R-18【安価で】魔王「ようこそ、我が城へ……」【生き残って帰る】 (233)


男「…………え」


魔王「翻訳の魔法なら効いてる筈、私の言葉は分かるな?」


男「は、はいっ……?」


魔王「宜しい、では説明してやろう」

魔王「幸いな事にお前は私によって、異なる世界から召喚された」

魔王「しかし残念ながら私の魔力では仮初めの命など用意は出来ぬ」

魔王「何が言いたいか、つまりお前はここで死ねば元の世界でも死ぬ」


男「………………」

男(な、なんだこれ……それより何を言ってるんだ、この化け物……)

< ザッ……


魔王「何故召喚されたか、聞きたいだろう」

魔王「私を楽しませる為だけに、お前はこの城で1日だけ生き残れば良いのだ」

魔王「さて……スタートは私を振り切ってみろ、逃げ切れなければ殺す」スタスタ


男「!?……!??」ザッ…ザッ…

男(なんか……なんか、あの全身刺々しい奴の右手が青く光ってる……なんだこれ、なんだこれ……ッ!?)


【スタート:魔王を振り切れ】

【魔王が魔法を撃つ様です、コマンドから選択して回避して下さい】


a『右へ飛ぶ』

b『左へ飛ぶ』

C『余りの展開に立ち尽くしている』

d『魔王に向かって走り出す』

直下



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1430221189

b



    バキィィンッ!!


男「お゛……・・ッゴ……ぁァ……っ」ビチュッ…パキパキパキィッ…


……魔王が右手を振った直後。

男がそれまで居た位置から左右に向かって分かれた青白い光、それが左へ飛んだ男ごと巨大な氷の剣山を生やした。

当然、男は避けられなかった。

彼は齢24にして、二人の娘と妻を残し異世界で死亡した。


魔王「むぅ……私が何かをしようとして動いたのは天晴れだがな、残念だ」


【男は死亡した】

【主人公を変更します】



魔王「ようこそ、我が城へ……」



女「…えっ、なに? なに?」


魔王「翻訳の魔法なら効いてる筈、私の言葉は分かるな?」


女「はいっ……え? なに、ちょまって」


魔王「宜しい、では説明してやろう」

魔王「幸いな事にお前は私によって、異なる世界から召喚された」

魔王「しかし残念ながら私の魔力では仮初めの命など用意は出来ぬ」

魔王「何が言いたいか、つまりお前はここで死ねば元の世界でも死ぬ」


女「………………」

女(な、なにこれ……ウチさっきまでがっこーで……は? 夢?)

< ザッ……


魔王「何故召喚されたか、聞きたいだろう」

魔王「私を楽しませる為だけに、お前はこの城で1日だけ生き残れば良いのだ」

魔王「さて……スタートは私を振り切ってみろ、逃げ切れなければ殺す」スタスタ


女「待って、待てって……! ちょ、なんなんマジ!?」ザッ…ザッ…

女(……うっそ、あのトゲの奴の右手が青く光ってる……え、なにあれ……ッ!?)


【スタート:魔王を振り切れ】

【魔王が魔法を撃つ様です、コマンドから選択して回避して下さい】


a『右へ飛ぶ』

b『左へ飛ぶ』

C『余りの展開に立ち尽くしている』

d『失禁しながら座り込む』

直下

b

a



    バキィィンッ!!


女「ぇ゛ぎ……ッ……ぁァ……ひぎぃ…ィッ…!?」ビチュッ…パキパキパキィッ…


……魔王が右手を振った直後。

女がそれまで居た位置から左右に向かって分かれた青白い光、それが左へ飛んだ女ごと巨大な氷の剣山を生やした。

当然、女は避けられなかった。

彼女は齢15にして、その身体に宿ったばかりの新たな命と共に異世界で死亡した。


魔王「むぅ……私が何かをしようとして動いたのは天晴れだがな、残念だ」

魔王「これで八人目か、早く逃げ切る人間に会いたいものだ」ポリポリ


【女は死亡した】

【主人公を変更します】




魔王「ようこそ、我が城へ……」



キモオタ「…………っ、っ!!?」ビクッ


魔王「翻訳の魔法なら効いてる筈、私の言葉は分かるな?」


キモオタ「ひっ……ヒァ……!?」ビクッ


魔王「……まぁ宜しい、では説明してやろう」


キモオタ(ぼ、僕の部屋は……!? なんで、今丁度濡れ場だったのに!!)


魔王「幸いな事にお前は私によって、異なる世界から召喚された」

魔王「しかし残念ながら私の魔力では仮初めの命など用意は出来ぬ」

魔王「何が言いたいか、つまりお前はここで死ねば元の世界でも死ぬ」


キモオタ「……………へ…?」

キモオタ「ま、待って待って……なんですこれ…?」



< ザッ……


魔王「待たんよ、必死に逃げるのだぞ?」

魔王「その前に何故召喚されたか、聞きたいだろう」

魔王「私を楽しませる為だけに、お前はこの城で1日だけ生き残れば良いのだ」

魔王「さて……スタートは私を振り切ってみろ、逃げ切れなければ殺す」スタスタ


キモオタ「!?……!??」ザッ…ザッ…

キモオタ「ひぃぃいっ!! 誰かァあ!!?」ダッ!


【スタート:魔王を振り切れ】

【魔王が魔法を撃つ様です、コマンドから選択して回避して下さい】


a『右へ転がり飛ぶ』

b『左へ転がり飛ぶ』

C『久々に走ろうとしてその場で転ぶ』

d『走馬灯を見る』

直下


c!

c

c



    バキィィンッ!!


キモオタ「ァデッ!……ひぃぃ!?」ドサッ…ガバァッ


……魔王が右手を振った直後。

キモオタがそれまで居た位置から左右に向かって分かれた青白い光、それらが通った直後に巨大な氷の剣山を生やしていた。

その場からほぼ動けていなかった彼は、非常に幸運だったと言える。

【回避成功! ボーナス! 初期ステータスの『運』に+5!】


魔王「ほぉぉ……来たか、では次も逃げ切れるか…? 私はこの最上階より下へは追わんが……この階では直線距離など一瞬で追い付くぞ?」


キモオタ(ヤバいヤバいヤバいヤバいぉおおおおお!!?)ガタガタガタ……

キモオタ「ひぃやだぁぁあああっ!!」バッ


魔王「そぉら……避けてみろ、もう一度」


【玉座の間を脱出しました】

【次の曲がり角まで直線通路! 貴方の指示で回避して下さい】


下2


キモオタ(な……なんか『左手を振りかぶって腰を大きく落としてる……突撃でもしてくるの!?』)

剣山を盾に隠れて逃げる

床に這いつくばる


< ダッ!!


キモオタ「ひぃっ……ひぃっ……だれかたしけてぇえ……!」バタバタ

ガッ!

キモオタ「ぉほぉお!!」ドサァァアッ

キモオタ「に、逃げっ…………」


    ドオゥッッ!!!
魔王「む、まさか避けられるとは……面白い」シュタァッ


< ブワァアアア!!

キモオタ「ひぃぇえええええええっっ」ドサッ…ドサッ!! ゴロゴロゴロゴロッ


【回避に成功、『伏せる系』の指示の結果、風圧で飛ばされました】

【十字路に到着!】

【選択して逃げ続けて下さい】


a『右へ曲がる』※確実に即死攻撃を回避

b『左へ曲がる』※確実に即死攻撃を回避

C『直進するしかねぇ!』※回避指示を二回行い、下の階へ

d『右へ行くと見せかけ左へ……と見せかけ直進する』※何が起きても責任は(ry


直下

d



【末尾50! ダイス判定……9、成功しました!】


キモオタ(どっ、どど……どっちいけば……ぁうぃいい!?)バッ


    バキィィンッ!!

ゴゴゴゴゴゴ・・・ッッ
          ガラガラガラァッ!!


魔王(フェイント……だと、思いの外冷静に動けているのではないだろうな?)

魔王(まさか、例のヤツでは……いや、ないな)

【魔王が『読心術:神域』を使用し、キモオタの精神状態を探りました】

【十字路が塞がれました、追跡を振り切る事に成功!】

【最速ボーナス! キモオタの『運』ステータスに+5!】

【魔王城・59階に到着!】



キモオタ「ハヒィ……ハヒィ……こ、これ以上走れないよぉぉ……」

< ドサッ……

キモオタ「ぅぅぅ……」

キモオタ「はぁ……床、冷たくてひんやり気持ち良い……」ニチャッ

キモオタ「ニチャッ?」


キモオタ「ひぃぃいっ!!?」バッ


……半ば転がり落ちるかのように、小部屋から下へ続く螺旋階段を下ったキモオタはその場で倒れた。

頬に感じる冷たい感触。

恐るべき悪夢の中にいる彼にとって、全身を苛ます疲労と汗を冷やしてくれるそれは、心地好くも不快な質感だった。

蛍光灯ではなく、青白い炎が揺れる通路。

その通路を覆っていたのは……白濁とした色の、『糸』だった。


【50階層『四天王・アラクネの巣』に到着しました】

【現在地は階段部屋と呼ばれる安全地帯です、ここにはモンスターが『入れない命令を受けている』ので入ってきません】

【階段部屋の外はアラクネの糸が覆っている為、移動速度が落ちます※】

※……ダイス判定時に安価の末尾に+20をして対決、敗北結果は即死


キモオタ「はぁ……はぁ……もうやだエロゲしながらフィギュアにぶっかけたいお……」


キモオタ「ふー……」

キモオタ「ど、どうしよう……これ、この道歩きたくないし……」

キモオタ「てかこれ……さっきの全身トゲトゲとか、魔王っ?」

キモオタ「もしかして俺すげー体験してるんじゃ……やっぱり夢かなぁ」


< ガチャッ

< パタンッ


キモオタ「…………」

キモオタ(え、なんぞ今の音ぉぉ……)

キモオタ(おしっこしてから調べにいこう……)ポロンッ



< チョロロロ……

キモオタ(あー……なんだろ、これ夢なら間違いない)

キモオタ(多分、現実の俺はいま寝小便して朝に最悪の事実を知ることになる)

< チョロロロ……

キモオタ(でも、夢じゃなかったら……)

キモオタ(……エロゲ、できないし死ぬかも…………)

< ビーンッ

キモオタ(最後の濡れ場、あれエロかったなぁ)

キモオタ(ベータに陵辱されてる○○たんにフル勃起してたぉ)シコシコシコシコシコ


【固有イベント】

【キモオタは一心不乱に肉棒を扱いています、このまま扱きますか?】

a『しごいてどぴゅらせる』

b『(キモオタの精液飲みたいお)しごいてどぴゅらせる』

C『やめる、そして音のした通路の先へ進む』

d『扱きながらポケットのボールペンでアナニーも……』※高等オナニー


下2

【ちなみにbは単に選択した安価の人がホモなだけ】

c

c


キモオタ「っ! 俺はナニをしている!?」

キモオタ「こんなことしてる場合じゃない……さっきのトゲトゲ野郎が降りてくる前に逃げなきゃ」

< ゴソゴソ

キモオタ「さっきの音はなんだったんだ……向こうから聞こえたような……」ニチャッ…ニチャッ…


【どこかからか舌打ちが聞こえたようです】

【『幸運ボーナスイベント』が消失しました、通常進行となります】


キモオタ(この通路……足元が糸でねばねばして動きにくい)ニチャッ…ニチャッ…


【T字路に到着】

【どちらへ進みますか】

a『音のした右の通路へ』

b『左の通路へ』


直下


a


【アラクネの間に到着してしまいました……】


アラクネ「あら……魔王様に殺されず、よく辿り着いたわね坊や」


キモオタ「」


アラクネ「うふふ……雄の匂い…久々に興奮してきちゃった」

アラクネ「魔王様はアタシには魔法も直接攻撃も禁じたけど……ふふ、代わりにこれは使って良いそうよ」ピュッ


< ピシッ

キモオタ「へひぃ!?」

キモオタ(と、とれない……蜘蛛糸?)

