幼馴染「男くん!聞いて!」男「ん!」(60)

幼馴染「私ね、女騎士になったんだ」

男「良かったな」

幼馴染「子供の頃からの夢だったから嬉しいな」

男「お前頑張ってたもんなー」

幼馴染「今まで応援してくれてありがとうね」

幼馴染「今度初任務なんだ」

男「へぇ、どんな仕事?」

幼馴染「オーク掃討作戦だよ!」

男「!」

男「…それヤバいんじゃないか?」

幼馴染「どうして?初心者向きの任務だって聞いたよ?」

幼馴染「オークは弱いし、大人数で戦うって」

男「……」

幼馴染「その次はスラムで盗賊のアジト、捜索だよ」

男「!?」

幼馴染「お仕事いっぱいだね。頑張らなきゃ!」

男「……」

『わたし大きくなったら男くんと結婚したいなー』

『男くん、わたし大きくなったら騎士になる!騎士かっこいいもん!』

『男くん大好き!』

『剣術道場行くから付き合って!』

『男くん遊ぼ』

『魔法の練習しようよ』

『騎士採用試験の勉強いっしょにしよう』

『男くんありがとう…』

男「……」

男「ちょい待て!」

幼馴染「なあに?」

男「俺も行く」

幼馴染「え?」

男「俺も戦う」

幼馴染「え、手伝ってくれるの?ありがとう」

男「うん。そこそこ役に立てると思う。俺も騎士だから」

幼馴染「でも、男くんも騎士団員だけど部隊が違うよね。ムリなんじゃ?」

男「…どうにかする。作戦はいつ?」

幼馴染「2週間後だよ」

男「じゃあそれまでに幼馴染の初陣を成功させる準備をする」

幼馴染「男くんも忙しいんじゃない?」

男「気にしないで。俺が手伝いたいだけだからさ」

幼馴染「…どうしてそんなに助けてくれるの?」

男「…」

幼馴染「いつもいつも優しいの?」

男「…」

男「とにかく任せてくれ」

幼馴染「…うん」

幼馴染「ありがとう男くん♪」

男(守りたいのはその笑顔…なんて言えないな…)

