まどか「それいけ!アンパンマン!」 (100)

SSを書くのは初めましてなので至らぬところもあるとは思いますが暇つぶし程度に読んで行ってください

レス数でいうと大体90レスほどです
それではよろしくお願いします

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1443366434

それはある女の子の願いのお話

それは希望の化身

それは愛と勇気を携えて

みんなのもとに飛んでくる

さやか「マミさん!」

シャルロッテ「」ガバァ

マミ「え?」

ヒューン

?「アーンパーンチ!」


?「けがはない?もう、だいじょうぶだよ」

マミ「は、はい」

さやか「え、なに、これ…?」

アンパンマン「ぼく、アンパンマンです。たすけにきましたよ」

まどか「ほんとにいたんだ…」

さやか「いや、どうなの?ほんとなの?これって」


マミ「あ、あの、ありがとうございました」

アンパンマン「いいえ、おなかはすいてないですか?」

まどか「なんかもう、色々ありすぎて疲れちゃいました」

さやか「あたしもー」

アンパンマン「じゃあ、ぼくのかおをおたべ」

さやか「やっぱり!いただきます!」

マミ「わ、わたしもいただきます」

まどか「私ももらっていいですか?」


キャイキャイ

ほむら「信じられない…」

「ループのし過ぎでおかしくなったのかしら」

途中邪魔が入った場合ほとんどが間に合わず無残な姿の巴マミがいるはずだった
今回も例に漏れずその覚悟をしていたのだが…

「これは予定外ね…」

大概の事は驚かないつもりでいたけれど

ほむら「しばらく調査する必要があるわね」


まどかの家

QB「ねえまどか、あのアンパンマンというのはみんな知ってるのかい?」

まどか「うーん皆ってわけじゃないと思うけど、ほとんどの人が知ってるんじゃないかな」

QB「へえ、ならまどかは何で知ったの?」

まどか「私の家にアンパンマンの絵本があったんだ、小さいころから読み聞かせてもらってたんだよ」


QB「絵本?彼は絵本の中の人物なのかい?」

まどか「そうだよ、最近だったらアニメとかにもなってるしそっちのほうが知ってる人は多いんじゃないかな」

QB「なるほど、だいたいわかったよ、ありがとうまどか」

まどか「どういたしまして、おやすみきゅうべぇ」

QB「うん、またね」


まどか「えへへ、アンパンマンかあ」

「マミさんを助けて、おいしいアンパンも食べさせてくれて」

かっこいいヒーローみたい、私もなれるのかな


魔法少女になったら、私もアンパンマンみたいに誰かのヒーローになれるのかな

まどか「学校の皆には内緒だよ…なんちゃって」

少し恥ずかしいような妄想に口元が緩んでしまう

実はもう、魔法少女になるための準備はできている

まどか「皆には笑われちゃったけど」

机の上のノートを見ながら少し苦笑した

「必殺技も考えておいたほうがいいのかな?」

今度マミさんにも相談してみよう


QB「という訳なんだ」

杏子「へえー?にわかには信じらんないな」

QB「僕にも初めてだよ、魔法少女以外の存在が魔女を倒せるなんて」

杏子「一回会ってみたいもんだね」

QB「そうだね、彼が見滝原市にいるうちに」


杏子「ていうか、急にどうしたんだよきゅうべえ」

QB「何がだい?」

杏子「お前が魔法少女や魔女以外に興味を示すなんて珍しいこともあるもんだって」

QB「杏子は僕をなんだと思ってるのかな」

「それに、魔女を倒す存在である以上君たちに関わりがないとは言い切れないだろう?」


QB「それに彼の技、えっと、何て言ってたかな」

杏子「アンパンチ?」

QB「そう、それに当たった魔女は消え去ってしまったんだ」

杏子「消えた?」

QB「そう、グリーフシードも残さず跡形もなくね」

杏子「はーん…それは、面倒だね」


QB「そう、場合によっては君たち魔法少女を大いに脅かす存在だよ」

杏子「アンパンマンと敵対なんて小さい頃のあたしが聞いたらなんて顔すんだろ」

QB「仕方ないよ、それに魔法少女になったなんて言ってもきっと同じだろう?」

杏子「違いないね」ヘヘッ


QB「とにかく、まだまだ分からないことが多い、だから」

杏子「わかってるよ見かけてもいきなり接触すんな、だろ?」

QB「そう、それで分かったことがあったら僕に教えてほしいな」

杏子「はいはい、久しぶりにマミの顔でも見に行ってみるか」

QB「じゃあね、頼んだよ」


さて、ここ数日間の調査で分かったことがある

アンパンマンは魔女の結界にのみ現れるという事
時を止めて彼を追跡しようと試みたが目を離した隙に消えてしまっていた(魔法少女の魔法に影響されないという事?)