キモオタ(それより銀髪生おっぱい! 生おっぱい! 銀髪! 生! おっぱい!おっぱい!!)


アラクネ(なんか思ったより余裕そうね……?)アレー?

【『蜘蛛の魔女糸』が五回、キモオタを捕らえると動けなくなります】

【キモオタの性別が男の為、即死ではないものの殆ど難易度が急上昇してしまいます】


アラクネ「それじゃぁ……始めようかしら?」クスクス

キモオタ(生おっぱい……しかも超絶美乳……)


【選択して逃走して下さい】

a『来た道を戻る』※階段部屋に引き返す事に

b『T字路まで戻る』

C『アラクネの間を出て右へ』※階段を探す


下2

c

エロ展開は無いのですか?
c




キモオタ「ひぃぃいっ!!」バッ


    ドゴォオオッ!!


アラクネ「うふふふ……待ちなさいよぉ…♪」シャカシャカシャカッッ

アラクネ「糸で捕まえたら好きにしていーと聞いたの、だから……ほら、逃げないの」


キモオタ(ひぃぃッッ、さっきよりもっと糸を出す気だぁ!!)


【アラクネの間を出て、右へ通路を進むと幾つか曲がれるのが見えます】

【選択して下さい】


a『手前左へ曲がる』

b『少し先の右へ曲がる』

C『更に先の右へ曲がる』

d『曲がらず直進する』※トリップ安価による回避モードへ移行、回避に全て成功すれば階段部屋に到着


直下

>>28
※固有イベント(キモオタの場合)ではエロが基本となります……
固有イベントは他の階(50階層において)では残り三ヶ所で起きます。

もしくはアラクネや女性型モンスターに敗北した後の死亡判定前にエロ描写が入ります。

賭けでd

二つの意味で捕食されんのね


< バヒュッッ!!


キモオタ「フヒィ…!!? うわぁ!!」バッ

< バチィンッ!!


キモオタ(今の……糸が当たった音? ちょ、鞭みたいな威力してるー!?)


アラクネ「階段部屋に行くつもりかしら! でも残念……こんな直線通路じゃ今みたいに避けられないわよ?」ググッ……


キモオタ(よ、避けなきゃ……!)


【現在の酉に含まれている数字は1以上7以下です、それを予想しながら1~11で数字を答えてください】

【答えた数字+酉内の数字=?VSダイス目となり、ダイス目より合計値が上回れば回避成功となります】


アラクネ「ふふ、それじゃぁ一発目……はぁん ♥ 」

< バヒュッッ!!



【ダイス:5!】


VS直下!

4

3

◆z3VB080o8E
#gjmt/4jwnd

【合計値、8! 回避に成功しました!】


キモオタ「ひぃぇえええええええっっ……」バッ

< バチィンッ!!


アラクネ(外し……た…?)

アラクネ(おかしいわね、この距離でこの程度のを外すなんて……)


キモオタ(もう、もうやだぁ! 誰か、誰か助けてぇえええ)


【アラクネがちょっと本気になりました】

【以降、常にダイス目+1となります!】


【ダイス:9+1=10!!】


下2


アラクネ(少し痛いかもね……でも死ななければ治してあげる)ググッ……

w

ごめん3

◆KTnwWg0xEw
#gjmt/3jwnd

【合計値、6……回避失敗】


< パァンッ!!

キモオタ「ぎぃひぃぃィッ!!、?!」ドサァァアッ


アラクネ「あら……ごめんなさいね、また避けられるかと思ったのよ、ふふ」


キモオタ(ぃ、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い)ググッ……

キモオタ(嫌だ、死にたくない!! 死にたくないぃ!!)ガバッ


アラクネ(思ったより逃げるわね、腰すら抜けてないみたい)

アラクネ「あと二回も糸で巻いたら動けなくなるかしらねぇ?」ググッ…


【全回避失敗、あと二回失敗で捕縛され『固有イベント・命乞いして豚男』が発動します】

【失敗した為、転倒後自動的に『階段部屋より2つ前の十字路を左へ進みました』】

【選択して逃走して下さい】


a『一番手前の右側の部屋に逃げ込む』

b『少し奥の小部屋が沢山ある通路まで走る』

C『やっぱり引き返して階段部屋まで……』※難易度最上級、複数の酉から一番高い数字の入った物を選ぶ

d『通路小脇に落ちている人形を拾ってからbへ』※何が起きても責任は(ry


直下


キモオタ(フヒィ……フヒィ…逃げなきゃ、逃げなきゃ……っ? なんかあそこ、糸に絡まった女の子フィギュア(?)が……?)


アラクネ(次は走れなくなるように足を撃ち貫いてみようかしら)

【ダイス判定、12クリティカルが発生……この選択した後の回避安価で失敗すれば走れなくなります】

d


< パシッ

キモオタ「ひい、フヒィッ……」タッタッ!

キモオタ(よく見たらこれ、ネットとかで高く売ってる奴だ……フィギュアじゃないお)

キモオタ(ふひ、ふひ、陶器製かな? その割には胸とか細部がリアルでエロいぉ)

キモオタ(ああ、それよりどうしよう……どこに逃げたら!?)


【長い青髪のドール(?)を入手しました】

【周囲に小部屋が沢山ある通路に到着】


アラクネ(……あれは、どういうことかしらぁ……?)

アラクネ(この階にあれがあるのはおかしいわねぇ……まぁいーけど)

アラクネ(それじゃ、行くわよ人間さん)ググッ

< バヒュッッ!!


キモオタ「ひっ……!?」


【選択して回避して下さい】

【また、キモオタの『固有イベント』が発生しそうです】

【選択して、その下に2~12の数字……つまりシステム側のダイス目を予測】

【誤差+-1以内で固有イベント発生!】


a『右側の小部屋に飛び込む』

b『左側の小部屋に飛び込む』

C『右側前方の小部屋に飛び込む』

d『左側前方の小部屋に飛び込む』

e『直進する』※固有イベント発生失敗していた場合は即死


下2

b

kskst

c

e


< ガチャッ!!

< バタァンッ!!


キモオタ「ひ、ひぃぃ……っ! 鍵、鍵……っ」ガチャンッ


< バチィンッ!!


キモオタ「…………」

キモオタ(鉄扉を貫通って……何これ糸? ねぇ、糸なの?)


< 「あらあら……そのお部屋から出た方が良いわよー?」

< 「そこ、私の子供達の部屋だから……」


キモオタ「!!?」バッ


子蜘蛛「チキチキチキチキチキ……」

子蜘蛛「チキチキチキチキチキ……」

子蜘蛛「チキチキチキチキチキ……」


キモオタ「ひぃぇ……っ」

キモオタ(も、もうだめだぁ……誰か、誰か助けてぇえ……母ちゃん、とうちゃぁん……!!)ギュゥッ……

ドール?「…………」


【ダイス目を予測して下さい】


直下


【尚、予測失敗で捕縛されます】

【失礼しました、予測されていたのですね】

【説明が下手で予測してもらえないと思いました】


【ダイス予測、8!】

【システム側のダイス……7、予測成功!】


ドール?「……人…間……?」ギギギ……

キモオタ「へ? ひっ、ぅ動いてるぅぅ!?」

ドール?「…てを……離して……」ギギギ……

キモオタ「うわぁぁあ!!」バッ


< ドサッ

ドール?「…………痛い」ギギギ

ドール?「……」チラッ


子蜘蛛「チキチキチキチキチキ……キィ?」ピタッ

子蜘蛛「チキチキチキチキチキ……キィ?」ピタッ

子蜘蛛「チキチキチキチキチキ……キィ?」ピタッ


ドール?「『深淵の子供達』、レベルは推定4……」

ドール?「……人…間、守る…………」


【固有イベント『人形師の忘れ形見』が発動!】

【即死以外の失敗結果を全て回避、モンスターを自動的に排除!】


キモオタ「……へ?」


ドール?「……」

ドール?「『五月雨……衝き』」ヒュンッ


子蜘蛛「ギッ……< バチュンッッ

子蜘蛛「チキチ…< バチュンッッ

子蜘蛛「チキチキ…< バチュンッッ


【モンスター『深淵の子供達』を全滅させました!】

【ボーナス! キモオタのレベルが2になった、全ステータスに割り振り可能ポイント+1】




アラクネ「……!」

アラクネ「まさか動けるなんて……既にあの人形師は死んでるのに」

アラクネ「くっ……あの糞人形!! よくも私の子供達をォォオッ!!」


────────── 「聴こえるか、アラクネ」


アラクネ「……何よ、デュラハンナイト」


────────── 「緊急だ……一階へ降りてこい」

────────── 「勇者パーティー、それも三組の12人だ」


アラクネ「嫌に大勢来たわね、それで私まで戦えと」


────────── 「連中は全員中級冒険者だ、下手をすれば四天王が一人殺られる」


アラクネ「ふぅ……ん、こっちは久々に人間の雄が降りてきて楽しんでるのだけど」


────────── 「……おい」


アラクネ「分かってるわよ、今行くわ」

アラクネ(あの糞人形……次に見つけたら粉々にしてやるわ)

アラクネ「【転移・下階】」キィンッ


【四天王・アラクネが50階層からいなくなりました】

【『蒼のドール』がキモオタの仲間になりました】

切りがいいのでここで


【『蒼のドール』のステータスが公開されます】

【ただし、これはキモオタには現在明かされていないステータスとなります】


『蒼のドール』
特殊スキル:オートマータ

Lv:20
HP:350
MP:70
力:65
魔:65
速:90

防御:0(人間よりは硬いが防御より攻撃を優先するため)
攻撃:150


『オートマータ』

「かつては不治の病、もしくは非業の死を遂げた人間の魂が籠められた人形のスキル」
「これにより直接的な操作を受けなくとも、人形に籠められた魂が人並みの行動と知能を持って動くことが出来る」

「蒼の髪は作成者が彼女を水の属性に適応していた事から染めた物であり、元は美しいブラウンだった」

「彼女の本来持っていた人格や記憶は小さな人形の中に縛られている」

所持魔法:『水の剣』『水の盾』『犠牲の焔』


【これ以降、彼女が死亡しない限りはキモオタを『戦闘』により守ります】

【彼女をキモオタが脱出する方法のうち、『5パターンでなら』元の世界へ連れていく事も可能です】


蒼のドール「……四天王、いなくなった」

キモオタ「そ……そなの?」

蒼のドール「……」ギギ…

蒼のドール「ん……持って」

キモオタ「へ? へひっ……!」


キモオタ(さっき何をしたか見えなかったくらい強かったのに、体は軽いなぁ……)


面白い


……通路から漂っていた死の気配はもうない。

理由は分からないが、少なくともキモオタが抱いている青髪の人形のおかげだと、彼は考えた。

小部屋の中は……元は人間が使っていたのかは分からないが、キモオタから見ると蜘蛛の子供に机やベッドは必要なのかと思えた。

しかし彼が知らないだけで、実際は成長すればアラクネ同様に半人半蜘蛛の魔族となる。


キモオタ(と、とりあえず……どうしようか)


【現在の状況から、キモオタの行動を指示して下さい】

直下


蒼のドール「……」

蒼のドール「人間……あなた、マスター……」

蒼のドールに話を聞こう


キモオタ「……ね、ねぇ君……」

蒼のドール「…?」ギギ……

キモオタ「ここは何処なの……かな、多分異世界だろうけど」


キモオタ「君の話が聞きたいな……なんて」


蒼のドール「何が聞きたい…? マスター」


【『他のキャラクターに話を聞く』が指示されました】

【『人形師の忘れ形見』のサブシナリオが僅かに進行!】


キモオタ(なにを聞いたらいいんだ……これ)


a『この建物は何なのか』

b『蒼のドールが何者か』

c『元の世界へ帰る方法』


直下

b

リア充っぽい男や、15歳で妊娠してる女は即死だったのにキモオタが善戦してるのは偶然かな?


