翼「岬くん! ようやく見つけたよ! ここにいたんだね!」
加賀「……」
翼「さあ行こう! 大丈夫。サッカーボールは友達さ!」
加賀「いや、あの」
翼「どうしたんだい? 不思議な顔をして」
加賀「人違い、だと思うのだけれど」
翼「そんなバカな! 君は紛れもなく岬くんじゃないか!」
加賀「……私は加賀という名だけれど」
翼「違う違う。さっき歌っていたじゃないか。ボス戦に入った瞬間に」
加賀「えっ」
翼「加賀は岬、って」
加賀「いや確かに歌ったけれど。少し違うわ。私が歌ったのは加賀岬」
翼「画家岬? ほらお父さんのこともよく知っているし」
加賀「お父様は画家か知らないけれど、私は貴方の知り合いの岬ではないわ」
翼「ええ? おっかしいなあ。あの人に聞いたら、貴方は岬くんだって言ってたのに」
加賀「……あの人?」
日向「惑わされるな翼。そいつが岬だ」
翼「あ、日向くん!」
加賀「おいそこの航空戦艦」
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日向「何を言っている加賀。私は航空戦艦などではない」
日向「タイガー・ズイウン・シュートを放つ最新鋭のサッカー選手だ」
加賀「そんな制空権取れそうなシュート逆に見てみたいわ」
翼「日向くん、この人が岬くんで間違いないんだよね?」
日向「そのとおりだ。こいつが岬だ」
加賀「いやなんでだよ」
日向「加賀よ」
日向「一緒にワールドカップを目指さないか?」
加賀「意味がわからないのだけど」
日向「まあ、そうなるな」
翼「そうなっちゃダメでしょ!! 僕ら3人で一緒にワールドカップを目指そうよ!」
加賀「……いや、本当、なんなのこれ」
日向「彼か? 彼は日本が生み出したサッカーの申し子、大空翼くんだ」
加賀「うん。だからなに」
日向「つまりあれだ」
日向「私と一緒にズイウン・ズイウン・シュートを開発しないか、という状況だ」
加賀「お前さっきから何言ってんの?」
翼「でもおかしいなあ。日向くん、岬くんってこんな弓矢持っていたっけ?」
日向「ああ。この弓矢で新シュートを打つことができる」
日向「名付けて」
日向「やりましたシュート」
翼「おお! す、すっごくやってくれそうだね!!」
加賀「馬鹿にしてんのかオイ」
日向「まあ落ち着け。加賀」
日向「とりあえずあれだ」
日向「私とズイウン・ズイウン・ズイウンを一緒に開発してくれればいいんだ」
加賀「シュートの原型ゼロなのだけど。どれだけ瑞雲開発したいのあなた」
翼「あははっ、日向くんはシュートの開発好きだからね!」
加賀「知らんがな」
日向「そうだ翼。実はまだこの鎮守府には、お前の知っているサッカー選手がいるんだ。私が連れてきた」
翼「えっ! ほ、本当かい!?」
日向「ああ。若島津、出てこいよ」
秋津洲「ん? 呼んだかも?」
翼「おお! 若島津くん!!」
加賀「津しか合ってねえじゃねえか」
日向「彼がどんなシュートでも取れるスーパーゴールキーパー」
日向「若島津だ!!!」
秋津洲「よろしくかも~」
翼「よ、よろしく!」
加賀「待て待て待て」
日向「……なんだ加賀。せっかくの自己紹介場面だろう」
加賀「いや、おかしいでしょう。色々」
秋津洲「秋津洲の何がおかしいのかも!?」
加賀「あなた自分で今秋津洲って言ったじゃない」
秋津洲「それはあれかも」
秋津洲「空耳かも!!」
加賀「……」
日向「まあ、そうなるな」
加賀「いやなんで今そうなるの」
翼「とにもかくにもよろしくね若島津くん!!」
秋津洲「よろしくかも~!」
加賀(まずいわ。私の言語力では勢いも弱いし完全にツッコミ切れない。誰か助けて……!)
日向「むっ……! 2時方向から殺気!?」
日向「行けっ! 『ずいうん』!」ピシュピシュ
ブウウウウウン バシイイッ
日向「!? ずいうんが、止められた……だと!?」
秋津洲「あ、ああっ!! あれはーーーッ!!」
赤城「……まだまだね。日向さん」
加賀「!」
日向「あ、赤城……!」
秋津洲「あ、赤城さんが、瑞雲を受け止めているかもーーーーッ!」
翼(誰だろう)
加賀「赤城さん!!」
赤城「お待たせしましたね。心細かったでしょう」
加賀「え、ええ。もう少しで精神をやられるところでした」
赤城「ここは私に任せておいて、少し休んでてください岬くん」
加賀「あ、ありがとう……って、ん?」
赤城「このS.G.G.K(スーパーグレートゴールキーパー)若林がこの場を収めます!!」
加賀「……」
日向「なっ……!! まさか……赤色繋がりだけで……!?」
翼「き、君が若林くんなのかい!?」
赤城「ええそうです。私が若林です」
加賀(ダメだこれ)
日向「くっ……やるな赤城。それでこそお前だ」
赤城「慢心してはダメ」
秋津洲「あか……若林くんかっこいいかも~!」
翼「いやー。でもこんなに早くみんなに会えると思わなかったよ!」
翼「ね、岬くん!」
加賀「私岬じゃないです」
翼「ええ? 日向くん、この人まだ自分が岬じゃないって言ってるよ?」
日向「お前は紛れもなく岬だ。岬太郎なんだ! 加賀!」
加賀「いや最後加賀って言ってるじゃないですか」
秋津洲「加賀さんは、岬かも! 加賀岬かも!!」
加賀「それただの歌の題名」
赤城「加賀さん」
赤城「ワールドカップを目指しましょう」
加賀「赤城さんに至ってはもう私を岬とすら呼んでない!!」
翼「うーん。どうすれば岬くんだと思ってくれるんだろう」
加賀「ていうか本当あなた誰!!? どっから来たの!?」
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