雪歩「寒いですね」春香「そうだねぇ」千早「そうね」 (42)

春香「暇だね」

雪歩「そうだね」

千早「そうね」

春香「……ガールズトークしよっか」

雪歩「例えば?」

春香「恋バナとか」

千早「私たちアイドルだから……」

春香「そうだったね」

雪歩「……」

春香「……」

千早「……」

春香「……実は今日は765プロ揃っての元旦旅行に行く予定だったんだよね」

雪歩「けれど私たちはうっかり寝坊して飛行機に乗り遅れてしまったんですぅ」

千早「そして事務所の合鍵を使って今は事務所でくつろいでいるのよね」

春香「……」

千早「……今頃みんな楽しんでるのかしらね」

雪歩「……お茶いりますか?」

春香「あっ、クッキーあるよクッキー」

千早「なら私もお茶頂くわ」

雪歩「じゃあお茶淹れてくるね」

千早「春香、そのクッキー量多くないかしら?」

春香「これ……旅行に持ってく予定だったから……」

千早「……ごめんなさい」

雪歩「お茶淹れてきましたぁ」

春香「ありがとう雪歩」

千早「……ふぅ、美味しいわね」

雪歩「良かったですぅ」

春香「……あ、雪だ」

千早「通りで、寒いと思ったわ」

雪歩「でもみんなはハワイでバカンスですぅ……」

春香「やめなよ雪歩……」

雪歩「……すみません」

春香「……なにかお正月らしいことしよっか」

千早「お正月らしいこと?」

雪歩「冷蔵庫に福笑いがありましたぁ」

千早「まずは温めましょう」

春香「冷たいの嫌だもんね」

雪歩(冷蔵庫のボケには反応しないいんだ……)

春香「そろそろ温かくなったね」

千早「じゃあ始めましょうか」

雪歩「順番はどうしますか?」

春香「私からでいい?」

雪歩「どうぞどうぞ」

千早「目隠しないから私が後ろから目を塞ぐわね」

春香「千早ちゃんの手あったかくて気持ちいいね」

千早「ふふっ、暖めたから」

雪歩「春香ちゃんニヤニヤしすぎだよ」

春香「……始めるね」

春香「あー、意外とわからないねこれ」

雪歩「……ププッ」

春香「今誰か笑ったー?」

雪歩「千早ちゃん、真面目にやってるんだから笑っちゃいけないよ?」

千早「えっ」

春香「もー、千早ちゃんひどーい」

千早「いや、私じゃない……もういいわ」

雪歩「……」

春香「できたよー」

千早「じゃあ手、離すわね」

春香「あっ……」

雪歩(凄い残念そうな顔してるなぁ)

雪歩「じゃあ結果見ようか」

千早「そうね、春香の後ろにいたから私は見えなかったけれど」

春香「そうだったの?」

千早「えぇ、見えなかったのよ」

雪歩「千早ちゃんチラチラ見てましたぁ」

春香「もー、なんで嘘吐くの千早ちゃーん」

千早「えっ、いや私は……」

雪歩「春香ちゃんの福笑い見よっかー」

春香「私もどうなってるかわからないから楽しみだなあ」

千早「くっ」

雪歩「どれどれ……プッフフ!」

春香「そんなにかなぁ……ッアハハ!」

千早「私にも……くっふふふ……!」

春香「あー、面白かった」

千早「次は萩原さんの番ね」

雪歩「頑張りますぅ」

千早「じゃあ私が目を塞ぐわね」

雪歩「えっ、いや疲れてるだろうから春香ちゃんに……」

千早「大丈夫よ、遠慮しないでいいわ」

雪歩「で、でも……」

春香「雪歩、千早ちゃんの指スベスベで気持ちいよ!」ヒソヒソ

雪歩(千早ちゃんはさっきの事で何するかわからないのに……て言うか春香ちゃんはただの変態ですぅ……)