蒼のドール「……私は…蒼のドール、名前は無い」

蒼のドール「この塔に来たの…は、私の…作成者であるマスターが……勇者パーティーの一人、だったから」

蒼のドール「…で…も、最後は勇者を裏切ろうと…して、殺された」


キモオタ(何があったかは聞きたくないなこれェ……)

キモオタ「え、えと……やっぱり君は人形なの?」


蒼のドール「……多分…でも、大丈夫…私、人間……守る……」ギギギ…


キモオタ(……まぁ、そういうならそうなのかな)

【他に何を聞きますか】(残り三回まで)

a『この建物は何なのか』

b『人形は蒼のドールだけなのか』

c『元の世界へ帰る方法』

d『フヒィ……ッ』


下2

>>54
※どの主人公も辿る道は大体同じです、皆様の運とこちらのダイス次第でこのまま生き残れるか否かが決まります。

魔王の初撃を左右に回避したら100%死亡するのを、皆様がどの段階で対処するかも結果により大きく変わりますし。
例えばキモオタの次は政治家か主婦の予定でした。

abc

【質問回答の安価先は>>60ですね、失礼しました】

aです

間違えましたaです


蒼のドール「…?」

蒼のドール「ここ……は、『エスト地方』にある……下位魔王の城」

蒼のドール「それを知らない…の…?」


キモオタ「い、色々ありまして……」


蒼のドール「……」

蒼のドール「通称は魔王城……フロアはそこまで広くない、のが…特徴」

蒼のドール「その代わり…各階層を支配する四天王が存在する…の」

蒼のドール「さっきの蜘蛛は……四天王アラクネ……」


キモオタ「な、なるほど……っ」


【他に何を聞きますか?】(残り二回まで)

a『この塔から出られないのか』

b『人形は蒼のドールだけなのか』

c『元の世界へ帰る方法』

d『フヒィッ…フヒィッ』


直下

c

b



蒼のドール「……?」


キモオタ「ぇ…えと、俺はあの魔王に召喚されたらしくて……」

蒼のドール「召喚……あなた、天使か悪魔…なの?」

キモオタ「ぇ、なぜに」

蒼のドール「召喚魔法で喚べるのは…天使と悪魔、この時空に存在しないとされる別次元の者だけ」

キモオタ(オゥフ……異世界召喚もそんなアレかぁ……)


蒼のドール「召喚魔法を解除するには……召喚した者を殺す…か、召喚された者を『返喚の儀』で……多分」


キモオタ「多分?」

蒼のドール「マスター…の、意図がもし、帰る事なら……人間の召喚にも同じ方法かは…分からない」

キモオタ「た、試して…みたい」

蒼のドール「…………」

蒼のドール「……帰れる場所があるなら、手伝う」


【最後に、聞きたい事を選択して下さい】

a『この塔から出たい』

b『他に人形がいるなら』

c『返喚の儀について聞きたい』

d『フヒィッ! フヒィッ…おっきしたぉ……』


下2

b

【まさかの安価末尾とダイスの同時クリティカル……少々手直しで時間かけます】

流石のキモオタ
あんまり応援する気にならねーなww


……青い髪に触れる鼻息。

極度の緊張状態から漸く解放され、初めて誰かがいるという状況。

そして、相手が膝に乗せられる程度の小さな存在なのが、キモオタという人間を後押しした。


蒼のドール「……マスター…?」

キモオタ「フー…フー……ちょっと、いいかな…」ゴソゴソ

蒼のドール「マスター……それ、なんで……」


戸惑いを見せるドールに、キモオタは股間から取り出した肉棒を下腹部に擦り付けた。

小さな手が彼の肉棒の根元に触れて、弱々しく押してくる。


キモオタ「~~っ……!」ブルルッ

蒼のドール「ぁ……」


童貞である彼にとって、他者に触れられる感触は刺激が強過ぎたのは間違いない。

何故ならその押してきた快感に射精してしまったからだ。


    びゅっ……! とぷっ……びゅっ……


蒼のドール「…………」ドロッ…

キモオタ「ふぅ……」

蒼のドール「……マスター、あの…これ……」ドロッ…

キモオタ「ドールたんドールたん……」ぐいぐい


未だに動揺しているドールを、キモオタはその精液にまみれた肉棒を身体に押し付けたまま指で肢体を触り始める。

彼にとって、誰かにぶっかける事はまさにステータスだった。

デパートのおもちゃコーナーにいる幼女に背後からぶっかけたこともある。

公園にいた幼女にもぶっかけた。

そして少し大きな少女にも……彼が払った代償は大きかったが。


キモオタ「フヒィッ…フヒィッ…フヒィッ」

蒼のドール「マスター……せめて、何かお話したい…」


【話しかけながらぶっかけよう】

a『他にもドールがいるのかと塔から出る方法と返喚の儀について聞きたいおぉ』

b『ドールたんとせっくすしたいぉお』

c『全部やるぉおおおおおおおおお』


直下

3

abcか
cの間違いですすみません

このキモオタやっぱり死んだ方が良かったんじゃ…


キモオタ「フヒィッ…フヒィッ…せっくすしたいぉお…せっくすせっくす…………」

蒼のドール「ま、マスタぁ……待って、ドールにそんなの入らない……」

キモオタ「じゃぁ……口まんこ使って…」


……キモオタのどろどろになった肉棒がドールの口元に添えられると、それを唇に塗りつけながら腰を揺らす。

次第に困ったような表情を見せるドールに、キモオタの劣情が更に加速してしまう。


キモオタ「ほら……おちんちんくわえながらお話しようか…フヒィッ…」ぐいぐい

蒼のドール「ん………やぁ…チュプ…んぅ……」

キモオタ「~~ぉ、ぉ、ぉおっ」ブルルッ

< びゅるるっ! びゅっ……びゅっ……

蒼のドール「……ん………コクンッ…」


キモオタ「  !  」


キモオタは見逃さなかった。

唇から僅かに入り込んだ自身の精液、それを確かにドールは飲み込んでいた。

彼の鼓動が加速する。

初めて体験するフェラ、そして擦り付け………。


キモオタ「フヒヒヒィッ……ドールたんドールたん♪ この塔から出るにはどうしたらいーのかなっ ♥ 」

蒼のドール「それは、各階層の何処かにある魔方陣で……んぐぅ?!」ヂュププッ

キモオタ「おっおっ……♪ ドールたんの小さなお口まんこにおちんちん入ったぉ……!」ビュルルルッ…ビュルッ…

蒼のドール「ん……んぅう……っ」ゴクンッ…ゴクッ


キモオタ「ふひっ♪ フヒィッ……♪」ヂュプッ…ぐいぐい


──────────

──────

───



……【塔から出る方法と、他ドールの所在、返喚の儀をするのに必要な祭壇の場所が判明しました!】


蒼のドール「……ゴクンッ…ん…コクンッ」ドロッ…

キモオタ「はぁ…はぁ……」

蒼のドール「……マスター、大丈夫…?」

キモオタ「フヒィッ… だ、大丈夫……ちょっと休憩……」へたっ

キモオタ(生まれて初めて十四回も射精したお……フヒィッフヒィッ、ドールたん最高だぉ)


蒼のドール「……それで、マスター…どうするの」


キモオタ「んー……そうだ」

【行動確認安価です】


a『ドールの仲間を探す』

b『塔から脱出する』

c『返喚の儀を行う祭壇を探す』


下2


a

a

このキモオタこの世界で暮らした方が幸せなんじゃ・・・



蒼のドール「…!」

キモオタ「ふー……ドールたんみたいな子が他にもいるなら、是非とも探したいお」

蒼のドール「…でも、危険……いいの…?」

キモオタ(こんな最高の体験が出来るなら全然OKだろぉ!)フヒィッ

※賢者になっているため、恐怖心が消えている。


蒼のドール「……なら、多分ここの直ぐ下の階にいる…」

蒼のドール「私ともう一人は……マスターの持ってた本を探しに…この塔を登ってきた…から」


キモオタ「本?」

蒼のドール「……」コクン

蒼のドール「……でも、他の『深淵の魔女』達に罠にかけられて…装備を外されて人形のように弄ばれた…」

キモオタ(人形じゃん)

蒼のドール「…でも、マスターのおかげでまた動き出す気になれた」

蒼のドール「こっち……マスターは守る……から、仲間の所に…行きたい」


【魔王城・58階に向かって行きます】


俺が甘かった
こいつは死ぬべき


【魔王城・58階に到着】

【道中の低レベルモンスターを倒した!】

【キモオタのレベルが2~4にアップした!】

【全ステータスに+3分の割り振りポイントが追加!】


キモオタ(……本当に強いなこの子、途中にいたヤバそうな……SAN値直葬級の化け物も倒してくれたし)

蒼のドール「階段部屋は……今は安全」

キモオタ「ありがとうドールたん」

蒼のドール「私の仲間の気配は…この階にある……けど、同時にモンスターの気配も多数ある」

キモオタ「フヒィ…こわいなぁ」

蒼のドール「……まだ弄ばれてるのかも」

キモオタ「な、なら助けに行かないと……」


【階段部屋に小部屋があるようです】

a『小部屋を探索』

b『小部屋を無視して通路へ、十字路まで進む』

c『それより……フヒィッフヒィッフヒィッ!』※安価末尾とダイスの合計値が100越えなければ戦闘


直下

a


< ガチャッ……

キモオタ「……」コソコソ

蒼のドール「マスター……下がって」ヒョイッ

キモオタ「え、モンスターの気配はないんじゃ…?」

蒼のドール「罠…とか、あるかも」

キモオタ「ぅ……じゃぁ任せたぉ」


……小部屋の中は書斎を思わせる造りになっている。

キモオタが中へ入ると、それより前に出る形で足元を蒼のドールが歩く。

彼等が小部屋の中に入ってから、小部屋にある本棚の本が一冊、倒れた。

びくつくキモオタを庇いながら……ゆっくり、ゆっくりと二人は中を探索した。


【選択して下さい】

a『本棚を見る』※安価末尾とダイスで対決、末尾側が敗北した場合は戦闘

b『机の中を見る』※ダイス判定、8を越えていなければ戦闘

c『宝箱を見る』※安価末尾が奇数で無事に開けられる

d『ベッドの上に綺麗な女性がいる』※安価取得者の性癖を暴露すれば仲間が一人追加……ただし裏切る可能性あり


下2


ksk


【本当に奇数を出すとは…………】


キモオタ「宝箱だぉ」

蒼のドール「待って…マスター」テクテク

蒼のドール「……」

蒼のドール(周囲に罠は……あった、けど効力を失ってる)

蒼のドール「大丈夫」


キモオタ「ありがとうドールたん! こういうRPGみたいな宝箱、1度開けて見たかったんだよ」ガチャッ








ミミック「    か  ぱ  ぁ    」





キモオタ「へ……ぁ?」


蒼のドール「……!!」

【次の選択肢から選択して回避して下さい】


a『右へ転がる』

b『足が動かない……』

c『左へ転がる』

d『蒼のドールを盾にする』


直下


c

無事に開けられる(開けた後無事でいられるとは言ってない)ってか
さてどうなる


キモオタ「うひゃぁああ!!?」ゴロゴロッ!


