提督「安価でみんなと遊ぶ」 (1000)

提督「ようやく仕事が終わった」

提督「……」

提督「そうだ、最近忙しくてみんなをかまってあげられなかったな。よし、この機会に遊ぶとするか」

提督「さて、誰と何して遊ぼうか」

下2

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提督「よし、電とかくれんぼだ。そして電にはすでにここに来るように伝達してある」

電「司令官さん、呼びましたですか?」ガチャ

提督「電、かくれんぼをしよう」

電「かくれんぼですか?」

提督「今から五十数える。その間に電は何処かに隠れるんだ」

電「は、はい」

提督「いいか、見つかったら罰ゲームだ。だが、もし俺が見つけられなかったらご褒美をやろう」

電「その、いきなり何でかくれんぼを?」

提督「はい始め。いーち、にーい、さーん……」

電「うう、司令官さんが聞いてくれないのです……」ガチャ

提督「はーち、きゅーう……なんだかんだで付き合ってくれる電はいい子だな」

提督「でもいつまでとは言ってないし、探すのは後にして他の子と遊ぼう」

下2

提督「安価をとったときにはすでに行動している。そう、ここはトレーニング場で現在五十鈴が使っているのだ」

五十鈴「誰に言ってるのよ」

提督「五十鈴、一緒にトレーニングしよう」

五十鈴「あなたと? 嫌よ」

提督「なぜだ! 俺はちょっと一緒にトレーニングをしようといっているだけなのに!」

五十鈴「……前に一緒にトレーニングしたこと覚えてる?」

提督「前に?」

―一か月前―

提督「五十鈴、トレーニングしようぜ!」

五十鈴「提督も? 別にいいわよ」

―――――――

提督「まずは柔軟だな。俺がおさえててやるから」

五十鈴「あら、気が利くわね」

提督「ほら」グイィ

五十鈴「もうちょっと強くしてもいいのよ」

提督「おう」

提督(……ほほう、やはりダイナマイト級のこの膨らみは横にはみ出るか)

五十鈴「……? 提督、力抜けてるわよ」

提督「え? ああ、すまんすまん」

提督「……」

提督「おっとぉ! 手が滑った!」ムニュ

五十鈴「!!!」

ドガーン

――――――――

提督「ソンナコトアッタッケナー」

五十鈴「だったら、思い出させてあげましょうか。もう一回、同じ衝撃を与えて」

提督「失礼しましたー!」ダッ

提督「……よし、ここまで来たら大丈夫か」

提督「柔らかかったあの感触を忘れるわけがないだろう」

提督「しかし、あんな大分前の出来事を根に持つなんて。まったく、過去にすがるとは悲しきことだ」

提督「さて、次は誰と遊ぶとしようか」

下2

提督「川内。川内といえば夜戦。だが、今は生憎昼だ」

提督「とりあえず呼び出しておくが、なにで遊ぶとしようか」

提督(……夜まで放置という手も……ふむ、どうするか)

下2

提督「着せ替えタイムだ。そうだな、夜戦用の新しい装備だと言えばきっと騙されるだろう」

川内「提督、どうかしましたか? 夜戦のお誘いですか?」

提督「まだ昼だぞ川内。だが、そうだな……夜戦の用事といっても間違いではないかな」

川内「本当ですか!」

提督「ほら、最先端の新しい夜戦装備だ。さっそく試着してみろ」つメイド服

川内「い、いいんですか? 私が最初に装備して!」

提督「ああ」

川内「やったぁ! じゃ、じゃああっちで着替えてきますね!」ガチャ

提督「……え、マジで騙された」

川内「着替えてきました!」ガチャ

提督「しかも早い!」

川内「どうどう? かわいい!?」

提督「あ、ああ、かわいいよ」

川内「他にはないの!?」

提督「あ、うん。この中に入ってるから」

川内「じゃあ、提督に全部見せてあげるからね!」

―数時間後―

提督「よ、ようやく解放された……」

提督「……まて、全部見せてあげるって、もしかして気付いてて着たのか!?」

提督「川内、ただの夜戦バカと思って油断してた。今度はそうはいかないからな!」

提督「じゃあ次だ」

下2

提督「そういえばそろそろ電を探さなきゃな」

提督「そうだな、電のことだから……」

―第六駆逐艦の部屋―

暁「それで、司令官はほったらかしなの?」

電「どうせ真面目に探してないのです」

雷「電は司令官の事よく分かってるのね」

響「電は良く矢面に立たされるからね。変わってあげたいのだけど、司令官は電が好きみたいだから」

雷「好きな子は虐めたくなるってやつ?」

響「かもね」

電「そっちの方がまだ救われるのです」

暁「電にそういわせるってそうとうね……」

響「でも、そろそろ様子くらい見てきた方がいいんじゃないかな」

電「展開が読めるから電は行きたくないのです」

響「そう? だったら、代わりに私が行ってくるよ」

雷「私も行くわ」

電「お願いするのです」

響「うん、できればやめるように進言もするよ」ガチャ

雷「もっと私に頼るよう言っておくわ」バタン

暁「電、展開が読めるってどういう事?」

電「それはですね……」

提督「見つけたぞ電!」ガチャ

暁「あ、司令官」

提督「この勝負俺の勝ちだな!」

電「もう何時間も経ってるのですよ」

提督「じゃあ罰ゲームだな」

電「やっぱり聞いてくれないのです」

暁「司令官、罰ゲームはやめてあげなさいよ」

提督「……しょうがないな。じゃあ電に罰ゲームはやめるよ」

電「ほ、本当なのですか?」

暁「良かったじゃない電」

提督「代わりに暁が受けるという事で」

暁「……え゛」

提督「あとで楽しみにしとけよ!」ガチャ

電「……その、ありがとうなのです」

暁「うう……」

――――――――

提督「まあ、本当に罰ゲームするかは決めてないけどな。どちらかといえばあの愕然とした顔が見たかった」

提督「次いこう次」

下2

提督「龍田か。なるべくあいつで遊びたくは無かったが、選ばれたからには仕方ない」

提督「何をして遊ぶか、それが重要だ」

提督(なるべくやり返されそうにないのがいいな……)

下2

提督「負けられない戦いがここにある」

龍田「そうね~、うふふ」

提督「何っ、背後をとられていただと!」バッ

龍田「なんとなく天龍ちゃんのお話をする匂いがしたのよ~」

提督「さすが龍田。だが、相手にとって不足無し! 天龍のかわいいところを言える数で勝負だ!」

龍田「あの自信満々なところに、案外恥ずかしがり屋さんなところ。それに照れ屋さん。出撃して気丈に振舞う姿もかわいいわ~。燃費もいいからよく遠征にも言ってくれてるわね。他にも……」

提督「え、いや、こっちも喋らせ――」
龍田「本当は優しいし眼帯似合ってる笑顔可愛い泣き顔可愛い振る舞い可愛い素直可愛いドヤ顔可愛い…………」

提督(だ、だめだ、もう止まらない……!)

―司令官室外―

吹雪「もうちょっと出番増やしてもらわなきゃ。司令官に直談判ですよ……って、あれ」

天龍「う、うぅ……」

吹雪(司令官室の前で顔真っ赤にしてる……どうしたんでしょう)


――――――――

提督「龍田にはやっぱり勝てなかったよ……よし、気を取り直して次行くぞ!」

下2

提督「如月と遊ぶか……夜戦(意味深)とかにならないようにしなければ。まだ憲兵に連行されたくはない」

提督「……いや、ばれなきゃ犯罪じゃな……やっぱりなるべくKENZENな内容で頼む」

下2

提督「盛るだけなら健全だな、うん」

如月「司令官、如月推参いたしました」ガチャ

提督「ふむ、来てくれたか。とりあえずはそこに掛けるといい」

如月「ありがとうございます♪ 長くなるお話かしら?」

提督「長くなるといえば長くなる……が、まあ気を楽にしておけ。ほら、茶だ」

提督(ククク、この中には身体がちょっと暑くなって素直になる薬を入れておいている。大丈夫、盛るだけ盛るだけ)

如月「あら、すみません司令官。本来なら如月がするものなのに。……コホッ」

提督「どうした如月、風邪か?」

如月「すみません……少し朝から気分が悪くて」

提督(言われてみれば、部屋に来たのにいつもの勢いがないな。心なしか顔色も悪い)

如月「ご用件はきちんとお伺いいたしますわ。お茶、いただくわね」

提督「……おっとぉ! 足が滑った!」ガシャン

如月「きゃっ、ど、どうしたの司令官」

提督「ゴクッゴクッ」

如月「って、如月のお茶を一気飲み。もしかしてのど乾いていたの?」

提督「あ、ああそうなんだ。それより如月、風邪ならこの薬を飲むといい。効き目は抜群だから、これを飲んで早く良くなるといい」

如月「あっ……気を遣わせていただいたみたいで、申し訳ないわ」

提督「気に病むことは無い、調子が悪い時などいくらでもある。用件はまた今度はなす。さあ、早く部屋に戻るといい」

如月「では、お言葉に甘えるとするわぁ。またね、司令官」ガチャ

提督「……ぐぐう、やばい、何がやばいかわからないがヤバくなってきた。しばらく司令官室に入らないよう立て看板置いておこう……」

――――――――

提督「ふぅ……まったく、薬を盛るなんてとんでもなく不健全な内容だ。実行する奴は愚か者だな。次は今度こそきちんと遊んでやろう」

下2

提督「でち公と(俺の中で)有名なゴーヤだな」

提督「今はオリョクル出撃でいないが、きっと報告のためにここに寄るだろう」

提督「それまでに遊ぶ内容を考えておこう」

下2

提督「オリョールでするからオリョクルなのだが、安全な海域でオリョクルか……なるほど、俺にとってオリョールは安全という事だな」

58「てーとく、艦隊が戻ったよ」ガチャ

提督「そうか。じゃあさっそくオリョール行くぞ」

58「でち?」

提督「大丈夫だ。俺だって海軍だ。泳げる」

58「そういうことじゃないでち。というか、何を突然……」

提督「最近かまってあげられてなかっただろ?」

58「そうかもしれないけど、戦いについていくのは待ちがってる気がするよ」

提督「はっはっは。戦いじゃなくてクルージングだろ」

58(提督は深海棲艦との戦いをなんだと思ってるでち)

提督「補給したら行くぞ! 時間は待ってくれないからな!」

58「てーとくがいつも以上に強引でち……」

―東部オリョール海―

58「その、本当に大丈夫でちか? 流石に身一つでオリョールは……」

提督「大丈夫だ。俺は海軍だぞ」

58(もうてーとくはダメかもしれないでち)

提督「ほら見ろ、目の前に敵艦だぞ」

58「せめててーとくは後ろにいた方が」

提督「大丈夫だって。ゴーヤは心配性だなぁ」

58「……てーとくなら大丈夫な気がしてきたでち」

提督「よーし、行くぞー!」

―司令官室―

提督「ふう、無事帰還だな。なかなかいい運動になった」

58(結局ボスまで行ったけど、敗北が無かったでち。もうてーとく一人でいいんじゃないかな)

提督「だが、流石にこれを何回も行かせるのは酷だな。自分で行って初めてわかったよ」

58「でち?」

提督「よし、今度からオリョールの回数を減らしてやろう!」

58「え……ほ、本当!?」

提督「ああ、だから今度行くときは俺も連れて行ってくれよな!」

58「」

58(肉体的疲労より精神的疲労が溜まりそうでち)



提督「なんかゴーヤが疲れた顔をして出て行った。おかしいな、どちらかといえば疲れないようにするためだったんだが」

提督「まあいいや。さーて、次は誰にしようかな」

下2

提督「今ならティータイム中の金剛だな」

提督「ティータイムに無理矢理参加しても面白いかもしれないが、個人的に遊ぶのも楽しそうだ」

提督「さーて、何をしようかなー」

下2

提督「撫でよう。よし、そうと決まればティータイムにお邪魔するぞ」


―金剛型の部屋―

金剛「――それで、最近提督がかまってくれないデース」

比叡「提督の代わりにこの比叡がお相手しますよ!」

金剛「比叡じゃ代わりにならないネー」

比叡「ガーン」

榛名「て、提督の代わりにならないだけで、比叡お姉さまだっていいところありますよ!」

提督「……」ガチャ

霧島「あら、提督じゃありませんか」

金剛「提督、一緒にティータイムするネー! ……あれ、提督ぅ?」

提督「……」スッ ナデナデ

金剛「!?」
比叡「!?」
榛名「!?」
霧島「……ああ、そういう事ですか」

金剛「い、一体なにネー! 嬉しいけど、こんなことで誤魔化される私じゃないデース!」

比叡「というより離れてください! そこは私の席ですよ!」

榛名「えと、何が何やら……」

霧島「提督のいつもの暴走でしょう。金剛お姉さま、気にしないで続けましょう」

金剛「そ、そう言われてもネー……」

提督「……」ナデナデ

金剛「あぅあぅ……」プシュー

比叡「提督ー、邪魔ですー! うぐ、全力で引っ張ってるのに全然離れない」

榛名「うらやましいです……」

霧島「これはもうティータイムにはなりそうにないですね」

――――――――

提督「金剛が赤くなりすぎて倒れてしまったから撤退した。ティータイムを楽しんでた霧島には悪いことしたな」

提督「さあ、次だ」

下2

提督「陸軍所属だったあきつ丸でありますな。最近はこの艦隊に慣れてきたようで上々」

提督「さて、そんな彼女には何をしてみようか。いっそ戦艦に改造するとか……遊びの範疇越えてるか」

下2

提督「……どうやったらそんな状態に出来るのだろうか」

あきつ丸「呼んだでありますか、提督殿」ガチャ

提督「ああ、よく来てくれたな」

あきつ丸「上官の言葉に従うのは当然であります」

提督(……考えても無駄だな。よし)

提督「あきつ丸。遊びに出かけるぞ」

あきつ丸「遊びに、でありますか。しかし、何時的が攻めてくるかわからない今、待機するのが最も良い判断だと思いますが」

提督「固い固い。あきつ丸には『提督と遊べてうれしい』と思うようになるまで遊んでもらうからな」ガシッ

あきつ丸「提督殿いったい何を……!」

提督「無理やりにでも連れて行くからなー!」ダダダダ

あきつ丸「は、離してください提督殿ー!」

―夕方―

提督「映画館に昼食行って遊園地。さあ、次はどこに行くあきつ丸」

あきつ丸「そ、そろそろ帰った方がいいのでは……」

提督「そんなこと言って、まだ息切れひとつして無いじゃないか。まだまだ余裕だろ」

あきつ丸「自分は待機命令がでているでありますから時間的には余裕ですが、提督殿はそうはいかないかと」

提督「仕事を考えるなんてまだまだ余裕がある証拠だな。よし、次はカラオケでオールナイトだ!」

あきつ丸「て、提督殿! も、もう十分でありますから!」

提督「楽しいと思うようになるまでは付き合ってもらうぞ。はっはっは」

―早朝―

提督「楽しかったな、あきつ丸」

あきつ丸「げ、元気でありますな」

提督「軍人たるもの、一日中活動していてもパフォーマンスを落とすわけにはいかないからな」

あきつ丸(仕事の時は良く居眠りする姿を見かけるのですが)

提督「さて、どうだあきつ丸。楽しいか?」

あきつ丸「え、それは……」

提督「んん?」キラン

あきつ丸(提督殿、まだまだ遊ぶ気みたいであります! 鎮守府に帰還させるには……)

あきつ丸「と、とても楽しかったでありますよ……?」

提督「なんだか楽しそうじゃないな。こりゃ、また一日中コースで――」
あきつ丸「わ、ワーイ、ワーイ♪テイトクトアソベテウレシイナ♪」

提督「ふむ(満足)」

あきつ丸(満足そうな顔しているであります。……連絡もしてなかったですし、今日は大変でありますな……)


―司令官室―

提督「秘書官に怒られたけど、まだ俺は遊び足りない。この仕事が終わったら今日も遊ぶぞ」

下2

提督「昨日は電と遊んだし、今日は暁と遊ぼう」

提督「そういや罰ゲームとかあったな。冗談で言ったつもりだけど、覚えてたらそれを使ってからかってやろう」

提督「さーて、遠征から帰ってきたら呼ぶとしますか」

下2

提督「憲兵が来る部位……だと! だが、憲兵が怖くて提督業が出来てたまるか。よし、気持ちを切り替えて……」

提督「ぐへへ、暁をなでなでしてやるぞぉ……」

暁「ひっ……い、いきなり何よ!」

提督「おや、もう艦隊が帰投したか。お疲れさん、暁以外は戻っていいぞ」

暁「えっ」

電「その、頑張ってなのです」

響「提督に何かされたらきちんと言うんだよ」

暁「響、ありがとう。電は気の毒そうな顔をしないで」

雷「司令官、私に頼ってくれてもいいのよ?」

提督「そうだな、でも雷に頼るのはまた今度にしておくよ」

雷「そう? 遠慮しなくてもいいからね」


提督「皆出て行ったか……さて暁、二人きりだな」

暁「その言い方はやめてほしいかも」

提督「ほら、まずは膝の上に乗るといい」

暁「子ども扱いしないで!」

提督「ほほう、大人の扱いをしてほしいと? いいだろう」スタスタ

暁「ちょ、ちょっと、司令官……なんだか怖いわよ……」ジリジリ

提督「後ずさらなくてもいいだろう。大丈夫、優しくするから」ポン

暁「ひぅっ」

提督「……」ナデナデ

暁「……って、ただなでなでするだけじゃない! 結局子供扱いじゃない!」

提督「暁の髪のさわり心地は気持ちいいなぁ」ナデナデ

暁「せ、セクハラじゃない! やめてよ、もう!」

提督「ははは、もう戻ってもいいぞ」

暁「もう! 司令官の馬鹿!」


提督「髪を勝手に触って憲兵が来たという話を聞いた。最近はセクハラに厳しくなったものだよ。やれやれ」

提督「まだまだ遊ぶぞー」

下2

提督「キソー。球磨と多摩が鳴くから木曾も鳴けばいいのになぁ」

提督「眼帯仲間の天龍と比べるといささか絡みにくいが、上官命令を使えばなんてことは無い」

提督「さて、木曾には何をしてやろうか」

下2

提督「ほほう、木曾の眼帯の下を白日の下に晒すのか。見たことが無いわけでもないが、どんなだったか」

木曾「呼んだか、提督」

提督「ああ。まずは気を楽にするといい」

木曾「その口ぶりだと、出撃に関することじゃないみたいだな」

提督「そうだな。だが、これは今後この鎮守府でやっていくのにも重要なことだ」

木曾「ふん。ならさっさと言え。まだ訓練の最中だったんだ」

提督「そうか。なら、手早く用件を終わらせるとするか」スッ

木曾「おっと、一体何をしようというんだ。急に顔に手を伸ばしてきて」サッ

提督(ちっ、流石に天龍と違ってあっさりと外させてはくれないか)

提督「だが、ここであきらめる俺ではないのだぁー!」

木曾「いきなりなんだっていうんだよ! ちぃっ、そっちがその気ならやってやる!」

提督「この提督を越えてみるがいい!」

―数十分後―

木曾「はぁ……はぁ……やるじゃねえか」

提督「ふぅ……提督たるもの、鍛えなければならないからな」

木曾(こいつに艦隊っているのか?)

木曾「ていうか、そろそろどういう事なのか教えてくれよ。訓練なら直接こっちに来るだろ」

提督「ああそうだった。木曾の眼帯の下を見せてほしい」

木曾「だから最初に顔に手を伸ばしてきたのか……それならそうと最初に言えよ。隠してるわけじゃねえんだから」

提督「え、そうなの?」

木曾「ほかならぬお前の言葉だしな。ほら」スッ

提督「……」

木曾「オッドアイの上に傷もある。あんまり見たいものじゃないだろ」

提督「まて、戻すな。もっとよく見せろ」ガシッ

木曾「あっ、お、おい」

提督「たしかに、これは皆に晒したくないな」

木曾「そう思うなら離せよ!」

提督「勘違いするな。素直な瞳だ。色が違うのもいいし、傷だって闘いの元に身を置いている証拠だ。これを綺麗と言わず何という」

木曾「なっ……! は、離せ!」バッ ゴソゴソ

提督「あー、もったいない」

木曾「ったく……じゃあ俺は戻るぞ」ガチャ

提督「最後顔真っ赤にして、愛い奴だ」

提督「そんじゃ次行きますかー」

下2

提督「夕立っぽい。よくわんこになってる姿も見受けられる。実際耳っぽいのついてるし」

提督「よーし、じゃれついてやるからなー。待ってろよ夕立」

提督「あ、その前に遊ぶ内容を考えなければ」

下2

提督「首輪は犬用の薬が塗ってある物があるので、実際に人間が装着するとかぶれる事があります」

提督「しかしここに用意したのは、あれ用の首輪。これなら安全に散歩が出来ます」

提督「よっしゃー! 待ってろよ夕立!」

―白露型の部屋―

夕立「はっ、提督さんが来るっぽい!」

五月雨「もー、いきなり提督が来るなんて、そんなわけないよ」

提督「呼んだ?」ガチャ

五月雨「てて、提督!?」

夕立「本当に来たっぽい!」

時雨「もはや野生の勘だよね、そこまでくると」

提督「夕立はわんこだからな。ほら、夕立一緒に散歩をしよう」

夕立「提督さんと? わーい!」

五月雨「あ……わ、私も……」

提督「ん?」

五月雨「いえ……」

時雨「一緒に行きたいなら、ちゃんとそう言わなきゃ」

五月雨「でも……」

提督「そうそう、夕立。散歩する時にはこれをつけてくれよな」ジャラ

夕立「これは……首輪っぽい?」

提督「そうそう」

夕立「夕立、提督さんが言うならつけるっぽい!」

提督「夕立ならそう言うと思っていた!」


五月雨「私、あれについて行ける自信がありません……」

時雨「ああ、うん。今回はよした方がいいかもね」


―司令官室―

提督「夕立と散歩を楽しんだ。人に見られなかったのは僥倖だった」

提督「あ、流石に二足歩行だからな。それ以上は憲兵行きだ」

提督「さーて、次の対象は誰かなー」

下2

提督「メガネっ娘の鳥海だな。意外と勘違いする提督もいるとか、そんな提督イルノカナー」

提督「まあ昔の事はいい。それより今の事だ」

提督「鳥海とはどうやって遊ぼうか」

下2

提督「それを取り上げるなんてとんでもない。だが、やるからにはやる。それが提督クオリティ」

鳥海「司令官さん、ご用ですか」ガチャ

提督「先手必勝!」バッ

鳥海「きゃっ、な、なんですかいきなり!」

提督「木曾と違って簡単にとってしまった……」

鳥海「なんですか不満そうな声を上げて。返してください、私、眼鏡が無いと見えにくいんですから」

提督(ううむ、完遂はしたが、このまま終わってしまっては面白みがない。ならば、面白くするのみだ)

提督「鳥海、これも任務の一つだ」

鳥海「任務、ですか。それに対して私の眼鏡をとる理由を求めてもよろしいですか」

提督「もちろんだ。君はあまりにも眼鏡が当たり前になっているだろう」

鳥海「確かにそうですけど」

提督「だが、戦場では何があるか分からない。君のそのメガネが失われることもあるだろう」

鳥海「……」

提督「そうなったときパニックになる可能性がある。だから、戦闘がない今、もし眼鏡が無くても問題が無いように慣れておく必要がある」

鳥海「……」

提督「そういうわけだ。今日一日、鳥海には眼鏡なしで過ごしてもらおう」

提督(自分でも苦しい言い訳だと思っている。さすがに鳥海には効かないか……?)

鳥海「そう、ですね。流石です司令官さん。私の弱点になりえる事柄を事前に無くしておこうと考えてくれていたのですね」

提督「あ、はい」

鳥海「すみません司令官さん。少しだけ、何の意味もなしに意地悪をしてきたのかと疑ってしまいました」

提督「いや、かまわない。突然のことに、鳥海も混乱しただろう」

提督(やばい、評価が下がるどころかあがっている)

鳥海「高翌雄型の4番艦、鳥海。これより荷を背負ったまま演習に向かいたいと思います」

提督「ああ、頑張ってこい」

鳥海「はい」ガチャ

提督「……やべぇ、罪悪感が襲い掛かる。なんであんな良い子に嘘ついたんだろう……」

――――――――

摩耶「鳥海、今日はどうしたんだ、眼鏡をかけないで」

鳥海「司令官さんからの任務です」

摩耶(これ、多分騙されてるな。提督も言う事聞きそうな奴にはやめておけばいいだろうに)




提督「こんなところで折れる提督様ではない。まだまだやるぞ」

下2

提督「……なるほどな。よし、今から文をしたためておこうか」


―金剛型の部屋―

比叡「榛名、指令からお手紙よ」

榛名「提督からですか? 一体なんでしょうか」ドキドキ

金剛「ず、ずるいネ! 榛名だけ!」

榛名「金剛お姉さまは昨日あんなに撫でられてもらったじゃありませんか」

金剛「oh……今日は榛名に譲ってあげるデース」

比叡「金剛お姉さまには比叡がいますからね!」

金剛「それじゃあ比叡、演習行くデース。相手になってくれますかー?」

比叡「当然です! 気合! 入れて! 行きます!」

霧島(恋で暴走中の金剛お姉さまの相手を自分から志願するなんて、比叡お姉さまは大丈夫かしら)

金剛「それで、手紙にはなんて書いてあるデス?」

榛名「へっ、ああいえ! なんてことは無い内容ですよ!」

金剛「そうデスカ? でも榛名、顔が真っ赤デース……」

榛名「ちょ、ちょっと暑いので外で涼んできますね!」ダッ

金剛「変な榛名ネー」

霧島(このパターン、また提督は余計なことをしてますね。無事に収めてくれればいいのですけど)

―夜・工廠―

榛名「ここで合っているのでしょうか……」

『夜、以下の場所で榛名と会いたい。二人で新たな結晶を作ろう』

榛名(二人で結晶って、ど、どういう事なのでしょう。いよいよ榛名は提督のものになってしまわれるのでしょうか……)ドキドキ

榛名「あら、ドックが一つ開いていますね? 誰かいるのでしょうか?」チラッ

提督「お、榛名か。よく来てくれたな」

ナカチャンダヨー カーンカーン

榛名「て、提督? 一体これはどういう事でしょう?」

提督「ふふふ、二人で行う夜の建造作業だ。ずっと待っていたんだが、遅かったな」

榛名「新たな結晶を作るとは……」

提督「新たな結晶(建造)を作る(作業)だが」

榛名「……」

提督「どうした榛名。急に俯い『ドンッ』て……お、おい?」

榛名「勝手は! 榛名が! 許しません!」ガシャン

提督「ちょ、戦艦の砲撃はシャレにならな――」

ドーン

――――――――

提督「何とか逃げ切ったが、しばらく工廠は使えそうにないな。また金剛型と会う時が怖い……」

提督「会わなきゃいいんだけどな! さぁ、次だ」

下2

提督「死なない程度に試合って、それ全力一歩手前じゃないですかー」

提督「武蔵も今ならトレーニング場だろうな。まあ、武蔵も有能だし程よく手加減してくれるだろう」

―トレーニング場―

武蔵「つまり、全力の私と戦いたいという事だな」

提督「分かってないじゃないですかやだー」

武蔵「だが、試合なのだろう? ならば全力ですることこそが相手に失礼のないようにする行為だろう」

提督「いや、そういう武人みたいな考え方はちょっと遠慮したいなって」

武蔵「実は私も提督と本気でやりあってみたかったんだ」

提督「本当に人の話を聞いていませんこの人」

武蔵「ほら、得物を持て。そっちの方がやりやすかろう」

提督「スパーリングですらないだと」

武蔵「ははは、この日を待ちわびていたぞ」

提督「ええい、こうなってしまったからにはやるしかない!」

武蔵「いいぞ、好きに打ち込んでくるがいい」

大和「あら、提督と武蔵? 試合って突然ね」

長門「今始まったところだが、大和は二人の試合だとどっちが勝つと思うのだ」

大和「提督もあれで強いですからね。五分じゃないですか?」

長門「そうなのか?」

大和「砲撃戦だと厳しいでしょうが、剣術ならば。武蔵が提督と戦うのを楽しみにするくらいですもの」

長門「普段からは想像もつかんな」

大和「それが提督の不思議なところですね」


提督(好き勝手言うな、すでに俺はボロボロだ)

武蔵(流石、見込んだだけのことだけはある。まさかここまで致命打を避けられるとは。俄然楽しくなってきたぞ)

提督(って、武蔵のこっちを見る目が厳しく!? 死なない程度で済むのかこれ!)


―司令官室―

提督「死ぬかと思った。もう二度とあんな強い奴とは試合したくない」

提督「次はもっと優しい艦がいいな……」

下2

提督「熊野とティータイムか……まあ、死の危険はないな」

提督「むしろゆっくりできそうだぞ! そうと決まれば早速お誘いだ」


―最上型の部屋―

熊野「ティータイムにお邪魔したいと? 別にかまいませんわよ」

提督「お、てっきり『あら、提督はマナーが分かっていらっしゃるのかしら? 気持ちよく飲めない人にはご遠慮願いたいのですが』とでもいうのかと」

熊野「提督は熊野をなんと思っていらっしゃるのかしら?」ゴゴゴ

鈴谷「まあまあ、提督がこうなのはいつものことじゃん?」

熊野「それもそうですが……」

提督「すまんすまん。それじゃあありがたくお邪魔させてもらうとする」

熊野「ええ、マナーは過度に破らなければ気には致しませんので」

提督「根に持たないでくれよ熊野」

熊野「そう思うのならば、そもそも言わなければいいのでしてよ」

提督「肝に銘じておく」

熊野「今後は改めてください。では提督の分ですわ」スッ

提督「ありがとう、熊野」

熊野「ふん」

鈴谷「熊野ったら照れちゃってー」

熊野「て、照れてませんわ!」

提督「お」

熊野「どうしました提督。何かお気に障ることでも?」

提督「いや、このカップセンスいいなって思って」

熊野「あ……」

鈴谷(ほほう、カップから褒めるとは分かってるじゃん提督)

提督「ゴクゴク」

鈴谷(飲み方は全然だめだけど)


―司令官室―

提督「特に注意されることなく終わった。楽しむことが一番だというのは本当だな。なんだか熊野も嬉しそうにしてたし」

提督「多分ここ最近の中で一番癒された。この調子でいきたいところだ」

下2

提督「瑞鶴か。瑞鶴はちょっと前のアレを思い出す」

提督「前にちょっとおさわりしたら母港執務室が爆撃されたなぁ……仕事を自室でするはめになっただけであんまり被害は無いけど」

提督「その時のことは俺が悪いという事で片が付いたから、弱みにはならん。さて、そんなことはどうでもいい。遊ぶぞー!」

下2

提督「そんな3000個しか出荷されてないボードゲームが都合よくここにあるわけ……あった」

提督「よーし、そろそろ出撃から帰ってくる瑞鶴とするぞー」

瑞鶴「提督さん、艦隊が無事帰投したわよ」ガチャ

提督「ちょうどいい瑞鶴、一緒にボードゲームするぞ」

瑞鶴「ボードゲーム? 人生ゲームとか?」

提督「いや、レッドサンブラッククロス」

瑞鶴「初めて聞くけど、それって有名なの?」

提督「日本とドイツの架空戦記だぞー。コアなファンにはのどから手が出るほど欲しいもののはずだ」

瑞鶴「面白そうだけど、はっちゃんには見せられそうもないわね。それで、どういうゲームなの?」

提督「聞いて驚くなよ。マップは一メートルを超え、駒も千を越える数を用意し、ルールブックも驚きの百ページを軽く超えたものだ!」

瑞鶴「な、なにそれ? それって本当にボードゲーム?」

提督「ボードゲームどころかテレビゲームの常識を超える一プレイ百時間! 面白そうだろ」

瑞鶴「そこまで聞いてしたいって思う人はいないと思うのだけど……提督さんはやったことあるの?」

提督「こんな規格外なゲームしたことない。そもそもルールすら難しくて覚えてないのに」

瑞鶴「ダメじゃない!」



提督「まあ俺がルール知らないのにしようとか無理な相談だったな。というか、百時間もプレイしてたら秘書官にどつかれる」

提督「もっと短い時間で軽くできるのがいよな。うん、次いこう」

下2

提督「工廠修繕中なんだよなぁ……いや、開発するだけならまだ方法はあるはず」

提督「さっそく比叡のところに――」
比叡「司令、ちょっといいですか」

提督「おおちょうどいい。今比叡の所に行こうと思っていたんだ」

比叡「ちょうどいいじゃないですよ! 榛名が今朝からちょっと怖いんです」

提督「ほう榛名が? 興味深い」

比叡「急に顔が赤くなったり青くなったり……とにかく、金剛お姉さまも榛名の姿を見ていつもの元気がないんですよ」

提督(……あ、これ昨夜の俺のせいか)

比叡「霧島はため息をつくばっかりだし、もう司令に頼るしかないんですよ~」

提督「しょうがない。俺がひと肌脱ごう!」

比叡「わー」

―厨房―

提督「間宮さんに借りてみた」

比叡「どうして厨房なんですか?」

提督「人を元気にさせる方法の中に、おいしいご飯を食べるといったものがある」

比叡「なるほど。比叡カレーの出番ですね!」

提督「喝っ!!」

比叡「ひえっ!?」

提督「ここはいつも食べているものではなく、別の物を作った方が目新しさもあっていいだろう」

比叡「なるほど! さすが司令!」

提督「新たな食事メニューを開発するのだ!」

比叡「本気! 出して! 行きます!」

提督「行くぞ比叡、俺達でもできるという事を教えてやるぞ!」

比叡「はい!」

―司令官室―

提督「……料理できない奴がメニューなんて開発できるわけないだろ」

提督「本当に開発(意味深)になってしまった。多分霧島は逃げてるが、金剛と榛名が心配だ。折を見て誰かに見に行ってもらおう」

提督「まあ金剛型の事は後にするとして、次に遊ぶ子を決めるぞ」

下2

提督「真面目系重巡那智か。実は酒好きという面もあるとか」

提督「真面目なだけあって絡みにくいんだよなぁ……さて、どう遊ぶとしようか」

下2

提督「飲兵衛か。他の提督の知り合いはいないから必然的にみんなのうち誰かになるな」

提督「俺が思い浮かぶ酒飲みは……隼鷹は固いとして千歳も結構なものだよな」

提督「鳳翔さんも呼んでおこう。あれで結構お酒好きなはず。つまみも作ってくれるし」

提督「よし、そうと決まれば早速手回しだ」


―夜・鳳翔の店―

提督「鳳翔さん、お世話になります」

鳳翔「いえ、かまいませんよ。私もこうして集まって飲むことはあまりありませんし」

隼鷹「今日は飲み明かすぜー!」

千歳「たまにはハメを外すのもいいですね」

那智「……なぜ私が呼ばれたのだ?」

提督「今日はMVPとっただろ? やっぱり、一人で酒を飲むより、みんなで飲んだ方が楽しいじゃないか」

那智「ふん……」

提督「気に入らなかったか?」

那智「粋な計らいだな。いいだろう、たまにはこうして飲むのもいい」

提督「おお、こりゃテンション上げていくしかないな!」

隼鷹「飲むぜー!」

千歳「お酒はいっぱい用意してきました!」

鳳翔「おつまみも作ってますよ」

提督「ほら、まずは一杯」ススッ

那智「悪いな。私はもてなされているだけだというのに」

提督「何言ってんだ今日MVPとったのは那智だろ。遠慮すんなって」

那智「ふっ、では遠慮なく行かせてもらうとするか」

―数時間後―

那智「zzz……」

提督「思いのほか潰れるの早かったな」

隼鷹「あんまり飲みなれてない感じがしたしなー」

千歳「あんなに量を飲ませたら、酔いが回るのが早いのも当然だと思うのだけれど」

鳳翔「毛布、持ってきますね」スタスタ

提督「ん。まあ、那智は脱落したが、朝まで飲み明かすのは変わらないぞー!」

隼鷹「おー!」

―朝―

那智「ん……」

鳳翔「あ、起きましたか」

那智「あ、ああ……この状況は?」

提督「グガー……」
隼鷹「グー……グー……」
千歳「スゥ……スゥ……」

鳳翔「日の出を迎えると同時にみんな倒れるように寝てしまいました」

那智「そうか。悪いな、片づけを任せたみたいで」

鳳翔「気にしないでください。お酒が飲める人でも、飲み方が悪いとこういう事も少なくないですから」

那智「そうか。では、また今度こうして飲むとき、その時こそ手伝うとしよう」

鳳翔「ふふ、ありがとうございます」


―司令官室―

提督「なんか知らないけど、那智が満足そうな顔してた。最初に潰れてたはずなんだがなぁ?」

提督「まあいいや。三日酔いはなんか来なかったし、まだまだ遊ぶぞ!」

下2

提督「我が艦隊の誇る動物コンビだな」

提督「クマーやらニャーやらキソーとか鳴くんだよな。かわいい。……木曾も鳴いてくれればいいのにな」

提督「さて、色々と思いつくが、球磨と多摩には……」

下2

提督「とりあえず可愛がればいいんだな! ヤッター!」

提督「よし、今行くぞ球磨多摩!」

―球磨型の部屋―

多摩「はっ、なんだか嫌な予感がするにゃ」

球磨「クマー? 球磨はそんな予感しないクマ」

多摩「そうにゃ? じゃあ気のせいにゃー」グデー

提督「ところがどっこい提督の登場です!」ガシャーン

球磨「クマー!?」
多摩「にゃー!?」

提督「ふふふ、突然のダイナミック登場に言葉も出ないようだな」

球磨「むしろ、この状況で冷静になれるのなら、そいつをお目にかかりたいクマ」

多摩「な、何の用にゃ?」

提督「そりゃもちろん、二人を可愛がるためだ!」ガシッ

球磨「く、クマ! いきなり何するクマ!」

多摩「多摩を離すにゃ!」

提督「よーしよしよしよしよしよし!」ワシャワシャ

球磨「クママママ! や、やめるクマー!」

多摩「多摩の髪がぐしゃぐしゃになるにゃ!」

提督「おっと、それは悪いことしたな。ほれ、この券を使って美容院に行くといい」

球磨「そ、そこまでは受け取れないクマ!」

提督「なに、ほんの気持ちだ。ほら、他に何かしてほしいことはあるかい?」

球磨「(た、多摩、提督がなんかおかしいクマ)」

多摩「(ここはいったん退避するのが得策にゃ!)」

提督「球磨、多摩?」

球磨「に、逃げるクマ!」ダッ

多摩「にゃあ!」ダッ

提督「……まあ、一応これでいいか。まさか逃げられるとは思ってなかったし」

提督「動物を可愛がるのもいいなぁ。さーて、次の人は……」

下2

提督「まったり過ごすって、すでに遊んでないと思うのだが……まあ、休息も必要だな。うん」

提督「既に呼び出してるし待つだけか。あー、まったりかぁ……ふわぁ……」

――――――――

蒼龍「遅れて申し訳ありません。蒼龍、ただいま推参しました」

提督「……」

蒼龍「提督?」

提督「zzz……」

蒼龍「あ、なんだ、寝てるのね。疲れていたんでしょうか、起こすのは、なんだかしのびないかな」

蒼龍「ふふ、それにしてもいい寝顔ね。急ぎの用事でないのなら、もう少しこのまま……」

――――――――

提督「……はっ、しまった。ついうとうとと」

蒼龍「あ、起きましたか提督」

提督「蒼龍? ああ、すまなかったな、寝ていたみたいだ」

蒼龍「いえ、提督もお疲れでしょう。火急の用件でなければもう少しゆっくりしても大丈夫ですよ」

提督「そうか。実は用件も大したことは無い。少しゆっくり話でもしようと思っただけだ」

蒼龍「ゆっくりすることが目的なら、もう叶ってますね」

提督「蒼龍はずっと待っててくれてただろ?」

蒼龍「私はそれで十分です。……いえ、十分でしたから」

―司令官室―

提督「よく分からんが、まったりできていたらしい」

提督「はっ、もしかして落書きとか……! なんて、蒼龍がそんな子供っぽいことするはずもないか」

提督「いまいち腑に落ちんが次行くか」

下2

提督「ほほう、一航戦といえば赤城と加賀か」

提督「食いしん坊キャラが定着しつつあるが、我が鎮守府ではそんなことは無く……無い、のか?」

提督「あんま資材とか見ないからな……暴食してたらどうしよ。今度秘書官に聞いてみよう」

提督「さて、二人にはどうしてやろうか」

下2

提督「よし、暴食疑惑を晴らすためにも何か御馳走してやろう」

提督「どこかいいところは……ん?」

『間宮ゴールデンパフェ ¥5000 この季節に合ったフルーツを盛り付けました。期間限定なので、この機会でしか食べられない逸品!』

提督「青葉の新聞の記事か……いいんじゃないかこれ。高すぎて頼む奴いるのかって話だが」

提督「どうせ使う機会のないお金だ。この機会に散財してやるぞー」

―間宮食堂―

提督「ほら、食え。今日は特別におごりだぞ」コトッ

赤城「……」
加賀「……」

赤城「(か、加賀さん! これってあのシンプルな名前からは想像もできないような超高級・豪勢なパフェですよね!?)」

加賀「(どうやらそのようね。ふ、ふふ、この私としたことか、少し声が震えてしまっているようね)」

赤城「(どうします? 本当に食べていいんですか? ただより高いものは無いって聞きますよね!?)」

加賀「(器用ね赤城さん。叫びながら内緒話をするなんて)」

赤城「(そういう話をしている時じゃありませんよ!)」

提督「どうした? 早く食わなければ溶けるぞ」

赤城「い、一航戦赤城、いただきます!」パクッ
加賀「いただきます」パクッ

赤城・加賀(お、おいしい!)

