幼馴染「え?ボク?」男「そうだよ!」(113)

幼「なんだよ男。ボク急いでるんだけど」

男「お前には恥じらいがないのか?」

幼「何それ、美味しいの?」

男「そんな短いスカートで、全力疾走してたら」

男「中身見えちゃうだろっ!」

幼「あぁ、コレ?」

男「バカ!往来でスカートをまくるな!」

幼「あははっ。大丈夫、中身はスパッツだから」

男「そう言う問題じゃねぇ!」

幼「別にボクは恥ずかしくないって」

男「幼馴染として、俺が恥ずかしいよっ!」

幼「ちょっと意味解んない」

幼「ホント、急いでるんで、また後でねっ」

男「おい!幼っ!」

幼「はははっ。男、ボクの格好をとやかく言いたいならっ」

幼「ボクに追いついてご覧よっ!」

男「…」

男「…くそっ」

幼「改めて、おっはよう、男!」

男「またhrギリギリまで、朝練か?」

幼「そうだよっ」

幼「来週の練習試合に向けて、みんな気合十分だからねっ」

男「…おう、頑張れよ。精一杯応援すっから」

幼「ボクはやるよーーーーっ!」

担任「やる気があるのは良い事だが、自分の席に着け、幼」

幼「あ、あははっ。すみませんっ、先生」

幼「はーい!パスパス!こっちフリーだよっ」

幼友「幼っ!」
シュッ

幼「幼友、ナイスパス!」
バサッ

女バスa「ナイスシュート、幼!」

女バスb「ちぇー。綺麗に抜かれちゃったー」

女バスc「幼、速いねー」

幼「ボク、小さいからっ、速さでカバーしなきゃねっ!」

女バスd「さぁ、私達も負けてられないよっ!」

キャプテン「その通り!1本取るよっ」

女バスc「はいっ!」

幼「こっちも行くよ!」

幼「この1本、絶対止めるよっ!」

幼「はぁー。今日も疲れた~」

キャプテン「そうね。コート内で幼が一番走ってたもんね」

幼「熱血!集中!ひらめきっ!」

幼「背が足りない分は、そう言う…根性でカバーですっ!」

キャプテン「根性ね、フフフ」

幼「はいっ!根性ですっ!」

監督「ウチのガードは幼で決まりだね」

キャプテン「はい、ウチのチームは全体的に速い選手が多いですけど」

キャプテン「幼の速さと、あのスタミナは強力な武器です」

監督「それにコート全体をよく見ているよね」

キャプテン「そうですね。試合の組み立て方も上手いです」

キャプテン「シューターとしてもそこそこ良いんですが…」

キャプテン「やっぱり高さが足りないですからね」

監督「うん。ポイントガードとして、スタメンで使おう」

キャプテン「はい」

キャプテン「…あと」

監督「なぁに?」

キャプテン「根性、ありますしね。ふふふ」

監督「根性ね…確かに。ふふ」

監督「来週の試合、絶対勝ちましょう!」

キャプテン「はい!」

幼「幼友、帰りどこか寄って行く?」

幼友「いやぁ、私はパス。帰って眠りたいよ」

幼「そっかー。じゃあ一緒に帰ろっ」

幼友「はいはいー」

幼「ボク、先に校門の所で待ってるよっ」

幼「はいよー」

イケメン「…やあ、幼ちゃん」

幼「あ、先輩、お疲れ様でーすっ」

イケメン「今帰り?」

幼「はいっ。先輩も今帰りですか?」

イケメン「…良ければ一緒に帰らないかい?」

幼「あ、幼友と一緒に帰る約束してるんですけど良いですか?」

イケメン「うーん。先に2人で帰らない?」

幼「でも、約束してるんでっ。すみません先輩っ」

イケメン「そうかい。それじゃ、僕はお先に、ね」

幼「お疲れ様でしたーーっ」

幼友「幼、おまたせーって、あれ?」

幼「早かったねっ。さあ帰ろう!」