蒼のドール「マスターだめっ! そいつは噛みつくんじゃなくて…………ッ」






ミミック「   『【『 死の瘴気 』】』   」





【ミミックの『死の瘴気』が発動!】

【蒼のドールには効かなかった!】

【キモオタの魂が死界に送られた! 即死!】


キモオタ「……コ……ヒュゥ…」ドサァッ


蒼のドール「マスター! マスター!」


ミミック「く、け、け、け、け、け…………」

ミミック「愚か……実に愚か…………」


蒼のドール「……マスター……!!」


ごめん……

初見殺しはしょうがない
そもそも宝箱選んだの俺だし…俺もごめん


……豪奢というには飾り気はない、所謂RPG等のゲームで見られる赤い宝箱。

キモオタという一人の青年はそれまでの恐ろしい体験を忘れて、その死の箱に手をかけてしまった。

何故なら、今の彼はどんな形であれかつて願った自分の姿だったから。


『死の瘴気』は魔法である。

瘴気を当てられた者は例外なく死の世界へ魂を送られてしまう、恐るべき即死魔法。

これによりキモオタは苦痛を覚えることなく即死した。

だが、死の世界に送られた魂は確かに虚無の空間で独り佇んでいた。

彼は思い出した。

かつて幼い時に好きだった近所の子が突然いなくなったのを。


それが原因とは、言い訳できない。

だがそれが無関係とは言わない。

いつからだったのだろうか、あのいなくなった女の子に近い少女達を、守るのではなく汚す様になったのは。

そんな自身の現実から逃れようと、ゲームの世界に没頭していた彼は今……闇に覆われた世界で立ち尽くしていた。



【キモオタは死亡した】

【主人公を変更します】

【……ダイスクリティカルが発動】

【蒼のドールが59階の階段部屋に移動しました】

魔王「ようこそ、我が城へ……」



犬「………クゥーン」


魔王「翻訳の魔法なら効いてる筈、私の言葉は分かるな?」


犬「わう?」


魔王「……宜しい、では説明してやろう」

魔王「幸いな事にお前は私によって、異なる世界から召喚された」

魔王「しかし残念ながら私の魔力では仮初めの命など用意は出来ぬ」

魔王「何が言いたいか、つまりお前はここで死ねば元の世界でも死ぬ」


犬「………………」

犬「ガルルルルル……」

< ザッ……


魔王「何故召喚されたか、聞きたいだろう」

魔王「私を楽しませる為だけに、お前はこの城で1日だけ生き残れば良いのだ」

魔王「さて……スタートは私を振り切ってみろ、逃げ切れなければ殺す」スタスタ


犬「ガルルルルル……ガルルルルルゥゥゥウッ」ザッ……


魔王(あれ……なんでこんな好戦的なのこの犬)

魔王(そもそも何故に人間じゃなくて犬が……?)


【スタート:魔王から逃げ切る】

【魔王が魔法を撃つ様です、コマンドから選択して回避して下さい】


a『右へ飛ぶ』

b『左へ飛ぶ』

C『見切る』

d『天狼抜刀牙』


直下

c

わんちゃん頑張って!!



    バキィィンッ!!   シュタッ……シュタッ!


……魔王が右手を振った直後。

左右に向かって分かれた青白い光、それらが通った直後に巨大な氷の剣山を一匹の犬(全長3m体高2.3m)が全て回避していく。


犬「ガルルルルルゥゥゥウッ!!」ズサァァアッ


魔王「……今のを避けるとは、なんだ貴様」


犬「ガルルルルル……」


a『逃走』

b『天狼抜刀牙』

c『瞬歩+天狼抜刀牙+逃走』

d『遠吠え』


下2

a
なんだこの未だかつてないハイスペック生物主人公

c



    フッ……!!


魔王「!?」

魔王(玉座の間を縦横無尽に駆けて……ッ!)


────────── 『天狼抜刀牙』ッッ!!


魔王「嘗めるな、畜生風情が」ヒュッ

< パァンッッ

犬「キャィンッ!?」ドサァッ


魔王「死ね……人間でなければ面白くもない」

犬「ガルルルルルゥゥゥウッ!!」


a『見切る』

b『天狼抜刀牙(フェイント)』

c『遠吠え』


直下

【逃走=天狼抜刀牙(擦れ違い様に斬り付け的な)】

安価なら下でお願いします。

? …あれ、逃走…あれ?

なるほど



犬「ガルルルルルゥゥゥウッ……」

犬「バウッ」

────────── ドゥッッ!!


魔王(さっきより速いだと……!!?)

魔王(だが、その動き……見切ったぞ)ヒュッ


< パァン……ッ


魔王「な……んだと…………?」


……魔王が虚空に放った手刀は空を斬るのみ。

それまでに感じていた気配や犬の足音(人間では聞き取れない程度)すら消え失せ、来ると思っていた斬撃すら来ない。

想像だにしていなかったフェイントに、魔王は一人虚しく膝から崩れ落ちたのだった。


魔王(変なの喚んじゃった……)ガクッッ


【フェイント成功!】

【逃走に連鎖! 成功! 59階に到着!】

【初期ステータスが既に最大値の為、犬の『速』は上がらなかった!】


切りがいいのでここまで

心の中でめっちゃ漢らしい事思ってそうな犬だな

> 一匹の犬(全長3m体高2.3m)

でかくね?
狼かな?

犬にしろ狼にしろ明らかに普通じゃないデカさ

もう熊だろww

大神かな?

もう人間いらんな(確信)

>>115
ああ、アマちゃんか。なら強くて格好いいのも納得
生き延びてほしいなー


犬「ハッ…ハッ……」シュタッ

犬「……」

犬「クゥーン……」ヘタンッ


蛍光灯ではなく、青白い炎が揺れる通路。

その通路を覆っていたのは……白濁とした色の、『糸』だった。


【50階層『四天王・アラクネの巣』に到着しました】

【現在地は階段部屋と呼ばれる安全地帯です、ここにはモンスターが『入れない命令を受けている』ので入ってきません】

【階段部屋の外はアラクネの糸が覆っている為、移動速度が落ちます※】

※ 今回の主人公である犬には効果無、『あらゆるステータス異常を無効化』状態。


犬「……クゥーン…」

犬「…………?」ピョコッ


……犬が僅かに疲れを癒そうと、その場で眠ろうとした時。

階段部屋の通路へ続く道の半ばで、呻き声が聴こえてきた。

白いその巨体を起こした犬は、ゆっくりとそれに近づいた。


【選択して下さい】

a『様子を見る』

b『無視する』

c『遠吠え』


直下


a


蒼のドール「ぅ……ぁ…」ギギ……


犬「……クゥーン…」ヒタ…ヒタ…


蒼のドール「だ…れ……ます…たぁ……?」ギギ…


……糸に絡まり、目が有ったであろう顔の半分は砕けた人形、それが入り口に倒れていた。

何かに噛み砕かれた痕も見える、犬は人ならざるそれに近づき、じっと観察した。


蒼のドール「……お願…い、だれ……か…………」


犬「……」


a『治す』

b『人形を形作っている殻を破壊』

c『遠吠え』


直下

a

あれ、これよく見たらbの方が・・・?


犬「…………スゥ……」クンクン


蒼のドール「……!……」パキパキパキ……


……犬の鼻先が、壊れかけたドールに触れた瞬間。

静かに何かを吸い取るにつれて、砕けた箇所が全て元の形へ戻っていった。

蒼のドールがその青い瞳まで治ると、目の前に座って自身の身体に鼻先を当てる犬に目を見開いた。


【キモオタ固有イベント『人形師の忘れ形見』を引き継ぎました】

【とある選択肢を選ばなかった為、サブシナリオ最速クリアボーナスが消えました!】

【固有イベント『白い犬の珍道中』が発生しました! 蒼のドールが仲間になりました!】


蒼のドール「……ありがとう…あなた、だれ…?」

犬「……」ヒタヒタ…

犬「クゥーン」ヘタンッ

蒼のドール「え?」


犬「……Zzz」スゥ……


蒼のドール「…………」

蒼のドール「大きな……わんこ」テクテク…モゾッ

【犬の行動ターンが一定を過ぎたので眠りました!】

【蒼のドールと仲良くなれました!】


蒼のドール(……あったかい…モンスターじゃないみたいだけど、何だろうこの犬は…?)

犬「Zzz」スゥ……


【魔王城・52階】




────────── タッタッタッ・・・!



弓士「急げ! このままだと追いつかれ……ッ」

男勇者「弓士さん、危ない!!」ガバッ


─────『【『 地獄爪殺法 』】』─────


    ザンッッ!!

男勇者「がッ……ァぁ……!!」ビシャァッ

< ドサッ!!


アラクネ「手間取らせてくれたわね……三組いたパーティーも壊滅、死人を除けばアンタ達三人だけよ、ここに残ってるのは」


弓士「ゆ、勇者っ…………」

薬師「弓士さん! 逃げましょうよぉ!!」

弓士「てめぇ! 勇者を見捨てて何処に行くってんだよ!」

薬師「そんな……わ、私だって死にたくない! 死にたくないよぉ!!」


アラクネ「残念だけど、アンタ達はここで仲良く死ぬのよ……理解出来たかしら…?」ギチッ


アラクネ「『重圧:神域』……♪」キィンッ


男勇者「ギッ!! ……ぃぃぁあああああ!!!!」

< ぐちゃぁっっ


弓士「……ぁ…」

薬師「弓士さん!! こっち……!」

【薬師は『爆煙玉』を使った!】


アラクネ(チィ……麻痺毒の混じった煙玉ね、追跡するより上層で待ち伏せて配下を下層から呼んだ方が早いか)


【魔王城・53階】


弓士「ぁぁぁ……勇者が、勇者がぁ……」

薬師「いい加減にしてください……っ、このままでは私達も無駄死にです!」

弓士「でも、アタシには……勇者がいないと……」

薬師「この魔王城にいるモンスター達は、勇者ギルドの情報と大きく違うんです!」

薬師「そしてギルドにある情報がこれだけ違い、本来なら上級勇者パーティーが来るのを下級ばかり来てるんです!」

薬師「このまま私達まで死んだら、これからもっと冒険者が死んじゃうんです!」


弓士「でも……これからどうすれば……」


薬師「…………先ずはこの階段部屋で傷を癒して、私が色々と薬を調合します」

薬師「時期を待ちましょう、三組も同時に勇者パーティーが帰還してないとなれば調査隊も来るはず……」

薬師「それまで、それまでここで生き延びるんです……」


薬師(……来るのか分からない助けを、待ちながら……魔王の胃袋も同然のここで……)



【メインシナリオが進行! 『助けを待つ異世界の冒険者達』が発生しました】

【『白い犬の珍道中』のユニークシステムとクロスしました!】

【犬の夢にここまでの内容を映しますか?※】
※映した場合、他ドールの捜索と『蒼のドールのお願い』より優先に救助に向かいます。


a『映す』

b『映さない』


下2


a


【魔王城・59階】


犬「……クゥー…ン」ノビーッ

犬「……」パタパタ


【犬の夢に『助けを待つ異世界の冒険者達』が映りました、自動的に救助に向かいます】



蒼のドール「……? どうした、の…」


犬「……」パタパタ

< カプッ

< ヒョイッ


蒼のドール「わっ……」ポスッ

蒼のドール「背中に乗せて…くれるの…?」


犬「……」ヒタヒタ…


【T字路まで何事もなく到着】

a『右の通路へ』

b『左の通路へ』

c『遠吠え』


直下


b

a


犬「……」ヒタヒタ

蒼のドール「待って……モンスターの気配がする」

犬「……」ヒタヒタ

蒼のドール「ま、待って……ってば」くいくい

犬「……」ヒタヒタ

蒼のドール(止まらない……、このままだと……!)