男「うん。頑張れ」

幼馴染「頑張る!」

ーーー

男「生まれたときからいっしょの幼馴染…必ず守ってみせる」

男「本当は止めるべきなんだろうけど、幼馴染は騎士になるのが夢だったからな」

男「絶対成功させる!」

男「…下準備をしっかりしなきゃな…でもどうしたら…」

男「…友に聞くか…あいつならいい手を知ってるかも…」

ーーー

幼馴染「やっぱり男くん優しい。大好きだなぁ…」

幼馴染「男くんに強くてかっこいい私を見せたいなー」

幼馴染「そうしたら私にも頼ってくれるよね…」

幼馴染「今回も頼っちゃうの悪いな。自立したいのに…」

幼馴染「…でも私のために頑張ってくれるんだよなー…」

幼馴染「はぁ…」

ーーー

男「…って訳なんだ」

友「なるほど」

友「それで賢者の僕の所に」

男「ああ」

友「ようはオークや盗賊を37564できればいいわけね」

男「…物騒だなぁ」

男「あとは、出来る限り幼馴染の手柄にしたい。幼馴染の初仕事だから、スタートダッシュはしっかりと切りたいんだ」

男「どうしたらいいかな?」

友「うん…」

友「…我は楽園にあり」

男「え?」

友「立ち去れ、我は神の秘密を隠した」

男「おい!?友!?何言ってんだよ!?」

友「それは豪傑の柱の向こうに」

男「何わけわかんないこと言ってんだよ!?」

友「我は神性を否定する」

友「…って詞を知ってるかい?」

男「詞?…ああ、意味があったんだ」

友「意味はあるよ。古い言い伝えなんだ。宝探しの暗号」

男「勉強し過ぎてついにおかしくなったかと思った」

友「失礼だな!?」

男「なんか厨二くさくて胡散臭いセリフだったからさ」

友「うん、確かにセンスのない暗号だ」

男「それがオーク退場と何か関係あるのか」

友「勇者物語は男もよく知ってるよな?」

男「…ん…ああ、まあな」

男「みんなが大好きな昔ばなしだからな。幼馴染も好きで、二人で楽しんでたよ」

友「神に選ばれた勇者が、魔法さえ切り裂く光の剣を持って魔王退治に行くって話だ」

友「…この光の剣がマジであったとしたらどうする?」

男「おとぎ話だろ?」

友「勇者物語は一般には、宗教的な逸話と民間伝承が混ざったものとされているな」

友「しかし勇者は千年前に実在した人物だという説もあるんだよ」

男「そんな昔なのかよ…」

男「…ってか、話が長い。早く核心を入ってくれ。友は昔からそうだ」

友「悪い悪い。こういう話大好きでさ…」

友「事実だといういくつの証拠はあるが、今は割愛な」

友「勇者は魔王を倒したあと行方知れずになった」

男「別の世界を救いに行ったんだよな」

友「そう言われてるな」

友「まあそれは置いといてと、勇者が魔王を倒す前に、最後に立ち寄った村に奇妙な詞が伝わってるのだよ」

友「勇者の仲間が魔王が倒された後、伝えたんだそうだ」

男「…それがあれか?」

友「そうだ。村人は意味をまったく知らずに伝えていたし、外にも広まらなかったそうで、今日まで知られることはなかった」

友「…しかし、僕と師匠が発見したのさ」

友「伝説の勇者の剣の在りかを示すヒントとして!」

友「僕と魔法学園の師匠は、勇者の足跡を追っていてこの詩を見つけたんだ」

友「師匠は神性の否定を魔力を斬る剣のことだと考えた」

友「魔法は昔、神の奇跡と考えられていたからね」

友「そして、残りの部分を剣を隠した場所の手がかりと推測したのさ」

男「師匠すげーな」

友「僕も頑張ったんだが」

友「…この剣をいっしょに探してほしいんだ」

友「剣の在りかの探索については、師匠が軍に助力を求めたんだ」

友「師匠は有名人だからね。魔法学園一の賢者だし、申請は通ったよ。軍も興味を持ってくれてる」

友「そして騎士団から協力者を出してもらえることになった」

友「そこで、僕は君と幼馴染ちゃんに頼みたい。知り合いだから信頼できるしね。駄目かな?」

男「話がでかいな…」

男「まだ推論なんだろ?」

友「ああ」

友「オークと戦うよりいいだろう。任務を変更してもらえるよ」

友「発見したら勇者の剣貰えるかも」

男「…」

男「…わかった、やってみる」

友「…ありがとう」

男「でも幼馴染とも話し合うから待っててくれ。とりあえず保留な」

友「わかった。待つよ」

男「ところで、勇者は剣を手放したのか?そんな話知らないんだが」

友「ああ、わかんなかったか。お話によってはそこにも触れてるよ。魔王を倒したあとどこかに隠したんだと」

男「何で隠したんだろ。便利な剣だろうに」

友「…確かに気になるな。調べてみるか」

友「これでオークや盗賊とのバトルから宝探しに幼馴染ちゃんの仕事が代わる。男にも役目がくるから、頑張ってな」

男「うん」

男(…前より大変になったような気がするが)

男(オークよりいいか)

つづく

友「人手があったほうがいいが僕も忙しい。代わりに僕の助手を補佐に付けるよ」

友「宝探しなら専門知識がいるからね」

男「ありがとう。気が利くな」

友「おーい!おいでー!」

友「…恥ずかしがり屋だからな。なかなか来ないな」

「はい…」

男「ん」

ダークエルフ「…何かご用ですか、友さん?」トテトテ

友「助手のダークエルフ。歴史に詳しい賢者見習い、魔法も使える」

ダークエルフ「…この人は」モジモジ

友「僕の古い友人だよ。いいやつだから心配しないで」

男「よろしくね」

ダークエルフ「よろしくです…」ペコリ

友「…かくかくしかじか…」

ダークエルフ「…例の話ですね」

ダークエルフ「…わかりました。頑張ります」

ダークエルフ「…」ジー

男「どうしたの?」
ダークエルフ「!」サッ

▽友の後ろ

ダークエルフ「…」ギュッ

友「照れ屋さんなんだ」

友「ダークエルフは珍しいから友達が出来なくてさ。少しは他人に馴れてほしくて」

男「ああ」

友「同年代…この子は混血だから君や幼馴染ちゃんと同じくらいなんだ」

男「そうなんだ」

男「お世話になるね、よろしく」

ダークエルフ「/////」

友「まあ、ゆっくり仲良くなってね。優秀な子だから役には立つよ」

男「わかった」

男(…なんか色々、押し付けられてるような)

