【艦これ】提督たち「ユウジョウカッコカリ?」【物語風プレゼン】 (869)



【艦隊これくしょん】をプレイしてる提督の方々に捧ぐ。

この投稿は、筆者が抱いているシステム周りの単純な妄想や【艦隊これくしょん】で実現したら面白そうなアイデアを、
実装する前の一部の提督たちを選抜してβテストシミュレーションを行うという架空戦記を通した具体例を提示したリプレイ風架空戦記となります。
それ故に、メメタァな発言が頻発しますがご了承くださいませ。
システム周りの設定の妄想を物語風に語っていくので、イチャコラみたいなのを期待している人向けではありません。

なお【友軍艦隊】が「-第2期実装予定-」とあるように大規模なアップデートが予定されていることは間違いありませんが、
現時点での【艦隊これくしょん】の感触から得たアイデアを綴らせていこうかと思います。

物語設定としては、大本営が更なる戦果と技術の向上のためのテストケースとして、
新装備や新たなシステムの導入を艦隊運用の思想がまったく異なる提督たちにモニタリングしてもらうという話である。
提督の名前も性格をなるべくイメージしやすいものにしてあり、艦隊運用の思想を分類化した中で選ばれた1提督と考えてください。
当然ながら、艦娘たちとイメージが被ることがないようなありふれた苗字を選んでいるつもりですが、どうぞよろしくお願いします、

モニターに選ばれた提督たち
                         ドウテイ
清原提督……道徳的な艦隊運用を心掛ける身持ちが堅い洞庭鎮守府の提督。。
                       サイテイ
金本提督……財力に物を言わせる戦いに明け暮れる斎庭鎮守府の提督。
                     タクジ
朗利提督……駆逐艦と潜水艦をこよなく愛する拓自鎮守府の提督。
                        シュリ
石田提督……大型艦を主力にする大艦巨砲主義を貫く趣里鎮守府の提督。


なお、すでに内容は全て書き起こしてあるので提案の是非に関わらず、呼称や設定などの途中変更はありません。
物語風に描いているので、話数を重ねる毎に新装備や新システムの導入の恩恵でモニターの提督たちの鎮守府の戦力がどんどん拡充されていきます。
また、物語の終着点もしっかりと考えてありますので隔週投稿となりますが、失踪はせずにしっかりと完結させますのでよろしくお願いします。



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第1話 ユウジョウカッコカリ


清原「さて、どうして我々が喚ばれたのか……」

金本「さあな。大本営に訊いても知らぬ存ぜぬだ。【書類一式&指輪】を特別にくれるんだったらいいけどな」

朗利「さっさとやることすませて鎮守府に帰りたい。本当なら今日は駆逐艦のみんなと――――――」

石田「それはまったくもって同感ですよ。こんなのは時間の無駄ですよ。今日も【大型艦建造】のために潜水艦隊には――――――」


提督たち「!?」


清原「………………」

金本「………………」


朗利「………………」

石田「………………」




清原「金本提督?」

金本「どうした、清原提督?」

清原「確かあなたは【書類一式&指輪】を欲しがっているようですが……」

金本「そうだぜ?」

清原「怒涛の勢いの豪胆な艦隊運用に定評のある金本提督が【書類一式&指輪】を手に入れるのに手こずっているとは思えないのですが…………」

金本「ああ。敵艦隊を蹴散らすことに関しては抜かりはないさ。この前のAL作戦とMI作戦も余裕で突破よ」

金本「どうだい? 俺のところとまた演習やってみる?」

清原「遠慮しておきます。私はMI島の敵戦力の殲滅で精一杯で、残念ながらすぐに撤退してしまいましたし……」

金本「そりゃ残念だったな。島を守りきれていれば【勲章】ものだったのにな」

清原「…………はい」

清原「で?」

金本「?」

清原「もしやと思いますが、――――――その指輪の数はいったい何ですか?」

金本「え? 決まってるじゃないか!」


金本「愛しの艦娘たちとの誓いの指輪!」ドヤァ


清原「なにっ?!」

清原「しばらく見ない間に、まさか全部――――――?!」

金本「おうとも。結構苦労したぜ。さすがにこの数ともなれば指5本にはに収まらないな」

金本「見栄えも悪いし、いっそ1つのリングにしちゃおうかな?」

清原「あ、あなたという人は…………」プルプル

金本「あぁれぇ? 清原提督の指にはまだ1つも――――――」


清原「そこに直りなさい、不埒者!」


金本「はあ?」


清原「あなたという人は恥ずかしくないのですか!」

清原「イップタサイなどと…………」

清原「しかも、必要以上の奢侈に走った身なりと言い――――――」

金本「そういうあんたこそ、ずいぶんとみそぼらしいこと」

清原「う、うるさい! 大型艦建造の結果が全部 まるゆになるのがいけないんだ! どうしてハズレばかり…………」

金本「それに、俺は心の底から艦娘たちを愛してるが故にこうしてちゃんとメオトノチギリを交わしてやってるんだ」

金本「大本営もジュウコンは黙認しているんだし、これは結婚ではなくてケッコンなんだから肩の力を抜けっての」

金本「そういや清原提督は、男としての魅力なら俺には絶対に敵わないだろうが、」

金本「細やかな気配りや人徳に溢れた およそ軍人らしからぬ大愛に胸を打たれた艦娘がいるんだから、さっさとその娘とケッコンしちまえよ」

金本「ずっと待ってるんじゃねえのか?」

清原「ぬっ…………余計なお世話だ!」

清原「戦争をやってるんだぞ! 結婚だろうがケッコンじゃなかろうがそれに現を抜かすなど――――――」

金本「あーあー、聞っこえっなーい。死んでから後悔できることとそうじゃないことの区別がないお子ちゃまの言葉なんて聞こえない~」

金本「そういうのはただの僻みっていうんだよ~」

金本「ケッコンすれば純粋な戦力増強になるって側面もあるんだし、これはやらないだけ損ってやつなのに馬鹿だね~!」

金本「そんなんだから【勲章】を取り逃してしまうんだよ、童貞くん!」

清原「う、うるさい! この成金!」

金本「貢ぐに値するものに貢いで何がいけない?」

金本「清原提督も、2日だけ昼食を我慢する努力をすれば俺のようになれるぞ? 給料3ヶ月分叩く必要もないんだ!」メメタァ

清原「そういうことじゃあない! 気持ちの問題だっ!」



朗利「ねえねえ 石田提督?」

石田「何ですか、朗利提督?」

朗利「さっき『潜水艦隊を』――――――何だって?」

石田「東部オリョール海に出撃させるんですよ。数十回ほど」

朗利「なんだって? どうしてそんなことさせるのかな~? 明らかに度を過ぎてる気がするけど」

石田「戦いというのは数が全てを支配するものです」

石田「すなわち、鎮守府における『数』というのは『艦隊運用に関わる資源の数』こそが全てとなります。これはあって困ることはありません」

石田「そして、あらゆる敵を吹き飛ばす攻撃力の高さこそが正義なのです。そのために【大型艦建造】に全力を尽くしております」

朗利「それで時間をコツコツ無駄にしてきたわけね。まあレベルは上がるから一概に無駄とは言えないけど」

石田「そういうあなたこそ、よく艦娘たちと遊んでいられますね?」

朗利「俺は提督としてまじめに職務をこなしているだけだよ」


朗利「そう、我が鎮守府を構成する愛する艦娘とのコミュニケーションも提督の大事な務め!」キリッ


石田「フッ、無益なことを」

朗利「はい?」ムッ

石田「調べはついています」

石田「あなたは自分が贔屓する艦娘のために鎮守府を運営し、大本営から与えられた指令の達成には消極的であると」

石田「あなたはいったい何のために提督となったのですか? 組織に所属する人間としてあるまじき実態には反吐が出そうですよ」

朗利「はっ! よくいうぜ!」

朗利「そういうあんたこそ、勝率は俺のところよりも高くないのな」

朗利「しかも、轟沈した艦娘の数が異様に多い」

朗利「どこからどう見ても、世間の人たちが忌み嫌うブラック鎮守府そのものじゃないか!」

朗利「この外道! ひとでなし! 艦娘たちをなんだと思っていやがる!」

石田「おかしなことを言いますね」

朗利「なんだ? あんたも艦娘は人間じゃないから奴隷扱いしているのか?」ジロッ

石田「そうではありません。私は社会的責任能力が認められる友好的な存在を人間として扱うつもりですので」

朗利「本当かな?」ジトー

石田「将棋というのはいかに捨て駒を活用し、相手の陣形を崩し、活路を開いて勝利を得るかとなります」

石田「それと同じように、温存すべき艦娘と切り捨てるべき艦娘の線引があって当然ではないですか?」

朗利「…………!」

石田「ましてや、あなたの言っていることは偽善ですよ」

石田「そういうのは、全ての艦娘の練度を最大値にまであげてから言ってくださいよ」

石田「あなたの鎮守府に所属している重巡洋艦のみなさんが埃をかぶって泣いてますよ?」

朗利「ふん! 人のことを道具としてしか見れない心の冷たい大人にはなりたかぁねえな」

朗利「そういう意味じゃ、次代をつなぐ人材確保に影を落としてるんじゃないの?」

石田「結果が全てなんですよ、結果が。あなたのいう『次代』もそういった結果によってもたらされるもの」

朗利「まあ、あんたみたいな心の冷たいのがいると大本営にも迷惑だろうから、俺のような心の暖かいおにいさんがいていい塩梅だよ」

石田「減らず口を……」

朗利「そういうあんたこそ、【艦隊これくしょん】を始めた動機って何だったのさ? 初志貫徹もできないような情けないやつ!」メメタァ





清原「………………」

金本「………………」


朗利「………………」

石田「………………」


提督たち「ふん!」


スタスタスタ・・・



――――――司令部


司令部「諸君に集まってもらったのは他でもない」

司令部「諸君にはこの【試供品】を試用し、それによる戦果の向上を確認してきて欲しいのだ」

清原「と、言いますと?」

金本「うぅん? どこかで見たことがあるような――――――」

朗利「1人4つあるね」

石田「これを艦娘に与えればよいのですね?」

司令部「うむ」

清原「では、【これ】は何です?」

金本「もしかして――――――」


司令部「その名も、“ユウジョウカッコカリ”だ」


提督たち「ユウジョウカッコカリ?」

朗利「え? “ケッコンカッコカリ”じゃなくて?」

司令部「まだ仮称だ。他の案として『センユウカッコカリ』『アイボウカッコカリ』などがある」

司令部「そして、【これ】はあくまでもユウジョウカッコカリするのに必要なアイテムということだ」

石田「では、詳細な説明を」

司令部「うむ。では、画面を見たまえ」



ユウジョウカッコカリ(仮称)
練度がLv.50からLv.98までの艦娘とユウジョウカッコカリ可能となります。
これには【○○○○鎮守府褒章】(仮称)が必要です。
ユウジョウカッコカリに必要な【○○○○鎮守府褒章】(仮称)は【勲章】3つと交換となります。
ただし、艦隊司令部Levelが50以上から交換できるようになります。

【○○○○鎮守府褒章】(仮称)
○○○○鎮守府が独自に設定した褒章――――――というより、感謝状みたいなもの。
大本営公認(=黙認)であり、功績のあった艦娘にはガンガン与えちゃっていい感じである。
ただし、【勲章】3つとの交換であり、課金すれば手に入る【書類一式&指輪】とは違い、時間さえ掛ければ無限に手に入るがその道は険しい。


ユウジョウカッコカリしたボーナス
・Lv上限がLv120までに引き上げられる
・火力・雷装・対空・装甲の基本ステータスは引き継がれ、上限も変わらない。これまでの近代化改修の効果はリセットされない。
・それまでのレベルアップと同様に、今後のレベルアップでも対潜・索敵・回避が上昇する。
・運が上昇する
・燃料・弾薬共に消費量が減少

・ユウジョウカッコカリ専用演出
・ケッコンカッコカリに上書きされる
-その場合、ケッコンカッコカリの演出が通常時とは異なる
-その場合、ケッコンカッコカリによる運の上昇、燃料・弾薬の消費量の減少がない



――――――洞庭鎮守府


清原「これで、長らく続いてきた悩みが解決するな」

清原「実装された後のことを考えれば、これまで【勲章】をちゃんととってきてよかった…………」

清原「でも、それ以上に嬉しいのは――――――、」

清原「このユウジョウカッコカリのテストに私が選ばれたこと!」

清原「それすなわち、誰よりも先にこの素晴らしいシステムに触れることができるということだ!」メメタァ

清原「ただいま」ガチャ


鳳翔:Lv99「お疲れ様です。お風呂にしますか? ご飯にしますか? それとも・・・ふふっ、冗談ですよ」

金剛:Lv99「HEY! 提督ぅー。レディーをいつまでも待たせちゃNOデース! もっともっと私との時間を大切にするのデース!」


清原「ああ。そうさせてもらうよ」フフッ

鳳翔「あら、なんだかとっても嬉しそうですね、提督?」クスッ

金剛「提督、今日は何かいいことあったデスカ?」

清原「ふふふ、それは近いうちにわかると思うよ」ニコニコ

鳳翔「それでは、お茶をご用意いたしますね」

金剛「待つのデース! 提督にはGreen TeaよりもRed Teaネー!」


タッタッタッタッタ・・・・・・!


清原「相変わらずだな、二人共……」フフッ

清原「………………フゥ」

清原「私はこれまでただ逃げてきた……」

清原「あの二人の気持ちを知っていながらどちらかを選ぶことがずっとできなかった…………」

清原「いや、最初から答えは決まっていた。私は――――――」

清原「けど、彼女にもいろいろと助けられてきた」

清原「それまでの嘘偽りのない感謝と信頼の気持ちをみなの前で示したかった」

清原「悔しいことだが、最近の戦績もケッコンカッコカリしてこなかったつけが大きくなってきている」

清原「単純な戦力増強のためにも、ケッコンカッコカリは戦艦や正規空母に使うべきなのだろう」

清原「けれども、たった1つしか支給されない【指輪】はやっぱり一番だと思う娘に渡したいから――――――」

清原「………………」

清原「どうなっちゃうんだろうな、これから?」ワクワク


――――――斎庭鎮守府


金本「…………【これ】、どうしよう?」

金本「ユウジョウカッコカリ」

金本「はっきり言って、要らね」

金本「Lv50で先にケッコンカッコカリのボーナスをもらえるようだが――――――、」

金本「Lv上限が120っていうのが一番の曲者で、結局 ケッコンカッコカリの下位互換じゃねえか!」

金本「それに、貴重な【勲章】を3つ使う必要があるというのも気に食わん」

金本「【勲章】なんてゲージ破壊するところで月1しか取れないだろうが!」メメタァ

金本「いくら俺がプロデューサーも兼業していた歴戦の課金兵の叩き上げだろうと、ゲージ破壊なんていうのはイベントマップだけで十分だっての!」メメタァ

金本「ケッコンカッコカリなんて、艦娘がLv99になったら【書類一式&指輪】をポチッてすぐにできるってのに……」メメタァ

金本「はあ……、こんなのをありがたがる人間の気がしれないよ」

金本「いや、艦娘の中で序列をつける意味では有効かもしれねえが――――――、」

金本「そんなものは差をつけることでしか人と付き合えない不器用なやつが喜ぶやり方だな」

金本「男なら、愛する全てをものにするもんだろうがよ」

金本「それが甲斐性ってもんだろう? ――――――愛は勝つ!」ガチャ


扶桑:Lv128「あ、提督。おかえりなさい」

山城:Lv148「……なんだ、提督か」

龍驤:Lv98「おお、提督か。なんやそれ? おみやげか?」


金本「いや、ゴミだね」


金本「それよりも、龍驤? 明日辺りに俺と出かけない?」

龍驤「え、それはその…………」モジモジ

扶桑「そっか。龍驤ちゃんももうそんな――――――」

山城「不幸だわ……。またしてもこの男の毒牙に――――――」

金本「ふははははは!」

金本「何? 妬いてくれてるの? 相変わらず自己主張が激しいな~」

山城「…………!」ドキッ

金本「大丈夫、大丈夫! 俺、包容力ってのはあるつもりだからさ」

金本「それに――――――、」

金本「どうだ? 俺の手で身の丈に合わない功績を上げてしまった不幸の味は! 伊勢や日向はおろか、愛しの“姉さま”よりも大活躍してさ!」

金本「愛しの“姉さま”もバッチリ見てきたんだぜ? 震えるだろう? 誰も彼もがお前の功績を見て羨んで嫉妬するんだぜ?」

金本「やーい! 不幸戦艦! 欠陥戦艦! ここまでされたら不幸のあまりに言葉も出ないだろう!」

金本「だから、笑え! 笑っちまえ! ふははははは!」

山城「あは、あはははは……、私って本当に不幸……」

山城「あははははははは……」

山城「……感謝しています、提督」ボソッ

扶桑「山城……」ホッ

金本「そんなわけで、龍驤」

龍驤「あ、はいっ!」ビクッ

金本「お前も明日から俺のわがままに振り回されて不幸になってくれや」ニッコリ

龍驤「…………はい」ポッ

金本「ああ 今日の司令部への召集はつまらなかった……」

金本「扶桑、【これ】、適当に片付けておいてくれ」

金本「その後、しっかりと労ってやるからな」ニヤリ

扶桑「はい、提督」ニッコリ

金本「ようし! 主力艦隊、出撃! 明日は非番にするぞ! 大盤振る舞いだ!」

龍驤「第1艦隊、行ってくるでぇ!」キラキラ



――――――拓自鎮守府


朗利「なるほどね」

朗利「ユウジョウカッコカリ」

朗利「燃費の良い艦娘がますます燃費が良くなるから、鎮守府の運営も楽になるな」

朗利「しかも、Lv50から使えるということはMVPを取りづらい駆逐艦にも優しいナイスな仕様じゃないか!」

朗利「毎日コツコツ近海警備していれば、問題なく辿り着けるな」

朗利「それを4つももらえたということは、艦隊全体の燃費を劇的に改善できるってわけだな」

朗利「ただ、あの娘たちとユウジョウカッコカリってのも何か変な感じだな……」

朗利「センユウカッコカリってのが【これ】の名前の候補にあったわけだから、【これ】を使うと『提督である俺と戦友=対等の関係になる』ってことか」

朗利「………………」

朗利「何か違うな……。まあ……、あんな幼気な艦娘たちに戦わせている時点で倫理もへったくれもないはずなんだけど…………」

朗利「とはいっても、ケッコンカッコカリすら届かないんだけどな~」ガチャ

朗利「ただいま~! ――――――げっ」


長門 :Lv78「遅いぞ、提督。どこで道草を食っていた?」

大鳳 :Lv81「提督、明日の出撃の予定はどうしましょうか?」

五十鈴:Lv88「提督! いいかげん次の海域の攻略にとりかかりましょう!」

天龍 :Lv43「そうだそうだ! いいかげんオレを艦隊決戦のメンツに入れろよ! ビビってんのか、オレの活躍に?」

雷 :Lv92「司令官、偉い人にイジメられなかった? けど、大丈夫。私が居るからね」


朗利「…………一応、これが俺の鎮守府を支えてくれた面々ではあるかな」

朗利「う~ん」

長門「どうした? 珍しく悩み事をしているようだがな」

天龍「どうせいつものくだらないことだろうぜ。オレたちを巻き込んで駆逐艦の連中と遊ぶのはやめろよな」

五十鈴「そうそう。そんなんで山本五十六提督や山口多聞提督たち英霊たちに申し訳ないと思わないの?」


朗利「(くそ~。長門に五十鈴に天龍め~!)」

朗利「(一応こいつらの力があって大本営からの指令はこなせてはいるけど、俺への敬意ってのがなってないんだよな~!)」

朗利「(それに、デカイ口を叩くわりには出撃する度に中破・大破で、コツコツ駆逐艦と潜水艦隊のみんなと集めた資源を無駄遣いさせやがって……!)」

朗利「(あ、天龍は遠征で資源を集めている方だからそれほどでもないか。おかげで練度が上がらなくてユウジョウカッコカリの対象外だけど!)」

朗利「(そんな中、俺にちゃんと接してくれるのは大鳳だけだよ。お前ら、大鳳を見習って提督である俺を敬えっての!)」

朗利「(そして、相変わらず雷ちゃんは俺の心のオアシスである、ホント……)」

朗利「(しかし、悔しいことだが、主力であるこいつらにユウジョウカッコカリをすれば攻略も大いに進むのは事実だろう)」

朗利「(五十鈴は対潜戦闘の要、長門はさすがは連合艦隊旗艦としての貫禄、大鳳は中破しても戦える粘り強さがある)」

朗利「(天龍はどうでもいいけど! どうでもいいけど! お前は俺が居ない時に駆逐艦や潜水艦の面倒を見てりゃいいんじゃ!)」

朗利「(そして、雷は俺の守るべきものであり、――――――俺の母となってくれるやもしれぬ女性!)」

朗利「(俺と一緒にこの鎮守府の日常を生涯支えてくれるのは彼女において他ならない!)」

朗利「(ならば、雷のために姉妹全員にこの【拓自鎮守府褒章】を授与してしまうか?!)」

朗利「(待て待て待て! 【こいつ】を手に入れるのに必要な【勲章】はExtraOperationでしか手に入らないんだぞ! 激戦は必至じゃないか!)」メメタァ

朗利「(それに、別に慌てることはないじゃないか。俺はじっくりゆっくり俺の艦娘たちを愛でていたいんだから)」

朗利「(というか、広く浅く多くの駆逐艦を育てているからユウジョウカッコカリには届かないんだよな、どんなに必死に1日回しても)」

朗利「(だったら、ここで提督の威厳というものをアピールするためにも、大鳳と生意気な艦娘にやっちゃってもいいような気がする!)」

朗利「(俺の使命に今後も付き合わされるんだし、今のうちにLv上限や燃費の向上がするのはいいことだ)」メメタァ


朗利「よし、これでいこう!」

五十鈴「提督!」

朗利「な、何だ?! びっくりさせるな!」
          イチゴーマルマル
天龍「ほら、そろそろ一五○○だろう?」

長門「そ、そうだぞ! みんなが待っている……!」ギュルルル・・・

朗利「あ、そっか。もうすぐ3時か。準備しないとな」

大鳳「提督、本日の厨房の準備はできています」

雷「今日も楽しみにしているんだからね!」

朗利「おお! 俺が愛する駆逐艦や潜水艦のみんなに心を込めて作ります!」


朗利「たくさん食べて元気にな~れ!(でも、大きくなっちゃやぁあ!)」ニコッ


天龍「さすがに気色悪いな……」

長門「だ、だが、やつの菓子職人としての実力は認めざるを得ない……」ゴクリ

五十鈴「さあ、私たちも作るわよ。今度こそ提督より美味しいお菓子を作って唯一の取り柄を粉砕するのよ!」

天龍「ああ。腕が鳴るぜ! いつまでも甘いものだけで人のことをどうにかできると思うなよ?」ジュルリ・・・

長門「うむ。がんばってくれたまえ」

長門「私と雷は駆逐艦たちの様子を――――――」

大鳳「手伝わないのなら、一人で駆逐艦全員分を平らげてしまうあなたにはあげませんよ?」ニコニコー

雷「ふふふ、今日も平和ねー。がんばってー、みんなー!」



――――――趣里鎮守府


石田「ユウジョウカッコカリ」

石田「言うまでもなく【これ】は、長期的な攻略を有利に進められる有益なもの」

石田「しかも、【それ】を4つももらえたことは幸いです」

石田「この4つと、ケッコンカッコカリと事前に確保した【勲章】3つを使えば、燃費が向上した上で限界突破した1艦隊が編成できるようになる」

石田「まあ、まだ実装前のβテストだから【勲章】との交換はまだできないことが現状における最大の問題点なのですが」

石田「しかし、ゲージ破壊による周回攻略を求められる海域においては他を寄せ付けない継戦能力を造り出すだろう」メメタァ

石田「――――――“ユウジョウカッコカリ”か」

石田「またの名を、『センユウカッコカリ』『アイボウカッコカリ』」

石田「およそ私にはふさわしくない関係だな…………」

石田「しかも、【褒章】という形で他の艦娘が見ている前で手渡さなければならない――――――」

石田「署名と指輪の交換だけでいいケッコンカッコカリとはまるで趣が違う……」

石田「有用ではあるが、私にそれを実行するだけの勇気が――――――」

石田「いや、これも攻略を進めるために必要な儀礼だ。気にしては負けだ」ガチャ

石田「む」


飛龍:Lv90「提督!」


石田「飛龍ですか。遠征に出た艦隊はすでに?」

飛龍「はい。獲得した資源は次のようになっています」

石田「ご苦労さまです。下がりなさい」

飛龍「わかりました、提督」

石田「………………」


スタスタスタ・・・


石田「…………我が艦隊で最もケッコンカッコカリに近いのが彼女か」

石田「私が無能だった頃はまるで見向きもしなかった艦娘が今や我が艦隊の主力か……」

石田「彼女は極めて有能だ。この前のMI作戦でも一番の武勲を立ててくれた」

石田「しかし、なぜ彼女は古参でありながら、こんな私に付き従うのか……」


石田「さて、今日こそ陸奥ではない戦艦を――――――」アセタラー


石田「この際、霧島でもいい! いいかげん第4艦隊を編成したのだああああああああ!」ガン!


石田「………………………………1時間」

石田「これも運命か……」ハア

石田「自暴自棄になって、数多くの艦娘を捨て駒にして、大本営の一大作戦への参加資格を剥奪され、」

石田「戦線復帰の資格を取り戻すために捨て駒作戦をやめて今度は牧場経営とクルージングに精を出すか」

石田「懲りないものだな――――――いや、犯した罪は一生消えることはない」

石田「各戦線で戦い続けている同胞の提督たちを2つに大別するのならば、」


――――――沈めた提督と沈めたことがない提督の2つだ。


石田「そして、一度そうなってしまったら二度とそうではない状態には戻れない」

石田「だが、その犠牲に見合った分の結果を私は出している! 確実に全体の勝利に貢献している! 未来に向けて前進している!」

石田「聞けば、たかが1隻沈んだだけで提督としての職務と使命を全うできなくなった軟弱者もいるというが、」

石田「それ故に、私はユウジョウカッコカリのモニターに選ばれた――――――そう考えよう」

石田「さて、飛龍 以外の候補を考えておかなければな……」




――――――こうして1週間が過ぎた。


司令部「さて、まず最初の報告を聞こうか」

司令部「清原提督の洞庭鎮守府に合わせてくれ」

ピッ

――――――
清原「…………あ、すみません」ドヨーン
――――――

司令部「?」

司令部「どうしたのかね? ずいぶんと窶れているようだが……」

――――――
清原「あ、これは失礼致しました……」
――――――

司令部「人道的な艦隊運用で評判のきみがそこまで根を詰めるということは、まさか――――――」

――――――
清原「いえ! 我が艦隊は健在です」
――――――

司令部「…………そうか。それならいいのだが」

司令部「では、ユウジョウカッコカリの感触はどうかね? すでに【褒章】を授与したのかね?」

――――――
清原「その……、なぜなのでしょうか……?」
――――――

司令部「……何がだね?」

――――――
清原「なぜ、なぜ、なぜ――――――!?」


――――――なぜLv99の艦娘とユウジョウカッコカリができないんですか!


清原「うぅ…………」
――――――

司令部「どういうことかね? 詳しく聞かせたまえ」

――――――
清原「ええ。あれは――――――」



――――――――――――

―――――――――

――――――

―――



清原「さて、ケッコンカッコカリの作法はわかっている」ドキドキ

清原「第一艦隊の旗艦に配置して【改装】で【Lv】のところを選択すればいいんだな」メメタァ

清原「よし。ここにサインをすればいいんだな?」フゥ

清原「それと同じように、Lv50以上の艦娘と旗艦に配置して同じようにすればいいのか(お、確かに【Lv】のところが違った光を放っているな)」メメタァ

清原「よし。榛名でユウジョウカッコカリ可能なのを確認できたぞ」ドクンドクン

清原「それじゃ――――――いや!」

清原「お、落ち着け! 万が一の可能性というのもある。ちゃんと彼女とユウジョウカッコカリになるのかを見るんだ」ドクンドクン

清原「それじゃ、彼女を旗艦にして――――――」

清原「そして、【Lv】のところを選択――――――」メメタァ

清原「なっ!?」

清原「へ? へ? へ?」キョロキョロ

清原「う、嘘だろう? 嘘だよな!? 嘘だと言ってくれえええええええええええええ!」ガタッ

清原「うわああああああああああああああああああああああああああ!!」


ユウジョウカッコカリ(仮称)
練度がLv.50からLv.98までの艦娘とユウジョウカッコカリ可能となります。  ←――――――――――――注目!
これには【○○○○鎮守府褒章】(仮称)が必要です。
ユウジョウカッコカリに必要な【○○○○鎮守府褒章】(仮称)は【勲章】3つと交換となります。
ただし、艦隊司令部Levelが50以上から交換できるようになります。

【○○○○鎮守府褒章】(仮称)
○○○○鎮守府が独自に設定した褒章――――――というより、感謝状みたいなもの。
大本営公認(=黙認)であり、功績のあった艦娘にはガンガン与えちゃっていい感じである。
ただし、【勲章】3つとの交換であり、課金すれば手に入る【書類一式&指輪】とは違い、時間さえ掛ければ無限に手に入るがその道は険しい。


ユウジョウカッコカリしたボーナス
・Lv上限がLv120までに引き上げられる
・火力・雷装・対空・装甲の基本ステータスは引き継がれ、上限も変わらない。これまでの近代化改修の効果はリセットされない。
・それまでのレベルアップと同様に、今後のレベルアップでも対潜・索敵・回避が上昇する。
・運が上昇する
・燃料・弾薬共に消費量が減少

・ユウジョウカッコカリ専用演出
・ケッコンカッコカリに上書きされる ←――――――――――――――――――――――――――――――注目!
-その場合、ケッコンカッコカリの演出が通常時とは異なる
-その場合、ケッコンカッコカリによる運の上昇、燃料・弾薬の消費量の減少がない


―――

――――――

―――――――――

――――――――――――



――――――
清原「どうしてこんな…………」ボロッ

清原「よ、ようやく答えを出せそうだったのに…………」グスン

清原「こんな……、あんまりな…………」グスン
――――――

司令部「……そうか。それは気の毒にな(希望を与えられ それを奪われた時、人が見せる絶望の表情は見ているだけできついものがあるな……)」

司令部「だが、決して早まってはならぬぞ。必ずそのバグを修正するかレベルを下げる新アイテムを実装するからな」メメタァ

司令部「あるいは、インターフェイスそのものに改良を加えるように言っておくからな!」メメタァ

司令部「貴重な意見を感謝するぞ」

司令部「いいか! くれぐれも早まるでないぞ! 可能性が完全に潰えたわけではないのだからな!」

――――――
清原「りょ、了解です……」

清原「申し訳ございません。人前で男子たるものが涙などと……」
――――――

司令部「よい。それが清原提督の良さなのだ」

司令部「どうか、その良さを萎ませないようにな」

司令部「ではな」

――――――
清原「はっ!」ビシッ
――――――

ピッ

司令部「…………なんということだ。新システム実装に伴うインターフェイスの変更に手を抜いた結果、こんな悲劇を呼ぶとは」メメタァ

司令部「だが、これはすぐに改善できるだろう」

司令部「もうしばらく耐え忍んでいてくれ、清原提督……」


司令部「さて、次は金本提督の斎庭鎮守府だな」

ピッ

――――――
金本「あ、定期報告ですか」

金本「そんなもの必要ありませんよ」

金本「ユウジョウカッコカリなんて、ケッコンカッコカリの完全下位互換なんでね」

龍驤「提督~! 褒めて褒めてぇ!」スリスリ

金本「こらこら。今 お仕事中だから後にする~」ナデナデ

龍驤「えへへへ……」ニコニコ
――――――

司令部「率直だな。ある意味、予想通りの回答ではあるが(おお……、今度は龍驤とケッコンしたと見える。巨乳好きではなかったのか……)」

司令部「しかし、課金せずに艦娘の能力を限界突破させることができるのだぞ?」メメタァ

司令部「それもLv50からケッコンカッコカリした時のボーナスを先にもらうことができる」

司令部「そこはどう思っているのだ?」

――――――
金本「たかだか上がるのは【運】だけでしょう?」

金本「それに俺は資源を富士山のように持ってますからね。燃費がどうだとかそんなチンケなことに囚われちゃいませんよ」

金本「そして、俺が求めているのはユウジョウじゃなくて、その先にあるものだから」

金本「ですから、Lv上限が120しか伸びない時点で最初から期待なんかしてませんよ」

金本「無課金プレイで清貧プレイにこだわる童貞くんなんかには好評かもね?」メメタァ

金本「あっほらし」
――――――

司令部「なるほど。言われるまでもなく、確かに貴官ほどの人間ならば、ユウジョウカッコカリなど不必要なものであったな」

司令部「しかし、貴官のような人間が一握りであることを覚えておきたまえ」

司令部「貴官の能力は高く評価されてはいるが、同時に妬まれてもいるのだから」

――――――
金本「望むところですよ」

金本「俺よりも甲斐性のある――――――鎮守府ライフに一生を捧げられる人間がいるのならば見てみたいものですね」

金本「そして、愛した女を喜ばせるだけのモノがあるかについてもね」ニヤリ
――――――

司令部「だいたいわかった」

司令部「では、引き続き モニターになっていてくれ」

司令部「くれぐれも第三者に情報を漏洩させたり、譲渡したりしてはならないぞ。いいな」

――――――
金本「了解です。【あんなの】は倉庫の中に放り込んでありますよ」

金本「では、艦娘たちとの鎮守府ライフを再開しますね」
――――――

ピッ

司令部「相変わらずだな。どこまでも純粋に鎮守府でのひとときにひたむきに生きるか」

司令部「しかし、豪放磊落で奢侈で無駄遣いがすぎるというきらいがあるがな」

司令部「だからこそ、常人には成し得ない偉業を成し遂げられるが、少なくとも手本にはなれんな」


司令部「次は、拓自鎮守府の朗利提督だな」

ピッ

――――――
朗利「おはようございます」ビシッ
――――――

司令部「おお、いつも通りのようだな」

司令部「それで、ユウジョウカッコカリはしたのか?」

――――――
朗利「はい。我が鎮守府の精鋭たちに授与しました」
――――――

司令部「ほう? てっきり第六駆逐隊あたりにみんな与えると思っていたのだがな」

――――――
朗利「俺も最初は4つもらったのでちょうどいいと思っていたのですが、」

朗利「ユウジョウカッコカリに実質的に必要となってくる【勲章】を集めるためにはどうしても大型艦に頼らざるを得ません」

朗利「そうなってくると、今後もユウジョウカッコカリをしていくためには、」

朗利「まずは【勲章】集めに特化した戦力を整えてじっくりとやっていけばいいのではないかと思い、」

朗利「その手始めに我が鎮守府の精鋭4人に授与いたしました」
――――――

司令部「やはり、ただのガチペドロリコンではなかったか。貴重な意見に感謝するぞ」

――――――
朗利「いやぁ、これまでの鎮守府の在り方を見直すいい機会をもらえましたので、こちらこそ感謝いたします」
                                           ・・
朗利「(なにせ、ユウジョウを結んだことによって俺への態度が一様に軟化して、俺への敬意を一応払ってくれるようになったのだからな!)」

朗利「(実際にこれはなかなかいいものだ! あの無駄飯食いの長門の燃費が目に見えて減っているから、こちらの精神衛生上に大変優しいぞ!)」

朗利「(ケッコンカッコカリとはレベル上限以外では全く同じ効果だしな。これは利用しない手はない!)」メメタァ
――――――

司令部「ふむ。【勲章】3つで【褒章】と交換なのは妥当というところかな?」メメタァ

司令部「それでは、引き続き ユウジョウカッコカリのモニターをしていてくれたまえ」

司令部「くれぐれ憲兵の御用になるでないぞ?」

――――――
朗利「わかってますって」

朗利「YESロリ! NOタッチ!」

朗利「紳士は純正天然素材であるものを好みますから」
――――――

ピッ

司令部「………………」

司令部「あれでもまだ健全な方だというのだから、我が陣営の風紀や威厳というものはどこへ行こうと言うのだろうか……」


司令部「さて、最後は趣里鎮守府の石田提督か」

司令部「あまり参考にならない気はするが、これも任務だ」

ピッ

――――――
石田「…………」ビシッ
――――――

司令部「ご苦労。早速だが、ユウジョウカッコカリの試用について報告してくれたまえ」スッ

――――――
石田「ユウジョウカッコカリを実行したのは我が艦隊のトップの飛龍のみであります」
――――――

司令部「……意外だな。すぐに使い切るものだと思っていたのだが」

――――――
石田「これまでの数々の作戦において痛感したのが、やはり攻撃力こそが全てだということであります」
――――――

司令部「うむ。先手必勝で敵が攻撃する前に倒せばこちらへの被害も抑えられて結果的に資源や時間の消費を抑えられるからな」

――――――
石田「しかし、それは敵としても同じであり、昨今の敵陣営の戦力増強には目を張るものがあります」
――――――

司令部「確かに我が海軍が誇る艦娘たちを圧倒的に凌駕する深海棲艦の脅威が増大しつつあるな」

――――――
石田「圧倒的な装甲を誇る戦艦ですら一撃で中破に追い込まれてしまうことが何度もあり、その度に撤退の苦渋の決断をさせられてまいりました」
――――――

司令部「すると、貴官の考えでは『攻撃力だけではダメ』だという結論に至ったと?」

――――――
石田「はい。これから重要になってくるのは、敵の攻撃を受けた時の対応――――――回避力となります」

石田「飛龍は必要である攻撃力に秀でている他、高い回避力によって被弾率を抑えて、高い継戦能力を発揮してくれました」

石田「これが他の空母にはない最大の武器であり、ユウジョウカッコカリに値する戦力と判断いたしました」

石田「もちろん飛龍のような艦娘は稀有な存在であり、やはり艦隊決戦は圧倒的な破壊力を誇る戦艦や夜戦で活躍する重巡の独壇場となりましょう」

石田「残った3つはまだ一般には実装されていない試供品ゆえに、慎重に授与する艦娘を選定しようと思います」
――――――

司令部「なるほど。実に貴官らしいやり方だ。もちろん【褒章】が4つしかない現状でのベストな判断という意味ではね」

司令部「ふと思ったのだが、貴官はすでに【書類一式&指輪】を持っているはずだが、一番の精鋭である飛龍に使う気はなかったのかね?」

司令部「もちろん、練度が最大にまでなるのは辛く長い道程ではあるが、それは他の艦娘にも言える道程だ」

司令部「貴官のことだから、形だけのケッコンも已む無しだと思っていたのだが」

――――――
石田「…………『私の考える最終的な最強戦力が飛龍ではなかった』それだけのことです」
――――――

司令部「ほう? 確かにケッコンカッコカリのLv上限が150で、ユウジョウカッコカリのLv上限は120だな」メメタァ



司令部「だが、これまた貴官らしからぬ戦略ではあるな」

司令部「おそらく誰もが最強と認める大和型の戦艦とケッコンしようと思っているのだろうが、」

司令部「無課金プレイを貫いてきたわけでもない貴官がいつまでも【大型艦建造】のために時間を費やしているのは不合理に思えるがな」メメタァ

司令部「どれだけ粘っても出ないものは出ないし、その間に他の艦娘たちも成長していっているであろう」

司令部「その間、やはり暫定の最強戦力は貴官がユウジョウを結んだ唯一の艦である飛龍であり続けることだろう」

司令部「それを追い越すためにいったいどれだけの月日が必要となるのかね?」

司令部「そういう意味では、性急に軍備を整えて堅実に攻略する貴官のこれまでの艦隊運用の在り方とは掛け離れた選択だと思えるのだが」

――――――
石田「……それは誤りです」

石田「私が新米だった頃はまだ飛龍は二段階目の改装はできなかったことですし、ここまで化けるとは誰も想像できませんでした」

石田「私の場合は『たまたま飛龍がいたから』失った正規空母の代わりに運用していたに過ぎません」

石田「結果的にはユウジョウカッコカリに値する戦力ではありましたが、ケッコンカッコカリに値する戦力とは認識しておりませんでした」

石田「ですから、当初の艦隊の運用構想に狂いはありません」
――――――

司令部「そうか。それもそうだな」

司令部「だがやはり、少しでも【大型艦建造】をするために課金する辺り、やろうと思えばケッコンカッコカリも思いのままだと思うのだが」メメタァ

――――――
石田「ケッコンカッコカリできるだけの練度の艦娘が存在しない以上、そういう話は無駄だと思いますが」
――――――

司令部「……そうだな。少しばかり踏み込み過ぎたな」

司令部「それに、貴官の場合は全体のレベリングと柔軟な艦隊編成を重視するが故に、Lv50・Lv60台の艦娘が過半数を占めるぐらいだからな」メメタァ

司令部「それでは、他に報告すべきことや発見したことはないか?」

――――――
石田「いえ」
――――――

司令部「まあ、始まってから1週間ばかりだ」

司令部「貴官のお眼鏡に適う艦娘の発掘が進むことを祈っているぞ」

ピッ

司令部「…………これで全てか」フゥ

司令部「始まって1週間しか経っていないが、なかなかに濃密な経過報告であったな」









――――――ご清聴ありがとうございました。


司令部「さて、これらの経過報告を踏まえて、この報告を眼にしてきた提督たちの意見を聞かせて欲しい」

司令部「まずは、肯定か反対かを明確にして理由を述べて欲しい」

司令部「改善点や各名称について意見があるのなら遠慮無く聞かせて欲しい。以降の企画についても同様だ」

司令部「また、今回は試供品として彼らに最初に4つ渡したが、実際に実装した場合の導入クエストで獲得できる適切な数についても意見して欲しい」

司令部「それでは、有意義な会議となることを祈るが――――――、」

司令部「これはあくまでも一個人が提出したアイデアに過ぎず、【艦隊これくしょん】に採用されるなど期待していない自己満足なプレゼンである」

司令部「それ故に、ここでの議論や考察など現実の【艦隊これくしょん】には何の役にも立たないことを明言しておく」

司令部「それでもよろしければ、次なるプレゼンにまた参加して欲しい」


――――――――――――第1話 ユウジョウカッコカリ 完 Next:第2話 お守り に続く!




ユウジョウカッコカリ(仮称)
練度がLv.50からLv.98までの艦娘とユウジョウカッコカリ可能となります。  ←――――――――――――注目!
これには【○○○○鎮守府褒章】(仮称)が必要です。
ユウジョウカッコカリに必要な【○○○○鎮守府褒章】(仮称)は【勲章】3つと交換となります。
ただし、艦隊司令部Levelが50以上から交換できるようになります。

【○○○○鎮守府褒章】(仮称)
○○○○鎮守府が独自に設定した褒章――――――というより、感謝状みたいなもの。
大本営公認(=黙認)であり、功績のあった艦娘にはガンガン与えちゃっていい感じである。
ただし、【勲章】3つとの交換であり、課金すれば手に入る【書類一式&指輪】とは違い、時間さえ掛ければ無限に手に入るがその道は険しい。


ユウジョウカッコカリしたボーナス
・Lv上限がLv120までに引き上げられる
・火力・雷装・対空・装甲の基本ステータスは引き継がれ、上限も変わらない。これまでの近代化改修の効果はリセットされない。
・それまでのレベルアップと同様に、今後のレベルアップでも対潜・索敵・回避が上昇する。
・運が上昇する
・燃料・弾薬共に消費量が減少

・ユウジョウカッコカリ専用演出
・ケッコンカッコカリに上書きされる ←――――――――――――――――――――――――――――――注目!
-その場合、ケッコンカッコカリの演出が通常時とは異なる
-その場合、ケッコンカッコカリによる運の上昇、燃料・弾薬の消費量の減少がない





提案内容の背景
ケッコンカッコカリが導入されてから、二次創作においてジュウコンカッコカリによる修羅場な話題がホットだったことから、
艦娘たちに公式に序列をつけるものがあれば惨劇は回避できるだろうという着想からユウジョウカッコカリを提案してみた。
少なくともプレゼンターの筆者としては、ケッコンカッコカリによって嫁が強化されるだけじゃなく、
艦隊の中心となる幹部や顔役を選出するイベントみたいなのが実装されたほうが嬉しかった記憶がある。

このへんは本当に『サクラ大戦』の影響です。ケッコンカッコカリは最後にいきなり告白するので『ときめきメモリアル』のイメージ。

導入するにあたって、インターフェイスの大幅な変更をしないようにシステム面ではケッコンカッコカリのマイナーチェンジとなり、
Lv.50からLv.98までの使用制限を加えてみたがいかがであっただろうか?
また、基本的な内容も――――――、

ケッコンカッコカリ > ユウジョウカッコカリ

という序列をつけて、ケッコンカッコカリするほうが最終的にお得になるように調整したつもりである。
そして、ユウジョウカッコカリ限定の追加ボイスや艦娘の違った側面を入れるためにケッコンカッコカリとは異なるデモを用意して、
ケッコンカッコカリし尽くして【艦これ】に飽きてきたヘビーゲーマーに更に奮起してもらえるようにと――――――。
更には、ケッコンカッコカリ専用追加ボイスもユウジョウカッコカリを経由したかで異なるようにして差別化を図れるよう――――――。

ユウジョウカッコカリ→ケッコンカッコカリのイベント見たさにまた1から艦娘育成が始まるね。やったね、タエちゃん。同じ艦を育てる旅が始まる。

また、Lv50からユウジョウカッコカリできるから条件が緩いように見えて、【勲章】が必要となるので安易にユウジョウカッコカリができない調整も入れた。
それ故に、最低限 ExtraOperationを突破できるだけの歴戦の提督向けの新システムでもある。ただ練度を上げればいいというわけではない。

なお、この物語で最初に4つも景気良く【褒章】が渡されたのは、後々に○○○○鎮守府四天王みたいな編成ができるようにしたかったから。

利点
・Lv50からユウジョウカッコカリができる
・ケッコンカッコカリのボーナスを先にもらえる
・ユウジョウカッコカリに必要な【○○○○鎮守府褒章】は【勲章】3つと交換で事実上 無限に手に入れることができる

欠点
・Lv99の艦娘にはユウジョウカッコカリができない(ケッコンカッコカリが優先されるため)
・最終レベルが120までなのでケッコンカッコカリしたほうが最終的に強くなる
・直接 ケッコンカッコカリした時のイベントデモや追加ボイスが聞けなくなる
・ユウジョウカッコカリに間接的に必要となってくる【勲章】の獲得手段が険しく限られている
・それ故に、相当な時間と労力を掛けないとユウジョウカッコカリを多くの艦にすることは困難(ケッコンカッコカリは資金面で困難が伴う)

補足
・ユウジョウカッコカリした艦娘がLv99からLv100になるのに必要な経験値は0EXP
※Lv99になるために必要な累計経験値は1,000,000EXP
→よって、ユウジョウカッコカリによる最大累計経験値(Lv120)は1,255,000となる。 1.255回 艦娘をLv99にすれば到達。
→ところで、ケッコンカッコカリによる最大累計経験値(Lv150)は4,360,000である。 4.360回 艦娘をLv99にすれば到達。


イベントデモのサンプル(筆者の妄想)
ユウジョウカッコカリを使用することで艦娘とユウジョウを結ぶことができ、友達以上恋人未満の強い信頼に結ばれた戦友となることができる。
そこからケッコンカッコカリをすることができるのだが、基本的にはその艦娘が戦友から伴侶に移り変わるので、
直接ケッコンカッコカリした場合とは反応の差がなだらかになっており、信頼感をより強く感じられるものとなるだろう。
ユウジョウカッコカリを経由してケッコンカッコカリした場合は、直接ケッコンカッコカリした時とは違った一面や正反対な状況を描けるだろう。
また、ユウジョウカッコカリというイベントを踏まえた1つの連続劇にできるので艦娘の成長を感じられる寸劇にもしやすいだろう。

特に、ユウジョウカッコカリに間接的に必要となってくる【勲章】の獲得が厳しいからこそ、ケッコンカッコカリとは違った価値や趣が生まれるはずである。

・ユウジョウカッコカリ
吹雪「私 やりましたよ、司令官! 本当にありがとうございます……。これからも私、頑張りますから見ていてください……!」ウルウル
          
榛名「そんな、榛名にはやっぱりもったいない――――――いえ、提督のお気持ち ちゃんと受け取りました。これからも榛名! 全力で参ります!」

長門「連合艦隊旗艦を務めていたのだからこれぐらいは当然だな。だが、ここまでこれたのはまぎれもなく提督の采配によるものだ。誇ってくれ」フフッ

金剛「提督、ついに私にLove Call――――――え、違う? もう! 時間も場所もタイミングもムードもPerfectだったのにNOデース!」プンスカ


・ユウジョウカッコカリ→ケッコンカッコカリ
吹雪「司令官、これからも私はずっと司令官と共にあります! ――――――い、言えた! 私、ちゃんと言えたよ!」ワーイワーイ!

榛名「提督、榛名は強くなれたでしょうか? これからもずっとお側に居ていいのでしょうか? …………そうですか。榛名、感激です」ホッ

長門「提督、覚えてるか? いつか提督に『誇ってくれ』と言ったことを。実は私は……、あなたのことを誇りに思っているのだぞ?」イジイジ

金剛「提督、ようやく私だけのGentlemanになってくれたデース。もう、この時をどれだけ待っていたかわかってるデスカ?」ウルウル


・ケッコンカッコカリ
――――――比較のためにと思いましたけど、本編のネタバレになるので割愛します。




第2話 お守り

――――――司令部


司令部「さて、さっそくだが新しい任務を受けて欲しい」

清原「今度は何でしょう?」

金本「前回のユウジョウカッコカリとかいう全く無意味な新システムのβテストもやらされてるんだ。やり甲斐があるのがいいな」

司令部「では、ここにおみくじ棒がある。引いてくれたまえ」

朗利「は?」

石田「よくはわかりませんが、私から行きましょう」

一同「どうぞどうぞ」

石田「しかし、久しぶりですね。この手のおみくじなんて」カランカラン

スッ

石田「さて、――――――38番」

司令部「では、この箱を受け取ってくれたまえ」

石田「???」

朗利「おい、冷血漢。後が閊えてるんだ。早くしてくれよ」

石田「……すみません」


司令部「さて、全員 行き渡ったかね?」

清原「何の箱ですか? ずいぶんと軽いようですが」

金本「おみくじ棒と言えば、神社仏閣だろう? そして、この箱の中身の軽さは――――――」

司令部「中身は帰ってからのお楽しみだ」

朗利「それじゃ、これだけは確かめさせてください」

朗利「この箱の中身を艦娘に装備させて、その効果を試してくればいいのですね?」

司令部「そういうことになるな」

司令部「今回のは本当に試作品といったところだから、危ないと感じたらすぐに装備から外すように」

石田「わかりました。では、ありがたく使わせていただきます」

司令部「うむ」


コツコツコツ・・・・・・


清原「箱の中身はどうなっているんだろう……」

金本「…………まあ、そんなには期待するべきものじゃなさそうだな(清原の童貞くん、何か雰囲気 変わったな…………ついにヤッたのか?)」

朗利「あ、そうだ!(これはちょうどいい! あのクソ生意気なドイツ戦艦に持たせて恥をかかせてやろうか)」

石田「さて、今日も【大型艦建造】に勤しみ――――――(大和、武蔵、大鳳 来い! 霧島でもいい! 今日こそ来てくれえええ!)」


――――――洞庭鎮守府


清原「ただいま、みんな」ガチャ


鳳翔:Lv109「おかえりなさい、あなた」

金剛:Lv56「おー、提督ー!」

榛名:Lv85「提督、その箱は何ですか?」


清原「まだわからない。司令部からの新たな任務でこの中に入っている装備のテストをするぞ」

金剛「提督! 提督に貰ったものはずっと大切にするネー!」

榛名「は、榛名もです!」

清原「よしよし。まずはどの艦娘に装備できるものなのかを確認しないとな」

鳳翔「はい、あなた」ニコニコ

清原「ありがとう、鳳翔」

清原「しかし、この程度の箱に収まるものとはいったい――――――?」ザクザク・・・

金剛「OPEN SESAME!」

パカッ、ガサゴソ・・・

榛名「あ」

鳳翔「まあ」

金剛「What's ?」

清原「…………【お守り】?」スッ


――――――【安産祈願】


清原「はうっ!?」カア

鳳翔「ふふっ……」ニッコリ
・・・・
金剛「え? どういうことデスカ、提督? Mrs.鳳翔?」キョロキョロ

榛名「お、お姉さま、そ、それは――――――」ドキドキ

清原「ま、待て! 他にもあるようだぞ……」


――――――【子宝祈願】


清原「」

榛名「」

鳳翔「嬉しいですね。司令部からのお祝いかしら?」テレテレ

金剛「ちょっと私、漢字が読メマセーン! 誰か教えてくださいデース!」


清原「お、落ち着こう。まずは司令部に問い合わせてみないと――――――」アセアセ

鳳翔「あら、ちゃんとご利益が書いてありますよ」

鳳翔「なるほど、これはおもしろそうな装備ですね」

鳳翔「あなた、試しに私を秘書艦にして【開発】をお願いします」メメタァ

清原「となると、艦載機の【開発】になるか。【流星改】が不足していることだし、1つお願いしてみるか」

鳳翔「はい」

金剛「提督! 私も私もー!」

清原「わかった。わかったから」

榛名「………………ムゥ」


【お守り/安産祈願】:秘書艦に装備させた状態で【建造】および【大型艦建造】をすると、秘書艦の開発タイプと同じ艦娘が建造されやすくなる。
運が上昇する

【お守り/子宝祈願】:秘書官に装備させた状態で【開発】をすると、開発された装備が低確率で上位装備に変更される。
運が上昇する



――――――斎庭鎮守府


金本「さて、この怪しい【お守り】を試したいやつはいるか?」


――――――【開運招福】


金本「それと、【これ】」


――――――【開運除災】


山城:Lv150「不幸な私が装備したところで何の意味もない……」

陸奥:Lv110「それじゃ、私が試していいかな? ねえ提督」


金本「ま、妥当なところか。たかだか【運】が10上がる程度だがな」

金本「けど、俺のモットーは『リアルラックとゴリ押しが【運】をも超越する』だ」メメタァ

金本「特に、カネさえ積めば差が付けられる他のオンラインゲームとは違って、【艦隊これくしょん】は完全にリアルラックがモノを言うからな」メメタァ

金本「となれば、こんなものを装備したところで何の気休めにもならない」

金本「が、試験運用しなくちゃならないので、【これ】を装備して出撃するぞ」

金本「安心しろ。同じコースを他の艦と交代制でグルグル回るだけの作業だから」

金本「試しに【お守り】を装備しない状態で5回ほど回ってみて、それから【お守り】を装備してみてみるか」

金本「そこまでご利益を実感するほどのことは無いだろうが、報告書を出すためだ」

金本「よっしゃあ! 沖ノ島海域でクルージングを始めるぞ! せっかくだから狙うは大物だ!」



【お守り/開運招福】:【出撃】においてレアリティ3(銀色背景)未満の艦娘が出撃ドロップしなくなる
運が上昇する

【お守り/開運除災】:【出撃】において遭遇する敵艦隊の合計HPが低いパターンが選ばれやすくなる
運が上昇する



――――――拓自鎮守府


朗利「箱の中身は【無病息災】と【航海安全】のお守りだった…………ただそれだけ」ハア

朗利「これがどう役に立つっていうんだ。オカルトやファンタジーじゃあるまいし……」

朗利「ま、これも任務だ。いやがらせには持ってこいの装備だな」



朗利「さて、ユウジョウカッコカリの指令を受けてから数週間――――――」

朗利「我が拓自鎮守府はある風来坊によって大いに荒れに荒れているのだった」

長門「提督、私はあいつが苦手だ……」ヒソヒソ

朗利「黙らっしゃい!」

長門「!?」ビクッ


ビスマルク:Lv34「提督、貴方の艦隊は少し規律が緩んでいるようね。私が一から教えてあげるわ」パクパク


朗利「うるさいぞ、ビスマルク! これがうちでのやり方だ! 駆逐艦と潜水艦を愛でるのが主な目的なんだから軍規なんてクソ食らえだ!」ギラッ

朗利「ここが嫌なら、とっととよその鎮守府に行ってしまえ!」プルプル

ビスマルク「…………!」ビクッ

ビスマルク「きゅ、急にどうしたっていうのよ? 普段のあなたらしくもない――――――」

朗利「これだから、大食らいの戦艦なんて大嫌いなんだ!」プンプン!

長門「!?」ガビーン!

ビスマルク「ちょ、ちょっと! そこまで怒ることはないんじゃないの? 私も悪かったわ、機嫌を直して。ね?」アセアセ

朗利「だったら、食費分に見合う何かをやってくれよ!」

朗利「言っとくが、愛する駆逐艦と潜水艦のみんなは交代制で毎日コツコツ資源を集めてきてるんだからな!」

朗利「そして、そんな頑張る子供たちのために俺は真心を込めて3時のおやつを毎日 作っているんだぞ…………」プルプル

朗利「それをお前ら大型艦は態度はでかいくせに!」

朗利「開幕中破したり、肝腎な時に駆逐艦ばかり攻撃して戦術的敗北に引き込んだりして資源を無駄にしてぇ!」ゴゴゴゴゴ

長門「そ、それは……、勝敗は兵家の常だぞ、提督…………(確かに、そのことは私としても――――――)」

朗利「あろうことか今日は、遠征に行って帰りが遅い天龍たちの分を横取りしやがって……! 雷の分のバウムクーヘンが……」ビキビキ

長門「て、提督……?」


朗利「これから1週間おやつ抜きだ、お前らぁ!」ギラッ


ビスマルク「そ、そんな!? 取り消しなさい、今すぐ!」

長門「て、提督…………なんということだ」フラッ

朗利「何が軍規だ! 人様のものを盗み食いするような戦艦なんて昼食と夕食の間、空腹にならないように隅っこでジッとしていればいいんだっ!」

朗利「レディーを目指して頑張ってる暁ちゃんのほうがまだ大人だわい!」

朗利「…………くそぅ!」グスン

長門「あ、提督――――――」

朗利「うわああああああああああああああああああああああああああん!」orz

ビスマルク「ちょっとぉ!? 突然怒ったり、泣いたり、何なのよ もう!」


天龍「帰ったぜ、提督」ガチャ

響「今日もがんばった」

電「なのです!」

暁「少し遅れてしまいましたが、ちゃんとおやつは用意してありますわよね?」ワクワク

ビスマルク「あ」

龍田「あら~?」

長門「ち、違うのだ! こ、これは――――――」

雷「司令官? それに、長門にビスマルク――――――」


朗利「うわああああああああああああああああああああああああああ!」orz


電「どうしたのですか、司令官さん!?」

天龍「おいおい、大の大人がみっともねえぞ? いったい何があったんだ?」ヤレヤレ

天龍「まあ 大方、そこの戦艦2人が何かしたんだろう?」

長門「いや、私は何もしていない! したのはビスマルクであって――――――」

朗利「うるさい! お前も同罪だ!」


――――――おやつ1週間抜きだ!


長門「それは横暴だぞ、提督……!」アセアセ

龍田「あー、なるほどねー。今度はビスマルクちゃんが食べちゃったんだー」ニヤリ

暁「へ!? な、何を――――――!?」ビクッ

龍田「『何を』ってそれはもちろん、提督の大切な――――――」

天龍「おい、龍田」ペシッ

龍田「ちょっと痛いなー、天龍ちゃん」

天龍「何を言おうとしていたのかは知らないが、今の提督の前で余計なことを言ったら、龍田。お前も1週間おやつ抜きだぞ」

龍田「大丈夫。その時は天龍ちゃんと仲良くわけあいっこするから」ニッコリ

天龍「オレのところからとるなあ!」

朗利「うう……、ごめんね。きみたちの今日の分は無いんだ……。ドイツからきたあいつが全部 食べちまった…………」グスン

暁「そ、そういうことでしたの! ――――――ああ 悔しい! ――――――じゃなくて!」ボソッ

暁「し、司令官! べ、別に1回ぐらい食べてなくったってそんなのへっちゃらだし!」アセアセ

暁「だから、その――――――」ギュルルル・・・

暁「あ」カア

響「『へっちゃら』じゃない……」ギュルルル・・・

朗利「うわああああああああああああああああああああああああああ!(俺が愛する駆逐艦の健康を損ねてしまったああああああああああ!)」

ビスマルク「て、提督!?(――――――大変! パニックを引き起こしてる!)」ビクッ



雷「まったくもう」ギュッ


朗利「あ」

雷「もう司令官ったら。私たちのことを思ってくれてるのは嬉しいけど、ちょっと根 詰め過ぎよ?」

雷「それで逆に、私たちが悲しむことになるのは、司令官だって望まないはずでしょう?」

雷「だから、私たちは気にしてないから、いつもの司令官に戻って。ね?」

朗利「おお……、雷ぃ……」

雷「おお よしよし」ナデナデ

一同「ホッ」

天龍「やれやれだぜ。さすがは我が拓自鎮守府の支配者様だ。格が違うな」

龍田「ね~。私もあんなふうに天龍ちゃんをもっと好き勝手できるように精進しないと~」

天龍「だから 俺を弄るのは止めろ、龍田ああああああ!」

ワーワー!

長門「よ、よかった…………」ホッ

暁「準備はできましてよ」

電「早速、長門さんとビスマルクさんの分を1週間差し止めるように大鳳さんにお伝えするのです!」

長門「あ」アセタラー

響「信賞必罰は絶対なのさ」

長門「ま、待て! 待ってくれ! 今日の私は何も――――――」

響「『何もしなかったから』なのさ」

電「さあ、長門さんに捕まらないように散開して全速力で行くのです!」

暁「今日も暁が一番よ。これぐらい当然! 今日も見てなさい!」

長門「や、やめろおおおおお!」

ダダダダダ・・・・・・

ビスマルク「………………」

雷「司令官」ナデナデ

朗利「雷ぃ…………」デレデレ

ビスマルク「………………何よ。あんな小さな娘のほうがここにいる誰よりもよっぽど大人じゃない」





――――――それから、


ビスマルク「罰は受けるつもりだったけど――――――、」

ビスマルク「…………どうして私が秘書艦なわけ?」

ビスマルク「それに、【この装備】は何?」

朗利「大本営からの指令で『それを身に着けていることでどんなことが起きるか』を見るよう言われている」

朗利「それは【お守り】だ。いわゆる開運アイテムだ。タリスマンだよ」

朗利「まあ 【運】の数字が大きくなったところでどこまでの影響があるのかわからないけど」メメタァ

朗利「けど、愛する駆逐艦が集めてきてくれた資源をお前たち戦艦を出撃させて一瞬で灰にするわけにはいかないから、」

朗利「軽く【開発】してみて、【開発】に効果があるのか、これから試すつもりだ」

ビスマルク「そんなのでいいの? もっとこう、怒るとかってのはないの?」

朗利「何だ それは? 俺は怒るよりも愛する駆逐艦や潜水艦とのふれあいの中で少しでも長い時の中を笑顔でいたいんだよ」


朗利「だから、お前も笑顔でいてくれ。それでいつものように無邪気に威張っていてくれ。そこで見せる笑顔が何よりだよ」


ビスマルク「えっ」

朗利「子供っていうのは視線に込められた感情に敏感なんだ。目は口ほど物を言うからな」

ビスマルク「…………そう」ムスッ

朗利「それに、あの妖精たちがやることだ。ドイツ艦特有の装備か何かを開発してくれるはず…………!」

朗利「それじゃ、最初はこれぐらいにしてっと」

朗利「さてそれじゃ、これぐらいでお願い」ポチッ

朗利「さて、何ができるかな?」

ビスマルク「そうねぇ…………」



――――――【黒猫の偶像】


朗利「何、これ?」

朗利「おかしいな? 戦艦ビスマルクだからてっきり海外製の主砲か何かができると思ってたんだけど、」

朗利「これって本物の猫ですか? ――――――え? いつもの産廃ペンギンじゃないよね?」

ビスマルク「オスカー! オスカーじゃない!」パァ

朗利「え? 何? ビスマルクの飼い猫だったの? は? なら、どうして開発できた? え? え?」

朗利「まさか、もしや――――――、その猫は艦娘と起源を同じくする“艦猫”という新種族なのかあああああああ!?」

ビスマルク「馬鹿ね。オスカーはオスカーなのよ」

ビスマルク「ね、オスカー」ニコニコ

ニャーォウ!

ビスマルク「さ、アドミラール。オスカーのために何か用意して」

朗利「はあ?(こ、この! さっきまでの従順な態度はどこへ――――――)」

ビスマルク「さあ早く!」ニコニコ

朗利「うぅ今に見てろ……(オニオングラタンスープでもごちそうしてやろうか!?)」


【お守り/無病息災】:装備すると、クリティカルおよび特殊攻撃を受けなくなる
運が上昇する

【お守り/航海安全】:【出撃】において羅針盤の進路決定(=移動条件)を完全にランダムにする
運が上昇する

【お守り/黒猫の偶像】:秘書艦が戦艦ビスマルクの時だけ開発できる【お守り】。
艦隊がクリティカルおよび特殊攻撃を受けた場合、必ず自分の次からの攻撃全てがクリティカルおよび特殊攻撃となる
運が減少する



――――――趣里鎮守府


石田「やれやれ、大本営も【おかしなもの】を贈りつけてくるものだ」


――――――【必勝祈願】


石田「【こんなもの】が深海棲艦を倒すのに役に立つというのでしょう?」


――――――【成功祈願】


石田「違いがよくわかりませんが、これが【艦隊これくしょん】における艦内神社の再現ということなのでしょうかね?」メメタァ

石田「『運が上昇する』としかテキストにありませんが、【運】が上がったところで何になるのでしょうか?」メメタァ

石田「少なくてもクリティカルや特殊攻撃の発生確率に大きな影響を与えることは検証されていますが、」メメタァ

石田「飛龍のように【運】が抜群でも、夜戦で活躍できない艦娘にはあまり関係ない能力に思えますね」

石田「となれば、夜戦に強い重巡あたりに持たせるのが最善でしょう」

石田「そう、昼においては回避に徹して夜戦において存分に火力を振るう艦娘が適している――――――」


川内:Lv53「提督、お疲れ様。これから夜戦しよ?」ガチャ


石田「川内ですか(神通に比べると大きく見劣りしている反面、回避と耐久力が高く運も平均以上のまさに夜戦特化の軽巡――――――)」

石田「なるほど、悪くないかもしれませんね(――――――軽巡! それも悪くない!)」

川内「ホント! それじゃ早速――――――」ウキウキ

石田「では、川内に訊きますが、夜戦において我が鎮守府で一緒に組みたい艦娘を挙げてみてください」

川内「え?」

石田「敵は1人で掛かって来るわけがありません。その時に一緒に居て安心できる艦娘を挙げてください」

川内「なるほど!」

川内「それじゃ、愛宕!」


愛宕:Lv56「ぱんぱかぱーん!」ガチャ


石田「なるほど、愛宕なら川内も安心か」

川内「愛宕、私と夜戦しよ?」

愛宕「ふふふっ」

愛宕「うん。わたしが力になってあげるわ♪」

石田「他には?」

川内「日向!」


日向:Lv55「提督、今夜こそ朝まで飲み明かそう」ガチャ


石田「なるほど、航空戦艦ですか。確かに夜戦を控える昼間の戦闘を凌ぐには頼りになる戦力ですね」

石田「そして、弾着修正射撃と夜間特殊攻撃による昼夜問わずの特殊攻撃が魅力的ですね。川内が頼りにするのも理解できます」メメタァ

日向「そうだろうそうだろう。やっと時代が私に追いついた」

石田「(更に、戦艦の中ではトップクラスの回避と運の高さなのも見逃せない…………戦艦の回避なんて有って無いようなものだが)」メメタァ


石田「…………こうして見ると、最近になって勇躍した面々が多い」

石田「飛龍、川内は改二が実装されて大幅に強化され、重巡も大幅強化が施され、弾着修正射撃の登場で航空戦艦が大活躍か」メメタァ

石田「私が新米だった頃には考えられないような進歩だ……」

石田「しかし、これも私の業なのか、この鎮守府に残り続けるのはああいった変わり種ばかりだ…………」

石田「飛龍と言い、何を考えているかわからない連中で――――――いえ、ブラック鎮守府の提督である私に文句1つ言わない健気な方々です」

石田「貴重な駒として大切にしなければ…………」


川内「提督! さあ、私と夜戦しよ?」

愛宕「提督。夜の戦い、わたしも得意なの♪」

日向「さあ、寝落ちしてはならない果てしない戦いが始まるぞ」

石田「……いいでしょう」

一同「!」

川内「やった! 待ちに待った提督と夜戦だ!」

愛宕「うふふっ♪」

日向「ようやくか。重い腰だったな。これも時代が動いたということか」

石田「そんな大袈裟な――――――」

日向「みんなを集めて飛龍に【褒章】を授与した時から何かが変わり始めていることを予感していたぞ」

川内「うん。そんな気がした!」

愛宕「提督。なんでもな~い」

石田「………………」

石田「(艦娘たちとの交流など何の価値もないはずだ…………)」


――――――提督!


