モバP「今年の中二病はたちが悪い」 (41)


※花粉症とかのノリで


P「って、ニュースで言ってましたよ」

ちひろ「毎年そんなこと言ってません?」

P「直接の健康被害はないですからね。未だに予防法も確立されてませんし」

P「どんどん感染者が増えてるんでしょう」

ちひろ「風邪予防に手洗いうがい、みたいな簡単な予防法でいいんですけどね」

ちひろ「健康被害はなくても、アイドルの仕事には影響ありますよ」

P「そもそもウチはすでに中二病の子がいますから。感染しやすいんですよねぇ」

ちひろ「……まあ、逆に中二病で売り出してヒットしているので、あんまり悪くも言えませんが」


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「闇に飲まれよ」



P「おはよう、蘭子……じゃなくて卯月か」

卯月「くくく……我をかの魔王と見誤るとはな」

P「……うん、そうだね、ごめんね」

卯月「構わぬ。一般人が魔力の波動を感知出来るだけでも大したものよ」

ちひろ「明らかに蘭子ちゃんから感染ったみたいですね」

ちひろ(言ってることはまだ分かりやすいけど)

ちひろ「ところで中二病患者に対して、真っ向から否定するのと話を合わせるのと、どっちが良いんでしょうね?」

P「全否定すると自分の殻にこもりそうな……でも合わせると悪化するかも?」

ちひろ「どっちもどっちですねぇ」

ちひろ「それより、今週のデレラジ収録はどうしましょう?」

P「あとの二人が今の卯月をさばけるなら良いんですが」

凛「おはよう、P、ちひろさん」

P「おはよ……う?」

P(左手に包帯巻いてる……)

凛(チラッ チラッ)

P(すごく聞いてほしそうな顔をしている)

P「あー、凛。その包帯は――」

凛「聞かないほうがいいよ。今の平和な生活を続けたければ……ね」

P「そうか、じゃあ聞かない――」

凛「こればっかりは話せないんだ。Pをヤツラとの戦いに巻き込みたくないから」

P(聞かないって言ったはずなんだがなぁ)

凛「でもどうしてもというなら……この世の終わりを見る覚悟があるなら教えてもいいよ」キリッ

P「わー、それは即決できないわー。すごく聞きたいけどそんなこと言われたら悩むなー(棒)」

凛「うん、今はそれが良い。懸命な判断だよ」

P(よく分からんがとりあえず言いたいこと言って満足したらしい)

卯月「我が友よ。そのチカラはまさか暗黒物質を取り込んだのか」

凛「さすがだね、一瞬で見抜くなんて」

ちひろ「アレって普通の会話にしたら『凛ちゃんも風邪引いちゃったのー?』『そうなんだ、ゴホゴホ』とかですよね」ヒソヒソ

P「まあまあ、彼女達に落ち度はないんですから。暖かく見守りましょうよ」ヒソヒソ

美嘉「おはよー」

P「あ……美嘉は普通だ」

美嘉「ん、どういう意味?」

P「実は卯月と凛が中二病になってしまって」

美嘉「えー、大変だなぁ」

P「とりあえず今週のデレラジについて打ち合わせしよう」

美嘉「分かった」

ちひろ「美嘉ちゃん、何か飲む?」

美嘉「じゃあブラックコーヒーで」

P「……」

ちひろ「……」

美嘉「え、どうしたの?」

P「いつも砂糖とミルク入れてなかったっけ?」

美嘉「卒業したの。もう子供じゃないんだから」

ちひろ「じゃあ……どうぞ」

美嘉「ありがとう、ちひろさん」グイッ

美嘉「……~~っ!!(><)」

P(すごく苦そう。そうか、大人ぶるのも中二病か)

美嘉「……と、ところでP、アメリカってどう思う?」

P「は、アメリカ!? 急にどうした?」

美嘉「いや、実はね。昔は憧れの外国って思ってたけど、最近本性に気づいてしまったというか」

P「へー……たとえば?」

美嘉「正義のためとか言って戦争してるけど、結局自分たちが儲けたいだけでさー」ペラペラ

P(得意気に語っているけど、知識がす ご く 浅い)