優先的に魔法少女を助ける傾向にあるという事
一般人のみや魔翌力を使わずにいる場合だと現れず魔法少女として魔女の結界内にいると姿を見せるようだ

魔法少女を助けたあとは必ず自らの顔を分け与え、何も言わず去っていくという事
この辺りは私がマミの時に見たものと同じだ

ほむら「もしかすると彼も魔女の一人なのかしら、なんて」

「だとすると一体どんな魔法少女が生み出してくれたのかしら、全く迷惑な話だわ」ハァ


それに、アンパンマンの様子を遠くから探っていた影

ほむら「佐倉杏子…あの子も動き始めたみたいね」

少し早い気もするが彼女と接触しておいたほうがいいかもしれない


さやか「心なしか」

まどか「マミさんの部屋に」

マミ「?」

さやまど「アンパンマングッズが増えてる気がする…」


マミ「たしかに、よく見るとそんな気がするわね」

さやか「よく見るとどころじゃないですよ!今時幼稚園児でもここまでアンパンマングッズ持ってないですって!」

まどか「アンパンマン、かっこよかったもんねー」

マミ「鹿目さん、アンパンマン様、よ」

まどか「あ、アンパンマン様、かっこよかったですね」エヘヘ


さやか「もしかしてここ最近苦戦しなさそうな相手でもいつもピンチになっていたのって…」

マミ「あの方なら助けに来てくださるの」

さやか(うわー、目がハートの人って初めて見た…)

まどか「えへへ、ちょっとやりすぎだって思うな…」

マミ「食パンマンが好きだったあの頃の私に教え込んであげたいわ」

「ああ、どうして私はアンパンマン様の魅力を忘れていたのかしら!」

さやか(聞いちゃいねえ)


