アユ「連れて来たよ遊矢お兄ちゃん」

黒咲「何か用か？」

遊矢「教えろよユートの居場所を」

黒咲「ユート？」

遊矢「教えろよ！」

黒咲「どうしたんだ」

タツヤ「寝取られたんだって」

黒咲「ユートが瑠璃を！？バカな！」

遊矢「どこだよユートは！」

黒咲「ここで待ってろ。聞いてきてやる」

フトシ「痺れるゥ～！」ドスッ

遊矢「うっ・・・」

黒咲「それまで寝てろ」

黒咲「ユート」

ユート「どうした？」

黒咲「榊遊矢から瑠璃を寝とったのか！？」

ユート「何を言っているんだ・・・？」

黒咲「やはり違うか」

ユート「寝取るも何も俺達は最初からそういう関係だったはずだ」

黒咲「は？」

柚子「ユート！」

ユート「すまないな隼」

フトシ「痺れるゥ～！」

黒咲「・・・は？」

黒咲「何が起こっているんだ？お前達はわかるか？」

アユ「知らないよ」

タツヤ「記憶を書き換えられた感じなんじゃないの？」

フトシ「痺れるゥ～！」

黒咲「俺達が夢を見ているのか・・・」

セレナ「おい！」

黒咲「瑠璃！？瑠璃！どうしてユートに寝返った！？」

黒咲「別にそれはそれで構わんが・・・不純すぎるぞ！そうじゃないのか！？」

セレナ「私は瑠璃ではない！」

黒咲「瑠璃！反抗期なのか！？前から気になっていたが反抗期なんだな！」

セレナ「反抗期じゃない！」

黒咲「反抗期の結果が遊矢とユートを両天秤にかけた・・・そうなのか！？」

セレナ「だから違う！」

セレナ「そもそも何が何だか私には」

黒咲「瑠璃！」バシッ

セレナ「な、何をする！」

黒咲「ダメなものはダメなんだ。ちゃんと話し合って行動しろ」

セレナ「くっ・・・」

アユ「また柚子お姉ちゃんと勘違いしてる」

タツヤ「あのさ不審者、これが柚子姉ちゃんでこの人は別の人だよ」

アユ「髪の色も違うでしょ！」

黒咲「俺が妹を間違えると思っているのか！」

セレナ「とりあえずお前は」

黒咲「お前ではなくお兄ちゃんと呼ぶんだ」

タツヤ「ここは話を合わせた方がいいよ」

セレナ「お兄・・・誰が言うもんか！口が裂けても言わんぞ！」

黒咲「瑠璃！」

セレナ「大体だな・・・こういう時は助けを呼ぶんだろ？」

アユ「カイトお兄ちゃん達？」

セレナ「・・・十代とか」

タツヤ「甘えてばかりじゃダメなんだ！」

セレナ「誰も甘えて何か居ないだろ！勘違いするな！」

アユ「不審者は静かになった？」

フトシ「シビッ」

セレナ「まさかあの黒咲とかいう奴を丸呑みするとは」

タツヤ「フトシに不可能はないんだよ」

フトシ「瑠璃ィ・・・」

アユ「ほら生きてるでしょ」

セレナ「と、とにかく柚子とエクシーズの奴を探すぞ」

アユ「さっきあっちの方に行ったよね」

ユート「隼達が変な事を言っててな」

柚子「へえ」

セレナ「居た。情けないなデュエリスト同士がイチャイチャして」

アユ「このお姉ちゃん硬派だよね」

タツヤ「こういうのに限って一度男を知ったら後はダメダメなんだよ」

アユ「強がってる女ほど堕ちるのが早いしね」

セレナ「くっ・・・」

セレナ「そんな事よりもさっきから柚子達を見ているあいつは何だ？」

アユ「あ、あの眼鏡のおじさんって確か」

タツヤ「Mr.ハートランドとかいうインチキおじさんだよ！あの胡散臭さは間違いない！」

セレナ「あいつがこの騒動の元凶だな！私がこらしめてやる」