雪歩「わ、分かりました。お願いしますぅ」

千早「ふふっ」

春香「じゃあ始めー」

雪歩「ホントに難しいですぅ」

千早「萩原さん、見ちゃだめよ?」

雪歩「わかってますよー」

千早「本当に?もう少しキツくしようかしら」ギュツ

雪歩「ひっ、い、痛いですぅ!」

千早「そうかしら?でもまだこれからよ?」ギュウウウウウ

雪歩「これからってなんですかぁいたたたたた!」

春香「ち、千早ちゃん落ち着いて!雪歩の目が潰れちゃうよ!新年から大事件だよ!」

千早「そ、そうね」パッ

雪歩「う、うぅ……本当に目が潰れるかと思いましたぁ」

千早「ごめんなさいね萩原さん。つい」

春香「ついで目を潰しちゃダメだよ千早ちゃん」

千早「そうね、気をつけるわ」

春香「……もうやめよっか」

千早「復讐は憎しみしか生まないって言うものね」

雪歩「千早ちゃんも中々だね」

千早「ふふっ、ありがとう」ニコッ

雪歩「笑顔が可愛くなかったら穴掘って埋めてますぅ」

春香「新年からいいもの見れたなぁ」

千早「それで、次は何をしようかしら」

春香「うーん……」

雪歩「みかんとかお正月っぽいですよね」

千早「みかん……あるかしら?」

春香「探そっか」

雪歩「あ、そういえばこの間プロデューサーがコタツ注文してましたよ?」

お届け物でーす

春香「コタツかな?」

千早「私が出るわ」

<ハルカ-テツダッテ-

春香「はーい、今行くねー」テッテッテ

雪歩「……お茶とみかん用意しようっと」

 ̄10分後 ̄

春香「くぁー!疲れたー!」

千早「コタツって重いのね……」

雪歩「お疲れ様二人とも。お茶あるよ」

春香「ありがとー雪歩!」

千早「さっきはごめんなさいね萩原さん」

春香「現金だなぁ」

千早「みかん剥くわね春香」

春香「千早ちゃんは優しくて可愛いし歌も上手いなぁ」

雪歩「まともな人がいないですぅ」

雪歩「……」

春香「……」

千早「……」ズズッ

春香「……あ、みかん取って」

千早「はい」ヒョイ

春香「ありがとー」ムキムキ

千早「萩原さんもどうぞ」ヒョイ

雪歩「あ、ありがとうございますぅ」ムキムキ

千早「私ももう一つ食べようかしら」ヒョイムキムキ

雪歩「……」モキュモキュ

春香「……」モグモグ

千早「……」ハムハム

春香「……なんかみかんばっかり食べてるとちょっと固いもの食べたくなるね」

千早「塩分も欲しいわね」

雪歩「それなら、お煎餅がいいですねぇ」

千早「お煎餅……確か音無さんが買っていたはずね」

春香「そうなんだ」

雪歩「いいですねぇ」

雪歩「……」

春香「……」

千早「……えっ食べないの?」

春香「ん?いや食べたいけど取りに行くのにコタツから出るのが嫌だなって」

雪歩「コタツトラップにハマっちゃいましたぁ」

千早「でもそれじゃお煎餅を食べられないわ」

春香「千早ちゃんお願ーい」

千早「いくら春香の頼みでもそれは無理よ」

雪歩「コタツは友情より重いんだね」

千早「そうじゃないけれど……まあそうね」

春香「ひどーい」

雪歩「……」

春香「……」

千早「……」

春香「……ねぇ」

千早「コタツからは出ないわよ?」

雪歩「同じくですぅ」

春香「いやそうじゃなくてさ、クッキーがあるんだよね」

千早「そういえばそうだったわね。でも今はお煎餅の気分だから……」

春香「そこでね?クッキーをお煎餅に近づければいいと思ったんだけど、どうかな?」

雪歩「どうするんですか?」

春香「塩振るとか」

千早「安直過ぎるでしょう……」

雪歩「でもチョコと塩とか塩キャラメルとかありますし、結構いける……かも?」

春香「と言う訳でここに塩とクッキーがあります」トン

千早「いつの間に?」

春香「間違ってカバンに入れてたの見つけたんだ」

雪歩(何と間違えたんだろ……)

春香「じゃあ早速塩をかけまーす」

千早「インソルト!ふふっ」

雪歩「なにそれ」

千早「なんとなくよ」

雪歩「ふーん」

春香「ちょっと二人とも、メインは塩クッキーですよ、塩クッキー」

千早「そうだったわね」

雪歩「忘れかけてましたぁ」

春香「もう、じゃあかけるね」サッサ

千早「そのくらいじゃない?」

春香「よし、じゃあ試食ターイム」

雪歩「はい、春香ちゃん」サッ

春香「えっ?私が食べるの?」

千早「当たり前じゃない、考案者よ?」

春香「そんなぁ」

雪歩「美味しいかもしれないですよ?」

春香「じゃあ雪歩食べてよー」サッ

雪歩「それは嫌ですぅ」

春香「なにそれー」

千早「まあ、そういう事よ春香」

春香「どういう事なの……」

雪歩「もし美味しくなくってもお茶用意してますから大丈夫ですよ?」

春香「うぅーん、それなら、まぁ……」

千早「ささっ、パクッといっちゃって」

春香「い、いただきまーす!」サクッ

春香「」

千早「どう?春香?」

春香「」

雪歩「なんだか様子がおかしいですぅ」

春香「」

千早「同じ体勢でフリーズしてるわね」

春香「……ッ!……!」

千早「あら?なにか言ってる……?」

春香「お……!お……!」

千早「お?美味しいの?」

春香「お……!美味しい!」

雪歩「そうなんですかぁ!意外ですぅ」

春香「ってそんな訳あるかー!」ブバァ!

