霊夢「あんた、神様なの?」アルティメットまどか「う、うん…一応」 (186)

東方理円環~relief by erase~

*まどマギと東方Projectのクロス、幻想入りシリーズです
*まどマギ、東方の公式設定は守っているつもりですが、差異があれば教えて下さい
*ただし公式で否定されていない二次設定については作者の勝手なイメージで入れてあります
*また公式で言及されていない設定については独自の解釈をしている部分があります

*批判を聞かずして上達なし、辛口採点カモン

*↓は作者の過去作ですので、よかったらどうぞ

QB「僕と契約して、モンスターハンターになってよ!」
QB「僕と契約して、モンスターハンターになってよ!」 - SSまとめ速報
(http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1412427060/)

劇場版・魔法少女まどか☆マギカW ~Endless Waltz~
劇場版・魔法少女まどか☆マギカW ~Endless Waltz~ - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1412770065/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1413265932


東方理円環~relief by erase~

9月下旬の夜。幻想郷の博麗神社。

霊夢「・・・おかしいわね。中秋の名月から1週間経つのにまだ満月だなんて・・・」

魔理沙「でもそのお蔭で、こうして毎日月見酒が飲めるんじゃないか」グビグビ

早苗「そうですよ霊夢さん。夜道も明るいですし、里の人たちにとってはいいことじゃないですか」グビグビ

霊夢「あんたらねぇ・・・毎日毎日、お酒と団子を用意する私の気持ちと懐事情も考えなさいよ!」グビグビ

魔理沙「どうせ参拝客から巻き上げたモノだろ?」グビグビ

早苗「そもそも日本酒におだんごは合わないですよ。他のおつまみはないんですか?」グビグビ

霊夢「スペルカードなら3枚ほど食らわせてやってもいいわよ?」

早苗「わぉ。この人、目が本気だぁ」

魔理沙「自分の家ん中でぶっ放すとか最高にイカれてるぜ」ケラケラ

霊夢「私のスペカはあんたのと違ってピンポイント攻撃出来んのよ」フンッ

霊夢「…それはそうと、これって完全に異変よね?」

魔理沙「何を今更。異変以外の何だって言うんだよ」グビグビ

霊夢「はぁ・・・やっぱりね。解決に行くの面倒くさいわぁ」

魔理沙「おいおい、博麗の巫女らしからぬ発言だな」

霊夢「早苗もさっき言ったけど、里の人たちはこの異変を好意的に見ているわ」

霊夢「それを解決したって、奉納品が少ないのよ」

魔理沙「かぁ~!近頃の神社のご利益は現金なもんだねぇ~」ケラケラ

霊夢「早苗、散々ウチでタダ酒を飲んでんだから、あんたが行きなさいよ!」

早苗「嫌ですよ~。私は貴方たちのように、神様にまで攻撃出来る訳じゃありませんから」

魔理沙「うん?なんでそこで神様が出てくるんだ?」

早苗「あれ?言ってませんでしたっけ?」

早苗「あの満月って『円環の理』っていう神様らしいですよ」

霊夢・魔理沙「・・・はぁ?」

霊夢「なんであんたがそんな事を知ってるのよ」

早苗「まぁ私も神奈子様に聞いただけで、実際に会ったことがある訳じゃありませんから」

魔理沙「神奈子は会ったことあるってことか?」

早苗「中秋の名月の時、ウチに挨拶に来たらしいですよ」

早苗「私はここで一緒にお月見をしていたので会ってないですけど」

霊夢「・・・守谷神社へ挨拶に行って、うちには何もなし?」

霊夢「あったまきた!その神様とやらに、幻想郷のルールを教えてやんないとっ!!」

霊夢「魔理沙!早苗!今からその神様とやらに『挨拶』に行くわよ!!」

魔理沙「えぇ~明日でいいだろ~?今、ほうきに乗ったら飲酒運転で捕まっちまうぜ」

早苗「そうですよ~。今日はもう遅いですし、よく寝て明日の夜に行きましょうよ」

早苗「そういう訳で、おやすみなさ~い」

魔理沙「そんじゃ私も。おやすみ~」

霊夢「こいつらは・・・っ!もういい、私も寝るっ!」

---
--

翌日の昼すぎ。博麗神社。

早苗「・・・zzz。・・・zzz。・・・ふがっ」

早苗「・・・ふぁ~。もう朝ぁ~?」

霊夢「何言ってんのよ。もう昼過ぎよ、昼過ぎ」

霊夢「あんた他人ん家で何時まで寝てる気よ?」

早苗「あ、おはようございます霊夢さん~」

早苗「そう言いながらも起きるまで待っていてくれる優しい霊夢さんが私は大好きですよ~」

霊夢「寝ぼけてんの?そう思うなら自分の酒代くらい払いなさいよ」

早苗「じゃあ、タダ酒を飲ませてくれる霊夢さんが大好きですって訂正します~」

霊夢「・・・こいつ、マジでスペカをぶち込んでやろうかしら」

早苗「それはそうと、魔理沙さんはどうしたんですか~?」

霊夢「もうとっくに帰ったわよ。また夜に来るって言ってたわ」

早苗「そうですか~。それじゃあ私もお腹がすきましたし、一度帰りますね~」

霊夢「そう。そんじゃ、しばらくしたら私も守谷神社に行くわ」

霊夢「『円環の理』とやらのことを神奈子に聞いてみたいし」

早苗「わかりました~。神奈子様に伝えておきますね~」

早苗「それじゃ~お邪魔しました~」

---
--

2時間後。守谷神社。

霊夢「早苗、来たわよ」

早苗「あ、いらっしゃい霊夢さん」

早苗「神奈子さまと諏訪子様がお待ちですよ」

神奈子「お、来たな博麗の巫女。『円環の理』について聞きたいんだって?」

諏訪子「博麗神社の巫女は神様にだって容赦しないからね。ウチの早苗とは大違いだわ」

霊夢「うっさいわね!私は異変を解決したいだけよ!」

早苗「・・・その割には1週間も放ったらかしでしたけど」ボソッ

霊夢「ああん!?」

早苗「なんでもありませ~ん。私は境内のお掃除に行ってきま~す」タッタッタ

神奈子「んで?何が聞きたいってんだ?」

霊夢「あんたの知ってる事よ。そもそも『円環の理』なんて神様、初めて聞くんだけど?」

神奈子「まぁ私も初めて聞いたな。なんでも、最近外の世界で神様になったとか言ってたぞ」

霊夢「はぁ?今の時代に即身仏にでもなったって言うの?」

神奈子「なんか、宇宙人だかにお願いして神様にしてもらったらしい」

神奈子「詳しくは聞いても分かんなかったから、聞き流した」

霊夢「宇宙人って・・・この前のUFO騒ぎに絡んでんのかしら?」

諏訪子「UFOは結局妖怪の仕業だったじゃん」

霊夢「まぁいいわ。次、幻想郷に来た目的は?」

神奈子「さぁ?気が付いたらここに居たって言ってたから、私らみたいに何か目的があって来たんじゃないみたいだぞ」

霊夢「外の世界で忘れ去られたってことかしら?」

諏訪子「もしくは、外の世界じゃもう神様として存在出来ないとかね」

霊夢「何それ?」

諏訪子「外の世界じゃもう誰も神様を信じていないってこと」

霊夢「・・・外の世界で神様になった瞬間、皆から忘れ去られるってことかしら?」

諏訪子「たぶんねぇ」

霊夢「そう・・・。じゃあ相手の弾幕の特徴とスペルカードの種類」

神奈子「あぁ、攻撃手段は一応あるって言ってたけどスペルカードは持ってなかったな」

霊夢「え?じゃあ通常弾幕しかないってこと?」

諏訪子「まぁ私らがスペルカードの説明をして、幻想郷じゃ揉め事はスペルカードルールによる決闘で解決するって説明しといたから」

諏訪子「もう何枚かは持ってるんじゃないかな?」

霊夢「あんたっ!何余計なことしてんのよっ!!」

霊夢「せっかく楽に異変が解決出来ると思ったのにっ!!」

諏訪子「何言ってんだい。そもそもあんたが1週間も放置しておかなかったら、相手がスペルカードを用意する前に倒せたんじゃないか」

霊夢「ぐっ・・・!!」

霊夢「・・・じゃあ次。見た目とかの特徴は?」

神奈子「ピンクのロングヘアー。年齢は早苗より3つか4つほど下に見えたな。まぁ私ら神に見た目の年齢なんて無意味なんだけど」

神奈子「んで、真っ白のドレスを着てた」

神奈子「日本語を喋ってたけど、初めは外国の神様じゃないかと思ってたよ」

霊夢「また、随分特徴的な見た目ね」

諏訪子「そうだねぇ。ここいらじゃちょっと見たことがない恰好だったからすぐに分かると思うよ?」

霊夢「そう。ありがとう、それだけ分かれば十分ね」

神奈子「まぁ早苗が世話になってるし、これくらいならね」

諏訪子「他に何か知りたかったら、迷いの竹林にいる宇宙人にでも話を聞いてみたら?」

