神「安価とコンマと四字熟語で異能バトロワをやる」 (160)

神「う○きとかガッ○ュとか読んでて、神様になったらいっぺんこういうのをやってみたかったんじゃ」ワクワク

神「しかし実際やるとなると、自分で詳細を詰めるのが下手なんじゃよなぁワシは……」

神「というわけでここは、下界の智慧者からあいであを募ろう」

神「えー……『ワイ神、異能バトロワやりたいのでちょっと知恵を貸してくれ』っと」カタカタカタ...ッターン

神「よーしよし、何人か食いついたようじゃ。ではまずは……そうじゃな、>>↓1、バトロワの参加者は何人くらいがいいじゃろうか?」

※コンマ宣言可


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神「六人か。ふむ、まあワシも初めての試みじゃしそのくらいが妥当じゃろう」

神「さて、せっかくのバトロワなのじゃから能力者にはガンガン戦ってもらいたいところじゃが……」

神「最後まで勝ち残った時の報酬は、何にすると一番ノリがいいじゃろうか?>>↓1」

神「よし、優勝者には不死の恩恵を授けるとしよう」

神「しかしこれだけではあんまり必死こいて戦ってくれんかもしれんな……」

神「負けた時のペナルティも何か設定しておくべきじゃろうか?>>↓1」

神「負けたら全裸か……なるほどこれは必死にならざるを得んのう」

神「直接命にかかわるほど重くはないが、さりとて絶対に味わいたくないはずかしめであるという絶妙な塩梅がぐっどじゃ」

神「……あ、そうじゃ、敗北条件もちゃんと決めておかねばな」

神「気絶したら脱落とか、本を燃やされたら脱落とか、色々あったが。単純に負けを認めたら脱落とかにしてもええんじゃが……」

神「さて何がええかのう>>↓1」


神「戦闘不能になれば脱落、ただし殺すのは禁止、と」

神「よしよし、いい感じになったぞい」

神「まとめるとこうじゃな」

・優勝者は不死の恩恵を得られる
・敗北すると服が着られなくなる呪いを受ける
・敗北条件は戦闘不能、ただし相手を殺害した場合はペナルティとして自身も脱落

神「よーし、ルールは決まったのう」

神「では次は参加者に与える能力を決めるぞい」

神「ここが一番楽しみじゃなあ」ワクワク

神「さて、参加者は六人じゃし最初に全部決めてしまってよかろう」

神「与える能力の決め方、これは最初っからこうすると決めておった方法がある」

神「……では下界の智慧者達よ、各々、好きな四字熟語を書いていっておくれ」

神「一人ふたつまでは書いてよいが、造語は駄目じゃ」

神「寄せられた四字熟語から、漢字を1~2文字ほど改変してそれを能力名とするぞい」

神「さて、どんな能力ができるかのう」ワクワク

>>↓1~6 四字熟語が六個集まるまで
一人ふたつまでは可、造語不可(例:「炎髪灼眼」は不可)
一般的に使われる熟語、ググって意味が調べられる範囲でお願いします

1.竜吟虎嘯
 同じ考えや心をもった者は、相手の言動に気持ちが通じ合い、互いに相応じ合うということ。また、人の歌声や笛・琴の音などが、あたかも竜やとらのさけび声が天空にとどろき渡るように響くこと。

2.支離滅裂
 統一なくちりぢりばらばらな状態。まとまりがなくめちゃめちゃ。

3.精神一到
 精神を集中して物事に取り組めば、どんな難しいことでもできないことはない。

4.絶体絶命
 どうしても逃れられない困難な場合・立場にあること。追い詰められた状態。

5.一切皆苦
 仏教における四法印の一つ(以下略)

6.羊頭狗肉
 実質や内容が見かけと一致しないこと。見掛け倒しのこと。 


神「ふむ、集まったのう。ではこれを改変して……」ゴソゴソ

神「これをこうして……」ゴソゴソ


1.竜吟虎嘯 → 《令吟呼嘯》
 効果:???

2.支離滅裂 → 《支理滅裂》
 効果:???

3.精神一到 → 《精震一刀》
 効果:???

4.絶体絶命 → 《絶対絶命》
 効果:???

5.一切皆苦 → 《一切皆駒》
 効果:???

6.羊頭狗肉 → 《熔頭駆肉》
 効果:???


神「こうじゃ!」バーン

神「よしよし、少し迷ったがこれで行こう」

神「ではさっそく、適当に……ゴホンゴホン、もとい、神に選ばれし有資格者たちにこれらの異能を与えに行くとしよう」

男「誰だあんた」

神「よう、ワシ神。これからお前に特殊な能力を授けるので他の能力者とバトロワってもらうぞい」

男「あっわかった夢だなコレ。モノホンの神がここまで馬鹿なわけないし」

神「何とでも言えい。貴様はもはや戦いの運命からは逃れられんのじゃ」フォッフォッフォッ

男「台詞が完全に悪役のそれなんだが」

神「ええい、ともかく、かくかくしかじかというルールの異能バトロワじゃ、せいぜい頑張るがよい」

男「ええー」

神「さて、そうじゃな、貴様に与える能力は……これじゃ!>>↓1」

1.《令吟呼嘯》
2.《支理滅裂》
3.《精震一刀》
4.《絶対絶命》
5.《一切皆駒》
6.《熔頭駆肉》

神「貴様に与える能力は……《一切皆駒》!」ババァン

男「どんな能力なんだそれ」

神「それは自分で試せぃ。能力の使い方の試行錯誤も異能バトルモノの醍醐味じゃ」

男「この神ちょっとサブカルにかぶれすぎてね?」

神「ではさらばじゃ、健闘を祈っておるぞ……」スゥー...

男「あっ待て言うだけ言って勝手に帰――――



男「」ハッ

男「あれ? マジで夢? いや、でも……何か妙な力を感じるような気が……」



神「ふぅ。まずは一人目じゃな。さて……これからどうしようかのう」

神「続けて他の能力者を作りに行ってもよいし、このままあの男の様子を見ぶt……もとい戦いの行方を見守ってやっても良いし」

>>↓1
1.男を見守る(男視点でバトロワを見る)
2.別の能力者のところへ行く(別キャラ視点でバトロワを見る)

神「よし、このまま別のやつに能力を与えに行くとしよう」

神「さてさて次は……よし、あやつがよかろう」スゥー...

神「よう、ワシが神じゃ」

>>↓1「……えっ?」

二人目の呼び名

女優「……誰よあなた、一体どうやってここに入ってきたの?」

神「だってワシ神じゃし。さてワシがわざわざここに来た理由というのは……」

女優「警備員さーん!」

神「早! 対応早すぎるぞい! ちょっとは人の、いやさ神の話を聞かんか!」

女優「何が神よこの不審者! 一体何が目的!?」

神「ええいらちが明かん、ここは秘技・都合のいいビーム!」カッ

女優「きゃっ! ……えっ? 能力者バトルロワイヤル……? 負けたら服が着られなくなる……!? 何これどういうこと!?」

神「というわけで事情は伝わったはずじゃから、貴様にも能力を与えよう」

神「貴様に与える能力は……これじゃ!>>↓1」

1.《令吟呼嘯》
2.《支理滅裂》
3.《精震一刀》
4.《絶対絶命》
5.《熔頭駆肉》

神「貴様に与える能力は……《熔頭駆肉》じゃ!」ドドォン

女優「何よそれ……」

神「どんな能力かは自分で試すがよい」

神「ではさらばじゃ。ワシは空から貴様の戦いを見守っておるぞい……あと着替えとかお風呂とかの日常シーンも見守っておるぞい……」スゥー...

女優「あっちょっと、なんか不穏なこと言い残して勝手に消え――――


女優「」ハッ

女優「やだ……何よ今の……疲れて白昼夢を見たにしてはたちが悪すぎるわ……」


神「よし、これで二人目」

神「さて、次はどうしようかのう」

>>↓1
1.女優を見守る(女優視点でバトロワを追う)
2.別の能力者のところへ行く(別キャラ視点でバトロワを追う)

神「この調子でサクサク行くとしよう」

神「次は次は……よし、あやつにするか」


>>↓1「~♪」

三人目の名前

操縦士「~♪」

神「よう、ワシ神。さっそくじゃが貴様に能力を授けるぞい」

操縦士「うわっ!? えっ、窓の外に人が!? 今フライト中なのに!? どうなって――」

神「面倒くさいから都合のいいビーム」カッ

操縦士「うわっまぶし」

神「というわけで、貴様に与える能力はこれじゃ!>>↓1」

1.《令吟呼嘯》
2.《支理滅裂》
3.《精震一刀》
4.《絶対絶命》

操縦士「《精震一刀》……? それってどういう」

神「例によって詳細は教えんので自分で色々と試すがよい。ではさらばじゃ」スゥー...

