モバP「柑奈のカバンから謎の白い粉が出てきた」 (65)

・モバマスのラブ&ピースアイドル、有浦柑奈さんのSSです
・一部キャラクターがゲーム内の設定にそぐわない部分があります、あらかじめご了承ください
・なお、作中に登場する謎の白い粉は、すべてホットケーキミックスです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1436704890

凛「おはようございま――……あれ?」



幸子「ひどいです、横暴です! いくらボクが可愛くて寛容だからってぇ!」

P「我慢しなさい、すぐ終わるから!」

幸子「く、くくっ、屈辱です! ジンケンシンガイですよ!」

P「難しい言葉知ってるなぁ、幸子は……。お、これは……?」

幸子「うわぁぁぁぁん! 見ないでぇぇぇぇ!」

P「あああ、悪かった悪かった」



凛「何……あれ……」

ちひろ「あら、おはようございます、凛ちゃん」

凛「おはよう、ちひろさん。……それより、あれ、何?」

ちひろ「ああ、実は……」

P「……はい、幸子終わりー。ほら、レッスン遅れるぞ。はよ行って来い」

幸子「うぅぅ~~~!」ダッ

凛「あっ、幸子……」

幸子「凛さん……! 気を付けてくださいね! 今日は――……」

P「幸子ー、急げー!」

幸子「Pさんなんて嫌いです~~~~!」ダダッ

凛「行っちゃった……」

P「やれやれ、後で機嫌直してもらわないとな……、……凛、おはよう」

凛「おはよう。……で、プロデューサー。幸子に何してたの」ジトッ

P「持ち物検査」

凛「は?」

P「抜き! 打ち! 持ち物検査~~~!」

凛「うわぁ……」

P「はい、じゃあ渋谷凛さん、カバン寄越して」

凛「はぁ? 私も!?」

P「当然」

凛「嫌」

P「まあ、嫌だろうけど……」

ちひろ「ごめんねぇ、凛ちゃん。カバン、寄越してね?」

凛「ちひろさんまで!?」

ちひろ「トップの指示で、すべてのアイドルの持ち物チェックをするように、っていう通達なの……」

凛「なんでそんな」

P「これはオフレコなんだけどな……、実は、他の事務所で、タレントの薬物所持が見つかって」

凛「うわ……、本当にあるんだ、そういうの」

P「まだマスコミもかぎつけてないらしいけど。今のうちから、火種は摘んでおこうっていう、事務所の方針だ」

凛「でも、うちの事務所は関係ないんでしょ?」

P「だからこそ、しょうもないもらい火で火事起こさないようにしたい、ってところだな」

凛「だからって、カバンのチェックなんて……」

ちひろ「この機会に、アイドルたちの風紀の引き締めを図る、という意図もあるんです」

凛「風紀って……、学校みたい」

ちひろ「学校なら、内内で揉み消せますけど……、アイドルは常に、スキャンダルと隣り合わせですからね」

P「ドラッグに限らず、煙草、コンドーム、その他スキャンダルのタネになりそうな、怪しいものは、すべてチェックさせてもらう」

凛「セクハラ……」ジトッ

P「うーるさい! ほら、カバン出して」

凛「もうちょっと、アイドルを信用してくれてもいいと思うんだけど……」

P「ムグ……」

ちひろ「まあまあ、凛ちゃん。プロデューサーさんも、好きこのんでやっているわけではないですし」

凛「それは、そうかもしれないけど……」

ちひろ「今回は、プロデューサーさんのことを信用してあげてくれませんか?」

P「……うちのアイドルたちに限って、おかしなことはないって分かってる。でも、こういうのは、なあなあにせず、キッチリやることに意味があるんだ」

凛「はぁ……、分かったよ」

P「凛」

凛「はい、カバン」ヒョイ

P「あ、でも渡すのはちひろさんなのね……」

ちひろ「ありがとうございます、凛ちゃん」

凛「どうせ、変な物なんて、入ってないけど。今日はウォークマンと、メイクと、手帳と――……」ハッ


凛(し、しまった――……)

凛(手帳には、プロデューサーとの2ショット写真が挟んで――……!)