霊夢「永遠亭?そうね、そういえばあいつらも月をいじってたことがあったわね」

神奈子「早苗も連れてっていいぞ。酒代分こき使ってやってくれ」

霊夢「言われなくてもそのつもりよ。それじゃ、邪魔したわね」スタスタ…

諏訪子「はぁ。あの神様も嫌な相手に目を付けられちゃったねぇ」

神奈子「まぁ幻想郷の通過儀礼みたいなもんだからね。意思の強そうな目をしてたし、大丈夫さ」

---
--

夕方。迷いの竹林にある永琳診療所。

永琳「それで?巫女さんが2人揃って何の用かしら?」

永琳「うちに産婦人科はないのだけど」

霊夢「黙れエロ医者!まるっきりおっさんじゃないの!」

早苗「私たち、満月の異変を解決しようと思ってるんです」

永琳「ああ、あれ?言っておくけど、私たちが原因じゃないわよ」

霊夢「知ってるわよ。首謀者はもう割れてるわ」

霊夢「私たちが知りたいのは、あの月自体の情報よ」

永琳「そうねぇ。誤解があるみたいだから言っておくと、見えてる『アレ』は月じゃないわよ?」

霊夢「はぁ?」

早苗「どういう事です?」

永琳「私も気になって調べたんだけど、『アレ』はどうも月よりかなり近い位置にあるみたいなの」

永琳「上空のかなり高いところではあるけれど、月よりは低い位置にあるわ」

永琳「カモフラージュのつもりか分からないけど、月と一緒に移動しているって訳」

霊夢「じゃあ、『アレ』の奥に本物の月があるってことね」

永琳「その通りよ」

早苗「その『アレ』って言うのは何なんですか?」

永琳「さぁ、そこまでは調べてないわ」

永琳「『アレ』が本物の満月じゃないなら、月からの使者は来れないもの」

霊夢「はぁ、結局正体は分からないままなのね」

早苗「まぁいいじゃないですか。『アレ』が本物の月なら私たちじゃ飛んで行けなかった訳ですし」

霊夢「それもそうね。それじゃあ、そろそろ神社に魔理沙が来るころだし帰ろうかしら」

早苗「永琳さん、情報ありがとうございました」

永琳「はいはいどうもね~。今度来る時までに避妊薬を調合しておくわ~」

霊夢「そんなもんが必要なのはあんたんとこのエロうさぎだけよっ!!」

---
--

夕暮れ。博麗神社。

魔理沙「なるほど・・・そんじゃ、このまま『アレ』に向かって飛んでいけばいいんだな」

霊夢「そういうこと。面倒くさい紫に頼まなくてもよかったから、ホッとしたわ」

早苗「もしくは、吸血鬼にまたロケットを作ってもらうかですね」

霊夢「あんなのもうコリゴリよ。前回も結局紫に利用されただけじゃないの」

魔理沙「そうか?私は結構楽しかったけどな」

霊夢「じゃあ次の動力は早苗に頼みなさい。私はパス」

魔理沙「おう!そんじゃ、よろしくな!」

早苗「あの、私は神奈子様と諏訪子さまのお力しかお借り出来ませんよ?」

魔理沙「なに~?じゃあやっぱり霊夢しかいないじゃないか」

霊夢「だから嫌だってば!お空でもくっつけておけば?」

早苗「核融合エンジンですか?なんだかガンダムみたいですね!」

魔理沙「なんだそりゃ?それで月まで行けるのか?」

早苗「いえ。でも、月からのマイクロウェーブを受信してサテライトキャノンを発射出来ます!」

早苗「魔理沙さんのマスター・スパークより強力ですよ!」

魔理沙「マジかよ!んじゃ、新しいスペカの名前は『サテライトキャノン』にすっかな!」

霊夢「あぁもう!いつまでもバカやってないで、さっさと出発するわよ!」

魔理沙「おうよ!私の月符『サテライトキャノン』の威力を見せてやるぜ!」

霊夢「どうせマスター・スパークの名前が変わっただけでしょ」

~少女移動中~

---
--

~ステージ・1「夕暮れ時の街道」~

霊夢「とりあえず、街道沿いに東へ向かうわよ」

魔理沙「なんでだ?」

早苗「それは太陽も月も、東から上るからですよ」

魔理沙「へぇ、初めて知ったな」

早苗「・・・魔理沙さん、寺子屋に通った方がいいんじゃないですか?」

魔理沙「はぁ?そんな氷の妖精を見るような目で私を見るんじゃねぇよ」

霊夢「・・・噂をすれば影。その氷の妖精がお出ましよ」

チルノ「よっ!あんたらこんなところで何してんだ?」

早苗「魔理沙さんが寺子屋に通うので、その相談ですよ」

チルノ「なんだ魔理沙、それじゃアタイの後輩になるのか!」

チルノ「魔理沙!牛乳と焼きそばパン買ってこい!!」

魔理沙「んだテメェ!ケンカ売ってんのか!?」

チルノ「お?天才の先輩に向かって生意気なヤツだっ!」

チルノ「青いヤツをこっそり付けて行って不意打ちしようかと思ってたけど、後輩を絞める方が先だな!」

チルノ「ちょっと体育館の裏までツラかせやっ!!」

霊夢「・・・青いヤツ?」

魔理沙「はんっ!お前なんか『サテライトキャノン』を出すまでもないぜっ!」

魔理沙「恋符【マスタースパーク】!!」ギュィィイイイイイン!!

チルノ「げっ!?」

霊夢「夢符【二重結界】」キュイィィン…

魔理沙「な!?霊夢、邪魔するな!」

チルノ「お?霊夢もアタイの後輩になりたいのか?」

チルノ「よし霊夢!天才の先輩に代わって、魔理沙をやっつけろっ!!」

霊夢「寝ぼけんじゃないわよ。私は『青いヤツ』について聞きたいの」

霊夢「私の知る限り、あんた以外に『青いヤツ』って呼ばれるような知り合いはいないんだけど」

霊夢「あんたは誰のことを言ってんの?」

チルノ「青いヤツは青いヤツだよっ!」

早苗「う~ん・・・それって妖精なんですか?」

チルノ「はぁ?早苗はバカだなぁ…青いヤツは人間に決まってるじゃないか」

早苗「・・・・」ピキッ

霊夢「それは里の人間なの?」

チルノ「アタイが知る訳ないじゃん」

チルノ「でも、女の子が1人でアタイの湖まで来てるからね。もしかしたら、違うのかもよ」

霊夢「なるほど。それで、その青いヤツはこの先にいるのかしら?」

チルノ「当たり前だろ!そんなことより霊夢も先輩の言う事を・・・」

霊夢「魔理沙。もういいわよ」

魔理沙「恋符【マスター・・・】」

早苗「蛇符【神代大蛇】!!」

ピチューン!!

早苗「はぁ、すっきりした」

魔理沙「あ、てめぇ!私の獲物をっ!」

早苗「まぁまぁ、私の大蛇もカエルを凍らせる氷精にストレスが溜まっていたということで」

早苗「そのかわり『青いヤツ』をお譲りしますから」

魔理沙「言ったな!?絶対だぞ!!」

霊夢「終わったなら早く先に行くわよ」

~少女移動中~

---
--

~ステージ・2「街道途中の休憩所」~

霊夢「あら・・・あそこの休憩所に居るのって・・・」

魔理沙「あぁ、あれは確かに『青いヤツ』だわ」

さやか「あれれ?なんか後ろが騒がしいと思ってたけど・・・あの氷の妖精じゃなかったのか」

早苗「はじめまして、私は東風谷早苗と言います。この2人は博麗霊夢さんと霧雨魔理沙さんです」

さやか「お、こりゃどうも。あたしは美樹さやか。さやかちゃんって呼んでね♪」

早苗「えっと・・・さやかさんはチルノさんとお知り合いなんでしょうか?」

さやか「あぁ、あの自称天才の氷の妖精でしょ?」

さやか「まぁ知り合いっていうか、あたしが湖に行くといっつも絡んでくるから返り討ちにしてるよ」

早苗「まぁ。あの辺は妖怪も多いですけど、おひとりで行かれるんですか?」

さやか「まぁね。スペルカードって言うの?それの練習をしにね」

早苗「そうなんですかぁ」

早苗「・・・つかぬことをお伺いしますが、『円環の理』というものをご存じでしょうか?」

さやか「・・・そうだと言ったら?」

魔理沙「もしそうなら、知ってることを全部喋ってもらうぜっ!力尽くでもな!」

さやか「うぉ、杏子以外にそんな物騒なことを言うやつなんて、初めて会ったよ」

さやか「けど、ここが水場じゃないとしてでも、はいそうですかと喋る訳にはいかないねっ!」

さやか「あんたらがまどかに危害を加えないとも限らないんだからっ!」

霊夢「まどか?『円環の理』じゃなくて?」

さやか「げっ!口が滑っちゃった!?」

霊夢「はぁ・・・青いヤツってこんなのばっかりね」

さやか「えぇいうるさいぞ!スペルカードを練習した成果、見せてやるっ!!」

さやか「旋律【スプラッシュスティンガー】!!」

シュンシュンシュンシュンシュン!!

魔理沙「へぇ、大量の剣を出して撃ち出すスペルかぁ」

魔理沙「なかなかいい攻撃だが、スペルカード戦としては美しさが足りないなっ!!」

魔理沙「恋風【スターライトタイフーン】!!」

さやか「なぁ!?あたしの剣より大量の・・・星っ!?」

ズドーン!!

