セレナ「お隣さん、ゲットだぜ!」(22)

セレナ「お隣さん」

カルム「あ、セレナ」

セレナ「久しぶりね」セレナは クイックボールを 使った!

カルム「え? なに?」パシッ

セレナ「……なんでキャッチしてるの?」

カルム「いや、なんで投げたの?」

セレナ「え? お隣さんは捕まえたいのが居たらボール投げないの?」

カルム「ポケモンだったら投げるよ」

セレナ「ならそういうことよ」

カルム「どういうことだよ」

セレナ「あのね、お隣さん。アタシたちはプラターヌ博士に選ばれたのよ?」

カルム「うん、そうだね」

セレナ「ポケモン図鑑を埋めたり、ポケモンを育てて強くしたり、そうして旅をするように言われたわ」

セレナ「だったらまず、ポケモンを捕まえなきゃ駄目でしょ?」

カルム「君の言ってる事はもっともだ」

セレナ「わかったらいいのよ」セレナは スーパーボールを 使った!

カルム「待てよ」パシッ

セレナ「なんなのよ!?」

カルム「だからこれはどういうことだよ!?」

セレナ「説明したじゃない!」

カルム「説明になってないから!」

セレナ「だから、図鑑に登録したい、捕まえて旅の仲間にしたい、そう思ったポケモンをアナタはどうするの!?」

カルム「それは捕まえるに決まってるだろ!」

セレナ「ならそういうことよ」セレナは ハイパーボールを 使った!

カルム「だから待てって」パシッ

セレナ「どういうつもりよ、お隣さん」

カルム「お前がどういうつもりだよ」

セレナ「ボールだって消耗品なんだからね。一度投げたら再利用できないのよ?」

カルム「それはわかってるけどさ」

セレナ「じゃあなんで受け止めるの?」

カルム「まずなんでオレに向かって投げるの?」


セレナ「捕まえれないかなって」

カルム「いやいやいや、これさ、ポケモン用のボールだからね?」

セレナ「モンスターボールって、人間以上の大きさのポケモンを捕まえれるじゃない?」

カルム「うん」

セレナ「だから頑張ればいけるって」セレナは ネットボールを 使った!

カルム「むしタイプじゃねえよ」パシッ

セレナ「じゃあ何タイプよ!?」

カルム「ノーマルだよ」

セレナ「ノーマルはかくとうに弱い……夜のプロレスごっこをすれば効果は抜群と言うことね?」

カルム「おまえはなにをいってるんだ」


セレナ「効果は抜群で思い出したけど、旅を始めたばかりの頃に、アタシがポケモンの捕まえ方を教えたのを覚えてる?」

カルム「あのときは助かったよ」

セレナ「まずは相手を弱める。状態異常なんかも効果的だわ」

カルム「うん」

セレナ「……ということで、お隣さんは今日何処で寝るの?」

カルム「この話の流れで教えるわけないだろ?」

セレナ「なんでよ!?」セレナは ダイブボールを 使った!

カルム「当たり前だよ」パシッ

セレナ「やっぱり釣り上げられてないから無理ね……」

カルム「釣り針がでかすぎたからな」

セレナ「ここにアタシが捕まえたポケモン、ピカチュウが居ます」

カルム「はい」

セレナ「かわいいですね?」

カルム「はい」

セレナ「ポケパレルでついつい可愛がってしまいますね?」

カルム「はい」

セレナ「ほっぺすりすりしたくなってきましたね?」

カルム「いいえ」

セレナ「ちくしょー!」セレナは ダークボールを 使った!

カルム「当たり前だろ。麻痺なる前に死ぬわ」パシッ

セレナ「わかった、逆にしましょう」

カルム「え?」

セレナ「ここにプレミアボールがあります」

カルム「はい」

セレナ「はい」

カルム「…………」

セレナ「…………」

カルム「……え? だからなに?」

セレナ「ふんっ!」セレナは プレミアボールを 使った!

カルム「だからなんだよ!?」パシッ

カルム「疲れた……」

セレナ「疲れるほど何もしてないでしょ」

カルム「精神的な疲労感が半端ないよ」

セレナ「アタシこそボール投げ過ぎて疲れてきたわよ」

カルム「投げるのをやめればいいんじゃないか」

セレナ「はあ、ポケモンだったらポケセンで一瞬で回復できるのにね」

カルム「そうだな」

セレナ「言質取った!」 セレナは ヒールボールを 使った!

カルム「取れてないわ!」パシッ

セレナ「ボールに入りたいって言ったじゃない!」

カルム「そういう意味で言ってないから!」

セレナ「ふふふ……ついにこのときがきたわ、お隣さん」

カルム「何が?」

セレナ「ここまで色々なボールを投げてきたのは、全てこの為の布石!」

カルム「布石?」

セレナ「無意味な繰り返し、延々と続くやり取り。そう、それこそに意味があったのよ」

カルム「うん」

セレナ「これがアタシの切り札よ!」セレナは タイマーボールを 使った!

カルム「いや、確率の問題じゃなくてさ」パシッ

セレナ「……空気読みなさいよ」

カルム「空気読んだらそこで終わるだろ、色々と」

セレナ「お隣さんってアタシと同い年だったわよね」

カルム「うん」

セレナ「……実は30歳以上でしたとか」

カルム「それはないよ、けどさ……」

セレナ「よかった!」セレナは ネストボールを 使った!