P「はーい、御開帳ー」

凛「あっ、あぁっ、まっ……待たれよ我が友!」

P「どうしたー、いつの間に熊本弁なんてマスターしたんだー凛ー」

凛「ちょっ! やっ! やっぱり駄目! 駄目だから!」

P「おいおい、いまさら何を言ってるんだぁ? カバンはもう、こんなに大きく口を開けて待ってるんだぜぇ?」

ちひろ「セクハラくさいですよ、Pさん」

凛「ちひろさん! せめてちひろさん一人にチェックしてもら――……」

ちひろ「……いいんですかぁぁ~~~~?」ニコォォォ

凛「邪なオーラがー……! 駄目ぇー! 悪魔的黄緑事務員無用~~~~~~~~」

P「どうしたー、いつの間に中国語なんてマスターしたんだー凛ー」

ちひろ「よぉし、どんどん調べていくぞぉう(大泉風)」

凛「ああー!! ああーーーー!!!!」









晴「渋谷選手の身体を張ったディフェンスで、ついにゴールラインは割らせなかったらしいぜ」

みちる「ふぅん。あ、カレーパン食べたい。今すぐ」









P「はーい、凛終わりー」

凛「……」ハァハァ

P「だ、大丈夫か?」

凛「平気……。それより、何もなかったよね……?」

P「あ、ああ。問題なしだ。やっぱり凛は、しっかりしてるな」

凛「うん……、何もなかったならいいの……、何もなかったなら……」ハァハァ

ちひろ「あらあら」ニコニコ

凛(ちひろさんの笑顔が怖い……)

P「さて、まだ済んでないアイドルは……、あとは、柑奈だけか」

凛「柑奈さん? でもそこにあるカバン、柑奈さんのでしょ?」

ちひろ「柑奈ちゃん、今日は来てすぐにレッスンだったから……」

P「説明する前に、荷物おいてレッスン行っちゃったんだ」

凛「そうなんだ」

P「……やっちゃうか」

凛「えっ」

P「どうせ遅かれ早かれ、柑奈の分も調べないといけないんだ。今のうちにさっさと片付けるか……」

凛「ちょっと……、本人に無断なんて、ひどくない?」

ちひろ「そうですよ、プロデューサーさん、せめて説明くらいはしてあげないと」

P「まあ、でも、柑奈なら、何となく許してくれそう。な気がする」

凛「分からなくもないけど……」









P『柑奈、聞いてくれ』

柑奈『はい! Pさん!』

P『ラブ&ピースなアイドルの柑奈……、だったら、そのバッグに入っているのは?』

柑奈『ありったけのラブ!』

P『そう、そして、それをチェックするのは、プロダクションのピースを守るため……、ということは?』

柑奈『ら、ラブ&ピース……!』

P『持ち物検査は?』

柑奈『ラブ&ピース!!』

P『持ち物検査はラブ&ピース!!』

柑奈『持ち物検査はラブ&ピース!!』









P「……いける気がする」

ちひろ「いける気がします」

凛(いける気がしてしまった……)