さやか「くぅ・・・まさか物量で押し負けるなんて・・・」

魔理沙「覚えておきな!弾幕はパワーだぜっ!」

さやか「おぉう・・・ますます杏子っぽいことを言いよってからに・・・」

さやか「それならこれでどう!?」

さやか「二刀【スクワルタトーレ】!!」ズバババババッ!

魔理沙「二刀流での突進技とか・・・妖夢みたいだな」

魔理沙「でも、高速での突進技ならこれは避けられまいっ!!」

早苗「『あなたに、力を・・・』」

霊夢「何言ってんの、あんた?」

魔理沙「月符【サテライトキャノン】!!」ギュィィイイイイイン!!

さやか「なっ!杏子のくせにティロ・フィナーレだと!?」

ピチューン!!

魔理沙「やったぜ!」

霊夢「話を聞くとか言っておいて、ピチュらせてどうすんのよ?」

早苗「まぁまぁ霊夢さん。もう『アレ』が空に出てるんですから、このまま飛んでいけば大丈夫ですよ」

魔理沙「そうだぜ霊夢。今度はさっさと『まどか』とやらにスペカぶち込んで、月見酒するぞっ!」

霊夢「ちょっとは落ち着きなさい魔理沙。それじゃ悪役のセリフよ」

早苗「でも、最終的にはスペカをぶち込むんですよね?」

霊夢「・・・まぁ、そうなるでしょうね」

早苗「なるほど。博麗の巫女は闇墜ちしました・・・っと」

霊夢「そうなったら守谷の巫女も道連れにしてやるわ」

~少女移動中~

おお、これは期待せざるを得ない組み合わせ

早苗は下戸だったような…

>>23
すみません、今ググったら下戸って公式設定のようですね・・・
まさか公式設定に逆らってるとは・・・申し訳ありませんが、普通に飲めるという設定でやらせて下さい

ご指摘、ありがとうございました

---
--

~ステージ・3「上空に浮かぶ偽月『アレ』の表面」~

???「不死「火の鳥 -鳳翼天翔-」!!」

ドカーン!!

魔理沙「お、霊夢。あれって」

霊夢「藤原妹紅ね。何やってるのかしら?」

早苗「お~い、妹紅さ~ん!!」

妹紅「ん?なんだ、お前ら。揃いも揃って」

霊夢「あんたこそ何してんのよ?」

妹紅「あん?そりゃこの結界に穴開けて中のヤツをぶっ飛ばそうかと思ってな」

霊夢「・・・確かにこれは結界ね。それも、かなり強力な」

早苗「どうして中の人をブッ飛ばすんですか?」

妹紅「だってこいつのせいで慧音の野郎が毎晩毎晩キモケーネに変身しやがるからよぉ」

妹紅「すっごい迷惑してるんだわ」

魔理沙「なるほど。そりゃ中のヤツをブッ飛ばしたくもなるわ」

妹紅「だろ?けど、この結界が強力でなかなか進めないんだよ」

早苗「ちょっと待ってください。これは見た通り月ではないんですよ?」

早苗「それなのに慧音さんは変身してしまうんですか?」

妹紅「あぁ、慧音は満月の魔力自体を吸収しているわけじゃないからな」

妹紅「本人が満月だと思い込むと勝手に変身するんだ」

妹紅「まぁ魔力自体は吸収出来ていないから、変身するだけで変身後の能力は使えないみたいだけど」

早苗「なるほど。そういえば本物の月も欠けて見えるだけで、実際に欠けている訳じゃありませんからね」

早苗「本人が満月だと錯覚すれば変身してしまうと」

妹紅「そういうことだ」

早苗「ブルーツ波が1700万ゼノを超えるとかじゃないんですね」

妹紅「・・・は?」

魔理沙「早苗は時々、意味の分からないことを言うな」

霊夢「それはそうと、私たちもこの中に用があるんだけど」

妹紅「なんだ博麗の巫女、ようやく異変を解決する気になったのか?」

霊夢「そうよ。分かったならどきなさい」

妹紅「そうは言ってもよ、この結界は強力だぜ?」

霊夢「見ればわかるわよ。けど、こちらも結界のプロなのよ」

霊夢「結界の弱点くらい、お見通し」ペタッ

魔理沙「なんだ霊夢、結界の表面にお札なんか貼って」

霊夢「夢符【封魔陣】!!」

バチバチバチバチッ!

妹紅「おぉ、穴が開いたぜ!どうやったんだ?」

霊夢「簡単よ。結界の表面にもうひとつ結界を張っただけ」

霊夢「結界は中と外を完全に遮断するものなんだけど、結界自体はその存在が中なのか外なのか曖昧なの」

霊夢「だから中と外を逆にした結界を結界表面に張れば、簡単に中と外の関係性を逆転出来るって訳」

霊夢「おわかり?」

妹紅「・・・あぁ、理解できないということが理解できた」

魔理沙「・・・早苗の話に負けず劣らずの説明だな」

早苗「・・・zzz。・・・zzz」

霊夢「あんたらねぇ・・・」

妹紅「まぁいいや。私の代わりに中のヤツをブッ飛ばしてくれるってんなら任せるわ」

妹紅「そんじゃな~」ビューン

魔理沙「行っちまった・・・なぁ、あいつこのステージのボスだったんじゃねぇの?」

霊夢「そんなのどっちでもいいわよ。楽に越したことはないわ」

霊夢「おら早苗!いつまでも寝てないでさっさと行くわよ!」ゲシッ

早苗「ふがっ!?もう霊夢さん、優しく起こしてくださいよ~」

~少女移動中~

どちらかと言えばドラニコフに近いな……

まどマギ×東方クロスは、前にもあって滅茶苦茶面白かったが、こちら面白いので期待

>>28
ドラニコフってドラえもんズのでしょうか?
もしよろしければ、どの辺が近いのか具体的に教えて頂ければなと思います
次回作への参考とさせて頂きたいので

>>32
前にも同じようなSSがあったのですね・・・偉大な先達に恥じぬよう精一杯頑張ります
よろしければそのSSのタイトルなどをお教え頂けないでしょうか?
影響されやすいので、完結してから読ませて頂きたいと思います

中沢くんは出ますか?

>>34
申し訳ありませんが、ED、EXを含めて今のところ登場予定はありません

---
--

~ステージ・4「結界内。お菓子の王国」~

魔理沙「うげぇ・・・甘ったるい匂いの場所だぜぇ・・・」

霊夢「う~ん、日本茶には合わなそうだけど持って帰ったら食費が浮きそうね」

早苗「きゃ~何これー!?全部お菓子!しかもこの辺じゃ滅多に見れない洋菓子ばっかり!!」

早苗「パイの実!カントリーマァム!きのこの山とたけのこの里も!!」

早苗「っ!!こ、これはまさか・・・ミスター・ドーナッツまで!?」

早苗「天国っ!ここは天国っ!!あぁ~今まで善人でよかった・・・ありがとう神様!!」

魔理沙「今日はちょくちょく早苗が壊れる日だな」

霊夢「神様って言っても神奈子と諏訪子じゃない」

霊夢「あの2人がいなかったら、これ全部外の世界で食べ放題だったんじゃないの?」

魔理沙「失って初めて大切さを知るってヤツか?」

なぎさ「・・・お姉ちゃんたち、誰なのです?」

霊夢「・・・私は博麗霊夢。あんたはこの部屋の主?」

なぎさ「そうです、ここはなぎさの部屋なのです」

霊夢「なぎさちゃんね。私たち『円環の理』に・・・」

早苗「なぎさちゃん!?こ、これ、ここのお菓子は、全部なぎさちゃんの!?」

なぎさ「ひっ・・・そ、そうなのです・・・この怖い人は誰なのです?」

霊夢「そいつは東風谷早苗よ」

魔理沙「私は霧雨魔理沙。ちなみにお賽銭を見つけた霊夢もそんな感じだぜ」

早苗「なぎさちゃん!トリックオアトリート!トリックオアトリート!!」

なぎさ「な、何なのです!?ハロウィンは来月なのですよ!?」

早苗「そんな事はどうでもいいのよっ!お菓子!さっさとお菓子を寄越すのよっ!!」

魔理沙「なんだハロウィンって?お菓子強盗をする日か?」

霊夢「知らないわよそんなもん。まぁ、今の早苗はどっからどう見ても強盗だけど」

なぎさ「う、うう・・・そ、そうだ!スペルカード!スペルカードで勝負なのです!!」

霊夢「あんたも持ってるの?」

なぎさ「はいなのです。さやかに言われて、ちゃんと考えておいたのです!」

魔理沙「さやかって確か、青いヤツだっけ?」

なぎさ「そうなのです。魔理沙お姉ちゃんはさやかの知り合いなのです?」

魔理沙「まぁな。さっきスペカでブッ飛ばした程度の知り合いだな」

なぎさ「あーっ!どうりでさやかがボロボロになって帰ってきたと思ったのですっ!」

なぎさ「もう怒ったのです!許さないのです!」

魔理沙「どうでもいいけど、お前の相手は早苗だぞ」

なぎさ「関係ないのです!3人ともなぎさがやっつけるのです!」

霊夢「どことなく、⑨な感じが漂うわね・・・」

魔理沙「ああ、こりゃラスボスもこんな感じだな」

早苗「話はまとまったのかしら?それじゃあ、改めて」

早苗「トリック・オア・トリート!!」

なぎさ「いくのですっ!」

なぎさ「泡音【シャボンラッパ】なのですっ!!」プーーーッ!!

