勇者「1UP! 1UP!」 (29)


勇者(残機99)「ついに見つけたぞ、魔王!」

魔王「」



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勇者「なんだ、この勇者の前に怖気付いたか!」

魔王「いや……そりゃあまあ、多少な」

勇者「ふっ、魔族の王といっても所詮そんなものか」

魔王「うーん……」

勇者「どうした! 来ないのならこちらから行くぞ!!」

魔王「普通逆だよね、このやりとり」


勇者2「ついに見つけたぞ、魔王!」

魔王「」

勇者1「あっ、ちょ! まだ俺戦ってすらいないんだけど!」

勇者2「えー、おせーよ! 待ってらんねーよ!」

勇者3「魔王見つけたぞ!」

勇者1「おい待てって!」

勇者2「前の勇者がやられたら出てくる流れだろ!?」

勇者3「だってお前らが倒しちゃったら俺の出番なくなっちゃうじゃん!」

魔王「」


勇者4「見つけたぞ!」

勇者1「待てよお前ら!」

勇者5「魔王!」

勇者3「なんで順番守れないんだよ!」

勇者6「魔王!!」

勇者7「魔王!!!」

勇者(8~100)『魔王!!!!』

魔王「」


勇者1「あーもう仕方ない!」

勇者24「みんなで倒せば文句ないだろ?」

勇者89「でも一人一人の功績は減るよなあ」

勇者32「俺たち同じ勇者なんだからそんなの関係ないだろ?」

勇者95「それもそうか。皆で一人の勇者だ」

勇者6「よーし」

勇者(100)『勝負だ魔王!!!』

魔王「」


魔王「ま、待て待てちょっと。な?」

勇者58「なんだよ一体」

勇者34「魔王の癖にビビってんのかよ」

勇者66「へいへーい! 魔王ビビってるぅー!」

魔王(ムカつくが堪えろ……! 100人なんて相手にしてられんぞ……はっ!)

魔王「そう! 考えてもみろ。いくら魔王相手とはいえ100対1で戦ったなんて知られてみろ、勇者の名が廃るってものではないか!」

勇者93「む、言われてみれば」

勇者(100)『』ザワザワ…

魔王(これはいける)


魔王「やはり勇者足るもの、正々堂々と1対1で戦うべきであろう!」

勇者(100)『』ザワザワ…

魔王「であろう!」

勇者1「なるほど、確かに貴様の言う通りだ。1対1での戦いを受け入れよう」

魔王「やった!」

勇者80「じゃあ1が負けたら次は俺な」

勇者29「ふざけんな! 俺だよ!」

勇者2「順番に決まってんだろうが!」

魔王「やってない!!」


魔王(落ち着け、落ち着くんだ我。結局なんの解決にもなってないじゃないか)

勇者2~100『』ギャーギャー

魔王(とにかく、この場だけでもなんとか誤魔化さなければ!)

魔王「あー……勇者! 腹が減っては戦はできぬと言うだろう。まずは共に腹ごしらえ──いや、一層の事宴と洒落込もうではないか!」

魔王(何口走っちゃってんの我! いくら勇者が噂に聞くより幾分間抜けといえども、さすがに敵陣のど真ん中、しかも敵の大将と宴など──

勇者(100)『』ザワザワ…

魔王(なんかいけそうな件について)


魔王「そうだ、宴の席に男しかいないのではせっかくの宴も華を欠くというもの! 我が治める魔界全土より選りすぐりの美魔達を集めようではないか!」

勇者(100)『』ザワザワザワザワ

魔王(俄然ノリ気になってきたぞ)

勇者69「……は……か」

魔王「ん?」

勇者69「お触りはアリかと聞いている!!!」

魔王(こいつうっわ)

魔王「あ、ああ……まあ女に関してはその点も織り込み済みで手配しよう」

勇者69「うおおおおおお野郎ども宴だあああああ!!!」

勇者(99)『うおおおおおおおお!!!!!』

魔王(こいつを最後の希望として讃えてる人間ども可哀想)


──魔王城、特設宴会場


魔王「それでは、我らの出会いを祝して」スッ

勇者1「ふん、魔王と杯を交わすなど」キリッ

魔王(今更何を言ってるんだこの男は)

勇者92「そんなことより、この料理は本当に食べても害はないんだろうな」

魔王「無論だ。我とて勇者を毒殺するなどという卑怯な真似はしたくないからな。食材等は全て人間にも無害なものを使っている。安心するがいい」

勇者34「うめえwwwww」ガツガツ

魔王(少しは警戒しろよ)


勇者69「……魔王」

魔王「なんだ」

勇者69「……なぜ女の肌が青い」

魔王「いや、まあそういう種族なんで」

悪魔♀「うふふ……」

勇者69「なぜだ! なぜ色白や褐色ではなく青肌を呼んだ!!」

魔王「え、青肌の方が美しくない?」サワサワ

悪魔♀「あら、魔王様ったら///」

勇者69「オサワリ……オサワリタクナイ……」


勇者41「しかし貴様、あまり強そうには見えんな。負ける気がしない」モシャモシャ

魔王(その料理に毒が入っていたら100人揃ってあの世行きだぞ)

魔王「……ここだけの話だが、魔王といえど特別優れた魔力や膂力を持っているとは限らんのだ」

勇者87「なんだと?」

魔王「貴様らの王とて、国一の力自慢というわけではあるまい?」

勇者42「言われてみれば……」

魔王「我は血筋で王となっただけのことよ」

勇者67「なるほどな」

魔王(余裕で誤魔化せた)


魔王「ささ、もっと飲むが良い」

勇者89「お、サンキュー」

魔王「料理も食え」

勇者8「うめええええええ」

魔王「女も触って良いぞ」

勇者69「……」ソワソワ

悪魔♀「うふふ、どうする?」クネクネ

勇者69「うおおおおおおお!!」サワサワサワサワサワサワサワサワ

悪魔♀「あん、激しい///」

魔王「フハハ」


勇者38「お風呂借りていいか」

魔王「うむ、湯船に入って100まで数えるんだぞ」

勇者90「歯ブラシある?」

魔王「うむ、用意させよう」

勇者54「久しぶりにベッドで寝たい」

魔王「最高級の物を用意してあるぞ」

勇者64「トイレどこー?」

魔王「玄関ホールの右通路を突き当たって右手だ」

勇者69「ティッシュくれ」

魔王「自重してくれ」


魔王「ふう、疲れた」

魔王「手のかかるやつらだ」

魔王「……」

魔王「……」

魔王「何やってんだ我!?」


魔王「くっ、勇者め……我の手を煩わせおって……」

魔王「ていうかこれからどうしよ」

魔王「早く対策考えないと」

魔王「……」

魔王「……これだな」


──翌日


勇者1「魔王、今日こそ決着をつけてやる!」

魔王「昨日あんなに飲めや歌えやの大騒ぎだった癖に……」

勇者53「二日酔いがつれえ……」

勇者81「朝飯も食いすぎてしんどい……」

勇者69「新境地開拓でテンション上がってオ○ニーしすぎたから痛え……」

魔王「これは酷い」


勇者1「……まあいい、行くぞ魔王!」

魔王「来るがよい!」

勇者1「うおおおおおお!!」

魔王「くらえ、爆裂魔法!」

勇者(100)『ぐああああ!!!』ドォォォン

勇者16「ちょ、俺らにも当たるのかよ!」

勇者98「聞いてないって!」

勇者76「控えメンバーには攻撃できないのが鉄則だろ!」

勇者25「ちょ、はやく回復回復!」


勇者(100)『回復魔法!』キュゥゥゥン

勇者6「よっしゃ仕切り直しだ! 行くぞ魔王!」

魔王「爆裂魔法!」

勇者(100)『あああああああ!!!』ドォォォン

勇者1「ちょ、誰か全体回復できないのかよ!」

勇者34「お前ができねえんだから誰もできねえよ!」

勇者61「これ詰みだろ……」

魔王(勝てる!)


『待たせたな勇者!』

勇者43「何!?」

勇者11「誰だ!?」

僧侶(残機99)『お待たせしました!』

戦士(残機99)『俺たちが力に』

魔法使い(残機99、ツンデレ)『なってあげるんだからね!』

勇者(100)『うおおおおおおおお!!!!』

魔王「」



おわり

清々しい朝ですね
今日も一日頑張ろうな

ありがちな発想だけど割と面白かった

某配管工のおっさんが高難易度ステージに残る仲間の残骸を乗り越えて進む話を思い出した
ここの勇者はそんなことなさそうだけどな

殆ど自滅して終わりそうだな

魔王がんばれ

ワロタ

一人くらいデレデレの魔法使い♂はいないんですか

勇者69とかいう末期

ザラキ

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