P「というわけで、はいドーン!」ドーン

ちひろ「もう……、プロデューサーさんから、柑奈ちゃんに説明してくださいね」

P「分かってますよ、ちひろさん。……ほら、凛、あんまり見たら駄目だぞ、人のカバン」

凛「分かってるよ……。私、向こう行ってるから」スタスタ

P「さぁて、柑奈の私物はー、っと……」

凛「……」

ちひろ「結構いろいろ、入ってますねぇ」ガサリ

P「大事なものを、肌身離さず持ち歩いてるんでしょうね。ラブを大切にする子ですから」

凛「…………」ピク

ちひろ「あら、これは……」

P「キャンドルですね。クリスマスの時のヤツかな?」

ちひろ「ああ、事務所のみんなに、お菓子をプレゼントしてたときの」

P「みんなとクリスマスを祝えたのが、嬉しかったみたいですね。俺のプレゼントだけじゃなくて、こんなキャンドルも大切に持ち歩いて……」

ちひろ「えっ、プロデューサーさん、プレゼントあげていたんですか?」

凛「…………」ピクピク

P「ええ、まぁ……、ちょっとしたものですけど」

ちひろ「へぇぇ……」

凛「………………」ピクピクピク

ちひろ「それと……、これは……えぇっ!? ナイフ!? ちょっと、プロデューサーさん!」

P「ああ――……、前の公演で使った、小道具ですね。金属製ですけど、偽物ですよ、紙も切れません」チョンチョン

ちひろ「ああ、海賊役をやったときの」

P「あの舞台、本当に嬉しかったらしくて、無理いってもらって来たんですよ」

ちひろ「プロデューサーさんが?」

P「はい、俺が」

凛「……………………」ピクピクピクピク

ちひろ「普段の柑奈ちゃんの、ほのぼのした雰囲気とは、真逆の役でしたけど……、好評でしたね」

P「本人も喜んでましたよ、役になりきると楽しい、って」

ちひろ「プロデューサー冥利につきますねぇ」

P「あはは、いやまったく」

凛「……ちょっと、プロデューサー」

P「お、どうした、凛?」

凛「さっきから柑奈さんトークで盛り上がってばっかりで、持ち物検査、進んでないように見えるんだけど?」

P「あー……、そうだったかな?」

凛「……さっさと片付けるんじゃなかったの? それを柑奈柑奈って……、いいけどさ、別に」

P「……? どうした凛?」

凛「なんでもないっ! ほら、早くやっちゃいなよ! これと! これと!」ガサゴソ

P「お、おい凛! そんなお前、勝手に……」

凛「ほら、このポーチの中も――……」ジーッ パカッ


パサッ

パサッパサッ



凛「……」

P「……」

ちひろ「……」




凛「……」

P「……」

ちひろ「……」


ガサゴソ



パサッ



凛「……」

P「……」

ちひろ「……あ、あの」

P「……ホットケーキミックス」

凛「……えっ」

P「ホットケーキミックスだな、これは」

ちひろ「……あっ、ああ! なるほど! 確かにこれは、ホットケーキミックスですねぇ!」

凛「そ、そうだね! これはもう、あらゆる角度から見ても、ホットケーキミックスだね!」

P「四袋もホットケーキミックスを持ち歩くなんて、四個……このイヤしんぼめッ!!」

ちひろ「美味しいから大丈夫ですよ! あっ、もしかしたら、事務所の皆さんに、ごちそうするつもりだったのかも!」

凛「そう、きっとそう! このホットケーキミックスの、ビニールを破いてね!」

P「それでこの、ナイフの上にちょこっと載せて!」

ちひろ「それからこのキャンドルに火をつけて軽く炙っ



P「駄目だぁー!!!!」

凛「駄目だぁー!!!!」

ちひろ「駄目だぁー!!!!」

P「……」ハァハァ

ちひろ「……」ハァハァ

凛「……そういえば」

P「凛?」

凛「私、柑奈さんに聞かれたことがあって……」

ちひろ「な、何をですか?」










柑奈『凛ちゃんって、お花屋さんの娘さんなんだよね!』

凛『そうだけど……、柑奈さん、花とか好きなの?』

柑奈『うん! お花って、きれいで匂いもよくて……、最高にハッピーだよね!』

凛『あ、う、うん』

柑奈『だからね、自分でも育ててみようと思っていて……、上手なお花の育て方、凛ちゃんに教えてほしいんだ!』

凛『育て方? うん、もちろんいいけど……、育てたい花は、もう決まってるの?』

柑奈『うぅ~ん、まだ悩んでるんだけど……、あっ、花だけじゃなくて、草もいいかも! ハーブみたいな!』


ハーブみたいな――……

ハーブミタイナ――……





P「草!」