早苗「あ、泡?これまたトリッキーな・・・」

早苗「でも弾速が遅いからいつまでも画面に残るし、風に流されて軌道が読みづらい・・・っ」

なぎさ「まだまだ行くのですーっ!!」プーーーッ!!

早苗「さすがにこれ以上増やされるのはマズいっ」

早苗「奇跡【ミラクルフルーツ】!!」

チュドーン!

なぎさ「けほ、けほ・・・何なのです!?」

早苗「ふふ、お菓子ばかり食べてるからそうなるのよ」

早苗「フルーツを食べなさい、栄養満点だから」

魔理沙「あんなこと言って、自分がお菓子を食べたいだけだろ」

霊夢「さすが腹黒巫女ね」

早苗「さぁ、もうギブアップかしら?」

なぎさ「まだなのです!さやかと一緒にされては困るのです!!」

なぎさ「泡沫【刹那の虹色】なのですっ!!」プーーーーッ!!

早苗「あら、また泡かしら?名前をカッコよくしただけじゃ私には・・・」

ドカーン!

早苗「きゃっ!何?・・・漂ってる泡が爆発したっ!?」

なぎさ「そうなのです!その泡はなぎさ以外の人に近づくと爆発するのです!」

魔理沙「こいつ、そんな高度な攻撃も出来るのか!?」

霊夢「ちょっとこっちまで危ないじゃないのよ!早苗、早くなんとかしなさい!!」

ドカーン!ドカーン!

早苗「そんなこと言われても・・・スクイズで避けられないのがこんなにツラいなんてっ!」

早苗「いや、でもこれは泡・・・風に流されるただの泡よっ!」

早苗「奇跡【神の風】!!」

チュドーン!

なぎさ「きゃー!パンツが見えちゃうのですっ!!」

早苗「ふっふっふ。この場に射命丸さんが居なかったことに感謝するんですね」

魔理沙「こーりんもな」

霊夢「う~ん、紫もかしら?」

なぎさ「うぅ、あと1枚しかないのです・・・」

なぎさ「でも負けないのです!」

なぎさ「魔女【シャルロッテはチーズが食べたかっただけなのです!】なのです!」

霊夢「名前長っ!」

魔理沙「さっきのスペル名だけ、誰か別のヤツが名付けたんだろうな」

なぎさ「いただきま~すなのですっ!」ニョロ…

ギュイーーーン!!

早苗「うそぉ!!」

魔理沙「なんだそりゃ!人間かこいつ!?」

霊夢「みしゃくじ様じゃん。飼い蛇に手を噛まれるっていうのかな?」

シャルロッテ「あーーーん」

ギュイーーーン!!

早苗「早っ!レーザー並みの早さですよ!?」

早苗「あれ?でも待って・・・スペル名は確か・・・チーズ?」

早苗「そういえばお団子じゃつまみにならないから、懐に確か・・・あった!」

早苗「酒肴【シャルロッテにチータラを食べさせたかっただけなのです!】!!」つ『チータラ』

シャルロッテ「っ!!!!!!」

霊夢「あんた、テキトーにスペル名付けてんじゃないわよ!」

魔理沙「もはや弾幕ですらないしな」

早苗「ほらほら、どうするなぎさちゃん。降参するなら、お菓子とこれを交換してあげてもいいのよ?」

なぎさ「降参っ!降参するのですっ!!この部屋のお菓子も全部持って行ってもいいのです!!」

なぎさ「だから、早くなぎさにチータラを寄越すのですっ!!!」

早苗「ふふ、いい子ねなぎさちゃん。それじゃあ、はいどうぞ」

なぎさ「やったー!いただきますなのです!!」ガツガツガツ…

魔理沙「やれやれ、強敵だったような、そうじゃなかったような・・・」

霊夢「ラストスペルが最初だったら、もっと楽に勝ててたわね」

早苗「それじゃなぎさちゃん、また後でお菓子を貰いに来るわね」

なぎさ「はいなのです!早苗お姉ちゃん、また後でなのです!」ガツガツガツ…

~少女移動中~

スクイズじゃなくてグレイズじゃね?

>>43
た、確かに・・・⑨すぎる自分をぶん殴りたい・・・

ご指摘、ありがとうございました

公式設定ならまど神が濁る寸前の魔法少女以外と接触する事は出来ないし
円環に導かれた魔法少女が元気に外で活動する事も不可能なんだが

皆さんご期待下さり、ありがとうございます
また、情報の提供もありがたく思っております
まとめてで申し訳ありませんが、この場を借りてお礼申し上げます

>>56
説明不足だったようで申し訳ありません
幻想郷には公式で『博麗大結界』というものがあります
これは外の「非常識」を中の「常識」、外の「常識」を中の「非常識」とする論理結界です
まどマギの世界は結界の外、幻想郷は結界の中ですので矛盾はないかと思うのですが、どうでしょうか
もちろん『博麗大結界』の外ではまどマギ公式の通り、濁る寸前の魔法少女以外とは接触出来ません

スルーしようか悩んだのですが、>>56さんからはまどマギに対する愛が感じられましたのでご回答申し上げました
ご指摘ありがとうございました

---
--

~ステージ・5「結界内。水際のコンサートホール」

さやか「ふっふっふ。また会ったわね!偽杏子!!」

魔理沙「お、さっきぶりだな『青いヤツ』」

さやか「むっきー!あたしは美樹さやかって名乗ったじゃんよ!」

魔理沙「私だって魔理沙って紹介されたぞ?」

さやか「・・・・」

魔理沙「おいおいマジかよ・・・⑨とばかり遊んでるからそうなるんだぞ?」

さやか「う、うるさいわね!今覚えたからいいのよっ!」

霊夢「私は博麗霊夢よ」

早苗「私は東風谷早苗です」

さやか「し、知ってたし!改めて自己紹介されなくても知ってたしっ!」

魔理沙「これ以上ボケキャラが増えるのは勘弁だぜ?」

さやか「このっ!そんなセリフは、さやかちゃんのスペルカードを見てから言いなさいっ!」

霊夢「さっき見たわよ」

早苗「さっき見ましたね」

魔理沙「若年性痴呆症か?」

さやか「別に忘れてる訳じゃないってのっ!!」

さやか「さっきは近くに水場がなかったけど、ここなら水場もある!」

さやか「人魚姫【オクタヴィア・フォン・ゼッケンドルフ】!!」

オクタヴィア「グォォオオオ!!」

魔理沙「なんだそりゃ!?弾幕ごっこはどうした!?」

霊夢「まぁ弾幕じゃないし、他じゃ見ない攻撃だけど」

霊夢「スペル宣言してるし、反則とかじゃないわね」

早苗「それよりもスペル名ですよ。人魚姫って・・・」

霊夢「そうね。スペル名と見た目で笑いを誘って油断させようってんなら、反則と言われても仕方ないわね」

さやか「これさやかちゃんなんだけど!?これさやかちゃんの分身なんだけど!?」

早苗「え・・・ご、ごめんなさい!そうとは知らなかったので、なんてお詫びしていいか・・・」

霊夢「あ~、うん。反則じゃないよ。大丈夫大丈夫」

魔理沙「いやいや反則だろ!?むっちゃデカいし怖いんだけどっ!?」

さやか「さやかちゃん泣くんだけど!?それ以上言うと、さやかちゃん泣いちゃうんだけどっ!?」

さやか「もういい!オクタヴィア、ヤッチマイナ!!」

オクタヴィア「グォォオオオ!!」ブンッ

早苗「『キルビル』とか古すぎて私の説明なしじゃ誰も分かりませんよ」

霊夢「何言ってんのか分からないけど、あんたがメタ発言してるってのは分かる」

魔理沙「うぉ!剣もデカっ!」

オクタヴィア「グォォオオオ!!」ブンッ ブンッ ブンッ

さやか「はっはっはっ!これがさやかちゃんの実力なのだよっ!」

魔理沙「・・・なるほど、こいつは確かに強力だな」

魔理沙「けど弾幕ごっこにおいては、自機へのホーミング性能を備えた攻撃こそ避けやすいということを理解するべきだぜ!」

魔理沙「フランドールのレーヴァテイン並みの初見殺しだったらヤバかったけどな!」

魔理沙「魔砲【ファイナルスパーク】!!」

チュドーン!

さやか「ぎゃー!」

さやか「もう!そのティロ・フィナーレみたいな攻撃やめてよね!」

魔理沙「さっきも言っただろ。弾幕はパワーだって」

魔理沙「これが私のパワーだぜっ!」

さやか「あぁもう!次よ次!」

さやか「恋慕【廻らない運命の輪】!!」

オクタヴィア「グォォオオオ!!」

魔理沙「今度は木製の車輪か!個性的ではあるが・・・」

霊夢「思いっきり廻ってるわね」

早苗「廻りながら転がってますね」

さやか「あんたらそんなにさやかちゃんを泣かせたいの!?イジメカッコ悪い!!」

魔理沙「さっきみたいに星の物量で押せないなら、弾幕の質量で押し切る!」

魔理沙「彗星【ブレイジングスター】!!」

チュドーン!!