< 「くすくすくすくす、くすくすくすくす」

< 「可愛いわね、あの時のドールかしらぁ」

< 「くすくすくすくす、くすくすくすくす」

< 「大きな……狼? 『ダースウルフ』にしては優しい顔つきしてるし違うわね」


蒼のドール「……『深淵の魔女』達……ッ」


蜘蛛魔女「くすくすくすくす」

蜘蛛魔女b「惨め惨め惨めぇ♪ 人形に囚われた人間惨めぇ♪」

蜘蛛魔女c「何処へ行くのかしらぁ、待ちなさいよぉ」ググッ……

< バヒュッ!!


犬「……」ヒタヒタ

< ジュワァッ

犬「……?」チラッ


【『深淵の魔女』の猛毒糸が無効化!】

【ユニークシステムにより『四天王級』以外は戦闘無し!】


【選択して下さい】

a『無視して階段部屋へ向かう』

b『蜘蛛魔女cの胸を凝視』

c『遠吠え』


直下


蜘蛛魔女c「な、なによ……今の」

蜘蛛魔女「糸が触れる前に溶けた、まさかコイツ……っ」


b

ドールにこめられてるのは魂な訳だから殻を壊したら昇天するんかな


犬「……」ピタッ

犬「スゥ……」



       「オォォォ──────────────ンッ 」




蜘蛛魔女「~~~ッッ!!?」

蜘蛛魔女b「ひぃぁ……!!?」

蜘蛛魔女c「~~ッッ!!」


蒼のドール「~~~っ……!」ビリビリビリッ


    ドッッ!!!


【54階までの『四天王級』以下のモンスターが鎮静化、魔力を帯びている『糸』が通路内から消滅!】

【『深淵の魔女』達の攻撃力、防御力が0になった!】

【蒼のドールが萎縮して暫くの間動けなくなった!】


蜘蛛魔女b「やっぱり……何よコイツ、お母様並みの……っ」

蜘蛛魔女c「逃げるわよ……お母様に報せなきゃ」

蜘蛛魔女「おぼえてなさいよ! わんわん!」


< フワァ……!


犬「……」はヒタヒタ

蒼のドール(か、体が動かない……今ので周囲のモンスターの気配も消えてる……)


【自動的に58階に移動します】


このお犬様はなんなんだ……何者なんだ……
安価なら↓

俺はもののけ姫のモロの子供の山犬でイメージしてる、大きさも同じっぽいし

かっこいい

白い毛並 大きい 破魔の力があるっぽい  これで隈取があったら某アマテラスなんだよなぁ


【魔王城・58階】


犬「……」ヒタヒタ…

< ピタッ

犬「……クゥーン」

蒼のドール「……マスター……」


……螺旋階段を下りてきた犬の前に現れたのは、小部屋から半ば出ている形の遺体。

薄いパジャマに、下はブリーフの肥満体の男。

近くに落ちている歪んだフレームの眼鏡は、何処か大切に使われていた事が、犬には分かった。


犬「……クゥーン」クンクン

< カプッ……

< ずるずるずる……


蒼のドールが言うマスターの意味を、犬は理解できてはいない。

しかし、人が無念の中で死に至ってしまったのなら、犬はそれを讃えて葬らなければと思った。

かつての自分が生きた時代では、そうだったのだから。


犬「……スゥ……」クンクン…

【キモオタの魂が死界から肉体に戻された】

【キモオタの魂が輪廻に送られた、主人公枠が人間に戻された!】


蒼のドール「いま……マスターが…?」

犬「……」パタパタ


……その犬の表情は、何処か哀しげだった。


戻さなくていいから(良心)

キモオタハッピーエンドルートは是非見たいからね

大神アマ公かとも思ったがもしかしたらフェンリルって可能性も・・・?

すっげー練られた設定だな。攻略したいし、考察したいわ
キモオタはここに来る前から屑なので救われなくて良いんですよ(ニコリ)

何だこいつ


【魔王城・55階】



アラクネ「……さっきのは…何?」

アラクネ「まさか……いや、でも、有り得ない……ッ」

アラクネ「魔王様は知っていると言うの? ……『神獣』が入り込んでいる事を」


< フワァ……!

< 「お母様! 大変です!」


アラクネ「……お前達、一体どうしたの」

蜘蛛魔女「『神獣』です! 『神獣』が何故か上層に居て……私達の魔力も、通路内の『巣』も消滅されました!」

アラクネ「やっぱりそうなのね」


アラクネ(魔力の無力化、恐らくは四天王と渡り合えるのは間違いないわね)

アラクネ(だとしてもおかしい……魔王様が『神獣に気づかない事は有り得ない』のに)

アラクネ(そして魔王様の追跡を振り切ったのだとしたら……或いは)

アラクネ(どうしようかしら)


アラクネ「…………」

アラクネ「魔王様には私が報告するわ」

アラクネ「お前達は53階辺りの階段部屋へ……人間を捕らえて来なさい」

蜘蛛魔女「はい!」

アラクネ(さて……魔王城最強の私がお相手するわよ、『神獣』さん)


【メインシナリオが『遠吠え』により進行!】

【『救助を待つ異世界の冒険者達』にタイムリミットが制限されました】

【これより最速クリア以外になると、デメリットを抱えての戦闘が発生します】

乙!



【魔王城・58階】


犬「クゥーン」パタパタ

蒼のドール「ど、どうしたの……?」

蒼のドール(さっきからくるくる回って尻尾を振ってるけど……)


【どちらに進もうか迷っている様です】

【選択して教えてあげて下さい】


a『右の通路へ』※階段

b『左の通路へ』※突き当たりの小部屋に他ドール

c『直進』※小さな助けを求める声


犬「クゥーン」パタパタ

蒼のドール(何処に行こうか分からないというより……迷ってる、困ってる感じに見える)


直下


c

a



< 「ギチギチギチギチ……」

< 「ギチギチギチギチ……」

< ビシッ…! ビシッ…!

< 「キィ…キィ…!」


犬「……」ヒタヒタ…

蒼のドール(これは……『深淵の子供達』の仲間割れ?)


子蜘蛛「キィ…! キィ…!」オロオロ

子蜘蛛b「ギチギチギチギチ……」ビシッ

子蜘蛛c「ギチギチギチギチ……」ビシッ


子蜘蛛「キュィィ……」


犬「…………」

犬「ワンッ」


子蜘蛛b「~~ッッ!!???」ビクゥッッ

子蜘蛛c「~ッッ!!???」ビクゥッッ


【『深淵の子供達』b、cが逃げ出した!】


子蜘蛛「キィ……」パタッ


犬「……」ヒタヒタ…

犬「スゥ……」クンクン


【傷ついた子蜘蛛の傷を癒しました】



子蜘蛛「……ギチギチギチ…?」


犬「……」ヒタヒタ…


……ほんの少し体の大きな子蜘蛛達に虐められていた子蜘蛛は、突然現れた白い犬に助けられた。

その理由は幼い彼女には分からない。

そして問いかけにも、果たして聞こえているのかすら分からない程に、犬はそれに答えず通路の奥へ進んでいってしまう。

力の無いモンスターはこうして他の強いモンスターの糧になることは、珍しい事ではない。

ましてや母であるアラクネの期待に応えようとしたら、他の姉妹達でさえ殺し合う事はよくある事だった。


子蜘蛛「ギチギチギチギチ……!」カサカサカサ…

犬「……」ヒタヒタ…

蒼のドール「ねぇ……着いてきてる」くいくい

犬「……」ヒタヒタ…


子蜘蛛「……」カサカサカサ…


彼女は何となく、この城で見たことの無い白い狼なのか犬なのか分からない者に、着いていきたくなった。

そこに深い理由は無い。

ただ、彼女は無意識の内に犬に感謝したかったのかもしれない。


【『白い犬の珍道中』が進行しました!】

【『深淵の子供達』、子蜘蛛が仲間になりました!】

【犬の『生前の記憶』が思い出されました、次回の『魔王との戦い』における全てのコマンドに『瞬歩』が追加!】


【自動的に57階に移動します】


仲間が増えてきた!

>>145
何か変なこと言ったか?
不快にさせたならすまんかった

とりま乙

なんだこのかっこいいお犬様

まだ?


【魔王城・53階……階段部屋】


弓士「ぐ……ぁあああ!!」ドサァッ

薬師「弓士さん!! そんな、ここには結界も張ってたのに……!」


蜘蛛魔女「ふん、貴女達如きの魔法結界で、お母様の力を受け継ぐ私達を阻めると?」

蜘蛛魔女b「滑稽ね勇者パーティーの癖に、くすくす」

蜘蛛魔女c「お母様の命により、貴女達二人は生け捕りにしてあげるわぁ……本当は八つ当たりに引き裂いてやりたいのだけど」


薬師「……っ」ザッ


蜘蛛魔女c「あらぁ? お仲間の為に戦うつもりぃ?」

薬師「私は補助と阻害専門ですから……残念ですがッ……!!」バッ



薬師(お願い、成功して……!)チャキッ…


【選択して薬師のスキルを成功させて下さい】

a『絶えず自壊する泥の人形』

b『血を代償に与えるは全盲の薬』

c『水で溶かす白濁の粉、堅く利己的な真実』


直下


a


【絶えず自壊する泥の人形……結合せよ…反発せよ…】

薬師(お願い……お願い……!!)ザクッ…!


蜘蛛魔女b「自傷……? まさか、『自己犠牲魔術』……!」


薬師「つぁ……!」ドクドク……

【血が詠唱を紡ぎ出す】



【絶えず自壊する泥の人形……結合せよ…反発せよ…】




【地に満ち、己の無力を知れ】




< バヂィンッッ!!

薬師「ぎゃんッ……ガハッ…………ぁ……」ドサッ!