凛「クサ!」

P「ハーブ!」

ちひろ「ハーブ!」

P「ナゾノクサ!!!」

凛「クサイハナ!!!!!」

P「ラフレシアー!!!!!!」

凛「ど、どうしよう……、私ばっちり教えちゃった」

ちひろ「教えちゃったんですか!?」

凛「そ、それはもう、懇切丁寧に……、メモまで書いて……」

P「あ~~、やっちまったなぁ~~~~~」

凛「で、でも! まだそうと、決まったわけじゃ……」

ちひろ「……そういえば、私も……」

P「ちひろさんまで!?」

ちひろ「柑奈ちゃん、最近は都会風のオシャレしてくることが、多いじゃないですか」

P「ああ、長崎にいたころは、ヒッピースタイルの服が多かったですけど……」

凛「最近は、いろんなオシャレを勉強してるみたいだね」

ちひろ「でも、この間……、久々にオーガニックなファッションで事務所に来て……」









ちひろ『あら、柑奈ちゃん、今日はいつもと雰囲気違いますね?』

柑奈『ちひろさん、おはようございます! えへ、今日は久しぶりに、ヒッピーファッションでまとめてきました♪』

ちひろ『最近のファッションも素敵でしたけど、今日のも似合ってますね!』

柑奈『えへへ、ありがとうございます! やっぱり、このスタイルの方が、ラブ&ピースって感じで落ち着きますね!』

ちひろ『その帽子も、可愛いですよ』

柑奈『嬉しいなぁ! これ、麻で作った帽子なんですよ! 麻って、手触りが好きで……』

ちひろ『へぇ~そうなんですか!』

柑奈『はい! 私、麻って大好き!』


麻って大好き――……


アサッテダイスキ――……




P「麻!」

ちひろ「アサ!」

P「大きなアサ!」

凛「大きなアサ!」

P「新しいアサが来た!!!!」

ちひろ「希望のアサだ!!!!!」

P「駄目だ……、そんな希望は駄目だよぉ……」

ちひろ「ど、どうしましょう……、あの時私が気づいていれば」オロオロ

凛「ち、ちひろさん、落ち着いて」

P「そ、そういえば、お、俺も……」

ちひろ「プロデューサーさんも!?」

P「あれは、柑奈のグラビア撮影の時……、俺は彼女の水着の食い込みを、穴が開くように見つめていたのだが……」

凛「何してんだあんた」









P『んーっふっふ、イヤー、ずばらじいでずねー』

柑奈『絶対に伝わらない古畑任三郎のモノマネはやめてください! あとどこ見てるんですかぁ!』

P『いやぁ、柑奈に水着の仕事持ってきて正解だったよ。いい感じだよ』

柑奈『あ、ありがとうございます! でも私、そんなにスタイルよくないから……』

P『何を言う! お前ほど水着の似合うアイドルは、なかなかいないぞ!』

柑奈『そうでしょうか……』

P『もちろんだとも! んっふっふ、しかし柑奈の水着姿はカード化されでいまぜんー。残念でずー』

柑奈『か、カード?』

P『サイゲさんよろしくお願いします。ほら、もうちょっとよく見せてごらんよ』ニジリニジリ

柑奈『きゃっ、やだ、もう! Pさんったら……』

撮影AD『あ、そこケーブル危ないッスよー』

P『えっ』



グイッ

バターン



P『ぐえぇっ!』バッタリ

柑奈『Pさん!! 大丈夫!?』

P『だ、大丈夫、大丈夫……』

柑奈『よかった!』ホッ

P『いてて……、こりゃ、柑奈に意地悪したバチが当たったかな』

柑奈『まったくです! ……うふふ、いいクスリですよ!』クスクス


いいクスリですよ――……


イイクスリデスヨ――……




凛「それは違う」

ちひろ「それは違う」

P「うん、これは違うな!!!!!」

凛「……」ジトー

P「う……っ」

ちひろ「プロデューサーさん……、いえ、今は柑奈ちゃんのことです」

凛「そ、そうだね」

P「そうだ、それに、彼女の名前……」

凛「カンナ?」

P「大麻の別称も……」

ちひろ「カンナビス……!」

凛「……」

P「……」

ちひろ「……」

凛「……それも、関係ないのでは?」

ちひろ「はい」

P「育ってきた環境の話だよ。聞く限りでは、柑奈のヒッピー趣味は、お爺さんの影響のようだからな」

ちひろ「た、確かに、もしお爺さんが、筋金入りのヒッピーだったら……」

凛「……どういうこと?」

P「昔のヒッピー文化っていうのは、マリファナ……大麻と縁が深かったんだよ」

凛「そ、そうなの?」

ちひろ「もちろん、皆が皆、そうだったというわけではないですが……、そういう文化だった、と言われています」