石田「(いえ、これはユウジョウカッコカリに値する戦力かどうかを見極めるためであり――――――)」

石田「それで、夜戦というのは何ですか? 私はあまり酒は飲まない方で――――――おお!?」グイッ

川内「さあさあ!」ニコニコ

愛宕「うふふっ♪」ニコニコ

日向「ほらほら」ニコニコ

石田「……ああ」

石田「………………フフッ」


【お守り/必勝祈願】:艦隊の艦娘の【運】が艦隊全体の【運】の平均値になる


【お守り/成功祈願】:装備すると、艦隊で一番【運】の高い艦と自分の【運】が同値になる




――――――拓自鎮守府


朗利「さて、そろそろキス島沖で戦闘が始まる頃だな」

朗利「例の【お守り】2つを持たせたことだし、あの娘たちなら大丈夫だろう。ついでに【猫】も」

朗利「大丈夫。俺はあのブラック鎮守府お得意の捨て艦戦法なんてしないから」

朗利「雷を信じろ。雷は時すら見えるのだからな。わはははは!」

朗利「さて――――――む?」ピピッ

朗利「こちら、鎮守府。どうした? 作戦が始まったばかりだと思うが」

――――――
雷「司令官……、それが、今までなぜか拾ったことのない【鋼材】を拾っちゃって……」
――――――

朗利「…………【鋼材】? キス島沖でか?」

朗利「(待て。そんな馬鹿な。編成を間違えたのか?)」

朗利「雷。俺が編成した艦隊の艦娘は全員 駆逐艦だよな? それも睦月型の」

――――――
雷「うん。間違いないわよ、司令官」
――――――

朗利「落ち着いて経過を報告してごらん(落ち着け。これはきっと羅針盤が壊れて航路を誤って北にとってしまっただけのこと――――――)」

――――――
雷「作戦開始後に水雷戦隊と交戦したのよ」
――――――

朗利「は?」

朗利「えと、【うずしお】はどうした?(待て待て待て!? いや、そんな馬鹿な!?)」

――――――
雷「ううん。間違いなく水雷戦隊と最初に戦ったわよ。その後に【鋼材】を見つけて――――――」

睦月「敵、空母機動部隊を発見です!」

雷「え!?」
――――――

朗利「な――――――、目の前に敵に集中してくれ! 何としてでも生き残れ!」

――――――
雷「わかったわ、司令官! 大丈夫だから、待っててね!」
――――――

ピッ

朗利「なにぃ!? さっき、『空母機動部隊』だと!? キス島沖に空母ヲ級が現れた!?」アセダラダラ


朗利「待て待て待て! 海図と日誌、それに他の鎮守府からの近況報告だ! 情報を照合しなくては!」アセアセ

五十鈴「提督、そろそろ3時の――――――って、どうしたのよ、提督!?」

朗利「おお、五十鈴ぅ……!」アセダラダラ

朗利「聞いてくれ! キス島沖に展開されている敵戦力に変化があったらしい!」

朗利「空母ヲ級が出た! 今 出している艦隊編成だと対空戦闘なんて想定してないからヤバイ!」アセアセ

五十鈴「ど、どういうことよ、それ!?」

朗利「ととととともかく、雷たちが帰還したらキス島沖の戦力調査に出ないと!」アセダラダラ

五十鈴「わかったわ!」

五十鈴「それよりも提督は落ち着いて! ほら、3時からのおやつの準備だってあるのよ?」アセタラー

朗利「俺は、俺は慢心していた……! まさか、まさかこんなことになるなんて――――――」

朗利「うわああああああああああああああああああああああああああ!」

五十鈴「提督!」

ガチャ

大鳳「提督!?」

ビスマルク「アドミラール!」

五十鈴「提督がまた駆逐艦のことでひきつけを起こしちゃったわ!」アセアセ

朗利「あああああ…………」ガクブル

ビスマルク「だ、大丈夫よ! 【オスカー】がきっと守ってくれるから!」アセアセ



――――――それから、


朗利「良かった……、本当に良かったよ…………」グスン

雷「『大丈夫だから、待ってて』って言ったよね? もう、本当に司令官は心配症なんだから」ナデナデ

朗利「おお…………」ポタポタ・・・

ビスマルク「言ったでしょう? 『【オスカー】が守ってくれる』って」

ビスマルク「よくやったわ、オスカー。今回のMVPはあたなよ」ナデナデ

ニャーゴ

朗利「あ、ああ…………(…………半信半疑だが、そう信じよう)」

長門「しかし、壊滅的な被害とはいえ駆逐艦だけで空母機動隊を全滅させるとはな……」

雷「そうなのよ。私と電は大丈夫だったけど、【お守り】をつけてない子が最初の空爆でクリティカルを受けて半壊でね?」メメタァ

雷「そしたら、電ったら『電の本気を見るのです!』って開幕からクリティカル連発でね――――――」メメタァ

五十鈴「提督。調べてみた限りだとやはり、最近『キス島沖の戦力に変化があった』という類の報告は寄せられてません」

大鳳「確認された敵戦力も既存の構成で、問題の敵空母機動隊も幸いにも戦艦が含まれていないパターンでした」メメタァ

朗利「なに? それはどういうことだ?」

長門「だが、客観的な事実から導き出される答えというのは、この場合――――――」

ビスマルク「何? 提督はどうしてそこまで悩んでいるのよ?」

朗利「そうか。ビスマルクはこの海域を知らないのか」

朗利「いいか? このキス島沖には極めて厳重な警戒網が敷かれていて、駆逐艦による隠密部隊でしかキス島に接近することができず、」

朗利「それ故に、その他の大型艦はその陽動として北の航路から睨みを利かせることになっていた」

ビスマルク「なるほどね……、だから、駆逐艦だけなんていう構成で出撃していたのね。ピクニックじゃなかったんだ」

朗利「けど、どういうわけか今回の場合だと 駆逐艦だけの編成をしてルート固定をしたのに、」メメタァ

朗利「ハズレルートのほうに進軍してしまった――――――、わけなのか」メメタァ

長門「……そうなるな」




朗利「要点をまとめると――――――、」キュッキュッ(海図に書き込みを入れる)

朗利「この海域のボスは南のH点にいる」メメタア

ビスマルク「ふむふむ」

朗利「俺は本気でこの海域を攻略しにきたので、編成は雷と電を筆頭にした睦月型4隻で出撃させた」

朗利「すると、攻略ルートはD:【うずしお】かE:水雷戦隊のどちらかに固定される」メメタア

ビスマルク「【うずしお】は厄介ね……」

朗利「北回りのハズレルートでもあり経験値稼ぎルートでもあるAに行く条件は『駆逐艦のみ』以外の編成をした場合にのみ」メメタア

朗利「しかし、今回の出撃では条件を満たしているのにAへと進行してしまい、そのままハズレルートへと入ってしまったのだな」メメタア

朗利「正規ルートの攻略にも運が絡むのは間違いないが、それがいきなりハズレルートに転進するとはいったい…………」メメタア

朗利「何だこれは? バグなのか? それとも運営のメンテナンスで起きたミスなのか? 条件が変わったのか?」メメタァ

五十鈴「それをこれから確かめに行くんでしょう?」

朗利「ああ……(ユウジョウカッコカリをしたとはいえ、あまりお前たちを出撃させたくはないんだがな……)」


※攻略Wiki参照
http://wikiwiki.jp/kancolle/?%CB%CC%CA%FD%B3%A4%B0%E8



朗利「あーあ! 攻撃力全開装備で挑んでたのにどうしてこうなった!? 対空装備なんてまったくさせてなかったから損害が酷い!」

雷「……司令官? それならどうして、私と電に【お守り】と【オスカー】を持たせたままにしたの?」

雷「てっきり【お守り】の試験運用の続きだと思ってたんだけど」

一同「!」

朗利「あれ? 俺、雷と電の装備を換えてなかったんだっけか(そういえば、確かに俺は――――――)」

雷「そうよ。しっかりしてよねー」


朗利「――――――【お守り】」


朗利「まさか、いや、まさかその――――――」

長門「提督! 私にその【お守り】を持たせてキス島沖に出撃させてくれ。それで答えがわかるはずだ」

五十鈴「睦月たちの仇をとってやるわ!」

大鳳「いつでも出撃の準備はできております!」

ビスマルク「アドミラール!」

朗利「おお!?(何だ? やけに気合充分じゃないか!)」

一同「………………」

朗利「…………わかった。【お守り】の効果を調べるのも任務のうちだ」

朗利「キス島沖に主力艦隊を出動させる!」

一同「はっ!」ビシッ

朗利「だが、いきなり肩透かしを食らうなよ? まだ仮説の段階なんだから」

朗利「(けど、もしこれが【お守り】の効果だと言うのなら、――――――これはかなり使える!)」


【お守り/無病息災】:装備すると、クリティカルおよび特殊攻撃を受けなくなる
           運が上昇する

【お守り/航海安全】:【出撃】において羅針盤の進路決定(=移動条件)を完全にランダムにする
           運が上昇する

【お守り/黒猫の偶像】:秘書艦が戦艦ビスマルクの時だけ開発できる【お守り】

            艦隊がクリティカルおよび特殊攻撃を受けた場合、必ず自分の次からの攻撃全てがクリティカルおよび特殊攻撃となる
            運が減少する




――――――時が過ぎて


司令部「さて、報告を聞くとしようか」

司令部「まずは、洞庭鎮守府からだな」

ピッ

――――――
清原「…………」ビシッ
――――――

司令部「うむ。では、【お守り】のご利益はあったかね?」

――――――
清原「はい。【開発】と【大型艦建造】で大成功いたしました!」

清原「試行回数が圧倒的に不足しているので何とも言えませんが、【お守り】のご利益は得られたのではないかと思われます」

清原「大和型戦艦一番艦:大和に、【流星改】を5機も確保することが出来ました」

清原「大漁です!」
――――――

司令部「それはよかった」

司令部「どうやら、ケッコン祝いの良き贈り物になれたようでこちらとしても嬉しいぞ」

――――――
清原「あ……、ありがとうございます」テレテレ
――――――

司令部「では、返却の必要はないから【お守り】は持っていたまえ」

司令部「次なる試験運用の時が来るだろうから、その時まで壮健であれ」

――――――
清原「はっ!」
――――――

ピッ

司令部「ようやく報われたようだな。――――――結局 早まってしまったようだがな」

司令部「しかし、今回の【お守り】の効果は実際には確率があがる――――――艦種の絞り込みや位上げしか施していないわけであって、」メメタァ

司令部「――――――出ない時はやっぱり出ないがな」

司令部「結局は、当人が持つリアルラックがモノを言う世界なのは変わらん。まだまだ未実装の艦娘がいることだしな」メメタァ

司令部「かつての帝国海軍の艦娘の実装が終われば、今度は海外艦の充実でますます絞り込みが大変になるだろう」メメタァ


司令部「さて、次は斎庭鎮守府だな」

司令部「ある意味において、【艦これ】を極めた金本提督が【あれ】で満足しているとは思えないが…………」

司令部「まあ、前回のように聞いてみて意外な回答が得られたことがあるのだ」

司令部「モニターも4人しかいないのだからしっかりとやらんとな」

ピッ

――――――
金本「定期報告いきます」
――――――

司令部「うむ。【お守り】の良さは実感できたか?」

――――――
金本「はい。まさしく【これ】は神装備ですな!」

金本「【出撃】を1日するだけで必ずお迎えしたい艦娘をドロップできるようになりましたから!」メメタァ

金本「何と言うのか、出てくる艦娘が全部『銀色背景』以上のものしか出てこなくなっていますね、今のところ。ヤバイです」メメタア

金本「そして 【もう1つのお守り】も、感覚的に弱いパターンの敵戦力が選ばれやすくなっている気がします」メメタァ

金本「これは『敵戦力そのものが弱体化する』という攻略するにおいては最も安上がりでデカイ強化でありますから、次の特別作戦も余裕ですな!」

金本「いやぁ~、ゴリ押しする上では最も有意義な新装備ですよ! どうせ何回も同じ所を回らなくちゃならんので」
――――――

司令部「おお。意外に好評なようで何よりだ」

司令部「なるほど、数の暴力を持ち味とする金本提督にはまさしくうってつけの装備だったか」

司令部「【開発】はしても、あまり【建造】せずに周回プレイで一挙に経験値と出撃ドロップを狙う一石二鳥スタイルとは馬が合うか」メメタァ

司令部「しかし、敵の弱体化にも限度というものがあるからな? あまり過信してはならんぞ」

司令部「特に貴官の司令部レベルは高い。敵もそれ相応に強化されておろう」メメタァ

――――――
金本「わかっております」

金本「今後とも、こういったテストにぜひとも協力させてください」

金本「では、これから扶桑姉妹を気持ちよくさせに行きますから。さよなら~」
――――――

ピッ

司令部「なるほどな。ああいった手合には少しでも確率を上げるアイテムを与えるだけでも喜ぶわけか」メメタァ

司令部「実際には1%以下の確率変化だが、数をこなせる人間にとってはそれだけでもありがたいというわけだな」メメタァ

司令部「やはり、人間『好きこそ物の上手なれ』だな。ストレスと思わず ひたむきに打ち込める人間こそが至高――――――!」

司令部「これはたとえ理詰めで攻めていっても超えることができない存在となるだろうな」

司令部「まあ それ故に孤独ともなるだろうが、人間として存在する相手とのふれあいに精を出している以上はそんなふうには思うことはなかろうて」

司令部「今後とも彼には一般人との社交性を失うことなく、その才覚を発揮して職務を全うしてもらいたいものだ」


司令部「さて、今度は拓自鎮守府だったか?」

司令部「あそこも金本提督と同じくらいに艦娘に対する愛情は本物だからな。憲兵の御用にならないことを祈りたい」

ピッ

――――――
朗利「こちら、拓自鎮守府! 応答願います」ビシッ
――――――

司令部「感度は良好だ。早速 報告をしてもらおうか」

――――――
朗利「はい。受け取った【お守り】の効果はすさまじいものでしたよ」

朗利「これはもう実装実現不可能レベルのゲーム崩壊レベルの持つ者と持たざる者の格差が出ることでしょう」メメタァ

朗利「これはもう公式チートですよ、公式チート!」メメタァ

朗利「なにせ、敵のクリティカルや特殊攻撃を発動させなくさせたら、【演習】でも【出撃】でもやりたい放題じゃないですか」メメタァ

朗利「戦艦とか装甲空母に持たせたら、駆逐艦は夜戦に入っても絶望しかないこと間違いなし!」

朗利「そして、【こっちのお守り】はルートのために艦隊編成を厳選する必要が完全になくなっちゃうんですよ!」メメタァ

朗利「もちろんルート固定ができなくなって、毎回 ランダムに羅針盤を回されるようになるので、等しくハズレルートに突入する可能性も増えましたけど、」メメタァ

朗利「数さえこなせば、自由な艦隊編成で絶対にボス戦まで辿り着ける可能性ができたのですから、運営が想定している適性難易度を粉砕ですよ、もう!」メメタァ
――――――

司令部「そ、そこまで凄いのか……」アセタラー

――――――
朗利「ええ。【これ】を持っているかどうかだけで、艦隊編成の条件が厳しい海域なんていろいろ無視してボスのところまで行けるんです」

朗利「面倒な艦隊編成の条件なんか忘れて変わらない艦隊編成で行けるのは最高ですね」

朗利「いやぁ~、攻略はいつものメンツだけで駆逐艦と潜水艦以外の艦は極力排してたから、これは大助かりですわ」

朗利「【これ】は主力に装備するだけの価値は絶対にあります! 特に、余剰火力な大型艦に持たせると安定感が全く違いますよ」

朗利「しかも、【うずしお】の効果まで無効にしてしまうんですから、【無病息災】【航海安全】の名に違いません!」メメタア

朗利「なんて懐にも優しい【お守り】なんだ! できれば【無病息災】だけでもできるかぎり持たせてあげたいですね」

朗利「ホントにいいものをもらえたもんだ~! ユウジョウカッコカリといい、本当に選ばれてよかった~」

朗利「感謝感激です!」
――――――

司令部「そ、そうか。それはよかったな……」

司令部「これでより一層 攻略にもまじめに取り組む気になったようだし、こちらとしては言うことはない」

司令部「引き続き モニターを続けて、更なる戦果を期待するぞ」

――――――
朗利「はっ!」
――――――

ピッ

司令部「…………これは、さすがにやり過ぎではないか?」

司令部「ゲームバランス崩壊どころではない! まじめに艦隊編成で悩んでいる提督たちを尻目に――――――!」メメタァ

司令部「それにしても、本当に運の良いやつだ。技術部の新開発の試供品でことごとく恩恵を受けている……」

司令部「案外、【艦隊これくしょん】のアップデートを重ねていく中で頭角を現していくのかもしれんな。ビスマルクや大鳳を擁しとるし」メメタァ


司令部「最後に、趣里鎮守府だな」

司令部「私個人としては、最も期待している報告だな」

ピッ

――――――
石田「…………」ビシッ
――――――

司令部「では、早速【お守り】を使ってみた感想を述べて欲しい」

――――――
石田「間違いなく【これ】は傑作です」
――――――

司令部「おお。貴官もそう言うのか。ハズレはなかったというわけか」

――――――
石田「ええ。私が考える最強の艦隊を担う上で重要な【運】を操作する装備の存在は非常に心強いです」
――――――

司令部「ほう。あまり【運】にはこだわらない性格だと思っていたが、そこも気が変わったのか?」

――――――
石田「【運】が高いとクリティカルや弾着修正射撃や夜戦特殊攻撃が発動しやすくなり、結果として敵戦力の迅速な殲滅に繋がります」メメタァ

石田「また、夜戦に参加できない飛龍の【運】の高さを利用することができるようになりましたので、この【お守り】は極めて有用です」メメタァ

石田「敵からの不意の一撃をもらわなくなる意味でも、囮の艦にダメージコントロールと一緒に持たせておくだけで艦隊の能力は飛躍的に向上します」
――――――

司令部「おお。石田提督としては確かに嬉しい装備であろうな」

司令部「しかし、やはり石田提督はよく艦娘たちを研究しているな」

司令部「まさか囮の艦にダメージコントロールと一緒に持たせることで、主力の装備を圧迫することなく性能を発揮させるとは」

司令部「貴官が今回の一連の試験運用のモニターに選ばれて本当によかったと思っている」

――――――
石田「こちらこそ、感謝しております」

石田「とにもかくも、艦隊全体の【運】の値を操作できる能力は使えます。反則級です」メメタァ
――――――


司令部「そうかそうか」

司令部「しかし、幸運艦を中心にしたクリティカル重視の艦隊編成をするようになるとは……」メメタァ

司令部「直接の艦娘の能力を重視した大艦巨砲主義らしからぬ発想であるな」

――――――
石田「大艦巨砲主義だから勝つのではありません」

石田「勝つための手段の1つとして大艦巨砲主義がこれまで最有力であっただけで、」

石田「私が求めているのはあくまでも確実な勝利であり、大艦巨砲主義そのものではありません。私は軍事ロマン主義者ではありませんから」

石田「この長きに渡る戦いに終止符を打ち、これまで散っていった戦友たちに報いることを私は求めております」

石田「しかし、以前のAL作戦やMI作戦の二正面作戦のような場合となりますと、現状の艦隊と同レベルの艦隊を別に用意することは困難なので、」

石田「やはり、現在も戦力の中心となるべきは超弩級戦艦や正規空母の大型艦だと心得ております」
――――――

司令部「そうか。今の貴官から確かな手応えを感じていることがよく伝わってくる」

司令部「これからも我が陣営の栄光と勝利のために邁進してくれたまえ」

――――――
石田「はっ!
――――――

ピッ

司令部「ふむ。どうやら石田提督も昔の感覚を取り戻しつつあるようだな」

司令部「今回の試験運用――――――いや、ユウジョウカッコカリも含めて石田提督にはプラスに働いてくれたようだ」

司令部「しかし、それでも牧場経営やクルージングを止める気はないようだがな……」








――――――ご清聴ありがとうございました。


司令部「さて諸君、今回の報告は以上である」

司令部「元々は艦内神社の実装を目指し、様々な効果をもたらすレア装備となることを意図した装備である」

司令部「言うなれば、××モンの突撃チョッキやだっしゅつボタン、赤い糸、せんせいのツメなどの打点強化以外の装備の導入を願ったものである」

司令部「艦内神社を【お守り】という形で表現したのは、艦内神社の神輿を背負っているのはコスチュームとしてはありだろうがそれで戦闘は不似合いで、」

司令部「【お守り】という形ならば身につけるのは無理がなく、【お守り】をネタにした二次創作も捗りやすいと思ったからである」

司令部「現に【お守り】をネタにした一幕を描いてある」

司令部「そして、【お守り】の効果もある程度は史実の艦内神社のご利益を反映したつもりであるが、基本的に普通のお守りと考えてもらっていい」

司令部「それでは今回 登場した【お守り】の一覧は次に投稿するが、ぜひとも諸提督方の意見を聞かせて欲しい」

司令部「さすがにやり過ぎたものもあると筆者自身理解しているものもあるが、」

司令部「これはあくまでも筆者の妄想であり、こうあったらおもしろいだろうという意見をこの場を借りて物語風に提示しているだけにすぎない」

司令部「ここでの議論や考察が実際の【艦隊これくしょん】には何の役にも立たないことを改めて明言しておこう」

司令部「なお、ご意見・感想は過去のプレゼン内容についても言及してもよいので、どしどしコメントしてくれると嬉しい。これ以降についても同様である」

司令部「それでは、次なるプレゼンの機会にまた集まって欲しい」

司令部「付録として、今回の試験運用に選ばれた4人の提督たちについて軽い紹介をしておくぞ」


――――――――――――第2話 お守り 完 Next:第3話 御旗と共に に続く!


【お守り】リスト
実装された時のテキストには『運が上昇する』としか書かれておらず、実際の効果は隠蔽されている。
基本的には戦闘には直接的には役に立たないサポート系能力が多いのだが、中には戦略そのものを根本的に覆すような超絶効果を持つ。
【開発】において、【運】が20以上の秘書艦が装備なしの状態で超低確率でランダムに開発される貴重品である。

【お守り/安産祈願】:秘書艦に装備させた状態で【建造】および【大型艦建造】をすると、秘書艦の開発タイプと同じ艦娘が建造されやすくなる。
運が上昇する

【お守り/子宝祈願】:秘書艦に装備させた状態で【開発】をすると、開発された装備が低確率で上位装備に変更される。
運が上昇する

【お守り/開運招福】:【出撃】においてレアリティ3(銀色背景)未満の艦娘が出撃ドロップしなくなる
運が上昇する

【お守り/開運除災】:【出撃】において遭遇する敵艦隊の合計HPが低いパターンが選ばれやすくなる
運が上昇する

【お守り/無病息災】:装備すると、クリティカルおよび特殊攻撃を受けなくなる
運が上昇する
航行上のハプニングの影響を受けない

【お守り/航海安全】:【出撃】において羅針盤の進路決定(=移動条件)を完全にランダムにする
運が上昇する
航行上のハプニングの影響を受けない

【お守り/必勝祈願】:艦隊の艦娘の【運】が艦隊全体の【運】の平均値になる


【お守り/成功祈願】:装備すると、艦隊で一番【運】の高い艦と自分の【運】が同値になる


【お守り/黒猫の偶像】:ビスマルクのマスコットの黒猫(後に“不沈のサム”)
秘書艦が戦艦ビスマルクの時だけ開発できる【お守り】。
艦隊がクリティカルおよび特殊攻撃を受けた場合、必ず自分の次からの攻撃全てがクリティカルおよび特殊攻撃となる
運が減少する


※投稿している掲示板の字詰めの仕様を把握できていないので、妙な並びになっていることをご了承ください。


提案内容の背景
今回のテーマは『運』であり、それに基づいた新装備や新システムを閃いたので提案させてもらった。
司令部の人間に言わせたことだが、○○モンみたいに直接の戦闘力を強化する以外の戦術・戦略レベルで機能する装備品があったら面白そうだと思っていた。
しかし、【艦これ】は課金する必要性がほとんどない極めて平等な運ゲーであり、物欲センサーに悩まされる提督たちが多数出ていたので、
今作は【お守り】と題しまして、艦内神社の代わりとして主に【運】を操作・修正する登場させることにした。

少しでも提督たちの作業の苦痛を和らげるための計らいと、【運】(=確率)を操作することで不幸艦が活躍しやすい環境にしたかった。
ある例外を除いて、いずれの【お守り】も装備すればたいていは【運】が上昇するようになっている。
やったね、陸奥ちゃん! これで謎の爆発はしなくなるよ! ばごーーーーん!

基本的には史実の艦内神社に基づいた内容にしてみたが、御利益に偏りがあったので(艦内神社だから当たり前!)キャラゲーを彩る意味深なものを加えておきました。



提案内容の考察
【お守り/安産祈願】:秘書艦に装備させた状態で【建造】および【大型艦建造】をすると、秘書艦の開発タイプと同じ艦娘が建造されやすくなる。
【安産祈願】は、秘書艦の開発タイプと同じ艦娘が建造されやすくなるので、
大鳳が欲しければ鳳翔や、瑞鳳、龍鳳を秘書艦にし、大和が欲しければ金剛や長門を秘書艦にすれば【大型艦建造】の成功確率が飛躍的に上昇する。
ただし、それ以外の艦娘が除外されたわけではないので、該当する艦娘の出現確率にちょびっと確率を増やすだけに過ぎない。

【お守り/子宝祈願】:秘書艦に装備させた状態で【開発】をすると、開発された装備が低確率で上位装備に変更される。
【子宝祈願】は、【開発】の結果に対して低確率でリストを参照して上位装備にグレードアップさせるという効果であり、
欲しい装備より1つ下位の装備を引いた場合、ダブルチャンスでお目当ての装備にグレードアップする可能性が出るので、
直接 引き当てる確率ではなく、最終的に入手できる確率を高めていることになる。

上の2つは【建造】および【開発】で力を発揮するタイプであり、安産(意味深)、子宝(意味深)である。
前線では【運】が上がる以外、ご利益なし。


【お守り/開運招福】:【出撃】においてレアリティ3(銀色背景)未満の艦娘が出撃ドロップしなくなる
レアリティ3(銀色背景):通称“レア”以上の艦娘しかドロップできなくなる
→ 大鯨はレアリティ3 → 捕鯨成功確率 急上昇! → これから毎日 捕鯨しまくろうぜ?
なお、レアリティは7まであるので、レアリティ3未満を除いても相当数の艦娘がドロップ候補に残るので、結局はリアルラック頼みである。
形式上 レア艦しか出なくなるわけだが、レアリティ3未満の未だ見ぬ艦娘をお迎えできなくなるという欠点を抱える。
要するに、モノは使いようである。レア艦のドロップ確率が少し上がる一方でそれ未満のコモン艦が一切 ドロップしなくなる点をどう活かすか――――――。

【お守り/開運除災】:【出撃】において遭遇する敵艦隊の合計HPが低いパターンが選ばれやすくなる
基本的に1マスに3パターン用意されている敵艦隊の中で合計HPが低いパターンが選出されやすくなる。
内部データとしてはそのHP最低パターンをもう1つ加えて、4つあるうち2つをHP最低パターンにして確率比率2:1:1にする。
どういう意味かと言えば、単純に言えば『HPが低い』=『戦闘力の低い艦種』となるので、数値の上では戦いはかなり楽になる。
しかし、潜水艦隊で挑むとなると対潜装備を固めた敵の軽巡や軽空母に逆襲される可能性があるので、一概に完全有利となるわけではない。

上の2つは【出撃】において周回プレイする場合に有利な効果であり、捕鯨が非常に捗る素晴らしい装備である。


【お守り/無病息災】:装備すると、クリティカルおよび特殊攻撃を受けなくなる
最強の盾。事故を完全防止する最高級の保険であり、不幸艦に持たせると嘘のように継戦能力が上がる。

【お守り/航海安全】:【出撃】において羅針盤の進路決定(=移動条件)を完全にランダムにする
最強の矛。【艦隊これくしょん】の真のラスボスと言われる【回す羅針盤】といつでもどこでも真っ向勝負に持ち込む装備であり、
進路決定に必要な艦隊編成や装備などの移動条件を無視して完全にランダムで進路決定を行う。
移動条件が厳しいキス島沖やイベントマップなど何も考えずに試行回数さえ重ねれば必ずボスに自由な編成で辿り着けるようになってしまう。

上の2つは、ただでさえ強力な効果に加えて隠し効果『航行上のハプニングの影響を受けない』を持っており、
【うずしお】などの攻略の妨げとなるハプニングを完全に無効化する公式チートである(ただし、装備した艦娘だけ守られるので注意)。


【お守り/必勝祈願】:艦隊の艦娘の【運】が艦隊全体の【運】の平均値になる
幸運艦の中に不幸艦が埋没している時に使われる装備で、【運】を極限まで上げたがあまりその御利益を感じられなくなった時に融通することができる。
また、艦隊全体の【運】の値が修正されるので、主力艦に装備させずに囮に持たせて主力艦の火力を維持する使い方もできる。
当然ながら、艦隊全体の【運】の平均化の処理は各艦娘ごとの【運】の修正が終わった後、最後に行われる。
異能生存体こと雪風あたりが適役だろう。あるいは飛龍に持たせるのも編成次第で悪くはないはず。

【お守り/成功祈願】:装備すると、艦隊で一番【運】の高い艦と自分の【運】が同値になる
幸運艦を随伴させて装備すれば、あらゆる不幸艦も幸運艦に早変わりしてしまう。
ただし、敵からクリティカルや特殊攻撃を受けないようにするためだけならば、完全に【無病息災】の下位互換になるが、
【無病息災】とは違って【運】の値が最高値へと変動するために幸運艦の【運】が極まっていれば攻めにも守りにも効果を発揮してくれる。
伸びしろ最大の幸運艦である長門を随伴させてかつて最大の不幸艦だった陸奥に装備させると【運】最高の長門型戦艦2隻による蹂躙劇が始まる。

上の2つは、珍しく直接『運を上昇させる』効果はないが、幸運艦を随伴させて不幸艦を幸運艦に変える効果を持っており、
僚艦の【運】によって悲しいハプニングを抑えて嬉しいハプニングを引き寄せやすくなる上級者向けの装備である。


【お守り/黒猫の偶像】:艦隊がクリティカルおよび特殊攻撃を受けた場合、必ず自分の次からの攻撃全てがクリティカルおよび特殊攻撃となる。
ビスマルクの猫:オスカー。不沈のサム。ビスマルクが秘書艦の時のみ【開発】可能なナマモノ。
装備すると、効果が活かしやすいように自身の【運】を下げるというハイリスクハイリターンな戦いを強いられるが、
【成功祈願】や【必勝祈願】の効果が後から発動して下がった【運】】を上書きすることができるのでそのリスクを回避することが可能。
ただし、艦隊に【無病息災】を持たせていると効果が発動できなくなる可能性があり、完全にファングッズにしかならなくなる。
また、クリティカルおよび特殊攻撃を受けてからやり返すその性質から、幸運艦隊においてはほとんど無用の装備となる。
しかし、通常プレイにおいては【運】を極めることなど稀なので、万が一の保険として持たせておくと使う機会は多いはずであり、
意図的にクリティカルおよび特殊攻撃を僚艦が受けるように仕向けることができれば、恐るべき破壊力を発揮するだろう。


おまけ -書いていたらこうなった鎮守府模様-
なるべく4人の提督ごとに違った艦娘を使ってもらうように割り振りしているが、さすがに潜水艦や天龍型はどこの鎮守府でも使われている。
また、提督ごとに渡される新装備の内容も彼らの艦隊運用の思想に最も波長が合うものにしている。

清原提督:正統派。一般的にメディア露出も多い【艦これ】を代表するメジャーな艦娘が主力。
金本提督:いろいろアレな強烈な個性が光る艦娘を好んで運用しており、かなり偏った運用をしているがケッコンカッコカリのゴリ押しで押し切る。
朗利提督:言うまでもなくガチペドロリコンなので見た目がアレな駆逐艦と潜水艦でいっぱい。精鋭たちは基本的に面倒見の良い艦娘が多い。
石田提督:2014年現在で新たに強化された燻し銀の精鋭たちと幸運艦を主力とするが、とりあえずできるかぎり多くの艦娘の育成も行っている。

提督歴
石田 >>> 清原・金本 >>> 朗利


清原提督:洞庭鎮守府
正統派な鎮守府。悪く言えば普通。
任務をこなすためにとりあえず選んで活躍してくれた艦娘を贔屓にしてきた愛着型の提督。
悪く言えば、こだわりがなく、ある時はきまぐれで、ある時は攻略の必要性から艦娘を抜擢しており、個性よりも使用感や貢献度で選んでいるとも言える。
ケッコンカッコカリの決行を渋っていたので、限界突破しているのが鳳翔のみ。そしてユウジョウカッコカリした金剛のみ。
攻略のためにいろいろ試行錯誤してきたので、バランスよく艦娘を育成しており、イベントマップの完全攻略もこなすぐらいの精鋭である。
ただし、バランスが良すぎるのでAL作戦・MI作戦の二正面作戦をこなすだけの戦力層の厚みがない。
ユウジョウカッコカリの候補はたくさんいるので、残りを誰にするかでまだ検討中。その中ですぐに選ばれた金剛は特別だったと言える。

主な所属艦娘
鳳翔(ケッコンカッコカリ)
――――――――――――――――――Lv100の壁
金剛(ユウジョウカッコカリ)
比叡(ユウジョウカッコカリ候補)
榛名(ユウジョウカッコカリ候補)
霧島(ユウジョウカッコカリ候補)
高雄(ユウジョウカッコカリ候補)
島風(ユウジョウカッコカリ候補)
赤城(ユウジョウカッコカリ候補)
加賀(ユウジョウカッコカリ候補)
あらゆる艦種の精鋭多数
――――――――――――――――――Lv50の壁



金本提督:斎庭鎮守府
好きな艦娘を育てることを至上とし、そのために全力を尽くす米帝プレイの鎮守府。
基本的に能力よりも見た目や印象だけで育てる艦を選んでおり、これは新規参入した提督像に近いはず。
金遣いが荒いが、そんなのは数々のオンラインゲームやモバイルゲームで調教済み。
煩悩に忠実だが、数々の激戦の中で培った知識や技術と覚悟で男を磨いており、非常にダンディー。
プレイスタイルはレベルと試行回数と揺るがぬ闘志(=投資)によるゴリ押し。
【建造】や【大型艦建造】はあまりしないので出撃ドロップによるナンパを繰り返し、専ら家具や【書類一式&指輪】に課金しまくっている。
登場する艦は一癖も二癖もある個性的な艦娘が多く、どうにも欠点が大きい人間味のある艦娘が金本提督の好みらしい。

主な所属艦娘
山城(ケッコンカッコカリ・レベルカンスト)
扶桑(ケッコンカッコカリ)
陸奥(ケッコンカッコカリ)
龍驤(ケッコンカッコカリ)
ケッコン済み他多数
――――――――――――――――――Lv100の壁
ケッコンカッコカリ予定者多数
――――――――――――――――――Lv50の壁


朗利提督:拓自鎮守府
たくさんの駆逐艦と潜水艦でドッグが埋まり、少数の精鋭たちを中心にのんびり攻略を進めている託児所。ロールプレイング要素の強い提督像を意識している。
ケッコンカッコカリできる艦娘がおらず、ユウジョウカッコカリは全部使用している……らしい。
基本的に朗利提督を支えている精鋭たちからは雷こそが鎮守府の支配者という認識になっている。提督としての威厳はない。
しかし、彼が艦娘たちを虜にする超一流の菓子職人のためにそれ故に何とか統率はとれている。
ガチペドロリコンだが、しっかりと鎮守府の運営と戦略を練っており、その手腕と艦娘たち(駆逐艦と潜水艦 限定)への深い愛情から信頼はされている模様。
基本的に重巡を活用しないので重巡の居場所がなく、自分の趣味と任務を両立させる戦略の工面はできるが戦術面ではかなりいいかげん。
リアルラックは素晴らしく、大鳳やビスマルクなどのレア艦を擁し、一番ヤバイ効果の【お守り】を引き当てるあたり、持っている。
物語風に描いている中で一番に個性が出やすいので提督のキャラや交際を描きやすく書いてて楽しい鎮守府である。
登場する艦娘も他の鎮守府とは違って、生活感が強い印象の娘が多く所属しており、悪く言えば軍人っぽくないドタバタ日常劇を構成するキャラが多い。
というより、駆逐艦は種類が豊富なので差別化のためにいろんなキャラが生まれやすいという理由もある。

主な所属艦娘
――――――――――――――――――Lv100の壁
雷(ケッコンカッコカリの候補)



長門(ユウジョウカッコカリ)
大鳳(ユウジョウカッコカリ)
五十鈴(ユウジョウカッコカリ)
――――――――――――――――――Lv50の壁
天龍(ユウジョウカッコカリ候補)
龍田
ビスマルク
駆逐艦と潜水艦多数


石田提督:趣里鎮守府
能力偏重主義のブラック鎮守府。昔は捨て艦戦法を頻繁に行っていたが勝率が低くなりすぎてイベントマップに参加できなくなったので自重した。
しかし、牧場やクルージングなどは躊躇なく行っており、交代要員も揃えているという徹底振りである。主力装備を2桁近く持っていないと落ち着かない。
性急に軍備を整えて堅実に攻略する――――――多くの犠牲のもとに完璧な勝利を掴み取るプレイスタイルであり、イベントマップは必ず完全攻略である。
そして、イベントマップの攻略情報や先行入手した艦娘を育ててその使用感や能力解析の結果を迅速に報告し、全体の利益にしている公人の鑑という側面がある。
しかし、強い艦娘しか育てたがらないので、育てたとしても自分が理想とする艦娘のために近代化改修の餌や繋ぎとしてのみである。
だが、新たに実装されるだろう改二に備えて、実際にあらゆる艦娘を育てたことがあるスーパートレーナーでもあり、
主力の艦隊編成も彼の経験と考察に基づく“オールスターには一歩及ばない”燻し銀が多い。改二が少ない重巡を他より多く運用している。
そんな冷酷非道な彼の許に残った艦娘は、彼の経歴を気にしない最近のアップデートで地味に大幅強化されたマイペース艦娘で固められつつある。
リアルラックはあの頃に涸れたらしく、【大型艦建造】に精を出していつまで経ってもお目当ての艦にありつけていないが、一方で幸運艦には恵まれることになる。

主な所属艦娘
――――――――――――――――――Lv100の壁
飛龍(ユウジョウカッコカリ)
日向(ユウジョウカッコカリ候補)
愛宕(ユウジョウカッコカリ候補)
川内(ユウジョウカッコカリ候補)
重巡多数(ユウジョウカッコカリ候補)
――――――――――――――――――Lv50
餌多数
牧場
クルージング


第3話 御旗と共に

――――――洞庭鎮守府


清原「…………これで終わり」フゥ

鳳翔「お疲れ様、あなた」

清原「ああ」

清原「…………待たせちゃったな」

鳳翔「そんなことはありません」

清原「ありがとう。それじゃ、私たち二人の店に行こうか。まだまだ小さいけれど」

鳳翔「はい」






――――――居酒屋『鳳翔』


鳳翔「お待たせしました」コトッ

清原「うん」

清原「ごめんな。洞庭鎮守府の新しい憩いの場を設ける計画に便乗して私費を投じて建ててみたけど、もうちょっと大きくて綺麗にしたかったよ」

鳳翔「大丈夫ですよ。――――――私、幸せですから」

鳳翔「提督とケッコンできただけじゃなく、こうして念願の二人の店も造ってもらえたのですから」

清原「ケッコンする前から店は造っていたけど――――――、」

清原「でも、居酒屋なのにこの空間に居るのは私と鳳翔だけか。ガラーンとしているな」

清原「ま、開いたばかりだし、しかたないか」

鳳翔「確かにお客さんがいないのは寂しいですけれど、こうしてあなたと私だけのひとときを味わえるのは格別だと思いますよ」

清原「そうだな。長い間 連れ添ってくれた鳳翔にしてやれることがこんなことだけで申し訳ないぐらいだ」

鳳翔「もう……、そうやってご自分を卑下なさるのは悪い癖ですよ」

清原「すまない」

清原「今はこうして静かに二人だけの時間を過ごしていたい」

清原「そして、いつかは二人で大海原に出て――――――そのことはよそうか」

清原「では、いただきます」

鳳翔「はい。美味しくお召し上がりください、あなた」



――――――斎庭鎮守府


金本「ふふ、ふふふふ、あはははははははは!」

金本「ついに! ついに! ついに完成したああ!」


金本「俺専用の愛の巣だああ!」


金本「鎮守府に隣に私費を投じて俺専用の倉庫 兼 豪邸を建てたのだああああ!」

金本「カネの力は偉大なりぃ!」

金本「カネというものはこうやって使うのだよ、洞庭鎮守府の童貞くん? お前には全財産を投げ打つことなんてこと一生できないだろうけどな!」

金本「さあて! まずは誰をご招待しようかな~?」ウキウキ


山城:Lv150「姉さま――――――あ、なんだ、提督だけか」


金本「よし、お前だあああああああああ!」

山城「ひっ」ビクッ

金本「さあ来るんだ。お前が最初の招待客だ。光栄に思え」ガシッ

山城「え? えと……」

金本「俺が私費を投じてお前たちを可愛がってやる施設を建てたんだ。お前がその記念すべき最初の招待客というわけだ」

山城「不幸だわ…………(姉さまより先でいいのでしょうか……?)」ドキドキ

金本「喜べ! 今までの比じゃないぐらいの最高の不幸を与えてやるから、な?」

山城「………………あ」ポー


――――――やっぱり不幸だわ、私。



――――――金本邸


山城「…………凄い」(タオル1巻)

山城「何というか、楽しそうなお風呂ですわね(鎮守府のお風呂よりもずっと大きい……)」

金本「25mプールに、ウォータースライダー、ジェットバス、水風呂にサウナも完備だぞ。それでいて全部 温水だ」

山城「きゃ、きゃあああああああああああああああ!」ドキッ

金本「どうした? 家主がわざわざ招待客をもてなしに来たんだ。そう驚くことはないだろう?」(半裸海パンの上に白衣)

山城「お、男の人のむ、胸――――――(ああ……、あんなにも逞しい…………)」チラチラ

金本「それとも、さっそくあっちのマットの上でマッサージしようか? 極上の快楽が待っているぞ?」ニヤリ

山城「それは………………」ポー

金本「まあまあ、今日だけ金本邸は山城だけに貸し出しだ。好きにはしゃぎ回れ。俺はここで見てるから」

山城「でも…………」

金本「遊べよ。たまには、重たい艤装なんて外して身も心も裸にしてはしゃぎ回れ」

金本「光栄に思えよ? お前だからこうしてるんだからな」

金本「だから、山城は俺の手で不幸で居続けるべきなんだ」

山城「…………提督」

金本「嫌ならその指輪を外せばいい」

金本「外さないのなら肯定と受け取るぞ?」

山城「………………はい」ポッ(愛おしそうに指輪を見つめる)

山城「やっぱり、私は不幸です。こんなこと 姉さまも味わってこともないはずなのに私が先に――――――」ドクンドクン

金本「そうそう、素直が一番さ。自分の感情に正直にな」フフッ

山城「それじゃ、ちょっと――――――」

金本「待てよ。どこへ行くんだ? お前はこれから金本邸ご自慢の大浴場で遊ぶんだぞ? どうして更衣室に引き返す?」

山城「だ、だって、私、タオル一枚だけで――――――、それにタオルは浴場に沈めちゃいけないものだし――――――」アセアセ

金本「わかった。タオルは俺が預かっておこう。だから遠慮無く泳いでこい」

山城「え」

金本「ほら。俺はここで見てるから」

山城「…………提督!?」

金本「本当なら綺麗なドレスを着せてそれをビリビリに引き裂いてあられもない姿からのぞかせる素晴らしいお尻を堪能しようと思っていたんだぞ?」

金本「どっちがいいか選べ。選べないならその指輪は捨てろ」

山城「うぅ……わかりました(ああ 姉さま――――――、)」バサッ


――――――やっぱり不幸だわ、私。




――――――拓自鎮守府


天龍「そんじゃ、今日の分をいただくとするぜ。今日のやつは何だろな?」ジュルリ

朗利「ああ。ご苦労だった。龍田も休んでいてくれ」

龍田「は~い」ジュルリ(意味深)

ガチャ、バタン

朗利「………………ハア」

ビスマルク「アドミラール?」

ニャーオ?

朗利「何だ、オスカー? 今日も大活躍だったじゃないか、お前」

朗利「またご褒美が欲しいのか? こいつめ」ウリャウリャ

ゴロゴロ・・・

ビスマルク「アドミラール」

朗利「で、何? お前もオスカーと同じく更なるご褒美が欲しいわけ?」

ビスマルク「そうじゃなくて……」

ビスマルク「アドミラールは何を悩んでるのよ?」

朗利「…………具体的には?」

ビスマルク「えと、さっきの天龍って子か、龍田って子のことでしょう?」

朗利「………………!」

朗利「いや、違う」

ビスマルク「何、今の間は?」

朗利「…………違うぞ。俺はいつも通りにこれから愛する駆逐艦と潜水艦たちにもっと喜んでもらえる何かを思案していただけだ」

ビスマルク「だから、天龍や龍田のことで思い悩むわけね」

朗利「なに……?」

ビスマルク「最近、アドミラールは天龍と龍田のことを見てばかりって感じがしたから……」

ビスマルク「さっきの報告だって、食い入るように天龍からの報告を見ていたもの。誰だって気づくわ」

朗利「…………そうか」

朗利「そういえば、ビスマルクの練度は――――――」ジー


ビスマルク:Lv48「ど、どうしたのよ? 私の顔に何か付いてる?」ドキッ


朗利「(残り1つをどうするべきか――――――そうだよ。残り1つしかないんだ。迂闊だったよ……)」ゴソッ

朗利「(でも、一度決めたことを簡単に変えていいのだろうか……)」チラッ

ビスマルク「?」

朗利「………………」



――――――朗利パーク


朗利「………………」ペラペラ


天龍「ようし、今日こそお前らを叩きのめすから覚悟しろよ?」

天龍「フフフ、怖いか?」

睦月「おぉー! 天龍、怖い怖いー!」ニコニコ

電 「なのです!」ニコニコ

暁 「こ、怖くなんてないわよ……! へ、へっちゃらなんだから……!」ブルブル

弥生「う、うぅ…………」オドオド

天龍「お、おい……!」ドキッ

龍田「あらあら、天龍ちゃん? これは園長先生のお叱りが必要かなー?」

天龍「お、オレはまだ何もしてないぞー!」アセアセ


朗利「………………」ペラペラ


雷 「なるほどね~。本当に長門は頼りになる~」

長門「と、当然だろう。連合艦隊旗艦を務めた経歴に偽りはない」テレテレ

長門「よし。今日の戦術指導はこれぐらいでよいだろう」フフン!

雷 「ありがとう、長門さん」

大鳳「今日もお疲れ様。勉強熱心ですね」

雷 「そうよ。司令官は私がいないと本当にダメなんだから」

長門「確かに。提督は基本的に戦闘は私たちに全部 放り投げているからな。その上で、艦隊編成や戦術についてもからっきしだ」

長門「それだけに、雷が駆逐艦隊を率いた時の隊長となるわけだから責任重大だな」

長門「辛くはないか? 本当ならば私か大鳳がついていきたいところだが……」

雷 「大丈夫よ。それに私たちを頼ってくれている司令官を支えていることに私は生き甲斐を感じているんだから」

大鳳「まあ」ニコッ

大鳳「それについては、私も同意です」ニッコリ

長門「…………私も同感だ」

長門「何だかんだ言って、私や大鳳のように燃費が悪い大型艦を運用できるようにしっかりと戦略を練ってくれているし、」

長門「それに、私たちの好きなように戦わせてくれている点も、私としてはとてもありがたく感じている……」

大鳳「そうですね。その上で提督はしっかりと結果を受け止めてくれます」

大鳳「普段は私たちが初戦で大破してしまう醜態を見続けて辟易しても決して見捨てることはありません」

大鳳「その提督の信頼の形が、ユウジョウカッコカリなんですね」

長門「ああ。柄にもなくあの瞬間、提督に対して初めて感謝と敬意の念を露わにしたような気がする……」イジイジ

雷 「うんうん」ニコニコ

雷 「よかった。ちゃんと長門さんも大鳳さんも五十鈴さんも司令官のこと、ちゃんと信頼してくれてるんだ」ホロッ



朗利「………………」ペラペラ


五十鈴「よし! 今日の見回り当番はこれで終わり!」

響 「司令官、最近 元気無いね」

五十鈴「……そうね。あの新入りが秘書艦になってからかしら?」

響 「ビスマルクは違うと思う」

響 「司令官はたぶん信頼していると思う」

五十鈴「そうなんだ……」

響 「ねえ、五十鈴?」

五十鈴「何、響ちゃん?」

響 「五十鈴は司令官のことをどう思っているのさ」

五十鈴「ふぇ!?」

響 「案外、原因は五十鈴にもあるんじゃないかって思ってみた」ジー

五十鈴「そりゃあ、あのガチペドロリコンに生理的拒絶感から来た正当防衛はあったわよ。そのことで恨まれているかもしれない」

五十鈴「それに、何よりも駆逐艦と潜水艦を優先する姿勢には正直 ドン引きよ」

五十鈴「最初に極上スイーツのもてなしを受けたのに、それで私の提督の第一印象はもうどうしようもないところまで落っこちたわ……」

響 「へえ」

響 「でも、五十鈴はここに居続けている」

五十鈴「……そう、そうなのよね」

五十鈴「そういう響ちゃんはどうしてあのガチペドロリコンの側に居続けてるわけ? 気持ち悪くない?」

響 「別に。最初は妙に馴れ馴れしいと思っていたけど、何か慣れた。それに何かされた覚えもない」

五十鈴「そ、そうだったんだ」

響 「それで五十鈴は、いつ司令官のために練習して作ってるタルトを渡すの?」

五十鈴「ふぇ?!」ドキッ



朗利「………………」ペラペラ


朗利「…………ダメだ」パタン

朗利「どうして俺ってやつは中途半端なのかな…………」

朗利「次から作るお菓子に必要な物資の補給路も開拓できた――――――それはめでたいことだ。めでたいことなんだ」

朗利「けど、結局 時期が来るまで渡せず終いの最後の【褒章】がなぜだか気になって――――――」

朗利「俺としては姉妹揃って与えてやりたかったところだけど、【褒章】は残り1つだし、軽巡2人に与えることの意義がな…………」

朗利「きっと妹の方は姉のために辞退することだろう。だから、その場合の【褒章】は1つで十分かもしれない」

朗利「けど、これから新たな精鋭として現れたもう一人の大食らいの存在がな――――――」


朗利「………………楽しいんだよな。何でも美味しそうに食べてくれるから」


朗利「それに、反応が幼くてクルものがあるというか…………あんな感じに初々しさが残ってるのがいいんだよねぇ」ニタニタ

朗利「けど、俺はあの姉妹にも報いたい気持ちが強い。何だかんだ言って俺のパークを最初期から支えてくれているからな……」

朗利「…………どうすればいいんだ」

朗利「あの冷血漢ならとっくの昔に使い切っているのだろうか?」

朗利「それとも、真の精鋭にしか使わないつもりでいるのか? そのほうがあいつらしい気がするな――――――あ」

朗利「ダメダメダメ!」ブンブン

朗利「俺とあいつは違うんだ! あいつが重巡を推すのなら、こっちは駆逐艦だ」

朗利「そうだとも。俺は俺のままに鎮守府を取り仕切るんだ。あいつのような大艦巨砲主義の頭の堅いやつとは違うんだ」

朗利「よし! 司令部からの新たな任務への備えも万端だ。夜回りに行こうか」サッ



――――――趣里鎮守府


石田「………………」カチャカチャ、バン

石田「……これで動くか?」カチッ

ガチャ、ブルルルル・・・・・・

石田「よし。これで私も海に出られるな」スッ

石田「装填よし」ジャキ!


石田「猛獣狩りの季節はもうすぐだ」ニヤリ


石田「しかし、40ノット(=74.1km/h)以上を出せてもそんなのは1時間も保たない。要改良」

石田「そして、艤装や装甲もないわけだから攻撃を受ければ即死だな」

石田「それに、こいつを当てるにはいろいろと不利な条件が一覧のように並んでいる」

石田「だが、これしか艦娘や深海棲艦に対抗する手段はない」

石田「海の上を滑るように移動できるのが艦娘の特徴であるからして――――――」ブツブツ



飛龍「………………提督」




――――――夜戦:川内のお願い

サーチライト
石田「この探照灯を使って索敵すればいいんですね?」

川内「そう。さすがに提督に主砲は積めないし、危ないもんね」

石田「そして、探照灯を3秒以上当て続けられた撃沈判定ですか……」

石田「(訓練用の50×25mのプールを高さ10mのジャンプ台から索敵ですか。これは骨が折れる作業ですね……)」

石田「確認しますが、制限時間5分内に探照灯を使ってプールの中だけ索敵するのが条件ですね? 探照灯を切ってブラインドアタックもよしと?」

川内「何でもいいよー。いくら提督が相手でも簡単には捕まえられないんだから」

川内「それじゃ、私がここから飛び降りて水飛沫がたったら始まりだよ」

川内「準備はいい?」

石田「どうぞ」

川内「それじゃ、川内! 参ります!」ピョイーン!


ヒューーーーーーーン! バッチャーーーーーーン!




石田「さて、作戦開始ですね」パッ

石田「(さすがは川内です。夜戦が得意なだけあってすぐに着水地点から消えてしまった…………泳ぎも得意か)」

石田「(単純に探照灯を振り回すだけでは絶対に捉えられない! ピンポイントでブラインドアタックを当てない限りはとてもじゃありませんが)」

石田「(探照灯は重たいのででたらめに振り回して策敵することも叶わない。最初から機動力の面で不利というわけですか)」

石田「(しかし、夜戦に強いのが川内の長所であるのならば、その長所が逆に弱点となり得るのです)」
ゲーム
石田「(最初にこの夜戦の内容を説明された時に、私はある作戦が思いつきました)」

石田「(必勝法というわけではありませんが、元々 追う側が不利なこの夜戦――――――、だからといって為す術もなく完敗するわけにはいきません)」

石田「(これを使えば、こちらにも勝利の可能性が浮上するわけですが――――――!)」

石田「(頼みます! 川内が意外とその場に固まって息を潜めてしまったらこの作戦は失敗確定――――――)」


川内「きゃあああああああああああああああ!?」


石田「(――――――掛かった!)」

石田「どうしました、そこを動かないで!(はい、これで私の勝利です)」パッ、ゴゴゴゴ・・・

川内「あ、眩しぃ……」チカチカ

石田「どうしました!(1,2,3――――――!)」

川内「あ、足に何か白い何かが絡まって――――――あ」

川内「やだ、これってビニール袋じゃない。誰がプールに捨てたのよ……」

石田「そうですか。大事に至らなくてよかったです(――――――私です!)」

川内「あ、そういえば3秒以上――――――」

川内「あははは、得意の夜戦でこんな失敗をするだなんて何やってるんだろう、私……」

石田「気をつけてください。夜戦はどうあっても昼間よりも視界が悪くなって誰にでも事故が起きやすくなるものですから」

川内「う、うん……、気をつけるよ、提督。慢心してた。提督にカッコ悪いところ見せちゃったな…………」

石田「気にしないでください。あなたは夜戦においては誰よりも経験と実績のある信頼に値する戦力なのですから」

石田「これが実戦でなかったことが何よりも喜ばしいですよ。これを教訓により一層の安定感が得られますから」

川内「ううん。でも、私――――――、違う」

川内「一緒に夜戦してくれてありがとう、提督」ニコッ

石田「………………」



――――――夜戦:愛宕のお願い


石田「…………それで、私に何か言いたいことがあるのですか?」

愛宕「うふふふ♪ 提督はやっぱり不思議♪」

石田「私からすれば、私に積極的に関わろうとするあなたたちの方が不思議に思えますよ」

石田「艦娘は兵器として提督に対して絶対服従の因子が組み込まれているとはいえ、犬猫と同じように喜怒哀楽はありますから」

石田「私が来るだけで、駆逐艦や潜水艦たちは青い顔をして戦々恐々とする始末ですよ」

石田「実際に、海域最初の小手調べのための捨て駒、潜水艦は日課のクルーズをひたすら繰り返すだけの歯車――――――」

石田「嫌われないほうがおかしい。目の前で失禁した娘もいたぐらいですから」

愛宕「でも、どんな娘でもちゃんとLv50以上になるまでは育ててくださるのですね」

石田「あくまでも強い艦娘かどうかを見極めるために慎重なだけです。あるいは使える装備を持ってきてくれるか――――――」

石田「そうでなければ、【近代化改修】のための餌となってもらうだけです。【改造】した後に餌にすれば効率もよくなりますから」

愛宕「うふふふ♪ 確かに私もたくさんの艦娘の命を吸ってるけど、そこまで卑下するようなことはないと思うなー」

石田「…………」

愛宕「だって、提督はどんな娘にもMVPをしっかりと取らせているのよ。それも何百回もね! それって凄いことだと思わない?」

石田「…………そんなのはただの副産物にしか思えませんが」

愛宕「『凄いこと』なの、提督」

愛宕「だから、わたしの中のみんながわたしの力になってくれるの。力を与えてくれるの」

愛宕「――――――『提督のために』ってね」

石田「………………」

愛宕「提督、もっともっと素直になって。そうすれば――――――、うふふふ♪」

石田「そんなことは誰も望んでない…………」

愛宕「もう、意地っ張りなんだから」

愛宕「提督も甘えん坊になってもいいんですよ?」

愛宕「確かに艦娘と人間は違う存在だけど、それだけに人間にはない喜びっていうのもあるってこと、忘れないでね」

愛宕「私、提督とお話しているだけで――――――、うふっ♪」

石田「…………そうですか」



――――――夜戦:日向のお願い


石田「すみません。酒は苦手なものでして、つまみ程度しか用意できませんでした」

日向「別にいい。それよりもこっちに寄れ、もっと近くに」

石田「はあ……」

ゴクゴク・・・

日向「ぷはぁ!」

日向「さあ飲め飲め! 今夜は飲もう」

石田「では――――――」グイッ

ゴクゴク・・・

日向「おお? 意外といい呑みっぷりじゃないか」

石田「…………やはりきついです」ウゲー(酒を飲むふりをして別に用意した器に水を汲んだものにすり替えていた)

日向「……まあ、そうなるな」フフッ

ゴクゴク・・・

日向「ふぅ! 『この1杯のために生きている』って感じがするな!」

石田「………………フゥ」

日向「どうした? つまらないか……?」

石田「いえ。酒は呑めませんが、ただこうやって静かな夜を送るのもいいものだと……」

日向「なるほどな。それはいい傾向だ」

石田「――――――『いい傾向』?」

日向「そうだとも。夜な夜な提督は何か機械いじりに精を出しているようだからな。まあ、心配していたのだ」

石田「…………!」

石田「…………何のことでしょう?」

日向「ごまかそうとしてもごまかしきれないぞ?」

日向「普段はデスクワークしかやっていない提督から微かに重油の臭いがプンプンするからな」

石田「!」

日向「提督が工廠に出入りするのは鎮守府の責任者として自然の振る舞いだが、まあ、提督自ら重労働するようにも思えなくてな」

日向「時折、鎮守府を夜遅くにうろついた艦娘から何か聞きなれない物音がどこからか聞こえてくるという話も聞いている」

日向「だから、噂の物音の正体を探ろうという動きが以前にあってな」

日向「しかし よく考えたら、用心深い提督が鎮守府内のこの怪現象を取り合わないのはおかしいと気づいたのだ……」

石田「…………何がいいたいのです?」


日向「私もそれに混ぜてくれ」


石田「…………『それ』とは?」

日向「だから、提督は夜な夜な私費を投じて装備の開発や研究に取り組んでいるのだろう?」

日向「興味があるのだ。見せてはくれないか? な?」

石田「………………」



――――――司令部


司令部「うむ。いずれも以前にも増して高い戦果を上げてくれていることを嬉しく思うぞ」

清原「こちらこそ、実験に参加させていただき感謝しております」

金本「そうそう。この実験に参加して給料上乗せになったから前々から計画していたことがついに実現できたことだしな」

朗利「そうだな。俺のようなふまじめなやつでもここまで頑張れるようになれたもんな。感謝しないと」

石田「他の提督たちには申し訳がないぐらいに戦力の充実が図れました」

司令部「うむ。これからも頑張ってもらいたい」

司令部「では、今回の新装備はこれだ!」


――――――【御旗】【軍刀】【表彰盾】【宝珠】


提督たち「………………」

司令部「どうしたかね? さあ、好きなものからとっていいのだぞ」

司令部「これは大本営が日頃のきみたちの活躍と貢献を讃えて造られた記念品なのだ」

清原「あの……、これは本当に実戦で役に立つ装備なのでしょうか? やっぱりこれを装備した時の評価を行うのですよね?」

司令部「どういうことかね?」

金本「今の砲撃・雷撃・爆撃が主体の洋上戦で【剣】なんか役に立つのか?」

朗利「【盾】なんかどうやって使えばいいんでしょうか? 重いし、邪魔臭いんですが」

石田「前回の【お守り】のことを考えても、この【珠】ぐらいしか実用性がなさそうですね(朗利提督の功績とはいったい――――――?)」

清原「あ、しかも共通して『旗艦に装備させた時に効果を得る』ものだから、【お守り】の時のように自由に使えないわけですか」メメタァ

金本「旗艦の貴重な装備枠をこんなご利益もわからない【下賜品】を持たせていいものなのかねぇ……」メメタァ

朗利「でも、試すだけ試しましょう。それで給料上乗せになるんですから(今回も楽そうだな。食料開拓の投資が捗るぜ)」

石田「ええ。では、私は【珠】を頂戴しましょうか」

金本「それじゃ、俺は【剣】でももらおうか。執務室の飾りにはなるだろう」

朗利「あ…………(天龍にでも持たせようと思ったけど、出遅れたか…………)」

清原「では、私は【旗】を持ち帰りましょう。波風でダメにならなければ良いのですが」

朗利「余り物には福がある――――――【盾】かよ!」

司令部「さあ、どんな戦果を上げてくれるか、報告を楽しみに待っているぞ」



【御旗】 【旗】(仮称)
旗艦に装備させた時のみ、効果を発動する
戦闘時に、艦隊全体が敵旗艦を優先的に攻撃をするようになり、敵旗艦を【かばう】ことができなくなる
         
【軍刀】 【剣】(仮称)
旗艦に装備させた時のみ、効果を発動する
戦闘時に、互いに同じ艦種を優先的に攻撃するようになる


【表彰盾】【盾】(仮称)
旗艦に装備させた時のみ、効果を発動する
戦闘時に、旗艦が中破・大破した時に限り、僚艦が轟沈しなくなる

【宝珠】 【珠】(仮称)
旗艦に装備させた時のみ、効果を発動する
戦闘時に、旗艦のクリティカル・特殊攻撃の発生率を僚艦のクリティカル・特殊攻撃の発生率を吸収して上乗せする




――――――洞庭鎮守府


清原「さて、いつも通りに新たな装備を試して欲しいとのことだ。今回はこの【旗】だ」バサッ

鳳翔「あら!」

比叡「ひえー! こ、この【旗】って――――――」ワナワナ

金剛「おお! 知ってるデスカ、比叡」


比叡:Lv80「【錦の御旗】ですよ、お姉さま!」


金剛「おお! 【錦の御旗】デスカ……」←よくわかってない

清原「その通りだ。さすがは御召艦だな」

鳳翔「ということは、提督の働きが――――――」ドキドキ

清原「残念だけど、別段そういうものでもないらしい。現にこれはレプリカであると通達されている」

清原「その証拠に、わざわざ細部を違うものにした『あえて偽物に作ってある』【錦の御旗】なのだ」

比叡「確かにそうですね」

比叡「試作装備とはいえ、実装した際に【錦の御旗】をたくさんの艦娘が装備しているのは不自然ですからね……」

鳳翔「しかし、これは【お守り】とは違ってどれほどの効果があるのでしょうか?」

清原「わからない。一応は【下賜品】として授かったものだけど、大本営は何を期待してこんな装備を――――――」

清原「!」

清原「そうだ! 正午に艦娘たちを全員集合させてくれ、金剛、比叡」

金剛「了解デース、提督!」

比叡「わかりました、提督!」


タッタッタッタッタ・・・


清原「しかし、もし私の推測が正しいとするならば、大本営は深海棲艦について何か――――――」

鳳翔「あなた……」

清原「大丈夫だよ、鳳翔」ギュッ

清原「戦いが終わったとしても――――――いや、戦いが終わってからが本当の人生の幕開けだ」

清原「鳳翔が気にすることじゃない。それは他の艦娘たちについても同じだよ」

鳳翔「はい」

清原「守ってみせる――――――なんていうのは傲慢だな。実際に戦うのは鳳翔たちなんだから」


【御旗】 【旗】(仮称)
旗艦に装備させた時のみ、効果を発動する
戦闘時に、艦隊全体が敵旗艦を優先的に攻撃をするようになり、敵旗艦を【かばう】ことができなくなる



――――――斎庭鎮守府


金本「【こいつ】を見てくれ。どう思う?」


龍驤:Lv110「…………軍刀? 軍刀術なんてうち学んでないから使えんよ?」

球磨:Lv97「クマー」

多摩:Lv95「にゃにゃ?」

扶桑:Lv135「菊の紋章! けど、猫に小判よねぇ。はぁ…………」


金本「なるほどね。猫に小判か」

金本「よし、わかった。猫に小判なら、熊に軍刀だな」

金本「球磨ちゃん、お前を旗艦に任命する。【これ】を装備してちょっくら敵艦隊を20個ぐらい撃滅してこい」

球磨「クマー!?」

扶桑「あ、そっか。球磨ちゃんと多摩ちゃんの練度は――――――」

金本「そういうことだ。それに【こいつ】の切れ味は棒切れと同じだろうからな」

金本「実戦では役には立たないだろうが、持つだけ持っていろ」

球磨「クマー…………」

金本「安心しろ。やり遂げたら俺の邸宅に招待してあげるから。な? お前のために蜂蜜風呂だって用意してあるから」

球磨「やる気でたクマアアアアアアアアア!」

龍驤「提督! うちもうちも!」

多摩「球磨ばかりずるいにゃ~!」

金本「お前たちも球磨と一緒に出て艦隊を撃滅してこい。働き次第で考えなくもない」

龍驤「提督! ちゃんとうちの活躍見ててね!」

多摩「多摩も多摩もにゃ!」

金本「よし! 艦隊編成が済み次第、すぐに始めてもらうぞ。それまでに準備を済ませておくように」

一同「了解!」


タッタッタッタッタ・・・



扶桑「提督ったら本当に太っ腹ねぇ。本当に」

扶桑「そう、私たちよりもずっと偉丈夫で――――――私は、あ、はぁ…………」

金本「どうした、扶桑?」

扶桑「提督……」

扶桑「その……、妹のことを大事にしていただいて本当にありがとうございます」

金本「どうした? そんなことは初めて言うようなことじゃないだろう? 同じことを何度言い聞かせる気だ?」

扶桑「いえ、この前に提督が鎮守府の隣に建てた御殿に最初に招待されたことを山城は本当に嬉しそうに誇らしく話していましたから」

金本「そう。それは良かったぜ(ガチャに回すカネが【艦これ】では必要ないから貧乏プロダクションを改築するよりも早くデカくなっちまったな)」メメタァ

金本「けど、お前は良くないな」

扶桑「え」

金本「妹と違って、自己主張が少ないんだもん。もっとわがままな娘になれよ。俺は好きでやってるんだからさ?」サワサワ

扶桑「提督……、そこを触られると――――――」ポー

金本「『触られると』何だって? 嫌なら抵抗すればいいじゃないか? 俺が本当に嫌がる女に無理強いしたことなんてあるか?」

扶桑「…………イジワル」

金本「おいおい、そういうところが妹と違うところなんだって。妹の方が反応がはっきりしていて弄ってて楽しいぞ?」

扶桑「そうなのでしょうか……?」

金本「そうなの。お前は慎みが過ぎるぞ」

金本「来る者は拒まず、去る者は追わず」

金本「それが俺のモットーでな。『必要だ』と、『助けてくれ』と言うのならば俺は力にいくらでもなってやるよ」

扶桑「提督の言うそれは、極端なんですよ……アン」

金本「――――――『極端』?」

扶桑「提督に身も心も虜になるか、その前に見放されるかのどちらかしかないじゃないですか」

金本「そうか? これまでの人生、結構フラれてばっかりな感じなんだがな……」

扶桑「嘘です。提督に限ってそんなこと――――――」

金本「…………あ」


――――――やっぱり『カネが無かったから』なのかな?


扶桑「え」

金本「俺、貧乏人の生まれだったから10代の頃は極貧の生活を送っていてな」

金本「やっぱりカネがないと何もできないし、信用もされない――――――ましてや異性の心を射止めることもできないって気づいてな」

金本「だから時々、俺が元の貧乏人に戻ったらお前たちはどこに居るのだろうと思って――――――、こっちとしても必死なんだよ」ブルブル

金本「――――――『カネの切れ目が縁の切れ目』ってな」

扶桑「提督……」

金本「『必要だ』って言ってくれ。『助けてくれ』と言ってくれ。それで不安から『俺を救ってくれ』と言ってみる…………」ブルブル

扶桑「はい……」ギュッ

         
【軍刀】 【剣】(仮称)
旗艦に装備させた時のみ、効果を発動する
戦闘時に、互いに同じ艦種を優先的に攻撃するようになる




――――――拓自鎮守府


朗利「まいったな…………」

朗利「よりにもよって、【表彰盾】かよ! 【剣】の方がまだそれっぽいのに!」

朗利「【これ】を装備させたらどんな効果になるんだ――――――いや、【こんなの】を手渡したら明らかに特別扱いになるんじゃ?」

朗利「もしかしたらこれでいいのかもしれない……」

朗利「俺が感謝の意を表したいと思っているポンコツ面白姉妹とドイツから来た大食らいのことを考えれば――――――」

朗利「って、ダメじゃん!」

朗利「【こいつ】、『旗艦に装備しないと効果を発揮しない』んじゃんか!」メメタァ

朗利「あの姉妹を旗艦にして活躍できる場所なんてないだろうが! 旧式がぁ…………」

朗利「…………待つしかないか(だけど、そう簡単に【盾】や【褒章】と似たようなものをもらえるかな……)」

朗利「幸い、【お守り】については一番の当たりを引いているらしいし、何よりも【オスカー】がいる」

朗利「【盾】の効果の検証をしないとだけど――――――、」

朗利「大本営もどの程度の効果を発揮するかわかっていないから検証期間が5年なんて馬鹿みたいに長く設定してるんだろうな」

朗利「なら、別にいいか?」

朗利「しっかりしろ! 悩んでるなんて俺らしくない! 今日も精一杯 駆逐艦と潜水艦たちを愛でるのだ!」

朗利「新しい補給路を確保できてから作れるようになった新作をどんどんお披露目しないとな!」

朗利「ああ、そうとも! 悩んでる暇なんてない! ああ忙し忙しー」

朗利「(馬鹿じゃないか、俺? たかだかそんなことを気にしてさ? 俺にとっての一番は愛する駆逐艦と潜水艦たちじゃないか)」

朗利「(でも――――――)」


【表彰盾】【盾】(仮称)
旗艦に装備させた時のみ、効果を発動する
戦闘時に、旗艦が中破・大破した時に限り、僚艦が轟沈しなくなる



――――――趣里鎮守府


石田「もらった【珠】の効果はおいおい確かめるとして――――――、」

石田「さて、いつも通りに【大型艦建造】をして――――――」

石田「(毎日1回の日課になってからようやく金剛型戦艦が全て揃ったのですが、金剛型戦艦では話にならないです。旧式がぁ……)」

石田「(求めるのは、圧倒的な火力あるいは類稀な回避力を有する――――――)」

石田「さて、今日の結果は――――――、」


石田「――――――8時間」ピタッ


石田「【大型艦建造】で8時間?!」

石田「…………見間違いじゃ、ない!」ゴシゴシ

石田「あ………………」ブルブル


石田「やったあ! ついに大和型戦艦がキタアアアアアアアア!」


石田「大和か武蔵か!? と、とにかく8時間の間に迎え入れる準備を整えねば!」ウキウキ

石田「何から手を付けるべきか――――――」

石田「ん」

バタン!

愛宕:Lv65「ぱんぱかぱーん!」

ワーーーーーーーーーーーーーーー!