千早「きゃ!ちょっと春香吐き出すなんて汚いわ」

春香「吐き出すよこれは!美味しいのカケラもないよ!」

雪歩「でもなんとなくわかってましたぁ」

千早「まあそうよね。冷静に考えて美味しい訳ないわ」

春香「ちょっと!なんでそれを言ってくれないの!」

千早「だって食べないとわからないじゃない?何事もチャレンジよ」

千早・雪歩『ねー』

春香「いつからそんなに仲良くなったの……」

春香「もう……お茶飲みたい……」

雪歩「はい」コトッ

春香「ありがとー」グビ

春香「ングッ!」ブフォ!

千早「だから汚いってば」

春香「おかしいよ!なんでお茶にまで塩が入ってるの!」

雪歩「クッキーにも入れたからお茶にも入れた方がいいかなって」

春香「いらないよ!なにそれ!お口直しのお茶にまでチャレンジ精神いらないよ!」

千早「春香、さっきから騒ぎすぎよ」

春香「ていうか千早ちゃんも止めてよ!見てなかったの!?」

千早「いえ、塩ってなんにでも合うって聞いた事があるし、萩原さんが入れるなら間違いないと思って」

千早・雪歩『ねー』

春香「春香さんは置いてけぼりなのかな?」

春香「うぅ……みんながいじめるよぉ……」

千早「いじめるだなんて……」

雪歩「じゃあ次は千早ちゃんがやる番だね」

千早「!?」

春香「それがいいそうしようそれに決めた」

千早「ちょ、ちょっと待ってなんで私が」

雪歩「福笑いやってないから?」

春香「まあそれでいいよね理由は」

千早「雑よ理由が」

春香「じゃあ次は醤油つけようか」

雪歩「そうですね」

千早「逃れられないのね……」

春香「はいここにクッキーと醤油があります」

千早「いつの間に?」

春香「千早ちゃんのカバンの中にあったよ」

千早「そういえば入れてたわね」

雪歩(なんで入れてたんでしょうか……)

千早「じゃあ一滴垂らすわね」ソロ-ッ

雪歩「気をつけて千早ちゃん……あっ」ガッ

千早「あぁっ!」ダバァ

雪歩「……」

千早「……」

春香「……」

千早「これは……一度捨てて他のクッキーでやり直し」

雪歩「待って千早ちゃん!」

春香「雪歩?」

雪歩「確かに醤油に塗れてしまったけど……けど、クッキーに罪はないよ!クッキーは美味しく食べられる為に作られたんだよ!食べてくれる人の笑顔が見たくて作られたんだよ!そうだよね春香ちゃん!」

春香「え、あぁうん。まあね」

雪歩「ほら!だから食べなきゃ!どんな事があっても!食べなきゃ!」

春香(えぇー……それはおかしいよ……醤油塗れにしたの雪歩じゃん……そりゃクッキーは美味しく食べて欲しいけどどちらかと言えば醤油塗れにした雪歩に食べて欲しいよ……)

千早「……」

春香「ち、千早ちゃん、無理して食べなくても  ̄ ̄」

千早「いえ、食べるわ」

春香「えっ」

雪歩「本当ですかぁ!」ニヤリ

千早「萩原さんの言う通り、クッキーは悪くないわ。醤油をもっと慎重に垂らせばこんな事にはならなかったのよ」

雪歩「……」

千早「萩原さんは何も悪くないわ」

春香(あ、千早ちゃんマジで反省してる)

