P「安価でアイドルに復讐する。10スレ目」【戎か拾か】 (1000)

モバマスのPがアイドルに復讐する話の10スレ目です。女の子がひどい目に遭うのは堪えられない!、復讐はなにも生まない!という方はそっ閉じ推奨。
また、ホラーゲーネタや系列会社キャラも出てくる場合がございます。ご了承ください


終わったアイドル(順不同)
・復讐
日野茜
渋谷凛
高垣楓
橘ありす
荒木比奈
佐城雪美
塩見周子
向井拓海
佐久間まゆ(ジョイン)
城ヶ崎美嘉
城ヶ崎莉嘉
諸星きらり
ヘレン
櫻井桃華
棟方愛海
片桐早苗
水本ゆかり
八神マキノ
鷹富士茄子
高橋礼子
及川雫
柊志乃
姫川友紀
メアリー・コクラン
クラリス(ジョイン)
五十嵐響子
衛藤美紗希
村上巴
高峯のあ
斉藤洋子
緒方智絵里
依田芳乃
島村卯月
赤城みりあ


・復讐(一時中断)
二宮飛鳥

・復讐(番外)
qp(棟方P)

・救済
星輝子
双葉杏
白坂小梅
白菊ほたる
三船美優
高森藍子
大原みちる
前川みく
神崎蘭子
輿水幸子
神谷奈緒
小日向美穂
速水奏
結城晴
柳瀬美由紀
市原仁奈
東郷あい
龍崎薫
北条加蓮
道明寺歌鈴
森久保乃々
安部菜々
アナスタシア(この人から始めます)


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1443064614

アナスタシア「…………」

アナスタシア「セクレート……ヒミツ……」

アナスタシア「……ハァ…………」

アナスタシア「隠し、ごと……ノー」

アナスタシア「でも……明かせない……」

アナスタシア「…………」

アナスタシア「……昔のワタシ……笑ってます……でも」

アナスタシア「マースカ……仮面です」

アナスタシア「………………」

アナスタシア「ズィエールカラ……鏡を…………ありませんでした……」

アナスタシア「……ア、時間です……」

アナスタシア「…………切り替えましょう」

アナスタシア「Добро пожаловать……ミーニャザヴートターシャ……ターシャ、です──」


蛙「……スンスン」

P「鼻を鳴らしてどうした」

蛙「一つ質問なのですがここに樹木は?」

P「見た限りない」

蛙「ふむ……樹木はないということはつまり……」

P「そういうことだ」

蛙「ある種の生活感ではありますが、やはりこう生々しいのはどうも……」

P「オレも好きじゃない。話を切り替えよう。何か気がついたことは?」

蛙「電源が入ったままになっております」

P「待機状態のパソコン。気になるね」

蛙「はい」

P「やってみよう」

蛙「遠慮させていただきます。こういうことには疎いので」

P「じゃあオレがやる。さて、君なら何を調べる?」

蛙「まずは持ち主から。友人に聞いたところ誰が使ってるかわかるとの事」

P「ユーザーネームの事だね。じゃあ、調べてみよう」

蛙「のなめ……?」

P「名無しの事。これでも一応名前として認証される」

蛙「手詰まり……と以前のわたくしなら言っておりました。しかし、今は違います。友人から多少の心得は学んでおります。無論、手順も。まずはいんたーねっとの履歴を調べる」

P「なるほど、ネット履歴。閲覧履歴を見て人となりを見るわけか」

蛙「フッ」

P「閲覧履歴はここで見れる。おや? 何もないな」

蛙「なんとっ! いえ、まだ手はあります。検索履歴です! 閲覧しなくとも検索をかければ残ります」

P「では見てみよう。出てきたね。読める?」

蛙「日本語くらい読め……はて、この記号の羅列は……面妖な」

P「ちゃんとした文字だよ。それじゃあ、検索してみよう」

蛙「これは……!」

P「画像だね」

蛙「言葉や文字はわかりかねますが、見る限りで推測するならば何かの大会のようです」

P「文化の違いだね」

蛙「文化や歴史、風習。これらのものは否定しませんがやはり異様なものです」

P「その気持ちは正しい。で、どうする。止めるか?」

蛙「いえ、生半に首を突っ込むのは名が許しません」

P「毒を食らわばってことだね。じゃ、続けよう」

蛙「……顔の判別は難しいのですが、同じ人物が写っているような気がいたします。恐らく、この人物が持ち主でしょう」

P「そうかもね」

蛙「……もうこれ以上は手が思い浮かびません」

P「これくらいで充分だよ」

蛙「それにしても土足というのはあまり気持ちの良いものではありません」

P「ある種のリスペクト。尊敬や尊重だよ」

蛙「どちらかというと再現に近い気がいたします」

P「そうだな。そっちの方が近いかも」

蛙「先程から気になっていたのですが……」

P「これには使い道がある」

蛙「それはわかっております。いえ、使用方法という意味ではなく、使い道があるということがわかっております」

P「それはわかってる。ただ、これを持っていったら誰かがここに来た事がバレる。そう言いたいと」

蛙「はい」

P「これの中身を見ればここの使用者が誰かわかるかもしれないのになんで見ないんだ?」

蛙「やっとよちよち歩きなのです
今は荷が重すぎ」

P「使い方を教えても?」

蛙「この時まで使い方を覚えられていないのは必要ないからなのかもしれません。それに、世の中には白黒つけず、そのままにしておいた方が良いものもあるのかもしれません」

P「そうか」

蛙「はい」

P「謎は謎のまま。それも一つの解決方法」

蛙「友人には真実を交えて報告しておきます」

P「それがいい」

蛙「それではわたくしはこれで──」

奏「これ……か」

  『やぁ、こんにちは。もうすっかり恒例になってきたね。まるで毎日アイサツを交わしてるみたいな仲になってきたね。こちらとしても嬉しいよ。さて、今日の謎だけど……今キミは「またか……」って思ったね? そう、またなんだ。許してくれとは言わない。でもこれでナゾナゾはおしまいだ。この前の手紙の答えは見付かったかな? そう、アレだ。思い出したかな? 遠くを照らしてるが故に見えないもの。それは灯台の足元。まっ、簡単だよね。そこで最後のナゾナゾ……いや命令……やっぱり私とキミの仲には似つかわしくない言葉だね。ここは「お願い」だね。最後のお願いだ。これを読んだら明日、衣装室に来てほしい。そうすれば自ずと答えはそこにある。勿論来なくてもいい。これはお願いだからね。無理強いはしない。それでは、楽しみに待ってる』

奏「長い手紙ね……」

CP「おはようごさいます」

奏「あら、おはよう」

CP「私の机で、何をなさっているのですか?」

奏「あなたの事が知りたくて。そしたら面白いの見付けちゃった」

CP「面白いもの……ですか?」

奏「この口紅誰の?」

CP「っ!!?」

奏「色的にかなり派手なの。だからもしかしたら彼女のかなって」

CP「自分にその様な方はおりません」

奏「そう? なら女装用かしら」

CP「じ、自分にその様な趣味は……そもそもなぜその様なものがあったのか……自分には見当も……」

奏「ふ~ん。人にはそれぞれあるからいいわ。それじゃ」

CP「お疲れ……様です……?」

みく「おはようございまー……す」

CP「おはようごさいます、前川さん……寝不足、ですか?」

みく「ン、まぁそんなとこ。Pチャンはいつも充分寝れてそうでうらやましぃフア……」

CP「…………」

みく「そういえばアーニャちゃんまだ来てないの?」

CP「恐らく、向こうが忙しいのかと……」

みく「あ~そうか。でも昨日から連絡とれないから少し心配」

CP「寮……ではないのですか?」

みく「そうなんだけど昨日は部屋にもいなかったし、ケータイに連絡しても出なかったし」

CP「それは、何時くらいの出来事でしょう?」

みく「夜の10時くらいだったかな? ちょっと待って…………うん、そう」

CP「その時間なら仕事はしてないですね……」

みく「ね、ちょっと心配」

CP「…………」

P「──行ってらっしゃい」

薫「いってきまー!」

あい「それでは行ってくる。学校まで送ったら私は仕事に行くよ」

P「お願いします」

あい「あぁ」

薫「早く早くー!」

あい「それじゃいこう。ところで私の車の乗り心地はどうかな?」

薫「かおるが運転してるみたいで好きー!」

あい「はは、そうか。好きか」

菜々「なんだか親子みたいですね」

P「そう見えますね」

菜々「それでは、安部菜々お仕事にいってきます!」

P「頑張ってくださいね」

菜々「キャハァ☆ あ、ダメ……朝だから声が掠れてる……」

P「無理しない」

菜々「そうですね……ケホ。行ってきます……」

美穂「おはようごさいます」

P「おはよう。後でそっちに行くって言ったよね?」

美穂「あ、その……たまには自分の足で歩いてみようかなって」

P「それでここまで来てどう?」

美穂「あはは……」

P「努力はすれど無理はしないことだ」

美穂「はい……」

まゆ「いいなぁ」

美穂「あ、まゆちゃん」

まゆ「まゆもPさんに甲斐甲斐しく世話されたい」

P「これでも精一杯してる」

まゆ「もっとものすごくしてください」

P「これ以上は手が回らない。どこぞのプロデューサーじゃないんだから。してほしいなら彼に頼めばいい」

まゆ「違うんです。なんか違うんです。ステキだと思いますが違うんです」

美穂「彼って誰ですか?」

まゆ「……小日向さん…………」

美穂「え? あ、あぁそういうことですか」

まゆ「言いたいことわかる?」

美穂「たしかにいいと思います。けど、あれで迫られたら……」

まゆ「腰抜けるわよね。二つの意味で」

美穂「うん……」

まゆ「だから違うんです!」

P「わかった。わかったから迫るな」

美穂「それに私、どちらかというとクマさんの方が好きです」

P「蜂蜜はあまり食べない」

まゆ「食べるのは……女の子?」

P「それも食べない」

杏「杏は時間を食べるんだ」

美穂「あ、杏ちゃん」

杏「杏は眠りが浅くなりやすいんだから静かにしてよ、もう……」

まゆ「ごめんなさい」

杏「ところで朝からなんで正統派美少女アイドル小日向美穂ちゃんがいるのさ」

まゆ「そこまでいくと嫌みみたい」

美穂「Pさんのお世話に……」

杏「なに? それは本当か」

P「世話をしに行く予定だったんだが向こうから来た」

杏「ショックだ。私はショックを受けた。部屋に引きこもるぞー!」

まゆ「杏ちゃん!」

杏「こんなとこいられるかー! 飴持ってく!」

P「戸棚の高いところにある」

杏「イヤミかー! よし、ゲットォ!」

まゆ「朝から元気ねぇ」

P「まゆも乗らない」

まゆ「うふ。それじゃあ、行ってきます」

P「行ってらっしゃい」

みく「──それはないにゃ」

蘭子「理由を述べよ!」

みく「だってそれだとお金かかりすぎるでしょ? まーったく現実的じゃないにゃ」

蘭子「ぐぬぬ……」

みく「だからここは……こうするにゃ!」

蘭子「ッ!!?」

みく「どうにゃどうにゃ」

蘭子「始まりの神話とソドムの融合!」

みく「にゃーはっはっはっ!」

小梅「そこに……スプラッタ要素を…………少々……」

蘭子「ヒッ!」

みく「ヒッ!」

CP「…………」

アナスタシア「イズヴィニーチェ……すみません、遅れました……」

みく「アーニャちゃんおはよう」

蘭子「煩わしい太陽ね!」

小梅「おは……よう」

CP「おはようごさいます。昨夜から、連絡がとれないとの事でしたが……大丈夫でしょうか?」

みく「そうそう、どうしたの?」

アナスタシア「チリフォーン……ケータイ、忘れてしまいました……」

みく「えっ、そうなの!? 見付かった?」

アナスタシア「ノー……」

CP「よろしければ、探すのを手伝わせてください……出来る限り、協力いたしますので……」

アナスタシア「スパシーバ……ありがとうございます……」

CP「……皆さん、少しお時間よろしいでしょうか──」

P「どう?」

美穂「もう少し左……あっ」

P「ここか。背中掻くにも腰に響くよね」

美穂「なって初めてわかる苦労……ですね。イタタ……」

P「普段はクラリスさんに頼んでるけど困ったら言いなよ。いくらクラリスさんでも役立たずな時はあるからね」

杏「ま~そうだよね。だけどお風呂くらいは一人で入った方がいいと思う」

P「湯加減どう?」

杏「ぬっるい」

美穂「ゴメンね、私に合わせてもらってるから……」

杏「気にしない気にしない。聞かれたから正直に答えただけだよ」

P「気をつけなね」

杏「あいあ~い。それにしてもPさん慣れてるよね」

P「何を?」

杏「女の子触るの」

P「痴漢みたいに言うな」

杏「冗談は抜きにしてなんかこう、世話するの慣れてるよね」

P「おかげさまで」

美穂「もしかして……そういう経験があるとかですか?」

P「介護の経験はない」

杏「杏のは違うの?」

P「あれは介護というより人助け」

杏「あー、うん……うん」

P「さて、背中洗い終わったよ。流したら湯船いれるね」

美穂「お願いします」

杏「美穂ちゃんも慣れてるよね」

美穂「最初は恥ずかしかったし、顔から火が出るかと思ったけどだんだん慣れてきて……」

杏「うわ~、危ない発言。エロい」

美穂「え、エロいって」

杏「慣れるっていえば、うちのプロデューサーどう?」

美穂「杏ちゃんのプロデューサーさん? いい人だと思うよ? 見かけによらず優しいし」

杏「でも女の子に慣れてなくない?」

美穂「それはまぁそう思うけど……」

P「彼最近人気だね。まぁ、よくも悪くも目立つから仕方ないか」

杏「そうそう。嫌いじゃないけどね」

P「彼といえば今頃……」

杏「今ごろ?」

P「アイドルと楽しく遊んでる頃かな」

杏「スキップして輪をかきながら?」

美穂「ンプっ!」

杏「どしたの?」

美穂「想像……想像したら……ツボに……ハハハ、ハッ、アハハ」

P「腰に響くよ。流し終わった。湯船に入れるから首に手回して」

美穂「あ、はい……」

杏「私は一時退くよ」

P「よっ……座る位置の微調整は自分でしてね」

美穂「はい。よっ……いしょ」

杏「それで遊んでるってどういうこと?」

P「彼は仕事の姿勢以外で接するのに慣れてない。簡単なドッキリ等にも慣れていない。口頭や対面で言われれば気がつくけど、それでないと何がドッキリで何が遊びなのかの見極めもつかないってこと」

杏「ん~たしかにそういう見分けつかないっぽいね。弄りに慣れてないっていうのかな~」

P「それ故に起きた問題も多々ある。学習しないわけではないがする機会が少ないから経験値も貯まってない」

杏「杏も入っていい?」

美穂「あ、どうぞ」

杏「ふぅ~。ぬるま湯もいいね」

P「今やってることも何が深刻で何が深刻じゃないかわかってないだろう」

杏「アイドルがやってる遊び程度にしか思ってないってこと?」

P「あぁ。今回はそう思ってくれてた方が好都合だ」

杏「まぁ、あの件は勘違いだったからよかったけどマジだったら確実にアイドルの誰かケガしてる」

美穂「あの件?」

P「まゆが担当プロデューサーの誕生日を聞きに行ったときの話」

美穂「あ、もしかして謎の影の噂ですか?」

P「そう。話広まってたか」

美穂「とあるプロデューサーが謎の影に追われてるって話です。あれって杏ちゃんのプロデューサーだったんだ……」

杏「そだよ。当の本人は意に介してなかったけどね。アイドルの遊びとでも思ってたんじゃない? 皆さんが楽しければそれでって感じで」

P「本気で心配してたのが何人いることやらだが、心配してたのには変わりない」

杏「もし、杏が心配してた人だったらバカにされた気分で一週間は引きこもるね。六時間しか寝れなくなるよ」

美穂「たしかに心配してる人からそう思われてたらイヤかな……」

杏「ね」

P「何気ない心遣いが仇になるってことだね。彼としては事を大きくしても困るからね」

杏「どっちを取るか。ゲームじゃないけど何も行動しないってのもありかもね」

P「それは選択しづらいな。なにもしなければ心配してる人を否定する事にもなる。この事についてはまゆ自身も色々いっていた」

杏「理不尽だなぁ」

美穂「…………」

P「暗い話題になったね。話を変えよう」

杏「杏、美穂ちゃんに質問があるんだけどいあかな?」

美穂「なに?」

杏「腰悪くしてると生活に支障出るけどさ、ぶっちゃけオナニーどうしてんの?」

美穂「えっ、おっ、オナ……! 何いってるの!?」

杏「いや、だって気になるじゃん。オナニー知らない歳でもあるまいし」

美穂「そ、そうだけど……」

P「ふっ……」

美穂「あっ、笑った!」

P「あの事を思い出してね」

杏「あの事? なになに気になる」

美穂「あ、あの事は言わない約束ですよ!」

P「失敗談だから嫌か」

美穂「そうですよぉ!」

杏「えっ、失敗談? 腰が抜けて立てなくなったとか?」

美穂「ぬっ、抜けてないよ! ただ腰のこと忘れてて立てなく……あ」

杏「えっ、最近のことなの?」

美穂「あ、あわわわわわ」

P「あの時は大変だったよ。トイレも我慢してて一面びっしょり」

美穂「ぴ、Pさん!!」

杏「なんだ、杏と一緒じゃん。そういう経験あるよ。まぁ、下の口からじゃなくて上の口からだけど」

美穂「え?」

杏「だから気にすることないって。あの時はごめんねPさん」

P「仕方ないことだった」

杏「だってさ。美穂ちゃんのも仕方なかったんだよ。だって花も恥じらうお年頃だもん」

P「消したい過去は消せるなら消したいよね」

美穂「は、はい……」

杏「杏もあるある。飲み物溢してケータイ水没させたり」

P「消すためには手段の選択が重要。選択を誤ると余計傷を抉ることになる」

杏「目には目を、歯には歯を」

P「外道には外道を」

杏「なにそれ怖い」

P「消せるならどんなことをしてでも消したい過去もあるってこと」

杏「怖いなぁ。あ、ところで美穂ちゃん」

美穂「うん?」

杏「その後はオナる時どうしてんの?」

美穂「あ、あぁ杏ちゃん!」

杏「あはは、冗談だって。今の視線でわかったから」

美穂「うぅ、いじめだよ……あの時の自分を消したい……なんであんなおかしな反応しちゃったんだろ。私のバカ……」

杏「おかしなことっていえばさ」

美穂「ま、まだなにか聞きたいの!? わ、私喋らないからね!」

杏「違うってそういうことじゃないよ。おかしなことっていえばさ、この状況もずいぶんおかしなことだよね。アイドルだってこと差し引いても、女の子二人と男一人でお風呂なんて」

P「たしかにね」

杏「こんなおかしなとこにいられるか~。杏は出てアイスを食べに部屋にこもるぞー!」

P「一本までだからな」

杏「やったー」

P「……ごめんね。言われたくないこと話して」

美穂「いえ、もとはと言えば私がテンパって口走っちゃったから……うぅ」

P「自分でも軽口だった。ごめん」

美穂「あ、あの……」

P「何?」

美穂「こ、こっちへ……」

P「……それで?」
美穂「お、お願いします……その……オ……」

P「小日向さんって時々大胆だね」

美穂「ご、ごめんなさぃ……」

P「ここでいい?」

美穂「そ、そのつもりです……」

P「後先考えてくれるのは助かる」

美穂「ど、どういたしまして……えへへ──」

蛙「ふむ、ここがあの女の家ですか」

??「バカなことしてないで行くわよ」

蛙「ほんの冗談です、鳳梨殿」

鳳梨「なによそれ。ほら、行くわよ。あっ、そういえば一言いっておくけど、ここに来たのはケンカしに来た訳じゃないからね。いい?」

蛙「わかっております。罪を憎んで人を憎まずと言います。それにあれはこちらにも落ち度があるとの事」

鳳梨「そうなんだけどぶっちゃけあれは……」

蛙「今はそれを語っているときではありません」

鳳梨「あんたね……ま、いいわ。それでここになにしに来たかわかってる?」

蛙「わかっております。最高のイタリアンコースを食しに来たのです」

鳳梨「あのね……その半分合ってて半分間違ってるのやめてちょうだい……いい? 私達はここに招待されてきたとはいえ、形式上は出向なんだからね? 言動には気をつけて」

蛙「わかっております。いざ、イタリアン!」

鳳梨「最近、言い方治ったと思ったらこれって……ハァ。まぁ、いいわ。暗くなるより遥かにいいわ。さて、スタジオの場所は──」

ありす「天才ですね。直接見れないのが残念ですが、アリバイを作れますし私だとバレないです」

ありす「は? いえ、嫌いは嫌いですけど不気味なんです。無表情というか怒ってるというか。あれでは周りの空気が悪くなります」

ありす「私が初めて挨拶したときなんて舌打ちしたんですよ? 失礼にもほどがあります。まぁ、私に限らずみなさんに舌打ちしてますよ。聞いたことない人いないんじゃないかってくらい」

ありす「はい……それでは失礼します。え? 橘です。もう……」

奏「おはよう。電話中?」

ありす「あ、おはようございます」

奏「ありすちゃん誰と電話したの?」

ありす「橘です」

奏「ありすでいいって言ってくれたじゃない。あれ、嘘だったの?」

ありす「あれはあなたにいったわけじゃありません」

奏「ふふっ」

ありす「……収録行ってきます」

奏「いってらっしゃい」

奏「……はぁ」

P『溜め息ついてどうした』

奏「ッ! いった……」

P『驚いて転けたのはオレのせいじゃないよ』

奏「いいえ、あなたのせい。これ付けてるのが原因」

P『付けたいっていったのはそっち』

奏「だってこういうのワクワクするじゃない」

P『インカムはライブで付けてるじゃないか』

奏「こういうのとは違うの。イケナイことしてるみたいで」

P『それで溜め息の理由は?』

奏「見方が変わったと思って」

P『どこの?』

奏「私、どこにいると思う? ヒント、生まれたままの姿」

P『控え室。さっき橘ありすと話してたろ』

奏「あら、なんでバレたの? ロッカーで話してたかも知れないじゃない」

P『電源つけっぱなしだったぞ』

奏「衣擦れ聞こえて興奮しちゃった?」

P『そこまで集音性良くない』

奏「照れてもいいじゃない。チャーミングじゃない人」

P『これから用事あるから繋がらなくなる。それじゃ』

奏「それじゃ……また」

蘭子「──幾千の魔装が我を呼ぶ!」

みく「衣装室になんの用事にゃ?」

小梅「………………」

アナスタシア「キレイな衣装、いっぱいです」

みく「ピーイーチャーンー聞いてる?」

CP「…………」

小梅「いつも通り……だね……」

みく「あんなところでなに探してるにゃ」

CP「……これ、ですか……みなさん」

みく「なに?」

蘭子「ムッ」

CP「これに見覚えは……ありませんか?」

みく「胸ポケットに入ってるケータイに?」

CP「…………」

アナスタシア「ぁ……」

みく「画像かなんかある?」

CP「使い方が……」

みく「メール確認すればいいにゃ」

CP「……これは!」

アナスタシア「ッ!!」

CP「アナスタシアさん……」

アナスタシア「…………ハイ」

CP「これは、なんでしょうか……」

アナスタシア「それは……」

CP「このメールについて、ご説明願えますか?」

アナスタシア「E-mail……?」

菜々「ジャジャーン! 安部菜々、ただいま到着!」

CP「…………」

みく「菜々チャン?」

菜々「あ、あれ? 菜々、外しました?」

CP「…………」

菜々「お呼びでない?」

CP「その服は……」

菜々「あ、はい! よくぞ気づいてくれました! うん」

みく「あれ、それってそこの服とお揃いにゃ」

菜々「ハイ、実は……あれ? 何してるんですか」

アナスタシア「?」

蘭子「クックックッ」

アナスタシア「ルァンコ?」

蘭子「我が策はなれり!」

CP「策、ですか?」

蘭子「グリモワールに記されし封印、今こそ解かん! 出でよ、魔法衣ドグラマグラ!」

CP「どういう……ことですか?」

蘭子「我が幻術に嵌まるなどまだまだ未熟よ。初手から術中に飛び込むとは……ククク」

CP「やはりそういう、ことですか……」

みく「どういうこと?」

CP「どうやら、神崎さんが計画していたようです……」

菜々「蘭子ちゃんに頼まれてこれ作ったんです」

蘭子「さぁ、雪の妖精よ! 受けとるがいい!」

アナスタシア「ルァンコ……」

蘭子「ナァーハッハッハッ!」

CP「秘密というのは、この事だったのですか……アナスタシアさん」

アナスタシア「え?」

みく「あ、ところでメールどうこうはどうなったの?」

CP「先程見たメールは……秘密をばらさないで、楽しみだね……といった内容のメールでした」

アナスタシア「…………」

CP「すみません……勝手にプライベートを覗き見てしまい、大変申し訳ありませんでした……」

アナスタシア「いえ、気にしないでください……」

CP「この携帯はお返しします……それでは……」

菜々「ドッキリ大成功! 早速着てみてください!」

アナスタシア「スパシーバ……ルァンコ」

蘭子「雑作もない!」

アナスタシア「さっそく、着てみます──」

蘭子「は、はじゅかしぃ~!」

小梅「お疲れ……様」

P「お疲れ様。ありがとう」

蘭子「報酬、期待しておるぞ!」

P「ハンバーグでいいんだよね。ソースはケチャップベースの」

蘭子「うん……」

小梅「蘭子ちゃん……顔……真っ赤……」

蘭子「うぅぅ……」

P「ありがとう」

小梅「ありがとう……」

蘭子「ど、どうぃたしまして……」

P「今から作ってくるから待ってて」

まゆ「ただいま戻りましたぁ」

P「お帰り」

まゆ「Pさんが料理なんて珍しいです」

P「君は向こうにいってることが多かったからな」

まゆ「向こうでは作ってばかりで……」

P「彼も料理くらいするだろう」

まゆ「一度食べさせてもらったんです。そしたら……」

P「暗い顔して帰ってきたな」

まゆ「さすがに自信がなくなりました……壊滅的に料理が出来ないってああいうこというんですね」

P「どんな味かは知らないが余程だったんだな」

まゆ「愛する自信なくなりかけました」

P「頑張れ」

まゆ「それはそうとなんで料理してるんですか?」

P「神崎さんにノート見せてもらう代わりにって約束したからね」

まゆ「そういえば、まゆ今回はなにもしてないような」

P「普通にアイドルの活動してた。これは重要なことだ」

まゆ「誤魔化すためには重要ですけどまゆとしては直接関わりたいんですぅ。ブ~ブ~」

P「それは次の機会に。さて、出来た」

まゆ「変わった香りします。そのソースなんですか?」

P「ケチャップベースにリンゴを少し入れた。甘めだよ。君の好みではない」

まゆ「そうなんですか。蘭子ちゃんの好みですか。ふぅ~ん」

P「これを運び終わったら出掛けてくる。すぐ帰ってくるけど戸締まりと留守番よろしく」

まゆ「はぁ~い」

CP「──お疲れ様です、アナスタシアさん」

アナスタシア「あ、プロデューサー……」

CP「先程はすみませんでした……何も知らずあの様な態度をとってしまい……」

アナスタシア「ニェート……ワタシの方こそ、スミマセン……何も、知りませんでした」

CP「………………」

アナスタシア「…………」

CP「……私は、これで失礼します」

アナスタシア「…………」

CP「…………」

奏「お疲れ」

アナスタシア「カナデ……お疲れ、様です」

奏「あれ、プロデューサーは?」

アナスタシア「いま、出てきました」

奏「残念。ちょっとからかおうと思ったのに」

アナスタシア「あまり、からかうのダメ、ですよ」

奏「ふふ、そうね。アナスタシアは何してたの?」

アナスタシア「帰り支度、です」

奏「一緒に帰る?」

アナスタシア「アー……用事あります」

奏「そう、残念。また今度ね」

アナスタシア「ハイ」

奏「じゃね」

アナスタシア「サヨナラ──」

P「久し振り」

P「久し振りだクソ野郎? どこで覚えた。ハードボイルド小説? それはハードボイルドじゃなくてただの柄の悪い外人だ。それにそういうのが言い合えるほど仲良くないだろ」

P「ショック受けられても……それよりこれ。お礼だよ」

P「最近は充電式が主流だから探すの苦労したよ。でも喜んでもらえてなにより。充電式はガムみたいだからね」

P「実験も兼ねてだったけどうまくいってよかったよ。画像は見事消えた。いや、凄いね」

P「残りのこれ? 猫じゃらしとマタタビ。知り合いへのお土産。今日はこっちに来てるだろうけどここには来ないよ」

P「それじゃまた」

蛙「月下に蛙一匹、ただ鳴く」

P「ここら辺に来るなんて珍しい。蛙なら家にいなきゃ」

蛙「あくまで飼わずなので家にいても独りですので」

P「それで何の用事?」

蛙「少し気になることがありましたので」

P「何かな?」

蛙「あの画像のことです」

P「説明はしたよ」

蛙「それは私が遮ったはずです」

P「首を突っ込まないはずだけど違ったかな?」

蛙「あれがどこの誰なのかまでは、です」

P「名前は伏せる。それでいいなら話す」

蛙「お願いいたします」

P「あの画像は競技会の画像なんだ」

蛙「競技会? こんくうるというものですか」

P「そうだ。10歳くらいまでの少女の裸体を用いたね」

蛙「そこに下心……厭らしい意味は?」

P「ほとんどない。しかし、あれがその人の人生を狂わせた。正確に言うとその一端になった」

蛙「というと?」

P「本人はこちらで生活していてその写真がいつバレるかヒヤヒヤしていただろうね。まぁ、それだけなら本人からしたら心臓に悪い日々が続くがあまり問題ではない」

蛙「真の問題は?」

P「父親だ。その人の父親が問題なんだ」

蛙「父親、ですか」

P「君にとっても父親はあまり良い意味を持たないと思う」

蛙「両親の事は理解しております。それにじ……育ての父にもです」

P「そうだったね。すまない」

蛙「いえ。それより話の続きを」

P「その父親というのが愛国心溢れる人なんだ。それも悪い方向に」

蛙「悪事を働いたのですか」

P「志自体は良い。所謂親何々派に属するのもいい。昔懐かしい繁栄時代を顧みるのもいい。だが手段がまずかった。家族を利用したからね」

蛙「こんくうるを足掛かりにですか。そして娘を利用した、というわけですね」

P「その異変に母親が気が付いた。元々、その父親の母親、その人物からすれば祖母だ。祖母は昔から息子である父親の異常さに気が付いていた。だがそれは若さ故の血の気の多さ、真っ直ぐさだと思っていた」

蛙「それが時が経ち……ですか」

P「気が付けば結婚していたわけだ。そして、母親にとっては"恩恵"であり、父親にとっては神の恩恵であると同時に"復活"の兆しが産まれた」

蛙「愛はあらぬ方向に向けられるものなのですね」

P「360度どころかそこに五度足すことも可能。そして制限である10歳、祖母の協力のもと、母親と日本に越してきた。もちろん父親には秘密で」

蛙「そのお婆様は?」

P「祖母も一緒だ。祖母は高齢、父親は多忙な人だからね。理由付けは簡単。説得は少し困難だったらしいが」

蛙「…………」

P「さっきはあんなことを言ったが彼女からしてみれば昔を思い出して色々思うところがあるんだろうね。表向きは父親とは仲が良いということにしているから、父親と離れてるとバレると嘘をついてた事になる。信頼を失う事になる」

蛙「疑念を抱かれます」

P「それと」

蛙「皆まで言わなくともあの部屋を見ればわかります」

P「まぁ、そういう事だ」

蛙「仕組みの事はよくわからないのですが、消せるものなのですね」

P「まぁね。外道には外道」

蛙「…………」

P「これは余談だけど彼女は本当の名前を知らない。昔から登録名で呼ばれてなかったからね」

蛙「本名で呼ばれたことがないのですね。それは今もでしょうか?」

P「正確に言えば違う。呼ばれてはいるが愛称で呼ばれている。ただ、本人は母親がつけてくれた愛称だと思っている。そしてそれは感覚的なものだとも思っている」

蛙「…………」

P「喋りすぎたかな。でもまぁそういうことだ」

蛙「父親の魔の手から逃れるため母親と祖母と逃げてきた、ですか。壮絶な人生ですね」

P「帰ってきたが正しいけどね」

蛙「……今宵は互いに可笑しいのでしょう。その証拠にそちらの口が軽いです」

P「月の魔力かもね」

蛙「それではわたくしはこれで失礼いたします」

P「この辺り化け猫出るらしいから気を付けてね」

蛙「…………」

P「……放してくれるかな?」

蛙「どうなるか予測しての発言でしょう! 責任をとりなさい!」

P「ただの別れの挨拶じゃないか」

蛙「時々意地が悪くなるのはお止めください」

P「……送ってくよ」

蛙「ついでに屋台でおでんを食べましょう──」

アナスタシア「……あそこに置きっぱなし、だったのに……」

アナスタシア「あのメール……」

アナスタシア「………………」

アナスタシア「…………ドヴェーリ……」

アナスタシア「開い……てる?」

アナスタシア「…………ッ」

クラリス「お待ちしておりました」

アナスタシア「あなた、は? なぜ、ここに?」

クラリス「自己紹介の前にその振り上げてる物を納めてもらいたいのですが……」

アナスタシア「あ……」

クラリス「どうも。私はシスターをやっている者です」

アナスタシア「?」

クラリス「話すと長くなるので来ていただけませんか?」

アナスタシア「…………」

クラリス「ありがとうございます──」

アナスタシア「………………」

クラリス「…………」

アナスタシア「…………」

クラリス「ここです」

アナスタシア「アパート……? おっきいです」

クラリス「お待たせいたしました。お入りください」

アナスタシア「…………」

クラリス「…………」

アナスタシア「…………」

クラリス「……この部屋です」

アナスタシア「…………」

クラリス「私は外にいます……それでは」

アナスタシア「……失礼します」

P「……先に言っておくけど"客"じゃないからね」

アナスタシア「……あなたは?」

P「君の味方。まずはこれを見てほしい」

アナスタシア「それ……」

P「少し驚いたね。君のそんな顔見れるなんてレアだな。そう、この画像は君の写真。しかもコンクールのね」

アナスタシア「…………」

P「服に手をかけなくていい。そういうつもりはない。これをどうしたいか聞きたい」

アナスタシア「…………」

P「ネットからは消した。疑うようなら調べてみるといい」

アナスタシア「…………あ」

P「消えてただろ? ここにあるのは最後の数枚だ。これを消せば完全に消える。どうする? 思い出に取っておくか、それとも……」

アナスタシア「…………」

P「それでいい。外にいるクラリスさん呼んできてくれるかな」

アナスタシア「…………」

P「少し外にいて」

クラリス「……お待たせしました」

P「まずはお疲れ様」

クラリス「いえ……」

P「そしてこれからお願いします」

クラリス「わかっております。彼女を救うのが私の役目ですので……」

P「あの画像が消えても思い出が消えたわけではありません。曲がりなりにも父親、その事は複雑に思ってます」

クラリス「だから助ける。それが理由」

P「そうです。無意味に手をさしのべるわけではありません」

クラリス「…………」

P「よろしくお願いします。彼女を呼んできてもらえますか?」

クラリス「…………」

アナスタシア「お待たせ、しました」

P「君に頼みたいことがある」

アナスタシア「頼みたいこと……?」

P「まだ英語は出来るね?」

アナスタシア「ヤー……出来ます」

P「ならこれを訳してくれ。勿論、それ相応のお金は払う」

アナスタシア「…………」

P「今みたいに"客"を取るよりかは遥かに良いと思うぞ。君が気持ち良いことが好きならそれを尊重するが……どうする?」

アナスタシア「……やります」

P「それともう一つ。オレの事は信用しなくていいが神崎さん達の事は信頼してくれ。彼女たちは君の味方だ」

アナスタシア「ダー……バイ」

P「わかったら今日はもういいよ。遅いから泊まっていくといい。嫌ならあの部屋に戻るといい。任せる。もし、泊まるならクラリスさんに伝えてくれ」

アナスタシア「ダー」

P「それと……」

アナスタシア「それと?」

P「無理にロシア語使わなくていい。もうほとんど覚えてないでしょ」

アナスタシア「…………」

P「まぁ、そこも任せるよ。それじゃ」

アナスタシア「…………」

クラリス「話は終わりましたか?」

アナスタシア「ハイ……」

クラリス「それでどうしますか?」

アナスタシア「…………」

クラリス「ではいきましょう。私についてきてください」

アナスタシア「…………」

クラリス「……不安に感じるのも無理はありません。ですがそれも……少しのことです」

アナスタシア「……そうだと、いいですね」

クラリス「そうなります……」

まゆ「いつもあなたの傍に。エレベーターから降りてきたまゆです」

P「お疲れ様」

まゆ「何も置いてないと広いですねぇ」

P「広く使うか、精一杯物を置くかはその人次第」

まゆ「広~い」

P「床に寝そべるな。あまりきれいじゃない」

まゆ「アーニャちゃん、下に行きましたよ」

P「そうか」

まゆ「あなたも行きませんか?」

P「ここにいる。とりあえず借りているが必要なものはある」

まゆ「それじゃあまゆもいます」

P「下で楽しんでくればいいのに」

まゆ「関わり薄いですから。それにここには必要なものがあるのでしょ? それならまゆがいなくなったら不完全です」

P「好きにして」

まゆ「うふ」

P「…………」

まゆ「シリアスな顔してどうしたんですか?」

P「これからやりにくくなる」

まゆ「人数増えたから?」

P「それもあるが関わりが濃い人が増えたからだ。オレとは薄いが向こうは違う」

まゆ「同じプロジェクトの子やユニットの子、増えましたしね」

P「あぁ。だからこれから動きづらくなるときが増える」

まゆ「そういう時はまゆを頼ってください。いつもあなたの味方です」

P「その時は頼む」

まゆ「はい♪ あっ、ところであっちの方もヤりにくくなると思いません?」

P「いい話で終えればいいのに……」

まゆ「まゆには重要なことですよぉ」

P「君はそんなの関係ないだろ」

まゆ「うふ♪ みんなパーティーに夢中だし、ここでシましょう。ね?」

P「そんな気分じゃない」

まゆ「まゆはそんな気分です」

P「…………」

クラリス「……ここです。少し中を整理してきますのでお待ちください」

アナスタシア「ヤー」

クラリス「…………」

アナスタシア「……磨りガラス」

クラリス「……お待たせしました。どうぞお入りください」

アナスタシア「おジャマします」

クラリス「正面の扉の部屋に入ってください。私は取りに行くものがありますので……」

アナスタシア「……暗い、ですね……明かりを……アンー……ポチッとな……」

みく「お誕生日オメデトー!」

アナスタシア「オゥッ……ミク?」

小梅「おめで……とう……」

蘭子「生誕の宴ぞ!」

アナスタシア「ルルァンコ……」

仁奈「おめでとーでごぜーますよ!」

アナスタシア「ニーナ……」

仁奈「仁奈でごぜーます」

杏「グゥ……」

菜々「起きてください杏ちゃん」

みく「起きるにゃ!」

杏「いたっ……お尻叩かなくてもいいじゃん」

みく「お祝い事なんだからおーきーて!」

杏「ン~……」

アナスタシア「…………」

杏「おめでと……じゃ」

アナスタシア「ハイ」

みく「えっ、それでいいの?」

仁奈「菜々おねーさんもはじっこにいないでおいわいするですよ!」

菜々「に、仁奈ちゃん……!」

アナスタシア「ナナ……」

菜々「は、はい……!?」

アナスタシア「ナナに教えてもらった、おまじない、ききました」

菜々「ハ、ハハ……そ、それはよかったですね」

仁奈「おまじないってなんでごぜーます?」

アナスタシア「明かりを、つけるときのおまじない、です。明かりつける前に、ポチッとな言います」

仁奈「それがどうなるでごぜーます?」

アナスタシア「そうすると、いいことある……らしいです」

仁奈「菜々おねーさんスゲーでごぜーます!」

菜々「うっ、うぅ……」

美穂「おめでとう、アナスタシアちゃん」

アナスタシア「ミホ?」

美穂「あ、ごめんなさい。知らないよね……アハハ」

アナスタシア「いえ、その杖は……」

美穂「あ、実は腰痛めちゃって……」

アナスタシア「ナナと同じ、ですね」

みく「そういえば菜々チャンもよく腰痛めてるよね。大丈夫?」

菜々「…………」

奈緒「菜々が死んだー!」

加蓮「アハハ」

P「……始まったみたいだな」

まゆ「そうみたいですね。薫ちゃん、お料理がんばるー!って張り切ってました」

P「明日に響かないといいけどな」

まゆ「頼むの大変でしたよね?」

P「近所への根回しは大事だからね。防音はしてるけど人がいると気配がするし足音が響くからね」

まゆ「お疲れ様です。それではまゆ達も始めましょう」

P「そんなにしたいなら電話で担当プロデューサーに頼めばいいじゃないか。まだ起きてる時間だろ」

まゆ「遠くの家族より近くの他人」

P「その理屈はおかしい」

まゆ「それに最近溜まってますよね? 出掛ける日が多かったですし。それともクラリスさんで処理してました?」

P「いやぁ白人の身体は最高だぁ。もう君には戻れない」

まゆ「……ウッ、ウゥ」

P「目薬は事前にやっておくように」

まゆ「うふ。でも本当にしなくていいんですか? まゆが溺れるほど出していいんですよぉ。どのくらいおっきく硬くなるのかしら。うふ、うふふ」

P「そっちも溜まってるな」

まゆ「せめて、せめてお腹だけでも……!」

P「…………」

まゆ「この感触いいですよねぇ」

P「自分のはよくわからない」

まゆ「それならまゆので!」

P「…………」

まゆ「そんな呆れないでください。んもぅ、たまには乗ってくれてもいいじゃないですか」

P「…………」

まゆ「素直なのが一番ですよぉ」

P「……トレーニングしてるか?」

まゆ「それなりに」

P「そうか……」

まゆ「…………」

P「後悔する前に止めるんだ」

まゆ「いいじゃないですか。んもぅ」

P「自分の腹に頭を乗せさせるなんて嫌な予感がしたんだ」

まゆ「期待してたくせに。それに明日のまゆの活力がモリモリになるんですよ? モリモリに」

P「……やる気を出すなら構わない」

まゆ「うふふ♪ それじゃ早速……ン」

P「…………」

まゆ「ッアァ……モリモリ♪」

P「よかったな」

まゆ「それで明日からはどうします?」

P「今回は人助けをしたからな。明日からは勿論本線に戻る」

まゆ「モリモリなまゆに任せてください」

P「鼻息荒く頼もしい。さて、今回はまゆが選んでくれ」

まゆ「いいんですか?」

P「順番だからな。さて、どうする。どの層にどのくらいやる?」

まゆ「>>65層に>>66


>>65
ジュニア(~12歳まで)かティーン(13~19歳まで)かアダルト(20歳以上)かをお願いします

>>66
軽くか徹底的かをお願いします

それ以外は安価下

ティーン

徹底的

まゆ「ティーン層に徹底的に。モリモリ♪」

P「それやめないか? 気が抜ける」

まゆ「はぁい」

P「やる気になるのは大いに構わない。それで誰にするかは具体的に決めてるよな」

まゆ「>>69

>>69
モバマスのティーン(13~19歳まで)アイドルをお願いします

それ以外または連取は安価下

志希

まゆ「一ノ瀬志希ちゃん♪」

P「あの帰国子女か。そういえば講義に出席してなかったな」

まゆ「まゆが出席したいくらいなのに贅沢ねぇ」

P「それもしかたない。何せ……まぁ今は話さないでおこう。それでまゆは何をされた?」

まゆ「>>71

>>71
一ノ瀬志希に何をされたかをお願いします

あちこち揉まれたり抱きつかれたり舐められたりのセクハラ三昧

まゆ「あちこち揉まれたり抱きつかれたり舐められたりのセクハラ三昧。心の底から気持ち悪かった」

P「それは気持ち悪いな」

まゆ「はい。軽くなんてもんじゃないんです。鼻を埋めて深く息を吸い込むんです。そして口から生暖かいハァハァと喘ぐ声。今思い出しただけでも吐きそうです」

P「噂通りの悪癖だ」

まゆ「いきなり、いい匂いがするなんて言われて嗅がれるところを想像してみてください」

P「訴訟」

まゆ「だから私は許しません」

P「そのやる気はいいね。名前を口にするの間嫌だろうが、もっとやる気を出すためにプロフィールのお復習だ」

まゆ「まゆが読んでPさんが補足。共同作業みたい♪」

P「そうだな。始めてくれ」

まゆ「一ノ瀬志希。キュートな容姿に頭脳明晰な18歳高校生。身長161cm、体重43kg、BMIは16.59。スリーサイズは83・57・82。頭脳明晰といえば何て言いました?」

P「ギフテッド。天才の一種で俗に言う悩める天才。物覚えが良くて、知能指数も高い。ちなみに一ノ瀬志希は頭脳明晰だが才色兼備ではない」

まゆ「悩める天才?」

P「明日以降機会を設けて説明する。続けて」

まゆ「はい。誕生日は5月30日の双子座。血液型はO型。利き手は右。出身は岩手県。特に変わったものはありません」

P「次を読もう」

まゆ「趣味は観察とアヤシイ科学実験と……失踪?」

P「観察は幼い頃からの趣味というか集中力がつくようにやってる特訓。集中力が3分もたないからな」

まゆ「早漏?」

P「そんなもんだ。すぐに飽きてどっかに行く。だから昔からの、特訓を兼ねた趣味。でも残り二つは違う。これは向こうに行ってからの趣味だ」

まゆ「なんでそんな趣味が?」

P「とある事情からだ」

まゆ「なんだか知ったら殺されちゃいそう♪ あ、これを知ったらお前を殺さなきゃならないって言ってください」

P「断る」

まゆ「いけずぅ」

P「ただ、一つ言えることはまゆへの行いが良ければ、いい方向に転がっていただろうって事だ」

まゆ「日頃の行いって大事ですね。あぁ、怖い」

P「一事が万事」

まゆ「あの時こうしてればなんて何度思ったか忘れました」

P「まゆ……」

まゆ「それでもPさんに会えたから良かったです。あ、もしかしたらあなたに会うのは運命だからあの事は絶対に起こる事なのかもしれません♪」

P「…………」

まゆ「…………」

まゆ「ほら、ハンカチだ」

まゆ「Pさん……」

まゆ「おいで……」

まゆ「Pさん……!」

P「いたっ。突っ込んでこないでくれ」

まゆ「だっていつもなにもしてくれないんですもの。ひどい」

P「精一杯の事はしてるよ。それじゃあ元気の出ることをするよ」

まゆ「♪」

P「体をすり寄せるな」

まゆ「これで元気が出るんです」

P「これで元気出してくれ」

>>78>>79
一ノ瀬志希に対する悪口またはアンチレスをお願いします

それ以外は安価下

また新しいセクハラターゲットを見つけたらしい、つい最近あるアイドルに後ろから抱きついて胸を揉みしだいて楽しんでたとか。
それも胸が小さいのを気にしてそうな娘に”胸の成長には刺激が一番だよー♪大きくなるまで私がたっぷり揉んであげるから大丈夫にゃー”とか良い人アピールして
明らかに恥ずかしさ一杯でじっと耐えているのがわかってて大人しいのを良いことに好き放題してた

なんとかと天才は紙一重ってこの子の為の言葉だな

まゆ「また新しいセクハラターゲットを見つけたらしい、つい最近あるアイドルに後ろから抱きついて胸を揉みしだいて楽しんでたとか。それも胸が小さいのを気にしてそうな娘に"胸の成長には刺激が一番だよー♪大きくなるまで私がたっぷり揉んであげるから大丈夫にゃー"とか良い人アピールして明らかに恥ずかしさ一杯でじっと耐えているのがわかってて大人しいのを良いことに好き放題してた。なんですかこれ?」

P「アンチスレだよ」

まゆ「あはっ♪」

P「それに対する返信がこれ」

まゆ「なんとかと天才は紙一重ってこの子の為の言葉だな」

P「その下も」

まゆ「そのうちセクハラから行為にまで発展するなあの発情猫。確信してる。こないだとうとう抱き付きから押し倒そうとしてた」

P「だそうだ」

まゆ「こんな情報どこから仕入れるのかしら。怖い」

P「壁に耳あり、障子に目あり」

まゆ「もう誰も信じられなーい」

P「それはとあるロシア人の断末魔だ。ちなみにそのロシア人、死語に即妻に裏切られあることないこと喋られた」

まゆ「世知辛い世の中ですねぇ」

P「それから何十年も経ってるがあまり変わってないという悲しい事実。まぁ、ロシア事情はどうでもいいとしてこっちの問題を片付けよう」

まゆ「はい」

まゆ「ギフテッド、でしたよね? それの説明の機会はいつですか?」

P「いつなら空いてる?」

まゆ「明日のお昼頃なら大丈夫です」

P「それなら明日にする。その前に一つ知識を入れておこう。さっき少しだけ説明したギフテッドの問題」

まゆ「集中力でしたよね。3分しかもたないって本当ですか?」

P「個人差はあるが大体のギフテッドはADHDやチックを患っていると言われてる。併発とも。発達障害の一つという人もいる。高機能広汎性発達障害」

まゆ「なるほど」

P「徐々に理解していけばいい。言われているだけで事実かの判断はまかせる。それともう一つはモラル的な問題がある。内なる問題。幼い頃からなんでもこなせる故に、なんでこんな簡単なことが出来ないのかという疑問に始まり、なんでこれはこうなってるのかこうした方が良いに決まってるとなる」

まゆ「なぜなぜどうして期みたいなものですね」

P「育児でいうとそれ。細かくは明日話すが問題の一つとしてモラルの問題がある。覚えておいてくれ」

まゆ「はい──」

一ノ瀬志希「キョーミ深い実験材料発見!」

イチノセP「おはようございまーす」

志希「シキソ薄いプロデューサー発見! どーしたの?」

イチノセP「またサボったろ……その始末書で徹夜」

志希「興味が3分しか持続しないもーん」

イチノセP「いつもついてないと仕事しないのかよ……ガキか」

志希「うん。ところで名札」

イチノセP「あ? 名札がどうした」

志希「また半角だよ?」

イチノセP「だから?」

志希「あれは?」

イチノセP「あんなラメラメなの誰ができるか」

志希「カワイイじゃん」

イチノセP「しるか」

志希「せっかくトリップできる香水付きなのににゃ~」

イチノセP「それ」

志希「ン?」

イチノセP「その言葉遣いどうにかしろ。マインドトリップとかなんとか」

志希「フツーじゃない?」

イチノセP「じゃない。それでも始末書書くんだからやめろって」

志希「それがキミのお仕事でしょ?」

イチノセP「あーあー仕事くれてありがとよ」

志希「キミも寝不足だと口調変わるにゃー」

イチノセP「だから誰のせいだと」

藍子「おはようございま~す」

イチノセP「あ、おはようございます。寝不足ですか?」

藍子「昨日、誕生日のパーティーをしたので」

イチノセP「誕生日パーティー、いいですね~」

藍子「なんですかそれ。私のマネですか?」

イチノセP「あっ、似てなかった?」

藍子「少しだけ似てました」

イチノセP「アハ、アハハ」

志希「恋する乙女にゃーキミ」

藍子「おはようございます」

志希「おはにゃー」

P「説明会を始める」

まゆ「はい」

アナスタシア「ハイ」

クラリス「あの……」

まゆ「なんですか?」

クラリス「なぜ机の下にいるのでしょうか」

まゆ「この方が雰囲気出るかなって思って」

アナスタシア「ちっちゃい頃、思い出します」

まゆ「何かしてたの?」

アナスタシア「かくれんぼ」

まゆ「海外にもあるのね」

P「始めていいかな?」

まゆ「お願いします」

アナスタシア「ダー」

クラリス「はい」

P「ギフテッドとは神からの贈り物を持っている人のこと。贈り物は才能のことだ。人は神から産まれた。なので人は一つ才能を持っている。そういう人間観なんだ。もちろん所属してる宗教にもよる」

アナスタシア「頭良い人、ですね?」

P「天才の事だ。正確にいうなら悩める天才」

まゆ「それ、この前も言ってましたね」

P「モラル的な問題を抱えることが珍しくない」

まゆ「小さい頃から色々出来るからでしたよね」

P「あぁ。ギフテッド教育の話をする。読んで字の如く、ギフテッドを教育する機関だ。ギフテッドだけでなくタレンテッドと呼ばれる人も教育する。教育といっても勉学だけでなく様々な分野がある。これはギフテッドの定義にもかかることだ。だがここでは教育手法の説明は省く」