さやか「あと1枚なんだけどっ!?さやかちゃんのラストスペルなんだけど!?」

早苗「ちょっとイジメすぎて変なテンションになっちゃってますね」

霊夢「別に妖怪に気を使う必要もないわよ」

さやか「がー!人間だって言い返したいのに言い返せない!もうっ!!」

さやか「奏楽【マギカ・レクイエム】!!」

オクタヴィア「グォォオオオ!!」

魔理沙「おぉ!さすがラストスペルだぜ!!」

魔理沙「人魚の斬撃と五線譜に見立てたレーザーの合わせ技か!」

霊夢「確かに・・・今までで一番の美しさね」

早苗「けれど、少し弾幕が薄いような・・・」

さやか「甘い!それだけじゃないのよ!」

オクタヴィア「グォォオオオ!!」

魔理沙「なっ!?五線譜の音符が向かってくる!」

霊夢「それも弾幕だったのね」

さやか「ふっふっふ、その通り!」

さやか「弾幕は頭脳なのだよ、魔理沙くん!!」

魔理沙「・・・いいや、それでも弾幕はパワーだぜっ!!」

早苗「『月は出ているか?』」

霊夢「・・・は?」

早苗「『月は出ているかと聞いている!』」

魔理沙「月砲【ダブル・サテライトキャノン】!!」

ピチューン!

早苗「『悪夢だ・・・15年前の・・・悪夢だ・・・』」

霊夢「(無視無視)終わったんなら次行くわよ、次」

魔理沙「なぁ霊夢。ちょっと気になったんだけど・・・」

魔理沙「ティロ・フィナーレって何だ?」

霊夢「私が知る訳ないでしょ?気になるんだったらピチュらせる前に本人に聞きなさいよ」

魔理沙「マジかぁ・・・こりゃ今夜は月見酒を飲むまで眠れないなぁ」

霊夢「あんたはいつもお酒を飲まないと眠れないんでしょうが」

霊夢「アル中のおっさんか!」

~少女移動中~

---
--

~ステージ・6「結界内。地球を見渡す干乾びた大地(12話のほむらが居た場所)」~

まど神「いらっしゃい、みんな」

まど神「私がこの結界の主、鹿目まどかです。まどかって呼んでね」

霊夢「あなたが『円環の理』?」

まど神「そうだよ、霊夢ちゃん」

霊夢「れ、霊夢ちゃん?」

まど神「うん。それと、魔理沙ちゃんと早苗ちゃんだね」

魔理沙「いや、まぁ間違いではないけど・・・」

早苗「ちゃん付けはちょっと恥ずかしいですね・・・」

まど神「ダメ・・・かな?」

霊夢「まぁ、それはどうでもいいわ」

霊夢「あなたに聞きたいことがあるんだけど」

まど神「何かな、霊夢ちゃん」

霊夢「なんでウチの神社・・・」

魔理沙「なぁなぁ、ティロ・フィナーレって何のことなんだ?」

まど神「ティロ・フィナーレっていうのは私たちの先輩の必殺技だよ」

まど神「とってもカッコいいの!」

魔理沙「ふ~ん・・・」

まど神「ふふ、魔理沙ちゃんの【ファイナルスパーク】もとってもカッコよかったよ!」

魔理沙「お、そうか?あんた、なかなか話の分かるヤツだな!」

まど神「ふふ、ありがとう魔理沙ちゃん」

早苗「・・・なんか、調子が狂いますね」

霊夢「そうね・・・いつもみたいに2、3言話して速攻スペカをぶち込む方が圧倒的に楽だわ」

まど神「それで、霊夢ちゃんも聞きたいことがあったんだよね?」

霊夢「そうね。いろいろ聞きたいことがあるけど、もう面倒だから戦闘後でいいわ」

まど神「ふふ、それじゃあ私も頑張っちゃうよ」

まど神「それじゃあ1枚目、弓符【マジカルスコール】!!」バシュン!

シュンシュンシュンシュン!!

霊夢「上方から無数の高速弾。密度は高いけど、直線的な攻撃を避けるのは難しくないわ!」

まど神「まだまだ行くよー」バシュン!

シュンシュンシュンシュン!!

霊夢「地面からも!?」

まど神「もっともっと!」バシュン!バシュン!

シュンシュンシュンシュン!!シュンシュンシュンシュン!!

霊夢「さ、左右まで!?避けきれない!!」

霊夢「夢境【二重大結界】!!」

チュドーン!

まど神「あ~あ、もう少しだったのになぁ・・・」

早苗「・・・魔理沙さん」

魔理沙「・・・何だよ」

早苗「魔理沙さんは今のスペル、破れましたか?」

魔理沙「・・・下から弾幕が来た時点でピチュってる」

早苗「ですよね。よかった、私だけかと思いました」

魔理沙「これが1枚目のスペカって言うんだから、こいつはマジモンの神様かもしれねぇな」

早苗「神奈子様と諏訪子様もマジモンの神様ですよ」

まど神「じゃあ2枚目いくね、友達【ミステリアス転校生】!!」

霊夢「前方に放射状の通常弾幕?」

ヒュン・・・

霊夢「なっ!一瞬にして周囲4か所に魔法陣が!!」

まど神「ティヒヒ、その魔法陣からは全方位に弾幕が発射されるんだよ」

まど神「まるでほむらちゃんに時間を止められて周囲に爆弾を設置されたみたいでしょ?」

霊夢「このっ!なめるんじゃないわよ!!」

まど神「あれ?スペル無しで躱されちゃった・・・」

霊夢「こんなの、出始めの弾幕の薄いときに包囲網を抜ければどうってことないのよ」

まど神「むぅ、ほむらちゃんの技が簡単に破られるなんて・・・ちょっと怒っちゃったかも」

魔理沙「・・・普段優しそうなヤツが怒ると怖いんだよな」

早苗「あ~、神奈子様が怒ったときより諏訪子様が怒ったときの方が被害が大きいですからね」

まど神「・・・3枚目、暁の太陽【ワルプルギスの夜明け】!!」

霊夢「移動しながらの前方放射状弾幕!けど、必ず何かある」

まど神「当然だよ。ほむらちゃんを苦しめたワルプルギスの夜が、こんなに優しい訳ないよね」

ビュォォォオオ!!

霊夢「風!?くっ!飛行制御が出来ない!!」

まど神「目に見えるものを避けるだけじゃ生き残れない」

まど神「私たちは、ほむらちゃんはそういう世界で生きてきたんだよ」

魔理沙「お、おい。あいつ、邪神化してねぇえか?」

早苗「まぁ日本の神様って基本的に祟り神ですからね・・・最近神様になったとはいえ、あの人もそうなのでしょう」

魔理沙「あぁ、そういや元人間なんだっけ。そりゃより人間臭くなるってもんだわ」

霊夢「あぁもう!霊符【夢想封印】!!」

チュドーン!

まど神「そうそう。やっぱり最後はスペルカードで決めて貰わないとね」

霊夢「随分と余裕そうじゃないのよ」

まど神「う~ん・・・まぁ別に勝つことが目的じゃないからね」

まど神「それじゃあラストだよ。絶望【消滅による救済】!!」ヒュン…

霊夢「本体が消えた!もしかしてこれって・・・」

早苗「もしかしなくても、制限時間いっぱい避け続けるタイプのスペルですね」

魔理沙「ラストがこのタイプとか嫌がらせ以外の何ものでもないな」

霊夢「あぁもう!やってやろうじゃないのよ!!」

霊夢「そしてあの淫乱ピンクを一晩中質問攻めにして寝かせてやらないんだから!!」

---
--

~ED・「結界の外。博麗神社上空」~

まど神「霊夢ちゃんおめでと~!ノーコンクリア達成だねっ」パチパチ

霊夢「あ、あんたねぇ・・・っ!!」

魔理沙「まぁボムと残機を全部使い切ったけどな」

霊夢「そりゃそうよ!だって避けてる間、ずっと語りかけてくるのよ!?」

霊夢「『もういい・・・もういいんだよ・・・もう頑張らなくてもいいんだよ・・・』とかっ!」

早苗「精神攻撃ですね。さとりさんの想起スペルよりも直接的でしたけど」

魔理沙「音量をゼロに出来れば何の問題もなかったんだけどな」

まど神「ティヒヒ、わたしのラストスペルのBGMだよ」

まど神「アレンジしてニコ動に載せるときは、ちゃんと私の許可を取ってからにしてね♪」

早苗「ようつべならいいですか?」

まど神「ようつべもダメだよ♪」

霊夢「もういいから・・・とりあえずあんたにはいろいろ聞きたいことがあるし、とりあえずウチの神社に来てくれる?」

まど神「うん。あ、さやかちゃんとなぎさちゃんも呼んでいいかな?」

霊夢「別に構わないわよ」

まど神「ありがとう霊夢ちゃん。お~い、さやかちゃーん!なぎさちゃーん!」

早苗「あ、そういえばお菓子を取りに行かないと」

まど神「なぎさちゃんはお菓子を無限に出せる程度の能力だから大丈夫だよ」

早苗「なにその素敵能力!?結婚したい!!」

なぎさ「なぎさは、チーズ屋さんと結婚するのですっ!」

さやか「せっかくお菓子を出せるんだから紅茶屋さんと結婚してほしいもんだね」

魔理沙「お、紅茶ならあるぜ。確かこの帽子の中に・・・」ガサゴソ

さやか「あれ?魔理沙は紅茶派なんだ」

魔理沙「いや、紅魔館から盗んできただけだぜ」

さやか「はぁ!?食べ物を盗んでくるとか、やっぱり杏子じゃんっ!!」

魔理沙「だから、誰だよそれ」

霊夢「はいはい、とりあえず移動するわよ」

~少女移動中~

---
--

~ED・「博麗神社」~

~まどか説明中~

まど神「・・・そういう訳なの」

霊夢「魔法少女に魔女、インキュベーターに時間遡行ねぇ・・・」

霊夢「なんか、話に聞いていた外の世界とだいぶ違うわね」

まど神「信じられない、かな?」

霊夢「正直、外の世界がどうだろうとどうでもいいわ。大切なのは目の前の事実よ」

霊夢「現にあんたは『神』と呼ばれるだけの力があるし、そこの2人もその辺の妖怪よりよほど強力ね」

霊夢「まぁ、『神』といっても実質『死神』だけどね」

まど神「あはは、それは否定できないかなって」

霊夢「それじゃあ、あの月に似せた強力な結界は何なの?」

まど神「私の役目は限界を向かえた魂を消滅によって救済すること」

まど神「だから、いったん魂を結界内に集めて定期的にあの世まで送り届ける必要があるの」

霊夢「魔法少女専用の冥界・・・といったところかしら」

まど神「そうだね」

霊夢「結界を月に見せかけた理由は?」

まど神「スペルカードを用意するまでの時間稼ぎかな」

まど神「神奈子様と諏訪子様にアドバイスしてもらったの」

霊夢「またあの2人か・・・毎度毎度余計なことをしてくれるわね」

まど神「地上に結界を作ったらすぐにバレるし、里の人間たちも怖がるから博麗の巫女がすぐに動く」

まど神「だから上空に作って、人間たちにも利のあるようにすれば巫女はすぐに動かないから時間を稼げるって」

霊夢「ぐっ。悔しいけど、的確なアドバイスだわ・・・」

まど神「私は話し合いで解決したいって言ったんだけど、最初のスペルカード戦である程度自分の力を見せておいた方がいいって言われたから」

霊夢「だから守谷神社にだけ挨拶に行って、ウチには来なかったのね」

まど神「私もここに来たばかりで混乱してて・・・最初に気が付いたのが、同じ神様の神奈子様と諏訪子様だったの」

霊夢「なるほどね。それじゃあこれからどうする気なの?」

まど神「あ、それは大丈夫。結界は守谷神社の真上に移動してもいいって許可を貰ってるから」

まど神「月に似せるために光らせてただけだし、迷惑にはならないようにするよ」

霊夢「そう。まぁそれなら問題なさそうね」

魔理沙「話は終わったのか?」

さやか「まどかもこっち来て飲みなよ」

早苗「まぁ紅茶ですけどね」

なぎさ「お酒は20歳になってからなのです」

まど神「それじゃあ、ちょっと貰おうかな」

霊夢「明日には結界を移動するから、今日が最後の満月かぁ。まぁ最後くらい紅茶でもいいわよね」

まど神「これからよろしくね。霊夢ちゃん、魔理沙ちゃん、早苗ちゃん」

まど神(神様になるときに覚悟した・・・永遠の孤独になっても構わないって)

まど神(けれど辿り着いたこの場所は、こんなにも暖かくて、こんなにも優しくて・・・)

まど神(ほむらちゃんには長生きして欲しいけど・・・それでも、いつか・・・)

まど神(この暖かくて、優しい場所で、一緒に暮らしたいなって・・・)

まど神(そう、思ってしまうのでした)

~GOOD ENDING~

~読んでくれてありがとうございました~

>>1の時点でちゃんとした原作遵守っぽいのにこーりんとか言い出したり七年前くらいの東方プレイしたことすらない層が投稿してるニコニコの動画みたいなノリは残念だった

みなさん読んでいただいてありがとうございます
今、EXTRAの戦闘終了まで書き溜めました
本編はスラスラ書けたのに、EXTRAは全然筆が進まなかった・・・

今日投下する予定でしたけど、もう遅いので明日にさせていただきます

>>88
>>1で誤解を与えてしまい申し訳ありません
東方は原作よりも二次創作の方が好きなのでどうしてもニコ動のようなノリになってしまいます
今度からはその辺も>>1に明記させていただきます

ご指摘、ありがとうございました

>>89
勝手に期待しちゃってごめんね
>>1があまりに丁寧だから驚いてしまった

二次創作でも例えば創想話で高得点取ってるような作品読んでると同じ二次創作でもそうじゃないノリのも書けるようになるかもね
あそこは作風が幅広いから

書き溜め分を書ききったので順次投下していきたいと思います

>>90
いえいえ、読者の期待や求めに応じながら、いかに自分の持ち味を出すか
それこそが今の自分のテーマですので、期待外れだというご意見は悔しくもあり、ありがたくもあります
具体的にご指摘して頂くばかりか、参考となるサイトまで紹介していただいて感謝に絶えません

アドバイス、ありがとうございました


東方理円環~relief by erase~【EXTRA】

>>1に追加して、EXTRAステージの注意点です
*世界観やキャラ崩壊が作者の意図に反して激しいです・・・どうしてこうなった・・・
*特に幻想郷組のメタ発言は外の世界を知る早苗さんに限定させていましたが、EXTRAはその限りではありません

*公式設定を無視しているつもりはありませんが、すでに守られているのかどうかも判断出来ません
*独自解釈、二次設定は相変わらず満載です

*完全なおまけとして見て頂ければと思います

円環異変から1年後。博麗神社の境内。

霊夢「はぁ、暇ねぇ・・・」

魔理沙「おいおい、よくこの落ち葉だらけの境内を見てそんな事が言えるな」

魔理沙「その手に持ってるホウキは何なんだよ」

霊夢「魔理沙だってホウキを持ってるじゃない」

魔理沙「私のは乗り物だ。ホウキで掃除する魔法使いなんていないんだよ」

霊夢「じゃあ何で掃除するのよ」

魔理沙「そりゃ八卦炉だぜ」

霊夢「はぁ・・・聞いた私がバカだったわ・・・」

霊夢「・・・それにしても、暇ねぇ・・・」

魔理沙「あんまり言ってると厄介ごとが向こうから舞い込んでくるぜ」

霊夢「別にいいわよ。境内が散らかってても仕方ないって思えるくらいの理由ならね」

ドタドタドタドタ!!