提督「おいしそうに食べてるな。もてなしたかいがあったってもんだ」

赤城「あの、突然なぜこんな高価なものをおごろうと?」

提督「ん? ああ、そうだな……これまでお世話になっただろう。そのお礼だ」

提督(と、いう事にしておこう)

赤城「提督……」

加賀「こちらこそ、これより一層奮起して頑張らせていただきます」

提督「加賀はクールだなぁ」

加賀(パフェ美味しい)状態:キラキラ

――――――――

赤城「ご馳走さまでした」
加賀「御馳走様でした」

提督「もういいのか? 別にあと二つくらいなら余裕だけど」

赤城「いえ、これ以上はいただきすぎになるので」

赤城(舌が肥えてしまいそうですし、なにより値段が脳裏を横切ります)

加賀「私も、赤城さんと同意見です」

提督「ふむ、そうか」

提督(やっぱり食いしん坊の空母はいなかったんですね。ヤッター)

提督(よし、この調子で他の子とも遊ぶ……あれ、今回二人に奢っただけじゃ……いや、気にしないようにしよう)

下2

提督「メロンちゃん、メロンちゃんじゃないか!」

夕張「メロンちゃんいわないでください!」

提督「何時の間に居たんだ夕張。タイミング良いな」

夕張「何のタイミングですか。工廠が修復完了したので、その報告に来ました」

提督「そうか。流石妖精さん、仕事が早い」

夕張「今後、勝手に夜間の間に工廠を使うことは禁止ですよ」

提督「分かった。まあ、実際使う事なんてないしな」

夕張「じゃあなんで使ったんですか……」

提督(いい感じの空気だ。さて、夕張とはどう遊ぼうか)

下2

提督「……いやいや、五航戦て。いったい何の遊び……なるほど!」

夕張「いきなりぶつぶつ言ってくるかと思ったら、何を急に理解したんですか」

提督「夕張、五航戦ごっこをしよう」

夕張「はい?」

提督「お前翔鶴な。俺瑞鶴で」

夕張「いや、するって言ってませんからね。しかもその役割、絶対セクハラしてくるでしょう」

提督「な、何を! それは瑞鶴に対しての侮辱だぞ!」

夕張「提督が翔鶴さんのスカートに触ったとき、瑞鶴って言葉が出てましたよね」

提督「ソウダッケ?」

夕張「その棒読み具合、絶対覚えてますよね!」

提督「もうそんなことはいい! さあ、めくらせろー!」ガバッ


瑞鶴「提督さん、それは私に対する挑戦と受け取っていいのかしら?」

提督「ビクッ、な、なぜここに瑞鶴が……」

瑞鶴「提督さん、艦隊が無事に帰投しました」

提督「……夕張、助けてくれ」

夕張「もし死んだらアンドロイドとして復活させてあげますから♪」

提督「せめて艦娘にしてくれ――」

――――――――

―執務室―

提督「自室が爆撃された。まあ、命があるだけましという事にしておこう」

提督「次から遊ぶ奴はあんな内容にするなよ! 絶対だぞ!」

下2

提督「大井かー。あいつ苦手なんだよな。なんか陰でなじってくるし」

提督「最近はもはや隠す気ないのかわざわざ目の前で悪態つくんだよな」

提督「北上の居るところだと、なおのこと俺を蔑ろにする……いや、その状況なら大井に限った話じゃないけど」

提督「っと、俺の事はどうでもいい。大井と何をするかだ」

下2

提督「死体ごっことは、なかなかエクセレントなチョイスだ」

提督「とはいえ相手は大井。おそらく誘ったところで罵倒が繰り広げられるだけだ」

提督「ならば、俺が死体となり、大井の反応を見る。これぞ大井の下種を見る目を直視しないで済む一番の方法」

提督「そうと決まれば……」

―数十分後―

大井「提督、作戦終了しました。こちらの報告書に詳細が……って、何寝てるんですか」ガチャ

大井「まったく、こんなダメな提督の秘書官は大変ね。ほら、さっさと起きませんと、酸素魚雷打ち込みますよ」

提督「……」

大井「……いい加減にしてください。私は早く北上さんに……え」ユサユサ ヌルッ

提督(ククク、揺らした時にうまく血が流れるように細工をしていたのさ。ちなみに血はついさっき献血したやつを使っている。それ献血じゃないというツッコミはナシだ)

大井「そんな……て、提督、冗談ですよね? まさか、そんな……」

提督(ふふふ、俺が死んだという喜びに声を上げたところでドッキリだとばらしてやろう。呆ける顔が目に浮かぶ)

大井「グスッ……そんなぁ……提督……」

提督(……ん?)

大井「殺しても……ヒック……死ななそうな……方だったのに……」

提督(待て、待て待て、これは予想外だぞ。た、タイミングが分からないぞこれ!?)

大井「……」ガシャン

提督(え、ちょ、なんか物騒な音が)

大井「必ず探し出して……この手で……」ゴッ

提督(――ヤバイ)ゾワッ

提督「じょ、冗談だ大井! ドッキリだ、ほんのドッキリのつもりだったんだ!」

大井「――はい?」

提督「だからその発射管はおろせ、な?」

大井「提督、何もないのですか? ただのドッキリだと?」

提督「あ、ああ。だから落ち着け、な?」

大井「……はぁ」ガシャン

提督「何故こっちに向ける」

大井「死んでください」

提督「や、やめ……それは本当に死ぬ!」

ドーン


―臨時・司令官室―

提督「一体何回部屋が壊れれば気が済むのだ。まあ、今回は大井の意外なところも見れたから良しとしよう」

提督「命にかかわる相手はもう勘弁してくれよ……」

下2

提督「初雪か……ひきこもる姿はよく見るが、あれで歴戦の戦士だとか」

提督「あんまり会話が繋がりそうにないが、それもすべて遊ぶ内容によるな。うん」

下2

提督「尻を叩くって、また憲兵さんが飛んで来そうな内容を……」

提督「しょうがないな……」

―吹雪型の部屋―

吹雪「出番が欲しいです」

叢雲「なんで私に言うのよ。あいつのところに言いに行きなさいよ」

吹雪「前に行ったときは扉の前に天龍さんがいて入れなかったの」

叢雲「あんたね……なら、今から行けばいいじゃない」

吹雪「それもそうだ! よーし、吹雪型一番艦吹雪行ってきます!」ガチャ

叢雲「心配だから私も行くわ。初雪、白雪たちもいないし留守は頼むわよ」バタン

初雪「うん……」

初雪「……大変そう」

提督「今から大変なのは初雪、お前だぜ」ガチャ

初雪「入れ違い……」

提督「誰とだ? まあいい、そんなことより……」ゴソゴソ

初雪「なんで服を……?」

提督「俺の尻を叩いてくれ」

初雪「っ!?」ビクッ

提督「さあさあ、今なら二人きりだ。遠慮はすることないぞ!」

初雪「嫌……来ないで……」

提督「恥ずかしがってまあ――」
叢雲「なんか、私たちの部屋にあいつが来てるって話を聞いたけど」ガチャ

初雪「あ……」

提督「……」ゴソゴソ

叢雲「待ちなさい。なんで私たちの部屋にいて服を着てるの?」

提督「今回は失敗だな。アディオス!」ダッ

叢雲「あっ、待て!」ダッ

初雪「助かった……」


―臨時・司令官室―

提督「捕まって物理的に殴られた。普通に痛い」

提督「まあ、失敗することくらいあるさ! 次こそ成功すると信じよう!」

下2

提督「ビスマルクに恐怖ドッキリ……いいね! 準備だ準備。もちろん決行は夜中だ!」


―深夜―

ビスマルク「アトミラール、こんな時間に何の用かしら……あら、どこにもいない?」ガチャ

ビスマルク「何よ、せっかく来て上げたというのに不在だなんて。悪戯ってことは無いわよね」スタスタ

バタン カチャッ
ビスマルク「!?」

ビスマルク「え、嘘、いきなり閉まるなんて! しかも開かない!?」ガチャガチャ

プツッ

ビスマルク「ひっ、で、電気も切れた? 何よ、驚かそうっていうの!? ビスマルク型戦艦のネームシップがこの程度で音を上げると思わない事ね!」

ゴンゴン

ビスマルク「ビクッ」

『おい、どうした、大丈夫か?』

ビスマルク「ア、アトミラールなの? びっくりさせないで……それより早く助けなさい! 電気も切れて扉があかなくて困ってるのよ!」

『分かった! ちょっと待ってろ……おい、誰だこんな時間に……お、ま、待て……お前誰だ……』

ビスマルク「アトミラール?」

『や、やめろ……ひっ、グガアアアアアアアア!!』

ビスマルク「アトミラール! どうしたの、返事をしなさい!」ヌチャ

ビスマルク「ぬちゃ? ……こ、これ、扉の下から流れてくるの……」

『ドウシタノ、ビスマルク、タスケテアゲルヨ』

ビスマルク「ひっ、あ、あなた誰!」

『テイトクジャナイカ。ナニヲイッテルノ……イマアケルカラネ』

ビスマルク「誰なの! 答えなさい!」

『コッチニキテ、イッショニナロウヨ。クケ、ケケケケケケケケケケケk』

ビスマルク「……っ」


提督「なーんて、これ以上は飽きられそうだからやめるけど、どうだった? 正直怖くなかったかもだが……」ガラッ

ビスマルク「」

提督「……うーむ、いきなり深夜にやられると、流石のビスマルクも失神するか」

提督「しょうがない、部屋に運ぶとするか」

提督「ところで、なんでビスマルクは扉の方を見て失神してんだろうな。内容も閉じ込めて暗くしただけなんだが、失神する要素あるか?」

提督「まあ、次に遊ぶ子を考えながら動くか」

下2


提督「ちなみに、俺自身は窓に隠れていたぞ。今更だがな。てかなんで血のりがついてたんだ。掃除大変だったんだぞ」

提督「さて、そんな終わったことはさておいて、瑞鳳にちょっかいかけるぞ」

提督「ちょっかい……間違えた、遊ぶんだった。ついつい最近の傾向を見てると忘れてくる」

提督「瑞鳳の良さは何と言ってもあの反応だな。押しに弱いし、世話もしてくれるし、うん、可愛いことづくめだな」

提督「こんな子を秘書官にした方が良かったかな……」

提督「っと、そんなことは後でいい。まずは何して遊ぶかだな」

下2

提督「九九艦爆を貶すって……貶すほど俺は詳しくないぞ……」

提督「そもそも足が可愛いって、よく分かんないんだよな……」

瑞鳳「提督、戦績が届きましたよ」ガチャ

提督「……」

瑞鳳「どうかしましたか?」

提督「九九艦爆乳の方を貶せばいいのか」

瑞鳳「いきなりなんですか!?」

提督「やっぱり小さい方がいいよな、瑞鳳みたいに」

瑞鳳「同意を求めないでください! 失礼ですっ」

提督「褒めたのに?」

瑞鳳「本気で褒めたと思うのなら、休んだ方が賢明ですよ?」

提督「まあまあ、瑞鳳もそんなつれないこといわずに」ゴソゴソ

瑞鳳「んっ、提督、急に格納庫をまさぐらないで……んっ」

提督「……お、これが九九艦爆か」

瑞鳳「はあ……っ……九九艦爆……?」

提督「……そういえば、九九艦爆は時代遅れになってから九九棺桶だとか九九ドンバクとか言われてたな」

瑞鳳「……」

提督「貶すっていってもこれくらいだろうか、俺の知識だと。ん、どうした瑞鳳」

瑞鳳「提督の、馬鹿ーーーーーー!!」ダッ

提督「えっ? そんなに貶されるのが耐えられなかったのか? ううむ、よく分からん」

提督「気にしてもしょうがない。次の相手だ」

下2

提督「よし瑞鶴だ。きっとあいつならすぐに来る」

瑞鶴「提督さん、艦隊が無事帰投したよ」ガチャ

提督「瑞鶴、このタイミングで来るとは、さすが運がいいな」

瑞鶴(嫌な予感がして、それが良く当たるのも運がいいうちに入るのかな)

提督「しけた顔するなよ。ちょっと遊ぼうと思ってるだけだ」

瑞鶴「遊ぶって、何をするの。前みたいに提督さんも出来ないゲームはなしにしてよね」

提督(遊ぶ内容か。それなら……)

下2

提督「瑞鶴、物は相談だが、翔鶴にドッキリをしないか」

瑞鶴「翔鶴姉に? 提督さんの考えることだから、あんまり信用できないんだけど」

提督「まあまあ、するか否かは聞いてから決めればいいだろ?」

瑞鶴「確かにそうね。話してみて」

提督「翔鶴に修羅場ドッキリを見せる!」

瑞鶴「修羅場って……私と提督さんが!? 冗談やめてよ!」

提督「そう本気で嫌がられると、流石に傷つくのだが」

瑞鶴「あ、いや……とにかく、翔鶴姉にそんな誤解されるなんて嫌よ」

提督「じゃあ、修羅場は修羅場でも……ゴニョゴニョ」

瑞鶴「えー……でも、そっちの方がましかしら」

提督「そうと決まれば決行だ。おそらく翔鶴は遅くなった瑞鶴を探しにここに来る。それを狙って……」

瑞鶴「はーい」

―数十分後―

翔鶴「瑞鶴遅いわね……提督のところにいるのかしら」

『瑞鶴、それだけは絶対に譲れんからな!』

翔鶴「提督? 瑞鶴もいるらしいけど……いったい何の話をしていらっしゃるのかしら」

『いいえ、提督さん。私の方が大事に思ってるわ。提督さんなんかに負けないくらい!』

『それは瑞鶴からの一方的な気持ちだろう!』

翔鶴(言い合い? 少しはしたないですけど、覗いてみましょうか……)

瑞鶴『翔鶴姉は私のよ!』

提督『もの扱いの時点でたかが知れてるな! 翔鶴は俺の嫁だ!』

翔鶴「!?」

瑞鶴『どうしても譲らないようね……』

提督『当たり前だ。そもそもお前に話したのは、ケッコンカッコカリ後に余計な動乱を持ちこみたくなかったからだ』

瑞鶴『そう。なら、遠慮することは無いわね。全機爆装!』

提督『かかってこい、全て撃ち落としてやる』

翔鶴「や、やめてください二人とも!」バタン

提督「翔鶴!? しまった、聞かれてたか……」

瑞鶴「しょ、翔鶴姉これは違うの!」

翔鶴「お願いですから、私のために争うなんてことしないでください!」

提督「……すまない」

瑞鶴「提督さん……」

翔鶴「……すみません、私も少し考えさせてください」バタン

瑞鶴「えっ、翔鶴姉? ちょ、提督さんどうするの? 勘違いしぱなっしだけど」

提督「……しまった、またネタばらしするタイミング間違った」

瑞鶴「ちょっと!」




提督「瑞鶴からは自分で誤解を解いてといわれた。まあ覚えていたら後でといておこう。……うん、大丈夫だ。どうせ時間が経てば、瑞鶴が勝手に誤解を解いてくれるはず」

提督「そんなわけで気にせず次へ行く」

下2

提督「気にし……ないつもりだったが、しょうがない。翔鶴のところへ行くか」

提督「だが前提として言っておくが遊ぶだぞ。誤解を解いて終わるだけはさすがに面白くないだろう」

提督(俺誰に言ってるんだろう……)

下2

今日はここまでにします

―翔鶴型の部屋―

翔鶴「そういう事だったのですか。すみません、勘違いして」

提督「いや、これは俺の方が悪い。こちらが謝罪をするべきだ。というか、元より翔鶴は悪くない」

翔鶴「ドッキリですものね」

提督「まったくだ」

翔鶴「……ええと、まだ何かご用件が?」

提督「一緒に寝ないか」

翔鶴「えっ!?」

提督「共に寝るといっているだけだ。日本男子が恥を忍んで頼んでいるのだ、その返しは無いだろう」

翔鶴「もう……面白がっているだけじゃないですか?」

提督「その面もあることは否定しない。やはりだめか?」

翔鶴「……寝るだけですよ?」

提督「もちろんだ」

翔鶴(ドッキリと言われた時、少しだけ寂しく思ったんですからね。これくらい、いいはずです)

瑞鶴「……なんで提督さんがここにいるの」

提督「翔鶴には許可をもらった」

瑞鶴「翔鶴姉、正気!?」

翔鶴「瑞鶴に正気を疑われたのは初めてかしら」

提督「瑞鶴が嫌なのであれば、お前だけ別の場所で寝ても構わんのだぞ。ん?」

瑞鶴「くぅ……私もここで寝るわよ!」

翔鶴「瑞鶴、無理はしなくてもいいのよ?」

瑞鶴「無理なんてしてないわ! それに、提督さんと翔鶴姉を二人きりにさせたくないし……」

提督「嫉妬か」

瑞鶴「べ、別に翔鶴姉に嫉妬してるわけじゃ……!」

提督「ほう、俺はどっちに嫉妬したとか言ってないんだけどな」

瑞鶴「っ!! もう寝る!」ガバッ

翔鶴「あら、瑞鶴ったら」

提督「でも、本当に良かったのか? 俺が言うのもなんだけど」

翔鶴「ええ、瑞鶴も口ではこういってるけど、多分そこまで嫌がってはいないと思いますから」

提督「そうか、なら気にするだけ野暮だな」

翔鶴「はい♪」




提督「昨夜はお楽しみ……といっても本当に寝ただけだが」

提督「あと最近はあまり遊んでない気がするな。どちらかといえばちょっかいをかける方が多いような……」

提督「……まあいいか、遊びの本懐は楽しむこと。楽しんでいさえすれば、それは遊びだよな!」

下2

提督「不幸姉妹の妹、山城か。不幸って言っても、今や航空戦艦となり立派に戦果を上げてはいるのだけれど」

提督「でも山城は扶桑と違って俺には扱いにくいんだよな……扶桑を引き合いに出せば簡単だが」

提督「そういう意味では、分かりやすい奴ではあるか。さて、山城とはどう遊ぼうかな」

下2

提督「褒め合いって姉妹LOVEの人に勝てる訳ないじゃないか。マシンガントークで敗北する未来が見える」

提督「……まてよ、別に勝つ必要はないんだ。むしろ、負けちゃっていいと思うんだ」

提督「よし、早速扶桑型の部屋に行くぞー!」

―扶桑型の部屋―

山城「最近姉さまと出撃できてない、不幸だわ」

扶桑「役割が被ってるから仕方ないわ。山城、出撃の機会があるだけ、喜ぶべきの事のはずよ」

山城「そうですけど……姉さまつれないです」

扶桑「もう、山城ったら。ほら、こっちに来なさい。膝枕してあげるから」

山城「はいっ、姉さま!」

提督「扶桑の膝枕気持ちええなあ……」ゴロン

山城「!」

扶桑「て、提督、いつの間にいらっしゃったんですか?」

提督「今来た。さて、山城、その砲門をおろすんだ。もうこの展開は誰もがあきただろう」

山城「提督に先を越されるなんて……不幸だわ……」ガクッ

提督「悪いことしたかな。しょうがない、俺の腕枕で良かったら……」

扶桑「あの提督、それより私たちに用があるのでは?」

提督「そうだった。山城、最近幸せを満喫してきつつある扶桑を褒める勝負をしないか」

山城「……負けませんよ?」

扶桑「え、ふ、二人とも?」

提督「膝枕の取り合いで負けた山城が勝てるとでも?」

山城「姉さまは艶やかな髪に美しい肢体、憂いを帯びた表情が素晴らしいです」

提督「いきなりか」

提督(龍田と違って見た目からあげるのも、特徴といえば特徴か)

山城「ほら、どうしました。提督は何も言わないんですか」

提督「ええっ、マシンガンの一方的じゃない!? えっと、膝枕が気持ちいい」

山城「……ううっ、不幸だわ」

提督(しまった、引き合いに出し過ぎた)

扶桑「提督、あまり山城を虐めてあげないでください」

提督「すまん、そんなつもりじゃなかったんだが……って、なんで扶桑は顔を隠す」

扶桑「今はその……見せられる顔ではないので」

―臨時・司令官室―

提督「なんだかんだで有耶無耶になった。そして腕が痺れる……」

提督「山城は少し突いただけでどんどん気持ちが沈んでいくからな。いじりにくいのがたまにキズだ」

提督「もしかすると、正面から勝負を仕掛けたらもっとイキイキした山城が見れたかもしれん。ううむ、反省」

下2

提督「飢えた狼とも評された足柄か」

提督「なんでか結婚相手に飢えてるって解されることもあるんだよな。一応三番艦なんだけど……」

提督「まあその辺はいじってあげないに越したことは無いな。うん、風評被害風評被害」

下2

提督「遊びらしい遊びキタ!」

提督「さっそくチェス盤を持ちこんで勝負するぞ!」

―妙高型の部屋―

足柄「チェス? いいわよ、これでも私、チェスは強いのよ」

提督「ほう、言ったな。これでも提督としてこの鎮守府を守っている身。戦略で勝てるかな」

足柄「それはやってみればわかることよ」

提督・足柄「「Good Luck」」ガシッ

―数時間後―

足柄「これでチェックよ」

提督「……ま、待った」

足柄「チェスに待ったは無いわよ」

提督「ぐ、ぐう……参りました」

足柄「これで十戦九勝一分け。提督、弱いわね」

提督「ぐはぁ! あ、足柄が強いだけだ!」

足柄「私強いとは言ったけど、これでも妙高姉さんに勝ったことは殆どないのよ」

提督「な、なんだってぇ!?」

足柄「ついでにいえば、チェスは戦略よりも戦術面の方が強い気がするのだけれど」

提督「だ、だめだ……言い返す言葉もない」

足柄「そうねぇ……今度一緒に妙高姉さんに教えてもらいましょう」

提督「いいのか?」

足柄「妙高姉さんが断るはずないわよ。でも……」

提督「ん?」

足柄「私が勝利を掴むのは変わらないわよ」

―臨時・司令官室―

提督「足柄ってまともな奴だったんだな。風評被害にだまされてた」

提督「こうしてみると、あんまり話をしない人もいるわけで、たまにはこうして遊ぶのも悪い事ではないわけだな」

提督「よし、秘書官の言い訳もばっちりだ。俺はまだ遊ぶぞー!」

下2

提督「吹雪……誰だっけ」

吹雪「特型駆逐艦吹雪型ネームシップ吹雪ですよ! なんで覚えてないんですか!」

提督「はっはっは、冗談だ冗談。そもそもこの前出撃メンバーに入れたばかりだろう」

吹雪「それでも、司令官のことだから……」

提督「それこそいらない心配だな」

吹雪(むしろその自信はどこから来るんでしょう)

提督(さて、吹雪とは何して遊ぼうか)

下2

提督「つまり、もっと出番が欲しいという事だな、吹雪よ」

吹雪「有りたいに言えばそういう事です」

提督「ならば力を見せろ」

吹雪「力、ですか」

提督「そうだ。最近、敵の艦も徐々に強力になっている。戦いについていけない奴が言っても足を引っ張るだけだ」

吹雪「だから力を見せろと」

提督「そうだ。トレーニング場に行くぞ。そこで見極める」

吹雪「……」ゴクリ

―トレーニング場―

提督「一本でもとった方が勝ちだ。いいな」

吹雪「分かりました」

提督「では、行くぞ!」


長門「む、今度は吹雪と提督か。提督が珍しくやる気になっているな」

大和「あー、あれはですね……」

長門「あれだけやる気があるのならば、次に私とも戦ってくれるだろう。ふっ、楽しみになってきた」

大和(提督、自分より弱いものには強気に出るんですよね……提督のためを思って、長門さんに反省させてもらいましょう)


提督「甘いな吹雪。これだけの時間があれば、武蔵ならばすでに一本取っていたぞ」

吹雪「はっ……はっ……まだ負けてません!」バッ

提督「意気込みだけでは勝てんぞ!」バシッ

吹雪「あっ、木刀が!」

提督「勝負あったな」

吹雪「負けました……さすが司令官、お強いですね」

提督「まあな、司令官たるもの強くなくてはならない」

長門「ほう、それは楽しみだ」E:木刀

提督「……んん?」

長門「吹雪、見ていろ。そして学べ。ビック7と我らが提督との戦いでな」

吹雪「はい!」

提督「……どうしてこうなった」

―臨時・司令官室―

提督「なんだかんだで武蔵の時と同じくらいボコボコにされた。というか、長門の奴、手加減しなかったぞ」

提督「大和も近くにいてくれたのに止めてくれなかったし……戦艦なんて嫌いだ」

下2

提督「戦艦なんて嫌いといったそばからか……」

提督「しょうがない……金剛型の部屋へ行こう」


―金剛型の部屋―

霧島「今度は何をしに来たんですか」ズイッ

提督「近い近い。それにいつも何か問題ごと起こすみたいに言うなよ」

霧島「へぇ~、前に起こした惨状を忘れてるわけじゃないですよね?」

提督「忘れてない忘れてない。ところで、金剛たちは?」

霧島「比叡お姉さまを嗾けたのは提督ですよね」

提督「やっぱ比叡スペシャルは失敗だったか」

霧島「はぁー……提督がもう治らないのは分かっていましたけど。それで、何の要件ですか」

提督「スポーツセンターに行こう」

霧島「帰ってください」

提督「待て、少しくらい話を聞いてくれ」

霧島「納得させるだけの言葉がちゃんとあるんですよね」

提督「もちろんだ――」

―スポーツセンター―

カキーン
<ホームラン

提督「イエーイ! ホームラン!」

霧島「さすがですね提督。ですが、私の分析によれば、少しだけ右にずらせば綺麗にホームランできたかと」

提督「霧島は厳しいな。さて、次行くぞ!」

霧島「……はっ、私は一体」

提督「あれ、今更気がついたの」カキーン<ホームラン

霧島「て、提督、何を言ってここまで私を連れ出したのですか!」

提督「スポーツは分析能力も上げられるから、もっとみんなの役にたてられるようになるぞって言ったらあっさり来たんじゃないか」カキーン<ホームラン

霧島「……そう言えばそうでしたね」ガクッ

提督「ほれ、霧島もやってみろ」

霧島「どうせ来てしまいましたしね……はっ」ブンッ<ストライク

提督「……」

霧島「た、たまたまです。私の分析によれば、次こそ打てます……やっ」ブンッ<ストライク

提督「霧島」

霧島「な、なんですか」ブンッ<ストライク

提督「無理すんな。一緒に練習しよう、な?」

霧島「くうっ、提督に気を使われるなんて!」ブンッ<ストライク

―臨時・司令官室―

提督「帰るまでに少しでも霧島を打てるようにした。スポーツは分析だけじゃ決まらないところが面白いよな」

提督「あと金剛達は霧島があっさり出たところを見ると、ある程度回復もしてるようだし。心配事は何もないな」

提督「ない……よな。まあ、あったってなんとかなるか!」

下2

提督「大鯨……うーむ、我が鎮守府では龍鳳なんだが……まあ名前だけ大鯨にしとけば……え、駄目?」

提督「両者を納得させる……そうだ、回想的な奴にしとけば問題ないな!」

提督「そういえば、改造する前にあんなことがあったな……」

下2(回想扱いにしますが気にせずいつものような内容で)

提督「大鯨、親睦を深めるためにもソリティアをしよう」

大鯨「そりてぃあ、ですか?」

提督「その反応は知らないと見た。ソリティアは一人でも遊べるゲームの事だ」

大鯨「そうなんですか! でも、一人で遊ぶゲームで、どうやって親睦を深めるんですか?」

提督「……し」

大鯨「し?」

提督「しまったぁあああ!」

大鯨「て、提督? 頭を抱えてどうしたんですか?」

提督「すまない大鯨。俺、基本的に多人数で遊ぶ遊び知らないから……」

大鯨「そ、そうだったんですか……」

提督「悪いな、出直してくるとする」

大鯨「……そ、その、一人用のゲームって、意外と難しいですよね。一緒に考えましょう? それなら一緒に楽しめますよね?」

提督「大鯨……お前、良い奴だな」

大鯨「そんなっ、私はただ提督の好意を無駄にしたくなかっただけですからっ」

提督「うう、こんないい子が我が艦隊に来てくれるなんて……よし、今日はずっと一緒に遊んでやるぞ!」

大鯨「はいっ」

―回想終了―

提督「あのあと遊び過ぎだって秘書官にこってり絞られたな……」

提督「だが、大鯨は我が艦隊に稀にみる天使だ。それは間違いないな」

提督「あんまり俺の事敬う奴いないからなー、ちぇー」

下2

提督「カステラ……屋? 長崎にでも行くの? マジで?」

提督「……だが、すると決めたからにはいくしかない。さて、まずは武蔵を連れ出さねば」


―長崎県・某土産店―

武蔵「ほう、ここがカステラの元祖といえる長崎か」

提督「意外だな。てっきりこういうの興味ないと思っていたのに」

武蔵「なに、甘いものは嫌いではない。むしろ、好きといってもいいか。ほどほどの糖分は頭の回転をよくする効果もある」

提督「なるほど。そういえば前に間宮にカステラを作ってもらっていたか」

武蔵「そのことは今は良いだろう。さて、カステラ巡りだったか。もちろん、皆の土産も買おう」

提督「当然だ。武蔵だけ連れてっただけじゃ、みんなから罵声を浴びせられそうだ」

武蔵「それもそうだ。しかし、カステラといっても色々あるのだな」

提督「今の時代に行き着くまでに試行錯誤がされてきた証拠だな」

武蔵「これとこれはどう違うのだ。見た目は同じに見えるが」

提督「これはザラメがあるかないかの違いだ。言葉じゃ違いを感じないかもしれないが、食べてみるとこれがなかなか違う」

武蔵「なるほど、面白そうだ。買っておこう」ドサドサ

抵当(ドサドサって、何個買うつもりだ)

武蔵「こちらはなんだ、二層になっているな」

提督「綺麗菓か。和泉屋が作っているカステラだな。見た目通り、二種類の味わいが楽しめる優れものだ」

武蔵「なるほど」ドサドサ

提督(だからそんなに買ってどうするつもりだ。……いや、うちの人数を考えると不思議なことではないか?)

