翼「僕らゴールデンコンビの出番だ岬くん!」加賀「えっ」 (12)




翼「岬くん! ようやく見つけたよ! ここにいたんだね!」


加賀「……」


翼「さあ行こう! 大丈夫。サッカーボールは友達さ!」


加賀「いや、あの」


翼「どうしたんだい? 不思議な顔をして」


加賀「人違い、だと思うのだけれど」


翼「そんなバカな! 君は紛れもなく岬くんじゃないか!」


加賀「……私は加賀という名だけれど」


翼「違う違う。さっき歌っていたじゃないか。ボス戦に入った瞬間に」


加賀「えっ」


翼「加賀は岬、って」


加賀「いや確かに歌ったけれど。少し違うわ。私が歌ったのは加賀岬」


翼「画家岬? ほらお父さんのこともよく知っているし」


加賀「お父様は画家か知らないけれど、私は貴方の知り合いの岬ではないわ」


翼「ええ? おっかしいなあ。あの人に聞いたら、貴方は岬くんだって言ってたのに」


加賀「……あの人?」




日向「惑わされるな翼。そいつが岬だ」


翼「あ、日向くん!」


加賀「おいそこの航空戦艦」




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日向「何を言っている加賀。私は航空戦艦などではない」


日向「タイガー・ズイウン・シュートを放つ最新鋭のサッカー選手だ」


加賀「そんな制空権取れそうなシュート逆に見てみたいわ」


翼「日向くん、この人が岬くんで間違いないんだよね?」


日向「そのとおりだ。こいつが岬だ」


加賀「いやなんでだよ」


日向「加賀よ」


日向「一緒にワールドカップを目指さないか?」


加賀「意味がわからないのだけど」


日向「まあ、そうなるな」


翼「そうなっちゃダメでしょ!! 僕ら3人で一緒にワールドカップを目指そうよ!」


加賀「……いや、本当、なんなのこれ」


日向「彼か? 彼は日本が生み出したサッカーの申し子、大空翼くんだ」


加賀「うん。だからなに」


日向「つまりあれだ」


日向「私と一緒にズイウン・ズイウン・シュートを開発しないか、という状況だ」


加賀「お前さっきから何言ってんの?」





翼「でもおかしいなあ。日向くん、岬くんってこんな弓矢持っていたっけ?」


日向「ああ。この弓矢で新シュートを打つことができる」


日向「名付けて」


日向「やりましたシュート」


翼「おお! す、すっごくやってくれそうだね!!」


加賀「馬鹿にしてんのかオイ」


日向「まあ落ち着け。加賀」


日向「とりあえずあれだ」


日向「私とズイウン・ズイウン・ズイウンを一緒に開発してくれればいいんだ」


加賀「シュートの原型ゼロなのだけど。どれだけ瑞雲開発したいのあなた」


翼「あははっ、日向くんはシュートの開発好きだからね!」


加賀「知らんがな」


日向「そうだ翼。実はまだこの鎮守府には、お前の知っているサッカー選手がいるんだ。私が連れてきた」


翼「えっ! ほ、本当かい!?」


日向「ああ。若島津、出てこいよ」



秋津洲「ん? 呼んだかも?」


翼「おお! 若島津くん!!」


加賀「津しか合ってねえじゃねえか」




日向「彼がどんなシュートでも取れるスーパーゴールキーパー」


日向「若島津だ!!!」


秋津洲「よろしくかも~」


翼「よ、よろしく!」


加賀「待て待て待て」



日向「……なんだ加賀。せっかくの自己紹介場面だろう」


加賀「いや、おかしいでしょう。色々」


秋津洲「秋津洲の何がおかしいのかも!?」


加賀「あなた自分で今秋津洲って言ったじゃない」


秋津洲「それはあれかも」


秋津洲「空耳かも!!」


加賀「……」


日向「まあ、そうなるな」


加賀「いやなんで今そうなるの」


翼「とにもかくにもよろしくね若島津くん!!」


秋津洲「よろしくかも~!」


加賀(まずいわ。私の言語力では勢いも弱いし完全にツッコミ切れない。誰か助けて……!)





日向「むっ……! 2時方向から殺気!?」


日向「行けっ! 『ずいうん』!」ピシュピシュ


ブウウウウウン バシイイッ


日向「!? ずいうんが、止められた……だと!?」


秋津洲「あ、ああっ!! あれはーーーッ!!」



赤城「……まだまだね。日向さん」


加賀「!」


日向「あ、赤城……!」


秋津洲「あ、赤城さんが、瑞雲を受け止めているかもーーーーッ!」


翼(誰だろう)



加賀「赤城さん!!」


赤城「お待たせしましたね。心細かったでしょう」


加賀「え、ええ。もう少しで精神をやられるところでした」


赤城「ここは私に任せておいて、少し休んでてください岬くん」


加賀「あ、ありがとう……って、ん?」


赤城「このS.G.G.K(スーパーグレートゴールキーパー)若林がこの場を収めます!!」


加賀「……」


日向「なっ……!! まさか……赤色繋がりだけで……!?」


翼「き、君が若林くんなのかい!?」


赤城「ええそうです。私が若林です」


加賀(ダメだこれ)



日向「くっ……やるな赤城。それでこそお前だ」


赤城「慢心してはダメ」


秋津洲「あか……若林くんかっこいいかも~!」


翼「いやー。でもこんなに早くみんなに会えると思わなかったよ!」


翼「ね、岬くん!」


加賀「私岬じゃないです」


翼「ええ? 日向くん、この人まだ自分が岬じゃないって言ってるよ?」


日向「お前は紛れもなく岬だ。岬太郎なんだ! 加賀!」


加賀「いや最後加賀って言ってるじゃないですか」


秋津洲「加賀さんは、岬かも! 加賀岬かも!!」


加賀「それただの歌の題名」


赤城「加賀さん」


赤城「ワールドカップを目指しましょう」


加賀「赤城さんに至ってはもう私を岬とすら呼んでない!!」


翼「うーん。どうすれば岬くんだと思ってくれるんだろう」


加賀「ていうか本当あなた誰!!? どっから来たの!?」

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