アユ「待ちなよ！ちゃんと裏を取ってからじゃないと」

タツヤ「行っちゃった・・・」

セレナ「そこのお前！お前だお前！」

ハートランド「おや？」

アユ「どうせ悪巧みを考えているんでしょ！」

タツヤ「言えよ！言わないとカイト兄ちゃんに言いつけるぞ！」

ハートランド「フフフ・・・なら教えようか」

セレナ「黙れ！デュエルだ！」

ハートランド「榊遊矢の精神的動揺を誘ったのさ」ススッ

セレナ「よ、避けられた」

アユ「精神的動揺？」

ハートランド「そう！彼はまだ未熟なデュエリスト・・・ならば遊馬のように成長する前に潰せば」ススッ

タツヤ「そんな事のために柚子姉ちゃんと黒い遊矢兄ちゃんの記憶を書き換えたって言うのか」

ハートランド「書き換えはこっちの次元の十八番だからね」

セレナ「さっきから避けるな！私とデュエルしろ！」

タツヤ「ちょっと静かにしてよ。うるさいな」

セレナ「くっ・・・」

タツヤ「なら僕達の手でこのデュエルの決着をつけてやる。一発でね」

ハートランド「一発で？私を？」

アユ「カイトお兄ちゃんが言ってた。ハートランドは悪党の中でも特に小心者で大した事がないって」

タツヤ「強いデュエリストの影に隠れて悪事を働く奴だって」

ハートランド「子供に何て事を吹き込むんだカイトめ・・・しかし子供に負ける私では」

タツヤ「フトシ！ハートランドに体当たりだ！」

フトシ「痺れるゥ～！」

ハートランド「おっと・・・体当たりじゃ一発では倒せないよ？」

タツヤ「それはどうかな」

ハートランド「何？」

タツヤ「フトシのお腹には不審者が入ってる。今だよアユ！」

アユ「不審者！フトシくんの中から飛び出してハートランドの顔面に渾身の右ストレートよ！」

黒咲「それを待っていた！」

ハートランド「うおっ！？」

黒咲「俺の故郷と同じ名を持つ悪党め！俺の右ストレートを受けてみろ！！！」

ハートランド「」

黒咲「こいつを倒したら書き換えは無効になるのか？」

アユ「あれ」

ユート「・・・柚子？」

柚子「あれ？何してたんだろ私」

タツヤ「良かったね。それとセレナ姉ちゃんはちょっと動きにムラが多いね」

セレナ「う、うるさい」

ユート「何をやっているんだ隼？」

柚子「みんな揃って、それにハートランドが転がってるし」

黒咲「瑠璃が2人・・・そんな時もあるか」

アユ「無いよそんなの」

タツヤ「さてと縛り上げた遊矢兄ちゃんを解放しなきゃね」

ユーゴ「・・・何やってんだお前」

遊矢「縄を解いてくれ」

ユーゴ「別にいいけどよ。何があったんだ？」

遊矢「・・・」

ユーゴ「なあ」

遊矢「俺は・・・もうダメかもしれない」

ユーゴ「はァ？」

遊矢「さようなら」

ユーゴ「おーい！何がさようならだ！おーい・・・」

ユーゴ「意味がわからねえ。何が何だか」

遊矢「俺が居てもユートと柚子の邪魔になるだけだ・・・」

遊矢「男らしく2人の前から消えてやる・・・！」

数日後

柚子「遊矢ー！」

ユート「遊矢は何処に行ってしまったんだ」

セレナ「お前！あいつが去って行くのを黙って見ていたのか！？」

ユーゴ「知らねえよ！ムチャクチャ言いやがって！」

柚子「喧嘩してる場合じゃないでしょ！」

ユート「ここは遊矢を探すことが先決だ」

セレナ「誰のせいでこうなったと思っているんだ！」

ユーゴ「うるせえよ！ガタガタ騒いでんじゃねえぞ！」

セレナ「これだからエクシーズとシンクロは嫌なんだ・・・」

柚子「何処に行くのよ」

セレナ「お前には関係ない！そいつとベタベタしていろ！」

柚子「どこ行っちゃったのよ遊矢・・・」





続く

遊馬「遊矢が消えた？何で」

黒咲「俺に聞くな」

カイト「何があった」

黒咲「赫赫然々」

シャーク「ただの嫉妬じゃねえか！」

黒咲「そう、ただの嫉妬だ」

シャーク「どうすんだ遊馬？」

遊馬「俺も手伝うぜ」

シャーク「じゃあ俺も」

カイト「放っておけ、探しても遊矢のためにならん」

遊馬「そんな事言うなよカイト」

カイト「なら遊矢に会ったら伝えておけ。一度しか言わんからよく聞け」

遊馬「？」

権現坂「遊星殿！遊矢が家出してしまった！」

遊星「何！？」

権現坂「こっちには来ていないか」

ジャック「居ないな。まあ何があったかは検討はついているが」

鬼柳「おっさん！」

権現坂「鬼柳殿も居ったのか」

遊星「クロウ、後は任せる」

クロウ「いいけどアテはあるのか？」

遊星「任せてくれ」

鬼柳「安心しろよおっさん！遊矢の満足の火はまだ消えちゃいねえぜ！」

権現坂「うむ」

ブルーノ「遊矢くんを見かけたら連絡するよ！」

遊星「頼む」

セレナ「・・・」

万丈目「何だあいつは俺のファンか？」

セレナ「お、お前が万丈目か？十代の仲間の」

万丈目「仲間というわけでは無いが何か用か」

セレナ「私の仲間・・・じゃない遊矢って奴が消えたから探せ」

万丈目「何だその態度は！」

セレナ「言ったからな！約束は守れよ！」

万丈目「やかましい！お前は何者だ！」

セレナ「仲間じゃないセレナだ・・・それとあの明日香とかいう女は探させるな」

万丈目「天上院くんの事まで知ってるのか」

セレナ「後は・・・十代を呼べ」

万丈目「さっきからこいつは何なんだ？十代はまた何処かに行って」

セレナ「いいから呼べ！私は別にいいが何か役に立つだろう十代でも！」

万丈目「十代のやつ・・・また変な奴を仲間に引き入れたのか」

「沢渡さん！あれ榊遊矢じゃないッすか？」

沢渡「何やってんだあいつ」

遊矢「はあ・・・」

「どうするんすか？」

「何か落ち込んでるって感じっすね」

沢渡「ここは一つ借りでも作っとくか」

「マジッすか！？」

「榊遊矢のために動く沢渡さんって最高っすよ！」

沢渡「だろ？」

「マジ最高っすよ！」

沢渡「そう思うだろ？」

「男気全開っすよ！」

沢渡「やっぱりそうだろ？おーい！」

「本当に単純だな・・・あの人だけは」

柚子「遊矢を見た！？」

アユ「沢渡と一緒に川見てたよ」

ユート「近場に居たのか」

ユーゴ「ほらな」

柚子「案内して！」

タツヤ「こっちだよ！」

黒咲「瑠璃！遊馬を連れて来たぞ！」

権現坂「こっちは遊星殿を！」

柚子「遊星さんに遊馬くん」

遊星「安心するんだ」

遊馬「みんなで遊矢を説得してやろうぜ！」

柚子「うん！」

遊馬「デュエリストがチャレンジする事は全てがデュエルなんだぜ！」

沢渡「はァ・・・ただの恋愛相談かよ」

遊矢「お前はどう思う？」

沢渡「女なんていっぱい居るからな。何なら俺が」

遊矢「はあ・・・」

沢渡「めんどくさ！何だよこいつ！」

柚子「遊矢！」

ユート「見つけたぞ！」

ユーゴ「てめえ！俺が何か非難されちまったじゃねえか！」

沢渡「すっげえ数・・・」

柚子「誤解なのよ全部！」

ユート「全てはハートランドの策略だったんだ！」

遊矢「・・・」

遊矢「2人仲良く・・・俺を落とし入れるつもりかよ・・・」

沢渡「遊矢そっくり・・・こいつ！お前！お前だよお前！」

ユート「すまないが俺への文句は後にしてくれないか」

ユーゴ「とっつきにくい奴だろ？わかるぜ、お前の気持ち」

沢渡「こいつも似てる。夢でも見てるのか・・・」

遊馬「遊矢！カイトが言ってたぜ、柚子を信じてやれって」

権現坂「遊矢よ。鬼柳殿がこうも言ってた満足の火はまだ消えてはおらんと」

黒咲「それでもまだいじけるつもりか！」

遊矢「俺の事はほっといてくれ！」

遊星「いいや、放っておく事はできない！」

遊矢「どうして？」

遊星「何度も言ったはずだぞ。デュエリストは助け合いだと」

遊矢「こんなくだらない事でも・・・俺の」

遊星「どんな事にもくだらないなんて事はない！」

柚子「あ、セレナ」

アユ「何してるの？」

セレナ「十代はまだ来ないのか？」

柚子「だから十代さんは」

セレナ「・・・あいつの仲間に言ってやった。だが勘違いするなよ、私は別に・・・」

ユート「記憶を書き換えられた俺にも責任がある。すまなかったな遊矢」

遊矢「・・・」

万丈目「ここがデュエリスト集合場所か」

遊星「万丈目さん」

セレナ「十代は」

万丈目「連絡がつかん！」

沢渡「まーた増えちまった」

万丈目「敵はどれだ？遊矢は無事なのか？」

遊馬「敵は遊矢の心の迷いだぜ！万丈目さん！」

万丈目「は？ふざけているのか！」

遊矢「何か凄い数・・・俺のために」

遊馬「それでもダメだって言うならデュエルで」

遊矢「いや・・・何か集まってくれてありがとう」

ユーゴ「おい！もっとゴネろよ！張り合いがねえだろ！」

権現坂「やめんか！せっかく治まりそうな気配なのに」

万丈目「遠路はるばるやって来たと思ったらもう解散か！？もっと何とか言ったらどうだ！」

沢渡「それなら俺1人でもできた感じだっつうの」

ユート「これは遊びじゃないんだ！」

黒咲「少しは自重しろ！」

遊星「さあ柚子」

遊馬「後は頼むぜ。一発ビシッと」

柚子「帰ろうか？」

遊矢「ああ！」

遊馬「じゃあな！また会おうぜ！」

ユート「すまなかった。来てくれて」

遊星「遊矢の事を頼むぞ」

ユーゴ「任せとけ！まあ、ゴタゴタした事は嫌いだけどよ」

セレナ「何で十代は来なかったんだ・・・？」

万丈目「俺に聞くな！」

セレナ「せっかく呼んでやったのに・・・あいつは口先だけの男だ！」

柚子「十代さんは三沢さんの助けをするために行ったって本人が言ってたじゃない」

セレナ「でも助けに来るのが筋だ。私じゃなくあのナヨナヨしたあれを」

柚子「でも遊矢のためにセレナが動いたって十代さんが知ったら嬉しいんじゃないかな？」

セレナ「そ、そうか？私は嬉しくないが・・・それなら今度十代に会った時に奴の鼻を明かせるな」

柚子「うん」

万丈目「双子か？柚子じゃない方はやたら十代を毛嫌いしてるようだな」

遊矢「そうなんだよ。やたら十代さんに対抗心を燃やしててさ」

万丈目「女に嫌われるようじゃ十代も終わりだな。俺の時代が到来ってわけだ」

セレナ「十代に会いたくはないが会ったら自慢できるな？どんな顔をするか見ものだ」

柚子「そ、そうね・・・」