武蔵「同じところでしょこらあとという物もあるな」

提督「簡単に言えばチョコレートで包んだものだな」

武蔵「ふっ」ドサドサ

提督(もう何も言うまい)

提督「っと、元祖といえば、やっぱりこのカステラだな。福砂屋のカステラ」ドサッ

提督(……って、真面目に配ることを考えたらどっさりするのは当然だったか)

武蔵(提督もなかなか買うじゃないか。大和型二番艦として負けられんな)

―臨時・司令官室―

提督「秘書官にやっぱり怒られたが、カステラが宅配された瞬間に顔が崩れた。カステラ様様だ」

提督「武蔵は結局間宮のが一番って言ってたな。好み通りに作ってくれるし、そこはしょうがないともいえるか。もちろん、買った分もおいしそうにいただいてた」

提督「俺もおやつが増えたし、満足だ」

下2

提督「薄い本を書いていると噂の秋雲か……実物を見たことは無いんだがな」

提督「なんかみんなの間でだけ出回っているらしい。怖いもの見たさで見てみたいんだが、誰も見せてくれないんだよな……」

提督「気にすると気になってくるな……うーん、まあいいや。縁があれば見る機会はあるだろう」

提督「さあて、何をして遊ぼうかな」

下2

提督「冗談抜きで東京五輪の時は中止になったんだよな。別の会場でしないかな……」

提督「それとは別に秋雲には中止か。五輪を使えば信憑性は増すかな」

提督「さーて秋雲秋雲」


―陽炎型の部屋二号室―

提督「流石に多いから二分割したんだっけ。お邪魔しまーす」

秋雲「あー、忙しい忙しい! 何、提督?」

提督「忙しそうだな。でも、もう業者に頼まないと間に合わないんじゃないか?」

秋雲「そっちの作業は終わり。今は参加サークルのまとめや優先的に行きたい順番付とか……」

提督「……言いにくい事なんだけどな」

秋雲「何、あんまり提督にかまってる時間は無いんだけど」

提督「その、な」

秋雲「もうっ、早く言いなさいよ!」

提督「コミケ、中止になったんだ」

秋雲「――――ぇ」

提督「楽しそうにしているところ、本当に申し訳ない。だが、当日のショックを考えたら……な」

秋雲「……嘘、嘘だ!」

提督「悪いが、本当だ。この新聞を見てみろ」

秋雲「嘘、嘘だよ……」

『コミケ中止!? ――コミックマーケットの中止が決定となった。このことに責任者は――』

秋雲「」

提督(青葉に頼んで適当に模して作ってもらったものなんだが……効果てきめんだな)

秋ぐ「」

提督「……ん? 秋雲?」

秋「」

提督「なんか灰のように吹き飛んでってる!?」

あ「」

提督「待て! すまん! 冗談だから戻ってきてくれ!」

「」

提督「秋雲ーーーーーーー!!」

―臨時・司令官室―

提督「灰を集めて何とか元に戻ってもらった。本当、ネタバレするタイミングを逃しやすいな俺」

提督「お詫びに今度同人誌のモデルになってくれとか言われた。楽だったらいいが……そんなわけないだろうな(白目)」

提督「今度から、嘘をつくときはネタばらしするタイミングをちゃんと見極めよう。うん」

下2

提督「曙かぁ……あいつも苦手な奴の一人なんだよなぁ……」

提督「一言目にはクソ提督。二言目にもクソ提督。ついでにうざいとも言われたな」

提督「まっ、あのツンツンぶりはそれはそれで可愛いけどな! からかいがいもあるし!」

提督「どうからかってや……じゃなくて、遊んでやろうかな!」

下2

―綾波型の部屋二号室―

漣「じゃあ、ご主人様に呼ばれてるから。曙、自分だけ呼ばれてないからって、物に当たらないように」

曙「はぁ!? 私があのクソ提督に呼ばれてないくらいでイラつくわけないでしょ!」

潮「曙ちゃん……それ、自爆……」

曙「何よ!」

潮「ひっ、な、なんでもない……」

曙「いいからさっさと行きなさい! もう!」

朧「じゃあ、留守は頼んだから」バタン

曙「……」

曙「なんでクソ提督、私だけ呼ばないのよぉ……」

提督「ん? 呼んだ?」ガチャ

曙「え、く、クソ提督!?」

提督「同室の子を呼び、こちらから向かうという手。なかなか使える」

曙「何の用よ! 他の三人に用があるんじゃないの!」

提督(しかし、どのタイミングでブチぎれようか。タイミングに疎い俺だ、適当に、次に喋った言葉に反応してキレることにしよう)

曙「なんとか言いなさいよクソ提督! どうせ、私なんかどうでもいい癖に!」

提督「何を言ってる!! そんなわけないだろ!!」

曙「え……?」
提督(あ……)

提督「お、お前の事がどうでもいい? 勘違いも甚だしい!! 俺がどれだけ曙の事を思ってるのか知らないのか!」

曙「わ、分かるわけないじゃない……そんなの……」

提督「お前が過去の事にどれだけ苦悩しているのか、俺は知っているつもりだ。だからこそ、お前とここまでやってきたんだろう」

曙「な、何よ、知ったかぶって……」

提督「知ったかぶっているのかもしれない。だが、俺はお前を理解しようとしている。必要だと思っている。それだけは絶対に忘れるな!」

曙「く、くそていとくの、ばかぁ……わぁぁぁぁん」ガバッ

提督「満足するまでこうしているといい。俺は決して、お前を見捨てたりしない」

提督(んん? 間違えたかな……俺はどちらかというと、怯える曙を見ることになると思ったんだが……)

―部屋の外―

漣「レア場面キタコレ」

潮「わぁ……曙ちゃん、いっぱい泣いてる……」

朧「あいつも、こうして誰かに頼りたかったんだろうね」

漣「これは拡散するしか……あれ、こっち見てる?」


曙「――あ、あんたたち!///」カァァ

提督「どうした、曙」

曙「クソ提督もべたべたと引っ付いてんじゃないわよ!」ゲシッ

提督「グフッ……理不尽な……」

曙「ふんっ……って、待ちなさいあんたたち! 逃げるなぁ!」ダッ

―臨時・司令官室―

提督「ふぅ……今回は予想外に斜め上の方向に行ったな。さすがにこうなるとは自分でも思わなかった」

提督「どっちにせよ、曙の泣き顔というレアシーンが見れたから良しとしよう」

下2

提督「ちとちよ、千歳と千代田か」

提督「千歳はいい子だな。この前も酒に付き合ってくれたし」

提督「だが千代田、あいつは苦手だ。山城と同じくらい。理由も同じようなもんだ」

提督「……つまり、俺は自分をないがしろにするやつが苦手なのか? これはいかん、今すぐ楽しい遊び(意味深)をして仲を深めなければ」

提督(二人とも、軽空母なのにプロポーションいいんだよなぁ……軽空母なのに)

下2

提督「なるほど、大乱闘なんたらの奴だな。ふっふっふ、これでも俺はいつしか前にした鎮守府大会で一位に輝いた男だぞ」

提督「さっそく呼び出しと準備だ!」

―十数分後―

千歳「千歳、ただいま推参しました」

千代田「同じく千代田、参じました」

提督「おう、もう始めてるから好きなコントローラーをとれ」

千歳「提督? それは……」

千代田「あ、それいつしか前にやったゲームね」

提督「ああ。たまにはお前らと遊ぼうと思ってな」

千歳「仕事は大丈夫なんですか?」

提督「大丈夫大丈夫。怒られない程度にはやってるからさ」

千歳「それならいいのですけど……」

千代田「私、光宙使うー!」

提督「初心者キャラか。なら俺は姫凜だ」

千歳「しょうがないわね……私は是留舵を使おうかしら」

千代田「提督はそんな弱そうなキャラでいいの? 負けても知らないわよ」

提督「大口叩くのも今のうちだ」

千歳「ゲームは仲よくするもですよ、提督、千代田」

提督・千代田「「はーい」」

提督(くく、一位の実力を見せてやるぜ!)

―数分後―

<ゲームセット

千歳「ふふ、やりました」

提督「……強くないですか、千歳さん」

千歳「実はコツコツとやってたんです。次回作も発売しますしね」

提督(次回作のために練習するとは、まさかのガチ勢!? このままではボコボコにするなんて夢のまた夢……千代田)

千代田(千歳お姉といえど、やっぱり負けるのは悔しい……仕方ないけど、提督)

提督「(千代田、共同戦線を張らないか。おそらく、このまま争っていては一回も勝てない)」

千代田「(千歳お姉を倒すまで、だから)」

提督「(お前の口からその言葉を聞けるなんてな。当然だ)」

千代田「(それならいいわ。千歳お姉、絶対に負けないから)」

千歳(あら、二人とも仲良くなって、いいことだわ)

―数十分後―

提督「勝てない、だと」

千代田「千歳お姉強すぎ!」

千歳「ふふ、そろそろ時間ね。ゲームはここまでにして、夕食に行くわよ千代田」

千代田「はーい」

千歳「提督も、ほどほどにして来てくださいね」

提督「了解した……」

提督「さすがに落ち込む……だって、一回も勝てなかったんだぞ。最後チームにすらなったのに……」

提督「こういう時は間宮のご飯を食べて気持ちの切り替えだ」

提督「その前に、次に遊ぶ相手も考えておくか」

下2

提督「明石か。そこそこフレンドリーで絡みやすくていいよな」

提督「あといろいろな修理を請け負ってくれるのは助かる。どこか悪いかと聞かれて頭と答えたら、笑って手遅れって言われたけど」

提督「食事誘おうかな……そのあとお遊びにしゃれ込むか!」

下2

―食堂―

提督「相変わらず間宮の食事は美味しいな」モグモグ

明石「そうですね。でも、私も間宮さんには劣るけどそれなりに出来るんだから」モグモグ

提督「そういやいつしか夕食作ってくれたっけ。確かに、なかなかの出来だった」モグモグ

明石「でしょ?」

提督「間宮より劣る……そういや、機械関連でも夕張に劣ってるような気がするな」

明石「……え?」

提督「思えば、執務室の修理も明石じゃなくて夕張に任せてるし……」

明石「な、なんで私に相談しないんですか!? 修理なら私の十八番ですよ!」

提督「いや、なんていうか……信頼感?」

明石「疑問形じゃないですか!」

提督「う、ううーん……あんまり深く考えたことないけど、個人的には夕張に頼ることが多かったからというか……」

明石「でも、修理ならやっぱり私ですよ!」

提督「ぶっちゃけ、修理としてのイメージも薄いというか、夕張の方が優秀に感じるというか」

明石「……」

提督「あ、あはは、すまんな。うまいこと言えんわ」

明石「もう、いいですっ!」ガタッ ダッ

提督「あ、明石ーーーーー!!」


間宮(悪意をもたずに言う方が、心に来るんですよね……提督もそのあたり分かっていたらと思うのですけど)

―司令官室―

提督「食事から帰ってきたらこっちの方が直っていた。明石の手紙付きで」

提督「提督バーカと次があったら私を頼ってくださいとの文字があった。本当に悪いことをした」

提督「こんど間宮最中でもおごろう」

提督「さて、食後は誰と遊ぼうかな」

下2

提督「艦隊のアイドル那珂ちゃんか。ちょっと前に曲出してたね、たしか。正直それまでただのネタだと思ってた。ゴメンネ」

提督「さて、建て前的に謝りはしたものの、いまだにアイドルらしいアイドル活動していない那珂ちゃんとどう遊ぶか」

提督「……あれ、建て前的って、自分自身結局信じてないのか」

下2

提督「アイドル活動をしないのなら、すればいいんだ!」

提督「那珂ちゃん、アイドルの那珂ちゃーん!」

那珂「はーい、艦隊のアイドル那珂ちゃんただいま参上!」ガチャ

提督「まさか本当に来るとは……」

那珂「提督、何の用なの? まさか、アイドル活動を許可してくれるとか?」

提督「禁止したつもりはないんだが。ゴホン、ここに呼んだのはほかでもない。一人で可哀そうな那珂ちゃんにチームメンバーをあげようかと思ってな」

那珂「チーム? だれだれ?」

提督「俺だ」

那珂「」

提督「私です」

那珂「」

―食堂―

川内「夜戦のためにも腹ごしらえは重要ね。……ん? なんだか騒がしいわね」

神通「それに電気も落ちてる……いったいどうしたのかしら」

川内「なんかステージもある……って、上に立ってるの那珂じゃない?」

神通「あら、本当」


那珂「次の曲いくよぉ~! みんなついてこれてる?」

提督「疲れるのは早いぞ、次は『恋の2-4-11』掛け声の準備はいいか!」


神通「……なぜ提督と?」

川内「さあ。あ、あそこで提督の秘書官がわなわなと震えてる。あれは夜戦行きだね」

神通「夜戦(説教)でも、それくらいじゃ提督は聞かないんでしょうね」




―司令官室―

提督「ユニットは秘書官に強制的に解散させられた。そもそも男女のアイドルは無理があると観客に言われた」

提督「那珂ちゃんが安堵の息を吐いてたのは気のせいだろう、うん」

提督「もう夜だなー、これでもパフォーマンスを覚えるのに一日使ったのに……」

下2

提督「間宮には日ごろからお世話になっているからな。たまにはいいか」

提督「今日だって、間宮の許可が無ければ食堂で出来なかったわけだし。すごく迷惑そうな顔されたけど」

提督「でも最終的に許してくれたってことはそういうことだよな! うん、余裕余裕」

提督「多分まだ後片付けで食堂にいるな。食堂に行きながら何するか考えるか」

下2

―食堂―

提督「お疲れ様、間宮」

間宮「提督こそ、お疲れ様です」

提督「あれ、もう片付けは終わったのか?」

間宮「いえ、今は少し休憩してるだけです。提督の使った機材が少しばかり重労働で」

提督「うぐっ、なかなか痛いところついてくるな……でも、明日には片づけるつもりだから、置いておいても良かったんだぞ」

間宮「ですが、駆逐艦のみなさんが怪我しないためにも早めに片づけておいた方が良いと思いまして」

提督「間宮……すまないな、いらない苦労を掛けて」

間宮「それはいつもの事じゃないですか。もう、馴れました」

提督「よし、じゃあ俺も手伝うとするよ」

間宮「いいんですよ、提督はゆっくりしていても」

提督「もともと間宮に用事があったんだ。少しでも早く、時間を確保してもらいたいだけだ。だから、これは俺の都合」

間宮「……でしたら、私もゆっくりしてるのはダメですね」

提督「いいんだぞ、もう少し休憩していても。元々俺の分だしな」

間宮「いえ、私も私の都合で動くだけですから」

提督「ふっ、そうか」

―数十分後―

提督「思ったより早く終わったな」

間宮「そうですね。それで、用事とはなんですか?」

提督「ああ、今までお世話をかけたし今回の事もある。何か一つ、好きなものをやろうと思ってな」

間宮「好きなもの、ですか」

提督「なんでもいいぞ。高級食材でも、エステのチケットでも、何でもだ」

間宮「……」

提督「考え込まなくても、自由にするといい。間宮の頼むことに酷いことは無いだろうしな」

間宮「……では、一ついいですか」

提督「流石間宮、決めるのも早いな」

間宮「提督の時間を下さい。もちろん、今じゃなくていいですから」

提督「……えっと、それでいいのか?」

間宮「はい。もちろんです」

提督「間宮がそれでいいのなら、そうするが……ううむ」

間宮(たまには、食堂のお手伝いをしてもらいましょう、一緒に。ふふ♪)




―司令官室―

提督「考えてみれば、外に連れ出して奢らせるっていう事もできるのか。流石間宮、考えたな」

提督「財布の中身増やしておこう……」

下2

提督「さーて今日も一日頑張るぞっと」

提督「そして本日の遊びだが、天龍をまるでテラー汁を浴びたかのように怖がる……仮面ライダーわからないんですよね」

提督「まあ鎮守府の中でもノリのよさそうな奴を誘って、決行してみるか」


そして――


天龍「オレの名は天龍。フフフ、怖いか?」

提督「ヒィィィィィ! こ、こっちにくるなぁ!」

天龍「えっ」

提督「も、もう嫌だぁ!」ダッ

天龍「ど、どういう事だ? もしかして、俺の力が遂に覚醒したとでも……」

提督(プフゥ、覚醒とか(笑))


青葉「あ、青葉、こんな状態でも記者としての務めを果たします……」

天龍「何してんだ、そんなところで」

青葉「て、天龍さ……ウーン」バタン

天龍「あ、青葉!?」

―数分後―

天龍「おかしい、おかしいぞ。青葉を医務室に連れて行った時も何故かいた龍驤にも露骨に目を逸らされたし。さっきから避けられている気もする」

山城「……」ジー

天龍「な、なんだ、用でもあるのか?」

山城「不幸だわ……」

天龍「お、オレが何をしたっていうんだ……」ガーン

山城(皆から一目置かれる……戦艦が軽巡に負けるなんて……)

天龍「ど、どういう事なんだこれ……」

龍田「どうかしたの天龍ちゃん?」

天龍「た、龍田? それが――」

龍田「……なるほどねぇ」


提督(や、やばい!)←廊下の角から見ていた


龍田「天龍ちゃん? ちょぉっとだけ待っててね」

天龍「龍田?」

龍田「原因を排除してくるから♪」ガシャン


提督「逃げ――」

ドーン

―司令官室―

提督「服は焦げたが何とか生きて戻ってくることが出来た。というか、山城には言ってなかったのに、よくとどめをさせたな」

提督「あと天龍の心が折れるのも予想以上に早かった。ああいうところも天龍の魅力のひとつなんだろうけど」

提督(もう龍田を逆上させることは避けたい……)

下2

提督「大鳳か。爆発音苦手らしいし、聞かせたら面白い反応してくれるんだろうなぁ」

提督「……まあ、あんまりやり過ぎると他のところから艦載機や砲撃がとんでくる気もしないけど」

提督「そういや大鳳の部屋はコンクリートの鉄扉だっけか。少々無理しても大丈夫か」

提督「ならば、こちらから向かうか。何が起こっても大破にはならんだろ、ははは」

下2

提督「舐めるとか余裕だな。だが、正面から行っても恐らくは断られる」

提督「断られるなら、許可を取らなければいいんだ。よし、完璧な理論だ」

提督「まさかこれくらいで部屋が破壊されることもないだろう」


―大鳳の部屋―

提督「一人部屋楽しんでるかー」ガチャ

大鳳「提督、せめてノックくらいしてください」

提督「安心しろ。もしラッキースケベな状況になっても、冷静に頭に刻みつけて出て行ってやるから」

大鳳「どこに安心する要素があるんですか!」

提督「出て行くところ」

大鳳「私にとってはその前段階で安心できてませんが。……そもそも、提督だって私の見たって面白くは無いでしょう」

提督「そんなことは無い。元気出せ」ポン

大鳳「そういう慰め方は慰めているとは言えませんが」

提督「……」

大鳳「なんですか、じっと見てきて」

提督「隙あり!」ペロ

大鳳「ひゃっ!?」

提督「……」prpr

大鳳「て、ていとく、んっ……や、やめて……!」ピクッ

提督「ふむ、これはまた、なかなか」prpr

大鳳「しゃ、しゃべりながら……あっ……やめっ……ひゃぁ……」ビクビク

提督「……ふぅ、ペロリストではないがなかなか良かった」

大鳳「はぁ……んっ……はぁ……」グッタリ

提督「おーい、大鳳、大丈夫か」

大鳳「はぁ……ふぅ…………」

提督「……あ、このパターンは」

大鳳「……いきなり、なんてことするんですか」ブゥン

提督「いや、だって、許可とっても許してくれないだろ? だから……」

大鳳「第一次攻撃隊、全機発艦!」ヒュン

提督「ゲェ! ガチで出してきた!」ダッ

大鳳「逃がしません! 第二次攻撃隊、発艦!」

提督「回られた!? ぬ、ぬわーーーーーっ」ドーン


大鳳「別に、言ってくれれば、私も……」ブツブツ

―司令官室―

提督「天山一二型だったら死んでいた」

提督「部屋が大破しなかったのはさすがの出来というべきか。もし大破したら明石に頼みに行かねばならないところだった」

提督「ほとほりが冷めたら、大鳳にはなにかお詫びしておこう」

下2

提督「前回の事をふまえて、今回は許可を取る方向性で行こう。断られたらその時だ」

提督「さて、あとは武蔵の居ない時間を狙って……」


―大和型の部屋―

武蔵「そろそろトレーニングの時間だ。大和、先に出ているぞ」ガチャ

大和「ええ、私も後から行くわね」

バタン

大和「最近は武蔵もトレーニングに身に入っているみたい。提督との試合が効いているのかしらね」

コンコン

大和「あら、ノック? どうぞ」

提督「失礼する」ガチャ

大和「提督ですか。御用件ならば、私をお呼びしても良かったんですよ」

提督「それも考えたのだがな、やはり、頼みごとをするときは自分から出向くべきだと思ったからだ」

大和「そうですか。こちらにどうぞ、お茶も用意します」

提督「すまない。もてなされる願いではないというのに」

大和「そうなのですか? 提督、話してください。大和に出来ることならば、力になりますから」

提督「……せてほしい」

大和「……もう一度、お願いできますか」

提督「胸を、触らせてほしい」

大和「――っ」

提督「その! 豊満な胸を! 触らせてほしい!!」

大和「そっ、それは……!」

提督「お願いだ大和! このままでは暴走をしてしまいそうだ!」

大和「その、私は……」

提督「強要するつもりはない、だから断ってくれても構わない! だが、もしよいと思うのなら!」

大和「て、提督……」

提督「お願いだ! 大和!」

大和「っ! わ、分かり、ました//」

提督「ほ、本当にいいのか?」

大和「聞かないでくださいっ。でも、提督だから……その、許すんですよ?」

提督「分かった……いくぞ」

大和(あぁ、大和は今から提督の手によって大人の女性にされてしまうのですね……大和は、きちんと

できるでしょうか……提督を、ガッカリさせないようにしませんと……そういえば、今下着はどんなも

のを着てましたっけ……あぁぁ……)

提督「……」チョン

大和(すみません、武蔵、鎮守府のみなさん……大和は一足先に――)

提督「じゃあな、大和」ガチャ

大和「――え」

バタン

大和「……」

―廊下―

提督「ケッコンカッコカリすらしてないんだからKENZEN路線しかないだろJK」<ヤ、ヤメロヤマト、ナニヲアバレテイル!

提督「いや、今のKENZENか? タッチだけだし大丈夫だよな?」<モ、モウテイトクニカオヲアワセラレマセン!

提督「……まあ、R18にはならないだろうし大丈夫だろう」<ダ、ダレカヤマトヲトメテクレ!

提督「それにしても、さっきからトレーニング場がうるさいな。また武蔵か長門でも暴れてんのか?」

<テイトクノバカー!

提督「……呼ばれた気がするのは気のせいだ。早くこの場を離れよう」

下2

提督「……え、レ級? ね、ねえ、良く考えよう? あいつの前に姿を現す、それすなわち大破だよ? しかも艦娘じゃないから冗談も通用しないよ?」

提督「……本気、か。ならば、俺も手加減をするわけにはいかないな」

提督「ヲ級が『ヲッ』しか言わないわけないように、レ級も『レッ』以外もきちんと喋る」

提督「それを念願においたうえで何をするか考えるぞ! ついでに5-5に連れて行く艦もなぁ!(ヤケクソ)」

下2

提督「単身突撃か……遺書書いておこう」


―サーモン海域北方―

提督「まずレ級に会うには少なくとも二つの戦闘を抜けなくてはならない。そこで持ってきたのはダメコン」

応急修理女神「かんむすにしかいみないのです?」

提督「……修理だもんね。そもそも乗ってるボート壊れたら修理もくそもないよね」

応急修理女神「けんとうをいのる」

提督「健闘ではなく、死なないのを祈ってください」

――――――――

提督「夜を越えて来たぞ! レ級の艦隊!」

応急修理女神「われわれはここまでのようだ」ガクッ

提督「ダメコン、お前の事は忘れない……さて、会敵のようだ」

レ級「んー? おまえだれだー?」

提督「レ級! 貴様に会いにここまでやってきたぞー!」

レ級「知らない人……やっちゃえー!」

提督「開幕爆撃! 相変わらずのなんちゃって戦艦で笑いも出てくるぜ!」

ドーン

レ級「やった?」

提督「それを人はフラグというのだ!」ザバァ

レ級「! 近っ」

提督「ここまでボートで来たのも、全てはここまで体力を温存するため。レ級に早く接近するためだあああああ!」

レ級(このきょりで撃つと、自分もばくはつにまきこまれるっ)

提督(――あれ俺、何しにここに来たんだっけ)

レ級「……あれ?」

提督「……なんでここまで来たんだ、俺」

レ級「どうしたのー?」

提督「いや、自分がここに来た要件を忘れてしまって」

レ級「そうなの? あはは、忘れんぼさん」

提督「ははは。すまないな、また来るわ」

レ級「うーん、でもここまで来て何もないのはわるいよ」

提督「そうか?」

レ級「うん。うーんと、じゃあこれはどう?」ガシッ

提督「俺の腕をとって急にどうしたのかなー?」

レ級「きもちいい?」フニッ

提督「っ!?!?」
提督(し、深海棲艦の胸を!?)

レ級「あははー、顔真っ赤。じゃあ、またきてね? こんどはこうげきしないようにするから」

提督「あ、はい」

レ級「じゃあねー」ザパァ

提督「……え、ここからまた帰るの」


―司令官室―

提督「一日空けたことに凄い怒鳴られた。遺書は読まれてなかったらしく、机の中にしまってあった」

提督「俺ももう命に関わりそうなところには行きたくない……」ガクブル

下2

提督「何故だ! 何故神は俺に試練を与えようとする!」

提督「……逆に考えれば、レ級より今回の方が簡単だということでもあるな」

提督「一番近いのはあそこか……今度こそ随伴艦が欲しいところだな。会って何するのか決めないと……」

下2

提督「と思ったら、冷蔵庫に間宮アイス発見。うちのビッグ7も認める美味しさだし、これで十分だろう」


―南西諸島防衛線―

提督「羅針盤に左右されないからこそ楽に行ける。初戦さえ逃れれば問題は無かった」

提督「資材も手に入れてヲ級に楽にあえる。レ級なんかよりもはるかに楽ではないか。ハハハ……ん?」

敵艦載機<アヤシイジンブツハケーン

提督「……やばいって思うの何回目だろ」

ドーン


ヲ級「敵影一体。轟沈は確認できない」

ヲ級「いや……まだ生きてるみたい」


提督「こんなとこで轟沈してたまるか! ボートは轟沈したけどな!」ザバァ


ヲ級「攻撃機……って、あっちの方が早い!?」

提督「ここまでようやく来たぞ!」バシャァ

ヲ級「な、何の用?」

提督「アイスをあげに」

ヲ級「え、えぇ……それだけのためにここまで?」

提督「ああ」

ヲ級(人間離れしすぎ……もうあそこの鎮守府と関わり合いになりたくない……)

提督(ドン引きされてる気がするけど、自分でもこんなことする奴いたら引く自信がある)

ヲ級「き、気を付けて帰るようにね」

提督「はい」

―司令官室―

提督「最近、遠泳する機会多いな。おかげで鍛えられてきてる気がする」

提督「今なら海で島風のおにごっこにも勝てそうな気がする」

下2

提督「……普通だ。いや待て、普通でもする内容が普通だとは限らない」

提督「相手はなのじゃロリ亜種とか一部では言われているらしい利根。お姉さんぶったりもするらしいけど」

提督(どっちなんだよと思う提督なのであった)

下2

利根「話は聞いたぞ提督!」ガチャ

提督「え、何の」

利根「最近勝手に敵の海域に出ているそうじゃの」

提督「何故それを知っている」

利根「ボート二艇大破させたそうじゃの。夕張と明石が嘆いておったぞ」

提督(しまった、代わりのを買っておくのを忘れてた)

利根「それに、机の中にこんなものもあったぞ」

『遺書 死んだら見てねミ☆』

利根「軽すぎて最初は冗談かと思うたぞ」

提督(シュレッダーにかけるの忘れてた)

利根「秘書官には言うてはおらん。どうせ、怒りが向かうだけじゃろうし」

提督「すまない利根」

利根「謝るくらいなら、もうせんと誓え」

提督「自分自身もう行きたくないです」

利根「ならなんで行ったんじゃ……まあ、気を付けてくれればよい。あんまり吾輩も小言を言いたくは無い」

提督「はい」

利根「これはこっちで処分しておく。もうゴミ箱にそのまま捨てるのはやめておくんじゃな」

提督「……ところで、他にその遺書見た奴はいないよな?」

利根「……他言は無用にしてある。気にせんでもいいぞ」バタン

提督「利根の言うとおり、藪をつつくのはやめておこう」

提督「気にせず遊ぶのが一番――あれ、今回遊ぶっていうことに何一つ掠ってもいなかったような……」

下2

提督「って、もう利根の言いつけやぶってるじゃん……さっきの利根の小言はなんだったんだ……」

提督「というか、サブ島沖海域に行くの? マジで? 死ぬよ、流石に」

提督「……いや、レ級のコネつかってサーモン海域か。いやしかし、このまま深海提督入りしそうな気も……」

提督「もう南方棲戦姫に会うことに異議は唱えん。しかし、随伴艦は必要だろ? ん?」

提督(南方棲戦姫にすることも考えなきゃ……逆上されなさそうな内容がいいな)

下2

提督「もうだめだぁ……おしまいだぁ……」

提督「この際もうコネを使うとかなしだ! 漢なら正面から突撃あるのみ!」


―サブ島沖海域―

提督「うおおおおお! 南方棲戦姫はどこだぁ!」


ヨ級「敵艦発見。迎撃開始」

「やめておきなさい」

ヨ級「意図理解不明」

ヲ級「あいつを敵に回してはいけない」

ヲ級(なんで異動した先に来るの!? ストーカー!?)




南方棲戦姫「ほう、ここまで人間が来るなんてな」

提督「誰も襲ってきませんでした」

南方棲戦姫「運がいいだけの人間が……ん? お前、もしや提督か」

提督「提督って言っても俺以外にいるだろ。まあ、提督だけど」

南方棲戦姫「くくく、別にお前が誰だろうがどうでもいい。だが、青く、暗い海に沈んでもらいたい、それだけで十分だ」

提督「十分っていうか、もうそれ死んでるんじゃ……」

南方棲戦姫「沈め」ガシャン

提督「三回目だよ、敵に直接攻撃を仕掛けられたのはっ!」バッ

ドーン

南方棲戦姫「……飛び込んだか。だが、海の上では私の方が有利――」
提督「みんな同じこと思うんだな」バシャッ

南方棲戦姫(なっ、こ、こいつ……! もうこんなすぐ傍に!)

提督「悪いがこっちの番だ」バッ

南方棲戦姫(この距離で砲撃は不可能! ならば、何を……)

提督「えい」ムニュ

南方棲戦姫「」

提督「ふむ、大和のはちょっと硬かったんだが不思議だな、こっちのほうが感触がいい。直接具合か?」

南方棲戦姫「」

提督「って、固まっている間に逃げるか。流石に油断されなくなったら逃げ切れる自信は無い」バシャッ




ヲ級「あのー、南方棲戦姫様?」

南方棲戦姫「はっ」

ヲ級「あの人間、もういませんけど」

南方棲戦姫「なっ、く……くそっ」

ヲ級「な、南方棲戦姫様?」

南方棲戦姫「私はもう、やられはしない……!」(涙目)

ヲ級(南方棲戦姫様にここまで言わせるなんて、やっぱりあの人間只者じゃなかった。あそこの鎮守府から手を引いてよかった……)

―司令官室―

提督「ここまで来ると、なんでもできるような気がしてきた」

提督「遺書とかもういらないな。ははは」

提督「ははは……はぁ、そろそろゆっくりしたい……」

下2

提督「前に眼帯の下を褒めた木曾か」

提督「なんだかんだで、球磨型の中で一番くせがない奴。ゆっくりするのにも悪くないか」

提督「ゆっくり出来るとは思ってないけどな! さーて、何をしようか」

下2

提督「(俺は)ゆっくりできる内容だな」

提督「まずは青葉に会って、それから……よーし、今回は裏で動くだけで済みそうだ」


―球磨型の部屋―

木曾「あー、疲れた」

球磨「木曾はいつも熱心にしているクマ」

多摩「少しくらいゆっくりするにゃー」

木曾「のんびりもしてられないさ。雷巡だって俺一人じゃない、いつまでも主力として出撃するには、すこしのトレーニングも欠かせない」

球磨「真面目だクマ」

多摩「でも提督は強くない子も使うにゃ」

木曾「それでも二軍どまりだ。俺はいつまでも一軍で前線を支えていきたい」

球磨(遠まわしに球磨に弱いって言ってるクマ?)

多摩(多摩も改二にならないかにゃ)

木曾「……ん? 俺宛に手紙が……」

『これを晒されたくなければ一日キソと語尾につけてください! by青葉』

木曾「」

球磨「クマッ!? 木曾が固まったクマ!」

多摩「ど、どうしたにゃ!?」

木曾「な、なんでもない……」
木曾(ま、待て、青葉の事だ、どこからみはってるかわからない……クソッ)
木曾「……キソー」

球磨「クマ!?」
多摩「にゃっ!?」

木曾「ほ、放っておいてくれ……キソー……くっ」

球磨(な、なんだか本当に触れてはいけないような気がするクマ!)

多摩(このことは心の中にしまっておくにゃ)

―司令官室―

提督「すべて青葉に矛先が向くようにしておいた。いつもいつも俺ばかりが貧乏くじをひかされるのも嫌だし」

提督「ま、青葉からは写真貰っただけで何の相談もなしだがな!」

提督「……青葉に仕返しされそうな気がする」

提督「けど、気にせず遊ぶぞ!」

下2

提督「長月か。勝気でめんどくさがりという合っているのか分からない性格の子だな」

提督「あれでちょっかいかけると慌てたりするから、結構可愛らしく見える。本人にいったら怒られそうだが」

提督「……さて、どう遊ぼうか」

下2

提督「……」

長月「司令官、作戦終了だ。遠征は成功した」

提督「……」

長月「どうした、司令官。すこし怖い顔になってるぞ」

提督「な、長月」

長月「?」

提督「眼球舐めっていうのが巷の小学校ではやっていたことがあったらしい」

長月「それがどうかしたのか」

提督「感染症にかかって、クラスの三分の一が眼帯をつけていたこともあるらしい」

長月「へえ、たしかこの鎮守府にも二人眼帯している艦娘がいたか」

提督「あいつらはそんなことをするやつらじゃないから、まったく関係ないだろうがな」

長月「そうだろうな」

提督「何が言いたいかというと、この戦争が終わったらきっとお前たちも普通の女の子として生きるのだろう」

長月「……そうか、考えたこともなかったな」

提督「何が正しいのか間違っているのか、今のうちに学んでおけ。そうすれば、お前たちは戦争が終わった後でも困ることなく過ごせるだろう」

長月「司令官、今は言っている通り戦時中だ。前線に身を置いている私たちが生きているかは――」
提督「やめろ」

長月「……」

提督「お前たちを一人たりとも轟沈させることはしない。約束する」

長月「……そんなことでは、いざというときに判断できなくなるぞ」

提督「いざというときなんて起こさない。仮に起きたとしても、俺に任せておけ」

長月「そんなこと言う奴、信頼ならないが……」

提督「……」

長月「あんたは別だよ、司令官。ふふっ」




提督「長月は部屋に戻っていった。まあ、眼球舐め……の話をしたし、別にいいよな。舐めろってわけじゃないし」

提督「というか、轟沈一人もさせないって、でかい口叩いてしまった……元から、させる気なんてないが」

提督「さーて、報告書眺めたら次にいこうか」

下2

提督「泳ぐ18禁の水着を脱がしたら何禁になってしまうのか……」

提督「多分イクなら怒らないだろう。提督、行くのー」


168「提督の頭が……」←報告に来た


―伊号潜水艦の部屋―

19「暇なのー」

58「なら、イムヤとシオイの報告についていけばよかったでち」

19「それはめんどくさいのー」

提督「ほう、暇ならオリョクルの回数を増やしてやろうか」ガチャ

19「提督、それは勘弁なの」

58「ついてくるのもやめてほしいでち……」

提督「でもイクは喜んでたぞ」

58「ゴーヤだけじゃなくて、イムヤとシオイの精神的苦労も……」

提督「考えてる考えてる、ははは」

19「もー、イクを無視してゴーヤとだけ話すのはやめてほしいの!」

提督「すまんすまん。だけど、ここに来たのはゴーヤに用事があったんだ」

19「そうなの? だったら、なおさらイクを無視しないでなの。またおしおきされたいの?」

提督「お仕置き? ふふん、やってみるといい」

19「へー、イクとやるの? いいのね、コテンパンにしてあげるの!」バッ

提督「遅い!」バッ

19「なにを……はっ、イクの水着が……!」

提督「これぞ新技、スク水脱がし!」※ただしセラスクは不可能

58「完全にセクハラでち!」

19「提督、やるのね」

58「イクは恥ずかしくないの!?」

ガチャ

168「提督、走ってどこに行くかと思えば……きゃーーーーー!!」ガシャン

提督「イムヤ!? しまった、この二人なら魚雷は打ち込んでこないと思って油断していた!」

168「提督の変態ーーーー!」

―司令官室―

提督「窓から逃げ出してなんとか生き延びることが出来た」

提督「シオイやはっちゃんなら魚雷までは行かなかっただろうに……運が悪かったな」

下2

提督「な、ナニ? ……あ、ああ、ナニね。うむ、分かるぞ、ナニだな」

提督「いやー、しかし鈴谷に伝わるかなぁ。なんせナニだからなぁ。うん」

提督(ナニってナニするんだ!?)