幼友「今の、男バスのキャプテンさん?」

幼「うん、そう。一緒に帰ろうって言われたけど」

幼「2人で帰ろうって言われたから、断ったよ」

幼友「学校一の色男からの誘いを断るなんて」

幼友「アンタ、相変わらずだねぇ」

幼「なんの事さ?意味わかんない」

幼「そんな事より、早く帰ろうっ」

幼「ボク、お腹空いちゃったよー」

幼友「はいはい、帰ろ帰ろ」

?「…」

幼「じゃね、幼友!また明日、朝練で会おうねっ!」

幼友「いやぁ、寝過ごしたらごめんね?」

幼「朝、起こしに来るよっ?」

幼友「ちゃんと、起きます!朝練出ます!」

幼友「アンタの起こし方は熱血すぎるから!」

幼「明日も練習頑張ろうねっ!」

幼友「お休み、幼」

幼「お休みっ、幼友!」

男「おーい、幼~」

幼「あ、男!やほー!」

男「今帰りか?」

幼「そうだよっ」

男「おばさんたち、今日も遅いんだろ?」

男「ウチで飯食って行けよ」

幼「ホント?助かるよっ」

男「ほら、召し上がれ!」

幼「おぉー!男の手料理っ!」

幼「いただきまーーーーすっ!」

男「元気一杯だな、幼」

幼「それがボクのとりえだからねっ!」

男「元気なのは良い事だ!遠慮しないでたくさん食べろよ」

幼「わーーい」

幼「…相変わらず美味しいねぇ」
モグモグモグ

男「そう言ってもらえると、嬉しいよ」

幼「もう、男、コックさんになったら?」
モグモグ

男「それほどの味では無いだろう」

幼「いやいや、ご謙遜を」
モグモグ

男「そんな事よりな、幼」

幼「なぁに?」
モグモグ

男「ちょっと、食べながらで良いから聞いてくれ」

幼「うん」
モグモグ

男「朝の事だけどな?」

幼「朝?何かあったっけ?」
モグモグ

男「あのな、幼。お前は…」

幼「男、おかわりっ!」

男「おぅ、はいはい」

幼「で?朝、何だっけ?」

男「お前、もっと自分の格好に頓着持てよ」

幼「格好?あぁ、このスパッツの事?」

男「だから、スカートをまくるな!」

幼「別にいいじゃん、ボクは気にしないよっ」

男「幼が気にしてなくても、周囲は違うんだよっ」

幼「?」
モグモグ

男「お前はその…可愛い女の子なんだから」

幼「ぶはっ、ごほごほっ」

男「うわっ、大丈夫か、幼!?」

幼「男が急に変な事言うから、吹いちゃったじゃんか!」

男「ほら、これで顔拭けよ」

幼「ありがと、男」

男「でもな、幼」

男「あくまでも一般的な目線で見てだがな?」

幼「なんだよ、もう。男ってば」

男「幼はかなり可愛いと思うんだ」

幼「また、変な事言って!」

幼「ボクみたいな子が可愛い訳ないじゃんか」
モグモグ

男「もっと自覚しろよ。厄介な事に巻き込まれる前にさ」

幼「そんな事言っても、どうにもなんないよっ」
モグモグ

幼「ボクなんて、ガサツだし、喋り方も変だし」
モグモグ

幼「食い意地張ってるし、女の子っぽい所一個もないし」
モグモグ

幼「元気しかとりえのない、平凡な女の子だもん」
モグモグ

男「…まぁ、そう言う所も、幼の長所だけど」

男「本当に、変なのに絡まれないように、気をつけろよ」

幼「…」
モグモグ

男「はぁ…」

幼「ごちそうさまっ!」

男「はい、お粗末様」

幼「お腹ペッコペコだったから、助かったよ!」

幼「ありがとねっ、男っ」

幼「洗い物、手伝うよっ」

男「いいよいいよ。練習で疲れてるだろ?」

幼「でも、悪いよ」

男「いいから、風呂にでも入って、ゆっくり休みなよ」

男「明日も朝練あるんだろ?」

幼「じゃあ、お言葉に甘えちゃうねっ」