P(……よし)


Prrrr
P「もしもし、次の水曜何か用事ある? ……ない? じゃあデレラジの緊急パーソナリティできるか?」

P「……いや、レギュラーの三人が病気で。……そう、ほかに代わりの務まる人がいないんだよ」

P「うん、幸子は世界一カワイイからな。じゃあよろしく」

ちひろ「幸子ちゃんを代役にするんですか?」

P「そうです。ただ幸子には話してませんが、この三人も出演させます」

P「中二病の三人に幸子が散々振り回されるわけです、良いと思いません?」

ちひろ「涙目になって必死に番組を進行させようとする姿が目に浮かびますね……面白そうですね」

ちひろ「お主も悪よのう、ウッシッシ」

P「いえいえ、お代官様にはかないませぬわ」

~デレラジ本番~
幸子「でれっす~! 輿水幸子です!」

幸子「フフーン、皆さん驚きましたか? 今日は特別に、このボクがパーソナリティですよ」

幸子「レギュラーの3人? そうですよね、いくらボクが可愛くても突然の変更は驚くでしょう」

幸子「実は卯月さん、凛さん、美嘉さんの3人は病気で……え、なんで来てるんですか?」

幸子「あ、ちょっと、今本番中ですよ? スタジオ入っちゃダメですって」

卯月「大儀である」

幸子「はぁ?」

凛「パーソナリティは幸子だけど私達も出演するんだよ、聞いてなかった?」

幸子「き、聞いてません……というか、もしかして病気って」

P(カンペ)「中二病なんでヨロシク!」

凛「そっか、知らなかったんだ……きっとヤツラの妨害で幸子まで伝わらなかったんだ」

幸子「ヤツラって誰ですか!?」

美嘉「レジデント・オブ・サン……いや、ごめん、なんでもない。聞かなかったことにして」

幸子「あの、生放送なんですけど」

卯月「心配いらぬ。我が魔力により当り障りのない単語に変換されているであろう」

幸子「へー、魔力って凄いですねー(棒)」





幸子「えー、というわけでなんと、恋のお悩み相談メールです」

幸子「聞くところによると、番組開始以来3回目くらいらしいですね」

幸子「……少ないですね。イベントの感想から恋の悩みまで~って言ってるのに」

美嘉「まあ~、私はほら、いわゆるオトナの恋愛マイスターだからね」

美嘉「雲の上の存在すぎて逆に相談しづらいんだよ、きっと」

幸子「は、はあ……」

卯月「我もまた似た理由であろう」

卯月「恋愛経験といえば、その相手は神であったり、精霊であったり……」

卯月「およそ人間の参考にはならぬであろうからな」

幸子「そうですか……で、でも、恋愛感情はどんな生き物でも同じですよね?」

卯月「愛する者のために49の異世界を滅ぼした話などが参考になるのか?」

幸子「…………なりません」

幸子「り、凛さんはどうですか?」

凛「私は一応人間だけど、チカラと引き換えに感情を殺してしまったから……身のある話はできないんだ」

幸子「感情を殺す前に恋愛経験は!?」

凛「ないね」

幸子(ぐぬぬ……)

卯月「いささか驚いたぞ。感情を殺すだけでそのような強大なチカラを手に入れられるとは……!」

美嘉「私もときどき感情を殺したいって思うことがあるよ」

美嘉「チカラが欲しいわけじゃなくて、人間関係に疲れて……なんだけどサ」フッ

幸子(どう考えてもそんな生活してるとは思えませんが!?)

P(カンペ)「幸子、相談に答えて」

幸子「あーもー仕方ないですね! 相談にはこのボクが答えましょう」

幸子「学校の先輩ということですが――」

凛「学校にいけるって幸せなことだよ。私は失うまで気付かなかった……」

幸子(ブッ込んでこないでくださいよー、今答えてるでしょー?)

