まどか「ベイスターズを優勝させて!」QB「……え?」(36)

まどか「手段は問わないよ。とにかくベイスターズを優勝させて!」

qb「そっ、そんな願いが叶うとしたら、それはもう、ただの八百長なんてレベルじゃ……」

まどか「叶えてよ!」

qb「この願いはプロ野球の歴史に対する反逆だよ! 君は本当に独裁者にでもなるつもりなのか!?」

まどか「独裁者でもなんでもいい。ベイスターズが優勝しさえすればどうでもいい……」

qb「…………」

まどか「邪魔するルールなんて……。壊してやる! 変えてやる! それが私の願い!」

qb「…………」

まどか「さあ! 叶えてよ! インキュベーター!!!」

ゴオオォォーッ…………
………………………
……………
……

マミ「鹿目さん。それがどんなに恐ろしい願いか解っているの?」

まどか「……たぶん」

マミ「あなたは、数多くのプロ野球ファンを敵にまわしたのよ」

まどか「……」

マミ「広島ファンもロッテファンも、絶対にすごく怒ってるわよ」

まどか「……はい」

マミ「今あなたは、きっと横暴な独裁者と認識されているわよ……」

まどか「……いいんです。そのつもりです」

マミ「……そう……」

まどか「ベイスターズが勝ちさえすれば、他はどうでもいいんです」

マミ「…………」

まどか「何度でも言い返せます。いつまでも、言い張れます」

マミ「…………」

まどか「…………」

マミ「…………」

杏子「いいんじゃねぇの?」

マミ「…………」

杏子「もう始めちまったんだし。後はとことん突っ走ればさ……」

まどか「うん。ありがとう、杏子ちゃん」

杏子「まぁ、頑張れ」

まどか「うん」

マミ「ふぅ……。じゃあ、しばらく様子を見せてもらうわよ」

まどか「はい」

杏子「で、とりあえず、最初は何をするんだ?」

まどか「えーと……。とりあえず……」

マミ「とりあえず?」

まどか「……ダルビッシュかな?」

マミ「…………」

杏子「…………」

──数日後──


──横浜スタジアム──

ダルビッシュ「…………」(……俺は何故ここにいるんだ?)

中畑「よぉ。ダルビッシュ好調か?」

ダルビッシュ「……好調ですが……」


──レンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリントン──

牛田成樹「…………」(……俺は何故ここにいるんだ?)

観客(女)「あの人誰?」

観客(男)「知らん……」

観客(子供)「ダルビッシュどこに行ったの?」

牛田成樹「…………」(泣いてもいいかな……)

まどか「これで、15勝くらいは確実に増えるよね」

さやか「牛田さんが、いつの間にメジャーリーガに……」

マミ「えーと。ダルビッシュさんの年棒は?」

まどか「6年総額で6000万だよ」

さやか「えっ、6000万? もしかして、ドルで払うの?」

まどか「円だよ。ここは日本だもん」

マミ「ダルビッシュさんが、1年で1000万円……」

杏子「ひでぇ……」

まどか「まー君もほしいな」

田中「あれ? なんで俺が横浜に……」

まどか「球児さんも欲しいよね」

藤川「……え? トレード?」

まどか「おかわり君も♪」

マミ「鹿目さん。やりすぎよ……」

杏子「2位に20ゲーム差つけて独走だろ? そろそろ手加減しろよ……」

まどか「うぇひひっ。楽しいなぁ�・」

…………………………
………………
……

──数日後──

ほむら「あなたは、どこまで愚かなの?」

まどか「ごめんなさい……」

ほむら「そんな理由で、もうqbと契約してたなんて……」

まどか「だって知らなかったんだもん。魔法少女が魔女になるなんて……」

マミ(……魔女になる……魔女になる……みんな魔女になる……)

ほむら「…………」

まどか「……ごめんなさい」

杏子「昨日もまた勝ったな。ベイスターズ……」

さやか「たぶん……。マジで優勝しちゃうね……」

ほむら「あら? 意外と落ち着いてるわね」

杏子「……半分は現実逃避だよ」

さやか「……ゾンビちゃんかぁ。……嫌だ。……残念すぎる……アハハ……ハハッ……」

マミ(魔女になっちゃう……魔女に……魔女に……あなたも私も……魔女に……魔女に……)

さやか「……んっ? マミさん?」

マミ「うふふっ……うふふっ……ウフフフフッ…………」

杏子「やべぇ。発作だ……」

マミ「みんな死ぬしかないじゃない!!!」

さやか「マミさん!」

杏子「ほむら! 足押さえろ!」

マミ「……何も怖くないわよ……アハハッ……アハハハッ……」

ほむら「暴れないで。……このまま縛ろうかしら?」

まどか「あぁっ、マミさんが……」

さやか「……はぁ」

マミ「うふふっ……ウフフッ……ウフフフッ……」

杏子「……ふぅっ。メンタルが弱いんだよ。マミ」

──数分後──

マミ「……ごめんなさい」

杏子「気にすんな」

ほむら「落ち着いたかしら?」

マミ「えぇ。少し落ち着いついたわ」

さやか「……よかった」

まどか「うん」

マミ「……///」

ほむら「……ところで、一つ質問があるのよ。まどか」

まどか「なあに? ほむらちゃん」

ほむら「あなた、まだ人間よね? まどか」

さやか「え?」

杏子「……人間?」

まどか「…………」

ほむら「qbと契約したらしいけど、あなたは、まだ人間よね?」

まどか「……うん。たぶん、そうだと思う……」

マミ「……鹿目さん?」

杏子「どう言う事だ? 説明しろよ」

ほむら「つまり、まどかはまだ魔法少女にはなっていないのよ」

さやか「えっ? でも……」

杏子「まどかは、もうqbと契約したはずだろ?」

ほむら「ええ。契約したみたいね」

まどか「……でも……」

マミ「もしかして、まだ契約条件が……」

ほむら「えぇ。私も、おそらくそれが理由だと思うわ」

杏子「……じゃあ、まどかにはまだ……」

ほむら「そうよ。まどかには、まだチャンスが残ってる」

まどか「……ほむらちゃん」

さやか「え? どゆこと?」

ほむら「協力してくれるかしら? 巴マミ。佐倉杏子」

マミ「えぇ。もちろんよ」

杏子「別にかまわないぜ」

ほむら「ありがとう。巴マミ。佐倉杏子……」

まどか「……ありがとう。マミさん。杏子ちゃん……」

さやか「あのね。……さやかちゃんもいるんだよ?」

ほむら「あら? いたのね」

さやか「ひどっ……。まぁいいけど……」

まどか「さやかちゃん。ごめん……」

さやか「……で、私達は何をするの?」

ほむら「ベイスターズの優勝を妨害するのよ」

さやか「え? 妨害?」

ほむら「そうよ。妨害よ」

まどか「…………」

さやか「なんで?」

マミ「鹿目さんの契約条件は、ベイスターズの優勝でしょ」

杏子「つまり、ベイスターズが優勝しなけりゃ、今回の契約は無効なんだよ」

さやか「あっ……。なるほど……」

ほむら「理解出来たみたいね」

まどか「…………」

ほむら「いいわね。まどか」

まどか「……えっ?」

ほむら「ベイスターズファンのあなたには、辛い現実でしょうけど……」

マミ「このままベイスターズを優勝させるわけにはいかないわね」

まどか「うっ……うん……」

さやか「まぁ、ゾンビになるよりは、ずっとマシだよね」

杏子「そうだな。せっかく首位を独走してるのに悪いけどな」

まどか「…………」(はぁ……。見たかったな。ベイスターズの優勝……)

さやか「……で、具体的に、どうやって横浜の優勝を妨害すんの?」

杏子「うーん……。このままだと、たぶんベイスターズが優勝しちまうからな……」

マミ「……どうしましょう?」

杏子「主力選手を暗殺でもするか?」

さやか「……え?」

まどか「……暗殺……するの?」

ほむら「確かに、試合中のベンチにミサイル一発撃ち込めば……わりと簡単に……」

さやか「…………」

…………………………
………………
……

──横浜スタジアム──


中畑清「絶好調♪」

三浦大輔「今日も勝つぞ!」

主力選手達「「おーっ!」」

ラミレス「ンッ? アレナニ?」

金城 龍彦「……何か飛んで来る?」

てぽどん『びゅーん・どっかーん!!!』

主力選出達「「わーっ!!!」」

…………………………
………………
……

──レンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリントン──

牛田成樹「三浦さんも、金城さんも死んじゃった……」

…………………………
………………
……

マミ「えっと……もっと、穏便に……」

ほむら「まぁ、最後の手段として、一応ミサイルは用意しておくわ」

さやか「いや、用意しなくていいから……」

まどか「このルートだけは、絶対に回避したいよ……」

杏子「じゃあ、他の計画も考えるか?」

マミ「なるべく、平和的なプランの方が……」

ほむら「それじゃあ」

まどか「…………?」

ほむら「とりあえず、他球団から強引に引き抜いた選手を、元の球団に返しましょう」

さやか「あっ、それいいかも」

杏子「そうだな。一昔前の金満球団みたいで、評判悪かったしな」

まどか「えっ? せっかく集めたのに……」

ほむら「まどか……」

マミ「鹿目さん?」

まどか「あっ、ごめんなさい……」

…………………………
………………
……

ダルビッシュ「……え? 牛田さんとトレード?」

田中「はい。楽天に復帰ですね」

藤川「俺は阪神ですよね?」

中村剛也 「なんでこの時期に?」

鳥谷「はい」

長野「はい」

前田健太「はい」

浅尾「はい」

「はい」「はい」「はい」「はい」「はい」「はい」「ハーイ」

…………………………
………………
……

中畑清「……おかえり」

牛田成樹「……はい……」

ほむら「これで、もう大丈夫ね」

さやか「この後は?」

杏子「もう十分じゃねえか?」

まどか「……うん」

さやか「……え? え?」

マミ「これでおそらく、ベイスターズは順調に失速してくれるわ」

さやか「でも、まだメンバーを元に戻しただけだよ?」

まどか「……うん」

さやか「これだけでいいの? 2位に20ゲーム差つけて独走してるんでしょ?」

杏子「……あぁ。分かるだろ? これだけでいいんだよ……」

まどか「…………」クスン…

おわり

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