男「あいあい」

幼「それじゃ、おやすみっ、男!」

男「おやすみ、幼」




幼「それじゃ、行ってきまーっす!」

幼母「気をつけてね、幼」

幼「はいはーい!」

男「おはよう、幼」

幼「おっはよう、男!」

男「今日も制服で全力ダッシュの構えだな?」

幼「そうだよっ!」

男「はぁ…」

幼「男、朝からため息?縁起悪いよっ」

男「せめてジャージで全力ダッシュしろよ」

幼「あはは。ジャージだとあっつくってさっ」

幼「それじゃ、男も早朝ジョギング頑張ってねっ!」

男「あぁ、それじゃまた後で、教室でな!」

幼「行ってきますっ!」

男「いってらっしゃいー」

男「…」

男「…はぁ」




キャプテン「それじゃ、今朝の練習はここまで!」

部員一同「お疲れ様でしたっ!」

監督「あー、これから一週間後の練習試合のスタメンを発表する」

部員一同 ザワザワ

監督「いくら去年の県大会優勝チームとはいえ…」

監督「同じ高校生!やってやれない事はないっ!」

部員一同「はいっ!監督!」

監督「それではメンバーを発表する!」

監督「まずは1番、ポイントガード…幼!」

幼「え?ボク?」

監督「そうだよ、幼」

幼「あ、あの…ボク…」

キャプテン「大丈夫、自信持って、幼!」

キャプテン「私も監督も、考えた上でのスタメンだよ」

監督「あなたなら十分やれる!」

幼「で、でも…」

キャプテン「熱血!集中!ひらめきっ!」

キャプテン「足りない所は根性でカバー!でしょ?」

幼「!」

キャプテン「みんなで頑張って、絶対勝とう!」

幼「わかりましたっ!ボク、精一杯頑張りますっ!」

監督「うんうん。それじゃ、スタメン発表に戻るよ!」

監督「次に2番シューティングガード…」





幼「改めておはよう、男っ!」

男「おはよう、幼」

男「でも、もうちょっと余裕持って教室に来いよ」

男「今日もギリギリだぞ?」

幼「えへへっ」

男「嬉しそうだな?何かあった?」

幼「ボクね、今度の試合、スタメンに選ばれたんだ!」

男「おお!おめでとう、幼!やったじゃん!」

幼「ありがとっ、男。えへへ」

男「自主練も頑張ったもんな!」

幼「試合、頑張るよっ!」




幼「はぁっ。今日の練習もハードだったねっ」

幼友「ホントにね~。まぁ天才の私には物足りないけどね!」

幼「ホント?じゃあ帰り道の公園で、一緒に自主練しようよっ!」

幼友「…ごめんなさい。天才って嘘でした。凡人の私はもう限界っす」

幼「なぁんだ、つまんないのー」

イケメン「やあ、幼ちゃん。奇遇だね」

幼「あ、先輩!今日も会いましたね!!」

幼友「お疲れ様です、先輩も今帰りですか?」

イケメン「そうなんだよ。一緒に帰らないかい?」

幼「いいですよっ。ね?幼友?」

幼友「え?う、うん。いいよ」

イケメン「それじゃ、帰ろうか」

イケメン「フフ。幼ちゃんはいつも元気だね」

幼「いやあ、それだけがボクのとりえですからっ!」

幼「褒められると嬉しいですっ!」

イケメン「フフフ。とりえは他にもあると思うけどね」

幼友(何コレ、私完全に蚊帳の外じゃん…)

幼友(てか、先輩のねっとりとした視線に気付いて、幼っ)





幼「それじゃ、ボク達はこっちなんでっ」

イケメン「ハハハ。楽しかったよ、2人とも」

イケメン「それじゃ、またね」

幼「はいっ!さようならっ!」

幼友「お疲れ様でしたー」




幼友「…あのさぁ」

幼「何?」

幼友「幼、昨日も先輩に声かけられてたよね?