卯月「そんなことはどうでも良い。どうやってその強大なチカラを手に入れたのだ?」

凛「どうでも良くないよ。知らないことを学ぶって素晴らしいことなんだから」

美嘉「そうだねー、私も今エスペラント語を勉強してるところだよ」

卯月「む、すまぬ。我は賢者の石のおかげで学ぶ必要がないものでな……」

凛「ルシフェル……じゃなくて世を忍ぶ仮の名前は卯月だっけ?」

凛「私のチカラなんて卯月に比べれば大したことないでしょ?」

卯月「いや、チカラの強弱ではなく感情を殺す、というのがな……杞憂であればよいが」

卯月「もしやあやつの差金か……まあ、今は気にせずともよかろう」

凛「ところで話戻るけどエスペラント語って何?」

美嘉「人工言語なんだけど、すべての人の第二言語を目指して作られたんだって」

美嘉「英語はもちろん、フランス語やラテン語もかじったけど」

美嘉「エスペラント語は私にあってるみたいでさー」ドヤッ

幸子(収拾がつきませんよー、誰か助けてー (><))


その後、中二病発症者が次々現れた……。


~佐々木千枝の場合~
千枝「千枝は悪い子です……じゃなくて悪い子、なんだぜ~」

千枝「へっへっへ。悪い子だから……えっとー…………」

P(精一杯考えてる)

千枝「まだ使ってないシャープペンの芯を折ってやる~!」ポキポキ

P「うわあ、なんてもったいない! あんまりだ、やめてくれー!!」

ちひろ(ノリノリですねぇ)

ちひろ(それにしても、悪事のスケールが小さい千枝ちゃん可愛すぎ)

千枝「誰がやめるか~! 次は……うーん」

千枝「ライターで火遊びしちゃうぞー」

P「千枝……いくら悪い子でもやって良いことと悪いことがある」

P「火遊びするならもう千枝とはお仕事できないぞ」

ビクッ
千枝「……っ! ご、ごめんなさい。火遊びはしません」

P「分かれば良いんだ。たとえ悪い子でも、千枝は分別のつく子だからな」

千枝「……で、でもやっぱり悪い子だから」

千枝「オシオキしないと、また火遊びしたくなっちゃうかも……だぜ?」

P「えっ?」

千枝「お、お尻ペンペンしないと……火遊びしちゃうぞっ!」

ズキュゥーン!! ※心を撃ち抜かれる音
P「」

ちひろ(千枝ちゃん……色んな意味で末恐ろしい!)