凛「へぇ……」

ちひろ「だから、ラブ&ピースを歌って心もハッピー」

P「戦争反対で世界もハッピー」

ちひろ「素敵なクサで頭もハッ



P「駄目だぁー!!!!」

凛「駄目だぁー!!!!」

ちひろ「駄目だぁー!!!!」

凛「……」ハァハァ

P「……」ハァハァ

ちひろ「……」ハァハァ

凛「……柑奈さんは」

P「……」

凛「柑奈はそんな人じゃないよ……」

P「分かってる。柑奈のラブ&ピースは、つまらない薬物に頼らないといけないような、チャチなものじゃない」

ちひろ「プロデューサーさん……」

P「でも、もし、柑奈が何か、悩んでいたとしたら……」

凛「……」

P「生まれ育った長崎から、ひとり離れて東京に出てきて……、孤独なまま、誰にも悩みを打ち明けられずにいたら……」

ちひろ「……」

P「そんなときに、いけない薬を勧められて……」









柑奈『……もう、疲れちゃったな、私……』

柑奈『……』

柑奈『これを使えば……、また前みたいに、ラブ&ピースな私でいられるのかな……?』

柑奈『……いいよね、きっとお爺ちゃんも、昔は……』

柑奈『最高にハッピーな気持ちになれば、きっとまた、ラブ&ピースを歌えるから……』

柑奈『だったら、そのためなら……』






春の木漏れ日の中で


君の優しさに


埋もれていた僕は


弱虫だったんだよね


凛「ま、まさか!」

ちひろ「もし、そうだとしたら……」

P「助けなきゃ! 柑奈を!」

ちひろ「プロデューサーさん……!」ジーン

凛「……ま、やるときはやるって、思ってたけど」


ガチャ


柑奈「お疲れ様でーす! レッスン終わりましたー!」

P「……!」ダッ

ちひろ「逃げんな」ガシッ

凛「逃げんな」ガシッ

柑奈「Pさんとちひろさん、さっきぶりです♪」

P「う、うん、そうだな」

ちひろ「お、お、お疲れ様です、柑奈ちゃん……」

柑奈「凛ちゃんも、おはよう! 今日もばっちり決まってるね!」

凛「キマってないから! 私別にキメてないから!」

P「凛……お前やっぱり……」

凛「やっぱりとか言うな!」

柑奈「いや……私服のコーディネートのことだったんだけど……、どうかした?」

凛「そそそそうだよね! う、うん、分かってる分かってる!」

P「そ、そうそう! 大丈夫だって、大丈夫。ねえ、ちひろさん」

ちひろ「も、もももちろんですよ! 全然大丈夫です!」

柑奈「どうしたんですか? 三人とも様子がおかしいですよっ!」

ちひろ「そ、そうですか?」

P「む、むしろ柑奈の様子が普通なんじゃないか? 今日はまだ……」

凛「……しぶやりんチョップ!」ゴッ

P「ぐほっ!」

柑奈「今日は、まだ……?」

P「なんでもない、なんでも……、それより……」

柑奈「はい?」

P「柑奈、これを見てくれ……」

柑奈「はい……? ってあぁっ!? 私のカバンの中身!?」

P「そうだ。悪いが、検めさせてもらった」

柑奈「わっ、わわ、どうしてですか~!?」

P「ラブ&ピース検査だ」

柑奈「ら、ラブ&ピース検査……、そっか、そうだったんですね……」



凛(……やっぱりちょっと、ハッピーな気分になってるんじゃないの? 受け答えが……)ヒソヒソ

ちひろ(いえ、まだそうと決まったわけでは……)ヒソヒソ



柑奈(うわ~~~~、ラブ&ピースのためとはいえ、Pさんにカバンの中見られちゃったよぉ~~~)

柑奈(これじゃ恥ずかし&ピースだよ~~~~!)

柑奈(しかもこんな日に限って、ホットケーキミックスを四袋も持ち歩いちゃってるし……)

柑奈(これじゃあホットケーキキチでキャラが立っちゃうよ~~~~~!)

柑奈「ほ、ホットケーキダブルピース……」ブイッ

P「……?」

凛「ヒソヒソ」

ちひろ「ヒソヒソ」

P「……コホン、それで、柑奈……すまないが」

柑奈「は、はい?」

P「これは、どういうことなのか、ちゃんと説明してくれないか?」

柑奈「せ、説明……っ!?」

柑奈(どういうことだろ……、説明しろって言われても……)

柑奈(Pさん、ちょっと怖い顔してるし、「なんのことですか?」なんて、聞きづらい……)

柑奈(でも、机に広げられてるのは、普通の私物と……、あとはホットケーキミックスだけだし……)


柑奈「え、え~っと」



柑奈(……あっ! もしかして、あのナイフ……!)

柑奈(Pさん、公演のときのものだって、忘れてて……、それで勘違いしてるのかも!)