幼「校門前で、たまたま会ったねっ」

幼友「先輩、帰り道中、幼の事だけ見てたよね?」

幼「そう?」

幼友「そうだったよ。話しも私には話しかけてこなかったし」

幼友「ていうか、ちょっと怖かったよ、イケメン先輩」

幼「幼友、ひどい事言うなぁ」

幼友「いやいや、マジでさ」

幼「人の事、悪く言っちゃダメだぞっ、幼友」

幼友「でも…」

幼「それじゃ、明日も朝練頑張ろうねっ!」

幼友「あ、うん。また明日ね」

幼友(これは…男君に相談、かなぁ)




男「ん?話し?」

幼友「そ、ちょっと時間ちょうだい」

男「いいけど、ここじゃダメなの?」

幼友「ちょっと、誰にも聞かれたくない話しなんで」

男「あいあい。お前らの練習終わった後か?」

幼友「うん。ちょっと1年の靴箱前で待ってて欲しいんだ」

男「1年?まぁいいか。了解」

幼「あれ?幼友は?」

女バスa「すっごい速さで着替えて、出てったよ」

幼「へぇ。いつもはモタモタしてるのにっ」

女バスb「彼氏じゃない?彼氏」

幼「幼友に彼氏…ねぇ?」

幼「ボクには恋とか、わかんないやっ」

キャプテン「幼は磨けば、絶対光ると思うんだけどな」

女バスa「私も思う!幼、可愛いよね!」

幼「いやぁ、ボクなんて全然可愛くないですよ」

女バスd「過度な謙遜はイヤミですぞ、幼ちゃん?」

幼「でも、本当に、そう言うの、わかんないです…」

キャプテン「もうちょっと身だしなみに気を配っても良いかもね?」

女バスb「言葉使いも、もうちょっと女の子らしくしてみれば?」

幼「男にもそんな感じの事いわれたなぁ」

キャプテン「男君?あぁ、あの1年の時、男バスに居た…」

女バスa「あぁ、あの子だよね、すっごい足の速い…」

幼「男はボクの幼馴染なんですよっ」

女バスb「へぇ…幼とどっちが速いのかな?」

幼「昔は男の方が速かったけど…」

幼「1年の時、足を怪我して、走れなくなっちゃって」

幼「それで、男はバスケ辞めちゃったんですよっ」

キャプテン「そうだったんだ…足の怪我ね…」

幼「とっても残念ですけど、本人は結構あっさり辞めちゃったんだよなぁ」




幼友「ごめん、ごめん。待った?」

男「いや、全然」

幼友「良かった、誰とも会ってない?」

男「誰か?」

幼友「…例えば、男バスのイケメン先輩とか」

男「!」

幼友「会ってないよね?」

男「見てないな…あいつがどうかしたのか?」

幼友「男、怒ってるの?」

男「いいから、あの野郎がどうかしたのか?」
ガシッ

幼友「ちょ、痛いよ、男」

男「あ、ああ…すまん、幼友」

幼友「男、イケメン先輩と何かあったの?」

男「まぁ、前にちょっと、な」

幼友「男がバスケ辞めたのと関係ある?」

男「…」

幼友「じゃあ、幼とは関係ある?」

男「!」

幼友「普段表情を出さない分、驚いた顔がわかりやすいね、男」

男「…幼友、あいつが何かしてるのか?」

男「話しって、その事なんだろう?」

幼友「あの、間違いかもしれないけどさ」

幼友「…一昨日と昨日、幼の帰りを待ち伏せしてたみたいで…」

男「!!!!!」

男「…詳しく聞かせてくれ」




男「なるほど…」

幼友「ちょっと心配でさ」

男「あぁ、よく話してくれた。ありがとう、幼友」

幼友「これからは部活終わりは幼と一緒に帰るよ」

男「あぁ、頼む」

幼友「あ、幼が来た」

男「…」