千早「私、なんて愚かな事を……食べたくても食べられない人達も大勢いる中でこんな食べ物を捨てるだなんて……みんなに迷惑もかけるし面倒くさいし胸も小さいし……くっ」

春香「千早ちゃん……」

雪歩「……」ブルプル

春香「そんな事ないよ、千早ちゃんはとってもいい子だよ。少なくともこの件に関しては全く悪くないよ。ね?雪歩」

雪歩「……(´;ω;`)」ブワッ

千早「は、萩原さん……?」

雪歩「ごめんねぇ、ごめんねぇ千早ちゃぁぁん……」ウエェン

千早「なんだかよくわからないけれど、私は怒っていないわよ」ナデナデ

雪歩「ありがとうございますぅ……えへへ」

春香「いいなぁ……」

春香「と、言う訳で」

雪歩「暇ですね」

千早「そもそもクッキーはクッキーなのよ。お煎餅にはならないわ」

春香「だよねぇー……」

雪歩「……」

春香「……」

千早「……」

春香「ゲームとかないかな」

千早「ゲームは亜美真美が全部持って行ったわよ」

春香「そっか……」

雪歩「あ、音無さんの机の一番下にスーファミがあるはずですぅ」

千早「すーふぁみ?」

春香「スーパーファミコン、だよね?」

雪歩「はい。ちょっと古いですけど楽しいと思いますぅ」

千早「へぇー、物知りね」

雪歩「そんな事ないですよぉ、えへへ」

春香「ちょっとじゃなく古いけどね」

千早「じゃあ用意しましょうか」

春香「って事はコタツから」

雪歩「出ないといけない」

千早「じゃんけんね」

雪歩「最初はグー」

春香「じゃーんけーん」

千早「ぽん!」

雪歩 パー
春香 グー
千早 パー

春香「負けちゃった……」

千早「お願いね、春香」

雪歩「お願いしますぅー」

春香「ぐぬぬ、はぁ、仕方ないか」トテトテ

 ̄五分後 ̄

春香「カセットマリオカートしかなかったよー」ヨイショ

千早「お疲れ様」

雪歩「マリオカートですかぁ、あんまり得意じゃないですぅ」

千早(これは得意ね)

春香(得意なんだろうなぁ)

雪歩(本当はメチャクチャ得意ですぅ)

春香「じゃあやろっか!」

千早「キャラクターは何にしようかしら。春香は何にするの?」

春香「私はマリオにする!」

千早「なんとなく予想出来たわ。萩原さんは?」

雪歩「え?」クッパポチ-

春香「ク、クッパ……」

千早「なんだか大きいわね」

春香「千早ちゃんは、何にするの?」

千早「そうね、私は……これがいいわ」ピ-チポチ-

春香「歌姫だから?」

千早「そういうつもりではなかったのだけど……これ姫なのね」

春香「なんで選んだの?」

千早「それは、その、ピンクでか、可愛いかと……///」

春香「千早ちゃんの方が可愛い」

雪歩「うん」

千早「えっ、いや、もうっ!早く始めましょう!」

春香「そうだね」ニヨニヨ

雪歩「スタートですぅ」ポチッ

春香「あれ?画面二つしかない……」

雪歩「スーファミなので二人対戦ですよ?」

春香「ええっ!じゃあこのコントローラは?」

雪歩「それはダミーです」

春香「なんの為の……」

千早「色々と苦しいわね」

千早「さて、気を取り直して行くわよ」

雪歩「じゃあ普通にVSレースでいきますね」

春香「これで負けた人交代ね!」

雪歩「コースはドーナツ平野1にしますね」

千早「頑張るわ」

雪歩「始まりますぅ」

千早「あれ?どうやって進むの?」

千早「きゃ!壁にぶつかったわ」

千早「全然曲がらないわ!」

千早「バナナが!」

千早「甲羅が!」

千早「いやー!」

 ̄ゲーム終了 ̄

千早「難しいわね……」

春香「大丈夫!千早ちゃんの敵は私が!」

雪歩「でも春香ちゃん弱そうですぅ」

千早「確かに」

春香「ひどい!」

雪歩「じゃあさっきと同じ条件でやりますね」

春香「もう……見返してやるんだからー!」

春香「あっ!抜かされたぁ!」

春香「よーし!急がば真っ直ぐ進んじゃお!」

春香「わわっ!またバナナだー!」

春香「ちょっと雪歩!目の前でバナナ落とすのやめてよー!」

春香「うわーん!」

 ̄ゲーム終了 ̄

雪歩「ゲームでもよくコケるんですね」

春香「雪歩のせいだよ!」

千早「まあ予想してたから」

春香「もー、でも雪歩強いねー」

雪歩「実は得意なんですぅ」

千早(知ってたわ)

春香(知ってたよ)

雪歩「えへへー」

雪歩「でもこの前音無さんとプレイした時は全然勝てませんでしたぁ」

春香「雪歩でも勝てないの?」

雪歩「それはもう」

千早「世代なのかしら」

春香「どうだろうねぇ」

雪歩「765プロの謎ですぅ」

千早「あ、もう夜ね」

春香「本当だもう8時かぁ」

雪歩「早いですねぇ」

千早「そろそろ帰りましょうか」

春香「だね」

雪歩「かたずけましょうか」

 ̄十分後  ̄

雪歩「それじゃあさようならですぅ」

春香「うん、また今度ねー」

千早「ええ、今日は楽しかったわ」

春香「ばいばーい……あぁーっ!」

千早「なに春香、忘れ物?」

春香「うん。とっても大事なことを忘れてたよ」

雪歩「なんですかぁ?」

春香「あけましておめでとうございます!今年もよろしくね!」

おわり

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