石田「何事!?」ビクッ


パチパチパチ・・・

青葉:Lv53「ども、恐縮です、青葉ですぅ! 一言お願いします!」

衣笠:Lv55「おめでとう、提督! 最近は本当に嬉しいことだらけですね。最近になって私も【改造】してもらえましたし」パチパチパチ・・・

妙高:Lv64「大和型戦艦、おめでとうございます! これからも私たちはついていきます。どこまでもずっと」パチパチパチ・・・

那智:Lv63「ほう、これはおもしろいものを見ることができた。ふふっ、そういう意味では確かに吉報であったな。…………これからも頼むぞ、提督」パチパチパチ・・・

足柄:Lv59「大和型戦艦か。でも、これからも提督は私たちを導いてくれる! そう! そうなのよ!」パチパチパチ・・・

羽黒:Lv61「おめでとうございます、司令官さん! あ、あのあの……、これからも頑張ります!」パチパチパチ・・・

パチパチパチ・・・

石田「え? え? え?(何が起こっていると言うのだ……?! いやそれよりもさっきの――――――!)」アセダラダラ

パチパチパチ・・・

長良:Lv57「おめでとうございます、提督! いつもいつも私たちを勝利に導いてくれて、本当にありがとう!」パチパチパチ・・・

ゴーヤA:Lv90「おめでとう! みんなで一生懸命がんばってきたご褒美ですね!」パチパチパチ・・・

ゴーヤB:Lv67「わーいわーい! これで少しはゆっくり――――――何でもないでち」パチパチパチ・・・

清霜:Lv45「ふぅ、間に合った……。司令官、おめでとうございます」パチパチパチ・・・

早霜:Lv48「ずっと見てました。おめでとうございます」パチパチパチ・・・

パチパチパチ・・・

石田「なにっ!?(聞かれてたああああああああうおおおおおおおおおおおおおお!? というか、なぜ冷遇してきた駆逐艦や潜水艦まで?!)」orz

川内:Lv64「提督、おめでとう! あ、どうしたの、そんなに赤くなって?」パチパチパチ・・・

飛龍:Lv95「おめでとう! そうそう、こう歓喜に打ち震える提督の笑顔が久々に見られて嬉しいな」パチパチパチ・・・

愛宕:Lv65「うふふふ♪ 嬉しい」ニコニコ

日向:Lv70「今宵は酒盛りだな」


一同「おおおおおおおおおおおお!」



石田「ちょっと待ってくれ! 何をする気だ!? それにこれはいったい――――――」

日向「まあまあ、そう堅いことは言わずに。な?」

川内「私たち、今日という日のためにずっと準備をしてきていたんです」

石田「どういうことだ? 人から祝われるほど善行を積んできた覚えはない」

石田「恨みなら数えきれないほどの憶えはあるが……」

愛宕「提督ったら、もう♪」

石田「ん? 待て、まだ【建造】を開始してから3分も経ってないぞ……」

石田「何を早とちりしている……?(施しを受けるわけにはいかない。その資格はもうない……)」アセタラー

飛龍「わかるよ、提督のことなら」

石田「飛龍……?(そういえば、飛龍が最古参になっているのか。あの倉庫番がな。思えばいっぱい沈めてきたな、あいつもこいつも………………)」

飛龍「提督も昔はそうやって本当に楽しそうに…………」ウルウル

飛龍「良かった。うん、好きだな、その表情…………また見れてよかった、本当に」

石田「………………ああ」


石田「……そうか。飛龍がいたからか」


一同「テートク! テートク!」

石田「わかりました。案内してください」

川内「やったー! 提督と鎮守府のみんなで宴会だ!」

愛宕「うふふふ♪」

日向「さあさあ! 提督も期待の新人も私たち全員が大満足の歓迎会にするぞ」

一同「ワーーーーーーーーーーーーーーー!」

石田「ありがとう、みんな……」

石田「本当に…………」ウルッ


――――――でも、私はあなたたちの提督であることを近々やめようと思っているのだ。許してくれ。


【宝珠】 【珠】(仮称)
旗艦に装備させた時のみ、効果を発動する
戦闘時に、旗艦のクリティカル・特殊攻撃の発生率を僚艦のクリティカル・特殊攻撃の発生率を吸収して上乗せする


――――――それから、


司令部「さてさて、近況報告と行こうか。最近の楽しみになりつつあるぞ!」ワクワク

司令部「まずは、かつての勢いを盛り返して絶好調な洞庭鎮守府の清原提督!」

ピッ

――――――
清原「…………」ビシッ
――――――

司令部「うむ。元気そうだな。始めてくれ」

――――――
清原「絶好調でございます。特に【新装備】の威力は絶大です」
――――――

司令部「ほう! 確か貴官は【旗】を持っていったな!」

――――――
清原「ええ。偽物とはいえ、【錦の御旗】の威力は絶大であり、」

清原「深海棲艦の旗艦への攻撃が容易に通るようになりました」

清原「まるで、【錦の御旗】の意味を憶えているかのように隊を率いる旗艦をかばうことがなくなりました」
――――――

司令部「…………!」

司令部「もっと詳しく聞かせたまえ」

――――――
清原「知っていて渡したものではなかったのですか?」
――――――

司令部「いや、詳しくは聞いておらん」

司令部「しかし、――――――そうか。【錦の御旗】を見て途端に敵の戦意が減退したというのだな?」

――――――
清原「はい。おかげで敵旗艦を真っ先に撃沈させることが容易になり、敵艦隊の戦闘力を大きく削ぐことができるようになりました」

清原「これは確かに旗艦に装備させるだけの価値はありますね」

清原「しかし、深海棲艦にこのハッタリが通じたということは――――――、ですよ?」
――――――

司令部「言わんでもいい」

司令部「そもそも艦娘の由来と言い、深海棲艦の存在と言い――――――、」

司令部「両者が本質的に同一の存在であることは理解していたつもりだ」

司令部「だが、それを認めた時に我々は終わりの見えないこの戦いを生き抜くことができるかが試されることになる」


司令部「艦娘は兵器だ」

――――――
清原「はい
――――――

司令部「人の姿形をして人の言葉を話したとしても、人間に服従すべき存在なのだ」

司令部「それこそが、彼女たちが生まれてきた意味なのだからな」

――――――
清原「わかっております」
――――――

司令部「しかし、かつて人類は馬や犬、象などを戦争の道具として利用してきた歴史がある」

司令部「だが、服従させたとしてもそれは決して使い捨ての駒でもなく、人類のパートナーとして、家族として多くの時間を共に歴史も存在するのだ」

司令部「だからこそ、艦娘には愛を注いでやって欲しい」

司令部「艦娘という人間に極めて近い生物と融和を果たせないような人間に、同族との融和を結べるはずがないからな」

――――――
清原「はい」
――――――

司令部「その点、貴官は言うことなしの逸材であったよ」

司令部「これからも深海棲艦との終わりの見えない戦いが続いていくだろうが、貴官の兼愛交利が戦局を変える一筋に光とならんことを」

――――――
清原「微力を尽くします」

清原「それでは、深海棲艦の本格的な調査任務の発令をお待ちしております」

清原「では」ビシッ
――――――

司令部「うむ」

ピッ

司令部「…………そうか。深海棲艦とはつまりそういうことだったのか」

司令部「生まれては玉と砕けて海の藻屑と消える艦娘たち――――――」

司令部「我々はいったい何と戦っていると言うのだろうか?」

司令部「この広い海のどこかに龍宮城やアトランティス大陸があると言われているように、」

司令部「沈んだ艦たちの怨念渦巻く墓場がどこかに存在するのではないだろうか…………」


※新システム【旗艦消失】…………旗艦を失うと残存艦隊の能力が全体的に低下する。実質的に演習や敵専用のバッドステータスである。


司令部「らしくない空想はさておき、今度は斎庭鎮守府だったな」

司令部「確か金本提督は【剣】を持っていったな」

司令部「さてさて、戦果はどういったものとなるか――――――」

ピッ

――――――
金本「定期報告の時間ですね、はい」
――――――

司令部「いつも通り、元気そうだな。何か変わったことはなかったか?」

――――――
金本「聞いてくださいよ!」

金本「――――――あの【剣】! とんでもない戦果をもたらしてくれましたよ、これが!」
――――――

司令部「なに?! 射撃戦闘が一般的な今の御時世で近接戦闘においては役に立たないと思っていたのだが――――――、そうか」

司令部「詳しく聴かせて欲しい」

――――――
金本「結論から申し上げますと、」


――――――『敵さんもこちらもやっぱり人間なんだなぁ』っと思いましたよ。


金本「うん。本当に。マジで!」
――――――

司令部「結論というよりそれは感想だろう! 正確に報告せよ!」

――――――
金本「おお おっかないおっかない!」

金本「では、結論に至る過程から説明いたしますと、」


――――――【剣】を掲げて突っ込んだ艦娘に敵が驚いて混戦になってしまい、最終的に同じ艦種同士の接戦に陥るんですよ。


金本「なぜだか、交戦状態で艦隊決戦の砲撃戦になって突撃する段階になると、」

金本「――――――この【剣】に何か取り憑いているのかわかりませんけど、」

金本「戦艦は戦艦に、巡洋艦は巡洋艦に、駆逐艦は駆逐艦に相手取るようになりまして、はい」

金本「意味がわかりませんよ、まったく」

金本「何故に同じ艦種同士で戦いを始めるのか、理解できませんよ」

金本「しかも、空母や潜水艦まで同じことをしだすのですから、何のための艦隊編成なのかわからなくなるんです」
――――――

司令部「…………は」


――――――
金本「ですから何と言うのか、【剣】を装備すると艦隊全体が同じ艦種に妙な対抗意識を持つようになるらしく、」

金本「敵に対してもそれが伝わっているというか何というか――――――」

金本「俺にだって理解できてないんだから、察してくださいよ! 呪いの村正か何かですか、この【剣】は!?」

金本「そういうわけで、俺が出した結論として『向こうもこちらも人間らしい感情がある』のだと確信しました――――――、以上!」
――――――

司令部「…………なるほどな」

――――――
金本「あれ? どうしました? てっきり怒鳴り散らすものだと思ってましたけど」
――――――

司令部「いや、先程 清原提督から深海棲艦に関することで似たような報告を受けていてな」

司令部「【錦の御旗】を認識して、自分たちが賊軍であることを恐れて旗艦を見捨てるように艦隊の連携が崩壊したという」

司令部「それと同じように、金本提督からの報告で理解不能で無機質な深海棲艦にも我々と共感できる感情を持っているのだとこれで確信したのだ」

司令部「思うに、確かに現代戦では剣だの槍だの近寄られる前に迎撃されて使い物にならないものだと認識しているだろう、誰もが」

――――――
金本「そりゃあもう。【軍刀】って元々そういうものでしょう?」
――――――

司令部「しかしだ。実際に鋭利な刃物を振り回して近寄ってくる相手を目の前にして、貴官は落ち着いて対処できるか?」

――――――
金本「相手や状況に寄りますね。さすがに素手で相手はしたくないですよ。それでも負ける気はしませんが」
――――――

司令部「そうであろうな、貴官ならば」

司令部「しかし、他の者はどうだ? 貴官ほどの胆力を持ち合わせている者は数えきれないほど居るか?」

司令部「おそらく居るまい。それは艦娘としても同じであろう」

――――――
金本「なるほど。そういうわけですか。――――――腑に落ちない点がいくつもありますがね」
――――――


司令部「今はそれでよい。近々 本格的な深海棲艦の調査を行うつもりであるからな」

司令部「今回の報告で得られたのは、深海棲艦も人間や艦娘と変わらない感情を持っているという点だ」

司令部「これは弱点を突く上でも研究する上でも重要な手掛かりだ」

司令部「他に言うべきことはないか? 十分な内容であったぞ」

――――――
金本「そう言ってもらえると助かります」

金本「しかし、この【剣】は本当にヤバイ装備だな」

金本「それぞれが同族に対して数とかいろいろ関係なしに張り合うようになるもんだから艦隊編成が機能しなくなる」

金本「まず、対潜装備や対空装備の意味がなくなる。――――――まあ、必ずしも1対1で殺り合うわけじゃないから無駄にはならないけど」

金本「けど、1対1で勝てるだけの能力差があるのなら安心できる気もするが、実は完全なタイマンにはなりづらく 横槍を入れられる可能性がある」

金本「例えば、同族がいないライバルのいない艦種からの横槍もあるし、同じ艦種による1対2のように数的不利な状況に追い込まれたら助けようがない」

金本「更に、1対1で不利な状況で敵と全く同じ艦隊編成だった場合は助けに回ることもままならない」

金本「大型艦同士が鉢合わせた場合は特に悲惨だ。回避力が低くて火力が高いもんだから、互いに身を削り合う死闘に陥りがちだ」

金本「雷巡同士の対決も相当ヤバイかな? 攻撃力がクソ高いけど紙装甲だから当たったらアレだからさ?」

金本「片刃のサーベルのくせにその実態は諸刃の剣なんだからよ……」

金本「結果として、有利になっているのか不利になっているのかわけがわからん状況だ」
――――――

司令部「そ、そうなのか。そこまで凄絶だったのか……」

――――――
金本「 で も ! 」ニヤリ

金本「俺の艦隊はケッコンカッコカリで限界突破して、一流装備をガン積みしているから1対1なら絶対に負けねえがな!」メメタァ

金本「パワープレイのゴリ押しが得意な俺にとってはプラスな装備でしたよ」メメタァ

金本「それに、攻撃対象を互いに制限されるのは、逆を言えば狙い通りの状況を生み出すことが容易になるということだから、」

金本「出撃する海域の戦力に合わせて、自由行動できる艦種を紛れ込ませておくと潜水艦でもないのに一方的にタコ殴りにできちゃうんですよ、これが」

金本「もちろん、海域に登場する編隊と完全一致する場合なんて極稀なんだが、大物には大物をぶつけて効率良くダメージを稼げるのがいい」

金本「要は、――――――ここ! 頭の使い所がモノを言うわけ! もちろん数と質の暴力もモノを言うけど」

金本「まあ、主力艦隊を使わずに軽い気持ちで検証していたから最初に試した時の予想外の混戦には度肝を抜かれたけど」

金本「いやぁー、あれには久々に肝が冷えたぜ、まったく……。――――――球磨には悪いことしたな」
――――――

ピッ

司令部「な、なるほどな。金本提督ぐらいの剛の者でなければ使いこなせない装備ではあるが、ハイリスクハイリターンで利用価値はあるということか」

司令部「しかし、これまた有益な情報を得ることができた」

司令部「艦娘たちも深海棲艦も同種の艦種に対して対抗意識を持っている娘が多く見られている――――――」

司令部「あの【剣】はきっかけに過ぎず、本当は潜在意識の中にある同族最強への強い闘争心が表層化するからではないだろうか?」

司令部「まあ、これはただの推測ではあるがな?」



司令部「さて、今度は拓自鎮守府の朗利提督を」

ピッ

――――――
朗利「あ…………」ビシッ
――――――

司令部「うむ……?(直感が囁く。様子がおかしい――――――これは何かあったな)」

司令部「では、報告を聞こう。何かあったかね?」

――――――
朗利「申し訳ありません。【盾】の効果が結局わかりませんでした…………」
――――――

司令部「そうか(こんなことで気を落とすような朗利提督ではないな)」

司令部「まあ、気を落とすな。時間はあるのだからな」

――――――
朗利「…………はい」

朗利「他に報告すべきことは特にないです」
――――――

司令部「そうかそうか。そういう時もあるだろう。気にするな」

――――――
朗利「ありがとうございます」


朗利「そういえば、今回の装備の検証に出した艦隊が以前に比べてやけに元気が残った状態で居続けたような――――――」

朗利「単なる偶然? でも、確かにあれだけの数の駆逐艦を出撃させて一様に疲れが出てなかったような――――――」
――――――

司令部「ほう? それは耳寄りな情報だな」

――――――
朗利「へ」
――――――

司令部「艦娘も人間と同じ感情を持つ一個の生命体だ」

司令部「その【盾】も曲がりなりにも下賜された物だ。その意味はわからずとも大切なものであることは理解していたのではないか?」

司令部「要するに、士気が普段よりも高まって緊張状態がいつもより持続していたから、疲労が表に出にくくなったのではないかな?」

――――――
朗利「それはつまり――――――」
――――――

司令部「頭では理解してなくても記憶になくとも、骨の髄や魂の奥底では生粋の兵士であるということだな、艦娘というのは」

――――――
朗利「それは………………」
――――――

司令部「まあ、それもそうだろう」

司令部「艦娘とはそのための存在なのだからな」

――――――
朗利「………………違います、そんなの」ブルブル
――――――

司令部「………………提督」

司令部「確かに艦娘は人間によく似た知的生命体ではあるが、その生まれは兵器なのだ」

司令部「生まれた直後に普通なら数ヶ月の訓練――――――いや、生身で主砲を担いで高い命中精度を誇る射撃戦を展開できるのだ」

司令部「ましてや女の子が、だ」

司令部「そのことを忘れないでくれたまえ。代わりはいくらでも――――――他の鎮守府にもその娘は居るのだからな?」

――――――
朗利「…………うぅ」
――――――


司令部「悩んでいるところから察するに、まだそれほどの事態は起こってはいないようだな。ひとまず安心だ」

司令部「提督、いつまでもそうやって1つの失敗に拘ってお先真っ暗になっていては困るぞ?」

司令部「提督の時計の中には貴官の部下たちの未来がびっしり刻まれているのだからな」

司令部「そうやって誰の得にもならない益体もないことを悩み続けるよりも、潔く咎を詫びて新しい関係に次に進めよ」

司令部「変化を恐れて時間に取り残されるのはひたすら惨めなだけだぞ?」

――――――
朗利「…………わかりました」
――――――

司令部「うむ。よろしい」

司令部「失敗こそが成功の母なのだから恐れることはない」

司令部「ましてや、貴官が居る場所は戦場なのだ。戦場では人生で起こりうる最悪の事態が起こりやすい」

司令部「そのことを肝に銘じて、更なる精進をせよ」

――――――
朗利「はっ!」
――――――

ピッ

司令部「さて、何が起きたのかはっきりとはわからないが、大方 慢心したことで痛い目に遭ったのであろう」

司令部「だが幸運にも、朗利提督の場合は最悪の事態は避けられたようだな。まだ眼は生きていた」

司令部「しかし、士気が上がって緊張状態が続いて疲労になりづらいのならば、他の【下賜品】についても同様のはずだな」



司令部「さて、いつも最後となるが趣里鎮守府の石田提督の様子を見るか」

司令部「回を追う毎に、荒んだ眼差しに光が灯っている感じがしてその変化を追うのが楽しみになりつつある今日此の頃――――――」

ピッ

――――――
石田「…………」ビシッ
――――――

司令部「ほう! ずいぶんと顔つきが変わったな! 昔を思い出したよ!」

――――――
石田「そうでしょうか?」
――――――

司令部「うむ。間違いない」

司令部「声の調子は歴戦の提督としての貫禄がついたが、昔のような明るさがみなぎっているぞ」

司令部「どうやら、これまでの苦労や悩みが報われたようだな!」

――――――
石田「そこまでお見通しですか。相変わらず敵いませんよ」
――――――

司令部「そうかそうか。何があった?」

――――――
石田「【珠】を受け取った後に【大型艦建造】をしましたら、念願の大和型戦艦:武蔵を獲得いたしました」
――――――

司令部「おお! あの武蔵か! それは喜ばしいことだな!」

――――――
石田「8時間の建造時間を見て、柄にもなくはしゃいでしまった直後に、」

石田「部下たちが一堂に揃ってそのことを祝福してくれたのです」

石田「信じられないような光景でした。そこには普段から酷使されて目の敵にしているだろう駆逐艦や潜水艦まで拍手で讃えてくれたのですから」
――――――

司令部「そうか。それはよかったな(本当に良かったな。まるで昔のようだな)」


――――――
石田「すぐには理解できませんでしたが、とりあえず今回の大和型戦艦の着任祝いをかねてから計画してくれたのが飛龍だったことに感激を覚えました」
――――――

司令部「そうだろうな。貴官のところの最古参は今では彼女だからな」

司令部「鎮守府のメンツも死に別れを繰り返して、世代交代をしていくうちに提督を慕う艦娘でいっぱいになっていったというわけか」

司令部「だが、一番の理由は勝率が一定以上じゃないとイベントマップに参加できなくなったせいだがな!」メメタァ

司令部「そういう意味では、大本営の大英断だったと言えよう!」ワハハハハ!

――――――
石田「そうですね。捨て艦戦法を封じてひたすら勝率を回復するための戦いに明け暮れることになりました」

石田「そのための気が遠くなるような戦闘回数をこなす手段として、牧場経営やクルージングを始めたんでしたっけ」メメタァ
――――――

司令部「相変わらずやっているのか、それは…………」

――――――
石田「ええ。最新装備は主力艦隊に持たせるだけ持たせられるようにしないと安心できませんから……」

石田「少しでも任務達成と、大切な艦娘たちが帰ってこられるようにするために必要なことです」
――――――

司令部「だが、それと並行してあらゆる艦娘の練度も上げていっているのだろう?」

司令部「おそらく世界広しとは言え、所属する艦娘全てを合わせた平均レベルの高さはぶっちぎり貴官がナンバーワンであろうな」

――――――
石田「最高レベルは100にも届いていませんがね」ハハッ
――――――

司令部「そうだなそうだな」

司令部「だが、これから実装されるであろう新たな【改造】にすぐに対応できるのは羨ましい限りだろうな」メメタァ

司令部「最近の改二はLv80以上のものも出てきたという話だからな」

――――――
石田「ああ……、榛名ですね。新しく入った武蔵のために全部 後回しになるでしょうね。私、金剛型は好きじゃありませんから」
――――――

司令部「そうだろうな。金剛型のネックは改二になってようやく長門たちに互角であり、ケッコンカッコカリも見えてくるぐらいの練度がいる」


司令部「で、武蔵の練度はもうどれくらいかな? まさかもう【改造】できるところまで――――――」

――――――
石田「Lv48ぐらいです」
――――――

司令部「は」

――――――
石田「Lv48です、武蔵改」
――――――

司令部「ちょ、ちょっと待って欲しい! 確か武蔵が来たのは【宝珠】を受け取ったあの日なのだな?」

――――――
石田「そうですが?」
――――――

司令部「いったいどんな魔法を使ったら、数週間でここまで仕上がるというのだ?!」

――――――
石田「ああ それですか?」

石田「しばらく牧場経営とクルージングを少し控えめにして、ひたすら深海棲艦を狩らせていましたが」
――――――

司令部「あ……」

司令部「な、なるほど。確かに毎日1回の【大型艦建造】のために当てていたクルージングや牧場経営をやめればそこまでの余力が――――――」

司令部「しかし、もう【大型艦建造】はもういいのか?」

――――――
石田「はい。我が艦隊の中心となるべき艦娘は得られましたから」

石田「【大型艦建造】をするためにクルージングをしていたのではありません」

石田「この戦いに勝つために大和型戦艦の圧倒的な火力を求めていたからしていたのであり、【大型艦建造】をすることが目的ではありません」
――――――

司令部「そうか。光は消えてもなお曇りなきその眼があったからこそのこれまでの戦果か」

司令部「もう大丈夫そうだな、貴官は」

――――――
石田「いえ、私は近々 司令官を辞めようと思っております」
――――――

司令部「ど、どういうことだね、それは!?」

司令部「せっかく主力となる武蔵を得て、いよいよという時期に!?」

――――――
石田「いえ、軍人であることを辞めようとは思っておりません」

石田「戦いから逃げ出してしまってはこれまで戦ってくれた戦友たちに申し訳がたちませんし、これまでの全てを否定することになってしまいます」

石田「私が指名する後任の提督と趣里鎮守府に開こうと思う新部署の承認をしていただきたい」
――――――

司令部「一人で決めるわけにもいかない話だが、あえて後任の提督を用意するだけの理由を聞こうか?」

――――――
石田「――――――私と深海棲艦が戦うためです」
――――――

司令部「なっ?!」

――――――
石田「………………」
――――――

司令部「それは、つまり――――――」










――――――ご清聴ありがとうございました。


司令部「さて、今回の報告を聞いて諸君らは何を思ったであろうか?」

司令部「『物語性なんか要らねーんだよ、調子に乗るな、バーカ』とか聞こえてきそうなお粗末なもので申し訳ない」

司令部「筆者の妄想をひとつなぎの物語として描いているだけに、余分な演出が出てしまったことを深くお詫びする」

司令部「だが、すでに内容そのものは書き起こしてあるので、物語の骨子の途中変更は認めらない!」キリッ

司令部「さて、今回 登場した新装備である【下賜品】(仮称)はその原型を菊の紋章と三種の神器に求めている」

司令部「つまり、【旗】は菊の紋章、【剣】は天叢雲、【盾】は八咫の鏡、【珠】は八尺瓊勾玉をイメージしている」

司令部「レベルが高く、提督と特別な関係にある旗艦にしか扱うことができないが、その効果は絶大であろう」

司令部「特に、【盾】を受け取った拓自鎮守府の朗利提督は描写こそないが【盾】の力に救われていてだな――――――」

司令部「だがまあ、彼としては【盾】の力を借りるような心が凍りつくような危機的状況を招いた自責の念で生きた心地がしなかったのだがな」

司令部「何にせよ、強力な装備を持っているからといって『慢心はダメ、絶対』ということだな。常々 細心の注意を払うようにな」

司令部「実は、筆者が提案する新システムとしてさらりと登場していたのが、」


――――――【旗艦消失】


司令部「というバッドステータスであり、『旗艦が沈んだのに統率された戦闘ができるのはおかしい』と思ったので、ぜひとも実装してもらいたい」

司令部「これによって、【下賜品/御旗】が絶大な効果をもたらすことだろう」

司令部「なにせ旗艦を【かばう】というこちらからすれば鬱陶しいことこの上ない行動を封印できるのだから」

司令部「旗艦を真っ先に轟沈させることは実際はかなり難しいことだが、それだけに【旗】の凄さが伝わってくることだろう」

司令部「問題なのは、旗艦にしか持たせられない上に貴重な装備欄を埋めてしまい、攻撃力を相対的に下げてしまうことだが、」

司令部「筆者としては、主力となる戦艦や装備欄が4つの艦を旗艦にするのが正攻法だと思っている」

司令部「今回のところは以上である。今回は【旗艦】の概念にまつわる話であった」

司令部「しかし、そもそもこれは【艦隊これくしょん】とは無関係の筆者の願望を描いた二次創作ゆえに深い考察や議論は無意味である」

司令部「あくまでも、そのことを意識してこれからの【艦これ】ライフを堪能していって欲しい」

司令部「だが、活発なご意見感想や今後実装されるだろうシステムや装備の議論などを期待するものである(スレ違いかもしれないけど)」

司令部「蛇足だが、序文に書いてあるようにイチャコラは書かないつもりだが、」

司令部「現時点では人間模様の落とし所は考えていないので、物語の展望の希望があればどうぞよろしくお願いいたします(露骨なR-18指定の描写は除く)」

司令部「それでは発表は以上である」

司令部「ここまでお付き合いしていただき感謝いたす。またのお越しをお待ちしております」


――――――――――――第3話 御旗と共に 完 Next:第4話 愛の力 に続く!



【下賜品】リスト
共通して『旗艦に装備させた時のみ、効果がある』としかテキストに書かれていないが、
実際には艦隊全体の動きを制御・パターン化する強力な効果を持つ他に【戦意高揚状態】を持続しやすくなる。
ケッコンカッコカリあるいはユウジョウカッコカリした【戦意高揚状態】の艦娘を秘書艦にし、
――――――クエストを1日に数件以上クリアした状態で、――――――あるいは【勲章】が6つ以上所持した状態で、
【開発】することで超低確率でレシピに関係なく開発される。
モデルは、菊の紋章と三種の神器。


【下賜品/御旗】 【旗】(仮称)
旗艦に装備させた時のみ、効果がある
戦闘時に、艦隊全体が敵旗艦を優先的に攻撃をするようになり、敵旗艦を【かばう】ことができなくなる
艦隊全体の疲労がたまりづらくなる
艦隊全体の火力が上昇する

         
【下賜品/軍刀】 【剣】(仮称)
旗艦に装備させた時のみ、効果がある
戦闘時に、互いに同じ艦種を優先的に攻撃するようになる
艦隊全体の疲労がたまりづらくなる
艦隊全体の装甲が上昇する


【下賜品/表彰盾】【盾】(仮称)
旗艦に装備させた時のみ、効果がある
戦闘時に、旗艦が中破・大破した時に限り、僚艦が轟沈しなくなる
艦隊全体の疲労がたまりづらくなる
艦隊全体の回避が上昇する


【下賜品/宝珠】 【珠】(仮称)
旗艦に装備させた時のみ、効果がある
戦闘時に、旗艦のクリティカル・特殊攻撃の発生率を僚艦のクリティカル・特殊攻撃の発生率を吸収して上乗せする
艦隊全体の疲労がたまりづらくなる
艦隊全体の運が上昇する


※新システム【旗艦消失】…………旗艦を失うと残存艦隊の能力が全体的に低下する。実質的に【演習】や敵専用のバッドステータスである。



提案内容の背景
今回のテーマは『旗艦』であり、【艦隊これくしょん】において【旗艦】には様々な優遇措置があり、
【かばう】【大破撤退】【旗艦ボーナス経験値】、【開発】【建造】の結果の操作などがあって、これからも重要な概念となってくるはずである。
しかし、【艦隊これくしょん】のシステム上では極めて稀だが、僚艦に守られている【旗艦】が先に撃沈することもあり、
そうなった場合の下方修正が敵側に一切ないのが気になったので(【大破撤退】はプレイヤー側にとってのリスクでもある)、
状態異常【旗艦消失】をまず考えていた。これは【演習】においても猛威を奮うものとなるだろう。

しかし、それ以上に長門が駆逐艦ばかり攻撃して“ながもん”呼ばわりされる現状を鑑みて、攻撃対象を誘導する装備があれば便利だと思い、
【下賜品】という名誉の証の体裁で艦隊行動を操作する効果を付けてみた。
しかし、【下賜品】としても艦娘に持たせる装備としても違和感のないものを探ってみると、ほとんどが【勲章】という形であり、
記念品もバリエーションがないので、しかたがないので菊の紋章と三種の神器をモデルにしてみた。




提案内容の考察
共通して『旗艦に装備させた時のみ、効果がある』効果があり、これによって旗艦の装備が1つ確定してしまい、場合によっては旗艦の選択肢が狭まることになる。
また、全体的な効果も普通にプレイしていれば回避できたり、実現できたりすることなのでわざわざ『しやすくするだけ』の装備を持たせる意味はないと向きもある。
しかも、使いこなすのが難しい効果ばかりで、【お守り】のほうがありがたいという声が届いてきそうである。
しかし、『艦隊全体の疲労がたまりづらくなる』『艦隊全体の能力向上』効果があり、周回プレイでは地味に効果を発揮するのでそこで活躍するかもしれない。
やはり、【下賜品】は本物の戦場に持っていくものではない…………【演習】でも大活躍か。本当に鎮守府の飾りと化す。


【旗】(仮称):戦闘時に、艦隊全体が敵旗艦を優先的に攻撃をするようになり、敵旗艦を【かばう】ことができなくなる
【旗艦消失】の実装がされれば【下賜品】の中ではもっとも使える効果である。
ゲージ破壊において力を発揮し、しかも艦隊全体の火力が上昇するので、
【かばう】を封印した上で敵旗艦に砲火を集中するようになるので【旗艦消失】が狙いやすくなる。
しかし、それは同時に他の敵への砲火を疎かにすることにも繋がり、敵の数を減らすことを優先したい場合では不利となる。
基本的に耐久値が敵艦隊で最大である敵旗艦が囮となって聳え立つことになり、集中砲火して迅速にボスを撃破できない低火力編成はおすすめできない。


【剣】(仮称):戦闘時に、互いに同じ艦種を優先的に攻撃するようになる
わかりやすく言うと、戦闘中終始 同じ艦種カテゴリーの敵にしか互いに攻撃できなくなるという意味であり、
艦隊編成次第で囮戦法で違う艦種で一方的に攻撃したり、数の暴力でタコ殴りにしたりできるが、編成を間違えるとそれを自分に受ける危険性がある。
同じ艦種同士で戦わせるので戦闘力が高い艦種同士が鉢合わせになると、被害が避けられないという欠点もあり、
また、【かばう】は発動するが他の敵を狙い撃って決闘状態を解除することも難しくなり、
鬼や姫のように対応するカテゴリーがない場合は当然ながら狙い撃ちができず、カテゴリーが被った敵僚艦に拘束される可能性が大きいので、
ゲージ破壊マップでも活躍させづらく、しかも旗艦に持たせなければ使えないというデメリットもある。
ただし、艦隊全体の装甲が上昇するので同カテゴリー同士の殴り合いには一応 強くはなっており、【演習】向けの装備なのかもしれない。演習番長御用達?
総じて、限界突破などしてこちら側と敵側の同カテゴリーに能力差がある場合においてのみ有効といえる。相対的に火力重視のゴリ押しが有利になる。


【盾】(仮称):戦闘時に、旗艦が中破・大破した時に限り、僚艦が轟沈しなくなる
保険。旗艦が中破した時と大破した時の2回、僚艦が轟沈しなくなるようになるので、最大2回のゾンビ戦法が使える。
欠点は、そもそも旗艦が装備しているので僚艦に【かばう】を使われてなかなか被弾しづらく、
艦隊全体の回避力までも上がってしまうので、狙ってゾンビ戦法をすることが困難なことである。
しかし、それ以外は実質的に艦隊全体の回避力が上がるだけなのであってこまらないし、余計な艦隊行動の修正も行われないので持たせて損はない。


【珠】(仮称):戦闘時に、旗艦のクリティカル・特殊攻撃の発生率を僚艦のクリティカル・特殊攻撃の発生率を吸収して上乗せする
つまり、幸運艦隊の旗艦の攻撃がほぼ確実にクリティカルおよび特殊攻撃になるという意味であり、
それを後押しするかのように艦隊全体の運を上昇させる効果がついているのでほぼ間違いなく必殺となるだろう。
欠点は、旗艦以外がクリティカルおよび特殊攻撃ができなくなるので、手数と火力が不足する可能性があるということ。
どうあがいても、旗艦にした戦艦単艦でフルメンバーの敵艦隊を撃滅することはできないのでそこが悩みどころとなってくる。
そもそも、旗艦に装備させるものなので、その分だけ確実に装備を無駄にしていることになる。
また、ほどほどに艦隊全体が幸運であればいいので、幸運艦隊でやるとお得意のクリティカル・特殊攻撃が僚艦でできなくなるので大幅な火力ダウンに繋がる。
しかし、当たれば超火力のロマン砲を昼夜問わず常時ぶっ放し放題になれるので、大和型や雷巡に持たせると凄いことになるはず。




                   ――――――次回予告――――――


清原「戦うのはあくまでも彼女たちなんだぞ! それを思い出すんだ!」

金本「ここらで内弁慶じゃないってところも見せてやらないとな!」ガシャコーン! ブゥン!

朗利「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ…………」ブツブツ

石田「後のことは任せたぞ、左近提督。――――――猛獣狩りに行ってくる」ジャキ!


天城「ああ……、時が見えるわ、提督」

天城「あの震災と同じように炎に焼かれて灰燼に帰した帝都の街並み……でも、それを乗り越えてもっと弥栄えた未来が待っているから」

天城「だから、泣かないで、提督。身は滅んでもどうか私の祈りが新時代の礎とならんことを」ニコッ………………轟沈


第3話 御旗と共に←今現在
 ↓
第4話 愛の力
 ・
 ・(以降、順不同:要望次第で変わります)
 ・
第?話 深海棲艦捕獲指令
第?話 艦娘、派遣します
第?話 提督、出撃す
第?話 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち-
 ↓
第?話 大本営の野望      -艦娘 対 超艦娘-
 ・
 ・(以下、内容が追加されるかも)
 ・
最終話 -北緯11度35分 東経165度23分-




基本的に本作は筆者のアイデアの数だけ物語が作られます。
素人の浅知恵でやらせてもらっているので、バランス調整がすっちゃかめっちゃかだったり、自分で考えてみて微妙な内容だったりしますが、
発想は捨てずにとりあえず提案という形で残し、物語の中に組み込んで現実感の演出としてみます。
イチャコラや重厚な物語なんてすでに偉大な先人たちがやってくれているので、筆者としてはそこまでだと思っております。
全部で8つ以上のアイデアは練りましたが、これから増えるかもしれませんし、当初の発想の数だけしかの物語があるだけかもしれません。
『その時』が今作の終了となります。それまで何卒よろしく申し上げます。
しばらく投稿は難しいですが、9月内には必ず投稿させていただきます。その時まで

偉大なる先人たちの作

・××××××提督の人
金剛「テートクのハートを掴むのは、私デース!」瑞鶴「!?」    |3スレに渡る大長編。筆者が【艦隊これくしょん】の二次創作を書こうと思ったきっかけ
金剛「テートクのハートを掴むのは、私デース!」瑞鶴「!?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1382027738/)   |軍記物に18禁描写にイチャコラを含めたハードな作風が特徴。ZETMANっぽい?
※                                |筆者の【艦これ】に対する考察や設定はだいたいこの作品の影響を受けている

・大井の人シリーズ
大井「ちっ、なんて指揮……」提督「今なんつったオイ」         大傑作。この人の書く夫婦漫才は本当に素晴らしい
大井「ちっ、なんて指揮……」提督「今なんつったオイ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1404049548/)
提督「あえて龍田をいじりたい」天龍「えっ」              もしも系。目から鱗が落ちる発想の数々に仰天
提督「あえて龍田をいじりたい」天龍「えっ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1405090223/)
川内「昼戦で敵を殲滅しそこねたよー!」提督「と、いうことは」      提督も夜戦バカという実に素晴らしい逸品。提督の可能性を感じた作品。
川内「昼戦で敵を殲滅しそこねたよー!」提督「と、いうことは」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1405866119/)
不知火「不知火の司令は顔が怖い」提督「」ガーン             コンマ系。エンジェル伝説。AAキル夫を引用した印象的なドタバタコメディ。
不知火「不知火の司令は顔が怖い」提督「」ガーン - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1406808539/)


【艦これ】長門「我々のことをどう思っているんだ?」 提督「えっ?」  ある提督が淡々と所有する艦娘について語っていくもの。
【艦これ】長門「我々のことをどう思っているんだ?」 提督「えっ?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1402837167/)      駆逐艦は網羅してないので貴重な体験談として重宝した

【艦これ】提督「気がついたら全員レベル99だった件について」      イチャコラ系・安価スレ。
【艦これ】提督「気がついたら全員レベル99だった件について」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1402131493/)      たぶん、ユウジョウカッコカリの着想はここにあったと思う。たぶん

【艦これ】出張!DASH村、TOKIOの手、お貸しします【響】       クロスオーバー・ほのぼの系。ジャンル:TOKIO 以上。
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(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1405511599/)

深海棲艦「アナタハ、ソコニイマスカ?」総士「僕は……」       蒼穹のファフナーとのクロスオーバー
深海棲艦「アナタハ、ソコニイマスカ?」総士「僕は……」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1400406720/)     海と馴染みが深い両作品と謎に満ちた敵勢力との親和性が凄い


SS界隈を見るに、重巡と軽巡が主役のものはほとんどない印象。
やはり、メディア露出も多いメジャーなメンツや駆逐艦が中心に起用されている印象である。
あるいは、クレイジーサイコレズや「恐縮です」、兵装マニアなどの強烈な個性を持った娘がよく出てくる感じである。
やっぱり人気なのは、ぶっちぎりで金剛である。SSにおいて出現率は長門、赤城、愛宕の知名度を軽く超えている。





ここまで(第1話から第3話まで)のあらすじ


大本営がこれから実装しようとしている数々の新システムや新装備の試験運用を託された司令部に4人の艦隊運用の思想が異なる提督が選ばれた。

4人はユウジョウカッコカリをはじめとする新システムや新装備の恩恵を以ってこれまで以上の戦果や艦隊の更なる統率や親睦を得ることができた。

しかし、それぞれの提督たちにはそれぞれの過酷な運命が待ち構えており、これからその厄難の日々を迎えるのであった。

続々と始まる未だ見ぬ新システムのβテスト――――――、新たなインターフェイスの導入――――――、

そして、終焉への果てしない戦いの航路は始まりを告げる。


――――――決戦の時は刻一刻と迫る!


第1話 ユウジョウカッコカリ:【ケッコンカッコカリ】の無課金用劣化マイナーチェンジ

第2話 お守り       :【お守り】系装備による内部システムの修正による確率緩和

第3話 御旗と共に     :【旗艦】の概念を基にした新装備とバッドステータス【旗艦消失】の導入
――――――――――――――――――
ここまでは基本システムに軽い修正を加えるマイナーチェンジの提案となりますが、
ここから先の内容は大胆な新システムの導入やインターフェイスの更新を視野に入れたものとなります。

なお、あくまでもここで提示される内容は筆者個人の願望や妄想であり、実際の【艦隊これくしょん】には何の影響力を持ちません。
ここで語られている考察や議論なども実際の【艦これ】には何の足しにもなりませんので、
物語を眺めながらそれとなく筆者からの提案にふれていただけたらと思っております。

活発なご意見や感想、読者自身の有益な提案を勝手に期待するものであります。
――――――――――――――――――
第4話 愛の力

第5話 艦娘、派遣します

第6話〈順不同〉4人の提督それぞれの戦い 




今回は投稿の都合上で、一気に第5話まで投稿させていただきます。

第4話は読み飛ばしてもいいレベルの話なのですが、

最後に第6話について4つのエピソードに分岐しますので、

どのエピソードから読んでみたいのか、順位付けしてコメントしてくださると助かります。

読者層がどういった内容に興味関心を持ってもらったのかを目にしたいので、どうかコメントよろしくお願いします。





第4話 愛の力

――――――某所


ワイワイ、ガヤガヤ、ワーワー


左近提督「さて、今日は久々に飲み明かそうか!」

加賀:Lv99「本当に久々ですね。さすがに気分が高揚します」

蒼龍:Lv99「さあさあ、提督。どうぞどうぞ」

左近「悪いねぇ」グイッ

伊勢:Lv99「はい」

左近「いいねぇ」グイッ

赤城:Lv99「お強いですねぇ」バクバク

漣 :Lv99「ご主人様? いくら久々だからって、そんなに呑んじゃ――――――」

左近「うぅ、はっはっは……」

左近「いいんだよ。こうしてたまにお前たちの顔を見ながら酒を楽しむのが旨いんだから」

漣「ご、ご主人様ったら、もう! 調子に乗ると酒瓶全部ぶっ飛ばしますよ~」テレテレ

伊勢「い、いいんじゃない。素敵よね?」テレテレ

蒼龍「嬉しいなぁ」ニコニコ

赤城「提督は相変わらずですね」フフッ

加賀「………………」ポー

左近「さ、もっともっと呑もうぜ? 今夜は好きに呑んでくれ。あははは――――――」


石田提督「失礼する」ガチャ


艦娘たち「!」

左近「…………やれやれ」


石田「宴の最中ですまないが、力を貸して欲しい」

左近「また『鎮守府に復帰しろ』っていうお催促かい?」

左近「俺はもう めぼしい艦娘をみんなLv99にしたんだ。これ以上やることなんてありませんよ」メメタア

左近「それとも、『アカウントをよこせ』っていう話かな」メメタア

艦娘たち「!?」

左近「あり得ませんな」

石田「いや、その逆だ。『俺のアカウント――――――艦娘たちの管理』をお願いしたい」メメタア

左近「おいおい、石田提督? あんたは確かβテスターじゃないですか。部外者の俺に譲渡だなんて大本営が黙っちゃあいませんよ?」

石田「名乗りもせぬのに詳しいことだな。長らく【艦これ】をやってなくても情報収集は怠っていないか」メメタア

左近「あんたが大事に育ててきた艦娘たちが何処の馬の骨とも知らない輩に黙って従ってくれますかね?」

石田「安心しろ、左近提督。これから【艦これ】はまた新しく変わる。そのパートナーとして俺と一緒にβテストに参加してもらいたいのだ」メメタア

左近「俺はケッコンカッコカリが出る前に辞めちまった身だぜ?」メメタア

左近「それからは、お気に入りの艦娘たちとこうやって酒を酌み交わすぐらいだ」

蒼龍「――――――『ケッコンカッコカリ』?」

漣「ご、ごごごごご主人様!? 結婚するんですか?!」

加賀「………………!」ムスッ

赤城「え? え?」ボリボリ

左近「最近だといろいろと新システムが出ているようだし、俺なんかの腕で大丈夫なんですかね?」メメタア

石田「それでも構わぬ」


石田「俺が左近提督を選んだのは、【艦隊これくしょん】開始当初の時代を共に戦い抜いた偉大な“ジェントルマン”としてだ」


左近「ああ?」

石田「左近提督は現在ほどアップデート修正が行われずにいろいろと不便だった時代に、1隻の犠牲も出さずに2日で【霧の艦隊】を攻略したのだ」メメタア

左近「ああ、あれはコラボの潜水艦が強すぎただけですよ。おかげで、本筋の攻略もずいぶん捗りましたがね」メメタア

石田「それに引き換え、俺は単艦マラソンや捨て艦戦法を敢行してそれでようやく辿り着けたものだ……」

石田「それどころか、勝率が低すぎて完全にイベントマップに出撃できなかった時もあった」メメタア

左近「ま、しかたありませんな」

左近「システムの穴を突いて使えるものは何でも活用して運営に弾圧されるのもオンラインゲームではよくあることですし、」メメタア

左近「それが人間ってもんですよ。規制しなければ付け上がってどこまでも悪用する――――――」

左近「そして、運営は完成度の高いサービスを提供するためにアップデート修正するのですからな」メメタア

石田「………………というわけだ」


石田「俺が欲しいのは、そういう公正中立な視点を持った“ジェントルマン”なのだ」


石田「決して、艦娘たちに色目を使うようなクズ共ではない、――――――“本当の紳士”がな」

左近「………………」

伊勢「…………提督」

漣「ご主人様……」


石田「即答はできかねるか。――――――当然か。しかたあるまい」

石田「それではな。楽しい宴の最中、邪魔をして悪かった――――――」


左近「待った!」


石田「…………む」

艦娘たち「!」

左近「お引き受けしましょう、石田提督」

石田「おお! 同志となってくれるか、左近提督!」

左近「ただし! 条件付きで!」

石田「……いいだろう。そうこなくてはな」


左近「俺は大本営に従うつもりは毛頭ございません。俺は俺で好きにやらせてもらいますよ」


石田「かまわない。いずれは司令部から自由な権限を振るえるようになるからな」

石田「そして、俺は表向きは司令官を辞して左近提督に従うつもりだ」

左近「ほう?」

石田「俺の采配と運では暁の水平線に勝利を刻むことはできそうもないからな」

石田「俺は俺のやり方で全体の勝利に貢献するつもりだ」

石田「そのために俺の趣里鎮守府に独自の部署を設けさせてもらった。俺はそこの責任者として戦いを続けるぞ」

左近「なぁるほど。俺は二足の草鞋を履いて、石田提督の鎮守府を支えてやればいいのですな?」

石田「そういうことになる」

左近「となると、俺が表向きでは趣里鎮守府の司令官だけれども、実質的に趣里鎮守府の支配者は石田提督のままというわけですか」

石田「俺は艦隊指揮も辞めて実績のないただの一部署の責任者になるだけだ」


左近「ならば、――――――“殿”と呼ばせてもらいましょう。そのほうが格好が着くでしょう?」






――――――洞庭鎮守府


清原提督「拓自鎮守府の朗利提督の許を訪ねようと思っている」

鳳翔:Lv111「あら? いったいどうしたというのです?」

金剛:Lv80「HEY、提督ぅ~! 私も連れてってくだサーイ!」

清原「彼のところの非常に優秀な秘書艦がいつまで経っても朗利提督が立ち直ってくれないので、私に助けを呼んだのだ」

清原「つまり、慰問に行くというわけだ」

清原「そんなわけで、私と一緒に拓自鎮守府へ行く慰問団と不在の中 鎮守府を守ってくれる防衛隊を組織しないとならないな」

清原「これが拓自鎮守府の戦力リストだ。どう思う?」パラ・・・

鳳翔「まあ」

金剛「Oh...」

清原「所属している艦娘の大半が駆逐艦と潜水艦を占めるという徹底的なパーク運営となっているな」

清原「凄いのは、大鳳とビスマルク、長門という大型艦を擁してこれまで正面突破で数々の海域を攻略してきたという実績だ」

鳳翔「でも、それを言うなら我が鎮守府もあの大和型を擁してますよ」

清原「まあな。金剛が引き当てたくれたものだ」

金剛「ふふーん!」エッヘン

清原「実質的に例の優秀な秘書艦とこの精鋭たちが拓自鎮守府を支えてきたと言って過言ではないな」

金剛「でも、練度が全体的に結構低いような気がシマース!」

清原「ここはゆっくり着実に攻略するのがモットーのようだな。駆逐艦の全体的なレベリングに力を入れているようだ」

清原「となると、慰問するからには駆逐艦の扱いに慣れている艦娘を連れて行くことになるか」

清原「しかし、この徹底的な艦種の偏り具合が凄いな。重巡は1隻も使っていないようだし、重巡が嫌いなのかな?」

金剛「イメージからするに子供好きそうデスし、確かに重巡のみんなは大人っぽくて違うと思いマース!」

清原「そうか。それじゃ、まずは参加者を募ってみるか。重巡は除外して」

金剛「提督ぅ~! 私もついていくデース!」

清原「わかったわかった」フフッ

清原「鳳翔、久々に私たち二人で拓自鎮守府のみんなに腕を振るおうか」

鳳翔「はい。お準備しますわ、あなた」ニッコリ

清原「うん」ニコッ

金剛「ぶーぶー。こんなところでいちゃつくのはNOデース!」




――――――司令部


司令部「さて、久しぶりだな、諸君」

清原「はい」

金本「よう。元気してたか――――――って、あれ?」

愛月「…………」ドキドキ

石田「何やら見慣れない人が居ますね」

司令部「ああ、彼は朗利提督の代理で、しばらく拓自鎮守府の運営を任されることになった愛月提督だ」

愛月「よ、よろしくお願いします……」

金本「あれ? もしかして、こいつ――――――」クンクン

清原「大丈夫なんですか?」

司令部「彼の実力に関しては問題ないぞ。朗利提督の代理を務められる最適な人物なのは確認済みである」

石田「では、どこの鎮守府から? その時の経歴をお聞かせ願いましょうか?」

愛月「え……」アセタラー

司令部「やめたまえ、石田提督。我々の選考に異論を挟むというのかね」

石田「…………わかりました」

金本「ははーん。なるほどね」

清原「?」

石田「所詮 その程度だったというわけですか、朗利提督」フッ




司令部「さて、今回の試供品は【これ】だ!」


――――――【慰問袋】【千人針】【万国旗】【バッジ】


愛月「え?」

清原「これも、大本営が擁している技術部の匠妖精たちの作なんですよね……?」

石田「こんなもののどこに、ボーキサイトや燃料を使う必要があるというのですか!? 実装した時のレシピはいったい――――――!?」メメタア

金本「…………まあ、実装すれば【お守り】や【下賜品】すら造ってくれる(?)ようになるから、もうツッコミを入れる必要はないだろう」メメタア

清原「妖精たちが資材と引き換えにどこかから持ってきたと考えたほうが妥当かもしれないな……」

金本「そもそも、妖精って何だ?」

愛月「えと…………」

石田「……もうそんなことどうでもいいじゃないですか。彼らの技術力によって我々は敵と戦えるのですから」

金本「司令部も大変ですね。大本営が気まぐれに開発したこんなものの運用データをまじめになって集めなくちゃいけないんだから」

司令部「おお 諸君もそう思うか。私も大本営のお偉方に鎮守府の職場体験をさせる制度を設けて欲しいと思っていてだな――――――」

清原「でも、この【慰問袋】はいいな。今度、鳳翔と一緒に作ってみようかな」

金本「…………【千人針】か。意外といい素材で出来てるな。戦場では役立たずでも高級恋人マフラーとして使えるだろう」

石田「では、【万国旗】をいただきましょうか(これを装備させるとなると、邪魔臭いというかおそらく実戦用の装備ではないはずだが…………)」

愛月「あ……、大量の【バッジ】…………」ジャラジャラ

清原「さて、愛月提督。私は後日、朗利提督の慰問に参りますのでよろしくお願いします」

愛月「は、はい!」ビクッ

清原「…………む(もしかして、この人は――――――)」



【慰労品/慰問袋】
1,艦隊全体の疲労がたまりづらくなる
2,同型艦全ての燃費と弾薬費が軽減される

【慰労品/千人針】
【旗艦】【ケッコンカッコカリ】【ユウジョウカッコカリ】のいずれかである艦隊が装備している時、
1,同型艦全ての轟沈を無効化する(効果が発動した場合、【千人針】は消滅する)
2,同型艦全ての回避・装甲・運を上昇させる

【慰労品/バッジ】
1,他に【バッジ】を装備した同型艦が戦場に存在する場合、全ステータスが上昇する
2,装備させた状態で秘書艦にして【建造】または【大型艦建造】すると、同型艦が建造されやすくなる

【慰労品/万国旗】
海外艦あるいは同型艦無しの艦娘を秘書艦にして装備させた場合、
1.【遠征】の成功確率が上昇する
2.【建造】または【大型艦建造】すると、海外艦あるいは同型艦無しの艦娘が建造されやすくなる



――――――斎庭鎮守府


金本「さてさて、毎回恒例のお試しタイムだ」

金本「話によれば今回のテーマは『同型艦』とのことだから、とりあえずどれくらい姉妹艦が揃っているか確認してみよう――――――」メメタア


扶桑型戦艦:扶桑、山城

球磨型軽巡:球磨、多摩


金本「うはっ! 俺の鎮守府、姉妹艦が少ねえ!」

金本「球磨型は他に、北上、大井、木曾がいるようだな…………でも、あんまり好きじゃないんだよな、この妹らは」

金本「しかたがないから、金剛型戦艦の4姉妹でも引っ張り出そうかな?」

金本「確認してみたら、榛名が一番 練度が高いな。他はほとんど手付かずだし」

金本「榛名、いいよな。健気だし、『勝手は榛名が許さない』らしいから俺の手であの手この手好き勝手にメッチャクチャにしてあげたいね」(ゲス顔)

金本「そういう意味では、扶桑姉妹とは似たような感覚があるな。――――――性格は正反対だけど」

金本「つまり、本質的に同じような性格ってことなのか? それはちょっと違うか」

金本「しかし、まさか『同型艦』がテーマの装備が開発されるとは…………」メメタア

金本「好きな艦娘を摘み食いする感じにメトッてきたわけだから、統一性がまったくないぜ」

金本「というか、ゲーム的に艦種統一パーティはメリットが少ないから同型艦を揃えるメリットもないわけでして……」メメタァ

金本「今回ばかりはあまりいい仕事にはなりそうにないな…………」

金本「そうだな。久々に【建造】してみて同型艦を揃えてみようかな」

金本「けど、俺好みの艦娘じゃないとやぁる気 起きねえんだがな…………」


【慰労品/千人針】
【旗艦】【ケッコンカッコカリ】【ユウジョウカッコカリ】のいずれかである艦隊が装備している時、
1,同型艦全ての轟沈を無効化する(効果が発動した場合、【千人針】は消滅する)
2,同型艦全ての回避・装甲・運を上昇させる



――――――趣里鎮守府


石田「これは一番のハズレを引いてしまったかもしれない…………くっ、計算外だ」

左近「どうしたんですぅ、殿? 機嫌悪いですよぅ?」

石田「今回 配られた試供品の【万国旗】なのだが、その効果があれでな……」

左近「どれどれ?」

左近「ああ……、確かに殿のところには『海外艦』とやらは所属しておりませんが、」

左近「『同型艦無し』が俺のところと合わせて正規空母が全部揃ってますからね」


同型艦無し:赤城・加賀・蒼龍(左近)&飛龍(石田)


左近「それに、俺は艦載機による先制攻撃が好きだったから軽空母の『同型艦無し』も全部持ってますしね」メメタア

左近「あ……、さすがに龍鳳なる軽空母はなしで」

左近「ところで、殿? この『海外艦』というのはどうなんです?」

石田「ああ。試しにZ1を使ってみたのだが、元が元だけに艦隊決戦では役に立たない弱い艦娘だった」

石田「海外艦の目玉とされるドイツ戦艦:ビスマルクは手に入れてないからどうかはわからないが、」←【建造】運は最低クラス

石田「あの拓自鎮守府の朗利提督のところにはいるらしく、そこの報告を見る限りだと一番にはなれない微妙な艦娘のようだな」

左近「ほう、つまり?」

石田「そうだ、左近提督。海外艦は実装されている数も少ない上にはっきり言って使えない艦娘しかいないぞ」

左近「そうなんですか。俺は何も知らないのでどうとも言えませんが、まあ殿の言うとおりにしておきましょう」

左近「しかし、確かに『海外艦』と『同型艦無し』の艦娘しか対象にならないのは問題ですな」

左近「少なくとも赤城さんは【クエスト】をまじめにこなしていれば最初に手に入る正規空母ですからな。最悪、彼女だけで航空戦力は通用しますぜ」メメタア

石田「ああ……(すまない。俺の赤城、加賀…………俺が不甲斐ないばかりに…………)」

左近「殿。殿の図鑑を見る限りですと、夕張型軽巡や大淀型軽巡なんかは『同型艦無し』ですぜ」

石田「大淀は2014年 夏のイベントマップですでに手に入れて育ててある。軽巡とは思えないような扱いづらさだった」メメタア

左近「ほう、さすがですな。さすがは俺が“殿”と見込んだお方だ」

石田「茶化すな。それに、それを言うなら島風型駆逐艦や潜水艦・その他の艦艇全てが今のところ姉妹艦無しだぞ」

石田「だが、大淀には未成艦ながら2番艦の仁淀がいるにはいるのだ」

石田「この史実における未成艦を除外した場合で姉妹艦無しとすべきかどうか――――――」メメタァ

左近「――――――試してみません?」

左近「特に、この大鯨とかいう『潜水母艦』なんていうのは姉妹艦無しで、まさしく唯一無二の存在ですぜ」

石田「【出撃ドロップ】でしか得られないレア艦だぞ? だから、建造レシピもない。そもそも未実装だったら話にならないぞ、左近提督」メメタア

左近「まあまあ。殿は【大型艦建造】で戦艦レシピはもう試さないのでしょう? ここは俺に任せてください」メメタア

石田「わかった……」

石田「正式な辞令はあと3日だが、この鎮守府で迷子にならないようにな」

左近「その辺は大丈夫です。俺の部下はみんな優秀ですから」

石田「そうか。頼もしいことだな」


【慰労品/万国旗】
海外艦あるいは同型艦無しの艦娘を秘書艦にして装備させた場合、
1.【遠征】の成功確率が上昇する
2.【建造】または【大型艦建造】すると、海外艦あるいは同型艦無しの艦娘が建造されやすくなる



左近「ところで、殿?」

石田「なんだ、左近提督?」

左近「殿は金剛型戦艦では誰がお好きですかな?」

石田「む? あまり使いたくない旧式艦の中でか」

石田「――――――霧島だが」

左近「ほほう。それまたどうして? 金剛さんはもちろん、榛名もかなりの人気ですよぅ?」

石田「霧島改二のスペックを見ろ。最大火力が104までいって、長門改をも上回る超火力だ」メメタア

石田「そして、長門改とは違うのは【高速戦艦】である点だ。進路決定の際に速力で進路が左右される場合もある。これは武蔵にはできないことだ」メメタア

左近「なら、霧島をお引き立てください」

石田「それは俺に対して許可を求めているのか?」

左近「俺にとっての大本営は殿しかおりませんので」

石田「わかった。許可しよう」

左近「ありがとうございます」

左近「しかし、噂通りの御仁だ。殿も重度の大艦巨砲主義でしたか」

石田「確かにそれもあるが、――――――俺は金剛も榛名も嫌いでな」

左近「おや?」

石田「その、なんだ? 彼女たちにはもっと慎みを持ってもらわないと、…………困るのだ」

左近「なるほど。だから、霧島なんですね」

左近「綺麗な顔して結構やりますね」

石田「う、うるさい!」



――――――拓自鎮守府


大鳳「朗利提督、新任の提督をお連れしました」ガチャ

愛月「あ、あの……、本日 着任いたしました愛月と申します。どうかよろしくお願いします」

朗利「ああ……、よろしく頼むよ、お代理さん」ニコー

愛月「えと……、大丈夫ですか?(え!? 何この人!? 何か想像以上に老けて――――――)」

朗利「うん。前線指揮はできなくなったけど、鎮守府の管理は問題なくできてるよ、」

朗利「――――――えと、メスズキさん?」

愛月「“メヅキ”です!」

朗利「ああ……、“メヅキ”“メヅキ”――――――覚えたよ」ニコッ

愛月「あ…………(何だろう、この人? 大本営や司令部で聞かされていたのとまるで違う……)」

愛月「えと、こちらの【バッジ】が今回の試験装備だそうで…………」

朗利「たくさんあるようだね……」ジャラジャラ

朗利「へえ、これはいいものを引き当ててくれたようだね…………よくやった。最初の功績だな」ニコー

愛月「え?! いえ、そんなつもりは――――――」

朗利「大鳳、彼に褒美を取らせてくれ」

大鳳「わかりました。――――――では」スッ


――――――スイーツ券(補給で確保できる範囲で何でもお作りいたします)


愛月「え! ――――――『何でも』!?」ジュルリ

朗利「うん。俺ができることなんてそれぐらいしかないから…………それで士気が上がるのなら嬉しいよ」ニコニコー

愛月「はい! 微力を尽くす所存です」

朗利「うん。けど、無茶は禁物だよ……」


朗利「それできみは――――――、」


――――――俺が指定した通りの『まったくのドシロウト』の提督でいいんだよね?


愛月「は、はい。どうして私のような経験のない者が栄えある拓自鎮守府に着任できたのか、不思議で不思議で――――――」

朗利「簡単なことだよ」

朗利「きみが私を後任を務めるに値する素質を持った人間だと聞き及んだからだ」

愛月「そ、そんな! 歴戦の朗利提督の後任など自分には――――――」

朗利「安心なさい。愛月提督には他の新米提督と同じようにゼロから始めてもらうから」

朗利「ただ違うのは、俺が駆逐艦を豊富に取り揃えていることかな?」

朗利「最初に2隻だけ駆逐艦を自由に選んでいいから、鎮守府海域の哨戒から始めてもらおう。何でも揃ってるぞ、駆逐艦なら」

愛月「あ、ありがとうございます!」

朗利「 た だ し !」クワッ!

愛月「ひゃい!」ビクッ


朗利「第六駆逐隊だけはダメだ! いいな!」ギラッ


愛月「わ、わかりました!」ビシッ

朗利「よろしい」

朗利「では、着任祝いに3時のおやつとしようか……」ニッコリー

大鳳「準備できています、提督」

朗利「それでは、愛月提督に最初の指令だ」

愛月「は、はい!」


――――――これからパートナーとなる駆逐艦2隻をエスコートして一緒におやつを食べなさい。


【慰労品/バッジ】
1,他に【バッジ】を装備した同型艦が戦場に存在する場合、全ステータスが上昇する
2,装備させた状態で秘書艦にして【建造】または【大型艦建造】すると、同型艦が建造されやすくなる



――――――洞庭鎮守府


清原「では、慰問団には鳳翔と金剛姉妹、島風と大和を連れて行く」

清原「そして、鎮守府の留守を赤城と加賀に守ってもらう。指揮権は委ねるぞ」

赤城「おまかせください。一航戦の誇りにかけて!」

加賀「みんな優秀な子ですから、問題はないでしょう」

清原「よし」

清原「高雄、夜戦のほうはお前が頼りだ。一航戦を支えてやってくれ」

高雄「はい。夜の警備はおまかせください、提督」

清原「それじゃ、できるかぎりのごちそうは作り置きしておいたから、3日間 守り通しておくれ」

艦娘たち「了解!」

清原「それじゃ、慰問団のみんなはこの腕章を付けてくれ」

清原’「これで混同されることはなくなるだろう(――――――演出的に)」メメタア

清原’「では、出発だ!」

鳳翔’「はい」

金剛’「イエーイ!」


【慰労品/慰問袋】
1,艦隊全体の疲労がたまりづらくなる
2,同型艦全ての燃費と弾薬費が軽減される



――――――拓自鎮守府


雷 「遠いところよりわざわざお越しいただいて、誠にありがとうございます」

清原’「いえいえ。皇国の未来を同じく背負っている仲間同士で親睦を深めるいい機会をもらえたことですし、そういうのはなしで」

鳳翔’「あら。あなたが評判の“拓自鎮守府のとても優秀な秘書艦”かしら」

鳳翔’「はじめまして、鳳翔です」ニコッ

雷 「こちらこそはじめまして、鳳翔夫人。特Ⅲ型駆逐艦の雷です」

金剛’「おお! しっかりしてるデスネ!」

雷 「遠いところよりお越しでお疲れのはずですから、すぐにご案内いたしますね」

清原’「うん。頼む」

島風’「…………」ウズウズ

清原’「島風。見たこともない場所だから今すぐに駆け回りたくなるのはわかるけれど、お行儀が悪いですよ?」

島風’「だってだって! もしかしたら島風に追いつける子がいるかもしれないって思うと――――――」ウズウズ

大和’「提督。提督はお気になさらず。大和が見てますから」

清原’「助かるよ、大和」

島風’「うー」



コツコツコツコツ・・・・・・


清原’「変わった鎮守府ですね…………何です、あの施設は?」

鳳翔’「工廠や宿舎とも違ったもののように見えますけど」

雷 「あちらに見えるのが、“朗利パーク”という我が拓自鎮守府独自の娯楽施設なんです」

雷 「最近、提督は艦隊指揮は後任の愛月提督に任せて、あちらの“朗利パーク”で執務を行うようになりました」

清原’「そうだったんですか……(まさか本当に後任の提督に任せるようになったのか。寂しくなるな……)」

清原’「あ」

愛月「あ」

愛月「…………!」ビシッ

Z1「…………」ビシッ

Z3「…………」ビシッ

清原’「…………」ビシッ

艦娘たち’「…………」ビシッ

清原’「愛月提督、この通り 参らせていただきました」

愛月「はい」

清原’「いろいろ大変でしょうが、朗利提督を支えてやってください」

愛月「はい!」ビシッ

清原’「海外艦ですか。珍しいですね」

愛月「はい。私も実物を見るのは初めてでしたけれども、一目見てパートナーに選んじゃいました!」

清原’「そうですか。それは幸運なことですね」

清原’「それでは、朗利提督へのご挨拶があるので、これにて」

愛月「はい。ありがとうございました」

清原’「それじゃ、また案内をお願いします」

雷 「わかりました! こっちですよ!」

清原’「………………」


その後、清原提督は“朗利パーク”の園長になった朗利提督と会見し、迎賓用の宿舎を宛てがわれて2泊3日の慰問が行われるのであった。



愛月「提督!」

朗利「何かな、愛月提督。それに、もう俺は提督は無理そうだから司令官や園長とでも呼んでくれ」

朗利「そして、この鎮守府で艦隊指揮を行えるのは、愛月提督――――――きみだけなのだから」

愛月「それは、そうですけれど…………」

朗利「安心なさい。俺が良いと言うまでは鎮守府海域から出すつもりはないから」

愛月「は、はい……」


愛月「…………凄かったですね」


朗利「……何が?」

愛月「見ましたか、清原提督がお連れになった艦娘たちのあれ――――――!」ドキドキ

朗利「…………『あれ』? 『あれ』とは何だ?」

愛月「我が鎮守府の艦娘たちがみんな食い入る様に見てましたよ、そりゃあもう! 特に大和なんて!」ドキドキ

朗利「…………何の話だ? 『威容』とか『威厳』の話か? それは確かに大和型戦艦は世界最大級の戦艦だものな」

愛月「ち、違いますよ! ああもう どうして伝わらないかな! 提督は男だって言うのに…………」

朗利「報告は正確に行え。指示語は絶対に使うな。これは商売においても絶対だぞ」

愛月「ですから――――――そうだ!」


愛月「『これ』ですよ、『これ』」ボヨーン(胸を寄せて上げる)


朗利「は」

愛月「ですから……」

朗利「あれ? お前、女だっけ? だとするなら、クレイジーサイコレズの類か。それも変態淑女の属性も持った――――――」

愛月「え!?」ビクッ

愛月「ち、違います。こ、こここれは――――――」カア

朗利「まあいいや。クレイジーサイコレズだろうと変態淑女だろうと紳士協定に従ってくれるのならそれでいい」

愛月「え、何もお咎めしないのですか……? 私は――――――」

朗利「貴重なクレイジーサイコレズの変態淑女だからな。俺以上に艦娘たちの悩みを聞いてもらえるだろう」

愛月「あ……」

朗利「だが、この3日間は御客人が来ているんだ。粗相がないように頼む」

愛月「は、はい!」ビシッ


愛月「と、ところで、朗利園長にお聞きしたいのですが……」

朗利「うん?」

愛月「園長がおっぱい星人じゃないことはわかったのですが――――――、」

愛月「なら、どういった基準で精鋭部隊の面々を選んだのでしょうか?」

愛月「長門、ビスマルク、大鳳、五十鈴――――――あとは第六駆逐隊」

朗利「………………そんなこともわからないのか、愛月提督は」ハア

愛月「いっ!?」

朗利「それでは紳士淑女の道は遠いぞ」

朗利「俺が好きなのは“幼女の中の幼女”であって、別に幼女であれば誰でもいいというわけではない」

朗利「わかりやすく言うのであれば――――――、」


――――――もし仮に金剛型から選抜するならば、誰を選ぶと思う?


愛月「こ、金剛型ですか。確か、清原提督が4姉妹全員をお連れになってましたけれど……」

愛月「そうですねぇ……」

愛月「やっぱり、金剛ですか。みんな大好きですからね。私も早くお招きしたいです」

朗利「まるで違う。あれのどこが“幼女の中の幼女”なのだ。良く言えば、“可憐な乙女”だろうが。悪く言えば――――――何でもない」

愛月「え? それじゃ、榛名ですかねぇ?」

朗利「“大和撫子”であって“幼女の中の幼女”ではないな。それにあれは俺とは噛み合わないタイプだな」

愛月「ど、どうしてですか!?」


朗利「俺は守りたいんだよ。愛でたいんだよ。俺に構わず奔放であって欲しいんだよ」


朗利「というわけで、――――――答えは比叡、次点で霧島でした」

愛月「…………すみません。比叡と霧島については全然――――――」

朗利「そうか」

朗利「ま、きみも紳士淑女の道を歩み始めたのだから、いずれはその良さが理解できてくるはずだがな……」

朗利「いい機会だ。せっかく本物がいることだし、しばらく艦隊行動はやめて観察してみたらどうかね」

愛月「園長はどうなさるのですか、この3日間は?」

朗利「さあな? 清原提督と有意義な会談ができればそれでいいと思っているが……」


愛月「園長? 何があなたをそこまで老け込ませたのでしょうか? まだまだお若いのに凄くおじいちゃんっぽいですよ?」

朗利「……なに、簡単な事だよ」

朗利「真の紳士になるために必要なもの――――――いや、要らないものを捨てただけだよ」

愛月「え? 何それ怖いです……」

朗利「怖がることはない。いずれは自然とそうなっていくはずさ……」ニッコリー


――――――
ビスマルク「アドミラール……」

ニャーオ

ビスマルク「ああ オスカー…………」


Z3「…………ビスマルク、あれからずっとあんな感じね」

Z1「あれはしかたのないことだったんだよ…………通信機器の故障で誤って大破進撃をやっちゃったのは」メメタァ

Z1「ビスマルクを改二にしようと【改装設計図】を求めて【勲章】集めに行って、それで――――――」メメタァ

Z3「ビスマルクは何とか生きて帰ってこれたけど、提督はあれから魂が抜けてしまったような感じに…………」

Z3「それでビスマルクもそれを気に病んで、互いに顔を合わせづらい雰囲気になってそれっきりね」

Z1「今日からの慰問で何かが変わればいいんだけどな」

Z3「そうね。博愛主義で評判の清原提督のこの慰問に賭けることしかできない私たちが情けないわ…………
――――――」



――――――夕食の席にて:主賓3人へのごちそう(その他は下で拓自鎮守府の艦娘と交流会を受けている)


清原’「おもてなし、ありがとうございました」

鳳翔’「とても素晴らしいものでした」

朗利「いえいえ……」ニコー

朗利「それでは最後に、清原提督と鳳翔夫人のお二人にお見せしたいものがございます」

清原’「え」

鳳翔’「まあ」

金剛’「What's up ? 何ですか、急に!」ワクワク

朗利「では、記念品をここに――――――!」パンパン


愛月「え、えと……、慎重に慎重に…………」ゴロゴロ・・・

睦月「新しい提督。みんな、待ちくたびれちゃうよ、そんなゆっくりじゃ」

如月「ホント、かわいい新人さんなんだから。早く洞庭鎮守府のみなさんに見てもらわないと」

弥生「愛月司令官は……ええっと、もっと自信を持っていい……と思います」

卯月「さあさあ、みんなにみせてやるんだぴょん!」


金剛’「OH! とってもVery Cuteな子たちデース!」

清原’「そうだな」

鳳翔’「ふふっ」


朗利「さあ、このベールの下にあるのは何かな、みんな?」ニコニコー

清原’「何かな、みんな?」ニコッ

鳳翔’「何かしらねぇ?」ニコニコ

金剛’「さあ、お見せするのデース!」ワクワク

愛月「えと、それじゃ……、いっせいのせいっで――――――!」

睦月型「えい!」バサッ

清原’「おお! でかい!」

鳳翔’「まあ」

金剛’「Wow! これはとってもとっても素晴らしいPresentネー!」

               ヘクセンハウス
――――――全長1m規模の“お菓子の家”!


如月「こっちを見て見て!」

金剛’「What's ?」

卯月「ぷっぷくぷぅ~! 清原提督と鳳翔夫人の蝋人形だぴょん!」

金剛’「とってもよくできてるデース!」

清原’「じゃあ、これって――――――」

弥生「お、お二人のごけけ……ケッコン祝いです!」ドキドキ

睦月「この鎮守府のみんなで一生懸命作りました!」


――――――ケッコンおめでとうございます!