幼友「!やっぱり校門で待ち伏せてたね…」

男「あの野郎…」

幼友「わ、私、邪魔してくるねっ」

男「頼む、幼友!」

幼友「おーい、幼!」

幼「あれ?幼友、どうしたの?」

幼友「きょ、教室に忘れ物を取りに行ってたんだよ」

幼「そうなんだ~。先に帰っちゃったかと思ったよっ」

幼友「あ、こんばんは、イケメン先輩!」

イケメン「…やあ、幼友ちゃん」

幼「3人で一緒に帰ろうよ!」

幼友「ちょっと、幼。私、帰りに買い物に行きたいんだけどっ」

幼「え?何買うの?」

幼友「ちょっと…こっちきて」

幼「なんだよ、幼友。何を…」

幼友「ちょっと新しいブラとか買いたいからさ…」

幼「えー、今から?」

幼友「いいじゃん!お願いっ!」

幼「先輩、すみません。幼友の買い物に付き合う事になっちゃって」

イケメン「良いよ良いよ。それじゃあ、僕はここで」

幼「はいっ!お疲れ様でしたっ!」

イケメン「…幼友ちゃんも、ね?」
ギロッ

幼友「は、はいっ。すみません、先輩」

幼友(あの人、あんな目するんだ…超怖いし!)




幼「さぁ、いよいよ明日は練習試合だよ!」

男「あぁ、頑張れよ、幼。応援しに行くからさ」

幼「熱血!集中!ひらめき!」

幼「ボクはやるよっ!ポイントガード王に、ボクはなるっ!」

男「それだけ元気なら、明日の試合は大丈夫だな」

幼「元気だけがとりえだからねっ!」

男(幼友のおかげで、今日までは何もなかったけど)

男(あの野郎の事だ…)

男(きっと、明日の練習試合の後、どさくさにまぎれて…)

男(…今度は絶対守る!)

…過去…
幼「あっ!?だ、誰?」

?「…」

幼「いっ痛いよっ!誰?」

幼「手足の縄、解いてっ!この目隠しも取ってよっ!」

?「…」

幼「誰なんだよっ!」

?「うるさいっ!黙れっ!」
ガスッ

幼「」

?「ククク、気絶したか。丁度良い…」

?「全く、可愛いなぁ幼ちゃんは」

?「今年の1年の中ではトップクラスだよ…」

?「無防備にスパッツ見せつけて…」

?「僕を誘ってたんだろう?」

?「今、僕の物にしてあげるよ…」

ガンッ!ガンッ!ドガッ!

男「幼っ!」

?「なっ?お前は!?」

男「イケメン先輩…幼に、何してるんですかっ!」

イケメン「何故ここに居る?全員ランニングを命じたはずだぞ?」

男「そんな事は関係ねぇ!幼から離れろ、変態!」

イケメン「変態?この僕が?」

イケメン「学校一のイケメンで、成績優秀なこの僕を」

イケメン「変態だと?」

男「あぁ、変態だね、このクソ変態野郎!」

男「絶対許さねぇぞ!」

イケメン「こっちの台詞だよ!」




男「はあっ…はあっ…」

イケメン「ぅう…」

男「こ、金輪際、幼に、はぁ、近づくなっ!」

男「今度やったら、絶対許さないぜ!」

イケメン「…」

男「幼!幼!しっかりしろ!」

幼「」

男「保健室に連れて行かなきゃ…」

イケメン「…っく」


グサッ

男「あっつ…」

イケメン「ざまぁ…み、ろ…」




男(大好きなバスケ部を廃部にしたくなかったから)

男(俺は被害届を出さなかったけど…)

男(やっぱり失敗だったか…)

男(あの時は俺の足だけで済んだけど…)

男(幼は目隠しのせいで、あの時、誰に襲われたのか知らない)

男(あいつがまた幼に近付いてくるなら)

男(俺が、守る)

男(幼…)