杏子「んで、アンタも魔法少女なの?」

ほむら「どうかしら、といってもここにいる時点で隠しても無駄みたいね」

杏子「っかしーな、この辺りはマミの縄張りだと思ってたけど」

ほむら「色々と混み入った事情があるのよ、それに今はマミ一人じゃないわ」

杏子「らしーね」

「聞かせてもらおーか、新顔二人についてさ」


ほむら「いいわ、あなたにも協力してもらわないといけない事もあるし」

杏子「アタシが言うことを聞くかはわかんないよ?」

ほむら「最後まで聞けばわかるわ」

。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 



ほむら「という訳」

杏子「いや、そのさやかって子についてはいいんだ」

「アタシが聞きたいのはもう一人の方」

ほむら「…大方誰に聞いたかは予想がつくけれど、残念ながら私も彼に関しては全く情報が無いのよ」

杏子「へー、といってもアンタが隠してる可能性があるんじゃない?」

ほむら「私はこんなイレギュラーな事を早く解決したい。だから協力者が必要。隠し事なんて何のメリットも無い、というのではダメかしら」

杏子「…いや」

「とりあえず、信じてやるよ」


杏子「それで、アタシが協力するっていう根拠は?」

ほむら「そうね、それについても言っておかないといけないかしら」

「三週間後にワルプルギスの夜が来る」

杏子「へー、なんでわかる?」

ほむら「それについては言えない」

杏子「はあ?そんなんで協力しろっての?」

ほむら「ええ」

杏子「簡単に言ってくれるねえ、まあそれなら一人でやるより協力したほうが良いか」


ほむら「さて、結界に入ってから十数分」

魔女「」グググ

杏子「そろそろ釣れるか?」

ヒューン

アンパンマン「アーンパーンチ!」

魔女「」キラーン

杏子「よっしかかった!」ジャキ

ほむら「ちょっと!何を」


杏子「さって」ブォン

アンパンマン「!?」

杏子「お、やっぱり避けるかー、じゃあこれならどうかな!」ブン

アンパンマン「アーンパ…!」

杏子「うわっ…お?」

ほむら「止まった?」


アンパンマン「だめですよ、わるいことしちゃあ」グググ

「ぼくは、まほうしょう女をま女から」

杏子「んー?どうしたんだ、こいつ」

ほむら「わからない、けど明らかに様子がおかしいわ」

アンパンマン「まほうしょう女…なんで」フワー

杏子「あ、ちょっ、待て!」


杏子「くっそ、空飛べるのはずるいよなー」

ほむら「それよりも、いきなり襲い掛かった事について納得のいくように説明してもらおうかしら」

杏子「あんたと協力するって言っただろ?」

ほむら「それがどう関係してるというの」

杏子「あんなイレギュラーなやつさっさと潰したほうが良いだろ、アンタにとっても魔法少女にとっても」

ほむら「だからって襲い掛かる必要なんて」


杏子「あいつが味方だとは限らないだろ、それに倒された魔女がグリーフシードを全く落とさないのもはっきり言ってこっちには死活問題だ」

杏子「アンパンマンに助けてもらえるなんて憧れるけどね、アタシはそんな資格のある良い子じゃない」

ほむら「あら、アンパンマンはバイキンマンも助けてあげるのよ」

杏子「そうかい、アンタがそんな冗談言うとはね、びっくりだよ」

ほむら「何にせよ、もう一度接触する事必要があるわ」

「今度はいきなり襲い掛かるような真似はやめてもらえるかしら」

杏子「はいはい、大人しくしときますよー」


ほむら(とはいっても、全く収穫がなかったわけではない)

やはり目的は魔女から魔法少女を助けることのようだ(真意はさておき)

それに攻撃してきた杏子に手を出すことはなかった

ほむら(それでもわからないことの方が圧倒的に多いのに変わりはないけれど)



ここは、どこだろう

ぼくは、行かなきゃいけないのに

……やかちゃん!!