まど神「霊夢ちゃーん!助けて霊夢ちゃーん!!」ドタドタ

魔理沙「ほら、霊夢が変なフラグを立てるからだ」

霊夢「どちらかと言えば魔理沙が立てたフラグでしょ」

さやか「ちょ!まどか、待ってってば!!」ドタドタ

早苗「だから何で逃げてるんですかーっ!?」ドタドタ

なぎさ「うわーん、置いてかないでなのですーっ!」ドタドタ

魔理沙「よかったな霊夢、掃除をしない言い訳が出来て」

霊夢「このメンバーが勢ぞろいって、嫌な予感しかしないんだけど・・・」

まど神「霊夢ちゃんどうしよう!?ほむらちゃんがっ!ほむらちゃんがっ!!」

霊夢「落ち着きなさいまどか。ほむらって確かあんたの最高の友達とかいうやつなんでしょ?」

さやか「いやぁ、そうなんだけどね。何ていうか、見事に嵌められたと言いますか・・・」

なぎさ「アレはヤバい!アレはヤバいのです!」

まど神「今日はね、いよいよほむらちゃんを迎えに行く日だったの!」

さやか「だけどいざ行ってみたら、ほむらがまどかをおびき寄せるためにワザと穢れを溜めこんでて・・・」

なぎさ「まどかの力が半分奪われちゃったのですっ!」

まど神「人格も引き裂かれそうだったから逃げてきたら、私の力を使ってここまで追いかけて来たのっ!!」

魔理沙「早苗はそのほむらとかいう奴を見たのか?」

早苗「ええ。『まどかを縛る結界は私が壊す!!』って言ってましたね」

霊夢「守谷神社上空の結界のこと?でもあれってまどか自身が作った結界でしょ?」

さやか「・・・いや、たぶん博麗大結界のことを言ってるんだと思うよ」

魔理沙「なんだ。警戒して損したぜ」

霊夢「そうね。紫以外にそんな真似が出来るとは思えないわ」

まど神「いや・・・そうとも言い切れない、かも」

霊夢「どういうこと?」

まど神「えっと、言ってなかったけど・・・私、宇宙を創り変えたことがあるの」

霊夢「・・・は?」

魔理沙「またボケキャラかよ。ツッコミが少なすぎるぜ」

早苗「ちょっと何言ってるのか分からないです」

まど神「うぅ・・・そんな反応になるだろうと思って言わなかったのにぃ」

さやか「信じられないだろうけど、本当なんだよね。これがまた」

なぎさ「説明している暇はないのです!早くしないとほむらに見つかるのです!」

霊夢「まぁいいわ。それが本当だとして、その力の半分を奪われたって訳ね」

まど神「う、うん。宇宙全体とか過去に起こったことまでは創り変えられないだろうけど・・・」

まど神「今ここにある物とか、確定していない未来とかなら思い通りに出来ちゃうと思う」

霊夢「・・・あんたって、意外と危険人物だったのね」

???「ま~ど~かぁ~!!!」

まど神「き、来た!?霊夢ちゃん助けてーっ!!」

悪ほむ「ふふ、まどか。ようやく見つけた・・・」ニヤァ…

まど神「ひぃ!クレイジーサイコレズが来たっ!!」

魔理沙「あの恥ずかしい恰好をしてる奴がほむらか?」

早苗「そのようですね。流石にあの恰好じゃこの季節肌寒いんじゃないでしょうか」

悪ほむ「・・・まどか、その女どもは何かしら?随分親しそうね」

霊夢「私は博麗霊夢。この幻想郷の管理人といったところね」

悪ほむ「そう、あなたが・・・。私は暁美ほむら」

悪ほむ「早速で悪いけど、まどかをこちらに渡してもらえるかしら?」

霊夢「博麗の巫女としては、あんたの目的も分からないのにおいそれと引き渡すことは出来ないわ」

悪ほむ「・・・なら、力尽くで奪うまでよ!」

霊夢「弾幕で私に挑む気?スペルカードもなしで私に勝とうなんて甘いわよ」

悪ほむ「ふふ、いつから私にスペルカードがないと錯覚していたのかしら?」

魔理沙「はぁ?だってあんた、外の世界から来たばかりなんだろ?」

悪ほむ「私はこの1年、まどかの人間としての幸せだけを考えてきた」

悪ほむ「そんなある日、私は幻想郷の忘れ去られた者を呼び込むという性質を知った」

悪ほむ「それから幻想郷の事は調べつくしたわ」

悪ほむ「そう!ウィキペディアでねっ!!」

さやか「そ、その手があったかー!!」

なぎさ「も、盲点だったのですー!!」

早苗「そういえば神奈子様も、ここに来る前にウィキペディアで幻想郷の事を調べてましたね」

魔理沙「おいおい、外の世界に幻想郷のことがすっかりバレちまってるみたいじゃないか」

霊夢「ま、まぁバレてても簡単にはこちら側に来られないんだから問題ないでしょ」

魔理沙「ふぅん、そんなもんかね」

悪ほむ「こうなることも想定して、スペルカードも用意してある」

悪ほむ「まどか、待っててね。すぐにあなたを私の手で幸せへと導いてあげるわ」

まど神「ひぃ!?ほむらちゃんがヤンデレみたいなこと言ってるよぉ!!」

さやか「いや、割と初期のころからヤンデレみたいだったけど」

なぎさ「自作爆弾が武器という時点でヤンデレくさいのです」

魔理沙「あの露出度満点の服を見るとヤンデレというよりメンヘラだぜ」

早苗「『まどかどいて!そいつ殺せない!』」

霊夢「相変わらずうるさい外野ね」

悪ほむ「スペル1枚目、恋慕【愚者が奏でる恋の夜想曲】」

さやか「むむっ!剣と車輪を模した通常弾幕、五線譜を模したレーザー、何よりスペル名にさやかちゃんへの悪意を感じる!」

魔理沙「けど、弾幕の難易度はさやかの比じゃないぜ」

早苗「速度と形状の違う通常弾幕、薙ぎ払うように動くレーザー、本体も絶えず移動している」

早苗「なるほど、スペルカード戦まで研究し尽くしているようですね」

さやか「さやかちゃんも1年あれば、あれぐらいのスペル用意出来るし!」

なぎさ「けど、この1年さやかはチルノと遊んでいただけなのです」

霊夢「神霊【夢想封印 瞬】!!」

チュドーン!

悪ほむ「あら、ほんの小手調べなのにもうスペルを使ってしまって大丈夫なのかしら?」

早苗「『大丈夫だ。問題ない』」

霊夢「なんで早苗が答えるのよっ!」

まど神「ちょ、ちょっと!みんな真面目にやろうよ!」

悪ほむ「2枚目、招待【狩人が描く魔弾の円舞曲】」

なぎさ「画面の周りを囲むようにマスケット銃の銃口が出現したのです」

さやか「むむ、またまた誰かへの悪意を感じる弾幕とスペル名だぞ!」

早苗「魔弾の射手ですかね。最後にはカスパールが悪魔によって殺されるという」

なぎさ(・・・あれ?じゃあ、なぎさが悪魔ということになってしまうのです!?)

魔理沙「しかしこのスペルも高難易度だぜ」

魔理沙「発射される順番は不規則、間隔も短い、色も種類が多くて集中しづらい」

早苗「俗にいう気合避けというヤツですね」

魔理沙「だけど、どこかの神様みたいに精神攻撃さえしてこなければ大丈夫だな」

早苗「ですね」

まど神「意地悪な神様って嫌だよねぇ」

さやか「・・・・」

なぎさ「・・・・」

チュドーン!

悪ほむ「なかなかやるようね、博麗霊夢」

霊夢「弾幕勝負を研究したといっても、実戦経験がなければどうってことないわね」

霊夢「百聞は一見にしかず、よ」

悪ほむ「そう。それならどんどん行くわよ」

悪ほむ「3枚目、自棄【修道女の求める祈りの聖譚曲】」

早苗「今度は曲線を描いて向かってくる槍型の弾幕・・・でしょうか?」

魔理沙「それと通常弾に混じって近づくと爆発して一定時間当たり判定の残る中型弾か」

魔理沙「でも、それほどでも・・・」

霊夢「っ!?散霊【夢想封印 寂】!!」ピチュ…

チュドーン!

悪ほむ「食らいボム・・・どうやら槍型弾幕の当たり判定が柄の部分にはないと勘違いしたようね」

悪ほむ「まぁ、それが狙いだったのだけど」

霊夢「それは残念だったわね。食らいボムとは言っても、撃破は撃破よ」

悪ほむ「でも、ボムは1つ減ったわ。それで十分よ」

悪ほむ「4枚目、自己完結【遡行者が立ち向かう深夜の追復曲】」

魔理沙「小型の高速弾、画面外から向かってくる中型弾、不規則に表れるレーザー」

早苗「定期的に向かってくるのは大型の・・・ミサイルでしょうか」

早苗「それも画面の端で爆発して当たり判定が広範囲に一定時間残るというオマケ付き」

魔理沙「なんか、執念を感じさせる弾幕だな」

さやか「追複曲って・・・思いっきりワルプルギス戦を意識してる弾幕じゃんよ」

なぎさ「見てて少し痛々しいのです・・・」

まど神「・・・ほむらちゃん・・・」

霊夢「回霊【夢想封印 侘】!!」

チュドーン!

悪ほむ「あら、やっぱり私の攻撃なんかじゃ夜は明けないのね」

霊夢「言ってる意味は分からないけど、泣き言言ってる場合じゃないでしょ」

悪ほむ「別に今となっては泣き言でもなんでもないわ。ただの事実確認よ」

悪ほむ「ラスト5枚目、慈悲【女神が唄う消滅の子守唄】」

霊夢「・・・なんか、嫌な予感のするスペル名ね」

悪ほむ「ふふふ」ヒュン…

早苗「・・・消えましたね、本体」

魔理沙「またこのパターンか・・・」

まど神「あー!姿を消すなんて卑怯だよほむらちゃんっ!!」

さやか「まどかはほむらを批難する資格はないよ・・・」

なぎさ「むしろほむらよりまどかの方が卑怯なのです」

霊夢「今までのスペルの合わせ技!まどかの時みたいに精神攻撃さえないものの・・・」

霊夢「弾幕の種類が多すぎてパターンが掴みづらい!このままじゃ・・・っ!!」

まど神「むぅ!ほむらちゃんが卑怯な手でくるなら、こっちにも考えがあるんだからっ!!」ヌギヌギ

さやか「ちょっ!まどか!あんた何でパンツ脱いでるの!?」

なぎさ「その服装で脱ぐと見えちゃうのですっ!!///」

まど神「くらえほむらちゃん!縞々【悪魔を堕とす薄絹越しの嬉遊曲】!!」ポイッ

悪ほむ「まどかのパンツ、略してまどパン!!!」パシッ

霊夢「本体が現れたっ!神技【八方龍殺陣】!!」

悪ほむ「し、しまった!!」

ピチューン!

まど神「ふふ、正義は勝つんだよほむらちゃん!」

さやか「パンツ投げつけただけじゃん」

なぎさ「スペルの名前もイヤラシイのです///」

早苗「常識に囚われない弾幕勝負でしたね」

魔理沙「早苗のチータラといい勝負だな」

霊夢「弾幕勝負史上に残る酷い決着だった・・・幻想郷縁起に何て書かれるのか心配になるね・・・」

---
--

~EXTRA・ED「博麗神社・境内」~

まど神「ほむらちゃん!ここに正座して!」

悪ほむ「はい・・・」

さやか「悪魔が女神に説教されてる・・・」

魔理沙「私には恥ずかしい恰好のヤツが恥ずかしい恰好のヤツを説教しているようにしか見えないぜ」

早苗「しかも片方はノーパンで、片方は片手にパンツを握りしめてるという」

なぎさ「どっちも変態なのです///」

霊夢「話が進まないから外野は黙ってなさい」

霊夢「それじゃあ、いろいろ聞かせてもらうわよ」

悪ほむ「あなたに話すことなんて何もない」ファサ

まど神「霊夢ちゃんの質問に答えないと、そのパンツの因果を消滅させちゃうよ?」

悪ほむ「さぁ何が聞きたいのかしら、博麗霊夢」ファサファサ

霊夢「・・・紫に頼んでツッコミキャラを2、3人攫ってきて貰おうかしら・・・」

霊夢「それじゃあ、あんたの目的は何?」

悪ほむ「まどかの幸せ。それのみが私の生きる目的」

まど神「ほむらちゃん///」

霊夢「漠然としてるわね・・・じゃあその目的を叶える手段は?」

悪ほむ「穢れを限界寸前までわざと溜め込むことで、円環の理と接触を果たす」

悪ほむ「その際に円環の理からまどかの人格と力の一部を引き剥がそうとした」

悪ほむ「けれど人格を引き剥がす前に逃げられたので幻想郷まで追いかけて来たの」

霊夢「・・・それって、本当に相手を幸せにする手段なの?」

悪ほむ「当然よ。本当は外の世界で人格を引き剥がしたかったのだけど」

悪ほむ「幻想郷まで来てしまったのなら仕方がない」

悪ほむ「こちらでまどかを引き裂いて、博麗大結界を壊し、中も外もない世界にしてやるわ!」

魔理沙「完全に悪役のセリフだな」

さやか「まぁ悪魔だしね。自称だけど」

早苗「幸せって、そういうものでしたっけ?」

なぎさ「幸せの押し売りなのです」

悪ほむ「なんとでも言いなさい。もう弾幕勝負なんてものに付き合う必要もないわね」

悪ほむ「ここからは全力で行かせてもらうわ。そう、まどかのために・・・」

まど神「ほむらちゃんのバカっ!!!!!」

悪ほむ「ま、まどか・・・?」

まど神「どうして!?どうして幻想郷を壊しちゃうの!?」

まど神「円環の理を定年退職した後はほむらちゃんと一緒にここで暮らすのが夢だったのにっ!!!」

魔理沙「定年退職とか・・・神様って公務員かなんかなのか?」

早苗「あぁ、公務員って滅私奉公っていいますもんね」

さやか「滅私しすぎ。実際に消えちゃってるし」

なぎさ「お給料はどこから出てるのです?」

霊夢「契約の時に貰ったのが全部なんでしょう。とんだブラック企業ね」

まど神「私の幸せをっ!私の夢を壊さないでよっ!!」

悪ほむ「な、なによっ!勝手なこと言わないでっ!!」

悪ほむ「最初に私との約束を破って、私の幸せを壊したのはまどかじゃない!!」

悪ほむ「私はずっとまどかと一緒に居たかった・・・ただそれだけだったのに!!」

まど神「だってあのまま契約しなかったら、ほむらちゃんは死んでいたか時間を巻き戻してたんでしょ!?」

まど神「それこそ一緒に居られないじゃないっ!!」

悪ほむ「それを言ったら契約した後も一緒に居られなかったわよ!!」

まど神「ほんの少しの間だけだよ!それくらい我慢してよっ!!」

悪ほむ「あのとき永遠に戦い続けるとか、存在を保てないとか言ってたじゃない!!」

まど神「だって放送時間の尺がなかったんだもんっ!あんなの適当に頷いただけだよっ!!」

まど神「そもそも救済なんて契約時に終わってるんだよっ!?空に向かって矢を射ったでしょ!?」

まど神「あんな数の魔法少女があの時点で、同時に限界寸前な訳ないよ!過去も未来もあれで全部だよ!!」

悪ほむ「何それ!?聞いてないんだけどっ!?」

まど神「だって聞かれなかったんだもんっ!!」

悪ほむ「やめてよ!QBみたいな言い訳しないでっ!!」

さやか「あっちは白熱してますなぁ」バリバリ

魔理沙「そろそろ紅茶葉がなくなりそうだ。また紅魔館からパクってくるか」ズズッ

なぎさ「次はロールケーキを出すのです!」スポポンッ!

霊夢「神社の境内で痴話喧嘩とか・・・神様を舐めてるのかしら?」モグモグ

早苗「宇宙を創り変えた神様と、その力を奪った悪魔。あの2人に罰を当てれる神様っているんでしょうかね?」フゥ

霊夢「上海アリス。もしくはシャフトかしら」

早苗「それは神様じゃなくて神主さんですね」

まど神「はぁ、はぁ・・・」

悪ほむ「はぁ、はぁ・・・」

霊夢「どうやら終わったようね」ヤレヤレ…

霊夢「気が済んだかしら、お2人さん」

霊夢「いい加減気が付いているはずよ。お互いが正しくて、お互いが間違っていたということに」

まど神「・・・・」

悪ほむ「・・・・」

霊夢「さっさと謝って仲直りしてしまいなさい。時間が経てば経つほど気まずくなるわよ」

霊夢「それともこのケンカした状態こそが、あなたたちの言う幸せなのかしら?」

まど神「・・・ごめんなさい、ほむらちゃん。私、ほむらちゃんを苦しめちゃったんだね・・・」

悪ほむ「・・・私の方こそごめんなさい。自分の思う幸せを押し付けるだけで、まどかの考えを聞こうともしなかったわ・・・」

さやか「やれやれ、一件落着かなっと」モグモグ

なぎさ「さやか、最後くらい食べるのをやめるのです」

早苗「ふむふむ。これから守谷神社には仲直りのご利益も見込めそうですね」

魔理沙「お?そうなると、ますます博麗神社は寂れていきそうだぜ」

霊夢「・・・1年前に守谷神社上空じゃなくて博麗神社上空に結界を移動させればよかった」

悪ほむ「・・・皆にも迷惑を掛けたわね。ごめんなさい」

悪ほむ「これからはまどかを幸せにするために幻想郷に住むことになるわ。どうか、よろしくね」

まど神「ティヒヒ!幻想郷にようこそ、ほむらちゃん!!」

まど神(私は間違ってた・・・ほむらちゃんも間違ってた・・・)

まど神(けれど私たちはやり直せる・・・ここから、この場所から・・・)

まど神(自分が大切に思う人のために・・・自分を大切に思う人のために・・・)

まど神(それでも、ほむらちゃんが私のために世界を壊そうとしてくれたことが少しだけ嬉しいなって・・・)

まど神(そう、思ってしまうのでした)

~EXTRA ENDING~

~読んでくれてありがとうございました~

これで書き溜めた分は全て終了です
頑張ったんですけど、スレタイのセリフは回収出来ませんでした・・・すみません

それと>>93に書き忘れたのですが、時系列では本編終了後、叛逆の前になります
まぁここから叛逆へはつながらないので、IFストーリーだと思って下さい

この設定で小ネタを考えてみますが、何も思い浮かばなかったらHTML化を申請して、ここで終了宣言させて頂きます

最後までお付き合い下さり、ありがとうございました

まどかはまあ多分叛逆までは見たんだろうけどおりことかTDSとか読んでないんだろうなあとは思うね
公式への理解が深まればより二次創作しやすくなるだろうし、二次創作でもpixivとかでこういう台本形式以外のSS読んで見ると幅広がるんじゃないかとは思う

>>125
叛逆も一回見ただけでガイドとかは見てないんだろうなって感じ
知らない所は二次創作を参考に書きました的な……

皆さんいろいろとご意見ありがとうございます

>>125さんと>>126さんのご指摘は、まさにその通りです
本編も叛逆も最近レンタルして1回見ただけで、東方も紅魔郷のノーマル攻略に挫折した程度のものです
あとは全て2次創作の知識といいますか、2次創作が好きでSSを書き始めたようなものです
3次創作とでもいった方がいいのかもしれません

やはり>>1の公式設定を守っているという表現が誤解を与えているようで、申し訳なく思っております
SSを書くにあたっては一応ググって公式で否定されていないかを調べてはいますが、その程度です
原作を愛する皆様に不快感を与えてしまったのなら、すみませんでした

次回からは>>1の注意書きを変更し、>>125さんのアドバイスも大いに参考にさせて頂こうと思います
けれど、技術的な面もあり今後も今のスタイル(2次設定満載)でいくことをご了承下さい

最後になりましたが、最後まで読んでいただいき、不快感を感じた上でもコメントして頂いた方々に感謝を申し上げます
ありがとうございました

皆様、様々なご意見ありがとうございます

随分と叩かれていますが、それだけ皆様がまどほむに思い入れがあるということなのでしょう
形は違えど、同じものを好きだというのは嬉しいことだと思います
具体的なご指摘のある辛口コメントはなおさらですね

現在ある程度、続編を書き溜めてはいますが今の状態で投下しても読みづらいのでしばらく時間をおいて更新させていただきます

叩いている方も、読んだうえで叩いていると思えば励みとなります
それらを糧に頑張って書いていきたいと思っております
ありがとうございました

お久しぶりです、作者です
こんなに表示が下がっても荒れたままなのですね・・・残念です

下げたまま更新しようかとも考えましたが、一度HTML化依頼を出すことにしました
理由は続編の書き溜めよりも、気晴らしで書き始めた別のSSの方が書いていて楽しくなってきたからです

「そんな奴はいない」と言われそうですが、続編を待って頂いていた方にはお詫び申し上げます
もし続編を書くとしたらもう一度同じスレタイで立てますので、その時はよろしくお願いします

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年02月26日 (木) 02:30:44   ID: -B1Tge_b

結構楽しく読めた。このノリは好きだな

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom