神「再び安価とコンマと四字熟語で異能バトロワをやる」 (531)

前回→神「安価とコンマと四字熟語で異能バトロワをやる」
神「安価とコンマと四字熟語で異能バトロワをやる」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1459398566/)
こういうふいんきでやりますというだけで直接的な続編のつもりはないです


神「神補佐のやつが細々とうるさくてストレスが溜まったので、また異能バトルロワイヤルを開催するぞい」

神補佐「仕事してください神様」

神「ハーン残念ながらもう今期分は終わらせとるもんねぇ~へっへぇ~」

神補佐「ぐっ、相変わらずこういう時だけ無駄に優秀さ発揮しますね」

神「おまえワシに対する敬意足らんくない? 神じゃよ一応?」

神「まあ良いわい。さて、今回はどうしようかのう……前回と同じやり方もつまらんし、また下界の智慧者達からあいであを募るとしよう」

神「えー……「ワイ神、ちょっと異能バトロワやるのでおまいらの知恵を借りたい」っと」カタカタ...ッターン

神補佐「おお、さっそくレスが。……この時間帯から掲示板に書き込みしてる人ってどれだけ暇人なんですかね」

神「おまえさりげなくワシも一緒にでぃすっとらんか? なぁ?」

神補佐「そんなことより神様、ささ、下界の暇じ……もとい優れた智慧者達は既にスタンバってますよ」

神「なんか釈然とせんがまあいいわい。さて……とりあえずまずは参加者の人数を決めようかのう>>↓1」


※あまり大人数だとエターナる危険性が増大します


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1459918279

10

神「10人か。まあ手ごろなところじゃな」

神「よし、ではこの異能バトロワに勝ち残った最後の優勝者に与える報酬を決めるぞい」

神「適当に考えてみたが、この中なら何がいいかのう?」

>>↓1
1.永遠の命
2.莫大な富
3.次代の神
4.報酬無し
5.自由安価


神「優勝者への報酬は莫大な富! これじゃな」

神「やはりいつの時代も人は金の魔力には抗えんものよ。このくらいシンプルな方がもちべーしょんも保ちやすかろう」

神「では、逆に負けた時のぺなるてぃとしては何か設定すべきじゃろうか?>>↓1」

1.一生貧乏
2.一生非モテ
3.>> 死 <<
4.特になし
5.その他自由安価


一時的記憶喪失
戻る時期は個人差があります

前回みたいにその後がかけなくなるじゃないですかーやだー

神「おっと、前回とは打って変わって生々しいぺなるてぃになったのう……」

神「まあよい、「安価とコンマは絶対」というのがこの世界の基本法則じゃ」

神「ちなみに、脱落の条件は何にしておこうかのう。どの道死ぬからバトロワの結果として死んでも脱落じゃが」

>>↓1
1.気絶
2.戦闘不能
3.キーアイテムの破壊
4.その他自由安価

3:指輪

神「よし、参加者の証として特別な指輪をわたし、これを破壊されたら脱落という条件にしよう。おい補佐」

神補佐「はっ、ではさっそく業者に発注をかけます」

神「任せたぞい。さて……他に何か特別付け加えておくことはあるかのう>>↓1」

1.非関係者(一般社会)への被害・能力バレはすべて自己責任
2.能力者以外への能力による被害はすべて神様が無料補填
3.能力者は指輪の破壊以外では死なない(復活できる)
4.指輪を持っていないと能力を使えない
5.その他自由安価


最後の1人が決まり次第戦いの記憶を消去されて死亡したものは復活する

>>14
その後が見たい俺にとってGOD

>>16
さすがに爆散してそのままってのは自分でも後味悪いかなと思ったからね

>>17
なら最初からやるなよwwwww

神「よし、さすがに負けたら爆死というのはちょっとかわいそうじゃし、すべての戦いの決着がついたら元通り復活させてやることにしよう」

神「記憶もちょちょっと改ざんして、あふたあけあも万全にやるのじゃ」

神「でも「どうせ復活できる」とわかってたら本気にならん奴が出るかもしれんから復活できることは秘密にしておこう」

神「よーし、こんなところでよかろう」

神補佐「神様、指輪の発注かけてきました。こちら領収書です」

神「うむごくろう。では指輪が出来上がるまでの間に、能力を決めてしまうとしよう。ふぉっふぉっふぉ、いやぁこればっかりは何度やっても楽しみじゃ」

神「さて、能力の決め方は最初から決めておる」

神「まず、下界の智慧者達から四字熟語を人数分……この場合は十個じゃな、募集する」

神「その四字熟語に使われている漢字を1~2文字ほど、同音異字に置き換える事で異能名とする」

神「四字熟語はひとり二つまで挙げてよいが、造語はダメじゃ。一般的な言葉、ぐぐってちゃんと調べられる言葉に限る、とする」

神「補佐よ、これで抜けておることはないかの?」

神補佐「完璧です神様」

神「よし、では募集開始じゃ!」

>>↓1から四字熟語が10個集まるまで(先着順)

怪力乱神

快刀乱麻

>>26はなしで疾風迅雷で
無理なら安価下で

神「どうやらこれで10個揃ったようじゃのう」

神「どれどれ……」



1.鳶飛魚躍(えんぴぎょやく) … 万物が自然の本性に従って自由に楽しんでいることのたとえ。

2.煙波縹渺(えんぱひょうびょう) … 水面がもやなどで遠くまで煙って、空と水面の境界がぼんやりとしてはっきりとしない様子。

3.杯盤狼藉 … 酒宴で、あたり一面に杯や皿が散らかっていること。また、宴会の乱れたありさま。

4.博施済衆 … 広く人民に恩恵を与え、民衆を苦しみから救済すること。為政者の心得。

5.鎧袖一触 … 鎧の袖でちょっと触れたくらいの簡単さで敵を負かすこと。

6.天真爛漫 … 純真そのもので、思う通りに振る舞うこと。無邪気で明るい様子。

7.泡沫夢幻 … 人生のはかなさのたとえ。水の泡と夢まぼろしの意。

8.怪力乱神 … 奇怪なこと、力技のこと、秩序を乱すようなこと、神秘的なこと。総じて、怪しく不思議で人知では計り知れないもののこと。

9.金科玉条 … この上なく大切にして従うべき決まり。金や玉のように立派な法律のこと。

10.疾風迅雷 … 疾風と激しい雷。転じて、そのように素早く激しいさま。



神補佐「どうも一つ目の四字熟語はちょっと誤字だったようですね」

神「まあ検索したらそれらしきものが出てきたからコレでよいとするぞい」

神「よぉし、それじゃあちょいとこれらを改変して異能を作るぞぉ」ワックワク

神補佐「楽しそうですねぇ……それじゃあこちら、『しばらくお待ちください』の看板立てておきますね」ゴトッ

前回の敗者は参加できる?戦わず事故で落ちちゃった女優ちゃんとか

呼び名で版権キャラいれるのは無しにしてもらいたい

知らないのが出てきても一部の少数派しか喜ばないから

(能力考え中...残り4/10)

>>33
一応安価取れれば可とするつもりではいます
ちなみにその際は前回参加者の誰それさんであることを明記してください。単に「女優」だった場合は前回の女優さんとは別の女優さんになります

>>34
基本「男」「女優」等の一般名詞的なもののみとします(版権キャラ名直接指定は無効・安価下)
版権キャラをイメージして「○○な人」くらいにするならいいですが、前回のサブミッション・アーティストのように、実際の言動・性格付けはこちらで(かなり好き勝手に)味付けされますー

神「……」ブツブツ

神補佐「……」

神「……」グヌヌ

神補佐「まだですか神様」

神「ぬぅぅ、ええいやかましいわいこれで完成じゃ!」バン


1.鳶飛魚躍 → 《援飛禦躍》
 特性:???

2.煙波縹渺 → 《延把縹渺》
 特性:???

3.杯盤狼藉 → 《這晩狼藉》
 特性:???

4.博施済衆 → 《白痴済衆》
 特性:???

5.鎧袖一触 → 《鎧集一飾》
 特性:???

6.天真爛漫 → 《天針爛満》
 特性:???

7.泡沫夢幻 → 《抱沫霧幻》
 特性:???

8.怪力乱神 → 《悔力乱心》
 特性:???

9.金科玉条 → 《金枷玉縄》
 特性:???

10.疾風迅雷 → 《疾封迅儡》
 特性:???


神「さすがに骨が折れるわい……ものによっては同音異字が少なすぎて改変の余地がなさ過ぎたり、逆に同音異字が多過ぎてどれにしたものか決めかねたりするからのう……」

神「加えて、それと合わせて能力の特性も考えねばならんからのう」

神補佐「でもお好きなんでしょう? そういうの」

神「大好きじゃ!!!」

神補佐「左様で。ともあれお疲れ様です」

神「うむ!!」

神補佐「ふむふむ、しかしこれは……」ペラリ

神補佐「……なんかひねくれた能力多くないですか? 最近のJ○JOですか? それとも性根がひねくれてるからですか?」

神「やっかましいわい! 元の四字熟語の意味に忠実な能力と思ったら大間違いじゃ。あえて真逆の性質を持った能力にすることであんびばれんとなあいろにぃをきかせたえすぷりが……」

神補佐「無理して横文字使わなくていい結構ですよ。それでは、次は能力者の選定ですね」

神「うむ。さぁて、だ・れ・に・し・よ・う・か・な~と……」

神補佐(選び方が適当……)

神「よし、一人目はあそこの>>↓1にしよう」

(※悲しいかな、必然的に1の能力を超えた範囲のスペックについては適当に濁されます※)


神「よし、あそこの会計士にしよう。さぁて……」スゥー...

……


会計士「ふぅ……今日の仕事はこれで終わり、と」

会計士「食べるのには困らないけど、日本の環境は向こうより働きにくいわね……」

神「そんなおぬしに一獲千金のチャンス」ヒョコ

会計士「うわっ変質者!」ドゴォ

神「うぼぁまっ待て! 手ぇ出すの早くないかの!?」

会計士「むしろ日本人は手を出すのが遅過ぎるの」

神「ううむたくましい奴! その闘志、気に入ったぞい」

神「とっとりあえずその紙丸めて作った棍棒でワシを殴打するのやめてもらっていいかの!?」


……


神「というわけで、貴様は異能バトロワの参加者として選ばれた。感想は?」

会計士「こんなのが神だと知ったら信仰心厚い人が絶望して死にそうね」

神「口が悪い! この女、神相手でも口が悪いぞい!?」

神「と、ともかくルールは説明した通りじゃ! 貴様に拒否権はない! この指輪を持って最後の一人になるまで戦い抜くのじゃ!」

会計士「理不尽過ぎる……仕事あるのに……」

神「勝てば億万長者でその必要もなくなるわい。さて、それでは貴様に与える能力は――>>↓1」


1.《援飛禦躍》
2.《延把縹渺》
3.《這晩狼藉》
4.《白痴済衆》
5.《鎧集一飾》
6.《天針爛満》
7.《抱沫霧幻》
8.《悔力乱心》
9.《金枷玉縄》
10.《疾封迅儡》
11.コンマ(一桁の数字1~0で1~10)

神「貴様に与える能力の名は……《抱沫霧幻》 !」

会計士「誤字?」

神「違わい! こういう名詞なの! こいつ怖いぞぃ、普通躊躇するようなツッコミも何の遠慮もなく言ってきおる!」

会計士「はっきり言わないことを美徳とする考え方もあるんでしょうけど、言わない方が害になるなら言うべきでしょう」

神「ううむ、物怖じせんやつ……」

会計士「それで、どういう能力なの?」

神「それは自分で考え――」

神(……待てよ、それで前回戦わずして自爆してしまったやつもおったわけじゃし、多少は教えてやるべきじゃろうか……?)

神(ううむ、どうするべきか>>↓1)

1.軽くは教える
2.やっぱり教えない
3.○○について教える(任意指定)

神(何もせんうちから自滅されてもこまるしのう……弱点くらいは教えておいてやるべきか)

神「どういう能力なのかは自分でたしかめるがよい。何事も自学自習! 他人から全部教えてもらえると思ったら大間違いじゃ!」

会計士「微妙に正論なのが腹立つわね」

神「本当に口が悪いのう……まあよい、その能力を使う上で重要なことを、ひとつだけ教えておいてやろう」


神「水分補給には気をつけよ」


会計士「……それだけ?」

神「それだけじゃ。あとは自分で何とかするんじゃなー! ハッハー!」スゥゥ...

会計士「何を勝ち誇った顔して言っ――――



会計士「」ハッ

会計士「……夢? じゃないわね。この指輪……あーあ、やだ、本当? どうしたものかしらねこれ……」



……


神「さて、これでまず一人」

神「次はどうするかのう>>↓1」

1.会計士の戦いを見ぶt……もとい見守る
2.他の能力者に能力を与えに行く

神「あやつなんか怖いし、他のやつにも能力を与えに行くことにするぞい……」

神補佐(神様なのにヘタレ……)

神「さぁて次は……ふむ、あそこの>>↓1とかよさそうじゃな」

神補佐「あそこの、って、あの警官ですか?」

神「うむ。警察組織にも一人くらい能力者がおった方が、能力者絡みのトラブルが起きた時に収拾がつけやすくなりそうじゃろ?」

神補佐(そもそもトラブルの種になる特殊能力なんかを人間に与えるなって話はしない方がいいんでしょうね)

神「さて、ではちょっと行ってくるぞい」スゥー...


……



巡査「うむ、町は今日も平和ですね」

巡査「さて、もう少し巡回したら交番に――」

神「よう、ワシ神。突然じゃが貴様には異能バトロワの参加者として戦ってもらうぞい」

巡査「おや、これはなんだか重大な役目を負かされてしまいましたね。ところでおじいちゃん、どこから来たかはわかりますか?」

神「貴様神を痴呆老人扱いしとんじゃないぞい! ええい受けるがよい都合がいいビーム!」ピカッ

巡査「うわっ!? ……な、なんだこれは……!? 頭の中に情報が……!?」

神「というわけで、貴様に与える能力は……これじゃ!>>↓1」



1.《援飛禦躍》
2.《延把縹渺》
3.《這晩狼藉》
4.《白痴済衆》
5.《鎧集一飾》
6.《天針爛満》
‐.――――
8.《悔力乱心》
9.《金枷玉縄》
10.《疾封迅儡》
11.コンマ(一桁の数字1~0で1~10、一の桁が7だったら十の桁で判定)


神「貴様に与える能力は……《援飛禦躍》!」

巡査「ま、待ってください、こんな風に人々に特殊な力を与えて回ってるんですかあなたは、そんなことをしたら様々な事件の原因に」

神「残念ながら待たんぞい、神は気まぐれで身勝手なのじゃ」

神「まあひとつだけ、貴様にもあどばいすをしておいてやろう」


神「自分の身を守るスベハ磨いておいた方がいいぞい」


神「ではさらばじゃ」スゥゥ...

巡査「あっ、こら! 待って、待ちなさい! こんなことをしたら何が起こるかわから――――



巡査「」ハッ

巡査「今のは……夢、ではない……!? この指輪……くっ、どうしたものか……」


……



神「ふぅ、二人目もこれで良し」

神「さて次は……>>↓1」

1.巡査の奮闘を見ぶt……もとい見守る
2.他の能力者に能力を与えに行く

神「まだまだ行くぞい」

神補佐「あと八人ですね」

神「うむ。さて次は……」

神補佐「……あっ、あそこにいる>>↓1とかいいんじゃないですか?」

神補佐「あそこの小説家とかいいんじゃないですか?」

神「ふむ。非現実的な物語を綴っている者ならこういう事にも適応力を発揮するやもしれんのう。よぉしあやつにするとしよう」スゥゥ...


……



小説家「…………」カタカタカタ

小説家「…………」カタカタカタ...ッターン

神「…………」

小説家「……。……」カタカタ...カタカタカタ

神「…………」

小説家「……! …………」カタカタカタカタカタ...!

神「とっとと気付かんかぁこらぁ――――!!」

小説家「うっわビビったえっ何誰だあんた!?」

神「せ、せっかく神が神らしく神々しいオーラ纏ってそれっぽく降臨してやったというのに見向きもせんどころか半時間気付きもせんじゃと!?」

小説家「ずっと待ってたんですか」

神「うむ、それ新作の原稿じゃろ? いやぁ、まさかあのキャラが次巻ではそんな展開に……」

小説家「ちょっちょっちょっ待って待って! それネタバレしちゃ絶対ダメっすからね!?」

神「じゃあ口止め料としてこの単行本にサインくれん?」

小説家「あっはいそれくらいなら」サラサラー



……



小説家「で、あなたが本物のファンなんですか」

神「そう、おぬしのファン……違う神! 神じゃよ! 貴様に能力与えに来た神!」

小説家「長年ラノベ作家やってきたけど、まさかファンからこんな贈り物貰う日が来るとは思わなかったわー……」

神「というわけで貴様にはこれから異能バトロワを……」

小説家「すいません来週締め切りなんでこの原稿終ってからでいいですか」

神「」

小説家「フッフフフフ行けるぜぇー俺には神様が付いてんだぁー」フフフフ

神「こ、こやつ徹夜続きでハイになっておるな……!? まあよい、とりあえず説明はしたし能力だけ渡してしまおう」

神「貴様に与える能力は……これじゃ!>>↓1」



―.――――
2.《延把縹渺》
3.《這晩狼藉》
4.《白痴済衆》
5.《鎧集一飾》
6.《天針爛満》
―.――――
8.《悔力乱心》
9.《金枷玉縄》
10.《疾封迅儡》
11.コンマ(一桁の数字1~0で1~10 一の桁が1・7なら十の桁)

11

神「貴様に与える能力は……《天針爛満》!」

小説家「……して、だから……いやここの表現は……」ブツブツカタカタ

神「……だ、大丈夫かのうこやつ。とりあえず潜在意識化に刷り込んでおけば後で思い出すじゃろうから……」


神「能力を使う際は、自分の頭上に注意せよ」


神「ではさらばじゃ……新刊、じゃなかった、異能バトロワでの奮闘を楽しみにしておるぞ……」スゥゥ...

小説家「よし、よしよし筆が乗ってきたぁぁぁぁアハハハハハ」カタカタカタカタカタカタ


……



神「ふぅ、柄にもなく緊張したぞい」

神補佐(ファンだったのか……)

神「よーし、それでは次は……>>↓1」


1.小説家の執筆活動……もとい異能バトロワでの戦いぶりを見守る
2.他の能力者に能力を与えに行く
3.コンマ(奇数で1偶数で2)

神「ううむ、名残惜しいがこれ以上新刊のネタバレを見てしまってもあれじゃし別のやつのところへいこう」

神補佐「そうしてください。……くれぐれもあの小説家さんを贔屓するとかはなしですよ?」

神「わっわっわかっとるわい!」

神補佐(大丈夫だろうか……)



神「さて気を取り直して……次はあやつに能力をやるとしよう」

神補佐「えーと……? ああ、あの>>↓1ですか」

元気娘(中学生)

神補佐「あの眼鏡のお嬢さんですか」

神「うむ」

神補佐「しかし……こちらの天界資料によると、あの眼鏡さん、ちょっと素行の方がよろしくないようですが……」

神「そういう者も一人くらいおった方が、こういうバトルは盛り上がるというものじゃよ。さて、行ってくるぞい」スゥー...


……



眼鏡「ッフ、フヒヒヒ、ッカじゃないのあれ、ざまぁ、ざまぁー!」プークスクス

神「万引きGメンの鞄に逆に商品を仕込んで万引き犯に仕立て上げるとは……なかなかの手際じゃのう」

眼鏡「っ!?」ビクーッ

眼鏡「なっ、なっちょっだっだっ誰よアンタ! いっいつからそこにいたの!?」

神「なぁに、通りすがりの神じゃ、覚えなくてよい」

眼鏡「もしもしポリスメン?」

神「待てぇーい! 待たんか! とりあえずかくかくしかじか」

眼鏡「まるまるうまうま。えっマジ?」

神「マジじゃ」

眼鏡「ちょっと勘弁してよ負けたら爆死とかシャレになんないじゃないいやよ私」

神「勝てば億万長者じゃぞ?」

眼鏡「うっ」

神「金があれば今よりもっとやりたい放題じゃぞ?」

眼鏡「うっうっ」

神「なぁに正面切って戦わずともやりようはあるんじゃ、貴様の工夫次第で十分価値の目はあるぞいあるぞい」フフフフフ

眼鏡「くぅ~やる! ヤってやります! てかアンタほんとに神? 悪神じゃなくて?」

神「いいからこの指輪と能力を受け取るがよい。貴様に与える能力は……これじゃ!>>↓1」


―.――――
2.《延把縹渺》
3.《這晩狼藉》
4.《白痴済衆》
5.《鎧集一飾》
―.――――
―.――――
8.《悔力乱心》
9.《金枷玉縄》
10.《疾封迅儡》
11.コンマ(ダブり結果が出た場合は、コンマ一の桁の数字→十の桁の数字→二つの数字の合計の一の桁→それでだめならコンマ数から秒数に変更、の順で判定)
例:コンマが66なら6+6=12の一の桁⇒2番

神「貴様に与える能力は……《鎧集一飾》じゃ!」

眼鏡「なんか強そう……ヤれる気がしてきたわ……!」グフフ

神「まあ過信は禁物じゃが、この能力を使う上での注意をひとつだけ教えておいてやろう」


神「ワンパターンは禁物じゃ」


神「以上」

眼鏡「えっ、それだけ?」

神「それだけじゃ。あとは自分で色々試して能力を知るが良い。ではさらばじゃー」スゥゥ...

眼鏡「あっ、ありがとう、私超がんばっちゃうから! これで私も――――



眼鏡「」ハッ

眼鏡「あれ? 夢――じゃないわ、指輪! ある! あは、あはは、ヤバい何これ、楽しくなりそぉ~っ!」


……



神「戻ったぞい」

神補佐「波乱の予感がしますね」

神「能力の悪用については何も決めておらんからの。やりたい放題じゃ。まあ巡査もおるしそうそう好き勝手にはできんと思うが」

神「さて次は……>>↓1」


1.眼鏡がどんな風に振る舞うか様子を観察する
2.他の能力者に能力を与えに行く
3.コンマ(奇数で1偶数で2)

神「さあこの調子でジャンジャン行くぞい」

神補佐「順調ですね」

神「さあ次は……あやつ、いややっぱりこっちの>>↓1じゃ!」ビシ

活発娘(中学生。ゲームはとことん楽しむ)

神「あそこの元気がいい活発娘にしよう」

神補佐「どうやら中学生のようですね。……大丈夫なんですか?」

神「放送倫理規定もくそもないから問題ないぞい。さて行くか……」スゥー...


……



活発娘「じゃーね! バイバーイ!」

活発娘「ふぅ、楽しかった! 体動かす方が好きだけど、たまには桃鉄もいいね!」

神「勝負事にはとことん本気で全力で挑む、その姿勢、気に入ったぞい」

神「ところでお嬢ちゃん、ワシは神なのじゃがちょっと話を」

活発娘「」プチッ

ビィ――――ッ!! ビービービ――――――ッッッ!!!

神「ぬおおいきなり防犯ブザー鳴らしおったぞこの娘――!」

活発娘「おまわりさーん!」ダッ

神「ええい待たんか都合のいい神様ぱわぁ!」カッ

活発娘「?????」

神「危ない所じゃった……というわけでかくかくしかじか」

活発娘「えっ、何それこわい……ま、負けたら死んじゃうんでしょう?」

神(うーん本気で怖がってしまっておるな……)

神「大丈夫じゃ、全部終わったらみんなちゃんとワシが生き返らせてあげるからのう。勿論おぬしが倒した相手もおぬし自身でもな」

活発娘「そうなの? じゃ、じゃあ……がんばってみる!」

神「うむ! その意気じゃ!(よし、このやる気だけ残して終わったら復活することだけは記憶から消しておこう)」

神「それではおぬしに与える能力は……そうじゃな、これにしよう!>>↓1」


―.――――
2.《延把縹渺》
3.《這晩狼藉》
4.《白痴済衆》
―.――――
―.――――
―.――――
8.《悔力乱心》
9.《金枷玉縄》
10.《疾封迅儡》
11.コンマ(ダブり結果が出た場合は、コンマ一の桁の数字→十の桁の数字→二つの数字の合計の一の桁→それでだめならコンマ数から秒数に変更、の順で判定)



普通の言葉なら10なんだけど…安価下

神「おぬしには、この《疾封迅儡》という能力を授けよう!」

活発娘「わぁー、どういう能力なの!?」

神「それは秘密じゃ、自分で調べて工夫することが大事じゃぞい。じゃが……ひとつだけあどばいすしてやるとするなら……」


神「……自分の能力に捕らわれん方がいいじゃろうな、おぬしの性格的に」


活発娘「どういう意味……?」

神「これ以上はダメじゃ。あんまりあどばいすしてしまうと不公平じゃからな。ではさらばじゃ。がんばるのじゃぞ……」スゥゥ...

活発娘「あっ、神さま、さようならー! またねー!」手ブンブン

神「(手を振り返しつつ天に戻る)」


……



神「……」

神補佐「おかえりなさい神様。……神様?」

神「あんないい子があの眼鏡とかと戦って大丈夫なんじゃろうか……?」

神補佐「おじいちゃん属性発揮するくらいなら選ばなきゃよかったじゃないですか」

神「ぐぬぬぬ。こうなったら>>↓1」


1.活発娘ちゃんの様子を影ながら見守る
2.他の能力者に能力を与えに行く
3.コンマ(奇数で1偶数で2)

もう全員に与えてからでいいんじゃないか?

神「あんまり親身になって見てるとつらいから他の奴んとこ行くぞい」

神補佐(ヘタレだ……)

神「次はどうするかのう……ようやく半分か……」

神補佐「それでは、あそこの>>↓1とかどうですか?」

神補佐「あそこの若手芸人とかどうですか?」

神「ふむ。そういえば前回は芸人が優勝じゃったな……これは期待できるかの?」

神補佐「どうでしょう。前回はそこそこ売れてましたが……あの若手芸人は>>↓1コンマ」


00:DONZOKO~50:並~99:新進気鋭将来有望

神補佐「デビューしたての若手ながら無茶苦茶名が売れてます。方々から引っ張りだこです」

神「パないのぅ」

神補佐「パないですねぇ……どちらかというと、芸の面白さよりルックスの良さと体当たり気味に企画に挑戦していく姿勢とかの方が買われている気がしますが」

神補佐「しかし次の月7ドラマの主演オーディションも受けて俳優としての活躍も視野に入りつつありますからこれは近年まれに見る逸材となるのではないかと」

神「詳しいのぅ」

神補佐「それほどでもないですええ」

神「……まあいいわい、ではちょっと行ってくるぞぃ」

神補佐「あっ」

神「む?」

神補佐「いえなんでも」

神「……」

神補佐「…………」

神「あーっ! なんか何人も与えて回って疲れたのぅー! というかなんでお前はずっとここで見物しとるんじゃ、ワシはちょっと休憩するから次はお前が行ってこい」

神補佐「! はい! わかりましたお任せくださいすぐ行ってまいります!」ピュー

神「……やれやれ」


……



神補佐「というわけで、あなたは異能バトルロワイヤルの参加者の一人に選ばれました」

若手芸人「マジっすか。……ドッキリ企画とかじゃなくて?」

神補佐「(最後にみんな復活することを考えるとある意味そうですが)違います、残念ながら本当の戦いです」

若手芸人「何すか今の行間」

神補佐「とにかく、そういうわけで頑張ってください。神様から預かってきた指輪と異能をあなたに授けます」

神補佐「あなたに授ける能力、それは……>>↓1です!」


―.――――
2.《延把縹渺》
3.《這晩狼藉》
4.《白痴済衆》
―.――――
―.――――
―.――――
8.《悔力乱心》
9.《金枷玉縄》
―.――――
11.コンマ(01、23、45、67、89区切りで2から順に)


神補佐「あなたの能力、それは《悔力乱心》です。うーん、しかし、これは……」

若手芸人「どうしたんすか。なんかそんなにヤバい能力なんすか?」

神補佐「……いえ、詳しいことは教えてはならないと言われていますので、この能力を使う上での注意点をひとつだけ」


神補佐「心を強く持ち、時には未来にも目を向けましょう」


神補佐「以上です」

若手芸人「よくわかんないっすけど、やると決まった以上はやらせてもらいますよ。こんなところでつまづいてられねえんで」

神補佐「そうですか。では、……ええと、その、」

若手芸人「?」

神補佐「……あ、握手を、してもらっても……」

若手芸人「いいっすよ、あ、サインもしましょうか」ギュ

神補佐「お願いします!」ギュ

神補佐「あっあっあの、わたし立場上参加者の誰かに加担するわけにはいかないんですけど、でも応援してますから! バトロワも本業も!」

若手芸人「応援あざーす! 見ててください、俺にできる限りのことを精一杯やってみせますから!」

神補佐「うう、名残惜しいですが……それでは!」ピュー



若手芸人「」ハッ

若手芸人「夢……じゃねーなコレ。指輪あるし。っは、天界にもファンがいるとか俺ヤバくねえ?」

若手芸人「……負けられねーなこりゃ」


……



神補佐「ただいま戻りました」

神「うむ、ご苦労」

神「さて、次は……>>↓1」


1.若手芸人を応えn……もといその戦いを見守る
2.残りの能力者に能力を与えに行く
3.コンマ(奇数で1偶数で2)

2

神「能力者の選抜もあともう少しじゃ、さっさと終わらせてしまおう」

神補佐「わかりました」

神「ふむ……そうじゃな、ではあそこにいる>>↓1と>>↓2にまとめて行くか」

神「あそこの防水工と男子小学生にまとめて行くとするぞい」

神補佐「同時にですか? ……だんだん雑になってませんか?」

神「ええいやかましいわい、さっさと能力者を十人揃えんとバトルが始まらんじゃろうが」

神補佐「まあそれもそうですが」

神「では行ってくるぞい」スゥー...


……



神(二人は……あそこじゃな)

神(そういえば一緒におったからまとめて選んでしまったが、こいつらどういう関係なんじゃろう)

神補佐(神様、こちら二人に関する天界資料です)

神(こやつ直接脳内に……!)

神(さておき、ふむ……なんじゃ、>>↓1か)

1.家族
2.ご近所さん
3.防水工が仕事で来た家の子供が男子小学生
4.偶然出会っただけ
5.その他自由安価

神(なんじゃ、まるっきり赤の他人か)

神補佐(そのようです)

神(つまらんのう……どうせなら家族同士で血を血を洗う戦いが、とかじゃったら盛り上がったろうに)

神補佐(性格悪いですね……)

神(聞こえとるぞコラ)

神補佐()サッ

神(ちっ、まあいいわい)

……


神「というわけでお前らはまとめて能力者バトルに参加してもらうぞい」

防水工「おいおいじいさん、いきなり出てきてそりゃあないんじゃねえのか」

男子「そうだよ! むちゃくちゃだ!」

神「やかましい、貴様らに拒否権はない。まずは貴様にこの能力を与える!」ポォ...