お…無茶してんじゃ……

たすけないと、まほう少女を…

あははっ本当だあ

ぼくが、空をとんでいくから




その気になれば痛みなんて完全に消しちゃえるんだあ




きっと君を助けるから



さやか「こんなあたしでもアンパンマンは助けてくれるんだね

まどか「さやかちゃん…」

さやか「あたしなんてもう、なんのために戦ってるかもわかんないのに」

まどか「あんまり無茶しないで、痛くないから傷ついてもいいなんてそんなのだめだよ」

さやか「あたし才能ないからさ、ああでもしないと」

まどか「でも駄目だよ!」



どうしてあたしはヒーローになれないんだろう

誰かを助けた分だけ心に恨みや妬みが溜まって行って

無償の愛って何なのかな

どうしてアンパンマンにはそんなことができるんだろう

自分を犠牲にできるんだろう

こんなあたしまで助けてくれるんだろう

さやか「最低だよ、あたし」

会って話がしたい
アンパンマンと



そうだよ、ぼくの名前はアンパンマン


ほむら「やっと見つけたわ、アンパンマン」

アンパンマン「あなたは?」

ほむら「そして会話ができたのも初めてね」

アンパンマン「一体だれなんです?」

ほむら「私は暁美ほむら、あなたが守ろうとしている魔法少女よ」

アンパンマン「ま法少女…」


ほむら「そう、単刀直入に聞かせてもらうわ」

「あなたは何者なの?」

アンパンマン「僕は、僕の名前はアンパンマンです」

ほむら「他には?」

アンパンマン「それ以外は、わからなくて」

ほむら「疑ってるわけじゃないけど、隠すとあなたのためにならないわ」

アンパンマン「本当なんです、全く覚えがないんです」

アンパンマン「ここが何処なのか、パン工場の皆は?ばいきんまんは?」


ほむら「私だって聞きたいくらい、本当に何も知らないようね」

アンパンマン「ごめんなさい」

ほむら「では別の事を聞きましょう、どうして私たちを守ってくれるのかしら」

アンパンマン「ごめんなさい、それも分かりません、ただ守らなくちゃと思うんです」

ほむら「そう…話が聞けたら何か分かるかもと思ったのだけれど本人も何もわからないんじゃ仕方ないわね」

アンパンマン「ごめんなさい」


QB「興味深い話をしているね、その話僕にも聞かせてくれないかな?」


アンパンマン「!?」

ほむら「インキュベーター…!」

QB「その呼び方をするなんて、君もやっぱり只者じゃないみたいだね、けど今は保留させてもらうよ暁美ほむら」

「さあ、アンパンマン君は何者なのか?どう生み出されたか、興味はないかい?」

ほむら「知ってるというの?」

アンパンマン「僕が何者か…?」

QB「そう、君が何者か」


ほむら「お前が自ら動くなんて、よほどの裏があるようにしか思えないんだけど」

QB「話ができるようになったみたいだし、君のこれからにも関わると思ってね」

QB「こちらとしてもアンパンマンに魔法少女を救ってもらうのは効率が良い訳じゃない、けどね一応これは親切心のつもりなんだよ」

アンパンマン「どういう事ですか」

QB「いきなり結論だけを言っても混乱するだろうからね、まず君という存在についてだけ言わせてもらうよ」


「君はアンパンマンであってアンパンマンではない」


アンパンマン「僕が…僕じゃない?」

QB「そう、君はアンパンマンの姿をした別物という訳だよ」

「具体的には魔法少女の願いが生み出したアンパンマン、という訳さ」

ほむら「魔法少女が生み出した?」

QB「そう、僕も契約したは良いけど叶えた願いがまさか君のようなものを生み出すことになるとはね、完全に想定外だったよ」


アンパンマン「僕は、どんな願いから生まれたんですか」

QB「確か、皆を助けるヒーローが欲しい、だったかな」

QB「おそらくヒーロー像として君のイメージが強かったんだろうね」

アンパンマン「皆の、ヒーロー...」


QB「君の技、アンパンチだったね、調べてみるとあれは驚異的な技だったよ」

「もうあれは絵本の中の君の技とは次元が違う」

「暁美ほむら、君はもう知っていることだろうからあえて隠さずに言うけど」

「魔法少女どころか、魔女さえも因果に反して絶望から救ってしまうそんな技になってしまっているんだ」

「そのせいで魔女は消滅、というより生まれなかったことになってしまっている」

「もちろんグリーフシードなんて落とすはずもない、魔法少女にとって君は自分たちの餌を奪う外来種という訳だね」


さやか「なら、ならあんたが戦ってよ!」

まどか「っ…」

さやか「キュウべえから聞いたよ、アンタとてつもない才能持ってるんだって?」

「ならあんたが契約しなよ、できないよねえ?誰だって傷つくのは怖いし人間やめて石ころになりたくないもんねえ?」

まどか「さやかちゃん…!」

さやか「ついてこないで!」


アンパンマン「僕が…そんな事に…」

QB「信じられないかい?けど、僕にとっては君の行動のほうが信じられないよ」

ほむら「どういう事かしら」

QB「君にとって人間は所詮別の種であるはずだ」

「本来なら争い合い、お互いを侵食しあう関係にある」

「共存するにしても自分にマイナスしかないような共生の形なんて見た事が無い」

「他種族にどうして身を削ってまで施しができるんだい、全く理解に苦しむよ」

