智絵里「たった一つのクローバー」 (15)


モバP「智絵里、今日も仕事とレッスンお疲れさま」

智絵里「Pさんも、お仕事お疲れさまです」

モバP「遅れてすまん。せっかく智絵里と約束してたのに、会議が長引いたうえに急な仕事が入ってしまって。でも途中でちひろさんが引き受けてくれたんだよ」

智絵里「ちひろさん、そういう気遣いがうまいですもんね。あとでお礼をいわないと……」

モバP「そうだな。ちひろさんにはよく助けられてる。でも、俺は智絵里にもよく助けられてるよ」

智絵里「えっ……そうなんですか……?」



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モバP「俺がこうして智絵里をプロデュースしてこられたのも、相手が智絵里だからだよ。
    俺が持ってくる仕事に対して智絵里が頑張った。それどころか、俺が困ったときにも、ささいな手助けをしてくれてるよな。とても本当に助かってるよ。ありがとうな。」

智絵里「それは……Pさんが頑張ってるから……私、何かPさんのお手伝いをできたらなあ、と思ってるんです。私こそPさんには……いつも感謝してるんですよ?」

モバP「ははっ。智絵里は本当にいい子だ」ナデナデ

智絵里「あっ……ありがとうございます」



モバP「ははっ、かわいいなあ智絵里は。さて、買ってきたケーキを食べようか」パカッ

智絵里「うわぁ……おいしそう」

モバP「じゃあ、蝋燭を立てるから待ってて」

智絵里「は、はい」

モバP「よし、火をつけて……電気消すぞー」パチッ

智絵里「ひゃっ」

モバP「大丈夫だよ、隣にいるから安心して。じゃあ、火を消してくれる?」

智絵里「はいっ……はあっ、ふぅー」

モバP「おおっ、なかなかレアなものを見た」パチッ

モバP「では改めて。智絵里、17歳の誕生日、おめでとう。はい、俺からのプレゼント」

智絵里「嬉しい……ありがとうございます……開けてみてもいいですか?」

モバP「おうよ」

智絵里「わぁー……四つ葉のクローバーのペンダントだ」

モバP「智絵里の近くにずっと置いていてもらえるものだ、と思って選んだんだ。四つ葉のクローバーは智絵里の象徴だしなー」

智絵里「えへへ……とても嬉しい……Pさんから貰ったペンダント……」ニコッ

モバP「ああ、よかった……俺も嬉しいわ、いろいろと」

智絵里「Pさんから貰ったものは、何でも嬉しいですよ?」

モバP「そういってくれたら安心するなあ……本当、俺の担当アイドルとして最高だ」

智絵里「えへへ、そうかなあ……そうだ、私、お願いしたいことがあるんです」

モバP「ん?なんだ?」

智絵里「このケーキ、私とPさんで……食べさせあいをしませんか……?」


モバP「うっ……それはさすがに恥ずかしいよなあ」

智絵里「そこはPさんが恥ずかしがるところじゃないです……それに今、この部屋に居るのは私とPさんだけ……なんですよ?」

モバP「わ、わかった……じゃあ、ちょっとだけな?ほら、あーん」


智絵里「あむっ……うんっ、甘くて美味しいですー」


モバP「かな子のオススメのお店で買ったんだよ」

智絵里「さすがかな子ちゃん……はい、Pさん、あーん」

モバP「俺もやるのか……」

智絵里「食べさせあいですよ?」

モバP「智絵里、顔が赤いぞ」

智絵里「ふぇっ!?」

モバP「隙ありっ」

智絵里「あっ」

モバP「はははっ、ついいたずらしたくなった。すまん」


モバP「はははっ、ついいたずらしたくなった。すまん。でも本当に美味しいなこれ」

智絵里「もうっ、Pさんのバカっ、チョップですっ……えいっ」

モバP「ありがとうございます」

智絵里「えっ……」

モバP「冗談な。ほら次だ。あーん」

智絵里「あ、あーん」パクッ
智絵里「あぁ……おいしいなあ……美味しいものを食べてるときって、幸せですね……」


モバP「俺は智絵里が食べてる時の笑顔を見てるだけで、お腹いっぱいになりそう」

智絵里「えええっ」

モバP「おお、見事に真っ赤だな」

智絵里「ばかばかっ」パシパシ

モバP「かわいい」

智絵里「もうっ……Pさんのペースに完全に乗せられました……私の誕生日なのに……」

モバP「おっと、それは忘れてないぞ?あくまで今日の主役は智絵里だからな」


智絵里「むぅ……私……お友達以外にこんなにお祝いしてもらったの、初めてです……」

モバP「そうか……」

智絵里「両親が仕事で忙しくて……なかなか揃わないんです……」

智絵里「だから……こうして誰かと一緒にお誕生日を迎えられて……それで美味しいケーキを食べられて……今の私、とても幸せです……」


モバP「智絵里……今は事務所の皆がいる。俺がいる。だから、智絵里はもう一人じゃないし、一人にはさせない」

智絵里「Pさん……」ギュッ

モバP「俺達は、ずっとずっと智絵里の仲間だ。俺はプロデューサーとしても、一人の人間としても、智絵里を離すなんて絶対にしない」

智絵里「えうっ……えへへ、もちろんですよ……私もPさんのことを離しません……」

モバP「そうだ。過去なんて関係ない。未来はこれから作るんだ」ナデナデ

智絵里「ほぉー……流石私のPさん……かっこいい……」

モバP「よさないか智絵里」


智絵里「あ、あの、もうひとつ、お願いしてもいいですか?」

モバP「おう。なんだ?」

智絵里「この間、憧れのウェディングドレスを着て……私、とても感動したんです……いつか、あんな場所で、クローバーに囲まれて……あんな衣装を着て、その……結婚……できたらいいなって……」

智絵里「私、今日で17歳になりました……もう結婚できる年齢です……でも、大好きなPさんの前ではつい、子供でいちゃうんです……そんなときに持ってきてくれたあのお仕事……」

智絵里「あのドレスを着たとき、私も大人になっていってるんだ……って思いました……撮影の僅かな一時が、私にとってはとても長かったんです」


智絵里「ですから……そんなお仕事を貰ってきてくれたPさんには、とても感謝してるんです……大人になったら、あんな素敵な経験ができるんだなあ……今あの時を思い出しても、自然と笑みがこぼれちゃいます……
    Pさん、幸運を運んでくれる、クローバーみたい……」

智絵里「今度着るときは撮影じゃなくて……私と一緒に幸せになってくれる方の隣で着たいです……」

智絵里「Pさん、私がトップアイドルになったら、今度は私があなたの……四つ葉クローバーにならせてくださいね?」

智絵里お誕生日おめでとう。

私事ですが、智絵里と同じ日に生まれて幸せです。彼女もまた幸せでありますように。

それでは、ありがとうございました。

おつおつ

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