男子「ひっ!?」

防水工「チッ――!」バッ

神「貴様に与える能力、それは……これじゃ!>>↓1」

―.――――
2.《延把縹渺》
3.《這晩狼藉》
4.《白痴済衆》
―.――――
―.――――
―.――――
―.――――
9.《金枷玉縄》
―.――――
11.コンマ(00~24、25~49、50~74、75~99区切りで2から順に)

神「貴様に与える能力は《金枷玉縄》――ってなんじゃ、横から割り込んで勝手に受け取る奴がおるか!」

防水工「ちっ、なんだこれは……妙な感覚がする……!」

男子「お、おっさん!?」

神「ええい……やむをえん、そこの小僧! 貴様にやる能力は代わりにこっちじゃー!>>↓1」

男子「うわあぁー!?」

―.――――
2.《延把縹渺》
3.《這晩狼藉》
4.《白痴済衆》
―.――――
―.――――
―.――――
―.――――
―.――――
―.――――
11.コンマ(00~33、34~66、67~99区切りで2から順に)

3

神「貴様の能力は《延把縹渺》じゃ! ちぃ、元々は逆に与えるつもりじゃったというのに……」

男子「わ、ぅわっ、なにこれ変な感じがする……!」

防水工「ちっ、これでぼうずも能力者って事かい……」

神「そうじゃ、これから貴様らには他の能力者達と、そして貴様ら同士ででも戦い合ってもらうぞぃ」

神「能力の詳細については自分で調べよ。じゃが……ひとつだけ忠告しておいてやるとしたら――」


神「防水工。貴様は他人の価値観というものをよく考えよ」

神「そして小僧。貴様には特に能力を使う上での注意などいらん、自分が実際どういう風に戦うかでも考えておけ」


神「ではさらばじゃ」

防水工「あっ、オイ待て――――

男子「ちょっと、オレにはそれだけかよ――――




防水工「」ハッ

男子「」ハッ

防水工(……何だ、今のは……夢? 俺はたしか曲がり角でこのガキにぶつかりそうになって……)

男子(あっ、でもいつのまにかゆびわを持ってるぞオレ! これって……)

教師の声「こらぁーっ! 男子君、どこに行ったのーっ!」

男子「あっ、やばっ!」ダッ

防水工「あっ、おいちょっと待――ちっ、どうしたもんかなこいつぁ」


……



神「ふぅ。これで残りあと二人じゃな」

神補佐「ようやく終わりそうですね」

神「この勢いでとっとと終わらせてしまうぞい」

神「そうじゃな……よし、ワシはあの>>↓1に能力を与えてくるから、補佐、貴様はあっちの>>↓2に能力を与えてこい」

神補佐「わかりました」

女子大学生(清楚)

前回の女優

>>117
よかったら、俺の枠を交換てもらえるように>>1に頼む?
いや、遅いか

神「ワシはあそこのネイリストに能力を与えてくる。補佐、貴様はあっちの女子大学生に能力を与えてこい」

神補佐「わかりました」

神「うむ、では……いや、」

神補佐「どうかされましたか?」

神「やっぱり担当を逆に」

神補佐「それでは迅速に役目を果たしてまいります」ピュー

神「した方がってくそーあやつめ先に行きおった! 仕方ないのう……せっかくの清楚なおねえちゃんじゃったのに……」ブツブツ スゥー...


……



神「というわけで貴様には能力者になってもらうぞい」

ネイリスト「フゥ~……あんまり気は進まないけど、拒否権はないのねぇ~……」

神「無い」

ネイリスト「じゃあ、やれるだけやってみましょうか~……で、私の能力って?」

神「それは今から授けよう。貴様の能力、それは――>>↓1じゃ!」


―.――――
―.――――
3.《這晩狼藉》
4.《白痴済衆》
―.――――
―.――――
―.――――
―.――――
―.――――
―.――――
11.コンマ(奇数で3、偶数で4)

神「《這晩狼藉》 じゃ!」

ネイリスト「名前を聞いただけだとよくわからない能力ねえ~……」

神「……どうにも覇気の感じられない奴じゃのう」

ネイリスト「ごめんなさいねぇ、性分なの」

神「まあいいわい、詳しくは貴様自身で試して知ってもらうが、この能力を使う上での注意事項はひとつ」


神「影踏み鬼で遊んどる子供には気をつけよ」


ネイリスト「なんなのそれ」

神「あんまり詳しく注意すると能力の説明をすることになりかねんからじゃ。精進せい。ではさらばじゃ」スゥゥ...

ネイリスト「はいはい、次はお客として来てね~……――――



ネイリスト「」ハッ

ネイリスト「……フゥ~……寝落ちしてたわけじゃあないみたいねぇ~……とりあえず、この指輪に会うネイルアートでも考えようかしら」タメイキ

……



神補佐「というわけで、能力者同士のバトルロワイヤル、あなたがその最後の参加者になります」

JD「あの……本当に殺し合わなきゃダメなんですか?」

神補佐「戦わずに逃げに徹するという選択肢もある事はあります」

神補佐「あなた以外の能力者同士が相討ちになりでもしない限り、最後まで逃げ切って優勝者になるのは難しいと思いますが」

JD「うう……」

神補佐「突然こんなことを言われて戸惑うとは思いますが、がんばってください。こちらが参加者の証である指輪と、」コロン

神補佐「そしてこれが、あなたに授ける能力――《白痴済衆》です」

JD「《白痴済衆》……?」

神補佐「この能力を使う上での注意、というか、アドバイスをひとつ」


神補佐「戦いは数の勝負」


神補佐「どういう能力なのかは自分で試して、うまく使いこなしてください。それでは」ピュー

JD「あっ、あの、ありがとうございま――――



JD「」ハッ

JD「あ、指輪……夢じゃなかった、のね。……あーあ、人生で初めてもらう指輪がこんなだなんて、ちょっと寂しいな……」

会計士
巡査
小説家
悪女眼鏡
活発娘
若手芸人
防水工
男小学生
ネイリスト
女子大学生


みんなバラバラで面白そうだな

……


神補佐「ただいま戻りました神様」

神「うむ、ワシも今戻ったところじゃ。これで能力者十人全員が出そろったの」


1.《援飛禦躍》 → 巡査
2.《延把縹渺》 → 男子小学生
3.《這晩狼藉》 → ネイリスト
4.《白痴済衆》 → JD(清楚系)
5.《鎧集一飾》 → 眼鏡悪女
6.《天針爛満》 → 小説家
7.《抱沫霧幻》 → 会計士(♀)
8.《悔力乱心》 → 若手芸人
9.《金枷玉縄》 → 防水工
10.《疾封迅儡》 → 活発娘


神「楽しみじゃなあ、今回はどんな戦いになるのじゃろうか」

神補佐「では、とりあえず誰の様子を見ていきますか?」

神「それはまあ、そうじゃな……ここは>>↓1の戦いぶりを見せてもらうとするぞい」

上の一覧から1~10、もしくはコンマ(一桁1~0で1~10)で選択

神「あの巡査の戦いぶりを見せてもらうとするぞい」

神補佐「はい、えー、いました、あの方ですね」

神「ふぉっふぉっふぉ、法の番人、その一翼を担うべき者がこの血も涙もない殺し合いの中でどう振る舞うのか」

神「じっくりと見せてもらうとしようかのう」ククク

神補佐(こういうところ完全に悪神なんですよねこの方)

神「さあ、いよいよ異能バトルロワイヤルの開幕じゃ!!」

※小一時間ほど休憩取りますー。九時前頃再開予定


10でも多いな。
次があったら8人にしたい

>>134
ドラマしか観てないけど異能系だっけ?

>>136
みんな予知能力者。でも次回作の方が異能だよ

風呂やって飯食ってアンチョビットゲームズに旗15本立ててドゥーチェ三唱してたら少し遅くなりましたが再開します!

……


巡査(さて……突然特殊能力を与えられてバトルロワイヤルに参加しろとか言われてしまったが……)

巡査(このわけのわからない異常事態に対して、俺は、>>↓1)

1.市民に被害が及ばないよう、能力者として、警察官の一人として積極的に戦おう
2.実は権力握って好き放題するために警官になったんだ、この機に好き放題やってやる
3.参加はするが決着は付けずに、平和的に終わらせる方法を模索しよう
4.その他自由安価

1

巡査(どんな人間が能力者になったのかはわからないが……この力を好き放題使うやつがいれば、世の中に大きな混乱が起きることは想像に難くない)

巡査(たとえ相手を殺してしまうことになったとしても……この戦いを、一刻も早く終わらせなければ)

巡査「さて、戦うと決めたはいいがどうするべきか……>>↓1」

1.まずは自分の能力の把握に努める
2.まずは情報収集
3.自分を餌に敵をおびき寄せる
4.その他自由安価


巡査(まずはそれらしい情報を集めよう。幸い、立場的に手段は色々ある)

巡査「お疲れ様です」

巡査部長「おう、お疲れ」

巡査「ところで部長、最近、何か変わった事件は起きていませんか」

部長「なんだぁ、どうした急に」

巡査「いえ、最近それほど大きな事件は起きていませんが、そういう時こそ、些細に思える事柄から大事件の予兆を見つけ出していかなければと」

部長「はっはっは、まあやる気があって結構なこった」

部長「しかし、事件、変わった事件ねぇ……」

部長「そうだな……>>↓1コンマ」


00~09:特に変わったことは起きてないな
10~39:野良やペットの動物が何者かに虐待されてるらしい
40~69:今話題の若手タレントがこの辺で興業をやるらしい
70~99:うちの娘の学校で何か噂が……

部長「そうだな……そういえば最近、うちの娘の学校でなんか噂が広がってるらしいな」

巡査「噂……ですか」

部長「おう」

巡査「そういえば部長の娘さんってお幾つでしたっけ?」

部長「もう>>↓1学生だよ」

1.小学生
2.中学生
3.大学生

部長「もう小学生だよ。可愛いさかりでなぁ~」デヘヘ

巡査「それで噂というのは」

部長「うん? まあ噂と言っても大した話じゃない。最近、前々から悪目立ちしていたいたずら小僧が今まで以上にやたら活発に悪さをしてるそうでな」

部長「それがまた、一体どこから調べてきたのかわからんくらい巧妙な手口だったり、捕まえようとしてもものすごく察しよく逃げたりイタズラの証拠を隠したりで、先生方がえらく手を焼いてるそうだ」

巡査「はあ」

部長「まあ、イタズラのレベル……ああ、程度じゃなく、手腕としての意味でな、それがあまりに劇的に上がったもんだから騒がれてるのさ」

部長「大した話じゃなかったろ? まあこの街は平和そのものだよ」

巡査「だといいんですけどね」


巡査(うーん、少し気になるといえば気になるが……たしかに本当に大した話じゃない)

巡査(どうしたものか>>↓1)

1.騒ぎに備え、自分の能力の把握と訓練
2.もっと別の、色んな方向から情報収集
3.念のため学校を見に行ってみる
4.その他自由安価


巡査「能力者絡みの騒ぎが起きる前に、自分の能力について把握するよう努めよう。自宅で試していれば他人に見られる心配もない」

巡査「たしか神は、「自分の身を守る術を身に付けておけ」とか何とか言っていたが……どういう事だろう」

巡査「ともあれ、何となくだが力の発動の仕方は感覚でわかる。……ムンッ」ポォ...

魚の影『……』ユラァ...

鳥の影『……』フワァ...

巡査「……これだ。何もないのに、魚と、鳥のような影が出てくる」

巡査「しかしそれだけなんだよな……これ以上のことが何か起こるわけでもないし、こいつらが何かする気配もない」

巡査「一体どういう能力なんだ……?」

巡査「うーん……>>↓1」

1.さらにいろいろ実験
2.他人で実験
3.能力より自分の体を鍛えておく
4.その他自由安価


巡査「もっと色々実験してみよう」



……



巡査「とりあえずわかったことはいくつか」

巡査「鳥の影、魚の影、出せるのは合わせて十匹分くらいが限界らしい。それと、あんまり大量に、あるいは長時間出し続けていると、気を張っているせい以上に消耗してくる感じがする」

巡査「影のようには見えるが普通の影じゃない。強い光を当てても別に関係はないようだ」

巡査「影は多少自分の意思で動かせるようだが、基本的に出現させたところから大きくは動かないし、そもそも動いたところで何ができるわけでもないからあまり意味はない気がする……」

巡査「人の居ない道場で試してみたが、ある程度は距離を取っても残り続ける。道場に影だけ残して外に出てみたら、あまり離れると「消える」感覚が伝わってくる。有効距離……的なものもあるらしい」

巡査「こんな所か。ここまで何も起こらないのは、本当にこれだけしかできない貧弱な能力なのか、もしくは、使い方が間違っている、という事なのだろうな……」

巡査「どんな能力者がいるかもわからないのだから、正しい使い方ができてないだけだと思いたいが……」

巡査「ともあれ、こればかりしているわけにもいかない。本来の職務に戻ろう」



……



巡査「さて」

ランダムエンカウント判定>>↓1コンマ
00~19:ネ
20~39:女
40~59:工
60~79:眼
80~99:芸


……


神「やれやれ、まだるっこしいことをしておるのう、自分の能力の使い方もわからんのか」

神補佐「そんなこと言うなら教えてあげればいいでしょうに」

神「嫌じゃ。ワシから変に教えるよりも、自分でどういう能力か調べて「そうかこれは○○する能力だったんだ!」と思ってたけどピンチになった時に新たな使い方を発見して「そうか、これは本当は××する能力だったんだ!」ってなってピンチを打ち破るみたいな展開があった方が楽しいじゃろうが」

神補佐「長いです一言で」

神「ワシの趣味」

神補佐「ハイ。あっ、ところでその巡査さん、もうすぐ防水工さんとエンカウントしそうですよ!」

神「おお! ところで、ワシは見とらんから知らんのじゃが、防水工側はどういうスタンスなんじゃ?」

神補佐「ええと、彼は……」


1.社会や他人のことをおもんばかって、戦いを終わらせるべく積極的
2.あくまでも私利私欲のために積極的
3.殺し合いを避ける手段を探すべく消極的
4.戦いに関わるまいとして消極的
5.その他自由安価
6.コンマ(00~24、25~49、50~74、75~99区切りで1~4)


6

神補佐「巡査さんと考え方は近いようです。なるべき早く戦いを終わらせるために積極的に戦うつもりのようですよ」

神「ほほう、これは期待が持てるわい!」ワクワク

神「さぁてどうなるかのう」


……



巡査「せめてやれることと言ったら、こうして密に巡回をして異変に目を光らせることくらいか……おや」

ガチャッ

防水工「それじゃ、毎度どうも」

おばちゃん「は~いありがとうねぇ~」

防水工「いえいえ、これも仕事ですから。じゃ、失礼します」ペコッ

巡査(何かの業者のようだな)

防水工「!」ピクッ

巡査(? 何を気にして……あれは、下校中の小学生か?)

防水工「見つけた……おいそこのぼうず!」ダッ

「!? わっ、く、来るなよっ!」ダッ

防水工「待てコラ!」ダダッ

巡査「なっ――そこの男性、ちょっと待ちなさい!」ダッ

防水工「!? ちっ、なんでこんなタイミングでお巡りが……!」

防水工「悪いが――!」チャッ ピン!

巡査(何かをこっちに弾いた? 小さいがあれは――硬貨、か?)

>>↓1
1.避ける
2.弾く
3.そのまま追う
4.その他自由安価

巡査「なんのつもりかわからないが、こんなもの――」パンッ

巡査「――!?」ガクンッ

巡査「何だ、硬貨を弾いたつもりが腕に張り付いて――腕が動かない!?」

巡査「まさかこいつ、能力者か!」

巡査「だったら――なおさら逃がすわけにはいかない!」

巡査「まだ使い方はよくわかっていないが――相手の意識を引きつけるならこれしかない! 行け、《援飛禦躍》――!」バン!

魚の影『――――!』ギョルルン

防水工「――!? 何だ、魚が地面を――いやこれは影、か!? く――!」ズザザッ

巡査「よし、当たった……! だが……」

防水工「ちっ、まさかこのお巡りさんも能力者とはな……重ね重ね間が悪いな俺は」

防水工「…………」チラッ

「…………!」ダダダー...

巡査(子供は逃げ切れたようだな)

防水工「……ちっ、仕方ない、あっちは別の機会を待つとして、だ」ジリ...

巡査「お前も能力者のようだな。一体どういうつもりでの子供を追いかけていたのか、話を聞かせてもらおうか」ジリ...

防水工「聞いてどうする。どの道俺らは敵同士……あんたがやる気なら、相手になってやるぜ」

巡査「上等だ、かかってこい!」

巡査(とはいったものの、この動きを封じる効果が相手の能力だとすると、いささか分が悪いか……)

防水工(ちっ……足から這い上がってきたこの魚の影は一体なんだ……!? 俺の体の上を悠々と泳ぎやがって……! 今のところ何も異常は感じちゃあいないが気味が悪いぜ)

巡査(相手は明らかに自分の能力の性質を理解した上で使ってきている風なのに対して、こちらはまだ自分の能力の性質も把握できていないのだからな……)

巡査(ここは……>>↓1)


1.ハッタリをかまして降伏勧告
2.物理で殴る
3.子供は逃げられたのでいったん戦略的撤退
4.その他自由安価

巡査(子供は逃げ切れたようだ。相手の身柄についてはあの工事業者から辿って探し出せる)

巡査(ここはいったん戦略的撤退だ!)ダッ

防水工「っと顔を覚えられて逃がすわけがねえだろうが!」ダッ

防水工「持ってけ平均時給……!」スチャ ピンピンピンッ!

巡査「また小銭を……!」

巡査(腕で弾くと張り付く、なら警棒で――!)ヒュバッ パキィン

ビタァ!

巡査「っ! 警棒の動きまで止まるのか!?」

巡査(駄目だ、これでは二発目三発目は弾けないし、避けきれない――!)

ビタビタァッ

巡査「ぐうっ!」ガクッ

防水工「よーし止まったな。あんたに恨みがあるわけじゃあないが……その指輪をぶっ壊して、一足早く脱落してもらうぜ」スッ...

巡査「くっ……!」

巡査(まずい、このままでは――)チャリンッ...

巡査(む? 最初に腕に張り付いた硬貨が落ちた……? っ! 腕が動く!)

巡査「させ……るかぁっ!」ブンッ

防水工「ちっ、ケチり過ぎたぜ、そっちはもう時間切れか――」バッ

――バチャンッ

魚の影『……!』パチャン

防水工「――!?」サッ

巡査(なんだ!? 相手が防御しようと構えた腕が不自然にずれて――)

巡査「何でもいい今だ殴れぇ――ッ!!」ドカッ

防水工「っぐう!」ズザザ

防水工「チッ……そういう事か……!」

巡査(腰が入ってないから当たったけど浅い、けど、あの瞬間、相手の体に張り付いた魚の影がたしかに『跳ねて』いた……)

防水工「つまりこれが――」

巡査(俺の――!)

防水工「お前の能力か!」

巡査(自宅や道場で試した時に何も起こらなかったのは、これが相手に作用するタイプの能力だったからか……!)

巡査「そうとわかれば……行け!」ブワァァァ

魚の影『……!』ザザザザ

鳥の影『……!』ズズズズ

防水工「チィッ……! タネがわかりゃあそうそう好き勝手やらせるかよ!」

防水工「五百円玉で大盤振る舞いだッ!!」ジャラァッ!

魚の影『……!』ビタァ

鳥の影『……!』ビタァ

巡査「! 影まで……!?」

防水工「止められるらしいなぁ、出せるのはそれで全部か? なら終わりにしてやる……!」スチャ

巡査「万札……!?」

巡査(まずい、あの言動から考えるに、おそらくこの拘束能力は持続時間か何かが使う金額の多寡に関係する!)

巡査(今自由に動くのは、最初に小銭を食らって今は自由になった、この右手だけ……!)

防水工「これで――!」ダッ

巡査(どうする――!?>>↓1)


1.右手一本で迎撃する
2.手段は選んでいられない、撃つ
3.その時別の方向から――
4.コンマ(00~32:1 33~65:2 66~99:3)

「――――うわああああっ!!」

防水工「!!」バッ!

巡査「今の声は……まさかさっきの小学生の……!?」

防水工「チッ……本当につくづく俺は間が悪ぃ……!」

防水工「とりあえずお前はそこでそうしてろ!」ベシ

巡査(千円にランクダウンした……!)ビタァ

防水工「あのぼうず……死ぬなよ……!」ダッ

巡査(……えっ、俺は、まさかこの変なポーズのまま放置、なのか!?)



男子「はぁ、はぁ……な、なんなんだよぉっ……!」

>>↓1「逃がさない……」


1.眼鏡
2.活発娘
3.ネイリスト
4.会計士
5.コンマ(00~24、25~49、50~74、75~99)

眼鏡「そこのクソガキぃ、アンタも能力者だったとはねぇ」

眼鏡「ここで見つけたが百年目! 死んでもらうわよぉ私のお金のために!」ゲヒヒヒ

男子「ひぃぃぃぃ!」

眼鏡「逃げるんじゃないわよぉその指輪こっちに寄越したらそれだけで見逃してあげるってぇ」

男子「渡して壊されたら僕死ぬじゃん! やだよ!!」

眼鏡「待てっつってんでしょうがガキコラァ!」

防水工「てめえが待てコラ!」ピンピィンッ

眼鏡「っ、誰よ邪魔すんのは!」

眼鏡「ってああ!? 何よコレ、動けないじゃないのぉぉぉ……!」グググ...!

防水工「あぶねえところだったぜ……無事かぼうず」

男子「お、おじさん……?」

防水工「やっぱあの時のぼうずだな。よかったぜ……とりあえず確定で能力者だとわかってるのはお前だけだったからな。他の能力者にやられる前に守ってやらねえとと思ってたんだ」

男子「おじさん……!」

眼鏡「私を無視して盛り上がってんじゃないわよコラァ! 好都合だわぁ、二人も能力者と会えるだなんて! ぶっ殺してあげるからそこ動くんじゃないわよ!」

防水工「動けないのはお前の方じゃあねえか……悪いが、あんたにはここで死んでもらうぜ」スチャ

眼鏡「あぁら何よ、それで私をどうこうするつもり!? いいわよぉ、やれるもんならねぇ!」

眼鏡「見た感じ、あんたの能力はお金を使うってとこ? だったら私の敵じゃないわねえ」ウフフ

防水工「言ってろ。とっとと指輪を貰って終わりに――」

眼鏡「言ってやろうじゃなあい。あんた私も能力者だって事忘れてない? 宣言するわ《鎧集一飾》、マテリアル『現金』」

防水工「――っ、なんだ!? 俺の金が――!」ジャラジャラバラバラ

男子「ああーっ僕のお小遣い――!!」チャリンチャリンコロコロ

眼鏡「ウフフフフ、案外小銭が転がってるものねえ。足りない分は! その辺の自販機や! その辺のお家からぁ!」

ザザザザザ...ジャギンッ

眼鏡「ふう。これで完成。私の無敵の鎧よぉーっ!」ババァーンッ

男子「ぜ、全身に……」

防水工「現金を纏いやがった、だと……!?」

二人「「……趣味悪っ」」

眼鏡「るッさいわねぶっ殺すわよこのザコ共!!」


らしいちゃらしい

防水工「チッ……しかしたしかにこの状況は……!」

眼鏡「オラァッ!」

防水工「っぶねえ!」サッ

ドゴォ

防水工「こいつ、ひょろいパンチで自販機に穴を開けやがった……!」ザザッ

眼鏡「おほほほほほ! いつなんどきいかなる場所だろうとも、その場にある素材を集めて無敵の鎧を作り出す――」

眼鏡「それが私の能力、《鎧集一飾》! あんたみたいに能力の媒体が金に限定されてる奴なんて、媒体になるものを素材指定してぶんどってしまえばいいんだから、私から見ればザコもいいとこなのよぉ!!」バッ

男子「おじさん!」

防水工「チッ――!」ガッ

防水工「ごほッ……!」

男子(お、おじさん、僕をかばって……!)

眼鏡「ああっ、ヤバいわコレ、動物を痛めつけるのとはもうわけが違うっ……! 最高じゃない!? 動画うpできないのだけが残念ッ……!」ゾクゾクッ

防水工「ぼうず……お前は自分の能力はわかってるのか……?」

男子「だっ、だめだよ、僕の能力は戦いに使えない……!」

防水工「そういえば……あの神様とやらにも「戦い方を考えろ」とか言われてたっけか……仕方ねえな、じゃあお前だけでも隙を見て――」

眼鏡「逃がさないっつってんでしょうがァ!」ガッ ゴッ ゲシッ

防水工「ッ……!」

防水工「ッソが……調子に乗るんじゃあねえ!」ゴッ

防水工「痛ッ……!」

眼鏡「アハハハハッ! ザコ! ザッコぉ! どうしたのようおじさん、か弱い女相手に手も足も出せない気分ってどう!?」ガッ ゴッ バシッ

防水工「ぐぅ……来いぼうず!」ダッ

眼鏡「逃がすかぁ!」ゲシィ

防水工「ぐあ!」

男子「うわぁ!」ドサァ

眼鏡「ハァ、ハァ……あー、そうだわ、ちょっと落ち着きましょ、うん。楽しんでて目的忘れちゃ駄目よ、無関係な一般人が集まってきて騒ぎにでもなったら異能バトルどころじゃないんだから」

眼鏡「あの指輪さえぶんどっちゃえばいいんだから……!」

防水工「チッ……!」

男子「どうしよう……どうしたら……あ!」ピクッ

男子「おじさんっ、こっち……!」グイッ ダッ

防水工「待て、そっちは……!」ズリズリ

眼鏡「だから何度言えばわかんのよぉ!」ガッ

男子「ううっ!」

眼鏡「ウフフ、坊や、あなたからがいいのぉ? じゃあ覚悟はいいかしらぁ?」

??「――お前がな」

眼鏡「へ――?」ヒュ

巡査「そこまでだッ!」ドカァッ!

眼鏡「うわッきゃ!?」グラッ

巡査「――っ痛、硬いななんだこいつは!?」シリモチ

防水工「お前は……俺の能力が解けたのか……だが、なんで」

巡査「話はあとだ! まずはこいつをどうにかする!」

眼鏡「ッチィ! 邪魔が! でもいいわぁあんたも能力者ね!? 獲物が増えたと考えましょう!」

男子「だっ、だめだよお巡りさん! あいつ、鎧が固くて……おじさんが殴っても全然通じないんだ! それより一緒に逃げるのを手伝って!」

防水工「ぼうずお前……こいつが来てるのがわかってたのか……?」

巡査「大丈夫だ、安心しろ。君達は俺が守ってみせる。俺は警官だからな」

眼鏡「格好つけてんじゃないわよこのダボがァァァァ!」バッ

巡査「それに問題ない――さっきの一撃で『既に付けてある』」グッ

魚の影『……』ユラァ

防水工(あいつの鎧の表面に……あの影が!)

眼鏡「ハッ! 何をするつもりかしらないけどねぇ、私の鎧は絶対無敵なのよぉぉぁァハハハハハハハ」



巡査「チェストォ――――!!」

チャプン

眼鏡「ハハハハハハはぶぁっ!!!?」ドコォッ!!



眼鏡「い、痛っ、いったぁあぁぁぁ!? なっ、なんでよ、なんで私の絶対無敵の鎧がぁぁぁ~~っ!!?」

男子「す、すごい……」

防水工「魚の影が跳ねた瞬間……あいつの顔の部分だけぺろんと札束鎧がはがれやがった……は、はははっ! こいつぁ笑えるぜ、これが『能力の相性』ってやつか……!」

巡査「ふむ、なんだかよくわからんが――」

巡査「俺の能力は、お前と随分相性がいいらしい!」

眼鏡「嘘ぉぉぉぉぉぉぉ!?」

巡査「……ん? というかお前、その顔は……たしか署で」

眼鏡「っげ、っていうかよく見たらおまわりじゃないのよ、どんだけ相性サイアクなの!?」

眼鏡「ここは……戦略的撤退っ!!」バッ

巡査「待てこの――うわっ」

巡査「くっ、札束をこっちの顔に投げつけておいて、その一瞬に……なんて逃げ足の速い奴」

巡査「まあいい、それより、大丈夫か!?」

防水工「……なんで俺達を助けた?」

巡査「……それが俺の仕事だ。何より、お前だってその子を守っていたじゃないか」

防水工「……」

男子「おじさん……?」

巡査「どうやらお前は……さっき逃げていったあいつのような、自分の都合で好き勝手に能力を使おうとしている能力者ではないらしい」

巡査「だとしたら、俺達は協力できると思うんだが、どうだ」

防水工「あんたも、我が身を張って人助けするお人よしか」

巡査「そういうヒーローに憧れて俺はこの仕事についた。能力者がみだりに騒ぎや混乱を起こさないよう、この戦いを一刻も早く止めたい。協力してくれないか」

防水工「ちっ……仕方ねえ、このぼうず同様、あんたと今日出会ったのも何かの縁か」

防水工「いいぜ。とりあえずまずは、ちょっと手痛くやられちまったんで手を貸してくれるか」スッ

巡査「ああ!」ガシッ

防水工「俺は防水工だ、どれだけの付き合いになるかはわからないがよろしく頼む」

巡査「俺は巡査だ。君は……」

男子「男子小学生。男子でいいよ」

巡査「よし、これも何かの縁だ。君もよろしくな」

男子「……ところで、さっきの人が周りから集めたこのお金、どうするの?」

防水工「つうかさっきあの女、あんたに投げつけつつ、少なからず自分の懐に突っ込んで逃げてったぜ」

巡査「む、どうするもこうするも……うーん、ここはやはり拾得物として警察に届け」

防水工「おい待てコラ、まさかとは思うが自分の懐に突っ込む気じゃあないだろうなぁ! というかその中には俺と俺の会社の金も入ってるはずなんだぞ!」

男子「僕のおこづかいも! なけなしの三千円なのに!!」

防水工(……おいぼうず、俺の見間違いじゃなきゃ、お前のポケットから吸いだされてた金はもうちっと少なくなかったか?)

男子(しーっ、おじさんしーっ)

巡査「こらそこ、聞こえてるぞ」

巡査「ううん、仕方ない、これについては何とか俺が何とかしよう、幸い真面目に働いて来てるから上司からの信頼はある」

巡査「余計な騒ぎにならないよう、何とか上手く事を収めてみる。君達の元々の所持金については……くっ、仕方ない、自己申告で先に持って行ってくれ」

男子「わぁい」

防水工「わぁいじゃねえよコラ札束鷲掴みしてんじゃねえ!」

巡査「目に余るようならこのまま全額警察で没収して、被害総額を正確に計算し直してから返金する形になるぞ」

男子「ごめんなさい」

巡査「まったく。しかし……早くあいつを何とかしないと、このままだと能力者以外へも被害が広がりそうだな。どうしたものか……」

防水工「同感だが、しかしもうどこへ逃げちまったかわかったもんじゃあないぜ?」

男子「あっ、それなら――もしかしたら、僕の能力が役に立つかもしれないよ?」

巡査「――なんだって?」

明日のお昼頃につづく!!

3時頃再開予定ですー

……


キーンコーンカーンコーン...

「よー男子ー、遊び行こうぜー!」「今日なにやるー?w」

男子「あー、わるい、オレちょっと用事あってさ」

「えー、何だよ」「ノリわるいなー」

男子「えーと、最近ちょっとふざけ過ぎて親がうるさいんだよ。しばらく大人しくしてないと、お前らと遊ぶなとか言われちゃいそうなんだ」

男子「その間にまた、色々イタズラのネタ考えとくからさ。ほとぼりがさめたらまたなんかやろうぜ!」

「しゃーねーなー」「わーったよ、じゃーなー!」

男子「おう、じゃあまたなー!」

男子「……また、な」

巡査「いったん情報を整理するぞ」

防水工「おう」

巡査「まずあの女についてだが、調べてみたらやっぱり一度警察(うち)で世話になってる。名前は眼鏡」

巡査「動物虐待の画像や動画をネットにアップしていたらしい。どうも余罪も色々ありそうだったんだが、残念ながらその時は、証拠不十分で解放されてる」

防水工「それがあの神さんから能力を貰っちまった、と。こいつぁ厄介な話だな」

巡査「ああ。調子に乗って何をやるかわからない。早急に何とかしないと……」

タタタッ
男子「こんにちはー!」

防水工「おうぼうず、学校は終わったか」

男子「うん!」

巡査「男子君、協力してくれてありがとう。あいつを見つけるには、君の能力が頼りだ」

巡査「では次に、俺達の能力についても確認しておこう」

巡査「俺の能力名は《援飛禦躍》。防水工さんに協力してもらって試したが、やはり相手の防御手段を無力化、ないし妨害する能力らしい」

巡査「この魚の影を相手に貼り付けると、こちらの攻撃を防ごうとした動きが影に邪魔される」

巡査「ただ、回避の動きは妨害できないようだし、こちらに攻撃手段がない場合はあまり役に立たないな」

防水工「じゃ、次は俺か」

防水工「俺の能力は、《金枷玉縄》、だ。一言で言うなら、金で相手の動きを止める力、だな」

防水工「力を発動したいものに対して、なんつうか、こう……念を込める、感じか。そうすると、その金に力が宿って、それを張り付けた相手の動きが止まる」

防水工「効果時間は、おおむね使った金額の大小で増減するらしいことはわかってる。捕り物には便利な能力だが、ただ問題は……」

巡査「あいつに対しては、金を奪われることで無効化されてしまう点だな……」

防水工「ああ……昨日もそのせいで手も足も出なくなっちまった。アレをまたやられちまうともう役に立たねえな」

巡査「そして最後に――君だな、男子君」

男子「僕の能力は、たしか《延把縹渺》、って言ってた。どんな能力かっていうと……遠くのこともわかる能力、かな?」

男子「こうして水に触れると、その水を通して遠くの音や映像が伝わってくるんだ。昨日も、用水路の水を通して、お巡りさんがこっちに近付いてくるのが見えてたよ」

防水工(なるほど、あの神さんとやらが元々俺に与えようとしてたってのはそれでか。たしかに俺なら仕事上、水に触れる機会は多いからな……)

男子「ただ、遠くのことが分かるだけで、それ以上は特に何もできないんだけど……」

巡査「いや、十分だ。情報を集めるにはこれ以上ない能力だ。君自身が戦えない問題については、俺と防水工さんで守る」

防水工「……ま、そういうこったな。それに荒事になったら、俺達二人が前に出て、ぼうずはどっかに隠れてりゃいい」

巡査「……しかしこうして見ると、直接的な攻撃手段を持つ能力者が皆無だな」

防水工「あの眼鏡の能力も自分の身を守る鎧を作るって力だったし、もしかしたらこういう能力ばっかりなんじゃあねえか?」

巡査「いや、たまたまそういう能力者ばかりと出会っているだけかもしれない。油断は禁物だ」

巡査「とにかく、一刻も早くあの眼鏡を見つけないと……!」

防水工「それで、ぼうずの能力があるとはいえどうやって探す?」

巡査「そうだな……ここは>>↓1」


1.ペットを飼ってる家の周辺で貼り込む
2.スーパーやコンビニなどの周辺で貼り込む
3.何かが大量になくなった、あるいは何かが大量に一か所に集まっていた事がなかったか、噂を集める
4.アタリをつけて、一区画一区画ローラー作戦で
5.その他自由安価

巡査「あいつが能力を使った痕跡を探してみよう」

防水工「ってぇとどういうことだ?」

巡査「昨日の戦いで、彼女は『その場にある任意の素材を集めて鎧を作る能力だ』と言っていたんだろう?」

巡査「なら、あいつが自分の能力を試したりしていれば、そこから何か一種類の物が大量になくなっている、あるいは能力を解除した場所に大量に同じものが散らばっている、という状況ができているはずだ、ちょうど昨日大量の金があの場に残されていたように」

防水工「なるほどな、その痕跡を探すことで、あいつの居場所を絞ろうって事か」

巡査「ああ。ある程度まで場所を絞り込めれば、あとは男子君の能力で網を張ればいい」

防水工「よし。そういうことで、いいか? ぼうず」

男子「あっ、うん! わかった!」

巡査「よし。では効率を考えて二手に分かれよう。俺は一度署に戻って、それらしい話がなかったか確かめてみる。イタズラとして通報されているかもしれないしな」

巡査「その間に防水工さんと男子君は、町の様子を見て回ったり、あとはそうだな……主婦の方々の井戸端会議に聞き耳を立ててみたり、という感じで情報を集めてくれ」

防水工「わかった。ぼうずのお守りは任せとけ」

男子「ちょっと、子供扱いしないでよ」

防水工「そう言ってるうちは子供だ」

巡査「万が一遭遇した時、君一人では危険だからな。番号は交換してあるから、何かあったら連絡してくれ」

防水工「わかった。じゃあ……行くとするか」

巡査「さて……こういうのはどこの課に問い合わせたらいいんだろうか」

巡査「とりあえず端から当たってみるか」


>>↓1コンマで情報収集判定
00(ファンブル)~99(クリティカル)として、集まった情報の量・精度を判定
防水工&男子サイドの判定と合わせて合計値70を越えたら成功

巡査(それほど期待してたわけじゃなかったが、思ったより収穫があったな)

巡査(「庭石が大量に盗まれた」「公園で石が山積みになっていた」その他にいくつか)

巡査(中には、「全身に現金を張り付けた怪人にお金を吸い取られた」なんてそのものずばりな情報もある……まあさすがにイタズラ通報扱いされてしまっていたが)

巡査(これらの目撃情報の位置から、眼鏡の居場所を絞り込めるかもしれない。一度防水工さんたちと合流しよう)


……



防水工「さて……この辺でいいか」

男子「ええと、じゃあ、僕はどうしたら?」

防水工「水気なんてそこいらじゅうにある。とりあえず、用水路伝いに人の動きや会話を探ってみてくれないか」

男子「じゃあ、やってみるね」

>>↓1コンマで情報収集判定10以上で成功
ただしゾロ目なら直接エンカウント

巡査「……あ、いたいた。どうだった?」

防水工「おう、こっちは上々だな」

防水工「外で飼ってたペットがいなくなった、みたいな話から、全身現金で固めた怪人が奇声を上げて走り回ってたなんてのもある」

巡査(やっぱり他でも目撃されてたか……)

巡査「こっちでも似たような情報がいくつかあった。合わせれば、あいつの居場所、行動圏をかなり絞り込めるはずだ!」


……



防水工「ところで、よ」

巡査「ん? 何だろう?」

防水工「この調子なら多分そのうち特定できるだろうから先に聞いておきたいんだが……」

防水工「巡査は、あの眼鏡を見つけたとして、どうするつもりだ?」

防水工「俺は奇襲でも夜襲でも何でもして、とにかく速攻で指輪を壊してケリを付けちまった方がいい、って考えなんだが」

巡査「俺は……>>↓1」


1.卑怯な手を使ってでも、「戦闘」になる前に決着を付ける
2.まずは説得と降伏勧告をする
3.犯罪の証拠を集めて、犯罪者として逮捕してしまうことで無力化する
4.その他自由安価




巡査「……警察官という立場としては、こういう事はしたくないんだが……俺もその意見に賛成だ」

巡査「可能なら取り押さえ、法の裁きを受けさせたい。そうすべきなんだが、こんな特殊な能力が絡んでいる以上、正常な司法では対応し切れないだろう。下手をすれば、逮捕拘留の手続き間に余計なトラブルが拡大しかねない」

巡査「相手の鎧は俺の能力で無力化できるとしても、やはり危険だ。「戦闘」になる前に制圧してしまった方がいい」

防水工「オーケー、それじゃあ、そういう事で行こう。ぼうず、あと少し頼むぜ。これだけ絞り込めてりゃあとはもう相手の居場所の特定だけだ」

男子「う、うん!」


……



巡査(用水路伝いに感知範囲を広げて、男子君が網を張ってくれている……)

巡査(奴がこの近辺で動けば、すぐに見つかるはずだ)

男子「……居た! この前のおばさん!」

防水工「でかしたぼうず。位置は」

男子「えーと、ちょっと待って、これは……三丁目の当たり、あっ、家に入ったよ」

防水工「よし、場所を教えてくれ。あとは俺とこのお巡りさんでケリを付ける」

男子「わかった」

巡査「あとは……やつを倒すだけだな」

防水工「そうだな。……そうだ、その前にちょっと試しておきたい事があるんだが」

巡査「? なんだ?」

防水工「なに、大したことじゃあねえ。俺の能力の効果時間についてだ」

防水工「『金で止まる』って事はわかってるんだが、具体的にいくらでどのくらいかまではちゃんと調べ切れてねえ」

防水工「ってわけで、巡査、ぼうず、ちょっと片手出してくれ」スチャ

巡査「こうでいいか?」

男子「はい」

防水工「よし、じゃあ、今からこの五百円でこの腕の動きを止める。動かせるようになったら言ってくれ」

巡査「わかった」

ピタピタ

チッ...チッ...チッ...チャリン

巡査「……む、硬貨がはがれて動くようになったな」

防水工「フム、けどぼうずはまだか」

男子「うん、まだ動かせないよ……。……あっ落ちた。動くようになったよおじさん」

巡査「結構時間差があったな」

防水工「結局よくわからねえな……年齢や体格に影響されるのか……まあ、いい。先手が取れりゃああの眼鏡相手にも通用はする。協力、ありがとよ」

巡査「お互い様だ。よし、では準備を整えて行こう」

……


巡査(準備はいいか)ヒソヒソ

防水工(いつでも)ヒソヒソ

巡査(よし……行こう)ヒソヒソ

コソコソ...

巡査(あの後、眼鏡がまた出かけたというので男子君に能力で後を追跡してもらったが……)

< キャインッ...! モゴッ フガッ ジタバタ...

眼鏡の声「ウフッ、クヒヒヒヒヒッ……!」

巡査(性懲りもなくまたこんなことを……! だが、自分からこうして人気のない所へ来てくれたのは好都合だ)

巡査(ここで、終わらせる……!)

巡査「……」スッ

防水工「……」コクッ

巡査(……防水工さんとタイミングを合わせて……今だ!)

>>↓1コンマ:二人の攻撃達成値
>>↓2コンマ:眼鏡の感知達成値

攻撃≧感知で奇襲成功

防水工「……!」ピン ピィン

ビタビタァッ

眼鏡「っがっ……!? なっ、この能力、まさか――!」

巡査「何もやらせない……!」ダッ

ガシッ

巡査「せいやぁーッ!!!」ブゥン

眼鏡「きゃあああああっふぎゃあっ!!」ドサァッ

眼鏡「ぅぐう……」キュウ...

巡査「取り押さえたぞ!」ギリギリギリ

防水工「でかした! しかし、拘束から即座に防御無効化能力者が制圧っつうこの合わせ技……先手取れればえげつねえな」

巡査「俺が抑え込むから、指輪の確保を頼む」

防水工「わかった。……よし、あったぞ。これでお前もおしまいだな」

眼鏡「っぐ、うぅぅぅぅ……! っざけんじゃ、ないわよぉ……! 《鎧集一飾》――!」カッ

巡査「無駄だ、《援飛禦躍》!」

鳥の影『……!』バササァ

眼鏡「なっ、私の鎧の素材がっ……集まってこない、別の方向に飛んでいって……!」

巡査「お前の防御手段は俺の能力で無効化できる。詰みだ、眼鏡!」

眼鏡「っくきぃぃぃぃぃぃぃふっふざけんじゃないわよ! あんたぁ! 公僕が自己判断で市民を処刑する気!? 許されないわよそんなことぉ!」

防水工「うるっせえぞこのクソアマ。巡査でなくても俺がお前を殺す」

眼鏡「ぃ、いやあああ! お、お願い助けて! ね!? もっもうこんなこと絶対しないからぁ! 約束する! 助けてくれたなんでも、そう何でもしてあげるからっねっねっ」

防水工「チッ……見苦しい奴だぜ。とっとと指輪を壊しちまうか……」

眼鏡「いやだあぁぁぁあぁぁっ! 死に、死にたくっないっ! 助けて! ねえ助けてよあんた警察でしょ!? お巡りさんなんでしょ!? お願い助けてぇぇえっ!!」

防水工「うるせ……おい、巡査」

巡査「く……」


>>↓1
1.心を鬼にしてこのまま終わらせる
2.もう二度と悪事をしないと誓わせて、指輪だけ没収しておいて解放する
3.ん? 今なんでもするって言ったよね?
4.その他自由安価

巡査「……防水工、彼女の指輪をこっちに渡してくれ」

眼鏡「あぁ……!」パァ...!

防水工「おいあんた、まさか……!」

巡査「いや……これは、俺自身の手でケリを付ける」

眼鏡「!!」

防水工「……そういうことなら、ほらよ」

巡査「ありがとう。……悪いな眼鏡。終わりだ」ポロッ チリン...

眼鏡「あああああああっざっけんなコラァァァクソダボがぁぁぁあ死ね!! 死んじまえクッソぉぉぉぉ私の! 私の金がぁぁぁぁぁ」

巡査「……!!」グシャッ パキッ

眼鏡「っが!!」ビキッ

ビキッ ビキビキビキッ


眼鏡「あ、っが く、そ… …ああ、もっと、私 は」


グシャァッ!!

巡査「……」ハァハァ

防水工「……お疲れさん。ひとまず終わったな」ポン

巡査「……ああ。ひとまずは、な……」

防水工「しかし、ここまで粉々になるとはな……覚悟してたとはいえ、ちょっと……う、きついもんが、あるな」

巡査「ああ……騒ぎになるとまずい、早く離れよう……」

防水工「まあ待て、いったんそこで洗ってけ、血まみれだぞ」

巡査「すまん……」ジャー ジャバジャバ

防水工「……あんたは悪人を倒して平和を守ったんだ。あんたは間違ってねえよ」

巡査「……だといいが」

眼鏡・脱落×

能力:《鎧集一飾》
 特性:周囲にある任意の物を引き寄せて集め、強固な鎧を形成する能力。ただし、一度素材にしたものはしばらく使えなくなる


残り 9/10 人

さてその頃、他の参加者である>>↓1は……?


1.男子小学生
2.JD
3.会計士
4.小説家
5.……と思ったがこのまま巡査達の戦いを追うぜ
6.コンマ(00~19、20~39、40~59、60~79、80~99区切りで1~5)

……


会計士「これで今日の分の書類仕事も終了、と」

会計士「なんだかよくわからない能力を貰っちゃったけど、平和そのものね……」

会計士「せっかく>>↓1と思ったのに」


動機
1.優勝を目指す
2.戦いを避けて生き延びる
3.その他自由安価

会計士「せっかく戦いを避けて生き延びようと覚悟決めてたのに、始まってみたら、というか、今のところ始まった実感すらないわね」

会計士「……本当にバトルロワイヤルとやらが始まっているのかしら。でも変な能力が使えるようになったのは確かだし」

会計士「まあいいわ。警戒だけは怠らないようにしておきましょう」

会計士「さて、仕事仕事。次は外回りの仕事で……>>↓1のところね」


1.小説家
2.若手芸人
3.防水工
4.ネイリスト
5.コンマ(00~24、25~49、50~74、75~99区切りで1~4)

会計士「水回りの工事業者のところへ外回りだったわね。それじゃあちょっと行ってきます」ガタッ

同僚「いってらー」


……



会計士「――はい、では今回の監査についてはこれにて」

社員「はい、たしかに。いやぁ、ご苦労さんでした」

会計士「いえ、それでは私はこれで」

社員「そうだ、どうせならうちのに送らせましょう。おおーい、防水工ー」

会計士「いえ、そんなわざわざお手数を」

社員「いえいえ、ちょうどうちも所用で出るところでしたから、そのついでに駅までお送りしますよ」

会計士「いえ、ですから――」

防水工「はい、何でしょう」ヒョコ

社員「おお、お前もうすぐ出るだろう。こちらの会計士さんを駅までお送りして」

防水工「はあ、別に構いませんが」

会計士「……わかりました、ご厚意に甘えさせていただきます」

会計士(……こういう余計な気遣いが面倒なんだけど、仕事上の付き合いとなっちゃ下手なことは言えないし、ハァ、仕方ないわね)

防水工「ええと、じゃあ、どうぞ、こちらへ」

会計士「はい、よろしくお願いしますね、ええと、防水工さん?」

防水工「はい、まあすぐそこまでですが、よろしく」


ブロロロ...

会計士「……」フゥ

防水工「お疲れですか」

会計士「え? ああ、いえ……」

防水工「すいませんね、なんだか親切の押し売りをしちゃったようで……」

会計士「そんなことは……まあありましたけど、あなたに文句を言っても仕方がないことです。ああいわれた手前、あなたも指示を拒否するわけにはいかなかったでしょうし」

防水工「ははっ、そこまで酌んでもらえるとありがたいですね。○○駅でよかったですよね?」

会計士「はい。そこまでで結構です」

防水工「了解です」

ブロロロ...

会計士「……」

防水工「……」

会計士(……ふぅ、それにしても本当にいつも通り過ぎるわ。本当に異能バトルなんて始まっているのかしら)

防水工(……指輪……は、してねえようだな。まあ能力者だからといって、そんなわかりやすく着けているとも限らねえが)

会計士(……まあ、本気で隠れ続けようとしたら、悪くないところまで行けるとは思うんだけどね)

会計士(要は指輪と、能力を使ってる所さえ見せなければ……)

防水工「……そう言えばご存知ですか、最近ネットで騒がれてるウワサ」

会計士「うわさ?」

防水工「ええ、何か最近巷でちょくちょく不思議な出来事が起きてるらしいんですよ。この辺だと最近は『怪奇! 全身現ナマ人間!』とか」

会計士「なんですかそれ……」

防水工「まあ、そういうよくわからない存在や、常識では考えられない不思議な出来事があっちこっちで聞かれてるとかで」

防水工「それを面白がったネット上で、色々ウワサが広がってるんですよ。やれ世界の終わりの前兆だとか、現代の魔法使いがどうとか――」

防水工「――神から力を賜った特殊能力者達が、世界の平和のため人知れず戦っているんだとか」

会計士「……!」ギクッ

防水工「……どうかしましたか?」

会計士「いえ、別に。あまりにもゴシップ的過ぎて」

会計士(考え過ぎ? 偶然? それとも――)

会計士(彼も能力者で、こちらを疑って、かまをかけてきている……?)


>>↓1コンマ
一の桁と十の桁のどちらかに4、8で相手にバレる
3、9で先に気付く

会計士(落ち着きましょう。いつも通り、いつも通り普通に、よ)

会計士「……いえ、ゴシップというにも少々現実離れし過ぎてますね。都市伝説、でしたっけ。一時期そういう話が流行ったことがありましたよね」

防水工「そうですねえ。まあ、それだけ世間が平和って事ですかね。あ、着きましたよ」キキッ

会計士「ああ、どうもありがとうござい――」

男子「あっ、おじさんじゃん! 今日は能力者探しどうすんの!?」タタッ

会計士「!?」

防水工「……っと、悪いなぁぼうず、まだ仕事中なんだよ。終わったら付き合ってやるから、もうちょっと一人で遊んでろ」

男子「え? だって……あっ」

会計士「……お子さんですか?」

防水工「いや、近所の子なんですが、妙に懐かれちまいましてね。暇な時は遊びにつきやってやってんですよ。さっき言った能力者の噂も、半分以上はコイツからの受け売りですわ」

男子「ええと、ごめんなさい……?」

防水工「いいんだよ、ほれ、行った行った」

会計士「……なんだか、そういうのっていいですね。最近は人と人のつながりが希薄に、とか言われてますし」

会計士「っと、それでは、電車の時間もあるので私はこれで」

防水工「ええ、お疲れ様でした」

会計士(……車の死角だったからよく見えなかったけど、さっきの相手は子供? あの二人……能力者同士で協力しているの?)

会計士(大丈夫、急がずにゆっくり立ち去ればいいのよ。こちらが能力者だという情報は与えていない……)



防水工「……」

男子「……おじさん、ごめんなさい」

防水工「いや、大丈夫だ。次から気をつけろ」

男子「うん……」

……



巡査「さて」

巡査「俺、防水工さん、男子君、そしてこの前倒した眼鏡……俺達以外のやつに倒されていない限り、まだ能力者は六人残っている」

巡査「とはいえ今のところは手がかりがない。ここは……>>↓1」


1.町を巡回しよう
2.怪しい噂を集めよう
3.たまにはちょっと息抜きをしよう
4.その他自由安価

巡査「最近少し気を張りすぎだったからな……少しリラックスして気持ちを落ち着けよう」

巡査「そうだな……>>↓1」

1.テレビでも見よう
2.本屋に寄ろう
3.公園へ散歩に行こう
4.コンマ(00~33、34~66、67~99区切りで1~3)


巡査「ふう、たまにはこうして一息つくのもいいもんだ」

巡査「……って、結局、いつもの巡回とそんなに変わらない感じなのがあれだけど」

< ワイワイ キャッキャ

巡査「子供が元気よく遊んでる……平和だ」

巡査「……あの笑顔を守らないと」

ピンポンパンポ-ン
町内放送『五時になりました。小中学生の皆さんは、お家に帰る準備を――』

巡査「おっと、もうそんなそんな時間か。おーい、君達、そろそろ家に――っ!?」

子供「えー」「やだー」「もっと遊びたーい」

活発娘「ねー、まだ遊び足りないよねー」

巡査(あの子がつけている指輪……能力者の!?)

活発娘「ん? どうしたのおじさん。あっ、この指輪? きれーでしょう!」ドヤッ

巡査「君、その指輪は……」

活発娘「え? あー……」


活発娘「あっ、そうか、おじさんも能力者なのね!」ニコッ


巡査「……!」ゾクッ

巡査(なんだ……!? 何だこの子、なぜこんな嫌な予感が――)

活発娘「さ、みんな、おじさんもこう言ってるしもう帰ろ! 続きはまた明日ね!」

子供「ちぇー」「しょうがないなー」「お姉ちゃんまたねー!」バイバーイ

活発娘「うん、またねー」バイバーイ

活発娘「……さ、みんな帰ったし――」

活発娘「じゃあさっそく戦おっか、おじさん!」クルッ

巡査「!」

巡査「ま、待て! 俺は君と戦う気はない!」

活発娘「えー、なんで? この指輪知ってるってことは、おじさんも能力者なんでしょ?」

活発娘「じゃあ勝負するしかないじゃん!」

巡査「な……」

巡査(この子、なんでこんなに好戦的なんだ!?)

巡査(こんな子供と戦わなきゃならないのか……!? どうする……!?>>↓1)


1.たたかう
2.せっとく
3.なかまをよぶ
4.アイテム
5.その他自由安価


巡査「待ってくれ、君が能力を使って悪さをする気がないのなら、俺は君と戦うつもりはない!」

活発娘「どうして? 能力者同士でたたかって、だれが一番かを決めるゲームだって神さま言ってたよ?」

活発娘「あっ、そうか、そう言ってこっちを油断させる作戦だね、あぶないあぶない!」

巡査「違――!」

活発娘「年上の人が相手でも、負けないよわたしはー! 行くよ!」パンッ

巡査「話を聞いてくれ! 本当に戦うつもりはないんだ」

活発娘「さーてどうしよっかな……大人の人相手だとたいへんそうだなー……」ジリ,ジリ...

巡査「くっ……!」

巡査(完全に戦闘態勢か……! こちらとの間合いをじりじりと離しているが……ここは戦わないと言っている手前、下手に追いかけない方がいいのか?)

活発娘「そうだなぁ……ここは戦略的撤退!」ダッ

巡査「あっ……参ったな」

>>↓1
1.追いかける
2.防水工に連絡
3.一旦帰る
4.その他自由安価

巡査「とにかく、あの子の後を――」ダッ――グググッ

巡査「……!?」

巡査「なん、だ、一体……? この、体に何かがまとわりつくような感触は……!」

巡査「くっ……!」ダッ――ググググッ

巡査「これは……まずい、既に何かされている! これがあの子の能力か……!?」ゼェハァ



活発娘「うーんと……どうしようかなぁ、あんな背の高い人を倒すには、何か道具がないと……」

活発娘「この辺の木の枝でも行けるかなぁ」ボキッ

活発娘「よーし、これで行こう!」タタタッ

巡査「! 足音! そっちに……」グググ...

活発娘「さて、やっつけるよー……!」

巡査(武器、のつもりか、あの木の枝は……子供の腕力なら殴られても脅威ではないが、尖った先端で刺されるのはまずそうだ……!)

巡査(しかし、自由に身動きが取れない……!)ググッ

活発娘「……」ジリジリ

巡査「く……!」

活発娘「……うう、ドキドキするなぁ……」ジリジリ

巡査「……なぜだ、どうしてそんなにやる気なんだ君は。人を……殺すかもしれないんだぞ! それが分かってるのか!?」

活発娘「え? 大丈夫だよそれは」

巡査「何が大丈夫だっていうんだ!?」

活発娘「えーと……あれ? なんで大丈夫なんだっけ……」

活発娘「ま、いいや! とにかく私は、全力でこのゲームに勝つの! 勝てばお金がいっぱいもらえる! 行っくぞぉ~……」ニジリ

巡査「くっ……!」

巡査(駄目だ、近付こうとしても離れようとしても、空気抵抗が異常に強い感じで、ひどく体力を消耗する!)

活発娘「ふふ、動けない?」ジリ

活発娘「わからないみたいだね、おじさん」ジリジリ

活発娘「だったら私にも……チャンスがあるかも!」ジリジリジリ

巡査「っぐ……うおおおおおお!」グググッ

巡査(まずい、刺される――! だが止めようとすればするほど身動きが――!)

巡査(くそ、あの子自身はこの効果を受けないのか……!?)


>>↓1コンマ
奇数:気付く 偶数:気付けない

巡査(……待てよ、あの子自身は自分の能力の効果を受けないなら……こんなにゆっくりゆっくり近づいてくる意味があるのか?)

巡査(ホラー的な演出に凝ろうってわけでもないだろうに)

巡査(だとしたら……!)スッ...

巡査「動か……せる! こういうことか!」ガシ

活発娘「あっ」ゲッ

巡査(わかったぞ、この空間、早く動こうとすればするほど動きを阻害されてひどく体力を消耗する!

巡査(だが、ゆっくりと動く分には……何の抵抗もない!)グググ

活発娘「ううう~~、もう気付いちゃったのかー……! やっぱり頭使うのは苦手だなぁ私……!」

巡査「もうタネは割れたぞ、大人しくしろ……! 力比べで大人に勝てると思うなよ……!」グイ

活発娘「こ、困ったなぁー……ここは今度こそ戦術的撤退!」パッ ダッ

巡査「うおっ!?」フラッ

活発娘「鬼さんこちらー!」ダダダダー

巡査「動ける……普通に動けるな。能力を解除したか、待て!」

巡査(くそ、よりにもよって相手がこんな子供とは……!)

巡査(しかしあの子は戦いにひどく積極的だ。放っておいたら、防水工や、あの男子君まで狙われることになる!)

巡査(それを防ぐためには……倒すしか、殺すしか、ないのか……!?)

活発娘「逃げろ逃げろ逃げろーっ!」ダダダッ

巡査「公園の外へ逃げる気か! ってこら! 道路に飛び出すな危ないだろう!」

活発娘「なによお巡りさんみたいなこと言ってー!」

巡査「本物のお巡りさんだよ俺は! 止まりなさい!」

活発娘「やーだ! 捕まるもんか!」

巡査「そんなことを言っても……俺の方が足は速いぞ!」ダッダッダッ!

活発娘「~~! だったらぁ!」パンッ

巡査「っ!!」ガクン

巡査「素早い動きが阻害される特殊空間……! 能力を使ったか」グググ...

活発娘「ふぅ、これなら、足の速さは関係ないもんね!」ジリジリ

巡査「それはどうかな? もうタネは割れたと言っただろう」ググググ

活発娘「うっ」ジリジリ

巡査「同じゆっくりした動きでも……歩幅の広さで俺の方が有利だ。いずれ追いつくぞ」

巡査「俺が追い付いたら……今度こそ落ち着いて、『ゆっくり』話をしてもらおうか」

活発娘「ぐぐぐぐぅ~……! まだ、まだだよ~!」ジリジリ

巡査(行ける、大丈夫だ。この調子なら、この交差点を越えたあたりであの子に追いつく……!)グググ...

活発娘「――今だっくらえ!!」パッ ダッ

巡査「うおっと、だが今更解除した所で――」ダッ


プップゥ――――ッ!! キキィ――――ッッ!!


巡査「――――!!」


>>↓1回避判定

00:無傷~50:軽傷~99:重症(要入院)

巡査「っく――!!」バッ

キキキキィィィ――――ッッ!!

運転手「――っぶ、あぶねえな兄ちゃん! いい年して交差点に飛び出してくんじゃねえよ!」

運転手「にしても、何だったんだ、さっきのは……なんか妙にスピードが出なくなっちまって……訳が分かんねえぞ……!」

運転手「くっそ、一体何なんだ! おれは、おれぁ悪くねえからな!? 知らねえからな!」ブゥゥン...

巡査「あっ! 行ってしまったか……どちらも」

巡査「危ない所だった……たしかにあの運転手の言う通り、警官のくせに迂闊だった……」

巡査(あの女の子……曲がり角の向こうに来ていた車ごと巻き込んで、あの速度を制限する空間を張っていたのか……!)

巡査(そして自分が交差点を渡り切り、俺が交差点に踏み込もうとした瞬間を狙って解除)

巡査(結果、あの空間の効果で足止めされていた車も急発進して、俺を轢きかけた、と……)

巡査「頭を使うのが苦手だ、と言っていた割に、なかなかどうして、機転が利いてるじゃないか……」

巡査「……くそ、参ったな……あんな能力者もいるだなんて……」

明日の夜に続く!

申し訳ありません、事情により土曜に順延です
安価だけ置いておきます

この次の展開は>>↓1
1.巡査視点で続行
2.その頃会計士は…
3.その頃ネイリストは…
4.その頃JDは…
5.コンマ(00~24、25~49、50~74、75~99区切りで1~4)

ネイリスト「能力者同士のバトルロワイヤル、ね……」

ネイリスト「まあ、何だっていいんですけど~……フゥ~、あぁ、気だるい……」

ネイリスト「何が気だるいって……>>↓1」


1.テレビ出演のお仕事
2.会計の監査
3.若いお客さん
4.もっと若いお客さん
5.コンマ(00~24、25~49、50~74、75~99)

ネイリスト「面倒なのよねぇ~……中途半端に名が売れちゃうと。テレビ出演の依頼、やっぱり断っておけばよかったかしら……」

ネイリスト「誰が来るんだったっけ~……? ああ、はいはい、あの若手芸人さん、ね……フゥ~……」

ネイリスト「正直、そんなに繁盛してくれなくて構わないんだけど」


……



スタッフA「――というわけで、本日はよろしくお願いしますね!」

ネイリスト「はぁい、よろしくお願いします~」フゥ

スタッフB「若手芸人さん来られましたー!」

若手芸人「こんにちは、今日はよろしくお願いしぁーす! あ、あなたがこちらの店主さんで――」

ネイリスト「はぁい、はじめまして~。ネイリストと申します」ヒラヒラ

若手芸人(その指輪、は……!)

ネイリスト「若手芸人さん?」

若手芸人「……ああ、いえ、よろしくお願いします」


……



若手芸人「――というわけで本日は、話題のネイリストさんのお店にお邪魔しましたぁ~っ!」

スタッフ「――はいオッケーです! お疲れ様でしたー!」

ネイリスト「お疲れ様でした~……」

スタッフ「では撤収の準備を~――」

若手芸人「……ちょっと俺はここで」

スタッフ「はい? はぁ、ではお疲れ様です」

若手芸人「はい、お疲れさまっしたぁ~」

ガチャ カランコロン

ネイリスト「あらぁ? スタッフの皆さんはもう帰られたみたいですよ~……?」

若手芸人「いやぁ、ちょっと気になったんですけど、――その指輪、どこで買ったんです? あんま見ないデザインだから俺も――」

ネイリスト「単刀直入にご用件をどうぞ?」フゥ

若手芸人「……まあ、お察しの通り俺も能力者なんすよ」

若手芸人「ただ、俺は――>>↓1」


1.本気で優勝を狙っている
2.なるべく平和的に切り抜けたい
3.仲間を探している
4.その他自由安価

若手芸人「仲間を探してたんすよ」

ネイリスト「仲間……? フゥ~……能力者同士は敵同士、なんでしょう? 同盟が成立するのかしら~?」

若手芸人「いや、その心配はわかりますよ。ただね、俺にも事情がありまして」

若手芸人「……実は、俺は元々病気でそう長くないんすよ……ああこれオフレコで頼んますねマジで。ファンには秘密にしてるんで」

若手芸人「なんでまあ、最後まで勝ち残ったって、結局遠からず死ぬんで意味がないんすよ、俺は……」

若手芸人「ただ、俺は次の月7ドラマの主役やる話が決まってます。俺はそこで最期の一花咲かせたいんす。逆に言うなら、それが終わるまでは死ぬわけにはいかないんす」

若手芸人「なんで。俺の望みはこうっす。最後の優勝は譲ります。だから、ドラマの撮影が終わるまでは、俺が死なずに済むよう、協力して戦ってほしいんす。お願いします!」

ネイリスト「ふぅ~ん……で、それをどう私に信用させるのかしら」

若手芸人「これを」ピィン チャリン

ネイリスト「これは……アナタの指輪?」

若手芸人「俺の命は、あんたに預けます。あんたはそれでいつでも俺を殺せる。だから俺もあんたが勝ち残れるよう全力で協力します。だからせめて! ドラマの撮影が終わるまでは、どうか……!」ガバッ

ネイリスト「……>>↓1」


同盟の申し出を、
1.了承する
2.拒絶する

ネイリスト「……フゥ~、いいわあ~、同盟の件、受けましょう」

若手芸人「……! あざぁーす!!」ガバッ

ネイリスト「ここまでされたら、ねぇ~……まあ、私にとって損はない話だし」

若手芸人「んじゃあ、こっから先は共同戦線って事でおにゃあしぁす。俺はドラマの撮影さえ無事に終わらせられたら、あとはあんた以外の能力者を全員倒すまで全力で戦って、残りが俺達だけになったら潔く死にます」

若手芸人「いや、その時はあんたがパパッと終わらせてくれりゃいいのかな」

ネイリスト「ひとつだけ確認しておきたいんだけど。もし、ドラマの撮影が終わるよりも、私達以外の能力者が全滅する方が早かったり……」

ネイリスト「あるいは私が、協力者(アナタ)なんてもう必要ない、と判断したりすれば、アナタの望みが叶う前に私に殺されるリスクもあると思うのだけど?」

若手芸人「ああ……そこはもうあんたを信じるしかないっすね。元より、ソロじゃあ生き残れる保証なんてなかったんすから」

若手芸人「駄目で元々、と割り切ってます」

ネイリスト「フゥ~……そういうことね。わかったわぁ……しばらくの付き合いだけれど、よろしくお願いするわ~……」

若手芸人「ええ……よろしくおねぁしぁす」ペコ

……



巡査「……というわけで、中学生くらいの子だと思うんだが、この能力者バトルロワイヤルに対して異様に積極的かつ好戦的なんだ。二人とも気をつけてくれ」

男子「は、はい、わかりました……」

防水工「参ったなぁそいつぁ……しかし、そうとあっちゃあ一刻も早く倒さねえとまずいな」

巡査「……! 子供とでも、戦うつもりなのか……?」

防水工「ったりまえだ。こんな能力を持った時点で、もう大人も子供も関係ねえんだよ。世間にトラブルを撒き散らすような、あぶねえ奴は止める。そのために戦うつもりで俺はここにいるんだ」

防水工「お前さんも同じじゃあなかったのか」

巡査「俺は……ああ、そうだ。そうだったな……」

巡査「……ともかく、相手の特徴は伝えたとおりだ。おそらくはこの近辺に住んでいる子だと思う、気をつけてくれ」

防水工「まあ、目下の目標はそいつか。ぼうず、行けるか?」

男子「ううん……探せないことはないけど、僕は直接知らないから、本人なのかただの似た子なのかわかんないよ。特定するのはちょっとむずかしいと思う」

防水工「まあ、仕方ねえな……次はケータイのカメラで撮るなりしてくれ」

巡査「努力する」

巡査「それじゃあ、お互い並行して、能力者関係と思しき情報を集めよう」

ではそんな感じで情報を集めていたが……>>↓1コンマ

00~09:先に活発娘に見つかってしまった
10~29:活発娘を発見した
30~49:TVに能力者の指輪を付けている奴が出演していた
50~69:ある小説家が何か怪しげな呼びかけをしている
70~89:ある大学で何か異変が起きているらしい
90~99:特に何も見つからなかった……

巡査「……ううん、警察にはそれらしい噂は特に上がってきていないな……」

防水工「おい巡査よ、見たか!?」

巡査「えっ、何をだ、何かあったのか!?」

防水工「テレビだよ、その様子じゃあ見ちゃあいないのか」

防水工「出てたんだよ、テレビに! 能力者の指輪を付けてる奴が!」

巡査「何だって!?」


……



ガチャ
防水工「汚ぇ部屋だがまあ気にせず上がってくれ」

巡査「お、お邪魔します」

防水工「同僚がタレントのファンだってんで番組を録画してたんでな、そいつをダビングさせてもらった」ピッ


『――突撃☆体当たり職場体験ツアー! 今回は、○○町のお店にお邪魔しています』

『どうもこんちは~、若手芸人と申しまっす!』

『はぁい、いらっしゃいませ~』

『こちらが今回お邪魔するお店のオーナー、ネイリストさんで』ピッ


防水工「……このネイリストだ。引きの画だと小さくて分かりにくいが、バストアップだと見えるだろ」

巡査「……たしかに、能力者の指輪……だな、これは。こんなデザインの指輪は他に見たことがない」

防水工「テレビに映るとわかっててここまで堂々と晒してるって事は……挑発してるのか、それとも他に何か意図があるのか」

巡査「わからない。とにかく、可能なら接触してみたいが……」

防水工「店の場所ならわかるぜ。この番組の最後に詳しく紹介されてる」

巡査「そうだな……ここは>>↓1」


1.こちらが能力者だということも明かして、直接会いに行ってみる
2.こちらの正体は秘密のまま、客として店を覗いてみる
3.男子と協力して遠巻きに様子見&情報収集
4.その他自由安価


巡査「まずは男子君にも手伝ってもらって、相手の情報を集めよう。正体を晒している目的はまだわからないが……倒すべきなのか、協調できるのか、それが分からないうちから迂闊な行動をするのは危険だ」

防水工「わかった。ぼうずも呼んでこよう」


……



巡査「――というわけで、あの店の様子を探ってほしい」

防水工「水道点検のフリしてこの辺囲って……と。ぼうずが一緒だと不自然だから、この機材の陰に隠れてろ。行けるか?」

男子「うん……ちょっと待ってね…………見えた。水道管を通して、あの店の台所とかトイレのまわりだけだけど、見えるよ」

男子「あ、見えた。今も店の中に――っぶ!?」

防水工「どうした!?」

男子「えっ、あ、いや、げふんげふん、何でも――」

巡査「何だ、何があったんだ? 正直に言ってくれ」

男子「う、それはその……あのお姉さん今トイレに」

防水工「見てんじゃあねえぞコラ」ヒキハガシー

男子「おっ、おじさん達が見ろって言ったんじゃないか!」

防水工「うるせえ、見ていいことと悪いことってのがあんだよ!」

(十分後)

巡査「……流石にもう終わった頃だろうか」

防水工「ちと気まずいな」

男子「能力使わないと何もわかんないよ」プイ

防水工「このエロガキ……!」

巡査「ま、まあまあ。手伝ってもらってるんだし多少は……『多少は』目をつぶろう」

男子「う。わ、わかったってば……じゃあ、様子を見るよ?」

巡査「頼む」

男子「……うん、もうトイレからは出てるみたい。……ちぇっ」

防水工「あ゙?」

男子「ううん何でもない。それでえーと……お店と家がいっしょになってるみたいだけど、他の人がいる様子はないね。あの人一人だけみたい」

巡査「そうか……」

防水工「……点検のフリして誤魔化しちゃいるが、あんまり長いこといるのも不自然だぜ」

巡査「おっと、そうだな。そろそろ――」


感知判定
>>↓1コンマで巡査達の偽装達成値
>>↓2コンマでネイリストの感知達成値
感知>偽装でバレる

巡査「……作業時間はどれくらいが適正なんだ?」

防水工「そうだな……道を通行止めにして本格的にやるならそれこそ半日でもかかるが、そこまで派手にやると目を付けられて正規の検査じゃねえとバレる」

防水工「この程度の簡易検査なら、そろそろ引き上げ時だ」

巡査「わかった、無理せずそろそろ引き上げよう」

防水工「了解だ。ぼうず、そのままそこに居ろ。機材ごと運んで車に積んじまうから少し我慢してくれ」

男子「うん、わかった」

防水工「……っと、これでよし、じゃあ引き上げだ」

巡査「わかった」


……



ブロロロロ...

ネイリスト「……もしもし、私だけど。ええ、店の近くに何か怪しいのが来てたわぁ。一応お願いできるかしら?」

ネイリスト「ちょっと画像は荒いけど、監視カメラの映像があるから。アナタの事務所お抱えの興信所さんとやらに頼んでもらえるかしら」

……


巡査(あの後、店の評判など、調べられる範囲であの店の店主について調べてみた)

巡査(名前はネイリスト。最近テレビで取り上げられて店の客足が増えたようだが、元々密かに根強い人気のあった店らしい)

巡査(そういった営業実績もあって、特別不審な点は見当たらない。テレビに映っていた指輪は何かの間違いじゃないかと思えるくらい、普通に店をやって、普通に生活しているようだが……)

巡査(さて、どうしたものか……)

ここまで脱落者は1名……>>1が飽きる前に終わらせられるのか?

というわけで明日の夜に続く!

最後安価>>↓1
巡査達はどうする?
1.思い切って、正体を明かして真正面から店を訪ねてみる
2.正体は隠して、客として店を訪ねてみる
3.もう少し張り込みを続けて本当に不審な様子はないか探る
4.非戦的・平和的なスタンスを取っているのなら下手に刺激しない方がいい、これ以上関わるのはやめる
5.その他自由安価
6.コンマ(00~24、25~49、50~74、75~99区切りで1~4)

そこら辺の漫画アニメやラノベアニメより面白いんだけど…

関係なかったり言いたくなければ無視してくれていいんだけど、>>1って星の力とか王子とかの人?

>>271
私自身それを危惧してるのでなるべく巻きで行きたいところです……!

>>274
ありがとうございます励みになります……!

>>275
心当たりはないですなー。この手のネタは1に貼ってる前スレ(あとは早々にエタナって過去ログの闇に消えていった有象無象があったとかなかったとか)くらいです

というわけで行きますぜー

巡査「……いつまでもこうしていてもらちが明かない。思い切って、こちらから店を訪ねてみようと思うんだが」

防水工「客としてか?」

巡査「いや、こちらも能力者であることを明かして、だ。というか俺がああいう店に行くように見えるか?」

防水工「見えないから確認したんだ。だが……本気か?」

巡査「本気だ。というか、この状況のままはよくないと思うんだ」

防水工「根拠を聞こう」

巡査「今の俺達を客観的に――あるいはあのネイリスト側から見れば、店主の身辺をコソコソと嗅ぎまわってるこの上なく怪しい人間だ。もし俺がこの戦いと無関係な一警察官だったら、間違いなく職務質問してると思う」

防水工「大丈夫だ、無関係な警官が来たらぼうずの能力で先に気付いて逃げるからな」

巡査「そういう問題じゃない」

防水工「わかってる、続けてくれ」

巡査「で、だ。そんな俺達のことを彼女に気付かれたら、彼女の戦いに対するスタンスがどうあれ、こちらに対する警戒心を持たれることは避けられないだろう」

巡査「もしかしたらそのせいで、新しい協力者を作るチャンスをフイにする可能性もある」

防水工「その理屈はわかる。だが、あいつが能力者であることを晒して敵を誘い込もうとしている、戦いに積極的なタイプだったらどうする?」

巡査「それでも、このまま手をこまねいているうちに相手に先手を取られるよりは、こちらから動いて状況を確定させた方がいい」

防水工「なるほどな……話は分かった。じゃあ、ぼうずは当然論外として、俺達のどっちが店に行く?」

巡査「>>↓1」

人選
1.巡査
2.防水工


巡査「まあ、言い出しっぺだし店には俺が行くよ。防水工は――」

防水工「後詰めだな。あの店主がヤバいやつで、あの店に罠を張ってる可能性を考えると、俺達二人ともノコノコ乗り込んでくって選択はねえ」

巡査「任せた。仮に彼女が協調できそうな相手だった場合は、俺達のことをどこまで話していい?」

防水工「そこの判断はお前さんに任せる。こちらから腹を割って話さずに、協力を取り付けようなんざ都合が良過ぎるしな。ある程度は必要なリスクだ」

巡査「わかった。だが、もしもの時は」

防水工「ああ。……そうならないよう祈ってはいるがな」

巡査「よし。じゃあ行こう、思い立ったが吉日だ」

ガチャ カランコロン
巡査「ごめんください」

ネイリスト「あらぁ、珍しいお客様ねぇ~……いらっしゃいませ」

巡査「…………、」スゥ、ハァ...

巡査「単刀直入に行こう。テレビであなたのことを見た。あの時付けていたあの指輪は、あなた自身の物で間違いありませんか?」

ネイリスト「この指輪のことかしらぁ?」ス

巡査「……! ああ、それだ。そして俺も、同じ指輪を持っている」ス

ネイリスト「フゥ~……そう、あなたもお仲間というわけねぇ……。それで、ご用件は?」

巡査「あなたの目的は何だ? なぜ、自分が能力者であることをテレビでさらした?」

ネイリスト「フゥ~……」フゥ

巡査「……おい」

ネイリスト「質問に質問で返さないでほしいわねぇ~……」

巡査「……そうだな。俺は……いや、俺達は、この戦いに対してやや否定的なスタンスを取っている」

巡査「俺達が危惧しているのは、俺達のように特殊な能力を得た者が、社会に無用な混乱をもたらすことだ。そんな危険な奴を止めるためには戦いもいとわない」

巡査「だが、そうでないなら――能力を私利私欲で悪用するつもりのない相手と、無用な殺し合いをするつもりはない。むしろ、こんな危険な戦いをなるべく平和的に終わらせられるよう、協力できないかと考えている」

ネイリスト「つまりこうね? あなたの、いいえ、あなた方の用件は、私と友好条約を結ぶこと、さもなくば宣戦布告」

巡査「そうなる」

ネイリスト「……フゥ~……」



ネイリスト「いいんじゃないかしら、友好条約」

巡査「……いいのか?」

ネイリスト「どうして驚いているのかしら……そのつもりで来たのでしょう?」

巡査「それはそうなんだが……」

ネイリスト「詳しいお話の前に、そこ、入口のプレートを「close」に裏返しておいてくれるかしら。無関係なお客さまが来ちゃったらお互い面倒でしょう~? 店の電気も消して、今日はもうお休みって体裁を取っておくわぁ~……」フゥ ポチ

巡査「わかった」クル

ネイリスト「ただ、友好条約、結んでもいいけど、先にふたつ聞いておきたい事があるわぁ」

巡査「答えられるものなら正直に答えよう」

ネイリスト「まず一つ目。あなた達は、これまでに私以外の能力者とどのくらい顔を合わせているのかしら」

ネイリスト「というか……はっきり言うと、私が聞きたいのは、あなた達の目的にそぐわない相手――能力を悪用する能力者や、優勝を目指して積極的に他の能力者を攻撃していくような相手に対して、どのくらいの対応を取るのか、あるいは取ってきたのか、という点ね」

巡査「それは……>>↓1」


1.すべて正直に答える
2.(自由選択)についてのみ正直に答える/隠す/嘘をつく

巡査「……俺と俺の仲間以外で、今までに出会った能力者は二人居る」

巡査「うち一人は……能力を私利私欲で悪用し、能力者同士の戦闘だけでなく、無関係な人や動物を傷つけることもいとわない相手で、和解は不可能だった……だから戦って、倒し――いや、殺した」

ネイリスト「…………」

巡査「出会った能力者のうち、もう一人は戦いにひどく積極的で、対話の余地なく攻撃をしかけられた。結局決着はつかずじまいだったが、次に会うことがあれば、まず対話から試みるつもりでいる」

ネイリスト「……ふぅん、なるほどねぇ~……度を越してる相手には、厳しめの対応も辞さない感じなのね?」

巡査「……そうなるな」

ネイリスト「けど、基本姿勢は交戦より対話……と。なるほどねぇ~……」

ネイリスト「それじゃあ、質問の二つ目ね」

ネイリスト「あなたのお仲間は、今何人居るのかしら?」

巡査「……! それは――>>↓1」

1.正直に答える
2.まだ教えられない
3.「XX人だ」と嘘を答える

巡査「……それはまだ教えられない」

ネイリスト「あら」

巡査「こちらもまだあなたを完全に信用できたわけじゃないからな。自分を餌に敵をおびき寄せてる能力者の罠に、まさに今かかってるところかもしれない」

巡査「その懸念が拭えるまでは、俺はともかく、仲間のことは明かせない」

ネイリスト「……まあ、それもごもっともねぇ~……」

ネイリスト「それじゃあ信用してもらうために、私からも一枚手札を切りましょうか~」

ネイリスト「私の能力の特性を明かすわぁ」

巡査「!」

ネイリスト「身構えてくれていいわよ~。あくまで実演、って主張するけど、そう見せかけてあなたを不意打ちする可能性は残ってるわけだからねぇ~……」フゥ

巡査「……と忠告するのも、こちらを油断させるための罠だったり?」

ネイリスト「するかもしれないわね?」フフフ

巡査「……ふふっ、言い出したらキリがないよな。このままで構わない、見せてくれるというなら見せてくれ」

ネイリスト「そう。それじゃあ見せるわねぇ。私の能力は《這晩狼藉》、特性は――」


……



???「…………」

???「若い男が店に入っていったと思ったら、なかなか出てこないなぁ。客じゃないのか?」

????「――いやぁ、他の人はどうだか知らんすけど、少なくとも、ネイリストさんはあんたが見てる前にゃあ出てこないでしょうねぇ」

???「!? 誰だ!?」

???「お前――たしか、そう、テレビで見たぞ! 若手芸人とかいうやつだ! お前みたいな有名人がなんで――」

若手芸人「なんでこんな、ネイリストさんの店を見下ろせるビルの屋上なんかに? ってぇことですかぁ?」

若手芸人「いやいやあはは、それを言ったらあんたもそうじゃあないっすかぁ小説家先生。いや、それとも、――さん、って呼んだ方がいいすかね?」

小説家「何故本名まで……!? ……そうか、あの女は餌か!」

若手芸人「その通りっす。いやぁすいませんねぇ、うちの事務所お抱えの興信所に調べてもらいっちゃいましたー! この辺のお宅についてる監視カメラ、実は元々ダミーだったのをこっそりネイリストさんが本物と付け替えて回ってるんすよー」

若手芸人「誰が見てるかわからないテレビ番組で堂々と能力者バレしたんだから、そりゃ見慣れない奴が店の周りうろついてないか警戒くらいしますって。あとは、疑わしきは片っ端から興信所に依頼して炙り出しっすよ」

小説家「……で、お前はあいつと手を組んでる能力者ってワケか。やれやれ……芸能事務所お抱えのプロにつけられちゃあ居場所もモロバレかぁ」

若手芸人「いやいやいやそれ以前に、えっまさか気付いてなかったんすかぁ? ちょうどこの時間帯とか、このビルの影が思い切り店の方にかかってるっしょう?」

若手芸人「よぉーく見上げてみたら、なんか屋上に人影居るってモロバレなんすけど」

小説家「…………」

若手芸人「ウケるぅー。センセ、芸人に転向しません? そのセンスなら三流芸人としてそこそこ食ってはいけると思いますよぉ」プークスクス

小説家「いいや、このネタはいつか自分の作品で使わせてもらう。いやその必要すらないかな」

小説家「お前もあの女もその他の能力者も全員殺して、俺は人生勝ち組ルートに入らせてもらうからな! キマった!」ザッ

若手芸人「いやその決め台詞はねーっすわぁ。人生ドロップアウトの間違いでしょう?」バッ

若手芸人「センセの不審な行動については興信所の方からバッチリ聞いてますよー?」

若手芸人「何故か真昼間っからここに陣取って、でも日が暮れたらさっさと帰っちゃうそうですね? カラスが鳴いたらかーえろって小学生か!」ビシ

若手芸人「テレビ出演以来他の能力者警戒してネイリストさんには引きこもってもらってますんで結局意味ないんすけど、なんで闇討ちにはもってこいの夜間外出を狙わないのか?」

若手芸人「そして店を見張るにしても、なんでわざわざこんな高いビルの上からなのか? ここからじゃ、出てくるの見えたって下りてる間にどっか行っちゃうでしょー」

若手芸人「以上のことから考えて、センセの能力は遠距離攻撃が可能なタイプ、かつ何らかの発動条件があるタイプ!」

若手芸人「どっすかどっすかぁ? 当たってます? 俺これでも知性派で売ってくつもりなんでまあこのくらいはねぇ」

小説家「バカさがウリのお笑いタレントが知性派気取るっていう渾身のギャグかなそれは? 悪いなぁ俺お笑いジャンルに疎いんだわ」

小説家「それより他人と話す時は帽子とグラサンくらい取れよ礼儀知らずが。やっぱりお笑い業界ってのも民度が知れるな、廃れるわけだわ」

若手芸人「……ちょっとカッチーンと来ちゃったんすけどぉー? まあいいすけどねぇ、後悔先に立たずって言いますし?」

小説家「後悔するのはそっちの方だ、とお約束の台詞を言わせてもらおう」

若手芸人「ああ、そこについてはわざわざあんたに言われるまでもないんで、おあいにく様っすー」

小説家「はあ? まあ、いいさ。あれこれ予想を語ってくれたが、それだけ考えておきながらノコノコ俺の前に出てくるあたりがバカだっていうのさ」

若手芸人「いやまあこっちにも事情があるっつうか、今日このタイミングが絶好の機会だったっていうか――」


>>↓1コンマで若手芸人のリアクション判定
コンマ二桁の中に3・6・9が含まれたら危機察知、2・4が含まれたら被ダメージ大(察知成功時は中)


小説家「まあ、あの女からでもお前からでもどっちでもいいわ。――全身みっちり焼け爛れろ」ビッ

若手芸人「いやいやいやセンセ、今時親指で首かっ切りからのゴートゥーヘルの合わせ技で十字切る決めポーズはないっすわ――」ボ

若手芸人「――っづ!?」ボボッ ボッ

若手芸人「づ、熱゙ぁぁぁぁっクソッ、燃える!? 何だ、一体何してやがんだ畜生ッ!!」バッ

小説家「いやホント、こっちの能力が遠距離攻撃系ってわかっててノコノコ前に出てくるとかほんとバカだろ君?」

小説家「ほら見てくれよこの腕、酷い火傷痕だろ? 自分の能力ちょっと試そうとしたらこの様だよ。だが、おかげで確信できた」

小説家「この能力があれば、このバトルロワイヤルで優勝するのも決して夢じゃないってね。そうすりゃあ、みみっちい印税に頼ってひぃひぃ言いながら毎月過ごすような暮らしともお別れだ! ハハハ、輝かしい勝ち組人生が始まるのさ!!」

ボボッ   ボッ
若手芸人「っぐあああぁぁぁぁぁぁぁあぁあぁぁぁぁっッっ!!!」ゴロゴロ
  ボボボボッ ボボッ

小説家「って、言っても聞いてる余裕ないかな。だが、飛ぼうが跳ねようが、この俺の《天針爛満》の前に逃げ場なんて――」

若手芸人「っぐぅぅッ……!!」ダダッ

若手芸人「ハァッ、ハァッ……と、止まっ、た……!?」ゼェハァ

小説家「……実は意外とあったりもするんだがなぁ、まあダメージは十分か」

若手芸人(屋上の出入り口のひさしの下に転がり込んだら攻撃が止んだ……!? てこたぁこの攻撃の出所は……上、か!? 空!? ……陽光!?)

若手芸人(いや、今はそんなことより――!!!)


若手芸人「――っつうぅぅうなんて事してくれやがんだよぉクソがァァァッ! よりにもよってこんな……もう撮影始まるってのに、こんな、こんな派手な火傷なんかよぉぉぉぉッ!!!」ダンッ ダンダンッ

若手芸人「っぐ、痛ぅぅぅッ……!」ゼェハァ

小説家「ははっ、知るか、今更地団太踏んだって遅いんだよバァーカ。さ、どうする? そのままおめおめと逃げ帰ってくれてもいいんだぜ?」

若手芸人「ハァ、ハァ、くそっ、クソッ、ああっクソッたれ、畜生、『敵の前にこんなノコノコ出ていくんじゃなかった』……!」

若手芸人「こんな事なら、『行動を起こす前にもっと考えておくべきだったぜ』ッ……!!!」ゴォ...!

小説家「……は、はは、恨み言なんざ、痛くもかゆくも、」

若手芸人「――オラ、『次はテメエが後悔する番だ』ぜ、なぁ、そうだろ《悔力乱心》ンンンッ……!!」ゴォッ!

ゴキャッ

小説家「……? 何のお」

若手芸人「死ねオラ」ブン――

ヒュガッ

小説家「と――ッぐおあああっ!?」ゴッ!

若手芸人「チッ、頭狙ったのに肩かよ……こんな事なら、『野球クラブ入ってた頃にもっと真面目に練習しときゃよかったぜ』……!」フラ

小説家(っぐ、い――いってぇぇぇぇ!! 何だこいつ、何だこれは!?)

小説家(あそこに転がってるのは……まさかこいつ、屋上のドアのドアノブもぎ取って投げつけてきやがったのか!?)

小説家(いや、というかそれより何だ、なんか言動がおかしいぞこいつ!?)

若手芸人「ああ、クソッ、クソッ……いつもこうだ……変装するにしたって、何も『このお気に入りの服なんて着てこなきゃよかった』……ああそうだ、そもそも『こんな能力もらわなきゃよかった』……」ブツブツ

若手芸人「……『あの時、進学で離ればなれになっちまう前に、勇気を出して告白しとけば』……『真面目に就活しとけば』……『おふくろに――』……――しとけば……――だったら……」ブツブツブツブツ...

若手芸人「ああ……クソ、クソッ、クソクソクソクソクソクソぅぉあああああああああああああああああああああああああッッ!!」

若手芸人「ああ、そうか。てめえか、てめえだな、てめえが全部悪いんだなそうなんだなクソが!!!?」ギョルン

ゴキャ ボキンッ

小説家「なっ……!」

若手芸人「テメェはぁぁぁぁッぁあぁあああっ!!」

小説家「嘘だろこいつ、ドアもぎ取って――傘にする気か! クソッ突っ込んできやがるッ!!」バッ

小説家(俺の能力、《天針爛満》は、言ってしまえば特殊なレンズみたいな力場を空中に打ち上げる能力だ)

小説家(このレンズを通した日の光は、紫外線も真っ青の殺人ビームに強化される。レンズはあまり遠くまでは動かせないが、角度を調整すれば、声が届く範囲くらいならどこに居ても焼ける)

小説家(ただ、殺人ビームになるのは日の光だけだ。電灯みたいな人工の光には一切効果がなかった)

小説家(戦えるのは日中に限定されるとはいえ、屋外ならほぼ敵なしの必殺の能力だってのに……!!)

若手芸人「クソがぁぁぁぁぁっっっ!!」ドドドドド...!

小説家「あんなもん頭の上に構えられてちゃ光が当たらねえ……! やべえ、つうか速いぞこいつッ!!」バッ

若手芸人「『後悔』しろクソボケァァァァ!」ゴシャァッ

小説家「っぐおあぁあぁぁぁっ!」ドサッ

小説家「や、やべぇ、今のやつに近付いちゃ駄目だ……、ドアもぎ取ったことといい、普通の人間の腕力じゃねえ!!」ヨロヨロ...

若手芸人「逃がすかよオラあァァァあッっ!」ブンッ ブンッ ガンッ!

小説家「ひ、ひぃっ!」

小説家「ち、畜生何なんだよこいつッ……! わけがわからねえ、錯乱してやがんのか! こんな――『こんなやつとなんで関わっちまったんだ』……!」



ガンッ ゴンッ バキッ

若手芸人「がああぁあああぁぁぁぁぁぁぁッ!」

小説家「ひぃ、くそぅ、くそぅっ、デタラメに振り回しやがって、当たったらただじゃ済まねえだろバカ野郎! くそっ、こんなことなら、の、能力者になれた、主人公みたいだなんて浮かれずに、『家で大人しくしてりゃ』――」

若手芸人「――ッぐぅぅ、ハァ、ハァ……畜生が、クソがァァ……!」ゼェハァ

小説家(ま、待て……なんで俺はこんな弱気になってんだ!?)

小説家(そうだよ、奴の方がダメージはでかいんだ! 俺はまだ有利なんだよ! なのにこんな弱音ばっかり――)

小説家(……あいつの言動、これは、そうか、もしかして……)

小説家(『後悔』か! こいつの能力は自分も他人も関係なく、何かを悔いる感情を増幅――)

ガツーンッ!

小説家「ひぃあああ!」バッ

若手芸人「ちぃぃぃぃっ!」

小説家「……あ、あぶねえ、今、ちょっと冷静になったら当たりかけた……いや違う、『後悔』してグダグダ言ってる時は、俺の身体能力もちょっと上がってた、のか!? こいつのバカみたいな腕力はつまり」

若手芸人「死ねえええええェェェ!」ブンッ

小説家「畜生うるせえよこのバカあぶねえだろ!!」

小説家(やべえぞこいつの能力、こっちも『後悔』を増幅されてったら、そのうち錯乱してパワー上がった者同士で殴り合いする羽目になったりするのか!? 冗談じゃねえぞ!)

小説家(とっとと決着を付けねえとまずい……! 天気は――!?>>↓1コンマ)


コンマの値が
00:風で雲が動いて日が陰る… ~ 50:現状とさして変わらず ~ 99:ド☆快☆晴

※これ以降しばらく、1レスごとに自コンマ参照して天気変動(雲の量:00少~99多)を判定しながら進行していきます
※例えばこの書き込みのコンマが50だったら、この次の書き込みの際には「雲の量が半々程度になった」という体で続く話を書いていきます


小説家(や、ばい、日が――)

若手芸人「ァ――――ッッ!!」ガッ

小説家「ぐぁ、しまっ――」

ドガッ!

若手芸人「クソがクソが――あ、はは、オイ何だ、どうしたセンセぇよぉ! へばったかぁ!? アハハハハハ!」ゴッ ガッ

小説家「うぐぅ……!」

小説家(ま、まずい、ドアの下敷きにして押さえつけられた……! この体勢じゃ、力を……込められ……ッ!)

若手芸人「『後悔』しろ、『後悔』しろ、『後悔』しろッ! この俺をぉ、ここまで派手にヤってくれやがったことをよぉぉぉぉ!!」ガッ ゴッ ゲシッ ドコッ

小説家「ぐおおおあああっ……!!」

※雲量:65

小説家(日の光……! 少しでいい、日の光が、差しさえ、すればッ……!)

若手芸人「オラ、オラ、オラオラオラオラオラクソがたっぷり『後悔』してから死ね! 死ね! オラァぁアアハハハハハハァッ!」

小説家(く、ッそ、《天針爛満》ぁぁぁッ!)カッ

ボッ
若手芸人「っぐ、ああああクソなめんなボケェェェェェ!!!」

小説家「ごああああっ、ぐふぅ、ぐ、くそっ……!」

小説家(だ、ダメだ……中途半端な火力じゃ止められない……)

小説家(こいつが有利になって『後悔』が薄れれば、馬鹿力が弱まる代わりに、冷静にこっちを押さえ込んでくる……)

小説家(だが反撃してこいつを『後悔』させちまうと、馬鹿力でボロクソにやられちまう……!)

小説家(どうすりゃ……どうすりゃいいんだよ……『俺はどうすりゃよかったんだよ』……!)

小説家(この戦い……俺は『どこで間違えた』……? 『なんでこんなひどい目に合わなくちゃならないんだ』よぉ……!)

※雲量:86

小説家(くそ、もう、ダメだ……雲の、量が……!)

小説家(ああ……クソ……『こんなことなら、最初から最大火力で一気に焼き殺しときゃよかった』……)

小説家(いや、そもそも『こんな目立つところで張り込みなんてしなきゃよかった』……)

小説家(わざわざテレビで自分が能力者だってさらしたんだ、『何か考えがあるだろうってもっと深く考えときゃよかった』……)

小説家(『クソニート予備軍が、一獲千金なんて夢見るんじゃなかった』……)

小説家(あの時ああしていれば……あの時、……あの時……あの時……)

若手芸人「そぉぉぉぅだ! 『後悔』しろ! 『後悔』しろ! 『後悔』しろ!!」

若手芸人「あらゆる選択を! 己の判断を!! 今までのすべてを『後悔』して、悔恨の沼に沈んでいけよセンセぇよぉぉぉぉ!」

小説家(俺は――――>>↓1)


1.塾をサボって遊び呆けるんじゃなかった
2.いじめに対して泣き寝入りなんてするんじゃなかった
3.引きこもりになんてなるんじゃなかった
4.小説家なんかになるんじゃなかった
5.コンマ(00~24以下25区切り)

※雲量:24

小説家(『引きこもりになんて、なるんじゃなかった』……)

小説家(あそこで道を間違えさえしなけりゃ、きっと……きっと…………)

小説家(き、っと……………………)

若手芸人「ハァ、ハァ……ああ、沈んだな、沈みましたねえこいつは」

若手芸人「ああーもうクソッ、ハァ、あーしんッどいっすわぁぁぁあもうこの能力ハズレじゃねえのか!」

若手芸人(アホみたいにパワー出る代わりに自制がきかなくなるんじゃ、ほぼほぼ意味がねえんだよ……こうやって心折るのも、これだけ近付いてかつよっぽどうまく決まらなきゃ無理だから楽じゃねえしなぁー)

若手芸人「……んおっと? ああ、下はネイリストさんの方の来客も帰ったか。間に合ってよかったぜホント」

若手芸人「さて、人気お笑い芸人が暴力沙汰とかシャレにならねえ。こいつが無気力に押し潰されてるうちに、とっとと指輪貰って引き揚げてから壊し――」

小説家「……だ……そうだ、あの時引きこもりになんてなっちまったから、俺は……俺は……」ブツブツ

若手芸人「憐れまねえぜ俺は。お前のことなんか知ったこっちゃねえ。指輪指輪……」ゴソゴソ

小説家「だから……引きこもりになってなったから、小説でも書いて一発当てるかなんて、馬鹿な……小説……?」

小説家「俺は……俺はあのせいで……いや、違う、俺は、……俺は小説家になった、ことは『後悔』してな」

ガッ
若手芸人「てめえは! ずっと!! その『後悔』に浸ってりゃ!! いいんだよ!!」ゴォッ...!

小説家「……が、う……ああ、そうだ……あの時、だ……あの時引きこもってしまった、せい、で……」ブツブツ

若手芸人「……くそ、こいつ、一瞬目に光が……!」

小説家「……ああ……まぶしい、な……そういえば、ずっと家に引きこもってるから……しっかり日の光を浴びて……なかったなぁ……」

若手芸人(! いつの間にか、雲が流れて――)

小説家「……もっと……もっと、光を――」カッ...!

ボッ ボッボボッ ボッ  ボッ...!

若手芸人「っづぅ!? オイ待て、コイツまさかッ……!」

若手芸人「ここで思い切り日光浴する気かよッ……!?」

ボッ――!!

若手芸人「や、やべえ、巻き添えを食らう!! だっだめだ、遠い、屋上の出入り口はここからじゃ遠すぎるッ!! 焼け死ぬのか、嫌だ俺は――――!!」




ズルゥ...
ネイリスト「――こっちに来て、若手芸人さん」

小説家「あれ……? どうして俺は……日の光が、差して、欲しかったん、だっけ……?」ボッ ボボボッ...

小説家「……ああ……なんでも……いいか……ああ、ひかりが……あたたか……――――」

ボボッ  ボッ ボォォォォオォォオォォォォ...




若手芸人「ぜぇ、ぜぇ、いや、死ぬかと思ったっす、マジで助かりましたよ、ネイリストさん……!」

ネイリスト「同盟関係、結んだでしょう? 戦ってるところには駆けつけられなかったから、このくらいの手助けは、ね……」

若手芸人「ああ、けど、大丈夫だったんすか? さっきの客、能力者だったんしょ? 見られてたりしたら……」

ネイリスト「大丈夫、監視カメラで確認したけど、お仲間と一緒にもう帰っていったわぁ~……お仲間さんと合流してしばらくは、まだこっちの様子を窺ってる風だったから、助けに行くのが本当にギリギリになってしまったんだけど」

若手芸人「いやまあ、それも間に合って、かつ連中にも見られてないんだったら全然オッケーっすよ。つっつつつ、さ、そろそろ離れましょう」

若手芸人「ビルの屋上で人が燃えてるまさにその時、『俺達はこうしてビルの外に居る』んだからアリバイはパーペキっすけど、さすがにしんどいっすわこの傷は……」イテテ

ネイリスト「ちょっと、大丈夫なの~? こんな火傷、撮影に差し障るんじゃあないの?」

若手芸人「あー、そこはまあ、うちお抱えの病院でしっかり手当てしてもらえば多少は誤魔化せるっしょ」

ネイリスト「フゥ~……こんな大火傷をごまかせるお医者さんって、闇医者か何かなのかしらぁ?」

若手芸人「いやぁなに、コレはオフレコでお願いしたいんすけど……うちの事務所、実はちょいブラックなんすよ」

ネイリスト「芸能界も怖いわねぇ~……」


……





×小説家・焼死(脱落)

能力:《天針爛満》
 特性:上空にレンズ状の力場を形成。力場を透過した陽光に特殊効果を付与し、それに照らされたものを焼け爛れさせるほどの威力を持たせる能力。
    電灯等の人工光では一切効果を発揮しないため、天候に大きく影響されるが、実は月光に対しては有効であるため、夜間でも一応は使用可能である。



残り 8/10 人

……



防水工「――無事だったか」

巡査「ああ。とりあえず、一応の協定は成立した。……と思う」

防水工「ちょっと待て。ぼうず」

男子「えっとね……あのお姉さんなら店の中でテレビ見てるみたい。お巡りさんの後をつけてきてる人もいないよ」

男子「このあたりの用水路のそばしかわからないけど、周りにあやしい人も居ないっぽい」

防水工「よし、車に乗れ。話は道すがら聞こう」

巡査「わかった」

バタン ブロロロロ...



防水工「――それで?」

巡査「とりあえず、彼女には当面こちらと戦う意思はない、ということだ」

防水工「随分曖昧な物言いじゃあねえか」

巡査「俺達が彼女と戦う姿勢を見せればその限りじゃない、って事だよ。彼女も基本的には他人と殺し合いをする気はないそうだが、さすがに、命を狙われた時にむざむざ無抵抗に殺される気もない、とは言っていた」

防水工「テレビに堂々と出ていた理由については?」

巡査「わけも分からないうちに能力を与えられ、このバトルロワイヤルに巻き込まれて、不安だったそうだ。とにかく同じ能力者と知り合って話がしたい、そんなときにテレビの取材が来たから渡りに船とばかり、あるいは乾坤一擲の覚悟でもって臨んだそうだよ」

防水工「その言い分を信用したのか?」

巡査「まだ、何とも言えない……今日のところは半分くらいは挨拶と顔見せだな。友好条約にするか、停戦協定にするか、その辺りの細かい取り決めは、また今度改めて詰めていこう、という話になった」

防水工「日を改めたのはなんでだ?」

巡査「俺みたいな若い男が、あんな店に入って長いこと出てこなかったら、あらぬ噂になりかねないからだってさ」

防水工「ケッ」

巡査「そう言うな。こちらと戦う意思はないことの証明として、彼女の能力の特性は見せてもらった」

防水工「そうだ、それだよ。こっちでも、ぼうずに見える範囲で店の中の様子を見てもらってたが、結局よくわかってねえんだ。直接見てたあんたから、詳しく教えてもらえるか?」

巡査「ああ。色々実演しながら説明してもらったよ。彼女の能力名は《這晩狼藉》という」



巡査「その特性は――『影から道具を作り出す能力』だそうだ」



 

明日に続く!

巡査「――という風に、影の中から色々な道具を作り出していた。俺が見た範囲では日用品ばかりだったが、どこまでの物が作れるのかはわからない」

巡査「ただ少なくとも、『影の中から』という部分は間違いないと思う」

防水工「まあ、能力を偽ってる可能性は否定し切れないが……」

巡査「そうやって、あまり疑い過ぎるのもよくないだろう。せっかく歩み寄ろうとしてくれているのを何度も疑っていては――」

防水工「そうやって安直に信用し過ぎるのも危険だ。まあ堂々巡りだなこの議論は」

防水工「一応、あの店主とは悪くない関係を結べた、として、次はどうする」

巡査「そうだな……>>↓1」


巡査達の次の方針
1.ネイリストと交渉
2.活発娘を探す
3.他の能力者を探す

先日は迂闊にも落ちてましたよー根性入れて再開します!

巡査「ネイリストさんとの交渉を詰めていこうと思う」

巡査「とりあえずの協定は成った、とはいっても、具体的にどういう条件でどういう風に行動するかは決まっていないからな」

防水工「大前提としては……能力を悪用して何かしでかすつもりなら俺達の敵になる、ってところだな」

巡査「そしてそうでないなら、俺達は彼女と戦うつもりはない。ここまではいいよな?」

防水工「ああ。あとは何だろうな、情報共有とかそのあたりか?」

巡査「あとは共闘だな。好戦的な能力者からの攻撃を受けた時なんかに、一緒に戦うかどうか、その条件とかだろうか」

防水工「まあ、こう言っちゃなんだが、相手がろくでもないことをしでかさないようくぎを刺せるならそれでいい」

防水工「すでに所在が分かってるんだ、もしもの時には遠慮なく叩ける」

巡査「そういう考え方は……いやまあ、それもそうなんだが……」

防水工「ああ、ただ一つだけ言っとくと、次の交渉の場所はどこか外を要求したほうがいい」

防水工「相手のテリトリー内での交渉は、「もしも」の可能性を考えるとちょっとな」

巡査「いや、だがたぶんそういうわけにもいかないと思う」

防水工「というと?」

巡査「彼女は、TV出演のせいで、自分が能力者であることを不特定多数の人間に知られてしまっているからな」

防水工「自分でばらしたんだろうが」

巡査「それはそうなんだが、ともかくそのせいで、いつ誰から襲われても不思議じゃない」

巡査「そういう「いざという時」に対抗しやすい自宅から、今はなるべく離れたくないと言っていた。買い物なども通販や配達を利用しているらしい」

防水工「チッ……まあ、仕方ねえか」

巡査「連絡先は交換してある。次の話し合いの日時を打診しておこう……」


……



巡査(というわけで、前回からあまり日を置かずに再びの話し合いだ)

巡査(今回は店の定休日とタイミングを合わせて来ている)

ネイリスト「フゥ~……で、私とあなた達の協定の話だったわね~……」

ネイリスト「とりあえず、私は能力を使って特別どうこうする気はない、とは言っておくわぁ。襲ってくる相手がいれば対処するけど、何もなければいつも通りお店をやってるだけ」

ネイリスト「それでいいんでしょ?」

巡査「ああ。俺達は、この能力によって世の中に無用な混乱がもたらされるのを防ぐために、この戦いを終わらせようと思って動いている」

巡査「逆に言えば……能力を悪用するつもりがないなら、相手の平穏をみだりに乱すつもりはない」

巡査「他の能力者全員と、能力を悪用しないことと、互いに相手を攻撃しないことを約束し合って、バトルロワイヤルに永遠に決着をつけないという形で決着をつけられたら理想だな……」

ネイリスト(理想論にもほどがあるわねぇ~……)

ネイリスト「ええと、それで、協定の詳細の取り決めだったかしら」

巡査「ああ」

巡査「まず、他の能力者についての情報共有について」

巡査「これは、何か接触があれば随時情報共有を行う、ということで構わないか?」

ネイリスト「襲われたら危ない奴がいるって知らせればいいし、仲間になってくれそうだったらそうだって言えばいいんでしょう~?」

巡査「ああ」

ネイリスト「それならそういうことで別に構わないわよ~」

巡査「ありがとう。もう一つは共闘について。もしもどちらかが敵対的な能力者に襲われたら――」

ネイリスト「…………」

巡査「>>↓1」


1.危険があったらいつでも助ける(見返りは要求しない)
2.互いに相手に危険が迫った時には助けることを約束しよう
3.被害が相手にまで及ぶのを避けるため、それぞれ自力で対処するようにしよう


巡査「互いに、相手がほかの能力者に狙われて危険に陥った時には、それを助けるという共闘関係を結びたいんだが」

ネイリスト「…………」

ネイリスト「フゥ~……あんまり気は進まないけれど……助け合いの精神は大事よねぇ~」

ネイリスト「こっちがピンチの時だけ約束を反故にしたりしないなら、こちらも努力するわぁ~」

巡査「ありがとう」

ネイリスト「さて、それじゃあお話はこれくらいでいいかしら?」

巡査(そうだな……こちらから何か聞いておくことはないだろうか>>↓1)

1.テレビに出てから他の能力者と接触したことはないか
2.大金を手に入れたいと思うことはないのか
3.ネイリストはいったい何歳なのか
4.その他自由安価

巡査「ネイリストさんは、ああしてテレビに出て、能力者だってことをさらしたわけだけど……」

巡査「あれから、俺達以外の能力者が来たことはなかったのか?」

ネイリスト「うーん……そうねぇ~……」

ネイリスト「あれ以来、見慣れない人を店の周りで見かけることは増えたような気はするけど……」

ネイリスト「この店を訪ねて来た能力者は、今のところあなただけねぇ」

巡査「そうか……もし何かあれば、いつでも知らせてくれ」

ネイリスト「そうさせてもらうわねぇ~……」

巡査「さて……それじゃあそろそろ俺は――」ブーッ ブーッ

巡査「……? 防水工からの着信?」ピッ



ガチャ カランコロン

???「こんにちはー!」



ネイリスト「あらぁ? ごめんなさい、今日は定休日――」

防水工『すまねえ、水路から距離があったせいでぼうずの感知が遅れた! 店の周りで何かこそこそしてるやつが居るらしい、警戒を――』

???「お姉さんも、能力者なんだよね?」

巡査「……!」

防水工『おい、巡査!? どうした!?』

活発娘「わたしもねー、能力者なんだ! ――勝負しに来たよ!」ニコッ


巡査「君は……!」ガタッ

活発娘「あっ、いつかのおじさんもいる! でもねぇ、今日は負けないから!」

巡査「待て! 俺は君みたいな子と戦う気は――」

活発娘「ええいっ!」パン!

巡査「くっ――!」ググッ

ネイリスト「もしかしなくても、この子が以前聞いた「好戦的な能力者」なのかしら~?」

巡査「そうだ、彼女の能力は、素早い動き、激しい動きを封じる特殊な空間を作り出す能力! この中だと自由な身動きが――」

ネイリスト「なるほどねぇ、こちらの動きを制限してくるタイプの能力っていうのは厄介だわぁ~」ユルユル

巡査(……元々ゆったりした人だからほとんど影響を受けてないな!?)

活発娘「まあでも、今日はちょっとズルするんだけど……これも真剣勝負ってやつだから、恨みっこなしね!」ジリジリ

巡査(外へ逃げる? いったい何をしに来たんだ……!?)

活発娘「おじさんがいたのはびっくりしたけど、これで二人いっぺんにやっつけちゃうんだから! じゃあねー!」ダッ

巡査「くっ、特殊空間の外に抜けたのか、でも一体何をしに――」

ネイリスト「ねえねえ、ちょっと。私の気のせいだといいんだけど――ちょっと焦げ臭くないかしら?」

巡査「……なんだって? まさか……!?」

ボゥッ

メラメラメラ...!

防水工『くっそ、あのガキ正気じゃあねえぞ! 店の周りでこそこそしてると思ったら――放火して逃げやがったぞ!?』

巡査「くっ……!」

ネイリスト「あらあら。ガソリンか何か、店の周りをぐるっと一周するように撒かれたみたいねぇ~……すっかり炎に囲まれちゃったわ」

巡査「呑気に言ってる場合か!?」

ネイリスト「でもこの状況、あれじゃない? 私達の協定の、「ピンチの時は互いに助け合う」っていうのが、さっそく実践される時が来たんじゃないかしら?」

巡査「くっ、確かに……お互い無事に脱出できるよう、協力する時だな……」

巡査「しかしっ、くそっ、逃げようにも思ったように身動きが取れない……!」グググッ

巡査「かといって、あの子の能力の影響を受けない程度の動きじゃ……間に合わないんじゃないか、これは!?」ノロノロ

ネイリスト「困ったものねぇ~……」ユルユル

巡査(困ってるように見えない……!)

ネイリスト「これ、巡査さんの能力で何とかできないのかしら?」

巡査「悪いが役に立ちそうにない……俺の能力は「相手の防御手段を無力化する」というようなものなんだ。だからこうして守勢に回ると使えない!」

ネイリスト「そうねぇ、私の能力だと……消火器くらいなら出せるんだけど、これも一本しかないのよねぇ」ズルリ

巡査「こんな店が全焼する勢いだと焼け石に水、か……」

ネイリスト「というか、下手をしたら、あの子の能力のせいで止められて、消火剤自体が噴き出してこないんじゃないかしら……?」

巡査「やばいぞ詰んでる――!」

巡査『――というわけでこっちはかなりまずい状況だ! こっちはこっちで何とか逃げる手段を探してみるが、』

防水工「その前にこっちであのガキを捕まえて、能力を解除させられたらそれが一番だな!」

巡査『すまない、頼む!』

防水工「任せろ!」ピッ

防水工「通報はしたが、消防が来たところであの特殊空間が張られてる限りはまともに役に立ちやしないだろうな……」

防水工「ぼうず、あのガキの居場所は追えてるな!?」

男子「えっと、向こうの三つ目の路地! 火事の様子を遠くからうかがってるみたいだから追いつけるよ!」

防水工「よし、お前はこのまま隠れて様子をうかがってろ、下手に出てくるなよ!?」

男子「う、うん!」

防水工「さて……おイタが過ぎるガキにはそれ相応の罰ってのを与えてやらねえとなぁ……!」ダッ

防水工(ここは……>>↓1)


1.能力で動きを封じて即座に捕縛
2.初手から物理的に奇襲をかける

防水工(速攻だ、相手に能力を使われる前に速攻で捕まえて締め上げる!)ダダダッ

防水工(――! いた、あいつだ!)

活発娘「どうかなぁ、倒せたかなぁ……逃げられないと思うんだけど、そういえば倒せたかどうかどうやって確認したらいいんだろ」

防水工(行くぜ――!)ダッ

活発娘「んっ?」


>>↓1コンマで防水工の奇襲達成値
>>↓2コンマで活発娘の感知達成値

奇襲>感知で数値差が20以上なら捕縛成功、それ未満なら接近成功
感知>奇襲の場合は数値差に応じた間合いの遠さで気づかれる


※奇襲57>>>感知01(もはやいわゆるファンブル)なので捕縛成功


防水工「――ッのガキコラァ!」バッ

活発娘「っきゃぁ!?」ドサッ

防水工「とっ捕まえたぞこのバカガキ! 今すぐ巡査達を閉じ込めてるあの能力を解除しやがれ!」

活発娘「やっ、はーなーしーてー! お巡りさーん!」

防水工「そのお巡りさんはあの家事の中だバカ! さっさと解除するんだよ、そうすりゃあいつらだってまだ逃げられる!」

活発娘「うう~、おじさんも能力者なのね!? どうして邪魔するのよー! どうして他の能力者を助けようとするのよー!!」

活発娘「どうせ最後に残るのは一人だけなんだから、どんどん減った方がいいじゃない! わけわかんないよ!」

防水工「チッ、このガキ……!>>↓1」


1.説得
2.気絶させる
3.心を鬼にして殺す

防水工「お前は何でそこまでやる気なんだよ!? いきなり神とかいうのから能力押し付けられて、ワケわかんねえ殺し合いを強制されたってのに! そんなに金に困ってんのか!?」

活発娘「何言ってんのかわかんない! これはゲームなんだよ!? 本気出して戦わなくっちゃ面白くないし、相手にだって失礼じゃない!」

防水工「ゲーム、だと……!? 負けたやつは死ぬんだぞ!? テレビゲームじゃねえんだ、本当に死んじまうんだぞ!!」

活発娘「大丈夫だもん! だって……あれ? なんで大丈夫なんだっけ……??? でもとにかく大丈夫なの!」

活発娘「だから、私はこのゲームを全力で戦うの! おじさんの方こそ、まともに勝負する気がないならはやくリタイアしてよ!」

防水工「こ、このガキは……!」

防水工(ダメだ、まるで話が通じねえ……! 何が大丈夫だってえんだよ!!)

防水工(こうしてる間にもガンガン火は回ってる、もう猶予はねえ……!>>↓1)


1.気絶させて強制解除させる
2.心を鬼にして殺して止める

防水工(こいつは……ダメだ)

防水工(あの眼鏡みたいに、能力を悪用してどうこうしようっていうのはねえ)

防水工(だが、こいつを野放しにしてる限り、能力者同士の殺し合いは絶対に止まらねえ……!)

防水工(何より、今回こんな街中で放火なんて手を使いやがったことでハッキリした、こいつのターゲットはあくまで能力者だけだが、能力者を狩るためなら二次被害にはまるで頓着する気がねえ……!!)

防水工(こいつは……ここで終わらせるしかねえ)

防水工「もういい、指輪どこだ」グイ

活発娘「やっ、ちょっ……ヘンタイー! えっちー!」ジタバタ

防水工「うるせえよタコ! 一応、一応聞いといてやるが……能力を解除して降伏する気はねえな? これが最後通牒だ」

活発娘「しないもん! 私は最後まで戦うんだか――あっ!」

防水工「そうか。残念だ」

防水工「せめてもの手向けだ、一万円をくれてやる」ビタ

活発娘「うぐ!」ビタァ

防水工「あとはこいつを踏みつぶしでもすりゃ――」スッ チャリン

ペラッ
活発娘「~~っ、まだぁ!」ガバッ

防水工(なっ、なんだこの復帰の早さ!?)

防水工「――だが遅ぇ!」ガリッ

活発娘「あっ」ビシッ

ビシ ビキ ビキビキビキ...

活発娘「あー、あーあ……負けちゃったかぁ……残念だなぁ」

活発娘「勝ってお金がもらえたら、お母さんも喜ぶかなと思ったのに――」


グシャァッ!

巡査「げほっ、ごほっ、だんだん煙が回ってきたな……!」ジリジリ

ネイリスト「とりあえず濡れカーテンかぶってぇ、濡れタオル口に当てて……あとは何ができるかしらねぇ~……」ユルユル

巡査「く、くそ、目の前にある出口が果てしなく遠い――、おや?」ジリジ...スイ

巡査「動ける? 動けるぞ、能力が解除されたようだ!」

ネイリスト「消火器、使う?」

ブシュゥ――――!

巡査「ここまで火勢がついてるとダメか、だが少し弱まったし、自由に動けるなら――ネイリストさん、ちょっと失礼する!」ガバッ

ネイリスト「わぷっ」バサァッ ヒョイ

巡査「あとはほんの数歩だ、うおおおおおおおおおおっ!!」ダダダダッ!

ガシャアンッ!!

巡査「ゼェ、ハァ、何とか、脱出できたか……! って熱ちちちっち!」バシバシ

ネイリスト「何も、私に全部かぶせてくれなくたってよかったでしょうに。はい濡れたカーテン」ジュッ

巡査「いや、煙に巻かれてもこれだけ耐えられたのは、ネイリストさんのおかげだった。なら俺にできることは、せめてあなたにはこれ以上傷一つ負わせないことくらいだ」

ネイリスト「……それじゃあ、ここは素直にありがとうと言っておくわねぇ~……図らずも、協定が本物だって証明された感じかしら」

巡査「そうだな……これも防水工が、ああ、俺の仲間なんだが、彼があの子を止めてくれたおかげだろう。後で紹介するよ」

巡査「じきに消防も来るだろうけど、その前にあいつと連絡を取らないと――」

ウー ウウー

防水工「……幸い返り血が付いたりはしなかったが、人が集まる前に離れないとな……」

防水工「……チッ」

防水工「ああ、クソッたれの神め……! こんなことしてまで金なんざほしかねえってんだよ……!」


……



男子「……ころし、た……あの女の、こ、を……」

男子「うっ、うぐっ――」

オエ オエェェェェェッ...

男子「おじさん……」

男子「どうしよう、どうしたら……!」ガクガクブルブル

×活発娘・脱落

能力:《疾封迅儡》
 特性:速度制限の力場を生み出す能力。この力場の中では、素早く動こうとすればするほど動きが鈍り、激しく気力体力を消耗する。
    発動の瞬間には自分自身も力場にとらわれてしまうが、一度発動した力場は解除するまでその位置・範囲で固定されるため、そこから抜け出して自由に動き回ることは可能。



残り 7/10 人

というところで明日に続きます!



おまけの>>↓1コンマで防水工の幸運判定
コンマ60以上なら成功ですが、20~59の場合「中学生くらいの女の子を押し倒して体をまさぐっていた」様子が近隣住民の方に目撃され00~19なら個人も特定される

やはりコンマには神が宿る(確信

参りましょー

巡査(ひとまず火事騒ぎの事後処理やら事情聴取やらが終わって、防水工と合流できるまでは思ったよりも時間がかかってしまった)

防水工「……おう、見た感じ、無事みたいだな」

巡査「助かったよ。これも防水工のおかげだ」

防水工「いや、褒められるようなことはしちゃあない」

巡査「……? そういえば、あの女の子は……どうしたんだ?」

防水工「――殺した」

巡査「……!!」

防水工「交渉の余地も、時間的猶予もなかった。いや、仮に時間的猶予があったとしても、話し合いで何とかなるような相手じゃあなかったろうな、あれは」

防水工「あいつが居る限り、能力者同士の殺し合いは絶対に止まらねえ。身柄を押さえられたあの場で止めを刺しとかなきゃあダメだと判断した」

ネイリスト(……彼の方は、やるべきと判断したら躊躇はしないタイプなのねぇ~……)

巡査「……そう、か……」

防水工「……悪いな」

巡査「いや、俺達を助けるためにやってくれたんだ。残念だが……仕方なかった」

巡査「……仕方なかったんだ……!」

防水工「…………」

ネイリスト「……ともあれ、私も命を救われたわけだし、あなたの英断には感謝しているわ~」

ネイリスト「こういうことを、私が言っていいのかわからないけど……二人とも、あんまり気を落とさないでちょうだい」

巡査「……ありがとう」

巡査「そういえば、ネイリストさんはこれからどうするんだ? 店は自宅と一緒になっているようだったが……」

ネイリスト「リフォームで済むか、建て直しになるかはちょっとわからないわねぇ~……」

ネイリスト「ああ、一応言っておくと、幸い貯金はしっかりしてきたから、あなた達を殺して優勝賞金を取りに行かなくても大丈夫よ~」

巡査「いやいや、怖い冗談を言わないでくれ」

ネイリスト「真面目に言うと、しばらくは知り合いのところに厄介になろうと思うわぁ~……」

ネイリスト「また何かあれば、連絡を入れるわねぇ~」

巡査「ああ――ってそうだ、そういえば紹介はまだちゃんとしていなかったよな」

巡査「こちら、俺の仲間の防水工だ」

防水工「……よろしくな」

ネイリスト「よろしくねぇ~……」

巡査「あとは……>>↓1」

1.男子小学生のことも紹介する
2.あえて彼のことは伏せておく

巡査「あとは――俺とネイリストさんだけじゃなく、防水工も連絡先を交換しておいてくれるか?」

巡査「何かあれば可能な限り手助けするつもりではいるが……仕事やら何やらで、24時間いつでもというわけにはいかないからな」

巡査「何かあった時は俺達どちらかに連絡してくれれば、どちらかが必ず駆けつける」

ネイリスト「頼りにしてるわぁ~」

防水工「逆もしかりだ、こっちになんかあった時には頼むぜ」

ネイリスト「まあ、可能な範囲で努力するわぁ~……」

巡査「これで……わかっているだけで二人脱落、か」

ネイリスト「巡査さん達二人に、巡査さん達が倒した二人、それに私……能力者は十人ってことだから、まだ半分はわからないのねぇ~?」

巡査「ん、ああ、そうなるな……」

ネイリスト「……残りの人達も、話して休戦できるような相手だといいわねぇ~……」

巡査「そうだな……」

ネイリスト「それじゃあ、私はそろそろ失礼するわねぇ~。どんな能力者が居るかわからないんだし、お互い気をつけましょう~」

巡査「ああ。それじゃあ」

防水工「じゃあな」

巡査(ああ……もうすっかり夜だな……)

防水工(……つけられてはいねえな)チラッ

防水工「……協定は結んだが、ぼうずのことは伏せておくんだな」

巡査「え? ああ……何というか……」

巡査「もう、あの子を無理に戦いに突き合わせるのもやめた方がいいのかもしれない、と思ってな……」

防水工「ぼうずの能力は、索敵から何からかなり助けになるぜ?」

巡査「それでもだ。俺達と一緒に居るところを好戦的な能力者に見られたら、あの子が狙われるかもしれない」

巡査「下手したら、こんな殺し合いを目の前で見せることになるかもしれないんだぞ? 俺は……できればそういう事はしたくない……」

防水工「……まあ、その気持ちは俺にもわかる」

巡査「ここから先は、なるべく俺達だけで対処していこう」

防水工「そうだな。残り四人か……何とか、和解できるといいんだが……」

巡査(何としても、これ以上余計な血は流させない……!)

防水工(まあ、あんまり期待はしない方がいいだろうな……)
スタスタ...



ズズズ...
ネイリスト「……ふぅん?」

>>↓1
1.巡査達の能力者探しは続く
2.その頃会計士は……
3.その頃若手芸人は……
4.コンマ(00~33、34~66、67~99)

巡査「――新興宗教?」

部長「いや、まだそうと決まったわけじゃないんだけどな。「なんかそれっぽい」って相談がいくつか上がってきてるそうだ」

部長「どうも聞いた感じ、向こうの○○大学の生徒がよく話に出てくるようだな」

部長「まあまだ噂話レベルだが、何か関係ありそうなことがあったら目を光らせておいてくれ」

巡査「わかりました」


……



巡査「――ということがあってな」

防水工「能力者かもしれねえと?」

巡査「時期的には、少し怪しい」

防水工「ふぅむ……しかし○○大学か。下は小学生まで能力者になってるんだから、大学生に居てもおかしくはねえが」

巡査「ちょうどもうじき大学祭があるらしい。それに乗じて様子を見に行こうと思う」

防水工「わかった。付き合うぜ」

巡査「頼む。一応、ネイリストさんにも不確定情報として連絡は入れておこう」


ちなみにこの大学は>>↓1
1.会計士の母校
2.若手芸人がゲストで来る
3.コンマ(奇数1偶数2)

申し訳ない、ちょっと今回はここまでにしますー
次回は明日又は土曜の夜になります

……



ドヨドヨ... ワイワイ... ガヤガヤ...

巡査「結構人が来てるな……」

防水工「俺達も紛れやすくていいじゃないか」

巡査「だが同時に、屋台や企画を出している人以外で、誰がここの学生なのかはわかりづらい。どこから調べていくべきか……」

防水工「とはいっても、学生をとっ捕まえて「最近この大学で流行ってるっていう新興宗教について知ってるか?」とか聞いて回るわけにもいかねえだろう」

巡査「それはまあ、そうだな」

防水工「だったら結局、学生かどうか判別できてもできなくてもやりづらさは変わらん」

巡査「結局やりづらいんじゃないか。いい手はないかな」

防水工「わからん。とりあえず、今の俺達は大勢いる客の中の一人だ。あちこちの企画を見て回ってても何もおかしいことはねえ。中をざっと見て回りつつ考えようぜ」

巡査「そうだな……見て回っているうちに何か見えてくるものがあるかもしれない」

巡査「そこの案内所で構内見取り図をもらって来た。大学構内をフルに使ってあちこちで色んな企画をやっているみたいだ」

防水工「広場の方じゃ、学内バンドの演奏の他にも、芸人やらミュージシャンやら、ゲストを呼んだ企画もやってるみたいだな」

巡査「フリーマーケットは、事前に申請していれば、学生だけじゃなく学外の人間も出店できるらしい」

巡査「どこから見て回るか……>>↓1」


1.サークル企画を見て回る
2.屋台で軽く腹ごしらえ
3.広場の有志バンドを見物
4.ゲストのステージを見物
5.フリマを冷やかして回る
6.適当に校内を散策

防水工「……あ」

巡査「どうした?」

防水工「いや、インディーズの頃からファンだったバンドがゲストで来ててな……いや、だが今日は、」

巡査「別にいいと思うぞ? どうせ元々あてはないというか、今回は本当に能力者が関与してるのかどうかさえ曖昧なんだ。それらしい情報を掴むまでは、目に留まったものを片っ端から覗いていこう」

防水工「……そう、か? いや、悪ぃな」ソワソワ

巡査(こんなにワクワクしてる防水工は初めて見た……)


……



バンドマン『――ありがとうございましたぁ! この後も豪華ゲストのステージが続きますんで、皆さん楽しんでってくださいねぇー!』

ワァァ...! キャー ヒューヒュー パチパチパチ...

防水工「……まさかこんなところで生演奏を聞けるとは……!」

巡査「満喫したみたいだな」

防水工「」ハッ

巡査「いや、でも防水工がファンだっていうのもわかった気がする。熱い曲だな」

防水工「だろう? だがインディーズ時代に出してる曲の中にはしっとりしたバラードもあってな、これがまた普段とは全然違う曲調でありながら彼らの持ち味が」

司会『えー、では次は~、現在人気沸騰中の、若手芸人さんでーす! よろしくお願いしまーす!』

若手芸人『どうも~、こんっちはー! 若手芸人です今日はよろしくお願いしぁーす!』

ワァァァ...! パチパチパチパチ...

防水工「おっと、まさか本当に若手芸人か? こっちはこっちでこんなところで会えるとはな……」

巡査「有名なのか?」

防水工「うちの職場にも熱烈なファンが居るぞ」

防水工「ほら、いつぞやの、あのネイリストがテレビに出てた時の映像。あれも、あの若手芸人がインタビュアーだから録画してたんだよ、そいつが」

巡査「ああ、そうだったのか。へぇー……」

巡査(軽快なトークに聞き惚れているうちに、気付けば噂の新興宗教について調べに来たことをすっかり忘れていた、危ない危ない)

防水工「いやぁ、さすがはプロだな。あれで何でこんな大学のゲストに来てんだ」

巡査「おいおい、失礼なこと言うなよ、一応ここらじゃ一番大きい大学だぞ」

防水工「いや失敬。しかし……長袖の下からちらっと見えた、ありゃ火傷の痕か……? そんなデカい事故や怪我したって話は聞いてないんだが……」

巡査「詳しいんだな」

防水工「俺が調べてるわけじゃあねえ、あの芸人がどっかで何かやるたんびに職場の同僚が話してくるんだよ」

巡査「なるほど。……しかし、さすがにここでずっとゲストのステージを見てるわけにもいかないだろう、そろそろ移動しよう」

防水工「っと、そうだな。どうせこの後は大して名前も売れてねえ木っ端芸人ばっかだし……」

巡査「だからそういう事を言うのはやめてやれって」



巡査「さて、次は……>>↓1」


1.サークル企画を見て回る
2.屋台で軽く腹ごしらえ
3.広場の有志バンドを見物
4.フリマを冷やかして回る
5.適当に校内を散策

巡査「次はサークルの企画でも見て回るか」

防水工「学生絡みってんだからまあ本来はそこを一番に見て回るべきだったんじゃあねえかな」

巡査「言うな。まだ時間はたっぷりある」

巡査「色んなサークルが展示企画なんかを出してるようだが……>>↓1」


どこを見に行く?
1.文芸サークル
2.手品サークル
3.ボランティアサークル
4.映画研究会


>>↓1コンマで遭遇判定
コンマ一桁が3・6・9で関係者エンカウント

……


『以上で、映画研究会の作品上映は終了です。ありがとうございました……』

パチパチ... パチ...

巡査「…………」

防水工「…………」

巡査「……どう思った?」

防水工「……どうにも、面白くねえな」

防水工「「争いはよくない、手と手を取り合って協調を」……お題目としちゃあたしかに綺麗だが、こうも露骨じゃあな。テーマの押し付けが強過ぎるせいで、話が全体に嘘くさくなってる」

防水工「それこそ……タチの悪い新興宗教のPR映像みたいだってのが率直な感想だ」

巡査「たしかに、な……俺もだいたい同意見だ。少なくとも、こういう場所で見るなら、もっと学生らしい創意工夫に溢れた作品が見たかったな……」


「――それはちょっと聞き捨てなりませんね!」


映研生徒A「今回の作品、僕達は、僕達の掲げる理想の表現に全力を注ぎました。手前みそではありますが、その目標は90%以上は達成されたと自負しています!」

映研生徒B「これは今の世の中に広く伝えたいメッセージです。低俗な娯楽作品としてではなく、人々の心に伝えたい思いをダイレクトに表現したものなんです。それを娯楽作品を見るのと同じような目線から見て、つまらないとか簡単に言い捨てるのはやめてもらえませんか」

防水工「おうおう、そいつぁ悪かったな。メッセージ性を持たせるにしたって、コイツはいささかお粗末すぎると思ったまでだ」

巡査「おい、そういう言い方はやめろよ」

映研生徒A「重ね重ね失礼な……!」

映研生徒B「……Aさん、言うだけ無駄です。こういう人達には口でいくら言ったって伝わりはしないんだ。悲しいことです、こんな偏ったものの見方をする人間が居るせいで、いつまでたっても世の中から争いがなくならない」

防水工「ハァ? よく言うぜ、この程度の駄作しか作れない表現力で、何が映画研究会だ。小学生に交通マナーを教えるビデオの方が、よっぽど啓蒙性が高いってもんぜ」

映研生徒A「何だとこの野郎……!」

防水工「ああ? やんのかコラ」

映研生徒B「Aさん、他ならぬ私達が他者と争いを起こしてどうするんですか!」

巡査「防水工もやめろ! すいません、連れが失礼な口を……」

映研生徒B「いえ、いいんです。すぐに理解されるとは、思っていませんでしたから」

巡査「それなんですが……ひとついいですか。この作品のテーマは、どうやって決めたんでしょう。映研のメンバーで話し合って決めた、とか?」

映研生徒B「……それを聞いて、どうしようと?」

巡査「いや、俺も経験があるんですが、こういうのって、大勢で話し合って方向性を決めようとすると、船頭多くして船山に上るというやつで、なかなかまとまり切らないものじゃないですか」

巡査「ただもし、そうじゃなくて……例えば誰かの書いた本に感銘を受けて、あるいは、ここの教授のどなたかの教えを元にしたりして、この作品を作ったのなら、その構想の元になったものをちゃんと知れば、この作品への理解も深まるだろうか、と」

巡査「軽い気持ちで来て、そんなにしっかり構えて見ていなかったので、こちらの態度の悪さのせいで理解が及ばなかったのだとしたら……作り手の真摯な思いに対して、それは非常に無礼だったな、と思いまして」

映研生徒B「…………」

映研生徒B「……そうですね……あなた方が本当に平和で豊かな世界を目指す意思があるのなら……紹介してもかまいません」

巡査「紹介、というのは?」

映研生徒B「平和と協調を目指して行動を起こした、気高い女性のことです。私達は、彼女の掲げる意志とその活動に心を打たれ、同じ理想を掲げる仲間となりました」

映研生徒B「たとえ一歩一歩は小さくても、行動なくして世界は変わりません。あなたにその一歩を踏み出す意思はありますか?」

巡査「そうですね……今日がその機会だというのなら」

映研生徒B「……まあ、無理に理解しろとは言いません。できるとは限りませんからね。それでもその努力をするつもりがあるなら、ボランティアサークルの展示室へ行くといいでしょう」

映研生徒B「『彼女』は、おそらく今日もそこで懸命に活動を続けています」

巡査「ありがとう。すぐ行きます」

映研生徒A「……そっちの粗暴な男性に、あの人の意志が理解できるとは思えないけどな」

防水工「ぴーちくぱーちくやかましいんだよ、ケツに殻の張り付いたようなヒヨッコが。年長者への敬いってもんを――」

巡査「ああもうお前はいい加減にしろバカ! すいません、これ以上は空気を悪くするだけなので、お暇しますね」

巡査「お騒がせしてすいませんでした」ペコ

巡査「ほら来い! ったくお前はいつもいつも……」ズルズル

防水工「ッの、やめろてめえふざけんな、離せよこのタコ、おい!」ズルズル


ズルズル...


巡査「……さて」パッ

防水工「ナイスアドリブ」Σdグッ

巡査「変に絡んでいくから何となく察して話に乗って行けたけど、前振り無しでこういう役割分担投げてくるのはやめてくれよ」

防水工「いいじゃあねえか結果オーライだ。さて……ボランティアサークルっつったな」

巡査「ああ。能力者絡みなのかそうでないのか……どっちにしてもここまで影響力が強いとなると問題だが」

巡査「俺達が能力者(おれたち)として対処すべき相手なのかどうか……確かめに行くとするか」

防水工「おう」

明日の夜に続きます! まさか即ドンピシャで出されるとは思わなかった……やはりコンマには神が宿る(確信

姉ちゃん! 明日って今さ!!

巡査「ボランティアサークルの展示は……ああ、あそこの講義室だな」

防水工「……中から話し声が聞こえるな」

女性の声「……ることで、他者との協調を……争いは何も生むことは……」

巡査「あれが件の『彼女』とやらだろうか」

防水工「さぁな。さて、目的地はハッキリしたが……」

巡査「ここは>>↓1」

1.外から聞き耳を立ててみる
2.中を覗いて様子を窺ってみる
3.講義室に入ってみる
4.その他自由安価

巡査「ちょっと外から聞き耳を立ててみるか」

防水工「面倒くせえな、突入しちまえよ。こちとらただの客だ。相手が仮に能力者でも、何もこんな場所で事を起こしたりはしねえだろ」

巡査「まあそう言うな。逆にこんな場所だからこそ無用な騒ぎにならないよう慎重に行こう」

コソコソ...


女性の声「……の人達と手を取り合って協力すれば、どんな障害だって乗り越えられます」

女性の声「いえ、こう言い換えた方がいいでしょう。すなわち、他者との協調を考えず、利己的な行動を取るからこそ障害を乗り越えられなくなってしまうのだと」

女性の声「大きな利益に釣られて他者との戦いを選択すれば、結局は何もかも失う事になるんです。皆で手を取り合えば、大きな利益を手に入れられずとも、十分に豊かな暮らしを送ることが――」


防水工「……こうして聞いてっと完全に胡散臭い新興宗教だな」

巡査「微妙に怪しいことを言ってるが、能力者かどうか確証が持てるほどじゃないな……」

防水工「どうするよ」

巡査「そうだな……>>↓1」


1.中を覗いて様子を窺ってみる
2.講義室に入ってみる
3.配布されているチラシを読む
4.その他自由安価




巡査「ちょっと興味を惹かれて来たような体で、軽く中を覗いてみよう。念のため、中には踏み入らない感じで」

防水工「慎重だな」

巡査「特殊な空間を作り出すタイプの能力者もいるからな。明らかに相手のフィールドだとわかってる所に、迂闊に踏み込むのは避けたい……」

巡査「……ああ、いや、すまん、相手が能力者だったらこういう可能性もあると言いたかっただけで、他意はないんだ」

防水工「……わかってる。それじゃ軽く覗いてみるか。軽くな」

巡査「ああ、行こう」

スタスタ

チラッ

巡査(うお、気配がしないから気付かなかったけど、意外と中に人が居た)

巡査(あれが、映研の生徒達が言っていた『彼女』なのかな? 代表らしき女性が展示を見に来た人に演説していて、壁沿いにはサークルのメンバーと思しき人達が静かに並んで立っている。十人前後か)

巡査(話を聞いている人達は……率直に言ってしまうと、そんなに興味はないけど話の途中で帰るのも悪くて仕方なく話を聞き続けてる、という雰囲気だな)

JD「……というわけで、私はボランティアサークルの皆さんと一緒に、様々な活動を通して色んな人達と手を取り合えるようになれたらと思っています」

客「はあ……なるほど……」

巡査(やっと話が終わったか、という顔をしてるな……)

JD「あ、すいません、長々と話しちゃって……お話を聞いて下さって、ありがとうございました」スッ

客A「え、ああ、まあ……」ギュ

客A「…………、!」

客A「……いや、僕もJDさんの考え方は素晴らしいと思います」

客B「……は?」

客A「最近、下らないことで他人と衝突することが多くって……話聞いててきっとこういう事なんだなって腑に落ちました」

JD「ありがとうございます! あ、そちらの方もお話を聞いて下さってありがとうございました」スッ

客B「お、おう……いや、別に……」ギュ

客B「……! ……??」

客B「……いや、別に、まったく苦ではなかったんで、構いませんよ」

客B「俺も、JDさんの話はまったくその通りだって思ってましたし」

巡査「……!?」

客B「やっぱ今の世の中に足りないのはこういう優しい考え方なんじゃないかなー、みたいな?」

客A「だよなぁ。みんな何かと他人と争って、自分だけいい目を見ようとしたがるんだ。それが良くない」

客B「JDさん、俺にも何か手伝えることがあったら、いつでも言ってくださいよ。できる範囲で、俺もJDさんの活動を手助けしますんで」

客A「僕も、この考えをもっと多くの人に広められたらと思います」

JD「ああ、お二人とも、ありがとうございます……! 私達ボランティアサークルは、季節ごとに色んな活動をしています。無理のない範囲で構わないので、お手伝いしてくださるとありがたいです」

客「「任せてください!」」

「理解者が増えてよかったですね、JDさん」「これからよろしくお願いします」「よろしくー」「新しい仲間に歓迎の拍手を!」


パチパチパチパチ...
 ワイワイ ガヤガヤ
  パチパチパチパチ...

巡査「……これは……どう、思う?」

防水工「あそこの二人組が、握手しただけでほだされるくらい惚れっぽくて、あの姉ちゃんとお近づきになりたくて適当言ってるだけのナンパな野郎共だってオチなら何も気にすることはねえんだがな……!」

巡査「ああ、だが、この違和感は……」

JD「――あら?」

巡査「――!」

JD「いらっしゃいませ、こちらはボランティアサークルの展示室です! よければご覧になっていってください。今なら私から、活動内容について色々詳しく説明もできますし!」

サークルメンバー達「」グルッ

「ああ、ようこそ」「ささ、どうぞどうぞー」「ぜひ一度見ていってください」「遠慮しないでいいですよ」

客AB「あなた方も是非どうぞ。とても有意義ですよ」「いや、俺も最初はボランティアなんてとか思ってたんですけどね、これは実際――」

防水工「く、こいつは……!」

巡査「この、空間は……!」


どうする?>>↓1
1.中に入って話を聞く
2.中には入らず話をする
3.このまま立ち去る
4.その他自由安価


巡査「……それではお言葉に甘えて、ちょっとお邪魔します」

防水工「おい」ヒソヒソ

巡査「ここまで来たら、虎穴に入らずんば、だ」ヒソヒソ

防水工「……仕方ねえ、付き合うぜ」

巡査「すまん」

JD「それでは、我がボランティアサークルの活動について、色々説明させてもらいますね」ニコッ

巡査「よろしく……お願いします」


……



巡査(言った通り、話の内容はボランティアサークルの活動についてが主だ。その活動内容自体は、まあ、どこにでもある普通の活動内容にすぎないが……)

JD「――でも、大きな利益を求めて他人を蹴落とすようなことをせず、皆で協調すれば、平和に、十分に豊かな生活を続けることができると思うんです」

JD「だから私は、無用な争いを止めるために、この活動のかたわら、こういうお話をさせてもらってるんですよ」

巡査(これだ……彼女がこの話をしている時、周りの人達から妙なプレッシャーを感じる……!)

巡査(だが、そちらから妙な威圧感を感じる以外、こちらの精神に特別干渉されてるような実感はない……いや、自覚できないだけなのかもしれないが、そうでなければ――)

JD「――という感じです。ここまでお聞きいただいて、ありがとうございました」スッ

巡査(……これか。直接接触。思えば、防水工の能力も男子君の能力も、能力の対象は金銭と水と違うが、能力を使う際にはその対象に触れる必要があるという点は同じだ)

巡査(だとしたら……!)

JD「あの……さっきから気になってたんですけど……」

JD「どうしてそんなに警戒されてるんでしょう? 私、何か気に障るようなことをしちゃったんでしょうか……?」

巡査「いや……それは……」

防水工(任せるぜ)ヒソ

巡査「……>>↓1」


1.なんでもない、と握手に応じる
2.握手を拒否し、そのまま立ち去る
3.能力者であることを明かし、単刀直入に問う
4.その他自由安価


巡査「……申し訳ない」

JD「ええと……どういう事でしょう」

巡査「単刀直入に言おう。俺達は能力者だ。この大学に関する噂に、能力者の存在を感じて調べに来た」

JD「……!」

防水工(行く時は本当に躊躇なく行く奴だな……。まあ、背中は任せとけ)ザッ

巡査「君は……能力者か?」

「何の話をしているんだ……?」「能力者って……?」ザワザワ

JD「……みなさん、ちょっと落ち着いて下さい。この方達とは私がお話します」スッ

「「「…………」」」ピタ

JD「……少し、ドキドキしています。怖い、というか、緊張しているというか」

JD「ご質問に対する答えは、イエス、です。私も、神の使いを名乗る不思議な存在から特殊な能力を受け取り、能力者同士のバトルロワイヤルに参加するよう言われました」

巡査「……!」

防水工(ビンゴか……!)

JD「けれど私は、それに従うつもりはありません。先ほどから言っていたように、優勝報酬などに惑わされず、他の能力者と協調して、互いに不戦の協定を結ぶという形で戦いを終わらせようと考えています」

JD「あなた方は……能力者が本当に居た場合、どうするつもりでここに来たのでしょうか」

巡査「……ふぅ」

巡査「実を言うと、緊張していたのは俺も同じだ。そして――」

巡査「目的も君と同じだ。他の能力者と殺し合うつもりはない。むしろ、無用な殺し合いが起きるのを止めたくて行動している」

JD「……よかっ、たぁ……もし、戦う気のある人だったらどうしようかと思ったんですけど、ちゃんと話し合いができそうでよかったです」ホッ

巡査「……こちらから言うのもなんだけど……信用してくれるのか?」

JD「え? あっ、そうか、もしかしたら、こっちに話を合わせてだまし討ちをしようとしてるかもしれないですよね?」アワワ

巡査「ああ、いやまあ、実際はそうじゃないから、そのまま信用してくれて構わないんだが」ポリポリ

JD「うーんと、でも、そうですね、考えてみたら、実際はだまし討ちの可能性は低いかなって、そう思ってます」

巡査「というと?」

JD「そうやって一緒に来てるってことは、多分、そちらの方も能力者なんですよね?」

防水工「まあな」

JD「だとしたら、バトルロワイヤルに積極的な人である可能性は低いかな、って」

JD「だって、勝ち残るのが目的の人にとっては、他の能力者は全員敵じゃないですか。最終的には寝首の掻き合いみたいなことになっちゃうのがわかってて、わざわざ手を組むことはないかなって」

防水工「脅して従わせてるとか、どちらかが相手を騙して協力関係を結んでる可能性だってあるんじゃあないか?」

JD「でも、もしかしたらを考えていったらキリがないですし……それなら私は、疑うより信じたいです」

防水工「お人よしだな……」

巡査「そう言うな。協力できそうな相手でよかったじゃないか」

防水工「ま、そこはな」

JD「はぁー……よかった、いい人と会えたみたいで」

JD「それじゃあ、もう少し落ち着いて話せる場所へ移動しましょうか。皆さん、ちょっと離れるので、ここの展示はよろしくお願いします」

「別に構いませんけど……さっきの話って?」「一体……」

JD「ええと……ああああのっ、すいません、秘密の趣味の話なので内緒に……///」

「……まあいっか」「JDさんがそう言うならそういう事にしときましょう」「ええそうしましょう」

JD「も、もうっ、からかわないください!」

JD「行きましょうっ、お二人ともっ」ソソクサ

巡査「あ、ああ……」

巡査(何か悪いことをしてしまっただろうか……)


……



巡査「ええと、それじゃあ改めて自己紹介をしておこうか。俺は巡査。こっちが防水工だ」

防水工「よろしくな」

JD「JDです、よろしくお願いしますね」

巡査「それで……外から見ていたんだが、あの客二人が君に同調したのは、やっぱり君の能力なのか?」

JD「あっ、はい。私の能力は、なんていうんでしょう、こう、相手に触ることで、自分の気持ちを伝えられる能力なんですよ」

JD「サークルのみんなもそうですけど、さっきのお客さん達も、私の真摯な思いが偽りなく伝わったから、ああして信じてくれたんだと思います」

巡査「そういうもの、なのか……?」

JD「あ、じゃあ、試しにやってみますか?」ス

JD「私が触って念じれば、きっと巡査さんにも私の考えてることが言わなくても伝わると思います」

巡査「ええと……>>↓1」


1.触られてみる
2.断る
3.コンマ(奇数1偶数2)

安価受諾した所で本日はここまで。明日以降に続きます! ありがとうございました!

巡査「……じゃあ、試しに一度――」

防水工「おい」

巡査「? 何だ?」

防水工「ん、いや……」

防水工(一応は協調できそうな雰囲気になってる相手に、あまりとやかく言うのもアレか……)

防水工(万が一の時は、こいつが敵だって確定するだけの話か。俺もいるし、フォローはできる……か。一応、いつでも能力を使えるよう準備だけはしつつ――)

防水工「……いや、何でもない」

巡査「何なんだ一体。それじゃあまあ、こいつのことは気にせず、一度試してみてくれ」

JD「はい、では、いきますね――」ソッ

巡査(……意外とひんやりした手のひらだ)

巡査(って何を考えてるんだ俺は――んっ?)


―― ……他者と手を取り合い、協調することが大事なんです…… ――

―― ……他者と争って、自分だけが得をしようなんて考えてはいけない…… ――

―― ……利己的な考えを持って他者と争おうとするような人間は――…… ――


巡査(――……っ?)クラ...


精神対抗ロール>>↓1コンマ
コンマが00~79なら成功

えっちょっ

―― ……他者と手を取り合い、協調することが大事なんです…… ――

―― ……他者と争って、自分だけが得をしようなんて考えてはいけないんです…… ――

―― ……利己的な考えを持って他者と争おうとするような人間は――…… ――


―― ……――平和を乱す敵です。決して許してはいけません…… ――


 ゾ ゾゾ ゾッ
巡査「――あ、ああ、なるほど、こういうこと、か……」
ゾゾ  ゾ ゾゾッ

防水工「……おい? どうした巡査?」

JD「あ、伝わったでしょうか?」

巡査「ああ……JDさんの考えが、言葉ではなく心で理解できた。まさしく、その通りだ……」

防水工「……おい、巡査。こっちを見ろ」

巡査「……ああ、防水工。君も試してみるといいぞ。今まで会った相手は危険な能力ばかりだったが……彼女の能力は素晴らしい」

巡査「互いに考えを分かち、相互理解を深める助けになる、非常に平和的な能力だ」

防水工(こいつの目……! あの展示室に居た学生や客と同じだ……!!)

防水工「てめぇ……!」ガタッ

JD「? どうしたんですか? 防水工さん」

防水工「てめぇ、巡査に一体何をしやがった……!?」

JD「何って、ええと、言った通り、私の考えてることを伝える、っていう、私の能力を試しただけなんですけど……」オロオロ

巡査「? 防水工、何をそんなに殺気立ってるんだ?」

防水工「お前もお前だ、自覚はねえのか!?」

巡査「自覚……? いや、俺は別に、何も変わっちゃいないぞ」

防水工「だったらひとつ聞くがな、俺達は一体何のためにここに来た!?」

巡査「? 能力者が居るかもしれないから、調べに来たんだろう?」

防水工「調べて、それでどうするつもりだったのかって聞いてんだよ!」

巡査「それは……仮に本当に能力者がいたとして、そいつが私利私欲のために他の能力者を攻撃するような奴だったり……」

巡査「もしくは、その能力を使って犯罪を犯したり、世の中に混乱をもたらすような奴だった場合は――」

巡査「『平和を脅かす敵だから倒さなければならない』、俺達は最初からそういうスタンスだったし、『これまでだってそうしてきたじゃないか』」

防水工(……言ってることはたしかにその通りだ、その通りなんだが、この拭いきれねえ違和感は何だ……!?)

防水工「……たしかに、ああ、たしかにそうだったがな。この前の、俺があの嬢ちゃんを殺さざるを得なかった一件で、ちょっと気弱になってたような気がしてたんだが――」

巡査「この前の? ああ、素早い動きを封じる能力の、あの活発そうな女の子か……」



巡査「――あれはまあ、当然の措置だったな」


 

防水工「――――!?」

巡査「あの子は能力者同士で殺し合うことにひどく積極的だった。あの子が生きていると、他の能力者も戦いに付き合わされることになる」

巡査「皆の穏やかな暮らしを乱そうとする『敵』だ、ああなったのも仕方ない。いや、防水工、むしろあの時は、俺の代わりによくやってくれたと思うぞ」

防水工「…………!!」ギリギリ

防水工(決まりだな、この女の能力は直接接触を条件に相手を洗脳する類のもの! そして――)

防水工(そしてこの女は――危険だ!!)

JD「あ、あの……さっきからどうしたんですか、防水工さん? わ、私、何か気に障るようなことを――」スッ...

防水工「てめえは動くな!!」ピピンッ

ビタビタァッ

JD「っ……!? こ、これは……?!」

巡査「何をする防水工!?」

防水工「お前もお前だ、まんまと敵の策にハマってんじゃねえバカ!」ピン

ビタァ
巡査「くっ!?」

防水工「こうなりゃぶん殴ってでも正気に戻してやる……!」バッ


>>↓1コンマで防水工による《精神分析》達成値
00~69で巡査のSAN値回復(一時的狂気の回復)

巡査「くっ、何を――!」バッ

防水工(俺の能力からの回復が前より速い!? だが――)

防水工「目ぇ覚ませこのバカ!」ゴッ

巡査「がぁっ!?」ドサッ

防水工「お前は……お前は、あんな小さなガキを殺さなきゃならなかったことを悔いてたはずだろうが!」

防水工「ガキの死に、心を痛められるような人間だったはずだろうが!!」

防水工「それが……それがンな平然としたツラ下げて「当然だった」とか抜かしてんじゃあねえぞバカ野郎が!」

巡査「うっ……く、ああ、そうだ……あれ……? 何でおれは……」クラ...

JD「なっ……なんてことをするんですか防水工さん! 同じ仲間に暴力を振るうだなんて!」

防水工「てめえは黙ってろ! そもそも元凶はてめえだろうが!」

JD「なななっ、なんて失礼な……!? 私は! 能力者同士の、いいえ、それ以外の普通の人達も! 皆が手を取り合って穏やかに幸せに暮らせる世界を目指しているんです!」

JD「その考えに、あなた達だって賛同してくれたんじゃなかったんですか!?」

防水工「至極真っ当な方法でそれを目指してるんならな。それなら邪魔もしなかったし応援だってしたかもしれねえ」

防水工「だがてめぇの『それ』はダメだ。他人を能力で洗脳して無理矢理理想を叶えようってんなら、それは俺達が『敵』として考える「社会を乱す能力者」だ!」

JD「そんなっ……なんでそんなひどいことっ……!」ウルッ

JD「……わかりました、防水工さんは敵だったんですね」

防水工「だからそう言って――」

JD「巡査さんに協力するふりをして、実はずっとだましていたんですね!?」

防水工「っ、は……?」

JD「なんてひどい人……! 皆で得る平和ではなく、自分だけの幸福を求めるんですね! そんな人は、絶対に許しておけません!」

防水工(こいつ……!?)

JD「他人と争うのではなく、皆で手を取り合い、協力し、皆で平和で豊かな世界を目指そうと努力することが大事なんです」

JD「その考え方を否定し、利己的な考えで行動する身勝手な人は、平和な社会の『敵』です」

JD「『皆で協調して穏やかな暮らしを得るために、それを乱す敵は、絶対に排除しなければなりません』」

防水工「こいつ……!」

JD「誰か……誰か来てください! この人は……『ここに居てはいけない人間』ですっ!!」

ドヨドヨ...!
「どうしたんですか」「何があったんだ!?」「JDさん、何かあったの?」

防水工「チッ、人を――!」

ゾッ ゾ ゾゾゾ
巡査「ぐっ……!?」
 ゾゾ ゾッ ゾゾッ

防水工「ここは一度退くか、それとも……、巡査!?」



>>↓1コンマで巡査の精神対抗ロール
00~59なら成功

巡査「だい……大丈夫、だ……だが、くっ、頭が重い……彼女の声が、頭の中で反響して……!」クラッ...

防水工「チッ、完全に解除できたわけじゃあなかったか……! ここは退くぞ、あいつの能力にハマったままじゃあ分が悪すぎる!」バッ

巡査「あ、ああ……!」ヨロ...

JD「あっ、みなさん、手を貸してください! 防水工さんが……私達の平和を乱そうとする敵が、巡査さんを連れ去ろうとしています!」

「何だと!?」「あそこだ!」ガヤガヤ

防水工「オラァッ!」ビシビシッ

ビタビタァ ビタァッ
学生達「っ!? 何だこれは……こいつ、妙な芸当をっ!」バッ

防水工「チッ、なんでだ、どいつもこいつも俺の能力の効きが弱い……!?」

防水工「んの野郎ォッ!」ガンッ

ガシャァンッ

防水工「んで――こうだ!」ビシ

ビタァッ
学生「うわぁっ!?」ドタッ

「おい、どけっ!」「待て、押すな、転んだやつを踏んでしまう!」ドヨドヨ

防水工「こっち掴まれ、テーブル蹴倒して通路塞ぎつつ、先頭のやつの足を止めて転ばせた。アレで時間稼いでるうちに逃げるぞ!」

巡査「す、すまない……!」

防水工「はぁ、はぁ、協力できる奴かと思ったらとんだカルトだぜ……!」

防水工「とにかくあいつは放っておいちゃいけねえやつだ、金目当てとかじゃあなく、本気であのイカレた理想を掲げてやがる分手に負えねえ」

防水工「何とかしたいが……どっかの馬鹿がホイホイその罠にかかってやがるからなぁ……!」

巡査「う……すまん……本当にすまん……」

防水工(解除条件は一体なんだ? 距離や時間経過で自然と解けるようなら有り難ぇんだが、アレが大学内の新興宗教の噂になるくらい根強い効力を持ってるんだとしたら、逃げるだけじゃあ解決は――)

防水工(――大学内で、『新興宗教の噂になるくらいアレが蔓延してた』ってことは……)

ガガッ ガッ ピンポンパンポーン
JDの声『放送部の皆さんの協力を頂いて、学内に居る、ボランティアサークルの掲げる理想に同意してくださっているすべての方々にお知らせします!』

JDの声『この大学際に乗じて、私達の理想を脅かす『敵』が侵入しています! あろうことはその『敵』は、私達の考えに同意してくださった巡査さんを無理矢理連れ去って逃げようとしています!』

JDの声『お願いします皆さん! 私達の理想を守るために、私達の『敵』を倒すのに協力してください!』

防水工「あの女ッ……!」


ドヨドヨドヨ...   ドヨドヨ...
「あれか?」「あいつらじゃないのか」「JDさんが放送で言っていた特徴に一致するぞ」「あいつだ!」
「彼を助けるんだ」「あいつを逃がすな!」「『敵』は決して見逃しちゃあいけないんだ……!」
   ドヨドヨドヨドヨ...   ドヨドヨドヨ...


ゾロゾロ.......

防水工「チッ……! そうだよなぁ、学外にまで噂が届くほどなら、既に相当数の人間があいつの能力にやられてるってことだよなぁ……!」

巡査「っぐ、ぐぅっ……!!」ゾッゾゾッ 

防水工「おい、巡査!? しっかりしろ!!」

巡査「ぐ――――!」ゾゾゾッ...!


>>↓1コンマで巡査の精神対抗ロール
00~19なら成功

巡査「ッあ……!」ガシィ

防水工「っぐ、おい、巡査……!?」ググッ

「他者との協調を」「平和を」「争いを否定して「皆で幸せな世界を」豊かな」「理想の下にみんなで団結するんだ」

ゾゾゾッ ゾッ  ゾゾッ ゾゾ
巡査「それを……それを乱す『敵』は……『敵』は、排除しなければ……!」ギリギリギリ...!
 ゾゾ ゾゾゾ ゾッ ゾゾ  ゾゾゾゾ

防水工「ぅぐぁ……! クソ、そうか、この能力……! 被害者が、多いほど……互いに影響しあって、効力が、増すの、ッ……!!」

防水工(チッ、ダメだ、完全に捕まった、振りほどけねぇっ……! このまま、じゃ……!)


プルルル...
学生「あっ、もしもし、JDさん、例の『敵』を捕まえましたよ! ……はい、はい、わかりました、それではお待ちしてます」ピッ

学生「みんな、少し待ってくれ! JDさんはその『敵』と、最後の話し合いをしたいそうだ!」

学生「そいつにも我々と同じように真剣に話をして、それでもダメなら――もはや情けは無用だ。だが、その最後の最後までは、わかり合おうとする意志を捨ててはならない!」

「おお……!」「さすがはあの人だ……」「こんなやつとも話し合って和解する望みを捨てていないなんて……」「なんて優しい人だ」ドヨドヨ

学生「皆! くれぐれもそいつが逃げたり、他の人を傷つけたりできないように慎重に拘束して、あの人が来るのを待とう!」

「ああ」「おう」「そうだな」「よし、俺はそっちから――」「誰かロープか何か持ってないのか」ガヤガヤ...


防水工(チッ、少しは猶予が伸びたって所か……? だがあの女が来て、俺もあの能力を食らっちまったら、抵抗できるかどうか……!)

巡査「――く、俺は何を……すまん防水工、大丈夫か?」ヒソヒソ

巡査「すまなかった、そのまま一度大人しくしてくれ。周りの連中の隙を見て、一気に突破しよう」

防水工「お? おっおう……待て、おまえ……正気に戻ったのか? 何でいきなり――?」

……



JD「なっ――なんなんですかっ、あなたは!? なんで、あなたみたいな人がこんなっ……!」

JD「こんなひどいことを……!」

学生A「ご、ごふっ……」

????「――ああっ、ああああぁぁぁああぁ……ヤっちまったぁ……殺っちまったぞ俺ぇ……!」ワナワナ

学生B「こいつッ……! 下がっててくださいJDさん!」バッ

学生C「よくも仲間を! 有名人だか何だか知らないが、こいつは疑いようもなく絶対に絶対に絶ッッ対に排除すべき『敵』だッ!!」バッ

若手芸人「ああああぁッ、こんな、『こんな誰の目があるかもわからねえところで』ッ! 『パンピーに手ぇ出しちまった』よぉぉぉァァァあアアハハハハハハハッッ!!」ギュルン

ゴキャ ドゴギャッ

学生B「げぶッ……!」ダァン!

学生C「ぎゃあッ……!?」ドサッ

若手芸人「ああ、まただ、『またやっちまった』ぜ……! あああぁあヤバい、これはヤバい、『誰かに見られてたら俺の芸能人生命は』ッ……! 『こんなバカなことしなきゃあよかったんじゃないのか』……!?」

学生B「JDさ……逃げ、くださ……だれかに、たす、けを――」

若手芸人「――だがまぁ、他の誰にも知られさえしなきゃあ問題ない。そうだよな? だよなぁ!?」ゴキャッ

学生B「ッ」ゴト

グシャ ドゴキャッ

学生AC「」ドサバタ

JD「…………!」ガタガタ




JD(だれか、誰かよばないと……だめだわ、大学祭でこっちの校舎の方は人気が全然……それに仲間の皆さんにもあの人達を追いかけてもらってたから……!)ガタガタ

若手芸人「あああああ、ヤバいぜ、ヤバすぎる、人を、『この戦いに関係ないやつを殺してしまった』……!」

若手芸人「だが、それでも、そのリスクを背負ってでも! お前さんにこれ以上勢力拡大されちゃあまずいんだよなぁ……!」

若手芸人「一般人も能力者も無関係に洗脳・扇動できちまうお前をこれ以上のさばらせておく方が! きっと俺は後々もっと『後悔』することになる!」

若手芸人「校内放送までして派手に動いてくれたこの千載一遇の好機――無関係な人間を殺しちまった『後悔』を負ってでも! 獲る価値がある! そうだよなぁ!!? そうだろう!?」

若手芸人「あぁは、あははははははさあ! さあお前もたっぷり『後悔』しなぁァァぁッ!」

JD「こ、……後悔、なんてっ……!」

若手芸人「あァ?」

JD「わわ、わた、私はっ、皆で平和に暮らせたらっていう、この理想をっ……『後悔』なんて、絶対、しないんですからっ!!」

若手芸人「だったら単純な『暴力』で死ね」

JD「ひ――――!!」




 

……



巡査「……何だ?」

防水工「……こいつは……一体何がどうなってんだ……?」

ドヨドヨ...
「あ、あれ……?」「俺、なんでこんな事してたんだろ……」「なんであの人達を捕まえなきゃなんて思ってたんだ……?」「あっ、いけね、屋台のお客さん放りっぱなしだ!」
  ザワザワ...

防水工「あの女が能力を解除した……? だが、一体なんで……」

巡査「……まさか」ダッ

防水工「おい!?」

巡査「防水工も来てくれ! もしかしたら――俺達以外にも、別の能力者が来ていたのかもしれない!」

防水工「そいつがあの女を……!? だとしたらそいつも戦る気の能力者ってことか!」ダッ

巡査(くそ、どこだ、どこに行けば――!)


>>↓1と>>↓2コンマで巡査と防水工の幸運判定
一桁が1or2で若手芸人を視認

ダダッ...!
巡査「どこだ……!? どこに……――っ!!」キキッ

防水工「っと、これは……!」

学生A「」

学生B「」

学生C「」

JD「」

巡査「っくそ……!!」ダン!

巡査「彼女だけじゃない、バトルロワイヤルとは無関係なはずの学生まで……!!」

防水工「……チッ。ある意味じゃあ助けられた形になるが……これはまったく喜べねえぜ……!」

巡査「くそ、これをやったやつは一体どこに……!?」バッ キョロキョロ

ザワザワ...
「何だ?」「何かあったの?」
 ザワザワ...

防水工「……もう無理だな。おそらくもうこの近くには居ねえ」

巡査「くそっ……クソッ……!」

防水工「……」フゥー...

防水工「……切り替えよう。持ち帰れる限りの情報は持ってくべきだ」

防水工「少なくとも、これをやらかしたのは、能力者で間違いねえだろう。でなきゃ、このタイミングでこの嬢ちゃんを殺す理由が考えられねえ。多分、校内放送までして派手に動いちまったせいで見つかったんだ」

巡査「……被害者は、とんでもないパワーで殴り殺されてる、のか、これは……? 訓練された相手じゃないとはいえ、三対一でもこれだけのことができるのは、まともな人間業じゃないな」

防水工「無茶苦茶に体鍛えた脳筋の仕業って可能性は?」

巡査「俺が知る限り一番体を鍛えていて腕力のある先輩でも、素手でここまで人体を破壊するのは無理だ」

防水工「だとすると、純粋に自分の身体能力を強化するタイプの能力者か」

巡査「多分な。それ以上のことは……現場検証や検死をしてもらわないとわからないな」

巡査「……行こう」

防水工「おう」

防水工(……厄介なのは、おそらく、これをやった相手には、追われてた俺達も能力者だと知られてる可能性が高いって事だ)

防水工(今後は、これまで以上に身の回りを警戒しねえといけねえな……!)

×女子大生・死因:頸椎骨折(脱落)

能力:《白痴済衆》
 特性:思考伝染による扇動・洗脳能力。何らかの思想・目的意識などを、ある種の呪詛として触れた相手に植え付ける。この効果を受けた者の人数が増えるほど、呪詛同士が共鳴し合ってその効果をより増幅する。


残り 6/10 人

というあたりで本日はここまで。明日以降へ続く!
最後に本日最終安価>>↓1

1.その頃会計士は……
2.その頃男子小学生は……
3.コンマ(奇数1偶数2)

眠いとか言ってる場合じゃねえ安価のお時間だァァァァァおらァァァァァァ

……



ワイワイ
「っそぉぜんぜん勝てねーし!」「お前下手くそ過ぎだろー」「うっせ次は勝つし!」
「あっ、そろそろ帰らないと……」「あ、俺も」「じゃあなー!」「また明日ぁー!」
     ワイワイ

男子「また明日ー!」

男子「…………」フゥ...

トボトボ...
男子(おじさん達、今日はたしか、能力者のウワサを調べに行くって言ってたな……)

男子(……まただれか、ころすんだろうか)

男子「…………!」ゾクッ

男子(この能力のおかげでイタズラがやりやすくなったとか、はしゃいでる場合じゃなかったんだ……!)

男子(おじさん達は守ってくれるって言ってくれてるけど、オレだっていつあんなふうになるかわかったもんじゃないんだ……!)

男子(どうしよう……どうしたらいいんだろう……)


コトッ


男子「!!」ビクーッ

>>↓1コンマでランダムエンカウント
コンマ二桁のいずれかに含まれている数字を適用
0:何もなかった
135:会計士
2468:ネイリスト
79:その他トラブル

カランコロン...


男子(……空き缶か何かころがっただけかぁ、びっくりしt)

???「どうしたの?」

男子「」ビックゥー

???「きゃっ」

男子「あっ、わっ、や、えと、なっ、なななんでもないです」

???「……何でもないってことはないでしょうに。何その慌てっぷりは」

会計士「――まったく。あなた、一体どこの子?」

男子(び、びっくりした……)

男子(でも結構美人なお姉さんだ)

会計士「まったく、学校で先生から早く帰るよう言われてないの? この辺りも、最近は物騒なんだから」

会計士「ついこの間も、中学生くらいの女の子が行方不明になったっていうし――」

男子「――!」

会計士「? どうしたの?」

男子「う、ううん、何でも……」

会計士「何でもってことはないでしょう。顔色、悪いわよ。どこか調子が悪いならはっきり言いなさい、隠される方が迷惑だから」

男子(ど、どうしよう……>>↓1)

1.逃げる
2.「不審者だー!」
3.大人しく連行される
4.……どこかで以前会ったことがあったっけ?(思い出す)

男子(……?)

男子(でも、気のせいかな……)

会計士「なに? 何かあるなら言ってみなさい」

男子(……この人、以前どこかで会ったような……)


>>↓1コンマ記憶判定
00~39なら思い出す

男子(うーん……なんか会ったことがような気がするんだけど……)

男子(この辺まで出かかってるのに、あとちょっとが出てこないこの感じ……)ウーン

会計士「……面倒ね、手っ取り早くその辺の交番まで連れて行きましょう」ガシ ズルズル

男子「ああっ、や、やめてよちょっと、自分で歩けるってば!」

会計士「だったらさっさと自分で歩きなさい。ほら、家はどっち?」

男子「帰るよ、帰るってば。っていうか、何でついてくるんだよっ」フン

会計士「子供が一人で遊んでるのを見過ごして、もしも何かあったら後味が悪いでしょうが」

会計士(……中学生の女の子の失踪事件、大量の血痕が発見されたとかいう話もある)

会計士(そんなまともじゃない事件が起こせるとしたら、十中八九能力者……)

会計士(いえ、本当に能力者の仕業なのかどうか、ずっと戦いを避けてきた私にはわからない……確証なんて何もない)

会計士(ただ、市内に住んでいた小説家が、ビルの上で不自然な焼死体になって発見されたり……最近、不可解な事件が起きているのは確かなのよ)

会計士(そんな時に、能力者として、それ以前に一人の大人として、ここで義務を放棄するような真似は私自身が認められない)

会計士「……さ、早く行きましょう。もうちょっと人通りのある所か、家の近くまでは送るわ」

男子「むぅ……」

テクテク..
男子(キレーだけど、めんどうくさいお姉さんだなー……)

男子(……ここは、>>↓1)


1.振り切って逃げる
2.不審者呼ばわりする
3.パンツとか覗く
4.素直に送られる

男子(ここは……、)

会計士「……? 何?」

男子(……この人に下手にイタズラしたらしこたま怒られそうな気がする)

男子(普通に送ってもらおう……)

会計士「……? 何なのかしら」

男子「あっ>>↓1」


>>↓1コンマ
00~34:巡査さんだ
35~69:おじさん(防水工)だ
70~89:もうすぐそこが家
90~99:ネイリストさんだ…

男子「あっ、おじさん」

防水工「ん? おう、ぼうずか。今帰り――」

会計士「あなたは……!」

防水工「……? ……あ、ああ、たしかいつかうちの店に来てた、そう、会計士さんでしたか」

会計士「え、ええ……奇遇ですね……」

会計士(……そうか、もしかしてこの男の子……あの時彼に話しかけていた子供なんじゃ、)

防水工「……そっちのぼうずとは、一体……?」

会計士「ああ、いえ……こんな時間に一人でうろうろしているところを見かけたもので」

防水工「ああ、最近、この辺りでも何かと物騒な話をよく聞きますからね」

会計士「ええ、それでちょっと心配して送っていたところなんですけど、あなたの知り合いの子だったんですね。じゃあ、あとはお任せしてもいいかしら」

男子「? ??」

防水工「あー……そうだな。仕方ねえ、おいぼうず、俺が家まで送ってってやるから来い」

防水工「すいませんね、お手数かけたみたいで」

会計士「いえ、別に、大したことは……」

会計士(失敗した、かしら……? いえ、何もおかしなことなんてしてない――はず……!)

会計士「それじゃあ、私はこれで。君、あんまり遅くまで遊んでいちゃ駄目よ」

男子「わかってるってば」

防水工「ったくこいつは……それじゃ、ここまでどうもありがとうございました」

会計士「いえ、お気になさらず。では」スタスタ...

男子「……おじさん、さっきの人、知り合いだったの?」

防水工「何だよお前、忘れてたのか。まあ、気にするほどのこっちゃあないと思うが……」ジー...

会計士(落ち着いて……不自然に早足にならないように……!)

防水工(……初対面じゃあかなり仕事デキる人っつう印象だったんだが、駅まで送ったあの辺りからなんかフニャフニャした態度が『らしくない』ような気もすんだよな……)


>>↓1コンマで防水工の警戒度
00~39でスルー

>>↓2コンマで???の警戒度
00~19でスルー




男子「……おじさん? 帰らないの?」

防水工「……まあ、いいか。会う奴会う奴片っ端から身辺調査してたってキリがねえしな」

防水工「だいたいああいう姉ちゃんのプライベートをぼうずに探らすのは情操教育的にかなり問題がある気がする」

男子「何だよー、何か勝手に悪く言われてる気がするんだけど」

防水工「何でもねえよ。ほら、ガキはとっとと帰れ」

男子「うるっさいなぁ、もう、みんなして……」








?????「――片っ端から身辺調査してたらキリがない、ねぇ~……たしかにそれもそうよねぇ……」

ズルゥ...
ネイリスト「でも、それをやる人は実際にやっちゃうのよねぇ~……」

ネイリスト「フゥ~……どうせ店は焼けちゃったからヒマとはいえ、ストーカーの真似事なんてガラじゃぁないんだけど……」

ネイリスト「一応、ないよりまし程度の成果はあったかしら。まぁ、あとは彼お抱えの探偵さんにお任せねぇ~……」

ピ ピ ピ プルルル...
ネイリスト「……ああ、もしもし~、私だけど、今大丈夫~?」

ネイリスト「……え? 能力者を一人殺した? あらぁ、おめでとう~、でいいのかしら? まあ、思わぬ戦果だったわねぇ~……」

ネイリスト「こっちはこっちで坊やに張り付いてたんだけど、またちょっとチェックしてほしい人を見繕ったから、探偵さんへの依頼はよろしく~」

ネイリスト「……え? 経費が掛かり過ぎ? いいじゃない、一人減らすのに店と自宅まるまる一軒犠牲にした私よりマシでしょう~?――」


……

よかった……会計士さんが本当に徹底的に潜伏し過ぎててどうしたものかと心配していましたがこれで無事にヤバいフラグが立ちましたね。やったぜ!
というところで明日以降に続きまする!

いざ参る

……



ネイリスト「――ざっと情報を整理してみましょうかぁ~……」

ネイリスト「神様から能力を与えられた能力者は全部で十人。その十人で殺し合いのバトルロワイヤルをして、最後まで勝ち残れたら巨万の富を得られる……」フゥー...

ネイリスト「さて、その十人の内訳だけど……」

ネイリスト「既に脱落しているのは、私と会う前に巡査さん達が倒したのが一人、私の店を燃やしちゃった元気のいい子で二人、」

若手芸人「――それに、俺が戦った小説家のセンセで三人と、この前殺した女子大生の子で、全部で四人っすね」

ネイリスト「対する生き残りは、私とあなた、あの巡査さん、巡査さんのお仲間の……ええと、防水工さんだったかしら? それと男子小学生君、これで五人」

ネイリスト「そしてこの前あの人達と接触していた、会計士さん。今のところはこの人が一番怪しい、と」

ネイリスト「……こうして見ると、若手芸人さんと同盟を組めたことはとても有り難かったわねぇ~……防犯カメラで知らない人の顔をチェックはできていたけど、私ひとりじゃ興信所なんかのアテも、調査を頼むためのお金も、見繕えなかったでしょうから」

ネイリスト「ありがとうねぇ」

若手芸人「……いやぁ、それは別にいいんすけどね……」

若手芸人「さすがにそろそろちょっと、必要経費が掛かり過ぎっつうか……俺の貯金も無限じゃねえんすよ」

ネイリスト「あらぁ、別にいいじゃない。あなたとしては、ドラマの撮影が無事終わるまで生き残れさえすればよかったんじゃないの~?」

若手芸人「ん、ああ、それは……たしかにそれはそうっすけど……」

ネイリスト「……ごめんなさいねぇ、結構、あなたの方にばかり負担を押し付けてるところがあるわぁ~……」

若手芸人「……いや、俺の方も落ち着きますわ一旦。だいたい、ネイリストさんがテレビで身バレして囮になってくれたからこそ、あの小説家のセンセや巡査とかも釣れたワケだし……」

若手芸人「そこから、うちお抱えの興信所に頼んだ身辺調査で、巡査とつるんでる仲間の能力者も二人わかったワケで。この前だって、俺が仕事ついでに女子大生ちゃんぶっ殺してる間も、連中に張り付いててくれたんでしょ?」

若手芸人「これも役割分担ってやつっすね。ネイリストさんは既に身バレのリスク負ってくれてるワケですし、ちゃんと考えれば、負担の形が違うだけで、お互い公平に仕事してましたわ」

若手芸人「ちょっと本業の方で疲れ溜まってまして……イライラしちゃったようで、スンマセン」

ネイリスト「別にいいのよぉ~……実際、これまで私は一度も直接戦ってはいないわけだし、だから怪我もしていない。その辺を考えたら、やっぱりちょっと不公平だもの」フゥー...

ネイリスト「で、最後の一人と思しきあの会計士さんの調査結果は、どうだったのかしら……?」

若手芸人「今のところは何とも。フツーに仕事してフツーに毎日過ごしてるだけっぽいすねぇ」

若手芸人「一応、仕事上の繋がりで防水工が働いてるとことの関係性もあるっちゃああるようですが、連中とはあれきり接触してないので、この前のはホント偶然のエンカウントか何かだったんじゃないすかね」

ネイリスト「フゥ~……能力者かどうかたしかめるには、ちょっとちょっかいを出してみるしかなさそうねぇ~……」

ネイリスト「そろそろ働き時のようねぇ。能力者ではない可能性を考えると、有名人の若手芸人さんに行ってもらうわけにはいかないし、ここは、私の能力が適任だわ」

若手芸人「そうっすね……それじゃあちょいと、お願いします。会計士のだいたいの行動パターンは調査で出てますんで」ス

ネイリスト「ありがとう。それじゃあ、言ってくるわぁ~……」ドプン

――コンコン

スタッフ「若手芸人さん、そろそろ……あれ?」

若手芸人「お、時間ですね、今行きます。……どうかしました?」

スタッフ「……? 今、だれか一緒に居ませんでした?」

若手芸人「はは、スタッフさんの気のせいでしょ。だって――出入り口そこにしかないのに、他に逃げる場所も隠れる場所もないじゃないっすかぁ」

スタッフ「そ、そうですよねぇー! それじゃあそろそろ、お願いします!」

若手芸人「はぁい、今行きます!」

若手芸人(いやぁ……あの能力で襲われるのは、関係者でも関係者でなくても、怖ぇだろうなぁー……同情するぜ)

……



会計士(……あれ以来、あの防水工さんやあの男の子とは会っていない)

会計士(あの業者の会計監査の仕事も一段落付けてあるから、仕事の方で出会う機会ももうない……)

会計士(あの二人は本当に能力者だったのか、それとも……どちらにしても、このまま普段通りの生活を続けられさえすれば、私はそれでいい……いえ、怪しまれないようにする為にも、普段通りに生活をする事こそが大事よ)

会計士「ふぅ、今日もこんな時間……早く帰りましょう」

コツ...コツ...コツ...

会計士「…………」

コツ...コツ...コツ...

会計士「…………」チラ

ロングコートの女(?)「…………」コツ...コツ...コツ...

会計士(……もしかしてと思ったけど、やっぱり――尾行されてる……?)

会計士(落ち着きなさい。まだ能力者と決まったわけじゃない。普通の変質者――いやそれはそれで危険だけれど、とにかく能力者絡みと決まったわけじゃない)

会計士(ここは至極常識的な判断をして、常識的に振る舞うべき――)

会計士(すなわち、逃げる)

スタスタ...
――ダッ

会計士(この辺りの道はある程度知ってる、角を複数折れて距離を取れば――)サッ クル


シーン...


会計士「…………」

会計士「追いかけて来ない、わね。私の勘違いだったのかしら? それとも普通に振り切れた? どっちにしろ、これで――」クル


ドン
ロングコートの女(?)「…………」


会計士「――っ!!?」ビクッ

会計士(ま、回り込まれた……!? 嘘でしょう!? 追いついてくるだけならまだしも、私の前に回り込むなんて、どうやって!?)


ロングコートの女「……ねえ、」

会計士「……!」ビク

ロングコートの女「『私って、綺麗?』……なーんていうのが、昔流行ったわよねぇ~……」

ロングコートの女「あなたくらいの年なら、あの頃のこともまだ知ってるんじゃないかしらぁ?」フフフ

会計士「……っ、」

会計士(なんだかよくわからないけど……これが能力者でも、能力者でなくても、まともに相手をするのはまずい……!)

会計士(絶対に逃げ切る!)ダッ!

ロングコートの女「フフフ……」


タッタッタッ...!
会計士「はっ、はっ……」

会計士(こんなことならもうちょっと体を鍛えておけばよかったかしらね……!)

タッタッタッ――


バン
ロングコートの女「…………」


会計士「!? また、先回りを……!?」

ロングコートの女「……あらぁ? どうかしたのかしらぁ~……?」

会計士(いったい……何がどうなってるの……!?)

会計士(能力者……!? 戦う? いえ……私の能力も、戦うよりは逃げる方が使いやすい、けど……敵かもしれない相手の前で使ってしまっていいの!?)

会計士(……こうなったら……>>↓1)


1.意地でも自力で逃げ切る
2.最寄りの交番に逃げ込む
3.能力を使って振り切る
4.物理で反撃
5.能力で反撃
6.その他自由安価

会計士(……あまり気は進まないけど、ここは能力を使ってでも逃げ切る)

会計士(命がけの戦いだなんて、冗談じゃないわ)

会計士「……暑い」バサァ

ロングコートの女(上着を脱いだ……何かして見せてくれるのかしら~?)

会計士「はぁ……あなた、一体何のつもり? 私に一体、何の用があるっていうの? あなたのおかげで汗だくになってしまったわ」

ロングコートの女「用? うふふ……さあ? それはあなた次第かしら~」コツ...

会計士「……!」ジリ...

会計士(どういうからくりかはわからないけど、下手に動き回ってもこいつには回り込まれてしまう。だったら、こいつから目を離しちゃ駄目ね)

会計士(できるだけこの場で引きつけて、用意が整ってから逃げる。頼むわよ、《抱沫霧幻》……!)

会計士「……生憎だけど、強盗するほどお金なんて持ってないわよ。暴行しようっていうなら……こっちにだってそれなりの覚悟と準備があるんだから」

ロングコートの女「あら、それは怖いわねぇ……どうしようかしら」

会計士「まあ、どっちもさせないけどね……絶対に逃げ切ってやるわ」ヒョイ スポ

ロングコートの女「あらあら、裸足で走ると危ないわよ~?」

会計士「スピード出せずにあなたに捕まる方がよほど危ないわね。それじゃあ――!」


>>↓1コンマ末尾が
0:パトロールしていた巡査が通りかかる
1~6:踵を返して脱兎のごとく逃げ出す
789:ロングコートの女が先んじて回り込んでくる

会計士「それじゃあ――さよならね!」クル ダッ

ロングコートの女「あら、まだ追いかけっこ? いいけれど――」

会計士(……あれが『私という人間を捕捉する』ものじゃなく、単に『常識外の手段で高速移動している』ものなら……これで振り切れるはず……!!)

会計士(あそこ、あの曲がり角を――!)

ロングコートの女(“右”に、曲がったわね)ドプン

ズズズズズ...!

ロングコートの女(――あら? 居ない、わねぇ……? たしかにこちらに曲がったはずだけれど……)

ロングコートの女(……身を隠すような場所はないわねぇ。人様の庭先に潜り込んだ形跡もないし……)

ロングコートの女(……ああ、なるほど、靴を脱いだのは、足音を消すためね?)

ロングコートの女(すっかり見失ってしまったわぁ……何故か一部、私の能力が阻害されている風だし……)

ロングコートの女(どういう能力なのかはよくわからないけれど、あの人も能力者で間違いなさそうねぇ~……そうとわかれば、今日のところは引き上げましょうかぁ~)ドプン...

……



ネイリスト「――と、いうわけで、すっかり逃げられちゃったわぁ」

若手芸人「なぁにやってんすか」

ネイリスト「いいじゃなぁい、能力者だって事は確認できたんだから。それに、自宅の所在も調べてあるんでしょう~?」

若手芸人「まあ、その辺も興信所の調査でバッチリすけど……」

ネイリスト「だったら、どうするか決めてから改めてどうとでもできるわぁ~」

ネイリスト「とにかく、これで生き残っている能力者の所在はすべて知れたわねぇ」

若手芸人「そうすね。ネイリストさんと俺、あの巡査、防水工、小学生のグループ、そしてあの会計士で、ちょうど六人だ」

ネイリスト「――これで、生き残りの目途は立ったんじゃなぁい?」

若手芸人「え?」

ネイリスト「あの巡査さん達三人は、基本的には非戦派よ~。能力者同士で、あるいは無関係な一般人に対して、能力を使って危害を加えようとする能力者には容赦しないみたいだけど、そうでない人に対しては友好的な態度を取っているわぁ~……」

ネイリスト「そしてあの会計士さんも、ここまでまったく戦いに参加していないし、昨日だって能力を使って戦うのではなく、逃げた……あの人も、戦いには消極的なようじゃなぁい?」

ネイリスト「だったら……あなたの望み、主演ドラマの撮影終了まで生き残る、っていう目的は、このまま潜伏しているだけで果たせるんじゃないかしら~?」

若手芸人「ああ、たしかに、そうすね……」

若手芸人「――いや、まだダメっすね」

ネイリスト「……あらぁ、どうして?」

若手芸人「たしかに俺自身は、ドラマの撮影終了まで無事に生き残れればそれで十分っす。でも、そこでハイめでたしで勝手に終わっちゃあ、同盟相手のネイリストさんとの約束が果たせないじゃあないっすか」

若手芸人「この同盟で、俺は撮影が終わるまでの生き残りを保証してもらう代わり、同盟相手のネイリストさんには、ちゃんと最後の最後まで生き残ってもらわないと約束が違っちまう」

ネイリスト「あら、でもあの人達は戦う気はないみたいだし、私自身、そこまで優勝賞金に興味はないわよ~?」

若手芸人「だとしても、あの巡査達が嘘をついてる可能性はまだ否定できてないっしょ。休戦協定だの協力関係だのっつうのも、機会を窺っている間の建前かもしれませんしねえ」

若手芸人「その辺の、ネイリストさんの安全確認ができるまでは、俺だけ気軽にドロップアウトなんてするわけにゃ行きませんて」

ネイリスト「あらぁ、そう? でも、それじゃあどうするの?」

若手芸人「そうすねぇ……>>↓1」

1.いっそ皆殺しに
2.巡査か防水工を殺す
3.会計士を殺す
4.他の生き残りの能力を暴く

若手芸人「……巡査さんか防水工さんか、どっちかは無力化しときたいっすね」

若手芸人「一応、今のところ情報的アドバンテージを握ってんのはこっちだけど、仮に攻撃された場合、会計士相手なら二対一で立ち回れるからまあまだ有利でしょ」

若手芸人「ただ、巡査のグループは三人。もし裏切られたら、こっちが不利っす。それに俺との同盟の件、連中には話してないんでしょ?」

ネイリスト「言ってないわよ~、聞かれてもないからねぇ~……」

若手芸人「だとしたら、あっち目線じゃ人数比は三対一、「いつでも狩れるから泳がせてる相手」ってだけかもしれません」

若手芸人「その危険性を考えたら、向こうの戦力を削って、何か良からぬ企みを持ってても迂闊に行動を起こせないようにしといた方がいい……ああ、勿論ネイリストさんとは無関係な能力者のフリを装ってね」

ネイリスト「なるほどねぇ~……でも、もし彼らが本当のことを言ってた場合……それでかえって余計な火をつけちゃう可能性もあるんじゃないかしら~?」

若手芸人「それならそれでいいんすよ。大事なのは、相手の戦力を削ってネイリストさんの安全性を高められるってとこと、これに対する相手の反応を見ることで、連中の本音の部分を推しはかれるってとこっす」

若手芸人「もし、本当の本当に平和を望んでる連中とわかったら……その時は、俺を犯人である「凶悪な能力者」に仕立て上げて倒せばいいんすよ。それで、生き残り面子間で和平協定が成立するっしょ」

若手芸人「あ、もちろん撮影が終わるまでは時間稼いでからって事でお願いしますけどね?」

ネイリスト「……フゥ~、ま、いいでしょう。それじゃあ、巡査さんと防水工さん、どちらを倒すの?」

若手芸人「ここは>>↓1っすかねえ」

1.巡査
2.防水工
3.コンマ(奇数1偶数2)

若手芸人「ここはネイリストさんとの接触が少ない、防水工さんの方すかねえ……巡査さんに何かあれば、よく顔を合わせてたネイリストさんの裏切りが疑われそうだし」

ネイリスト「わかったわぁ~……それじゃあ、具体的にどうするか考えていきましょうかぁ」

若手芸人「そうっすねえ……」ウーン

若手芸人「ネイリストさんに協力してもらえば寝込みを襲って暗殺するのも簡単そうだし、それが一番手っ取り早くていいんすけど……」

若手芸人「前提として、見知らぬ能力者に襲われて死んだって体でないと駄目っすからねぇ」

若手芸人「他の二人の邪魔が入らないところで、俺の姿を軽く晒して襲って、で、こんなやつに襲われてるって助けを求めさせてからしとめるのがいいっすかねぇ」

ネイリスト「う~ん、そうねぇ……まあ、環境とか、彼らのスケジュールとか、いろんな条件を考慮に入れて詳細を詰めていきましょうか~……」


……

申し訳ない、事情により今日はここまでですー

私は黄金の勤労週間になど屈しない!(屈してる
間が空いてしまいましたが今日の夕~夜頃から再開します!

……



コツ、コツ、コツ...
防水工「……やれやれ、随分と遅くなっちまったなぁ」

防水工「さて、とっとと帰るか……」

防水工(……これまでの戦いで脱落したのは、巡査が仕留めたあの眼鏡、俺が殺したあの中学生、そしてこの前の女子大学生で三人……)

防水工(対して生き残りは、俺と巡査、ぼうず、あのネイリスト、そしてあの女子大生を殺した正体不明のが一人で合計五人)

防水工(まだ二人、正体のわからない奴が残ってる。あるいはどこかで既にやられてるって可能性も無いわけじゃあないが……死んでると確定したわけじゃあねえ)

防水工(警戒しとくに越したことはねえが――)


カツーン...

ユラァ...
ロングコートの男「…………」

防水工(……露骨に怪しいのが、街路灯の灯の下でこれ見よがしに立ちんぼしてやがる)

ロングコートの男『やあ、どうもこんばんは』

防水工(ボイスチェンジャー……?)

ロングコートの男『用件は手短に済ませよう。君も能力者だろう?』

防水工「……だったらどうする」

ロングコートの男『決まっている、能力者同士が出会ったらすることはひとつだ』

防水工「チッ……」

防水工(ここは……>>↓1)


1.勝負に応じる
2.退いて巡査に連絡
3.会話で時間を稼ぎつつ情報を集める
4.その他自由安価

防水工「……じゃあちょいとおしゃべりでもするか。ここで立ち話もなんだしその辺のファミレスにでも行くかぁ?」

ロングコートの男『……わかってないなぁ、能力者同士は殺し合うものだろう?』

防水工「生憎と、俺の知ってる能力者はまず対話を試みるような奴だ」

防水工「だから……まあ、最初に言うだけ言っておく。――能力者同士で殺し合ったり、能力で社会に影響を及ぼしたりせず、人並みのまともな生活を続けようって気はないか?」

防水工「ろくでもないことをしでかす能力者以外とは、休戦協定結んで平和的にこの戦いを終わらせられねえか、ってのがこっちの考えなんだが」

ロングコートの男『平和、平和ね……どいつもこいつも下らないなぁ。あの馬鹿な女も、最期までその世迷言を信じていた』

防水工「予想通りっちゃあその通りだが、やっぱりあの女子大生を殺したのはてめえか……!」

ロングコートの男『フフ、だったらどうする?』

防水工(>>↓1)


1.戦いに応じ、一度無力化させる
2.戦いに応じ、息の根を止めに行く
3.一度撤退し、巡査に情報を伝える
4.その他自由安価

防水工「教えてやるよ、てめえみたいなクズは平和主義の適用外だ!」ピンピンッ!

ロングコートの男『おっと、当たらないよ、ネタは知ってるんだからねえ!』サッ

防水工「チッ、しゃらくせえ! なら――!」ダッ

防水工(あの嬢ちゃんをぶち殺した怪力の持ち主だとしたら、接近戦はやべぇ……が、だからこそその接近戦をしかけりゃ乗ってくるはずだ)

防水工(近付いた方がこっちの金も当てやすくなる。どの道相手の正体はわからねえんなら、リスクを負ってでもなるべく情報を引き出す!)

ロングコートの男『向かってくるのか……勇敢だなぁ。お仲間を呼ばなくていいのかい?』

防水工「何のことだか……なっ!」ピィン

ロングコートの男『フン、ならプランBで行こうか……』ヒョイヒョイ

ドプン...!

防水工「……!?」

防水工(消え、た……!? バカな、いくら夜だからって、この距離で、街路灯の灯の外に出た程度で見失うわけが――)

防水工(やべえ、からくりはわかんねえがこの状況はやべえ――!)バッ

ズズズ...!
「…………!」


>>↓1コンマで感知判定
コンマ一の桁or十の桁が、
0:???の存在を感知
3~6:ロングコートの男の存在を察知
9:ファンブル
それ以外:感知失敗

ロングコートの男『……!』ズズ...!

防水工「だったらこうだ……!!」ジャラッ

チャリン ジャラジャラジャラ チャリンチャリンチャリンッ...!!

ロングコートの男『……なっ!?』ビタァ

ロングコートの男(こいつ、小銭を足元にばら撒いて……地雷のように! クソ、ふざけやがって、金はもっと大事にしろ……!)グググ

防水工「そこか……五百円追加!」ピン

ロングコートの男『っぐ!』ビタァ

防水工「一呼吸置いてもう二枚!」ピンピンッ

ビタビタァッ

防水工「二回。”時間差で”付けた。これでもう、俺の能力がお前にどのくらい効くかは関係ねえ……先に付けた方が効力を失って剥がれ落ちたら、時間差で付けた方が剥がれる前に即座に新しいのを貼る」

防水工「あとはその繰り返しで完全拘束可能だ。ホレ、一万円」ビタァ

ロングコートの男『っぐぅ……!』ググググ...!

防水工(やれやれだ……だが、こんな見晴らしのいい細道で、見失ったと思ったら俺の背後に回り込んでやがった。こいつの能力は一体……?)

ポロッ チャリーン

防水工「っと、先に付けた五百円が落ちたか……思ったより効果時間が長かったな。これなら万札を使うまでもなかったか」

ポロポロッ

防水工「だが手は抜かねえ。ホレ、万札追加」ビタァ

防水工(ともあれこれでこいつは無力化できた、今のうちに――>>↓1)


1.とっとと止めを刺してしまおう
2.巡査に連絡しておこう
3.周囲を警戒しよう
4.その他自由安価



防水工「今のうちに……」ピッピッ ピッ

プルルル...ガチャ
巡査『俺だ、どうした?』

防水工「新手の能力者と遭遇した。この前の、大学の能力者を殺った奴だ」

巡査『! 無事か!?』

防水工「相手の能力はよくわからんが、とりあえず拘束には成功した」ビタァ

ロングコートの男『……!』グググ

防水工「俺はとっととトドメを刺しちまうつもりでいたんだが、余裕ができたんで一応連絡をと思ってな」

巡査『一応聞いておくが……話し合いでの解決は』

防水工「試みたが蹴られた」

巡査『……わかった。だが、こうして電話をかけてこられるくらいには、完全に拘束に成功したんだろう?」

防水工「おう」ビタァ

巡査『だったら一度、俺にも話をさせてくれないか』

防水工「……まあ、俺は別に構わねえぜ。おらよ」ス

巡査『……はじめまして、というべきか、俺は彼と協力している能力者だ。既に彼から聞いたそうだが、改めて――いや、最後にもう一度だけ聞いておきたい』

巡査『その能力を封印して、真っ当に生活を送っていくつもりはないか?』

ロングコートの男『……ふ、フフフフフ……』

ロングコートの男『そんなだからお前らはダメなんだよ、バァーカ共が』ハッ

巡査『何を――』

防水工「話し合いはここまでだな。それじゃあ――」

ロングコートの男『ああ、終わりにしよう――!』


>>↓1コンマで防水工の察知判定
00~19なら成功

――トスッ

防水工「――?」ゴホ

ズルゥ...
ネイリスト「ごめんなさいねぇ~……」ヒソヒソ

防水工「てめ、えは――!!」ゴフッ

ポロッ...ガシャンッ

巡査『!? どうした防水工!? 何かあったのか!?』

ロングコートの男『フフ、アハハハハハハ! バカめ! バァカめ! 今更後悔したってもう遅い!!』

防水工(クソッ、せめて巡査にこのことを伝え――!!)

防水工「うらg――――もごッ!!」

ネイリスト「ごめんなさいねぇ、もう何もさせてあげられないわぁ」グイッ

防水工(なんだ、体が沈む!? どこに……!? 巡査、この女、お前に嘘の能力を、教え――――)


――ドプゥン


シーン......

ヒラッ...
ロングコートの男『っと、ああ、やっと効果が切れたか』

巡査『防水工!? 返事をしろ!! 防水――』

ロングコートの男『うるさい』グシャァッ

若手芸人「……ふぅーっ、ともあれこれで計画通り。ナイスタイミングでしたよ」

ズルゥ...
ネイリスト「フゥ~……刺殺するのって、あんまり気持ちがいいものじゃないわねぇ。できれば、これっきりにしたいものだわぁ~……」

若手芸人「これでもう万が一にも脅かされる心配はないっすから、ゆっくり隠居できますよ。そういえばあいつの死体は?」

ネイリスト「私の能力で隠しておくわぁ~……行方不明にしておいた方が、彼に対するプレッシャーになるんじゃなぁい?」

若手芸人「わかりました。んじゃ、とっとと引き上げましょう」

ネイリスト「ええ、そうしましょう」


トプン...

……



ネイリスト「フゥ~……さて、これでもう私達の戦いも終わり。と、いうことで、いいのよね?」

若手芸人「ええ、そうっすねえ。一応不意打ちなんかされないように、巡査とあの子供、会計士の人の動向に気を配ってさえいれば、これ以上はもう誰からも攻撃される心配はないでしょ」

ネイリスト「巡査君が望んだ形とはちょっと違うでしょうけど、これで戦いも終わりねぇ……」

若手芸人「……一応確認なんすけど、ネイリストさんは本当に優勝報酬いらないんすか? やろうと思えばこのまま優勝狙えますよ?」

ネイリスト「う~ん……元々、どちらでもよかったのよねぇ、私は……」

ネイリスト「最初に会った能力者が襲い掛かってくるようなら戦うつもりでいたし、そうでないなら戦わないでもよかった」

ネイリスト「そういう意味では、最初に会えたのがあなたでよかったのかもしれないわぁ~……途中経過も大分楽に進められたし、こうして最後も穏便に幕を引けそうだし」

若手芸人「……そうっすか。じゃあ、俺から特にいう事はないっすね」

若手芸人「んじゃ、俺達の終戦記念にかる~く祝杯でも上げますか。ちょっと待っててくださいな」

ネイリスト「はぁ~い」

ネイリスト(……それにしても広いお部屋……観葉植物に観賞魚まで……売れっ子だけあって儲かってるのねぇ~……)

ガチャ
若手芸人「お待たせしぁした~! 折角なんでもう奮発していいボトル開けちゃいますよ!」

ネイリスト「一応言っておくけれど、スキャンダルの当事者になるのはごめんよ~?」

若手芸人「やーっそんな! そんなこたしませんて! 軽く飲むだけでいいっすよ!」

ネイリスト「それじゃあ、頂こうかしら~」

トポポポ...

若手芸人「それじゃあ、まあ、えー、ではネイリストさんの今後の商売繁盛を祈って」ス

ネイリスト「若手芸人さんのドラマの成功を祈って」ス

「「かんぱ~い」」カツン

ネイリスト「ん……」クイ

若手芸人「……、……」スッ

ネイリスト「……フゥ~……香りもいいしいかにもいいお酒。高かったんじゃあないの?」

若手芸人「いやいや、別にそんなことは……」

ネイリスト「そうよねぇ、――私の命に比べれば安いって?」

若手芸人「――!!」

若手芸人「や、やだなぁ、何言ってんすか~もう~」アハハ

ネイリスト「あら、それじゃあ私の勘違いだったかしら~?」スタスタ...

ネイリスト「可愛いお魚さん達だけど、ちょっとごめんなさいねぇ~……」

トポポ...

若手芸人「!?」

プカ...

ネイリスト「あらあら。これを見た感じ、酔っぱらうにはちょっと刺激が強そうねぇ……」

若手芸人「……な、何を馬鹿なことをやってんすか。水槽にアルコールぶち込んじゃったらそりゃ魚にゃ刺激が強過ぎますって!」

若手芸人「も、もう嫌だなぁネイリストさん、冗談キツイっすよ~。俺が裏切るわけないじゃないっすか、命綱の指輪だって預けてるのに」

ネイリスト「ああ、あれのこと? あの指輪なら……貰ったその夜のうちに壊しちゃったけど」

若手芸人「――!!」

ネイリスト「それでもあなたは今こうして生きている。ね? わかってるから、もう正直に言ってくれていいのよ~?」

若手芸人「……ははは、参ったなぁ。お察しの通り、コネで作ってもらった偽物っすよあれは。――なんでバレたんです?」

ネイリスト「女の勘?」

若手芸人「あっははは、そりゃ敵いませんわ」

若手芸人「はは、あはは……参ったなぁこりゃあよぉ!」ガンッ

ブォンッ

ネイリスト「あら危ない。こんな重そうなデスク、お値段も高いでしょうに。私と組んだ事、『後悔』したかしら?」ヒョイ

若手芸人「ああ、ああ、ああそうだよちくしょう! クソが、組んでみたらとんだ悪女だったぜ! もし俺が本物の指輪渡してたらどうする気だ!?」バッ

ネイリスト「反省して、次の人からはちゃんと仲良くしたかしらねぇ~……」トプン

若手芸人「ッのクソ女がァァァッ!」

若手芸人「だがなぁ、俺にはもうネタが割れてんのを忘れたかァ!?」ピッ ピッピッ


カッ!


ネイリスト(……!)

若手芸人「アンタの能力、《這晩狼藉》は『影の中に潜る能力』!! 所持品や他人も一緒に影の中に潜らせることができるから、それを利用してあの巡査には上手いこと嘘の能力を教えたみたいだけどなぁ……」

若手芸人「協力者である俺はその正体を知ってる! ある一定以上濃い影でないと潜れないって制限のことも! それを知ってる以上、対策だってバッチリなんだよぉ!」

若手芸人「さあ、そこに繋がる影はもうねえ! アンタはそのソファの影の中から移動できねえ! 選べよ、そのまま影ごと潰されて死ぬか、大人しく出てくるかをよぉぉぉ!!」

ネイリスト「フゥ~……あなたが本性を現すなら、自分一人でも残りの能力者を全滅させられるようになった今だろう、とまでは読めていたんだけど……」

ネイリスト「参ったわねぇ、これは降参だわぁ~……」フゥー

ネイリスト「……ちなみに、病気とやらの件もやっぱり嘘なのかしら~?」

若手芸人「ああ? そりゃ嘘だよ。協力者を取り込むのにはああいう話がいいかと思っただけさ」

若手芸人「だぁれが死ぬか!! 俺は……俺は絶対に勝ち残る! 絶対に勝ち残って、億万長者になって人生謳歌してやるんだからよぉぉぉッッ!!」

ネイリスト「フゥ~……仕方ないわねぇ。ちなみに、ここで降伏して指輪をあなたに渡したら、もうちょっと生かしておいてもらえたりするのかしら?」

若手芸人「はあ?」

ネイリスト「私もねぇ~……あとちょっとだけやりたい事が残ってるから。もう少しだけは生きていたいのよねぇ~……」

ネイリスト「他ならぬあなたに対してだから信じてもらえないかもしれないけど、勝ち残りのお手伝いをするから、命だけはあと少しだけ見逃してくれないかしら?」

若手芸人(……ふぅん、どうするかなァ……>>↓1)


1.無視してこのまま殺す
2.話に乗る
3.乗ったふりだけして指輪を壊す
4.コンマ(00~19:1、20~59:2、60~99:3)

若手芸人「……いいでしょう、他ならぬ俺が仕掛けた手だ、裏切られたりはしねえ」

若手芸人「大人しく降伏する気があるって言うなら、指輪だけこっちに寄越してもらいましょうか」

若手芸人(……なぁんてな。んな危険な賭けに誰が乗るか。指輪壊して手っ取り早くケリを付けてやるぜ)

ネイリスト「……それじゃあ、潜ったままで失礼するけど、指輪をそっちへやるわね?」

若手芸人「ああちょっと待って。懐中電灯で……」カッ

若手芸人「さすがに指輪の影には潜れないだろうけど念のために、ね。じゃあどうぞ」

ネイリスト「そんなに疑わなくてもいいでしょうに……それじゃあ、指輪をそっちへやるわよ」

トプ
コロコロコロ...コロン

若手芸人(……この特徴的なデザイン、能力者の指輪に間違いはねえな。俺みたいなツテがなければ、ここまで精巧な偽物を作るのは無理だろう)

若手芸人(ああ、まあどうせ壊すんだ。壊して死ななかったら偽物、壊して死んだらそれでよし、ハハ、あの女がやったのとまるっきり同じ事をするだけの話だ!)

若手芸人(ともあれこれで終わり――)ス



――ビタァ

若手芸人「――ッ!!? なッ……なんでだ、この能力はッ……!!」グググ

「――なぜ使う相手によって効果時間が違うのかを考えてた時、この能力を貰った時に神に言われたことを思い出してな……」

「『他人の価値観を考えろ』、だったか……そういえばこの能力、使おうと思えば”金以外にも能力が発動する感触があった”……」

ドプン ズルゥ...
防水工「これで、実証されたな。俺の能力は『金額の多寡に応じて相手の動きを封じる能力』じゃあなく、」

防水工「『相手がその物に対して感じる価値の大小に応じて、そいつの動きを止める能力』……! 『他の能力者の指輪』ってぇのは、てめぇにとっては結構な価値があったらしいなァ……!」ゼェゼェ

若手芸人「~~~~ッ!! 殺したフリをして……あの時からずっと!! 影の中にかくまっていたのかてめぇぇ!!」

ズルゥ...
ネイリスト「フゥ~……強い光で影を消して、私の能力を制限するという発想は正解だけれど……」

ネイリスト「私の『服の下』には常に一定以上の影ができる、という事も忘れちゃあいけなかったわねぇ……」

若手芸人「ッ、クッソがァァァァァァァァ!!!」ギギギギギギッ

防水工「無駄だ。どれだけ怪力を発揮しようが……俺の能力は破れねぇ。てめぇの動きを縛ってるのは他ならぬてめぇ自身の『価値観』ってやつなんだからな」

ネイリスト「フゥ~……それじゃあ、終わりにしましょうかぁ」

若手芸人「待っ待て! 待ってくださいよぉちょっとなぁ! こんな、こんなのいいのか!? お、俺を殺すのか!? 話題沸騰中の人気若手芸人だぞ!? ファンだって大勢――!!」

ネイリスト「そうねぇ~、防水工さんを刺したナイフはまだ持ってるけど……人を刺し殺す感触って……ああいえ、実は刺しただけで殺してまではなかったんだけど……あんまり気持ちのいいものじゃなかったから……」

ネイリスト「ああ、じゃあ、こうしましょうかぁ」ス トポポポ...

若手芸人「な、何を…………まさか」

ネイリスト「はい、口を開けて?」

若手芸人「ざっ、ざけんな! 誰がそんなワインッ……!」

ネイリスト「仕方ないわねぇ……それじゃあ、せめてもの手向け、冥土の土産というやつで……」グビ

ネイリスト「んっ……」ズギュゥ―z_ン

若手芸人「――ッ!!? …………ッッ!!」

...ゴクン

ネイリスト「……ぷは。飲んだ、わね? フゥ~……私は口をすすいでおかないと……」

若手芸人「っぐ、あ、、く、嘘だ、こんな――!」

若手芸人「俺はッ、俺は幸せにならなきゃいけなかッ、あ、がぼっ、お、ふくろ、の、た……めブホッ、ゴホッ、がはッ……!」ボタボタボタッ

若手芸人「ッか、あああ、が……!!」ドサ ビクンビクン

防水工「……死んだのか」ゼェゼェ

ネイリスト「多分ねぇ~……自分で用意した毒で死ぬんだから、まあ、自業自得の範疇というやつじゃないかしら……」フゥー

防水工「しかし、助かったぜ……刺されたのはべらぼうに痛ぇが、どうにか無事に済んだ……」ゼェゼェ

ネイリスト「いえいえ。お礼なんていいわぁ。最後はこちらが助けてもらったんだし。にしても、何もあなた自身の指輪を使わなくても、私の指輪を貸したのに」

防水工「バカ言え。逆転の策は思いついたが、投げよこした指輪をあいつが即踏み潰しでもしたら、効果が発動する前に指輪が壊れて死ぬ可能性だってあった……」

防水工「そんな、賭けを……あんたの命でやるわけには、いかねえよ……」ゼェゼェ

ネイリスト「……優しいのねぇ~……」

防水工「男として、当たり前のことだ……それより、この傷だ……はぁはぁ、ぐっ……致命傷一歩手前、って感じだな……できれば、まともな治療が受けられるところまで、連れてってくれるとありがてえんだが……」ゼェゼェ

ネイリスト「……ああ、それねぇ。その必要はないわぁ」

防水工「……は? 何を……」ゼェゼェ

ネイリスト「さっき、助けたお礼なんていい、って言ったでしょう? ……そういう事よ~」

ツンツン
ネイリスト「うん、若手芸人君の動きを縛ったことで……あなたの能力の効果も、もう切れてるみたいねぇ~」

防水工「……おま、え……何故……! いったい、何がしたい……!?」

ネイリスト「うん? そうねぇ……私は別に『どっちでもよかった』のよ」

ネイリスト「ああでも、別にわざわざあなたに説明してあげる意味もあまりなかったわねぇ。ごめんなさい、さようなら」

防水工「てめぇ――!」


ゴキャッ
ビキッ  ビキビキビキキキ――!

ネイリスト(――そう、私は別に、『どちらでもよかった』。いっそ『どうでもよかった』と言ってしまってもいいかしらねぇ~……)

ネイリスト(いきなりこんな能力を与えられて、戦えだなんて言われてもねぇ……そりゃあ死ぬのは嫌だけど、人間誰だっていつかは死ぬものだし。それが早いか遅いか、どういう風に死ぬかの違いだけ……)

ネイリスト(かといって、勝ち残ったらもらえる巨万の富、なんてものにも、そんなに興味は持てなかったしねぇ~……)

ネイリスト(だから、出会った相手のスタンスをそのまま私からも返そうと決めたの)

ネイリスト(相手を殺して勝ち残ろうという能力者が来るなら、その殺し合いに応じる。戦いを望まない能力者が来たなら、休戦にも応じるし、求められれば一緒に逃亡生活をしてもよかった……)

ネイリスト(だから、若手芸人君に同盟を持ちかけられた時はそれに乗ったし、巡査君からの申し出も受けた、若手芸人君が私を殺そうとしたから私も彼を殺した……)

ネイリスト(結局のところ、私は心底この戦いに興味が持てなかったのねぇ……)

ネイリスト(けれど、そうねぇ……結局私は『どちらでもよく』て、そんな私に『一番最初に会いに来た』のが『手段を選ばず優勝を目指す能力者』だったのだから……)



ネイリスト「私もそのスタンスに倣って、優勝を目指してみるっていうのが、『どちらでもいい』と決めた私なりのスジってものかしらねぇ~……」



ネイリスト「フゥ~……忙しくなりそうだわぁ……ああでもそれはそれとして、本当に誠意100%で私に会いに来た彼に対しては、もうひとつだけスジは通しておかないとねぇ……」

プルルル...
ネイリスト「――ああ、もしもし、巡査君?」

×若手芸人・死因:服毒死(脱落)

能力:《悔力乱心》
 特性:自他を問わず、後悔・慚愧の心を増幅する精神干渉能力。また、その悔恨の念の大きさに応じて膂力が増大する副次効果がある。
    後悔を抱きながら戦えばそれだけ強力な力を発揮できるが、同時に強い悔恨による精神の乱れで冷静さを失ってしまう。



×防水工・脱落

能力:《金枷玉縄》
 特性:他者の「価値観」に作用する拘束能力。対象物に念を込めると、相手がその物に認めている価値の大小に応じた時間、それに触れた相手の動きを封じることができる。
    普遍的に価値が認められている金銭を利用するのが最も簡易だが、「相手が価値を認めているもの」であれば、現金以外の物品でも大きな効果を発揮する。


残り 4/10 人

というわけでバトロワも決着に向けて一気に動き出したところで次回に続きます! ありがとうございました!

生還。30分より再開します

プルルル...プルルル...
巡査「防水工……クソッ、ダメだ繋がらない……!」

巡査(相手の拘束には成功したと言っていたのに……まさかそこから逆転されたっていうのか。相手の能力か? それとも何か別の要因で? いや――)

巡査「……あの時、悠長に相手との会話を望んだ、俺のせい、か……?」

巡査「…………いや、いまさらそんなことを言っても仕方がない。今は、何かできることを――」

プルルル...

巡査「!」ピッ

巡査「もしもし!?」

ネイリスト『――ああ、もしもし、巡査君?』

巡査「ネイリストさん! そちらは無事ですか!? ついさっき、防水工から他の能力者と戦っていると連絡が合ったんですが、急に通話が切れて、それ以来ずっとつながらなくて……」

ネイリスト『ああ、そのことなら知っているわぁ』

巡査「! 本当ですか!?」

ネイリスト『ええ。……防水工君なら、私が殺したところよぉ~』

巡査「……? なん……??」

巡査「どういう……どういうことですか!?」

ネイリスト『ごめんなさいねぇ、私、実は結構隠してること多かったのよ……ああ、ちなみに防水工君があなたに電話で話した、お金の能力で捕まえた能力者っていうのを助けたのも私』

巡査「……!」

巡査(俺は防水工が「他の能力者と戦っている」としか話してないのに、彼が能力で相手を捕まえて俺に連絡してきたことを知っている……つまり……!)

ネイリスト『もっといえば、防水工君を襲って逆に捕まってたその能力者っていうのも、もう死んでるんだけどねぇ~……』

巡査「……!?」

ネイリスト『裏切ったお詫びといってはなんだけど、私なりのスジの通し方として、教えておいてあげるわねぇ。これでもう、生き残っている能力者は、私や巡査君達を含めて残り十人中四人になったわぁ』

ネイリスト『つまり私から見ると、残っている敵はあなたと男子小学生君ともう一人だけ。これから、全員殺して優勝するつもりだから、あっさり私に暗殺されないように、気をつけて頂戴ね~』

巡査「まっ……待ってくれ! いったい……一体どういう事だ!? あなたは一体……何がしたくてこんな!?」

ネイリスト『そうねぇ~……それじゃあ、こうしましょうか~』

ネイリスト『本気で優勝を目指すなら、このまま何も言わずに不意打ちして、何もわかっていないうちに皆殺しにしてしまえばよかったんでしょうけど~』

ネイリスト『本気で能力者の戦いを平和的に終わらせようと考えていて、裏表なく私に接してくれたあなたに対して、私も私なりにスジってものを通しておかないと、と思ったから電話したのよ~』

ネイリスト『だから……そうねぇ、あなた達への最後の義理として、これからあなたのする質問に対して、今だけはどんなことでも正直に嘘偽りなく返答すると約束するわ』

巡査「あなたは……! わからない、一体何を考えてるんだ……!?」

ネイリスト『それが知りたいなら、そう質問してくれればいいのよ~?』

ネイリスト『さあ……私に何を聞きたい?』


>>↓1
1.優勝を目指す理由
2.本当の能力の特性
3.四人目の能力者について
4.その他自由安価

巡査「……あなたは、何故今になって優勝を目指すなんて言い出したんだ?」

ネイリスト『それが質問? そうねぇ~……これは説明してもわかってもらえるかどうかわからないんだけど……私はねぇ、この戦い、そもそも最初からどうなってもよかったのよぉ~……』

ネイリスト『だから、私と相対した能力者の在り方をそのまんま私も真似て返そう、と思ったの』

ネイリスト『戦う気なら私も戦いに応じるし、戦う気がないなら戦わない。あなたに休戦協定を持ちかけられた時に普通に受けたのも、ほとんどそういう理由からよ~』

巡査「じゃあ、なんで防水工を殺して、優勝を目指すことにしたんだ!?」

ネイリスト『言ってしまえば、私が最初に出会った能力者が、そういう人だったからよ~』

ネイリスト『最初は彼も、協力関係を結ぼう、って言って来たから、私もそれに応じたんだけどねぇ~……実は彼、そう言って私を騙して、本当は優勝のために他の能力者を皆殺しにしようとしていたのよねぇ』

ネイリスト『だから、本性をあらわにして私を殺そうとした彼を返り討ちにして、で、私も彼を騙していたようなものだし、私なりのスジの通し方として、彼のスタンスを引き継ぐことにしたのよ~』

ネイリスト『今こうして話しているのは、あなたへの義理のためだけど、ここから先は彼の流儀に則って、手段は選ばず暗殺でも何でもして殺しにかかるつもりだから気をつけて頂戴ねぇ』

巡査「……わからないよ、どうしてあんたはそんなわけのわからない考え方で人を……!」

ネイリスト『……まあ、こればっかりは仕方ないわねぇ~……』

ネイリスト『今更言っても仕方ないことではあるけれど、もし最初に出会ったのが彼ではなくあなたの方だったら……そうねぇ、きっと私も、あなたの掲げる理想に添い遂げて、最後までその理想を叶えるために尽力していたと思うわぁ……』








ネイリスト『さあ、他に何か質問はあるかしらぁ?』

巡査「……、」

ネイリスト『ああ、ちなみに、質問はあとひとつだけ、ね』

巡査「あと、ひとつだけ……?」

ネイリスト『ええ。これはあなたとあなたの仲間に対する義理だもの~。だから、わざわざ裏切ったことを告白したのはあなたへの分、さっきの質問への返答は防水工君の分』

ネイリスト『そしてあの男子小学生君の分として、正直に答えてあげられる質問はあとひとつ、よ』 

巡査(最後の質問……何を、聞けば……>>↓1)

1.ネイリストの本当の能力
2.生き残っている最後の能力者について
3.その他自由安価



巡査「……俺があなたに協定を持ちかけた時、休戦の意志を示すと言って能力の特性を明かしてくれたが……今思えばあれも嘘だったのか」

ネイリスト『それが最後の質問でいいのね~? じゃあ答えるけれど、ええ、あれは嘘よ。厳密には、能力の応用という感じかしらぁ』

ネイリスト『私の能力、《這晩狼藉》の本当の特性は、『ある一定以上の濃さを持つ影の中へ潜り込む』というものよ~。影の中を伝っていけば、地形を無視して素早く回り込んだり、高いビルの屋上まで一気に登ったりすることができるわぁ』

ネイリスト『私と一緒なら、持ち物や他の人も一緒に影の中へ潜り込ませることができるの~。あなたに能力を見せた時は、あらかじめ影の中に沈めておいた道具を取り出して、「影から道具を作る能力」みたいに見せていた、ってわけねぇ』

ネイリスト『ただ、弱点がないわけじゃないのよぉ~? ある程度は濃い影でないと入れないから、うすぼんやりと明るい所じゃ何もできないし、それに、実は影の中に居ても私の実体はそのまんま残っているの。だから、もしも影踏み鬼をしてる子供が居たりしたら、うっかり踏まれて怪我をしちゃうかもしれないわねぇ~』

巡査「ま、待て、俺から言うのもなんだが、弱点までペラペラしゃべってしまっていいのか?」

ネイリスト『どんなことでも正直に答えるって言ったでしょう~? ああでも、弱点まで詳しく喋っちゃうと、さすがに嘘かと思うわよねぇ~……』

ネイリスト『でも、本当に本当のことを言ってるのよ~? それに、今教えたことは全部、防水工君が私に殺されるまでに知り得た情報だったから。それをあなたに伝えることは、むしろ私にとっては一番抵抗のない回答かもしれないわぁ~……』

ネイリスト『さて、それじゃあお話もここまでねぇ。次に会う時は敵同士だから、そういう事で。覚悟を決めておいてねぇ。それじゃあねぇ~』プツッ ツー、ツー、ツー...

巡査「…………」

巡査「防水工……」

巡査「いや、ここで止まっているわけにはいかない……動け、動かないとまた犠牲が出る……!!」

巡査(これが、彼女と防水工が結託してしかけてきたイタズラだったらどれだけいいか……)

巡査(けれど、彼女が本当に俺達を殺しに来るというのなら……むざむざと好きにやらせるわけにはいかない!)

巡査「取り急ぎ、どうするべきか……>>↓1」


>>↓1 以下の1~2からひとつ、3~6からひとつを合わせて選択(自由安価も可)
1.男子小学生を保護して(合流して)、
2.自分一人で、

3.ネイリストを迎え撃つ
4.こちらから攻勢に出る
5.まだ知らない最後の能力者を探す
6.ネイリストとの和解を模索する

7.その他自由安価

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