まゆ「教育の話をされてもチンプンカンプンです」

P「じゃあ、オレは何を話したいと思う?」

アナスタシア「?」

P「ここに集めた人達はどんな人でしょう?」

まゆ「あ、なにかするんですね」

P「当たり」

アナスタシア「アー……」

P「難しい事はない。ただ彼女の周りを歩いてくれればいい」

アナスタシア「それだけ、ですか?」

P「それだけ」

まゆ「それなら簡単ね。やったわ、アーニャちゃん」

アナスタシア「ヤー」

まゆ「向こうにピロシキ作ってあるんだけど食べに行かない?」

アナスタシア「ダー」

まゆ「それじゃあ行ってます。お二人も後で食べに来てください♪」

P「あぁ」

クラリス「…………」

P「まゆはよく気がつきます」

クラリス「そうですね……それで私に何か?」

P「わかっててもらえて嬉しいです。あなたもよく気づきますね。まず、この写真を見てください」

クラリス「これは……」

P「かわいいですよね。見てくださいこの笑顔。キラキラしてますよね」

クラリス「……えぇ」

P「あなたの教会が行っているホームレスと児童への支援ありますよね。なんでしたっけ?」

クラリス「ホームレスへの食事の提供及び復職支援と児童への読み書き勉強の支援です……」

P「繁盛してそうですね。特にあの周りはそりゃもう」

クラリス「……火の車です」

P「おや、それは世知辛い。そんなクラリスさんに朗報です。あなたのオレへの特別奉仕に心打たれました。そこでこちらからもちょっとしたお返しをと思いまして」

クラリス「見返りを求めてなどいません」

P「話は最後まで聞いてください。クラリスさんの慈善事業に心打たれたのはオレだけじゃありません。あ、特別奉仕と慈善事業は別のものですからね。とあるお金持ちがその施設への寄付を考えてるなんて話が持ち上がってきてるんです」

クラリス「…………」

P「そこでオレからの提案です。今回の件に参加してうまくいけば寄付の話を持ってきます。どうしますか? 参加するか否かはあなたに委ねます」

クラリス「私は……」

P「キラキラした笑顔ですよね。見てくださいこっちの子。ホームレスのおじさんと楽しそうに喋ってます。微笑ましいですね」

クラリス「私は……」

P「ここがなくなったら……おっと、暗い話はやめましょう。あ、今気が付きましたけど中学生位の女の子もいるんですね。ここがなく……」

クラリス「…………」

P「クラリスさんならそう来ると思ってました。それでは今回もお願いします」

クラリス「……はい」

P「あっ、ひとつ言っておくとあなたの特別奉仕への感謝は本音です。これでも感謝してるんですよ」

クラリス「…………」

P「それじゃ先にピロシキ食べに行きます。写真は差し上げます」

クラリス「もう……私の心に入ってくるのはお止めください……」

P「またまたご冗談を。あ、ピロシキですけどあの分だと一人三個は食べることできますね」

クラリス「…………」

P「お腹は正直だ──」

ベテトレ「一ノ瀬! おい、一ノ瀬!」

奏「ハァハァ……」

ベテトレ「速水か。一ノ瀬を見なかったか!?」

奏「見てないわ。またいないの?」

ベテトレ「あぁ。姉さんが提出するように言った書類を出してないんだ。おかげでこれだ」

奏「角が生えてるのはいつもじゃない?」

ベテトレ「これでなん回目だ」

奏「こうやって来るのは今週に入って3回目かな」

ベテトレ「私のレッスンはビデオ録画でも構わない……それでもしていないが。姉さんのレッスンをサボるとはな……」

奏「あれも個性よ」

ベテトレ「個性なものか。断じて違う」

奏「麗さんはどう思ってるの?」

ベテトレ「姉さんはやる前から諦めたり不可能だと投げたりする輩が大嫌いなんだ」

奏「プロデューサーは?」

ベテトレ「いつも通りだ」

イチノセP「誠にすみませんでした!」

奏「あら、ほんとだ」

ベテトレ「頭を引っ込めろ。見付かったら死ぬぞ」

奏「銃じゃないんだからそんなこと……」

ベテトレ「ナイフ投げがある」

奏「ひっこめよう」

マストレ「この前もそれじゃなかったか? 自分のアイドルの面倒くらい見れないのか?」

奏「あ」

ベテトレ「姉さんだ。あれは二時間コースだな」

マストレ「行動の把握は一番始めにやっておくべきことだ。やらなかったのか?」

イチノセP「毎回行動が変わるので……」

マストレ「それでも予測くらいできるだろう。しないのは怠慢、違うか?」

イチノセP「……誠にすみません!」

マストレ「ここでいつまでも話していても時間のムダだ。行け」

イチノセP「はい!」

マストレ「おそらく今の時間ならエステフロアにいるかもしれない」

イチノセP「はい! ありがとうございます」

ベテトレ「このまま静かにドアを閉めよう」

奏「えぇ……」

ベテトレ「ふぅ……」

奏「お姉さんがああなるのって珍しくないの?」

ベテトレ「珍しいといえばそうだがそうじゃないといえばそうじゃない。姉さんは計画通りに物事が進まないことが大嫌いだからな。料理当番の時なんて凄まじい」

奏「あ、なんか姉妹っぽい発言」

ベテトレ「一ノ瀬志希といえば、噂が流れているな」

奏「ウワサ?」

ベテトレ「たまに部屋に戻らない日があるらしい。あくまで噂話レベルのことだが」

奏「アブナイ噂」

ベテトレ「だから噂は噂だ。詳しく知る者はいない」

奏「……そうでもないかも」

加蓮「──病院くらい1人で来れるのに」

P「そうすると彼女に示しがつかない」

加蓮「奈緒も心配しすぎだって……もう」

P「そういう友達がいるのは良いことだよ。大切にしな」

加蓮「私には過ぎた友達……かな」

P「嫌だったら向こうから離れていく」

加蓮「あれで意外としつこかったりするんだよね。別に誰かに救ってもらいたかったわけじゃないし、離れていってもらってもいいんだけどね」

P「本人にそれを伝えればいい」

加蓮「だからあれで意外と熱いとこあるんだって。そんなこと言ったらもっと……」

P「着いた。診察室に入るぞ」

加蓮「ついてこなくていいって」

P「あれで意外としつこいとこあるんだろ? 細かく聞かれるかもしれない」

加蓮「服捲るとき後ろ向いてよ」

P「検査結果聞きに来ただけだから診察はしない」

加蓮「……どっかのプロデューサーだったらこれで入ってこないのに」

P「そうだな。その可能性は高いだろうな。だがオレは頼まれたことはきちんとこなす」

加蓮「あ、そういえば薫ちゃん大丈夫?」

P「というと?」

加蓮「入院中寂しそうだったから……あ、ほらなんか入院してたから顔あわせるの恥ずかしくて……私なんかがってさ」

P「今じゃ元気だ。椅子で滑るのがブームになるくらいにはね」

加蓮「あ~、あれおもしろいよね」

P「オレにはよくわからない」

加蓮「将来病院マイスターでも目指そうかな」

P「聞き慣れない単語だな。何をする仕事だ」

加蓮「どこどこの病院食はおいしい、あそこのはマズイ、向こうのはおいしいけど量が少ないとか」

P「隣がうるさい、ベッドの柔らかさ、看護婦の勤務態度とかもか」

加蓮「あ、いいかも。こう考えると入院してたのも悪くないかも」

P「楽しむのは悪いことじゃないな。さて、入るぞ」

加蓮「そういえば診察室って書いてあっても中で待たせるとこもあるね。なら待合室でいいじゃんっていつも思う」

P「そうか。失礼します」

医者「こんにちは。お掛けください」

加蓮「こんにちは」

医者「今日は診察結果についてでしたね。その前にいくつか質問をしてもよろしいですか?」

加蓮「……はい」

医者「最近、驚いたことは?」

加蓮「友人からこの人を紹介されたこと」

P「…………」

医者「人を紹介された、と。その時何を思いましたか?」

加蓮「奈緒にもこんな知り合いいるんだって思いました。まぁ、アニメ見てるって言うくらいだからその知り合いかなって」

医者「友人の交遊関係について考えた……っと。他には?」

加蓮「他には……今かな」

医者「今?」

加蓮「だって入院してたときの担当医が目の前で他人行儀に話してるんだもん。誰だって気になるよ」

医者「けじめというものだ」

加蓮「あ、少し戻った。やっぱアイドルの親戚がいるとなんというか大変?」

医者「そういうのは体験したことがありません」

加蓮「また他人行儀。薫ちゃんの担当医もそうだったけどメガネかけてる人ってみんなこうなのかな」

医者「さぁ。さて、本題ですが……どこもこれといった異常はありません。ただ相変わらず激しい運動は控えるように」

加蓮「しないって。最近はボーカルレッスンばかりだし」

医者「何時間もやれば立派な運動になる」

加蓮「ハァイ」

医者「薬は今のままでいいかな? 今のでは強い、或いは弱いというのはないかな?」

加蓮「特にない」

医者「特になし。少しでもおかしいと思ったら服用はやめて相談してください」

加蓮「薬袋の裏に書いてあるから知ってる」

医者「性格に変化なし」

加蓮「ちょっと」

P「変わりないようで安心しました」

加蓮「私のなに知ってるの」

P「なんだろうね」

医者「今日はこれで……おっと」

加蓮「……なんか不安。お医者さんがそういうときって大抵……なんか検査漏れ?」

医者「いや、採血の指示が出てる。お手数ですが……」

加蓮「ん」

医者「どうも。あ、保護者の方には少しお話があるので」

加蓮「保護者じゃない」

P「わかりました。残ります」

加蓮「それじゃいってるから。終わったらそこらにいる」

P「捜すよ」

医者「きちんといってくださいね」

加蓮「注射くらいで逃げないって。痛いのには慣れてるし……じゃ」

奈緒「噂ぁ?」

奏「そ、ウワサ」

奈緒「そんな噂でここに来たのかぁ?」

奏「えぇ。それより口調と声」

奈緒「そりゃ驚くって……まぁたしかにあたしもそういう噂聞いたことあるけどさぁ」

奏「そういうウワサ?」

奈緒「そっちから話始めたことだろう。その……家に帰らないって噂。それってつまり……そういう話だろ?」

奏「そういう話?」

奈緒「んぁ~もう! 家に帰らないことがあるってことは、男の家に行ってたってことだろ!?」

奏「あなたって時々大胆ね」

奈緒「あ、あのなぁ!」

奏「まぁ、そんなわけでここに来たの。いる?」

奈緒「今は加蓮と病院」

奏「なら行き違いか」

奈緒「どうでもいいけど連絡はした? してなかったらまた怒られる」

奏「心配しないで。連絡はきちんとしたから」

奈緒「ならいいけどさ」

奏「あなたは?」


奈緒「あたしは……話変えようとしてるだろ」

奏「あ、バレた?」

奈緒「バレバレ。それにしても……」

奏「それにしても?」

奈緒「加蓮、口調変わったなって思ってさ」

奏「そうなの?」

奈緒「あぁ。最初なんてすごい敬語だったんだからな」

奏「今でもわりとそうじゃない?」

奈緒「そうなんだけどさ。う~ん説明しづらい。てか、そういうのあるだろ?」

奏「私はない……かな。私のとこは初めから敬語かタメ口だから」

奈緒「ンー、他んとこはどうなんだろうな」

奏「今度みくたちに聞いてみる?」

奈緒「そうしてみるか」

奏「疑問って言えば」

奈緒「ん?」

奏「あの人は私たちのことどこまで知ってるのかな」

奈緒「あの人?」

奏「ほら、この家の」

奈緒「ん、あぁそういうことか。さぁなあ。てか、この前も気にしてなかったか?」

奏「だって気になるじゃない。美貌を剥がされるみたいで」

奈緒「たまにわかんないこというよな。まぁ、気にならないといえばウソになるけど……気にしててもしかたないし。それより気になるのは……」

奏「気になるのは?」

奈緒「あのプロジェクトのプロデューサーだよなぁ」

奏「いかにも堅物って感じよね。そこら辺も……」

奈緒「みくちゃんたちに聞くしかないか」

奏「ところで……」

奈緒「ん?」

奏「私はあなたに開けてもらったからだけど、ここにはどうやって入ったの?」

奈緒「どうって……普通に開けてもらって」

奏「誰に?」

奈緒「誰にってそりゃ……薫ちゃん?」

奏「でもいないわよ?」

奈緒「…………」

奏「インターホンに誰が出たの?」

奈緒「誰って…………誰って……誰だ?」

奏「…………」

輝子「…………」

奈緒「…………」

奏「…………」

奈緒「だ、誰も、なにも言ってない……扉空いたから入って上がって……それで……」

奏「その時靴は?」

奈緒「そりゃ……あ……るに……なかった」

奏「…………」

奈緒「…………」

みちる「フゴッ」

奈緒「っ!!!?」

奏「ッ!!」

P「──それで腰が抜けたと」

加蓮「奈緒はともかく奏までなにしてるの」

奈緒「あ、あたしはともかくってなんだよっ!」

美穂「立てます?」

奏「大丈夫……」

輝子「フ、フヒ……」

みちる「フゴ……」

奈緒「そ、それよりここで何してたの」

みちる「マッシュルームブゥレッデュッ」

奈緒「ハ?」

奏「あれのことじゃない?」

奈緒「パン……だな」

奏「パンね」

美穂「パン……だね」

輝子「ま、前からの約束だったから……その……つ、つい」

みちる「いやぁ、パン生地は強敵だったね」

輝子「お、おう……フフ」

奈緒「く、靴がなかったのはどうして」

輝子「そ、そういう指示だったから……」

奏「誰の?」

杏「杏だよ」

美穂「あ、杏ちゃん……」

杏「宅配便がここまで入ってきて郵便受け覗くときあるからつい癖で……」

P「それは前だよね?」

杏「だからクセでだって」

美穂「まゆちゃんの部屋で寝てる間にそんなことが……」

奈緒「つまりまとめると、美穂ちゃんが部屋で寝てる間に輝子ちゃんが来て、杏ちゃんが招き入れて、杏ちゃんが寝てる間にみちるちゃんが来て輝子ちゃんが入れて、そのあとにあたしが来て輝子ちゃんが下を開けて、それで最後に奏が来てあたしが招き入れた……」

P「そういうことになるね」

加蓮「それで私たちが帰ってきて、腰抜かしてた奈緒を見つけた、と」

奈緒「だからあたしだけじゃなっ、ててて」

美穂「杖いりますか?」

P「とりあえず食堂に移動しよう」

みちる「まさか人を運ぶことになるとは……」

輝子「出荷だオラァァァァァァ!」

加蓮「奈緒、肩貸すよ」

奈緒「へ、平気だって……」

輝子「ヨォォォォォソロォォォォ! ハハヒャー!」

美穂「よ、ヨーソロー」

奏「……立てない」

P「頑張って」

奏「…………ン」

P「手を出されてもどうしようもない。頑張って」

奏「……まぁいいわ。回復するまでしばらくかかるからちょうどいい」

P「何がちょうどいいんだ?」

奏「質問があるの。一ノ瀬志希は知ってると思うけど」

P「知ってる」

奏「彼女のウワサ、時々家に帰らないって言われてるんだけど本当?」

P「本当だ。彼女は18歳だからな」

奏「夜遊びしてるってこと?」

P「そうなんだろうね」

奏「わざとらしい……」

P「気になるなら担当プロデューサーに聞いてみればいい」

奏「あなたの担当アイドルは夜遊びしてますかって? 出来るわけないじゃない」

P「それなら諦めるしかない。オレは言わない」

奏「庇ってるの?」

P「庇うものか。いいことなんてない」

奏「ならなぜ?」

P「答えを言うより探した方が面白いだろ? ミステリアスは人を魅了する」

奏「そういう臭い台詞が似合わない。ふふ」

P「君の美貌の秘訣もミステリアスだっけ」

奏「そうよ。それより起こしてくれない?」

P「後ろに回る」

奏「もう少しロマンチックな方法にして」

P「オレにそれを求めるな。お姫様抱っこは他の人にしてもらえ」

奏「ヒッ……ッン~」

P「ミステリアスな声だな」

奏「反応する余裕はないわ」

P「噂を調べるのはいいが深みにはまらないように」

奏「心配してくれるの?」

P「こっちにも迷惑がかかる可能性があるからいってる」

奏「妄想に浸らないようにするわ」

P「そうしてくれ」

奏「ウワサの真相は……楽しみ」

P「予想通りだったらいいな」

奏「それは複雑」

P「話は変わるが宿題はどうだ?」

奏「子どもじゃないんだから大丈夫」

P「数2と英語」

奏「…………」

P「君ならピロートークで学べばいい。向こうから声かけてくるよ」

奏「それは中学生」

P「彼らはそれでも問題なくヤるよ」

奏「下世話な話」

P「流れだよ」

小梅「──こん、にちは……」

??「こんなところで会うなんて珍しいですね」

小梅「ここで……なに、してるの?」

??「映画の撮影ですよ。名前を変えてね」

小梅「へぇ……」

??「今は吾平と名乗っています。廃駅、知ってますか?」

小梅「知らない……」

吾平「そうですか……まぁ知らない人は知りませんよね。ところでここにはなにをしに?」

小梅「撮影……」

吾平「なるほど。考えてみればここ、あなたのところですしね。撮影スタジオとして使わせてもらってますが、なかなかいいスタジオです。ただ、人相の悪い人が彷徨いてるのが問題ですが……」

小梅「あれ……プロ……デューサー……」

吾平「あれが有名な補導のプロですか」

小梅「されるプロ……」

吾平「警察というのは不良とヤクザ、身内には優しいですからね。彼も仲間入りしてますよ。それにしても彼を見ていると思い出しますね」

小梅「思い……出す?」

吾平「部長ですよ」

小梅「部長……?」

吾平「眼鏡をかけた、通称声なき部長」

小梅「あ、部長……」

吾平「ああやってみると護衛と護衛対象の老人にしか見えませんね」

小梅「何か……話してる……」

吾平「おそらく、彼女のことでしょう」

小梅「?」

吾平「僕の映画に出したことはありませんが、関係者がいますので。それによると仕事のドタキャンは当たり前、撮影直前に失踪は珍しくないらしいですよ」

小梅「へぇ……」

吾平「担当プロデューサーのおかげですね」

小梅「苦労人……」

吾平「ほぼ全ての仕事で頭を下げています。それが仕事といっても差し支えないくらいに」

小梅「かわいそう……」

吾平「希に志す、一度もないのに希と言えるのでしょうかね。いや、僕が知らないだけで志した事がある?」

小梅「?」

吾平「あ、なんでもありません。さて、これでそろそろ失礼します」

P「──希に志すから志希ってゆー」

小梅「あ……なるほど……」

P「スタッフの間ではこれで通ってる」

小梅「ありがとう……」

P「それにしてもよく知ってるね」

小梅「今日……聞いた」

P「なるほど」

小梅「どうして……そう……呼ばれてるの?」

P「集中力のなさとたまに失踪しないから。収録前に失踪しなかったときはそれはそれは偉業を成し遂げたみたいに扱われる」

小梅「子ども……?」

P「精神的には子供だね。遊ぶべきところ気を入れるべきところがわかってない」

小梅「私も……よくわから……ない」

P「まだ中学生だからな。そのうちわかっていく」

小梅「あ、そういえば……映画の件……」

P「映画の件?」

小梅「うん……監督が力……貸してほしい……って」

P「あの人の知識量と手腕だと力借りる必要はないと思うが……」

小梅「とにかく……伝えた……よ」

P「わかった。ところで一つ頼み事がある」

小梅「頼み事……?」

P「ホラーとスプラッタに興味があるよね。そこで頼み事」

小梅「ビショビショ……?」

P「今回はそこまではしないと思う。喜んでくれるのは間違いない」

小梅「……フフ♪」

P「案内役を頼みたい」

小梅「触れあい……は?」

P「ない」

小梅「しょぼー……ん」

P「今回は何人か引き連れていってもらう」

小梅「リーダー?」

P「アイドルグループ的に例えるとセンターだね」

小梅「誰、連れていくの……?」

P「メンバーはアナスタシアと道明寺さん。道明寺さんはバックアップで表にはいかないけど」

小梅「なんのために…………いるの?」

P「準備段階で必要だからね」

小梅「服装は……?」

P「衣装の指定はない。前に担当プロデューサーと肝試しにいった格好なんてどうかな?」

小梅「あ……場所……は?」

P「場所は廃病院──」

小梅「これ、どう……?」

輝子「イェアァァァァ!」

幸子「当然です。なにせボクが選んだ服ですからね。白坂さんに似合わないはずがありません!」


乃々「デートとか……少し憧れるんですけど」

まゆ「違うわ」


幸子「ひっ!!」


アナスタシア「デートじゃない、ですか?」

まゆ「だってあなたも一緒でしょ?」

アナスタシア「ハーレム?」

まゆ「そんな甲斐性ありません」

アナスタシア「カイショウなし、ですね」

まゆ「イエス」

アナスタシア「ハッラショー」

小梅「これ……どう?」

アナスタシア「ダー……あー、カワイイです」

小梅「ふふ……」

P「アナスタシア」

アナスタシア「なにか、ようですか?」

P「こっちへ」

アナスタシア「ヤー」
まゆ「…………」

P「まゆは向こう」

まゆ「ノー」

P「向こう」

まゆ「キャンキャンキャン!」

輝子「ドウドウドウドウ」

アナスタシア「ワタシに何か、用ですか?」

P「明日持ってきてほしいものがある」

アナスタシア「ほしい物、ですか?」

P「そんなに難しいことじゃない。あるものを取ってきてほしい」

アナスタシア「ダー」

P「報酬は払う」

アナスタシア「ホウシュウ?」

P「給料みたいなものだよ」

アナスタシア「物、じゃなくても、いいですか?」

P「物じゃなくて事でもいい。デートがしたいなら援助するよ」

アナスタシア「援助……? あ、プレイのことですね」

P「その意味の援助じゃない。助けるって意味。金銭的だけでなく物質的にもね」

アナスタシア「じゃあ、頼みたいこと、あります──」

アナスタシア「おはよう、ございます」

CP「おはようございます、アナスタシアさん」

アナスタシア「フッ……アッフ……アァン……失礼、しました」

CP「寝不足でしょうか?」

アナスタシア「すみません」

CP「いえ……つまらないものですが……」

アナスタシア「ミントガム……ありがとございます」

みく「おはようござふぁ~す」

CP「おはようございます、前川さん」

アナスタシア「おはよう、ですミク」

みく「おはよ~……」

CP「前川さんも、ですか?」

みく「宿題終わらなくて……」

アナスタシア「ガム、あります」

みく「ありがとう。でも飲み物がいいにゃ」

CP「飲み物ですか……? 少々お待ちください」

みく「ぬる~いのがいいにゃ」

アナスタシア「ぬるい? つめたい、あたたかいだけ、です」

CP「お待たせしました……」

みく「そ、それは……!」

CP「エナジードリンクです……すみません、それしかありませんでした……」

みく「ありがとPチャン!」

CP「いえ……アナスタシアさんもお一ついかがですか?」

アナスタシア「ダー、いただきます」

CP「どうぞ」

みく「んにゃ? 誰か来た」

CP「お入りください……はい? 部長が、ですか? すぐに参ります」

みく「……手振りだけでコミュニケーションってスゴいよね」

アナスタシア「ヤー」

みく「あれ、アーニャちゃん……?」

アナスタシア「どうか、しましたか?」

みく「そこでなにしてるの?」

アナスタシア「探し物、です」

みく「Pチャンの机だよね?」

アナスタシア「ハイ」

みく「はいじゃないにゃ。人の机、勝手に漁ったらダメだよ?」

アナスタシア「ほしいもの、あります」

みく「欲しいもの?」

アナスタシア「プロデューサー、だけしか買えないものです」

みく「あ、それってもしかして」

アナスタシア「ありました」

みく「みく知らない!」

アナスタシア「どうしました?」

みく「みくはなんも見てない──」

P「…………」

??「持ってきたな」

P「お望み通り」

??「たしかに受け取った」

P「それにしてもスタミナドリンクとエナジードリンクが欲しいなんて変わってますね」

??「それは元々俺が作ったものが使われている。危険なものだから世に出さなかったが、製造と製法が盗まれた」

P「ついで、信頼も失われた」

??「それに彼女が関わってる。俺は乙女ではないが運命的なものを感じる」

P「それで……」

声無「声無でいい」

P「部長さん」

声無「スタミナドリンクか。いい得て妙かもな。飲めばスタミナが回復"した気になる"ものだ」

P「懐かしいところで言うとヒロポン。副作用が強いからプロデューサーにしか配られない」

声無「ヒロポンか。俺の代でもそんなことは言わない。だがそのようなものだ」

P「外に出すと危ないものだから製造、製法その他諸々の特許を取ったと」

声無「それがどこで漏れたか」

P「一ノ瀬志希の才能かもしれませんよ?」

声無「恐ろしい恐ろしい。さて、名誉挽回に汚名返上といくとする」

P「ドラマチックですね。それと知っているかはわかりませんが、希に志す彼女の希について知りたくありませんか?」

声無「君もこちらの才能があるかもな。話を聞こう──」

志希「プレゼントフォーユー」

イチノセP「いらん」

志希「またご機嫌ナナメ?」

イチノセP「あれから2件続けてすっぽかしたんだぞ? この業界にいられるのが不思議なくらいだ」

志希「だからこうやってプレゼント持ってきてるんじゃないかにゃー」

イチノセP「そんなドリンクいらん。よく事務員が置いてくがエコドリだかスタードリだかよくわからんもの飲めるか」

志希「えー、オイシイよ? スーッてトリップ出来るし♪」

イチノセP「他のやつにやれ」

志希「あ、そうだ。シンデレラのロシア人にあげよっかな」

イチノセP「あぁ、あのハーフか。そういえば」

志希「そういえば? なにかにゃー?」

イチノセP「たしか……ここに…………あったあった。ほれ」

志希「チラシ?」

イチノセP「よく読め」

志希「納涼肝試し。なぁにこれ?」

イチノセP「肝試しだ」

志希「読めばわかるよ。向こう長いからって日本語忘れてないし」

イチノセP「じゃ、読めるよな」

志希「キョーミなーい!」

イチノセP「あ、この野郎! それで汚名返上してこい!」

志希「オメーヘンジョー?」

イチノセP「ジョブクラッシャーの名を返上するんだよ。こっちまで『おたくに預けた仕事はメチャクチャになりますなぁ』って言われ始めたんだよ。このままじゃ仕事来なくなる」

志希「必死のエーギョーすればいいにゃー」

イチノセP「簡単に言うな」

志希「簡単じゃん」

イチノセP「セルフプロデュースするか?」

志希「メンドイからパース。で、なんでそのイッベーントなの?」

イチノセP「シンデレラの魔法使いのお気に入りだからだよ。向こうの心象良くしておけば仕事回してもらえるかもしんないだろ」

志希「策略家だにゃー」

イチノセP「ほっとけ。あ、仕事はほっとくなよ」

志希「えー」

イチノセP「えーじゃない」

クラリス「おはようございます」

イチノセP「あ、おはようございます」

志希「フーンフフフンフーンフフンフフフフーフフンフーフーフッフン♪」

イチノセP「おい、挨拶しろ」

クラリス「お忙しいようです。邪魔しては悪いですよ」

イチノセP「え、あ、はい」

志希「夢はーユーメでフーフフフン」

イチノセP「すみません」

クラリス「いいえ。この時代、マイペースというのは宝です。私などはいつも忙しくしていて余裕がありません」

イチノセP「えっ、そうなんですか?」

クラリス「この前も……」

志希「……チッ」

イチノセP「ン?」

志希「♪」

イチノセP「またケータイか。目ぇ悪くするぞ」

志希「ハイハーイ」

イチノセP「……ホントすいません。見苦しいところ見せて。言うこと聞かないんですよ」

クラリス「そのくらいがカワイイと申します」

イチノセP「5歳や6歳じゃないんですからそれはないですよ。あ、ところで子供たちは?」

クラリス「元気にしております」

イチノセP「いやー文字の読み書きを教えるなんて感激しました。どっかの誰かにも見習ってほしいですよ」

志希「ふぁ~……ふはぁ」

クラリス「あれはあれで大変なのですよ?」

イチノセP「あ、グチですか?」

クラリス「あ、いえっ……すみません」

イチノセP「一度他のとこで見ましたけど子供は自由ですからね。鉛筆汚れを懐かしみましたよ」

志希「……ハァ」

クラリス「それでは私はこれで」

イチノセP「はい、お疲れさまです」

クラリス「えぇ」

イチノセP「……いやぁ癒される」

志希「んー、終わったかにゃー?」

イチノセP「ん? あぁ……おい、窓開けんなあぶねぇ」

志希「開けられるんだから開けていいじゃん。それにここ臭いにゃー」

イチノセP「これでも風呂入ってるぞ」

志希「あ、キミの匂いは好きだよ? ほら、スンスン嗅げるよ?」

イチノセP「来んな」

志希「ひどーい。あっでも今はキライ。ロウソク臭い」

イチノセP「ハァ? てか、んなことよりそれ参加すんのかしないのか決めろ」

志希「しょうがないにゃー」

イチノセP「なんか俺が悪いみたくなってっぞ」

志希「それでなにすればいいの? ワーキャー騒げばいいの?」

イチノセP「そんなことしなくていいから静かにしてろ」

志希「それ意味なくない?」

イチノセP「んなこといわれても肝試しなんてしたことねえからな。アメリカでやんなかったか?」

志希「肝っ玉じゃなくてタマタマでなら遊んでた」

イチノセP「ハ?」

志希「なんでもないにゃー。あ、ところでメアリーのプロデューサーどこ? 見当たらなくてー」

イチノセP「あーそれな。辞めたらしいぞ」

志希「え、そうなの? ザァンネーン。いい客だったのににゃー」

イチノセP「なんか言ったか?」

志希「なーんも」

イチノセP「メアリーも実家の方に行ってるみたいだし」

志希「ふーん」

イチノセP「もう興味ないのな……自分から話振ってきたのに」

志希「志希ちゃんのキョーミは3分しか持たないのだ!」

イチノセP「3分未満じゃねーか」

志希「世界最速でキョーミなくす自信ある」

イチノセP「お前、そんなんで生きてけるのかよ」

志希「今までこれたしダイジョーブダイジョーブ」

イチノセP「お前の恋人は大変だったろうな。向こうでは何人いたんだ?」

志希「それセクハラ」

イチノセP「把握すんのが仕事だ。お前みたいなのはいつ問題起こすかわかんないからな。つか、今起こしてるし」

志希「ワンツースリーフォー……いっぱい」

イチノセP「マジか」

志希「白人黒人だけかな。ま、人種ってよくわかんないんだけどね」

イチノセP「引くわ」

志希「その人たちにしかキョーミないし」

イチノセP「ある意味その人たちは不幸だな」

志希「ひどーい傷つくなぁもう。寝る」

イチノセP「寝んな」

志希「あ、これいる?」

イチノセP「なんだこれ?」

志希「志希ちゃん特製媚薬。一嗅ぎすればケダモノに♪ 一口飲めばゲテモノに。ちなみに実地試験済み。おっきくて裂ける」

イチノセP「そんな危ないもんいらん。ただのオナニーじゃねぇか。それじゃ俺は営業行ってくるから。そっちもきちんと仕事行けよ」

志希「あー、セクハラ」

イチノセP「知るかよ。またな」

志希「バイバーイ…………ハァ。キミらしい意見だなぁもう。さて、今日も実地試験しよ♪」

美優「──こんにちは」

P「……こんにちは」

美優「英語の新聞?」

P「それを翻訳したものです。ところでなにか?」

美優「仁奈ちゃんに会いに……」

P「まだ来てません。ついでに言うと高森さんもまだです」

美優「それならここで待たせてもらいます」

P「ご自由に」

美優「…………」

P「…………」

美優「どんな記事読んでるんですか?」

P「面白い記事です」

美優「面白い? 向こうの新聞ってどんなことかいてあるんですか?」

P「こっちとたいして変わりません。専門紙だったら話は別ですけどね。それにしても面白いものですよね」

美優「何がですか?」

P「いじめというのはどこでも起こるんですよね」

美優「?」

P「魚みたいなものですね。必ずいじめは起きる」

美優「あ、それ聞いたことあります」

P「頭のいい集団でも起こりえます。人間の本能なんでしょうね」

美優「うちのプロダクションはいじめがなくてよかったです」

P「いじめはないですが確執はあります。特に養成所に通ってた人は」

美優「まぁ……それはその……ありますね」

P「いじめも所変われば品変わる。国によっていじめの定義は変わります。アクティブな集団いじめなんて目も当てられません」

美優「あの、そこ……」

P「これですか? 社会面ですね」

美優「ポルノって書いてあります……」

P「同級生の裸体を動画に録り、動画投稿サイトに投稿。アメリカでの出来事ですね。ネットを使ったいじめですよ。さすが最先端国。他にもこういったものの仕返しで親が銃を持って相手の家に行ったなんてのもあります」

美優「すごい……ですね」

P「呆れ返るほど凄いですよね。他にも語は変えてますが強姦や暴行レベルの事がワラワラと。ホームレスから子犬を取り上げたなんてのもあります。ここまでいくといじめじゃなくて差別ですね」

美優「…………」

P「日本のいじめもあれですが、本当に海外というのはアクティブですよ。英語に慣れてなくて会計にもたついてる客に帰れコールした挙げ句にフォオォと叫ぶ、それも集団が。すみません暗い話になってしまいましたね。ところでその頭の上のは?」

美優「頭の上……? あっ」

P「田舎結びなんて歳でもないでしょう」

美優「と、歳は関係ありませんっ。こらは美由紀ちゃんと仁奈ちゃんにやられて……!」

P「ほどき忘れたと」

美優「だから今日人の視線が頭の上に……」

P「それを見た人の今日の話題の主役になれましたね」

美優「嬉しくないです!」

P「とりあえず落ち着いてください。血管切れて死んでしまいます」

美優「顔が暑い……」

P「氷は向こうです。冷凍庫の中」

美優「お借りします」

P「どうぞ」

美優「ハァ~……恥ずかしかった」

P「……一つ恥ずかしいことを聞きますがよろしいですか?」

美優「今ならどんなことにも答えられそうです……それでなんですか?」

P「まず一つ目は──」

小梅「こんばんは……白坂、小梅……です……それでこっち……は……アシスタント……」

アナスタシア「こんばんは、アナスタシアです」

小梅「今日は……お集まり、い、いただき……ありがとう……ございます」

アナスタシア「テンキュー」

小梅「あ、ロシア訛り…………今日ここに……集まったってことは……みんな……ここの歴史に、きょ、興味がある……ってことだよね……」

アナスタシア「ワタシ、歴史好きです」

小梅「じゃあ、まず……エントランス、行こう……」

アナスタシア「ヤー。みなさん、こっちです」

小梅「えっと……まず、説明する……ね」

アナスタシア「ヤー」

小梅「病院の、入口……ここがやってた頃は……そこにお姉さんたちが……立って……患者さん……そこに座ってた……」

アナスタシア「オー? まだ跡、残ってます」

小梅「いろんな人が……来てた…………子ども……お年寄り……主婦……会社勤めの人……」

アナスタシア「ネクタイピン、落ちてます」

小梅「でもね…………ある時から……制限がかかったの……」

アナスタシア「制限? 何でしょう」

小梅「それはね……フフ……あとで話す……それよりこっち……来て……」

アナスタシア「足元、お気をつけ、ください」

志希「フア……眠い」

志希「志希ちゃんの眠気マックス……」

志希「プロデューサーの頼みだから参加したけど……ホーントつまんない」

志希「ユーレイなんているわけないじゃん。いたら今ごろ……」

志希「あ、やばっ眠い」

小梅「ここ……」

アナスタシア「ベンチ、ですね」

小梅「うん……え~っと……いち、に、さん……6人くらい……来て……」

アナスタシア「アジン、ドゥヴァ……シャスチ、オッケーです」

小梅「座った、ね……病院の受付って……長い時間待つ……よね」

アナスタシア「そうなのですか? 日本の、ビョーイン待つイメージないです」

小梅「結構……待つ……ここ患者……多かったらしい……から……それでね……そういうときって……椅子に長く座る……よね……」

アナスタシア「お尻、痛くなります」

小梅「気が滅入る……よね…………ただでさえ……体調が悪いから病院……来てるのに……そんなに待たされたら……悪化する……かも……」

アナスタシア「運動出来ません。ここビョーインですから。ね?」

小梅「うん……それで…………人が座った後って……生暖かいよね……」

アナスタシア「バスであります」

小梅「実は……ここがまだやってた頃…………そこに座ったまま……死んじゃった人もいる……んだって……それも……複数……」

アナスタシア「悲しい、ですね」

小梅「それからなんだって……そこ座ってると……段々……眠くなってくる人が……増えたのって……」

アナスタシア「眠るのは良いこと、だと思います」

小梅「……そのまま死んじゃっても……?」

アナスタシア「それは悲しい」

小梅「だね……フフ…………不思議なことに……そこら辺だけなんだよ……眠くなるのは…………こういうときの……効果的なことって…………なにかな……」

アナスタシア「我慢、ですね?」

小梅「あ、他の人とハモった…………うん……我慢するのが……一番…………普通は……ね……でも……そこで我慢すると……誰もいなくても……隣から……ハァハァ……ハァハァ……って聞こえるんだって……」

アナスタシア「苦しそう、ですね」

小梅「そうだね……そういうとき……どうする?」

アナスタシア「ワタシだったら、声、かけます」

小梅「心配する……よね…………もしも無視……されたら……悲しくなっちゃう……よね……」

アナスタシア「ヤー」

小梅「えっと……あ、そこの人……うん……あなた…………あなただったら……どうする?」


コンマ判定します
下1
コンマ以下が51以上で声をかける、未満で声をかけない

小梅「声をかけ……る…………フフ……やっぱりそう……だよね……小さいのに……えらい……ね……え……? 私より……年上……?」

アナスタシア「クールダウン、です」

小梅「ごめんなさい……それじゃあ……次……行こ?」

アナスタシア「次はどこ、ですか?」

小梅「次は……ね──」

志希「クー……スゥゥ……プゥ……ジョニ……出しすぎ……」

志希「ン…………ンン……ファッ……ふあっあ~あ~ア……よく寝た」

志希「やっぱ睡眠は大事だよね。さーて、起きたら志希ちゃん謹製フレグランスを……あれ?」

志希「そういえば外だった。たしか……なにしてたんだっけ?」

志希「えっと……そうだそうだそうだ。つまんないイベントに参加して寝ちゃったんだった。しきにゃんうっかり!」

志希「でも…………ベッドで寝てたっけ? イスで寝てたような……まっ、いっか! でも……」

志希「なんで縛られてるのかにゃー?」

??「あら、目が覚めたのね」

志希「?」

?「おはよー!」

志希「キミ達誰かにゃー?」

??「年上にその口の聞き方……生意気ね」

?「え~、年相応でカワイイよー?」

志希「なんで私は縛られてるの?」

??「自分に聞いてみなさい」

?「そんなことより海外ってどう!? 建物大きいの!? 食べ物不味いの!?」

志希「ハァ?」

??「少しは口を閉じなさい」

?「でも気になるじゃん。アメリカなんていかないし」

??「聞きたいことがあるならあとで聞きなさい」

志希「こっち無視かにゃー?」

?「あ、そろそろ着くから黙ってね」

志希「着くってどこへ?」

?「はーい到着ー。これでいいんだっけ?」

??「そうよ」

志希「廃病院の中に縛られて放置プレイは特殊すぎるにゃー。せめて目隠し取って」

??「移す準備をするわよ。ほら、そこの取って」

?「はいはい」

志希「そのなにかをコツコツ指で弾く音はなに?」

??「暴れないでちょうだい。手元が狂う」

?「違うとこ刺さったら痛いよ?」

志希「いったい何いっ、ウッ……なハにこ……れ」

??「……さっ、支度するわよ」

?「ハイハーイ──」


志希「…………」

?「なかなか起きないねー」

???「量間違えたんじゃねぇか?」

??「入ってのを打っただけ。私は悪くないわ。悪いとしたら部長よ」

???「人のせいにすんなよ」

志希「…………」

?「それより早く支度しなきゃ」

???「まだやってなかったのか」

??「遅いわね。前から人一倍騒ぐくせにこういう支度は遅いのよね」

志希「ン……」

?「あっ! 起きそう!」

???「じゃ、向こういくぞ」

志希「ン、んん……ここどこ……?」

????「…………」

志希「なんで手術台に拘束衣着て寝させられてるのかにゃー?」

????「おはよう」

志希「ドッキリにしても趣味悪い。あ、そこの人ー、これどうにかしてくれにゃーい」

????「相変わらずマイペースだね」

志希「そこが志希ちゃんのイイトコなのだよ♪」

????「少しは気にならないかい?」

志希「キョーミないから全然。どうでもいいから早くほどいてよ」

????「まずは自分の状況を確認してみたまえ」

志希「ジョーキョー?」


コンマ判定します
下1
コンマ以下が66以下で状況を確認する、未満で確認しない

66以上で確認する、未満で確認しない

下1お願いします

志希「拘束衣着て手術台に寝させられてる。ギャグボールされてないだけマシかにゃー」

????「それだけか?」

志希「この腕に繋がってるチューブなに?」

????「気付かず動いていたら大変なことになっていたな。それは血管に繋がっている。見ればわかると思うがね」

志希「脚にも刺さってる……趣味悪いにゃー。志希ちゃん大ピンチ!」

????「余裕なのは良いことだ。まだ始まってもいない」

志希「よく状況がわかんないけどこれなに? 番組?」

????「そうとってくれて構わない。実はある人から君を矯正してくれと頼まれてね。私も矯正してやろうと思ったからちょうどよかった」

志希「プロデューサーはイケズだにゃー。直に言ってくれればいいのに。シャイなんだから」

????「そのチューブの役割は後で自ずとわかってくる。心配するな。悪いようにはしない」

志希「R指定?」

????「場合によってはな。それは君次第で変わる」

志希「……さっきから音声被ってない?」

????「さすがギフテッド。そこに気がつくとはね。我々凡人とは目の付け所が違う」

志希「誰でも気付くよー?」

????「少し黙っててくれないか?」

志希「あれー? 何か勘に障ることいったかにゃー?」

????「お前の事じゃない」

志希「あれあれ? 私と同じでキョーミない系? キグーだ」

????「待たせたね。さて、ルール説明だ」

志希「なになに、ゲーム?」

????「これから7つの質問をする。君はそれに対して正直に答えてくれればいい」

志希「それだけ? あ、もしかして経験人数とかかにゃー。イヤン、恥ずかしい♪」

????「同じことは二度言わない」

志希「一回言われれば頭に入るよ。しーんぱいないにゃー!」

????「ただ順番に質問をするだけではつまらない。そこで君に選ばせてあげよう」

志希「ジャンルがあるの?」

????「その様なものだ。目の前にパネルがある。見えるね?」

志希「目隠しがないってイイコトだよね」

????「さぁ選んでくれ…………と言っても君は選べないな」

志希「キョーミないからな~」

????「それではこちらからも手を貸そう。君が選べるように質問をする。質問のための質問だ。頭がこんがらがらないようにしろ」

志希「志希ちゃんのシーピーユーは2TB♪」

????「是非とも性能を発揮してくれ。では質問。君は体育会系か文化系か」

コンマ判定
下1
コンマ以下が50以上で体育会系、未満で文化系

志希「体育会系。マッチョ大好きにゃー」

????「筋肉が好きなのか。気が合う人に当たるかもしれないな」

志希「そんでどすんの?」

????「1、2、3のどれがいい?」


コンマ判定
下1
コンマ以下が60以上で1、未満で2。ゾロ目で3

志希「ん~、よくわかんないけど2!」

????「パネルを見ればわかる。それにしても2か。少し待ってろ」

志希「待つしかないよ。こんなジョーキョーだもん」

??「アーアー……こんな感じでしょうか。こんばんは。あなたの業界的にはおはようございますでしょうかね」

志希「これはこれは、ご丁寧にドーモ」

??「今、なんでこんな小さいのが体育会系なんだ?って思いましたね。いえ、疑問系ではなく確信です」

志希「あ、バレた?」

??「こう見えても昔はサッカー部立ったんですけどね。さて、栄えある最初の質問相手に選ばれたわけですが……何にしましょう。あ、申し遅れました。僕はアイラと言います」

志希「えっ♪」

吾平「誤解を解いておきますがカタカナでアイラではありません。誤解は解いておいた方がいいですよね」

志希「……そうだねアイラちゃん」

吾平「さて、僕からの質問ですが……あなたは知識をどう使いますか? 善行ですか、悪行ですか?」


コンマ判定
下1
コンマ以下が32以上で善行、未満で悪行

志希「とってもイイコト♪」

吾平「良いこと……ですか。ふふ、たしかに善行ですね」

志希「からのぉ~?」

吾平「それ、本当ですか?」

志希「ン~?」

吾平「それは本当に善行に使ってるんですか?」


コンマ判定
下1
コンマ以下が86以上で本心、未満で嘘

志希「ホッントだよ♪」

吾平「……嘘ですね」

志希「ウソ? どこら辺が?」

吾平「それもわからないんですか? 思ったよりくだらない人ですね。同じ穴の狢に成り下がった。そういうわけですか」

志希「……ケチくさいにゃ~。教えてよ~」

吾平「自分で調べてください。じゃ……」

????「…………ミイラ取りがミイラになったわけか。意外とカワイイところがあるじゃないか」

志希「なった覚えはないよ?」

????「みんなそう言う。さっきいったことは嘘だったとすると、果たして体育会系というのも本当か疑わしいな」


コンマ判定
下1
コンマ以下が61以上で本当、未満で実は違う

志希「ホントホント。体育会系大好き。厚い胸板とか脇の臭い~♪」

????「体育会系といえばなんだ?」

志希「汗と青春のハスハス」

????「体育会系の特徴といえば、スポーツに打ち込むか活発で元気があるのどっちだ?」


安価、コンマ判定
下1
スポーツに打ち込むか元気があるかのどちらかを選んでください
コンマ以下が86以上で本当、未満で嘘

志希「スポーツに打ち込む姿はすんばらすぃ!」

????「……嘘をつくな」

志希「エスパー? スポーツに打ち込んでても暗い人はヤダー」

????「元気がある方がいいんだな。待ってろ……」

志希「元気あると代謝スゴいから汗スンゴイですのよ。サラサラしてるのよりネットリしてる方が好みかな~」

?「ハーイお待たせー!」

志希「ワォ、元気ぃ!」

?「さっきからお喋りしたくてしたくてウズウズしてた! えっと、なに聞こうかな~」

志希「なんでもいいよ♪」

?「えっとー、なに? え~! 1つじゃないとダメ? あーんどーしよー! だって滅多に聞けないじゃん。そりゃ、渋谷行けば会えるけどさー」

志希「その声さっきの人?」

?「あ、うん。そうだよ。え? 別にいいじゃん。目隠ししてたし。それにどうせこの後、まっいいや。ン~なに聞こう」

志希「うるさい人もいないし何でも答えるよ~」

?「う~んう~ん……」

志希「ところでなんて呼べばいい?」

?「なんでもいいよ。あ、じゃあモニーでいいよ」

志希「ハイハーイ」

モニー「あっ、決まった! 積極的な男の人ってどうかな!?」

志希「肉食系?」

モニー「そうだよー」


コンマ判定
下1
コンマ以下が51以上で好き、未満で嫌い

志希「大好きだよ~。あの征服してやる!って感じいいよね~」

モニー「うんうんわかるわかる。やっぱ本場は違うよね~。えっ? いや、ないよ?」

志希「独り言かにゃー?」

モニー「……でも本当っぽいよ? でも、そんなのどっちでもいいじゃん。ウソつくなんて珍しくないよ? ただ話すのが目的じゃない? はーいわかった。ねぇねぇ志希ちゃん」

志希「ん? なーに」

モニー「今さっきの本当?」


コンマ判定
下1
コンマ以下が77以上なら本当、未満なら嘘

志希「う~んどっちかなー?」

モニー「ウソ、だよね」

志希「あらら、バレちゃった」

モニー「でも大丈夫だよ! ウソくらい誰だってつくよ! 気にしない気にしない!」

志希「あれ、話のわかる人?」

モニー「うーん、普通なだけじゃないかな。あっ、それじゃもう少しお喋りしてたいけど後がつかえてるからバイバイ!」

志希「バァーイ」

????「彼女とのお喋りは楽しかったか?」

志希「意外と楽しかったよ~」

????「これで正直になってくれるとこちらとしてもうれしい」

志希「それはどうかな~?」

????「さて、そこのパネルを見てもらえばわかる通り、人数が減ってるがこのまま続けるか、頭を切り替えて違うことを考えるか、どちらか選べ」


コンマ判定
下1
コンマ以下が51以上でこのまま続ける、未満で切り替える

志希「キョーミ薄れてきたから他のこと考えた~い」

????「その様にしよう。さて、今回は特別に君に選ばせてあげよう」

志希「やっさすぃ~♪」

????「エンターテイメントと言えばアメリカだが、アメリカのエンターテイメントと聞いて何を思い浮かべる?」

志希「アメリカのエンターテイメント? ジューハチキンになるけどそれでもイイ?」

????「それ以外で頼む」

志希「ン~そうだな~。いっぱいあるから迷うにゃ~」

????「範囲を狭めてあげよう。友情、演劇、コミカル、この中から選んでくれ」


安価判定
下1
友情、演劇、コミカルの中から選んでください

志希「コミカルなのがイー」

????「 何事も明るく! まだ喋るな」

志希「カットインしてきた! アハハ!」

???「何事も明るく!」

志希「明るく!」

???「やあ、さっきはすまない。えっ、謝るならこっちにだって? すまない」

志希「志希ちゃんに謝られてもー……謝られてもー」

???「おやおや、上機嫌だね。そういうの良いよ」

志希「お兄さんに声いーね」

???「僕のことは笛吹とでも呼んでくれ」

志希「太鼓持ち!」

笛吹「おいおい、それはいくらなんでも酷いじゃないか。せめてドラマーにしてくれよ」

志希「どっちにしても太鼓叩く!」

笛吹「それもそうか!」

志希「そうだ!」

笛吹「さぁ君への質問だが!」

志希「カァンモォン!」

笛吹「おやおや、本当にご機嫌だねぇ。コミカルにいるというのは何であれ自分に自信がなければならない。そこで聞きたい。自分の容姿含め、自信があるか!?」


コンマ判定
下1
コンマ以下が56以上なら自信あり、未満なら自信なし

志希「まーったく自信なーい」

笛吹「自信がないからそういう風に振る舞ってるわけか。たしかに目の回りの……いやこれは門外漢だから口を出さないでおこう。怒られる」

志希「目の回り?」

笛吹「それに大事なことに気がついてないようだ。だからやめた方がいいって助言したのに。まぁ、いい。さて、その自信がないというのは本当かどうか判断しなければな」

志希「見破れるかな~?」

笛吹「まぁ見ててくれ」


コンマ判定
下1
コンマ以下が51以上なら本当、未満なら嘘

志希「どっちかな~どっちかな~?」

笛吹「どうやら本当のことを言ってるようだ。よかったよかった」

志希「あれれ~? なんでわかったの。こーわーい」

笛吹「女の子のことはなんでもわかるさ。試しに君の経験人数を、あいたっ! 叩くことないじゃないか。君も変わってしまったな。昔は無関心だったのに……あぁたしかにそういうところは変わってないが、傷付けるつもりはない」

志希「独り言~? いい病院紹介しよっか?」

笛吹「あぁすまない。いやいや、本当のことを言ってくれてるようでなによりだよ。容姿に自信がない。まぁ年頃だからということにしておこう。それじゃこれで」

志希「さよなら~」

????「失礼なやつですまない」

志希「いいよーああいうのかなり見てるし気にしない気にしない」

????「さて、それでは次にいこう。話題を変えるか? それともこのままいくか」

コンマ判定
下1
コンマ以下が86以上で切り替える、未満でこのまま

志希「このままでいーよ」

????「君がアイドル活動をするとしよう。これからの方針を決めなければいけない。そんなとき君は何を重視する」

志希「お金! 薬品ってお金かかるもん」

????「質問を変えよう。君が問題に当たったとき、重視するものはなんだ? 一人の人としての一ノ瀬志希かアイドルとしての一ノ瀬志希、どっちかな?」


安価判定
下1
一人の人としてかアイドルとしてか選んでください

志希「一人の人としてかな~。何事もセージツに」

????「人情派か。友情は素晴らしいものだ」

志希「…………ハッ! 寝てた!」

???「お、お待たせ」

志希「あれ~? オタク来ちゃったぁ?」

???「少し走ってきたから……えっと僕のことは……」

志希「便所飯でいい?」

???「やめてよ」

志希「じゃあ、ベンでいいや」

ベン「ベンはもうほかにいるけど……もうそれでいいよ」

志希「ヘイベン!」

ベン「さっきから楽しそうだね。楽しそうなのは良いことだね」

志希「暗くてもしかたないじゃん」

ベン「ところで君みたいな人は尊敬する人や家族意外、とりわけ同級生の前では使う言葉が違うって言うよね。高尚な言葉じゃなくて幼稚な言葉を使うって」

志希「どーだろーね。わかんなーい。ベン、君はどーなんだーい!」

ベン「話にならない状態だね……それとやっばりベンはやめて」

志希「や。そんなことより早く質問してよ」

ベン「せっかちだね。向こうは楽しそうなのに……」

志希「なんか言った~?」

ベン「何も言ってないよ」

志希「それより早く質問してよ~」

ベン「君が友達を大切にするのはわかった。それじゃあ聞きたいけど友達のためにウソをついたり出来る? その人にウソをつく、もしくはその人のためにウソをつける?」


コンマ判定
下1
コンマ以下が51以上でウソをつける、未満でつけない

志希「シキ、ウソ、ツケル」

ベン「たしかにそのようだね」

志希「さて、これは果たしてウソなのか!? ウソをつくのはウソなのか!」

ベン「ウソかどうか判断するまでもないよ。君は友達に問題が起きたら人として接してウソもつける。友達思いの人だってわかったから」

志希「ここに来て変わったことやると間違いを起こすかもしれないにゃー」

ベン「そうかもしれないね。でも僕も友達を大切にするからわかるんだ。え、臭いって? ひどいな、君たちは……」

志希「志希ちゃん置いてきぼり!」

ベン「あっと、すまない。まぁ、大切な人に見捨てられないようにね。比べられないものだけど友達以上にそういう人は手放しちゃいけないから。それじゃ」

志希「バーイ」

ベン「……あ、それとやっぱりもうひとつ」

志希「ン~?」

ベン「今までみんなが黙ってたけど隠してるのは辛いから言うね。この先、あまりウソをつくと大変なことになるからね。天罰がくだるよ」

志希「天罰? 霊現象? こわ~い!」

ベン「もう現状把握出来てないけど忠告はしたよ」

志希「チューコクされてもされた方が意味わかってなかったら意味ないと思う」

????「そこに気がつくとはな。やはり天才、いやギフテッドか」

志希「あれ~今からかわれたかにゃ~?」

????「さぞや順風満帆な人生だったろうね。羨ましい限りだよ。失うものなんてない人生。あぁ素晴らしきかな人生。さて、次に行く前に見てもらいたい映像がある」

志希「エッチなビデオはちょっと……でもキョーミある!」

????「そんなものより面白いものだ。パネル横のテレビを見ろ」

志希「今時ブラウン管?」

????「味があるだろう。見てほしいのはその中だ──」

小梅「ここはね……図書室……なんだよ……」

アナスタシア「絵本が多い、ですね」

小梅「子どもも入院……するから…………絵本もたくさん……ある……」

アナスタシア「歴史の本、ありますか?」

小梅「どう、だろう……ここが歴史……みたいなものだから……必要ない……よ?」

アナスタシア「イキジビキ、ですね」

小梅「ここで何が起きたかっていうとね……ある女の子が…………よくここを利用してたんだって…………ある日……いつものように……お見舞いの後…………ここによって……いつも通り本……読んでたの……」