清原’「ははっ、みんな ありがとう」ニッコリ

鳳翔’「あなた、明日はちゃんとお返ししないといけませんね」フフッ

金剛’「ぶぅー! 私も私もぉ! 私を仲間外れにしちゃNOデース!」

Z3「そういうと思いました。提督の予想通りです」

金剛’「お?」

Z1「はい。本当はご夫妻だけにするつもりでしたけれど、これは特別ですよ。お受け取りください」スッ

金剛’「やったー! これで提督とお揃いデース! 見て見てー!」キャッキャッ

清原’「よかったな、金剛」フフッ

朗利「喜んでいただけてよかった」ニコニコー

清原’「…………朗利提督」

清原’「(戦時下においてこれだけのものを 補給路を独自開拓して作り出せる朗利提督の兵站能力は素晴らしいものがあるな)」

清原’「(確かに提督業よりもそういった後方支援に専念させた方がいいのかもしれない)」

清原’「(しかし、拓自鎮守府の艦娘たちは朗利提督の完全復帰を願っている。これは難しいものがあるな……)」

清原’「けどね。諦める必要なんてないさ!」


――――――また帰ってきてくれればいいんだから。




――――――それから時が経って、


司令部「さてさて、最初にあの4人をモニターに選んでから時が経ったものだ」

司令部「人も組織も世界も変わっていくものだな……」

司令部「ただ、それでも戦いは続くが…………」

ピッ

――――――
金本「…………」ビシッ
――――――

司令部「おはよう、今日は貴官から始めさせてもらおう」

――――――
金本「あはは…………」
――――――

司令部「どうしたね? 確か貴官は【千人針】を持っていったはずだが……」

――――――
金本「いや、なかなか使えるものでしたよ。本当に」

金本「ただ、『同型艦にしか効果がない』ということで苦戦させられましてね……」

金本「もちろん、ある程度は姉妹艦は育ててきましたけれども、大型艦は姉妹艦が少ないのでその恩恵を得づらくて得づらくて……」
――――――

司令部「ほう。確かに艦種に拘らない金本提督ならでは悩みでもあるな」

――――――
金本「そうなのよ。これってたぶん駆逐艦への優遇措置として実装しようとしてるものなんでしょうけど、」メメタア

金本「ちょっと俺にはイマイチだったかな……」

金本「同型艦ってことは、だいたい性能が似通っている――――――どころか、役割がまったく同じでしかないから!」

金本「これは完全にお遊びでしょう? 前回の【下賜品/軍刀】と同じように艦隊編成の意味がありませんよ」

金本「こんなのもらって喜ぶのは、姉妹艦が多い駆逐艦を死ぬほど愛している連中ぐらいでしょうね」

金本「ですから、俺には不要の装備でしたね」

金本「いくらゴリ押しのゴリ押しで攻略してきているとはいえ、艦隊編成の戦略や海域に展開している敵戦力の対策と戦術は順守しますから」

金本「ですので、『微妙』という評価です」

金本「ゴリ押しがゴリ押しできなくなったらそれはゴリ押しじゃありませんので」
――――――

司令部「ふむふむ。だいたいわかった」

司令部「そろそろ新装備の運用試験はやめて、新システムや新インタフェースの試験を行うことになると思うが、大丈夫だろうか」メメタア

――――――
金本「ああ そうなんですか」

金本「いいですよ。受けて立ちましょう」

金本「それでは、その時をお待ちしております」
――――――

ピッ

司令部「…………ふむ」

司令部「今回の件で、金本提督にも何やら変化があったようだな」

司令部「それは当然か。同型艦の運用など意識して行ってきたことはないのだからな」

司令部「ただ、同型艦で編成した艦隊で目標の撃破を狙うクエストでは役に立つ装備ではあるのだがな」メメタア

司令部「【クエスト】もあまりやらない金本提督ではその恩恵はあまり得られなかったか」



司令部「さて、次はどうしようかな」

司令部「…………拓自鎮守府にしようか」

司令部「誰が応答してくれるのか」

ピッ

――――――
朗利「…………」ビシッ
――――――

司令部「朗利提督!」

――――――
朗利「お久しぶりです」

朗利「これより、報告をさせていただきます」
――――――

司令部「あ、ああ……」

司令部「もう大丈夫なのかね? これからの運用試験は問題ないか?」

――――――
朗利「大丈夫です」

朗利「愛月提督を立てて、俺も初心に帰ったつもりで艦隊指揮のリハビリをさせてもらってます」

朗利「――――――なんか、いいですね。こうやって新米提督と一緒に攻略をしていくっていうのも」

朗利「新米だった頃の自分と比較しながらやってみると、本当に新鮮で新しい発見が生まれてきます」
――――――

司令部「そうか。それは良かった」

――――――
朗利「しかし、とんでもないものを渡してくれましたね!」
――――――

司令部「何があった? 確か【バッジ】だったな?」

――――――
朗利「あの【バッジ】! とんだ金食い虫でしたよ!」

朗利「同型艦にしか効果がないわけでしたけれど、幸い 駆逐艦を多く擁しているわけでしてね? 実験に協力してくれる子には困りませんでしたわ」

朗利「同型艦みんなに【バッジ】を1個ずつ付けてもらったら、耐久値と運を除く全ステータスがの10も上がるってどういうことですか!?」メメタア

朗利「艦隊全てを睦月型にして【バッジ】を装備させたら、他の同型艦が存在して全ステータスが+2! 5艦居るから+10ですよ!?」メメタア

朗利「何これ、ふざけてるの!? まじめに装備の【開発】に精を出している提督たちに謝れ!」

朗利「というか、俺は【お守り/航海安全】の時からインチキ効果を持った新装備をもらっているけどね!」
――――――

司令部「な、なんと……」

――――――
朗利「そして、【バッジ】を大量に贈ってもらったせいで更に悪用ができましてね!」

朗利「装備欄全てを【バッジ】にしたら、効果が重複してあの睦月型の能力が+30とか!」

朗利「これ、火力と装甲が重巡並みじゃないですか! 対潜は軽巡並みだし、もう攻撃力もおかしいし、回避も装甲もヤバイ!」メメタァ

朗利「更に、『戦場に存在する同型艦』というわけで支援艦隊にも残った睦月型を含めて随伴させたら、」メメタア

朗利「1つの戦場に睦月型が10艦存在するわけで全ステータスが+2×9×3=+54とか頭オカシイ!!」メメタア

朗利「長門並みの火力を持った全能力が最高クラスの化け物駆逐艦隊の誕生!」

朗利「いくら睦月型が弱いからっていくらなんでもこれはやり過ぎ! やり過ぎぃ!」
――――――

司令部「は、はは…………(いつもどおりの朗利提督に戻ってくれたようで何よりだ……)」

――――――
朗利「でも、悲劇はその後に起こりました……」ハア

朗利「耐久値と運 以外の全ステータスが増えた――――――燃料と弾薬の消費もそのまま増えたので燃料庫と弾薬庫が吹っ飛びました」

朗利「艦隊行動ができません…………長門型よりも燃費はいいようですが我が鎮守府は貧乏なので打ち止めです」
――――――

司令部「…………本当に朗利提督は良い物を掴まされてばかりだな」

――――――
朗利「ねえ、これがもし現在 睦月型以上に実装されている艦娘が多く、能力も高い駆逐艦の完成形の陽炎型でやったらどうなっちゃうんですかね?」
――――――

司令部「 こ れ は ひ ど い 」

――――――
朗利「でしょう? これは絶対に調整が必要ですよ」メメタア

朗利「【艦これ】最強の艦隊が全部 陽炎型にして支援艦隊も陽炎型で埋めた完全駆逐隊だなんて、嬉しいけれど歪ですよ!」メメタア
――――――


司令部「ま、まあ! これは朗利提督にとってのご褒美として存分に活用してくれたまえ!」

――――――
朗利「や、やめてぇ! いくら【バッジ】が大量にもらえたからって、【バッジ】ガン積みの艦隊をやったら資源的にもう立ち直れない!」メメタア

朗利「それに、いくら何でもそんなのはナンセンスですから!」

朗利「そういうわけで、俺は愛月提督と一緒に鎮守府の運営の再建をしながら初心に帰っておきます」
――――――

司令部「そうか。こちらとしてもホッとしているよ」

――――――
朗利「ご迷惑をお掛けしました」
――――――

司令部「これからも何でも言ってくれ。我々は特別な関係なのだからな」

――――――
朗利「はい。ありがとうございました」
――――――

ピッ

司令部「そうか。立ち直ってくれたか(まあ、今度は鎮守府の運営で忙しくなっているようだが、一難去ってまた一難だな)」

司令部「だが、いくらステータスだけ完璧になっても、所詮は駆逐艦だからな」メメタア

司令部「戦術的に雷巡や空母の先制攻撃は避けられまい。それにルート決定の条件にも引っかかるから攻略ではなかなか実現しないだろうよ」メメタア

司令部「ま、先の金本提督が言うようにお遊び要素という意味では強烈な装備ではあるな」

司令部「それに、【バッジ】の効果を発揮するにはたくさん必要となるから、その分だけ装備アイテム保有枠を圧迫するので管理も難しいだろう」メメタァ



司令部「さて、今回は順番は1回ずらしてやっているから今度は趣里鎮守府か」

ピッ

――――――
石田「…………」ビシッ
――――――

司令部「ふむ。それでは好きに報告してくれたまえ」

――――――
石田「では、【慰労品/万国旗】ですが――――――、」

石田「これは意外と恐ろしい効果でした。本当に大鯨が建造できるとは思いませんでしたし、海外艦のZ1も手に入れることができました」

石田「しかし、残念なことに私と左近提督の二人を合わせてほとんどの艦娘を確保してあるので、そのありがたみはほとんどありません」

石田「左近提督も私と同じ傾向の艦隊運用なので、主力となる艦娘や役割も同じようなものなので尚更――――――」
――――――

司令部「そうか。それはまあ致し方ないな」

司令部「だが、確かに凄まじい効果ではあるな。無条件で海外艦や同型艦無しの艦娘が造れてしまうのは…………」

――――――
石田「独特の艦娘を狙う上では有意義な装備かもしれませんが、実戦派の我々にはありがたみがないとしか…………」

石田「海外艦の数は少ない上に、唯一の戦艦であるビスマルクは【改装設計図】が無ければ改二になれない性能――――――」

石田「酷いとしかいいようがありません」

石田「逆に、同型艦無しの艦娘は優秀であったり、独特であったりするのは確定なので序・中盤に手に入れることができれば神装備ですがね……」メメタア
――――――

司令部「ふむふむ。確かにそれはいいものであろう」

司令部「大本営の発表によれば、公式アニメが西暦2015年1月に放映されることになったから、」メメタア

司令部「これから【艦隊これくしょん】のユーザーはまだまだ増えていくことだろうよ」メメタア

司令部「そうなれば、今 我々が行っているこの一連の運用試験の成果が必ずや現れ出でくるはずだろうから、無駄にはなるまい」

司令部「我々は知る人ぞ知る影の功労者として語り継がれるだろうよ」


――――――
石田「しかし、まだまだ未実装艦が数知れないというのに、その上で全ての艦娘に改二を実装するという当初の予定まであるのに、」メメタア

石田「こんなにノロノロと実装していて大丈夫なのか、心配でもあります」メメタア

石田「某オンラインゲームの老舗や某狩りゲーや無双ゲーのように圧倒的な人気に支えられたものならば長期的な運営も見通せますが、」メメタア

石田「【艦隊これくしょん】は比較的ライトユーザーにも易しい反面、やりこみ要素や自由度が少ないものですから、」メメタア

石田「本質的に“飽き”が来やすいものだと考えております」

石田「今 現在なら、公式アニメによるメディアミックス戦略で一般への認知が更に高まる時期でもありますから1年前後は大丈夫ですが、」メメタア

石田「左近提督のように“飽き”て前線を退いてしまう提督がおそらく2年後には続出するのではないかと危惧しております」メメタア

石田「それを回避するためには、今の【艦隊これくしょん】には足りてない長続きできるような要素の導入が必要だと思います」メメタア
――――――

司令部「難しい注文だな、それは」

司令部「だが、確かにそれはそうだ。いろいろと課題点が山積みになっていることは否めないだろうな。――――――人の世の常だがな」

司令部「海外艦についても増やしてやらねばならないが、いつまでも【大型艦建造】の枠組みで行うのは限界があるだろう」メメタア

司令部「艦娘が増えすぎると、艦隊編成のクエストが達成しづらくもなってくる。未だに第4艦隊を開放できない提督もいるのにな」メメタア

司令部「また、だいたい旧帝国海軍の艦艇は出揃ってはいるが、特殊な艦艇についても検討しなければならないな」メメタア

司令部「いや待てよ? 重巡や軽巡はそのとおりだが、神風型駆逐艦が1艦も出ていないぞ…………」メメタァ

――――――
石田「はい。少しずつ課題は修正していけば良いでしょうが、それだけではいずれ破綻してしまうでしょう」
――――――

司令部「ああ。大戦で投入された駆逐艦と潜水艦がまだまだ実装されていないというのにな……」メメタァ

――――――
石田「さて、ここから新部署からの報告となりますが――――――」
――――――





司令部「ずいぶん話し込んでしまったが、やはり石田提督の報告は聞いていて得るものがあるな。これからも楽しみだな」

司令部「さてさて、最後に清原提督だな」

ピッ

――――――
清原「…………」ビシッ
――――――

司令部「おはよう、清原提督。早速だが報告を頼む」

――――――
清原「はい。今回の試供品であった【慰問袋】は今までで最も使いやすいものだったと思います」

清原「しかし、純粋な火力には直結しない上に同型艦しか恩恵を受けられないので、攻略には向かない装備なのは明白です」
――――――

司令部「そうか。『可もなく不可もなく』か」

――――――
清原「そうですね。周回用なのは間違いありません」メメタア

清原「さて――――――、」

清原「それよりも、お訊ねしたいことがあります」
――――――

司令部「ほう、何かね?」

――――――
清原「もっともっと他の提督たちと交流を持てるようにはなりませんか?」

清原「要するに、ソーシャルゲームとしての要素をもっと増やして欲しいのです」メメタア

清原「私は拓自鎮守府の朗利提督の慰問に参上したのですが、」

清原「確かに朗利提督は艦隊指揮を執る(=ユーザー)よりも後方支援(=二次創作)のほうがもっと活躍できる人物だと思いました」メメタア

清原「本人もそれを自覚して、後任の提督(=アシスタント)をよこすように司令部に働きかけたことは想像がつきます」メメタア

清原「けれども、絶対服従の因子が組み込まれているとはいえ、拓自鎮守府の艦娘たちにとっての提督はやはり朗利提督しかいないのです」

清原「轟沈した艦娘は二度と帰ってはこれません――――――これはそれを使役する人間だって同じことです」

清原「艦娘は同一個体を複数存在させることも可能な兵器です。この点が人間とは完全に違います」

清原「しかしながら、艦娘にとって最初の提督が唯一の提督であるように、提督が選んだ艦娘もやはりその提督にとって唯一無二の存在だと思います」
――――――

司令部「…………そうだな」

――――――
清原「私は早まってしまいました……」

清原「影姿形声立居振舞が同じであろうと、辛く苦しい戦いを一緒に戦い抜いたあの金剛はもういません…………」

清原「鳳翔は何も言いませんが、私はとんでもない過ちを犯してしまいました……」

清原「悲しいですよね…………海の向こうの国では艦娘とは違ったガイノイドと呼ばれるものが発達しているらしいですけれど、」

清原「ガイノイドと比べれば、艦娘たちの擬人類としての完成度は遥かに上だと聞いております」
――――――

司令部「うむ。資料でしか見たことはないが、ガイノイドと呼ばれるものと比べれば艦娘は実に人間らしく、本当に素晴らしいものだ」


――――――
清原「人は失ってみて本当に大切なモノに気づくと言います」

清原「そして、もう取り返しがつかなくなってそこで止まってしまう人が数多いと聞きます」

清原「ですが、艦娘は兵器です」

清原「そして、その兵器を扱う我々のような人種は他にはない義務と責任というものがあります」

清原「それ故に、その義務と責任に向き合わずに無為に時間を過ごすようなことはあってはならないはずです」

清原「要は、本当に大切なモノを失った時に、提督として皇国の未来を担っている義務と責任があるという自覚を思い出していけるようにしたいのです」

清原「かつて提督に憧れ、提督になりたくてもなれなかったものたちが数多く居た――――――今も居続ける事実を踏まえても」

清原「私は、朗利提督の慰問に参上した時にそう思ったのです」
――――――

司令部「…………そうだな。提督の意見はもっともだ」

司令部「我々は勝たなくてはならないからな」

司令部「しかし、中には艦娘を完全に兵器――――――いや消耗品として使い捨てる者もおる」

司令部「そのことを考えると、ロストした艦娘の補償手当をそう簡単に与えるわけにもいかん」

――――――
清原「ええ。それは本当に忌むべき行為です」

清原「――――――難しいところです。人間として艦娘の喪失にはほどほどに向き合わなければ、大事を成すことはできないのですから」

清原「しかし、他にも拓自鎮守府の慰問で得たものがありまして、」

清原「鎮守府というところは提督一人の采配で雰囲気が大きく変わってしまい、提督の裁量に大きく委ねられているので、一国一城の主となります」

清原「そうなると、徐々に提督一人の色に染め上がってしまい、欠点が欠点として放置され、後に重大な過ちに繋がりかねません」

清原「ですから、他の提督の頑張りの報がダイレクトに届いて、励みや意識改革に繋がるようなシステムやインタフェースの導入を強く希望します」メメタア

清原「結局は、艦娘たちには提督が必要であり、提督が真っ当に働かないことにはどうしようもありません」

清原「それに、数多ある選択肢の中から【艦隊これくしょん】をプレイすることを選んだ偶然・プレイできる奇跡をムダにしないためにも」メメタア

清原「そして、【艦隊これくしょん】をこよなく愛する提督や皆様方のためにも必要なことなのです」メメタア
――――――

司令部「………………」



――――――
清原「すみません。差し出がましいことを口走ってしまいました」
――――――

司令部「いや、清原提督は実に有意義な提案をしてくれたと思っている」

司令部「確かに、【艦隊これくしょん】のような擬人化ゲームはこれを雛形として続々と生まれつつある」メメタア

司令部「もう【艦隊これくしょん】が唯一である時代が終わりを迎えるのが始まったと言ってもいい」メメタア

司令部「その中で、【艦隊これくしょん】が末永くユーザーに支持され、メディアミックス戦略でも成功を遂げ、」メメタア

司令部「既存の艦娘全ての改二が実装され、海外艦が充実し、いずれはギネスブックに乗るほどの大盛況振りにするためにも――――――」メメタア

司令部「それが重要な課題であるな」

司令部「運営開始が2013年4月――――――それからわずか1年半で100万以上のユーザーがプレイするとは誰が想像できただろう」メメタア

司令部「当初の想定では10万人規模を目指していたと言うのだから、いかに大盛況か――――――嬉しい悲鳴が伝わるであろう」メメタア

司令部「そして、ついには招待制度も廃止され、完全に抽選で選ばれた人間しか提督になれないのが現状となった」メメタア

――――――
清原「はい。どうかその貴重な縁を大切にするためにより良くありたいですね」
――――――

司令部「全ては【艦隊これくしょん】に関わる全てに愛をこめて――――――、と言ったところか」フフッ

――――――
清原「所構わず 劣情を催す人間ではありませんが、おそらく自分が申し上げたいことはそういうことだと思います」

清原「祖国の為に命を懸けるのと同じようなものです」

清原「そして、『お前によし、自分によし、皆によし』となるようなそんなふうでありたいものです」
――――――

司令部「ふむ。貴官の意見を聞いていると心が洗われるな」

司令部「最初の時はどうなることか思ったが、今では一番に安心できるのは貴官だな」

司令部「地味だとか普通だとか言われている貴官こそが組織の中核を担うべき要石だな」

司令部「どうかこれからも内外でも貴官の兼愛交利の精神を貫いて欲しい」

――――――
清原「では、報告の他に提案を致します。よろしいでしょうか」
――――――

司令部「うむ。よかろう。なるべく通るように力添えしよう」










――――――ご清聴ありがとうございました


司令部「さて、タイトル詐欺のように感じられる内容だったが、第3話までが導入編と言ったところで、」

司令部「第4話は導入編を踏まえた上での【艦隊これくしょん】が栄光を掴むために必要なことを真剣に考える話であり、」

司令部「タイトルの『愛の力』とはβテスターの提督たちが抱いている根源的な想いから発せられるものだと考えてくれればいい」

司令部「今回 出番があまりなかった金本提督のそれは、もちろん【ケッコンカッコカリ】による迸るキャラ愛のことだろう」

司令部「前回の一件でトラウマを負ってしまった朗利提督は、他の提督の励ましや初心に帰ることで提督に復帰している」

司令部「それもまた、【艦隊これくしょん】への情熱が再び呼び起こされる『愛の力』がなせる業であろう」

司令部「石田提督が実力主義や合理主義に走ったのも、やはり愛ゆえだろう。『愛の力』があってこそ石田提督の今に繋がっているのだ」

司令部「清原提督のそれは、【艦隊これくしょん】に登場する艦娘たちだけじゃなく、現実世界に生きる提督たちや運営にも向けられたものであり、」

司令部「だからこそ、『愛』という言葉一つに様々な意味が含まれていることが伝わってくるだろう」


司令部「そして、すでに提督である諸君らに今一度【艦隊これくしょん】をプレイしている喜びや感動を思い出してもらいたい」


司令部「――――――今回はそういった話である(『人生を捧げろ』とは言わないが、ファンとしては単純に末永い発展を願うものである)」

司令部「あまりにも今回の試作品の【慰労品】が話題にもならなかったが、詳細は後述するので興味があれば見ていてもらいたい」

司令部「……くれぐれも、最初に【艦これ】にふれるきっかけが何だったのか、何を求めて鎮守府にやってきたのかを忘れないで欲しい」

司令部「筆者としては、轟沈覚悟でイベント攻略に執着するまでに精神的に追い込まれてしまっている提督たちが心配なのだ」

司令部「少なくとも手強いシミュレーションを求めて【艦これ】をプレイしていたはずじゃないと思うのだ」

司令部「確かに【艦これ】は完全にリアルラックがモノを言う世界だし、連戦に次ぐ連戦で敵が理不尽なほど強い」

司令部「だからといって、ハゲるような思いをしてまで根詰めてプレイをして苦行をする必要はないと思いたい」


司令部「個人的な感傷でしかないが、戦艦の主砲も次弾装填のために冷却時間が必要なように 慢心せず気を緩めない程度に熱くなり過ぎないようにな」


司令部「今回のプレゼンは以上となるが、次からはプレゼンターが考えるもっと踏み込んだ提案がなされていくことになるだろう」

司令部「繰り返すが、これはあくまでもプレゼンターの妄想や願望を物語風に架空戦記として描いたものであり、」

司令部「現実の【艦隊これくしょん】には何ら影響するものではないことを明言しておく」

司令部「あくまでも、想像して楽しめる者にのみ許された娯楽なので、筆者の文才の無さからも支持者はそう多くないように思える」

司令部「だが、それでもよろしければ、次もまたご覧になって欲しい。ご意見・感想・提案をお待ちしております」

司令部「ちなみに、金剛4姉妹の好みを訊かれて出した答えが提督たちの運用思想を端的に現したものとなる」

司令部「――――――清原提督だけそれに答えていないだって?」

司令部「答えなら最初から出ているではないか。それもずっとはっきりと明らかに特別扱いされている艦娘が――――――」


――――――――――――第4話 愛の力 完       Next:第5話 艦娘、派遣します に続く!



【慰労品】リスト
安価で作れるのがモットーで『同型艦』をテーマにした装備品。初心者救済用の意味合いがある。
【開発】の条件としては、同型艦を所持している状態で疲労状態の艦娘を秘書艦にして【開発】を行う。
割りと高確率でしかも資材に関係なく無条件で入手できるので大量生産が可能なのを売りとする。

【慰労品/慰問袋】
1,艦隊全体の疲労がたまりづらくなる
2,同型艦全ての燃費と弾薬費が軽減される


【慰労品/千人針】
【旗艦】【ケッコンカッコカリ】【ユウジョウカッコカリ】のいずれかである艦隊が装備している時、
1,同型艦全ての轟沈を無効化する(効果が発動した場合、【千人針】は消滅する)
2,同型艦全ての回避・装甲・運を上昇させる


【慰労品/バッジ】
1,他に【バッジ】を装備した同型艦が戦場に存在する場合、全ステータスが上昇する
2,装備させた状態で秘書艦にして【建造】または【大型艦建造】すると、同型艦が建造されやすくなる


【慰労品/万国旗】
海外艦あるいは同型艦無しの艦娘を秘書艦にして装備させた場合、
1.【遠征】の成功確率が上昇する
2.【建造】または【大型艦建造】すると、海外艦あるいは同型艦無しの艦娘が建造されやすくなる



提案内容の背景
『同型艦』をテーマにした装備品であり、内容としても過去の【お守り】に類似したものがあるがそれとは入手条件が異なる。
艦娘の人間っぽさを演出する小道具を持たせておきたかったところがある。


提案内容の考察
同型艦とは、【慰労品】を装備したその艦娘のことも含んでいるので、『最低限1艦以上は同型艦が存在する』とも表現される。

【慰労品/慰問袋】
2の効果は【ケッコンカッコカリ】のボーナスの1つに相当する効果であり、内部データとしてもそれを適応したものになるので、
【ケッコンカッコカリ】や【ユウジョウカッコカリ】した艦娘には効果が無い。
しかし、1の効果と合わせて極めて強力な効果であり、レベリングする分には非常に有用。


【慰労品/千人針】
超ダメコン。【下賜品】みたいな条件が付いているが、同型艦を組ませての艦隊運用が非常に安心になる。しかも簡単に作れる。
ただし、能力上昇は気休め程度であり、後述の【バッジ】のように数を揃えればそこそこの効果を発揮する。
重要なのは、ダメコンに相当する【これ】を課金無しで簡単に入手できることであり、少々の使用制限も釣り合わせるための処置だと考えても十分お釣りがくる。
とにもかくにも、キス島沖などの移動条件で艦隊編成が厳しい海域で力を発揮するものであり、まさしく初心者救済用である。


【慰労品/バッジ】
2の効果は【建造】においては非常に有用であるが、【同型艦】にはそれを装備した自分自身も含まれているので注意。
しかし、なんといっても1の効果が凄まじく、耐久値と運 以外の全ステータスを【バッジ】を装備した同型艦が2艦以上存在すると、
最低でもその2艦の+4が確定され、しかも複数持たせた場合も重複するので、
1つの艦隊全てを同型艦で統一すれば+10となり、装備欄が3つあれば+30、支援艦隊にも適応されるので最高で+66もされる。
これは睦月型駆逐艦だったとしても艦隊全体が長門型戦艦に匹敵する性能に大化けしており、見敵必殺の恐るべき駆逐艦隊となる。
能力限界まで成長しきってない場合でも問題なく+66されるので、練度が低い場合ほど強みになる。もちろん育ってからも使える。
しかし、その場合は艦隊全体の弾薬と燃費が跳ね上がるので、ロマンを追求したい人間にのみ許される選択肢となる。
最大の欠点は、数を揃えていないと効果を発揮しづらい上に、その分だけ装備アイテム保有枠を圧迫することである。+66を実現するのに36枠も使う。


【慰労品/万国旗】
完全に支援用の【慰労品】であるが、【建造】に関する効果は【バッジ】の正反対とも言えるものとなっており、非常に使える。
特に、【大型艦建造】で特殊な条件がいる海外艦や特殊艦、同型艦無しの強力な艦娘だけに対象が絞られるのはいい。
1の【遠征】の成功確率が上昇するというのは、もちろん絶対条件を外していればどうしようもない。




第5話 艦娘、派遣します

――――――趣里鎮守府


左近「やあやあ、お嬢さん方。今日も元気だね」

雪風「あ、左近のおじちゃんだ! おはようございまーす!」

初風「おつかれさまです、左近のおじさん」

時津風「おじさん! 提督と一緒に真夜中に何やってるの! 私も混ぜてよ!」

天津風「最近、提督が姿を見せなくなりましたけど、大丈夫なのですか? ちゃんと休んでるのかしら?」

左近「大丈夫ですよ、提督は(………………『おじさん』)」

左近「最近になって鎮守府全体の大規模な改修が行われるようになって、提督もその設計に一枚噛んでるんでね」

左近「完成したらきっと前よりも居心地のいい鎮守府になっているはずだから、ちゃんとお礼を言っとくんだぜ?」

艦娘たち「ハーイ!」

左近「…………フゥ」

左近「(やれやれ、殿は大嘘つきでございますな。陽炎型の超レア艦を持っている時点で恵まれているというのに…………)」メメタア

左近「(まあ、殿が目指す最強の艦隊編成に駆逐艦が入っていないから殿にとってはハズレとも言えますがね。――――――恐るべし、物欲センサー!)」メメタア

左近「(しかし、2013年の年末に俺が【艦これ】をやめてからずいぶんと変わったものですな、実際)」メメタア

左近「(新しい艦娘が増えているのは当然として、あの飛龍や川内などの今まで地味だった艦娘が改二が実装されて一線級になっているのですからな)」メメタア

左近「(そういう意味では、俺も確かに殿と同じ驚きと喜びを共有しているかもしれませんな)」

漣「ご主人様!」

左近「おお、漣(けど、俺が一番に驚いたのは何気なく選んだ最初の艦娘である漣が超レアドロップ艦だったという事実――――――!)」メメタア

漣「今日もこの趣里鎮守府の提督をするんでしょう?」

左近「そぉうなんですよ。俺と殿がこの大規模アップデートのαテスターになって調整するわけですから」メメタア

左近「そんなわけで、よろしく頼みますよぅ?」

漣「はい! ご主人様!」ニッコリ

左近「さてさて、――――――作ってみせましょう! 殿が描く天下餅!」


――――――これは遡る話である。



――――――斎庭鎮守府


あきつ丸「て、提督殿……、その、困ります……」

金本「どうして? 陸軍船舶司令部――――――そこが総括している暁部隊と共同開発したい代物があるんだけど?」

金本「これは旧態依然として海上封鎖されて海軍しか出番がなくて、内地で燻っている陸軍にとっても有益な提案なんだけどな」

あきつ丸「そ、それは明らかに管轄を超えた越権行為というものであります……」

あきつ丸「提督殿…! そういうことは、よその子でお願いしたい…!」アセタラー

金本「やだね。俺としては絶対に実現してもらいたいからね」

金本「それに、【艦これ】において揚陸艦――――――引いては船娘の価値を上げてもらいたいだろう?」メメタア

金本「そんなわけで、海の向こうの国で造られたガイノイドを参考に設計された海上陸戦機動歩兵――――――、」

金本「――――――暗号名『○四』を造ってちょうだい」

金本「来てるんだろう?」


――――――船舶司令部からの使いが。


金本「さあ、出ておいで」

あきつ丸「!」


「私ハ船舶司令部ヨリ派遣サレマシタ『銀』デス」

「同ジク『輪』デス」


金本「おわっ! ガイノイドってやつかい! なんてメカメカしい! 艦娘とは大違いだな」

あきつ丸「こ、こんなのが船舶司令部に存在していただなんて…………」


金本「それで、どうするつもりだい? 俺を殺すか、それとも協力するか――――――」

お銀「アナタガ海軍軍令部ノ特別任務ヲ受ケテイルヨウニ陸軍デモ状況ヲ打開スルタメノ秘密部隊ガ組織サレテイルノデス」

お輪「我々ハアナタヲ歓迎シマス」

金本「そうか。そりゃあ良かった」

お銀「シカシ、如何セン我々ニハ海ニ隣接シタ拠点ガアリマセン。ソコガ一番ノ問題デシテ――――――」
          ・・・・・
金本「安心しな。俺はそのためにこの鎮守府の隣に豪邸を建てたんだからな。準備ぐらいしてある」

お輪「アリガタイコトデス。ドウヤラ同志トシテ期待デキソウデス。今後トモヨロシク」スー

あきつ丸「………………」アセタラー

金本「――――――というわけだ」

金本「俺を裏切れば、陸軍と海軍の両方を裏切ったことになるからな?」

金本「けど、これで艦艇を擬人化した艦娘が主役の【艦これ】の世界で肩身狭い思いをしてる船舶が擬人化された船娘にも陽の光が当たるってもんだ」メメタア

金本「どうだ? 俺と一緒に船娘のお前が【艦これ】の世界で名を上げてみないか?」メメタア

金本「去る者追わず、来る者拒まず」

金本「――――――俺は嫌がる女には手は出さねえよ」

あきつ丸「………………」

あきつ丸「わかりました、提督殿」

あきつ丸「これは大変 名誉なことなのであります。かくなる上は最後まで提督殿についていくことを決心したであります」

金本「愛してるぜ。褒美に俺の邸宅に招待してやる」

あきつ丸「ははっ、有難き幸せであります!」


――――――こうして、時が流れた。



――――――司令部


司令部「さて、ついに我々が先駆けて新システムと新インタフェースを導入した大規模アップデートの運用試験を行うことになった」メメタア

司令部「すでに、趣里鎮守府の石田提督と左近提督が試験運用してから改良を加えたものなので大きな問題はないだろうが、」

司令部「それでも不備や不便な点が見つかるかもしれないので、諸君らに試験運用をお願いしたい」

司令部「まだまだ改良点が見つかるかもしれないので、すでに試験を終えた趣里鎮守府以外の鎮守府には増築(=新システム)から始めさせてもらう」メメタア

司令部「質問はないな? 増築が終われば順次 改築(=新インタフェース)を始めさせてもらおう」メメタア

司令部「さて、ここからは諸君らに先駆けて試験運用してもらった石田提督と左近提督に今回の改築について説明してもらおう」

石田「はい」

左近「よし、出番ですな」

石田「順を追って詳細に説明していきますので、注目してもらいたい」

清原「わかりました」

金本「さてさて、何がどうなるやら」

朗利「神アップデートを期待!」メメタア

愛月「もっと海外艦が活躍して欲しいなぁ……」



新インタフェース1:【要請】
【母港】で行える6項目【出撃】【工廠】【編成】【改装】【入渠】【補給】に加わり、
構図としては【出撃】を中心にした【編成】【改装】【工廠】【要請】【入渠】【補給】の六角形を形成する。
【要請】でできることは現在のところ、今回紹介する【艦娘派遣】【友軍艦隊駐留】となる。
そして、10艦だけの特別枠もここで管理することができ、【要請】で駆けつけた戦力の参照や返還なども行える もう1つの【編成】といったところである。

            【編成】
        【補給】    【改装】

            【出撃】

        【入渠】    【工廠】
            【要請】

       図 新しい【母港】インタフェース

なるべく、既存のインタフェースの使用感を崩すことなく、左側が修理・補給、右側が生産・改造にして違和感なく使えるように心掛けた。
元のインタフェースが【編成】を頂点にした五角形だったので、自然と新要素である【要請】が下に収まったわけである。



新システム1:【艦娘派遣】【友軍艦隊駐留】
【演習】で戦える他5人の提督の第一艦隊あるいは新たに増設されたページの公式配信の艦隊の【旗艦】を資材を支払って【派遣】してもらう制度。
【友軍艦隊駐留】は【旗艦】だけではなく、艦隊まるごと【駐留】させることになり、普通に【出撃】【演習】【遠征】に出せる。
しかし、【派遣】と【駐留】では仕様が大きく異なり、運用する上では注意がいる。

基本システム
1,【派遣】【駐留】は独自の所有枠を共有しており、最初は10艦までしか【派遣】【駐留】できない
2,【友軍艦隊】は1艦隊しか【駐留】させることができず、第5艦隊に相当する艦隊枠で管理される
3,【派遣】【駐留】させるためには、派遣元の鎮守府に謝礼として資材を支払う必要がある
4,【派遣】【駐留】した艦娘・艦隊を期限内に返還した場合は、支払った分の謝礼は帰ってこない(日割りではないということ)
5,【派遣】【駐留】の期限はデイリー・ウィークリー・マンスリーの3つがあり、その分だけ謝礼がかさむ
6,【演習】で選ばれている鎮守府から選ぶことになるので、同一の鎮守府と【演習】と【派遣】【駐留】を受けることはできない
7,【派遣】【駐留】した艦娘・艦隊は元の鎮守府から実際に離脱することなく、謝礼だけを受け取ることができる
8,【派遣】【駐留】した艦娘の装備や【駐留】した艦隊の編成を変えることができない
9,【派遣】【駐留】した艦娘・艦隊には経験値は一切はいらない。また【改造】【近代化改修】ができない
10,【派遣】【駐留】した艦娘・艦隊が大破した場合、強制的に撤退となる
11,【派遣】【駐留】した艦娘・艦隊の修理と補給にかかる資材が通常の1割増しになる
12,【派遣】【駐留】した艦娘・艦隊を期限前に返還したい場合は、【要請】で管理されている艦娘と艦隊それぞれを【返還】させることで行われる

つまり、艦娘と艦隊のレンタル制度であり、これによって派遣元は小遣い稼ぎができるようになり、派遣先は強力な助っ人をダイレクトに得ることができる。



――――――1と2について、
例えば先に6隻の【友軍艦隊】を招き入れた場合だと、新たな【友軍艦隊】が【駐留】できなくなり、【派遣】できる艦娘も4人に制限されることになる。
逆に、10人の艦娘を【派遣】してもらったら、【友軍艦隊】の艦隊枠が空いていても原則として【駐留】できなくなる上に、
たった1隻だけの【友軍艦隊】を【駐留】させた場合は、たった1隻でも期限が過ぎるか返還しないと新たに【駐留】させることができない。

――――――3から7まで、
【派遣】【駐留】させるのに必要な資材:謝礼は基本的に戦闘力の高い艦艇と数に相応となる。練度や司令部レベル、艦娘のレアリティには応じない。

必要資材の例:戦艦 >>> 重巡 >> 軽巡 > 駆逐艦…………基本的に艦種ごとの修理にかかる時間や戦闘で消費する資材に比例すると考えて良い

よって、戦艦や正規空母で構成されたガチ構成を【友軍艦隊駐留】させたい場合は相応の額となる。
デイリーの謝礼は【派遣】される艦娘あるいは【駐留】する艦隊に必要な謝礼1日分(=基本料金)となっており、
ウィークリーなら5日分、マンスリーなら25日分となっており、少しばかりお得となっているが、
期日については、【艦これ】で採用されている更新日時で一括で扱うので、デイリーで【派遣】してもらうのなら更新ギリギリの深夜にやると損をする。
つまり、デイリーならば午前5時、ウィークリーなら月曜日の午前5時、マンスリーなら毎月1日の0時で更新となるのでその間際だと必ず損をする。
マンスリーとは『1ヶ月分の貸し切り』という意味ではなく、『今月の間だけ貸し切り』という意味と思え。
内部データ処理に同期した楽なデータ処理にしようとした結果である。

また、【演習】で選ばれる艦隊の中からしか【派遣】【駐留】できないのでランダム要素が強い――――――それっていつもの【艦これ】じゃん!
【演習】の仕様上でリアルタイムで艦隊が変化する面は改良されており、旗艦の情報は必ず表示され、最初から艦隊編成もある程度は表示されるようになった。
そして、【演習】をした後のページ3の履歴のページに艦隊編成が完全公開されるのでそこから【派遣】か【駐留】かを正確に選べるようになる。
更に、【派遣】【駐留】の確認画面で支払う謝礼が算出された時点で内部データではコピーをすでにいただいているので変化を恐れる必要はなくなった。
もちろん、謝礼が支払えなければ意味はないが…………即時一括払いです。クレジットは使えません。
最後に、【派遣】【駐留】された艦娘や艦隊は元の鎮守府から離脱していないのでまったくリスクがない。
謝礼は不特定多数からくるのでいちいち取り合っていたら面倒なので、午前5時の更新に合わせて通知と謝礼がまとめて届く仕組みとなっている。
もちろん、その時にもらえなくてもログイン時にちゃんとまとめてもらえるので、安心して利用していただきたい。

――――――8から11まで、
【派遣】【駐留】で得られた艦娘たちは内部データとしては固定データのコピーでしかないためである。

便利な【派遣】【駐留】に関するリスクであり、他にも【派遣】と【駐留】で異なる制約が課されているので後述を参照。データが固定されているわけである。
艦種によってのみ謝礼が異なるだけで良心的に思えるが、実際に運用してみると艦娘の修理・補給は自分でするので戦力に見合うだけの痛い目は十分に見る。
つまり、序盤でLv99の大和型戦艦を【派遣】してもらって調子に乗っていると、すぐに鎮守府の機能が停止する事態になりかねないわけである。
また、『してもらっている』側としてある程度のおもてなしのために修理・補給の費用が1割増しとなっている。
謝礼として相応の資材を支払い、せっかく【駐留】してもらった艦隊を維持できるだけの計画を立ててないと全てが無駄となるのでご利用は計画的に。

それ故に、提督になりたての序盤は謝礼をせっせと貯めこんで練度がそこそこの艦娘をできればウィークリーで【派遣】してもらって攻略を進めるのがいいはず。
特に、初心者に優しい低燃費の軽巡や軽空母辺りが【派遣】としてはとても喜ばれるはずである。
中盤以降は【友軍艦隊駐留】の見通しが立つようになれば、攻略が難しい海域を【友軍艦隊】にやってもらい、
その先にある稼ぎマップで自軍艦隊の強化を行うのも戦略としては間違いではなく、
【友軍艦隊】は大破撤退が基本なので修理費がかさむが轟沈が絶対にないわけなので安心して攻略に出すことができるという利点がある。





石田「――――――というわけだ」

左近「次は、【派遣】と【駐留】の具体的な違いについて説明して、」

左近「このシステムの根幹となる【演習】関連のインタフェース修正や関連するその他について説明しましょう」メメタア

朗利「あれ? なんか石田提督、口調が変わったような――――――いや、最初の時とは全然 人が違う?」

金本「ははーん。石田提督もそういうお年頃なんでしょう(そういう朗利提督もずいぶん変わったな。それに童貞くんもね。変わってないのは――――――)」

清原「なるほど! これはなかなかいいですね」

清原「【演習】で戦うだけの他の提督たちとこうやって協力し合えるだなんて画期的ですよ!」

石田「そうだな、これまで自分の他の提督など経験値を用意してくれるだけのカモでしかなかったからな」メメタア

左近「ま、そういう石田さんがわざわざ俺に直接 コンタクトをとってくれなかったら【艦これ】に復帰することはなかったんですがね」メメタア

朗利「俺も、清原提督の慰問がなければ、愛月提督に全てを丸投げしていた…………」

愛月「おお…………!」

清原「リアルでの交流も無駄ではなかったということか」メメタア

司令部「素晴らしい。実にいい傾向だ」

金本「で? 次の説明をお願いする」

石田「話を続けよう」

石田「【艦娘派遣】と【友軍艦隊駐留】は基本システムは同じだが既存のインタフェースの流用をしているので仕様がかなり違う」

石田「そこを理解して聞いてもらいたい」

石田「なお、基本システムは説明したので独自のシステムの説明だけを行うので見返しながら聞いてくれ」メメタア


※前回の石田提督と左近提督、清原提督と朗利提督の交流はリアルでの交流を物語風にしたもの
※公式でも【友軍艦隊】が「-第2期実装予定-」とありますが、それとは全く無関係のプレゼンターの妄想であることを明言しておきます


新システム1-1:【艦娘派遣】 以下【派遣】∈【要請】
独自のルール
1,【派遣】された艦娘は【旗艦】にすることができない(つまり、【秘書艦】にすることもできないが、それ以外は自由に編成できる)
2,【派遣】された艦娘を返還したい場合は【工廠】の【解体】でもできるが、その場合は【解体】によって本来得られる資材は獲得されない


新システム1-2:【友軍艦隊駐留】 以下【駐留】∈【要請】
独自のルール
1,【友軍艦隊】は前述の仕様で各種変更ができないが、獲得した経験値は随伴させた【支援艦隊】に全て流れる(MVPや旗艦などの補正はなし)
2,【駐留】した【友軍艦隊】を返還したい場合は【編成】で第5艦隊として扱われている【友軍艦隊】を解散させることでも行われる


【演習】のインタフェース修正
1,ページの追加
ページ1:従来の他の提督5人
ページ2:公式配信の艦隊5つ(初心者用の練習相手だったり、ネタだったり、史実ネタだったり、ガチ編成だったり、先行配信の未実装艦だったり)
ページ3:【演習】【派遣】【駐留】履歴5つ(これで同じ相手と何度も繰り返せる)
ページ4:Extra Operation用

2,【演習】の場合で選択時に確認メッセージが挟まれる
・その時点で選択した艦隊のデータのコピーが生成されている
ページ1:これまではリアルタイムで変動する艦隊編成をここで確定させることができ、安心して陣形選択に入れるように変わった
ページ2:艦隊編成の艦娘は変わらないが、【旗艦】だけは不規則に入れ替わるルーレット状態
ページ3:確認メッセージで「はい」を選択した時に確定した艦隊編成がそのままなのでページ1と2で見られるようなランダム要素はない
ページ4:未詳

・確認メッセージには相手の艦隊編成画面の縮小版が表示。【旗艦】の情報は必ず表示されている。
ページ1:【旗艦】の情報だけは確定しており、僚艦についてはどれだけ表示されるかはランダムであるが、いずれにせよ【演習】の難易度を下げている
ページ2:全ての情報が公開されている(ただし、情報には現れない装備面で公式チートのガチ構成や未配信の新装備を所持している場合がある)
ページ3:全ての情報が公開されている(何を装備しているかだけは【演習】で推測するか、実際に【派遣】【駐留】して確認するしかない)
ページ4:場合によりけり


その他の補足
1,鎮守府で管理できる艦娘の保有数上限が現在の20増加
(その内訳が、鎮守府の使用枠:10 外来用特別枠:10 → よって、実質的に自軍では10人艦娘が増え、それとは別に【派遣】【駐留】できる)

2,【派遣】【駐留】された艦娘でも図鑑は埋まる
(ただし、【ケッコンカッコカリ】済みであってもイベントは登録されない。【それ】は自分でやれ)




左近「ま、ざっとこんなもんです」

清原「基本システムの内容が全てだから、思ったよりも説明が少なかったな」

清原「けど、【演習】のページが増えたってことは単純に考えて、一日にできる【演習】の回数が増えるって意味だから、」メメタァ

清原「やったね、大和! レベリングが捗るよ、演習番長!」メメタア

朗利「うんうん、この【派遣】の仕様は結構嬉しいな」

朗利「だって、編成任務で『○○艦隊を編成せよ』みたいな特定の艦娘が必要になった時、」メメタア

朗利「もし【演習】相手にちょうどよく必要な艦娘がいたら引き抜いて、そのまま任務達成に使えるもんな!」メメタア

石田「そうなのだよ。【旗艦】しか【派遣】されない制限があるが、これで第4艦隊を開放するのが非常に楽になるのだよ」メメタア

左近「【演習】のページ2に追加される公式配信の艦隊は、同じ艦隊編成でも【旗艦】が替わるようにローテーションしているので、」メメタア

左近「毎日【演習】のページとにらめっこしていれば、いつかは必ず公式の方から御所望の艦娘が【派遣】されるようになるでしょうね」メメタア

金本「へえ。それなら場合によっては『史実ネタ』もあるんだから、編成任務の艦隊まるごと配信される可能性もありなのか」メメタア

左近「そうなりますな。そうなったら、その艦隊をまるごと【駐留】してもらえれば編成任務はオーケーですよぅ?」

左近「ただし、【派遣】された艦娘は絶対に【旗艦】になれない――――――そこが【駐留】との最大の違いで、その辺は注意が要りますな」メメタア

清原「そっか。マンスリーやウィークリー契約で必要な艦娘を集めていったとしても、【派遣】の場合は最後は自分で穴埋めしないとか」メメタア

朗利「それはつまり、【派遣】艦6隻による艦隊編成は無理ってことか。ま、それが妥当だよな」

金本「完全にコピーの固定データってわけだから、装備を剥がしたり、好き勝手できたりはないんだな……(半PCのゲストってわけか)」メメタア

金本「よかったな、清原提督? 愛しの鳳翔夫人が【派遣】されたとしても派遣先での貞操は必ず守られるぞ?」ニヤリ

清原「…………冗談でもそういうことは言わないでください」ジロッ

金本「薄い本が厚くなる仕様だと思ったんだがな……(――――――『信じて送り出した秘書艦が(ry』なんてね)」

石田「その辺のことは左近提督や憲兵隊と一緒になって考えてあるから心配するな」

左近「派遣先でのトラブルやパワハラは恐ろしいからね。その辺は抜かりなく」

金本「ちぇっ」


――――――拓自鎮守府


愛月「では、早速 試させてもらいましょう!」

朗利「待て待て、新米。今回は試験運用だから、俺たちの登録はページ2の公式配信になっているぞ」メメタア

朗利「だからしばらくは第1艦隊の艦隊編成を変えられないし、」

朗利「こっちも【派遣】【駐留】してもらうことになってるんだから、他の鎮守府のみんなに恥ずかしくない編成をしないと」

愛月「あ」

朗利「確か、試験開始は明日の午前5時からだから、それまでにご自慢の艦隊編成をしてみてくれ」

愛月「え? いいのですか?」

朗利「何が?」

愛月「わ、私なんかにそんな大事なことまで一任して…………」

朗利「大丈夫だ。仲間内でやってることなんだし、俺のところが少数精鋭とロリロリ軍団しかいないのはわかりきっていることだ」

朗利「誰を送り出したって問題ないさ。あっちに行くのはデータであって、本物はこっちに残り続けるんだからさ」メメタア

朗利「それじゃ、今回ばかりは特別に精鋭たちから演習部隊を選抜してもいいぞ」

愛月「わーい!」

朗利「(ふふふふ! 今回、司令部からの必要経費で前回の【バッジ】で覚醒した超駆逐艦隊の元気玉で失った資源はバッチリ補填された!)」

朗利「(『人生、楽あれば苦あり』だよ、まったく! 『捨てる神あれば拾う神あり』ぃ!)」

愛月「それじゃ、彼女と彼女と彼女でぇ! そして、これで!」ワクワク

朗利「ほう? これは――――――」


戦艦:ビスマルク|装甲空母:大鳳

駆逐艦:Z1  |戦艦:長門

駆逐艦:Z3  |軽巡:五十鈴


朗利「…………ドイツの駆逐艦は完全にお前の趣味だろ」

愛月「ええ?! 園長だって、レーベちゃんとマックスちゃんを雷ちゃんと電ちゃんに換えた艦隊編成にする気じゃないですか!」

朗利「なぜわかったし!」

朗利「それで、――――――ビスマルクが【旗艦】でいいんだな? 今回はページ2でやるけど【旗艦】のローテーションはオフになってるからな」メメタア

愛月「うん! 海外艦にはもっと頑張ってもらいたいから!」

愛月「早く次の海外艦 来ないかな~? シャルンホルストとかプリンツ・オイゲンとかUボートなんていいよね~」

朗利「そうか……(――――――ビスマルク。俺はまだお前に言えそうにない。もう少し待っていてくれ)」



――――――趣里鎮守府


時津風「しれー、午前零時ですよー! あのー……しれー? 何してんのー?」

石田「……何ですか?」

左近「おっと。遅番じゃなかったはずだぜ、お嬢ちゃん?」

左近「これから俺たちは大事な用があるんでね、邪魔にならないように早く帰っておやすみしてくれないですかね?」

時津風「うー! そうやってまた――――――」


時津風「まるひとまるまる。しれー、真夜中に何してんのー? あたしにも見せてよ!」

石田「……またですか」

左近「おっと、いけませんよぅ? こんな遅くまでいつまでも起きてちゃ」

時津風「だって、退屈なんだもん!」

左近「そりゃまあ、今 鎮守府は増築(=新システム)は終わっても改築(=新インタフェース)の点検がまだでね」メメタア

左近「そんなに暇なら、夜間の警備のお仕事を手配してあげますよぅ?」

時津風「あ、ちょっと用事を思い出した――――――」


時津風「まるふたまるまる。しれー、あたしに隠し事とかよくない。よくないなぁ~!」

石田「帰ってください! 普通に邪魔です!」ジロッ

左近「俺を本気で怒らすとは――――――、これはお尻ペンペンだけではすませられないぜ?」ジロッ

時津風「だってだってぇ! いっつも提督は左近のおじさんと二人っきりで楽しそうにやってるんだもん!」

石田「これは遊びではないのだよ。全てはこの戦いに勝つために必要な――――――」

武蔵「そうだぞ、提督よ」ガチャ

石田「む、武蔵――――――、武蔵だと……!?」

左近「これは誤算ですな……」

武蔵「あれだけ私に熱烈に戦わせてくれていたというのに最近はそれがなくて、――――――寂しいぞ?」

石田「くっ、計算外だ。俺にも計算外のことがあるのか!?」

左近「殿……」アセタラー

石田「左近提督…………」アセタラー



時津風「まるさんまるまる。しれーと格闘戦すると疲れるー……。最後まで隠し通すなんて……」

武蔵「まったくだ。あの余所者が連れてきた一航戦の二人と二航戦の片割れ――――――そして、飛龍までも加わるとはな…………」

武蔵「しかし、二人合わせて一航戦(赤城&加賀)、二航戦(蒼龍&飛龍)、四航戦(伊勢&日向)の航空戦隊を持っているか――――――」

武蔵「やはり、時代は大砲ではなく航空機だというのか……」ウルウル

時津風「だ、大丈夫……?」

武蔵「これは単に私のワガママでしかないかもしれないが、提督にもっと私を使ってもらいたい…………」

時津風「寂しいね……」

武蔵「ああ。もうすぐ提督に手が届きそうだと言うのに――――――」


時津風「まるよんまるまる。まぁいいや。後で雪風たちと一緒に、しれーが寝たら探ろーっと」

武蔵「さっきから気になっていたのだが、どうして時報などしているのだ?」

時津風「だって、暇だし。暇な時にできることなんて時計を見ることぐらいだし」

武蔵「しかし、4時か。今日は、提督は寝ずの番なのか? ――――――いや、ここのところずっとだな」

武蔵「思えば私はお前よりも新参者だからまだ提督については無理解だが、なんとなくだが最初に会った時と変わったような気がする…………」

時津風「あ、そういえば!」

武蔵「どうした?」

時津風「最近 提督、左近のおじさんと一緒に私たち駆逐艦にもっとかまってくれるようになってくれた気がする!」

時津風「提督、普段は重巡のおねえさんたちを通してでしか指示 出してくれなかったし」

武蔵「ほう。確かに最初の頃は駆逐艦や潜水艦の出撃には秘書艦の空母や重巡を通してでしか指令を出してなかったような気がするな……」

武蔵「そう考えると、確かにあの余所者が来たおかげで鎮守府全体に活気がみなぎってきたような気もするな」

武蔵「それに提督は、『全体の勝利のために』私たちを使い潰すようなやり方はしない」

武蔵「なら、信じようではないか」


――――――皆が信じる提督が栄光を掴むことを。


武蔵「なあ、時津風」

時津風「何?」

武蔵「暇なのだろう? 今日は私がお前の相手をしてやろう。食事も一緒に摂ろう。それから――――――」

時津風「わーい! 武蔵おねえさんとは遊んだことないから楽しみー!」

武蔵「…………無邪気なものだな、まったく(――――――提督、待っているからな)」フフッ



石田「さて、もう間もなくだな」

左近「そうですな、殿。【演習】の場合の更新は午前・午後の3時ですけど、今日のばかりは特別ですぜ」メメタア

石田「さあ、更新だ!」メメタア


――――――○五○○!


石田「おお! ちゃんとページがめくれるようになっているぞ、左近提督!」メメタア

左近「ここまでは完璧ですな」

石田「そして、ページ2の公式配信枠には我々4人の鎮守府の第一艦隊が表示されているな」メメタア

左近「今回は、俺の艦隊と殿の飛龍を使わせてもらいましたぜ。日向も良かったんですけど、殿のところで一番レベルが高かったのが飛龍でしたんでね」


駆逐艦:漣   | 航空戦艦:伊勢
正規空母:赤城 | 正規空母:加賀
正規空母:蒼龍 | 正規空母:飛龍


石田「これはずいぶんと思い切った編成だな。潜水艦が来たら十中八九完封されてしまうぞ」メメタア

左近「まあ 昔はこれで通用したんですがね。――――――『時が経つ』というのは恐ろしいものですな」

左近「この艦隊の一番の目玉は、初期艦でありながら超レアドロップ艦の漣ですぜ」メメタア

石田「ふふっ、確かにな。図鑑を埋めるのに必死な連中からすればありがたい配慮だな」メメタア

左近「こんな感じに、戦術パズルや図鑑埋めに特化にした公式配信があったらおもしろいですよね」メメタア

石田「そうだな。全部 正規空母:Lv99 【流星改】ガン積みの見掛け倒しの艦隊を公式が用意するのもおもしろそうだな」メメタア

左近「そうそう。それで潜水艦の餌食になってもらいます」

左近「そして、【演習】ページ3の履歴でもう一度戦えて二度美味しいというわけです」メメタア

石田「そう、この新システムと新インタフェースが実装されれば、【建造】や【出撃ドロップ】の労苦を抑えて艦娘を手に入れやすくなり、」メメタア

石田「画一化されて来た【演習】の艦隊編成に様々な艦娘が顔を出すことになり、いろんな艦娘との交流が増えるというわけだな」メメタア

左近「もちろん、おさわり禁止なので【秘書艦】にしてどんな娘なのかを眺める楽しみはお預けですがね」メメタア

石田「純粋に大和やビスマルク、大鳳などの普段では運用できない大型艦にも手軽に触れる機会が増えるのが期待できる点でも一層楽しくなるだろうな」



――――――拓自鎮守府


金本「ほう? 趣里鎮守府のところは漣が旗艦か。それでこの編成――――――」

金本「確か、1つの選択項目に対して【演習】【派遣】【駐留】のどれか1つしか選べないんだったな」メメタァ

金本「(そう、厄介なことに【駐留】するに値しない艦隊だが、そのうち複数の艦娘を【派遣】したい時にはこれが一番のネックになる)」メメタァ

金本「だが! ページ3は履歴となっているので最初の1回は【演習】をやった後に【派遣】してもらうことも可能なのだ!」メメタア

金本「そして、これと思った艦隊と遭遇したら、まずは【演習】で無料で手を付けてみて、5つある履歴に登録したら艦隊編成を確かめるのだ!」メメタァ

金本「もちろん、5つの履歴をうまく繰り越してお気に入りの履歴を残し続けることも可能!」メメタア

金本「後は、めぼしい子がいるのを確認して予算を集めて【派遣】【駐留】するかを決める流れとなるわけだ」メメタア

金本「(ただし、履歴で一度選択した枠は次の定期更新まで選択できなくなる)」メメタァ

金本「(例えば、ページ3の履歴の1番上の艦隊を選択してからページ1で【演習】すると、)」メメタァ

金本「(その直後の履歴では1番上が先ほどのページ1で選んだ【演習】相手が来るのだが、そこを選択できなくなるんだっけな)」メメタァ

金本「(しかし、一番新しく選択した艦隊がリストの一番上に来るという履歴の性質を賢く利用すると――――――?)」ニヤリ

金本「何だこりゃ? 朗利提督のところのビスマルク、これ 改二ができる練度まで上がってるのに――――――あ」

金本「ああ そうか。朗利提督のことだから【勲章】がな――――――」メメタア

金本「しっかし、【演習】できる相手が増えただけでもレベリングが楽になっていいな。童貞くんが先に言ったことだけど」メメタア

金本「そういえば、童貞くんの艦隊編成は――――――っと」

金本「…………まあ、普通かな?(けど、他の鎮守府の連中と同じようにまじめに艦隊編成しているつもりはないらしいな)」

金本「――――――俺は普通じゃないけどな!」ワハハハ!


揚陸艦:あきつ丸 | 戦艦:陸奥
航空戦艦:扶桑  | 航空戦艦:山城
軽空母:龍驤   | 潜水母艦:大鯨

                    ・・・・・・
金本「しかし、あらかじめ説明があったからそういうものだとわかってはいるが、」

金本「【派遣】のシステムが実装された時の一般提督の反応はどうなるのだろうな?」メメタア

金本「運営は最低限の説明しかしないだろうから、本当に向こうの艦娘がこちらに来て派遣されてきたように思うのだろうかな?」メメタア

金本「それでもって、【ケッコンカッコカリ】と同じように薄い本の題材になって――――――」

金本「待てよ? そういう趣旨の薄い本はもうあったような…………」メメタア

金本「しかし、実際はそうじゃないことがわかっているから――――――」

金本「待て待て待て! それじゃ、この複製品はいったい何だ?! こんな精巧な複製品を不特定多数に【派遣】できるとなれば――――――」メメタア

金本「!?」ゾクッ

金本「いや待て。それ以上は言うまい。『世界は自分を中心に回っている』と考えていればいい……」アセタラー

金本「そうだ、触れてはならないんだ、そういうことは。せっかく利用できるものなんだし、プラスの部分だけ絞りとっていればいい…………」ドクンドクン

金本「うん? 俺たちβテスター以外の一般提督の連中でもざっと見たところ良い艦娘を取り揃えているな」

金本「旗艦は榛名か――――――別にいいか(【派遣】された艦娘は【旗艦】にできない――――――つまり【秘書艦】にできないからな)」

金本「ん――――――おお!? 龍鳳じゃねえか! 【派遣】決定! おいでませえええええ!」

金本「あ」

金本「βテストの段階だから、まだページ1の一般連中相手に【派遣】ができねぇ…………早く実装してくれ」orz



――――――洞庭鎮守府


清原「さてさて、今日も鎮守府の一日を始めよう――――――」ガチャ ログイン!

鳳翔「おかえりなさい、あなた」ニコッ

清原「ただいま」

清原「お?」

妖精「――――――」クイクイ

清原「謝礼が入ったぞ、鳳翔(……なるほど。ちゃんと時刻や契約内容も表示されるのか。これはわかりやすい明細書だ)」メメタア

清原「【流星改】ガン積みの【運】も極めた鳳翔を愛月提督はうまく使いこなしてくれるかな?」メメタア

鳳翔「確か【装備の変更】【近代化改修】【改造】ができないのですよね?」メメタア

清原「ああ。完全にロックされた固定データだからね。【近代化改修】の餌にもならない」メメタア

清原「だから、かえって艦隊編成の軸になるかもしれないな」

清原「『この場合の僚艦としてベストなのは【戦闘機】を積んで制空権を握れるスロットの偏った空母だな』ってね」

清原「『与えられたものの中でベストを尽くす』というのは【艦これ】を始めた提督の誰もがやってきたことだから『原点回帰』ってわけだね」メメタア

清原「ただ、この間の慰問で見た限りだと精鋭以外は本当に駆逐艦と潜水艦ばかりだったからなぁ…………」

鳳翔「そうですね。制空権を握れないと【攻撃機】は役に立ちませんから…………」

清原「――――――こんな風に具体的にできることが与えられて選択肢を絞り込むことによって効率的な運用の構想が練り固まっていくのだが、」

清原「私たちは幸運にも【お守り】の力で強力な装備を用意することもできたけれども、他がそうである確証はまったくない」

清原「場合によっては、練度は高くても中途半端な装備の艦娘が【派遣】される可能性も数多あるから注意がいるな」

清原「【艦これ】をやっているユーザーの全てが攻略Wikiやニコニコ大百科を参照しているとは限らないし、プレイスタイルも十人十色なのだから」メメタア

清原「【派遣】された艦娘は内部では固定データだから【装備の変更】もできない。間違えた装備をして送られてきたら腹ただしくもなるだろう」メメタア

清原「様々なメリットがある【派遣】システムだけれど、逆にそういったリスクも抱えていることも忘れてはいけない」メメタア

清原「それに、他力を使ってゲームを楽することが気に入らなければ【派遣】しなければいいことだし、その判断は当人次第」メメタア


清原「このゲームをしているあなたの好きなようにプレイして楽しんでもらいたい。それは許された権利であり、そのことを忘れてはならない」メメタァ


清原「だから、響とヴェールヌイを別々に育てて愛でたり、金剛をドッグいっぱいに集めたり――――――、」メメタァ

清原「ハゲるような思いに駆られるのは忘れて、たまに 自分がどうして【艦これ】を始めたのか その原点を振り返ってみて欲しい」メメタァ

鳳翔「あなた、ところで今回の編成はどういったものなのかしら?」

清原「ああ。とりあえず攻略には役に立たない編成にしてみた」ニッコリ


軽空母:鳳翔  | 戦艦:金剛
駆逐艦:島風  | 重巡:高雄
正規空母:赤城 | 戦艦:大和



――――――再び、拓自鎮守府


愛月「園長! 園長!」

朗利「どうした?」

愛月「あの……、この前 いらしてくださった洞庭鎮守府の鳳翔夫人を【派遣】してもらったんですけど……」

朗利「おお! 軽空母な上に【ケッコンカッコカリ】で燃費が最高で 練度も高いから序盤のお供としては最高じゃないか」

朗利「装備は? ――――――【流星改】ガン積み!? さすがは清原提督だな! 一級品だよ、ホント」

愛月「でも、それなのにあまり強いという感じは――――――」

朗利「どれどれ? いったいどこまで行った?」メメタァ

朗利「ああ……、艦載機を使う上で重要なのは、まず『戦闘機を使って最初に制空権を取る』ことだぞ?」

朗利「そうじゃないと【攻撃機】も【爆撃機】も活かせないからな。この2つは【戦闘機】で制空権をとった時に使うものだからな」

愛月「あ、そうだったんですか。【攻撃機】と【戦闘機】の違いってそうだったんですか」

愛月「けど、【派遣】してもらった艦娘の【装備の変更】はできないんですよね……」メメタア

朗利「そうだな。それを軸にして今後の対策を練っていくほかあるまい」

朗利「――――――昔、俺はどうしたんだっけかな?」

朗利「ああ そうだ! 最初に赤城を手に入れて快進撃を続けたんだけど、あまりに金食い虫だったことについにブチ切れて餌にしちゃったんだ!」メメタア

愛月「ええ!? 確か赤城ってレアリティが――――――」メメタア

朗利「うん。正規空母最強の加賀さんよりもレア」メメタア

朗利「幸い、長門と五十鈴が来てくれたからゴリ押しを貫いて、愛する第六駆逐隊の奮戦もあって航空戦力なしでやってこれたって感じだな」

朗利「そうだな。今だと【弾着観測射撃】が実装されているからゴリ押しもできなくなったんだがな……」メメタァ

朗利「そんなところに現れた俺の救世主:大鳳は、【大型艦建造】を開放する任務のついでにやってみたら2回目で出た」メメタァ

愛月「ええええええええ!? そんな軽い気持ちで?!」


朗利「うん。けど、大鳳にめぐりあえて本当によかったと思ってる」

愛月「どうしてですか?」

朗利「まず、装甲空母だから中破になっても戦えるのが一番大きいかな。――――――赤城とは違って! 赤城とは違って! 赤城とは違って!」メメタア

朗利「そして、強い! 従順! 優しい!」

愛月「はい」


朗利「――――――何よりもイイ身体してるから!」ドキドキ


愛月「おお! それには同意です、園長! いいですよねぇ、あの引き締まった身体つきと言い 脇と言い、――――――舐め回したいですよね!」キラキラ

朗利「ああ! だが、紳士協定には従えよ? 憲兵の御用になりたくなかったら」キリッ

愛月「はい!」

朗利「だが、さすがだな。クレイジーサイコレズにして変態淑女なだけはある。どんどん精進していってくれたまえ」ニヤリ

愛月「はい! 全力で参ります、園長!」ジュルリ

朗利「うむ!(俺は良き同胞を得たものよ!)」

朗利「正規空母にロリ要素を求めることはできなかったが、正規空母に匹敵する性能であの可愛さときたら反則級だ!」ドキドキ

朗利「だが、きみに大型艦はまだ早い!」

朗利「ちゃんと資源確保のやり方を覚えてからじゃないと吹っ飛ぶぞ、資源が!」クワッ

愛月「は、はい!」アセタラー

朗利「しかし、本題は鳳翔夫人を活かせる航空戦力の確保だったな?」

朗利「残念だけど、赤城を獲得できる任務は俺がとうの昔にやっちゃったしなあ…………」メメタア

愛月「そ、それじゃ! 【建造】で空母レシピをやってみて良さそうなのを引いてみせます!」メメタア

愛月「ええ できますとも! 園長が【大型艦建造】2回で大鳳を引いたように私もペロペロしたい艦娘ぐらい数回で引いてみせますよ!」メメタア

朗利「おう そうか。こちらで設定した最低ラインを切らない範囲でなら好きにやってくれ。今の時間はきみが提督だ」

愛月「はい!」

愛月「…………うふふふ(さあ、私の小鳥ちゃんたち、待ってなさいよー!)」ジュルリ






愛月「出ない時は出ないものねぇ……」ハア

朗利「どうだ? 鳳翔夫人のパートナーは引き当てられたか?」

愛月「6回目の【建造】ですけど、駆逐艦ばかりで…………」

朗利「ほうほう。駆逐艦、どれどれ――――――」キラキラ

愛月「…………今日はこれで最後にして明日から【出撃ドロップ】に切り替えよう」メメタア

愛月「さて――――――」チラッ


瑞鳳「瑞鳳です。軽空母ですが、練度があがれば、正規空母並の活躍をおみせできますよ」


愛月「軽空母キタワアアアアア!」

瑞鳳「あの……」キョロ

朗利「お、軽空母:瑞鳳――――――激レアドロップ艦だあああああ!(うわああ! 軽空母のロリ キタワコレエエエエ!)」メメタア

瑞鳳「えと、提督はどちらでしょうか?」オロオロ

朗利「あ、ほら。愛月提督(フィーヒッヒッヒ! でかしたぞ、後でスイーツ券を進呈してやろう)ニッコリ

愛月「あ、はい」

愛月「えと、私があなたの提督の愛月よ。これからよろしくね」ニッコリ

瑞鳳「はい!(何だろう? この人って――――――ううん! そんなことは関係ない! 軽空母でも正規空母のように頑張るんだから!)」

朗利「あれ? きみが持っているのは【艦爆】と【艦攻】か?」

瑞鳳「え? はい、そうですが……」

愛月「あ、瑞鳳。あの人はこの鎮守府の司令官よ。私の上司です」

朗利「朗利です。司令官や園長と呼ばれているので、そのように呼んでくれたまえ」ニッコリ

瑞鳳「わかりました、園長。これからよろしくお願いします」

朗利「そうか。きみは正規空母のように頑張ってくれるんだね? 待っていたよ、きみのような健気な娘を(ええ、いいロリっ娘ですわあ!)」

朗利「愛月提督は新米だが、これでもきみの上司だからちゃんと敬意を払って、部下として支えてやってくれ。期待しているぞ」

瑞鳳「はい!」ビシッ

朗利「いい返事だ(ああ~癒やされるわ~)」

朗利「それじゃ、愛月提督は監督者として責任持って我が鎮守府の案内をなさい。期待の新戦力として仲間入りさせてくれ」

愛月「はい。わかりました、園長」ビシッ

愛月「では、行きますよ、瑞鳳」パシッ

瑞鳳「うん。よろしくね、提督」


スタスタスタ・・・



朗利「…………うふふふ」ジュルリ

朗利「――――――っといけない」ピタッ

朗利「念願のロリっ娘軽空母を手に入れたのに、“お艦”に必要な【戦闘機】を持ってなかったぞ」

朗利「しかたがない。彼女には悪いがスイーツ券進呈の代わりに【戦闘機】を用意してやるか」

朗利「――――――大鳳」パンパン!

大鳳「はい。提督」シュタ

朗利「早速だけど、愛月提督の新入りの娘に【戦闘機】をプレゼントしたい」

朗利「ついでにこの機に【烈風】をもう2つぐらい粘ってみよう」

大鳳「わかりました。すぐに準備しますね」ニコッ

朗利「うん」

コツコツ・・・

朗利「…………イイ」ドキドキ


――――――
ビスマルク「……………」

ニャーオ

ビスマルク「静かにして、オスカー……」
――――――











――――――ご清聴ありがとうございました。


司令部「今回は新インタフェース【要請】とそれに属する新システム【艦娘派遣】と【友軍艦隊駐留】をテーマに語らせていただいた」

司令部「諸君、これがプレゼンター渾身の提案である」

司令部「これからの物語も提案もこの【要請】を根幹に据えた内容となっていくので、どんどん役に立たない提案になっていくことは明言しておく」

司令部「恒例の説明の反復は今回はせず、直接 提案内容の背景と考察は――――――要らないか」

司令部「とにかく、プレゼンターの提案のほとんどは【艦これ】で足りないと思ったものやソーシャル要素の強化が主となってくる」

司令部「また、基本的にストーリー要素も皆無な一人用シミュレーションにやりこみ要素を追加してユーザー離れを低減しようという狙いもある」

司令部「物語としてはいよいよプレゼンターが思い描いていた構想・妄想・幻想が架空戦記として大々的に描かれていくことになる」

司令部「今回、中途半端なところで終わっているのも、次からの話の順番を諸君らの意見をもらって決めたいからなのだ」

司令部「まあ、どの提督&鎮守府が人気なのか――――――あるいはどの提督の在り方が諸君に近いのかを見ておきたいのだ」

司令部「それと、この物語の主役はあくまでも【艦これ】をやっている提督であり、艦娘ではないこと点をよくよく注意してもらいたい」

司令部「言うなれば、この物語風プレゼンの架空戦記は『バクマン。』や『GIANT KILLING』のようなメタフィクション志向の物語である」

司令部「では、次回に向けて4つの鎮守府それぞれの独自の物語の導入をするので、どの物語を先に読みたいかを答えていってもらいたい」

司令部「それでは、ここまで長々と付き合っていただきありがとうございました。もし機会があれば次もお読みになっていって欲しい」

司令部「そして、具体的なコメントを残してくれると大変ありがたいです」


――――――第5話 艦娘、派遣します 完            Next:第6話 ???? に続く!



各話リスト:【艦これ】提督たち「ユウジョウカッコカリ?」【物語風プレゼン】

第1話 ユウジョウカッコカリ
第2話 お守り
第3話 御旗と共に
第4話 愛の力
 ↓
第5話 艦娘、派遣します ←――――――今回
 |
 |(次の4話の話の順番のコメントをお願いします!)
 ↓
第?話 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち-
第?話 提督、出撃す     -船娘の進撃・陸軍の意地・男の浪漫-
第?話 海上封鎖を突破せよ  -世界は1つの大洋で繋がっている-
第?話 深海棲艦捕獲指令   -全ては暁の水平線に勝利を刻むために-
 ↓
第?話 大本営の野望      -艦娘 対 超艦娘-
 ・
 ・(以下、内容が追加されるかも)
 ・
最終話 -北緯11度35分 東経165度23分-




――――――洞庭鎮守府


清原「またウィークリーの謝礼が――――――(愛月提督にとって鳳翔は救世主だったというわけか……)」ペラ・・・

清原「なるほどね。こうして継続的に謝礼を貰い続けることができるってわけか(軸にした戦術を崩したくないからなかなか契約解消ができないわけか)」

清原「履歴も5つあるからリピーターになるのも余裕ってことか(そりゃそうだよな。燃費いいし限界突破した上で【流星改】ガン積みだもん)」メメタア

榛名「提督、榛名はいつでも準備万端です」

清原「今日も元気だな、榛名(さて、ここ最近 みんな金剛型を使い始めてるんだよな。しかも、あの金本提督が榛名だもんな。ヤな感じだ……)」

榛名「はい」ニッコリ

清原「さて、今日も大和の【演習】に付き合わないとな――――――あれ?」

榛名「どうしたんですか、提督?」

清原「おかしいな? ページ2は公式配信でまだβテストで私たち4人しか参加していないはずなのに、――――――5つ目が存在してる」メメタア

清原「…………顔触れは? そもそもこれは何処の誰の艦隊なんだ?」

清原「何? ――――――旗艦「天城」だと? そんな艦娘なんて居たか? 未実装艦か?(あれ? 何か違和感を覚えるんだが……)」メメタア

清原「なあ、榛名? 「天城」って名前の艦を知っているか?」

榛名「あ、提督。『天城』って言ったら雲龍型空母の2番艦のことですよ」

清原「――――――雲龍型か。その1番艦:雲龍は今年の夏イベントのボーナスだったな、くそぅ」メメタア

榛名「そう……、憶えてます」

榛名「――――――呉軍港空襲」

榛名「……その時に一緒に居ましたから」

清原「…………旧大戦の終戦間際の3度に渡る大空襲か」

榛名「ああ……、鳳翔さんも近くに居たんですね」

清原「何だ? 司令部が気を利かせて新着艦の先行配信サービスでも始めてくれたのか? そういうサービスも有りだとは思うが」メメタア

清原「ともかく、初めての相手だ。新着艦っていうのは新しい装備を持っているのが特徴だからな」メメタア

清原「これはぜひとも【派遣】してもらわないとな――――――いや、待て。まずは【演習】をして他に真新しい戦力が混じっているかをだな」ブツブツ

清原「(けど、なんで私は金本提督の艦隊を【駐留】させているのだろうな? おかげで図鑑は埋まったが…………)」

清原「(そして、改めて金本提督の艦娘への愛というものを強く感じたな。あの時の言葉は決してホラではなかった――――――)」

清原「(――――――あきつ丸と大鯨にガチ装備させているところがな! そして、不幸姉妹のレベルがカンストしているのも!)」メメタア

清原「さあ、大和! 【演習】開始だ――――――って何だこれ!?」ガタッ

榛名「え!? ええ!?」


「天城」「赤城」「加賀」「土佐」「長門」「陸奥」――――――全部【戦艦】だと!?




清原「ちょっと待て待て! 幸い こちらには“イムヤ”が居るから完封だけど、何だこのメンツは?!」

清原「赤城と加賀が【戦艦】!? それだってはわかるんだけど、加賀が若い! サイドテールしてない! 赤城はそっくりそのままなのに?」

清原「げえ!? 長門と陸奥より強いぞ、この未確認戦艦4隻! さすがに大和には及ばないがとんでもない強さだぞ、これ!」

清原「それに雲龍型2番艦って話なのに「天城」が空母じゃない! しかも雲龍と全然似てないし、むしろ赤城と加賀に似てるというか……」

榛名「え? 雲龍型空母じゃない天城って――――――あ!(そう、そうとしか考えられない! この艦隊の面々は――――――!)」

清原「あれ? そういえば、これは【演習】ページ2の公式配信用だから対戦相手の情報は全て開示されている仕様だったはずじゃ――――――」メメタア

榛名「提督。これって、もしかして――――――」


――――――八八艦隊じゃありませんか?


清原「――――――『八八艦隊』だって?」

清原「すまないが榛名、『それ』が何なのかわからない(そんな変な名前の艦隊なんてあったっけ? 人名じゃないとすると何が『八八』なんだ?)」

清原「けど、これは【駐留】させるに限る! ――――――いや、長門と陸奥は要らないか(ダメージからして大した装備を積んでないようだし)」

清原「【演習】結果もさすがに戦艦6隻相手に完全勝利とはならなかったが――――――、ともかく未確認艦4人を【派遣】だ!」メメタア

清原「けど、…………本当に司令部が先行配信したものなのだろうか? ともかく目新しいからには確保だ確保!」メメタア

榛名「これはいったい…………?」



少年「ここが護国の英雄となった父さんと母さんの思い出の場所か。ようやく会えるんだ……」フラッ



しまった。投稿ミスです。

コメントよろしくね?


清原「ちょっと待て待て! 幸い こちらには“イムヤ”が居るから完封だけど、何だこのメンツは?!」

清原「赤城と加賀が【戦艦】!? それだってはわかるんだけど、加賀が若い! サイドテールしてない! 赤城はそっくりそのままなのに?」

清原「げえ!? 長門と陸奥より強いぞ、この未確認戦艦4隻! さすがに大和には及ばないがとんでもない強さだぞ、これ!」

清原「それに雲龍型2番艦って話なのに「天城」が空母じゃない! しかも雲龍と全然似てないし、むしろ赤城と加賀に似てるというか……」

榛名「え? 雲龍型空母じゃない天城って――――――あ!(そう、そうとしか考えられない! この艦隊の面々は――――――!)」

清原「あれ? そういえば、これは【演習】ページ2の公式配信用だから対戦相手の情報は全て開示されている仕様だったはずじゃ――――――」メメタア

榛名「提督。これって、もしかして――――――」


――――――八八艦隊じゃありませんか?


清原「――――――『八八艦隊』だって?」

清原「すまないが榛名、『それ』が何なのかわからない(そんな変な名前の艦隊なんてあったっけ? 人名じゃないとすると何が『八八』なんだ?)」

清原「けど、これは【駐留】させるに限る! ――――――いや、長門と陸奥は要らないか(ダメージからして大した装備を積んでないようだし)」

清原「【演習】結果もさすがに戦艦6隻相手に完全勝利とはならなかったが――――――、ともかく未確認艦4人を【派遣】だ!」メメタア

清原「けど、…………本当に司令部が先行配信したものなのだろうか? ともかく目新しいからには確保だ確保!」メメタア

榛名「これはいったい…………?」



少年「ここが護国の英雄となった父さんと母さんの思い出の場所か。ようやく会えるんだ……」フラッ



Next:第?話 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち- に続く!


――――――斎庭鎮守府


金本「ふんっ! ふんっ! ふんっ!」(腕立て、腹筋、砲丸投げ――――――!)


金本「でやっ! ふんっ! うおおおおおお!」(軍刀を片手で振り、バーベルを持ち上げ、錘をつけて生活をし――――――!)


金本「――――――!」(水泳にバイクに走り込み――――――!)