審判「それでは試合開始します!」

部員一同「はいっ!」

相手部員一同「はいっ!」


男「始まったな…。幼、本当にポイントガードなんだな…」

「1番、オッケー!」

「パス!回して行こう!」



「ここは絶対死守だよっ!」

「リバウンド、絶対取るっ!」

「速攻!行くよっ!」



「まだ4点差!追いつけるよっ!」

「ガード甘いっ!」

「うそっ!?抜かれたっ!」

「あの1番、速いっ」



審判「試合終了!!」

幼「やったっ!勝ったっ!」

キャプテン「さぁ、みんな。整列だよ!」

部員一同「ありがとうございましたっ」

相手部員一同「ありがとうございましたっ」



相手キャプテン「強くなったわね、そちらのチームは」

キャプテン「フフフ。インターハイに行くのは、ウチだからね?」

相手キャプテン「負けないわよ!」

男(凄かったぞ、幼。よく頑張った!)

男(…さて、と)


?「おい、お前」

男「ん?アンタ誰?」

?2「いいから付いてこいよ」

男「あぁ、そう言う事っすか」

?3「こっちだ…」

男「はいはい…」

監督「みんな、良く頑張った!」

監督「私、感動しちゃったよ!」

キャプテン「まぁまぁ、監督」

監督「はっ!そうだったね!」

監督「この後、祝勝会の準備をしております!」

監督「焼肉だよっ!今日は私のおごりだーーーー!」

部員一同「やったー!」

監督「シャワー浴びて、着替えたら、職員駐車場に集合ね!」

幼「あれー?おっかしいなー?」

幼友「どしたの?幼」

幼「うーん。教室に携帯電話忘れたみたい」

幼友「マジで?」

幼「うん、ちょっと走って取って来るよ!」

幼友「先に駐車場行ってるからねー」

幼「はいはーい」




幼「あ、あった携帯。良かったー」

幼「って、ありゃ?充電切れてる…」

イケメン「おや、幼ちゃんじゃないか」

幼「あ、先輩!どうしたんですか、2年の教室棟で」

イケメン「ちょっと先生に頼まれ事をされてね」

イケメン「そんな事より、大活躍だったね!」

幼「いやあ、ボクだけじゃ何も出来ないですよっ」

幼「バスケットはチームプレイですからねっ!」

イケメン「ハハハ。その通りだね」

幼「あ、ボクそろそろ行かなきゃ!」

イケメン「あぁそうそう。女バスの監督から伝言があったんだ」

イケメン「祝勝会、体育館でやるんだって」

幼「えー?焼肉って言ってたのにー!」

イケメン「まぁまぁ。僕も体育館に用があるから、一緒に行こう」

幼「はいっ!」




幼「みんなー、遅れてごめんっ!…ってあれ?」

幼「真っ暗。だーれも居ない?」

イケメン「まぁ、祝勝会なんて嘘だからね」

幼「えっ?」

イケメン「…君が悪いんだよ?」

イケメン「何度誘っても、この僕の誘いを断るなんて…」

イケメン「おかげで、ボクのプライドはズタズタだよ」

幼「ボ、ボク…あの…」

イケメン「この僕より、あの男を選ぶんだろう?」

イケメン「それが許せない!」

幼「え?何で男の名前が出てくるの?」

幼「男はなにも関係ない…」

イケメン「あるんだよ!!!!」
バンッ!

幼「ひっ!」

イケメン「だから、君たち2人には」

イケメン「ちょーっと酷い目に合ってもらう事にしたんだ」

幼「お、男をどうしたの!?」

イケメン「こんな時でも、あいつの事を心配すんのか!」

イケメン「まぁ、今ごろ体育館裏で転がってるんじゃないかな?」

イケメン「フフフ。2度も僕をコケにしてくれたお礼だよ」

幼「…よくも男をっ」
ブンッ!