アナスタシア「破れた本も、ありますね」

小梅「どれだったかな……あ、そ、それだ……そこのお姉さん?が……持ってるの……」

アナスタシア「あれ、ですね」

小梅「これね……その人の……お気に入り…………中身は……どこにでもある……おとぎ話……」

アナスタシア「白雪姫、ですね?」

小梅「そう、かも……中身は本当に…………ありふれた話…………それでね、その日も……いつもみたいに座って…………読んでたの……ちょうど……そこの小さいお姉さんが……いるところで……」

アナスタシア「落ち着いてください。cooldown」

小梅「ここで……英語喋っちゃ、だ、ダメ……なのに……知らないよ……?」

アナスタシア「それでどうなりましたか?」

小梅「結果から言うと……その子は死んじゃった…………それで、その日から……不思議なことが起こるの……」

アナスタシア「フシギなこと?」

小梅「誰もいないのに……本が机に出てたり……誰もいないのに……本棚のところから……人の形した、影がのびてたり……でも……一番不思議なのは……」

アナスタシア「フシギなのは?」

小梅「その女の子が、読んでた本…………それ読むと……ついてくるんだ…………ねぇおもしろい……ねぇ……結末教えてよ……って…………最後まで読まない……で、死んじゃったから……もしかしたら……誰かについていくかも……フフ」

アナスタシア「次に、行きましょう──」

????「──どうだったかな? 彼女、幸せそうだったね。絵に描いたような生活だ」

志希「アメリカンドリームだにゃ~」

????「フッ。向こうでも有名だからな。生まれながらにして約束された道があるわけだ。もちろん、捨てる道もある。それでもやっていける。こっちで失敗しても向こうに帰ればいい」

志希「志希ちゃん、そういうのにキョーミなーい」

????「それに引き換え君はどうだろうね。おっと、話がずれてしまった。長く待たせてしまったな。さて、もし君がスパイだとして、君はどちらになりたい。どんな状況にも堪えうる身体能力、どんな状況をも打破する頭脳。どちらがほしい?」


安価判定
下1
身体能力か頭脳か選んでください

志希「physicalでどうにかする~。最後は腕力がものを言う!」

????「フフ……ギフテッドの名が泣くぞ。それとも君はスポーツ推薦だったのかな?」

志希「あれ、志希ちゃん有名?」

????「噂は予々といったところだ。そう急くな今交代する」

???「よぉ」

志希「HEY」

???「待ちくたびれちまったぜ」

志希「ソーローくん?」

???「あ?」

志希「そう、怒んないでよ~。怖~い」

???「こりゃ相当キてるな。またもに答えられるうちに聞いとくか。お前、スポーツは好きか?」

志希「アメフト好き~」

???「アメフトの何が好きなんだ?」

志希「人と人とのぶつかり合いかな。なにより汗と体臭! 男しかいないからもうサイコー!」

???「フェチズムってやつか。俺にはよくわかんねえな」

志希「何て呼べばいいの?」

???「あ? そんなのなんでもいいぜ。まぁ、そうだな……俺はギャンブルが好きだから蛇目でいいぜ」

志希「ギャンブルするの?」

蛇目「ギャンブルが嫌いなやつなんて男じゃねぇ」

志希「実はアタシも好き~」

蛇目「頭いいやつは損だよな。あの当たるかどうかのスリルが味わえないんだからよ」

志希「え~、そう? カードディーラーの悔しがる顔おもしろくない?」

蛇目「それで出禁にされちゃかなわねぇ」

志希「質問まだー? 集中力がもう持ちません!」

蛇目「お前忍耐力ねぇな。そんなんじゃ賭け事には……まぁいいか。なに聞きたいだったか……スポーツのことはさっき出たろ……ダチの事は……思い出した。あぁ、それでだ。実はこう見えてダチは大切にする質でよ。そこで聞きたいんだが……お前はダチの前で口調変えるか?」


安価コンマ判定
下1
変わるか変わらないかを選んでください
コンマ以下が80以上で本心、未満で嘘

志希「変わらなーい」

蛇目「……なぁこんな話知ってるか? 人ってな、ウソをついたらその前についたウソ以上に通すのがキツくなるんだぜ?」

志希「ウソなんてついてなーい」

蛇目「見え透いたウソはキライじゃないぜ。けどな、ナメたウソはキライだ。まぁ、せいぜい次の奴にはウソをつかないことだ。俺にセリフを取られてご機嫌ななめだからな。ハハハ」

志希「イエッサー」

蛇目「……やっぱラリってるやつにはなにいってもムダだな。じゃあな」

志希「バイバーイ♪」

????「おい、そこまでにしておいてやれ。さて、残りは限られてる。連れてくる」

??「………………」

志希「ヘロー」

??「……そう」

志希「あれ、その声さっきの人ぉ?」

??「嘘つきに答える義理はないわ」

志希「志希ちゃんの耳はジゴク耳! なんちゃって」

??「適当につけられるのも癪だからそうね……誰逃とでも呼んでちょうだい」

志希「スイトウ? ポットちゃん?」

誰逃「殺すわよ」

志希「怖ーい」

誰逃「よくそれで生きてこれたわね。まぁ、あの国にいたし納得ね。ところで留学はどうだった?」

志希「それ質問?」

誰逃「聞いてるの。楽しかった?」

志希「どーだろ」

誰逃「私ね、嘘つく男と女を傷付ける男嫌いなの。でもそれ以上に嫌いなのは舐め腐った女と調子に乗ってる女よ。守る価値がないもの」

志希「サイコパスだー!」

誰逃「でもまぁ楽しかったでしょうね。じゃなきゃあんなビデオ残さないもの」

志希「なーんのことー?」

誰逃「向こうの男はどうだった? 日本人とは一味も二味も違うかしら? あぁ、言わなくてもいいわよ。知ってるから」

志希「経験者?」

誰逃「さっ、そろそろお喋りもつまらなくなってきたとこね。会話が成立してないもの。で、お待ちかねの質問なんだけど……」

志希「あ、やっと? お母さんの話とか長いよね」

誰逃「小娘は経験不足で困るわ。でも、だからあんなこといってたのかしらね。それともクスリでラリってた? まぁ、そういう男女関係もありよね。だから薬学やってるのよね、あなたは」

志希「何が言いたいのかにゃー?」

誰逃「ハァ……ホントくだらない。私、話を邪魔されるの嫌いなの。でも今回は許してあげるわ。後に楽しみがあるもの」

志希「眠くなってきた……」

誰逃「そのまま寝てもいいわよ。けどその代わり自覚ないまま目覚めることになるけどいいのかしらね」

志希「ますますわかんないにゃー」

誰逃「それじゃあ聞くわ。嘘はつかないでちょうだいね。質問は実にシンプルよ。あなた、自分の判断に後悔したことはあるかしら?」

コンマ判定
下1
コンマ以下が27以上である、未満でない

志希「ないこともないかもしれにゃい」

誰逃「私、言わなかったかしら? ふざけた態度をとってると怒るって。私ね、嫌いなのそういうの」

志希「こわーい」

誰逃「これでも昔は女の子には優しかったけど……まぁ成長ってやつかしらね」

志希「年取っただいえなんでもないにゃ~」

誰逃「……ねぇ、本当にやらなきゃだめかしら。やる必要が感じられないのだけど」

志希「あれれ~もしかして志希ちゃんの事、見破れないのぉ~?」


コンマ判定
下1
コンマ以下が80以上で本当、未満で嘘

誰逃「ないなんて嘘ね」

志希「ぐぬぬ……」

誰逃「あなた、覚えてないの? それとも覚えられないの? さっき嘘つくなって言われたわよね。それなのになんで嘘つくのかしら」

志希「志希ちゃん悔しい~!」

誰逃「あなたの友達もそういう感じで……あらごめんなさい。なんでもないわ」

志希「…………」

誰逃「本当ならここで始末したいけどそうもいかないのよね。それじゃ」

志希「…………」

????「どうした。眠いのか?」

志希「キョーミがねぇ……」

????「あと少しだ。最後は俺だ」

志希「終えるなら早くねぇ~……」

????「お前に人を惹き付ける魅力はあるか?」

志希「カリスマってこと?」

????「あぁ」


コンマ判定
下1
コンマ以下が51以上である、未満でない

志希「……ない」

????「ない? それは本当かな?」

志希「…………」

????「黙りが増えてきたな。さっきまでベラベラと喋ってたのにな」

志希「…………」


コンマ判定
下1
コンマ以下が23以上で本心、未満で嘘

????「本心ではない」

志希「志希ちゃんはオネストリスト」

????「カリスマはないが魅力はある事に違いはない。どういう意味かはわかるな?」

志希「アイドルにスカウトされるくらいだからねー」

????「それにしてもいたたまれないだろう。自分が作ったもので友人が……だからな。君も一人の夢見る少女だったわけだ」

志希「……話が見えなーい」

????「ところで……その薬の味はどうかな?」

志希「気持ち悪ーい」

????「美味しいものじゃないのはたしかだ。まぁ、今のうちに味わっておけ」

志希「オェ~」

????「本当ならここからはくじ引きの時間だったのだが君のおかげで楽しみがなくなった」

志希「どーでもいーよ」

誰逃「…………」

志希「そのマスクはなにかに……あ……れ……」

誰逃「ハァ……」

????「何をため息をついている」

誰逃「ここで処分しなくていいの?」

????「お前からそんな言葉が出るとはな。男に媚びるようになったのか?」

誰逃「そんなことするわけないじゃない。ただ、馬鹿な女が嫌いになっただけ」

????「変わらぬものか。さて、運ぼう──」

????「別の楽しみができたからよしとするか……さて」

志希「あ、さっきぶり!」

小梅「それでね……その子、まだ見つからないんだって…………それで……ここに女の人がくると……お腹すいてるから……お乳が……ほしくて触ってくるんだって……」

アナスタシア「それは、セクハラです!」

小梅「でも普通……じゃない?」

アナスタシア「アンー……」

小梅「この中にも……胸に違和感、か、感じた人いると思う…………そこの人とか……」

アナスタシア「感じました?」

小梅「逃げるなら……いまのうち……だよ……」

アナスタシア「小梅、どうかしたのですか?」

小梅「ほら、そこまでよってきてる……お母さん……お母さん……って……」

アナスタシア「オゥ、お客さん、逃げちゃいましたですね」

小梅「フフ……」

アナスタシア「小梅」

小梅「なに……?」

アナスタシア「アン……今日は、楽しかった、です」

小梅「私も……楽しかった……」

アナスタシア「あの……」

小梅「……?」

アナスタシア「……このあと、どこか行きます?」

小梅「お客さんも……帰っちゃったし……そうしよっか……」

アナスタシア「オイシイところ、見つけました。行くですね?」

小梅「おいしい……ところ……?」

アナスタシア「ゲームセンターの、近くにあります──」

イチノセP「……ぉ……ぃ……!」

志希「クスー……クッスー……」

イチノセP「ぃ起きろ……」

志希「プクー……」

イチノセP「おい、起きろ。起きろ志希!」

志希「ン……ンムニャ……あれキミ」

イチノセP「あれキミじゃない。さっきから起こしてるのになぜ起きない」

志希「あれ~?」

イチノセP「というかなんでこんなところで寝てるんだ!」

志希「なんでって……なんでだろ?」

イチノセP「そうじゃない! お前仕事はどうした!?」

志希「お仕事? あ、質問質問ー!」

イチノセP「なんだよこんなときに!」

志希「そんなに怒らないでよ。なんでここで寝てたかわかる?」

イチノセP「……だからそれをこっちが聞いてるんだよ」

志希「チワワみたいに震えなくてもいいよ。昨日はたしか廃病院でのお仕事のあと……あれ?」

イチノセP「あれじゃない。そのあと何してたかわかんないけどよ。終わったら連絡くらいしろ。こっちは信頼してお前を一人でいかせたんだからな!」

志希「だからそんな怒んなくても……」

イチノセP「そのあとの仕事もお前を信頼して一人でいかせる約束だったろ!」

志希「あー、なんだっけ……そうそう食事会だっけ? 心配しなくても行くって」

イチノセP「もう遅い! それにただの食事会じゃなかったんだぞ! 企業の社長とだぞ!? わかってたのか!?」

志希「社長だからって変わんないじゃん」

イチノセP「こっちがどんなに苦労したと思ってるんだよ……! それ取り付けるだけで何時間……クソっ!」

志希「だからこれから行くって」

イチノセP「だからもう遅いんだよ。いつだったと思ってんだ」

志希「今日でしょ」

イチノセP「ハ? お前今なんつった。今日? お前バカなのか!? 昨日だよ! 昨日!」

志希「え?」

イチノセP「お前がすっぽかしたせいでどうなったと思ってる!」

志希「ちょっと待って。昨日は病院でイベントだったよ?」

イチノセP「……一日中連絡がとれなかった言い訳がそれか? 天才ってのはずいぶん人をなめ腐るんだな」

志希「キミこそおかしいって。今日は18日で昨日は17日。食事会のお仕事は18日だから今日。大丈夫? お疲れかにゃ?」

イチノセP「キフテッド様は時間の流れも違うらしい。さすが神の子に招待されただけはある。あのですね、おそれ多くも言わせてもらいますがね? 今日は19日だ」

志希「ハァ?」

イチノセP「ケータイ確認してみろ」

志希「そんなの18日に決まっ……え?」

イチノセP「な、合ってるだろ? つまりお前は昨日仕事をサボった。そして周囲に迷惑をかけた」

志希「そんな覚えまったくない」

イチノセP「覚えがなくとも事実は事実。今からお前も謝りに行くぞ」

志希「そんな覚えのないことで謝れって言われても」

イチノセP「……ケータイ見てみろ」

志希「ケータイ?」

イチノセP「メールがいってるはずだ。お前が着拒してなければな」

志希「通知もきてないけ……あ」

イチノセP「あ、なんだ?」

志希「開封してある……でも覚えが」

イチノセP「ないってか。メールが入ってない、着信がきてないならまだしも、いやダメだがな? 開封して見ていてなおかつ無視か。救いようがないな」

志希「だからホントに覚えがないんだって」

イチノセP「覚えがない? ないからなんだ。この現状が消えると?」

志希「…………」

イチノセP「お前のためにコスメ会社の社長と取り付けたのに、その礼がこれかよ……ったく」

志希「で」

イチノセP「でもとか言うなよ。なにいっても言い訳に過ぎん。言い訳したところで現状が変わるわけがない。それともなんだ? 昨日は大好きなトリップしてたから覚えてませ~んってか?」

志希「実際記憶ない」

イチノセP「あのないいか? そもそもこっちが……あ? 電話だ。ちょっと待ってろ。はいもしもし……え? あっ、お疲れ様です。えっ? はい、はい……本当ですか! ありがとうございます! はい、それでは」

志希「どうしたの?」

イチノセP「さっきの社長からだ。お前のサボりぐせは聞き及んでたらしい。それについて怒ったことを謝罪してきてくれたよ。私も大人気なかったと。それでな、新たに仕事をしてくれないかと向こうから、いいか? 向こうからしてきてくれたんだからな?」

志希「新しい仕事?」

イチノセP「新しい香水の試作品を試してもらいたいそうだ」

志希「そんな仕事か。それなら志希ちゃんにお任せ!」

イチノセP「……行くぞ──」

藍子「…………」

P「昨日はお疲れ様」

藍子「いきなり部屋に来たと思ったら食事に行かないかだなんて驚きました」

P「オレとの食事じゃないからよかったろ」

藍子「そう聞いたから行ったんです。その一言がなければ行きません」

P「彼も困ってたから人助けできてよかったね」

藍子「言いなりになってるみたいで不快でした」

P「約束すっぽかされた気持ちがわかるから君に頼んだんだ」

藍子「…………」

P「ありがとう」

藍子「……信頼してる人に裏切られる辛さはわかりますから、それに従ったまでです」

P「お礼といってはなんだけど、喫茶店のドリンクチケットどうぞ」

藍子「こんなのであなたに気持ちは傾きません」

P「傾けなくていいよ」

藍子「…………」

P「…………」

藍子「あなたには私の気持ちなんてわかりませんよ。好きな人に裏切られる気持ちは」

P「そうだね。それじゃオレは退散するよ」

藍子「このっ……」

P「っ……」

藍子「…………」

P「……それじゃ」

藍子「…………」

まゆ「…………」

藍子「まゆちゃん……」

まゆ「そんなに驚かなくていいのに。なにもしませんよぉ」

藍子「…………」

まゆ「一言言いたくて」

藍子「一言?」

まゆ「好きな人に裏切られる気持ちはわからないかもしれませんけど、裏切る気持ちならわかります。あの人には」

藍子「…………」

まゆ「どう取るかは任せます。それじゃ」

藍子「…………」

まゆ「あ、それと……昨日の食事会の件、Pさん感謝してました。ありがとうって」

藍子「知ってる」

まゆ「感謝されるなんてちょっと妬けるかも──」

イチノセP「……ハァ」

志希「どうしたのん?」

イチノセP「許されてよかったなホント」

志希「志希ちゃんにかかればこんなもんだって」

イチノセP「おい」

志希「まあまあ怒っちゃやーよ」

イチノセP「……いまからやるぞ」

志希「香水のことならおまかせ! クンカクンカしちゃうよー!」

イチノセP「まずはこれだ」

志希「クンカクンカ」

イチノセP「くさっ」

志希「そう? クンカクンカ……」

イチノセP「それでどうだ?」

志希「香り足んないなぁ」

イチノセP「こっちは?」

志希「クンカクンカ……これも」

イチノセP「これが一番強いらしい」

志希「ん~……ダメ」

イチノセP「……真面目にやってんのか?」

志希「やってるよん」

アナスタシア「こんにちは、です」

イチノセP「あ、アナスタシアさん!? どうしてここに!」

アナスタシア「アー、志希のことが、気になったです」

イチノセP「志希のことが?」

アナスタシア「お仕事のあと、連絡が取れないといっていたですね?」

イチノセP「それで心配になって?」

アナスタシア「小梅から聞きました。ああいう体験のあと、気分悪くなるですね」

イチノセP「心配してくれてるのか。だってよ、志希」

志希「クンカクンカ……」

イチノセP「お礼を……」

アナスタシア「無事ならいいです。これ、オミマイです」

イチノセP「アメ? どうも」

志希「ンー」

アナスタシア「お大事に、ですね」

イチノセP「送ります」

アナスタシア「大丈夫です」

イチノセP「そうですか。それじゃアメありがとうございます」

志希「ンー。ンー? ンーン」

イチノセP「おい、とりあえず休憩するぞ。なにも匂わないじゃ話にならねぇ。アメでも食うぞ」

志希「アーン」

イチノセP「食わせろってか。何様だよ。ほれ、ウワッ!!」

志希「?」

イチノセP「なんだこれ! すげぇくせぇ!」

志希「えっ、そう?」

イチノセP「うわっ、うえっ、オエ~」

志希「そんなに? ちょっとちょーだい。アムっ」

イチノセP「ちょっとオレ出てく……オェ」

志希「そんなに? そんな感じしないけどなぁ」

志希「あ、上着置きっぱでいっちゃった……」

志希「……ムフッ。嗅いじゃおっ!」

志希「クンカクンカ、スンスンー♪」

志希「あれ? クンクン……ンー?」

志希「おっかしいなぁ~、なにも臭わない。アメのせい? ペッ」

志希「あ、脇の下なら♪ スキュゥゥゥゥ」

志希「ン、ん? ンン? おかしいぞ。なにも感じない……」

志希「アメってなんのアメだったんだろ。ロシア語? わっかんなーい」

志希「あ、でもこんなときは先生に聞いてみよー♪」

志希「写真にとって画像検索……ボヤけてる。まっいっか。なにが出るかな何がフフフフン♪」

志希「サルミアッキ? なんだーサルミアッキかぁ~」

志希「それなら臭くて吐きそうなのもわかるかもー」

志希「ウンウン…………え?」

みく「──それをこっちに近付けるにゃー!」


幸子「だから言ったじゃないですか。開けるなって。それに言われましたよね?」


みく「だってあんなに隠されちゃ気になるよ! 開けちゃダメ開けちゃダメ言われたにゃ!」


幸子「好奇心は猫をもなんとやらですか。キャラに溺れてどうするんですか」


みく「なんでそんな冷静なの?」


幸子「わかってたことです。なんにも驚くことないです」


みく「達観してるにゃ。というか息できないくらい臭いにゃあ!」


幸子「そりゃそうですよ。サルミアッキのシュールストレミングス味ですし」


みく「臭くないの!?」


幸子「そりゃ臭いですけどアレよりひどいものなんてたくさんあります」


みく「世界一臭いって評判にゃ!」


幸子「臭いの物質としてはです。数値が一番なのであって不快感は別ですよ。コーホー」


みく「というかなんでガスマスクあるの!?」


幸子「小梅さんからもらったんですよ。これもボクの日頃の行いですね。というか近いですからもっと離れてください」

みく「とにかくお魚はダメにゃー!」


幸子「やれやれ……幸い袋に入れれば臭わない程度ですからがんばってください」


みく「みくがやるの!?」


幸子「当たり前ですよ。開封したのはあなたですから」


みく「そもそもなんであっちはダイジョブにゃ!?」


幸子「知りませんよ。本人に聞いてください」


みく「キノコか!? キノコなのかにゃ!!」


幸子「本人に聞いてくださいって」


みく「仲良いから知ってるでしょ! ぬは~鼻が死ぬ~!」


幸子「臭いの平気かなんて知りませんよ。そんなこと聞く会話なんてしませんし」


輝子「フヒ、フヒヒヒヒヒ、ヒャーハッハッハッハァー!」

イチノセP「──おっ、やっと来たか。事務所の換気終わったのか?」

志希「え?」

イチノセP「換気だよ、かーんーき」

志希「もっちろん♪」

イチノセP「ったく、しばらくあそこ使えねぇよ」

志希「アイドルに仕事させておいて自分は喫茶店でくつろぐの?」

イチノセP「誰もくつろいでねぇよ。昼になったから食ってるだけだ」

志希「志希ちゃんにも一口!」

イチノセP「自分で頼め」

志希「ケチー」

イチノセP「ここじゃ迷惑かけんなよ」

志希「キミが?」

イチノセP「ちげーよ。そっちだよ、そっち」

志希「この前のはほんのいたずらじゃーん」

イチノセP「人の食いもんにクスリ入れんな」

志希「志希ちゃん特製の媚薬はどうだった?」

イチノセP「汗かきっぱなしで苦労しただけだった。そもそも入れんなよ」

志希「アハッ」

菜々「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりですか?」

志希「サンドイッチ」

菜々「かしこまりました。あ、一緒にお飲み物は?」

志希「コーヒー。ブラックで」

菜々「かしこまりました。少々お待ちください」

イチノセP「ブラックコーヒーなんて飲むのか?」

志希「眠気覚ましにはこれが一番。それにしても今日なんか人多くない? 前来たとき人いなかったよ」

イチノセP「店員がいつもより多いからな」

志希「ふーん。あの子なんて幸薄そう」

イチノセP「人のことはいい。それより……」

ほたる「ハァ……」

菜々「どうしたんですか?」

ほたる「エスプレッソのボタン押したのにカフェオレが出てきました……」

菜々「え? あ、あーそんな失敗よくありますって。菜々も昔はウインナーコーヒーにウインナー付けて提供してました。あれは恥ずかしかった……」

ほたる「あ、でもあそこのお客さんのペペロンチーノは会心の出来です」

菜々「え?」

ほたる「レシピ通りにトマトをベースに……」

菜々「え? サンドイッチじゃ……それにこれトマトじゃなくて干した唐辛子」

ほたる「え? 伝票にはペペロンチーノって」

菜々「え?」

ほたる「え?」

志希「オゥ、ゴージャス!」

イチノセP「それ頼んだもんじゃないだろ」

志希「いいのいいの。日頃の行いがいいから神様から贈り物だって」

イチノセP「ハッ」

志希「鼻で笑われたぁー」

イチノセP「つかそれすごい色してんな。真っ赤なんてもんじゃねえぞ」

志希「チュルルル、ンーおいしっ!」

イチノセP「マジか」

志希「食べる?」

イチノセP「いらね」

志希「いいからいいから」

イチノセP「ングッ……!」

志希「どう?」

イチノセP「ンッ、ンッ、ンゲホッ! ゲホッゲホッゥゲホッ! なんだこれ!」

志希「どったの?」

イチノセP「お前なんかイタズラしたっゲホッしただろ!」

志希「なんもしてないよ?」

イチノセP「これッ辛いなんて、便所行ってくる……!」

志希「どうしたんだろ?」

菜々「ご、ごめんなさい!」

志希「あ、店員さん」

ほたる「ごめんなさい!」

志希「あ、幸薄そうな子だ。どったの?」

菜々「間違えてこちらにペペロンチーノが来ましたよね!? あれのお詫びを!」

志希「あ、別に気にしてないよ~。おいしいし」

菜々「おいしい……? でもこの匂い……」

志希「匂い?」

菜々「あ、いえなんでもありません!」

ほたる「間違えてごめんなさい!」

志希「気にしない気にしない──」

トレーナー「はい。それでは少し休憩にしましょう」

志希「おっやすみにゃー」

みく「やっと休憩~」

志希「あれ、お疲れちゃん?」

みく「今日は人少なくて出番多かったにゃ。っア~のどかわいた」

志希「志希ちゃんは特製のオクスリでスタミナはバッチリ♪」

みく「クスリ?」

志希「そっ、サプリメント。飲んでみる? きんもちよ~くトリップ出来るよん」

みく「やめとくにゃ」

志希「ざんねぇん。それじゃングング、ップヒ~」

みく「それいつもどこおいてるの?」

志希「ん? あ、やっぱ欲しくなっちゃった?」

みく「ただの好奇心にゃ」

志希「これはね~」

トレーナー「あ、一ノ瀬さん」

志希「ん? なにかな~明ちゃぁ~ん」

トレーナー「これ、姉さんからです」

志希「なにこれ?」

トレーナー「なんでもノドの血行をよくするだとかメモが挟まってました」

志希「ふ~ん」

トレーナー「それじゃあと少し休んだら再開します」

みく「ハァ~イ」

志希「あれ、どっかいくの?」

みく「ちょっと忘れ物」

志希「あ、ついでにタオルとってきて。くっさいやつ!」

みく「お断りにゃ」

志希「ウソウソ。フツーのタオルでいいよ」

みく「わかったにゃ~」

志希「さってと……今のうちに志希ちゃん謹製のど飴を舐めて。これで志希ちゃんは一抜け確定。あ、ついでにこれも飲もっ。お姉さんのドリンクなかなかキクんだよねー。ゴックンチョ」

みく「ただいま~」

志希「あれ、早くない?」

みく「だってそこだよ? そんなに時間かからないにゃ。サーっといってササーと帰ってこれるにゃ」

トレーナー「ハーイ、始めますよー」

志希「もう?」

トレーナー「もうです。さっ、次は今日のまとめです。音程はいいので歌詞を間違えず指定したところまで音読してください」

志希「あいあーい」

みく「緊張するにゃ~」

トレーナー「まずは前川さん!」

みく「えっ! みくから!?」

トレーナー「たとえ孤独がから歪み始めまで! ハイ!」

みく「えっと、たとえ孤独が滲み始め足が震えても遠い日の約束叶えなくちゃ掴まなくちゃ絶対。自由が歪み始め……」

トレーナー「ハイ、そこまで! だいたい合ってますけど細かいところが違ってる。足が震えてもじゃなくて『足が震えていても』で、叶えなくちゃじゃなくて『叶えなきゃ』だし、同じく掴まなくちゃじゃなくて『掴まなきゃ』です。ほんの少しの違いだけどこれが音程に響いてくるから気をつけて。それと一息に言おうとしない。確実に覚えなきゃダメだから少しずつでいいの。わかった?」

みく「わかったにゃ!」

トレーナー「それを気を付ければ次のステップはすぐ行ける」

みく「早く通しで歌いたいにゃ!」

トレーナー「それなら早く覚えなきゃね。でも無理はしちゃダメよ? 間違って覚えたらクセになっちゃうから」

みく「わかったにゃ!」

トレーナー「それじゃ今日はこれで上がっていいです。あ、今さっき言ったこと忘れずに復習してください」

みく「さっそく反復練習にゃ!」

トレーナー「フフ。じゃ、次は一ノ瀬さん」

志希「えー、やらなきゃダメぇ?」

トレーナー「ダメです。基礎練習は何より大事なんです。すぐ覚えられてもそれじゃ意味ないの」

志希「さっきと言ってることちがくない?」

トレーナー「つべこべ言わない。あなたには穴埋め方式でやってもらうから」

志希「えーヤダー」

トレーナー「始めます。に響かせて。はい何」

志希「未来」

トレーナー「正解。次。立ちはだかるホニャララは神様がくれた何々」

志希「困難。チャンス」

トレーナー「やれば出来るじゃない。甘い何々、苦い何々」

志希「ねーあきたー」

トレーナー「いつまでたっても終わらないわよ?」

志希「誘惑。ジュー……ス」

トレーナー「はい正解。次ね。何々に涙を流して」

志希「ズボッドライド」

トレーナー「……ふざけない」

志希「スホットライト」

トレーナー「一ノ瀬さん」

志希「スポットライド」

トレーナー「……正解にしてあげるけど次はふざけないで。自分だけの何々掲げ進め、何々はない」

志希「肌。まげ」

トレーナー「……ふざけない」

志希「ちょっどゴエおがじい」

トレーナー「これは……声潰しましたね。前半であんなにふざけてマジメにやらないからです。教えた通りやれば声は潰れません」

志希「ヴァ~」

トレーナー「ハァ~、これは次までの宿題にします。次のレッスンで成果を見せてもらいます。今日は解散──」

志希「アモアモ……」

奏「あら、アナタは」

志希「ンーフ」

奏「何か舐めてるの?」

志希『もらったアメ』

奏「筆談なんて変わったことしてるね。もっともスマホでだから筆談というのか怪しいけど」

志希『そっちはなにしてんのー?』

奏「私? 私は散歩。特にやることもなくてただ待機してるだけってのもつまんないもの。そっちは?」

志希『出された宿題やってるところ』

奏「そんなのすぐ終わるくせに」

志希『勉強ならねん。キョーミないことだから苦労して苦労してもうたーいへん』

奏「私も宿題やらなきゃ」

志希『え?』

奏「なんだか失礼なこと考えられた気がするわ」

志希『ところでさっきから気になるんだけどこれにゃーに?』

奏「番組で使う石材の台。たしかありすちゃんが使うのだったかしら」

志希『へぇ~』

奏「もう使った後だったかな? よく覚えてない。とりあえずよしかかるのやめた方がいいかも」

志希『汚れてるし使った後じゃない?』

奏「なんだかおしゃれなのを作ったらしいの。プロデューサーは猛反対してたけど」

志希『おしゃれなのはまだ早い!って?』

奏「よく覚えてないけどそんな感じ」

志希『あ、赤いシミ』

奏「こら、舐めない」

志希『あんまり味しない』

奏「結構甘そうだけど」

志希『アメリカのお菓子には敵わないにゃー』

奏「そこと比べても……と言ってるけど気になったりして」

志希『食べちゃいなよ~』

奏「皆には秘密ね。冷たっ!」

志希『?』

奏「これ冷たすぎる。低温火傷しそうよ」

志希『そう?』

奏「ずっと触ってたけど大丈夫?」

志希『え? 別にどうってことないかな』

奏「ならいいけど。とりあえず医務室で見てもらえば?」

志希『クスリくらいなら自分の使った方がいい』

奏「そう。まぁ、任せるわ。あ、私これから撮影だから。じゃ」

志希「…………」

イチノセP「おっ、いたいた」

志希『なに~』

イチノセP「筆談か?」

志希『ボイスレッスンしてたら声出なくなっちゃった。テヘペロ』

イチノセP「お前なにやってんだよ……まぁいいや。んなことより次のステージの衣装だけどよ、どっちがいい?」

志希『選べるの?』

イチノセP「選べるようにしたんだ。感謝してほしいくらいだ」

志希『見せて見せて』

イチノセP「ほれ」

志希「…………」

イチノセP「どうだ?」

志希『同じじゃない?』

イチノセP「は? 色が違うだろ」

志希『え~、そうかな?』

イチノセP「まぁ衣装については今じゃなくていい。本題はこれだ」

志希『封筒だ』

イチノセP「あの~なんつったかな。せ……せ……せん……まぁなんとかっつう事務員が届けに来たぞ。志希にって」

志希『あー、アレのことかな』

イチノセP「何のことだ?」

志希『乙女のヒミツ』

イチノセP「ま、なんでもいいけどな。アイドルに書類がいくなんて珍しい。見るなら向こうの明るいとこで見ろよ」

志希『ハイハーイ』

イチノセP「さてと……」

志希「………………」

イチノセP「ん? なにか用か」

志希『向こうじゃ見にくいからこっち来た』

イチノセP「こっちの方が暗いぞ。目悪いのか? 勉強ばっかやってっからそうなるんだ」

志希「…………」

イチノセP「おいまだ話途中……ったく──」

イチノセP「は?」

医者「ですから今申し上げた通りです」

イチノセP「いや今申し上げた通りですと言われても……」

医者「まぁ、信じられないのも無理はありません」

イチノセP「いやいや、そういうことじゃなくて……」

医者「いきなり電話で呼び出されて『あなたの担当アイドルは病気です』なんて言われても実感がわきませんよね」

イチノセP「本人はどこに?」

医者「本人の希望により場所はお教え出来ませんが居場所はこちらで把握しております」

イチノセP「う~ん。でもにわかには信じがたいですね。五感っていうんですか? それが鈍くなってるなんて」

医者「そういう奇病もあるんですよ。それに……」

イチノセP「それに?」

医者「担当プロデューサーであるあなたには知っておいてもらいたいのですがね。驚かないでください。あれはおそらく薬物のせいかと」

イチノセP「薬物?」

医者「えぇ。長年医師をやっているのでこれはと思って調べたらそれらしき反応が出まして」

イチノセP「はぁ、そうですか」

医者「おや? もう少し驚いたり否定したりするかと思いましたが思いの外冷静ですね」

イチノセP「あーまぁ、アイツが薬に関わっているのは知ってました。それに元々薬学でアメリカに留学してましたし」

医者「おやおや、なるほど。それはそれは」

イチノセP「それにしてもよく連絡先わかりましたね」

医者「アイドルに詳しい友人がいるんでね。それに連絡先がスマホに入ってました」

イチノセP「連絡先登録してたのか。それより志希はこれから、どうなるんですか?」

医者「数ヵ月はリハビリや薬を抜く為に必要です。もちろんアイドルとしての活動は不可能です」

イチノセP「治ったら復帰できると?」

医者「はい。気になりますか?」

イチノセP「こっちもその間は仕事がない状態ですからね。そりゃ気になりますよ。それにあんなのでも……アナタにいっても仕方ないですが、あんなのでもプロデュースしてましたから」

医者「情が移ったというわけですか。それはいい傾向ですね」

イチノセP「いい傾向?」

医者「クスリから復帰しても信じられる人がいなかったら逆戻りしやすいですから」

イチノセP「そうですね。でも治ってないとわかったら切り捨てますけどね」

医者「それはひどい。そうならないように我々が治しますよ」

イチノセP「くれぐれも志希によろしく言っておいてください。待ってるって」

医者「必ず伝えておきます」

イチノセP「それでは」

医者「お大事に──」

声無「以上が彼からのメッセージだ」

P「泣かせる話ですね」

声無「あれでも一応の信頼はおかれていたようだ。人間どう思われているかわからないものだ」

P「そうですね。ところで一ノ瀬志希はどうしました?」

声無「どうなっただろうね」

P「引き渡した責任がありますから知っておきたいですね」

声無「我々の"後輩"として迎えた」

P「教えてくれるなんて親切ですね」

声無「正当な理由があるのも珍しいからな。今回は特別だ。これからは親友の敵を取るための果てしない闘いに身を投じる女性になる。これで一本記事が出来るな」

P「DVDは渡さなくて済みそうですね。それと一ノ瀬志希の部屋から持ってきた"鰐"はどうしました?」

声無「DVDのことも"鰐"のことも彼女に伝えたよ。特に後者は笑顔になっていた」

P「彼女の武器の一つですからね」

声無「唯一無二の親友がデートレイプドラッグの被害にあい、そのショックで"彼ら"に絶望し復讐を誓った少女。うん、これは彼が喜びそうなネタだな。映画の題材にすれば一儲け出来そうだが、安っぽいシナリオにしかならないか?」

P「単純なのが好まれるとはいえ人種への批判も含まれるのでヒットは難しいかもしれませんね。その手のところに持ち込めばそれなりの値段になるかもしれませんが」

声無「危なくなればDVDとクスリが彼女を守る。実に良くできた計画だ」

P「彼女は治すんですか?」

声無「やることをやってくれれば徐々に治していく。とりあえず手始めとしてうちに"入院"させている"彼ら"の治療を任せてみた。うちの病院は日本人の患者が多くて"彼ら"は専門外でね。歴史上、支配階級と被支配階級だった"彼ら"は女とヤるときのみ仲良くなる、それしかわかっていなくてね」

P「それだけわかればもう知ることはありませんよ」

声無「おっと、差別的な発言だな」

P「そうですね。ところで一ノ瀬志希の住むところは確保しましたか?」

声無「それが場所がなくてね。うちの病院にずっと置いておくわけにもいかない。第一彼女が嫌がる」

P「ある程度の自由はきくんですね」

声無「監禁するわけではないのでね」

P「場所なら一つ心当たりがあります」

声無「ほう──」

???「それでオレんとこですか」

P「他に思い当たらなくてね」

???「まっ、訳ありの天使ちゃんを保護するのはやぶさかじゃないですけどね。聞いた話を信じるなら保護しないわけにはいきませんから。聞きたくはなかったですけど」

P「実質住む場所がなくなるわけだからね。あの人が許すわけない」

???「事務員さんでしたっけ?」

P「権力はないが口がうまいからな。ある程度は意見が通る」

???「プロデューサーより上じゃないですか」

P「噂ほどではない」

???「尾ひれがついてですか」

P「鬼や悪魔以上ではあるけどね」

???「まっ、天使ちゃんのことは二人にも伝えますよ」

P「頼む」

???「あの二人、特に片方は驚くかもしれませんしね。もう一人は伝えておかないと遊んじゃいそうですし」

P「苦労するな」

???「こう見えても年長者ですから。さて、今日はオレが飯当番だからもう帰ります」

P「それじゃあな」

???「チャオ☆」

イチノセP「──ハァ」

藍子「どうかしたんですか?」

イチノセP「あ、高森さん」

藍子「ため息ばかりついてると幸せが逃げちゃいますよ?」

イチノセP「ちょっと辛いことがあって……」

藍子「辛いことですか?」

イチノセP「うん……」

藍子「何があったのか知りませんが、そんなときは休んでみたらどうですか?」

イチノセP「休む……か」

藍子「はい。元気がないときは休むのが一番です♪ おいしいお茶はいかがですか?」

イチノセP「お茶か……」

藍子「この前撮った猫の写真があるんですけど見ますか?」

イチノセP「ネコ?」

藍子「これです」

イチノセP「へー、こんなネコいるのか」

藍子「他にもこんなのも」

イチノセP「うおっ、スゲッ!」

藍子「ね? あ、お茶入れます」

イチノセP「そんなことやりますって」

藍子「いいんですか?」

イチノセP「はい、任せてください。こう見えてもお茶は得意なんです」

藍子「そうですか、フフ」

イチノセP「えっと、お湯は……」

藍子「そういえばこの前志希さんといたときとしゃべり方違いませんか?」

イチノセP「え? あ、あぁ実はあの時荒れてて……見苦しいところ見せてすみません」

藍子「いえ。そういうときもあります。大事に思ってる証拠です」

イチノセP「そうですか?」

藍子「はい。優しさが伝わって来ました」

イチノセP「そういってくれると助かります。年頃の女の子ってどう接していいかわからなくて……」

藍子「あ、お湯沸いたみたいです──」

小梅「あれが……リア充……」

アナスタシア「リアジュ?」

P「リアルが充実してる人の略だったかな」

アナスタシア「リアル?」

P「ネットスラングだからこの場合は現実での生活が充実してることを指す。ひいては男女関係や恋愛がうまくいってる人のことを言う。だよね?」

小梅「爆発……しちゃえばいいのに……」

アナスタシア「男女関係。それならワタシは充実してる、ですね」

P「あれは充実と言えるのか。まぁ言えるか」

小梅「…………」

P「あまり身を乗り出さないでね。ここビルだってこと忘れないように」

アナスタシア「シャレオツなカフェ、ですね」

P「シャレオツなんて誰から教わった」

アナスタシア「ナナです」

P「ザギンで?」

アナスタシア「シースーですね。ミクから教わりました」

小梅「金髪……?」

アナスタシア「チャンネーですね」

小梅「…………」

アナスタシア「この前の病院、楽しかったですね。またいきたいですね?」

小梅「うん……」

アナスタシア「小梅、元気ありません。具合悪い、ですか?」

小梅「ううん……えっと……ほたるちゃんの元気が……なくて……心配だなって……」

アナスタシア「笑顔がない、ですか? 笑顔大事です。プロデューサーも言ってました」

P「笑うのは大切だが笑えないときに無理に笑うのは逆効果だ」

小梅「カフェの床……びしょびしょだったことと…………関係あるの……かな?」

アナスタシア「オー、そういえば濡れてました。あぁいうのなんといいました? ピタゴラスウィッチ?」

小梅「ドミノ倒し……?」

P「そういえば二人は道明寺さんに祓ってもらったか?」

小梅「やって……ない……もったいなくて……」

アナスタシア「払うですか? お金は自分で出します」

P「やってない、と。帰ったらすぐやってもらって。お祓いっていうのは一種のおまじないのこと。クシャミしたときに言う言葉もそれに当たる」

アナスタシア「お大事に、ですね」

P「帰ったら必ずお祓いうけて。わかったね」

アナスタシア「ダー」

小梅「残念……でもしょうがない、よね……」

P「服もクリーニングに出そう。微細な埃や花粉がついていたら大変だ」

アナスタシア「カレンが死んでしまいます」

小梅「死なない……と思う──」

加蓮「ハッション」

奈緒「今のなんだ?」

加蓮「クシャミ」

奈緒「変わった音だな」

加蓮「普通にクシャミすると肋骨痛くなるの」

奈緒「変な体質だな、加蓮は」

加蓮「ホコリも油断ならないよ? 喉に張り付いたときの冷や汗といったら」

奈緒「セキが出るんだろ」

加蓮「半日は止まらない」

奈緒「そこまでかよ。やっぱアタシが注意するしかないよな」

加蓮「何の話? プロポーズ?」

奈緒「なっ、ち、違うって! ほら、よくあそこで暴れてるのいるだろ? それでホコリたったらと思ってさ」

加蓮「ありがと。でも気にしないで。ホント大丈夫だから」

晴「お?」

加蓮「あ、晴ちゃん」

晴「やめろよ、ムシズが走る」

奈緒「ここで何してるんだ?」

晴「ここらでサッカーの試合があって、その後だよ」

加蓮「試合見てたにしては汚れてない? そんなに汚れるものなの?」

晴「ちげーよ。サッカーしてたんだよ、サッカー。見てるだけでこんな汚れるかよ」

加蓮「そうなんだ。へー」

奈緒「で、そのサッカーしたあとなのになんでここに?」

晴「ここが一番近いからな」

奈緒「近い?」

晴「風呂だよ、風呂」

加蓮「もしかしてPさんの部屋に行くの?」

晴「あ? あぁ、そうだけど」

奈緒「風呂屋代わりか……」

晴「別にいいじゃん。近いんだしよ。そういうお前らはどうなんだよ」

加蓮「私は薬をもらいに行くの」

晴「薬? どっか悪いのか?」

加蓮「まぁね」

晴「薬くらい薬屋か病院にもらいにいけばいいじゃん。なんであそこなんだ?」

加蓮「直にもらいにいったらプロデューサーがうるさいからさ」

奈緒「加蓮のプロデューサーは心配性だもんな。風邪ひいた時、めっちゃ心配してたもんな」

加蓮「あの時はただの風邪だったのにね。心配しすぎ」

奈緒「そんなこと言っていそいそと化粧してたの誰だっけ?」

加蓮「あれは……礼儀としてだって。それに少しでも顔色悪いとものすごい心配されるんだよ? その点ではユニットのプロデューサーは良いかな」

晴「あー、オエライサン?だっけ。それはいいとして、そっちはなんで来たんだ? えっと……太眉さん」

奈緒「ふとっ……!?」

加蓮「アハハ! ふ、ふとっフトマユ」

奈緒「笑うなぁ!」

晴「わりい。名前なんだっけ?」

奈緒「奈緒だよ、奈緒。神谷奈緒」

晴「そっか。それで奈緒はなんでここに来たんだよ」

奈緒「呼び捨て……まぁいいや」

加蓮「そういえばなんでここに来たの?」

奈緒「あたしはほら、あれだよ。加蓮の付き添いだよ。途中で倒れるといけないもんな」

加蓮「ホントにぃ?」

奈緒「ホントだって。う、疑うのか?」

加蓮「それにしてはなーんかピンクな雰囲気だったよね?」

奈緒「そ、そんなんじゃねぇ!」

晴「ピンク?」

加蓮「ピンクな雰囲気っていうのはね」

奈緒「子どもに何吹き込もうとしてるんだ!」

加蓮「えー」

晴「なんだかわかんねぇけどつまりは後ろめたいってやつだろ?」

奈緒「ウッ」

加蓮「隠せてないよ、奈緒」

奈緒「う、うるせー」

晴「さてと……」

加蓮「…………」

奈緒「どうした?」

加蓮「ホントに後ろめたいことない?」

奈緒「ないって。しつこいなぁ」

加蓮「ふぅ~ん。あっ」

奈緒「え?」

晴「おっ、いたいた」

奈緒「……誰もいないじゃん」

加蓮「引っ掛かった♪」

奈緒「おい!」

加蓮「後ろめたいことないのに今の反応はなにかな~?」

奈緒「くっ……!」

晴「オーイ、開けてくれ」

奏『あら、晴ちゃん』

晴「おっ、奏さん。開けてくれよ」

奏『わかったわ。ちょっと待ってて』

晴「へーへー。やっと風呂入れる。汗でベトベトだぜ、ウ~気持ちわり」

加蓮「ホントに何もないのにここに来たの? 怪しいなー」

奈緒「ほ、ホントになにもねぇよっ」

加蓮「ンン~?」

晴「なにしてんだ? 入るぞ」

奏「いらっしゃい」

晴「うーっす」

加蓮「おじゃましまーす」

奈緒「…………」

奏「機嫌良さそう。なにかあったの?」

加蓮「実は奈緒が」

奈緒「だからそんなんじゃないって! か、勘違いすんな」

加蓮「あれれ~? 私まだなにも言ってないのにその反応はどうしたのー?」

奈緒「んなっ……!」

奏「あぁ、そういうこと。あの人ならまだ戻ってないよ」

加蓮「そうなの?」

奏「うん。連絡したならわかるはずだけど……誰に連絡したの?」

加蓮「Pさんに連絡したけどそこまでは知らなかった。奈緒は?」

奈緒「あたしも連絡したときに外に出てることは知ったけどまだ戻ってきてないのか……」

晴「風呂入ってくる」

奏「待ちなさい」

晴「なんだよ。汗で服がはっついて気持ちわりいんだよ」

奏「誰に連絡したの?」

晴「……Pさん」

奏「こっち見て言って」

晴「…………」

奏「こっち見て、言って」

晴「……連絡してない」

奏「それはまずいわね」

奈緒「……あぁ」

加蓮「あらら」

晴「な、なにがまずいんだよ」

奏「お尻叩かれるわよ」

晴「し、シリ? 」

奏「えぇ。パシーンって」

晴「連絡しなかったのは悪いけどよ、そこまでするわけ……」

奏「…………」

晴「いま連絡すれば」

まゆ「そうもいかないの」

晴「3人が黙っててくれればいいだろ?」

加蓮「でも、ねぇ?」

奈緒「ウソつきは泥棒の始まりだって言うもんな」

奏「えぇ。それに不公平になっちゃうし、他に示しがつかなくなるからそういうことは、ね?」

奈緒「そうそう……ん?」

奏「どうしたの?」

奈緒「1、2……」

加蓮「数数えてどうしたの? 私はここにいるよ?」

奈緒「気のせいか」

まゆ「えぇ」

奈緒「だよな……」

晴「とにかく3人が黙ってくれ……れ……ば」

加蓮「青ざめてどうしたの。脱水症? それとも熱中症?」

薫「──おやすみー!」

まゆ「おやすみ、薫ちゃん」

薫「せんせぇもおやすみー! 夜更かしはダメだかんねー!」

P「すぐ行くよ」

薫「朝薫の隣にいなかったら許さないよー!」

杏「ふあ、くあッ、フア~」

仁奈「早くヒツジの気持ちになりやがるです!」

杏「そいじゃ行くよ~フア」

P「頼んだ」

杏「二人の前に杏が落ちそうだけどね……ねむ」

晴「…………」

まゆ「晴ちゃんもいつまでもお尻あげながら床に突っ伏して寝ましょう?」

晴「……シリいてぇ。どこにもつけらんねぇ」

P「自業自得だよ」

晴「オレまだ一回目だぜ?」

P「連絡なしで一回、親への連絡なしで一回分。計二回」

晴「なんだよそれ……」

P「親にここのこと言えとは言わないが、遊んで帰るくらいの連絡は入れておくべきだ」

晴「……まだヒリヒリする」

P「今日は反省しながら寝なさい」

晴「母ちゃん以外にシリ叩かれるなんて思わなかった……」

まゆ「貴重な経験よ?」

晴「ちぇ……寝るか。シリいてぇけど」

P「反省の色がないな」

晴「っ! あるある! チョーある! だから叩かないでくれ」

P「それならいい」

晴「ホッ」

まゆ「まゆは見てますからねぇ」

晴「うぅ……」

まゆ「ついでに汚れた服も洗っておくわね。パンツも」

晴「もらしてねぇ」

まゆ「誰もまゆに驚いてちょっと漏らしちゃったなんて言ってないわよ?」

P「さぁ、もう寝て」

晴「……わかったよ。今日はごめん」

P「今から気を付けなさい」

晴「……おやすみ」

まゆ「おやすみなさい」

P「オレ達も寝るか」

まゆ「Pさぁん」

P「何?」

まゆ「何か忘れてません?」

P「忘れ物? あぁ、明日の予定か。明日はアナスタシアさんと出掛けてくる」

まゆ「そうじゃありません。明日からの予定です。ところでなんですかそれまゆ今初めて聞きました」

P「一息に言ったね。今回アナスタシアさんに手伝ってもらったからそのお礼に約束したんだ」

まゆ「…………」

P「だから明日は一日空いてない」

まゆ「……ングーッ」

P「ハンカチ噛んでも切れるだけだ」

まゆ「いいです。明日は薫ちゃんとデートしちゃいますから!」

P「そんなに拗ねるな」

まゆ「美味しいところで食べて帰ってきちゃいます。それで早めに帰ってきてお風呂で遊んじゃいます。泡風呂にして泡だらけにしちゃいます」

P「お互い予定が入ったわけだ。それじゃ明後日から動こう」

まゆ「はぁい」

P「明後日に向けて英気を養おう。さて、明後日に向けて明日一日無駄にしないように今日決められることは決めておこう」

まゆ「はぁい」

P「明日はオレの事で動けないから今回はまゆに決めてほしい」

まゆ「いいんですか?」

P「せめてもの気持ちだ」

まゆ「それなら遠慮なく。そうですねぇどうしましょう」

P「ゆっくり考えてくれ」

まゆ「決めました。>>299層に>>300


>>299
ジュニア(~12歳まで)かティーン(13~19歳まで)かアダルト(20歳以上)かをお願いします

>>300
復讐か救済かをお願いします。復讐の場合は軽くか徹底的かもお願いします

それ以外は安価下

はい、間違えました
安価ずらします

>>301がジュニア(~12歳まで)かティーン(13~19歳まで)かアダルト(20歳以上)か
>>302が復讐か救済か

誠に申し訳ありません

ティーン

救済

まゆ「ティーン層を救っちゃいます」

P「鼻息荒く宣言したな。慈悲の心に目覚めたか」

まゆ「へたれたわけじゃありませんよ? ただの気まぐれです」

P「期待してるよ。それで気まぐれで救う人は決まった?」

まゆ「>>304です」


>>304
モバマスのティーン(13~19歳まで)アイドルをお願いします

それ以外または連取は安価下

未央

まゆ「未央ちゃんです」

P「意外だね」

まゆ「何度か噂を耳にしたのですがなんだか不憫で」

P「それで手を差し伸べると」

まゆ「はい。ですが未央ちゃんは既にプロデューサーに救われた感があるのでやる必要はないと思ってますけど」

P「それなら何でここに名前を挙げたんだ?」

まゆ「ちょっと気になって様子を見てたんです。そしたらなにか気になることがあるらしい様子だったので。それがなにかまではわかりません」

P「なるほど」

まゆ「Pさんなら何か知ってるかと思って」

P「……ちょうどいい機会だ。今回は手を貸さない」

まゆ「イジワルですか?」

P「そういうことじゃない。ただ、まゆが気になることがあるというのが嬉しくてね」

まゆ「私だって鬼じゃありませんよぉ。気になることくらいあります」

P「それじゃ明日はお互い静養だ」

まゆ「デートに精を出してください。二つの意味で」

P「そういうことには……わからないな」

まゆ「…………」

P「うっ、無言でつつかないで」

まゆ「明日は目一杯楽しんじゃいます。薫ちゃん取っちゃいます」

P「楽しんできて」

まゆ「一時間に一回電話しちゃいます」

P「それだと薫が暇になるぞ」

まゆ「あ……」

P「オレは自分の部屋で寝る。一緒に寝ないと朝うるさいからな」

まゆ「犯罪の香りがします。心配なのでまゆも一緒に寝ます」

P「部屋に入りきらない」

まゆ「……いいです、いいんです。プロデューサーを想って寝ちゃいます」

P「変なふてくされ方だがそれが健全だね」

まゆ「おやすみなさぁい」

P「おやすみ──」

みく「朝にゃ」

アナスタシア「ドーブラエウートラ、おはようございますミク」

みく「おはようにゃ。アーニャちゃん」

アナスタシア「ちゃんはいりません。アーニャでいいです。ところで、なんで声小さいですか?」

みく「フッフッフッ、アーニャちゃんにはこれからPチャンを起こしてもらうにゃ」

アナスタシア「プルォデューサー?」

みく「ノーノー。そっちのPチャンじゃなくてここの」

アナスタシア「アー」

みく「さっき教えたみたいに起こしてくれにゃ」

アナスタシア「ハイ。これでいいですね?」

みく「ネコミミも完璧にゃ。みくのアイデンティティーがクライシス警報だけどこの際気にしない。さぁ、行くにゃ!」

アナスタシア「ダー」

みく「フッフッフッ、行ったにゃ……我ながら即興で考えたにしては完璧な作戦にゃ」

蘭子「…………」

みく「あ、蘭子チャン。おはようにゃ」

蘭子「フッ、愚かな。研磨しない剣のなんと脆いことか」

みく「なんか悔しいからリベンジしてるの。みくは自分を貫き通すよ!」

蘭子「使い古された台本のなんとつまらなきこと。あくびが出るわ」

みく「アーニャちゃんに起こされて手を出せる人がいるだろうか、いやにゃい」

蘭子「しかして箱は未だ沈黙す」

みく「たしかに声が聞こえないにゃ。驚いて声も出ないのかにゃ?」

蘭子「勇気あるなら深淵を覗こうぞ」

みく「驚く顔が目に浮かぶにゃ。イッツァオープンにゃ」

蘭子「ン?」

みく「…………」

蘭子「何故閉じる。深淵に臆したか」

みく「今起こった事を簡潔に話すにゃ。みくは扉を開けたと思ったら、閉めてたにゃ。何をいってるのかわからないと思うけど、みくも何が起こったかわからないにゃ。頭がどうにかなりそうだった……」