金本「ほらよっと!」ヒョイ

龍驤「ちょっ、提督?!」カア

大鯨「え、えーっと……提督?」カア

金本「どうした? お前たちぐらいなら片手で持てるってことだ」

龍驤「さ、最近のきみぃ、艦娘のウチら以上に頑張ってない? あんま無茶せんといて」

金本「はははは…………ますます可愛く見えるなぁ」ニコッ

大鯨「て、提督! ずっとこのままは――――――」

金本「ふははは、今日の俺は最高にハイってやつだから、たまにはお前たちの世話をしてやろうかと思ってな」

金本「お疲れでしょう? 俺がお二人を好きな場所へと連れていってあげますよ」

金本「ほらよっと!」

龍驤「うわ、ちょちょっ……」

大鯨「あ、ああ……」

金本「どうだい。俺よりも頭が高くなった感想は?」

龍驤「ちょ、ちょっと、本当に恥ずかしいからやめてぇや。ほ、ほらみんな見てるしぃ……」ドクンドクン

大鯨「う、嬉しいかも……」ドキドキ

金本「見せつけてやろうぜ? ――――――出発進行!」

タッタッタッタッタ・・・

山城「ああ 不幸だわ…………(最近、提督がかまってくれない…………)」

扶桑「…………はぁ(それどころか、あまり艦隊行動もしなくなって顔を合わせることも少なくなってきたわ……)」




金本「………………フゥ」

金本「最終的に扶桑と山城を片手で持てるようにならねえとな(――――――もちろん、まずは艤装無しでだが)」

あきつ丸「提督殿。本日もお疲れ様でした」

金本「おう。今日、ようやく龍驤と大鯨を片手で持てるようになったから、今度はお前を片手で持てるようにしてみようかな?」ニヤリ

あきつ丸「て、提督殿はいつもそうやって……」カア

金本「だってよぉ? 2014年夏のAL/MI作戦の北太平洋MI諸島近海ではお前が大活躍だったじゃん?」メメタア

金本「陸軍の意地ってやつを見せてもらったぜ。陸軍式『(ダブル)烈風拳』『(双撃)紫電掌』『牙突零式』とかとか」メメタア

あきつ丸「そ、それは本当に恐悦至極であります」テレテレ

金本「俺は前々から船娘の待遇改善のために案を練ってきたわけよ。それともう1つ――――――まあいいや」

あきつ丸「?」

金本「けど、今の公式の新実装のペースだといつまで経ってもお前の先輩後輩の登場なんて期待できねえじゃんか」メメタア

金本「そこで、俺が考案した新システムで突破口を開くってことよ」メメタア

金本「期待しててくれよ――――――」プルルル・・・

あきつ丸「あ、お電話であります、提督殿」

金本「おう」ガチャ

金本「俺だ。――――――そうか。わかった。すぐにいく」ガチャリ

金本「よし、今日の鎮守府の活動はここまでだ。夜勤に入るぞ。当直を喚べ」

あきつ丸「はい!」ビシッ


――――――斎庭鎮守府 隣:金本邸


剛田「久しぶりだな、金本。海軍のカネを使ってこんな豪邸を建てやがって」

金本「そういうお前こそ、陸軍で期待の星なんだって? その立場を利用してガイノイドをいくつも個人所有してるって話だが?」

あきつ丸「将校殿でありますか? お初にお目にかかります、自分は陸軍所属のあきつ丸と言います」ビシッ

剛田「おっと。やっぱり国産の船娘は最高だな。この肌の質感と言い、人間そのものだな」ナデナデ

あきつ丸「はっ! お褒めいただき光栄であります!」

お銀「………………」ジー

お輪「………………」ムスッ

あきつ丸「あ、お銀殿、お輪殿。またお会いできましたね。これからよろしくお願いするであります」

お銀「負ケナイ」

お輪「ウン。コンナ身体ダケド年季ノ違イッテノヲ見セテアゲル!」

あきつ丸「え? あの…………」

金本「ふ~ん」チラッ

剛田「どうした?」

金本「なあ、剛田。ガイノイドだって人間らしいものはあるようじゃないか。慣れれば割りと可愛いじゃないか」

お輪「…………!」カア

剛田「まあな。こいつらは可愛いよ?」ニヤリ

お銀「将校殿…………」ポッ

金本「うん。言うとおりだな」


剛田「しっかし、海の向こうの国は皇国とは違って現実的過ぎてこんな外見のやつしか造れなかったんだろうな」

剛田「アメコミとMANGAの画風の違いを見れば一目瞭然だろう? あっちは擬人化が下手なケモナーが多いようだしな」メメタア

剛田「やっぱり、西洋は物は物でしかない考え――――――我が国には付喪神や妖怪の伝統があるから物を人間に見ることができるのだろうな」

金本「それで、お銀とお輪は何の擬人化なのだ?」

剛田「ん? ――――――自転車だが。だから見た目に反してかなり軽いぞ?」

金本「へえ、どれどれ」ヒョイ

お銀「ナッ!? 何ヲスル、提督殿!?」ドキッ

お輪「コ、コンナコトサレルノハ将校殿以外ニハサセタコトガナイノニ!」カア

剛田「へえ、金本。お前も鍛えてるんだな」

金本「なるほどね。道理で船娘と比べて幼い印象があると思ってたんだ」

金本「ガイノイドだからメカメカしいところはあるけど、それが違った趣きを出してイイな」

剛田「わかるか、金本! そうなのだよ、世間では艦娘ばかりが持て囃されているがガイノイドも悪くないものだぞ!」

あきつ丸「そ、そうなのでありますか、提督殿?」ハラハラ

金本「ああ。これも立派な人間だよ」

お銀「ソ、ソレガワカッタノナラ早ク下ロシナサイ、提督殿……」フフッ

金本「はいよ」

剛田「ほら、お輪。撫でてやるからこっち来いよ」

お輪「…………ハイ」テレテレ

剛田「金本、少しは見直したぜ」ナデナデ

剛田「今度は俺のところに招待してやるからお気に入りの艦娘を連れて酌させながら語り明かそうぜ。それでガイノイドの良さをもっと知ってもらうぜ?」

金本「ああ いいぜ? 伝統的に仲が悪い陸軍と海軍の歴史的な融和でも果たそうか。――――――『女への情愛が世界を救う』ってな」

男共「わははははは!」

あきつ丸「――――――提督殿? ――――――将校殿?」

お銀「オ二人ガ話サレテイル内容ガ理解デキルカ?」

お輪「全然ダメデアリマス…………(デモ、ナデテモラエルノデ楽シミデアリマス)」ウキウキ




剛田「さて、お前の提案してくれた暗号名:『○四』のことだが、――――――実用化に向けて陸軍の協力が得られたぞ」

金本「そうか!」

剛田「次いでにだ」

金本「ん?」

剛田「陸軍でも独自に暗号名:『○二』の開発を再開したいという申し出があった」

金本「別にいいよ。『○四』が俺の希望通りのものになってくれれば。――――――『○二』に対する予算は出さねえがな」

剛田「そうか。まあ【秘密工廠】と実験部隊をお前個人から提供してもらっていることだし、『○二』の開発ぐらいは責任を持とう」

剛田「しかし、大根まるまる一本を弁当にしていたようなお前が今では資源王として国家の命運を左右する計画の主翼を担うことになるとはな…………」

金本「やっぱり世の中 カネなんだよ、カネ」

金本「そして、そのカネが流れるところを押さえたやつがこの世を制するというわけでして」

金本「歴史を紐解いていけば、海運を司る都市がいつだって栄えてきたんだ。――――――海の男が儲かるのは当然の話だろう?」

剛田「そうだな。今の御時世だと陸軍の仕事は憲兵ぐらいしかないからな」

剛田「しかし、本当に『○四』を使うというのか、――――――お前自身が? ガイノイド技術の導入で製作は不可能ではなくなったが」

金本「ああ。これで人類は深海棲艦に対抗する足掛かりを得たというわけだ」


剛田「おかしなことだな」


金本「……なに?」

剛田「この大地を守るべきはそこに存在する我々人間の義務と責任だからこそ、陸軍は旧態依然の兵器に自ら搭乗して戦っている――――――」

剛田「我々 陸軍船舶司令部が陸軍の代表として海上陸戦機動歩兵『○二』の開発に躍起になっているのも離島などの国土防衛を容易にするためだ」

剛田「しかし 海軍は、人間一人ではとても扱えない軍艦をたった一人の擬人類に集約させた究極の生体兵器を使っているのだぞ?」

剛田「つまりは、戦闘は艦娘に任せて、その指揮官であるお前は戦術や戦略だけやっていればいいはずだ」

剛田「今の海軍には士官と下士官はいても、戦場においては兵卒は要らなくなったということなのだ」

剛田「それなのに、どうしてその指揮官であるお前がわざわざ戦場に出ようとする? みすみす死にに行くようなものだぞ」

剛田「お前が死んだら、このすぐ隣にある鎮守府はどうなるというのだ。それにこの豪邸だって、お前がケッコンしてきた艦娘たちだって――――――」


金本「耐えられなくなっただけだよ」



剛田「は?」

金本「知ってるか? 海の向こうの国ではガイノイドの他にも無人兵器なるものを開発したらしいぞ」

剛田「何だ藪から棒に――――――だが、それは本当か? だとしたら脅威だぞ」

金本「けど、何て言うんだろうな? 資料の文面に載っていたことなんだが――――――、」

金本「無人兵器って書いて字のごとく、人が乗らないから撃墜されたり事故をおこしたりしても操縦員に危険はないことはわかるだろう?」

剛田「ああ。陸軍ご自慢の戦車は一人では動かせないからな。無人機化あるいは擬人化できたらさぞ楽だろうな」

金本「それでな? 向こうにはどうやら超長距離に映像を送受信できる技術まであるらしいから、操縦員は長い期間 戦地に派遣されることもないらしい」

金本「任務を終えればそのまま自宅に帰ることも可能なんだってな」

剛田「なにぃ?! それじゃ、最初に無人機と戦わせて敵軍を消耗させたところに本隊が強襲することも容易ではないか!」ガタッ

剛田「実質的に戦力が無人機の数だけ倍になるのではないのか、それは!? ――――――『一人1台の鉄の守護獣を!』って感じに!」

金本「ああ。最初にそんな技術が海の向こうで実用化されたことを知って心底驚いたよ」

金本「けど、調査報告には続きがあってだな――――――」


――――――しかしながら、使っているうちに操縦員の頭がオカシクなっていくらしいんだよ。


剛田「は」

金本「俺も最初に読んだ時は理解できなかった」

金本「けど、俺が提督になって艦娘たちを戦場に送り出していくうちに段々とわかってきてしまったようなんだ……」

剛田「待て待て待て! いくら【艦これ】が『現代日本風の異世界』の話だからってさ――――――」メメタア

金本「伝わらないか――――――そうだな。確かに無人機と擬人類は自律化させる点で同じでも趣向が違うもんな」

金本「何て言えばいいんだ? ――――――そうだ。あれだ、あれ」

金本「太宰 治の『走れメロス』みたいに、『待つ側と待たされる側』それぞれの苦悩ってやつがあるんだよ」

金本「けれども、『待つ側』と『待たされる側』って普通に考えてどっちが苦しい立場だと思う?」

金本「これを今の戦争に置き換えたら、どうなると思う?」

剛田「それは…………」

金本「俺はただ戦地に艦娘を送り出すだけだ――――――だが、艦娘は戦地に送り出されて生きて帰ってこれる保証はない」

剛田「何を言っている? お前は一度もたりとも誰一人として艦娘を轟沈させたことはないだろう?」

剛田「あ」

金本「………………」

剛田「お前はたった一人で艦娘たち全員のことで――――――そうか。艦娘にとっては自分さえ無事であればそれで済む話だが、」

剛田「艦娘の命を全て預かっているお前としては誰一人として欠けることは――――――」

金本「そうだと思う。たぶん、俺はそんな状態になりつつあるんだと思う」

剛田「………………」

金本「………………」

剛田「……そうか。お前、頭がオカシクなってきたわけか」


剛田「確かに、艦娘は自律兵器だ。そういう意味では無人兵器と全く同じだ。それでいて人間と限りなく近い存在なのだからな」

剛田「――――――お前、案外肝っ玉の小さいやつだったんだな。今までの豪胆さは虚勢だったってわけか」


金本「俺の無茶に中身をくれたのは、他でもない艦娘たちだ。俺に必死に応えようとする俺が愛する家族のみんなだ」


金本「だからこそ、…………怖いんだよ」ブルブル

金本「――――――何もしてない自分が」

金本「正直に言えば、人から外れていることを続けている自分であることが怖い。こんなことをやっていて大丈夫なのかと不安でいっぱいだ」

金本「けど、人と同じことをするのはもっと嫌だ。人と同じことをしたら誰も俺を見てくれはしない……」

剛田「だから、『艦娘たちと同じように自らを死地に置いて安心感を得よう』ってわけか」

剛田「悪い意味で、――――――『常在戦場』だな。または『絶倫』とも言うな」

金本「何とでも言ってくれ。お前ぐらいしかこんな俺に張り合ってくれるやつはいないからな……」

剛田「結局 お前はとんでもない“かまってちゃん”だったわけか」

剛田「それがたまたま提督としての豪胆な作戦指揮として見られてきただけであって、貧乏人根性は抜けきってないわけだ」

金本「………………」


剛田「よし、わかった! この件については俺が責任持ってお前を死地に送り込んでやるよ!」


剛田「元々『○四』はそういうものだったからな」

金本「…………すまない」


剛田「けどよ? お前のわがままで困るのは海軍だけじゃねえんだからな?」ジロッ

剛田「そこのところを弁えてねえのなら、俺が国家反逆罪でお前を突き出して国に裁かせるからな」ジー

剛田「『○四』が実用化されれば、日本男子の誰もが国民の憧れである艦娘と同等の戦士になれる誇りと喜びに打ち震えることだろうよ」

剛田「確かにお前のおかげで我が陸軍にも光が差すようにはなるが、それはつまりは戦火が拡大して必然的に戦死者も増えるってことだ」

剛田「死ぬのが怖いわけじゃない。お前が言う『待つ側』の苦しみが一層重たくなることを危惧してのことだ」

剛田「それに、人間が自ら洋上で戦うことを選び出したら、『何のために艦娘なのか』艦娘の存在意義が失われるのだ」

剛田「結果としては、お前が可愛がってる鎮守府の艦娘どもの居場所を奪う結果にもなりかねない」


剛田「そこをわかっているのか、金本! お前がこれからやろうとしていることの意味が!」


金本「……わかってるよ」

金本「それに、『○四』単独では艦隊決戦に参加することもできない。結局は艦隊の援護しかできないはずだ」

金本「そして、『○四』は戦艦にも空母にも巡洋艦にも駆逐艦にも潜水艦にもなれない性能だ」

金本「精々【支援艦隊】での援護にしか使えないはずだ。揚陸艦と同じく」

剛田「お前が我々陸軍の船娘:あきつ丸を大切に扱ってくれていることには感謝している。そのために『○四』を提案してくれたのも」

剛田「――――――死ぬなよ? 今度は俺や艦娘たちが『待つ側』になるんだからな」

剛田「これに満足したら、しばらくは艦隊指揮で満足しろ。いいな?」

金本「ああ。そうするよ」

剛田「よし。今から試作した『○四』を起動させてみよう。全てはそこからだ」

金本「よっしゃあ! 待ちに待ったこの時が来たぜ!」

剛田「相変わらず切り替えの早いやつだ」ヤレヤレ

金本「ウジウジしたところを見せないのがいい男の条件よ?」


金本「ここらで内弁慶じゃないってところも見せてやらないとな!」ガシャコーン! ブゥン!


Next:第?話 提督、出撃す     -船娘の意地・陸軍の意地・男の浪漫- に続く!


――――――拓自鎮守府


比叡「19時。できたー! 自慢のレシピ、比叡カレーだよ! さあ、食べて!」

愛月「わーい!(清原提督が慰問してくれた時に食べた比叡カレーは本当に美味しかったから、また食べられて感激!)」パクッ

愛月「…………アレ?」ピタッ

比叡「どうですか?」ドキドキ

愛月「……ウ」アセダラダラ

比叡「あれ? 提督? 提督ー?」オロオロ

愛月「」バタン

比叡「ひえええええええええ!?」

愛月「」ピクピク


――――――ああ 可愛い。比叡 可愛いよ。思わず抱きしめたくなるぐらいに…………グハッ




朗利「ふむふむ。あれから着実に愛月提督は戦力を増強していったな(もちろん、俺好みの“幼女の中の幼女”の資質を備えた艦娘がな)」

鳳翔’「はい。どうぞ、朗利提督」コトッ

朗利「毎週毎週【派遣】してもらって悪いね」

鳳翔’「いえ。今の私はコピーに過ぎませんが、朗利提督からあれだけ盛大にケッコン祝いをしてもらったのです」メメタァ

鳳翔’「これぐらいのお返しはさせてくださいね」ニッコリ

鳳翔’「それと、今度 洞庭鎮守府にお越しになったら私の店を訪ねてくださいね。主人と一緒にうんとおもてなししますから」

朗利「そうさせてもらうよ、鳳翔夫人。楽しみにさせてもらう(やれやれ、鳳翔夫人はウィークリー契約の【派遣】艦娘なのにねぇ……)」

朗利「(それがすっかり愛月提督の戦力の中核――――――不動の地位にいるよ。飯も旨いし、拓自鎮守府の新しい顔役にすらなっている)」

朗利「(まあ、能力ほぼカンストで【流星改】ガン積みの低燃費の優良軽空母だから、その完成形を労せず【派遣】で使えるんだから、当然か)」メメタア
                                    ・・・・・
朗利「(これが【派遣】の怖いところでもあり、魅力でもあるんだよな。けど、装備は固定――――――ここが絶妙だな)」メメタァ

朗利「しかし、清原提督が洋食、鳳翔夫人が和食、大和が高級料理で、美食家が唸るような豪華な布陣でございますな、洞庭鎮守府は」

朗利「他の鎮守府で不味いと評判の比叡カレーも清原提督の手にかかれば天下一品の御召艦カレーに早変わりですからね」

鳳翔’「もったいないお言葉です」

鳳翔’「あの比叡カレーは主人が厳しく指導したものでして――――――、」

              ・・
――――――ここにある食材でこれと同じものを作れるようになるまで人には絶対に振る舞うな!


鳳翔’「主人は最初に振る舞われた比叡カレーを全て食べきった上でそのまま厨房に立って腕を振るって手本を示したのです」

鳳翔’「それで比叡は一生懸命に主人の味に近づけようと努力したのです」

朗利「ああ。本当に美味かったよ、あなたのところの比叡カレー。清原提督が銀座の洋食屋の息子だというのも頷けるものでした」

朗利「――――――って! 悪飯艦カレーを平然と平らげた上でそのまま御召艦カレーを作ったんですか、清原提督は!?」

鳳翔’「なんでも、名のある洋食屋の息子として『自分で作った料理は責任持って処理する』ように躾けられてきたそうなんです」

朗利「…………はあ、敵わないな。自分の部下の作ったものまで責任持って食べきるなんて(それに、それが事実ならとんでもない胃袋だよ!)」

鳳翔’「そういう朗利提督も、菓子職人としては大変なお手前で、主人も大変褒めておりましたよ」

朗利「ははは……、俺にできることなんてそれぐらいしかなかったから、ね?」

朗利「だから戦闘は艦娘に全部任せて、俺はその代わりと言っては難だけど、資源確保と三時のお菓子のおもてなししかできなかったわけでして」

鳳翔’「自分にできることを精一杯にしてきたんです。立派ですよ、それは」

鳳翔’「もしそれが間違っていたのなら、実力派揃いの精鋭のみなさんがあなたにここまで信頼を寄せるということなんてありませんから」

鳳翔’「もっと自信を持って。主人――――――いえ、清原提督もあなたのことをうんと評価しているのですから」

朗利「ああ、マジ“お艦”だわ……(瑞鳳が“幼妻”で、俺の雷が“ロリお艦”でイイ味出しているけど、“お艦”は包容力が半端じゃない!)」

朗利「俺も頑張らないとな、紳士として(しかも、実際にケッコンカッコカリした人妻だからこその貫禄が、もうね!)」

鳳翔’「ふふふ」ニコニコ


鳳翔’「そういえば、朗利提督?」

朗利「はい?」

鳳翔’「今日は何の資料を読んでおられたのですか?」

朗利「ああ。俺たちがやってるβテストとは関係ないことなんだけど、――――――未実装艦が残りどれくらいなのかを調べていてね」メメタア

朗利「俺は今までイベントなんてものは先人たちの阿鼻叫喚を見て、やるだけ時間と労力の無駄だと思ってやってこなかったけど、」メメタア

朗利「紳士の俺としては駆逐艦はぜひともオールコンプリートしたいので、そろそろやってみようかと思いまして」メメタア

朗利「早く時津風たちをお迎えしたいのはやまやまなんですが、今までの傾向からしてイベントが始まる毎に駆逐艦の実装は確実なんで、」メメタア

朗利「それでこれからどんな娘が実装される可能性があるのか 旧帝国海軍の軍事資料を読み漁っていたんですよ」

鳳翔’「朗利提督らしい」クスッ

朗利「調べてみると、――――――鳳翔夫人。あなたは古参中の古参でありながらあの大戦を最後まで生き残ったんですね」

朗利「幸運艦と呼ばれている榛名ですらこの呉軍港空襲で大破着底しているのに、鳳翔夫人は損害警備だったとか」

鳳翔’「…………呉軍港空襲ですか。確かにそうでしたね」

朗利「【艦これ】において【運】の値は基本的に大破着底でもいいから終戦まで処分されなかったかで判断されているようでして、」メメタア

朗利「この呉軍港空襲での被害艦のほとんどが幸運艦になりそうだなぁーと」

鳳翔’「そうですね。三度に渡る空襲の中で生き延びることができたのは間違いなく運に恵まれていたからだと思います」

朗利「でも、この時のリストに名のある駆逐艦では梨ちゃんだけが沈没してるんだよな…………かわいそうに」

朗利「それで、この時の旧帝国軍の指揮官が金沢正夫中将で――――――」

鳳翔’「この鎮守府で言えば、比叡さんの副砲長をして天龍さんの艦長を歴任なさった御方ですね」

朗利「おお! やはり物知りですね」

鳳翔’「他の方より歳ばかり多いことが数少ない自慢ですから」

朗利「いえいえ! そんなことを言ったら、艦隊指揮がまともにできない俺なんて――――――」

鳳翔’「いえいえ! 主人が言っておりましたけれど、朗利提督は――――――」





朗利「ごちそうさまでした」

鳳翔’「ふふ、お粗末さまでした」ニッコリ

朗利「しかし、これから毎週金曜の比叡カレーを何とかしないと愛月提督が愛ゆえに死んでしまうな(俺の部下はクレイジーサイコレズだからな……)」

朗利「どうするべきかな? 俺は菓子作りには自信はあるけど、天下一品の御召艦カレーを作るほどの料理の腕前というわけじゃないからな……」

鳳翔’「あら、主人が言ってましたよ」


――――――『朗利提督には独自の補給路という武器があるのだからもっともっと料理や菓子作りに挑戦して祖国に広めて貢献するべき』だと。


朗利「あ」

朗利「そうだった。自慢じゃないけど今のこのご時世でどこの鎮守府よりも豪勢な菓子作りができているのはここぐらいだろうからな」

鳳翔’「凄い手腕だと思いますが、どうやって補給路の開拓を次々と成功させていったのですか?」

朗利「ああ。簡単簡単」

朗利「まずはめぼしい所でやってる生産者さんに私費で大量に投資をして気を良くしてもらうでしょ。俺、提督だからカネならたくさんもらってるし」

鳳翔’「はい」

朗利「そしてトドメに、鎮守府ご自慢の駆逐艦をたくさん連れて行っておねだりすればいちころよ」

鳳翔’「ああ…………」

朗利「趣味と実益を兼ね備えた完全交渉というわけだぁ!」ドヤァ

朗利「けど、比叡カレーなぁ………………御召艦のくせに味覚が狂ってるのかと思うぐらいの暗黒物質に作り変えちゃうんだもんな」

朗利「あれは清原提督がやったような有無言わさぬ何かが無いと絶対に改善されないだろうよ。そこが当面の問題かな……」

鳳翔’「そうでしたね……」

鳳翔’「あ!」

鳳翔’「1つ思いついたのですけれど、良いでしょうか?」

朗利「え、何です、鳳翔夫人?」

鳳翔’「慰問した時に、それは立派な“お菓子の家”を作ってもらいましたよね?」

朗利「ええ。基本的な作り方の指導や焼くのは俺がしましたけど、下準備から組み立て・飾り付けまで駆逐艦のみんながやってくれました」

鳳翔’「それよ! 比叡カレーをみんなのカレーに作り直しちゃえばいいんですよ!」

朗利「!」

朗利「なるほど! 確かに比叡一人に作らせるのが災いのもとなら、みんなで自慢のカレーを作るように試行錯誤させれば必ず変われる!」

朗利「ありがとうございます、鳳翔夫人! 慰問の時から清原提督共々 頭が上がりません」

鳳翔’「いえいえ、こんな私でもお役に立てたようで何よりですわ」ニコニコ

朗利「よし! そうと決まったら実行あるのみだ。クレイジーサイコレズの変態淑女の愛月提督も立派な部下だからな、助けてやらんと」

鳳翔’「平和ね。いいことだわ(そう。私はコピーだけれども、戦いが終わったら主人と一緒に――――――)」ニコニコ








長門「いったいどうしたというのだ、提督?」

五十鈴「そうよ。久々に呼び出したと思ったら、また何か良からぬことを企んでいるじゃないでしょうね?」

天龍「なんか久々だな。このメンツがこうやって揃うってのはよ?」

龍田「うんうん。天龍ちゃん、最近 提督が提督じゃなくなっちゃうんじゃないかってずっと心配してたからね。嬉しいんだよね?」ニヤニヤ

天龍「な、何を言ってるんだよ、龍田のやつ!」アセアセ

大鳳「みなさん、集まってくれたようですね」

朗利「集まってくれたのはこれだけか…………まあ、最近は愛月提督が代行しているから俺のことは忘れられているか」

長門「な、何を言っているのだ、提督!」

五十鈴「そ、そうよ! 今の鎮守府があるのはみんな提督のおかげなのよ?」

朗利「俺のことなんて精々“三時のおやつをくれるハンサムなおにいさん”というぐらいにしか思ってないんだろうな、新入りのほとんどは」

天龍「自分でそれを言うか、普通?」ヤレヤレ

龍田「呆れたように見えて、天龍ちゃんったら内心ではビクビクしてるんだから。かわいい」ニヤニヤ

天龍「だから、龍田! お前なぁ――――――」

大鳳「………………」


朗利「それでもやっぱりお前たちは来てくれた。感謝してるよ」


艦娘たち「!」

大鳳「…………」ニコニコ

朗利「何だったかな? ここにいるのは俺が司令部から試験的にもらった【褒章】を授与してやった昔馴染みばかりだな」

長門「そうだな。あれからずいぶんと経ったものだ」

朗利「最近は鎮守府の増築だの改築だので忙しくなって、愛月提督の育成のために大型艦の出撃も控えさせていたから暇だったろう?」

朗利「俺も雷たちとまともに会話できない日々が続いたから辛かった」

天龍「………………提督」

龍田「私たちもいるのよ、提督?」

朗利「ああ。わかってるさ。今も昔も遠征はお前たちが切り盛りしてるんだ。忘れるはずがないよ」

朗利「だから、こうやっておにいさんおねえさんが集まって鎮守府のこれからについて真剣に悩んだり 話しあったりすることがなくなって寂しかったよ」

朗利「そのくせ、俺は全てを愛月提督に放り投げて園長として安穏とした余生を送ることを考えてさえいたのだからな」

朗利「――――――すまないと思っている」

艦娘たち「!」

五十鈴「あ、あれは……、――――――そう、不幸な事故だったのよ! 誰も悪くない!」

長門「ああ! 誰もビスマルクのことを悪くなど思っていない! 勝敗は兵家の常――――――最悪の事態だって覚悟して戦場の立ってきたのだからな」

天龍「お、オレも――――――いや、オレの方こそ悪かったと思ってる。普段からあんな大口を叩いてどれだけ心配させていたのかも知らず…………」

龍田「うん。私もちょ~っと無理をしてきたことがあるから、これは反省」

朗利「………………そうか」

大鳳「………………」

艦娘たち「………………」


朗利「辛気臭くしてすまなかった。本題はそれじゃないんだ」パンパン!

大鳳「出番ですよ、みなさん」


比叡「ひ、ひええ……、き、緊張します……」ドキドキ

Z1「まあまあ。みんなで頑張って作ったんだし、愛月提督も美味しいって言ってくれたんだから自信持って、比叡」

Z3「そうよ。最初のあれと比べたらずいぶんマシになったんだから自信を持ちなさい」

瑞鳳「おかげで、千切りキャベツと豚カツをいやというほど作ることになりましたが、お弁当のおかずが増えて良かったです」

阿武隈「これでどこかの夜戦馬鹿には負けないところができたんだから! みんなもそうなのよ?ゴロゴロ・・・(サービスワゴンを押す)


龍田「あらあら~、ずいぶんと可愛らしい娘たちが来たね~」

天龍「愛月提督のところの艦娘か(やっぱり提督が後任に選んだだけあって幼い印象の艦娘が多いな、ほんと……)」

長門「何だ、それは? カレーのようだが――――――」

五十鈴「千キャベツにカツ、ソーセージ……? それにいつもの皿じゃない?」

朗利「これは金沢カレーだよ」

天龍「か、金沢……?」

朗利「そう。これから新作メニューとして取り扱うことにしたいからぜひとも試食をしてもらいたくてな」

天龍「なんだ。そういうことだったのかよ、驚かせやがって」ホッ

長門「これは間宮の新作なのか? それとも――――――」ギュルルルル・・・

比叡「えと、――――――はい」スッ

五十鈴「え……」

天龍「ま、マジかよ!? 確か愛月提督を一口で轟沈させたって話じゃないか! 清原提督のところの――――――いや 何でもない」
                   ・・・・・・・・
朗利「何を勘違いしている? 作ったのはそこにいるみんなだぞ」

比叡「あはは……」

龍田「ああ なるほどね~。『そこにいる比叡ちゃん』じゃなくて『そこにいるみんな』なんだ~」

比叡「は、はい…………お恥ずかしながら」

阿武隈「さあ食べて食べて。提督と園長と……あともう一人の人しかまだ味わってない特別なランチだよ」

大鳳「さあ、みんなでいただきましょう」ニコニコ

長門「お、おう! 腹が減っては戦はできぬからな!」ジュルリ

五十鈴「そんなこと言って、あんた ずっと非番だったでしょ……」


艦娘たち「いただきます!」




天龍「へえ、フォークなんだ。確かにカツやソーセージにはこれが一番だな」

Z1「みんなで試行錯誤して美味しいって言ってもらったものだから味の保証はしてあるよ」

Z3「そのソーセージはレーベが作った手作りよ。今日のは特別にできたてだから格別の味のはずよ」

龍田「カレーにソーセージ――――――」

朗利「お前たちは知らないだろうが、日本にソーセージをもたらしてくれたのは何を隠そうドイツなのだ」

朗利「旧大戦よりも以前の第一次世界大戦において旧帝国軍の捕虜となったドイツ人が広めてくれたものでな」

朗利「ドイツにはカレー風味のソーセージ:カリーブルストなるものがあるから、カレーとの相性はバッチリ確認済みだぜ」

朗利「まあ、これはカリーブルストそのものじゃなくてレーベちゃんがこのカレーに合うように作ってくれた特別品だ」

朗利「美味しくないはずがないぞ。ちゃんと味わってくれたまえ」

長門「ほう、そうなのか。これはいいものだ」

朗利「今でこそカレーは日本人好みに改良されたものだが、そのルーツはイギリスからだな」

朗利「そう考えると、比叡カレーのあれはイギリス由来だったのかな?(――――――メシマズ王国のあれ!)」

比叡「は、ははは…………」アセタラー

瑞鳳「ど、どうですか?」ドキドキ

龍田「うん。美味しい。特にこの小さな豚カツとドロっとしたカレーの組み合わせが妙にくせになるって感じ」

瑞鳳「ありがとうございます!」パァ

朗利「それで、食べてみた感想はどうだい? ――――――採用?」ニコニコ

長門「ああ! 今まで食べたカレーの中で3番目ぐらいの美味さだったぞ!」キラキラ

五十鈴「どうしてそんなふうに言っちゃうのかしら――――――うん、美味しかったわ。採用よ」

天龍「美味かったぜ、新入り共。味はもちろんだけど、オレはフォークを使って食べるところが特に気に入ったぜ」

龍田「うんうん。妙にくせになるよね~これ~」

大鳳「大好評のようですね」ニコッ

比叡「や、やった! やりました、みなさん!」

阿武隈「こんなあたしたちでもやればできる! みんな、ホントにありがとう!」

瑞鳳「はい! みなさんの力を合わせることで本当にいいものができました」

Z1「良かった。本当に」

Z3「そうね。最初はどうなるかと思ったけれど、なんとかなるものね」フフッ

朗利「おめでとう、みんな」パチパチパチ・・・

比叡「あ、ありがとうございます、園長! 私、やりました。頑張った甲斐がありました!」

朗利「うん。約束通り、金剛を愛月提督の配下に加えることを認めてやろう(――――――俺は金剛 あんまり好きじゃないからね)」

朗利「それで、再会したら驚かせてやれ。うんと褒めちぎられろ。――――――自慢の妹だって」

比叡「はい!」

比叡「みんな、本当にありがとう!」

朗利「そして、試作品の“みんなのカレー”の数々を全て食べきって天に召された愛月提督に冥福を――――――」ナーム


愛月「――――――死んでませんから、私ぃ!」バンッ!




比叡「あ、提督ぅー!」ギュッ!

愛月「遅くなってごめんなさい……!」ゼエゼエ

愛月「けど、――――――よくやった! よくやったよ、みんなぁ!」ギュッ!

愛月「よかった、よかった……」グスン

朗利「当然とはいえ、自分のところの艦娘たちを取りまとめてこの任務をよくぞ成功に導いてくれたな、愛月提督」

朗利「そろそろ、次の段階へと移っていこうか」

愛月「はい、園長……」

長門「……少しは認めてやらねばな」

五十鈴「そうね。いつまでも新米ってわけじゃないってことね」

天龍「おいおい? そうなったら愛月提督は俺らの提督とは違って実戦指揮もやってるからますます立場がなくなるんじゃねえか?」

龍田「あら~? そうなったら天龍ちゃんも愛月提督のところに行くのかしら~?」

天龍「ば、馬鹿! オレがそう簡単に“戦友”を見捨てるわけねえだろう!」

朗利「…………!」ピクッ

天龍「誰が何と言おうとオレたちの提督はどうしようもないようなロリコン野郎であって、そんなんでもオレは最後まで付いて行くぜ」

天龍「なあ、お前ら?」

長門「その通りだとも。むしろ、この鎮守府を支えてきた古参として提督の今までの成果と信頼をこれからも守っていかねばな」ビシッ

五十鈴「そうね。英霊たちのそれに比べたらずっとずっとちっぽけな功績だけれど、それが私たちの誇りでもあるから!」ドン!

大鳳「はい。これからも提督とともに在り続けましょう」ニコッ

龍田「私も」ニッコリ

天龍「というわけだぜ!」ドヤァ

朗利「…………ははっ」


――――――ありがとう、天龍。









ザーザー

朗利「――――――海だな」

朗利「…………考えてみると今日の金沢カレーは国際色豊かなものだったな」

朗利「本によるとカレーというのはインド亜大陸の香辛料を使った家庭料理を参考に創られたものらしい」

朗利「そこからイギリス経由で日本に伝わって日本の海軍カレーになったというらしい」

朗利「この海の向こうにはそんな見たこともない国や風土が広がっているのだな」

朗利「考えてみれば、【艦これ】に登場する戦艦っていうのは全部 超弩級戦艦の分類で、」メメタア

朗利「日本最初の超弩級戦艦:金剛はイギリス生まれだったな(――――――それを真似て比叡が悪飯艦になったのかはわからないけど)」

朗利「そして、世界は1つの海で繋がっているという」

朗利「海を渡れる船さえあればどこへだって行ける――――――見たこともないような新世界へと行くことができる」

朗利「けど、いつの頃からか深海棲艦によって海上封鎖されて久しくなった」

朗利「いったい海の向こうには人は居るのだろうか? そして、どんなふうに大人と子供が暮らしているのか――――――」

朗利「それは海上封鎖以前の豊かな時代だった頃の文献でしか偲ぶことができない」

朗利「我が鎮守府も北へ南へ東へと西へと艦隊を出撃させてきたが、祖国の防衛の任務を超えてその先の海域へと進出したことはない」

朗利「行ってみようかな、その先へ」

朗利「誰も見たことがない海の向こうにあるものを求めて――――――」


朗利「そうは思わないか、――――――ビスマルク」


ビスマルク「あ」

ニャーオ


朗利「ほらほらオスカー。おっと、今日はカレー臭いぞ。お前、苦手だろう?」

ニャーオ

朗利「まったく」フフッ

ビスマルク「アドミラール」

朗利「大好評だったよ、“みんなのカレー”」

ビスマルク「そ、そう! それは良かったわね……! この私が評価したのだから、と、当然よ……!」

朗利「ごめんな、俺がダメ提督で。通信機器の故障だったとはいえ、お前を轟沈させそうになった」

ビスマルク「い、いいのよ、そんなこと。あれは私の慢心が招いたことだったんだから……」

朗利「せっかく改二ができるところまでいったのに【勲章】があと1つ足りないな……」メメタア

ビスマルク「もういいのよ、そんなのは…………」

ビスマルク「私はただアドミラールがいつもどおりに笑ってさえいてくれれば、それで十分よ……」


朗利「らしくないな」ププッ


ビスマルク「!?」

ビスマルク「な、なによ! 人がせっかく心配してやってるのに!」

朗利「お前が俺に笑っていて欲しいのなら、お前も俺に構わずいつもどおりに振る舞って笑っていてくれよ」

朗利「そう言ったはずだよな?」

ビスマルク「あ」


朗利『何だ それは? 俺は怒るよりも愛する駆逐艦や潜水艦とのふれあいの中で少しでも長い時の中を笑顔でいたいんだよ』

朗利『だから、お前も笑顔でいてくれ。それでいつものように無邪気に威張っていてくれ。そこで見せる笑顔が何よりだよ』

朗利『子供っていうのは視線に込められた感情に敏感なんだ。目は口ほど物を言うからな』


ビスマルク「あ、あれってそういう意味――――――」

朗利「『安心させたい側と安心させる側』――――――その両方が笑顔にならないと誰も笑顔になれないってことさ」

朗利「『敏感ってことがわかる』ってことは『それがわかるほうも敏感』ってことでね」

朗利「みんな、お前のことを心配していたぞ?」

朗利「同郷のレーベやマックスが俺の後任の愛月提督の最初のパートナーに選ばれて、」

朗利「トドメに愛月提督の指揮で演習艦隊の旗艦に抜擢されてしまい、」

朗利「もう俺の許には完全に居場所がなくなったように思っていたようだが――――――、」


朗利「お前の提督はこの俺だ、ずっと。お前の居場所はこの拓自鎮守府の俺の許だ。だから、どこへも行くな」


ビスマルク「あ、アドミラール……」ドクン

朗利「ごめんな、こんな当たり前のことを言う勇気が今までなかったヘナチョコで…………こだわり過ぎたよ」

ビスマルク「………………」


朗利「ビスマルク?」

ビスマルク「………………」ポタポタ・・・

朗利「あ、えと、す、すまない…………はい、ハンカチ」

ビスマルク「あ、ありがとう……」グスン

朗利「………………」

ビスマルク「………………ねえ?」

朗利「何だ?」

ビスマルク「あなた、いつもいつも駆逐艦の話ばかりでよくわかんないことでキレて勝手に泣いてよくも散々振り回してくれたわよね?」

朗利「ああ。だがそれが俺のアイデンティティだ。諦めてくれ」

朗利「(最近は愛月提督の育成で上官になったせいか、その在り方がずいぶん変わってしまったけれど…………)」

ビスマルク「けど、駆逐艦しか興味が無い――――――いえ、私のこと嫌っていると思っていたあなたが私のためにあそこまで泣いてくれて…………」

ビスマルク「私、ずっとアドミラールのことを誤解してた……」

ビスマルク「それに、アドミラールのところの艦娘たちもこんな私を気遣ってくれて…………」

朗利「なら――――――」

ビスマルク「でもそれは『私の勘違いかもしれない』って思うと、アドミラールに会うのが急に怖くなって…………」ブルブル

朗利「ビスマルク……?」

ビスマルク「私、アドミラールが居なかったらずっと独りだったかもしれないって言うのに、私は今までアドミラールに…………!」グスン

ビスマルク「レーベやマックスとは違って、ずっと生意気ばかり言って困らせて、ほんとにごめんなさい……」ポタポタ・・・

朗利「…………そっか。その辺は普段の俺の態度にも問題があったのか」

朗利「ほら、泣くな」ナデナデ

ビスマルク「あ」

朗利「………………」スゥーハァーー

朗利「わかったよ。言うよ。どうせこれから長い付き合いになっていくんだしさ。正直に言います」

ビスマルク「へ」




朗利「俺はビスマルクのような娘が大好きです!」





ビスマルク「ふぇ!?」

朗利「生意気言って困らされるのも大人ぶって背伸びしているところを見ているのも俺は大大大好きです!」

朗利「いやあ、さすがは“でかい暁”というだけあって愛くるしいものがあるじゃないか!」ニコニコ

朗利「それに、口は悪いけど俺の作ってくれたものを美味しく食べてくれるし、そのギャップがたまらなくイイというか!」グッ

朗利「要はね! ビスマルクはね! 物凄く俺好みの艦娘なんですわ、はい!」(紳士が愛でる対象として)

ビスマルク「え、ええええ!?」カア

ビスマルク「駆逐艦が好きというわけじゃなかったの!?」ドクンドクン

朗利「違います。俺は見た目がロリだから愛でるのではなく、幼女が幼女足らんとしているところから愛でているのだ!」キリッ

朗利「つまり、見た目よりも心――――――お前の愛らしさに触れて今までムカつくことはあってもずっと艦隊に置いていたのだ!」

ビスマルク「あ…………」ポー


朗利「いつかこの海上封鎖を抜けてお前の祖国に行ってみないか?」


ビスマルク「え」ドキッ

朗利「俺、ちょっと海の向こうの世界に思いを馳せてみて漠然とそう思うようになったんだ」

朗利「そんなわけで、どうせ海の向こうに行くんだったらさ? ビスマルクの故郷を最初に訪れてみたいなって」

朗利「そして、そこにいる子供たちと戯れようぜ。それでいっぱい笑顔の元気をもらうんだ」

朗利「お前、祖国だと人気者なんだろう? いっぱい子供が寄ってくるぜ、笑顔で迎えてくれるぜ」

朗利「こんな素敵なことはないだろう? な?」ニッコリ

ビスマルク「あ、アドミラール…………」プシュー



ビスマルク「(ど、どどどどどういうこと!? こ、ここここれってもしかして、その『もしかして』なの!?)」ドクンドクン

ビスマルク「(お、落ち着きなさい、私……! 状況を一度 整理するのよ! そう!)」スゥーハァーー

朗利「…………あれ? ビスマルク? おーい」

ビスマルク「(あ、アドミラールはわ、私のことが、好きだったからずっと気にかけて――――――特別扱いしてくれていたのよね!?)」ドキドキ

ビスマルク「(そ、そう! 私はアドミラールのお気に入り――――――!)」ニヤニヤ

ビスマルク「(あれ? となると、雷はどういうことなのかしら? アドミラールは私と雷のどっちが好きなの――――――?)」

朗利「ビスマルク……」

ビスマルク「ハッ」

朗利「…………どうなんだ? 返事を聞かせてくれないか?」オドオド

ビスマルク「あ……」


――――――切なそうな目。不安に彩られて振り払ったらすぐに涙が溢れてきそうな縋るような眼差し。


ビスマルク「(馬鹿ね、私。ちょっとしたことですぐ癇癪を起こすようなアドミラールに楽劇に出てくる英雄像を求めてどうするのよ?)」クスッ

ビスマルク「(それにアドミラールはずっと私のこと――――――)」

ビスマルク「そ、そう。そこまで言うのなら、一緒に行ってやってもいいわよ」モジモジ

朗利「そ、そうか!」パァ

ビスマルク「や、約束よ! 絶対にこの私と一緒に私の祖国の土を踏みに行くのよ、約束したんだからね!」ドキドキ

ビスマルク「お、覚えてなさいよ!」バッ


ビスマルク「Danke」ニッコリ


タッタッタッタッタ・・・

朗利「あ」

朗利「あはは…………行っちまった。相変わらずそそっかしいやつだな――――――そこがイイんだけど」フフッ

朗利「けど、――――――やった。やったよ、俺」ホッ

朗利「これで止まっていた頃とおさらばだ。俺たちは次へと進むよ」

朗利「それからだよ、本当の戦いは――――――」グッ

朗利「けど、さっきのビスマルクの表情――――――最高だったなぁ! 背伸びして威張ってるやつの恥じらいの表情が最高にイイ!」

朗利「それもいいんだけど、――――――やっぱり笑顔だよね。笑顔が一番さ!」

朗利「やっぱりね、人間ってのは純粋な心こそが一番の宝物なんだよ!」

朗利「よし、やるぞー! そのためにやり残したことを今こそ終わらせる!」








――――――戦艦ビスマルクを旗艦とした精鋭たちよ、いざ水平線の彼方へ進め!







朗利「――――――ついに【勲章】が4つ揃い、その時が来たんだな」

長門「ここまで長かったな。元々 我らの実力ならばどうということはなかったのだがな」

五十鈴「けど、過去を精算するためには過去と向き合わないといけないから――――――」

大鳳「あれから私たちも成長しましたし、何よりも心強い助っ人が駆けつけてくれましたから」

電「これで提督の悪夢は終わったということなのです」

雷「後は、ビスマルクの【改造】が終われば――――――」メメタア

コンコン、ガチャ

愛月「園長、ビスマルクの準備ができました」

艦娘たち「!」

愛月「さ、入ってきて」

朗利「――――――おめでとう、ビスマルク」


ビスマルク改二「Danke」テレテレ


Z1「良かったね。ビスマルク」

Z3「これでようやく私たちドイツ艦の【改造】が全て終わったのね」

朗利「それで終わりじゃないぞ」

朗利「これより、戦艦ビスマルクに【拓自鎮守府褒章】を授与する」ビシッ


ビスマルク「あ、ありがたく頂戴するわ、アドミラール。これからも頼りにしなさいよ。そして、私の活躍を目に焼き付けなさい!」(ユウジョウカッコカリ)


朗利「それでいい。それで」フフッ

ビスマルク「……うん」

「ワーーーーーーーーーーーーー!」パチパチパチ・・・

鳳翔’「よかったですね、朗利提督」(洞庭鎮守府より派遣)

龍驤’「ウチなんかが提督の代理人としてやってきてよかったのかなぁ…………でも、シャンとしてないとな」(斎庭鎮守府より派遣)

愛宕’「うふふっ♪」(趣里鎮守府より派遣)

朗利「ご助力感謝いたします、【派遣】組の方々」

鳳翔’「いえいえ。皇国の将来を担う同胞である以上、できるかぎりのことはいたします。これからも」

龍驤’「ちょっと自信無かったけど、いい経験させてもらったわ。ホンマありがとな。お菓子 ホンマに美味しかったで」

愛宕’「いいなー。私もケッコンカッコカリやユウジョウカッコカリをしてもらいたいなー」



・・・・・・バン!


朗利「!?」

艦娘たち「!」

愛月「な、何……?」

天龍「て、提督!」ゼエゼエ(大破)

朗利「どうした、天龍!」

天龍「遠征してすぐに見たこともないような深海棲艦と遭遇して、そいつが明らかにヤバイやつだったからすぐに撤退してきたんだ!」

天龍「そしたら、その深海棲艦が追ってきやがった! 動きがトロいくせに振りきれなくてこのザマだ。すぐに追っ払ってくれ!」

愛月「なんですって?! ――――――敵が!?」

艦娘たち「!」

ビスマルク「アドミラール」

朗利「まず、数は?」

天龍「数は1だ。けど、恐ろしく強くて――――――」

朗利「よし、まずは敵を捕捉する! すみませんが、――――――『【遠征】組! 緊急出撃!』お願いします」

鳳翔’「わかりました。艦載機による先制攻撃を仕掛けます」

龍驤’「任せときや! ウチらだけで終わらせておくから安心してや」

愛宕’「それじゃ、行っきま~す。うふっ♪」

タッタッタッタッタ・・・

朗利「次に、艦種は? ――――――戦艦か? 空母か? 雷巡か?」

天龍「それが、――――――全部だ。大口径主砲も艦載機も魚雷も全部だ!」

長門「な、なにぃ!?」

大鳳「まさか、報告にあった――――――」

朗利「【鬼】【姫】か!(果ての西方海域でその存在が確認され、その戦闘力は通常の深海棲艦の何倍もの現状での最大の難敵!)」

朗利「(その戦闘力は万能戦艦とも言えるほどであり、また驚異的な継戦能力によって数多の艦隊を1艦で撃滅してきた――――――、)」

朗利「(太平洋にもその姿を見せ始めたことにより、海軍の総力を上げて大規模作戦はその脅威を取り除くために行われるぐらいの――――――!)」

朗利「だが、それがどうしてこんな近海に!? なぜ今まで報告が上がらなかった!? まさか近隣で展開している味方艦隊が全滅したというのか!?」

朗利「これは総力戦だ――――――あ」ピタッ

愛月「司令官……?」


――――――俺の艦隊には戦艦:2、装甲空母:1しか大型艦がいない。



朗利「真正面から戦う必要があるというのに、残りが駆逐艦と潜水艦しかいないぞ!? しかも全体的な練度は低い!」

朗利「これでは出すだけ死屍累々だ!」

愛月「ま、待ってください! 私のところには巡洋戦艦:比叡と最近になって入った金剛が――――――」

朗利「ユウジョウカッコカリできるレベルにすらなってないのに【鬼】や【姫】に渡り合えると思うな!」メメタア

愛月「は、はい……!」

ビスマルク「アドミラール……」

長門「提督……」

雷「司令……」

朗利「――――――総員退避だ」

愛月「え」


――――――鎮守府を放棄する。


艦娘たち「?!」

ビスマルク「そ、そんな……!?」

五十鈴「何 言ってるのよ! 戦わずに逃げるっていうの?!」

朗利「そうだ、逃げる! ――――――総員退避だ。退路は陸路からで、砲撃の届かない奥地にまで逃げ込む」

朗利「資料によれば、やつは4度は殺さないと沈まないらしい。それでいて戦艦並みの戦闘力に艦載機と雷装まで備えているんだ」

朗利「真正面から精鋭のお前たちがぶつかればギリギリで1度や2度は倒せるだろうが、3度目になれば必ずお前らの中の誰かが沈む!」

朗利「そうなればどのみち潰走してこの鎮守府はたった1艦のあの深海棲艦によって壊滅だ」

朗利「なら、無駄に戦力を消耗する前に敵前逃亡をするまでだ」

五十鈴「そ、そんな! 待ちなさい――――――」

朗利「大鳳! 総員退避の通達を早く出せ!」

朗利「雷と電。パークのみんなを迅速に避難させてくれ」

朗利「指揮権は全て愛月提督に委ねる! 少しでも多くの人員を【鬼】の手が届かぬ場所へ!」


――――――ここは俺が何とかする!


一同「…………!」

大鳳「…………了解」

雷「…………わかったわ。また会いましょう、司令官」

愛月「わかりました、司令官! レーベ、マックス、ついてきて!」

長門「くぅ……、これも提督の命令ならば従う他あるまい」

ビスマルク「………………」


タッタッタッタッタ・・・



朗利「お前たちも早く行け。勝ち目のない無謀な戦いに突っ込んで死ににいく必要はない。そんなのは無駄死というものだ」

長門「ならどうして提督は退避なさらない!」

天龍「そうだぜ! 提督の艦娘であるオレたちが提督を置いて逃げるわけないだろう!」

朗利「俺は【派遣】組を誤って先行させてしまった。それぞれの鎮守府へ無事に責任持って帰さなければならない義務がある」

五十鈴「それなら、尚更 助けに行かなくちゃじゃない! それに夜になれば私の必殺の雷撃で――――――」

朗利「――――――!」ピピッ

朗利「ダメだ。そこまで待てない! 敵はそこまで来ているんだ!」

朗利「やつが上陸すれば動きが鈍くなった上に雷装も無力化するから、そこを【攻撃機】でじわじわと削っていくしかない。そこしかつけいる隙はない!」

朗利「だからこそ、【派遣】組には戻ってきてもらわないといけないんだ! 特に【流星改】ガン積みの鳳翔夫人が無事でないと!」

五十鈴「ただ陸地へ逃げ出すってわけじゃなかったんだ…………」

天龍「提督……、やればできるんじゃねえかよ……。そういうのをずっと待ってたんだぜ、オレたちは……」

長門「確かにそれなら、何とかなる可能性は感じられるが、しかし――――――!」

ビスマルク「アドミラール……」

朗利「だが…………(まさか、こんな事態がやってくるなんて…………)」アセタラー


――――――どこか遠い世界のことのように思っていた。こんな災厄が海の向こうからやってくるだなんて。


朗利「(けど、俺にもようやく目標らしい目標ができたんだ。やろうと思えるようになったんだ。必死になって足掻くだけ足掻くさ!)」

朗利「ビスマルク」

ビスマルク「…………!」

朗利「約束は守るからな、絶対に! いや、守らせるからな!」

ビスマルク「と、当然よ! 私のことをここまで本気にさせておいて責任を取らないまま逝くだなんて許さないんだから!」

朗利「お前たちもだ! 俺は意地でもお前たちの提督で在り続けるぞ! 頼まれなくたって生きてやる!」

天龍「その息だぜ、提督!」

提督「あ、お前は大破してるからさっさと退避してくれ。戦いに集中できない」

天龍「…………そうかよ。ならさ?」フフッ


――――――待ってるぜ。暁の水平線に勝利を刻む提督の晴れ姿をな。


提督「ああ。【派遣】組を回収したら俺も一直線で逃げ出すから鎮守府を空にしてくれよ」

天龍「わかったよ、園長先生。武運を祈ってるぜ」フフッ


タッタッタッタッタ・・・




提督「で、残ったのがお前たちか」

五十鈴「当然よ。私と長門でこの鎮守府で一番の功績艦なんだから。私たちがいなかったら始まらないんじゃないの?」

長門「そうだとも。提督の戦闘指揮はからっきしだからな。私が居なければこれから始める生き残るための戦いもままならんだろう?」

ビスマルク「私もあなたに約束を守らせるわよ、アドミラール!」

提督「…………俺は果報者だな」

五十鈴「けど、もっと人を集めたほうがいいんじゃないの? 私たち3人しか――――――」

提督「大丈夫だ。“盾”と“矛”が十分に揃ってるから」

提督「俺が考えついた作戦はあくまで足止めと【派遣】組の救出だ。まずは撤退戦をどうにかしないと始まらない」

提督「あくまでも基本的な方針は【派遣】組の航空戦力で陸に誘い込んだ【鬼】だか【姫】だかの撃破だ」

提督「そして、この鎮守府は破棄したものとして残されたものは有効に使わせてもらう!」

ビスマルク「何をする気なの?」

提督「なに、簡単なことだ」


――――――鎮守府一帯を火の海にするだけだから。


Next:第?話 海上封鎖を突破せよ  -世界は1つの大洋で繋がっている-


――――――趣里鎮守府


カチャカチャバン! ブゥウウウウウン!

石田「よし。これでいいな」

左近「本当にやるんですかい、殿?」

石田「ああ。俺はそのために提督を辞めるんだ。そのためにこの部署を立ち上げたのだ」


――――――全ては俺自身の手で深海棲艦を倒すためだ。


左近「それで誰が喜ぶというんです? これから殿がやろうとしていることを知れば艦娘たちは一斉に止めに入るでしょうな」

石田「違うぞ、左近提督」

石田「これは全体の勝利のため――――――引いては俺自身の目標でもあるのだ」


石田「これは俺がやりたいことなのだよ。俺がやらなければ意味が無い――――――艦娘たちの気持ちなど考慮に入れていない俺のワガママというものだ」


左近「――――――違います」

石田「なに……?」

左近「殿は『艦娘たちの気持ちなど関係ない』と言いましたが、それなら殿は殿がこれからなさろうとすることを艦娘に任せればよいのです」

左近「『これが全体の勝利のため』――――――そう常々 殿が言っていたことを実現できると聞かされれば、」

左近「その命令に殿の艦娘たちは喜んでその命を受けることでしょうよ」


左近「明らかに無謀としか思えないような生身の人間による深海棲艦への特攻――――――」


左近「殿は司令官としてはあるまじき死にたがり屋ですよ。一種の軍務放棄ですよぅ、これは」

左近「結局、殿がやろうとしていることは過去の贖罪から来ているのでしょう?」

左近「――――――殿が敵を強く憎んで自己の安全よりも敵への損害を優先させようと突き動かされるのも」

左近「それは、殿の中にある 海の藻屑となって散っていった艦娘たちの気持ちを汲み取っているからこその結果じゃないんですか?」

石田「何を、馬鹿なことを…………」

左近「………………」

石田「くっ……」


石田「………………左近提督、俺は勝ちたいのだ」


石田「俺に力がないばかりに――――――、安全な場所に居るだけで何の苦しみも辛さも感じられず――――――」

石田「本来、平和とは自分たちの手で掴み取るものなのだ」

石田「それを我々人類は戦うことを放棄して人間ではない生まれながらの奴隷を生み出してそれを背負わせたのだ」

左近「しかたがないですな。艦娘というのは自律兵器として自己管理をしてくれて従来の何万倍もコストパフォーマンスに優れてますからな」

石田「だが、彼女たちは兵器として優れていても、どこまで行っても人間としては優れることはできはしないのだ」

石田「どういうことかわかるか、左近提督?」

左近「それが殿がやろうとなさっていることに繋がっているのでしょう?」

左近「例えば――――――、」


――――――深海棲艦の【捕獲】をした後のこととか。




石田「そうだ。無尽蔵に湧く深海棲艦の脅威から我々が真に救われるためにはその根源を叩かなければならない」

石田「しかし、艦娘にそこまでできるとは思っていない。彼女たちには戦うことに必要なことしか知らないのだから」

左近「………………」

石田「頼む、左近提督……」

左近「では、お供の艦隊を付けさせてください、殿」

石田「!」

石田「左近提督……?」

左近「この日のために殿の描く天下餅を作るのに使えそうな高速艦隊を用意しておきました」

左近「ただし、あくまでも殿は【支援艦隊】として本隊が撃ち漏らした深海棲艦を捕獲してくださいよ?」

石田「感謝するぞ、左近提督」

     マリンジェット
艦載艇:特殊小型船舶|正規空母:蒼龍

駆逐艦:天津風   |軽巡:大淀        
駆逐艦:時津風   |軽巡:長良        


石田「ところで、この人選は?」

左近「蒼龍は【昼戦突撃】した際の増援の航空戦力、他は高い装甲と高速艦であることのみです(――――――時津風は完全に場違いですけれどもね)」

左近「この場合の【旗艦】である殿をお守りする盾となってもらうための布陣です」

石田「!?」

左近「そんなに驚かないでくださいよ。別に【姫】や【鬼】を捕ろうってわけじゃないんでしょう?」

左近「それに殿の目指す最強艦隊の構成員には含まれていない面々ですし、これぐらいがちょうどいいと思いますよぅ?」

石田「…………そうだ。俺がやろうとしていることは、――――――そういうことなんだな」

左近「そういうことなんです」

石田「すまない、左近提督」

左近「いえいえ。俺も現在の膠着状態の戦況をどうにかしたいと思っているところがありましてね」

左近「悔しいですが、個人の軍略だけじゃどうにもならないのは確かです」

左近「ですから、俺も殿の賭けに乗ってみようと思いましてね。これでも博打は得意ですから」

石田「左近提督が言うとそれらしく聞こえてくるから恐ろしいな」フフッ

左近「殿。短い付き合いでしたが、また【艦これ】の世界に連れ戻してくれたことを感謝してます」メメタア

石田「俺もだ、左近提督。左近提督が居たからこそ ここまでこれたのだ」

石田「だが、まだ暁の水平線に勝利を刻むための始まりに至ったに過ぎないのだ」

石田「頼むぞ。俺を勝たせてくれ、左近提督」

左近「合点承知でさあ。そして殿に 天下餅を美味しく召し上がってもらいましょう」


石田「後のことは任せたぞ、左近提督。――――――猛獣狩りに行ってくる」ジャキ!


Next:第?話 深海棲艦捕獲指令   -全ては暁の水平線に勝利を刻むために- に続く!



各話リスト:【艦これ】提督たち「ユウジョウカッコカリ?」【物語風プレゼン】

第1話 ユウジョウカッコカリ
第2話 お守り
第3話 御旗と共に
第4話 愛の力
 ↓
第5話 艦娘、派遣します ←――――――今回
 |
 |(次の4話の話の順番のコメントをお願いします!)
 ↓
第?話 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち-
第?話 提督、出撃す     -船娘の進撃・陸軍の意地・男の浪漫-
第?話 海上封鎖を突破せよ  -世界は1つの大洋で繋がっている-
第?話 深海棲艦捕獲指令   -全ては暁の水平線に勝利を刻むために-
 ↓
第?話 大本営の野望      -艦娘 対 超艦娘-
 ・
 ・(以下、内容が追加されるかも)
 ・
最終話 -北緯11度35分 東経165度23分-


注意:ここからは今回 提案した新インターフェース:【要請】を基礎にした提案内容が主となります。
オリジナル艦娘も登場し、新要素や艦種の性能の見直しなども提案させていただきますので、現状の【艦隊これくしょん】とはどんどん掛け離れていきます。
つまり、ますます実際には役に立たない物語風プレゼンの架空戦記の様相を呈していきます。
筆者の予想では、あと来年の今頃にもならないと大規模なアップデートは行われず、海外艦もあまり増えていないものだと思っております。
それ故に、少なくとも2年後までは実装されないような独創的なアイデアを提案するものとなるはずです。
また、オリジナル艦娘の人選は5年ぐらい経っても実装されるのが望み薄な艦娘にしております。だから八八艦隊を起用しているのであり――――――。
なので、アメリカの空母エンタープライズやドイツの戦艦シャルンホルストみたいな有名所は出しません。それぐらいは公式で出してくれるはず。
そもそも、公式としては連合国側の艦娘をどういう位置付けにするつもりでいるのかがまだわからないので迂闊な人選ができないわけなのです。

とにもかくも新インターフェイス:【要請】がプレゼンターの最大の提案であり、これさえ導入していれば将来的な問題は全て解決するものだと思っております。

あとは、第5話の【要請】に関連した内容で第6話を彩った後に挿話を入れてほのぼのとした後、-艦娘 対 超艦娘-の話に入っていき、
最終話を投稿する前に何か新しいアイデアが生まれれば挿入しようかと思います。

ちなみに、これから天城型巡洋戦艦「天城」といろいろマニアックな海外艦推しが始まることを明言しておきます。キャラ的に美味しい背景の持ち主なので。
劇中にも出ていたように一般的に【艦これ】ユーザーが認知している天城というのは雲龍型航空母艦2番艦:三代目天城のことなのだが、
あれが幸運艦として扱われるのか、不幸艦として扱われるのかは筆者のちょっとした興味となっている。次のイベント辺りに実装されるのだろうか?


具体的なコメントを残していただけると幸いです。


それでは、今日も張り切って【艦これ】ライフをお楽しみくださいませ。

慢心ゼッタイ、ダメ。自分を苦しめてまで求めたら負け、何事もなく一日 楽しめたらあなたの勝利です。

アニメの声優はどうなることやら…………




これにて、今回の投稿は終了とさせていただきます。
最後に筆者が最近おもしろいと思ったSSの紹介をさせてお開きとさせていただきます。

ご精読ありがとうございました。

くれぐれも、見ていただいた方には第6話の4つのエピソードの発表順番をコメントしてくれると幸いです。
くどくなりますが、どういった提案が喜ばれるのかを目にしたいので、どうかコメントよろしくお願いします。
そして、架空戦記として提案内容よりも読み物としての内容が深まっていくので、
エピソード4つそれぞれの提案が終わるまではしばらくは新しい提案はいたしません。

それでは、ありがとうございました。

今日はも張り切って鎮守府での一日をお楽しみくださいませ。 大切なことなので2度言いました。


最近のおすすめ【艦隊これくしょん】二次創作SS

八幡「艦娘?」 叢雲「うるさいわね」
八幡「艦娘?」 叢雲「うるさいわね」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1408617983/)
ジャンル:クロスオーバー(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。)
俺ガイルの現実的世界観に合わせた内容で、艦娘の解釈が【艦隊これくしょん】とは違う点で注意をまずしておくが、
艦娘を(深海棲艦と戦えるだけの特殊能力を持っている以外は)同じ人間としてより身近な存在に描いているのが魅力的。
そもそも制服を着ている艦娘や今どきっぽい感性の艦娘が多いのだから学園モノとクロスさせても違和感がないわけで。
死人は出ないが2つの世界を行き来する苦悩を背負う主人公像からマブラブオルタネイティブ(ベリーイージーモード)という印象である。

こういう世界観の解釈や提督像も二次創作としてはありなのではないかと、現に様々な提督像を出している筆者はそう思うのだ。


【艦これ】提督「頼む、婚約者になってくれ!」
【艦これ】提督「頼む、婚約者になってくれ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1407328098/)
ジャンル:マルチシチュエーション
あらすじ:故郷に帰ることになった提督たちが見栄で秘書艦を婚約者と偽って連れ立って久方振りの故郷を訪れる――――――そんな話。
魅力的なのは、提督たちのそれぞれ異なった人間性とドラマ性であり、それぞれの物語が間接的に繋がっているところが筆者としては好ましい。
筆者はどうにも画一的な提督像に飽いているようなので、こういった1つのお題でそれぞれ違った演出がなされているのを強く求めているようで、
これからの展開を非常に楽しみに待っている作品の1つです。

どうか、マルチ系の二次創作が増えていきますように…………


提督「鎮守府のアイテム屋が色々と手遅れだった件について」
提督「鎮守府のアイテム屋が色々と手遅れだった件について」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1408975679/)
ジャンル:ギャグ(ケッコンカッコガチ)
別におすすめするほど感心したわけではありませんが、途中に貼ってあった【提督 大破】に大笑いして、禁断の発想を得てしまった…………!
たぶん、これから提案しようとする新システムの源泉は何気なく見た【提督 大破】なんだろうなぁ~


【ザ!鉄腕!DASH!!】DASH鎮守府~TOKIOは海の平和を守れるか~【艦これ】
【ザ!鉄腕!DASH!!】DASH鎮守府~TOKIOは海の平和を守れるか~【艦これ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1409752282/)
ジャンル:TOKIO
前回紹介したTOKIOのやつとは別物で、あちらは職場見学であったのに対して、こちらはタイトルのとおりにTOKIOがちゃんと提督しているものである。
相も変わらず、TOKIOがやるとなるとコメントが賑わうので見ていて非常に楽しい作品です。
筆者がやろうとしている群像劇にも相当するので本当に楽しませてもらってます。



乙!


今更ながら4人の提督および鎮守府のコンセプトは――――――、

清原提督:否定 ←ジュウコンカッコカリおよび課金プレイ→ 肯定:金本提督

朗利提督:否定 ←能力偏重・効率重視・合理主義プレイ→ 肯定:石田提督

清原提督と金本提督の対立は倫理的な問題として現実的に面倒な事案なので省略。
朗利提督がキャラゲーとして楽しもうとしているのに対して、石田提督は手強いシミュレーションRPGとしての攻略に精を出している。
喩えるならば、ファイアーエムブレムやスーパーロボット大戦に対するアプローチの違いであり、
FE聖戦の系譜でレヴィンの嫁をフュリーにするかティルテュにするか、シルヴィアだけカップルを成立させないか否か、
スパロボの早解きのために主役軍団で普通に殴りこむよりも脇役のレベルを修理指導して上げまくるのに精を出すか、
そんなふうな違いであり、もちろん自分がやりたいようにプレイすればいいだけの話なのだがそれを他人に押し付けるのがよくない。

よって、冒頭の4人の提督の出会いのシーンでの対立にあったように、清原提督と金本提督、朗利提督と石田提督とで互いにライバル視しているのである。
これだけは許せないという強いこだわりがそれぞれにあるわけであり、こればかりはいかんともしがたいものである。
ただ、それでいて自分とは正反対のやりかたでよくやってこられているものだと感心しているところはあり、自分にはない強さを見ている。
一方で、清原提督が朗利提督と石田提督の発言に噛み付かなかったように基本的に反対者以外には中立的な考えを貫いているのも事実である。
清原提督はジュウコンカッコカリや課金プレイを許さない一方で、そこそこにキャラ愛を注ぎ、効率的なプレイを模索しているので中立的であろう。
金本提督もケッコンカッコカリ乱発するだけのキャラ愛に満ちている一方で、戦術と戦略を堅実にしているのでやはり中立的である。
朗利提督はとりあえず資源を貯めて好きなキャラだけで無理に攻略しようとしているので石田提督からすれば無謀にしか見えない。
石田提督は勝つために数値を見て使うキャラを選んでそぐわなければ使い捨てるので、朗利提督からすればとんでもなく冷酷なやつにしか見えない。

そんな感じに四者四様の艦隊運用の違いが現れている。
そして、それ故にテキストの文量が提督によってずいぶん差が出てくるのでありまして…………
書いていても読んでいても楽しいのはたぶん朗利提督のような剽軽者だと思われる。三国志演義も弱い劉備が主役だからこそ映えるものだし。
逆に、あまり書くことも少なくあっさりしているのが金本提督であり、三国志演義の赤壁直前の絶頂の曹操のような感じである。

実際的な【艦これ】提督としての力量
金本提督 >>> 石田提督 > 清原提督 >>> 朗利提督

架空戦記の中での戦略意識の高さ
朗利提督 > 石田提督 >> 清原提督 >>> 金本提督

精神安定
清原提督 > 石田提督 > 朗利提督 > 金本提督


各話リスト:【艦これ】提督たち「ユウジョウカッコカリ?」【物語風プレゼン】

第1話 ユウジョウカッコカリ
第2話 お守り
第3話 御旗と共に
第4話 愛の力
 ↓
第5話 艦娘、派遣します
 ↓
第6話X 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち-
第6話Y 提督、出撃す      -船娘の進撃・陸軍の意地・男の浪漫-

第6話Z 海上封鎖を突破せよ  -世界は1つの大洋で繋がっている-
第6話W 深海棲艦捕獲指令   -全ては暁の水平線に勝利を刻むために-
 |

 |
 ↓
第?話 大本営の野望      -艦娘 対 超艦娘-
 ・
 ・(以下、内容が追加されるかも)
 ・
最終話 -北緯11度35分 東経165度23分-

今回から、交流の場においてはそれぞれの鎮守府の所属毎に艦娘たちに番号を割り振りします。
なにせ、それぞれの鎮守府2人の提督が二人三脚でそれぞれ独自の道を進んでいくので艦娘が被ることもあるのです。
そこで、X,Y,Z,Wを主人公の提督の所属、x,y,z,wを副主人公の提督の所属の艦娘として区別させてもらいます。
金剛型戦艦なんてどこの鎮守府でも必需品だから被りまくりというわけだから、所属を区別するために番号を導入します。
ただし、艦娘が1つの鎮守府に2人いる提督のどちらの指示に主に従っているかが最低限の意味であり、完全に指揮権が違うかは事情によります。

基本的に提督には使いませんし、交流の場においてのみ出張してきた艦娘に添えております。


・洞庭鎮守府:艦娘の指揮権は、清原提督 > ????
X:清原提督
x:????

・斎庭鎮守府:艦娘の指揮権は、金本提督 > 剛田将校
Y:金本提督
y:剛田将校

・拓自鎮守府:艦娘の指揮権は、朗利提督 ∋ 愛月提督
Z:朗利提督
z:愛月提督

・趣里鎮守府:艦娘の指揮権は、石田提督 ∈ 左近提督
W:石田提督
w:左近提督




余談1  ある日の司令部の集い -βテスター親睦会-

――――――司令部


清原「今日は集まっていただいて感謝します」

清原「これより、βテスターの親睦会を始めさせてもらいます!」

「ワーーーーーーーーーーーー!」パチパチパチ・・・

金本「はいはい」ヤレヤレ

朗利「いえーーい!」パチパチパチ・・・

愛月「わあーーーい!」パチパチパチ・・・

石田「まあ、こういうのもたまには必要だろう」パチパチパチ・・・

左近「大盤振る舞いですな、この司令部は」パチパチパチ・・・


司令部「よく集まってくれた諸君。最初に諸君を喚んであれから状況も大きく変わったことを報告するためでもあるぞ」


司令部「まずは――――――、」

司令部「ついに北方海域にもExtra Operationが追加されたことを報告しよう」メメタァ ←いったいいつの話じゃ:【勲章】にまつわることなので言及

金本「へえ。となると、これで4つの海域で毎月【勲章】がとれるようになったわけなんだ」メメタァ

清原「残るは、西方海域のExtra Operationマップですね」メメタァ

朗利「西方海域か……(いずれ攻略しなければならないな……)」

金本「さて、待望の新マップだ! 腕がなるぜ! ま、全ての海域を制覇してきた俺には物足りない相手かもしれないがな」メメタァ

司令部「詳しい内容は配布資料にすでに記されているから各自読んで欲しい。それで挑むかどうかは任せよう」

清原「――――――作戦領域:北方AL海域」ペラッ

清原「…………『AL海域』か」

愛月「では、先遣部隊によるドロップ情報は――――――」メメタァ

石田「ほう。春イベントの突破報酬だった明石がついに…………」メメタァ

左近「石田提督は明石もすでに擁しておりますからな。特に気に留めることもありませんか」




ワイワイ、ガヤガヤ、ワーワー!


司令部「では、そろそろ本題に移るとしようか」ニコッ

司令部「それぞれの鎮守府のカレーの試食会といこう!」

「ワーーーーーーーーーーーー!」パチパチパチ・・・

司令部「では、最初は! 銀座の洋食屋の息子:清原提督の洞庭鎮守府ぅーー!」

清原「比叡、出番です」

X:比叡「はい!」ガチャ

愛月「あ、お久しぶり~!(きゃー! さっすが清原提督のところだけあって全然気品が違う!)」

X:比叡「はい。またお会いしましたね、愛月提督」ニコッ

X:比叡「では、お召し上がりください、みなさん!」ビシッ

石田「なんと……(本当に、あの比叡なのか!? 提督次第であんなにも凛々しくなるものなのか!)」

左近「ほう! なかなかやりますね(俺のところは飲んだくればっかりで困っちゃいますよね~)」


金本「へえ、これが噂の御召艦カレーってやつ! さすがは童貞くんだわぁ! このカレーには魔法がかかっているな!」


清原「…………褒め言葉として受け取ろう」

司令部「うむ。さすがは正統派なだけあって、非常にまろやかで親しみやすい味わいだ。まさしく御召艦カレーと呼ぶにふさわしい!」

金本「たまにはこういう余興もいいな」モグモグ

朗利「やっぱ、これは旨えわ(長門が一番だってイチオシするカレーだもんな――――――いや、慰問の時からみんなこのカレーの味に憧れたんだ)」

愛月「ああ……、もう無くなった…………(試食会だから半人前分しかないからすぐに無くなっちゃう……)」

石田「清原提督。認めよう、このカレーはまさしく御召艦カレーであると」

左近「最初にこんなものを出すだなんてお人が悪いね、清原提督も。後の人がカレーを出すのが申し訳なくなるじゃありませんか」

清原「お褒めいただき、ありがとうございます」

清原「けれども、カレーは生き物ですから作る人によって千差万別――――――その違いを味わうのも一興ですよ?」

金本「けっ、お前、提督じゃなくて洋食屋の息子らしくしていたほうが魅力的なんじゃねえの?」


清原「実は金本提督の作るカレーというのが楽しみでしてね」

金本「ほう?」

清原「金本提督ならば何か破天荒なものを出してくるんじゃないかと、悪い意味でも期待しているんですよ」

金本「ははん。よくわかってるじゃねえの、清原提督」

金本「当然だろう、俺がふつうのもので満足できるはずがない」

金本「さて、次は俺の番だ。斎庭鎮守府の金曜日のカレーをごちそうしてやるぜ!」

金本「大鯨! 出番だぞ」

Y:大鯨「はーい!」トコトコ・・・

司令部「おお…………(なんと! さすがは金本提督といいたいところだが、今度は大鯨!? ――――――守備範囲が広いということか)」

愛月「あ、可愛い……! 初めて見たけどホントに可愛い!」ウズウズ

朗利「確かにな(けど、幼女というほど幼女かな、これは?)」ジー

愛月「園長! 大鯨を捕まえましょう! 捕鯨ですよ、捕鯨!」ハアハア・・・

朗利「…………止めておくんだ、新米よ(それに今 目の前にいる実物を捕鯨しようとする勢いだぞ、今のお前)」

Y:大鯨「それではみなさん! これが斎庭鎮守府ご自慢のカレーです!」

清原「なに?! これは――――――」

金本「お前が銀座の洋食屋ならば、俺は銀座の惣菜パンだね」

清原「銀座の惣菜パンと言ったらあんパンだろう。わざと言っているな」

石田「これは計算外だ!」

左近「ほう、やってくれますねぇ」


司令部「カレーパンとな……」


金本「そうなんだぜ! 高級植物性サラダ油で揚げているからベタベタ油っぽさがないのが自慢だぜ!」

金本「それにカレーライスとは違って、小さくて何個でもいつでもどこでも手軽に食べられるから俺のところの憲兵共にも喜ばれている」

清原「あ、これは確かにカレーパンとして美味いな(この味、――――――江東区の元祖カレーパンだな。たぶん、それを目指しているな)」モグモグ

金本「戦場では十分な加熱器具は使えまい。冷えていても旨いのを目指しているからな」

朗利「へえ、冷えていても旨いカレーパンか(いいな、その発想! 今度、俺も何かに使ってみよう!)」

愛月「ホントだ。本当に油っぽくない! 何個でも食べられそう!」

司令部「はははは、やはり金本提督はこうでないとな」

石田「ふむ。携帯食料の開発にもっと力を入れてもいいのではないか?」

左近「いいですよぅ? 徹夜続きの石田提督の健康のためにもぜひとも開発いたしましょう(夜のおつまみにするのはちょっと無理があるか?)」

金本「俺は常識を超越する!」ドドン!


朗利「さて、今度は俺たち拓自鎮守府のカレーだな」

愛月「ううん……、カレーライスとしては清原提督の御召艦カレーに勝てないし、油っぽさじゃ金本提督のカレーパンには全然敵わないよ……」ドウシヨー

朗利「いいんだよ、そんなの。これから改良していけばいいんだから」

司令部「では、――――――拓自鎮守府、どうぞ」

愛月「そ、それじゃ、出番よ、レーベ、マックス」

z:Z1「はい、提督」

z:Z3「ほう、これが園長たちの――――――(清原提督は慰問の時に会っているが、他もなかなかにやりての提督と見える)」

清原「久しぶり、二人共」

z:Z1「はい。これは比叡とみんなで試行錯誤して一緒に作った“みんなのカレー”なんです」

z:Z3「以前に振る舞ってくださったあの味には到底及びませんが、どうか召し上がってください」

清原「なるほどね。よく頑張ったよ。一目見ただけでその努力がわかるよ」ニコッ

司令部「これは!」


金本「金沢カレーだな!」


金本「でも、ソーセージまで付いているのか。貧乏で喘いでいる割にはずいぶん贅沢してるんじゃないの?」

朗利「最近は違いますよ。少なくとも余裕はできてきましたから」

石田「――――――“みんなのカレー”か」

愛月「えと、比叡カレーをまともな味にしようってことで私のところの艦娘一同で隊を作ってその改良に取り組ませたんです」

石田「なるほど。それでこういった形のカレーになったわけだ」

石田「無難にまとまっているわけではなく、みんなの作ったものを掛けあわせて――――――」ブツブツ

左近「…………提督?」

石田「いや、何でもない」

石田「欠点や改善すべき点は見えているのだな?」ニコッ

z;Z1「はい」

z;Z3「本来の使命を怠ることなく、みんなで改良を進めていきます」

石田「そうか」フフッ

朗利「何だ、石田提督のやつ……?」


左近「それじゃ、最後は石田提督の趣里鎮守府ということですな」

司令部「実は昔から気になっていた 石田提督のカレーを見ることができるわけか!」

石田「あまり過度な期待はしないでもらいたい」

石田「これは、だな……、時津風や武蔵のやつにせがまれて作ってやったものでな……」

石田「それがなぜか鎮守府で人気を博してしまったのだ……」

朗利「へえ、石田提督でも艦娘のために料理するんだ。これは意外」

石田「私も艦娘にせがまれたぐらいで作るはずがなかったのだがな……」

左近「いやいや、質素倹約と称して具材を少なめにしたものでもあれはあれで立派なカレーでしたよぅ?」

司令部「ほう」

金本「御託はいいから早くくれよ」

石田「では、運んできてくれ」

左近「出番ですぜ、お嬢さん」

W:時津風「はーい! しれー!」

愛月「あ、時津風だ!」ガタッ

朗利「おお!(ああ ちくしょう! 駆逐艦は対象外じゃなかったのかよ、石田提督のやつ……!)」ギリギリ・・・

金本「おや……!?」

司令部「これが、カレー?」

金本「洋食屋の息子さん、これはカレーなんですかね?」

清原「ああ、これはあれだね」


清原「ドライカレーだね。少量の水で煮込んで水気を落としてカレー風味がついた野菜のみじんぎりや挽き肉の舌触りを味わうものだよ」


清原「懐かしいな。挽き肉は使わなかったけどまかない飯としてカレー粉や野菜の余りを使って作ったもんだ」パクッ

清原「ああ なるほど。これは良い食感と風味だよ」

W:時津風「提督さん? 満足満足~?」

清原「うん、これは美味しいよ」

清原「欲を言えば、これはたぶん本当にまかない飯としてのそれをレシピ化したものだろうから、改善の余地はたくさんあるってことかな」

清原「もう少し野菜の切り方を丁寧にして舌触りを整えて、ソースとライスの相性の研究をしてみるともっともっと美味しくなるよ」

清原「これだけだと、本当に厨房の余った具材を軽く炒めて作ったというまかない飯って感じだね」

清原「けれども、これをレシピ化した石田提督もなかなかの舌の持ち主のようで、これはこれで美味しいですよ」ニコッ

W:時津風「やったー!」

石田「フッ…………」テレテレ

左近「良かったですな、石田提督。食費を安くするためのまかないカレーが料理として認められましたよぅ?」

朗利「なにぃ?!(こんな手抜きが清原提督に褒められるほど旨いだと?!)」

愛月「あ、これは確かに独特の味わいで美味しいかも!」

朗利「た、確かに、カレーパンと似た方向性で意外性はあるかもしれないな……(こんな手抜きみたいなカレーでも旨いもんなんだな……)」

金本「へえ、こういう形のカレーってのもあるんだな(確かに舌触りが独特でこれはこれでおもしろいな)」

司令部「うむうむ」ニコニコ


司令部「しかしこうして見ると、カレーだけでもずいぶんと諸君ら一人一人の為人がわかるような気がするな」


洞庭鎮守府:清原提督 御召艦カレー ………高水準に無難にまとまっている正統派

斎庭鎮守府:金本提督 カレーパン …………カレーライスではなくカレーパンを出すという枠にはまらない奇抜で型破り

拓自鎮守府:朗利提督 金沢カレー …………みんなで作ってそれぞれの良さを活かそうとする

趣里鎮守府:石田提督 ドライカレー  ………手抜きのように見えて1つの料理としてできあがっている


司令部「そう考えると、見事に艦隊運用の思想と重なっているものだな、これは」

司令部「そういえば、以前に金剛型戦艦の優先順位についても4者4様の似たような違いがあったな」


洞庭鎮守府:清原提督 金剛…………最初の戦艦が金剛だったから(苦楽を共にしてきた艦娘との絆)

斎庭鎮守府:金本提督 榛名…………男の欲望を刺激する献身的で純粋な性格の娘を何としても手元においておきたい(男の浪漫)

拓自鎮守府:朗利提督 比叡…………おっちょこちょいで元気ハツラツとした無邪気な性格だから(純真さを愛でる紳士)

趣里鎮守府:石田提督 霧島…………最高火力が金剛型戦艦トップで長門をも超越しているから(大艦巨砲主義・能力偏重主義)


司令部「うむうむ。よいではないか~よいではないか~」

金本「何一人納得したような表情でいるんですかねぇ?」サッ

司令部「次だ!」ワクワク

石田「どうしたのですか? 今日はやけに張り切っているですが……」

司令部「ふふふふ、そりゃあ楽しくもなろう?」

司令部「こうやって我が帝国海軍が誇る精鋭たちが親睦を深めて、明日への活力と団結をみなぎらせているのだからな」

司令部「それに、お節介かもしれないが、」


――――――私はこうやって団欒とした光景の中にいられることが何よりも嬉しい。


石田「…………」

左近「そうですよねぇ。確かに一人には一人の時の楽しみはありますが、それとは別に大勢の時には大勢の時の楽しみってもんがありますからねぇ」

司令部「はははは、左近提督。さすがは年長なだけあって気が合うのう?」

左近「残念ながら、俺とあなたとでは1回りも2回りも歳の差がありますけどな」

左近「さて、石田提督? 次はアレですよぅ? 行くのならお早めに――――――」

石田「うっ……」

石田「わ、私にアレをやれというのか、本当に!」

左近「大丈夫ですよ、アレぐらいできるのが帝国軍人のたしなみってもんですから」

左近「ほら! 他の提督さんたちはもう行ってますぜ?」

石田「この企画を考えた清原提督が鬱陶しく思えてきた…………」

左近「ダメですよぅ? そんなこと言っちゃ」

左近「さあさあ」

石田「…………わかった」

スタスタ・・・・・・

司令部「楽しみだな」ニヤニヤ

左近「ええ。石田提督にもたまには少年心を取り戻してもらいませんとな」ニヤニヤ

愛月「はあ……(私は艦娘とアレしたいな…………帰ったら頼んでみようかしら?)」


左近「ではでは、司会の清原提督に代わりまして俺がここからは司会を務めましょう」

左近「石田提督の準備も終わったようなので、さっそく始めさせてもらいましょう」

左近「それでは、親睦会 最後の催し!」


――――――舞踏会の始まりです!


「ワーーーーーーーーーーーー!」

司令部「いええええええい!」パチパチパチ・・・

愛月「わああああああああい!」パチパチパチ・・・

左近「では、最初は洞庭鎮守府の清原提督から、どうぞ!」

パンパカパーン!


清原「お待たせしました」(ホワイトタイの燕尾服)

X:金剛「私たちの華麗なるDanceから目を離さないでいてくださいネー!」(真っ赤なイブニングドレス)


「オオオ!」

愛月「きゃー! 金剛さん、似合ってますよー! 清原提督もステキー!」

左近「さすがは清原提督だ。役者が違いますな」

司令部「うむうむ。さすがは格式高い家庭で育っただけあって、威風堂々としているな」


左近「続きまして、斎庭鎮守府の金本提督!」

パンパカパーン!


金本「はっはっはっはっは! 俺はこの時を待っていた!」ドヤァ(金ピカ)

Y:扶桑「…………はあ」ドキドキ(金色ドレス)

Y:山城「ぶ、舞踏会なのに、どうして姉さまと二人一緒なのかしら……」オドオド(銀色ドレス)


「エエエエエエエエ!?」

清原「もはや何も言うまい……」

X:金剛「す、凄いですネー…………」

愛月「な、何からツッコめばいいのかしら…………」

左近「相変わらずの捻くれ者だ」ヤレヤレ

司令部「ははははは、金本提督らしい!」ワハハハハ

左近「金本提督」

金本「おう!」

左近「お連れがお二人いるようにお見受けしますが、お二人の相手が同時に務まるというわけなんですか、それは?」

金本「当然だ!」

左近「さすがは金本提督ですな。『役不足』という言葉が非常に似合いますぜ」


左近「ではお次は、拓自鎮守府の朗利提督です!」

パンパカパーン!


朗利「まいったな……、ほとんど覚えてないよ。社交ダンスなんて(というか、軍用礼服でやらせてくれよ……)」(タキシード)

Z:ビスマルク「ほ、本当にどうしようもない人よね……。わ、私がエスコートしてあげるんだから感謝なさい」ドキドキ(真っ黒のイブニングドレス)


「ヒュー!」

愛月「園長! ビスマルクぅ! 似合ってますよー!」

朗利「あ、ああ……、ありがとう」ニコー

Z:ビスマルク「しゃ、しゃんとしなさいよ! 恥ずかしい! 清原提督や金本提督のようにもっと堂々として!」ドキドキ

朗利「社交ダンスだなんて、一生のうちに披露する機会が訪れるなんて思わなかったな…………」

朗利「ああ 良かった。――――――ビスマルクが居て」

Z:ビスマルク「な、何を言ってるのよ、アドミラール!?」カア

司令部「ふふふふ……」ニタニタ

左近「ちょっと、年甲斐も無くニヤついているのはやめてもらえませんかね」

司令部「!」ドキッ

司令部「な、何でもないぞ、左近提督」キリッ

左近「まあ、わからなくもないですがね」フフッ

X:金剛「提督ぅ、 もしかしてあの娘って朗利提督のこと――――――」

清原「言わない言わない」シー

Y:山城「いいなぁ……、私もあんな感じにグイグイ前に出られたら…………」

Y:扶桑「そうねぇ。それでいてもう少し殿方に堪え性があってくれたら…………」

金本「どうした? 見せびらかしてやろうぜ? 今日の主役は俺たちだ!」

Y:扶桑「…………はあ(提督だって本当は私たちと同じはずなんです。けれど、それを抑えて必死に――――――)」

Y:山城「…………不幸だわ(私も姉さまもそこまで目立ちたいわけじゃないけれど、そんな提督だからこそ私たちが――――――)」


左近「さてさて、最後となります。趣里鎮守府の石田提督の登場です!」

パンパカパーン!


石田「くっ、どうしてこんな…………(なぜだ!? なぜ燕尾服の代わりにこんなものが――――――!)」アセアセ(クラバット + 赤タキシード)

W:武蔵「提督よ……、今日はよろしく頼む……(本当に、私のような浅黒肌の無骨者がこの場に来てよかったのだろうか……)」モジモジ(白ドレス)


「Oh......」

司令部「な、なんと!?」

愛月「い、意外な服装に人選…………!(てっきり“あたごん”や飛龍あたりだと思ってたんだけど……)」

朗利「…………くくく」プルプル

Z:ビスマルク「アドミラール?」

朗利「いや、何でもない。何でも……(いやぁー、さすがは石田提督だなー。憧れちゃうなー、そのファッションセンス!)」プルプル

清原「石田提督、よく似合ってますよ……(あの石田提督が燕尾服を用意できないはずがない。これはきっとユーモアか何かなのだろう……)」ニコー

金本「なんかいろいろ掻っ攫ってくれたな、おい!(これは負けた!『あの石田提督がヒラヒラをつけている』時点で破壊力抜群だ……!)」ジトー

左近「…………くくく」プルプル

石田「左近提督っ! ――――――謀ったな!?」カッ

左近「すみません、石田提督。手違いがあったようです。今日はそれで我慢してください」ニコニコ

司令部「や、やはり、石田提督はハラハラさせてくれるなー」ハハハ・・・


左近「で、では! 主役は揃いましたので、踊っていただきましょう!」

「イエエエエエエエエイ!」

パチパチパチ・・・

清原「さて、企画者として申し分のないものを見せないとな」

X:金剛「Sure! みんな、提督との情熱的なDancingをとくとご覧になってネー!」

司令部「はははは……(ああ、素晴らしいよ。今日は本当に素晴らしい催しだよ、本当に…………)」


こうして社交ダンスの披露と指導が行われ、結果は次のようになった。

清原提督 & 金剛    :企画者としての貫禄ですばらしい社交ダンスを披露し、丁寧に指導まで行った

金本提督 & 扶桑姉妹 :ギラギラする服装に二人の淑女を同時に相手にするという変則的なものだったが、流れるような所作で捌き切る

朗利提督 & ビスマルク :先述の二人に比べると見劣りするが、初々しさと未熟さからくる微笑ましい練習風景がその場の人間を和ませる

石田提督 & 武蔵    :いろいろアレな外見の不器用者二人――――――会場は大爆笑





――――――ご清聴ありがとうございました。


司令部「さて、本筋とはまったく関係ない話で申し訳ない」

司令部「ただ、メタフィクションが織り交ざる物語風プレゼンであると同時に架空戦記でもある今作品のこれからの方向性を確認するために挿話させてもらった」

司令部「時期としては、前回の次回予告で朗利提督とビスマルクの絆が深まった後の話だと思われる」

司令部「なので、ちゃんと【中部海域】の解禁もご承知なのでご容赦ください」

司令部「以前に、清原提督が提案していた内容とはこういうった親睦会のことである」

司令部「各鎮守府の提督たちの為人や所属艦娘の区別の仕方はこれでわかってくれたことだと思う」

司令部「そして、とても大事なことなのだが――――――、」

司令部「本編を再開する前に先立って、新たなインターフェイスの追加をしておいた」

司令部「物語の中ではあまり登場しないだろうが、実装されたら非常に便利そうなものとして提案させてもらう」

司令部「そして、以前に提案させてもらった新インターフェイス:【要請】がいよいよ大活用されていくのでそのつもりで見ていってもらいたい」


司令部「なお本作は、PC上で最大画面で掲示板の枠いっぱいに使うことを前提にした書体なので、スマートフォンから見ている人には不便をかける」

司令部「専用ブラウザのプレビューを使うことにしたので、なるべくルビや傍点がPC上では正しく振られるようになったはずである」

司令部「スマートフォン上ではルビと傍点は変な字詰めがなく正しく機能していたのだが、これからはPC版に合わせておきますのでご容赦ください」


司令部「それでは、新インターフェイス:【提督】の解説の後に、本編:第6話をどうぞ」




新インターフェイス2:【提督】
提督にもステータスが追加されるようになり、【提督(=自分)】として戦績画面で確認できるようになった。
【提督】のステータスはあくまでも本人の能力ではなく、能力修正として考えるべし。
1,【提督】のレベルは司令部レベルと同じである(ただし、ステータスはそれに比例しない)
2,【提督】のステータスは“任務:【提督】のステータス導入”における質問の結果で決定される
3,【要請】∋【戦術指南】においてステータスの数値が特に影響を及ぼす
4,【提督】のステータスを伸ばす方法は今のところ限られている


新システム2:【戦術指南】以下【指南】∈【要請】
【演習】で選ばれる各鎮守府の提督たちから【指南】を受けることができる。
選択した提督のステータスを参照して謝礼を支払って効果を選択して【演習】が更新されるまで効果が持続する(最大で半日の間だけ)。
ちなみに、【自分】で自分の鎮守府を【指南】するには司令部レベルがLv100以上必要である。

1,【演習】で選ばれる各鎮守府の提督たちから【指南】を受けることができる
→ 効果の持続時間は【演習】が更新される午前・午後の3時まで
→ ただし、1人ずつしか【指南】は受けられず、もし新たに【指南】した場合は前回の内容はその時点で破棄されて効果が更新される
→ また、【演習】のページを利用しているので【指南】した場合はその提督とは【演習】及びそれを利用したことができなくなる
2,『相手の司令部レベル』×『相手の保有艦数』×『相手の勝率』=『指南してもらうのに必要な謝礼(小数以下切り捨て)』となる
→ 実際の効果で適応されるステータスに関係なく、相手が偉いかどうか凄いかどうかだけで謝礼が決定される
→ また、履歴に登録されるのは選択時の状態なので支払う謝礼は変わらない
3,【自分】で自分の鎮守府を【指南】するには司令部レベルがLv100以上必要となり、謝礼は必要ない

選択できる効果
【指南】した時の第1艦隊の艦娘全員にいずれかの効果を選択して適応する。
1,【指南する提督】のステータス分の能力修正が能力上限に関係なく常に掛かる
→ ただし、【運】だけは反映されない
2,【近代化改修】【改造】をした時に【指南した提督】のステータス分の能力修正が同じ艦娘に対して1回だけ掛かる
3,轟沈を1回だけ無効にする(要 【運】50以上)
4,【指南する提督】が保有する中で最もレベルが高い艦娘と同じ艦種が【建造】【大型艦建造】【出撃ドロップ】で出やすくなる
→ Lvが同じ艦娘が存在する場合は、図鑑リストの早い順で決定
→ 最初からは存在しない航空戦艦や雷巡などがレベルトップだと無意味になる
5,【指南する提督】が保有する中で最もレベルが高い艦娘によって【自分】のステータス【火力】【装甲】【雷装】【対空】を修正する
→ 【自分】に対して【近代化改修】する感じだが、艦娘とは違って餌は不要で上昇しない部分は上昇値の最大値と同じ比率だけ下がるので注意が要る
例:長門だった時、【火力:5】【装甲:4】【雷装:0】【対空:1】なので、【自分】の【火力:+0.5】【装甲+0.4】【雷装:-0.5】【対空:0.1】となる
→ あくまで『よそでおすすめの艦娘を推されてそうなんじゃないか』という気になっている感じである
→ よって、これに関しては【自分】で【自分】に対して【指導】はできない
→ また、実際の様々な計算では小数点以下切り下げなので高い効果を得るには気が遠くなるような積み重ねが必要となる

だいたいのことは前回の新インターフェース:【要請】の基本システムに則り、謝礼は相手にちゃんと更新時やログイン時にまとめて支払われる。
【指南】を求められた側は特に何かする必要もなく、勝手に臨時収入を得られるだけの素晴らしいシステム。
そして、【指南】を求めた側は【演習】の更新が行われるまでの間だけ選択した効果を得られ、艦娘育成が捗るWin-Winなシステムなのだ。
もっとも、【自分自身】のステータスが高ければ謝礼を支払わずにすむので、ステータスが高いことに越したことはない。

現在のところ修正可能なステータス(艦娘のそれに影響を与える)
【火力】【装甲】【雷装】【対空】 

現在のところ修正不可能なステータス(艦娘が成長すれば伸びていくもの)
【耐久】【回避】【索敵】【対潜】  

【提督】のステータスでどうこうして艦娘に影響を与えられるはずがないステータス
【搭載】【速力】【射程】【運】【燃料】【弾薬】



陣営紹介0:司令部
“司令部”
一連の運用試験の発起人であり、4人の艦隊運用の思想が全く異なる提督を選抜してβテストをやらせている。
ただし、大本営の新開発した装備に4提督同様に頭を抱えているところもあり、非常に4提督とは親しい立場にある。
趣里鎮守府の石田提督とは顔馴染みであるらしく、その成長を見守り続けてきていたようである。
また、βテスト中に大きな障害に直面して苦悩する提督たちを諭していっている面からも厳しくも優しく度量のある人物と見える。

個人としては“司令部”と表記され、組織としては『司令部』、そのどちらも指している場合や区別の意思がない場合は括弧なしの表記で区別される。

ちなみに、【艦これ】に登場する『司令部』と海軍軍令部および大本営は別の組織というのが筆者の認識である。
戦時中の陸海空の最高統帥機関:最高司令部なのが大本営であり、海軍で軍令を司ったのが海軍軍令部、陸軍で軍令を司ったのが陸軍参謀本部である。
後述の陸軍将校の剛田が所属している陸軍船舶司令部が陸軍の一部隊に過ぎないのと同じように、この『司令部』も海軍の一部隊に過ぎない。
それ故に、位置付けとしては陸軍船舶司令部の暁部隊と同じく、日常業務をこなしながら極秘任務を内職で就いている大本営に近い海軍の秘密試験部隊と思われる。
それだけに独自の権限も与えられており、少なくともこの『司令部』に所属している4人の提督の扱いは他とは別格となってきている。。
言うなれば、他の連中が次々と最前線へと送られる一方で、『司令部』に所属する4提督は試験運用が優先されて最前線送りの催促がされないといった具合。
なんだかんだ言って、4提督は4提督でそれぞれ光る個性があるので、“司令部”の慧眼によって抜擢された皇国の未来を担う人材として大切にされている。




さて、これより始まる第6話ですが、第5話から続く新インターフェイス:【要請】に対する追加要素の導入を基にした架空戦記が描かれます。
しかし、提案内容の解説が面倒で被るところがあったので、第7話でそれぞれの提案内容のまとめを行います。
なので、第7話も連続した関連のある内容となり、いよいよ実際の【艦これ】とは懸け離れた内容へと発展していきます。


――――――これからの注意! 

その1:オリジナル艦娘やオリジナル敵艦船、いろいろアレな戦闘要素がテンコ盛りになるので批判大いに結構
→こちらとしても、【甲標的 甲】の仕様に関して思うところや二次創作において見られる提督のイケナイ願望を形にしてみようと思ったところがあったので

その2:第6話はストーリー性を重視してこれからの各鎮守府毎の方向性を描いていくので前後編にわかれるぐらい長い章がある
→申し訳ありません。それでもお付き合いしていただければ幸いです

その3:筆者独自の提案内容と【艦これ】の解釈に基づいたオリジナルストーリーになるのでますます実際の【艦これ】から懸け離れる
→実際の【艦これ】に実装してもらいたい提案内容はきっちりページを割いて『提督のあるある』と合わせて説明いたします
→よって、メタフィクション志向が若干薄くなった架空戦記とお読みなっていただけると幸いです


各話リスト:【艦これ】提督たち「ユウジョウカッコカリ?」【物語風プレゼン】

第1話 ユウジョウカッコカリ
第2話 お守り
第3話 御旗と共に
第4話 愛の力
 ↓
第5話 艦娘、派遣します
 ↓
第6話X 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち-
第6話Y 提督、出撃す      -船娘の進撃・陸軍の意地・男の浪漫-

第6話Z 海上封鎖を突破せよ  -世界は1つの大洋で繋がっている-
第6話W 深海棲艦捕獲指令   -全ては暁の水平線に勝利を刻むために-
 |

 | 
 ↓
第7話XZ
第7話YW
 ↓
第?話 大本営の野望      -艦娘 対 超艦娘-
 ・
 ・(以下、内容が追加されるかも)
 ・
最終話 -北緯11度35分 東経165度23分-


※章分岐の投稿順に具体的なリクエストがなかったのでコンマで自動決定させてもらいます。

洞庭鎮守府X:01-25
斎庭鎮守府Y:26-50
拓自鎮守府Z:51-75
趣里鎮守府W:76-00

今回は>>180ということで趣里鎮守府からスタート。
本当はコメントの先着順から候補を選出していって、残ったもので逐次当選範囲を等分拡大していって順番を決めようと思い、
コメント3つあればそれで上々だと思ってましたが、投稿時間と内容からして集まらないのでしかたありません。

W→Z→Y→X

わかりやすく、下から順に始めさせてもらいます。

では、お待たせしました。本編:第6話の始まりです。


第6話W 深海棲艦捕獲指令   -全ては暁の水平線に勝利を刻むために- からどうぞ。




第6話W-1 深海棲艦捕獲指令   -全ては暁の水平線に勝利を刻むために- 導入編

――――――趣里鎮守府

――――――新部署:新戦略研究局


小西提督「ほう、偉くなったものだな、石田提督も」

加藤提督「『司令部』のβテストのモニターに抜擢されてその功績が認められて、ついには鎮守府に独自の部署を設置するほどになったか」

福島提督「うっしゃー! 同期として鼻が高いぜ、なあ加藤提督!」

加藤「馬鹿。結局はあいつの唱えた大艦巨砲主義と能力偏重主義が俺たちの誰よりも功績を上げたということなんだぞ」

福島「げぇー! あの頭でっかちが一番ってガチでヤバくねー? 捨て艦だってやってきたんだろう!?」

小西「まあ、石田提督は運用管理に関しては我々の誰よりも優れていたからな。出世頭になるのも頷ける」

加藤「ところで、この小西提督は俺の先輩提督で付き添いなんだが、福島提督もどうしてあいつの下に来ることにしたんだ?」

福島「そりゃもーあれだぜ! 深海棲艦やっつけて皇国や故郷のみんなを守るためだろうがよー!」

小西「大方、懐かしい名前からのお呼び出しがかかったから、ホイホイやってきただけなんだろうな」

福島「ギクッ」

加藤「まったくこの馬鹿が。よくそれで艦娘たちに“無能”と侮られずにすんだな」

福島「そ、そんなことねーし!」

小西「護衛で秘書艦と以下数名を連れてきているのだろう? 見せてもらいたいな」

福島「おう、いいぜ! これ見てビビンじゃねえぞ!」


福島艦隊
重巡:足柄 | 戦艦:武蔵
重巡:摩耶 | 正規空母:瑞鶴
軽巡:川内 | 駆逐艦:曙


小西「見事なまでの脳筋艦隊だな、ぐはははははは! 勤務態度最悪のガラの悪いやつばっかで笑える!」ゲラゲラ

小西「しかも、よりにもよって……、秘書艦が“飢えた狼”足柄とか……!」ゲラゲラ

福島「ば、馬鹿にすんじゃねえ! 足柄はなぁ! マジ強えんだぞー!」

加藤「だが、武蔵と瑞鶴か。なかなか優秀な艦娘を取り揃えているじゃないか」

福島「だろっ! イカスだろ?」

小西「しかし、今日が顔見世とはいえ、この昼戦火力と夜戦火力のアンバランスな艦隊編成は笑えますねぇ!」ゲラゲラ

加藤「そこまで悪いか? 俺としては瑞鶴に何を積んでいるかで評価が変わるように思うが」

小西「では、お聞きしましょう。瑞鶴に積んでいるのは何ですか? どうせ【艦爆】や【艦攻】しか積んでないんでしょう?」ニヤリ

福島「1スロと2スロに【流星改】で3スロに【烈風改】に4スロ【熟練艦載機整備員】だぜ」メメタァ

小西「…………なるほど。さすがに大規模作戦をほどほどに攻略してきただけのことはあるか」

加藤「だが、もうちょっとスロットに偏りのある正規空母なら4スロ目の2桁の艦載機も無駄にならなかったのだがな」メメタァ

福島「そうなんだよなー! そこがもったいね-とこなんだけど、【火力】が上がるのはイケてるよなー! ガチで!」


福島「んで? さんざん人の艦隊をコケにしてくれた小西先輩提督はどうなんだよ?」ジロッ

小西「フッ、俺の艦隊はこうだ!」


小西艦隊

重巡:羽黒  |駆逐艦:綾波
軽巡:神通  |駆逐艦:潮
軽空母:龍驤|駆逐艦:夕立



福島「おい!」

小西「何だね?」

福島「てめーも妙高型を秘書艦にしてるじゃねえかよー!」

小西「この芸術的なまでのメンツを見て何も感じないのなら、幼年学校からやり直すべきだな! ぐはははははは!」

福島「て、てめー!」

加藤「よせ、馬鹿が」

福島「で、でもよぉ! こいつは公然と馬鹿にしやがったんだぞ、俺のガチ艦隊をよー!」

加藤「だとしてもだ! 帝国海軍の軍人に求められるユーモアだ。短気は損気だぞ」

福島「ちぇっ」

加藤「次いでに言えば、小西提督の艦隊は武勲艦で埋められているのだ」

小西「そう、その通りなのだよ」

小西「最強メンバーというわけではないが、俺はこのメンバーの夜戦攻撃で数々の難所を突破してきたのだ」

小西「さすがは戦史に名を残す名鑑たちよ」

小西「さて、加藤提督はどんな艦娘を引き連れてきたのかな?」

加藤「一応、顔馴染みの石田提督の部下になっちまうんだ。そこそこのメンツを用意してなめられないようにしておいたぜ」


加藤艦隊
重巡:那智    | 戦艦:長門
正規空母:加賀 | 駆逐艦:ヴェールヌイ
正規空母:雲龍 | 駆逐艦:不知火


福島「って、加藤提督も妙高型かよ!?」

福島「これで頭でっかちが妙高を秘書艦にしていたら笑えるな! ガチで!」

小西「なるほど、物静かで凛とした艦娘による艦隊編成だな。お前そっくりだな。それでいてほどよくまとまっている」

加藤「まあな。少なくとも雲龍を持っているのを見せておけば、屈指の攻略勢のあいつでも認めてはくれるだろうよ」

加藤「それに、やつは駆逐艦をあまり使わず、重巡ばかり使っているからある程度 やつの思考に合わせて那智を旗艦にしているのだ」

福島「なるほど! さすがは加藤提督だぜ!」

加藤「お前は何も考えていないくせに重巡を入れているからその時点で少なくとも合格だよ」ヤレヤレ

小西「雲龍か。大した武勲も上げられなかった艦娘だが、使用感はどんな感じで?」

加藤「この雲龍なんだが、中型空母ということで正規空母の扱いを受けてはいるんだが、明らかにこれは軽空母程度の性能だな」

加藤「だが、それも最強の軽空母と見て使ったほうがいい。隼鷹と飛鷹と燃費が10しか違わないし、火力も高めだ」

加藤「スロットもいい具合に偏っているから思い切った装備もしやすいからなかなかにおすすめだぞ」

小西「なるほど。それはいいことを聞いた」



加藤「さて、そろそろ時間だな」

加藤「『新戦略研究局』なんて大層なものの局長になったあいつが何をしようとしているのか楽しみだよ」

小西「まあまあ、俺としては石田提督に期待しているけどな」

福島「何だっていいけどよー、俺たちだけでやるようなことなんだから大したことじゃねえんじゃねえの?」

加藤「まあ、規模としては提督があいつを含めて4人だけだからな。これで『新戦略』とやらを実践できるのか甚だ疑問だが……」

ガララ・・・

小西「お」

妙高「失礼します」

福島「あ、妙高じゃねえかよ! ガチで俺の言った通り――――――?!」

小西「これは、たまげた偶然だな……」

加藤「ま、これで少しは期待できるかもしれないな……」

小西「しかし、艤装を装着しているのはどういうわけかな? まさかそれで私たちを撃ち殺すつもりじゃないだろうな?」ジロッ

妙高「すみません。これからみなさんにお見せするものは細心の注意が要りますので、どうしても外せないのです」

加藤「ほう」

福島「何だって来やがれ! 頭でっかちが俺たちを驚かそうとしてるんだろう? どんと来いやー!」

加藤「なるほど、俺たちを試そうってわけか。いいだろう、心の準備はできた」

小西「では、始めるのなら早くお願いしますよ。今日も予定があるのですから」

妙高「わかりました」

妙高「司令! みなさんの心の準備はできたそうです」



石田「久しぶりだな、馬鹿共が」ガララ・・・


福島「いきなり『馬鹿』だとぉー!?」

石田「お前たちの脳天気な会話が部屋の外まで響き渡って迷惑だったぞ。他人の鎮守府で粗相を働くとは『馬鹿』以外の何だというのだ?」

福島「んの野郎ぉー!」カッ

加藤「やめろ、馬鹿。いちいち突っかかっていたら話が進まない」

加藤「だが、つまらない話だったら遠慮することはない。一発、殴ってやれ」

福島「わ、わかったよ……」

小西「やれやれ、どうして軍政部はこんな仲の悪い人間たちを組ませてしまったのか」

妙高「……司令」

石田「わかっている。俺は軽く礼儀というものを教えてやっただけだ」

石田「それじゃ、――――――おいで」


――――――ヲ。


福島「は」

小西「なに?」

加藤「――――――こいつは!」ガタッ


正規空母:ヲ級「…………ヲヲ」オドオド


石田「怯える必要はない。何かあれば妙高が取り押さえてくれるから安心しろ」

ヲ級「ヲヲ!」キャキャ!

福島「――――――深海棲艦!?」ガタッ

小西「空母:ヲ級ですね。それに黄色いオーラからして……」アセタラー

加藤「どういうことだ、これは?」アセタラー

妙高「…………」

石田「ご覧の通りだが?」


福島「だ、大丈夫なのか、頭でっかち? もしかして『新戦略』っていうのは深海棲艦に擬態させて敵を油断させようってことなのか?」アセアセ

石田「いや、違う」

小西「まさか、本物の深海棲艦なのか……?」ゴクリ

石田「その通りだ。俺がこの手で【捕獲】してきたのだ」

加藤「……それで? まさかこの深海棲艦の利用方法について検討したいがために新部署を発足したというのか?」

石田「その通りだ」

一同「!」

妙高「…………」

石田「詳しいことは日を追って説明していくとして、まずお前たちに訊きたいことがある」


――――――深海棲艦を軍事利用すべきか否かを。


福島「え!?」

加藤「そんなの知るか」

小西「………………少し考えさせてください」

石田「ああ。今日はそのことだけを考えてもらうために喚んだのだ。――――――“司令部”がどういう基準で選考をしたかはわからないが」

石田「それじゃ、まずはついてこい。【捕獲】した深海棲艦が使い物になるかどうかを見てもらわないと判断することができないだろう」

加藤「まあ、そうだな」

福島「え、ええ…………」

小西「これは、確かに『新戦略』だな……」

ヲ級「ヲヲ、ヲヲヲ! ヲー!」スリスリ

石田「緊張することはない。お前は俺が言ったとおりにしていれば、何も怖い事は起こらない。いいな?」ナデナデ

ヲ級「ヲ!」

妙高「提督――――――いえ、司令」




――――――鎮守府海域


妙高「深海棲艦の水雷隊と遭遇しました」

――――――
石田「よし、ヲ級:『ヲシドリ』、目の前の標的全てを撃破しろ」
――――――

ヲ級「ヲ!」


ヒューーーン! ズドンズドンズドーン!


妙高「敵水雷隊の撃破を確認」

ヲ級「ヲ!」

――――――
加藤「ほう」

福島「や、やるじゃねえか……」

小西「なるほど、これは確かに使えるな」

石田「調子はどうだ? 気持ち悪くないか、『ヲシドリ』?」
――――――

ヲ級「ヲヲ! ヲヲヲ! ヲッ!」エッヘン!

――――――
石田「よし、妙高。索敵を続けてくれ」
――――――

妙高「了解しました」

ヲ級「ヲヲ! ヲー! ヲヲッ!」



――――――
石田「どうだ。1ヶ月近く飼い慣らしてはみたが、なかなかの戦力に仕上がっているだろう」

加藤「まあな。確かに敵である深海棲艦をこちらに引き込むことが可能となれば、極論 敵兵力を半分にすることだって可能って意味だからな」

福島「…………でもよ、石田提督よぉ?」

石田「何だ、福島提督?」

福島「俺は何ていうか、そういうのは嫌なんだよなー。たとえ深海棲艦が相手でもよぉー」

小西「嫌なら降りればいい。お前の代わりなんていくらでもいるからな」

福島「…………そうかよ」

石田「言いたいことはそれだけか?」

加藤「それじゃ、次は俺からだ、石田提督」

石田「今度は加藤提督か。何だ?」

加藤「お前は、深海棲艦を利用することを『新戦略』だと言うつもりなんだな?」

石田「その通りだ。敵を知らなければ戦いには勝てない――――――当たり前のことだ」

石田「旧大戦でも我が国の戦術的敗北の全ては、戦術的勝利に酔いしれた我々の戦術を敵が研究して我が軍と同じ土俵に立ったからなのだ」

加藤「だが、それは敵としても同じのような気がするんだがな」

石田「……どういう意味だ、加藤提督?」

加藤「俺は皇国のためなら何だってやるつもりだ」

加藤「――――――それが誇り高き帝国軍人の誇りだからだ」

加藤「だが、深海棲艦との戦いが始まって四半世紀にもならないが、お前が初めて深海棲艦の【捕獲】を試みたわけじゃないだろう?」

加藤「俺としては深海棲艦の【捕獲】はお前以前の誰かが成功に導いていたと考える」

加藤「別におかしい話じゃない。深海棲艦が登場した後に【捕獲】しようという動きが過去に二度は公的記録に残されているからな」

加藤「そして、それによる成果が表沙汰になっていないことを踏まえると、やはりどこかで失敗したんじゃないかと考える」

加藤「それに、敵としても刻一刻と進化していっている。あの戦艦:レ級といった圧倒的脅威だってそこに控えているぐらいだ」

加藤「そして、やつらはどんどん地の利を理解してこちらを迎え撃つ戦略性まで長けるようになってきた。中部海域なんて過酷なんてものじゃないぞ」

加藤「つまり、俺たちの戦術に対抗する手段をやつらが理解し始めているようでもある」

福島「そ、そうだぜ、頭でっかち……」

加藤「お前が捕まえたサンプルのデータの解析が終わった頃には『型落ちして役に立ちませんでしたー』なんてことにならない保証はどこにある?」

加藤「お前がその先人たちと同じ失敗を繰り返さない保証はどこにある?」


石田「さあな。その時はその時だ。一度や二度 失敗した程度で諦めるぐらいなら俺はこんなことはしない」


加藤「………………」

石田「それに、偉そうなことを言っているが、これもまた【艦これ】では誰もがやっている運ゲーのゴリ押しだ」メメタァ

石田「そのことを思えば、そのゴリ押しを少しでも楽にするための外野の努力もそう悪くないと思うがな」

加藤「……まあな」



小西「なるほどな」フフッ

小西「よし、わかった、石田提督」バッ

福島「……!」


小西「おもしろい。俺をこの天下分け目の計画に参加させてくれ」


石田「感謝するぞ、小西提督。――――――だが、今の俺は艦隊の指揮権を持たないただの司令だ。間違えないで欲しい」

福島「?」

福島「おい、頭でっかち。それじゃこの鎮守府の司令官はてめえじゃねえのかよ?」

石田「いや、提督じゃないだけでこの鎮守府は俺の管轄だ。それと平行して新部署の局長なんかもやっているというだけのことだ」

小西「なるほど。そのための左近提督というわけか」

加藤「どうやら本気のようだな」

石田「当然だ」


加藤「よし、わかった! お前一人にやらせるのは不安だ。俺が視ていてやるよ」


石田「そうか」

加藤「お前のような融通のきかないやつに鉄の意志を持って突っ走られたら皇国の未来が脅かされん」

加藤「ただ、それが本当に皇国の栄光のためになるっていうのなら俺は否定はしない。喜んで協力しよう」

石田「フッ、皮肉屋のお前らしい発想だな」

小西「さて、残ったのは福島提督 一人だが、さてどうする?」

福島「えと、俺は――――――」


福島「俺にはこれが本当に国のためになるかはわかんねえよ! けど、俺だって国を想う気持ちは同じなんだ! てめえらに負けられっかよ!」


福島「というわけで、俺にもやらせろ、石田提督――――――違った、石田司令さんよぉ!」

石田「意気込みは認めてはやるが、空回りして足を引っ張らないようにしてもらいたいものだな」

福島「んだとぉー!」

加藤「馬鹿。お前も乗りかかった船に居るなら、今はこいつが俺たちの船頭なんだ。立場を弁えろ。それができないなら船を降りろ」

福島「……わ、わかったよ、加藤提督」


福島「けど、俺個人としてはよ? これまで多くの同胞を殺ってきた憎き敵を前にして艦娘たちがうまくやっていけるか不安でよぉー」

加藤「確かに。俺の艦隊としても度重なる戦いの中で脱落者が出ていることだし、俺自身もその恨みを忘れたつもりはない」

加藤「軋轢は避けられないだろうな……」

石田「そこは俺も苦心しているところだ」

小西「だが、単純な戦力としては艦娘よりも深海棲艦のほうが秀でているのが現状での事実――――――」

小西「俺なら、良い比較対象として部下たちを奮起させるために焚きつけるがな」

小西「むしろ、利用しない手はない。個艦の能力が圧倒的に劣っているからこそこういった研究による進歩向上は必要なのだ」

小西「試験装備の実戦投入によるデータ収集も確実な手段だが、敵性技術の吸収も重要事項だと俺は考える」

小西「それは石田司令が言っていたことだ」

加藤「だが、今のところまだ1匹しか【捕獲】できていないということはいろいろな問題が山積みということなんだな?」

石田「その通りだ。そこで【開発投資】の協力を頼みたい」

加藤「…………まあ いいだろう。無闇に戦いに出て資源を消耗するよりはよほどいい」

小西「そうだな。前線で意気揚々と突撃する輩は我々を除いてもゴマンといる。前線は我が皇国軍が数多の犠牲の下にまた押し拓かれていくだろう」

福島「…………他の連中には申し訳ねえけど、今はこの頭でっかちに従う。必ずみんなの助けになるようにするから待っていてくれよ」

石田「よし! 妙高と『ヲシドリ』が帰還したぞ」

石田「これからどういったふうに【深海棲艦】を管理されていくのかを目に焼き付けておいてくれたまえ」

提督たち「おおおお!」




――――――同じ頃、


左近「――――――で? お話って何です、みなさん?」

武蔵「今すぐ石田提督を止めさせろ!」

川内「うん! いくら提督も夜戦好きだからってやっぱり危ないよ!」

愛宕「ちょっと、やりすぎじゃないかしら?」

左近「そうは言われましても、これは“司令部”から正式な辞令なんですよねぇ。もちろんそう掛け合ったのは他ならぬ殿ですが」

武蔵「このままではいつか本当に死んでしまう! 言うことを聞かないと言うのなら力尽くでも――――――!」


左近「おっと、止めてもらおうか」ポチッ


武蔵「…………!」ピタッ

武蔵「ハッ」

パカッ

川内「え」フワッ

愛宕「あら~?」グラッ

――――――
武蔵「――――――落ちる? 落ちているのかあああああ!?」グラッ

川内「きゃあああああああああ!」

愛宕「あ~れ~」


ヒューーーーーーン! ボヨーン!


川内「きゃっ!?」グイッ

愛宕「ちょっと~!」ギュウギュウ!

武蔵「うわっ、まさかボッシュートされて捕縛ネットにかかるとは――――――くっ、これでは身動きがとれん!」ギュウギュウ!

川内「うわっ、ギュウギュウしてる~!」ジタバタ

愛宕「あ~ん! ジタバタしないで~!」バタバタ
――――――

左近「すみませんね、これも殿の堅い意思によるものなんです」

――――――
武蔵「ふ、ふざけるな、余所者が! お前がたぶらかしたのだろう、私たちの提督を!」ギリッ
――――――

左近「そうかもしれませんな。なんてったって俺がやってこなければ殿の野望の第一歩は始まらなかったのですからな」

左近「しかし、やはり艦娘とはかくあるものか――――――所詮は“使われるだけ”の兵器ということですか」ブツブツ・・・

――――――
武蔵「な、何を言っている!」
――――――


左近「殿がどうして御自ら出撃するようになったのか、考えたことあります?」

――――――
武蔵「な、なにぃ?」
――――――

左近「殿が最強戦力としてこの鎮守府の最古参の飛龍さんよりも御執心になられた天下無双の武蔵さんなら理解できますよね?」

――――――
武蔵「…………!」

川内「…………飛龍」

愛宕「提督……」
――――――

左近「それと、確か次の出撃で――――――うん、間違いないな」

左近「武蔵さん、次の出撃で練度が最大になりますよぅ?」


――――――おめでとうございます。


――――――
艦娘たち「!」ピタッ
――――――

左近「それじゃ、俺は殿にこのことを報告しますんで、武蔵さんたちは降ろしますんで牢屋から出てどうぞ」

左近「ほら、牢屋の鍵ですよっと」ポイッ

――――――
武蔵「………………」

愛宕「………………」

川内「あ、動かないで、そのままそのまま――――――よっと!」パシッ

グィイイイイイイイン!

川内「あ、動いた」ホッ

武蔵「………………」

愛宕「その……、おめでとう♪」ニコッ

武蔵「あ、ああ。すまない……」

武蔵「…………提督よ」
――――――



飛龍「………………」

蒼龍「飛龍? その、大丈夫だからね?」

蒼龍「――――――石田提督は必ず守るから」

飛龍「……うん」

日向「おお、そこにいたか、飛龍。心配したぞ」

飛龍「あ」

日向「いよいよ、提督 秘中の策の深海棲艦捕獲作戦が次の段階へと進んでいくな」

日向「大丈夫だ。もう提督は誰一人として犠牲にはしなくなったのだ。そのことを信じようではないか」

飛龍「う、うん。私は提督のこと、信じてるよ」


飛龍「けど、どこか――――――提督がどこからか深い海の底に呼ばれているような気がして…………」ブルブル


蒼龍「………………飛龍」ガシッ

日向「……そうだな。初めて提督の策を聞いた時は自殺志願してるのかと正気を疑ったぐらいだ」

日向「だが、提督の言い分もわかる」


日向「――――――現状の敵戦力の漸減邀撃の方針ではいずれは質と量ともに勝る深海棲艦に呑まれてしまう」


飛龍「でも、だからって提督自身がやる必要なんてどこにも――――――」

日向「これは深海棲艦の習性を十二分に突いた見事な作戦だよ」

日向「深海棲艦は近くの人間よりも遠くの艦娘を優先的に襲うという噂――――――それを実証してしまった」

日向「もちろん、これはただの確率論でしかない。近くの標的が人間しかいないと認識されればそれはもう――――――」

日向「だから、深海棲艦の射程ギリギリで陽動して【捕獲】できる確率を高くしなければならない」

日向「――――――非常に高度な作戦だ。生半可な覚悟や力量、そして信頼と連携では到底実現不可能なことだ」

蒼龍「うん。いくら40ノット以上出せる高速艇に乗っていても人間と艦娘じゃやっぱり違い過ぎるよ!」

蒼龍「よく艦載機が飛び交う中、砲雷撃戦を潜り抜けて二度も三度も【肉薄】できたと思うよ」

蒼龍「まあ、【捕獲】できたのはあのヲ級だけなんだけどね、今のところは」

飛龍「でも、深海棲艦だって必死に抵抗するでしょう? マルカジリされないか心配で心配で…………」

日向「確かに、【捕獲】する上で最も難しいのは敵を生け捕りにするわけだからそこをどうするか――――――」

日向「だが、提督の武術はなかなかに卓越したものがある」

日向「――――――『近づくことさえできれば五分の勝負に持ち込める』と豪語するぐらいに」

飛龍「そ、それってやっぱり半分の確率で負けるってことじゃ――――――」

日向「でも、今のところは全ての勝負に勝ってきている。そして、記念すべき最初の深海棲艦を【捕獲】して帰ってきた…………」

飛龍「けど…………」

日向「信じよう。もう賽は投げられた」


日向「なぁに、【捕獲】はまず主力艦隊で敵艦隊を叩いて寡兵となった残存戦力に対して行うものだから、」

日向「私たちがきっちりと敵を全滅させるか、提督の高速艇が【突撃】して【肉薄】する前に撃沈してしまえるように敵を追い詰めれておけば問題ない」

蒼龍「そ、そうだよ、飛龍! 捕獲班の私たちが仕事できないように頑張って!」

飛龍「う、うん! 頑張る! 提督の明日の命のためにも!」ニッコリ

日向「それでいい。いつもの笑顔に戻ったな」ホッ

飛龍「あ、ありがとうございます、日向さん!」


伊勢「た、大変だよ、みんな!」ドン!


蒼龍「あ、伊勢さん?」

伊勢「深海棲艦の艦隊がこの鎮守府に攻めてきた! 急いで出撃の準備を!」ゼエゼエ

艦隊たち「!?」

飛龍「ハッ」

飛龍「――――――提督!」バッ

蒼龍「あ、飛龍!」

日向「飛龍――――――むっ! 確かにその可能性もあるか!」バッ

日向「もしやとは思うが、その可能性を捨てきれないぞ――――――!」

蒼龍「え」


日向「蒼龍! 捕獲班は石田提督を何としても止めろ! この機に乗じて深海棲艦を【捕獲】しようと企んでいるやもしれん!」


蒼龍「!」

日向「急げ! 捕獲班のお前は今は左近提督の管轄外だ。石田提督からまだ出撃の命令が出ていないのなら手分けして探しだして拘束してくれ!」

蒼龍「わ、わかりました!」ビシッ

タッタッタッタッタ・・・

日向「行くぞ、伊勢! 今日は石田提督のところに艦隊を引き連れたお客人が来ている! 見苦しいところは見せられないぞ!」

伊勢「日向 遅い! 最初からそのつもり! 置いていくよ!」




石田「まさか、敵の方から来てくれるとは、つくづく――――――」ニヤリ

ヲ級「ヲヲヲ! ヲヲヲ!」アセアセ

石田「大丈夫だ。お前に仲間を作ってあげるだけだから」ナデナデ

妙高「…………司令。まさかこの状況で【捕獲】を敢行する気なんですか?」

石田「当たり前だ。標本は多いほうがいい。そのためにドッグも増築したのだからな」

妙高「無礼ながら、申し上げます」

石田「?」


妙高「提督、あなたは海の亡霊に取り憑かれているのです! 正気に戻ってください! どうか、どうか…………」ポタポタ・・・


石田「………………妙高」

ヲ級「ヲ…………」

――――――
左近「殿! 敵戦力が判明しました」

左近「あれは、間違いなく空母棲鬼と空母棲姫の2個艦隊ですぜ! 殿が夏の大規模作戦で戦ったあのボス級深海棲艦です!」メメタァ

左近「さすがにこの陣容で敵さんを【捕獲】するだなんて言わないでくださいよぅ?」
――――――

石田「…………わかった」

――――――
左近「……殿?」
――――――


石田「それで 迎撃態勢はどうなっている?」

――――――
左近「今日は友軍艦隊が3艦隊も駐留していて、全員が防衛戦に参加する意思を見せてくれましたので、」

左近「我が鎮守府の艦隊と合わせた4個艦隊からなる連合艦隊で敵を迎え撃つことにします」

左近「本作戦の総司令官は俺が務めさせてもらいます」
――――――

石田「よし、わかった。我が鎮守府の威容を示してこい」

――――――
左近「合点承知。殿は大人しくしていてくださいね」
――――――

ピッ

妙高「さあ、司令。安全な場所に――――――」

石田「いや、もしものことがある。俺の管轄の艦娘を集合させておいてくれ」

妙高「…………信じていいんですよね?」

石田「ああ」

妙高「では、司令の命じるままに」

タッタッタッタッタ・・・

石田「…………すまない」

ヲ級「ヲヲヲ!」ギュッ

石田「それでも 俺は行かなければならない」


――――――全ては暁の水平線に勝利を刻むために!


――――――第6話W-1 深海棲艦捕獲指令   -全ては暁の水平線に勝利を刻むために- 導入編 完

      Next:第6話W-2 深海棲艦捕獲指令   -全ては暁の水平線に勝利を刻むために- 実践編 に続く!



陣営紹介W:新戦略研究局 ∈ 趣里鎮守府
石田司令/石田元提督
提督ではなくなり、実績のない新部署の局長であり、一応は趣里鎮守府の艦娘の指揮権を一部持つ司令である。

司令:駆逐隊や潜水隊などの最高指揮官。軍艦に分類されない区分の小さな艦船の隊を率いる ← 石田司令
司令官:軍艦や数個の駆逐隊や潜水隊などからなる戦隊を率いる
司令長官:複数の戦隊からなる艦隊や連合艦隊を率いる ←【艦これ】における提督はだいたいはこれ

“司令部”の下位組織である“新戦略研究局”という独自の部署を立ち上げ、画期的な戦略や戦術の導入を審議・研究しており、
そもそも“司令部”そのものが大本営の海軍実験部隊なのだが、ここは石田司令をトップに様々な企画を行って効率良く成果を出す意図がある。

しかし、その実態は深海棲艦を捕獲してその生態を調査し、根本的な戦略の見直しを求める急進的な勢力である。

ちなみに、捕獲班の司令としての彼が率いている艦娘は基本的に深海棲艦の捕獲や運用に適した戦力と人格で選りすぐっており、
その時点で武蔵・川内・愛宕らは不適切と見なされており、武蔵の扱いが極めて微妙なものとなり、後に問題の種となった。


正規空母:ヲ級『ヲシドリ』
“敵艦隊のアイドル”とまで称されるヲ級のとある一個体。
石田司令が命懸けで【捕獲】に成功し、【調教】によって実際に艦隊運用できるようになった史上初の【調教済み深海棲艦】であり、
すでにflagship級に【改造】済みなので夜戦でも艦載機を飛ばせるという艦娘のそれにはない別次元の強さを誇る。
ただし、【射程:超短】なので最も後れて攻撃することになり、他にも【深海棲艦】特有の利点と欠点があるので運用が難しい。

一応、二次創作における深海棲艦の言語能力はボス級以外は皆無としており(戦艦:レ級はほとんどボス級と同格の扱いで言語能力がある場合が多々)、
発話内容も『ヲ』しか言えないし、他の深海棲艦の鳴き声も○○モンと同じように名称と同じものとさせてもらいます。
そして、公式では艦娘の正体も深海棲艦の正体も明言されていないので、『艦娘を解体すれば普通の女の子になる』だなんて説は無視します。
あくまでも艦娘は妖精が何らかの手段で量産させている人造人間の兵器であり、深海棲艦は艦娘と起源を同じくするだろう何かという解釈です。



加藤提督
石田提督とは同期で、福島提督とも同期の実力派提督。皮肉屋ながら友情に厚く、石田提督と福島提督の仲を取り持ってきた苦労人。
石田提督が『知略』、福島提督が『気合』ならば、彼の場合は『冷静』であり、どんな状況でも落ち着いて対処できることをモットーにしているので、
重用している艦娘も彼に似て、騒がしくはないものの凛として存在感のある実力派の艦娘が多く集まっている。

寮母さんのような存在に極めて弱く、間宮さんや伊良湖さんの前になると普段の彼からは想像できないほどにデレデレする。
しかしそれは、上司がそうであるように部下の艦娘たちも同様な一面が見られ、『ムッツリ艦隊』と言われているとか言われてないとか…………

w1:加藤艦隊
重巡:那智    | 戦艦:長門
正規空母:加賀 | 駆逐艦:ヴェールヌイ(以下、『響』表記)
正規空母:雲龍 | 駆逐艦:不知火


w2:福島提督
石田提督・加藤提督らの同期で、気合と勢いを頼みとする提督。しかし、一念通天か、突撃馬鹿のように見えて戦果は加藤提督以上である。
とにかく『喧嘩上等!』な連中ばかりを集めており、非常に勤務態度が悪くガラも悪いので『ヤンキー艦隊』と仇名されている。
しかし、突撃馬鹿として男気あふれるところからなのか気が合うのか、艦隊の結束は非常に堅く、勢いに乗れば真似できない戦果を上げるので黙認されている。
また、無闇矢鱈に戦いをしているように見えてしっかりと戦術を練っているので、ゴリ押しのゴリ押しを戦訓とする金本提督に通じるところがある。

恋愛よりも戦いに勝つことばかり考えているので色気がないが、割りと気軽に飲み会を開いている『呑んだくれ共』でもあり、
もはや無礼講の間柄なのである意味においてはケッコンカッコカリにまつわる諸問題とは無縁でお気楽な艦隊。何気に武蔵と瑞鶴を持っている。
控えに、隼鷹、飛鷹、霧島(艦隊の良心、時折 堪忍袋の緒が切れる)などがおり、毎日毎日が非常に賑やか。お酒が飲めない駆逐艦に出番はほとんどない。
こうして見ると、大型艦の多用やメンツが被っているところから本質的に石田提督の艦隊編成と思想が共通するところが大いにあるようだ。

福島艦隊
重巡:足柄 | 戦艦:武蔵
重巡:摩耶 | 正規空母:瑞鶴
軽巡:川内 | 駆逐艦:曙


w3:小西提督
加藤提督が配属された鎮守府での先輩で、キザで嫌味な性格をしているがれっきとした実力派提督。彼を一言で表すならば『功名』である
目に見える戦果や評判を非常に気にしており、設計図上の能力よりも実際に活躍した経歴のある艦娘を重用する傾向がある。
それ故に、基本的に武勲艦ばかりのレア物狙いの提督となっており、結果として石田提督と似たような能力偏重主義に傾倒している。
しかし、石田提督とは違って武蔵や陸奥、大鳳のような強力な艦であっても大した活躍がない艦娘は絶対に使わないというかなり冷徹な一面がある。
後輩の加藤提督のことはあまりよくは思っていないが、大した失敗もせず、順調に戦果を上げているところに焦りを感じている。

小西艦隊

重巡:羽黒  |駆逐艦:綾波
軽巡:神通  |駆逐艦:潮
軽空母:龍驤|駆逐艦:夕立




第6話W-2 深海棲艦捕獲指令   -全ては暁の水平線に勝利を刻むために- 実践編 


――――――
左近「ようこそ、司令室へ」

左近「早速ですが、皆さん方の艦隊編成と敵が空母機動部隊の2個艦隊であることを踏まえて、こちらの戦力を調整させてもらいますね」

福島「いつでもいいぜ! 俺の艦隊はガチで最強だから! 深海棲艦なんて一捻りだぜ」

加藤「相手が空母棲鬼と空母棲姫ならば、まずは制空権を取るために俺と福島提督の艦隊が先発となるのか?」

左近「ま、そうなりますな」

小西「妥当だな。俺の艦隊は夜戦向けだから夜戦突入か支援攻撃のどちらかだろう」

左近「小西提督は後方待機で艦隊の撤退を援護してください。少なくとも敵さんの艦載機もズタボロになっているはずですから簡単でしょう?」

小西「よし。そうさせてもらおう」

左近「では、こちらも【46cm砲】を装備させた超長距離攻撃艦隊を編成して援護いたしましょう」

福島「っしゃー! 見せてやんぜ、俺の艦隊がガチ最強ってことをよぉー!」

加藤「馬鹿。張り切りすぎるな。それに複数の艦隊を同時に指揮するんだ。お前の大声で聞き漏らしがあったらどうしてくれる」

左近「まあまあ」

小西「そういえば、石田司令はどうした?」

左近「石田司令なら待機という名の監禁ですぜ。さすがにこの非常時に司令の安全までは目を向けられませんので」

小西「…………そうか」

加藤「先陣は俺と福島提督だ! 右翼が俺の艦隊で、左翼が福島提督だ。突出している艦隊を先に十字砲火するぞ!」

福島「見せてやるぜ! 一度の会戦で殲滅させてやっからな!」

加藤「馬鹿。もう少し声を落とせ。聞こえているぞ」

福島「お、おう。すまねえ……」

左近「では、敵さんをきりきりまいさせてやりましょうかね!」

小西「作戦開始だな!」
――――――



――――――鎮守府海域


ヒノ……カタマリトナッテ…シズンデシマエ……!

空母棲姫「………………」ゴゴゴゴゴ

w1:那智「姫のほうが先だったか。これは少してこずりそうだな」

w1:長門「後続の艦隊に合流される前に手早く片付けるぞ!」

w1:加賀「五航戦の子なんかに遅れは取らないわ」

――――――
加藤「いいか! 敵は空母機動部隊だ。しかし、数の上では福島提督の艦隊の分もあってこちらが圧倒的に有利だ」

加藤「出来る限り 福島提督の艦隊とは距離と角度を置いて回りこんで十字砲火を行う」

加藤「決して突出するなよ! 足並みが揃わなければそいつから各個撃破されるからな!」
――――――

w1:響「わかっているさ」

w1:不知火「これまで不知火たちに落ち度でもありましたか?」

w1:雲龍「よし、第一次攻撃隊、発艦始め」

――――――
小西「ほう。見ない間にこれほどまでになっていたとはな……」

左近「お見事ですな。順調に福島艦隊の前に敵さんが脇腹を見せ始めましたぜ」

加藤「ここはお前に譲ってやるよ。とっとと沈めろ。――――――ま、できたらの話だがな」

福島「俺様の出番がキタアアアア! かっとばすぜー!」

加藤「馬鹿。だから『声を小さくしろ』と言っているだろうが!」

小西「まったく、どうしてこんな陸軍がお似合いの人間が戦績上位者に入っているのか…………」

左近「ま、これが決まれば、敵さんは壊滅ですがな」
――――――


w2:足柄「くっ、もっと近づけないの? これじゃMVPが取れないじゃないの」

w2:瑞鶴「アウトレンジで…決めたいわね!」

w2:武蔵「よし! さあ、行くぞ! 撃ち方…始めっ!」

――――――
福島「行っけええええ! 敵陣に突っ込んでおいて足を止めたマヌケを袋叩きだああ!」

加藤「いちいち叫ばないと作戦ができんのか、この馬鹿」

左近「敵さん、完全に混乱してますぜ。ボス級深海棲艦の艦隊でも高度な作戦には対応できないようで」

小西「深海棲艦の基本的戦術は人海戦術だからな。とにかく要所を押さえたところを大量の防衛部隊を配置して我々を深みに誘い込むだけだ」

小西「やつらは侵攻戦はあまり得意ではないようだな」

左近「それでも、この大戦が始まった当初はその圧倒的な展開力で我々の海を奪っていきましたからねぇ」

左近「かれこれ四半世紀近くになりますが、人類はようやく艦娘を御しえて対等の戦いができるようになったんだ」

左近「そう考えると、やつらの進化はどちらかというと制海権を得ることだけに特化していたのかもしれないね」

左近「もっとも、敵さんとしても一度は得た制海権を奪い返すために、今度は根本的なところを押さえることを思いついたようですがな」

小西「…………厄介だな。こんなことは初めてのことじゃないのか?」

左近「さあね。ただの偶然かもしれませんし、もしこれが偶然じゃないとするなら近いうちに他の場所でも――――――」
――――――

w2:曙「あのクソ提督!」

w2:摩耶「まあいいさ。のこのこと駆けつけてきた鬼を殺れればチャラにしてやるよ」

w2:川内「…………夜戦」イジイジ


――――――
左近「【偵察機】から敵の先陣の殲滅が確認されましたよぅ」

加藤「フッ、地の利を捨てて敵陣に1個艦隊だけで攻めることを強いられているのがいかに苦しいか思い知ったか!」メメタァ

福島「っしゃー! 瑞鶴のやつが姫とったぜぇ!」

左近「いやはや、みなさん優秀で助かりますよ、ホント」

小西「しかし、ボス級深海棲艦の生命力は凄まじい。復活を警戒しなければ」

左近「さて、どうします? 鬼さんの方は動きを止めたようですけど」

加藤「どうする、福島提督? 敵は恐れをなして進軍を止めたらしいぞ」

福島「んなもん決まってるだろー! 突撃だ、突撃! 人ん家の庭の中に不審者がいたら追い出すだろ?」

加藤「聞くまでもなかったか」フフッ

加藤「左近提督、ここは突撃する! 後詰を頼む!」

左近「承知した。小西提督の艦隊も姫の捜索のために動いてもらいましょうか」

小西「フッ、このまま見ているだけだと思っていたが、ちゃんと出番があってよかった」

小西「――――――出番だぞ。姫の捜索を行うが見つけたところで大した脅威ではないだろう、お前たちならば」
――――――

w3:羽黒「あなたたちの背中は、私が守ります!」

w3:神通「索敵 急いで! 見つけたら魚雷攻撃で徹底的に追い詰めます!」

w3:龍驤「一航戦も五航戦もいるのに、どうもウチら地味な仕事ばかりやなー……」

w3:綾波「まあまあ。索敵も本当に大切な仕事だから、これが終われば提督も褒めてくれますよ」

w3:夕立「ソロモンの悪夢、見せてあげる!」(ドS)

w3:潮「できれば、離脱してください!」(迫真)

――――――
小西「よかったな、俺が主力艦隊を引き連れてこなくて」

小西「そうでなかったら先陣争いで、こうして上手い具合に役割分担もできなかったろうに」

加藤「……小西提督?」

左近「ま、その時はその時ですけどな」

小西「それもそうか」

加藤「よし! さっきと同じだ。まず俺が鬼の艦隊に仕掛けて注意を削ぐ」

福島「そこを俺んところの武蔵と瑞鶴で狙い撃つ――――――ガチでやべえぜ、この戦法!」

小西「確実なだけにおもしろみもない戦いだな」

加藤「こんなところで艦娘を大破なんてさせてみろ。あいつに何を言われるかわかったもんじゃない」

加藤「それに、あまり人の鎮守府に世話を掛けたくないからな。謝礼はちゃんと支払いつもりだが、まあ あまりいいものじゃない」

小西「それもそうだな」

福島「っしゃー! 勝ちパターン入ったぜー!」

左近「こちらにしても敵さんにしても『個艦の能力がどれだけ優れていようとも分厚い数の壁の前にはどうしようもありません』ということですかな」

左近「今回のことで得られたことは『戦術は戦略には勝てない』ということ。そう――――――、」


――――――だからこそ、殿がなさろうとしていることがこれから必要となってくるわけだ。




――――――それから、夕方


左近「…………わかりませんな」

左近「深海棲艦も『侵攻に失敗したら撤退する』という知恵を身につけたんでしょうかね?」

小西「そんなことは我々がよくやっていることだ。学習していてもおかしくはないな」

加藤「しかし、気味が悪いな。やはり深海棲艦の生態を調べなければ気が気でなくてたまらんな」

福島「結局、何だって?」

左近「姫も鬼も海の藻屑となったのか、それとも尻尾を巻いて逃げ出したのか――――――」

福島「ああ なるほど……」

左近「潜水艦隊で海中をくまなく探しまわってはいるんですがね……」

小西「そうそう。俺の艦隊も最初から捜索をしていたわけだが、轟沈した姫の反応はなかった」

加藤「どういうことなんだ? てっきりボス級深海棲艦というのは艦娘を遥かに凌駕した生命力があるんじゃなかったのか?」

福島「だよなぁー。復活しないなんてちょっと調子狂うっていうか、なぁー?」


石田「そのことについては俺から仮説を提唱しよう」


左近「おお、ちゃんと大人しくしてくれてましたか、石田司令」

福島「本当だぜ! ちゃんと見ていてくれたか、俺の艦隊の活躍ぅ~」

石田「俺の考える最強艦隊の理論に近い艦隊編成をしているのだ。それに友軍艦隊との連携があったのだ。勝てて当然だ」

福島「お、マジかよ! やっぱり俺の艦隊、ガチ最強ぉー!」

小西「馬鹿なやつだな。別に褒められてもいないってのに……」

加藤「ま、ここでいちいち突っかかれてまた喧嘩腰になられても困るからな。今はそれでいいじゃないか」

加藤「で? ――――――『仮説』ってのは何だ?」



石田「我々が優先して叩くべきなのは、ボス級深海棲艦よりも輸送ワ級ということだ」


加藤「ほう? もっと詳しく聞かせてくれないか?」

加藤「要するに、『輸送ワ級がいないとボス級深海棲艦でも復活できない』ということなんだろう?」

石田「そういうことになるな、今の段階ではな」

小西「確かに、ボス級深海棲艦以外で【ゲージ破壊】の対象となっているのは輸送ワ級が主だったな」メメタァ

福島「前々から思ってたんだけどさ? 輸送ワ級って何を輸送してんだ、あれ?」

加藤「!」

左近「つまり、輸送ワ級にこそ深海棲艦の秘密が隠されているというわけなんですかぁ?」

石田「俺はそう睨んでいる」

石田「これまでの作戦において輸送ワ級と【戦力ゲージ】の存在の有無を検証すると、両者はほぼ同時に存在していることがわかった」メメタァ

石田「攻略Wikiに寄せられた情報を丹念に見ていけばわかることだが、――――――EOマップは例外だからこの場合は無視する」メメタァ

石田「さて、福島提督の疑問ももっともだ。輸送ワ級が何を輸送し、それで何が補給されているのかはまったくもって不明だ」メメタァ

石田「よって、“新戦略研究局”の最初の方針を伝える」


――――――輸送ワ級の【捕獲】及び殲滅が当面の第一目標となる。


一同「!」

小西「しかし、それは非常に困難な作戦だと思うのだが」

加藤「輸送ワ級の登場は早くても南西諸島海域のバシー島沖が最初だ。少なくとも戦艦や重巡が相手となるだろうし、」メメタァ

加藤「そもそもこちらの艦隊の練度がありすぎて、【捕獲】する前に開幕攻撃で全滅させる恐れすらあるぞ」メメタァ

福島「でもよぅ? かと言って、そこしか簡単なところがねえだろう?」

福島「確か輸送ワ級の出現海域は他にも北方海域のキス島沖とかもあっけど、ボス艦隊と一緒だからマジヤベーぞ」メメタァ

小西「それに、西方海域の多くで敵補給船団と交戦することができるが例外なく最深部だ。キス島沖よりも遥かに難しいぞ」メメタァ

左近「なるほど、そう考えるとますます輸送ワ級が意外な難敵だということが浮き彫りになってきましたな」

小西「そうだとも。flagship級で重巡並みの火力を持っているから実に侮れん敵だ」

石田「そう! 兵站は戦争の基本だ。その大本を絶たねば我々は勝てるはずがないのだ!」

石田「それだけに、やつらにとっても輸送ワ級は生命線になっているはずなのだ」

石田「特に、深海棲艦の活動が活発な海域ほど多く確認されているということは輸送ワ級が何かしらの戦略的要素を担っていることに他ならない」

加藤「そうだな。何とかして輸送ワ級を集中的に叩ける手段の模索をしなければだな」


福島「けどよぉ、まだ肝腎の【捕獲】の方法がわかってないんだけど大丈夫なのかよ、簡単に【捕獲】なんて言っちゃってよぉー?」


左近「…………石田司令」

石田「安心しろ。あくまでも輸送ワ級の【捕獲】は第一目標なのであって、生き急いで南方海域に【突撃】する愚行はせんよ」

加藤「それはわかったが、俺たちはこれから具体的にはどうすればいい? 輸送ワ級の優先的な撃破は了解したが」

石田「実は、【捕獲】に必要な装備の補充ができていない」

石田「だから今日は、顔見世と実際の深海棲艦の運用の見学だけにしたかったのだ」

石田「今日は災難だったな」


加藤「そういうことならしかたないな」

小西「だが、この戦いの勝利のために現状で必要な疑問点が得られたのは大きな収穫だったな」

福島「ああ。とりあえず、輸送ワ級を徹底的に潰しゃあいいってわけなんだな! な!」

石田「そう考えてもらっていい」

左近「しかし、輸送船撃破なんて多くの提督たちがすでにクエストでやっていることなんですがねぇ……」メメタァ

石田「ならば、1ヶ月あたりの補給船団の撃破数を並みの10倍やればいい」

小西「簡単に言ってくれるな」

加藤「だが、それぐらいやりきる覚悟がなければ、現在の戦局に影響を与えることなど到底不可能だろう」

福島「っしゃー! わかったぜ、石田提督! ――――――輸送ワ級! 狩って狩って狩りまくるから見ていてくれよな!」

石田「功を焦って無駄死だけはさせるなよ」

福島「!」

福島「わ、わ-ってるよ、頭でっかち。俺はお前とは違って捨て艦なんかしねえからよ」

石田「ならいいが」

小西「ほう……」

加藤「確かに変わったな、石田提督のやつ…………これなら信用してもいいかもな」

左近「………………」




――――――その夜:警戒態勢解除、諸提督らは修理・補給を済ませて帰還


カチャカチャバン! ブゥウウウウウン!

石田「さて、点検はこれでいいだろう」(最新の防水防弾服)

ヲ級「ヲ…………」

石田「心配するな」

石田「それよりも――――――」

ヲ級「……ヲ」スッ


――――――【お供え物:献花】


石田「うん。いつ見ても華やかでいつ嗅いでも心が安らぐ」クンクン

石田「そう、まずは【お供え】をしなければ始まらない」

石田「公式は深海棲艦の正体については『ユーザーの想像におまかせします』と言い張っている以上、」メメタァ

石田「――――――俺も独自に深海棲艦というものを追究してきたのだ」

石田「昔、深海棲艦のある習性の存在に俺は気づき、深海棲艦捕獲作戦を実行する前に頻繁に海に出たものだ」




石田「一説によれば、深海棲艦とは『過去に沈んでいった艦船の怨念が実体化したもの』と言われている」


石田「そのことは後に、人の言葉を話す――――――というより呟き続けるボス級深海棲艦の登場と発言内容の解析で明らかになった」

石田「――――――いや、『そうではないか』という仮説が半ば事実として広く受け容れられているというだけのことだ」

石田「しかし、艦娘に対する高い攻撃性は我々軍人や科学者がオカルトと軽視している幽霊というものの中の地縛霊や怨霊の性質によく似ている」


艦娘が先か――――――、深海棲艦が先か――――――。


石田「この大戦が始まってから四半世紀にもならないが、同一の艦娘や深海棲艦が不特定多数 同時に存在できていることを踏まえれば、」

石田「艦娘も深海棲艦も元は同一のものを起源にして生まれた本質的に同じ存在だと言われているのも頷ける」

石田「艦娘と深海棲艦が本質的に同じ存在だとするならば――――――、」


――――――どうして両者の間に違いが生まれるのか?


