提督「赤城が右打者の内角にシュートを投げ込めなくなった?」 (18)

鎮守府に野球ブームが到来しました。

中学の野球部では9番ライトだった提督「赤城は球速こそ中の上程度だが、左右の変化球を駆使してストライクゾーンを広く使う投球が持ち味」

提督「その赤城が内角に投げ込めないとなると本来の投球は望めないか…」

チーム機動部隊の4番キャッチャー加賀「はい。ブルペンで五航戦の子を打席に立たせてみたのですがそれでも駄目で…私にはお手上げです」

提督(それで内角攻めを取り戻せるのは加賀くらいだろ)

チーム機動部隊のエース、喧嘩投法赤城「提督、力を貸してください。日曜日のチーム大艦巨砲主義との試合までに内角に投げられるようにならないと…!」

提督「勝ったチームには焼肉食い放題チケットでしょ? ったく、勝ったら俺も誘えよな…」ガタッ

赤賀「「提督!」」

提督「おっしお前ら、ブルペンに行くぞ」ニカッ

ガシッ

チーム水雷旗艦の古田・大淀「おい、仕事しろよ」ニッコリ

この後滅茶苦茶仕事させられた。

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提督が大淀から解放されたのは21:00過ぎでした

赤城 ビュッ バシィン

加賀「ナイスボール」ヒュッ

提督「アウトローへのスライダー、惚れ惚れするコントロールだな」

赤城「恐縮です」パシッ

加賀「…次、内角高めにストライクからボールになるシュート」

ビュッ

提督「ぬおっ!?」ノケゾリ

赤城「すみません! お怪我は!?」

加賀「大丈夫です、きちんと避けました…当たってはいません」

提督「なるほど…」

提督(赤城のフォームにおかしな点は見当たらない…そもそも加賀が気付かないはずがない)

提督(となるとインコースだけ別人のようにコントロールが乱れるのは精神的な問題か…?)

提督「いつからこんな調子なのか?」

赤城「1週間ほど前からですが」

提督「何か特別なことは無かったか」

赤城「その辺りだと…チーム陽炎型姉妹との試合がありましたね…」

提督「明石が試合をビデオに納めているはずだ」

加賀「明石さんがですか?」

提督「ああ。青葉は大会運営やアナウンスの負担があるからとビデオについては明石が任されているみたいだ」

提督「明石に頼んで先日のビデオを見直せば赤城復活の糸口がつかめるかもしれない」

赤城「なるほど、それは一見の価値がありそうですね」

加賀「赤城さんの勇姿が映像に残されているわけですか、流石に気分が高翌揚します」

提督「まぁそんなわけだから。具体的なアドバイスができなくてごめんね? 俺要らなかっただろ」

赤城「いいえ、とんでもないです! それに練習にお付き合いいただいて嬉しかったです!」

加賀「…日曜日の夜は予定を開けておいてください。私と赤城さんが焼肉にご招待しますから」

提督「ん、楽しみにしているよ。じゃあね」

加賀「では早速明石さんの所へ…」

赤城「待ってください加賀さん、もう少しだけ投げ込みを…」

加賀「次、チェンジアップを」

赤城「はい!」ビュッ ククッ

加賀 パシッ(いいコースです…)

加賀「次がラスト、ストレートを」

赤城 ビュッ ゴオオッ

加賀 バシィィン!「ナイスボール」

パチパチパチ

明石「二人ともお疲れ様です!」

赤城「あら、明石さん」

明石「提督に言われて試合のビデオを持ってきました、このタブレットで見れますよ!」

加賀「提督が…」

明石「あの人も野球好きですからねぇ、下手くそですけど」クスクス

明石「それと、差し入れにおにぎりとお茶を持ってきましたよ」ドッサリ

赤城「上々ね」ジュルリ

加賀「流石に気分が高翌揚します」ジュルリ

明石「あはは、ビデオ見ながら食べましょうか」

□食堂□

大淀「私もピッチャーやりたいです」ブスッ

提督「は?」

チーム衣笠祥雄さんと愉快な仲間たちのムードメーカー・足柄「いつもの発作よ。このコロッケ美味しいわぁ」

大淀「だっておかしいでしょ!? メガネだからという理由だけでキャッチャー! 他の皆さんは好きなポジションなのに!」

提督「分かる、俺も気付いたらライトだったからなぁ…足柄、ソース取って」

足柄「はいどうぞ。…ねえ、提督は野球やらないの?」

提督「んー微妙。執務であんまり練習に参加できないし、下手だから足引っ張るだろうし」

大淀「そんなの野球をやらない理由にならないです! 好きなら他の子なんか気にせずやればいいじゃないですか!」

提督「大淀!?」

大淀「だから私もピッチャーやりたい!」

足柄「あー…淀ちゃんストレス溜まってるみたいね。あんまり迷惑かけちゃ駄目よ?」

提督「面目ない…しかしそうなるとやはり野球なんてやる暇無さそうだな…」

提督「ごちそうさま、風呂入って寝るわ…足柄、大淀のこと頼んでいいか?」

足柄「ええ、任されたわ。ほら淀ちゃん、鳳翔さんの所で飲むから着いてきなさい」

大淀「鳳翔さん…チーム機動部隊のリリーフエース、魔球シンカーを操るサイドハンド…」

大淀「私もピッチャーやりたいですー」グダグダ

提督足柄(重症だなぁ…)