友「これから僕は根回しをしておくよ。君は助手君といっしょに幼馴染ちゃんに事情を説明して来て」

男「わかった」

ダークエルフ「…はい」

男「行こうか?」

ダークエルフ「…」コクッ

男(無口な子だな…うまくやってけるかな…)

ダークエルフ「!」キョロ

男「どうしたの?」

ダークエルフ「…久しぶりに外に出たから。最近忙しくて」

ダークエルフ「……」

男「そう」

ダークエルフ「…」

男(沈黙、気まずい…)

男(幼馴染となら仲良くなれるかな?)

幼馴染の部屋

男「俺だよ」トントン

幼馴染「男くん!」ガチャ

幼馴染「…その女の子は?」

ダークエルフ「…お邪魔します」

男「事情を説明するよ…」

ーーー

男「…というわけ」
幼馴染「男くんを大変な事に巻き込んじゃった…」

幼馴染「ごめんなさい」

男「気にするなよ。俺が好きでやってるんだから」

男「引き受けるか?どうする?」

幼馴染「…いいの?助けてもらって。男くん、大変だよ?」

男「依頼内容は俺も興味あるから。勇者の剣とか面白そうじゃん」

男「やろうぜ。2人で頑張ろう。いいだろ?」

幼馴染「…男くん」

幼馴染「ありがとう」

男「うん」

幼馴染「男くんはいつも私を助けてくれるね」

男「いっしょにいると楽しいから。頑張る幼馴染を応援したいし」

幼馴染「私も男くんといると励まされるよ。一番楽しい」

男「そっか、嬉しいな」

幼馴染「男くん…」

男「幼馴染…」

ダークエルフ「…気まずい」

需要なさそうだがつづく
ヘンテコなファンタジーです

ダークエルフ「…」

男「あっ、ほったらかしてごめん」

男「友の助手、ダークエルフちゃんだよ」

幼馴染「よろしくね」

ダークエルフ「…はい」モジモジ

幼馴染「可愛い女の子だね」

男「確かに可愛いな」

ダークエルフ「はぅ…」ピコピコ

男「…耳がピコピコしてるな」

幼馴染「かわいー」

幼馴染「えへへー」ナデナデ

ダークエルフ「…頭なでないでぇ~」

ダークエルフ「う~…」ピコピコ

幼馴染「耳ー♪」サワサワ

ダークエルフ「耳さわらないでぇ…」ピコピコ

幼馴染「♪」

男「さっそく仲良くなったな。いいことだ」

幼馴染「えへへ」ギュッ

ダークエルフ「はぅ…」

男「うん…しっかり打ち解けたね」

ダークエルフ「打ち解けてないです…ペットみたいにされてるんです…」

男「じゃあ、今後について話し合おうか」

幼馴染「はーい!」スリスリ

ダークエルフ「…」

男(百合っぽくて可愛いなぁ…)

ダークエルフ「勇者が最後に行った村は私と友先輩、それから魔法学校の先生でしっかり探索しましたから、これ以上の手がかりはありません」

ダークエルフ「他の手がかりを得るなら、実際に勇者の旅の軌跡を追うのがいいんじゃないかって先生は言ってました。まずは勇者が旅立った故郷から攻めたらいいかと」

幼馴染「勇者の故郷って古王国の首都でしょ?もう遺跡になってるよね?」

幼馴染「冒険者や学者が発掘したり調べて尽くしたって聞いたけどまだ何かあるのかな?」

男「詳しいな」

幼馴染「歴史はちょっとね」

男「頭いいんだな」

幼馴染「えへへ、男くんに褒められちゃった…」

ダークエルフ「なんですか、この空気は…?」

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