石田「それが大きな謎となるわけだ」

ヲ級「ヲ?」

石田「艦娘は兵器だから戦略や政治ができない――――――戦うことしか知らないという認識が学の深い人間の共通認識だ」

石田「しかし、それは深海棲艦にも言えたことであり、やつらもまた戦略や政治ができていないのだ」

石田「すると、艦娘と深海棲艦の違いを徹底的に集約させていくと、」

石田「――――――艦娘は人間だから、泣いたり笑ったりふざけたりおどけたりでき、」

石田「――――――深海棲艦は亡霊だから、死ぬ間際の想念がそのまま残留し続け、戦略もなくただ戦い続ける他ない」

石田「こう考えると、深海棲艦を根本的に無力化する方法はいくつかはただの提督の俺でも思いつくわけだ」


石田「1つは、海に沈んでいる艦船を跡形もなく破壊する――――――撤去することだ」

石田「しかし、解体されてすでに亡骸が存在しない艦船には対応しきれないという欠点に思い当たることになる」

石田「そもそも、艦娘の正体も深海棲艦の正体も判然としない中での禅問答みたいな科学的根拠に基づかないくだらない推論でしかない」

石田「しかしながら、この広い海にはいくつもの船が沈み、今もその船乗りたちはその海を彷徨い続けているという伝説が数多あるように、」

石田「彼女たちの骸、あるいは搭乗員たちの霊たちを手厚く葬っておくことが今でも大事ではないかと思い――――――、」

石田「俺は藁にもすがるような思いで とてつもなく馬鹿げた行為に走ったというわけなんだ」

ヲ級「ヲ?」

石田「ある時、制圧が完了した海域で【献花】したわけだ。海一面に花畑が咲いたかと思うぐらいに盛大にな」

石田「…………あの時の俺は捨て艦戦法で海域を強引に押し進み、せめてもの罪滅ぼしと戦勝報告もかねて弔意を表そうとしていた」

ヲ級「ヲ…………」

石田「そうだ。あの頃の俺は艦娘たちからひどく恐れられていたから――――――実際に艦娘に多大な犠牲を強いた罪悪感から、」

石田「制圧が完了したばかりの海域で『深海棲艦に遭遇して殺されるのも乙』だと浮ついた考えを持っていた」

石田「無謀にも護衛を付けずにただ一人で長い間 俺は艦艇に揺られながら弔っていたのだ」

石田「するとだ」

石田「俺は海面に巨大な魚の頭――――――いや、深海棲艦の空母:ヲ級が海面下から顔を覗かせてこちらを見ていたのだ」

ヲ級「ヲ?!」

石田「さあな? 俺に【捕獲】されて『ヲシドリ』と名付けられたお前だったかどうかはわからん。時期から考えても十中八九 別人だろう」

石田「俺は死を覚悟した」

石田「深海棲艦は艦娘に対して強い攻撃性を示す一方で、生前の意識からか艦娘ではない方の軍艦や民間の船舶にも攻撃性を示し、」

石田「更には、艦船の搭乗員も攻撃――――――捕食することも確認されている」

石田「しかし、圧倒的に優先順位が 艦娘 > 実際の艦船 > 人間 となっており、」

石田「おそらくこれも、生前の軍艦や艦艇に与えられた任務が直接的な人員の抹殺ではなく、戦力の撃破にあったからなのだと俺は思う」

石田「だから、もしかしたら艦娘が【ドロップ】して矛先がそれる可能性が万が一にはあったのだ」メメタァ

石田「だが、あの時の俺は若かった」

石田「すぐに動転して腰が抜けてしまったのだ」

石田「そして すぐに、艦艇を沈められるものだと身構えていた。非武装艇でかつ俺一人で来ていたからすぐに出すことも叶わないのだからな」

ヲ級「ヲヲヲ!」アセアセ
                     フネ
石田「だが、しばらく無様にも一人 艇の上で縮まっていると次第に『何も起きない』ことを認識し始めた」

石田「恐る恐る、深海棲艦相手には文字通り豆鉄砲な拳銃の安全装置を外しながら、あのヲ級がいたところを覗き込んだ」

石田「するとだ」

石田「ヲ級は海一面に浮かぶ【献花】を手にとって興味深そうに眺めていたのだ」

石田「いや それだけじゃなく、口に中に入れてみたり、嗅いでみたり、それが何なのかを楽しそうに一生懸命に調べていたのだ」

石田「俺はその隙に艇を発進させて、命からがら鎮守府に帰り着いたというわけなのだ」

石田「そして、俺が鎮守府に帰り着いた時に俺を出迎えたのは――――――、」

石田「一人で護衛もなしにどこへ行っていたのかを咎めることもなく、俺の帰還を見て 談笑や笑顔が消えていく艦娘たち――――――」

ヲ級「ヲ……」

石田「だから 俺は、趣里鎮守府というブラック鎮守府に配属されてお先真っ暗の艦娘たちとは対照的に、」

石田「敵であるはずなのに俺のことなど気にも留めず、無垢な表情を浮かべて楽しそうにしていたあの時のヲ級のことを忘れることができず、」

石田「こうして鮮明にその時のことをありありとお前に聴かせることができているのだ」


ヲ級「ヲヲ!」

石田「そう。ふとその時のことを思い出して冷静になって分析してみて、俺は花屋を鎮守府に置くことにしたのだ」

石田「もちろん、【献花】するため――――――実験のために必要な花を自然な形で大量に鎮守府に仕入れて管理させるためにだ」

石田「艦娘たちからは『弔花を自前で用意させるために置かれたもの』だと恐れられていたがな」

石田「…………どれくらいその花屋は鎮守府にあったのだろう?」

石田「俺は花屋に自然と通い詰め、そこで売り子をやっていた娘と仲良くなっていた。おかげで花の名前や花言葉も人並み以上に言えるようになった」

石田「…………懐かしいな」フフッ

ヲ級「ヲ……?」

石田「だが、噂が噂を呼び――――――、ブラック鎮守府を取り締まるために大本営が数々の規制を実装していった中で、」メメタァ

石田「俺の鎮守府の花屋はその象徴として営業停止となって、――――――売り子の娘にはもう長いこと会ってないな」

石田「俺としては、花の仕入れに関するノウハウをすでに教わっていたから用済みではあったんだがな……」

石田「――――――だが、今でも感謝はしている」

ヲ級「…………ヲヲ」スリスリ

石田「違うぞ、『ヲシドリ』。俺は別に寂しいなどとは思ってなどいない……」ギュッ

石田「人生というものは出会いと別れを繰り返しだ」

石田「そんなことは散々 同じ艦娘を【建造】しては捨て艦にして轟沈させてきたから慣れていることだ」

石田「そう、あの時の俺にとっては駆逐艦はどれも同じにしか見えなかった――――――」


――――――それこそ個性や私というものがない一様でしかない深海棲艦と同じような存在にしか見えなかった。



石田「――――――だがな?」

石田「そう、だからこそだ。だからこそなのだ」

石田「だからこそ、俺は深海棲艦を【捕獲】してから戦力に加えるのに必要な【調教】が何なのか気づいたのだ」

ヲ級「ヲ?」

石田「簡単なことだ。実に簡単なことだ、そんなのは」


――――――たとえば俺と話をしたり、たとえば寝食を共にしたり、たとえば艦娘と同じことをさせればよいのだ。


ヲ級「ヲ…………」

石田「考えてもみろ。――――――艦娘が艦娘たる所以を。深海棲艦とのわずかな違いを」

石田「それを思えば、彼女たちの自我が非常に幼いことも生まれた時に深海棲艦にならないために必死の思いで実らせた人としての証なのかもしれないな」

石田「人間は生まれる時に必ず最初に出産に伴う苦しみを受け、それを糧に生への執着心を得て一個の生命体としてこの世の息吹を授かる――――――」

石田「あるいは 軍艦という兵器そのものが人間の血生臭さや冷徹さの象徴であるからこそ、そんなこととはまるで無縁のその自我の幼さが、」

石田「本質的に冷徹非道に相手を虐げるためだけに生まれた血も涙もない兵器たちが深海棲艦にならないために生み出した知恵なのかもしれないな」

石田「特に駆逐艦など、俺からすれば数だけが取り柄で個々の違いなど戦力的に大差がない同一の存在にしか見えなかったからな」

石田「そう考えると、深海棲艦という存在が非常に身近な存在に思えてくるのだ」

石田「なぜなら、人間とて同じことだからな」

石田「1つの生き方しか知らない人間がいかにクズであるのかを俺は知っている」

石田「帝国海軍の存在意義は海上防衛であり、洋上の敵を倒すだけの仕事だけだが、」

石田「それならばイギリス海軍を手本にしたユーモアを大切にする気風など必要なかろう」

ヲ級「ヲヲヲ!」

石田「そうか、お前もそう思ってくれるか」フフッ

石田「だからこそ、俺はお前のことを我が子のように接する努力をしているのだ」ナデナデ

ヲ級「ヲヲヲヲ……」ニコニコ





石田「さて、今日は強力な艦隊が向こうから攻めてきてくれた」

石田「そして、“新戦略研究局”始動初日というわけで司令部が選抜した精鋭たちが艦隊を連れてきていたので労せずに撃破された」

石田「これで次の実験に移ることができるわけだ」

石田「俺は艦隊指揮権のない無力な新部署の局長としてこの状況をただ眺めていたわけではないのだよ」

石田「ボス級深海棲艦の復活を警戒するために鎮守府の艦娘が交代制で捜索と哨戒に出ることを見越して、」

石田「この【人形】と同じものを持たせて何も知らない時津風に海に投げ入れるように命じていたのだ!」

石田「あの時ばかりは我々 捕獲班の戦力も索敵に駆り出さないといけなかったからな」

石田「すでに仕込みは十分だ。潜水艦はいなかったから【捕獲】用装備もこれでいいだろう」ジャキ

石田「後は、【調教済み深海棲艦】単独で深海棲艦が接触した場合の反応を見る」

石田「頼むぞ、『ヲシドリ』」

ヲ級「ヲ!」

石田「よし、出撃するぞ」


ブゥウウウウウウウウウウウン! ザァアアアアアアアアアアア!

      マリンジェット
艦載艇:特殊小型船舶| 空母:ヲ級『ヲシドリ』
              |
              |


――――――鎮守府海域


石田「さて、まずは索敵をしなければな。【電探】の類を載せる余裕など【特殊小型船舶】にあるわけがない」

石田「頼むぞ、『ヲシドリ』」

ヲ級「ヲ!」 ――――――艦載機 発進!

石田「やはり、夜間でも艦載機を発進させられるflagship級は優秀だな」メメタァ

ヲ級「ヲヲヲ!」ビシッビシッ

石田「ああ。あっちの方向にいるのだな? それで距離は――――――なるほどな(なかなかに意思伝達も苦にならなくなってきたな)」


ブゥウウウウウウウウウウウン!


石田「…………月明かりの下、ここからでもはっきり見える洋上の異様な物体! ――――――大型の艤装だな!」

ヲ級「ヲ!?」

石田「これはとんだ大物と遭遇したな……」スチャ(ナイトビジョンスコープ)

石田「しかし、俺の仮説では復活しないはずだが…………生き返ってる!?」


空母棲姫「………………カワイイナァ」ウリャウリャ (月明かりの下で【人形】を愛おしそうにイジっている)


石田「さて、今のところ 最高峰の性能を誇る【震電】で取り押さえられるか――――――」ジャキ ――――――【捕獲用装備/電撃銃・震電】!

ヲ級「ヲ…………」

石田「よし、敵からの攻撃を警戒しながら接近してみろ。敵意があるかどうかを見てこい」

石田「無いのならば、お前に持たせた【人形】で興味を引いてこちらに誘い出せ」

ヲ級「ヲ!」ビシッ




サァアアアアア・・・・・・


ヲ級「…………ヲヲ!」

空母棲姫「――――――?」


石田「どうやら空母棲姫ですら『ヲシドリ』の接近に疑問を持たないようだな……」

石田「――――――【人形】に気を取られているからなのか? ――――――【調教済み深海棲艦】単艦では敵だと認識しないのか?」

石田「ともかく、これで【調教済み深海棲艦】で容易に敵の懐に飛び込むことができる可能性ができたぞ」


ヲ級「ヲヲヲ! ヲヲヲ!」

空母棲姫「………………」ジー

ヒノ…カタマリトナッテ…シズンデシマエ……!

空母棲姫「………………!」ゴゴゴゴゴ

ヲ級「ヲヲヲヲヲヲヲ!?」ジタバタ


石田「!」アセタラー

石田「くっ、失敗したか!(やはり深海棲艦は亡霊のような存在だから心が芽生えているかどうかで艦娘かを判断しているわけなのか?)」

石田「手筈通りに退却だ、『ヲシドリ』!(だとするなれば、艦娘の定義というのはやつらからすると――――――、だ!)」


ヲ級「ヲヲヲヲヲヲヲ!」ザァアアアアアアアアアアア!

空母棲姫「…………オチロ!」

ヲ級「ヲーーーー?!」ドゴーン! ――――――中破!


石田「――――――『ヲシドリ』ィイイイイ!」ブゥウウウウウウウウウウウン!

石田「くっ! 計算外だ……!」ギリッ

石田「夜戦で戦えるとはいえ、やはり空母の回避力や装甲ではボス級に対峙させるには分が悪すぎたか!」

石田「しかも、中破か! これでは『ヲシドリ』は“七面鳥”ではないか!(昔だったら、大破しても戦えたのだがな……)」メメタァ

石田「(いや、相手が姫とわかっていて最善の策を選ばなかった俺の失策だな……)」

石田「やらせはしない! やらせるものかああああああ!」


ブゥウウウウウウウウウウウン!



空母棲姫「……ナンダ?」

空母棲姫「…………ハヤイ、ダト?! キョダイナギョライ?!」

ヲ級「ヲヲヲーーーーーー!」ウルウル

石田「目障りなのだよ、深海棲艦!」ジャキ ――――――【肉薄】状態!

石田「人類最高科学の粋を結集した最強の【電撃銃】を受けるがいい!」バン!

空母棲姫「!!!!!!!!??」バチバチバチィ・・・!

空母棲姫「ウアアア…………」ビリビリビリ! ドッゴーン!

石田「――――――っと、誘爆したか(しかし、さすがにこの至近距離では波の揺れや水飛沫がキツイか)」ドンブラコドンブラコ

石田「だが、ボス級であろうと1対1ならこの電撃で確実に殺れる!」ギロッ

石田「そのまま墜ちるがいい!」ブゥウウウウウウウウウウウン!

空母棲姫「ソンナ…………カ、カラダガウマクウゴカセナイ…………」ビリビリ

石田「隙だらけだな!(――――――背後、もらったぞ!)」バァン!

空母棲姫「アアアアア……!」バチバチバチィ・・・!

石田「二撃目入った!(さすがは海上で最高の機動力を誇る【特殊小型船舶】だ)」ブゥウウウウウウウウウウウン!

石田「次でとどめを刺してやる!(ボス級の巨大な艤装など1対1の接近戦においてはまったく無用の長物だな!)」ブゥウウウウウウウウウウウン!

空母棲姫「ウウ…………」バタッ

石田「…………!」キキィ

石田「――――――やったのか? 俺が、あのボス級を? 人間が造った武器で?」ドクンドクン

石田「………………」ゴクン

石田「――――――『ヲシドリ』! 【捕獲】しろ!」

ヲ級「ヲ!」ザァアアアアアアアアアアア!

ヲ級「ヲヲ…………!」グググググ・・・

石田「さすがにボス級深海棲艦を曳航していくにはヲ級だけでは力不足か……」

石田「明らかに出力が足りてないが、この艇も曳航に使わざるを得ないな」

石田「よし、『ヲシドリ』! 【捕獲】用のロープだ。俺が教えたとおりにそいつに巻きつけるんだ」ポイッ

ヲ級「ヲヲヲヲ♪」

空母棲姫「」



ブゥウウウウウウウウウウウン・・・!


石田「やはり【特殊小型船舶】では力不足だが、『ヲシドリ』が頑張ってくれているおかげで辛うじて進めてはいるか…………」

石田「もう少しだ。鎮守府の灯台の明かりが見えてきたぞ」

ヲ級「ヲヲ!」

石田「いい娘だ。これが終わったらうんと褒めてやるからな」

ヲ級「ヲヲ♪」ニッコリ

石田「さて、まさかボス級深海棲艦の【捕獲】に成功するとはな」

石田「こいつを無事に【調教】することに成功すれば、全体の勝利に大きく貢献することになるだろう」

石田「(そして、人語を発する深海棲艦と艦娘を結ぶ貴重な存在として研究にも大いに役立つことだろう)」

石田「(本来ならば輸送ワ級を【捕獲】したいところだが、これはそれ以上の戦果だな)」

石田「戦いの勝利などに俺の答えはない!」ドヤア

空母棲姫「――――――」ゴポ・・・

ヲ級「!」ビクッ

ヲ級「ヲヲヲヲ! ヲヲヲヲ!」バチャバチャ

石田「なにっ!?」ビクッ

空母棲姫「…………!」ボゴン! 

石田「――――――がっ!?」ガコン! ――――――空母棲姫を牽引していた【特殊小型船舶】は勢い良く海面を舞う!

石田「うあああああああああああああああ!?」 ――――――その勢いで空中に投げ出されてしまう石田提督!

ヲ級「ヲヲヲーーーー!」

空母棲姫「…………ア」

ヒュウウウウウウウウウウン! ザバァアアアン!

石田「うおっ!?(――――――何だ? 海面に直接叩きつけられずにすんだが、この背中から覆い込むような寒気は?!)」


空母棲姫「………………テイトク?」


石田「へ」ビクッ

石田「うっ、しまった! やはり迂闊だった――――――っああああああ!?」ギギギギギ・・・

空母棲姫「テイトク、テイトク、テイトク、テイトクダ…………」ギュゥウウウ

石田「あっ! うぅう! うああああ!(なんて力だっ! このままでは身体を真っ二つにされてしまう!)」ギギギギギ・・・

ヲ級「ヲ! ヲヲヲーーーー!」

石田「【電撃銃】を渡せ、『ヲシドリ』ぃいいい!」

ヲ級「ヲ、ヲヲ!?」キョロキョロ

石田「あ、ああああああああああ!(――――――ダメだ、『ヲシドリ』が落とした【震電】を見つける頃には死ぬぅう!』)」ミシ・・・

空母棲姫「テイトクダ……テイトク…………」

石田「あああああああああああああああ!」ミシミシミシ!



石田「手を放せ、この! この! このぉおおお!」ジタバタ

空母棲姫「ア……」パッ

石田「おわっ!?」ザパーン!

空母棲姫「ア、テイトク……!」サッ

石田「ガハッ、ゴホゴホォ・・・」ビチャビチャ

ヲ級「ヲヲーーー!」ザァアアアアアアアアアアア! ――――――【電撃銃・震電】!

石田「!」スッ ――――――懐から防水加工された特別な扇子を取り出す!


石田「――――――“勅命”!」バッ \勅命/


ヒューーーーーン! バババババ・・・! ――――――どこからともなく【艦攻】が月下の空母棲姫を襲う!

空母棲姫「ア!? クッ、テイトク…………」

艦攻妖精「直撃確認! 規定通り、司令の安全のために近くの鎮守府に救援要請を行います!」

ヒューーーーーン! パァアアン!  ――――――照明弾が月夜の海を照らす!

石田「――――――!」ジャバジャバ!  ――――――敵が怯んだ隙にヲ級『ヲシドリ』のほうへ死力を尽くして泳ぐ!

ヲ級「ヲヲヲヲ!」ギュッ ――――――そして、『ヲシドリ』は身を沈めて迅速に石田提督をでっかい魚の頭に乗せるのであった

石田「…………!」ゼエゼエ


――――――
左近「掛かれええええええええ!」
――――――


石田「!」

武蔵「撃ち方…始めえええ!」ゴゴゴゴゴ

川内「さあ、私と夜戦しよ?」ゴゴゴゴゴ

愛宕「主砲、撃てええええええい!」ゴゴゴゴゴ

バン! バン! バン! チュドーン! チュドーン!

空母棲姫「アアアアアア!」

石田「……ま、待ってくれ! やつは絶対に【捕獲】しなくてはならないんだ!」ゼエゼエ

石田「聞こえてるか、左近提督! やつは――――――」ゼエゼエ

石田「やめてくれええええ!」ゼエゼエ

日向「諦めろ、提督」ガシッ

石田「なっ!?」

飛龍「帰ろう、提督? 提督の帰る場所は海の底じゃなくて鎮守府だよ……」ガシッ

石田「いやまだ間に合う! 攻撃を止めさせてくれ! あれは、あれは――――――!」

飛龍「わかってます」

石田「なにっ?!」

飛龍「覚えてますよ、この前の大規模作戦の1つ:【MI作戦】でも戦いましたからね」メメタァ

石田「――――――!」

石田「なら、今すぐに止めさせてくれ、飛龍! 頼む、後生だ……!」

飛龍「イヤです」

石田「なぜだ……、なぜだ、飛龍ぅ…………」

飛龍「これで提督に嫌われたっていいです……」


飛龍「けど、――――――提督のこと、これからをずっと見ていたいから」ポタポタ・・・


飛龍「覚えてますか、提督? ――――――赤城さんに加賀さんもいたあの頃のことを」

石田「忘れるわけがないだろう……」

飛龍「よかった……」ホッ

石田「?」

飛龍「それじゃ、夜戦のできない空母:二航戦の飛龍、鎮守府に帰還します」

日向「確か『ヲシドリ』と言ったか? 行くぞ」

ヲ級「ヲ?」

飛龍「うん、行こう」

石田「よせええええええええええええ!」


ザァアアアアアアアアアアア!



武蔵「これでとどめだ、化け物!」バン!

空母棲姫「――――――!」チュドーン!


空母棲姫「………………テイとく」フフッ ――――――轟沈!


川内「やった! 姫を倒したよ、左近提督!」

――――――
左近「お疲れ様でした」

左近「殿もヲ級もちゃんと鎮守府に護送中ですよぅ」

左近「それじゃ、殿が使っていた【艦載艇】はちゃんと回収してくださいよ。あれ、意外と馬鹿にならないぐらい資材が投入されてますから」
――――――

愛宕「あ、あれかしら♪」

――――――
左近「そう、それですよ、それ。いやぁ、艦砲射撃に巻き込まれて海の鉄屑にならずにすんでよかったです」

左近「では、これ以上はみなさんの健康にも良くないので速やかに撤収してくださいね」

左近「ったく、まったく恐ろしい方ですよね~、殿も」
――――――




――――――翌日


左近「――――――殿? 殿」

石田「……何だ、左近提督?」

左近「『ボス級深海棲艦の【捕獲】は不可能』ということで問題ありませんよね?」

左近「殿でさえ失敗したんですから、他の提督さん方にできるわけありませんから」

石田「…………わかった。そういうことにしておいてやる」ムスッ

左近「どうしたんです、殿? 機嫌悪いですよぅ?」

石田「そう思うのなら、俺の機嫌を直させてみせたらどうだ?」プイッ


左近「まだ殿の戦いは始まったばかりじゃありませんか」


左近「確かにボス級の【捕獲】に成功したらそれこそ 戦局が本当に大きく覆るかもしれませんが、」

左近「――――――あれは本当に殿が知っている艦娘とは違うんですよ?」

石田「そんなことはわかっている」



左近「深海棲艦の生態について、ある海洋学者から次のような説が提唱されてますな」


――――――深海棲艦に味方の観念はなく ただ倒すべき敵を共通としているから一緒にいるだけに過ぎないのだと。


左近「だから 敵さんは、生前 自分に与えられた役割を今でも続けようとして一見すると自然と戦術はとれてはいるものの、」

左近「だからこそ、その戦略は人海戦術の域を出ないともね」

左近「ただただ敵を倒すというそのためだけに求められて生まれてきた兵器たちに心は要りません」

左近「現在 人類はその兵器の究極とも言える存在と対峙して滅亡の危機の一歩手前ぐらいまで来ているわけですな」

左近「なにせ、ただひたすら敵を倒すというそのためだけに存在して、倒しても倒してもまたこの広い海のどこかで復活しているわけですからね」

石田「――――――深海棲艦が『兵器の究極』か。確かにそうかもな」

左近「ま、こんなのは人類の自業自得でしかないのかもしれませんがね」


左近「俺も 殿がやっている【献花】はいいことだと思ってますよ」


石田「…………なぜそれを!?(――――――馬鹿な! 【献花】は左近提督を迎える遥か以前にすでにやめているのだぞ)」

左近「まあ、【献花】っていえば聞こえはいいが、あれは実質的に海の上に生ゴミを投棄しているようなものですから、」

左近「環境面を配慮して別なものでやって欲しいところなんですがね。生花というのもなかなか高く付くものですしね」

石田「………………」

左近「しかし、環境破壊だ何だの騒がれる以前から、旧大戦では大量の重油だの弾薬だの何だの――――――、」

左近「およそ海に垂れ流すにはおぞましいものをずっと流し続けてきたんですがね。――――――誰も彼もが『正義や大義の為』と言ってね」

左近「そして、それが昔 沈んでいった艦船たちの怨念となって深海棲艦となっているのに、」

左近「それを『人類の危機』と称して怨み辛みをなすりつけ合って歴史は繰り返す――――――」

石田「あくまでも深海棲艦の正体など科学的に解明はされてはいない。そのオカルトの正体を白日の下に晒そうと言うのに何を言っている?」

左近「この戦争も神が人類が犯してきた業を払うために遣わした救い――――――いわば天罰なんじゃないかと思いますね」

石田「――――――『救い』でありながら『天罰』だと?」

左近「殿? なぜ罪を犯したら罰をお与えになるのですか、人は? そして、罰を与えられた人はその罪に対してどうなるものですか?」

石田「…………なるほどな」


左近「俺は一度たりともも艦娘を沈めたことはございませんが、俺のようにはいかなかった無念な提督さんのほうがずっと多かったです」

左近「俺はその怨嗟の声や阿鼻叫喚というものをよく耳にします」


左近「けれども、どうもそうした怒りや悲しみがみんな空回りしているように思えたんですよ」


石田「なぜだ?」

左近「まず第一として、――――――『この戦争の真の終着点が見えない』ってことですよ」

左近「旧大戦だって、海軍の対米方針は漸減邀撃――――――つまり行き当たりばったりなんですよねぇ」

左近「真珠湾攻撃で開戦した後、いったいどこで戦争を終わらせるつもりでしたんでしょうね?」

左近「戦争っていうのは必ず相手国と停戦協定なり終戦協定の締結で初めて終わるもんなんです」

左近「いつの段階で『講和を結ぶ』というのかがまるで見えてきませんね、あの戦争は」

左近「それで、海軍力を維持するためにズルズルと戦線を拡大していって最終的には守るべき船団の護衛を放棄するという有り様で本末転倒ですよ」

左近「それと同じように、今の艦娘を擁する世界に冠たる我が皇国も『ただ目の前の敵を倒す』という漸減邀撃の基本的方針が変わってません」

左近「そもそも『漸減邀撃』って言ってますけど、正しい意味での漸減邀撃じゃないですよ、今も昔も」

左近「怒りに任せて敵さんを手当たり次第 蹴散らそうとする――――――それはつまり相手を全滅させることが終着点というわけなんでしょうかね?」

石田「確かに。我々人類は深海棲艦の戦略に何ら打撃を与えることができていない。海上封鎖を一時的に打破しているに過ぎない」


左近「だとすれば、戦争の勝敗は兵力――――――つまりは数の理ですから、圧倒的に我が兵力を上回る深海棲艦の物量に負けますな、必ず」


左近「勝ち目なんてありませんね。現に現状維持で精一杯なんですから、――――――今の平和の実態というものは」

石田「………………」


左近「しかし、深海棲艦がまったく人の言葉を解さない化け物であることから『講和を結ぶ』なんてことはどだい無理な話でもありますな」

左近「主戦派の主張に立っても逆にこちらが先に全滅し、和平派の主張はそもそも講話が結べないわけですから、」

左近「どちらの立場であろうともお世辞にも現実的な判断ができているとは口が裂けても言えないですね、こんなんじゃ」

石田「なら、左近提督はどう考えているのだ?」

左近「――――――俺ですか? 簡単なことですよ」


左近「最も現実的な判断に基づく第3の主張をしている方のお味方をしますな」


左近「例えば、――――――殿のような方にね」フフッ

石田「!」


左近「ですから、俺はこれからも殿がやろうとしていることの全てを全力で支えてみせましょう」


左近「――――――殿には成すべきことが見えてらっしゃる」

左近「それは艦娘や艦娘の気持ちを汲むばかりの凡庸な提督には到底できない優れた戦略家としての目ですな」

左近「俺が鎮守府に復帰することを決めたのも、石田提督――――――あなたが他とは明らかに違った戦略を確立して戦っていたからなんですよ」

石田「………………」

左近「しかし、まだまだ殿はお若いです。自分が立てた戦略による理想やその手段に不安を抱くことも多いことでしょう」

左近「ですから、この左近めは頑迷で狭量な一戦略家として殿が俺に再び灯してくれた情熱の炎をいつまでも焼べてさしあげましょう」

左近「殿は何も迷うことはありませんよ」

左近「そして、深海棲艦捕獲作戦以外の新戦略が浮かびましたら、どうぞ それも実行なさってください」

左近「おそらく、殿のように現状維持の現在の仮初の平和に疑問を持つ提督は数多いことでしょう。俺もその一人です」

左近「しかし、殿のように具体的な新戦略を打ち立てて、それを実践できている提督は他にございません」

左近「なので、殿は昨日の失敗を糧にして何としてでも生き延びて試行錯誤を繰り返し、自ら打ち立てた新戦略を見事 完遂に導いてくださいませ」

左近「それしか皇国に迫る存亡の危機を救える手立てはないと左近めは信奉しております」


左近「殿、大道成就を果たされてください」


左近「これが石田提督の副官たる左近めの慰めと励ましの言葉でございます」

石田「…………そうか。お前が同志になったことをこれほどまでに嬉しく思ったことはない」

石田「――――――俺に過ぎたるものだな」

左近「しっかし、確かにボス級の【捕獲】に成功でもしていたら――――――と思うと惜しかったですね、ホント」

石田「そう思うのなら――――――いや、野暮だったな」

左近「そうですよぅ? ――――――『野暮』ですよ、『野暮』」

左近「それで死んだら元も子もないじゃありませんか」

左近「せめて死ぬのなら、99%以上は深海棲艦の生態の解明がすんでからじゃないと後に続きませんから」

石田「……言ってくれるな」フフッ

左近「今度から、殿が勝手に一人で出撃できないように【特殊小型船舶】などの【艦載艇】にロックしておきましたから」

石田「……いいだろう。約束通り、しばらくはおとなしくしておいてやる」

左近「はい、殿」フフッ

石田「フッ」フフッ



――――――鎮守府の改築ついでに私費で建設された花屋敷:艦娘たちの新たな憩いの場


ヲ級「ヲヲ!」クンクン ――――――【調教】中!

石田「その花が気に入ったか」

ヲ級「ヲヲ」ウットリ

石田「そうだ。よく鑑賞しろ。五感で味わえ。それで心を豊かにしていくのだぞ」フフッ

石田「さて、新しく取り寄せたバラの様子はどうなっていたかな?」


飛龍「あ」

石田「…………む」


飛龍「あ、こんにちは……司令」

石田「ああ、飛龍ですか。どうですか、私が私費で立てた花屋敷は? 新たな憩いの場として機能していますか?」

飛龍「う、うん。みんな、物珍しがって大盛況だよ、――――――ほら、向こうの自由鑑賞できる場所でもたくさん」

石田「そうですか」スタスタ・・・

飛龍「あ…………」

石田「――――――今度のバラはイエローか」

石田「レッドとブルーのバラも美しいが、イエローのバラは気分が和むな」

石田「しかし、オレンジと呼ばれているバラというものはオレンジと言うよりはトマトの色に似ている気がするが――――――」ブツブツ・・・


飛龍「…………司令?」

石田「何ですか?」

飛龍「その、近々ごケッコンなさるおつもりなんですよね、武蔵さんと……」

石田「ああ。武蔵こそ私が考える最高戦力だからな」

石田「まったく誤差の範疇だが、武蔵の耐久力は大和よりも高い」メメタァ

石田「私は戦艦に回避を求めてはいないから、同じ火力で守備力が高い武蔵のほうが強いと考えた」

石田「それに、大和は【改造】に必要な練度がLv60なのに対して武蔵はLv40だからな。【近代化改修】がその分 無駄にならない」メメタァ

石田「それはつまり、それだけ早く能力を上限までに伸ばしやすく、結果として効率よく練度を上げやすいということに繋がる」メメタァ

石田「特に、最高の火力を誇る大和型にはできるだけMVPをとらせてあげたいからな。そうすれば無駄が少なくていい」

石田「もちろん、誤差の範疇のことです。大和が来ればそれはそれで万々歳ですがね」

飛龍「………………」

飛龍「あ、あの!」

石田「何ですか?」

飛龍「て、提督は武蔵さんに何と言って【指輪】を渡すつもりなんですか?」モジモジ

石田「は?」

石田「特に何も――――――さっさと渡して【近代化改修】を積ませるだけですが?」

飛龍「もう! 提督ったら、そんなんじゃ武蔵さんがかわいそうですよ!」

石田「何がです? ――――――それに『提督』じゃなくて今の私は“司令”です。あるいは局長とでも」

飛龍「あ、ごめんなさい、司令……」

飛龍「で、でも、司令! せっかくこんなにも綺麗な花をたくさん取り扱ってるんですから1つぐらいやったっていいじゃないですか」

飛龍「武蔵さんも、こういうものにグッとくると思いますよ?」

石田「……あの武蔵が、か?」

飛龍「いけません?」

飛龍「だって、司令はこういうのに詳しいんですから、心を込めて選んでくれれば武蔵さんは――――――」

石田「いえ、『武蔵が』というよりは、艦娘にこんなものをやったところで――――――」


飛龍「 私 は 嬉 し い で す !」カッ


石田「何?」

飛龍「あ……」カア

石田「何だ、欲しいのですか?」

飛龍「う、うん……」モジモジ


石田「なら、やめておくことです」

飛龍「え」

石田「こういった花卉の世話というのは艦娘のように自分で律してくれないので苦労続きですよ」

石田「部屋に欲しいのなら観葉植物にしておきなさい。あれなら適度な日射しと水だけで素人でもそこそこ保ちますから」

石田「それにこの花屋敷の花卉は、深海棲艦の生態を調査するために必要なものが大半ですから、あまり個人所有はさせたくないですね」

飛龍「そういうことじゃないんだけどなぁ……」ハア

飛龍「あ、なら! 武蔵さんとケッコンしたら海に出てブーケトスすればいいかも!」

石田「…………なるほど、ブーケの形にするのも悪くないか」ブツブツ

石田「わかりました。その案を受けましょう。提案に感謝します」

飛龍「あ、よかった……」ホッ

石田「………………」

ヲ級「ヲヲ!」トコトコ・・・

石田「お、どうした、『ヲシドリ』? ――――――そうかそうか」フフッ

ヲ級「ヲヲヲ!」ニコニコ

飛龍「あ…………」

飛龍「………………」

飛龍「それじゃ、司令? 私はこれで――――――」


石田「待ってください。まだお礼をしていないです」


飛龍「え」

石田「よし、『このイエロー』でいいだろう」ガシッ


――――――ゴールドに近いイエローのバラ。


石田「これを」スッ

飛龍「え?」

飛龍「えええええええええ!?」ドキッ

石田「どうした? 『嬉しい』んじゃなかったのですか?」

飛龍「あ、――――――嬉しい! 嬉しいです、司令! すっごく綺麗です(それに何だか私の着物にそっくりかも!)」ニコッ

飛龍「で、でも、急にまたどうしてかな?」ドキドキ

石田「いえ、あっちの『濃紅色のバラ』や『青いバラ』でもよかったのですが――――――、」

飛龍「………… 一航戦の色」ボソッ

石田「今の私の飛龍に対する気持ちを表すとしたらこれかと思い、このイエローを選んでみました」

飛龍「そうなんですか(――――――『提督の私に対する気持ち』か)」ウットリ


飛龍「あ、それじゃ武蔵さんだったらどれを選ぶつもりなんですか?」

石田「そうか、武蔵にやるとしたら…………」キョロキョロ

石田「あ、――――――あれだ」コツコツコツ・・・

飛龍「――――――『白』?」

石田「これですね。この『一重咲きの白』です」

飛龍「どういう基準で選んでるのかな、司令?」

石田「…………答える義務はありません。それに選んでる基準も他所では違ってる場合があるので」

飛龍「……そう(でも――――――、)」クンクン

飛龍「ああ……、何というか引き込まれるような魅力がありますね」ニッコリ

石田「そうですか。喜んでもらえたようで何より」フフッ

飛龍「あ」

飛龍「…………よかった」ニッコリ


――――――
左近「石田司令、石田司令。新戦略研究局の石田司令――――――、」

左近「予定通りに、バシー島沖に【献花】してきましたよぅ」

左近「それじゃ、出番ですぜ。輸送ワ級の捕獲作戦を――――――」
――――――


飛龍「あ……、また始まっちゃう」

石田「さて、行くか」

ヲ級「ヲヲ!」ビシッ

石田「『ヲシドリ』、頼りにしている」

飛龍「あ、あの……!」モジモジ

石田「ん?」


飛龍「必ず帰ってきてください。絶対に! 待ってますから!」


石田「そんなことですか」

石田「当然です。戦いの勝利などに答えはない――――――答えはここで見つけ出すつもりです」フフッ

石田「帰ってくるさ。心配することはありません」

石田「(飛龍、お前はそうやってただ微笑んでいてくれ。今も昔も変わらず――――――、)」


――――――思わず目が眩むような『眩しい黄金色の希望』で俺の行く末を照らしていてくれ。


――――――第6話W-2 深海棲艦捕獲指令   -全ては暁の水平線に勝利を刻むために- 実践編 完

      Next:第7話W 鎮守府の守護神   -侵食される鎮守府- に続く!



陣営紹介w:趣里鎮守府
左近提督
石田提督によって【艦これ】に本格復帰した紳士的ユーザー。
2013年の年末にやめてしまったが、時折ログインしてみてはお気に入りのレベル99の艦娘を眺めるのを娯楽としていた。
それ故に、最近の【艦これ】に関しては情報では知っているが実態は知らない有り様なのだが、
石田提督が左近提督に求めていたのは、現在ほど整った環境ではなかった頃に横行したインモラルプレイを一切行わずに艦娘をただ一人も轟沈させることなく、
イベントマップをトントン拍子で攻略していったという実力と人柄であり、それができずにインモラルプレイに走っていた石田提督にとっては強い憧れであった。

得意の艦隊運用は潜水艦が本格的に参戦する以前なので正規空母を主体にした先制攻撃による絨毯爆撃である。とにかく先制攻撃で被弾を減らす。
それ故に、ほぼ初心者同然の状況の中でレベル99の強力な正規空母を手土産に、現状で初心者なりの視点からの素朴な疑問などで石田提督の天下餅をこねる。
この熟練者でありながら初心者の視点で意見してくれる相談役の立ち位置が石田提督の最大の支えとなっている。

石田提督と左近提督のプレイ状況を言い表すと、『それぞれのプレイデータを持ち寄りながらコミュニケーションを取りながら共同でテストプレイ』しているのだ。
ただし、もうこの段階だと左近提督の艦娘と石田提督の艦娘の区別はほとんどなくなっており、表記からも区別が消えつつある。
実はこの二人は、最初から新システムを導入して常に互いのデータを一体化した鎮守府経営を行っているので、
『1つのアカウントを共有して共同プレイ』している拓自鎮守府とは根本的に形態が異なっているのだ。


石田提督 → 石田司令
趣里鎮守府における主人公なのだが、所属が変わって左近提督に艦隊司令官の地位を譲ったので立場が非常にややこしい。提督ではなくなり、司令になった。
しかし、自分で司令だと言いはっているが、結局は提督の呼称がところどころで継続されることになる。

司令:駆逐隊や潜水隊などの最高指揮官。軍艦に分類されない区分の小さな艦船の隊を率いる ← 石田司令
司令官:軍艦や数個の駆逐隊や潜水隊などからなる戦隊を率いる
司令長官:複数の戦隊からなる艦隊や連合艦隊を率いる ←【艦これ】における提督はだいたいはこれ

大艦巨砲主義の能力偏重主義の冷徹非道のブラック鎮守府の提督――――――だったが、現在は規制をきっかけに更生して人が変わった。
というよりは、状況や環境が変わり、あくまでもそうすることが効率的なのでやらなくなっただけともいえる合理主義者。
一方で、大艦巨砲主義だったのも能力偏重主義だったのも冷徹非道だったのも全ては勝つためであり、
それが根ざしているところは己のふがいなさが原因で散っていった戦友たちへの弔いのためであった。
1日1回の日課であった【大型艦建造】も大和型戦艦:武蔵を迎えたことによりやめており、
左近提督という同志を得て【艦これ】の改革に積極的に乗り出し、勝利するための新たな戦いを展開している。

いわゆる“攻略勢”であり、イベントマップや新システム、新実装艦の解析を率先して行い、攻略Wikiに報告することを役目としている。
それ故に、あらゆる状況に対応するために艦娘をできるだけ満遍なく育てており、能力偏重主義でも駆逐艦もしっかり育てている。
その中でも昼戦でも夜戦でも安定して使える重巡や航空戦艦を推しており、【艦これ】というゲームの理解に関しては4人の中では一番深い。
当然ながらイベントマップはだいたいは完全制覇しており、制覇した後でも時間が許す限り、調査を繰り返している。
調査・研究・育成・試験運用と目まぐるしい仕事量をこなしているために、左近提督という密接なパートナーを迎え入れて最近は仕事を分担している。

ある意味において、司令部に集められた提督たちの中では最も真理に近づいているだろう提督であり、今後の働きが期待される。


正規空母:飛龍
石田提督が唯一【ユウジョウカッコカリ】している正規空母にして、現在の趣里鎮守府の最古参にして唯一の生き残り。
数多くの艦娘と死に別れを繰り返し経験しているのだが、そうさせた石田提督には一切非難することなく、
轟沈した赤城や間違えて餌にしてしまった加賀の代わりに投入されてから改二が実装されたことで偶然にも一線級の戦力になったので、
今では無くてはならない戦力として石田提督から珍しく重用されており、鎮守府の艦娘たちからも一目置かれている。


戦艦:武蔵
石田提督が【ケッコンカッコカリ】しようと考えている最大戦力:誉れ高き大和型戦艦。
そのために一時期はずっと【旗艦】にして短期間で一気に【改造】まで持ち込んでいるのだが、今現在は別のことに石田提督が熱を入れ始めているので、
今までと打って変わって放置され始めている武蔵は当初の熱烈な応対を忘れられず、石田提督に寂しさを募らせている。
ある意味において、大艦巨砲主義の頂点に立つ存在であるが戦時中と同じように時代に取り残された存在となりつつある。


ご精読ありがとうございました。

第6話はこんな感じにまったくシステム解説のないストーリー性重視の内容となっており、
司令部とは別に鎮守府独自の戦いと新システムの導入が語られることになります。
第6話の全ての章が終わり次第、詳しい解説が中心となる第7話に入ります。


次回は、Z:拓自鎮守府の章

第6話Z 海上封鎖を突破せよ  -世界は1つの大洋で繋がっている-

より始めさせていただきますので機会があればよろしくお願いいたします。



第6話Z-1 海上封鎖を突破せよ  -世界は1つの大洋で繋がっている- 遭遇編

――――――拓自鎮守府


装甲空母姫「――――――」

X:鳳翔’「くっ」ゼエゼエ

Y:龍驤’「さすがに3対1でも2度殺すのがやっとやなぁ…………」ゼエゼエ

z:愛宕’「いやーん!」ゼエゼエ

――――――
朗利「聞こえるか、【派遣】組! もう十分だ。撤退してくれ」
――――――

X:鳳翔’「――――――『撤退』!?」

――――――
朗利「鳳翔夫人! 艦載機は消耗してないな! 陸に上がってやつを誘い込む。そこを【攻撃機】で叩いて欲しいから無事 戻ってきてくれ!」
――――――

X:鳳翔’「了解しました!」

長門「撃てえええええええええ!」バン!

ビスマルク「腕が鳴るわね! ――――――さあ撤退して!」バン!

装甲空母姫「――――――!」ドゴーン! ――――――中破!

Y:龍驤’「これはありがたい。ほな、遠慮なく退かせてもらいますわ!」

Z:愛宕’「ごめんね」

装甲空母姫「――――――!」バン!

ビスマルク「っつう!」ドゴーン!

長門「大丈夫か!?」

ビスマルク「まだよ! こんなのかすり傷にもならないわ!」


――――――
朗利「よし。【派遣】組は戦艦二人と合流できたか」

朗利「それに、あの鬼だか姫だかどっちかわかんないけど、中破に追い込めたようだ。これで撤退がしやすくなる。これは嬉しい誤算だ!」

朗利「五十鈴! 弾頭の詰替えは終わったか? 魚雷をありったけ撃ちこめ! 当たらなくたっていい! 撃ちまくれ!」
――――――

五十鈴「了解! 魚雷、一斉射!(でも、本当に3人の艦娘だけ撤退戦なんてできるのかしら?)」バババッ!

五十鈴「行ったわよ、長門、ビスマルク!」

装甲空母姫「――――――!」

ビスマルク「来た!」

長門「よし、やつが警戒した隙になるべく足止めしながら迅速に後退するぞ!」バン!

五十鈴「そして、――――――炸裂!」

ドッシャーン!

装甲空母姫「――――――?」


――――――
朗利「よし、どんどん退け! 撤退は順調だ!」

X:鳳翔’「朗利提督、あなたも早く!」

朗利「いや、ダメだ。今度は3人の帰りを待たないと」

朗利「それよりも、これがこの鎮守府一帯の地図と待ち伏せ地点です」

朗利「退避作戦の指揮を執っている愛月提督と合流して艦載機と空爆要員を補充して待機していて欲しい」

X:鳳翔’「…………わかりました」

Y:龍驤’「きみ、無理せんといてな。死んだらあかんよ」

z:愛宕’「悔しいけど、ここからは航空戦力の出番ね……」

タッタッタッタッタ・・・

五十鈴「提督!」

長門「遅れてすまない!」

ビスマルク「アドミラール!」

朗利「おう! 無事でよかった」

五十鈴「言われたとおりにしたけれど、――――――本当に良かったの?」

朗利「ああ。鎮守府が無くなったとしてもお前たちさえ無事ならば施設や資源がどれだけ失われようと問題ない。大本営がただで補充してくれるからな」

朗利「――――――使える燃料はありったけ海に撒いたな?」

五十鈴「う、うん……」

朗利「鬼か姫かはわからないが、この戦いは俺たちの完全勝利だ」


――――――まずは鎮守府海域を火の海にしてやる!


朗利「いかに深海棲艦とはいえ、奴らもこっちと同じ弾薬を使ってるんだ。その証拠にやつらは海の住人でありながら、海面から出て戦っている!」

朗利「となれば、周りで火の手が上がればいったいどうなるかな?」

朗利「今も昔も火器は火気厳禁ってな!」

長門「…………」ゴクリ

朗利「係留施設を利用できないようにしたのは確認済みだし、炎の海で踊れ! 上陸してきたら地雷と空襲の更なる地獄が待ってるぞ!」

ビスマルク「本当に迅速な行動よね。あらかじめ鎮守府放棄の手引書を作成していただけのことはあるわ…………ここまで鮮やかな総員退避は初めて見たわ」

五十鈴「そうね。こんなことされたらいくら私たちでも丸焦げになっちゃうわ…………たった1体相手にここまでする必要があるかは疑問だけど」


朗利「行けええええ、【艦爆】部隊! 汚物は消毒だああああああああ!」



――――――
艦爆妖精「焼夷弾を投下しまーす!」

ヒューーーーン! ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!

装甲空母姫「!!!!!!??」

艦爆妖精「着火確認!」

装甲空母姫「!!!!!!!!」ドゴンドゴンドゴンドゴーン!

装甲空母姫「!!!!!!!!!!!!」ドッゴーン!

艦爆妖精「敵深海棲艦の装備の誘爆を確認!」
――――――

朗利「よし! 後は【偵察機】に任せて総員退避だ!」

艦娘たち「了解!」

朗利「これでまた、明日から鎮守府のはまた貧乏経営だな。――――――『明日があれば』の話だが」

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!

長門「――――――燃える。海が燃えている」

五十鈴「この分だと明日を迎えても燃え続けているでしょうね」

ビスマルク「…………これがアドミラールと一緒に眺めていたのと同じ海なの?」


――――――海は夜を越えても朝を迎えても燃え続けた。

何万ガロンもの――――――いや、とにかくありったけの燃料が撒かれた海はこの世に現れた焦熱地獄として深海棲艦を業火に包んだ。

それはもはや、4度殺さねば死なない程度の生命力など意味を成さないものであり、

燃え盛る炎によって深海棲艦の視界は遮られ、息が詰まり、終いには装備が誘爆する――――――。

たった1体の深海棲艦を始末するのにはやり過ぎるぐらいの酷い仕打ちであった。

しかし、朗利提督はそれを躊躇いなく行った。鎮守府そのものを巨大な焼夷爆弾に仕立て上げることも辞さない覚悟で臨んでいたのだ。

その覚悟と比べれば、たかが1体の鬼や姫を狩るなど取るに足りない問題だったのである。



――――――数日後


朗利「どうだ? 近辺に装甲空母姫の反応はなかったか?」

愛月「見つかりませんでした、司令官」

愛月「1日目から3日目まで炎の海となって、そこから連日連夜 大雨が続いたんです」

愛月「それに、退避作戦で係留施設を破壊して、撃退のために燃料を使ったので出撃がままならない状態が続きましたから」

朗利「…………不幸中の幸いとして、鎮守府の施設そのものは無事だったのがせめてもの慰めか」

愛月「利根たち索敵班からの報告は以上です」

朗利「すまない。俺が未熟なばかりに…………」

朗利「また、貧乏鎮守府に逆戻りしちまったな……」

愛月「そんなことはありませんって、司令官!」

愛月「司令官は3つの鎮守府を壊滅に追い込んだボス級深海棲艦の一角を犠牲なしで撃退したんですよ! これは凄いことじゃないですか!」

朗利「だが、仕留め損なった可能性が大きいと見るのが普通だ」

朗利「あくまでもあれは時間稼ぎに使ったものであって、確実に敵を葬るための手段としてはいくらでも欠点を指摘できる」

朗利「…………正面対決に使える戦力が足りなすぎた」

朗利「今回のように鎮守府に強力な深海棲艦に吶喊でもされたらひとたまりもないことがよくわかった……!」

朗利「それに、今回の場合は敵が単艦突撃――――――いや、英霊たちがあらかじめ敵を消耗させていたから何とかできたようなものだ」

朗利「やはり、戦艦と正規空母を揃えないといけないのか……」

愛月「以前に比べて艦娘も揃って来たんですがね……」


朗利「俺は、間違っていたのか? 石田提督のように強いだけの艦娘を育てていかないと守ることすらできないのか…………」


朗利「イベントマップに特攻して果てていった先人たちの愚挙を顧みて危うきに近寄らなかったのに、危うきから近寄ってきた…………」メメタァ

愛月「司令官……」

朗利「俺が【艦これ】を始めたきっかけは駆逐艦がロリータでとんでもない数の個性豊かなロリっ娘がたくさんいることに狂喜したからだ」メメタァ

朗利「考えてもみろ! 【艦これ】ほどロリロリに満ちたゲーム 他にあるか! まさしくロリコンのためにあるようなゲームじゃないか」メメタァ

朗利「けれども、やはりそんなのは攻略に結びつかないという愕然とした事実を突きつけられる――――――!」

朗利「辛うじて、愛月提督のために許容範囲を拡げて筑摩や金剛は認めて戦力の水増しが図られているが……」

朗利「頼むから、ロリ戦艦とか実装されないかな…………あるいは幼女としての資質を備えた娘でもいい! 陸奥より長門みたいなのがいい!」メメタァ

朗利「そうじゃないと俺は、俺は、俺は…………」

愛月「………………」

朗利「俺たちもレベリングのためにオリョールやキス島とかを回らないといけないのかな……」メメタァ


大鳳「た、大変です、提督!」バン!


朗利「どうした! やはり装甲空母姫が潜んでいたのか!」ガタッ

大鳳「そ、それが――――――」




ルイージ・トレッリ「初めまして。イタリア:BETASOMのルイージ・トレッリです。日本名は伊504。西は大西洋、東は極東まで頑張りました」



朗利「ふおおおおおおおお!?」ガタッ

愛月「ラテン系白スク水のロリ天使キタアアアアアアアアアアア!」

朗利「は、はいぃいいい!? ――――――【海外艦】? しかもイタリアだって? それがなんでここに!?」

大鳳「ふ、普通に愛月提督が行った【建造】からです……」メメタァ

朗利「え?」

愛月「ま、まさか、新しく実装された艦娘!?」メメタァ

朗利「でも、【イタリア艦】って――――――」

ルイージ「私は地中海や大西洋で通商破壊に従事した後、遣日潜水艦作戦でアジアにまで派遣されて、」

ルイージ「最終的には日本帝国海軍に接収されて、戦後に紀伊水道で海没処分されました」

ルイージ「ですから、最終的な所属は日本だったので、その縁でこうして艦娘として生まれ変われたのではないでしょうか?」

愛月「ハア……、幼い外見して物凄く理路整然と――――――しっかりものなのね」

朗利「ロリ天使なだけあって理知的だな~(幼女としての素質は微妙なところだけど、西洋のエンジェルってやつのイメージそのままだな、こりゃあ!)」

ルイージ「それは……、他の娘たちが何もしなかったせいです」ボソッ

朗利「でも、いくら日本で沈んだからってイタリア生まれの潜水艦が【建造】されるものかな――――――」メメタァ

愛月「あ!」

朗利「どうした?」

愛月「私のところの金剛もイギリス生まれの帰国子女ですよ! 彼女がありならルイージちゃんだってありじゃないですか!」

朗利「ああ なるほど! 明らかに経緯は違うけど、曲がりなりにも日本海軍所属の艦として日本で沈んだんだもんな、それぐらい いいだろうってことか!」

ルイージ「はい。きっとそうなんですよ」


ルイージ「日本っていいところですよね」ニッコリ

朗利「ふぁ!?(――――――ラテン系ロリ天使が唐突に我が祖国を褒めてくれたぞ、おい!?)」ドキッ

ルイージ「ロマンを感じません? 昔、西はローマから東は日本まで続く交易路があったって話じゃないですか」

朗利「シルクロードだな。正倉院や宗像大社にはその交易品が今でも保管されているぞ」

ルイージ「そうです。私はそのシルクロードを通って極東の海までやってきたのです」

朗利「そうか。きみも遠い海の向こうからやってきたんだな……」

大鳳「司令官?」


朗利「なあ? 俺もいつかシルクロードを通って海の向こうへと行ってみたいから力を貸してはくれないか?」


ルイージ「はい! 生前も日本の方をお連れしたことがありますので、どうかまたよろしくお願いします!」

朗利「ああ いい娘だぁ! まさしく天使! 感激のあまりに涙が出てきそうだぁ……」

大鳳「この1週間、ずっと予断を許さない緊迫した雰囲気が漂っていましたからね」

朗利「ああ…………大鳳、この天使にスイーツ券を2枚進呈」

大鳳「はい」ニコッ

愛月「ドイツ艦に続く新しい【海外艦】のルイージ・トレッリちゃん! これからよろしくね!」

ルイージ「はい」ニッコリ


――――――ビスマルク、夢に向かって一歩前進したぞ!


GET! 潜水艦:ルイージ・トレッリ(優良潜水艦・航海要員)


潜水艦:ルイージ・トレッリ(イタリア)1940/05/25-1946/04/16
グリエルモ・マルコーニ級潜水艦4番艦
属性:【海外艦】【イタリア艦】 +改一:【ドイツ艦】 +改二:【伊号潜水艦】
改造:潜水艦:ルイージ・トレッリ → 潜水艦:UIT25 → 潜水艦:伊504

驚異の【海外艦】属性を持ちながら無条件で【建造】できる艦娘であり(要 司令部レベル50以上 あるいは【潜水艦派遣による海外艦との接触作戦】達成)、
このルイージを引き当てることによってZ1をロストした状態でも【海外艦】が【建造】できるようになるという特徴を持つ。
更に、【改造】を重ねる毎に国籍と名称が変遷するという変わった特徴があり、艦種が潜水艦のままで運用できるので凄まじく強い潜水艦となる。
イタリア艦では珍しく通商破壊で多大な戦果を上げた1隻であり、また遣日潜水艦作戦などの数々の作戦にも従事して終戦まで生き残っているので、
同じように戦後まで生き延びた伊58のような派手な功績はないが、幸運艦であることは疑いようのないとんでもない助っ人。
【耐久】【雷装】こそ伊58にも及ばないが、【装甲】の伸びしろが高く、高い【運】と合わせて他より1発多く耐えてくれる。
燃費も最高クラスでかつ戦闘能力も高くずっと【潜水艦】というハイスペックにまとまった【海外艦】に仕上がっている。

イメージとしては、【潜水艦】が水着ロリ指定なのでイタリア人が思わず海に飛び込みたくなるラテン系純白ロリ天使。
天使のイメージが主体なので、イタリア系にしては極めてまじめで古代のロマンを追い求める理知的な娘としてみた。



朗利「結局、装甲空母姫は2週間経っても発見されなかった」

朗利「拓自鎮守府はこれをもって警戒態勢を解き、本来の運営状態に戻すことになったが、大型艦の必要性を痛感して運営方針に変化が生じていた」

朗利「まずは、攻略を進めるための精鋭部隊の強化――――――つまりは愛月提督の艦娘たちの練度を上げることに重点を置くことになった」メメタァ

朗利「愛月提督の大型艦は金剛と比叡しかいないが、それでも駆逐艦と比べれば圧倒的な戦力なのでこれをまず集中的に育成することにした」

朗利「愛月提督の艦隊は、俺の純粋なロリ軍団とは違ってある程度 許容範囲を拡げているのでこれによって戦力の拡大を図ったのである」

朗利「また、【派遣】組に関しては規制を緩和して、憎き赤城と加賀の正規空母二人を常駐させる準備も始めることにした」

朗利「とにかく、個艦の能力が圧倒的に劣っているのが我が鎮守府の欠点なので、それを外来艦に補わせるというのも戦略的に間違ってないはずである」

朗利「もちろん、非常事態の備えであるためにあの二人を出撃させるつもりは毛頭ない。万年倉庫番――――――にするのはやめておこう」ゾゾゾ

朗利「一方で、以前に【建造】で獲得した【海外艦】ルイージ・トレッリはまさしく天使であり、戦場でも鎮守府でも神々しかった」メメタァ

朗利「旧大戦におけるヨーロッパ戦線と太平洋戦線では、基本的に艦艇に求められる前提能力が異なるために、」

朗利「敵国が非常に近いヨーロッパ生まれの艦艇は航続距離(=巡洋能力)を重視する必要がないために、燃費が日本の巡洋潜水艦より良いのだ」

朗利「それでいて、最高級の【運】と高水準の戦闘力を兼ね備えているので自然とルイージの出撃回数が多くなっていく」

朗利「疲労回復のために休ませていると、ルイージは寸暇を惜しんでせっせっせっせと文献を読み焦るのだ」

朗利「ルイージは好奇心旺盛――――――特に古代のロマンを追求するので自然と学術的なおしゃべりとなるので新鮮だった」

朗利「俺も愛月提督もそこまで歴史に詳しいわけではないことを知ってもがっかりせず、それどころか、」

朗利「積極的に交流を持とうと日本の様式に深い関心を示し、他の艦娘にも礼儀正しく分け隔てなく接するので大人気である」

朗利「俺と愛月提督はもちろん、むっつりスケベの長門も夢中なようで、あれこそまさしく子供のあるべき姿の1つなのだとしみじみ思うのであった」

朗利「ルイージちゃんマジ天使!」

朗利「まさしく、俺が考える“幼女の中の幼女”の究極の1つを体現したような突然の来訪者だったのである!」


金剛「園長ぉー!」

朗利「げ……」

金剛「どうしていっつも避けるんですか! 園長もGentlemanならLadyに優しくしないとNOデース!」

朗利「きみは愛月提督の艦娘だろう? どうして俺にかまうんだ?」

金剛「もちろん! 園長が素敵なGentlemanだからデース!」

朗利「そうか……」


朗利「すまないが、“恋する乙女”は俺の管轄外なんだ。比叡と霧島だったらOKなんだけど」


金剛「What's !?」ガーン!

朗利「そういうわけで、甘えるのならば愛月提督にして欲しい。俺にとってきみは“よその艦娘”だし、“比叡の姉”でしかないから」

金剛「Oh, MY GOD!」ガビーン!

朗利「俺に愛でられる資格があるのは“幼女の中の幼女”としての純真さを備える娘だけだからね。つまり“良い子”ってやつ」

朗利「というか、愛月提督だって立派な紳士淑女じゃないか。愛月提督のどこに不満があるっていうんだ?」

金剛「だ、だってぇ……、愛月提督は比叡の味方ばかりするのデース…………」

金剛「いえ、別に私は比叡のこと嫌いなわけじゃないデスヨ? 大切な大切な私の自慢のSisterデース」

金剛「でも、いっつもいっつも比叡に追い掛け回されるのも疲れるのデース! 愛月提督に言っても何にもならなかったデース」

朗利「Oh...」

朗利「(愛月提督のやつ、金剛×比叡の[ピーー!]な妄想に夢中になっているようだな。さすがは俺が見込んだ変態淑女だ。それでよい!)」

朗利「(しかし、こうやって俺のところに逃げ込まれるのは問題外だぞ。ある程度は苦言を呈さないといけないな、これは…………)」

金剛「そ、それに――――――」

朗利「ん」


金剛「愛月提督って、どことなく何か違うような気がするんデース」


朗利「…………具体的には?」

金剛「そ、その……、“男らしさ”というかどこか女の人って感じがして…………」

朗利「…………愛月提督が男じゃなくて女だったらどうだっていうんだ?」

朗利「きみはそれで愛月提督を見限る気なのか?」

金剛「!」

金剛「ち、違うんデス! 確かに愛月提督も素敵なGentlemanデース!」

金剛「でも、朗利提督と見比べるとあまりにも綺麗すぎて女性のようにしか思えないんデース」

金剛「もし仮に、本当に愛月提督が女性だったら私はイケナイFall in Loveしているんじゃないかって不安になる時があるんデス……」

朗利「なんだ、そんなことか」


朗利「別にいいじゃない! 愛した人がたまたま同性であっても!」


金剛「…………園長!?」


朗利「俺は雷とケッコンカッコカリをするつもりでいる」

金剛「Oh...」

朗利「雷は俺の母となってくれる女性だ!」

朗利「見た目が何だ! 歳の差が何だ! 性別が何だ!」

朗利「俺という人間が雷に惹かれたのは、嘘偽りなく小さいながらも精一杯 俺を受け止めようとしてくれる健気さと純真さだ!」

朗利「別にチョメチョメしたいというわけじゃない。俺は紳士協定を順守する本物の紳士だからな」

朗利「ただ、はっきりとした正式な形で艦娘である彼女を繋ぎ止めておきたいからケッコンカッコカリをするのだ!」

朗利「きみはこれから拓自鎮守府の一翼を担う高速戦艦なのだから、ここの司令官としては戦略的な意味でも頑張ってもらいたいところだが、」

朗利「迷いを抱えたまま戦場に出られて不運を引き寄せる結果にはしたくないから、はっきり言わせてもらった!」

金剛「!」

朗利「迷うぐらいなら思いっきりぶつかってはっきりさせてみろ! ――――――犯罪にならない程度に」

朗利「それぐらいの度胸もなくウジウジと時間を無駄にするぐらいならば、もう恋なんてするんじゃあない!」

朗利「そして、傷心に苛まれるようならばいつでも園長である俺の許を訪ねなさい。 ――――――その時は紳士としてお応えしよう」

金剛「園長……」

朗利「あ、勘違いされても困るからいうけれど、俺は“恋する乙女”なんていうメンドクサイ生き物は嫌いだから。だから、榛名も苦手かな」

朗利「俺はね、愛されるよりも愛でていたいという人間だから、恋愛はお断りします」

朗利「Do you understand ?」

金剛「Yes、My Principal !」ニッコリ

朗利「うん。良い笑顔だ。“恋する乙女”じゃなければ愛でてたんだがな…………」

金剛「フフフ、提督へのBurning Loveはもう誰にも止められませんからネー!」

金剛「Thank you very much, My Principal !」

朗利「You're Welcome. Goodbye, See you again, Lady in Love」



朗利「…………金剛型って何ていうかさ、“おばあちゃん”って感じがするんだよな。孫にダダ甘な」カキカキ

愛月「え」

朗利「だから俺はなんとなく嫌いなんだ。幼女とは正反対に位置する存在だから」

愛月「確かに【艦これ】で登場する艦娘の中で一番艦歴が高いのは何を隠そう金剛と比叡ですからねぇ」メメタァ

朗利「あれさ、60歳の還暦を迎えた姿を想像しても性格や格好は絶対に変わらない感じがして怖いよな。実に完成されたデザインだよなー」メメタァ

愛月「や、やめてくださいよ! 女性に老ける想像をするだなんて侮辱ですよ」

朗利「ん? 愛月提督って“女”だったっけ?」

愛月「…………“クレイジーサイコレズの変態淑女”です」

朗利「だよな。金剛×比叡の同人誌を描くの忙しい立派な変態淑女だよな」

愛月「ど、どうしてそれを!?」ビクッ

朗利「変態淑女のきみの考えていることぐらいわかるさ。俺は紳士協定を結んでいる本物の紳士だから」

朗利「しかし、いくら比叡が可愛いからと言って金剛×比叡の絡みを黙認しすぎていると金剛から信頼を失うぞ」

朗利「あいつ、俺のところに逃げ込んできたからな」

愛月「あ……、すみません。園長のお力添えがあったおかげで最近また明るく振る舞ってくれるようになったのですね……」

朗利「まあ 気をつけることだな。愛月提督は金剛と筑摩という例外を抱えているんだから、同じように扱ってちゃ愛想尽かされるぞ」

愛月「筑摩ですか……、気をつけます」

朗利「利根は可愛いよな。妹にやたら対抗意識を燃やしていて一途に頑張っているものな。それに物知りなようで無知なところもイイ!」ドキドキ

愛月「はい! のじょロリ ごっつぁんです!」キラキラ

朗利「けど、筑摩はヤバイ。あれこそクレイジーサイコレズだわな。俺は大井さん以上にそっちの素質があるように思える」

朗利「妄想の世界に浸りまくって姉と常にじゃれあっていると思い込んでいる姿なんて見ていて虚しいものだ」

朗利「利根は対抗意識は燃やしてはいるが、あまりそういったところの意識はしてないんだもんな。あの姉妹、スキンシップしているのだろうか?」

愛月「そう考えると、ケッコンオコトワリ勢の比叡や噂の大井さん以上に何か恐ろしいものを感じますね…………」メメタァ

朗利「そうだとも。某所ではペルソナ使いと呼ばれているぐらいだからな(――――――お面をかぶっているんじゃないかってことで)」メメタァ


朗利「さて、そろそろ西方海域の完全攻略にとりかからないといけないな」

愛月「残すは、カレー洋のカスガダマ島を陣取っているという装甲空母鬼――――――!」

朗利「最初に確認された鬼ということでこれまで攻略せずにいたが、」

朗利「装甲空母姫のほうに鎮守府を襲撃された以上はやはり倒せるだけの実力を擁さないとな」

朗利「当面の攻略の目標は、このカスガダマ島の装甲空母鬼を倒せる編成を2陣用意することになるな」

愛月「あ、装甲空母鬼を倒すと最終形態として装甲空母姫に入れ替わるようです」メメタァ

朗利「そうか。あの日、鳳翔夫人たちが2度沈めて変態したというのはそういうことか。壊滅した味方がそれ以前に1度は沈めてくれていたのか……」

朗利「そんなのを丸焼きにしてやったのか、俺は…………」

愛月「先人たちの情報によると、この最終形態の攻略が最も困難だと書いてあります」メメタァ

愛月「駆逐艦の火力では突破することは困難であり、大型艦などの超火力を駆使しないとまず突破は無理だという話です」

朗利「潜水艦ヨ級flagshipがとてつもなく堅いし、当然ながらボスの装甲空母鬼も姫も手強い」

朗利「少なくとも俺の艦隊から出せるのは、長門とビスマルク、五十鈴と大鳳は確定だ。ここからは本当に個艦の能力が戦局を左右する」

愛月「最短ルートに入るために必要な重巡と攻撃要員の正規空母が足りてません!」メメタァ

朗利「そこは【派遣】で間に合わせよう。以前だって愛宕を【派遣】してもらったし、コネなら今もある」

朗利「とにかく、前哨戦は問題ない。俺の第六駆逐隊で何とか倒せるはずだ」

朗利「それに、司令部からもらった数々の試験装備があることだし、それを駆使すれば先人たちよりも楽に攻略は進むはずなんだ」

朗利「ただ、俺のところの精鋭と第六駆逐隊だけでは兵力的にどうしようもないことはわかっている」

朗利「練成を頑張ろう、今日も明日も」

愛月「はい!」

朗利「それじゃ、今日の3時のおやつは――――――」


大鳳「た、大変です!」


朗利「どうした!? やはり装甲空母姫が――――――」

大鳳「そ、それが今度は――――――」



ドレッドノート「ほう、ここがわらわの新たな城ということか。ずいぶんとせせこましく風情がないが実に機能美に溢れているな」



朗利「は」

愛月「え」



ドレッドノート「おお、そなたがここの司令官か? わらわは戦艦:ドレッドノート。では、良きにはからえ」ドヤア


朗利「は? 『ドレッドノート』と言いましたか、女王陛下?」

朗利「(どう見てもイギリス絶対王政全盛期のビクトリア女王の肖像画そのものの風貌なんですけど!)」

ドレッドノート「その通り。わらわこそドレッドノート。新時代を開拓するロイヤルネイビーの誉れなり」

愛月「――――――圧倒的【旧式艦】ですよね?」ヒソヒソ

朗利「あ、ああ……、果たして戦力になるのか怪しいぐらいなのだが…………重巡にすら劣るんじゃないのか、あれ?」ヒソヒソ

ドレッドノート「そなたら、何をコソコソと話している? わらわにも聞こえるように話さんか」

大鳳「あ、あははは……」

ドレッドノート「そなたも何が可笑しくて薄気味悪い笑みなんぞ浮かべておるのだ? わらわに申してみよ。力になってやろう」

朗利「えと、女王陛下? ――――――ご足労おかけしました。突然の来訪で私たち一同 何をしてやればよいのか頭が回らず、」

朗利「誠に申し訳ございませんが、ここで立ち話もなんですし、ただいまお席を用意いたしますので、」

朗利「そこでこちらにお越しになられた経緯をお話していただけると助かります。どうかよろしくお願いします、女王陛下」

ドレッドノート「ほう。見たところ、わらわを喚んだのはそなたのようだが、見事な紳士ぶり――――――褒めて遣わす」

朗利「は、ははぁ! ありがたく存じます」

朗利「では、どうしましょう? 急なもんですから部屋の予約は今 取れるかな?」

愛月「部屋の準備などは私と金剛でやっておきますので、しばらく鎮守府の案内をしてみてはいかがでしょうか?」アセアセ

ドレッドノート「よし。そうしよう。では、案内せい」

朗利「は、ははっ!(――――――って、あれ? 艦娘ってこんなに偉そうに振る舞うもんだっけ?)」

大鳳「わ、私もお供いたします、提督!」




コツコツコツ・・・・・・


ドレッドノート「ほう、故郷の軍港とはずいぶんと違った景色が見えるな。これはこれでおもしろいものだな」

朗利「はい。今は21世紀ですから。ドレッドノート様がお生まれになった時代からおよそ1世紀は経っていますよ」

大鳳「………………」ハラハラ

ドレッドノート「なんと! これが21世紀の未来というものなのか! 道理でな」

朗利「(ちくしょう! 何がどうなってBBAの接待をしなければならんというのだ! やっぱり金剛と同じ臭いがしやがる!)」ピクピク

大鳳「(あ、園長が金剛さんとお話している時と同じように眉間に皺が――――――!)」ハラハラ

ドレッドノート「…………そなた?」ピタッ

朗利「はい、何でございましょう?」

ドレッドノート「何か失礼なことを考えてはおらんだろうな?」ニヤリ

朗利「…………どういったことでしょうか?(――――――くっ、老獪なBBAめ! とっとと海に帰れ!)」

ドレッドノート「わらわの甘く見るでないぞ? わらわの登場で先人たち全てが時代遅れの烙印を押されたのだからな」

ドレッドノート「それ故に、多くの同胞から恨みを買っていたのでな?」

ドレッドノート「今、そなたらがどういった感情でわらわに目で訴えかけているのかはすぐにわかる!」


ドレッドノート「そなた、ズバリ嫉妬しておるな!」


朗利「え」

大鳳「……え」

ドレッドノート「ふふふ、図星だな。そなたは司令官としての威厳が足りないことを後ろめたく思っているな?」

朗利「…………っ!(な、なんだと!? そこまでわかってしまうのか、年寄りというものは――――――!?)」

ドレッドノート「まあ、それは無理もあるまい」

ドレッドノート「なんといっても、このわらわを前にしているのだからな! わらわの威光の前に恐縮してしまうのも無理はない!」


朗利「は、ハア……(あれ? 思ったよりも全然――――――)」

ドレッドノート「そして、そなた! 名は何と言ったかの?」

大鳳「た、大鳳です!」

ドレッドノート「そなたも、駆逐艦であることを気にすることなく堂々とするがよい」

大鳳「え…………」

朗利「おい…………(こんのBBA! 言いたい放題 言ってくれじゃねえかよ!)」

ドレッドノート「駆逐艦には駆逐艦にしかできぬことがある。古代の騎士たちとて、武器の持ち替えのために従者を必ず連れていたのだ」

ドレッドノート「よって、大物相手にはわらわが先陣に立って華麗に敵を討ち果たそうぞ!」

ドレッドノート「だから、そなた! わらわの決闘に横槍が入らないように小物を打ち払い、しっかりわらわを守ってくれたもれ」

ドレッドノート「それこそがそなたの誉れよ! わらわはちゃんと見ているからな! 期待しているぞ!」

ドレッドノート「では、参るぞ」

朗利「あ、いや、この娘は旧帝国海軍空母の完成形の1つ――――――」

大鳳「…………提督、いいんです。私、気にしてませんから」ヒソヒソ

朗利「いいのかよ! 思いっきり声が小さくなってるじゃないか!」ヒソヒソ

大鳳「そ、それに、私たちは半世紀ほど前の存在ですけれど、あの方は1世紀も前の人ですから、航空母艦のことを説明してもわからないと思います」ヒソヒソ

朗利「いや、俺の記憶が正しければ第一次世界大戦の後に解体されたから少しぐらい向こうも知っているだろう」ヒソヒソ

大鳳「いいんです。そんなことは重要じゃありません」ヒソヒソ

大鳳「さあ、提督。1つの時代を切り拓いた偉人を精一杯おもてなしをしましょう」ニコッ

朗利「あ、ああ…………」

ドレッドノート「ん? どうした、お二人。案内人の二人がわらわよりも遅れるとは何事か」

朗利「申し訳ありません(――――――こんのぉBBA! 地球の裏側で人気の激アマスイーツをごちそうして糖尿病にしてやろうか?)」




コツコツコツ・・・・・・


ドレッドノート「ん? 何だ、あの建物は? ずいぶんと大きいが、別な工廠か?」

大鳳「あ、いえ、あれは“朗利パーク”と呼ばれるこの拓自鎮守府の宿舎兼娯楽施設なんです」

大鳳「最近はそうでもないですけれど、拓自鎮守府の最高司令官の朗利提督は普段はあそこで執務をしております」

ドレッドノート「ほほう? どれ、行ってみるか」

朗利「あ、あの……、そろそろ部屋の準備もできましたし、一旦 引き返して――――――」

ドレッドノート「わらわが行くといったのだ。付いて参れ」

朗利「ああ……」

大鳳「て、提督……」

朗利「しかたがない。大鳳、愛月提督に部屋を移すように言っておいてくれ」

朗利「こうなったら、“俺のパーク”で午後のティータイムを楽しむとしよう」

大鳳「わかりました……」

朗利「まったく何なんだ、この【旧式艦】がぁ…………(天龍型のポンコツよりもポンコツのくせにその上を行く尊大さをどうにかしやがれ!)」

ドレッドノート「どうした! 早くせぬか! わらわをあまり待たすでない!」

朗利「お待たせしました! 段取りの確認をしておりまして――――――(…………このばあさん、ホント天龍と同じ臭いがする)」




――――――朗利パーク

――――――階下を見下ろせる渡り廊下


ワイワイ、ガヤガヤ、ワーワー

ドレッドノート「ほう、駆逐艦がいっぱいだのう」

ドレッドノート「よくもまあこれだけの駆逐艦を集めることができたものよ」

朗利「ええ。そのために大型艦寮は取り潰してその分を新しい宿舎と娯楽施設に充てましたから」

ドレッドノート「む? そこな娘よ、ずいぶんと肌を見せているが大丈夫か? 靴も履いていないとはなんと哀れな……」ナデナデ

ハチ「え!? ハッちゃんは大丈夫ですからお気になさらず、ご婦人!」アセアセ

朗利「あ、その娘は潜水艦ですからそういう格好なんです。虐待なんかじゃありませんから」

ドレッドノート「む? もしやU-ボートのことか?」

朗利「はい。そうですよ。正確には日本のそれは技術者を招いて生まれた分家筋ですけど」

ドレッドノート「あのU-ボートがこんな身形に………………いくら敗戦国の生まれとはいえ これは人道に悖るものではなかろうか」ブツブツ・・・

ドレッドノート「そういえばあの大戦の後、ドイツではハイパーインフレで大変なことになっていたと聞く」ブツブツ・・・

ドレッドノート「戦後賠償とは言え、あまりにもこれは酷過ぎるのではないだろうか……」ブツブツ・・・

朗利「おーい、女王陛下?」ナデナデ

ハチ「て、提督、もっとぉ…………」テレテレ

ドレッドノート「ハッ」

ドレッドノート「むぅ。そなたはわらわに撫でられるよりもこの男の手のほうが嬉しそうにするのだな?」プクゥ

ハチ「え?! いや、そういうことでは――――――」アセアセ

朗利「ハッちゃん、もういいから行きなさい」

ハチ「あ、でも――――――」

朗利「いいから、ね?」ニコッ

ハチ「う、うん……」

タッタッタッタッタ・・・

ドレッドノート「ん? なぜあの娘は勝手にわらわの面前から去ったのだ? 挨拶もなしとは無礼であろう」

朗利「大目に見てやってください。あの娘はまだ新入りで私以外に懐いていないのでどうか――――――」

ドレッドノート「どれ、ならばそなた! 今度はわらわの頭を撫でてみせよ。それでわらわを満足させられたら不敬を許そう」

朗利「はあ!?」

朗利「――――――『不敬』って何ですか、『不敬』って!」


ドレッドノート「わらわはドレッドノート! わらわの前に人はなく、わらわの後に人が居るのじゃ!」

朗利「そんな無茶苦茶な! 見知らぬ人にいきなり撫でられたら誰だって反応に困りますって!」

ドレッドノート「それがわらわに対する『不敬』と言うのだ、無礼者め!」

ドレッドノート「末端の者がわらわを知らぬとは、これは末端の者を預かり持つ司令官の不徳といたすところぞ!」ジャキ

朗利「ぎゃっ!? ――――――クロスボウ?!」ゾクッ

ドレッドノート「安心するがよい。わらわは狩りは得意でな、こうやって狙った獲物は絶対に外さない自信があるぞよ?」ジロッ

朗利「き、貴族様の高尚な趣味にはついていけません…………(アクティブすぎる! や、やめろ! この馬鹿! 俺を殺すのならここはダメだ!)」ギラッ

ドレッドノート「ほう……」

朗利「…………?」アセタラー

ドレッドノート「そなた、いい目をしているな。瞬き1つせずに――――――このボウガンが怖くないのか?」

朗利「そりゃ怖いさ! けど、殺すのならここだけは止めてくれ! ここからでも見えてるんだぞ! 幼気な娘に悪い影響を与えすぎる!」ジロッ

ドレッドノート「………………ほう?」

ワイワイ、ガヤガヤ、ワーワー

ドレッドノート「………………!」ジャキ

朗利「………………!」ジロッ

ドレッドノート「………………」

朗利「………………」ジー


ドレッドノート「フッ、運がいいな」スッ


朗利「…………ホッ」アセタラー

ドレッドノート「ジョークじゃ、ジョーク。今のはジョークじゃ」ハッハッハッハッハ・・・

朗利「お、お戯れを……(こんなブリティッシュジョークがあってたまるかよ、まったく! 鉞 持ったジョージ・ワシントンくんじゃあるめえし)」

ドレッドノート「極東には変わった人間が多くいると聞いたことがあるが、そなたも“傾奇者”とやらの一人なのだろうな」

朗利「え?」

ドレッドノート「ほれ、さっさとわらわの頭を撫でんか」

朗利「ああ……、結局 やるんだ、それ」ヤレヤレ

ドレッドノート「光栄に思え。このドレッドノートに触れることを特別に許すのだからな」ドキドキ

朗利「…………何を期待してるんですか?」

ドレッドノート「そなたから伝わる“ノーブル・オブリゲーション”の精神よ」

朗利「…………何を言っているのかはわかりませんけど、それでは失礼します」ナデナデ

ドレッドノート「おお…………」


朗利「(何を考えてやがるんだ、このBBA? ボウガンで俺を殺しに掛かったと思えば、今度はこうやって触るのを許すだなんて…………)」ナデナデ

ドレッドノート「(なるほど、わらわに対する警戒心があるものの、相当な場数を踏んで洗練された実に心地よい撫で具合よのぅ)」

ドレッドノート「(それだけ戦場では見向きもされないような雑兵である駆逐艦たちに愛と真心の精神を持って接しているのが伝わるな)」

ドレッドノート「(それは上に立つ者として当然のこと。いつだって真っ先に犠牲になるのは末端の者だ。だからこそ上に立つ者を恨み妬む)」

ドレッドノート「(しかし、こやつは最も現実的な勇気を求められる末端の兵たちに愛と真心をもって接しているからあれだけ慕われているのだな)」

ドレッドノート「(こやつが高所から姿を見せただけで、遊んでいる艦娘たちが一同に笑顔や手振で迎えくれているのが何よりの証!)」

ドレッドノート「(だが、同時に恐怖も抱いているようでもあるな。所々で念が乱れているようにも感じるぞ)」

ドレッドノート「(どうやらこやつは辛い現実を目の当たりにして、今 行おうとしていることに自信を持てずにいるのではないか?)」

ドレッドノート「(しかし、『強きを挫き 弱きを助ける』その精神はまさしく本物! こやつには自分の命よりも本当に大切なものがある!)」

ドレッドノート「(そう、わらわは幸運よ。これほどおもしろき男と極東の地で最初に逢うことができたのだからな)」

朗利「………………」ナデナデ

ドレッドノート「もうよい。十分に堪能したぞ」フフッ

朗利「……そうですか」


ドレッドノート「で、そなた、わらわの騎士にならぬか?」


朗利「は?」

ドレッドノート「騎士の位を授ける。今後、わらわに尽くしてくれたもれ」

朗利「何 言っちゃってくれてるんですか、この女王陛下はああああああああ!?」

ドレッドノート「ん、何か不満か? それとも騎士の位では役不足か?」

朗利「いやいやいや! どうして艦娘であるあなたにそんな権限があるんですか! 絶対服従の因子でそんなこと言えるはずないでしょう!」

ドレッドノート「『絶対服従の因子』――――――なるほど、この感覚はそういうことか」

朗利「は」

ドレッドノート「残念だが、司令官よ。どうやら『絶対服従の因子』とやらはあくまでも主従の関係を結ぶことであって、」

ドレッドノート「そのどちらが主となり従となるかは決められていないものらしい」

廊下「何それ?! 衝撃の事実ぅ! これは報告しておかないとマズイ――――――ガウッ」グイッ

ドレッドノート「つまり、そなたがわらわの騎士となってわらわに忠誠を誓うことには何の問題もない」ガシッ



ドレッドノート「わらわはそなたが欲しい。わらわのものになれ!」


朗利「うっそおおおおおおおおおおおん!?(BBAに関係を求められるってどういうことなのおおおおおお!?)」ゾゾゾ・・・

朗利「お、お戯れを! 俺は確かに愛月提督に仕事の7割はやらせてますけど、俺が受け持つ残り3割はとても重要なことなので、」ジタバタ

朗利「あなただけの騎士でいられるわけじゃありませんから!」ジタバタ

ドレッドノート「ふふふ、そなたをわらわの配下に置くことができたらさぞ大英帝国は繁栄するであろうな」

朗利「いえ、私は大日本帝国――――――つまりは皇国に忠誠を誓っている身ですから! それには従えません!」ジタバタ

ドレッドノート「だからこそだ! そなたのような気骨ある人間をわらわは欲している! だから わらわのものになれ!」

朗利「ちょっと待って! 一度折れたら、その気骨というものはあんたが求めていた時の輝きを失っているんじゃないの!?」アセアセ

ドレッドノート「安心せい。折れたら繋ぎ直して元の栄光でまた輝かせるぞ」

ドレッドノート「わかっておる。そなたは日本人、わらわはイギリス人じゃ。異なる風土で生を受けて育ったのだから相容れぬものがあるだろう」

ドレッドノート「だが、はっきり言おう」


ドレッドノート「実はわらわは、そなたがわらわの威光の前に屈服していくさまを所望している」


朗利「いやあああああああああああ!(とんでもないSの女王だったあああああああああああ!)」アセダラダラ

ザワザワ・・・ザワザワ・・・・・・!