柑奈「違いますよ、Pさん! それは単なる役のもので……」

P「ヤク!?」

凛「ヤク!!?」

ちひろ「ヤクのモノ!?!?」

柑奈「え、は、はい」

P「か、柑奈……! いつからだ! これはいつ……!」

柑奈「いつって……、ほら、オーシャンクルーズ公演のときですよ。あのときは、みんな素敵な役をもらったって、とっても喜んで……」

P「み、みんな!?」

柑奈「はい! みんな、自分たちの役に夢中になって、フラフラになるまでやりきったんですから!」

P「み、みんなヤクに夢中でフラフラに~~~~~~!!!!?」

ちひろ「[自由の海姫]大槻唯~~~~~~(SR)!!!!?」

凛「[ドランカーパイレーツ]柊志乃~~~~~~(SR)!!!!?」

ちひろ「[シーパイレーツ]衛藤美紗希~~~~~~(R)!!!!?」

P「み、みんなぁぁ……」ガクッ



柑奈「またあんな、最高にハッピーなヤクがほしいなぁ……」

P「駄目だぁー!!!!」ガバッ

凛「駄目だぁー!!!!」ガバッ

ちひろ「駄目だぁー!!!!」ガバッ


柑奈「きゃあ! ど、どうしたんですか、皆さん!? 急に抱き付いてきて!!」

P「柑奈ぁー! すまなかった、俺が頼りないばっかりにー! もう辛い思いはさせないぞー!」ギュゥー

凛「柑奈さん! 私たち仲間だから! どんなときでも、独りじゃないからぁー!」ギュゥー

ちひろ「私が、私たちがついてますからー! もう悲しい日々は終わりですからぁー!」ギュゥー

柑奈「ちょ……皆さん、苦しいですよぉ……!」アワアワ


柑奈(……でも、こうして皆さんに抱き付かれて)

柑奈(誰かの体温を、身近に感じていると……)

P「柑奈ぁ……」

凛「柑奈さん……」

ちひろ「柑奈ちゃん……」

柑奈「皆さん……」



柑奈(こうしてると、すごく、穏やかな気持ちになってきて……)

柑奈(心がふわふわして……)


柑奈「……私、今すごくハッピーな気持ちです♪」



P「駄目ぇー!!!!」

凛「駄目ぇー!!!!」

ちひろ「駄目ぇー!!!!」

柑奈「えっ!? えぇ~~~~!?!?」






晴「その後……、まあロスタイムだな」

みちる「カレーパンって、カレー入ってなかったらもっと美味しいと思わない?」




幸子「……」

P「幸子ー、ほら、いつまでもムクれてないで、こっち来て柑奈のホットケーキ食べようぜー」

幸子「……」プイッ

凛「これ、すごく美味しいよ、幸子」

ちひろ「本当に、市販のホットケーキミックスとは、思えないくらいです!」

幸子「…………」ジュル

P「持ち物検査の件は、謝るからさ、機嫌直してくれよー」

幸子「……むぅ」

柑奈「幸子ちゃん」

幸子「柑奈さん……」

柑奈「相手を許してあげること、そこからピースが生まれるんだよ」

幸子「……」

柑奈「そしてピースが深まれば……それはラブ! ラブ&ピースなんだよ!」

幸子「……ラブ&ピース」

柑奈「幸子ちゃんには、怒った顔より、ハッピーな笑顔の方が似合うと思うな♪」

幸子「柑奈さん……、はぁ……仕方ありませんね」

P「お」

柑奈「よかった♪」

幸子「柑奈のラブ&ピースに免じて、今回だけは許してあげますからね! Pさん!」

P「うんうん、ごめんな」ナデナデ

幸子「フフーン、可愛い上に優しいボクに感謝するんですよ!」

P「うんうん。柑奈ー、幸子にもホットケーキ一枚ー」

柑奈「もう出来上がりましたよ、はい、召し上がれ♪」

幸子「わぁ……! い、いただきます!」キラキラ

P「しかし、本当にうまいな、これ」モグモグ

凛「だね」ムグ

柑奈「実は、隠し味が入ってるんですよ!」

P「……隠し味は、柑奈のラブとピースって言うんだろ?」

柑奈「もちろん! ……でもそれだけじゃなくて、もう一味、入れてるんですよ」

ちひろ「へぇ、いったい何が、入ってるんですか?」モグモグ

柑奈「はい! それは……」



柑奈「自家製ハーブです!!」



P「駄目ぇー!!!!」

凛「駄目ぇー!!!!」

ちひろ「駄目ぇー!!!!」

幸子「?」モグ

おわり

有浦柑奈さん可愛い

忘れていました

当SSは、ラーメンズの「お引越し」というコントから一部設定、アイデア等を得ています
わざわざ言うほどのことでもありませんが、一応

あと柑奈さんの水着SRがほしい
ほしいなぁ

以上、よろしくご確認の程お願いいたします

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