操縦士「あっ落ち――――


操縦士「」ハッ

副操縦士「どうしたんですか、フライト中に」

操縦士「え? あ、いや、すまない、何でもない……」


神「順調じゃな」

神「さて次は……」


>>↓1
1.操縦士を見守る(操縦士視点でバトロワを追う)
2.別の能力者のところへ行く(別キャラ視点でバトロワを追う)

神「そろそろ飛び回るのも疲れてきたし、残りみっつの能力を与えて回るのは補佐に任せるとしよう」

神補佐「かしこまりました。では行ってまいります」ピュー

神「うむ。ではワシはしばらくあの操縦士の様子を観察してみるとするかのう……」



操縦士「うーむ……」

操縦士「どうも先日のフライト中に見たあれは夢じゃなく本当にあったことらしい」

操縦士「というのも……ふんっ……!」シュピィン

操縦士「こうして強い意思で念じると、手から光の剣が伸びるようになった」

操縦士「昔漫画でこういう能力あったよなぁ。リーゼントのキャラだっけ?」

操縦士「しかし、能力者のバトルロワイヤル? あれが本当だとして僕は一体どうしたものか……>>↓1」

1.優勝を目指そう
2.巻き込まれないよう逃げよう
3.とりあえず自分の能力について知ろう
4.その他自由安価

操縦士「巻き込まれたくないし、適当に逃げよう」

操縦士「こんなよくわからない力で人を斬り殺すのも嫌だしね」

操縦士「幸い、仕事で基本空の上を飛び回ってるんだし、フライト中はコクピット内にいるからたとえ客の中に能力者が居ても僕には手出しできない」

操縦士「あとは地上にいる間さえ気をつけておけば、逃げる事はできなくもないはずだ……」

操縦士「よし、がんばろう」

神(だが、そんな平穏も長くは続かなかったのです)

操縦士「……今何か不穏なモノローグが聞こえたような……?」


>>↓1コンマ
00~29:男と遭遇
30~59:女優と遭遇
60~89:まだ見ぬ能力者と遭遇
90~99:しかし何も起こらなかった!

操縦士「……他人が能力者なんじゃないかって気を張りすぎて、最近ちょっと落ち着かない」

操縦士「仕事中はともかく、日常生活だとどうしても見ず知らずの他人と接する機会が多くなるしなぁ……」

操縦士「とはいえ、通販だけで生活するわけにもいかないし。これだけ人の多いショッピングモールなら、他の能力者が居ても僕自身も人混みに紛れられるから、何とかなるかなー……」

ガヤガヤ ワイワイ

操縦士「さ、早く買い物を済ませて帰ろう……ん?」

ゴトッ...

操縦士「ホールに置かれてるこのよくわからない謎のモニュメント……今、動かなかっ」

ゴトゴトゴトッ!!

操縦士「うわぁっ!」

「えっ、何?」「なんだ?」「あの変な像が動いてる!」「地震か!?」

操縦士(いや違う、地面は揺れてない、この像だけが不自然に動いてるんだ!)

操縦士(まさかこれって……他の能力者の仕業!? やっぱり人気の多い所に来たのは失敗だった!?)

操縦士(ど、どうする……!?>>↓1)

「なになに?」「どうなってんのこれー!?」「さあ、何かのイベント?」ザワザワ

操縦士(よくわからないけど、他の能力者がいるんだとしたらここに居るのはまずい……!)

操縦士(人ごみに紛れて、急いでこの場から離れよう……!)ダッ


男「!」


操縦士「……はぁ、はぁ、ホールからは距離を取ったし大丈夫かな……?」

操縦士「うわぁ、なんか警備の人まで駆けつけてちょっとした騒ぎになってるな」

操縦士「人も大勢集まってるし……ん?」

操縦士「……あれ? なんか僕、ちょっとまずいことしちゃったような気がしてきた、ぞ……?」

コトッ

操縦士「」バッ

熊のぬいぐるみ「」

操縦士「……? そこのおもちゃ屋さんのかな? でもこのぬいぐるみ、何でトランシーバーなんか持って――」

ガガッ『お前、能力者だな?』

操縦士「!!」

『これは警告だ。この手錠で、そこの柱に自分を拘束しろ。そうしたら、おおむね穏便に済ませてやる』ガガッ

ぬいぐるみ「」ポイッ ジャラー

『拒否するなら、多少痛い目を見ることは覚悟してもらう。十秒待って指示に従わない場合は容赦なく攻撃を開始する』ガッ プツッ

操縦士(しまった! 変に逃げたせいで逆にバレた!)

ぬいぐるみ「」ジー

操縦士(ど、どうする? どうする!?>>↓1)

1.覚悟を決めて戦う
2.全力で逃げる
3.大人しく指示に従う
4.その他自由安価

操縦士(このぬいぐるみ……おそらく、いや間違いなく相手の能力者が動かしてる。さっきのモニュメントの不自然な動きも多分そうだ)

操縦士(だとするとこれは、物体を操る能力……? 僕みたいにオーラ剣出すとかそういう類の能力ばかりじゃないのか……!)

操縦士(ここは何とか上手く立ち回って、脱出の機会を……)ジリ...

ガガッ『……素直に降伏する気はないみたいだな。じゃあ悪いが容赦はしない』ブツッ

ぬいぐるみ「」ゴゴゴゴ...

操縦士「は、ははっ、容赦しないって、そんなぬいぐるみに何ができるって――」

ゴトッ

操縦士「……ゴトッ?」

マネキン「」グァッ

操縦士「うわああああ!?」

ガァンッ!

操縦士「なっ、殴り掛かってきた! マネキンがバット持って殴り掛かってきやがったぁ!!」

マネキンs「」ワラワラ

操縦士「しかも数が多い! ちょっと待って無理無理無理!」

操縦士(ここは……!>>↓1)


1.思い切って反撃
2.覚悟を決めて能力で迎撃
3.いったん逃げる
4.今からでも遅くないので降伏する
5.その他自由安価

操縦士「まっ待った! やっぱり降伏する! 降伏するから見逃してくれ!」

マネキンs「」ピタッ

操縦士「勢い余って殺されちゃたまらないからね……どうせ脱落するならできるだけ穏便に脱落した方がいい」

ガガッ『……だったら、下手な動きができないよう、その手錠で自分を拘束してもらおうか』

ぬいぐるみ「」ポイッ

ジャララー

操縦士「わ、わかったよ、やればいいんだろ……くそっ、おもちゃの手錠の割りにそこそこまともなつくりをしてるなぁ……」ガチャッ

操縦士「ほら、これでいいだろ。僕は降参するからこれ以上の手出しはもう――」

『……これで戦闘不能扱いになった、のか?』ガガッ

操縦士「えっ?」

『おい、能力が使えるか試してみろ』

操縦士「はあ、そう言うなら……はぁっ……!」キュィィ...

操縦士「まだ使えるね」

『その光の剣がお前の能力か……近づかなくて正解だったな』

『というか、それじゃあやっぱりまだ脱落判定になってないじゃないか。はぁ……仕方ない。適当にボコってしっかり「戦闘不能」になってもらうか』

マネキンs「」ザッ

操縦士「えっ、ちょっ、降伏したら穏便に済ませるって……」

『ああ。すまんな、ありゃ嘘だった』

操縦士「そんなっ、ちょっ待っ、ぎゃあああああああああ」

マネキンs「」ドコスカバキボコガスベキ



操縦士「」チーン



男「……そこまではやってないのに、あいつが気絶した途端服が爆散して全裸になった……どうやらあれで本当に脱落したみたいだな」

男「やれやれ……この先ずっとあれがデフォの状態になるんだとしたら、なるべく負けたくはないな……」ザッ



操縦士・能力《精震一刀》:脱落
残り 5/6人

……


神「……なんじゃあの操縦士とかいうやつ、呆気なくやられてしまいおって」

神「うーむ仕方ない。他の奴のところを見に行くとするかのう」

神「では、誰の様子を見に行くか……>>↓1」

1.男
2.女優
3.《令吟呼嘯》の能力者
4.《支理滅裂》の能力者
5.《絶対絶命》の能力者
6.神補佐にオススメを聞く

神「ここは女優ちゃんの様子でも見に行くとするかのう」

神「おお神補佐よ、監視を任せておった女優はどうしておる?」

神補佐「あっ、神様! 女優さんの様子ですが……>>↓1」

1.戦いには積極的
2.戦いには消極的
3.能力を試している
4.その他自由安価

神補佐「戦いには積極的なようです」

神「ほほう! それはよい」

神補佐「やはり女優として、『負けたら全裸』というペナルティがきいてるようですね」

神「よし、ではさっそく様子を見に……」

神補佐「それなのですが神様」

神「なんじゃ、女優ちゃんに何かあったのか」

神補佐「>>↓1コンマ」

00~09:特に何事もなかった
10~29:男と交戦
30~49:《令吟呼嘯》の能力者と交戦
50~69:《支理滅裂》の能力者と交戦
70~89:《絶対絶命》の能力者と交戦
90~99:既に脱落した