【スキル使用に失敗!】

【薬師が死亡しました、条件を2つ満たせなかった為にバッドイベント!】


弓士「はぁ……はぁ……ッ、薬師ぃぃい!!!」


蜘蛛魔女「きゃっはははははは!! なぁに今の? 馬鹿みたい馬鹿みたぁい♪」

蜘蛛魔女b「惨め惨めスキルも発動させずに死んだ女惨めぇ♪」

蜘蛛魔女c「くすくすくすくす……さぁ、貴女は抵抗せずに来てもらうわよ……」


弓士「っ……!!」


【メインシナリオが進行しました】

【『救助を待つ異世界の冒険者達』の失敗条件を満たした為、次回の戦闘でデメリットを抱えて戦闘!】

【クリア条件のポイントが55階・広間になりました】


こりゃ死にゲーだなぁ

きっついなぁ、読まされるからなおさら


【魔王城・57階】


犬「……」ヒタヒタ…

蒼のドール「……ね…、この魔物をどうするの…」

犬「……」ヒタヒタ…

蒼のドール「……私が殺…す…?」

子蜘蛛「ギチギチッ……ギィッギィッ」カサカサカサカサ

蒼のドール「……」ギロッ



犬「クゥーン…」ヒタヒタ



蒼のドール「……ごめんね……」

子蜘蛛「……」カサカサカサ……


……殺意を犬の後ろへ向ける蒼のドールに、悲しげな声が薄暗い通路に響く。

犬は子蜘蛛をどうこうするつもりはないらしい。

それを察した蒼のドールは、滑らかな髪を揺らしてから一言、子蜘蛛に謝った。


暫く歩いた先には、3つに別れた通路が現れた。


【選択して下さい】

a『真ん中の通路へ行く』

b『右の通路へ行く』

c『左の通路へ行く』

d『子蜘蛛をくわえる』※直後にコンマ以下とダイスで対決判定、コンマ以下の数字が大きければイベント


下2



ksk


【右の通路へ進みます】


    ギチギチギチ……
       ギチギチギチ……
 ギチギチギチ……    ギチギチギチ……
          ギチギチギチ……
ギチギチギチ……   ギチギチギチ…… ギチギチギチ……
    ギチギチギチ……



蒼のドール「……『深淵の子供達』の巣……!」

犬「……」ヒタヒタ…

子蜘蛛「……」カサカサカサ…


【主人公のレベルが50を越えている為、トラップ不発!】

【『白い犬の珍道中』での『子蜘蛛』は攻撃されずに通過!】

【選択して進みます】


a『風が吹いてくる通路へ』

b『普通の通路へ』

c『遠吠え』


直下




【通路を進むと、何処からともなく暴風が吹き荒れる!】


    ビュォオオオオオオ!!!


犬「……!」ズザザザッ……

蒼のドール「ぁ……」ふわっ

犬「ハゥッ…!」カプッ

蒼のドール「ひゃう……あ、ありがとう……」




< 「ギィッ……!!」




犬「!」

蒼のドール「……あれは…!」



闇蜘蛛「……シィィィ……」ガシィッ…

子蜘蛛「ギィッ…! ギィッ…!」ジタバタ


蒼のドール「『深淵の闇蜘蛛』……風とアラクネの子供達特有の闇属性の魔法は……気をつけて」

犬「……」ヒタヒタ…


闇蜘蛛「……?」

犬「……」ヒタヒタ…ピタッ






犬「……………………」





a『無言で見続ける』

b『一言吠える』

c『切り裂く、切り裂く』


直下



a



犬「……………………」


闇蜘蛛「……」

子蜘蛛「ギィッ…! ギィッ…!」ジタバタ


犬「……………………」



……何をするのでもなく、ただ其処に座っている。

尻尾も、耳も、全てが止まったまま小さな蜘蛛の子供を鋭い脚で抑える闇蜘蛛を見続ける。

闇蜘蛛ですら、補食や敵対者を追い返す風魔法を使うことを忘れていた。

闇蜘蛛は基本的にアラクネの子供ではあるが、蜘蛛の姿から先には進化できない。

それは一重に、魔物としての本能が特別な存在に必要である『精神力』を排除してしまっていたからだ。


つまり、闇蜘蛛とは野性的過ぎるが故にアラクネにはなれなかった子なのだ。


そんな闇蜘蛛は、いま自身よりは小さな犬に見られていた。

その視線が、闇蜘蛛の全てを捉えている。



闇蜘蛛「……」

小さな疑問から気づき、その視線を追い、感覚的に意味を考える。


闇蜘蛛「…………」ピクッ

そして、僅かにその意図が野性的ながらも理解できると、白い犬の眼を改めて見る事になる。


闇蜘蛛「……………………っ……」ビクッ

強い。

それも、想像すら出来ない程に、同じ生物とは思えない程に。




犬「………………………………」



……暫くしてゆっくりと子蜘蛛を解放した闇蜘蛛は、そのまま闇に溶けるかのように消えた。

犬は、優しく子蜘蛛に鼻先を近づけて匂いを嗅いでから、再び通路の奥へと進んでいった。

【50階層から闇蜘蛛が消えました】

【代わりに次の主人公での『周回』では、40階層で出現するようになります】


【自動的に56階へ移動します】



【魔王城・56階】


子蜘蛛「ギチギチッ……ギチギチッ」カサカサ

蒼のドール「……むぅ…」


犬「……」ヒタヒタ…


……闇蜘蛛と出会った先へ進み、螺旋階段を降りてきた犬達はいつの間にか固まっていた。

正確には、犬の背中に乗る蒼のドールの背中に、更に小さな子蜘蛛が乗っている状態だった。

犬は特に反応はせず、少し早い程度のペースで階段部屋から出て通路を進んでいる。


【遠吠えを射程範囲内で使用された後の為、56階層のモンスターはいません】

【隠れ潜んですら居ないため、このまま自動的に階段へ進めます】※罠すら無い


犬「……」ヒタヒタ…


【進みますか? 選択して下さい】

a『進めます』

b『少し小部屋に寄り道』

c『少しとある匂いを辿って寄り道』

d『階段の前で一度眠る』


直下



c


犬「……?」

犬「スンスンッ……」ヒタヒタ…


蒼のドール「え……どこ、行くの…?」

子蜘蛛「……Zzz」


犬「……スンスンッ…」ヒタヒタ…


< ヒタヒタ…

< ヒタヒタ…

< ヒタヒタ…

< ヒタヒタ…



犬「……クゥーン」パタパタ

蒼のドール「あれ……は、私の服……」


【蒼のドール専用『純潔な死の巫女服』を見つけました】

【蒼のドールが着ました、蒼のドールとの友好度が上昇しました】

【次回から『白い犬の珍道中』の間のみ、子蜘蛛を蒼のドールが守ります】



【このまま自動的に55階へ移動します】


魔王城の音楽隊


【魔王城・55階】


犬「……」ヒタヒタ…

犬「……」ピタッ


蒼のドール「?」

─────【うふふふふ……】─────

子蜘蛛「……!!」ビクッ



犬「ガルルルル……」

< ザッ…



─────【初めまして、と言った所よね?】─────

─────【私はアラクネ……この魔王様の城の50階層の支配者よ】─────

─────【……あら、貴女はどうして其処にいるのかしら…?】─────



【アラクネの強烈な殺意が子蜘蛛に襲い掛かる!】


犬「ガルルルルルゥッ……!!」


a『子蜘蛛を庇う』

b『護る』

c『無視して威嚇』


下2



ksk

a



犬「ガルルルルルゥッ……!! ガルルルルルゥッ……!!」ザッ…!


子蜘蛛「……!」

【子蜘蛛の前に歩み出た!】

【子蜘蛛の友好度が上昇しました】



─────【へぇ……貴女、私の娘であることを棄てるつもり?】─────



子蜘蛛「ギチギチッ……ギチギチギチ……」オロオロ


─────【……まぁいいわ】─────

─────【さて、お優しい神獣さん】─────

─────【どうやって魔王様の眼を逃れたのか知らないけど、残念ながらここまでよ】─────

─────【気づいてると思うけどね……人間を一人、そこから真っ直ぐ進んだ先の広間で預かってるの】─────


犬「ガルルルルル……!!」


─────【うふふ……そこに私もいるわ、早くお出でなさい】─────



……その言葉を最後に、辺りから濃密な気配が消えていった。

同時に静かに怒気を消していく犬に、子蜘蛛が困ったような声を上げる。


子蜘蛛「……ギィ…」

犬「……」

蒼のドール「……」


【どうしますか?】

a『子蜘蛛を巻き込んで寝る』

b『子蜘蛛を背中に乗せて寝る』

c『子蜘蛛を置いて先へ進む』


直下


a


< カプッ…!

子蜘蛛「ギィッ……?」


犬「……」モゾモゾ…ストンッ

犬「クゥー…ン」スゥ…

子蜘蛛「??」


蒼のドール「……また、寝るの…?」


……小さな蜘蛛の体をくわえ、自身のフワフワの体毛に子蜘蛛を巻き込むと、ゆっくりと眠りに着いていく。

突然の事に子蜘蛛は戸惑いを浮かべながら暫くの間は脚を動かしていたが、次第に暖まると落ち着いてしまった。

犬の体を覆う白い毛は、蒼のドールですら気持ち良いと感じる程に柔らかい。

何より、何処か安心させてくる気配が、周囲に眠気を撒き散らしているのだ。


子蜘蛛「………」


子蜘蛛は分からなかった。

その安堵感の正体が何なのか、小さな彼女には分からなかったのだ。

しかし……蜘蛛として余りない筈の眠りに落ちながら、彼女は静かに呟く。

『お母さんみたいだ』、と。



【子蜘蛛との友好度が上昇しました】

【子蜘蛛の進化先が決定されました、次回の主人公時に出会う事が出来れば仲間に出来ます】




    ……【何者かの夢が子蜘蛛に流れ込んでくる】……



─────── 「……小さかった私は何も出来なかった」

─────── 「仲間が、家族が、皆が殺されていく中で私はただ震えていた」


─────── 「忘れはしない」


─────── 「私は決して忘れない、奴等のあの目を」

─────── 「いつか、この身が今よりずっと大きくなれたなら……」

─────── 「『犬』としての自分を超えたなら、必ず私は……」



─────── 「……だから、私に一欠片でいいから……力を貸してください」

─────── 「私にも………『大神』の力を…………」


─────── 「どうか………………」


─────── 「救われぬ魂を救う為に……どうか…………私……に…」





    ……【何者かの夢が霧散していく】……




子蜘蛛「……?」


……何かが消えていった感覚に、子蜘蛛は目を覚ました。

階段部屋。

階段の根元では柔らかな蒼い巫女服に身を包んだ蒼のドールが、一人腰掛けていた。

子蜘蛛は周囲を見回してから蒼のドールに近づいた。


蒼のドール「……おは…よう」

子蜘蛛「ギチギチギチ……」

蒼のドール「……」

蒼のドール「……彼は、貴方のお母さんの所へ向かった…一人で良いみたい」

子蜘蛛「!」


蒼のドール「私も無茶だとは思うけど……何だろう」

蒼のドール「彼なら……大丈夫な気がする」


子蜘蛛「……」


蜘蛛の糸が消えてしまった通路の奥へ視線を向けながら、子蜘蛛は蒼のドールの横に行った。

同じく、待つために。




【魔王城・55階……中央広間】



アラクネ「あら? 遅かったわね……」クスクス


犬「……ガルルルル…ッ」ザッ


アラクネ「それでは改めて、私はアラクネ……魔王城が誇る四天王の一人よ」

アラクネ「神獣、貴方は魔王様が喚び出す筈の無かった者」

アラクネ「招かれざる客、という訳ね」


犬「ガルルルルルゥッ!!」


アラクネ「うふふ……! 御託はいらないと言うのね……?」

アラクネ「お前達!」


犬「……ッ 」ピタッ



< ヒュッ

< ギシッ! ……ギシッ……


弓士「……ぁ…ぅ…………だ…れ……か………………」


犬「……」



【四肢を?がれた女が蜘蛛糸に捕まっている!】



アラクネ「……神獣、お前が死ねばそれだけでその娘は救われるわ」クスクス

アラクネ「傷も治すし、無事に帰してあげてもいい」クスクス

アラクネ「ほら……どうする?」クスクス


犬「…………」


【デメリット発生、バッドイベント発生】

【選択して下さい】


a『耐える』

b『伏せて耐える』

c『唸る』


直下


C


犬「ゥゥウウウッ……ッ!!」


アラクネ「……ふふ」

アラクネ「死になさい」


─────【地獄爪殺法】─────


   ズババァッッ!!