~川島瑞樹の場合~
ちひろ「瑞樹さん、どうしたんでしょうね? 急に飛び出して行っちゃいましたけど」

P「メールを見たようでしたから……何かの緊急連絡ですかね」

P「あ、戻ってきた」

瑞樹「急にごめんなさいね。ちょっと知り合いにトラブルが起きたみたいで」

P「そうですか、もしすぐ帰ったほうが良いなら言ってください」

瑞樹「ううん、そういうことは必要ないから」

瑞樹「あっ、ちょっと待って、また」

瑞樹「もしもし? ……本当に? じゃあ、今すぐ全株利食いして! ええ、全株で構わないわ」

瑞樹「はあー、もう。それくらい自分で判断してほしいわね」

ちひろ「瑞樹さん……株やってるんですか?」

瑞樹「聞こえてたかしら? そうなのよ、大した額じゃないんだけどね、オホホ」

ヒソヒソ
ちひろ「Pさん、Pさん」

ちひろ「アレは中二病です」

P「やっぱり?」

ちひろ「この時間は取引出来ないんですよ。株価も動きませんし」

ちひろ「あと、実はケータイ着信してませんでした」

P「オゥ……つめが甘いなぁ」

ちひろ「まさか瑞樹さんまで中二病になるなんて」

P「普通は思春期の頃が一番発症しやすいんですが……」

ちひろ「ある意味若いってことなんでしょうか?」

~棟方愛海の場合~
愛海「P……はぁはぁ、助けて」

P「愛海、どうした!?」

愛海「あたしの両手が、暴走しようとしている……っ!」

愛海「今はなんとか精神力で抑えこんでるけど、完全に封じるには……わきわきするしか……!」

P「…………へー、わきわき」

愛海「ごめん、まさかこんなことになるなんて……中二病を甘く見ていたよッ」

P「愛海は中二病なのか?」

愛海「そうだよ、見れば分かるでしょ?」

愛海「ちひろさん……くうっ、はぁはぁ」

ちひろ「は、はい!?」

愛海「あたしを助けると思って、その膨らみを……ッ!」

P「愛海、一ついいことを教えてやろう」

P「本物の中二病は、本人に自覚がないんだ」

愛海「……」

P「…………」

愛海「バレちゃ仕方ない! ちひろさーん!」ダダダ

ちひろ「きゃああ!」

ガシッ
清良「愛海ちゃーん、治療が必要みたいですね~?」

愛海「えっ!? 清良さん、いつのまに!?」

愛海「大丈夫、何も病気してないよ!」ジタバタ

清良「そーお? オツムの病気じゃないかなーっと思うんだけど」

清良「それとも早苗さんや木場さんのほうがいいかしら」

愛海「P、助けて!」

P「いってらっしゃい」

愛海「イヤだーー!!」ズルズル

~佐久間まゆの場合~
P「ようやく中二病の発症者も減ってきましたねぇ」

ちひろ「大流行でしたね……でもなんというか、大きなトラブルにもならなくて良かったです」

ちひろ「みんなのお仕事への影響も殆どなかったのが幸いでした」

P「グラビア撮影系は関係ないし、バラエティ番組系はむしろ面白いってことでオファーが増えたくらいだし」

ちひろ「蘭子ちゃんっていう大ヒットの前例があったおかげですけどね」

P「厄介な病気ですけど、つきあいかた次第って気もしますね」

ちひろ「そんな病気普通ありませんよね……スゴイですね」

まゆ「おはようございます」

ちひろ「あら、おはようまゆちゃん」

P「おはよう、まゆ。そういえばまゆはかからなかったよな」

まゆ「なにがですか?」

P「なんでもない、こっちの話」

まゆ「Pさん、今日のお昼ごはんはどうするか決めてます?」

P「いや、特に決めてないな。適当に外食すると思うけど」

まゆ「良かった。お弁当作ってきたので、ぜひ食べてください」

P「おお、ありがとう~」

まゆ「それと、明日からも毎日作ってきますから」

P「毎日? 嬉しいけど大変じゃないか?」

まゆ「いつも自分の分を作っているので、一人分も二人分も大して変わりませんよ」

まゆ「それに……ずっと、そうしたかったんです」

まゆ「でももしかして迷惑じゃないかと思ったらなかなか勇気が出なくて」

P「今日は勇気が出たんだ?」

まゆ「はい、ようやく思い出したんです」

まゆ「昔から、Pさんはまゆのお料理が大好きだから、迷惑なはずがないって」

P「……うん?」

まゆ「前世でも、まゆはPさんに毎日お料理を作っていたんですよ?」

P「…………前世?」

まゆ「残念ながらPさんには前世の記憶が無いから、まゆの言ってることが信じられないかもしれませんけど」

まゆ「前世では夫婦だったんです。その前も、さらに前も」

まゆ「出会った時からずーっと結ばれてきたんですよぉ」

P(あー……重度の中二病だ、これは)

まゆ「初めての出会いは、まゆがとある国のお姫様でPさんは近衛兵。二人は一目あったその時から恋に落ち……」





まゆ「身分違いの恋に悩んだ二人は国を捨てて駆け落ちを……」





まゆ「悪魔に呪いをかけられ、何度転生しても結ばれない運命にされてしまったんです……」





まゆ「転生するたびに、二人は愛の力で呪いを破ってきました。でもその代償にPさんは前世の記憶を失くすことに……」





まゆ「……というわけです。分かってもらえました?」

P「うん、よく分かった。結婚しよう」

まゆ「はい♪」





ちひろ(すっかり洗脳されちゃってまあ……)

ちひろ「って結婚!?」

ちひろ「中二病で婚活……そういうのもあるのか!」



   佐久間まゆ大勝利!

希望の未来へレディーゴーッ!!

                       終

以上で終了です
アイプロ中二病編とかありませんかね?

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