カルム「レベル=年齢じゃないからね」パシッ

セレナ「そうなの!?」

カルム「そうだよ」

セレナ「ちっ、使えないわね」

カルム「まずそもそものボールの使い方が間違ってるんですがそれは」


セレナ「女の子をイジメて楽しむ趣味があるなんて最低よ」

カルム「どうしてそうなった。むしろオレのほうがイジメられてる気分だよ」

セレナ「だったらなんで簡単に捕まってくれないの?」

カルム「そもそもオレを捕まえようとする行為の意味を教えてくれないか?」

セレナ「そ、それは……その……」ゴニョゴニョ

カルム「うん」

セレナ「ど、どうでもいいでしょそんなの!」セレナは リピートボールを 使った!

カルム「よくないよ」パシッ

セレナ「くっ、やっぱり一回捕まえないと確率は増えないのね」

カルム「一回捕まえるも何もオレは一人だけだからな」

セレナ「……そうよ、よく考えたら私はとんだ間違いを犯していたわ」

カルム「やっと落ち着いた?」

セレナ「相手を弱らせず、状態異常に陥らせず、正面切ってボールを投げるなんてトレーナーとして愚行もいいところよ」

カルム「まず人間にボール投げる愚行を見直すべきだと思う」

セレナ「今日のところは諦めるわ……」

カルム「もうずっと諦めていて欲しいよ」

セレナ「じゃあね……」スタスタ

カルム「…………」

セレナ「隙ありぃ!」セレナは マスターボールを 使った!

カルム「この展開は読めt……マスターボール!?」

セレナ「終わった……本当の最後の切り札も駄目だった……」

カルム「いやマジでなんでこんなくだらない事にマスターボール使っちゃったんだよ……」

セレナ「捕獲率100%なのよ!? 使うしかないでしょ!?」

カルム「だから人間相手に使うのがそもそもの間違いだって……」

セレナ「どうすれば大人しく捕まってくれるのよ!?」

カルム「いや、なんで捕まらないと駄目なんだよ」

セレナ「アナタは何でポケモンを捕まえるの? 一緒に旅がしたい、ポケパレルでナデナデしたいからでしょ!?」

カルム「だから、オレはポケモンじゃないって」

セレナ「じゃあどうしろって言うの!?」

カルム「……普通に告白すればいいんじゃないか?」

セレナ「…………」

カルム「…………」

セレナ「…………」

カルム「…………」

セレナ「その発想はなかった」

カルム「えぇー……」

セレナ「そ、そうよね、普通は告白するのよね……こくは……告白っ!?」

カルム「」ビクッ

セレナ「かかかか勘違いしないでよね!? ああああアタシはおおおお隣さんのことなんか……ことなんか!!」

カルム「テンパりすぎだろ」

セレナ「だ、だって! アタシポケモン一筋だったし! そんな、恋愛とかやってる暇なかったし告白なんて……」

カルム「でも旅が終わったら毎日あなたに勝負を挑もうかな、って言ったよね」

セレナ「それが何か!?」

カルム「聞き様によっては告白みたいに聞こえるんだけど」

セレナ「ど、どこがよ! ずっとお隣だから、毎日会って、ポケモン勝負出来るじゃない!」

カルム「ずっとなの? オレ、また引越ししたりするかもしれないよ? そうしたら毎日会えないし……」

セレナ「え!? だ、駄目! それは駄目!」

カルム「どうして?」

セレナ「そ、それは……っ! 毎日会いたいからに決まってるじゃない!」


カルム「はい」

セレナ「え? これ、モンスターボール……」

カルム「旅が始まったときに貰ったお返し」

セレナ「……え、えっと?」

カルム「ボールは捕まえたい相手に投げるものだよ、セレナ」

セレナ「……えいっ!」セレナは モンスターボールを 使った!

カルム「はい」パシッ

セレナ「えっ」

カルム「やった! カルムを 捕まえたぞ!」

セレナ「……え?」

カルム「ニックネームをつけますか?」

セレナ「え? えっと……つけません」

カルム「はい。これでオレはセレナのものです」

セレナ「……いいの?」

カルム「モンスターボールに入るのが嫌いで、常に出てセレナの横を歩く設定だけど、それで構わない?」

セレナ「も、もちろん!」

カルム「あはは。じゃあ行こうか、セレナ」

セレナ「うん、行きましょう、お隣さん……ううん、カルム!」










セレナ「まずはホテルでカルムパレルを堪能するわ!」

カルム「台無しだよ」

おまけ
カルム「ところでさ」

セレナ「なにかしら?」

カルム「ゴージャスボール使わなかったよね」

セレナ「万が一捕まえられたとき、なつき度が上がりやすいのも嫌じゃない」

カルム「そう?」

セレナ「ボールの性能でなつきやすいっていうのも、洗脳とかそんな感じするから」

カルム「ああ、何となくわかるな」

セレナ「……そもそもなつき度はカルムパレルで徹底的に上げるつもりだったし」

カルム「台無しだよ」




おわり

名前三文字が二人だけで延々と会話するととても読みにくいなと思いました

お目汚し失礼しました

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