犬「ギャインッ!!」ズザァッッ

犬「ガルルルルルゥッ!!」バッ


アラクネ「あの人間を殺すわよ神獣!!」


犬「ッ……!」ピタッ


アラクネ「ふふ、いい子……!」ギシッ……


─────【深淵の闇】─────


犬「~~ッ!!」

【激しい痛みが犬を襲う!】

【犬の周囲を光の届かない闇が覆う!】



アラクネ「……こんなものかしらね」

アラクネ「お前達、その人間は吊るしたままにして後はやりなさい」


蜘蛛魔女「はい、お母様……♪」

蜘蛛魔女b「くすくすくす……惨め神獣惨めぇ…♪」

蜘蛛魔女c「死ぬまで斬りつけてやる……!」


犬「~~ッ!!」


a『耐える』

b『喋る』

c『遠吠え』



直下



ミスa
すみません

犬としての自分を越えなきゃ死にそうなんだが…

既に超えてるだろ


蜘蛛魔女「『深淵の小闇』!」

蜘蛛魔女b「『重圧:超域』!」

蜘蛛魔女c「『五月雨衝き』!」


【『深淵の魔女』達の魔法と攻撃に耐えている!】


犬「ギャインッ……ッ、ガルルルゥッ……!!」ズザァッッ


    ゴッッ!!

犬「ガゥゥッ……!!」ギシィッ

    
    ズバァッ!!

犬「ギャゥ……ッ」ドザァッッ


……吊り上げられている人間の姿に、犬は何もせず耐えていた。

ダメージこそ余り無くとも、視界を闇で覆われ四方八方から魔法や打撃、鋭い爪で切り裂かれる事で疲弊していた。

だが、犬は闇の中で一点しか視線を向けていなかった。

吹き飛ばされても、超重力に圧迫ても、彼は闇の幕の向こうにいる筈のアラクネのみを見ていたのだ。


アラクネ「……」


犬「ガルルルルルゥッ……ガルルルルルゥッ!!!!」


【あと少しダメージを受けると動きを阻害されるかもしれません】

【次のどちらかを選ぶと死亡する可能性があります】


a『耐え続ける』

b『遠吠え』



直下



b

死なないでくれー!



       「オォォォ──────────────ンッッ!!!」




    ドッッ!!!

蜘蛛魔女「~~ッ!!」ビリビリッ

蜘蛛魔女b「ひぃぁ……~~ッ!!」ビリビリッ

蜘蛛魔女c「きゃぁあッ!!?」ビリビリッ


アラクネ「……ッ、これは……!」ビリビリッ


犬「……グルルルルゥゥウッ……!!」




─────── 私は知っている。

─────── その目を、その力をよく知っている。




アラクネ(ッ……『念話』、ですって…!?)

アラクネ(この獣、一体どれだけの隠し技を……ッ)



犬「ガルルルルルゥ……ガルルルルルゥッ!!」


─────── 多くの命を弄ぶだけの力を有し、そして奪うだけの残忍で非情の魂を持つ者。

─────── 蜘蛛の女よ、私はお前達を知っているぞ。

─────── 私は負けない。

─────── そして目の前でお前達化生の存在に脅かされている弱き者を、私は見捨てはしないッ!!




─────── それこそが、あの時代で私が桃太郎達と共に戦った末に手にした揺るぎない魂なのだから。




犬「ガァァゥッッ!!」シュバッッ


アラクネ「チィッ……!!」


【犬の人質を救出する成功確率に上乗せします】

【行動安価選択者のコンマ以下数字をそのままプラス、結果が90を越えれば成功!】



a『絶・天狼抜刀牙』

b『乱・蛇龍身抜刀牙』

c『烈・幻夢抜刀牙』


下2



c

低っ!

まずいですよ



────────── 『烈・幻夢抜刀牙』ッッ!!



アラクネ「ッ、私を嘗めるなぁッ!!」


……犬の全身が虚空へ溶け消えた瞬間、突如視界全体を埋め尽くす残像の壁。

音よりも圧倒的に速い刹那の差で、アラクネの両腕が対となり迫り来る抜刀牙に打ち合わされた。


────────── ・・・ッッ!!!


打ち合わされた、筈だった。


アラクネ(な、ぁ……? 私の爪を避けて…………ッ、じゃない!?)

< ギュォッ!!


しかし無数の残像と共に打ち合わされる筈だった抜刀牙は、アラクネの両腕が繰り出した『地獄爪殺法』に容易く掻き消されたのだ。

そして同時に襲ったのが、アラクネの視界を大きく揺さぶる衝撃。

死角となっていた懐からの強烈な斬撃に、アラクネが吹き飛ばされる!



【烈・幻夢抜刀牙……成功確率…………】



蜘蛛魔女b「こ、のぉ!! よくもお母様をぉ!!」

< ギチッ……!


犬「……ッ!」


……アラクネの巨体が広間の端まで吹き飛ばされるのが視界に入ると、激昂した深淵の魔女が一人、蜘蛛糸に捕まっている女に爪を振り上げていた。



犬は、技の反動で間に合わない。





【……安価選択者『27%』…………『大成功確率より8%マイナス』……】

【成功確率……合計……】





< スパッ!


……小さく鳴り響く風切り音。

その音に、犬の体は僅かにその場に縫い付けられてしまう。


だが、続いた音は犬の耳に確かに届いた。







────────── 「ギチギチギチ……ギィッ!」







【『絶・天狼抜刀牙』の成功確率55】

【『乱・蛇龍身抜刀牙』の成功確率60】

【『烈・幻夢抜刀牙』の成功確率65】

【『烈・幻夢抜刀牙』が選択された為、合計92%! 救出成功!】

【安価選択者のコンマ以下数字が『30以下』の為、救出者は子蜘蛛になりました!】


【子蜘蛛が助けに来た!】



弓士「ぁぅう……!」ドザァッッ

子蜘蛛「ギチギチギチ……」ガシッ……ズルズルッ……


蜘蛛魔女b「~~ッ、お前ぇぇえ!!」

犬「ガァァゥッッ!!」シュバッッ


< ヒュッ……パァンッッ

蜘蛛魔女b「  がぁ……!  」


【深淵の魔女bを倒した!】

【子蜘蛛は弓士を広間の外へ連れ出した!】


犬「ガルルルルルゥッ……!!」ザッ…!


【『救助を待つ異世界の冒険者達』クリア!】

【ボーナスとしてクリア後の主人公選択時に特殊枠を一人追加!】

この犬神格半端ねーな

子蜘蛛つっても人間よりはでかいのか?
しかし桃太郎のわんちゃんだったのか…

面白いので是非完走して欲しい

アラクネ「はぁ……はぁ……ッ、ぅぐ……」ヨロッ……

蜘蛛魔女「お母様!」

蜘蛛魔女c「無事ですかお母様、あぁ、なんて酷い……」

< ボンッ!!

蜘蛛魔女c「」ビチャァッ


アラクネ「……邪魔よ、消えなさい役立たず」キィィンッ

蜘蛛魔女「ひぁ……お母様やめっ……」

< ボンッ!!



アラクネ(……あの神獣め……よくも、よくも、この私を……)

アラクネ「魔王様に罰せられるとしても、構わない……貴様は私が殺すわぁ」


犬「ガルルルルルゥ……」


アラクネ「私が、私達が何故……四天王と呼ばれているのか知ってるかしら」

アラクネ「これは人間も、そして『他のどのダンジョンや魔王系の者も知らない』事よ」


アラクネ「私達はね、全員『魔王』だからなの…… ♥ 」ビリィッ!!


犬「……!!」


……アラクネが血に濡れた黒衣を破り捨てる。

直後、犬とアラクネの両者がいる広間が凄まじい振動と共に闇に包まれる。

否、ただの闇ではない。

アラクネの巨体が更に巨体と変化していき、同時に広間はみるみる変質していったのだ。


蜘蛛の女魔王、アラクネ。

『闇夜』の頂点に君臨する、故に『夜天の王』。


夜空の下に展開する広大な蜘蛛の巣を模した、1つのフィールド。

最早美しい女性の半裸体は消えた、城と同等の荘厳で巨大な大蜘蛛が犬の眼前に聳え立っていた。



犬「ガルルルルルゥッ!!」



【『四天王・アラクネ』との戦闘を開始します】

【四天王級との戦闘では、犬のレベルがカウントストップしているため特殊なものとなります】

【アラクネの攻撃手段と動きを予測して、三つの行動を『一つの行動を幾つ使っても良いから四つ並べて』指定して下さい】


a『攻撃』

b『防御』

c『回避』※補正により回避時は完全回避


【例……acaa、aabb……など】



下3


cabc

cbac

抜刀牙いっぱい出てきてるけど、環境依存な砕・雷針抜刀牙と三匹居なきゃ成立しない斬・飛翔分身抜刀牙は無理か

caba

全員初手回避か

桃太郎の犬か
そら神獣にもなるわ

知名度マックスの神話級わんこ…




    ッッッ・・・!!!!



文字通りの必殺。

犬の体躯を蝿や米粒として表現するなら、その一撃は象や熊の一撃に等しい。

巨塔を地に穿つかの様な、莫大な衝撃波とそれだけの質量を音の数十倍の速度で突き立てた余波が、犬の居た位置で吹き荒れた。


< ドンッ!!


しかし、犬の体躯はその衝撃波の嵐を突き破り、電光石火を体現する様にアラクネの背後まで回り込んでいた。

巨躯にして神速のアラクネを、速度で遥かに上回ったのだ。


犬「ガァァゥッッ!!」


アラクネ「……ッ」


    ズゥンッッ!!!


アラクネ「ァアアアアアアアアアッッ!!!」


……全身に白銀の閃光を宿らせた犬が、アラクネの後方に聳え立つ一柱の脚を半ばから粉砕する!

アラクネの巨大過ぎる漆黒の甲殻から覗く深紅の複眼が一斉に見開かれていたが、瞬時にその巨体が上空へ飛び立った。


【コマンド『回避』成功!】

【アラクネの『時空強制排除』……『回避』直後の『攻撃』によりキャンセル!】




    ガガガガガッッ!!!


上空へ飛び立ったアラクネの巨体が、天狼抜刀牙時の犬に近い動きを見せた瞬間、犬だけ残っていたフィールドに凄まじい斬撃が降り注いだ。


犬「ガルルルゥウッ……オォォオオオオオオオンッ!!」

< ギィンッ!!

< バリィンッ!!


避ける事より、隙を生む事を良しとしなかった犬がその場で咆哮した。

直後に迫っていた斬撃が、幾重にも犬の頭上に現れた光輝く鏡によって弾かれ、或いは相殺する!



アラクネ「オノレ……貴様ハ、貴様ハァァアッッ!!!」


上空から遂に落下してくる巨大蜘蛛が、怨嗟の咆哮を犬にぶつけてくる。

白い光に包まれている犬の全身に叩きつけられる魔力を含んだ咆哮に、足元が動かなくなりそうなのを無理矢理にでも動かす。

犬の目は一度たりともアラクネに負ける事は思っていないのだから。

……白い閃光が一本の槍と化した瞬間、犬の姿は落下していたアラクネより上空に在った。






────────── 『絶・天狼抜刀牙』ッ!!






咆哮を叩きつけられた時には、既に犬はアラクネに向かって飛んでいたのだ。

そして、彼は闇夜をも切り裂くその体で、己の牙と爪で、全てを以てアラクネを切り刻み貫いたのだった。

蜘蛛の女魔王は夜空に深淵の闇とも呼ばれる黒い障気を散らして、フィールドへ堕ちていく。



< ズゥゥンッ!!

アラクネ「ガッ……ハァ……ッッ」



犬「…………」スタンッ



【『防御』成功!】

【アラクネの『怨嗟の咆哮』……『成功判定が二つ以上』の為、割り込んだ!】

【勝利! 戦闘最速クリアボーナス!】

【59階の階段部屋に全主人公共通ユニークアイテムを配置!】


【アラクネの攻撃パターン『全てa』を戦闘時に使用した場合、犬の攻撃力に安価選択者のコンマ以下数字をそのままプラス!】


【戦闘を終了します】




< シュゥウウウウ……!


アラクネ「ハァッ……ハァ……ガフッ、げほっ……!」ビチャッ

アラクネ「ぁ……ありぇない……この、この私がぁ…………っ」


……いつの間にか、夜空の下にあったフィールドも、夜天も、全て消えていた。

そして同時にアラクネの姿も、それまでの半身女の化生へと戻っていたのだ。


犬は、アラクネの眼前に立つ。


犬「…………」

アラクネ「……うふ、うふふ……なぁにその目は」

アラクネ「さぁ殺しなさい! わ、私に……ガハッ、ぁ……私に、情けはいらないわぁ」

犬「……」


目を細めて、犬は静かにアラクネを見ている。

その目は戦闘時やその前の怒りや憎しみを孕んだ目ではない。

時折、子蜘蛛や蒼のドールにも見せていた哀しげな物だった。


アラクネ「……なによその目は、なんなのよ……私をっ、私を誰だと思って……!」


犬「……スゥ……」クンクン

アラクネ「なっ……ぐぁあああぁああ!!」


そっと鼻先をアラクネに当てた犬は、『何か』を吸い取る。

瞬間、アラクネの悲鳴がその場に響き渡った。

激痛だけではない、何らかの力を吸われていたのだ。




    スゥゥ…………



アラクネ「…………何を、したの」

犬「……」


─────── お前の力を、全て私が吸った。

─────── 吸収した訳ではないから、じきに私の中で力は消えていく。


アラクネ「な……何をっ!! 私から魔王としての力を奪った……!?」

犬「……」スッ


─────── そうだ。

─────── 私はこれ以上戦うつもりはない、命を奪わずして終えられるなら終えたい。

─────── 今のお前では、あの小さな化生にも勝てないだろう。

─────── 人並みの女程度しか、力は残されていないからな。


犬「……」ヒタヒタ…

─────── 生きる事が、お前にとっての罰にもなるだろう。



アラクネ「…………!!」

アラクネ「うぁああああああああああ!!!!」



……暫くその叫び声は広間から漏れていた。

しかし犬は振り向く事はしなかった。

哀しげに尻尾を揺らしながら、階段部屋の子蜘蛛の所へ戻っていきながら一つの事を考えていたからだ。

彼は、終わった戦いの事をそれ以上考えようとはしない、彼が生きた時代の戦いは……余りにも長く、その最期は悲惨だった事しか覚えていないからだ。


犬「……クゥーン」ヒタヒタ…


おいぬ様かっこよすぎる……
神格持ちの霊獣とか出るスレ間違えてるんじゃないかと思うレベルだけどわくわくがとまらん

乙!

そういやキモオタの時振り分けポイントが3貯まってたはずだけどあれは安価取るときにでも振り分け先指定すりゃよかったんだろうか



【魔王城・55階……階段部屋】


蒼のドール「…ぁ………」

子蜘蛛「ギチギチギチ……」


犬「……」ヒタヒタ…


……階段に腰かけていた蒼い巫女服を着た、蒼のドールが立ち上がると子蜘蛛も犬の方を見た。

その傍には、今にも息絶えてしまいそうな女の姿があった。

四肢を切り落とされ、傷口を焼かれただけの処置で、寧ろ生きていることが奇跡だった。


弓士「ぁ…………ヒュー……ヒュー……」

犬「……」ヒタヒタ…

< スゥ……


弓士「ふっ……!? ぅぁ……ぁあ……!」ジュゥゥ……


犬の鼻先が触れると、女の傷口が再び開き……凄まじい蒸気を出しながら腕と足が傷口から徐々に再生していく。

その激痛に女は耐えながら、戻ってきた視力に気づいて横で何かを吸い続けている犬に顔を向けた。


弓士「はぁ、ぁくっ……ッッ……お、お前がアタシを助けてくれ……たのか……!」ジュゥゥ…

犬「……」スゥ……

弓士「薬師は……あいつは? アタシと一緒の、短髪の女なんだ……」

犬「……」スゥ……

弓士「い、いねえのか? いるんだろ! 薬師! どこだ!」

弓士「そうだ、勇者と帰らなきゃな……へへ、とんでもねえ所へ来ちゃったぜまったくよ」

弓士「なぁ……みんな、どこだ?」


犬「……」ピタ……

犬「……」

犬「……クゥーン…」

─────── 済まない、間に合わなかった様だ。


弓士「……え……」


……手足が治りきったのを見てから、そっと離れた犬は頭を垂れた。


弓士「…………」

弓士「そうか……やっぱりダメか」


>>215
※割り振りポイントを処理する予定だった55階広間(キモオタルートでの祭壇)に、
辿り着く前に死亡したので処理しませんでした。




……丁寧に置かれた薪を燃やし、揺らめく火が彼女達を照らしていた。

『霧の魔女』は一度捕まえた彼女を解放する気は無く、夜になっても未だ話を聞かせて貰おうの一点張りだった。

そこで彼女は「でも食料が……」と言うと、『霧の魔女』が指を軽く打ち鳴らして再び濃霧を作った。

次の瞬間に濃霧が晴れた時、彼女達の周囲には大量の果実や蜜が無造作に置かれていたのだ。

「これで良いでしょう?」と鼻で笑った『霧の魔女』を見て、彼女は困った様に笑った。



魔女「……それで、次は何を聞きたいのですか?」

対面に座る『霧の魔女』にそう聞いてから、そっと流水が絶え間無く形作っているテーブルに乗せられた果実に手を乗せる。

パシャッ、と。

彼女が手を乗せた果実が四等分に切り開かれて黄緑の果汁を撒き散らし、テーブルに転がったのだ。


霧の魔女「そうねぇ……ここまで素敵でロマンチックな話を聞かせて貰えたけれど、やっぱり気になる点があるかな」

魔女「……?」



切った果実を口に含み、程良い食感と後から来る強い甘味を楽しむ二人は夜闇の中で異様な美しさを纏っている。

太い三つ編みを指で弄りながら彼女に笑いかける『霧の魔女』。

その紅い瞳で彼女の事を暫く眺め、いつの間にかテーブルから移動させた果実を口に放り込んだ。



霧の魔女「貴女、真名を教えられないってどういう事なの?」

魔女「……はい、それは少し私自身の問題があって……」

霧の魔女「言っとくけどそういう事なら私も名乗れないわ、『魔女』を名乗る者が片方にだけ真名を知られているのは不快よ」

明らかに不機嫌そうに肩を竦めて首を傾げている。



そもそも、彼女に話をさせる前。

『霧の魔女』が魔女としての名ではなく、人間としての真名を尋ねたのには理由がある。

名の無い『魔女』である彼女が夫から聞いた話では、『魔女』という存在の持つ力には様々な種類があるというのだ。

その中には殆どの『魔女』が持つと言われている一つの能力が存在した。

それこそが、記憶した人間の真名を利用した霊体召喚である。



まて、まって下さいぁ、。

ちょ、今の無しで
誤爆です、引き続きお気になさらず……。

※ ……と思ったら自分のスレでしたね、失礼しました。


弓士「……はは、まぁ……夢じゃ終わってくれないよな……」

弓士「こーんな狼……なのか? 犬に助けられてるから、夢かと思ってよ」


犬「……」


弓士「ありがとう、助けてくれて」

弓士「アラクネはどうした? あの化け物……また追っ手を出すかもしれないぞ」

蒼のドール「四天王アラクネは……信じられないかもしれないけど、その子が……倒したのよ」

弓士「たお……した?」

弓士「まさか、こんなでかいだけの犬が!?」バッ



犬「……zzZ」スゥ…スゥ……



弓士「……寝とる」

蒼のドール「疲れたみたい」

子蜘蛛「ギチギチギチ……♪」カサカサ

弓士「うおっ!? 深淵の子供達じゃねえか、大丈夫なのか……」

蒼のドール「……大丈夫だと思う……アラクネの所から貴女を連れ出したのは、その子だから」

弓士「……」


弓士「そ……か」思考放棄


誤爆元が気になるな…

乙!

支援

>>1…帰ってくるよな……?
続き待ってるぜ

エタっちゃうのか…安価スレで一番好きだったのに……

あと1週間でエタ落ちだの

支援

>>1
もし気が向いたらまた書いてくれ
安価じゃなくても良い。この物語の続きが見たい
落ちるのは残念だけど面白かったよ、ありがとう



【魔王城・55階……中央広間】



アラクネ「うっ……ぅぅ、うぁあああああ……!!」

アラクネ「私の、私の力が全て無くなってしまった……ぁぁあ…」

アラクネ「……魔王様のお力になれず、私は一体どうしたら…………」


「無様だな、アラクネ」


アラクネ「~っ!!」バッ



デュラハン「例え神獣が相手だとして、先の戦闘の敗北要因は貴様にある」

デュラハン「全ての力を奪われた貴様に、魔王様の傍を護る資格はない……」

< ビュォォオッ……ガシィンッ



アラクネ「この私を……お前如きが排除しようと言うの、デュラハンナイトッ」

デュラハン「今や『アラクネごときに俺が動いた』状態だがな」

アラクネ「……っ」


「おやおや勿体ない事ですなぁ」


デュラハン「……『イタクァ』、貴様は貴様で下層の守護はどうした」


イタクァ「風の向くまま狂気の向くままに、私は自由なのですよ」

イタクァ「それよりあのアラクネ殿が人間以下に弱体化したというのに、ただ処刑するのはどうかと思いますな」


デュラハン「…………何が言いたい」


イタクァ「私の下僕にしましょう」


アラクネ「なっ……!?」


待ってた

>>1ィィ生きとったんかワレー!!

おおっ
ずっと待ってた甲斐が

生きとったんかワレェ!
待ってたぞワレェ!

待っていた

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年05月04日 (月) 09:30:58   ID: 8vh8gOwX

つ、続きを早く.....!!!!

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