アンパンマン「....」


QB「だからきっと僕にも分からないような理由があるのかもしれないと思って来てみたんだけど」

QB「きっと君も自我が芽生えたばかりで分かってないことも多いようだね」

QB「また聞きに来させてもらうよ」

QB「じゃあね、アンパンマン」


ほむら「アンパンマン、今の話は本当なの?」

アンパンマン「」

ほむら「といってもアイツは絶対に騙すことはしないし」

「あなたの顔を見れば嘘ではないことくらい予想はつくけれど」

アンパンマン「その、本当の事、みたいです」


ほむら「そうね、正直私にも信じられないわ」

アンパンマン「ごめんなさい」

ほむら「どうして謝られるのかしら」

アンパンマン「いえ、その、すみません」

ほむら「私も冷静でいるわけじゃないけどひとまず落ち着いたほうが良いんじゃないかしら」ハァ


ほむら「とにかく、あなたは私の知っている限り二人の魔法少女を救った、これは事実よ」

アンパンマン「でもそれも…!」

ほむら「関係ないわ」

「結果どうなっていようとその事実は変わらない」

アンパンマン「…ありがとうございます」

ほむら「さて、あなたの話は聞けたことだしこれで用事は済んだわけだけれど」

「私の話も聞いてくれるかしら」

。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 




ほむら「あなたの話と同じでにわかには信じられないとは思うけど」

アンパンマン「この街に来るんですね…その、ワルプルギスの夜が」

ほむら「ええ、あなたにも協力して欲しい」

アンパンマン「もちろんです」

「だってあなたも同じ魔法少女で、救うべき存在ですから」

ほむら「ありがとう、ヒーローに助けてもらえるなんて光栄だわ」

アンパンマン「これからは、ほむらさんも一人じゃありません」

「一緒に戦いましょう」


マミホーム

マミ「美樹さん、今日も学校には?」

まどか「そうなんです…」

マミ「そう、やっぱりあれから」

まどか「…はい」

マミ「うーん、ところで鹿目さん、鹿目さんには叶えたい願いはあるのかしら」

まどか「え?…いいえ」

マミ「そう」

「なら魔法少女になる必要は無いと思うわ」


マミ「あなたはたまたま知ってしまっただけで本当なら魔法少女がどんな戦いをしていても、どんなに苦しんでいてもあなたがそのことに負い目を感じる必要なんてなかったの」

まどか「でも」

マミ「それが友達でも、私のような先輩でも、ね」

まどか「それでも私は知ってしまったんです、それをただ見てるだけなんて」

マミ「あら、私はあなたみたいに何も隠さなくていいお友達がいてくれること、結構助かっているんだけど?」


まどか「言葉だけでもそう言って貰えて嬉しいです」

「けど、やっぱり私だけ何にも危なくないようなところでいるなんてっ…」

マミ「今はそうでもないわよ?なんてったってアンパンマン様がいるんですもの」ウフフ

まどか「マミさんは怖くないんですか!?いつ死んじゃうかもわからないのに」

マミ「今まではとっても怖かった、ときどき夢に見るくらいに」

「でも今なら大丈夫、そうなる前にアンパンマン様が助けてくれるわ」


マミ「なんて、緊張感のない事じゃ駄目ね」フフ

まどか「アンパンマンさんもいつも来てくれるとは限らないじゃないですか」

マミ「アンパンマン様の助けは何も来てもらえた時だけじゃないわ」

まどか「…どういう事ですか?」

マミ「うーん、言葉ではちょっと説明しづらいわね」

「心の支えのようなものかしら、彼がああやっているから私もいて良いんだって思えるというか」


ほむら(そのアンパンマンについてだけど良いかしら)


マミ「暁美さん?」

まどか「ほむらちゃん?」

ほむら(いま巴さんの家の前にいるわ)

ピンポーン

ほむら(早く開けてもらえると嬉しいんだけれど)


ほむら「お邪魔します」

マミ「どうぞー」

まどか「久しぶりだね、ほむらちゃん」

ほむら「そうね、お互いに色々忙しかったでしょう?」

マミ「暁美さんも何かあったの?」

ほむら「そうね、さっそく本題に入りたいところだけど美樹さんを待っていないといけないし」

マミ「美樹さんをsまどか「さやかちゃんが何処か知ってるの!?」

ほむら「そう焦ることはないわ、それよりも」

「私、久しぶりに巴さんの淹れた紅茶が飲みたいのだけど」


電車内

ガタタン  ガタタン

さやか「」ボー

男A「女にはしっかり貢がせないと…」

男B「犬かなんかと思って躾ないとダメっすよねー」

男A「捨て時がほんと重要だわ」

さやか「ねえ」

男B「ん?」

男A「どうしたのお嬢ちゃん」


さやか「その女の人はあんたを本当に好きなんじゃないの?」

さやか「あんたの為に頑張ってきたんじゃないの?」

「なのに犬と同じなの?」

男A「何コイツ、知り合い?」

男B「いや初めて見たっす」


さやか「ねえ、この世界って守る価値あんの?」

さやか「あたしなんのために戦ってたの?何のために生きてるの?」


「教えてよ」


ズズズズズズズズズ


でないとアタシ


ヒューーーーン


どうにかなっちゃうよ?


バリーーン!!!




。 。 。 。 。 。 。 。

男A「おい、おい!」

男B「う...ん、なんすか」

男A「なんなんだよこれ…」

男B「…!窓が」

男A「…なあ、俺ら女の子と喋ってたよな?」

男B「何処にも居ないみたいっすけど」

男A「あー、もうわかんね、夢か」

男B「夢みたいっすね、おやすみなさいっす」


さやか「どうしてあんな奴らかばったの」

さやか「アンパンマン、アンタも分かってるでしょ?あんな奴ら自分を犠牲にしてまで救う価値なんてない」

アンパンマン「だからってそれが見捨ててもいい理由にはならないんです」

さやか「ねえ、どうしてそうやって考えられるの?例え誰かを助けたとしても明日には忘れられてるかもしれないんだよ?それどころかもっと悪い事をするかもしれないじゃん」

アンパンマン「それなら、その度に諭してあげます」

さやか「ねえ、どうしてあんたとアタシはそんなに違うのさ」

「アタシだって皆を助けたかった!自分を捨てても頑張れると思ってた!なのに、、なのに」


アンパンマン「アンパンマンと美樹さんは全然違います」

「アンパンマンは自分のせいで悲しむ人を放ってはおきません」

さやか「こんなになったアタシに悲しむ人なんて」

アンパンマン「います、思い出してください」

「どんな体でもあなたを気遣ってくれた人、最後まであなたを追いかけてくれた人、今でもまだあなたを心配して探しに来ようとしている人がいるはずです」

さやか「………そんなの」


「まどかが、いたよ」


また別のある時、ある場所


QB「驚いたよ、君があの話を聞いてもまだ行こうとするなんて」

QB「君に下がってもらうための最終手段のつもりだったんだけど」

アンパンマン「どんなことになっても僕は立ち向かわなくてはいけないんです」

アンパンマン「もうこれ以上誰かを悲しませるわけにはいかない、助けを待つ声を放っては置けない」

QB「それは君の意志かな?」

アンパンマン「はい、勿論」

QB「ソレが自己犠牲というやつかい?自分が損をしても全く構わないと、たとえどうなってもかまわないと?いささか理解に苦しむね」


アンパンマン「きっとあなたたちにはわかることはないでしょう」

アンパンマン「僕がみんなにあげられた希望の火は消えることはないんです」

アンパンマン「あなたたちのようにバックアップを取ることは出来ません」

アンパンマン「けれど必ずその希望は受け継がれます」

アンパンマン「彼女たちを見た誰かに、そしてその人もまた誰かに」

アンパンマン「例え僕が消えることになってもそれが消えることはありません」


アンパンマン「だから僕は自分が消えてしまうことなんて怖くない」

アンパンマン「きっと絵本の中の僕もそう考えると思います」

QB「そう、もう揺るぎそうにないね、一つだけのつもりだったけど最後にもう一つ質問してもいいかな」

アンパンマン「なんでしょう?」

QB「アンパンマンは顔がそんなに濡れていると力が出ないんじゃないのかい?」

アンパンマン「…そうですね、僕はもうアンパンマンとしてみんなの前に立つことは出来ない」

アンパンマン「アンパンマンの顔が血と涙で濡れた顔ではいけないんです」

アンパンマン「それに、アンパンマンはみんなの笑顔を守るため拳を振るうんです。自分の憎しみで動いてしまった僕はもう、アンパンマンではいられない、いてはいけない」

QB「そう、アンパンマンというのは大変だね、同情するよ」


アンパンマン「それでも僕にはまだやることが残っています」

QB「アンパンマンですらなくなった君がかい?」

アンパンマン「はい」

「泣いてる子がいるんです、助けに行かないと」

QB「そうか、アンパンマン、君の言う事に納得は出来たよ、けれど」

「やっぱり理解できそうにないね」


少し前

さやか「ごめんねえーー!!まどかぁー!ごめんねえーー!!」

まどか「いい、良いよさやかちゃんそんなに大袈裟にしなくても」

イチャイチャ ベタベタ

ほむら「そろそろ離れたらどうかしら」イラッ

さやか「まどかーーー!!」

ほむら「」スパアン!!

さやか「痛っ何すんのさ転校生!!」

ほむら「私ではないわ」

さやか「嘘つけ!完全にスリッパ片方履いてないでしょうが!」

ほむら「私ではないわ」


マミ「あ、アンパンマン様ー!」

アンパンマン「なんですか?」

マミ「私、一度しっかりお礼が言いたくて、えっと、その...」

アンパンマン「ゆっくりでいいですよ、落ち着いてください」

ワイワイ

杏子「...」


杏子「えっとさ、アンパンマン、あんときはその」

アンパンマン「そうだ、僕はお礼を言わなきゃいけないですね」

「あの時は僕の目を覚まさせてくれてありがとうございました」

杏子「え?ちょっと、何言ってんのさ、あん時はあたしが」

アンパンマン「いいえ、あれがないと僕はこうやって誰かと話すことも無かったかもしれません、ありがとうございました」

杏子「...そっか、けどあたしの気がおさまんないからさ、悪かったよアンパンマン」

アンパンマン「ふふふ」

杏子「へへh」スパァン!