神補佐「戦いには積極的なのですが、本当に何事もなく平穏に過ごしています」

神「なんじゃと」

神「ううむ、一般人とはあまり接する機会がないためか……?」

神「まあよい、見ていればそのうち何事か起こるじゃろう」

……


女優「……平和だわ。いえ、仕事は仕事で忙しいんだけど」

女優「《熔頭駆肉》って言ったっけ? 折角この能力の使い方もわかってきたっていうのに」

女優「さて、次の仕事に行かないと……」

>>↓1コンマ
00~10:特に何事もなかった
11~31:男と遭遇
32~52:《令吟呼嘯》の能力者と遭遇
53~73:《支理滅裂》の能力者と遭遇
74~94:《絶対絶命》の能力者と遭遇
95~99:事故で脱落


女優(この能力……要するに五感や身体能力、思考能力なんかを全体的に強化する能力なのよね)

女優(ふふ、おかげで本業が捗っていいわ。このまま能力者同士の戦いにかかわらなくてもいいくらい)

監督「いやー、最近アクションのキレがすごいね女優ちゃん! その調子で頼むよ!」

女優「はい、せっかくの主演なんですから。がんばります」

監督「よし、じゃあ次のカット行ってみよう!」

女優「はい!」



……


女優「はぁ、はぁ、ふぅ……」

監督「うーん、女優ちゃん大丈夫? ちょっと難しいアクションシーンだしね……そろそろ一回休憩入れた方が……」

女優「いえ、大丈夫です。やらせてください!」

監督「そう? まあ無理だけはしないでね……じゃあもう一回行くよー、アクション!」

女優(そうよ、私はこんなところでつまづいてはいられないんだから)

女優(せっかく手に入れたこの能力、活用し切って、能力者としても女優としてもトップに立ってやるんだから!)

女優「絶対に……あらっ?」ポタタッ

俳優「ちょっ、ストップストーップ! どうしたの女優さん、どこか打った?」

女優「いえ、あれ? なんで、いきなり鼻血なんか――」クラッ

俳優「あっ、危な――!!」

ガシャァン! ガラガラ...

「う、うわぁ、女優さんが落ちたぞ!」「た、担架急げー!」

ワー キャー ガヤガヤ......



……


神「うっそじゃろ自爆してもうたぁ――――!!」

神補佐「『頭を熔かして肉を駆る』という名の通り、使い過ぎると反動が来るんでしたっけ?」

神「いやしかし、まさか能力者同士の戦闘以外であそこまで無理をするとは思わんじゃろ!」

神補佐「もったいぶって、能力についてろくに説明しなかった神様も悪いのでは……」

神「ぐぬぬぬぬ……」

神補佐「まあ気を取り直して次行きましょう、次」

神「やかましいわい!」



女優・能力《熔頭駆肉》:脱落
残り 4/6 人

神「……」ハァー...

神補佐「あの、神様?」

神「せっかく異能バトロワを始めたのに、今のところ、女優ちゃんの裸見られたくらいしか得しとらんぞ」

神補佐「十分では?」

神「そうともいう」

神「ともかく、今度こそは心躍るような異能バトルを……!」

神「誰じゃ、誰の様子を見に行けばいい……!?>>↓1」

1.男
2.《令吟呼嘯》の能力者
3.《支理滅裂》の能力者
4.《絶対絶命》の能力者
5.神補佐にオススメを聞く
6.コンマ
 00~19/20~39/40~59/60~79/80~99区切りで1~5

神「よし、《支理滅裂》の能力者の様子を見に行くとしよう」

神「そういえばこの能力を授けるのは神補佐に任せたんじゃったな。どんなやつなんじゃ?」

神補佐「《支理滅裂》の能力を与えたのは>>↓1です」

能力者の呼び名

神補佐「コメディアンですね」

神「どれどれ……ほう、あやつか」

神「ちなみにピン芸人のようじゃが売れておるのか?」

神補佐「>>↓1くらいですね」

コンマで人気度
00:赤貧~50:そこそこ~99:超売れっ子

神補佐「結構売れているようですね」

神「フム。さっきの女優ちゃんの二の舞のようなことにならんといいのじゃが……」

神「ちなみにこの異能バトルについてはどういう姿勢なのじゃ?」

神補佐「>>↓1」

1.戦いには積極的
2.戦いには消極的
3.能力を試している
4.その他自由安価

神補佐「戦いには消極的なようですね」

神「ううむ。まあ既にある程度いい暮らしをしているのなら仕方ないのかのう」

神「しかしワシの楽しみのために何が何でも異能バトルに巻き込まれてもらう」

神補佐(悪い顔だ……)

神「さてさて……」


……


「ではお疲れ様でしたー」

芸人(コメディアン)「はい、ほなお疲れ様でした~!」

芸人「ふぅー、いやあ今日もえらい大変やったなぁ!」

芸人「せやけど他の能力者とやらがいつ襲い掛かってくるかと考えると気が気やないわ」

芸人「なんやいきなり異能バトロワやとか言われて能力押し付けられるってマンガかっちゅうねん」

芸人「芸に利用できてるんがせめてもの救いやけどな……」

芸人「まあ暗いことばっか考えててもしゃあない! さあ仕事上がりや、どこいこかなぁー!」


>>↓1コンマ
00~29:男と遭遇
30~59:《令吟呼嘯》の能力者と遭遇
60~89:《絶対絶命》の能力者と遭遇
90~99:《令吟呼嘯》《絶対絶命》二人の能力者と遭遇

芸人「~♪ ~~♪」

ワイワイ

芸人「ん? なんやあの人だかり。あー、大道芸か何かやっとるみたいやな」

人形「」トコトコ

人形「」ピョンピョコ

「すごーい、あれどうやって動かしてるんだろうね」「糸か何かじゃないのー? それか、中に何か仕込んでるか」「ううん、でもさっきね……」

芸人(ほー、なかなかのもんやな)

芸人(ううむ、長いこと業界に居るから似た芸は見た事あるけど、どういう仕掛けなんかさっぱりわからへんぞ)

大道芸人?「さてそれでは、ここらでまた、観客の方の持ち物にも命を吹き込んでみせましょう」

大道芸人?「そうですねー……ああ、そこのお兄さん、何でもいいから持ち物ひとつ、ちょっと貸してもらえませんか?」

芸人「ワイか? ほな、このネクタイとかどうや(えらい自信やな、お手並み拝見といこか)」

大道芸人?「ありがとうございます。では……ゴニョゴニョ」

ネクタイ「」ニョロニョロ

「わあぁすごーい!」「あの人もサクラなんじゃないのー?」「そういうこと言わないの」

大道芸人?「レッドスネークカモーン……なんて、ちょっと古かったですかね。では本日はここまでです。皆さん、ありがとうございました」

大道芸人?「お兄さんも、ご協力ありがとうございました」

芸人「お、おう。お兄ちゃんも大したもんやな……」

芸人(なんやこれ、さすがにありえへんぞ……この業界でこんなすごい芸をする奴のことを、わいが一切知らへんやなんて……)

芸人(まさかこのお兄ちゃん――)

大道芸人?「……」ジー...

芸人(! い、今、マスク越しに目が合うた……!?)

芸人「ほ、ほなわいはこの辺で。さいなら~!」ダッ

大道芸人?「……」スルリ

男「当たりかな」




芸人「……ふぅー。ちょっと遅まで飲み過ぎたかなぁ」

芸人「せやけどこんだけ時間を潰してれば、あのお兄ちゃんもさすがに帰っとるやろ」

芸人「うー、さすがに夜中はまだ冷えるなぁ。人気もないから余計寒々しいで……」

カッ

芸人「って、なんやなんや? 眩しいやないか、どこのどいつや、人に向かって遠慮なくハイビームを……」

車「」ブゥゥン...ブォォォ!

芸人「浴びせかけて来とんのはってうわ危なっ!!」バッ

ガァンッ

芸人「コォラァどこのたわけじゃ酒でも飲んどんの……は?」

芸人「誰も乗っとらへんやないかこの車……やったら何で今走って来たんや」

カッ カッ カカッ

ドルルンドルルンッ! ブゥゥォォォォォ......!!

芸人「!? 他の車もこっち向かって突っ込んで来おる!?」

芸人「アカン、これは――避けきれん!!」


ゴシャァンッ!!