イケメン「おっと、危ない」

イケメン「忘れてるかもしれないけど、僕は一応男バスのキャプテンだよ?」

イケメン「そんな攻撃当たらないよ。ハハハ」

幼「…ボクを、どうするつもり?」

イケメン「やっぱり君は可愛いねぇ」

イケメン「怯えてる顔も可愛いよ」

幼「い、いやだっ!」

幼「ボクに近付かないでっ!」

イケメン「ハハハ。観念するんだね」

イケメン「もしご自慢のスピードで、僕を振り切れても」

イケメン「体育館の周りは、僕の手下達が見張りをしてるんだ」

イケメン「どんなに叫んでも誰も助けには来ないよ!」

イケメン「楽しいねぇっ!クックック」

幼「いやっ!誰か…誰か助けてっ!」

イケメン「無駄だって言ってるだろっ!」

幼「助けてっ、男っ!」

イケメン「だから無駄だって…このっ」

男「…いやぁ、それが無駄じゃなかったりするんだなぁ」

イケメン「!?お、お前!」

幼「男っ!」

男「大丈夫だ、幼。もう大丈夫だから」

イケメン「外に居た連中はどうした?どうやって入ってきた!」

男「話したらわかってくれたよ」

イケメン「なっ!?」

男「まぁ、今、全員寝転びながら、夜空を見てるけどな」

イケメン「倒したのか?」

男「そんな暴力的な事はしてないよ」

男「ちょこーっと、強めにお願いしただけだよ」

幼「お、男…」

男「幼、下がってろよ」

イケメン「どうなってるんだ、あいつら…」

イケメン「10人以上居ても勝てないのかっ」

男「まぁ、そう言わないであげてよ」

男「dqn先輩達、頑張ってましたよ」

男「ただまぁ、人を倒すのに、筋力とかあんまり必要ないんだ」

男「ってのが、俺のじいちゃんの教えなんだけどね」

イケメン「くそっ」

男「ちなみに、先輩が喋ってた一部始終は」

男「このカッコイイ、スマホで録画させてもらいました」

イケメン「!」

幼「遅いよ、男っ!もっと早く来てよっ!」

男「幼、怖い思いさせてごめんな」

男「でも、このアホに、2度とこんなマネさせないようにしないとな」

幼「…来てくれてありがと、男」

男「…」

男「さて、と」

男「アンタには前にも言ったよなぁ」

男「幼に手ぇ出したら、許さないって」

イケメン「!!」

男「あの時はまぁ、俺もちょっとやりすぎたけどさぁ」

男「最後、利き足刺されたんだし、あいこでしたよね」

イケメン「その携帯を寄こせっ!」

男「そう言う訳にゃあ、いかないじゃないですか?」

イケメン「ククク。それじゃあ、あの時と…」

イケメン「同じ目に合ってもらおうかなっ!」
シュッ!

男「またナイフっすか。まったく、危険人物っすね、先輩」

イケメン「うるさいっ!」

男「はっ!と」

イケメン「!?」
バタッ

男「ナイフは預からせてもらいますよ、先輩」

イケメン「な、何が起きたんだ?」

男「不思議でしょ?力の流れをコントロールしたんですよ」

男「コレ、ウチに古くから伝わる古流柔術です」

イケメン「このっ!」
ガシッ

男「ほいっと」
スッ

イケメン「ぎゃっ!」
ドタッ

男「高校入るまで、あんまり真剣に修業してなかったけど」

男「先輩に足刺されてから、考えたんですよ」

男「人を守る力が欲しいって」

男「この技なら、不必要な筋力も要らないですし」

男「多人数でも問題なく相手出来るし」

男「先輩のおかげで、練習する時間はたっぷりありましたしね」

男「…降参するなら、今のウチですよ?」

イケメン「…」

男「降参みたいですね」

イケメン「…こうなったら」

幼「…男…」

イケメン「!!!!」
ガバッ!

