザワ…

カッ


裁判長「静粛に!静粛に!」


裁判長「…どういう事ですかな?弁護人」

小林「はい、事前聴取の時には。モニター室で事件を目撃した証人は確かに言っていました」

小林「被害者が爆散した瞬間、カメラには右半分べっとり血が付着したと」

北芝「……どういう事なのよ」

小衣「でも!カメラにはちゃんと最後まで映像が…」

北芝「係員ん!!今すぐ次の証人を召喚しなさい!!問い詰めてやるわ!!」

係員「了解しました!」スッ

小衣「ちょっと!私の話はまだ――」

北芝「うっさい!今アンタに構ってる暇は無いのよ!とっとと奴を連れてきなさい奴を!!」

小衣「アンタァア!!それでも検事っ…ちょっやめなさい!変な所触らないで!!」



ギャーギャー…ギャー……




バタァァァァァン……



裁判長「…………」

小林「…………」

ガチャッ

係員「北芝検事!証人が後10分の時間を要求していますが」

北芝「却下に決まってんでしょうが!とっとと連れて来い!!」

係員「りょっ…了解です!」

バタン


腐藍「………」ムスー

北芝「…なんでここに立っているかは、アンタ自身分かってるわよね?」

腐藍「………」

腐藍「…きりの悪い所で終わらされて、ここに立つ理由なんて分かる訳ないでしょ」



ダンッ



北芝「……私達をコケにするのもいい加減にしなさいよ…?」ビキビキ

小林(北芝検事…いつも以上に怒ってるな)

腐藍「……あー!もう今すぐ描きたい!あの続きは今しか描けないのにー!!」ガリガリ

腐藍「ちょっとチビッ子!今すぐ戻って描いてきても良い!?良いよね!?よっしゃ!ちょっとひとくら戻ってくる!」タッタッタ

北芝「係員!捕まえろ!!」

係員「はっ!」ガシッ

腐藍「ぐぉぉおおお!!離せぇえええ!!」ジタバタ

係員「離しません!大人しくしろ!」

腐藍「離さんと!お前と裁判長と絡ませたBL漫画描くぞ!!」

係員「離します!」パッ

腐藍「おっしゃぁあああああ!!!」ダダダダダダ

北芝「何してんだお前!!」


カッ


裁判長「係員!今すぐに証人を連れてきてください!」

係員「しっしかし…捕まえたら私と裁判長のBL漫画を描くと証人は!」

裁判長「ビーエル…?そのビーエルとは何ですか?」

係員「同性愛の漫画。つまりホモ漫画です!」


カッ


裁判長「証人の逃亡を認めます」

小林「異議っ!!!」

北芝「異議ありっ!!!!」

北芝「認められるわけ無いでしょうが!!無理やりでも良いから連れてきなさい!」

係員「しっしかし…」

北芝「しかしじゃない!とっとと連れて来い無能!」


カッ


裁判長「検察側の要求を却下します!」

北芝「なんでじゃぁぁああああああ!!!」フシャー


小林「……………あの」

係員「何でしょう?」

小林「確か、証人は箱に入って漫画を描いていたと思われるのですが…その箱は今どこにありますか?」

係員「箱?あの大きな箱なら、証人が控え室の中に…」

小林「……その箱ごと、証言台の前に持ってくれば…」

係員「………」

係員「……!今すぐ準備します!!」タタタタタタ


カッ


裁判長「それなら、何とか上手くいきそうですな」

北芝「…………」

小林(…北芝検事が、全てが鬱陶しそうな顔で俯いている…)



腐藍(箱)「………」カリカリカリカリ

北芝「…証人、名前と職業」

腐藍(箱)「………」カリカリカリ

北芝「………証人?」

腐藍(箱)「………」カリカリカリ

北芝「…おい!名前と職業!!」ダンッ


パッ


ピラピラピラ……


小林「…ん?何?この紙」パシッ

小林「ええと…名前:腐藍子女(17) 職業:フリーター兼同人作家…だそうです」

北芝「…え?紙に?書いてんのこいつ」

裁判長「……どうやら、話は通じているようですな」

腐藍(箱)「………」カリカリカリ

北芝「……喋りなさいよ!!鬱陶しいわね!!」ダンッ

小林(一体何を思いついてあんなに描いてるんだろう…)

裁判長「…とりあえず、証言してもらいましょう」

裁判長「証人、貴方が目撃した時。カメラに血が付着したとも言っていたようですね?」

腐藍(箱)「………」カリカリカリ

裁判長「それも踏まえて、貴方が事件当日何を見たのか」

裁判長「今ここで証言をお願いしてもよろしいですかな?」

腐藍(箱)「………」カリカリカリ



パッ


ピラピラピラ……


小林「うわっ、おっとっと…」パシッ

小林「……”OK”…だそうです」

北芝「こいつ…この尋問でどれほど無駄に紙を消費するつもりかしら」



【証言開始】


パッ   ピラピラピラ

①あの時私は、モニター室で仕事をしていたわ


パッ   ピラピラピラ

②4Fの展示室Aには、あの怪盗アルセーヌが立っていたの


パッ   ピラピラピラ

③通報した後、ゲイシーが部屋に向かってるのを見て思わず凝視したわ


パッ   ピラピラピラ

④そこで私は通報したのだけど、警察が来る前にゲイシーはアルセーヌに殺され爆散。一目見て死んだと分かったわ


パッ   ピラピラピラ

⑤後は…警察が来て、怪盗アルセーヌが捕まって。連れてかれてって。そんな感じかしら


裁判長「…ふむぅ」

裁判長「つまり、貴方はちゃんと仕事をしていたという訳ですな?」

パッ   ピラピラピラ

小林「わっええと…」パシッ

小林「…「当然じゃない。一応仕事なのよ?」って書いてあります」

裁判長「ふむ、弁護人。ご苦労様です」

北芝「…職務怠慢は無かった。あ、そう。ならどうでも良いわ」

北芝「まぁ、全部弁護側には不利な証言ばかりだったみたいだけどね」

小林「…………」

北芝「それでも、貴方は尋問するつもりかしら?」

小林「…はい。この証言にはいくつか、気になる所がありますから」

裁判長「分かりました」

裁判長「それでは弁護人、尋問をお願いします」


【証言開始】



①あの時私は、モニター室で仕事をしていたわ


小林「待ってください!」

小林「それは、どちらの方ですか?監視の方か、その…今行ってる執筆の方か…」

箱「…………」

パッ   ピラピラピラ

小林「わっと!ええと…」パシッ

小林「……「私のトイズは二兎追う事が可能な能力なのだから、両方に決まってるじゃない」…だそうです」

北芝「ふぅん…トイズ持ちねぇ」

北芝「まぁ、この事件にトイズの使用が明らかじゃないからどっちでも良いけど」

北芝「貴方は、トイズを使って…その、変な漫画を描きながら監視もしていたわけね?」

パッ   ピラピラピラ

小林「おっと、」パシッ

小林「…………」

北芝「? どうしたの弁護人。どもってないでさっさと言いなさい」

小林「…え、ええとあの…これは言って良い物なのか……」

ダンッ

北芝「その紙は証言の一部なのよ!?良いからとっとと読み上げなさい!」

小林「………それじゃぁ、北芝検事。どうぞ」スッ

北芝「はぁ?何で私が!……「変な漫画じゃないわよ。このBLは……」」

北芝「…………」

北芝「なっなんですってぇぇぇえええええ!!!!法廷侮辱罪よ!拘束しなさい!今すぐ!!」ウガァアアア

パッ   ピラピラピラ

係員「はっ!了解し…え?この紙……」パシッ

係員「…検察側の要求を拒否します!!」

北芝「おい!!!」

小林(一体、何が書かれてたんだ…?)



②4Fの展示室Aには、あの怪盗アルセーヌが立っていたの



小林「待ってください!」

小林「あの!貴方は、気づいていたんですよね?すぐに通報はしなかったのですか?」

パッ   ピラピラピラ

小林「……はいはい。なになに…」パシッ

小林「……「通報したけど、警察はすぐには来なかった。結局アルセーヌは逮捕できたけど」」

「ふーん!その怪盗アルセーヌを拘束したのは小衣なんだから!」

「はいはい、大人しくしてろ小衣」

パッ   ピラピラピラ

小林「おっと、はいはいはい…」パシッ

小林「…「正直、銀髪の眼鏡警視正には興奮した。すぐさま執筆活動を開始して三冊程…」って、そんな証言は…」

北芝「ちょっと!!その邪な目で神津くんを見ないでくれる!?」

「あの変な漫画描いたのはお前かぁー!!この小衣が成敗してやるわぁあああ!!!」

「はいはい、大人しくしてくださいね明智警部」

小林(…外野の小衣くんが興奮し始めてるな)

パッ   ピラピラピラ

小林「おっと、」パシッ

小林「ええと、「でも、アルセーヌの他に気になる物が映っていて」……詳しく書いてくれますか?」




③通報した後、ゲイシーが部屋に向かってるのを見て思わず凝視したわ


小林「待ってください!」

小林「被害者が部屋に向かっている所を、目撃したんですか!?」

パッ   ピラピラピラ

小林「……「そうよ」」パシッ

パッ   ピラピラピラ

小林「……「あれは間違いなくゲイシー松本だったわ」」パシッ

パッ   ピラピラピラ

小林「「だから私はかなり驚いて」……どうして小分けにして書いてくるんですか?」

北芝「紙の無駄遣いじゃないのよ!どんだけ使うつもり!?無くならないでしょうね!」

パッ   ピラピラピラ

小林「おっと」パシッ

小林「「そろそろ紙が無くなりそうだから、係員にコピー用紙の補充を求め……」」

北芝「証言台に立ちなさいよ!!立って口で証言しなさいよ貴方!!!私たちの机が紙だらけじゃない!!ただでさえ証拠品や書類で重なってるってのに!!」

パッ   ピラピラピラ

北芝「ふん!何!?」パシッ

北芝「「黙れ」……ついに二文字かっ!!!」ダンッ

小林(荒れてるなぁ…北芝検事)

パッ   ピラピラピラ

小林「おっと、「今思えば、事件前日までの会話は伏線だったのかもね」」パシッ

小林「……事件前日?一体何を話されたのですか?」


腐藍(箱)「…………」

小林「証人?」

腐藍(箱)「…………」

小林「証人!?」

北芝「……どうやらコピー用紙が切れたみたいね…」

小林(本当に証言に極力協力しないなこの人……)

バタンッ

係員「追加のコピー用紙!持ってきました!」

パッ   ピラピラピラ

小林「……」パシッ

小林「…「何か、怪盗アルセーヌを捕まえるとしたらどう作戦を練る?とか、そんな事言っていたわ」」

パッ   ピラピラピラ

小林「……」パシッ

小林「「まぁ、今思えばただの世間話だけど。ちょっと引っかからない?」」

小林「ええ、確かに少し引っかかりますが…」

北芝「異議あり!」

北芝「そんなもの、ただの世間話の類でしょう!まさか、逆に殺されるとは思っても見なかったかもしれませんが」

パッ   ピラピラピラ

小林「……「まぁ、今思えばそうだったのかも」」



④そこで私は通報したのだけど、警察が来る前にゲイシーはアルセーヌに殺され爆散。一目見て死んだと分かったわ


小林「待ってください!」

小林「…あの、本当にイキナリですか?何か予兆とかありませんでしたか?」

パッ   ピラピラピラ

小林「…「映像で見たけど、本当にイキナリだったよ。何の前触れも無くドカーン」」パシッ

小林「「正直、私も良く分からなかった」…そうですか」

小林(この証言で聞ける事は、これくらいか?)

北芝「まぁ、あんなもの意味分かるとは到底思えないものね」

小林(いや、まだ聞ける事はあるんじゃないのか?他の証言でも気になっている…)


Q:まだ聞くことは?

 →ある

  ない



小林「…それでは、事件が起こった瞬間。では無くて」

小林「事件当日、事件が起こる前に貴方は被害者に会いましたか?」

パッ   ピラピラピラ

小林「…「一応会ってはいたよ」なるほど」パシッ

小林「そこで、何か妙な事を口走っていたり変な事を言っていたり。とかはありませんか?」

パッ   ピラピラピラ

パシッ

小林「……「なんで?」…あの、その。さすがにこの少ない文字では紙の無駄遣いじゃぁ…」

北芝「その証人が証言を口で言えば大分楽なんだけどね」

パッ   ピラピラピラ

小林「……「特に何も無かったよ。ゲイシーがアルセーヌの元に向かってたのも、ただの見回りだし」」

小林「見回り…?学芸員が見回りをするんですか?」

パッ   ピラピラピラ

小林「ええと…「そんなの私が知る訳無いじゃん」…は、はぁ…」

北芝「…………」

北芝「…被害者が、その時に幻惑のトイズをかけられていた可能性があるって訳ね」

小林「えっ」

北芝「監視カメラの映像を見る限り、被害者は何の迷いも無く1Fから4Fまで上がり、事件現場へと一直線で向かっていた」

北芝「もし、殺人の瞬間にトイズの発生が無かったとしたら」

北芝「その前にかけられていたと思うほうが自然ね!」ドヤッ

小林「ウッ…!」

小林(ヤバイ…墓穴掘ったか…?)





証拠ファイル⑩事件現場の記録映像2

【被害者が怪盗アルセーヌの元へ一直線へ向かっている映像が記録されている】




北芝「感謝するわ探偵。これでこの事件で崩れかけていた検察側の立証が…」

北芝「見事に再び形を成しえたのだからね!!」ビシィッ

小林「ううう…!!」ビクッ

パッ   ピラピラピラ

小林「……ええと」パシッ



⑤後は…警察が来て、怪盗アルセーヌが捕まって。連れてかれてって。そんな感じかしら


小林「まっ待ってください!」

小林「貴方は…見たのですね?怪盗アルセーヌが逮捕されて連れて行かれる所を!!」

腐藍(箱)「………」

パッ   ピラピラピラ

小林「……「当然じゃない」」パシッ

小林(……やっぱりだ)

小林(やっぱり、この証言が一番怪しい…!)

北芝「…………」

パッ   ピラピラピラ

小林「………」パシッ

小林「「そろそろ執筆が終わりそうだから、ちょっと待っててくれるかしら?」………分かりました」

北芝「はぁぁ…やっと紙が巻き散らかされる尋問が終わる…」



「先生ぇー!頑張ってくださーい!」

小林(間違いない…この人は今、嘘をついている!)

小林(問題は、この証言が嘘なのか、僕達に聴取された時に嘘をついたのか…)

小林(まずは、それを確かめてみよう)

「小林ー、机の左の死角、確かめた方が良いよー!」

小林「左の死角?あっ…こんな所に拾い忘れの紙が…」

次の行進は12時35分からです。しばらくお待ちください



→証言⑤に証拠ファイル⑤監視カメラの血を突きつける


小林「異議!!」

小林「……証人。貴方、どうして嘘をついたのですか?」

腐藍(箱)「………」

小林「貴方、僕達が事前聴取した時に言いましたよね?」

小林「被害者が爆発した瞬間、血でその後の事は分からなかった」

腐藍(箱)「………」ガタッ

小林「昨日の発言と今の証言、明らかに矛盾しています!」

北芝「異議あり!!」

北芝「そもそも!その証言の意味が全く分からない!!」

北芝「監視カメラの映像は!ちゃんと一部始終記録されている!アルセーヌが立っている場面から、アルセーヌが逮捕されるところまで!!」

北芝「血なんて、レンズどこにも一切付着された跡なんて無いわよ!!」

小林「………え?」


腐藍(箱)「…………」

小林「…どういう事ですか?腐藍さん…」

腐藍(箱)「…………」キュッキュッキュ

パッ ヒラヒラヒラ

小林「………」パシッ

小林「……「そういう事だから」」

「何がそういう事だぁー!!」

「そんなの!納得できるはずがありません!!」

「ちゃんと説明してくださいー!!」

腐藍(箱)「………」

小林「…あの、一体どういう事なんですか?詳しい説明を…」

腐藍(箱)「………」

バンッ

小林「」ビクッ

腐藍「………」スック

腐藍「…ふぅーい…ようやく描き切った」コキコキ

小林「……腐藍さん?」

腐藍「あー…うん、何?」

小林「いや、何じゃなくて」

北芝「そこの弁護士が持ってる証拠品。何かおかしいのよ。カメラに血がなんたらーとか、鬱陶しくてありゃしない!」

腐藍「………うん。とりあえず小林くん?」

小林「はい」

腐藍「ごめんね♪」キラッ

小林「はい?」


腐藍「……実は、あの血。事件現場からの血じゃないんだ」

小林「…え」

腐藍「いやぁー!あの時は良いオカズがあったもんだから絶好調しちゃってさぁ。鼻血が止まらなかったんだよぉ」

小林「……」

腐藍「それでティッシュで鼻を押さえていたら、あの爆発が起こったもんだから。思わず血のついたティッシュ投げちゃって…」

小林「……まさか」

北芝「………貴方の言う監視カメラについていた血というのは」

北芝「この事件とは全っっったく関係無いみたいね」

腐藍「ごめんねぇー!私も最初自分の血だとは思わなくてさぁー!警察側に映像見せてもらったら、えっ!?嘘マジで?ってなってー」

腐藍「こんなしょうもない事証言するわけにはいかないし……言わないでおこうかなぁーって」

小林「…………それじゃぁ、血が付着した後の映像を知っている…というのも」

腐藍「いや本当ごめんね。まさか突っかかってくるとは思わなかったから…」

小林「………うっ」

小林「うぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」ガガーン


ザワザワ…ザワ…

カッ

裁判長「静粛に!静粛に!」

裁判長「……という事は、どういう事ですかな?」

北芝「弁護側には、証拠として不十分な証拠品があったって事よ」

北芝「弁護人、その無駄な証拠品を処分しなさい」

小林「………はい」



証拠ファイル⑤監視カメラの血を処分した





裁判長「…なるほど。という事は」


カッ

裁判長「この裁判は最早、審議するまでも無い。という事ですね」

北芝「ええ。検察側の立証も、弁護側が立ててくれた事ですし」

北芝「ここら辺で判決を下した方が良いかと」ニヤッ

小林「…………」

裁判長「…分かりました」

小林「…………」

小林(…何か、何か無いのか?)

小林(このままだと…終わってしまう。全てが!)

「う…うう…このままでは先生が…!」

カッ

裁判長「これより!怪盗アルセーヌに判決を言い渡します!!」







小林「異議あり!!!!」







北芝「っ!」

裁判長「っ!」

腐藍「…おいわぁ!ビックリしたぁ」ビクッ

ダンッ

小林「…まだ、この事件には明らかになっていない部分があります」

裁判長「……なんですと?」

北芝「見苦しいわよ弁護人」

ダンッ

北芝「ここまで来てハッタリかしら!?適当な事言ってるんじゃないわよ!」

「なんだとぉー!このドワーフ検事がぁー!!」

「先生は適当な事なんて言いません!!」

「教官の言う事に度肝を抜くが良いわ!!コロポック検事!!」

「こ…小林さんに…ハッタリなんてありません!」

北芝「……………」

小林「……(ありがとう。皆)」

小林(そしてごめん…実はこれ、本当にただの適当なハッタリなんだ…)


裁判長「…弁護人。本当に明らかになっていない物があるのですか?」

小林「え?あっ…はい!!」

小林(考えろ…考えるんだ小林オペラ!)

小林(この殺人が怪盗アルセーヌの物じゃないのなら、絶対に何か矛盾が生じている筈だ!)

北芝「…このシンプルな殺人事件のこれ以上どこに明らかじゃない物があるのよ」

北芝「動機、記録、証言…最早疑うところなんて何一つありゃしない!!!」ダンッ

北芝「アンタの言う明らかになってない部分を出してみなさいよ!!今なら私、アンタに完全論破できるわ!!」

小林「…………」

小林(…逆にもし、この事件が怪盗アルセーヌの犯行であるとしたら)

小林(どうしても気になる証拠品が…ある筈だ)

小林「……分かりました」

小林「この事件でまだ明らかになっていない部分…それは、この証拠品が証明します!」



→証拠ファイル⑨事件現場の記録映像


北芝「…何よこれ。これこそ一番明らかにしてるじゃない」

ダンッ

北芝「この決定的瞬間を映した証拠品に!何の難癖つけるつもりなのよ!」

小林「…北芝検事。気になると思いませんか?」

小林「もし本当に、この事件が被告人の犯行だったとしたら」

小林「何故、被告人はその場から”逃げ出さなかった”のでしょうか」

北芝「…………」

小林「更に、もう一つ。検察側が立証した被告が操られていたという線ですが」

小林「この証人は確かに言いました。事件当日、被害者に会っていると」

小林「本当に被告人に操られていたのなら、何かしら不可解な行動があった筈です」

北芝「異議あり!!」

北芝「馬鹿馬鹿しい!証人はこうも言っていたわよね!?」

北芝「「特に何も無かった」…って!」

小林「そう、本当にそうだとすると。一つおかしな点が出てきます」

小林「本当に、被告人は被害者を操っていたのか?という点です」

北芝「っ!」

小林「それに、被告人のトイズは実際に相手の目を見ないと発動しません」

小林「なら、被害者は以前から被告人に出会っていなければいけません」

小林「被告人のトイズは、操る事は出来ても洗脳は出来ません。言動を普通に保ったまま操るなんて不可能です」

北芝「……ぐっ…」


北芝「そっそんなの分かんないじゃない!!」

小林「ええ、だから僕達が今その疑問を解決するのです」

腐藍「………」

小林「……証人」

小林「僕が貴方に要求する事は、二つです」

小林「一つは、監視カメラに映っていたアルセーヌはどのような行動を取っていたのか」

小林「もう一つは、被害者松本ゲイシーさんは本当に操られていたのかです」

北芝「そっそんなの!」

裁判長「…弁護人の要求を認知します」

北芝「!」

小林「……聞きましたね?証人」

北芝「グググ…私の要求は…ほとんど却下するくせにぃ…!」ギギギ

小林「それでは証人、答えて下さい!この二つの質問に!」

腐藍「………うーん…」

腐藍「ちょっと…記憶があやふやだけど、良いのかな?」

腐藍「それでも良いなら、喋っちゃうよー?」

小林「…よろしくお願いします」



【証言開始】


①ゲイシーの爆散後、アルセーヌは驚いたのか尻餅ついてたね


②その後、手についた何かを必死に取ろうとしていたよね


③まぁ、その間に警察来て逮捕されちゃったんだけど


④そんで松本が操られていたって?うーん…いつも通りだったと思うけどなー


⑤まぁ事件前日はおかしかったけどさぁ




小林「………ありがとうございます」

北芝「という事は、被害者は事件前日に洗脳された可能性が高い…って訳」

裁判長「ふむ……満足ですかな?弁護人」

小林「…はい。」

カッ


裁判長「よろしい、では尋問を……」



①ゲイシーの爆散後、アルセーヌは驚いたのか尻餅ついてたね



小林「待ってください!」

小林「…どうして、逃げ出さなかったのか。何か見当はありますか?」

腐藍「うーん?いや、全然分かんない」

北芝「…単に、足を挫いたとかじゃないの?」

小林「異議!!」

小林「それは有り得ません。神津が…警視正がちゃんと証言しました」

小林「被告人は、奇跡的に五体満足だったと。しかもそれが決定的となり逮捕されたそうですね?」

北芝「ウッ…」

小林「つまり、被告は逃げようと思えばすぐに逃げ出せる状況だった!なら、何故逃げ出さなかったのか、それは…」

腐藍「…あっ!でも、一個心当たりがあるよ」

小林「……え?」


②その後、手についた何かを必死に取ろうとしていたよね



小林「待ってください!」

小林「手に何か?一体、何がついていたのですか?」

腐藍「……あれー?一体何だったっけ?……私には分かんないやぁー」ニッ

小林(それを笑顔で言われても…)

北芝「…被害者の頭部よ」

小林「えっ……」

北芝「事件後、アルセーヌの腕には爆散した際の被害者の頭部が有った髪の毛が絡まっていたそうだわ」

小林「かっ…髪の毛……」

北芝「多分、逃げられなかったのはそれによる動揺かしらね」

北芝「これでまた一つ、検察側の推論が立証されたわ」ニヤァ…

小林「うう…(やはり、怪盗が被告人だと検察側の立証が立ちやすいな…)」

腐藍「動揺かー。あー…」




③まぁ、その間に警察来て逮捕されちゃったんだけど


小林「待ってください!」

小林「被告人は、何か抵抗するそぶりとかありませんでしたか?」

腐藍「えー?確か、警察の人たちを凝視していたような…」

北芝「駆けつけた神津君…警視正と警部は、目が合ったと証言しているけど」

北芝「特に何も起こらなかった。と言っていたわ」

小林「!」

小林「異議!」

小林「本来、被告人が殺人を犯したのならば、どうしてそこでトイズを使って抵抗しなかったのか」

小林「それは事件当日の心情を考えれば明らかです」

北芝「…どういう事かしら?」

小林「もし、被告人が殺したのでなければ急に爆発する被害者に驚く筈です」

小林「そこで精神不安定になり、トイズが上手く発動しなかった…」

北芝「異議あり!」

北芝「状況証拠は役に立たないわよ!弁護人!」

北芝「それに、今は被告人が殺人を犯していないという証拠は、微塵も存在していない!!」ビシッ

小林「ウッ……!」

北芝「そんなトンデモ理論は、被告人の無実を立証してから言いなさい!!」

小林(ううっ…さすがに今は検察側の方が有利か…)

腐藍「監視カメラの事についてはそのくらいかなー。」



④そんで松本が操られていたって?うーん…いつも通りだったと思うけどなー


小林「待ってください!」

小林「本当にいつも通りだったのですか?妙な行動とかはありませんでした?」

腐藍「うーん…事件当日には無かったと思うよ?」

腐藍「確か、挨拶を交わした後に倉庫に……」

小林「…倉庫?どうして被害者は倉庫に?」

腐藍「さぁー分かんないやぁ。何か取りに行ってたんじゃないのー?」

小林「………」

北芝「恐らく、その倉庫に爆弾を隠していた…って所かしら?」

北芝「洗脳されていたのが事件前日なら、不可能では無いわ」

小林(……確かに)

小林「…ちなみに、検察側は倉庫の中を調べましたか?」

北芝「はっ!私達を甘く見ないで頂戴。ちゃんと館内は全て捜査済みよ!」バァーン

小林「倉庫の中に、何か怪しい物は?」

北芝「…………」

ペラッペラッペラ

北芝「……無かったわね!」

小林(少なくとも、真面目に捜査はしていなかったみたいだな)



⑤まぁ事件前日はおかしかったけどさぁ


小林「待ってください!」

小林「その、おかしかった…というのは!?」

腐藍「おおっと!やっぱり気になるかい?気になるかい?」ドヤァ…

北芝「…とっとと答えなさい!証人!」ダンッ

小林(さすがに今のはイラッとしたか)

腐藍「……でも、多分聞いてもガッカリするだけだと思うよ?」

腐藍「さっきも証言したけど、怪盗アルセーヌの捕まえ方とか私が死んだらどうする?とか」

腐藍「私にとっては正直どうでも良い事ばっかりだったけど」

小林「ゲッゲイシーさんが死んだら…という話は、今はもうどうでも良くありませんが…」

腐藍「あー今思えばそうなるねー確かに」

小林「……ちなみに」

小林「そのような話題が、一体いつ頃から出始めたのですか?」

腐藍「うーん?そういえば……一週間前から急に同じような話題ばかり出して来たような…」

腐藍「今思えば…まるで自分が死ぬ時間を知っているかのような…」

小林「!?」

小林「そ…それはどういうことですか!?証人!」ダンッ

腐藍「いや、私結構オカルト好きだからさ。察してたんじゃないかなぁ?無意識に」

腐藍「私の爺ちゃんも、死ぬ一週間前の行動は奇行ばかりだったし」

小林「そ…それは…お気の毒に…」

腐藍「まぁ、死ぬ間近の人間はちょっとおかしくなるのよ。人間って奴は」

北芝「……………」

小林(………あれ?)

小林(この証言…何かおかしくなかったか?)

小林(………)

小林(これは…この証言は…重要なファクターになるかもしれない)



小林(…なるほど、色んな情報を引き出せた)

小林(被害者は前日、奇妙な…変な話を持ち出したこと)

小林(しかし、その……何とか引き伸ばせたのは良いけど)

小林(どうしよう)

小林(突っ込み所が…見つからない!)ダラダラ


カッ


裁判長「……もう良いでしょう」

裁判長「これで、既に全てが明らかとなりました」

裁判長「被害者が、事件当日以前の日。少なくとも一週間程前からトイズによって操られていた可能性がある以上」

裁判長「この裁判は、既に審議を必要としません」

小林「ぐぅ……」

北芝「…まっそりゃそうよね」


北芝「これでアンタも分かったでしょう?この裁判は、100%被告が有罪になる事件」

北芝「何故なら、被告は大きな可能性を持つトイズを持っている。それで――」

北芝「ほとんどのアリバイを潰してしまい、検察側を有利にしている!!」

北芝「貴方がこの状況を引っくり返すには、検察側が出す全ての立証を全て潰す必要があるのよ!……この裁判」

北芝「どれだけ引っくり返しても、弁護側が有利になる事すら有りえない!!」ダンッ

小林「う…う……」

小林「うわぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」ガガーン


ザワザワ…ザワ……

カッ


裁判長「静粛に!静粛に!」

小林「…………」

小林(…ダメだ…もう……)

小林(その通りだ…北芝検事の……通り)

小林(アルセーヌが冤罪だろうと、関係無い。彼女のトイズが冤罪の力を強く…している)

小林(つまり……僕がどんな証拠品で反論しようとも…彼女のトイズが邪魔をする……)

小林(……この裁判…)

小林(例え…僕が被告が殺していないと信じていても……)

小林(それを…立証するのは………不可能だ)


裁判長「……弁護人」

裁判長「本当に…もう、これでお終いです」

裁判長「判決を下しても、構いませんね?」

小林「………」

カッ

裁判長「それでは!判決を言い渡します」








































腐藍「あああああああああああああああああああああ―――――!!!!!!!」



小林「!」

北芝「!」

裁判長「! な…なんですか!?証人!」

腐藍「思い出した…思い出したよ!今!」

小林「な…何が?」

腐藍「昨日、小林くんに言おうとして忘れていた!もう一つの情報!!」

小林「もう一つの情報…?」

腐藍「うん!ほら、事件現場とは違うもう一つのカメラで――」

北芝「それはもう、とっくに証拠品として提出されたでしょう?被害者が真っ直ぐ事件の現場に」

腐藍「いやいや、それとは違う奴。全然」

北芝「……何ですって?」

小林「いっ一体、何が映っていたって言うんですか?」

腐藍「いや本当、さっきから何かモヤモヤしてたのがスッキリしたよぉー。いやぁー思い出せた思い出せた」

小林「……教えて貰えますか?」

小林「事件現場でも、被害者の姿でも無い。もう一つの映像を」

腐藍「あー、それは私が証言するより…」ゴソゴソ

腐藍「実際に見て貰った方が早いかもねー」ヒョイ

北芝「!! アンタ…そんな大事な証拠品!その箱の中に入っていたのっ!?」

ダンッ

小林「裁判長!この映像…証拠品として受理してください!」

北芝「異議あり!!」

北芝「そんなもの!本当に事件に関係あるのか分からないわ!却下よ却下!!」

裁判長「…………」

裁判長「一度、見てみましょう」

小林「!」

裁判長「見てから、この映像記録を証拠品として受理するか否か」

裁判長「それでも、遅くないと思います」

裁判長「係員、プロジェクターの用意を」

小林(……たっ)

小林(助かった……のか?)

小林(いや…まだ分からない。まだ、この証拠品がこっちに有利に動くのか、あっちに有利に動くか)

小林(一体…どちらの方に…)ダラダラ

裁判長「それでは証人、そのテープをそちらに」

腐藍「はぁーい♪」



【映像記録の尋問】


①3Fの展示室Jの映像。月の光が窓から差し込むだけで何も起こらない


②途中、入り口から奇妙な歪みが横切る


③そして、部屋が大きな光に包まれ画面が揺れ、色んな物がなぎ倒されていく


④光が治まった後、すぐに窓から”何か”が上から下に落ちてくるのが映った……


裁判長「………」

北芝「……何?これ…」

小林「……」

小林「…係員さん。④の場面まで戻ってくれませんか?」

係員「りょっ了解!」

キュルキュルキュルキュルキュル

カチッ

―――…

小林「!そこ!そこで一時停止してください!」

ピッ…

裁判長「…何か、落ちてますね?」

北芝「……ただの破片でしょ。騒ぎすぎなのよ」

小林「…あの、ちょっと良いですか?」

北芝「?何」

小林「実は、僕達裁判の前日事件現場の下も捜査していたのですが」

小林「……ガラスの破片くらいしか上の物は無かったのですよ」

北芝「…それが?」

小林「ですが、この映像を見る限り。かなり大きめな影ですよね?それも……」

小林「ガラスのように透き通っていない、”人間”程の大きさ……」

北芝「なっ何が言いたいのよ」

小林「…思い出してください」

小林「現場には、窓ガラスが割れているくらいで部屋が崩れている事はほとんど無かった。更に展示品には何も変わり無かった。つまり…」

ダンッ

小林「これは!現場に居た第三者の可能性があります!!」

裁判長「!!」

北芝「だ…第三者ですって…!」


小林「はい。被害者は死に、被告人が現場から動かなかった以上。それ以外に考えられません」

小林「そして、その第三者は…もう一人しか候補が居ない事をご存知ですね?」

北芝「………まさか、貴様」

ダンッ

小林「そうです!この映像が残っている限り、もう一人怪しい人物がいる!」

小林「裁判長!弁護側は、この事件のもう一人の目撃者に証言を要求します!!」

裁判長「……なっ!」

裁判長「もう一人の…目撃者ですとぉおお!?」

北芝「異議あり!!」

北芝「馬鹿馬鹿しいにも程があるわ!!仮にその影がもう一人の目撃者だったとしても!」

北芝「そいつが殺人を犯した証拠は何一つ存在しない!!」

小林「異議!!」

小林「もし、その目撃者が被告人の殺人を目撃したのであれば…」

小林「何故!わざわざ4Fから外へ飛び出したんですか!」

北芝「異議あり!!」

北芝「現に死んでないじゃないのよ!その目撃者!」

北芝「普通!4Fから落ちたら、タダじゃ済まないわよ!!」

小林「…その通りです。タダじゃおきません」

小林「その目撃者が、普通の人だったならね」

北芝「…ど、どういう事?」

小林「検察側もご存知かもしれません。この事件のもう一人の目撃者は海外でヒーロー活動をしている事を」

小林「日本ではあまり馴染みが無いかもしれませんが。とても名のある方だそうです。……近日、ハリウッド映画化されるくらいには」

北芝「…貴方、この後の事を本気で言おうと思っているの?」

ダンッ!

小林「しかし、だとしてもわざわざ4階から落ちる理由は僕にも見当つきません!」

小林「これを明らかにする為にも!僕はもう一人の目撃者の証言を求めます!!」



カッ



裁判長「……分かりました」

裁判長「それでは、新しい証人の召喚の前に。20分間の休憩を取ります」

北芝「まっ待ちなさい!この映像の影が本当に目撃者なのか…」

裁判長「それは、次の審議で明らかにしましょう」

北芝「…………」ダンッ

腐藍「……ありゃりゃ」

裁判長「それでは!これより20分間の休廷です!」


カンッ!


ちょっと休憩です。次の更新は1時から


【横浜裁判所 第二控え室  11月26日 午後1時11分】


小林「…………」

小林(…な…何とか…生き残ってる……けど)

小林(何て…なんて心臓に悪い裁判なんだ…)

小林(下手をすれば一瞬でゲームオーバー……怪盗アルセーヌが有罪の方へと転んでしまう…)

小林(この裁判で…本当に立証…できるのか?アルセーヌの無罪を…)

ダッダッダッダッダ

シャロ「先生ー!!」

姫百合「小林さん!」

小林「あ…君達」

ネロ「…今回の裁判。本当にギリギリだね」

コーデリア「こちらから見ても、教官が圧倒的に不利な状況なのが手に取るように分かりました…」

エルキュール「…このまま…だと……確実に……」

コロン「ウチらでも、正直アルセーヌが殺人犯したとしか思えへんし…」

小林(……意外と容赦ないな。この子達も)


シャロ「あ…あの、先生!」

シャロ「本当に…怪盗アルセーヌは殺人を犯していないんですよね?」

小林「…うん。もし、アルセーヌが殺人を犯す時に前日に幻惑のトイズを使ったとして」

小林「わざわざ自分の前で爆発させるなんて不利な事をする筈が無いし。何より…怪盗に美学を持っている彼女があんな惨たらしい殺人を犯すなんて考えられない」

シャロ「……そうですよ!」

シャロ「先生がそこまで断言するなら!絶対にアルセーヌは無罪なんです!だから絶対!有罪なんて有りえない裁判なんですよ!」

ネロ「でもさ、それの立証が難しいんだから。そこをどうにかしないと」

エルキュール「このままだと……小林さんが…負けてしまいます……」

姫百合「…………」

小林「…それじゃぁ、君達」

小林「この裁判で、何かおかしいと思ったところは無いかい?」

ミルキィホームズ「「「「えっ?」」」」


コロン「おっおかしいかった?所?」

小林「どんな些細な事でも良い。この事件で違和感を感じた点を、教えてくれると有り難いんだけど」

姫百合「…………」

コーデリア「そ…そんな事いきなり言われても…」

ネロ「正直、こんなシンプルな事件で違和感なんて……」

姫百合「…あの、ちょっと待ってください」

小林「うん?何かな姫百合くん」

姫百合「一つ、気がかりな事があるのですが」

姫百合「…どうして、被害者は一週間程前から自分の死について語り始めたのでしょうか?」

シャロ「え?ええ?それは…」

コーデリア「オッオカルト的なものとかじゃ…無いかしら?」

姫百合「そう片付けてしまうのは簡単です。でも、もしそうじゃなかったとしたら……」



証拠ファイル⑪エラリー姫百合の疑問点

【何故、一週間程前から被害者は自分の死について語り始めたのか】


小林「…なるほど。確かに僕もその証言の事が気になっているから…」

小林「この被害者の過去の状態。これは重要なファクターに成りうるだろう」

シャロ「…あっ!それなら私も気になる所があります!」

シャロ「あの映像に映っていた入り口のもや。あれは一体なんでしょう…」

シャロ「その後、すぐに上で爆発が起こりましたよね?じゃぁ、あの歪みは一体何の…オカルト的な何かでしょうか」

小林「…確かに、それも非常に気になる疑問点だ」



証拠ファイル⑫シャーロックの疑問点

【映像に記録されていた入り口を横切った歪みは何か】



ネロ「…あっ!それなら僕だって気になった箇所があるよ!」

ネロ「被害者が自爆したとか爆発したとか。そういうのなら普通は予兆くらいある筈だよね?」

ネロ「でも、映像を見る限り部屋に一直線に向かっても部屋で二人きりになってからもスイッチを押す仕草すらない」

ネロ「勿論、怪盗アルセーヌがトイズを使って爆発させたような仕草も無いし、トイズの音も無かった」

ネロ「これは、非常に気になる点だと思うな」


証拠ファイル⑬ネロの疑問点

【被害者は、どのようにして爆発したのか】




コーデリア「そ…それなら私も…」

コーデリア「怪盗アルセーヌがあの場所に居たのは、何か理由があっての筈ですよね?」

コーデリア「なのに、映像を見る限りではその理由が全く分かりません」

コーデリア「何の物も盗まず、ただじっと被害者を待って。爆発しても逃げなかった…」

コーデリア「…これは、明らかにおかしい点だと思います」


証拠ファイル⑭コーデリアの疑問点

【怪盗アルセーヌが事件現場に居た理由は何か】




エルキュール「わ…私も……」

エルキュール「アルセーヌが…本当に殺人をしたのなら…何故逃げ出さなかったのか…」

エルキュール「検察側が…立証していましたけど……どうにも…納得できません…」

エルキュール「本来なら…逃げ出せる状況があった筈なのに…逃げださなかった…その理由が…」

エルキュール「…私の、一番の疑問点です」


証拠ファイル⑮エルキュールの疑問点

【何故、怪盗アルセーヌは逃げ出さなかったのか】


小林「…なるほど、良く分かった」

小林(確かに、全部この裁判ではまだ明らかにされていない事ばかりだ…)

小林「…それで、コロンくんは何か疑問に感じた部分はあったのかい?」

コロン「……えっ!?」

コロン「あっああ!ウチな!ウチはぁー…ええと……」ダラダラ

小林「………」

コロン「……ああそうや!被害者はほんまに自爆したのかなぁって!」

ネロ「それ僕の疑問点」

コロン「いやまだあるで!何で怪盗アルセーヌが事件現場に居たのかとか――」

コーデリア「ちょっと!私の疑問点を取らないで!」

コロン「いやいやいや…まだある境…せや!映像に映った入り口の!窓じゃない方に映ってた影とか!」

シャロ「わぁ!コロンちゃんも私と同じ所に疑問持ってたんですかぁ!」

コロン「………待て、ちょっと待ってな。何でアルセーヌは被害者を殺した後、逃げ出さなかったのか…」

エルキュール「そ…それ…私の……」ジワッ…

コロン「……………」

コロン「」グスッ

小林「いっいや、疑問点を出してくれただけで嬉しいよ。僕は」

ネロ「全部、他人から盗ったものばかりだけどね」


姫百合「……そろそろ時間です。小林さん」

小林「……ああ、もうこんな時間か」

小林「それじゃぁ、そろそろ行くとするよ」スクッ

シャロ「先生!」

ネロ「小林!」

エルキュール「小林…さん!」

コーデリア「教k「師匠!」」

コロン「が…頑張ってや!ウチ!ウチら応援するから!」

小林「…うん。ありがとうコロンくん」ニコッ

コロン「―――ッ」パァアア

コーデリア「…………」

小林(……大丈夫だ。この裁判にはまだ、疑問点が残されている)

小林(それらの疑問点を繋ぎ合わせ、僕の推理が正しければ怪盗アルセーヌは無罪のはずだ!)


ギィィイイイイ……


小林(だから、僕は依頼人を信じても良いんだ!最後まで……)



【横浜裁判所  第一法廷室】





ザワザワ…ザワ……

カッ!!

裁判長「これより、怪盗アルセーヌのサイコパス殺人の裁判を再開します」

裁判長「弁護側、検察側、準備はよろしいですか?」

小林「弁護側、準備完了しています」

北芝「検察側、もとより」

裁判長「よろしい」

裁判長「では、次は映像に映っていた人物が次の証人である可能性。それを審議する事となります」

裁判長「検察側は、証人を召喚をお願いいたします」

北芝「……了解したわ」

北芝「係員!とっととあの図体のでかい証人を連れてきなさい!」ダンッ




「その必要は無い!!」



北芝「……なっ?」


キュィィイイイイイインッ


カッ!!!!



ドゴォオオアアアアアアアアアアアッ!!!!






裁判長「うっうわぁあああああ!!!扉がぁああああ!!!」


パラパラパラ……

ピッピッ


マイルティ「………」フッ

マイルティ「ヒーローは、必ずやってくるものだからだ!」ビシィッ

小林「…………」

北芝「…………」

裁判長「…………」

マイルティ「……ふふ……ふはーHAHAHAHAHAHAHA!!」

マイルティ「ジャスティス☆」キュピィーン


ザワザワ…ザワ……


「おい…あれってマイルティ・ジェイソンじゃねぇか?」

「えっ!?おいマジかよ!あのマイルティ・ジェイソンじゃん!!」

「すげぇ!俺生で見るの初めてだよ!あの暑苦しい格好!地球温暖化の原因!そして最強のヒーロー!!」


「「「マイルティ・ジェイソン!!!!」」」


ジャースティス!ジャースティス!ジャースティス!!ジャースティス!!!


小林(…な…なんだ?この盛況は……)

小林「凄い…人気っぷりですね…」

マイルティ「HAHAHA!!センキュー!センキューベリマチ!!アイラヴァユーピーポォ!!」

マイルティ「来年の夏に公開されるミーのムービィー!ナイストゥミートゥー!!」

マイルティ「ジャスティス!!!☆」キュピィーン



ワァァァァァァァァァァァ

ジャースティス!ジャースティス!ジャースティス!!ジャースティス!!!



カンッカンッカンッカンッカンッ

裁判長「静粛に!静粛に!静粛にぃいい!!」

ジャースティス!ジャースティス!ジャースティス!!ジャースティス!!!

ダンッ

北芝「アンタら黙れ!!黙らんと全員に法廷侮辱罪を執行するわよ!!!」


ジャースティス!ジャースティス!ジャースティス!!ジャースティス!!!


北芝「係員!今すぐさっきの証人連れてきて傍聴席にいる奴の顔覚えさせて絵を描かせなさい!!」


ジャースッ……


シーーーーーーーン……


裁判長「…どうやら、静かになったようですね」

小林(……この裁判で一番強いのは、腐藍さんのような気がする…)

マイルティ「HAHAHAHAHA!!呼んでくれてベリーセンキューネ!マドモワゼルキタシバ」

ダンッ

北芝「マドモアゼル言うな!!」

小林「……証人、貴方は何故ここに呼ばれたのか分かっていますか?」

マイルティ「イエース!オフコース!!勿論アイノウンさぁ!!」

マイルティ「昨日起こった事件の現場、その事について証言すればオッケー?」

小林「……はい。それで問題ありません」

小林「証言してください。貴方がこの事件で見た事、現場で目撃した事を」





【証言開始】


①あの時、ミーは調査の為に博物館に居たのデス

ジャスティスッ!

②このジャポーンに潜む悪の組織…それらを探る為にネ

ジャスティスッ!

③バッツ!しかし私は偶然見てしまった…二人が部屋に居る所を!

ジャスティスッ!

④そこで急にボォオーン!マドモアゼルがボムしてしまったのです…

ノットジャスティス!

⑤ミーは!あの時マドモアゼルを救えなかったのだぁああ―!!!!



小林「………」

北芝「………」

裁判長「……あの」

裁判長「どうして、証言のたびにジャスティスと叫びながらポージングするのでしょうか?」

マイルティ「…何故かって?それは……」

マイルティ「私が正義のヒーローだからさ!!」ドンッ

マイルティ「ジャスティス!!☆」バシィーン

小林「あの、全然理由になってませんが…」

北芝「…証言を見る限り、特に矛盾は無さそうね」

北芝「で?どうするの弁護人。これでもまだ抗う気?」クスクス

小林「…………弁護側は、これより尋問を始めます」

北芝「…貴方、今」

北芝「今までの中で哀れな事この上無いわよ」



【尋問開始】




①あの時、ミーは調査の為に博物館に居たのデス

小林「待ってください!」

小林「調査、というと。一体どのような調査なのですか?」

マイルティ「ohhムッシュー小林。悪いがそれは企業秘密で言えない」

マイルティ「警察組織に関わる問題だからネ!ここに居る無関係な人たちを巻き込むわけには行かないのだよ!」ビシィッ

小林「…例の、悪の組織…ですか?」

マイルティ「わっワァァァットゥ!?何故それを…!?」

小林「いや、昨日教えてくれたじゃないですか…。それ以上の事は分からないですけど」

マイルティ「ん?そうだったかな…まぁ、それだけならノープロブレム!」

マイルティ「証言をコンティニューしようでは無いか!HAHAHAHA!!」

裁判長「……………」



②このジャポーンに潜む悪の組織…それらを探る為にネ


小林「待ってください!」

小林「その…悪の組織が、博物館に居たのですか!?」

マイルティ「……分からない」

小林「え?」

マイルティ「だが、ミーはその悪の組織は…被告人怪盗アルスェーヌだと思うけどネ!!」ビシィ

マイルティ「ジャスティス エンスフォーメント!!☆」ビシイィッ

北芝「確かに、怪盗アルセーヌは過去に何度も悪の組織を名乗っていたわ」

北芝「”怪盗帝国”…なんて、ふざけた組織をね」クックック

小林「異議!」

小林「証人、貴方が追っていたのは…本当に怪盗帝国だったのですか?」

マイルティ「HAHAHAHA!!何を言ってるんだムシュー小林!」

マイルティ「正義のヒーローは、全ての悪の組織を壊滅させる為にあるのさ!つまり……」

マイルティ「当然!怪盗帝国も正義執行に含まれる!!」ビシィー☆

小林「ぐっ……!」

北芝「……完全論破されたわね弁護人。裁判の素人に」

小林「し…しかし……さっき分からないって…」


カッ


裁判長「それでは証人、証言に戻ってもらいましょう」




③バッツ!しかし私は偶然見てしまった…二人が部屋に居る所を!



小林「待ってください!」

小林「貴方は二人を見て、どのような行動を取ったのですか?」

マイルティ「……当然、止めようとしたさ」

小林「………」

マイルティ「彼女が殺人を犯す前に、助けなきゃって!……だけど!」

マイルティ「彼女がそれを許さなかった…無情にも殺されてしまったんだ!」

小林「……助けには、行かれたのですね?」

マイルティ「オフコース!私を誰だと思っている!正義のヒーロー…マイルティ・ジェイソンだ!!」ビシィーッ!!

マイルティ「ジャスティス!!☆」キラーン

小林「……分かりました」

マイルティ「だが!その…殺され方は…あまりにも無情だった…!」




④そこで急にボォオーン!マドモアゼルがボムしてしまったのです…


小林「待ってください!」

小林「爆発した瞬間、貴方はどこに居たのですか?」

マイルティ「ミー?ミーは当然入り口で隠れていたのさ!」

マイルティ「…爆発する前に、彼女の背中が見えた時。ベリーアンビリバボル。更にその前には怪盗アルスェーヌ…」

マイルティ「怪盗の目の前に居たんだ。当然助けようとした!近づいた!だが……私は」

マイルティ「助けられなかった……爆発した後も。そのまま立ち尽くしたままだった…」

小林「…つまり、貴方はずっとその場に居たという事ですか?」

マイルティ「イエス!それは、マドモアゼルキタシバもご存知だと思うよ!」

北芝「だからマドモアゼル言うなっての!!」ウガー!

北芝「…確かに、憔悴しきっていたこいつは、部屋の前で膝を抱えていたけど」

小林「…………」

小林「…爆発する瞬間、何か予兆みたいな物はありませんでしたか?」

マイルティ「……いや、そういうのはナッシング?突然ボムしたんだ。いや本当」

小林(いや本当って……)

小林「分かりました。証言を続けてください」



⑤ミーは!あの時マドモアゼルを救えなかったのだぁああ―!!!!


小林「待ってください!」

小林「助けには行った。その事は分かりました」

小林「被害者に近づいたときに、何かしらの違和感を感じませんでしたか?」

マイルティ「…と、言うと?」

小林「もし、この犯行が被告人の犯行ならば。被害者は幻惑されている可能性があります」

小林「被害者にそのような様子は見受けられたか。という質問です」

マイルティ「……すまないムシュー小林。それは分からない」

小林「わ…分からないですって?」

マイルティ「何故なら…彼女は一言も喋らなかったからだ」

小林「…ひっ一言も?」

マイルティ「イエス。怪盗は色々喋っていたが、彼女は何一つ喋らなかったのだよ」

小林「そっその!怪盗が喋っていた内容とは!?」

マイルティ「……………それは」

マイルティ「我々の、企業秘密に関する。キャント証言だ」

小林「!!(悪の組織に関係する事なのか!?)」

北芝「……怪盗アルセーヌは、このヒーローが追っている悪の組織に関係していた」

北芝「そう考えるのが、普通の見解よね?弁護人」

小林「………っ」

小林「証人!証言を付け加えてください!怪盗アルセーヌが喋っていたその内容を!」

マイルティ「……。それはできないムシューコバヤシ」

小林「!?」

北芝「私としても、警察側の秘密をここで公開するのは難しいと思うわ。それに」

北芝「本件とは関係の無い事を喋られても、無駄すぎて私としても困る」

裁判長「……そうですね」

裁判長「検察側の異議を許可し、弁護側の要求を却下します。」

小林「うぐぐっ…!」

北芝「ふふん、ようやく私の異議が容認されたわ」ドヤッ






小林(……彼は、嘘をついていない)

小林(だが…なんだ?この違和感は)

小林(間違いなく、彼は何かを隠している!)

小林(まずはそれを暴かないと…!)


次の行進は20分から。しばらくお待ちください



→証言④に証拠ファイル⑨事件現場の記録映像を突きつける


小林「異議!!」

小林「……証人。貴方、本当に現場に入って来たのですよね?」

マイルティ「イエスオフコース!それは揺ぎ無い事実デス!」

小林「…ですが、それはおかしいのですよ」

小林「もし、貴方が現場に居たというのなら」

ダンッ

小林「この証拠品の映像に映っていなければおかしい。これは明らかに矛盾しています!!」

北芝「異議あり!!」

北芝「貴方、死角という言葉はご存知かしら?」

北芝「このカメラには、入り口は当然被害者の立っている背の方になる」

北芝「それに、この映像は入り口は映っていない。つまり、証人が映ってなくて当然なのよ!!」

小林「異議!!」

小林「…事件現場でなら。それが通るかもしれません」

小林「しかし!もう一つの証拠品が証言の矛盾を証明しています!」

北芝「もっもう一つの証拠品が矛盾ですって!?」

小林「そうです!それもハッキリと!」

カンッ

裁判長「…それでは弁護人。提出していただきましょう」

裁判長「証言と矛盾する、もう一つの証拠品とは?」



→証拠ファイル⑩事件現場の記録映像2を突きつける


小林「これです!」

北芝「こ…これは……もう一つの監視映像…」

小林「もし、証人が現場に向かっていたとしたら…証人もこの映像に映っていなければおかしいですよね?」

小林「北芝検事。この証人が映っている所を確認できましたか?」

北芝「………っ」

北芝「…確認……できていないわ」


ザワザワ…ザワ……

カンッ

裁判長「静粛に!静粛に!」

裁判長「…証人、これは一体どう言う事か、説明できますかな?」

マイルティ「…………」

小林(…よし、これで何とか引き伸ばせたぞ!後は…)

小林(彼のトイズを突き止めてやるだけだ!もし、僕の読みが正しければ…彼のトイズは!)

マイルティ「…オーケー!話そうじゃないか。実はこれは、ミーのトイズが関係しているのさ!」

小林「……え?」


マイルティ「実はミー、悪党共を確実に懲らしめるには。この筋肉!運動能力!そして……」


フゥ……


北芝「!」

裁判長「なっ…消えました!消えましたぞ!?」


フッ……


マイルティ「この、インビジブルトイズのおかげなのさ」

マイルティ「だが、当然これだけの能力では悪党どもを懲らしめる事はできナッシング!だからミーは…」

マイルティ「それを補う為に!この肉体を努力してトレーニングして!手に入れたって訳さ!!」キラン

マイルティ「皆も覚えておきなサーイ!努力、そう自分を信じれば…このミーのように」

マイルティ「夢は絶対に叶えられるのだから!!!!」ビシィー


ワァァァァァァァァァァァ

ジャースティス!ジャースティス!ジャースティス!!ジャースティス!!!


カンッカンッカンッカンッカンッ

裁判長「静粛に!静粛に!」

小林「………(じ…自分から暴露した…)」

小林(これは、隠すまでも無い…って事なのか?)


裁判長「…しかし、これで証人がカメラに映らなかった理由が分かりましたな」

北芝「……ねぇ弁護人、気づいてるかしら?」

小林「…なっなにをですか?」

北芝「貴方、自分が出す疑問点を解決するたびに弁護側に不利な証拠がザクザク出てくる」

北芝「ここまで来れば、いい加減分かってくるでしょう?この事件は…」

ダンッ

北芝「被告人が殺人を犯した事実が真実だということに!」

小林「異議!」

小林「まだ証人のトイズが分かっただけです!いい加減な事は言わないでください!」

北芝「異議あり!!」

北芝「透明になるトイズで!どうやって被害者を爆散させて殺すというの!?」

北芝「透明化したコイツが被害者に囁いたのかしら!?「死ね」って!」

北芝「更に言うとね、この証人が日本に来たのは11月24日の午後4時。事件発生の半日前!」

北芝「被害者が前の証人と挨拶を交わして倉庫に向かったのは事件当日の朝!」

北芝「この証人が被害者を操るなんて事は!絶対に不可能よ!!」

小林「…………あの」

小林「本当に…被害者は操られていたのでしょうか?」

北芝「………は?」

ダンッ

小林「証人。貴方のトイズが分かった以上。こちらは更に詳しく話を聞く必要があります」

小林「事件当日。詳しい証言をお願いできますか?」

マイルティ「HAHAHA!確かに、今まではミーのトイズ抜きで証言していたからネ!」

マイルティ「オウケェーイ!では、詳しく話してあげまショォー!ミーのトイズ込みで、あのトキ何があったのか!」

小林「…はい。お願いします」

北芝「…ちょっと待ちなさいよ貴方」

北芝「今何て言ったの!?ちょっと!」

カッ


裁判長「………これは、驚きの展開になってきました」

裁判長「まさか、このヒーローが透明化のトイズを持ち合わせていたヒーローとは…」

北芝「…はんっ!だとしても、証言なんてほとんど変わらないでしょうよ」

裁判長「……確かに私としても。この事件の犯人は怪盗としか思えません。アリバイとしてもそうです」

裁判長「それに、この証人には警察と関わる悪の組織に対抗する秘密を持っていると言います」

裁判長「なので、弁護人にはこの証言。”揺さぶり”を禁止致します」

小林「なっ…!?」

小林「そんな!ここまで来て…」ダンッ

カッ

裁判長「…弁護人の異議を却下します」

裁判長「私としても、貴方の異議が悪あがきのように思えてきましたからね」

小林「……っ!!」

「なっなんですってぇええ!!」

「何が悪あがきなもんかぁ!ちゃんと耳ついてるのかー!!」

裁判長「…それでは証人。証言をお願いします」

マイルティ「オウケェーイ!任せなさぁい!!」ビシィー



【証言開始】


①ミーは彼女を見つけた後!すぐさまトイズを使って尾行したのさ!


②そしてミーは驚いたよ…まさか、怪盗アルセーヌの居る部屋に向かって行ったなんてね!


③二人が対峙した時、怪盗アルセーヌは悪の組織について語りだした…詳細は省くけどネ


④ミーが近づこうとした瞬間!なんと彼女はボゥム!これはさっきの証言と同じさ!


⑤ミーの近くには彼女の右手が…離れた場所には左手もバラバラになって……あれは、とても忘れられない物だったよ



小林「………」

北芝「…ほら、やっぱり変わらなかった」

裁判長「ふむぅ…そうですね。どの道変わりはありません」

小林「……(うう…よりにもよって揺さぶれば何でも出てきそうな証言を出してくるなんて!)」

小林(チャンスは一回…これは……やるしか無い…のか……)

北芝「…………」

裁判長「…それでは、どうしますか弁護人」

裁判長「この証言に、尋問をしますか?」

小林「………はい」

小林「させて…ください」

カッ

裁判長「よろしい」

裁判長「では弁護人、尋問をお願いいたします。揺さぶりは抜きで」

次の更新は30分から。しばらくお待ちください



→証言⑤に証拠ファイル②松本ゲイシーの解剖記録を突きつける


小林「異議!!!」

小林「…………」

裁判長「…どうしましたか弁護人。何か違和感でも」

小林「……マイルティさん。貴方…今とんでもない事を言いましたね?」

マイルティ「…わっワッツ?一体…何のことかね?」


ダンッ!!


小林「……被害者の解剖記録には、ちゃんと記されているのですよ」

小林「”右手と脊髄がまだ見つかっていない”って!」

北芝「……あっ!」

マイルティ「……ワ…ワ……」

マイルティ「ワィイイイイイイイイイッ!?」ガガーンッ

小林「証人!答えてください。貴方はその右手をどうしたのですか!?」

小林「貴方はハッキリと!自分の近くに”右手”があると答えた!しかし!現場ではまだ見つかっていない!!」

北芝「異議あり!!」

北芝「そんなの!左手と間違えただけに過ぎないんじゃないかしら!?」

小林「異議!!」

小林「証人はこうもハッキリ言いました!離れた場所にバラバラになった左手もあったと!」

小林「更に!被告人は五体満足。これは被害者の物以外に有り得ない!!!」

北芝「ぬぐっ…!!」


小林「答えてください証人!貴方は、その右手をどこにやったのですか!?」

マイルティ「アッアイドントノォーウ!!本当に知らないんだ!寧ろ、何で見つかっていないんだ!?」

マイルティ「わっ私は!触っていない!本当に触っていないし知らないんだ!右手の事は!!」

小林「…なら、お聞きします。その右手は、一体どこに落ちていましたか?」

マイルティ「どっ…どこに………」

マイルティ「………」ダラダラダラ

マイルティ「……!!」

マイルティ「ぶっ…ぶつかって来たんだ!!私の身体に!」

小林「………」

マイルティ「爆発した衝撃で、マドモアゼルの身体が爆散した時に…私の方へと!!身体ごと!!」

小林「………マイルティさん。それは残念ながら有り得ません」

マイルティ「ワァアイっ!?」

小林「貴方は、事件当時被害者の後ろに居た。そして、怪盗アルセーヌは被害者の前に居た」

小林「その怪盗アルセーヌの腕には頭部のついた髪の毛が絡み合っていた」

小林「という事はつまり、この証拠品と矛盾しているです!!」



→証拠ファイル③爆心地を突きつける


マイルティ「なっ…なんだと…?」

小林「被害者は、背中から爆発していた!そして、頭部はアルセーヌの方に飛んだ!」

小林「その威力は、背骨と脊髄すら消滅してしまう程だった!なのに…」

ダンッ

小林「右手が貴方の方に飛んでくるとは、到底思えません!身体ごとね!!」

マイルティ「しっしかし…本当に…本当に私の方に右手が…!」

小林「……マイルティさん。貴方…本当は掴んでいたんじゃないですか?」

小林「被害者が爆発する前に、彼女の右手を」

マイルティ「っ…!!」ギクゥッ

北芝「だから、どういうことかしら?」

北芝「証人が被害者の身体の一部を掴んだからと言って!証人が殺したとでも言うつもり!?」

小林「……僕達が今から証明するのは、この事件の真実です」

小林「一つ聞きたいのですが、貴方のそのトイズの有効時間はどれくらいでしょうか」

マイルティ「……ワッツ?」

小林「もし、貴方のそのトイズに有効時間があったとすれば。ある事に説明がつきます」

小林「前の証人が提出した、もう一つの映像記録のね!」

北芝「異議あり!!」

北芝「あっ貴方は!あの影を!窓の上から落ちてきた影を!!」

北芝「この証人だったと言うつもり!?」

小林「はい。その通りです」

北芝「異議ありっ!!!!」


北芝「バカバカしい!だとしても、4Fよ!?どうしてわざわざ4Fから飛び降りたのよ!!」

小林「…この証人は、被害者の右手を握りました」

小林「そして、証人の手には被害者の右手が…更に、目の前には目撃者…」

小林「最後にトイズの有効時間の終わり。当然、証人は焦ったのでしょう」

北芝「異議あり!!!」

北芝「ふっ…ざけんな!!そんなの適当な答えよ!!だとしても…だとしても!!」

北芝「4Fから落ちたら、普通ただでは済まない筈ッ…!!」

小林「果たしてそうでしょうか?彼は正義のヒーローです。悪人を追い詰めるのにビルからビルに移る事もあったかもしれません。」

マイルティ「…ああ、とくにバードダークマンを追いかける時なんか、何度ビルから落ちた事か…」

北芝「証人!黙りなさい!!」

マイルティ「あっ…!」

小林「更に、被害者が爆発してから警察が来るまで時間があった。そこから戻る事も彼は可能だった」

マイルティ「まっ待て!ウェエエイト!!」

マイルティ「ちっ違うんだ!ミーは!ミーはあの時…あの時……!!」

北芝「異議あり!!」

北芝「ふざけんな!適当!全部でっちあげよ!!こんなの…!有り得ない!!」

北芝「そもそも!だったら何であの時!被告人は逃げ出さなかったのよ!?その説が正しければ、時間があったのは被告も同じでしょうが!!」

小林「……それらの真実は、彼女達の重要なファクターが説明してくれます」

小林「さぁ皆…聞かせてくれ!」

小林「この審議の中で見つけた、重要なファクターを!!」



【暴露開始】


→証拠ファイル⑮エルキュールの疑問点を突きつける

小林「エルキュール!!」

エルキュール「はっはい!」

エルキュール「確かに、アルセーヌが逃げ出さなかった事…これはこの裁判でも大きな謎となっています」

エルキュール「しかし、検察側は手に髪の毛が絡まっていたからと言いました…」

エルキュール「本当に、その通りなのでしょうか?」

エルキュール「その程度なら、逃げ出そうと思えば逃げ出せる筈です!でも…アルセーヌはそうしなかった…」

エルキュール「もし、トイズを使ったジェイソンさんが居たのなら…その時に当然炭や血が付着していた筈」

エルキュール「今まで見えなかったジェイソンさんの姿が、血や炭で映し出されていたら…」

エルキュール「怪盗アルセーヌには、その姿が化け物に見えていた筈です!」

エルキュール「その化け物の姿に…怪盗アルセーヌは怯み動揺して逃げる事が出来なかったのです…!」

小林「よしっ!!」

北芝「逃げ出さなかったぁ!?だから何なのよ!!」

北芝「いきなり化け物が見えて動けなかったのなら、被告人が殺人を犯していてもいなくても関係無い!」

北芝「その時に怯んで動けなかった!それでもまかり通る筈よ!!」

小林「…確かに、この疑問だけではそうなります。ですが、」

小林「まだ疑問はこれだけではありません」

北芝「なっ…なんですって?」

小林「腐藍さんが提出したあの映像には、あの影のほかに気になる部分があります」

小林「その部分を…彼女が説明します!」




→証拠ファイル⑫シャーロックの疑問点を突きつける


小林「シャーロック!」

シャロ「はい!」

シャロ「あの映像には、入り口付近に歪みが通り過ぎる部分がありました」

シャロ「普通に考えれば煙、もしくは透明化したジェイソンさんと考えます!」

シャロ「しかし、着眼点はそこではありません!時間です!!」

シャロ「この歪みが通り過ぎてから、窓のに映る落ちてきた影!その間は短い!」

シャロ「これは!先ほど先生が説明したトイズの有効時間の説を裏付ける証拠となります!」

シャロ「つまり!この映像はジェイソンさんの透明化が解けそうになって飛び降りた事を紛れも無い事実として証明しているのです!」

小林「よし!!」

北芝「そ…その透明化に有効時間があったとしても!怪盗アルセーヌはあの場所に居た!現場に居たのよ!」

北芝「つまり!被害者を殺せたのは怪盗アルセーヌ!ただ一人しか居ない!!」

小林「……北芝検事。ジェイソンさん」

ジェイソン「……っ!!」ダラダラ

小林「貴方は、悪の組織の調査する為に博物館に来たと言いましたね?」

ジェイソン「…それ以上は…企業…秘密…!」

小林「分かっています。ですが問題は中身ではありません」

小林「貴方がこの博物館に訪れた理由。それは―――!!」



→証拠ファイル⑭コーデリアの疑問点


小林「コーデリア!!」

コーデリア「はい!!」

コーデリア「そもそも、どうして怪盗アルセーヌは博物館に居たのでしょうか」

コーデリア「物を盗んでもいない。人を殺す理由も判明していません。しかし…辻褄が通る理由が一つあります」

コーデリア「彼女は、自分から博物館に赴いたのではありません。呼ばれて来ていたのです!!そう…」

コーデリア「マイルティ・ジェイソンさん!貴方に呼ばれて!!」

小林「よしっ!!」

北芝「てっ適当な事言ってるんじゃないわよ!そんなの、事実無根の詭弁よ!!」

小林「…詭弁かどうか、証人の顔を見て言ってください!」

マイルティ「ぐぐっ…ぐぐぐぐぐ!!」ブルブルブルブル

北芝「っ…………」ギリギリギリ

小林「証人は証言でこうも言いました」




マイルティ≪そしてミーは驚いたよ…まさか、怪盗アルセーヌの居る部屋に向かって行ったなんてね!≫




小林「この証言は、証人が被告人が部屋に居た事を知っていた事を裏付けている!つまり!」

小林「証人は、事件当日怪盗アルセーヌを呼び出していたのです!!」

マイルティ「あっ……」

マイルティ「アイエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!」ゴバハァアアアアッ


ザワザワ…ザワ……

カッ


裁判長「静粛に!静粛に!」


北芝「…動機は何よ」

小林「……」

ダンッ

北芝「殺した動機は何なのよ!そもそも!殺す動機なんて無いじゃない!!」

北芝「証人は被害者の名前すら知らないのよ!?そんな奴を殺してどうするってのよ!!」

小林「……怪盗アルセーヌにも、動機は無いと思いますが」

北芝「そいつは怪盗でしょうが!動機なんていくらでも湧いてくるわよ!」バンッ

小林「いえ、どちらも変わりません。だって、動機なんて無いんですから」

北芝「…なっなんですって?」

小林「そう。被害者の死因である自爆…それは」

小林「このようにして、行われたのです!!」



→証拠ファイル⑬ネロの疑問点


小林「ネロォ!!」

ネロ「ほいほーい」

ネロ「…映像で見たんだけどさ、あんなにカメラで分かりにくい爆弾を身につけていたなら」

ネロ「着火する際に何か仕草や予兆が無いとおかしいよね?」

ネロ「思ったんだけどジェイソンって人、被害者の右手を掴んだんだっけ?」

ネロ「それじゃぁ、相当近くに居たって事だよね?つまり……」

ネロ「右手以外に、何か相当ヤバイ物とか掴んでない?」

小林「よし!!」

北芝「やっ…ヤバイ物って何よ?」

小林「…それは」

北芝「そのヤバイ物がどこにあるのよ!!」ダンッ

北芝「証拠は!?そのヤバイ物が何であるかの証拠!それが無かったら、アンタ達の立証なんか!!」

小林「……分かりました。提出しましょう」

北芝「えっ…?」

小林「証人が掴んだとされる、右手以外のヤバイ物を!!」



→証拠ファイル⑧謎のボロボロパイプ?を突きつける


小林「それはこれです!!」

北芝「ば…爆弾の起動装置の破片…!!」

小林「…やはり、この破片は爆弾の物でしたか」

小林「もし、証人が被害者の右手の他に爆弾も掴んでいたのしたら。タダではすみません」

小林「更に、これが軌道装置の部分であれば。これを掴めば……」

マイルティ「…………」

北芝「……でも、それがどうしたと言うの?」

ダンッ

北芝「そんなボロボロな破片!何の証拠にもならないわ!」

北芝「それに!証人は手袋もしていた!指紋すらついていないのよ!!」

小林「……確かに、この破片には指紋もついていないようです」

小林「なら、跡がついているのは。この破片ではなく…」

マイルティ「…………」

小林「証人、その手袋を脱いでください」


マイルティ「…………」

小林「もし、貴方が無実ならば。その手袋の下は綺麗な手のままの筈です」

マイルティ「…………」

北芝「異議!!」

北芝「アンタ馬鹿じゃないの!爆発したとしても傷なんか!この綺麗な手ぶく…ろ………」

北芝「…あ…ああああああ!!」

マイルティ「…………」

小林「…どうやら、違っていたみたいですね」

小林「事件当日見た手袋と、今証人が着用している手袋と」

マイルティ「…………」

小林「…さぁ、証人!!その手袋を外してください!」



マイルティ「…………」

ゴゴゴゴゴゴッ

マイルティ「お…ohhh………」

ゴゴゴゴゴゴゴ

マイルティ「マイゴーグル…おおお落ち着きたまえ…ド…ドントウォォリィィ……」


ビビイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!

マイルティ「アイエエエエエエエエエ!!!!ビィィイムがぁあ!!度重なるピンチ!ミーが極限的にピンチな時に発射される最後の抵抗モードのビィイイムがぁああああ!!」


ビィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!

マイルティ「うわぁああああああああ!!スッスとっぴぃいいプルゥィイズゥウウウウウウウウウウウウウ!!!」


ビビビビビビビビイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ


マイルティ「ジャスティィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイス!!!!!!!!!!!!!!!!!」




ビビビイイイイイイイイイイイイイイイイイ…ビビー……

プスンプスン…    プスン


ボンッ!!  プシュルルルルルルル        ドサッ




【暴露完了】


北芝「…………」

裁判長「…………」

小林「…………」

裁判長「………どうやら」

裁判長「これで…勝負あったみたいですね?」

小林「………いえ」

小林「実はまだ、僕の話は終わって……」

ガッ

マイルティ「まっ…待って……くれ……!」

マイルティ「…言う…。ここからは…私が言う……」


小林「ジェイソンさん!?いえ、まだ僕の説明は…」

マイルティ「……そうだ…私だ…私が……殺したんだ……!」

マイルティ「知らなかった…知らなかったんだ……!まさか…あのマドモアゼルに爆弾が巻き着かれてていたなんて!」

小林「…っ!?」

マイルティ「掴んだよ…あの、被害者の右手と……爆弾を……」

マイルティ「最初は……爆弾とは思わなかった………武装しているだけかと思った……凶器かと思った……」

マイルティ「だが違った……私がマドモアゼルの凶器を取り上げようとした…その瞬間!!」

マイルティ「マドモアゼルは…爆発したんだ…!幸い…私は手の怪我だけで済んだんだがね……」

裁判長「……つまり」

裁判長「弁護側の主張は、正しかった。というわけですね」

マイルティ「イエス……私も…最初は疑ったよ…。あの…怪盗アルセーヌが爆発させたのだと!」

マイルティ「でも…違った…。アルスェーヌのその目は……恐怖に…怯えていた………」

マイルティ「まるで…何が起こっているのか分からなくて怯える…子供の目をしていた……そこで…私は気づいていた筈だった……」

マイルティ「しかし…」

ダンッ

マイルティ「それを認めてしまうと!私はマドモアゼルを殺してしまった事になってしまう!!」

マイルティ「私は!マドモアゼルを助けようとして!殺してしまった……そういう事になってしまうんだ!」

マイルティ「今!私がここで牢獄に閉じ込められる訳にはいかない……私が閉じ込められたら!この世界はサイコパス共に侵食され血の海となる!!」

小林「!! 今…サイコパスと言いましたか!?」

小林「という事は…やはり!悪の組織というのは怪盗帝国では無く、サイコパスの…!」

マイルティ「…すまない小林探偵…!私は…ここで掴まるわけには行かない…!」

マイルティ「償いは…あのサイコパス共を全員倒してからすると約束する!!だから……」


バキィイイッ


マイルティ「今は…!!私を見逃してくれぇええええ!!!!」ドゴォオオオッ


小林「!!」

北芝「なっ…なっ!」

裁判長「係員!証人を取り押さえてください!」

係員「了解!」ダッ

マイルティ「すまない…!」ダッ

係員「ぐはぁ!!」ドンッ

係員「ダメです!とても取り押さえられません!」

小林「……ッ!!」






△シャーロック

○ネロ

□コーデリア

×エルキュール

Rエラリー姫百合



→×エルキュール




小林「エルキュール!!」

エルキュール「はっ…はい!!!」ティロン♪

ダンッ

エルキュール「ふんっ……!」ガッ

マイルティ「ぐぐぐ…グッ……!!」ググググ


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


シャーロック「エっエリーさんのトイズが!押し返されてます!」

ネロ「トイズ無しでエリーに勝てるの!?アイツ!」

小林「……っ!!」






△シャーロック

○ネロ

□コーデリア

×エルキュール

Rエラリー姫百合





→○ネロ


小林「ネロォ!!」

ネロ「オーキードーキー!!」ガッ

ザクッ(コンセントに突っ込む)

ティロン

バババババババババ

マイルティ「ヌグアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?」ピタッ

小林「よし!全員取り押さえ……」

マイルティ「ぐぐぅ…ぉぉおおおおおおおおおおおおお!!!」ブオンッ

エルキュール「きゃぁ!!」ガタッ

小林「エルキュール!!」

マイルティ「私は……この国を……護る為にぃいいい……!!正義のヒーローとしてぇぇええええ……!!!」

マイルティ「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

フゥッ……

シャロ「消えました!!」

小林「っ……!!」





△シャーロック

○ネロ

□コーデリア

×エルキュール

Rエラリー姫百合



小林「コーデリア!!」

コーデリア「はい!!……っ」ティロン♪

コーデリア「!! あそこです!!」

ネロ「裏口から逃げる気…!?」

小林「…待ってください!ジェイソンさん!!!」




△シャーロック

○ネロ

□コーデリア

×エルキュール

Rエラリー姫百合



→Rエラリー姫百合


小林「姫百合くん!!」

姫百合「はい!!」ティロン♪

パッ

マイルティ「なっ…ワッツザ……!?」

小林「マイルティさん!僕の話を聞いてください!」

マイルティ「ああ聞きたいさ…だが!もう無理だ!」

マイルティ「私は…私は人を殺してしまった!その償いは!今は……」

小林「っ…!!」




△シャーロック

○ネロ

□コーデリア

×エルキュール

Rエラリー姫百合



→△シャーロック


小林「シャーロック!!」

シャロ「はい!!」ティロン

シュルシュルシュルシュル

マイルティ「がっあああ!!紐が!カーテンの紐がぁああ!!」ギュッ

マイルティ「…たっ頼む!プリーズムシュー小林!ミーは!ミーはまだここでは…!」

小林「ジェイソンさん。聞いてください!この事件は……」

小林「貴方が真犯人じゃ無いんです!!」




マイルティ「…………」

シャロ「…………」

ネロ「…………」

コーデリア「…………」

エルキュール「…………」

北芝「……え?」

裁判長「どっどういう事ですか?」

小林「…ジェイソンさんは、証言の通りただ爆弾を掴んでしまっただけ」

小林「なら、まだ一つの疑問が残っています」

小林「何故、被害者は爆弾を身につけていたのか」

北芝「っ!!」

裁判長「たっ確かにそうですが…だとすれば、一体。誰が…」

小林「……爆弾を作った人物は、考えればすぐに分かる筈です」

小林「被害者以外ありえない…とね」

北芝「それじゃぁ…今までの論点は何だったのよ!」

北芝「アルセーヌは!この証人は!爆発は!理由は!?」

小林「……今までの話の要点を纏めれば、一つの答えが出てきます」

小林「貴方達が見て見ぬしていた。その理由がね」

裁判長「見て見ぬ振りをしていた…答え?」

北芝「……何よそれ。私達が何を見なかったのよ」

小林「この事件の、真犯人です」

北芝「んなっ…!!」

北芝「異議あり!!」

北芝「貴方!裁判を舐めてるの!?この事件の真犯人こそ!無視しちゃいけない物でしょうが!!」

小林「しかし、検察側は無意識的に無視してしまっていたのです」

カッ!

裁判長「…それでは、一体誰なのですか?」

裁判長「このサイコパス殺人の、本当の真犯人とは!」

小林「……分かりました。では提示いたしましょう」

北芝「………っ」

小林「このサイコパス殺人事件の、真犯人は!!」



→証拠ファイル②松本ゲイシーの解剖記録を突きつける


裁判長「ひっ…被害者……?」

小林「…そうです。この事件の本当のサイコパス殺人の犯人は」

バンッ

小林「紛れも無い。被害者自身だったのです」

北芝「異議あり!!」

北芝「貴方…自分が何を言っているのか分かってるの?」

北芝「これは死者への冒涜よ!?それに…真犯人と被害者が全く同じ!?」

北芝「何よその馬鹿馬鹿しい理論は!!冗談じゃないわ!!そんな物が今更通るか!!」

小林「………本当に、そうでしょうか?」

小林「この事件には、被害者側に不可解な行動が多すぎます」

小林「見回りと言いながら、真っ直ぐにアルセーヌの居る部屋に向かう被害者。そして……」

小林「事件前の、異様な行動」

北芝「……っ!!」

小林「……後は、僕が説明しなくても分かると思います」


→証拠ファイル⑪エラリー姫百合の疑問点を突きつける



小林「姫百合くん!!」

姫百合「はい!!」ガタッ

姫百合「彼女は、一週間程前から自分が死んだらという言動を繰り返していました」

姫百合「更に、怪盗アルセーヌを捕まえる方法を同僚に話していたりしています。」

姫百合「これは、被害者が怪盗アルセーヌを殺す予兆であり」

姫百合「彼女は知っていたのでは無いでしょうか。事件当日、怪盗アルセーヌが博物館に来る事を!!」

北芝「異議あり!!」

北芝「そんなの、状況証拠じゃない!無駄よ無駄!!証拠に値しないわ!!」

小林「……ジェイソンさん」

ジェイソン「…………」

小林「貴方が怪盗アルセーヌを呼び出したのは、事件当日から何日ほど前ですか?」

ジェイソン「…………」

ジェイソン「……一週間ほど前……8日前だ」

北芝「!!」


ジェイソン「そして…ミーは警察機関を通じてアメリカとフランスの大使館に通じて。神奈川の歴史博物館を選んだ…」

ジェイソン「彼等にも…いや、博物館の関係者には事前に話を通じてある…。」

小林「……モニター室のバイトは、知らなかったみたいですが」

ジェイソン「……バイトには…教えていない……部外者だからな……。学芸員までになら……話は通っていると思う……」

北芝「嘘…私……そんなの……聞いてない……」

ジェイソン「この事は…誰にも話すなとも……命じた…から…」


ダンッ


小林「…これで、明らかとなりました」

小林「被害者は、怪盗アルセーヌが来る事を知っていた。そして場所も」

小林「だから寄り道する事なく現場へと向かう事が出来た」

小林「つまり!」

ビシッ

小林「被害者が怪盗アルセーヌを殺そうとした真犯人である事が!これで立証されたのです!!」

北芝「異議!!」

北芝「…そもそも、動機は…?」

小林「………」

北芝「動機が…無いじゃない!!」ダンッ

北芝「被害者が!被告人を…殺そうとしていた…ああもう!自分で言ってて逆転している意味の分からなさにムカツク!!」

北芝「とにかく動機よ動機!その動機が分からない以上!こんな立証は――――」

小林「…怪盗が人を殺すのに動機なんかいらない。そう言ったのは貴方です」

小林「つまりこれは、裏を返せば」

小林「怪盗が殺されるのに、動機がいらないのも同じ事になります」

北芝「……はぁ!?」

小林「被害者が死んだ今となっては分かりません。しかし」

小林「怪盗は多くの人の恨みを買われているのも事実です。それも……」

小林「名のある怪盗なら、特にね!!」ドンッ





北芝「…………」

北芝「何よ…何…この裁判……」グラグラ

北芝「滅茶苦茶よ…こんなの…滅茶苦茶じゃない……!!」グラグラグラ

北芝「こんなの…許されるはずが……」グラグラグラグラ

北芝「……こ…この……!!こっ…こばや…し…!!」   グラッ

北芝「うぎゃぁあああああああああああああああああああああああ!!!!!」ガラガラガラ  ドッシャーン

ベチャベチャベチャッ    ギャァァァァァァァァ……  メガァァァ…  メガァァァァァァァァァ……



………………







小林「…………」

裁判長「……どうやら、北芝検事も伸びてしまったようですな」


カッ



裁判長「この法廷は、怪盗アルセーヌのサイコパス殺人を裁く場であり、怪盗事件とはまた別件です」

裁判長「なので、私はサイコパス殺人についての審議の結果を言い渡す以外の権利はありません」

裁判長「それは、また別件で行うものとしましょう」

小林「…………」


裁判長「それでは、被告人は証言台へ」




アルセーヌ「…………」

裁判長「これより、貴方のサイコパス殺人についての判決を下します」

裁判長「この裁判の後にも、怪盗事件の裁判が待っています。…よろしいですね?被告人」

アルセーヌ「…ええ。よろしいですわ」ニコッ

小林「…………」

裁判長「それでは!これより被告人に判決を言い渡します!!」

カッ














      【    無  罪    】























ワーワー!  キャーキャー!  ヤッタァー!ヤリマシター!  サスガハコバヤシー!  キョウカンニフカノウナンテナイノデスネ!  ヨカッタ…デス…ホントウニ…!  スッスゴイ…   サスガハシショー!ハラショー!





裁判長「それでは!これにて閉廷!!」




カンッ!!!





【横浜裁判所 第二控え室  11月26日 午後3時34分】



小林「………」

小林「…や…やった……!」

小林「勝った…勝ったん…だよな…?僕……」

小林「…………」

小林「…はは……ははは…」ドサッ

小林「本当…よく勝ったもんだよ…僕も……」




ダダダダダダダダダダ


シャーロック「先生ぇー!!!」

ダキッ

小林「うっうわぁ!」

シャーロック「やりました!勝訴です!勝っちゃいましたよ私たち!」

シャーロック「正直…信じられません!私!終わったら怪盗と戦う覚悟してました!」

ネロ「本当だよ!だって、ほぼ100%被告が有罪になる裁判なんでしょ!?」

ネロ「そんな裁判で勝っちゃうなんて、小林くらいだよ!!」

コーデリア「教官!さすがは…名探偵!教官に不可能は無いんですね!!」

コーデリア「私…一生ついていきますから!」ダキッ

エルキュール「これで……小林さんも…怪盗に殺されずに……」

エルキュール「…本当に…本当に良かった……」グスッ

姫百合「……正直、私もこの裁判。怪盗アルセーヌを無罪にできるなんて思いもよりませんでした」

姫百合「…おめでとうございます。小林さん」

コロン「さすがはウチの師匠や!!今回も惚れ惚れしたで!」ビシー

コロン「師匠の手にかかれば!怪盗だって無罪にできるっつう事なら!これからの営業は忙しいでー!」

小林「は…ははは。とりあえず皆落ち着いて…」


ネロ「落ち着けないよ!だって、もう興奮しっぱなしだもの!!」

コーデリア「だって…!怪盗が無罪よ無罪!それも教官の手で!こんなの有り得ないわ!」

小林「…さすがに僕だけのでは無罪判決を取るのは難しかったよ」

小林「これも全部、皆がこの事件の事を一緒に推理してくれたおかげだよ」

小林「君達が居なかったら。この勝利は無かった。……本当にありがとう」

シャロ「わ、私達のおかげ…?」

エルキュール「そっそんな……こと……//////」

コーデリア「わっ私達だけでは絶対に解決できませんでした!から…ほとんど教官の力が強いです!」

ネロ「…なるほどなるほどー。という事は…?僕達の株も今回で更に上がるねぇ!」ニヤニヤ

姫百合「…本当、小林さんらしいですね」

コロン「うへへ~いやいやそんなぁ~」デレデレ

ネロ「お前はほとんど何もしてないだろ露出魔!!」ビシッ

コロン「…うえぇ!?」ビクッ

小林「ははは……」



バタンッ

小衣「はいちょっと通して通してー!怪盗が通るわよー!」

アルセーヌ「………」

小林「……あっ」

シャロ「かっ怪盗アルセーヌ!!」

姫百合「…まぁ、そりゃぁ拘束は解けないですよね」

次子「はいはーい!おっ旦那!勝訴おめでとさん!」

平之「…正直、怪盗アルセーヌが無罪になった瞬間を見た時は。目を疑いましたよ」

咲「正直ヤバすぎって感じぃー?怪盗を無罪にした探偵なんて、こっから先絶対出てこないっしょー」

小林「ははは…ありがとう」

次子「んで?どうするんだこの後」

小林「……え?」

次子「いや、今回はサイコパス殺人の裁判だっただろ?まだ次に怪盗事件の裁判が残ってるんだぜ?」

小衣「ふん!次の裁判からは今回みたいに無罪は100%無いだろうけど!」

小林「…い、いやぁ…ええと」

アルセーヌ「………」クスッ

コーデリア「さすがにそこまで面倒見切れませんわ!」

ネロ「そうだよ!小林が受けたのはサイコパス殺人だけで、怪盗事件の事なんてさすがの小林も弁護できる筈無いじゃん!」

シャロ「先生をコキ使わないでください!」キーキー

平之「ま、まぁ。そうなりますよねぇ…」

アルセーヌ「…ええ、そうね。もうこれ以上探偵小林オペラの世話は受けません」

アルセーヌ「怪盗事件に関しては、私は何一つ否定する事がありませんもの」

姫百合「…まぁ、そりゃそうですよね」

アルセーヌ「ですから」

アルセーヌ「怪盗事件の裁判なんて、必要ありませんわ」カチン

プシュッゥウウウウウウウ

次子「っ!?何だこのガス!!」


小衣「ゲホッゲホッ!平之!今すぐこのガスを何とか…」


ゴトン


小衣「平之?…平之!!」

シャロ「先生ぇー!!ガスで何も見えません~!!」

姫百合「ゲホッゲホッ!…まさか!怪盗アルセーヌ!」


ゴトン


グシッ

コロン「きゃぁああ!!何か踏んだぁああ!!」

エルキュール「ひっ!さ…咲…さん……!」

ネロ「このまま逃がしてたまるもんか!小林!僕達に指示を出して!」

小林「分かった!それじゃぁコーデリ…」

アルセーヌ「どうも」ストン

小林「ア……」

コーデリア「はい!!」ティロン♪

アルセーヌ「今回の事件では、本当に貴方に感謝しておりますのよ」

アルセーヌ「おかげで、私に纏う汚れた冤罪を拭うことが出来ました」

小林「………」

アルセーヌ「これは、ほんのお礼ですわ」



チュッ




コーデリア「!!見つけました!教官の……すぐ…そ……」

コーデリア「~~~~~ッ!!!!!」カァァァァァ///////

小林「」

小林「!!!」


ペロ……


アルセーヌ「それじゃぁ、次に会った時は。もっと凄いお礼をさせて頂きます」

小林「…………」




シュババッ


コーデリア「つっ捕まえなさい!!シャロ!ネロ!!エリー!ヒメ!!露出狂!!G4!!今すぐあのメス猫を捕まえるのよっ!!!!」ゴゴゴゴゴゴ


ゴトンッ


シャロ「うわぁあああ!!ココロちゃんがぁあああ!!!」

ネロ「くそう!これでG4全滅だよ!!」

コロン「おっしゃぁああ!今回こそウチが活躍するでぇー!!」

ストーンリバー「ふんっ!」ティロン

コロン「」カチーン


ゴトンッ


コーデリア「全然役に立たないわね貴方!!こうなったら私一人でも!!」

ラット「おおっと!そうはさせねぇぜ!!」ポイ


ドガァアアアアアアン


コーデリア「ぎゃぁぁああああああああ!!!」オオオオオオオオ

シャロ「コーデリアさぁあああん!!!」


ネロ「ちょっと!そこの係員!そいつら捕まえて!いや、足止めだけでも良いよ!」

係員「はっ!」シュバババババ

ザクザクザクザク

ネロ「うわトランプが!いや違うよ!僕達じゃなくてその……」

係員「…申し訳ありませんが」


ババッ

トゥエンティ「僕が足止めするのぉぅう~わっ!!君達以外の何物でぇええもナッスゥゥ↑ウィング!!」

エルキュール「かっ怪盗トゥエンティ…!!」

トゥエンティ「さぁさぁ!アルスゥゥェェェエエエエエヌ様ぁあん♪どうぞこの勝手口へぇえええん♪」ガチャンッ

アルセーヌ「ふふふ…それではさようなら。小林オペラ」

アルセーヌ「また、必ずお会いしましょう」

姫百合「…ユタカ!これは一体どういう事なの!?」

ユタカ「…僕達は、貴方に殺人の弁護の依頼しかしていません」

ユタカ「後は、僕達がアルセーヌ様を助ける。それだけです」ババッ

姫百合「まっ待ちなさい!ユタカ!」

小林「」

小林「…はっ!」


小林「まっ待て!さすがに予想できていない訳では無いぞ僕も!」

ストーンリバー「小林殿!」

ドゲザッ

小林「えっ…!」

ストーンリバー「この裁判…誠に見事であった!」

ストーンリバー「いつか必ず!お主に礼をするつもりでいる!今回は本当に……感謝しかない!!!」

シュバッ

小林「いや、あのちょっと待っ…」


トゥエンティ「オオオオオオオオオウ↑名探偵オ・ペェエエラ!!今宵は例の事務所を紹介してくれて…ベリベリセンキュゥ!!」

トゥエンティ「おかげで↑弁護士の熱烈な数々の偽造証拠の力でこの僕も!見事無罪とぬぁりましたのでぇうぇえええ↑!!!」

小林「え?ちょっ無罪!?本当に!?」

トゥエンティ「今度ぉ↑お礼しますばらすぃ僕の身体をプレズェントゥ!!それじゃ、バイバァーイ☆」シュババッ

小林「」ゾクッ!


ラット「……おい小林ぃ!!」

小林「ラット!」

ラット「…………」

ラット「……アリガトナ」ボソッ

小林「え?」

ラット「なんでもねぇ!!誰がお前なんかに捕まるかよ!バーカバァアアアカ!!」シュババッ

ネロ「あぁー!クソー!!待てぇえええ!!」


ユタカ「……っ」スタッ

小林「………」

姫百合「…ユタカ」

ユタカ「……小林…オペラ…さん」

ポロポロポロ…

ユタカ「本当に…本当にありがとうございました…!!」ポロポロポロ

ユタカ「アルセーヌ様を…助けていただいて…本当に……!!」ポロポロポロ

小林「……次は、捕まえるよ?」

ユタカ「…はい!」

ユタカ「僕達怪盗帝国は貴方から逃げ続けますよ。…ずっとね」


シュババッ



姫百合「…………」

小林「…………」

姫百合「…全員、逃げられちゃいましたね」

小林「……うん。そうだね」


シュゥゥウ……

シャロ「うう…ようやく煙が引いてきたと思ったら……逃げられちゃいましたぁ~…」

ネロ「くっそぉ~。もう少しだったのにぃ~!」

エルキュール「…最後の…最後で……負けちゃい…ました…」ケホッ

コーデリア「」

小衣「」

次子「」

平之「」

咲「」

コロン「」

小林「…ははは。凄い有様だな…コーデリア?大丈夫かい?」

コーデリア「」

小林(完全に伸びちゃってるな……これは)


神津「……これは、何の騒ぎだ?」

ネロ「…ゲッ!警視正…」

姫百合「…ハッ!神津警視正!」バッ

神津「姫百合。本来お前は警察側の人間では無いが…この有様を説明してくれないか」

姫百合「ハッ!了解しました!」バッ



神津「………なるほどな。まんまと逃げられてしまった訳か」

姫百合「…も、申し訳ございません…」

神津「まぁいい。この事件は終わった。怪盗帝国に関しては次の捜査に回せば良いだけだ」

マイルティ「オーウ!ヤハリ、逃げられてしまいましたかぁー!HAHAHA」

シャロ「あっ!ジェイソンさん!」

ネロ「随分と上機嫌だなー。あんな裁判の後なのに」

マイルティ「HAHA!ミーが殺人を犯していない事が判明されて、胸の中がスッとする気分だよ!私は!」

マイルティ「ムシュー小林!ユーはベリベリベリィイイグッドなヒーロー!グレート最高!センキューベリマチ!!」ビシィ

マイルティ「そう、すなわち…ジャスティス!!☆」ピカァアア

小林「はぁ…おめでとうございます。ジェイソンさん」

マイルティ「HAHAHA!!センキュームシューコバヤシ!アイラビュー!!」

ネロ「……ねぇ、こいつ被告人に罪なすりつけようとした割に偉そうじゃない?」

小林「ははは…しょうがないよ。事情があったんだから」

マイルティ「それではミーはこれからアキハバラでオタクカルチャ…おおっと!日本文化を見てくることにするよ!」

マイルティ「ミーはもっと!クールジャパンなニポンの事を知りたいからネ!」

ネロ「!」ピコーン

ネロ「ねぇねぇ小林、裁判記念にあのデカブツにお土産渡そうよ」ヒソヒソ

小林「…えっええ!?お土産って…」

ネロ「ほら!アレだよアレ!このデカブツが好きそうな奴!」ヒソヒソ

小林「…ええと、ジェイソンが好きそうな…日本文化?」

小林(そんなものあったかな……)




→証拠ファイル⑦BLボツ本を突きつける



小林「…あの、ジェイソンさん。これ」

マイルティ「ワッツ?なんだい?これは」

小林「ええと…その。いわゆるジャパンカルチャーという物です。その、ドウジンシという…」

マイルティ「ドウジンシ……ハッ!もしかしてこれが……噂に聞いたHENTAI!?」

小林「えっ?まぁ、一応変態には違いありませんが…」

マイルティ「オオオオオオオオオオオオオウ!!こんな素晴らしい物を…ミーに!!センキュームシュー小林!アイラビュアイラビュー!!」グオオオオオオ

小林(すっ凄く感激している……)

ネロ「クックック…本を開いたときの顔を思い浮かべただけでお笑い物だよ」クックック

小林(こっちはこっちで良い笑顔してるなぁ…)


シャロ「そういえば先生ー。一つだけ気になる事があるんですけど」

小林「…ん?何だい?」

シャロ「被害者の松本さんが怪盗アルセーヌを殺す理由って何だったのでしょうか。本当に怪盗アルセーヌに恨みを持っていたんですか?」

神津「………」

小林「…ああ、その事か。多分違うよ」

シャロ「…………」

シャロ「ええええええっー!?違うんですかぁあああ!?」ガァーン

ネロ「それじゃぁ!それを指摘されたらアウトだったんじゃん!!」

小林「いやいや、一応本当の理由は見当ついていたんだ」

シャロ「? それじゃぁどうして、その理由を言わなかったんですか?」

小林「いや、あの場所では本当の理由は言わなかった方が良かったんだ」

神津「………」

姫百合「なんですかそれ。そんなの本当の理由の方が……」

姫百合「……ちょっと待ってください。それって、まさか!」

小林「…うん、そうだよ。姫百合くんが体験した事件。あの事件と無関係とは思えない」

小林「ジェイソンさんの捜査。博物館への事前報告。そしてアルセーヌを殺す為に動き出した松本ゲイシー」

小林「この事件の真犯人は、怪盗アルセーヌを殺しジェイソンさんを錯乱させる事。そして罠に嵌める事が目的だったんだ」

小林「僕の推理では、彼女は以前の裁判の真犯人が言っていた”私達”の一員で間違いないだろう。そして、サイコパスである事も」

小林「もし、そうなのであれば。あの裁判の傍聴席にはサイコパスが紛れ込んで「小林」」

神津「ここでそれ以上の事を言うのは推奨しない」

小林「…うん、そうだね」


姫百合「………………」

ネロ「…………」

エルキュール「……………」

シャロ「……………」グゥゥウウウウ…

シャロ「…お腹…減りましたぁ~」

ネロ「……はぁー」

ネロ「本当、シャロは緊張感無いなぁー」

姫百合「…なんだか、さっきまで真剣に聞いていたのが馬鹿らしくなりましたよ」

小林「ははは……」

ネロ「小林!コーデリアが目覚めたら、勝訴記念にまた美味しい物食べようよ」

小林「…ええ!?まっまたかい!?」

シャロ「本当ですか!?今日もご馳走ですか!?」

エルキュール「え……でも……」

ネロ「そうそう!また前の時みたいに食べ放題の店に行ってさぁー!」

姫百合「いえ、さすがにここまでご馳走して貰う訳には…」

ネロ「大丈夫だって!小林の貯蓄はまだまだあるんだから!この隙に美味しい物いっぱい食べな「小林さん」」

ネロ「おわぁっ!?」ビクッ


アンリエット「…今回の裁判。本当にお疲れ様でした」ペコリ

シャロ「あっ!アンリエット会長ー!!」

小林「あ、やぁ…海外旅行から帰られたのですね」

姫百合「それにしては早すぎるような…」

アンリエット「実は、ロシアに飛ぶ予定だったのですが。向こうの空港の寒波が酷すぎて」

アンリエット「今回の渡航はキャンセルになったのです」

シャロ「えー!?そうだったのですかぁー!?」

ネロ「…この時期にロシアに飛ぶその精神が理解できないけどね」

アンリエット「まぁそんな事はどうでも良いのです。それよりも、小林さん?」

小林「え?あ、はい」

アンリエット「今回の裁判のご活躍。全て拝見させていただきました」

アンリエット「大変素晴らしく、探偵学園の責任者である私も鼻が高いです」ニコニコ

小林「いえ、僕だけの力では勝ち取れない裁判でした」

シャロ「そうですよ!私達も頑張ったんです!!」

ネロ「だから僕達の地位も、元の位置に戻してよねー!」

エルキュール「小林さんと…一緒に……」

コーデリア「」


アンリエット「勿論、ミルキィホームズの皆さんの活躍も拝見しましたよ」

アンリエット「小林さんが戻ってから、凄いスピードで全盛期に戻っていますね。まるで小林さんがガソリンスタンドのように」

小林(例え方がかなり微妙な感じだな…)

シャロ「えへえへ。それほどでもぉ」

小林(あっ…それでも良いんだ)

姫百合「…でも、今回の事件は結果的に怪盗を助けてしまっています」

姫百合「それでも、学院側は大丈夫なんですか?」

アンリエット「寧ろ、逆手に取れてしまいますわ。怪盗も救える名探偵って」

姫百合「逆手に取れたんですか…」

アンリエット「とにも角にも、探偵学院は小林オペラ及びミルキィホームズに感謝しているのよ」

アンリエット「なので今夜は、探偵学院の第二体育館で特別パーティを開きますわ」ニコニコ

シャロ「特別パーティ!?ワァアーイ!!」

ネロ「それって、豪華な食事とか僕達の為だけの優遇とかあるの!?」

アンリエット「勿論です。今回の事件の事についての祝杯もあります」ニコッ

ミルキィホームズ「「「やったぁああああああ!!!」」」

アンリエット「一番優遇されるのは、小林さんですけどね」ニコニコ

小林「…あの、ええと……アンリエット会長?」

アンリエット「はい。何でしょう」ニコニコ

小林「僕…その、そういう所に出るのは苦手で…」

アンリエット「却下です」ニコニコ

小林「えっ」

ガシッ

アンリエット「それでは早速学院に戻ってこの時の為の正装に着替えましょう。その服は少し地味です」ズーリズーリ

シャロ「わぁー!私達!夢にまで見たあの服が着れるんですか!」

ネロ「よっしゃ!やったね小林!綺麗な衣装に美味しい食事!今夜は最高の夜になりそうだよ!」

小林「あの!僕そのパーティに出るのはっ!!」ズリズリズリ

アンリエット「却下です♪」

小林「まだ最後まで言ってませんが!!」

エルキュール「あ…あの……私も…あの衣装は…目立ちすぎて……/////」

アンリエット「却下です♪」

エルキュール「ひ…ひぃいええええええ///////」

姫百合「……はぁ」

姫百合「小林さんは、探偵じゃない時でも裁判じゃない時でも。苦労するんですね」フフッ


ギイィイイ……   バタン





マイルティ「……ふふっ。楽しみたまへよ。ムシュー小林!」ビシィッ

神津「……やれやれ。それで俺は」

小衣「」

次子「」

平之「」

咲「」

神津「こいつらを本部に連れ戻さなければならないのか」

神津「…本当に、しょうがない奴らだ」


小林(そして夜のパーティ。彼女達は最高に楽しんでいたそうだ)

小林(だけど当の僕は…正直地獄に近かった)

小林(裁判の時の映像や、その場での実演。そして生徒達に祝辞の言葉を即効で話さなければいけなかったのだ)

小林(ようやくそれも終わり食事の時。生徒達は一斉に僕の方へと詰め寄ってきた)

小林(色んな事の質問攻め。特に二十里さんが自分の身体の感想を求めてきた時は非常に大変だった)

小林(その間ミルキィホームズは至る所の食材を皿に盛り、まるで鬼のように食事していた。姫百合くんが引く程に)

小林(問題は、ジュースと間違えて教師専門のワインを皆で飲んでしまった時だった。姫百合くんとコロンくん含めて全員ベロンベロンになっていた)

小林(その後の問題行動は…まぁ、割愛させて頂こう。ヒントを言えば、肌色が僕の身体に接触したり口移しされそうになったりエロ親父みたいな要求を僕がされたり…)

小林(その一瞬で再びミルキィホームズの評判が一気に落ちたという事)

小林(そして今、僕は泥酔している少女達をリアカーに乗せてそれぞれの部屋に戻している最中だ)

小林(最終的には会長も泥酔し、二十里さんや石流さん。何故か根津くんも介抱を手伝っていた。つまり彼女達を介抱できるのは僕だけだったのだ。)

小林(…それと、まだ一つだけ明らかになっていない箇所もある)


小林(結局、松本ゲイシーの右手はどこに行ったのだろうか?)

小林(神津からの連絡も無い。……まさか一般客が中で見つけたりしないよな?)

小林「…ん?」

白い髪の少女「……」ジー

白い髪の少女「……」ニコッ

白い髪の少女「――。」フリフリ

小林「?」フリフリ

白い髪の少女「、」トテトテトテ

小林「………」

小林「あの子…裁判所の控え室に居た…」

シャロ「ううん~…先生ぇ~」

小林「…ん?」

シャロ「じゅぅっとぉ…私達のぉ…しょばにぃ…居てくらはいぃ……」スピースピー

小林「………」クスッ

小林「…今は、彼女達を元の部屋に戻してあげよう」


カラカラカラカラカラ………




白い髪の少女「…………」

白い髪の少女「…もうすぐだね。小林オペラ」

白い髪の少女「もうすぐ、”本当の意味”で私に会えるよ」

白い髪の少女「……」ニコッ

白い髪の少女「、」トテトテトテ

白い髪の少女「……この、松本ゲイシーの右手も一緒にね」











第三話 「正義はどこで何?」   【終】


これで第三話はお終いです。
第四話は次スレを建てて投下します。

ちょっと矛盾とかツッコミ所とかあるかもしれませんが。ご了承ください

とりあえず、以前書いた小林オペラ先生のssでも


小林「温泉旅行か…」

ttp://ss-station.2chblog.jp/archives/44646111.html  (まとめサイト)

シャロ「先生が記憶喪失!?」

ttp://ss-station.2chblog.jp/archives/44646160.html  (まとめサイト)


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