――シュタッ

芸人「はっ、はっ、はぁっ、あ、危な……能力使わな避けきれんかったで今のは……」

男「……まさかビルの壁に垂直に立つとは。それがあんたの能力か」

芸人「あんたは……大道芸人のお兄ちゃんか! やっぱりあんた、能力者やったんやな!?」

男「まあ、ね。しかしそういう能力も有りか……どうするかな」

芸人「く、くそぅ、このお兄ちゃん本気で戦る気かいな!」

芸人(手の内はちょっと見せてしもうたけど……ここはお兄ちゃんが何か考え事してる今のうちに――>>↓1)

1.先手必勝、覚悟を決めて戦う
2.全力で逃げる
3.交渉を試みる
4.その他自由安価

芸人(こうなったらもう一か八かや! 戦って勝つ! それいしかない!)

芸人「攻撃してきた以上は、自分がやられる覚悟もあるんやろうなぁお兄ちゃん!」

男「っと、やる気か」

芸人「食らいぃや、芸人魂キィ――ック!!」バッ ビュン

男「うお思ったより速い!」バッ

芸人「逃がさへん!」ピタ... ギュン!

男「軌道修正……!」

ガッ

男「っつつ……」

芸人「ちぃ、この距離やとちいとばかり加速が足りんかったか」スタ

男「こりゃ近付かない方がよさそうだな」ダッ

芸人「ムッ! 逃がさへんで!」ダッ

芸人(《支理滅裂》……! 発動や!)フワッ ギュン

男「ちょうどいい所に手ごろなのがあった。『全速後退』!」バン

ワゴン「」ドルルルン...ブオォォォ...!

芸人「うおっ危なっ!」バッ

男「今のうちに距離を取らないと。『走れ』」ベシ

トラック「」ブルルン ブゥゥゥン

芸人「なんやあのお兄ちゃん、もしかして車を操れるんか!?」フワフワ

芸人「トラックの荷台に乗って逃げるつもりやな……ここで逃がしたらいつまたどこで不意打ちされるかわからん、追うで!」ビュン

男「……空を飛んでついてきやがる……!」

男「『右折』」ベシ

トラック「」グイン

芸人「っとと……待たんかーい!」ススッ...ビュン

男「ちっ」

芸人「追いついたでぇ」ドン

男「で、どうする? 殴り合いでもするか?」

芸人「そんな物騒なことせえへんわ、わいを何やと思ってるんや」

男(最初に飛び蹴りかましてきたくせに)

芸人「ところでなあ、お兄ちゃん。突然やけど、今のこの世界を支えとるもん、一番根っこの力って何やと思う?」

男「……金、経済とか?」

芸人「ぶっぶぅー、違いますぅー。それも大事ではあるけど、金がなくなったからて世界がすぐ滅ぶわけとちゃう」

芸人「正解は……この地球上におる限りは絶対に逃れようのない、あらゆる物体がそれに縛られる基本法則――」

芸人「”重力”や!!」バシ

男「! トラックが……浮く……!」フワ...

芸人「世界を支える理をムチャクチャにしてまう能力、もっとわかりやすく言いかえるなら、重力方向をデタラメに変えてまう能力!」

芸人「それがわいの、《支理滅裂》やぁ――っ!!」

男「浮いてるんじゃない、これは――”空に落ちてる”のか……!」
フワァァァ...

芸人「はっはっはぁ、わい自身は浮いて何とでもできる、せやけどお兄ちゃんは高い所から落ちたらただではすまへんやろ」

芸人「落とされたくなかったら大人しく降参――」

男「ほっと」ピョン

芸人「なぁっ!?」

男「飛んでるあんたの加減速の仕方を見て、何となくそういう雰囲気は感じてたよ」スタッ

男「自由飛行ってわけじゃなく、飛ぶ方向に向けて徐々に加速が付いていく感じだったからな」ダッ

芸人「ぬう、高度が上がり切る前に家の屋上に飛び降りて逃げおるとは……! 思い切りのええあんちゃんやで!」

芸人「しゃあない、ゆっくり下ろしとる時間はないからこのトラックには犠牲になってもらうとして……」ヒューン...ゴシャァンッ

芸人「逃がさへんでぇー!」ビュン

芸人(逃げ切れやんよお兄ちゃん。アパートの屋上、この一直線のルートやったら相当スピードつくでぇ!)

男(あれが『落下速度』なら、加速し過ぎれば急には止まれないはず)

男(ならわざとスピードに乗らせて引きつけたところで――)

男「カウンター……!」バッ

芸人「読んどる!!」

芸人(前に向かって付いたこの勢いはたしかにすぐには止められん、せやけど上下左右方向になら調整はできる!)

芸人(お兄ちゃんのカウンターは身を捻ってかわして、あとは一発入れるかとっ捕まえて今度こそ空高くに吊り上げるか――!)

男「悪いがこっちも仕込みは済んでるんだよ……!」

男「『絞めろ』!」

芸人「ぬぐぅ!?」ビクン

男(生物以外のありとあらゆる物に命令を下し、自分の駒として操れるのが俺の能力、《一切皆駒》……)

男(夕方、大道芸人の振りをして持ち物を借りた時に、あんたのネクタイには既に『合図をしたら思い切り締め上げろ』という命令を仕込んである!)

芸人「ぬおお頭がぁぁ~!?」

男(なのに何でそんなテンプレみたいな結び方をしてやがるこの酔っ払い!!)

男「ええいどっちにしろ集中は乱した! あとは――!」

ヒュ――バシッ

芸人「ぬぅっ!?」

男「掴んだ……! このオッサンの服よ、『襟を思い切り締め上げろ』――!!」

芸人「ぐぅええっ……!! くっ、首がしまるっ……!?」


男「これで――!」

芸人「――ま、まだやでお兄ちゃん」ギリギリギリ...

芸人「お、お兄ちゃんの能力も、直接触らんと効果を発揮できやんタイプ、やったん、やな……!」ゼイゼイ

芸人「せ、せやけどなぁ……お兄ちゃんがわいを捕まえられたゆうことは……わいもお兄ちゃんを捕まえられたちうことなんやで……!」ガシ

男「ちっ――!」

芸人「何にでも「オチ」を付けるのが、芸人やぁぁぁぁぁ!! 見さらせ《支理滅裂》!!!」

男「うお……!!」グンッ...

男「うおおおおおおおおお!!」ビュゥゥン!

男(まずい、真横に向かって”落ちる”――!!)

芸人(どない、や……!!)


ガシャァン...!!



>>↓1コンマ
00~44:芸人の勝ち
45~54:相討ち(奇数で両者脱落、偶数で引き分け)
55~99:男の勝ち

男「っぐ、う……ぐふっ」ガクッ

芸人「ぐぐぐっげげげげげ――っぷはぁあ、ハァ、ハァ、あ、危なかった……!」

芸人「あ、あのお兄ちゃんは……あー、向こうのマンションの壁まで「墜落」してぶつかったんやな……」

芸人「あ、危ない所やった……死んでへんよな……?」フワッ...スゥッ...

男「」バァンッ

芸人「」

芸人「……あ、そういえば負けたら服が着られへんようになる呪いがどうとかって……こ、こういう事かいな! 怖ぁ! 怖ぁっ!」ススス

芸人「今時芸人でもここまでせえへんで……ちゅうかどないしょこれ……」

ウー...ピーポーピーポー...

芸人「あー、さっきトラック派手に落としてもうたからなぁ……騒ぎになって人が集まってきとるみたいやな」

芸人「ううん……派手に体ぶつけてケガしてる上に全裸の変質者としてとっ捕まるお兄ちゃんにはちょっと悪い気もするけど、わいも警察の厄介になるわけにはいかんしなぁ……」

芸人「誰かに見つかる前に退散しよ……」ヒューン...




男・能力《一切皆駒》:脱落
残り 3/6 人

……


神「んんんん……」プルプル

神「これじゃよこれ! ワシはこういうのが見たかったんじゃよ!」

神補佐「はいはい。これで、能力者もついに半分ですね」

神「そうじゃな! ところで、残り二人の能力者についてはワシまだちゃんと知らんのじゃが、どういうやつらなんじゃ?」

神補佐「そう言われると思っていました」

神補佐「残り二人の能力者のうち、《令吟呼嘯》の能力を授けたのは……>>↓1ですね」

能力者の呼び名

神「さぶみっしょん・あーてぃすと……とはなんじゃ」

神補佐「本人の自称なのでなんとも。とりあえず長いのでSAと呼んでいますが」

神「ふうむ。して、もう一人は?」

神補佐「はい、最後の一人、《絶対絶命》の能力を授けたのは……>>↓1という者です」

能力者の呼び名

神補佐「最後の一人はギャルです」

神「ふむ……つまり残りは芸人、SA、ギャルのみつどもえの戦いというわけじゃな」

神補佐「それが実は……いえ、これは実際に見て頂いた方がいいでしょう」

神「何じゃ勿体ぶるのう」

神補佐「まあまあ、ほら、芸人の様子を見ていませんと、いつ戦いが始まるかわかりませんよ」

神「おっとっと。さて、戦いの行方は果たしてどうなるかのう……楽しみじゃ」ワクワク


……

芸人「いやぁ、この前はえらい目におうたでホンマ」

芸人「しかしまだ終わってはないんやってなぁ……何かいつぞやの神様の補佐官とかいう人が夢に出てきて、能力者は残り三人です言うとったからなぁ……」

芸人「あの一回だけでもえらいしんどかったっちゅうのに、まだ戦わなあかんとかかなわんなぁ……」

芸人「何とか無事に乗り切れたらええんやけど……」

???「あーっ! ねえねえちょっと、アンタさ、もしかしなくても芸人さんじゃないのー?」

芸人「うおっ、何やいきなり。誰やお姉ちゃん」

???「やっぱそうじゃーん! うっわ今日のアタシ超ツイてなーい? 前々からぁ、ずぅーっとファンだったのー! ね、ね、握手とか、もし良かったらサインとかぁ、お願いできなーい?」ギュ...

芸人(うお、い、意外とええもん持っとるでこの子……!)ウホッ

芸人「ま、まあ、見つかってもうた以上はしゃあないなぁ……これもファンサービスっちゅうやつやな!」

???「やったぁ! ありがとぉ~!」キャッキャ

芸人(お、おほほほ、いやぁ、こういう可愛いファンの子にちやほやされんのはなかなか悪ぅない気分やなぁ……)ハナノシター

??「――フッ、そこのアナタ! 今、「あっ、この子意外と良いバスト持ってる」……と思ったわね?」ビシッ

芸人「!」ギクゥー

芸人「だっ、誰や一体――」

??「おおっとごめんなさぁい『勝手に喋らないで』!!」

芸人「ムグッ!?」

??「そしてアナタ……「可愛いギャルにちやほやされるのは悪い気はしないなぁ」……的なことも思った、そうでしょう!?」

芸人「」ギクギクゥーッ

??「この反応、図星ね! じゃあちょっと、『ワタシ達について来て頂戴』」

芸人(な、なんや、喋られへん!? あっ、足が勝手に動きおる!? 何が起こっとるんやー!?)

??「そこがいいわね、さ、ギャルちゃん、お願い」

ギャル「はいはぁい、じゃ、ちょちょいのちょい、っとぉ」

芸人(ここは……この辺ではそこそこ大きいホールやんけ)ムグムグ

芸人(わいも何度かここで芸やったことあるから知っとるけど、最新式の電子ロックが使われとるから部外者が勝手に入ることなんて)

ギャル「開いたよー」ガチャ

芸人(なんやて!?)

??「あっ、多分今アナタ、ギャルちゃんがあっさり開けたから驚いたわね? 芸人さん的には、「なんやて!?」とか思ったかしら?」

芸人(く、くっそぅ、さっきから後ろでやかましいこの野太いオカマ声は一体誰やねん!)

??「ウフフフフ、この反応、ビンゴね! じゃ、『一緒に中に入って頂戴』。今日は何の興業もないから誰も居ないわぁ、遠慮しなくていいわよぉ」

芸人「」ムーッ、ムググーッ

芸人(抵抗できやーん! なんでやぁーっ!)スタスタ

芸人(結局ホールまで連れてこられてしもうた……)

芸人(能力使って逃げようとしても、『一緒に中に入っていく』以外の動きは何故かできやんし)

芸人(せやったら、可愛い子にケガさせんのは嫌やけど能力使って攻撃を……と思ったらそれも何故か無効化されてまうし!)

芸人(多分、いや間違いなく能力者なんやろうけどな……この二人が、神補佐はんが言うとった残り二人の能力者……?)

芸人(せやけど、やったらなんでこんな協力するような真似を……)

芸人(くっ、ピンチや、ピンチやでわい! でもこのお姉ちゃんのパイオツがずっと腕に当たっとるんでそこだけは嬉しい!)ウヒョー

??「ウフフフ、さあ、ここならもう邪魔は入らないわね!」

??「芸人さんだったかしら、アナタ今、能力者二人に囲まれて、すごいピンチだ、絶体絶命だって気分でしょう、そうでしょう!?」

芸人(いやまあピンチはたしかにピンチやねんけども同時に天国っちゅうかぁー)ウッヒョー

??「……む、この状況に動じていないというの……? 案外図太いのね。ま、それもここまでよ!」

ギャル「はぁーっやっと着いたぁ、もう面倒くさぁーい。ッんでアタシがこんなオッサンに抱き着いてなきゃなんないのよ!」ドンッ

芸人「もがっ!」ドサァ

芸人(い、今か!? 《支理滅裂》!)フワァ

??「! ギャルちゃん!」

ギャル「っと待てってオッサン!」ベシ

芸人(また能力が!?)フッ ドサッ

??「フゥーッ……せっかくここが最後の舞台だって言うのに、逃げなくたっていいじゃないの芸人さん」

??「これが最後なんだし、せっかくだから色々おしゃべりがしたいじゃなぁい」

??「フフフ、それじゃあ軽く自己紹介くらいはしておこうかしらぁ? まず、そっちのナウでヤングでプリティなギャルがギャルちゃんよ」

ギャル「ハイハイよろよろー」ケータイポチポチ

??「んまっ、最近の子ったらッ! いやワタシもまだまだ若いんだけどッ!」

芸人(そろそろウザなってきた)

??「そしてお待たせ、このワタシが――」スタスタ

??「……サァブ!」ビシィ

??「ミッシィオン!!」バシィ

??「アァーティスツッッッ!!! 愛をこめてS・Aと人は呼ぶわ!!!」ババァン!!

芸人「」



芸人(ウワァ――全身ゴリゴリ黒レザーキメッキメの変態やぁ―――――――!!!!)



芸人(変態やぁぁぁぁぁ――――――――!!!!!!!)




 

SA「フフ、アナタもワタシの肉体美に見惚れて言葉も出ない、そうでしょう!?」

芸人「」ブンブンブンブン(横)

SA「オウッ! なら、アナタ、まさかアナタッ……このワタシのことを! 変態だとか! そう思ったというのッ!!?」

芸人「」ブンブンブンブン(縦)

SA「――ンンンンッのクソダボがぁぁぁぁッッ!」ドゴォ

芸人「」ゲフッ

ギャル「ちょっとぉSA! そういうヤバンなの無しって言ったっしょ!?」

SA「ハッ、アラごめんなさいそうだったわねギャルちゃん! つい取り乱してしまったわ……」

ギャル「ったく……アンタの趣味に付き合ってやってんだから、さっさと済ませてよねー」ポチポチ

SA「フゥーッ、フゥーッ……ハァ、落ち着いたわ。さて、それじゃあどこから話しましょうか」

SA「まっ、お察しの通り、ワタシ達は同盟を組んでいるわけよ」

芸人(……)ゲホゲホ

SA「もうここまで来てるから自慢しちゃうけど、ワタシの能力は《令吟呼嘯》。相手に呼びかけ、相手と気持ちを通じ合わせる――」

SA「まあ平たく言えば「相手の心を言い当てる」ことで、相手に命令を下せるチカラなワケよ」

SA「強いって思った? チートじゃないって思った? ああでも残念ながらそういうわけにもいかなかったの!」

SA「そこなギャルちゃんの能力は《絶対絶命》――ありとあらゆる『命令』をキャンセルできちゃう能力! つまり学校の先生に何言われようと無視してサボりたい放題!」

SA[さっき電子ロックを解除したのもその能力よ。これがアナログな鍵だと逆に無理なんだけど、電子的な『命令』によって施錠してるモノなら開けられちゃうわけね」

SA「で、ワタシが彼女の心を言い当てて命令を下しても、彼女はそれを自分の能力でキャンセルできちゃう! なんてメタな能力!」oh...!

芸人(この喋り方だけでも何とかならへんかな……)ゲホゲホ

ギャル「まぁーだぁー? あっクソ死んだぁー!」ポチポチ

SA「でもそれならそれで、物理的にやっつけちゃえばいいんじゃない? って思うじゃない? でもね、ワタシにはできなかったのよ……」

SA「こんな可愛い子ッ! 何よりアタシの肉体美を褒めてくれたこの子をヤバンな手段で傷つけるだなんてッ!」

芸人(マジか)

SA「だから同盟を組むことにしたのよ。アタシはたとえZENRAになってもこの肉体美を披露できるから構わないッ! けどせめてこの子だけは最後まで守ってあげよう、ってね……」

SA「どうこの美しい友情。感動したかしら?」

芸人(いや別に)

SA「……シィット、能力が発動する気配がない……この人、ワタシ達の友情を理解できないようね……」

ギャル「だぁらぁ、とにかくアンタにはさっさと脱落してほしいわけよ、わかる? オッサン」ゲシ

芸人(ぐふっ)

ギャル「アンタさえ脱落してくれたらさぁ、アタシの勝ちで終わりなのよ。だからさっさと……」

SA「ああっとギャルちゃんちょっと待って! そのまま足を真っ直ぐ! 姿勢をビシッと!」

ギャル「ああん? ……こう?」

SA「そう! そしてスカートの裾をちょぉーっとずつちょぉーっとずつ……」

ギャル「あー……。こう……?」ススス...

芸人(うおお床にぶっ倒れたこの角度からやったら中身が――)

SA「――見えそうだ、見たい! って思ったわね? 今!」

芸人(はっ! しまったァー!)

SA「チカラが発動したわぁ図星ね!」

ギャグ「うっわサイアク……キッモ……マジないわー」

芸人(ぐふう)グサ






芸人(しゃあないやろ!! 見えそうやったら見たいと思う!! これは男のサガや!!!)

SA「それじゃあ念のため、アナタの能力について教えておいてもらおうかしらぁ?」

芸人「わ、わいの能力は《支理滅裂》で、効果は~~」

SA「フム、フムフム、ありがとう! やっぱり近付くのは危ないみたいねぇ……でも問題ないわねギャルちゃん?」

ギャル「問題なしー、ここまで連れてくる間も、「このオッサンからなんか言われても全部シカト」って念じ続けてたら能力の発動命令打ち消せてたっぽいし」

SA「じゃあお願い。お色気作戦とちょっとヤバン作戦どっちで行く?」

ギャル「やーよアタシは、そんなオッサンにこれ以上ヘンな目で見られたくないし」

SA「じゃあちょっとだけヤバンな方で行くしかないわねぇ、いいわね?」ガシ

ギャル「ちっ、しゃーないなぁー」

芸人「うぐ、な、何する気や」

ギャル「ハイハイおっさんは何もしないで」ペチペチ

SA「せー、のっ!」ボキィ

芸人「~~~~!!」

SA「ちょっと騒がないでよ指の一本折ったくらいで。さ、次ね」グイ

芸人「ひっ――」

SA「――今、「これ以上はやめて」、って思ったわね?」

芸人「……!」ピキィーン

SA「よーし完璧に入ったわぁ、ごめんなさいねぇ、あんまり荒っぽいことはしたくないんだけど、確実に心を言い当てるのって結構難しいのよ」

SA「とりあえずアナタは『今後能力を使わないで』、ね?」

芸人「ぐっ……!」

ギャル「はぁー、やっとおわりぃ? タルいったらないわほんと」

SA「まあそう言わないで。これであとはこの人に自滅してもらって、その後ワタシも自滅すればアナタの優勝よ。おめでとうギャルちゃん」

ギャル「……ん、サンキュね」

SA「ウフフ、嬉しい?」

ギャル「ん、まーね。死なないとかはよくわかんないけど、一番ってのはやっぱいいじゃん?」

SA「――嘘ね。アナタ本当は、ワタシなんかとこれ以上一緒にいることがなくってせいせいする、そう思ってる、でしょう?」

ギャル「えっ、」

SA「ごめんなさいねぇ、アナタ護身用のスタンガン持ってるでしょう? それで『自滅して頂戴』」

ギャル「はい――あっ、嫌、待っ」バチィッ

ギャル「」ドサァ バァンッ

SA「服が弾け飛んだ……って事はこれでアナタも脱落ねぇ、ごくろうさまぁ」

芸人「なん……やて……?」

芸人「なんでや……同盟くんどったんちゃうんか……そっちのお姉ちゃんを最後に生き残らせる、いうて……」

SA「アッハハハハ……馬ッ鹿じゃないのぉ!? こんなクソ生意気な女のために誰が全裸になるかよ!! こんな! 人の最高のファッションをキモいとか一言で切って捨てやがったクソアマをよぉ!!」

芸人「は? せやったら、なんで……」

SA「チッ……言った通り、ワタシ達の能力の相性はサイアクに近かった。生半可な命令をかけてもキャンセルされちゃう上に、この女、人のことを変態として通報しようとしやがったのよ。迂闊に攻撃をしかければ、能力者バトル以前にワタシが社会的に殺されかねない」

芸人(むしろ今までよう無事やったよな)

SA「それを防ぐためには、こいつがワタシの命令下にある自覚さえできないくらいよっぽど完璧に能力をキメてやる必要があった……!」

芸人「わからん……わいにはどういうことなんかわからん……」

SA「わっかんねえだろうなぁお前にはよぉ!」ドゴォ

芸人「ゲフッ!」

SA「言ったでしょう? ワタシの能力の発動条件は「相手と気持ちを通じ合わせる」コト……そのために、」

SA「そのために、自分自身のことを、自分が今日まで磨き上げてきたこの誇りある自分の姿を、」

SA「「こんなセンスありえない」って、「喋り方も、ファッションも、何から何までサイテーサイアクのキモさだ」って!! ”自分のことを心の底からそう思わなくちゃならなかった”ワタシの屈辱がぁ、アナタにはわからないでしょうねえ!!!」

SA「でも、おかげでバッチリ能力はキマった。あとはそれを忘れさせて、表向き仲良しこよしの態度で、ワタシのことを内心キモがってることを知った上で! 体よく利用されてる体でここまで利用してやったのよぉ!」

SA「ウフ、ウフフフ……楽しみだわあ……見なさいよ、この若々しいエッロい体! もう外を出歩けないこの子を飼い殺して、たっぷり可愛がってあげるの……最高じゃなあい?」

芸人「おまえ……おまえは……!」

SA「泣いても叫んでもウチの壁は防音よぉ、誰にも届きやしないわぁ」

SA「何より、何も身に付けられないこの子は外へ出て助けを求めることもできない……」

SA「辱めて、嬲って、そこにワタシの能力を重ね掛けしてえ、どれだけで嫌でも、いいえむしろ嫌がれば嫌がるほどに、この子はワタシには逆らえなくなっていく。ああ、どんなプレイもヤリたい放題!」

SA「そうね、あえて、あえて喋るのは自由にさせて、拒絶を、嫌悪を、泣き叫びながら体は意思とは無関係にこちらを求めさせて! そして、そして――ああ……!」

SA「こんな、こんな花盛りのJ●を好きにできるだなんて! ねえ! 「死なない」なんてことがチャチに思えるくらいの報酬でしょう!?」

芸人「ぐぐぐ……!」

SA「おっとぉ変に暴れないでよねぇ」

SA「どうせ能力なんて使えないはずだけど、余計なケガしたって嫌だから近付かないわよぉ」グィ

ギャル「ぅ……」ダラン

SA「ほぉら見なさいこの肢体! エロいでしょう、むしゃぶりつきたいでしょう!? 自分の本能に正直になりなさいなぁ、そうしたら自滅させる前に一回くらいいい思いさせてあげてもいいわよぉ!?」カッ

芸人「おまえは……!」グググッ

SA「……あら? 能力が発動しない!? どうしてっ!? ありえないわ! さっきまであんなにこの子に反応してたのに、どうして今はワタシの能力にかからないのよぉ!?」

芸人「……ふざッけんなやこのアホンダラぁ!!」

芸人「今……今のわいはな……そのお姉ちゃんの体エロいなーいう以上に! お前への怒りが燃えたぎっとんのじゃあ!!ドン!!

芸人「あと、服着とる時の方がむしろソソるから完璧なマッパになると逆にエロくなくなる!!!」ドドン!!

SA「!!!」ハッ

芸人「おまえだけは絶対に許さへんからなぁ!」ダッ

SA「とか言いながら舞台袖に逃げ込んでんじゃないわよこのッ……」ダダッ

SA「……って、見失った!? くっ、どこに行ったの……!?」

芸人(フン、前にここで興業やらせてもろたからな、関係者以外立ち入り禁止の範囲についても詳しいんや!)ダダダッ

芸人(しかし、いったん身を隠したはいいものの、能力を封じられてどう戦えばええんや!? あいつ、素の身体能力も相当高そうやし……)

SA「逃がさないわよ……アナタをここで倒せばワタシが優勝なんだから……」カツッ...カツッ...

芸人(ちぃっ、近付いて来おる……! ここは――>>↓1コンマ)

SA「そうねぇ……アナタ、今――ずばり>>↓2コンマと考えてるでしょう?」


>>↓1コンマで芸人の思考
>>↓2コンマでSAの読み

コンマ奇数:「ここで、自分の力でSAを倒す」
コンマ偶数:「人を呼んできて、社会的に殺す」

芸人(あいつだけは許せん……! ここで、何としてもわいが――)

SA「――ここでワタシを倒してやる、そう考えているわね!?」ビシッ

芸人(!)ギクッ

SA「! かすかにだけど能力に引っかかりがあった! 距離が遠いのか、同調が弱いのか、それともちゃんと相手を目視していないと駄目なのか……うーん、こんな事ならもう少し細かく自分の能力について試しておくべきだったかしらねぇ!」

SA「ともかく! ちゃんとした命令権が得られるまでじゃなかったけど、ワタシの能力が反応したって事はある程度図星! そしてアナタはまだこの辺にいるのねぇ!?」

SA「能力がキマって自滅命令が出せるならそれでもよし! そうでないなら何としても見つけ出して、力いっぱい抱きしめてあ・げ・る・わぁ!(はぁと」

芸人(――!)ゾワゾワァ

SA「さあ~、どこにいるのかしらぁ~?」カツッ...カツッ...

芸人(あかんあかん、コレは身動きだけやなくて考える内容についても考えやなあかん……てそんなんできるわけないやろ! こういう事は考えんようにしようゆうてホンマに考えずにおれるもんちゃうっちゅうねん!)

芸人(つまりこれはアレか……わいがどれだけあいつの予想を上回る作戦を考えられるか……言うなれば芸人としての引き出しの深さを問われる戦いっちゅうことやな!?)

芸人(負けられん、二重の意味で負けられん……!)

SA(ちぃっ、舞台セットのための機材やら何やらが入り組んでたり、不慣れだとどこがどうなってるのか全然わかんないわね……! これは能力の反応でアタリを付けていく方が確実かしらぁ!?)


芸人(ここは――>>↓1)

SA「そうね、きっとアナタは――>>↓2コンマ」


>>↓1で芸人の選択(コンマ宣言可)
>>↓2コンマでSAの予想

00~24:1.何か道具を利用して攻撃
25~49:2.舞台装置を利用して攻撃
50~74:3.頼れるものは自分の腕っぷし!
75~99:4.能力の使用禁止を何とか解除できれば

芸人(能力は封じられた、素の身体能力でも多分敵わん、となったら、この状況でわいが唯一あいつより長じているもの……)

芸人(すなわちこのホールに備え付けられた舞台装置、その知識! その辺を何とか利用して攻撃手段にする!)

SA「ずばり! もはや頼れるものは自分の腕っぷしだけ! ワタシの不意を突くなりして何とか有利を取ろうとしているわねえ!?」

SA「…………ちぃ、反応がない! でもまだこの辺りにはいる筈!」カツカツカツ...

芸人(アカンアカン、見つかるわけにはいかへん……!)コソコソコソ


芸人(しかし、となるとどないするかな……舞台装置ゆうても色々あるけど、下手すると殺してしまいかねへんもんもあるしな……)

SA(ちィィ……いや待って、落ち着くのよワタシ! さっきのあの予想で反応がなかったということは、逆に言えば、あいつは自分の腕っぷしでどうにかしようとは考えていない、ということ……!)

SA(それでいて、ここでワタシを倒そうとしているなら、何か別の方法を考えている筈よ! その方法が分からなくても、そのためにどういう行動を取ろうとしているかを予想すれば……!!)



芸人(ここは……>>↓1)

SA「ワタシを自分の力でどうにかしようとしていない、ということは! アナタはおそらく――>>↓2コンマ」



>>↓1で芸人の選択(コンマ宣言可)
>>↓2コンマでSAの予想

00~33:1.上手くやり過ごして舞台袖へ戻る(そこにある操作機を使う)
34~66:2.(機械装置のある場所へ)SAを誘い込む
67~99:3.(操作機のある)別の部屋へ逃げ込む

芸人(たしか舞台装置を操作する諸々の機械は……向こうのフロアのあの辺にあったはずや! まずはあそこまで辿り着く!)

SA「おそらく……おそらくはそうね! アナタはきっとここでワタシをやり過ごして、舞台袖の方へ戻るつもりじゃない!?」

SA「……~~~ッこれも外れかッ!! いいわ!! それならそれで、アナタは向こうに戻る気じゃないってことだもの!!」

SA「どこ!? どこへ行く気!? どこかへ行くつもりなら、絶対に見逃さないわよぉ!!」

芸人(ヤバいヤバいヤバい、仕掛けも何もせんうちから見つかっても勝ち目があらへん! 何とか……まずはあの部屋までは何とか逃げ切らな……!)


芸人(ここからやと、あの部屋に向かうルートはおおよそふたつ!)

SA「……! これは……!」

SA(しめた、館内見取り図! 現在位置がここだから……)



芸人(ここは――!!>>↓1)

SA「アナタがどこかへ逃げようとしているのなら、取りえる道は――!!>>↓2コンマ」


>>↓1で芸人の選択(コンマ宣言可)
>>↓2コンマでSAの予想

奇数:1.右のルート
偶数:2.左のルート

芸人(ここは……左の道から! 頼むこっち来んな……!)

SA「右! こっちの道でしょう!」ガタガタ

芸人(よっしゃしめた!! 向こう行きおった、今のうちや!!)


……



芸人(ええと、そう、ここや! この部屋や!)カチャッ コソッ パタン

芸人(この辺の機械の操作はほとんど知らんけど……ここの職員の人がやってるのをちょっと見物させてもろた事あるから多少は!)

芸人(たしかこの辺を~……ああ違った、こっちか? こっちやな! これで多分……!)カチャカチャ

SA「見ぃつけたぁ」ガチャッ

芸人「!!」

SA「ざぁんねんだったわねぇ、ウフフ、アナタの行動を二択まで絞れた時点でワタシの勝ちなのよぉ!」ドガッ

芸人「うぐぅ!」

SA「ワタシの問いかけに対して能力の反応があれば! つまりそちらにアナタがいるってこと! 逆にないならないで、ワタシの予想と逆の側にアナタがいるって事だもの!!」

SA「あとは間違えて別の方に行ったフリをしてぇ、アナタを目的通りの方向に行かせてから後を追う! それでこの通りよぉぉ!!」ガッ ゲシッ

芸人「うぐ、ぐがぁっ!」

芸人「ま、まだや……!」バッ

SA「逃がすかボケェッ!」ドゴォ

芸人「ぐああっ!!」ガシャァン

ガシャァン ドサッ

芸人「つつつっ……蹴り落とされて、ではあったが、何とか、舞台には戻ってこられたか……」グググ

ウィィィン...

芸人(小さいけど、機械の作動音が聞こえる……わいの操作はちゃんと……)

SA「フンッ!」ドスッ

芸人「うぐぅ!」

SA「さぁ、そろそろ終わりにしましょう。ここまで来たらもう能力なんていらない! ワタシの誇り! ワタシの最も頼りにしているこの! 肉! 体!! 美!!!」ガバァ

SA「一度はあのクソアマに貶められた、サァブミッシィオォンァアァァァティスツッとしてのォッ! この技でッッ!! 終わりにしてやるわァァァアハハハハハハハハッッッ!!!」ガシィ ギリギリギリッ...!!!

芸人「おごっ、おごがあああああああああああああああああああッッッ!!」ミシミシミシッ...!

芸人(ほっ、骨がッ……関節がイカレるッ、アカンッ……!!)

芸人(いやむしろこれはチャンスや! 叫べ! ごくごく当然の反応としてッ! あの機械の作動音が聞こえんくらいにッ……!)

芸人「っぎ、ぐぁ、あっがががああああああああああああああああああああああああッッッ!!!」ミシミシミシミシッ...!!

SA「ウフフフハアハハハハ!! 勝った! クソッたれの神に押し付けられたこの異能バトルロワイヤル、最終勝者はこのッ! サァブミッシィオォンァアァァァティスツだぁぁぁぁぁ!!!」

芸人「――いいや、お前の負けやこのド変態」

SA「ハァ? いまさら何を――」

芸人「見さらせ芸人根性……!」グイ ドンッ!

SA「その程度でワタシのサァブミッシィオォンから逃れられると――って、なぁんですってぇっ!?」グラァッ

芸人「こういう、大掛かりな舞台には、あるもんなんやで……色んな演出に使われる――」

芸人「文字通りの奈落っちゅうやつがなぁ!!」グラッ ヒュ―...

SA「馬鹿なッ! こんなッ、アナタも一緒に落ちるのよッ!!?」ヒュ――

芸人「わいは芸人やで? オチるのが仕事のうちや」ヒュ―――

SA「バカなことをッ、嫌、こんなところで落ちてたまるか――!」ジタバタ

芸人「――て、おや? あー、なんや知らんけど、どうもわいは芸人失格らしいなぁ」ヒュ―フワァ

SA「どういう――何ですって……!?」

SA「なんで!? なんでアナタが! ワタシが使用を禁じたはずの能力を使えてるのよぉ!!?」ガシィ ブラァン

芸人「ふぅむ……これはわいの予想やけどな」

芸人「もしかするとあんたのその能力、「相手の心情を言い当てる」のをあんまり何度も失敗し過ぎると、先に出した命令も失効してまうんやないか?」

SA「なっ……!」

芸人「せやから、さっきワイの居場所を探ろうと、適当にあてずっぽう言って外し過ぎたせいで、わいへの命令も解除されてもたんやないかなぁ。ま、想像やけど」

SA「待って! ねえ待って! ずっずるいわよアナタだけ飛んで逃げるだなんて!!」

芸人「知ったこっちゃあらへんな。自分の能力の条件に付いて、色々試してみいひんかったんはあんたの失敗やろコレは」

芸人「あんたの”落ち度”や――地獄に落ちぃやこのゲスが!!」ゲシィッ

SA「いやっ、嘘よッ、こんなッ、こんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………!!!」ヒュゥゥゥゥ――――


ドスゥゥン...!

芸人「これで……終わりか?」スタッ

芸人「しっ……しんどいわぁ……!!」バタリ

芸人「も、もう無理や……流石に、アイタタタ、体が、限界やでもうコレホンマ……!」ビクンビクン

...パァァ...

芸人「……あ、なんや? 何か光が……」

神「……ふぉっふぉっふぉ、見事な戦いじゃった。異能バトルロワイヤル、貴様が最後の生き残りじゃ」

芸人「……デウスエクスマキナゆうんは、たしか元々こういう舞台装置の神様の事やったっけな……」

神「貴様は何を言っとる。せっかく優勝したんじゃ、もっと喜んだらどうじゃ」

芸人「いや、さすがに今はそんな余裕があらへんゆうか……」

神「ふん、まあよい。約束通り、貴様には優勝者の報酬を与えよう……」

芸人「へ? ああ、死なへんようになるちゅうあれか……」

芸人「……」フム

神「では、褒美を与え――」

芸人「あっああーあの神様はん、ちょ、ちょーっと待ってんか?」

芸人「ええと、そうやな、こういうこと言ってええんかわからんのやけど……」

芸人「報酬の内容を変えてもらう、とかは大丈夫やろか……?」

神「なに? 不死の加護はいらんというのか?」

芸人「いや、たしかにそれも羨ましいとは思うんやけどな……」ウーン

芸人「もし、できるんやったら……>>↓1」


>>↓1
芸人の願いの内容

芸人「その……ゴールデンで、わいが視界の番組持てたらなぁ、とか……あかん?」

神「……そんな小さな願いでよいのか?」

芸人「いやぁ、わいは結局どこまで行っても芸人やから。わいだけ長生きするより、誰かを笑顔にできるようなそういう褒美の方がええかなー、って……」

神「……まあ、よかろう。面白い戦いを見せてくれた礼の意も込めて、その願い、叶えてやろう」ペカー

芸人「うわっまぶしっ」

神「……これでしばらくすれば、司会としてのレギュラー番組のオファーが来るじゃろう。あとは貴様次第じゃ」

芸人「おお! おおきになぁ神様!」

神「ふぉっふぉっふぉ、では、戦いも終わったので貴様の能力だけは決しておくぞい。さらばじゃ……」

芸人「さいならー! できればもう二度とこんといてなー!」手ブンブン






……

芸人(あれからわいは、前以上の売れっ子お笑い芸人として忙しい毎日を送っとる)

芸人(正直、自分の身に余る立場を貰ってしもたな思うことも何度かあった。せやけど、どうにかこうにか毎日やっとるわ)


芸人「――さて! 本日のゲストは今話題の女性タレント! 女優はんです! どうぞー!」

女優「こんばんは~」スラッ

芸人「ウッホーこれは色っぽい!」

芸人「ハイほな改めて、本日はこのせくしぃな水着姿でアクション映画の主演を務め、人気沸騰中の女優はんです!」

芸人「なんでも噂やと、プライベートでも常にこういう水着姿やとか聞いたんですけど、ホンマですか?」

女優「え、ええ、まあ……ちょっとした出来事をきっかけに、色々と意識が変わりまして」

女優「何かを演じる仕事だからこそ、平素からなるべく自分を隠さないストレートな生き方をしていこう、と」

芸人「おおー、さすが、わいにはまねできへんかっこええ生き様ですわぁ!」

女優(くうぅうるッさいわよこのタヌキオヤジが! ぎりぎり「服」として拒絶されないのが水着くらいしかなかったのよ……!)

芸人「そういえばまた別の噂では、同じスタイルのお弟子さんを取らはったそうで?」

女優「え? あ、ああ、はい。いずれ彼女もデビューできると思いますので、みなさん、その際にはどうぞよろしくお願いしますね」ニコッ

女優(多分、あのギャルちゃんも私と同じように異能バトルロワイヤルで負けたんでしょうね……)

女優(でも負けないわ、こんな理不尽に屈してたまるものですか! 私は、私達は絶対に、幸せな人生を掴み取ってみせる……!)


……


『こちら管制塔、聞こえますか? どうぞ』

操縦士「こちら操縦士、通信感度、良好です。どうぞ」

『元気でそうで何よりです。仕事の進捗はどうですか?』

操縦士「問題ありません。僕もこっちの環境に慣れたので、これからはもっと捗らせてみせますよ!」

『それは頼もしい。それでは、定時通信は以上。オーバー』

操縦士「オーバー」プツッ

操縦士「ふぅ……」

操縦士(あれから僕は、色々あって、今は宇宙に来ている)

操縦士(服が着られなくなる呪いには相当苦しめられたが……本当に、本当に苦しめられたが……)

操縦士(新開発中の、無重力空間での生命維持『装置』、筋力を維持するためのトレーニング『器具』……)

操縦士(そういった、『服』とは別の定義がなされるものを身に付けることで、どうにかこうにか全裸生活を免れることには成功した)

操縦士(宇宙「服」が呪いで爆散するからその辺の解釈をうまくごまかすのにはひどく苦労したが……)

操縦士(まあ、結果として宇宙ステーションで働くまでになれたんだから、これはこれでよかったんだと思おう)

操縦士(ああよかったんだよ泣いてねえよちくしょう)

操縦士「ああ……地球は青いな……」



……


ピンポーン

配達員「男さーん、お届け物でーす」

男「はーい……」ガチャッ

配達員(なんだこれ……あー、着れる寝袋だっけ? 変な格好してるなぁ……)

配達員「ええと、ここにサインいただけます?」

男「(変な格好だとか思われてそうだな……チッ)はい、これでいいですか」

配達員「はい、ありがとうございます、それではー」

バタン

男「くっそぉ、あの異能バトロワとやらで負けさえしなければ……!」

男「でもまぁ、買い物は全部通販で済ませれば何とかなるし」

男「金は株とアフィと実況動画とラノベの印税とで細々とだが何とかやりくりできてるし……」

男「文明の利器があれば何とかなるもんだ」

男「……ただ、たまにあの日差しの下を思い切り走り回って運動できないのが寂しくなることもある……」

男「まあいいんだよどうせ俺は元々ヒッキー気質なんだから。さーて来季アニメでチェックするべきはー……」


……


神「ふぅむ、みんな以外と何とかやっておるようじゃな。人間共の知恵もなかなか侮れん」

神補佐「服が着れなくなるとは言いましたが、「服」の厳密な定義については決めていませんでしたね」

神「水着はどちらかと言えばアウトじゃあないかと思いはしたが、まあそこはあの女優ちゃんの色んな水着姿が見られるということと引き換えにサービスじゃ」

神補佐「満足されましたか」

神「うむ。余興としてはいいものじゃった」

神補佐「ではそろそろ、神としての公務にお戻りください」

神「ええいうるさい奴じゃのう、わかっておるわい」ドッコイショ

神「ええと、この辺の書類を片付ければいいんじゃな?」

神補佐「はい。わたしはその間に天界を見て回ってきますので。……サボらないで下さいよ?」

神「わかっとるわい」カキカキ

神補佐「ううん、たまに変な遊び心さえ出さなければすごく有能な神様なんですが……さてわたしも仕事仕事」ピュー

神「……行ったな?」カキカ...ピタ

神「よぉし今のうちじゃあ手早く済ませるぞい!」ポーイ

神「ふぉっふぉっふぉ、ワシがあの程度で満足すると思うなよ」

神「次はもっと盛り上げて、もっと面白い異能バトロワを演出してやるのじゃ……!」

神「さて、そのためにまずは……」ポチポチ

神「えー……『ワイ神、ド派手に異能バトロワやりたいのでちょっと知恵を貸してくれ』っと」カタカタカタ...ッターン





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