提督「そういえばうちの艦娘で最初に野球に興味を持ったのも大淀だったっけ」

提督「秘書の仕事も総本部との通信も主力軽巡としても頑張ってくれているからなぁ」

提督「とはいえ俺から大淀にピッチャーさせろーなんて言うのは過干渉だ…提督の言葉には従うしかないからな、それは良くない。どうしたものか…」

??「お困りのようだな…」

提督「!? お前は…!」

江川が幼少期に天竜川に石を遠投しまくって地肩を鍛えたっていうのは何かに使えそう?

>>13
それ聞いて軽巡チームの先発が天龍に決まった。しかし今のところ出番はないと思われる、無念。

~~~

提督「どういうことだ、武蔵?」

武蔵「大淀がかねてから投手をやりたがっていたことは知っている。相当鬱憤が溜まっているようだな」

提督「あれは足柄が相手だから甘えていたという部分もあるが…まぁ溜まっていることには違いないな」

武蔵「この鎮守府で大淀の働きがいかに大きいかは知っているつもりだ、もっと報われてほしいとも思っているよ」

提督「…模範的な回答だな、らしくないなぁ武蔵よ。本音を言ってみろ」

武蔵「ふふっ、お見通しか…だが勘違いするなよ? これは大淀のためにもなるだろう…あいつに投手の才覚があれば、だがな」

武蔵「…物足りないと感じるんだよ。チーム大艦巨砲主義での野球がな。私はもっと野球を楽しみたい」

提督「あのチームに不満でもあるのか?」

武蔵「無いと言えば嘘になるが、そんな単純な話でもないな…あくまでこれは私のワガママだ」

武蔵「だが、大淀のアレは私にとっていい切欠になった。不満があるなら自分から変えたらいい。私は私がやりたいことをやるまでさ」

提督「なんとなーくだが武蔵の企んでいることが見えてきたぞ…」

武蔵「流石は提督だ。野球は下手だが話は早い」

提督「てめーは野球は上手いが一言多い」

武蔵「ふふふっ…なぁ提督よ、話の続きは鳳翔の酒場でどうだ?」

提督(大淀たちが居ることも折り込み済みか…巻き込むつもりなのか)

提督「いいだろう、面白そうだから少しだけ話に乗ってやる」

裏切り者の主砲・武蔵「ああ、歓迎するぞ…『私の』チームに!」

□居酒屋鳳翔□

鳳翔「あら…こんばんは提督、武蔵さん」

武蔵「ああ、みんな集まっているようだな」

まだ野球のルールを覚えきれてない・清霜「武蔵さん! しれーかんさんも誘ったんだね!」

提督「まだ正式に入るかは決めてないけどな」

打撃大好き守備はイマイチ・朝霜「なんだよしゃらくせぇな、アタシら人数ギリギリしかいないんだからチャッチャと入れよ」

提督「ギリギリってことは…大淀たちもか?」

新天地で投手に転向・大淀「やりますよ、こんなチャンスみすみす逃す手はありません!」

戦場を求める誇り高き餓狼・足柄「私も武蔵さんの口車に乗ったわ…妙高姉さんたちと真剣勝負できる機会なんてそうそう無いもの!」

提督「なるほど。しかしお前まで居るとは少し驚いたな…霞よ」

清霜たちに無理矢理引き込まれた・霞ちゃん「もう諦めたわよ…馬鹿ばっかり」

約束された一番センター・島風「提督、守備が下手でも大丈夫だよ! だって島風が全部捕っちゃうんだから!」

提督「ははっ、そいつは頼もしいな」

島風「武蔵さんありがとうね! 天津風たちが野球やってるの楽しそうだったから羨ましくて…」

提督(あれ、武蔵普通に良いやつじゃん)

武蔵「礼を言うのはまだ早いぞ、これから楽しくなるんだからな」

鳳翔「そうですよ島風ちゃん。それに大淀さんもです…」

出場機会を求めて強豪チームからFA宣言・鳳翔「エースナンバーは私がいただきますからね?」

提督「! 鳳翔さんまで…!」

武蔵「そうだ。そして提督よ、お前が9人目のメンバーだ…」

提督「あんまり期待されても困るぞ。知っての通り…」

武蔵「構うもんか! 寄せ集め軍団で強豪チームを倒す、最高に愉快じやないか!」

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