―最上型の部屋―

提督「鈴谷、ナニをしよう!」

鈴谷「は、はぁ!?」

提督「ナニだよ、ナニ」

鈴谷「ナニって、あんまり連呼しないでよ!」

提督(え、なんで怒られるんだ? 何か不味い言葉なのか、ナニって)

鈴谷「て、提督だって男なんだし、もしかしたらその……かもしれないけど、大声で誘うのは……」

提督(男とナニってなにかつながるのか!? い、意味が分からん)

鈴谷「それに私だって……そういうことするのは、ちゃんとしてからの方がいいし……」

提督(ちゃんとする? 俺はまさか、取り返しのつかない言葉を言ってしまったのでは……)

鈴谷「だ、だからっ! そういうことしたいのなら、ちゃんと順序立ててからしてほしい……というか……」

提督「わ、分かった。嫌ならいいぞ」

鈴谷「分かってない! 提督なら、私は良いけどって言ってるの……!」

提督(……ちょっとググってくる)

鈴谷「だから、その、どうしてもっていうなら……今夜に……あれ、提督? どこに行ったの?」

―司令官室―

提督「なんだ、ナニってサッカー選手の事か。つまりナニのようなプレイをすればよかったのか」

提督「順序立てるのはルールを覚えてからってことで、ちゃんとするっていうのはやっぱり試合形式の方が良かったからか」

提督「でもナニするって、言葉おかしいよな。あれぇ?」

提督「……まあ気にしてもしょうがないか」

下2

提督「うーちゃん……卯月だな」

提督「ぴょんぴょん言うの可愛い。ついでにノリもいい」

提督「少々おさわりしても怒られないしな! よし、何をしようかな」

下2

提督「軽めのいたずらだな。うーちゃんならきっと怒らないだろう」

卯月「うーちゃん登場! 司令官、呼んだぴょん?」

提督「よく来てくれたな、うーちゃん。最近遊べてなかったし、ちょっと遊ぼうかと」

卯月「司令官、うーちゃんと遊ぶぴょん? じゃあ何し遊ぼっか!」

提督「遊びとはなぁ……これだ!」バサァ

卯月「ぴょん?」ヒラッ

提督「オレンジの柄パンか。まだまだお子様だな」

卯月「……」

提督(反応が無いな……てっきりやり返してくると思ったのに)

卯月「よ、よくもやったぴょん! やり返すからね!」バッ

提督「なっ」

卯月「ぷっぷくぷぅ~!」ガッシ ビリッ

提督「や、やめてぇ! ズボンを無理やり破かないで!」小破

卯月「うーちゃんはこのくらいじゃ止まらないぴょん!」ビリリ

提督「俺のサービスシーンなんて誰も喜ばないぞぉ!」中破

卯月「このうーちゃんを敵に回したことを後悔するがいいぴょん!」バリッ

提督「こ、これはやりすぎだぁ!」大破

卯月「大勝利ぴょん! これが睦月型真の力でっす!」

提督「上司の服を無理やり脱がすのが真の力とか、そんな部下嫌だ。はぁ……また秘書官に怒られる……」トボトボ

―執務室―

提督「まあ、泣くか撃つかやり返すしかないから、反応としてはましだったかもしれない」

提督「あと執務室が直ったから移った。どうせすぐ壊れるんだろうけど……」

提督「……とフラグを自分で追っておけば大丈夫だろう(慢心)」

下2

提督「利根さん、本当に救われないな……」

提督「……ていうか、港湾棲姫ってもう占拠したポートワインだろ? どうやって会うのよ」

提督「そうか、こんな時こそ回想だ! でもデートした記憶ねえよ!」

提督「ん、いや、二人きりというのなら、あれは入るのか……?」


~回想・ポートワイン沖海域~

提督「ついてきたらなんだかんだで一人になってしまった」

提督「はは、ヤベー、ここ敵地のど真ん中だよ」

港湾棲姫「あなたは……?」

提督(そして会敵……すまない皆、俺はここで殉死のようだ……)

港湾棲姫「先ほど激しい戦闘があったから……もしかして、どこからか流されてきたのか?」

提督「そ、ソウデース。私ココ何処カ分カリマセーン」

提督(喋り方逆な気がするがこの際どうだっていい! なんとか、敵ではないということを伝えて見逃されないだろうか。まあ、実際に敵なんだけども)

港湾棲姫「そう……人間・艦娘共に見つけたら沈めろと言われているのだけど……」

提督(や、やっぱ無理か!?)

港湾棲姫「周りに味方はいない。あなたからも敵意は感じない。……特別、助けてあげる」

提督「ほ、ほんとか?」

港湾棲姫「近くの港まで届けてあげる。だから――もうここには来ないように」

~回想終了~

提督「あれで九死に一生を得た気分だ。きっと一生分の運を使った」

提督「思えば、あれからどんな状況でも生きれるように遠泳とか覚えたんだっけか」

提督「あいつ、元気にしてんのかなぁ……敵だけど」

下2

提督「オレ、ニンゲン、アイツニマルカジリ」

提督「ペットにするどころか、される方だと思うんですよ、うん」

提督「……いや、俺はレ級に単身突撃したんだぞ、イ級ごときにビビッて、ビビ……」

提督「……」


―鎮守府正面海域―

応急修理女神「またわれわれのでばんと」

提督「俺の乗ってるのただのボートだしなー……ぶっちゃけ、駆逐レベルの砲撃にも耐えられないのよ」

応急修理女神「このていどのかいいきにつかわれるとは」

提督「まあ無理ならすぐ撤退するからな。あ、イ級」

応急修理女神「けんとうをいのる」

提督「……よし、行くぞ!」

ドーン

イ級(破壊完了)

提督「――さすが知能のない奴は空気読めないな!」バシャア

応急修理女神(われらのでばんなくこわされるとは……ふかく)

提督「だが、ここまで近づけばこっちのもの。くらえ、首輪!」ヒュッ
イ級(次点発射完了)ガシャン

提督「こんな近距離で撃つなぁ!」

ドーン(二回目)


―工房―

提督「……」大破

夕張「ど、どうしたんですか、そんなボロボロで」

提督「この首輪を今度は砲撃に耐えられるくらい強くしてくれ」大破

夕張「な、何に使うんですか」

提督「今度があったときのために……な」大破

―執務室―

提督「ペットにしには行った。成功するとは言ってない」

提督「というか、知能無い奴をペットに出来るわけないだろ! 今考えるとレ級より無茶だ!」

提督「次に深海の奴にするときは、完遂できそうなやつにするぞ。行かないのが一番いいけどな!」

下2

提督「俺深海提督じゃないから! しかもヨ級ってやっぱり知能無いじゃん!」

提督「散歩は……まだ可能かもしれないけど」

提督「ヨ級の場所で近いのは鎮守府近海か……」




―鎮守府近海―

提督「やあ、一緒に散歩でもどうだい」

ヨ級「……」

提督(よし、先制で声をかけれた。でも理解できるとは思えないんだよねー)

ヨ級「沈め」ドシュ

提督「喋ったぁああああああ!? (俺が)危ない!」バッ

ドーン

ヨ級「避けるな、沈め」

提督「でも知能低い! 大丈夫、逃げれる!」ザパッ

ヨ級「沈め」ザパッ




―工房―

提督「……」

夕張「またなんでそんな濡れて……って、またボート壊したんですか!?」

提督「秘書官には黙ってくれ」

夕張「消費資材は誤魔化せられませんよ」

提督「俺がオリョクル行って稼いでくるから」

夕張「無理言わないでください!」

―執務室―

提督「追いかけっこはした。一緒に泳いだからセーフだよな」

提督「あとそろそろボートの量がやばい。夕張からは最近悟られつつあるみたいだし」

提督「もう命を危険にさらされそうなのにするなよ! 絶対だぞ!」

下2

提督「酷い(確信)」

提督「もう遺書なんているか! 俺は死ぬ気はないぞ!」


―サーモン海域北方―

レ級「へー、会いに来てくれたんだー」

提督「あ、はい」

レ級「あははっ、そんなに固くならなくてもいいよー」

提督「そ、そう言われても……」

レ級「何か気になることでもあるの?」

提督「その、なんで皆様方が揃っているんでしょうかね」

ヲ級「……」←失意の目
イ級「……」←砲撃許可に期待する目
ヨ級「……」←疲れ果てた目

レ級「本当は南方棲戦姫様もいたんだけどねー。運が悪かったねっ」

ヲ級「人間、運が良かったのよ……」

提督「それはもう、よく分かっている」

ヲ級(じゃあなんで南方棲戦姫様にケンカ売ったの。本当にわかってるの……?)

レ級「ここまで疲れたよね。飲み物あげようか?」

提督「俺は燃料は飲めないから」

レ級「人間って不便だねー」

提督「こんなところで資源捜す方が不便だろう」

レ級「意外となんとかなってるよ。あははっ」

ヲ級(しかも馴れるの早すぎない……? この人間、どこまでも追ってきそうで怖い……)

南方棲戦姫「戻ったぞ」

提督「あ」

レ級「おかえりなさい! 今人間が来てるの!」

南方棲戦姫「人間? ……!」

提督「お邪魔しました!」ザパァ

南方棲戦姫「ま、待てーーーーーーー!」

レ級「あれー? 南方棲戦姫様怒ってる?」

ヲ級(この状況でも逃げ切れちゃうんだよね……あの人間、本当に敵に回したくない)

―執務室―

提督「はぁ……はぁ……五回くらい遺書書いてくれば良かったって思ってしまった……」

提督「も、もう深海棲艦は十分だろう……流石に疲れた……」

下2

提督「……誰それ。あ、いや、どこかで聞いたような気も……」

龍驤「キミ、作戦成功、帰投したで」ガチャ

提督「ん、ああ、報告書はそこに置いといてくれ」

提督「……龍驤の遂行した作戦はAL作戦だっけ。えーっと……あ」


―北方AL海域―

北方棲姫「こないで……って……いってるのに……」

北方棲姫(おねえちゃんだったら、どうしてたんだろう……)

提督「北方棲姫ってここか。最近遂行命令が出たばかりで、覚えてなかったわ」

北方棲姫「なっ、なにしにきたの?」

提督「げっ、しまった、いきなり目の前とか」

北方棲姫「かえって……じゃないと……」ブゥン

提督「ま、待て待て! 争いに来たわけじゃない!」

北方棲姫「……そうなの?」

提督(あ、めずらしく話が通じそうな子)

北方棲姫「あらそうきないのなら、どこかいって……」

提督「だが、俺には君とおままごとするという使命が」

北方棲姫「どこかいって……」ゴッ

提督「失礼しました!」ザパァ

―執務室―

提督「おままごととか無理だろ……そんな仲良くないって……」

提督「今回はボート壊れなかったのはまあ僥倖だが」

提督「そもそも最近皆にかまってあげてないから遊ぶことにしたんだよな。なんで深海棲艦ばかりにかまっているんだろう……」

下2

―金剛型の部屋―

榛名「榛名、気がつきました」

霧島(……なんでしょう、榛名から提督の匂いがします。物理的ではなく、精神的に)

榛名「提督が誘ってくれないのなら、榛名が無理矢理すればいいのです」

霧島(あ、これ不味いパターンですね)

榛名「待っててくださいねぇ、うふふ、榛名が提督を幸せにしてあげますから」ガチャ

バタン

霧島「……提督なら無事でしょう」

比叡「き、霧島! お姉さまを止めて!」

金剛「離すネ! 榛名には先を越されないデース!」

霧島「間違いなく前に作った比叡お姉さまのごはんのせいですね。頼んでいた解毒薬、そろそろ取りにいってきます」

比叡「ひえー! 私のせいって、どういうことー!?」

霧島「どうせ変な食材でも入れてたのでしょう」

比叡「に、庭に生えてたキノコを……」

霧島(食べなくてよかった)

―執務室―

提督「そういえば、金剛と榛名の容態を気にしてなかったな。あれから大分過ぎたが、どうだったんだろう」

バタァン!

榛名「……」

提督「お、おぅ、今日はいつになくバイオレンスな開け方だな」

榛名「提督、榛名のお茶はいかがですか?」ニッコリ

提督「それだけのために来たのか?」

榛名「おいしい茶葉を手に入れたんです。どうか提督にもご賞味してほしくて」

提督「では、もらおうかな」

榛名「どうぞ」

提督「今から作ると思ったのに、準備良いな」

榛名「はい。早く提督に味わってほしくて、ふふ」

提督「そうか。では…………うっ」バタン

榛名「ふふふ……ゆっくりお休みなさい、提督」

榛名「榛名がしっかりとお世話してあげますからね……」

END

霧島「って、そうはいかせないわよ、榛名」

榛名「霧島? どいてください、榛名は提督に一生を尽くすのですから」

霧島「今そんなことしたら、この鎮守府で暴動が起きるわ」

榛名「……邪魔をするなら」

霧島「比叡お姉さま」

比叡「榛名、悪いけど眠ってもらうから!」ドスッ

榛名「うぐっ……何時の間に……後ろに……」

比叡「窓から入ってきただけ。何も不思議なことは無いよ」

霧島「まったく、提督の自業自得とはいえ……放っておいた方が良かったかしら」

比叡「それは金剛お姉さまが悲しみます!」

霧島「じゃあ、もう変なものは作らないでください」

比叡「ひ、ひえぇ」




提督「起きたら榛名がいなかった。いったいなんだったんだろうか」

下2

提督「金剛と榛名はどうやら全快したらしい。と、いうわけで」


―食堂―

提督「比叡、祝いにカレー作るぞ!」

比叡(霧島にあれだけ言われたのに……しかし、作りたいと思っている私もいます、どうすればっ)

提督「何を悩んでいる比叡」

比叡「いえ、作りたいのはやまやまですが、金剛お姉さまと榛名の調子が悪くなったのも私のせい……」

提督「つまり、また調子を崩させそうで怖いと」

比叡「お姉さまと榛名は優しいですから、霧島と違って無理に食べそうな気もしますし……」

提督「ふむ」

比叡「やっぱり、今回の料理は遠慮しておきます」

提督「だが、すでに用意した後なんだが」

比叡「え?」

間宮「食材はオーソドックスなじゃがいもやにんじんなどを選んでおきました。カレールーも同上です」

提督「今回は食材の選択は間宮だ。ついでにアドバイザーにもなってくれるらしい。……これでも作らないか?」

比叡「て、提督……」ウルウル

提督「泣くのは金剛達に美味しいといってもらった時だ」

比叡「はい!」

―金剛型の部屋―

比叡「今度こそ! 大丈夫です!」

[比叡(ついでに提督)カレー]

霧島(見た目は普通ですね。むしろ、普通すぎるくらい)

金剛「……いただくネー」

霧島「い、いいのですか? 前にそうして……」

金剛「妹の作ったカレーを目の前で出されて、食べないってわけにはいかないデス」

榛名「それに、今度はきちんと間宮さんも手伝ったと聞きました。榛名は、比叡お姉さまを信じます」

比叡「金剛お姉さま……榛名……」

霧島「……しょうがないですね、私もいただきます」

比叡「霧島……っ」

金剛「では、一斉にいただくデース」

「「「いただきます」」」

―執務室―

提督「……オチを期待しただろ? なんてことない、比叡は喜びの涙を流しただけだ」

提督「そして俺は、一回失敗した間宮の手によってマシになった比叡カレーを食べているところだ」

提督「……一人で食うには多いわ、これ。適当に動いた後でまた食べるか」

下2

提督「腹をすかせるのにもちょうどいい感じだな!」


―廊下―

雷「司令官が比叡さんと一緒にカレーを作ったって聞いたわ!」

電「比叡さんとですか?」

響「間宮さんも手伝ったって聞いたよ」

暁「へー、それじゃあ、おいしいカレーが出来たの?」

雷「どうだったかしら?」

響「間宮さんからは一回失敗したけど、次は成功したって」

電「よかったのです」

暁「ふんっ、カレーを失敗することが、あんまり考えられないわね」

響「暁、そういう物ではないよ。ん?」ヒョイッ

電「あ、あわわ」ヒョイ
雷「な、なに?」ヒョイ

暁「どうかしたの、三人とも――」

提督「暁、次はお前だ」響肩車・両脇雷電

暁「はわっ……!」

提督「ふふふ、暁ぃーーーーーーーー!!」ダッ

暁「な、何よぉーーーーーーーー!!」ダッ

提督「抱きしめたいぞ、暁!」ダダダダ

暁「すでに両腕埋まってるじゃないのぉ!」ダダダダ

響「久しぶりに来たと思ったら、一体なんなんだい……」

電「でも、司令官さんがどこかに行くくらいなら、こうして遊んでた方が安心するのです」

雷「電も司令官の事が心配?」

電「他の人に迷惑かけそうなのです……」

響「それもそうだね。でも……」

電「なんですか?」

響「……いや、なんでもないよ」

暁「のんきに喋ってないで、司令官をとめてぇ!」ダダダダ

提督「ふはははは!」ダダダダ

―執務室―

提督「暁は抱きしめた。大丈夫、愛情表現だ」

提督「さて、比叡カレーも一割くらい減ったし……まだ一割か……」

下2

―トレーニング場―

長門「……まいった。流石に強いな、武蔵」

武蔵「そっちもなかなか良かったぞ、長門」

陸奥「大和はあんまり試合とかしないわね」

大和「私も時間があればやってますよ? 主に武蔵とですけどね」

利根「……」

陸奥「あら、まだこんな時間よ」

利根「ん? ああ、まだ時間ではなかったか」

長門「気にしなくてもいいぞ。私も本来は割り当ては別の時間だしな」

武蔵「そもそも、時間決めなど皆が押し寄せることないようにしたにすぎない。人が多くない限り出入りは自由だ」

大和「それより、何か考え込んでいるようですが、どうかしたんですか?」

利根「……そうじゃな、吾輩では聞かんが、もしかすると……」

―執務室―

提督「今日中に比叡カレーを完食は無理だな。夜食も諦めよう」

バタン

長門「失礼する」

提督「い、いきなりなんだ。長門に武蔵に……大和陸奥利根ま……で……」

利根「思い当たったようじゃな」

提督「あー、いや、ちょっと今比叡カレー食べたばかりで、勘弁してくれないかなーって」

武蔵「提督、始めから利根の言うことを聞いていれば、こんなことにならなかったのではないか?」

提督「それはその……」

大和「提督、私たちは心配なんですよ? もし、提督が私たちの知らない場所で亡くなるようなことがあれば……ううっ……」グスッ

提督「な、泣くのはやめてくれ」

陸奥「だったら、もうやめなさい。海域に出ても、提督は何もできないわ」

提督(このままじゃまずい……最悪、監視されるという事態が予想されるようになる……!)

長門「あんまり聞かないようであれば……」
提督「説教など聞く気が無いわ! じゃあな!」バッ

利根「窓からじゃと!」

武蔵「ならば、実力行使だ」スッ

長門「そうするとしよう」スッ

提督「なっ、早――」

ゴッ ドスッ×2 ザシュッ(SOUND ONLY

大和「反省してくださいっ!」

ドーン

―司令官室―

提督「比叡カレーの蓋が無ければ死んでいた。というか、このカレー容器よく無事だな……」

提督「明石に修理頼まなきゃ……何回叱られなきゃいけないんだろう……」

下2

提督「前回はわざとじゃないとはいえ、貶しちゃったからな。修理頼むついでに、何かしようか」

提督「その前に比叡カレー減らしとこう……」ズズ

下2

提督「明石にそれは……怒りそうだな」

提督「だが俺はそんな事では恐れない。まずは修理を頼むか」


―工廠―

提督「明石、修理を頼みたいんだが」

明石「……」

提督「ど、どうした? 壊すの早すぎて怒ってる?」

明石「い、いえ、ようやく私にも提督から直接仕事を賜れると思うと……」

提督(こんな子にスリットに手を入れるって……罪悪感が無い気がしないでもない)

明石「明石、張り切って直させてもらいますからね!」

提督「あー……明石、ちょっといいか」

明石「はい、なんですか?」

提督(さて、スリット……って、どこだ? スリット=服の切れ目だよな。それっぽいところあるけど……)

明石「どうかしました、私の服を見て」

提督(あそこに手を入れたら、流石に憲兵どころじゃないよなぁ)

明石「あ、もしかして気になりますか? これ、ただのスカートじゃなくて袴を短くしたものなんですよ」

提督「えっ、そうなの?」

明石「ちょっと特殊だから気になっちゃいましたよね。触ってみる?」

提督「えっ!?」

明石「もう、替えの服の事です。提督もそういうのに興味ないかと思ったら、意外とむっつりなんだから」

提督「そ、そうか。ちょっと見せてくれ」

明石「はい、どうぞ」

―司令官室―

提督「それっぽいところには手を入れた。これでこなしたな」

提督「ところで、明石が言ってたむっつりってなんだろうな。そういうことってどういうことなのか」

提督「まっ、考えてもしょうがないか」

下2

提督「にゃんにゃん……なるほど、金剛なら余裕だな!」

提督「ちょっと準備……」


―金剛型の部屋―

金剛「比叡、前に比叡の料理食べたとき、私と榛名はどうなってたデース?」

比叡「えっ」

榛名「そういえば、榛名も覚えてないんですよね。比叡お姉さま、どうでした?」

比叡「えーと……」

提督「はーい、金剛遊ぼうぜー!」ガチャ

金剛「提督ー!」

比叡(助かったような……提督にとられた気がするような……)

金剛「遊ぶって、なにするデース?」

提督「ほれ、これだ」E:ねこじゃらし

金剛「……?」

提督「分からんか? ほれ、ねこじゃらしだ」

金剛「……ニャーン?」

提督「おっ……か、可愛い」

金剛「ニャーン♪」

提督「ほれほれー」

金剛「ニャンニャン♪」


榛名「うらやましいです……(金剛お姉さまが)」
比叡「うらやましいです……(提督が)」

―司令官室―

提督「ふう、今回は平和だったなぁ」

提督「次からもこんなのが出ればいいんだけど」

下2

提督「死んだな(確信)」

提督「北上にキスする時点で難易度高いのに……」


―廊下―

大井「最近あまり出撃に呼ばれないわね」

北上「それもいいんじゃないの~? 大井っちだって、提督と会わなくて嬉しいんじゃないの?」

大井「それは、そうだけど」

北上(少し前から大井っちの様子が少しおかしいんだよね。主に提督に関することに)

北上「大井っちにも春が来たのかねー」

大井「北上さん?」

北上「いやいや、なんでもないよ」


提督「うおおおおおおお! 北上!」ダダダ


北上「提督? 何をそんなに走ってきて――んむ?」

大井「な゛っ!」

北上「――へへ、強引だね、提督」

提督「たまには、な」

北上「でもいいの? 大井っちにヤられるよ?」

提督「たまには、だ」

北上「それじゃ、頑張ってね」

提督「う、む……逃げろ!」ダッ

大井「……ユルサナイ」ダッ


北上「顔を近づけて指でふさぐ……突然やられたら、そりゃあ本当にキスしたようにみえるよねぇ~」

北上「大井っちも砲撃した方が早いのに。多分、提督はあれなら逃げられるね」

北上「さーて、少しは退屈まぎれたかな」

―司令官室―

提督「砲撃や雷撃が来てたらヤバかったな……それに頼らなかった大井のミスか」

提督「北上もこういうノリに付き合ってくれて助かった。多分、あそこでネタばらししても、大井は追いかけて来ただろうけど」

下2

提督「……」

ドンドン

『開けてください提督』

提督「逃げ切ったと思ったけど、良く考えたらここにいるのはばれてるんだよな」

『開けないと壊しますよ、扉』

提督「しょうがない、覚悟を決めよう」

ガチャ

大井「ようやく、観念してくれましたか。さあ、思い残すことはないですよね」

提督「悪いな大井」

大井「はい?」

提督「お前もしてほしかったんだろ」

大井「は――はぁ!? 明石さんに頭の修理をしてもらった方がいいんじゃないですか!?」

提督「遠慮しなくていい――」スッ

大井「う……っ」ギュッ 

提督「……」チュッ

大井「……え、手、ですか」

提督「いや、目を瞑るなよ。本気でするわけないだろ。北上のときだって――」

ドーン

―臨時・司令官室―

提督「緊急回避が(ry。まさか大井が手でもあそこまでキレるなんてな。それとも、北上のがよほどきていたか?」

提督「また明石……いや、明石には執務室を任してるから、あっちは夕張に任せよう」

提督「そして相変わらず無事な比叡カレーの容器。何の素材でできているんだ……」

下2

提督「リベンジしなくていいです。いや、したくないです」

提督「大和に稽古か……多分快く引き受けてくれるだろうけど……」


―大和型の部屋―

大和「嫌です」

提督「やったぁ!」

大和「なんで喜ぶんですか」

提督「はっ……ざ、残念だなー」

大和「ええと、一つだけ約束してくれるなら、一緒に稽古をしてあげますよ」

提督「無理しなくてもいいぞ?」

大和「もう、勝手に外の海域には出ないでください」

提督(聞いてない……)

大和「それを約束してくれるのなら、一緒に稽古をしましょう」

提督「……いや、やっぱりいいです」

大和「そんなっ!」ガーン

―トレーニング場―

大和「お願いですから約束してください! そうでないと、大和は……」

提督「いえ、一人で稽古するので」

大和「提督ー!」

武蔵「ほう、めずらしいな」ガチャ

長門「提督に大和。面白そうだ、私も混ぜてくれ」

提督「」

大和「き、聞いてください! 提督が――」
提督「や、大和!」

提督「この二人に試合で勝ったなら、約束しよう」

大和「……本当ですか?」

提督「ああ、約束する」

提督(別に俺の力でって訳じゃないからいいよね)

武蔵「よく分からないが、大和が相手してくれるってことでいいな」スッ

長門「あの大和とやりあえるのか。この時を楽しみにしていたぞ」スッ

大和「提督に約束してもらうためにも、この大和、絶対に負けられません!」スッ

長門「では、先手を取らせてもらおうか!」ヒュッ

大和「打ち込みが甘いですよ!」カッ

長門(防御? いや、あの構えは――カウンt)ドスッ

大和「――ふぅ、まずは一人」

提督「強っ」

武蔵「やはり、大和を相手に出来るのは私だけのようだな」

大和「油断したところを突いただけ。正面からだとどうなってたか分からないわ」

武蔵「ふっ、この武蔵、大和との試合はいつも気分が高翌揚する。行くぞ大和」

大和「はい!」


提督「……巻き込まれないうちに戻っておこう」

―臨時・司令官室―

提督「どっちが勝ったとか知らないけど、とりあえず大和がマジで怒っている事だけは知った」

提督「だって約束したくないしー。約束したらそれこそどこにも行けなくなる」

提督「というわけで、大和にはしばらく会いたくない……」

下2

提督「ル級って、敵戦艦で二番目に強いんだよな……何回死の危険を冒せばいいんだ」

提督「いや、まだ今回は内容は決まっていない」

提督「随伴艦を決めて、無理ない内容ならば楽にこなせるだろう、うん」

下2

提督「信頼の単騎突撃。一番近いのは製油所地帯沿岸か……」


―製油所地帯沿岸―

ル級「ここ最近、変な人間が一人で出入りする姿を目撃……か」

ル級「ふん、バカバカしい。人間がこんな所に来て生きているはずがない」

ル級「それより、なんだか海が慌ただしいな。誰か侵入者でも来ているのか」

提督「俺だぁ!」

ル級「に、人間!?」

提督「悪いが吐き出せない口を吐かせてから帰らせてもらうぞ」

ル級「はぁ?」

提督「まったく、俺がどうしようと関係ないじゃんか、なあ」

ル級「同意を求められても……」

提督「それなのに最近は監視する目がきつくなって。今回だって、抜け出すの苦労したんだぞ」

ル級「監視がきついなら、抜け出さなければいいんじゃないか」

提督「馬鹿、それじゃあ外に出れないじゃん。そもそも――」

~数十分後~

提督「そろそろ帰るわ。遅くなると怪しまれるし」

ル級「えぇ……」

提督「じゃあな!」バシャッ

ル級「……本当に居た。驚きのあまり、迎撃するのも忘れていた……」

―臨時・司令官室―

提督「今回は随分楽だった。いつもこうならいいんだけど」

提督「外の海域に出たいわけじゃないから、そこの所は勘違いしないように」

下2

夕張「提督、最近修理の依頼が来ないので、面白そうな物作ってみました!」ガチャ

提督「へえ、何を作ってきたんだ?」

夕張「見たい夢が見れる機会です!」

提督「面白そうだ。乗った!」

夕張(最近、外の海域に出るのが目に余りますからね。設定は自分に一番好意を抱いている人物との接触。判断は提督の深層心理によりますけど)

提督「ちょっと昼寝用に使うわ」

夕張(これで、この鎮守府にずっと居たいと思ってくれるといいのですけど)


―提督の夢―

提督「ん……あれ、ここは……」

レ級「あ、起きたー?」

提督「レ級? なんでここに……」

レ級「提督にはわたし達の提督をしてほしいんだー。だからさらってきたの」

提督「さ、さらって!?」

レ級「ル級に聞いたよ? 今の生活、辛いんだってね」

提督「え、いや、でも……」

レ級「南方棲戦姫様お事なら大丈夫だよ。事情を話したら、理解してくれたから」

提督「理解?」

南方棲戦姫「貴様があの鎮守府の提督であることはレ級の報告とヲ級から聞いた」

ヲ級(むしろ、私以外知らなかったことがおかしい)

南方棲戦姫「そこの鎮守府が多大な戦果を挙げてることはこちらでもわかっている」

提督「……もしや、組まないかと聞いているのか」

南方棲戦姫「ああ、この状況で選択は決まっているも同然だろうけどな」

提督「ああ、もちろん断る」

レ級「えー、でも殺されちゃうよ?」

提督「覚悟の上だ」

ヲ級「いや、多分貴方は死なないので、死ぬのは貴方の秘書官です」

提督「っ……なるほど、人質か」

ヲ級「貴方を捜索している様子です。そこを、私の艦載機が今も監視を続けている」

南方棲戦姫「もし我らにつくのなら、貴様の指示に従おう。それがどういう事かわかっているだろう」

提督「ちっ……分かった」

レ級「わーい! やったぁ!」

ヲ級(この人と戦わずに済みそうで良かった……)

南方棲戦姫「ふん、もしここで逆らう選択をするのならば、前の恨みを晴らしてやろうかと思っておったのだがな」

提督(……不思議と、心が軽い。もしかすると、これが――)


深海提督(これが轟沈した末路ってやつかもしれない)

――――――――


夕張「あ、起きましたか。いったいどんな内容でした?」

提督「……深海棲艦の提督になる夢」

夕張「え゛」

提督「こっちより規律も緩そうだったし、憲兵もいないしなー……」

夕張(こ、これは大変だわ……結果は暴動が起きそうなので黙っているつもりだったけど、この際そんなことは言ってられない!)ダッ

提督「でもまあ、俺はここにいる方が――って、あれ。夕張ー?」

提督「どこ行ったんだ? まあ、別にいいか」

下2

提督「遊ぶ内容思いつかないな最近。しょうがない、仕事でもするか……」

大和「提督!」ガチャ

提督「大和? なんだ、ぞろぞろと引き連れて」

大和「お願いです、やめてください!」

提督「ほへ?」

武蔵「すまなかった、提督の言葉を聞いていなかった。もしかすると、何か理由があったのかもしれん」

利根「吾輩も、言いすぎたかもしれん」

金剛「一人で抱え込むのはやめてくだサーイ!」

榛名「提督には榛名たちがついているんですよ!」

明石「私だって、提督の被害とか、そんなの気にしてませんから!」

比叡「私も、お姉さまだけじゃなくて、提督のことも大事、ですから」

木曾「俺たちは提督を必要としているんだ」

天龍(あ、オレが言おうとしてた言葉言われた)

瑞鶴「もう、執務室に爆撃とかしないようにするから……」

大井「私も、ちょっとやりすぎたわ……」

電「だからやめてほしいのです!」

暁「そうよ、相談もなしに……グスッ」

提督(え、どういうことなの? 俺は今から仕事をしようとした……つまり……)

提督「そうか……みんなすまなかったな」

大和「提督……分かってくれたんですね」

提督「ああ。仕事をやってくれるんだろ」

『えっ』

提督「手伝ってくれるのにそこまで言うなんて……お前ら、みんな優しいな」

提督「よし、ならお前らにはこの溜まった仕事を……ちょ、なんでここに、今日はお休みじゃ……ぬわーっ!」

―次の日―

提督「休日返上してまで仕事をやらせに来た秘書官にみっちりと怒られ、仕事をさせられた」

提督「みんなはなんか呆れた表情をしていた。ついでに夕張もちょっと怒られていた」

提督「はぁ……次こそ遊べそうなのをだな」

下2

提督「パズドラってあれか、最近流行ってる……」

提督「知らないからイムヤに聞くのが一番だな」


―伊号潜水艦の部屋―

168「パズドラ?」

提督「知らないから教えてくれ」

168「うーん、私もまったり勢だから、そんなにしないよ?」

提督「よくスマホいじってるのに?」

168「ゲームだけに使うわけないじゃない。提督もあんまりやらないでしょ」

提督「そうだな」

168「じゃあ提督に教えても無意味じゃない」

提督「あまりしないしな……確かに、そうかも」

168「したいなら私のアカウントでする?」

提督「いいのか?」

168「どうせなら一緒に考えよ」

提督「おう」

―臨時・司令官室―

提督「操作ミスが……そもそもスマホじゃないから使い方すら分かんなかった」

提督「ガラケーでもいいじゃない。連絡が主体なんだから」

下2

提督「今度こそ死にそうなんだけど……」

提督「いや、こうなったらやりきるしかない。ここで退いては男として恥だ!」

提督(今からする行動の方が恥だという考えは無しにしよう)


―サブ島沖海域―

南方棲戦姫「……なんとなく、来るころだと思ったぞ」

提督「待ちかまえられていたか……」

南方棲戦姫「水底に落ちていくがいい!」ガシャン

提督「やってみろ――」

ドーン

南方棲戦姫「人間に命中していないことは分かっている。やつの姿を確認次第、沈める」

南方棲戦姫「……」

南方棲戦姫「馬鹿な……いない? あれが命中したとでもいうのか……?」

南方棲戦姫「ちっ、所詮は人間だったという事か――ん」チョキン

提督「別に方法はどうでもいいんだろ。端をうまく切ればすんなりとれる」バシャ

南方棲戦姫「」

提督「よし、全速力で帰るぞ!」バシャァ

南方棲戦姫「……せ、潜水をするなど……卑怯だ!!」

―臨時・司令官室―

提督「ふう、無事に帰ることが出来た」

提督「でもこれどうしようか……もってるのもあれだし、みんなの洗濯物に入れておこう」

提督「それじゃあ、次はどうしようか」

下2

―金剛型の部屋―

提督「金剛、今暇か」

金剛「ヘイ提督! 今暇してるネー」

提督「じゃあ何かするか」

金剛「私とティータイムするデース!」

提督「いいぞー、今日の紅茶も楽しみだ」

金剛「ンー、提督が私の紅茶を楽しみにしてくれる……嬉しいデース!」

提督「何言っているんだ。ティータイムに付き合うときは、いつも楽しみにしてるぞ」

金剛「本当ですカー?」

提督「当たり前だろ。今回も楽しみにしてる」

金剛「もー、提督ったら、期待されたらやるしかないネー!」

提督「張り切り過ぎて、失敗するなよ」

金剛「分かってるデース!」

提督「……いや、やっぱり手伝おう」

金剛「ムー、そんなに心配ですカー?」

提督「心配なんかじゃなく、一緒にしたいんだ」

金剛「……もー、提督ってば……私の言葉をふさがないでほしいネー」

提督「ふっ」

―臨時・司令官室―

提督「俺らしくなかったな……なんかまったりしてしまった……」

提督「休憩する分にはいいんだけど、反応が軽い。比叡がいなかったからなおさらだ」

下2

提督「な、何かとてつもない悪寒を感じた」

提督「まあいい……睦月はネコ属性もちの元気っ子だな。もちろん多摩ほどにゃーにゃー言わないけど」

提督「出撃機会はあんまりないけど、燃費いいから遠征としては良く使える」

提督「うちの場合、いじるのは睦月型が大部屋なのが辛いところだ……まさか憲兵呼ばれる内容が来るとは思いたくない」

下2

―睦月型の部屋―

提督「可愛い!」

睦月「な、何かにゃー?」

提督「ちっちゃい! 抱きしめ心地がよさそう!」

睦月「にゃ……」

提督「猫っぽい! 撫でたい!」

睦月「や、やめて司令官……恥ずかしい……」

提督「声も可愛い! 鳴かせたい!」

睦月「うぅ……//」

提督「照れ顔がいい! トロ顔をさせたい!」

睦月「うにゃぁ~//」

提督「ついでにアヘ――」
菊月「司令官、それはダメだ」

提督「ゴホン……とにかく、睦月は可愛い。これはすでに決まったことだ」

文月「私はぁ~?」
如月「私は揉めてくれないの?」
弥生「弥生、も……」
卯月「うーちゃんも褒めてくれてもいいぴょん」
三日月「司令官……その……」

提督「……また今度な!」ダッ

長月「まったく、逃げるならここでしなければいいものを」

望月「zzz……」

―臨時・司令官室―

提督「迫られるといくら駆逐艦でも怖いな……」

提督「一人に用があるときは、なるべく呼んだ方がいいかもな……反応楽しみにそういう事はあまりしないけど」

下2

提督「大鳳か……」

提督「耳を舐めて爆撃されたんだよなぁ。もう怒ってないといいけど」

提督「そもそも耳を舐めるってのが良くなかったな。もっとぬるめのものにしたい」

下2

提督「ぬる……くない」

提督「しかも多分警戒されてる中でやるのかい……こりゃあ難度が高そうだ」


―大鳳の部屋―

提督「大鳳、調子はどうだ」ガチャ

大鳳「だからノックくらいしてください」

提督「まあまあ、俺とお前の仲じゃないか」

大鳳「どういう仲ですか……」

提督「上司部下の仲」

大鳳「……それを言いに来たんですか」

提督「まさか、そんなつまらない事だけにここに来るわけがないじゃないか」ワキワキ

大鳳「そこで止まってください。手の感じがいやらしいです」

提督「おっと。大鳳もそんなにお固くなることないんじゃないか」

大鳳「前の仕打ち、忘れたわけじゃありませんから」

提督「……ガス漏れてるぞ」

大鳳「えっ!?」

提督「隙あり!」ガバッ

大鳳「しまっ……!」ペタッ

提督「……」ペタペタ

大鳳「……」

提督「……なあ、服の横から手を入れていいか?」

大鳳「いいわけ、ないじゃないですか!!」ゴオッ

提督「揉むほどなかった! 今回はある意味において失敗だ!」

大鳳「絶対に逃がしません!!」

―臨時・司令官室―

提督「装備を変えていたら死んでいた」

提督「揉むってある意味において難度が最も高かったんだな。勉強になった」

下2

提督「なめつくすって……そんなことで良いのか」

提督「眼球っていうのがめんどくさい指定だけどな、はは」


―長門型の部屋―

提督「よう、陸奥」

陸奥「あら提督。今は私一人しかいないわよ」

提督「いないのか。なら丁度良い」

陸奥「丁度良いって、私に用事なの?」

提督「ちょっと練習させてほしいと思って」

陸奥「練習?」

提督「そう、鬼教官の人をなめるという行為がなんとなくやってみたくて」

陸奥「へえ、面白いわね。ちょっとやってみてくれない」

提督「ゴホン。陸奥、まず貴様のその目が気に入らない」

陸奥(目から入るのね。それっぽいじゃない)

提督「まるっこくて、綺麗な色をしていて……」

陸奥(ん?)

提督「包容力を感じさせて、お姉さんっぽく見つめられると……」

陸奥「ちょ、ちょっとまって。提督、それなんか間違ってる」

提督「そうなのか?」

陸奥「ちょっとは勉強してきなさい。あの有名な教官を見て」

提督「お、おう……そうすることにする」

陸奥「まったく……提督はどこかずれてるんだから」

―臨時・司令官室―

提督「あの有名な教官を見て、まねできそうにないと思った」

提督「そもそも俺のキャラに合ってないし、無理することでもないな」

提督「もっとまともなの無いかなー」

下2

提督「那珂ちゃんとは前にグループを組んで以来だな。もうするなって怒られたけど」

提督「提督業もあるししょうがないのかもしれないけどなー」

提督「……ところで、那珂ちゃんがアイドル活動をしているところ未だ見たことないんだよね、本当に艦隊のアイドルなのか、七不思議のひとつだ」

下2

提督「か、解体? あ、懐胎か」

提督「……ん? 懐胎? どういう意味だ、やっぱ解体か?」

提督「まあいいや、那珂ちゃんにそのまま話して、適当に合わせよう」


―川内型の部屋―

提督「よしよし、今回も那珂ちゃんだけだな」

那珂「提督ー、女の子の部屋で会ってアイドルの部屋だよ。もうちょっと慎重にならないと」

提督「アイドルか、ははは」

那珂(なんとなく思ってたけど、提督、那珂ちゃんの事いまだにアイドルだって信じてない……)

提督「そうだ、『かいたい』の事なんだけどさ、那珂ちゃんはどう思う?」

那珂「かいたい……? あっ」

那珂(も、もしかして那珂ちゃん、解体されちゃうの!?)

提督「那珂ちゃん?」

那珂(ま、待つのよ那珂ちゃん。ここまで育ててくれた提督が、簡単に解体するなんて思えない! つ、つまり……懐胎!?)

提督(なんだろう、那珂ちゃんが固まった)

那珂(だ、だめだよ提督! 那珂ちゃんには、全国百万人というファンが……!)

提督(……ん、誰からか連絡が来てるな。あ、司令部だ)

那珂(で、でも、提督がどうしてもっていうのなら、那珂ちゃん……普通の女の子に戻っても……)

提督(出撃? めんどくさいなぁ……最近報告書溜まってるんだよね……)ピッピッ

那珂(あー、那珂ちゃん、人生で一番の岐路だよー!)

提督(そうだ、秘書官に任せよう)ピッ


神通「二人とも、どうしたんでしょう?」←戻ってきた

川内「そんな事より夜戦したい」

―臨時・司令官室―

提督「那珂ちゃんはすっきりした顔でごめんねと言ってきた。とりあえず、それには頷きで返した」

提督「ていうか何しに行ったんだっけ。んー……まあ、覚えてないってことは、どうでもいいことだな」

下2

提督「タ級……また深海棲艦か。だが、今回は何するまでは決まっていない」

提督「つまり、まだ随伴艦が居る可能性も残されている」

提督「今度こそ楽な感じでいてほしいものだ」

下2

提督「やっぱり一人なんですねやだー」

提督「その前に、海の上でジャンピング土下座ってどうやんのよ。今回も絶対ボート壊されるぞ」

提督「まあ成否は確約してないし、行くだけ行ってみるか……」



―ジャム島―

ル級「そういうわけで、人間がたまに出没するんだ」

タ級「本当? 眉唾ものだけど……」

ル級「嘘なんて言うもんか。ヲ級からも変に敵に回すなって言われているほどのものだ」

タ級「南方棲戦姫様は積極的に迎撃しろと言ってたけど」

ル級「……私は、変に敵に回す気ないのならしたくないな」

タ級「ル級がそこまで言うなんて……」

提督「恐ろしい人間もいたものだな」

ル級「そうだな……まあ、気を付けるようにな」

タ級「たかが人間に気を付けるもないような気がするのだけど」

提督「全くだ」

ル級「ん?」
タ級「え?」

提督「ちょっと失礼」サスッ

タ級「ひゃっ」

ル級(タ級の頬に怯むことなく触れるだと……)

提督「あ、もう大丈夫です」

タ級「……」ポー

提督「えーと、はっ」ピョン

提督「このたびは突然申しわけありませんでしたぁああああああ!!」土下座

ル級(もう何が何だかわからん)

提督「それじゃ、元気でな」ザバッ


ル級「……あれが噂の人間だ」

タ級「……」ドキドキ

ル級「そうした、タ級」

タ級「胸がときめいて……これがまさか……」ドキドキ

ル級「!?!?」

―執務室―

提督「戻ってきたら直ってた」

提督「しかし、あの二人は攻撃しなかったな。深海棲艦でも全員がバトルジャンキーってわけじゃないのかもしれない」

提督「外の海域に行きたくないのは変わりないけど」

下2

提督「天津風は呼ぼう、人に見せられることじゃない」




天津風「呼んだかしら」ガチャ

提督「突然だが天津風、お医者さんごっこをしよう」

天津風「頭を医者に診てもらった方がいいわね」

提督「そんな冷静な返しは天津風じゃない!」

天津風「あなたは私に何を求めているのよ!」

提督「お医者さんごっこに対する肯定だ」

天津風「しないわよ!」

提督「えー、なんで。たまには遊んだっていいだろ。天津風だって、今は暇だろ」

天津風「うぐっ……わ、私だっていろいろ忙しいんだから」

提督「出撃遠征共になし。工廠を頼んだわけでもカレー当番でもないだろ」

天津風「うぅ……」

提督「島風は出撃、雪風と時津風、初風は遠征。さて、何の用があるって?」

天津風「わ、分かったわよ! 付き合えばいいんでしょ!」

提督「じゃあこれを持ってくれ」

天津風「聴診器?」

提督「お、お医者さん……お腹の調子が悪いんです……」

天津風「そっちが患者なの!?」

――――――――


提督「天津風は最後まで付き合ってくれた。これだからツンデレと言われるんだ」

提督「今回、医者と患者を逆にしたら憲兵さんがとんできそうだから、流石に自重した」

提督「でも素直じゃない子をからかうのは楽しいなぁ」

下2

提督「デート、デートか……爆撃されないよね」

提督「いや、爆撃される前に連れ出せばいいのか」

提督「よし、それなら……」


―待ち合わせになりそうな駅前―

瑞鶴「提督さん、瑞鶴をここに呼んで何の用なんだろう」

提督「あ、瑞鶴、もう来てたのか。待ったか?」

瑞鶴「ううん、今来たところだけど」

提督「そうか、良かった。じゃあまずは近くの喫茶店に行こうか」

瑞鶴「提督さん、用事は?」

提督「まあまあ、早く行こうじゃないか」

瑞鶴「う、うん」

―なんかいい感じの喫茶店―

提督「結構雰囲気良いな。さすが、鳳翔さんに教えてもらっただけはある」

瑞鶴「て、提督さん?」

提督「おっと、すまん。他の女の名前を出すのはタブーだったな。好きなものを頼んでいいんだぞ」

瑞鶴「え、いいの? えっと、それじゃあ……」

提督「このパフェとかどうだ」

瑞鶴「でも、ちょっと大きいような……それに、値段が……」

提督「心配するな。俺が持つから」

瑞鶴「わ、悪いわよ。せめて半分にしよ」

提督「そうだな、そうしよう」


―人気映画に人があまり入っていない映画館―

提督「これが面白いらしいんだ」

瑞鶴「えー、本当なの、提督さん」

提督「ちょっとこてこての恋愛物だけど、最後が泣けるって」

瑞鶴「うーん、泣けるっていうの、大体誇張だったりするのよね」

提督「じゃあ、他のにするか?」

瑞鶴「ううん、提督さんが面白いっていうんだもの、これにする」

―空気が澄んでいる雰囲気のいい公園―

瑞鶴「ぐすっ……良かった、最後に再会できて……」

提督「俺も不覚にもちょっと泣いてしまった」ウルッ

瑞鶴「うんうん……でも、あんな幸せな恋もいいわね……」

提督「瑞鶴……」

瑞鶴「――あっ、あそこにクレープが売ってる!」

提督「ちょっと、ここのベンチで待っててくれないか」

瑞鶴「えー、止めないでよ提督さん。クレープ食べたーい!」

提督「本当にちょっとだけだから」

瑞鶴「しょうがないわね……」




提督「……ほら、瑞鶴」

瑞鶴「遅い、提督さん……ってそれクレープ? 買ってきてくれたの?」

提督「ジュース買うついでだ。ほら、瑞鶴のも買っておいたぞ」

瑞鶴「もう、素直じゃないんだから提督さんも。はむっ」

提督「少しは見栄を張らせてくれよ」

瑞鶴「んー、おいし。提督さんも一口どーぞ」

提督(そ、それは……)

瑞鶴「どうしたの、提督さん……ぁ……//」カァァ

提督「気付いたか……」

瑞鶴「ご、ごめんね! つい翔鶴姉とするみたいに……っ」

提督「いや、かまわない……」

瑞鶴「……ん、というより、結局提督さんは何でここに呼んだの?」

提督「……じゃあな瑞鶴! 楽しかったぞ!」ダッ

瑞鶴「ちょっと、提督さん!?」

瑞鶴「いつもの奇行だったの? でも、まるで――」

―執務室―

提督「適当に済ませようと思ったけど、ちょっと頑張った結果がこれだよ!」

提督「まったく、真面目にするのも疲れる。次はちょっと休憩してからにしよう」

下3

今日はここまで
明日はこれるかわからないので、明日の分のつもりで最後は少し多めでした

提督「友永妖精と飛龍の魅力って、話せるのだろうか」

提督「……まあ、前世と妖精さんとは関係ないだろうし、気にせず話しかけよう」


―工廠―

友永隊妖精「飛龍殿の魅力についてですとな」

提督「あ、普通に喋れるんだ」

友永隊「見にくいでしょ?}

提督「そんな理由でキャラ崩壊させられても……まあいいや」

友永隊「飛龍の魅力は何と言ってもあの火力でございますな」

提督「ああ、流星ガン積みで大きな火力を叩きだせるよな」

友永隊「四スロット目に電探を積み込めるのも魅力ですな」

提督「まあ、積み込めるというか、積み込むしかないんだけど」

友永隊「さらに彼女は運がいいですな。燃費も改二とは思えない良さです」

提督「そういえば空母で一番高いんだっけ。瑞鶴越えてるんだよなぁ、あれは流石だわ」

友永隊「ついでに、改二にすると我々もついてきますぞ」

提督「改造レベルは高いけどな」

友永隊「そんな彼女をどうかもっと最前線で活躍させてくだされ」

提督「すまん、やっぱり搭載が少ないのはいただけないんだ」

―執務室―

提督「あれ、飛龍の魅力ってもしかして能力的な奴じゃなくて……」

提督「あー、でも、相手考えたらしょうがないか。いつも飛龍に積んでるわけじゃないから、どうしても能力的な会話になるな」

提督「でもなんだかんだで心配されてるんだな飛龍は。いい部隊に恵まれてるよ」

下2

提督「……んん? んー……」

提督「よし」


―牧場―

牛「モー」

提督「こういう事言うのもなんだけどな、授乳させてくれ」

蒼龍「私に言われても困りますよ」

提督「正直こういう事はからっきしなんだ。準備をしてくれれば気合でやって見せる」

蒼龍「そうはいっても、牛さんの乳はそのまま飲むと体に悪いですよ?」

提督「何言ってるんだ。やるからやらないじゃない。やるんだ」

蒼龍「そこまで本気なら、その熱意を牧場主に伝えてきては?」

提督「蒼龍にやってもらわないと意味ないんだ!」

蒼龍「うーん……そうは言われても……」

提督「お願いだ蒼龍、授乳をさせてくれ!」

蒼龍「……はぁ、分かりました。でも、ダメだった場合はあきらめてくださいね」

提督「ありがとう、蒼龍」

蒼龍(……私ってもしかして、このためだけにわざわざ牧場まで連れてこさせられたの?)

―執務室―

提督「当たり前だが断られた。代わりに蒼龍と二人で搾乳をした」

提督「ああやって職場体験をすることにより、戦争が終わった後の可能性を広げることも大事だな」

提督「俺としても、たまにああして遊ぶのもいいし」

下2

提督「そんないかにも修羅場になりそうなことをするなんて……」

提督「だが行こう。恐れるものは何もない」


―金剛型の部屋―

提督「へーい! 金剛に比叡に榛名に霧島! デート行こうぜ!」

金剛「行くデース!」
比叡「私はお姉さま一筋です!」
榛名「は、榛名で良いのなら!」
霧島「また何か企んでるんですか?」

提督「四者四面の答えをありがとう。だが四人とだぞ」

金剛「う……みんなとですカ」

比叡「お姉さまと……いえ、ですが……」

榛名「抜け駆けにはなりませんが……」

霧島「というより、それだとデートとは言わないのでは」

提督「そこに気付くとは、もしや天才か」

金剛「うぅ~……でも、提督とデートできるのデスカ……」

比叡「四人……どうせなら二人きりが……」

榛名「でも……榛名は……」

霧島「はぁ、提督」

提督「ああ、これは混乱モードだな」

霧島「とりあえず今は帰ってください」

提督「そうする。あ、霧島はデートどう思った?」

霧島「いいから仕事をしてください」

―執務室―

提督「断言された。比叡と霧島がいる限り五人デートの道は遠そうだ」

提督「んー、その前に多人数デートできそうな奴いたっけな……」

提督「ま、デートしたいわけじゃないけど」

下2

提督「暁とか想像しただけでも驚いてくれそうだ」

提督「でも、本気で驚かすと可哀そうだから、夜の鎮守府を回るだけにしよう」


―そんわけで夜―

提督「起きろ、暁」

暁「ん……なによ、司令官……」

提督「もう準備できてるぞ」

暁「何が……って、ここどこ!? 私たちの部屋じゃないわ!?」

響「どうやら、何時もの司令官の遊びのようだよ」

電「もう諦めるのです……」

雷「少し暗いけど、懐中電灯があるから歩くのにはあまり支障はないわ!」

提督「じゃあ、行こうか」

暁「な、なによそれ!? ていうかここどこなの!?」


――――――――


暁「思ったより、全然怖くないわね」

提督「おやおや、暁は怖かったのかな?」

暁「そ、そんなはずないじゃない!」

響「でも、夜の鎮守府もなかなか目新しいね」

電「少し眠いけど、お散歩しているみたいなのです」

雷「みんなで歩いてるから、なおさらね!」

提督(……そろそろか)

暁「……ね、ねえ司令官、このまま部屋に戻ればいいのよね」

響「それでいいんじゃないかな。私たちも、寝てる中無理矢理連れ出されたんだ」

電「ふわぁ~……」

雷「結構歩いてきたわね……」

響「ん、あれ、司令官は?」

暁「え?」クルッ

シーン

響「今まで私の後ろにいたと思うんだけど」

暁「どうせ、どこか隠れているんでしょ」

電「何を言っているのですか?」

雷「まあ、大丈夫でしょ」

暁「ふん、放っておけばいいのよ」

提督「ふぅ~」

暁「ふにゃぁ! し、司令官、いきなり耳に息吹きかけないでよ!」クルッ

シーン

暁「……あれ」

響「なにしているんだい、暁」

暁「い、いや……なんでもないわ」

響「変な暁……っ!」ギュッ

響「誰だい! 私の足を掴むのは!」クルッ

シーン

響「……」

電「ちょ、ちょっと変なのです」

雷「そうね……さっきから歩いているのに、前に進んでる気がしないわ」

暁「そ、そんなことあるわけないじゃない!」

響「でも、ここ――最初の場所に戻ってるよ」

『……』

暁「きゃーーーーーー!!」バタッ

―執務室―

提督「まあ、限りなく壁に見えるのを置いて、同じ場所を回るようにしただけなんだけどな」

響「はぁ……本気で驚いたよ」

電「もうこういうのはやめるのです!」

雷「そ、そうね。ちょっと心臓に悪いわ」

提督「すまんすまん。でも、回るだけだったし、そうでもないだろ」

響「司令官がいなくなったり、足を引っ張られるのは軽くないよ……」

電「え、司令官さんいたのですか?」

雷「私は見て無いわね……」

響「……え」

提督「そういや、ここのカメラでずっと見てたけど……暁と響はどこを見て喋ってたんだ?」

響「――ひっ」バタッ




提督「なんで響は倒れたんだろうな? まあ、いいか。次だ次」

下2

提督「うまく背負わせること出来るのか……それが問題だ」

提督「いや、恐れることは無い。ランドセルの存在などきっと知らないに違いない」


―陽炎型の部屋―

提督「――というわけで、部屋分けを変える。いいか」

初風「多くなったから第十六駆逐艦で分ける……ね。別にそれは良いわよ」

提督「分かってくれたか」

初風「でも、このランドセルは何?」

提督「背負ってくれ」

初風「ちょっと病院行った方がいいんじゃないかしら」

提督「酷いなぁ。俺は引越しの手伝いとなればと思って用意したのに」

初風「へえ、じゃあ提督もそれを背負って手伝ってくれるのなら、一緒にしましょう」

提督「分かった」スッ

初風「」

提督「よし、じゃあ新しい部屋に案内しよう。もちろん荷物を持って」

初風「は、恥ずかしくないの?」

提督「ただのリュックに何を恥ずかしがる要素がある。さあ行くぞ」

初風「は、はい……」


―陽炎型の部屋二号室(二号室は三号室に)―

雪風「あ、そのかばん可愛い色してますね!」

提督「だろう? 天津風、どうだ?」

天津風「私に聞かないで。初風、あなたも……」

初風「提督をちょっとなめてかかってたの……」

時津風(変なしれーだなぁ……初風も、大変そうに)

―執務室―

提督「意気消沈するばっかりだったから、面白い反応は見れなかった。ちょっとつまんないなぁ」

提督「初風だったら怒るとか罵るとかしてきそうなもんだったのに」

下2

提督「え、あそこの部屋、最上以外は外敵に絶対容赦ないと思うんだけど」

提督「……なんとかなるだろ」


―夜・最上型の部屋―

キュイイイイイイイン
キュイイイイイイイン

最上「うるさいなぁ……」ムクッ

提督「コー……ホー……」E:ホッケーマスク・チェーンソー

提督(このマスク息しずらっ! だが、これで最上が跳ね起きて叫び声をあげ――)
最上「……なんだ、寝よう」バタッ

提督(あれー……?)

鈴谷「んー……あれ……え、えっ!?」

提督(ようやく気付いてくれた奴がいたか! このまま襲い掛かる!)キュイイイイ

鈴谷「いや、ちょっ……来ないで!」

提督(鈴谷がビビるのは意外だったが、これで達成だぜヒャッホウ!)キュイイイイ

三隈「いやっ! 出て行ってください!」ガシャッ

提督「コホー……?」
提督(何時の間に起きてた――)

ドーン



提督「すいませんでした」ボロッ

三隈「く、くまりんこは暗闇が怖いんですから! 驚かさないでください!」

鈴谷「だから来ないでって言ったのに。声も出てなかった様子なのは見えてたんだから」

提督「夕張製作ジェイソンなりきりマスク(身体能力アップ付き)じゃなかったら死んでた」

鈴谷「何時もの提督だったら、避けて部屋が全壊だったんだから、避けなくて助かった」

提督「酷い……」

熊野「ふぁぁ……提督、13日の金曜日でしたら、ジェイソンはチェーンソーを使ったことは一度もありませんのよ」

提督「えっ、そうなん」

―執務室―

提督「豆知識を知っただけに終わった。ついでにマスクは壊れた。さすがに砲撃をくらえばひとたまりもなかったようだ」

提督「ていうか、最上は最後まで起きなかったんだけど……」

下2

提督「かわいい赤城さんが見たい」

提督「しかし、褒めるか……」

赤城「提督、作戦の報告に来ました」

提督「んー、赤城こっちに来てくれないか」

赤城「はい、なんでしょうか?」スタスタ

提督「よしよし」ギュッ ナデナデ

赤城「――っ!?」

提督「初めて空母として来てくれたのが赤城だったな。よく、ここまでついてきてくれた」

赤城「なっ、何をいきなりいうんですか……」

提督「お前がこれまで艦隊を支えてきてくれて助かった。お前がいたからこそ、成功した作戦もたくさんある」

赤城「や、やめてください。まるで別れみたいじゃないですか……」

提督「そんなつもりはない。ただ、お前を労わっているだけだ」

赤城「提督……」

提督「それに、お前をこうして抱きしめるのも、柔らかくていい匂いがして、気持ちがいい」

赤城「や、やめてくださいっ」

提督「嫌なら抜け出せばいい。力は入れてないんだから」

赤城「……提督は、ずるい人ですね」

提督「赤城は凛々しい。責任感もあるし、ふと見せる気の抜けた表情は可愛らしい。戦闘時には可憐さも持ち合わせ、一種の芸術も感じる」

赤城「うぅ~……」

提督「そうやって照れている姿も、素敵だ」

赤城「やめてくださぃ~……//」


加賀「何しているんですか」

提督「」

赤城「か、加賀さん!?」バッ

加賀「赤城さんの帰りが遅いと思ったら……」

提督「や、こ、これは……」

加賀「……はぁ、赤城さん帰りますよ」

赤城「あ、はい」

加賀「では、提督」ギロッ

提督「ヒッ」

バタン

提督「……加賀さんを怒らせてはならない。爆撃は無いが空気が冷たくなる」

提督「でも、ああいう赤城もいいなぁ。何気にあそこまで接触したのは初めて」

下2

提督「今晩の献立、間宮さんに代わって買い物をしてくればいいか」

提督「大井を誘って行こう」


―球磨型の部屋―

大井「嫌です」

提督「そう言わずにさぁ」

大井「嫌です」

提督「またキスするぞ」

大井「っ!」

提督「動揺した動揺した! 面白いなぁ――」

ドーン

提督「あ、危ないな……」

大井「避けないでください」

提督「反射的に動いたんだからしょうがない。そもそも、間宮にはもう行くって言っている」

大井「……」

提督「それに、扉は大破したから明石が直す間、どのみち部屋に入れないぞ」

大井「ちっ、なんて汚い作戦」

提督(爆撃したのは大井なのに)

―スーパー―

大井「もう承ったものはしょうがないです。行かなければ、食事が無くなりそうですからね」

提督「その通り。食材の選択は大井にまかせたから」

大井「提督に任せたら碌なもの選びそうにないですから。しょがなくですからね」

提督「材料は……ひき肉、玉ねぎ、大根、人参、しめじ、タマゴ」

大井「豚ですか、牛ですか?」

提督「お、俺は人間だ! 家畜扱いしても屈しないぞ!」

大井「ふざけたこと言ってると、その首に首輪を巻きつけますよ?」

提督「ひいっ、ひき肉は牛って書いてあります!」

大井「牛ひき肉ですか……今夜はあれですかね」

提督「あれ?」

大井「でも、しめじは何に使うのでしょうか……」

提督「ちょっと、俺にもわかるように言ってくれないか」

大井「分からないんですか?」

提督「肉じゃが?」

大井「じゃがなんて無いじゃないですか」

提督「コロッケ!」

大井「ジャガイモないって言ってるじゃないですか!」

提督「じゃあなんだよ!」

大井「ん? 今なんて言いました?」

提督「なんていったのでしょうか! 教えてください!」

大井「どっちが上司かわかったものじゃありませんね……」

―執務室―

提督「新婚プレイだし、もうちょっとあれが安いだとかこれが安いからあれにしようとか、そういう内容にしたかったんだ」

提督「でも間宮食堂で全てまかなっているのだからしょうがないよな! ついでに食事は和風ハンバーグだったよ」

提督「でも、大井も思ったより普通に歩いてくれてた。それは少し驚きかな」

下2

提督「ヲ級……深海棲艦好きだなぁ」

提督「海域はどこに行こうかな……できれば随伴艦がいれば楽なんだけど。ていうか、すること決めなきゃ……」

下2

提督「分かってた。まあ、楽勝でしょ(震え声)」

提督「空母は先制攻撃されるから嫌なんだよ……」


―南西諸島防衛線―

ヲ級「南方棲戦姫様……なんで私に偵察を頼んだんですか……」

ヲ級(あの人間を探せって、無茶言わないで……もう関わり合いたくないのに……)

ヲ級「……ん? 人間がこの辺にいる? ……まさか」

提督「発見!」

ヲ級「ひゃあああ! やっぱり居たぁ!」ザバッ

提督「逃がさんぞヲ級!」

ヲ級「こっち来ないで! 艦載機、あの人間に爆撃!」シュバッ

提督「げぇっ、先制爆撃!」

ドーン

ヲ級「……や、やった?」

提督「人をそれをフラグという」ガシッ

ヲ級(い、いつの間に後ろに……)フルフル

提督「そんな震えるな。俺は撫でに来ただけだから」ナデナデ

ヲ級(――また、そんなどうでもいい用事のために?)

提督「ふう。じゃあな」ザパァ

ヲ級「……もうやだぁ、あの人間と関わりたくないぃ……人間怖いぃ……」

―執務官―

提督「ん? なんか誰かのトラウマを作ってしまったような……」

提督「気のせいだろう。トラウマを作るような行動はしていないはずだ。多分」

提督「それよりまたボートを壊してしまった……怒られる……」

下2

―食堂―

長門「ふむ、やはり間宮のアイスは美味しいな」

陸奥「あら、もう食べちゃったの? もうちょっと味わえばよかったのに」ハムッ

長門「ま、まあ所詮はおやつ。何もゆっくり食べることではなかろう」

陸奥「そうねぇ……んー、おいしいわ」

提督「相席いいか」

陸奥「私は良いわよ」

長門「別にかまわない。む?」

提督「ん? ああ、この十本のアイスか。ちょっと作り過ぎたらしくてな。どうせなら俺が頂こうかと思った貰ってきたところなんだ」

長門「そ、そうなのか」

提督「気にしなくてもいいぞ。俺なら溶ける前にすべて食べられる」

長門「あ、味わって食べないのか?」

提督「もちろん味わって食べるさ。カリッ……美味しいなぁ」

長門「うぐぐ……」

陸奥「一本私にもくれないかしら」

提督「いいぞ、遠慮すんな」

長門「そ、そうか? では――」
提督「別に長門はいるとはいってないだろ」

長門「ぐっ……」

陸奥(あら、なるほど……)

提督「もちろん欲しいのならやるけど、しょうがなさそうに食べられても……ねぇ」

長門「く……うぐ……」

提督「あー、おいしい。陸奥、どうだ?」

陸奥「流石間宮製のアイスって感じね。まだもらってもいいのかしら?」

提督「もちろん」

長門「あ、あー……」

提督「どうした長門、さっきから」

長門「わ、私も冷たいもの欲しくなってきたぞ。どこか無いだろうか」

提督「氷でも貰ってくれば」

長門「」

陸奥「もう残り三本ね」

提督「では……」

長門「ま、待て!」

提督「なにかね、長門」

長門「あ、アイ……あいつと演習行ってくる……」ガタッ

提督「……」

陸奥(難儀な性格してるわよねぇ……)

―執務室―

提督「無くなっていくアイスを目の前に食べるの楽しい」

提督「陸奥も途中からわかってて挑発したんだな。流れというのが分かってるやつだ」

提督「長門はまあ、ああいうところがあるからポンコツカワイイなんだろう」

提督「ちなみに、陸奥には最後のひとつを残ったから長門に渡すように言っておいた」

下2

提督「加賀を怒らせたままはやばい! やはり何とかしよう」

提督「きっと赤城だけ褒めたのがまずかったんだな。加賀もいまは第一艦隊の主力。きちんと褒めなければ」


― 一航戦の部屋―

提督「加賀、褒めに来たぞ」

加賀「はい?」ゴゴゴ

提督(こりゃもう分かんねえな)

赤城「(提督、何とかしてください……息が詰まって仕方ないんです……)」コソッ

提督「(ま、まかせろ)」

提督「加賀、すまなかったな。決して赤城だけを褒めるつもりじゃなかったんだ。俺は加賀にも……」

加賀「なんですか」ゴゴゴ

提督(あ、これ違う。なんか違う)

赤城「(ど、どうするんですか!)」

提督「こ、こうなれば当たって砕けろだ! 赤城、行くぞ!」

赤城「ちょ、ちょっと引っ張らないで……」

提督「加賀ぁ! 抱かせろ!」

加賀「!?」

ギュッ

加賀「……それで、弁解は?」

提督「加賀、お前のそういうクールビューティなところ、好きだぜ」ギュッ

加賀「そうですか、別に嬉しくありませんけど」

赤城「私まで抱きつく意味はあるんですか?」ギュム

提督「赤城もいるなら加賀は艦載機を出さない!」

加賀「正解ですよ。赤城さんが間に居なければ、提督は爆撃されています。ですが」

提督「……加賀、その意外と素直で知的なところも結構好きだぞ」

加賀「分かったなら、早く赤城さんから離れてください」

赤城「ええと、どういう状況なんですか?」

提督「加賀、俺の秘書官に連絡しようとしてやがる」

赤城「でも離さないのですか?」

提督「……こんなんでも数少ない加賀を抱きしめられてる機会を無駄にしない!」

加賀「そうですか」ピッ

提督「あ、待って。その手加減ないところもいいけど、今回はちょっと待って」

―執務室―

提督「加賀のメールは俺の携帯に届いてた。ああいう実は優しいところも加賀の魅力だな」

提督「だけど、本当に送られてなくてよかった……」

下2

ビスマルク「失礼するわ。……あら」

響「提督に呼ばれて?」

ビスマルク「貴女たちも?」

暁「ええ、そんなところよ」

提督「三人とも来たか」

暁「司令官、呼びだして何の用よ」

響「嫌な予感がするのだけれど」

ビスマルク(私は臨時の司令官室だけは近寄りたくないわ……)

提督「何、あんまり時間はとらん」

暁(本当かしら)

響(あんまり信用ならないね)

提督「ここに、五十音とはいといいえ……いわゆるこっくりさんの紙を用意した」

ビスマルク「こっくりさん?」

提督「降霊術の一種だ」

ビスマルク「バカバカしいわね」

暁「そうよ、こんな子供っぽい遊び」

響「私も遠慮したいね」

提督「もしかして、怖いのか?」

ビスマルク「こ、怖くなんてないわ!」

暁「こ、子どもじゃないんだから!」

響(正直、怖いんだけど……)

提督「順序はここに紙を用意した。ちょっと俺は席を外す」

ビスマルク「えっ」
暁「えっ」
響「えっ」

提督「……やっぱりやめるか?」

ビスマルク「撤回はしないわ」

暁「そうよ!」

響(負けず嫌い二人……)

―数分後―

暁「う、動くわよ! 誰が動かしてるの!」

ビスマルク「わ、私じゃないわ!」

響(怖い怖い怖い)

提督「おー、やってるな」

暁「な、なによこれ!」

提督「はは、適当に質問して帰ってもらえばいいだろ。こっくりさんも、順序立てて帰ってもらえばただの普通の子だから」

ビスマルク「そ、そう、じゃあ進めるわよ」

響「提督の好きな子」

暁「あっ、勝手に決めないでよ」

響「早く終わらせたいんだ(真顔)」

ビスマルク「……う、動くわよ」

暁「……いいえの方にね」

響「コックリさん、コックリさん、どうぞおもどりください」

暁「早いわね!」

ビスマルク「でも、賛成よ。無事にはいの方へ動くわ」

響「……ありがとうございました」

暁「……ふぅ、何とか終わったわね」

ビスマルク「こんな現象が起こるなんて、日本は恐ろしい国ね……」

ガチャ

提督「あれ、お前たちここにいたか」

響「ついさっき終わらせたよ」

暁「レディーの手にかかれば楽勝よ!」

ビスマルク「そうね!」

響(レディー関係ないと思うんだけど)

提督「そうだったのか? おかしいな、部屋間違えたかな……」

ビスマルク「間違えた?」

提督「さっきここの扉開けても、誰もいなかったんだ。もしかしたら俺の勘違いだったのかも」

ビスマルク「」
暁「」
響「」

バターン

―司令官室―

提督「また気絶したが、あいつら大丈夫か?」

提督「起きたら起きたで、なんかお祓いするとか言って、出入り禁止にされたし」

提督「ところで、こっくりさんの紙がなかったんだよなぁ。十円なくなったなー」

下2

提督(南方棲戦姫に狙われているのなら、俺が死んだと噂を流布させれば狙われなくなるんじゃないか?)

提督「よし、いい考えだ。まずは深海棲艦までどうやって噂を流すか……」

提督「……イ級あたりのに沈ませられたら、もしかすると流してくれるかな?」

提督(知能無いし、多分騙せるだろう)

提督「よし、これで[ピーーー]る」

大和「提督やめてください!」

提督「は、え?」

大和「大和がきつく言い過ぎたからですか? それとも、他に辛いことがあったんですか?」

提督「大和、さん?」

大和「大和のせいなら謝ります! 辛いことがあるのでしたら相談をしてください! だから、自殺なんてマネはやめてください!」

提督「はぁ!? 自殺!?」

大和「……え?」

提督「待て待て、それ多分大和の勘違いだ! 俺は別に自殺しようとなんて考えてない!」

大和「で、ですけど、これで[ピーーー]ると声が聞こえてきたのですが」

提督「違う、そういう意味じゃないぞ! 心配しなくても、死ぬ気はない!」

大和「そ、そうですか……ではなぜそのような発言を?」

提督(海域出んなって言われてるのに、狙われないように噂を流すっていうのは、ちょっと苦しいか?)

提督「げ、ゲームの話だ」

大和「……」

提督(うっ、大和の視線が鋭く……)

大和「……まあ、提督はそういうお人ですからね。でも、これだけは約束してください」

提督「な、何だ?」

大和「絶対に、一人で抱え込まないでください。困ったことがあれば相談してください。ここには、提督の事を思ってくれる子がたくさんいるんですから」

提督「……分かった」

大和「ふふ、約束ですよ」

大和(なんだかんだで、大和も甘いですね……)

提督(嘘でも死亡を流すのは、良くないな、うん)

提督(南方棲戦姫に狙われているのなら、俺が死んだと噂を流布させれば狙われなくなるんじゃないか?)

提督「よし、いい考えだ。まずは深海棲艦までどうやって噂を流すか……」

提督「……イ級あたりのに沈ませられたら、もしかすると流してくれるかな?」

提督(知能無いし、多分騙せるだろう)

提督「よし、これで死ねる」

大和「提督やめてください!」

提督「は、え?」

大和「大和がきつく言い過ぎたからですか? それとも、他に辛いことがあったんですか?」

提督「大和、さん?」

大和「大和のせいなら謝ります! 辛いことがあるのでしたら相談をしてください! だから、自殺なんてマネはやめてください!」

提督「はぁ!? 自殺!?」

大和「……え?」

提督「待て待て、それ多分大和の勘違いだ! 俺は別に自殺しようとなんて考えてない!」

大和「で、ですけど、これで死ねると声が聞こえてきたのですが」

提督「違う、そういう意味じゃないぞ! 心配しなくても、死ぬ気はない!」

大和「そ、そうですか……ではなぜそのような発言を?」

提督(海域出んなって言われてるのに、狙われないように噂を流すっていうのは、ちょっと苦しいか?)

提督「げ、ゲームの話だ」

大和「……」

提督(うっ、大和の視線が鋭く……)

大和「……まあ、提督はそういうお人ですからね。でも、これだけは約束してください」

提督「な、何だ?」

大和「絶対に、一人で抱え込まないでください。困ったことがあれば相談してください。ここには、提督の事を思ってくれる子がたくさんいるんですから」

提督「……分かった」

大和「ふふ、約束ですよ」

大和(なんだかんだで、大和も甘いですね……)

提督(嘘でも死亡を流すのは、良くないな、うん)

―――――――


提督「そういうわけで、するにしても他の方法を考えることにしよう」

提督(最後の笑顔、大和に見捨てられたわけじゃないよな? 大丈夫、多分)

下2

提督「なんとなく遺書を書きたくなった」

提督「遺書自体は前にも書いたんだよなぁ。なに、もう書きなれた」

提督「あいさつに、仕事の引き継ぎ、財産の分与などなど。やっぱり、これを読んでいるという事は、私はもうこの世にいないでしょうは必要だな」

提督「……なんかトイレ行きたくなった。行って来よう」

ガチャ バタン

ガチャ


――――――――


提督「あれ、扉開いてる。閉め忘れたか?」

大井「……」

提督「って、大井か。扉はちゃんと閉めろよ。一応機密もあるんだから」

大井「提督、これって……」『遺書』

提督「ん……あ゛」

大井「何かの間違いですよね。ただのお遊びですよね」

提督(なんだろう……静かな覇気が……)

大井「提督、何とか言ってください」

提督「ええと、なんとなくで書いたというか」

大井「なんとなく? なんとなくで、こんな本格的なのが書けるんですか?」

提督(ここにきて、書きなれてしまったのが出たか……)

大井「なんとか言ってくださいよ。提督、もしかして……」

提督(ゆ、強請られる!?)

大井「私たちのことが、嫌いになったんですか?」ポロッ

提督(泣いた!?)

大井「貴方は後ろで指揮をしているだけだから、必要ないはずです」ポロポロ

提督「えっ、いや……」

大井「それでも書くってことは……やはり、自分の……」ポロポロ

提督「な、泣くな! お願いだから、な?」

大井「泣いてなんていません!」

提督「分かった、分かった! こんなものこうするから!」ビリッ

大井「……」

提督「お前たちに不満なんてないから」

大井「でも、私の事は苦手としているんですよね」

提督「何故それを……あ」

大井「ほら……でも、いいです」

提督「いいですと言われても……」

大井「別に私は、提督の事を何とも思ってないんですからっ」ダッ

提督「……恥ずかしくなった? もしかして」




提督「まあ、遺書なんて遊びで書くものじゃないって事がよく分かった」

提督「あと、今度から戸締りには気を付けよう」

下2

―廊下―

提督「大井!」ギュッ

大井「っ!?  提督!?」

提督(しまった、この後の展開を考えていなかった)

大井「……提督」

提督「な、なんでしょうか」

大井「今すぐどかないと、身体に穴が開くことになっても知りませんよ?」ガシャン

提督「……はい、調子に乗ってすみませんでした」スッ

大井「まったく、ちょっと弱みを見せると、すぐに強気に出るんですから」

提督「戦術面では定石だし……」

大井「こういう場面では使いませんから」

提督「大井が、あんな追いかけてほしそうに逃げるから」

大井「いじめっ子の考え方ですか」

提督「じゃあ、大井は追いかけられてうれしくなかったと」

大井「はい」

提督「」

大井「……なんて、そこまでは言いませんよ。でも、他にも提督の事を心配している人の事も考えてあげてください」

提督「心配?」

大井「そこまでは言う義理はありません。では」スタスタ

―執務室―

提督「……初心に戻って、誰かと遊ぼう!」

提督「そもそも遊ぼうと思って日々の激務を終わらせているんだ。遊ばないとか本末転倒だったな!」

下2

―遊園地―

提督「ここに来るまでの話は完全にカットだ!」

電「どうせ、無理やりここに連れてくるまでの話しかないのです」

雷「でも今回は遊園地よ! 楽しみね!」

響「暁、あんまり怖がらないようにね」

暁「私は一人前のレディーよ! 怖い乗り物なんてないんだから!」

提督「じゃあさっそくジェットコースター行こうか」

暁「……」




提督「どうだった?」

電「面白かったのです!」
雷「楽しかったわ!」
響「良かったよ」
暁「た……楽しかったわ……」

提督「暁……」

暁「楽しかったって言ってるじゃない!」

提督「じゃあ、暁にも楽しめるアトラクションに行こうか」

電「メリーゴーランドとかですか?」

雷「ゴーカートも面白いわよ!」

提督「いや、違う」

―お化け屋敷―

提督「ここだ」

電「雰囲気出てるのです……」

雷「なんだか怖そうだけど、怖かったら私に頼っていいのよ!」

響「お化け……屋敷……」

暁「ガタガタブルブル」

提督「じゃあ、行こうか」

響「て、提督」

提督「何?」

響「手をつないでもらってもいいかい?」

提督「いいけど、響ってそういうキャラだっけ」

響「今までこういう状況で起こってきたことを忘れていないだけだよ」

提督「ふぅん、暁は?」

暁「れれ、レヂィーがこんにゃことで、ここ、怖いわけじゃ……」

電「何言ってるのか分からないのです」

雷「怖いなら私の手を握っててもいいのよ?」

暁「よ、余裕よ!」




提督「はぁ、結構怖かったな」

電「なのです」

雷「響と暁は?」

暁「……あれ、外?」

響「て、提督、身体は無事なのかい?」

提督「どういう意味だそれ」

響「良かった……」

暁「外ってこんなに明るかったのね……」

提督「?」
電「?」
雷「?」

―執務室―

提督「一体、お化け屋敷の中で二人の身に何が起こったのだろうか」

提督「二人は口を閉ざし、何も言うことなく鎮守府へ戻ることになった……」

提督「遊園地自体は時間いっぱいまで遊んだけど」

下2

―地下―

提督「ん……? ここは……」

大井「起きましたか、提督」

提督「ええと、俺は……って、なんだこの手錠!?」ジャラ

大井「いいでしょう? 私の手とつながっているんですよ」

提督「お前の仕業か? 外せ、大井」

大井「私たちの愛の繋がりですよ? そう簡単に外すわけないじゃないですか」

提督「手錠の繋がりとか……」

大井「それだけ強固ってことですよ、ふふっ」

提督「すまないが、俺はお前とそんなに強い契りをかわした覚えはない」

大井「そうですね。それなら、今から永遠の契りを結べばいいだけです」

提督「え、永遠?」

大井「そうです。今から一週間、このまま二人でいましょう? 大丈夫です、邪魔は入りません」

提督「邪魔は入らないって……」

大井「ふふっ、ここからなら声が漏れることもありません。ですから」シュルッ

提督「おまっ……」

大井「北上さんにも見せたこともない私の全て、差し上げます。提督、貴方が私を絶対に裏切らなくなるように、ちゃんと仕込んで……」

大井「大丈夫です。一週間もあれば、確実にできますから……」

END

提督「よっと」パキン

大井「あれ……手錠……」

提督「夕張か妖精さん製の手錠でもなければ、楽に破壊できるさ」

大井「そ、そんな……」

提督「それと、目に見えないほど早い手刀!」シュッ

大井「うっ……」バタッ

提督「女の子がはしたないマネしちゃいかん。まったく、最近の若い子は……」

提督(仕込むって、何を仕込むつもりだったんだ?)


―球磨型の部屋―

提督「よっと、ここに寝かせておこう」

北上「あれー、提督じゃん。夜這い?」

提督「今は夜じゃないぞ。あと、大井の様子がおかしかったけど、何かあったのか?」

北上「んー? そういえば、悪戯で大井っちの今日の昼のカレー、比叡カレーと入れ替えたっけ」

提督「そ・れ・だ!」

北上「あはは、様子がおかしいのは分かってたから、解毒薬を取ってきてた」

提督「最初から用意しておいて……」


―執務室―

提督「比叡カレー、ダメゼッタイ」

提督「というより、いつ作ったんだろう……前に成功したからって、また挑戦したのか?」

提督「解毒薬、食堂に常備しておいた方がいいんじゃないだろうか……」

下2

提督「執念を感じた。だが悪いが、成功できる気はしない」

提督「一応行きますけどさー」


―サブ島沖海域―

南方棲戦姫「来たか、人間」

提督「……今回は話があってきた」

南方棲戦姫「知らんわ! 今度こそ沈めてやる!」

提督「だから突然とか――」

ドーン

南方棲戦姫「今回は油断しない。さあ、どこからでも来るがいい!」

シーン

南方棲戦姫「……また潜水か? ふん、二度同じことは私には効かん!」

シーン

南方棲戦姫「……」

シーン

南方棲戦姫「……ど、どういうことだ! あれしきで沈むような人間ではないはずだ! ……ん?」

手紙『この前ぱんつ奪ったお詫びに「馬鹿には見ることが出来ないこの世でもっとも素晴らしいぱんつ」を差し上げるよ by提督 追伸:パンツは手紙の下側についてるよ。』

南方棲戦姫「ば……馬鹿にしてぇえええええええええ!! 今度会った時は覚えてろよ!!」

南方棲戦姫「ついでに、私が馬鹿なわけないんだから、見えるはずだろ! ふざけるなぁ!」ビリィッ

―執務室―

提督「まさか信じるわけないと思うけど、信じたらどうなるんだろう……いや、どの道恨まれるのが強くなるのに違いは無いか」

提督「どんどん海域が恐ろしいところになってる気がする……」

提督「ついでに、夕張の目もどんどん厳しくなっている気がするぅ……」

下2

提督「扶桑……そういえば、いまだに不幸不幸いうところも見るな」

提督「出撃もさせてるし、航空戦艦としても充実していると思うのだが……」

提督「話しついでに開運のお守りを買おう」


―神社―

扶桑「ここまでつれていただいて、ありがとうございます」

提督「何、こっちも聞きたいことがあったし、ちょうどいいんだ」

扶桑「聞きたいこと、ですか?」

提督「いまだに扶桑が不幸だという姿を見てな。どこが不幸なのか、気になったんだ」

扶桑「……」

提督「言えない事なら、もちろん言わなくていい」

扶桑「少し、嫉妬をしていたんです。皆が提督と遊んでいる姿に」

提督「ああ……」

扶桑「……でも、それも晴れました。今日、こうして提督と外を一緒に歩けていますから」

提督「……なんか、これだけだと悪いな。よし、今日は一日中遊ぶぞ」

扶桑「えっ、ですが」

提督「ほれ、幸運のお守り。こういうの集めてるんだろ、縁起のよさそうなものを探しに、街へ繰り出すとしようか」

扶桑「……はいっ」


―鎮守府前―

ザアァァァ

提督「雨が降ったな」

扶桑「そうですね……」

提督「大丈夫だ、今日は運が悪かったけど、また今度行けばいい」

扶桑「ふふっ、そんなに必死にならなくていいですよ」

提督「だが……」

扶桑「私は雨は嫌いじゃありません。雨の中、提督と歩けるんですから、それだけで十分です」

―執務室―

提督「ええ子やった」

提督「だけど、神社のお守りはちょっと効力無さすぎじゃありませんかね」

提督「買ったすぐなのに、運悪く雨に降られるなんて……」

下2

―廊下―

不知火「今日のカレーは誰が作った物でしょうか……」

提督「だーれだ!」ガバッ

不知火「司令官、そういう子供っぽいマネはどうかと思います」

提督「不知火も目つきさえどうにかなれば可愛いんだけどなぁ」

不知火「どうでもいいです。それより、離してくれませんか」

提督「でも離したら。不知火の鋭い眼光で射抜いてくるんだろ?」

不知火「その、鋭い眼光とやらに射抜かれたくないのなら、そろそろ離しませんか?」ゴッ

提督「ヒッ!」バッ

不知火「司令官、戯れもほどほどにしませんと……砲撃しますよ」

提督「なんだ、その程度か」ホッ

不知火「その程度って、生身の人間にはとても耐えられるものではないと思うんですが」

提督「心配してくれるなんて、ぬいぬいは優しいなぁ」ナデナデ

不知火「納得いきません……あとぬいぬいって呼ばないでください」

提督「じゃあな! また遊んでやるよ!」ダッ

不知火「お願いですから、遊ぶのは大概にしてください」

―執務室―

提督「砲撃で済ましてくれるなら、十分ましだよな」

提督「……ん? 冷静に考えたら、普通に危険のような……部屋も全壊するし」

提督「砲撃は明石と夕張の負担になるからやめてもらった方がいいな。うん」

下2

―食堂―

提督「お、長良型全員そろってるな。食後にハーフマラソンに行くぞ!」

長良「私は良いですよ!」

五十鈴「……いきなり何よ」

名取「私も、ですか?」

由良「マラソンは得意じゃないんだけど……」

鬼怒「マラソン、いいですね!」

阿武隈「完走出来る自信ないですよ……」

提督「体力付けるためだ。俺も走るから、心配するな」

五十鈴「そういう事聞いてるわけじゃないんだけど」

提督「じゃあダメなのか?」

五十鈴「はぁ……私は構わないわ。提督もセクハラしようが無いでしょうし」

名取「みんながするなら……」

由良「提督さんの事だから、拒否は出来ないんでしょ」

鬼怒「断る理由は無いですね」

阿武隈「みんな走るの? うぅ、じゃあ私も走る」

提督「食後一時間後くらいに鎮守府の前に集合だこの辺りぐるっと回れば距離も足りるだろう」

長良「司令官、ハーフマラソンは約21キロです」

提督「え?」

鬼怒「しっかり計ってくださいね」

提督「は、はい……」

―鎮守府前―

長良「司令官、来たよー」

提督「お、そうか」

五十鈴「あら、大鳳も?」

大鳳「ハーフマラソンなら、私が走ってるコースがあるので、手伝うついでに私も走ろうかと」

鬼怒「大歓迎だよ!」

名取「完走出来るように、頑張ろう」

阿武隈「そうねっ」

由良(あっちとテンションの差が大きい……)




提督「と、なんだかんだで始まった」タッタッタ

名取「提督さん……結構余裕そうですね……」タッタッタ

提督「ん、まあ誘っておいて最後尾を置いていくのもな」

阿武隈「私たちの事なら、気にせずに行ってください」

由良「そうですね。こっちはゆっくりと走っておくので」

提督「……分かった、じゃあな」ダッ

名取「ふわぁ……一気に走って行っちゃった」

由良「だいぶ遅れたけど、追いつけるのかしら」

阿武隈「提督なら大丈夫、だと思う」



―トップ周辺―

長良「大鳳、やるね!」

大鳳「慣れ親しんだコースですから」

五十鈴(ちょっと途中からペース落とした方がいいかも……)

鬼怒(提督、追いついてくるのかな?)

長良「でも、普段から走ってるんだから負けない!」

大鳳「それはこちらのセリフです」


提督「それ、俺も混ぜてもらおうか」


長良「!?」
大鳳「!?」

提督「むしろ、先に行かせてもらう」ダッ

長良「司令官! 負けません!」ダッ

大鳳「私もです!」ダッ

鬼怒「提督! 来ると思ってた!」ダッ


五十鈴「このペースでゆっくり走りましょう……」

― 一時間後・ゴール付近―

提督「ははは! 俺が一位だ!」

長良(司令官……流石に早いですね)

大鳳(まだ話せる余裕があるとは……)

鬼怒(多分鬼怒が今一番疲れてる……こうなれば!)

提督「さあて、そろそろラストスパートに差し掛かるぞ! ついてこれるかな!」

長良「ついて……行きます!」

大鳳「まだ、行けますから……っ!」

鬼怒「っ、あ、あのみんな!」

提督「なんだ、鬼怒?」

鬼怒「ぱ、パナイ島、マジパナイ」コロンビアポーズ

提督「」ピタッ
長良「」ピタッ
大鳳「」ピタッ

鬼怒(動きが止まった! 今だ!)ダッ




名取「あのー?」

提督「はっ、こ、ここは」

阿武隈「提督大丈夫ですか? 固まってましたけど」

提督「なんでお前たちがここに……あっ、もう三十分以上過ぎてる!」

由良(先攻してる人、こんなふうになってる提督を放っておいたんだ……)

名取「とりあえず、残りも走りませんか?」

阿武隈「あとちょっとですよ!」

提督「ああ……」

―執務室―

提督「……まさか、あの寒いネタを使うとは……パナイのはそっちだ」

提督「長良と大鳳は五十鈴に起こされてたらしい。なぜ置いて行かれたんだ……」

下2

瑞鶴「提督さん、艦隊が無事に帰投したわよ」

提督「ありがとう。瑞鶴、ここ最近ずっと出撃だっただろ。少し休暇をだそうかと思うのだが」

瑞鶴「どうしたの提督さん、いつになく真面目で、変な物食べた?」

提督「真面目に仕事してるだけなのに、この言われよう……」

瑞鶴「だって、ここ最近の提督さんちょっかいばかりかけてきたから」

提督「遊びに誘ってるといえ」

瑞鶴「でも、休暇の件は了解。翔鶴姉にも出撃させてよね」

提督「偏ってるのは薄々感じてたから、そこのところも分かっている」

瑞鶴「そっか。なら言うことは無いかな。じゃあね、提督さん」

バタン

提督「真面目に? 馬鹿め。この目の前に開いてる本は……」

『この夏流行る! リボンカタログ』

提督「ブックカバーごときで騙されちゃって。ふふふ」

提督「あとはカタログ見ながら作るか……買いに言ってる時間は無いし……」

―翔鶴型の部屋―

瑞鶴「翔鶴姉も今回は出撃メンバーか。一人で暇だなー」

提督「俺がいるだろう」ガチャ

瑞鶴「仕事はどうしたの、提督さん」

提督「もう驚かないんだな……まあいいや、仕事は終わらせた」

瑞鶴「怪しい……けど、怒られるのは提督さんだもんね」

提督「そうそう、そして瑞鶴にはこれをプレゼントだ」

瑞鶴「話がつながってないけど……あれ、リボン?」

提督「そうだ。今月号だ」

瑞鶴「小学生の読む漫画はさすがに読まないんだけど……」

提督「まあ、遠慮するな。では、気が向いたら感想を聞かせろよ」

バタン

瑞鶴「読まないのに……あれ、何か挟まってる?」

『提督作・リボン』

瑞鶴「……提督さんたら、漫画のリボンに布のリボンを挟むなんて。提督さんらしいといえばらしいけど」

―執務室―

提督「今月号のリボンは、廊下を歩いてる時に会った駆逐艦の子からカタログと交換してもらったものだ」

提督「普通に渡しても良かったけど、やっぱこうでもしないと反応もつまらないしな」

提督「拙い出来だからって、目の前で嫌な顔とか絶対されたくないし!(本音)」

下2

― 一航戦の部屋 ―

赤城「最近、出撃が無いですねぇ」

加賀「言われてみればそうね。今日の出撃もまだ召集がかかっていないわ」

赤城「今日の出撃は、空母からは瑞鶴さんと翔鶴さんが呼ばれているそうですよ」

加賀「ご、五航戦の子が……?」

赤城「先ほど会った瑞鶴さんから聞いたので、確かな情報だと思いますよ」

加賀(ま、まさか私が五航戦の子に劣っていると? そんなはずは……まさかこのまま出撃機会がなくなるなんてこと…………)

赤城「加賀さん?」

加賀「ちょっと、提督の所に行ってきます」

赤城(思いつめた表情をして……今は休暇を取っているんですから、ゆっくりすればいいのに……)

―デパート―

提督「ここなら、何か欲しいものあるだろ」

翔鶴「はい♪」

瑞鶴「そうね……」

提督(こうして二人とショッピングに出てきているのも、MVPをとった翔鶴がご褒美くださいと言ってきたためである)

翔鶴「瑞鶴には、私から何かプレゼントしてあげるから」

瑞鶴「もしかして、私も連れて出たのはそのため?」

翔鶴「ええ、そうよ」

瑞鶴「わ、悪いって翔鶴姉」

翔鶴「いいの、私の気持ちだから」

瑞鶴「翔鶴姉……」

提督「とりあえず好きなものがあったら言ってくれ。買ってあげるから」

翔鶴「ふふ、提督にもついてきてもらいますよ。それに、提督の選んだものじゃないと意味がありませんもの」

瑞鶴「翔鶴姉は提督さんに頼んだわけだしね」

提督「……しょうがないなぁ」


加賀(どうして私は五航戦の子と提督が買い物をしているところを覗いているのでしょう)

加賀(いえ、これは提督がなぜ五航戦の子を重用するのか見極めるため。必要なことをしているのよ、私は)

加賀「私と赤城さんと……五航戦の子の違い……」

翔鶴「あ、これとかどうですか?」

提督「俺はこっちの方が翔鶴に似合ってると思うけど」

翔鶴「そうですか? ちょっと当ててみますね」

瑞鶴「そういえば、提督さんにリボンのお礼も何か買っておこうかな……」

提督「ん? 呼んだか?」

瑞鶴「な、なんでもない!」


加賀(媚を売っている差かしら。いえ、人の好意に鈍い提督がそんなことで重用するとは思えないわね)

加賀(他に……)


提督「お、これも似合ってる。瑞鶴もこれとかいいんじゃないか」

瑞鶴「提督さん、翔鶴姉のご褒美を買いに来たんじゃないの」

提督「翔鶴だって、瑞鶴に楽しんでほしいに決まってる、な?」

翔鶴「そうよ瑞鶴。我慢なんてさせないから」

瑞鶴「我慢してるわけじゃないけど……分かったわよ、私も翔鶴姉に似合いそうなの捜す」

提督「その意気だ。どうせなら楽しむぞ!」

翔鶴「ふふ、二人とも……」


加賀(ビジュアル……いえ、これも鈍い提督が気にするはずがないし、私や赤城さんが劣っているとは思えない)

加賀(他に性格? これも赤城さんが劣っているとは思えないわ)

加賀「つまり……」


提督「そろそろお腹すいてきたな……何か食べるか?」

瑞鶴「クレープ!」

翔鶴「瑞鶴ったら……」

提督「それくらいなら安いもんさ。他の奴を連れると、そうはいかないくらいにもなることあるし……」


加賀「燃費ね」

―執務室―

提督「……なるほど。だが加賀、ひとつ大きな思い違いをしている」

加賀「思い違いですか」

提督「そうだ、それは――」
赤城「あ、やっぱりここに居ましたか、加賀さん」ガチャ

提督(言葉遮られた……)

加賀「なんですか赤城さん」

赤城「今日が休暇の最終日ですから、ゲームでもしようかと思いまして」

加賀「休暇……?」チラッ

提督「明日に備えて出撃準備は整えておくようにな」

加賀「……ぁっ」カァ

赤城「加賀さんが照れてる……珍しい」




提督「加賀があんなミスをするのも珍しいな。まあ、ああいうところもあるから愛嬌があるんだが」

提督「それに、燃費について気にするのはもっと別の奴だ。巨大戦艦の奴とかな」

下2

提督「夜ご飯は阿賀野型を誘ってバーベキューだ!」

提督「多分、阿賀野型なら喜んで誘いに乗ってくれるだろう。まずは準備から……」


―庭―

提督「やっぱり来てくれたか」

阿賀野「提督からのお誘いだもん。阿賀野は行くよっ」

能代「阿賀野姉ぇが行くなら、私だって行きますよ」

矢矧「たまにはみんな揃ってというのも良いわね」

酒匂「みんなと一緒なら楽しいからねっ」

提督「……ぐすっ」

阿賀野「えっ、阿賀野何か悪いこと言った?」

矢矧「さすがに突然泣かれると、私も何が何だか……」

提督「こんなに好意を示されたのは初めてで……」

能代「そんなことは無いと思うんだけど……」

酒匂「酒匂達の愛が強すぎたんだね!」

提督「よし、ちょっと悩んだけど、奮発して高い肉を出すぞ!」

阿賀野「わーい!」

能代「阿賀野姉ぇはしゃぎすぎ。火傷しないように気を付けてね」

阿賀野「分かってるって」

矢矧「提督、手伝う事はありませんか?」

提督「もう準備はしてある。お前たちが断るとは思ってなかったし」

酒匂「わー、司令から信頼されてるっ」

提督(仮に来なくても一人で食べてたしな)

―数十分後―

提督「玉ねぎ、しいたけ、キャベツ。はい阿賀野」

阿賀野「えーっ、阿賀野もっとお肉欲しい!」

能代「さっきから阿賀野姉ぇは肉ばかり取り過ぎ。ちゃんと野菜も食べなきゃ」

阿賀野「はぁーい……」

矢矧「提督、さっきから食べれていないようね。変わりましょうか?」

提督「いや、矢矧は気にせず食べててくれ。俺自身、バーベキューを仕切るのは嫌いじゃない」

酒匂「司令が食べれてないなら、酒匂がお手伝いするよ! はい、あーん」

提督「待て、食べさせてくれるのは嬉しいけど、そのままだと熱い」

酒匂「ぴゃっ、それもそうだったね、えへへ。じゃあ、ふーふー……あーん」

提督「あーん。モグモグ……うん、焼き加減もちょうどいい」

酒匂「きゃー、司令にあーんしちゃった!」

矢矧「……じゃあ、私からもしてもいいわね」

提督「無理しなくてもいいぞ?」

矢矧「無理じゃなくて、私も何かしたいのよ」

提督「そうなのか? じゃあ……」

阿賀野「提督、あーん」

能代「提督も食べます?」

提督「……そんなにいっぺんに出されても食べられない」

酒匂「じゃあ酒匂の係ー、えいっ」スッ

提督「むぐっ……」

矢矧「むぅ、流石に酒匂ほどの押しは無理ね……」

阿賀野「末っ子は甘えられるからいいよねー」

能代「そればかりは阿賀野姉ぇが言える言葉じゃないって」

―執務室―

提督「充実した、おそらくこれ以上ないほど」

提督「阿賀野型は厳しくないからいいよなぁ。みんな優しい」

提督「それに癖もないから話しやすいしな」

下2

夕張「最近、霊が出るって噂を聞いたのでシルフスコープを作ってみました」

提督「なるほど。それで、誰がつけるんだ? そして見つけたところでどうするんだ?」

夕張「さあ?」

提督「見つけたところでどうしようもないなら、見ない方が得策だろ」

夕張「それもそうですね」

提督「後で厳重にしまっておこう。とりあえず夕張」

夕張「はい?」

提督「使った資材の詳細、見せてもらおうか」

夕張「……はい」


―数分後―

響「司令官、遠征から帰還した……おや、誰もいないね」

響(でも鍵を開けてるってことは、すぐに戻ってくるかな。ちょっと待っていよう)

響「……眼鏡? なんでこんなところに……」

響「……」スチャ

響(はっ、なんで私は眼鏡をかけているのだ)

提督「見たぞ響~。勝手に上司の眼鏡をかけたな」

響「し、司令官。いつの間に……でも、司令官は眼鏡をかけないじゃないか」

提督「それもそうだ。あ、眼鏡似合ってるぞ響」

響「思いついたように褒めないでも……」

提督「戻しておいてくれれば何も言わんさ。じゃあ、俺はまた出るから」

響「ああ、うん。遠征の書類はここに置いておくから」

提督「分かった」

響「……はぁ、まさかちょうどよく戻ってくるなんて。ちょっと運が悪かったかな」

響(これは元あった場所に置いておこう)

提督「あれ、響じゃないか」ガチャ

響「司令官、戻ってくるの早かったね」

提督「早い? そうか? 数分くらい離れていたが……」

響「数分? ついさっき、執務室に戻ってきたじゃないか」

提督「何言ってんだ。俺は今戻ってきたばかりだ」

響「え……?」

提督「あ、ところでその眼鏡かけたか響」

響「え、あ、いいや……」

提督「そうか。それは霊が見える眼鏡らしいから、そういうのが苦手なら絶対にかけるなよ」

響「霊、が?」

提督「ああ」

響「」バタッ

提督「響? 響ーーーーーー!!」

――――――――


提督「響も最近気絶することが多いなぁ」

提督「響は部屋に運んでおいた。なにか怖い夢でも見ているのだろうか、うなされていたのが心配だ」

提督「あと、シルフスコープは鍵をかけて箱に入れておいた」

提督「次にとりだすときは、何か打開策を見出してからだな」

下2

提督「一瞬、誰かの箪笥を漁ることを思い浮かんだが、流石にそれはシャレにならんだろ」

秋雲「提督、ちょっといい?」ガチャ

提督「なんだ秋雲、なんだか深刻そうな顔をして」

秋雲「その……」


―陽炎型の部屋三号室―

提督「それで、薄い本にかまけて、報告書をどこにやったかわからなくなったって?」

秋雲「うん……」

提督「先に報告を済ませてから書くようにしろ。まったく……」

秋雲「いいネタを思いついたんだから、しょうがないじゃない」

提督「せめて無くさないようにしろ。で、自分のスペースからは出してないんだよな」

秋雲「どこかにしまった記憶はあるんだけど、それが思い出せなくて」

提督「俺のとこに来たってことは、普通に机は捜したんだろ。他に……」

秋雲「漫画書く用の棚が多いから、手伝ってもらおうかと」

提督「上司に対して便利屋扱いかよ……」

秋雲「遅れるって言ったのに、手伝うといったのは提督でしょ」

提督「それもそうだ。じゃあ、探すか」

―数十分後―

提督「ない」

秋雲「あれぇ?」

提督「本当にしまったのか?」

秋雲「それは確かなんだけど……ここまで見つけられないと、流石の秋雲さんも自分の記憶を疑わざるを得ないわね」

提督「後開けてなさそうな棚は……私用スペースのこれだ!」ガラッ

秋雲「あっ、そこはっ!」

提督「ていうか、さっきからちらちら紙の端っこが見えてたんだよ。なんか丸まった布があるな。いいや、出しちゃえ」

秋雲「て、提督!」

提督「なんだよ、うるさいなぁ……って、やっぱこれじゃないか。まったく、余計な時間を使った」

秋雲「もう! デリカシーなさすぎ! 早く出てって!」

提督「な、なんだよいきなり。せっかく見つけたのに……」

秋雲「……提督、その手に持ったもの、ちゃんとわかってる?」

提督「はぁ? ただの布……あ、ごめん」

秋雲「人の下着を漁ってごめんですむわけないじゃない!」

提督「とりあえず書類は見つけたという事で、イーブンにしよう、な?」

秋雲「ならそのままでいいから早く出てって!」

提督「失礼しました!」バタン

秋雲「まったく……忘れてて入れた秋雲が悪いんだけどさぁ……もう、提督は気にしなさすぎ!」

―執務室―

提督「憲兵さん呼ばれたら、捕まってしまうようなことをしてしまった……」

提督「……いや、今更か? いやいや、そんなアウトになるようなことしてないはずだ、うん」

下2

―ジャム島―

タ級「ああ、駄目よ、ダメなのよ、私は深海棲艦、貴方は人間。決して結ばれない運命なの……」

ル級(あの日からタ級の様子がおかしくなった。いや、なんか生き生きとしてるというか、生命力が強くなったのは良いんだが)

タ級「でも、貴方の気持ちがもし私に向いているのなら……」

ル級(しかし、この葛藤か何かわからない演技を毎日聞かせられたら、こっちも辟易としてくる)

タ級「ああ! でも、そんな!」

ル級「どうにかならんのか、これは」

ザァァ

ル級「ん、なんか海がうるさいな……」

タ級「私の心の荒波のように渦巻いているのね」

ル級「お前そんなキャラだったか? というか、一応周りは見ていたんだな」

タ級「だって、いつ私の王子様が来てくれるかわからないじゃない♪」

ル級(こいつもう深海棲艦じゃなくていいだろ……)


提督「~~~~~~!」ザァァ


ル級「な、なんか叫びながらやばい奴がボートにのって来た」

タ級「お、王子様!」

ル級(王子様呼びで定着かよ……)

提督「あ……」ピタッ

タ級「はっ、これは愛の告白……!」

ル級(ねーよ)

提督「I love you」

タ級「」
ル級「」

提督「そして猛烈な土下座!」ズザァァ

提督「では、さよなら」ザァァ

タ級「」

ル級「はっ、一体何が……た、タ級?」

タ級「」大破

ル級「何故に!?」

―執務室―

提督「件の大井が変になった比叡カレーを試しに食べたら、突然愛を叫びたくなって体が動いてしまった。何の成分で出来ているんだ……」

提督「解毒薬をもってしても治るのに時間がかかるとは……恐るべし」

提督「そういや途中なんか深海棲艦っぽいのいたけど、気のせいだよな、はは」

下2

―会議室―

大和「最近の提督の行動は目に余ります。そういうわけで、今から対策会議を始めます!」

金剛「よく海域に出てるネー。どうしたら辞めるですかネ」

大和「前は物理に訴えてダメでした。次は……」

『勝手に海域に出るごとに冷たくしていく作戦』

大和「で、いきたいと思います」

金剛「提督に冷たくするですカー……」

大和「心苦しいですが、情に訴えかけるんです。その理由から、この作戦は提督との態度にギャップが出る人ほど適任というわけなんです」

金剛「なるほどネー。でも、他の人は?」

大和「大丈夫です、大和に任せてください!」



提督に冷たくするキャラ 下2
(提督LOVE勢が多いため、安価に出た大和金剛除いたキャラで。複数あり)

榛名「榛名、頑張ります!」

大井「冷たくするのは得意ですよ」

加賀「よく冷たいと言われてますし、このままでいいと」

金剛「……これで本当に大丈夫ネー?」

大和「すいません、多分人選ミスしました」


―一日目―

提督「すまん大和、着替え持ってきてくれないか。今日は海が多いに荒れてな」

大和「ご自分で取ったらいかがでしょう」

提督(あれー、大和ってこんなこと言うキャラだっけ)

大和「どうかしましたか。何もないようならば、私は演習に行きます」

提督「あ、ああ、頑張ってくれ」

大和(すいません提督、でも、これもひいては提督を危険な地に行かせないため……!)




提督「まだ荒れてたよ……あ、ちょうどいい金剛。悪いけど、言伝を頼んでいいか?」

金剛「ハ? 自分で言えばいいデース」

提督「」

金剛「その濡れ鼠のような恰好でうろつくの、迷惑デース」

提督「」

金剛(提督ぅー、ごめんなサーイ……でも、私も心配しているデス……)




提督「ようやくあれが収まってきた……あ、榛名、ちょうどいいところ――」
榛名「わっ、汚いです」

榛名「あ、すいません、あまりにずぶ濡れなので、ついつい言ってしまいました」

提督(は、榛名にまでこんなことを言われるなんて……もしかして、あまりに海洋に行き過ぎて、何か地雷を踏んだか!?)

提督(ま、まて、まだ確信するには早い。もっと他に情報が……)

―二日目―

提督「大井、すまないが傘を――」
大井「失せろ」

提督「」

大井「あ、すいません、上司になんて口を。失せてください、お願いします」

提督「……」

大井「おっと、汚物に無駄な時間を。北上さんとの時間が減ってしまったわ」

提督「ふむ……」




提督「おーい、加賀ー」

加賀「…………」

提督「加賀? 加賀ー」

加賀「…………」

提督「……まさか無視されてる?」

加賀「…………」

提督「あー、まいったな、こりゃ」

―執務室―

提督「すまないな、集まってもらって」

大和「いえ、別に」

金剛「……」

榛名「何かご用ですか?」

提督「すまなかったな、今まで」

大和「まさか、分かっていただけたのですか?」

金剛「提督ぅ……」

提督「ああ、まさかお前たちが――加賀と大井の毒舌のまねをしていたとは」

大和「え?」
金剛「エ?」
榛名「え?」

提督「あいつらのように、高いレベルを持つのは、お前らじゃ無理だ。な、考え直せ。俺はお前たちの心根から優しいところが好きなんだ」

大和「好きって……」

金剛「提督ー、嬉しいデース!」

榛名「うぅ、照れちゃいます」

提督「ほら、今日は鳳翔さんの店で飲もう? 嫌ならいいけどな」

大和「え……えっ……」

金剛「いきマース!」

榛名「榛名も行かせてください!」

大和「わ、私も行きます!」

提督「うむ、では飲み明かそうか」

大和(はぁ……あんなこと言われたら断れませんよ。提督も分かってるくせに、上手なんですから)

提督(なんて、こういっておけば収まるだろうと思ったら、正解だったな)

提督(日に日に態度が悪くなる遊びとか、この鎮守府では絶対にはやらしてはいかん。絶対にだ)



大井「そういえば、大和さんからは何と言われたんですか?」

加賀「外に行って濡れて帰ってきたら、冷たく接しろと」

大井「あ、同じことですね」

―執務室―

提督「まったく、多分あんな遊びを考えたのは大井だな。ふん、俺の苦手意識が上がったぞ」

提督「でも加賀がのるのは珍しい。もしかしたら遊びに飢えてるのかもしれない。こんど誘ってやろう」

提督「よーし、次はこっちから誰と遊んでやろうか!」

下2

提督「アスロックいいなー、誘導がついてるのがいいよなー、どう思う日向」

日向「呼ばれてきたと思ったら、一体なんだ」

提督「潜水艦に悩まされるここ最近。だが、アスロックさえ搭載したら潜水艦なんて余裕だぞ?」

日向「何故そんな考えに思い至ったのか……」

提督「なんだ、日向は不満か? 日向に取り付けるといってもか?」

日向「私たちの艦隊に戦力的に必要とは思えないな。それに、航空戦艦になって対潜は欲張り過ぎだ。どこかに穴が絶対に出来る」

提督「う、ううむ。確かに二兎追う者は一兎も得ずとはいうもんな」

日向「駆逐艦や軽巡の子の活躍をとってしまう事にもなりかねない。もちろん、彼女たちの役割はほかにもあるがな」

提督「それもそうだ……」

日向「なにより、その武器が深海のやつに効くのか?」

提督「……お前たちが生まれて、妖精さんの武器を使っているという事は、そういう事なのかも」

日向「そういうことだ。アスロックの搭載はあきらめた方がいい」

提督「分かった、まあどうせ実現は不可能だったろうし」

日向「ならなぜ提案したんだ」

提督「……まて、お前アスロックが何かわかってる風だったよな。じゃあ、あれを持つ事自体は可能という事か?」

日向「……ではな、提督。また呼んでくれ」ニヤリ

提督「なんだその笑み、待て、何気に気になるぞ!」

バタン

提督「……艦娘、不思議な存在だ……」

下2

提督「恥ずかしがり屋の羽黒か。まあ間違いなく断られるな」

提督「だが、そこをどうにかしてつけさせる……最悪無理矢理装着させよう」


―妙高型の部屋―

羽黒「今日は一人だし、部屋のお掃除をしようかな……」

提督「しめしめ、都合よく羽黒一人だな」ガチャ

羽黒「し、司令官さん? あの、何かご用ですか?」

提督「ああ、羽黒には重要な任務を与えようと思ってな」

羽黒「じゅ、重要な任務ですか……あっあの、私に勤まるでしょうか……」

提督「何を言っているんだ。羽黒じゃないとだめなくらいだ」

羽黒「私じゃないと……」

提督「そうだ、ではさっそく言うことを聞いてもらおうかな」

羽黒「はっ、はいっ!」

提督(グヘヘ、可愛い顔してんじゃねーか。では、このまま……)

羽黒「あ、あの……近いです、司令官さん……」

提督「動くなよ、羽黒」

羽黒(こ、これって……まさか……)ドキドキ

提督(猫耳装着!)スッ

羽黒「……あれ、これは?」

提督「猫耳だ、可愛い、似合ってるぞ」

羽黒「ひゃいっ!? か、可愛いなんて、そんなことないです!」

提督「謙遜すんな、では、写真を撮らせて貰おうかな」

羽黒「しれっ……司令官さん……っ!」ギュッ

提督「……分かった、ツーショットだな」

羽黒「ち、違い……うぅ、ツーショット……」

提督(お、羽黒が戦闘時のような顔に……)

羽黒「……でも、やっぱり無理です!」ダッ

提督「は、ならなかった」

―執務室―

提督「しかし、猫耳付けたまま逃げて、噂になるんじゃなかろうか」

提督「多分、青葉辺りに撮られるだろうけど」

下2

提督「多分大鳳にはセクハラしかしてない」

提督「大丈夫かな……通報とかされないよね……」


―大鳳の部屋―

提督「ようやく二人きりになれたな、大鳳」

大鳳「なんでしょう、さっきの言葉はなんだったのかとツッコミがしたくなりました」

提督「大丈夫、いつも涼んだ顔をしている大鳳をちょっと笑わせたいだけだから」

大鳳「その言い訳は無理があるかと」

提督「さあ、準備はいいか」ワキワキ

大鳳「何をするかまで言ってください。絶対断りますから」

提督「断られるなら無理矢理くすぐるだけだ!」バッ

大鳳「その動きは見切りました!」シュッ

提督「そっちは残像だ」ガシッ

大鳳「なっ……提督、そういう技術は、別の所に使ってください」

提督「ふっ、それはもう諦めたという事か」

大鳳「ボウガンのいいところは、装填が早く射出が早い事です」

提督「それがどうし……はっ! もう第一攻撃部隊が発艦されているだと……!」

大鳳「今離せば、許してあげなくもないです」

提督「分かってるんだろ、答えの内容くらい」

大鳳「第一攻撃隊突撃! あはっ――」

ドーン

―執務室―

提督「事前に九九式艦爆に変えてなかったら死んでいた」

提督「二くすぐりくらいまではした。今回は引き分けだな」

下2

―金剛型の部屋―

提督「金剛ー遊ぼうぜー!」

金剛「最近提督よく部屋に来てくれますネー」

提督「嫌か?」

金剛「嬉しいデース!」

提督「よし! じゃあスパデラをするぞ。ゲームは持ってきた」


比叡(スーファミ……お姉さまとしたかった……)
榛名(スーファミですか……私は参加できませんね……)

霧島(四人プレイが出来たら、はぶられるのは多分私かしら)


~プレイ中~

提督「どのキャラ使いたい?」

金剛「この子可愛いデース」

提督「パラソルからのヘルパーか。よしきた」

金剛「おー、きゃわいいデース!」

提督「よしよし、しかし体力が減ってきたな」

金剛「ハッ、このゲームは口移しが出来るってきいたネー」

提督「お前はまだ満タンだろ……って、おい。無駄にダメージ受けんな」

金剛「ほらほら~、口移しするデース」

提督「まったく……」


比叡「榛名、こちらはリメイクで対抗しましょう!」

榛名「それは意味がないと思うのですが……」

~なんだかんだで数時間後~

提督「これで全クリだ!」

金剛「早かったデス!」

提督「何回もやってるしな。もうある程度は完璧に覚えている」

霧島「そういえば、提督の動きに迷いがありませんでしたね」

榛名「何回もやっているのですか?」

提督「やるというか、やらざるを得ないというか……」

比叡「いいですから私にもやらせてください!」ガバッ

金剛「あっ、比叡危ないデース!」

ガッ ブチッ

比叡「あれ、当たってしまいましたか?」

提督「……既視感があるな」

金剛「提督は知ってるデス?」

~~~♪

0%0%0%

比叡「」
金剛「」

提督「やっぱりな……」

霧島「提督が馴れていた理由がわかりました」

榛名「これで何回もやっていたんですね」

提督「今回つけるときも、実は100%のデータがあったんだ……」

―執務室―

提督「昔のゲームをするときは、衝撃には気をつけよう」

提督「今のゲームはメモカの残り容量に気を付けよう」

提督「これも時代か……」

下2

提督「連続だが持って行こう、新しい方のやつを」


―金剛型の部屋―

金剛「今回は提督やらないネー?」

提督「休憩だ休憩。ゲームは見ているのも楽しいからな」

比叡「比叡はメタを使います!」

提督「メタかよ。ギミックを解く能力が一番薄いのに……」

比叡「ファンに失礼ですよ!?」

提督「冗談だ」

榛名「榛名はこのバンダナをまいた子で」

霧島「私は残りの大王様ですかね」

提督「こっちはあっちと違ってデータが生きてるから好きにやってくれ」

金剛「ボスバトルデース!」

提督「いきなり大丈夫か?」

比叡「金剛型四姉妹のコンビネーションを見せてあげますよ!」

榛名「榛名もがんばります!」

霧島「やるからには本気でします」

~なんだかんだで数分後~

金剛「またやられたデース!」

比叡「ああっ、お姉さま!」

榛名「なかなか難しいですね……」

霧島「……」

提督(トマト一回も使ってないのにゲームオーバーする霧島……すでに眼鏡が曇って見える)

霧島「お姉さま方、ちょっといいですか」

提督(あ、これキてるわ)

霧島「司令と二人でやらせてもらえませんか?」

金剛「ズルいネー!」

榛名「そ、そうです!」

比叡「私は別にいいけど」

霧島「お姉さま方がいると勝てません」

金剛「」ガーン
榛名「」ガーン
比叡「え? えーと……ガーン」

霧島「ほら司令、やりますよ」

提督「え、趣旨が変わるけど……まあいいか。真の方な」

霧島「ふ、いいですよ」


金剛「ウーン、私も提督としたいデース」

榛名「仕方ないですよ。見て学びましょう、金剛お姉さま」

比叡「あっ、私が優しく声をかけようと思ったのに」

―執務室―

提督「クリアしたけど、秘書官にゲームしすぎと怒られた」

提督「ゲームは一日一時間! やり過ぎには気を付けよう!」

下2

提督「でち公……またオリョクルに続いて損な役回りを……」

提督「だがしょうがないな。目をつけられたのが運のつき。さて、筆跡をまねて書くか」


―廊下―

提督「龍田、ちょっといいか」

龍田「何か企んでいませんか?」

提督(チッ、なんて鋭い奴なんだ。だが甘いな、その程度で止められるような軟な俺じゃない)

提督「別になんでもない。明日の遠征について少し話したいことがあるだけだ」

龍田「……」ジー

天龍「何やってんだよ龍田。行けばいいじゃんか」バシッ

龍田「天龍ちゃん……そうね、ちょっと心配し過ぎてたかも」

提督「そうだ。まあ今じゃなくてもいい、都合がついたら執務室に来てくれ」

龍田「はい」

―執務室―

58「呼んだでちか?」ガチャ

提督「ああ、ゴーヤにはしばらく休養を与えようと思ってな」

58「休養? 本当にいいでちか?」

提督「ああ、しっかり休めよ」

58「わーい!」

龍田「……」バンッ

58「ビクッ」

提督「来たか……って、何やら起こっている様子だが、どうかしたか?」

龍田「いえ、ちょおっと……お仕置きしなきゃいけない子が現れましてね」

提督「そうか、そいつは大変だな」

龍田「ふふ、ええ……ゴーヤちゃん?」

58「でちっ!?」ビクッ

提督「あー……ちょっと俺用事思い出したから、悪いが出直してくれないか」

龍田「ええ、こっちにも用事が出来たので、出直させてもらいますね」ガシッ

58「な、何を……あぁ、ゴーヤは皆さんに会える日を――」

バタン

提督「南無……」

提督「まあ、まさか天龍につけられたものだとは龍田にも思わんだろう」

提督「くくっ、脅した後、褒美に出撃を取り付ければ簡単に協力してくれたわ……」

提督「……」

提督「よし、オチはないな。今のうちにどこか遊びに行こう」

下2

―工房―

提督「夕張、何か面白いものない?」

夕張「人を便利屋みたいに使わないでください」

提督「お、こっちなんか面白そうなロボットがあるぞ」

夕張「あ、それ駄目ですよ。妖精さんと適当に作ったお遊びロボットなんですから」

提督「え?」ポチッ

夕張「提督!」

ロボ「ウィーン」

提督「なんか普通のロボだな」

夕張「まあ、見た目は普通に作りましたから」

ロボ「キュピーン」

提督「お、なんか目が光ったぞ」

ロボ「カサカサ」

提督「カサカサ言いながら、ブリッジの体制をとりながら夕張に高速で近づいて行った!」

夕張「実況している場合じゃなくないですか!?」

ロボ「這って動く! メロン色!」シュン

提督「なんか高速で逃げていったな」

夕張「なんだったんでしょう……って、捕まえなくちゃ!」

提督「ちょっと待て、ロボが行っていたことは本当なのか?」

夕張「そんなわけないじゃないですか! 今日は普通にし……」

提督「ほほう」

ドーン

―廊下―

ロボ「這って動く! 焦げ茶色!」

文月「ふぇぇ……」


ロボ「這って動く! パレット111番目の色!」

子日「子日だよー!」


ロボ「這って動く! 夕日に浮かんだあいつの横顔の色!」

時雨「雨上がりの夕日もいいものだね」


ロボ「這って動く! 透明!」

島風「私より遅いね!」


ロボ「這って動く! ……!」

168「なにこれ?」

ロボ「……! ……! 履いて……ないっ!」ボーン

168「爆発したぁ!? 何よこれ!」

提督「ようやく止まったか……」

夕張「はぁはぁ……多分、認識すらできないので、AIにバグが入ってそのまま壊れたんでしょうね……」

168「な、何なのこれ?」

提督「知らないほうがいい。ただ夕張、結局こいつが言ってた色は何なんだ?」

夕張「色彩が壊れていたのか、そもそも適当な色を言うだけのものだったかどっちかですね」

168「?」

―執務室―

提督「人の工房に入って勝手に動かすのはやめよう」

提督「その前に、なんであんなのを作ったんだ……無意味だ……」

下2

―夜・波止場―

提督「……」

瑞鶴「何してるの、提督さん」

提督「ん、瑞鶴か」

瑞鶴「そんな黄昏て……いつもの提督さんらしくない」

提督「いつもの俺らしくない……か。まあ、座って飲め」

瑞鶴「サシ飲みってやつ?」

提督「嫌か?」

瑞鶴「嫌なら、外に出て行く提督さんをわざわざ追って声なんかかけないわよ」

提督「そうか」

瑞鶴「それで、どうしたの? 今は仕事モードでもないし、何処か具合でも悪いの」

提督「失礼な。たまにはこうやって、夜海を見ながら物思いに浸ることくらいある」

瑞鶴「ふぅん……提督さんらしくない言い方」

提督「まあ、俺だって不安さ。誰かが轟沈する可能性はいつでも存在している。一度の指揮のミス、作戦のミス、それで全てが水の泡になることだってある」

瑞鶴「……」ゴク…

提督「そのことを考えたら、少しは黄昏たりする」

瑞鶴「……これ、美味しいわね」

提督「だろ? なんてったって、所蔵庫から引っ張ってきた逸品だ。さあさあ、飲め飲め」

瑞鶴「急にテンション上がったわね」

提督「心配させるのはガラじゃないしな。それに、サシ飲みに愚痴は余計だ」

瑞鶴「……喋りはじめたのは提督さんだけどね」

提督「何をー!」

―執務室―

提督「酔った瑞鶴を送り届けたら、翔鶴に青い顔でおめでとうとか言われて焦った」

提督「もちろん、誤解だとは言ったけど……翔鶴の扶桑と山城に勝るとも劣らない不幸そうな顔が印象に残った」

提督「ま、すぐに元に戻るだろう。翔鶴も下世話な奴じゃないし、素直な奴だしな」

下2

提督「ふっふーん、仕事仕事」

利根「提督! また外に出る姿をみたものが居たそうじゃが!」ガチャ

提督「え? 瑞鶴と波止場で飲んでただけだぞ」

利根「……む?」

提督「どこからの情報だよ。どうせ面白半分の青葉の新聞だろ。オチもちゃんと書いてる、ほれ」

利根「すまない。……た、確かにそうじゃ」

提督「利根もおっちょこちょいだなぁ」

利根「くぅ、今回は確かに吾輩の早とちりじゃ……」

提督「ほれ、こっちこい」

利根「な、なんじゃ」スタスタ

提督「まったく利根は心配性だな」ギュッ

利根「なっ……!」

提督「はっはっは、ほれ、離してやる」スッ

利根「くっ、今回はしてやられたが、次はそうはいかないのじゃ!」

提督「少しは信頼しろよ」

利根「ええい、信頼なら十分しておる! 危険なことには絶対首を突っ込むでないぞ!」ダッ

提督「……それって信頼してなくない?」

提督「いつもの利根らしくはあるけど」

提督「……そして、確約が出来ないのもいつも通りってことで」

下2

提督「筑摩か、意外と姉LOVE勢なんだよな」

提督「んー……まあ楽なほうか。よし行って来よう」


―利根型の部屋―

提督「というわけで、利根とハグした」

筑摩「そうなのかしら?」

提督(比叡山城千代田は予想できるが、筑摩は予想がしづらいな)

筑摩「そうねぇ……」

提督「……」

筑摩「姉さんがいいなら、いいんじゃないかしら」

提督「……ん? それだけ?」

筑摩「姉さんが幸せなら、それでいいと思うわ」

提督「おお、これが真の姉LOVE勢か」

筑摩「ですけど、嫌がるようなことをすれば……」

提督「そこで止めないで、切実に」

―執務室―

提督「やっぱりあの三人はクレイジーだという事が分かった」

提督「むしろ、筑摩見習わないかな……見習わないだろうなぁ」

提督「急に変えられても怖いだけだがな」

下2

―龍鳳の部屋―

提督「龍鳳、マッサージをしてやるぞ。ゲヘヘ」

龍鳳「本当ですか? よろしくお願いします!」

提督「……できればツッコミをしてくれるとありがたかったかなー」

龍鳳「そ、そうですか。次から気を付けますね」

提督「う、うむ。それでマッサージなんだが……」

龍鳳「機動部隊出撃の準備ですね!」

提督「……悪い、マッサージ含めてまた今度で」ガチャ

龍鳳「すみません、ちょっと自重します……」

提督「まあ元気なのはいいけど。じゃあマッサージするから寝転がってくれ」

龍鳳「分かりました」ゴロン

提督「では……」モミモミ

龍鳳「あっ……そこ……いいです……」

提督「結構こってるな」モミモミ

龍鳳「それは……んっ……出撃も、増えてますし……」

提督「でも、それがいいんだろ?」モミモミ

龍鳳「はい……提督に、必要とされてるって……思えますし……ぁっ」

提督「そうか……」チラッ

龍鳳「どうかしました?」

提督「この場面誰かに見られると、変な誤解を生みそうだなぁって」

龍鳳「大丈夫じゃないですか? そうだ、次は私が提督にマッサージします!」

提督「え、いや悪いって」

龍鳳「遠慮しなくてもいいですよ」

提督「……分かった、好意を断るわけにもいかないからな」

龍鳳「はい。では、行きます!」

―執務室―

提督「やべぇ、肩こりとれた。疲労も回復した」

提督「あれがヒーリング効果か……」

提督「しかし龍鳳はいつからあんな戦闘好きになったのか……」

下2

―利根型の部屋―

提督「今回は利根だけか」

利根「筑摩に用事でもあったのか?」

提督「いや、今回はお前と遊ぼうと思ってな」

利根「……本気か?」

提督「なんで身構える。俺が何かしたか?」

利根「青葉新聞を読み返してみれば、いろいろやっておるではないか」

提督「青葉の報道を本気にするなよ。七割嘘で構成されてるぞあれ」

利根「だが、やっていることは本当なのじゃろう」

提督「……まったく。信頼しない上司不信の部下にはこうしてやる!」コチョコチョ

利根「ふわっ!? や、やめんか! はっ、はははは!」

提督「ほれほれー!」コチョコチョ

利根「も、もうじき筑摩が戻って、ははっ、くるのじゃ!」

提督「またまた――」

ガチャ

提督「――そんなこと言って……」
筑摩「今戻ったわ、姉さん」

提督「」

利根「だから言ったじゃろう……」

筑摩「あら、提督楽しそうですね」

提督「いや、あれはだな……そ、そう! 利根も楽しんでいたんだ!」

利根「いや、普通に嫌がってたじゃろ」

提督「なんでそんなこと言うんだよー!」

筑摩「提督?」

提督「お、お許しください! 本気で嫌がることをしているつもりは無かったんです!」

筑摩「……ふふっ」

提督「へ?」

筑摩「本気で怒っているわけないじゃないですか。ね、姉さん」

利根「うむ、そうじゃな」

提督「……」

利根「吾輩の様子から、筑摩も本気で怒ってないのを分かることもできたじゃろうに」

提督「……ええい! いつか仕返ししてやるからな!」バタン

筑摩「ですって、姉さん」

利根「まあ、それで気が済むのならやらせておく。大人しく受けるとも言っておらんがな」

―執務室―

提督「姉LOVE勢の怒りって怖いんだぞ……」

提督「まあいいか。それに最近は普通に態度が冷たい奴らに一杯食わされることが多い気もするし」

提督(でもそういう奴らに仕返しとか怖い……)

下2

提督「なんだかんだで映画館のチケットを貰った」

提督「でもこれ姉弟の恋愛ものなんだよなぁ……クレイジー妹の中で、ノーマルカプがいけそうなのは……」


―映画館前―

提督「よー、待ったか?」

比叡「早く行きましょう! 楽しみにしていたんですよこれ!」

提督「いつになくテンション高いな。金剛がいないから、テンション低いかと思ってたのに」

比叡「そりゃあお姉さまが居たら最高ですけど、この際楽しもうって思っちゃってます!」

提督「ほう、つまり俺との二人きりも嫌ではないと?」

比叡「そりゃあ、あれだけお世話になってるんですから。嫌いとは言いませんよ」

提督(正直嫌いの範疇に入ってると思ってた)

比叡「ほら、開演時間も迫ってますよ。行きましょう!」

提督「そうだな、ポップコーンも買いたいし」

比叡「あ、キャラメル味でお願いします!」

提督「シェアでいいのか?」

比叡「気にしませんよそれくらい」

提督(なんか比叡が思ったより心開いてびっくり)

比叡(なんとなく司令が失礼なことを考えているような……)

~上映中~

提督(やべえな、ガチ物じゃないか。いや、面白いんだけど)

提督(おっ、今山場だな。自分の恋心をを確信するも、実の姉相手に向けてはならない感情だと理解し、その葛藤に苦しむ場面か……えっ、諦めんの? 比叡は……)

比叡(「ぐすっ……あきらめちゃだめですよぉ……」)

提督(予想通り感情移入していらっしゃる! ……ん?)

比叡「……」ギュッ

提督(て、手を握ってきただと!? 比叡との間でまさかラブコメイベントらしきものが起こるとは!)

比叡(「……ぇ? あ、ご、ごめんなさい」)

提督(「い、いや、どうかしたのか?」)

比叡(「ポップコーン取ろうとして間違えました」)

提督(ですよねー)


~上映終了~

提督「非恋エンドか……辛いな……」

比叡「それぞれの道を歩んでいるので、バッドではないんでしょうけどね」

提督「でも感情移入しているように見えたが、余裕そうだな」

比叡「その……ヒロインの女優さんが金剛お姉さまに見えてきて……」

提督「言われてみれば、どことなく似ていたような……」

比叡「ヒーローも司令に見えてきたものですから、素直に応援できなくなってしまって……」

提督「これはひどい」

―執務室―

提督「一応楽しんでくれていたようだ。でも、今度来るときは金剛型皆誘った方がいいかな」

提督「もちろん機会があればだが」

下2

―大和型の部屋―

大和「今日は平和ねー」

武蔵「だが、出撃もないとなると体がなまってしまう」

大和「トレーニングだけの日もいいじゃない」

武蔵「出撃とトレーニングは違う」

大和「もう……」

ダンボール(大佐、現在一時間が過ぎた。入ったはいいものの、二人のどちらかがいるせいで動けない状態だ)

大和「ちょっと買わなきゃいけないものが出来たわね……武蔵も来る?」

武蔵「いや、私はいい。大和一人で行ってくれ」

大和「分かった」

ダンボール(ええい! 早く両方ともどこか行かないか! 脱出が出来ない!)


~昼食~

ダンボール(ふう、レーションを持ってきて助かった)

武蔵「そろそろご飯だが、どうする?」

ダンボール(お、これは脱出のチャンスか)

大和「せっかくだから、部屋でゆっくり食べることにしない?」

武蔵「それもいいな。では、私が持ってこよう」

大和「頼んだわね」

ダンボール(なん……だと……)

~夕方~

ダンボール(だが甘い。今日は間宮アイスがおやつとして配られる日。これは行かないわけにもいくまい)

大和「間宮アイスのことだけど……」

武蔵「ああ、私は少し遅れる。ちょっとまとめることがあってな」

ダンボール(なっ……だ、だが、少しすれば武蔵も出て行くはず……)


大和「美味しかった~」

武蔵「私の方も終わったし、行くとしようか」

ダンボール(なんとなく予想は出来ていた)


~就寝~

ダンボール(くっ、もう寝る時間だと。だが、寝ているすきに逃げ出す!)

大和「今日は大変そうね」

武蔵「ああ。ちょっと徹夜するかもしれん。明かりは大丈夫か?」

大和「ええ」

武蔵「悪いな」

ダンボール(俺も徹夜コースかもな……)

~深夜~

武蔵「さて、そろそろ寝るとするか」

大和「スゥスゥ……」

ダンボール「zzz……」

武蔵「……ふっ、まったく大和も人が悪い」


~朝~

ダンボール「……はっ、俺は一体何を……」

大和「武蔵、そろそろいい?」

武蔵「朝食か。かまわんぞ、早く行くとしよう」

ガチャ
バタン

ダンボール「……行ったか?」

提督「ぶぅ、まったく……一日中いるとは思わなかったぞ」

ガチャ

大和「おはようございます、提督♪」

武蔵「挨拶もせずに出て行くなんて、人が悪いではないか」

提督「……」

ダンボール「俺は段ボールであって提督ではない! おはよう!」ダッ

大和「……」

武蔵「一日中黙ってたけど、これでいいのか大和」

大和「何度言ってもどこか行くなら、チャンスはちゃんとものにしないと」

武蔵「なかなか大和は押しが強いな」

大和「敬愛する提督の事ですから」

―執務室―

提督「実は最初からばれてたってことは無いよな?」

提督「……考えてもしょうがない。前向きにいこう」

提督「悪いことも秘書官から怒られて仕事増やされた以外何もないしな!」

下2

―ジャム島―

タ級「今日は王子様が夢に出てきたの。うふふとてもかっこよかったわ」

ル級「今日もノリノリだな、タ級」

タ級「そうよ、今私は恋の津波に乗っているの♪」

ル級(ちっ、最近は夢の話に加え、妄想の話までしてくる。何とかならないのか)

タ級「はっ、この波の音は王子様がやってくる音だわ!」

ル級「おい、何も聞こえないぞ」

ザァァァ

ル級「」

タ級「ほら、聞こえるでしょう?」

ル級(こいつ、まさか私よりも能力が上がってるんじゃないか)

提督「よっす。余ったからアイスやりに来た」

ル級「よくものうのうと私たちの前に現れたな」

タ級「ダメよル級! 王子様は私に用事なのよ!」

ル級「いや、こいつらは私たちの敵で……」

タ級「ル級! 貴女になら、私の恋心を分かってくれると思っていたのに……!」

ル級「……なあ人間、この場は見逃してやるから、なんとかしてくれないか」

提督「ああ、なんとなく気苦労が知れる」

タ級「さあ王子様! 私に何の用なの?」

提督「え、えーと……お前のハートを持ち帰りに来たのさ」

タ級「そんなっ! 私の心はもう王子様に奪われてるの!」小破

提督「なら、心だけじゃ満足できないな」スッ

タ級「顔を近づえないで……! その、耐えられなくなるから……貴方にはしたないところを見せたくないの」中破

提督「俺だけに色んな顔を見せてくれ、マイスイートガール」

タ級「ああぁっ!」大破

提督「……顔真っ赤にして止まったぞ」

ル級「すまない。迷惑をかけてしまった」

提督「いや、なんか適当に言った言葉にここまで反応すると、お前の大変さもうかがえられる」

ル級「アイスは後で美味しくいただくとする。人間、気を付けて帰れよ」

提督「じゃあな」


ル級「待て! なんで私は人間と仲よく会話などかわしている!?」

タ級「ムニャムニャ……王子様ぁ……」

―執務室―

提督「最近道中攻撃すらされなくなったなぁ。これもみんなが戦線をあげてくれているおかげか。俺も負けられないな」

提督「ちなみに間宮アイスは微妙に余って争いになりそうだったから海に持って行った。ぶっちゃけ誰もいなかったら一人で食ってた」

下2

提督「今日は都合よく正規空母の集まりがあったな。しめしめ、酒を織り交ぜて酔わせて眠らせてやろう」


―二航戦の部屋―

提督「なんでここなんだ?」

飛龍「加賀さんがここがいいって言ってね」

提督「まだ気にしてんのか加賀」

加賀「あ、あの事は関係ありません」

瑞鶴「あのこと?」

赤城「加賀さんがちょっと失敗をした話ですよ」

加賀「赤城さん、口を滑らせないでください」

赤城「滑らせたわけじゃないんですけどね」

提督「まあ今日は俺も交じるんだ。久しぶりに度数の強い酒を持ってきたぞ」

翔鶴「飲み過ぎには気を付けてくださいね?」

加賀「……」ギロッ

翔鶴「な、なんで今先輩に睨まれたんでしょうか……」

蒼龍「いつもという感じはするね」

赤城「まあまあ加賀さん。今日は親交を深める目的で集まったんですから、もうちょっと仲良くしましょう」

加賀「赤城さんがそう言うなら……」

提督「じゃあ飲むぞ! ほら、加賀も一杯――」

~数十分後~

加賀「zzz……」

赤城「あら、加賀さんはもうお休みですか~?」

蒼龍「提督が飲ませてましたからねー」

飛龍「もう、寝るにはまだ早いよー」

瑞鶴「おこしちゃえ!」

翔鶴「寝ているのを邪魔するのは……」

提督「よし、起こすなら俺に任せろ」

赤城「んー? 何をするんですか~?」

飛龍「もしかしてキスとか? あははっ」

蒼龍「さすがにそれは……」

翔鶴「か、加賀さん怒りませんか?」

瑞鶴「提督さんがそういうことするわけないじゃん、あはは」

提督「……敵機直上、急降下!!」


『きゃあああああああ!!!』


提督「――って、なんでお前たちも叫ぶ」

赤城「急降下爆撃は……飛行甲板に……」ガクブル
蒼龍「ヨークタウン怖い……」ガクブル
飛龍「あぅぅ……多聞丸……」ガクブル

瑞鶴「私もちょっと鳥肌立ったんだけど……」

翔鶴「まあ私は潜水艦ですから……って、加賀さんは?」

提督「おーい、加賀ー?」

加賀「直撃……ガソリン……大爆発……」ブツブツ

提督「……やっちゃったZE」

瑞鶴「何とかしなさいよ!」

―執務室―

提督「一航戦と二航戦にしこたま怒られた。まあ、涙目で怒る姿は少々来るものがあったが」

提督「っと、不謹慎だな。まあトラウマはそう簡単に克服できるものじゃないから」

提督「だから扉の隙間から睨むのやめてくれません?」

バタン

提督「……ふぅ、さて気持ちを切り替えて次行くか」

下2

提督「また憲兵を呼ばれそうな……」

提督「いや、最近ではこれくらいの事当たり前にやっている、きっと今回もいける」

あきつ丸「提督殿、呼んだでありますか?」

提督「ああ、よく来てくれたな」

あきつ丸(デジャヴを感じる)

提督「おいおい、何身構えているんだ?」

あきつ丸「いえ、なんだか嫌な予感がしたもので……」

提督「嫌な予感? ほほう、いやな予感というのは……」スッ

あきつ丸「て、提督殿。なぜこちらに近寄ってくるでありますか」

提督「そう距離を置くなよ。優しくしてやるから」

あきつ丸「そ、その言い方はやめてほしいであります!」

提督「! チャンス! いただきます!」ガバッ

あきつ丸「て、提督殿!? あっ、そ、そこは……!」

提督「こんな短いスカート履きやがって。風紀が乱れるぞ」スリスリ

あきつ丸「乱しているのは提督殿であります! それにそういうことは、よその子に……お願いしたい!」

提督「俺はお前だからしたいのだ!」スリスリ

あきつ丸「嬉しくないであります!」

提督「……満足した」パッ

あきつ丸「ほ、本当でありますか?」

提督「だって反応面白くないし。砲撃とか、艦載機とばすとか、他の子だったらしてたぞ」

あきつ丸「普通は上官に飛ばすものでは無いであります」

提督「え?」

あきつ丸「自分、この艦隊の常識に呑まれるようになるでありますか……」

――――――――


提督「砲撃って常識じゃないのか……そういえば前にもつっこまれたような気も……」

提督「だが、よその艦隊はよその艦隊。この艦隊はこの艦隊。常識は変わるものだ」

提督「……いや、砲撃とか艦載機とか飛んできてほしいわけじゃないぞ」

下2

提督「さて、遊びにいくか!」

ドーン

提督「……な、なんでいきなり砲撃が!? 一体何を……」

提督(も、もしやこれは……)

ドーン

提督「け、携帯を……!」

『仕事しなきゃ(物理的に)ふっとばす』

提督「秘書官がお怒りだ! 遊び過ぎたか!」

ドーン

提督「ていうか砲撃を何発も食らっているのに部屋が大破しない! 明石さすがだ!」


 明石「いえ、私は修理艦なので、それは砲撃手の腕が上手だと思います」


提督「なんかつっこみされた気がするけど気のせいだな。というか、早く真面目にするって返さなきゃ……」

→『待て、分かった。仕事する、だから止めてくれ(懇願)』
←『嘘なら憲兵に今までの証拠もって行くから』

提督「おぅ……しょうがない、今は真面目に仕事するか。あと、小破くらいにはなってるから、明石に頼まなきゃ」


~次の日~

提督「よし、仕事は終わった。遊ぼう」

下2

提督「秘書官……あいつに逆らうのは絶対に駄目だ。命が失われる」

提督「ん、待てよ。誰とはいってないな。よし、そういう事なら……」


――――――――


雲龍「私に秘書官……?」

提督「ああ、お前はここに来てから日も浅いからな。空気に馴れるためにもやってみるといい」

雲龍「えっと、はい、いいですよ」

提督(まあ俺の仕事も終わらせてるから、特にやることは無いんだが……)

提督「どうせなら建造しよう。雲龍、頼んでいいか?」

雲龍「ええ、もちろん」

―工廠―

雲龍「新しい艦……天城かな?」

提督「やってるのは大型建造でもないし、それは厳しいんじゃないか?」

雲龍「そう? でも、何時か天城にも会えるような気がしてますよ、私」

提督「まあ、いつかは会えるかもな」

提督(……いったいこの空気でどうくすぐればいいんだろうか)

雲龍「どうかしました? 私の事じっと見てくるけど……」

提督「え? えっと……」

雲龍「飛行甲板に興味がおありですか?」

提督「そ、そうそう。そんなんだ」

雲龍「あんまり触られたくないんですけど……」

提督「なら、しょうがないな。雲龍に合う艦載機とかも見繕いたかったんだが」

雲龍「もっと優秀な艦載機?」

提督「まあ、今より弱い艦載機なんか載せないが……」

雲龍「そう、なら仕方がないわね。少しくらいならいいですよ」

提督「え、いいの? よし、なら……」サワッ

雲龍「ん……ちょっとくすぐったいです」

提督「す、すまん」サワサワ

雲龍「そ、それでどうですか? 何か良い艦載機でも……」

提督「え、ああ……適当に見繕っておくことにする。大体思い浮かんだからな」

雲龍「そうですか、それはよかったです」

―執務室―

提督「あれはダメだわ。やってること脅迫とかパワハラとかその類だ」

提督「一応雲龍は今日一日秘書官って事にした。文句もないし大丈夫だろう」

下2

―会議室―

大和「第二回、提督対策会議を始めます!」

大和「……といっても、まだ大和一人なんですけどね」

大和「前回は遠まわしだったから失敗したんです。今回は、直接提督に物申します! もちろん強制的に!」

大和(ついでに、前回はメンバーの選出もちょっと間違えたような気がします。今回はきちんとしたメンバーで実行しますよ!)

提督に説教するキャラ(複数可) ↓2

曙「ちゃんと……え、なんだって?」

大和「……」

曙「まあ、提督があんなんだと不安にもなるわよ? でも、そこで私はちょっとおかしいんじゃないかしら?」

大和「……」

曙「ほら、直接言うのなら、もっとクソ提督を心配している子にした方がいいじゃない。そっちの方が心にも響くと思うのよ」

大和「……」

曙「大和が何を言っても聞かなかったから、普通にしても効果が薄いかもしれないって危惧するのも分かる。だからといって、変な方向に走るのは違うと思うのよ」

大和「……」

曙「前回だって何か企んで、選んだ人が失敗の原因になったでしょ。今回も同じこと繰り返してどうするの」

大和「……」

曙「何か策を練ろうとするのも、ちょっと間違えれば大参事にもなりかねないのよ。分かってる?」

大和「……はい」

曙「そもそも貴女は私たちの艦隊の花形。行動一つ一つに責任が伴う事を知らないの?」

大和「……」

曙「無茶をすれば、他の子や新参の子が真似をすることにもなりかねない。そこのところ分かってる?」

大和「……」

曙「あのクソ提督が悪いのは分かってるけど、大和自信も考えるべきなのよ」

大和「……」

曙「それに――」

提督(す、すごい。流石歴戦の悲しみを知り尽くす曙だけはある。あの超弩級戦艦大和を説教している! でもなんで俺は縛られているんだ)

曙「そしてクソ提督! あんたも心配させ過ぎよ!」

提督「は、はい!」

曙「大和がここまで迷走しているのも、全てクソ提督がしっかりしないからよ!」

提督「す、すみません!」

曙「あんたは大和以上に必要な存在なの! もし仮にどこかで海の藻屑となるようなことがあれば、この艦隊、ひいては鎮守府もおしまいなの! 分かってるのクソ提督!」

提督「は、ははぁ……」

曙「何よその気の抜けた声! あんた本当に提督の自覚あるの!? そんなんだから秘書官にもカス呼ばわりされるのよ!」

提督「……」

曙「まったく――」

大和(ですが、大和の作戦は成功ですね。こうして提督に正面からお説教できる人は限られていますから)

曙「大和も! 本当にわかってるの!?」

大和「はい!」

―執務室―

提督「一日くらい拘束されたような気がする……」

提督「あと、なんで大和も一緒に説教されていたのだろうか……」

下2

―夜・大鳳の部屋―

提督(おじゃましまーす。ただいま大鳳の部屋に遊びに来ています!)

提督(さて、肝心の大鳳の様子は……)

大鳳「zzz……」

提督(しっかり熟睡しているみたいですね)

提督(では、マイ枕も持ってきていることですので、一緒に眠ります!)

大鳳「zzz……」

提督「お休み、大鳳」ギュッ

大鳳「ムニャ……お休み……なさい……zzz」ギュゥ


~朝~

大鳳「ぅ……朝、なの……」

提督「おはよう、大鳳」

大鳳「あれ……提督……? おはようございますぅ……」

提督「朝だぞ、走り込みでもするか?」

大鳳「そうですねぇ……こうして、提督といるのも――って、なんで提督がいるんですか!?」

提督「添い寝をしようかと」

大鳳「勝手に部屋に入らないでください! 何時からいたんですか! あと離してください!」

提督「そういうなら、そっちから離してくれよ」

大鳳「えっ? あ……」パッ

提督「さて……寝顔可愛かったぞ」

大鳳「ぁ……や、やめてください!」ブゥン

提督「退避!」

ドーン

―執務室―

提督「前、似たようななこと言われたから返しただけなのに、理不尽だ」

提督「まあ、鍵をピッキングした時点で理不尽も何もないけど!」

下2

―母港―

鳳翔「あら……これは……」

龍鳳「鳳翔さん、どうかしたんですか? ……あ、もしかして洗濯を?」

鳳翔「いえ、洗濯物を探していたら、こんなところに乾かされていたものですから……」

龍鳳「乾かされていた? 不思議ですね、私のも混ざっていますけど、洗濯した記憶はありませんね」

鳳翔「私もなんです。誰かがしたという事でしょうか」

青葉「……これは事件! というほどの物でもありませんね」

鳳翔「あら、何か知ってるの?」

青葉「知っているといいますか、こういうことするのは司令官しかいないでしょう。あ、青葉のもある!」

鳳翔「……これは、私がしていたという事にしておきましょうか」

龍鳳「あはは……その方がいいと思います、私も」

青葉(記事に出来そうなんですが……いえ、さすがにこれは広まったらシャレになりませんよね)

鳳翔(提督には、潮風の当たらないところで洗濯注意しと居た方がいいかしら)

―執務室―

提督「鳳翔に見つかったようだ。大事にならなさそうで助かった」

提督「でもあれ、落ちていた奴を洗って乾かしただけなんだよな。むしろ気をつけろといいたいのは俺の方だ」

提督(多分、青葉も分かってるから自分で墓穴を掘らなかっただけか)

↓2

―食堂―

提督「お買い物ですか?」

間宮「はい。付き合っていただこうかと」

提督「えー、めんどくさい」

間宮「時間をくれるっていいましたよね?」

提督「そういえばそうか……分かった、今からだな。さっそく行くとしようか」


―デパート―

提督「今日は何にするんだ?」

間宮「お寿司とかどうかと思っているのですけど」

提督「高くないか?」

間宮「今日はお魚が安いんです」

提督「へぇ……え、握るの?」

間宮「はい、握ります♪」

提督「まあ、そういう事なら荷物持ちとして必要か」

間宮「すみません、上官にやらせるべきではないのですが……」

提督「上官とか気にするな。今はプライベートだ」

間宮「そう言うと思ってました」

提督「思ってたって、わざわざ試すようなことを……」

間宮「食堂ではよくお話を聞きますから」

提督「どんな話?」

間宮「……すみません、ちょっとここでは……」

提督(何を言われているんだ一体……)

間宮「ええと、これとこれと……」

提督「……ちょっといいか?」

間宮「なんですか?」

提督「何尾買うつもりなんだ。すでに籠からはみ出ているんだが……」

間宮「全員分です」

提督(はたして俺一人で持って帰れるか。それが問題だ)

―執務室―

提督「なんとか一回で持って帰ることが出来た。まさか台車で帰ることになるとは思わなかったけど」

提督「二人並んで台車で持って帰る姿は、おそらく周りからするとシュールだっただろう」

↓2

ビスマルク「アトミラール、何の用……って、暗いわね」

レーベ「映画みたいなセット……」

マックス「何か上映するつもりですか?」

提督「ちょっと勧められて……バイロケーションでも見ようかと。一人で見るのもつまらないから呼んだんだ」

ビスマルク「へえ、面白いの?」

提督「面白いんじゃないか? いや、知らないけど」

レーベ「どんなのかしらないの?」

提督「知らないな。概要すら知らないし」

マックス「まあ、それなら見てみましょう。私たちも休憩しようと思ってた頃ですし」

ビスマルク「そうね、面白いならいいわ」

提督「そうか」


~上映中~

レーベ「自分の偽物ね。そういう事ってあるのかな」

マックス「まあ創作ですから。でも、なかなか面白いですね」

提督「ふうん……あれ、鏡に?」

ビスマルク(……あれ)


レーベ「ねえ、この人って偽物?」

マックス「どうでしょう……でも、先ほどの行動からその可能性は高そうですね」

提督「あ、やばいやばい。死ぬって」

ビスマルク(……なんだか、体感したような)


レーベ「あれ、消えた?」

マックス「オリジナルが死ぬと、消えるようですね」

提督「ていうかバッドエンドじゃないですか。やだー」

ビスマルク(……あ、アトミラールの事で……)

~上映終了~

レーベ「自分の偽物が近くにいるって怖かったね」

マックス「そうですね。なかなか考察のしがいもありましたし、楽しかったです」

提督「ドッペルゲンガーともまた違いがあって面白かった……あれ、ビスマルク?」

ビスマルク「……」スッ

レーベ「どうして提督に鏡を当ててるの?」

マックス「ビスマルク自身がバイロケーションだと意味がないと思いますよ」

ビスマルク「……」スッ

提督「だからって自分に鏡を当てるな。何ビビってる」

ビスマルク「び、ビビってなんかないわ! ちょ、ちょっと怖がるかと思ってやっただけよ」

レーベ「ちょっと無理があるよ」

マックス「私もそう思います」

提督「そういえば、霊が出るとか騒いでたな。まだ信じてるのか」

ビスマルク「そ、そんなわけあるわけないじゃない! じゃあねアトミラール!」ダッ

提督「あれま」

レーベ「何か感じるところがあったのかも」

マックス「ホラー映画を見て感じることってあるのでしょうか」

提督「ないだろ、ははは」

――――――――


提督「さて、通常の部屋に戻しておいた」

提督「そういえば、ビスマルクは上映中に一度も喋らなかったな」

提督「もしかしたら怖かったのかもしれない。まあホラー映画はそうして楽しむのが一番か」

↓2



提督「超弩級の胸部装甲をもつ浜風に飛びつきたい」

提督「憲兵など知ったことではない。俺は行くぞぉ!」


―陽炎型の部屋三号室―

提督「おっじゃましまーす」

浦風「ほう、珍しいのう、訪ねてくるなんて」

磯風「司令が遊び歩くことはそう珍しい事ではないらしいがな」

谷風「遊ぶのは悪い事じゃないって。提督とは気が合いそうだね」

提督「しまった、ここが睦月型に続いて人数多いことを忘れていた」

浜風「はあ、ですが、六人部屋はほかにもあるのでは」

提督「そうかもしれないけどさー。こんな中じゃ実行できないじゃないか」

浜風「実行?」

提督「いや、なんでも……」

谷風「用事が無いならトランプでもしようか!」

提督「トランプか……」

提督(そうだ、罰ゲーム有にして、浜風が最下位になれば……)

浦風「何か考え込んでるみたいじゃ」

磯風「あの状態の司令はろくなことをしないと聞いたぞ」

浜風(何やらこちらに視線が向いてる気がします)

提督「よし、いいぞしよう。ただし――」

谷風「最下位の人は一位の言うことを聞くルールでやろうじゃないの!」

提督「乗った!」

浦風「知らぬところで話が勝手に進んでおる」

磯風「この私が負けるはずもない。勝手にしておけばいい」

浜風「それは慢心というものですが……」

~十数分後~

提督「負けました」

谷風「この谷風が一番だよ!」

磯風「弱いな、司令は」

浦風「あまり正直に言うのはどうかと思うのじゃが」

浜風「ですが、提督が負けてくれなかったら、私の方が危なかったみたいですね」

提督(くっ、浜風を最下位に落とそうとしていたら、気付けば俺が最下位になっていた)

谷風「んー……何か面白い事かぁー」

提督「なるべく軽めで頼む」

谷風「……よし、決めた」チラッ

浜風「何故私をちらっと」

谷風「提督、この浜風の胸に突撃することを命じるよ!」

浜風「なっ……!」

浦風「あんまり無茶言ったらいかんよ」

磯風「だが、武人が契りを立てたことだ。断りはしないのだろう」

浜風「磯風! 貴女他人事だと思って……!」

提督「ま、ママー!」ガバッ

浜風「きゃぁ!?」

谷風「あっはっは! ママって! 面白い事するね!」

浦風「うむ……放っておいてもいいのじゃろうか」

磯風「表情を見る限りそこまで嫌がってはいない。構わんだろう」

浜風「嫌がっている! て、提督、離してください」

提督「バルゲームダカラナー。ママ……!」

谷風「あははっ!」

浜風「離してください! せめてママだけはやめてください!」

浦風「カオスな状況じゃの……」

磯風「それより次のゲームは始めないのか」

―執務室―

提督「普通にトランプをした」

提督「いやぁ、これでこそ遊ぶってもんだ。楽しかった」

提督「しかし人数な……もうちょっと細かく分けてみるか」

提督「まあそれは置いといて、まだ遊ぶぞー」

↓2

谷風「艦隊が帰投したよ! それと……」ガチャ 大破

提督「おう……って大破じゃないか。うちでは大破なら報告は代わりを行かせてさっさとお風呂に入ってもらうことになってるんだぞ」

谷風「ありゃ。すまんかったね、知らなかったのよ」

提督「まったく……」

提督(まあ、最近新しい子が急に増えたからな……ちょっと教育するか)

谷風「どうしたんだい提督。ちょっと怖い顔になってるよ」

提督「そうだな……ちょっと谷風には、教育してやろうかと思ってな」スッ

谷風「やっ、ちょっと待っておくれ! 今は谷風さんの格好も、見せられるものじゃないからさ……」

提督「だから、先にお風呂に入って来いって言ったんだ。な……?」

谷風「そ、それ以上……おっと」コケッ

提督(むっ、スカートの中が……微妙に見えない!)ジロッ

谷風「じょ、冗談じゃない。提督、そんなものを見ても面白くないだろう?」

提督(うーん、女の子としてはそれでいいのだが、このギリギリ見えないのがなんとも……)

提督「(興味を)そそられる……」

谷風「て、提督! そろそろ!」

提督「いや、あともうちょっと!」

浜風「すみません提督。ちょっと耳に入れておきたいことが――提督?」

提督「え、い、いや! これはその!」

浜風「私だけじゃ飽き足らず、谷風にまで……」

提督「ゆ、許してくれ!」ダッ

谷風「だから言ったのにねぃ……あとで浜風も来るって言おうとしたのに」

――――――――

提督「ふう、砲撃を飛ばされなかったのは、そこまで教育が言ってないのが幸いしたか」

提督「誰彼かまわずセクハラは良くないな。そんなつもりじゃなかったけど」

↓2

―陽炎型の部屋一号室―

提督「ほほう、これが陽炎のスパッツか」

黒潮「そうでぇ? ただちょーとだけ、つむものつんでもらわなあかんけどなぁ」

提督「さすがに足元を見るか。ほら、これでどうだ」[間宮アイス]

黒潮「おぉ、悪いなぁ」

陽炎「って、人の目の前でなんていうやり取りをしているんですか!」

黒潮「なんや面白そうやったからつい……」

提督「つまり目の前じゃなければいいんだな」

陽炎「そういう事じゃないです!」

提督「んー? ああ、ほら」[間宮最中]

陽炎「さーんきゅっ……って違う!」

黒潮「違うん?」

陽炎「私をなんだと思ってるの!」

提督「ふーん、伸張性とか結構いいな」サワサワ

陽炎「司令もあんまり触らないでください!」

不知火「……こんなことで、この艦隊は大丈夫なんでしょうかね」

提督「ほら、ぬいぬいもぼっちになってないで混ざれよ」ベタベタ

不知火「ぬいぬい言わないでください」

提督(ぼっちはつっこまないのか?)ヒラヒラ

陽炎「いじってないで返してください! しーれーいー!」

―執務室―

提督「あそこの部屋は陽炎が大変そうだな」

提督「ちなみに買収容疑にかかりそうなので、実際にアイスとか最中は渡していない。贔屓にもなるし」

提督「あと、俺がやったことは傍から見ればセクハラ以外の何物でもないから、青葉に情報規制しとかなきゃ……」
<ギクッ……

下2

―トレーニング場―

提督「長良、やっぱりここにいたか」

長良「あれ、司令官。何か用?」

五十鈴(またセクハラかしら……)

提督「電気あんまとやらを試してみたくて」

五十鈴「ぶふぅ!」

長良「どうしたの、五十鈴」

五十鈴「セクハラよセクハラ! いきなり何を言っているのよ!」

提督「は? セクハラ? 一体何を言っているんだ」

長良「司令官、それってどんなもの?」

提督「なにやら気持ちがいいらしい」

五十鈴「だからやめなさい! 長良も興味持たないの!」

長良「五十鈴は知ってるってこと?」

五十鈴「え、ええまあ……」

提督「んー、でもせっかくだし、ちょっと使ってみようか。長良も気になるだろ」

長良「はい」

五十鈴「だからやめなさい!」

提督「五十鈴が何を言おうが、俺の興味が満たされるまで絶対にやめないぞ! 長良も嫌がってないし」

長良「そうそう。五十鈴だけ知ってるなんてずるい」

五十鈴「……なら、勝手にしなさい」

五十鈴(もし長良が嫌がるようなら殴ってでも止めてやるんだから)

提督「では」ウイイイイン

長良「何それ! 面白い形!」

提督「肩に当てたりするんだと。どうだ、気持ちいいか?」ウイイイイン

長良「うーん……ちょっと微妙かな」

提督「まあ安いからそれ相応の効果って事だな」

五十鈴「……」

提督「五十鈴、どうした? なんか顔が赤いけど熱か?」

五十鈴「な、なんでもないわよ!」

五十鈴(二重に誤解したじゃない! 提督の馬鹿!)

―執務室―

提督「確かに効果微妙だな……電気按摩器って、やっぱ座るタイプの方がいいのか?」ウイイイイン

提督「こういうのって値段がそのまま効能にもつながるし、ケチるべきじゃなかったかも」

提督「もったいないし、後で適当な誰かにあげとこう」

↓2

球磨「なんで球磨が呼ばれたクマ?」

提督「三者面談でもしようかと思って」

球磨「三者面談?」

コンコン

提督「入っていいぞ」

多摩「失礼しますにゃ」

提督「そこに座れ。三者面談を始める」

球磨「球磨が親代わりクマ?」

提督「一応一番お姉ちゃんだしな。さて、多摩の成績だが……うん、他の姉妹に比べて格段に悪いな」

多摩「にゃっ!?」

球磨「あの三人を考えると、しょうがないクマ」

提督「もちろん。多摩は素行がいいからな。周りを盛り上げたりしてくれたり、士気にも関わってくれる」

提督「三人の妹にも押されることなく姉としてちゃんとやっている」

提督「猫っぽいのも個人的にいい」

多摩「最後のが無ければ素直に喜べたにゃ」

球磨「でも、提督からすればいい子ってことクマね」

提督「総合するとそれでいい。じゃあ時間もおしているから次にいこう」

――――――――


提督「北上か」

北上「ちゃちゃっと終わらせてね」

提督「成績優秀。ちょっと適当ってところ以外にはいう事なし。以上」

球磨「速いクマ!」

北上「本当に早く終わらせたね、提督」

提督「さっさと終わらせたのに、何か不満でもあるのかね? ん?」

北上「提督もなんだかんだと言って適当だよね」

提督「まあ、そりゃ」

球磨「球磨には全然伝わってこなかったクマ!」

提督「主要なことは言ったと思うけど。これで伝わらないのならしょうがないよな。なあ、北上」

北上「たしかにそうだね~」

球磨「球磨の存在意義何クマ!?」

――――――――


提督「はい、大井そこ座って」

大井「こんなどうでもいい事もうやめにしませんか」

提督「どうでもいいはないだろ……」

球磨「球磨も大井の評価は気になるクマ」

大井「もう……」

提督「大井は成績優秀だな。撃沈数は北上より上だったはず」

球磨「さすが球磨の妹クマ!」

提督「逆に素行が悪いのが難点だ。上司に舌うちだとか部下のやっていい行動ではない」

大井「でもそれは提督の勝手な都合ですよね」

提督「まあ……あと、北上以外に友達がいるのかは気になっているところだ」

球磨「大井、もしかしてぼっちクマ?」

大井「提督、首を跳ね飛ばされるのと吹き飛ばされるのどちらがいいですか?」

提督「悪かったから、軍刀と砲身を下してくれ」

――――――――

提督「最後は木曾か」

木曾「三者面談か何かか?」

提督「そんなところだ。球磨は親代わりな」

木曾「親か……」

球磨「な、なんでそんな顔で見るクマ」

木曾「いや、似合わないなと思っただけだ」

球磨「それは球磨に対する侮辱クマ!」

木曾「そういう事じゃなくて、やっぱ親よりも姉ってのがしっくりくるだけだ。俺は最高の姉を持ったよ」

球磨「木曾……」

提督「純粋な雷撃は大井と北上だが、木曾はいろんな場面で役に立ってくれる」

提督「球磨が体感したように、素行にも問題は無い。おそらく球磨型で一番優秀だな」

球磨「お姉ちゃんとして鼻が高いクマ」

提督「まあこれで終わりだ」

木曾「なら俺は戻ってもいいか?」

提督「ああ」

球磨「うんうん。球磨は良い妹たちを持ったクマ」

提督「個性も持ってるしな」

球磨「……それで、球磨には何もないクマ?」

提督「さーて、仕事仕事」

球磨「クマっ!?」




提督「だらだらと会話しただけだが、気にせず次にいこう」

↓2

瑞鶴「提督さん、艦隊が無事に帰投したわよ」

提督「ご苦労。お前にはよく旗艦を任せてすまないな」

瑞鶴「提督さんからそんな言葉が出るなんて、雨が降るかも」

提督「せっかく労わってやったのになんだその言いぐさは」

瑞鶴「あはは、冗談だって」

提督「……瑞鶴は良く笑うようになったな」

瑞鶴「そう?」

提督「この艦隊の空気の一因にもなってる。瑞鶴に旗艦を任せる理由の一つだ」

瑞鶴「ほとんど提督さんの適当さが出ているような気がするけど」

提督「俺とみんながいて初めてこの鎮守府が出来ている。一人じゃどうにもならん。瑞鶴だって大切な皆のうちの一人だ」

瑞鶴「……」

提督「瑞鶴は気軽に話せる方だから気も楽だ。戦闘においても戦果を多く上げ、頼りになるしな。翔鶴と支え合ってるところも、いいところだと俺は思うぞ」

瑞鶴「……なんか、提督さんから正面から素直にそういう風に言われると照れるわね」

提督「今までこういう事は言ったことなかったか?」

瑞鶴「そうね。最近の奇行までは提督さんはコミュニケーションが少なかったじゃない」

提督「そうだっけか……? じゃあ、こういうこともか」ギュッ

瑞鶴「なっ……!」

提督「……」

瑞鶴「て、提督さん! 抱きつくのはやめて! ば、爆撃するわよ!」

提督「……すまない瑞鶴」

瑞鶴「え?」

提督「先に爆撃されるようだ」
翔鶴「第一攻撃部隊、目標執務室です!」

ドーン

―司令官室―

提督「戻るのが遅い瑞鶴を見に来たそこには、動揺する瑞鶴を抱きしめる提督の姿が……!」

提督「……まあ、爆撃されるのはしょうがないな。大鳳から話を聞いていればなおさらだ」

提督「おかげさまで、久しぶりに明石に修理を頼むことになってしまった。久しぶりでちょっと張り切っていたようだ」

提督(そろそろ、執務室も大鳳の部屋みたいにならないかなぁ)

↓2

提督「そういえば、大和が中破の時、胸に詰め物していたような……」

提督「よし、おちょくろう」

大和「提督、作戦終了しました」ガチャ 中破

提督「まじでPADだ!」

大和「はい?」

提督「やーい! お前のおっぱいPAD載せ~!」

大和「なっ……こ、これは三段式甲板で……!」

提督「艦娘状態だから、そんなところを厚くしても意味がないと思うぞ」

大和「く、くぅ……」

提督「ていうか、俺そういう(無駄な兵装をつける)の嫌いだし」

大和「」

提督「島風じゃないけど、速さって重要だしな」

大和「」

提督「もちろん、守りのために使っているのなら、詰め物が悪いわけじゃない。無駄ではないからな」

大和「」

提督「それに胸は心臓を守るという意味でも、大切なものだ。おちょくりはしたが、大和の考えは間違っていない」

大和「」

提督「むしろ、武蔵は不安になるな。あんな薄い兵装で大丈夫なのかと……って、大和?」

大和「」

提督「大和? おい、しっかりしろ、大和ーーーーー!」

――――――――


提督「中破してたから、お風呂まで連れて行ってあげた。後はたまたまいた武蔵がやってくれるだろう」

提督「いきなり魂が抜けたようになるなんて、そんなに疲れていたのか? もしくはダメージが重かったのか……」

提督「何か重い症状だったら危ないし、大和にはしばらく休息を与えるとしよう」

↓2

―工廠―

提督「夕張って、明石と仲良いのか?」

夕張「どうでしょう、けっこう工廠で会いますけど、お話することはあんまり無いですね」

提督「悪いんだけど、ちょっと明石と協力して執務室を大鳳みたいな部屋に改装できないか?」

夕張「しようと思えばできますけど……出番無くなったら、また拗ねますよ?」

提督「何度も頼む方がどうかと思うんだけどなぁ」

夕張「それに私が絡むと、明石さんまた劣等感感じると思うのよねぇ……」

提督「でも、技術に関しては夕張に頼んだ方がいいだろ?」

夕張「そうなんですけど、女の子は複雑なんですよ」

提督「ふうん。まあ明石の方が勝っているのは、修理と……」

夕張「と?」

提督「……色気?」

夕張「はい?」

提督「胸とか、明石の方があるじゃん」

夕張「ええ、まあそうですけど……」

提督「腿とか、あのスカートとか、そういった女としての長所は、明石の方があるよな」

夕張「むぅ……」

提督「ケッコンカッコカリが流行ってるけど、するならああいう女性の方がいいかなぁ」

夕張「!」

提督「どうした夕張?」

夕張「いいでしょう! 私の方が役に立つってことをお見せしますから!」

提督「は? いきなりどうした――」
夕張「絶対負けませんから!」ダッ

提督「どうしたんだろうか? あれかな、最近夕張に修理頼まなくなったから、仕事取られたような気にでもなっていたんだろうか」

妖精さん(こいつぁきょうてきだぜ……)

―執務室―

提督「見るからに頑丈そうな部屋になってた。驚きの夕張クオリティ」

提督「でも明石からはちょっと睨まれた。まあお互い切磋琢磨した方が能力も伸びるだろう。うん、ライバルが出来るのはいいことだ」

提督「さて、これで部屋が壊れる心配はもうないな!」

↓2

―夕張の部屋―

提督「夕張、お邪魔するぞ」ガチャ

青葉「青葉もいますよ」

夕張「いらっしゃい。ほら、お茶とか用意してますよ」

提督「悪いな。俺の部屋ではあんまり面白おかしく話すってことが出来ないからな」

青葉「誰が来るかわかりませんもんね。青葉の部屋も、衣笠がいますから」

夕張「その点、私は個人部屋だし、部屋まで来る人はいませんからね」

提督「狙ったわけじゃないからな」

夕張「で、今日は何を話すの?」

青葉「前回は、司令官がもし轟沈したらって話をしましたよね。今回はつっこんだことでも話しましょうか」

提督「と、いうと」

青葉「もし司令官が深海サイドに移り、敵対したらという話しはどうですか」

夕張「夢ではあった話ですね」

提督「夢って……ああ、確かにあったな」

夕張「じゃあ、そのままの設定で行きましょう」

提督「俺は深海へとつく。そして、大本営を潰さなければならない」

青葉「まずはこの鎮守府が先ですよ」

提督「そうだな……俺がいなくなるってことは、この鎮守府は機能をなくしてるも同然だ」

青葉「確かにそうですね」

夕張「でも、殆ど秘書官がやっているんですよね」

提督「さすがに大事な書類まではさぼらん。でだ、その状態の鎮守府なら、おそらくレ級や、ヲ級を派遣させて――」


―部屋の外―

大和「――嘘、ですよね」

間宮「な、何かの間違いですよ。深海につくだなんて、あの提督がそんなはずありません……」

明石(またいつもの奇行の一部じゃないかと思うんだけど)

大和「もう、大本営に話しちゃいましょう」

間宮「え」
明石「え」

大和「提督が裏切らないうちに……!」ダッ

明石「ちょ、ま、待ってください!」

間宮「ど、どうしましょう……」

―次の日・執務室―

提督「今日も適当に仕事して遊ぶかなー」

憲兵「反逆罪の容疑がかかっています。ついてきてください」

提督「出落ち!? ていうか反逆とか……お、俺が何をしたーーーー!」




提督「ふう、夕張と青葉が無罪の照明をしてくれて助かった」

提督「誰が鵜呑みにして通報したんだよ……秘書官か、秘書官なのか。俺があまりにも真面目にしないから怒っているのか」

提督「だが真面目にする気などない」

↓2

提督「くまのん、といえば熊野か」

提督「球磨三隈熊野阿武隈で球磨型(偽)も出来るから、紛らわしいような気がしないでもない」

提督「熊野とはティータイムしてドッキリしたくらいか。ドッキリできてないけど」

↓2

提督「この時のためにマッサージ師の資格を取っておいてよかった」

提督「これならセクハラにならない。待ってろよ熊野」


―最上型の部屋―

熊野「いえ、セクハラですわよ」

提督「なん……だと……」

熊野「同意なら問題はありませんけど、まさか素直にうなずくと思って?」

提督「万に一くらいはあるかなーって」

熊野「さすがにそんな確率ではありませんが……それに、本当にマッサージの資格を持ってるかも疑わしいですわ」

提督「ふーん、熊野がだめって言うなら、三隈か阿武隈辺りに頼んでやる」

熊野「そちらの二人も素直にうけるかしら……」

提督「じゃあ、この買ってきたオイルはどうすればいいんだよ!」

熊野「憲兵さんにでもしてあげればどうですの。お世話になったのでしょう」

提督「……お願いだからその話はやめてくれ。ちょっとトラウマが……うぷっ」

熊野(一体なにがあったんですの……)

提督「どうしてもだめだと?」

熊野「良いっていう理由が逆にありませんの」

提督「……つ、次のエステ代奢るから」

熊野「一番高いコースで頼みますわ」

提督「こいつげんきんだぞ!」

―執務室―

提督「肝心なマッサージシーン? 何事もなく終わったよ」

提督「だいたい……」


熊野『ああ、そこですわ。……結構いいですわね』

熊野『でも、やっぱりお店の方がいいですわ。もちろん、比べることの方が野暮なのですけど』

熊野『あれだけ言っててこの実力はどうかと思いますの。あんまり見せびらかせる内容ではないですわ』

熊野『せめて普通のマッサージくらいに留めておいた方がよろしいかと』


提督「とか言われまくって、俺の精神体力はボロボロだ」

提督「店に勝てる訳ないよ……」

↓2

皐月「呼んだ、司令官」

提督「呼んだぞー、ほらこっち来て」

皐月「何ー?」

提督「ほら肩車してやるぞ」スッ

皐月「でも、司令官はお仕事中じゃないの?」

提督「気にするな。むしろ、かまってあげながら仕事をするという、新たな扉を開けるかもしれないんだ」

皐月「司令官がそう言うなら……」

提督「よーし、俄然やる気が出てきた!」




皐月「~♪」

提督「そして――」

古鷹(なぜ、皐月ちゃんを肩車しているんでしょう……)

千歳(あれはつっこんでいいのかしら……?)

龍田(あんまり触れないほうがいいのかしらね~)

山城(私も姉さまに……いえ、装甲が重いわね……)

睦月(いいなー皐月)

提督「と、いうわけで、次の作戦はこのメンバーで行く。何か質問は?」

霧島「何故肩車をしているのですか?」

古鷹・千歳(言った!)

提督「誰か心が一つになった気がするが……まあこれはなんでもない。気にするな」

千歳「気にしないのは無理かと思います」

古鷹「さすがに職務中は今までなかったものですから……」

提督「そうか? 安心しろ、職務に支障はきたさない。心配するだけ無駄だ」

古鷹「そういう事ではないのですけどね」

睦月「終わったら、睦月もしてくれるかにゃー?」

提督「作戦が終わったらな」

睦月「うん!」

皐月「それまではボクの居場所ー」

霧島(金剛お姉さまが居たら暴走してたところですね……)

―廊下―

金剛「私にも抱っこしてほしいデース!」

大和「わ、私も!」

提督「いや、お前ら背負ったりして業務は出来ないよ。重いし」

金剛「」ガーン
大和「」ガーン


文月「あたしも抱っこ~」

卯月「うーちゃんは背中ぴょん!」

提督「だー! くっつくな、業務の邪魔だ!」

皐月「ごめんね、二人とも」

弥生(混ざれないかな……)チラチラ


鳳翔「あら、ふふっ、微笑ましいですね」

龍鳳「そうですね。お父さんと娘みたいです」

提督「え、そんな年齢に見える?」

皐月「ボクは司令官の娘じゃないよ!」

―執務室―

提督「今日一日やってみた思ったこと。あんまり仕事にならない」

提督「毎日やってたら馴れるのかもしれないけど、一部の要望もわがままになりそうだから、やめだやめ」

提督「それにあんまりやってたら、どこからか砲撃がとんできそうだ」

↓2

提督「プロレスの技って、一般人には危険だが……」

提督「あの大和だしなんとかなるでしょ!」


―大和型の部屋―

提督「……」ガチャ

大和「あれ、提督?」

武蔵「無言入室は珍しいな。何かあったのか?」

提督「……」ギュッ

大和「てて、提督!?」

武蔵「……む、あの掴み方は」

提督「逝くぞ大和!」

大和「は、はいっ!?」

提督「はっ」シュッ

武蔵「持ち上げた……大和、危険だ!」

大和「ど、どういう事ですか!?」

提督「ふははは! もう遅いわ! くらえっ!」ドゴォッ

武蔵「やはり、あの形はジャーマンスープレックス! 大和、大丈夫か!」

提督「ふん、昔はプロレスで危険技と言われたジャーマンスープレックス。無事でいるわけがあるまい」

武蔵「さすがの大和もかなわなかったか!」

大和「一応投げられたのはベッドなので、そこまで痛くないんですが……」

武蔵「受け身とってたしな」

提督「ベッド高いから、勢いもつけれなかったしな」

大和「あと、固めている提督の方が微妙な態勢で痛いのでは……」

提督「よく分かったな。戻せないから武蔵、助けてくれ」

大和(何故そんな無茶な技を……)

―執務室―

提督「背中が微妙に痛い……無茶するんじゃなかった」

提督「これも年って事に……いやいや、俺はまだ若いから。うん」

↓2

―夜・二航戦の部屋―

提督(おじゃましまーす。こうして夜にお邪魔するのも三回目か)

提督(飛龍は……よし、寝てるな)

提督(夜這いって、旧来の日本だとこうして女の元に通えばいいんだよな)

提督(達成したし、帰るか)ガシッ

提督「……」チラッ

飛龍「ムニャ……多聞丸……」

提督(間違えられてる上に、逃げられねーー!!)

飛龍「スゥスゥ……」

提督(ええ……まあ、このまま寝るか。飛龍なら艦載機を飛ばすことはしないだろう)

提督「お休み……」


~朝~

蒼龍「昨夜はぐっすり眠れた?」

飛龍「多聞丸の夢を見た」

蒼龍「さすがにそれは……」

提督「ん……何を話して……?」

蒼龍「あ、起きました? 飛龍が、朝起きると提督を抱きしめてたっていうから」

飛龍「て、提督が忍び込んだんですよね?」

提督「ああ……そうだけど、俺の事をさておいて多聞丸と呟いたのは確かだ」

蒼龍「忍び込む提督もどうかしてますけど、飛龍……」

飛龍「うう……」

提督「ていうか、お前たちは爆撃とかしないのか。珍しいな」

飛龍「まあ、するほど酷いことされてませんし……友永隊で爆撃はさすがにまずいかと」

提督「それもそうか」

―執務室―

提督「ふう……さすがに疲れてきたな。でも、まだまだ遊――」

ドーン

提督「……また砲撃!?」

「カス司令官、いい加減にしなさいよ……」

提督「げっ、秘書官!?」

「クズなのはわかってたけど、さすがに最近遊び過ぎよ……しわ寄せがこっちに来て困ってるのよ……」

提督(静かな怒り……これは間違いなくキレてる!)

「ね、クズ」





霞「いっぺん、死んでみる?」


提督「それ別のネタ――!!」



                               ヽ`
                              ´
                               ´.

                           __,,:::========:::,,__
                        ...‐''゙ .  ` ´ ´、 ゝ   ''‐...
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        .................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´                       ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
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  ;;;;;;゙゙゙゙゙            /                           ゙:                ゙゙゙゙゙;;;;;;
  ゙゙゙゙゙;;;;;;;;............        ;゙                              ゙;       .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
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                         ´゙゙´`゙``´゙`゙´``´゙`゙゙´´



END

明日また昼過ぎくらいにスレ建てます
(個人的に)好きな艦娘が全員安価で登場するまで続けます

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