男「っ!」

イケメン「死ねっ!」

男「!」

グサッ

幼「男っ男っ!!」

イケメン「はははっ!またその女を庇ったのか!」

男「…下がってろ、幼…」

イケメン「ナイフは2本持ってたんだぜ?」

イケメン「フフフ、今度は利き足だけじゃ済まないぜ…」

イケメン「一生消えないような傷を、その顔につけてやろうか?」

イケメン「それとも一生歩けなくなりたいかな?」

イケメン「さぁっ!」

担任「そこまでだ、イケメン!」
ガシッ

イケメン「!?」

監督「幼っ!大丈夫?」

イケメン「あ、あ、あ…」

担任「…お前、覚悟出来てるんだろうな?」

イケメン「こ、これは違うんです!」

担任「何が違うんだ!バカモンが!」

担任「男、大丈夫か?聞こえるか?男!」

監督「今、救急車呼びました!」

幼「男っ!しっかりして!目開けてよっ!」

担任「しっかりしろ!男!」




男「…ふぁーあぁ」

男「こんなに大げさに入院なんてする事ないのになぁ…」

幼「何言ってるんだよ、男っ!」

男「あー、そんなに怒るなよぉ」

幼「そりゃ、いくらボクでも怒るよっ!」

幼「3日、目を覚まさなかったんだよ?」

幼「幼馴染として、心配するのは当たり前だろっ!」

幼「助けてくれたのは、とっても嬉しかったけど…」

幼「でも、無茶し過ぎだよっ!」

男「…まぁ惚れた女を庇って受けた傷だ。漢にとっては勲章だよ、勲章」

幼「惚れた女?」

男「お前の事だよ、幼」

幼「え?ボク?」

男「そうだよ!」

男「俺は幼の事が好きなんだよっ!」

男「そろそろ気付けよ!」

幼「え?でもボク…色気も何もないし…」

男「色気とか、そんなのは関係ないんだ」

男「俺は一人の女の子として、幼の事が好きなんだよ」

男「幼は?俺の事、嫌いか?」

幼「ぼ、ぼく…は…」

男「集中っ!」

幼「ふぇっ?」

男「いつも幼が言ってるだろ?集中!って」

男「ぼーっとした顔した幼じゃなくてさ」

男「いつもの元気一杯、天真爛漫な、幼から答えを聞きたいんだ」

幼「…そうかっ。うんっ!」

幼「魂!必中!ひらめきっ!」

男「お?新しいやつか?」

幼「最上級の気合、入魂だよっ!」

男「そうか…で、返事は?」

幼「ボクも男の事が大好きだよっ!」

幼「この気持ちが男女の好きって事なのかは、まだわかんないけど…」

幼「でも、ずっと男と一緒に居たいって気持ちは!」

幼「絶対、本物の気持ちだからっ!」

男「おうっ!」

幼「えへへっ。こう言うの、何だか照れるねっ」

幼「大好きだよっ!男っ!」

男「俺も、幼の事が大好きだ!」




「あんちゃんたち、アッツイねぇ」

「末永くお幸せにねぇ」

「個室じゃねーんだからよぅ」

看護師「あの、病室ではもうちょっとお静かに、ね?」


おわり

これで終わりです

次スレは
男「台風だなぁ」幼馴染「そ、そうだね」
ってタイトルで立てたいと思います

色々自分なりに良くなる様に実験しながら書いてますが
やっぱり、自分の妄想全開で書くのがいいのかな

ともあれ、読んでくれた人、どうもありがとう
では。

・強姦殺人未遂の犯人を放置する(そのせいで同じことを繰り返している)など主人公を理解、共感できない。
・一度失敗した&弱みを握られた悪役が同じ相手に同じことをしようとするとか正気の沙汰じゃない。
・主人公が刺された直後に登場した教師はそれまで何をしていたのか。なぜ登場したのか。描写がないから全くの不明。
・悪役は最終的にどうなったのか。

あくまで個人的な感想だけど、それらが気になって悶々としたというかスッキリしなかった。

みなさん、読んでくれてありがとうございます

>>107
やはり慣れない事を急にやるもんじゃあないね

短いって言われても、今まで通り50レスくらいで終わる
日常の1シーンを書くスタイルに戻します

自分でも書いてて違和感あったので、ズバっと言われて良かったです
感想どうもありがとう

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom