P「気持ち悪い…だが、吐くわけには」(41)

※特にオチも考えてないので、グダグダになる可能性大

※きたない




 某テレビ局の撮影スタジオ 休憩場所



P「くっそぉ」ボソッ

P(昨日のテレビ関係者との飲み会で飲み過ぎた……)


P(二日酔いと言うか、悪酔いだなこりゃ。吐き気はするんだが、事務所のトイレでスタンバッて見ても一向に吐けなかったし)

P(それにもうテレビ局だ……ここまで来てプロデューサーがゲロを吐きましたじゃ、洒落にならんぞ?)



P(今だって気遣われて、椅子に座って休んでて下さいとか言われてんのに……)

P(これ以上、アイドル達の足は引っ張れん!! テレビ局で、それも撮影現場で、絶対にゲロは吐かないようにしないと!!)グッ



P「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」

P(しかし、やっぱちょっとツライな)


美希「ハニー?」タタッ

P「ん、どうした美希?」チラッ



美希「ミキのシーンが終わったから、ハニーの様子を見に来たの」

P「そっか……わざわざすまんな」ニコリ


P「まぁ悪酔いだからさ? 吐いてしまえば楽になるんだが」

美希「わる、よい……なの?」



P「吐いちゃえば楽になると思うんだが、中々な……」

P「それに、撮影現場で吐く訳にはいかないさ。プロデューサーがゲロしたとあっちゃ、お前らのイメージダウンに繋がる」


美希「……」

美希「よくわかんないけど、ハニーが苦しいって言うのはわかるよ?」



美希「ねぇハニー?」

P「なんだ?」


美希「ゲロ、吐いて?」

P「っッ!?」ピクッ



P「吐ける訳ないだろ!?」

美希「ミキ、ハニーのそんな苦しそうな顔、見たくないのっ!!」フルフル


美希「みんなもきっと、同じ考えだって思うな」

P「……」




美希「ハニー、ゲボ……吐いて?」

P「駄目だ、ゲボは吐かない」


P「プロデューサーはな美希? 弱音とゲボは吐かないんだよ!!」

美希「っ……」ピクッ



P「ほれっ、お前も次の出番に向けて休憩しとけ」ニコリ

美希「は、はにー!? ミキは……」タタッ


美希「きゃっ!?」コケッ ドサァッ

P「おい、大丈夫か美希!? 何も無い所で転ぶなんて、美希らしくないぞ?」ガタッ



美希「……」

P「手を貸すよ。立てるか?」スッ


美希「……」

美希「……」




 ── 星井美希の回想 ──



真『えっ? 一番強いパンチ?』

真『そりゃあアッパーカットだよ』シュッ


真『けど、アッパーカットは隙が大きいからね』

真『でも待てよ……』



真『そう、ジェット機だ!!』

真『ジェット機みたいに急上昇するアッパーカットが有れば!!』



真『なぁんて……』クスッ

真『そんなパンチを完成させられるとしたら、それは本当の、『天才』だけだね』



 ── 星井美希の回想終了 ──



美希「……」

美希「……」


P「美希?」

美希(そうなのっ。この体勢からなら、急上昇するジェット機のように!!)ググッ



美希「ミキがゲボさせてあげるのハニー!!」キッ

P「ッ!!?」ビクッ


美希「あちょーーっ、なの!!」

美希「ジェットアッパァァァッ!!」JET!!!!!



P「危ないっ」サッ

美希「っ!?」


美希「どっ、どうしてミキのジェットアッパーを避けるの!?」アセアセ

P「俺の鳩尾にブチ込んでゲボらせる気だったらしいが、そうは行かん」ニヤリ



P「それに何度も言うが、例えこの身がゲボりたいと訴えて来ても、俺の強い意志がそれを押し止める」

P「何故なら俺はプロデューサーだからだ!! プロデューサーってのはな美希? 弱音とゲロは吐かないんだよ!!」


美希「それさっきも聞いたよハニー?」

美希「でも、ゴメンなの……このハグが、反省の証ってカンジ?」ムギュウッ



P「ははっ、気にするな」ニコリ

P「分かってくれれば良いんだ」ナデナデ


美希「……」

美希「……」




 ── 星井美希の回想 ──



真『一番破壊力の有るパンチ?』

真『そうだなぁ……』


真『あっ、でもパンチって、インパクトの瞬間に体重を乗せられれば、『助走』は必要ないんだ』

真『だから例えば、相手と抱き着けるぐらい近付いてたとするだろ?』



真『それぐらい懐まで入ってれば相手も油断するし、その零距離からパンチを放てれば、避けられないんじゃないかな?』

真『うーーん……10センチも腕の助走が有れば、まるで爆弾のような、破壊力抜群のパンチが打てる筈だよ』


真『まっ、理論上は、だけどね? あははっ』クスッ

真『けどもし、そんなパンチを完成させられたら、その人は……本当の、天才だね』




 ── 星井美希の回想終了 ──



美希「……」

美希「……」



P「美希?」

美希(そうなの。この体勢からならっ、右腕をハニーのお腹から10センチ引いて……)ググッ



美希「ミキがゲボさせてあげるのハニー!!」キッ

P「ッ!!?」ビクッ


美希「ミキのBAKUDANは大爆発だぜーーっ、なの!!」

美希「10センチの爆弾!!」BOGAAAAAAN!!!!!




P「危ないっ」サッ

美希「っ!?」


美希「どっ、どうしてミキの10センチの爆弾を避けるの!?」アセアセ

P「俺の鳩尾にブチ込んでゲボらせる気だったらしいが、そうは行かん」ニヤリ



P「それに何度も言うが、例えこの身がゲボりたいと訴えて来ても、俺の強い意志がそれを押し止める」

P「何故なら俺はプロデューサーだからだ!! プロデューサーってのはな美希? 弱音とゲロは吐かないんだよ!! ウンコは漏らしても愚痴は漏らさないんだ!!」


美希「それさっきも聞いたよハニー?」

美希「でも、ゴメンなの……代わりにこうやって両手を合わせて、神様に良くなりますようにって、祈ってあげるね?」ギュッ



P「ははっ、気にするな」ニコリ

P「分かってくれれば良いんだ」


美希「……」

美希「……」




 ── 星井美希の回想 ──



真『絶対に避けられないパンチ?』

真『そうだなぁ……』


真『まずは何でもいいから隙を作るだろ?』

真『いや、だから好きじゃなくて隙だよ』



真『うーーん……普段は言わない事を言ってみるとか?』

真『それとか後は、美希には無理だと思うけど、にっひひー。絶対に避けられない凄い技が有るんだよねー』


真『アレ? 名前も知らないの? 右手と左手でさ、攻撃と防御が一体になった波動を相手へ撃ち出して、それで動きを止めて』

真『その後に両手を組んで、相手へ突進する技だよ? うっそだー!! 本当に知らない?』



真『なぁんて……』クスッ

真『そんなパンチが放てるとしたら、それはもう、本物の『勇者』だっ!!』



 ── 星井美希の回想終了 ──



美希「……」

美希「……」


P「美希?」

美希(そうなのっ。この体勢からなら……でも最初は、スキを作るの!!)ググッ



美希「ハニー?」

P「どうした?」


美希「私の名前は星井美希、よろしくね」

P「ッッ!!!??」ビクッ



美希「……」

P「……」


P「だっ、誰だお前は!?」タジッ

美希「今なのっ!! スキありだよハニー!!」バッ



美希「フッ、ハッ、てぇぇい☆ ミキがっ、宿命の拳をっ、叩き込むのっ!!」ババッ

美希「ヘル、アンドっ、ヘブンッ!!!」ズオォォッ


P「ぐおぉォッ!?」ピシピシッ

P「なっ、何だ? 体が動かないぞ!!?」




美希「ゲボを吐かせてあげるねハニー?」ニコリ

P「まっ、まさかっ!? ヤメろ美希!! 俺はこんな形で楽になりたくない!!」


美希「ゲムッ、ギルッ、ガンッ、ゴォ、グフォ……」ギチギチギチッ

P「ヤメおおおおおおおおおおおおおおお!!!」



春香「危なぁぁぁぁぁい!!」ダッ

P「春香!? どうして俺の前にっ……」ビクッ


美希「ウィィィタァァァァァァァッ!!!」ドゴォッ

春香「ヴぁいっ!!?」ズドンッッ


美希「……」グリグリ

春香「うぐぐっ……」フラフラッ



P「春香、どうして!? どうして俺の身代わりにっ!?」

P「俺が吐かなくたって、お前が吐いたら意味ないじゃないか!!」




 ザワザワ

古舘伊知郎「向こうが騒がしいみたいだけど、何か有ったの?」チラッ

カメラマン「いやぁ、何か765プロのアイドルがドンパチ始めたとか」


古舘「なんだって!? すぐに実況するよ!! カメラを回してっ」ガタッ

カメラマン「はっ、はい!!」



古舘「音声とマイクも急いで!!」タタッ

音声「はい古舘さん!! ピンマイクと音声接続オッケーです!!」


古舘「さぁ、始まりましたアイドル番付!!」

古舘「実況はわたくし、古舘伊知郎でお送り致します!!」

名前ぼやかした方がよくないか

>>24
もう書いちゃったし、今回はこれで行くよ



春香「えへへっ……わた、しも、ぷろでゅーさーさん、のっ、役に、立てまし……うぷっ!?」プルプルッ

美希「……」グリグリ



古舘「おーーっと、いきなり凄い展開だ!! グリグリと、グリグリとっ、胃袋を押し潰さんばかりに金髪の悪魔は、星井美希はっ、相手を容赦なく攻め立てております!!!」

古舘「さながらそれは、人間クルミ割り人形のようで有ります!! しかし本物が殻を破ってクルミを取り出すのに対し、星井美希が取り出すのは胃の内容物!! つまりはゲロ!!」


古舘「吐かせたい、吐かせたい。ゲロを吐かせたい!! 執拗な胃袋攻めを行っているのは、そんな執念でありましょうか!?」

古舘「まさに胃袋の処刑場!! ストマックキラーの異名を欲しいままにして来た……欲しい、まさに欲しい美希!!!」



P「大丈夫か春香!? ツラいなら、我慢せず吐くんだ!!」

春香「だいじょうぶ、ですよ……アイドルは、吐いたり、しませんから……でっ、でも、ちょっとトイレっ、うぶぶっ!?」フラフラッ




古舘「天海春香が限界なのは、ここに居る誰しもが感じる所であります!! 自らの手で口を覆い、もう吐くしかない……しかし吐かない!!」

古舘「吐きたい!! 吐いて楽になってしまいたい!! この胃袋を逆流する不快感を、ナイアガラの滝を昇らんとするこの昇竜のようなゲロを!! 早く吐いて楽になってしまいたい!!!」


古舘「しかし、しかしであります!! それを押し留めているのは、アイドルとしてのプロ根性か乙女の恋心か!?」

古舘「アイドルは夢の詰まった仕事だと、彼女は常々言っておりました!! その答えが今、カメラの前で晒されようとしています!! アイドルに詰まっているのは夢なのか? はたまたゲロなのか? どっちなんだ天海春香!!?」



P「春香っ?」

春香「わたしたち、みんな……仲間だもん」バタンッ


P「春香ッ!?」

春香「げろげろげろげろげろっ!!」ビチャビチャビチャッ




古舘「吐いたーーーーーっ!!! 逆、噴、射☆ やはりアイドルも、やはりアイドルも胃袋の中はゲロだった!!!」

古舘「床にうつ伏せに倒れ込み、寝ゲロの体勢で吐き出しております!! まさにゲロゲロキッチン状態だ!!」


古舘「しかし、誰が天海春香を責められるでしょうか!? 寝ゲロをしている時まで彼女は笑顔を忘れません!!」

古舘「その可愛らしい寝ゲロに、会場からは拍手と歓が巻き上がっております!! 口から何かを吐き出して喜ばれるのは、天海春香とマーライオンぐらいでしょう!!!」



美希「今度こそハニーの番なのっ!!」ババッ

美希「ヘル、アンドっ、ヘブンッ!!!」ズオォォッ


P「ぐおぉォッ!?」ピシピシッ

P「しっ、しまっ!! また体が動かない!!?」




美希「ゲボを吐かせてあげるねハニー?」ニコリ

P「まっ、まさかっ!? ヤメろ美希!! 俺はこんな形で楽になりたくない!!」


美希「ゲムッ、ギルッ、ガンッ、ゴォ、グフォ……」ギチギチギチッ

P「ヤメおおおおおおおおおおおおおおお!!!」



千早「プロデューサー危ない!!」ダッ

P「千早!? どうして俺の前にっ……」ビクッ


美希「ウィィィタァァァァァァァッ!!!」ドゴォッ

千早「ん゙ぐぁっ!!?」ズドンッッ



美希「……」グリグリ

千早「うぐぐっ……」フラフラッ



P「千早、どうして!? どうして俺の身代わりにっ!?」

P「俺が吐かなくたって、お前が吐いたら意味ないじゃないか!!」



美希「……」

美希「今度は、連続で行くのっ!! へるあんどへぶん!!」バッ


亜美「兄ちゃん危ないっ!!」ダッ

美希「ウィィィタァァァァァァァッ!!!」ドゴォッ



伊織「危ないわよっ!!」ダッ

美希「ウィィィタァァァァァァァッ!!!」ドゴォッ


律子「プロデューサー殿、危ないっ!!」ダッ

美希「ウィィィタァァァァァァァッ!!!」ドゴォッ



古舘「……」

古舘「何と言う事でしょう……わたくし、しばらく言葉を失っておりました!!」


古舘「言うなれば、巌流島の武蔵と小次郎の戦いが、まるで前座で有ったかのような!! むしろそんな戦いは無かったかのような!! 凄まじい光景が広がっております!!」

古舘「日本を誇るトップアイドルが、765プロのアイドル達が、次々と倒れては寝ゲロの架け橋を繋ぐ!!」



古舘「もはや立っているのはプロデューサーと、暴走機関車……怒れるトーマス星井美希の二人だけ!!」

古舘「この熾烈な戦いを、全国の視聴者が固唾を飲んで見守っている事でしょう!!」


古舘「さぁ見せてくれ!! 13体目のマーライオンになるのはどっちなんだ!!?」

古舘「アイドルなのか? プロデューサーなのか? はたまた両方なのか!? いったい、どっちなんだーーーーっ!!!」



美希「ぜぇ、ぜぇっ……次こそっ、ハニーの番だよ?」ニタリ

P「皆の犠牲を無駄には出来ない……こうなった以上、俺も戦う!!」キッ


美希「ヘルアンド、ヘブン!!」

P「ゲムッ、ギルッ、ガンッ、ゴォ、グフォ……」



美希「ウィィィタァァァァァァァッ!!!」ドゴォッ

P「美希ぃぃぃぃぃぃィィッ!!!」ドゴォッ



美希「……」

P「……」



美希「……」ニタリ

P「……」


美希「……」

P「……」



美希「やっぱり、ハニーってばスゴいの……あふぅ」バタンッ

P「美希?」


美希「えろえろえろえろえろっ!!!」ビチャビチャビチャッ

P「美希いぃぃぃぃぃぃぃっッ!!!」



古舘「あーーーっと、吐いたのは星井美希だ!! アイドルになってキラキラ輝きたいと言っていた彼女が、ここから見るとキラキラ輝くゲロを吐き出しているようにも見えます!!」

古舘「心なしか彼女の顔も満足そうだ!! 夢が叶って、吐いて悔い無し……そう言った所でしょう!!」


カメラマン「古舘さん、もうテープの残りが!!」

古舘「……」コクリ



古舘「非常に残念ですが、この辺で皆さんとはお別れとなります」ペコリ

古舘「最後に、プロ根性を見せてくれた……アイドルはこうあるべきだと教えてくれた765プロのアイドル達と」


古舘「その彼女達をプロデュースする、モップ掛けをしているプロデューサーの姿を見ながら別れましょう。また会う日まで、ご機嫌よう!!」

古舘「実況はわたくし、古舘がお送り致しました」




 数週間後、この映像が放送され、765プロは756(寝ゲロ)プロとして、世界中に有名になった。

 更に仕事も増え、自他共に認める世界一のアイドル、アイドル事務所となったのだった。



おわり

行き当たりばったりで書いてたからね。
こうなっちゃうのも仕方ないね。


他に書いたの
P「今日も仕事は無いぞ?」 美希「……」
P「今日も仕事は無いぞ?」 美希「……」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1454850562/)

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