蘭子「?」

みく「あれは『裏切り』だとか『籠絡』とかそんなチャチなもんじゃ断じてないにゃ。もっと恐ろしいものの片鱗を……」

アナスタシア「ミク、うるさいです。カオルが起きます」

蘭子「煩わしき太陽よ、白き妖精」

アナスタシア「オゥ、ルァンコ」

蘭子「深淵の向こうはカオスなるか」

アナスタシア「シンエン……? ルァンコの日本語難しいです」

みく「いったい中でなにがあったにゃ」

アナスタシア「起こしに行ったらカオルとニナ、寝てました。だから静かにするよう言われました」

蘭子「あ、羊さんが寝てる。かわいい……」

みく「ぐぬぬ、次こそは……!」

P「成功するといいね」

みく「にゃっ!!」

P「おはよう」

みく「おっ……おはよう、にゃっ」

P「魚食べる?」

みく「え、遠慮しとく……にゃ」

P「そう。それなら玉ねぎ切るので勘弁してあげる」

みく「あ、ありがとうにゃ」

P「他人を巻き込まないように」

みく「……はい」

P「それじゃ」

みく「玉ねぎを切らせてもらいます」

蘭子「モフモフ……やわらかい──」

P「付き合うのはいいけどさ」

アナスタシア「なにか問題ですか?」

P「なんでここに来たの?」

アナスタシア「やってみたいことあります」

P「薄暗い部屋で?」

アナスタシア「明るい方がいいですね」

P「そういう話じゃない。やりたいことはわかるけど訳を知りたい」

アナスタシア「理由、ですね? アン……もて余してるからですね」

P「それならいつもみたいにすればいいじゃないか」

アナスタシア「そんな人いません。出会ってすぐ別れます。ワタシがしたいのは一日中、です」

P「みんなに時間がないのはわかった。でもオレにそんな体力ない」

アナスタシア「間隔は任せます」

P「普通に遊ぶのは駄目なのか?」

アナスタシア「太陽は眩しすぎます」

P「お天道様に顔向け出来ないってことか。後ろめたく感じるのは良いことだね。話は変わるけど翻訳は進んでる?」

アナスタシア「進んでます。今は……2巻まで進んでる、ですね」

P「随分頑張ってるね」

アナスタシア「ルァンコ、喜んでます?」

P「すごく喜んでたよ」

アナスタシア「嬉しいです」

P「そうか、頑張ってるか。なら断れないな」

アナスタシア「?」

P「君に付き合うよ」

アナスタシア「スパシーヴァ、ありがとうございます」

P「その前に一つだけいいかな?」

アナスタシア「大きさの事なら、気にしません。マユから聞いてます」

P「その事じゃない。もう少し理由を聞かせてくれるかな」

アナスタシア「ミクを殺す、ですね」

P「……猫を殺す?」

アナスタシア「イエス。猫を殺すですね」

P「好奇心だけ?」

アナスタシア「さっき言いました。みんな出会ってすぐ別れます。だから、肌で感じる時間ありません」

P「なるほど。それならプロデューサーに頼んでみては?」

アナスタシア「プルォデューサー、そういうことしてくれません。わかります」

P「まぁ、彼といえども出来ないかもね。ただ、ここでいいの? もっと綺麗な場所に案内するよ」

アナスタシア「ここがいい、です」

P「そうか。さて、精一杯やるけどさっき君が言った通り、期待はしないでね」

アナスタシア「どんと来い、ですね」

みく「──残念! みくでした!」

仁奈「ずりーでごぜーますみくおねーさん!」

みく「勝てばよかろうなのにゃ! にゃーはっはっ」

晴「立ち直りはえーな」

蘭子「ムムムムム……」

晴「まだ悩んでんのか? 引くカードくらいパッと決めろよ」

乃々「唸られるとこわいんですけど……」

蘭子「我、見極めり! はうっ!」

晴「またビリかよ。よえーな」

蘭子「あうぅ~」

晴「つか、乃々はお前強いな」

乃々「なにもしてないんですけど……」

まゆ「薫ちゃーん。支度できましたかぁ?」

薫『もうちょっと待ってー!』

まゆ「はぁーい」

奈緒「来たときから疑問なんだけど、箱に入ってなにしてんだ?」

仁奈「当たったらお菓子がもらえるでごぜーます!」

みく「杏チャンからちょーっともらったにゃ!」

杏「奪ったくせに」

みく「そこっ、ブツブツ言わない!」

杏「まぁいいけどね。どうせ余ってたものだし」

奈緒「当たるってなにがだ?」

仁奈「ウサミミでごぜーます!」

奈緒「ウサミミ? それってそこの泣いてる箱と関係あるのか?」

仁奈「あっ、菜々おねーさんここにいやがったですか! 気付かなかったでごぜーます!」

菜々「な、泣いてないですよ! 寂しくて泣いてなんかいませんからね!」

仁奈「?」

幸子「まったく、なんでかこれは。連絡が来て伺ってみればこれって。ボクも暇じゃないんですからね!」

小梅「まあまあ……」

幸子「まぁ気持ちはわからなくもないですけどね。かくれんぼの企画で呼ばれてみれば実はドッキリで見つけてもらえずその反応を楽しまれた身としては痛いほどわかります」


菜々「幸子ちゃん……」


幸子「な、なんですかその哀れみの目は。言っておきますけどね、ボクは助けに来たわけではなく、ただあなたが哀れだからですね……」


晴「ところでよ、なんでふ奈緒はここにいるんだ?」

奈緒「今なにかいいかけたよな?」

晴「別に何も。んで、なんでここにいんだ?」

奈緒「仁奈ちゃん迎えに来たんだ」

晴「仁奈を? なんで?」

奈緒「なんでもいいだろ。仁奈ちゃん、そろそろ時間だよ」

仁奈「もうそんな時間でごぜーますか!?」

晴「高校生ってこの時間寝てるんじゃねぇのか?」

奈緒「そんな話誰から聞いたんだ?」

晴「杏」

奈緒「…………」

晴「それじゃなくても早くないか? まだ8時半前だぜ?」

奈緒「普通それくらいには起きてるよ」

晴「平日じゃなくて日曜だぞ?」

奈緒「朝からサッカーやるのと一緒」

晴「ハァ? あ、おい……いっちまいやがった」

まゆ「みくちゃん」

みく「ん? なーにまゆチャン」

まゆ「ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいかしら?」

みく「聞きたいこと? みくが答えられることならなんでも答えるにゃ!」

まゆ「あのね…………やっぱりいいわ」

みく「えっ、そこまで行ってひどくない?」

まゆ「魚……」

みく「ムリにゃ」

薫「準備できたー!」

まゆ「じゃあ行きましょう。みくちゃん、お留守番よろしく」

みく「任されたにゃ!」

まゆ「ただいま戻りましたぁ」

薫「ただいまー!」

仁奈「お帰りでごぜーます!」

まゆ「きちんと留守番出来たかしら?」

仁奈「できやがりましたですよ!」

薫「あ、今日見忘れちゃった!」

仁奈「奈緒おねーさんが録画しててくれたですよ!」

薫「ホントー!?」

仁奈「ウソじゃねーです!」

薫「今から行っていい!?」

まゆ「ちゃんと手洗いうがいしてからならいいわ」

薫「うん!」

仁奈「奈緒おねーさんに言っておくですよ!」

まゆ「電話なら短縮使って。番号は5よ」

みく「ヒィ、ハァ……っぬは」

まゆ「ただいま……あら?」

みく「ヌッ……くっ、っあ……」

輝子「みくが死んだー!」

まゆ「どうしたの?」

輝子「あ、おっ、お帰り……フヒ」

みく「こ、こども……おそるべし…………にゃふん」

まゆ「きちんと留守番できたみたいね」

みく「…………」

小梅「返事ない…………ただの屍、だね……フフ」

輝子「キノコのアヒージョだ、食え」

まゆ「もう遅いから寝ましょう」

晴「だな。つーわけでオレの全取り。悪いな」

蘭子「ぐぬぬ」

乃々「八切りとか知らないんですけど……」

晴「通常のルールだっての」

蘭子「最弱が……我が手には最弱の最強が存在していたのに!」

晴「革命返しわりぃな。ヘヘッ」

まゆ「歯を磨くの忘れちゃダメよ」

晴「めんどくせぇな」

蘭子「己の牙を研がぬものに明日はない!」

晴「牙磨く前にトランプの腕磨こうな」

蘭子「ぐぬぬぬ……」

まゆ「蘭子ちゃんについていって」

蘭子「我に続け! なぁーはっはっはっ!」

晴「いくぞ乃々」

乃々「一人で磨きたいんですけど……」

晴「うっせ」

乃々「ひどい……」

まゆ「…………」

みく「…………」

まゆ「…………」

みく「…………」

まゆ「動けます?」

みく「…………」

まゆ「脈は……あるわね」

みく「…………」

まゆ「お疲れ様」

みく「にゃ……にゃふ……ぁっぁあ」

まゆ「お布団ここに敷きます?」

みく「…………」

まゆ「首が動いたけどこれはイエスってことかしら?」

みく「にゃふにゃふ……」

まゆ「少し待っててくださいねぇ──」

P「ただいま」

アナスタシア「ただいまです」

まゆ「お帰りなさぁい」

P「遅くなってすまない」

まゆ「いいえ。楽しかったですか?」

P「疲れた」

まゆ「あら。楽しくなかったんですか?」

アナスタシア「マユ」

まゆ「はい?」

アナスタシア「助かりました」

まゆ「そう? それはよかったわ。なんのことかわからないけど……」

アナスタシア「もう寝ます」

まゆ「お風呂は入らないの?」

アナスタシア「浴びてきました。まんが喫茶スゴいです」

まゆ「まんが喫茶にいったんですか? 一日中?」

P「まんが喫茶には寄った。そんなに長い時間いなかった」

まゆ「まんが喫茶なんて珍しいですね。Pさんが寄るなんて初めてかも」

P「ところでそこに寝ている前川さんはなんだ?」

まゆ「努力の果ての結果です」

アナスタシア「死ぬほど疲れてる、ですね。起こしたらダメですね。ナナから教わりました」

P「そっとしておいてあげよう」

まゆ「布団ならソファーベッドが空いてるのでそこを使ってちょうだい」

アナスタシア「ダー。おやすみなさい、ですね」

P「おやすみ」

まゆ「まゆ達も寝ましょう」

P「その言い方だとオレもかな?」

まゆ「わかってるくせにぃ。あ、ちなみにあなたの部屋はもう満員です」

P「仁奈と薫はどこだ?」

まゆ「奈緒ちゃんの部屋です」

P「わかった」

まゆ「さ、まゆのベッドに行きましょう。そして、寝ましょう♪」

P「そうだな」

まゆ「♪」

P「さて、寝るか」

まゆ「久しぶりのシキンシップ」

P「引っ付くな」

まゆ「スンスン……あら?」

P「何?」

まゆ「ちょっと失礼します」

P「手を入れない」

まゆ「スーッ……他の女の臭いがします」

P「わかるのか?」

まゆ「まゆは自分のものの臭いもブレンドの匂いもきちんと把握してます。もちろん味も」

P「涙ぐましい努力だね」

まゆ「久しぶりに濃いのがくると思ったのに……」

P「すまないな」

まゆ「でもいいです。まゆので洗い流せば」

P「そうか。おやすみ」

まゆ「あ、待ってください。何か忘れてませんか?」

P「あぁ、そういえばそうだった」

まゆ「でしょ♪」

P「明日からやるに当たって情報がないとな」

まゆ「はい♪」

P「プロフィールのお復習、まゆにとっては情報収集への足掛かりにしてくれ」

まゆ「一言一句聞き漏らしませんっ」

P「本田未央。元気溢れるパッション枠の一人。千葉県出身の年齢15歳で高校1年生。身長161cm、体重46kg、BMIは17.75。スリーサイズは上から84、58、87」

まゆ「プロジェクト内ではムードメーカなんですよね? イメージ通りですね。ちらっと見たことありますけどドア越しからでも元気が伝わってきました」

P「学校での人気も上々。誕生日は12月1日の射手座でB型。利き手は右」

まゆ「スポーツ得意そうですよね」

P「それだけでなく勉強も出来る。そんな彼女の趣味はショッピング」

まゆ「女の子としてもポイント高いですねぇ。なんだか気力が失せてきました」

P「君も十二分に高いよ」

まゆ「気力が湧いてきました」

P「何か聞きたいことは?」

まゆ「学校での評判は?」

P「その学校といえば?に名前が上がるほど評判は良い」

まゆ「Pさんの好みですね」

P「頭の良い人は好きだよ」

まゆ「外ハネにしようかしら」

P「やってみればいい。他には?」

まゆ「他にはありません」

P「そうか。それでは明日楽しみにしてる」

まゆ「明日と言わず明後日も明々後日も楽しんでください♪」

P「楽しみにしてる──」

本田未央「おっはよ~! 今日も元気に行ってみよ~!」

みく「くぁっかぁ~おはよう」

未央「おやおや? みくにゃんなにやら眠そうですなぁ」

みく「……若さの違いを思い知ったにゃ」

未央「何をいってんだい! うちらはまだまだ若いよ! ねっ、ウサミン!」

菜々「…………」

未央「あれ?」

菜々「ウーサミーン……」

未央「元気なくない?」

仁奈「おはよーごぜーます!」

未央「おっ、仁奈ちゃん! おっはよーぅ」

仁奈「おはよーごぜーます!」

未央「元気良いねっ!」

みく「あぁう……ぁくっ」

未央「あっちとは大違いだ。ところでプロデューサーは?」

みく「まだ来てない……」

菜々「ウーサ……ミー……ん」

未央「最近、しぶりんもしまむーも杏ちゃんも見てないよね~。心配だなぁ」

みく「ソロ活動してればそんなもんにゃ……あぐぐ」

未央「未央ちゃんは悲しいっ!」

蘭子「煩わしい太陽ね!」

未央「おっ、らんらんもおはよー!」

まゆ「おはようございます」

未央「おはよー……ん?」

まゆ「最近はもうすっかり涼しくなってもう冬の足音って感じですよね」

未央「あ~たしかにね。私なんて制服重ね着してて先生に怒られちゃったよ…………いやいやいや」

まゆ「お茶っ葉どこにあります?」

菜々「ウー……サミー…………ン」

まゆ「そこの棚ですね。ありがとうございます」

未央「ちょっと、ちょっと待って!」

まゆ「はい?」

未央「なんでまゆちゃんがいるの!?」

まゆ「いちゃダメですか?」

未央「い、いやそうじゃなくて」

まゆ「プロデューサーから聞いてません?」

未央「えっ、なにも聞いてないけど……」

まゆ「連絡ミスかしら? でもいいわ。説明すればいいもの」

未央「説明?」

まゆ「私、カメラマンになっちゃいます」

未央「カメラマン?」

まゆ「プロデューサーから説明があるかと思いますが……」

CP「おはよう……ございます」

未央「あっ、プロデューサー。おっはよー!」

CP「おはようございます、本田さん」

未央「ねえねえプロデューサー! なんでまゆちゃんがいるの? もしかして誰かとユニット組むとか!」

CP「佐久間さん、ですか? いえ、なにも聞いておりませんが……」

まゆ「まゆのプロデューサーから聞いてませんか?」

CP「いえ……何も……」

まゆ「連絡ミスかしら? 今日から少しの間、取材することにしました」

CP「取材……ですか?」

まゆ「私が以前読者モデルをやっていたことはご存じですよね?」

CP「はい」

まゆ「それでカメラマンに興味はないかとお仕事が来たんです。私は撮られる方だったので撮る方は経験したことがなくて、これはいい機会だと思ったんです。少しでもプロデューサーの役に立てるかなと」

未央「くぅ~泣ける話だねぇ」

CP「ですが……」

まゆ「無理にとは言いません。あなたが嫌だというなら素直に退きます。でも他に頼れる人がいなくて……プロデューサーの同期のあなたを頼るしかもう……」

CP「……わかりました」

まゆ「よろしくお願いします♪」

未央「ほほ~カメラマンですかい。なんかカッコイイねっ!」

まゆ「ありがとうございます、うふ」

未央「なんか不気味な人かと思ってたけどそうでもなくて安心したかも……」

まゆ「はい?」

未央「あ、ううん。なんでもない、なんでもないよー。さぁ、どんと取材したまえ!」

CP「本田さん……」

未央「あ、そっか。取材受けるのプロデューサーだった。いや~失敗失敗」

まゆ「うふ、おもしろいですね未央ちゃんって。皆さんにも質問していいですかぁ?」

未央「どんとこいっ! あ、いいかなプロデューサー」

CP「……はい」

未央「いいって! よしっ、この未央ちゃんになんでも聞きたまえ!」

まゆ「それじゃあ早速。これまでで一番良かったなぁということと、これは失敗したなぁということはなんですか?」

未央「美嘉姉のライブに出たことかな。バックダンサーだったけど、あの体験はスゴい刺激になった。アイドルやろうって決めた瞬間。目指そうって思ったのはその前だけど」

まゆ「城ヶ崎美嘉さんのライブにいったこと……と。パワフルですよね美嘉さん」

未央「うんっ! 最近は忙しくてなかなか会えないけど遠くにいてもパワーもらってる」

まゆ「まゆもそういう人います♪」

未央「おやおや~、ノロケですかな?」

CP「ほ、本田さん……」

未央「あ、ごめん。それでなんだったっけ? そうそう、失敗したことだよね。失敗したことかぁ。実は結構あるからこれっ!ての選べないんだよね。あ、でもやっぱり一番はアレかな……っ初ライブ」

CP「ッ!!」

まゆ「初ライブですか? ダンスに失敗したとかですか?」

未央「あ~ううん。そうじゃなくて……逃げちゃったんだよね」

まゆ「逃げた? ライブに出なかったということですか?」

CP「本田さん……」

未央「ううん。私、自分のことしか見てなくてさ。お客さんの表情見てなくって……数の事しか頭になくて……それでライブの後アイドル辞める!って飛び出しちゃって。あの時はゴメンね、プロデューサー」

CP「いえ……私の方こそすみませんでした……あなた方アイドルの皆さんを見れていなく……」

未央「まぁそんなとこ……かな」

まゆ「ごめんなさい。聞いちゃいけないこと聞いてしまって」

未央「いいって。実際に失敗だしさ。今じゃいい思い出。だよね、プロデューサー」

CP「はい……」

未央「あ、そうだ。本命のプロデューサーに聞いてないよね? プロデューサー、取材受けてあげて」

まゆ「いいですか?」

CP「はい──」

未央「それでは、本田未央行ってまいりますっ!」

菜々「行ってらっしゃい」

みく「いぃってらぁぁぁっしゃぁぁぁあぁぁぁぁぁ」

仁奈「仁奈もマッサージうけてーですよ!」

CP「すみません……上の仕事もあるのに」

菜々「いえ、気にしないでください。ナナがやりたくてやってるだけです」

CP「それでは行ってきます」

菜々「はい♪」

みく「あああばらららぁぁぁぁてぇぇぇっんごくにゃあぁぁぁぁぁぁ~」

菜々「…………ッグハァ!」

仁奈「どうしやがりました菜々おねーさん」

菜々「筋肉痛が……」

蘭子「連戦の傷痕か!?」

仁奈「キンニクツーってなんでやがります?」

まゆ「♪」

みく「まゆちゃんははははざっぎがらなにしでるにゃああぁぁぁああ」

まゆ「荷物を見てるだけですよぉ。ここっていろんなものありますねぇ」

小梅「もともとは……倉庫……だったらしいよ……」

菜々「あれ、小梅ちゃっ! あたた」

小梅「えへへ……来ちゃった……」

まゆ「いらっしゃい小梅ちゃん」

輝子「…………」

乃々「なんで森久保まで……意味がわからないんですけど~うぅ」

まゆ「その机居心地どう?」

乃々「悔しいけどいいんですけど……」

まゆ「良かった」

輝子「フヒッ……」

小梅「ぁ……落ち着く……」

まゆ「私もお邪魔しまぁす♪」

みく「しょしょしょーこちゃんまでいいるにゃぁぁぁぁぁ」

菜々「そろそろ代わってください。ナナの筋肉が悲鳴を……!」

仁奈「きんにくつーってなんでやがりますか。教えやがれです」

輝子「しょせん私は日陰者……画面には映らない、フヒ」

蘭子「混沌の箱……」

みく「きいぃぃぃもぉぉぉちぃぃぃぃぃ──」

まゆ「こっちは……いいです。これは……もう少し角度をつけないとダメね。これは……机の下だから暗いけど角度はバッチリ、うふ」

クラリス「…………」

まゆ「こんばんはぁクラリスさん。どうしたんですかぁ?」

クラリス「何をしてるのかと気になりまして」

まゆ「ちょっとした動作確認です。クラリスさんこそどうしたんですか? 顔がまだ紅潮してます」

クラリス「…………」

まゆ「今日は何回ですか?」

クラリス「……悪魔の数字から先は数えておりません」

まゆ「そんなにですか? 羨ましいわぁ。初めはあんなに嫌がってたのに今じゃ虜になっちゃいましたね♪」

クラリス「今でも嫌なものは嫌なのです」

まゆ「嫌よ嫌よも……うふ♪ まゆとしては少し羨ましいですよぉ。Pさんと一日中いられるなんて喉から手が出るほど欲しいチケットです」

クラリス「…………」

まゆ「話は変わりますけど本田未央ちゃん知ってますか?」

クラリス「名前だけなら……」

まゆ「そうですか」

クラリス「……あの」

まゆ「はい?」

クラリス「あなたは……あなたとP様の関係はいったいどの様なものなのでしょう?」

まゆ「今の状況でPさんに様付けすると淫靡な響きに聞こえますね♪」

クラリス「…………」

まゆ「本当に聞きたいのはまゆとPさんの関係じゃなくて、Pさん自身のことですよね?」

クラリス「…………」

まゆ「見たり聞いたりしてるこっちとしては羨ましいんですよ?」

クラリス「そう……ですか」

まゆ「あんなことされた後に優しくされると混乱しますよね。その気持ちわかります」

クラリス「……この話はやめましょう」

まゆ「はぁい。ところで私からも一ついいですか?」

クラリス「私に答えられることなら」

まゆ「人の表情読めますよね?」

クラリス「……職業柄読めないといけませんので」

まゆ「よかった♪ それじゃ協力してください」

クラリス「協力……ですか」

まゆ「悪いことはさせませんよぉ? むしろその逆です」

クラリス「私は何をすれば……」

まゆ「この子の表情を見てくれればいいです──」

未央「おっはよ~お?」

アナスタシア「オハヨウございます、ミオ」

未央「おはようアーニャン」

アナスタシア「アーニャン?」

未央「みくにゃんがそう呼んでるって聞いたんだ。ダメだった?」

アナスタシア「ノン……いいえ、いいです」

未央「よかったよかった。ところで鏡見てなにしてるの? 髪型が決まんない?」

アナスタシア「アー……ノン。考え事、ですね」

未央「考え事? あ、物思う秋みたいな?」

アナスタシア「アン……ダンスがうまくいかないんですね」

未央「ダンス?」

アナスタシア「いま、ソロ活動してます。そこでダンスがメインの曲、練習してます」

未央「お~なんかカッコイイ。それでそれで?」

アナスタシア「回転?がうまくいきません」

未央「ターンのこと? どこら辺がうまくいかないの?」

アナスタシア「倒れてしまう、ですね」

未央「頭残してる?」

アナスタシア「頭残す?」

未央「そ、体だけ回すって感じかな」

アナスタシア「ノン! 死んでしまいますっ! ミオは人殺しです!」

未央「ちょ、ちょっとアーニャン待ってよ。そうじゃなくて、バレエみたいに顔を回転させるの体を回した後についていかせるってすればってこと」

アナスタシア「顔を回転させる?」

未央「そ。ちょっとやって見せるね。私も見よう見まねだけど……イチ……ニの……よッ!」

アナスタシア「ッ!! ハルァショォ! スゴいですミオ」

未央「あ、いやどうもどうも。なんか照れくさいなぁ」

アナスタシア「ミオ、ありがとうございます」

未央「いいよ。これくらい未央ちゃんにかかれば朝飯前!」

アナスタシア「さっそく練習、してきます!」

未央「うんうん。がんばりたまえアーニャン。いつか師匠を越えるのだぞ」

未央「──あー静か。とっても静か。アーニャンがんばってるかなぁ。私もいけばよかった」

みく「おはようございむぁぁぁふ……」

未央「オッ、みくにゃんおはよー!」

みく「あ、未央チャン。朝から元気だね」

未央「それが取り柄だもんね! そういうみくにゃんは元気なさげだにぃ」

みく「それきらりチャンの真似?」

未央「うん」

みく「ま、いいや。昨日は寝れなくて……」

未央「おやおやぁん? 恋の悩みですかな?」

みく「違う違う。昨日のお夕飯が原因」

未央「なに食べたの?」

みく「食べたものは問題ないにゃ。オムライスだし。問題は隣の夕食」

未央「寮だからいろんな人いるんだろうなぁ。ちゃっと羨ましい。あ、もしかしてゲテモノだったとか?」

みく「なんと……」

未央「な、なんと……!?」

みく「お魚を食べてたにゃー!」

未央「な、なんだってー! ん? それって普通じゃん!」

みく「普通じゃないにゃ! 中庭で七輪で焼くなんてテロだにゃ! バイオテロ!」

未央「七輪で焼いてたのが隣の人だったと……ていうか魚苦手なの?」

みく「この世にあってはならないものにゃ」

未央「えぇ~そこまで?」

みく「臭い抜くのに深夜までかかったにゃ。未央チャンにもあるでしょそういうの」

未央「私は別に……あ、でも隣が臭いの強いもの使ってたら困るのはわかる。うち、マンションだからベランダに銀杏置かれた時は困ったよ。臭いのなんのって……」

みく「あ~わかる。他にも猫ちゃんの狩りとか」

未央「そうなの? ネコといえばどっかでネコ飼ってる家あるのかな。春先になるとニャーニャーうるさくて。あれなにやってるのかな。縄張り争い?」

みく「それは…………あっ、うんそうにゃ縄張り争いにゃ」

蘭子「闇に飲まれよ!」

未央「あ、らんらん」

蘭子「ぷぴぃっ、おっ、おはようごじゃりまぅ……」

未央「そんなに驚かなくても……」

みく「Pちゃんがいると思って開けたらみく達がいたってとこにゃ。おはよ、蘭子チャン」

蘭子「お、おはよぅ……」

未央「プロデューサーっていえば今日遅くない?」

みく「外回りなんじゃないかにゃ?」

未央「そうだっけ?」

みく「それか捕まってるかにゃ」

未央「それはさすがにないでしょ……とは言い切れないのが悲しいところ。しぶりんとしまむーから聞いててまさかそんなことって思ってたけどあれ見たらね」

蘭子「城への馬車道は険しい!」

未央「?」

みく「…………」

蘭子「ぁ……ぇと……電車遅れてる……って言ってた」

未央「あ~それかぁ」

みく「そういえばPチャンってどこ住んでるんだっけ?」

未央「さぁ? 寮とか?」

みく「社員寮みたいのあるのかにゃ」

蘭子「……闇の中」

未央「ン?」

蘭子「あ、ゃっ、なんでもない……」

未央「これはプロデューサーを尾行するしかないですなぁ」

みく「そういうのやめた方がいいよ」

未央「え~つまんなーい。みくにゃんなら乗ってくれると思ったのに」

みく「ここの敷地内だったらありにゃ」

未央「さっすがみくにゃん! わかってるぅ~。それにしても電車かぁ」

みく「電車に何かあるの?」

未央「よくお年寄りに席譲るんだけどさぁ」

みく「あ、わかった。怒られるんでしょ」

未央「おっ、正解」

みく「みくもよくあるよ」

未央「えっ、あるの?」

みく「大阪にいたときは大変だったにゃ。お婆さんに譲ろうとしたらおばちゃんが突っ込んできて、びみょーな空気になったものにゃ」

未央「電車っていえば美嘉姉の広告見た? 大人っぽいよね~。あれぞ、オトナの色気!って感じ」

みく「みくも負けないにゃ!」

未央「いよ~し、今度悩殺できる服を買いにいこう!」

蘭子「悩殺……はぅ」

まゆ「お邪魔しまぁす」

みく「あ、まゆちゃんおはよ~」

蘭子「煩わしい太陽ね、情愛の乙女!」

未央「おっはよ~」

まゆ「おはようございます。皆さんお揃いで」

未央「全員じゃないけどね~。それよりどうしの? あ、もしかして、また取材だね!」

まゆ「はい」

未央「プロデューサーがいると思った? 残念、未央ちゃんでした!」

みく「Pチャンはまだ来てないよ」

まゆ「あら、それじゃあ待たせてもらおうかしら。隣失礼するわねぇ」


蘭子「…………」


まゆ「あら?」

蘭子「…………」


まゆ「あら……」

未央「そういえば電車での思い出ってある?」

まゆ「電車での思い出ですか?」

未央「そうそう。一本逃してもすぐ来るとか乗り過ごしたとか」

まゆ「う~んそうねぇ。最初の頃は乗り換えに苦労したわ。同じ方向なのにホームが違うだけでまったく違うところに行っちゃったり」

未央「あ~あるある。私もオーディション当日にそれやって危うく受けれないとこだったよ。まぁ、1回目はそれで落ちたんだけどねっ」

みく「笑い話じゃないにゃ。そろかなりヤバいよ?」

まゆ「後は人混みに揉まれて追い付くのに手間取ったり、曲がるところ間違えて向かいのホームに見えてたり」

未央「新宿駅は迷路だよね。いったことないけど」

まゆ「でも今は慣れてスイスイ行けます」

みく「二人とも情けないにゃ~。みくはもう渋谷駅とか覚えたよ」

未央「えっ、ホントに?」

みく「当然。新宿駅もすぐにゃ」

まゆ「そういえば渋谷駅改装中なんですよね」

みく「んなっ!?」

まゆ「完成が30年後だとか」

未央「そのくらいあればまた覚えられるんじゃない?」

まゆ「広さは今の倍になるとか」

みく「……もう駅かどうかも怪しいにゃ」

未央「あ、そういえば電車のつり革広告見た? 美嘉姉の色気スゴいよね」

みく「たしかに」

まゆ「さすがカリスマギャルですねぇ」

未央「あれだけ目立って有名になると大変なんだろうなぁ」

みく「どこいっても騒がれそうにゃ」

未央「遊ぶ場所とか苦労しそう。いいなぁ、私も苦労してみたい」

みく「そういえばまゆちゃんって元読者モデルなんだよね? そういう有名人ならではの大変なことって経験した?」

まゆ「よほどの有名人でない限り外で騒がれる事はないですよぉ」

未央「そうなの? 意外」

まゆ「東京の人は見慣れてるらしいので大人しいですよ? それに知名度の問題もあります」

未央「でも夢だよね。外出て騒がれるの。なんかこう、みんなが見てる!って感じでさ」

まゆ「うふ」

未央「あっ、ねぇねぇ聞きたいことあるんどけどいいかな? あのね、遊ぶ場所ってどうしてる?」

まゆ「遊ぶ場所ですか?」

未央「そ。ほら、騒がれるようになってからだと探しにくいし、今のうちに遊ぶ場所広げとこうかなって。みんなはどこで遊ぶ?」

まゆ「私は家ですね」

未央「えっ、これまた意外。外で遊ぶ派かと思った」

まゆ「お裁縫が好きなので。それに家事も好きですから」

みく「みくは休みの日はだいたいお散歩にゃ。道でネコちゃんとばったりあった時の感動といったら……」

まゆ「未央ちゃんはどこで遊んでるんですか?」

未央「ショッピングモールかな。意外と充実してて楽しいよ」

みく「ここら辺じゃ遊ばないの?」

未央「ここまで来るのに遠いって。電車賃もスゴいし」

まゆ「たしかに高校生にはきついかもしれませんねぇ」

未央「でも、地元の友達とは結構遊んでるよ。やっぱそこでもショッピングモールだけど」

みく「やっぱりショッピングモールじゃないかにゃ」

未央「時間的に学校帰りとかだからね」

みく「世知辛い話にゃ」

未央「それよりそっちはどうなのさ。友達とうまくいってる?」

みく「みくは心配ないにゃ。むしろ最近は増えたにゃ」

未央「うんうんっ。善きかな善きかな」

まゆ「…………」

未央「まゆちゃんはどう?」

まゆ「私ですか? うふ、どうでしょう」

未央「悩みがあるなら未央ちゃんが相談に乗りますよ! 言ってみたまえ」

みく「う~ん」

蘭子「?」

みく「まゆちゃんって学校いってるのかにゃ?」

未央「どうしたの? ヒソヒソして。ないしょ話? 混ぜろー!」

みく「ギニャー!」

まゆ「未央ちゃんはどうなの?」

未央「私は、バッチシ!」

まゆ「そうですかぁ」

未央「そういえば最近アーニャンロシア語から始めないよね」

まゆ「ロシア語から始めない?」

未央「前は会話始めるときロシア語から話してたから。ちょっとオォ!?ってなったよ。日本語に慣れてきたのかな? あれ、好きだったんだけどなぁ」

みく「日本語はみく達が教えてるから心配ないにゃ。ね~蘭子チャン」

蘭子「ウム」

未央「そっか。それなら安心だね!」

みく「そして果てはネコにするにゃ。フフフ──」

まゆ「ただいま戻りましたぁ……まぁ誰もいないんですけど。薫ちゃんもまだレッスンね」

まゆ「映像を観てみましょう。よいしょ」

まゆ「朝から未央ちゃんが帰るまでの映像は……それにしてもこうやって独りで作業するのも久しぶり」

まゆ「私が行くまでの映像は……特になにもないわね」

まゆ「さて、気になるあそこは…………やっぱり」

まゆ「内かしら、外かしら。明日探るのが一番ね」

まゆ「今日はもう寝ましょう。部屋の前に掛札を……」

まゆ「……感傷に浸るのは私らしくないわね。さて、鍵をかけて戻りましょう」

薫「ただいまー!」

薫「あれ? ただいまー!」

薫「まゆちゃん?」

薫「あ、寝てるんだぁ。夜ごはんどうしよう。作っといていいよね。あ、でもせんせぇも誰もいない」

仁奈「じゃまするでごぜーます!」

薫「あ、仁奈ちゃん! いらっしゃーい!」

仁奈「来てやったでごぜーます!」

薫「約束してた~?」

仁奈「晴おねーさんと約束したですよ! どこにいやがりますか?」

薫「ここにはいないよ? かおるとまゆちゃんだけだもん」

仁奈「ここじゃねーですか」

美優「に、になっ……仁奈ちゃん……! そんなにはしっ……走ったら、ハァハァ」

薫「美優お姉さんいらっしゃ~い!」

仁奈「やっときやがりました」

美優「ケガしなかった? ハァ」

仁奈「ピンピンしてるですよ!」

美優「もう離れちゃダメ。いい?」

薫「晴ちゃん見た?」

美優「晴……? あぁ、あの子。見てないわ」

仁奈「遅刻しやがりました」

美優「晴ちゃんにも予定があるんじゃないかしら。もう少し待ってましょう」

薫「美優お姉さん来てくれてありがとう!」

美優「え、えぇ……?」

薫「夜ごはん作るよー! 仁奈ちゃん達も食べよー!」

美優「あ、今手伝うわ」

薫「ううん、そこにいて。あ、お洋服はそこにかけてー」

晴「うーっす」

薫「あ、晴ちゃんいらっしゃーい」

晴「なんでヒソヒソ話してんだ?」

薫「まゆちゃん寝てるから。足音たてないでこっち来て」

晴「番犬かよ……」

薫「シーッ」

晴「…………」

薫「……ップハ」

晴「息まで止める必要ねぇだろ。ン?」

薫「どうしたの?」

晴「うまそうなにおいだな」

薫「夜ごはん作ってるの。晴ちゃんも食べる?」

晴「えっ、マジ? 助かるぜ。腹ペコペコだ」

美優「あ、晴ちゃんいらっしゃい」

晴「なにしてんだ?」

美優「あはは……」

仁奈「動いたら三あめねーですよ──」

まゆ「♪」

菜々「あ、まゆちゃん。おはようございます。今日は早いですね」

まゆ「昨日は早く寝ましたから♪」

菜々「早寝早起きはお肌の味方ですよね。ナナも昔は……あ、オッホン! いらっしゃいませ、モーニングはいかがでしょうか!」

まゆ「いただこうかしら。飲み物は紅茶で」

菜々「あれ、コーヒーじゃないんですか?」

まゆ「コーヒーより紅茶派なの」

菜々「今の若い子って大人ですね。ナナは昔から朝はコーヒーが大人の証でした。おかげで胃が……」

まゆ「胃が?」

菜々「いが……くの発展に目を丸くしました。ただいまご用意しますねっ!」

まゆ「忙しそう」

ほたる「私のせいなんです……」

まゆ「あら、ほたるちゃん。ここで働いてたの?」

ほたる「職業体験ありましたよね……それでここに来たんですけどお皿とか割りすぎちゃって……パリンパリンパリンパリン……サラワリ四重奏でした……」

まゆ「大変ねぇ。なにか手伝えることあるかしら?」

ほたる「私に近付かないのが一番です。あ……ところであの人は……」

まゆ「昨日は早く寝たから見てないの。ごめんなさい」

ほたる「そうですか……話しかけてすみません」

まゆ「私も会えなくて寂しい」

菜々「お待たせいたしました!」

まゆ「トーストにジャム。定番ですね」

菜々「定番こそ王道にして至高!が店長の口癖なんです。ゆで卵がないのはナナ的にはちょっと残念ですけど」

まゆ「ここってどのくらい人来るんですか?」

菜々「平日はお昼にかなり人が来ます。朝はこんなものです」

まゆ「落ち着いてていいですねぇ」

菜々「少し前までは藍子ちゃんも来てたんですけど最近は来なくなって。何かあったんですかねぇ」

まゆ「藍子ちゃんくらいの女の子もくるんですかぁ。あ、ところで未央ちゃんは来たことあるんですか?」

菜々「ナナは見たことないですね。どうかしたんですか?」

まゆ「いえ、ちょっと」

菜々「?」

まゆ「もう1つ聞きたいことがあるんですがいいですか?」

菜々「ナナに答えられることなら」

まゆ「未央ちゃんと仲が良いのって誰ですか?」

菜々「未央ちゃんと仲がいいというと……やっぱり卯月ちゃんか凛ちゃんですね。ナナも詳しくはしらないんですけどね。未央ちゃんがその二人の事を気にしてました」

まゆ「そうですか。ありがとうございました」

菜々「他の人なら詳しく知ってると思います。あっ、もう戻らなきゃ。それでは、ごゆっくりしていってください、お嬢さゴホンゴホン──」

みく「未央ちゃんと仲が良い人?」

まゆ「はい」

みく「卯月ちゃんと凛ちゃんにゃ」

まゆ「やっぱりその二人ですか」

みく「どうかしたの?」

まゆ「ううん、なんでもないの」

みく「みくはまゆちゃんと会ってそんなに経ってないけど、悩みがあるなら言って?」

まゆ「私がというより未央ちゃんがなの」

みく「未央ちゃんが? そんな素振りなかったけどにゃあ」

まゆ「昨日、そんな表情が見てとれたから気になって」

みく「ん~少なくともみくは聞いてないにゃ」

まゆ「友人関係ってのはわかってるの。けどそれがどこのかまではわからないの。だから身近なみくちゃん達に聞けばなにかわかるかなって思って」

みく「う~ん誰だろ。やっぱり卯月ちゃんと凛ちゃんのことかな。でも最近見掛けない以外は話題に出してないし……」

まゆ「やっぱり卯月ちゃんと凛ちゃんのことかしら」

みく「みくも協力したいけど今はそれどころじゃないし……あぁもう」

まゆ「ありがとうみくちゃん。なにか手伝って欲しいときは言うわ」

みく「よろしくにゃ!」

まゆ「あ、それともう一つだけいいかしら。未央ちゃんがソロ活動してるって本当?」

みく「ホントだよ。かなりガンバってるんだって。みくは活動してるところ見たことないけどオーラが出てるにゃ」

まゆ「う~ん……」

みく「もしかしてソロ活動でなにかあったのかな?」

まゆ「それも視野にいれて探ってみるわ。いい? みくちゃんはくれぐれも普通にしてて。いつもみたいに動いちゃダメ」

みく「うっ……」

まゆ「くれぐれもダメよ」

みく「念押さなくても大丈夫にゃ……」

まゆ「…………」

みく「大丈夫にゃ」

まゆ「こっち見て言って」

みく「ダイジョブニャ」

まゆ「…………」

みく「……にゃ」

まゆ「それじゃ、くれぐれも……くれっぐれもお願い」

みく「ダイジョブ……ダイジョブ……」

まゆ「…………」

みく「ドアをゆっくり閉めないでっ」

まゆ「…………」

みく「大丈夫にゃ。みくは動かないにゃ」

まゆ「……頼むわぁ。それじゃぁ」

みく「……他を動かせばいいにゃ」

まゆ「みくちゃん」

みく「にゃっ!?」

スタッフ「お疲れあっおー!」

未央「お疲れさまでしたー! いや~疲れた」

まゆ「…………」

未央「ん? 気のせいか」

CP「お疲れ様です、本田さん」

未央「あ、プロデューサーお疲れー。どうしたのこんなとこに。なにか用事? あっ、もしかして未央ちゃんのソロゲリラライブが決まったとか!?」

CP「いえ、違います。様子を見に来ただけです……」

未央「ありゃりゃ違ったか。残念っ。それにしてもプロデューサーお疲れじゃない? よし、特別に癒してあげよう」

CP「いえっ、そんなっ、自分は……!」

未央「まあまあ、遠慮しなさんなって」

まゆ「…………」

未央「ん?」

CP「どうか……したのですか?」

未央「ううん。気のせい」

CP「お疲れでしたら、サロンをお使いください」

未央「おぉ、これで一人前のアイドルの仲間入りかぁ!?」

CP「一人前……? もうそうだと思いますが」

未央「あぁそういうことじゃなくて……まっ、いいや。それにしてもサロン……あぁいい響き」

CP「ハァ……?」

未央「プロデューサーは利用しないの?」

CP「いえ、私は……」

未央「そっか」

CP「それではこれで」

未央「……うん! それじゃあね!」

まゆ「──う~ん」

アナスタシア「こんばんは。便秘、ですね?」

まゆ「違うの」

アナスタシア「オゥ。唸ってる人がいたら便秘だって、ミク言ってました」

まゆ「そう……」

アナスタシア「?」

まゆ「恋の悩みではないわね。あの表情は……」

アナスタシア「?」

まゆ「アーニャちゃん、未央ちゃんのソロ活動ってうまくいってるの?」

アナスタシア「ミオ? うまくいってます。ソロ活動仲間、ですね。情報交換してます」

まゆ「どんな情報?」

アナスタシア「収録終わりに、立ち寄ったお店でおいしいところがあった、ユニット活動との違いについて、ですね」

まゆ「悩みは……性格的に相談しなさそうね」

アナスタシア「悩み? ミオ、なにか悩んでるのですね?」

まゆ「他にはなにか聞いてる?」

アナスタシア「ノン。ミオ、悩んでるですか? 力になりたいです」

まゆ「かもしれないってだけ。気のせいかも」

アナスタシア「聞いてみます」

まゆ「ダメよ」

アナスタシア「止めないでください、マユ」

まゆ「アーニャちゃんは悩みがないのに悩んでるって言われてどう思う?」

アナスタシア「それは……」

まゆ「それと同じ。もしこっちの勘違いで実は悩んでないなんてことだったら、余計な気遣いさせちゃうかも。アーニャちゃんはそれでいいの?」

アナスタシア「……ノン」

まゆ「でしょ? ならむやみに聞かないのが一番」

アナスタシア「…………」

まゆ「陰ながら心配しましょ。ね?」

アナスタシア「……ダー」

まゆ「ところでアーニャちゃんは私に用事?」

アナスタシア「お裾分け、ですね」

まゆ「わざわざ寮から?」

アナスタシア「マユ、昨日何も食べてない、聞きました」

まゆ「昨日は早く寝たの。でも食べてないわけじゃ」

アナスタシア「温まります」

まゆ「何を作ってきてくれたの?」

アナスタシア「肉じゃがですね」

まゆ「肉じゃがなんて誰に教わったの?」

アナスタシア「ミヨウミマネ、です。昔から食べてました。レシピ通り、ですよ」

まゆ「それじゃあ一緒に食べましょう──」

未央「おっはよー……お?」

まゆ「おはようございまぁす」

未央「みんなは?」

まゆ「私が一番らしいです」

未央「へぇ~珍しいね」

まゆ「いつもこの時間なんですか?」

未央「今日は早い方かな。ソロ活動し始めて変わったからねぇ。実はちょっと早起き!」

まゆ「お茶飲みます?」

未央「飲む飲む!」

まゆ「少し待っててくださいね。ところで生活リズムが変わったなんて言ってましたけどどのくらいかわったんですか?」

未央「他の人に合わせること少なくなったけど集合時間は早くなってさぁ。いやぁ未央ちゃん大忙し!」

まゆ「嬉しい悲鳴ですねぇ。お茶、入りましたよぉ」

未央「ありがとう。ハァ~おいしっ」

まゆ「意外と真面目なんですねぇ」

未央「えっ、そうかな? 普通じゃないかな。私よりみくにゃんの方がマジメ」

まゆ「そうなんですか?」

未央「あのハングリー精神はスゴいよ。さすがの未央ちゃんもたじろいだ!」

まゆ「スタッフさんからの受けは結構らしいですよぉ」

未央「うむむっ、うかうかしてられませんなぁ」

まゆ「あら?」

未央「ん、どったの?」

まゆ「あの椅子なにかしら」

未央「杏ちゃんのだよ。ダメにするクッションだっけかな?」

まゆ「ダメにするクッション?」

未央「うん。あんまよくわかんないけどね」

まゆ「そこにあるおもちゃは……?」

未央「それは私の。ブタミントンおもしろいよ。やる?」

まゆ「気持ちだけもらっておくわ」

未央「そっか、残念」

まゆ「杏ちゃんとは仲良いの?」

未央「実はあんまり絡んだことないのだ」

まゆ「そうなの?」

未央「う~ん、なんていうか休んでるときって近づきづらいじゃん。休憩ってのは救われてるべきなんだよね……一人で静かで豊かで……」

まゆ「杏ちゃんはプロデューサーからの評価が高いですよねぇ」

未央「えっ、そうなの?」

まゆ「意見をいってくれて助かるって話してました」

未央「あ~そういえばちょこちょこそんな風だった。縁の下の力持ちっ」

まゆ「ちっちゃいのにねぇ」

未央「ちっちゃいのにね。そういえば最近見ないけどなにかあったのかな?」

まゆ「心配ですねぇ」

未央「みくにゃんと仲良いんだよね、杏ちゃん」

まゆ「意外ね。噛み合わないかと思ったわ」

未央「いやいやこれが仲いいんですよ奥さん」

まゆ「未央ちゃんはみんなと仲良いんですねぇ。話せない人いないんじゃないですか?」

未央「あ~……うん」

まゆ「?」

未央「実はいる。話しづらい人」

まゆ「誰ですか?」

未央「らんらん」

まゆ「らんらん?」

未央「蘭子ちゃん。ほら、あのフリフリの服着てる。あっ、別にマイナスイメージがあってってわけじゃないからね? あのさ、なんていうか静かにしてるときって話しかけられたくないじゃん? 経験談からくるものと言いますかなんというか……」

まゆ「?」

未央「えっと私ね、弟いるんだけどそんな感じでさ。あっ、普段は喋るよ普通に。だけど話しかけるとたまにうるさいなぁ!って返されちゃって。始めは腹立った。こっちが話しかけてるのに、弟の癖にって。でも働き始めてようやくわかった。たまには静かにしたい時があるって。まぁ、だから遠慮してるというかなんというか……こっちの問題かな」

まゆ「考えてるんですねぇ」

未央「なんか恥ずかしいな、こういう話。はい、やめやめ。ところでまゆちゃんはどうなの?」

まゆ「どうというのは?」

未央「アイドル活動とかお仕事とか」

まゆ「相変わらずですよぉ……というわけにはいかないんですよねぇ」

未央「あぁ~、やっぱ効いてる感じ?」

まゆ「効いてる感じ。いくら動かされるだけといっても解体は痛手ですよぉ。担当プロデューサーがてんわやんわで大変でした」

未央「うちのプロデューサーも大変だったよ。女焦ったの二度目だよ。1回目は私だけど……私の時とは違った焦り方だった」

まゆ「かなりの人が関わってますからね」

未央「まゆちゃん売れっ子だもんね」

まゆ「担当プロデューサーのおかげでそれなりに」

未央「あれでそれなりなの!?」

まゆ「うふ♪」

未央「でもホントさ、一人で生きてるんじゃないって思う……」

まゆ「…………」

未央「あ、ごめん! 暗い話になっちゃったね」

まゆ「いいですよぉ。気にしません。明るい話ばかりだと眩しすぎます」

未央「おっ、ポエムかな? そういえば常務いるじゃん。今は専務だっけ? それでね、うちのプロデューサーとポエム大会してたって知ってる?」

まゆ「知りません。プロデューサーにポエムの趣味が?」

未央「あくまで噂だけどね。常務の部屋の前通ったらって感じの噂」

まゆ「会社といえば、未央ちゃんは学校でどうですか?」

未央「……どうって?」

まゆ「勉強。難しくない?」

未央「あぁ、そういう。フッフッフッ、私にかかればそんなもの造作もないのさ」

まゆ「元気で明るく頭もいい。羨ましいわ」

未央「あ、そろそろ仕事の時間だ」

まゆ「時間とらせてごめんなさい──」

菜々「千葉ですか?」

まゆ「はい。未央ちゃんの高校に行きたいので案内をと思いまして」

菜々「……なんでナナなんですか?」

まゆ「私、電車にはそんなに長く乗ったことないので不安で……たしかウサミン星は電車で一時間なんですよね?」

菜々「……はい」

まゆ「それに長く電車に乗ってると酔っちゃいそうで……そんなとき頼りになる人がいると心強いです」

菜々「あ~、電車内で気分が悪くなると神に祈りますよね。よしっ、それならナナにお任せくださいっ!」

まゆ「頼りにしてます」

菜々「ところで今出てきた部屋はなんの部屋ですか?」

まゆ「何かの部屋です♪」

菜々「……まっ、まぁ色々事情がありますよね」

まゆ「はい。それでは部屋に戻りましょう♪」

菜々「ですね。あ、そういえば未央ちゃんと言えば思い出したんですけど来てましたよ、カフェに」

まゆ「今日?」

菜々「はい。それと未央ちゃんに続いて珍しい人が。誰だと思います?」

まゆ「未央ちゃん達のプロデューサー」

菜々「そうなんです。あの人、滅多に来ないんです。来たとしてもお客様と一緒で、一人で来ることはホンットにレアなんです」

まゆ「なにか話してました?」

菜々「いえ。未央ちゃんに用事かなって思って席に案内しようとしたんですけど断られちゃって。勉強してたから遠慮してたのかもしれませんね」

まゆ「…………」

菜々「?」

まゆ「あ、菜々さんもよっていってください。薫ちゃん喜びます」

菜々「ナナは体力的に明日へ温存……おほんっ! 是非よらせてもらいます! ナナはJKですからっ! JK!」

まゆ「ただいま~」

薫「おかえりー。あっ、菜々ちゃん!」

菜々「お邪魔します」

奏「いらっしゃい」

まゆ「なんであなたがいるんですか?」

奏「薫ちゃんに誘われちゃって」

薫「ありがとう奏お姉さん!」

奏「いいえ。こっちこそ楽しかったわ。また遊びましょう」

薫「うん!」

まゆ「ちょうどよかった。話があるの」

奏「私に? なにかしらね。少し身の危険を感じるのは気のせい?」

まゆ「こちらへどうぞ~。薫ちゃんはもうお風呂入った?」

薫「うん! 奏お姉さんと!」

まゆ「…………」

菜々「あわわわ」

奏「先にいってるわ」

まゆ「ッ!」

薫「ハンカチ食べてもおいしくないよ~?」

菜々「さ、さぁ行きましょう! 今すぐっ、今すぐに」

奏「それで用事ってなに?」

まゆ「明日、私達と一緒に電車に乗りましょう」

奏「いいけど……何故かな?」

まゆ「保険としてと証明としてです」

奏「どういうこと?」

まゆ「明日、未央ちゃんの高校に行きたいのですが、私は噂が噂ですし、菜々さんは何故か女子高生に見られないので」

奏「なるほどね。どうしようかな」

まゆ「もちろん相応のお礼はします。それにもし何もなくてもきちんとお支払します」

奏「なんだか友達料金みたいでヤだな。いいよ、いってあげる。格好は普通の格好でいい?」

まゆ「出来れば制服でお願いします」

菜々「目立ちませんか?」

まゆ「学校近くなのに私服でいるのはまずいわ。あくまでサボってる生徒がいるって状況じゃないと」

菜々「なるほど。ちょいギャルJKの集まりですね」

まゆ「まぁ、一人しかそういう目で見られないと思いますけど」

奏「私のこと? ありがとう」

まゆ「いいえ」

菜々「明日まで胃がもつかな……」

奏「一応これでも学校ではマジメな方なんだけど……たまには休むのもいいかも」

まゆ「それではお願いします──」

菜々「あぁ、久しぶりだなぁ」

まゆ「未央ちゃんの高校は……あっちね」

奏「来たことあるみたいにつっつと進むわね」

まゆ「マップで下調べしたの」

菜々「今は便利ですねぇ」

奏「それにしてもファストフードなんて久しぶりに入ったかも」

菜々「えっ? JKが集まるっていったらハンバーガー屋さんじゃないんですか?」

奏「私は喫茶店派」

菜々「今のJKは進んでますね……」

奏「なにかいった?」

菜々「いえぇっなにも! さぁはいりましょう!」

奏「それにしてもここからよく見えるわね」

まゆ「部活帰りの人達から話を聞けるといいですね。それまでは……」

菜々「どこかいくんですか?」

まゆ「休み時間だからちょっと近付いてきます」

奏「休み時間は色々話すものね。いってらっしゃい──」

まゆ「ただいま」

奏「ただいま」

菜々「ただいま……」

晴「おっ、帰ったんか。んっ? どしたんだウサミン。なんか疲れてねぇか」

奏「結構おしゃべりしたもの。ね?」

菜々「アハハ……そういうことにしておいてください……」

晴「晩飯食ったんか?」

まゆ「外で済ませてきました。薫ちゃんにはメール済みよ」

晴「だから落ち込んでたのか」

まゆ「落ち込んでた?」

晴「あぁ」

まゆ「明日謝らないと……」

晴「んじゃもう寝る。レッスンで疲れた。レッスンだりぃ」

菜々「ナナも疲れたから寝ます。腰が……」

奏「腰が?」

菜々「腰が……レッスンで、レッスンで痛めちゃって、そう! レッスンで! アタタタ」

奏「あぁ、レッスンでね。私もあれは疲れるわ」

菜々「そ、そぉ~ですよね。あぁー"レッスン"で腰が痛いですよね~」

まゆ「私は少しいってくるところがありますので先に休んでてください」

奏「私は見たいドラマあるからそれ見てから寝るわ」

まゆ「…………」

生徒『おーい本田ぁー!』

未央『あ、まっつん! おはよっ! 彼女はどうしたのー?』

マッツン『いねーの知ってるだろ!』

未央『あ、そだっけ。忘れてた♪』

生徒『あれ、未央?』

未央『オー、おっはよぉ!』

まゆ「未央ちゃんは人気ですねぇ」

生徒『未央ー!』

未央『ハイハイ! 助っ人?』

生徒『今回は違うの。6組のまっつぁんのことなんだけどね』

未央『まだいってるの? アタックしちゃいなよ!』

生徒『えーでもさ~』

未央『つべこべ言わず実行! 動かないと始まらないよ!』

まゆ「恋の悩みではないですね」

生徒『動いてもヘタレじゃーん』

未央『ぁ……』

まゆ「あらぁ?」

生徒『みお? 聞いてる?』

未央『あ、ごっごめん! お客さんの歓声思い出してさー。いやぁあれはすごかった』

生徒『ひっどーい。あたしよりそっち!?』

未央『アハハ、冗談だって。6組のまっつぁんのことだよね? やっぱ……』

まゆ「見ぃつけた♪」

未央『ね?』

生徒『そっか。そうだよね。あたしやってみる!』

未央『がんばりたまへ!』

生徒『ちょっとそれどこの人よ』

未央『アハハ』

まゆ「少し飛ばしましょう」

生徒『お? みお?』

未央『えっ?』

生徒『3組になんか用事? あ、もしかして』

未央『ち、違うって』

生徒『そう。私としてはそういうのもありだと思う!』

未央『怪しい話ですなぁ』

まゆ「もひとつ見ぃつけた♪」

みく「──みくのソーセージ食べたの誰にゃ!」

みちる「…………」

みく「晴ちゃん!?」

晴「食わねえって」

みく「みちるちゃん!?」

みちる「フゴゴ!」

みく「あっ!」

みちる「フゴッ!?」

まゆ「おはようございまぁす」

晴「おっす」

みちる「フゴゴゴフ!」

みく「返さなくていいにゃ! 汚ない!」

まゆ「あれどうしたの?」

晴「みちるがみくのソーセージ食っただけ」

みく「だけじゃないにゃ! 一番の楽しみにゃ!」

まゆ「みちるちゃん」

みちる「フゴ?」

まゆ「みくちゃんに謝って」

みちる「フゴ……」

まゆ「謝らないと晴ちゃんに示しがつかないの。Pさんもそう言うわ」

みちる「フゴ……ンク。ごめんなさい」

みく「謝っても許さないにゃ」

晴「許さないのかよ……」

みちる「フゴ……」

みく「なにこれ……あ、パン」

みちる「…………」

みく「いいの? これみちるチャンの好きなパンだよね?」

みちる「あげます」

晴「日本語しゃべれんのか」

まゆ「晴ちゃん」

みく「……半分こにゃ」

みちる「ゴッ!?」

みく「みくも怒りすぎたし……」

みちる「フゴ……おいしいですね!」

晴「仲直りした。マジかよ」

まゆ「…………」

晴「ああなるもんか? なぁま……いねえ」

蘭子「雷雨よ! 我が友に祝福を!」

みく「あ……」

蘭子「あ」

晴「あ?」

蘭子「わ、我は先に行く……」

みく「あ、蘭子チャ……!」

みちる「どうかしたんですか?」

みく「ダンスレッスンの時ぶつかっちゃって……」

晴「謝らなかったんか?」

みく「とりあえずは謝ったにゃ。でもその時は練習に熱が入ってて、練習第一だったから真剣に謝ってなかったし……その時からぎこちなくて」

晴「そんなこと気にするか?」

みく「気になるよ。だってぶつかられたのに流して謝られたんだよ?」

晴「そんなもんかねぇ」

薫「…………」

まゆ「おはよう薫ちゃん」

薫「あ、まゆちゃん」

まゆ「昨日はごめんなさい」

薫「ううん! メールに気づかないかおるが悪かったの。だからまゆちゃんは悪くないよ!」

まゆ「いいえ。昨日は事前に言わなかった私のせい」

薫「…………」

まゆ「Pさんの事ね」

薫「うん……電話してきてくれるけど帰ってこないなぁって」

まゆ「帰ってくるわ。あの後だって帰ってきたでしょ?」

薫「うん……」

まゆ「PさんはPさんでやってることがあるの。だから待ってましょう? それまでは私と、ね?」

薫「……うん!」

みく「──うまくいくかな」

まゆ「大丈夫。みくちゃんが誠心誠意謝れば蘭子ちゃんはわかってくれるわ」

みく「……うん」

杏「久々に復帰してみればなにこれ?」

まゆ「それじゃあ私達は外にいるわ」

杏「何の事かわかんないけど仕事サボれるならラッキー」

みく「…………」

蘭子「煩わしっ、あ」

みく「……お、おはよう」

蘭子「お……ぉはょぅ」

みく「…………」

蘭子「…………」

みく「あ、あのねっ蘭子ちゃん。この前は……この前のダンスレッスンの時はごめんねっ……! あの時、周りが見えてなくて……けどっ! けど蘭子ちゃんに謝る気がなかったわけじゃないの。本当に悪いと思ってるの……」

蘭子「う、うん……」

みく「だから、その……ごめんなさいっ!」

蘭子「わ……私こそ、ご、ごめんなさぃ……」

みく「ううん、蘭子ちゃんが謝ることじゃないよ。悪いのはみくだもん」

蘭子「そ、そうじゃないの……実はその……あの時に考え事してたのは……みくちゃんだけじゃなくて、わ、私も……なの」

みく「蘭子ちゃんも……?」

蘭子「ユニットのことで悩んでて……それでぶつかっちゃったのに驚いて何も言えなくて……本当は謝りたかったのに……その……ごめんなさいっ!」

みく「蘭子ちゃん……」

蘭子「うぅ……」

みく「蘭子ちゃんも悩んでたんだ……みく見えてなかった」

蘭子「…………」

みく「……みくもまだまだってことだね。自分の事ばっかだった……」

蘭子「わ、私も……ごめんなさい」

みく「みく達似た者同士?」

蘭子「は、はわわ……!」

みく「…………」

蘭子「……ぅぅ」

未央「おっはよーぅ。今日もいい天気だね!」

蘭子「ぴひっ!?」

みく「あ、未央チャン」

未央「おりょ? どしたの二人とも。何かあった? 悩みなら未央ちゃんにまかせなさーい」

蘭子「ぁの、そにょ……」

みく「……なぁーんにもないにゃ!」

未央「そう? それならいいけど」

杏「おはよ~」

未央「あ、杏ちゃん。久しぶり!」

杏「ん~」

未央「なんか重そうなの持ってるね」

杏「そこで受け取った。アイドルをパシりに使うなんて何事だ。私は会社を訴えるぞ」

未央「まあまあ。でもたしかに重そう。プロデューサー呼んでくる!」

杏「杏はもうバッテリー切れだよぉ……バタン」

みく「ってただサボりたいだけにゃっ!」

杏「いたっ。尻を叩かれた……鬱だ、音楽を聴こう」

蘭子「あ、あの……」

みく「蘭子ちゃん。みくもあそこにいったら話す。でも今は切り替えよ。ね?」

蘭子「あ……う、うん!」

幸子「──謝ることですか? 完璧なボクに人に謝ることなんてあるわけないじゃないですか。ふふーん」


まゆ「そう。学校の友達でも身内でもいいの」

小梅「学校に……友達いないから……ない……」

まゆ「輝子ちゃんは?」

輝子「右に同じ……フフ」

小梅「あ……でも……あった……謝ることあった……」

まゆ「誰に謝ること?」

小梅「蘭子ちゃんに……」

輝子「もしかしてあの事……か?」

まゆ「あの事?」

小梅「うん……実はね……いつもなら部屋にいるはず……だったのに……その日は蘭子ちゃん……食堂におりてきて……飲み物飲んでたの……」

輝子「ち、ちなみに、シイタケ茶だ、フフ」

小梅「それでね……珍しいから誘ったの……一緒にって…………そしたら……いつもは断るのに……うん……って返事したの……」

まゆ「それで?」

小梅「イヤだってのを……押し切って……ホラーのDVD見せちゃった……厳選したやつ……」

輝子「さ、さすがの私も……チビった」

小梅「だから……謝りたくて……」

まゆ「それなら私にいい考えがあります」

蘭子「愚かなる獣の鼻息!」

みく「にゃー! 蘭子チャン強いにゃー!」

未央「楽しそうで何より。持ってきた甲斐があるよ」

杏「ぐぅ……」

まゆ「お邪魔しまぁす」

小梅「おじゃま……します……」

未央「おっ、小梅ちゃんおはよー!」

小梅「おはよう……」

みく「なにか用事にゃ?」

小梅「蘭子ちゃんに……」

蘭子「…………」

みく「?」

小梅「蘭子ちゃん……あの時はムリヤリ……ホラーのDVD……見せちゃってごめんね……」

蘭子「ぁ……うん」

小梅「誘いにのってくれて……ついうれしくて……」

蘭子「わ、私も……ユニットなのに逃げちゃって……ごめん」

小梅「ううん……蘭子ちゃんは……私に優しいよ……話しかけてくれたもん……」

蘭子「こ、小梅ちゃん」

小梅「あのね……それでなんだけど……蘭子ちゃんがよければ……DVD見ない?」

蘭子「ぬっぐっ……よ、よきゃろう」

小梅「これは……笑えるから……大丈夫……」

蘭子「…………」

未央「行っちゃった……なんかスゴいの見た気がする。あのらんらんがホラーかぁ」

みく「蘭子チャン、小梅チャンとのこと悩んでたからよかった」

未央「…………」

みく「お仕事まで時間があるからヒマだにゃ」

未央「おっ、それならトランプしない?」

未央「──なんでっ、なんで祝福してくれないの!?」

藍子「なんでも持ってる貴女が憎かったの。富も名声も男も。苦労しないで手に入れられる貴女が憎いの」

未央「私達……!」

藍子「…………」

座長「はいやめー! 本田ぁー!」

未央「すみませーん! セリフ忘れましたぁ!」

座長「またかぁ! やる気あんのかぁ!?」

未央「すみません!」

座長「もういい。休憩入るぞー!」

未央「ごめんね、あーちゃん」

藍子「いえ。疲れてるときはしょうがないわ。お茶飲む?」

未央「飲む飲む。それにしても演技スゴいね。親友役はまり役じゃない?」

藍子「そう?」

未央「なにかコツとかある?」

藍子「特別なことはなにも……そのままをやってるって感じかな」

未央「え?」

藍子「ちょっとだけ羨ましかったの。あ、もちろん憎んでるってほどじゃないの。ただ、狙ってた役だから羨ましくて」

未央「そうなんだ……」

藍子「もちろん、だからって何か危害をくわえようって思ってるわけじゃないの。そういうのは演技でお返しするわ」

未央「あーちゃん……それなんかカッコいい!」

藍子「そう? ふふ、ありがとう。さ、お茶ができたわ」

未央「…………」

藍子「なに?」

未央「あ、ごめん。あーちゃんってそんなタイプに見えないなぁって考えてて」

藍子「どういうこと?」

未央「人に嫉妬したり羨んだりしなさそうだなって」

藍子「そう? 私もこんなんだけどそれなりに考えてるの」

未央「なんか意外だな」

藍子「演劇を始めて思ったの……」

未央「演劇を始めて何を?」

藍子「本心を話す大切さを」

未央「…………」

藍子「あ、ごめんなさい。暗くなっちゃった。今おかわり持ってくるわ」

未央「あ、うん。ありがとう」

藍子「次はなにがいい?」

未央「それじゃ──」

藍子「…………」

まゆ「お帰りなさぁい」

藍子「ただいま。言ってきたけどあれでよかったですか?」

まゆ「はい♪ それにしても無理いって職場見学させてもらって悪かったわ」

藍子「いいの。私も"まゆちゃんなら"大歓迎だし、まゆちゃんの頼みだから」

まゆ「なんだか棘のある言い方」

藍子「他意はないですよぉ。誰に頼まれるかも重要ですから。それじゃあ部屋にいるからなにか用事があるときは遠慮なく来て」

まゆ「そのときは頼らせてもらいます」

藍子「ふふ♪」

晴「う~っす。おっ、藍子」

藍子「こんばんは晴ちゃん。これからお茶飲むけど一緒にどうですか?」

晴「ジュースねえの?」

藍子「用意してます」

晴「マジか。じゃあ着替えたらそっち行く」

藍子「待ってます」

晴「あ、そうだまゆ。風呂貸してくんね?」

まゆ「またサッカー?」

晴「さいきんすっげぇ楽しくてよ」

まゆ「いいですけどケガには注意してね。担当さんが気にするから」

晴「アー、新しいあいつか。別にいいじゃねぇかよ。サッカーしてりゃケガくらいするっての」

まゆ「それもそうだけどプロデューサーが心配するわ。活動に影響が出るかも」

晴「かもだろ? そこの点はPさんいいよな。気にしねぇし」

藍子「無関心なだけだと思います。普通は気にします、普通は」

晴「それでいいっての。あれ、藍子?」

藍子「ジュースはなにがいいか聞き忘れちゃいました」

晴「ドジだな。オレンジジュースでいいよ」

藍子「はい。それじゃあ用意します」

晴「さて、風呂入るか」

まゆ「一人で入れる?」

晴「風呂くらい入れるって──」

未央「……近いと謝りづらいか」

未央「ハァ~どうしよう。あぁ~っ!」

弟「姉ちゃんうるさい」

未央「失礼なっ。乙女の悩みをうるさいだとぅ!?」

弟「兄ちゃんもうるさいって言ってたし」

未央「え、そうなの?」

弟「とにかく静かにして」

未央「ハーイ…………ぬぁ~!」

未央「ハァ……」

未央「……メール……いやいやいやこういうのは面と向かって」

未央「……面と向かって…………今さらいいづら~い」

未央「なんであのとき謝らなかったんだ私ぃっ」

未央「チラ見して、いやしなかったか。余計ダメじゃん!」

弟「姉ちゃんうるさい! 漫才の練習なら外でしてよ!」

未央「なんだとぉ!」

弟「これ以上うるさいと母ちゃんに言う!」

未央「そ、それだけは勘弁をぉ~。おかし買ってあげるから!」

弟「いらないよ。じゃ」

未央「モゴー!」

未央「よしっ! 明日謝ろう」

未央「……どうやろう。放課後に校舎裏に呼んで……告白か!」

未央「……ふざけてる場合じゃないよね。う~ん、勉強でもして気分転換しよ」

まゆ「──おはようございます」

未央「う~ん……」

まゆ「どうしたんですか?」

未央「あ、まゆちゃん。今日も取材?」

まゆ「はい。実は結構面白くなってきちゃって」

未央「プロデューサーのこといろいろわかった?」

まゆ「えぇ。いろいろわかりましたよぉ」

未央「おぉ、さすが」

まゆ「好きなもの嫌いなもの、癖や食生活なんかも」

未央「そういえばプロデューサーって何が好きなんだろ」

まゆ「食べ物の好物ならハンバーグです。それもケチャップ派」

未央「意外と子供っぽい!?」

まゆ「私も知ったときは少し驚きました」

未央「記者かぁ。記者もいいかも」

まゆ「進路の悩みですか?」

未央「記者やってるといろいろわかる?」

まゆ「本職じゃないのでなんとも言えません。でも一枚の写真からいろいろ考えるようになりました。ただ撮られてたときよりも確実に見方が変わりました」

未央「そっか……」

まゆ「……いつも"自分"でいるのは気を張りますよね」

未央「え?」

まゆ「そういよう、そういようっているとどこかで綻びがでちゃいますよね」

未央「…………」

まゆ「そうするとやろうとしていたことができなくなったり、タイミングを逃してしまったり。私にも覚えがあります」

未央「あ、うん」

まゆ「人の前でそうある、そうあろうというのはいいことです。でも……」

未央「……でも?」

まゆ「でも"その人"の前でそれをやってしまったら勘違いされてしまいます」

未央「あ……」

まゆ「人付き合いって難しいですよね」

未央「うん。私もしまむーやしぶりんともそういうことあったから。けど……」

まゆ「まぁ、部類が違いますよね」

未央「うん……」

仁奈「おはよーごぜーます!」

まゆ「おはよう仁奈ちゃん」

仁奈「おはよーごぜーますまゆおねーさん。未央おねーさん元気ねえです?」

未央「えっ、そんなことないよ?」

仁奈「仁奈にはわかるですよ。いきしょーちんでごぜーます。そんなときは熊の気持ちになるですよ!」

未央「ガオー!」

仁奈「それはライオンでごぜーます! 熊はグオー!でごぜーます!」

未央「グオー!」

仁奈「両手を上げてグオーでごぜーます」

小梅「パーン……」

未央「グオォォ……!」

仁奈「ばいおれんすでごぜーます」

未央「──お疲れー!」

生徒「お疲れ~。どっかよってく?」

未央「ごめんっ! このあと用事あるんだ」

生徒「また助っ人? 人気だねぇ」

未央「アハハ、まぁね。今度は未央ちゃんがおごってあげよう」

生徒「楽しみにしてる。それじゃ」

未央「……よし」

未央「…………」

友達「……何か用事?」

未央「あ、友子」

友子「あ、友子じゃないよ。何もないなら帰るからね」

未央「まっ、待って……!」

友子「……何?」

未央「あ、あの時はゴメンっ! 気が動転しててなにいっていいかわからなくて、それであんな態度取っちゃって、その……ホントごめん!」

友子「みんなの前だったからあの対応はいいよ。でも怒ってるのはその事じゃない。なにかわかるよね?」

未央「……友子に本心打ち明けなかった事」

友子「そう。いつでもよかったのになかなか言わないんだもん。こっちが聞いても隠すしさ」

未央「だってみんないたし……」

友子「トモダチが多いのも考えものだね」

未央「アハハ……」

友子「でも一番の問題ははっきり言わなかった未央にある」

未央「面目ない……」

友子「昔からそうだから慣れっこだけど、そっちの人達はそうはいかないんじゃない? ほら、しまむーだかシブリだかさ」

未央「…………」

友子「思い当たる節があるのね……もう」

未央「ホントごめん!」

友子「もうわかったから。次にいこうよ。それで、あの時何があったのか話して。横断幕広げて応援しにいったみんなの前から消えたとき何があったのか」

未央「実は──」

まゆ「ただいま戻りましたぁ」

みちる「お帰りなさい!」

まゆ「あら、みちるちゃん。こんばんは。何してるの?」

みちる「パンつくってるんです」

まゆ「ヘンタイ?」

みちる「パンツは食べません。英語で言うとブレッド。日頃の感謝の印にと晩御飯にしようかと薫ちゃんの手を借りて作ってます」

まゆ「薫ちゃんに顔を出すわね。薫ちゃ~ん」

仁奈「きびきび働きやがれですよ杏おねーさん!」

杏「杏はパン生地の気持ちになるんだい」

仁奈「伸びきったパン生地なんてまずいでごぜーます! 起きるですよ」

薫「クロワッサン焼けたよー。あ、まゆちゃんだ。おかえりー!」

まゆ「ただいま。楽しかった?」

薫「うん! みちるちゃんすごいんだよ!」

みちる「へへへ、それほどでも」

美優「あの……」

仁奈「美優おねーさんは寝ててくだせー! 仁奈たちだけでできるでごぜーます!」

美優「え、でも……」

仁奈「未央おねーさんにあげるの出来たですよ!」

杏「かんせ~」

晴「ピザ生地だけのピザってどうなんだ?」

輝子「ヒャハハハ燃えろォ燃えちまえェェェヒハハハハハ!」

みちる「オーブンの前で叫んでますけど気にしないでください」

薫「──ごちそうさまー!」

まゆ「ごちそうさま」

みちる「フゴ」

杏「眠い……」

輝子「フヒッフ……」

晴「ハァ~食った食った。パンでも満足感あんだな」

仁奈「どうでごぜーました美優おねーさん!」

美優「おいしかったわ。ありがとう仁奈ちゃん」

薫「せんせぇにも取っておこー」

晴「そういや最近見てねえな」

美優「明日には帰ってくるわ」

まゆ「はい?」

美優「明日か明後日には帰ってくるって連絡があったの」

薫「ほんと!?」

美優「えぇ」

まゆ「三船さんこっちへ来てくださぁい♪」

仁奈「──プレゼントでごぜーます!」

未央「おっ、ありがとう!」

仁奈「いっしょけんめい作ったでごぜーます!」

未央「おっ、サンドイッチだ! しかもフランスパンっぽいやつ!」

仁奈「菜々おねーさんのとこで挟んできたでごぜーます」

菜々「仁奈ちゃんがんばってました! ウサミンも感動しました」

未央「いただきまーす!」

仁奈「どーでごぜーます?」

未央「ンッ、おいしーよ仁奈ちゃん」

仁奈「よかったでごぜーます!」

未央「お昼にこんないいもの食べれるなんて」

菜々「ぼかぁ幸せだなぁ」

仁奈「なにか言いやがりましたか?」

菜々「ウサミン星からの電波じゃないかな?」

未央「ごちそうさま! おいしかったよ仁奈ちゃん。みおちゃん専属のシェフにしてあげよう」

仁奈「片付けてくるですよ!」

菜々「ナナも行ってきます」

未央「ふぅ……お腹いっぱい」

まゆ「それにしては浮かない表情ですねぇ」

未央「うわぁっ!」

奏「これ……か」

  『やぁ、こんにちは。もうすっかり恒例になってきたね。まるで毎日アイサツを交わしてるみたいな仲になってきたね。こちらとしても嬉しいよ。さて、今日の謎だけど……今キミは「またか……」って思ったね? そう、またなんだ。許してくれとは言わない。でもこれでナゾナゾはおしまいだ。この前の手紙の答えは見付かったかな? そう、アレだ。思い出したかな? 遠くを照らしてるが故に見えないもの。それは灯台の足元。まっ、簡単だよね。そこで最後のナゾナゾ……いや命令……やっぱり私とキミの仲には似つかわしくない言葉だね。ここは「お願い」だね。最後のお願いだ。これを読んだら明日、衣装室に来てほしい。そうすれば自ずと答えはそこにある。勿論来なくてもいい。これはお願いだからね。無理強いはしない。それでは、楽しみに待ってる』

奏「長い手紙ね……」

CP「おはようごさいます」

奏「あら、おはよう」

CP「私の机で、何をなさっているのですか?」

奏「あなたの事が知りたくて。そしたら面白いの見付けちゃった」

CP「面白いもの……ですか?」

奏「この口紅誰の?」

CP「っ!!?」

奏「色的にかなり派手なの。だからもしかしたら彼女のかなって」

CP「自分にその様な方はおりません」

奏「そう? なら女装用かしら」

CP「じ、自分にその様な趣味は……そもそもなぜその様なものがあったのか……自分には見当も……」

奏「ふ~ん。人にはそれぞれあるからいいわ。それじゃ」

CP「お疲れ……様です……?」

まゆ「おはようございます」

未央「お、おはよう……ビックリしたぁ」

まゆ「なにか悩みごとですかぁ?」

未央「あ、この前はありがとう。おかげで……」

まゆ「なんの話ですか? 私はただ未央ちゃんとお話ししただけですよぉ? それで悩みってなんですか?」

未央「あ、いや悩みってほどじゃないんだけど、いや悩み事かな。実は前から迷ってるんだよね。まゆちゃんって寮住まいだよね? それとも実家?」

まゆ「実家ではないです。寮に住みたいんですか?」

未央「ソロ活動始めてからいろいろ一人でやっててこれから先のこと考えてたら思ったんだ。一人暮らしの練習始めようかなって」

まゆ「それで寮住まいをしたいと?」

未央「うん。ほら、なんでもおんぶにだっこじゃダメじゃん? それにかえ姉様みたいな立派な大人になりたいから!」

まゆ「自立した人はかっこいいですよね」

未央「でもいきなり家出て一人暮らし!って言ったら家族に心配かけるしどうしようかなーって。寮住まいってどう? 実家住まいと違うとこある?」

まゆ「ありますよぉ。毎日がドキドキの連続です」

未央「ほほぅ。それでそれで?」

まゆ「寮の部屋が空いてるかは聞かないとわかりませんが……」

未央「が?」

まゆ「いいとこ知ってるから来る?」

未央「?」

まゆ「うふ──」

未央「ふわー……」

まゆ「こっちですよぉ」

未央「えっ、ちょっ」

藍子「あれ? 未央ちゃん?」

未央「あーちゃん!?」

藍子「未央ちゃんがなんでここにいるんですか?」

未央「それはその……」

まゆ「一人暮らしの修行です」

藍子「そうなんですか? わー、それじゃあこれから一緒ですね!」

まゆ「とりあえず案内するので楽しくおしゃべりするのは後で」

藍子「お茶用意して待ってます♪」

まゆ「もう少しで着きます」

未央「…………」

まゆ「さっきからキョロキョロしてどうしたんですか?」

未央「なんかスゴくて……」

まゆ「マンション住まいですよね?」

未央「次元違いすぎて……なにあのエントランス」

まゆ「着きました」

未央「う、うん……」

まゆ「生唾飲まなくてもそんなたいしたものは置いてありませんよ?」

未央「…………」

まゆ「もしかして緊張しいですか?」

未央「ア、アハハ……」

まゆ「うふ。ただいま戻りましたぁ」

薫「おかえりー!」

まゆ「ただいま」

未央「あれ、えっとたしか……」

薫「かおるはかおるだよー!」

未央「あ、とときら学園の子!」

薫「そうだよー!」

まゆ「晩ごはんにしましょう」

薫「こっちだよー!」

未央「ちょっと楽しみな私がいたりして……っ!」

蘭子「今こそ奇襲せりッ!」

みく「いらっしゃいにゃー!」

仁奈「いらっしゃでごぜーます!」

小梅「いらっしゃい……」

菜々「お帰りなさい、未央ちゃん。キャハ♪」

杏「ぐぅ……」

未央「ぁ……」

アナスタシア「ミオッ……! 悲しい、ですか!?」

蘭子「ぼ、昴星の尾!?」

未央「ごっ、ごめん……! な、なんか涙とまっ、なくっ……ア、アハハ」

みく「未央チャン! 笑うにゃ!」

未央「ア、アハ、アハハて……うんっ!」

仁奈「仁奈がいるから泣かなくて大丈夫ですよ!」

薫「かおるもいるよー!」

輝子「ヒャッハァァァァレッツパァァァァティィィィ!」

未央「スゴイ格好!」

未央「──ふぅ」

みく「お疲れさまにゃ」

未央「おー、みくにゃん」

みく「満足した?」

未央「大満足。ここってなんの集まりなの?」

みく「わかんない」

未央「えっ?」

みく「まゆちゃんがまとめてる以外はよくわかんない」

未央「もしかして……幽霊?」

みく「それはないにゃ」

まゆ「こんばんはぁ」

みく「こんばんはにゃ!」

未央「パーティーの時いなかったけどどこかいってた?」

まゆ「用意するものがあったのでそれをやってました」

未央「あっ、ごめん!」

まゆ「いいえ。全部用意出来たわけではないの。未央ちゃんに選んでもらうものもあるから」

未央「未央ちゃんに任せなさい。スゴいの選んじゃうよ!」

まゆ「部屋は下の階に用意しました。みくちゃん案内よろしくお願いします」

みく「まっかせるにゃ!」

未央「本田未央、いってまいります!」

みく「こっちにゃ」

まゆ「…………」

P「お帰り」

まゆ「ただいま戻りましたぁ♪」

P「お疲れ様」

まゆ「ンフ~」

P「鼻息が荒い」

まゆ「見ててくれました? まゆの活躍」

P「みんなをうまく使えてたな」

まゆ「やっぱり見てるんじゃないですかぁ♪ もしかして近くにいました?」

P「ノーコメント。それより一つ聞いてほしいことがある」

まゆ「なんでもいってください」

P「これから動きにくくなる。それとオレの事は紹介する場合慎重に」

まゆ「紹介していいんですかぁ?」

P「止めてもやるだろ」

まゆ「あなたがやめろって言うならやめますよ?」

P「君の良心に任せる」

まゆ「試されるまゆの良心、うふ」

P「さて、明日からは」

まゆ「待ってました」

P「明日からの動きを決めよう」

まゆ「誰にします?」

P「慌てるな。まずは層から決めよう」

まゆ「あなたが選んでください」

P「>>463層に>>464

>>463
ジュニア(~12歳まで)かティーン(13~19歳まで)かアダルト(20歳以上)かをお願いします

>>464
軽くか徹底的かをお願いします

それ以外は安価下

ティーン

徹底的

P「ティーン層に徹底的にやる」

まゆ「楽しみですねぇ。誰にするか決めました?」

P「もう決めてある」

まゆ「誰ですか?」

P「>>467


>>467
モバマスのティーン(13~19歳まで)アイドルをお願いします

連取またはそれ以外は安価下

晶葉

P「池袋晶葉」

まゆ「晶葉ちゃんですか」

P「あぁ」

まゆ「理由はわかってますが一応聞いておきます。晶葉ちゃんに何をされたんですか?」

P「>>469


>>469
池袋晶葉に何をされたかをお願いします

あまりにも変なものまたはそれ以外は安価下

勝手に体をサイボーグにされた

P「発明品の誤作動で被害を受けた。しかも発明には犠牲がつきものだと開き直ってた」

まゆ「サイボーグにされたって聞きましたよ?」

P「さすがにそこまでは出来ない」

まゆ「もしかしてセーターが焦げてたのって……」

P「その時だ」

まゆ「殺っちゃいましょう」

P「殺しはいけない」

まゆ「はぁーい」

P「ここ数日の数時間はこの為に時間を費やしてきた」

まゆ「あのセーターまた編もうかしら。次はどんなのがいいですか? ハートなんていかが♪」

P「まゆと薫でお揃いのを作ってあげろ」

まゆ「はぁい」

P「ところでまだ揃ってないものは?」

まゆ「シャンプー類です。候補はいくつかあるのでその中から選んでもらいます」

P「実家で使ってるのをここで使用してもらう手もある」

まゆ「それはこっちに置いといて……」

P「プロフィールのお復習だな」

まゆ「まゆがやります! まゆが!」

P「頭に入ってるのか?」

まゆ「それはもう。頭のいい子好きでしょ? だから覚えました。恋の敵ですもの」

P「担当さんは大変だな。それじゃよろしく」

まゆ「池袋晶葉。ロボットに捧げる情熱は年相応にキュートな14歳。東京都出身、身長148cm、体重39kg、BMIは17.80、スリーサイズは75・57・74」

P「惜しい。ウエストは53cm」

まゆ「外に出てないからガリガリなの忘れてました。うっかり♪」

P「続けて」

まゆ「6月10日生まれの双子座のB型で右利き。趣味はロボット製作」

P「ロボット製作は趣味の範囲を脱してるといっても過言じゃない。ただし、彼女のロボットにはOSが入ってないのであくまで工作として見られている」

まゆ「デアゴスティーニでしたっけ? そんなのありましたよね」

P「時刊イケゴスティーニとも呼ばれている」

まゆ「ファンからの愛称なんてますます憎いです♪」

P「そうやってネタにもされる。ファンからの評価は概ね好評」

まゆ「おおむね」

P「概ね」

まゆ「ということは概ね以外はあまり良くないということですね」

P「そうだ」

まゆ「ところでOSでしたっけ? 何で入ってないんですか?」

P「単純に専門外だということもあるが、実は権利関係や特許関係がうるさいらしく、自家製のは使いづらいんだとか。とある女性が言っていた」

まゆ「へぇ~。それにしても利発そうな女性ですね。女性で機械系に強いって憧れます♪」

P「君も大概だけどな」

まゆ「備え付けるのは得意ですよぉ」

P「プロ級だな」

まゆ「ただの恋に夢中な女の子ですよぉ♪」

P「恋は人を狂わせるな」

まゆ「んもぅ♪」

P「さて、今日はもう遅い。残りは明日にしよう──」

未央「おっ、誰か朝食作ってる。ぃよ~し……おっはよーう!」

薫「おはよー」

未央「おりょ?」

薫「どうしたの~?」

未央「えっと……薫ちゃんだよね?」

薫「かおるはかおるだよ?」

未央「他の人は?」

薫「まだ寝てるー……と思う」

未央「ムムッ、これは私も手伝わなきゃ!」

薫「かおる一人で出来るからいーよ。未央お姉ちゃんはみんな起こしてきてー」

未央「了解! お姉ちゃんにまっかせなさーい」

薫「あ、起こすのはみくお姉ちゃんとみちるお姉ちゃんと晴ちゃんと杏ちゃんとまゆちゃんと奏お姉ちゃん。他の人は起こしちゃダメー」

未央「あいあいさー!」

薫「あ、それと未央お姉ちゃんは卵どーする? 目玉焼き?」

未央「両面! 出来る?」

薫「だいじょーぶ」

未央「それじゃよろしく!」

薫「はーい」

みく「……それでみくを起こしに来た、というわけにゃね」

未央「そう! ぜひ力を貸してくれたまへ!」

みく「…………寝る」

未央「おぉみくにゃんよ。寝てしまうとは情けない」

みく「朝から叩き起こされたらたまったもんじゃない……にゃふあ~」

未央「あざといあくび」

みく「昔こらのくせにや」

未央「呂律回ってない」

みく「他の人は?」

未央「まだ起こしてない。何人か知らない人いるし」

みく「……それならそれ相応な態度があるにゃ」

未央「急にふんぞり返った! みくにゃん様や~おねげぇしますだ」

みく「あ、なんか気分いいかも。とりあえずみちるちゃん起こすよ」

未央「はい、おっはよーオ!?」

みく「どうしたの?」

未央「バターロールが寝てる……」

みく「それお布団。たぶん下にクロワッサンみたいな毛布かけてる。とにかく起こすにゃ」

未央「おーい起きろー」

みちる「フゴーフゴゴ~」

未央「起きない……だと……!」

みく「もう少し優しく起こすの。みちるちゃん起きて。朝だよ」

みちる「う、う~ん……フゴゴ」

未央「起きないよ?」

みく「一捻り加えるにゃ。みちるちゃん、パン出来てるよ」

みちる「スンスン……」

未央「なんか嗅いでる。それにしてもここパンの匂いスゴい」

みちる「……う、う~ん」

みく「おはようにゃ」

みちる「おはようごぞいます……」

未央「おはようごぞいます」

みく「日本語しゃべれにゃ」

未央「──そんなわけで未央探険隊は洞窟まで来たのだ」

みちる「ここって……」

みく「まゆちゃんの部屋にゃ」

みちる「……知ってるんですか?」

みく「たぶん知らないにゃ。もし、隣で寝てたら……」

みちる「心臓飛び出ますね」

未央「いざ、進め。おっはよーう!」

みく「っ!」

未央「あれ、いない?」

みちる「もう起きてるんですかね?」

まゆ「おはようございます♪」

みちる「ッ!!?」

まゆ「あら?」

みく「みちるちゃんが死んだー!」

まゆ「?」

薫「せーんせぇ」

P「…………」

薫「センセぇ起きてー」

P「……おはよう」

薫「せんせぇポカポカ~♪」

P「今日は冷えるな」

薫「朝御飯作ったよ」

P「ここに持ってきてほしい」

薫「はーい! かおるもここで食べていい?」

P「特別の特別に許す」

薫「わーい♪ 今持ってくる~」

薫「──いってきまーす!」

P「車に気を付けて」

薫「はーい!」

まゆ「いってらっしゃい」

薫「うん!」

P「東郷さん、お願いします」

あい「任せてくれ。ところで人が増えたようだがあれは……」

P「本田未央です。知ってますよね」

あい「少しだがな。それでは行ってくる」

まゆ「行っちゃいましたね」

P「部屋に戻ろう」

まゆ「はい。お茶でも入れます?」

P「頼む」

まゆ「はい。それにしてもこんなゆっくり出来るの久しぶりです」

P「そうだな」

まゆ「話聞いてます?」

P「聞いてる」

まゆ「なに調べてたんですか?」

P「これだ」

まゆ「あ、いつものアンチスレですか」

P「増えてないかと思ってね」

まゆ「何かめぼしいのはありました?」

P「>>490>>491


>>490>>491
池袋晶葉に対するアンチレス、悪口をお願いします

あまりにも変なものまたはそれ以外は安価下

ライブで新作ロボ出してるが毎回ロボでけが人でてるってこマ?

スレ終了
さっさと依頼出せカス

時間が悪かったか(戒め)
>>490採用で再安価

>>495にお願いします

あまりにも変なものまたはそれ以外は安価下

アイドル活動を発明の資金作り程度にしか考えてないらしい

P「ライブで新作ロボ出してるが毎回ロボでけが人でてるってこマ?」

まゆ「こマってなんですか?」

P「これってマジか?の略。ネットスラングだね」

まゆ「まゆのことかと思いました」

P「部屋の家具に違和感覚えた時に使うのか」

まゆ「もうひとつは?」

P「アイドル活動を発明の資金作り程度にしか考えてないらしい、とある」

まゆ「本当なんですか?」

P「発明、ひいてはロボ製作には金がかかるからな。だが、アイドルの活動を金目的でやるのはファン的には許せないだろうね」

まゆ「まゆは愛する人のためにがんばってますよぉ♪」

P「担当プロデューサーは安泰だ」

まゆ「それにしても悪口が多いと思いましたがそんなにありませんでしたね」

P「ファン層がファン層だからな。発明好きとアイドル好きに二分されてる。そこで相容れない意見がぶつかる」

まゆ「なんか面白いですね」

P「分析するのも勉強になるものかもな」

まゆ「レモンティーにします?」

P「レモンはいらない」

まゆ「レモンティーにしましょう♪」

P「入れる前に聞いてくれ」

まゆ「淹れ直してきまぁす」

P「それは冷やして飲むといい」

まゆ「冬にアイスレモンティーを飲むなんてあなたの愛を感じます──」

池袋晶葉「助手、そこの工具箱を取ってくれ~」

池袋P「どれ?」

晶葉「工具箱と言ったらいつもの工具箱だ~」

池袋P「あぁこれか。ほれ」

晶葉「これで……む?」

池袋P「人と話すときはこっち向けよ。晶葉も喋りづらいだろ」

晶葉「ムムッ……この回路を迂回させれば……よしっ! ふぅ」

池袋P「やっと出来たか」

晶葉「あぁ、完成だ! ウサロボマーク67!」

池袋P「その名前どうにかならんのか」

晶葉「なんだ不服なのか? それなら……ウサちゃんロボはどうだ! うん、カワイイ名前に仕上がったぞ!」

池袋P「それもそれで……いやいい」

晶葉「そうだ、そんなことより次の活動はあるか? 製作資金が底をつきそうなんだ」

池袋P「ないこともないがそんなに金かかるもんなのか? やってることは工作だろ?」

晶葉「工作も突き詰めればお金がかかるということだ。さぁ、あるか! ないか!」

池袋P「だからないこともないが一度休め。そんなテンションで仕事いかれても迷惑だ」

晶葉「寝てるひまなどない。天才には時間がないのだ」

池袋P「時間がないならなおのこと寝ろって」

晶葉「だからそんな時間はない。他のプロデューサーは寝てないんだぞ?」

池袋P「そりゃ無能だからだろ。んなことよりこの前スタッフに言われたぞ。またロボでケガしたって」

晶葉「状況は?」

池袋P「ハ?」

晶葉「その時の状況を説明してくれないことには改善のしようがない」

池袋P「改善なんかよりまずは態度を改めろ。そんなんじゃ」

晶葉「その話はまた今度にしてくれないか。今、集中しなきゃいけないところなんだ」

池袋P「……そうかよ」

晶葉「あぁ、そうだ。今度……いない」

杏「イヤだ~離せー」

みく「ダメだよ杏ちゃん。たまには外に出ないと」

杏「イヤだ! 私は布団にこもるって決めたんだ! 杏は自分を曲げないぞ……!」

みく「外に出ないと立派な大人になれないよ。ねっ、クラリスさん」

クラリス「はぁ……?」

杏「シスターってそもそも外出ないじゃん」

みく「あ……」

杏「はい論破杏はこもる」

みく「ダーメーにゃー!」

杏「やめろ! 布団をはがされる恐怖がお前にわかるか!?」

みく「にゃあああもう! クラリスさんが外出ないから! あそこはウソでもみくに賛同してくれないと!」

菜々「どうかしたんですか?」

みく「あ、菜々チャン。助けてほしいにゃ。杏チャンが布団から出てこないにゃ」

菜々「眠いんじゃないんですか?」

みく「たっぷり八時間は寝てるにゃ」

杏「やめろ! 杏は太陽が怖いんだ!」

みく「そんな人いないよ。ほら、こーんないい天気なんだから外出なきゃ太陽に失礼にゃ。ね、菜々チャン」

菜々「紫外線……」

みく「ん?」

菜々「な、なななんでもないですよぉ! そうですよ、無理矢理はよくないです、うん」

みく「菜々チャンまで……」

仁奈「騒がしいでごぜーます。何しやがってます」

みく「あ、仁奈チャン」

仁奈「杏おねーさんを囲んで何してやがります?」

みく「杏チャンが外に出ないから引っ張りだすとこにゃ」

仁奈「杏おねーさんお外行かないでごぜーます?」

杏「だって寒いじゃん」

みく「今日はあったかいにゃ!」

仁奈「仁奈と遊ぶですよ!」

杏「や」

仁奈「遊ぶですよ!」

みく「あーそーぶーにゃー!」

仁奈「犬の気持ちになるですよ!」

杏「え~……あ。猫の気持ちにならなりたいかな」

仁奈「ネコさんでごぜーますか? 仁奈持ってるですよ!」

杏「あ~着ぐるみいらないよ。こっち来て」

仁奈「?」

杏「あそこの窓まで移動しよう」

仁奈「移動したです。ここからどうするでごぜーますか?」

杏「まず横になる」

仁奈「なったでごぜーます」

杏「杏も失礼して……よっと」

仁奈「ここからどうするでごぜーます?」

杏「目を閉じて深呼吸」

仁奈「フスゥゥ……フー。やったですよ」

杏「何回も繰り返して」
仁奈「フスゥゥ……フー……スー……フシュー……すぅ」

杏「ほらみくも来なって」

みく「みくは自分を曲げないにゃ──」

晶葉「仕事だ……」

池袋P「ハ?」

晶葉「仕事をくれ!」

池袋P「いきなりなに」

晶葉「資金が底をつきそうなんだと言っているだろう!」

池袋P「睡眠は? お前寝たのか?」

晶葉「睡眠など3時間もあれば十分だ」

池袋P「もっと寝ろ」

晶葉「いいからもっと仕事をくれ! なるべくなら金になる仕事だ」

池袋P「働かないアイドルよかマシだがもっとどうにかならんのか?」

晶葉「そんなアイドルがいるのか? まぁいい。それで仕事はあるのか? それともないのかどっちだ」

池袋P「こんなボロ事務所に仕事がはいってくると思うか?」

晶葉「そういいながらあったじゃないか」

池袋P「そんな金になる仕事はない」

晶葉「私には金が必要なんだ」

池袋P「それはわかってる。この前も聞いた。つか今まではどうしてたんだ?」

晶葉「スポンサーが付いてたがつかなくなった。ただそれだけの事だ、うん」

池袋P「天才の事はようわからん」

晶葉「なにかこの天才のスキルを活かせる仕事はないものか……」

池袋P「一応、金にならない仕事は断ってるがそれ請け始めるか?」

晶葉「どのくらい入る?」

池袋P「小学生向けの工作セット買える程度」

晶葉「却下だ」

池袋P「だよな。そう思う」

晶葉「ところでウサちゃんロボの調子はどうだ?」

池袋P「あぁ、あのゴミ箱か。これはゴミ箱だって言われたときは驚いたが歩くゴミ箱は斬新だ」

晶葉「作業してるとゴミ箱まで歩くのが面倒。だからといって移動させるのも面倒。そこでこれが開発されたというわけだ。中身はほぼ掃除機の流用だが」

池袋P「さすが天才。これ売るとしたら高いんだろうな」

晶葉「商業の事は知らないけどそうかもしれない」

池袋P「おっ、そういやトークの仕事また来てるけどやるか?」

晶葉「トークの仕事?」

池袋P「あぁ、ほら前にやったろ? アイドルたちがテーマにそってやるの。いやぁ前はスゴかったな。年上に物怖じせずにバンバン物言う姿。圧巻だった」

晶葉「……あれはたまたまトークテーマが機械についてだったから出来たことだ。まぁ、この天才に不可能はないがな!」

池袋P「プロデューサーとしても鼻が高いぞ!」

晶葉「フフフ」

池袋P「そういやあの時はかなり入ったな。おかげで事務所のエアコンを買い換えられたくらいだ」

晶葉「もっと頼ってもいいぞ!」

池袋P「そういや、発明の試作品はあるのか?」

晶葉「あるぞ」

池袋P「ひとつくれないか?」

晶葉「この前のレビューはどうなった? レポートを提出するようにいっておいたはずだが」

池袋P「提出したろ?」

晶葉「良かっただけじゃわからない。どこがどう良かったかを書いてほしい」

池袋P「次は気を付ける」

晶葉「こっちからもひとついっておくが試作品でケガをしてもこっちは一切関係ないぞ? それでいいんだな?」

池袋P「それは当たり前だろ。文句言うやつの気が知れない」

晶葉「そうだな」

みく「くや~……プー」
仁奈「スゥ……」

P「ただいま。これは?」

杏「曲げなかった結果かな」

P「そうか。それなら向こうで話そう」

杏「はいは~い」

P「この前はお疲れ様」

杏「別に大したことはしてないよ。たまにはああいうパーティーもいいかもね。まぁ……まだ苦手だけど」

P「薬はまだあるか?」

杏「あるよ。頓服薬になってからもそんなにペースは変わらず」

P「ならまだ病院はいいな」

杏「うん。妊娠もしてないし」

P「担当プロデューサーとそういう関係に?」

杏「あると思う? 近くにいるのもイヤなんだよ?」

P「すまない。冗談が過ぎた」

杏「リハビリの方よろしく」

P「暇を見つけたら手伝おう」

杏「ん。ところで誰かに用事?頓服

P「まゆは帰ってきてるかと思ってな」

杏「帰ってきてないよ。連絡はしてないの?」

P「携帯電話を忘れてな」

杏「フーン。なにか聞きたいことでもあるの?」

P「あぁ」

杏「杏にもわかることなら答えるよ」

P「なにやらやる気だな」

杏「たまには悪くないかなってね」

P「本心は?」

杏「なにもないよ? ただリハビリ手伝ってくれればいいよ。それで杏のわかること?」

P「池袋晶葉の予定だ」

杏「名前は聞いたことあるかも。でも予定はしらない。Pさんにもしらないことあったんだ」

P「そうか。なかなか予定を決めないプロデューサーだからこっちも手元になくてな」

杏「フーン。プロデューサーにもいろいろだね」

P「君のプロデューサーはその点は早い」

杏「意外とあっちも早かったりして」

P「そういう話は駄目だよ」

杏「ところで飴ある? さっきみくに食べられまくった」

P「今用意する」

杏「あれ、そんなのあったんだ。それ何て言ったっけ」

P「ペロペロキャンディ。元の名前はロリポップ」

杏「あっ、聞いたことあると思った。ロォリポォップね」

P「そっちとは違う」

杏「……杏のロリポップ舐める?」

P「ついてないだろ」

杏「今確認したけどついてないね。残念」

P「甘いのは変わりないけど」

杏「うわっ、セクハラ。杏の心は傷付いたぞ~。慰謝飴を要求する」

P「三つでいい?」

杏「それで手を打とう」

P「はい」

杏「わ~い。そういえば人増へたんぇ」

P「舐めながら喋らない」

杏「ていうか杏の知り合い」

P「だね」

杏「なんだかバツが悪そうだね」

P「動きにくくなるからね。まゆの頼みだからってこともあって了承はしたがどうもね」

杏「優しいんだか厳しいんだか」

P「まゆの力だけでやらせたから手は貸してない」

杏「それでどうして? 未央ちゃんがいると動きにくくなる理由は?」

P「あの性格だからね。明るくて元気」

杏「人によく話しかけクラスの人気者。ん? これ前にもあったような……うぅむ何にしても杏とは正反対だ。苦手なタイプ」

P「今は絡んでこないからいいけど絡んできはじめたらどうなることかだな」

杏「吐く。今の杏はコミュ障もかくやレベル。なめちゃいけない。まぁ、その……ね」

P「何?」

杏「私が力になれることあったら極力手伝うよ。ここでまで肩身狭く生きたくないし」

P「だね。まずは君と諸星きらりの関係の説明からしなきゃいけないな」

杏「そこら辺は人気者だから友達付き合いに関してはわかってるから説明する必要はないと思うぞ。肺細胞大事に」

P「ソロ活動でもそこら辺を学んでるといいけどね」

杏「人間怖い。杏引きこもる」

P「あの二人はまだ起きそうにないな」

杏「人がいないようだったら杏が動こうか?」

P「いなかったら頼む。君の方が動きやすい時があるからね」

杏「出来るなら来ないことを祈るよ」

P「なにか軽く食べよう」

杏「わ~い──」

まゆ「まゆにいい考えがあります」

P「いきなりなんだ」

まゆ「要は未央ちゃんを染めればいいんですよね?」

P「そうだ」

まゆ「それならいい考えがあります」

P「オレが用意するものは?」

まゆ「数点の電子機器とおもちゃです」

P「みんなに聞いてみよう」

まゆ「それとこれが終わったら未央ちゃんを紹介したいと思います」

P「君のタイミングに任せる」

まゆ「前戯はじっくりする方です♪」

P「知ってる」

まゆ「担当さんとは」

P「そっちも知ってる。話してたよね。だから言わなくていい」

まゆ「はぁい。それじゃ集めておいてください」

未央「らんらん強っ!!」

蘭子「フフフ……恐れ戦け!」

未央「でもここからみくにゃんと私の反撃が……!」

みく「…………」

未央「し、死んでる……!」

まゆ「未央ちゃ~ん」

未央「あ、おっはよー!」

まゆ「今はおはようの時間じゃないわよ?」

未央「いっけね♪ ついクセで。あ、トランプやる? 今大貧民やってる」

みく「大富豪にゃ」

未央「おっ、生き返ったね。もう一勝負といこう!」

まゆ「その前にちょっと未央ちゃんお借りしまぁす」

未央「おや、なにかな? ちょっといってくるね」

みく「いってら~」

蘭子「更なる戦を!」

未央「それで用事ってなに? ここの事なら言わないって約束はしたよ」

まゆ「それじゃありません」

未央「そうなの? それじゃなにかな」

まゆ「未央ちゃん、壊れたスマホありますよね?」

未央「なっ、なんのことかな……?」

まゆ「別に怒りはしません。ありますよね?」

未央「……実は」

まゆ「今持ってますか?」

未央「普段使いのやつだし持ってる。はい」

まゆ「ちなみにどこが壊れてるんですか?」

未央「接触が悪くて……」

まゆ「接触……?」

未央「画面つけてみるよ。よいしょ、よっ……ね?」

まゆ「本当ですね。何度か押さないとつきません」

未央「だからこうやって、この……くの、オッ、おおっと! ハッ! セーフ……てなわけでこの通り強~く押さないとつきません!」

まゆ「指折れそうね。直したい?」

未央「出来ることなら。直せる?」

まゆ「直すのは専門外なの。ごめんなさい。でも直せる人なら知ってるわ」

未央「え、ホント?」

まゆ「はい。でも頼みに行く前に詳しい状況を聞いておかないと。いつどこでどの様にして壊れたんですか?」

未央「えっと、とある事情で帰るときに不注意で人に当たっちゃってその時に……」

まゆ「とある事情?」

未央「そ、とある事情」

まゆ「…………」

未央「わかった……ちゃんと話すから無言で見つめるのはやめてっ」

まゆ「それでとある事情って?」

未央「えっと、知っての通りかとは思いますが『お客さん少ない事件』です、はい。その帰り道消沈しながら帰ってたから、電車のドアに注意がいかなくて人の波に飲まれて揉まれてどんぶらこっこ。それで倒れたときにケータイ様がお怪我を……」

まゆ「未央ちゃんはケガしなかった?」

未央「丈夫なのが取り柄ですので……ハイ。やっぱダメ?」

まゆ「いいえ、そんなことはないわ。頼んでみる。でもその前にひとつだけ」

未央「ま、まだなにか?」

まゆ「向こうは私のことあまり知らないの。どからその事を頭にいれておいてほしいの」

未央「サーイエッサー!」

まゆ「用心には用心を。一応バックアップは取っておいてね」

未央「アド消え怖い」

未央「──頼もー!」

池袋P「なんだなんだ?」

未央「こんにちはっ! 本田未央ですっ!」

池袋P「本田未央? あ、それってあのプロジェクトの!?」

未央「おや? 未央ちゃん有名?」

池袋P「その本田未央さんがいったいなんの用事で?」

未央「いやぁ実は……」

まゆ「スマホを直してほしくて」

池袋P「あ、あぁそうですか。晶葉呼んできます」

未央「あ、いいですって。忙しいと悪いし」

池袋P「そんなことはないですよ。ただ機械弄ってるだけだし」

未央「え?」

池袋P「今呼んできます。オーイ!」

まゆ「晶葉ちゃん、邪魔されるのあまり好きじゃありませんよ?」

池袋P「あ、あぁそうですね」

未央「プロデューサーさんの方から頼んでくれませんか? どうか、この通りっ!」

池袋P「出来るだけやってみます」

晶葉「なんだ客か?」

池袋P「あいさつ」

未央「あ、もしかしてその子が?」

晶葉「私がどうかしたか?」

未央「池袋晶葉ちゃん?」

晶葉「いかにもそうだが……なにか用事?」

未央「私のケータイ直して!」

晶葉「ケータイ? 悪いがOSは専門外だ」

未央「壊れてるのはこのボタンだから!」

晶葉「……見せてみろ。ムッ、う~んもしかして壊れてるのは電源ボタンじゃないか?」

未央「すごい、合ってる!」

晶葉「天才にかかればこの程度なんてことない。少し待ってろ」

未央「天才ってすごい」

P「──機械類で壊れてるものある?」

晴「あ? 壊れてるもの? スパイクならある」

P「機械類で壊れてるもの」

晴「それならねぇ」

P「そうか。邪魔して悪かった」

晴「あっ、ちょい待った! 機械類とはずれるかもしんねぇけどはいこれ」

P「靴だな」

晴「それオヤジが夜道歩くのにってオレに買ってきたんだけどよ。接触が悪いんか光んなくてな。ほら、カカトんとこ。ホントはピンクだからいらねぇんだけどなんかオヤジに悪くてさ」

P「それじゃ預かるよ」

杏「壊れたもの?」

P「まだ使えるけど修理が必要なものでもいい」

杏「ならこれ」

P「ゲーム機か」

杏「諸星さんが壊した"杏"のゲーム機。初めての印税で買った思い出の品」

P「一世代前の物をこうなっても持ってるということはそういう事だな」

杏「ちなみに定価はソフト同梱版だから24500円、税込24500円!」

P「ウキウキしながら買いにいったわけか」

杏「てなわけで修理よろしく」

P「一つ聞いておくがこれ以上に壊れても?」

杏「いいよ。もう修理出してもお金かかるもん。その時はその時。その子の寿命だよ」

P「わかった。預かる」

杏「よろしく。あ、リハビリの件もよろしく」

加蓮「身体」

P「治療じゃなくて修理の直す」

加蓮「そんなこと言っても機械類なんてそんな持ってないもん。第一使う機会ない」

P「スマホくらいか」

加蓮「それと……まぁこれは、うん」

P「廃棄すればいい」

加蓮「調教されたっていうか、まぁ……教訓として置いておこうかなって」

P「部屋に飾るのか?」

加蓮「フフ、それもいいかも。あ、でもこういうの奈緒は恥ずかしがるかな」

P「反応に困るだろうな」

加蓮「心臓止まっちゃうかもね」

P「使ってるのか?」

加蓮「女の子にそんなこと聞く?」

P「男にそんなの見せる? 投げやりは良くない」

加蓮「女性に優しいサイズって聞いてるよ?」

P「まゆからか。どうして相手してほしいときは数日前から言って。体の調整するから」

加蓮「なんかエッチな発言」

P「それで何かある?」

加蓮「う~ん……あっ、ひとつある。たしか……あった」

P「ネイルの機械か」

加蓮「爪磨きに使ってたんだけどバッテリーが壊れちゃって。すぐ動かなくなるの」

P「よし、受け取ろう。一つ聞いておくがこれ以上に壊れてもいいか?」

加蓮「いいよ。どうせ捨てようと思ってたものだし」

P「それでは預かる」

加蓮「よろしく~」

幸子「壊れたものですか? ないです」

P「即答だね」

幸子「カワイイボクが物を壊すわけないじゃないですか。ドッキリ企画で壊されたものならたくさんあります」

P「何かな?」

幸子「ドッキリカメラで壊されたプライベート用のスマホに、仕事用のスマホ。それと腕時計に自転車に……あと50個は言えます」

P「ずいぶん壊されたな」

幸子「あれも一応仕事ですが少しは残念な頭で考えてほしいものですよ、まったく」

P「それには同意する」

幸子「この中から厳選するなら……」

P「それ以上壊れてもいいものを条件にいれてくれ」

幸子「それなら腕時計ですね。これは特にヴィンテージものと言うわけでも思い出の品というわけでもない、ボクお気に入りのメーカーってだけですので。高いものでもないですから」

P「預かる」

幸子「後学のために分解しようかと思ってましたが直るかもしれないならそれに越したことはありません」

P「それじゃ」

幸子「待ってください。もしかして一方的に頼み事をしておしまいですか?」

P「何かしてほしいことでも?」

幸子「カワイイボクのリハビリに付き合わせてあげます! 二日後でどうですか!?」

P「先約がある」

幸子「……では三日後で」

P「予定にいれておく」

美由紀「壊れたもの? なんだろ~」

P「機械類でそれ以上壊れて使えなくなってもいいってものね」

美由紀「う~ん……あ、あったよ! えっと……はい!」

P「目覚まし時計か」

美由紀「家で使ってたのだよ! でもこっち来てしばらくしたら壊れちゃって……」

P「預かろう」

美由紀「壊れちゃったらお疲れ様するから大丈夫だよ」

P「その用意はしておこう」

美由紀「あっ、シャンプーありがとう!」

P「詰め替え用はシャワー室の低い戸棚に入ってるからそこのを使って。それじゃ」

美由紀「今度薫ちゃんと一緒に入ろーね」

P「覚えとく」

歌鈴「こ、壊れもにょっ……! ものですか?」

P「機械類でそれ以上壊れてもいいものを探してる。何かあるかな?」

歌鈴「実家の神社になら処分前のお祓い待ちのものがたくさんありもす……ます」

P「道明寺さん個人の所有物では?」

歌鈴「あるにはあるんですけど……」

P「出しにくいもの?」

歌鈴「えっと……実は実家から持ってきたものなので……」

P「神社関係のものか」

歌鈴「といえばそうですがそうじゃないといえばそうじゃないもので……」

P「何?」

歌鈴「……掃除機です。私こう見えて軽度の潔癖症らしくて……実家の部屋でよく使ってた小型掃除機を持ってきたんですけど、転けた拍子にぶつけたらしくて異音がしてて……正直開けるのが怖くて」

P「よし、預かろう」

歌鈴「えっと、よろしくお願いします。あっ、もし壊れてその時はその時なので……えっと、気にしにゃ、しないでくどさい……ください」

P「その時は新しく買い直すよ」

ほたる「……人生」

P「機械類でそれ以上壊れてもいいもの」

ほたる「あ……機械ですか……奇怪ではなく機械ですか……アハハ」

P「そんなに落ち込んでどうした」

ほたる「この前パフェを食べに行ったんです。各地の美味しいサクランボがいっぱい乗ったパフェ……それでパフェが来ていざ食べようとなったとき……おばさんがテーブルにぶつかったんです。それでサクランボが地面さんとハグ……楽しみにしてたのに……」

P「災難だな」

ほたる「それだけじゃなくて、代わりに注文したモンブランも……美味しそうでした。フワフワのクリームにあの渦巻き……アレ何て言うんでしょうね……ハァ…………あ、話がずれちゃいましたね。そしてぷっくりとした大きなクリ……周りの蜜がほどよさそうで…………私ってまず好きなものから食べるんです……後でダメになるといけないので……」

P「それから?」

ほたる「まずはクリを口にいれました。歯応えがあってフワッとした感触がありました……口の中に広がるクリの風味、周りにまとった蜜の甘さ……そして苦味。いいですか? 苦味ですよ? 少しダメになった牡蠣の味がしました……なにかゴムを噛んでるようなグニュッグニュッとした感触…………虫でした。知ってますか? あの虫、クリシギゾウムシっていうんです…………昆虫食のグルメレポーターにでもなろうかな……」

P「今度きちんと食べに行こう」

ほたる「それもそれで不幸です……フフ。あ、それで壊れたものですよね? まぁ、私の持ち物なんて壊れる定めにあるんですけどね……えっとどうしよう……あ、それじゃあこれお願いします」

P「仕事用のガラケーか」

ほたる「最初のうちはスマホが支給されてました。けど、紛失に破損にと繰り返していくうちにガラケーに……行き着く先は簡単ケータイですね」

P「これは預かろう」

ほたる「よろしくお願いします……もう簡単ケータイさえ渡されなくなって狼煙あげることになりそう……いえ必ずそうなります」

P「疲れたらこっちに来なね」

ほたる「それもそれでやっぱり不運です……ハァ」

あい「壊れたもの、か」

P「それ以上壊れてもいいものを条件にいれてください」

あい「敢えていうならば車だ。ここのところエンジンの調子が悪いみたいで困ってる」

P「出来れば簡単な機械類でお願いします」

あい「車以外となると……あった」

P「なんですか?」

あい「カーステレオだ。ここのところそれの調子も悪くて困っている。時間を有効に使うためにサンプラーを聴いてるんだが揺れると音が飛んでしまって困る」

P「預かります」

あい「後で法外な値段を吹っ掛けないでくれよ?」

P「そんなことはしません」

あい「直ったら一緒にドライブでもどうかな?テストも兼ねて乗るのも預かった責任というものだと私は思う」

P「時間があればそうします」

あい「作ってくれると嬉しい。さて、私も仕事に向かおう」

晶葉「──出来た」

未央「えっ、早!」

池袋P「お疲れ」

晶葉「私は戻る」

池袋P「おーう。それでどう?」

未央「オー、スゴい! 動いてる」

まゆ「よかった♪」

未央「これ商売出来るよ!」

池袋P「なる?」

未央「あ、ライブでやればいいんじゃないかな!?」

まゆ「ライブで? どういうことですか?」

未央「公開生修理やってお客さんに見てもらうんだって。そうすれば絶対集まる!」

池袋P「いやいやそれは」

まゆ「いいかも。ナイス未央ちゃん♪」

未央「フッフッフー、もっと頼ってくれたまえ!」

まゆ「未央ちゃんは企画もやったんでしたっけ?」

未央「プロジェクト内でだけどね。いやぁあの時は燃えたなぁ」

池袋P「そうなのか……考えておく」

未央「困ったらおまかせ!」

池袋P「…………」

晶葉「……ひとつ聞きたいのだが」

未央「あっ、アッキー!」

晶葉「な、なんだ?」

未央「あのさあのさ!」

池袋P「晶葉これも頼む」

晶葉「むっ、追加分だな。やっておこう」

未央「あ、あれ?」

池袋P「すみません。本人にはまだ秘密で」

未央「サプライズだね! ナイスアイディア!」

池袋P「でしょ?」

まゆ「それでは私達はもう失礼します。行きましょ未央ちゃん」

未央「アッキーありがとねー!」

まゆ「──ただいま戻りましたぁ」

P「お帰り」

薫「お帰りー!」

晴「うっす」

まゆ「これからおでかけ?」

薫「晴ちゃんとサッカーするの!」

晴「教えるのは得意じゃねぇけどな」

まゆ「大人は誰かいるの?」

晴「太ま……奈緒とあいさんがいる。つっても奈緒は途中まで送ってもらうんで一緒らしいけどな」

あい「二人とも車の準備が出来た。乗るといい」

P「お願いします」

あい「うん、責任をもって預かろう。それとお帰り」

まゆ「二人をお願いします♪」

晴「おーいまだかー! ん、なんだよ奈緒そのバッグ」

奈緒「な、なんでもいいだろ!」

あい「さぁ、ここで話していたら日が暮れてしまう。行こう」

まゆ「……準備できました?」

P「万端だ」

まゆ「こっちもです。場所は小さなライブハウスです。場所のことは未央ちゃんは知りません」

P「わかった」

まゆ「楽しみですね♪ あ、未央ちゃんは今日は家からこっちに運ぶものを選びに家に帰りました」

P「そうか」

まゆ「未央ちゃんが引っ越してきたら、色んな意味で一段と楽しくなりそうですね♪」

P「そうだね」

まゆ「お夕飯の準備して待ってましょう──」

晶葉「すまない。今なんと言った?」

池袋P「ライブをやるぞ」

晶葉「それはわかった。ライブだな。それでいつだって?」

池袋P「今日だ」

晶葉「気でも狂ったか?」

池袋P「いたって正常だ」

晶葉「曲は何をやる? セットリストは? ダンスは?」

池袋P「いつも練習してるのがある。それにこれはミニライブだ。本格的なライブとは違う」

晶葉「物になると?」

池袋P「小さなライブハウスでのライブといってもそれなりに入る」

晶葉「それならやらないこともないが……」

池袋P「修理の件か? 放っておけ放っておけ」

晶葉「とにかく今やっているのを終える」

池袋P「まぁ午後からだからゆっくりやれよ」

晶葉「そうさせてもらう」

池袋P「フッ」

晶葉「──あの時の不適な笑み……気になるが仕方ない。さて、会場はここだな」

スタッフ「いらっしゃい」

晶葉「ここのスタッフだな? 今日予約を入れてある池袋だ」

スタッフ「池袋……? あぁ、池袋様でしたかいつもありがとうございます」

晶葉「いつも? なにか引っ掛かるな」

スタッフ「ついて早々で悪いのですが会場の方に直行してくれないでしょうか?」

晶葉「準備する時間もないのか……」

スタッフ「5分くらいなら大丈夫です。ささっ、早く」

晶葉「今のスタッフ……やけに小柄だったが…………まぁいい。この天才には関係のないことだ」

スタッフ「メイク道具は自前のものかそこにあるものをお使いください」

晶葉「あまりライブハウスというもの知らないがさすがにこれはひどいんじゃないか?」

スタッフ「どこもこんなもんですよ」

晶葉「ッ! そこにいたのか」

スタッフ「それではそとにいますのでご用の際はきがねなく」

晶葉「あぁ──」

晶葉「待たせた。さぁ、行こう!」

スタッフ「ついてきてください。足元暗いので気をつけて」

晶葉「本当に暗いな……」

スタッフ「会場はこの先です。私はここまで」

晶葉「ありがとう」

晶葉「さて、ぶっつけ本番みたいなライブだが成功させよう」

晶葉「これもなにも資金のため」

晶葉「さぁ、いくか」

晶葉「みんなー!」

晶葉「ムッ、暗いな……これも演出の一部か?」

晶葉「何かが置いてある。これは……靴か。このタイプは見たことあるぞ。たしか踵部分が光る……光らないな。となると直すべきはこの踵部分か」

晶葉「フフフ、天才の腕見せてやる!」

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晶葉「これはバッテリーを交換してしっかりと固定すれば……よしっ」

晶葉「左もやっておこう。終わったはいいがどこの箱にいれれば……あれか」

晶葉「これだけで終わり……なわけはないな。まだまだありそうだ。それにしてもこのステージはどのくらいの広さなのだろうか。暗い上に静かだをあまり動き回らないのが賢明か」

晶葉「次は……あっちか。スーっとライトを当てていくなんて憎い演出をする。しかし、見た限りでは工具は見当たらない。ここのを持っていくとしよう」

晶葉「次は古いゲームの本体。この天才も持っていたがやる人がいなくてお蔵入りしているな。今度、引っ張り出すか。さて、これは何が問題なんだ……」


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晶葉「分解しないことにはわからないな。医学の世界では、外は健康でもいざ中を開いてみたらということも多々あると言うからな」

晶葉「暗い中での分解はパーツを損なう恐れがあるが……まぁなんだ、自分のものじゃないから気楽なものだ。しかし、症状が書いてないとはなんともはや……お」

晶葉「基盤にダメージがいってるな。上から何か強い力で押された跡がある。小学生が持ち主だったのか、それとも近くにいて被害にあったか」

晶葉「……これでよし。箱は……あった。ご丁寧にプチプチまで用意してある。これに包めということか。配達員にでもなった気分だ」

晶葉「ン? 90……9? 小さくて見えにくいがあの数字はなんだ? あっ、消えた」

晶葉「不気味だな。しかし気にしてるヒマはない。箱に積めたら蓋をして離れて……さっきも思ったがいったいどこから見てるんだろうか。ストーカーでもされている気分だ」

晶葉「次の明かりは……何もないところを照らしてるな。あれは……ついてこいということなのか? やはりここはそれなりの広さがあるようだ。本当に小さなとこなのか?」

晶葉「次は……一気に偏差値が下がったような気がする……いや逆か? 女子力が高まったとでも言えばいいのか」

晶葉「歯ブラシ……にしてはブラシの部分がない。代わりにツルツルした板がついている。これは……爪磨きか? 女子力が高いな。天才には縁遠い言葉だ。さぁ、コイツは何が問題なんだか」


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晶葉「例によって何もないところから探さなければいけない、と。こういう物は使ったことがないがブラシ部分の問題ではないな。とすると本体か」

晶葉「さっきより更に小さなネジでとまってるな。っぐ、ふぅ。まずはバッテリーだ。劣化していたらこれが原因…………なのだが問題はない」

晶葉「バッテリーじゃないとすると歯車か? だが歯車らしきものはなし。直に振動させるタイプか」

晶葉「最後はモーター。これまたこの暗い中での作業。本当にそれなり以上の給与をもらっていないと割に合わない」

晶葉「おっと、モーターだったな。モーター、モーター……思った通りパワー不足か。パワー不足で物足りなかったのだろう。ここはこの天才が一つ手を貸して………………よしっ」

晶葉「箱は……なんだこのデコレーションされた箱は……頭悪そうなこのデザイン…………まぁいいか」

晶葉「例によって例の如くライトが……今度は急かすように2回点滅して次に移っている。街の街灯みたいだ。なにやら少しざわめいてる気がする」

晶葉「さてさて次は……腕時計だと?」


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晶葉「腕時計は細かくて苦手なんだ。しかもアナログ式だ……一人でやるには骨だぞ」

晶葉「まずは……専用の虫眼鏡がないだと? こういうものには用意しておくべきではな……クソッ! これだから凡人は……! まぁいいこのままやるしかない」

晶葉「アナログ式といっても動力は電池。ここが壊れてる可能性も大いにある。ここが原因で調子が悪いなら時計用ルーペが用意されていないのも頷ける」

晶葉「…………特に問題なし。中に進んでいくしかない。歯車をどかして……アァ! どこかに落ちた! 誰か明かりを……!」

晶葉「……誰もいないだと? これ以上壊すのはプライドが許さない。やめよう。次を見ることも重要だ、うん」

晶葉「さて、私の未来に導くのは……目覚まし時計だと!?」

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晶葉「時計は苦手なんだ! あぁもう!」

晶葉「とりあえず裏を外して……ン? よく見ればアナログ式じゃなくてデジタル式じゃないか。これなら……!」

晶葉「勝った気になるのはまだ早い。まずは裏ぶたを外して……典型的なデジタル式だ。良かった」

晶葉「表示されてないところを見るに電池か? とりあえず外して……電池ではない。もう1段階行こう。配線は……切れてる。劣化だな。交換するにしても物がない。待てよ……」

晶葉「こっちの配線を……よしいける──」

晶葉「ふぅ、天才にかかればこんなものか」

晶葉「一時はどうなることかと思ったがどうにかなるんだな。この調子でやっていこう。もっとも、この後があるかどうかわからないが……」

晶葉「うわっ! なんだ?」

男性「アキハチャーン!」

ファン「アキハー!!!」

晶葉「ひっ! な、なんだ!?」

池袋P『ガンバレー晶葉』

晶葉「この声は……! どこから!?」

池袋P『端についてるスピーカーからだ。それよりどうだ居心地は?』

晶葉「どうもこうもない。ガラスケースに入れられてる人形の気分だ。い、今すぐ出してくれ」

池袋P『まあまあそれでガンバレ。今少しだけ照明落とすな。これでどうだ?』

晶葉「どういうことだこれは」

池袋P『君がそのなかでやることで収入が増えるんだから別にいいだろ。つか、アイドルなんだから見られるのが仕事だ。とにかくがんば……』

晶葉「言い終わらないうちに自分で切るな! 仕方ない。続けよう」

晶葉「次は……掃除機か」


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緊張 1(コンマに+05)

晶葉「掃除機もやることは変わらないな。まずはバッテリーを……外せない。メーカー以外には外せないようになってる……」

晶葉「無理やり外すわけにもいかないか。バッテリーを避けて蓋を外して基盤を……なっ、ゴホッゴホッ、ゲホッ! なんだこれは!? カビかゲホ!」

晶葉「これ以上触れないな……ラボならどうにか出来るかもしれんがここでは……諦めるしかない。そもそも買い換えを進めるレベルだ。よほど貧乏性なのか? まぁいい、次だ」

晶葉「次は…………ガラケー?」


コンマ判定
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緊張 1(-05)

晶葉「ガラケーとは珍しい。裏にシールが貼ってあるな。社176? 社内ケータイか」

晶葉「これを修理に出すなんてよほど貧乏なのか。人のことは言えないが切羽詰まっている人もいるな……」

晶葉「さて、これはどこが悪いんだ? 液晶は割れてない。通話は確認できないが恐らく大丈夫だ。メールも確認できないが大丈夫」

晶葉「バッテリーも膨らんでない。そうすると問題は中身だな。プログラムは専門外だから省くとして……ンン? 水滴?」

晶葉「待てよ……よく見れば下に紙があった。なになに…………なるほど。これならこのまま乾かしておけばいい。よし、これで解決だ。ホコリには気を付けておこう」

晶葉「フフフ、天才の手にかかればこの程度造作もない。残るはいくつだ?」

晶葉「次は……なんだこの箱は? 黒いぞ。どこかで見たような……カーステレオか!」


コンマ判定
下1
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ゾロ目回数 1(99)
緊張 1(-05)

晶葉「車のことには詳しくないがこれは骨が折れるぞ」

池袋P『よぅ晶葉』

晶葉「ッ!? 驚かさないでくれ!」

池袋P『なにビビってん? それよりそれ直せたらボーナス出るからガンバってくれ!』

晶葉「なんだと? 聞いてないぞ。そういうことはもっと早くからいってくれ。こっちにも心の……」

池袋P『言ってなかったか? まっ、いいや。んじゃよろしく!』

晶葉「どのくらいのボーナスなんだろうか? それにしてもボーナスか。尚更、失敗するわけにはいかなくなったか」

晶葉「まずは傷をつけないように外装を剥がして……CDがつまってるってことは……ない」

晶葉「次は更に剥がして中を見るとしよう。どう止まってるんだこれは……よし外れた」

晶葉「明かりがいるな。スマホの明かりを使っ……しまった。ないな。このままやるか」

晶葉「奥になにか箱があるな。シールが貼ってあるな。ネジでとまってるようだが……外してっと……」

男性「アキハーガンバレー!」

晶葉「ッ!!? あがッ!!!」

池袋P「──これでボーナス入れば事務所は安泰だ。これを踏み台にプロダクション上がりといくか」

池袋P「にしてもあの電工掲示板の数字なんだ?」

池袋P「ま、どうでもいいか。ボーナス入ったらなにしよう。まずはなんか食うか。それからーン?」

池袋P「ステージが騒がしいな。見てきてみるか……ダリぃ」

池袋P「ステージに人だかり? おい! ステージにあがらないで! オイッ! 聞こえてんの、ッ!?」

未央「──うーっす!」

みく「おいっすにゃん」

まゆ「おはようございます」

未央「あ、まゆちゃん。ライブどうだったって?」

まゆ「それが開催しなかったらしいの」

未央「え?」

まゆ「なんでも前日の深夜に照明が落ちて破損してステージが使えなくなったらしくて」

未央「マジ!? 怪我人は!?」

まゆ「深夜だったし、朝一で見つけて対処したから怪我人はいないみたい」

未央「よかった。連絡はとれた?」

まゆ「忙しいらしくて連絡取れないの」

未央「へあ~大変……私の時もそうだったのかな?」

みく「未央チャン、その話はなしにゃ」

未央「あ、ごめん。でもダメだったかぁ。いいと思ったんだけどなぁ。あ、それじゃちょっと行ってくる」

みく「どこへ?」

未央「未央ちゃんはこう見えても引っ張りだこなのだ」

まゆ「行ってらっしゃい」

みく「さっさといくにゃ~」

未央「みくにゃんひどい!」

みく「くあ~」

未央「あ、やばっ、バス来る!? それじゃ!」

まゆ「さてと、私もお仕事に……」

みく「ねぇまゆちゃん」

まゆ「はい?」

みく「今さっきの嘘だよね?」

まゆ「どうでしょう」

みく「みく、そんなに頭よくないけど人を見る目はあるの。今さっきのまゆちゃんは嘘ついてた。なんで?」

まゆ「そう、照明が落ちたって言うのは嘘。それに怪我人が出なかったのも嘘」

みく「やっぱり。それでなんで隠したの?」

まゆ「自分が企画したもので怪我人が出たなんて知ったら未央ちゃんどう思うかしら」

みく「……えい、ネコパンチ」

まゆ「何?」

みく「今のは悪いまゆちゃんへのおしおき」

まゆ「とても痛かったわ」

みく「それとこれからはみくも仲間に入れること。一人は寂しいもん」

まゆ「みくちゃん……」

みく「あ、でもPチャンとのお風呂はいやにゃ」

まゆ「それが入団条件よ?」

みく「脱退にゃ」

まゆ「今ならお肉もついてくるわ」

みく「ぬぐぐ……!」

P「──どうぞ」

美由紀「直ってる! スゴーい!」

P「良かったな」

美由紀「これで明日から起きられる! ありがとー!」

P「寝坊しないようにな」

幸子「ずいぶんご機嫌ですね」

P「昔から使ってるものだからね。うれしいんだろう」

幸子「それでボクのは直らなかった、と」

P「よくわかったね」

幸子「ボクくらいになれば雰囲気でわかります。ボクは賢カワイイですからね。壊れてもいいという条件付きでしたので後悔はしてませんけどね。値段もそれなり程度ですから。ボクは寛容ですからね」

P「その寛容さに助かったよ」

幸子「それじゃボクはこれで失礼します。小梅さん達が待っていますので」

P「慣れてきた?」

幸子「誰かは知りませんが増えましたけどね。あの机の下にいる人はなんですか?」

P「無害」

幸子「わざわざ触ろうとしませんよ。それじゃボクは帰ります」

あい「……今のは幸子君か」

P「入れ違いですね」

あい「少し仕事に時間をとられた。すまなかった」

P「不安定な職業ですからね。収録に手間取るときもあります」

あい「それで私に用事とは?」

P「カーステレオのことです。直せませんでした」

あい「そうか。こちらも承諾した身だ。なにも言わない。まぁ、あれが彼の寿命だったんだ」

P「名前までつけてたんですね」

あい「私が選んだ車だからな。そこにどんな気持ちがあったにせよ。愛着はある。それにいいんだ。実は新しいものを見つけたんだ。いつまでも調子の悪いものを入れていても体に悪いだけだ」

P「そういうところ好きですよ」

あい「うん、ありがとう。さて、本題に入ろう。ここに呼んだのはもうひとつあるからだがそこにはいかなくても? このまま感動的に終わらせるか?」

P「もちろん連れていってもらいます」

あい「もういこう──」

あい「…………」

P「緊張の面持ちですがどうしました?」

あい「運転に慣れていなくてね。すまない」

P「それとは別のことがありそうですね」

あい「気になることは色々とある。しかし、それは今は問わない。ただ一つだけ聞きたい。なぜ私を選んだ?」

P「車があるからです」

あい「古い言い方をするならばアッシーというものか」

P「もちろんそれだけじゃありません。今から事務所に向かうのにあなたを選んだのには理由があります」

あい「今は渋滞の信号待ちだ。聞かせてもらおうかな」

P「オレ単体でいくと入れないですから。それだけなら他の人でもいいんですが、中に入って調べるものがあるんですよ」

あい「私に足止めをしろ。そういうわけだな?」

P「足止めというか事務所から出た後の事を考えてのことです。もし誰かに見られてもあなたといれば記憶に残るのは東郷さんですから。それにあなたが悪いことをするなんて誰も思いません。勿論片棒を担がせる気もない」

あい「出す」

P「発進するときに一々言いますね、それ」

あい「自分に言い聞かせてるだけだ」

P「悪いことじゃありませんよ」

あい「…………」

P「…………」

あい「……今日は混んでるな」

P「毎週どこかしらでライブですからね。その影響でしょう」

あい「なるほど。それで私は具体的に何をすればいい」

P「ドアの前で見張っててください。こっちは中の"清掃"をしてきますので。池袋晶葉の担当プロデューサーが来たら足止めしておいてください。手段は任せます」

あい「わかった──」

あい『しかし……』

P「どうしました?」

あい『自分がこんなことをやるなんてアイドルになった頃には考えもしなかった』

P「オレもですよ。アイドルにはなってませんけど」

あい『小さな頃は少し憧れたものだがまさか』

P「そういうのに憧れるんですね」

あい『私も普通の子供だったんだ。なんだと思っているんだ?』

P「カッコいい女性」

あい『やめてくれ。くすぐったい。それに私は別にそういうのじゃないとわかってるだろ?』

P「そっちの様子はどうですか?」

あい『変わりなしだ。アイドル事務所にしては簡素というか……』

P「イメージは華やかなだけにギャップが凄いですよね。特にうちのプロダクションは華やかな芸能関係ですし」

あい『こんな事務所もいいかもしれないな。こじんまりした少人数制』

P「ここには……ない。そこに地図ありますか?」

あい『すぐ後ろにある。何が知りたい?』

P「奥の通路の先に表記は?」

あい『奥の通路? どこにも奥に通路はない』

P「消したのか。賢明だな。ありがとうございます」

あい『奥に何かあるのかい?』

P「誰にも知られたくない秘所ですよ」

あい『淫靡な響きだな』

P「秘密基地に興味を持ったことは?」

あい『子供の頃に少し』

P「誰でも持つものですね」

あい『ここにあると? 秘密でもなんでもないような気がするのは気のせいかな?』

P「信頼する人と共有すれば大丈夫です」

あい『晶葉くんはそれをしていると?』

P「そうであり、そうでない状態ですがね」

あい『意味がわからない。その奥にはなにがあるんだ?』

P「女子更衣室ですよ」

あい『それは直接的に女子更衣室なのかい? それとも比喩表現かな?』

P「女子更衣室の場所を地図にかかないところは増えてきましたよ。特にうちみたいなところは。まぁ、内部の反抗があるから意味はないですがね」

あい『さっきから私と話しているが探し物は見つかったかな?』

P「世の中は狭いですからね。見つかりましたよ。ありがとうございます」

あい『そうか、それは……ムッ』

P「どうかしましたか?」

あい『人が来た』

池袋P「うちになにか用ですか?」

あい「晶葉くんはいるかな?」

池袋P「……今はいませんけど」

あい「そうか……」

池袋P「晶葉に何か用事ですか?」

あい「晶葉くんの噂は聞き及んでいる。なので修理を頼みたいものがあったのだが……アポなしは虫のいい話、いや失礼だったな」

池袋P「あなたは?」

あい「私は晶葉くんと同じくアイドルだ。まぁ、そう売れてはいないが。訪問の身で失礼だがキミは?」

池袋P「晶葉のプロデューサーです」

あい「そうだったのか。そうとも知らず失礼した」

池袋P「別にそれはいいですけど、あれでしたら晶葉に渡しておきますよ」

あい「こういうことは手違いがあるといけない。直接渡すに限る」

池袋P「いつ帰ってくるかわかりませんよ?」

あい「その時はその時だ。それにしてもフム……」

池袋P「なんですかジロジロ見て」

あい「あぁ、すまない。言われてみればたしかにプロデューサーだと思って」

池袋P「というと?」

あい「人の噂はあてにならないということだ。実はさっきここに来た人がプロデューサーかと思って声をかけてしまって恥ずかしい思いをしてしまったのでね」

池袋P「さっき来た人? ここにはオレと晶葉しかいませんけど?」

あい「その人というのがビルの清掃員だった。今も中を掃除している」

池袋P「頼んだ覚えないけど……晶葉が頼んだのか?」

?「お疲れ様です……」

池袋P「ん、あぁお疲れ様です」

あい「彼だ。先程はすまなかった」

?「いえ……」

あい「それでは私はこれで失礼する。また来ることもあるかもしれないがその時はよろしく」

池袋P「あ、あはい」

あい「それでは失礼する」

池袋P「なんだったんだ? あっと、それどころじゃなかった。支度しなきゃな」

P「──お待たせしました」

あい「思い出に耽っていたらあっという間だ。それよりさっきは清掃員だったのにいつの間に着替えたんだい」

P「気崩しただけですよ。事務所を出るときはボタンを留めて襟をなるべく正す。しばらく歩いて第二ボタンまで外して襟を崩す。次に袖を捲る、ボタンを外す、そして最後に小汚ないタオルを出せば完成です」

あい「だからこの距離というわけか」

P「そしてツナギの便利なところは上下一セットなので下に着替えを着ていても直ぐに着替えられる点です。失礼します」

あい「小言かもしれないが一応私も女性なんだ。心の準備くらいさせてほしい」

P「そういうかと思ってお礼にこれを買ってきました」

あい「ホットのオレンジジュース? 飲めるのかい?」

P「美味しいですよ」

あい「まぁいいさ。ところで事務所の中はどうなっていたか教えてほしい。それくらいはいいだろう?」

P「かなり簡素になってました」

あい「前は豪華だったとでも言いたそうな口振りのように感じるが?」

P「前もそんなに豪華ではありませんでした。極々、イメージ通りの事務所ですよ。それが更に質素になったと考えてくれればいいです」

あい「なるほど。それで中で何をしていたのかは教えてくれるか?」

P「池袋晶葉の秘密ですよ」

あい「秘密?」

P「信頼の証とも言います。彼女が信頼した人にしか見せないものです」

あい「だから秘密というわけだな。それはなんだ? ロボットかなにかなのか?」

P「そうです。極秘ロボです」

あい「それでなぜキミは知っているんだ?」

P「職業柄ですよ。重要なのはオレがなぜ知ってるかではなく、担当プロデューサーが知ってるかですよ」

あい「それも気になる。知ってるのかい?」

P「知りませんよ」

あい「担当プロデューサーはつまるところ信頼されてないというわけか。それで、そこに乗せてあるトランペットケースに秘密が入ってるというわけか」

P「そうです」

あい「……先程の発言と矛盾するが、私は人の秘部を積極的に覗きたいとは思わないから安心してほしい」

P「その言葉信じます──」

晶葉「……ここは……どこだ?」

晶葉「……思い出した……私は……」

晶葉「ライブで緊張してしまい……手元が狂って高電圧部品に……」

晶葉「倒れたときに頭をぶつけたのか……こんな包帯の巻き方初めての体験だ」

晶葉「あれからどのくらい……スマホは……ダメだ……手元にない。そうなるとテレビしかないが……たしかあのチャンネルは曜日まで書いてあったはず…………なに!?」

晶葉「2日……!? そんなに寝ていたのか!?」

晶葉「2日も寝てるとなると修理が滞ってるどころの騒ぎではない。とにかく早く戻らなきゃ」

晶葉「プロデューサーにする言い訳を考えなくて済むのは手間いらずで助かるが試作品を試す機会がなくなってしまう」

晶葉「来週からアイドルの祭典という絶好の機会があるんだ。この機を逃す手はない。なにせただで実験ができるんだ」

晶葉「レッスンよりもライブよりもトークバトルよりなによりも儲けを出せる機会だ! まずは事務所に戻らなければならない!」

晶葉「こうしてはいられない。退院の手続きを済ませなければ……」

晶葉「無事退院手続きも済んだ。天才にかかれば容易いことだ、フフフ。さて、プロデューサーに手伝ってもらわなければ。猫の手も借りたいとはこの事だ」

晶葉「それにしてもなにやら寒いな。機械類が置いてあるにしても寒すぎる。夏だったらこの風が心地よいかもしれないが今は……」

晶葉「ん? 案の定というかなんというか扉が開きっぱなしだ。不用心にも程がある。この天才の発明が盗まれたらどうする気だ。あとで説教だ」

晶葉「プロデューサー! 手伝ってほしいことがあるのだが……ン?」

晶葉「なんだいないのか。机の上がきれいに片付いているが心でも入れ換えたのか? 来週からアイドルの祭典だからわからなくもないが……」

晶葉「ホワイトボードまできれいに消されてる。それほど気合いが入ったのか?」

晶葉「決して広いところとは言えないがそれでも片付いたのがわかるくらいだ。やはり心を入れ替え……」

晶葉「ホワイトボードに何かが貼ってある。何々……『晶葉へ。オレがいなくてもお前なら十分やっていける。だからオレはいなくなる。心配するな。土産にこの事務所を残していく。オレからの餞別だ』か」

晶葉「要するに力不足によるプロデュース不可に陥ったというわけか。予想はしていたことだがこうも単純だとは……もう一枚あるみたいだな」

晶葉「どこにも何も書いてないぞ? 白紙をプリントしたのか?」

晶葉「あのプロデューサーはそそっかしいところがある。あれは改善させなければ。今となっては遅いことだが……まぁ自分の城が出来たと思えば、楽しいことに違いない」

晶葉「狂気のマッドサイエンティスになるのもいいかもしれないぞ。ますます夢が広がる。手始めにウサちゃんロボを改造して……ンン?」

晶葉「おっと、裏の下の方に書いてあった。なになに……『後ろを見ろ』? 後……んッ!?」

?「♪」

晶葉「ンー! んんー! んーんー!!」

?「お・し・ず・か・に♪」

晶葉「んんーんー! ンーンー! ンー……ん……ン……」

?「おやすみ晶葉ちゃん──」

晶葉「ここは……頭が痛い」

晶葉「私は……どこなんだここは……」

晶葉「混乱する……場所の確認を……」

晶葉「周りにあるのは……工具か?」

晶葉「いや、これは……私の……いつも使ってる工具だ。なんでこんなところに」

晶葉「そもそもここは…………私のラボじゃないか。意識が遠退いて、いやあれはモウロウとして……意識がモウロウとして歩いてきた?」

晶葉「そしてそこで力尽き倒れた……? ここの場所を知る人は……私以外にいないはず」

晶葉「ダメだ。あれ以降記憶が曖昧だ……天才が頭脳をやられては良いとこなしだな」

晶葉「とにかく医者に…………ん? おかしいな。立て付けはそんなに悪くはないはずだが……ンォッ! クッ! 開かない……」

晶葉「なにかこじ開けられるものは……薄暗くてよく見えないな。たしかライトが……あぁいやウサちゃんロボ58号がライト機能を持っていたな。たしかここに……」

晶葉「おーいロボー。おーい……しまった。58号には費用の都合上呼び出し機能をつけてなかったな」

晶葉「地道に探すしかない。たしかゴミ箱ロボの隣に…………あった。しかしウサミンの謎を解明しようと送り込んだ機体もあったな。なんでか懐かしく感じる。失敗に終わったが……」

晶葉「さて、ライトの他にはたしか……あった。ピッキング機能もつけていたな。これでカギを開ければここから脱出出来る」

晶葉「脱出というほどの事ではないが。さぁいけウサちゃんロボ!」

晶葉「この間に私は何をしよう。待っている間はヒマになる。う~ん……おお、そうだ。修理をしよう。幸いなことにガラクタはたくさんある」

晶葉「……………………」

晶葉「おっとそうだ。さっきの紙をよく読んでおかないと。まだなにか細かく書いてあったな……フム」

晶葉「フムフム……レンタイ保……なんだこれは? よくわからない言葉だ。何かの用語なのか? 少なくとも工学系ではないのはたしかだが……ネットで調べてみよう」

晶葉「連なる……えっと……帯……証……ン? しまった、固まった……この前修理したばかりなはずだが……? まぁいいか。そんな重要なことでもない」

晶葉「しかしこれからはどうするか。資金繰りを改善したいが修理が入ってこないとなると……やはりアレを直して売るしかないか」

晶葉「直したら分解して義手を作るのもいいかもしれないな。設計図をひいて改良を施し……フフフ、夢が広がる!」

晶葉「おっ、これはゴミ箱ロボ1号。こんなところにいたのか。こっちは水まきロボ。冬場は活躍の場がないからほっぽといたがここにいるとは……」

晶葉「水まきロボのバックパックになにか入ってるな。水は抜いたはずだが……とりあえず出し切らせるか」

晶葉「水か。抜いたはずだがなぜ……ン? オッ、オオ!? 濁った!? いったい何を入れたんだ! とにかく……!」

晶葉「ふぅ……なぜ濁った水が? プロデューサがなにか入れっぱなしだったか? 迷惑なやつだ。カギは……まだ開かないか。こっちはこっちで何かしてるか」

晶葉「とは言ったもののなにをするか。無難に少しずつアレを直していくとするか。それにしても見れば見るほど義手だ」

晶葉「そういえばニュースで見たことがあるかもしれない。アメリカかどっかで作られたとか……しかしなぜこれがあんなところに? 帰国子女が持ち帰った……何てことはないか。しかしなにかを忘れてる気がする」