朗利「み、見てます! 見てますぅー! 下の娘たちがメッチャこっち見てます!(いやぁー見ないでー! サドマゾプレイなんて流行らないで~!)」

ドレッドノート「ふふふふ、ならば見せつけてやろうではないか」ニヤリ

ドレッドノート「――――――そなたがわらわに屈服して忠誠を誓う様をな」ドン! ――――――鋭い蹴り回し!

朗利「あいだっ?!(足腰に強烈に痛みが――――――! 身体が傾く――――――!)」ドサッ


ドレッドノート「さあ、わらわの前に跪いてわらわの靴に口づけをせよ」グリ、グリグリグリ・・・

朗利「ちょ、ちょっとぉ! いくら女王陛下でも人の頭を踏んづけているのは傍から見てハシタナイですよ!」グリグリグリ・・・

朗利「というか、痛い痛い痛い痛い……!(覗こうと思えば見えるけど、BBAのスカートの中なんか見えても嬉しくねぇ!)」

ドレッドノート「それだけわらわは本気ということだ」

ドレッドノート「なに、ちょっと力を振り絞ってわらわの靴に口付けをすればそれで終わる――――――」

ドレッドノート「そう、それでその苦痛は終わるぞよ?」

朗利「あ、悪女だ、悪女がおる……(くっそ、【旧式艦】とは言え、蹴りの威力が半端じゃなかった…………足腰が立たねぇ! 逃げられない!)」

ドレッドノート「褒め言葉として受け取ろう」フフッ

ドレッドノート「本物の王というものは、国のために必要と思ったものはどんな手を使ってしてでも手に入れるものさね!」

ドレッドノート「そう、これだけ暴行を加えられたのに口からは決してわらわへの暴言が出ない見上げた騎士道精神よ! ますます欲しい!」

朗利「う、うるさい! さすがに怒るぞ……!」

ドレッドノート「では、切り口を変えるか――――――」グイッ

朗利「あああああああああああああ!(今度は俺の手をハイヒールで踏みつけてえええええ!?)」ベキベキベキ・・・

ドレッドノート「いいかげん諦めたらどうだ? そなたの悲鳴がわらわには心地よい嬌声にしか聞こえぬぞ?」ヒソヒソ

ドレッドノート「衆目もあることだし、ここらで切り上げねば本当にそなたは変態マゾヒストの烙印を押されてしまう――――――」ヒソヒソ

ドレッドノート「それだけは避けたいであろう?」ヒソヒソ

ドレッドノート「なあ? 口付けは一瞬だが恥は一生ものだぞ? そなたとしては仮初めの仮面を被るだけで良いのだぞ?」ヒソヒソ

朗利「う、うぅ…………『仮初め』――――――?」

ドレッドノート「そうだとも。『絶対服従の因子』で結ばれるのは忠誠であって、別に人間であるそなたにそれが備わっているわけではあるまい?」ヒソヒソ

ドレッドノート「ならば、さっさと口付けをしてわらわを納得させて、それで知らんぷりを決め込めばいいではないか?」ヒソヒソ

ドレッドノート「そなたはあまりにも素直過ぎるぞ? まあ、そんなところもわらわはとても気に入っているのだがな」ヒソヒソ

朗利「あ、ああ………………」

ドレッドノート「そう、そうするのだ。それで痛みはなくなり、痛みから解放される――――――」

ドレッドノート「さあ、『仮初め』の口付けをこの靴にするのだ」ニヤリ

朗利「あ、うああ………………」


「だ、ダメええええええええ!」


ドレッドノート「!」

朗利「…………?」ピタッ



ビスマルク「アドミラールは! 私と! 一緒に! ドイツに行くんだから! イギリスの女王なんかに! 渡さない!」ダッダッダッダッダッダ!


ドレッドノート「おっと」ヒョイ

朗利「あ、いってぇ…………」ゼエゼエ

ビスマルク「だ、大丈夫、アドミラール?」

朗利「…………ビスマルクか?」ゼエゼエ

ビスマルク「大丈夫そうね。安心して、アドミラール。今、無礼千万な客人を追い出してあげるから!」

ドレッドノート「あら? ドイツの小娘が恐れ多くもこのドレッドノートに戦いを挑もうと言うのかしら?」

ビスマルク「ど、『ドレッドノート』って――――――、いや、そんなバカな…………」

ドレッドノート「フフッ、わらわの威光の前に声も出ないようね?」

ビスマルク「あは、あはははははは!」

ドレッドノート「むっ、なぜそこで笑うのかしらね?」

ビスマルク「え? 私はてっきり【イギリス艦】と聞いてプリンス・オブ・ウェールズやフッドが相手だと思っていたのに、」

ビスマルク「よりにもよって、相手がドレッドノートなんていう【旧式艦】だものねぇ!」

ドレッドノート「!」

ビスマルク「おもしろい。世代差というものを教えてやるわ」

ビスマルク「あなたは知らないだろうけど、私は第二次世界大戦でヨーロッパ最強の戦艦と言われた、いわばあなたの超強化版よ」

ビスマルク「旧世代の主砲なんかで私が倒せるかしらね? 逆にひとひねりよ」

ドレッドノート「…………客人は丁重にもてなすのが礼儀というものじゃないかしらね?」

ビスマルク「黙りなさい! いったいどこの世界に出会って初日の相手を小間使いにする傲慢な艦娘がいるというのかしら!」

朗利「…………お前も最初は似たようなもんだったろう」ボソッ

ビスマルク「アドミラール?」チラッ

朗利「はい……」

ビスマルク「べ、別にアドミラールであるあなたの命を助けるのは艦娘として当然の義務だけれど、」モジモジ

ビスマルク「こう、お礼みたいなのがあってもいいのよ?」ドキドキ

朗利「そらきた……」スッ(――――――左手で人差し指を立てる)

ビスマルク「ふーん」ジトー

朗利「…………わかった」スッ(――――――今度は2本の指を立てる)

ビスマルク「よし!」グッ

朗利「…………ハア(これだから戦艦というやつは――――――)」


ビスマルク「さあ、覚悟なさい! アドミラールは私が守る! そして、ドイツに連れて行ってあげるんだから!」ゴゴゴゴゴ

ドレッドノート「やはり、彼ほどの人材はどこでも欲しがるか…………けど、諦めないよ!」ゴゴゴゴゴ


金剛「HEY, YOU, STOP ! Freeze ! HOLD UPネー!」


ビスマルク「!」

ドレッドノート「…………!」

X:赤城’「こういう時でしかお役に立てませんからね!(ここで何としてでも功績を立てて朗利提督からスイーツ券を――――――!)」

X:加賀’「それ以上はやらせません!」

大鳳「………………」ジャキ

ドレッドノート「あらあら、どんどん強そうなのがやってきてまあ…………」

長門「ここまでだな」ジャキ

五十鈴「いくらなんでもやりすぎよ!」ジャキ

ドレッドノート「ほう、確かにわらわの主砲なんかよりもずっとずっと大きい主砲よのう」

ドレッドノート「そうか、本当にわらわはここでは【旧式艦】――――――思えばわらわの時代は短かったな」

金剛「では、Lady ! Come Here ! 私がお招きしてしまったようですから、悪いようにはいたしませんカラ」

金剛「当初の予定通りに、これから TEA TIME とイタシマショー」

ドレッドノート「フフッ、なるほど。どこかで見覚えがあると思ったら、そなたは――――――」

金剛「金剛デース! 遠路遥々お越しいただきアリガトウゴザイマシター! でも、お戯れが過ぎますヨー、ドレッドノート様」


ドレッドノート「なぁに、ただ単にわらわはあの男が欲しくなっただけよ」ニヤリ


金剛「What's !?」ドキッ

大鳳「………………!」ドキッ

長門「な、何を言っているのだ、あ、あなたは…………」ドキッ

五十鈴「いいいい、いったいこんなガチペドロリコンのどこが気に入ったって言うのよ! 見る目ないわね、あなた!」ドキッ

X:加賀’「さすがは朗利提督の艦隊です。よくまとまっています」

X:赤城’「いいですよね~。提督の洋食も美味しいですけれど、朗利提督のスイーツもぜひともいただきたいものです」ジュルリ

ビスマルク「あ、あなた! まだ減らず口を…………大丈夫、アドミラール?」ガシッ

朗利「…………まだこちらの要件は何一つ果たしてもらってない。ティータイムに入ろう」ヨロヨロ

大鳳「あ、わかりました……」

ドレッドノート「そういうところさ」フフッ

五十鈴「ふぇ!?」カア

ドレッドノート「それじゃ、待っているぞ、司令官。わらわをあまり待たすでないぞ」

ビスマルク「…………!」カッ


ビスマルク「とっとと行きなさい! アドミラールは誰にも渡さないんだから!」ムギュウウ!


朗利「おお?!」ドキッ

ビスマルク「あ」カア

艦娘たち「………………」ジー


金剛「WOW! 大胆ですネー!」ドキドキ

X:赤城’「ふふふ、提督と鳳翔夫人の関係とはいきませんが甘酸っぱくて微笑ましいですね」ニコニコ

X:加賀’「………………さすがに気分が高揚します」ドキドキ

ビスマルク「あ、いや、その……、今のは弾みというか何というか…………」アセアセ

長門「提督、肩を貸そう」ガシッ

朗利「すまない…………足腰を強く打ったからうまく立てないんだ」ヨロヨロ

ビスマルク「あ、ちょっと、長門!」

ドレッドノート「あはははは! 若い若い!」ニヤニヤ

ビスマルク「よ、よくもぉ…………」カアアア!

金剛「おっと、そこまでデース! では、ドレッドノート様、席はこちらですヨー! Please Follow me !」

ドレッドノート「うんうん。それじゃあまたね、司令官」ニコッ

コツコツコツ・・・・・・

ビスマルク「………………!」プルプル

ビスマルク「――――――帰る!」バッ

朗利「うわっ……」ガクン

五十鈴「ちょっと! 急に放したら危ないじゃないのよ!」ガシッ

長門「おい、ビスマルク!」

ビスマルク「ふん!」プイッ

タッタッタッタッタ・・・

X:赤城’「行ってしまいましたね……」

X:加賀’「………………」ドキドキ

朗利「まったくビスマルクめ」フフッ


五十鈴「大丈夫?」

長門「大丈夫か、提督?」

朗利「このままはさすがに辛い。早く席に連れてってくれ」

長門「わかった」

ズリズリ・・・・・・

朗利「ははっ、しかし とんだ海外の大物がまた流れ着いたものだな…………」

朗利「しかし、どうしてまた【海外艦】が…………まさか金剛が連れてきたというのか?」

大鳳「はい、実はそうなんです、提督」

朗利「なに?」

大鳳「原因はわかりません。ルイージ・トレッリの時と同じく【建造】で現れたそうです」メメタァ

朗利「何がどうなっているんだ? 建造リストが更新されたのか?」メメタァ

朗利「だが、戦力が増えるというのであれば一旦は置いてみよう。話はそれからだ」

大鳳「はい」


――――――なんかわからんが、この調子で戦力の充実を図るぞ!


GET! 戦艦:ドレッドノート(レア装備要員・周回要員)


戦艦:ドレッドノート(イギリス)1905/10/02 - 1923
ドレッドノート級戦艦
属性:【旧式艦】【海外艦】【イギリス艦】
改造:戦艦:ドレッドノート → 戦艦:ドレッドノート改 → 戦艦:ドレッドノート改二

実際の性能は言うまでもないが、第一次世界大戦よりも遥か前の超【旧式艦】なのでマジで弱い! どれくらいポンコツかは性能比較参照。

【秘書艦】を金剛(新たに【イギリス艦】属性追加)にして【建造】すれば、早々お招きできるだろう【海外艦】。
ルイージ・トレッリとは条件が異なり、金剛を【秘書艦】にしていれば無条件で【建造】の候補に入るのが特徴。
場合によっては、最初の【海外艦】が史実では駆逐艦よりも弱いと思われる旧式戦艦の女王陛下になるやもしれない。

とにかく弱い。超弩級戦艦が主力の大艦巨砲主義の時代の雛形にはなったものの女王陛下はただの弩級戦艦なので完全に行き遅れてしまっている。
ルイージ・トレッリとは違って、艦娘としての能力に期待するべきところはない。
その代わり、【弾薬】と【燃料】が極端に少なく 燃費が最高クラスなので艦種:戦艦であることに注意をすれば周回要員には使えるか?
一応、艦種:戦艦なので実際には搭載不可能な【46cm砲】のガン積みで手軽に【火力】を上げられるので装備次第では大きく化けられる。

それ以上に、ドレッドノートは彼女限定のレア装備を持っているのでそれが狙い目である。

イメージとしては、建造された当時は海洋帝国である大英帝国の凋落も始まっていない古き良き海軍時代であり、
その古臭さと時代遅れな印象からイギリス絶対王政の全盛期を収めたビクトリア女王の肖像画が意識している。
ただし、性格は自分以前の最新鋭艦を技術水準ではなくし、新しい概念で旧式艦と一蹴した経歴から傲岸不遜。どこかの世界水準と似たような感覚である。
相対的にその時代では大型艦だったことには違いないので、超弩級戦艦に比べてチビということにしてはならない!(提案)
しかし、ビクトリア女王をモデルにしているので母性の力強さと慈悲深さとユーモアのある古き良き時代の強い女性をイメージしている。
【クロスボウ】を持っているのはダジャレではあるが、実は艦娘:ドレッドノートの最強兵装であり、これがドレッドノートを育てる最大のメリット。
なお、この【クロスボウ】を装備すると長門が更に“ながもん”化する模様。


性能比較
さあ、どれだけドレッドノートが【旧式艦】のポンコツなのかを見てみよう! 
わかりやすく3つだけ比較。装甲や対空砲なんぞ時代に依存する要素なのだからこの際 無視。

敷島型戦艦:三笠 1899/01/24 - 1923/09/20:除籍 戦後、三笠公園となる
全長:131.7m|速力:18kt|主砲:30.5cm連装砲|
                    
ドレッドノート級:ドレッドノート 1905/10/02 - 1923:解体処分
全長:160.6m|速力:21.0kt|主砲:30.5cm連装砲|

金剛型巡洋戦艦:金剛 1911/01/17 - 1944/11/21:戦没
全長:219.4m|速力:30.3kt|主砲:35.6cm連装砲|

扶桑型戦艦:扶桑 1912/03/11 - 1944/10/25:戦没
全長:205.13m|速力:22.5kt|主砲:35.6cm連装砲|

天龍型軽巡:天龍 1917/05/17 - 1943/02/01:戦没
全長:142.65m|速力:33kt|主砲:14cm速射砲|

鳳翔型航空母艦:鳳翔 1919/12/16 - 1947:解体処分
全長:179.5m|速力:25.0kt||

高雄型重巡:高雄 1927/04/28 - 1048/10/29:海没処分
全長:203.76m|速力:34kt|主砲:20.3cm連装砲|

ビスマルク級:ビスマルク 1935/11/16 - 1941/05/27:戦没
全長:241.55m|速力:30.8kt|主砲:38.1cm連装砲|

大和型戦艦:大和 1937/11/04 - 1945/04/07:戦没
全長:263.0m|速力:27.46kt|主砲:46cm3連装砲|

島風型駆逐艦:島風 1941/08/08 - 1944/11/11:戦没
全長:129.5m|速力:40.37kt|主砲:12.7cm連装砲|


見て分かる通り、ドレッドノート以降の艦船が大艦巨砲主義まっしぐらなのがわかることだろう。三笠を追い越すでかさの駆逐艦…………
主砲こそはまだ重巡より大きく、弩級戦艦という概念そのものは革新的だったが、個艦としての性能はかなり微妙である。
というか、【艦これ】に出てくる主砲にはみんなサイズが合っていないのでマイナス修正待ったなし! 魚雷も戦艦の動きがトロいのでまるで中らない。
【艦これ】に実装されることは万に一つないだろうが、【旧式艦】としては頭一つ抜けた知名度なので選出してみた。




朗利「さて、戦力もそろそろ充実してきたんじゃないか? 主力の練度も【ユウジョウカッコカリ】で夢の三桁台に届くところまで来たぞ」

雷「司令官、私がいるじゃない! 私をもーっと頼っていいのよ?」ウルウル

朗利「ごめんな、雷。俺が不甲斐ないばかりに寂しい思いをさせてさ」ギュッ

雷「う、ううん! わかってる、司令官にとって今が一番大切な時なんだって」ギュッ

雷「でも、やっぱり寂しい……」

朗利「……俺もだよ」

朗利「今度の戦いは第六駆逐隊が先発することにしたから」

雷「そうなの! 久々の実戦ね! 司令官のために出撃しちゃうね!」

朗利「ああ。いよいよ【南方海域】にまで行こうかと思う」

朗利「だから、その前に西方海域の装甲空母姫を倒さないと」

雷「前に鎮守府を襲ってきたっていうあいつ?」

朗利「ああ。今度はこちらが攻めに行く番さ。第六駆逐隊には前哨戦で頑張ってもらうのさ」

雷「うん! 頑張る! もっともーっと頼って、ね?」

朗利「いい子だ。死ぬなよ」

雷「まかせなさい! 司令官のためにも必ずみんなで帰ってくるからね」

朗利「本当に頼んだぞ?」

雷「ホント、司令官ったら心配症なんだから」ナデナデ

朗利「ああ…………」


ドレッドノート「さて、司令官? 一緒に午後の紅茶でもどうかしら?」

朗利「そう言って、勝手に茶を飲んでいるのはどこのどなたですか?」

ドレッドノート「このわらわだが?」

朗利「………………」

ドレッドノート「昔と比べてホント今は便利になったもんだ。まっこと良きかな良きかな」

ドレッドノート「けれど、この世界は1つの大洋で繋がっている」

ドレッドノート「それ故に、人間以外の存在が海の支配者となった時、人間は死に絶える他ないのだな」

朗利「そんなことはさせませんよ」

ドレッドノート「なあ? 逆に海を捨てて生きていくということはできぬものか?」

ドレッドノート「『欲しいものがある』という思いから人は苦しむのだ」

ドレッドノート「ならば、その欲を捨てればみな助かるのではないか? 実に簡単な論理だと思うのだが」

朗利「それはできませんよ! そういうあなただって海の向こうからの資源の輸入で生き永らえているというのに」

朗利「それに、大陸の内陸国はわかりませんが、深海棲艦は沿岸部の攻撃だってしているんです。国土防衛のために戦わざるを得ません」

朗利「日本はイギリスと違って国土の大半が山岳地帯で、列島に限られた海に近い平野の中に人が集まっているのですから逃げようがありません」

朗利「だから、戦うしかないんです!」

ドレッドノート「…………なるほど」

ドレッドノート「しかし、やはり艦娘はそのための人柱ということなのだろうな」

朗利「!」

朗利「そんなこと、そんなことは――――――」

ドレッドノート「わかっておる。わらわも何となくだが自分の存在意義を掴みつつある」

ドレッドノート「だが、まさか半世紀足らずで時代の先駆けとなったわらわが今の駆逐艦にすら劣るとは思わなんだ」

ドレッドノート「はっは、まさしく潜水艦の的でしかなかったな、戦場のわらわは」

朗利「………………」

ドレッドノート「わらわも、艦娘として辛い現実に直面しておる……」

ドレッドノート「艦娘としてのわらわは大して使いものにならない――――――が、人間ならば身分を捨てていかようにも自分を変えられる」


ドレッドノート「わらわは初めて人間が羨ましいと思ったぞよ」


朗利「え」

ドレッドノート「わかるか、朗利よ?」


ドレッドノート「艦娘は兵器だ。それ以上でもそれ以下でもない。つまりはそれ以外のことができないのだ」

朗利「何を言って――――――だって、料理だってするし、音楽を嗜んだり、アニメだって見たりして本当に人間そのものですよ」

ドレッドノート「そんなものは士気を維持するためのもの――――――戦うために必要な手段だからこそ身につけていただけに過ぎぬ」

ドレッドノート「そうではない、そうでは! 本質的に艦娘は戦いに秀でてはいるが、人間そのものにはなれんのだ」

朗利「???」

ドレッドノート「例えば、艦娘は人型だが戦い方はまさしく艦艇だった時そのままの戦い方をしておろう」

朗利「ええ まあ……」

ドレッドノート「馬鹿な! 人間の姿形じゃないからこそ軍艦独自の戦い方が発達したというのに、」

ドレッドノート「それを引き摺るとは、いつの世も人というのものはライミーなのだな……」

朗利「ら、『ライミー』?」

ドレッドノート「まあ 無論、それに気づかない艦隊司令官もたいがいだが、それを不便にも思わない艦娘たちにも欠陥があるということだ」

朗利「そんなこと言わないでください!」


ドレッドノート「この大うつけが!」バン!


朗利「!」ビクッ

ドレッドノート「そなた、やはりまだまだ青い! 『“優しさ”は優しさの中にしか無い』という思い込みからいつになったら覚めるというのだ!」

ドレッドノート「そなたにとっての艦娘にしてあげられる最大限にして最低限の努力とは何だ?」

朗利「――――――沈ませないことです」

ドレッドノート「よろしい、正解じゃ。よほど追い詰められてない限りはその場の勝利に固執することはない。戦略的に勝っていればよいのだ」

ドレッドノート「わかっておるな?」

朗利「はい」


ドレッドノート「なら、そなたも目覚めよ。今のままでは『心は純真だが空回りしてばかりの優しいばかりの無力な優男』でしかないぞ?」

朗利「なら、どうすればよいのですか?」

ドレッドノート「簡単なことだ、朗利よ」


――――――本当の親になりきれ。子の健やかな成長のために何だってする覚悟を持て。真の優しさはそこにのみある!


朗利「………………!」

ドレッドノート「わらわが艦娘の部分を除いて残ったものがこの母性だけじゃ」

ドレッドノート「母性といえば、巣立つのを見守るものだと想像するかもしれぬが、旅立てるように厳しく躾けるのも母性ぞ」

ドレッドノート「ただ優しい眼差しを向けるだけじゃなく、子がまっとうな道を進めるように手取り足取り教えてやることも親の務めよ」

ドレッドノート「そなたがやっていることはただ単にその日その日の機嫌取りをしているだけ――――――」

ドレッドノート「艦娘は成長しないからそれで通用しているが、人間の子相手にはおそらくは通用すまい」

ドレッドノート「人間の子はたちまち そなたの愛情を愛情とは知らずに食い物にして肥えた豚にしかならんだろう」

朗利「…………え」

ドレッドノート「そなたが人間として歳を重ねて変わっていこうとも艦娘たちは【旧式艦】になろうがずっとそのまま――――――」

ドレッドノート「そうなったら、そなたという一人の人間の成長などどうして見込めようか?」

ドレッドノート「そして、そなたが去った後に鎮守府に残されるのは、そなたを抜きにしたら戦うこと以外 何もできぬ人形の群れよ」

朗利「…………『自分はそうではない』とでも言うのですか?」ギリッ

ドレッドノート「わらわは、そなたにはより高みに至り より多くを救って欲しいから、こう言うのだ」


ドレッドノート「そなたはいつまでも艦娘たちの提督ではいられんのだぞ? そのことを自覚しておくべきなのだ」


朗利「…………!」

ドレッドノート「親はいつまでも子を養っていてはいかんのだ。それでは子はいつまで経っても親離れできん」

ドレッドノート「そなたは艦娘を人間として扱っているのならば、人間らしく子の成長を促さずして何が『人間』か!」ガン!

ドレッドノート「それとも、そなたは艦娘が成長しない都合の良い永遠の童女とでも思っておるのか? それこそ『人形』ではないのか?」ジロッ

朗利「!」

朗利「ああ………、実にその通りでしたね」ガクッ

ドレッドノート「わかってくれたようで何よりだよ」

ドレッドノート「やはり、艦娘は深海棲艦と戦うことはできても戦略はできぬ。多くを救うのはやはり人間である提督たちの采配ぞ」

朗利「さすがは女王陛下…………」

                                                                                サダメ
ドレッドノート「そう、それが誉れ高きドレッドノート――――――1つの時代を切り拓いてひっそりと歴史の表舞台から消えたわらわの運命」


ドレッドノート「それが人間によく似た器を持って生まれ直しても、結局は次代に思いを馳せるのが仕事の老いた母親のようなものか」

朗利「………………」

ドレッドノート「忘れるなよ? そなたは優しいが、優しいが故に大局を見誤ることがあったはずだろう?」

朗利「うっ…………(――――――ビスマルクの時だ)」

ドレッドノート「そう、だからこそだ。だからこそ――――――、」


ドレッドノート「――――――わらわのものになれ!」


朗利「――――――断る!」


ドレッドノート「即答か。つれないな」フフッ

朗利「確かにあなたは優れた知見の持ち主です。気に入りました。特別に鎮守府に置いといてあげましょう」

朗利「妖怪:紅茶おいてけ の相手もできることですし、本物のレディの修養なんかも受け持っていただければなおいいですよ」

朗利「けれど――――――、やっぱり諦めてなかったんですね! 困りますよ、それ!」

ドレッドノート「何を言うか! わらわの騎士になれば、わらわが手取り足取り身も心も立派なわらわの騎士に生まれ変わらせる自信がある!」

朗利「いや、いいですって! 何か危ない雰囲気を感じるので!」

ドレッドノート「まあ、そう遠慮することはない。近う寄れ」

朗利「いやです!」

ドレッドノート「ならば こうしよう」

ドレッドノート「わらわの手並みに不安を持っているのだろうから、わらわが直々に艦娘を立派な淑女に仕立ててやろう」

ドレッドノート「どうだ? その成果を見れば、疑念も晴れることだろう」

朗利「そ、外堀を埋める作戦ですか、それは……?!」

ドレッドノート「そなたの了解など要らぬぞ。優しいだけのそなたは愛する艦娘たちの頼み事を断ることはできまい?」ニヤリ

朗利「や、やめろおおおおおおおお!」

ドレッドノート「ふふふ、どちらに転ぼうがそなたは真の優しさを持つ紳士となるか、わらわの騎士となるか――――――、」

ドレッドノート「まさしく『二つに一つ』というものじゃな?」

朗利「なっ…‥!?(さ、さすがは二枚舌外交のエゲレス! 汚い! さすが汚い! 世界史の教科書で最も吐き気を催す邪悪!)」

朗利「(だ、だが、提督の俺が艦娘よりも格下に見られるのは癪だが、――――――そうだよな。艦娘には提督が必要だ)」

朗利「(けれど、逆を言えば『艦娘は艦娘だけでは生きられないようにできている』ってことなんだよな、それはつまりは)」

朗利「(――――――兵器だもんな。人間よりも遥かに強い兵器が自由意志をもって暴れだしたら人間としては為す術がない)」

朗利「(認める他ないか。確かに女王陛下は俺を真に想って自らの存在意義に戸惑いながらも忠告をしてくれた。なら――――――!)」

朗利「いいですよ! やれるもんならやってみてくださいよ!」

朗利「ただし、艦娘たちは私が日頃 誠心誠意を込めて接してきましたから、簡単にはあなたには靡かないでしょうがね!」

ドレッドノート「ふふふ、良くぞ言ってくれた、司令官よ」

ドレッドノート「平和が一番ではあるが、やはり競争相手がいなければ衰えるというものよ」

ドレッドノート「後で驚くが良い。わらわの教鞭の冴えを!」

朗利「どうぞどうぞ! その間に私は【カスガダマ沖】の制圧をしておきますんであまり邪魔しないでくださいね」サッ

ドレッドノート「ああ。行ってくるが良い。そして、必ずや――――――、」フフッ


――――――暁の水平線に勝利を刻んでくるのだ!



朗利「さて、Extra Operation以外では初めての【ゲージ破壊】だな(現在は利根たちのために【勲章】集めにまた行って手慣れたものだ)」メメタァ

朗利「まさか、いよいよ西方海域の最深部まで来ることになるとはな…………」

朗利「だが、これを制して初めて俺たちは更なる高みに進める!(ま、司令部のみんなからすれば今更な通過点だけどさ)」

朗利「けど、司令部はそんな俺をモニターに選んでくれたんだ。俺は俺として今まで通りの考えとやり方でやらせてもらうよ」

朗利「よし! 愛月提督! 準備はいいか! キラ付は終わったか? 【バケツ】や資源の備蓄は十分か?」メメタァ

愛月「はい! 前哨戦:第一艦隊 第1陣、出撃です!」

朗利「さあ、行って来い! まずは前哨戦を夜戦で制す!」

ビスマルク「あ、始まったのね、ついに」

朗利「ああ。まずは前哨戦:装甲空母鬼を三度潰す!」

朗利「すぐに終わるとは思えない。長期戦は必至だ。長い一日になるだろうから覚悟はしておいてくれよ?」

ビスマルク「当然よ。それぐらいの心の準備はしてきてあるわ」

朗利「さすがだな」

ビスマルク「私はビスマルクよ。泣く子も黙るあの鉄血宰相の名を戴く誉れ高き最強戦艦!」

ビスマルク「私がしっかりしないとアドミラールは何もできないんだから、むしろ私の士気が保つようにしっかりともてなしなさい」

朗利「…………台無しだ」

愛月「さあ、会敵しました! 陣形は――――――ん、司令官?」

朗利「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ…………」ブツブツ

朗利「(本当ならこんなところにまで艦娘を送り込んでいることに罪悪感を覚えないわけじゃない……)」

朗利「(怖い思いなんかさせたくないんなら、こんなところに出撃させずにずっと近海で資源回収さえしていればいいんだ)」

朗利「(それに、他の鎮守府の連中がすでに何万回も制圧した海域なんだ。俺がやらなくても他がまたやってくれるのはわかっている)」

朗利「(けれど、それじゃダメなんだ! 戦うのは艦娘で傷つくのも艦娘だけど、その責任を最後まで提督である俺は背負わなければならない!)」

朗利「(俺はその責任から一度は逃げ出そうと思ったぐらいだ。――――――そして、残されるのは自分たちだけでは何も変われない艦娘だけ)」

朗利「(けど、今度は違う! 戦う準備も覚悟も決めてきたんだ)」

朗利「(なら、ここで俺たちの力を証明して海の向こうへ渡る権利をいただくまでだ!)」

朗利「戦闘指揮は任せる。いいかげん俺も戦術の勉強をしておかないとな。参考にさせてもらうぞ」

愛月「あ、はい!」ビシッ

愛月「では、陣形は――――――」

朗利「(新米だった愛月提督もすっかりと戦闘だけはベテランの仲間入りか。俺も負けてられないな)」

朗利「………………………………ビスマルク」チラッ

ビスマルク「?」


――――――これが俺たちの夢を叶える第一歩だ!


――――――第6話Z-1 海上封鎖を突破せよ  -世界は1つの大洋で繋がっている- 遭遇編 完

      Next:第6話Z-2 海上封鎖を突破せよ  -世界は1つの大洋で繋がっている- 攻略編 に続く!




陣営紹介Z:拓自鎮守府
朗利提督/朗利園長
駆逐艦や潜水艦をこよなく愛するアレな趣味を持つ提督であるが、紳士なので愛でること・見守ること・支えることに終始している。
一応は正真正銘のガチペドロリコンなのだが、自分の劣情を擦り付けるよりもふれあう中で得られる温もりのほうが上に来る こども好きである。
とにかくロリっ娘の確保が最優先なのでドックは駆逐艦や潜水艦で埋まっており、攻略は少数精鋭の固定メンバーで行われている。
それ故に、攻略進度は4人の提督の中では最も遅く、未だに【南方海域】に進出していないし、イベントマップに参加すらしたことがない。
自らが犯した過ちによって、最悪の事態にまでは至らずともトラウマになって後任の提督を喚んで全てを放り投げようとしていたが、
清原提督の慰問によって【艦これ】への情熱を取り戻し、後任として喚んだ愛月提督と一緒になって再び楽しくプレイしている。

自分の趣味と鎮守府の経営の両立に精を出して、独自の補給路を確保して得意の菓子作りで人々を魅了する。
明らかに艦隊指揮よりも兵站管理などの後方支援に向いている人物なのだが、艦娘に慕われる前提条件である提督を辞めるわけにはいかない。
朗利パークという大型艦寮を取り潰して駆逐艦・潜水艦寮を拡大併合した娯楽施設を建てており、そこの園長を務めている。
聞いて分かる通り、重巡のお姉さんたちが嫌いで、ついでに赤城と加賀に対しては資源を喰われまくった恨みから顔も見たくないようである。
しかし、必ずしも駆逐艦だから愛でるのではなく、わかりやすく言えばガキっぽい幼稚さが残る娘が好みであり、それを眺めているのが好きであり、
その性質は娘の成長を暖かく見守っている父親のそれであり、もちろんロリ体型の娘も好きだが一番大切にしているのは心――――――純真さである。
しかしなのか、当然なのか、そういうわけで艦娘を本質的に子供扱いしているので恋愛感情には疎く、性愛ではなく家族愛と受け取っている朴念仁である。
本人は第六駆逐隊の雷と【ケッコンカッコカリ】したがっているのだが…………
【大型艦建造】限定のビスマルクと大鳳がいて、これまで大鳳だけで航空戦を凌いできた点から見ても、相当な幸運の持ち主である。


戦艦:ビスマルク
朗利提督と最後の【ユウジョウカッコカリ】を結んだドイツの【海外艦】であり、朗利提督の“嫁”とも言える立ち位置である。
朗利提督にとっては貴重な【高速戦艦】であるだけじゃなく、凄まじく好みの娘(愛でる対象として)なので打算的な意味合いもあって特別視してきた。
しかし、実際には精鋭たちと比べると戦力として当てにはしても“手の掛かるからこそ愛おしい娘”という認識が朗利提督から抜けておらず、
一人の女性としては別に愛されてはいない――――――が、二人で交わした約束によって精鋭たちとも違った特別な関係になろうとしている。

作品上の役割は朗利提督に海外への興味を持たせるための存在であり、何よりも朗利提督のもろ好みの艦娘なのでご贔屓にさせていただきました。
趣里鎮守府の石田提督からはレーベとマックス共々評価は低いが、そんなの関係ない! 結局は心の美しさで朗利提督は愛でているのだから!
しかし、艦娘で最初の改三かつ【雷装】が実装された誉れ高い艦娘でもあり、今後の活躍に期待が高まる。


長門、大鳳、五十鈴、天龍、龍田
朗利提督をこれまで支えてきた精鋭たちであり、なんだかんだいって朗利提督に絶対の信頼を寄せている。
天龍と龍田は前線ではなく、遠征部隊として資源確保に日々 貢献しており、補給を第一に考えている朗利提督からは大切にされており、
実は二人に振舞っている三時のおやつは同僚の五十鈴の分より割増となっている。
みんながみんな 面倒見がよい性格であり、これまでの苦境も共に乗り切った仲なので、
彼女たち精鋭に限って言えば朗利提督は“同格の存在”と見ている(パークを一緒に支えてくれる“おねえさんたち”という認識だが)。


駆逐艦:雷
拓自鎮守府の真の支配者。“ロリお艦”として圧倒的な包容力を持っている朗利提督の力の源である。
しかし、朗利提督の自信喪失から始まった愛月提督への交代劇によって出撃がめっきり減って、
朗利提督も部下を持ってあれからずっと忙しくなっているのでかまってもらえない。


z:愛月提督
自信喪失していた朗利提督が後任として司令部に用意させた新米提督である。
しかし、その実態は『胸を寄せてあげられる』ぐらいのクレイジーサイコレズの変態淑女であり、紳士協定によって押さえられているが、
朗利提督の後任として選抜されるだけのことはあり、その内面は非常に気持ち悪いもので満たされている。ガチペドロリコンではないのが大きな違い。
ただ、先輩紳士である朗利提督がまじめに仕事をやっているのでそれに倣い、生来は控えめな性格なのでよほどのことが無い限りは紳士淑女として振る舞う。
愛月提督は朗利提督とは違って自分で戦闘指揮をとっており、その点ですでに朗利提督よりも戦闘指揮官としては優れている。
初期艦に【海外艦】のZ1とZ3を選んで、朗利提督の指導の下で新人教育を受けており、着々と実績を重ねていっている。
朗利提督の後任なだけあり、激レアドロップ艦である瑞鳳や阿武隈を引き当てるだけの幸運の持ち主である。

ちなみに、朗利提督と愛月提督のリアルのプレイ状況を言い表すと、『1つのアカウントでベテランとビギナーが2人で仲良く分担プレイ』である。


z:戦艦:金剛
洞庭鎮守府の金剛とは違い、愛月提督が妹の比叡の味方ばかりして追い掛け回されているので辟易してあまりBURNING LOVEできないでいる。
紳士淑女の集いである拓自鎮守府なのでやっぱりその手の話題に敏感な彼女の存在は非常に扱いやすく、出番が多い。

【イギリス艦】の属性が新たに追加されて、【秘書艦】にした時に【イギリス艦】を【建造】できるようになっている。
その中の候補として戦艦:ドレッドノートがおり、彼女が居るか居ないかで【海外艦】の獲得に大きな差が出るのでますます需要増加!
【海外艦】属性がないのがミソであり、【イギリス艦】だけを狙って【建造】する場合は非常に重宝する。



第6話Z-2 海上封鎖を突破せよ  -世界は1つの大洋で繋がっている- 攻略編

――――――カスガダマ沖


装甲空母鬼「――――――!」ゴゴゴゴゴ

長門「これは多くの同胞たちの分! これで終わりだ!」ドーン!

装甲空母鬼「!!!?」チュドーン! ――――――轟沈!

長門「…………やったな」

w:愛宕’「うふふっ」

X:赤城’「まずは1勝ですね」

大鳳「まだまだ先は長いですね」

雷「そのまま制圧できればいいんだけれどね……」

電「けど、勝つことができたのです! この調子でどんどん行くのです!」

――――――
朗利「………………撃沈したか。通算5回目の出撃でいったか」メメタァ

X:加賀’「快調ですね。当然です、みんな優秀ですから」モグモグ

ビスマルク「そうよ。今の私たちに敵はないわよ!」モグモグ

ドレッドノート「ええ。司令官なら必ず勝てるわ。――――――あ、金剛さん? そろそろスコーンが無くなるのだけれど」ゴクゴク

金剛「はい、ドレッドノート様。さあ、比叡! どんどん持ってくるのデース!」ゴクゴク

比叡「ひ、ひえええええええ!」ドタバタ

朗利「そうだな。さすがは司令部の精鋭たちが擁する艦娘たちだ。練度も高いし、装備も一級品だからホント助かる」

朗利「(だが、どうしてこいつらは司令室で呑気にティータイムなんてしているのだろう?)」

愛月「ですが、【派遣】された艦娘は1割ぐらい修理・補給の費用が掛かるのが難点ですよね」メメタァ

朗利「それに、【出撃】を繰り返せば疲労もたまってキラ付作業をしなくちゃならなくなるし、【派遣】には経験値が入らないから旨味がない」メメタァ

朗利「だから、高い謝礼を払って赤城と加賀の二人揃えたのは疲労を抑えて少しでも回復させて安定させるためなんだが――――――、」メメタァ

朗利「ビスマルクに、加賀さん? そろそろ第一陣の疲労度を回復させるために交代してもらいたいんだけど大丈夫かな?」メメタァ

X:加賀’「いよいよ出番ですか。見ていてください、朗利提督。菓子の御恩は必ずお返しいたしましょう」

朗利「いや、艦隊指揮は愛月提督がやってるから今の俺は園長か司令官と呼んでもらいたいのだが」

ビスマルク「そう、ようやくね。見てなさい、アドミラール! このビスマルクが華麗に決めてあげるわ!」

朗利「おう、気をつけるんだぞ」

朗利「――――――死ぬなよ」

ビスマルク「……当然よ!」

愛月「………………いいな」

ドレッドノート「ほう……」

金剛「ステキな二人の距離感ですネー」ドキドキ

朗利「よし、暁と響! 交代だ。帰還した雷と電から装備を交換したら出撃だ!」ガチャ
――――――


――――――そして、通算19回目


ビスマルク「落ちなさい! Feuer !」ドーン!

装甲空母鬼「!!!???」チュドーン!  ――――――轟沈!

鳳翔「やりました! 三度目の撃破を確認!」

ビスマルク「あたりまえじゃない。良いのよ? もっと褒めても。なんてったって私はビスマルクなんだから」

響「勝利か。いい響きだな。けれど、私たち第六駆逐隊の役割はここまでさ」

暁「ええー!? 暁の出番が結局 無かったじゃない! 今日の大破担当だなんてイヤぁ!」

X:加賀’「お疲れ様です。見事な作戦指揮でした。さすがは拓自鎮守府です」

w:愛宕’「装甲空母鬼に襲撃されたあの日から本当に強くなりましたね」ニッコリ

――――――
朗利「よし!(比較的少ない回数で行けたんじゃないか? それでも19で前哨戦が終了か……)」グッ

愛月「ついにここまで来ました!」

愛月「全艦 帰投してください!」

艦娘たち「おお!」

X:赤城’「スイーツ美味しいです! 感動です!」バクバク

ドレッドノート「で? どうやら深海棲艦の親玉が変態したようだけどどうなるんだい?」

朗利「これを見てくれ」


敵東方中枢艦隊(輪形陣)

装甲空母姫  |浮遊要塞B
浮遊要塞C   |駆逐二級elite
駆逐二級elite |潜水ヨ級flagship



長門「ガラリと布陣が変わったな」

朗利「相手は持久戦の構えだ。装甲空母姫さえ撃破できれば我々の勝利だが、それぞれ違った面で耐久力の高いクセモノ揃いだ」

朗利「特に、潜水ヨ級flagshipという攻撃しづらい上にとてつもない装甲強度を誇るこいつの存在が難関だ」

朗利「この海域は艦隊編成の指定が厳しいわけだから、最短ルートのAFGを突き進める駆逐艦:2と重巡:1の編成を変えるわけにはいかない」メメタァ

朗利「となれば、残った3隻の編成だけが自由になるわけだが、G地点の敵空母機動部隊のことを考えると正規空母は不可欠だ」



朗利「だが、残り1回で相手を倒すだけならば、実は俺たちには海域突破の最強の切り札があるわけだ」

愛月「え? そんなものがあるんですか?」

長門「おお! まさか【あれ】か!」

朗利「さすがは我が鎮守府の精鋭:ビッグ7だな。よく覚えていてくれた」

金剛「――――――【あれ】?」

比叡「【あれ】って何でしょうね、お姉さま?」

ドレッドノート「さてさて?」

朗利「そう、今回のように距離が短い上に火力重視の編成を一度だけ叩き込めばいいところまで来ているのだから【あれ】を使っても罰は当たらない!」


――――――【お守り/航海安全】


長門「出た! これなら艦隊編成なんて関係なく海域を突き進めるようになるぞ!」

愛月「え、ええええええ!?」

金剛「My Principal ! そんな便利なものがあるんだったらどうして最初から使わなかったのですカー?!」

朗利「さっき言っただろう」

ドレッドノート「まあまあ 司令官や。深海棲艦の【戦力ゲージ】とやらは自然回復しないことだし、ここは余裕を持って対処せよ」メメタァ

朗利「女王陛下がそういうのでしたら…………」


朗利「まあ、要するにだ」

朗利「我々がこうして現在、西方海域を制圧しようとしているのは大本営からの指令でもあったことだ」

朗利「けれど、以前に鎮守府に装甲空母姫が襲撃してきた時はこうして立ち向かえるだけの戦力を擁していなかった――――――」

朗利「だから、戦略レベルで燃料を投下してボス級深海棲艦を焦熱地獄に叩きこむしか手段がなかったのだが、」

朗利「たかが1隻の敵相手に戦略レベルでしか対処できない我が鎮守府の脆弱さを反省して、それからは戦力増強に励むようになった」

朗利「言わば、今回の戦いは我々の艦隊がどこまで通用するかを見るための試験であり、前哨戦は正規の手段で挑ませてもらった」

朗利「そして、前哨戦に我々は勝った。我々の実力は十分に通用するところまで至ったという結論が得られた」

朗利「最後に、このゲーム屈指の難敵とされる深海棲艦が相手でもすでにこちらとしては目的を達成しているので、」メメタァ

朗利「まじめに戦って戦略レベルで資源と時間を浪費する必要もないので、今度は全力でサクッとクリアしようというわけである」メメタァ

朗利「理解出来ましたか?」

比叡「な、なるほど……」

金剛「Oh! 実に果断なJudgeデース!」

ドレッドノート「うむ。勝利することだけを求められているのならば、不必要な犠牲や苦労・手間暇をかけずにさっさと陥落させるのが賢いやり方さね」

X:赤城’「まさか、あの時の【お守り】の他にそんな効果のものがあっただなんて驚きです」バクバク

朗利「というわけで完全な羅針盤ルーレットになるが、自由な編成で装甲空母姫を討ち取りに行くかを愛月提督が決めてくれ」メメタァ

愛月「わ、私ですか!?」

朗利「そうだとも。他に誰が艦隊の指揮権を持っているというのだ? 今の俺は参謀だぞ?」

愛月「えと…………」

ドレッドノート「なあに、試行回数さえ重ねればいずれは辿り着くという話なのだろう? だったら 迷うことはないじゃないか」

ドレッドノート「そのための備えだって十分にしてきたのだろう?」

愛月「そ、それもそうですね」

愛月「わかりました。鎮守府司令官の提案を採用します」

朗利「そうか」

ドレッドノート「よしよし」


朗利「――――――女王陛下?」

ドレッドノート「何かな、わらわが愛する騎士よ」

朗利「いえ、女王陛下の騎士になった憶えはありませんが、一言 言わせてください」

朗利「確かに女王陛下の指摘はもっともです。その慧眼には感心するばかりでありますが――――――、」


朗利「司令室に勝手に乗り込んできて優雅にティータイムを長時間満喫して高みを見物をしておられる女王陛下が言うことじゃないと思いますが」


ドレッドノート「何を言うか。光栄に思うがよい。わらわがここまで付き合っていることはそなたにとっての誉れなるぞ」

朗利「いいえ、気が散るのでやめてください。今回ばかりは普通に邪魔です。さすがに司令室から出てってください」

朗利「戦場に送り出した艦娘たちの安否で心穏やかじゃないのに、呑気に紅茶を飲んで楽しんでいるところを見せつけられると無性に腹が立ちます」

朗利「というか、洞庭鎮守府の赤城さん 赤城さん? あなたもずいぶんと遠慮を知らないとんだ大食いですね。腹が立ってきたぞー?」ニコニコー

朗利「いや、そういえば加賀さんも大して変わらない勢いだったような…………(やっぱり正規空母なんてやつは大食らいの害悪だよ!)」イライラ

ドレッドノート「心に余裕を持て、朗利よ」

朗利「いや、時と場合によるでしょうが!」

ドレッドノート「部下のことを我が事のように思っているのは感心だが、司令官と提督は交代しているわけじゃないのだから休憩を入れるべきだね」

ドレッドノート「相手が自然回復しないことはわかってるんだし、一旦は緊張を解して改めて気を引き締めて臨んだほうが断然 良い結果になると思うが?」

朗利「…………!」

愛月「そ、そうですね。艦隊編成や消費した資源や【バケツ】の確認もしておきたいですし」

愛月「それに、【出撃ドロップ】した艦娘にも挨拶をしておきたいので」メメタァ

愛月「では、秘書艦:比叡」

比叡「はい!」

愛月「私はしばらくこの場を離れますが、何か動きがあったら知らせてください」

比叡「わかりました、提督!(提督と司令と司令官ってどう違うんだか、よくわからないけど区別されているんだからそう呼ぼう)」

金剛「お疲れ様デシタ、提督ぅー! それに園長!」

朗利「まだ戦いが終わったわけじゃない。気を緩めすぎない程度に休んでから作戦を再開するぞ」

艦娘たち「了解!」


スタスタスタ・・・・・・



ドレッドノート「そう、それでいい。急いだところで何かが変わるわけじゃないからね、この戦いは」ゴク

朗利「女王陛下、艦娘でありながらこれほどの心配りができるとは恐れ入ります」

ドレッドノート「艦娘として何もかもが終わっている【旧式艦】であることを自覚するようになったら自然と見方が変わっただけさ」

ドレッドノート「元々の教養や考察があったからかもしれないのだろうけれど、とにかく他にできることを模索した結果だろうね」

ドレッドノート「少なくとも今のわらわは人間の盾となるべき兵器から逸脱した存在のように振舞っているのかもしれぬ」

ドレッドノート「無自覚ながら、今のわらわは本当に艦娘なのか疑わしい境地に入っているようだ」

朗利「これからもどうかお力をお貸しください」

ドレッドノート「いいよ。わらわが予期したとおりにそなたは自分からわらわの許に来るようになることはわかっていたから」

ドレッドノート「どうじゃ? 今度こそわらわのものにならぬか?」

朗利「それだけはお断ります」

ドレッドノート「相変わらず頑固な男よな」

朗利「そういう女王陛下こそ、いまだに私のことを見限ろうとはなさらないのですね」

ドレッドノート「当たり前だ、大うつけ」

ドレッドノート「そう簡単に切り捨てられるほど安い人材に現抜かすほどこの目は腐ってはおらんぞ」

朗利「…………そうですか。少しばかり嬉しいものがありますね」

ドレッドノート「いや、歓喜が足りぬぞ。このわらわがそなたのことを褒めそやしているのだ。並大抵のことではないということを自覚するがよい」

朗利「実感が湧きませんがね(やっぱり、老いていようが戦艦は戦艦だった。相変わらず態度がでかいな、おい!)」


ドレッドノート「そうだ、朗利よ。【これ】を託そう」ボン!

朗利「――――――愛用の【ボウガン】ですか? いいのですか?」

ドレッドノート「そう。どうも潜水艦1隻に恐れをなしているようだから、この【ボウガン】を戦艦の誰かに持たせてやるといい」

ドレッドノート「いや、戦艦じゃなくとも潜水艦よりも大きい艦なら誰でもいいのだがな」

朗利「魚雷や爆雷でもないのに、こんなんで潜水艦が倒せるんですかね? しかも相手はflagship級なのに?」

ドレッドノート「関係ない。当たって砕けるだけのことよ」

朗利「え……?」

ドレッドノート「まあ、艦娘ならば触れた瞬間にどう使うべきものなのかはすぐにわかると思うんだけどね」

ドレッドノート「そして、【旧式艦】のわらわよりも今の艦娘のほうが上手く扱いこなせよう」

朗利「…………大鳳のクロスボウとはずいぶん仕様が異なるようだけど、【ボウガン】なんかで何かが変わるのだろうか?」

ドレッドノート「わらわの【ボウガン】はちょっとばかり特別製でな? 今はなき【旧式艦】ならではの戦いができるようになるぞよ」

朗利「は、はあ…………(何だろう? その『【旧式艦】ならではの戦い』って…………)」

ドレッドノート「さあ、行くがよい。わらわはここで紅茶を飲みながらゆったりと見張っているから」

朗利「わかりました。女王陛下も十分に息抜きをなさってください(うわっ重てぇー! やっぱり鉄の塊なだけあるな…………)」

ドレッドノート「うん」

スタスタスタ・・・・・・

ドレッドノート「………………」ゴクリ

ドレッドノート「ねえ、比叡さん?」

比叡「あ、はい!」ビシッ

ドレッドノート「そなたは【ラムアタック】というのをご存知かしらね?」

比叡「え? 何ですか、それは?」

ドレッドノート「ふふ、それはだね――――――?」
――――――



――――――戦闘再開:通算28回目 -ボス最終形態-


装甲空母姫「――――――!」

長門「ま、まさしくギャンブルであった…………」ゼエゼエ

ビスマルク「で、でも、ハズレを引いた時は即時撤退なんだから消耗が最低限なのはいいことよ……」メメタァ

w:愛宕’「いやーん!」アセタラー

大鳳「ここからが正念場です! みなさん、気を引き締めて!」ビシッ

X:加賀’「これでこの戦いを終わりにしましょう(ここでMVPをとって朗利提督からスイーツ券を更にいただく!)」ビシッ

比叡「ひええええええ! いくらお姉さまより先に改二になったからっていきなり前線送りだなんてぇ……!」アセアセ

――――――
金剛「これで確か28回目の出撃デシタネ……」

X:赤城’「こうしてまたカスガダマの装甲空母姫と戦うことになるとは思いませんでしたよ……」バクバク

ドレッドノート「ようやく辿り着いたようだね」

愛月「は、はい……、い、行けるもんなんですね。恐るべし、【お守り】の効果…………」

朗利「しかし、問題はここからだな。どれだけ装甲空母姫に攻撃が通るかだが……」

朗利「(ここまで来たのなら艦載機の消耗を考えると際どいが、何とかやってもらうしか他ない)」

朗利「(とりあえず、女王陛下のお墨付きの【ボウガン】をカットイン狙いの長門に持たせてみたが、特に何も起こらない)」メメタァ

朗利「(まあけど、ファングッズ補正なのか、いろいろと高い修正値が入っているから結構優秀な装備なのが憎いところだな)」メメタァ

朗利「女王陛下? 【あれ】は本当に役に立っているのでしょうか?」

ドレッドノート「ふふふふ、まあ見ていなさい」

朗利「………………」

朗利「(比叡は素の火力が高い戦艦で改二にまでなっていたから、急遽 愛月提督が投入を決断して旗艦として飛び入り参加だ)」メメタァ

朗利「(しかし、練度が他と比べて明らかに落ちるので火力は期待せずに、もっぱら支援要員として組み込まれている)」メメタァ


旗艦:比叡改二の装備
1,【大型電探/21号対空電探】
2,【お守り/航海安全】
3,【下賜品/表彰盾】
4,【大型電探/32号対水上電探】


朗利「いつ【32号対水上電探】なんていう超高級品の【開発】に成功していたんだ……(戦力増強期間に得られたものだし、別にいいけど)」

朗利「(それに、俺の艦隊の主力は【派遣】組が多いわけだから、【派遣】された艦娘は装備の変更ができない都合上、)」メメタァ

朗利「(なるべく汎用性が高く軸にしやすい攻撃特化の艦娘が【派遣】されやすいわけだから、支援要員はこちらで用意する必要がある)」メメタァ

朗利「(――――――別にいいだろう? 外来艦が主力であってもさ! フランスとかいう国では伝統的に外人部隊とかいうのが主力らしいし)」

朗利「(それに【友軍艦隊駐留】なんてしているわけじゃないし、こっちもきっちりそれ相応の準備はしてあるんだ)」

朗利「(使えるものは何でも使う――――――戦時中にイギリスがよくやった三枚舌外交なんてあるんだしさ)」

朗利「(弱いやつは弱いやつなりに知恵や技術を磨いて戦力差を埋める努力をしなくちゃいけないんだ! 皇国に必要なものとはまさにそれのはず!)」

愛月「では、艦載機の発進どうぞ――――――!」

朗利「……勝ってくれ!」
――――――


装甲空母姫「――――――!」

大鳳「くっ、さすがの耐久力です。辛うじて制空権を得ただけで敵艦隊への打撃は微々たるものです」

X:加賀’「さすがに手強いですね。もう二度と戦いたくないと思ってましたけど致し方がありません」ギリッ

長門「だが、そんなのはわかりきっていたことだ! これより砲撃戦だ! 全艦、この長門に続けぇ!」

ビスマルク「ちょっと! 私が一番なんだから私が言うべきところよ、今のは! 全艦、Feuer !」

比叡「旗艦は私で! 頑張るから! 見捨てないでぇー!」

w:愛宕’「主砲、撃てぇーいっ♪」

――――――
朗利「…………やはりあの“タコヤキ”、邪魔だな」ギリッ

愛月「くっ、このままでは攻め切れない…………最強の攻撃布陣を選択したのに?」

朗利「こうも【かばう】が発動するとな…………攻略してきた提督たちの苦労が偲ばれる」メメタァ

愛月「けれども、昼戦火力が安定している布陣ですので一撃で小破には追い込んではいます」

朗利「しかし、砲撃戦2巡目に入るのに撃破できているのが駆逐艦:2だなんてどうしようもない……」メメタァ

愛月「――――――撤退すべきでしょうか?」


ドレッドノート「いや、ここは自軍艦隊の被害状況からして大破した艦がいないんだ。恐れず戦闘続行だね。諦めちゃいけない」


金剛「What's !?」

X:赤城’「へ」

愛月「え」

朗利「…………提督、どうする?」

愛月「それは――――――」

ドレッドノート「まあ見てなさい。状況が混戦になった時にあの【ボウガン】が勝利をもたらすからさ」

朗利「え」
――――――


――――――我、夜戦に突入す!


長門「何とか浮遊要塞の1つは落とせたが、大鳳と加賀は置物と化し、旗艦:比叡は大破か…………」

長門「(どうする? 幸い、戦艦の私は小破ですんでいるし、ビスマルクも愛宕も中破だがまだ戦える)」

長門「(問題は、夜戦ではリストの上から順に交互に攻撃が行われるわけだから、【射程】の概念が意味を成さなくなる)」メメタァ


カスガダマ最終攻略艦隊の状況
戦艦:比叡 (軽微)    |戦艦:長門(小破)
戦艦:ビスマルク (中破) |重巡:愛宕(中破)
正規空母:加賀(無力化)|装甲空母:大鳳(無力化)


比叡「私! 頑張るから! 見捨てないでぇー!」

長門「(すると、夜戦では戦えない大鳳と加賀は5番と6番でいいが、2番手の私がここでカットインを決めないとマズイ!)」メメタァ

長門「(しかも、今回はあの潜水ヨ級flagshipを無視してボスの撃破を主眼においているからヨ級flagshipが完全に野放し――――――!)」メメタァ

長門「(な、何としてでも会心の一撃を装甲空母姫に直撃させてやる!)」←混戦中もあり、敵のリスト順なんて完全に忘れている

長門「…………ん?(何だあの海面から突き出ているものは――――――もしや!)」

長門「(そうだ! 今の私には何故か【対潜】が高い【ボウガン】が――――――!)」メメタァ

長門「よし! 行くぞ!」ザァアアアア!

ビスマルク「ちょっと長門?!」

大鳳「長門さん!? 単艦突撃するだなんて何を――――――!?」

長門「確か、あれはあの辺から――――――!」ジャキ! バァーン!

ヒュウウウウウウウウウウン! ポチャ!

長門「…………!」グイッ

長門「なるほど、ワイヤー付きとはありがたい! ビッグ7の底力を見せてやる!」

長門「うおおおおおおお!」グググググ!

長門「でやあああああ!(見ていてくれ、龍翔ショタ提督! 私はもっと強くなって必ず【破滅の未来】に希望をもたらしてみせるぞ!)」

ザバァアアアアアアアアアアアン!

ヨ級「!!!?」


長門「ビッグ7パァアアアアアアアンチ!」ドーン! ――――――【ラムアタック】渾身の右ストレート!


ヨ級「!!!!!?!?!?」ゴォオオオン! ――――――轟沈!

長門「っつう! さすがに装甲を砕くとなるとこちらもただではすまないか…………」ズキズキ

比叡「ひえええええ!?」

大鳳「今です、みなさん!」

X:加賀’「驚いている暇はありません! 砲撃を連続させてください!」

ビスマルク「これで残ったのは敵:2! しかも浮遊要塞も小破している今なら――――――!」

w:愛宕’「喰らいなさい!」



ドゴーンドゴーンドゴーン!


装甲空母姫「!!!???」 ――――――轟沈!

大鳳「やりました! 撃破目標、完全に沈黙です!」

ビスマルク「ちぃ、よそものに盗られちゃったわねぇ……」

w:愛宕’「うふふっ」

浮遊要塞「――――――!」

比叡「ひえええええ!」

X:加賀’「まだです! 敵残り1です!」

長門「まかせろ!」ジャキ!  ※夜戦に2巡目はありません

ビスマルク「あ……!」

長門「ふふふ! 今日の私は絶・好・調であーる!」シャッシャッシャッドーン! ――――――夜戦カットイン!

浮遊要塞「――――――!」チュドーンチュドーン!! ――――――轟沈!


長門「勝った! 西方海域 完!」ビシッ


ビスマルク「わ、私の見せ場がぁ…………(ちょっと何なのよ、最近の長門! みなぎり過ぎじゃないの!?)」ガクッ

大鳳「ビスマルクさん? 前哨戦の第2陣で大いに活躍してくれたじゃないですか? そこまで悔しがることは――――――」

ビスマルク「そんなの戦果のうちに入らないわよ!」

ビスマルク「飛び入り参加の比叡は支援要員として地味に活躍してくれたし、」

ビスマルク「【派遣】組なんて、いてくれなかったら作戦遂行自体が不可能だったんだし、」

ビスマルク「だいたいにして、あなた? あなたなんて第1陣も第2陣も全部出ていたじゃない! 大丈夫なの……?」

大鳳「大丈夫ですよ。――――――慣れてますから」ニッコリ

ビスマルク「んもー! 私だけじゃない! この決戦で何も倒してないの!」ムー!

ビスマルク「よりにもよって長門は、戦艦なのに潜水艦を釣り上げて倒しちゃったし、最後の最後でもう1体追加で倒しちゃったし!」

長門「まあまあ。勝敗は兵家の常なのだから、また今度 戦功を上げる機会を得ればいいさ」ドヤァ

ビスマルク「何その、勝者の余裕って感じの態度!」グッ

長門「ははははは、そういえば暁と似たような振る舞いをしていることに今更ながら気づいたな」

長門「“でかい暁”と言われているだけあって、なかなかどうして可愛らしいものじゃないか? なあ、みんな?」ニヤリ

ビスマルク「く、屈辱だわ……」

X:加賀’「まあ、ともかく西方海域の完全制覇――――――、おめでとうございます」

w:愛宕’「おめでとう♪ うふふっ」

長門「ああ! 我々の勝利だ! 勝鬨を上げろおおおお!」キラキラ

艦娘たち「おおおおお!」

比叡「旗艦は私なのにぃ……(提督、司令官……、私のこと見捨てないでぇー!)」イジイジ




――――――
愛月「カスガダマ島の装甲空母姫の撃破と敵艦隊の殲滅を確認…………」

朗利「やった、のか……?(う、嘘だろう?! 対潜装備無しでカスガダマ島の艦隊を殲滅――――――!?)」

ドレッドノート「任務完了おめでとう」パチパチパチ・・・

愛月「司令官!」

朗利「ああ! この戦い、俺たちの勝利だ!」


「おおおおおおおお!」パチパチパチパチ・・・・・・


X:赤城’「おめでとうございます、朗利提督に愛月提督!」パチパチパチ・・・

金剛「比叡もよくがんばりマシター! Sisterとして誇らしい気持ちデース!」パチパチパチ・・・

朗利「提督! 帰還報告を受けるまでが作戦だ! 次の指令を出せ!」

愛月「あ、はい!」

愛月「全艦、状況を報告――――――後に、鎮守府に帰還せよ!」

愛月「それじゃ、金剛。鎮守府にみんなにこの勝利を知らせてきて! 追って、迎えの艦隊を出すから出撃準備もさせておいて」

金剛「わかりマシタ! Wait a minute !」


タッタッタッタッタ・・・


ドレッドノート「どうだい? 役に立っただろう、私の【ボウガン】?」

朗利「何だったんですか、【あれ】は?」


ドレッドノート「【あれ】はね、【ラムアタック】だよ」


朗利「――――――【ラムアタック】?」

ドレッドノート「わらわが生まれる以前の前弩級戦艦と呼ばれる更に旧い艦には【衝角】というものが標準装備されていてな?」

ドレッドノート「さっきみたいに体当りして、それで浸水させたり、至近弾を食らわせたりと、海上でも白兵戦をやっていたわけさね」

ドレッドノート「そうでもしなければ、大砲を当てることすら難しくてな、大昔は」

ドレッドノート「そなたも拳銃ぐらい握ったことはあろう? それで10歩離れた相手の眉間に10発全て弾を中てることはできるかい?」

朗利「…………いえ」

ドレッドノート「わらわが革新的と言われたのは、斉射によって近づくことなく高い命中率で一方的に敵を攻撃できた点にあるのだ」

ドレッドノート「しかしながら、わらわは世界初の弩級戦艦ということでまだノウハウも培われていないからなかなか理論通りにいかずな……」

ドレッドノート「理論上は遠距離からの砲撃戦で敵を沈めるのだから、接近戦をしないわけだから【衝角】は取り払ったんだけれども、」

                     グレートウォー
ドレッドノート「皮肉なことにも、第一次世界大戦で【衝角】無しでわらわはな? ドイツのU-ボートを【ラムアタック】で沈めてな」


朗利「は、はあああああ?!」

ドレッドノート「おそらく わらわぐらいだろうな。この世で潜水艦を撃破した戦艦というのは。それがちょっとした自慢さね」フフッ

ドレッドノート「つまり、あの【ボウガン】はそんなわらわの戦歴を再現した装備というわけなんだろう」メメタァ

朗利「だ、だから、潜水艦よりも大きな艦ならば一撃で倒せたというわけですか(そりゃボクシングのヘビー級とフライ級以上の差だもんな)」

ドレッドノート「ま、それ以外には、記念すべき世界初の弩級戦艦だというのに大した戦績はないのだがな……」

ドレッドノート「それと実に下らぬ与太話にわらわが付き合わされたということぐらいか? わらわの持ち話は」

ドレッドノート「特にこれと言った活躍もないまま、戦後は民間に売り払われ、そこで解体――――――」


ドレッドノート「しかし、それで良かったのかもしれぬ。わらわが生まれておよそ10年はそれでも穏やかな時であった」

ドレッドノート「そして、グレートウォーも何だかんだ言って無事に生き延びて満足に退役したのだ」

ドレッドノート「――――――贅沢ものよな」

朗利「…………だから、寂しいんですか?」

ドレッドノート「まあね。わらわとしては、そなたの国で今も愛されている三笠が羨ましく思っておる」

ドレッドノート「三笠もイギリス生まれで、日英同盟時代に大英帝国から大日本帝国に下賜された艦であるからな」

朗利「そうだったんですか」

ドレッドノート「正直に言って、わらわは三笠が羨ましい」

ドレッドノート「前弩級戦艦でありながら、わらわよりも遥かに大切にされて今もその亡骸は残っているのであろう?」

朗利「はい。一度、見に行きますか?」

ドレッドノート「ああ。楽しみにしているよ」

ドレッドノート「それにそういう意味では、三笠と同じぐらいに同じイギリス生まれの金剛が羨ましい」

ドレッドノート「日本最初の超弩級戦艦でありながら、第二次世界大戦まで30年余りを主力として戦い抜いたのだ」

ドレッドノート「三笠ほどではないにせよ、日本人は本当にモノを大切にしてくれるな。――――――誇るがよい」

朗利「いえ、当時の事情としてはワシントン海軍軍縮条約で10年間は新造艦が造れないからそうせざるを得なかっただけで…………」

ドレッドノート「それでも! わらわよりも遥かに名誉ある軍艦としての生き様を華々しく貫けたのであろう?」

朗利「……はい」

ドレッドノート「どんな事情であれ、結果として未来に残されたものの価値は尊い。それが文化や伝統として国の誇りとなっていくのだ」

ドレッドノート「どうやらこれで祖国への道が開けたようだな」

朗利「確かに。これで喜望峰を回ることなく、運河ルートでイタリアに行けますね」

ドレッドノート「そこはわらわの祖国を言って欲しかったものだな、この大うつけめが」

ドレッドノート「それに喜望峰から回らねば、あんな狭い運河を進めるものか――――――あ、母艦と補給艦だけで十分だったか。艦娘だから」

朗利「え? 女王陛下も祖国へ行きたいのですか?」

ドレッドノート「当たり前じゃ。極東の地で肉体を持ったとしても、わらわの起源である祖国への望郷の念は捨てられん」

ドレッドノート「あれから1世紀もたったのだ。祖国があれからどうなったのか、気になるだろう?」

朗利「そうですか。女王陛下も遣欧使節作戦に参加――――――っと」カキカキ



ルイージ「おめでとう、提督。カスガダマ沖を制圧できましたね。これで喜望峰を通って大西洋沿岸の国々へと道が開けましたね」ニコニコ


朗利「おお、ルイージ! そうなんだよ!(――――――天使降臨!)」

朗利「けれども、運河や海峡を通れるかどうかは微妙なところなんだよな」

朗利「イギリス・フランス・ドイツにはこれで行けるようにはなったけれどもイタリアばかりはわからない」

ルイージ「そうで