ほむら「私ではないわ」

杏子「まだ何も言ってないだろ!」


ほむら「さて、本題に入らせてもらおうかしら」

 ギャーギャー ケンカナラカウゾー

ほむら「ここにいる一部には言ってあるけど、もう間もなくこの街にワルプルギスの夜が来る」

マミ「それは...本当?」

ほむら「残念ながら、本当よ」

QB「へえ、面白そうな話をしているね」

杏子「どっから湧いて出やがった、てめえ!」


QB「僕をゴキブリか何かみたいに言わないでくれるかな、せっかく良い事を教えに来てあげたのに」

「いや、アンパンマン、君には悪い事かもしれないけどね」

アンパンマン「…どういう意味ですか」

QB「君たちが言っていたワルプルギスの夜だけどあれはもともと一人の魔法少女だったわけさ」

「あれは時代を超えて存在しているわけじゃない、多くの魔女を自分の中に取り込みながら消えては現れ舞台を終わらせては消えていくんだ」

「そして今回の中核になる魔法少女を僕は知っている」


さやか「ちょ、ちょっと待ってよ、魔法少女が魔女になるなんて初耳なんだけど」

ほむら(そうだ、この時間ではまだ誰も知らないはず…まずい)

まどか「それって本当、なの?」

杏子「いや、つーよりも」

マミ「あなたが嘘をつくわけがないわね、キュゥべえ」

ほむら(おかしい、これまでならもっと)

QB「意外とあまり驚かないんだね」


マミ「ええ、いざ何かあったとしてもきっと助けが来るもの」

QB「それはアンパンマンが来てくれるという事かい?それなら」

杏子「それもあるけどさ」

さやか「うん、頼りになる先輩方がいらっしゃるからね」

杏子「そ、誰かがピンチならきっと誰かが助けに行く」

アンパンマン「皆さん…」


ほむら「どうやらお前が思っていた以上に私たちは影響を受けていたようね」

QB「アンパンマン…やっぱり君は厄介な存在だったね」

「けどね、この話を聞いたらきっと君は出るに出られなくなる」

まどか「この話…?」

杏子「お前がこんなにぺらぺらと喋るのはおかしいと思ってたんだよ、なんだよ?その話って」

QB「簡単な話さ、アンパンマンを願いによって作り出した魔法少女と今回ワルプルギスの夜のキーになる魔法少女が同一人物、というだけだよ」

マミ「なんですって…」



QB「順を追って説明しないといけないね」

「まずそこにいるアンパンマンは正直に言って非常識な力を持っている」

「それを生み出した魔法少女も当然かなりの力を持って居るはずだけど君たちはそんな子の話を聞いたことがあるかい?」

「ないだろうね、続けるよ。ところで魔法少女の素質はその人が持っている因果の量で決まるんだけど一般的な少女にそうそう膨大な因果が絡んでいるわけがない」

「そこで君が出てくるんだよ、暁美ほむら」



「まどかには強大な魔法少女になれる素質がある、ということは前に話したと思うけどそれは君の、時間遡行能力によるものなんだ」

「ワルプルギスの夜の出現によるまどかの魔女化、それが数多の平行世界の因果を束ねる中心軸になってしまった」

「そのためにまどかには一国一城の主にも匹敵する因果が備わってしまったんだけど、同時にワルプルギスの夜にもその束は集まってしまった」

「きっとほむらは気づいていただろうけど、ループのたびにまどかと、ワルプルギスの夜はより強力になっていったんじゃないかな?」

「まどかとともに強力になるワルプルギスの夜の卵、その力が閾値を超えたときに叶うはずのない願いであるアンパンマン、君が誕生してしまった」



「そうそう杏子、君は僕がここまで丁寧に話すのはおかしい、といったね」

「僕は君に警告をしに来たんだよ、アンパンマン」

「因果をも歪める君の力」

「それが様々な因果が結び付くワルプルギスの夜に接触すればどうなるだろうね?」

「この宇宙は矛盾をとても嫌うからね、君の存在ごと最初から無かったことになるか、結果まで結びつくことなく自我も消えただの因果として世界に取り残されることになるか」

「どちらにしても君には想像もできない苦痛だろうね」



「信じられない、そもそもそんな魔法少女はいないんじゃないかって?」

「いるんだよ、僕は嘘をつくことがないからね」

「僕にも信じられない話さ」

「君たちは自らの遺伝子を残すために生きていると言っても過言ではない、その次世代を自ら傷つけるなんて理解できないよ」

「そんな境遇にあっても、みんなのヒーローを願い続けるなんてとても哀れで、優しい女の子だと思うよ」



「アンパンマンが行ってしまったね、もう間に合わないと思うけど」

「君たちはどうするんだい?アンパンマンを頼るも止めるも自由だよ」

「さて、僕は行ってしまったアンパンマンを追いかけなきゃいけない」

「まだ最後に一つ聞きたいことがあるんだ」

「じゃあね」


「行かせてたまるか」

「そーそーまだまだアンパンマンが必要な人だっているんだし」

「私たちだけで十分って事をあれに思い知らせてやらないといけないわね」

「作戦会議しましょうか、まだお茶はあるからおかわり持ってきましょうか」



「アンパンマン…」


さやか「ねえ転こ…ほむら」

ほむら「何かしら」

さやか「今まで何回もワルプルギスの夜と戦ってきたんだよね、時間を戻して」

ほむら「そうね、回数はもう数えるのすら諦めたけど」

さやか「その中でさ、アタシたち全員がそろっていたことって何回くらい?」

ほむら「片手でも十分すぎるくらいね、けど」


杏子「けど?」

ほむら「今ほどあいつを目の前にして勝てると思ったことはないわ」

マミ「アンパンマン様には悪いけど、私たちで十分って事教えてあげましょう」

ほむら「そうね、雨の中だとアンパンマンも力が出ないはずだし」

さやか「美滝原はアタシ達が守るって事で」

杏子「行こうか、皆で」


まどか「見つけた、アンパンマンさん」

アンパンマン「…駄目ですね、何処にも寄らないでまっすぐに行くつもりだったのに、誰にも会わないつもりだったのに」

まどか「アンパンマンさん…」


まどか「そんなに顔が濡れてて、大丈夫なんですか」

アンパンマン「心配してくれてありがとう、大丈夫ですよ」

まどか「で、でももしかしたら飛んでいく途中で落ちちゃうかもしれませんよ」

アンパンマン「そうなったら、歩いてでも行きます」

まどか「けどもしそれで倒れたりしたら」

アンパンマン「這ってでも」

まどか「けど、けど、けど!」


アンパンマン「まどかさん、引き留めてくれるんですね」

まどか「っ!…はい」

アンパンマン「それは、みなさんに言われたからですか?」

まどか「皆で決めた事です、けど私だけでもこうしたと思います」

アンパンマン「そうですか…ごめんなさい、けどやっぱり僕は助けに行かなくちゃいけないんです」

まどか「ほ、ほむらちゃんたちならきっと」


アンパンマン「いいえ」

アンパンマン「僕は優しいあの子の願いをかなえてあげないといけないんです」

アンパンマン「皆を助けるヒーローが欲しい」

アンパンマン「僕はあの子を含めた皆を助けに行かなくちゃいけないんです」

アンパンマン「まどかさん、見送ってくれますか?いつものように絵本のように」


まどか「どうしても行っちゃうんですね」

アンパンマン「はい」

まどか「まさかこんなにアンパンマンさんが強情だとは思いませんでした」

アンパンマン「きっと絵本の僕もここは譲ってくれないと思いますよ」

まどか「そうかもしれないですね」


スゥ





まどか「それいけ!アンパンマン!」





アンパンマン「今、魔女になったあなたを助けに行きます」

「魔法少女のあなたを助けに行きます」



「ただの女の子のあなたを助けられなくて、ごめんなさい」






アーンパーンチ!!





何の為に生まれて

何をして生きるのか

解らないまま終わる


そんなのは 嫌だ


QB「その後の話だね」

「アンパンマンはワルプルギスの夜とともに消えた、消えただけなら良かったんだけど僕の予想通り自我を持たず魔法時少女を狩るためだけの存在になってしまっているようだ」

「因果から外れてしまったせいでどの時代、どの場所にも存在しないし存在する」

「僕からすれば黒字になることはなく、赤字になっていくだけの魔法少女を使った方法は中断せざるを得なくなってしまったわけだ」

「こうなる事だけは何としても避けたかったけど、仕方ない。新しいやり方を探すことにするよ」

「これで暁美ほむらたち現存する魔法少女は皆普通の女の子に戻りめでたしめでたしという訳だね、きっとこれが君の望み通りなんだろう?」

「やっぱり理解できそうもないね」


ヒューン

?「アーンパーンチ!」

?「怪我は無い?もう、大丈夫だよ」

「は、はい」

アンパンマン「僕、アンパンマンです。助けに来ましたよ」

おしまいっと

長々お付き合いいただきありがとうございます



溢れ出る良作感

ただ1つ欲を言えば>>90の歌詞が少し違うのが違和感かな

SS書いたら後書きに書こうと思っていたくぅ疲れましたのコピペの元ネタSSを知らないのですが
あれ京子と杏子間違ってませんか?

テスト
>>94
私じゃないですね
けどすごくうれしいタイミングの歌詞レスだと思いました

この酉で行きます

では依頼出してきます


>>96
まじか>>1かと思ったわ……。


確かに良いタイミングだった、歌詞が合ってれば

乙です

良作じゃねーか

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