晶葉「発明品も一度整理しなければいけないな。もうゴミ箱がいっぱいだ。我ながら成功への道のりは遠い」

晶葉「しかしそれもこの極秘ロボを修理して売り込めば……金はもちろん地位も名誉も私のもの」

晶葉「昔はそこまで権力に興味はなかったが権力などと言ってられる年でも状況でもないからな。さて、カギはどうなったかな……」

??「イ……ぃ…………す」

晶葉「ン?」

??「ぃた…………ゎ……」

晶葉「ウサちゃんロボの言語機能に障害でも発生したか? あれは失敗作だったから早めに処分するべきだった。今からでも遅くはない。廃棄しよう」

??「て…………ど……こ」

晶葉「まさか……いやそんなはずはないっ。動けるはずがあるはずない! 意識がないのにどうやって……」

??「ど……ご…………ぅ……」

晶葉「ヒッ! は、這ってるだと……!?」

??「ゎ……しのかぇし……てよ……おぉ」

晶葉「やめろ、来るなっ! おいっ、カギはまだか!」

ウサロボ?「………………」

晶葉「どうした? 聞いてるのか!?」

ウサロボ「ぃた…………ィヨ……」

晶葉「ッ!!」

??「ねぇ……足……足どこ……」

ウサロボ?「ギ……ガッ……ィガ」

?「体……ないの……カラ……ダ」

晶葉「生首ッ! いや、違うこれはロボットだ、これはロボット……!」

??「解体したの……アナタ……」

?「カラダ…………どゴナなの……」

晶葉「来るな……来るなっ……!」

??「カエらなきャ……カエ……アシ……ら……ダ」

ウサロボ?「ギギ……ゴ」

?「カラダ……カらダ……ドコ……ド……コ」

晶葉「あっ……あッ……あ──」

医師「気分はどうだ?」

晶葉「…………」

医師「相変わらず死んだ目か。無理もない。大量の機械に潰されて発見されたんだ」

晶葉「ッ」

医師「足の骨折に顔の打撲に肩の脱臼。暗いところで作業してるからだ」

晶葉「ぁ……ァ……っァ」

医師「これを届けに来た。君宛だ」

晶葉「…………」

医師「死んだ目で無言のまま封筒を開く事のなんと恐ろしいことか。何が届いたか知らないが退散する。また検診の時に来る。それまで大人しく寝ててくれよ」

晶葉「…………」

晶葉「プロデューサーから……か……?」

──「……つきましては今回の諸経費176万円を請求したく筆をとった次第です。利子の方はお互いの付き合いがありますので特別に減額して」

晶葉「ぇ」

──「……となっております。それでは、双方のために今回はここまで。ご健康を祈っております」

晶葉「…………あっ……アッ…………アアアアア……アアアアー!」

P「──ただいま」

まゆ「おかえりなさぁい。どこ行ってたんですか?」

P「池袋晶葉のところだ」

まゆ「あ、そういえば晶葉ちゃん。なにかまた事故に巻き込まれたらしいですけど大丈夫でした?」

P「心配してるのか?」

まゆ「いいえ。ただ、それに貴方が関与してるのかなと思いましてぇ。まゆにも内緒で動いてるから怪しくて♪」

P「道から外れた事だ。心配してくれるのはうれしいが深く関与しないでくれると助かる」

まゆ「はぁい。好奇心は猫をも殺すなんていいますから。にゃお~ん」

P「そうしてくれると助かる」

まゆ「但し、言えることはドンドン言ってください。寂しくなっちゃいます」

P「了解してる」

まゆ「それじゃあこっち来てくださぁい、うふ」

未央「あの佐久間まゆちゃんから呼び出し……とうとう私もモデルデビュー!? それにしてもこの部屋広っ。うちの倍はある」

まゆ「寛いでますかぁ?」

未央「あ、まゆちゃん」

まゆ「お茶飲みます?」

未央「あ、大丈夫。それより話って?」

まゆ「紹介したい人がいるの」

未央「紹介したい人? あっ、もしかしてまゆちゃんのプロデューサー!? うちのプロデューサー曰くイケメンなんだって! ちょっと楽しみ!」

まゆ「はい。とぉっても♪ でも担当プロデューサーじゃありませんけどぉ」

未央「そうなの?」

まゆ「言葉にするより見た方が早いわ。Pさぁ~ん」

P「前置きが長い」

未央「アー!」

まゆ「どうしたの?」

未央「アンタはー!」

P「こうしては初対面だよね」

未央「ハイ。ちょっと言ってみたかっただけだったりして。それで誰?」

まゆ「まゆの旦……」

P「ここの部屋の借り主だと思ってくれればいい」

未央「なるほど。あ、私、本田未央! よろしくお願いします!」

P「見ての通りここには他にもアイドルがいる。それは認識してるね?」

未央「あ、ここのことなら言わないよ。まゆちゃんに釘刺されたもん」

まゆ「刺しちゃいました♪」

P「それならいい。それで一つ話がある」

未央「話?」

P「家賃について」

未央「うっ、世知辛い話……!」

P「みんなには片手払ってもらってるけどそれでどうかな?」

未央「五万円?」

P「そう」

未央「ぶっちゃけ家賃として高いか安いかわかんないけど……文句言えないよね。紹介してもらったとこだし」

まゆ「かなり安いですよ」

P「現金が用意出来ないなら他の方法で払うことも可能だからね」

未央「貞操の危機……!」

P「それ前川さんもやってたよ。まぁ、そこら辺は要相談ということ」

未央「セクシー担当の未央ちゃんの出番かな?」

まゆ「セクシーといえば未央ちゃん、それで悩んでますよね?」

未央「悩んでるけど……何で知ってるの?」

まゆ「そこでまゆが協力します。はいどうぞ♪」

未央「水着……?」

まゆ「水着です。それを着てお風呂に入りましょう──」

未央「温水プールみたいで楽しかったー!」

まゆ「顔赤いですよぉ? 湯中りしちゃいましたかぁ?」

未央「ちょっと恥ずかしかった……」

P「聞きかじりや独学の知識だけどああいうノリはいいと思うよ。妥協案と逸らし方に問題ありだけど概ね及第点」

未央「ぶっちゃけ弟とお風呂入ってた頃思い出したけどそれとはちょっと違うというかなんというか」

P「次の課題はその違いを見付けていくことだね」

まゆ「今日はもう遅いから寝ましょう」

P「外冷えるから移動するとき気を付けてね」

未央「寂しいからみくにゃんの部屋に行く」

P「寝てるから起こさない方がいい。これからはそういうとこも考えていった方がいい」

未央「あ、そうだよね。なんか課題いっぱい。いよぉーし、明日からガンバるぞぉー!」

まゆ「とりあえず明日は女子寮を案内します。住まないにしろ中を知らないと不自然ですから」

未央「あ、そういえばそうするんだったよね……」

P「興奮のし過ぎで忘れっぽくなってるね」

未央「アハハハ……」

まゆ「それじゃあおやすみなさい」

未央「おやすみ!」

まゆ「未央ちゃん、顔真っ赤でしたね」

P「流石に恥ずかしかったんだろうね」

まゆ「口ではああ言ってても体は……ってところですね」

P「だな。さて、オレ達も寝よう」

まゆ「寝る前に明日からのこと決めません?」

P「疲れたから明日にしたいが後回しには出来ない事だな」

まゆ「まゆの部屋に行きましょ~」

P「あぁ」

まゆ「っという間にまゆの部屋♪」

P「さて、どうするか」

まゆ「もうその話に入っちゃいます?」

P「早く寝たいからね。そっちも疲れてるだろう」

まゆ「少し。それじゃ決めましょう」

P「今回はまゆが決めてくれ」

まゆ「その前に今回のことまとめませんか?」

P「簡単にまとめると、池袋晶葉は入院し退院後も借金返済生活が待っているといったところだ」

まゆ「あ、もしかしてあの99とかって数字は……」

P「まぁ、そういうことだ。さて、決めよう」

まゆ「>>621>>622

>>621
ジュニア(~12歳まで)かティーン(13歳~19歳まで)かアダルト(20歳~)かお願いします

>>622
復讐か救済かをお願いします。復讐の場合、軽くか徹底的かもお願いします

それ以外は安価下

ティーン

救済

まゆ「ティーン層を救済しちゃいます」

P「日和ったか?」

まゆ「そんな意地悪言わないでくださいよぉ~」

P「……これはないな」

まゆ「ないですね」

P「狙いは後で聞くが誰かは具体的に決まってる?」

まゆ「>>624


>>624
モバマスのティーン(13歳~19歳まで)アイドルをお願いします

それ以外または連取は安価下

文香

まゆ「文香さん」

P「鷺沢文香か」

まゆ「ハイ。なんだか同じ臭いを感じたので」

P「同じ臭いを?」

まゆ「アイドルを始めた頃の私に似てるので。なにか悩みがあるみたいな雰囲気がします」

P「胃痛で倒れて以来大きな所での活動は自粛気味だ」

まゆ「Pさんは文香さんに詳しいんですか?」

P「知ってることしか知らないから詳しいかどうかってところだ」

まゆ「詳しいんですね。そんなわけで私には文香さんに対する情報がありません」

P「プロフィール程度は知ってるだろう」

まゆ「名前と生年月日くらいです」

P「つまり今回はオレが読めと?」

まゆ「はぁい♪」

P「本当に急なんだね。まぁいい。それじゃプロフィールのお復習だ」

まゆ「待ってましたぁ♪」

P「合いの手はいらない」

まゆ「はぁ~い」

P「鷺沢文香。読書中のクールな姿が魅力的な長野県出身の19歳文学部生。身長162cm、体重45kg。BMIは17.15。スリーサイズは84・54・81」

まゆ「なんだかもったいない体型ですね」

P「必ずしも活用できるものが来るとは限らないからね。誕生日は10月27日の蠍座。AB型の右利き。趣味は本屋巡りと栞作り」

まゆ「インドアな趣味が私とそっくり」

P「材料を取りによく外にいくぞ」

まゆ「この機会に一つもらおうかしらぁ♪」

P「くれるといいな。さて、詳しくは明日話す。今日はもう寝よう──」

未央「おっはよーう!」

みく「…………」

未央「おやおやぁ~ん? みくにゃんまだ寝てるのぉー?」

みく「…………」

未央「そんなやつはこうだー! あれ!?」

み<「…………」

未央「あっ、これニセモノ!?」

みく「掛かったにゃあ! 仁奈ちゃん今にゃ!」

仁奈「ニワトリの気持ちになるですよ!」

未央「ニワトリにさーれーるー! バタッ」

みく「にゃ~はっはっはっ!」

みちる「グゥ……」

仁奈「起きやがれですみちるおねーさん」

みちる「んむぐ……」

みく「トドみたいにゃ」

まゆ「おはようございまぁす」

未央「あ、おはよう」

仁奈「まゆおねーさんおはよーごぜーます!」

まゆ「おはよう仁奈ちゃん。朝からここにいるの? 珍しいわね」

仁奈「みくおねーさんさそわれたです。ニワトリでごぜーます」

まゆ「ニナトリね♪」

未央「え?」

まゆ「はい?」

未央「あ、ごめん。なんか意外だったから」

みく「起きてみちるチャン」

みちる「んがっ……!」

みく「ダメにゃ。起きない。ところでまゆちゃんなにか用事?」

まゆ「未央ちゃんに用事があって」

未央「え、なになに?」

まゆ「ちょっとこっちへ」

未央「行ってくるね!」

みく「なかなか起きないにゃ……いつもは起きるのに……」

仁奈「叩き起こすですよ!」

鷺沢文香「…………」

鷺沢P「おい……おい文香」

文香「…………」

鷺沢P「オイ!」

文香「……はい?」

鷺沢P「やっと気がついたか。次の仕事入ったぞ」

文香「はい……それで……なんでしょう?」

鷺沢P「今話題のあの本のレビューだ! どうだすごいだろ!」

文香「そう……ですね……」

鷺沢P「なんだまた元気がないのか。ダメだぞ夜更かしなんてしてたら。本の読みすぎだ」

文香「はい……」

鷺沢P「文香も言ってただろう? 書店の仕事は座ってればよかっただろうが、アイドルは座ってればいいわけじゃない。といっても座ってるだけみたいな仕事が多いがな」

文香「……そう……ですね」

鷺沢P「新しい自分に興味があるんだろう? それにプロジェクトクローネに抜擢されたんだからこれからだって」

文香「新しい……自分」

鷺沢P「そう、新しい自分。さぁ、気合いも入ったところで今回もレポート提出のためガンバってくれ。ほれ、ここ置いとくぞ」

文香「はい……」

文香「──たわむれに……母を背負いて……」

奏「ねぇ」

文香「……はい?」

奏「何してるの?」

文香「レポートです……」

奏「レポート? インタビューでもするの?」

文香「いえ……そっちのレポートでは……宿題のようなもの……そう考えていただければ……」

奏「宿題かぁ。私もよく苦労するわ。特に数学」

文香「それに関しては私も……」

奏「ところでその短歌知ってる。石川啄木よね?」

文香「はい……なにを思うでもなく……ただ母親を背負ってみたら……昔とは違って軽くなっていたことから……母親が年を取ったことに気付き……三歩も歩けなくなった……そういう歌です」

奏「ふ~ん」

文香「昔は大きく感じていた母親がこんなに軽くなった……そこに寂しさを感じたのかもしれません……」

奏「なんだか出来た人ね」

文香「はい……しかし……作者自身はそんなことをいう人物ではなかった……と言われています。一説によるとこの歌は妹が書いた……とも言われてます」

奏「知ってる人からしたららしくないってわけね。ところでその音読するのってクセ?」

文香「うるさく感じるのならやめますが……」

奏「あ、ううん。ただ、クセなのかなって思っただけ。それに誰かがいるって実感できるし寂しくないから」

文香「はぁ……?」

奏「なんでもない。そういえば他の人しらない? ここのところ見てなくて」

文香「あり……橘さんなら医務室に……」

奏「別にありすちゃんでいいと思う。そう呼んでるの知ってるし。それでありすちゃんになにがあったの?」

文香「調べものをしていて寝不足……だとか……」

奏「小学生なのに夜更かしなんてね」

文香「あまり体に良くないので……止めるようにいったのですが…………やはり私では効果が薄いようで……」

奏「小学生なんてそういうもの」

文香「よく……ご存じなのですね……」

奏「他人の受け売り」

文香「それでも……すごいと思います。私は……そういった本は読まないので……経験はもちろん……知識さえもなくて……お恥ずかしい限りです」

奏「他の人は?」

文香「他の方は……すみません……」

奏「まぁいつも通り自由にしてるのかもね。それじゃ私、収録いくから」

文香「はい……」

奏「じゃ」

文香「…………さて……作者の心情としては……驚きと──」

P「…………」

美優「お邪魔します」

P「こんにちは。何か用事ですか?」

美優「藍子ちゃんと未央ちゃんと待ち合わせしてるんですけどまだ来てなくて」

P「暇だから来たと」

美優「はい。でも何かお忙しいみたいですね」

P「もらったお茶があるので好きに飲んでください。あ、チャイは飲まないでください」

美優「ありがとうございます。Pさんも飲みますか?」

P「結構です」

美優「あ、わかりました。ところでそれは?」

P「鷺沢さんのやって来た仕事の一覧です」

美優「びっしり書いてますね」

P「細かな仕事が多いですね。主にレビューを書いたり、これから流行るであろう本を選んだり」

美優「それってアイドルのお仕事なんですか……?」

P「仕事は仕事ですがアイドルがやる仕事ではないですね」

美優「私も何度か物を評価させていただいたことはありますがあれはなんというか……」

P「この仕事自体はなんの問題もないですがやらせる人物が違いますね。ある意味プロデューサーは仕事を持ってくるという点で優秀ですが、誰に持ってくるかを考えてない。ただ当てはめればいいと思ってんですよ。無理矢理にでもなんでもやれば出来る、そんな思考です」

美優「仕事を選べる立場にない時期ってあります。あるだけで御の字なんて時期。でも……」

P「彼に恨みはなにもありませんし、優秀な人は好きですが常務を増やすわけにはいきませんから」

美優「常務って今の専務さんでしたよね?」

P「はい。優秀なんですが周りに合わなかったりで大変なんですよ。まぁ、オレの立場で言えることじゃないですけどね」

美優「撮影の現場でもそれで持ちきりでした。小指を動かすだけで騒然といった感じで……幾度か配役の交代もありました」

P「端役で使ってるなんて知れたら大目玉どころじゃ済まないですからね。巡りめぐって業界にいられなくなる可能性もある事ですからね」

美優「久しぶりに主要人物外だったのでのびのびと出来ると思ったんですが……」

P「いきなりの主要人物枠抜擢に戸惑っている」

美優「そんなところです」

P「話を戻しましょう」

美優「結局のところ文香ちゃんはどうしたいのでしょうか」

P「どう考えますか?」

美優「推測になりますけど、文香ちゃんは他にやりたいことがあると思います。でもそれがなんなのかはわかりません」

P「少し電話を掛けてきます」

あい「──それで」

P「説明しますよ」

あい「あぁ、そうしてくれると嬉しい。わざわざ長野くんだりまで来させられた身にもなってほしい」

P「棘のある言い方ですね」

あい「……いや、すまない。昔の事を思い出してしまってな。ここらで食べた山菜に当たって大変な目にあったことがあってね。そのあとの店員の態度と来たら……」

P「ファンには見せられないですね」

あい「ここのアウトレットも変わらないな。お姫様という年齢でもないが少しワクワクしている」

P「映画館もあるのであとでいきましょう」

あい「おや、デートかな? 誘うだなんて珍しい」

P「そう判断できるくらい長い付き合いでもないですよね? それに一緒にいくのはオレじゃない」

あい「私に押し付けるつもりかな? まぁ、役得と思えばなんてことはないが……」

P「クーポン券も買いましたし、時間が余るようでしたら旧市街も見ましょう」

あい「その為には駅近くのフードコートで不貞腐れてる姫君を迎えにいかなければ」

P「それともう一人も」

あい「だがその前にここに来た目的を話してもらう」

P「友人の頼みであるものを探しに来たんですよ」

あい「あるもの?」

P「とある実験ノートらしいんですがそれがなぜかここらの古本屋にあるらしくてですね」

あい「それなら本人がくればいい話だと思うのだが……問題が?」

P「理由があるんでしょう。その理由は知りませんがここに取りに来れないのは事実です。多分、脅されてるとかその辺りでしょう」

あい「危ない話だ」

P「そっちは巻き込みませんよ。さぁ迎えにいきましょう」

あい「そうしよう」

杏「──うぁ~」

小梅「杏ちゃん……ゾンビみたい……」

みく「少しはやる気だすにゃ!」

杏「大人いるからよくない?」

美優「あの……少しでもいいから動いてくれると……ね?」

みく「美優さんもゲッソリにゃ!」

未央「あいや待たれぃ!」

藍子「未央ちゃん、そこ違う。それじゃ江戸時代になっちゃいます」

未央「あれ?」

みく「また間違えたの? 修行が足らないにゃ」

杏「ゆっくりやればいいよ。時間はたっぷりあるし」

小梅「寝てるだけ……だもんね……フフ」

未央「どうも勢いついちゃうんだよなぁ」

美優「そろそろお夕飯出来るわ。ここで休憩にしましょう」

まゆ「お夕飯でごんすぅ~」

菜々「ハッ!」

奈緒「ん?」

菜々「あっ、いやなっ……なんでもないですよぉ! あは、あははは」

藍子「お夕飯なんですか?」

まゆ「煮魚♪」

みく「ぎにゃあぁぁぁぁ!!」

まゆ「にしようと思ったけどやめてオムライス」

蘭子「我は赤き血文字を綴る!」

未央「お昼もオムライスじゃなかった?」

ほたる「ごめんなさい……」

未央「うわっほぉ! びっくりしたぁ……えっと、ほたるんどったの?」

ほたる「商店街の福引きで喜んだのがいけなかったんです」

杏「あーんっ、ムグムグ……まぁ卵6個入り半月分なんて誰も想像できないよ」

小梅「……楽し……い」

ほたる「運んできたのが三分の一割れてるなんて……ハァ」

みく「あ~、だから歌鈴ちゃんが必死に棒振ってたのかにゃ」

ほたる「その歌鈴さんもビー玉で転んじゃいました……フフ、フフフフ」

未央「みくにゃん!!」

みく「しまったにゃ!」

藍子「まゆちゃんって料理上手ですね」

まゆ「そんな事ないですよぉ。それにしてもまゆ達の部屋に来なんて珍しいですねぇ」

藍子「なんでだろう。今日は来れるから来た。ただそれだけ」

まゆ「まるで狙いすましたかのよう」

藍子「気のせいです」

仁奈「藍子おねーさんでごぜーます!」

藍子「こんばんは仁奈ちゃん」

まゆ「仁奈ちゃんの分」

仁奈「でっけぇでごぜーます!」

まゆ「足元に気をつけて」

藍子「…………」

未央「未央ちゃん登場!」

まゆ「これお願い」

未央「ほいきたー!」

まゆ「藍子ちゃんのもどうぞ」

藍子「あ、はい」

未央「行こっ!」

まゆ「私もすぐ行くわぁ」

仁奈「うめーです!」

みく「仁奈ちゃん、ほっぺにご飯粒ついてる」

みちる「ン、ンッ」

みく「みちるチャンは自分で取るにゃ」

蘭子「黄金の衣を纏いし赤き小兵!」

アナスタシア「ルァァンコ、オベントついてます」

杏「ムグムグ……」

蘭子「──我の眠りを妨げる者は誰ぞ」

まゆ「眠いところごめんなさい」

杏「で、なに? 杏も眠いんだけど」

まゆ「二人は本読む?」

蘭子「うむ」

杏「読まない。おやすみ」

まゆ「聞いてる話と違うわねぇ」

杏「そんな回りくどい話し方しなくていいよ。何が言いたいの?」

まゆ「二人には手伝ってもらおうかと思って。特に杏ちゃん」

杏「えっ、私?」

まゆ「詳しくはPさんかま帰ってきたら」

蘭子「して、我が僕は何処へ?」

杏「そういえば今日見てない。どこいったの?」

まゆ「軽井沢」

杏「うへぇ」

蘭子「聖なる避暑地! 充者の都!?」

まゆ「明後日には帰ってくるわ」

杏「お土産頼んどきゃ良かった。なに買ってくるかな」

まゆ「遊びでいってるわけじゃないから買って来ないと思うわ」

蘭子「我が棺が呼ぶ!」

まゆ「おやすみ蘭子ちゃん」

杏「…………」

蘭子「闇に抱かれよ!」

まゆ「杏ちゃんも今日はもう……」

杏「ねぇ」

まゆ「はい?」

杏「何人かいつもの人見かけないけどどこ? シスターさんとかさ」

まゆ「どこでしょう」

杏「杏もバカじゃないから大体の察しはつくけどさ」

まゆ「聞きたいことはそれだけ?」

杏「うん。他は直接聞く」

まゆ「なんだか信用されてないみたい♪」

杏「そんなことないよー。向こうの方をより信用してるってだけだよ」

まゆ「私ももっと信用されるように努力しなくちゃ」

杏「杏、ムダな事に労力使いたくないからそういうのわかんないなぁ」

まゆ「無意味なことなんてないわよぉ」

杏「そう思うんならそうなんだろうね。それじゃ杏はもう寝るよ」

まゆ「薫ちゃんの事よろしくお願いね」

杏「おやすみ~」

まゆ「…………さて」

クラリス「──ンク……」

P「別に飲まなくてもいいのに」

クラリス「…………」

P「こっちは今回頼んでないんですからね。自分でやり始めたのにそんな顔される筋合いはないですよ」

クラリス「…………」

P「彼氏に悪いと思わないんですか?なんて質問はしませんが少しは考えた方がいいかと」

クラリス「こんな身体にしたのは……」

P「自分でなったんでしょう。それに今回ここに連れてきたのは違う目的があるからです」

クラリス「…………」

P「ここら辺は教会も多くてあなたにぴったりだと思ったから連れてきました。息抜きは必要ですからね」

クラリス「たしかにここら辺は教会が多いですが……」

P「初心に返るんですよ。あの純真無垢に未来を信じ、人々を導いていく。そう誓っていた頃に戻ってもらうのが目的です」

クラリス「…………」

P「それと古本屋には意外と面白い本がありますからね。妖怪やその土地の伝承や建物の逸話等々。それにここらは白人の別荘も多かったですからね。戦後少ししたらそれまで収まっていた怪現象がまた起きたなど、その手の話には事欠きません」

クラリス「…………」

P「口ゆすいでください。これからまだあるんですから。ちなみにこれは予定にはいってないので道具は持っていないので勿論直になります」

クラリス「…………」

P「期待でもしてるんですか?」

クラリス「いえ……」

P「それにしては凄いしゃぶりつき方でしたよ。欲求不満を体現したような」

クラリス「……そんなことは……ありません」

P「ならいいんですけどね。恋人と別れるなんて事になったら良心の呵責に押し潰されます」

クラリス「私は何をすれば……」

P「とにかく今は口と舌を動かしてください──」

杏「ハァ……」

みく「ため息なんてついてどうしたにゃ」

杏「なんていうかさ、杏も腐っても鯛なんだなって」

みく「どういうこと?」

杏「不本意に使われる哀しさ、だよ」

みく「誰のモノマネにゃ」

杏「昔の自分といまの自分は切り離せないってこと」

みく「よくわからないけどイヤなら断ればいいにゃ。みく達もう新人じゃないし、イヤなことはイヤって言わないと周りに迷惑がかかるにゃ」

杏「ん~? まぁ、プロダクションの方に迷惑はかからない頼まれ事だから大丈夫」

みく「あ、あ~なるほど」

杏「たまに役に立たないとただの穀潰しになっちゃうもんね」

みく「ニート目指してる時点でダメにゃ」

杏「人のために働くニート目指してがんばろっかなぁ~」

みく「それヒモにゃ」

杏「さて、準備しなきゃ。道具道具……」

みく「そんなとこ探して見つかるの?」

杏「こいつと杏は一心同体なのさ。足発見」

みく「ねぇ、杏チャン」

杏「ん~?」

みく「杏チャンはPチャンの事どう思ってる?」

杏「どっちの?」

みく「厳つくないほう」

杏「なんか前も聞かれた気がする。世話になってるし色々迷惑もかけたからどう思われてるかは気になるよ。それに恥ずかしいとこもいっぱい見られてるし」

みく「フムフム」

杏「住むところも提供してもらってるし。まぁ、家賃は払ってるけどさ」

みく「よくわかったにゃ」

杏「そういうそっちはどうなの? よくお肉もらってるしやっぱ好きなの?」

みく「うっ……たしかにお肉はもらってるにゃ。けど好きってほどじゃ……それに……」

杏「言いたいことはわかるよ。でも一番の問題は自分自身だよね。そこが解決しないとどうにもならないこといっぱいじゃん」

みく「まずは目の前の問題から片付けるにゃ」

杏「ま、がんばって」

みく「一緒に立て籠った仲だからなにやるか教えてにゃ」

杏「ヤだ」

みく「なんでにゃ! 一緒に立て籠った仲にゃ!」

杏「どこから漏れるかわかんない」

みく「みくは漏らさないにゃ!」

杏「いやいや杏の経験上……」

P「それなら巻き込めばいい」

杏「おかえり~」

みく「にゃ?」

P「少し出てくる。夕方辺りには帰ってくる」

杏「巻き込むったってどうすればいいの? 杏、そんなに頭よくないよ?」

P「内部事情は君の方がより詳しいよね」

杏「……あ、そういうこと」

みく「どういうことにゃ?」

杏「みくちゃんみくちゃん。手伝って欲しいことがあるんだけど──」

文香「コラボレーション……ですか?」

鷺沢P「あぁ! うちの一大プロジェクトは知ってるな?」

文香「はい……具合が悪いときだったので……あまり記憶にはありませんが……そこのプロデューサーとあった記憶はあります」

鷺沢P「それなら話が早いを受けよう」

文香「受けるのは構わないのですが……どういった意図があってのことなのでしょう?」

鷺沢P「意図なんてないさ。親睦を深める。ただそれだけだ」

文香「そうですか……ですがめずそういったことは奏さんから連絡があるはずなのですが……」

鷺沢P「大人の世界の話だからそうじゃないんだ。中身はまだ決まってないがいいものになること間違いなしだ。さ、ここからはレッスンに打ち込むぞ!」

文香「まだ書き物が残ってるのですが……」

鷺沢P「まだやってなかったのか」

文香「何分量が多いので……」

鷺沢P「それならレッスン終わったら帰って書いてくれ。練習足らなくてうまくいきませんでしたなんて恥ずかしいからな」

文香「……それでは…………失礼します」

鷺沢P「……さて、中身がわかんないのは不安だがそれは裏を返せば決まってないということと同じ」

鷺沢P「連絡が来ないうちにこっちから仕掛ければ評価はうなぎ登り。プロジェクトクローネとあそこのプロデューサーの険悪ムードは有名だ。ここで改善への道を示せば……」

鷺沢P「しかし肝心のプロジェクトクローネの能力がわからない。文香以外がダメだったら話にならない」

鷺沢P「いや、ここはあえて単独で出すのも……そうなるとコラボの意味が……まてよ……う~ん」

みく「……疲れたにゃ」

杏「右に同じ……」

みく「Pチャン粘りすぎ」

杏「堅物ってあんなもんだよ。アメ~」

みく「自分のために何かされるの苦手っぽいもんにゃあ」

杏「上司との関係改善のためなんて言われたらあんなもんだって。怒られないだけマシ」

みく「あれがなかったら非公式じゃなくなってたのに……おっしいにゃ」

杏「いや、あそこは非公式でいいよ。公式にしたら大事になるよ。それにこっちが気にかけてるって思われただろうから動きやすくなるよ」

みく「そんなもの?」

杏「そんなもの」

幸子「自分を気にかけてくれる人がいるのは悪い気しませんから」


みく「あ、幸子チャン。ここにいるなんて珍しいにゃ」


幸子「ボクだってたまには部屋の外に出ます。ひきこもりじゃないんですから」


杏「なんだかバカにされた気がする」


幸子「少人数で動くことの大切さに気がつくボク賢い!」


みく「自画自賛」

杏「それでなんでここにいるの?」


幸子「ここにくるなんてひとつしかないじゃないですか」

みく「Pチャンならいないにゃ」


幸子「盲目じゃないんですから見ればわかります。せっかくボクが尋ねてきたのにダメな人ですね」


みく「何か渡しもの?」


幸子「お気遣いなく。自分のものは自分で届けますので。それよりまずはご自分の事をやってください」


杏「まずは明日からのレッスンに向けて死ねばいいのに」

みく「流れるような愚痴はやめるにゃ。流れでそうなったんだからしかたないにゃ」

杏「呪うぞみく」

みく「えっ、ひどくない?」

幸子「いないならボクは帰ります。まったく……」


みく「行っちゃったにゃ」

杏「そだね~」

みく「早速寝ようとしちゃダメにゃ。レッスンの課題出てたでしょ」

杏「そんなのは明日の杏にやらせばいいよぉ」

みく「こうやって見るとみんな動いてるにゃあ」

杏「そう、つまり杏も動いてるわけなんだ」

みく「みくの前で動くにゃ」

杏「えっ、下ネタ?」

みく「怒るよ?」

杏「怒られる前にスタコラサッサ」

鷺沢P「──出来た!」

文香「…………」

鷺沢P「出来たぞ文香!!」

文香「…………」

鷺沢P「ライブのセトリが出来た!!」

文香「あ……すみません……読書に夢中で……なんでしょう?」

鷺沢P「ライブのセトリだよ。セトリが出来たから知らせておこうと思ってな」

文香「セトリ? すみません、私が不勉強なのは承知の上なのですが……セトリとはなんでしょうか……」

鷺沢P「セットリストだ。どう動くか何を歌うかの予定。ほら、見てみろこれ」

文香「…………」

鷺沢P「どうだ?」

文香「どう……と言われましても……私にはよくわからないものなので、その……良いのではないでしょうか」

鷺沢P「他人事みたく言うなよ。やるのはそっちなんだぞ?」

文香「それは意見を聞いている……という解釈でよろしいのでしょうか?」

鷺沢P「ん? あぁ、そうだ」

文香「少々お待ちを……」

鷺沢P「で、どうだ?」

文香「……良いと思います。向こうの曲が少し多目なのが気になるところですが……概ねはこれで……」

鷺沢P「そうだろそうだろ。じゃ、これで提出してくる。他に意見は?」

文香「私の意見を言ったところでなにも変えては……」

鷺沢P「えっ、なんだって?」

文香「……いえ、なんでもありません」

鷺沢P「ふーん」

文香「…………」

未央「──ブハァッ!」

藍子「お疲れ様です」

未央「無声で演技するってこんなに疲れるんだ!? ゲホゲホ」

藍子「はい、水です」

未央「あ、ありがとっ、ング……プッハァ! 生き返る!」

藍子「フフ♪」

未央「セリフで次の動作覚えてたからなくなるとホント覚えらんない」

藍子「私も始めはそうでした。体が動かなくて皆さんに迷惑かけてばかり」

未央「どうやって克服したの? やっぱ練習あるのみ!みたいな?」

藍子「私の場合は励ましてくれる人が……」

未央「マジかー。いいなぁ」

藍子「…………」

未央「うちのプロデューサーはそういうことするタイプじゃないしなぁ。この業界知ってる知り合いも友達いない」

藍子「別に知らなくてもいいんじゃないですか。励ましてくれるならその世界を知らなくても」

未央「あー、それもそっか。ダメだ! 頭が回らん!」

藍子「今日はもうお開きにしますか?」

未央「そうしたいんだけどもう少し付き合ってくれる? もう少しでなんか掴めそう」

藍子「はい。いつまでもお付き合いしちゃいます」

未央「死んでいったみくにゃんのためにも……」

みく「勝手に殺すにゃ」

未央「うわぁお幽霊!?」

みく「休憩から帰ってきただけにゃ」

藍子「もう大丈夫なんですか?」

みく「この通りピンピンしてるにゃ」

未央「さっきまでへばってたくせに」

みく「さっきはさっき今は今にゃ。それで動きは覚えたの?」

未央「ウッ……」

みく「横で糸が切れた凧みたいに踊ってたよね」

未央「なにおぅ!」

藍子「ところでここってかなりの人数人いますよね」

未央「あ~たしかに。見慣れない人多いよね」

みく「ここを合同で使ってるのだって他のとこがいっぱいだったからにゃ」

未央「そう考えるとホント人多いよね。この前なんて見慣れない人見かけたよ。あんな金髪の女の子いたんだね」

みく「みくはもう始めるから失礼するにゃ──」

杏「──そんなこんなで当日」

みく「やる気だすにゃ。この日のために練習してきたでしょ」

杏「杏はなぁ~んもしてないけどね……ふあ」

みく「今日は踊るにゃー!」

杏「踊れるといいねぇ」

みく「そんな他人事みたいに」

文香「失礼します……」

みく「にゃ?」

文香「挨拶が遅れてすみません……今日、お世話になる鷺沢……鷺沢文香です」

みく「よっろしくにゃ!」

文香「運動はあまり得意ではないので……ご迷惑にならないよう……精一杯やりたいと思いますので……どうかよろしくお願いします」

杏「こちらこそよろしくお願~い」

みく「ゆるっ!」

文香「…………」

杏「ふあ~……ぁ」

みく「今さらながら心配になってきたにゃ……」

文香「……あ」

みく「どうしたにゃ?」

文香「こちらの……担当プロデューサーは所用で来られないので……代わりにこれを……」

みく「お土産にゃ! なっんだろにゃ~♪」

杏「テンション高いなぁ」

みく「にゃあー!!!」

文香「精をつけてほしいと鰻の蒲焼きを……」

みく「それを早く捨てるにゃー!」

杏「いらないなら杏がもらっちゃお」

みく「トイレ行ってくるにゃ!」

杏「行っちゃった。さ、そろそろ着替えよっか」

文香「…………」

杏「どうしたの?」

文香「私の衣装が見当たらないのですが……」

杏「そこにあるよ」

文香「……あまりダンスに詳しくはないのですが……これではあまり動けないと思うのですが……」

杏「そう?」

文香「たしかに肩は出ていますが……それに隣に置いてあるものは……踊るにはおかしな小道具だと思うのですが……」

杏「踊る?」

文香「はい……プロデューサーが提出した書類にはその様に書いてありましたので……」

杏「ふぅ~ん」

文香「なにがなにやら……」

杏「まっ、とりあえず指示は一つだけだよ。それ読むだけだよ」

文香「あの、話がよく飲み込めないのですが……」

杏「やればわかるよ──」

蘭子「今宵は我が夜会へよくぞ来た。今宵は我が眷属の魔声を聴くがよい。一瞬でも気を抜くことはならぬぞ? 誘惑に乗りたいならば話は別だが……ナァーハッハッハッ!」

文香「今夜は朗読会にようこそ。短い時間ですがお付き合いいただけると……うれしいです」

蘭子「紡がれる古代詩編を貴様らに理解できるように聞かせてやろう!」

文香「文学といっても難しいものではなく……日常の事を少しだけ……ほんの少しだけ難しい言葉を使って表現しているものなのです」

蘭子「しかし人間は発狂してしまう。ククク、なんと情けないことか。今宵は我が力を貸そう。ただの戯れだ……フフフ」

文香「今回の朗読会は難しい文学でも難解な本でもなく……普通の……よくある話を……演劇と共に聞いてもらえたらと……思います」

蘭子「想像せよ! 人を捕らえ魅了する闇の灼熱箱!」

文香「炬燵に入りながら聞いていると思っていただければ……幸いです」

蘭子「出でよ! 昴星の姫、深緑の癒し手!」

文香「まずは本田未央、高森藍子のお二人のお話です……」

みく「……騙されたにゃ」

杏「誰も騙してないよ。その証拠に杏は練習に参加してなかったでしょ?」

みく「あれはいつも通りだと思った……」

未央「ッあー! 難しかったぁ!」

藍子「でもスゴかったです。私なんてあたふたしちゃって……」

未央「喋らないってホンット辛い!」

杏「お疲れ~」

みく「お疲れにゃ」

藍子「そろそろ出番です」

未央「なんか機嫌悪い?」

みく「べっつに~……」

杏「ほら、そろそろ杏達の出番だぞ」

未央「逆に杏ちゃんは機嫌いい」

蘭子「闇に飲まれよ!」

未央「お疲れー!」

蘭子「怠惰の妖精は旅立った!」

未央「いやぁビックリしたよ。杏ちゃんとみくにゃんだけじゃなくて、らんらんも出てるなんてさ」

藍子「ギリギリまで知らされてなかったですからねぇ」

蘭子「闇に紛れて敵を討つ!!」

未央「卑怯な!!」

文香『熱狂や興奮が物忘れを招くように……休息もまた……忘れを招くのです。これは……一人の少女と……少女を食べに来た猫又の話……』

未央「どんな事でも絵になる人っているよね」

蘭子「魔声の図書姫」

文香『古くは豆炭や木炭をいれていた炬燵も……現代では電気装置です。じんわりとした独特の暖かみは……昔の炬燵とは違ったものがありました……』

未央「コタツって言えばうちは弟と戦争だったなぁ」

蘭子「領土など些細なことよ」

未央「どこでも変わらないんだけど譲れないものがあるのよ」

藍子「そういえば未央ちゃんのプロデューサー、今日は来ないんですか?」

未央「非公式だからね。他に仕事あれば仕方ないって」

文香『少女からみかんを差し出され……それを一口食べる。自分のことを我輩なんて人間っぽくいうネコもいたなぁ……猫又は昔を思い出していました。そんな自分が今や、地獄のような臭いを放つみかんを食べながら炬燵に入っている……そんな状況に少しだけ髭がピクリとしました』

未央「昔、弟に本読んであげたらうるさい!って怒られちゃってさぁ。せっかく読んであげたのに失礼だよね」

藍子「照れ隠しです。年頃の男の子にはよくあることらしいです」

未央「ツンデレってやつ?」

藍子「きっとそうです」

未央「…………」

藍子「ステージの方見てどうしたんですか?」

蘭子「遠き時代に思いを馳せる瞳に写るものとは……」

未央「ん? あ、いやぁさ……考え方変わったなぁって思って。前まではアクションの激しい舞台とか好きだったんだけどさ、演劇やるようになってからは違うんだよね」

藍子「そうなんですか?」

未央「うん。あ、もちろん体動かすのは好きだよ? そういうジャンルの演技も好き。なんだけどこう……終わったあとの疲労感がスゴくて……」

藍子「あ、わかります」

未央「だから今日みたいなゆったりしたテンポの話が新鮮で衝撃的。なんていうか……うん、実体験に基づいての感想みたいな」

藍子「実体験?」

未央「……お客さんが多いと思ったら少なかったみたいな……ね。実際、スローテンポの演劇やる前は『こんな地味な話大丈夫なの?』って思ったけど、いざ幕をあげてみればすごい数の人いてさぁ」

藍子「あの日は過去最高の客入りだったそうですよ」

未央「えっ、そうだったの?」

藍子「はい。座長が言ってました」

文香「──本日は私の朗読会にお付き合いいただき……まことに有難うございます。これを切欠に、本に少しでも興味を持っていただけたら……とても良いと思います……それでは皆様、お気を付けてお帰りください。本日は本当に……有難うございました……」

蘭子「努々忘れるな! 魔導は傍らに寄り添うものぞ!」

杏「ランキングのオススメコミックも忘れずに買ってね~」

未央「私に少しでも興味があるなら来週のライブに来てねー!」

みく「それ越権行為にゃ!」

藍子「喫茶店でお茶を飲んで、焦らず帰ってくださ~い♪」

奏「お疲れ」

文香「お疲れ様です……来ていらしたんですね……」

奏「それはそうよ。そこまで薄情じゃないつもりだけど?」

文香「…………」

奏「どうしたの?」

文香「いえ、なんでも……ありません」

奏「興奮さめやらぬって感じだけどどうしたの?」

文香「アイドル……アイドルというものは……もっと、華やかで活気に満ちあふれているもの。それをアイドルというものだとばかり思っていました」

奏「私も」

文香「こういうものも……良いのですね……」

奏「今日の文香さん、活き活きしてた」

文香「私が……ですか? 失礼ですが……私にそんなイメージはないと思われます。少なくとも私自身はそう思います……」

奏「そう? それだったらあんなに活き活き出来ないはず」

文香「…………」

奏「私の美貌の秘訣はなにか秘密を持つこと。でも今の文香さんは逆。打ち明ければスッキリする。違う?」

文香「…………」

奏「…………」

文香「……あの、話がよく見えないのですが……」

奏「つまり、正直に話してみる方がこれからが良くなるってこと、かな」

文香「正直に……?」

奏「秘密を持ってるとね、人のことがよくわかるようになるの。自分のことはわからなくなるけど」

文香「正直に……ですか」

奏「そ。正直に」

文香「…………」

奏「じゃ、人が来るし私はこれで」

文香「お疲れ様です……」

鷺沢P「文香!!」

文香「プロデューサー……お疲れ様です」

鷺沢P「今から直談判に行く」

文香「直談判……ですか?」

鷺沢P「セトリと、いや予定となにもかもあまりにもかけ離れすぎてた!」

文香「採用されないことも……あると思います……」

鷺沢P「事前に渡されてたものとまったく違ってもか!? これを見ろ」

文香「…………たしかに違います」

鷺沢P「そうだろ!? だからこれから……!」

文香「あの……!」

鷺沢P「なんだ! こっちは今から」

文香「これは……私が望んだこと……なんです」

鷺沢P「ハ?」

文香「今回のライブ……朗読会は私が望んだことです」

鷺沢P「文香が? 冗談だろ?」

文香「……以前からやりたいと思っていたんです……そこにこの話が来て……受けました」

鷺沢P「間を通さず直に? なんだよそれ」

文香「何をするかを相談していたときに出たものなので……思わず飛び付いてしまって。でも、やりたいことに変わりはありませんでした」

鷺沢P「それなら本のレビュー書いてるときに……」

文香「あれは私のやりたい事ではありません……」

鷺沢P「ハ? でも文学部……」

文香「私が好きなのは……児童文学や絵本であって…………一般的に小難しい本ではないんです」

鷺沢P「だったら言ってくれれば」

文香「その仕事を……とってきてくれましたか?」

鷺沢P「そりゃ、まぁ。でもあれは仕事にはかわりないし、仕事選んでる立場じゃ……」

文香「話を……聞いてくれましたか?」

鷺沢P「それは……担当アイドルだし……その」

文香「…………」

鷺沢P「とにかく今から……」

文香「……苦痛でした」

鷺沢P「なんだって?」

文香「プロデューサーの持ってくるものが苦痛でした……」

鷺沢P「文香?」

文香「笑顔で仕事を持ってくる度に……悪寒が走ります……」

鷺沢P「文香……?」

文香「始めのうちは、あぁ私のために……と思ってました。けど、だんだん……面白くも遣り甲斐も……いえ大学の課題……体育の居残りのように……苦痛しか感じなくなってます」

鷺沢P「…………」

文香「それでも……自分を殺してやってきました。大人気ない、と言われればそれまでですが……私は機械ではなく……」

鷺沢P「…………」

文香『自分の心が死んでいくのが……わかりました……』

奏「言ってる言ってる。たまにはこういうのも必要。でも……少し言い過ぎ? 今まで吐露しなかった分、溜まってるのかも」

まゆ「お疲れ様です」

奏「あら、ここになんの用?」

まゆ「どうなってるのかと思ってぇ」

奏「お目付け役?」

まゆ「うふ♪」

奏「今、中スゴいことになってる。普段心のうち言わない分ホントスッゴいことに」

まゆ「文香さんも大変ですねぇ」

奏「吐き出し方が下手っていうのかしら……まぁ私も変わらないけど」

まゆ「私みたいに正直でいませんと」

奏「そこはちょっと羨ましいかな」

まゆ「いずれにしろ、もう少ししたら入りましょう──」

あい「ふむ……」

P「料理が口に合いませんでしたか?」

あい「そんなことはない。お通しも美味しいし言うことなしだ。考えてたのは別のことだ」

P「それは?」

あい「いやなに、仮にも一人の男を潰すようなことをしていいのかをな」

P「鷺沢さんの担当さんのことですか。それなら心配いりません。彼はこんなので潰れる性格してません」

あい「追い詰めたり、否定したりしてアイドルは大丈夫なのだろうか。万が一の事があったら……」

P「ないように対策はしてます」

あい「対策?」

P「まゆと速水さんに鷺沢さんに心の内を吐露させ始めてしばらくしたら部屋に入るように頼んでおきました。出演者とライブを見に来た客の前で掴みかかるなんてデメリットしかありません」

あい「それもそうだがそれを考えられないほど頭に血が上っていたら?」

P「下ろせばいいんです」

あい「どうやって?」

P「手段は簡単です。彼の性格を利用すればいいんです。彼は影で物事を進めるタイプ」

あい「君と同じだな」

P「少し違いますよ。それは置いておきます。頭の血を下ろす方法ですが、とても簡単です」

あい「ほう。その前に日本酒を頼んでいいかな?」

P「どうぞ」

あい「ありがとう。すみません、日本酒を。お猪口は一つ」

P「気に入ったんですね、ここ」

あい「あまり飲む方ではないがこういうところは好きだ。それにこういう話を聞いていると学生時代を思い出す。これでも愚痴を言い合いながら、世を明かしたこともあった」

P「酒のつまみに愚痴ですか」

あい「良いものではないが私も人間だ。たまにはそういう事もやりたくなる」

P「愚痴の言い合い、共感しあいは女性の人付き合いの一つですからね」

あい「ふふ、そうだな。つまり私は酒を飲んで……」

P「時間を食ってたわけですね」

あい「……君もそういうのが好きか」

P「はい。来ましたよ日本酒」

あい「おっ、すまない。それでは話の続きを聞こう。そのとても簡単な手段とは?」

P「元気な声で『プロデューサー、お疲れ様』と言わせるんです」

あい「元気な声で誰に言わせる? 言って悪いが今のところ名前が出てきている人物は、大きな声を出すタイプではない」

P「勿論今まで名前が出てきた人じゃありません。出演者の中からではありますがね」

あい「出演者の中から? 待て、当てよう。杏……は違う……彼女も大きな声は出さない。わかった、みくだな」

P「本田さんです」

あい「……なるほどそういうことか」

P「彼女の声はよく通りますからね。部屋の外からでも一発でわかります。それに彼女の"プロデューサー"はプロデューサー陣の中でも上の方。そんな人の近くで問題を……こと、アイドルに掴みかかったなんて起こしたら出世に響きます。それに只でさえ、鷺沢さんのバックには一大プロジェクトがあります。そのプロデューサーに知られたら出世は言わずもがな、会社にさえいられません」

あい「だから彼は黙するしかない。そういうわけか」

P「そういうことです」

あい「君は恐ろしいな」

P「そんなまさか。ただの卑怯者ですよ」

あい「卑怯者に乾杯」

P「東郷さんも言いますね」

あい「今は私にとって"たまの時"なんだ。それにしてもここはなんというか面白い名前をしてる」

P「というと?」

あい「一つ上にいけばお笑い芸人、二つ上にいけば温泉地」

P「そしてここは豚小屋……すみません言い過ぎました」

あい「豚と言えばお腹が減ってしまった。なにか食べよう」

P「飲むならお腹に入れないといけませんからね」

あい「それにしても君は私を酔わせてどうする気だ?」

P「どうもしません。いきなりどうしました」

あい「言ってみたかっただけだ」

P「言ってみての感想は?」

あい「相手を見て言った方がいいことを学んだ」

P「正解」

あい「……私は私だ」

P「その話長くなりそうですね」

あい「私に飲ませた時点で覚悟しておくべきことだ。アイドルがみんな酒豪だと思うな……」

奏「──お疲れ様」

文香「……あ、奏さん」

奏「ボーッとしてどうしたの?」

文香「いえ……少しだけ燃え尽き症候群で……」

奏「あれだけ言ったんだから燃え尽きもするわ」

文香「聞いてたのですか?」

奏「少しね」

文香「……私は」

奏「ん?」

文香「……アイドルというものはもう少し華やかなものだと思っていました……実際にそうだという面もありますが……」

奏「その気持ちわかる」

文香「だから……スローペースな自分がアイドルなんてと思っていました。でも、周りの皆さんを見ていて……あぁ自分のペースでやっていいんだ、少しなら意見を言っていいんだ……そう考えるようになりました」

奏「ワガママは特権だもの」

文香「その頃からです。自分の中に、なにか黒いものがたまっていったのは……」

奏「その結果がアレ」

文香「お恥ずかしいところをお見せしてすみません……」

奏「ううん。私も文香さんの事が知れて嬉しい」

文香「小さい仕事も大切に……そんなことを考えてたのですが、実際は小さなイラつきが積もってしまい……」

奏「仏の顔もなんとやら」

文香「…………」

奏「どうしたの?」

文香「奏さんも、そういったことを言うのですね……」

奏「イヤだった?」

文香「いえ、少し驚いただけです……」

奏「生きてる限り、悩みはつきものね」

文香「まるで六道の人間界の様」

奏「なにそれ?」

文香「四苦八苦に苦しまされ続けるだけでなく、救いもある世界の事です」

奏「ふ~ん」

文香「大変なことや苦労が絶えない事を修羅道と言ったりしますが、これも六道の一つです」

奏「ねぇ、まだ悩みあるでしょ?」

文香「悩みというほどの事は……」

奏「少しは人をみる目養えたと思ったのに……まだまだか」

文香「悩みというほどではないのですが……一つだけあります」

奏「やっぱり。それでその悩みって?」

文香「……なんだか今日の奏さん、少しだけ意気揚々といった印象を受けるのですが……」

奏「……気にしないで」

文香「はい。えっと……話したいことはですね──」

P「それでここに来たのか」

奏「頼れる人他にいなくて。ダメだった?」

P「頼るならまず君の担当プロデューサーに頼んだ方がいい」

奏「紹介してくれそうにないし、なんか知らないけどイヤなの」

P「たまには頼ってあげないと見捨てられるよ」

奏「甘えたらミステリアスじゃなくなっちゃうでしょ?」

P「むぃ、それはいい。まずは紹介してくれないかな。本人の口から聞きたい」

奏「知ってるでしょ?」

P「それでも筋は通して」

文香「すみません……鷺沢文香と申します……」

P「それで鷺沢さんは何の用事?」

文香「はい、実は以前から思ってることなのですが……静かな場所で本が読めたらと思いまして、その事を奏さんに尋ねたところ……ここに連れてこられた次第です」

P「なるほど。部屋の提供には何ら問題ない。物凄く静かな部屋を用意出来る。ただ、不便なところに目を瞑ってくれないと用意できない」

文香「本当に本を読む、ただそれだけなので……」

P「わかった。それなら案内する」

奏「ところであいさんは?」

P「疲れて寝てる」

奏「ふぅん」

P「それじゃ鷺沢さん、ついてきて」

文香「…………」

P「ここがそうだけど感想は?」

文香「本当に……静かですね」

P「家電を一切置いてない上にブレーカーを落としてるからね」

文香「……ぁ……っ」

P「遠慮しないで出せばいいよ。ここじゃ誰も聞いてないから」

文香「……あ、あの……話がよく見えないのですが……」

P「説明癖があるのは知ってる」

文香「…………」

P「小声でばれないように実況してるのは知ってる」

文香「……小さい頃からの癖なんです」

P「なんでなったのかも予想はついてる。あくまで予想だけど」

文香「…………」

P「電子機器以外で必要なものがあったら代わりに購入しておく。代金引換で設置する」

文香「探しておきます……」

P「それじゃ挨拶代わりに 舐めろよ」

文香「…………」

P「……跪かなくていい」

文香「…………」

P「……そこか」

まゆ「……あ」

P「人にアテレコしない」

まゆ「ずっと隠れてるのも手持ち無沙汰で……」

文香「佐久間……さん?」

まゆ「呼ばれなくても飛び出るまゆですよぉ」

文香「あなたがなぜここに……?」

まゆ「ここ、まゆの住んでるところですものぉ。いるのは当然です。あ、でもこの部屋じゃないですから安心してください」

P「部屋で待てなかったのか」

まゆ「離れすぎですよぉ。栄養不足で死んじゃいそうです」

P「生きていけるくらいには補給しただろう。先に部屋に戻っててくれ」

まゆ「はぁい」

P「お待たせ」

文香「あの……ここには奏さんと佐久間さん以外にも人がいるのですか?」

P「いる。それは各自で紹介してもらう。もし、君が存在を知られたくないなら対処する」

文香「いえ、大丈夫です……」

P「そうか」

文香「はい……」

P「…………」

文香「…………」

P「他に何かしてほしいことや欲しいものはあるかな?」

文香「いえ、特には……」

P「わかった。それじゃこれは提案なんだけど、」

文香「はい……?」

P「時が進んでいる書を作る気はないかな?」

文香「時が進んでいる書……?」

P「ポエムみたいな言い方したけど、つまりは前に進んでみないかってこと。アイドルやってて前に進んだ感覚覚えた?」

文香「……あ、えっと、その……」

P「ないよね。あんな仕事ばかりさせられてたからね。好きなことでもジャンルが違う」

文香「…………」

P「それで前に進んだ感覚は感じた?」

文香「……いえ」

P「そうだよね。勿論、君の参加したいときでいい。ここには本を読みに、落ち着きたいから来るわけだしね」

文香「…………」

P「それじゃあこれで失礼するよ。それとここに来るときは連絡をしてね。あと、ここの事は周りには内密に」

文香「はい……」

P「それじゃ鍵はここに置いておく。眠くなったら向こうの部屋にあるベッドで寝て。シャワーを使いたいならブレーカーを上げて使って。使った後はブレーカーを下ろしてくれて構わない」

文香「……はい」

P「いきなりのことで驚いているだろうから徐々に慣れていって欲しい」

文香「……わかりました」

P「それじゃ」

まゆ「──遅いですよぉ」

P「ただいま」

まゆ「何してたんですかぁ? もしかして文香さんと……!」

P「注意事項にその他連絡事項を説明してた。それと東郷さんのところに寄った」

まゆ「さ、早くまゆの胸に飛び込んでください」

P「吹き飛ぶぞ」

まゆ「ガッチリ受け止めます!」

P「後ろが壁だから内臓に響くぞ」

まゆ「そんな激しいプレイも大丈夫です♪」

P「暴力プレイはちょっと……」

まゆ「たまには獣性をむき出しにしたセックスもいいですよぉ?」

P「そういうのは担当プロデューサーに求めて」

まゆ「あの人のは何か違います」

P「セックスの話は置いておくとして、明日からはどうするか」

まゆ「今回みたいに何日も家を空けることありますか?」

P「場合によっては空ける。それこそ必要とあれば迷わず」

まゆ「そうですか……薫ちゃん、寂しがってました」

P「明日は学校も仕事も休みだ。一日中一緒にいられる」

まゆ「ぜひ一緒にいてあげてください。まゆでは出来ないことなので」

P「…………」

まゆ「…………」

P「…………」

まゆ「……ずるいですよぉ。いつもそうやって抱き寄せてくれればいいのに……」

P「そろそろ離す」

まゆ「あ、もうちょっとこのままで……」

P「……さて、これからどうする」

まゆ「キスしてそのまま一緒に寝たいところですけどそんな意味で聞いたわけではないのはわかってます、えぇ」

P「わかっていてくれてよかった。それでどうする? 今回は二人で決めていこう」

まゆ「それなら私から決めますね」

P「頼む」

まゆ「>>711層に>>712

>>711
ジュニア(~12歳まで)かティーン(13歳~19歳まで)かアダルト(20歳~)かをお願いします

>>712
軽くか徹底的かをお願いします

それ以外は安価下

ティーン

軽くか

まゆ「ティーン層に軽く」

P「獣性はどうした」

まゆ「三羽揃えば牙を剥くって知りません? この前菜々さんから聞きました」

P「誰にやるかはオレが決める」

まゆ「共同作業みたいでなんだか嬉しい♪」

P「>>714


>>714
モバマスのティーン(13歳~19歳まで)アイドルをお願いします

それ以外または連取は安価下

P「関裕美」

まゆ「あのオデコとつり目が特徴的な?」

P「混ざってる。けど、つり目のキツさは有名だ」

まゆ「一度お仕事で一緒になったことありますけどあまり目立たない子ですよねぇ」

P「まぁね」

まゆ「理由はなんですか? オデコの光に目が眩んだとかですか?」

P「流石にそんな理由じゃない」

まゆ「つり目が怖い」

P「違う。そうじゃない」

まゆ「ブーブー」

P「>>717


>>717
関裕美に何をされたかをお願いします

それ以外またはあまりにも変なものは安価下

共演の話で声をかけたら見ていた第3者に女の子に悪さをして睨まれてる不審人物と勘違いされ揉めかけたのに説明せず逃げていった

P「共演の話で声をかけたら見ていた第三者に女の子に悪さをして睨まれてる不信人物と勘違いされ揉めかけたのに説明せず逃げていったから」

まゆ「それってシンデレラの……」

P「オレにとばっちりが来た。先方に説明してなかった責任だとかで。仕事周りに影響は少なかったのが幸いしたよ」

まゆ「さすがと言いたいところですが、問題になりそうなのに何でですか?」

P「偉い人とは仲良くしておいて損はない」

まゆ「あ、それわかります。大して実力もないのに気に入られてるモデルの子いました」

P「読者モデルはプロでない分、そこの嫉妬やいざこざが多いな。プロとしての意識やプライドがないからな」

まゆ「愛する人がいるまゆは幸福者です♪」

P「それはよかった」

まゆ「そんなPさんにまゆの胸で泣く権利をあげます」

P「それで前借り分を払うよ」

まゆ「今からでも前借りできますよ?」

P「借金はいけない」

まゆ「投資ということで」

P「それより今は東郷さんの様子を見てくる」

まゆ「他の女のところにいくのね!!」

P「彼女とはそういう関係じゃない」

まゆ「ウソよ!」

P「それは次のドラマか何か?」

まゆ「脇役で呼ばれてるんです」

P「活動してきた成果だな」

まゆ「それじゃ明日に向けて精をつけましょう!」

P「もう夕飯は食べた」

まゆ「性を放ちましょう」

P「解脱でもするのか」

まゆ「じゃあ普通に寝るんでいいです」

P「怒るな。東郷さんのところにいってくる」

まゆ「まゆは一人で自分を慰めるのでいいです──」

P「ただいま」

薫「ただいまー!」

まゆ「お帰りなさぁい。楽しかった?」

薫「楽しかったー! 上から下にゴー!って」

P「お風呂に入って寝るよ」

薫「え~! まだ起きてたい!」

まゆ「明日は学校よ?」

薫「美穂ちゃんにお土産渡してないもん!」

P「お風呂に入って暖かい格好して、お土産を渡しに行こう。話すのも少しの時間だからな」

薫「え~……」

P「それかなしかだ」

薫「わかった~……」

まゆ「私は部屋で待ってます」

小梅「お邪魔……します」

文香「お邪魔いたします……」

まゆ「あら、小梅ちゃんと文香さん。こんにちはぁ。どうかしました?」

文香「あ、あえ……小梅ちゃんが是非にと誘ってくれたので……」

小梅「ホラー映画……観る……」

まゆ「それでここに来たのね。それじゃ、はいカギ」

小梅「まゆちゃんも……い、一緒に……観る……?」

まゆ「明日早いからもう寝るの。小梅ちゃんも遅くならないうちに寝なきゃダメよ?」

小梅「う、うん……じゃ……行こっ」

文香「あ、あの……」

まゆ「はい?」

文香「伝言をお願いしたくて……よろしいでしょうか?」

まゆ「はぁい。何でもどうぞ」

文香「Pさんに、あの話お受けしますとお伝え願えないでしょうか……」

まゆ「はぁい」

文香「…………」

小梅「あ、それでね……見所なんだけど……」

P「ただいま」

まゆ「お帰りなさぁい」

P「薫は部屋で寝かせた」

まゆ「楽しそうで何よりでした。今度はまゆも連れてってくださいね?」

P「約束する」

まゆ「早速しましょう。昨日の続き♪」

P「そうだな。その約束だったからね」

まゆ「今日のために耳掃除も済ませました」

P「それではプロフィールのお復習をしよう」

まゆ「耳の穴かっぽじりました」

P「デコ出しの髪がキュートな14歳。身長155cm、体重43kg。BMIは17.90。スリーサイズは78の55の80」

まゆ「私もオデコ出そうかしら」

P「風邪引くよ。誕生日は8月17日の獅子座でA型右利き」

まゆ「印象に残らない誕生日ですね」

P「インドネシア初代大統領のスカルノがオランダからの独立を宣言した日。他にもいくつか独立宣言した国がある。日本ではプロ野球のナイター記念日」

まゆ「そういえば奈緒ちゃんが怒ってました。何かあったのかしら」

P「話を進めるよ。富山県出身で趣味はアクセサリー作り」

まゆ「まゆはあなたのアクセサリー♪」

P「装飾品は持たない主義なんだ」

まゆ「じゃあ腰巾着」

P「脛かじりにならないようにね」

まゆ「噛みつくのは小梅ちゃんの役目ですよぅ」

P「そろそろまた誘ってあげないと」

まゆ「なんだかエッチな響きですねぇ。13歳を誘惑する成人男性、うふ」

P「誘ってきたのは向こうだ。こう言うのも言い訳がましく聞こえるね」

まゆ「誰が言ってもアウトですね」

P「白坂さんが私をですか……? それはあり得ません」

まゆ「似てなぁい。でも奏さん辺りに言いそう。地雷を地面に叩き付ける行為ですよぉ」

P「だね」

まゆ「そんなわけでまゆは愛してます」

P「薫は明るいからね」

まゆ「ちょっとだけ嫉妬してたり。あ、そういえば文香さんから伝言預かってます。あの話を受けるだとか。何の話ですか?」

P「そうか。受けてくれるか。それはよかった」

まゆ「何の話ですかぁ?」

P「生きてる物語を書くんだ」

まゆ「Pさんもとうとうポエム症候群に……!?」

P「比喩だよ。さ、今日はもう寝よう」

乃々「──うっ、うぅ……」

文香「…………」

乃々「あの……な、なんかよう、ですか?」

文香「あ、気になさらないでください……」

乃々「気になるんですけど……まぁいいですけど……」

文香「少女は女から目線を反らし、再び本を読み始める」

乃々「…………」

文香「……お気になさらず」

乃々「意味わかんないんですけど……」

文香「書き物の練習……と思っていただいて構いません」

乃々「…………」

文香「…………」

小梅「…………」

輝子「フヒ……」

P「…………」

乃々「…………」

文香「…………」

小梅「…………」

文香「その静けさは、互いの息の音が聞こえるほどに静寂で……」

小梅「…………」

輝子「……オヒ」

文香「時に漏れる笑い声が場を和ませる」

P「そろそろ部屋に戻ろう」

文香「あ……はい」

小梅「バイバイ……」

輝子「フヒ……」

P「邪魔してごめん。新しいDVD置いてくね」

乃々「べ、別に……」

文香「お邪魔しました……」

P「どうだった?」

文香「いざやってみると……なかなか言葉が出てこないものですね……」

P「実況みたいなものだからね。スピードもそれに近かった」

文香「次からは頭の中で考えてからにします……」

P「部屋に戻ったら炬燵に入るか」

文香「そうさせていただけると……嬉しいです……ところで……」

P「何?」

文香「部屋にいたときから、なにか読んでいたようですが……あれは何を読んでいたのでしょう?」

P「掲示板だよ」

文香「掲示板? それは電子掲示板の類いでしょうか?」

P「そうだよ」

文香「そう、ですか……」

P「…………」

文香「…………」

P「部屋に入ろうか」

文香「はい……」

P「…………」

文香「…………」

P「炬燵の電源入れたよ」

文香「ありがとうございます……」

P「お茶いれるよ。何がいい?」

文香「よろしければ紅茶を……」

P「わかった」

文香「…………」

P「ソファーに座ってて」

文香「あ……はい」

P「…………」

文香「……誰かを暖めたい炬燵がポツネンと座っている」

P「…………」

文香「その近くのソファに座りながら、紅茶を淹れているのを眺める……」

P「お待たせ。調子のほどは?」

文香「少しだけ……ギアが入ってきました」

P「よかった。それじゃ炬燵に行こうか」

文香「はい……」

P「…………」

文香「…………」

P「…………」

文香「…………」

P「お茶請けはどれにする?」

文香「それでは、そこのエクセレントクレープを……」

P「本が汚れるよ」

文香「小さい頃から好きなので……それに、読む本に合わせてお菓子を選ぶ……それが何故だか好きで……」

P「それなら炬燵じゃなくてソファか椅子にするか」

文香「あ、いえ……それはこのままで……」

P「わかった」

文香「…………」

P「…………」

文香「…………」

P「見たいなら見たいって言って」

文香「失礼かと思いまして……すみません」

P「気分が悪くなってもいいならどうぞ」

文香「あの、もしかして小梅さんが好きな類いのものでしょうか……」

P「その類いじゃないから安心して」

文香「それなら……」

P「どうかな?」

文香「文字ばかりで、見方がよくわかりません……」

P「本とは違うからね。基本的にはこの本文を見ればいいよ」

文香「こういったことには不馴れで……すみません」

P「慣れてても困る。それでまだ見る?」

文香「はい……こういった評価がどの様なところで、どうやって生まれるのか……少し興味があるので……」

P「そこはアンチスレだから元から嫌いだって感情があるからレビューへの批評とは少し違うと思うけど」

文香「…………」

P「それでどうかな。何か印象に残ったものはあるかな?」

文香「いくつか……」

P「どれかな?」


>>736>>737>>738
関裕美に対してのアンチレス・悪口をお願いします

あまりに変なものまたはそれ以外は安価下

目つきがきつい事を気にしてるなんてふりだけでむしろ悪用してるって本当?

私なんかに衣装似合わないとかアイドル辞めたいとかでPや現場の人をよく困らすらしい

気弱に見えて割と自意識過剰

文香「目つきがきつい事を気にしてるなんてふりだけでむしろ悪用してるって本当?というのが気になりました……これは……」

P「関裕美の事を好きな人が見ればちょっとしたイタズラ、嫌いな人や知らない人が見れば睨むと取られる」

文香「つまり、本人にその気はなく……と言うことでしょうか」

P「そう。他にはある?」

文香「私なんかに衣装似合わないとかアイドル辞めたいとかでPや現場の人をよく困らすらしい…………と……書いてありますが……これは……」

P「無理しないで。自分の流れでやって」

文香「すみません……息が続かなくて……」

P「最初から暗い過去があったりネガティブな性格だと知っていれば別だけど、そうじゃなく何かにつけてネガティブな発言が、関裕美のことをよく知らないスタッフはもちろん、プロデューサーさえ困らせてる」

文香「私も、よくネガティブな発言をしてしまう方ですが……」

P「それは最初にスカウトしたのが古本屋だったから雰囲気に合ってて違和感がなかったからだよ」

文香「ところで……プロデューサーといえば、あなたは、誰の担当なのでしょう?」

P「誰の担当でもない。他には?」

文香「気弱に見えて割と自意識過剰、らしいのですがこれは……?」

P「意識するあまりね。それよりも深刻なのは自分の事しか見ないこと」

文香「私も……そういうところがあるのでしょうか……少しだけ、不安です」

P「人の目を気にするのは誰にでもある。ない人は傍若無人と呼ばれる。それに鷺沢さんは嫌われ恐怖症じゃないでしょ」

文香「嫌われ恐怖症? それはなんでしょうか……」

P「人から嫌われるという事に恐怖を感じる人の事。これは自意識過剰の人は勿論、無意識過剰な人もかかる。無意識過剰の人がこれにかかると自意識過剰を発症するとも言われてる」

文香「それに裕美さんはかかってる……ということなのですね」

P「これの一番厄介なところは自分と相手を偏見や結論ありきで見るところ。脳内変換ってわかるかな?」

文香「よく聞きます。たしか、自分の脳内で意味が通るように繋げる、でしたでしょうか」

P「そう。そして、最後には『ほら、やっぱり』という結論に至る」

文香「他人からすれば、その結論に至らないことでも、本人にとっては当然の帰結……ということですか」

P「その通り」

文香「なるほど……」

P「他には?」

文香「他には、特に……」

P「他にはないのね。ちなみにヤマアラシのジレンマとも言う」

文香「ヤマアラシのジレンマ……? 泣いた赤鬼みたいなものでしょうか?」

P「かかる部分はある」

文香「私は、そう明るい方ではないので……気を付けなければいけませんね……」

P「これは社交的な人がよくかかる」

文香「そうなのですか……?」

P「とあるアイドルもかかりそうになったよ」

文香「日常に潜む落とし穴、といったところでしょうか」

P「なんでもないようなことが自分は落穽下石でもされてるかのように取ってしまうようなる」

文香「ちょっとしたすれ違い……」

P「だが、それとこれとは話は別だ。困らせていい理由にはならない」

文香「私も……以前に緊張が原因で倒れて、迷惑をかけてしまったことがあります……」

P「あんな大きなステージだから仕方ない」

文香「…………」

P「それにしても君と話してると話がすらすら進んで助かる」

文香「そうでしょうか……?」

P「こんなにスムーズに進んだのはかなり久しぶりに感じるよ」

文香「……ありがとう、ございます」

関裕美「──あっ……お疲れ様です」

関P「おはよ。この前の評判だったよ」

裕美「あ、本当……ですか?」

関P「あぁ」

裕美「プロデューサーは……どうでしたか?」

関P「好きなタイプだよ」

裕美「よかっ……あれ? してない」

関P「さっきまで営業してたから外してたんだよ! ほ、ほらアクセサリーならここにあるって!」

裕美「よかった……」

関P「あ、ところで新しい仕事来てるよ。どうする?」

裕美「私が……モデル?」

関P「ティーンズ雑誌のだけどね」

裕美「私に合う衣装なんて……この前の衣装も合ってなかったし……」

関P「そんなことないって! 似合ってたよ」

裕美「ほ、本当……?」

関P「う、うん! あの中じゃ一番だった!」

裕美「あの中じゃ……」

関P「しまったぁ……! い、いや世界一だな。う、うん!」

裕美「や、やだぁ、プロデューサー。世界一は言い過ぎ」

関P「あ、電話だ。すまないが仕事のこと考えておいて。ハイお疲れ様です──」

ほたる「…………」

文香「……?」

ほたる「……ニーッ」

文香「何を……してるのですか?」

ほたる「わ、わひぃ! あ、文香さん……こ、こんにちは」

文香「はい、こんにちは。それで、鏡に向かい、何をなさってたんですか?」

ほたる「え、笑顔の練習……です」

文香「笑顔の……?」

ほたる「私、周りによく迷惑をかけてしまうので……せめて笑顔でいなきゃって思って……」

文香「それで、笑顔の練習なのですか……」

ほたる「でもうまく笑えなくて……」

文香「私も……私もいろんな人に言われました。もっと笑え、と」

ほたる「どう解決したんですか?」

文香「私の場合は……好きなことに、向かいました。読書です。笑っていなくても誰からも、何も言われません……無論読書が好きなのはそれが理由ではないのですが……これでは本末転倒で解決になってませんね」

ほたる「そう……ですか」

文香「あの……もしよろしければ、笑顔の練習のコツを、お教え願えないでしょうか」

ほたる「練習のコツですか? 笑いたくなることを考える……でしょうか」

文香「笑いたくなること……?」

ほたる「はい。なんでもいいんです。どんなことでも、自分が笑いたくなることなら……」

文香「どんなことでも……」

ほたる「ハードルを下げたいなら、嫌なことを考えてから良いことを考えると、笑えるようになります……」

文香「…………」

ほたる「例えば……あ、そうです。例えば、良いことがあった後に、嫌なことがあったなんてことを考えると……」

文香「良いことの後に嫌なことがあった事……」

ほたる「あぁ不運だなぁ……ってことを……嫌な人に抱かれるなんて想像も効果的です……あ、思い出したら……」

文香「…………」

ほたる「笑顔なんて……誰にでも出来ることなので……ハァ」

文香「そうでしょうか?」

ほたる「誰にでも出来ます……私にさえ出来るんです……文香さんに出来ないはずありません」

文香「笑顔……」

ほたる「笑顔……です」

小梅「フッ……フフッ♪」

文香「あ、こんにちは、小梅さん」

小梅「こ、こんにちは……」

文香「何か楽しそうでしたが、何かあったのですか?」

小梅「こ、これ……」

文香「小梅さんと輝子さんですが……こちらの方は……」

小梅「あ、それは他の事務所の人……」

文香「うさぎを抱えてますが……」

小梅「ここには……写ってないけど……杏ちゃんも……い、いる」

文香「これはどういった、集まりなのでしょう」

小梅「ユニット……?」

文香「ユニットですか……」

小梅「杏ちゃん以外……年齢近いし……楽しかった」

文香「それは何よりです」

杏「杏は仲間外れ? 泣くよ」

小梅「あ……杏ちゃん……」

文香「こんにちは……」

杏「こうやって会うの初めてだっけ」

文香「はい……」

杏「これからよろしく……まぁ杏は部屋に籠ってるから会うことは少ないだろうけど。で、なに見てたの?」

小梅「これ……」

杏「あーこれか。プライベートで撮ったやつ」

小梅「うん……」

文香「そこに写ってる方は……知り合いですか?」

杏「いんや、知らない人。といっても杏は知ってて向こうは知らないってとこかな。なんといってもあっちは天下の事務所だから」

小梅「うさぎ繋がりで……参加してもらった……」

杏「非公式ユニットだっけ? まぁプライベートだから当たり前か。名前なんだっけ?」

小梅「ロビードゥ……ゲームから……取った」

文香「…………」

小梅「あ……写真と違って……明るい人…………だったよ……笑顔がまぶしかった……」

文香「笑顔が……」

杏「眩しすぎて凝視できなかったよ……ふあ~あ…………寝る」

あい「──さっきから深刻な顔をしているがどうした?」

P「……どうしようかと思いまして」

あい「何か悩み事か。私でよければ話してくれないか?」

P「ご自分の方は大丈夫なんですか?」

あい「運転にも慣れてきた。それに少し余裕も出来てきた。相談を聞くくらいなら出来る」

P「それなら話します。実は人選で迷ってまして」

あい「人選? なんの人選かな?」

P「自分にコンプレックスを持つ子を励ましてあげたいんですけど、それにはどんなメンバーがいいかと考えてまして」

あい「どんな子か教えてくれないか? なにかヒントになるかもしれない」

P「まず外見ですが髪は長いです。自分の外見にコンプレックスを持ち、悩みも持っています」

あい「悩める乙女といった感じだな」

P「仲良くなるための会を開きたいんですけどそのメンバーをどうしたらいいかと」

あい「性格はどんなものかな? それと話せる範囲で悩みを聞かせてほしい」

P「最近は明るく元気になってきています。この業界は男性が多い反面、女性が少ない故にうまく話せるか、輪に溶け込めるかが心配だと本人は感じてます」

あい「私はあまり詳しくはないが女性スタッフが多くなってきているらしいが、あまりそう感じないくらいの数なのは実感する」

P「メイクや小道具は元からそれなりにいますけど、他となると圧倒的に男性ですね。まぁ元々働いてる女性が少ないところですからね」

あい「痛いところを突くな君は。そうだな……そんな感じとなると、歳上は避けた方がいい」

P「集める年齢としてはどの範囲がベストだと考えますか?」

あい「ふむ……上は15で下は……ギリギリ一桁の年齢だな。子ども故の正直さと明るさが助けになる」

P「話を聞くだけでよかったのに、そこまで考えてるなんて」

あい「特別サービス」

P「同郷の人も集めた方が会話が弾むかもしれませんね」

あい「地元トークか。いいんじゃないか」

P「同じ県内でも市によってガラッと変わりますからね」

あい「トランプが最たる物だな。大富豪のルールでケンカしたものだ」

P「トランプやるんですね。知りませんでした」

あい「おいおい、私をなんだと思ってる」

P「左ハンドルの外車に乗ってるカッコイイお姉さん」

あい「君はときどきイジワルになるようだ」

P「正直な感想を述べてるまでです」

あい「おっとそうだ、写真なんかもいいかもしれない」

P「思い出があると次に繋がりやすいですからね」

あい「ちょっとした失敗や後悔も笑い話になりやすくなる。私はやったことがないが、ちょっとしたパーティーグッズがあれば盛り上がるだろう」

P「パーティーグッズはいいかもしれませんね」

あい「パーティーグッズの手配はできないが、売っているところなら知っている。クラッカーくらいなら調達してこよう」

P「車が必要になりますね」

あい「それくらいは協力させてほしい」

P「ところでその店ってスリッパが安売りしてませんでしたか?」

あい「あぁ。90円しない値段だった」

P「89円でしたっけ」

あい「そんなところだ──」

未央「企画?」

まゆ「はい。未央ちゃんたちが企画を考えたことがあるって聞いたから私も考えてみたの」

未央「へぇ~なになに!?」

まゆ「はいこれ」

未央「へーほぉー、フムフム」

みく「おはよぅにゃ~、ふはぁ」

未央「うわっ、眠そう」

みく「あれ、何それ?」

未央「企画書。モデル体験だって」

みく「モデル体験?」

まゆ「私って前は読者モデルだったの。だからそれを活かせないかと思って。ほら、これからも撮られることが多くなるじゃない? だから練習も兼ねてどうかと思ったの」

みく「みくはパス。撮られるの慣れたしもう十分かな」

未央「え~、面白そうだよ? もしかして怖いの?」

みく「こ、怖くなんてないにゃ!」

未央「無理しなくていいよ。私にはわかるぞ。うん、うん」

みく「うぬぬぬぬ……いいにゃ! やってやるにゃ!」

未央「よし決まり!」

まゆ「あ、残念だけどこの企画は15歳以上は参加できないの。ごめんなさい」

みく「えっ!? ならなんで紹介したの?」

まゆ「未央ちゃんが聞いてきたから紹介したの」

みく「未央チャン……」

未央「そ、そんな目で見ないでよ……だって気になるじゃん」

みく「でもそれはないにゃ」

まゆ「う~ん……あ、そうだ。モデルとして参加はできないけど、企画の穴を埋めるのを手伝ってほしいの」

未央「穴……?」

まゆ「私一人で考えるのも限界があるの。だから二人に手伝ってもらいたくて。ダメ?」

みく「そういうことなら……」

未央「そういうことなら未央ちゃんにおまかせ!」

みく「にゃあぁ!?」

まゆ「それじゃ決まりね♪」

みく「なんでみくのセリフ取るにゃ!」

未央「早い者勝ちなのだよフハハハハ!」

みく「やっぱりみくはネコミミは外せないって思うな! ネコミミは外せないって思うな!」

未央「そんなに大事な事!?」

みく「アイデンティティー!」

未央「色は暖色!」

みく「カワイイ系!」

未央「セクシー系!」

みく「未央チャンのイメージじゃないにゃ」

未央「残念! 未央ちゃんは着ないんです。あ、なんか今ディスられた気がする! 私はセクシーだぁ!」

みく「お菓子は外せないにゃ」

未央「ケンカになるものは外しておこう。山とか里とか」

みく「ケンカになるの?」

未央「この前兄弟とケンカになって……二体一とは卑怯なり……」

まゆ「お菓子と……」

みく「なんかおかしくなってきてる気がする──」

裕美「職業体験?」

関P「アイドルがやる職業体験な。企画した人が言うには『学校行事の職業体験が出来ない人が多い。視野を広げてもらうのにも役に立つ』からとかなんとか」

裕美「それに私が?」

関P「いろんな世界知っといた方がいいだろ。それに遊びみたいなもんだから」

裕美「……体験する職業は?」

関P「おっ、ちょうどいいぞ。なんとモデルだ!」

裕美「モデル……出来るかな……そんなにキレイじゃないし……」

関P「出来る出来る」

裕美「それじゃあ……やってみようかな」

関P「それじゃ改めて向こうに連絡しとくな」

裕美「衣装は?」

関P「自前でもいいし、向こうが用意したものを着てもいいだとさ」

裕美「出来るかな……モデル」

関P「だから心配ないって。それに来るアイドルは裕美より年下ばかりだ。気負う必要ないない」

裕美「それなら……」

関P「逆にスゴいってとこ見せてやれ!」

裕美「……うん!」

関P「それじゃ電話してくる……あもしもし、こちら事務所の……はいお世話様で……」

裕美「年下ばっかなら……大丈夫──」

まゆ「順調、うふ」

仁奈「まゆおねーさんこんにちはでごぜーます!」

まゆ「こんにちは。撮影楽しみ?」

仁奈「仁奈がんばりやがるです! だから応援しやがってくだせえ!」

まゆ「ぜひ♪」

晴「なんでオレまで……」

仁奈「楽しみじゃねーですか?」

晴「カワイイ服なんて着たくねぇ」

まゆ「カッコイイ服も用意してるわ」

仁奈「竜でごぜーますか!? 晴おねーさん竜の気持ちになれるですか!?」

晴「え、マジ?」

まゆ「着ぐるみじゃないわ」

晴「じゃあ、ちょっとやってみてもいいかな」

奈緒「…………」

加蓮「うらやましい?」

奈緒「んなっ……! そ、そんなことない!」

加蓮「ふぅーん」

奈緒「な、なんだよその目は……」

加蓮「メイドの格好しての練習、うまくいってる?」

奈緒「は、はぁ!? な、なんでそれ……!」

加蓮「えっ、やってるの?」

奈緒「あ、やっ、あっ、と、べ、別に……」

加蓮「うわぁ……」

奈緒「ひ、ひくなよ! 誰だってやるだろ!」

加蓮「でもメイドは」

小梅「ばぁ……!」

奈緒「うわっ、ビックリしたぁ!」

小梅「フフッ……」

奈緒「なんだ、小梅ちゃんか」

小梅「驚い……た?」

奈緒「なんかいっぱい持ってるけどそれなに?」

小梅「お洋服……蘭子ちゃんから……借りたの……お仕事で使うから」

奈緒「もしかしてモデル?」

小梅「うん……ちょっと、楽しみ……でないの?」

奈緒「アタシはそういうの興味ないし……加蓮はどうなんだ?」

加蓮「………………」

奈緒「加蓮……?」

加蓮「………………」

奈緒「加蓮? 加蓮……加蓮! かれぇぇぇぇん!!」

小梅「フフッ」

薫「…………」

P「ここで何してる」

薫「あ、せんせぇ……」

P「髪型が決まらない?」

薫「うぅん、違うの。かおるね」

P「君が?」

薫「かおる……」

P「職業体験が嫌か?」

薫「……そうだけどそうじゃない」

P「顔の事気にしてるのか」

薫「うん……」

P「気になる?」

薫「ちょっとだけ……」

P「嫌ならその髪形のままで撮ればいい」

薫「それだとなんか違うもん……」

P「違うってどういう事?」

薫「うんとね……ないしょにしてるみたいでヤなの……」

P「嫌か……」

薫「せんせぇもかおるがないしょにしてるとヤな気持ちになるよね?」

P「それはね」

薫「パパにもママにも……めいわくかけたくないもん……」

P「……たしかに君の笑顔みたらパパとママ喜ぶよ」

薫「…………」

P「それに君の笑顔は人を元気にしてくれるから僕は好き」

薫「……ほんと?」

P「本当」

薫「それならかおる笑う!」

P「君のやりたいように」

薫「あ、せんせぇあれやって、えっと……アメコミ!」

P「編み込みなら出来る」

薫「そうそれ! あれかおる好き!」

P「それじゃそこに座って」

薫「うん!」

美優「…………」

あい「なにかに見とれてるのかな?」

美優「あ、いえ……ただ、その、器用だなって思ってただけです」

あい「器用? もしかして彼の事か?」

美優「男の人で三つ編み出来る人って珍しいなって」

あい「たしかに。恥ずかしながら私は出来ない。生まれてこのかた、肩より下に伸ばしたことがない」

美優「なんだか不思議な人ですね」

ほたる「不運です……」

あい「どうかしたかな?」

ほたる「この前、Pさんにご飯を食べさせてもらったのですが……臭いが取れなくて……あぁ不運です……」

美優「臭い……?」

ほたる「湯葉を食べたんですけど……乳臭いのが取れなくて……あ、それとニンニクチップ乗ってるステーキ……あぁ、臭ったなぁ」

あい「それはなんというか……不運だったな」

美優「…………」

ほたる「あぁ次はどこ連れてかれちゃうんだろ……フフフ。あ、ところでなんの話してたんですか?」

美優「Pさんの話。意外と器用だねって」

あい「洋服も縫えそうだ──」

薫「ピース!」

ほたる「薫ちゃんかわいい……」

薫「ありがとー! にぃー♪」

晴「ノリノリだな」

薫「ありがとうございまー!」

仁奈「次は仁奈でごぜーます!」

晴「…………」

ほたる「風船ガムって怖くない?」

晴「ンァ? なにが」

ほたる「膨らませて顔に……」

晴「マンガじゃねぇんだからあるわけないだろ」

仁奈「ヤギの気持ちになるですよ!」

裕美「…………」

晴「アイツなに怒ってんだ?」

ほたる「さ、さぁ……」


裕美「…………」

晴「にらんでね?」

ほたる「さ、さぁ……」

薫「仁奈ちゃん、笑ってー!」

仁奈「楽しい気持ちになるですよ!」

裕美「……うるさ」

晴「次はオレか。そろそろ準備すっか」

ほたる「いつもの格好なんだ……」

晴「まずはな。これが一番しっくり来るしよ」

ほたる「あ、そろそろ終わる……」

仁奈「交代するですよ!」

晴「よしきたぁ!」

裕美「…………」


ほたる「あの……」


裕美「……なに?」


ほたる「あ、いえなんでも……ない……です」


裕美「そう……」


ほたる「…………」


仁奈「元気の気持ちになるですよ!」

裕美「…………」

佐久間P「ン?」

まゆ「どうかしたんですか?」

佐久間P「いや、スタジオが騒がしいな」

まゆ「今、企画で使ってますので」

佐久間P「あ~なんだっけ。職業体験だっけ?」

まゆ「そうらしいです」

佐久間P「元気だな、あの子。にしても、まゆは参加しなくていいのか?」

まゆ「もうアイドルやってますし、読モもやりましたから」

佐久間P「そうか」

まゆ「それに……もうあなたがいますから♪」

佐久間P「まゆ……」

まゆ「うふ」

佐久間P「あ……」

まゆ「どうしました?」

佐久間P「あ、いやなんでもない」

まゆ「あのウェーブがかった髪の子がどうかしたんですか?」

佐久間P「……この前にらまれてさ」

まゆ「あら」

佐久間P「なんかしたかな」

まゆ「プロデューサーさんがカッコイイから照れただけじゃないですか?」

佐久間P「いやいや、それはない」

まゆ「なににしろ。睨まれるって気持ちのいい経験じゃないですねぇ」

佐久間P「だな」

晴「終わりぃ!」

薫「お疲れさまでーす!」

仁奈「次は裕美おねーさんですよ!」

裕美「あ、私……?」

晴「おーい二人とも帰るぞ」

薫「えーもう? かおるまだいたーい」

晴「だけどもう夕方だ。怒られっぞ」

薫「怒られるのはやー。帰ろ仁奈ちゃん!」

仁奈「カラスの気持ちになるですよ!」

晴「じゃあな。先帰ってっから」

ほたる「あ、三人で帰るのは危ないから……あの、部屋で待っててください……」

晴「いや、別にオレたちだけで帰れるぜ?」

ほたる「いいから」

晴「お、おう……」

薫「それじゃいこっ!」

仁奈「仁奈お菓子食べたいですよ!」

薫「夜ご飯だよ?」

晴「少しくらいならいいだろ。じゃ、待ってっから」

ほたる「はい」

裕美「あれ……カメラマンも出てくの?」


ほたる「あ、カメラマンは私がやります……」


裕美「え?」


ほたる「ちょっと興味があって……あ、そこに立ってください」

裕美「…………」


ほたる「まずは軽くポーズでも……」


裕美「こう……?」


ほたる「えっと、もう少しこう……あ、ピースサインください」


裕美「…………」


ほたる「なんか違う……それらしい掛け声お願いします」


裕美「か、かけ声?」


ほたる「はい……」


裕美「イ、イェーイ……」


ほたる「…………」

裕美「…………」


ほたる「あ、お話ししながらがいい……かも」


裕美「私とアナタじゃ話すことなんて……」


ほたる「プロデューサーさんとはどうですか?」


裕美「え、あ~……あんまり良くないかな……」


ほたる「えっ、 なんですか?」

裕美「あんまり構ってくれなくて……」


ほたる「構ってくれても……距離があるって感じるんですよね……」


裕美「え、なに?」


ほたる「あ、いえなんでも……趣味ってなんですか?」


裕美「あ、アクセサリー作り……」


ほたる「アクセサリー……あれ?」


裕美「な、なに?」


ほたる「あ、いえなんでも……おかしいなぁ。あ、話の続きを……どんなアクセサリー作るんですか?」


裕美「えっと……バングルに……」

ほたる「バングルに……あ」


裕美「な、なにしたの?」


ほたる「いえ、なんでも……どうやっても……」


裕美「大丈夫なの?」


ほたる「あ、はい……どこが……」


裕美「やっぱり普通のカメラマンに……どうせ壊しちゃうだろうし……」


ほたる「…………」


裕美「事務所のものも壊してるし──」

ほたる「…………」

晴「こういう髪の毛なんつった? パーマだっけ……」

薫「仁奈ちゃんの書くー!」

仁奈「ほたるおねーさんは仁奈にまかせるですよ!」

ほたる「あ……お願い」

晴「あれ、オレのは?」

薫「かおるがやるー!」

ほたる「あ、私がやります……」

晴「んじゃ、まかせた。つか、ヘンシュウって大変なんだな。めんどい」

仁奈「楽しくねーですか?」

晴「打つのがめんどくさい」

ほたる「打ち込むのは私がやるから……二人は書けたら渡して……ください」

薫「書けたー!」

仁奈「終わったですよ!」

ほたる「晴ちゃんは?」

晴「まだ。もうちょい待って」

ほたる「それじゃ、薫ちゃんと仁奈ちゃんのは打ち込んできます」

薫「仁奈ちゃんあそぼー!」

ほたる「…………」

P「どのくらい進んだ?」

ほたる「半分くらいで……あ、またエラー」

P「焦らないでゆっくりやりな」

ほたる「…………」

P「何かあったね」

ほたる「離れてくのがわかるって損ですよね……」

P「何が?」

ほたる「物理的距離は近いのに心が離れてくって……」

P「精神的距離のこと?」

ほたる「大丈夫?って言われてるのに心が遠くなっていく……あれ申し訳ない気持ちになります」

P「…………」

ほたる「うわっ、コイツめんどくさっ!って声が聞こえるんです……」

P「そうか」

ほたる「気のせいならよかったんですけど……現実ってイジワルですね……」

P「いつもそうだよ」

ほたる「ごめん……っなさい……少し泣きます」

P「…………」

裕美「……おはようございます」

関P「おはよう。この前に撮った写真届いたぞ」

裕美「写真……?」

関P「職業体験のだよ」

裕美「そこに置いといてください……」

関P「……暗い顔してどうしたんだ?」

裕美「この前のメイクが残ってて……それにみんなが私から目を逸らしてるような気がして……」

関P「気のせいだって」

裕美「そうかな……やっぱり可愛くない私がアイドルなんて……」

関P「可愛くないだなんて誰が、ブフッ!」

裕美「ハ?」

関P「いや、なんでもなっ……ハッハ!」

裕美「えっ、えっ?」

関P「いっ、いやっな、なんでもアーハッハッ」

裕美「こっち見て話して!」

関P「別に裕美がおかしくて笑ったわけじゃ、ブッホォ!」

裕美「もういい! 見せて!」

関P「てかっ、てか……ハハハ」

裕美「なにこれ……」

関P「何ってこの前撮った写真だって、フフッ」

裕美「…………」

関P「まぶしい君って……そりゃまぶしいよな、デコが、光ってんだからハハハ!」

裕美「これも、これも、これも全部!」

関P「光彩奪目ってこういうこと♪じゃないよ! 目が、目がぁぁぁぁぁ!てなる!! アハ、アハハハハ!」

裕美「…………」

関P「ハハ、ハハハハ……ハーすまんすまん」

裕美「悪いって思ってるなら……」

関P「ごめん、そっち見て謝……るフッ!」

裕美「えっ、な、なに!」

関P「オデコ……デコが光ってるフフッ!」

裕美「えっ、うっウソ!?」

関P「それじゃみんな目を背けるって。だってまぶしいもんな! ハハハハ!」

裕美「もういい!」

関P「あ、ちょっ! 待ってくれよ、ブホッ! ダメだ笑う──」

薫「せんせぇせんせぇ!」

P「走ると転けるよ。どうしたの?」

薫「見て見て! ニィー!」

P「笑い顔がどうしたの?」

薫「よく見て! ニィー!」

P「髪型」

薫「ニィー!」

P「顔が両方出てる」

薫「うん! もう怖くないよ!」

P「そうか」

薫「ほらほら、もっと見て! ニー!」

P「…………」

薫「もっと近付いていーい?」

P「いいよ」

薫「せんせぇ、あったかぁい」

P「鼻の頭が赤くなってるね」

薫「今日寒いもん」

P「後で薬塗っておいてね」

薫「……ねぇねぇ」

P「どうした」

薫「かおるね、みんなの前だとまだちょこっとだけ……恥ずかしいな」

P「それで?」

薫「もうちょっとだけ恥ずかしがり屋なかおるでも、いい?」

P「少しずつ慣れていけばいいよ」

薫「うん! あっ、せんせぇ」

P「まだなにか?」

薫「いっしょにお風呂入ろ!」

まゆ「お疲れ様です、あなた」

P「結婚した覚えはない」

まゆ「裕美ちゃん、あれからおデコ隠して帽子被って、いつでも変装スタイルなんですよ?」

P「魅力的なのにね」

まゆ「コンプレックスを抉るPさんも素敵です♪」

P「君も大概だね」

まゆ「それにしても……担当プロデューサー、笑いが止まりませんでした」

P「吹っ切れたんだよ。今まで抑えてきたものが情けない写真でね」

まゆ「写真はいいのに、光るおデコが全てを台無しにしてる。そんな写真でした」

P「蛇足ならぬ蛇額」

まゆ「この時期だけど裕美ちゃんを見習っておデコ出してみました。どうですか?」

P「…………」

まゆ「やぁん。そんなところなぞるなんて、Pさんのエッチ」

P「…………」

まゆ「心配しなくてもまゆは大丈夫です。こぉんな小さいのを見つけるなんて、すっごくまゆのことが好きだったんですかぁ?」

P「細かいところに目を向けるのが仕事だったからな」

まゆ「じっくり見られたときは大洪水でした♪」

P「ところで担当プロデューサーのことだけを書いた日記帳は何冊いった?」

まゆ「先月が10冊目だったので今は11冊目です」

P「ノートの残りは?」

まゆ「一冊と今使ってるのが5ページです」

P「中身は変わらず?」

まゆ「はい。性交渉は書かずにその日何を食べたか、どこへ行ったか、何があったのかを漏らさず書いてます」

P「変わらないようでなにより」

まゆ「あ、Pさんとの愛のダイアリーは心に刻んでますので心配しないでくださいね♪」

P「漏洩が心配される」

まゆ「それじゃあ……あなたがしっかり蓋してください」

P「金庫に入れて、バルブ付き扉で閉じて鍵も捨てて蓋する」

まゆ「それじゃあまゆの心も一緒に閉じちゃいますよぉ」

P「話はここまでにして次は何をするか」

まゆ「今回のは本当に軽かったですね」

P「たまにはこういう可愛いのもいいかと思ってな」

まゆ「おちゃーめさん」

P「さて、明日からはどうするか」

まゆ「結構人数増えてきましたからね。ここはひとつ大きくバシッと何かしません?」

P「そんな大事にはしたくないがやむを得ない場合はやる。今回はまずオレが決める」

まゆ「はぁい。それじゃあどの層になにします?」

P「>>792層に>>793



>>792
ジュニア(~12歳まで)かティーン(13歳~19歳まで)かアダルト(20歳~)かをお願いします

>>793
復讐か救済かをお願いします。復讐の場合は軽くか徹底的かをお願いします

それ以外は安価下

ティーン

救済

P「ティーン層に救済」

まゆ「優しいだけじゃダメですよ?」

P「きちんと考えての行動だ」

まゆ「Pさんの事ですからそうですけど、
優しくするのはまゆと薫ちゃん達だけにしてください」

P「まゆも考えてね」

まゆ「誰かを決めればいいんですよね? それじゃ……」

P「アイドルにしてね」

まゆ「>>795



>>795
モバマスのティーン(13歳~19歳まで)アイドルをお願いします

それ以外または連取は安価下

美波

まゆ「美波さん」

P「新田美波か」

まゆ「なんだかんだで苦労してますから」

P「例のプロジェクトでは最年長だからな」

まゆ「悪いことしゃないですけど頼られるのも考えものですよね」

P「しかし、新田美波か……」

まゆ「まずい人選んじゃいました?」

P「まずくはないが面倒だ」

まゆ「その心は?」

P「心の内を話す前にプロフィールのお復習をしよう」

まゆ「今回はやっていいですか? たまにはしてみたくて」

P「わかった。相槌は打つ」

まゆ「それでは……コホン。新田美波さん、クールというより妖艶な雰囲気漂う19歳。身長165cm、体重45kg。スリーサイズは上から82・55・85」

P「ファンの間では現役大学生ということも手伝って、妖艶というよりエロスやエロいなんて言われている」

まゆ「あれは私から見てもスゴいです。誕生日は7月27日の獅子座でO型。利き手は右」

P「夜の肉食系とも呼ばれてる」

まゆ「なんていうかファンのオナペットみたいですねぇ。出身地は広島県。趣味はあら、大胆! 私の口からは言えません」

P「言うと思った」

まゆ「趣味はラクロスと資格取得。以上です」

P「備考として弟がいる。そしてこの弟というのも問題のひとつ」

まゆ「不良なんですか?」

P「関係者にとっては不良より厄介だ」

まゆ「あ、そういうことですか」

P「布団に入ってくる高校生の"弟"という時点でな」

まゆ「私もお布団に入りますよ?」

P「担当プロデューサーとそんなことしてるのか。驚いたー」

まゆ「白々しい人……!」

P「ごっこ遊びが始まる前に話を戻そう」

まゆ「はぁ~い」

P「まゆに頼みたいことがある」

まゆ「なんですか?」

P「君はアイドルの良き先輩としていてほしい」

まゆ「Pさんの頼みなら」

P「話を戻そう」

まゆ「美波さんが面倒ってどういうことですか? さぁ、心の内を明かしてください」

P「新田美波が例のプロジェクトメンバーだということはわかっての通りだと思う」

まゆ「ラブライカ人気スゴいですよ。私のところにまで話が届いてます。プロデューサーもちょっとだけ羨ましがってました。担当アイドル、それもまゆの前で羨ましがるなんて迂闊ですよねぇ」

P「彼も人だってことだ。彼女の活躍はラブライカだけでなく、単独でも活躍している」

まゆ「はい」

P「活躍の場が広がるということはそれだけ人と多く会い、接するということでもある。有名芸能プロダクションのアイドルなら尚更。覚えがあるだろう?」

まゆ「はい。慣れるまでは目を回しました」

P「人と接すると自然発生的に出てくるものがある。いざこざだ。なんとない一挙一動が問題になったり、些細な食い違いが問題になったり」

まゆ「石像の気持ちになるしかありませんね」

P「石像も形によっては物議を醸し出す」

まゆ「八方塞がり、四面楚歌」

P「彼女はそんな小さな問題が多くあるんだ。それを解決していかなければならない。加えて、彼女の相方の問題もある」

まゆ「アーニャちゃん?」

P「二律背反な部分があり、双方をすっきり割り切ることが出来ない。どうしてもどちらかに偏り、妥協点を探ることになる。それがひとつ」

まゆ「あと一つは?」

P「彼女の性格だ」

まゆ「性格?」

P「友達や大切な人のために行動する行動力、それに加えて真っ直ぐな価値観」

まゆ「なんだか未央ちゃんみたいですね」

P「本田未央よりも厄介だ。彼女の場合は兄弟がいるから理不尽な点にも理解があり、ある程度の妥協ができる。だが新田美波の場合はそれが出来ない。なんとか解決してあげたい。それが全面に出る」

まゆ「なんだか逆な印象ですけどね」

P「まっつぐな性格と真っ直ぐな性格の違いだ。特に大切な人に対してだとなんとかして説得しなければという意識が強く働く。少しだけ話は変わるが、とある"ファンフィクション"を見たことがあるが、その性格がよく表現できてたよ」

まゆ「同人誌でしたっけ?」

P「そうとも言われてる。そっちの方が主だな。
つまり、彼女を救うとなると同時にここの今が壊れる可能性が出てくる」

まゆ「だから面倒って言ったんですね」

P「あぁ。だが、決めた以上は助けはする。だが、多少の妥協はしてもらうことになる」

まゆ「Pさんはまゆのことを気にしないでください。動きに支障が出たらいけません」

P「そうさせてもらう」

まゆ「今日はちょっと驚きすぎましたをもう寝ましょう」

P「そうしよう──」

未央「おっはよ~う!」

P「おはよう」

未央「あれあれ、他のみんなは?」

P「まだ寝てる」

未央「えっ、うっそ。遅くない?」

P「休日くらいはゆっくりさせてあげよう」

未央「それもそっか」

P「話がある。こっちに来て」

未央「おやおや? 未央ちゃんに告白かな?」

P「そうじゃないから安心して」

未央「真面目な話?」

P「こっちへ」

未央「それでなに? あ、もしかしてセクシープラクティス!? どーんとこい!」

P「今回は違う」

未央「おりょ? んじゃ、なに?」

P「君、兄弟いるよね」

未央「両方ね。それが?」

P「他に兄弟の話する人いる?」

未央「いる人少ないからなぁ。莉嘉ちゃんとたまに美嘉ねえのこと話すくらいかな。最近、二人とも見ないけど。あっ、あとはみりあちゃんにも弟か妹いるっぽい」

P「他には?」

未央「他には……思い出した。みなみんだ。あれ、でも弟いるらしいけど話したことない」

P「本田さんみたいのが話したことないのか」

未央「もしかして……嫌われてる?」

P「さぁね。心当たりや身に覚えは?」

未央「ない! と言い切れないのが怖いなぁ。でも心当たりも身に覚えもない」

P「なら心配ない」

未央「話そうとするとはぐらかされるんだよね。てか、その本田さんってやめない? なんかプロダクションにいるみたい」

P「善処するよ。他に弟について聞いた話はある?」

未央「布団に入ってくるっての聞いたことあるよ。甘えん坊なのかな? うちの弟じゃ絶対ないよ。兄弟仲いいほうだけど、私も絶対しないなぁ」

P「どんな印象受けた?」

未央「いろんな兄弟がいるなぁとしか……けど嬉しそうに話してたよ。アーニャならよく知ってるかも。聞いてみたら?」

P「そうするよ。それじゃあね」

未央「はいはーい──」

アナスタシア「…………」

P「…………」

アナスタシア「アナスタシア、です」

P「それは?」

アナスタシア「アナスタシア、です」

P「だからそれは?」

仁奈「似合ってるですよ!」

アナスタシア「ありがとう、ございます。アー、ニナ」

P「とりあえずそれ脱いでこっち来て。下に東郷さんいるからそこにいってて」

仁奈「なにか食ってもいいでごぜーますか?」

P「冷蔵庫に入ってるサラダ食べて。それじゃ君はこっちに」

P「……それでさっきの格好は?」

アナスタシア「ニナ、寂しがってました。ヒトリボッチは、寂しいですね」

P「それで豚の着ぐるみか」

アナスタシア「ロシアでは、好きな人のこと、コブタちゃん、言います」

P「それは性的な意味を含んでる」

アナスタシア「セー的?」

P「ドスケベ」

アナスタシア「ド……?」

P「少しセクシーなグラビア」

アナスタシア「違います! ニナはカワイイです。セクシーなグラビア、出てません」

P「そういう意味」

アナスタシア「謝ります……」

P「本人はとある人と違ってそれに気がついてない。わざわざそういうことを教える必要もない。年齢も年齢だし」

アナスタシア「でも、謝りたいです」

P「それならこれは寂しがらせないように、極力そばにいるなんてどうかな?」

アナスタシア「ハイ……」

P「さて、本題に入ろう」

アナスタシア「アー、セックス、ですね?」

P「違い、ますね」

アナスタシア「?」

P「さっき想像した人」

アナスタシア「……なにも想像してません」

P「新田美波のことについて聞きたい」

アナスタシア「想像、してません」

P「わかった。それで聞いていいかな?」

アナスタシア「ダー」

P「弟のことについてなにか聞いてるかな?」

アナスタシア「ミナミの、ですね? アー、聞いてます」

P「なにを聞いてる?」

アナスタシア「うれしそう、です」

P「嬉しそう?」

アナスタシア「ハイ、うれしそう、ですね。とても、楽しそうに、話してます。笑顔、です」

P「なるほど。他には?」

アナスタシア「他に……? アー……オゥ。思い出しました。ミオと違います」

P「本田さんと?」

アナスタシア「ミオ、弟のこと話すと、どきどきグチ?言います」

P「愚痴か」

アナスタシア「でも、ミナミ言いません。笑顔ですね」

P「なるほど。他にも聞きたいんだけどいいかな?」

アナスタシア「ダー」

P「時間とらせて悪いね」

アナスタシア「時間、いっぱいあります──」

まゆ「フンフンフン、フフフフ、フフフ~うふ♪」

あい「機嫌がいいね。何かあったのかい?」

まゆ「理由がないと機嫌が良くちゃいけないんですか?」

あい「一本取られたな」

まゆ「仁奈ちゃんはどうしたんですか?」

あい「寝かせた。すぐに眠りに落ちたよ。疲れてたんだろう。今は美憂さんが見ている」

まゆ「そうですか」

あい「ところでそれは誰への料理だ?」

まゆ「当ててみてください」

あい「料理から察するに……美穂君かな?」

まゆ「ぶー」

あい「それなら……美憂さん?」

まゆ「ぶぶー」

あい「プロデューサーか」

まゆ「ぶぶぶー」

あい「Pさんか」

まゆ「ピンポーン♪ がんばってくれてますから」

あい「好きなんだな」

まゆ「運命です♪」

あい「彼の頑張りはあまり評価されない」

まゆ「まるでわかってるみたいな口振りですね♪」

あい「その実、中身はわかってないが」

まゆ「だと思いました。いつも考えて行動してくれてるんです。労わずにいられますか、うふ」

あい「母性本能をくすぐるというわけか」

まゆ「私に母性本能はありませんよぉ?」

あい「ないはずない」

まゆ「うふふ」

あい「私と飲みに行ったのも計算だったのか……」

まゆ「飲みに行ったんですか?」

あい「しまった……」

まゆ「飲みに、行ったん……ですか?」

あい「……あぁ」

まゆ「ふぅ~ん」

あい「…………」

まゆ「別に持ってる包丁で刺すわけじゃないですから安心してください♪」

あい「…………」

まゆ「ありがとうございます」

あい「なんだって……?」

まゆ「あまりお酒を飲むタイプではありませんが、そういう欲がないわけじゃありません。まゆはお酒を飲める年齢ではないのでそういうお店には行けません」

あい「居酒屋に行くくらい……いや彼なら行かせないか」

まゆ「絶対に。例外があるなら……ランチくらいですね。だから……ありがとうございます」

あい「あぁ……」

まゆ「あ、そうだ♪ これの味見お願いします」

あい「ふむ、アム……ッ! ゲホクホッ。これは、ケホっ、なんだ……!」

まゆ「小松菜のからし和えです。カラシの分量間違っちゃいました。うふ♪」

あい「はは、お茶目だ、ケホッ」

まゆ「あの人はいつも考えてくれます。いつも、いつも……たまに苦しむこともありますが、結果良くなるんです」

あい「そうか」

まゆ「また味見お願いします。あ、今度はきちんとした分量です♪」

あい「あ、あぁ──」

アナスタシア「ミナミは優しい、です」

P「好きなんだね」

アナスタシア「ダー」

P「そういえば何か不満ってない?」

アナスタシア「不満、です? アンー……」

P「何かな?」

アナスタシア「ミナミはカワイイ、です。ステキです」

P「そうだね。それがどうかしたの? 嫉妬かな?」

アナスタシア「シトー?」

P「嫉妬。嫌いだって意味」

アナスタシア「ノン! 私がミナミ、嫌いになる。ありえません」

P「信頼してるんだね」

アナスタシア「ダー」

P「それじゃあ、もし新田さんが困ってたら助ける?」

アナスタシア「ダー。もちろん、ですね」

P「それなら、困らせてたら?」

アナスタシア「ミナミ、困らせてるですか?」

P「聞いてるのはこっち」

アナスタシア「ンー……ミナミ、優しい、でも……トキドキ話してくれません」

P「そんなことあるのか。意外だね。あれ、それってアナスタシアさん、困ってるよね?」

アナスタシア「それは……」

P「困らせちゃったね。ごめん」

アナスタシア「…………」

P「でも、本当に仲が良いんだね。よかったら、もう少し話聞かせてくれないかな──」

まゆ「ふぅ……」

美穂「あ、こんばんは……まゆちゃん」

まゆ「こんばんはぁ。何か用事?」

美穂「別に用事ってわけじゃないんだけど……今日は階段の昇り降りが苦じゃないから、驚かせようと思って……」

まゆ「Pさんなら他の部屋にいます。確認しなかったんですか?」

美穂「そうなんだ……あ」

まゆ「はい?」

美穂「あ、ううん。なんでもない」

まゆ「もしかしてこれですか?」

美穂「うん。おいしそうだなって……」

まゆ「そういえばお酒のおつまみが好きでしたねぇ。食べます?」

美穂「えっ、なんで知ってるの?」

まゆ「さぁ、なんででしょう。それより今日履いてるのは普通の下着?」

美穂「な、なんのこと……?」

まゆ「惚けなくてもいいですよぉ」

美穂「えっと、その……」

まゆ「心配しなくても広めたりしないですよぉ。それに大体の事は察しがついてます」

美穂「…………」

まゆ「おつまみ好きの事だって皆ウワサしてますし、なんでかも知ってます。Pさんの配慮。違いますか?」

美穂「トイレの回数減るようにって……元から小料理や小鉢は好きなんだけど最近はその……」

まゆ「自分に合った味付けだからますますハマった」

美穂「うん。初めて食べたときはしょっぱくて残しちゃった。でも次からは聞いてくれて……」

まゆ「だんだん好みの味付けをわかってくれた、と。それに気持ち良くなるように他のことも合わせてくれる。ほんとズルい人ですよぉ」

美穂「Pさんはズルくなんて……」

まゆ「誰もPさんとは言ってないのにぃ」

美穂「あ……」

まゆ「うふ♪ これ、食べていってください。私が作ったのだからあなたの好みじゃないですけど。Pさんにって考えてたら張り切りすぎて作りすぎちゃったの」

美穂「そんな悪いキュルルルルよ……」

まゆ「カラダ